令和8年4月23日(木曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【酒井主査】 定刻となりましたので、ただいまから第11回外国語ワーキンググループを開催いたします。
議事に先立ちまして、今週月曜日に岩手県三陸沖を震源とする地震が発生し、青森県八戸市で震度5弱が観測されました。被災をされました皆さま方に心からお見舞いを申し上げます。また、日向端委員においては今日ご出席いただきありがとうございます。市内では学校が再開されているという報道もありましたが、後発地震への警戒も続いている状況かと思いますので、どうかお気をつけてお過ごしいただければと思います。
それでは議事の内容に移りたいと思います。本日は評価の在り方、そして柔軟な教育課程、指導体制、環境整備等、多様な外国語を主な議題として審議を行います。議題が2つございますので、議題の間で休憩を挟みたいと思います。
本日も皆さま全員にご発言をいただきたいと思いますが、今回は特に議題が多いため、ご発言時間は1人2分程度でお願いしたいと思います。ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
それでは議題1に移ります。本議題は評価の在り方等についてです。まず事務局よりご説明をお願いいたします。
【田井外国語教育推進室長】 外国語教育推進室長の田井です。資料についてご説明いたします。
資料1は学習評価の在り方等についてでございます。全体ではこちらの部分でございます。
まず「学習評価の在り方」についてです。学習評価については、総則評価部会において、学びに向かう力・人間性等や高次の資質・能力の評価上の取り扱い、評価プロセスの整理などについて方向性が示されたところでございます。これを受け、本日は外国語固有の論点であり、今回の構造化に伴い整理が必要な事項についてご議論をお願いしたいと思います。
まず現状と課題について。総則評価部会において、学習評価のプロセスを再整理する方向性が示され、現行では学校において、内容のまとまりごとの評価規準、単元の目標、単元の評価規準を作成するところ、「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示し、学校による作成は不要とする。学校が作成する単元の目標は、そのまま評価規準となるようにするという改善が予定されております。
現行では外国語における「内容のまとまり」は、英語の目標である領域別目標に示す5つの領域としていますが、今回の構造化において、領域別目標の要素、内容に移行したことを踏まえ、整理が必要であると考えます。
具体的にはスライド5をご覧いただければと思います。国研の参考資料で示されている評価の大まかな流れを示したもので、下のオレンジ部分が各学校が行うプロセスになります。まず学校では、学習指導要領が示す目標と、国が別途示している評価の観点の趣旨との対応関係を確認します。次に学習指導要領の目標や内容、国研の参考資料が示す評価規準例を元に、内容のまとまりごとの評価規準を作成し、学年の目標と評価規準、単元の目標と評価規準を作成するというプロセスとなっております。
この点、整理後のプロセスについてはスライド6をご覧いただければと思います。各学校は、学習指導要領の目標や内容、国研の参考資料が示す内容のまとまりごとの評価規準例を参考として、単元の目標を作成すれば、それを単元の評価規準とすることが可能となり、先ほどの6つのプロセスが1つにスリム化されることになります。
再度スライド5にお戻りいただければと思います。現行では評価を行う際の内容のまとまりは、上の左から2つ目、英語の目標に示す5つの領域と整理をしており、右から2つ目の評価規準例の下に示しておりますように、5領域別に知・技、思・判・表、学びに向かう力の3観点を評価することとしております。一方、現行学習指導要領では、上の右から3つ目の個別の内容が5領域別に示されておらず、内容を元に評価規準例を作成しづらい構造となっております。この点、他の多くの教科では、学習指導要領の個別の内容が内容のまとまりごとに示されており、外国語固有の課題となっています。
再度スライド6をご覧いただければと思います。今回の構造化において、現行の英語の領域別目標の要素を個別の内容、上の左から3つ目に移行し、当該個別の内容で知・技、思・判・表を5領域別に、または5領域と関連させて示すこととしています。このため、他教科と同様、学習指導要領の内容を元に評価規準を作成することが可能となり、より評価しやすい構造になると考えます。
スライド7をご覧ください。構造化のイメージに照らすと、オレンジ色の部分を元に、各学校が単元の目標かつ評価規準を設定することとなります。その際、水色枠で示す5つの領域のうち、当該単元で主に扱う領域について設定することとなります。
先ほど申し上げました趣旨は、スライド3の右側に記載をしております。外国語の特質を踏まえれば、引き続き5つの領域で評価することが重要と考えられるところ、今回の構造化において、領域別目標の要素を「内容」に移行して整理したことを踏まえ、国が評価規準例を示す際の「内容のまとまり」は、「内容」に示す5つの領域とする方向で検討すべきではないか。また、各学校が単元の目標、評価規準を作成する際にも、「外国語の目標」「英語の目標」を踏まえつつ、「内容」をもとに作成する方向で検討すべきではないか。
なお、現行では領域別目標が資質・能力の3つの柱で整理されておらず、また「内容」が領域別に示されていないことにより、評価のプロセスがより複雑になっているが、構造化によりその点も改善されると考えるとしております。
なお、米印の部分でございますが、「内容のまとまりごとの評価規準例」や単元ごとの評価の実例は、別途参考資料の作成プロセスにおいて検討予定です。その際、引き続き知・技、思・判・表について、5つの領域をバランスよく評価するとともに、同一のパフォーマンステストなどで知・技と思・判・表を評価することも可能とする方向で検討すべきではないかとしております。
スライド8は、総則評価部会の資料を元に、外国語における資質・能力の関係性を整理したものでございます。左側が学習指導要領の内容に示す個別の資質・能力、右側が高次の資質・能力を示しております。
まず左下の知識及び技能は、音声、語彙、表現、文構造及び文法並びに言語の働きなどを理解し、言葉や意味の繋がりなどを踏まえて活用できる力と整理いたしました。言葉や意味の繋がりなどを踏まえての文言は、言語材料を単体で覚えたりするのではなく、話や文章の前後関係の中で活用できるという趣旨でございます。前回ご議論いただきましたコミュニケーション活動を支える活動の定義では、文脈などの中で活用できるとしておりましたが、文脈という言葉が社会的な文脈などを含む広い意味も持つ言葉であるため、言語使用の文脈であることを明確にする趣旨で、このような表現としてはどうかと考えております。これらの知識及び技能は、コミュニケーション活動を支える活動の中で育成するとともに、思・判・表を育成する活動、コミュニケーション活動の中で活用することにより、さらに深まっていくものと考えます。
左上の思考力・判断力・表現力等は、外国語によるコミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、コミュニケーションの目的を達成するために、聞いたり読んだり話したり書いたりできる力と整理しました。コミュニケーション活動の中で知・技を活用しながら育成していくものとしております。
コミュニケーション活動、コミュニケーション活動を支える活動を繰り返すことで、知・技、思・判・表がさらに高まった状態が、右側の総合的な発揮、統合的な理解です。それぞれ一番上の部分は、企画特別部会の資料の文言を記載しており、思・判・表は複雑な課題の解決に向けて、思考力・判断力・表現力等を組み合わせたり選んだりして総合的に働かせた姿、知・技は知・技が相互に関連付けられて一般化され、統合的な理解となった姿としております。
下の雲型の部分は、外国語の高次の資質・能力の文言を記載しております。思・判・表の総合的な発揮については、コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、様々な話題について、相手の考えなどを受け止めながら、情報や自分の考えなどを整理し、表現等を工夫して伝え合うことができ、相互理解を図ることができると、やり取りの例を入れております。知・技の統合的な理解は、知識を言葉や意味の繋がりなどを踏まえて組み合わせて使うことにより、英語による理解や表現の質が高まることを理解できるとしています。
構造化における現在の案では、知識を場面・状況に応じて組み合わせて使うことによりとしておりましたが、思・判・表との違いを出すため、左の知識及び技能の記載と同様に、言葉や意味の繋がりを踏まえてとしてはどうかと考えます。
なお、左のオレンジの文字及びその下の1つ目の米印で記載をしておりますが、総則評価部会においては、当面は高次の資質・能力の育成状況について直接的な学習評価を行うことは求めず、高次の資質・能力は各学校における単元構想を含む指導と評価の計画や実施の質を構造的に支える役割を果たすものと整理をされました。このため、学習評価の対象となる部分は、左側の知・技、思・判・表ということになります。
また、2つ目の米印でございますが、知・技と思・判・表を別々の活動や場面で評価することを求めるものではなく、引き続き同一の活動やパフォーマンステストの中で一体的に見取ることも可能と考えております。具体的な評価の実例は、別途評価の参考資料の作成プロセスにおいて検討予定でございます。
少しページが飛びますが、スライド12以降に総則評価部会の資料の抜粋を掲載しております。先ほど一部の方向性については簡単にご説明いたしましたが、学びに向かう力・人間性等の評価等について補足をさせていただきます。
スライド23、左側の最初の矢羽根部分をご覧いただければと思います。論点整理では、学びに向かう力・人間性等の評価の在り方として、下の図で示す4つの要素のうち、初発の思考や行動、学びの主体的な調整、対話と協働の3要素が思・判・表の過程で特に表出した場合に丸を付すと整理されております。
次に右側の一番上の矢羽根部分をご覧いただければと思います。総則評価部会では、先ほどの「学びに向かう力」の3要素を、思考・判断・表現の過程で教師が見取るための「具体的な児童生徒の姿」、「見取る姿」を各教科ごとに示す方向性が示されました。その際の示し方として、一定の年度のまとまりごとに示すことが考えられるが、学年ごとである必要はない場合も考えられ、具体は引き続き検討することとされております。なお、過度な評価材料の収集につながらないよう、単元のまとまりごとの「見取る姿」を示すことはせず、単元ごとに丸をつける運用も求めないこととしてはどうかとしています。
3つ目の矢羽根で、こうした見取る姿は各教科等の目標から「学びに向かう力」の3要素を抽出したものとなることが考えられ、学習指導要領の改訂後、速やかに検討して示していくこととしてはどうかとされております。外国語においても、学びに向かう力・人間性等の目標を踏まえ、改訂後に速やかに検討する予定でございます。
続いてスライド32をご覧いただければと思います。評価プロセスのスリム化と同様に、学びの深まりを支える取組の充実についても方向性が示されております。左側の下から2つ目の丸をご覧ください。学習評価のプロセスにおいて、育成したい資質・能力の明確化、資質・能力の発揮を見取る評価課題のデザイン、評価課題に向けて深い学びを実現する学習課程のデザインを一体的に構想する必要性を明らかにしていくことや、右側の下から3つ目の丸のように、学習指導要領において「総括的な評価」の頻度の必要に応じた見直しと、「形成的評価」の計画的位置づけについて明確化していく方向性などについても示されているところでございます。これらにつきましては、各教科に共通する方針であり、外国語固有の検討課題ではございませんが、重要な点のため、簡単ではございますが補足をさせていただきました。
続いてスライド9にお戻りいただければと思います。学習指導要領とCEFRとの関係等についてでございます。本ワーキンググループにおいて、学習指導要領とCEFRのアラインメントについて整理の必要性をご指摘いただいたことも踏まえ、論点として挙げております。
まず現状と課題、学習指導要領とCEFRとの関係についてです。現行の学習指導要領は資質・能力を3つの柱に整理し、目標及び内容も3つの柱で示されています。その上で英語については、小・中・高で一貫した目標と段階を示すため、CEFRを踏まえ、5つの領域で英語の領域別目標を設定するとともに、言語活動例を示しております。なお、CEFRは主に成人を対象としているとともに、日本で英語を外国語として学ぶ環境を必ずしも前提としていないため、CEFRをそのまま取り入れるのではなく参照することとしております。
一方、現行の領域別目標や活動例は、改訂前の議論で想定されていた各学校種のCEFRレベルよりも高度なものが規定・例示されている場合もあります。この点、米印の3にお示ししております通り、前回改訂時の答申では、小学校ではA1程度、中学校ではA1からA2程度、高校ではA2からB1程度が想定されているところです。なお、教育振興基本計画においても、CEFRを基準として英語力の数値目標を定めております。
これらを踏まえた右側の方向性として、今回の改訂では領域別目標の要素を「内容」に移し、CAN-DOリスト形式で示すことで、よりCEFRを参照しやすい構造となること、語彙選定の基盤語彙リストを作成する際、CEFRレベルを勘案する方針が示されたことを挙げ、今後「内容」や「活動例」をCAN-DOリスト形式で示す際には、CEFRを参照して適切な文言となるよう留意することが必要ではないか。
一方で、例えば中学校における身近な社会的な話題について、簡単な語句や文を聞いて、聞いたり読んだりしたことを元に、考えたことやその理由を伝え合うことができるなど、CEFRの文言にそのまま照らすとレベルが高いと考えられる可能性のある内容であっても、教師による足場かけを前提に示すことが有効な場合には、解説で趣旨や留意点を示してはどうかとしております。
その際の解説で示す留意点のイメージとしては、例えば身近な社会的な話題については、生徒が興味を持ったり自分事化できるような話題を扱うこと、ゆっくりと簡単な言葉を使った内容を聞いたり、短い文章を読んだりすること、教師とALTが簡単なやり取りを行うなど、生徒同士のやり取りに向けて生徒がイメージを持てるようにすることといった内容を想定しております。
続いて全国学力・学習状況調査の現状等についてです。現行の学習指導要領はCEFRを参照して目標や活動例を定めている一方、全国学力・学習状況調査でCEFRを参照したレベルの調整はなされていないこと、また令和5年度調査において極端に正答率が低い問題等もあったことから、結果を授業改善に生かすことが難しいとの声がある点を挙げております。
これを踏まえた右側の方向性として、令和8年度では中学校英語をCBTで実施するとともにIRTを導入したところ、今後はCEFRレベルを勘案しつつ個別の資質・能力に基づいて作問すべきではないか、その際CEFRレベルを勘案して作成を予定している基盤語彙リストを活用すべきではないかとしております。
次に左側に戻りまして、評価における教師の負担軽減についてです。教師の創意工夫により定期テストやパフォーマンステストの作問が行われているが、児童生徒の学習状況に応じた作問が負担になっているとの指摘や、自作の問題を通じた英語力の客観的な把握が難しいとの声があることを挙げ、これを踏まえた右側の方向性として、現在MEXCBTに各問題を掲載しているが、学校の定期テストやパフォーマンステストに活用できるよう、CEFRを参照した問題を充実させてはどうか、AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を検討するべきではないかとしております。
続いて参考資料についてでございます。スライド38をご覧いただければと思います。こちらはCEFRとのアラインメントに関連して、現行学習指導要領において各学校種の内容が想定するCEFRレベルを示しております。
スライド39から41は学習評価に関連して、これまで議論いただきました外国語における学びに向かう力・人間性等の目標に関する資料を掲載しております。
続いてCEFRとのアラインメントに関連して、第7回でご議論いただきました今後CEFRレベルも参考として基盤語彙リストを作成することを示す資料でございます。
続いて大学入学共通テストのCEFRレベルに関する資料でございます。ピンクの小さいポツの2つ目をご覧いただければと思いますが、CEFRを参考に各CEFRレベルにふさわしいテキスト作成と設問設定を行うことで、A1からB1レベルに相当する問題を作成することとされております。
資料1については以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【酒井主査】 それではこれより意見交換の時間といたします。事務局よりご提示いただいた案につきまして、ご意見等がございましたらお願いいたします。
内田委員お願いします。
【内田委員】 2点検討というか、どういう感じになっているか聞きたいんですけれども、1つは技能領域別に評価規準を示すというのはすごくいいことですっきりするかなと思う反面で、もう1つ技能統合の部分が若干見えにくくなるのかなとちょっと思っています。なので、技能統合型でどういうふうに評価するかという規準を示すべきなのか、そうでないのか。クリアになる一方で統合の部分が少し見えにくくなるというところで、そこは少し考えてみる価値があるのかなというふうに思いました。
もう一つは、学校の中での評価と、あと出口としての評価ですね。今、最後で共通テストの話が出てきましたけれども、この辺りでもやはり5領域のところを入れていかないと、なかなか学校現場にウォッシュバックしないのかなというふうに思いますので、その辺りも含めて出口の部分ですね、どこまで検討の余地があるのか。最後の方でAIツールを活用するという話も出てきたと思いますけれども、それが出口の評価にも使うことができるようになるのか、このワーキングで検討するべきことかどうか分からないんですけれども、その2点に関して検討してもいいのかなと思いました。
【酒井主査】 鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 スライド8をお願いします。まず資質・能力の関係性について分かりやすく整理していただいてありがとうございます。この資料を作成するまで様々な時間とか努力があり、それが分かった上で申し上げにくいんですけれども、スライドの下半分の知識及び技能で、特に技能の記述が少し分かりにくい印象を受けました。
「言葉や意味の繋がりなどを踏まえて活用できる力」とありますが、言葉と意味の繋がりを踏まえて読んだり話したりするということが、小・中・高の先生方にとって想像しにくいのかもしれないなと思いました。まず言葉というと、例えば知識や音声や語彙も言葉なので、そうするとそこも少し重複しているのかなというふうに思っています。
また、言葉と意味の繋がりというと、いわゆるこういう言葉はこういう意味を持っている、つまり形と意味の繋がりというふうに見えてしまわないかなと。例えばbe動詞と過去分詞という形は「~される」という受け身の意味であるというふうにです。さらに繋がりを踏まえて活用というと、繋がりなどを理解して活用のようにも見えて、「あれ、知識のことを言っているのかな」というふうにも少し思った次第です。
私の代案としては、学習指導要領に記載する知識及び技能は、知識の部分は一緒でいいと思うんですが、技能の部分に関しては、「それらを結びつけてコミュニケーションとして使うことができる力(技能)」としてはどうかというものです。英語教育で長年目指してきたのは、英語の知識を意思疎通において運用できる技能と捉えている方が多いのではないかなと思います。
知・技を意思疎通として運用できるということは、まさに右側の高次の資質・能力で言うところの「知識・技能が相互に関連付けられて一般化され、統合的な理解になった状態」であろうと思います。これまでワーキンググループの会議で有識者の先生方が発表してくださったように、宣言的な知識が手続き化されている状態であり、知識がチャンク化されている、スキーマ化されている状態、または転移可能な状態になっているということと、ほぼ同義であるというふうに思っていました。私の方からは以上です。
【酒井主査】 布村委員、お願いします。
【布村委員】 私は7ページをお願いしたいんですけれども、すごく分かりやすくなったなというふうに思ってありがとうございます。
特に評価に関して、今まで5領域と知識及び技能、そして思考力・判断力・表現力、この関連性というのがなかなか現場では分かりにくくて、どれを思・判・表で評価するのか、知・技で評価するのかというところがすごく分かりにくかったり、文法だったりというところはどちらなのかというところの切り分けが非常に分かりにくかったところがありました。今回内容の方に領域が入ってきて、そして思・判・表のところに領域別が、知・技は5領域との関連性を示すということで、その関連性を示す示し方が7ページのところに、例えば音声だったら音声の特徴を理解して読んだり話したりする際にというふうに、そこで実際活用するというところが記載されているということで、関連性を示している。ここを見ると、文構造などをやるけれども、聞いたり読んだり話したり書いたりする時に使うんだというところが明確化されたので、指導の場面と、こういう評価を知・技でするんだな、5領域は全部思・判・表でするんだなというところが明確になったので、学校現場でも使いやすくなったかなというふうに思いました。
そういった部分ですっきりしたというか、今まで困っていたところが分かりやすくなったのではないかなというふうに思います。以上です。
【酒井主査】 続けて米野委員お願いします。
【米野委員】 布村委員がご指摘されたように、現状では学習評価において考慮すべきことが多く複雑になっている状況があります。学習評価の目的としては、学習や指導の改善という大きな目標があるわけですが、果たしてそこが達成されているかどうかというところに課題があると思います。今回ご提案されたものについては、単元の目標をそのまま評価規準として用いることを前提とするのがシンプルで、その形になっているので、提案の方向性としては現状の改善に資する好ましい方向性だというふうに考えます。また、説明責任が伴うわけですが、これを果たしやすくなるのではないかと思います。
その上で考えたこととしては、1つ目は生成AIの実装が進んでいる中で、これを活用した評価を進めたいということで、特にパフォーマンステストで時間がかなりかかっている現場の状況がありますので、妥当性・信頼性を確保しつつ実行可能性を上げる具体的なグッドプラクティスをたくさん共有できればいいのではないかと考えます。
また、内田委員がご指摘されたように、統合型の指導というのは重視され続けるのだと思います。ここの扱いはどのようにしていくのかという課題が残っているのかなと思います。
それからもう1つは、これは難しいのだと思いますが、今までだと学習指導要領の告示後に評価の参考資料の検討に入っていたという過程があったのですが、今後移行措置としてできるだけ早めに現在の検討状況のものを実施に移行できる部分があれば、多くの教員にとって評価の改善・充実、それから働き方改革にも繋がるのではないかなと考えます。
【酒井主査】 亘理委員お願いします。
【亘理委員】 6枚目の今映っている資料で、領域ごとの知識・技能と思・判・表で10枚も評価規準がパネルとして並ぶ指導案というのは結構地獄だなと思うので、そこに傾重をつける、つまり単元ごとにどの領域にフォーカスを当てて主に評価して見取っていきたいのかを示したほうがいいかどうかといったことは、今後参考資料を作るときに考える問題かなと思います。
もう1つ、内田委員が指摘した技能統合の問題と併せて考える必要があるかなと思うのは、評価資料と評価のタイミングの問題です。8枚目の資料で言うと、我々が知識及び技能というときは、コミュニケーションの目的・場面・状況があるパフォーマンス課題とセットで使える知識・技能という意味になっていると思うのですが、現状として例えば高校では2単元ごとに定期試験を行い、知識をペーパーテストで評価するということをやっていたりすると思います。そうすると学校ごとにどういう評価資料で評価をつけるかというときに、知識及び技能は必ずしも常にコミュニケーション活動に合致するものだけを評価するわけではなく、学校では少し遅れて前にやった内容を知識として評価するということもあったりすると思います。
私自身、思・判・表としてはこのワーキンググループで委員としてちゃんと発言できれば合格をもらえると思うんですけれども、この資料の内容全部が知識及び技能として入っているかと言われたら、あと1回2回後のワーキンググループで聞いてほしいんですよね。つまり今この回で両方揃っているかどうかというのを評価されたら、結構まだ整っていないなという気持ちがあったりする。それは教える側も学習者も一緒で、前にやった内容が必ずしも指導案に8ページにあるような立て付けで評価規準を置くかというと、やっぱり教えたことを分かる・できるのレベルで知識及び技能を置こうとしてしまう気がします。でも使える知識になっているかという点や、また分かり方についても、鈴木委員が言ったことも分かるのですが、私は知識はもっとダイナミックなものだと思っているので、少し遡って知識がまた深まってということもあったりする。その評価のタイミングのようなことがこれだとやや平板で、コミュニケーション活動と必ずセットになったものとしてあるという形式の妥当性・実効性が気になっています。
もう1つ、MEXCBTの課題は、多くの学校の先生は外部基準や妥当性についてパフォーマンス課題を作るときに不安を持っていると思うので、ぜひ活用したらいいと思うんですけれども、このMEXCBTがコミュニケーション活動として使われるべきなのか、コミュニケーション活動を支える活動として使われるべきなのかは明確にしておかないと、これにコミュニケーション活動を預けてしまうと、学校は支える活動ばかりになってしまうのかということも気になります。一方でこれが支える活動の課題として使われるのだとしたら、それに繋がるようなコミュニケーション活動を考えるという負担がまた学校に発生するので、MEXCBTの課題が単元内でどういう位置づけになるべきかといったことは、ある程度目安として示してあげる必要があると思いました。
【酒井主査】 それでは臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】 スライドの11をお願いいたします。CEFRとのことなんですけれども、いろんなところでCEFRという言葉が今日のご説明でも出てきて、CEFR自体を参考にするというのはもちろん構わないことだと思っているんですが、少し印象としてすごくCEFRに支配されるぞというようなざっくりとした印象を持ったので、そこの懸念点について一言申し上げたいなと思いました。
今、亘理先生もMEXCBTのことなどを仰っていたんですけれども、現場の先生たちがパフォーマンステストなどを作るのが難しいというのはその通りだと思っていて、そのために右側のところに書いてあるようにCEFRを参照にした問題を充実させてはどうかというようなことが書かれていると思うんですが、例えば到達度テスト的なものを定期考査などでやろうと思ったときに、これは多分CEFRとの相性は悪いのではないかなと思うんですよね。現場の先生は結局そういうところで困ってしまったりするのかなと。
それをすり合わせようと思ったら、例えば基盤語彙リストを作るとなっていて、それもCEFR準拠となると、今度教科書もCEFR準拠のような感じで、実際表立ってCEFR準拠で作りますよとは誰も言っていないんだけれども、実際としてはみんながCEFRの方向を向いて教科書だ、テストだみたいなものを作ろうとしてしまうというのは悪いことではないけど、ある意味先生たちの考える力を奪うとか、子供たちの現状に合わせたり育てたいと思っている力から実は離れていくという危険性もあるのかなというふうに思いました。
最後に関連してなんですけれども、言葉の使い方で「CEFRはあくまでも参照資料であって」ということを繰り返し我々はこれからも伝えていくと思うんですけれども、参照するという言葉は結構インパクトが強くなることもあって、他に参照できるもの、頼れるものがなかった場合は、参照してくださいという資料が実は中心になってしまうということがあると。今最初申し上げたみたいに、知らない間にみんながCEFRに縛られた英語教育になるという危険性を少し感じたので、今後我々がいろいろ具体を考えていくときにも注意したほうがいいなというふうに思いました。
【酒井主査】 それでは藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 ここまで本当に資料をよく分かりやすくまとめていただいてありがとうございます。
資料の3ページのところですけれども、これまで他の委員の先生方が仰っていたことにも若干関連してくるかなと思うんですが、ここの右側の米印の部分ですね、「5つの領域をバランスよく評価するとともに、1つのパフォーマンステスト等で知・技と思・判・表を評価することも可能とする方向で検討すべきではないか」という記述があるんですが、これを読んでみると逆に言うとパフォーマンス評価1つの中で知・技と思・判・表を別々に評価するのがデフォルトであって、バラバラな形の評価をするというようにも読み取れてしまうのかなと少し感じたところがあります。
発表活動などをしている中で、正確さの部分を見たり、内容を見たりという形で統合的に見て評価する方がむしろ自然なのかなと思います。いわゆる指導と評価の一体化という観点で見たときに、これまでも議論してきたような形で知・技と思・判・表を一体化するような形で統合的に一体的に育成していくんだという方向で話し合ってきたのに、評価の段階になった瞬間に知・技と思・判・表は別々バラバラに評価しますみたいなことになってしまうと、結果的に指導の方も引っ張られてしまって、知・技を身につけるための知識の授業は知識の授業、プレゼンテーションはプレゼンテーションという形になって、ここの一体化がむしろ乖離していってしまうんではないのかなという懸念を少し感じました。
ですので、実際問題としてバラバラにやっていった方がやり方としては先生方にとって手軽というか、やりやすいのは間違いないと思うんですけれども、これまで日本人というのは英語の知識はあっても使えないみたいな批判を受けていて、結果的に思・判・表を発揮するにあたって知・技を無意識のうちに自動化するような形で使っているという理想的な姿に持っていきたいというのであれば、評価の部分に関してもこの辺のところを一体化して評価していくという方向性をむしろもっと積極的に打ち出していってもいいのではないかなと感じました。
【酒井主査】 日向端委員が途中で退席されるということで、最初に日向端委員ご発言お願いします。
【日向端委員】 ご配慮いただきありがとうございます。他の委員の皆様がご指摘いただいたところと被るところが多かったので、1点だけ私のほうからはスライドの6枚目です。これの下の方のオレンジの色は各教科共通のところかと思いますが、特にその中で形成的評価の計画的な実施というところの項目があろうかと思います。
私はやはり外国語教育の中でこの形成的評価って他の教科よりもかなり重要度が高いんじゃないかなと感じています。というのも音声中心であったときに後に文字として残らない部分も結構多いので、その場でやはりしっかりとフィードバックしていくという意識はこの外国語の授業では大事になってくるかなというところで、外国語特有の部分で何かそういうメッセージを入れられたらいいなというふうに思っております。まずはこの構造化、外国語のところは特にこの5領域との関係のところは非常に分かりやすくなったなと思って見ています。
【酒井主査】 関谷委員お願いします。
【関谷委員】 この資料に基づいて、これまで教科書に頼っている先生たちが多くいらっしゃったかと思うんですけれども、目標に向けた資質・能力をどのように育んでいくのか、また評価を通して授業や子供の学習方法といった学びの過程をデザインし、実態に合わせて改善をしていくということが学校と教員の役割であるということが明確にされているのかなというふうに思います。
また日向端委員からもありましたけれども、形成的な評価を計画的に実施するということを明確にしていますので、生徒にとっても目標の達成に向けた教員の関わりの必要性を伝える内容となっているというところが大変分かりやすくていいかなというふうに思います。今後解説や資料で広く説明をされていくことと思うんですけれども、学校や先生方が児童・生徒・保護者に説明していく上で評価の意味や方法について分かりやすくあることも必要だと思いますし、また納得の得られる評価であるべきだと考えていますので、そこについては引き続き工夫が必要かなというふうに思います。
また先ほど少し出ましたけれども、従来多く行われてきた知識のみを問うような筆記テストであったり、一部のパフォーマンス評価の在り方というものも考えていかなくてはならないと思います。先ほどの知識及び技能は習得に時間を要するものであるといったことや、問題そのものがきちんと思・判・表を問うものになっているのかといった、教員が評価を行うためのスキルを身につけていくことが非常に重要であるかなというふうに思います。
スライドの6枚目のところなんですが、学校がやるべきことが明確になってきていると思いますけれども、各学校における目標といいますか、児童・生徒の実態に合った教育課程の終了段階での目標であったり、学年の目標設定については特に明示はされていないんですけれども、ここについては引き続き含まれていくという方向性なのでしょうかということと、これについては教科の教員全員が同じゴールイメージを持つという意味では必要かなというふうに思っていますので、こちらをご確認いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
【酒井主査】 工藤委員お願いします。
【工藤委員】 よろしくお願いします。大きくは2点ありますが、まず1点目はスライド8がいいかなと思いますので、開けていただければと思います。知識及び技能と思考力・判断力・表現力ということなんですけれども、先ほど鈴木委員が知識と技能のところの細かいところのご指摘をされたんですけれども、知識が何で技能が何かというのはしっかりちゃんと明示しておいたほうがいいと思います。現行の評価の参考資料は知識系の定期考査で測るのは知識系の問題はこういう問題、技能系の問題はこういう問題と出ているわけなんですよね。
今度もそれでいくのか、今度は知識及び技能を1つのまとまりで行うのかといったところは、多分ここの資料がしっかりしていないと参考資料にいけないと思うので、私個人としては知識は知識で測って、技能は技能で測ったほうがいいとは思います。ただもちろんそれだけだと思・判・表が薄くなるということなので、全体のバランスは考えるんですよ。ちゃんと知識は知識で測って、それはどちらかというとあまり技能に関わらない理解の部分になると思うんですけれども、それが技能として発揮されるというのはまた違う能力だと思うので、ちゃんと知識と技能をいつ測るかというのもここの部分でもあると思うんですね。
思・判・表が先に行って知識及び技能が後に行くということと同時に、知識が先に行って技能が後に行くのか、あるいはそれは逆なのか、あるいは同時なのか、そういうのも踏まえて参考資料を作っていかなきゃいけないかなと思いますので、ここははっきりとうまく書ければいいかなと思います。
もう1つ、現在現場の先生たちが評価に悩んでいる1つの理由は、この思考力・判断力・表現力という言葉が少し分かりにくいということだと思うんですね。もともと思考力とか判断力というのは一般的に使われている用語があって、それとは少し違う形がこの英語の評価で使われるということがあると思うので、そこがどうなるかということと、知識及び技能は知識はこれ、技能はこれとやるけれど、思・判・表になったときに思考はこれ、判断はこれ、表現はこれとはならないじゃないですか。おそらくまとめて一つのものとして捉えている。
本当は理解系のリーディングとかリスニングは表現はあまりしていないので、思考・判断で本来止まっているはずなんだけれども、それも思・判・表と呼んでしまっているというところの言葉の使い方はずっとモヤモヤするので、はっきりとこれはこうなんですよと言ったほうが多分いいかなと思います。思・判・表というのはあくまで名前であって、あまりそこの内容にとらわれず、ちゃんと英語的に言う定義のところをしっかり持って評価をするということを明示したほうが良くて、全教科統一のあくまで名前なので、あまりこの思・判・表という言葉に踊らされないようにするというのが大事かなと思います。
もう一つ、臼倉委員が指摘したCEFRとの関係です。私も臼倉先生のご発言に非常に賛同なのですが、スライド38を見ていただければと思います。CEFRはいろんなところで使えるとは思うんですけれども、これ見ていただくと小学校から高校まででCEFRで言うとA1、A2、行ってB1の入口ということなんですね。6年、8年勉強してきて2段階ぐらいのレベルしかアップが見られないということは、基本的に定期考査レベルのローカルな発達を測るには適していないわけですよね。
グローバルな能力の測定には適しているかもしれないんですけれども、やはりもう少し細かく見ていくというのが現場で大事なことだと思うので、CEFRは少し大きなところを捉えるもので、じゃあ細かく捉えるために何か我々が参照するものは何なのか、あるいは我々が独自で作るものは何なのかということをちゃんと明示したほうがいいかなと思いますので、CEFR自体は悪いものではないと思うんですけれども、全部それに寄りかかるとグローバルな部分は大事なんだけれども、そこばかり行ってしまって日々の先生方の授業の中での発達にはなかな繋がらないということがあるかなと思います。
最後に、今回は無理かもしれないんですけれども、次回ですね、10年後になるかもしれないんですけれども、国で日本の小・中・高の学校教育における外国語能力発達基準枠組みみたいなものを作ったほうがいいかなと思いますので、CEFRはもちろん参考にするんだけれども、やはり日本の英語教育独自のいろんな観点があると思いますので、そういうのは次回チャレンジしたらいいかなと思います。
【酒井主査】 壮大なご意見もありましたけれども、ありがとうございます。髙木委員お願いします。
【髙木委員】 6ページお願いします。これについて2点述べさせていただきます。
まず1つ目に手順の整理について、先ほど布村委員も発言されていましたけれども、現行の学習指導要領で学習目標と評価の基準と規準の関係というのが分かりにくいところがあるので、今回のように整理してもらえると教師が専門性を生かして取り組むべきことが現行の学習指導要領より明確になっているのではないかなというふうに思いました。
もう1点が、こちらは日向端委員も触れられていたんですけれども、形成的評価についてです。形成的評価ってきっちりやろうとすると本当に手間がかかります。これを現場に下ろすにあたって、形成的評価の回数が多ければ多いほどいいというような誤解は避けたいなというふうに思いました。伝え方を間違えると、現在の過剰な評価材料集めというのが姿を変えて加速してしまう可能性があるように思います。
評価が目的化しないように、形成的な目的で得られた情報を使って教師が授業の改善を行ったり、学習者が得たフィードバックを学習の改善に繋げてこそ意味があるのだということを強調していただけると嬉しいです。また、そのために解説の中になると思うんですけれども、どんな手法があるのかというのを具体的に示す必要があると思います。個人的には教師やAIが送ったフィードバックを学習者がどのように生かせるようにしていくかというところに現場で難しさを感じているので、そういう情報があるといいのかなというふうに思いました。
例えば学習評価の分野では、形成的評価って5秒から5年のスパンで行われるものというふうに例えられることがあります。これは採点を伴うテストや課題で得られた情報を用いるような公式なものだけではなくて、例えば授業内で学習者の表情や理解の状況を見取って、その場で先生方が判断するというような非公式なものもあるので、こういうものの中には現場の先生方が日常の授業や学習の中で既に行われているものがたくさんありますので、そういう評価を具体的な目標を持って行いましょうというメッセージを伝えられるといいのかなというふうに思いました。
【酒井主査】 細田委員お願いします。
【細田委員】 まず多くの委員の皆様が述べてくださっているとおり、今回この評価の具体的な方法がすっきりしていて、現場の先生方にとっては基本的には大変使いやすくなったというふうに思いますし、もう1つCEFRについては頼りすぎるのはというご意見もあるわけですけれども、CEFRと学習指導要領の関係も全体として分かりやすくなったというのがありがたいというふうに思っているところです。
その上で2点だけお願いしたいんですけれども、1つは11ページの評価における教師の負担軽減のところの黒い丸の2つ目ですが、「AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を」とあるんですが、この会でもかなり衝撃的なお話も伺ったんですけれども、今後ますますAIがどんどん進化していく中で、この学習指導要領が実際に魂を吹き込まれて動いていくのが2030年ですので、その頃のAIの進化を考えますと、ここは引き続きかなり重要な項目として議論をしていかなくてはならないところではないかというふうに思っている点です。
2つ目は42ページの語彙リストのところですが、義務教育段階、小学校・中学校の先生方とお話をすると、この基盤語彙リストは大変歓迎されているんですけれども、高校の先生方に意見を聞きますと、生徒の実態が本当に様々であると。一口で高校生と言っても、とりわけ外国語の力というのはものすごく差があるということですので、どんな語彙リストがどう出てくるかということをとても心配されるお話もありますので、リストを必要に応じて更新できるようにというあたりのところも大変重要になってくるのではないかと考えております。
【酒井主査】 川﨑委員お願いします。
【川﨑委員】 分かりやすく全体を整理してくださいまして、本当にありがとうございます。
7ページについて、今回国のほうでまだイメージ図ということですが、このように整理していただくことは学校現場においてもとても活用しやすいと感じました。特にこれまで小中接続の課題がすごくあるという声や、4月は教員が多忙で英語科の教員同士の目標設定に関する認識のすり合わせがほとんど行われずに属人的になりやすい点について懸念の声を先生からよく聞いていたので、このような分かりやすいものはすごく活用しやすいと思いました。
スライド11にあるように、さらに具体的な課題例の提示やAIとの連携を見据えたときに、例えばこの7ページのような評価の規準の箇所をクリックしたらデジタル上でこういう活用例があるとか、AIとの連携を見据えたパフォーマンステストはこういうものですよといったものもさらに整理・実装されていくと分かりやすいと感じました。
1点ご検討いただければと思った点があります。スライド7に関して、現在はイメージとのことで、今後さらに改良されるものと理解しているのですけれども、項目の中に例えば前回うまくできなかったけれども今回自己調整ができるようになった、といった繰り返しで得た学びや、振り返り、主体的な自己調整についてのできることやCan-doの観点も一部入っていると、これまで議論してきた学びのスパイラルや繰り返しの考え方とも整合性が取れていくのかなと感じました。よろしければ検討いただければと思いました。
【酒井主査】 江原委員お願いします。
【江原委員】 よろしくお願いいたします。今回いろいろ議論した中でまとめていただいた資料6ページ、私はやはり今回の議論の結果のまとめの中で、この6ページが一番大事だなと思っていて、特にその下の指導と評価の構想、評価課題のデザインということなんですけれども、何を申し上げたいかと申しますと、例えば先ほども形成的評価の話が出ましたけれども、特に高校の先生の場合には評価と言ったら総括的評価、期末テストの評価、パフォーマンステストの評価というふうになってしまうんですね。
ですので、形成的評価というのがどのようなアクションを行うことなのかということが分かりやすいように、先ほど髙木委員からもコメントありましたけれど、何をすればいいのかというのが分かりやすいように伝わるといいなと思うんですね。これは本当に大事なコンセプトだと思うんです。
例えば高校の場合ですと、期末試験を持ち回りで作る学校がありますよね。そうすると年度当初ではあまり合意がないけれども、期末テストは誰かが作ると。するとそのテストを作った先生に教わっている生徒のほうが、もしかしたら少し有利かもしれないというふうになってしまう。
何を申し上げたいかというと、今どうしてもパフォーマンステスト、それから4技能5領域の評価というふうに意識が行ってしまうんですけれども、例えばリスニングとリーディングという期末テストなどで行われているものの指導と評価の一体化も、あまりままならない状況なので、ぜひこの6ページの評価デザインと学習課程のデザインといところが、学習過程の目標と到達目標の双方について、同じタイミングでデザインすることの大切さが伝わればいいなというふうに思います。
つまり指導したあと評価をどうしようかというのが、現実的に起こっているんですね。先生方が忙しいからだと思うんですけれども、事前に評価デザインをすることが大事ですよということと、それを可能にする学校全体の環境、管理職の先生の協力が大事だなと思いました。
【酒井主査】 バトラー委員お願いします。
【バトラー委員】 私も先ほどから何回も臼倉委員とか工藤委員からお話が出ているCEFRについて、やはりこの資料を拝見した限りでは、少しCEFRが前面に出すぎているかなという印象はありました。
カリキュラム作るときって大まかに言うと、最初にこのCEFR的な何か指標があって、そこに肉付けをしていくというパターンと、それからある程度骨子が出来上がったあとに何らかの指標とのアライメントを探っていくという、大まかに2つのやり方があって、どっちがいいとか悪いとかという問題ではなく、それぞれの目的によって使い分けていくということになると思うんですけれども、今回は2つ目のパターンになるかと思います。2つ目のパターンになったときに、パーフェクトなアライメントというのは非現実的であって、その必要性もないということなので、やはり実際の現場、それから環境、子供たちのニーズというのに合わせて柔軟に対応していくということなので、指導とアセスメントの間に乖離があってはいけませんので、アセスメントのほうばかりなんとなくCEFRの色が強くなってきているなという印象はありまして、それは避けたほうがいいかなというふうに思いました。
それから先ほど細田委員からお話がありました11ページのAIを活用したパフォーマンステストツールの可能性、私も細田委員とまったく同じで、これものすごく重要なことで、これから深くもっと議論していかなくちゃいけないと思うんですけれども、1つ重要だと思うのは、今の書き方だとAIが評価材料を収集するそのためのツールとしての将来性というのがすごく強調されていると思うんですけれども、AIができてきたことによって、目指したいコミュニケーション能力そのものがもうドラスティックに変わっていると。つまりツールだけじゃなくて、どんな能力を身につけるのかということ自体が大きく変わっているので、その点も含めてAIを使ったパフォーマンステストというのを深く議論していく必要があるのではないかというふうに思いました。
【酒井主査】 先ほど関谷委員からご質問のあった学年ごとの目標について、事務局より少しご説明をお願いしたいと思います。
【田井外国語教育推進室長】 スライド6の部分でご質問いただきました学年別の目標について、現在の評価の参考資料では学年別の目標と評価規準を作ることになっておりますが、ここで言う学年別の目標は現行の小・中の学習指導要領の内容の取り扱いで作成を求めている学年別目標と説明されております。
第4回の議論の中で、今後構造化により小学校・中学校の学年ごとの段階を大まかに示すという方向性になっておりますので、それを踏まえて学年別目標の作成は一律に各学校に求めるものではなく、校種間連携や、子供の実態に応じて必要な場合に任意で作成することも提案させていただいておりますので、そのような方向で考えております。以上でございます。
【酒井主査】 委員の皆さんのご意見伺っていて、今出ているページなんですけれども、1つは外国語教育に特有の問題で単元というものの役割がかなり他の教科とは違うと。つまり単元と単元の関係性があるものも年間を通しては出てくる場合があると。そうするとそういうものを含めたときに、亘理委員が仰っていましたけれども、どういうタイミングでどこで評価をするのかというのは単純にはいかないというようなご指摘だったかと思うんですけれども、そういう外国語教育の特徴を捉えた上でこの表についてまた追記ないしは検討していただけるといいのかなと思いました。
合わせて総括的評価ですけれども、ここにはいわゆる総括のことが書かれていますが、おそらくこの手前に今の参考資料でいくと記録に残す評価ですね、この記録に残す評価をいつ行って、そして総括を最後にするという形になるのかというようなところも行っていくと、年間を通したときの総括の在りようが分かりやすくなるのではないかというように思いました。
また11ページですけれども、いろいろ評価のことに関してご意見ありがとうございました。ここで教師の負担軽減というところが主に書かれていますけれども、AI時代にあたって教師の役割は何かといえば、指導するということだけではなくて、子供をしっかり見て、子供の力を評価し、そして個別の最適な指導内容を考えていく、アドバイスしていくというところも教師の役割だと思うと、負担の側面ではなくて、パフォーマンス評価テスト項目、それからAIの評価みたいなものを活用しつつ、教師自身がしっかりそれを指導に生かしていける、子供の理解に繋げていける、また子供の個別最適な指導に繋げていけるというようなところに使われるといいなというふうに思いました。
またおそらくここでは主ではないんですけれども、こういうものは子供自身も自分の力の達成度を見極めながら、子供が自分で学んでいくというような要素もあるかなと思いますので、そういうMEXCBTの使い方、あるいはAIを活用したパフォーマンステストツールという役割もあるのではないかと伺いながら考えました。ご意見ありがとうございました。
それではですね、一旦ここで休憩を挟んで10時39分に再開をしたいと思います。この時点で議題1についてはここで区切らせていただきたいと思います。それでは休憩に入ります。
( 休 憩 )
【酒井主査】 それでは時間となりましたので、議題2、柔軟な教育課程、指導体制、環境整備等、多様な外国語に移ります。
まず事務局よりご説明をお願いしたいと思いますが、議題のうち指導体制については、現在教員養成部会において教職課程や教員免許制度の在り方について審議が行われておりますので、現在の検討状況についても合わせてご説明をいただきたいと思います。それではどうぞよろしくお願いします。
【田井外国語教育推進室長】 資料2についてご説明をさせていただきます。「柔軟な教育課程」、「指導体制・環境整備等」、「多様な外国語」についてでございます。全体ではこちらの部分でございます。
まず「柔軟な教育課程」についてでございます。高校の必履修科目の履修免除の在り方、現状と課題についてでございます。
論点整理では、「入学時点で高度な外国語の運用能力を有していることが外部試験で明らかな場合など、社会的信頼性が確立されている基準により、必履修科目の内容を十分に習得していると判断できる生徒が在籍する場合には、一定の要件のもと、各学校や教育委員会の判断により、当該科目の履修を免除可能とする仕組みを整えるべき」とされました。
これを受け、総則評価部会において、履修免除の要件として、社会的信頼性が確立されている外部試験の合格により、免除科目の知識及び技能がおおむね習得されていると判断しうること、免除科目で育成を目指す資質・能力全体について、振替科目等の履修によって当該教科の目標の達成に向けて発展的に育成可能であり、総合的な代替性が認められること、生徒の実態や希望を踏まえ、必履修科目を選択科目等の履修に振替える方が、資質・能力の育成の観点で大きく上回る成果が期待できることが示されました。
上記の観点を踏まえ、外国語においては以下の点から外部試験を活用した免除振替の制度運用を開始していくことを念頭に検討を進めることとされました。国際的に通用する英語運用能力に関する尺度であるCEFRに対応した外部試験が複数あり、文部科学省としてCEFRレベルを目標値ともしていることを踏まえると、社会的信頼性が確立されている外部試験の合格により、免除科目の知識及び技能がおおむね習得されていると判断しうること、教科の性質上、選択科目やその内容を含む学校設定科目の履修の中で、必要に応じて必履修科目の理解を補いつつ、発展的に目標達成に向けて指導を行っていくことが可能と考えられ、総合的に代替性が認められること、その上で具体的な外部試験の種類や履修免除を認める際に必要な級の水準、振替科目等については、外国語ワーキングにおいて議論を進め、解説等で具体的に定めることとされました。これを受け、上記の論点について検討する必要性が生じております。
続いて、先ほどの論点を踏まえた方向性についてでございます。まず外部試験の種類について。CEFRに対応した外部試験は様々あり、今後も増えていく可能性があること、CEFRレベルを外国語教育の目標値としていることも踏まえ、解説においては科目免除の要件として特定の外部試験を記載するのではなく、CEFRレベルのみを記載することが適当ではないかとしております。
次に、履修免除を認める際に必要な級の水準について。今回の仕組みは、免除科目が目指す資質・能力を大きく上回る水準で身につけている場合を念頭に置いていること、現行の高校の科目がおおむねCEFR A2からB1レベルを念頭に設定されており、今回改訂においてレベルを大きく変更しないことを踏まえれば、これを大きく上回る水準としてB2レベル以上とすることが適当ではないかとしております。
次に、必履修科目を免除した場合の振替科目等について。論点整理では、振替先の学習として、当該科目の属する科目の上位科目、学校設定科目、学校外学習の3つを挙げております。外国語においては、習得が必要な単位数や時間割の調整を踏まえた実現可能性を考慮すれば、免除の対象となる必履修科目、英語コミュニケーション(総合)1の時間に発展的な学習や英語以外の外国語を学べる学校設定科目を設定し、当該科目を履修することが考えられるのではないかとしております。その際、英語以外の外国語は基礎的な内容を扱う科目も認めてはどうかとしています。また、後ほど多様な外国語の論点でご説明しますが、各言語の専門機関の協力を得ながら、オンラインにより履修可能な講座開設の可能性についても検討してはどうかと考えております。
さらに、各学校の実態等に応じて諸条件を整えることが可能であれば、当該学校の判断により、上位科目、英語コミュニケーション(総合)2・3や学校外学習、例えば大学の授業や各言語の専門機関等による英語以外の外国語の講座、海外のサマースクールなどの履修も可能とすべきではないかとしております。
スライド5、6は関連する総則評価部会の資料の抜粋でございます。続いて、各学校種の内容が想定するCEFRレベルを示したものでございます。続いて、高校の科目構成について、右側が次期学習指導要領で検討している科目構成となります。
続いて、小中学校における柔軟な教育課程についてです。まず現状と課題、総則評価特別部会における検討についてです。論点整理では、多様な子供たちを一層包摂できるよう、「調整授業時数制度」を創設し、見出された時数を児童生徒の実態を考慮して別の教科の授業時数に上乗せする、特に必要な教科の開設に充てる、学習支援など資質・能力の育成に特に資する教育プログラムを実施するための裁量的な時間に充てるといった取組を特例的に可能とする方向性が示されました。これを受け、総則評価部会において、調整可能な教科や時数の上限、裁量的な時間の上限と類型等について検討が行われているところです。
続いて、教育課程特例校制度における「外国語」の取組状況についてです。現行の教育課程特例校約1,900校のうち、約1,500校が外国語に関する内容となっております。例えば、小学校において低学年から外国語活動、中学年から外国語科相当の内容を実施する取組や、中学校において英語と探究的な学習を組み合わせる取組、小中学校で標準時数よりも多く外国語の授業を実施する取組、イマージョン教育の取組などが見られます。詳細は参考資料1にまとめておりますので、適宜ご参照いただければと思います。今後、本制度が調整授業時数制度に統合され、より活用が進むことにより、「外国語」に関する内容が一層充実することも見込まれます。
続いて、調整授業時数制度に係る質確保についてです。総則評価部会においては、質確保の観点から各学校の活用状況の透明性を高め、取組を改善していくことができるよう、国・自治体・学校の役割を整理しております。
続いて、これらを踏まえた方向性、右側として、総則評価部会では、国の役割として、研究開発学校やサキドリ研究校事業を通じて参照可能な実践事例を幅広く創出し、各教育委員会に情報提供する旨が示されており、今後外国語に関する取組の一層の充実が見込まれることも踏まえ、現行の取組を踏まえて参照可能な実践事例を積極的に提供することが求められるのではないかとしております。
続いて、「指導体制・環境整備等」についてです。本検討課題に関する方策は、予算措置も含め様々なものが考えられますが、今回は学習指導要領改訂に関わりの深いものについてご議論いただきたいと思います。
まず現状と課題、AI時代の教師等の役割についてです。本ワーキンググループにおいては、外国語を学ぶ意義の再整理やAI活用の在り方を検討する中で、AI時代における教師等の役割についても議論を行ってきており、教師等については、授業デザイン、児童生徒の学ぶ意欲の向上、自立的な学習者の育成に向けた学び方の指導の役割がより重要になる旨が指摘され、AI時代だからこそALTを含む人間同士のリアルなコミュニケーションの重要性が指摘されたところです。
これを踏まえた右側の方向性として、AI時代の教師については、先に述べた役割が重要になることも踏まえ、質向上を図っていくべきではないか、AI時代だからこそ人間同士のリアルなコミュニケーションが重要になることを踏まえ、英語教師の留学などの多様な経験を奨励するとともに、ALTとの効果的な連携を図っていくべきではないか、さらに教師、ALTが外国語を学ぶ本質的意義を理解し、自分の言葉で子供たちに伝えられるようにすべきではないかとしております。
続いて左側に戻りまして、教師の質向上のための方策とALTとの連携の在り方、まず教員養成についてです。現在、教員養成部会において、今後の教職課程や教員免許制度の在り方について検討が行われており、共通で学ぶべき内容を再構造化、体系化した上で、専門的な学習に基づく強み・専門性も含めた教員養成を行う方向性が示され、引き続き検討されているところです。
前回改訂では、課程認定や教職課程の改善・充実に活用できるよう、外国語のコアカリキュラムを示していますが、これらのコアカリキュラムについても見直しが予定をされております。これを踏まえた方向性、右側といたしまして、外国語のコアカリキュラムの見直しにおいては、学習指導要領改訂において重視している点を反映させるべきではないか、特に第二言語習得などの研究上の知見や学習方略、AIを含むデジタル学習基盤の活用についても学ぶことができるようにすべきではないかとしております。
なお、具体的な見直しの在り方については、教員養成部会における検討が取りまとまった後に別途検討する予定です。教員養成部会の検討状況については、この後担当よりご説明を申し上げます。
また、今回の改訂にあたり、国が指導の参考となる動画等を作成するにあたっては、教職課程における活用も念頭に置いてはどうか、加えて英語教師の英語力の向上を目的として、資格検定試験団体より受験料の減額による特別受験を提供いただいているところ、教職課程の学生による活動が進むよう一層周知を図ってはどうかとしております。
続いて教員研修についてです。各自治体において多様な研修が実施され、文部科学省においては、動画や資料の提供、各種事業により支援を行っているところ、自治体の体制によっては教科の専門性のための研修が実施しづらいとの指摘があること、また小学校においては、学級担任と専科教員それぞれのニーズに対応した研修をきめ細かく行うことが難しいとの指摘があることを挙げております。
これに対する右側の方向性として、英語教師の英語力・指導力の向上を図り、今回改訂において重視している点が一層伝わるよう、文部科学省において全国の教師に向けた大規模なオンライン研修を実施してはどうか、今後国が指導の参考となる動画等を作成する際には、自治体の教員研修にそのまま活用しうることも念頭に置いてはどうか、特に小学校を対象としたものについては、学級担任や専科教員それぞれのニーズに応じたものとなるよう十分配慮してはどうかとしております。
続いて左側に戻りまして、ALTとの連携について。ALTによる適切なフィードバックが英語力の向上に寄与することが明らかになっているが、自治体によって参画状況や教師との連携に差が生じていることを挙げ、これに対する右側の方向性として、ALTとの効果的な連携の在り方について参考となる動画等を作成、提供してはどうかとしております。
左側に戻りまして、英語を使う機会の充実の在り方について。英語を学ぶ動機づけを高めるためにも、英語を使う機会の充実が重要であり、本ワーキンググループにおいても議論されてきたことを挙げ、右側の方向性として、これまで本ワーキンググループで議論してきた以下の方向性を通して、英語を使う機会の充実を図ってはどうか、AI時代に英語を学ぶ動機づけを高める機会を授業内外で多層的に充実する観点から、先行事例の成果を共有し、各地方における取組を積極的に推進してはどうか、デジタル学習基盤の活用を学習指導要領に明記するにあたり、AIの適切な活用も有効である旨も明示的に位置づけることにより、英語を使う練習量の増加を図るべきではないかとしております。
関連して、ALTが生徒の英語力に与える効果に関する資料、高等学校におけるALTの参画状況、自治体ごとのALTの参画状況、スライド16、17はこれまでの資料の再掲でございます。
続いて「多様な外国語」についてです。まず現状について。英語以外の外国語を開設している高校は603校あり、約43,000人が16言語を学んでいること、英語以外の外国語も学びたい高3生は約6割とのデータもあり、多様な外国語を学ぶニーズが一定程度存在していること、文部科学省では委託事業を通じてカリキュラムや教材の開発を行ってきたことを挙げております。
次に課題について。英語以外の外国語の指導は非常勤講師が担っている場合が多く、複数の学校を掛け持ちするなど、組織的に授業や教材研究を実施することが難しいとの指摘があること、地域によっては学校が限られているため、教育委員会において研修が実施しにくく、指導力向上が図りにくいこと、生徒が学んでいる言語を実際に使用する機会や生徒同士の交流機会が限られているとの指摘もあり、学びの質の充実も課題であること、国内には各言語の教育に関わる専門機関があり、有益な知見や話者との交流機会の情報があるものの、それらが必ずしも指導者や学習者に届いていない可能性があること、大学において小中学生も対象とした教材を無料で公開している場合がある一方、学びの充実に繋がるリソースが集約されていないことを挙げております。
これを踏まえた右側の方向性として、まず開設状況の共有について。文部科学省では英語以外の外国語の開設状況を調査しているが、学校同士や専門機関との連携促進のため、開設している言語と学校名の公表、同じ外国語を開設している学校同士の共有、専門機関との共有を基本的に実施してはどうかとしています。
次に、学校と各言語の専門機関等との連携促進として、専門機関や在京大使館、関係団体の協力を得ながら、教師の質向上や生徒同士の交流を促進する方策、オンラインにより多様な外国語の履修を可能とする講座の開設等の可能性について検討してはどうかとしています。
また、その他として、文部科学省で実施しているAI活用事業について、英語以外の外国語も対象に含めてはどうか、大学が公表している教材等、学びの充実に役立つ資料を収集し、公表してはどうか、その際小中学校において役立つ視点も踏まえてはどうか、また現行では、海外から帰国した生徒や外国人の生徒の指導に関し、帰国生徒や外国人生徒、外国に繋がる生徒の外国語の能力などの特性を本人の各教科等の学習に生かすことができるよう配慮することが大切である旨が、総則の解説のみに示されているが、外国語の解説においても同様に示してはどうかとしております。
関連して、高等学校における多様な外国語の設置状況でございます。開設学校数の推移と言語別の開設状況でございます。小中学校における開設状況でございます。英語以外の言語も学びたい高3生は約6割いるという調査結果でございます。
続いて、文部科学省で実施しております多様な外国語教育の推進事業における取組の概要でございます。続いて、英語以外の外国語を開設している学校の取組事例として、奈良県立国際高等学校における取組、神奈川県立藤沢総合高等学校における取組について、生徒の声、教師の思いなども含め、両校のご協力をいただきご紹介をしております。
スライド27は、大学入学共通テストにおける英語以外の外国語の取り扱いについてまとめたものでございます。スライド28から43は、高校の教育課程の柔軟化に関する総則評価部会の資料でございます。スライド44から55は、調整授業時数制度に関する総則評価部会の資料でございます。スライド56以降は、教育課程特例校、授業時数特例校の制度概要、教育課程柔軟化、サキドリ研究校事業の概要をお示ししております。長くなりましたが、資料2のご説明は以上でございます。
続いて、教員養成の担当よりご説明をさせていただきます。
【大根田教員免許・研修企画室長】 教員免許・研修企画室長の大根田と申します。よろしくお願いいたします。先ほど少し触れていただきましたけれども、教員養成の関係につきましては、一昨年末に学習指導要領と同時に諮問をいただいておりまして、教員養成部会を中心にご議論をいただいてまいりました。
昨年の10月に論点整理がまとまりまして、その中でも学習指導要領の改訂の議論との連携を深めながら、教職課程における学びを検討していくことが必要であるというご指摘をいただいているところでございます。これを踏まえまして、この教員養成部会の下に教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループが設置され、その中でのご議論が複数回行われてまいりました。
1月に中間まとめがまとまり、それを踏まえまして、これは幼稚園から栄養教諭等まで共通の方向性について示されたものでございますので、これを踏まえて、さらにその下の各作業部会で、小学校、中高等々のそれぞれの免許の在り方について詳細な設計のご議論を賜ってきたところでございます。
次、4月30日にそれぞれの作業部会における状況等のご報告を教職課程のワーキングでさせていただく予定でございますけれども、各作業部会における、特に小と中高に関しましては、確定したものもございますので、それも含めて中間まとめと小と中高の作業部会の状況の報告を今日はさせていただけたらというふうに考えております。
今、画面上でお示ししておりますのが、教職課程のワーキングでの中間まとめでございまして、1月にまとまったものでございます。1枚おめくりいただきまして、大きな方向性でございますけれども、養成だけでなく採用研修全体を通じて質の向上を図っていくという大きな方向性が示されております。
養成段階におきましては、下のところの丸2の養成段階でございますけれども、必要事項について共通で学ぶべき内容を再構造化していくということ、それとともにコアカリキュラムの見直しや、デジタル、CBTも活用した事前事後学習の充実を通して単位の実質化を図っていく必要があるだろうという方向性が示されております。
また、これと連動する形で丸3のところでございますけれども、コアカリキュラムやCBT等と連動した採用試験の一次試験の共同実施、これは自治体が組んで共同で進めているものでございますけれども、それを積極的に進めていく、またこれと連動させていく必要があるであろうということが示されているところでございます。
また、もう一つの方向性として、強み・専門性を持った教師というものを養成研修等で育成していく必要があるであろうという方向性が示されておりまして、養成段階においても右のところでございますけれども、多様な専門性を持った学生が教師となっていく、そして強み・専門性を養成段階でも身につけていくと。その基礎段階を身につけていくということとともに、採用後も勤務を通じてそれを伸ばし、さらに研修段階でございますけれども、左下の部分でございますが、公立校であれば中堅研ございますけれども、中堅研のタイミングでさらにこの個人の強み・専門性を伸ばして、修士レベルの学習にも位置づけていくという中で、資質を伸ばしていくということが大きな方向性となっているわけでございます。
これは個人に着目した能力の伸長を表しているものでございますけれども、これをチームとして表したものが2ページ目でございます。個人と各教員の学び続ける教師としての基礎能力としての共通項とともに、各教員が強み・専門性を伸ばしていくと、その強み・専門性を持った教師がチームとして働くことによって、チーム学校としてのパフォーマンスをより高めていく、そういった方向性が示されているものでございます。
次のページでございますけれども、大きな方向性としては、養成段階でございますが、上のところ「学び続ける教師」ということが一つのキーワードとなってございます。その中でワーキンググループの主な意見というところでございますが、右の真ん中のあたりでございますけれども、理論と実践を結合していくなどの再構造化が必要であるということや、要素間の関係を考えて大括り化していく必要があるという点等が示されております。
また、その上から5番目でございますけれども、次期学習指導要領で基本的方向性として深い学びということが強調されているわけでございますが、それを踏まえると、教職課程においても学生の学びが深い学びにつながっていくようなものでないといけないのではないかという方向性でしたり、学び続けるという意味において、その下でございますけれども、決まった単位をただ積み上げていくというのではなくて、学生が自律的にカリキュラムをデザインしていくということであるべきであろうという方向性が示されております。
こういった中で、下のところでございますけれども、今回免許に関しては、大きく特にコアの部分については二つの括り、教科・領域等の指導法と教育及び幼児、児童生徒の理解という大きな二つの括りで考えていくと、これが共通項の部分でございます。
また、次期学習指導要領の基盤となる考え方等も踏まえた追加をしていく必要があるだろうと、例えばそれは多様性の包摂、これも基本的な方向性として学習指導要領の中で示されているものでございますが、それを踏まえて多様性の包摂についても教職課程の中で学んでくる必要があるであろうということでしたり、右のところワーキンググループの主な意見の上から三つ目、四つ目ぐらいでございますが、学び続ける教師ということであれば、学び続けるということ自体、その力を学んでくる必要があるであろうということや、強み弱み、自らのメンタル等々とも向き合える力もつけていく必要があるだろうと、こういった方向性が示されているところでございます。
これらを踏まえて、具体的なところ4ページでございますけれども、幼稚園から特別支援学校、栄養教諭、養護教諭まで含めて共通の事項としてこの考え方が丸1から丸7で示されております。その中では教職課程と及びその外側に教養科目の4科目というのがございます。また、義務教育に関しては介護等体験もするということに法律上なってございますけれども、こういったものを含めて再構造化を図るという方向性があり、丸2は先ほど申し上げたような二つの方向性で再編をするということ、丸3は先ほど申し上げた内容について追加をしていく必要があるということ等が示されているところでございます。
そういった中でございますけれども、具体的にそれを落とし込んだものが5ページ以降ということになりますけれども、6ページをご覧いただきますと、左側が現行のスキームでございまして、それが右側になるというもので、4年制大学で言えば55単位程度を学習してくるというものになっております。先ほど申し上げたコアとしての二つの共通の大きな括りとともに、強み・専門性を学んでくる20単位と合わせて55単位程度を学んでくるということが大きな方向性として示されております。同様のものが中学、高校等でもあるというものでございます。
また最後、強み・専門性の関係でございますけれども、12ページをご覧いただければというふうに思います。強み・専門性の考え方、これからも中教審等の場でご議論を深めていただきつつ、今回この教員の養成の関係に関しましては、夏以降に何らかの形で答申という形でまとまっていくことを想定しておりまして、その上で様々法制的なところの改正ということになってまいります。それに関しては合わせて、教職課程の認定基準の見直し、またそれと関連して先ほど申し上げましたコアカリキュラムの見直し等も行っていくということが想定されているわけでございまして、この強み・専門性の在り方についても、認定基準の見直しの中でさらに議論を深めていただくというものではございますけれども、大きな方向性としてはここで示しているもの、これも様々なパターンがございますけれども、大きく言えばいわゆる開放制の大学と教員養成を主たる目的とする学部学科等ということがございます。
そういう中で、特に右側開放制におきましては、強み・専門性というのを学位課程の中にあり、かつ教職課程として位置づけていくということで、この大学、学部学科での学位課程としてどういった学生を育てていくかという方向性と、専門性を身につけていくということと、教職課程、これを結節する結節点としてこの強み・専門性ということをパッケージで立てていく必要があるであろうということの方向性が示されてございます。したがって、これは学位課程、また教職というものとの一貫性とともに、強み・専門性の中の一貫性、パッケージ性が必要であろうということが議論になっている状況でございます。
これらを踏まえて、小、中高でございますけれども、作業部会でご議論いただいた内容がまとまっておりますので、少し変わっているところもございますので、そちらをベースに最後ご説明をさせていただけたらというふうに思います。
小学校に関して資料の4-1でございますけれども、2ページをご覧いただければというふうに思います。小学校におきましては、中間まとめにおきまして、全体として教員養成フラッグシップ大学というのがございまして、そこでの取組をベースにコアとなる共通部分の単位数と、それに加えての20単位という構成は維持しつつ、右側の教科及び教科の指導法の部分でございますけれども、必要な単位数に関しては一種免許が全教科を指導・学習するということになっていることを維持する形にすべきであるという方向性がまず示されているというところが一点。
もう一点、現行におきましても左側の教科及び教科の指導法に関する科目、これは一体的に学ぶ必要があるというのが前回から現行へ向けての変更点でございました。ただ、項目としては教科に関する専門的事項と各教科の指導法は別途二つ書いてあったわけでございますけれども、やはりこれは一体的に学ぶべきであるということが示されておりまして、右側の教科及び教科の指導法ということで一体的なものとし、学習指導要領に基づいた学習に即した学習がなされるべきであるという方向性が示されているというものでございます。
関連して中高でございますけれども、資料の4-2でございます。2ページご覧いただきますと、基本的な構造は先ほどの小学校と同じでございまして、フラッグシップ大学をベースにしたコアの部分の単位数とともに20単位程度の強み・専門性を立てて、中高ともに56単位を学習してくるという方向性が示されているわけでございますが、ここにおいても右側の教科の指導法、教科指導等に関する科目の部分でございますけれども、教科に関する内容と教科の指導法というのは一体的に学習をしてくる必要があるということが示されているところでございます。
それとともに、特に教科の専門的事項に関しては今でも指導法に関しては学習指導要領に則して包括的内容を学習するとなっておりましたけれども、専門的事項も含めて学習指導要領に則して学習をしてくるということが行われるべきであるというご指摘を踏まえて、そこの点が明示されているのが1ページ以降のものということになっております。
これらの点については今後も学習指導要領全体のご議論の中ともきちんとリンクしていくようにご報告もさせていただきながらご意見を賜って、教員養成のご議論にも反映させていただけたらというふうに考えているところでございます。事務局からは以上でございます。
【酒井主査】 田井室長、大根田室長、ありがとうございました。
それではこれより意見交換の時間としたいと思います。事務局よりご提示いただいた案につきまして、ご意見等がございましたらお願いします。
臼倉委員お願いします。
【臼倉委員】 簡単に一つだけ、今日はCEFRのことばかり言ってしまっているんですけれども、資料のスライド4かなと思います。柔軟な教育課程について、必修の授業など学校で受けなきゃいけないとなっている英語関係の授業を、能力が高い生徒たちは免除になるとか、ほかの科目を取ることができるというようになるというお話があったと思います。
そのこと自体はいいことだと思うんですけれども、それを各学校が判断するということになったときに、先ほどのお話だとどの資格試験の何級とか何点以上取れていたらOKとするみたいなことはなかなか少し示しにくいので、CEFRのB2以上取れていれば科目を免除してもいいみたいな形でCEFRレベルだけを示すことにしますというお話があったと思います。
それはやむを得ないかなと思いつつ、実際現場でその判断を先生たちがするときにどうするか想像したときに、いわゆる今出ている各民間試験のCEFR対照表みたいなものが、文科省のほうからも2018年などに最新版が出されていたかと思うんですが、しばらく出ていないイメージがありまして、各試験を作っている会社などが独自に、旺文社などが2025年に出しているのが新しいかなと思うんですけれども、そういったものを各会社が出しているという状況があると思います。
そうすると現場の先生たちは、自分たちの学校でこの生徒が免除になるかを判断するときに、どの資料を拠り所にしてCEFR B2以上だという判断をしたらいいか、どの試験のどの点数ということを何の資料を見て判断したらいいか迷うと。最終的にはこれを見て決めようとお決めになるとは思うんですけれども、その迷っている時間は結構負担になるかなと思うので、また2018年ぐらいに文科省が出されたみたいに、参考資料という形でもいいので、これを拠り所にして決められますよというようなものを示してあげるということが、実際の現場での運用には少し大変かもしれないけれども先生方の負担軽減になるので、こちらの意図が実現されやすくなるかなと思いました。以上になります。
【酒井主査】 バトラー委員お願いします。
【バトラー委員】 はい、私も今の臼倉委員のお話とまったく被ることで、外部試験の使用に関しては少し難しいところがあるかなというふうに思いました。
この「社会的信頼性が確立している試験」という定義を明確にしないと、今、臼倉委員からお話があったように現場としては少し使いにくいのかなと思います。社会的信頼性とは、テスト理論でいういわゆる信頼性とか妥当性というのとは少し違って、おそらく社会の中でこのテストは信用してもいいよという意味で使われているのかなと思うんですけれども、やはりこのあたりの定義が明確になっていないと難しいのかなと思います。
それから、ここ1、2年の間、少なくとも海外で作られているいわゆる外部試験というのはものすごく大きな変化を遂げています。今まで社会的信頼性があったと思われるようなテストも大きく変わっていて、改悪というふうに言ってもいいような状況が散見されるようになってきています。
これはAIの活用とも関連しているかと思うんですけれども、AIを導入することによって、どちらかというとコンテクストから離れた断片的な知識を問うような設問が多く見られるようになったりして、これが先ほど私がコメントさせていただいたAIを使ったパフォーマンステストがいかに難しいかということの一つの表れでもあると思います。今後もAIを使ったテストがどんどん増えてくるでしょうが、その一方でAIはすべての救世主ではないということを確認しつつ、このあたりの議論は慎重にやっていく必要があるのかなというふうに思いました。
【酒井主査】 米野委員お願いします。
【米野委員】 簡単に2点お願いできればと思います。1つ目は高校の履修免除についてなんですけれども、今後対象が増えていくのであれば、現状全日制の多くが学年制を取っている中で、その対応が現状の人員配置ではなかなか難しいところがあるのではないかと心配しているところです。人員配置のところをセットで検討していかないとなかなか実行可能性が難しいのではないかなというふうに感じます。
2つ目が教員養成と研修についてなんですが、公立学校の教員は異動がつきものです。入学する子供たちも毎年違う児童生徒が入ってくる。外国語の教科の特徴として、やはり習熟度に大きく差があるというのは、他の教科と違うところかなというふうに思います。
そういったことを考えると、教員養成研修のコアカリキュラムの中に少し抜けている視点として、授業改善の手法を取り入れるべきではないかなというふうに思います。教員が自身の授業実践を客観的に振り返って分析し、改善を繰り返すことで、授業の質を上げていくと同時に自分の指導力を高めていくという、いわゆるリフレクティブ・ティーチングやアクション・リサーチといった手法を技術として身につける、養成あるいは研修の中にそういったところを組み込むべきではないかなというふうに考えます。
【酒井主査】 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 CEFRの件については、臼倉委員とバトラー委員も仰っていたので同感ですというところです。外部試験をどう利用していくかというのは非常に難しいところかなと思いますが、今の要件の中に、外部試験は目指す資質・能力全体をカバーしているわけではないので、振替科目でそれを担保していくという要件が付いているので、それは非常に妥当な要件かなと思います。
あとは学校とか教育委員会の判断によるところで、その難しさがあるということで臼倉委員が仰っていたと思うんですけれども、これ必履修科目なので、今のところ英語コミュニケーション1の総合3単位が必履修科目となっているので、これが免除されるということだと思うんですけれども、いくつか免除の方法があって、その1つとして上位科目、英語コミュニケーション2になると思うんですけれども、これを代わりに履修するとなった場合に、例えば1年生のときに英語コミュニケーション2を受けて代替するということであれば、2年生の授業に参加するのか、それとも3単位と4単位で違うので、難しければ1年生にその学生用の2を用意するのか。
非常に運用が難しいかなと思いますし、先ほど米野委員も仰ったように先生の手配なども非常に難しくなっていくので、あらかじめそういうことをやると判断した学校に加配するなど先生の対応がなされていないと、制度だけ先に進んでいって全然運用が担保できないということもあるかなと思います。
あともう1つは、仮に1年生のときに履修免除されて上位科目を履修したときに、じゃあ2年生になったらその生徒は何を受けるのでしょうか。他の2年生は2をやっているけれど1年生のときに2を受けてしまっているのでということで、ずっと3年間続いていくことになるので、必修だけの免除というよりも全体的なところでどう落としていくかって結構大きな問題なのかなと思います。学年制ということで米野委員も仰ったんですけれども、その辺が結構揺らぐ大きなポイントになってくるのではないかなと思いましたので、その辺まで詰めていくのかどうかも含めて検討ができればいいかなと思います。
【酒井主査】 関谷委員、お願いします。
【関谷委員】 スライドの11と12の指導体制、環境整備等についてお願いいたします。3点です。
右側の2番の括弧1教員養成の最後の黒丸のところですけれども、先生方の英語力、指導力の向上を目指してというところなんですが、資格検定試験の補助はありがとうございますというところなんですが、実際先生たちの英語力向上というのは試験を受けるだけでは不十分で、そのために勉強されることで向上すると思うんですけれども、なかなか時間が取れないということもあり、このあたりの英語力向上のための何かオンデマンド研修ですとかそういったものがあると先生たちも心強いかなというふうに思います。少し勤務との関係、そのあたりも整理をしていく必要があるのではないかと思います。
それから2点目なんですけれども、12ページの右側の括弧2教員研修ということで、今回この学習指導要領改訂に向けた経過ですとか理念ですとかについて、ぜひ先生方にもご理解いただきたいなというふうに思っています。先生方に届くときには学習指導要領解説の形で届くんですけれども、そのあたりをきちんとお伝えしていくことが学習指導要領の目標の実現に繋がると思いますので、そのあたりを工夫していただけるとありがたいなと思います。
最後に右側3番の英語を使う機会の充実の在り方というところなんですけれども、これまでのワーキングではAIの活用ということで出てきたところですけれども、やはり高校生の様子を見ていますと、同世代の海外の生徒との交流ですとか、ALTもそうですけれども、人と人との交流がやはり学びのモチベーションになることも皆さん当然分かっていらっしゃると思いますので、リアルな英語を使う機会の確保に向けた表現が入っていればいいかなと思います。よろしくお願いします。
【酒井主査】 藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 非常に多様なテーマなので、簡単なコメントだけさせていただこうと思うんですけれども、まず最初の柔軟な教育課程の免除の部分ですけれども、これすでに臼倉委員やバトラー委員が仰っていたようにこれからクリアしなければいけない課題がおそらくあるだろうというのを認めつつも、多様な背景を持った児童・生徒たちが増えている現状を考えてみると、やはりいろんな形で対応ができるようにする制度というものを一応持っておくということは不可欠なのかなと感じております。
それから指導者養成の部分ですけれども、最初のところでAI時代の教師の役割みたいな言及があったと思いますけれども、教職課程の中でというのも当然大切なんですが、テクノロジーに関して言うと日進月歩でどんどん変わっているので、学生時代に学んだことと実際に現場に出てからがまったく違うみたいな状況もあるので、どうやってアップデートしていくのか、教員になってからの研修を常にアップデートするということが非常に大事になると思います。一方でテクノロジーにあまり振り回されないという部分もやはり大事かなと考えています。
そういう形でアップデートしていくとなると、先ほど関谷委員がご指摘になっていたところでもあると思うんですけれども、大学教員でいうサバティカル的な形で少し時間を取って研修ができるようなものも大切になると思います。ただそうなってくると、他の先生が仰っていたように、教員の差配をどうしていくのかなど、次から次へと問題が大きくなってはしまうんですけれども、そこも含めた形で少し大きなグランドデザインとして、研修と教師が学び続ける環境整備のための制度設計というものが必要なのかなと思います。
あと1つ、ALTという部分ですね。ここで効果があるというのは確かにその通りだと思う一方で、日本人の教員というだけではなくて、ALTに対する研修というものがそこまできちんと組織化されていないことが課題として感じているので、彼らに対するきちんとした研修とか、日本の学習指導要領の理解であったり、結構自治体に任せっぱなしになってしまいがちなので、もう少し統一的な形で考えていく必要があるかなと思います。
最後に一言、英語以外の外国語ということなんですけれども、やはりどうしても日本の社会の中では外国語イコール英語みたいなイメージが非常に根強く残っている部分があるので、そこら辺のイメージを打破していくということを通じて、そこまで深い学びにはなっていないかもしれないけれども、様々な言語に触れていくことを通じて多様性の包摂というようなものを子供たちの中に植え付けていくということも非常に大切な部分であると思いました。
【酒井主査】 布村委員、お願いします。
【布村委員】 私も最初の必履修の振替の観点で1つお願いします。
こちらの制度を用いることは非常に意義があるなというふうに思っています。と言いますのは、現状でも英語に関してはどの学校でも英語のレベル差というのは存在して、各先生方がどのレベルに授業を合わせようというところに非常に苦慮されているところがあると思うんですね。そういった点で、英語ができる生徒に対しては別の振替という形で履修させることができるという制度として持っておくということは非常に意義があることかなと思います。
上位の科目は、特に新課程が始まった年は上の教科書はまだできていない状態なのでおそらく難しいかなとは思うんですけれども、ただ制度として持っておくというのはありかなというふうには思っています。オンラインの活用で、他の学校と一緒に同じ時間帯で実施をするというのは時間割上非常に難しくて無理だとは思うんですけれども、例えば4時から5時など、授業時間帯が終わったところで他のいろんな学校と一緒にオンラインで履修をするということ、それを振替に当てるということであれば実現可能かなとは思いますので、このシステムを置くということ自体は意義があるかなというふうに思います。
でもう1つ、外国にルーツがある生徒もすごく増えていると思うんですね。小中学校では支援がかなり充実してきているかなと思うんですけれども、特に高等学校でそこの部分の支援があまり足りていないという現状があるかなというふうに思うときに、いろんな外国にルーツがある生徒がいるので一概には言えないんですけれども、英語がある程度できるという、でも日本語のコミュニケーションはできても書くこと、読むことなどの面で困難を感じている外国にルーツのある生徒というのも高等学校にいると思います。そういった生徒がこのシステムを使って、英語に関しては振替で、それをもし第二言語としての日本語の学習に当てるということがもしできるのであれば、高等学校でそういうルーツのある生徒を多く抱えている学校は助かるんじゃないかなというふうに思いました。
2つ目、環境面なんですけど、ALT、こんなに自治体の差があるんだというふうに見てびっくりしたんですけれども、確かに東京にいても各市区町村によって違うなというのは感じてはいましたけれども、全国で見たときにこんなにALTの配置の差があるんだということに少しびっくりしました。ALTはやはり常駐で1人いてもらえるだけでも、生徒のモチベーションは本当に違うんですね。授業時間だけじゃなく1日いてもらえるとすごく生徒が話したいとか、コミュニケーション取りたいとか、知りたいとか、英語を使ってALTの先生の国のことを知りたいとか文化を知りたいというモチベーションが非常に湧きますので、これは本当に各学校1人ずつ配置できるようになっていただきたいなというのが1つ要望です。
教員養成に関してです。動画作っていただけるというのはありがたいです。今もだいぶ作っていただいて私も参考にさせていただいているんですけれども、学生たちはやっぱりいい授業を見てみたいというのがモチベーションとしてあって、残念ながら自分が教わった先生のようには授業はしたくないといったモチベーションがありますので、動画を作っていただけるのはありがたいなというふうには思います。
あとこれだけ学習指導要領が変わってきていますので、現職の先生方にもやはり学んでいただく必要性というのは非常にあります。人員配置難しいんですけれども、サバティカルのような形が取れるぐらいの人員の余白が学校現場にあると非常にありがたいなという、いろんな働き方改革あると思いますけれども、育休なども含めたときにすぐに配置ができるような、そんな人の余裕みたいな配置ができるようなシステムになっていくといいなという希望的観測でした。以上です。
【酒井主査】 それでは内田委員お願いします。
【内田委員】 教職課程の資料3の2ページ目あたりに少し意見を述べたいと思います。
現在提案されているものが、おそらく現状だと標準化というか、同じものを学んで同じ教育実習に行き、科目を学び、教科教育法などを学びという形の標準化モデルだったと思うんですけれども、これおそらく結構大きな転換になる気がするんですけれども、専門化モデルというか、差異化モデルというか、そちら側に転換しようということなのかなと思いました。
その中で多分重要になってくるのは、どういうふうにその技能を可視化するかかなというふうに思っています。最近では大学だとマイクロクレデンシャルのような、いろいろとラベルをつけるというのをやっていますけれども、そのような形で「私はこれができますよ」というような何かバッジみたいなものが分かるようにする必要があるかなと思っています。
これは複数の外国語に関してもそうで、例えば英語の教師だけれどスペイン語もできます、フランス語もできます、みたいな、観光案内所にある「私この言語できますよ」みたいなラベルみたいなのがあると分かりやすいのかなという気がするので、それぞれの専門性をうまく可視化する仕組みがほしいなと思いました。
修士化レベルというふうに左側に書かれているんですけれども、これは数単位で、今多分6単位など書かれていた気がしますけれども、というのは結構やはり難しいのかなと思います。なので、やはり修士とか博士を持つようなモチベーションになるようなインセンティブが必要かなと思っています。必修化するのは難しいと思いますけれども、諸外国ではいくつか例があるとは思いますけれども、例えば修士・博士を持っている先生方に何かしらプレミアムを付す、給与面であるとか、研修を免除するとか、いろんな形があると思うんですけれども、そのあたりの学位のプレミアム化ということをすることによってより大学院の進学率が上がるということにも繋がると思うので、それをやっていただきたいということと、あとは先ほど布村先生も仰いましたけれども、現場の先生方の研修制度ですね、サバティカルと社会人修士が取れるような形も必要かなと思いますので、それも合わせて検討する必要があるかなと思っています。
【酒井主査】 髙木委員お願いします。
【髙木委員】 僕は今ですね、20年ぐらい教員をやらせていただいているんですけれども、20年前に教員になったときよりも知識の更新が圧倒的に加速しているように感じています。なので、現場で教員として働いていく中で学び直しの機会というのはすごく大事だなというふうに思う一方で、現場で働いているとただ忙しいというところが大きくそれを阻んでしまっている可能性があるなというふうに思っています。
先ほどから様々な委員の方が触れられておりますけれども、実際やるとなると人の確保が難しい部分はあると思うんですけれども、意思がある人が学べる環境というのがやっぱり現職教員にとってもあったほうがいいのかなと思っていまして、特に感じるところとしては、これは実践を軽視するということではまったくないんですけれども、理論と実践を繋げるトレーニングの部分というのは非常に弱いなというふうに思っています。
海外などだと例えば、勤務時間ではない時間に開講されているプロフェッショナルスクールみたいなものが結構充実している国があったりするというところで、そういうところに行って例えば年間でなかったとしても学期単位とかでも勉強できる環境を整えていただけるということになるとすごくいいのかなというふうに思いました。ただ、内田委員が仰っていたようにそのキャリア上のインセンティブというのが今なかなか薄く感じるところがあります。なので、そういうところがあるといいのかなというふうに思っています。
もう1点は英語以外の外国語についてなんですけれども、自分自身が高校時代に英語以外の言語を学ぶ環境にいたことがありまして、その中で思ったところというのは、その1年間でその言語の能力が圧倒的に上がるということはないんですけれども、その学習自体が英語だったり日本語を学ぶ上でも非常に良かったなというふうに思っていますので、可能な範囲で構いませんのでそういう観点もあるのかなというふうに思いました。
【酒井主査】 鈴木委員お願いします。
【鈴木委員】 簡単な質問とコメントになります。
質問のところ、CEFRレベルで履修免除の要件についての話なんですが、それについての心配事というのは他の委員と私も一致しているところで、質問としてはB2を閾値として設定しているというようなことだったと思うんですけれども、例えば高等学校だとコミュニケーション総合と現状だとコミュニケーション発信というふうに分けているので、CEFRのB2で分けるということなのか、総合とで分けるのか、技能ごとに分けていくのかということも検討必要になってくるのかなというふうに思いました。これが1点目です。
2点目はコメントで、オンラインによる教員研修ですね。資料の配布という方向性については私も教員養成課程で指導している身としても、MEXTチャンネルですかね、非常に参考になって助かっている部分はあるんですけれども、そこだけにとどまらず、やはり大事になってくるのは学生だけじゃなくて教員もですけれども、授業を観察したり、やはり研修として講師と参加している先生方が共同でその研修を作っていく。大学であれば講師である私と学生が一緒に作り上げていく、そういう場というのは非常に大事だと思いますし、言語活動を通して指導するではありませんけれども、教師や学生が実践して、それに対して講師や教師である私がフィードバックを与えて、再度実践するというサイクルですね、そういうサイクルがやはり非常に重要になってくると思いますので、そこが実装できるような仕組みを、国、教育委員会、そして教員養成大学や教職課程を持っている大学でセットとして設計できたらいいんだろうなというふうに長く思っているところです。
【酒井主査】 細田委員、お願いします。
【細田委員】 よろしくお願いします。まず1点目が、高校の必履修科目の履修免除の在り方、資料の4ページのところですが、基本的に私はこの柔軟な対応について制度的にしっかり示すことについて大歓迎です。もうこれ、ぜひこういう姿勢を学習指導要領の中で示していくということが、次の学習指導要領にとってもとても大切じゃないかなというふうに思っているところです。
その上で今様々な委員の皆様方から具体的な運用についていろいろご心配のご意見をいただいているところですので、私はこの制度をしっかりあるだけではなくて動かしていくためにも、今いろいろご指摘いただいた運用面での懸念事項についてはしっかり議論をしていって、各学校で実態として必履修から上位の科目だったり学校設定科目だったり学校外の学習とか、もちろん学校外の学習で高大接続のチャレンジもできると思うんですが、そういったことにチャレンジできる、そういったところで学べる子供たち、学んでいくべき子供たちもだいぶ増えてくるような気がしております。実際増えていると思いますので、そういう子供たち、生徒たちにさらなる深い学びができるような環境をぜひ作っていきたいというふうに思います。
そのことについてもう1つ申し上げますと、私自身長いこと公立の学校教育、とりわけ公立の高等学校で教えていたり学校の経営をしていた身からしますと、公立の高等学校のある意味生き残りとして各学校がこの制度をしっかり活用できるような仕組みを作っていくという、そういう側面にも実は期待していて、それが公立の学校教育、いや公立と言わなくてもいいかもしれないんですけれども、各高等学校の特色化とか魅力化に繋がっていけばいいなというふうに強く思っていますので、クリアしていかなきゃいけないことはいっぱいあるというふうに思いますが、これを好機と捉えるというか、良い制度になるようにいろいろ議論を続けていく必要があるというふうに思っています。
2つ目はですね、指導体制、環境整備等についてですけれども、とりわけ私ALTとたくさん接している中で思っていることの1つなんですけれども、11ページですが、AI時代の教師等の役割のところの3つ目の黒丸で「AI時代だからこそALTを含む人間同士のリアルな」と、ここのところから「だからこそ教師、ALTが外国語を学ぶ本質的な意義を」というところに繋がるんですけれども、私は英語ネイティブのALTがこのことをもっともっと理解していく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
単純にAIが学校教育の中で、とりわけ外国語教育の中に対頭してくることによってALTの役割が薄くなるんじゃないかとかいらなくなるんじゃないかというような単純な議論ではなくて、英語ネイティブのALTがこのAI時代に外国語を学ぶ本質的な意義こそを日本人の英語の教師と一緒に議論していくということがこれから英語教育の在りようとしては大変重要になるんじゃないかということを感じている次第です。
【酒井主査】 川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】 今回も分かりやすい資料ありがとうございます。3点ございます。4ページの外部試験について、臼倉委員や他の委員と賛成で、CEFRレベルといっても外部試験によって結構ばらつきがあるので、実際CEFR B2取りましたという学習者さんでもコミュニケーションやインタラクション取ると全然できないというような学習者さんも見受けられます。国の方で参考となる資料や、外部試験を選定する際の基準のようなものがあると、現場では先生がどの試験のどこという項目を確認すると良いのか分かりやすいと思います。そのため、参考となる試験等の資料は解説などで別途用意されている方が良いと感じました。
次に、教員養成について、動画やオンライン研修などの仕組み作りはとてもいいと感じました。すでにベテランの先生たちで、これまで文法重視で教えてこられた先生方が、よりコミュニケーションや科学をベースとした考え方を学んだこれから入ってくる新人の先生たちとどう擦り合わせていくかというところは課題になると思います。実際第二言語習得研究などで修士号を取った先生がベテランの先生から批判をされて、授業でコミュニケーションばかり取っていると遊びっぽいからもっと単語や文法の指導をしなさいというよな軋轢が生じているという声を聞いたことがあります。ベテランの先生たちも第二言語習得研究や自己調整について学べる後押しができる仕組みがあるといいと感じました。
最後に、ALTについてです。ALTについても講師の質にばらつきがあるという声を聞いております。英語の先生がALTの先生の指導をしないといけなくて負担になっているという声を最近聞くことがありまして、実際ALTの先生が研修などを十分に受けずに学校現場に来てしまい、教え方がただ英語で話すだけであったり、遊ぶだけであったりとしているとのことです。先日聞いた相談では、ALTの先生がスケボーで通勤しており、そういう授業以外のことも、英語の先生が指導する必要があり疲弊していると聞きました。今後ALTの需要はさらに高まると思いますし、その上でやはり一定の質というのは担保されるべきだと思います。ALTとしての在り方や教え方についての基本的なベースは、国の方でも定められるといいのかなというのを感じました。
【酒井主査】 それでは𫝆井委員、お願いします。
【𫝆井委員】 よろしくお願いします。2点、提案、意見を言いたいと思います。
1つは指導体制、環境整備等についてなんですが、教員養成と教員研修それぞれにおいて文部科学省が先導している動画ですとかそういったことを作りながら共有していくというそういう体制を整えるというのは多くの委員が仰っているように私も大変賛成だと思っております。
その中でですけれども、昨年度生成AIの活用事業などに参加して思うのは、やはりそういうところで日進月歩のエリアで具体性を必要とするようなところにおいては、実際にそれを指導されている学校の先生方の専門性の高さ、強さ、開発能力というのが研修の意味でも非常に大事だと思いました。
その意味で全体としてやっていかなきゃいけないこともある一方で、そういった指導の場に、研修の場に、教員養成の場に学校の先生方が指導者として参加する機会というのをより明確に位置づけて、そういったことをしたことも研修の一部、教えることも研修の一部というふうにしていただくような考え方というのが浸透すると良いのではないかなと思います。
内田委員からマイクロクレデンシャルという言葉もありましたけれども、そういったものを研修を見える化していくことで、動機も高まるし、その人の教師としての経験というのも見える化していくということは大事かなと。テクノロジー系の企業がそういった先生を良い教師として取り上げていたりとかそういうことはありますけれども、そういったことを自治体や国の制度の中で見える化していくことというのは教員養成をよりライフロングにしていく意味でも大事じゃないかなと思いました。
2点目は多言語のほうなんですけれども、こちらについても私非常にいい提案ではないかなと思っています。特にこのなぜ英語を学ぶかという時代的背景を考えると、やはり話者の人口ですとか政治経済的重要性、そして結果的に大学入試等、その実用性というのがやはり多言語に比べて高いという前提がありましたけれども、このAI時代においてはそういった実用性ということを価値とすべきかどうかということが問われているというのはこれまでの議論でもあったと思います。
実際に多様な外国語の取組の事例を今回拝見して、奈良県立の国際高校の授業を受けた生徒さんの声に「私の人生を変えた授業だった」というふうに書いていらっしゃるように、その実用価値じゃなくてもっと情動的な感情ですとか、みんな考えさせられるような、そういった人の人生を開いていく可能性を帯びているところが多言語の学びにはあるのではないかなというふうに思います。
いつか実用価値、認知価値じゃなくてやはり情動的価値が大事ではないかというお話、この会議でもさせていただきましたけれども、それを強く感じるところです。そのための指導体制として学校間の連携もそうですし、大使館や大学等が持っているいろいろなリソースを積極的に出して高大連携を図るですとか、そういう形で英語以外の外国語教育の促進というのは非常に意義があるんではないかなというふうに思った次第です。
【酒井主査】 江原委員お願いします。
【江原委員】 よろしくお願いいたします。重複するトピックもあるので短くお話しいたします。3つあります。
まずALTの活用ということで、JETプログラムがスタートしたときはいろいろと研修があったんですけれども、今もありますけれども、なんとなくマンネリ化というか膠着状態という状況があると思うので、先ほどもコメントがありましたようにAI時代ならではの、どうするかということを改めて見直して研修できればなと思います。
その際に特に小学校はやり取りがとても大事ですよね。日本人教員の専門性はとてもあるんですけれども、自然な英語でのやり取りというのはやはり難しいところがある。そこでALTとチームティーチングをすることによって小学校の先生も「あ、こんなふうにやるんだ」という学びをすることで、ウィンウィンになるんではないかなと思います。
2点目、教員研修におけるアクションリ・サーチですね。これはとても大事なんです。一方でアクション・リサーチっと、「リサーチ」という言葉があるととても学究的なものというふうに捉えられるんですけれども、「ソフト」な形で振り返り、エクスプロラトリー・プラクティス(exploratory practice)とかリフレクティブプラクティス(reflective practice) とか言いますけれども、そういうものが必要です。
その中で外国語だけではなく、生徒とのやり取りとか、コミュニケーションのやり取りにおける振り返りによって自分が力をつけていく。今、大学を卒業して教員になったときにどういう問題があるかというと、授業の教え方自体の問題というよりも、生徒とのやり取り、保護者とのやり取りというところがあるんですよね。だから英語教員のコミュニケーションの専門家としてのリフレクティブ・プラクティスを行いながら、課題解決の専門家になるような、そういう研修の機会があるといいなと思います。
最後はキャリア上のインセンティブということで、教職課程の学生はもれなく資格試験が割引になるとか、あるいは教職課程の学生はこれこれ、こういうインセンティブがあるとか、そういうのを前面に出して教員になりたいという人たちを増やすということもとても大事だなと思いました。
【酒井主査】 髙島委員お願いします。
【髙島委員】 よろしくお願いします。少し短めにいくつか話したいと思います。
4ページ開けていただけますか。必履修科目の履修免除というのは思い切ったなと、すごくいいなと思っています。特に英語はもうすでに学んだから退屈だみたいなことをよく聞く分野の1つだと思いますので、より発展的な学びや、英語以外の外国語の学びに繋がることを期待したいと思います。各学校や教育委員会の判断によるということで、各学校に過度な負担になるかなという不安の声もありました。ここはぜひ文科省のバックアップをお願いしたいと思います。その点で今回水準を決めたというのはいいなと思います。様々懸念はあるようですので、運用をしっかり詰めていただければと思っています。
後ほど教えていただければと思うんですが、下のほうに学校外学習について例示されている部分がありました。大学の授業の履修とか海外のサマースクールとかありましたけれども、これはいわゆる英語学習の授業の話をしているのか、英語で行われる授業であればあらゆる分野でいいのか、そこら辺は分かりやすく示されればいいなというふうに思っております。
続いて9ページです。小中学校における柔軟な教育課程も、ここはぜひ教育委員会への情報提供をお願いしたいと思います。サキドリ研究校事業というのは今年から始まりますので、ぜひそこは横展開をお願いしたいと思いますし、できることをどんどん始めていくと思いますので、学習指導要領改訂を待たずにどんどん情報提供を進めていただければ嬉しく思います。
11ページの役割の再定義というのは、我々がずっと議論していたAI時代に外国語を必修とする本質的意義のところかなと思いますので、一番大事と言っても過言ではないかなと思っています。
まさに細田先生が先ほど仰っていたように、先生やALTが自分の言葉で外国語を学ぶ本質的意義は何かを説明できることというのは極めて大事かなと思います。やっぱり、別にAIがあるからいいよねと周りが言ってしまうと思うんですね。保護者もそうだし、地域の人もそうですし。ぜひそこは学校の先生やALTの皆さんに期待したいと思います。
個人的にはALTの先生の役割というところで言うと、今特活のワーキンググループにも参加していることもあって、学校行事をはじめ、特活などにALTの先生が入っていくと良いのになと思っています。まさに人間同士のリアルなコミュニケーションって、そういうリアルな場にこそ大いにあるんじゃないかなと思うからです。この2ページ後以降にALTの効果についての記載がいろいろありましたけれども、人間であるということに効果があったのか、即時にフィードバックがネイティブからあったということに効果があったのか、AI活用の文脈も踏まえると結構大事かなと思うので、より精緻な議論があればいいなと思っております。
最後2つです。12ページ、教員研修のところは本当に大事だと思いますので、ぜひお願いします。多くの市区町村にとって、学校の先生は都道府県費の職員です。人事異動で他の市区町村に異動になるケースがあるので、なかなか県費職員に研修を市費では行いづらいと聞きます。文科省による全国の先生に向けた大規模な研修というのは歓迎したいし期待したいと思いますし、こういうのって他の教科も同じなんじゃないかなと思うので、そこは期待したいと思います。
最後19ページです。多様な外国語のところは、最初の高校の履修免除のところでも述べたように期待したいと思いますし、英語以外のAI活用の実証についてもぜひ進めてほしいと思います。よくよく考えると、英語以外の言語はあまり教材がないから学びにくいということが結構あったと思うんですが、AIの活用がうまくいくとそこの壁が非常に低くなるんじゃないでしょうか。まさに自分が興味のある文化について学ぶことがしやすくなるというのは結構いいことかなと思っています。
特に2の学校と各言語の専門機関等との連携促進のところは、ぜひいわゆる首長部局、国際交流もそうですし、観光もそうですし、産業もそうですし、様々な部局と連携していただけたらなと思います。芦屋は関西にあるので、昨年の万博では本当にいろんな国の方々と話す機会があったんですが、自分の国の文化をもっと知ってほしいとか、もっと伝えたいという意欲があられる方がたくさんいらっしゃいました。そういうところとうまくやっていくと、何も全部学校で丸抱えしなくてもいい部分もあるかもしれないなとも思いますので、英語も同じかもしれませんが、ぜひ首長部局もしっかり巻き込んで進めていただけたら嬉しく思います。
【酒井主査】 こちらの後半の議題に関しても、いろいろな視点からご意見いただきありがとうございました。
私からは柔軟な教育課程については、全体の方向性については良いだろうということだと思うんですが、運用上ですね、特に上位の授業をどうしていくのか、そしてどのような資格認定の参考になるものがあるのかということ、そして外部との関係で代替にする場合の授業内容についてということについてはまた検討進めていただければというふうに思います。
指導体制、環境整備等ですけれども、今日は教員養成のほうの大根田室長にもおいでいただいてますが、英語の場合には英語コアカリキュラムというのが課程認定上作られています。実は背景になったのが臼倉委員がお話になればいいかもしれませんけれど、東京学芸大学で文部科学省委託事業を受けたコアカリキュラムです。こちらのほうは教職課程ともう1つ研修のほうのコアカリキュラムというものを作っています。これ調査であるとか聞き取りであるとか、様々な観点に基づいてリストアップしさらに精選したものなんですが、実は精選もかなり苦労したというような過程があったかというように思います。
その意味でですね、今日は研修のほうの方向性の内容もご意見あったかと思うんですが、ぜひそういう資産も活用しつつ英語教育ならではなのか、あるいは全体なのかということも見つつ研修の構成や内容を考えていくということも大事かなというふうに思いました。
合わせて教員養成のほうも教職のほうの英語コアカリキュラムかなり項目数が多いのは、これを学んでおくべきというようなご意見がとても多いものが項目として残っている現状があります。その意味でそういうものをしっかり学べる共通性として学べるようなところでもう1回見直していくというのが大事なんだということを今日改めて認識をしました。
それから環境整備のほうですけれど、ALTについては12ページなんですけれども、おそらく学校種によってかなり丁寧に連携の仕方を考えていく必要があるだろうと。今小学校の外国語活動は主な指導体制が学級担任による指導体制が多くなっています。そうするとALTの先生と外国語活動を行なうことが多いわけですけれども、外国語に触れる最初の部分ですね、これをALTとどう作り上げていくかというのはまた中学校、高等学校での活用とは違ったものになるだろうというふうに思うと、そこも小学校ならではのとか中学校ならではのというのがあるといいのかなというふうに思いました。
最後は多様な外国語ですけれども、我々最初のAI時代における英語教育の意義、外国語教育の意義というのを考えたとき、特に英語に特化するものではなく、いろいろな言語に触れながらより良い人生、幸福な人生、より良い社会を担っていけるような子供たちを育てたいということですので、ぜひバックアップできるといいなと思うんですが、実は10年前の改訂のときには700ぐらいの学校で英語以外の外国語を扱っていました。そうするとこの10年で100校ぐらい減っているわけです。昨年比較からすると4校減ということですけれども。
その意味ではぜひここに少し歯止めをかけつつ英語以外の外国語を指導しやすい環境というのは国として維持をしておくべきではないかというふうに皆さん方のご意見を伺いながら改めて感じた次第になります。
それでは時間も参りましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。最後に次回以降の予定について事務局よりお願いします。
【田井外国語教育推進室長】 次回は5月29日金曜日、9時半から12時を予定しております。正式には後日ご連絡させていただきます。
【酒井主査】 それでは以上を持ちまして閉会といたします。
―― 了 ――
■会議終了後の追加意見
【日向端委員】
(1)本WGが打ち出す方向性として、資料の「教師等の役割」はポイントを押さえたものだと思います。特にコミュニケ ーションを学ぶ外国語教育は、授業での教師のファシリテーションが重要であり、(他教科よりも)教師の見る目やスキルが必要とされると考えます。学習評価の話とも通じるのですが、児童生徒の学習状況や心理状態を察知する目をもち、学習集団の中で、個々を有機的に繋いで関係性を紡ぎながら、前向きな気持ちにさせるフィードバックをする、という教師の役割の重要性を再確認したいと思いました。
(2)現在のGIGAスクール構想は、公立の場合、市町村がシステム構築するので、セキュリティ上、他自治体と交流することができないところが多いのではないかと思います。外国語学習では、外国は無理でも、国内の他自治体とオンライン交流やビデオレター交流は、児童生徒に相手意識・目的意識をもたせるために、とても有効だと考えています。八戸市では、周辺の自治体と少しずつ進めていますが、セキュリティがネックになっています。アイディアの一つとして、そのような取組もあることを国が打ち出すことで、自治体がセキュリティシステムを見直すきっかけを作れたらいいなと思います。
電話番号:03-5253-4111(代表)