令和7年12月24日(水曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【酒井主査】 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第6回外国語ワーキンググループを開催いたします。
本日は、「内容の一層の構造化」を主な議題として審議を行います。
それでは、議題に移ります。本議題に関する論点資料について、まずは事務局より説明をお願いしたいと思います。その後、意見交換の時間に移りますが、取り扱うテーマが複数ございますので、テーマごとに区切って実施したいと思います。本日も皆様全員に御発言いただきたいと思いますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【田井外国語教育推進室長】 外国語教育推進室長の田井です。資料について御説明いたします。
本日は前回に引き続き、内容の一層の構造化について御議論をお願いいたします。前回は、高校の科目の在り方、構造化の具体的な形式、小中学校の高次の資質・能力と構造化イメージについて御議論をいただきました。本日は、引き続き構造化について、新たに高校の高次の資質・能力と構造化イメージを御提示し、これらも含めて御議論をいただきたいと思います。
構造化の議論に先立ちまして、高校の新たな科目名称について、前回の御議論を踏まえ、改善案を作成しましたので、御説明いたします。上の部分に、御意見を踏まえた考え方を整理しております。まず、両科目共に、英語によるコミュニケーションを中核とするという趣旨を端的に示すため、両科目の名称に「英語コミュニケーション」を共通して置いてはどうか。その上で、従来の「英語コミュニケーション」は5領域を総合的に扱う趣旨を示すため、「英語コミュニケーション(総合)」とし、「論理・表現」はProduction(表現)とInteraction(やり取り)による発信力を一層強化するため、「英語コミュニケーション(発信)」としてはどうか。これらにより両科目を並行履修した場合のカリマネも推進されるのではないかとしております。
スライドの4から6は、前回の資料をそのままお示ししております。
続いて、高次の資質・能力についてでございます。前回からの主な変更点につきましては、黄色で着色しております。まず、小学校外国語活動の知識及び技能に関する統合的な理解について、目標や内容に文化の理解が位置づけられていることとの整合性を取るべきとの御意見を踏まえ、「言語や文化の違いなどに体験を通して気付き」という文言を加えております。
なお、下の2つ目の米印でございますけれども、小学校、高等学校の外国語科においても、英語と日本語の違いに関する記述を加えるべきとの御意見をいただきましたところ、この点については、活動を通した知識・技能の指導の在り方を議論する際に整理させていただきたいと思います。
なお、小学校外国語活動の思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮につきましては、資質・能力を示すものであることから、語尾を「~するようにする」から「~することができる」に統一をいたしました。
一方で、外国語に慣れ親しむ段階であり、特定の事項の達成を目指すことが求められているわけではないことから、下の1つ目の米印のところに、支援があって可能となるものである点を内容の取扱いで示してはどうかとしております。
また、一番右に高校の(仮称)英コミュ(総合)1の高次の資質・能力の案を加えております。まず、思考力、判断力表現力の総合的な発揮については、前回の方向性を踏まえ、「理解する」「表現する」「伝え合う」に分けて記載をしております。具体的には、「コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、幅広い話題について、聞いたり読んだりして、情報や考えなどの概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図などを的確に捉え、整理したり、既存の知識や経験と関連付けたり比較したりして、考えを形成してまとめることができる。情報や自分の考え、気持ちなどを整理し、論理性に注意しながら表現等を工夫して他者に適切に伝えることができる。相手が話したり書いたりした内容を受け止めながら、情報や自分の考え、気持ちなどを、相手に分かりやすいように論理性に注意しながら表現等を工夫して適切に伝え合うことができ、相互理解を深められる」としております。
なお、高校の案の検討に当たり、学校種間の整合性を取るため、小中学校についても、一部文言の順番や表現を変更しております。
高校の英コミュ(総合)1の知識及び技能に関する統合的な理解については、中学と同様の記述としております。
なお、趣旨が伝わりにくいと御指摘のありました「言語の働き」の文言につきましては、引き続きよりよい表現を検討していきたいと考えております。
次に、構造化のイメージについて、小学校、中学校につきましては、前回お示しした案に、先ほど御説明した修正を加えております。
続いて、高校の構造化イメージの前に、高校の外国語の目標について一部修正を御提案したい点がございます。スライド19を御覧いただければと思います。今回、高校の科目目標を立てるに当たり、現行の高校の外国語の目標の「思・判・表」に規定されている「概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図など」の文言は、英コミュ(総合)の科目目標に位置づけております。このため、科目目標との役割分担を考慮し、黄色部分の記載のとおり、当該文言については、外国語の目標からは省略してはどうかとしております。
続いて、スライド13を御覧いただければと思います。高校の科目目標と高次の資質・能力の案について御説明いたします。まず、(仮称)英コミュ(総合)についてです。現行では、高校の科目目標として、領域別の目標が規定されていますが、構造化に当たり、領域別目標の要素を内容に位置づけることに伴い、新たに科目目標を立てる必要が生じております。
必要に応じて、スライド18から20の外国語の目標と併せて御覧いただければと思います。まず、目標の知識及び技能、学びに向かう力・人間性等については、外国語の目標の記載に基づき、「外国語」を「英語」に置き換えて記載しております。
また、英コミュ(総合)の1から3で同様の記載としております。1から3で内容については深まっていくものと考えております。
次に、1の目標の思考力、判断力、表現力等については、外国語の目標に基づきつつ、科目の特徴を示すため、前半にこちら、下線を引いております「情報や考えなどの概要や要点、話し手や書き手の意図」などを位置づけております。先ほど外国語の目標からは省略する旨、御説明した部分でございます。また、後半に、「気持ち」「論理性に注意しながら」の文言を加えております。
2では、1にない要素として、赤字部分、情報や考えなどの「詳細」と、「詳しく」表現したり伝え合ったりという文言を追加し、3では、1、2の「論理性に注意しながら」という文言に変わり、ここの赤字の「論理的に」というふうに規定することで、1から3にかけて段階的に高度化していく要素を示しております。
次に、高次の資質・能力の思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮について、1については、先ほどスライド7でお示ししたとおりでございます。
2につきましては、目標と同様、「理解する」の記述に「詳細」の文言を、「表現する」「伝え合う」の記述に「詳しく」を追加しております。
3では、「表現する」「伝え合う」において、目標と同様、「論理的に」を規定しております。
なお、知識及び技能に関する統合的な理解については、1から3で同様の記載としております。こちらも、1から3で取り扱う言語材料については高度化しているものと考えております。
次に、(仮称)英コミュ(発信)の科目目標と高次の資質・能力についてでございます。まず、目標の知識及び技能については、論理的に表現する能力の育成という科目趣旨を踏まえ、先ほどの英コミュ(総合)にない要素として、下線部の「論理の構成・展開」を加えております。なお、1から3で同様の記載としております。
次に、1の目標の思考力、判断力、表現力等については、英コミュ(総合)にない要素として、下線部の「意見や主張」を加え、「論理の構成・展開及び表現等を工夫して」としております。
2では、赤字の「詳しく適切に表現」という部分を加え、3では、「合意形成に向けて」を加えることで、1から3にかけて段階的に高度化していく要素をお示ししております。
次に、学びに向かう力・人間性等については、英コミュ(総合)と同様、外国語の目標の記載に基づき、「外国語」を「英語」に置き換えて記載しており、1から3で同様の記載としております。
次に、高次の資質・能力の思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮については、発信領域の科目であるため、「理解する」はなく、「表現する」「伝え合う」のみを記載しております。目標と同様、英コミュ(総合)にはない要素として、「表現する」「伝え合う」の両方に「意見や主張」を加え、「論理の構成・展開及び表現等を工夫して」としております。
また、目標と同様、2では「詳しく」を加え、3では「合意形成に向けて」を加えることで、段階を示しております。
知識及び技能に関する統合的な理解につきましては、目標と同様、英コミュ(総合)にない要素として、「論理の構成・展開」を加え、1から3で同様の記載としております。
次に、スライド11を御覧ください。高校の構造化イメージに戻ります。まず、英コミュ(総合)1についてです。目標、高次の資質・能力は、先ほど御説明したとおりでございます。個別の資質・能力の「思・判・表」について、まず、「話題」については、中学校の話題を身近な社会的な話題と整理したことから、中学校との接続の観点より、「身近なものを含む社会的な話題について」としております。
次に、「条件」については、現行の領域別目標に位置づけられていた支援の考え方を引き続き位置づけております。
また、「聞くこと」「読むこと」では、テキストのバリエーションをお示ししております。
今回は1のみの案をお示ししておりますが、2と3については、これらの「話題」「条件」「できること」について、段階的に高度化する要素を示してはどうかと考えております。
次に、英コミュ(発信)1の構造化イメージでございます。個別の資質・能力の思考力、判断力、表現力等について、前回の方向性を踏まえ、「話すこと(やり取り)」の「できること」の(ア)と(イ)として、日常的な会話を位置づけております。また、「書くこと」の「できること」(ア)として、書くことのやり取りを位置づけております。
次に、知識及び技能については、前回の方向性を踏まえ、論理の構成・展開の内容を充実させる予定でございます。
なお、英コミュ(総合)と同様、「話題」「条件」「できること」について、2、3と段階的に高度化する要素を示す予定でございます。
なお、外国語の目標、小中学校の英語の目標、高校の科目目標、小学校から高校の高次の資質・能力は、1月中に企画特別部会に報告する予定でございます。なお、企画特別部会等によるその後の審議や本ワーキンググループにおける今後の議論を踏まえ、必要に応じて修正を加えていく予定でございます。
資料の説明については、以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございました。
それでは、これより意見交換の時間といたします。まずは、前回御審議いただきました高校の科目の在り方について、事務局より修正案を御提示いただきました。この部分について御意見がございましたら、お願いいたします。
なお、4ページから6ページ、方向性と具体的な論点についての主な修正点はなかったわけですけれども、これについても引き続き様々な観点で御意見いただければと思います。つまり、科目名以外の論点についても、ぜひ御意見を御発言いただければと思います。
それでは、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
高校の科目名、3ページについては、前回、髙島委員から、相対的、絶対的な価値を位置づけながら科目名を決めたほうがよいという御意見がありまして、絶対的には、英語によるコミュニケーションを中核とするということですので、両方の科目に「英語コミュニケーション」を共通して入れると。そして、相対的にこの2科目の違いを示すという意味で、総合と発信というようなことで説明されたと思います。
臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】 よろしくお願いします。両方の、これは個人的な感想なんですけど、先ほど御説明があったみたいに、我々の改訂の方向性の意図をちゃんと伝えるために、冠となる科目名は両方とも「英語コミュニケーション」にするというのは、いいアイデアかなと個人的には思っています。
ただ、懸念点みたいなものも多少ありまして、たかが科目名、されど科目名という感じなんですけど、実際にそれぞれの科目で何をやるかというのは、詳しく解説とか、あるいは目標とかを通して説明を試みるとしても、やっぱり科目名が持つイメージみたいなものというのが独り歩きしないようにするためには、名前をどうつけるかというのは慎重にならなきゃいけないかなと思っていて、そのときに、私がこういうことを考えるときに、いつもこれを英訳した場合にどんな表現になるのかなということを考えることで、我々が意図しているのをちゃんと示すような日本語の科目名になっているのかというのを自分で検討するために、そういうシミュレーションをやったりするんですけど、先ほどの室長の御説明だと、発信のほうはProduction & Interactionみたいな言葉をおっしゃっていたと思うので、そうすると、「English Communication(Production & Interaction)」みたいなのが検定教科書の表紙に英語の科目名として載るのかなというのは、何となく想像しました。それは伝わるかなと思ったんです。
一方、5領域のほうは、今の現行版だと、「English Communication」、以上という感じですよね。1つだけという。なぜなら、論理・表現という科目名が違うから。今度変わった場合は、これはどういうふうになるのかなというのをちょっと思っていて、「English Communication(Integrated Approach)」みたいなふうになるのか、「Integrated English Communication」になるのか、ちょっとその辺りが、あるいは何もなく今までどおり「English Communication」というのでいいのか。でも、そうしてしまうと、もう片方の新しい発信の科目だけ「English Communication(Production & Interaction)」って副題がついているのも変だなというふうに思ったので、まだ今すぐには代案というか、名案は浮かばないんですけども、ちょっとその切り口から科目名をどうするかということを考えていきたいなと思いました。
以上、コメントです。
【酒井主査】 ありがとうございます。今、臼倉委員の御指摘があったように、総合のほうは趣旨を見ると、領域の統合的な活用ができるような指導ということが趣旨として入っているかなと思います。ありがとうございます。
米野委員、お願いします。
【米野委員】 ありがとうございます。科目名については、現行の英語コミュニケーションは複数の領域を結びつけて、統合的な言語活動を通してコミュニケーションを図る資質・能力を総合的に育成するという趣旨があるわけですが、これはかなり現場に浸透しているのではないかなと思います。つまり、総合的にというのは、各領域をバランスよくという意味だと。そこはかなり指導主事も力を込めて伝えているので、伝わっているのではないかなと思います。
総合的に、これはバランスよくという意味であると理解が進んでいる中で、英語コミュニケーション(総合)の「総合」の文字だけで全てが決まるわけではなく、いろいろな説明があって、趣旨を伝えるわけですけれども、今言ったように、英語コミュニケーションの趣旨は伝わってきていると考えるので、例えば、「総合」のほうは取ってしまって、「英語コミュニケーション」として、現行の論理・表現のほうは「英語コミュニケーション(発信)」とし、こちらにはただし書がついていて、発信力が課題になっているので、そこに特化しているんですよということを明示するという方法もあるのかななどと考えたところです。
「英語コミュニケーション(発信)」とすることによって、やはり生徒、保護者に、この科目はこういう目標、内容ですよということが伝わるので、不適切な指導が行われないようにするという点では非常に意味があるのではないかなと。保護者も、教育に熱心な方々は、先生、この科目はこういう科目なんじゃないですか、これは不適切じゃないですか、未履修にならないんですかなどという意見も出てくる世の中ですので、そういったところも、指導者が理解して指導を進めるという意味で効果があるのではないかなというふうに思います。
もう一つだけ言わせていただきますと、この2つの科目のカリキュラム・マネジメントが進むことも期待しているわけですが、やはりなかなか科目名だけでカリキュラム・マネジメントの連携が進むわけではないので、布村委員から前回の会議で発言もありましたが、やはり教科書同士のリンクというか、そういったものが必要になってくる。こういったところの工夫がどこかの段階でできることが期待されるのではないかなというふうに思います。
以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございました。
布村委員、お願いします。
【布村委員】 おはようございます。よろしくお願いします。私も今の3ページのところなんですけれども、英語コミュニケーション、コミュニケーション英語という時代から大分時間がたちまして、こちらのほう、4技能をバランスよくやるというのは、現場の意識は本当に高まってはいるかなとは思いますので、「総合」をつけてもいいですけど、なくても、もしかしたらいいのかなというふうに私もちょっと感じました。
一方で、もう一つのほうに「発信」とつけていただいた。上にProduction & Interactionというふうに書いていただいているんですけれども、そういったところを説明の中で入れることで、Interactionも含めて発信だというところでちゃんと位置づけられればいいのかなと思いました。
Productionのところなんですけど、私は逆に日本語のほうがちょっと気になってしまいまして、「表現」ってなったときなんですけれども、改訂前の「英語表現」から「表現」という言葉のニュアンスというんですかね。こちらがどうしてもきれいに表現するじゃないですけれども、詩的に表現するような、日本語から来る多分ニュアンスかなと思うんですけれども、やっぱり「正しく書く」だったり、「正しく発言する」というようなイメージが多分、どうもこの「表現」という日本語の言葉にはついてしまっているようなイメージがあるんですね。
Productionという英語の単語を聞いたとき、どちらかというと産出で、エラーを起こしながらも何とかして発言をするとか、試行錯誤をしながら何か生み出すというような、そういうイメージのある単語かなというふうに思いますと、それの日本語訳を「表現」とするのが若干違和感があると。どちらかというと、大本になっている「発信」のほうがProductionの訳には近いのかななんていうふうに私は個人的にちょっと思っていて、上のところの「表現」というのは、ここは表には出ない日本語訳なのかもしれないですけれども、そこのところはちょっと気になったところです。ありがとうございます。
私は、次の6ページ目の高校の科目の在り方のマル3のところの、活動の充実・体系化のところを少しコメントさせていただければと思うんですけど、まず、(3)の2つ目のポチのところなんですが、「書くことの活動の充実を図るため」というところですね。ここの表現が入ることはいいかなと思います。特に次の行の「プロセスを重視した指導を強化するとともに」というところで、プロセスライティングじゃないですけれども、やはり現場でどうしても今までやりたいけれどもやれなかったことの中に、書いて、それをもう一回見直して修正して、もう一回さらに書き直してという、何回も何回もよりブラッシュアップさせるためのライティングなんかを繰り返すということが、やはり学校現場の中でできていなかったというところがありますし、それをここで発信の科目をつくることで、そういうことを授業の中でやってくださいねという、そういう意味での、発信の科目でやらなければならないことというわけじゃないんですけど、授業の中でどういうことをしたらいいのかということを、やっぱり先生方は分からないところがありますので、何回も同じものを書き直すという、プロセスライティングのこのプロセス自体が物すごく大切なんですよというメッセージを伝えるために、ここを記載するということはすごく大事なのかなというふうに思います。
プラス、オンライン上のやり取りというところですね。やり取りはリッスンでもあるんだよというところの、この2点が入ったところはいいかなというふうに、この2つに関しては、どのレベルの学校種、どの学校種の先生方でも、それぞれのレベルでやれることだと思いますので、そういう意味で、この科目にやることとして書かれることはいいかなと思います。
ただ、ここに「AIによるフィードバックなども有効に活用しながら」という、もちろんこれをしないと、プロセスライティングはなかなかできないと思いますので、これ、書いていただくことはいいんですけど、ここにだけぽんと入っているので、最後の5ポチにまとめてもいいのかなというふうにちょっと個人的には思いました。
その観点、いろいろな学校でもできる発信活動ということの文脈からいったときに、3つ目の「発信力強化のために、総合的な探究の時間等でこれまで学習したことや経験してきたことを基に英語で発表する要素を入れてはどうか」というここの部分なんですけれども、こちらは結構、学校によってやっていることというのは異なりますので、これを全員が全学校、これを履修した学校は全部やってくださいというふうにここに明記することはどうなのかなという。うちの学校ではもちろん無理ですというところも出てくるかなというふうに思っています。
何を懸念しているかというと、恐らくここにこういう言葉が書かれると、こういうことを意図した教科書のページが増えるのかなというふうに思いまして、そうすると、うちの学校は無理といって、そこをやらない、不毛なページ数が増えてしまうというところをちょっと懸念として思っています。
意図はすごく分かるんです。私も卒業探究で生徒が調べたりとか、探究した内容を発表させたりとか、アブストラクトで英語で書いてみたりとかということは論理・表現の授業の中でしたりとかしていましたので、すごく意図は分かるんですけれども、そういうような探究のことをやっている学校ばかりではないところもありますので、探究的な思考を働かせて英語で発表するというところは、上記のディベートとかディスカッションの中で十分に行っているというふうに考えてもいいのかなというふうに思いました。
すみません。長くなりました。以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。具体的な論点のところへの御意見もありがとうございました。確かに最後の総合的な探究の時間等の扱いですけれども、今回、発信のところに日常的な会話というものも入ってきていると。また、逆に、探究の時間等だけではなくて、ほかの教科で学んだこと、考えたことを含めて、やはり発信に生かしていくという趣旨でいくと、ここはもしかして学校によって結構様々な工夫ができるところであり、こういう要素を入れるという、ちょっとピンポイントでの指定というのはなじまないのかなというような御意見もそのとおりだなというように思いました。ありがとうございます。この点についてもし皆さん、御意見いただければと思います。
それから、書くことのプロセス、それから、米野委員以降、科目名についての御意見も伺っております。ありがとうございます。
それでは、髙木委員お願いします。
【髙木委員】 ありがとうございます。おはようございます。よろしくお願いします。
6ページの同じページなんですけれども、ちょっと現場の教員の立場から少しお話しさせていただきます。今回、科目名の変更を含めた議論をしていて感じるところなんですけれども、科目名の変更を通じて目指してほしいゴールを示すことというのはとてもよいことだと思うんですけれども、正直なところ、たとえ看板が変わったとしても、現行の論理・表現が抱えている本質的な課題というのを解決することにはなかなか繋がらないんじゃないかなという懸念を持っています。
高校現場での実情として、現行の論理・表現がどうしても文法中心の学習になってしまうというのは、幾つか理由があると思うんですね。まず、1つは、ディスカッションやディベートのような活動というのは、実はかなりハイタスクだということです。それは例えば、僕らが今話すことができない言語、例えば何でもいいんですけども、ドイツ語でもスワヒリ語でもタイ語でもいいんですが、その言葉を数年学んだ段階で、いきなり何かトピックについてディスカッションしろというふうに言われても、結構難しいところがあると思うんですよね。これを今の日本のクラスサイズでやろうとなると、結局、生徒同士が何もしゃべれずに終わってしまう可能性というのが高くなってしまうと思います。これは決定的に、その前段階で必要なはずの発信に向けた定着に割く時間というのが足りていないということが原因だと思っています。
それから、もう一つ、文法に偏ってしまっている理由として、評価の難しさというのがありまして、前回の江原委員の御発表の中にもあったんですけれども、高校の内申というのは、その先の進路にも関わる、いわゆるハイステークスなものです。そうなると、現場の先生方としては、どうしても見えやすくて評価しやすいもの、つまり、文法の出来不出来というような、これまで蓄積がある部分で評価せざるを得ないという傾向があるように思います。
ただ、誤解のないように申し上げておきたいのは、終始、4択の問題を解かせたりだとか、ずっと和訳をやっていたりだとか、そういう現状というのはやっぱり問題だと思っています。
一方で、前回、臼倉委員も中学の学習内容を重点的に復習したらどうかとおっしゃっていましたけれども、既習事項を導入しながら、自分の考えをある程度まとまった英文で書いたり話したりするためのパターンプラクティスであるとか、話す内容を定着させる部分というのがすごく大事だと思うんですね。それができて初めて、僕らが今ここで描いているようなディスカッションができると思っています。
もちろん私を含めた英語教師が専門職としての気概を持って、ここで示している目標を実現するためにレベルアップをすることというのは必要ですし、とても重要だと思うんですけれども、ここで今議論している学習指導要領というのが、全国津々浦々の普通の高校生だとか普通の先生方に対して、これを目指してねというふうに示すとするんであれば、そこに至るまでのプロセスというのが、授業での学習を通じて明確になるとよいなというふうに思いますし、それが今回の議論の柱の一つになっている実現可能性に繋がるんじゃないかなというふうに思っております。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。今、髙木委員が御指摘されたこと、とても重要かなと思います。指導の内容ですね。6ページの(3)の丸ポツの2つ目で「活動のバリエーションを示してはどうか」のようなことが書かれているかと思うんですけど、こういうところは具体的にどういう指導をしたらいいのかということが見えるような形で提案できるといいかなというように思っております。
特にパターンプラクティス、あるいは機械的な活動、オーディオリンガルメソッドで、かつての英語の教授法でさんざやってきたと思うんですけども、それだけでは不十分なわけで、それをどう生かしていくかというところがむしろ大事になってくるかと思います。この活動を通した指導、言語活動を通した指導については来年に入って議論できるかなと思います。中身についてはまたそこでも詳しく議論したいと思います。その上で、この高校の科目の在り方ということで御意見いただいたかと思います。ありがとうございます。
それでは、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 ありがとうございます。まず、科目名についてですけれども、非常に今回の趣旨として、コミュニケーションをまずは重視して、その中の目的を括弧書きで示すという方向性としてはよいかなというふうに私も考えております。
その一方で、これも多分、今まで何度か議論の中で出てきたような気はするんですけど、「総合」という言葉がいいのか、それとも、今回こういう形で5領域の様々な技能を統合するというところをもしも本当に打ち出したいと。その意図を打ち出したいのであれば、ひょっとすると、「統合」という言葉でもいいのかなと思います。その辺のところをもう一回考えてみてもいいかなというふうにちょっと感じたところがあります。
それから、発信のほうですけれども、本当にこれだけを見てしまうと、かなり一方通行な形に見えてしまいます。その意味で今回、注意書きのような形で、上のところでProduction、Interactionというのを入れていただいているんですけども、ここら辺のところもしっかりとその意図が伝わるようにしないと、生徒が一方的に何か言っておしまい、相手の話を聞かないで終わりとかというような形の指導になってしまわないかなという部分があるので、そこら辺のところ、特に異議があるわけではないんですけれども、きちんと伝わるような形で示していくということも恐らく大切であろうというふうに感じております。
そして、少し中身の部分で、6ページのあたりの話ですけれども、ここで書かれている趣旨そのものについても特に反対ではないんですが、例えば、(3)の1ポツ目と2つ目のところで、スピーキングの部分とライティングの部分というふうに書かれてはいるんですけれども、実はこれ、さっきの総合の部分だけではなくて、こちらの発信のほうでも技能統合みたいなものというのは実は大切で、恐らく例えば書いたものについて発表するであるとか、みんなで話し合った内容について、つまり、発信の部分を書いてまとめるとかというような形の統合みたいなものというのも、恐らくここでは非常に大切になってくるんではないかなというふうに考えていまして、1ポツ2ポツで、スピーキングはスピーキングです、ライティングはライティングですみたいな形にしてしまうと、何かそれぞれが別個の学習みたいな形にならないように、そこら辺のところも実は統合されていくよ、実際の活用の中では大切になるよ、ということをしっかり見定めていく必要があるのではないかなというふうに思います。
そして、探究のことについて、先ほど布村委員が言及があって、たしか探究的な要素を取り入れたらいいんじゃないかみたいなことを、私、1回目か2回目に自分自身で発言をしていた記憶があるので、ここに入れていただいていたということで、探究だけではなくという、先ほど酒井主査のほうから少しありましたけど、小学校なんかでは、外国語活動とかを行うに当たって、教科の横断ということが割と今までもずっと意識されてきたというふうに思うんですね。それが中高になってくると、英語は英語ですというような形で置かれてしまっていると。でも、やはり発信をするに当たっての内容をということが重要になってきて、何について発表するのか。ここまでほかの部分の、ここの高度化の話にも多分関わってくるんですけど、例えば発信をするという技能そのものについて、やはりそれが目的化してしまっていて、何のために発信するんですかという部分になってくると、そこのところは内容が何を伝えたいのかとか、あるいは何のためにそれを、だから、目場状に応じてということが最初のところで書かれてはいるんですけれども、何かそれが前提ですというふうに言いつつも、発信をして、最終的には何を目指していくんですかという部分が意外と抜けている気がするんですね。
もともと例えば今あるようなCAN-DOの考え方というのも、例えば、何々ができるってなっていたら、全てCAN-DOかというと、そういうわけではなくて、例えば関係代名詞が使えますみたいなものはCAN-DOではないわけですよね。それを使ってどんな目的を達成できるのかというところが、本当は目的という中では一番大事なのに、何かちょっと前提として置いておけばいいよみたいな形、こういう状況ですだけ設定しておけば、取りあえず後は言いっぱなしでもいいですみたいな形で終わってしまいがちな言語活動みたいなのが、割と今でも見受けられるかなというところがありますので、やはりそれを使って最終的に何をしたいのか。その中身について考えていくのを、英語という、あるいは外国語という枠組みだけでやっているのはなかなか厳しいからこそ、逆に言うと、他教科で学んでいる内容みたいなものを援用してくるという、そこの重要性が出てくるのではないのかなというふうに考えていますので、そこら辺のインテグレーションというところもどうしていくのかということを、多分、ここ、しっかりと明示していく必要があるんじゃないかというふうに思います。
取りあえず以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
内田委員、お願いします。
【内田委員】 よろしくお願いします。私からは3点あります。科目名と評価のことと目標でちょっと意見を述べさせていただきます。
まず、科目名なんですけど、「英語コミュニケーション」というのが両方に冠するということで、案としてはありかなと思いますが、これまでずっと英語コミュニケーションというのは必履修だったので、科目名の印象として、両方とも必履修っぽく響くというようなこともあるかと思います。
逆に、英語コミュニケーション(発信)(仮)ですけど、こちらも必修にするという可能性も多分あるのかなとは個人的には思っています。ただ、カリキュラムの柔軟性とか、そういうところもあるかと思うので、そことのトレードオフにはなるかと思いますけど、必修の位置づけとか、必修による強弱のつけ方というところでかなり意図が変わってくると思うので、そこは検討の余地があるのかなと思います。
2点目、評価の話ですけど、先ほど髙木委員からの指摘からもあったと思うんですけど、6ページ目でプロセスの重視とか、あと、探究活動との繋がりというところが出てきていると思います。
それはすごくいい方向で、試みとしてはいいのかなと思いますが、どのように評価するかというところはかなり難しいかなと思っています。現状、例えば、プロセスライティングというのもあると思いますけど、下書きを評価するとかというのはなかなか難しかったりするので、この辺り、どのように実際にプロセスを踏んでいるかというのを評価するというのは、解説等でより詳しく説明していく必要があるのかなと思いました。
それから、目標というところで、これも髙木委員の御指摘とかぶるところもあるんですけれども、どこまで目指すかというところです。少し後ろになりますけど、14ページぐらいのところで、3のところですかね。「合意形成に向けて」というところが書かれています。これは恐らくCEFRのMediationの理念を反映したものかと思いますけど、かなり高度だとは思います。これはもちろん含めるべき要素でありますし、コミュニケーションの中ではかなり重要だと思うんですけど、高校生のレベルでどこまでやるのかというところです。なんちゃって合意形成でいいのか、ちゃんと踏み込んでやるべきなのか。現場での扱い方、温度感というのは意識しなきゃいけないのかなと思っています。現行でも、例えば複数パラグラフを書くという、論理・表現にありますけど、これもなかなかしんどいところがあったりします。なので、どのレベルでどこまで求めるかというところも考えていく必要があるのかなと思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
細田委員、お願いします。
【細田委員】 よろしくお願いします。大きく2点あります。
まず、1点目の科目名のことについてですが、やはり名は体を表すといいますか、科目名で明確に何をやるのかということが端的に伝わるというのが大変重要だというふうに思いまして、今回の英語コミュニケーションの総合と発信というのは端的に伝わっていくというふうに思いますし、英語コミュニケーションが既に総合的に各領域をバランスよくというイメージが定着しているという御意見もありましたけれども、やっぱり2つの科目名を並べたときに、括弧の中できちんともう少し具体的なものがそろって表現されているというのがバランスがいいというふうに思いますので、英語コミュニケーション、総合と発信と並べるのはバランスがいいというふうに思いますので、総合はあったほうがいいかなという意見です。
発信については、以前の議論でも、私自身も「発信」という言葉の持つイメージが一方通行感があるなというのは発言させていただいたことがあるんですけれども、そこを補うために、少し丁寧に学習指導要領の中でも意味づけをしていくということで、例えば、先ほどありましたように、ちょうど3ページのところにあるように、Production、Interactionというところで丁寧に説明していくというのが何らかの形であれば、一方通行感が否めるなというふうに思います。基本的には、端的で分かりやすいというふうに感じています。
2点目は、やはり皆様発言していらっしゃるんですけれども、6ページの(3)の活動の充実・体系化ですが、これ、大変重要だなというふうに思っているんですね。というのは、今、全国のいろいろな自治体の授業を視察に行って、そして、そこで授業者の質問やら求めていることが、具体的な活動について、自分のバリエーションがあまりにも少ないと。ですから、グッドプラクティスもとても求めているんだなというふうにありますので、こういった形で様々、スペースの許す限りといいますか、活動のバリエーションを示していくということは、現場の先生たちがかなり求めているということを実感しています。
それから、先ほどの総合的な探究の時間等の、3つ目のポツですけれども、「発信力強化のために、総合的な探究の時間等でこれまで学習してきたことや経験」とあって、私はやはり何かを発信するために必要な力というのは、その内容に興味があるということや、その内容を知っている基本的な知識があるかどうかということが大きく関係すると思います、発信力については。
そうなりますと、藤田委員がおっしゃっていたように、教科の横断ということが、かなり発信力強化のために、何かを発信するために、とりわけ外国語で発信するためには大変重要な力になるというふうに思いますので、外国語、英語という教科がなかなか教科の横断というあたりのところに言及したことはあまりないような気もしますし、でも、実は発信力のためには大変重要だということなので、それを喚起するためにも、ここの「総合的な探究の時間等」という、この総合的な探究の時間をとりわけピックアップすることがいいか悪いかは別として、様々これまで学んできたこと、教科の横断の中で得た知識をベースにした発信というのは、発信するための必要な力であるので、そういったことをここで表現していくということも、一つ大切なのかなというふうに感じているところです。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。
亘理委員、お願いします。
【亘理委員】 科目名について2つ、活動の充実・体系化について1つ発言します。
まず、科目名については、これ、高校でどういうふうに略されるかなと考えたときに、「英コミュ(総)」とか「英コミュ(発)」となると考えるとちょっと格好悪いなというのを思いつつ、「EC(総)」、「EC(発)」でもそうなんですけど、先ほど臼倉委員の話のときにあった、英語で教科書に科目名が書かれるときに、Production and Interactionとか――発信のほうですね。Productive and Interactive English Communication、InteractiveかInteractionを前に出したいなと思いました。
それは別の委員も前におっしゃっていたと思うんですけど、「論理・表現」の現行の指導要領の中でも、「やり取り」、「話すこと(発表)」、そして「書くこと」を併せて「発信能力」というふうに書かれていて、「発信」という言葉にそんなに満足しているわけではないのですが、一応、この「発信」という言葉には「やり取り」も込められている。それを受け入れたとするとInteractionをもっと前に出したいと思って、そういう意味で、日本語では実現できないかもしれないけど、英語名で表記したときに、Interaction and Productionとか、Interactive and Productive English Communicationというふうになると、もうちょっと前に出るかな、と。もしあわよくばを言っていいのであれば、「英語インタラクション」という科目名にしてもいいぐらいだ、というぐらい、「やり取り」を前面に出す可能性があればいいなというふうに思っています。それが科目名についての1個目です。
もう1個は、カリマネが進むといいなとは思っているんですが、4ページにあるような、布村委員がおっしゃっていたように、教科書間での連携を促進するような工夫が必要だと思います。もう少しカリマネを進めるためのアイデアとかインセンティブが必要なんじゃないかなと思うと、どのぐらい実現できるか分からないんですが、例えば、「英語コミュニケーション(発信)」では、いわゆるペーパーテスト的な評価は必要ないとか。評定をつけなきゃいけないというときに、結局2つ科目は設置するんだけど、それぞれで評価が必要となって、やっていることは似たような話題なのにそれぞれテストをするとなるとあまりうまくいかないというか、先生の負担も多くなってしまうのかなと思うと、「英コミュ(総合)」のほうで評価をしていれば、「英コミュ(発信)」のほうは必ずしも記録に残す評価を行わなくてもいいとするとか、何かそういうような、先生の負担も軽減しつつ、話題が繋がっていて、「ああ、なるほど、「総合」のほうでやったことを「発信」として活動するんだね」というふうなデザインにできると、よりいいかなと思いました。
もう一つ、活動の充実・体系化のほうなんですけど、ここに書かれていることは基本的に賛成なんですが、活動のバリエーションを示してはどうかというところで、一つ意見を置いておきたいのは、これも現場の創意工夫を奪いたくはないんですけど、ちょっと気になっているのが、英語教育実施状況調査を見ると、「遠隔地の生徒等と英語で話す交流」ってほとんどやられていないんですよね。令和6年のデータでいっても、8割以上がやっていなくて、半年に1回、つまり、学期に1回程度、ほかの学校と交流するみたいなことを、こんなにZoom等でやりやすくなった環境があるのであれば、やったらいいのにと私は思うんですけど、5%ぐらいしかやっていなくて、しかも令和5年より下がっているんですよね。
何となくそこが、AIを活用したアプリとか、いわゆる母語話者とのやり取りみたいなほうにシフトしているのかもしれないのですが、もっと高校生間の交流などがあっていいと思うと、そのアイデア自体がなかったりする。私は大学教員を辞めたらそういうマッチングの会社とかをつくりたいと思うぐらいなんですけど、全国の高校生がもっと、例えば同じ教科書で学んでいるのであれば、交流するなんていうことをやってもいいのになと思うと、その活動のバリエーションは示してあげたほうがいいと思っています。
活動の充実・体系化のところに「日常的な会話」というふうにあるんですけど、後ろの構造化の話は、また後でということですよね。取りあえず私はその3点で。以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】 ありがとうございます。私も2点ございます。まず、「英語コミュニケーション(総合)」という名称についてです。「総合」をつけるかどうかについては、つけることに賛成です。これまでの経緯では、4技能や5領域という枠組みから名称を整理する中で、「総合」という言葉が最終的に残ったと理解しています。そのため、「総合」という言葉があることで、これまでのような文法や読解に偏った授業になるということを避けて、実際のコミュニケーションを意識して、4技能や5領域をしっかりとやっていくという意義が示せると思います。「総合」という言葉がないよりは、私はあったほうが、先生や生徒さんへのリマインダーになるかと感じました。「総合」なのか「統合」なのかなどは、まだこれから議論をする余地があるのかもしれませんが、「総合」と「発信」のように分かれているのが分かりやすいと感じております。
続いて、6ページのプレゼンテーション、発表のところについてです。例えば、藤田委員がお話しされていたように、プロセスライティングと発表を分けて示すというよりは、お話しされていたように、プロセスライティングをしていく中で最終的に発表があるということを示せる方がと良いと思います。例えば、アメリカの大学ですと、プロセスライティングを通して、最終的にプレゼンをします。プロセスライティングとして、最初にテーマを決めて、先生にテーマに関するフィードバックをもらい、その後アウトラインをつくって、先生にアウトラインのフィードバックをもらい、その後、イントロダクションをつくって、先生にイントロダクションのフィードバックをもらってというようなやりとりを通じて、最終的にプレゼンをおこないます。プレゼンも、最初はペアで発表し合い、その後、4人で発表し、最終的にクラスで発表のような形で、つまり、プロセスを踏みながら、その過程でフィードバックをもらって、思考や言語を整理しながら、最終的に自信がある状態で発表していくという方法があります。そういった方法を参考にしながら、発表やディスカッション、ライティングを分けてしまうというよりは、ライティングしたものを発表していくですとか、ライティングしたものや発表したものをAIなどにフィードバックをもらいながら、最終的にクラスや生身の人間に向けて発表するような形が、指導要領の解説などで示せると言語習得の効果が期待しやすいと感じます。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
𫝆井委員、お願いします。
【𫝆井主査代理】 よろしくお願いします。私は、高校の科目の在り方の中で、発信のことについて1点申し上げたいと思います。先ほどから議論されているように、この発信の目的及びその在り方について、活動のバリエーションを示してはどうかということについても、一定、示すことは大事だと思いますし、というのは、やっぱりどんな話題、内容について何をするのかというのが基本的なCAN-DOの構造の根幹だとすると、特に話題について、今回、発信については日常的な話題というのをより重視する。その中でそこに習熟していく、フルエンシーを上げていくということが大事だという話、そういう方向性はある程度示していますし、また、身近な話題について、身近な社会的な話題にというのを中学校から引き継ぐという意味で、ある意味、話題を一定押さえることで、言語の習熟を上げていこうというところがあると思います。
藤田委員や細田委員がおっしゃっていたように、やっぱり内容が大事だというのは、物すごく私も賛同するところなんです。それを他教科との交流でもって、横断でもってそれをある程度意味づけていくということも必要だとは思うんですが、一方で、6ページにあるような形で、探究の時間等というふうにすると、どなたかからも発言がありましたけれども、私自身も各学校の探究活動を見ていますと、非常にトピックも、それこそスズメの鳴き方の研究から、「ふわふわ」という言葉について突き詰めたりとか、非常に多様なんですよね。
そういう状況を踏まえていくと、外国語科においてそれを評価するとかいうところになったときに、どういう軸で評価していくのかというようなことが一つ懸念されるのと、だから、内容は大事なんだけれども、探究というのはかなりとんがったケースじゃないかなというふうに思ったわけです。日常からそういったリサーチ的なところまでを探究でカバーするという話題の広さというのについても、我々はそこについて注意をしていくべきかなというふうにも思ったところです。
内田委員がおっしゃった、合意形成というのが難し過ぎるんじゃないかというのも、これも同じですけれども、探究にせよ、合意形成にせよ、具体例を考えていったときに、それが実現可能かというところは踏まえた上での目標設定、目標が上振れしないように考えていくことは大事かなと思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】 酒井先生、私、2回目なので、もしあれだったら工藤先生とかを先に……。
【酒井主査】 そのようにさせていただきます。
まずは初回の方にということで、工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 おはようございます。ちょっと違う視点からお話ししたいと思うんですけど、現状を確認するのがいいかどうかはちょっと分かりませんけど、現在、高校でどういうふうに今ある6科目を履修しているかという資料が、私が調べる限り文科省にあって、令和5年度公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果というのがあって、私のこのデータの見方が間違いでなければ、今の英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲは、多くの学校、9割以上の学校でこの3つを履修していて、論理・表現については、Ⅰ・Ⅱまでは8割以上履修していて、Ⅲについては半分ぐらいしか履修していないんですね。
なので、これがそのまま単位数も変わらず、右側のこの改訂の方向性にスライドしてくると、恐らく次もこんな感じの割合になっていくかなと思いますが、ほかの教科の単位数が変わったりすると、またちょっと変わるのかもしれませんけれど、そうすると、英語コミュニケーション(発信)Ⅲというのがややオプション的な扱いになるということかなと思います。半分ぐらいの学校――公立限定なので、また私立も含めると分かりませんけれど、今の公立のデータから見ると、最後のところはやったりやらなかったりする学校があるということで、これは、なので、ちょっと別枠みたいなイメージで捉えて、ほかの5科目は結構どの学校でも履修するのではないかという発想でちょっと見直したときに、今、英語コミュニケーション発信Ⅰ・Ⅱ・Ⅲってなっているんですけど、Ⅲをちょっと位置づけを変えるようなイメージの科目名でも私はいいかなと一瞬思って、さっきこれは考えついたので、まだ全然煮詰まっていないので、ダメ元で言うんですけど、発信のほうはⅠ・Ⅱが発信で、Ⅲを「(統合)」にしたらどうかなと今思いました。
今の論理・表現のⅢって、教科書を見ると、やっぱり社会的な話題が多いので、どうしてもインプットというか、読んだり聞いたりすることのテキストがたくさんあって、一瞬、今の英語コミュニケーションのほうの授業で使うようなイメージも実はあって、最後、英語コミュニケーションⅢと論理・表現Ⅲの区別があんまりない感じがする。両方とも文章がいっぱい、テキストがあって発信活動もやるみたいな形で、最後はそこに収束していくかなと思ったら、英語コミュニケーション、新しいほうの発信Ⅲを統合ということにすれば、社会的な話題になるということは、どうしても読んだり聞いたりするわけだから、発信を目標とするんだけど、読む、聞くもたくさんやるということで、最後、統合にする。これはちょっとオプション的な扱いなので、目標のところに「合意形成」みたいな言葉が仮に入っていたとしても、ちょっとオプション的な扱いでもいいかなと思います。
なので、合意形成に向けては、さっき難しいという話があったんですけど、コミュニケーションの目的って合意形成だけではないので、「合意形成などに向けて」とかにしたほうが少なくてもいいかなと思いますけど、科目名については、今の教科書の実態と履修状況の実態を踏まえると、ダメ元ですが、最後は「統合」にして、総合のほうは総合で残しておいて、コミュニケーションに必要ないろいろな要素を総合的に学習する。「知・技」であってもいいということで、メインの科目は3単位4単位4単位で総合的にやって、もう一つのほうは「発信」「発信」「統合」というのは、私は今、自分ではすっきりしているんですけど、実態もちょっと踏まえて、一応、意見としてお伝えしました。
【酒井主査】 ありがとうございます。
それでは、バトラー委員、お願いします。
【バトラー委員】 今の工藤委員のお話とオーバーラップするところがかなりあるんですけれども、私も総合と発信との関係性というのが少し明確になると、特に評価の観点から明確になるといいのかなと思っています。つまり、総合というのは、全体的に4技能を網羅するというような形だと思うんですけれども、発信をしていくための基礎的な体力というか、コミュニケーション力をつける基盤であるわけです。つまり、総合のほうがパート1で、発信のほうがパート2的な、少し上級的な、そういう形の位置づけになっているという印象を受けます。もしそうだとすると、両者の位置づけを明確に示したほうが、評価の観点からもやりやすいのかなというふうに思います。
それから、発信のほうですけれども、やはり知識・技能の部分というのが総合の部分とすごくオーバーラップしていて、そこのところが恐らく現場で、例えば、文法表現とか、文法の正確性とか、そういうところに気持ちが集中してしまうことに繋がらないのかなという、そういう懸念はあります。
ですから、発信という科目を設けるのであるならば、評価では「思・判・表」のほうを重視しますとか、何かそういったようなガイドラインがあったほうが、2つの科目の関係性を現場が理解しやすいのではないかなというふうに思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
関谷委員、お願いします。
【関谷委員】 3点お願いします。
1点目は科目名についてですけれども、今までの議論をお伺いしていて、総合、発信、両方ともそれぞれの役割を明確にするためにはあったほうがよいかなというふうに思っています。総合のほうで4技能をしっかりやっていただくという意味でも、残したほうがいいと思います。
それから、スライドの活動の充実・体系化のほうでございますが、先ほどから少し論点になっています探究の学習、他教科との教科横断型というところについては、意見、考えを形成する上でも、やはり他教科で学習した内容は非常に重要だと思いますので、こちらについても、他教科の内容を補助とか、含めるような表記にしていただけるとうれしいかなというふうに思います。
内容の充実を図るだけでなくて、先ほどディベートやディスカッションも非常にハイタスクであるという話がありました。中学校でも同じなんですけれども、ディスカッション、ディベートというのを、もともとの母語で体験しているかしていないかというのは非常に大きな要素だと思います。
また、各教科、言語活動の充実というのが図られています。外国語と他教科の言語活動の取扱いについては少し整理をする必要があるとは思いますけれども、他教科で学んできている内容、それから、言語の働きの部分、そういったものも取り入れて、内容を高度化させていくとよいのかなというふうに思っています。
最後に、今、高校のほうの活動の充実・体系化ということで、こちらが現実的になっていくと非常に楽しみだなと思っている部分もあります。高校の先生からすると、余白の部分もしっかり残した上で、先生たちの創意工夫の部分を残した上で、いろいろな活動を紹介していくというのは非常に、例として紹介するのはいいかなというふうに思っています。
併せて、高校のほうが大分高度化してきているのも踏まえて、中学校のほうでも、この後また構造化の部分については議論があると思うんですけれども、そちらにおいても、小中の接続について改めて論点に入れていただければいいかなと思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
今、挙手ボタンを挙げられている髙島委員と、その次に、先ほど順番を回していただいた臼倉委員までで、まず前半部分の議論は終わりにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
髙島委員、お願いします。
【髙島委員】 おはようございます。よろしくお願いします。科目名のところ、ちょっと私、すみません 、最初から聞いていたわけじゃないので、どこまで追えているか分かりませんけれども、少し意見を述べたいと思います。
前回も述べたように、科目名というのは大事なメッセージだと思います。その中で、絶対性と相対性の2つの観点を考えるというのはとても大事なんじゃないかなと個人的には思っています。
今回、「英語コミュニケーション」という言葉が両方に入っているというのは、これはまさに絶対性の観点かなと思っていて、外国語学習ではあくまでコミュニケーションを大事にしたいんだよと。つまり、英語を学ぶ上で他者の存在というものを大事にしたいんだということを強調するメッセージなのかなと思います。ですので、なんで「英語コミュニケーション」を両方入れたのかという、その理由の部分もきちんと現場に伝わるといいなと思っています。
一方で、相対性の観点として、これ、必履修が多分今1つという想定だと思うんですが、そうなると、それぞれの科目で何が違うのかというのは、やっぱり分かりやすく明らかにすべきかなと。そう考えると、括弧の中身は同じレイヤーに乗る言葉のほうがいいかなと思います。そう見ると、「総合」と「発信」というのは同じレイヤーの言葉なのかなと思うので、私はこれがいいかなと思っています。
なお、コミュニケーションと聞くと、これは私だけかもしれませんけれども、何だかオーラルコミュニケーションだけのように聞こえるという、そういうこともあるかなと思いますので、そう考えると、英語コミュニケーションという科目だけれども、全部の4技能5領域に関係するんだよというメッセージをちゃんとやっぱり発信する必要があると思いますので、そういう意味では、「総合」という言葉――「統合」でも、そこは何でもいいと思うんですが――は残すべきかなと思っております。
あと、この科目名って、当然、英語以外にも科目名というのは存在すると思うんですね。例えば、国語って、同じ言語の教科なわけですけれども、そういう他の教科の科目名についても少し見てもいいかなと思います。まだ多分、そこまでほかのワーキングは進んでいないかもしれませんけれども、最後並べたときに、一列に皆さん、現場は見るわけだと思いますので、そういうところも少し頭の片隅に置いてもいいかなというふうに思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。
臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】 ありがとうございます。先ほど科目名のことはコメントを言わせていただいたんですけど、スライドでいうと、5ページ6ページあたりのところについて、ちょっと意見を言いたいと思います。
まず、5ページのところの、いいなと思った点が、右側の3つ目の中黒のところに書かれていることで、受容と発信、それぞれ適した教材があるということを少し意識した構成にしようというようなことが書かれているというのは、私はすごくヒントになるメッセージだなと思って、いいなというふうに思いました。
それで、同じ右側の2番目の中黒のところに書いてあることもいいなと思っていて、下線を引いてくださっているところで、「既習の言語材料の活用」という文言が入っているというのはとてもいいなと思ったんですが、多分、むしろこれって英コミュ(総合)のほうだけではなく、英コミュ(発信)のほうにもこれがないと、多分、発信のための材料が常に、難しいものにするつもりはないというのは説明で分かるかもしれないけれども、やっぱりこれまで既に習っていて、例えば、読んだり聞いたりして何となく分かる、時間をかけたら分かる、言えることという範疇で、それを出す、発信する、練習をするというようなことを伝えるためには、今、見せていただいている6ページのほうにも何かそういうものが入るといいなというふうに思いました。
じゃ、それをどこに入れるかというのになると、(2)番、パラレルにするとしたら――でも、そんなことないか。ちょっとカットです。
次、2番目に行きます。この今、6ページ目のところで、先ほどいろいろな方が、(3)の3つ目の中黒のところで探究の話というのが出ていたと思うんですね。これ、なかなか難しいんじゃないかという話があって、ちょっとそれは残すかどうかは別の議論として、私はこの位置づけのところに、科目間の連携の話、つまり、英語コミュニケーション(発信)の中で、英語コミュニケーション(総合)の教科書と連携させるとか、総合でやったことを発信のところで受けて発信活動をやらせるとかという、そういう科目間の連携、亘理委員がカリマネのインセンティブが必要だというお話を言ったんですけど、そのインセンティブと同様に、あるインセンティブを持たせるためには、具体的なカリマネのアイデアの提示が絶対必要だと思っているので、今までのところであんまり実践は多くないんですけども、例えば、英コミュの時間に論表の教科書を持ってこさせて、文法説明みたいのが論表に一部入っているので、英コミュのところで本文をやったりとか、発表活動するときに必要な文法知識を論表の教科書を引かせてちょっとやるとかという、そういう教科書を連携した使わせ方をしている先生方とかはいらっしゃるので、そういう具体的なアイデアも、この文章に示すという意味ではなくて、何らかの形と併せて伝えていかないと、カリマネの発展はなかなか難しいかなと思ったのが2つ目です。
最後、3つ目が、同じスライドの(2)番のところ、ちょっと文言が気になったところがありまして、下線を引いていただいている「文法事項等は、発信領域の活動に必要な項目を扱う」、これ、そのとおりでいいと思うんですけども、ふと考えたときに、文法事項の選択って、発信領域でどんな発表、発信活動をさせるかというので縛れるものがあるのかという。私の理解が間違っているかもしれないけど、例えば、関係代名詞が必要な発信領域活動とか、過去形が必要な発信領域活動はイメージしやすいですけど、ほかのものとかって、そういう感じで文法事項の選定みたいなのって、うまくいくことばかりじゃないかなというところで、ちょっとこの文言の具体化をするときに、現場の先生たちが、これってどういうふうにやるのというのが迷わないようにする必要があると思って、同時に、知識・技能を向上させるための発信活動もあり得ますよね。プラクティスとか、そういうお話も出ていましたけど、なので、何か常に目場状――今ちょっと目場状は今度次から消えますけど、今のでいくと、目的、場面、状況とかに合わせて文法事項を使うというばかりではなくて、そういったことができるようになるために文法事項を使う練習をするという話も、ここの(2)のところに何かうまく入れられれば、誤解がないように入れられたら、よりバランスがよくなるなと思いました。
以上になります。
【酒井主査】 ありがとうございました。
科目名については、おおむね提案されているものが分かりやすいであろうということと、絶対性、相対性の観点からもいいだろうと。ただし、懸念点も幾つか御指摘あったかと思います。1つは、コミュニケーションがオーラルコミュニケーションだけではないというメッセージ、それから、発信という言葉に伴う一方通行性みたいなところを、そうではないのだということを理解していただく。また、全体的な履修の状況を考えたときに、この科目名の在り方、もしくは組合せ方というのも検討すべきであるという点、こういう点が指摘されたかなと思いました。
また、具体的論点についてですけれども、特に4ページ目でカリマネの話が出てきました。まずは少なくとも今回の新たな科目名でいくと、総合と発信のカリマネみたいなところが4ページに指摘されているわけですけれども、この点については、内容だけではなく、ある意味、評価のところも見越したカリマネの要素を含めていくべきだという意見が何名かから出されたと思います。
あと、ここの上に、実際、そこのカリキュラムに加えて、探究の時間等で扱う教科横断的なものについて、当然そこは重要になるわけですけれども、ある意味、要素を入れるというところについて懸念もあるというような御意見があったかと思います。またそこを踏まえて検討していければと思います。ありがとうございます。
それでは、休憩を取りたいと思います。再開ですけれども、10時52分、5分間の休憩でお願いしたいと思います。
( 休憩 )
【酒井主査】 それでは、時間となりましたので、後半の内容の一層の構造化に関する意見交換の時間としたいと思います。
事務局より御提示いただいた案につきまして、御意見等がございましたらお願いします。
日向端委員、お願いします。
【日向端委員】 ありがとうございます。私からは、7ページから9ページのところ、高次の資質・能力、それから構造化のイメージのところについて、文言についてまず1点、それから、中身について1点、指摘したいと思います。
まず、7ページのところ、よろしいでしょうか。小学校外国語活動から高等学校まで、ここを横串で並べてあります。今回の資料では、この高次の資質・能力のところ、小学校の外国語活動も黄色でハイライトされているところですが、文末が「できる」という表現になっていますと。この点については、下の注釈のところに、音声や基本的な表現への慣れ親しみを目指していると。それから、「できる」ことについては、支援があって可能となるというような注釈はあるんですけれども、小学校現場からの捉え方としては、外国語活動において、「できる」という文言はちょっと誤解を生むのではないかなということで、使わないほうがいいんじゃないかなと考えています。
その理由は2点ございまして、まず、1点目ですけど、8ページのほう、ちょっとよろしいでしょうか。8ページに小学校外国語活動の構造化のイメージ、ついておりますけれども、そこの今回の改訂では、英語の領域別目標は示さずと。内容の中に、資質・能力として段階的に示すことになっています。各学校では、この内容に書かれた資質・能力の文言を使って、指導計画だとか評価計画を立てることになろうかと思います。そうなると、つまり、実際の学習目標を立てるときに、やっぱり「できる」という文言を使うことになるだろうなと。それから、学習評価も、そうすると、できたかどうかというところを、簡単に言うと、聞き取ることができたかとか、伝えることができたか、あるいは理解できたかというように、できたかどうかを見取るということになってしまって、そうすると、小学校の外国語活動の趣旨から、あるいは、その上に英語の目標も書いていますけれども、そこからも外れてしまうんじゃないかなというふうにちょっと懸念しています。
理由の2つ目なんですけれども、これは1点目と重なるんですが、小学校段階では、3、4年生で外国語活動、5、6年で外国語科という、いわゆる2種類を扱うことになると。「できる」という文言を共通で使われていると、小学校の教員としては同じ意味でやっぱり捉えてしまうのではないかなというふうな懸念でございます。
3、4年生の外国語活動は、英語学習の入門期、いわゆる助走期間のように捉えてもいいんじゃないかなということで、週に1コマしかないんですね。その中で慣れ親しみを通じてコミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成するというふうにされています。あくまで素地となる資質・能力でありますので、5、6年生の外国語科とは違うんだということを明確にする意味でも、外国語活動では「できる」という文言は使わないほうがいいんじゃないかなというふうに考えています。
すみません。もう1点、指摘したいことがありまして、今度9ページになります。9ページは、小学校の5、6年の外国語科の構造化のイメージになっています。このように、内容を構造化することはすごくよいこと、分かりやすいなと思っています。ここに示されている内容の具体的な文言自体は、注釈にもありますけれども、別途検討ということになっていますので、今後検討されていくものだろうと理解していますけれども、現時点でこのように資料として公になっていますので、これを見た人が誤解しないようにということで、ちょっと読むことと書くことについて指摘したいなと思っていました。
まず、「思・判・表」のところにある、「読むこと」の「できること」に書いてあることですが、ここ、5、6年の枠が1つの枠になっていまして、5、6年生を通じて、「簡単な語句や基本的な表現を識別し、情報を得ることができる」となっていますね。これ、やっぱりちょっと5年生では厳しいんじゃないかなというようなところです。
同じように、「書くこと」の「できること」を見ますと、5、6年を通じて、「例となる語句や表現を参考に、自分の考えや気持ちなど表す語句や表現を選んで書くことができる」となっています。こちらも、やはり6年生の最終段階の姿かなと。つまり、5年生ではちょっと厳しいんじゃないかなと思っています。
5年生は、まず、アルファベットの文字を読んだり書いたりする活動から始めて、少しずつステップアップしていくというような段階です。この点については、下のほうにある知識及び技能の「イ 文字及び符号」のところに示されていますけれども、「思・判・表」の欄においてもやっぱり誤解を生まないように、「読むこと」「書くこと」の段階が分かるように書き分けたほうがいいんじゃないかなと思っていました。
例えば、「読むこと」であれば、5年生相当として、「簡単な語句を識別することができる」ぐらいにとどめ、また、あと、「書くこと」であれば、5年生相当としては、「自分の考えや気持ちなどを表す語句や表現の一部を書き写すことができる」といったような書き分け方があるんじゃないかなと思っておりました。
私からは以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございます。最初の点については、外国語活動と小学校の外国語の違いをしっかり誤解ないように伝えていくという意味で、とても大事な貴重な御意見だったかと思います。
場合によると、資質・能力なので、「~できる」という言い方になっていますけれども、ほかのケースもありますが、条件ですかね。今後、条件などで「支援があれば」のような形で、今、内容の取扱いに入っているようなところを資質・能力の文言の中にも含められるような、そういうような検討をすることが可能かなと思いました。
後半部分の「読むこと」と「書くこと」、これも学年相当を考慮した上でというのは貴重な意見だと思いますので、また検討の際に含めていただければというように思いました。ありがとうございます。
それでは、関谷委員、お願いします。
【関谷委員】 よろしくお願いします。私は、資料7ページ目の高次の資質・能力の部分をお願いします。こちらだけではなくて、構造化につきましては、先ほど事務局の方から説明があったとおり、段階的に表記されていて、大変分かりやすくなっているかなというふうに思っています。
高次の資質・能力の部分の思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮の部分なんですけれども、今回、「理解する」「表現する」「伝え合う」で3つの柱に分けているというところなんですけれども、それぞれ、例えば中学校を例にさせていただきますと、「理解する」においては、文末が、聞いたこと読んだことを比較したりして、「考えを形成することができると」いう、まとめになっています。これは、基本的に、主体的に受け止めて、受け止めるだけではなくて、最後理解して考えを形成するところまで、そこにゴールがあるんですよということで、高次の資質・能力だと思うんですけれども、それが同じように、「伝え合う」のところも、「伝え合うことができ、相互理解を深められる」というところが文末になっています。
ここも、これまでの議論を通じて、相互理解のお話も出てきていますので、こういった目標に近づいていくということで表記をされていると思うので、ここは現場の先生には説明が必要かなと。そもそも「理解する」なのに考えを形成するというのはどういうことなのか、それから、「伝え合う」なのに理解を深めるかどういうことなのかということで混乱がありそうな気がするので、きちんと説明する必要があるかなと思っている点が1つと、それから、表現の部分についてなんですけど、こちらは文末が「他者に伝えることができる」ということで、これまでの議論でも少し出ていますけれども、コミュニケーションが一方通行のように見えるので、「理解する」と「伝え合う」と同じように、何かワンステップ先の目標を記載することができたらいいのではないか。代案が思いつかなくて大変恐縮なんですけれども、同じような桁にそろえたほうがいいのではないかなというふうに思っています。
それから、知識及び技能に関する統合的な理解のほうなんですけど、こちらもこれまでの感覚からすると、高次の資質・能力という部分なのでしようがないかなと思うんですが、文末のところで、「英語による理解や表現の質を高めることを理解できる」という、ここの表現がやはりちょっと伝わりづらいのかなというふうに思っています。
ですので、具体的にどういうことなのかということを、恐らく解説のほうでお話しされ、説明されるというふうに思うんですけれども、そこと併せて確認する必要があるかなと思っています。
長くなりました。以上になります。
【酒井主査】 ありがとうございます。「理解する」の総合的な発揮の文末、「考えを形成することができる」というところで、もし事務局のほうでまたその意図を紹介していただければというように思いました。
併せて、「英語による理解や表現の質を高める」というところの説明があれば、また追加でお願いしたいと思います。
用意いただいている間に、鈴木委員の御意見を伺いたいと思います。
【鈴木委員】 おはようございます。まず、推進室の皆様におかれましては、本ワーキンググループの委員の様々な意見を分かりやすく集約、整理していただいて、いつもありがとうございます。
私のほうから3点申し上げます。1点目は、今のページの資料7ページになります。下の知識及び技能に関する統合的な発揮の小学校外国語、中学校、高等学校に関する文言です。今、関谷委員の話と同じなんですが、「理解や表現の質を高めることを理解できる」という文言、やはりこれ、しっくりこないです。
また、文言が長いという感じをどうしても私は受けちゃうので、もう少しシンプルにできないのかなというふうに思いました。例えば、「英語の知識を場面、状況に応じて組み合わせることで、理解や表現の質が高めることができる」みたいな感じのほうがいいのかなというふうに思いました。
2点目も、この資料7ページになります。今度は小学校外国語活動の部分になります。知識及び技能の統合的な理解の外国語活動に関することなんですが、先ほど日向端委員からもあったんですが、まず、「言葉の面白さや豊かさを理解できる」という文言なんですが、私、ここは学びに向かう力、人間性等の資質・能力の記述に近いのではないかなというふうに思っています。
また、先ほど申し上げたんですが、文言自体が長いので、もっと簡潔に表記できないのかなと。例えば、「英語に慣れ親しみ、言語や文化の違いの基本を理解できる」のようにできないのかなと思いました。これもまた「理解ができる」というふうになっているので、ちょっと日向端先生からはまた理解ではないんだというふうに言われるかもしれないんですが。
続いて、3点目は、8ページから12ページ共通なので、どのページでも大丈夫なんですが、知識及び技能の中学校のほうでよろしいですか。10ページ、知識及び技能と思考力、判断力、表現力の資質・能力を記述されているんですけれども、やっぱり文言の整理が少し必要なのかなというふうに思って、読んでいました。
現行の学習指導要領においても、この2つの観点が指導と評価、区別が非常に難しいという意見をずっと聞いてきたかなというふうに思います。具体的に言うと、例えば、知識及び技能においても、目的、場面、状況とか、文脈とか、実際のコミュニケーションという、そういう言葉が入っていて、「思・判・表」と区別がつきづらいのではないかなと思っています。
教育課程部会の論点整理では、知識・技能の統合的理解と「思・判・表」の統合的な発揮の観点から文言を整理しないと、やはり現行と同様に混乱が生じるのかなというふうに思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
事務局のほうから先ほどの説明をお願いしたいと思います。
【田井外国語教育推進室長】 ありがとうございます。スライド15をお願いいたします。こちらが企画特別部会の論点整理資料、更新されたもので、高次の資質・能力について示しているものでございます。
右のほうの思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮については、複雑な課題の解決に向けて、個別の思考力、判断力、表現力等を組み合わせたり選んだりして総合的に働かせた姿と位置づけられております。
その上で、先ほど7ページで、中学校の高次の資質・能力の「思・判・表」の部分でございますが、「理解する」の部分は、「読んだり聞いたりして必要な情報や考えなどを捉え、整理したり、既存の知識や経験と関連付けたり比較したりして、考えを形成することができる」、こういったプロセスを経て深く理解できるという趣旨で、現行の解説等も基にしながら記載させていただいています。
「伝え合う」についても、今回外国語を学ぶ意義を整理いただいた中で、相互理解ということが非常に重要であって、見方・考え方に反映されているということも踏まえ、伝え合う目的として、やはり相互理解まで深められるのが高次の資質・能力ではないかと位置づけさせていただきました。
ただ、説明をしっかりとしていく必要があると思いますので、その点、引き続き検討させていただければと思います。
また15ページを御覧いただければと思いますが、知識及び技能に関する統合的な理解については、個別の知識や技能が相互に関連づけられて一般化され、統合的な理解となった姿と位置づけられております。
例として、関数を使えば未知の状況を予測できるという例が挙げられておりますが、技能が身につくというだけではなく、それを使えばどういうことができるのかという統合的な理解、メタ認知までを求めていると捉えております。それも踏まえて、7ページの知識・技能の部分は、「認識し、これらの知識を、場面や状況に応じて組み合わせて使う」という技能の部分も求めていますが、それにより、「英語による理解や表現の質を高めることを理解できる」、ここまでを高次の資質・能力では求めていくことが必要ではないかと、国語ワーキングでの検討なども参考にしながら、こういった案にさせていただいています。引き続きこの点についても御意見いただければと思います。
以上でございます。
【酒井主査】 御説明ありがとうございました。
それでは、亘理委員、お願いします。
【亘理委員】 関連する2つのことを言います。1つ目は、8ページ以降の構造化のイメージで、例えば、10ページが中学校ですけども、今の「個別の知識・技能」の記述も別途検討されると思いますし、日向端委員がおっしゃったように、具体的な文言は別途検討の時間があると思うんですが、「知識・技能」が書き言葉の視点に偏っていないかということを一つこの時点で指摘しておきたいです。つまり、英語の特徴や決まりに関する事項でいうと話し手・書き手志向の文言が多い。これは現行の指導要領のときから気になっていることなのですが、話し言葉について考えたとき、つまり、「話すこと(発表)」や「話すこと(やり取り)」について考えたとき、Interactional Linguisticsの分野などの研究を見ると、話し言葉の文法として言えるのは「受け手志向のデザイン」であるということなんですよね。ここに書かれている文言は、基本的に話し手・書き手がどうしたいかということをベースに書かれているのですが、話し言葉はむしろ受け手志向のデザインで、リアルタイムに展開して、インクリメンタリティー、少しずつ足していくという特性を持っている。そういうことに対応した記述になっている感じがしないんですよね。
これをどう記述するかというのはちょっと難しくて、書き言葉用の英語の特徴や決まりに関する事項と、話し言葉用の英語の特徴や決まりに関する事項を分けて記載するのがいいと思っているわけではないのですが、今ここに書かれているものは書き言葉には使いやすいけど、話し言葉にそのまま使えるだろうかということがずっと気になっていました。バトラー後藤委員も先ほどおっしゃっていましたけど、話し言葉の評価なのに正確さばかりを気にしてしまうといったところにも繋がっているかなというふうに思っています。
もう一つ、特に高校の高次の資質・能力のところで、先ほど内田委員もおっしゃっていて私も気になっているところなのですが、今のと関連して、「表現する」や「伝え合う」で記載している「思・判・表」の総合的な発揮の記述が、やや一方向的と言いますか。特に「伝え合う」というところなんですけど、合意形成という言葉はディスカッションをイメージしているのかなと思うのですが、実際にはそんなに真っすぐには進まないですよね。これについて、スピーキングの分類で、トランザクションとカンバセーションを区別したときに、トランザクションで用を足すということだったらまだ分からなくもないんだけど、カンバセーションで、先ほど6ページのところに、日常的な会話を入れるということもあって、日常的な会話だとすると、こんなふうに論理的に詳しく適切に伝え合うということだけで会話は絶対に進まないので、何かそこのところが整合性が取れていないような感じがしました。
それで、筒井佐代さんという方の『雑談の構造分析』という研究があるんですけど、これは日本語の分析で、私たちが「雑談」と呼ぶものは30パターンぐらいに分けられると。その中の一番多いパターンが、最後「承認」で終わるパターンで、30分の10なんですよね。つまり、相手が言われてうれしい発話で締めくくられるというのが筒井さんの分析で、それ以外のパターンも、理解して評価するとか、納得を示すとか、そういうパターンが多い。
これは日本語の分析ですけど、そういうふうに考えると、会話とは行ったり戻ったりするものであって、必ずしもここに書かれているような、論理的に詳しく適切に伝え合えば相互理解が深められるんだというものではないのではないかというのが気になっているところです。
そのときに、本質的な意義について我々が整理してきたことで、伝わらないもどかしさや失敗を乗り越えるレジリエンスという言葉は書いてあって、「伝え合う」に関しては、もっとそういうところが前面に出たほうが、Interactionの本質を捉えたような総合的な発揮になるのではないかと思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 よろしくお願いします。7ページですが、ちょっと2つ言いたいことがあって、1つが7ページに関わるものでこれも議論した結果こうなっているのは百も承知なんですけど、知識及び技能のところの「文構造」という言葉ですが、高校では抜いたわけですよね。理解はしているんですけれど、小学校から文構造、中学もあって、高校にないと、書き忘れたんじゃないかって単に思う可能性もあるような気がして、高校で文構造が重要じゃないということを考えている先生は多分いなくて、高校のほうが逆に重要って思っている人が多い中で、ここにないというのは、ちょっとやはり気持ち悪いかなというところと、現行では、解説のほうで高校らしい文構造みたいなもので、例えば、知覚動詞だとか、I wonder ifみたいな構造をちょっと提示している部分もあると思うんですけど、そういうのも含めてやめるんだということ、指導要領では高校では文構造は触れないということであれば、腹をくくってみんなでそうやるということはあってもいいかもしれないんですけど、指導要領とか解説のほうに載せていくんであれば、小中を踏まえて高校らしい構造はこれですよと言うのであれば、やっぱりないとおかしいんじゃないかなと、ちょっと改めて思いました。もし検討の機会があればお願いします。
もう1個は、ページは高校のほうなので、構造化のイメージの11ページ12ページです。特に12ページの発信になったところで、名前が論理・表現という科目から変わるということで、今日で確定ではないにしても、かなり案がほぼ確定しつつある中で、論理という言葉はもう科目名にないということだと思うので、論理という言葉を過剰に使う必要はないんじゃないかと思っています。科目名にあったので、論理という言葉がたくさん入るというのは理解できるんですけれど、論理というのをどういうふうに定義するかにもよると思うんですけど、やや高度なイメージを持つ用語かなと思います。
国語のほうを少し見てみると、現行ですけど、あくまで現行の国語の指導要領を見ていくと、論理の構成とかという言葉もあるんですけれど、話の構成、内容の構成、文章の構成ということで、構成に対しては話とか内容とか文章というのがたくさん出てきて、展開に対しては論理の展開という言葉を使っています。
なので、論理ってちょっと狭義というか、狭い意味で捉えると、自分の考えをしっかり構成してという、意見を言うみたいなことにフィットするものであって、例えば、経験を語るみたいなものは、あんまり論理がそこまで重要視されないんであれば、内容の展開とか文章の展開とかって言ったほうが私はいいかなと思うので、少なくとも論理だけじゃなくて、内容の構成とか、文章の構成という言葉に、特にⅠとかⅡの前半あたりはそういう言葉に変えたほうが私はいいんじゃないかなと思います。少なくとも併記する。国語のように、文章の構成、論理の展開のように併記するというのは、私は大事なことかなと思っています。論理の定義の仕方にももちろんよるんですが、通常考えると、論理だけになると、やや狭い活動の範囲になってしまうかなというところです。
それに関連してですが、今、発信のほうに知識及び技能で「論理の構成・展開及び表現」というのが入っていて、これはいいことだと思うんですが、文法とか表現とか語彙と同じように、やっぱりリーディングとかリスニングで構成を意識して読んだりしないと、書いたり話したりするときに、急に文章の構成を学ぶというのはあまりいいことではないかなと思うので、発信のほうだけではなくて、総合のほうの知識・技能にも論理とか構成とかというのを入れて、それを意識しながら読むとか、要点とか概要を捉えるというのも、本来はそことマッチすると思いますので、発信だけではなくて総合のほうにも、私は「知・技」のほうで入れたほうがいいのではないかなと思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
内田委員、お願いします。
【内田委員】 よろしくお願いします。2点あります。1つは、小学校の外国語活動のところと、もう一つは高次の目標のところなんですけど、まず、1点目、小学校の外国語活動のところで、8ページ目のところですね。これもどこまでやるかということだと思うんですけど、現状、「知・技」のところにpragmatic competenceというのが入っていて、これはもちろん入れるべき事柄ではあると思うんですけど、ちょっと小学校の時点では、外国語活動の時点ではレベルが高いかなというような気もしています。
もちろん小学校の段階というのは、新しい言語に触れて、いろいろと気づきのあるもので、語用論的な違いというところにも気づきがあってほしいとは思うんですけど、どこまでこれを入れるのか。記述としてはあってもいいと思うんですけど、ア、イ、ウというふうに分けてしまうとかなり細かくなってしまうので、もう少しさらっとしてもいいのかなというのが1点目です。
もう一つは、高次の目標のところです。13ページ目14ページ目なんですけど、ここが結構、科目間の差分がちょっとちっちゃくなっていて、間違い探しみたいになっちゃっているので、もう少し差があったほうがいいのかなというふうには思います。例えば、今の13ページだと、違うところは一言だけですね。「詳しく」とか「論理的に」というところがあります。
先ほど工藤委員から、「知・技」のほうに論理を含めるべきだというようなお話があったと思いますけど、この場合、「思・判・表」に実は論理が入っていて、1のところだと、「論理性に注意しながら」とかですかね。2のところだと、「論理性に注意しながら詳しく」という形になっていたりしますので、この辺りの論理をどこに位置づけるのかという問題と、あと、差分がちょっとちっちゃい。
発信のほうもそうですけど、14ページ目も「詳しく」というのと「合意形成に向けて」というところだけなので、もう少しこの辺りを分けるというか、それぞれの科目の特性というのを出していく必要があるのかなと思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 ありがとうございます。私も2点、7ページ目のところで、先ほどから話題になっている「思・判・表」のところの、例えば、先ほど例が挙がった中学校なんかでいうと、それ、本当にただ単に聞いて理解して終わるとかではなくて、その一歩先までというところに関しては維持して、むしろここのところをしっかりと意識していただくということが、目的意識を持った言語使用というふうなことを考えたところでは非常に大切なので、いいかなというふうに思っています。これは先ほど説明あったとおりのところで、いいと思います。
ただ、表現として多分分かりにくいとするならば、知識・技能の部分の最後のところ、「質を高めることを理解できる」というあたりなのかなと思います。これ多分、他教科との関連等もあると思いますけれども、こういうことを知っておくと、そういうのの質がより高度なことができるようになるんじゃないかなということを理解すればいいのかどうかという話で、ただ単にそれが将来的にできるかもしれないよねということを理解すればいいという話だとすると、ないのかなというふうに思えます。例えばですけれども、高めようとできる、することができるとか、何かそんなようなことにして、実際それをどう活用できるのかという、何かそういう将来像があるよという話だけではなくて、自分ができるようになるよみたいなことをもうちょっと表現としてうまいことできないかなというふうに感じている部分があるということです。
それから、先ほど工藤委員が指摘していただいた部分、多分、12ページに関する部分だと思いますけれども、ここの論理の部分ですよね。内田委員も先ほど指摘いただいたと思いますけど、やはりここの部分が入っていくということが、いわゆるここの特に今までの論理・表現のところで、つい文レベルの文法に偏りがちであったというところからある程度離れていって、きちんとした全体的な表現、それが会話であるのか文章なのかというのは別にして、そういうところに繋げていくために、やはりここの部分を強調していくことというのは非常に大切なのかなというふうに思っていますので、ここのところはしっかり入れる必要があるかな。その意味では、発信だけではなくて、特に5領域について語るのであれば、総合のほうでもやっぱりそういうふうな要素というのは不可欠になっていくのではないだろうかなというふうな気がしています。
そこまで明確に入れる必要はないのかもしれないんですけど、実は中学校レベルでも、この辺のところ、特に会話に分けて談話の構造を考えたときに、例えば、ALTの人に何か質問をしてみましょうというときに、A君が例えば"Do you like Japan?"とか聞いて、Bさんが"Can you eat Natto?"とか聞いていてというふうなことで、"Yes"とか"No"とかみたいな答えをALTの方が例えば答えるみたいな、そういうレベルの活動みたいなのは中学校なんかも行われるんですけど、例えば、Aさんの質問とBさんの人は何の関連もないという、これはまさに談話の構造というものが全く意識されていないということの実例なのかなというような気がしますので、本当に会話を発展させていくためにはどういうふうな構造が必要なのかというのは、正直言うと、中学校レベルぐらいから少しずつ意識していく必要があるのかななんていうふうに考えているところなので、特に高校なんかにおいては、その辺はしっかりやる必要があるんじゃないかというふうに思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
バトラー委員、お願いします。
【バトラー委員】 私は、8ページの小学校外国語活動に関して1点、ちょっと提案させていただきたいと思います。知識及び技能のところの「文化に関する事項」です。ここに「違いを知り、多様な考え方があることに気付く」という文言があります。もちろんこれ自体は、とても重要なんですけれども、私は、違いだけではなく、同じという部分もここに入れていただけるといいかなというふうに考えています。
今、文化理解の議論に関して、やはり導入の時期においては、文化間の違いに注目する以前に、まずみんな同じ人間であり、同じ共通部分があるんだということを子供たちに理解してもらうこと、これがファーストステップであるという考え方が広まりつつあります。やはり世界各国で紛争が絶え間なく行われているということを見ても、相手に対する違いばかりが強調されてしまっていて、同じ人間であるという共感の部分の理解が欠如しているということが一因としてあるのではないかと思われます。こういった反省から、やはり同じ人間であるという点の強調が必要なのではないかと思います。ですから、ここでぜひ、違いだけではなく、同じ部分、同じ人間なんだというところも入れていただければと思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。大事な点だなと、私も共感しました。
髙島委員、お願いします。
【髙島委員】 ありがとうございます。3つちょっと言いたいと思います。
1つ目が文化の話で、まさに先ほどのバトラー先生の話はそのとおりだなと思いました。特に今年万博があって、恐らく特に関西の子供たちというのは、全く知らなかった国の人たちを初めて知った、初めてしゃべってみた。そこで、もともと全然違う国だから、違いを意識していたところ、意外と似ているところがあるなって感じた子たちも結構いるんじゃないかと思うんですね。そういう点では、ぜひ文化の違いだけじゃなくて、共通点というのは意識していただけたらいいかなと思います。
それに加えて、前回話した話と全く同じになるんですが、やっぱり本質的意義の再整理で文化についてたくさん触れたので、小中高で一貫して、文化についてはやっぱり強調してほしいなと思います。7ページに行っていただけますか。文化についてというのは、これは中高では、文化等の理解については内容の取扱いや活動の例示で示すとなっていましたけれども、知識及び技能に文化を入れないほうがいい理由がもしあるんだったら、教えていただけたらなというふうに思っております。ここは小学校外国語活動だけじゃなくて、小学校外国語、中学校、高等学校の3つにも入れてほしいなと思います。これが1つ目です。
2つ目が、ちょっと議論になっていた、例のメタ認知の話です。英語により理解が高まるというところですね。「英語による理解や表現の質を高めることを理解できる」という例のところなんですが、何か「理解」「理解」と繋がっているからこそ分かりにくくなっている部分があるんじゃないかなというふうに思います。英語により理解が高まるということを言いたいのかなと思っているんですけれども、英語により理解の質が高まるということですかね。ここの英語の理解って何で入れているのかというのをちょっと教えていただければと思います。
この前段で、これらの知識を使うことによりという、使い手に立った表現をしていると思うので、そういうことであれば、ここの理解というところは飛ばしてもよいのか。逆に、理解って絶対入れなきゃいけないのか。ここは整理できるといいのかなというふうに思いました。これが2つ目です。
3つ目が、発信の科目のところを出していただけますか。高校の科目のところですね。構造化のイメージの、14ページですかね。ありがとうございます。14ページのところで、発信3のところで、「合意形成に向けて」というのを入れていただいたのはすごく私はいいなと思いました。まさに今回、民主主義の担い手を育てようという学習指導要領なので、ここについてはぜひ強調していただければと思います。
この科目はあまり履修が、現時点の論表でいうと多くないという話が前半で出ましたけれども、だからこそ高度なところを求めているんじゃないかなと思います。地域社会でも外国人が増えている中で、異なるバックグラウンドとか、異なる言語を話す人との合意形成ができる力を養うような、そういう科目になることを大いに期待したいと思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。
布村委員、お願いします。
【布村委員】 ありがとうございます。私から13ページ目なんですけれども、英語コミュニケーション(総合)のほうですね。こちらの目標のところ、1のところの、ちょっとちっちゃいところなんですけど、知識・技能のほう、後半部分、「実際のコミュニケーションにおいて適切に活用できる技能を」の「適切に」というワードが知識・技能に入っているんですか、この場合。かつ、思考、判断、表現力のところに、後半部分、「論理性に注意しながら適切に表現したり」というふうに、「適切に」が両方に入っていることで、適切に表現する、この技能は知識・技能なのか、「思・判・表」なのかというところがちょっと分かりにくくなっているなというふうに感じました。
私個人としては、「適切に」の部分は知識・技能のほうに入っているものであって、「思・判・表」に関しては、いろいろなことを表現や構成とかを創意工夫しながら、相手に伝えたりとか、書いて伝えたりというようなことを意識しているので、それが適切かどうかというところまで思考は行かないものを指しているのかなというふうに感じていたので、特に高次の資質・能力になってしまうとかなり長くなって、特に「思・判・表」の3ポチ目の、英コミュの1ですけど、「相手が話したり書いたりした内容を受け止めながら、情報や自分の考え、気持ちなどを、相手に分かりやすいように論理的に注意しながら表現等を工夫して適切に伝え合うことができ、相互理解を深め」、一体何をどこまでどう意識して伝えればいいんだろうかというところで、かなりボリューミーになってしまっているところであるので、ここのところは、論理性に関してはいろいろ議論はあるかなと思うんですけど、構成だったりとか、いろいろな表現を工夫しながら、相手に分かりやすいように伝え合うことができるというところでとどめてもいいのかなと。相互理解に関してはいろいろ議論があるかなとは思うんですけれども、「適切に」というワードをどこに持っていくのかというところをちょっと考えていけたらなというふうに思いました。これが1点目です。
2点目は、次の14ページ目の現行の論理・表現、発信の3のところの合意形成のところです。こちらも、現行のものでも、例えば、合意形成にこのディスカッションのスクリプトはなっていませんというような、そんな指摘を教科書とかで受けたりしているところで、合意形成を図るディスカッションというのは、かなり長いディスカッションになると思います。そこまでもちろんやってほしいなというところはあるんですけれども、全員がそこまで達しないといけないのかというところを考えたときに、合意形成などに向けてそういう動きがあるという、したいという思いまでいっていれば、私はいいのかなというふうに感じています。
特に3に関しては、いわゆる上位校といいますか、進学校が履修することが多い科目ではありますので、ちょっと高いレベルを示しておくということ自体に関しては賛成ではあるんですけれども、合意形成に向けていろいろな意見を闘わせるじゃないですけど、そういったことが授業の中でできていればいいと思うので、合意形成まで達しなければならないということではないということを、ちょっとニュアンスとして入れられたらいいかなというふうに思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。確かに合意形成に向けたプロセスのところがとても大事なので、合意形成に達しなかろうと、そこに向けた話とか相互理解に向けたやり取りというところがいかに大事かということの表現をもう一度考えてみるということかと思います。「合意形成に向けて」と言っているので、そのニュアンスは含まれているのかなという気はしますけれども。ありがとうございます。
米野委員、お願いします。
【米野委員】 ありがとうございます。これまでの御意見と同じようなものかと思いますが、スライドの7ページ、赤い部分について、最後の語尾については、ここは統合的な理解の部分なので、「理解できる」と終わさなければならないのかどうなのか分からないのですが、「英語による理解」「理解できる」と、理解が繰り返し出てくるので、ここはやはり分かりづらいというところはあるのかなというふうに思います。
それから、ここは「知・技」に関することなのですが、「場面や状況に応じて」という言葉が出てくるので、観点別評価の際の、先ほど鈴木委員からもありましたが、思考、判断、表現の方との仕分がなかなか現行では難しいところがあるので、あえて「知・技」のほうでは、「場面や状況」という言葉は使わないという方法で伝えていくことができないかなというのを考えていたところです。せっかく科目の目標の「知・技」のほうからは抜いて、「適切に」というふうに変えたので、そこの工夫ができないかなという意見でございます。
それから、もしかすると前半で言えばよかったかもしれませんが、スライドの12ページ、言いそびれたのでここで言わせていただきますと、「思・判・表」の「話すこと(やり取り)」のところで、ディスカッションやディベートとあるのですが、現行でもディベート、例えば、これは準備型とか即興型とかありますが、競技ディベートを論表でしなければならないということになっているわけではなくて、現行でもペアで意見をやり取りしたりするなど、様々な方法で行うことを可能と解説には示されていますので、ここについては、その確認と、それから、解説等で内容を適切に伝えていかなければならないということかと思います。
あとは、学習指導要領の中、解説も含めて様々な用語が出てくるわけなのですが、学校の教員の分かりやすさということを考えた場合に、語彙の定義が解説の中で、例えば、要旨とは何々、概要とは何々とか、文構造とは何々と、その都度出てきます。そこをしっかり読み込む人は確認するので、例えば用語を一覧にして巻末につけるとか、あるいはデジタル化が図られる予定なので、クリックするとそこに飛ぶとか、そういった工夫ができれば利便性が高まるのではないかと思いました。
以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございます。
髙木委員、お願いします。
【髙木委員】 ありがとうございます。ちょっと学校のネットワークが落ちてしまって数分離席していたので、もしほかの先生が既に触れられていたら申し訳ないんですけれども、8ページのところをちょっと見せていただきたいんですが、「話すこと(やり取り)」の「できること」のところで、小学校の外国語活動と、その次の小学校外国語のところでは、(ウ)のところで「質問をしたり」というのがあるんですけれども、それが中高になってくると、恐らく「伝え合う」というところに集約をされていると思うんですが、実際にやり取りを繋げていく上で、今、中高の目標というのが、特に自分から発信することに偏っている気がしていて、それが例えば実際に会話の中で生まれたときに、自分の意見を言います、相手が意見を言いました、で、という空間が生まれてしまうので、実際にやり取りを続けていく上で、相手の言っていることの趣旨を理解して適切に質問する力というのは非常に重要だと思うんですね。
なので、今の書きぶりだと、もしかしたらその部分というのが薄くなってしまっている感じがするので、その辺りが分かるような書きぶりにしていただくのもいいのかなというふうに思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
細田委員、お願いします。
【細田委員】 よろしくお願いします。2点です。
1点目は、皆さんおっしゃっているところなんですけれども、例えば、7ページのところにあります、皆さんおっしゃっている中学校のところの「知・技」の統合的な理解のところですが、この表現、何回読んでも、ちょっと自分の理解力がないのか分からなくて、つまり、ここが分からないだけではなくて、学習指導要領全体が、多くの教師たちに、積極的に手に取って、それを理解しながら日々の教育活動に生かしていくという観点からしても、できるだけ分かりやすい表現、みんなが読んで分かって、そして、それを参考に、いつも傍らにおいてというようにしていくためには、やっぱりもう少し分かりやすい表現にいろいろなところでなっていくといいなというふうに思っているところです。
2点目は、先ほどの髙木委員さんが言っているところも少しかぶっているんですけれども、ちょっと分かりやすいところで、11ページ12ページの高校の英コミュ(総合)と英コミュ(発信)のところで、先ほどのお話の中にもあったんですけれども、例えば、「話題」のところに、「日常的な話題について」「身近なものを含む社会的な話題について」ということで、日常的な話題について入ったのは大変うれしいことなんですけれども、もう一つ、初等中等教育段階の外国語・英語教育の高校の段階ですと、まとめとしても、ぜひというか、どこまで可能かどうか分からないんですけれども、しっかり他の教科の既習の内容についてもしっかり話題として取り上げていくという。これ、教科を越境した、もしくは学校種を越境した上位のカリマネを意識する意味でも、少しそういう話題を取り上げていくということを学習指導要領で示すことにも意味があるのかなというふうに思っていること、そして、さらにこれが髙木委員さんがおっしゃっていたことにかぶるかもしれないんですが、どうやら発信するための表現のほうに偏っていて、つまり、自分の意見を言って終わりみたいなところではなくて、よりよいコミュニケーション、よりよい発信とは、他者を理解したり受容したりするというところの態度の育成みたいなものとか、具体的に、他者を理解して受容したり、そして、そこを繋げていく発信があったりとかするというあたりのところを、少しこういった話すこと、発信なのでどうしても発信というところに偏ってしまうんですけれども、よりよい発信のためには、受容や他者の理解というあたりのところの姿勢が、少しこういった文言の中に入ってくるといいかなというふうに思っています。
以上、2点です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
髙島委員、お願いします。
【髙島委員】 2度目で失礼します。先ほど細田先生がおっしゃっていた教科を越えたカリマネ、学校種を越えたカリマネというのは大賛成なので、ここはまさに英語だからこそやりやすい部分ってたくさんあると思いますので、ぜひ強調できればと思います。
さっき私が話した2個目の話で、ちょっと私の発言が分かりにくかったと思うので、もう一回、ちゃんと話したいと思います。7ページを開けていただけますか。小学校の外国語の「知・技」の統合的な理解ということを考えたときに、ここの話は2つに分かれると思っていて、1つ目が「認識し」までの話、これは前提と言ってもいいのかもしれませんけれども、働きとかを認識するということで、その知識を組み合わせて使うと質が上がるよねという話が2つ目にあると思うんですよね。
ここが表現として分かりにくいと思うんで、例えば、一例ですけども、「認識し」まではそのままでいいとして、「これらの知識を、場面や状況に応じて組み合わせて使うと」、ざっくりと「英語の質が上がることを理解できる」とか、「英語の表現の質が上がることを理解できる」とか、それぐらいにぎゅっと縮めると、分かりやすくなるんじゃないかなと思います。
まさに先ほども幾人かの委員の方々がおっしゃっていましたけれども、現場の先生がどこまで「知・技」に入るのかというところが正確に理解できないと、評価の面で難しいと思うので、メタ認知ということを強く押し出すんであれば、さっきみたいな形でぎゅっと縮めて、この全体の構造を理解できるということに特化したほうがいいんじゃないかなと思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
特に高次の資質・能力に対する御意見で、まさに今日の話題ですので、もしほかにも御意見あったらぜひいただければと思います。
亘理委員、お願いします。
【亘理委員】 若干、ほかの委員がおっしゃったことの繰り返しのところもあると思うんですけど、今の点で、まず7ページの英語の目標を見たときには、小学校外国活動から高等学校(英コミュ(総合))まで、ある程度幅広く包含できるような記述になっているなとは思うんです。
このときに、バッファーというか、細田委員がおっしゃったことですけど、学校種を越えて、いろいろな多様な学校を包み込めるような目標になっているかということがちょっと気になり始めて、「思・判・表」を見たときに、構造化のイメージのほうの8ページ以降になるんですけど、例えば9ページから10ページを見たときに、小学校外国語から中学校に行ったときには、小学校には小学校ならではのことが記述されていると思うんです。つまり、「音声で十分に慣れ親しんだ」という、思考、判断、表現の目標のところに書いてあって、これは小学校では外してはいけませんよと。つまり、構造化を議論するときに、どういう視点で構造をつくっているのかということが大事だと思うんですけど、小から中にかけては、この「音声に慣れ親しんだ」という小学校特有の部分を外さないでください、という視点がある。
中学校が割とニュートラルに、「コミュニケーションを行う目的や場面や状況などに応じて、様々な話題について、英語で簡単な情報や考えなどを理解したり、これらを活用して表現したり伝え合ったりすることができる力を養う」になっているんですよね。
「簡単な」が中学校のキーワードとも言えるんだけど、高校の英コミュ(総合)になった途端、急にどかんと膨らんで、しかも膨らんで構造化している視点が、ややspecificな視点ばかりではないかという気がします。つまり、内田委員が途中でおっしゃったことかなとも思うんですけど、足し算のように「概要や要点」とか、「的確に理解する」とか、いや「的確に理解する」はある種共通なんだけど、「簡単」から「的確に理解」って、中学校から高校への学校種をまたいだときに、ちゃんと構造になっているのかなというのが気になる。
そう考えると、これから多分学年ごとの話題の例示とかも進んでいくでしょうし、今日13ページとかに出されている、「英コミュⅠ」と「英コミュⅡ」を分ける以上、科目間で目標記述を同じにはできないということはあると思うんですけど、詳細さとか論理性とか、工藤委員がおっしゃったとおり、そこが我々が求める構造化の視点なのかどうかということはちょっと注意深く検討して、小中高と並べたときのジャンプアップが同じ軸でもなければ、同じ幅でもないというか、何かそれが特に高校で多様になるときに、「英コミュ(総合)Ⅰ」が必履修のときに、日本全国の高校を包含するような目標記述にちゃんとなっているかというところは、もう少し注意したいと思いました。
それで、布村委員がおっしゃったことですけど、私も「適切に」というのは知識・技能に入っていたほうがよくて、「思・判・表」の発揮のときに、適切だったかどうかということはあまり目標基準に入れないほうが、今の話と繋がっていいのではないかと思っています。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
𫝆井委員、お願いします。
【𫝆井主査代理】 まず、髙木委員、それから鈴木委員がおっしゃった、知識・技能と、それから思考、判断、表現の線引きというところで、学校教育現場が非常に苦労しているというところについては、今回ぜひとも解決すべき問題だなと思って、私も共感しつつ取り組んでいっているところなんですけれども、今回、それでいいますと、知識・技能において、特に言語の働きですとか、高校の発信においては、論理の展開が知識・技能に一旦位置づけられたことによって、それらを組み合わせることという話をしたときに、一つ大事なのは、知識が知識のままで終わらないようにするために、やっぱり言語の働きですとか、論理の展開とか、そことの結びつきが大事ですよねというところがメッセージだと思うんですね。そういう意味で、知識・技能まで含み込んでいく。
そのときに、目場状全部ではないですけれども、場面、状況というのは、やっぱり言葉の働きとそこに合った形式を結びつけるときにはどうしても必要な、これはもう言語学的な体系上の問題としても、セッティングですとか、場面、状況というのはどうしても必要なのじゃないかなというふうに思います。
それが必ずしも思考、判断、表現では――ごめんなさい、目的というのは、目場状で言うと知識・技能のところでは、必ずしも必要ではないかなというふうには個人的には考えています。そういう切り分けというのは可能かというのが一つ考えられるところかと思っています。
あと、工藤委員がおっしゃったと思うんですけども、論理の構成・展開で国語との比較がありましたが、これはすごく大事なところだと思います。論理論理って、論理を軸にした語り方ではなくて、文章のというのは確かに国語はそうしていますし、それを踏まえた考え方というのは展開していくべきかなと思います。
たまたま私、展開と構成の違いは何だろうといろいろ調べていて、その辺り、非常に整理が必要なところだなと。国語等の整合性、国語に合わせるというわけじゃないですけれども、英語独自のものがあるのであれば、それはそれで示す必要があるかなと思いました。
もう1点だけ、やり取りを視点にした書き方になっていないんじゃないか、その記述が少ないんじゃないかというところについては、今回の科目名の発信がProductionだけではなく、むしろInteractionを先に持ってくるべきではないかという委員の御意見に私も個人的にはとても賛成で、そういうところを記述の中に、やり取りのためのいろいろな知識・技能ですとか、そういったところを加えていくこと、別に足し算していきたいというわけじゃないんですけれども、その視点というのをしっかり位置づけることが大事かなと思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
今、大分時間が来ていますので、今挙手されている鈴木委員までで、端的に御意見をいただければと思いますので、お願いします。
工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 本当はこれ、第1回で言うべきこととか確認すべきことだったかなと思うんですけど、細田委員が、小中高をつないで全体でどうなるのというお話に持っていっていただいたので、ちょっとお話しするんですが、特に高校の出口になると思うんですけど、あるいは中学もあってもいいかもしれないんですけど、これをやっていったらどんな英語力が最終的につくんですかみたいなことを問われたときに、例えば、今であれば、教育振興計画で、高校卒業段階でCEFRでいうとA2レベル相当を6割以上でしたっけ。それが目標とかってなっている場合、これ、第4期の教育基本計画は令和9年から10年までの話で、今我々がやろうとしている学習指導要領はもっと先なので、先にまたそういうCEFR基準の目標が設定されるかどうかはちょっと分からないですが、仮に何かされた場合、この指導要領でそれが担保できるんですかと聞かれたときに、CEFRがいいかどうかはちょっと別にして、仮にCEFRになった場合に、CEFRとのアライメントみたいなことをする必要があるのか。あるいは誰がするのか。
我々今、CEFRとかを横に置いて、やっている方はもしかしたらいるかもしれないですけど、私は少なくともやっていないので、今、我々の英語教育観とか、あるいはそれぞれの小中高の現場に行った感覚も踏まえて、あるいはいろいろな研究を踏まえて、こういうふうなことをここに入れたらいいってやっているんだけれども、国の計画の目標値がCEFRになった場合、CEFRとのアライメントみたいなことをしないと、これでそれが担保できますかって、自信を持って言えないと思うので、そういうことをやるプロセスがこれからあるのか、あるいはすべきなのか。しない場合、CEFRで目標設定されることを我々がストップできるのかみたいなところは、ちょっとこれ、今日じゃなくていいので、どこかで文科省の方からお話しいただけるといいかなと思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】 スライドの9ページから始まる構造化のイメージのところで、先ほど亘理委員が、我々の構造化というのが、どこがどう変わって発展していくのかというのが、今の文言だとちょっと分かりにくいという御指摘があって、それに関連することなんですけど、一つのやり方としては、例えば、今9ページを見せてくださっているのかな。例えば、「思・判・表」の「聞くこと」の「話題」と「条件」みたいなところだけを見て、小学校外国語、中学校、高校というふうに、そこだけ横並びにしてみたときに、我々がここが変わっていっているんだなというのが分かるかみたいな形で文言を整理したいなというふうに、亘理委員のお話を聞いて思ったのと、あと、それに関連して、そうしたときに、私、前から申し上げているんですけど、校種が上がっていくときに、いろいろなことが全部新しいことが付け加わるだけではなくて、例えばですけど、「話題」は小中同じ文言なんだけど、「条件」のところが中学校になるとちょっと変わるとか、これは中高のほうがいいのかな。中学校と高校で「話題」のところに同じ文言が書いてあるんだけれども、「条件」のところでステップアップをしているところが、構造化が発展したところですよみたいなものがあってもいいのかなと。
今は全部が違う、ちょっとずつ違う文言だったり、形容詞がついたり、副詞がついたりしているので、どうしてもプラスプラスプラスとなっているところが気になりました。ちょっと今後自分でも案を考えたいと思います。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございます。
鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 15ページ目の先ほどから出ている知識及び技能と「思・判・表」のところなんですけど、やっぱりここ、知識及び技能のほうは、「他の学習や生活の場面でも活用できる」と書いてあって、「思・判・表」のほうは、「未知の場面でも課題を解決できる」というふうに書いてあって、ここの理解をやはり委員我々がきちんと理解しておかないと、話がずれるなというふうに思っていて、今の書きっぷりで、目的、場面、状況に応じて適切にできるというふうに言われると、どっちを指しているんだろうという、個人的には非常に難しいなというふうに思っていて、私はどちらかと、「思・判・表」のほうも指してしまっているように聞こえてしまうので、そこをやはり他の学習や生活の場面でも活用できるということは、類似の場面で活用できることであって、未知の場面でできることまでは求めていないんだろうなというようなことで直感的には思いますので、そこの整理が必要なのと、あとは、私も国語のワーキングの資料をちょっと見せていただいたんですけれども、一貫して考えること、とても大事なことだと思うんですけれども、やはり第1言語としての母語としての国語の教育と、外国語というか、日本人にとっての英語の学習は、やはり英語科教育が持つ固有の文脈の中で話をしていかないと、少しずれてくるところも出てくるのかなと。
あまりにも高いレベルのことを日本人の子供たちに課してしまうことになるんじゃないかなという危惧は、国語との関係だけじゃなくて、この教育課程企画特別部会との関係の中でもきちんと押さえておく必要があるんじゃないかなと思いました。
以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。
構造化、それから、高次の資質・能力、特に知識及び技能については分かりづらいという御意見もあったんですが、もともとの趣旨からすると、知識・技能を個別に持っているだけではなくて、それを組み合わせることによって英語の理解や表現の質を高められるんだと。そういう理解を持っていれば、新たな文法とかを学んだときも、それを活用して、ほかと組み合わせながら、よりよい表現にしていこう、あるいは理解を正確にしていこうというような、何かそういう理解のことを言っているのかなと思うと、後半部分に対しては、それほど反対御意見はなかったと思いますので、あとはちょっと分かりやすい表現みたいなところの検討の余地はあるのかなと思いました。
それから思考力、判断力、表現力等の高次ですけども、御意見いただいた中では、理解すること、理解したその先、自分の考えを形成できるというところを狙っていくのが高次なんだということで、ただ単に受け止めただけではなくて、やはり意見形成、考え形成のところまで繋げていくところを狙っていくと。その意味では、表現するというところは、伝えて終わりのようなイメージもあるので、ただ、理解する、表現する、伝え合うというのは、それぞれというよりは、これは一体的に活用されるものというように思うと、最終的には相互理解というところが狙われていくのかなと思うので、これについても大枠は反対意見はなかったかなというように思います。
また引き続き議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
年明けに開催される総則・評価特別部会においては、各教科のワーキンググループから、目標と見方・考え方、高次の資質・能力などの案について報告することになっています。現在の検討状況を一旦報告させていただきますが、例えば、目標の中の「適切」という言葉をどうするかとかということもまだ検討の余地があると思いますので、引き続きこのワーキンググループでも議論をして改善していきたいと思っております。
ただ、修正の上、特別部会に報告資料を出させていただきたいと思いますので、提出資料については私に一任いただければと思っておりますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、一任いただきましたので、事務局と作業を進めて、総則・評価特別部会に報告したいと思っております。
それでは、時間も参りましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。
最後に、次回以降の予定について、事務局よりお願いいたします。
【田井外国語教育推進室長】 次回は、1月21日水曜日17時半から20時を予定しております。正式には、後日御連絡させていただきます。
以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございます。
それでは、以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――
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