教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

令和7年12月1日(月曜日)9時30分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 「外国語を学ぶ本質的意義等を踏まえた話題・活動等の在り方」、「小学校・中学校に おける指導内容の段階的な示し方」について
  2. その他

4.議事録

【酒井主査】  皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第4回外国語ワーキンググループを開催いたします。
 本日は、「外国語を学ぶ本質的意義等を踏まえた話題・活動等の在り方」、「小学校・中学校における指導内容の段階的な示し方」についてを主な議題として審議をします。審議を行うに当たり、京都光華女子大学教授の田縁様と、本ワーキング委員の鈴木委員に御発表をいただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは議題に移ります。まず、本議題に関する論点資料について、事務局より説明をお願いしたいと思います。続けてお2人に御発表いただき、それぞれ終了後に質疑応答の時間を設けたいと思っています。その後、休憩をはさみまして意見交換の時間に移りますが、取り扱うテーマが複数ございますので、テーマごとに区切って実施したいと思います。本日も皆様全員に御発言いただきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【田井外国語教育推進室長】  外国語教育推進室長の田井でございます。資料について御説明させていただきます。
 今回は、「外国語を学ぶ本質的意義等を踏まえた話題・活動等の在り方」、「小学校・中学校における指導内容の段階的な示し方」について御議論をお願いしたいと思います。
 検討事項のうち、こちらの下線を引いた部分でございます。まず、企画特別部会で示されている検討事項との関係について御説明いたします。左側が総則評価部会で示された次期学習指導要領の構造でございます。このうち、目標、見方・考え方は、第2、第3回で御議論いただいたところでございます。今回より内容の議論に入りたいと思います。
 今回は内容のうち、これまでの議論と繋がる部分、本質的意義等を踏まえた話題・活動等の見直しの方向性について、また、今後の構造化の議論に繋がる部分、小・中学校の指導内容の段階的な示し方について御議論いただく予定でございます。
 その下の構造化に関連する論点である、高校の科目の在り方、表形式化の具体的な形式、高次の資質・能力の在り方については、年内をめどに議論を予定しております。
 その他の内容に関する重要事項につきましては、その後に議論する予定です。また、指導内容の精選の在り方についても各ワーキンググループで検討することとされており、併せて検討する予定でございます。
 まず、1つ目の議題、「外国語を学ぶ本質的意義等を踏まえた話題・活動等の在り方」についてでございます。
 まず、現状と課題、本質的意義の要素等を踏まえた見直し・発信力強化でございます。前回までに御議論いただきました本質的意義の要素や動機づけを高める観点等を踏まえ、指導要領や解説において取り扱う話題や活動の例示、教材選定の観点等の記載を見直す必要があること。併せて、社会全体の課題への対応の方向性で御議論いただきましたように、英語で伝えたい内容を個々の児童生徒が育むため、自分が伝えたいことや、生まれ育った国・地域のことを伝える活動の強化が求められていること。一方、自分の住んでいる地域に関する話題や活動は、現行の学習指導要領や解説において記述が薄く、教科書に取り上げられるケースが少ないことを挙げております。
 これを踏まえて、右側の方向性として、取り扱う話題や活動の例示、教材選定の観点等の記述を見直すべきではないか。その際、発信力強化の観点から、自分の意見を言えるような話題や活動の充実を図ってはどうか。また、自分の住んでいる地域については、話題や活動の例として明確に位置づけてはどうかとしております。
 次に、左側に戻りますが、特に中学校対象とした話題等の精選に関する課題でございます。現行では取り扱う話題が学年別に示されておらず、特に中学校では、社会的な話題として、環境問題や世界情勢、人権問題等が例示されたこともあり、教科書における話題や活動が高度化し、授業づくりが難しいとの指摘があること。企画特別部会の方向性でも、高次の資質・能力を整理した上で、内容を選択・精選していくことが求められていることを挙げております。
 これらの点を踏まえた右側の方向性として、各学年で取り扱うべき話題の難易度を整理し、各学年相当で示すとともに、身近なものから段階的に抽象的なものを取り扱うべきではないか。中学校における社会的話題については身近な社会的話題を中心とする方向で検討してはどうか。その際、発信のための活動においては身近な社会的な話題までとしてはどうかとしております。
 話題を段階的に示すイメージを中学校を例にお示ししております。左が現行の解説に示されている話題の例示、右が改善イメージでございます。改善イメージでは、聞くこと・読むことの受容技能では、中1相当から日常的な話題と身近な社会的話題を扱い、社会的な話題は中2相当から段階的に扱う形にしております。また、話すこと・書くことの発信技能では、身近な社会的な話題にとどめ、中2相当から扱うこととしております。
 次に、英語を学ぶ動機や発信力を高めるための課題・活動の改善イメージをお示ししております。
 本質的意義の要素として整理しました、異なる文化への理解、自国の文化のメタ認知を促すという観点から、下の2つの項目、日本のことや自分の住んでいる地域についての理解を深め、発信する活動を促すような話題・活動の例を充実することを挙げております。また、社会全体の課題への対応の方向性で整理しました。身につけたい英語力についての自己イメージを持つことを促すため、1つ目の項目、英語を使ってやってみたいことに関する話題や活動を示すこと。2つ目の項目、英語で伝えたい内容を個々の児童生徒が育むため、自分の意見を形成・発信する活動を示すことを挙げております。なお、話題の例示につきましては、本ワーキングでは大きな方向性を御議論いただき、その具体例は、解説等の執筆のプロセスで検討させていただければと思います。
 スライド7から14では、参考に、現行指導要領及び解説の関連部分を抜粋しております。
 スライド11までは、領域別目標及び言語活動例における話題の例示に関する記載でございます。また、指導要領本体の指導計画の作成と内容の取扱い、指導計画の作成の配慮事項の中で、言語活動で扱う話題について記載をしております。また、教材選定の観点の中で、教科書の題材について記載されております。これらの記述についても、話題や活動の例と同様に、本質的意義の要素等を踏まえて見直していく必要があると考えております。
 次に、小・中学校における指導の段階的な示し方についてでございます。
 まず、小学校外国語活動と外国語の接続。現状と課題でございます。前回改訂では、小学校3・4年から音声等に慣れ親しむために「外国語活動」を導入するとともに、5・6年から段階的に文字を読むこと・書くことを加え、総合的・系統的に扱うため、「外国語科」を導入いたしました。
 学習指導要領実施状況調査によると、4技能全てで相当数の児童が通過した問題が多く、3・4年での外国語活動から音声に慣れ親しんできた積み重ねの成果が表れていると考えられます。
 一方で課題もあり、書くことの正答率に学校間で差が見られること。読むこと・書くことともに、児童が興味関心を持ちにくい、理解しにくいと回答している教師の割合が高いこと。外国語活動については、文部科学省が教材、「Let’s Try!」を作成、配布していますが、一部目的や場面が設定しにくい単元があるとの指摘があることなどが挙げられます。こうした中、英語を学ぶ意欲が、学年が上がることに下がる傾向も出ており、外国語活動の文字の音声に慣れ親しませる指導から、外国語科の読むこと・書くことの活動に円滑に接続できていないとの指摘があります。
 これらを踏まえた方向性と具体的論点といたしまして、教材「Let’s Try!」については、より身近で興味を持ち、楽しく活動できる内容を充実させるとともに、5・6年の外国語科に繋がるよう、目的や場面、状況などを意識した活動を設定してはどうか。文字については、ローマ字指導等との関連を図りながら、外国語活動においても、文字に慣れ親しむ活動を大切にしてはどうか。また、外国語科での初期指導の重要性や注意事項を示してはどうかとしております。
 次に、小学校と中学校の接続連携について。
 まず、現状と課題でございます。前回改訂では、小学校の外国語活動で音声中心に学んだことが、中学校の文字の学習に円滑に接続されていない。英語の発音とつづりの関係、文構造の学習に課題があるという課題も踏まえ、小学校5・6年に外国語科を導入いたしました。
 小学生の質問調査では、英語を学ぶ意欲は全学年で8割以上であり、また、中学生に対する調査では、小学校で学んだことへの肯定的な回答の割合が、改訂前よりも向上しております。
 一方、中1の英語が嫌いな理由は、文法が難しい。つづりや文字を覚えるのが難しい。文を書くのが難しいが上位となっており、中学校教師に対する調査では、小学校での指導内容を把握できていない教師が多数であるという状況がございます。このため、小学校の読むこと・書くことに慣れ親しませる指導から、中学校でのつづりや文字を覚えたり、文を書く指導への接続や、文構造から文法への接続については引き続き課題が見られます。また、そのために重点指導すべき点を、教師が必ずしも理解・意識できていない状況が見られます。
 これらを踏まえた方向性と具体的論点です。まず、指導内容の段階的な示し方として、小・中学校における指導内容が、領域ごとに段階的に高度化するよう指導事項を示し、構造化を図ってはどうか。そのため、現行の英語の領域別の目標の要素を内容に位置づけ、話題や活動の段階的な高度化を学年段階の目安とともにきめ細かに示すべきではないか。その際、本改訂においては、指導事項の精選や学年区分の柔軟化が方向性として示されていることを踏まえ、指導事項の増加に繋がらないよう留意するとともに、学年別に明確に指導事項を分けるのではなく、何学年相当など、柔軟性を残しつつ目安を示すべきではないか。段階づけするポイントとして、話題・活動が考えられ、活動については、小学校における読むこと・書くことの指導の段階をきめ細かく示すこと。中学校の初期段階においては、音声を中心とした活動を重視するとともに、小学校で扱った話題や言語材料を繰り返し扱うことを示してはどうかとしております。
 次に、重点を置いて指導するべき点の明確化です。各学校段階で確実に身につけさせるべき事項と、前学校種からの学びの接続のために重点を置いて指導すべき事項をより具体的に示すべきではないか。具体的には、小学校では、中学校の文法事項に繋げるため、文構造の理解を深めること。文字を読んだり書いたりできるようにすること。中学校では、中1の初期段階で音声を中心に活動を行い、つづりと関連づけて指導すること。文構造を意識しながら書くよう丁寧に指導すること。3年間を通じて、発音とつづりの関係などについて丁寧に指導すること。小学校との接続に留意し、音声面を大切にしながら、読むこと・書くことに繋げることを挙げております。
 次に、学年別目標の在り方でございます。指導内容を段階的に示すことに伴い、現行指導要領において、各学校に策定が義務づけられている学年別目標の役割は、次期指導要領が担うことになると考えられるため、学年別目標の一律の作成義務はなくし、各学校の状況や校種間の接続連携の観点等から、必要な場合に任意で作成する位置づけとしてはどうかとしております。
 小・中学校の話題の段階的な示し方のイメージでございます。参考資料4と併せて御覧をいただければと思います。現行の小中の指導要領における話題や活動については、英語の目標である領域別目標と言語活動の例の中で示されており、小学校3・4年、5・6年、中学校1から3年をまとめた形で示されており、学年別には示されていない状況となっております。
 イメージではまず、小学校について、現行の領域別目標や言語活動の例を基にしつつ学年ごとに示しております。例えば聞くことでは、3学年相当で、友達、好きなものなどの相手のことや身の回りのものを扱い、4学年相当で日常生活や学校生活などのごく身近な事柄を扱うようにしております。また、5・6年においては、3・4年で扱った話題を、より広がりを持たせて扱うようにしております。
 次に、中学校については、1つ目の議題にもありましたように、日常的な話題と社会的な話題をつなぐ身近な社会的な話題を追加しております。また、中1の初期段階では、小学校で扱った話題を繰り返して扱うこととしております。
 本スライドは小中連携の観点から、考えられる段階付けを一部たたき台としてお示ししたものでございます。本資料には表示されておりませんが、中学校3年間においても関連する話題をレベルを上げて繰り返し扱うことも重要であると考えております。
 次に、読むこと・書くことの活動の段階的な示し方のイメージでございます。まず、小学校の外国語活動では、現行と同様、文字の読み方が発音されるのを聞いて、どの文字かを識別するところまでを取り扱うこととしております。
 次に、小学校外国語では、現行の指導内容のレベルを上げない範囲内で段階を丁寧に示しています。読むことについては、文字の形を認識し、名称の読みができる。音声と語句や表現を結びつけたり、音声と文字の関係に慣れ親しんだりする。簡単な文から語句や表現を識別して情報を得るの3つの段階を示しております。
 書くことについては、文字を1文字ずつ丁寧に書く。音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句を書き写す。基本的な表現を書き写す。例となる語句や表現を参考に、自分の考えや気持ちなど表わす語句や表現を選んで書くと、4つの段階を示しております。
 また、中1の初期段階、中学3年間の指導において、先ほど御説明した留意事項をお示ししております。
 本スライドについても、小中連携の観点から、読むこと・書くとの接続がより課題であることを踏まえ、考えられる段階付けのイメージとして、一部をたたき台としてお示ししたものでございます。
 具体的な指導要領での示し方については、聞くこと・話すことも含め、今後の構造化の議論の中で御議論いただく予定でございます。本日は、小中の話題・活動について、このように学年相当ごとに示すという方向性について御議論いただきたいと考えております。
 次に、前回までに御議論いただいた事項についてでございます。まず、外国語を学ぶ本質的意義につきましては、前回の御議論を踏まえ、何点か修正をさせていただいております。
 まず1ポツ、3つ目の丸、2つ目の矢羽根の部分に、コミュニケーションの失敗を乗り越えるという趣旨を追加しております。また、右側のオレンジの米印部分でございます。もともと下の囲みの中に記載をしておりましたが、この視点が重要であるという御意見が多かったため、強調するとともに、AIの出力を批判的に検討するため、相応の英語力が必要であるという視点や、外国語によるコミュニケーションのため、AIを効果的に活用するという視点を加えております。
 こちらの資料につきましては、引き続き、必要に応じて修正を加えていく予定でございます。
 次に、「見方・考え方」についてでございます。前回、受容の観点も文言に表れたほうがよいとの御意見があったことを踏まえ、考え方の部分に「他者の考えを受け止めるとともに」を加えております。前回お示ししておりました案の「自分の考え等を形成する」の部分は、「自分の考え等を発信」する前提として、引き続き含まれていると整理しております。
 「見方・考え方」につきましても、今後の検討や全体の調整も踏まえ、引き続き検討していく予定でございます。
 次に、「目標」についてでございます。まず、柱書きにつきましては、小学校と中学校で、育成する資質・能力を書き分けたほうがよいとの御意見を多数いただいたことを踏まえ、小学校では、「外国語によるコミュニケーションを図る素地となる資質・能力」と修正いたしました。「総合的な言語活動」が、高校のみに記載されていることについて御意見をいただきましたが、学習課程の書きぶりについては、別途、活動を通した指導の在り方等について議論する際に併せて検討することとしていることから、現状の記載のままとしております。
 次の「知識及び技能」、また、「思考力、判断力、表現力等」の書きぶりについても様々御意見いただいたところでございます。この点については、資質・能力の具体的な内容や、高次の資質・能力の整理を踏まえて検討することが必要である旨、併せて御意見いただいたところでございます。このため、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」については、前回いただいた御意見を上部に記載しつつ、改善イメージには、前回、第3回でお示しした案をそのまま記載しております。次回以降に内容と併せて御議論いただきたいと思います。
 次に、「学びに向かう力・人間性等」についてでございます。含めるべき要素の例について、丸4の最後のポツの部分。教育振興基本計画の文言との整合性を取るべきとの御意見を踏まえて、「持続可能な発展」という言葉を加えております。
 次に、目標の「学びに向かう力・人間性等」の書きぶりについてでございます。前回お示ししました案について、「自らの学習を調整し」の部分にコミュニケーションを調整する趣旨が含まれにくいのではないかとの御指摘があったことを踏まえ、丸2と丸3の順番を入れ替えております。丸4の他者との相互理解を深めるに繋げることで、コミュニケーションを調整する趣旨も表れるのではないかと思います。各校種の案についても、同様に順番を入れ替えて修正をしております。なお、「主体的」という言葉を入れるべきとの御意見につきましては、「学びに向かう力・人間性」そのものが、学びに向かう主体的な態度を表すものであると整理できるのではないかと考えております。
 また、高校のみに記載されております「継続して取り組む態度の部分」を他の校種にも入れるべきとの御意見につきましては、高校については、初等中等教育の卒業段階ということであえて位置づける趣旨ということで整理できるのではないかと考えております。
 続いて、参考資料、データについてでございます。新しく追加したものについて御説明いたします。
 こちらは学習指導要領実施状況調査において、中1の書くことの回答を分析し、A1レベルの語のつづりの間違いの例をお示ししております。後ほどお示しいたします中3の生徒と比較すると、同じ語であっても多様なつづりの誤りが見られます。A1レベルの語であっても、中1の生徒にとって、音と文字の結びつきには課題があることが示されております。
 次は中3についてのデータでございます。中1よりも間違いのバリエーションは減っているものの、なお音と文字を結びつけることは難しい可能性が示されております。
 次に、小中連携の取組の好事例について、文部科学省の調査結果から抜粋をしております。こちらは小学校学習指導要領実施状況調査について、外国語活動に関する生徒質問調査を追加で分析したものでございます。外国語活動では、児童の実態に応じた話題を設定し、児童が英語を聞くことが楽しいと思えるような活動をすることが大事であることが示唆されております。
 こちらも同様のデータでございます。外国語活動では、5・6年の外国語科に繋がるよう、目的・場面・状況を意識した活動を設定すること。コミュニケーションを行う必然性のある場面を設定することについて示唆されております。
 資料の御説明は以上でございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 事務局からの説明に御質問や御意見がございましたら、意見交換の際に御発言いただければと思います。
 なお、髙島委員はこの後に御予定がおありと伺っておりますので、ここで、よろしければ御発言いただければと思いますがいかがでしょうか。
【髙島委員】  すみません、市議会がありまして、先にお時間いただき恐縮です。ありがとうございます。小学校での外国語について1点だけ、指摘というかコメントさせてください。
 今回、AI時代において外国語を必修とする本質的意義の再整理を行っています。改めて明確になったのは、将来役に立つから英語を学んだほうがいいよという言い方では、もう意義が伝わらない時代になるだろうということです。今後、AIでリアルタイム翻訳ができる時代に何で外国語なのか。「言葉、文化、コミュニケーションへの深い理解を育む」「自分の考えが磨かれて思考が深まる、人間関係が豊かになる」の2つを本質的意義と考えたとき、何で日本語では駄目なのか、なぜ外国語なのかをみんなが理解することは極めて大事だと思います。
 そう考えたときに、小学校の外国語科導入の振り返りはきちんと分析して発信すべきだと考えます。というのも10年前の外国語を取り巻く環境と今の環境は大きく異なると思います。生成AIはもちろんなんですが、日本の小学校における日本語の話せない子供の割合も高まっていると思います。その状況下で10年前の狙いが達成されているかと、10年前の狙いは今なお、今日的な価値があるかの2点に即して分析・周知、ぜひしていただければと思います。
 今回、少しデータを出していただいているんですが、まず、外国語科導入の振り返りが現場に伝わって、そこから具体的な中身かなと思います。例えば小学生は学年を経るごとに好きが下がっているという結果もありました。評定を出す意味はあるのと考える先生もいるかもしれません。小学校高学年における評定の在り方が、子供たちの英語が好きかどうかとか、自信を持てているかにどう影響しているかというのは丁寧に分析して共有していただければなと思います。
 というのも、小学校の先生と話すと、やっぱり多くは外国語の授業をすると思って先生になっているわけじゃないと思うんですね。それはそうですよね。となると、小学校の外国語にどんな価値があるのかというのを十分過ぎるぐらい伝えないと伝わらないんじゃないかと思います。学校ごとに今後裁量が高まるという今回の改訂においては、より一層、小学校時代における価値が伝わらないと、価値が現場で過小評価される恐れも大いにあるかなと思います。個人的には、小学校時代には、間違いながらも人とやり取りする音声中心の学びを土台として重視しつつ、その上で高学年の評定においては、今議論している本質的意義に沿う形にすべきではないかなと考えていますので、ここは専門家の皆さんの御意見も伺いながら、ぜひ整理をお願いしたいと思います。
 すみません、早口になりました。以上で失礼します。ありがとうございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 今、髙島委員から御指摘いただいた、小学校外国語、あるいは外国語活動の導入の経緯、振り返りなどは、またデータなどを整理してということだと思いますので、今回、議論の内容にならないかもしれませんけども、引き続き、意識していければと思っております。
 また、小学校における小小連携、外国語活動と外国語の役割について御意見を伺ったので、また後ほど、この点についても皆さんと意見交換させていただきたいと思っております。
 それでは、続きまして鈴木委員より、御発表をお願いしたいと思います。
 鈴木委員、どうぞよろしくお願いします。
【鈴木委員】  皆様、おはようございます。宮城教育大学の鈴木渉と申します。
 まず簡単に、自己紹介させていただきます。私はカナダのトロント大学オンタリオ教育研究所で、教育学のPh.Dを取得しております。Ph.D修了後、宮城教育大学専任講師、准教授を経て、現在宮城教育大学教職大学院教授、中等教育専攻専攻長を仰せつかっております。専門分野は第二言語習得、特に小・中・高等学校及び大学の現場における効果的な学習方法・指導方法を開発し、実践し、その効果を検証することに関心があります。まず、本日はこれらの2点に関する第二言語習得研究や、認知科学の知見を整理して、皆様と共有したいと思っております。
 まず、小中で話題を連続して扱うことの重要性についてです。イメージでお示しすると、このようになるかなと思います。例えば、教材のテーマとして、自分、友達家族、学校生活、地域、身近な事柄、日常的な話題などがあるとします。それぞれのテーマごとの話題が、小中と段階が上がるにつれて、スパイラル的に連続して扱われることが大事だろうと思っています。そう考える根拠を第二言語習得研究から大まかに3つ紹介したいと思います。
 1点目です。まず前提として、外国語を習得するには、言語に注意を向ける、つまり、新しい音声、語彙、表現、文法に気づくことが必要であるということを共通理解としておきたいと思います。
 次に、児童生徒は、日々の授業の中で「内容」、つまり何について話すのかということと、「言語」、つまり言いたいことをどの語彙や文法を使って表現するか、これらの「内容」と「言語」を同時に頭の中で考えなければならないということになります。もし話題が、初めて出会うものであったり、難しかったりする場合、児童生徒のワーキングメモリーのような記憶容量や認知資源には限りがあると考えられていますので、言語への注意を向けることが難しくなるということが言われています。
 続いて2点目です。既知の話題は、児童生徒が聞いたり読んだりする際に、内容の推測や予測を容易にすることが知られています。そのため、内容の理解が促進されると考えられます。ですので、小学校で扱った話題を中学校で再び扱うことで、生徒は内容を理解しやすくなりますし、言語学習も促進される可能性があります。ここでは全く同じことをやるということではなくて、先に申し上げましたように、スパイラルに、徐々にレベルを上げていくことが大事であると考えます。その結果として、分かった、できた、話せるといった、自己効力感や達成感を生むと考えられます。高まった自己効力感がやる気や意欲に繋がっていくと考えます。
 3点目です。小学校でやったことを中学校で再度繰り返す、つまり復習するということは、語彙や表現、文法、文構造などが繰り返し用いられることが想定されます。ですので、言語が繰り返し用いられますので、言語の習得には効果があるということです。
 次に、小学校高学年と中1の接続をきめ細かく行う重要性についての理論を整理したいと思います。
 1点目です。小学校で耳のよさ、聞いて分かる。いわゆる受容能力が主に形成されます。育成された受容能力を中1の初期段階に、また、中学校全体を通して、中学校の教師による豊かなインプットで維持・強化することが重要だと考えます。そうすることで、聞いて分かるだけではなくて、発音ができるようになる、話すことができるようになる、いわゆる発信能力に繋がることが示されています。後ほど少し申し上げますが、聞いて理解し、口頭で言える知識がないと、文字で読んでも意味は取れません。ですので、まずは小学校から、耳で聞いて、口で言える知識を蓄えてほしいと思っています。それがついていないと、文字で読ませたりするとしてもあまり効果が期待できないということです。
 2点目です。小学校を通して、身近なことを簡単な英語でやり取りできる能力が育成されています。育成されたやり取りができる能力を、中1の初期段階、また、中学校全体で、中学校の先生の力を借りて維持・向上していただきたいなと思っています。その際、言語活動を通して、話せる能力の維持・向上を第1の目標としつつも、生徒の誤りへの適切なフィードバックを行うことで、言語の学びが促進されることも大事なことになってくると思います。
 少しだけフィードバックの例について触れておきたいと思います。1例目です。“What fruit do you like?”と教師が聞いて、生徒が“I like apple.”と複数形のsを付け忘れたとしましょう。この例では、教師は、“Oh, you like apples.”と、生徒の発言を受け止めつつ、さりげなく複数形の正しい言い方、applesを教師が与えています。そして、私もだよ。私もリンゴ好きだよと会話を続けています。このようなフィードバックをリキャストと言います。リキャストは言語の発達に効果があると示されてきています。
 2例目です。こちらは“You like”と、“apples”の手前で止めて、その部分を生徒に言わせるタイプのフィードバックになります。答えを与えるのではなくて、児童生徒に発話を促すタイプのフィードバックで、プロンプトと言われています。プロンプトは言語の学習や発達に効果があることが示されています。
 3例目です。こちらは、意味は分かっているんだけれども、わざと“Pardon?”“Can you say it again?”のように、もう一回言ってと要求することで、児童生徒に発話を再度促す方法になります。こちらも児童生徒に自分自身で誤りを修正させるフィードバックになります。
 このように、フィードバックには大別すると、教師が直接直してあげる方法と、児童生徒に直させる方法の2つがあります。小学校では、この例のように、さりげなく直してあげる方法を中心に行っていただきたいと思います。中学校では、例2や例3のように、自分自身で、自力で発話を修正させる方法も取り入れつつ、言語的な正しさへの意識変容を促すことが大事だと考えられます。
 接続の3点目です。まず音韻認識の重要性です。音韻認識というのは、文字を使わず、音を聞き分けたりくっつけたり、入れ替えたりすることができる能力のことを指します。宮城といえば松島ですが、マツシマの最初の音を取れば、どんな音になりますか? ツシマですね。宮城といえばカキですが、カキの最初の音をユに替えるとどんな単語になりますか。ユキですね。こういうことができる能力を音韻認識と言います。この音韻認識が、中学校で本格的に学ぶ文字と音の対応関係の学びへと繋がっていくわけです。
 次に、音声、つづり、意味が分かる単語が多ければ多いほど、読み書き能力が高いことが示されています。ですから小学校で音声で十分に慣れ親しんだ語彙を通して、読み書きの指導を充実させてほしいと思っています。つまり小学校段階では音韻認識の育成、文字と音の対応関係の素地を形成し、中学校で系統的に文字と音の対応関係を学んでいくことが段階を踏んだ指導だと言えると思います。
 4点目です。まず、小学校で慣れ親しんだ定型表現、下の米印を御覧ください。“How are you?”“What time is it?”のような塊や、“I want to be ....”“I went to ....”“I enjoy ...ing.”“What (  ) do you like?”のような、ストロット型の表現のことですが、この小学校で慣れ親しんだ定型表現を中学校で丁寧に扱いたいと思います。
 定型表現を使うときは、頭の中で英文法のルールを一々思い出して文を生成はしておらず、記憶にある塊をそのまま取り出してきている作業を行っています。ですので、生徒の発話の負担がぐっと下がっていきます。負担がぐっと下がりますので、内容について考えるゆとりも出てくるということです。また、定型表現を何度も使うことで、ますます流暢に言語を使用することができるようになります。
 これらの4つの整理から、小学校高学年と中1の接続をきめ細かく行うことが重要であると考えています。
 最後に、これまで紹介してきたことに基づいて私の私案を述べて終わりにしたいと思います。小学校はこれまでどおり、話すこと・聞くこと、つまり音声中心で行っていただきたいなと思います。そして文法ルールを学ぶのではなくて、定型表現、塊、スロット型の定型表現の習得を目指すということです。中学校、特に中1ですが、音声中心としつつ、読むこと・書くことの指導、文法指導はゆっくりと段階的に行ってほしいなと思います。
 最後に、小中の接続を考える際に1つのキーになるのが、話題を小中でスパイラルにつなぐということになるかなと思います。そうすることで、内容がある程度分かっていますので、書き言葉や、文法に、より注意を向けることができ、効果的な言語習得、発達に繋がるだろうと思います。
 私のほうからは以上になります。御清聴ありがとうございました。
【酒井主査】  鈴木委員、ありがとうございました。
 丁寧に理論的な背景、研究の状況を整理してお伝えいただいたかなと思います。ありがとうございます。
 それでは質疑応答の時間といたします。御質問のある方は挙手ボタンを押してください。私から指名させていただきます。いかがでしょうか。
 内田委員、お願いします。
【内田委員】  すみません、私もちょっと時間でこの後抜けなきゃいけないので先に意見を述べさせていただきます。いろいろと丁寧な資料の準備、あと御発表ありがとうございました。
 段階的な話題の示し方というところ、スパイラルでやるというところ、私も非常にいい考え方だと思っておおむね賛成といいますか、そうすべきだろうなと考えております。ただその中で、それを実現していく仕組みというのは必要かなと思っています。例えば話題を循環させるとして、そうですね、この図ですけども、どこで何をやったかという情報がないと、なかなか循環が難しいかなと思っていますので、端的に言うと学年間の連携、それから教科間の連携というところがかなりキーになってくるのかなと思います。ポートフォリオのような考え方もあるかと思いますけど、学校で、学年で何をやったのか、個人が何をやったのかという記録がないと、なかなか連携が難しいかなと思っています。
 小中、中高というふうで、進学先が全員同じではありませんし、教員の持ち上がりというわけでもありませんので、それが明確にできるもの、例えば同じ教科書を使っているわけではないと思いますので、どの教科書を使って学んできたのかというようなところが分からないとなかなか連携が取りにくいのかなと思いますので、指導要領とはちょっと別の観点になるかもしれませんが、そういう仕組み、どうそれをつないでいくかという仕組みが必要なのかなと考えています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 事務局からも説明ありましたけども、これから発信をしていく、自分の考えを形成していくという側面を大事にするという意味では、今、内田委員が言われた、子供たちがどのような考えを形成しているかという積み重ねという側面もとても大事になってくるだろうと考えました。ありがとうございます。
 それでは亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  私も内田委員と一緒で、鈴木委員の御発表には「総論賛成」という感じなんですけど、各論のところで少し細かく見ておきたいのは、今日の事務局からの説明、資料19ページの「話題」の段階的な示し方のイメージを見ると、「外国語活動」の「聞くこと」では相手のことや身の回りのものから入って、5、6年の「外国語」になると自分のことや相手のことになる。一方、「話すこと[発表]」だと、自分のことからスタートするんだけど、自分のことや相手のことになると。話題を単に繰り返すだけではやっぱり駄目で、それは鈴木委員もおっしゃっていたのですけど、自分が一方的に拡大していくというよりは、他者や世界に関心を持って広げていくというような話題の繰り返し方が重要だと思うんです。そのことを19ページ目は示しているのかなと受け取っています。
 今日の鈴木委員の御発表のフィードバックの例について端的に言うと「名詞の単数複数にこだわるの早過ぎませんか」と思うところがあって、例えば、“What fruit do you like?”と聞いた後に、確かにこういうフィードバックを先生が返すことは無駄ではないし、中学校で引き続き粘り強く、こういうフィードバックを先生は続けてもいいと思うんですけど、果物を好きかどうか聞いて何なの、という。繰り返すんだとしたら、“What fruit do you like?”の先がむしろ知りたいのではないかと思うんです。それは現場の先生方と話していても、例えば小学校、中学校、高校で、環境問題が何度も出てきて、いつもプラスチックバックの話をしている、もうエコバックの話はいいよ、と中学生、高校生が思っているという声を先生方から聞いたりであるとか、あるいは小学校の先生が、やり取りはできるようになってきたんだけど、この先を言う力がなかなか児童につかないという相談を受けることもあって、“Oh, you like apples”と言った後に、じゃあ何の話をすればいいのか。もし繰り返すとしたら、今、内田委員がおっしゃったような、横の繋がりとか教科間の繋がりみたいなことも含めて、「好きな果物は何ですか」と聞いたのは何のためなのかみたいなことを考えて話を広げていく。鈴木委員の御発表で提案していただいたフィードバックのやり方が無駄ということではなくて、そこの話題の繰り返しのところにもう少し、この先の話を展開していくさいの先生のフィードバックのやり方みたいなのも例示してあげないと、小学校の先生方としては、すべがなかなか無い状態にあるのではないかなと思った次第です。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 まず、臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】  よろしくお願いします。いつものことながらなんですけど、鈴木委員のお話はとても分かりやすいので、私も一視聴者として、いろいろ頭を整理しながら聞くことができました。特に小中の連携というときにおっしゃっていたことで印象深かったのが、小学校で、多少定型表現ぽい感じで、文法ルールとしては身についていなくても、言えるようになって、聞いて分かるようになっていることというのが児童の中に少なからずあって、それを中学校では生かしていくという姿勢、先生方の指導のアプローチみたいなものというのは、私はとても大事だとお話を聞いて改めて思っていて、ついつい中学校だと、間違っているところ、できてないところを補充してあげようという意識が教員の中で結構強く、もしかしたら働いてしまっているのではないかという気がしているので、もちろんそれも大事かもしれないけれども、それ以前に、小学校でやったことで何ができているかということをちゃんと見取ることが大事だというようなことも鈴木委員の御発表の中から感じておりました。
 それに関して、ちょっと質問というか、御意見を聞きたいなということとコメントがあるんですけど、まず、連携を考えたときに、中学校の先生が、自分の目の前にいる生徒たちが小学校で学んだ内容、どんなことがどのくらい言えるのか、聞いて理解できるのかみたいなことを何か見取る仕掛、仕組みみたいなものが中学校1年生の初期段階で、これは教科書に入っているのがいいのか、何か別の方法なのか、そういうものを組み込めたらいいなと思いました。これは指導要領の中に書くということではないかもしれませんけれども、設定としてあるといいなというのが1つです。
 最後、もう一つは鈴木委員の御意見、あるいは皆さんの御意見を聞けたらと思っているんですが、小学校で学んだことが身についていることはいいんだけれども、逆に身についてないこともありますね。4年間やったとしても時間が少ないから、まだまだできてないこと、聞いて分からないこととかもあった上で中学校に入ってくると思います。それを中学校で引き受けて、どうやってじゃあ育んでいくのかということについても何か提言ができたらなと思いました。基本的には鈴木委員が今日お話ししてくださったように、まずは音から入って、それから文字にというところの流れは絶対に中学校でも踏襲するべきだと私は思っていますが、この点について、もし鈴木委員のほうで何かアドバイスというか、お考えとかあればお聞きしたいなと思いました。時間があればということで構いません。
 以上になります。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 今、藤田委員まで手が挙がっていますので、藤田委員のところで質疑応答は切らせていただきたいと思いますが、これまで、内田委員から、いわゆる話題の繰り返しを実現していく仕組み、それから亘理委員からは、話題だけではなくて、その広がりとか、あるいはその目的であるとか、質ですね。そこをどうやって担保していくか。また、臼倉委員、今の御質問があったと思いますけれども、鈴木委員のほうで何か御意見、回答があればお願いしたいと思います。
【鈴木委員】  御質問とかコメントありがとうございました。私も、今3人の先生方がおっしゃったこと、本当にまさにそのとおりだなと思いますので、そういう方向に、皆さんで協力して、それが実現できるようにしていきたいなと思っております。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 細田委員、お願いします。
【細田委員】  よろしくお願いします。皆様と同じで、鈴木委員のお話し、大変分かりやすくて、いつも自分が感じていることがそのまま言語化されたなと思います。それで、内田委員もおっしゃっていたことでもあるんですけれども、話題の連続性に配慮という辺りのところが今日のテーマの1つでもあるんですけれども、外国語学習、英語学習において扱った話題のみならず、他教科で扱った話題について、どのように連続性を持たせるか、配慮するかという辺りのところは、やはりこれは、少しポートフォリオというお話もあったんですけれども、そういったことを外国語の学習指導要領の中で提言することによって、教科間の横断が促進されるという効果があるのではと思うので、その辺のところを提言したいということが1つ。
 もう一つ、小中の連携において、根本的に、私いろいろな自治体でお話を聞いたり授業を見たりしているんですけれども、本当に小学校の先生が中学校の授業、中学校の先生が小学校の授業、つまり学校種間の授業についての、何をどんなふうに扱っているかということを知る機会がすごく少ない。これは自治体の問題でもあると思うんですけれども、これも同じく学習指導要領の中で、ある意味、きちんと提言できたら、少し進んでいくのかな、促進するのかなと考えています。以上です。
【酒井主査】  御意見ありがとうございました。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】  おはようございます。ごめんなさい、ちょっと今、進行の確認なんですが、今は質疑応答、質問したらいいという段階で、あんまり意見は言わないほうがいいということですか。
【酒井主査】  そのとおりです。工藤先生お願いします。
【工藤委員】  分かりました。鈴木委員の発表ありがとうございました。分かりやすかったと思います。定型表現のところでちょっと、鈴木先生やほかの先生でもいいんですけど、意見を皆さんに聞きたいなというところで、定型表現は非常に大事で、次の学習指導要領に、定型表現という言い方も入れてもいいんじゃないかぐらい大事な要素かなと思います。
 小学校から中学校にかけて定型表現を、定型表現だけじゃなくて、中学校になると文法のルールを駆使して自分で新しく文をつくっていくみたいな段階に入っていくということですけど、いろんな枠組み、外国語能力の発達の枠組みを見ると、初級の段階は定型表現だらけなので、正確性が高くて流暢性もあるけれど、ちょっと中級に上がりつつあるところで自分で文をつくり出すから、能力として上がっているんだけど、流暢性とか正確性が落ちる段階もあるみたいな研究とか枠組みがあったりする。
 それを考えると、小中高、日本の場合、全て初級から中級というところが大事かなと思うので、高校ぐらいまで定型表現というのをしっかり位置づけたらいいんじゃないかなと思うんですが、今回は小中の間で定型表現の話をされたんですけど、小中高全体を通して、定型表現というのはやっぱりしっかり考えたほうがいいのかどうかというところを鈴木委員を初め、いろいろな先生の意見を伺いたいなというところです。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 鈴木委員、いかがでしょう。
【鈴木委員】  工藤委員おっしゃるとおりだと思います。高等学校まで位置づけるほうがよろしいのではないかなと思います。
【工藤委員】  じゃあ、ぜひその方向で指導要領の議論をできたらいいかなと。ありがとうございます。
【酒井主査】  私も17ページのところで、中学校で音声を中心にしてと書いてあるところがまさに、定型表現を身につけてから、その後、分析的に学んでいくというようなところを意図されたのかなとは感じながら鈴木委員の発表を伺いました。ありがとうございます。
 藤田委員、お願いします。
【藤田委員】  ありがとうございます。ちょうど今ここ、出していただいた部分で、鈴木委員の発表、非常に私もかなり同感できるところが強くて、特に小学校から中学校にかけて、音声を中心にといった部分なんかはもっと考えてもいいのかなと個人的にも感じておりました。
 そして、これは恐らく次の田縁先生の御発表にも関わってくる、文字の話ということになると思うんですけれども、先ほどの事務局の資料説明の中でも、外国語活動の中でも、例えばローマ字との関連とかで、文字に慣れ親しみみたいな形で、もう少しここのところを大切にしていこうということが御説明であったと思います。そういう形で、3年生、4年生くらいの段階から5・6年生にかけて、文字をどんどんやっていく形になってくると、どうしてもそちらのほうに、場合によっては比重が高まってしまう指導の可能性も、恐らく特に、先生方の指導のやりやすさみたいな観点から言うと、増えていってしまうのではないだろうか。
 そうなったときに、これも途中の鈴木委員の発表の中であったように、自分が聞いて分かって、なおかつ言えるようにならないと、文字で見ても意味が取れるようにはならないというお話があったと思うんですけど、そこの部分が、何となく聞いて分かるくらいのところまでで終わってしまって文字に入ってしまうと、どちらにも身につかないで、定着せずに終わってしまうみたいなことがないのであろうかというところが少し疑問と感じておるところで、ここら辺で、鈴木委員はどのように考えられているのか、そしてこれをどう指導要領に盛り込んでいったらいいのかという辺りを御意見聞かせていただければと思います。
【酒井主査】  鈴木委員、いかがでしょう。
【鈴木委員】  藤田委員、ありがとうございました。そうですね、私もすぐ回答が出るような簡単な問題ではなかったので、非常に難しいなとは思います。私も小学校、中学校、高等学校を見させていただいて、話すことの指導の際に、やはり文字を示すというのは、段階を問わずやられているかなと思って見てはいます。やはり学習者の特性によっては、文字がないと、なかなか音声の処理であっても難しい子供たちもいるので、そのバランスが非常に難しいかなとは思っていて、一概に、完全に示さないとか、いや示したほうがいいんだというのは、いろいろな児童生徒、学習者の特性があるので、なかなか難しいなとは思っております。
 ちょっと答えにはなっていないと思うんですが、以上です。
【藤田委員】  ありがとうございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 鈴木委員の発表、様々な観点ございましたけれども、特に話題を繰り返すことの意義、しかもそれは、ただ単に話題を繰り返すのではなくて、その中で、ある意味、例えば定型表現から分析的に言葉を使っていくような力の高まりであるとか、あるいは話題を繰り返すことで、内容面とともに、どう表現したらよいかという、言語面のところに注意が向きやすくなるとか、そういうような、ただ単に繰り返すのではない、言葉の学びの観点のお考えを示していただいたかなと思います。
 また、今、現行の指導要領の中では、小学校では表現という言葉を使っているかと思いますけれども、定型表現、塊で使われる表現ですね。この表現をしっかり身につけながら、だんだんと中学校へ行くにつれて分析的に、文構造をさらに理解したり、文法に発展をしていくという、そういう小中の接続の重要さみたいなところを御指摘いただいたかなと思いました。また後程の意見交換で、いろいろな先生方の御意見を伺えればと思っております。よろしくお願いします。
 鈴木委員、貴重な御意見をいただきありがとうございました。
 続きまして、京都光華女子大学教授の田縁様より、御発表をお願いしたいと思います。田縁様、よろしくお願いします。
【京都光華女子大学(田縁)】 皆様こんにちは。おはようございますですかね。京都光華女子大学の田縁眞弓と申します。現在、私は大学教員として、併設でございます幼稚園とか小学校の指導も続けながら、子ども教育学部というところで指導しております。
 今回の発表ですが、大学教員ということではなく、むしろ大学に着任する前に、25年ほど小学校現場で、子供たちに、今回の議題に上がっております読み書きの指導ということに携わってきた現場実践者として、また、たくさんの授業を拝見したりとか、指導助言とか、先生方に出会う機会が教科化以前からたくさんありましたので、そこで聞いたお話などを御紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 画面を共有させていただきます。見えますでしょうか。大丈夫ですか。ちょっと小学校の先生らしく絵のついたスライドです。まず、今日のタイトルは「小学校での読み書き指導」ということで、今日の流れです。3つお話しさせていただきたいと思います。まず最初に、「現行の読み書き指導について」。小学校現場でどんな声が聞かれるか、あるいは私自身がどう感じたかというお話です。次に、「これまで取り組んできた指導例」を御紹介いたします。それから最後、「まとめ」。私見になりますが、次期学習指導要領に向けてのまとめの話をさせていただきます。
 最初に申しそびれましたが、大変限られた時間ではありますので、児童に使った指導例とか、あるいはデータなどは、この中に含んでいないということをどうぞ御了承ください。
 一番最初にまずお見せするのは、これは皆さんよく御存じの現行の学習指導要領、「英語の目標」より、「読むこと」「書くこと」です。こちらを私が初めて見たのは私立小学校で、英語文字指導が公立小学校で始まる随分前からしていたときのことで、ここにまず読み方と書いてあるところに止まってしまって、まず「読み方」というのは、名称読みのアルファベットのABCですか、あるいは、いわゆる音読みの、ア・ブ・クという音ですかということを確認した覚えがあります。このことに関しては後ほどちょっと触れます。
 それで、ここに挙げております、小学校において、現行の学習指導要領、読むこと、書くことの指導に難しさを感じている教師が多い。そんな難しさを感じている要因はどこにあるかということを4点挙げてみます。
 まず一番最初は、個人差が広がるための指導に困難さがあるかと思います。「聞くこと」「話すこと」ではあまり見えなかった個人差が、「読むこと」「書くこと」の指導では顕著に広がる傾向があります。小学校現場では、毎時、めあてを立てて指導を行うことが多いので、その授業、あるいはその単元を通して、でも全員がそのめあてを達成することが難しくなってくるのが読み書きの指導です。児童が読み書きに困難さを感じる背景には様々な要因が考えられると思いますが、個に応じた指導を授業の中で行うことに難しさを感じている先生がとても多いのではないかと思います。
 2番目です。何に一番重きを置くべきかよく分からない。小学校で子供に英語を書かせる、児童に英語を書かせることにはとても時間がかかります。さらに4線上に正確に書かせるといったような指導は、1回できても、また次時に、次の時間には忘れてしまって元に戻ることが往々にしてあります。じゃあ、どれくらいそこに時間を費やせばいいのか。書くことに関して差が出ていると御報告にありましたが、実践者の立場から考えると、それは各学校、あるいは先生方が、どれくらい書くことに重きを置いて御指導されたかにかかってきているように思われます。例えば僅か週2回の指導において、この時間をしっかり確保すること自体難しい場合もありますし、小学校の先生たちの中では書く指導の優先順位が低い。すなわち4技能における書く指導に費やす時間が少ないために、結果的に数値が下がってしまったこともあるのかなと考えます。
 3番目です。小学生に合った指導方法がよく分からない。これは読み書きにおいて、「児童の興味関心に沿った活動とは」という部分に当たるかと思います。そもそも今までの小学校英語の実践で、先生方が積み上げてこられた言語活動という視点で、何のために、どんな場面や状況でなどを考えた場合、読み書きの実践研究も進んではいますが、児童の興味・関心に合ったトピックであったりとか、例えば絵本やストーリーを使った活動ということに関しては、まだまだ研究が必要なところではないかと思います。
 次に4番目です。読みの指導では、「英語の目標」、先ほど触れましたが、アからイへの段階的な指導法が不明で、こちらに関しましては次のスライドで詳しくお話しさせていただきたいと思います。
 こちらが読むことの指導、先ほどもお示ししましたが、目標のアとイです。活字体で書かれた文字を識別し、その読み方を発音することがというのは、すなわち、先ほど申し上げたように、名称のAならエー、例えばDならディーという読み方を発音することができる。それに対してイ目標は、音声で十分慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かると書かれています。実際に指導していると、この間には物すごい広い差というか、深い溝といったものを常に感じておりますし、恐らく小学校の先生の中では、ここは一体どうなっているんだと。私は「もやもやゾーン」と名づけたのですが、ここにあるというようなことが考えられます。
 次に、小学生が読み書きにおいてつまずく要因はどこにあるかというのをまた3つほど挙げさせていただきます。
 まず、英語の音と文字の関係が日本語とは全く異なるので、母語話者でも困り感を持つ子供が多いというのはよく知れたことですが、例えば子供たちがよく耳にする、CatとかBallとかいうのも、既にここで、同じAなのに音が全然違うなということを気づく子供は多いですし、またローマ字で習ったUの場合は、ウと習ったはずなのに、違うんだ、音がというようなことに気づいてとても混乱する子が出てきたりします。そういった気づきをどう受け止めるか、どうするかというのはとても難しい問題だなと考えています。
 さらに、気づきを促すための十分なインプットや音遊びが十分ではない。多くの自治体とか私が御縁をいただいているところでは、低学年からの短時間指導などに、最近はとてもたくさんの歌とかチャンツとかが取り入れられて、そこでは元気に子供たちがチャンツや歌を歌っている様子が見受けられるようになってきましたが、実際に歌やチャンツを言ったり聞かせたりだけではなかなか音から文字への気づきが生まれるとは限りませんし、そこに読み書きのゴール、すなわち目標を教師がちゃんと理解して、音韻認識を促す意図的な活動が必要になってくるのではないかと思います。
 次、ここに書いてあります。3つ目です。教師も児童も読み書きにおけるゴールがはっきりせず、どの順番で学んでいくかよく分からないので、自ら目標を持たせてそれに向かって学べない。ひとまず本とか単元の中には、アルファベットを入れたりしていますが、でもそこでアルファベットを学んだだけで終わるわけじゃないので、その点が、分かりにくいというようなところ。だから中短期的な目標がなかなか共有されていないという現実があります。これは次のスライドに続きます。
 こちらは、そのゴールというところを意識して、小学校の研修で私がときどき使ったチェックリストです。先生方の確認のためにつくった、ちょっと意地悪なリストなのですが、上から順番に聞いて、みんなでマル、バツとしてもらったりとか自分でチェックしたりとか、グループで話し合ったりしてもらうのですが、順番に、大文字、小文字の名称を言われたら、その文字を示す、指さすことができるし、文字を見たら名称の読み方が言えるというのは、全員の先生がイエスとチェックされるんですね。
 ただ、今ブルーでハイライトした部分に至りますと、いつもとても先生方の意見が分かれるところです。簡単な英語の語句や表現は読めて意味が分かる。先ほどの指導要領の目当てのイに似たような文言があったりするのですが、ここでは「どうですか」と問うと、なかなか声は出ないというか、本当は「音声で十分慣れ親しんだ上で」という条件がついて、初めて丸となるので、この文のままではすぐに丸はつけられない。それがちょっと意地悪だというところなのですが、何度か音源を聞いて、ここが混乱するのは、音声で十分慣れ親しんだということに対してのイメージが、先生方の間で一致していないために、共通理解の不足が指導の揺れや不安を生んでいるのかもしれないと思います。
 さらに下の2つ、順番にチェックリストの中で、あえてこの2つの項目を入れているのですが、初見の英文でも、簡単なものは読んで意味が分かる。簡単な英文で気持ちや事実が伝えられる。これらは小学校の出口で目指すところではないんですね。中学なのですが、こういったリストを使いながら子供に問いかけると、これができない、できなくてもいいというのは安心であったりするんだけど、えっ、中学になるとそれができるようになるんだという、ちょっと楽しみになったりもします。
 次にお示しするのは、小学校英語教育学会の京都支部で、KEETという支部研究会があるのですが、その立ち上げの構成メンバーは、大学の研究者だったり公立小学校の先生、また当時、私は私立小学校の英語専科だったんですが、2018年に、当時のメンバーで考えた読み書きの指導内容例をこちらで御紹介いたします。
 まず読む活動というのが4つございます。書く活動はE、Fの2つになっています。今から7年前にまとめたものなので、文言にいろいろ揺れがありますが、当時はまだ教科化前で、読み書き指導が導入される前であったことを頭にとめていただいた上で御覧ください。本日の協議の御参考になればと思っています。
 AからFまでの項目がありますが、実際の指導は、AとEを一緒にやってみたりとか、BとFを一緒にやってみたりとか、必ずしも順番ではない。読み書きを交えながら、さらに順番も変わるし、もう一つ言うと、それにプラス聞く活動や話す活動も一緒にやりましょうというようなことを御提案しています。
 次のこの一文は同じKEETで出した本の中に、代表の編集であった湯川の一文が載っています。今改めて見ても、教科化の文字指導が始まる前に、これは大変大きな現場に示唆を与える一文ではないかと思いますので、今ちょっと読み上げる時間はありませんが、御参考までに載せさせていただきました。
 こちらが先ほどから何回も言っている読むこと、もやもやゾーンの話の続きになりますが、まず言語活動の例としては、読むことにボトムアップ型指導、これはアルファベットの名称読みに関してですが、こういったことをしたらいいよという言語活動例が出ていて、プラス、トップダウン型の指導として、自分の情報を中で探したり、言語情報以外の絵本から探したり、あるいは文脈から考えたりするといったような、ウとエのトップダウン型指導がこういった形で載せられています。
 ただ、私はここに音声ゲームを中心とした活動や音への気づきを促す活動がもう少し、一文程度入ったら、先生たちが分かりやすい。アとイ、ウとエが離れてしまっているので、ここを埋める部分が今後考えられたらいいのかなと思っています。
 こちらは資料の訂正になりますが、小学校と中学校の接続を考えた場合に、小学校の読み書き指導の改善だけじゃなくて、中学校でも大事なことだと思っている点です。まず、読み書きの接続時間、のりしろ期を十分に。のりしろというのは、文字どおり紙と紙をくっつけるもので、そこが、面積が広ければ広いほど、のりがたくさんあるほどきっちりくっつくと考えたときに、例えば中1入学時期、入学して、4月から5月の連休ぐらい、中学校3年間ずっと通してというんじゃなくて、その辺りと、6年生の3学期辺りと、音声から意味へ、文字への橋渡しをしっかりするのがいいのかなと考えています。それも、読み書きだけに特化すると、なかなか指導が難しいので、短時間指導を活用して、音から文字への指導というものを短い時間で、ずっと長いスパンでやるのがいいのかなと。その効果が見られたというのが、幾つかここに載せているものです。
 その中で、文字指導は、読むこと書くことには、そこに意味がないと、言語活動でないと基本楽しくないんですね。だからいろんなゲームにしたりするんですけれど、楽しくない活動には個人差が広がります。だから個人差が広がって、今頑張れば中学で楽ができるからといった理屈は小学生には通らないので、そこに目的・場面・状況を持った活動にするには、1つは、楽しくないところだけどゲーム的な要素、ICTの活用とかゲーム性を入れるのも1つで、今ICTができて、本当に私は読み書きに対してはいろんなメリットがあるなと思って、それぞれが文字を拡大したり、音声つきに聞けたりという部分も含めて、それを利用して興味を持続したり、また、ストーリーとかお話とかを使いながら、もちろん自分のことや友達のことを知るためにという言語活動にもできるのですが、相手のこと、自分のことを知ってもらうためにと、先日も授業を見たら、いやいや、知ってもらうために紙を見せて、書いてあるものを見せるんじゃなくて、どうしてそこで言わないのみたいな授業になってしまったりするので、思考させて読む活動、あるいは多技能を統合的に取り組ませるようなことが必要ではないかと思います。
 最後にまとめです。3点。次期学習指導要領に向けて私見を書かせていただきました。
 まず一番最初は、音声をとても大事にして、先生方皆さんおっしゃっているので、私が本当にまたこれを繰り返すのはなんですが。2番目のことは、外国語として英語を学ぶ日本の小学生にこそ必要な、そのまま外国から持ってくるんじゃなくて、音から文字の指導、先ほど鈴木先生もおっしゃっていた音韻認識の指導を大事にしながら、しかも段階的にぜひ取り入れていってほしいなと思っています。
 2番目です。今日はデータをお示しできませんでしたが、小学校で目指すこと、中学校でできることを明確に示すことで、児童の中学校英語への期待は高まります。音声の指導を十分に受けた、そういった子供たちを、ぜひ中学校で温かく丁寧に受け取って、伸ばしてあげてほしいと思います。
 3番目です。知識、技能の詰め込みにはならない文字指導を、その指導法や指導時間に工夫を重ねて、ぜひ多技能も統合しながらトップダウン、ボトムアップで、ストーリーなども十分取り入れながら教えてほしいと思っています。
 すみません、短い発表で、早口でお伝えいたしましたので、言葉足らずな部分もあると思いますが、この発表が少しでも先生方の御協議の御参考になれば幸いだと考えております。本日は大変貴重な機会をいただきありがとうございました。
【酒井主査】  田縁様、ありがとうございました。実践に根差して、そして子供の姿を通して恐らく御意見いただいたかなと推測しながら聞かせていただきました。ありがとうございます。
 それでは、これより質疑応答の時間としたいと思いますが、その前に先ほどの鈴木委員、そして田縁様の御発表に関連して、日向端委員より、小学校外国語活動と外国語科の接続について資料を御提出いただいております。まずここで、日向端委員より御意見を伺いたいと思いますので、日向端委員、どうぞよろしくお願いします。
【日向端委員】  お時間をいただきました。ありがとうございます。まず、田縁先生、本当に発表いただきありがとうございます。小学校教員として本当に勇気づけられる内容で、このもやもやしたところがすっきりと見えてくるようなことでありました。
 私の発表の前に1点、田縁先生にもちょっとお伺いしたいことがあるので、そちらを先に述べてよろしいでしょうか。私からお伺いしたいところとして、田縁先生の資料7ページのところなんですけども、小学校卒業時に何ができればいいでしょうというところございましたね。そこの4つ目のところ。資料ありがとうございます。ブルーハイライトにしていただいているところです。「簡単な英語の語句や表現は(読めて)意味がわかる」と聞くと、やっぱりここが、子供たちももやもやする、先生方もというところだと思うんですが、ここがなかなか、指導要領の解説には、言語外情報を伴ってとか、あるいは推測して読むというところを言っているものの、言葉尻だけ見ると、文字を見れば読めるようなイメージで、やっぱり先生方は捉えてしまっている部分もあるかなというところ、そこがまずもやもやの1つなのかなと。あくまでこれ、実際に単語をぱっと見て、初見で読むというのは中学校のことでございますので、そこら辺の部分をしっかりと説明していかなきゃいけないなと思っておりました。ありがとうございます。
 質問なんですが、次の8ページ、読むことのほうです。トップダウン型指導とボトムアップ型指導というところが、まさにここ、すごく大事だなと思って聞いていました。単なるボトムアップだけだと、ぱっと文字を見たときの感覚とかいう部分がないと、ただ積み上げだけだとちょっと苦しいところが、このトップダウン型の指導が大事だというような、おっしゃっていただいたところが非常にありがたいなと。恐らくそれはパンフレットとか、いろいろ絵本とか、そういうところから識別していく活動だと思うんですが、8ページの資料にトップダウン型指導の具体例が書いてなかったので、田縁先生がイメージしていらっしゃるトップダウン型指導はどういうものがあるか、ちょっと教えてもらえればなというのを先によろしいでしょうか。
【京都光華女子大学(田縁)】  何かもう簡単な言葉で言うと、文字があって、絵があって、先生の読み聞かせで、何となく全体の文脈を捉えながら、一言で言えばストーリーだったりとか、そのストーリーの中身も自分のことであったりとか、子供たちが知っている桃太郎のお話であったりとか、いろいろ広がっていますが、そういったことを意味していたり、あるいは先生の情報を十分、先生が行きたい国の想像をしながら先生の発表を聞いた後に、音声と合わせながらそれを聞いて、類推しながら読むみたいなところ。すみません、具体的にすぐ出ないんですけれど、一言で言うと、そういった読みたくなるような内容を、絵の情報とか言語外情報とかいっぱい使いながら触れさせる。情報を取るために、動物園の案内であったり、パンフレットであったりとか、そういったもののイメージで書いています。
【日向端委員】  ありがとうございます。本当にそこの場面を授業でつくるというのは非常に大事だなと思って、何となくこれじゃないかなと考えながらという部分のトップダウンというところと、地道に文字から音に繋げていくというボトムアップというもの、両方から指導していくというようなお考えだと思います。本当に参考になりました。ありがとうございます。
 すみません、ここから私も、小学校のところについてちょっと調査をしたものがありますので、今画面を共有させていただきます。改めまして、八戸市立吹上小学校の教頭、日向端と申します。私も小学校籍ですけども、私のスライドにはすみません、イラストはありません。申し訳ありませんが。私がやったのが、小学校における、本校の3年生から5年生までを対象に、学習指導要領実施状況調査と同じ質問項目、それに幾つか追加をしてアンケートの調査を行いました。その結果をお知らせいたします。
 まず、英語の学習が好きだという質問項目について、実施状況調査と同様の結果というか、本校でも肯定的回答、このグラフで言うとオレンジの部分と、それから水色の部分の割合が肯定的回答なりますが、それがどの学年でも多いという結果でした。しかし肯定的回答のうち、そう思うというオレンジのところだけ見ると、学年が進行するごとにやっぱり減っていくという傾向です。特に3年生から4年生にかけての減少幅が結構大きいなというところでありました。
 続いて、英語の学習が好きな理由書いてもらったところ、ちょっとゴシックになっているところです。友達のことを知ることができるなど、外国語学習の本質的な意義である相互理解に関する内容が多かったという結果です。
 続いて、英語の学習が好きだという質問項目とほかの質問項目、ここでは英語の授業がどの程度分かりますかという質問項目をクロス集計してみました。グラフの上4本が4年生、そして下4本が5年生になりますが、英語の学習が好きということに対する肯定的感情が低い層を見ると、グラフでは緑色のところが、分かることと分からないことが半分ずつぐらい。それから茶色になると分からないことが多いという否定的な割合が多くなっていることが分かりました。
 次のページです。続いて、授業中にできたと思うときがあるという質問項目とのクロス集計になっています。ここを見ると、4年生で一部、否定的回答にちょっと課題があるかなと見えます。それが逆に、5年生になるとあまり見られないというような状況です。
 また、間違えてもチャレンジしているという質問項目ともクロスしております。心理的安全性というところもかなり影響しているのかなというような結果でございます。
 続いて、文部科学省が作成・配布している3・4年生向けの教材「Let’s Try!」について児童に質問した結果です。全ての単元について肯定的な回答が多かったのですが、そのうち強い肯定、つまり楽しいと回答した割合のみを比較すると、星印をつけていますが、白抜きの星印のところが比較的楽しいという回答の割合がちょっと低めに出た単元でございます。先ほど英語の学習が好きだに対する強い肯定が、3年生から4年生にかけて大きく減る、減少幅が大きいと申し上げましたけども、もしかしたら教材の一部において、コミュニケーションの楽しさとか、達成感とか、相互理解の喜びといった、英語の学習が好きだと感じる要素がちょっと得にくくなっているのかなということも要因かなと思っておりました。
 最後ですけども、5年生になって英語の授業で難しくなったことというものを書いていただいたんですが、多かったものはアルファベットの文字を読んだり書いたりすることへの負担感だったり、それから、話すために覚えなければならないというプレッシャーを感じている子供が多いということが分かりました。こちらについては、慣れ親しみ中心の外国語活動から、5年生では教科として目標達成が明確になり、また、初めて読むこと・書くことを扱うことから、児童が学習負担や困難さを感じていることが伺えるかなと。よって、5年生の最初の段階では、円滑に教科学習に移行できるように、扱う語彙・表現や、学習活動が過多にならないような配慮が必要かなと。特にアルファベットについては、文字を読んだり書いたりするという学習は丁寧に時間をかけて行うと。そして2年間の中で、段階的に読むこと・書くことの活動を行っていくことが必要だと。ということは次の学習指導要領においても、段階を踏んでちゃんと指導するんだよという部分については明示していく必要があるかなと思っております。
 私からの発表以上なります。ありがとうございます。
【酒井主査】  日向端委員、ありがとうございました。
 それでは、先ほどの田縁様の御発表に関して御質問のある方は挙手をお願いします。時間のないところですので、ぜひ質問に絞らせていただきたいと思いますけど、よろしくお願いします。いかがでしょうか。よろしいですか。
 工藤委員お願いします。
【工藤委員】  御発表ありがとうございます。もやもやゾーンのところについてなんですけれども、今2つ、アとイがあるので、次の学習指導要領はどうなるか分からないんですけど、この間にやはり何かを入れたほうがいいという御意見なのか、それともここは、先ほど少し指導例の中で、順序性は問わないけど、こういうことは扱わなきゃいけないというのはあるので、順序まで示すとなると大変だけども、何かこういうことは最低限この間になきゃいけないというのを指導要領で出すべきなのか、それとも、ここはやはり先生の教育観とかに任せられるべきであるのか。ただ小学校の教員養成に関しては、やっぱりほかの教科の勉強もあるだろうから、小学校の先生がここの指導法のプロセスをしっかり教員養成の中で学ぶというのが難しければ、指導要領で明示して教科書にそれを反映するということはあるかなと思うんですけど、ここのギャップは指導要領で埋めるべきだというところがあるのか、あるいは教員研修等で、どっちかというといろんな方法がある中で、児童の実態に合わせて教員が選択していくような形になるのか。指導要領に入れるとかなり影響力強くなるので、あまりそこは入れないほうがいいのか、その辺ちょっとお聞かせいただけるとありがたいかなと思います。
【京都光華女子大学(田縁)】  ありがとうございます。私も一応、こんなもやもやゾーンと書いたからには、もし変えるとしたらどうだと幾つか自分で考えてみたんですけど、おっしゃったように、ここに何かを加えて例えばア、イ、ウにすると、ものすごく現場の負担感がかえって増してしまうんじゃないかなと感じています。最初に申し上げたように、読み方を発音するというのが、私が既に指導していた立場で、読み方というのが、名称読みから始まるというのは結構衝撃で、そんなレベルをまず読みでと思ったところはあるんですけれど、でも、それがもうスタートとしたら、先ほどの言語活動の例の中に幾つか入れてみたりとか、絶対に音が大事だというのをもっと表に出さないと、先生の中にはまだ音がなくても、音声で十分慣れ親しんだという部分を、チャンツで5回言えばオーケーみたいに思っている先生もいるので、だからその辺の書き方かなと。書き方というか、全員がはっきり言ってそれが大事だということを周知していただく方法かなと思います。おっしゃるように、目標を触るのが本来は一番いいのかもしれないけど、触ったために、また混乱が起きるのかなと。これ以上、御負担を増やすようなことは避けたほうがいいのかなと。すみません、まとまっていないんですけど、そういうふうに思っています。
【工藤委員】  ありがとうございます。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 関谷委員、お願いします。
【関谷委員】  先生ありがとうございました。大変参考になりました。行政にいるので、どうやって小中の接続がうまくいくのかをよく考えさせていただいております。スライドの11枚目のところに、小学校、中学校の接続における接続時間、のりしろ期という言葉ございましたけれども、具体的に効果を上げている取組ですとか、なかなか小中の先生たちの交流自体も難しいところで、どういったことをやるのが効果的、もし実践事例等ございましたら御紹介願えますでしょうか。
【京都光華女子大学(田縁)】  具体的にはそちらにある、大阪市でかつて行ったイノベーション事業で、短時間で、とてもたくさんのインプットを、音・文字の気づきをさせて、中学になったときに、まず最初は、子供たちが知っているボキャブラリーを、文字を見せないでフラッシュでだーっと見せて、その次に順番に、今度は文字を入れて、次は文字だけ見せてみたいなことを何回か御実践されたことがあって、それに関しては、多分この論文の中には載っていたかと思いますが、行政を挙げてそういうふうにされたお取組は、私の勉強不足でそれぐらいしか知らないんですけれど、私は私立小学校に長く関わっているので、小中連携の部分でどうするかというのは、やっぱりそういった丁寧な取組が、まず音から。先ほどもちらっと言いましたけど、長くやるんじゃないなという感じがすごくしていて、4月期に、あるいは5月のゴールデンウイーク明けぐらいまでにやってあげると、子供の中で知っているボキャブラリーとつづりと意味が分かってくるのかなという時期をきっちり取るべきかなと思っています。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 質問は江原委員までとしたいと思います。江原委員、お願いします。
【江原委員】  よろしくお願いいたします。御発表のスライドの6だと思うんですけれども、先生がおっしゃった、真ん中のところ、「気づきを促すための十分なインプットや音遊びが十分でない」というところがあって、括弧で「指導者が目的を理解する必要がある」とあるんですけれど、これは、例えば気づきを促すためには、指導者側が何に気づきを促すかを意図的に考えて教材をつくる、そういう意味でしょうか。
【京都光華女子大学(田縁)】  教材をつくるではなくて、恐らく教材にはもう書かれている、指導例としては書かれていると思うんですが、例えばアルファベットの指導であれば、子供たちがいかに「ABCの歌」を物すごく大きい声で歌っていても、それは歌としてしか入ってなくて、ちゃんと文字と結びついているかという部分とか、あるいは、よくあるアルファベットジングルみたいなのでやるのは、かなりあれは初等の音に、音韻認識の意味があるかと思うんですが、子供たちはいつまでたっても、例えばPだったらピッピッピークというような音を出して、そうじゃなくて、初頭の音がプッなんだというのを先生がちょっと理解しておくと、随分、「今何て言った?」というようなことが、返しができて、確認しながら、単に楽しく歌を歌って、単に楽しくジングルを唱えているだけじゃないんだというところがもう一歩上がれば随分違ってくるのではないかなと。それで入れた知識をどうアウトプットさせたりとか、言語活動に持っていくかというのを組み合わせてやらないといけないのかなと。そういった意味でここに書かせていただきました。単なる遊びだけではもったいないと感じています。お答えになっていますか。
【江原委員】  ありがとうございました。ということは、先生の側からももう一工夫、働きかけというか、ちょっと強調して、表情豊かにそこのところを発音するとかということですね。
【京都光華女子大学(田縁)】  そうですね。気づきを促すような、ちょっと介入が要るのかなと思っています。
【江原委員】  ありがとうございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 ここで区切らせていただきたいと思いますけれども、今日の田縁様の御発表の中では、まさに後半の話題になる、小学校における読むこと・書くことの指導の段階化に関する御示唆があったかなと思います。また、今日の話題にはならないと思うんですけれども、言語活動だけではなくて、音遊びであるとか音韻認識を促すという、言語活動の中での、あるいは学習活動の中での指導の意図みたいなところを指摘いただいたと思います。また、今後のワーキングの中で併せて検討させていただきたいと思います。
 それでは田縁様、本日は貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
【京都光華女子大学(田縁)】  ありがとうございました。
【酒井主査】  すみません、ここで休憩を入れたいんですけども、髙木委員がこれで退室されると思うので、すみません、発表にかかわらず、今日の話題について何か御意見、発言等あれば髙木委員にお願いしたいと思います。
【髙木委員】  すみません、ありがとうございます。この後授業のため退室させていただくんですけれども、私からは、最初に事務局のほうから伝えていただいた資料の6ページのところで1つ意見を述べさせていただきたいと思います。英語を学ぶ動機や発信力を高めるための話題・活動の改善イメージという6ページのスライドのところなんですけれども。ありがとうございます。
 こちらのスライドの2つ目のところで、「自分の意見」とあると思うんです。もちろん外国語を学んでいく意義として、自分の意見を構成して発話していく、あるいは発信していくということはすごく大事だと思うんですけれども、例えば現場で教えているときに、じゃあこれに対して意見を述べてみようとなると、自分の意見がなかなか持てない子たちというのがいます。英語教育で今やっている中での何か対話の形式、ダイアログの形式みたいなものというのが意見に非常に偏っている感じがしていまして、例えばそれがナラティブだったり、説明的なディスクリプションだったり、あとエクスプラネーションだったり、そういうもののいろんなパターンというのがあると思うんですけれども、そういうものも含めて入れていく中で、その中の1つとして意見の形成というのがあるんじゃないかと思っています。
 あとは、例えば意見を形成するとなったときに、自分の意見だけでは最初から持つことはできないけれども、話合いの中で徐々に意見が形成されていくシチュエーションというのが英語学習の中では多々あるのではないかなと思っていまして、そういう要素が少し入ってくるといいのかなと思っておりました。
 ということで、一旦それで意見とさせていただきます。以上です。ありがとうございます。
【酒井主査】  御意見ありがとうございました。また休憩後に、今の髙木委員の御発言も踏まえて意見交換できればと思います。
 それでは、ただいま11時3分ぐらいですか。5分ほど休憩を取らせていただきたいと思います。11時8分に再開させていただきます。それでは休憩、よろしくお願いします。
( 休憩 )
【酒井主査】  それでは時間となりましたので、これより意見交換の時間といたします。
 まずは、「外国語を学ぶ本質的意図を踏まえた話題・活動等の在り方」について、事務局より案を御呈示いただきました。この部分について御意見等がございましたらお願いします。15分程度、この議題で意見交換したいと思います。いかがでしょうか。
 臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】  よろしくお願いします。お示しいただいた案には大賛成なんですけども、もし可能であればということで、話題を上手に発展させていくという考え方に加えて、同じ話題についてもう一回やるということも、実際に指導する上では有効かなと思っていますので、それをこの図に反映させるべきことなのか、指導要領の解説とかに書くことなのかという判断はあるかと思うんですが、ぜひ、段階を上手に踏むとしても、新しいものをやっていくということだけではなくて、同じことをもう一回やらせる、時間を空けて同じことをもう一回やらせるということも入れたいなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 続けて関谷委員、お願いします。
【関谷委員】  ありがとうございます。今の臼倉先生のお話とちょっとかぶりますけれども、同じ話題について繰り返して取り組む際に、どう内容の充実を図っていくか、高度化させていくかという視点も織り込めるよいかなと思いました。
 また先ほどの髙木委員のお話も含めて、自分の意見を伝える活動では、小学校から中学校に上がっていくに当たって、他者との関わりの中で、あるいは社会・地域との関わりの中での意見を形成をしていくという段階的に高度化していく部分が少し見える書きぶりになるといいかなと思っています。2点目の自分の意見充実の1行目のところに、「他者の意見や様々な情報を整理しながら」の部分に恐らく入っているとは、理解はしたんですけれども、この辺りを少し開いて説明をしていく、この言葉がどこまで文言として使われるかは分からないんですけれども、そういったものを入れていくとよいと思います。あと先ほどの、対話・協働の中で、そうした自分の意見が形成されるという要素もここに表現されるといいかなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 米野委員、お願いします。
【米野委員】  ありがとうございます。スライドの4番ですが、右上のポツの3つ目のところ、「自分の住んでいる地域に関する話題や活動」、こういったものを明確に位置づけてはどうかという御提案ですが、これはやはり地方はもちろん、日本全体として、少子化がどんどん進んでいくという状況があって、特に地方では郷土愛を育む、そういった教育に力を入れることが増えています。また多文化共生社会の中で、これから子供たちが生きていくことを考えれば、こういったことを発信していく必要性は非常に高まっていくと思われますので賛成でございます。
 ただ、インプットなしには発信できませんので、教材を通して視野を広げて、知識、そして自分の頭で考えることが大切と考えます。また、興味を持たないと発信したいと思わないですので、この辺はやはり、当たり前ですが、これまでと同じように教師の役割が大変重要ということだと思います。
 そして関連しましてスライドの6番、先ほど髙木委員から話がありましたが、やはり意見を言えない子供もいる、そういう状況だと思いますので、例えば発信したいと思わせる、当たり前のことなのすが、必然性を持たせる目的・場面・状況の設定は非常に大切であるということを改めて確認したいと思います。例えばALTに何か質問してみなさいとただ言っただけでは、子供たちから出てこないわけです。私も高校でいろいろ試行錯誤しながら指導していたときに、ALTが、初めて床屋さんでシャンプーをしてもらっていたときに、理容師さんから、「どこかかゆいところはありませんか」と聞かれて、何と答えたらいいのか分からず、生徒たちにALTが、こう聞かれたときにはどう答えればいいのかという質問したところ、生徒からは、「それは日本の文化が関係していて、特に答えを必要としているわけではなくて、理容師さんがお客さんに丁寧さを示しているだけなんですよ」といった発言がありました。段階を追って、グループワークなどをしながら、活動場面を設定をするとこのようなたくさんの意見が出てくることがありましたので、そういった必然性を伴う、生徒に発信したいと思わせるような場の設定、これが重要であることを改めて確認したいと思います。
 当たり前のことを申し上げましたが以上でございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 今、地域に関する話題・活動で、今回新たに言及されているところだと思うんですけど、そのほかにも中学校において、受信においては社会的な話題、それから発信においては身近な社会的な話題というところにとどめてはどうかという提案になっているかと思います。また話題の改善イメージで、中1相当、中2相当、中3相当というような形で、学年相当の提案もされています。併せてこれらについても意見を伺えればと思います。
 布村委員、お願いします。
【布村委員】  ありがとうございます。私も今のところ、5ページ目で、聞くこと・読むことのところだけが社会的な話題まで入っていて、話すこと・書くことは身近な社会的な話題で終わっていると。ここの差にちょっと疑問を感じています。聞くこと・読むことに関しても、中学校段階では身近な社会的な話題まででいいのではないかなと個人的には思っています。というのも、ここに例として挙げられているのが、やっぱりフェイクニュースとか人口減少とか、かなり話題が大きいところにあるので、そこよりも、自分の身近な社会問題までを英語で話しをするところができれば十分なんじゃないかなと思いました。
 その中で、日常的な話題の中なんですけれども、この話題の中にもいろいろ出来事だったり、先ほど髙木委員からも、ディスクリプションとかエグザンプルとか、エクスプラネーションとかいうような話がありましたが、より深くというわけじゃないですけれども、詳細に困ったことを説明したりとかいうようなところでの言語レベルは、小から中に上がって、上げていくことはできるのかなと思うんです。話題の繰り返し、スパイラルという話もありましたけれども、同じ話題でも、中学校になってもう少し話を広げるという意味でも、少し詳細に、詳しく状況も説明ができるような形で日常的な話題も取り組んだりとかすることはできるのかなと思うんです。
 特に、多分留学したりとか、海外の人、外国の人と日本で交流したりするときに一番困るのは、うまく説明ができないところで、先ほどの頭がかゆいじゃないですけれども、シャンプーでわーっとなっているというのをどう英語で説明すればいいんだろうとか、そういう本当に身近なことを英語で説明をするということ、そこ自体の厚みみたいなのが、今の英語の教科書には少ないなと思っているところがあるので、ちょっと場面とも絡んでくるとは思うんですけれども、自分の状態を言えたりとか、日常の困り事とかトラブルのことを少し詳細に説明したりとか、そういったこともできるような話題提供というところでここに記せるといいかなとちょっと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 細田委員お願いします。
【細田委員】  お願いします。話題の改善のイメージ、スライド5なんですけれども、今もいろいろな委員の方がおっしゃっていることでもあるんですが、これまでの、現状、様々な難易度のものが混在しているということで、社会で起こっている出来事や問題に関わる話題が、確かに、かなり難易度が、難しいものも含めて混在はしていると思うんですが、改善のイメージのほうが、ぐっと自分の身近な事柄や出来事についてのほうに振れていることが少し残念だなと思っているところです。もちろん発信力を高めていくためには、中学校の発達段階ですと、身近な出来事のところに帰結してしまうかもしれないんですけれども、やはり発達段階に合わせてワールドイシュー、世界で起こっていることに目を向けていくということも併せて、これは世界で起こっていること、世界に横たわっている様々な課題等について、自分の身近なところから発想して、そこにつないでいけるような、そういう力をつけていくことが大変重要な時代になっているなと。世界中が分断されていってしまいそうなこの現状の中で、目の前の子供たちこそが、そういったところに大人になって意思決定をしていくときに、発達段階に合わせてそういうことを考えるし、そして自分で発信していける力が必要になっていくんじゃないかなと思うので、身近なことだけに、自分の本当、半径5メートルぐらいのところだけに帰結してしまう英語教育になっていくのはとても残念だと思っています。
 そしてまた、聞くこと・読むことについては、社会的な話題というところは明記されているんですけれども、話すこと・書くことについて、ぐっと日常的な話題だけになっている辺りが改善をしていただけるといいなと思っているところです。
 もう1点だけ。ALTとの会話という現状は極めてレアだと思うんです。実社会においては。ですので、同年代の違うバックグラウンドを持っている子供たちといいますか、同年代の人々との意見交換ができる活動の改善のイメージ、6ページのほうですけれども、そういったものも、今はデジタルを使うとかなりいろいろなことが可能になってくるので、ALTに何かを説明するという状況だけではなく、何らかの形で、違うバックグラウンドを持った同年代との意見交換みたいなものが活動の改善のイメージの中で何か盛り込めるといいなと思っています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 川﨑委員お願いします。
【川﨑委員】  ありがとうございます。2点ございます。
 スライドの19ページに関して、同じ話題を繰り返すことは、第二言語の習得をする上でとても大切だと感じております。そこで細田委員やほかの委員の方との御意見も含めて、同じ話題を繰り返しながら、小学校、中学校と学びを続けていくけれども、少しずつ幅を広げたり、世界と関連づけたりというものが同じ話題でもできていくといいと思います。例えば海外ですと、同じ話題でも、今回は経験を話してみよう、根拠を言ってみよう、例を示してみよう、具体例を言おう、インタビューをしてそれをクオーテーションとして入れてみよう、事実を言おう、説明しようなど、そういった、同じ話題だけれども少しずつ、少しずつ話題を広げていったり、世界との接続を図っていくように、同じ話題でも連携していくところがあるといいのかなと思いました。
 もう1点、タブレットを今、私の小1の娘も使っていますけど、最大限に活用して、先ほどお話にあったようなインプットや音遊びに関しては、やっぱり小学校の先生、私の友人も小学校の先生が何人かいるんですけれども、英語にそもそも触れたことがないし、先生になって初めて英語をやり直しているみたいなところでして、じゃあ英語の音について説明できるかというと、かなり難しい領域になるので…。例えば、タブレットを使って、インプットや音遊びというのは、先生の技量にかかわらず、なるべく均一的に教育に取り入れていくことができるといいのかなというのが1つ、アイデアベースで申し訳ないですけれども、あります。
 また、小中高の接続・連携や、教師間の接続・連携に関しても、タブレット上で、例えば小学校ではここまでCAN-DOとしてやっていきますよ、というのを、自治体とかではなく、なるべく文科省のほうで具体的に決めていって、タブレットと連携させることによって、この生徒は小学校ではここまではできているというのが、中学校の先生とかも目に見えて分かっているという状態があると、もしかしたら接続がさらにさらにうまくいくのかなというのを感じました。
 すみません、長くなりましたが以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 工藤委員に伺う前に、私からもちょっと若干ですけども話させてください。特に中学校の場合には、複合的に複雑になっていく、難しさが増し増しになっていくということがあります。内容面もとても高度になっていく、そして言語面も次から次へと新しい構造、新しい文法というのを学んでいかなきゃいけない。そして求められる力です。今までは領域別の目標と言われていましたけども、これもかなり複雑になっていきます。その意味で、どこまで今回の改訂で中学生に求めていくのかと。言ってみると、今、川﨑委員が最初に述べられたように、ある一定の話題であってもいろんな言語使用とか、いろんな語句に触れたりとか、いろいろやり取りをしたり活動を工夫したりというようなことで力を高めていくなんていう要素も必要かなと思うので、話題について、また皆さんに御意見、重ねていただければと思います。
 もう一つ、中学生の実態として、ちょっと切り離された社会のことというよりは、やっぱり自分事として考えていく、そして社会を見つめていくようなところが、学習段階として、発達段階としては、子供たちの思考に合っているかなとは思うので、社会的な話題を扱っていても、自分と、あるいは自分のこととの関係をしっかり考えていったり、あるいは自分も発信をしつつ、自分のことだけにとどまらず、細田委員が言われたみたいに5メートルの範囲の中だけではなく、必ず社会とか、ほかの人々との関係とか、そういう視点を取り入れたときに自分はどう思うかというようなことを考えられるのが中学校段階かなと思いますので、その点も踏まえてまた御意見ください。
 それでは工藤委員、お願いします。
【工藤委員】  社会的な話題と日常的な話題でそれぞれコメントしようと思ったんですけど、社会的な話題については、今、酒井委員がまとめていただいたように、自分事として捉える練習ももちろん必要なので、全てそこを教材、教師がやってしまうではないということも大事かなと思うので、ある程度は残しつつというところが大事かなと思いました。
 日常的な話題についてなんですけど、これはいろんな授業、特に中学校のほうなんですけど、いろいろな授業を見させていただいて、日常的な話題の扱いで課題だなと思うことが、言語活動、今教科書は、多くは目的・場面・状況がしっかり設定されているので、その言語活動を英語でやる必然性、つまり架空の設定かもしれないけど、海外の誰々に向けて話すとかということが載っていたりするんで、生徒にとっては日常的だけども、話す相手にとっては日本のことはあまり知らないので日常的じゃない可能性もあって、そこでインフォメーションギャップがうまくいっているところもあるんですが、一方で、架空なので、実際やり取りするのは隣に座っている友達なので、インフォメーションギャップがほとんどない状況で、お互い知っていることを話し合っていたり、書いたものを読み合ったりすると、本来は通じないことでも通じるみたいな現象が起きているので、日常的な話題を扱うときに、共通の話題でいいんだけれども、話したり書いたりしている具体的な内容は、やっぱりちょっと、隣に座っている生徒同士でも何か新しい発見があったり、あなたはこういうことを考えているのねみたいなことが新たに何か発見されるようなものがいいかなと思っているので、スタートはお互いの共通の話題なんだけども、話し合ったり書いたりする内容は、新しくコミュニケーションの相手のことを知るということがあるようなものという条件も何かあるといいのかなと思います。
 中学校とか高校の言語活動が、目的・場面・状況に応じてなんだけども、実際は隣に座っている人と話しているというダブルスタンダードみたいな状況になっているのが、いい面でもあるし難しい面でもあるので、指導要領で、目的・場面・状況の在り方みたいなところも含めてちょっと考えられるといいかなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 この話題は米野委員で一旦区切らせていただきたいと思っています。米野委員お願いします。
【米野委員】  すみません。何度も申し訳ございません。これまでの委員の皆様の意見をお伺いして、一応ここで確認したほうがいいのではないかと思ったことがあります。学習指導要領というのは全ての児童生徒に対して指導すべき内容を示すということです。その上で、学習指導要領に示されていない内容も生徒の実態に応じて必要であれば加えて指導することも当然可能だということです。こういったことも踏まえた上で我々は検討すべきと考えます。そういう学習指導要領の基準性の趣旨を考えると個人的には、スライドの5については妥当ではないかと考えているところです。
 以上でございます。
【酒井主査】  とても貴重な視点だと思います。私も同感に思います。ありがとうございます。
 それでは、続いて次の話題に行きたいと思いますけれども、「小学校・中学校における指導内容の段階的な示し方」について御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 バトラー委員、お願いします。
【バトラー委員】  ありがとうございます。今日のお三方の発表、非常に納得する部分が多くて、ああそうだそうだと思って伺っておりました。今日のお三方の発表を土台にした形で2点提案させていただきたいと思います。
 まず1つは筆写についてです。田縁先生もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、私も小学校の筆写の授業を拝見することがあって、ちょっともったいなと思うことが多いんです。時間がたくさんあるならともかくとして、週に2時間という限られた時間の中で、筆写という活動に時間をすごく費やしてしまうのは少しもったいない。プライオリティーはちょっと低いのかなと思います。まず第1に、今の時代、実用性があまりない。私も英語圏に住んでいますけれども、英語を手で書くということはほとんどないですね。それから、田縁先生もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、子供の言語習得の仕組み、やり方にそぐわないし、あまり面白くない、つまらないということがあります。やはり英語学習の初期の段階で、あんまりつまらない経験をしてしまうと、それが苦手意識だったり動機づけの低下だったり、そういうことに繋がってしまう可能性がありますので、筆写という時間に関しては今後、ちょっと検討が必要なのかなと思います。
 それから2点目は、今日、何回も何回もいろんな方からお話が出ていますけれども、やはり音が十分に小学校の段階で入り切っていない可能性があるのではないかということです。スライドの45ページになるかと思うんですが、A1レベルの語彙のつづり間違いの例が報告されています。中1のケースと中3のケースという、このデータが出されて、私はこれを非常に興味深く拝見しました。ここでは間違いの例となっていますけど、全部を一くくりにするのはちょっと問題があるかなと思っています。実はこの中には、音が十分に入っている後に、その音をどういう形で文字で表そうかというところで、試行錯誤しながら出てくるものがあって、これは英語が母語の子供たちの間でもよく見られるタイプのものです。これは間違いとはあんまり言いたくないタイプのもので、言わば言語習得の過程で見られる現象だと思います。
 その一方で、音が十分に入っていない段階でつづりを学んだがゆえに混乱してしまって起こるものがあります。これは確かに間違いと言っていいかと思うんですけれども、例えばここで見てみると、Summerで、一番最初に出ているSumer、これは英語が母語の子供でもよくみられるタイプの現象なんです。だからこれは間違いとは言い切れない。もちろんつづりを見ただけでどっちかと判断するのは難しいケースもあり、推論しなきゃいけない部分もありますので、きちんとした分析は難しいですけれども、ぱっと見た感じ、やはり音が十分に入ってないから出てきちゃっているなという間違いが、このリストに多いような気がします。
 例えばFlowerを見てみると、Flowerの最初のFの音というのは日本語にない音ですので難しいですし、LとRという、日本人が特に苦手としている音が入っているということで、このつづりのリストを見てみると、RとLとの混同というのが多々見られますね。これは英語が母語の子供には見られない現象です。それからFuで始まるつづりがすごく多い。これは日本語のモーラですね。基本的に子音と母音とをくっつけてしまっている。だからFuになってしまっているわけですね。この種の間違いもここでは多く見られると思います。それからFじゃなくてHになってしまっている子供もいたりして、これはまさに日本語の音がそのまま表されていると思います。
 こういうデータを見ても分かるように、やはり音が十分に入っていない段階で書くことにより、かえってつまずいてしまっているケースが多々あるのではないかと思います。
 私は小学校の段階で文字を提示するということ自体はいいことだと思っています。やはり5・6年生になりますと、音だけで言語学習をしていくのがつらくなってくる子供も多々出てきますので、文字を提示することは大切だと思います。そして田縁先生もおっしゃっていましたが、トップダウン的なアプローチとの組み合わせが大事だと思います。文字を提出しながら物語を読むなどして音をたくさん聞く、そして何となく音とつづりと関係性を体感してもらう。こうした体感をしてもらうというところが小学校ではすごく重要で、だから書くという作業にあまり時間を費やさずに、できるだけ音をたくさん入れるところに指導の中心を移すべきなのではないかと思います。そして音が十分に入ってきた段階で、中学になってから、フォニックス指導など、音と文字との関係を整理する指導を行っていただくというのがいいのかなと思います。
 スライドの18ページに発音とつづりとの関係などについて丁寧に指導することというのが中学で入っているんですけど、これは3年間を通じてということですよね。これからもう少し段階的に、詳しく検討が行われるのかもしれませんが、この発音とつづりとの関係の指導は中学校における要だと思うんです。現在の表現ではこれを3年間を通じて丁寧に指導することとなっていますが、これはちょっと曖昧な、大ざっぱな表現になっていると思います。これを中学1年生ではこういう形、中学2年生ではこれ、中学3年生ではこれという感じで、小学校から受け継いだ形で、もう少し段階的に詳しく提示していく必要があるのではないかなと思います。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 藤田委員、お願いします。
【藤田委員】  ありがとうございます。今のバトラー委員の意見に、基本的に私も非常に賛成な形で聞いておりました。小学校段階で音をとにかくしっかり入れてあげるという部分が、やはりどうしても大切になってきて、ある意味、書くところも、書写とは言いながら、例えば文レベルのものを書くとか、そこら辺のところまでというのは、ひょっとすると欲張り過ぎなのかもしれないかなというのが個人的にはちょっとしております。この辺のところで目標の中に入れるか入れないかという話が先ほどの中であったと思うんですけれども、先ほどのアとイの間のところで、アの段階で、文字が読めるという部分がある。これはもっと簡単に言うと、アルファベットが読めるということですね。イになると、今度は単語や語句の意味まで分かるとなると、ここは1段階、1つ段階をジャンプしているのかなという気がしていて、初め、意味が分からなくても読めるという段階が、多分その間には必ず必要になってくるのかな。
 何でもいいんですけど、例えばRatという単語を読んで、それが猫なのか、犬なのか、蛇なのか、ネズミなのかが、例えば、意味はこの段階としては取れなくても、Ratと書いてあったらラットと発音するんだというところが読めるというのは、少なくとも今までも何度も出てきている音韻の認識という部分がちゃんと身についているところがあると思いますので、そういったところを明示的に示してあげると、いきなり読んで音が分かるんだから意味分かるでしょうというのは、本当にそれは確実に音声を聞けば意味が分かっていて、それも自分でも発音できるというのが大前提なところがあるので、それをどうしても抜きにして、急に読み書きして、意味も分かりなさいと飛んでしまうところが、ひょっとすると無理があるのかなという気がしているところです。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 関谷委員、お願いします。
【関谷委員】  ありがとうございます。スライド18枚目をお願いできますでしょうか。すみません。これまで話題に出ているんですけれども、文法と文法構造のところもあるんですけれども、そこをつなぐといいますか、言語の働きの要素を入れたらいいのではないかなと思っています。今、小学校、中学校、具体的な検討事項の中に入ってきていないので、後からまた出てくるのかもしれないですけども、先ほどの意見を述べる以外の、説明するですとか、申し出るとか、提案するとか、そういったことも含めて、働きの部分の要素をここの段階的な示し方に入れることはできないかということ。
 それからもう一点は、それぞれ今、小学校、中学校においても文構造の理解を深めるという言葉が入ってきています。ここについてはやはり、非常に先生たちがびっくりしてしまうというか、そちらに傾いているのかなというところが誤解されかねないなと思っています。小学校においては、文構造について、自分のことを伝えるために、英語独自の主語、動詞といったところ、目的語まででしょうか、そういったところの語順に注意をして言わないと意味がそもそも変わってしまうということを伝えていくべきだと思うのです。
 対して、中学校の文構造を意識しながらと言ったときには、何を目的にするのか。そこに主が、目的があるわけではなくて、恐らく、より複雑な何か情報であったり、伝えたいことをより豊かに伝えるための文構造の充実だと思いますので、今の、例えば小学校のところが、中学校の文法指導に繋げるため、文構造の理解を深めると。そうなのかもしれないんですけれども、外に出ていくときには、何をするか。自分のことを伝えるためにはそれが必要、相手のことを理解するためにもそれが必要といった、そもそもの働きの部分をここに入れておいてはどうでしょうかという提案でございます。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 𫝆井委員、お願いします。
𫝆井主査代理】  よろしくお願いします。これまで先生方が、委員の皆様がお伝えくださったことと重複するんですけれども、本日、鈴木委員、それから田縁先生がおっしゃってくださったところに非常に大きな共通点があったと思います。音韻認識の大切さですとか、それをスパイラルに、段階性を踏まえながらもスパイラルにやっていくことで気づきを促していくことですとか、そういったところはお2人に共通するところだったと思います。
 特に読むこと・書くことの中でも、書くことというのは私の経験ですとか、現場の先生方とお話しして教わったことなんですけれども、書くことというのは、やはり正確さが顕在化しやすいがゆえに、どうしても直したくなってしまうというか、エラー修正をしたくなってしまうけれども、そういうことをしていると、日向端委員が出してくださったデータにもありますけれども、やっぱりできない実感でだんだん英語が嫌いになっていくということを招き得る。だから私は、生徒が、中学校の先生ですけれども、生徒がどんな英語を書いてきても、私はそれをしっかり読んでやることが当面の仕事だと思っていますとおっしゃってくださっていたんですが、今日の先生方のお話、田縁先生が、のりしろ期が大事である。のりしろ期をずっと設けること。それから長時間にするのではなくて短時間でそれを組んでいくことといったところも相通じるところになるのではないかなと思いました。
 その上で、やっぱりアとイの間にあるものといいますか、音になじんで、音韻認識を高めて、読めるよう、書けるようになっていく指導のステップをしっかりと示していくことが大事だというのは小中、特に中になるかもしれませんが、バトラー委員がおっしゃっていたように、我々がすべき仕事の大きなミッションではないかなと思った次第です。
 小中のことに関しては以上になります。ありがとうございます。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】  ありがとうございます。発言する前に、先ほどスライド5ページに関して、ごめんなさい。私が書くことと話すことと書いてあるのかと誤解しておりまして、読むこと・聞くことと、話すこと・書くことで、既に分かれていたので、先ほどスライド5ページに関しての意見は修正というか、取消しをさせてください。失礼いたしました。
 書く技能についてなんですけれども、これまで文法が難しいですとか、英語で文を書くことが難しいという声がかなり多く出ていると思うんですが、これはいきなり書かせるというふうな段階に進むと、恐らく認知的にまず組立てをどうしようか、主語どうしようかから、文法をどうしようかといろんな認知負荷がかかるので、例えばいきなり書かせるではなくて、前段階として文法の文の組立てができる。書くのではなくて、例えば主語・動詞・目的語で自分で選べるですとか、カードを並べるとかでもいいと思うんですけれども、文の構造をまずは自分で慣れ親しむというステップも、こちらから提示してあげると、いきなり書いて認知負荷がかかるというところが軽減されるのかなというのを感じました。
 先ほど鈴木委員がおっしゃった定型表現やスロット表現の活用に私も大賛成でして、一方で、ただ定型表現をたくさん覚えても、知らない定型表現に出会ったら急に分からなくなるという方がやっぱり結構多いので、その前に、もう一つ補足として、例えば、英語は主語と動詞でいつも出来ているんだよというのを分かるといところに立てると、定型表現たちも、もちろん最終的には音の繋がりなどで、主語・動詞で分かれては発音されないですけれども、まず書くときや読むときなどは、主語があって動詞があるんだよというところに慣れ親しむというようなステップが1つ含まれると、いきなり書くのが難しいというふうにならないのかなというのを感じました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】  今の川﨑委員の発言に関係することです。書きぶりの話なんですけど、スライドでいくと18ページの小・中学校における指導内容の段階的な示し方、こちらの具体的な検討事項の小学校の1個目の中黒の丸で、「中学校の文法指導に繋げるため、文構造の理解を深めること」。文構造という言葉と文法という言葉が中学校のほうにもちょっとずつ出てきていて、指導要領の中にも出てきているんですけれども、現行版でも。これの正しいイメージというか、我々が文法指導という言葉と文構造ということを、どういうつもりで使っているかという言葉のイメージとか定義みたいなものをちゃんと伝えるようにしたいなというのを感じたというコメントを言いたいと思います。
 今日の鈴木委員のお話と、今の川﨑委員のコメントにもあったように、多分、文構造の理解とか文構造の習得とかというのは、ある種、定型表現とかから始まることだったりするんだろうなと。スロットを入れ替えるようにできるようになると。ルールについての明示的な説明とかに理解はないけれども、スロットをちょっとずつ言い換えて、言えることの幅が広がっていくとか、理解できることの幅が広がっていくのを、例えば文構造ということで私たちは使っていますよと。じゃあ中学校の文法指導というのはどうなるのかみたいなことを、今示していただいているスライドの中で説明することではないのは分かっているんですけれども、やっぱりミスリーディングになる部分があるなというのを、今の現行でも感じていますので、その辺りを上手に示していきたいなと。段階的な示し方をしたいなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 細田委員、お願いします。
【細田委員】  お願いします。今続けてお2人の委員の皆さんがお話ししたことと少し似ているんですけれども、そもそも小学校、中学校における接続・連携で一番大切なことは、小中の先生たちがそれぞれ、小学校で何を教えていて、そしてそれを引き継いで中学校で何を教えているのかをそれぞれの学校種の先生が知ることだと思うんです。ただ交流が難しいということを今実際に、教育行政にいらっしゃる委員の方がおっしゃっていて、それはもちろんそのとおりなんですが、私のように実際の教育長を務めますと、それは難しいと言ってちゃいけないんだなというのは強く思うんですが、現実として難しいとすると、例えば18ページ、小学校・中学校における指導内容の段階的な示し方、ここに丁寧な書きぶりをしていくことがすごく重要になっていくと思います。その中で、例えば御意見が出ているところですけれども、18ページの具体的な検討事項の小学校のところ、こういった書きぶりが、中学校になって英語嫌いを進めてしまう、促進させてしまうようなことが起きないような書きぶりも大切だと思います。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】  臼倉委員がおっしゃったこととも関係しているんですけど、このページには補足説明がかなり必要なのかなと思います。理解という言葉1つとっても、小中での文構造の理解は異なるレベルになるかもしれないし、中学校のほうはもっといろんな理解が深まっている可能性もあるんですけど、あと1つは、これ全体を見ると、知識技能面のことがたくさん書かれているような気がするので、タイトルが「重点を置いて指導すべき点」となっているので、小中は知識技能を結構しっかりやらなきゃいけないんだみたいに、メッセージとして、それは大事なんでいいんですけど、それだけになってしまうと多分駄目なのかなと思うんです。このページをもし変えないなら、知識技能の面で重点を置いて指導すべき点と入れば、もしかしたらいいのかもしれないなと思いました。
 あとは、補足が説明だと思うところのもう一つは、中学校の3年間を通じてのところの2つ目、「小学校における指導との接続に留意し、音声面を大切にしながら「読むこと」、「書くこと」に繋げること」というのは確かにもっともなことなんですけれども、例えばその下の「読むこと」で、「音声を頼りに、初見の語句や英文を読んで意味を理解すること」と書いてあるので、初見の文を読ませるときに、まず音読させるんだみたいに、これだと思われる可能性があって、頭の中で音声化するかもしれないんですけど、読むことは多分、声に出さずに、じっくり黙読しながら意味を取っていくということが中学校で最終的には必要になってくることなので、これだけ見ると誤解を与える可能性がある部分がほかにも幾つかあるので、これをどう見せるかは検討する余地があるなと思いますので、今後また議論を深められたらいいかなと思います。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。
 時間も大分来ましたので、この辺りで議論を止めたいと思うんですけれども、今日3名の資料提供及び御発表、それから委員の皆さんの御意見を伺っていて、まず資料の20ページ、左側に「聞くこと」とあるんですが、実は読むこと・書くことの手前に、聞くこと・話すことで、音声をしっかり学んでいると。音韻認識を高めているという、そういうところ、つまり単語、語句や表現、それについて、しっかり聞いたり話したりする活動を通して音声の指導が入っているというような前提を入れたほうが誤解がないだろう、あるいは重要だろうというようなことの御指摘があったかと思います。バトラー委員も音声がとても大事というような御指摘もあったかと思います。
 また一方で、中学校に向けては、今度音声が入っている誤りと、音声が入っていない誤りというのですか、これらを分けながら丁寧に指導するようなことが、中学校では力を引き上げるためには大事なんだというように感じました。
 また、最後議論になった18ページですけれども、特に小学校の文構造の理解、これはもう少し説明は必要であろうと。工藤委員が御指摘の読むことについてもちょっと説明が必要だと思いました。今日、鈴木委員の御発表の中で、小学校では定型表現で、その中にスロットを入れ替えていくような定型表現の例もありましたけれども、恐らく小学校で扱う構造、文構造の気づきとかいうことは、スロットを入れ替えられることと、その入れ替えたものが、どういうものが入れ替えられるのか、あるいはそういうものを並べたときに、どういうものが並ぶのかが、一番最初の文構造への学びになってくるかなと思います。
 一方、中学校は、多分、恐らくそこに文法的な用語を使ったり、あるいはメタ的に説明がされたり、自分も説明ができたりといった、そういうような理解を伴うのかなと思うと、同じ理解という言葉でも、恐らく発達段階に応じて、あるいは習得段階に応じて、意味合いが異なるであろうと感じました。ですので、もう少し丁寧に小中をつないでいくためには、そこを丁寧に書き込んだり、考えたりすることが大事だなと思いました。
 今の2点にとどまらない、いろいろな観点を議論できたかと思います。また引き続き、意見交換を活発にできればいいかと思いますのでよろしくお願いします。
 それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。
 最後に次回以降の予定について、事務局よりお願いします。
【田井外国語教育推進室長】  次回は12月16日、火曜日、9時半から12時を予定しております。正式には後日、御連絡させていただきます。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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