教育課程部会 外国語ワーキンググループ(第2回) 議事録

1.日時

令和7年10月30日(木曜日)18時00分~20時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義」・「英語運用能力に関する社会全体の課題と学校教育における対応の方向性」について
  2. その他

4.議事録

【酒井主査】  皆様、こんばんは。定刻となりましたので、ただいまから第2回外国語ワーキンググループを開催いたします。
 本日は、「『AI時代に外国語を学ぶ本質的意義』・『英語運用能力に関する社会全体の課題と学校教育における対応の方向性』について」を主な議題として審議を行います。
 今回、この本質的意義について検討を行うに当たり、経済界の視点からお考えを伺うため、一般社団法人日本経済団体連合会様からの紹介で、富士通株式会社様に御発表いただきます。本日は御参加いただき、ありがとうございます。
 それでは、議題1に移ります。まず、本議題に関する論点資料について、事務局より説明をお願いしたいと思います。続けて富士通株式会社の阿萬野様より御発表いただき、そのまま富士通株式会社様への質疑応答の時間を設けたいと思います。その後、意見交換の時間に移りますが、議題のテーマが2つございますので、前半と後半に区切って行いたいと思います。
 本日も皆様全員に御発言をいただきたいと思いますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【田井外国語教育推進室長】  外国語教育推進室長の田井でございます。資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回は、「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義」・「英語運用能力に関する社会全体の課題と学校教育における対応の方向性」について、御議論をお願いしたいと思います。
 議論に先立ちまして、前回の御意見を踏まえ、検討事項を整理いたしましたので、御説明いたします。
 まず、外国語を学ぶ意義について、諮問文にもあります、学ぶ意義の再定義と、それを踏まえた外国語の「見方・考え方」の見直しを挙げております。
 次に、目標・内容の一層の構造化について、企画特別部会で示された方向性を踏まえた目標の示し方、内容の構造化を挙げております。
 次に、発信力強化について、意欲の面と英語の運用能力の面に分けて整理し、意欲の面では、英語を学ぶ動機づけや目標設定の在り方、動機づけを強化するための話題・活動の在り方を上げ、運用能力の面では、指導内容の段階的な示し方、活動を通した知識・技能の指導の在り方、科学的知見を踏まえ、学習プロセスを意識した指導の在り方、高等学校の科目の在り方、また、諮問文でも言及されておりますAIを含むデジタル学習基盤の活用の在り方を挙げています。
 次に、児童生徒の英語力の把握・評価の在り方、柔軟な教育課程の在り方、指導体制・環境整備等として、AI時代の教師等の役割の再定義、教員の資質向上のための方策とALT等との連携の在り方、外国語を使う機会の充実の在り方を挙げております。
 次に、英語の運用能力に関する社会全体の課題と、学校教育において取り得る対応の方向性、英語以外の外国語の推進方策を挙げております。
 これらのうち、今回は、今後の議論に当たり意識すべき、下線を付している事項について御議論をいただきたいと考えております。
 まず、「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義」についてでございます。現状と課題をまとめております。英語が好き、将来使いたいと考える児童生徒の割合が減少し、家庭学習の時間も減少傾向にあるとともに、手軽に高精度の翻訳が可能になる中、外国語を学ぶ意義が、動機がさらに弱まることが懸念されております。
 一方で、グローバルな視点を有し、価値創造に関わることができる若者を増やしていく観点などから、外国語を学ぶ重要性は高まっているとともに、内なる国際化が進む中、多文化共生・共創社会のつくり手を育てていく観点から、外国語教育が果たすべき役割を検討する必要があると考えます。
 AI活用が当たり前となる社会を前提としつつ、社会変化も踏まえ、外国語を学ぶ本質的意義を再定義することが不可欠だと考えます。
 右側に方向性と論点をまとめております。学ぶ意義の全体像を再整理しつつ、企画特別部会において示された方向性を踏まえ、外国語の「見方・考え方」に盛り込むべき要素を整理してはどうかと考えます。
 その際の観点として、AI時代に人間同士のコミュニケーションの価値が増すことを踏まえ、人間ならではの強みを伸長する観点から外国語教育が果たす役割、言葉、文化、コミュニケーションへの深い理解や多様な他者と協働できる資質・能力を育成する必要性、AIを活用したコミュニケーションを行うためにも一定の英語能力を育成する必要性などを挙げております。
 加えて、子供たち自身が学ぶ意義を見いだし、自律的に学び続けられるような指導内容の充実、教師等が学ぶ意義を自分の言葉で子供たちに伝えられるようにすることも必要ではないかと考えております。
 次に、これらの観点を踏まえ、外国語を学ぶ本質的意義を多様な他者と協働できる資質・能力の観点から2つの要素に整理いたしました。
 1つ目は、言葉、文化、コミュニケーションへの深い理解が育まれることです。具体的には、異なる言語・社会・文化への理解が促されること、母語や自国の文化のメタ認知が促されること、これらによりコミュニケーションへの深い理解が促されることが挙げられます。
 2つ目は、自分の考えが磨かれ、人間関係や思考の幅が広がることです。具体的には、外国語を介して、自分の考え・意見の形成・整理が促進されること、得られる情報・人脈が格段に広がり、理解・思考が深まることが挙げられます。
 なお、手軽に翻訳が可能となる中であっても、AIの出力の正確性などを判断、使いこなすには相応の英語力が必要であると考えております。
 また、企画特別部会では、学びの本質的意義がよりよい社会、幸福な人生に向かうものであると整理されていることを踏まえ、外国語を学ぶ本質的意義が達成されることにより、下に掲げているような、よりよい社会、よりよい人生につながっていくものと整理をしております。
 本日は、このような捉え方に対する御意見や、新たに加えるべき要素等について御意見いただけますと幸いでございます。
 このような整理を踏まえ、外国語の「見方・考え方」についても整理をしていきたいと考えております。「見方・考え方」は、教科の特質に応じ、どのような視点で物事を捉え、どのような考え方で思考していくのかという物事を捉える視点や考え方のことです。前回改訂において学習指導要領に位置づけられております。
 こちらは企画特別部会の論点整理の抜粋です。現在の「見方・考え方」は、各教科の学びの深まりと各教科を学ぶ本質的意義の中核という2つの側面があります。次期改訂では、各教科の学びの深まりは内容の増加の中で整理し、「見方・考え方」は各教科を学ぶ本質的意義に焦点化していくという方向性が示されております。
 「見方・考え方」は、各教科を学ぶことで、世の中を見る視点や考え方がどのように豊かになるのかを示すものであり、徐々に児童生徒の中で明確となり、灯台のように資質・能力の育成を導くものとされております。
 こちらは、総則・評価部会でまとめられた改善の方向性です。左上は国語の例でございますが、現行の学習指導要領では、各教科の目標の柱書きに「見方・考え方」を働かせることが規定され、具体的な内容は解説に記載されております。先ほど御説明しました論点整理を踏まえ、「見方・考え方」を各教科等を学ぶ本質的な意義の中核に焦点化した上で、その具体を、解説ではなく、学習指導要領本体に位置づけることとし、「見方・考え方」の意義について、資質・能力の育成を導くという観点だけでなく、よりよい社会や幸福な人生につなげるものと位置づけ、高校卒業後の人生を通して豊かに働くことが視野に入れられています。
 右上にございますように、次期学習指導要領においては、各教科の目標の直下に規定することがイメージされており、含める要素として、教科が扱う事象や対象、教科固有の物事を捉える視点、教科固有の考え方や判断の仕方を基本に教科の特質に応じて検討することとされております。
 なお、教師が指導する際、教科の本質を外していないかを確かめられるようになっているかという視点が重要であるとともに、留意事項として端的に示すことや、経験の浅い教師が読んでも理解可能な記述となっているか、また、児童生徒が最終的に意識できるかという点が挙げられております。
 これらを踏まえ、外国語の新たな「見方・考え方」のイメージのたたき台をお示ししております。左が現状の「見方・考え方」、真ん中が先ほど整理した学びの本質的意義、これを踏まえた新しい「見方・考え方」のイメージが右側でございます。
 まず、言葉、文化、コミュニケーションの深い理解を育むという要素を踏まえ、当該教科で扱う事象や対象を外国語という言語そのものと外国語を用いたコミュニケーションとしております。現行では外国語とその背景にある文化が対象となっておりましたが、文化は捉える対象そのものではなく、視点の1つとして位置づけております。
 このことにより、異なる文化を理解するだけでなく、文化と言語やコミュニケーションのつながりを考えるとともに、文化の違いに配慮しながらコミュニケーションするという視点がより明確になるのではないかと思います。
 また、現行指導要領には外国語によるコミュニケーションにおける「見方・考え方」として位置づけられていますが、次期指導要領では、外国語の「見方・考え方」となることに伴い、捉える対象に外国語によるコミュニケーションを加えております。
 続いて、教科固有の物事を捉える視点としては、社会、文化の違い、相手との関係性に着目することとしております。社会、文化の違いに着目して、外国語や外国語によるコミュニケーションを捉えるとは、言語や、それを用いたコミュニケーションの在り方は、それらが育まれた社会や文化の影響を色濃く受けているという視点を持ちつつ、コミュニケーションを行う際には、社会や文化の違いを理解し、尊重、配慮する視点を持つことを示しております。また、母語や自国の文化をメタ認知するという観点も含んでおります。
 現行では世界との関わりも視点の1つに位置づけられておりましたが、社会、文化で言い表すこともできると考え、端的に表現する観点から記載を省略しております。
 また、相手との関係性に着目して、外国語や外国語によるコミュニケーションを捉えるとは、コミュニケーションの目的等に応じ、相手を尊重、配慮しながら言語使用する視点を示しております。現行では他者との関わりとしていたところ、経験の浅い教師が読んでも理解可能な記述とするという趣旨で相手との関係性としております。
 次に、真ん中の学ぶ意義の要素のうち、下の自分の考えが磨かれ、人間関係や思考の幅が広がるは、主に右側の教科固有の考え方や判断の仕方の部分に整理をし、多様な他者と対話し、相互理解を図るため、主体的に自分の意見等を形成し、表現等を工夫して発信することとしております。
 現行の考えの形成、再構築という要素に加え、外国語を学ぶ本質的意義の部分を強調し、目的として、多様な他者との相互理解を図ることを位置づけ、そのために主体的に意見等を形成すること、表現を工夫して発信することを加えております。
 なお、多様な他者との相互理解を深めるためには、現行の考え方に示されているコミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じて発信することが必要であり、その趣旨は引き続き含まれていると捉えております。
 これらをつなげますと、外国語及び外国語によるコミュニケーションを社会、文化の違いや相手との関係性に着目して捉え、多様な他者と対話し相互理解を図るため、主体的に自分の意見等を形成し、表現等を工夫して発信することとなります。
 こちらは議論のためのたたき台ですので、本日は含めるべき要素について、また具体的な文言について、御意見をいただければと思います。
 続けて2つ目の議題についても御説明させていただきます。前回の冒頭挨拶においても触れましたが、我が国の英語力に関する課題は、学校教育に起因するものとそれにとどまらないものがあると考えております。一方で、それらが全て学校教育に起因するように扱われることもあり、社会の認識と学校でできることの間にギャップが生じている面もあるのではないかと考えております。
 議論の解像度を上げるためにも、学校教育にとどまらない要因についても整理した上で、学校教育として何ができるのかを検討する必要があると考えております。
 本資料の左側は主に学校の教育内容以外の要因を挙げており、それを踏まえた対応の方向性を右側に挙げております。
 まず、必要な学習時間は、個々人がどの水準を目指すのかで異なること、学校における授業時間には限りがあるという点が挙げられます。
 また、高校卒業後の伸びが少なく、具体的な目標設定や学習方略がないことも挙げられます。
 これらを踏まえた対応の方向性として、右側の1つ目、児童生徒が身につけたい英語力についての自己イメージを持つことを促してはどうかという点を挙げさせていただいております。
 また、自律的学習者を育てる方向で、授業デザイン・指導方法の改善を図ってはどうかという点。具体的には、AIを活用した練習量の増加や教材作成、家庭学習との連携、継続学習を可能とする学習方略を意識することなどが考えられます。
 次に、左側の3つ目、英語を頻繁に使う環境が少ないという点が挙げられます。この点については、右側3つ目、英語を学ぶ動機づけを高める機会を授業内外で充実することが考えられます。これらは既に自治体や学校の努力で様々取り組まれているものと思いますので、その成果を共有することが重要であるとともに、費用を伴うものでありますので、自治体の状況等に応じて実施を推進すべきものと考えております。
 また、左側の4つ目、英語が話せない原因は、英語で伝える内容が十分整理されていないという点。具体的には、自分の意見が言語化されていない、自分の考えを伝えるのが苦手であるということなどが考えられます。
 この点については、右側4つ目のように、英語で伝えたい内容を個々の児童生徒が育む活動を充実することが考えられ、例えば、授業で取り扱う話題として、自分が伝えたいことや生まれ育った国や地域など自分に引きつけた話題を充実させること。また、AIを活用してそれらを伝え合う取組を強化することなどが考えられます。
 最後に、左側の5つ目は、ほかとは少し異なる観点です。学習指導要領がコミュニケーション重視となり、現場の意識や授業の改善が進み、大学入試も変わってきておりますが、一般的な社会の認識は古い英語教育のイメージのままであるという点もギャップが生じる一因ではないかと考えております。
 この点については、学習指導要領の趣旨を踏まえて、さらに授業改善を推進していくこと等で対応していくべきと考えます。
 これらについては、この場で具体的な対応策を御検討いただくというより、今後、個別の論点を検討していく中で参照すべき視点であると考えております。このような切り口から加えるべき視点等がございましたら、御意見を伺えますと幸いでございます。
 最後に、参考資料・データについて、今回追加したものを中心に御説明いたします。
 まず、外国語を学ぶ意義の関係で、児童生徒の英語に対する意識に関するデータをつけております。スライド11から14は、前回もお示ししたものになります。
 こちらは今回追加したものになります。中学生への調査において、英語学習に対して目的意識を持っている生徒ほど通過率の平均が高いという結果が出ております。
 次に、高校生においても、分析のやり方が少し異なりますが、同趣旨の結果が出ております。
 続いて、学習時間に関するデータでございます。児童生徒の学習時間が減少傾向にあるという調査結果でございます。また、学校外での勉強時間が短いほど、平均スコアが低いという結果が出ております。
 スライドの19から26は、社会変化に関する資料でございます。形式を変更しているものもございますが、前回お示ししたものと同様でございます。
 スライド27以降は、英語の学習時間に関する資料でございます。CEFRレベルを1つ上げるにはおよそ200時間の学習時間が必要であるとされております。
 また、アメリカの政府職員が職務上必要な外国語の習得に要する時間を示した資料でございます。日本語は最も習得に時間を要する言語の1つとして2,200時間が必要とされており、言語間の距離が大きいことがうかがえます。
 次に、ESL環境で学習言語能力を身につけるには5年以上かかると言われておりますが、子供がESL環境に身を置いた場合に英語に触れる時間を1日6時間と仮定すると、5年間で1万950時間が必要となります。
 また、年齢や習得しようとする言語が異なるため、比較することはできませんが、先ほどの2,200時間も参考でお示しをしております。
 これらの数字を単純比較することはできませんけれども、外国語の習得のためには、授業外での学習や卒業後の継続学習を促す動機づけが重要であるということが言えるのではないかと思います。
 続いて、高校卒業後の学習状況に関連するデータでございます。6割以上の学生が外国語の学習成果を実感できていないという調査結果が出ております。また、学生の自己評価では、大学1年次の英語力が一番高くなっているという結果がございます。
 また、前回会議で酒井主査からも言及いただきました調査結果でございますが、6割の高校生が英語力を高める学習方法が分からないと回答しております。
 スライド33以降は、大学入試も変わってきていることを示す資料でございます。大学入学共通テストでは、現行指導要領の方向性を踏まえ、知識を単独で問う問題は作成しないこととしており、CEFRレベルや実際のコミュニケーションを想定した目的、場面、状況の設定を重視し、可能な限り総合的な英語力を評価しようとしております。
 スライドの34から37に実際の問題例をお示ししております。
 スライド38から40は前回もお示ししたものでございます。
 最後に、スライド41以降に教育振興基本計画における関連の記述をお示ししているところでございます。
 長くなりましたが、資料の御説明は以上になります。どうぞよろしくお願いいたします。
【酒井主査】  ありがとうございました。事務局からの説明に御質問や御意見がございましたら、この後取ります意見交換の際に御発言いただければと思います。
 続きまして、富士通株式会社の阿萬野様より御発表をお願いしたいと思います。
 阿萬野様、どうぞよろしくお願いします。
【富士通株式会社(阿萬野)】  皆様、こんばんは。はじめまして、富士通の阿萬野でございます。本日、よろしくお願いいたします。
 甚だ僭越ではございますけれども、企業の立場から、本日のテーマであります、学ぶ本質的な意義、我々、学ぶだけではなくて、それを実践で使っていかないといけないと。それが我が社のやりたいこと、向かうべき目的、目標に向かっては不可欠であるということの背景でありますとか、なぜそれが必要なのかということも含めまして、あるいは、実態として今どういうことを会社で取り組んでいるのかということについて共有をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、すいません、簡単な自己紹介でございますけれども、私、92年に会社に入りまして、最近では珍しい純粋培養富士通人間でございまして、海外の経験は実は40歳になって初めて海外に駐在しまして、そこから英語を勉強したという、そういう人間でございまして、今は日本を中心とした人事部門の責任者をやっております。毎週三、四時間ぐらいは海外の我々の仲間とリモートでオンラインで会議をすると、そういったようなことをやっています。
 会社の簡単な御紹介でございますが、当社、今年で90年を迎えますが、もともと通信機器の製造・販売というところからスタートしまして、コンピューター、半導体のビジネス、それから、最近ではサービス、ITサービスということを手がけておりまして、各企業様、団体様、政府、自治体の皆様に御提供しているということでありまして、これが徐々に徐々にグローバル化をしていっておりまして、目下のところ、右上のところ、11万人の従業員を抱えておりまして、仕事をしているということであります。
 このうち、売上げ規模で分解をしますと、ドーナツグラフでいいますと、日本の売上げが6割を超えておりまして、残りが海外向けのビジネスということになっております。こういった背景から、日本にいても、海外の仲間と仕事をするというのが当たり前のような状態になってきているということを申し添えたいと思います。
 そして、我々、11万人の地域別にどれだけの従業員がいるかということでございます。40%が海外におられまして、日本とコラボレーションしながら仕事をしているという状況にありますということであります。
 この下のほうにAsia Pacificとありますけれども、1万9,000人のうち、1万2,000人はインドの仲間でございまして、我々、システム開発をする上で、オフショア拠点として大きな拠点を世界中に抱えているということであります。
 その例が、ここにありますけれども、日本から、日本のお客様のシステム開発、ソリューションの提供ということをやるために、ブルーでハイライトしている4つの国に開発拠点を持っています。もちろんヨーロッパ、あるいはコスタリカにもあるんですけれども、ここに約2万人の仲間がいまして、日本とこういったブルーの国々で、日本語でやりますし、英語でもやりますということで仕事をしているというのが実情でございます。
 また、研究開発の体制は、まさに地球儀レベルということでありまして、研究テーマに応じて、日本にある研究所からインド、ヨーロッパ、中国、アメリカという、こういったことを股にかけて、協働体制で、日々、海外の人と英語ベースで仕事をしていると、こういったような状況でありまして、もはやどこまで逃げたくても逃げられない状態にあるというのが現実のところでございます。
 我々、企業のなりわいとしまして、ここに掲げているパーパスというものを私たちの全ての事業活動にということでありまして、世界をより持続可能にしていくということをテクノロジーでもって実現していくということを掲げています。
 最近では、社会課題の解決ということで、それをイシューと、社会課題というものに捉えて、これまではどちらかというと各お客様の個社単位でシステム開発・導入というものをしてまいりましたけれども、もう少しクロスインダストリーで、1つの会社で全てを解決するのは無理だという大前提の下、クロスインダストリーかつグローバルに、こういったコンセプト、事業モデルでいろんな仕事をやっているということであります。
 例えばConsumer Experienceというのは、流通業だけではありませんと。サプライチェーン、工場、そういったものも含めて、しかも海外からの調達とか、こういったことをやるに当たり、言語の問題というのはまさに大事ということになりますというのが例えばの例でございます。
 こういった世界における社会課題を協働体制で解決していくために、今日本で一番求められているのは何かということであります。それで、皆様、御案内のとおり、御存じいただいている方もいるかと思いますが、人事の仕組み、システムを大きく変えるというのを5年前から弊社ではやっております。なぜやったのかというのが左下に書いているところでございまして、先ほど申し上げたパーパスの実現に向けて、ここにある丸の3つで書いてあるようなことを実現する。これをグローバルに富士通グループ11万人のレベル感でやっていくというときに一番大事なのが、右側に書いている、ちょっと大きな字で書いていますけれども、会社が何か用意をする、準備をするのではなく、自分で自分ごととして物事を捉えて、考えて、行動するというのをベースラインとしまして、社会課題に向き合っていくということをやるために人事のシステム、仕組みを変えたということでございます。
 これが上意下達とか、コマンド&コントロールというやり方で仕事をするよりは、社員と会社を横に並べて、社員は一人一人が自律、我々、オーナーシップという言い方をしておりますけれども、一人一人が自分のことをオーナーシップと取り、新たな価値を起こす行動を行うと。会社は一人一人の社員を信頼し、活躍の場、成長の場を提供する。お互いの関係で社員と会社が共に成長するということを大きなコンセプトとして掲げているということであります。
 こういったことから、学び方も変えましょうと。これは語学のみならず、全ての学びについて、自分が必要だと思うことを自分で取りに行くというようなことを仕組みとしてもやっているということであります。
 「Fujitsu Learning Experience」ということで、かつての日本企業は、どこの会社の皆様もそうですが、何年目には何々を学ぶ、何年目には何々を学ぶということで、階層別教育ということをやっておりましたけれども、事業というのはどんどん移り変わっていきますし、求められるスキルもどんどん変わっていくと。皆さん、社員一人一人が持っている能力あるいはポテンシャルも全然違うといったときに、自分が何にチャレンジしたいか、どこで貢献したいかということで、プラットフォームを用意していて、足りないものを自分で学びに行くと、そしてポジションとか仕事をつかむというようなことをやっています。もちろんこの中に語学の要素も入ってくるということであります。
 語学に関して申し上げますと、ここに赤帯で書いているとおりでございまして、専門性とか変革の実行をやっていく、その前提に、先ほど御提案の中にもありましたけれども、コミュニケーションというものが大きなキーワードかなと思っております。これはどの時代であっても、これがなくして実働できないというのが我々の考え方でございます。
 左側に書いております、かつては、ベーススキルとしてTOEICスコアを全員で上げましょうというようなことをやってきました。30年前には全社一斉TOEICテストなんていって、6万人が受けるとか、そういったことなんかもやってきたんですけど、そこから30年たつと、もはや、先ほど申し上げた、ビジネスそのものが、業務そのものがグローバル化しているので、社会やビジネス、組織のグローバル化、こういった中で、それを言語を超えてインクルーシブな環境という中で実践をしていくことが大事だという、そういう考え方に立ちまして、学び方も変えてきました。
 これはまさに実践で通用するということで、語学のプログラムをつくり直しているというのが現状でございます。まずは自分の力を知るということから入る。これは読み書きというよりは、聞く、話すということのまずアセスメントをやり、自分の足りないトレーニングを受けるというのが下段にあります。
 ここは、英会話のオンラインのツールを使う、あるいはアプリを使って、まさに外国人のネーティブスピーカーと日々、自分で学びたいときに学べるというような環境をつくると。さらにはそれがあくまで英会話のレベルなんですけれども、今度はビジネスで使えるように、左側にあります実践型プログラムということで、今、まさにロールプレーを外国籍の方、先生と共に、まさにミーティングをするとか、発表するとか、論じるというようなことをやってレベルアップを図っていくと。こういう取組を我が社ではやっているということであります。
 それはあくまでプログラムでありまして、先ほどから申し上げているとおり、実践というのが大事だということであります。まずは左側にありますけども、冒頭申し上げた開発センター、世界7か国用意しておりますけれども、そこの方々に逆に日本に来ていただくと。日本の仕事の仕方を学ぶ、日本人との仕事の仕方を学ぶというのをやるし、日本人は英語で海外から来た人たちとコラボするという訓練を実践としてやるというプログラムを設けたというのが左側です。
 これ実は我々、私、人事の担当なので、人事部門も、インドの仲間に仕事を渡して、人事の業務の仕事、一緒にやるということをどんどん推奨しております。
 そういった中で、インドのプネのところから定期的に複数人のインド人の方に来ていただいて、彼らは実は日本語をすごく勉強されているんですね。日本人の心をつかみに来るわけです。これは逆に我々としては、さすがにヒンズー語は難しいので、英語でコミュニケーションして、彼らの文化、あるいは彼らの考えている背景なんかを聞き出すようなトレーニングを継続してやっているということでありまして、まさに学んだ後の実践を大事にしているということでございます。
 こういったことを長年続けてきているわけですけれども、我々、グローバルビジネスをやって久しいんですが、それこそ30年ぐらい前から本格的に実施をしてきているわけですけども、当初は、英語ができる人が海外と仕事をするという、選ばれし人がとか、特定の人がブリッジパーソンとしてやると。ほかの人たちは、日本が主戦場だったので、橋渡しだけしてもらえればいいやという考え方でありました。
 そこからだんだんだんだんとビジネスそのものをグローバルにやっていくというのが、我々の冒頭申し上げた社会課題を世界中で解決していきたいという、そういうことから当たり前のビジネスのレポートラインも変わったし、組織の体制も変わってきましたということであります。
 実はこれが本気でやれるなという実感が出たのは、くしくもコロナの場面でした。それまでもオンラインで、出張ベースでやるわけにもいかないので、オンラインで仕事はしていたんですけど、あそこで劇的に全てがオンラインで実現できるという実感値が出たということでありました。
 そのときにやはり課題になったのが、言語、語学で相手をどれだけ分かれるかと。私のこと、自分のことをどれだけ知ってもらうかということが課題として上がってきたということでありまして、そういったことから、先ほど、ここ2ページに出しているようなプログラムを実践知として積み上げてきているということであります。
 この後、学ぶ意義ということで、今日、ちょっと偉そうに用意はしてきたんですけれども、やはりAI時代に、我々ももちろんそれをなりわいにしておりますので、いろんなツールの御提供なんかはしているんですけれども、ある一定程度は伝えることは可能ですねと。私たち、毎日メールを出したり、チャットを出したりとかってやっていますけども、ある程度伝えたいことは字で伝えることはできるんですけれども、そのコンテキスト、日本人、一番難しいのは、ハイコンテキストの文化でございますので、コンテキストあるいは文脈、ニュアンスというものをどうやってうまく伝えるか。逆に相手が言っていることのニュアンスをどう捉えるかというのは、フェース・トゥ・フェースのみならず、オンラインであっても、言語で話すことで、その言葉遣い、単語一つの使い方でニュアンスは変わってくるんだと思います。
 こういったことが、AI時代でも、外国語を自分でしゃべる、聞くということの必要性なのではないかなということであります。
 もちろんAIは、スピード感があったり、利便性という意味では、すごく我々、享受はできるんですけれども、限界があると感じております。それは先ほど御提案いただいたような、まず、信頼関係というものが大事、共感を生むということが次のアクションにつながると考えておりまして、そういったことが大事なのではないかと。
 それから、英語、英語というか、語学だけではないかなと思っていまして、語学を通じて多様な経験を積むことができるということ、相互理解を含めて、そして新たなイノベーティブな発想が生まれると、こういったことにつながっていくのではないかと思います。
 一番最後に書いてございますのは、なるべく早いほうがいいよねと。私なんか40歳と言いましたけれども、冒頭、もっと早くやっとけばいいなというのは常に後悔をしておりますけれども、やっぱり学ぶチャンスというか、触れるチャンスというものがすごく大事かなあと思いました。
 私もシンガポールに駐在したときに子供が2人いたんですけど、小学生と中学生でした。外国人と触れ合ったことも1ミリもありませんでしたというところから放り込まれるわけですね、突然。そうすると、最初は、本当に二歩、三歩下がっていたのが、2日もたてば、まず、恐ろしくなくなるというとこからのスタート。異なる人と交わることの楽しさみたいなものがすごく実感をしたと、彼らは今でも言うんですけれども、そういった早く目に触れる、五感ですね、五感として触れられるということの機会をつくるというのがすごく早いのかなと。やはりキュリオシティ、好奇心がなければ先に進めないんだろうなと。自律的に学べと言ったって、大人でも無理なので、初等、中等はもっと無理かもしれません。それを一助とするのが、触れるという機会をつくるということがすごく大事かなと思いまして、最後、そういったことを我々としては考えたということを共有したいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
【酒井主査】  阿萬野様、ありがとうございました。
 それでは、阿萬野様への質疑応答の時間を取りたいと思います。ただいまの御発表に関して、御質問のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 私から御質問させていただいてもよろしいでしょうか。途中で語学を含めた優れたコミュニケーションを行う力が大事というお話があったかと思います。一番最後のところで、AIではたどり着けない領域ということで、人間の感情、それから文化理解、そして共感を求めながら信頼につなげていく力という話もされていましたけども、語学を含めた優れたコミュニケーションをする資質・能力について、具体的に、あるいは違った側面等があれば、阿萬野様、どのようにお考えになっているのかをもう少し伺わせていただきたいなと思いました。お願いできますでしょうか。
【富士通株式会社(阿萬野)】  ありがとうございます。ちょっと私、言い過ぎたなと思ったのが、優れたという言い方を、少し形容詞をつけてしまったかもしれませんが、どれだけやってもネーティブスピーカーになるのはなかなかな苦労があると思います、語学だけについて言いますと。我々、実感値として、海外の人たちは、我々、日本、本社に置く会社でございますので、ヘッドクオーターのことを物すごく知りたい。日本人の考え方をもっと知りたい。それが自分たちの次のキャリア、オポチュニティ、すごく大きな影響を及ぼすと分かっておられるわけですね。だけれども、ずっと逃げられてしまいますとか、こういうのが続いていて、本当に、私もそうですが、中学生の学んだ英語を駆使しながら、それを繰り返してしゃべるとか、少し辞書を調べながらでも、たどたどしくて会話したとしても、彼らとは相当ないわゆる心の近さというのが随分変わってくるんだと思います。
 そこを大事にしたほうがいいなと思っていまして、物すごく期待をしてくれているんですね。これがオンラインの世界になったので、より近づいたという期待がありまして、ここに背を向けてはいけないなというふうな感じが、我々社会人の集まりですらそう思うわけです。
 そこで1回、2回しゃべると、本当に次からの仕事の仕方とかコミュニケーションの取り方が大きく変わってきます。これがまさに実践力であり、上手な英語というよりは、自分の気持ちなり、たどたどしいけれども、伝えようとする姿勢みたいなものからにじみ出てくるものが、人間対人間ですので、あると思います。これが物すごく早いのではないかと。スピーキングとかリスニングとかを学ぶのはもちろん必要なんですけれども、それと併せて、同時に実践というのでレベルアップしていくということが大事かなと思いました。
【酒井主査】  ありがとうございます。大変よく分かりました。また社会の中でも、まずはしっかり自分の発信力を高めていく。ただし、それが、いわゆる優れた英語で、ネーティブスピーカーのような英語でというところではないというところで、実感、それから経験を含めてお話しいただいて、大変よく分かりました。ありがとうございます。
 今、挙手、挙がっていますので、それでは、御質問お願いします。
 亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  よろしくお願いします。事実関係で分かる範囲でお答えいただけるとありがたいんですが、4割の海外駐在の方は何らかの形で外国語を用いてコミュニケーションするというのは通常かと思うんですけど、6割の国内の6万7,000人のうちどのくらいの方が日常的に外国語を使用されるのかということと、6万7,000人のダイバーシティーのありよう、母語のダイバーシティーがどのような状況になるかというのがもし分かれば。
 もう一つお伺いしたいのは、6万7,000人の国内にいる富士通グループの社員の方が日常的に外国語を使うという場合に、話し言葉での、今日のお話だと話し言葉でオンラインで直接やり取りをするということが多いという印象だったんですが、書き言葉でのチャットとか、メールとか、外国語を使う使い方について、阿萬野さんが思う傾向というか、今の状況というのがあれば教えていただけるとありがたいと思いました。
【富士通株式会社(阿萬野)】  御質問ありがとうございます。まず、残念ながら、データが実はありませんということでございます。我々のグローバルな組織になっていっていますねというお話冒頭申し上げたんですけど、我々、コーポレートのようなものであるとか、グローバルに共通にサービスを出すようなところは、まさにグローバル組織ということで、私の上司はイギリス人ですというのがまあまあいるんですけれども、いわゆる日本の国のお客様を相手している産業、流通、自治体、公共のお客様に向き合うというような営業とかシステムエンジニアというのは思い切り日本語だと思います。基本は日本語です。だから、そんなに触れるチャンスが我々ほどないということかなと思っています。
 なんですけれども、これを今グローバル化していこうとしています。例えば産業のお客様、製造業のお客様向けにはグローバルに製造のお客様を相手していくぞというふうな枠組みに変えていこうとしているので、今からでもいいから、英語の読み書きからまずスタートしてくださいと。私たちの会社のウェブサイトは日本語版と英語版全部必ず同時にあるようにしておりまして、海外で何が起きているかも分かるような状態にはなっているんですけれども、実態として見に行っているのかと言われると、いや、見に行っていませんと、今必要ないんだもんというのが現実です、これは。
 でも、いつ何どき、あなた、私がグローバルに仕事をしなければならないのかということは、全員ではもちろんありませんけれども、我々グローバルに仕事をしていくというのをなりわいにするのであるので、啓発活動はずっとやっていますし、事務所も毎日、どこかのオフィスには必ず外国人が海外から出張に来られたり、お客様もそうだったりというのは随分と変わってきたんだと思うんです。そういうところから徐々に徐々に広がっていかなければならないというマインドを持っている人は増えたと思います。
 すいません、数字がなくて恐縮ですけれども。日本人の6万7,000分で言うと、どうでしょう、3分の1が英語に触れて毎日仕事をする。それぐらい行っているでしょうかね、多くて。というのが、現状はそうだと思います。
【亘理委員】  ありがとうございます。
【富士通株式会社(阿萬野)】  すいません。答えになっていますでしょうか。
【酒井主査】  ありがとうございます。それでは、続きまして、髙島委員、お願いします。
【髙島委員】  こんばんは。よろしくお願いします。髙島です。もしかすると、プレゼンの中でお話しされていたのかもしれないんですが、改めて伺えたらと思います。
 今回の指導要領は2030年代の英語教育を考えていると。ということで、働き始める年代を考えると多分2040年代かなと思うんですね。つまり、20年後に働くような人たちの学習指導要領を考えていると。
 となったときに、恐らく技術レベルの革新って相当進むと思うんです。先ほどのお話の中でコロナ禍でオンラインでの仕事が進んだみたいな話があって、オンライン通話、チャット、様々やっているという話がありました。と考えると、恐らく、一度パソコンとかを介するコミュニケーションの場合って、ほぼ全部リアルタイムで翻訳される可能性ってあると思うんですね。あとは、今みたいな今日のZoomの話合い、多分私が英語でしゃべって、ほかの方が中国語でしゃべってというのも、何のラグもなくコミュニケーション取れる時代になるんじゃないかと。
 あと、リアルタイムでインパーソンで会ったときどうかという話ですけども、多分対面でも、「ほんやくコンニャク」じゃないですけど、1人1台例えばスマートデバイスみたいなのつけますみたいな時代って来てもおかしくないと思うんですね。
 となった場合を想定して、難しいんですが、それでもなお外国語を学ぶ価値って何だと思いますか。仕事上の必要なコミュニケーション、業務上必要なコミュニケーション、業務上必要な情報伝達ってほぼリアルタイムで翻訳、通訳できてしまうと思うんですが、それでもなお外国語を学ぶって結局何のためなんだろう。何かお考えがあれば、教えていただければと思います。
【富士通株式会社(阿萬野)】  難しいですね。難しいですねというのは、中でも少しお話ししたんですけど、伝える、言語として言いたいことを文字にして、何々を伝えますということは全然できると思います。おっしゃるとおり、今でもできますので。それがどんどんレベルが上がっていくので、もっと正確に翻訳ができるようにはなっていくんですけど、人の感情までは絶対に分からないと思うんです、そのときの。
 どういう気持ちでその人がしゃべったかというのは、対面がもちろんいいです。対面じゃなくてもいいと思います。文化が理解できますか、その人の背景が分かりますかということを、メールで聞けますでしょうかという話です。なぜあなたはその考えをしたんだという、その背景を知るという、このコミュニケーションですね。なかなかそこの感情論みたいなものとか、ニュアンスという言い方がいいのか分かりませんが、というところは、僕は限界があるんじゃないかなあと。本当に分かり合って、次の、じゃあ、あそこに次一緒に行こうねという合意形成を図るというときに、分かり合ってないけれども、取りあえず会社の方針だから行くねということではなくて、やっぱりアニマルなので、我々、アニマルなので、そこをうまく使う。感情も含めて、心も含めて一緒に行きましょうねということが言えるという、ここの信頼感プラス共感というのがいつの時代も必要なんじゃないかなと思うんですね。
 そのときに、そもそも言っていることが分かるのかというのは大前提なので、英語は分からないといけませんというふうに私は思います。
【髙島委員】  ありがとうございます。つまり、介する前の直接のやり取りができるということに価値があるということですね。ありがとうございます。
【富士通株式会社(阿萬野)】  と思いますね。
【酒井主査】  ありがとうございます。続いて、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】  よろしくお願いいたします。非常に示唆に富む御発表ありがとうございました。
 先ほどのお話の中で、海外赴任が決まった際に40歳から英語を学び直したとおっしゃっていたんですけれども、成人の学習者として学び直しをされ始めた当時を振り返っていただいたときに、例えば英語学習においてこんな支援があったらよかったなあと感じられることとかはありますでしょうか。もしありましたら教えていただけますと幸いです。
【富士通株式会社(阿萬野)】  そうですね。私のときにももうあったとは思うんですけれども、業務をしながら英語の学習をするという、しかも駐在前に突然みたいな感じになっているので、私、今も毎日やっているんですけれども、普通にオンライン英会話が安価な料金で提供されていたりします。それはAIが相手ではまだないんですけれども、リアルなフィリピンの方、アメリカの人、ロシアの人とか、たくさんの講師がずらっと並んでいて、毎日違う講師でやるとかですね。そうすると、何でそんなこと言うんですかと、日常会話も含めて、テキストなんかもあるんですけど、こういういろいろな母語を持っておられる人たちと交わるという、そういうチャンスというんですかね、それが目の前にもう用意されているという、この環境ですね。
 今もあるんですけれども、まあまあお金もかかりますし、学生になると、そんなお金どこから出るんですかとなりますねと。留学はしたくないですよねという学生が多いのは、3番目か4番目に、やっぱり御負担をかけたくない、御両親とかに、お金の問題がありますよねとかというのがあるんですけど、そういうオポチュニティみたいなものがもっとあると社会人も学生もよかったかなと思います。
【髙木委員】  どうもありがとうございます。
【酒井主査】  よろしいでしょうか。
 それでは、阿萬野様、本日は貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。会社内、会社外、間ですかね、会社間の協働していくために必要なコミュニケーションする力というもの。それは、本当に人ができるところ、人同士の大切な部分というところも改めて教えていただき、大変示唆に富むお話だったかなと思います。本当にありがとうございます。
【富士通株式会社(阿萬野)】  どうもありがとうございました。
【酒井主査】  阿萬野様にはこの後も残って御議論に参加いただけるということですので、どうぞよろしくお願いします。
【富士通株式会社(阿萬野)】  よろしくお願いします。
【酒井主査】  それでは、これより意見交換の時間といたします。まず、前半ですけれども、「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義」について、御意見をいただければと思います。御意見等のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただきますので、よろしくお願いします。
 いかがでしょうか。
 それでは、日向端委員、お願いします。
【日向端委員】  ありがとうございます。私から、資料でいうと4ページのところですかね。そのところに本質的意義の要素というところに対しての意見でございます。タイトルの下に書いてある多様な他者と協働できる資質・能力の育成のためにということでありますけども、4ページですね。すいません。ここです。ここで自分の考えとか意見の発信というところは明記されているんですけども、相手とか他者の理解とか共感、受容といった要素も入れられないものかなあというような考えです。
 もちろんここについては、この4ページでいうと、左側の言葉、文化、コミュニケーションの深い理解が育まれることの1つ目のポツのところに異なる言語・社会・文化への理解が促されるという項目、ここにも近いのかなとも思いながらも、ここはいわゆるスタンスとか姿勢的な要素なのかなあということで、実際のコミュニケーションを考えたときに、自分の考えを発信していくというのもすごく大事なんですけども、先ほどの富士通の阿萬野さんの話にもありましたとおり、同時に相手が、相手とか他者が話した言葉をどう受け止めて、そこにある思いとか考えをどう理解して受容していくのかと。共感的な受容というか、そういうものも自分の考えを広げたり深めたりするところにつながっていくんじゃないかなと。それによって、いわゆる人生が豊かになったり、よりよい社会につながるのではないかという、そういう見方・考え方のところでいうと、外国語を学ぶ本質的意義の要素の1つになるんじゃないかなということで、いわゆる相手や他者の理解とか、共感、受容という要素を入れれたらいいなというような意見でございます。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。確かに受容であるとか、共感であるとか、この部分とても大切な側面だなと思います。4ページだけではなくて、場合によると7ページの「見方・考え方」のところ、ちょうど真ん中辺りぐらいに、自分の意見等を形成し、表現等を工夫して発信するというのが考え方になっていますけど、ここに、今、日向端委員が御指摘されたとおり、聞いて受容していくという、そういう側面も入ってくることによって、人と関わっていくというところにつながっていくに違いないなというように私も同感に思いました。ありがとうございます。
 それでは、米野委員、お願いします。
【米野委員】  よろしくお願いします。先ほどスライドの4ページ、同じところになるのですが、ここのスライドに関して、1と2という2つの部分に分かれているのですが、左側のほうはよく分かるのですが、右側の2、「自分の考えが磨かれる、人間関係や思考の幅が広がること」という表現がありますが、ここの要素というのは、「思考の深まり」の部分と、それから「人間関係の広がり」という2つに分けてもいいのではないかと思います。
 特に人間関係に関しては、広がり以前に、心を通わせる、人間関係を築く働きはもっと力点が置かれてもよいのではないかと思います。例えば先日トランプ大統領を迎賓館でお迎えになった高市総理が、「ミスター・プレジデント、ウェルカム・バック・トゥ・ジャパン」とお迎えしたわけですが、これは目的、場面、状況を踏まえて、外国語を使用されたのだと思います。昨年野球メジャーリーグのワールドシリーズではドジャースが優勝して、スタジアムにパレードから戻ってきた時に大谷さんが、英語でスピーチをしてファンだけではなくて、ステージ上の同僚からも大喝采を受けたなんていうこともありますけども、外国語を使うことによって、心を通わせ、人間関係を築く。こういったところにも力点を置いてもいいのかなと、感じたところです。
 以上でございます。
【酒井主査】  ありがとうございます。確かにここ、複数の階層がありますし、今までのところでいくと、心を通う、共感するというところは、人間関係づくりの中で大事な要素になってくるかなと思いました。ありがとうございます。
 続けていかがでしょうか。
 亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  よろしくお願いします。日向端委員と重なるところもあると思うのですが、どちらかというと7ページに関連することで、私も対話の中で、あるいは対話それ自体を通じて、相手の言葉をどう受け止めるべきかを判断するとか、一方で自分の言葉がこの相手にどう受け止められるかということを考えるという、その双方向が盛り込まれているといいのかなという印象を持ちました。
 その点は、関係性ということに書かれているようにも思うんだけど、今の米野委員の話にあったように、人間関係の幅と言ってしまうと、一般にイメージするのって、横の知り合いの多さとか、そういうネットワークの多さですよね。でも、外国語を学ぶことで得られるのというのは、人間関係の質が深まるというか、母語を使っているだけでは築けない関係性を築けるという面での人間関係ということもここの言葉は含んでいるかなと思うので、そこの受容のところも入るといいなと思いました。
 前半の阿萬野さんの話と髙島委員の話にもあったことと関わって、4ページに戻りたいんですけど、私は本質的意義で重要な要素は、髙島委員が言われた「2040年代には全ての言語がリアルタイムで翻訳ができてしまう」という状況を考えたときに重要になるのは、身体がそこにあるかないかというところでいうと、身体だけは外せないですよね。そうすると仮に何か機械音声や統計的な処理をした翻訳、通訳によって自分の言葉が置き換えられているとしても、この声を発している身体だけは置き換えることができないので、その身体性ということが、外国語、その言語で実際に声を発するかどうかというところで、本質的な要素になるかなと。
 ただ、それを言うのは、つまり、よりよい社会と幸福な人生という、この2つのことを考えたときに、業務・実務としては、社会的に共有された言葉を翻訳したり通訳されたものとして使ったとしても、よりよい社会は実現できると思うので、そういった技術の力を借りて、自分が言った言葉が瞬時に中国語や英語に翻訳されるというのは、よりよい社会に貢献する部分あると思うんです。
 ただ、自分の声じゃない言葉で相手に理解されるということが本人にとって幸福なのかどうかということを考えると、我々が多分外国語というか、言葉を使って求めているのって、あなたらしい言葉だよねという、あなたらしい文体、あなたらしい言葉ということじゃないかなと思うと、実際に体を使って個別性を自分で実現できていっているということが外国語を学んで得ていくことではないかなと。
 もう一つ、髙島委員の話でインスパイアされたというか、思ったのは、技術がどんなに発展しても、母語はなくならないですよね。その人の特有の母語というものはなくならないので、そうすると、それと同時に母語じゃないものが出来上がる。その母語じゃないものというのを認識したり獲得していくというプロセスは、多分自分の母語じゃないという感覚が消えないので、そのことを自分の世界の中に取り入れていくというプロセスは意義としてなくならないかなと思っています。
 なので、ほかの資料の部分との絡みでいうと、AIに関しても、with AIとwithout AIという区別ではなく、AIの上に立ってとか、AIがある状況の中でとか、underとかonという感じでAIとの関わり方も本質的意義について考えたほうがいいんじゃないかなと思いました。
 ちょっと抽象的な言い方になってしまいましたけども、取りあえず以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。続けていかがでしょうか。
 それでは、𫝆井委員、お願いします。
【𫝆井主査代理】  先ほどの亘理委員の御指摘も本当そのとおりだなと思うところで、母語の習得は、これは自然言語として習得されるのは恐らくみんなにとって同じだろうという、そういう前提の中で、そうでないものを受け入れていくプロセスとして外国語教育の意義というのは位置づけられるかなと、私もそう思いました。
 現在、今日のお話、全体的にも関わりますけれども、内なる国際化が進んで、そしてAIが発展していくことによって、より外国語コミュニケーションの機会も増えますし、対面コミュニケーションの意義も、ある意味強調されるというようなお話かと受け取ったんです。少し前までは、中学校の英語の教科書って、必ず日本の教室に外国人がいて、いや、そんなばかなというような受け止め方もされていたわけですが、その時代が今ここにあるという状況において、やはり外国語学習を通していわゆる意思疎通ができるようなツールとしての実用的価値というのは、企業でも大事だと思うんですけれども、実用的価値だけではなくて、先ほど亘理先生もおっしゃったような、複数の言語を通していくこととか、それによって高まっていく思考力、そういう意味での認知的価値も必要になってくると思いますし、ただ、やっぱり何よりも今日の議論にもあった、共感とか受容とかいったことは、やっぱり他者とその言語を通して、あるいは相手の母語の一部を取り込みながら、お互い響き合うような、個人のウエルビーイングにつながるような安心感、それから信頼ですとか、そういう意味合いも込めた情意的価値、実用と認知と、そして情意という、この3つの価値を取り込んで、今回、この「見方・考え方」の中に反映できればいいかなと思って、そういう点で見てみると、それがかなりできているかなとも一方で思います。もう少し手を入れていくべきところもあるかとは同時に思うんですけれど。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。今の𫝆井委員、亘理委員に関連して、ちょっと細かくはなってしまうんですが、相手との関係性の視点から、外国語及び外国語によるコミュニケーションを捉えるというように書かれているんですけど、相手との関係性というと、何となく静的な教師と生徒とか、雇用者と雇用される側とかいうような、そういうような関係性のみを含んでいるように理解される可能性があります。けれども、もう少し人間関係をつくっていく、あるいは、今までの言葉で他者との関わりという言葉が学習指導要領では使われていましたけども、そういう関わりの中で、他者の思いを知ったりニュアンスを捉えていく、そういうツールとして外国語や外国語によるコミュニケーションというものを見ていくということですね、こういう関係をつくるという、もう少し動的な意味合いのニュアンスで言葉やコミュニケーションというものを捉えていくというような方向性も大事なんだろうというように伺いながら考えました。そうすると、情意面であるとか、認知だけではない側面というのも捉えられるのかなと思いました。
 ありがとうございます。続いていかがでしょうか。
 では、ちょっと順番に、2回目になりますが、亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  すいません、今の点の補足で、髙島委員や臼倉委員、ほかの委員の発言を聞いた後でも構わないんですが、1個強過ぎるんじゃないかなと思っているのが、主体的に自分の意見等を形成しというのが、必ずしも自分の意見を形成するだけが外国語の見方・考え方ではないんじゃないかなと印象として思っていて、主体的であるからこそ、日向端委員や私が先ほど言ったことに関連するんですけど、相手の意見を聞いて黙っていることを選択するという、今、この会議で黙っていることを選択できてなくて主体的にしゃべっちゃっているんですけど、そういう主体的に意見を、自分の意見を形成するというのが、強い個人でどんどん意見を言えないと駄目なんだというのはメッセージとして本当にいいんだろうかと思って、日本語と英語を比べたときに英語文化のほうがスピークアウトしていくというのが強いというのはあると思うので、そのことを表現したいとしても、誤解を招かない表現したほうがいいのかなとは思いました。
【酒井主査】  ありがとうございました。「見方・考え方」の考え方の中に主体的という言葉が大事なんだと思うんですけど、主体的という、ちょっと態度面的な要素が入るというのも検討の余地があると思っているので、もし委員の皆さんで御意見あれば出していただければと思います。
 それでは、臼倉委員、お願いします。
【臼倉委員】  よろしくお願いします。今、亘理委員がおっしゃったこととか、その前にほかの方がおっしゃったことにもちょっと通じるんですけど、スライドの4、5、6、7ページ辺りに書かれていることを読んだときに、まずちょっと感じたのが、主体的過ぎるというか、自分がどうするという話、こうなるといい、こうなることを目指そうというような観点から書かれているという印象を持って、それがいけないこととは思わないんですけど、AI時代のコミュニケーションということを考えたときに、面倒くさいコミュニケーションというのは残ると思うんですよ。つまり、AIと、今の今ですけどね、AIと一緒に、AIが後ろにあるツールとかとチャットしたりとかしているときって、自分がもういいやって思ったら、面倒くさいな、このAIとのやり取りと思ったら、自分がシャットダウンできるというか、コミュニケーションをやめてしまうとか、言いたいことだけ言って終わりにするみたいな、ある種一方方向的なコミュニケーションというのが今は可能となっているんですけども、何かそういうこと、ツールを使ってそういうことばっかりやっていると、先ほどちょっとお話もありましたけど、結局、人間が思ったことをそのとおり言わなかったりすることがあって、それによってコミュニケーションブレークダウンが起こったりするということは、これ多分AIがどんなに発達しても人間が存在する限り社会の中では起こると思うんですけど、そういうときに、コミュニケーションがうまくいかなかったときにどうそれを乗り越えるのかみたいなスキルというんですかね、それを外国語でやれるかみたいなところというのは、もしかしたら、昔から必要だったスキルなんだけど、AIの技術が発達すればするほど忘れられがちになってしまうかもしれないので、そういったところを外国語教育の中で、諦めない態度と言っていいのか、あるいはそれを切り抜けるときにどうするかとかというようなことを少し盛り込むことができれば、自分がどうするかというだけじゃなくて、相手とのコミュニケーションがあるので、うまくいかなかったときに何とかできる力みたいなのが入ったりしてもいいのかなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。人対人のコミュニケーションならではの必要とされる力なのかなと思いながら伺いました。ありがとうございます。
 川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】  外国語を習得した人がどのような視点で物事を捉えて、どのような考え方で思考していくのかにおいて、「見方・考え方」を考える上で、テンプル大学のTESOL英語教授法のデイビッド・ベグラー教授が強調している言語を学ぶ上での5つのカテゴリーというものがありまして、そちらがすごくうまく整理されているなと思ったので、そちらを共有できたらなと思います。
 こちらは資質・能力に当たる部分になると思うんですが、今後、横断的に「見方・考え方」などを考える上で、役に立つリストかと思います。5つのカテゴリーなんですけれども、1つ目が英語の知識、文字体系、ライティングシステムだったり、発音、語彙、文法やハウ・トゥ・ストラクチュア・ユア・メッセージ、メッセージの組み立て方。2つ目が感情面のスキル、エモーション・アフェクティブ・スキルズ。例えばモチベーションであったり、コンフィデンス、自信、ウィリングネス・コミュニケート、コミュニケーションへの意欲、マネージング・エングザイアティ、不安や緊張の管理、これらも言語を学ぶ上では大切な要素。3つ目が、社会的なスキル、ソーシャルスキルズ。そちらが、ワーキング・ウィズ・アザーズ、他者との協働であったり、クリア・コミュニケーション、明確なコミュニケーション。ソルビング・プロブレムズ・トゥギャザー、協働で問題を解決する力。そして4つ目が、知識、教養、ナレッジ・アンド・トピックス。自分の目的に合った英語知識、イングリッシュ・フォー・スペシフィック・パーパスであったり、コンテンポラリー・ソーシャル・イシューズ、時事問題に関する知識、文化的知識、カルチャー・ナレッジ。5つ目が学習戦略、ラーニング・ストラテジーズで、例えば、アキュラシー、フルーエンシー、コンプレキシティ、ゴール・セッティングズ、目標設定、効率的に学習する力、スタディー・プロダクティブリー。
 こちらの5つのカテゴリーとAI時代に外国語を学ぶ本質的意義の要素を踏まえて、外国語を習得した人はどのような視点で物事を捉え、どのような考え方で思考していくのかにおいて、先ほど日向端委員もおっしゃっていましたが、例えばなんですけれども、考え、判断する目的の部分、ごめんなさい、考え方のところ、考え方や判断の仕方のところで少し補足がもしかしたらできるかなと思った点で、多様な他者と対話しというところを例えば多様な文化背景における他者と対話し、相互理解を図るために、言語習得を通じて自己理解を深めつつ、相手の意見や主要な内容を理解し、尊重した上で、主体的に自分の意見等を形成し、相手に伝わる形で表現を工夫して発信することのような、もう少し補足を入れてもいいのかなというのを感じました。
 自己理解というところも入れることによって、ただ言語を学ぶだけではなく、自律や自己肯定感、メタ認知、学習方略なども駆使できる個人の育成。尊重というところを入れることに応じて、ただ意見を言うだけではなくて、相手を理解したり、異文化の価値観の違いを尊重する姿勢でコミュニケーションを取るというようなことの育成、そして相手に伝わる形での自己表現ということで、ただただ言語を伝えるではなくて、相手に伝わるということにも主眼を置くような英語教育というのがなされるといいのかなと思いました。
 P9、9ページに関しても、先ほど挙げた5つのカテゴリーとも親和性が高くて、今後さらに議論を深めていけるといいのではと感じました。
 すいません、長くなりました。
【酒井主査】  ありがとうございます。文言等も含めて、言い足りてないところ、補足説明したほうがよいと思われるようなところ、御指摘いただいたかなと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、髙島委員、お願いします。
【髙島委員】  ありがとうございます。亘理先生の身体性の話、めっちゃ面白かったですね。ありがとうございました。大きく分けて3つあります。1つ目が、これ、何で英語やるのかというところで、4ページですかね、矢印の先にあるのがよりよい社会と幸福な人生というところだと思うんですが、多分これまでの英語のある意味、教室、授業の中で、何で英語勉強しているんですか、何で英語勉強しなきゃいけないんですかの答えって、英語話せるようになったらいい仕事に就けるよとか、将来活躍できるよ、世界に行けるみたいな、そういう話だったと思うんですよね。ただ、まさにAI時代における英語を考えたときに、それって嘘やろと思われる時代が来るということなのかなと思いました。
 先ほどの話もあったように、まさにリアルタイムでほぼ全て通訳されちゃう。何ならその人の発音で発話されてしまうという時代が来る中で、英語話せたらいい仕事に就けるよ、いや、AIがあるやんと言われる部分は絶対今後来るなと。そうなったときに、じゃあ何かというと、まさによりよく生きるために学ぶ。ここでいうところの個人のウェルビーイングというところにつながるんじゃないかなと思います。
 ここの話をきちんと現場に下ろさないと、結局、先生や保護者の方が子供に何で英語やるのって聞かれたときの答えが変わらない。そうなると、AIがあるやんって反論されてしまうというところがあると思いますので、ここの部分はしっかりと強調していただければなと思います。
 その上で、2つあります。3つあるうち、残りの2つですね。1つ目がまさに先ほどもあった身体性の部分です。これ前回も話したことなんですが、言葉が通じないというのは、何でしょう、心理的な例えば怖さとか、そういうものにつながると思うんですね。例えば全く知らない言葉を話している人がそばにいたときに、直感的におっと思ったり、あっ、自分は入れないなって寂しさを感じたり、怖さを覚えたり、これはみんなあると思うんです。これはなぜあるかって、まさに身体性そのものかなと思います。逆に、こういうことを言いたいんかなというのが思えるのであれば、それもまた身体性があるということなのかなと。
 つまり、外国語を学ぶというのは、思いが伝わる、中身が伝わるという、ただそれだけじゃなくて、安心感にもつながるというところは、ぜひ再度強調できればなと思います。
 もう一つが、母語がなくならないという話は、これまさにそうだなと思いました。ちょうど7ページですかね。この考え方のところで、多様な他者と対話し、相互理解を図るためにということになりましたが、これは単に英語が話せると多様な人と対話できるよねだけではない、それ以上のことが言えるんじゃないかと思います。何かというと、母語があり続けるという以上、第2言語を学ぶという価値は残り続けるんじゃないかということです。
 今回、改訂論議を貫く3つの方向性というのが論点整理のほうで出されましたが、そこに多様性の包摂というのがあります。多くの日本で学ぶ子たちにとって母語って多分日本語だと思います。ある意味、言葉が通じないという状況にみんな一度は立たされるという点、まさに留学ではマイノリティーになる経験と言ったりしますが、そのプロセス自体がもしかすると多様性の包摂につながるんじゃないかなと思います。
 つまり、「多様な」というのは、言語の話だけではなくて、まさに自分が言葉が通じない状況に立つことによって、多様な他者の理解というものが進むんじゃないか。これは例えば言語だけじゃなくて、障害のある他者もそうだし、様々な他者と対話する上での、まさに、原体験というと大き過ぎるかもしれませんが、そのような経験を得るというのも第2言語を学ぶという価値になるのではないかなと思いました。
 最後に1点だけ、これは注意しなきゃならないなというのを先だっての特別部会の中でも議論したので、少し共有したいと思います。何かというと、AIの可能性というものを現時点で限定的に考えるのはよくないということです。よくこの話をすると、AIに代替されない人間ならではの強みを意識したほうがいいとか、AIにこれはできないからここは人間が大事だみたいな話があると思うんですが、これ現状の技術ではそうだというだけで、いつか追いつかれるかもしれないという思いを持って議論するのはとても大事だと思います。
 そういう意味では、今はAIに代替されない強み、でも、将来はもしかしたらAIができるようになるかもしれない。そうなったときに、AIにここはある意味代替されたくないなとか、ここは任せたくないなというような視点で人間が残したい部分みたいなことを考えるのも今後の議論の中で大事なのではないかなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。髙島委員の御意見を伺いながら、本当に大事なところを明確に述べていただいたなと感じています。いわゆる複言語、複文化主義という言い方ありますけども、1人の個人内が複数の言語、母語を含めて複数の言語、文化を学ぶことで、多文化、多言語社会の共生を図っていくことができるという考え方だと思うんですけれども、今髙島委員言われたみたいに、学ぶという経験を持つからこそ、多様性の包摂につながったり、あるいは、母語のいわゆる大事さみたいなところで、またそこで自己実現につながったりといった、そういう根本的な学ぶ意義というんですかね、外国語を学ぶ意義というのはそういうところにあるんだなということを私もちょっと共感しながら御意見を伺いました。
 また、教員が本質的意義、ここで議論している本質的意義をしっかり理解していただき、また子供たちに伝えていったり、あるいは地域で伝えていくというのは、まさに3ページのところに書かれている本質的意義を踏まえた持続的な学びに向けてのところの視点につながるなと思いながら伺わせていただきました。ありがとうございます。
 それでは、続けていかがでしょうか。
 それでは、関谷委員、お願いします。
【関谷委員】  よろしくお願いいたします。ちょっと皆様の意見を聞いていて感想じみたところもあるかもしれませんけれども、私、周りにいろいろな方とお仕事をしていく中で、やはり英語を話せないんだという方が、非常に自信を持っていらっしゃらない方が多い中で、どうやったら自信をつけて、自分の意見、考えを発信していけるのかということを考えたときに、やはり成功体験を積んでいくことの必要性を感じています。先ほど髙島委員のほうからできない自分に気づくということは、確かにそのとおりだと私聞いていたんですけれども、改めて日本語であったらできて当たり前のことを、もう一度新たに新しい言語と出会いながら何かを会得していくという体験を踏むことも非常に自信につながっていくのではないかなと思っています。
 それで、さらに、熟考の可能性を広げていくようなことにもつながると思いますので、できることの積み上げ、そして、できないこととの対比の中で自己を成長させていく、そしてそれがアイデンティティーの確立につながっていくのかなと思いました。この会話に参加できない、なかなかもどかしい思いを私もして、どうやってテークターンをしていくのかな、これも言語力なのかなと思いながら聞いておりました。どうぞよろしくお願いいたします。
【酒井主査】  ありがとうございます。次の話題にももしかしたら関係するのかもしれないなと思いながら伺いました。子供たち、実は失敗経験ばかりのほうが強調されてしまって、苦手意識につながっているということもあり得ると。その意味では適切な成功体験も含めて経験し、そして、そうはいえ、外国語を学ぶもどかしさみたいなところを感じるという、それが将来的に豊かな人生につながっていくなんていう、そういうようなところの御指摘だったかなと思います。ありがとうございます。
 それでは、内田委員、お願いします。
【内田委員】  よろしくお願いします。皆様から非常に重要な指摘をいろいろといただいていて、私もちょっといろいろ考えたんですけど、1つは、日本語がなくならない、母語はなくならないというところとも関係してくるんですけど、私自身はメタ的に言語とか文化を見るという、4ページ目の真ん中ら辺にありますが、そこが非常に大事だなと思っています。
 現在書かれているところは文化というところだと思うんですが、私、言語学者でもあるので、私としては、言語の仕組みというんですかね、そこを理解するというのはとても大事になってくるのかなと思います。AI自体も、様々な言語を学習してということだったと思うんですけど、人間も同じように言語を学習して母語を習得するわけですけど、言語そのものの仕組みというところもしっかりと学習していく必要があるのかなと思っています。
 メタという意味では、文化というところ、とても大事だなと思っていまして、究極的にコミュニケーションの目的というのは異文化理解といいますか、お互いの文化を尊重し合った上でコミュニケーションするというところだと思いますので、言葉とか文化ということを一歩引いて、客観的に捉えるというメタ認知能力というのは、このAI時代にはまさに必要になってくるのかなと個人的には思っています。
 もう一つ、これちょっと論点がずれるかもしれないんですが、髙島委員のほうから、英語がしゃべれればいい仕事につけるというのがだんだん幻想になってきているという非常に重要な指摘があったかと思います。それもまさにそうだと思うんですけど、我々、多分一つ用意しとかなきゃいけないものとして、エリート教育でいいのではないかという、そういうようなところへの回答も必要かなと思っています。一部の人が英語ができればいい。例えば先ほど阿萬野さんの話もありましたけど、一部の海外で働く人がバリバリ英語を使えればいいというふうに恐らく思うような人もいると思うんですね。それによって、AIがあるから、中途半端にできるよりかはAIに任せればいいと考える人もいるかもしれないので、その辺りの対応も必要かなと思っています。
 ただ、個人的には、言語の民主主義といいますか、民主化といいますか、みんなが使えるものがあって、もちろんエリートもいていいと思うんですけど、その土台になるような人間の1つの能力としての言語力というのが必要だと考えていますので、そこはうまく伝えていく必要があるかなと思いました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。江原委員、お願いします。
【江原委員】  ありがとうございます。先生方のお話を聞いて、本当に私も手を挙げるのは勇気が必要だったんですけども、これからまた話を進めていくときに、「見方・考え方」の文言を決めていかなければいけないと思うんですけれども、冒頭の説明にもありましたように、酒井主査がおっしゃったように、これ最終的に新任教師にも分かる表現、そして、児童生徒にも分かる表現というのはすごく大事で、本当に今までの議論を全部入れられればいいなと思ったんですけれども、私としてはやはり一番大事なのは工夫という言葉かなと思いながら拝見していて、コミュニケーションは基本的に難しいじゃないですか、母語でも。外国語でやるともっと難しいじゃないですか。そういう困難に立ち向かって、それを工夫してコミュニケーションするというのはすごく大事です。
 なぜこんなことを申し上げているかというと、私たち、どうしても学習指導要領を考えるときに、全員が同じようなレベルでというか、全員に同じようにどうというふうに考えがちだと思うんですけれども、全員が英語好きになるわけではないかもしれないし、全員が同じレベルで英語が必要ではいかもしれない。といったときに、じゃあ、最大公約数は何かと考えたときに、髙島委員がおっしゃった20年後に大事なのは何かといったときに、亘理先生がおっしゃったのかな、ハッピーになるにはどうしたらいいか。やっぱり個別性、人それぞれコミュニケーションの仕方が違うというのが大事。そして、臼倉先生おっしゃったのかな、AIのように完璧なコミュニケーションは人間同士はできないという、それが大事で、やはり工夫しながら生きて、そして基本的には人間同士のワン・オン・ワンのコミュニケーションが人を幸せにするという、そういうメッセージが大事なのかなと、そう思いました。
【酒井主査】  ありがとうございます。布村委員、お願いします。
【布村委員】  ありがとうございます。先生方が本当にいろいろ言っていただけたので、全てそこに集約されているかなとも思ったんですけれども、私も高校の現場で教えているという立場でこの文言を見たときに、学校現場、授業の中で、多様性とかってクラスの中にあるんだろうかだったりとか、言語を介して喜びだったりとか、喜び、安心感ということを授業の中でどう体現していくのかという観点で見たときに、先生方がこれを読んで、いや、これは書いてあるだけで、私の授業とは関係ないことだと思わないでいただけるといいなというところを感じたんですね。それは例えば工夫だったりもそうなんですけれども、いろんな困難に立ち向かって交流をするというのも、別にそんな海外の人と交流するような場面、うちの学校ではできないしだったりとか、そういうふうに捉えてしまったらちょっと困るなと思ったんです。
 私が感じたのは、例えば授業の中でいろんな40人とか生徒がいる中で、一人一人、この40人が全部違う文化を持った他者だと思うんですね。その生徒たちが、言葉が拙いながらも、それぞれみんな拙いので、拙いながらも何とかやり取りをして、それで相手が言っていることが、すっげえ面白い、こいつみたいな、感じながらコミュニケーションを築いていくという、この場面自体が、今ここに書かれているような、言葉を介して意見をして、それで意見のソウゴをやって、喜びを得て、安心感につながってということにつながっていくんだと思うんですね。
 そこが授業の中で生徒同士の対話でそういう不完全な対話をすることが、言葉の育成もされるし、コミュニケーションの能力も育成されるしというところが何とか伝わったらいいなと思いながらちょっと読んでたんですけど、そこがうまく、それこそそのニュアンスが今の文言で伝わるのかなあと思いながら読んでいて、先生方が共感だったりとか、いろんなことを今回言っていただいて、確かに確かにと思って、そういうところがうまく入り込むと、全ての全国の学校現場で生徒同士がやり取りを英語で何とかしながら授業を組み立てるということの意義というものが先生方に伝わるといいななんていうふうにちょっと思っていました。
 すいません、ちょっと長くなりました。以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  おおむね今、本質的なの意義の話と「見方・考え方」に両方入っていたりはすると思うんですけど、本質的な意義で、今、委員の先生方で内容的にかぶってないなあというものの1つだけ、ちょっと短くなんですが、外国語を学ぶ本質的な意義としては、翻訳に頼らないで、現地のテキストなり、現地の人の発信、アウトプットを外国語のまま読み取って、その内容が正しいか、偏っていないのかというのを自分で確かめる力を育てるというのは、小学校、中学校の早い段階でそういう能力を身につくかといったら、ちょっと難しいとは思うんですけども、最終的な日本人のゴールとしては、そういうことができる子供になってほしいなとは思って発言させていただきました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。細田委員、お願いします。
【細田委員】  よろしくお願いします。今、フィンランドにいまして、ネットワークの状況があまりよくないので、ちょっとどこまで示せるか分からないんですけれども。
 長いこと英語教育に関わっている中で、自分自身が、先ほど来髙島委員がおっしゃっていたように、AIが瞬時にいろいろ翻訳が、優れた翻訳機能が私たちの社会インフラになったときに、やはりコミュニケーション、英語でコミュニケーションする意義は、瞬発力と意味のやり取りのみならず、感情のやり取り、つまり、身体性が非常に重要になってくるというのが自分の持論だったんですけれども、それすらも凌駕するような、そういうAIのインフラが私たちの社会の中に構築されてくるのではないかと皆さんも思っていらっしゃると思うんですけれども、その中でも、あえてまたさらに外国語学を学ぶ、英語を学んでいく意味は、例えば母語であっても、今、中学生とか高校生を見ていると、母語でもコミュケーションを面倒くさいと思う子供たちが増えてきているような気がするんです。もっと言えば、自分と心地よくコミュニケーションを取れる仲間とだけつるんでいったり、コミュニケーションを取るという傾向がどんどん強くなるような感覚を持っています。
 ですから、面倒くさいコミュニケーションから逃げない子供たちこそ我々は育成していかなきゃいけないんじゃないか。それはコロナのときに、誰も、大人も子供もですが、世界中の誰も正解を持っていなかった。その中でも、コミュニケーションを、他者とのコミュニケーションを重ねていく中で、人類がそれを乗り越えてきたという、その経験からしても、この後の世界を考えると、もっともっとそういう傾向が強くなる中で、面倒くさいコミュニケーションから逃げない、そういう子供たちを外国語教育を通して育成していくということに私たちは意義を感じるのではないかな、少なくとも私は意義を感じてきていると、こんなことを申し上げて、すいません、今、公共の図書館にいるのでこのぐらいにします。失礼します。
【酒井主査】  ありがとうございました。フィンランドからの御発言ありがとうございます。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】  皆さんが言ってくださったこと、納得しながらそうだなと思って聞いていましたが、今本質的意義を考えているところで、最終的に大事なことは、学習者自身が自分の意義を考えるというところにどう持っていくかがポイントなのかなと思うので、学習指導要領とか、それに関わる資料でどこまでこれだって言い切るかというのは非常に難しいところだなと思っているので、今日出た意見だけでもいろんな意見があるので、どこまで網羅するかは別にしても、最終的に学習者に委ねるところに持っていけたらいいかなと思うんですけど、そのためには多分、児童生徒がいろんなことを体験しないと自分の意義って考えられないから、やっぱりAI一つとっても、AIを使ったコミュニケーションと使ってないコミュニケーションを体験させて、自分だったらどうなのかなというような考える機会を増やしていくというのは非常に大事なところなのかなと思います。
 自分なりにいろいろ考えたところだと、特に初級学習者、日本の主に小中高生ほぼみんなが当てはまるかもしれないんですけど、やはり母語に比べて言語的リソースが少ないから、発言しようと、何かを言おうとしたときに、うまく言えないから工夫するわけですよね。このプロセスがやっぱりすごい大事だなと思いますので、そこは有意義にうまく取り入れるような学習指導要領になっていくといいのかなと思いますので、臼倉委員も少しおっしゃっていましたけど、うまく言えなかったときにどうするかみたいなところをちゃんと手当てできるようなところが大事なのかなと思います。
 今、ページとしては、出ていないところですが、さっきの資料だと、本質的意義が出ているページの2番目のところ、自分の考えが磨かれるとかというところが一つポイントになるのかなと思うんですが、磨かれるってすごいきれいな言葉なので、まさしく、きれいなので、でも実際に起きていることは、試行錯誤していろいろ行ったり来たりしているというこのプロセス、日本語だとこれ言えるのに英語だとやっぱり言えないから、自分の少ないリソースの中でこれを言おうみたいなところで、それが何とか伝わったといったときには、確実に日本語でスムーズに出たときの伝わったときよりは達成感とかうれしさがあると思うので、1つの教室の小さな英語の授業でも、母語でやると達成感を得られないことを英語だと達成感が得られるみたいなところをどううまく授業でやっていくかというのがポイントになるかなと思うので、言語的リソースが少ないことをあえてちゃんと捉えた上の指導要領みたいなのがつくれるといいかなと思います。
 現行も多少はそういう要素は入っているにせよ、何々できるというのを見ていくと、目標値を、きれいなところがずっと並んでいる感じなんですけど、実態はきれいの反対の部分で、うまく言えなくて、混沌としている部分があるんだけど、混沌としたまま、でも力は伸びていって、1つの曖昧さが解決されると、次のまた曖昧さが出てきて、それがずっと続いていくんだけど、それにちょっとずつ慣れていって、自分の言いたいことがちょっとずつ言えるみたいなところのニュアンスが出せるものがいいのかなと思っています。
 なので、意義に戻ると、いろんな意義があるかなと思うので、1つに集約せずに、いろんなことを捉えられる学習指導要領というのは私は理想だなと思っています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。まだ御発言していただいてない方に先に発言いただければと思います。藤田委員、お願いします。
【藤田委員】  ありがとうございます。私も本当に皆さんのお話聞きながら非常に共感をそれこそしていた部分だと思うんですけれども、やはりこれの中で、先ほど幾つかの発言の中で、例えば酒井主査がおっしゃっていた、動的な人間関係という部分、これ実はコミュニケーションということを考えたときに、これを本当に固定的に考えてしまって、必ずAさんとBさんの関係がこれですということはあり得ないので、そのときそのときによって変わっている。それが逆に言うと、外国語という科目でコミュニケーションを中心に学んでいくといったときの一番ひょっとすると肝になっていく部分なのではないのかなと実は感じながら考えておりました。
 今回示していただいた改善イメージの「見方・考え方」の書きぶりにつきまして、割と私個人的には非常によく書けているなと見たときから思っていたところがありまして、その意味でもあんまり付け加えることがないかなと実は思ってはいたんですけれども、先ほどの動的な人間関係構築、要するにここで、これは、先ほど冒頭の富士通の阿萬野さんがおっしゃっていた信頼関係とか、あるいは相手から信頼を得るという、そこの部分というところが、恐らくやはり本質的な意義としては一番これから大事、どれだけ機械が出てこようが、人間同士の関係というものに関しては必ずずっと残っていくということがあるわけですから、そういう中で、これも何人かの方がおっしゃっていた、最初に多分臼倉先生がおっしゃっていたような、例えばストラテジックコンペテンスと言われるやつですよね、戦略的な能力といったようなもので、コミュニケーションブレークダウンが起きそうなときにどう改善していくのかというのは、そういうふうな失敗みたいなものも含めた、正しいものを常に与えるのではなくて、そこの中から自らどういうふうにしてそこを回復していくかというようなことを考えていくというふうなことがやはりすごく大事になっていくんだろうと。
 そうなっていったときに、これも最初の富士通の中での社内教育の話の中で、階層別の教育というところからむしろ個人ベースで、自ら取りに行くというようなお話がありました。この辺が指導要領という形になるとどうしても1つのものを上から国として与えるという形になるので、そこがちょっと難しいは難しいのかなと思いますけれども、第1回目のときにもちょっとそういうに発言させていただきましたが、ある程度のスケーラブルな形で、学校間でいろいろ分けるのではなくて、1つの共通指標みたいなものを持つことで、自らの目標をどこに設定するかということがある程度学習者自身が選べるというようなところ、ここが自己実現というのがあって、何を実現したいかというのは当然個人個人によって全部違ってくるわけですから、あなたは高校を卒業したら必ずこうしなさいとか、中学卒業時点ではこう必ずなりなさいというような部分というところが、あまり固定的に考えてしまうとそこが難しくなってしまうかなと。
 そういう中で、「見方・考え方」というものが見ればいいかなと思っている点と、あと1点だけ、これが特に、「見方・考え方」、今回はできるだけ簡便に表記するというところがあるので、どうかなと思ったんですけど、これもどなたかがたしか既に御指摘なんですけど、多様な他者と協働していくと。協働する部分というのが非常に大切だと思いますけれども、この多様なといったときに、これはたしか先ほどちょっと前に布村委員がおっしゃっていたような形で、自分とは関係ないと思ってしまわない。つまり、多様な他者と外国語でといった瞬間に、多くの人が、じゃあ、自分は外国に行かないから関係ないんだというような捉え方をしてしまいがちというのが多分今までのイメージで、これも既にこの文言の、今回の資料の前半にもありましたように内なる国際化という言葉が使われていましたけれども、ここら辺のところ、他者というのも、これも国内外の多様な他者みたいな形、例えばですけれども、みたいな形で、別に海外に行かなくたって今国内でこれだけの多様性がありますよというような部分というのをもうちょっと明示的に示していくということも必要なのかなともちょっと思いました。
 すいません、ちょっと長くなりました。以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。1つ目の議題の次に2つ目の議題もありますので、すいません、今、挙手、挙げられている委員でここの議題を終わりにしたいと思います。端的に御発言いただけるとありがたいです。
 亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  よろしくお願いします。今、藤田委員がおっしゃっていたことの前半部分に関わって、物事を捉える視点のところの相手との関係性というのがこのままでいいのかというのは、酒井委員もおっしゃっていたんですが、それに付け加える形になるのか、置き加える形になるのか、布村委員や江原委員がおっしゃったことを実装するときに、つまり、今日議論している本質的な意義を実現するときに、前回のコミュニケーションを行う目的や場面、状況というのを取ってしまっていいんだろうかというのを思っていて、というのは、今、こういう会議の場なので、酒井委員とお呼びして、こういうフォーマルな形でコミュニケーションをしているんですけど、私は酒井先生と研究なんかでも一緒に今までずっと長くやってきているので、もっとカジュアルな場であれば、カジュアルな言葉遣いをする。だから、関係性って固定的なものではないというのは、ほかの先生もおっしゃっていたんですけど、平たく言えば、TPOに応じて違うということ。このTPOに応じて違うというのを、英語において学ぶということが一問一答で、このときはこのフレーズを言えばいいんだよというのを学んで出すみたいな英語教育を脱却するためには絶対に必要なことだなと思っていて、その点で、ちょっと具体例を置こうと思ったんですけど、時間の関係もあるので、はしょりますが、コミュニケーションを行う目的や場面、状況というのが実はそれを引き出す仕掛けとしてはよくできていたので、むしろその浸透の方向を考えるべきだったのではないかと思っています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。
 髙木委員、お願いします。
【髙木委員】  ありがとうございます。皆さんの意見を聞いていてすごく面白いなと思って伺っていたんですけれども、高校とか中学の現場で授業をさせていただいているときにすごく感じることというのが、4ページのところで異なる言語・社会・文化への理解が促されるということと、母語や自国の文化のメタ認知が促されるというところがあったと思うんですけれども、一番生徒たちがぐっと授業に入り込んでくる瞬間というのは、自分とそれ以外のもの、それから広がっていく世界へのつながりを感じる瞬間なんですね。
 なので、コミュニケーションということを考えたときに、例えば異なるもの、自分のというふうなものが何となく独立してしまっているような感じがするんですけれども、これだけ世界がつながっている中で、そのつながりを意識する場というのに外国語学習の場がなるのではないかなということを感じていました。
 すいません、以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】  ありがとうございます。7ページと9ページにまたがってしまうかもしれないんですけれども、これから10年先など考えたときに、かなり不登校の数も増えておりますし、鬱病ですとか、YouTubeとかSNSの時間でコミュニケーションの低下などがありまして、AIに関わること、AIに変わっていくことで、そもそも人間とは何かみたいなところも踏まえて、英語のコミュニケーションの授業を通しながら、例えば、心理的な安全の体験ですとか、他者とのコミュニケーションによる生きがい、自己肯定感、自分を俯瞰的に捉える力などというのも育成されていくのかなと思いまして、その点でいうと、7ページの自己イメージですとか、自律的なところ、自分が本当に伝えたいことなど、今後の教育においてそれらも大切な要素かなと思いました。
 昔、短大で一番下のクラスを受け持っていて、不登校の子がすごく多かったんですけれども、私のクラスは皆勤賞で来てくれて、何でなのって聞いたら、先生は僕たちの意見を聞いてくれるですとか、僕たちに興味を持ってくれるみたいなことを言っていて、多分家でも、予備校とか、学校でも自分たちの声を聞いてくれる大人がいないのかなみたいな感じのことを私は感じたので、学校の言語を身につけるという教育の場面自体が自分たちの安全を感じれる場であるというのも一つ大切になるのかなというのを感じました。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。時間のないところで御発言いただきありがとうございました。
 皆さんの意見をちょっと伺っていて、4ページ目の一番上のところ、多様な他者と協働できる、これが一つ目的としては大事な要素かなと思うと、7ページ目のところで、今、多様な他者と対話し、相互理解を図るためとありますけれども、相互理解を図って終わりではなくて、やはりその先に協働をするというところが大切だとするならば、他者と協働するために相互理解を図ったり、自分の考えを伝えたり、表現を工夫したりというような、そういうような関係にあるのかなと伺いながら思いました。
 亘理委員がおっしゃったとおり、コミュニケーションを図る目的、場面、状況に応じて考えることというのを今まで大事にしてきたわけですけども、それはまさに協働するというところにつながってくる言語活動の意味になるんだろうと思いました。
 また、この「見方・考え方」については、再度、議論ということになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、続いて後半の、後半といっても時間があまりなくて申し訳ないんですけど、恐縮ですけども、「英語運用能力に関する社会全体の課題と学校教育における対応の方向性」について、御意見を伺えればと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 米野委員、お願いします。
【米野委員】  失礼します。ここでは加えるべき視点をというお話でしたので、加えるべきというのは後ほどお話ししますが、左側のギャップが生まれる背景のところ、特に3つ目のところの学習動機が弱いというところについては、AIが5年後どれぐらい進化するか分からないとおっしゃる専門家もいるぐらいですから、社会、生活の中に入り込んできて、外国語学習の動機の重要性がさらに増してくるのではないかなと考えます。
 ですので、そこをやはり意識しなければならないと考えます。学校教育における対応の方向性として、外国語学習の動機がどんどん弱まってくる可能性があるので、ここはかなり意識しなければならないということをまず申し上げたいと思います。
 あとは、右側の学校教育における対応の方向性として、これからの子供たちは多文化共生社会の中で生活していくのは間違いないですので、そういう社会で生活し、そして働く中での国際補助語としての英語の重要性は強調されるべきだと思います。あと加えるべき視点としては、キャリア教育としての起業家精神教育です。探究心とか、課題発見力、創造力、実行力、チャレンジ精神、リーダーシップ、こういったものとともに、グローバルな視点での情報収集を行う手段として、英語の必要性は非常に高まると考えます。少子化、人口減少に伴う国内市場規模の縮小などに伴って新たな価値を創造していく資質・能力を育成するため、キャリア教育としての起業家精神教育が重要になってくる。その中で英語の必要性も高まるといった視点も加えるべきではないかなと考えております。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。それでは、日向端委員、お願いします。
【日向端委員】  まず、9ページの話です。左側のギャップが生まれる背景というところの社会環境の1つとして、他者と直接コミュニケーションする機会が減少しているというような現実もあるんじゃないかなと考えています。今、私、小学校の現場にいますけど、コロナ禍辺りに、その直後に生まれた子たちが6年後、7年後にどうなっているかというのが今入学してきているという中で、やはり活動制限されたりとか、あるいは加えて、SNS、情報端末が普及しているという中を育ってきている子供たち、やはり直接的なコミュニケーションの経験が不足している、足りないまま育ってきているなというところを危惧しているところです。
 やっぱりそういう豊かなコミュニケーションを経験しないままに生きていくことで、今後必要なコミュニケーション能力というものが育成されていかないのではないかなって。もちろんAIの助けはあるかもしれないけども、やっぱりその人自身が幸せになるためのコミュニケーション能力の育成をすごく危惧しているところです。という背景を右側に、そういう原因というか、背景があるとすると、右側の学校教育での対応の方向性としてどんな方策があるかなということで、授業においてコミュニケーションを学ぶ機会というものをちゃんと確保していきましょうというものも必要ではないかなと考えていました。
 やっぱり英語運用能力の向上を目指すという中で、良好な信頼関係だとか、あるいは心理的安全性というもの、そういうものが重要であるということは言うまでもないんですけども、やはりそういうことを明記していくことも大事なのかなと。
 ですから、あとは、学校はいろんな人が集まるんだという、そういう学校の役割としては、やはり授業なり教育活動の中で人間同士のコミュニケーションというものをちゃんと体験して、あるいは何度でも安心して失敗していいんだよとか、そこの失敗からやり直していくんだよというような、そういう体験をしていくと。それがまた幸せを感じる、授業の中でそういうことが楽しいんだなとか幸せだなというふうなことを感じるということが授業としての在り方になってくるのかなと考えています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。工藤委員、お願いします。
【工藤委員】  米野委員が指摘してくださった、ギャップが生まれる背景の動機づけのところの話をまずしたいと思うんですけど、動機づけが高まらないということは当然あるんですけど、その人たちに対して、最後はコミュニケーションとか、さっきから話が出ている協働とかのほうで動機づけが生まれればいいかなと思うんですけど、スタートとしては必ずしもそこからスタートする必要はなくて、言語それ自体への興味とか、コミュニケーションにはあまり興味ないけど、外国語の仕組みに興味があるとか、そういう学習者も当然いていいわけで、今私が勤めている大学は実はそういう学習者が多くて、言語それ自体に非常に興味があるけど、コミュニケーションはあまり興味ないみたいな人が私の大学に結構入っているんですけど、外国語学習の動機づけは異様に高いわけです。
 なので、スタートはどこでもいいという言い方はちょっと極論ですけど、そういうところがあるので、「見方・考え方」の原案のところで、当該教科で扱う事象や対象のところが外国語及び外国語によるコミュニケーションという2段構えになっている。今までは外国語コミュニケーションだけだったのが、外国語それ自体も入っているというのは私は意味があることだなと思っているので、これちょっと幾つか意見があるとは思うんですけど、この2段構えというのはちょっとまた面白いアプローチかなと思うので、コミュニケーションの前に外国語それ自体の「見方・考え方」をちゃんと捉えていくというのは私は大事なところだなと思うので、これちょっともう少しみんなで議論したいなと思うところです。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。時間も来ているので、今手を挙げている亘理委員までということでお願いしたいと思います。
 鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。時間のないところなんですが、3つあるんですが、1つ目は、今やる気の話出ていたところなんですけど、目的意識があることと、高いことと英語力の高さには関連があるという資料だったわけですけども、「見方・考え方」や本質的な意義とも非常に関連しているんですけども、テストのためだけではなくて、児童生徒がどんな人間になりたいのか、どんな人と関わりたいのか、英語を自分ごととして捉える視点を大事にしていく必要があるだろうなと思います。
 また、学習の続け方、学習方略が分からないという学習者も多いようです。なので、やはり学習科学や第2言語習得の知見を踏まえていく必要があるのかなと思っています。
 ちょっとここのページではないんですけど、共通テストの改善、大変すばらしいな、ここ10年、20年見て思っているんですけども、これも「見方・考え方」、本質と非常に関わってくるんですが、言語によるコミュニケーションを点数化しづらい側面、すごくあるなと思っています。例えば本当に言いたいことは伝えられているのか、相手や他者への配慮、相手に誤解がないように間を取り持ったりするとか、翻訳だけではなくて目的に合うように内容を組み替える必要があるという、コミュニケーションに重要な側面は評価しづらいなと思っています。こういう力がますます必要になってくるなと思っています。
 3点目が、資料でも出ているんですけど、日本の英語の授業においては、日本語を母語とする児童生徒だけが学んでいるわけではなくて、英語が第2言語、第3言語である児童生徒も増えています。今後増えていくことが予想されているわけです。彼らの母語や第2言語の発達を日本の教育、特に英語の授業の中でどう見守っていくか、発展させていくかという視点も忘れないでおきたいなと思っています。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。髙島委員、お願いします。
【髙島委員】  すみません、ちょっと1つ目の議題の話で恐縮なんですが、一瞬だけ4ページに行ってください。母語や自国の文化のメタ認知を促されるという話があったと思うんですが、これ、もしかすると自分のメタ認知でもあるかなと思うんですね。これは何かというと、外国語を学んだことがある人って、多分どこかでみんな経験していると思うんですが、外国語を話している瞬間ってちょっと別人格になれるみたいなのってあると思うんです。そういう意味で言えば、ふだん母語をしゃべっている自分のメタ認知ということももしかしたら外国語を学ぶ本質的意義の1つになるんじゃないかなと思いました。
 すみません、9ページに行きます。9ページの最も今回強調すべき話は、ギャップが生まれる背景の一番下だと思うんですね。学校英語=受験英語=使えない英語との社会の認識があると。これを言ったと、よくぞこの文言を出したなと思いました。とにかく足りてないのは社会への発信だと思います。社会というのは、これ子供、教師、保護者だけじゃなくて、それ以外の人も含めたみんなです。
 ちょうど先日、ASEANの会議での首相の英語の発音をやゆするようなSNS上の投稿が結構ありました。これを目にして、ここなんだなと改めて思っていたところでした。
 物おじせずに自信を持ってコミュニケーションができるようになるには、教育の中身ももちろん大事ですが、何よりも周りの応援が欠かせないと思います。先ほど折しも細田委員の面倒なコミュニケーションから逃げない子供たちを育てようという点、まさにそうだなと思いました。第2言語を学ぶという経験を通じて、みんなで一からコミュニケーションを学ぶ経験というのはきっと大きな価値になると思います。
 だからこそ、学校の英語は変わってきているよという発信に加えて、外国語をはじめ、主体的にコミュニケーションすることの意義をみんなで認識して、みんなで応援するということが大事なんじゃないかなと思いますので、ぜひ発信をお願いしたいと思います。
 小さい、細かい具体的な点、2点です。1点目、右側の英語を学ぶ動機づけを高める機会とか、英語で伝えたい内容を個々の児童生徒が育む活動については、ぜひ英語にほかの教科を取り入れるカリマネの重要性が上がると思いますので、ぜひ発信していただきたいと思います。下の例にそういう記載はないので、ぜひ他教科との連携とかも入れていただいて、有効な事例の発信をお願いしたいと思います。
 2つ目、特に英語を学ぶ動機づけを高める機会については、まさに、先だっての議論もあった身体性が重要だと思います。トビタテ!とか、JASSOの奨学金とか、様々な金銭的な支援策がありますけれども、ここはAIがあるから留学しなくていいよねじゃなくて、しっかりと推進していただければと思います。
 また、日本国内という点では、JETプログラムとかもあると思うので、そういうものとか、あとは、首長部局の国際交流の部局との連携とか、ぜひ活用いただければと思いますので、そこも併せて発信をお願いしたいと思います。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございます。それをでは、亘理委員、お願いします。
【亘理委員】  これはちょっとこの外国語ワーキンググループを超えた議論になるかもしれないんですけど、社会全体の課題ということですので、最後に置いておきたいのは、今日の議論の途中に出てきた複言語・複文化主義的な考え方、これの担い手が英語科の教員のみという考え方をどうにか解決しなければいけないと思います。
 つまり、学校でALTの先生とやり取りするのは英語科の教員だけとか、そういう状況ではまずくて、むしろどの教科の教員も複言語・複文化主義的にいろいろな言語を持つ人と関わるんだというふうに教員養成や研修の方法を進めていかなければいけない。
 逆を言うと、今の教員養成の中で、英語コミュニケーションは必修の科目としては一応あるんですが、でも、基本的には日本語を日本語で授業できるということを前提に教員養成の科目が組み立てられていて、モノリンガリズム的な考え方でつくられている教員養成を少しずつ変えつつ、学校全体で外国語、母語という言葉の教育に向かっていくんだというところをつくっていく必要が、先ほど他の委員がおっしゃっていたこととも関わって、重要な意識の醸成に関わる部分かなと思います。
 以上です。
【酒井主査】  ありがとうございました。皆様の御意見を伺って、いろんな観点のポイントがあるなと思いました。私は、右側にもちょっとあるんですけど、今、亘理委員もおっしゃったとおり、学校の先生たちが英語に対するネガティブ意識みたいなところもうまくいかない理由になっているのかもしれず、もっと言語指導者として自信をつけさせてあげたいなと。自信を持って言語学習者として、また言語指導者として、子供に接してほしいなと思っているところがあるので、ちょっと最後、発言させていただきました。
 時間過ぎてしまって申し訳ありませんでした。本日の議題、議事ですが、以上とさせていただきます。
 なお、2つ目の話題については、先ほど田井室長からもあったとおり、今後の議論の中で随時意見を述べていただければと思います。
 最後に、次回以降の予定について事務局よりお願いします。
【田井外国語教育推進室長】  次回は、11月17日月曜日、9時半から12時を予定しております。正式には後日御連絡いたします。
【酒井主査】  ありがとうございます。第1回目は2時間30分が長いなと思いましたが、今日の2時間はとても短く感じました。皆さんのおかげで議論、活発に進んだかと思います。また、第3回以降、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

■会議終了後の追加意見

【バトラー委員】
 文部科学省が作成されたスライドは大変よくまとめられていると思います。私も中身に全面的に賛成です。一つご提案なのですが、スライド5ページの「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義の要素」の中身に関しても、AI時代であろうとなかろうと、本質的にコミュニケーションの上で大切なことがまとめられているのだと思います。これはとても重要なポイントです。ただ、おそらく、これから学習指導要領を読む側としては、普遍的なコミュニケーションとしての外国語の本質的な意義と、AI時代だからこそ特に必要となってくる知識や技能等々とを、分けて記述したほうがわかりやすいのではないかと思いました。前者のほうは、いままでの知見や蓄積もありますし、具体的なイメージや方策も立てていきやすいと思います。一方、AI時代に対応した部分というのは、非常に不透明な部分です。変化に応じて、おそらくアップデートしていかなくてはならず、柔軟な対応が必要で、ある程度、抽象的にならざるを得ない部分があると思います。
 AI時代に特に必要だと(今の時点で)考えられる要素としては、数名の委員の方ものべられていた(1)動機付けの維持がますます重要になってくる(2)特に感情面に留意した人間同士のコミュニケーションを、あえて人間が集まる学校教育の中で大切にするなどが含まれると思います。さらに、ビジネスとは違い、教育は必ずしも効率性と相いれない部分があり、AIツールに安易に頼り切らない、学習過程を重視した適切なAIの使用法を追求すること、そして、AI教育に関する実証データを集め、エビデンスにもどづいたアプローチを進めるというようなことが含まれてくるのかと思います。このあたりは、AIの専門家なども交えながら、さらなる議論が必要な部分かと思います。
 次回の会議も楽しみにしております。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課外国語教育推進室企画調整係

電話番号:03-5253-4111(代表)