教育課程部会 国語ワーキンググループ(第11回) 議事録

1.日時

令和8年6月19日(金曜日)9時30分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. とりまとめに向けた検討について
  2. その他

4.議事録

【島田主査】  ただいまから第11回の国語ワーキンググループを開催いたします。ご覧いただいております通り、本日の議題は取りまとめに向けた検討についてとなります。事務局からの説明の後、意見交換1といたしまして、取りまとめ資料についてのご意見、ご感想を名簿順でいただく予定でおります。その後、15分ほどの休憩を挟みまして、意見交換2として、休憩前の意見交換でいただいたご意見等について、ほかの委員の皆様からもご意見をいただく、そんな時間を取らせていただく予定でおります。
 本日の流れのご説明は以上となります。よろしくお願いいたします。それでは議題に移りたいと思います。資料1および参考資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、主任教育企画調整官の髙見です。お手元の資料1をご覧ください。
 本日は議題の1として取りまとめに向けた検討ということでございます。次のページをご覧ください。取りまとめ骨子案ということで整理をしております。3ページ目をご覧ください。
 この取りまとめの骨子案ですけれども、大きく5つのパートに区分して整理をしております。まず「1.現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性」といたしまして、(1)に書かれるとおり「現状の成果」としまして、現行の学習指導要領における改善事項、またこれまでの成果について、ここに書かれるとおり整理をしております。
 また右側、(2)「現状の課題」といたしまして、まず「ア.学習内容に関する課題」として大きく4つでございますけれども、まずaに書いているとおり言葉で思考を整理したり深めたりすることに課題があること、bにあるとおり目的や場面に応じたコミュニケーションに課題があること、cにあるとおり目的に応じた文章理解、情報の評価・熟考に課題があること、dにあるとおり我が国の言語文化を継承・発展させる態度の形成に課題があること、こういったことを課題として掲げております。
 こちらについては第1回ワーキンググループでも配っておりますけれども、37ページから42ページに関連のデータも添付しておりますので、併せてご覧いただければと存じます。
 続きまして、次の4ページをご覧ください。「1の現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性」の続きでございます。イの「系統性に関する課題」といたしまして、まずaに書かれているとおり「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」の課題といたしまして、1つ目の黒ポツにあるとおり、〔思考力、判断力、表現力等〕の学習過程が「話すこと」、「聞くこと」、「話し合うこと」、「書くこと」、「読むこと」で異なっていて、その指導面で難しい実態が見受けられること。さらに2つ目の黒ポツにございますとおり、各領域の言語活動例の種類の示し方が3領域別に整理されていて、その指導面での課題があること等々を掲げております。
 さらにbの「高等学校の科目編成等の課題」といたしまして、2つ目の黒ポツにございますとおり、選択科目の単位数が多い、これは全て4単位ということでございますけれども、時間割編成上の制約が大きいこと。さらに丸1に書かれるとおり、実社会におけるコミュニケーション能力の育成を図る国語表現について、進学希望者が多い、大学への進学希望者が多い高校で選択されにくい実態があること。さらに丸2にあるとおり、国公立理系では論理国語と古典探究のみの履修、私立理系では論理国語のみの履修にとどまる例が多く、その科目間のバランスが悪いこと等々を掲げております。
 また右側、ウの「指導・環境面に関する課題」といたしましては、大きく4点に整理しておりますけれども、まず「a.言語能力の育成」といたしましては、各教科における教科書等を読み解く力の育成が不十分になっているという指摘があること。またbにございます、「柔軟な教育課程の編成」については、これは教科全体の話でございますけれども、柔軟な教育課程の編成を促進する方向性を踏まえて指導内容の示し方を検討していくことが必要であること。さらにcの「学習評価」につきましては、ペーパーテストのみでその総括的評価を行う実態も散見されること。さらにdにございます「ICT活用等」につきましては、GIGAスクール構想、1人1台端末など導入されましたけれども、未だその試行錯誤が続いている実態があること。さらに2つ目のポツにございますように、生成AI等の飛躍的な発展によりまして、収集する情報の信頼性、妥当性、こういったことを確かめることがより重要性が高まっている。こういったことを課題として掲げております。
 続いて5ページ目をご覧ください。ここからが今回のまとめにあたっての改善の方向性ということで、大きな方向性を示したものをここに記載しております。まずアにございますが、「目標及び見方・考え方の在り方」といたしまして、1つ目の黒ポツにございますように、児童生徒が日常生活で培った言葉の経験を基盤に学びを進めるという教科の特性を踏まえた視点が重要であること。さらに「見方・考え方」については、言葉の背後にある意図や文脈を捉え、自らの思考を深めて表現することが国語を学ぶ本質的な意義の中核であることを端的に示すように改善する必要があること。こういったことを掲げております。
 さらにイの「内容の改善の在り方について」の方向性といたしましては、大きく4つに区分しておりますが、まず「a.深い学びの実現に向けて」という総論でございますけれども、深い学びの実現に向けては、個々の学習に取り組むことにとどまらず、複数の単元あるいは領域の学びに関連付けながら、話や文章の機能に応じて思考・判断・表現を働かせる学習を充実することが重要であること。また知識及び技能についてもその性質に応じた学習を充実する必要があること等々を掲げております。
 その上でb、知識及び技能につきましては、具体的な指導がイメージしやすいように二側面で整理してはどうかと考えております。こちらについては丸1に書かれておりますように、運用しながら深める側面、そして丸2、教養として深める側面、こういった形の2つに分けてということで考えておりますけれども、こちらの記載ぶりについては従前お示ししたものからより端的に分かりやすくということで、少し表現ぶりを工夫しているところでございます。
 また5ページの右側、cの「思考力、判断力、表現力等」のところでございますけれども、何のために言葉を使うのかという視点を明確にし、学習活動の目的を意識できるようにするために、話や文章の機能を軸に思考を整理して、複数の領域の単元の学習を関連付けて構成しやすくすること。さらにdの「高等学校の科目の在り方」としては、現行の趣旨は維持しつつ、論理的思考力、感性・情緒両面についてバランスよく統合的かつ効果的に育成することが重要であり、1つ目、2つ目の矢羽にございますように、必履修科目は科目構成を維持しつつ更なる改善を図ること。
 2つ目にございますように、選択科目の構成や単位数については、以下のとおり見直しということで、丸1に掲げるように、3領域、話すこと・聞くこと、書くこと、読むことを偏りなく学ぶ4単位科目、主として多様な他者の感性や情緒を理解し、豊かに想像したり表現したりする力を育み、古典と近代以降の文章を我が国の言語文化として学ぶ4単位科目を、大多数の生徒の履修を想定した選択科目として新設すること。さらにこれらの科目の履修を前提として、より発展的に内容を焦点化して学ぶ選択科目を設定すること。こういった大きな方向性について示しているところでございます。
 続いて6ページをご覧ください。ここからが全体で言いますと2つ目の大きなパートになります。「目標及び見方・考え方の在り方」というところでございます。大きくこちらも(1)と(2)ということで整理しておりますが、まず(1)の「目標の在り方」、こちらについては補足イメージも付けておりますので、14ページ以降も併せてご覧いただければと存じますけれども、これまでの回で累次にわたってご議論いただいた内容を系統的、体系的に整理をしております。
 14ページのほうを少しご覧いただければと思います。こちらの右のほうに書いておりますが、丸1から丸5まで目標の柱書、それから資質・能力の柱ごとの目標、見方・考え方、高次の資質・能力、個別の資質・能力。個別の資質・能力については後ほど説明いたしますが、話や文章の機能がその思考・判断・表現の中に、また知識及び技能が事項のまとまりとして整理されておりますけれども、こういった大きな枠組みに沿って全体像を整理しているところでございます。また15ページ以降には、その具体的な目標ですとか見方・考え方の案、これはこれまでもご議論いただいた内容でございますけれども、こういったものを合わせて提示しているところでございます。
 6ページにお戻りください。そういったこれまでの議論を踏まえ、「目標の在り方」についての考え方、これを「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」で区分して整理するとともに、右側、「見方・考え方の在り方」につきましても、先ほどご覧いただいたこの文章を提示するにあたってのそれぞれの考え方をですね、これはこれまで議論いただいた内容でございますけれども、ここで改めて整理をしているところでございます。
 そして7ページをご覧ください。今度は「資質・能力の構造化のポイント」ということで、3つ目の大きな枠組みになります。まず「(1).内容の表形式化」ということで、今回教科横断的に内容の表形式化を行うということがされたところでございますが、国語科については、これもこれまでご議論いただいたとおり、並行パターンで表形式化するということをこの中で記載しております。また「(2).高次の資質・能力の在り方」といたしまして、ここでは示し方、内容等の考え方についてですね、ここで整理をしております。
 具体的なイメージも後ろの補足イメージに添付しておりますけれども、特に右側、7ページの右側のほうでございますけれども、1つ目の黒ポツの中ほどでございますが、高次の資質・能力については、発達段階や校種ごとの目標に応じて、その深まりや広がりを適切に表現することで、各学校の授業改善がより一層進むように整理する。こういったことをまず掲げております。
 その上で1つ目の矢羽にございますように、「総合的な発揮」について、国語科では、相手や状況、目的に応じて思考・判断・表現の力を総合的に発揮し、自分の考えや思いをよりよく伝えたり、理解や解釈したことを踏まえ、自分の考えを広げ深めたりすることができる状態として領域ごとに示すこと。また「統合的な理解」につきましては、国語科では知識・技能を運用しながら深める側面、教養として深める側面に整理し直すことから、それぞれの側面について次のような状態として示すということで、丸1にあるとおり、言葉の知識を相手や状況、目的に応じて使うことで、理解・思考・表現の質が高まることを児童生徒が理解している状態を目指す。あるいは2つ目の丸にございますように、言葉や文字の仕組み、読書、伝統的な言語文化を学ぶ意義や価値を児童生徒が理解している状態。こういった形で考え方として整理しているところでございます。
 また1番右下に米印で書いておりますけれども、この高次の資質・能力の具体的なイメージは、17ページから25ページに示しているとおりでございますが、今後そのワーキングでのイメージをもとに、取りまとめの趣旨を踏まえたより分かりやすく使いやすい内容となるように、引き続き文部科学省で検討すべきといったこともこの中で記載をしているところでございます。
 続いて8ページをご覧ください。こちらは内容の改善の在り方ということで、4つ目の柱でございます。まず「(1)内容の充実」についてということで、こちらは大きく3つに区分して整理をしております。まず「思考力、判断力、表現力等」の整理ということで、こちらについては3つ目の黒ポツをご覧いただければと思いますけれども、学習活動の目的を意識できるようにするために、話や文章の機能を軸に事項を整理して、話すこと・聞くこと、書くこと、読むことの領域ごとに示していく。さらにその際に、学習過程、学習活動の過程ごとに細分化せず、学習活動全体を通して、ひとまとまりの思考・判断・表現を深めていく姿をイメージできる示し方をすることということを掲げております。具体の内容については、こちらも26ページに記載しておりますので、併せてご覧いただければと存じます。
 また8ページの右側、イの「知識及び技能」の整理というところでございますが、こちらについてもつい先日もご議論いただいたところでございますけれども、事項のまとまりということで分類して構造的に示すということをご議論いただいたところでございまして、それらの考え方をここで整理しているところでございます。
 続いて9ページをご覧ください。こちらでは冒頭の黒丸のところにございますが、前回の改訂で改善・充実を図った語彙、読書、情報の扱い方、また我が国の言語文化に関する授業改善、これらについては全国の学校現場においても進んできているところでございますが、まだ道半ばであるということで、さらなる改善に向けてということで、改めてこの4項目について考え方を整理しております。
 まず語彙の部分でございますが、生成AIが発展する中、人間ならではの実感を伴った理解や思考、表現を支える語感を磨き、語彙を豊かにするための学習として、丸1にあるように、文脈の中で語句を使いながら主に語感を磨く学習の充実をすること。さらに語句同士の関係を理解しながら主に語彙を豊かにする学習の充実をすること。こういったことを掲げております。
 また2つ目の矢羽でございますが、読書の部分でございます。こちらについても、授業の内外を繋ぎながら自立的な読書へ移行していく学習の積み重ねが図られるように改善することが重要であるということで、ここでは2つ書いておりますけれども、読書へのきっかけの創出や動機づけを高める機会の充実を図ること。さらに自立的な読書への移行を支える学習の充実を図ること。こういったことを掲げております。またその際ということで、こちら3行ほど書いておりますけれども、学校図書館の機能の充実、あるいは計画的な利活用によって、学校の教育活動全体において読書環境の整備を合わせて進めていくことが重要であるといったこともこの中で記載をしているところでございます。
 さらに3点目、情報の扱い方の部分でございますが、こちらについては、情報の扱い方の理解を深めるために性質の異なる2つの力、ここでは情報と情報の関係を吟味し整理する力、あるいは情報の信頼性と妥当性を見極める力、これを発達段階に応じて系統的に育成することが重要であると。こういった観点から、ここの丸1にございますように、情報と情報の関係を吟味し整理する学習の充実を図ること。また丸2にございますように、情報の信頼性や妥当性を見極める学習の充実を図ること。こういったことをこの中で掲げております。
 さらに右側、我が国の言語文化に関する指導といたしましては、3つの方向性の学習を充実させるということで、丸1にございますように、小中と高等学校の学びの接続の強化を図ること。丸2、文語文法及び口語訳の指導の偏りの見直しを図ること。さらに丸3、言語文化への理解を深める学習の充実を図ること。こういったことをこの中で掲げているところでございます。
 さらに「ウ.高等学校における科目構成の見直し」の部分でございますが、こちらについては1つ目の黒ポツにございますように、考え方、これはご議論いただいた内容でございますが、整理するとともに、実際の改訂内容といたしまして、必履修科目について、まずこの9ページの下のほうに書いておりますけれども、現代の国語のⅠ、あるいは言語文化のⅠの科目の特質を目標で明確に示すことをこの中で掲げております。
 さらに次のページ、10ページになりますけれども、選択科目につきましても、これも累次ご議論いただいた内容でございますけれども、現代の国語Ⅱ、あるいは言語文化Ⅱ、こういった科目を大多数の生徒の履修を想定した選択科目として新設をすること。さらに3つ目の矢羽にございますように、発展的に内容を焦点化して学ぶ選択科目である、「論説と批評」、「対話と表現」、「文学と創作」、「古典と文化」、これらの2単位科目を新設することで、生徒の多様な興味・関心、進路選択に応じる科目構成とすることを掲げております。
 さらに1つ目の黒ポツにございますが、必履修科目、選択履修科目ともに、「思考力、判断力、表現力等」の各領域の資質・能力を話や文章の機能によって焦点化して整理する。こういったことによって小、中、高の全体の接続をしっかり図っていこうということもこの中で掲げているところでございます。さらに右上の部分でございますが、教材の扱いにつきましても、教材の選定にあたっては、当該科目の趣旨を踏まえて基本的な教材を定めるとともに、それ以外の教材については趣旨に合致するかどうかを判断することが重要であるという整理をすること。こういった考え方をこの中で記載しております。
 さらに10ページ、「(2)内容の精選について」の部分でございますが、こちらについては「知識及び技能」について、現行の内容を育成を目指す資質・能力との関係から見直し、2つの側面に即して重点化して整理すること。さらに「思考力、判断力、表現力等」については、話や文章の機能を軸に重点化して整理すること等々を掲げているところでございます。
 続いて11ページをご覧ください。こちらは科目の名称と各科目で扱う領域についてということで、前回、前々回の会議の中でもご議論いただいたところでございますが、そういったご意見を踏まえまして、改めて考え方を整理し直したところでございます。左側、科目の名称のところでございますが、特に1番下の選択科目のところ、「古典と文化」、これについていろいろご意見が高まったところでございますけれども、こちらについては、読むことの領域において主として古典を読むことを表し、古典の価値や現代との繋がりを我が国の文化として広く考えていく学びを表すというものとしていうことで、「古典と文化」という名称を改めてこの中で記載をしているところでございます。
 また右側の部分でございますが、第10回のワーキングのご意見の中では、いわゆる「言語文化Ⅰ、Ⅱ」、あるいは「古典と文化」、この中でもですね、「話すこと・聞くこと」、あるいは「書くこと」の領域を入れてはどうかというご意見も賜ったところでございます。こちらについては、この米印のところでいくつか補足的な説明を書いておりますが、特に1番下のところでございます。生徒が資質・能力を身につけるために、国語科を含む全ての教科等の授業において、話したり、聞いたり、書いたり、読んだりする活動が行われ得るものだということでですね、そういったそれぞれの活動自体は、当然その各科目においてもしっかり行っていく必要があるということでございますが、その中でもそれぞれの科目の中で特に力を入れて伸ばしたい部分について焦点化していくということで、今回もこのような整理をしているといったところでございます。
 続いて12ページをご覧ください。「5.学習・指導・評価の改善の充実の在り方」についてということでございますが、「(1)学習の基盤となる資質・能力「言語能力」の育成の在り方」ということで、大きく3つに分けております。教科等横断的な言語能力の育成、あるいは人間ならではの言語能力の育成。そして教科書等を読み解く力の確実な育成。これらについてもですね、国語ワーキングのかなり初期の段階でございますけれども、ご議論いただいた内容について、この中で改めて整理をした上で記載をしているところでございます。
 また右側、「(2).ICTの活用」についてということでございますが、こちらについても特に2つ目のポツにございますように、生成AIを含むICTの活用については、情報や生成AIの出力を比較、吟味して、自ら考え、判断し、表現した内容を自らの言葉で説明し、責任を持つことができるようにすることを基本とするといった考え方を整理するとともに、3つ目の黒丸にございますように、各活動の一環として端末を用いた入力を行うことは、内容の取り扱いに示すこと等々をこの中で掲げております。なおローマ字の学習については、現行どおり小学校第3学年で行うことをこの中で明記をしたところでございます。
 さらに「(3).書写」の部分でございます。こちらについては、今回初めて記載をする内容でございます。書写については、デジタル学習基盤のもとでタイピング等による文字入力の機会が増える中にあっても、文字を正しく認識し、正確に書く力を身に付けるとともに、我が国の文字文化について実感を伴って理解を深める観点が重要であることから、小中学校段階での書写の指導を引き続き重視すること。その際、書字能力については、全ての学びを支える基礎であり、その確実な定着が不可欠であることから、とりわけ小学校では手書きによる書写の丁寧な指導を推進すること。こういったことを掲げております。
 また2つ目の黒ポツにございますように、文字を手で書いて学ぶことの指導にあたっては、字形や点画、筆順、文字の組立て方などに注意しながら、文字を正しく認識し、整えて書く力を育てるものであることを踏まえる必要があること。その際、未知語や新出漢字の習得、漢字の成り立ちや文字の持つ意味や文化性への関心と関連付けるなど、各学習の内容と結びつけて指導することにも留意すること。こういったことを掲げているところでございます。
 さらに13ページをご覧ください。こちらは「(4).柔軟な教育課程の編成・実施」ということでございますが、特に3つ目の黒ポツにございますように、国語においても発達段階を踏まえた学年区分は引き続き一定示しつつも、学年を超えた指導時期の前倒し、後ろ倒しを認めることによって、ある程度まとまった時間を作り出すことが容易になり、その時間で定着に課題のある内容の学び直しを実施することができる。こういった考え方を示すとともに、4つ目の黒ポツにございますように、高等学校については、今般の教育課程の柔軟化の仕組みのもとで、国語科の諸科目の取り扱いについては、多様性包摂の観点も含め、総則・評価特別部会での議論を踏まえて、告示文での示し方を検討する。こういった内容について記載しております。
 さらに「(5)学習評価の在り方」についてもですね、これも以前ご議論いただいた内容でございますけれども、「知識及び技能」等々の考え方、あるいは「思考力・判断力・表現力等」の考え方についてですね、ここで整理をしているところでございます。
 そしてそれ以降、補足資料、イメージということで、先ほど申し上げた関係の資料を添付しているところでございます。
 そして併せて、お手元の参考資料1をご覧ください。こちらは国語ワーキングと外国語ワーキング、同じその言語を扱うその科目、教科ということでございまして、それぞれの検討状況について、事務方で整理した資料ということで、参考としてお配りしているところでございます。また参考資料の2でございますけれども、こちらについては高等学校の学習指導要領の実施状況調査の結果ということで、必履修科目である現代の国語、それから言語文化についてですね、それぞれその暫定版という形でございますけれども、今回のその結果、あるいは成果と課題等々について整理しておりますので、こちらについても後ほど併せてご確認いただけると存じます。
 若干ちょっと時間オーバーしてしまいましたが、事務局からの説明は以上でございます。
【島田主査】  はい、ご説明ありがとうございました。それでは意見交換に移ります。ご説明いただいた取りまとめの資料について、ご意見、ご感想をお1人3分以内でお聞かせいただければと思います。また、今回の資料のみならず、これまでの国語ワーキンググループで議論をしてきたことを振り返って、改めて重要だと感じられた点、あるいは再度強調しておきたい点など、ご感想もぜひいただければというふうに思っております。ご発言の際は、どの資料のどのページに関するご発言であるかをお示しいただけますと幸いです。今回、名簿順で指名させていただきます。石黒主査代理には最後にご発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、これから60分を目途にご意見、ご感想をお1人ずつ伺ってまいります。初めに石井委員からよろしくお願いいたします。
【石井委員】  はい、失礼します。まずはここまでの議論をこういう形でまとめていただいて本当にありがとうございます。非常にここまでの議論をですね、振り返りながら聞かせていただいたというところであるんですけれども、改めて私なりにですね、感じていることを申し上げれば、あるいは一言で言えばですね、総合的な言語活動の中で言葉の力を育むというふうなことかなというふうに思います。
 まさにその学習指導要領全体からしますとですね、教科書を教えるではなくて、教科書で教えるというふうなこの授業づくりの基本ですね。だからそこをですね、しっかりと再確認すると。そのポイントは何かというと、これ特に国語においては大きな課題だと思うんですけれども、教材と教科内容、教育内容、この辺を分けて考えると。ですから『羅生門』を読み深める、これが目標というわけではなくて、それを通して文学作品のこの読み方を学ぶと。だからそれが目標なわけですね。
 ですから先生方が目標とかですね、ねらいというふうに思っていることが本当に目標なんでしょうかというふうなことが1つありますし、さらに言うと最近はですね、様々な言語活動を通して学んでいくということですけれども、劇化するんだけども結局ですね、『ごんぎつね』とかもね、劇化することを通していったら何を身につけるのかなと、何を育てるのかなと。ただ読解の授業というふうなことで言うと、劇化自体が目的ではなくて、それによって読みが深まっていく、ここがポイントなわけですよね。ですからその教材、つまり素材とかですね、活動、それからそれを通して何を、この2つの水準を明確に分けて考えていくというふうなことが、これが授業づくりの基本ではあるんですけれども、なかなかこの辺がですね、基本なんですけれども難しいというところかと思います。
 ですから今回のこの学習指導のこの国語においてですね、改訂においては、まさにこの目標内容ということを特に領域ごとにですね、明確に縦系列のその辺の系統性を明確にしたと。さらに言うと、その一方においてですね、実際の活動、まさに素材とかですね、活動のレベルにおいては、それを総合的に発揮しながらというかですね、結局総合的な言語活動の中で言葉の力を育んでいくと、ここがポイントかと思います。
 ですから読むというふうなことを主たる目標とする単元であるとか、そういったものであったとしても、話す、聞くとかですね、あるいは書く、そういったものを総合的にですね、そういう活動をしながら読み深めていく、ここがポイントなんだろうと思います。ですからまさにですね、目標内容を総合的に発揮する中で育て評価する、そういった学習の道筋と言いましょうか。だからそれが今回の指導要領本体もそうですけれども、教科書の在り方であるとかですね、そういったところで実装されていくといいのかなというふうに思ったりします。
 あとはですね、やはりこのAIとかそういった中においてですね、このデジタルとですね、それからアナログの話、それで言いますと、このデジタルというふうなところに関してもですね、単にこのタイピングということではなくて、そこは他のところで様々な場面でやっていくけれども、ローマ字というふうなこともそうですし、さらに言うとこのメディアリテラシーの核である情報の信頼性、妥当性、この辺を判断する。それとともに書写のところで明確に書かれていますけれども、それ以外のところとも関係すると思いますが、書字の意味。だからそこを再確認しているというふうなことで、非常にバランスの取れた記述になっているかなというふうに思いました。
 あとは今後の課題などにも関係するかなというふうに思いますけれども、精選の問題ですね。現実問題、この事項というふうなことを整理することによって、この精選的なものは既に行われていると思うんですが、よりですね、どこがどういうふうに精選されているのかというあたりをですね、ここは明確にしていくというふうなことが大事かと思いますし、さらにここからですね、個別の知識・技能とかそういったものとか思考・判断・表現とかを整理していく中で、それはより明確になると。特に精選の話は内容系のですね、内容知識優先系の社会とか理科とかっていうのは、さらにここから踏み込んでということになるわけですが、国語に関して言いますと、それは全員にこう取っていくと言いますかですね、系統化の作業というのが、これが本丸なんだろうというふうに思います。ですからそういったところがですね、より明確化されていくといいのかなというふうなことを思いますし、あとは案外とさらっと行かれがちなんですけれども、今回評価に関してのこの資料のですね、補足イメージのあれですかね、効果的、過度な負担が生じにくい国語科の評価の見直し、これは結構ラディカルな提案だというふうには思っています。つまり、これは小学校で言いますと、業者テストどうするんですか問題と関係するところであると。ですから、これさらに言うとですね、これは日々の単元ということで言うと、パフォーマンス課題的なものとか、そういったものを軸にしていくということですけれども、いわゆる言葉の力がちゃんと育ってるんですかということで言うと、この言語、知識・技能、つまりその言語技術に当たるようなところとかですね、そういったところに関しましては、これは要は初見問題みたいなものを扱うみたいなことも多分考えられるかと思うんですね。ですからこのあたりですね、この評価のこのスキームというのは、これは非常にやっぱり重要な提案でありますし、本当に言葉の力を育てようと思ったらこうなってくるだろうというふうに思うわけですが、そこは丁寧な説明が必要なのかなというふうに思いました。
【島田主査】  はい、石井先生、幾つもの点についてポイントをまとめていただきました。続きまして、犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  はい、よろしくお願いいたします。私からは大きく全体に関わることで2点、それから各論として2点申し上げたいと思います。
 1点目は、今回の教科横断として指導要領全体としては、自己調整学習ですとか、その中心として方略の重視、それからその指導の重視ということが図られているかなというふうに考えています。教育心理学者として、そういったことの重要性をずっと言ってきましたので、その方向性に大変賛同するものです。一方で、今回のその国語の指導要領の中で、そういった方略の在り方というのが果たしてきちんと前景化されているかというところについては、少々課題があるのではないかなというふうに思っています。特に国語の指導の中では、読むこと、書くことについてどのような方略を使うか、後景化されやすい、自然と学び取ってくださいというふうになりやすい部分ですので、例えば「知識及び技能」の中にそれを明確に位置づけるというような試みがあってもよいのではないかというふうに考えています。この点については引き続きぜひご検討いただきたいと思っています。
 2点目、これも全体に関わることですが、非専門家に伝わる説明になっているかという観点から、特に例えば資料の5ページ、6ページですね、改善の方向性としては分かりやすくというようなことが重視されているわけですので、資質・能力の示し方、そこから非専門家から見てもその実態であるとか、子供の具体像といったことが想像しやすいものになっているか。例えば目的に応じてという言葉が非常に頻繁に出てくるわけですが、それは子供が何をどういうふうにするっていうことなんだということが先生方にイメージいただけるか。もちろんここにいらっしゃる方は皆さん専門家ですので、分かるよって思ってると思いますし、共通理解が図れているだろうと思うんですけれども、必ずしもそうではない、例えば小学校の先生ですと、国語が専科ではないという方もいらっしゃいます。そうした先生方にとっても、この指導要領を見たら、こういったことができる子供を育てたいんだっていうふうに考えてるんだなということが分かっていただけるようにということができるとよいのではないか。ここから表現など詰めていくところかと思いますので、ぜひそういった非専門家からの観点でご検討いただく部分も入れていただければと思います。関連して申し上げると、知識及び技能の表現のところをですね、運用して深める、教養として深めるというふうに書いてあるんですが、ここで特にその知識及び技能の丸1のほうは、思考・判断・表現に繋がる部分として本来位置づけられているはずですが、これだけ見ていますと、知識及び技能について深めるっていうことだなというふうに読まれてしまわないかというような懸念がございます。この知識及び技能を運用して自分の理解や思考を深めるというふうなイメージを持っていただきやすいようなネーミングや説明ということも合わせて必要なのではないかと思っています。
 各論については2つと言ったんですが、手短に言いたいと思います。まずは11ページですね、高校の中で話すこと、聞くことの中で、より足りないのではないかと、第10回ワーキングでというところなんですけれども、「現代の国語」の中でということで、大変良い方向だなというふうに思いました。AIの話も出てきましたが、そういった感性に訴えられて説得されてしまうっていうのは、いわば人間ならではの弱点というところもあるかと思います。そういったことについて改めて意識することとか、逆にそういった別の方向での説得力の在り方ということを理解するというのは重要ではないかと思います。
 最後に書写の部分ですね。書写について、ともにというふうな表現も出てくるんですが、書写としての目標ということと、学びの基礎としての書くことの教育目標というのは、私はこれはぜひ分離して捉えていただきたいと思います。書くことの学びの基礎としての書く力を丁寧に指導することというのは、美しい文字を書くということでは必ずしもないはず、丁寧な、読みやすい字を書くということでは必ずしもないはずです。書くことについて丁寧に指導することというのが、書くことに難しさを持つ児童、生徒に対して、ほかの児童、生徒と同じやり方で、同じように書くことというのを強いる方向に働かないような、そういったことをぜひどこかで皆さんに留意していただけるといいなというふうに考えています。
【島田主査】  総論で2点、各論で2点、ご意見、ご感想をいただきました。今後告示文を整えていく中で、またより分かりやすい示し方等、検討していければというふうに思っております。続きまして、井上委員お願いいたします。
【井上委員】  はい、井上です。私からは高校の科目編成に対するコメントと、あと現場での運用に向けてのお願いを申し上げたいと思います。
 まず高校の科目編成についてです。スライドで言うと32、33あたりでしょうか。これまでの部会では特定のトピックやテーマについて審議してきたわけですが、この度、この取りまとめ案を拝読しまして、言葉を用いた資質・能力の育成の問題が多様に多岐にわたっているんだなということを改めて再認識した次第です。高校の科目編成については、第9回の部会で審議されて以降、様々な新聞であるとかメディア等々で取り上げられたようですけれども、単に現行の科目編成との比較から科目名だけが一人歩きして、例えば文学の復活や、論理の廃止といった、ややミスリードを招くような報道がいくつか散見されたということは、個人的に少々気にかかっているところであります。高校の新科目編成の趣旨というのは、単に現行の科目名との比較だけでは見えない部分があると思っていまして、スライドの17から23ページにもありますとおり、小、中、高という12年間の教育課程の連続性や系統性、あるいは目指すべき資質・能力の全体構造の中で、高校が何を受け負い、何を目指すのかという点にあるんじゃないかと考えています。科目名につく例えば批評や創作といった用語、あるいは評論や文学といった教材の扱いそのものが論点なのではなくて、国語の授業を通じて学習者が育むべき資質・能力を第一に考えて、その実現に向けて批評や創作といった活動を手段として選んでいくということだと理解しています。今回の科目編成というのは、個々の教員の技量や、学校、自治体の文脈を超えて、国語の時間に教材をバランスよく扱っていくためにどうすべきなのかということも含めて提示されたものなんだと私は受け取っています。科目編成というものに唯一絶対の正解はないんですけれども、今回の新編成は、高校の現場の先生方が、論理的思考力やコミュニケーション能力、そして、感性や情緒を表現する力という2つの軸を中心に、より柔軟に授業を展開しやすくなるという面では、かなり前進したのではないかと考えています。
 次に現場での運用に向けてです。今回の改訂にあたっては、スライド7にもありますとおり、資質・能力の構造化や内容の表形式化が行われました。ねらいは読み手にとっての分かりやすさだと思いますけれども、現場の先生にとっての分かりやすさ、理解しやすさという意味では、まだまだ課題が残っていると考えておりまして、これは先ほどの犬塚委員のご指摘にも通じるものです。現場の理解が追いつかなければ、当然今回の改訂の肝でもある実現可能性にも関わってくるわけですので、そこは大きな課題だと感じています。今回、雑多な用語については取り上げませんけれども、特に改訂の中核に関わるようなキーワード、例えば高次の資質・能力、知識及び技能の統合的な理解、思・判・表の総合的な発揮、話や文章の機能、そして先ほどの運用や教養を深める知識ですね、こういった重要なキーワードについては、どのような意味内容を含んでいるのかが齟齬なく読み手に伝わるように、特に略記、短く簡潔に示す際には、どう表現すべきかという点について引き続きご検討をお願いしたいと考えております。私からは以上です。
【島田主査】  高校の科目編成について、また現場での運用についてということでお話をいただきました。いずれも重要なご指摘だったと思います。続きまして、植木委員お願いいたします。
【植木委員】  様々な観点の課題について、これまでの議論を踏まえて精緻にまとめ上げてくださったことに対して、まず深く感謝を申し上げたいと思います。提示された方向性については、これまでの議論を踏まえたものですので、異論はなく、どうしても細かいところになってしまうのですが、2点申し上げます。
 1点目は、今、井上先生からもお話がありましたが、高等学校の科目構成に関連するところで、スライドの9ページから10ページにかけて、高等学校の科目構成の見直しについて記され、さらに13ページの右下に教育課程の柔軟化について触れられています。単位が細かく分けられ、発展科目が設けられたことによって選択の幅が広がったこと自体は望ましい方向だと思うのですけれども、各学校の実情に合わせて増単、減単等ができ、また様々な科目を取れるのだとなると、どういう場合に増単、減単するのか、またどういった科目の組み合わせで学ぶのがその学校にとって適切なのか、現場での線引きとか選択にやや戸惑いも生まれてしまうのではないかと危惧いたします。前回申し上げたことと重なってしまいますが、同様の意見が複数の委員から出されたと記憶しており、13ページに告示文での示し方を検討するとある、まさにその点、慎重に考えるべきことと思います。
 2点目は、学習評価の在り方についてです。今映っているスライド13ページの右側に、総合的評価という文言が繰り返し記されて、それは今までの流れだと思うのですが、対象は思考・判断・表現しているパフォーマンス、すなわち補足イメージの12では、書き上げた文章というのが具体的に例示されています。ただ生成AIがこれだけ急速に普及している中で、書かれた文章は本当に本人が書いたのか分からず、それを正当に評価するためには、口頭試問と組み合わせるなど様々な工夫をする必要があります。そうなると現場の先生方の負担がさらに増えてしまうのではないかという危惧があり、もちろん目の前で書かせるということもできるわけで、12ページの書写への言及はその点でも重要だと思っておりますが、読書感想文など国語という科目の中で重要な学習活動について、効果的な指導、公正な評価、先生方の負担軽減など、さらに考えていく必要があると感じております。
【島田主査】  2点、いずれも現場の先生方のご負担に関するお話だったかと思います。それでは続きまして、児玉委員お願いいたします。
【児玉委員】  これまでのおまとめ、本当にお疲れさまでございました。今、いろんな委員からも出たことと一部重複するとは思いますけれども、私のほうからは新しい思・判・表、思考力・判断力・表現力等の問題と、新しい知識及び技能の在り方について感想を申し上げたいと思います。
 これまでのワーキングの議論に参加させていただきまして、私は次期学習指導要領は現行版の課題を発展的に解決することを目指しているんだなっていうふうに改めて思っています。例えば27ページ、28ページご覧ください。まずは27で結構です。まず現行版について申し上げますと、学習指導の結果よりも過程、プロセスを重視することを現行版では一つ特徴にしていたと思っています。そのため、国語科では話す、聞く、書く、読むの各領域の学習プロセスを個別に細かく設定して、丁寧に指導と評価ができるようになっています。ただその結果、子供の学びを細かく丁寧に見ることは可能になったのですが、各単元や教材の学習指導が細分化されてしまったり、指導と評価のダイナミズムが弱まってしまったりすることも問題になっているのではないかと感じます。
 その点、今この27、28にありますように、次期学習指導要領ではこれまでの良さを継承しつつも、そうした課題を改善しようとしているんだなと感じています。キーワード風に言えば、先ほど石井委員が総合的な言語活動っていう言葉をお使いになりましたけれども、私は現行版が細分化がキーワードだとすると、細分化から関連統合へというふうになっているのかなと思っています。それを実現しているのが資質・能力の再整理でありまして、具体化するためには、例えば現行版で思・判・表において領域別に個別かつ細かく設定されていた学習過程を、次期版においては大括りで共通化しています。表現の面では考えの形成と表現、それから理解の面では構造と内容の理解。解釈と考えの形成という形です。こんなふうに共通化し大括りしているということになります。
 さらにこれ26ページ、1つ前のページ見ていただきたいんですが、さらに各領域の関連や統合を図るために、現行版の思・判・表の指導事項を網羅しつつも、それを再整理している。それが話や文章の機能という観点からの再整理です。現行版の思・判・表はどんな話や文章にも当てはまるような、いわば共通の資質・能力でありつつも、具体的な学習過程になると資質・能力が各領域別々で細かく示されていたっていう問題がありました。これを次版におきましては、いくつかの話や文章の機能を各領域で共通化して、領域間の資質・能力を具体的かつ実質的に再整理しています。これによって次、29ページちょっと飛んでいただきたいんですけど、29ページここにありますように、話や文章の機能を軸として、各領域の資質・能力を関連統合したダイナミックな単元づくり、こういったのが可能になるように思いました。
 次、30ページご覧ください。次はこれ知識及び技能についてのことですが、次版におきましてはこれを2つの側面に分け、そのうちの1つを話す、聞く、読むなどの各領域を実質的に支える指導事項として再整理しています。今日の資料ではそれを運用しながら深める側面と言っています。先ほど犬塚委員からも方略っていう言葉で説明があった、そのことだろうと思います。これが前景化しているかどうかにつきましては、なお検討がいるんですが、今回の資料では、例えば音読のところには読むことではこうだとか、話や文章の構造では読むこと、聞くことではこうだとか、書くこと、話すことではこうだというふうに具体化しようと、より具体化しようとする方向は見えていると思います。中でもその方略という点で注目するのは、この表現の仕方っていうところ、3つ目のここになろうかと思います。今後これをさらに細分化するなり、具体化するなりしていく作業になりますが、ここには大きく期待をしたいと感じています。
 このことによりまして、いくつもの領域を横断して螺旋的、反復的に学ぶような、そんな単元がですね、設定しやすくなるんではないかなというふうに私は思っています。このことによって教師も子供も現行版以上に言葉や国語の学力に自覚的になるっていうことが期待できるのではないかと感じています。以上2点について申し上げましたが、今後は各校種の学習指導要領にさらに具体化していくことになるわけですけれども、そのためには今回のワーキングの中間まとめ、仮まとめに示されている仮称とかですね、イメージって言っているところですね、これをさらに確定していく作業が必要になってくると思います。その際はぜひ、教室の単元構想や指導と評価を現行版以上に実質化させたり、使いやすくなるものに仕上げていく、こんなことを目指していただけたらと期待をしたいと思います。
【島田主査】  細分化から関連・統合へということで、思・判・表、また知識及び技能の新しい整理を中心にお話をいただきました。続きまして、小松委員お願いいたします。
【小松委員】  はい、小松です。これまでの議論、大変興味深く参加させていただきました。今回の取りまとめ案、ありがとうございます。拝見しまして、国語教育の理念、あるいは理想の在り方というものをどう考えるかということについての結論に至ったというふうなことなのかなというふうに感じております。
 さて、何度か申し上げたんですけれども、私は国語教育の研究者ではなくてですね、子供の発達について研究や教育をしているものです。その立場から考えたことを一言で申しますと、ここに書かれたことを適切に実現していく上で、本当に子供の発達の理解というのがないとうまく読み取れない、難しいところがあるのかなというふうに感じました。過去のワーキンググループでコメントした内容を中心にいくつか申し上げたく思います。
 まず最初に、その観点から気になっておりますのは、17ページからですね、示されております知識及び技能の統合的な理解というものです。このオレンジのところで書かれているものですけれども、これがですね、小学校から高校まで一貫して同じ、理解や思考、表現の質が高まることを理解している、自己の形成、日常生活の向上、文化の創造ですか、創造と継承につながることを理解しているというふうにあります。つまり、どの年齢層でも表現上は全く同じ、メタ的な認知とか理解というのを子供たちに求めているわけです。これ以前コメントしましたけれども、また今回もですね、ご説明の中で言及があったかと思いますけれども、子供の発達というのを見たときに、こういう認知の在り方というのは質的にかなり異なるところがあります。教員というのは、この同じ表現から異質なものをですね、具体的に読み取れるだけの知識とか理解が必要だということになるんだと思っています。これはなんとなくではいけないところかなというふうに思っています。例えば小学生にとって、自己の形成とか文化の創造や継承とは何なのかということです。これはですね、やはり実践研究を含めてかなり丁寧に理解を積み上げる必要があるところかなと考えます。
 それからこれもですね、何度か申し上げた幼小の接続の問題というのもこれに類するところがあるというふうに感じております。前回申しましたけれども、31枚目ですね、様々な知識及び技能の内容、要素といったらいいんでしょうかね、が示されております。先日申したとおりですね、幼児教育での子供の体験と小学校の教育の滑らかな接続ということを考えたときにですね、この要素をどう統合して考えたら、個としての子供たちの経験が掴めて、小学校の前倒しではない幼児期の教育としっかり繋げられるのかと、このことについても相当の発達理解の知識ですとか議論がいるかなというふうに感じたところでございます。
 それからもう1点ですね、4月でしょうか、議論になった生成AIに関連しても一言申し上げたく思います。12枚目のですね、右上のほうですね、自らの言葉で説明し、責任を持つことができるようにすることを基本としっていうふうに書いてあります。AIが出したものをですね、どうしたら自分の言葉になるのかと。そもそも研究上は本当に自分の言葉なんてあるんだろうか、存在するんだろうかみたいなことも議論の対象なわけでございます。言葉とは何なのかということについて、これ本質的な議論がいるところかなというふうに考えます。
 最後にですね、教員養成の大学で私が仕事をしておりますと、こうした本質的で深い理解が必要になる内容をどのようにカリキュラムの中に反映させていくのか、どこまでどのように学ぶことを想定していくのか、実際の子供たちの姿と合わせてでなければ、これらはですね、理念の羅列のようになってしまうわけです。その具体的な子供の育ちと合わせて理解していく場をどう保障していくのかと、これは教員養成に携わる者としては、極めて難しい宿題をいただいているというふうに感じました。以上でございます。
【島田主査】  様々な点についてご意見、ご感想をいただきました。特に「統合的な理解」の文言ですね、小中高で統一したような形になっておりますけれども、各段階で先生方がどういうふうに具体化して、イメージを持って指導に繋げていくことができるかというようなところが大事だというお話、印象に残りました。続きまして、竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  たくさんの意見を反映していただいたことに大変感謝しております。そして学習活動を細分化せずに学習活動全体を通してひとまとまりの思・判・表を深めるというイメージができたことですとか、バランスを欠いていた高校国語の是正が進んだことというのがとても大きかったと思っております。
 話す、聞くという観点からしますと、例えば相手に合わせて話す内容を調整するという観点が入ったことですとか、参考資料の2にありますように、資料を根拠に自分の考えを構成して説明の仕方や表現を工夫して伝えることに大きな課題があるという点が国語の問題としてしっかり位置づけられたということが大きかったかなと思います。特に図表は読み取るだけではなくて、自分で情報を整理して構造化、図示するという経験を積むことで、表現も深まっていく、理解も深まっていくという観点から大変重要であると思います。
 その上でですね、今日は3点申し上げたいと思います。1点目が小学校高学年の位置づけについてです。6年間を日常生活とすることは、発達段階を踏まえた整理であることは理解していますけれども、特に高学年ではですね、国語の授業を通じて社会的な課題に触れて、自分の考えを持って相手に伝える経験を積んでいる学校や自治体がある一方で、高学年になっても音読や漢字に重心が置かれているという実践も少なくないと。その観点からしますと、18ページで音読が事項のまとまりとして明示されたことへのリスクというのもお伝えしたつもりです。子供の動機づけが社会との接続によって変わるということは実証されていますし、実際に中学校に入ったときの考える力、伝える力の差として大きく現れています。ですので、日常生活と書くのは致し方ないかと思うんですけれども、地域や社会への接続を含むものとして解説や指導事例で明確にしていただきたいと思います。その観点からしますと、12ページで端末を用いた入力を、各活動の一環として位置づけていただいたということは、これは大きな前進かなと思っています。手書きの重要性を否定するものではないのですけれども、子供たちの入力形態の違いによって活動の幅が大きく違っているという現状がありますので、ここは早急に改善できるという意味でも、非常にありがたい観点かなと思いました。
 2点目は、話すこと、聞くことの整理の仕方です。参考資料の1で外国語の議論、プロダクションとインタラクションと整理されているのですけれども、国語においてもこれに対応するような整理が必要かなと思いました。すなわちですね、説明、報告、提案、プレゼンテーションのような「発表」の力と、質疑応答、話し合い、論点出しなど課題を見つけるというような「やり取り」の力の両方が必要で、話すこと、聞くことと一まとまりになっていることも相まってですね、全体を通して話し合いや対話が重視されているように受け止められがちですので、この2つのいずれもが、国語で育てる力であるということを今後整理できたらと思っています。
 3点目は、全体のゴールをどう見せるかという問題で、8ページで例えば「必要に応じて合意形成・意思決定に向かうこと」というふうに入ったことですとか、17ページで「協働による深化や合意形成」と入れていただいたことは大変重要だと思うのですが、他方で27ページのようにまだその合意形成というところがゴールに読めるような箇所もありますので、これは論点整理の精神に立ち返ってですね、安易に一つの正解に収束していくのではなくて、あえて異論を出すことですとか、異なる立場のその背景を理解すること、場合によっては結論を保留して考え続けることというのが、この先行き不透明な時代に国語科として育てるべき力かなと思いますので、評価においても早くきれいにまとまることだけが良い話し合いと受け止められないように、評価例の中でも示していただけるとありがたいかなと思います。
【島田主査】  話すこと、聞くことの領域を中心に3点重要なご指摘をいただきました。続きまして、中川委員お願いいたします。
【中川委員】  事務局のおまとめありがとうございます。これまでの議論されたことを踏まえながら整理されてこられた結果だと思っています。2つコメントします。
 まず1つ目ですけれども、自分の専門のICTの活用等では、12ページの(2)で示されている点は重要に思います。今後国語科においても生成AIを含むICTの活用についても避けることはできないと考えるからです。メリットを実感しながら、一方で例えば生成AIとの距離感を保ちつつ、その回答とのずれを自覚し、自ら考え、判断し、関わっていくことが求められると考えるからです。ただ一方で、第8回で発表の機会をいただいたときに、生成AIの活用についても事例を紹介しましたが、留意点を含め、国語科として生成AIとの関わりについてもう少し踏み込んで言及しておかなくてよいのかなという思いが今もあります。これが1点目です。
 2点目ですけれども、これからの国語科において理解と表現のバランスはもとより、示し方がますます重要になってくると思われます。例えば27ページの話や文章の機能と事項のイメージの関係についてなんですけれども、話し合うことのところは理解と表現の両方を含んでいるというか、行き来するわけですが、なかなかここが授業でうまくできていないと感じる場面が少なくありません。したがって、ここは注釈に、話し合うことは、話すこと、聞くことの学習過程がほぼ同時に往還していると考えられるため、詳細な学習過程は示していないとされています。ただ実際に授業を行う教員のことを考えると、話し合うことは、話し合うことでもっと丁寧に詳細に示すべきかというふうに思っています。以上、2点コメントしました。
【島田主査】  ICTの活用についてですね、特に生成AIとの付き合い方についてもっと踏み込んだ記述もあってよかったというご感想をいただきました。続きまして、中嶋委員は本日ご欠席です。中村委員、お願いいたします。
【中村委員】  はい、ここまでのご議論ありがとうございました。おまとめいただきまして、国語科における深い学びの実現、そして高次の資質・能力の育成に向けての枠組みが整ってきたという感じが強くいたします。
 例えば具体的に20ページの中学校の案、全体構造の案の補足イメージ資料がありますけれども、読むことの学習指導であれば、上にありますように三つの文章の機能を一つずつ丁寧に読んで学びを深めることもできれば、この複数の機能同士の文章を比較、総合しながら読み深めていくということもでき、まず読むことの領域の中でも「総合的な発揮」に向けた学習指導が可能になっています。また先ほど児玉委員からもご発言がありましたが、29ページにありますように、そうした領域内の「総合的な発揮」を超えて、それぞれの話や文章の機能に沿って領域を連ねながら、その認識を深めて総合的に発揮をしていくということも今回の枠組みで可能になっています。単元によって、あるいはそれぞれの学習者の状況によって、国語科の学習指導の可能性がかなり広がり深まったというふうに、ここまでの議論をまとめていただいて感じているところです。またこの思考力・判断力・表現力を支える知識及び技能についても、側面一、側面二という形で整理された点も大きかったと思います。
 一点、今日の資料を見て気づいたことを申し上げます。5ページをご覧いただけますでしょうか。今の知識及び技能について、今回具体的な指導のイメージがしやすいようにということで、先ほど髙見さんからもその表現ぶりについて検討しながら、このように示しているとご説明がありました。側面一の「運用しながら深める側面」というのは、私は現場の先生方にとっても、あるいは授業のあり方としても具体的でわかりやすいかと考えますが、二つ目の「教養として深める側面」の教養としてという言い方が、果たしてこの側面二の授業のあり方をイメージできるのか、あるいは内実を端的に示しきれているのかという点で、検討の余地があるのではないかなと考えます。教養として深めるためにこの側面二を学ぶのだというふうに子供たちへの理解を促したり、あるいは教養を深めるために指導するんだというような先生方の捉え方になったりした場合、例えば小学校などはそれでいいのかという点が懸念されるところです。改めて側面二の趣旨や、資料にありますような文言を用いて、例えば「意義や価値を理解しながら深める」など、側面一の書きぶりと合わせながら少し文言が検討できればと感じたところであります。
【島田主査】  国語科の学びを深めるための枠組みというのがだいぶ出来上がってきたというご意見もいただきました。そうした中で、知識及び技能のですね、二側面、教養として深める側面というネーミングはいかがなものか、検討の余地はないかということで、こちらはご意見をいただいたところです。続いて西委員お願いいたします。
【西委員】  はい、よろしくお願いいたします。大きく二つ申し上げたいと思います。
 先ほど井上委員からもお話が出ました高校の科目編成、今回課題として挙げられていた資料4のbとして挙げられていた高等学校の科目編成等の課題に、一つの結果として今回特に選択科目の編成を大きく変えるという形になった、これは井上委員からもお話がありましたが、委員会終了直後から様々なSNSで議論があったり、意見が飛び交ったりと、さらに新聞でも翌日大きく取り上げられるということからも、大いに注目されているのだと思います。今回の改正の意図がうまく伝わらない部分があるのではないかと推測しております。例えば、古典の学習時間や教科内容が減ってしまうのではないか、科目名とその教材というものがどのように関わるのかというところが、正確な議論が示されないまま、あるいは正確な情報が出ないままになっている点は、今後さらに丁寧な説明が必要になるだろうと思います。このことと併せて、おそらく高等学校の科目編成の課題というのは、小中での学習との接続をどのようにしていくのかという点を丁寧に説明し、これから告示文を検討する中で議論されるべき内容になるのだろうと思っております。
 次に教科名についてです。やはりどうしてもその科目名だけで議論がされてしまったり、それに対するコメントが広まってしまったりということがありますので、どのような資質・能力をそれぞれの科目で位置づけようとしていくのか、育成しようとするのか、そういったことについて丁寧な説明が今後求められていくのだろうと思っております。
 これに関わって内容の改善の在り方、資料で申しますと九枚目の資料になります。我が国の言語文化に関する事項、右の上段ですけれども、その中で、三つの学習の方向性を充実するという中の特に二つ目の文法指導の偏りの見直しというように出てきてしまうと、文法指導を否定的に捉えているというように受け取られないかな危惧します。例えば文章を、日本語を読み味わうときに、文法の必要性ということは十分理解していながらも、古典学習であるとか我が国の言語文化の学習において、文法学習をきっかけにして古典学習が嫌いになる要因であると言われかねない中での「見直し」という表現については、我々、どのようにしてこのことを受け取って具体化していくのかということが課題であると考えておりました。
 そして同じ九枚目、二つ目の点ですけれども、読書についての記載です。特にこの二年くらい見ていますと、小中高いずれも不読率が上昇傾向にあり、読書冊数が減っているという分析が見られます。そうした中で、読書が現行の学習指導要領で「読むこと」の領域から【知識及び技能】に位置付けられたことが、非常に効果的であったと理解しております。この部分がどうしても、読書習慣の形成という点が、例えば教養としての読書というニュアンスが前面に出てきているのではないかと考えます。学習活動を想定すると「調べる」等は、デジタル学習基盤の中での読書というものを、どのように見ていくのかという点は、今後さらに検討が必要になると考えています。特にメディア・センターの名称で、学校図書室が情報機器を操作する空間としても活用する学校が増えてきた中で、学校図書館という用語を再定義するということも必要になってくるのではないかとかなというようなところが全体を見ていて感じたところでございます。
 前半のところで、特に小中と高等学校の学習をどう接続していくのかというところ、おそらく告示文の作成は小中が先行するでしょうから、特に中学校のほうは高等学校の科目編成を見据えた上での告示文の作成ということに配慮する必要があると思いました。私からは以上です。
【島田主査】  様々ご意見いただきました。高校科目編成につきましては、その科目名が独り歩きしがちであるといったような状況も踏まえまして、その趣旨については丁寧に説明していくことが大事だというご指摘いただきました。同意するところでございます。続きまして庭井委員お願いいたします。
【庭井委員】  はい、よろしくお願いいたします。私のほうからは図書館に関することを特に焦点を合わせてお話ししたいと思います。
 ご承知のとおり、国語は学校図書館と特に親和性の高い教科になります。言葉の力を身につけるためには、大人になるまで継続して、目的に応じて、そして楽しんで読書するということが大変重要になります。さらに多様な資料に触れて、それらを比較しながら、かつ批判的に読み、考えたり、書いたり、話したりする際の材料にできるということも大切になります。いずれも教科書教材から対象を広げていくということが必要になりますので、紙とデジタル両方の資料にアクセスできる学校図書館の活用が鍵になります。
 今回の取りまとめ案で、授業で与えられた文章を読むだけではなく、自分で読むものを探し、選び、読むという自立的な読書へと移行していく学習を積み重ねることが必要という点が示されたことが非常に意義深いと考えております。また、併せて情報の扱い方に関する力として、情報同士の関係を吟味し、整理し、信頼性を見極めることが明示されているという点も、図書館が提供する多様な情報源の利用促進に繋がるものだと大いに期待しているところです。
 しかし、読書にしても様々な資料の活用にしても、環境を整備することと、必要な知識や技能を獲得することの両方が必要になります。ですので、読書や情報の項目だけではなく、読むことや書くこと、話すことにおいても、教科書以外の様々な資料を選んで読んで活用することを想定する必要があると思います。
 資料の9ページに読書と情報の扱い方に関する具体的な改善の在り方が示されていますけれども、この読書の中に多様な形態の表現形式のものを読むことが明示される必要があると思っております。また、下の情報の扱い方という中にも、学校図書館を活用して情報を収集しというふうに、情報を探して集めることに図書館が関わっている点について触れていただきたいなと思っております。
 また、資料17ページ以降に資質・能力の全体構造が示されているんですけれども、そこの読書に関する項目に選書の仕方を入れていただいたのが大変よかったと思うんですが、ここにも学校図書館等を活用した選書の仕方というふうに、具体的に記述できないかなと考えました。
 今、図書館や書店が身近になくて、家庭にも本棚がないという子供が増えてきています。そうしたことから、国語の枠組みの中で、多様な資料に出会い自分で選んで読むことができる環境と機会、その両方を全ての子供に与えることが重要になってきますので、今後ご検討いただけますとありがたいと存じます。
【島田主査】  様々な面で学校図書館の活用ということ、もう少しあちらこちらに言及できるのではないかというご意見いただきました。検討してまいりたいと思います。続きまして、藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  よろしくお願いします。従来、学習指導要領を巡って言語活動領域別に付けたい力をはっきりやっていきたいという先生方のご意向と、もっと単元的な発想で総合的に進めていきたいという意欲を持ってらっしゃる先生方と、両方の先生方が幸せになれるような学習指導要領っていったい何なのかという、それを今回追求されて、一定の意味ある結果が出たんじゃないかなって思いました。
 で、主に細かいことで四点ほど申し上げておきたいと思うんですけど、ページに合わせましてお話しします。
 まず5ページです。5ページのところで、今回知識及び技能の二本立ての文言を非常にコンパクトな形で一目瞭然になるように工夫してくださいました。先ほど中村委員からのご指摘も踏まえつつ、さらにこれブラッシュアップしていただきたいんですが、深めるというこの用語について私は再考していただきたいと思いました。と申しますのも、保幼小中高の成長とともに考えた場合、深めるという側面はある程度成長した段階での用語ではないかと思いまして、例えば「広げる」という側面もあったり、「高める」という側面もあったりしますので、代案として私は充実させる側面っていう言い方がいいんじゃないかと思っております。
 続いて6ページをご覧ください。ここで見方・考え方について記述のご説明があり、15ページに今回の新しい見方・考え方の案が出ていますけれども、「自分や他者の言葉を」というのを見方・考え方の対象にしてしまった場合、言葉を言葉で捉えていくというメタ言語的なものに対象が限定されてしまう印象があって、ほかの科目や教科がそうであるように、日常生活や社会生活における様々な事象というのが対象であって、それに対する見方・考え方の見方が自分や他者の言葉に着目して捉えるのではないかなと思いました。このあたりご検討いただければ幸いです。
 それからですね、34ページのところに行っていただいて、先ほど来、生成AIとの絡みがいろいろ問題になってると思うんですけど、その中で学習者の身体性、つまり学習者ならではの要素をどういう位置づけで捉えるかというときに、この34ページの図の中のですね、右上の考えの形成のところに「自他の経験や感情、意思を結びつける」というくだりがあります。これは生成AIがどれだけ進化したとしても、この生身の人間のする行為だけはいやがおうにも浸潤できない要素でありまして、このあたりについてより強調して示すべきではないかなと思いました。
 4点目は36ページでございます。新教育課程が出てきたときに、先生方が頭を抱える問題の一つが評価をどうするかという問題で、指導事項が細かくなればなるほど評価をどうするかっていうことで紛糾するんですが、基本的に評価イコール成績付けだという印象で捉えてらっしゃる方がたくさんおられて、この提案(知識及び技能の評価は単元レベルでは形成的に行うという提案)は先ほど石井委員もおっしゃっていたと思うんですが、かなりラディカルな提案だと認識しております。形成的評価の段階でいわゆる点数付けはしない、そして思考・判断・表現の出来栄えじゃなくて、学習経験を通してどういう知識及び技能が本人の中で自覚されたのか、どういうことができてどういうことがまだできないと分かったのかという点にこそ評価の大きなポイントがあるということを、より分かりやすくイメージしたんじゃないかなと思いました。大変頑張られたなと思いますし、それに協力できた我が身を褒めてやりたいとさえ思っております。
【島田主査】  領域ごとの学びと、それから単元で総合的に学ぶということ、両立に繋がるような指導要領に確実に向かっているのではないかというご感想いただきました。そうした中で、知識及び技能の「深める」といった言い方であるとか、見方・考え方の文言であるとか、そういったところについてのさらなるご指摘もいただいたところです。
 続きまして松本委員お願いいたします。
【松本委員】  はい、よろしくお願いします。私からは感想を2点申し上げます。
 このワーキングに参加させていただくことになったとき、環境や方法としてのデジタルの活用の推進というのが、国語科におけるアナログの学びの意義や必要な学習内容まで、意図せず損なうことがあるのではないかという点を危惧しておりました。そういった意味で注視しておりました。特に文字を書いて覚えるとか書き方を学ぶ、その文字や書写の学習がデジタル学習基盤の充実という大きな流れの中で捉え直されるのかということを気にしておりました。結果的に、国語科では書いて覚える、書き方を学ぶというアナログでの学びの意義を追認した上で、デジタルを効果的に取り入れるという方向で現実的にまとめられたので良かったと思っています。タイピングについての結論も妥当なものと思っております。
 二つ目ですが、資質・能力の全体構造が整理されて良かったと、皆さんとともに思っております。特に知識及び技能を二つの側面で捉えることで、知識及び技能の学びの意味がこれまでより明確になったと思っております。文字や書写はそのうち知識及び技能の二層目に位置づけられていますが、書写にとっては大きな意味を持つと捉えております。言語事項の時代から書写はなんとなく置かれていたイメージが強かったのですが、国語科の学び全体を下支えするという役割が明確な位置づけになったと思っています。
 書写はこれまで生活に生きる書字スキルの学びという、実用性目的の側面が強い位置づけであったわけですが、時代はすでに実用的な側面での書写の学習の役割を限定的にしています。このたびのまとめでは、小学校段階から書字スキルの学びと文字文化としての学びの二つの側面を広く文字文化の学びとして再整理しています。さらに知識及び技能の二として位置づけられたことで、国語の学び全体を支える書写という広い関係性ということにはなるのですが、広く構えることが良かったと思っています。その実用性目的のスキル偏重の考え方から、記憶学習のための書写、書字の役割とか、あるいは文字を書くことの文化としての継承といった、そういった幅広い側面も含めて、広く国語学習やこれからの国語文化を支える学びとしての位置づけが、これまで以上に明確になったと思っています。
 ただし、犬塚委員からご指摘もありましたけれども、正しく書くという書字の基礎の部分と、整えて書くというスキルの部分は、分けて捉える意識がやはり大事かと思います。そもそも文字を正しく書くことと文字を整えて書くことはイコールではないということですね。整った文字というのは、正しく書いた上での美観の部分なわけです。我が国ではその美観の部分を文化として継承しているわけですが、アルファベット圏の多くの国ではすでにこの文化を放棄しているという現状があります。整った美観というのですね。正しく書くという書写の基礎の部分と、いわゆる美観としての文化の部分とを分けて捉える視点を持っておかないと、犬塚委員の指摘のように書字に困難さを持つ子供たちのアプローチを誤ることになるかなと思います。そういった意味で今回のまとめ案の書きぶりは誤解を生じないとは思いますが、そのへんの意識はしっかり持っておく必要があると思います。
 それから、そういった点から言いますと、教養として深める側面という表現は、私も孤立感があるので変えたほうがいいと思います。教養という言い方に私は変更を求めるということはないのですが、例えば、領域の学びを支える、支えながら深める事項とかですね。何かそんな、領域とこの二層目の知識及び技能の関係性を示す語がほしいなとは思っております。はい、以上でございます。
【島田主査】  書写に関しまして、その扱い、大方適切というご感想いただいたかと思いますが、そうした中でも正しく書くことと整えて書くこと、その両者の整理についてはなお注意が必要だというご意見いただきました。
 続きまして吉田委員お願いいたします。
【吉田委員】  はい、私からは三点申し上げたいと思います。
 一点目は、井上委員もおっしゃっていましたけれども、やはり今回高次の資質・能力であるとか、「総合的な発揮」、「統合的な理解」というような新しい言葉、概念っていうものも学習指導要領の改訂で増えた、言葉も増えた印象があり、やはり現場の先生からすると、まず最初の印象はちょっとやっぱ難しいなっていうのが本音じゃないかなというふうには思います。また表形式にされていくことが、その表を読み解くということも力も必要ですし、またそれを理解していくその概念、その言葉の概念と表形式とを表わせて理解することも、とてもいろんなことに追われる現場の先生からすると、そこへの十分なアプローチってことも必要かと思いますので、今後個別の資質・能力が整理されていく中で、よりもっと具体的に分かってくるんだとは思いますが、具体の授業案とか授業イメージとかと合わせることがすごく学校の先生方は分かりやすいですので、この指導要領がさらに具体化していくっていうことが、やはり理解することには必要かなというふうに思います。
 二点目は、思考・判断・表現のところで、話や文章の機能ごとに示された、また学習過程ごとに細分化せずに大括りにされていくっていうことで、各領域を総合に関連付けることを狙ったということが、今回の改訂のまた一つの大きなポイントかということでもある一方で、やはり今現状でも様々な言語活動を総合的に組み合わせているような授業は割と多く展開されているように私は感じています。例えば自分で取材に行ってインタビューしたことを書いていくとか、読んだことから関連して自分が創作活動してみる、創作して書いてみるであるとか、はたまたタブレット端末を自在に活用して授業を展開、学習を展開していくっていうようなことは、割と先生方は展開されていて、けれども子供がいろいろな活動はしているけれども、やっぱり最初の原点に戻ると、それは国語科なのか総合的な学習なのか、国語の何の力をつけているのかっていうところにやっぱり意識がいっていないと、この改訂の現状のそもそもの課題のところがやはり国語の力がついてないよねっていうところの課題が浮き彫りになったのかなというふうに思いますので、この学習過程ごとに細分化せず大括りにされていったっていうことの改善の方向性をきちっと照らし合わせて、なんでそうなったのかっていうところのあたり、また知識及び技能がより具体化されていくことで、その関連付けて、その思考判断の過程でどんな知識及び技能を発揮していくのかとか、どんな知識及び技能が育成されていくのかっていうところと合わせて理解できるようにすることが、今後必要かなというふうに思います。
 三点目は評価のことですけれども、やはりとても現場でも関心が高い点だと思います。学習評価というものは、やはり小中学校では特に授業改善が進んでいても、やっぱり受験とか保護者への説明とか、やっぱそういったところでの不安要素からペーパーテスト一択になってしまったりとか、授業での資質・能力の育成の部分と、評価できるものっていうものが合っていない、授業内容と評価の取り方が合っていないっていうことが、それはやっぱり学校現場の先生の不安の表れもあるかなというふうに思います。今回の学習指導要領がより具体化することによって、先生方に分かりやすい、国語科の力がすごく分かりやすく示されることによって、今回の指導要領と照らし合わせて、その育成する資質・能力が分かるということ、そしてその育成する資質・能力を測るには、どんな評価を組み合わせていったり、どんな評価方法を適切に選んでいったらいいのかっていうことが分かっていくといいなというふうに私も思いますので、この評価のところの部分と合わせて、今後もっと具体化されていく中で、また現場の先生方に伝わっていくといいなというふうに感想ですけれども思いました。
【島田主査】  領域ごとの関連付けですね、その方向性は良しとしながらも、つけたい資質・能力を明確に示すような具体化のあり方、告示文のあり方といったようなところ、ご指摘いただきました。評価の見直しについても私も全く同意するところであります。
 続きまして渡邉委員お願いいたします。
【渡邉委員】  はい、これまでの議論を盛り込んでご検討いただいた資料をお示しいただいてありがとうございました。
 私からは、全体として三点と各論で二点短く申し上げたいと思います。
 まず、話や文章の機能を中心として構造化する。それによって言語教育と学習活動の目的を明確にするという趣旨は、全体として反映されたものになっていると思います。その中で機能の中心的意義については、17ページにあるように、「相手や状況、目的に応じて思いをよりよく伝える」という、この文言がかなりの部分の共通の文言となっていますけれども、これには、日本の社会状況と、それからこれからの社会でも必要なことが反映されていると思います。特に目的論中心に動いていることで、今世界で様々な問題が起こっている中で、目的が最初に来ずに相手や状況が強調されている形になったということにも工夫があったと思いますし、これは言語を対象にすることで全教科の要となる国語科で特に強調する意味も大きいと思います。
 それから二点目は分かりやすさについてです。系統性を重視するとどうしてもメタ的な説明になってしまうんですけれども、知識及び技能については先ほど吉田委員からも指摘がありましたように、メタな目標部分と、それが具体的に何を指すのかということが分かるようにすると、これが分かりやすさにつながると思います。さらに、小中高で言語教育の対象と領域の違いが明記されていますが、例えば小学校では「日常生活」、中学校では「社会生活」、高校では「生涯にわたる社会生活」が、何を表しているのかということを、今後の解説などでも触れていただければ、異なる学校レベルで今ほぼ共通の文言によって知識及び技能、思考・判断・表現が示されているだけに、それぞれの学校のレベルで何が重点化されるのかということがイメージされやすいと思います。
 それから三点目ですけれども、論理的思考と感性・情緒について、バランスよく統合的かつ効果的に育成するという方針が示されていますが、その「意味づけ」が非常に大事だと思います。バランスよく統合といっても、やはりそれぞれの目的と意味は違うので、これに関してはいろんな意見があろうかと思いますけれども、情緒、感性については初等教育を中心に日本の文化を体得する国語の柱として、その一方で、論理というのは何らかの目的を達成するための「手段」として「言語技術として系統的に教える」という区別が必要だと思います。両者の位置づけと、それから特に論理の学習の系統性については、技術としてしっかり教えることがこれまで足りなかった部分ではないかと思いますので、今後解説などでその系統性がもっとはっきり具体的に分かるようになればいいと思います。
 それから各論ですけれども、一つは25ページの「古典と文化」では、「書くこと」等の領域が斜線になっています。ここでは読む領域が中心となっていても、書くことが全くないという意味ではなく精選の意味だということも踏まえつつ、この科目の目的を達成するために書くことを通じてできることがあると思います。例えば古文に現れる価値観とはどんなものかを作文する、それによって「古典と文化」の科目の目的、つまり古典と文化の関係がはっきり認識できるのではないかと思います。あるいは一段落でもいいので擬古文を書いてみることで、古典特有の語彙とか文法とかリズムを楽しみながら身体化することができると思います。またその擬古文を生徒同士で直し合ったり、先生が直したりすることによって親しみも湧きますし、候文などは生徒が面白がって使うんではないかと思います。何より現代訳に偏っていると批判されていた古典の在り方を変える一助にもなると思います。
 それから同様に24ページの選択科目「論説と批評」において、「話すこと」「書くこと」、あるいは「対話と表現」における読むことの領域が斜線になっています。この中身は表の中で説明することは難しくても、解説等で何が意味ある課題としてできるのかを示すことは十分可能であるし、必要ではないかと思います。
 それから最後の点ですけれども、26ページですね、「協働による深化や合意の機能を踏まえた思考判断の要素として互いの考えの共通点や相違点を捉えて整理し、折り合いをつけたり方向づけたりする」とありますけれども、折り合いをつけたり方向づけたりするのみならず、もうちょっと積極的に相違点そのものを対話の起点としてより高次のアイディアとか合意形成を探索する、あるいはその意見の差異を新しい発想の契機とするということが、これまでの日本の社会にはある意味欠けていた部分でありまして、他者とのやり取りを通じて新たな発想を作り出すという積極的な意味を、社会で役立つ言語教育を行う国語において付け加えることの意味は非常に大きいと思いました。はい、以上です。
【島田主査】  大きな視点から細かなご指摘までいただきました。
 続きまして、それでは石黒委員お願いいたします。
【石黒主査代理】  はい、よろしくお願いいたします。時間も押しているわけですけれども、終わりが近づいていますので、もう少しご辛抱ください。
 今、国語ワーキング取りまとめ骨子案というのが共有されています。改めて読み直してみて、一言で言うとバランスが良くなって非常に整理が効いたなという印象を持っています。これはですね、調査官の先生方、そして今日お集まりの委員の先生方、また事務局の皆様がですね、本当に知恵を絞って力を出し尽くして、ここまで現行の学習指導要領を踏まえてまとめてきたものです。できるだけ分かりやすいものになるように系統化に工夫しつつ、表形式も多用しながら形にしてきたもので、もちろん今先生方のご意見伺っていると限界もあるのかな、まだ道半ばなのかなっていう気はしているんですけれども、それでも相当のものにまとまったというふうに考えております。
 私が最後に述べたいこととしてですけれども、書かれていないことをちょっと述べたいと思います。つまり、その暗黙の前提になっていたことがあったんじゃないかと思うんです。それは一言で申しますと、こちらの関わったメンバー一人一人がですね、言葉の力を持った子供たちを育てたいっていう、そういう真剣な思いを持って、本当に言葉、国語は大事だよっていうことを伝えようと思ってこれを作ってきたということがあるんだろうと思います。もしこの世界に言葉がなかったらということを考えると怖い気もします。私たちやっぱりその考えを形にする、気持ちを形にする、それはもう言葉というものがあって初めて私たちの考えや気持ちは明瞭なものになりますし、人に伝えられます。反対に人の考えや気持ちも理解できるようになります。その言葉の大切さっていうもの、それを踏まえてこの骨子案は取りまとめられているというふうに感じています。
 それから当然国語という科目はちょっと特殊でして、全ての学力の基盤になるというふうによく言われます。国語は国語で学びますし、数学も国語で学ぶ面があります。英語や社会科も国語で学ぶ面もあると思います。すなわち対象であり、かつそのような手段でもあるというところがありまして、その部分で結局私たちの頭の中を整理していくときは、やっぱり言葉で整理をしていくというところで、全ての学力の基礎となるということも意識しつつ、このような形に読む、書く、聞く、話すという四技能、さらには感じる、考えるという心の働き、頭の働きというものを踏まえて、このようなものが作られてきたんだというふうに感じています。
 三つ目なんですけれども、国語って一生ものなんですね。いや、他の科目だって一生ものといえば一生ものなんですけれども、実は他の科目は言葉は悪いですけど、逃げることができます。自分が向いている世界であれば、そのようにさらに積み上げていくこともできるんですけれども、他の科目は自分がちょっと向いてないなと思えば距離を置くことも可能なんです。ただ国語というものは、この日本社会で生きていく以上、絶対に離れることができないという、そういう存在であります。だから社会に出ても、また年を老いてもですね、結局私たちはこの言葉というものと一生付き合っていかなければいけないわけで、そのような一生付き合っていくということを前提に、この高校までの中等教育までの設計をしているということ、それをですね、もしこれをご覧になる皆様にも、その点はぜひ踏まえていただければありがたいというふうに思います。
【島田主査】  先生方から大変多くのコメントをいただきました。それではですね、11時20分まで、10分少しですけれども適宜休憩といたします。その後、後半の意見交換に移りたいと思います。時間になりましたらお戻りいただきますようお願いいたします。11時20分まで休憩といたします。
( 休  憩 )
【島田主査】  先生方お戻りでしょうか。お時間になりましたので議事を再開いたします。
 後半休憩前の意見交換で先生方からいただいたご意見について、他の委員の皆様からもご意見をいただきたいと思います。
 前半いただいた意見の中で、1つ知識及び技能の丸2ですね、5ページをご覧いただくのがいいかと思いますけれども、知識及び技能の丸2ですね、「教養として深める側面」、この文言についてもう少し検討したいというご意見がありました。
 それからもう1つ15ページをご覧ください。1番下段ですね、見方・考え方ございます。この文言ですね、事象を対象とするのかそれとも言葉を対象とするのかということ、ご意見ございました。こちらについても検討が必要であろうというご意見いただきました。
 後半は以上2つの点ですね、知識及び技能の丸2、それから見方・考え方の文言、これらについてですね、ご意見等ある方は挙手ボタンを押してお知らせいただきたいと思います。よろしいでしょうか。ご発言はぜひ先生方、お1人1分ないし2分で時間厳守でおまとめいただけますと幸いでございます。それでは2つのうちのどちらからでも構いません。ご意見ある方はご発言ください。
 再度ということでも構いません。はい、犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  なんかうまくまとまってないのでと思ったんですけれども、15ページのところの見方・考え方の表現っていうところにも関わるかと思うんですけれども、やはり他の委員の先生からもご意見ありましたように、国語の非専門家から見ても分かるようにということを申し上げます。ここの記述をという提案だと思うんですけれども、全体としてやはり検討していきたいなというふうに、こちらの見方・考え方についてのご意見も聞いていて大変強く思いました。
 確かにこの部分について分かりにくいところがありますし、分かりにくさの原因もいくつかあるかなと思います。対象がはっきりしないということもありますし、これは委員会のほかの場面でも申し上げましたけれども、1文の中にすごくたくさんの要素が入ってるんですね。一般的に文は長くなれば長くなるほど読み解くのが難しくなりますし、特に連用形でこうして連ねられると、これは一体同時にやるということなのか、このあとでこれをやるということなのかっていうふうな別の観点からも読めば読むほどちょっと迷ってくるっていうようなところがあるのではないかなと思います。
 ほかの部分の記述についても共通ですし、おそらく国語科の国語の部会の話だけでもないのかなというふうに思うんですけれども、こうしたとにかく連用形でつないでいって1文でまとめるというのではなく、より明確に対象であるとか順序性であるとかっていったことがぱっと読んで分かるように、分かりやすさということがテーマでもありますので、少し考え直していただき、考え直すというか考えていきたいところではないかなというふうに思いました。まだもうだいぶ最終回に近づいてはいるんですが、まだちょっと回もあるので、ぜひこの回の中でもそういった方向でも考えていけるといいのかなというふうに思いました。すみません、まとまりなく。
【島田主査】  こちらの構文につきましては、総則部会の示した雛形のようなものに沿ってのまとまりになっているとは思いますが、確かに犬塚委員おっしゃるとおり分かりにくいというところはあろうかと思います。全教科の横並びという事情もあるかと思うのですけれども、そのあたりちょっと事務局から補足をいただけますか。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、こちらまだほかの教科も調整中の部分ございますけれども、教科横断的に見たときに、今、このような形になっております。特に先ほど藤森委員からおっしゃっていただいた話にも繋がると思いますけれども、社会的事象あるいは事象や言説等々の記載をしている教科っていうのは比較的このような形で見ていただくと、並びとしては多いというふうに捉えられる部分もあるかと思っております。あと先ほど犬塚委員からもご指摘いただきましたが、全体の長さですね、そういったところもこういったものをご参照いただき、ぜひまたご意見をいただければと思います。
【犬塚委員】  ほかのところと雛形で揃えているっていうことは理解してるので、あんまりこの中でいろいろ言っても仕方がないというか、反映されにくいのかなとは思いますが、分かりやすいっていうところからすると、まず第一歩ここでつまずくというようなこともあるのかなということですので、せっかく記録されている会議ですので意見として申し上げたということでご理解いただければと思います。
【島田主査】  藤森委員、補足でしょうか。よろしくお願いいたします。
【藤森委員】  先ほどご発言なかったので補足ということで発言しようと思いました。15ページの部分です。繰り返しになりますが、対象が「自分や他者の言葉」だとすると、結局言葉を対象にそれを言葉で学ぶというのが国語科の見方になってしまって、それとすべてのメタ言語的なものに限定されてしまう印象を与えかねません。
 例えば説明的文章の読みの場合は、取り上げられている事柄と筆者の考えやあるいは筆者の主張について理解することがまず学びの対象で、それを捉えるにあたってどういうふうに筆者が述べているのかという点、つまり筆者の述べ方や言葉の使い方に着目して対象を捉えていくというのが国語のいわゆる見方であって、その際の考え方として、包括的・網羅的に考えていくとどういう考え方の方向性があるかという指針が示されるべきだと思います。根本的に対象が何なのかというところで、やはり言葉っていうよりは日常生活や社会生活における様々な事象とすべきで、だからこそいわゆる国語科で扱う言葉っていうのがあらゆる学びの対象、事象に対して大きな影響力というか基盤的な意味合いを持ってるという、そういうことになるんじゃないかなと思っているところです。
【島田主査】  ほかの委員の先生方、ぜひお願いいたします。
 どなたかありませんか。私も実は対象としてはここは言葉そのものであるよりはさまざまな事象のほうがよろしいかなと感じます。どうでしょう、ほかのご意見ございませんか。
 はい、分かりました。そのほかもう1つの論点ですね、知識及び技能の丸2、教養として深める、こちらについてはいかがでしょうか。前半何人かの先生方からご意見あったところかと思います。補足、繰り返しになっても構いませんのでご発言をお願いします。中村委員お願いいたします。
【中村委員】  はい、前半の発言と重なりますけれども、教養としてという言い方で分かりやすい部分ももちろんあるかと思いますが、読書や書写は教養のためにこの国語科の中に位置づいてるのかという限定的な捉えになってしまったり、あるいは教養として深めるのだからこういうふうに教えればいいのではないかという特定の指導方法を誘引してしまったりするようなことを懸念しています。もう少しフラットな言い方、あるいは側面一の言い方に合わせたようなネーミングや別の言い方がないかと思い、発言をさせていただいたところでした。すみません、具体的な代案がない中で。
【島田主査】  いえいえ、ありがとうございました。西委員手が上がっております。西委員お願いします。
【西委員】  はい、今、中村委員がおっしゃったことと私ほぼ同じことを考えていまして、教養という言葉がやはり少し限定がかかってしまうのではないかという思いがあります。すぐに代案が出せなくて大変申し訳ありませんが、文字を整えて書くという点であるとか、それが教養なのかと言われると、少し書写の立ち位置からすると限定的に理解されてしまうのではないかと思いました。
 あと先ほど藤森委員からも話がありましたが、「深める」という点もやや限定的になろうかと思います。「広げる」とか、面的にさまざまな要素が繋がり、それが【知識及び技能】として定着することによって、思考力・判断力・表現力との関連が出てくるというイメージが学習過程の中で位置づけ方として、活用の仕方として意味があるかというように思っての発言でございます。
【島田主査】  深めるという言い方についても検討が必要だろうと。藤森委員は前半では充実を図るというような代案もお示しいただいたところかと思います。竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  私もまだ新しい切り口というところではないんですけれども、感想として「教養として深める」といったときに現場で静的な知識の蓄積ですとか文化事項の暗記に戻ってしまわないようにすることが大切かなというふうに感じます。前半でのコメントともかぶるんですけれども、社会やその事象とより接点を持てるようにしてあげることというのがとても大事かなと。
 それでいきますと15ページのほうも「丁寧に言葉を選び、よりよく伝え合う」というのが、単にきれいな言葉遣いや相手に合わせた無難な表現というように狭く読まれないようにすることも大事かなと思います。渡邉委員がおっしゃったように、違和感から何か新たな創造をしていくですとか、その知識や表現を交換するものみたいなようなイメージが出せるといいかなと思いました。
【島田主査】  小松委員お願いいたします。
【小松委員】  はい、ちょっとまとまるか分かりませんけれども、教養という言葉に関連して、これ前も実は私ちょっとコメントをさせていただいたことがありまして、ちょっとだけ考えたことを申し上げたく思います。
 私が教養という言葉から一番繋がりを持って思い起こす言葉が、大学教育でいうリベラルアーツという概念なんですね。ここに書かれている、文化に関する知識を意義とか価値と結びつけて理解すると、これはある種私の理解ですとリベラルアーツの概念に、ある程度重なってくるところがあるように思っています。そういう意味で言葉のこの具体的な中身を教養という言葉で表すということは、そういう観点から言えばさほどずれた考え方ではないのかなというふうに思っております。ただ、私が気になっているのは教養という言葉だけを申し上げたときに、そういうリベラルアーツ的な、ある種自由に人格形成の基礎となるような学びなのであるというような意味合いが連想されるかどうかということだと思うんです。なので今教養という言葉だけ出すと、そういう意味合いというのが連想されにくいのかなというふうに、そこが一番の課題なのかなということは1つ思います。それからもう1つは、そういうリベラルアーツ的な考え方というのをここで小中高の教育の中にどこまで踏み込んで取り込んでいくのかと、そういうあたりの判断というのもこれは求められてくるところなのではないかなと。教養という言葉について私が考えたことは以上の2点ということでございます。
 あえていい代案とはちょっと申せないかもしれませんけれども、そういうことを考えるとすると、例えば人格形成というような言葉というのがある種繋がってくるのかなと。ただ人格という言葉も様々な含意を含んで使われるところでございますので、いい代案かどうか分かりませんけども、ここで書かれた概念を教養というふうに表現するのはさほどずれていない。ただそれについてもう少し説明がいるのではないか、あるいは判断がいるのではないかと、そういうことをちょっと考えております。うまくまとまりませんけれども、以上でございます。
【島田主査】  なるほど、どうもありがとうございました。そうですね、竹内委員からも静的に受け止められないようにというご指摘がありました。もっと動的にということになると、今小松委員ご指摘のようにきちんとリベラルアーツとしての側面が受け取れるような言葉にする、あるいは説明の仕方を考えるという方向がいいのかもしれません。渡邉委員お願いいたします。
【渡邉委員】  はい、よろしくお願いいたします。先生方から違和感がたくさん出されたので、言いづらかったんですけれども、私は教養っていう言葉のほうが逆になんていうんでしょうかね、広い意味、より積極的な意味を持つような気がしました。
 知識及び技能の「運用しながら深める側面」と、それから「教養として深める側面」はある意味非常にきれいに対比されていて、両面あるということが分かることが重要だと思います。教養といったときにそれに違和感があるとしたら、これも解説などででも触れていただいたらいいんじゃないかと思います。私がイメージするのは、生活の中に今まで文化として蓄積されてきた、あるいは歴史的に蓄積されてきた知識を取り出しながら人生の中でどうやって使っていくかといったときに、テクニカルなものではない、そこにそれぞれ使う人の価値観などが表れたり、あるいは先ほど人格という言葉がでてきましたけれども、人間性とか価値観と結びつきながら、あるいは歴史とか哲学、芸術、科学などいろんな方面と結びつきながら生活の中で使っていける教養ならではの側面がある。それからさらにコミュニケーションと社会性という教養の側面もあると思うんですね。同じ社会の中では、例えばあることわざを使うと、あ、こういうことを言ってるんだなっていうことが、歴史的な背景とともにバッとその含意が深い形でよみがえってくるとか、今そうしたことが社会的に大きな価値を持たなくなってしまったというところが逆に問題であって、やはり国語科の中でしか言語を通した教養の側面は扱えない、ある意味大きなキーワードになると思われます。
 繰り返しになりますけど、同じ言葉の仕組みを学ぶのでも運用と教養の意味合いが違ってくるという2つの側面から考えることに関しては、私は教養を復活させる意味でもいいんじゃないかという、そういう意見もあったということでお聞きいただければと思います。
【島田主査】  教養という言葉の広さ、それからもう一方の「運用しながら」との対比という面からも、言葉自体は悪くないのではないかというご意見をいただきました。藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  たびたびすみません。実は私も渡邉委員と同じ考えです。
 と申しますのも、小中高を貫くこの知識及び技能のこの二本柱は、やがて高等学校の必履修科目である「現代の国語」とそれから「言語文化」に通じてくるんですね。それを踏まえた場合、丸1は主に「現代の国語」、丸2は「言語文化」のところで最終的に重要な要素だということを認識していく意味で言うと、やっぱり文化的なテイストのある用語のほうがいいように思います。ちなみに類語で「素養」ってあるんですけど、「素養」のほうがどちらかというとニュートラルで、後天的に身につけた基礎的な知識、技能、態度という形になりますけれども、ただ幅広い文化的知識とそれに基づく品位ということで考えると、やっぱり「教養」という言い方のほうが言葉に丸みと深みがあるんじゃないかなっていう印象も持ってます。もっとも今申し上げた情報は生成AIによるものですけれども、私も渡邉委員の考え方と同意いたします。なお、述語はやっぱり深めるじゃなくて充実させるのほうがいいんじゃないかなと思っていることをもう一度申し上げます。
【島田主査】  手が上がっております。石井委員お願いいたします。
【石井委員】  はい、これに関してはなかなか悩ましいなと思いながらですけど、例えば英語に関しては実用主義と教養主義っていうふうな論点が明治期から確かあったかと思います。それからすると、この運用とそれから教養っていうふうな対比は悪くはないと。ただでも教養っていうふうな言葉がですね、日本においてそれが独特の意味合いと言いますか、あるいは一般的にですね、教養としてのっていうふうに書くと、それに一定の方向性が生まれてしまうんじゃないか。しかもリベラルアーツもそうですが、リベラルエデュケーションとか様々教養っていうふうなことも様々意味があるわけですよね。だからそれで言うとちょっとそこらへんのところはしっかりと説明しながらというふうなことになってくるかなと思うんですけども、イメージとしてはアメリカにおいて文化的リテラシーなんていうのがありまして、これいろいろと議論もあるわけですけども、まさにそういう発想にかなり近いだろうと。つまり語彙を学ぶということは単に実用的意味ということではなくて、あるいはそれは人格形成、国民形成、あるいはですね、それと世界認識の枠組みであると、そういうふうな考え方がベースにあると。ただ機能的リテラシーと文化的リテラシーの対比というふうなことで言うと、教養というふうな言葉は悪くはないというところですよね。それはこれまでのリテラシー論であるとか、そういったものを踏まえると、決してこのカテゴリー、分け方自体は悪くないんだけども、でも実際に現場に落としていくときに言葉遣いをどうするかというふうなことかなと思って聞いていました。
 もう1点ですね、見方・考え方に関しては、これなかなか悩ましいなと思いながらですが、これ対象となりますと、結局数学とかで言っても、数学、現実、事象を、社会科分かりやすいですね、現実の社会事象っていったもの、そういう対象を歴史、時間、空間とか人間関係、この観点から、そういう視点からこのように思考するって、多分そういう立て付けになるんですけども。だからそれで言うと国語の学びの対象、確かにそれで対象とかですね、この事象といったときに、その事象を言葉で捉えるっていうふうに、まずそれがあって、でもここで言葉の学びの固有性っていうのは、その言葉自体の運用を吟味するかということが、やっぱそれが国語の固有性としてやっぱあるので、だからその2水準があるというあたりですよね。だから生活の言い方じゃないですけども、生活それ自体を表象するという側面と、その表象自体をどう吟味するかっていうふうなところがあって、だからそこの2段階をどういうふうにですね、この集約して記述するかという、そういう問題かというふうに思ったわけですね。これがでも対象っていうふうなことをもろ出してしまうと、結局それだと世界認識の枠組みを学ぶっていう、そういう側面もやっぱ国語はあるわけですが、だけどそれが強く出てきてしまうと、国語の学びとしての固有性っていうのがちょっと後退するところもあって、これはなかなか難しいかなと。だからそこをどういうふうにあれですね、確かに自分や他者の言葉をっていうふうなことで言うと、対象を表象するものとしての言葉っていうふうな、そういう関係性が見えなくなるので、何らかの形でそこがなんか入れ込まれるといいのかなというふうな気はしていますが、やはり国語科としての固有性ってことはやっぱ考えていく必要があるのかなと。
 それで言いますと、先ほどのちょっと関連して少し違う話題になりますけども、知識及び技能を明確化していくってときに、コンセプトと方略としてより際立たしていくってことに多分なると思うんですが、そのときもですね、例えば方略のことは読解方略と理解方略っていうのはかなり接近するんですよね。しかし国語の学びとしてやっぱ読解方略としてまとめていく。だから教育課程全体としては自己調整云々っていうふうなことは別途ですね、指針が示されているってことからすると、これ学びに向かう力・人間性等の記述も関わるんですが、国語科としての固有性っていったものは、そこは担保しながら、そうでないと多分他教科に回収されてしまうわけですよね、結局。だから先ほどの対象との関係っていうことで言うと、やっぱ教科横断的な部分も入れながら、少し見方・考え方の整理っていうことも考えていけるといいのかなというふうに思ったりもしました。はい、以上です。
【島田主査】  見方・考え方については、国語科固有のというところと、それから他教科横断的なところというのを両方とも、両者をですね、どういうふうに文言の中にバランスをとっていくかということが大切だというご意見いただきました。また、教養という言葉については、この言葉が背負ってきた様々な背景などを考えたときに、その言葉自体はやはり悪くないけれども、どういうふうに説明するのがよろしいのかということだったかというふうに思います。
 中村委員お手が上がっておりますでしょうか。
【中村委員】  すみません、たびたび、資料の13ページを共有していただけますでしょうか。
 観点がまた教養というネーミングのところに行くわけですけれども、今回は知識及び技能を1と2の側面に切り分けました。側面一のほうは思・判・表のほうと関連させて活用しながら学ばれるわけですけれども、一方でこの側面二のほうは思・判・表と紐づかない形で活動を通して学ばれるとしたときに、ややもすると練習学習であったり、暗記に偏ったりしてしまうことを懸念しています。
ここの評価のところとも重ねて見てみますと、知識及び技能の側面一のほうは運用しながら深める事項というネーミングのもと、実際に思考・判断・表現の過程で活用できているかという点から形成的評価を行うことに重点を置くとあります。知識及び技能の側面二については、それぞれの知識や技能を機械的に習得する学習に偏らないようにし、試行錯誤を伴う学習活動を設定してというふうにあります。こうした学習の在り方がイメージされる一方で、「教養としての深まり」として総括的に評価がされてしまった場合、やはり今回盛り込まれている想定される学習活動や望ましい学習評価の在り方とずれてくることが起きないだろうかと、あらためて懸念されます。
側面二を表す特徴的な文言という点では、今日委員の先生方との議論を通して側面一との違いが明確に見えてきたと思いますけれども、改めてこうした学習や評価の視点からも検討できればと思って再度発言させていただきました。申し訳ありません、以上です。
【島田主査】  検討の観点、改めてご指摘いただきました。ほかの先生方いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
 こちらで論点として取り上げました2つの事柄につきましては、それぞれこういう観点から検討してみたらどうかなということでご意見いただいたところです。いただいたご意見をもとに、また最後まで考えてみたいと思います。
 そのほか、以上こちらで用意した論点2つ以外のことで、藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  32ページご覧いただけますでしょうか。
 前回の会議で高等学校の「言語文化Ⅱ」のところについて、話し言葉として感性、情緒を豊かにしたり、あるいは音声言語による言語芸術は、例えば能、狂言ですとか歌舞伎ですとか落語などいろいろありますので、「話す・聞く」を入れた方がいいんじゃないと申し上げましたところ、事務局からは、これは内容の取り扱い等で言及するものとし、いわゆる領域として1本立てすることはしないっていうお話でした。この件については竹内委員からもご賛同いただいたところですけど、1つ要望を申し上げます。これは平田オリザさんから伺った話ですが、先進20カ国の中でいわゆる演劇的手法をナショナルカリキュラムに明記していない国は3つだけ(日本がその一つ)なのだそうです。
 「話すこと・聞くこと」の指導事項として、正確で適切な伝達とか、説得とか、こういった知的、論理的な要素も大切ですが、お互いの心を共鳴させるとか、あるいは「間」を大事にするとか、あるいは沈黙が持ってる表現力とか、そういった感性・情緒的な要素も大切にするべきじゃないかなということを感じながらお話をしておりました。その意味で今後の検討になってくると思うんですけど、「言語文化」の領域として「話すこと・聞くこと」については扱わなくていいんだという、そういう発想じゃなくて、やっぱり音声による様々な文芸的な事象ってのもあるんだという、そういった要素を今後ご検討の中に入れていただければありがたいなと思いました。
【島田主査】  はい、ご指摘よく分かりました。どうもありがとうございます。
 石井委員、よろしいでしょうか。
【石井委員】  すみません、何度も申し訳ないです。1つだけ、これはちょっと伝えたいなと思ったところで、先ほど吉田委員のご指摘があったと思うんですけど、私も非常に同感なところがあってですね、これは小学校と中等教育、初等と中等教育段階のですね、この辺のやっぱ課題感の違いっていうのを踏まえながら、やはり明確化していくことが必要かなと思っています。
 やはり小学校段階、特にそうなんですけども、本当に活動あって学びなしじゃないですけども、結局様々してるんだけども、先ほど冒頭申し上げたことと関係するんですよね。結局、言葉の力といったら何が指導事項なのかっていうふうなことを、やっぱ掴めないところがかなりあると。だからそこをですね、今後ですからまだここから個別の知識及び技能云々とかですね、その明確にしていくっていうことになってくると思うんですが、ここはとても重要で、やはりそこをやっぱしっかり押さえながら言語活動をしていくっていうですね、やはりそのあたりがより明確になっていくことが必要かと思いますし、逆に中高に関しては、特に高校は、繰り返しですね、委員の先生方もおっしゃっているように、やっぱりそこはもっと総合的にやっていくと。多分それが今逆転してるのが、小学校は本来もう少しある種系統性を意識してやるべきであり、逆に中等以降においてはもっとダイナミックにやっぱり言語活動として総合的に論じていくとか、そういうふうなダイナミックな言葉の運用が必要なんだけども、これが逆転してるっていうふうな状況をどういうふうに生み出していく、逆転してるものをどう是正するかというのが最大のポイントかなと。これはもうほかの教科も似たような状況なんですけども、そんなふうに思っていました。はい、以上です。
【島田主査】  非常に重要なご指摘だったかと思います。全く同意です。ほかの先生方、いかがですか。渡邉委員、お願いいたします。
【渡邉委員】  すみません、ちょっと蛇足になっちゃうかもしれませんけど、先ほど藤森委員からですね、演劇が入ってないのが3カ国だけというので、その3カ国がどこなのかはちょっと興味がありますけれども、それは置いておいて。私がフランスで国語教育を長期間観察していたときに、演劇の持つ意義を確かに感じました。演劇って言語活動の中で一番子どもたちが喜ぶし、それからちょっと年齢が上がるとまた違った目的を持ち、言葉のやり取りと動作と感情とストーリーが一体となって国語で占める位置はとても大きいです。ただそのときに日本とフランスでは歴史的な背景も言語教育の目的も違います。同じ活動をしていても、フランスの場合は、例えばこういう状況だったら「人間はどういう言葉を発するだろうか」っていうことを考えさせるんですね。日本の国語教育だと逆に、例えばこういう状況でこういう言葉を言っていたら「その人はどういう気持ちでいるのだろうか」っていうこと、つまり外に向かって表現する言葉ではなく内面を考えさせる。言語の捉え方とか学習の目的が日本とフランスでは非常に違うので、つまり同じ活動をしていても意味づけが違うので、どういう意味づけでやるのかの方針としてですね、今回でなくてもこれから国語教育を考える場合に、活動あって学びなしにならぬように、何を目的にするのかっていうところに帰ると思いますけれども、そこは考え、現場と共有すべき点かなと思いました。失礼いたしました。
【島田主査】  口頭表現ですね、これを学習全体の中にどういうふうに位置づけていくのか、またどの科目のどういう領域でどういうふうに内容を取り扱っていくのか、告示文の検討の中でも引き続き考えていくことになろうかと思います。
 ほかの先生方、いかがでしょうか。言い残したことということでもよろしいかと思いますが、まだ少しお時間ございます。よろしいでしょうか。
 本日も長時間にわたりまして様々なご意見をいただきました。今日でこのワーキングも11回目ということになりまして、本日はついに取りまとめに向けた検討についてということでご議論いただきました。取りまとめの骨子案もこうしてお示しすることができたわけです。
 長きにわたりまして様々なご知見をいただきました。おかげでいい方向に向かっているのではないかと思います。今回は学習指導要領の構造化というところに向けて、表形式化も含めまして、今まではなかったようなアイデアも盛り込みました。話や文章の機能といった点からもこれを位置づけていくというようなこと、これは今回の議論の非常に大きな成果であろうと思っております。一方でやっぱり何人かの先生もお話しくださいましたけれども、話や文章の機能もそうですが、高次の資質・能力、総合的な発揮、統合的な理解ですとか、様々目新しいタームが入っております。一方では分かりやすい学習指導要領を目指しつつ、どういうふうに折り合いをつけていかないとならないか、か、まだ少し検討の余地があるかもしれません。あるいは実際の告示文を作っていく中でですね、どういうふうにこれを表していくかということも大きな課題かと思っております。
 ということで、いよいよもう一息というところまでまいりました。次回が最後になるでしょうか。次回のワーキンググループでは、本日いただいたご意見を踏まえてさらにブラッシュアップした取りまとめ案をお示ししたいと考えております。本日もありがとうございました。
 本日の議事、ここまでで閉じさせていただきたいと思います。最後に今後の予定につきまして事務局よりお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、次回は7月24日予定しておりますけども、正式には後日連絡いたします。
【島田主査】  はい、7月24日を予定しておりますが、正式には後日ということになります。以上を持ちまして、本日のワーキンググループ閉会といたします。お疲れさまでございました。
 
 
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