教育課程部会 国語ワーキンググループ(第10回) 議事録

1.日時

令和8年5月29日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 高等学校国語科の科目の在り方について
  2. 高等学校国語科の目標、高次の資質・能力について
  3. その他

4.議事録

【島田主査】  皆様こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第10回国語ワーキンググループを開催いたします。進行資料の投影をお願いいたします。  こちらご覧いただいておりますとおり、本日の議題は、議題の1「高等学校国語科の科目の在り方について」、議題の2「高等学校国語科の目標、高次の資質・能力について」の2つとなります。  まず議題の1について事務局からのご説明ののち意見交換を行います。そののち5分間の休憩を挟みまして議題の2に移ります。こちらも事務局からの説明ののち意見交換を行うこととしたいと思います。本日の流れのご説明は以上となります。
  それでは議題に移ってまいりたいと思います。議題の1、高等学校国語科の科目の在り方について、事務局よりご説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  主任教育企画調整官の髙見です。資料1の1ページをご覧ください。本日の議題は、議題1が「高等学校国語科の科目の在り方について」、議題の2が「高等学校国語科の目標、高次の資質・能力について」です。
  2ページをご覧ください。まずは高等学校国語科の科目の在り方についてご説明します。本日は第9回国語ワーキンググループでご審議いただきました高等学校国語科の科目の在り方を踏まえ、選択科目の単位数と各科目の履修順序、選択科目の名称の考え方についてご検討いただきたいと思います。3ページをご覧ください。こちらは議論の前提です。第9回ワーキンググループでは高等学校国語科の現状と課題を踏まえ、科目と教材の扱いの2つの観点で具体的な見直しの方向性の案を示しご審議いただきました。科目については3領域をバランスよく、統合的かつ効果的に育成する方向性のもと、必履修科目は現行の枠組みを維持しながら充実を図っていくこと、選択科目は4単位の標準科目を2つ、2単位の発展科目を4つ新設することを示しました。具体的な科目案はこちらにお示ししているとおりです。また教材については、論理的思考力、感性・情緒の両面をバランスよく統合的かつ効果的に育成するためには、多様な種類の話や文章に触れることが重要であることを踏まえ、その選定にあたっては科目の趣旨に合致するかどうかで判断することを示しました。これらの方向性について概ね賛同いただきながら、第9回ワーキンググループでの委員からの主な意見等で示しているとおり、単位数や科目の名称についてのご意見をいただきました。4ページをご覧ください。第9回ワーキングでのご意見を踏まえた見直しの方向性です。生成AIが飛躍的に発展するとともに、社会の多様性と分断の危険性の双方が増すことが想定されるこれからの社会においては、自らの考えを言葉にし、論理的かつ説得的に表現し、対話する力や、多様な他者の感性や情緒を理解するとともに、それらを通じて自らの思いや経験を効果的に表現する力、他者と協働して考えを深める力など、人間ならではの言語能力の育成が必要です。これらを踏まえ、現行の趣旨を維持しつつ、論理的思考力、感性、情緒の両面について二項対立に陥らず、バランスよく統合的かつ効果的に育成することを図るという方向性のもと、次の見直しを行ってはどうかと考えております。まず、科目につきましては、前回のワーキングでご説明いただいた案から大きな変更はございません。具体的な科目案については5ページの補足イメージ1も併せてご覧ください。4ページの右側をご覧ください。科目の方向性につきまして、米印のとおり選択科目の標準単位数の設定や各科目の標準履修順序については、今般の教育課程の柔軟化の仕組み、例えば単位の倍加、増単・減単をきめ細かく可能とするなどの観点も踏まえて検討してはどうかということ。また科目の具体的な名称については、第9回ワーキングでのご意見を踏まえ今後整理の中で引き続き検討することとしてはどうかということについて、本日ご検討いただきたいと思っております。丸2をご覧ください。丸2の教材の扱いについて、教材の選定にあたっては当該科目の趣旨を踏まえ、基本的な教材を定めるとともに、それ以外の教材については趣旨に合致するかどうかで判断することが重要であるという整理を考えております。続いて11ページをご覧ください。これは「育成する資質・能力と教材の関係」を図で表したものです。例えば論理的思考力の育成に重きを置く科目の教材では、太線で結んである説明文や論説文などを中心に扱いながら、点線で結ぶ物語や小説等についても、科目の趣旨に合致する活用の仕方であれば扱うことを可能とするということでございます。4ページにお戻りください。また実用文についてはメディアリテラシーの観点も踏まえ、「話や文章の機能」、括弧内の箇所でございますが、これに即して指導に適切な文章と判断されるもの、例えば報道文や広告、それらに関する関連する論説文や批評文などを中心に扱うことを明記する方向で検討してはどうかと考えております。続いて6ページをご覧ください。1つ目の論点、科目、選択科目の単位数と各科目の履修順序についてです。選択の標準科目は多くの生徒が履修することが想定される基準的な科目として、選択科目における標準的な資質・能力を確実に育成する役割を担うものです。例えば「現代の国語Ⅱ」におきましては、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の領域をバランスよく学習し、身につけた資質・能力を相互に関連付けながら、複数の単元において繰り返し活用することが求められます。特に異なる領域の学習を往還しながら、社会的な文脈の中で言葉を適切に活用する力を身につけるためには、段階的かつ継続的に学習を積み重ねる必要があります。また「言語文化Ⅱ」においては、様々な文章を読み、深く共感したり豊かに創造したりすること、それらを自分の言葉で表現したりすること、言語文化を継承・発展させていく学習を充実させることが求められます。こうした学習では、古典と現代の文章を関連付けながら解釈を深めたり、読むことと書くことを往還させながら、より良い表現を工夫したりするなど、多様な学習活動を繰り返し行うことが重要になります。このようなことから、選択の標準科目においては充実した学習内容と十分な学習時間を確保する必要があることから、標準単位数としては4単位にすること、また発展科目については生徒の興味関心に応じた選択を可能にするため、標準単位数を2単位としてはどうかと考えております。この選択科目の単位数については、前回ワーキンググループでは、「4単位だと発展科目まで履修できる学校はほとんどなくなってしまうのではないか」等々のご意見をいただいてきました。この点につきましては、今般の教育課程の柔軟化の仕組みの下で、生徒の実態に応じて選択科目の標準の単位数を柔軟に設定することで、複数の発展科目の履修が可能になることについての考え方を併せてお示しさせていただきます。9ページをご覧ください。これは2月19日の第6回総則・評価特別部会で示された「高等学校の教育課程の柔軟化の仕組みの方向性」についての資料です。赤い枠で囲っております「3減単の考え方」をご覧ください。ここに「一定限度のもとで減単可という考え方が基本」と記されております。現行の学習指導要領では必履修、選択科目ともに原則としては標準単位数よりも減ずることができないとされておりますが、今般検討されている仕組みの中では、減単可能という考え方が基本となります。これを踏まえまして7ページをご覧ください。ここでは新しい選択科目案での科目履修イメージとして、2、3年時における国語の履修単位数を計8単位と想定した場合の履修例をお示ししております。基本パターン例1は、標準科目の「現代の国語Ⅱ」、「言語文化Ⅱ」をそれぞれ2、3年で分割履修する例です。このパターンの履修では3領域をバランスよく学び、多様な文章に触れることができます。またバリエーション例、丸1では、先ほどご説明しました教育課程の柔軟化の仕組みを活用して標準科目を減単するパターンをお示ししております。生徒の状況に応じて発展的な学習が可能な場合には、標準科目の単位を減単し、発展科目を履修することも可能です。バリエーション例、丸2も、先ほどの丸1と同様に標準科目を減単するパターンです。生徒の状況によってさらに発展的な学習が可能な場合には、標準科目を2科目ともに減単することで、発展科目が2科目履修できます。8ページをご覧ください。こちらは2、3年時における国語の履修単位数を計12単位と想定した場合の履修例になります。基本パターン例、丸2は、標準科目を2、3年で分割履修することで、標準科目と2科目の発展科目を履修する例です。バリエーション例、丸3でございますが、これは先ほどお示ししたバリエーションの丸1、丸2と同様に、教育課程の柔軟化の仕組みを活用して標準科目を減単するパターンです。生徒の状況に応じて発展的な学習が可能となる場合は、標準科目の単位を減単し、発展科目を3科目履修することが可能になります。またバリエーション例4では、丸4では標準科目の増単を想定したパターンです。標準科目を増単することで生徒の状況に応じて、標準科目の学習の時間をかけて丁寧に行うことが可能となります。ここまで6つの具体的な履修例を示しながら説明いたしましたとおり、今般の教育課程の柔軟化の仕組みのもとで、生徒の実態に応じて標準科目の単位数を柔軟に設定することで、複数の発展科目の履修が可能になると考えております。なお、ここでお示ししたのはあくまでも例でございますので、各学校においてはこれに関わらず、今後そういう工夫や取組が行われるというふうに考えているところでございます。6ページにお戻りください。右側の括弧2「科目の履修順序について」をご覧ください。必履修科目と選択科目、選択の標準科目の履修順序について、必履修科目を1、2年時で分割履修するような場合、2年時目においては必履修科目と選択標準科目を同時に履修できることとしてはどうかということについて、ご検討いただきたいと考えております。お示ししている例のように、例えば必履修科目の「現代の国語Ⅰ」を4単位に増単して、1・2年時に分割履修するような場合、本来であれば選択科目は必履修科目の履修が完了した後に履修するものですが、2年時においては必履修科目の「現代の国語Ⅰ」と、選択標準科目である「現代の国語Ⅱ」を同時に履修することができるようにするということでございます。なおこの考え方でございますけれども、参考枠のところでございますが、ここにお示ししているとおり、現行の学習指導要領と同様です。またこの度の科目案では選択科目において履修に順序性のある科目をお示ししておりますので、これらについて必履修科目と同様に整理することとしてはどうかと考えております。10ページをご覧ください。ここでは選択科目の名称の考え方についてお示しをしております。必履修科目については現行の名称を継承し、選択科目との系統性を示すために「Ⅰ」を付すこととしております。また、選択の標準科目については、必履修科目との系統性を明確に示す観点から、必履修科目の名称に「Ⅱ」を付した名称としております。選択科目の発展については、その学習内容が分かりやすく伝わる名称を新たに設定しております。また、右側をご覧ください。名称の考え方としては、2つの領域で構成する科目は「〇〇と〇〇」として、それぞれの領域の学びを象徴的に表した言葉を並列で示しております。例えば、「論説と批評」であれば、「書くこと」と「読むこと」の2領域を扱っておりますので、「論説」は「読むこと」の領域において、主として論説等を読み、論理的に考える学習を、「批評」は「書くこと」の領域において、対象について根拠をもとに自分の考えを形成し、論じたり評価したりする学習を行うことを表しております。また、1つの領域で構成する科目については、「〇〇と〇〇」の前半でその領域の学びを、後半ではその学びの視点を示しております。これは「古典と文化」が該当します。「古典」は読むことの領域において古典作品を主体的に読む学習を行うことを表し、「文化」は我が国の伝統や文化との関わりの中で古典を捉え、その価値や意義について考えることを表しております。また、一番下のところでございますが、前回の会議の中でも、この案に関わらず様々な視点で、この名称の案についてもご審議、ご提案いただいたところでございます。こういったことも含めて、名称についても改めてご検討いただければと存じます。以上、議題の1といたしましては、選択科目の単位数と各科目の履修順序、選択科目の名称について、ぜひご審議いただければと存じます。事務局からの説明は以上でございます。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。選択科目の単位数と各科目の履修順序について、履修イメージもお示しいただきながら説明をいただきました。また、選択科目の名称の考え方についてもご説明をいただきました。以上の諸点につきまして、これより意見交換に移ってまいりたいと思います。ご意見、ご質問のある方は挙手ボタンにてお知らせください。ご発言はお1人2分以内で、おまとめいただきます。ご発言の際はどの資料のどの部分に関するご発言であるかをお知らせいただけますと助かります。それではどうぞご意見、ご感想、ご質問ある方はご発言ください。児玉委員、お願いいたします。
【児玉委員】  はい。前回のワーキングでご提案のあった高等学校の新科目につきまして、その課題を具体的に解決する新たなご提案をいただいたなと思ってお聞きしたところです。これについての感想を申し上げます。まず6ページをご覧ください。私が前回のワーキングで申し上げたのは、先ほどの説明にもありましたように、4単位の標準科目である「現代の国語Ⅱ」と「言語文化Ⅱ」を履修した後でなければ選択科目が履修できないという、この縛りが選択科目を履修しにくくするのではないかということでした。また、ほかの委員からは、「現代の国語Ⅱ」と「言語文化Ⅱ」を4単位ではなく2単位にしてはどうかというご意見も出たというふうに記憶しております。そうした意見を踏まえまして、今回の事務局提案では、単位数に関しては、減らしたり増やしたりする減単や増単を可能にしていると。それから履修の仕方としては、同じ科目を学年をまたいで分割履修したり、異なる科目を同一学年で同時履修したりすることを可能にしていると、そういう案が示されていると理解しました。これによりまして、単位数や履修の在り方に対する懸念や不都合はほぼ解消されたのではないかなと思っております。その点で事務局の提案に賛成です。ただ、今回の事務局のご提案の中で、「現代の国語Ⅱ」と「言語文化Ⅱ」の単位数を2単位として提案せずに、4単位として提案されている点について、感想を申し上げたいと思います。これは、我々受け止める側が、この4単位であるということをどう留意して、これから教育課程編成するかということに関わると思います。というのも、2単位に減単さえすれば選択科目が履修しやすくなるという点にのみ注目しますと、4単位として提案されていることの趣旨が生かされなくなるかもしれないなと思ったからでした。12ページに飛んでいただけますか。はい、ここを見ますと、右側の見直し案に示されている「現代の国語Ⅱ」は、そこに内包される国語科の領域が記載されておりますように、必履修科目の「現代の国語Ⅰ」とともに話すこと、聞くこと、書くこと、読むことといった国語科の3領域すべてが1つの科目の中に入っています。そして、それをどの生徒も共通に学ぶという、この中では唯一の科目になっています。そして1つの科目で3領域すべてをどの生徒にも共通に学ぶというこの点は、小学校、中学校の国語科にも共通する特性、国語科の特性にもなっています。その点で、4単位科目である「現代の国語Ⅱ」を履修するということは、仮に高校の2、3年で分割履修したとしましても、必履修科目「現代の国語Ⅰ」に引き続いて話すこと、聞くこと、書くこと、読むことの3領域をどの生徒も共通にバランスよく学ぶということになるという点に留意が必要かと思いました。7ページにちょっとまた戻っていただいていいですか。そのため例えば、「現代の国語Ⅱ」を2単位に減単するという場合におきましても、4単位かけて3領域を学ぶということを量的に変更することになりますので、右側の灰色の囲みにありますように、生徒の状況に応じて発展的な学習が可能な場合という、いわば条件付きとなっている点に留意が必要かなと思いました。同様に8ページをちょっと見ていただきたいんですが、その一方で「現代の国語Ⅱ」を6単位に今度は増単するというケースがここに書かれています。これも注目されますが、この増単の場合も右側の囲みにありますように、生徒の状況に応じて標準的な学習を時間をかけて丁寧に行う場合という条件付きとなっています。このように、選択科目の履修のしやすさを実現するという点から見て、減単のほうにはどうも注目が集まりがちかと思いますけれども、ここに述べられている増単する場合とその条件にも注意して、適切に教育課程を編成するのが良いのかなというふうに思いました。いずれにしましても国語科の科目を増単、減単、分割履修、同時履修などを通して柔軟に教育課程を編成するという場合、生徒たちの実態ニーズ、それから生徒たちの将来を見据えて育成するべき学力、これらを限られた教育課程にどう育成するかということを丁寧に今後検討する必要があるというふうに感じました。
【島田主査】  はい、児玉委員、丁寧におまとめいただきましてありがとうございました。それでは、植木委員、お願いいたします。
【植木委員】  2点申し上げたいと思います。1点目は、科目履修の柔軟化、バリエーションについて、7ページから9ページぐらいのところに補足イメージがありますが、一般的に選択肢が多くなるということは歓迎されることだと思うのですけれども、あまりにもその選択の幅が広いと、現場では混乱や迷いも生じることが予想されます。それで質問なのですが、そのことへの何らかの対応というか対策、例えば何か一定の指針を提示するとか、そういうことはお考えでしょうか。それが1つ目です。もう1つは科目の名称なのですが、10ページにどういう考えで名前を付けているかということが詳しく解説されてよく分かるのですけれども、こだわるようで恐縮ですが、「古典と文化」について、文化との関わりの中で古典を考えることを強調するというのを「文化」では表せないのではないか、「考える」というなら、もう少し能動的な、行動的なことばが来たほうがいいのではないかという感じが、やはり前回から引き続き、しております。ただこれは、ほかの先生方がこれでいいのではないかということであれば、絶対に反対ということではありません。以上2点です。
【島田主査】  はい、植木委員ありがとうございました。まず「古典と文化」という科目の名称でありますけれども、これで決まりというわけではありませんので、先生方のご意見も伺いながらまた考えてまいりたいと思います。それから、選択科目がいろいろ多くて選択肢が非常に多い状況で、何か指針となるような考えはあるのかというご質問いただきました。こちら髙見さんからお答えいただけますか。お願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、ありがとうございます。事務局といたしましては、これからまた検討になっていくというふうに承知をしておりますけれども、基本的に国として、選択科目をとってくださいと言ったらちょっと言い過ぎかもしれないですけども、指針のようなものまで作ることまでは今現時点では考えておりません。ただ、今この例でお示ししておりますとおり、基本パターン例にあるような、いわゆる標準的な単位数、こういったものをベースとしてお考えいただくというのがまずは基本かと思っています。そのうえで、各学校の状況に応じて今回、教科横断的に高校の科目の履修、教科科目の履修については柔軟化ということが言われておりますので、その中で例えば単位の倍化ですとか増単、減単、こういった枠組みというのは各学校の実態に応じて扱っていただくということになっていくかというふうに考えているところでございます。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。植木委員、よろしいでしょうか。はい、それでは続いて井上委員、お願いいたします。
【井上委員】  はい、井上です。私からは議題1に関しまして、スライド7、8の履修イメージについて意見を申し上げます。先般の第9回部会では、新たに設けられた標準科目2科目の単位について、8単位では多すぎるといったご指摘もありましたけれども、このスライドにもありますとおり、現行の選択科目のように高2、高3で分割して2単位ずつ履修していくという流れが大変よく分かりました。そのうえで、先ほど児玉委員からもご指摘ありましたけれども、標準科目の単位数を事務局案どおり4単位にすべきか、それとも2単位にすべきかという課題に対する、私の意見を申し上げます。標準科目はその利点として、必履修科目だけでは扱いきれない学習内容を、高2、高3というやや長い広いスパンで補いつつ、科目間の移行をスムーズに運ばせるところにあると考えています。「現代の国語Ⅱ」は国語表現を吸収して、高校全学年で話すこと、聞くことの領域をカバーしつつも、特に文学を教材として扱いながら様々な文章を扱えるという特徴を持つわけですね。一方、「言語文化Ⅱ」では、昨今の大きな課題だった言語文化の時間不足を補うといった役割も担っています。現実的に考えますと、高校の中には「現代の国語Ⅱ」をかつての現代文のように、そして「言語文化Ⅱ」をかつての古典のように扱う学校が出てくるんじゃないかなと想像しますが、これを例えば2単位に縮小してしまうと、「現代の国語Ⅱ」でせっかくの話す、聞くの活動を行いづらくなってしまったり、文学を用いた横断的な授業もしづらくなったりしてしまうのではと思います。また「言語文化Ⅱ」も2単位にしてしまっては、時間不足が叫ばれるこれまでの現行の言語文化の二の舞となってしまって、標準科目としての利点や特性が大きく損なわれてしまうんじゃないかなと思います。ですので、発展科目があるからすべての学校が選択できるようにというような主張もよく分かるんですけれども、まずは標準科目を基盤、まさに名称どおり標準、基盤として、2年間でじっくり様々な文章に触れてもらって、それでもなお時間数で余裕のある学校は、減単という手段を取りながら発展科目に手を伸ばすという方向が良いのではないかなと思います。進学校だから難関校だから発展科目を取るんだということではなくて、まずは標準科目2科目を活用して、総合的にじっくり学ぶこと。おそらく「現代の国語Ⅱ」で批評を扱ったり、「言語文化Ⅱ」で創作や叙述を扱ったりすることもできると思うんですね。なので、そういう方向でまず標準科目の魅力を発信することが大事じゃないかなと思っています。そういう意味では、標準科目の持つ内容の広がりや、カリキュラム上の重要性を丁寧に説明して現場の理解を図っていくようなことが不可欠じゃないかなと思います。私からは以上です。
【島田主査】 はい、井上委員、ありがとうございました。標準選択科目の単位数について、学習内容の点からご意見をいただきました。  続きまして中川委員、お願いいたします。
【中川委員】  まず順序性についてですけど、これ柔軟により良いんじゃないかなというふうに思いました。  私から事務局への質問2つあるんですが、1つ目は、減単を柔軟に認めること自体は良いと思うんですけども、その減単の判断基準については何か示す予定はあるのかということです。生徒の状況に応じてとは書かれているんですけども、これ学校あるいは教員にしてみると、何らかの判断基準が欲しいんじゃないかというふうに考えます。これが1つ目です。  2つ目ですが、論理的思考力と情緒・感性についてのバランスは触れられていますけども、「古典と文化」だけ現状では理解と表現のバランスが悪いように見えます。ここも例えば書くこと領域あるいは話すこと、聞くこと領域を視野に入れての構成というのを検討できないのか。もちろん科目によって複数の領域が示されていても傾重があるかと思いますけども、本科目だけそのような意味ではバランスが悪いように見えますが、いかがでしょうか。今のところの見解をお聞かせいただければと思います。
【島田主査】  はい、2点ご質問いただきました。減単についての判断基準はということ。もう1つ、科目「古典と文化」について、その領域構成についてご質問いただきました。どちらからでも。では髙見さんからお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、ありがとうございます。まずこの減単の基準ということでございますけれども、これはまた今後検討していくことになるというふうに考えております。ただ大事にしなきゃいけないのは、それぞれの科目の趣旨ですね。やっぱりそこで育成しようとしている資質・能力がしっかり育成されるということを大前提としたうえで、どこまで減単可能なのか、どういった場合に減単可能なのか、こういったことを考えていくことが必要なんだろうというふうに捉えているところでございます。もう1つの回答については、調査官のほうからお答えします。
【上月教科調査官】  失礼いたします。高校担当調査官の上月でございます。  今の中川委員からのご質問は、「古典と文化」については「話すこと・聞くこと」や「書くこと」の領域の学びがないんじゃないかというようなお話でございました。「書くこと」の領域というのは、例えば表現の工夫であるとか文章の書き方を学ぶ領域でございます。一方、例えば古典を読んで感想文を書くとか、現代語訳をしてそれを物語にしてみるとか、そういうことは学習活動として、古典学びの中でも十分行われているところでございます。  これらを踏まえて、今のところ、古語を使って話すであるとか、古典の文法を使って書くというのは想定されないことから、「古典と文化」については「話すこと・聞くこと」や「書くこと」の領域を設定していません。しっかりと古典を読むことで古典を理解して、現代の文化における古典の価値などを考えていく、そういう学びを重視するというところに重点をおく科目にしているというところでございます。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。中川委員よろしいでしょうか。  それでは中嶋委員お願いいたします。
【中嶋委員】  はい、よろしくお願いいたします。私からは、感想2点申し上げます。まず4ページになります。見直しの方向性のところなのですけれども、右側の3点ありますけど、まず1点目の、小学校・中学校における学びが高等学校の学びに接続しているということを明確にするということや、資質・能力、何を育成するのかということの文章の種類と関係を明確にするというところが大変良いことだと思います。またその下の教材の扱いについても前回少し触れさせていただいたのですけれども、当該科目の趣旨、どんな資質・能力を育成するのかということに合致するという判断を行うことが重要ということを明言していただいているのが大変良いかと思っています。やはり教材を通してどんな資質・能力を子供たちに育成するのかということを指導者が理解して実践することが大事だと思いますので、ぜひこの辺りのところを、最終的に教科書、教材が作られるときに、言語活動例等に反映されるような方向で持っていっていただけるとありがたいと思います。2点目は7ページです。7ページの科目履修イメージのこの減単のところでございます。バリエーション例の丸2のところになりますけれども、児玉委員、井上委員がおっしゃられたように、私も高2の「現代の国語Ⅱ」と「言語文化Ⅱ」が減単2になったときに、どの内容、どの取り扱うところが限定されるのだろうかというのが非常に気になります。やはり話すこと・聞くこと、書くこと、読むことの3領域を偏りなく学べるようにしていただきたいというのが非常に思いとしてありますので、ぜひその部分についても強調して、減単のイメージなどを各学校が持てるようにしていただくといいと思います。よろしくお願いします。
【島田主査】  減単に際してはその領域のバランスを必ず確保できるように、また教材の選定については科目の趣旨に合致するように、という大変重要なご指摘だと思います。何とかそれが教科書上でも実現できるように、ということでご意見いただきました。西委員お願いいたします。
【西委員】  よろしくお願いいたします。すでに井上委員をはじめとして複数の委員からご発言あったところをなぞるような内容でございますけれども、前回の第9回の委員会で事務局から提案いただきました内容、また各委員から出されたご意見をうまく吸収しながら今回提案をいただいているのではないかと思います。教育課程の柔軟化をうまく活用しながら、特に標準科目4単位分をどのようなイメージで履修していけば良いのかという点について、この資料を公開するかどうかは別にしても、メッセージとしてしっかり伝えていくことが、科目履修の趣旨の実現に向けて非常に重要なのではないかと思っています。文科省が示してしまうと、これに倣えば良いのだという形になりがちですので、その点はそれぞれの学校などで特色に応じて対応できるようにすることが肝要だと思います。そして「現代の国語Ⅱ」において3領域が揃った科目の履修の在り方については、しっかりと説明していくべきと今回考えておりました。そうした意味で示された方向性として基本的によろしいと考えております。一方で、やはり減単に関しては比較的イメージが容易ですけれども、増単をするというイメージについて、8枚目の資料でしょうか、3年次で2単位増単するといったときの国語の中での増単のイメージを持って授業計画をするかという点については、もう少してこ入れが必要になるのではないかなと思っています。もう1つございますけれども、今回のこの科目構成の見直しの中で、古典探究4単位が言語文化標準科目の4単位の中、仮称「古典と文化」2単位というような形で分かれて吸収されるというように捉えられそうです。特に「古典と文化」2単位になることで、もしかすると古典の領域が狭められてしまうのではないかといったイメージを持たれかねないのではないかなというイメージを持っております。また12枚目の資料ですけども、特に標準科目となる「言語文化Ⅱ」の中での古典、「古典探究」の読むこと範囲の内容と、そこから分割されて2単位になる「古典と文化」、それらの関係性について丁寧な説明を今後行っていく必要があるのではないかというふうに考えました。私からは以上です。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。増単のイメージをどのように膨らませていくかということ。また「古典探究」はこれまで4単位でしたが、改訂によって古典の領域が減ってしまうのではないかといった懸念に対して、しっかりと説明をしていくべきだという点でご意見をいただきました。藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  はい、よろしくお願いします。2つ申し上げます。
1つは、今議論になっている単位数の話ですけれども、事務局からのお話を伺いまして、だいぶ工夫されたなと思いました。前回、私は4単位ではこれは非常に開設しづらいんじゃないかと申し上げたんですけど、ご覧のように、増単、減単ができるという、こういうフレキシブルな形になりますので、これは画期的だなと思います。ただ一方ですね、「言語文化」も4単位とするのであるならば、「言語文化」のところにも「話すこと聞くこと」に関わるものを入れるべきだと思います。と申しますのも、論理的コミュニケーション能力だけじゃなくて、相手の心を揺さぶるとか、相手を感化するとか共感すると、こういった意味合いでの話す、聞くという活動も当然あるわけでありまして、できる限りこの「現代の国語」で目指すものと「言語文化」で目指すものとが、理系文系というふうなイメージを与えないように、両方が両輪であるような形が必要だと思います。それから教科書の編集は多分これかなり大変になってくると思うので、どういう方向性があるかということについて、できるだけこの設置の意図にあったものをお示しすべきだと思います。
で、もう1つ、科目名について2点申し上げてよろしいでしょうか。1つは、「現代の国語」という名称です。これでちょっと問題発言します。すでに存在する他学校種の国語教科書の名称と同じ科目名を冠して、しかも必履修とすることに対して非常に強い違和感があります。と申しますのも、例えば中学校で扱ってきた教科書名と同じであるとすると、生徒たちはなんで高校の「現代の国語」には文学がないのと、こんな話になってしまうわけです。このことを考えた場合、私がずっと再三申し上げているのは、科目名は言ってみればその科目の看板であって、それを見て何をするかということが一目瞭然となるべきものであり、この際抜本的にこの科目名を変えていただきたいと強く思います。すなわち「現代の国語」ではなくて、「言語生活Ⅰ」「言語生活Ⅱ」にです。必履修は四字熟語で「言語文化」と「言語生活」について学ぶ科目だということを明示すべきです。「言語文化」は文化的な素養、教養を育み、「言語生活」は日常、実生活、社会生活に即して運用していく、特に言葉のプレゼンテーションの力ですとか、こういったものをやるんだという方向性で行っていただきたいと強く思います。でもう1点ですけども、「古典と文化」ですが、今「古典探究」という科目名がございます。これは古典を探究するというアプローチと、それから古典で探究するというアプローチがあって、探究的な学びが注目されている今日、「古典探究」と名前の探究を取り払って「古典と文化」というのはどうも違和感があって、「古典と探究」でいいんじゃないかなと思うようになりました。やはり古典探究という名前を冠したことの現行へのリスペクトというのは必要じゃないかと思いまして、「古典と探究」、それから「言語生活」、これを強く申し上げて、私の意見とさせていただきます。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。「言語文化」の科目に「話すこと、聞くこと」の領域を、といったご意見、それから「現代の国語」、「古典と文化」という科目の名称について改めてご意見をいただきました。犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  私が申し上げたいことほとんど先生方がおっしゃってくださったことと重なっているかなと思います。特に児玉委員ほか中川委員などもおっしゃっていたように、減単するとか増単するとかというときの基準は何かということが大変気になります。ここが適当に運用されることのないように、これ後半の議論にも関わるのではないかなと思いますが、何が達成できると減単しても大丈夫なのか分かるような科目の目標であるとか、達成の基準ということを明確にしていく必要があると思いました。合わせて申し上げますと、そういうふうに考えていると、なんで4単位にこだわるのかよくわからないなみたいな気もちょっとしていきまして、どういうことを達成しなくちゃいけないので4単位になっているんだという、この4単位とすることの必然性がわからなくなりました。増やしてもいい、減らしてもいいということであれば、このラインというのを示して選択2単位というふうに設定することも可能なように思われます。ちょっと私はここがまず4単位を基準とするというこだわりがどこから来ているのかちょっとよくわからないなというふうに思いました。この辺り後半の議論とも関わるかと思いますが、目標と重ねて少しよく考える必要があると思います。それから2点目として、先ほど藤森委員がおっしゃったように「言語文化」という領域に話すこと、聞くことが含まれていないというのは私も大変不満足に思ったところです。説得的なコミュニケーションの中でも情緒的なやり取りというのが非常に重要であること、良いスピーチというのは大体論理だけではなくて、情緒であるとかモチベーションであるとか、そういったことに働きかける要素を持っているはずです。そうしたことを学ぶためには、言語文化という領域の中でも話すこと、聞くことというのを考える必要があるだろうというふうに考えました。すいません、もう1点は冒頭のところでですね、AIなどに言及されていて、批判的に読むとか考えるということを国語科の中でもというような意図が見えているかなというふうに思います。で、これは科目名などだけではちょっと含み切れていないところではないかと思います。どのような題材をどんなふうに使うと良いかということがまだイメージできないというところが多かろうと思いますので、どんなことができるようになることが目標なのであるということを明確化していく必要があるのではないかなというふうに思いました。以上で一先ず終えたいと思います。
【島田主査】  ありがとうございました。髙見さん、補足の説明ありますか。はい、お願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  なぜ4単位なのかというお話でございました。6ページにお移動ください。こちらの左側のところに考え方を整理しておりまして、すいません、ちょっと私の説明が若干足りてなかったところがあったかもしれませんが、この「現代の国語Ⅱ」、あるいは「言語文化Ⅱ」においては、話すこと、聞くこと、書くこと、読むこと、こういった領域をバランスよく学習するということで、複数の単元で繰り返し活用することが求められると、こういった中では一定の学習時間を確保することで、段階的かつ継続的に学習を積み重ねる必要があると、こういったことを「現代の国語Ⅱ」では整理しておりますし、また「言語文化」においても同様の考え方で整理しているところであります。こういった4単位というのを基本としながらも、ただやはり生徒の発達段階で、生徒の状況ですとか、あるいは学校の状況、こういったものを踏まえながら、各学校においては増単あるいは減単の仕組みというのも適宜ご活用いただくと、そういった考え方で整理しているところでございますが、まだまだこの辺りもブラッシュアップは必要かと思いますので、また先生方からもいろいろご知見等を賜ればと存じます。以上です。
【犬塚委員】  繰り返しやるためには時間を確保することが必要ということが大変重要なのだとすれば、能力が高い、あるいは国語が得意な学習者が多いので減単します、というのとはちょっとそぐわないような気もいたしますし、少しこの点は丁寧に、先ほどの減単の基準などとも絡めて議論していく必要があるかなと思いました。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。続いて竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  はい、ご説明ありがとうございます。藤森、犬塚両委員がおっしゃった「言語文化に話す、聞くを入れる」という件については私も大いに賛同するのですが、話すと長くなるので議題2の方でお伝えするとして、ここでは3点コメントいたします。1点目、6ページから9ページにまたがる減単のお話、ほぼ言い尽くされているかと思うのですけれども、やはり準備や運営に手間がかかる学習活動というのが義務教育段階でも後回しにさるということはありますので、スキップされたりしないように、最低保障みたいなものを単元設計や評価例の中で具体化していただけると良いかなと思いました。それから10ページで選択科目の名称を議論しているかと思うのですが、ここの名称の考え方のところで「対話と表現」のところに、「対話」は「話すこと・聞くこと」、「表現」は「書くこと」とあります。整理の上でこのように2つを並べることになったのかとは思うのですが、「表現」という、他でもたくさん出てくる言葉が他の領域にもまたがるものではなくて、「書くこと」のみなのかというところが1点気になったのと、あとこのように「対話」だけを出してしまいますと、自分の考えをまとまりある形で構成して届けるような、発表、説明、提案、という部分この――やり取りと発表を分けて履修させるという動きが多いかと思うのですけれども――この後者のほうが抜け落ちてしまわないかなと思います。26ページ後半でも同様のことが言えますので、合わせてコメントを申し上げたいなと思いました。あと最後11ページ、話や文章の機能と教材例のところで、注記のところでですね、説明や解説、主張、提案、議論、討論も扱うと出していただいているのですけれども、図の限りですと文章の教材例が中心に見えてしまいます。ですので、「話す、聞く」の内容も正確に定義、分類して、図解をして位置づける取組を徹底していく必要があるかなと思いました。以上3点です。
【島田主査】  なるほど。よくわかりました。続きまして、石黒委員、お願いいたします。
【石黒主査代理】  はい、よろしくお願いいたします。私の方は5ページになるんですけれども、その5ページの中の「論理」という言葉の使い方になります。そこに「論理的」というのがですね、左の列をご覧いただくと4回出てくるわけですけれども、この「論理的」という言葉が、私は正直あんまり好きではなくて、論理はいいんですけども、「的に」というのがつくというのが全部「的」でいいのかということは少し疑問に思います。つまり、何とかっぽくに聞こえてしまっては良くないだろうと思います。このような論理を学んでいくというのに、やっぱり段階性があるというふうに考えられて、まずその論理と言っても、この定義がまず大事だと思います。つまり、いろんな文学と論理の関係で色々な混乱があったわけですけれども、まず私たちが論理というものをどう捉えるのかということで、やっぱりその「なんとかだからなんとかだ」という形式論理、またそのデータとかに基づいて実証する実証的な論理、さらには一方でその記憶とか、あるいはこういうことというのは日常生活の経験的なものに基づく経験的な論理、さらには解釈的な論理みたいなものも存在すると思うんですけども、論理というものはどういう内実でどんなふうにこれを段階的に3年間で学んでいくのかということを明らかにすることが大事だろうと思います。ですので、「現代の国語Ⅰ」が「論理的に」というのは私は異存ないんですけれども、もう少し「現代の国語Ⅱ」以降に関しては、論理的に思考することを、例えばですけれども、「論理的、実証的に思考する」とか、「高い論理性に基づいて思考する」とか、例えば前期の指導要領の中にも論拠というものがあって、その根拠、形としては根拠になっているけどこれ根拠じゃないよねというのを厳密にやはり定めるというようなことがあったと思うんです。そのようなやっぱりその確固たる根拠みたいなものを吟味するということがすごく大事になってくるので、そういうようなことを含めた言葉が入ってくるといいかなと。それから次の「論説と批評」に関しては論理的に思考するわけですけれども、やっぱりその多面的にと申しますか、つまり批評ということでやっぱり自分のところ疑いを持って確認していくという非常に大事な作業がここには含まれていて、これを学ぶということがやっぱり「論説と批評」の売りなのかな。対話と表現は「説得的」というのがあってなるほどと思うわけですけれども、この辺り書き分けていく必要があるのかなというふうに思います。結局このような論理というものを考えるときに、先ほど藤森委員から「言語生活」というご提案がありましたけれども、もし私ならば、生活ではなく「言語運用」という「運用」を取りたいと思います。このやっぱり論理というものはその日常の生活論理だけではなくて多様なものを含んでいるので、藤森委員のご説明の中でも実は運用という言葉使われてたんですね。なので私は「運用」が適切ではないかと思います。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。「論理的に思考する」と言ったときの「論理」の中身ですね、これをもう少し整理して各科目に位置づける必要があるのではないかといった点からご意見いただきました。続きまして、松本委員お願いいたします。
【松本委員】  はい、お願いします。6ページに関する質問になるかと思います。学校設定科目が今回の柔軟な教育課程の方針ということで、現行の10単位から28単位に増えていくことになっておりますが、そうすると必然的に国語科に紐づく学校設定科目というのも増えそうな気がします。そう考えたときに、今回示していただいた履修順序との関係をどう考えればいいのかということと、それから「現代の国語Ⅱ」の増単も考えられるわけで、発展科目への影響はないのかということが気になります。国語ワーキングで質問することではないのかもしれませんけれども、何かありましたらお願いします。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。髙見さんいかがですか。
【髙見主任教育企画調整官】  学校設定科目がどういった形で設定されていくのかというのは、各学校の状況によってかなり変わってくると思いますので、その辺りの関係性をまた今後引き続き整理する必要があると思っておりますけれども、実際に今回減単する場合、増単する場合、様々な場面が出てきますので、今後混乱が生じないような形で、どのような対応ができるのかということは今後考えていきたいと思っております。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。石井委員お願いいたします。
【石井委員】    もうすでに様々な委員の先生方がおっしゃってくださったことと重なることも多いと思うんですけども、単位数のことについて、この柔軟な教育課程ということを掛け合わせてみたならば、かなり柔軟に運用ができるということが具体的に示されて非常に納得感があるというところでもあります。柔軟な教育課程ということは、要は現場裁量を広げていくと。現場の側の自由を拡大するということなんですけども、それを使いこなせるかどうかというのは、現場のカリキュラム作りの力量次第というところもあろうかと思います。この問題は実は国語だけではなくて、他の教科科目でもそういうことがありまして、だからそれはトータルに、これは総則・評価部会のマターになってくるとは思うんですけども、しっかりと現場のカリキュラム作りを励ましていくということの中で捉えていく必要があるというふうに思うわけです。
その上で、ここで減単とか増単の話というのは、結局のところその根本にあるのは何かといえば、すでにもう生じていることではありますけども、履修主義から修得主義への大きなシフトにあると。結局、時間ではなくて中身でもって質を担保するという、そういう発想ですよね。ですから、先ほど犬塚委員がおっしゃったことは非常に重要で、結局目標、内容、これをちゃんと実現しているのかということをどのように確かめるのかという、そことの絡みが非常に重要になってくるというふうに思います。それが実現できているということであれば、時間数というのは柔軟に考えていけば良いというところですね。
さらに言うと、これは結局、今回標準科目というふうに設定しているのは、前回も申し上げたように、高校のカリキュラムとしては共通性を重視するような、私の捉えでいうと、やっぱり高校卒業資格として。先ほどの井上委員の捉え方とも結構重なると思うんですが、やはり言葉の力を、ここまでは高卒段階においてしっかりと身につけましょうよという、そういうメッセージなんだろうと思うんですね。こういった経験をちゃんと保障していくと。ですから、この後の高次の資質・能力云々とか目標を明確化していくという話、それで段階をどうするかということも関係すると思うんですけども、「現代の国語Ⅱ」などの、この「Ⅱ」というもののあり方は、国語教育の一つのマイルストーンではないですけれども、出口のところでどういう言葉の力を育てていくのか、さらに言うと、トータルにどんな言語活動というか、言語化経験ですね、それを保障していくのかということとセットになってくると。
それで言いますと、前回のワーキングの後に報道を見ますと、私は驚いたんですけども、小説重視といった言葉が並んだりして、やはり、様々科目変更するんだけども、結局高校の国語の教育をどういうふうにしていくのかという、明確なメッセージをちゃんと伝えておく必要があるんだろうと。私なりにこれまでの流れからすれば、教材ベースの読解主義をどう超えていくかという、この線は全然揺らいでいないように思うんですよね。それで言いますと、結局、文学であろうが、論説文であろうが、何を使っても、結局のところ言葉の力を育てていけばいいと。そういった場合に、古来、物語的認識と命題的認識、科学と文学といった対比などもありますけども、人間の認識ということで言うと、それらを様々なジャンルを扱いながら、しかも読み、書き、話す、聞くを統合的に、総合的な言語活動でもって育てていくと。
そういった明確な、科目をこう組み替えていく上にどんな国語教育を実現していくんですかというメッセージを明確に発信していくことが大事だと思いますし、だからこそ、この標準科目の扱いがとても重要になってきて、そこでどんな学びを実現していくんですかと。増単ということで言うと、探究的展開であれば時間がかかるではなくて、時間をかけるという発想になってきますから、当然、深めていこうと思ったら、たくさん時間をかけていくわけですよね、そういった具合に、量的な発想ではなくて、質的な発想で見ていくということも大事になってくるのかなというふうに思いました。
【島田主査】  はい、石井委員どうもありがとうございました。大いに賛同するところです。渡邉委員お願いいたします。
【渡邉委員】  はい。では、私も2点、単位数と順序のことと、それから名称についてコメントさせていただきたいと思います。スライド9にあります各単位の単位数と履修の順序ですけれども、単位数と履修の順序にも柔軟性を持たせるという方針に賛同いたします。国民教育としての国語の役割として、国語の基礎をしっかり学ばせながら、多様な学校の実情に合わせた国語教育が柔軟に組めるということは画期的でありまして、先ほど石井委員のおっしゃっていた履修主義へのシフトというのは本当に大きな転換ということになります。だからこそ、目的を明確にして構造化するという次期指導要領の狙いとも合致すると思いました。それから、標準科目については、実は私は2単位が良いと思っていたのですが、今日は井上委員をはじめとした現場の先生たちからの声も聞きまして、じっくり総合的に学ぶ時間が必要だということに納得いたしました。その一方で、選択科目については、系統的な発展と高度化ということが目指されており、教科書で勉強するよりも、むしろ教科書を使いながら探究的な要素を盛り込むことが大事だと思います。例えば「文学と創造」では、自分の好きな作家の文学史における位置づけ、あるいは作品の価値づけだとか、同一作家の作品の比較、同じテーマで異なる作家の作品の比較など、調べ学習や探究学習などが取り入れられると、これも先ほど石井委員が指摘されていた「正しい読解」を超える文学の楽しみに触れられる機会になります。高校の国語の目的である、生涯にわたって文学を主体的に楽しむ、楽しめるその基礎作りになるのではないかと思います。それから「古典と文化」も同様に古典を通して日本の抒情性や人間観、自然観を理解して、さらに現代に古典のものの見方とか考え方、あるいはその感性を生かして、新しいもの作りであるとか、新しい価値観を創造していけるという探究学習というものもできると思います。ですから、選択科目と必修科目、それから標準科目がどう違うかといったときには、選択科目の探究的な側面をより鮮明に打ち出していくといいと思います。「論説批評」では論説の論理構造とか多様な論証の方法とか、データや根拠の使い方を考察する、他方「対話と表現」には現在進行形で作られつつある様々な表現やコミュニケーションを俎上に上げることができると思います。まとめますと、理系にも創造力と教養、コミュニケーション力が必要だということは共通の認識になってきています。ビジネスにおいても教養が重視されており、日本文化を共通教養として持つことがイノベーションへの重要な種になるということで、高校の選択科目というのは、ある意味、時代を先取りする可能性を秘めていると考えられます。ですから、ぜひ国民教育としての基礎も大事ですけれども、この4つの選択科目の提案というのは私は今回の画期的な提案だと思いますので、その辺りも強調していただければと思います。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。選択科目の標準科目と、それから発展科目、それぞれのあり方について貴重なご意見いただきました。時間にもなりましたので、議題の1についての議論はここまでとさせていただきます。2時5分から議題の2についての議論をまた始めさせていただきます。それまで4分ほどでしょうか、休憩したいと思います。では、2時5分再開ということでお願いいたします。
(休 憩)
【島田主査】  皆様お戻りでしょうか。時間になりましたので議事を再開いたします。それでは、議題の2について、まず事務局よりご説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい。お手元の資料16ページをご覧ください。議題の2は「高等学校国語科の目標と高次の資質・能力について」です。17ページをご覧ください。本日の論点は2点です。論点1は「各科目の「目標」の在り方について」です。これまでワーキンググループでは小中高等学校共通で設定することを検討してきた国語科の目標を踏まえまして、高等学校国語科の各科目における柱書きをどのように記載すべきか、また各科目の「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」について、目標にどのように記載すべきかをご検討いただきます。論点の2は各科目の「高次の資質・能力」の在り方についてです。「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」の深まりの可視化を通じて、「深い学び」を実現する単元作りのイメージを教師が持てるようにする役割を担うこととされている中、高等学校国語科の各科目における「高次の資質・能力」をどのように考えるかについてご検討いただきます。18ページをご覧ください。第5回ワーキンググループでご審議いただいた小中高の目標の案について記載をしております。また、目標に関するこれまでのワーキングでの検討状況についても示しております。19ページをご覧ください。こちらが本日の具体的な論点となっております。論点の1として「各科目の目標について」です。括弧1「目標の柱書きについて」。目標の柱書きは国語科で育成したい資質・能力の趣旨を端的に示すものであり、これまでのワーキンググループでは小中高等学校共通で示す整理をしてきました。この整理のもと、高等学校国語科の各科目においてはどのように示すべきか、これが本日の論点となります。点線の枠囲みの中をご覧ください。これは第5回ワーキンググループでご審議いただきました小中高等学校の柱書きです。ここに「話すこと・聞くこと、書くこと、読むことを通して」とありますが、これは活動ではなく領域を示すという整理が第5回ワーキングでなされました。このことを踏まえ、高等学校の各科目の柱書きにおいては、各科目の設置や趣旨を踏まえ、科目ごとに扱う領域によって書き分けて示すこととしてはどうかと考えております。具体的には20ページをご覧ください。こちらは各科目の目標の改定案の一覧です。「現代の国語Ⅰ」の柱書をご覧ください。例えば「現代の国語Ⅰ」では、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の3領域を扱いますので、柱書きは「国語で理解し、考え、表現する資質・能力について、話すこと・聞くこと、書くこと、読むことを通して、次のとおり育成することを目指す。」となっております。次に「言語文化Ⅰ」の柱書をご覧ください。「言語文化Ⅰ」は、「書くこと」、「読むこと」の2領域を扱う目安ですので、下線のとおり「書くこと、読むことを通して」となっております。このように、扱う領域によって書き分けていくということでございます。19ページにお戻りください。括弧2「知識及び技能」、あるいは「思考力、判断力、表現力等」の目標についてです。まず丸1として、必履修科目、選択の標準科目、選択の発展科目の3段階でその深まりを示すこととしてはどうかと考えております。高等学校国語科においては、必履修科目では義務教育段階で身につけた力を基盤として、すべての生徒が共通して学ぶ基礎的な資質・能力を育成すること。選択の標準科目では、必履修科目で育成した資質・能力を基盤として、多くの生徒が卒業までに身につけることが望ましい標準的な資質・能力を総合的・発展的に育成すること。選択の発展科目では、必履修科目や選択の標準科目で培った資質・能力を基に、生徒の興味・関心や進路等に応じて特定の領域や内容に焦点化し、高度かつ専門的な資質・能力を育成すること、としております。このことと、国語科としての育成を目指す資質・能力の方向性は全科目共通であることを踏まえまして、教科目標の文言を基本としながら、必履修科目、選択の標準科目、選択の発展科目の3段階で目標を段階的に設定し、育成する資質・能力の深まりを示してはどうかと考えております。右側をご覧ください。また丸2といたしまして、育成する資質・能力の系統別に目標を示すこととしてはどうかと考えております。各科目はここにお示ししているとおり、育成する資質・能力によってA、Bの2系統で設定しており、系統によって育成する「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」は異なります。これらの系統を踏まえて目標も書き分けることとしてはどうか、ということについてご検討いただきたいと存じます。加えて丸3といたしまして、選択の発展科目については、特定の領域や内容に焦点化し、高度かつ専門的な資質・能力の育成を図る科目であることを踏まえ、選択の発展の各科目については焦点化・高度化させている内容を目標においても示すこととしてはどうかと考えております。今ご説明したことについて、具体的には20ページをご覧いただければと存じますが、まず19ページにあった丸1の観点につきましては、青色で示している文言で深まりを表しております。例えば「現代の国語Ⅰ」の知識及び技能の目標をご覧ください。ここでは、「生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付け、適切に使えるようにする」としております。「現代の国語Ⅱ」の「知識及び技能」の目標をご覧ください。「現代の国語Ⅱ」では、「効果的に使えるようにする」と、その深まりを示しております。また19ページの丸2の観点でございますが、こちらは青色マーカー、黄色マーカー、そして赤色マーカーの文言でその系統を表すことを考えております。例えば「現代の国語Ⅰ」の「思考力、判断力、表現力等」の目標をご覧ください。ここでは「国語で論理的に考える力」、「生涯にわたる社会生活における他者との関わりの中で互いの立場や考えを尊重しながら伝え合う力」を、科目で身に付ける資質・能力として示しております。また「言語文化Ⅰ」の「思考力、判断力、表現力等」の目標をご覧ください。ここでは「国語で深く共感したり豊かに創造したりする力」、「先人のものの見方、感じ方、考え方との関わりの中で古典の意義や価値について考える力」を、身に付ける資質・能力として示しております。このように、主に育成する資質・能力の系統によって整理をしているところであります。19ページの丸3の観点につきましては、緑色のマーカーの文言で発展的な内容を表すこととしております。具体的には、「論説と批評」、「対話と表現」、「文学と叙述」、「古典と文化」、いずれも仮称でございますが、それぞれの目標をご覧ください。例えば「思考力、判断力、表現力等」において、「論説と批評」では「他者や自己の思考の妥当性を吟味する力」、「対話と表現」では「様々な媒体を通して言葉で他者と協働する力」、「文学と叙述」では「創造的に考える力」、「古典と文化」では「現代における価値を創出する力」、こういった形で表現をしております。19ページにお戻りください。
  右下、括弧3、「学びに向かう力、人間性等」についてです。「学びに向かう力、人間性等」は、まず第一に当該科目の学習で育みたい学びや生活に向かう態度、第二に当該科目の学習で育みたい感性を示すものであり、国語科全体を通して一貫して育成を目指す資質・能力であることから、教科目標の文言を基本としつつ、各科目で扱う領域に応じて主となる学習活動を踏まえて書き分けることとしてはどうかと考えております。20ページをご覧ください。今までご説明したことについて、「学びに向かう力、人間性等」の部分を赤色の文字で示しております。例えば「現代の国語Ⅰ」の「学びに向かう力、人間性等」の目標をご覧ください。「現代の国語Ⅰ」は3領域を扱う科目ですので、丸1について「様々な話や文章に触れて」、「理解や考え、表現の工夫を伝え合う過程を吟味しながら」と示しております。「言語文化Ⅰ」をご覧ください。「言語文化Ⅰ」は2領域を扱う科目として現時点では考えておりますので、丸1について「様々な文章に触れて」、「理解や解釈、考え、表現の工夫を伝え合う過程を吟味しながら」と示しております。以上、目標の柱書き、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の各科目の目標について、その書き分けの考え方、記載ぶりについてご議論をいただければと存じます。24ページをご覧ください。論点の2、高次の資質・能力の在り方の検討について、左側に議論の前提をお示ししております。これまでのワーキンググループにおきましては、「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮について、小・中学校では領域ごとに示すこと、高等学校では各科目別の領域ごとに示すこと。「知識及び技能」の統合的な理解については、小中学校では「各領域の学習の過程で生かし深める事項」は領域ごとに共通の内容とし、「各領域の学習を支え、文化的な知識や態度、教養として深める事項」につきましては全領域共通の内容で示すこと。高等学校では、「各領域の学習の過程で生かし深める事項」は各科目の領域ごとに共通の内容とし、「各領域の学習を支え、文化的な知識や態度、教養として深める事項」については共通の内容を示すことという整理をしてきました。この整理を踏まえまして、高等学校国語科の各科目における高次の資質・能力についてどう示すべきかについてご検討いただければと存じます。具体的な論点といたしましては、括弧1、「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮については、お示ししておりますA、Bの系統で各科目の特質を踏まえて書き分けることを基本としてはどうか。選択の標準科目については、必履修科目の学習を基盤として扱う話や文章、学習の内容の共通性を図りながら、より深い理解や高度な表現を目指す内容としていることから、必履修科目の系統性を図りながら資質・能力を深めることとしてはどうか、と考えております。その上で選択の発展科目については、特定の領域や内容に焦点化し、高度かつ専門的な資質・能力の育成を図る科目であることを踏まえ、各科目での育成を目指す資質・能力によって書き分けることとしてはどうか、と考えております。また括弧2、「知識及び技能」の統合的な理解について、丸1は「各領域の学習の「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮と同様に、A、Bでお示ししている二系統で科目の特質を踏まえて書き分けることとしてはどうか。その上で必履修科目と選択の標準科目においては、国語科として共通に身に付けるべき言葉の働きや言語文化に関する理解、学習活動を支える基盤的な技能を示すものであるため、共通の文言としてはどうか。また、選択の発展科目については、「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮と同様、科目設置の趣旨を踏まえて書き分けることとしてはどうかと考えております。また丸2はこの事項で扱う「知識及び技能」は各科目の学習の基盤となるものであり、国語科全体で共通して深めていく必要があることから、高等学校国語科の全科目で共通の文言として示してはどうかと考えております。26ページをご覧ください。こちらは科目ごとの高次の資質・能力の示し方の案の一覧です。今ご説明したことについて、系統に関わる科目の特質についてはピンク色のマーカーの文言、資質・能力の深まりと選択科目の発展科目における発展的な内容については青字で示している文言で示しております。「書くこと」の「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮の欄をご覧ください。例えば「現代の国語Ⅰ」では「相手や状況、目的に応じて文章の書き方を工夫することにより、考えを論理的に伝えることができる。」とし、「現代の国語Ⅱ」では「相手や状況、目的に応じて文章の書き方を工夫することにより、考えを論理的かつ効果的に伝えることができる。」としております。さらに「論説と批評」では「相手や状況、目的に応じて、考えや意見を効果的に論述することができる。」として、資質・能力の深まりを表しております。27ページの色分けについても同様の整理としております。この26ページ、27ページを含め、各科目の「思考力、判断力、表現力等」の総合的な発揮、あるいは「知識及び技能」の統合的な理解について、その書き分けの基準、考え方、書く文言について、ご検討、ご議論いただきたいと存じます。事務局からの説明は以上でございます。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。それでは早速意見交換に参りたいと思います。ご意見、ご質問のある方は挙手ボタンにてお知らせください。論点1、論点2、いずれの論点に関する内容でも構いません。45分ほどになります。3時まで、ご議論いただきたいと思います。はい、どなたか。よろしいですか。かなり細かなところにもなりますが。はい、藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  2つ申し上げます。まず、目標設定の20ページをご覧ください。ここに目標設定が書かれています。よくできていると思いました。拝見していると、それぞれの科目ごとの系統性というのが重要な用語でもって示されていて、相当工夫されたなと思いました。やっぱりこのベースにあたる、どういう学びが展開してこの3年間過ごされていくのかということについての基本的な理念、それを大前提として科目を超えて「こういう狙いですよ」と説明可能にしておくと、よりこの目標の系統性というのが立体的になる気がするんです。
このことにかかわって、私個人の1つの考え方として申し上げてみたいことがありまして、それは、学びには、広がっていく学びと、どんどん深めて探究していく学びと、それから新しいものを生産したり、発展したり応用したりしていくという学びと、「広げる」「深める」「高める」という3つのベクトル、ファクターがあるというふうに思っています。資料の目標設定を拝見していると、基礎レベルの1年目のところの必履修段階ではできるだけ拡張する学び、そして今度の標準選択科目のところでは深めていく学び、そしてそれを踏まえた選択科目のほうでは、学びをさらに高めて自ら色んなものに応用したり、自分の問題関心に基づいて生涯社会にわたって展開できるような、そういった、学びの基本的なイメージを可視化する形で示すことができたら、今回の系統性がよりクリアに見えてくるんじゃないかなと思いました。これが1点目です。
それから2点目は25ページご覧いただいてよろしいでしょうか。「高次の資質・能力」なのですけれども、ちょっと私の中で混乱しているのが、目標設定の文言の主語は教師だと思うんです。「できるようにする」と言っているわけですから。一方「高次の資質・能力」の「できる」「理解している」の主語は生徒であって、「高次の資質・能力」と目標設定との関係性に違和感を抱かれるんじゃないかなという気がしています。「高次の資質・能力」は、基本的には中核的な概念・方略という用語を言い換えたものであろうというふうに理解しています。とするならば、その高次の資質・能力の構成要素は、例えば「広げ深めることができる」というコンピテンスのベースじゃなくて、コンセプトとして「広げ深めること」とか、あるいは「理解すること」のように、体言止めの言い方をせめてしないと分かりづらいんじゃないかなと思いました。これと似た問題が過去にありまして、平成20年に内容領域ごとの指導事項と言語活動例の述語の表現が似ていて、どっちがどっちなのか分からなくなっちゃっているというその反省から、現行の学習指導要領では、言語活動例はすべて「~する活動」という用語で閉じているはずです。細かなことのようですけれども、やっぱり「高次の資質・能力」というのは1つのコンセプトじゃないかなと私は思っていますので、その辺りの表現をすり合わせていただければと思っています。
【島田主査】  はい、どうもありがとうございました。各科目の目標に関して、広げる、深める、高めるという観点で、学びのイメージがより可視化できるような形であるとなお良いのではないか。また高次の資質・能力に関しては、その文末表現がコンピテンスであるよりは、コンセプトであることが分かるような示し方が良いのではないかということでご意見をいただきました。渡邉委員お願いいたします。
【渡邉委員】  はい、よろしくお願いいたします。藤森委員のご意見をお聞きしたら、私ももっと抽象的なレベルで指摘できたらいいと思いましたけれども、今考える時間がないので、細かいことですけれども、20ページですね。必修とそれから標準科目についての系統性と深まりはこれでよく分かるのではないかと思います。しかも、「現代の国語」ⅠとⅡ、例えば知識・技能では「適切に」を「効果的に」と文言を変えたり、あるいは思判表では「高める」から「高まる」「発揮する」など、非常に細かな工夫であるけれども、これで必修から標準への発展性が分かると思います。その一方で、学びに向かう力・人間性等については共通であるということは、ここでは逆に必修とそれから標準選択科目における一貫性が強調されて良いと思います。それから選択科目の書き分けも非常によく考えられていると思いました。逆にこれ以上書き分けをすると、表を複雑化するので、この辺りがいいのではないかと思います。それから、21ページの現行の指導要領における選択科目の説明と比較すると、20ページでは選択科目間の違いがよく分かって、改訂の意義も示せていると思います。また、これも細かなことで恐縮ですけど、27ページですね。高次の資質・能力については、その知識・技能と思判表を統合するという意味から、高校では状況や相手、目的に応じて使う、これはもう全体を通じての大きな目標のコンセプトの1つになっていると思います。それを「使う」から、例えば「使いこなす」というような形で表現を変えても、その前の知識・技能と思判表との違いというのも分かるのではないかと思いました。はい、以上です。
【島田主査】  はい、具体的な文言、表現についてご意見いただきました。使う、使いこなす、活用するといったような言い方も含めて、また検討してまいりたいと思います。竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  はい、大変細かい作業、本当にお疲れ様でした。20ページのように色分けまでしていただいているので、これは今回でデジタル化されるということで、逆引き辞書のように、切り口ごとに見せていく、そのようにして積み上がっていくところが分かるというようなものを、例えば動画のような形にして、実際表現されていくとより分かりやすくなっていくのかなと思いました。以上はコメントなのですけれども、申し上げたい点は24ページの、思・判・表の総合的な発揮についてです。「二項対立を避ける」ということをあちこちで謳っていただきつつ、他方で構造化もしないといけないという要請もあり、苦心されていらっしゃるところかと思うのですが、A系統、B系統とありまして、コミュニケーションが片方の論理系統のみに入ってしまっているという点についての懸念です。論理的に構成する力というのは、読むことや書くことの学習を通じてもある程度育てられるのかと思うのですが、ことコミュニケーションに関しては、相手の表情や反応、受け止め、そしてその場で言葉や順序、具体例、声の出し方などを調整する経験を通じて系統的に育っていくものかなと思ってまして、特に今の時代、人間に残された力として大事かと思うんですね。来週、人事院研修で各省庁の方々にも「国民に納得していただくためにこれが大事なんです」と、かつての研修に比べても論理と同じくらいのウェイトで「この情緒の厚み」ということをお伝えしようと思っているところです。ですので、このコミュニケーションというのは両方にまたがる形で示していただいたほうが良いのかなと思いまして。先ほど藤森委員からもありましたように、言語文化Ⅰのところで、きちんと感性豊か、効果的に伝える、ということですとか、あるいは文学と叙述の中でも、前回第9回でストーリーやナラティブということを申し上げたんですけれども、「自分についてのストーリーを語る」というようなことも入れられないでしょうか、というのがコメントです。
読み書きはできても話せない子が一定数いるという、現場の事実もあるために申し上げました。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。B系統のほうにもコミュニケーション能力を、というお話でした。先ほど来の、言語文化の学習領域にも「話すこと、聞くこと」を、ということと関連するお話かと思いました。その辺り、学習活動として話したり、聞いたりすることと、領域としての「話すこと、聞くこと」との区別をしながら、また整理してまいりたいと思います。小松委員お願いいたします。
【小松委員】  はい、私は高校、高等学校の教育とはやや距離があるところで仕事をしているものですので、そういう立場からのコメントとして捉えていただいて、もしかしてちょっとポイントが外れていたら申し訳なく思います。今、竹内委員からございましたお話とも若干被るのかなと思いながら聞いておりました。というのは、申し上げたいのは「言語文化とは何か」「言語文化という概念は何なのか」ということです。例えば20ページを見ていただくと、「言語文化」、もちろん科目名であると同時に、目標の中でも様々出てくる言葉なわけです。なぜこの言葉に引っかかっているかと申しますと、それはもっと小さい、本当に幼児期の子供たちから、子供たちはある意味言語文化の中を生きているわけです。私は心理学の研究者なんですけども、研究の際に参照する理論枠組みがあるんですけれども、その中でも文化というのが言葉を媒介にしながら、心や行動を方向づける、さらには自己の在り方にも関わるものだというふうに考えたりいたします。つまり、生活とか成長の中で常に機能しているものというようなイメージを持っております。一方で、今回、論点1で科目の目標というのについて新旧比較をいたしますと、言語文化の中で「思考力、判断力、表現力等」に関する表現というのが大きく変わっているように思います。新しいほうでは古典の意義や価値ですとかいうことが割と積極的に書かれております、先人のものの見方で。次のページでしょうか、こちらですと、伝え合う力とか自分の思いや考えを深めたり、というようなことがメインになっているということです。「知識及び技能」というところを見ましても、何か文化というのは生活とは別に、所与のものとして、習得すべきものとして存在していてそれを学ぶのだというような位置づけがより強まっているように見えました。もちろん高校の科目と、私が言っている言語文化というのは、ものが違うのだと言われればそれまでなんですけれども、やはり言語文化とか言葉というのは、先ほど述べたような観点から申しましても、論点2ですね、25ページですか、の統合的理解というところ、側面、丸2というところなんかにありますけれども、最終的にはその自己の形成のようなものに結びついていくものとして、積極的に位置づけていただくということが、子供たちが幼児期から成長していくということを考えたうえでは重要かと思いました。以上でございます。
【島田主査】  はい、どうもありがとうございました。ちょっとそれは改めて考えないといけないことかなと思います。重要なご指摘、どうもありがとうございました。続きまして犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  大きくは2点になるかなと思うんですけれども、まず分かりやすい指導要領を作るということを考えたときに、国語の中だけでというか高校の国語でこれだけたくさんの科目があるわけですから、それぞれの科目のコンセプトとか目標といったことが受け取りやすく、見えやすくなるということが非常に重要なのではないかなと思いました。そういう意味で言うと、やっぱり教科名、先ほど藤森委員でしたか、かなりご指摘になってましたけれども、教科名と目標を見るとどういう内容か分かるということは結構大事なのではないかなというふうに私も思います。やはり一番分かりにくいところは「現代の国語」というのと「言語文化」だなあというのも非常に共感しました。見てますと、「現代の国語」というところでは様々なものを扱いつつ生活、それから論理といった辺りがキーワードになっていて、言語文化では感性というのがすごく大きいのかなと思います。先ほど来、言語文化の中にコミュニケーションがないのはおかしいんじゃないかという議論がありましたけれども、そういうことも含めると「文化」という名前にしてあることが若干理解しにくくしているところがあるのではないかなというのが気になります。論理とか感性のような注目していることであるとか、身に付けたい高次の資質・能力により対応した科目名にするということを改めて考えても良いのではないかと思いました。関連して、これも藤森委員からご指摘があったところかもしれませんが、小中の目標の記述がコンピテンシーベース、CAN-DOリストみたいになっているのに対して、高等学校は必ずしもそうなっていないということは私も気になります。「何ができるようになること」というような見方で揃えるのであれば、同じような記述にしていくことが、より一貫性や系統性といったことを読み取りやすくするのではないかなと思いました。もう1点、分からないことですけれども、「学びに向かう力、人間性等」というところが、これ従来もそうなんだと思いますが、全部同じになっているというのは、それで良いのかというのは大変疑問に思うところです。それぞれ扱っている内容が違うんだけれども、様々というところで全部丸めて、同じ「学びに向かう力、人間性等」を目標としているというのは、ちょっと解せないというか、ここももう少し各教科の特徴や狙いが見えるようにしても良いのではないかというふうに考えました。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。おっしゃるとおりですね、これも引き続き考えてまいりたいと思います。庭井委員お願いいたします。
【庭井委員】  はい、よろしくお願いします。私からは論点2のほうのスライドで言うと26と27のところになるんですけれども、この表の「読むこと」におけるリストの書きぶりについて、1つコメントをさせていただきたいと思います。ここで、文章の読み方を工夫するという文言が各科目に共通して現れているんですけれども、「状況や目的に応じて文章の読み方を工夫する」のように書くと、文章単位で読み解くことだけだと受け取られないかなと感じました。つまり、文章だけではなくて「資料」という単位での読み方ということを加えるべきではないかと思います。読む力を総合的に発揮するという場面においては、状況や目的に応じて文章の読み方を工夫するだけではなくて、資料に応じた読み方を工夫すること、状況や目的に応じて資料を選択して読むということも、読む能力としてすごく必要だろうと思っております。高校では、今回お示ししていただいたように科目ごとに非常に特徴がある、つまりそれぞれ読むものが異なって、教科書で扱う教材も様々になる。その教科書で扱う教材から、実社会にある様々な資料に読むものをどう繋げていくかということが、卒業後の読む力として必要になります。実際、この表の中でも、実社会で必要になるとか、学術的な学びの基礎に関するとか、それぞれの科目に応じて読む場面が設定されていて、それぞれ適切な資料というのは当然異なってきますから、文章単位で読み方を工夫するだけではなくて、資料単位で捉えるということも分かるような書きぶりができないかなと思いました。このような意見を申し上げる理由が2つあって、1つは、読書の領域において、主体的にとか自立的に読む、自立的な読者を育てるという考え方が示されているので、そのことと教科の内容をうまく繋げていくためにも、文章の読み方だけではなくて、いろいろな資料、種類もそうですし、アナログかデジタルかということもありますけれども、そういった違いに応じていろいろな読み方ができることが必要だと思っていることがあります。もう1つは、メディアリテラシーの観点からも、特に高校では、状況に応じて文章の読み方を工夫することと合わせて、メディア、資料の種類に応じて読み方を工夫するということも、このリストの中で表現できたらいいかなと思いました。
【島田主査】  なるほど、よく分かりました。また検討してまいりたいと思います。はい、井上委員お願いいたします。
【井上委員】  はい、井上です。私からはスライド20ですね、同型科目の目標の書き分けについて感想を申し上げます。先ほどの議題1で申し上げたことにも関わるんですけれども、やはりその標準科目と発展科目の関係性をどう判別していくのかという点がやっぱり気になります。どういうことを念頭に置きながら書かれたのかなと考えながら見ていたんですけれど、20を見てみますと、Ⅰの付いた必修科目とⅡの付いた標準科目はやはり文言がほぼ同じで、あえて揃えられたんだなということが分かります。一方で、同系列の発展科目は文言がかなり独立しているような印象を受けるんですね。もちろん発展科目だからこそできることがあるということは理解しているんですけれども、一方で発展科目はあくまで必修、標準科目を基盤として特定の学習とか内容を深めていくものですので、もう少し標準科目の目標の書き出しを引用いただいて、最後に特徴を付け加えるというような形がいいんじゃないかなというふうに思いました。藤森委員のお言葉をお借りするならば、標準科目の目標に言及したうえで、その中のどの内容にフォーカスをして深めていく科目なのかというポイントを簡潔に強調して示すという形がいいんじゃないかなということですね。もちろん文章自体は長くなってしまうんですけれども、私が危惧しますのは、やっぱり「発展」という言葉だけが一人歩きして、発展でしかできないものがあるんだからと言って、いたずらに標準科目を減単して、発展科目を無理に履修していこうというような流れを助長するようなことがないように、ご配慮いただければ幸いです。私からは以上です。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。発展科目の目標の書きぶりですけれども、こちら標準科目の目標をしっかり踏まえたような書きぶりに改める必要があるのではないかということでご意見いただきました。石黒主査代理お願いいたします。
【石黒主査代理】  はい、よろしくお願いいたします。今の井上委員と同じところなんですけれども、今の井上委員のご意見でちょっと考えさせられて、ちょっと私の考えも上手く言えなくなってしまいそうなんですけれども。私自身はむしろ、「現代の国語Ⅰ」と「現代の国語Ⅱ」に関して「適切に」と「効果的に」というのが、私はあんまり上手くいっていないような気がしました。というのは、適切って本当に万能ワードでして、何でも使えるからすべて包括してしまう力を持っていると。それで、例えば知識や技能を身につけ、目的語がないんですけれども、知識を適切に使える、技能を適切に使える、これはオッケーだとして、例えば知識を効果的に使う、技能を効果的に使うってちょっとよく分からないという感じがしてしまってます。むしろ、知識と技能を考える場合は、この「生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能」の部分が、ある程度やっぱりⅠとⅡでは、Ⅱのほうが当然進化して発展しているわけですから、そこの部分でむしろ区別されるべきものなのかなと。その意味で、私個人としては「論説と批評」とか「対話と表現」の緑の部分、他も緑の部分って色分けの意図が分かってないんですけれども、緑のがすごく上手くいっている、つまり、ここでこういうことをやるのだ、こういう能力を身につけるのだということが明確に分かっている一方で、ちょっと黄色とか赤というのは、当然右上のところに具体の文言は今後告示文を検討する中で引き続き精査と書いてあって、そのために引かれているんだろうと思うんですけれども。その段差がついてないことによって、何をどこまで例えば教材に盛り込んでいいのか、何をどこまで現場の先生がそれぞれの科目で教えたらいいのかというのはちょっと見えにくくなっている。高1と高2、高3との間の差がちょっと見えにくくなっているかなという印象を受けたので、ここまで丁寧に整理していただいて恐縮なんですけれども、もう一息その区別が質、量ともに明確に分かるように、何らかできたらなというふうに思いました。
【島田主査】  はい、石黒主査代理ありがとうございました。大切なご指摘いただいたかと思います。引き続き精査してまいりたいと思います。西委員お願いいたします。
【西委員】  お願いいたします。20枚目のスライドになります。共有していただいた部分ですけど、丁寧に書き分けて、それぞれの教科間の連携等について整理をしていただいたなという印象を持ちました。
  一方で、下半分のところの「言語文化Ⅰ」、「言語文化Ⅱ」、「古典と文化」のこの3科目について気になるのは、「言語文化Ⅰ」の末尾が「古典の意義や価値について考える力を養う」、で、Ⅱがやはり「古典の意義や価値について考える力を高める」、仮称「古典と文化」が「古典の意義や価値について考える力を高め、現代における価値を創出する力を養う」となります。言語文化Ⅰ、Ⅱのほうが古典の意義や価値という、非常に領域が狭いのではないかなという印象を持ちます。逆に言うと、思判表のほうです。思判表のほうの文案なんですけれども。一方で、知識及び技能は「我が国の言語文化」という言葉で統一を、こちらは「言語文化Ⅰ、Ⅱ」と「古典と文化」のところがこう書かれているんですけれども、今回の科目構成の見直しからすれば、「言語文化Ⅱ」には近代、文学国語の要素も入ってくるということになれば、ここのところ古典と明示してしまうよりは「我が国の言語文化の意義や価値」というような文案のほうが混乱を招かないんじゃないかなと。もし何か意図があってこういう形にしているのだと言えば、補足の説明をいただければありがたいかなと思いました。ちょっと細かなところで申し訳ありません。
【島田主査】  はい、西委員、具体的にご指摘いただきました。「言語文化Ⅱ」の思判表、こちらの古典の意義や価値とされているところ、少し狭いのではないかというお話でした。またこれは精査します。はい、どうもありがとうございました。今後また考えてまいります。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】  他の委員の先生方もおっしゃっていますように、今回の必修、標準、それから選択のところで、段階があって、それに対応する形で高校で育成する言葉の力の段階とかレベル感といったものを示すというので、まあいろいろと文言等を調整する必要はあると思うんですが、基本的には書き分けとしては非常によく考えられているなと思ったところでもあります。
先ほど申しましたように、この標準科目といったものを高校卒業資格的なものとの関係で捉えるというあたり、先ほど申しましたように、修得主義へのシフトといったときに、それぞれのレベル感の意味ですよね。単にそのレベルということではなくて、高卒の卒業段階でここまで持っていきたいなとか、そういったところを明確に意識しながら作っていくことが重要で、その点においてもかなり考えられているなというふうに思ったところです。
それとともに、やっぱり小中高ということで考えたときに、どう考えていくのかというところがなかなか悩ましいところかなというふうに思ったりもします。でも、先ほど藤森委員のほうからもありましたように、広げる、それから深める、高めるじゃないですけど、なんかそれは小学校も低・中・高みたいな形で、大きくはそうやって学年帯みたいな形で考えたりとか、そういうので上手くコンセプトを明確にしながらやっていけると、小中高で上手く書き分けもできるのかなというふうに思ったところでもあります。
「学びに向かう力、人間性等」に関しては、小中高で言うと、同じような文言だけども結局、要はメタ認知的な精緻さが上がってくるみたいな、過程に気をつけながら、それを確かめながらになって、高校段階だったら「吟味しながら」みたいな形になるわけですよね。この辺は今回がメインで議論することではないとは思うんですけども、今まさに評価の話で出てきているような、いわゆる見取る姿と言いますかね、そこに直結する話になってくるんじゃないかと思うんですね。
そこで示されているものは、一般的な自己調整みたいな形で、教科とか横断的ということではなく、やはりこの教科に即してどう考えますかということ、そこをある程度工夫しながら書かれているなと思いました。考えとか表現の工夫、あくまで言葉の学びとしてその質を高めていくためには、表現の工夫を吟味するとか、言葉を吟味していくということが大事なんだろうと思うんですよね。
だから、そういったニュアンスを文言で細かく書くというよりも、ちゃんと趣旨として共通認識されていくといいのかなと思いますし、それ自体が独立してということではなくて、まさに思考・判断・表現で示されているような、こういう思考プロセスをさらにダイナミックに展開していくときに、そういう吟味するということが効いてくるんですよと。「思考・判断・表現」の質を高めていくときに、こういう学びに向かう力の、特に一番目のところですよね、それが促進材料になってくるというそういう関係性。それを繰り返していく中において、国語科における感性と言いますか、言葉への感覚が磨かれていくというところですよね。その辺をトータルに、この3つの柱といったものを、統合的に育てる、どういう学習活動として描くのかということをまさに想定しながら整理していくことが大事かなというふうに思いました。
【島田主査】  はい、根本に関わる大切なご指摘だったかと思います。中村委員、お願いいたします。
【中村委員】  はい、今、石井先生からご発言がありましたけれど、ここまで高等学校の科目や内容を検討し審議を進めていく中で、小中高という12年間の見取り図ができてきたかと思います。今日の資料でいきますと、25ページに第5回のワーキングのものがあります。少し前のものかもしれませんが、小中の内容があって、その後に今日の高校の科目ごとの内容があるわけです。例えば、「書くこと」を見ていきますと、小学校と中学校は「考えや思いをよりよく伝える」となっています。めくっていただいて26ページになりますと、「現代の国語Ⅰ」を見ますと、前文は同じで「考えを論理的に伝える」というふうになり、「現代の国語Ⅱ」では「考えを論理的かつ効果的に伝える」というふうになって、「よりよく伝える」が論理的で効果的に伝えると系統化されていることがわかります。また、その次のページの「言語文化」の「書くこと」を見ますと、Ⅰでは「思いを感性豊かに伝える」、Ⅱでは「思いを感性豊かかつ効果的に伝える」となっており、「よりよく伝える」が論理、そして感性、効果というふうに高次化していくと言いますか、専門化していくという流れが見えてきているかと思います。改めてこうやって小中高の内容が出揃って、高次の資質・能力として見えてくる中で、今度は逆に、では小中の「よりよく伝える」というのは、高等学校段階での論理や感性、あるいは効果というものを、ある程度未分化な状態でも一定程度は要素として含み込んだ形で実際の内容を構成しておかないと、高等学校で専門的に分化していかないのではないかということも言えると思います。高等学校が見えてくることで、改めてもう一度小中のほうも見返しながら、小中高の内容をより系統的に構成して、高次の資質・能力の育成につながる国語科という方向に、このあとの作業が進んでいくとよいのではないかと考えました。以上です。
【島田主査】  はい、これも非常に重要なご意見いただきました。他にいかがでしょうか。はい、中嶋委員お願いいたします。
【中嶋委員】  他の委員の皆さまもおっしゃられているように、大変丁寧に系統性あるまとめ方していただいてありがとうございます。大変細かい点を1点だけお話しさせていただきます。26ページ、よろしいでしょうか。26ページに、科目ごとの高次の資質・能力の示し方の案があるのですけれども、その中の「対話と表現」のところの「話すこと・聞くこと」の思判表の言葉なのですけれども、ちょっとここだけ実は私違和感を持ちました。ここに書いてございますのが、文末のところですけど「効果的に対話し他者と協働することができる」というところなのですけども、協働というと「共に一緒に働く」というところになってしまって、ちょっと何か国語科を超えてしまうような若干イメージがあります。言葉で協働するという意味なのかなと思ったり、最終的に他者と相互理解を図りながら行動することができるという意味だと思うのですけれども、なんとなくちょっと違和感がありましたので、感想ということで述べさせていただきます。
【島田主査】  はい、ご指摘いただきましてありがとうございました。また精査してまいりたいと思います。他にはいかがでしょうか。広範な内容について、非常に細かなまとめをご覧いただいてご意見いただいております。まだ少し時間があります。藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  時間があるようですから、もう一言添えます。先ほど石井委員からお話があったように、高校卒業して、そして社会へ出ていくまでに一体どういう人間を、どういう力を育てていくのかという、そのゴールの見極めのところについての質問です。
これは今日の前半の科目構成の議論とも関わってくるんですが、学力の最低保障で考えた場合、「現代の国語」と「言語文化」のそれぞれⅠ、Ⅱを履修させて送り出すというパターンが一つの典型的な事例ではないかと思います。とすると、どの科目の段階のところが一応標準というか、高校で育てるべき基本的な国語の資質・能力なのか、この見通しについて、事務局としては何かお考えお持ちかどうか伺ってみたいと思います。
【島田主査】  はい、いかがでしょうか。最低限の基準といったようなところかと思います。出口、ゴールのところですね。高見さん、いかがですか。
【髙見主任教育企画調整官】  大変失礼いたしました。必履修科目については最低限身に付ける力ということで、標準科目については望ましい力と、そのように捉えているところでございます。
【藤森委員】  わかりました。必履修科目段階で、ミニマム(エッセンシャルズ)の部分でどういうふうにきちんと再整理するかというところが課題になるなと思いました。
【島田主査】  そうですね。もう少し深めた整理が必要かと思います。はい、西委員お願いいたします。
【西委員】  前半の休憩前のところの議論のこととも関係して、一言だけ触れておきます。
  確かに現行の「古典探究」に関わっては、実は教科書のほうが編集・教材化とか随分工夫をしてきて、さまざまな古典を学ぶことでの可能性を広げた科目名であるのだろうと私は考えています。そういった意味で、実はこの現行の選択科目の趣旨文を見ると、何か読解にまた戻してしまうんじゃないかという危惧が若干するんですね。そういう意味で、探究的な古典の学びとか言葉の学びというニュアンスを少し打ち出せるのであれば、そういった点を留意していただきたいと思って発言した次第です。科目名について「古典と探究」というのは、私は若干馴染まないなという気はしましたけれども、もう少し考えてみたいと思います。
【島田主査】  吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  はい、すいません。高校の科目について、とっても難しいなと思いながら、小学校の立場から皆さんの議論を聞いて学んでいたんですけれども。12ページのその青色とピンクで書かれている、こういった資質・能力と言いますか、育成するコミュニケーション能力の育成というところと、豊かに創造したり表現したりする力の育成というところに整理されていったんだということを理解した上で、そして「現代の国語」というところと「言語文化」というところの違いを理解しようとして聞いておりました。その上でそうしますと、20ページのところなんですが、例えば目標の改訂案の知識・技能のところで「現代の国語」と「言語文化」のところを比べてみますと、言語文化のほうにも現代の国語のところと同じ「生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付け」というところあたりが同じ文言が並んでいたりですとか、それから25ページのところの読むことの小中高と並べて言いましたら、高校の「現代の国語」と「言語文化Ⅰ」というところの読むことの、例えば「思考・判断・表現」の部分が同じような文言が書かれているというところあたりが、ちょっと全然わかっていないものからすると、このピンクと青色の資質・能力ベースで教科を改訂されていっているというところと、扱う文章とかそこでの高次の資質・能力や目標というところがまだ少し同じだったり違ったりというところがちょっと難しいなというか、どう違うんだろうというふうに思うので、そのあたりがもう少し整理されていたら、最初の議論で皆さんがおっしゃっていた「どんなここに科目名をつけるのか」というところももう少しはっきりしてくるのかなというふうに素人ながら思いましたので、私の感想を申し上げました。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。科目構成、各科目の在り方等もよく踏まえた上で、また引き続き精査してまいりたいと思います。さて、そういったところでちょうど時間となりました。本日の議事は以上とさせていただきます。本日いただきましたご意見、またしっかりと今後の議論にも反映する形で次回以降お示ししていきたいと思っております。ご議論どうもありがとうございました。最後に、次回の予定について事務局よりご連絡お願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  事務局でございます。次回の予定ですが、6月19日金曜日9時半から12時を予定しております。正式には後日連絡を行います。よろしくお願いします。
【島田主査】  はい、ありがとうございました。次回6月19日を予定しております。それでは、以上を持ちまして閉会といたします。先生方どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
 
 
―― 了 ――
 
 

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第三係
     電話番号:03-5253-4111(代表)