教育課程部会 国語ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和8年2月9日(月曜日)15時30分~18時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 国語科を通じて育成する資質・能力の在り方・示し方について
  2. その他

4.議事録

【島田主査】  皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第5回国語ワーキンググループを開催いたします。進行資料をお示しください。
 ご覧いただいております進行資料のとおり、本日の議題は『国語科を通じて育成する資質・能力の在り方・示し方等について』となります。まず目標、見方・考え方、高次の資質・能力の在り方について事務局からの説明をいただき、その後、意見交換を行います。さらにその後、知識及び技能に関して、学習内容に関する課題を踏まえた検討について事務局からの説明の後、5分休憩を挟んで意見交換を行います。本日の流れのご説明は以上となります。よろしいでしょうか。
 それでは議題に移りたいと思います。まず目標、見方・考え方、高次の資質・能力の在り方について、事務局よりご説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  主任教育企画調整官の髙見です。資料1の2ページをご覧ください。本日の議題の1つ目は、国語科を通じて育成する資質・能力の在り方・示し方等です。これまでに引き続きまして、論点1として「目標」等の在り方、論点2として「見方・考え方」の在り方、論点3として「高次の資質・能力」の在り方についてご議論いただければと存じます。
 6ページをご覧ください。まず論点1、「目標」等の在り方のうち、目標における柱書についてです。前回、第4回ワーキンググループからの修正箇所を赤字で示しております。前回お示しした案では、学習過程について「聞いたり読んだり、話したり書いたりする」こととしておりましたが、この表現では「話し合うこと」が含まれないように受け取られる可能性があることや、国語科各領域の学習過程を通して資質・能力を育成することが重要であることを踏まえ、「話すこと」「聞くこと」「書くこと」「読むこと」を端的に示す形に改めました。
 7ページをご覧ください。目標における知識及び技能についてです。学習の対象となる国語については、学校種に応じて扱う生活の一層を整理し、小学校では「日常生活」、中学校では「社会生活」に必要な国語を中心に位置付けるとともに、高等学校では卒業後にも連綿と続いていく学びであるという時間軸を意識して、「生涯にわたる社会生活に必要な国語」として位置付けてどうかと考えております。また、高等学校段階においては、理解の深化に重点を置くことを明確にする観点から、「国語の特質を深く理解し」といった表現に改めております。さらに言語文化については、小学校段階においては「触れながら親しむ」、中学校段階においては「親しみながら理解する」、高等学校段階においては小中学校段階の学習を踏まえて「深く理解すること」として、発達段階に応じて系統的に示してはどうかと考えております。
 8ページをご覧ください。目標における思考力、判断力、表現力等についてです。第4回ワーキンググループでは、「論理的に思考する力」や「豊かに創造する力」として全ての学校種で共通して記載しておりましたが、発達段階に応じた目標をより明確にする観点から、小学校段階では「筋道を立てて考える力」「豊かに感じたり創造したりする力」、中学校、高等学校段階では「論理的に考える力」や「深く共感したり、豊かに創造したりする力」として記載を改めております。
 9ページをご覧ください。目標における学びに向かう力、人間性等についてです。丸1の当該教科等の学習で育みたい学びや生活に向かう態度については、小学校では表現や伝え合いの過程に注意を向けること、中学校ではその過程を確かめながら捉え直すこと、高等学校では過程を吟味することに重点を置いて、学校種に応じて系統的に示してはどうかと考えております。また、丸2の当該教科の学習で育みたい情意・感性については、「国語を尊重する態度を養うこと」を基盤として、そのために必要となる言語感覚の高まりや言語文化への関わり方について系統的に再整理をしております。
 10ページをご覧ください。論点の2つ目、「見方・考え方」の在り方についてです。第4回ワーキンググループで示した案からの修正箇所として、前回は「その意味や使い方、表現の意図等に着目して」と記載していたものを、現行の記載も踏まえつつ、当該教科固有の物事を捉える視点として位置付けを見直し、端的に示す観点から、「意味、働き、使い方や表現の意図に着目」といった表現に改めております。また、「丁寧に言葉を紡ぎ」としていた表現は、より明確にその意図が伝わるようにする観点から、「丁寧に言葉を選び」と表現を見直しております。
 11ページをご覧ください。論点3、「高次の資質・能力」の在り方についてです。第4回ワーキンググループから変更した箇所の主なポイントをここに掲げております。15ページから18ページまでの具体的な文案と合わせてご覧いただければと存じますが、まず1つ目のポツにあるとおり、「目的などに応じて」と示していた部分をより具体的に示す観点から、話すこと、聞くこと、書くことについては「相手や状況、目的に応じて」と、また読むことについては「状況や目的に応じて」とすること。
 2つ目の黒ポツにあるとおり、高次の資質・能力についても、学校種ごとの目標に応じてその深まりや広がりが適切に表現されるように整理すること。
 3つ目の黒ポツにあるとおり、第4回ワーキンググループで示した総合的な発揮の記載については、学習で扱う内容や行為が中心となっていた記載を見直し、相手や状況、目的を踏まえて話し方、書き方、読み方を工夫・調整することを軸として、小学校段階では話すこと・聞くこととして「他者とのやり取りを通じて自分の考えを捉え直し、広げ深めること」、書くこととして「考えや思いをよりよく伝えること」、読むこととして「理解や解釈したことを踏まえて自分の考えを広げ深めること」と整理し、学校種に応じて高次の資質・能力が明確になるようにすることとしてはどうかと考えております。
 また下段の部分でございますけれども、前回までにこの国語ワーキングでご審議いただいた内容を踏まえまして、2月2日の教育課程企画特別部会において、各教科ワーキンググループの資質・能力の構造化の検討状況の一覧が示され、検討がなされたところです。これを踏まえ、1から7に書いているとおりでございますが、この観点について引き続き精査を要することとされております。このうち、高次の資質・能力の検討にあたって特に関連の深い観点である項目1の「資質・能力の深まりの可視化」、項目2の「分かりやすさ、シンプルさの一層の追求」について、12ページ、次のページになりますけれども、こちらに記載されている赤枠の部分の観点も踏まえて、改めてご議論いただければと存じます。
 また、15ページには先ほど申し上げた観点から修正を加えた小学校段階の高次の資質・能力の案について、前回ワーキングからの修正点を赤字として示しております。また下線の部分は学校種、段階間の違いとなっております。同様に16ページには中学校段階、17ページと18ページには高等学校段階の案を示しておりますので、これらの記載ぶりについてご意見といただければと存じます。私からの説明は以上です。
【島田主査】  それでは意見交換に移ります。おおよそ16時20分頃までを目安といたします。ご意見、ご質問のある方は挙手ボタンにてお知らせください。指名をさせていただきます。ご発言はお一人2分以内でまとめていただければと思います。ご発言に際しては、資料のどのページに関するご発言であるかお示しいただけますと幸いです。
 それではご意見を頂戴いたします。どの方からでも結構です。挙手をお願いいたします。
 はい、じゃあ犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  資料の8ページ目になるかと思うんですが、以前も話題に出たような気もいたしますけれども、目標として「共感」という言葉が中学校、高校段階で出てきているということが少々気になります。「共感すること」自体を目標とすべきなのか、誤解を招きやすいのではないかと思いました。大変教育的な価値があることではあるんですが、ここはむしろ「他者の視点から」とか「異なる視点から豊かに想像する」というような書き方のほうが、目標としては適切なのではないかと考えたためです。
 「共感する」と言いますと、「従う」というようなニュアンスと言いますか、必ず同意するというようなニュアンスが含まれるように思います。重要なのは他者の視点から考えたり、他者の視点からどのようなことが起こりうるか想像すること、そこからまた違ったことが見えるよということを想像するような力だと思われます。ですので、「共感」という言葉を使うよりも「他者の視点から想像する」というような言い方のほうが、必ずしも賛同することを求めているわけではなくて、他者の視点から見ることが重要なんだということが伝わるのではないかと思いましたので、ここは少々改善したほうが良いのではないかと考えました。
【島田主査】  目標の中における「共感する」という言葉ですね。「他者の視点から」あるいは「異なる視点から」という表現のほうが良いのではないかというご意見をいただきました。続きまして竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  3点あったんですけれども、今、犬塚委員がそのうちの1点おっしゃっていただいたので2点になりました。
 1点目です。9ページ目でしょうか。見方・考え方のところで「多様な立場や考えを理解しながら丁寧に言葉を選び、よりよく伝え合うこと」とございますが、前回の事務局は「丁寧に言葉を紡ぎ」のほうが良いのではないかという議論がありました。「選び」ですと簡単に操作をするようなイメージがある一方で、「紡ぐ」というのは熟慮して丁寧に表現する、学びの深まりまでを表しているので、これは総合的な学びの発揮という観点から「紡ぎ」のままで良いのではないでしょうかというのが1点目です。
 それから2点目、前回もお話をした件なのですけれども、小、中、高と段階を踏んでいく、この「言語文化に触れて親しんで深く理解」というのが入ってきてとてもいいなと思う一方で、やはり小学生が「日常生活に必要なだけ」というのはややもったいないなと思います。今回のワーキングの検討の方向性として、「主体的な社会参画のためのコミュニケーション能力の育成」ですとか、「社会生活の質を高めるための文章理解活用能力」、そのあとも「デジタル情報社会で氾濫する情報、誤情報云々」と入ってきています。子どもたちはタブレットを通して社会の入り口に立っていることですし、そして実際に社会への関与を志向した学びをすることが子どもへの動機付けになるというのは実証されていることですので、ここでの子ども観を国語でもアップデートしていただけないかなというのをコメントとして申し上げます。
【島田主査】  「言葉を紡ぎ」それから「言葉を選び」という表現ですね。「紡ぎ」のほうがよろしかろうというご意見でした。前回は逆に「紡ぎ」のところが少し抽象的ではないかというご意見があっての改訂ということだったかと思います。引き続き検討してまいりたいと思います。
 もう1点は、小学校、中学校で「日常生活」「社会生活」というふうに段階を追うということに関してご意見をいただきました。そうですね、現行版も「日常生活」「社会生活」という段階になっております。小学校でこれを「社会生活」といたしますと、だいぶ難しくなった、または学習の範囲が広がったという印象にもなろうかと思います。さらにこれは検討してまいります。
 続きまして中村委員お願いいたします。
【中村委員】  8ページの、先ほど犬塚委員からもご意見のあった、新たに入っている「豊かに感じたり」、あるいは「深く共感したり」という文言についてです。私は基本的に賛成です。平成16年の文化審議会の答申『これからの時代に求められる国語力について』の中に、確か「感じる力」という文言が位置づいていたかと思います。改めて「感じる」「共感する」という要素を国語科の目標として入れていくということ自体は、私は検討の価値のあることだと考えます。
 その上で、先ほど犬塚委員から指摘があったような受け止め方があることについてはやはり懸念されるところですし、またこの目標のもとに学習指導要領で具体的な指導事項としてどういう形で「共感する」「感じる」を文言化するかも検討点になります。例えば、指導事項として文言化されるということは、裏返してそれをどう評価するかという問題も付随します。そうしたことも含めて、「感じる」「共感する」という目標をどういう形で具体化していくのかという説明や見通しが必要かと思いました。それが1点目です。
 2点目ですが、9ページにある「学びに向かう力、人間性等」の目標の改訂案には「伝え合う過程に気を付けながら」というフレーズが今回位置付けられています。これは現行学習指導要領の言葉による見方・考え方の説明にあった「言葉への自覚を高める」という要素が、かなり今回こちらの改訂案の目標のほうに位置づいているのではないかと思います。そうした視点も含めて、この「伝え合う過程に気を付けながら」という文言についての説明等があると、より理解が深まるのではないかと考えます。以上になります。
【島田主査】  1つには目標のところですね。「豊かに感じたり」、あるいは「深く共感したり」という文言について、これはいずれにせよ少し説明が必要だということでご意見をいただきました。あるいはこのあたりは解説において詳しく説明するというような方法も考えられるかもしれないと感じました。
 それからもう1点ですね。これは学びに向かう力、人間性等の案の中で「伝え合う過程に気をつけながら」というところですけれども、これは現行版にある「言葉への自覚を深める」というところを意識して引き継いでいるところだろうということで、そのあたりも説明がなされることが望ましいというご意見だったかと思います。
 続きまして小松委員お願いいたします。
【小松委員】  特定の論点についてというわけではないんですけれども、私、発達の研究をしておりますので、全体としまして子どもの発達とか育ちの内実に即してより具体的に考える必要性について意見を申したく思います。私の専門性も踏まえまして、児童期のことについて考えました。2分ということなので具体例を2つだけ申し上げたいと思います。
 まず8ページなんですけれども、小学校で「筋道立てて考える」という言葉が全体の目標として今回示されております。現行の要領を拝見したんですけれども、この「筋道立てる」という言葉は学年の目標の3年生以降で出てくる言葉なんです。現行ですと1、2年生は「順序立てて考える」という言葉になっております。時系列で考えるというところから始まって、そこからこう広がっていくのだということがおそらく想定されていたんだろうと。これは例えば子どもの作文とか日記を見ていますと、確かにそういう側面がございます。筋道立てるという言葉の内実に、一定の発達過程というのが想定されていたわけですけれど、今回その小学校全体の目標として「筋道立てる」ということがあえて書かれたときに、そういう過程についての見方とか考え方は変わってるのか変わってないのか、今回の資料で十分見えてまいりませんでした。
 もう1点、こちらが一番気になってることなんですけれども、15ページです。小学校の高次の資質・能力というところで、「自己の形成」と「言葉」との関係をメタ的に理解するということが目標に書かれています。これ要領としては今回新たに入ってくる言葉なのかと思いますけども、これ前回も似たようなことを申したんですけれども、小学生にとって自己の形成をメタ的に捉えるということは、なかなか中高生と同じようにできることではない部分があります。これはもうほんと繰り返し申し上げておきたいところです。ところがここで書き方は小中高すべて同じ表現になっているわけですね。でも発達的には明らかに異なることが起きていると。そういう内実に即してどう考えていくのか、これやはり現在の議論ですと見えてこない部分がございます。もしかしたらお考えの上でのことなのかもしれませんけど、ぜひ具体的にまた発達の研究の成果というのも生かしていただきながら、要領というのをさらに詳しく作っていただけるといいのかなと思いました
【島田主査】  どうもありがとうございました。発達のご研究の見地から重要なご指摘いただいたかと思います。これも今後とも少し考えていかないといけないと思います。続きまして中嶋委員お願いいたします。
【中嶋委員】  今回の改訂案は、学校現場の立場から見ますと、非常に分かりやすく、子どもの学びの姿をイメージしやすいような文言にまとめられているというふうに感じています。その中で意見として1点申し上げさせていただきたいと思います。
 それは先ほどの中村委員のお話と通じるのですけれども、9ページです。9ページの目標における学びに向かう力、人間性等の改訂案の丸1のところなのですが、やはりこう「伝え合う過程を気づかせながら」「伝え合う過程」という文言、また「学びの質を高める」という文言について、ちょっとイメージしづらいというふうに感じています。多分趣旨としては、子どもが自己調整をする姿、1つの単元の中で例えば3時目と5時目で自己調整する姿を示していると思うのですけれども、「伝え合う過程」という言葉をこのまま受け取りますと、意味としては1時間の授業の中での例えば手順とか段取りということをイメージしてしまうのではないかというふうにも感じています。
 また「学びを深める」というのは分かるですけども、「質を高める」というのが子どもにとってなんとなくイメージしづらいと思いまして、ぜひ詳しい説明、あるいは文言をまた少し検討いただけると良いのかなと思いました。以上でございます。
【島田主査】  目標における学びに向かう力、人間性等の案の中の文言ですね。「伝え合う過程に気をつけながら」、それから「学びの質を高めようとする」、いずれもちょっとイメージが湧きにくいというご指摘でした。ご指摘のように「学びを深め」ぐらいでもいいのかもしれないですね。いずれにせよ、もう少し説明が行き届くようにしたいと思います。
 藤森委員お願いします。
【藤森委員】  3つ、2分以内で申し上げます。1つ目は論点の1で、9ページをご覧ください。この中の改訂案が丸1、丸2となってるんですけど、この丸1を見ますと「表現する」という行為と、それを「吟味しながら自己調整的に省察しながら進めていく」という要素と、2つの要素が一緒になっています。この場合はこれを2つに分けて、すなわち全部で3項目の形で示したほうが良いのではないかと思いました。これがまず1点目。
 続きまして10ページをご覧ください。見方・考え方の案があるんですけれども、改訂案について私なりの意見で申し上げますが、この場合対象は何になるかというと「自分や他者の言葉」になるんですけども、前から申し上げてるように、国語科の見方というのはどういうことかというと、「世の中の様々な事象を言葉という視点で着目して見る」ということでありますから、まず前提としては「日常生活や社会生活における様々な事象を」というのが対象であって、で、そのあと「自己や他者が用いている言葉の意味や働き、使い方や表現意図に着目して捉え」となって、考え方としては「多面的、多角的に吟味し、多様な立場や考えを理解して」と続くんじゃないかなと思います。そして終わりのところも、「より良い言葉の担い手になろうとすること」という言い方のほうが適切ではないかというふうに思いました。
 それから最後に論点3で、これは17ページ以降のところでちょっと気になってるんですけれども、高次の資質・能力というのが、読んでみるとこれコンピテンシーのベースで考えられているのだと私なりには理解するんですけれども、「活動することができる」というふうな表現で閉じているものについては、これは再検討していく必要があるんじゃないかなと思います、資質・能力ですので。特に今開いてます「現代の国語」と、それから次の「言語文化」について見てみますと、両者の差異が曖昧じゃないかなというふうな思いがありまして。具体的なものについてはここでは申し上げませんけれども、これについてぜひ「現代の国語」と「言語文化」との違いについては、もっときちんと示すべきだろうなっていうふうに思っております。以上です、よろしくお願いします。
【島田主査】  各論点について重要なご指摘をいただいたかと思います。いずれについても改めて検討を進めてまいりたいと思います。石黒委員お願いいたします。
【石黒主査代理】  私は表面的なことのみです。とにかく言葉が分かりやすくなってほしいという思いから申し上げます。
 まず7ページですけれども、現行も改訂案も「必要な国語について」となっていて、このほうが分かりやすいかなと思いました。戻すということです。それが1点目です。
 それから10ページに移りますけれども、先ほどの藤森委員のご意見はすごく内容的で本質的な問いかと思いますけど、私は表面的なことです。「意味や働き、使い方や表現の意図」と、この4つの中で特に「働き」が加わったんですが、そうすると「働き」と「使い方」ってどう違うのか。特に「働き」って、まあ現行版にもあるんですけれども、何を想定してるのか、もしよかったらお答えいただけるとありがたいです。ちょっとほんとに分からないです。
 それから「多面的、多角的」というのは、こういう列挙に関してはいろいろ言われてるところもあるので、できれば1つどちらかにしたいな。もっと極端に言うと「意図に着目する」ぐらいでもいいのかもしれないと思いました。それから「多様な立場や考えを理解する」、これ全般的に「理解する」って言葉の理解に使われてるので、「配慮する」ぐらいな言葉で、いわゆるその言葉の理解と違うということを示すのもありうるかと思いました。
 それから15ページから17ページの高次の資質・能力のところなんですけれども、まあ先ほどその発達段階別にというお話もあったんですけれども、それにもしかしたら繋がるかもしれませんが、特に「書くこと」の「状況」というのが、私、読むこともそうなんですけど「状況」が何かが分かりませんでした。「話す」とか「聞く」っていうのはおそらく「場面」という言葉を指してるんだと思うんですけれども、書くことの「状況」というのが、例えば環境、具体的には例えばどういうツールを使うとかいう媒体の問題なのか、あるいはジャンルの問題なのか、それも含めた環境、諸条件の問題なのかがちょっと分からなくて、特に今回「働き」と「状況」っていうものが初見の方は、私はすいませんよく分からないので、先生方が分かるような、できるだけイメージしやすい名付けが望ましいと思いました。
【島田主査】  藤森先生とそれから石黒先生と、文言についていくつもご意見を頂戴したところです。見方・考え方については、まず対象が自分や他者の言葉なのか、あるいは事象やその他のことなのかというようなこと。それから「言葉の働き」というのは一体どういうことなのかというようなところ、より明確に説明がなされるべきではないかといったようなご意見いただきました。何かご説明ありますか。
【髙見主任教育企画調整官】  ご指摘ありがとうございます。今、言葉の「意味、働き、使い方」ということにしておりますけど、これは現行の記載ぶりということを中心に、表現を少し戻したというような形で考えております。本来の趣旨ともしっかりと伝わるような形で、今後また引き続き整理をしていきたいというふうに思っております。
【島田主査】  松本委員お願いいたします。
【松本委員】  細かいことになりますが、高次の資質・能力の案の15ページから18ページに共通することなのですが、一番下の改訂案のところ、知識および技能の側面2のところですね。最後のところの「文化の創造と継承」という表現になっていますが、「継承と創造」の順ではないのかということです。言語文化では「継承、発展、創造」という流れ、順序がありますが、このままだと「創造したものを継承する」というニュアンスで捉えられそうな気がしますので、特にその創造を前に出す特別の意図がないのであれば、「継承と創造」と順序を入れ替えていただきたいと思います。
【島田主査】  おそらくこれは特に意図はないのかと思います。「文化の継承と創造」と改めるべきかと思います。ほかにいかがでしょうか。井上委員、お願いいたします
【井上委員】  私からも高次の資質・能力について少し質問がございます。18ページをご覧いただければ、18ページのDの項目ですね、分かりやすさ等の観点とありまして、「学校種、学年等、発達段階に即して妥当なものになっているか」という文言がございます。今回の14ページから17ページまでの校種ごとの改訂案、特に思判表のところを見てみると、今回示されたものについては文言が完全にそろっている状況でございます。
 前回の第4回ワーキンググループのときには、例えば中学校と高校の思判表の書くこと等を見ますと、例えば高校の場合、「効果的に」という言葉が付け加わっており、校種ごとに差がついていましたが、今回は小中、そして高校の現代の国語の思判表のところだけを見るとそろっています。こちらは前回の特別部会で、国語として高次の資質・能力をそろえようという話になっていたのか、あるいはやはりここから小中高校校種に応じて差をつけようとなさっているのか、この点お教えいただければ幸いでございます。
 【島田主査】  説明ありますか。
 【荻野課長補佐】  ご指摘ありがとうございます。前回、高次の資質・能力のご意見をいただく中で、分かりやすさ、またシンプルに表現するということと、高次の資質・能力自体を、資質・能力の可視化を突き詰めていったときに、今の形になったということでございます。
 ですので、小中高の書き分けというところについても横目に見ながら今のご提案になっておりますが、今、井上委員がおっしゃったように、小中高の書き分けということをより鮮明に出していくということもご意見としていただいたので、そこはご意見を踏まえて再検討していきたいというふうには思っております。
 ただ今、現時点の表記で言うとかなりシンプルに整理をしてしまっているという部分もございますので、言葉の付け加えによって小中高の書き分けをどこまで厳密にしていくかということについては精査していきたいと思います。
【井上委員】  現行の今示された意味のものだけを見ますと、やはりその言葉として使われる状況ですね、「日常生活」「社会生活」、それから「生涯にわたる社会生活」っていう部分だけが差として認められてですね、何をもって「深い」とするのか、高次の資質・能力の深まりをどう現場が捉えていくのかっていう点において、分かりづらくなっているように思います。
 例えば「工夫」という言葉がいずれも用いられていますが、工夫という言葉も、例えば「工夫」、さらに「調整」し、そして「吟味」もここで使ってもいいかもしれませんが、「工夫」「調整」「吟味」のように言葉を少し書き分けることによって、現場が、高次の資質・能力も校種ごとに深まりがあるんだということを示せると、より良いのかなというふうに思いました。
【島田主査】  井上委員ありがとうございました。どのような書き分けがよいか、あるいは解説や学習指導要領の指導事項中にどう落とし込んでいくかといったようなことも含めて、さらに検討が必要かと思います。
 吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  私も皆さんの議論を聞いていて、そもそものところがちょっと分かってなくてお聞きしたいんですけれども、この高次の資質・能力、15ページあたりからありまして、先ほどからも小学校と中学校の特に思考力、判断力、表現力等が文言が同じだというところの議論になっているかと思います。
 私はそれぞれの指導事項がこれから示されていく、それが結局は小学校におけるそれぞれの領域等の資質・能力が高まっていったり、指導を通じて学びが深まってその資質・能力それぞれがついていったときに、この学びが深まったときの児童・生徒の姿っていうのがこの高次の資質・能力というふうに捉えていいのか。なので、小学校と中学校はほとんど文言が変わらないけれども、それぞれに指導事項が設定されているので、その指導事項を授業の中で子どもたちにその資質・能力をそれぞれ身につけていけば、例えば話すこと、聞くことだったら「相手や状況、目的に応じて話し方や聞き方を工夫することができ、考えや思いをよりよく伝えるとともに、他者のやり取りを通じて自分の考えを捉え直し、広げ、深めることができる」っていう、そういう大きな姿になる。
 特にその「話し方、聞き方を工夫すること」っていうのが、それぞれの1、2年生の工夫だったり、3、4年生の工夫だったり、5、6年生の工夫だっていうのはまた指導事項に戻るのかなっていう。このそもそもの構造がちょっと小と中が同じだったりするので、この高次の資質・能力っていうのが学びが深まった姿と捉えていいのか、だから小学校も中学校も大きく書かれていて同じなんだけど細かい資質・能力は違うよっていう、その部分の関係がちょっとまだ私は分かってないので、もう少し詳しく説明してくださると助かります。
【島田主査】  はい、ではお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  今先生おっしゃっていただいた、まさにそのお話のとおりかと思っております。この高次の資質・能力というのは、資質・能力の深まりを示すものでございますので、学びを経て、実際にどういった形で姿になっていくのかということもイメージしていくものと捉えていただければと思っております。
 そういった中、先ほど井上委員からのご指摘にも重なるところかと思いますけれども、より発達段階に応じて丁寧に示していくということは、実際指導事項をどう位置付けていくかとセットになってくると思います。先生方がよりイメージしやすいという方向性もあるかと思いますので、発達段階に応じてより表現を工夫していくというのは、今後の議論の方向性としては大いにありうる方向かと思っております。
 また具体的な内容についても今後議論を深めていきますので、そことの議論の中でどの程度の書きぶりがいいのかっていうことも改めて、引き続きご検討いただくとよろしいのではないかと考えております。
【吉田委員】  ありがとうございます。たくさん指導事項もこれから多分たくさん文言が出てきて、見方・考え方もたくさんあって、高次の資質・能力もあって、小学校と中学校でまた系統が出てきてってなると、なんか本当にちょっと盛りだくさんだなって、ちょっと私はもうこの何回目かの議論で、本当にこれ現場がそこを、結局小と中と同じだから高次の資質・能力で見るのかなって、先生方がそこに目を向けるのかなとか、日々授業していると指導事項をとにかく理解することで精一杯で。
 あまりその高次の資質・能力も小も中も高も違うってなると、何が系統されていってるとていうか、結局国語っていうのは小も中も高も高次の資質・能力っていうのはこういうことだよって一つになってて、指導事項がそれぞれ違うってほうのが分かりやすいのかなとか、私もちょっと頭がついていってないので、そのあたりもちょっと丁寧に私も聞いて答えていただいてありがとうございました。
【島田主査】  ありがとうございました。今回、初めて出てくる新しい概念なので、我々も含めて、これをどう理解すればよいのか、少し時間をかけて考えていかないといけないと思います。
 庭井委員お願いいたします。
【庭井委員】  今開いているページのところでいいんですけれども、読むことのところに「目的などに応じて」の「など」を開いていただいて、具体的にご提示いただいたことでとても分かりやすくなったと思うのですけれども、読むことに関して、「状況」と「目的」に応じて読み方を工夫するということに加えて、読む対象と言いますか、メディアと言いますか、媒体と言いますか、それに応じても読み方が変わってくるというのが、特にデジタル社会においては重要な観点ではないかなと思いまして。「対象」とか、そういった言葉も入るとより具体的になるのではないかと思いました。
【島田主査】  ありがとうございました。読むことに関してですね、「状況や目的に応じて」に加えて「対象」といったようなことも意識した文言が入るといいのではないかというご意見をいただきました。ほかにいかがでしょうか。
 犬塚委員どうぞ。
【犬塚委員】  検討の材料にしていただければと思って申し上げたいと思います。
 話すこと、聞くことが、「話す」「聞く」の1ターンで終わりの状況になっていることが少々気になりました。「議論する」という状況を想像いたしますと、「話す」「聞く」、で聞いたうえでそれを相手に向かって投げかけるというような双方向性がもう少し出せないかなというふうに思いました。
 例えば、聞いた内容について質問をするですとか、相手に対してさらに問いかけてともに考えを深めるというような、自分の考えを見直すということだけではなくて、相手と協働して深めていくというようなニュアンスが出せないだろうかというようなことを少々考えました。話すこと、聞くこと、だけでなく、書くこと、読むこともそうですが、ワンターンで終わるっていうニュアンスが割と全体に強いかなと思いますので、特に話すこと、聞くことのような双方向性が想定されるところでは、そういった議論の要素ですとか質問し直すこと、互いに考えを深めるっていうようなところが出ると、今回の目標に沿っているのではないかなということを考えました。
【島田主査】  ありがとうございました。一往復だけではなく、何度もやり取りをするというニュアンスが含まれるとよいのではないかというご指摘でした。まだ若干時間ございます。2回目になっても構いませんので、ご意見ある方は挙手をお願いいたします。
 はい、藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  先ほど言いっぱなしで終わった高等学校のところをちょっと見てもらっていいでしょうか。具体的なことを指摘したいんですけど、例えば「現代の国語」の改訂案の読むことを読みますと、「自分の考えを広め、深めることができる」となっていて、これ「言語文化」との違いがあんまりはっきりしないんですよね。「現代の国語」の設置の理念から言えば、「適切な判断や意思決定をすることができる」というのが「現代の国語」の読むことにおける一つの資質・能力じゃないかなというふうに思います。
 それから下のところの知識及び技能で、いずれも「生涯にわたる社会生活」とあるんですけれども、特に「現代の国語」のコンセプトは「実生活、実社会に生きて働く」というこういう要素ででき上がった科目でありますので、「実社会、実生活」という言葉をこの際はっきり示したほうがいいんのではないかなと思うんですよね。高校の実践現場の先生方が「現代文」が「現代の国語」で、「古典」が「言語文化」だっていう認識でいらっしゃる方が実は少なくないようなことを側聞しておりまして、現行のこの教育課程で行くのであるならば、そこについてきちんとテコ入れをする必要があろうかと思います。
 「言語文化」ちょっと見てもらってよろしいでしょうか。「言語文化」のところもですね、例えば書くことのところを見ますと「思いを効果的に伝えることができる」とあるんですけれども、基本的に「言語文化」の場合のこの書くことっていうのは、書けるようになることでというよりも、どういうふうに自分のその感じたことや考えたことが効果的に、情緒豊かに相手に伝わるか、それを工夫することができるっていうところが資質・能力であって、「伝えることができたかどうか」を指導事項の述語にしてしまうと「国語表現」になってしまうと思うんですよね。
 で、その下のところもですね、「生涯にわたる社会生活に」という形で、これまた「現代の国語」と同じ書き出しなんですけれども、もとより高校の場合はその後の生涯社会、生涯生活にわたって生きて働く力というのはそうなんですけど、「言語文化」の高等学校の場合でしたら、例えば「言語文化の担い手として」というふうな言い方のほうが「現代の国語」との意味の違いがはっきりして、この科目にかける哲学というのがはっきり出てくるように思いますので、その辺ご一緒に検討できたらなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【島田主査】  ありがとうございました。「現代の国語」と「言語文化」の差異ですね、これをどのように示していくかということで具体的にご指摘いただきました。検討してまいりたいと思います。中川委員、お願いいたします。
【中川委員】  放送大学の中川です。先ほど犬塚委員がご発言されたことを私もこれ前から気になっていたんですが、やっぱりこう途切れ途切れの感覚がすごくあって、で、それはなぜかというと、今回議論に上がっていませんが、「言葉を使う目的」とセットで考えていかなくてはいけないことじゃないかなっていうふうに思うのですね。今回、言葉を使う目的については議論に上がっていませんが、是非次回以降、この辺もまた改めて少し議論していただくことがすごく大事ではないかなというふうに思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【島田主査】  これも重要なご指摘をいただきました。もうお一方ほどいかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。はい、それではほぼ時間になりました。もう1、2分はありますけれども、前半の議論はそれではここまでということにさせていただきます。
 それでは続きまして資料の2に移りましょう。事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  はい、お手元の資料2の1ページをご覧ください。本日の議題の2点目、学習内容に関する課題を踏まえた検討ということで、知識及び技能に関して、論点1として「語彙を豊かにすること」、論点2「読書習慣の形成」、論点3「話や文章に含まれる情報の扱い方」、論点4「言語文化の継承・発展」についてご議論いただきます。
 2ページをご覧ください。第1回国語ワーキンググループ資料1でお示ししたワーキンググループにおける検討事項、論点のうち、本日ご審議いただくのは、赤枠で囲った箇所、括弧2の学習内容に関する課題を踏まえた検討の方向性の中の、丸2「先の資質・能力を育成するための指導の在り方」としてご提案した内容となります。なお、この検討事項は主として知識及び技能の内容を対象としております。
 4ページをご覧ください。本日の検討に当たりましては、第3回ワーキンググループでご提案いたしました知識及び技能の整理を踏まえ、知識及び技能2つの側面、すなわち丸1の括弧「各領域の学習の過程で生かし深める側面」、そして丸2の括弧「各領域の学習を支え文化的な知識や態度、教養として深める側面」に整理することを前提として、各論点の内容をどのように位置付けるのかについてもご議論いただければと存じます。
 5ページ目をご覧ください。論点1は語彙を豊かにすることです。まず1の現状ですが、現行で語彙指導の充実を図り、語彙に関する指導事項を整理したこと、また現在の授業で多く見られる語彙学習の様子を示しております。一方2の課題といたしまして、理解している語句の量が不足していることに加え、7ページの調査結果にも示されているとおり、考えや思いを伝える場面で適切な語句を選んで使うことに課題が見られます。
 背景としては、語句の意味調べや暗記に重点が偏り、語句の意味や働き、使い方を吟味しながら考えを深めたり、感じ方や見方を広げたりする学習、あるいは語句の選び方を工夫して効果的に伝える学習が十分でない実態も見受けられます。また、新しく出会った語句と既有の語句との関係を捉えたり、同じような意味や働きを持つ語句の共通点、相違点に着目して使い分けを考えたりする学習も、必ずしも十分ではない実態も見受けられます。
 さらに、これは国語科固有の課題にとどまらず、基盤となる言語能力の観点からも共通する課題として、日常的な語句の実感を伴った理解が不足している、いわゆる記号接地の問題、教科横断的に用いられる語句が分かっている前提で扱われやすい問題、教科特有の意味を持つ語句が日常用法と区別されにくい問題が重なり合い、教科書を自力で読み取ることが困難に繋がっているとの指摘があります。これは第3回ワーキンググループでもご検討いただいた内容ですが、本論点では語彙の課題として改めて整理し、改善方策に繋げていく必要があると考えております。
 6ページをご覧ください。論点として、現状と課題を踏まえまして、第1に語彙の学習を「語句を知る学習」から「意味や働き、使い方を吟味しながら考え、感じ、表す学習」へどう広げていくのか、あるいは第2に、個々の語句の意味理解にとどまらず、相互の語句の繋がりや広がりを捉え、自分の語句を豊かにしていく学びをどのように位置付けるかを掲げております。
 また、4の改善方策の括弧1、改善の方向性として、生成AIが飛躍的に発展する中で、人間ならではの実感を伴った理解や思考、表現を支える語感を磨き、語彙を豊かにするための学習として、主に2つの方向性を充実させたらどうかと考えております。
 1点目は、文脈の中で語句を使いながら主に語感を磨く学習の充実です。話す、聞く、書く、読むといった場面で、辞書等を活用しながら未知語に限らず、着目した語句の意味や働き、使い方を考え、解釈を深めたり、表現を工夫したりする学習を想定しております。
 2点目は語句同士の関係を理解しながら、主に語句の意味を豊かにする学習の充実です。個別の知識の集積で終わらせず、関連付けて語句のまとまりに着目し、語彙に関する概念的な理解を深める学習を想定しております。
 また、括弧2の記載の改善のイメージにあるとおり、学習指導要領本体での位置付けとしては、丸1の「文脈の中で語句を使いながら語感を磨く学習」は、各領域の学習の過程で活用しながら深めていく内容であるため、知識、技能の丸1「各領域の学習の過程で生かし深める側面」に位置付けること、丸2の「語句同士の関係を理解しながら語彙を豊かにする学習」は、語彙や語句、相互の関係そのものを対象に概念的理解を深める内容であるため、知識及び技能の丸2「各領域の学習を支え文化的な知識や態度、教養として深める側面」に位置付けることとしてはどうかと考えております。
 なお、国語科に限らず基盤となる言語能力の育成の観点から、日常的に用いられる語句、教科横断的に学習で用いられる語句、教科特有の意味を持つ語句、それぞれの課題を整理し、今後の指導や施策の改善に生かしていくことも掲げてはどうかと考えております。
 続きまして8ページをご覧ください。論点2は読書習慣の形成についてです。まず1の現状といたしまして、平成29年30年の改訂で読書指導の充実を図り、従前は読むことの指導事項であった読書を知識及び技能に位置付けたことを示しております。また、司書教諭、学校司書の配置数の増加、ボランティア等による読み聞かせなどの取り組みも進んでおります。PISA2018では、読書を肯定的に捉える生徒の割合がOECD平均より高い一方、読書をしていない児童生徒の存在や、日常的な読書習慣の二極化の可能性も示唆されています。
 また、2の課題としては、興味、関心や生活の中の時間の使い方に応じて、授業外も含め継続的に読書に取り組む習慣が十分に形成されていない点です。学校の卒業後の人生も見据えると、読書への動機付けを高めることに加え、自分の読書の傾向、選書の仕方、時間の使い方などを振り返り、自分に合った読書の在り方を考え、学びを深めることが重要ではないかと考えております。
 一方で、知識及び技能として読書が位置付けられたことで、各領域の学習を通して指導することが基本という点が強調されるあまり、例えば話すこと、聞くことや書くことで読書紹介等を行って一時的に読みやすい本を読むにとどまる、あるいは読むことで教科書教材を選んで読書し、読書の意義を考えるにとどまるなど、読書を継続的な学びや生活に結びつける指導が十分でなく、読書習慣の形成に十分には至っていない実態も見られるところであります。
 9ページ目をご覧ください。こういった中、3の論点といたしまして、第1に読書を「授業のために限られた時間で読む活動」から「自らの興味、関心や時間に応じて考えを広げ深めるための読む営み」へとどう移行させるか、あるいは第2に読書を通して出会った語句や表現、ものの見方や考え方を自分の中に蓄え、次の学びや生活に繋げる力をどう育てるかの2点を掲げております。
 さらに4の括弧1の改善の方向性として、読書習慣の形成を単なる読む量の増加として捉えるのではなく、読書を通して楽しみながら考えを広げ深める経験を重ねることが重要であること、そのためには授業内外をつなぎながら自律的な読書への移行を促す学習の積み重ねを図ることを掲げております。なお、ここでの記載はデジタルの活用も含むものと捉えております。
 具体的には、第1に読書へのきっかけづくりや動機付けを高める機会の充実として、学校図書館、公共図書館等での本の出会い、司書等からの推薦、学習で生まれた問いに応じた選書をする機会を創出したり、電子書籍を含む本にアクセスしやすい環境整備も含め、学校の教育活動全体や公共図書館との連携において指導を充実すること、第2に自律的な読書への移行を支える学習の充実として、授業内外での読書の計画の立て方や選書の仕方、読後の交流を通じた考えの確かめや、読書の効用の実感、デジタル等による読書の記録と振り返りを通じた読書の仕方を試行錯誤する学習を想定しております。
 これらを踏まえまして、括弧2、記載の改善イメージにあるとおり、学習指導要領本体では読書を各領域の活動の付け足しとして扱うのではなく、読書を通して考えを広げ、深めるための知識、技能や態度、発達段階に応じて知識及び技能の丸2「各領域の学習を支え文化的な知識や態度、教養として深める側面」の事項として整理し直してはどうかという案を示しております。あわせて学校図書館の計画的な利活用など、読書環境の整備を学校全体として進める点についても、第3回ワーキンググループで基盤となる資質・能力として言語能力の柱としてご議論いただいた経緯がございますので、あわせてご議論を頂戴できればと幸いです。
 21ページをご覧ください。論点3は話や文章に含まれる情報の扱い方についてです。まず1の現状にあるとおり、平成29年30年改訂で知識及び技能に情報の扱い方を新設し、一方で2の課題にあるとおり、調査結果では話や文章の内容と既有知識等を整理して結びつけ、考えをまとめること、情報の信頼性や関係の妥当性を確かめることに課題が見られます。
 また、現行の情報の整理には引用や出典、辞書等の使い方など多様な内容が含まれ、構造的に整理し関係を明確にして考えをまとめる学習のイメージが捉えにくいとの指摘もあります。さらに情報の信頼性は、中学3年生で扱う内容もありますけれども、デジタル化した社会では小学校段階からの系統的な学習が必要であると考えられます。
 そこで、4の改善方策の括弧1、改善の方向性にあるとおり、性質の異なる2つの力を発達段階に応じて系統的に育成する観点から、まず丸1「情報と情報との関係を吟味し整理する学習」、そして丸2「情報の信頼性や妥当性を見極める学習」の2方向で充実させてはどうかと考えております。
 このうち丸1については、話や文章から取り出した情報や言語化した知識や経験等を図表等で構造化し、関係を明確にして考えをまとめたり深めたりする学習、丸2は発信元の時期や発信時期の確認、複数情報の比較、根拠の適切さなどの確認などを通じ、矛盾を見つけ対処する学習としてはどうかと考えており、括弧2の記載の改善イメージとして、学習指導要領本体では情報と情報との関係と情報の整理を低学年から発達段階に応じて整理をし直すこと、また情報の信頼性に関する内容を低学年から発達段階に応じて新たに系統化して示すこととしてはどうかと考えております。
 ここで22ページにあるとおりですけれども、小学校では情報と情報との関係を理解するために、それらの関係を図や表などを用いて表すこと、情報の信頼性については発信元や発信時期等の確認など、初歩的な情報の信頼性の確かめ方について理解し使うことに重点を置いてはどうかと考えております。
 また、中学校、高等学校段階では情報と情報との関係について、情報の量、質の高度化に伴い関係が複雑化するため、原因と結果、意見と根拠、具体と抽象の関係に情報を取り出して整理するだけではなく、それらの適切な関係の在り方を理解し説明できること、目的に応じて表し方を使い分けることとするとともに、情報の信頼性は複数情報を比較して事実関係や裏付けとなる根拠を確認したり、その妥当性を吟味することなど、社会生活で必要となる情報の信頼性の確かめ方を理解し使ったりすることに重点を置くことを想定しております。
 これらは各領域の学習過程で繰り返し活用して身につける性格が強いため、知識及び技能の丸1、「各領域の学習の過程で生かし深める側面」に整理することとしてはどうかと考えております。
 24ページをご覧ください。論点の4つ目、言語文化の継承発展についてです。まず1の現状にあるとおり、グローバル化の進展を踏まえ、国際理解とともにアイデンティティを見極め、先人が築いた伝統文化を尊重し、言語文化に関する知識や教養を活用する資質・能力の育成が求められます。
 平成28年中教審答申でも言語文化の学びを重視する姿勢が示され、これを受けて現行の学習指導要領では我が国の言語文化に関する事項を整理し、高等学校では必履修、言語文化が新設されたところです。一方で2の課題として、小中学校での親しむ学びと高等学校での深く読む学びの接続が不十分で、古典への学習意欲が高まらない生徒が多いこと、また文語文法の習得や口語訳が中心となり、言語文化への理解を深める観点が弱いことが挙げられます。加えて文化的理解に関する事項と古典を読むための基礎となる言葉の決まりが同列に並び、結果として言葉の決まり自体が学習目標としては受け取られ、意味を中心に偏重する要因となっている点も掲げております。
 これを踏まえて3の論点といたしまして、第1に小中学校から高等学校への接続をどう改善するのか、第2に文語文法、口語訳に偏った指導をどのように改善するのか、第3に言語文化への理解を深める学習をどのように充実するか、その3点を掲げております。
 4の改善方策、括弧1の改善の方向性として、第1に小中学校で形成された古典への親しみを基盤に、古典を自分の経験や身近な出来事と結びつけて考えるなど、高等学校での出発点として親しむ学習を充実すること。第2に作品の内容理解と解釈の深化に時間を置き、文語文法や口語訳は作品理解を支える手段として位置付けること。第3に言語文化や作品の文化的歴史的背景を、古典を読む基盤として身に付けつつ、表現や内容を現代の言語生活や自分の経験と結びつけて理解し、言語文化への理解を深める学習を充実することを掲げております。
 その上で、括弧2の記載の改善イメージにあるとおり、現行の伝統的な言語文化に置かれている事項を再整理し、知識及び技能の丸1、「各領域の学習の過程で生かし深める側面」に古典を読むための言葉の決まりを位置付け、文語の決まり等を作品理解を支える手段として明確化すること。丸2、「各領域の学習を支え文化的な知識や態度、教養として深める側面」に我が国の伝統的な言語文化を位置付け、古典に親しむことや歴史的文化的背景、言語文化の特質や外国文化との関係等を含め、言語文化への理解を深める学習の充実を図ること。これは言語文化理解の深化に資するとともに、高等学校での古典の深い読みに向けたガイダンス的な役割を担うものと考えております。
 以上、4つの論点につきまして、現状と課題、論点と改善方策、並びにその知識及び技能の2側面での位置付けの案を説明いたしました。ご議論のほどよろしくお願いいたします。
【島田主査】  ご説明ありがとうございました。それではここで休憩を挟みます。16時40分に再開いたします。適宜ご休憩ください。
(休憩)
【島田主査】  皆さんお戻りになられましたでしょうか。それでは議事を再開いたします。
 後半は資料の2についてご意見、ご質問のある方は挙手ボタンにてお知らせください。指名をさせていただきます。ご発言はお一人5分以内でおまとめください。
 それでは早速ですが、児玉委員お願いいたします。
【児玉委員】  お願いします。今回、資料2では、資質・能力のうちの知識及び技能について検討いただいているということで、そこについて考えてみたのですが、まず資料の4ページ、画面共有いただけますか。
 知識・技能に関しましては、そもそも今回の改訂ではですね、この論点3のところの「顕在化している問題」というところに書かれているように、どの知識及び技能を思考・判断・表現の過程で活用することに重きを置くのか、取り立てて学習することが明確に示されていないというところに課題を見出して検討を進めておられます。つまり国語科では、他教科に比べますと知識・技能と思考・判断・表現のこの3領域がどう結びつくのか、繋がるのかというのが他教科に比べて分かりにくい、結びつけにくいということがあるんですね。おそらくこれ日本語学の知識ベースで知識・技能を整理したっていうことからそうなっているのだと思うんですけども、そこをどうするかということがまず私も共感しています。
 加えまして、これまでの国語ワーキングで各領域の学習過程をシンプルに示すということも検討されてまいりました。学習過程がシンプルに示されますと、その各領域の学習過程の分量とか書きぶりも現行版よりも縮小されたり単純化されたりするということも考えられるわけですね。そうなりますと、それと紙の裏表のように連動していく各領域の指導事項も、これもある程度シンプルで簡略化されたものになるのだろうなというふうに私は予想しているわけです。
 そうなりますと、各領域を支える知識・技能の方はですね、今度は現行版のこの知識・技能よりもより細かく具体的に示す必要が出てくるのではないのかなというふうに考えています。知識・技能と思考・判断・表現をしっかり結びつけること、シンプルになった思考力、判断力、表現力を知識・技能がよりしっかりと支えるという、こういうことが今回求められているのではないかなというふうに考えます。
 その点で、例えば今度は6ページ見ていただきたいです。6ページの論点1、語彙を豊かにすることということで、語彙の学習を「語句を知る学習」から「意味や働き、使い方を吟味しながら考え、感じ、表す学習」へどう広げていくかと述べている。ここはまさにその「感じ、考え、表す学習」というふうにですね、語彙学習の具体的な方向性が示されることによりまして、知識・技能としての語彙を3領域、話すこと、書くこと、聞くこと、読むことなどへと繋げていく道筋を示そうとされているのかなというふうに私は思えました。
 加えてですね、その後の改善の方向で、例えば「文脈の中で」という言葉が改善の方向の丸1のとこ出てきますよね。それとか黒ポチの1個目、「実際に話したり書いたり読んだりする場面で」とか。だから要するに「文脈の中で」とか「実際の場面で」とかというふうに、知識・技能が「話す」「聞く」「読む」に具体的に繋げようっていうことが目指されていて、この方向に私も大変、力強さと言いましょうかね、安心しているわけです。
 ただしそう見てみますと、今回の論点ではこの語彙に関してはこの3領域の繋がりを示唆しようとしているというふうに私は理解したんですが、それ以外の事項ですね。例えば現行版の知識及び技能の中には「文や文章」とか「言葉遣い」とか「表現の技法」とか、こういったその言葉による叙述面の事項があるわけですけども、これについては今日はまだ検討はされてないと。今後はですね、ぜひこの方向をもう少しそのシンプルになるであろう思考力、判断力、表現力をしっかり支える具体性を持ったものとして書き込んでいく必要があるんではないかなと私は思っています。
 例えば現行の3領域の中にはですね、思考力、判断力、表現力等の中に内容的には共通しているんですけども、バラバラにあちこちに散在しているようなものがあります。例えば読むこととか書くことに繋がるような文章や論理の構成と展開の問題もあっちこっちに書かれていたり、あるいは文章と図表の関係のこととか、様々な描写表現とか表現技法とか。こういったのがもういろんな領域にバラバラにあちこち書かれてるんですけど、こういうのをもう1回こうギュッと知識・技能の中にしっかりと共通事項として落とし込んで、それを今度は思考・判断・表現に繋げていくのだというふうにしていく方が、もっとしっかりと繋がっていくんではないかなというふうに私は考えています。
 そういうふうに見てみますと、やっぱりこの言葉の叙述面をしっかりと書き込んでいくっていうことを目指していきたいわけですが、その一方で21ページちょっと飛んでいただいていいですか。はい、話や文章に含まれる情報の扱い方っていうのがあって、今回、現行版から「情報の扱い方」っていうのが取り出されているんですけれども、「話や文章の中に含まれているのが情報である」、つまり「情報は話や文章の中から取り出すのだ」っていう考え方があるんですけれども、これはこれで情報活用能力を育成する上で非常に重要なことだと思うんですが、話や文章は情報の取り出すための元データとしてあるだけではなくって、話や文章そのものが言葉による叙述なのだという側面もやっぱりこれ国語科としては大事にしたいというふうに思うわけです。そういった意味からも今言った知識・技能のさらなる充実と言いましょうかね、具体的な丁寧な詳しい書きぶりっていうのを期待したいと思います。
【島田主査】  どうもありがとうございました。語彙に加えて叙述についても具体的に書き込むことでしっかりと思考・判断・表現力を支えていくことが明確になるのではないかというご意見をいただきました。
 続きまして中川委員お願いいたします。
【中川委員】  論点3の話や文章に含まれる情報の扱い方についてコメントします。
 まず、情報の信頼性や妥当性を扱うこと自体は大いに賛成します。現代の社会状況を勘案したときに、今後国語科でも扱うべき項目だと思っています。一方で、本日の事務局の資料に「情報の整理は難しい」と指摘が出てるんですけども、これ「難しいから他の項目と一緒にする」ということと、「大事だから別な表現枠組みを工夫する」っていうことは、これ全く別問題で、ここはしっかりと国語で位置付けるべきものだと私は思っています。
 つまり情報の整理に当たる項目は独立して残すべきであると考えます。情報と情報との関係は情報同士を関連付けるものですし、情報の整理は情報を構造化するものだと思います。つまり全く思考のベクトルが違うものだと思います。なので、これらを一緒にするとかえって分かりにくくなると思います。情報の整理は情報の構造化を意識することがポイントだと思われますので、例えば項目名を「情報の獲得、整理、発信」とすることで、何をどう取り組めば該当するのか理解しやすくなると考えます。難しいということに対してですが、今後はデジタルの力も借りて、ここは取り組みやすくなることが考えられます。
 もう1点ですが、今の時点のご提案ではメディアの読み取り、読み解き、制作が抜け落ちています。情報の扱い方に関する事項のどこかに位置付けるべきだと思います。例えば先ほど私が提案した「情報の整理」の後継の「情報の獲得、整理、発信」に入れるか、今回ご提案のあった「情報の信頼性や妥当性」を信頼性と妥当性だけに特化するのではなく拡張するかです。メディアの読み取り、読み解きなどについては現行の学習指導要領では図表を用いて文章を書く程度にとどまっていますが、これも情報の信頼性や妥当性と同様、現代の社会状況を勘案したときに今後国語科でも扱うべき事項だと思います。例えば文字だけでなく画像や、画像が内容をどう助けているのかを理解するとか、言葉が画像の意味を限定したり、反対に強調したりすることを理解するなどが考えられます。
 以上、どうかこの項目自体の見直しをご検討いただければと思います。
【島田主査】  どうもありがとうございました。情報の扱い方に関して、情報の整理という事項について在り方を再考していただきたいというご意見でした。また、様々なメディアの読み取りや読み解きについても明確に位置付けるべきだというご意見をいただきました。
 庭井委員お願いいたします。
【庭井委員】  中川委員のお話を受けて、同じページですので、先に論点3の方で意見を述べさせていただき、その後論点2の方でいくつかお話をさせていただきたいと思います。
 まず今出ている21ページのところで、課題として「情報の信頼性や妥当性を見極める力が必要」というところは大いに賛成いたします。ただ、この情報の信頼性や妥当性を見極めるために、ぜひ必要な力として「情報を収集する力」というのがあるかと思います。普段、学校図書館で子どもたちの情報収集をよく見ているんですけれども、彼らの行動を見ていると、与えられた情報を整理したり吟味したりする機会は年々増えてきているんですけど、「探す」「見つける」っていうところに対して非常に苦手というか、できていないなという感じがいたします。
 そのために、改善の方向性のところで「インターネット検索、生成AI、学校図書館等を活用して」と書いてくださっているのは大変良いことだと思うんですが、複数の情報を参照する前に、情報を収集するとか、複数の資料に当たるとか、そういったことも検討する必要がある、書き加える必要があると思います。ですので、改善のイメージとしては、「情報と情報の関係」と「情報の整理」の二項目に加えて、「情報の収集」という言葉が入ったらいいんじゃないかなと思いました。
 また、学校図書館という言葉が入っていますけれども、学校図書館においてもですね、最近デジタルの資料が大変増えてきております。データベースもそうですし、電子書籍もそうです。ですので、アナログとデジタルの往還のようなことも情報の信頼性や妥当性を見極める力をつけるためのベース、基盤として必要だと考えております。他の教科ではどうしても情報っていうとデジタルが中心になってしまいがちですので、特に国語の中では読書とも結びつけて、紙の本であるとか様々な種類の書籍も利用する、その上で電子書籍とかデータベースとかインターネットとか、デジタルな資料も利用するみたいな、そういう情報の学びができればいいんじゃないかなとに思いました。論点3については以上です。
 論点2の方です。資料の8ページになります。こちらについては、まず課題のところです。現行の学習指導要領で読書の定義というのがありますが、その中に、読書というのは文学作品だけではなくて、自然科学とか社会科学の本とか、あるいは新聞とか雑誌とか、幅広い媒体を読むことであると説明されているんですけれども、ここに先ほどもお話ししましたけれども、さらに多様なメディア、読む対象を広げて考えていかなくちゃいけないっていうのが今の読書の課題じゃないかなと思います。
 で、次のページの、それを踏まえて改善の方策というところになりますけれども、改善の方向性の黒ポチの2つ目、丸1の黒ポチ1つ目ですね。「自らの興味関心や学習で生まれた問いに応じて」と書いてあるんですけれども、ここについて、前半の知識・技能のところで「日常生活」とか「社会生活」と子どもの学びを繋げていく重要性っていうのが指摘されてたんですが、読書も同じだと思います。ですので、例えば各教科の学習の中で生まれた問いとか、あるいは日常生活や社会生活で生まれた興味関心に基づいて本を選べるようになる、読書を日常生活や社会生活に繋げていくような学習が取り入れられればいいなと思います。
 最後にもう1つ、その下の丸2のところで「読書の記録をデジタル等で取る」という話が出ております。これも最近、大変面白いものがいろいろできてはきているんですけれども、デジタルの活用については、例えば丸1の「本と出会う」というところにおいても、非常にいろんなツールが出てきておりまして、それらが特に高校生の読書を促すきっかけとして非常に役に立ったりしますので、お話の中でもちらっと出てはいたんですけれども、読書活動の全体でデジタルをうまく活用できるような記載の仕方をちょっと工夫していただければいいなというふうに思います。
【島田主査】  ありがとうございました。読書習慣の形成に関しまして、デジタルの活用というところを少し入れるべきではないかというお話をいただきました。また論点3、情報の扱い方に関しまして、情報を収集する力が欠かせないのではないかと、中川委員も獲得する力というようなことをおっしゃっておりました。その収集の仕方に関して、またアナログとデジタルとの往還ということも大切だろうというお話をいただきました。
 続きまして植木委員お願いいたします。
【植木委員】  論点4についてコメントさせていただきます。24ページですが、課題を踏まえて改善していく、2層に分けて記述する方向性についてはよく理解できました。
 具体的には25ページになりますけれども、現行で(2)の「我が国の言語文化に関する次の事項」ということで、アイウと3点に分かれているところが、改訂後のイメージとしては、丸1の側面と丸2の側面に分けられて、差をつけて述べられている。そして、丸1の方が現行で言えばウに当たる、ウ中の「文語の決まりや訓読の決まり」というものが入ってきており、丸2の方にはアとイに書かれているものが入ってきている、そういう関係性だと理解します。特に古典の世界に親しんでいくことを強調するために、丸2の方に「身近な事象などを言語文化の文脈の中で考え深め、自分のこととして捉える」という、今までになかった表現が入っているのですが、これが少し分かりにくくて、どういうことを意図しておられるのかをお聞きしたいというのが1つ目の質問です。
 そしてもう1つの質問は些末なことなのですけれども、丸2の3ポツ目に「我が国の言語文化と外国の文化との関係についての学習」というのが入っていますが、現行では「我が国の文化と外国の文化」ということで「文化」同士が対応していたところ、この丸2の新しいイメージの方では「我が国の言語文化と外国の文化」というふうに、「言語文化」と「文化」が対置されているのですが、ここに何か意図がおありだったのか。外国の「文化」と我が国の「言語文化」の関係というのは、例えばどういうことを想定しておられるのかというのが2つ目の質問です。
 最後に一つだけ意見なのですけれども、古典への親しみということを主眼において改善していくということなので、古典は身近で親しみがあるものなのだということを強調したいご意図はよく分かりますし、それは大切なことだとは思うんですけれども、一方でやはりだいぶ違うということもあって。今日の最初に犬塚委員がおっしゃった共感という問題と深く関わると思うのですが、古典の世界には共感するだけでなく、少し批判的な面も持たなければいけないところがあると思うんです。現代の価値観としてそれがいいと言えるのかというような問題もはらんでおりますので。
 そういうことを言いますのは、古典は今や学ぶ必要がないというような主張される場合もあって、その1つの根拠として、現代の価値観に合わないものに共感させている、それをいいものとして読ませているというような、そういう誤解もあり、そこに危惧を感じておりますので、古典と現代の異なる面にも注意を向ける必要があるのではないかという気がいたしました。以上質問2点と、意見1点です。
【島田主査】  ありがとうございました。ご質問いただきました。側面の丸2言語文化に親しむ学習のあたりの記述について、どういう意図なのかということですが、これはご説明ありますか。はい、お願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  25ページの丸2の部分、「身近な事象など」っていうところの具体的な内容っていうことで、24ページの4の改善の方策の括弧1の改善の方向性の丸1のところに、少し噛み砕いた表現をしておりまして、「古典は自分の経験や身近な出来事と結びつけて考える」ということでございますけれども、これ具体的に意味すること、当然各学校でこれからまたその様々な取り組みがなされていくってことは前提でございますけども、例えばその身の回りの地域の地名ですとか、をきっかけにして少しこう古典のことと結びつく考えてみるとか。そういった小中学校での学びを、少しこう高等学校に上がっていくときにガイダンス的に、よりこう親しみを持てるようなイメージでこの「身近な事象」っていうことを捉えてはどうかっていうふうに考えて、こういった記載を追加したっていうところですが、そういったことの是非についても、是非先生方からまたご意見を賜ればと思っています。
 後段の「我が国の言語文化と外国の文化」のところについては、調査官の方から別途説明いたします。
【上月調査官】  調査官の上月でございます。ここはですね、現行の学習指導要領にもある記述から持ってきたところでございます。
 「我が国の文化と外国の文化との関係」というのは、我が国は中国の文化の受容を繰り返しつつ独自の文化を築き上げてきた、そういった経緯を踏まえてですね、古文と漢文の両方を学ぶことを通して両文化の関係に気づくことが大切である、そのようなところを踏まえてですね、ここについては「我が国の文化と外国の文化」という書きぶりをさせていただきました。以上でございます。
【植木委員】  ありがとうございます。それなら分かるのですけれど、「言語文化」と「文化」は位相が異なってるのではないかということを申し上げたということです。ピンクの表の中の後ろから2行目のところです。すいません、あまりに些末なことを申し上げてしまったのですが、ご趣旨は分かりました。
 
【島田主査】  ご質問2点と、それからもう1点、言語文化に親しむということは非常に大切だけれども、それに加えてということもご意見いただいたかと思います。
 また、今回は補足イメージということで初めてお出ししておりますけれども、丸1、丸2と、こういうふうに古典を読むための決まりの部分と、それから言語文化に目を向けるところと2つに分けるというところについては、好意的なご意見いただいたかと思います。
 続きまして犬塚委員お願いいたします。
【犬塚委員】  よろしくお願いします。先ほどの植木委員のご意見が大変感銘を受けました。私がうまく言えなかったことも上手に言ってくださったと思います。大変賛同するところです。大変勉強になりました。
 私の方からは、私自身の専門に関することとして、論点1、2、それから3についてコメントしたいと思います。
 まず論点1と2はかなり繋がっているというふうにと思いました。深い語彙の知識をつけるということは大変重要な視点で、そのことが十分に記述されていて、すごくいいなというふうに思いました。
 それと関連して論点の2があると理解しています。読書に関することですよね。読書についてということで、図書館、学校図書室の存在についても述べられていたかと思います。この点については、図書室があるかどうかということとか、蔵書がどの程度あるかということについては資料が付けられていましたけれども、どのように使われているかという利用実態を支えるような観点というのも非常に重要だというふうに思われます。
 特に物理的なアクセスのしやすさですとか、通り道で子どもが自由に入れるとかですね、本を手に取って見ること、すぐに見えるように配架されているかどうかということといった、見える状態になってるかどうかというような物理的な環境を整えることというのも非常に重要です。合わせて、子どもが例えば本を読む以外の目的でも図書室にいられるとか、ただ行ってもいいっていうような心理的に安全な場所として図書室がちゃんと認識されているかどうか。自由に出入りができて、そこに行って気が向いたら本を手に取れるっていうような、自由にアクセスのできるそういう場所として図書室がちゃんと使われているかどうかということ。それがないと図書室の本をいくら増やしても、あまり読書習慣の形成には寄与できないわけですよね。なので、そういった観点からも見ていただきたいなというふうに思いました。
 合わせて今回の指導要領という観点からいきますと、司書や教員から本がどのように結びつけられるか、教員がどのように読書ということの仲介になれるかということが大変重要だというふうに思われます。こういう本があるということを教員が紹介することとか、授業からの繋がりとして図書室とか本の存在というのが案内されるかどうか。「読書しない」っていうのは力がないっていうことよりは、「きっかけがない」っていうことが大変大きいと言われています。ですので、きっかけをたくさん発生させるということを意図したような、読書習慣の形成についての働きかけということが十分に記述されることが必要かなというふうに思いました。それが論点1、2に関する意見です。
 次に論点3についてなんですけれども、批判的な読解ということが新しい視点として入ってきています。一方で、従来からずっと来ている、行われている「受容的な理解」という観点との接続と違いということが十分に記述されていないように思われます。それはここまで出ました論点3に関するご意見の中にもあった視点かなというふうに思います。
 例えば22ページを見ていただくと、現行の指導要領の内容として「情報と情報の関係」とか「情報の整理」といった文言が出てきていて、これを引き続き実行していくということだと思います。これは基本的に1つの文章の中での情報をどのように整理するかということで、統合に向かう、文章の中身を見るというような視点で書かれているかなと思います。一方で先ほどの課題として挙げられたところは、複数のテキストを整理するとか、複数のテキストの関連を見る、で、中には矛盾するような情報が含まれることもあるっていうような視点が主に出てきているかなと思います。
 1つのテキストの中で統合していくっていう単一テキストの読みと、複数のテキストを想定したような読みにはギャップもあって、例えば、情報源に注目するっていうようなソーシングの視点っていうのは、複数テキストのときに特に重要になってくるものだと思います。これを「情報の信頼性」ということで書かれてましたけれども、1つの文章を読んでいきなり信頼性に行くというよりは、文章を関連付けるための情報として情報源に注目するっていうことが重要なんだと思うんですね。いきなり情報源を見て信用できるできないっていうのを判断するというよりも、どのような人がそれを書いていて、誰のために書いているか、何のために書いているかっていうような、書いてる人に注目をするということが、その後の信頼性であるとか複数テキストの関連付けというときに重要なタグとして働くっていう考え方だと思います。
 ですので、言いたいこととしては、信頼性っていう観点で出すというよりも、「情報源への注目」というような観点が重要であって、その中に信頼性とか矛盾の解消というような観点が入ってくるというふうな整理が良いのではないかというふうに思われます。
 こういった点から見ますと、1年生2年生であっても、誰が書いてるのかな、その人はどんな人なのかな、どうしてこれを書いたのかなということを考えるとか、そこに注目するっていうことは取り入れられるし、非常に重要な観点だと思います。その観点に基づいて5年生6年生くらいになってくると、矛盾するけどどうしてだろうっていうようなことに考えが進められるのではないかと思います。ですので、その点お考えに入れていただけると良いかなというふうに思いました。長くなってすみません。
【島田主査】  論点の2、及び論点3について具体的なご指摘いただきました。
 続きまして小松委員お願いいたします。
【小松委員】  小松です。主に論点1、2に関わることですけれども、幼児期との繋がりについて申し上げたく思います。
 これらの論点で全体的に今回強調されていることというのは、子どもたちの生活の中の経験というものと非常に強い結びつきが想定されるもので、後で具体的に述べますけれども、論点1、2で挙げられています「実感」ですとか「興味関心」というのは、個別性があるもので、何かある指導をしたから子どもたちが一斉に同じ実感を持つとか、同じ興味を持つっていうことではおそらくないと思われます。まさにこの主体的に様々なことに取り組む中で、個々の子どもたちそれぞれに現れてくる部分というのがあるんではないかというふうに思っています。
 そうしますと、これは幼児期の教育で大切にしていることから繋がってくることというふうに思っております。具体的に申しますと、例えば論点1ですけれども、6ページの方策、改善方策の1のところですね、括弧1のところですけれども、「実感を伴った理解や思考」というところが例えば出てまいります。こういうことというのは、まさに幼児期に様々な保育の中での指導とか、例えば活動の内容ですね、今、例えばごっこ遊びをしていて、それがどうなったらもっと面白くなるかなっていうことをこう一生懸命考えるみたいな、これはある種今やっていることに結びつけた言葉の使用です。それから例えば子どもたちの間でいざこざが起きたときにですね、保育者を交えてやり取りをする、例えば気持ちとか何が起こったのかということを丁寧に言葉にしていくみたいなことをするわけですけれども、これもまさに子どもたちが経験する内容でございます。そういうふうにこう、毎日子どもたちがしていることの延長線上にその実感というものが生じてくるのかなというふうに思います。
 それから論点2の読書ということが出てまいりましたけれども、これもですね、「自らの興味関心」ということが9ページですね、「興味関心や時間に応じて」というところがあります。これも幼児期に起きていること、例えば子どもたちが園庭で虫捕まえてきてですね、どんな虫なのか調べてみようとかですね、拾ってきたどんぐりでいろいろ種類があったときにそれ何なんだろうって調べてみようとかですね、例えばそういうのが1例ですけれども、本当にその興味関心に沿って、それにつないで考えるためにいろんなことを調べてみる。で、調べた結果っていうのはさらにその次の活動に繋がっていくと。そこには本とか図鑑とかいうメディアが用いられることもあります。あるいはそうやって経験したことが今度絵本の物語世界等と繋がって、さらに活動が展開されていくというようなこともございます。
 そういうようなことがありまして、ここで書かれていることというのは幼児教育で強調されていることとかなり結びついてまいります。私幼稚園の仕事もしておりまして、今幼稚園教育要領についても会議がありまして、幼小接続というのも取り上げられているんですけれども、幼児教育、幼児期の教育の内容というのが小学校以降とどんなふうに繋がるのかということについては、いろんなことについて議論されている一方で、理解が、お互いの理解がスムーズに進んでいるのではないのかなと、なかなか必ずしもスムーズではないのかなと思われるところもございます。
 今申し上げたように、今回新たに強調されている点というのは、これはまさに幼児教育との繋がりが生きてくる大切な部分であるように思いましたので、現在あまりそういうことについては強調されてないのかなというふうに思うんですけれども、今後ですね、要領に書くということなのか、あるいは解説で書いていただくのか、ちょっとよくわかりませんけれども、ぜひ今後様々なところで強調していただけますと、その幼小の接続という意味で大変重要な取り組みになるかなというふうに思います。小学校の前倒しをしますということではないわけです。あくまでもその幼児期の生活というのが小学校以降のこういう学びに繋がっていくのだという点で強調していただけたらと思います。
【島田主査】  なるほど、わかりました。竹内委員お願いいたします。
【竹内委員】  ありがとうございます。4点ございます。
 最初の2点は先ほどの、「社会との接続」が動機付けになるんだというお話で、それに付随するような動機付けのお話でございます。
 まず最初が、6ページの「語彙を豊かに」というところで、「未知語の意味を理解して語彙を豊かにする」ですとか、「紙やデジタルの辞書を活用して類義語の語感の違いを考える」とかですね、どちらかというとインプット主体の文言が並んでいるんですが、まずは書いてみたり、まずは話してみたりすると、大人も同様だと思うんですけれども、自分の語彙力の不足に気づいて調べたりということがあるのかなと。だとすると、ここの資質・能力のところにインプットとアウトプットがこう往還できるような、そのようなニュアンスが入ると、より子どもたちの動機付け、語彙力を増やさなくてはという動機付けに繋がるかなと思いました。
 で、2点目、同じ動機付けのお話で、「古典への学習意欲が高まらない」、23ページでしょうか。もったいないなと。で、この言語文化の継承発展という軸が一つあるとは思うんですけれども、あるいはそれによってこう理解をしていくということもあると思うんですが、実際海外と仕事をしている立場からすると、自国の歴史や古典を知ることっていうのは、その知識のみならず、もう多文化の中で自分を語る基盤、ここにまさにアイデンティティと書いていただいていると思うんですけれども、それだと思っています。2040年、たとえ国内にいてもグローバルな価値観で生きていかなければいけない今の子どもたちですので、確か企画特別部会でワーキング同士でもっと接続をしたらという中で、国語と外国語ということが挙げられていましたけれども、国語のこの言語文化の意義を強化という側面からですね、この古典については外国語のワーキングと協働できないかなんていうことを思いました。それが2点目。
3点目として読書習慣、8ページ目でしょうか。これ先ほど中川委員、庭井委員からもですね、デジタルとの往還というようなお話、あるいはメディアの扱いについてご意見いただいたかと思うんですが、これまさに先日、学習指導要領がデジタル化していくというお話の中で、確か参考としてNHK for Schoolも出せないかみたいなご議論があるというふうに伺って、あ、なんか新しいなと思いまして。動画ですよね、参考文献ではなくて。で、そもそも「読書って何のためにするんだっけ」という、ちょっとパンドラの箱を開けるような議論ですけれども、「自らの興味関心や時間に応じて考えを広げたり深めたりする」、あるいは「生まれた問いに応じて考える」とか、それはもしかしたらですね、デジタルの記事でもできるかもしれないし、動画でもできるかもしれない。今、実際、若い先生方はパッと動画をまず検索されたりしているのを見ると、もしかしたらこのマルチモーダルな媒体で、「読書」ということをグラデーションで考えていく時代も来るのかなと思いまして、これは議論のための議論として置いておきますというのが3点目です。
 で、4点目、クイックに行きますけれども、資料の2ページかと思います。「話や文章から取り出した情報や言語化した知識や経験と図表等を活用して構造的に整理し、情報同士の関係を明確にして」と、これとても大事なことだなと思っていまして。この図で語句の関係を表すだけではなくて、概念を説明するための図解、例えば因果関係、具体抽象、主張と根拠などですね、その概念の関係を図解する力というのが、ノートの取り方、それから思考や表現の仕方の変化を促して、例えばその今、誤情報への耐性ですね、そういったものにも良い学びが得られるのかなと思います。論点整理のポイント資料がとても素晴らしくて、あんな力が国語に位置付けられたらと。国語の教科書にもインフォグラフィックって入っているものがいくつかあると思うんですけれども、そんな力が国語にもきちんと位置付けられたらいいなと思いまして。以上4点でした。
【島田主査】  どうもありがとうございました。各論点につきまして、様々なメディアの利活用といった点からご意見いただいたかと思います。
 井上委員お願いいたします。
【井上委員】  私からは論点2について、読書を軸に意見を申し上げたいと思います。読書って言うまでもなく、今回の語彙とかですね、情報の扱い方、言語文化の継承発展の全てに関わるものです。
 今回の資料2の9ページの下にある改善イメージをご覧ください。9ページの下にはですね、一応この読書習慣の形成にあたっては、各領域の学習を支え、文化的な知識や態度、教養を深める側面の事項として整理し直してはどうかという提案がなされていますけれども、私個人の意見としましては、もう少し1との繋がりが現場の先生方に伝わるようにすべきじゃないかなというふうに考えています。
 言うまでもなく、読書というのは習慣や態度の面と、まあ、例えばクリティカルシンキングやメディアリテラシーのように、それを読んで得られる知識・技能の側面が両方あります。確かに4ページの下側には、「必要に応じて思考力、判断力、表現力と活用できるように指導する」との文言が添えられてはいますけれども、分類上2の中で位置付けられてしまいますと、読書と例えば思考力、判断力、表現力との関わりや、読書と3領域との結びつきがどうしてもぼやけてしまいます。
 また今後、教科書の上で読書活動を盛り込む際にもですね、読書に向き合う態度や習慣だけが前面に出てしまうと、せいぜい推薦図書を並べるだけ、あるいは推薦図書を読んで終わりといったような、形式上読書を行ったことにするような事態が生じないかというふうに危惧しているところです。
 私の意見としましては、1か2かという二元論的な議論ではなくて、学習過程の中で書籍を通じて情報活用能力を育んで伸ばしていくような1の側面と、書籍に向かう習慣態度を育むための読書活動という2の側面ですね、そのどちらもが大切であるということが現場に伝わって、特に教科書に載っていない書籍や新聞等も活用しながらですね、先生方が読書というものを具体的な日々の授業に落とし込みやすくするような示し方が望ましいと思います。私からは以上です。
【島田主査】  読書のもう2つの側面、いずれもが現場によく浸透するような説明をということでご意見をいただきました。
 藤森委員お願いいたします。
【藤森委員】  よろしくお願いします。4つの論点にそれぞれ一つずつ申し上げていきます。
 まず6ページを出してください。論点の1の語彙力の問題ですけども、語彙力の概念について整理していく必要があると思います。すなわち、スキーマとして語彙力を考えるとすると、語句の知識量を拡充するという量的な側面と、それを目的や状況に応じて使いこなせるようになっているという質的な側面があって、この2つのバランスというか、2つのネットワークで語彙力というものが構成されますので、この2つが両輪になるっていうことを前提として、今後知識及び技能を考えていく必要があると思いました。これがまず1点目です。
 続いて論点2として9ページをちょっと見てください。先ほど以来、読書習慣の形成についての話が出ています。実は前の中教審のワーキングの時に、読書のことについてどこにどう位置付けたらいいのかということで少し議論がありました。知識及び技能だけでこれが片付くのかという一抹の問いを持ちながら参加していたことを思い出しますけども、やや個人的に大胆なことを申し上げますが、読書をすることの大きな意義というのは、私は豊かな人間性の形成だと思ってるんですね。
 すなわち、読書に親しんで、本当に日々読書を習慣づけている子どもというのは、やっぱり精神的にも情緒的にも非常に穏やかな、立派な子どもになっていくというふうに私は信じてまして。で、何が言いたいかというと、学びに向かう力、人間性の目標設定の中に、この読書に親しむというそういう子どもの形成というか育成というのを含めていったらどうかなというふうに思うんです。小松先生が先ほどおっしゃっていた幼児教育からの繋がりも考えても、やはりこの読書というのは非常に大きなポイントになるんじゃないかなと思っている次第です。
 それから今度論点の3です。22ページに飛んでください。情報の扱い方、これが現行学習指導要領から位置付けられて、これかなりこれは注目に値する内容なのですが、ここにおける項目、上のピンクのところにある様々な事項、相違ですとか原因結果、それから意見根拠、具体抽象、これらはですね、ご案内のように教科領域を横断する非常に汎用性の高い要素なんですね。
 これらは国語だけが担うものではないという、こういう議論がありまして。各教科領域で総合的にやっていくものであって、国語に特化する必要ないんじゃないかというこういう意見に対して、どのように国語科としての独自性を位置付けるのかという問題を考えておく必要があるだろうというふうに思っています。
 もう一つ付け加えますと、情報の信頼性のところで、受け入れる情報の信頼性の問題もさることながら、学生指導をしてますと一番私が頭が痛いのが、引用の仕方がデタラメなんですね。これを何度言っても直してくれないんです。すなわち、自分が手に入れた情報はどこからどういうふうに手に入れたものなのか、それを他者に示して、その通りにたどるならばその情報にたどり着けるという、こういうリテラシーも必要なのではないかと思いつつ、前提として申し上げた国語科としての独自性の問題を、これから考えていく必要があるだろうと思います。
 最後に言語文化の問題にまいります。これも実際に現在の現行の「言語文化」の学習指導要領の改訂に協力者として関わった立場として申し上げたいんですけども、理解を深める学習をどのように充実させるかという論点があるんですが、若干個人的な感情を込めて申し上げますと、言語文化というのは何も伝統的な言語文化、すなわち古典に特化された問題ではなく、言語そのものであったり、言語活動であったり、言語芸術でもあるわけです。
 で、これら全体の中で大きな問題だと思うのは、それをどう理解させ、身につけさせるかというこの「させる論」に特化されていることです。もっと重要なのは、言語、その言語文化を扱う先生も、それから子どもたちも、その自国文化に対する誇りと敬意というものをどういうふうに育むかという、こういう問題こそが大事じゃないかと思うんです。
 これは海外の学校現場を参観して感じていることですが、移民の子女が多数を占める学校を訪問すると、例えばイギリスなんかですとシェイクスピアを原語で小学4年生から劇で読ませたりするんですね。で、何のためにそうするのかと聞きますと、リスペクトフルになるためだって言うんです。自分たちが生活する国や地域の文化とは何なのかってことに対して、誇りと敬意を持つことに価値をおくわけです。言語文化という視点で考えた場合、日本人であることの誇りと敬意というこの問題を、血縁的な意味合いじゃなくて、日本というこの風土文化の中で生きているものとしての誇り、敬意、これを育てるという、そういった視点っていうのが私は大事だなというふうに思っております。
【島田主査】  各論点について端的に重要なご指摘いただいたかと思います。石黒委員お願いいたします。
【石黒主査代理】  よろしくお願いします。私の方はこのお示しいただいたものに非常に共感していまして、いいなと心から思っています。で、それをもっと見せ方の問題としてどうすればもっとよく見せられるかなということでのご提案になります。
 まず1ページをご覧ください。この1ページ、4つの事柄、一見バラバラに見えながらも、個々は繋がってるようにも見える事柄なんですけど、これ全部まとめると、私は「その言葉を通じて新しい世界に出会う」、そういう世界と出会うっていうのに言葉が役に立ってるんだなと。語彙を豊かにすることによっていろんな世界に出会えますし、もちろん読書はいろんな登場人物もいるでしょうし、いろんな情報にも触れて新たな世界に出会うこと。もちろん情報というのも新たな情報に出会って私たちの知識が蓄積されていきますし、さらには歴史を通じて私たちは様々なその言語を通じて学ぶこともできるということで、あ、世界と繋がるその言葉の教育っていうのは我々は担ってるんだなっていうことを感じました。あ、これは一つ感想になります。
 で、それぞれのところも見せ方の観点から申し上げていきたいんですけれども、まず最初、語彙のところですけれども、6ページになりますが、ま、先ほどの藤森委員のおっしゃってることと関わるんですけれども、私はこの「なんとかだけでなくなんとかだ」っていうので4つの論点まとめたら面白いんじゃないかなと思いました。
 で、まず例えば論点の一番上のとこですけど、「個々の語彙学習を語句を知る学習から意味や働き、使い方を吟味しながら考え、感じ、表す学習へとどう広げるか」、もっと短く言うと「知識から運用へ」、その要するに知識を増やしていくっていうことから運用力、使用という、使う、使える言葉ということだと思うんですけれども、高めていくということで。これ知識は実はすごく大事です。だから知識ではなく、知識だけではなく使えるようにという、この量だけでなく質問というところでうまく伝えられたいなというふうに思いました。
 それから2つ目の読書、読書は9ページになりますけれども、論点2のところですけれども、ここも一番上のところを見ると、「読書を授業のための限られた時間で読む活動から自らの興味関心や時間に応じて考えを広げたり深めたりするために営む読む営みへどう移行させていくか」ということだと思うんですけれども、結局そうは言っても授業の中で読むってことが基本になるだろうと思います。
 で、これは先ほど庭井委員だったでしょうか、きっかけっていうことをすごく私も、なるほどなと思って伺ったわけですけれども、やっぱりその国語科教育で大事なことって本当にいいテキストに触れるっていうことだと思うんですね。力のあるテキストに触れると、それでやっぱりいろんなものを読みたくなってくる。で、私たまたま文学読む人たちに読書のアンケートを取ったところなんですけれども、聞くとですね、自分の好きな文学作品を別に授業で読みたいとは思わないんだそうです。むしろそうではなくて、自分が出会ったことがない新たな作品世界に出会えるのが授業という場なんだっていうふうに言っていました。そういう意味で、そういう場としてこの読書っていうのが、あ、読書に繋がるような授業が展開できると素晴らしいなというふうに思いました。
 それから3つ目で、21ページになりますけれども、論点3というところですが、これもその先ほど情報の収集というようなことが大事だよということが言われていて、それも本当にそうだなというふうに思いました。で、そのもちろん、ただ情報の収集は大事なんですけれども、情報の収集だけでなく、収集した情報を整理したり、妥当性を見極めたりして、さらにはその読み手、その受信者のニーズに応じて価値のある情報を伝えていくっていうところが大事なのかなというふうに思ったので、これもやはりその収集だけでなく、収集もとっても大事です。でも、整理、妥当性見極め、発信するということも同時に大事だという形で打ち出せたらいいなというふうに思いました。
 さらに4つ目になりますけれども、論点4の言語文化の継承発展というところ24ページですけれども、右の段の論点の真ん中、論点2つ目ですね。「高等学校の文法、文語文法の習得に偏った指導や、口語訳中心の授業をどのように改善するか」。私文法好きなんですけど、多分なかなか受け入れてもらえないんだろうなというふうに思いますが、でも実は文法自体ももちろん偏った指導というのは良くないことだというふうに思いますけれども、やっぱりこれは基本的な力の源になるものだと思います。
 でもやっぱり文法だけ、語彙だけではダメで、そこにやっぱりそのいろんなやっぱりその背景であるとか、ま、最終的には人間性に繋がっていくのかもしれませんけれども、昔の人と今の人、確かに大きく違います。でもやっぱり人間である以上、同じことを考えてる、こんなところにも共通点がある。しかもリスペクトっていうのもありましたけれども、本当にこれだけの文献が長い期間残ってる文化圏ってすごい貴重なんですね。それだけでも本当に感動ものなわけです。その感動がなんか子どもたちに伝わってないのはすごく残念で、やっぱりそれもまたそのこういう知識というか、文法とか語彙って基本も大事だけれども、それだけではなくて、やっぱりそういう広い意味での本当に文化に触れられるってことを大事にしてほしいな。それをうまく全体、新しい世界に出会うっていう観点で、「〇〇だけでなく〇〇」みたいな形でこの4つの論点を打ち出せると、この4つの論点が有機的に繋がってくるのかなというふうに思いました。よろしくお願いします。
【島田主査】  面白いアイデアをありがとうございました。中村委員お願いします。
【中村委員】  まず、最初に論点1についてです。語彙を豊かにする改善の方向性として、丸1にあるように機能的に言葉を使いながら意味理解を深めていく方向と、丸2にありますように使用する文脈から一旦取り出して語彙の関係性あるいは集合を学んでいく方向の2つが示されました。これらは今回知識及び技能の内容を2つの側面から構造化しようとする特徴が最大限に生きる形で整理されており、語彙を豊かにするための指導が充実する方向性として賛成です。
 ただし、語彙指導としてこの2つの方向を設定するということで、子どもたちの学習量が増えてしまったり、先生方の教える項目が増えてしまったりすることは避けたいと思います。そのためには、この両面のどちらを進めるにしても、大切なことは、子ども自身が語彙についての学習を進める力そのものもつけていくということであり、そこが抜けてしまうとどちらの方向の学習でも教える・教えられるという関係から脱しきれないかと思います。自立的に、丸1のように語句の使い方を考えたり、あるいは丸2のように語句同士の関係の理解を深めたりしていくためにも、語彙を学ぶ力や学び方の方略そのものも合わせて身につけていくことを改善の方策の中に位置付けたいと考えます。それによって、丸1と丸2の方向性による学習の負担が増えることなく、効果的に語彙を豊かにする指導の充実の実現に繋がるのではないかと考えます。
 で、2点目は、今日のように論点1から4のそれぞれを検討していきますと、どうしてもトータルの内容は増えていく方向になっていくかと思います。そうならないためにも、それぞれのトピックの内容同士がどのように関連しているのか、あるいはリンクすることができるのかという点から内容全体を整理することもできるのではないかと思います。
 先日の教育課程企画特別部会の資料の中に、資質・能力の構造化や単元計画づくりの参考イメージの補助資料がありましたが、知識及び技能の内容もそれぞれを単独で教える・学ぶのではなくて、互いに関連づけて教えたり学んだりする中で、子どもたちが自立的に個々の知識・技能をネットワーク化したり、思考・判断・表現に繋げたりして主体的に学習を進めることを可能にしていきたいと考えます。そうした授業を実現にしていくという意味で、知識及び技能の内容同士をこれからどういう形でネットワークしたり、関連性を見える化したりしていくのか、そしてデジタル学習指導要領の中でこれらのことをどうどう実装化していくのかということを、今後も検討できるとよいのではないかと思います。
【島田主査】  どうもありがとうございました。西委員お願いいたします。
【西委員】  よろしくお願いします。論点1、2、4について意見を申し上げます。
 まず語彙でございます。語彙については、確かに今回、教科横断であるとか、教科特有、それから日常生活に用いられる語句というような形で3つの側面を出していただけたことは良かったかなと思っています。その一方で、じゃあどうやったら語彙は豊かになるのかということをやっぱり考えておく必要があるかなと思っています。習得して、それをどう活用していけるかというようなことになるかと思います。まさにそれは発見とか気づきって言葉のその関係性とか、そういったところから出てくる問題ではないかなと思っています。
 そうしたことを考えると、先ほど中村委員から順増していくんじゃないかっていうお話が出ましたけれども、小学校の伝統的な言語文化の中に実は「言葉遊び」って出てくるんですよね。ああいったところと、例えば初等であれば関連させて、かなの連接から語彙を増やしていくというようなことが考えられたり、様々な具体的な事例が解説の中に出ているので、そういったものをやっぱり中等教育においても及ぼしていっていいかなという、そんなような思いでここの部分は読んでおりました。論点1については以上です。
 論点2でございます。読書習慣ですけれども、これまでにも庭井委員であるとか犬塚委員からもご発言出てきたかと思いますけれども、じゃあ読書を様々な本にアクセスしやすい環境の整備というようなところはどういったように見ていけばいいのか。まあおそらく授業と関連してこういった環境を整備していくっていうことになれば、調べる学習、ICTであるとか紙媒体の書籍、その併用っていうものをある程度考えていっていいだろうと。じゃあ一方で文学的な文章、そういったものに触れる機会っていうのをどうやって作っていけばいいのか。当然様々なデジタル書籍という形でこう出てきていますけども、もう一方でやっぱりこれ振り返ってみてみると、小学校の伝統的な言語文化に読み聞かせなどを通してという、いわゆる音声で受容する、今デジタル機器でも音声で聞くっていうのが結構広く受容されるようになってきている、そういったような音声化というような形での読書、それはまさに「聞く読書」というような形で考えていくことも必要になってきている時代じゃないかなと思っています。
 で、もう一つ、読書については、その読書の足跡をデジタル等で記録するという、どういう形でこう自分の履歴であるとか他者の読書経験を共有していくかっていうことは、もしかすると最初は紙でもいいのかもしれません。それがやがてデジタルソフトを使うなりなんなりして受容していく、あるいは自分の振り返り、自分の読書履歴っていうものをどう考えていけばいいのか、そんなようなことを考えるきっかけにもなるのかなと思って伺っておりました。特に論理的な文学的な文章であれば共感、あるいは説明的な文章の読みであれば納得などというような、そういったような思考もあっていいのかなと、方向性があってもいいのかなと思って読んでおりました。
 論点の4ですね。論点の4、スライドで言いますと24枚目になるかと思いますけれども、議論の前提としてグローバル化ということが言われていることは、やっぱり言語文化を考える上ではとても大切なことかなと思っています。文化基盤であるとか、それを世界にどう発信していくかってことをある程度意識したものが中等教育には必要になってくるかなと思っています。
 かつて海外への赴任で、日本の文化を知らない社員が多かったということで、見開きで日本語と英語の日本文化を説明するような本が出ていたりとか、某新日鉄ですけれども、そういったような本を社員に持たせて海外に赴任させるという、やっぱり文化を自国の文化を語れないっていうところが、リスペクトとか、そういった自国文化に対する思いが欠けていると思われたりするのかなと思っております。
 で、先ほど植木委員の方からですね、知識及び技能の側面の丸の2のところで身近な事象というところにご質問があったかと思いますが、比較的、ま、私はあの善光寺の近くに住んでおりますけれども、身近な場所に様々な文化としての言語があるってことに気づいていく、それがやっぱり足場掛けになるようなもの、例えばのれんであるとか、お店の額であるとか、そういった言語としての文化、あるいは文化としての言語を身近なものとして受け取っていく、あるいは筆文字などということも、そういったところは考えて良いかなと思って伺っておりました。基本的な構成はこれでいいかと思います。すいません、ちょっと超過しました。
【島田主査】  西委員ありがとうございました。続きまして吉田委員お願いいたします。
【吉田委員】  私は2点申し上げます。論点2と論点3です。
 まず論点2の読書習慣の形成ですけれども、現行の学習指導要領の読書を、括弧3の知識・技能のところの読書の指導事項と照らし合わせて現状を考えてみますと、やっぱり読書が様々な情報を得ることに役立つところに気付くであるとか、いった読書の意義や効用を実感するっていうところの学習にまではなかなか至っていないような気がしています。読書の指導事項を取り上げていて、学習の中で読書の行為はあるけれども、本を読んで思考を判断してそれで終わりというか、その知識・技能としての意義、それを資質・能力を確かめるこう意義や効用を実感したりするっていうところまではなかなか行っていないのが現状だと思っています。
 それを踏まえて自律的な読書、私はこのやっぱり読書の意義や効用を様々な情報がある中の社会だからこそ実感することは大切だと思っているんですけれども、そうしますと先ほどから何人かの先生方おっしゃっているように、様々な選書の仕方であるとか、自分の目的にあったやっぱ読書の仕方のスキルっていうところも、なかなかそのスキルがないとこういった自律的な読書へ移行していくっていうところが難しくなるのではないか。
 例えば低学年であれば題名とか目次や索引を手がかりに選書をするであるとか、十進分類法を知っていてそれを手がかりに選書ができるであるとか、辞書や辞典の使い方のところと関係する情報と情報の関係のところに関係するかもしれませんけど、そういったことを取り出して知識とするのか。けれども中村委員がおっしゃったように、そうすると指導事項がどんどん増えていきますので、その自律的な読書を支える知識・技能の部分と、それからそれを踏まえて様々に読んでいくことによって読書の意義や効用を実感するというところまでをどう資質・能力として位置付けるのかっていうところについては、もう少し議論が必要だと思います。
 あの、電子書籍とか先ほども読む読書っていうところも、私はあまりその電子書籍とか読む読書っていうところがあまりしないものですから、例えばそういった十進分類法とか目次や索引といった私が知っているその選書の仕方と、そういったオーディブルのようなものを何か皆さん選ぶときには、なんかそういったやっぱまたコツとかその知識・技能っていうのがあるのかどうかっていうところあたりも、それも読書とするならば、子どもたちに何かその選び方とか、もう学習に合わせたその選書の仕方っていうところがあるのかどうかっていうことも少し私は勉強しないといけないなと思いました。
 2点目です。論点3のところですけれども、情報のこの現行の学習指導要領の知識・技能の括弧2、「情報の扱い方に関する事項」というのは現場でとても難しくてですね。私も指導主事で指導助言に回っていた時も、ここを取り扱っている授業にほとんど出会わなかったというか、学習指導案には載っていたけれども、ほとんど意識されていなかった、ま、ちょっと言葉をちょっと選ばずに申し上げますと、と感じていて。それはとてもこの「情報」という言葉がとても難しくて、すごく幅広くて、話や文章に含まれる情報ってあるんだけれども、世の中で言う情報、先ほど犬塚委員も一つのテキストで言っているのかとか、複数のテキストで言うのかとか、はたまた画像とか映像までも情報とするのかによって全然違うので。
 その国語科として、ま、この文書、指導事項だけ読めば、現行の小学校の学習指導要領では、この話や文章で伝えている内容だったり、伝え方ですよね、考えとそれを支える事例とか、順番であるとか、原因と結果とか、その人が話や文章をどう、どんなふうにその伝えたいことを置いて伝えているのかとか、どんなふうなことを伝え方を工夫しているのかっていうところに関連するのかなっていうふうに思うんですけれども、その部分と、やはり先ほど申し上げたその広い情報でいくと、じゃあ社会科とか総合的な学習のところとどう違うのかと。
 その、この情報が正しいかと判断するのは、本当に、うん、例えばこのグラフが本当に妥当かどうかとか、算数で言ったらグラフをどう示していったらこの傾きが違うとすごく増えて見えるとかって、そういうことって国語で扱うことでもないような気がするので。先ほど藤森委員がおっしゃったように、じゃあどこまでを国語科が担うのか。情報教育のなんか論点というか、違う部会とか他の教科のワーキンググループで各教科で情報というのはどういうふうに扱っておられるのかっていうところも、もう少し私勉強してというか、情報をそれこそお互いの情報を取り合って、あまりにも全部国語科が担うべきことなのかなっていう、そのやっぱり国語科は言葉による、言葉としての情報っていうことをもう少し現場の先生に分かりやすく、情報って言葉をむしろ使わないでどう情報ということを伝えていくかってことが議論できたら伝わるのかなっていうふうにちょっとあ、思いました。
【島田主査】  なるほど。はい、それでは松本委員お願いいたします。
 
【松本委員】  論点4のみお願いします。先ほどの藤森委員、西委員と思いは同じです。私、文字書写が専門なので、今この「言語文化」を「文字文化」として読み直して理解しているところでございます。この資料では古典を中心とした話になっていますが、文字文化をその論点4の議論の俎上に載せることはできるし、そうした方がいいかなと思います。論点4の3つの黒ポチの論点ですね。これは文字文化としての書写の議論としても成立するものですので、もう少し古典以外の事項も合わせて議論した方がいいかな思います。
【島田主査】  続きまして中嶋委員お願いいたします。
【中嶋委員】  よろしくお願いいたします。私は主に論点1と論点2に関わることで、合わせてなのですけれども、学校現場で学校運営をしていくという立場から意見を1点お話しさせていただきたいと思います。
 やはりこう語彙を豊かにすること、もちろん国語をはじめとして各教科で関連することですし、読書習慣というのも形成するためには国語の担うものもありますが、それ以外のものでもやっていただくことが望ましいものもあると考えています。先ほどもそれぞれの委員の中から、国語でどれを担うかとか、他の部分でどうするかというようなご意見もあった中で、やはり例えば6ページにあります語彙を豊かにすることの一番下のところには、「合わせて」のところで「国語科に限らず各教科等の」とありますし、あるいは9ページの読書習慣の形成に関してのところですと、やはりまた下のところに「学校の教育活動全体における読書環境の整備」というような文言もあります。
 こんなところから合わせますと、やはり語彙のこと、また読書習慣、あるいは情報等も関係するかと思いますけれども、国語科として担うべきこと、充実させるべき点と、学校の教育活動全体で推進していくこと、それについてやはり学習指導要領に示していただけると良いかなというふうに思っております。ともにとても大事なことですから、双方で推進するような仕掛け作りが学習指導要領の文言の中にあるといいなと思いました。以上感想です。
【島田主査】  どうもありがとうございました。続きまして渡邉委員お願いいたします。
【渡邉委員】  よろしくお願いいたします。論点の3と4についてよろしくお願いいたします。
 まず「情報の信頼性」といった時に、先ほどの犬塚委員の意見が非常に重要だと思ったんですけども、これは情報のチェックというよりは、「誰が何のために書いているのか、あるいは話しているのか」を考えることによって、その情報の信頼性を深く考えることができる、つまり発信者の意図であるとか、あるいは場だとか領域だとかということによって、情報の信頼性というものの基準も変化するということが考えられます。
 例えばアメリカですと、情報の信頼性はファクトチェックのこと、あるいはその情報自体の真偽のことを指しますが、では日本の国語の中でそれはどんなふうに考えたら良いかといったときには、「レトリック」として考えることもひとつのあり方なのではないかと思いました。
 つまり単なるファクトチェックということではなくて、どういった目的で伝えるのかということですとか、あるいは意図ということまで含んで考えると、国語科の情報の信頼性の在り方が見えてくるのではないかと思います。
 それからもう一つ、論点の4の文化の継承ですけれども、先ほど複数の委員からも出ましたけれども、文化をどう体系的に教えるか、つまり日本文化というものを海外に行ったとき、あるいは日本にいても、海外から来た人に日本の文化ってどういうものかということを伝える機会は多いと思うんですけども、その際に細切れな情報ではなくて、いかにその文化のエッセンスというものを体系的に伝えるか、そのときに、国語の中では物語を体系的に読ませるかということも一つ重要な点になるのではないかと思います。
 個人的な体験ですけれども、留学先のアメリカの大学でアメリカ文学入門とそれからイギリス文学入門というのを取りましたら、それこそ魔女狩りのときの文学から現代まで、あるいはハックルベリーフィンから現代までを読むことによって、アメリカの文化とか社会というものを深く理解できた、そのエッセンスを掴めたいう体験がありました。
 そうしたことからも、物語や小説で何を伝えるのか、あるいは価値観を伝えるのかというようなメタの部分の学習というものも、国語の中で深く、他の教科ではできない面としてあるのではないかと思いました。
【島田主査】  渡邉委員、今日は後半からご参加いただいていますが、前半のですね、目標や見方、考え方、あるいは高次の資質・能力といったところで何かご意見はありますか。もしあれば手短に、今ご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
【渡邉委員】  今、犬塚委員が手を挙げてらっしゃるので、資料2の論点を終わらせてから、もし時間があれば。
 【島田主査】  それでは犬塚委員、どうぞ。
 【犬塚委員】  大変申し訳ありません。一言だけ論点2について言いそびれたと思ったので、時間があればと思って手を挙げました。
 論点2の読書のところですね、4の括弧1、丸の2の最後に「読書の記録をデジタルなどで記録し」というのがあるんですけれども、読書のログをつけさせるというのは基本的にあまり読書意欲を高めないという研究もありますので、あんまりやらない方がいいんじゃないかなというふうに思いました。
【島田主査】  え、それでは渡邉委員、お願いいたします。
【渡邉委員】  すみません、もう一つ気がついたこととして、22ページのところでですね、情報の取り扱い方の事項というところで、例えば小学校の3、4年生のところに引用の仕方や出典の示し方、辞書云々ってありますけれども、引用をきちんとするのは非常に大事なんですけれども、小学校3、4年生で引用するような文章を書く機会はほとんどないような気がいたします。
 そうしますと、意見文などを書いてきちんと引用しなければならないという場面で、こうした項目を発達段階に合わせて記す必要があるのではないかと思います。そうしますと、やはり小学校5、6年生、あるいは中学校になってから意見文、つまり書き方の様式と連動させながらどういった情報の取り扱いをするかということを対応させると、全体として構造的になるんではないかと思いました。
 で、その一方で、先ほど申し上げた「誰が何のために書いているのか」を考えるということは、逆に小学校の低学年はちょっと無理かもしれない、中学年ぐらいから考えられることですので、これも国語の扱う内容と対応させながら、情報の発達段階に応じた情報の勉強の仕方、関係の仕方があると構造的になるので、そこで書き方と連動させたらどうかという話でした。
 さて、論点1のところではですね、資料の8ページ、「学びの質を高めようとする態度」という表現なんですけれども、これは何か言っていそうで非常に分かりづらいと言いますか、何にでも当てはまるということがあるので、これはあくまで私の一個人の提案なんですけれども、「目的や相手、状況に応じて」という点が全体を貫く方針として出てきたので、例えば小学校でしたら「考えたり、感じたりしたことを積極的に表現し、伝え合う過程を大切にしながら、目的や相手、状況に応じて正確に伝えるための様々な工夫を行う態度を養う」としたらいかがでしょうか。ですから小学校では「正確に伝えるための様々な工夫」をそれぞれが行う。
 で、中学校では、「考えたり感じたりすることを積極的に表現し、伝え合う過程に注意を払いながら、目的や相手、状況に応じて適切に伝えるための様々な工夫を行う態度を養う」。つまり中学校では「適切に伝えるための様々な工夫」を行う態度。そして高校では、最初の部分が同じで、「伝え合う過程を吟味しながら、目的や相手、状況に応じて効果的に伝えるための様々な工夫を行う態度を養う」、つまり高校では「吟味しながら効果的に伝えるための工夫を行う」ということにすると、各学校レベルで何をめざしてのどういう態度なのかを、他の領域とも連動させながら構造的に示せるのではないかと思いました。
 それからもう一つ、資料1の10ページ、これ非常に大事なというかところだと思うんですけれども、資質・能力の柱ごとの目標が、小学校では「日常生活」、中学校では「社会生活」、高校では「生涯にわたる社会生活」というふうにあります。これ自体はとてもいい位置付けだと思います。ただその中で、このこれらの区分の「本質的な違いは何か」ということを示す必要があると思います。その具体的なイメージであるとか意味づけというものをやはり行う必要があるのではないかと思います。
 例えば「日常生活」といったときには、社会学では第一次集団、つまり家族を主な対象とするんですけれども、学校においては日常といったときには学級や地域も含む。ですから家族、学級、学校、地域における日常生活と言いましたら、日本社会の規範であるとか日本人の価値観を理解して、それに適合した言葉を使いこなせるようになること。
 それから中学校の「社会生活」というのは、これは第二次集団を指します。通常第二次集団っていうのは職業別の集団を指しますけれども、ここでは日本社会の規範のみならず、逆に、西洋近代社会における公共の意識とか、経済効率性であるとか、科学技術であるとか、法による統治などですね、ある意味私たちの「社会」が拠って立っている規範であるとか価値観を理解して、それに適合した言葉を使いこなせるようになるということが重要だと思います。つまり私たちが今働き、稼いでいる社会というのは、西洋近代の枠組みが日本の規範よりもある意味上位に位置付けられているので、まず小学校では日本の規範、そして中学では近代の規範の両方を知ること、そしてそれらに適合した言葉が使えるようになることが非常に大事だと思います。
 で、最後に「生涯にわたる社会生活」ですが、高校では、社会生活にプラスして「生涯にわたって」という時間の経過が含まれる。そうなると、日本社会と西洋近代社会の規範を身につけた上で、今度は社会の「変化にどう対応していくか」という能力というものが必要になると思います。この変化への対応能力というのは、西洋近代がもたらした近代の問題、つまり現代の課題とは何か、それはどのように解決できるのか、そして日本、つまり私たちはその問題解決にどう貢献できるのかということを考えられる能力であって、そうした問題意識を持って主体的に解決に取り組もうとする資質というふうに考えると、日常生活、それから社会生活、それから社会の変化に対応していく生涯にわたる社会生活ということで、国語教育の全体構造というものができる。つながりも生まれる。実際に高校の教科書なんかを見てもですね、実はこの段階的な変化を考慮して現時点でも非常によくできてると思います。けれどもこの3つのカテゴリーの違いを「意識化する」ということが必要なんじゃないかと思いました。その上で具体的な項目を考える。長くなりましてすみません。
【島田主査】  渡邉委員、どうもありがとうございました。時間もまいりました。本日もたくさんの貴重なご意見をありがとうございました。
 本日の議事は以上とさせていただきます。本日いただいたご意見につきましては、次回以降のワーキンググループの議題において適宜反映する形でお示ししたいと考えております。
 最後に次回の予定について事務局よりお願いいたします。
【荻野課長補佐】  本日どうもありがとうございました。次回につきましては、3月の上旬を予定しておりますけれども、正式な日程、日時につきましては後日連絡いたします。
【島田主査】  はい、少々時間超過いたしました。それでは以上を持ちまして閉会といたします。皆様、どうもありがとうございました。


―― 了 ――
 

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第三係
     電話番号:03-5253-4111(代表)