令和8年5月26日(火曜日)16時30分~18時30分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【牧野主査】 定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会産業教育ワーキンググループを開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変ご多忙の中ご参加いただきまして誠にありがとうございます。本日は「その他の論点と産業教育ワーキンググループ取りまとめ(素案)」についてご審議をいただきます。なお、次回のご審議をもちまして当ワーキンググループとしての取りまとめとさせていただきます。その後、教育課程企画特別部会、教育課程部会でのご審議を経て、年内には中教審としての答申を取りまとめることとなります。また、本日都合によりまして加藤委員、小坂委員、清水委員、長友委員、西岡委員、藤田委員はご欠席であります。また、小川委員は遅れてのご出席とお聞きしております。また、中島主査代理は途中ご退席とお聞きしております。それでは議題(1)に移ります。資料1「その他の論点」につきまして説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。それでは資料1に基づきまして、その他の論点ということでご説明をさせていただきます。
資料1の1枚目をご覧ください。今回、その他の論点ということで大きく2つ論点を挙げさせていただきますが、その中の1つ目でございます。
1番上の丸でございますけれども、第4回ワーキングにおける「内容の表形式化の具体的な形式」の議論におきまして、職業に関する各教科についてはいわゆる並列パターンで表形式に整理することとした上で、課題研究につきましては各教科の特質や各教科等横断的な学びや探究的な学びを通して身につけるべき資質・能力や、産業教育における探究的な学びを行う際の配慮事項を中心とした内容とする議論を踏まえ、その示し方を別途検討していくということとさせていただいておりました。
この件につきまして、どのように表記していくことが適当かということを論点として挙げさせていただいて、本日ご議論を頂戴したいと考えております。真ん中ほど「検討の前提」というところですが、課題研究におけるこれまでの議論ということを整理をさせていただいております。
第3回のワーキンググループにおきまして、課題研究の方向性についてご議論を頂戴いたしました。1つ目の四角のところですけれども、今後課題研究につきましては現在のように指導項目を示すことはせず、探究課題の設定や指導内容は各学校の特色や実態等に委ねることとし、各教科等横断的な学びや探究的な学びを通して身につけるべき資質・能力や、産業教育における探究的な学びを行う際の配慮事項を中心とした内容とするということ。
また、2つ目ですけれども、探究的な学びは与えられた課題を探究するのではなく、自己の在り方生き方に関わる課題を自ら発見し解決していくことが重要であることに鑑み、例えば課題研究の導入段階で実社会・実生活に関わる課題を探究する活動を取り入れるということ。
また、3つ目、下線部分、赤字のところでございますけれども、課題研究は総合的な探究の時間の代替科目としても考えられるということを前提といたしまして、カリキュラム・マネジメントの中核的な科目として位置づけるといった内容の改善の方向性をご検討いただいたところでございます。
こうしたことを踏まえまして、1番下の「検討の方向性」というところをご覧ください。こうした議論を踏まえますれば、課題研究はその他の科目とは性格を異にし、専門教科を中心に学習する専門高校において共通教科も含めた各教科等横断的な学び、専門高校における実践的・探究的な学びの中核となる科目であり、専門的な知識・技術の深化・統合化を図る科目であるということが言えるのではないかと思っております。
その上で、「今後」というところでございますけれども、こうしたことを前提といたしまして、現在のように指導項目を示すことはせず、探究課題の設定や指導内容は専門性を踏まえつつ、各学校の特色や実態等に委ねる方向で検討を行うところではございまして、こうした総合的な探究の時間に近い性格を有するという科目ではあるところではございますけれども、あくまでも課題研究という科目につきましては各専門教科に設置される科目であり、当該教科の目標を踏まえた指導が行われるという側面を有しますので、また、ここには記述をしておりませんけれども、教科内で形式を統一するということも指導にあたっては重要ではないかというようなことから、ほかの科目と同様に並列パターンということを前提として示してはどうかということを検討の方向性として掲げさせていただきました。具体は2ページ目をご覧いただきたいと思います。課題研究の表形式化のイメージということで、高次の資質・能力といたしまして、統合的な理解と総合的な発揮というものをこのような並列パターンで示すことができるのではないかということでございます。
統合的な理解につきましては、専門的な知識や技能を組み合わせたり、多様な他者と連携・協働したりすることが、産業及び職業における未知の課題に直面しても創造的な解決や新たな価値の創造に繋げることができるということを理解するということ。
また、総合的な発揮につきましては、自ら設定した産業及び職業に関わる課題について科学的な根拠に基づき、実社会・実生活で求められる製品・商品やサービス、価値等を構想・計画し、職業人としての倫理観を持って合理的かつ創造的に解決に向けた選択を行うことができるというようなことで、総合的な発揮という形で示すことができるのではないかということでございます。
こうしたことを踏まえまして、課題研究におきましてもほかの科目と同様に並列パターンということをご提案させていただくものでございます。これが本日の論点の1でございます。
論点の2につきましても続けてご説明をさせていただきたいと思います。こちらは学習指導要領総則の記述に関しての論点というところでございます。農業、水産及び家庭に関する各教科科目の指導にあたっては、各教科科目の10分の2以内の時間数であればホームプロジェクトとして生徒に家庭等において実習させることができるというような規定がございます。こうした規定の在り方についてどのように考えるかということを論点として挙げさせていただきたいと思います。
まずこの資料の右側、現行学習指導要領総則の規定というところをご覧いただきたいと思います。総則の第2款の3(7)のエの(イ)におきましては、「農業、水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たっては、ホームプロジェクト並びに学校家庭クラブ及び学校農業クラブなどの活動を活用して、学習の効果を上げるよう留意すること。この場合、ホームプロジェクトについては、その各教科・科目の授業時数の10分の2以内をこれに充てることができること」というような記述があるところでございます。
このことを前提といたしまして、左側、「ホームプロジェクトについて」というところをご覧いただきたいと思います。具体的にどのような活動がこれまで行われてきていたかというようなところをご説明する部分になりますけれども、1つ目の丸のところで、ホームプロジェクトは高等学校学習指導要領において昭和35年当初より同趣旨の規定がなされており、その内容は各学校での学習の予習や復習や学校で学習したことを家庭で再現することではなく、活動にあたっては目的を立てること、目的を達成するための計画を立てること、計画に従って実行すること、実行の結果を検討することとされるなど、実践的・探究的な学習活動の1つとして行われてきた側面がございます。2つ目ですけれども、農業科におけるこれまでの運用例といたしましては、関連の深い科目にホームプロジェクトの時間を設け、家庭でのホームプロジェクトを行っている者は原則として家庭に帰り、学校農場を借りてホームプロジェクトに代わる学習を行っている者は学校農場で個人プロジェクトを行うといったことを前提に活動が行われてまいりました。具体的には、こうしたことは歴史的に見ますと、特に農業科のほうでございますけれども、農家の指定によります自身の家事の手伝いというような趣が強い活動であったのではないかということが考えられるところでございます。
3つ目の丸のところでございますが、設置当初はこうしたことで行われていたホームプロジェクトでございますけれども、現在は各学校において教育課程の内外を問わず生徒の家庭における探究的な学習全体をホームプロジェクトと呼び実践し、様々な取組が展開され、その実態は一様ではないということが言えるかと思います。
イメージといたしましては、下のところに書かせていただきますけれども、教育課程に位置づけて関連させながら実施する例といたしまして、科目と家庭との実習を1つのホームプロジェクトという扱いをして行い、その家庭における活動を10分の2の中で科目の中に組み入れるということでありますとか、イメージの丸2といたしまして、教育課程外の活動として実施する例ということで、ホームプロジェクトと各教科の科目というものは一線を画して別物として行うわけでありますけれども、総則の規定を用いて10分の2を科目の学習の一部としてカウントすることができるというようなことが考えられるのではないかと思っております。
このように見てみますと、1番下ですけれども、ホームプロジェクトは教育課程との連携を図りながら行われることで教科・科目の学習効果を上げることが期待されるというものでありますが、イメージ丸2のような取組の場合、単なる家庭学習が授業時間と組み込まれてしまう恐れがあるのではないかということで、今回こうした論点を挙げさせていただいたところでございます。
方向性のところをご覧ください。1つ目の丸でございますが、各教科・科目の学びはホームプロジェクトとの効果的な連携を図ることでより充実するものであり、これまで農業科や水産科、家庭科で行われてきたホームプロジェクトの意義や役割は今後も重要であるとさせていただいた上で、2つ目の丸でございますが、ホームプロジェクトの実施方法や実施形態は各学校において様々であることから、ホームプロジェクトということのみをもってその一部を授業時間に充てることができるとするのではなく、教育課程との関連を図りながらその一環として行われるホームプロジェクトに限って授業時間数に充てることができるとしてはどうかということでございます。
もう少しこの趣旨をご説明させていただきますと、ホームプロジェクトということだけで無条件に10分の2を時数カウントしてよいとするような現行の規定ではなく、ホームプロジェクトであっても他の教育活動と同様に教育課程との関連の中で時数を考えるべきではないかというところでございます。こうしたことを踏まえますと、3つ目の丸でございますけれども、充てることのできる時間数の規定は削除してはどうかというようなところで方向性として示させていただきました。
さらに具体的に申し上げると、現行学習指導要領の総則の規定のうち、この上の資料の(イ)のところに戻っていただきたいと思いますが、「この場合、ホームプロジェクトについては、その各教科・科目の授業時数の10分の2以内をこれに充てることができる」としておりますが、この部分を規定として削除してはどうかというようなところでございます。
仮にこれが削除されたということであっても、方向性の4つ目の丸でございますけれども、教育課程外の活動として行われるホームプロジェクトについては、これを単位認定しようとする場合、学校外の学修の単位認定の制度を活用して実施することも考えられるほか、仮に教育課程に組み入れようとする場合には、今次の改訂の議論における単位制の柔軟化の中で多様な学習活動、学校設定科目等として細やかに単位認定する方向も示されており、こうした仕組みを活用して単位として認めていくことも考えられるということを述べさせていただきたいと思っております。
以上で論点の2つ目というところで、ホームプロジェクトの授業時間数のカウントの規定の削除というところの論点を挙げさせていただきました。私からは以上です。
【牧野主査】 ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、ご質問あるいはご意見のある方はお願いしたいと思います。いかがでしょうか。小川委員。
【小川委員】 遅れまして申し訳ありません。論点の1つ目について、ご説明のとおり、専門性とか学校の実態とかを踏まえた部分と総合的な探究の時間との近い性格だということで、この並列で整理されたのではないかと思います。以上でございます。
【牧野主査】 森澄委員、お願いします。
【森澄委員】 課題研究の話題が出ましたので、とても私も経験をしておっていい科目だというふうに自分の経験上思っております。この中で生徒に対して教えているときなんですけれども、実験とか取組をしてとても興味を持って生徒もやってくれています。
ただ、そのあとなんですけれども、考えて実践したあとに数値化をしたり、表形式にしたり、まとめるところで生徒はかなりつまずいていくという、このことが1つのハードルになっているということがあります。
先ほど表の中にあったんですけれども、思考力・判断力・表現力のところで、そこをなんとか生徒に力をつけさせてやりたいなと常々思っているんですけれども、いい表現がないなと自分自身思っていました。表の中を見ていても、もう1つ弱いのではないかと感じましたので、今出していただいている思考力・判断力・表現力のところのまとめる過程が非常に大事ですので、何かいい表現を加えていただけたらありがたいです。
【牧野主査】 そのほかにご質問あるいはご意見がありましたら、お願いします。よろしいですか。
それでは、その他の論点につきましては、ただいまお2人の委員の先生方からいただきましたご意見も踏まえまして、論点1並びに論点2につきまして検討の方向性につきまして事務局から説明があった、こうした方向性でお認めいただくということでよろしいでしょうか。特に異議がないということでありますので、この方向性でよろしくお願いいたします。
それでは次に議題(2)に移ります。資料2産業教育ワーキンググループ取りまとめ(素案)について説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 それでは資料2に基づきまして、産業教育ワーキング取りまとめの素案につきましてご説明をさせていただきます。
本素案でございますけれども、これまで第1回から第7回まで先生方にご議論を頂戴してきたものを、我々事務局のほうで文章としてまとめさせていただいたものになります。項目といたしましては、1ページ目の「1.現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性」、また、4ページ目から「2.目標及び見方・考え方のあり方」、6ページ目から「3.資質・能力の構造化のポイント」、7ページ目から「4.内容の改善のあり方」、11ページ目ですけれども「5.学習・指導・評価の改善充実のあり方」という大きく5つの項目立てで全体を構成させていただいております。これは基本的には各ワーキングを横串を通したような形での項目立てとなっておりますことを付け加えさせていただきます。
それでは、それぞれの項目立てに沿ってご説明をさせていただきたいと思います。1ページ目をご覧ください。
「1.現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性」ということで、大きく(1)から(3)を記述をさせていただいております。(1)は現状の成果、(2)は現状の課題、2ページ目に移りまして、(3)が改善の方向性というところでございます。
まず現状の成果でございますけれども、初めに専門高校の役割・使命ということで、1つ目の丸で専門高校がこれまで果たしてきた役割について記述をさせていただき、2つ目の丸で専門高校に寄せられる期待というのがこれまで以上に高まっているということ。3つ目の丸で、現在専門高校は即戦力人材の育成とともに卒業生の高等教育機関等への進学率の高まりなどから、高度専門職人材の育成の取組も進んでいるという現状を記載をさせていただきました。
また、前回改訂による成果などということで、1つ目の丸で現行学習指導要領における改善の方向性を改めて記述をさせていただくとともに、2つ目の丸におきまして、その中で特に情報化の一層の推進、また地域や産業界等との連携につきましては、文部科学省が実施してきた事業の成果などとも相まって取組が進みつつあるということを記述をさせていただいております。
1ページ目右側ですが、1つ目の丸で情報化の一層の推進や産業界との連携が進んできているという一方で、その産業界の連携に関しましては、内容が数回の出前授業や講演にとどまるなど、連携の深さに課題が見られるということでありますとか、情報に関して申し上げますと、社会や産業が加速度的に進展していく中、社会や産業に係る内容を扱う職業に関する教科だからこそ、時代の変化に伴い柔軟に対応していく必要があるということを書かせていただいております。
続きまして(2)の現状の課題というところでございます。まずこちらでは2040年の産業構造推計に基づく数値などを記載をさせていただいております。1つ目の丸でございますけれども、本年3月に経済産業省が示した2040年の産業構造推計を引用させていただきまして、2行目の後段から、現在の人材供給のトレンドが続いた場合、事務職で余剰が生じる一方、専門的技術的職員が大きく不足することや、高卒普通科人材や文系人材に余剰が生じる一方、高卒工業科人材や理系人材が不足するといった職種間、学歴間におけるミスマッチの発生リスクということを記述をさせていただいております。
次の丸でございますが、このような中、昨年度の工業高校卒業者に対する求人倍率が31.9倍となるなど、専門高校は産業界の強い労働需要に応えきれていない状況にあるということを記述させていただき、1番下の丸のところですけれども、今後我が国のさらなる成長、発展に向けては、専門高校が機能強化・高度化を図り、アドバンスド・エッセンシャルワーカーなど、社会や産業界のニーズに応じた人材を育成していくことが不可欠であり、これに向けて専門高校が特色ある教育課程を最大の強みとして捉え、攻めの教育課程を編成することを後押しする基盤を学習指導要領の改訂等を通じて整えることが重要であるということで、学習指導要領改訂の必要性というものも記述をさせていただいたところでございます。
2ページ目をご覧ください。産業教育に関する課題というところでございます。基本的には第1回ワーキングでお示しをさせていただいている資料を基に作成をしております。1つ目の丸でございますが、現行学習指導要領の趣旨を踏まえ、就職や進学を見据えた高度専門職人材の育成に向けた特色ある取組が展開される一方でというところで、丸1から丸3までの課題を提示をさせていただいているところでございます。
丸1でございますけれども、産業現場の実態に即した実践的・探究的な学びは主に卒業年次の課題研究で行われるが、そこに至るまでの選択科目・履修科目の内容が指導項目を中心として構成されていることと相まってということで、1つ目のポツでございますが、実践的・探究的な力を育成するための学びの積み重ねが十分でないこと。2つ目のポツでございますが、知識・技術の習得に偏った実験実習や資格取得のみに終始するあまり、職業人として身につけるべき資質・能力を踏まえた授業展開が十分ではないということを挙げさせていただいております。
丸2につきましては、産業界等との連携した取組が進められている一方で、単発で学校全体としての持続可能な連携になっていないといったばらつきでございますとか、丸3といたしまして、デジタル技術の日常への浸透により、主たる就職先である地元産業界においてもDXによる変革の余地が大きく、専門教科全体としてデータサイエンス・AIに関連する教育内容を充実させる必要があるというような課題を挙げさせていただいたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、改善の方向性というところでございますが、1つ目の丸でございますけれども、産業教育全体の教科の科目構成につきましては、原則履修科目のうち基礎的な科目において各教科に関する基礎的・基本的な内容を理解させ、それを基盤として専門的な学習に繋げ、課題研究等でさらに専門的な知識・技術の深化、統合化を図るという現行の考え方を継続し改訂を進めることが重要であるということで、現在の構造を踏まえて行うということを書かせていただいております。
2ページ目でございますが、その上で実社会・実生活との接点を持ちつつより一層実践的・探究的なものになるようということで、その下、改善の方向性を示させていただいているところでございます。
実践的・探究的な学びの充実に向けた改善ということで、各教科・科目の構造的な整理というご議論を頂戴いたしました。これは第3回ワーキングにおいて議論を頂戴したものと考えております。1つ目の丸でございますが、何ができるようになるかを意識した教育課程の編成が行われるよう、各教科における領域や分野の学び、系統・体系を整理して解説等において明示するということ。2つ目の丸でございますが、科目の大括り化や統廃合とともに内容の精選を行う。また、各学校の実態に応じて柔軟な教育課程を編成できるよう、科目の特性に応じ内容、指導内容を選択できる構造とするということを書かせていただいております。
続きまして、学習指導要領等の記述の見直しということで、これは第1回目のワーキングにおいてお示しをし、ご議論いただいたものになります。丸の3行目の後段からですけれども、指導項目ベースで示されている現行学習指導要領を抜本的に見直し、何ができるようになるかの視点から資質・能力ベースに改めるというところでございます。
3ページ目をご覧ください。課題研究の見直しについてもご議論を頂戴いたしました。こちらは第3回のワーキンググループにおいてご議論をいただいたものでございます。課題研究については、解説における履修学年を削除するなど、教育課程の柔軟な編成により探究的な学びの深まりを構想しやすくするという方向性。また、2つ目の丸でございますけれども、これまで指導事項ベースで示していた内容を、教科等横断的な学びや実践的・探究的な学習を通して身につけるべき資質・能力、実践的・探究的な学びを行う際の配慮事項等を中心とした内容に改善を図る。また、3つ目、さらにというところで、探究的な学びは自己の在り方生き方に関わる課題を自ら発見し解決していくことが重要であることに鑑み、課題研究の導入段階で実社会・実生活に係る課題を探究する活動を取り入れるようにするというところでございます。
産業界等との連携・協働の一層の推進を図るための改善ということで、こちら第5回のワーキングにおいてご議論を頂戴いたしました。1つ目の丸でございますけれども、専門高校の学びや理論と実践を往還させながら必要な資質・能力を身につけていくというところでございますけれども、その充実のためには産業界等との連携・協働が不可欠であり、特に関連の深い課題研究などの科目を中心として産業界等との連携が確実に行われるよう、その取り扱い等を明示する必要があるということ。また、コミュニティ・スクールなど様々な既存の枠組みを活用することを通して、専門高校において産業界等との持続的な関係を維持し続ける仕組みが構築されるよう、好事例の発信を行うということも付け加えさせていただいております。
職業人として身につけるべき資質・能力の育成を図るための改善ということで、こちらも第5回ワーキングにおいてご議論を頂戴いたしました。産業教育で育成すべき資質・能力を踏まえ、各教科で指導すべき共通の内容を整理し、これを各教科の原則履修科目、基礎的な科目において扱うことというところでございます。
3ページ目の右側、情報活用能力の一層の充実を図るための改善というところで、こちらは第6回のワーキンググループにおいてご議論を頂戴した内容になります。まず1つ目の丸でございますけれども、情報活用能力は総合的な探究の時間や共通教科も含めた各教科・科目の探究的な学びを支え、駆動させる基盤と位置づけられるものであり、このことを各教員が実感を持って理解し、授業改善に取り組むことが重要であるということ。また、その育成にあたっては、情報Ⅰの学びを基盤としつつ、専門分野への応用・活用、現実の課題解決や価値創造といった視点に立って各科目の改善を検討していく必要があるということ。また、後段から、あわせてそのリスクといった負の側面に係る指導も不可欠であるということを記述をさせていただいております。なお、専門教科・科目による情報Ⅰの代替に関する例示がなされ、多くの専門高校において代替が行われているが、安易な代替が行われないよう当該例示の記述を見直す方向で検討すべきであるということも記述をさせていただいております。
加えて、デジタル学習基盤を用いた学びの推進というところにも記述をさせていただいておりまして、1つ目の丸でございますけれども、すでにデジタル学習機器が用いられ、1人1台端末が実現されているということを前提といたしまして、デジタル学習基盤を用いることは単に学習の効率化、省力化を図るのみではなく、そのことにより主体的・対話的で深い学びを実現することにこそ意義があるということや、こうした実践の蓄積は各学校の授業改善をさらに進めることに繋がるものと考えられますので、情報技術等の活用とあわせて好事例の発信を行っていくというようなことを付け加えさせていただいております。
ここまでが1つ目の現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性という項目でございます。4ページ目以降、「2.目標及び見方・考え方のあり方」というところに入ってまいります。(1)目標のあり方というところでございます。こちらにつきましては第2回のワーキンググループにおきましてご議論を頂戴いたしました。2つ目の丸のところから読ませていただきますが、産業教育については、産業教育の目標の柱書きについて以下のように整理することができるというところで、「地域や社会、産業の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力について、実践的・探究的な学びを行うことなどを通して、次のとおり育成することを目指す」というような柱書きにしてはどうかというご議論を頂戴したかと思いますので、そのように記載をさせていただいております。
また、産業教育の目標の3つの柱につきましてですけれども、知・技、思・判・表につきましては第4回のワーキングにおいて、また、学びに向かう力・人間性等については第2回、第4回のそれぞれのワーキングにおいてご議論を頂戴いたしました。産業教育の目標の3つの柱については、現行の目標を踏まえつつ次のように整理することができるのではないかということで、1つ目のポツは知・技に関するところでございますが、「各職業分野について社会的な意義や役割を踏まえ体系的・系統的に理解するとともに、各職業分野の発展及び職業人としての自己の成長のために必要となる技能を身につけるようにする」。また2つ目、これは思・判・表に関するところでございますが、「各職業分野に関する課題を発見し、科学的な根拠に基づいて探究するとともに、職業人としての倫理観を踏まえ、合理的かつ創造的に解決する力を養う」。3つ目、これは学びに向かう力・人間性等に関するところですけれども、「各職業分野の事象に主体的・協働的に関わり、職業人としての視点から、問いを見出し、よりよい解決に向け追求し続けようとする態度を養う。職業人としての倫理観と豊かな人間性を育むとともに、社会の一員として産業の発展に寄与し、よりよい社会を実現しようとする態度を養う」というところでご議論を頂戴したかと思います。4ページの右側でございますが、現行から改訂の方向性を出していただいたその趣旨のところを記載をさせていただいております。目標のうち知・技につきましてはというのが1つ目の丸でございます。2行目の後段のところでございますけれども、職業分野の社会的な意義や役割を理解できるように、また、身につける技能(技術)は各職業分野の発展及び職業人としての自己の成長のために身につけるものであることといった、職業分野の発展とその中での自己の成長という2つの視点を明示する方向で知・技を整理すべきということで、先ほど申し上げたような表現になっているということ。
また、思・判・表につきましては、3行目の後段でございますけれども、科学的な根拠に基づいて探究するということを明示するということや、あわせてこれまで産業教育で重視してきた倫理観や合理的といった要素は引き続き明示するというようなことをご議論を頂戴し、先ほど申し上げたような表現となっておるところでございます。
さらに3つ目の丸ですけれども、学びに向かう力・人間性等につきましては、まずは学習過程との関係で4つの要素を整理した上で、特に産業教育においては他者との対話や協働を重視する必要があるというご議論を頂戴しておりましたので、目標の前面に出すことということや、学びを方向づける人間性に関する内容については、社会の一員としての視点と個人としての視点の両面から記載するというところでご議論を頂戴し、先ほどのような記述となっているところでございます。
なお、ここで示しておりますのは産業教育の目標ということで示させていただいておりますので、今後当該産業教育の目標の考え方、要素を踏まえつつ、各教科固有の視点からさらなる整理を図っていくことが求められるということになろうかと思いますので、そのように記載をさせていただいております。
5ページ目でございます。見方・考え方のあり方というところで、こちら第2回のワーキンググループでご議論を頂戴した内容となってございます。1つ目の丸でございますけれども、こちらは見方・考え方の今回の整理の方向性を書かせていただき、その上で、見方・考え方につきましては、社会や産業に関する事象を職業に関する各教科の本質に根ざした視点で捉え、職業人としての自己の成長と社会や産業の発展につなげることというふうに産業教育としては整理をさせていただきました。
2つ目の丸ですが、特に丸3の当該教科固有の考え方や判断の仕方を表現するところに関しましては、職業に関する各教科が実際の職業につながる教科であることから、当該産業の発展という広い視点で捉えることに加え、その中で成長していく職業人としての自己という視点の双方を明示をさせていただいたところでございます。
なお、見方・考え方につきましても、この産業教育の見方・考え方を踏まえつつ、各教科固有の視点から今後さらなる整理を図っていくことが重要であるということを記載させていただいているところでございます。
6ページ目でございます。ここから「3.資質・能力の構造化のポイント」というパートになってございます。まず1つ目でございますが、表形式化というところで、こちらは第4回のワーキンググループにおいてご議論を頂戴したものとなってございます。2つ目の丸でございますけれども、結論から申し上げますと、職業に関する教科・科目におきましては、いわゆる並列パターンで表形式に整理することが妥当であるということを書かさせていただき、また、本日資料の1の論点の1におきまして課題研究の表形式化についてもご議論を頂戴いたしましたので、ここにさらに項目として追記をさせていただきたいと思ってございます。
続きまして、高次の資質・能力についてというところでございます。こちらは第4回のワーキング及び第5回のワーキンググループにおいてご議論を頂戴いたしたところでございます。丸の1つ目でございますけれども、こちらは高次の資質・能力に関する趣旨を記載をさせていただいております。また、2つ目の丸でございますが、産業教育におきましては特に原則履修科目においてサンプルとして整理することとして、今後その他のすべての科目においても何ができるようになるかといった視点からの科目の見直しにあわせて、各学校における授業改善を促す観点から高次の資質・能力を設定する必要があるという前提に立って、原則履修科目の基礎科目において産業教育ワーキンググループではお示しをし、議論を頂戴したと理解をしてございます。原則履修科目における高次の資質・能力のイメージにつきましては、補足イメージとして示させていただいておりますので、少しご説明をさせていただきたいと思っております。
補足イメージの丸5でございます。高次の資質・能力につきましては、原則履修科目の基礎的な科目として16ページのような形で示させていただいたかと思います。ここにつきましては、考え方や趣旨、ポイントというところで、点線枠囲いで少し補足をさせていただいておりますけれども、丸1といたしまして、実社会・実生活との接点というところで、職業に関する教科であるからこそ、その学びが実社会・実生活にどのようにつながり、身につけた知識や技能をどのように生かすことができるのかという視点を重視して、高次の資質・能力というものを作成しているというところでございます。具体的にはということでございますけれども、「身に付けた知識や技能が私たちの暮らしをよりよくすることにつながることを理解する」という表記でありますとか、「よりよい産業の継承・発展・創造につながることを理解する」というようなところで、そのポイントを表現しているところでございます。
丸2でございますけれども、科学的根拠に基づいた考察というようなところで、重要なポイントとして挙げさせていただいております。今回、この高次の資質・能力を設定するにあたっては、科学的な根拠をもって考察する視点を重視してございます。これにより、情報技術を活用してデータサイエンスやAI等を用いて科学的根拠を見出し、それをもとに課題の発見・解決にあたっていく授業づくりを促すことができるのではないかということでございます。具体的には、矢印にありますとおり、科学的な根拠に基づきというようなところを記載しておりますけれども、そういったところから高次の資質・能力を設定させていただいていると理解をしてございます。
丸3でございますけれども、合理的・創造的に解決するというようなところが1つポイントであろうということで、説明を付け加えさせていただいております。変化の激しい社会の中で、職業人として自ら主体的に判断し、新たな世界や社会を切り拓いていくことができるよう、合理的かつ創造的な課題解決の視点を重視した。これにより、単に既存の技術の適用にとどまらず、課題解決にあたって創造的に新しいアイデアを生み出していくような学習活動の充実を目指すということでございます。具体的には、こうしたことは合理的かつ創造的にという表現でございますとか、未知の課題に直面しても創造的な解決につなげることができるというようなことで表現をさせていただいているところでございます。高次の資質・能力というものがそもそも授業改善につながっていくもの、単元づくりにつながっていくものというところから、今のようなポイントを示させていただいておるところでございます。
6ページに戻らせていただきます。6ページの右側ですね。こちらが今、補足資料とともに口頭で説明させていただいたものになってございます。
説明を続けさせていただきます。7ページ目をご覧ください。7ページ目からは「4.内容の改善のあり方」というところでございます。まず(1)内容の充実についてというところでございますけれども、こちら第3回ワーキングを中心にご議論をいただいたところでございます。まず内容の精選等というところで、2つ目の丸でございますけれども、教科・科目の内容が全体として過密にならないよう配慮しつつ内容の充実を図るというところを事務局のほうで追記させていただいております。
その上で、職業に関する全専門教科に共通する内容の充実ということで2つ挙げさせていただいております。経営管理やビジネスに関する学びの充実ということで、こちら第3回のワーキングにおいてご議論を頂戴いたしました。2つ目の丸のところでございますが、職業に関するすべての教科において関連の深い科目を中心に、経営管理やビジネスに関する内容の充実を図るということ。もう一つ、AIやデータサイエンス等、情報技術を活用した学びの充実というところ。こちら第3回、第6回のワーキングにおきましてご議論を頂戴いたしました。2つ目の丸でございますが、職業に関するすべての教科においてAIやデータサイエンス等、情報技術を活用した学びの充実を図るということを明記させていただいております。
7ページ目の右側でございますけれども、1つ目の丸、具体的にはというところでございますが、各専門教科の情報に関する科目において、情報Ⅰの学びを基盤としつつ専門分野への応用・活用、現実の課題解決や価値創造といった視点から内容の充実を図るということや、2つ目の丸、AIやデータサイエンスは各教科・科目の学びを深める手法として各教科の内容の取り扱い等において配慮事項を示すことが重要ということを記述させていただきました。
ここまでが職業に関する全専門教科に共通することになります。
7ページ目の右側中段以降、各職業に関する専門教科における内容の充実というところがここからの内容になります。農業から順次8教科挙げさせていただいておりますが、これらにつきましては第1回のワーキンググループで教科ごとの改善の方向性ということを示させていただいております。そういったことを踏まえまして、今回新たに提示をさせていただくものでございます。主なものとして少しずつ紹介をさせていただきます。
まず農業でございます。3つ目の丸でございますが、経営感覚の醸成を一層重視した学習の充実や、その下の丸、スマート農業をはじめとする先端的な技術やAI・データ活用、DX等に関する学習の充実。また最後、地域や産業界との連携を取り入れながらプロジェクト学習を中心とした探究的な学習の一層の充実というような改善を図っていきたいと考えておるところでございます。
8ページ目、工業でございます。1つ目でございますけれども、ものづくりの高度化を支える技術の進展に対応した学習の充実や、2つ目でございますけれども、一方で伝統技術への理解を深め、現代技術との融合による創造的なものづくりに関する学習の充実ということ。
また、8ページ目の中段以降、商業でございますが、8ページ目の右側に移っていただき、2つ目の丸のところでございますが、地域資源や知的財産を活用してグローバルな視点から事業を展開する力の育成に関する学習の充実や、その下、企業の資金調達・運用に関する財務管理でありますとか、コーポレートファイナンス、経営課題の分析・改善を支援するコンサルティングに関する内容の充実ということ。
中段以降、水産でございます。1つ目の丸でございますけれども、スマート水産業や水産DXに対応した学習の充実や、この8ページ目の1番下でございますが、産業界の変化やニーズに対応し、新たな価値創造を志向した海洋開発分野の学習の充実といったところを挙げさせていただいております。
9ページ目をご覧ください。家庭科でございます。2つ目の丸でございますけれども、社会の変化やライフスタイルの変化に対応した生活産業や価値創造に関する学習の充実や、その下の丸、アントレプレナーシップの視点を取り入れた学習の充実。また最後でございますが、AI・データサイエンス等を活用した学びを充実する、一方で手仕事や伝統産業に息づく技の良さでありますとか、丁寧さ、文化性の持つ価値を理解し豊かな生活の創造につなげる学習の充実というところを挙げさせていただいております。
看護でございます。1つ目の丸でございますけれども、科目同士の系統的・横断的な指導が可能となるよう、科目の内容を看護の主要概念で再構成ということを挙げさせていただいております。また9ページ目でございますが、2つ目の黒丸、医療安全に関する学習のさらなる充実や、その下、情報技術の進展等における倫理的課題に関する学習のさらなる充実というところを挙げさせていただいております。
情報でございます。2つ目の丸ですけれども、高等教育段階での数理・データサイエンス・AI教育や社会人のデジタルスキル標準等の動向も踏まえた内容の充実でありますとか、新たな分野として、その下の丸でございますが、新たな分野としてデータサイエンス、AIに関する分野を新たに設ける方向で科目の構成を再整理して構造化するということを挙げさせていただいております。
10ページ目でございます。福祉でございます。丸の3つ目でありますけれども、昨今外国人介護従事者が増えてきているということを前提といたしまして、外国人介護従事者や他分野での経験を有する人材など、多様な人材との協働を支えるチームマネジメントや組織運営に関する学習の充実。また1番下でありますけれども、福祉分野の広がりを踏まえ、介護福祉士をはじめとする福祉の専門性を生かした多様な職域やキャリア形成に関する学習の充実というものを図ってまいりたいと考えているところでございます。以上が内容の改善のあり方というところでございます。
11ページ目に移らさせていただきます。「5.学習・指導・評価の改善充実のあり方」というところでございます。左側でありますけれども、学習・指導に関すること、右側に評価に関することを記載させていただいております。
まず学習・指導、主体的・対話的で深い学びの実現というところにつきましては、産業界等との連携・協働、こちらは第5回のワーキングで、デジタル学習基盤、情報技術等のところは第6回のワーキングでご議論を頂戴しております。こちらは3ページ目や、この資料の7ページ目を引用している部分がございますので、この場での説明は割愛をさせていただきたいと思います。
11ページ目の右側、評価の改善・充実というところでございますが、2つ目の丸、加えてというところでございます。産業界等との連携・協働に基づく学びの深まりや、職業に関する内容を学ぶことから、特に作品の製作、発表や実演といった、より専門高校の学びに即した評価を積極的に取り入れていくことが求められるとした上で、産業界等との連携・協働による評価の推進ということで、1つ目の丸、産業界等の外部人材からの評価材料を積極的に加味していくこととすべきということや、2つ目の丸でございますが、事前に学習評価における評価規準等について共通理解を図ることが重要であるという配慮事項も記載をさせていただきました。
また、パフォーマンス評価の推進ということで、2つ目の丸でございますが、ペーパーテスト等の結果にとどまらず、論述やレポートの作成、発表、グループでの話し合い、作品の製作などのパフォーマンス評価を取り入れることが重要ということや、最後の丸でございますが、こうしたことを学習評価に関する参考資料等において留意事項等として整理することが求められるということを書かせていただいたところでございます。
以上、長くなって大変恐縮ですけれども、私からの説明は以上とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、ご質問あるいはご意見のある方は挙手をお願いいたします。
はい、佐野委員お願いいたします。
【佐野委員】 少し感想にもなりますが、発言いたします。
まず実務に携わる立場から今回拝見しており、今回の取りまとめの全体についてはまさしく現場の実態と非常に整合性があって、大変共感を持っております特に理論と実践の往還を重視しながら、実社会との接点を探って探究的な学びを推進していく方向性や、課題発見・解決力、協働といった力を重視している点に関しては、現在の実務の現場で求められている人物像と非常に重なる点が大きいと感じています。
また、AIやデータサイエンス等の情報技術を実際の課題解決や価値創造に結びつけている点も、この現場の変化を踏まえると非常に重要な観点かなと受け止めております。
加えて産業教育の充実に向けて地域や企業との連携・協働が不可欠であり、特に課題研究などを中心にその扱いを明示している点や、既存の枠組みを活用しながら持続的な関係性を構築している点という方向性についても、現場として非常に重要なポイントと受け止めています。
その上で、こうした方向性の実現に向けて、私自身、実務に携わる者としてもできる限りしっかり関与していければなと思っています。また、専門高校の強みである実践性をさらに伸ばしながら、社会と接続した学びへと進化させていく整理になっているかなと感じており、非常に意義のある取りまとめだと感じています。
【牧野主査】 はい、香山委員お願いいたします。
【香山委員】 よろしくお願いいたします。改めて、その他の論点、そしてこれまでのまとめをご説明をいただき、全体を見通す機会をいただいたと思います。感謝申し上げます。
その上で、2点ちょっとご検討いただければと思う点がございます。まずは範囲が狭いところ、情報の専門のところに関しての発言からまいります。
1点目がですね、資料の2の9ページに内容の改善のあり方ということで、産業教育の情報のところをおまとめいただきました。改めて産業教育のほかの分野とも見させていただいていた際に、デジタルという観点ですとか、データサイエンス、AIというのが全体にかかってくるということを踏まえて、この情報の分野ではそこの分野の専門人を育成していくということを考えた際に、育成を狙っていく人材の表現として、今「デジタル人材」という書き方をしていただいているのですけれども、世の中で使われているデジタル人材というところと、この専門教育、情報で狙うところが少し違うのかなという違和感をちょっと覚えました。
先の学習指導要領の書きぶり等も確認をさせていただいたんですけれども、先の学習指導要領では「情報技術者」という言い方がされていたと思います。今回は特に産業教育の情報の中では、データサイエンス、AI分野というのが新しく作られていくところもありまして、情報科学というコンピューターサイエンスの部分も非常に大きくなっていくのかなと思いますと、先の表現と合わせますと、「情報科学・技術者」を、育成を目指していくという表現はどうかなと考えたのが1点です。
2点目は、これは産業教育全体に関わるところなのかもしれませんけれども、改めて今回のご説明をいただき、情報活用能力の強化というところが非常に強く謳われているということを感じたのが1つと、もう1つが単位制の柔軟化、多様な学びを実現するような教育課程の編成というところを非常に重視されているというところ、改めて思ったところです。 資料の1の中で論点の2に出していただきましたホームプロジェクト、こちらでは、今次改訂の議論における単位制の柔軟化の中で、多様な活動を学校設定科目として細やかに単位認定できるようにという記述があったりだとか、専門教育の機能強化、高度化というところの謳われていることを鑑みますと、資料の2のほうの3ページ目ですかね。情報Ⅰの代替のところです。ここは当該の例示の記述を見直すという方向というよりは、ホームプロジェクトと合わせていただくような記述はどうかなと、今回の改訂の強いメッセージになるのかなと思った次第です。大学のほうでもデータサイエンスあるいは情報系の学部としての設立が多くなっているというところ、専門性の高さというところが今示されているところでもありますし、大学構成レベルで、内閣府、文科省、経産省さんが連携して進めておられる数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度というのが、すべての大学生、すべての高専生が学ぶべきと示されているところを高校段階に下ろしてきたときに、今は情報Ⅰがまさにそれに当たるのではないかと考えます。
そうしますと、柔軟な学び方というのは各分野でやっていただけるところだと思いますので、柔軟な教育課程というところにそれが包含されてくるということを考えますと、記述を見直すという方向というよりは、ホームプロジェクトと同じように記述を削除するということで、多様な教育課程の編成ができるというところに含めていくのがいいのではないかと思いました。
そうしていただくことが各分野の機能強化、高度化、つまり専門教科の充実というところに直結してくると考えます。ご検討いただければと思いました。
【牧野主査】 事務局から何かありますか。よろしいですか。
それではいただいた意見は参考にさせていただければと思います。
溝上委員お願いいたします。
【溝上委員】 溝上です。よろしくお願いいたします。
私はとてもよくまとめられていると思っていまして、事務局のこれまでのご尽力に敬意を表して感謝申し上げたいと思います。
感想が中心ですけれども、特に、このスライドの3ページ目のところを見ながらですけれども、左上のところですね、私は課題研究というところに総合的な探究の時間、総合的な探究のポイントになっている実社会・実生活、それから自己の在り方生き方ですね、こういうところをうまく組み合わせていくところに柔軟な教育課程の施策をうまく使ってですね、取りまとめられたところ、非常に感銘を受けて、よくここは落とし込まれたなと感謝しています。まずこれは1つですね。
それから右のところの情報活用能力のところは、いろんな形で、今香山委員もおっしゃったように、いろんな議論がここには集まると思いますね。ここは企画特別部会では情報活用能力をより一般的な、どんな学科であろうとも、どういう学年であってもしっかり基盤として持っていくために、総合探究とカップリングさせて、そこから教育課程全体に広げていくことを図ったわけですけれども、産業教育の場合難しいのは課題研究があって、その総合的な探究が代替されるとなっていてこの仕組みがうまく機能しない。学科によりますけれども、半分ぐらいの学校は代替制度を利用して総合探究やっていないわけです。 共通教科や総合的な探究は学科を超えて学校全体で取り組んでいくものになりますから、各専門科の中で情報教育をやる、その中での質の向上を高めるという話も大事なんですけれども、できる限り全体の中で情報活用能力の育成をお願いしたいと思います。
もう1点ですね。スライド1、よかったら見せてほしいんですけれども。「自己の在り方・生き方」って中黒入れないんですよね。文書のところはすべての資料において中黒ないんですけれども、この山のところだけあります。ここは皆さん結構コピペして使いますので、直して最後仕上げていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【牧野主査】 よろしいですね。はい、溝上委員ありがとうございました。森澄委員お願いいたします。
【森澄委員】 いつもありがとうございます。
2040年の産業構造推計を示していただきながら、産業教育に対する期待であるとか、今後の様子をしっかり示していただいて、とてもよくまとまっていっているなと思います。私たちにとってもとても分かりやすくて、よくまとまっていると感じております。 このところなんですけど、これからの産業教育への期待も大きいんですけれども、どうしても条件整備というか、地方の学校にとっては同じものが得られない場合があります。例えばインターンシップであるとか、立地条件に作用され、限られた状況の中で実施しなければならない。地方の学校、小さな学校でも何か画一的に条件整備のようなもの、教育委員会なのか自治体なのか、なんらかの手立てがあると、より産業教育は発展するのではないかと思います。今後最後のまとめにかかるというところですので、ご検討いただきましたら非常に助かります。どうぞよろしくお願いします。
【牧野主査】 よろしいですか。 小川委員お願いいたします。
【小川委員】 取りまとめありがとうございます。私のほうから確認をさせていただければと思います。
資料の16ページ、高次の資質・能力のところでございますが、この表のオレンジ色の「知識及び技能(技術)」という記載ですけれども、この記載について以前のワーキングの議論の中でございまして、ここに(技術)を入れていたのだと私としてはありがたいなと思います。
かたやですね、先ほどの課題研究の資料1のところの同じ並列形式のところには、中核的な科目であるからおそらく(技術)がなく技能でとどまっているのかと解釈をするのですけれども、そのあたりについて補足のご説明をいただけるとありがたいですけれども、よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 要するに、どうしてこっちには技術が付いていて、こっちには付いていないんだということですが、事務局何かありますか。
【栗林産業教育調査官】 大変失礼いたしました。表記の統一が取れていなくて大変失礼いたしました。
現段階の資料の中では「技能(技術)」というような表記で統一をさせていただいているところではございます。これを最終的にどのように表現していくか、これを知識及び技能というふうに言い切るのか、もしくは従来どおり技術とするのか、そういったところの議論がまだ熟度が足りないかなというところで、今併記をさせていただいているというようなところで。
また最終的な取りまとめに向けては、委員の先生方ともご相談をさせていただきながら、最終的な表記をしっかりと決めてまいりたいと思っておるところでございます。
【牧野主査】 よろしいですかね。
【小川委員】 分かりました。
【牧野主査】 そのほかに質問あるいは意見がありましたらお願いいたします。
特にないようでございますので、それではただいまそれぞれの委員の先生方からいただきました内容も踏まえまして、この産業教育ワーキンググループの取りまとめ素案についてはこうした方向性でまとめていくということでよろしいでしょうか。
それでは本日の議事につきましては以上とさせていただきます。最後に次回の予定につきまして事務局からよろしくお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 次回でございますが、令和8年6月22日月曜日15時半からということで予定をさせていただきたいと思いますが、また正式には後日連絡をさせていただきます。
【牧野主査】 それでは以上を持ちまして、本日の産業教育ワーキンググループを閉会とさせていただきます。
―― 了 ――
電話番号:03-5253-4111(代表)