教育課程部会 産業教育ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和8年2月20日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 取組報告
  2. 職業に関する各教科における実践的・探究的な学びの充実等について
  3. その他

4.議事録

【牧野主査】  定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会産業教育ワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙の中ご参加をいただき、誠にありがとうございます。
 本日前半は議題(1)といたしまして、取組報告の時間を設けさせていただいております。本ワーキンググループの佐野委員から、探究学習における問いを立てる力の育成についてご発表をいただき、その後、株式会社内田洋行の井上様から、マイスターハイスクール事業の成果報告についてご発表をいただきます。その後、議題(2)といたしまして、職業に関する各教科における実践的・探究的な学びの充実等についてご審議をいただきます。なお、本日都合によりまして、柴田委員、西岡委員、吉野委員、長友委員はご欠席となります。
 これより議事に入ります。発表者のお二方には、資料1-1、1-2に沿って、それぞれ10分程度でご発表をいただき、その後20分程度質疑応答の時間としたいと思います。それでは初めに、佐野委員よろしくお願いいたします。
【佐野委員】  はい、改めまして、ただいまご紹介いただきました佐野と申します。NTT東日本にて新規事業、特に次世代教育事業を推進しております。今日はこのような貴重なお時間をいただきまして、本当にありがとうございます。探究学習における問いを立てる力の育成というテーマのもと、当社の取組を発表させていただきます。先生方の前で発表することに少々緊張しておりますが、ぜひ優しく見守っていただければと思います。
 発表の流れですが、まずNTT東日本が目指す姿、そしてなぜNTT東日本が次世代教育に取り組むのか、その思いと背景、そして具体的な取組をお伝えしていきたいと考えております。
 私たちNTT東日本は、固定通信の会社として日本中の通信インフラを整備し、支えてきました。しかし今、地域では災害、人口減少、インフラの老朽化など、通信だけでは解決できない課題が様々生まれています。そこで私たちは、通信会社という枠を超えて、地域の課題を解決するソーシャル・イノベーション・パートナーとして大きく舵を切り、パーパスとして地域循環型社会の共創を掲げて事業を推進しております。地域に根差し、技術に強いNTT東日本だからこそ、教育を含む他分野で社会課題解決に貢献できると考えています。具体的には、一次産業、防災、ウェルビーイングなど、多様な多くの領域の課題解決に日々チャレンジしています。
 そこで鍵となっているのが、現場と技術を繋ぐこと。例えば農業分野では、地域の農家の方々とテクノロジーを繋いで、最先端の次世代施設園芸の普及などにも取り組んでおります。このような社会課題の解決に取り組む中で、私たちは現場の複雑さや、人の力が持つ影響の大きさを目の当たりにし、次世代リーダーの存在が不可欠だと改めて気づかされました。そして、その次世代リーダーを育むためには、地域、企業、学校が協力し、共に育むことが欠かせません。
 では、私たちが考える次世代リーダーとは何か。それは、問いを立てる力と実現する力を結びつけられる知恵を持つ人だと我々は考えています。地域の課題は複雑化し、お金や技術だけで動かない局面が確実に増えてきています。だからこそ、社会を前に進めるためには人の力が大切です。現場に向かい合い、課題を捉え、動き出す、その一つ一つの行動には、知識だけでは生み出せない知恵が宿ると私たちは考えています。
 そして、この知恵を備えた次世代リーダーこそが、当社が掲げる地域循環型社会の共創に不可欠です。その次世代リーダーの必要な知恵を育むのが、探究学習だと我々は考えています。学校の現場の学びというのはもちろん重要ですが、それだけでは学べない大切なことが実社会にはあると思います。それを学ぶために、生徒一人一人が地域に出て、問いを立て、課題を見つけ、そして自ら動く。我々はデジタルとリアルの強みを生かして、そうした探究学習のご支援に取り組んできています。地域の人材と地域の未来を繋ぐことを使命としており、この思いこそが私たちが人材育成に本気で取り組む理由です。
【牧野主査】  佐野委員のほうの発表がまだできそうにないということですので、順番を変えさせていただきまして、株式会社内田洋行の井上様からの発表を先にさせていただければと思います。井上様、よろしくお願いいたします。
【井上様】  それでは、私のほうからの発表とさせていただきます。マイスターハイスクール事業で調査研究を担当しております、内田洋行教育総合研究所の井上と申します。このような貴重な機会をいただきありがとうございます。本日は、産学連携が生徒に与える影響と、産学連携を支える体制というテーマでご報告をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、マイスターハイスクール事業の概要について簡単にご説明をいたします。本事業は大きく2つに分かれておりまして、令和3年度に開始をしたマイスターハイスクール事業に加えて、2年前から普及促進事業も実施されております。事業の趣旨を簡潔に申し上げると、専門高校における産業人材育成を目的に、産業界等との連携体制を構築して、産業界と一体となった学びを充実させるというような取組であります。
 今年度の指定校は51校でありまして、地域によってはこれに連携校も加わります。取組の開始年度は学校によって異なりますが、いずれの学校も地域の産業界と連携しながら学びの充実を進めているという点が共通しております。当社内田洋行は本事業において調査研究を担当しております。主なミッションはこの3点でございます。全国における産学連携の実態把握、連携体制をどのように構築するかという点の検証、それから産学連携の効果の整理であります。
 本日は今年度実施をしたアンケート調査の結果を中心にご報告したいと思います。アンケート調査は大きく2種類実施をいたしました。1つ目が全国の専門高校を対象とした調査です。全国の専門高校3割弱にご協力いただいた大規模な調査であります。もう1つがマイスターハイスクール事業の全校調査であります。学校に加えて、生徒、教職員、それから連携先の産業界、自治体にも回答をお願いして、より多面的に把握できるようにしております。つまり、全国調査で広く把握し、マイスター調査で深く確かめるという設計になっております。分析は現在進行中なのですが、現時点で明らかになっている主な結果についてご報告をしたいと思います。
 まず、産学連携の実施状況であります。これは全国調査のみで尋ねている項目です。全国では9割弱の学校が産学連携を実施していると回答しております。ただし、教育課程の一環として実施しているというのは54%にとどまっております。次に、産学連携を通じてどのような取組を実施しているかを見てみます。全国、それからマイスター校ともに実施割合が高いのは、出前授業と短期のインターンシップでありました。
 取組内容をかなり細かく聞いているので分かりにくいんですが、大きく4群に整理ができます。1つ目が教育課程への関与が限定的な連携であります。例えば、年に数回の出前授業とかイベントの参加などが該当します。2つ目は教育課程に深く関与するような連携です。プロジェクト型の学習や共同研究、課題研究といった取組です。3つ目が学校外での活動、インターンシップや企業見学など校外の学習機会。4つ目が学校と産業界の対話や調整など、学習活動そのものではなく連携の基盤づくりに当たるような取組であります。
 マイスター校と全国の平均を比較しますと、プロジェクト型や課題研究型の学習、共同研究といった教育課程に深く関与するような取組は、マイスター校の実施割合のほうが高いということが分かります。マイスター校の生徒にもどのような取組を経験したかを尋ねています。結果としては、講義や会社見学、インターンシップというのが中心で、学校側の回答とおおむね同じような傾向でした。一方で、調査研究や共同開発、長期のインターンシップといった産業界と継続的に深く関わるような活動は、生徒ベースで見るとまだまだ割合が低いということが分かります。
 次に、産学連携の効果です。これはマイスター校の学校だけに尋ねている項目なんですが、回答として1番多かったのは地域との関係が深まったという点です。加えて、生徒のキャリア意識が高まった、学習意欲が高まったといった生徒の変化に関する効果も挙げられております。生徒アンケートのほうでは、産学連携で得たことを自由記述で書いてもらいました。内容を大きく4つに整理してみました。1つ目が職業・産業理解の深化です。教科書では得られない現場のリアルを知れた、企業の人は一生懸命考えていてすごかったといったところです。2つ目が将来、進路意識の形成。働くことのイメージがついた、進路に前向きになったなどです。3つ目が学ぶ意義の理解。学んだ知識がどのように社会で生かされているのか分かった、自分の学んでいることが本格的だったということが分かったというところです。4つ目が学習意欲の変化。もっと知識を蓄えたい、もっと頑張りたいというような意見が見られました。ほかにも生徒には取組の評価の項目も聞いております。結果として、ほぼ全ての項目で肯定的な回答が8割前後となっております。ただ、これまでの結果を受けて、単純に産学連携がいいと結論づけるのは注意が必要かと思います。
 今回、生徒調査は6,700人規模なんですが、実際に何を経験したか、経験した内容は学校や生徒によってかなり異なるはずです。全体平均だけではそういった違いは見えません。そこで次に、何を経験したかによって生徒の自己評価がどのように異なるのかという点に着目して見ていきたいと思います。生徒アンケートで産学連携の自己評価に関わる24の項目を大きく2つの尺度、主観的成果尺度と社会人基礎力尺度にまとめてみました。その上で、この生徒の評価をこの2つの尺度で見ていきたいと思います。まず、主観的成果尺度です。縦軸に産学連携の取組が並んでおりまして、このグラフは取組の経験ありと経験なしの生徒、それぞれの平均値を表しています。この表は、上に行けば行くほど差が大きくなるように並び替えています。ただ、それぞれの差が実質どれぐらい意味のある差なのかが分かりにくいので、統計的な分析を行って標準化平均値差(効果量)という指標も出しています。詳細を割愛しますが、差が0.2ぐらいなら小さい差がある、0.5ぐらいなら中程度の差があるというふうに解釈できます。
 改めて見ていきますと、例えば企業イベントやインターンシップ、会社見学などの取組では、その経験をしたかしていないかでほとんど評価に差がないんです。逆に上のほう、差が結構認められるような取組は、産業界の人と一緒に商品開発をしたり、探究活動をしたり、長期インターンシップのような長期間で濃密な取組をしたということが分かります。同様に、社会人基礎力のほうも計算しておりまして、やはり同様の傾向が見られています。ただ、もちろん因果は断定できませんので、取組をしたから評価が上がったという可能性もあれば、元々自己評価が高い生徒がそういう取組に参加しやすかったという可能性もございます。
 ここまでまとめると、継続的で深い関与の取組を経験した生徒のほうの自己評価が高い傾向が見られました。生徒にとっての産学連携の効果を高めるなら、単発の経験にとどめずに、継続的、協働的な取組を増やすことが重要である可能性があると言えると思います。つまり、先ほどの表で言う右側のような取組、継続的・密接型な産学連携をいかに増やしていくかというのがポイントでありまして、実はマイスターハイスクール事業というのはまさにそれをするための体制を作るための事業でありました。マイスターハイスクールは、地域産業の発展を担う人材の育成を、学校と産業界が連携して持続的に行うための仕組みを作る事業でありました。
 これを実現するには、3つの柱があると思います。1点目は教育課程の位置づけです。生徒にとって価値のある連携にするには、継続的で濃密な取組をやるほうが望ましい可能性がある。そのためには教育課程に位置づけて、ちゃんとした学びにする必要があるということ。それから、もし教育課程に組み込んで毎年きちんと回そうとすると、先生の個人的な付き合いでお願いするという形ではどうしても限界がありますので、組織同士の関係にならないと毎年安定して続けるのは難しいと思います。組織として継続的に関わる以上、産業界側も善意だけでは続きません。産業界にとっての価値をきちんと見える形にして、学校と産業界がどんな人材を育てたいのか、その価値は何かというのを共有して、納得してもらった上で進めるということが重要かと思います。こうやって見ると、産学連携と言っても単発型と継続型では目的も取組も全然違うということが分かるかと思います。
 ここに違いをまとめてみたんですが、ポイントは、単発型は点での関与でいいので、学びの目的などを共有せずに説明だけお願いするということができますが、継続的になりますと、さすがに育成すべき人材像や学習目標を共有しなければ、産業界の方もちゃんとコミットすることはできないでしょう。
 実は、さっきのグラフをもう一度ご覧いただきたいんですが、取組の実施割合の中でマイスター校と全国で1番差があるのが「学校と産業界でビジョンを協議した」という項目です。まさに育成すべき人材像や学習目標を共有している様子がここから見て取れるんじゃないかと思います。全国の調査だけで見ても、このビジョンの協議をしている学校としていない学校を比べると、協議している学校のほうが多くの取組で実施割合が明らかに高くて、産学連携の活動全体が活発になっていることが分かります。継続型の産学連携で1番重要なポイントは、取組の内容もそうですが、やはり計画段階のすり合わせ、つまり学校と産業界で対話しながらビジョンやシナリオを作って共有していくことだと思います。
 では、どうやったら学校と産業界が対話しながら検討できるようになるんでしょうか。これは学校の状況や地域の関係性もいろいろありますので、万能の正解というのはおそらくないと思います。いろんな論点があるんですが、この中の1つについて今日簡単にご紹介させていただきます。それは学校と産業界の関係性です。当たり前ですが、産業界との対話は関係が深まらないとできません。マイスターハイスクール事業では、学校と産業界の関係を4つの段階で整理しています。学校と企業が初めて出会った段階をステップ1「垂直的関係」として、徐々に関係が深まって「水平的関係」「協働的関係」、そして最後「持続的関係」になるという図式です。継続的な連携をする場合、学校と産業界がウィンウィンであることが前提なので、やはりこの「協働的関係」を目指すというのが1つの目安かと思います。ただ、マイスター校に産業界とどんな関係かアンケートで尋ねたところ、1番多いのが水平的関係で、協働的関係以上と回答したのは3割強にとどまっています。
 実はこういったアンケートもあります。左側、関係の深まり段階と産学連携の取組を誰が検討したかという質問を組み合わせてみると、関係の浅い段階では学校が主導して検討した割合が多いです。関係が深まるにつれてその割合が減り、逆に対等な立場で検討したり、コンソーシアムを通じて検討するという割合が増えてきます。関係の深まりと対話の機会はやはり連動しています。また右側、関係の深まりとどれぐらい前から産学連携に関わってきたのかを組み合わせてみると、少し母数は少ないんですが、どの段階においても7年以上前から連携していると答えた学校が7割ぐらいいます。つまり、産学連携を長くやっていれば自然に関係が深まっていくとは限らないということです。だから関係を深める鍵は結局コミュニケーションなんだと思います。自然に関係が深まるのを待つだけではなくて、意見交換や対話の場を意図的に設計して作ると関係が深まりやすいというのがアンケートからの示唆になります。これでご報告を終わります。ご清聴どうもありがとうございました。
【牧野主査】  それでは続きまして、佐野委員、続きから発表をよろしくお願いいたします。
【佐野委員】  はい、申し訳ございませんでした。次世代リーダーに必要な知恵を育むのが探究学習だと考えています。学校での学びはもちろん重要ですが、それだけでは学べない大切なことが実社会にあると考えており、それを学ぶために生徒一人一人が地域に出て問いを立て、課題を見つけ自ら動く。我々はデジタルとリアルの強みを生かして、そうした探究学習のご支援に取り組んでいます。地域の人材と地域の未来を繋ぐことを使命とし、その思いこそが当社が人材育成に本気で取り組む理由です。
 一方で、NTT東日本としても従来のネットワークをはじめとする教育ICTの構築に合わせて、探究学習にもご支援をさせていただいています。ここからは具体的な取組をご紹介します。当社が提供するソリューションの中核となるのがNTT e-City Laboという施設です。ここは当社が展開する通信・一次産業・最先端テクノロジーなど、80以上の社会実装ソリューションを実際に目で見て、肌で触れて体験できる施設になっています。東京ドーム2.5個分の施設に多様な施設を整えております。元々は国や自治体、企業の皆様にご案内していた施設ですが、ここ1年2年では探究の問いを見つけ、深める場所として、全国から多くの生徒の皆さんにご活用いただいています。東京の調布にございますので、もしよろしければご来場ください。
 さて、具体的な取組の話に戻りますと、このLaboを活用したワークショップをご提供しています。このワークショップではまずは施設を見学・体験いただく中で生徒の思考・発想の幅を広げ、その状態で全員参加型のワークショップを実施することで、一日中探究に没頭できるプログラムです。そして学校に戻った後には事後学習に活用いただける動画教材もご用意しています。実際、生徒の多くの生徒の皆さんに触れ合う中で、いきなり探究の中で「問いを立てて」と言われても難しい子が多くいます。私たちはワークショップや動画教材などを通して、そうした生徒が自分で問いを立てられるようになる工夫・支援を行っております。
 これまで多くの学校様にご支援を行っておりますが今日はその中から、利根実業高等学校様へのご支援の事例をご紹介させていただきます。利根実業高等学校は、農業系・工業系を併せ持つ専門高校で、3年次の課題研究に向けて、研究テーマのもととなる問いを育む機会の不足に課題感を感じておられました。学科ごとの専門性がありながら、生徒の興味・関心に基づくテーマを設定するためにも、特に実社会の現場に触れて、問いを醸成・育成する場と、実際に問いを立てるノウハウが求められていました。そこで私たちはNTT e-City Laboなどの当社の様々なアセット・ノウハウを活用しながら、問いを立て・育てるプログラムをご提供しました。このプログラムですが、ワクワクする多様な体験と自分の想い簡単に表現できる仕掛けという2つを重視しています。1つは次世代店舗やデジタルアートなど、実際に社会で使える多様なソリューションの体験によって、様々なことを感じてもらう。そして、感じたことをレゴを通じて表現・言語化することで、周りとは違う視点や自分の好奇心から湧き出る問いが立てられる。そうした、「問いを難しいものと捉えずに、体験で感じたことを表現し、育てていく」というデザインが、私たちの「問いを立てる支援」の考え方になっています。実際に体験いただいた先生方からも、興味・関心をうまく表現できない1年生の生徒にとっても、言語化を促進し、課題研究に繋がる良いステップになったというお声もいただいております。
 ここからはもう少し具体的な支援の内容についてご説明します。私たちは、「初発の思考と好奇心の表現、表現した内容の言語化、問いの設定」の3つのステップでご支援しています。工夫している点の1つとしてはレゴを活用した表現です。レゴはアイスブレイクにとどまらず、生徒の興味・感覚を可視化し、他の生徒の対話の起点となると考えています。レゴを通じて行われる会話の中で、自分と他者との視点の違いに触れることで、興味・関心がより具体化され、それが問いに繋がると考えています。また、いきなり言葉で問いを立てることが難しい生徒にとっても、まずは手を動かすだけで表現できるプロセスは、問いの出発点を作る上では有効な手段だと考えています。実際に参加した生徒さんからも、「農業ではどのような生成AIの活用があり、どんな影響が生じているか」など、様々な問いが立てられました。
 私たちは今、このプログラムを主にNTT e-City Laboなどでご提供していますが、これは場所を問わない実践出来る内容です。学校ごとの実情によって出来ること・できないことは様々なかと思いますので、私たちとしても教育現場に寄り添って、更に取組みを広げていきたいと考えています。
 さらに、e-City Labo以外のフィールドでもご支援を行った事例もございます。それがバイオマス発電を活用した資源循環をテーマとする実証施設、森の恵みの研究所になります。この施設では、地域の未利用木材を木質チップ化し、木質バイオマスの熱電併給で得た熱を、菌床シイタケの栽培やドライフルーツ製造などにも活用しております。循環の仕組みに関しましては、スライドのとおりになっております。この施設を活用して、生徒の皆さんには資源循環の現場を見て、実際に事業に携わる社員と直接対話する機会をご用意しました。授業で習うSDGsなどの概念をこうした現場を通じて体験することで、より具体的で多様な問いへの発展を促しています。先生方からも、これから先必要とされる農業の在り方などを探究する良い機会になったというコメントもいただいております。
 最後になりますが、全国には生徒が実社会と出会い、学びを深められる多様なフィールドが広がっていまNTT東日本グループにも「e-City Labo」や「森の恵み研究所」など様々な施設がありますが、それは数ある選択肢の1つに過ぎないと思っております。大切なのは、生徒が本物に触れ、社会の仕組みや課題を自分ごとにして捉えることだと。こうした実体験は興味・関心を刺激し、問いを生み、探究を前へ進める確かな力になります。
 ぜひ、産業界と積極的につながり、学校だけでは得られない体験の機会を広げて頂きたい。全国の地域・企業にも、生徒たちの学びを支える様々なリアルな探究フィールドが存在しており、その中で出会うワクワク体験こそが学びを前へ動かす大きな原動力になるのではないかと考えております。本日は音声等、大変失礼いたしました。発表は以上になります。
【牧野主査】  それでは、これまでのご発表を踏まえまして、ご質問・ご意見等があればお願いしたいと思います。それでは、小川委員、お願いいたします。
【小川委員】  どうもご説明ありがとうございました。商業部会の小川でございます。佐野委員にご質問をしたいのですがよろしくお願いします。本校は東京都にございまして、先ほど群馬県の事例がありましたが、もし東京都の学校が探究活動で活用させていただくような場合どのような頻度で、例えば群馬県の学校でしたらどのくらい訪問をしたりされているのでしょうか。東京都の学校としても生徒を訪問させて、ぜひ繋がりたいと思った次第です。よろしくお願いします。
【牧野主査】  はい、お願いします。
【佐野委員】  はい、小川委員、ご質問いただきまして本当にありがとうございます。まず、e-City Laboに関しましては、ぜひお越しになっていただき、我々とご一緒に問いを立てるということ等をご体験いただければと思います。
 更に当施設には様々な社会実装のソリューションが80以上展開しておりますのでで、生徒さんが多角的に見て体感頂くことでワクワク感が醸成できればと考えております。
 お越しになる機会等に関しましては、学校様個々だというふうに認識しておりますので、それぞれの学校様とお話しさせていただきながら、回数などは設定させていただいております。そのため、各校の状況に応じて柔軟に調整させて頂いております。  
 また、群馬に限らず、当社で言えば様々な地域と連携をしておりますので、学校の皆様方とご相談させていただきながら、どういうことを学びたいか、またどういう地域の方々と対話をしたいかというニーズを聞きながら進めさせていただいております。こうした点を踏まえ、地域ごとの特色に応じて最適なプログラムをご提案しております。回答になってますでしょうか。よろしくお願いします。
【牧野主査】  それでは、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  はい、よろしくお願いいたします。ご発表いただきましてありがとうございます。まず井上様にお願いをしたいと思います。先ほど教育課程に位置づけられている取組ということでお話もいただきましたが、教育課程は非常に幅広いものですので、具体的な教育活動、教育課程にどのように位置づけられているのかぜひお聞かせいただきたいということ。
 次に、井上様、佐野様にお願いしたいのですが、探究学習を行うにあたり、教員の言葉がけというのはすごく大切なものと思っているのですが、この言葉がけに関するような研究であるとか事例があれば教えていただきたいと思います。
【牧野主査】  はい、お願いします。
【井上様】  まず教育課程の中でというところでございますが、これについては各学校それぞれの取組の中でというところでありますので、なかなか一概には言えないところであります。例を挙げさせていただくと、やはり課題研究の中で企業さんが入って継続的に一緒にプロジェクトを回すとか、共同研究をするといったことが比較的多いのかなと思います。1、2回出前授業をするとか講演に来てもらうといったことではない、割と継続的に長期間にわたって企業さんが関与するような取組を、教育課程に深く関与した取組として位置づけられているのかなと思っております。それからもう1点、言葉がけについては、ちょっと私どものほうでは把握しておりませんというところで、ご回答になっておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。
【牧野主査】  よろしいですか。それでは、小坂委員、お願いいたします。
【小坂委員】  すいません、ちょっと本日移動しながらの参加で画面のほうオフですみません。音声のみでお願いいたします。2番目のご発表していただいたデータの部分なんですけれども、目標を一緒に設定しているとか、それはただ長期的にやっていればいいというものではないというご指摘だったと思うんですけれども、本当に私は昨年度まで実践しておりまして、まさにそのとおりだなと思っております。どうしても我々、いくら最新の知識を企業に学びに教員として行っても、学んだ瞬間にどんどんずれていく。そうじゃなくて、企業側の方たちとこれからの人材育成はどうあるべきだろうかというところや、文科省の定めている人材育成の部分と学校でできること、こういったことを目標設定するというのがすごく大事だなと思っております。そこにさらに子供たちの声がちゃんと入っているかどうかが、なかなか現場ではできないところですので、それも文言として実例として出すべきじゃないかと思いました。一人よがり、それぞれの業界でもそうですし、学校でもPTAも地域もそうなんですけれども、それぞれが別の目標設定をしてしまうようなところが今までありましたので、非常に参考になりました。
【牧野主査】  井上様、何かあります?よろしいですか。
【井上様】  若狭高校さんの事例は大変我々も勉強させていただいております。
【牧野主査】  それでは続きまして、香山委員、お願いいたします。
【香山委員】  はい、香山です。よろしくお願いいたします。井上様、佐野様、双方にお伺いしたいことがございます。まず、井上様のほうの内容でございます。マイスターハイスクールの内容を大変詳しく教えていただいてありがとうございました。
 2点教えてください。まず、学校と産業界でビジョンを共有することが重要という結果をお出しいただいたんですけども、その際の産業界というのはどういうまとまりなのでしょうか。例えば、その地域の商工会とかなのか、特定の企業様なのか、どういったまとまりと学校がやり取りをされているのかなというのが1点です。
 2点目が、学校と産業界とビジョンを共有するといったときに、これは大学の側も産学連携のときに同じような課題を抱えるんですが、誰が調整するのかというところで、大学の場合は例えば産学官コーディネーターなんかがいたりするところだと思うんですけども、現場の先生方、ただでさえ忙しいところにこのお仕事が降ってくると罰ゲームでしかないように思ってしまいまして、どなたが、調査の中ではなかったのかなとも思いながらも伺っているのですが、お分かりになる範囲で教えていただければと思います。お願いいたします。
【牧野主査】  はい、それでは井上様、お願いいたします。
【井上様】  まず1点目でございます。産業界の構成でございますが、これはマイスターハイスクール事業の中ではいろんな形態がございました。少数の企業が学校と連携をされているというところもありますし、より多くの企業が関わられているケースも当然ございます。それから産業団体、いわゆる商工会などが関与されているケースもございます。特に学校と企業それぞれがというよりも、ある程度成熟してくると、学校と企業、基礎自治体がまとまって、その学校の学びを支えるようなコンソーシアムを作って、その中で活動するというところまで行くと、継続的な取組になるのではないかというところでございます。これは関係の深まりによって随分違うところでございます。
 それから2点目でございます。誰が調整するのかというところ、重要な問題でもあるかと思います。マイスターハイスクール事業の調査でも教職員の負担感が大きな課題としてあげられておりました。そういったときにマイスターハイスクール事業で非常に有効であったのが、産学連携コーディネーターや、マイスターハイスクールのときはマイスターハイスクールCEOという方が企業の中からいらっしゃって、学校に常駐をしておられました。単なるコーディネーターではなくて、学校の中のマネジメントも含めてされるような役割の方がいらっしゃって、これが非常に機能をいたしました。成功している学校さんではこういう方々が非常によく活躍されているという事例がいろいろとございます。以上でございます。
【牧野主査】  はい、よろしいですかね。続けていただいて結構です。はい、お願いします。
【香山委員】  佐野様、お願いいたします。デジタルとリアルで探究学習をサポートというところのお話、ありがとうございました。場所が調布にあるということなんですけども、地方からの利用の際に、例えばバーチャルな体験を提供されておられるとか、現地に行かなくてもできるような工夫があるのかというのが1点です。
 2点目が、デジタルとリアルの探究学習というところで、デジタルになってくると、やはり情報技術のような基本スキルというところも大事になってくるのかなと思います。今回の取組を通してその基礎力としてデジタル、あるいは情報というところの必要性というのはどの程度だったのかというところを教えていただければと思いました。お願いいたします。
【牧野主査】  はい、お願いします。
【佐野委員】  はい、ご質問いただきましてありがとうございます。まず 1点目の「地方からの利用・バーチャルでの体験」についてですが、おっしゃるとおり、施設にお越しになれない生徒の皆様に対しても、オンラインで施設の内容や学びのプロセスをご体験いただける仕組みを用意しております。e-City Laboの「設備そのもの」を紹介するだけではなく、私たちが大切にしている“問いを立て、それを深めていくストーリー”や“探究の進め方”についても、オンラインで共有できるよう工夫しています。
 続いて 2点目の「デジタル・情報の基礎力」についてですが、委員ご指摘のとおり、探究活動の中でもデジタルスキルは非常に重要だと感じております。私たちは教育専門家ではございませんが、日々デジタル技術を活用しながら社会課題に向き合っておりますので、その知見やノウハウを、来訪時には直接、また地方の学校様にはオンラインを通じてお伝えしています。生徒の皆様が問いを立てる際にも、デジタルを使いこなすことが“思考の幅を広げる”きっかけになると実感しております。そのため、対面・オンラインを問わず、生徒の皆様が実際の課題に触れ、デジタルをどう活用できるかを一緒に考える機会を提供することを大切にしています。
【牧野主査】  あと3人の委員の先生方から手が挙がっておりますが、ほかの方よろしいですか。それでは溝上委員、お願いいたします。
【溝上委員】  はい、溝上です。よろしくお願いします。質問は佐野委員にしたいと思います。ただ、お話は井上様からも同じように出ているところで、産業界と学校がビジョンを共有して質を高めていくというそこなんですけれども。佐野様のお話で言うとスライド4の「問いを立てる力」のところですね。それを実行して支援してる、これはもう全くそのとおりで。NTT東日本の取組という意味ではなくて、私がささやかながらですけど、やはり産業界と連携して非常に面白いけれども、結構問題だなと思う事例というのは結構見てきて、それは一言で言ったら何かと言ったら、産業界の方々の関わりというのは非常に強力で、学校で取り組めないものをいろいろ持ち込んでいただける迫力がある反面、学校側も、先ほどから出ている負担感とか内容に対する高度な課題もあって、産業界にお任せみたいなですね、そういうのは結構見てきて、これじゃだめだろうと思うところ、やっぱり負担感を議論してはいけないと思うんですね。産業界と学校が対等の立場で連携をして生徒の指導に当たっていくと。
 佐野様に聞きたいのは、この問いを立てる力ってそのとおりなんですけれども、結構時間かかるんですよね。さらっとこんなのやってみたいとか、興味関心何?みたいな感じでやって出てくるものはまだまだ初発のものであって、ブラッシュアップしていくためには練り上げていく時間というのが、最低1か月から1か月半ぐらいはないといけないと思うんですね。今回課題の設定とか、あるいは例えば生活総合のワーキング等で課題の設定の質をどう高めていくかということがかなり出ておりますけれども、ここに焦点を当てていくんだと思うんですね。
 佐野委員にお伺いしたいのは、この問いを立てる力に産業界はどれぐらいの時間をかけることができるのか、学校と一緒にいろいろ取り組んでいけるのか。ちょっとこの時間感というか、これ一般論ではないと思いますので、NTT東日本さんでどれぐらいの関わりをされているかを教えてください。よろしくお願いします。
【佐野委員】  溝上委員、ご質問いただきまして本当にありがとうございます。
 今のご質問は、当社含め産業界にとっても課題ではあると思っています。かけられる時間等々に関しては、正直学校様ごとによるので、なかなか産業界としてはしづらい状況が正直あるかと思っています。例えば、NTT東日本ではNTT e-City Labo等にお越しになっていただいた際には、半日から丸1日の課題解決等々の伴走支援ということも行わせていただいておりますが、あとは学校様ごとの状況やご負担を伺う部分もあります。そのため、具体的にどの程度の期間が必要かは学校様の進め方によって異なると考えております。
 また、溝上委員がおっしゃった「学校側が当事者として課題設定を引き受けるべき」という点については、まさにそのとおりだと認識しております。産業界として提供できるのは社会や現場の視点・ノウハウであり、最終的に問いを練り上げていくプロセスは、学校様の主体的な取り組みが不可欠だと考えています。そのため当社としては、学校様が主体となって探究を深められるよう、必要なタイミングで必要な情報や視点をお渡しする“寄り添い型”の関わり方を基本にしております。
 具体的にどのぐらいかというのは言いかねないかなと思っておりますが、結果として、学校の先生方が当事者として探究を自律的に進められる状態を支援することが、産業界としての本来の役割であると考えています。
【溝上委員】  全部聞こえなかったけど、大事なところはわかりました。私は産業界が時間取って関われという話をしたいわけではなくて、学校がそこは当事者意識として産業界の力を借りながら、課題の設定、問いの部分はやはり自分たちが引き受けてやるぐらいのものにしていかないと。私は繰り返しますけど、負担感の話はしてはいけないと思います。それ言い出したらもうこんなのやめたほうがいいですね。はい、どうもありがとうございます。引き続き議論させてください。
【牧野主査】  それでは続けていきます。森澄委員、お願いいたします。
【森澄委員】  先ほど素晴らしい発表を聞かせていただきました。内田洋行さんの産学連携について、ご質問します。私たちが現場で悩んでいるのは、産業界と連携した共同研究の実施というところが目指すところでありまして、教員の授業力、それから学ぶ姿勢を高めたいところ、それが高まっていくと生徒も魅力を感じて学校も活性化していきます。ここを目指してるんです。1回だけ企業訪問して終わる、これは簡単なんですけど、持続的に長期間、効果的なものができたらと考えております。私たちの学校は地方です。ICTと組み合わせて、何か産業界と連携して効果的なことができたら、地方を取り残されないという観点でありがたいんですけど、このような取組が、前回のマイスターハイスクールの発表でも素晴らしい発表ばかりだったんですけど、何か地方を取り残さないICTを活用した素晴らしい取組があったら教えていただきたいなと思っております。お願いします。
【井上様】  ICTと組み合わせた産学連携の実践は、マイスターハイスクール事業の中でも多数行われていると理解しております。実例を出すとすると、例えば熊本県の天草工業高校では、天草市の施策と連動して、CGやコンテンツクリエイターの育成をするため、企業さんと連携して、情報技術科にCG系列のコースを新設されたという例がございます。企業が最先端の取組をする中で、学校の先生だけではそれを教えるのはなかなか難しいところを、企業の方々が一緒に関与していただくことで最先端の学びを実現できるという1つの事例であるかと思います。ほかにも、各地のマイスターハイスクールでもたくさんの取組がなされ、企業が入らないと実現できない最先端の学びが日々行われているのかなと認識しております。
【牧野主査】  それでは最後に川﨑委員、お願いいたします。
【川﨑委員】  はい、よろしくお願いします。先ほどのご発表の中に井上様のほうから、深く継続的に続いていくには、学校側も企業側もウィンウィンの関係が必要なのではないかというお話がありました。学校側は当然子供たちの学びが深まっていくと教育効果が高まるということだと思うんですが、企業側にとってのウィンというのは、1つは人材を確保できるという点もあろうかとは思うんですが、どのようにイメージしたら良いのかお聞きしたい。例えば私たち看護の場合ですと、現場に出て実習に関わって指導することによって、看護師個々が非常に成長していくという場面があるので、実習というのがありがたい存在というふうに私などは思ってきました。
 それから佐野様に対しては、NTT東日本という大きな会社なので、そういう施設を持っているところから開放していったという流れかなと思うんですが、他の企業様の中にもそう施設を持っていらっしゃるところがあると思うんのですが、今回の場合は企業様のほうから学校にアプローチしたのか、学校側のほうから探し当ててたどり着いたのかというのをお聞きしたいなと思いました。
【牧野主査】  はい、それでは井上様からお願いします。
【井上様】  まさに産業界側のウィンを求めるというのは非常に大事かと思います。ごく短期的には、人材不足への対応や就職率アップというところがおそらくあるんだろうと思うんですが、すぐに生徒さんが入社するわけではないので、それだけにとどまってしまうとなかなか難しい。それよりも、最終的にはその高校を出た生徒が地域に戻ってきて、ゆくゆくは地域をささえる職業人材として帰ってくる生徒のために、産業界が求める人材を自分たちも含めて産業界も関与しながら育成していくという、10年ぐらいの長期的なスパンで考えられている企業さんが多いなと思っております。特に地方ですと、少子化や地方の産業が衰退するという状況もありますので、いかに子供たちが地元に残って、地域の産業界を支える人材になってもらえるかという思いが、どの企業さんとお話しても求められているのかなと考えております。
【川﨑委員】  私も本当に大きなビジョンを持って、企業側が社会に貢献している、子供たちを育てているという、そういったものがもっと広がることがとても重要かなと思ったものですから、貴重なご意見ありがとうございます。
【佐野委員】  立ち上げて3年ほどになりますが、当社側から様々な機会を通じて、こういう施設の存在ということをご案内させていただいております。ですが、まだまだ知れ渡っていないということも多く課題だと思っていますので、今後は双方でどんどん広げていければと思っていますが、まずは我々のほうから様々な機会を通じてご紹介しているというのが今の実態です。
【牧野主査】  それではご発表いただきました佐野委員、それから井上様におかれましては改めて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。株式会社内田洋行の井上様におかれましてはご退出いただいても結構ですし、そのまま傍聴していただいても結構でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは議題2に移らせていただきます。何点か報告案件がありますので、参考資料に沿って事務局から説明をいただき、その後に資料2の論点資料についての説明をお願いしたいと思います。それでは栗林産業教育調査官、よろしくお願いします。
【栗林 産業教育調査官】  はい、よろしくお願いいたします。私のほうからは2つ報告事項ございます。その後、論点資料のほうをご説明させていただきたいと思います。まず1点目ですが、本ワーキングにおける議論の土台となってまいりました、昨年9月25日に出されております教育課程企画特別部会の論点整理に関しまして、より理解していただくためポイント資料の作成がなされております。本日のワーキングの資料として参考資料5-1、5-2として配布をしておりますので、ここで詳細ご説明いたしませんけれども、ご確認いただき、またいろいろなところでご活用いただければ大変ありがたいなと思っております。これが1点目でございます。
 2点目でございます。今月13日に公表いたしました高校教育改革に関するグランドデザインと同日付で公募を開始した高校教育改革促進基金についてご説明をさせていただきたいと思います。本ワーキングの議論にも大きく関わってくるところございますので、ご説明をさせていただきたいと思います。参考資料の1-1といたしまして、概要をお配りしてますので、こちらをご覧ください。まずグランドデザインの背景・必要性についてというところですが、2040年には少子高齢化、生産年齢人口の減少、地方の過疎化が一層深刻化し、現在の人材供給トレンドが続けば労働力需給ギャップが生じる可能性があるということが指摘をされております。
 この点につきましては暫定版ということでありますけれども、経済産業省が出しております2040年の就業構造推計、これは本日の資料の参考資料の2としてお配りしているものになりますけれども、こちら後ほどご確認ください。こちらのほうにそういった人材需給ギャップのことが書かれております。
 参考資料の1-1のほうに戻りたいと思います。一方、どのような社会になっても生徒の多様な個性やニーズに応え、生徒の可能性を広げ、能力を伸ばしていくことが重要であり、また家庭の経済状況等に左右されることなく、生徒が希望する進路をたどり、ひいてはそれが我が国の経済社会の基盤を強いものにしていくことに繋がることが求められております。こうした社会に対する高校教育を学校や教育委員会だけではなく、首長でありますとか産業界、大学等と連携しながら進めることが必要であり、その共通のビジョンとしてグランドデザインを作成しております。
 次に高校改革の方向性として視点を3つ示させていただいております。この資料の中ほど視点1、2、3とございますけれども、視点1といたしましては、AIに代替されない能力や個性の伸長、視点2として、我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材の育成、視点3といたしまして、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会アクセスの確保を示してございます。この3つの視点の実現に向けた取組の方向性として、例えば視点1の実現に向けては、「好き」を育み、「得意」を伸ばす機会の確保、視点2の実現に向けては、探究・文理横断・実践的な学びの充実や専門高校の機能強化・高度化、視点3の実現に向けては、全国どこにいても多様で質の高い学びの保障や小規模校を含む遠隔授業等の推進などを示しております。この3つの視点を重視しながら高校改革を進め、さらには大学・大学院に至るまでの一貫した改革により、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成してまいります。
 2枚目をご覧いただきたいと思います。高校支援の充実に向けた取組について、今後本グランドデザインを踏まえ、都道府県において実行計画を作成いただくこととしております。作成にあたっては、教育委員会だけではなく、首長部局やその関係部局、また大学、地域の関係者や産業界との連携・協働を図ることを求めております。国としてはその計画を着実に実現できるよう、しっかりと交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築に取り組むこととしております。
 後ほどご説明をさせていただきますけれども、この交付金等の構築に先立ち、令和7年度補正予算におきまして、高校教育改革のための基金を都道府県に造成するために約3,000億円を計上しており、パイロットケースとして先導的な学びの在り方を構築する改革先導拠点の創設にも取り組んでまいります。新しいイメージや取組例としては、この資料の中ほどに書かせていただいておりますが、専門高校の機能強化・高度化を通じた地域発のイノベーションを起こすことのできる人材の育成、2つ目といたしまして、普通科改革を通じた文理双方の素養を有する人材の育成、3つ目といたしまして、地理的アクセス・多様な学びの確保に向けた遠隔授業等の推進などに取り組んでまいります。その一環として、学校と地域が連携・協働した学力向上・学習支援にも取り組んでまいります。最後に、2040年までに達成を目指す目標も示しており、職業教育の高度化・普通科の在り方、また多様な学びの確保の観点から設定しており、その実現に向けて取り組んでまいります。グランドデザインの概要は駆け足でございましたけれども以上でございまして、本文自体も参考資料1-2として配布をしておりますので、この場で詳細に触れることはいたしませんけれども、併せてご確認いただければと思います。
 続いて、令和7年度補正予算において措置されました高校教育改革促進基金についてご説明をさせていただきたいと思います。参考資料の2をご覧ください。本事業はグランドデザインの公表に合わせて2月13日に公募を開始しております。この高校向けの基金による国からの支援は今までにない規模のものであり、高校教育改革の機運をしっかりと捉えて、従来の発想にとどまることなく総力を挙げて取り組んでいくことが必要だと考えております。各都道府県に対しましては、既存の取組の延長線上だけではなく、グランドデザインや都道府県の人材育成上の課題を踏まえた新たな取組を企画・立案いただくことを期待しているところです。申請にあたりましては、教育委員会のみで取り組むのではなく、首長や関係部局、地域の産業界や大学等の高等教育機関なども関わって推進体制を構築いただくこととしておるところでございます。
 この中で特に専門高校が想定される分野といたしましては、参考資料2の中段の改革先導校の類型というものがございますけれども、そのうちアドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援の類型になろうかと思います。ここの四角の2つ目にありますとおり、技術革新のスピードが加速する時代に適した課題解決能力の獲得に向け、実践的・探究的な学びの積み重ねや深まりのある学びを実現するということが書かれており、本ワーキングの議論でもこの点、改革の取組と軌を一にするものと考えております。引き続きワーキングでのご議論もよろしくお願いいたしたいと考えております。報告事項としては以上2点でございます。
 そうしましたら、ここから本日の論点ということで、論点をご説明させていただいて、ご意見を頂戴できればと考えております。よろしくお願いいたします。まず資料の1枚目でございますけれども、こちらは第1回ワーキングでお配りをしている本産業教育ワーキングで議論すべき議題の一覧でまとめたものでございます。今回ですけれども、それを少し2ページ目、3ページ目というところで、どこまで委員の先生方にご議論をいただいてきていて、今後どういった議論を進めていくのかということで、少し振り返りと見通しということで示させていただいております。その中で、今回本日の論点と大きく関わることのみ少し触れさせていただきたいと思います。まず左側ですけれども、学びに向かう力・人間性等や見方・考え方の新しい整理を踏まえた目標の示し方ということで、第2回、第4回のワーキングでご議論をいただいてまいりました。
 これを踏まえまして、本日は論点の1つ目といたしまして、第2回のワーキングの議論を踏まえた学びに向かう力・人間性等の記述について、もう少し深掘りをしてご議論を頂戴したいと考えているところです。
 2つ目ですけれども、職業学科の特質を踏まえた表形式を活用した目標内容の分かりやすい示し方ということで、これは第4回、前回のワーキングでご議論いただいたところでございますが、前回は農業のイメージということで示させていただいておりましたけれども、今回につきましては農業を含めてその他の教科すべて基礎的な科目についてご提示をさせていただきたいと思いますので、その点ご意見、ご議論を頂戴したいと思っております。
 3ページ目でございます。こちらは一番下のところからご説明をさせていただきたいと思います。3.産業教育全体に関する課題というところで、産業界等との連携など、職業に関する各教科における専門的かつ実践的な学習の充実のためというところがございます。こちらにつきましては、第3回のワーキングにおきまして、特に課題研究に重点を置いてご議論いただいたところかなと考えております。本日の議論といたしましては、課題研究にとどまらず、専門教科全体を通じて実践的・探究的な学びを充実するというのはどういったことが考えられるのかという点でご議論いただきたいと思っております。これが論点の3つ目でございます。ただ、その中で産業界との連携方策でございますとか、産業教育に共通する資質・能力のイメージということも併せてこの論点3と一緒にご議論いただきたいということで、その上のところですが、2-2の2ポツの産業教育全体に係る固有の検討事項の1と2ということも併せて本日ご議論いただきたいと考えているところです。
 4ページ目以降ですが、これまでの議論の整理ということで、1回目から4回目までの議論の整理をさせていただきました。こちらにつきましても10ページほどございますけれども、本日の論点に関わるところのみ少し触れさせていただく形にさせていただきたいと思います。まず6ページ目ですが、産業教育の目標ということで、知識及び技能(技術)、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力・人間性等ということで一度整理をいただいているかと思いますけれども、この中で学びに向かう力・人間性等のところにつきましては、7ページにありますように、学習過程との関係で4つの要素をこのように捉えられるのではないかというところでご議論をいただきましたが、本日はこれをより洗練された、集約したような言葉でどのように表現していくかというところをご議論いただきたいと思っております。
 少し資料を一つ戻りますが、前回第4回のワーキングの中で、知識及び技術を知識及び技能にしてはどうかという提案を事務局のほうからさせていただきました。その中で委員の先生から様々ご意見を頂戴したかと考えておりますが、また改めてここについては説明をさせていただきたいという意味で、今回の資料につきましては知識及び技能(技術)ということで表現ぶりは統一をさせていただいておりますので、ご了承いただければと思います。
 続きまして、原則履修科目の基礎的な科目の目標というところで、これは議題の2つ目に関係してくるところですが、前回の議論の中で専門教科における原則履修科目の基礎的な科目につきましては、共通するものとして3つの柱立てに横串を通して入れてはどうかというご議論をいただいたと考えております。その中身というのは、この資料の左下に書かれております3つの柱立てのイメージということで、1つ目が各産業の社会的な意義や役割、2つ目が各教科で学習する内容の概括、3つ目が教科全体を通じた実践的・探究的な学習というところでございます。これにつきまして、高次の資質・能力がどうなるのかというところについて本日ご議論を頂戴したいと思っております。少し10ページ目までは前回までの振り返りというところがございますので飛ばさせていただいて、議題のほうに移らせていただきます。
 議題の1つ目ですが、学びに向かう力・人間性等についてというところです。12ページ目でございますが、こちらは第2回のワーキングで示させていただいた資料をそのまま掲載をしているものです。少し資料を行ったり来たりで恐縮ですが、14ページ目をご覧ください。学びに向かう力・人間性等の議論をする中で、産業教育ワーキングにおきましては、この産業教育の学習過程のイメージというものを用いて、このイメージに基づいて4つの要素をどのように考えていくかということで整理をさせていただいたかと思います。今ご提示させていただいている資料は、第2回ワーキングで提示させていただいたものに加えまして、そのときに先生方から頂戴した意見を踏まえて修正をしているものになります。具体的に申し上げますと、右下の「他者との対話や協働」、これが4つの要素の中でも重要なのではないかというご意見を頂戴しましたことから、そこを太く加工させていただき、さらにそれが初発の思考でありますとか主体的な調整にも大きく関わっていくものとして、タイヤのチェーンのような形で初発の思考、主体的な調整のほうに行くようなイメージを持って作り直させていただきました。こういった資料をもとに、具体的な文言を本日はご議論頂戴できればと思っております。前回の議論までのところでは、この矢印の左側の丸1、丸2ということで4つの要素に分解したところで表現をご検討いただいたかと思いますが、それを踏まえまして右側ということで今回ご提案でございます。
 この資料の中段の黒丸のところをご覧いただきたいと思いますが、第2回のワーキングの議論を踏まえまして、他者との対話や協働に関する内容をまず前面に出してみてはどうかということ。また、学習過程を前提として初発の思考につきましては、「職業人の視点から問いを見出し」というような言葉に集約してはどうかということ。また、学びの主体的な調整につきましては、「職業人としての視点からよりよい解決に向け追究し続ける」という言葉に集約してはどうかということでございます。これを踏まえますと、丸1のほうにつきましては、「各職業分野の事象に主体的・協働的に関わり、職業人としての視点から問いを見出し、よりよい解決に向け追究し続けようとする態度を養う」というような表現になるのではないかと考えております。また、丸2のところに関しましては、引き続き社会の一員という視点と個人という視点の両方を記述する方向で、前回ご議論いただいたものの踏襲をして、「職業人としての倫理観と豊かな人間性を育むとともに、社会の一員として産業の発展に寄与し、よりよい社会を実現しようとする態度を養う」というような表現としてはどうかというところでございます。これが本日の論点の1つ目でございます。13ページ目の丸1、丸2の表現ぶりについてご意見を頂戴できればと思っております。
 続きまして15ページ目でございます。各教科における表形式(高次の資質・能力のイメージ)についてというところでございます。16ページ目、17ページ目につきましては、前回のワーキングでご提示をさせていただいたものと同じものとなっております。ただ、17ページにつきましては少し表記に揺れがございました。実践的・探究的なのか、探究的・実践的なのかというところで揺れがございましたので、実践的・探究的なということで統一することをもって少し修正をしているというところで、右肩に一部修正ということを書かせていただいております。それ以外のところについての変更はございません。これを用いまして、高次の資質・能力のイメージというのが18ページ目でございます。これは前回ご提示させていただいたものから少し修正をさせていただいております。具体的には、これまで前回のワーキングで出させていただいたものには、高次の資質・能力と言いながら学習過程に関するものでありますとか、学習内容に関するものが多く盛り込まれておりまして、少し冗長な表現になっていたのではないかというところから、そういったところを削ぎ落として表現ぶりを改めて考えさせていただいたものになります。
 これが産業教育8教科に共通する柱立ての高次の資質・能力のイメージということになろうかと思います。これを踏まえまして、前回農業の例ということでお示しをさせていただきましたけれども、農業の例につきましても同じように学習過程や学習内容に関するところを少し削ぎ落とし、また農業としてより農業の本質を突くような表現を入れ込ませていただいて、21ページのような形にさせていただきました。また、22ページ目以降は全ての教科に関しまして、同じように目標から見方・考え方、科目の目標、その科目の内容に関わる高次の資質・能力ということで整理をさせていただいておりますので、またご覧いただければと思います。農業に関しましては、高次の資質・能力のところ、私たちの暮らしと農業というような中身に関しましては、「農業及び農業関連産業を継承・発展・創造していくことが、私たちの暮らしをよりよくすることに繋がることを理解する」というようなことでまとめられるのではないかということ。同じく(2)ですが、農業と農業関連産業、農業で学習する内容の概括を学ぶような単元になろうかと思いますけれども、そこで育まれる高次の資質・能力といたしましては、統合的な理解のほうだけを申し上げますが、「農業及び農業関連産業は環境要因や地域特性を踏まえた栽培・飼育・加工の技術に支えられており、これらを高めていくことはよりよい農業生産に繋がることを理解する」ということでありますとか、(3)のプロジェクト学習のところに関しましては、「よりよい農業生産に向けた要因分析をし続けることが持続的な生産と環境の創造・保全に繋がることを理解する」ということでありますとか、こういった表現にまとめられるのではないかということでご提案をさせていただきますので、またご意見を頂戴できればと思います。一つ一つ読み上げることはいたしませんけれども、その次から全ての教科におきまして、今回参考イメージということで高次の資質・能力についてお示しをさせていただいておりますので、論点の2つ目としてご意見を頂戴できればありがたいと思っております。
 続きまして45ページに飛ばさせていただきます。45ページ目ですが、議題の3といたしまして、職業に関する各教科における実践的・探究的な学びの充実というところでございます。46ページ目をお開きください。まず前提といたしまして、専門高校における学びの構造というところでございますが、論点整理におきましては、自らの人生を舵取りする力と民主的で持続可能な社会の創り手の育成のためということで、好きを育み、得意を伸ばす取組とともに、当事者意識を持って自分の意見を形成し、対話と合意ができる取組を進め、これらが有機的に関わり合い、高まっていく過程に変革していく必要があるとされております。専門高校の教育課程に関しましては、当然のことながら専門教科が中心となるわけですけれども、それだけではなくて当然共通教科、総合的な探究の時間、特別活動、それらが一体となり編成されるものでございます。したがって、専門教科における学びの充実のためにも、共通教科、総合的な探究の時間、特別活動が有機的に関わり合った教育課程の編成が重要ではないかというところがまず前提としてございます。
 また、第2回のワーキングにおきまして、実践的・探究的な学びの積み重ねや深まりということで、課題研究につきましてはご議論を頂戴いたしましたけれども、課題研究も含めその他の科目においても指導の在り方も変革していく必要があるのではないかと考えております。ということで本日の論点でございますが、現行学習指導要領におきましては、専門科目に配当する総授業時数は10分の5以上を実験・実習に配当するとされております。商業だけは除くこととされております。その中で実態といたしまして、地域や産業界等との連携・交流等による学習活動が多様に行われているところでございます。ただ一方で、これまでのワーキングでも先生方から意見を頂戴したところでもございますけれども、専門教科の場合、特に活動自体の魅力でありますとか、コンテンツ自体の充実からそれらに依存してしまって、結果として生徒自身が受け身となってしまい、自ら問いを立てたり、課題を設定したりするといった深い学びに繋がる学習が十分に行われていない可能性があるというご指摘もございます。
 さらに、各職業に関するスペシャリストを育成しようとする専門高校では、新たな知識や技術の獲得や様々な課題解決の場面において、産業界との連携・関わりが不可欠でございますけれども、その関わり方に関しましても、各学校における取組に差があるのではないかというところでございます。これらを踏まえまして、専門教科における学びの質の向上という視点から、専門教科における学習の留意点というものを示し、各教科における学習指導要領上の内容の取扱いなどや解説などに記述することができないのかということでございます。その際にどういった事項が配慮事項として考えられるのかということについてご意見を頂戴したいと思っております。また、専門学科における学びの全体像を示しまして、共通教科も含めた各教科が有機的に関わり合った教育課程の編成を促す必要があると考えておりますので、その際の全体像に関する配慮事項についてもご意見を頂戴したいと思っております。
 47ページ目をご覧ください。こちらが専門高校における実践的・探究的な学びのイメージでございます。方向性のところに書かせていただきましたように、専門高校の学びは理論と実践を往還させながら行われるものでございまして、先ほど内田洋行さんからご発表を頂戴しましたように、文部科学省が実施してきましたマイスターハイスクール事業の成果も踏まえれば、産業界との連携・協働というのは不可欠であろうと考えております。その際、その協働の深まりが専門教科の深い学びにつながって、生きて働く知識・技能、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力の育成に繋がることが考えられ、これらをまとめますと、以下のように図として示させていただいておりますが、整理ができるのではないか。そのときに連携の重要性を今まで以上に強調することが必要ではないか。また、先ほどのご意見も踏まえますと、連携の際に配慮すべき点にはどのようなものがあるのかということも一つ大きな論点として挙げられるのだろうと考えております。
 47ページ目の図ですが、先ほど少しご説明のありました産業界等との連携・協働の深まりが、垂直的な関係から持続的な関係へと深まっていった場合に、専門高校の実践と理論を往還するような取組も徐々に深まっていき、そのことによって資質・能力がよりよく育まれるということを図として示させていただいております。
 48ページ目をご覧ください。これは専門高校における学びの構造というものを少し図式化させていただいたものでございます。この図においてお伝えしたいポイントというのは2つございます。まず1点目でございますが、この資料の左側をご覧いただきたいと思いますが、専門教科の理解の深まりということと、共通教科を学ぶ意義の実感、共通教科の理解の深まり、これらが往還しているということを示した図となってございます。専門教科の理解を深めようとすればするほど、共通教科を学ぶ意義というものが浮き彫りになり、その結果、共通教科の理解を深めるようになっていくと。共通教科の理解が深まると、さらに専門教科の理解が深まっていくという関係性にあるのではないかということでございます。これがここでお伝えしたい1つ目でございます。
 2つ目ですけれども、原則履修科目というところの丸2番、産業教育に共通する資質・能力というところをご覧いただきたいと思いますが、産業教育に共通する資質・能力はどのようなものがあるのかということについても、ご意見を頂戴したいと思っております。第1回の資料の中では、この産業教育に共通する資質・能力というのは、産業構造や市場環境の変化に対応できる資質・能力、身につけた資質・能力を産業界や実社会で活用できる資質・能力、基盤と専門を繋ぐ資質・能力という3つを提案させていただいているところでございますので、この資料上はこれを前提として整理をさせていただきました。
 産業教育に共通する資質・能力を身につけるということでありますと、基本的には原則履修科目の中でそれらをどのように身につけていくのかということが重要だと考えておりまして、今言及させていただいた3つの資質・能力と原則履修科目のこれまでご議論をいただいた新しい内容がどうなっていくのかということを関係性として矢印で示させていただいたものになります。1つ目の産業構造や市場環境の変化に対応できる資質・能力につきましては、原則履修科目の中で大きく3つの柱立てを横串で入れるというお話をさせていただいたと思うんですが、その中では各産業が果たしてきた意義や役割、その技術を理解するとともに、それらをもとに自ら創造していくことの重要性の理解、科学的根拠に基づいた合理的・創造的な考察というものがその3本柱には含まれていますので、これがまさに産業構造や市場環境の変化に対応できる資質・能力に繋がるものではないかと考えております。同じように身につけた資質・能力を産業界や実社会で活用できる資質・能力に関しましても、3本柱で整理させていただいた内容と対応を考えてみますと、未知の課題に直面しても創造的な解決につなげることのできる力でありますとか、職業人としての倫理観を踏まえた合理的・創造的な選択ということが関係してくるのではないかということ。基盤と専門を繋ぐ資質・能力に関しましては、課題研究のところでご議論いただきましたように、実社会・実生活における課題を探究する活動でありますとか、共通教科も含めた各教科等で身につけた資質・能力を活かしながら活動に取り組むこと、また全ての学習の基盤となる資質・能力が育まれ活用されるようにすることを明記するとしておりますので、これらが関係してくるのではないかということで整理をさせていただいたものになります。これがポイントの2つ目ということでございます。
 49ページ目以降につきましては、参考資料といたしまして、産業界と教育界が連携している取組の事例、またこういったプラットフォームを活用してはどうかということで付けさせていただいているものになります。1つ目ですが、北海道の事例でございます。北海道産業教育審議会という審議会を設置し、委員構成として産業界、大学関係者、高校・中学関係者、保護者、国の機関、それらが関わって、北海道の産業教育をどうしていくのかという議論を重ね、建議書としてまとめ、それを50ページ目ですが、総合教育会議の中で説明をし、総合教育会議の中で実際産業教育をどうしていくのか、専門高校の取組をどうしていくのか議論をし、具体的な取組として行っているものということでご紹介をさせていただきたいと思います。また51ページ目は文部科学省の高等教育局が行っている地域構想推進プラットフォームというものがございますというご紹介と、52ページ目は経済産業省が行っている地域人材育成構想会議ということもございますので、各地域において既にこういったものがあるところもありますし、ないところはどのようにして産業界と関わっていくのかというところをご検討いただく必要があるかと思いますけれども、こういったものを活用しながら、ぜひ産業界と教育界が人材育成に関わりながら検討していっていただきたいという意味で、参考として紹介をさせていただきました。それでは私からは以上でございます。
【牧野主査】  それでは質疑応答・意見交換の時間にさせていただきたいんですが、残り30分となっております。既に手を挙げていただいておりますが、最初の栗林産業教育調査官からあった報告事項について、どうしても聞いておきたい方いらっしゃいますかね。ちょっと手を挙げていただければと思うんですけれど、どうぞ、藤田委員。
【藤田委員】  報告していただいた中で教えていただきたいことが1点ございます。参考資料の1-1の2ページ、あるいは参考資料2の1ページの中にもあるんですが、「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」という言葉があるかと思います。非常に重要な言葉として受け止めたんですけれども、実は今日配布していただいた資料の中で参考資料3というのがございます。これ経済産業省の資料かと思うんですが、その12ページを拝見いたしますと、やはりここにも「アドバンスト・エッセンシャル・サービス業」というのがございまして、ここが「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」の領域というふうに捉えることができるかと思います。この参考資料3の12ページを拝見しますと、この「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」のほかに、製造業、情報通信業、専門サービス業というのがありまして、すなわち製造業や情報関連業務に関しては、この「アドバンスト・エッセンシャル・サービス」から外れてしまうというか、別領域になるような理解も可能かと思います。そうなりますと、産業教育全体をカバーする言葉として「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」というのを前面に出すことが果たして妥当かどうか、ちょっと私には理解がきちんと及んでなくてですね。特にこの参考資料1-1や参考資料2の「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」というのと、参考資料3の12ページのこの3つの区分との関係性について、どのように捉えたらいいのか教えていただければと思いました。
【栗林産業教育調査官】  今回グランドデザインの中では、デジタル技術等も活用して現在よりも高い賃金を得るエッセンシャル・ワーカーという定義で使わせていただいておりますけれども、必ずしも経済産業省の示している12ページだけの狭い意味ではなく、「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー等育成支援」ということで、専門高校全体の視野に入っているような意味合いで使わせていただいております。
【藤田委員】  ぜひ、そのような理解を徹底して私たちとしても理解したいなと思った次第です。なぜこのようなことをあえて申し上げているかと言いますと、昨年の6月に経済産業省が経済産業政策新機軸部会第4次中間整理というのを出していらっしゃると思うんですけれども、その中でエッセンシャル・ワーカーというのは飲食・宿泊業等の観光・小売・卸売・医療・介護・運輸・建設等を指すという定義を出していらっしゃって、その上で省力化やデジタル化を使いこなしたのがアドバンスト・エッセンシャル・ワーカーだという言い方をされているので、省庁をまたいでこの同じ「アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー」という言葉を若干ニュアンスが違って使われてしまうのは、広く理解を求める際には障壁になってしまうのではないか。ですから今ご説明いただいたような理解が省庁を超えて成立するものとして私たちは受け止めたいと思うんですけれども、そういったことが果たして可能かどうかということについて改めてご検討いただければいいなと思って、ご質問させていただきました。以上でございます。
【牧野主査】  ほかに報告事項の質問ありましたら手を挙げていただければと思いますが、よろしいですか。それでは特にないようでございますので、資料2の論点資料、議題(1)からいきたいと思います。質問・意見等ありましたらお願いいたします。学びに向かう力・人間性等についてのところで、13ページに方向性、先ほど説明があったとおりでございます。質問・意見等ありましたらお手を挙げていただければと思います。それでは4人の委員の先生方からお話をいただければと思います。中島委員、お願いいたします。
【中島主査代理】  私もいろいろビジネスで仕事をしている立場で、どんな人材が有用かみたいなことをいろいろと考えておりましたんですけど、特定の産業教育で思いつくような具体的なことがあんまり思いつかなくてですね。それぐらい今産業構造がすごく変化してるなという感じで、産業を超えた俯瞰力みたいなのがあるといいなと思っていまして。そのベースになる力は何なのかなと考えたところ、1つはメンタル力みたいな、積極性とかレジリエンスみたいな、同時に言うとある種の鈍感力というか、失敗しながらどんどん進んでいけるみたいな力というのはすごく大事かなと感じてまして。じゃあそれがどこで育成されうるものかなというのがちょっと私は分からず、むしろ先生方のほうがお分かりになるんじゃないかなと思ったんで、どちらかといえば必修科目的なところで形成されるものかなという印象は持ちました。
 あともう一つ、持続的に発展していくということもすごく大事で、持続的に発展する要素というのはやはり社会の役に立っていくこと、それから倫理的に正しいことを必ずやっていくということがすごく大事。この倫理的なところというのも、もちろんご本人の生まれながらの性格というのもあろうかと思いますけど、どちらかといえば必修科目的なところで教育される可能性があるのかなというようなことは感じておりましたんで、少し発散的な内容になって大変恐縮でございますが、自分の感触を申し上げました。
【牧野主査】  続きまして、清水委員お願いいたします。
【清水委員】  資料を分かりやすくまとめていただきまして、また丁寧にご説明いただきましてありがとうございました。
3点ほど発言させていただきます。1点目です、資料2論点資料の6ページにある各教科における見方・考え方、この中で工業の見方・考え方についてです。以前の審議の中でお示しいただいた際に、他教科のように具体的に書いたほうが良いのではないかというご指摘があったように記憶をしております。その頃は確かにそうだなと思いつつも気になっておりましたので、この「よりよいものづくりの創出」という視点、これは現状に満足することなくもっとよりよいものにしよう、もっとよいものをつくろうという、その先にいる人を意識したものづくり、人のためによりよいものをつくる、よりよい社会をつくるという意識を高める言葉であるように思います。またこの見方・考え方は教員と生徒の共通のキーワードであるべきで、教員・生徒にとって分かりやすくて、生徒自身も普段から口にするぐらいの馴染み深いものになってもらいたいと思いますので、今回素案として改めてお示しいただいた「よりよいものづくりの創出」ということで固めていただけてありがたいと思います。
 2つ目は、論点資料の7ページの図、産業教育における学びに向かう力・人間性等の整理のイメージ図の学びを方向づける人間性にあるハートマークは特に気に入っているところですけれども、産業教育はよりよい社会の実現を目指すものであって、よりよい社会とは何かを考えたときに、それはきっと人の幸せを基軸にしなければならないのではないかと考えています。そのためこのハートマークを持つ意味はとても大切なのではないかと思いますし、この整理イメージを使って、産業教育というものはハートフルな教育であるということを強調していただければなと考えているところです。
 このイメージの中で気になったところがありましたので申し上げます。14ページの整理のイメージ図で、先ほど黄色の枠で計画立案のところで「構想・発想」と加えていただいている部分がありますが、この「構想・発想」というのは発見された問題や課題に対してどうすれば良いのかとか、どのような考え方・方法があるか、こういったものを考える段階ででありアイデアが生まれる段階なのではないかなと思います。そのため、計画立案は発想したアイデアを実現するための具体化であるようにも思いますので、学習過程を問題発見から振り返りの5つの過程で示すならば、この「構想・発想」については課題解決の方向性の検討の部分に入るべきではないかと思います。工業ではよく発見・構想・発想、そして設計・計画・立案・実施・評価というプロセスで分けていますけれども、この構想・発想の部分の位置についてもう一度ご確認いただければありがたいと思います。
 最後に産業界との連携について、高卒に対する求人件数が示すように、どの産業もとても人が足りないという状況、この中で企業の人事担当の方にどのような生徒を求めていますかと尋ねると、ほとんどが「明るくて元気でコミュニケーション能力がある生徒」とか、「できれば部活動をしている生徒」というようなキーワードが返ってきます。加えて工業高校生としてどのような知識・技術を持っているといいですかと尋ねると、「必要な知識や技術は入社してから鍛えるから大丈夫ですよ、心配しないでください」などの言葉が返ってきます。これはこれまでの専門教育の在り方を反省しなければならないということを痛感させるものでもありますし、それ以上に産業界はとにかく若い人が欲しいということの表れだと思います。このような状況下で専門高校と産業界が連携する場合、ともすると産業界は単なる労働力の供給源になってしまう恐れがあるというところが非常に心配をしているところです。そのためにも整理イメージの学びを方向づける人間性に示されている「よりよい社会を実現しようとする態度」「職業人としての倫理観及び豊かな人間性の育成」が図られることを基軸として専門高校と産業界の連携が一層深まることを願っているところです。
【牧野主査】  時間が迫ってきておりますので、(2)、(3)も含めて全体ということで取り扱っていければと思います。(1)から(2)、(3)、それぞれにつきましてのご質問・ご意見等を賜ればと思いますので、挙手をしていただければと思います。今5人の先生方からお手が挙がってます。それでは順番に行きたいと思います。藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】  それでは議題の(1)と(3)両方に関わることをご質問というか意見を申し上げたいと思います。まず議題3から申し上げたほうがいいかと思いますので、今日ご説明いただいた47ページに書いてございます「持続的関係」について、用語に関して変更する余地があるかなと思いました。今日は内田洋行さんから非常に説得力のあるご発表をいただいて、持続的な関係が非常に重要なんだということは十分私も理解したところでございます。一方で、持続的な関係を続けていけばいくほど、それが形骸化したり慣例化してしまうことも気に留めておかなくてはいけないだろうと考えました。そうしたときにやはりその「持続的な関係」というものが果たしてそれで言葉として成立するのかということの意見を申し上げたいなと思いました。やはりその持続的な関係とともに、私たちは創発的な関係、共に発する関係であったりとか、価値共創の関係であったりとか、そういったものが必要かなと思ったことが1点ございます。同じこの継続的関係なんですけれども、中身を拝見いたしますと「学校と企業・団体等」という言い方がございました。先ほどの清水委員からもご指摘ございましたけれども、どうしても企業との連携、継続的・持続的な関係と言いますと人材の供給源のような印象も拭えないとなれば、もしかしたらここのところの学校と企業というところに「大学等」というのも入れるのも一つの方策かなと思いました。なぜこんなことを言っているかと言いますと、議題の(1)に戻るんですが、14ページの一番右下の関係で図の中で「他者との対話・協働」というのがございました。この「産業界等」の等なんですが、やはりここにも「大学等」というのを入れておいていただけるとより広がりが出てくるのではないか。やはり地域社会の課題を共に考えて発見し、そして未来を作り上げていくような、そういうイメージを持った言葉が議題1、議題3両方に必要かなと思いました。
【牧野主査】  それではただいまのご意見もまた参考にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。続きまして、森澄委員お願いいたします。
【森澄委員】  議題(1)から申し上げます。13ページ、14ページにわたって書いてあります、学びに向かう力・人間性等に関わるところなんですけど、今回、社会に開かれた学び、ICTを使いながら遠隔授業、それから地域を取り残さない、全ての子たちに学びをというところがポイントになっているかと考えております。その中で、地域という意味がクローズアップできたらいいなというふうに、考えております。それから14ページの図について一部修正していただいて、これをもっともっと育てていきたいと考えています。中段の課題の発見から、課題解決の方向性の検討をして計画の立案、計画の実施をして振り返り、この中央の段が非常に重要ではないかと考えていまして、これをぐるぐると回転させながら生徒たちは次の課題、課題解決、構想、発想、実行、振り返りという順番でやっていくと考えております。その中で頑張る力がないと、粘り強くないと、この回転もしない、高みに行かないのではないかと思います。非常によくできた図なんですけど、もっと皆さんの意見を加えながらここ育てていけたらと考えております。
 議題(3)に移ります。今回は産業界との連携が一層強調されます。それ自体は非常に良いことだと思うのですが、特に立地によっては連携企業を見つけることが非常に難しい、さらに生徒が移動することが簡単ではない学校も全国の専門高校にはあるかと思います。そこで、趣旨には大いに賛成します。しかし、連携をStep1から4まで進めていくには、関係機関の構築は、現場の教員だけではとても限界があります。これは参考資料にありました取組で、「地域人材育成構想会議」は両輪になってくる。これが素晴らしい取組だと思っています。ぜひこちらを推進していただければと考え発言させていただきました。
【牧野主査】  溝上委員お願いいたします。
【溝上委員】  2点手短にコメントいたします。1つは知識・技能・技術と書かれた今回のご提案ですけれども、私これでとてもいいと思います。前回も申し上げましたけれども、産業教育、特に技能まで持っていかない、形式的な手続き的技術、こういうのもとても大事で、そういうところの主張がこの言葉に表れていると思います。これが1つです。
 もう1つは、スライドの47の議題の3のところなんですけれども、右側のこの図が問題かなと思いまして、47の前に、21、農業の例を出していただいて、高次の資質・能力を整理していっている作業だと思うんですね。そこに内容項目例というのが下にあって、グラウンドレベルの知識・技能・技術のところでどういうものがあって上の高次になるかということは、これ全くそのとおりなんですけれども。ただですね、今回この話はどこから来てるかと言えば、当初企画特別部会では「中核的な概念の深い理解・複雑な課題の解決」と、後々総則・評価部会で名前が変わっていって「統合的な理解、総合的な発揮」と、ここに対応している話なんですね。中核的な概念は分かりにくいから統合的となったと聞いておりますけれども。統合的という言葉がこういうふうになるんじゃないかとどこかで思いながらずっと過ごしてきたんですよね。つまり、グラウンドレベルで知識・技能・技術ということを学んだその上に、こういう統合的な高次の資質・能力があるというこの順番で理解していくんだったら、次期指導要領の新しさというのは何もないですね。現行の指導要領でも習得・活用・探究という言葉がもう一つ手前の平成20年改訂からずっと使われていて、教科書レベルの事項を学んで、そこから例えばパフォーマンス課題とかそういうふうにして概念レベルの問いを与えていって、本質的な問いとか言いますけれども、少し単元を貫いていく水準の問いに持っていって、教科書のグラウンドレベルの知識・理解を概念レベルで整理していくと、こういう話をしてきたわけです。ところが何でこの企画特別部会で中核的な概念とか統合と出していったのかというと、教科書をそのまま教えていって時間が足りないカリキュラムオーバーロードと言われるような問題が生じていて。そうではなくて、単元の問いのレベル、あるいはそこを中核的な概念と初め読んだわけですが、そういうところからスタートしていって、途中途中でそういうところにポジショニングしながら、教科書の事項を拾ってまとめながら、それでも授業というのは中核的な概念水準で進めていくと、こういうふうに考えていったわけですね。だからそれが企画特別部会でよく言われた言い方で言うと、教科書を教えるのではなくて、教科書を用いて学習を理解していくと、こういう話なんですね。
 この図はどちらとも読めるわけですけれども、ここでちょっとスライド47に行ってほしいんですけれども。47の右側で、こうなってはいけないんですよね。だから、個別の知識や技能とか、それを学ぶことが上に上がっていって高次の資質・能力と言うんだったら、今回中核的な概念という言葉はいらなかったわけですね。それを「統合的な理解」と「統合」としましたので、やはり下の学習があってまとめていくニュアンスをもってしまう。私はこれで本当に分かりやすい言い方になったのかというのは懸念としてはずっと示しているんですけれども、なんかこういう図を見てしまうと、やはりそういう理解で進められたのではないかと改めて思ってしまいました。
 でも、まだまだ審議の過程ですので、また私の理解が正しいとは限りませんので、企画室とちょっとすり合わせてですね、この辺り最後仕上げていく作業、事務局としてなさってはどうかとコメントしておきます。以上でございます。
【牧野主査】  それではあとお二方ということでお願いいたします。野口委員お願いいたします。
【野口委員】  はい、私からは議題の(2)で、42ページの福祉について3点お願いします。まず教科目標についてです。「地域共生社会の実現及び地域福祉の」と並列で表現していますが、地域共生社会の実現という目標と、それに向けた取組である地域福祉という関係性を明確にするために、「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の」と表現してはどうでしょうかということが1点です。
 次に見方・考え方についてです。「日常生活に関する事象」とありますが、福祉が扱う対象を日常生活に限定するのではなく、暮らしの在り方、生活の営み全体という広い概念として捉え、「生活に関する事象」としたほうが良いのではないかと思います。そして最後の部分、「地域共生社会の推進につなげること」は、「地域福祉の推進につなげること」としたほうが、教科目標、知識及び技能、見方・考え方の表現が統一されて一貫性のある記述になると思います。以上です。ご検討をお願いいたします。
【牧野主査】  それでは最後に小坂委員お願いいたします。
【小坂委員】  まず47ページのところの、これは溝上委員と同じだったんですけれども、中核的な概念の説明が47の右で本当にこれでいいのかなと思ったので、それを非常に分かりやすく溝上委員が言っていただいたなと思っております。よろしくお願いします。本当に今回の学習指導要領の大事な部分だと思ってますし、またそこが分かりにくいところでもあると思ってますので、丁寧な模式図というか、どうしても複雑になってしまうと思うんですけれども、もう一度再考をお願いしたいなと思いました。
 続いて48ページのところなんですけれども、以前もこういった議論があったと思うんですが、未知の課題に対してとか、社会の情勢に対応してという文言がどうしても産業界多くなるんですけれども、産業というのはそもそも生み出す業であるということ、つまりクリエイティブなものであるというところをもっと強調していただきたいなと思っております。産業界の困りごとを子供たちがするんではなくて、新しいものを生み出していく、そういう業界でもあるんだという部分が少しでもあると。どうしても課題を解決するという部分ではなくて、今回「問い」という言葉も修正で入れていただいてますし、本編の部分でもそういった子供たちの「好き」とか「問い」という言葉が出ておりますので、この産業の教育の部分でもそういった部分を一歩踏み込んで、前向きなものとして書いてほしいなと思っております。
 合わせて職業系で48ページの部分、業界と組めばという部分なんですけど、ここは本当に業界と組んで全部丸投げするんではなくて、目標を共有しとけばいいんではなくて、学校は教育者のプロとしてどこまで責任を持って、例えば先ほど議論にありました課題設定だったら、課題設定のところはしっかりと教員が責任を持ってやるとか、そういった部分が見える化するなど、教育の部分と産業界がする部分の役割みたいなものがより見えるといい記述になるなと思いました。以上になります。
【牧野主査】  時間が迫る中、それぞれの委員におかれましてはコンパクトに意見をまとめていただきましたことを感謝申し上げます。本当にありがとうございます。いただきました意見を踏まえて、事務局のほうでしっかりとまた検討をしていただくという、そういった前提で、今回示された方向性につきましては、一応こういった方向でこれからまた議論を進めていくということでよろしいでしょうか。それでは時間もまいりましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。最後に次回以降の予定につきまして事務局からお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】  次回ですけれども、令和8年3月26日木曜日9時半から12時を予定しておりますけれども、正式にはまた後日ご報告をさせていただきます。
【牧野主査】  それでは以上をもちまして、本日の産業教育ワーキンググループを閉会とさせていただきます。

―― 了 ――

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