令和8年1月22日(火曜日)15時30分~18時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【牧野主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会、教育課程部会、産業教育ワーキンググループを開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙の中ご参加いただき、誠にありがとうございます。前回に引き続き、前半は議題(1)といたしまして、専門高校の現場の教員の先生方からヒアリングを行います。その後、議題(2)といたしまして、職業に関する各教科の目標、内容の構造化、表形式化につきましてご審議をいただきます。
本日は長丁場になりますので、(1)と(2)の間に少々休憩を入れたいと思っております。よろしくお願いいたします。なお、本日都合により小坂委員は途中からの参加、佐野委員、西岡委員、溝上委員におかれましては途中退出となります。
これより議事に入ります。資料1、ヒアリング日程につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。資料1をご覧ください。
前回に引き続きまして、議論の参考としていただくため、学校現場における実践事例をご発表いただきたいと思います。
それでは私のほうから発表者をご紹介させていただきます。岐阜県立岐阜商業高等学校教諭、早水有美様。埼玉県立常盤高等学校校長、鴨志田新一様。山形県立酒田光陵高等学校教諭、湯澤一様の御三方でございます。発表者の皆様にはそれぞれ10分程度でご発表いただき、その後30分程度の質疑応答の時間を確保したいと思います。以上でございます。
【牧野主査】 それでは初めに岐阜県立岐阜商業高校から、早水先生、よろしくお願いいたします。
【岐阜県立岐阜商業高等学校】 よろしくお願いします。ただいまより資料を共有させていただきます。
それでは始めさせていただきます。これより県立岐阜商業高等学校の商業教育について説明させていただきます。私は商業科で探究部部長の早水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本校は昨年度創立120周年を迎え、これまで部活動、進路達成、資格取得の3つの日本一を目標に教育活動を行ってきました。しかし、部活動のみが学校の中心となり、資格取得の実績が低下した時期がありました。その後、目指せスペシャリスト事業に取り組み、資格取得実績が回復し、さらに実践力を高めるためSPHに取り組み、株式会社を設立、その運営を生徒が行うようになりました。
また、4年前から「総合的な探究の時間」を利用し、生徒の主体性をより一層育む教育活動を展開しています。本校ではビジネス探究型の進学校として、基礎学力としての日商簿記検定、生徒が自ら学びを深めていくビジネス探究I・II、そしてグローバルな社会でコミュニケーションを取るための英語の3つを新たな柱と考えています。
本校には4つの学科があり、それぞれの学科の特色に合わせたカリキュラムが展開されています。そのカリキュラムによって高度な知識、技術や資格を取得することが将来の職業へと結びついています。
これは令和6年度の資格取得状況です。「高度資格」とは大学卒業程度の水準の資格を本校では定義しており、各学科で高度資格の取得を目指すことができます。また、今年度公認会計士試験、論文式試験に1名が合格しました。これは本校の歴史上初めてのことです。短答式は2年に1度ほど、税理士試験の科目合格は毎年10名前後の合格者が出ています。
高度な資格を取得できるよう、生徒の能力を最大限生かすための環境を整えてきました。公認会計士に合格した生徒もICTを活用し、1年生のときから簿記会計の学習を進めてきました。ICTを活用した個別学習により、生徒は自分のペースで学習を進めています。このような授業が可能であるのは、本校が日本商業教育振興会と連携し、自ら学習を進められる教材「会計サポート」を利用しているからです。この教材は商業高校の生徒向けに、日商簿記検定初級から公認会計士までを網羅し、動画を活用し、スモールステップで学習を進めることができます。
また、高度な資格は大学と連携し指導を行っています。本校は朝日大学、中央大学と連携を結んでおり、本校の卒業生でもある両大学の講師が指導に当たっています。
進路実現の成果としては、資格取得と探究での取り組みを生かして大学へ進学していきます。特に国公立大学へは毎年20名以上が進学しています。卒業生の中には海外赴任し、会計士として活躍する生徒や、システムエンジニアとして地元企業で活躍する生徒もいます。国公立大学への進学者数では普通科進学校には及びません。しかし、本校では大学への合格者数を競うのではなく、高校での学びが大学への学びにつながり、その学びが職業へつながり、自己実現ができることを目指しています。
進路実現において、資格と並んで重要な要素の1つが探究です。本校は1、2年生で「ビジネス探究I・II」を、3年生で「課題研究」を履修します。ビジネス探究I・IIは商業科目ではなく「総合的な探究の時間」として実施しているため、共通教科を含め全教員が担当します。3年生の課題研究は商業科目のため、商業科の職員が担当します。
ビジネス探究Iは探究の基礎を身につけ、ビジネス探究IIは社会問題とビジネスの関係についてグループで論文を作成します。3年生では個人論文を作成します。探究で必要となる知見を広げるためには、共通教科との連携は不可欠です。総合的な探究の時間と各教科は相互に作用し合っています。各教科の学習内容が探究学習を充実させ、探究学習で不足している知識を得ることで、各教科の学習意欲が向上することを実感しております。
昨年度、履物に着目し探究課題を設定した生徒がいました。学校のスリッパが走る能力を低下させていると仮説を立て、体育の時間も使いながらデータを取り、分析をしました。分析の結果、スリッパによって走力に悪影響があると結論を出し、スリッパを変えられないか生徒指導部長に相談しました。この生徒は金銭的負担の問題をどう解決するか、さらに探究を進めました。卒業後、この生徒はより深く研究したいと立命館大学に進学し、将来スポーツメーカーで速く走ることができる靴を開発したいと学びを深めています。
探究を支える組織体制の説明をします。本校では他校にはあまり見られない「探究部」の校務分掌があります。探究部の役割は大きく3つ。探究の授業計画と学習支援、企業との連携、そしてイベントの企画です。特にビジネス探究、課題研究で教材として使われる「探究のてびき」は探究部が毎年作成しています。スライドは手引きの内容の一部です。探究学習が行いやすいよう、また指導教員がどの教科担当であっても指導ができるよう作成してあります。
探究学習の中で特に重要なのが外部連携です。一例として野村證券岐阜支店と連携し、授業やプレゼンの評価を行ってもらっています。「日経ストックリーグ」も野村證券との連携の1つです。これは仮想の株式投資により、テーマ設定やポートフォリオを作成するレポートコンテストです。グループで取り組み、なぜこのような投資の意思決定をしたかが重視されるコンテストです。このコンテストで身につけられる資質・能力と本校での目標が合致したため、3年前から取り組んでいます。このコンテストに取り組んで1番大きな成果は、生徒の変容により他教科でも関連した学びを積極的に取り入れるようになったことです。
また、実際に企業を訪問し、調査研究を行います。夏休みにはフィールドワーク課題を出し、手順のみを教え、実践させます。実際に企業の方の声を聞くことで、その後のモチベーションが向上し、探究学習はより充実します。
1年生が地元企業を訪問する行事も行っています。インターンシップではなく、働く人へのインタビューを通じて視野を広げることが目的です。訪問後はポスターを作成し、掲示、交流します。生徒が地元企業を深く知るきっかけにもなります。
また、生徒のキャリア形成に有用な行事として、昨年からホームカミングデーを実施しています。少人数で卒業生の話を気軽に聞く機会となっています。
探究で身につけた主体性を発揮する場所として、株式会社GIFUSHOがあります。主に3年生の課題研究、総合実践の授業内で企業活動を行っています。商品開発をきっかけに大学で起業に挑戦する卒業生もいます。株式会社GIFUSHOは文部科学省スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール指定校となった際に立ち上げ、すでに10年以上が経過しました。
こちらは株式会社GIFUSHOの組織体制です。生徒は毎年入れ替わりますが、学科ごとに業務を引き継ぎ、改善してきました。株主総会も年2回開催されています。実際に登記した企業ですので、販売実習ではなくレジが合わなければ生徒は顛末書を提出します。また、売上の一部をテナント料として支払うなど、リアルな会社経営を体験できます。
校内のみならず、他の企業とも連携し、様々な活動を行っています。最近ではファミリーマートと連携して学校のシールを発行できるようになりました。地域からの応援が熱い本校では反響の大きい取り組みです。このほかにも株式会社GIFUSHOの活動、探究活動を通じて生徒が社会とつながる機会が大変多くあります。つながりの中で生徒の可能性を最大限伸ばすことができる、そんな学校であり続けたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
【牧野主査】 それでは続きまして、埼玉県立常盤高校から鴨志田校長、よろしくお願いいたします。
【埼玉県立常盤高等学校】 皆さんこんにちは。埼玉県立常盤高等学校長、鴨志田新一です。この度は高校看護教育の取り組みにつきまして発表する機会を与えていただきありがとうございました。私は看護科の校長であるとともに、全国看護高等学校長協会の理事長もしております。自校の取り組みとともに高校看護教育の現状についてもお話し、高校看護教育をご理解いただければ幸いです。
最初に全国の看護科を設置している学校数を紹介します。公立、私立を合わせて99校となります。内訳として看護師国家試験受験資格取得ができる5年一貫教育校が82校と多くを占めています。また、准看護師試験受験資格が取得できる准看護師教育校が15校、准看護師課程を経て看護師国家試験受験資格が取得できる2年間の高校看護専攻科は6校となっております。
看護師養成所の年限です。看護師になるためには普通科高校を卒業した後、大学や専門学校を経る方法があります。しかしながら、今回私たちが言う高校看護教育はこの表の赤い部分に当たります。
それでは常盤高校の取り組みについて紹介します。本校は昭和45年に開校、平成14年から現在の5年一貫教育が開始しました。本校は全国でも珍しい看護科単独の高校です。定員は1学年80名、全校生徒400名と小規模です。看護科を卒業しますと無条件で看護専攻科へ進学できます。他校の准看護師学校を卒業しても教育課程が違うために進学はできません。修了後は90%が就職、10%が進学です。内容につきましては後ほどご紹介します。
本校の目指す学校像は、「豊かな人間性、確かな知識、技術を兼ね備えた看護のスペシャリストの養成」です。看護の知識や技術の習得は大切ですが、人生で1番成長すると言われる高校時代に看護を学びますので、豊かな人間性、まさに「看護は人なり、心なり」を身に付けさせる教育活動を展開していきます。今年度の重点目標はここに書いてある通りです。
5年間一貫教育による看護師養成のイメージです。先ほど申しましたが、中学校を卒業して看護科3年、看護専攻科2年で国家試験の受験資格が得られます。他の道から看護師になるより最短で20歳で看護師になれます。また、看護師国家試験の合格率も全国よりも高い比率になっております。しかし、本校は国家試験合格が目標ではなく、看護師になるのではなく、どんな看護師になりたいかという将来を見据えたキャリア教育を展開しています。
こちらが本校の教育課程です。本校の教育課程は文部科学省の学習指導要領、厚生労働省の保健師助産師看護師学校養成所指定規則に基づいて編成されています。左が看護科の教育課程です。右が看護専攻科になります。緑の部分がいわゆる共通科目になります。赤い部分が看護科の科目です。看護科は高校ですから、他の専門学科と同様、3分の2が共通教科、そして3分の1が看護教科です。1年生の段階から「基礎看護」や「人体の構造と機能」などの看護科目を学びます。看護専攻科は8割以上が看護科の科目です。本校の教員以外にも医師や大学の先生、保健師などの専門職の方の講義もあります。
こちらは看護科1年生の「基礎看護」の授業の様子です。教室の講義もございますが、このように手浴やベッドメイキング、車椅子移乗なども行います。
こちらは高校2年生の「基礎看護」の様子です。減菌操作は日本薬科大学の協力を得て行っています。創傷管理、筋肉注射の演習、これは本物の注射針を使います。血圧測定、文化祭などでも一般の来場者に向けて血圧を測ります。私も時々血圧を測りますけれども、いつも高いという風に言われています。
2、3年生の「老年成人看護」です。高齢者体験や吸引、地域交流会。この地域交流会は地域の高齢者の方が毎年30名以上集まり、生徒が企画主催した交流会を行います。核家族化の中でなかなか高齢者と接する機会がありませんので、病院での実習に向けて貴重な体験となります。心肺蘇生法では日本赤十字社埼玉支部のご協力を得ています。
3年生の「母性看護」の様子です。妊婦体験や赤ちゃんの沐浴、計測などを行っています。
大学との連携です。女子栄養大学とは訪問して栄養や体脂肪などを学びます。日本薬科大学では先ほどの無菌操作や、訪問して薬学の講義を受けたり、実験をしたりします。
このように病院実習や看護の授業ではコミュニケーション能力が最重要であり、患者さんの状況に応じて考えたり判断したりする能力、私たちはこれを「臨床判断能力」と言っていますが、とても大切です。日々の授業でもこうした能力を育成することを念頭に展開していますが、ここで本校の探究的な学びの一例を紹介したいと思います。
看護科の学科ごとに取り組んでいるプロジェクト学習でございます。簡単に言いますと、6名が1グループを作り、各学年で示されたテーマに従って課題を設定し、実験、調査、研究を行うものです。10月には研究成果発表会、合同プレゼンテーションを行いますが、これは1年生から3年生までを縦割りにして4つの会場で行っています。2年生はパワーポイントでなくポスターセッションで行っていますので、実際の成果物を紹介します。
先ほど示した通り、2年生の学年テーマは「私たちが確かめたエビデンスに基づいた看護技術を提案します」でした。このグループは冷罨法の使用時間と発汗の関係について提案しています。冷罨法とは体の一部をまたは全体を冷やすことで痛みや発熱を下げる看護技術の1つです。課題の設定とその理由、予想される結果、そして明らかにするために必要な実験方法、参考文献がここでは示されています。そして放課後や夏休みを利用して実験を行い、実際の生徒だけでなく実験では教員の協力も得ています。実験結果を元に分析、まとめ、そして最後にエビデンスに基づいた看護技術の提案を行っています。
発表後は聴衆から質問や意見の交換の後、サンキューカードを書いてもらいます。1人で何枚書いても構いません。この写真はそれらをまとめたものです。こうして省察、いわゆるリフレクションをします。省察というのは看護では欠かすことはできません。こうして、次に課題へ取り組んでいきます。
こちらは看護専攻科の実習の様子です。フィジカルアセスメントの授業、採血の授業、バイタルサインと、看護科と比べ専門度がかなり高くなっています。
看護科の特筆する行事として「戴帽式」があります。本校は3年生の3月に行っています。戴帽式は看護師を目指す生徒が1人1人校長から看護師の象徴であるナースキャップをいただき、ナイチンゲール像からろうそくの灯りを移します。生徒たちは「誓いの言葉」を斉唱しナイチンゲールの精神を受け継ぎ、看護の道へ進む自覚と誇りを深めていく儀式です。写真でも分かるように、厳粛で神秘的な行事です。
主な臨地実習、いわゆる病院実習先です。高校3年生では3週間の実習、患者さんを受け持ちます。こちらは専攻科の主な臨地実習先です。専攻科では2年間で実習を2週間9回行います。成人、精神、母性、小児など領域別で行います。今年から指定規則の改定もありまして、在宅看護の実習先に地域の療養施設、として地域の療育施設や特別支援学校などでも実習を行っています。
修了後は9割程度の生徒が就職をしますが、こちらは主な就職先です。示した中の青い部分が実習病院です。約7割の生徒が実習病院に就職をします。近年の傾向として県立病院や市立病院、また大学病院などが人気があります。本校の生徒は急性期病院に希望する傾向があります。看護師1年目の離職率は高いと言われていますが、実習病院への就職では実習の経験があったり、本校の卒業生が多く勤務したりしておりますので、統計は取っておりませんが離職率は低いと考えております。
1割程度の生徒は進学をします。平成28年から専攻科修了生も大学の3年時に編入が可能となりました。従って大学の3年時に特に国立大学に進学、また、看護師の資格を有しながら、養護教諭、助産師、保健師になります。
最後に私たち看護師の祖であるナイチンゲールの言葉を胸に、教員も生徒も学び続けます。本日は貴重な時間いただきありがとうございました。以上で終わります。
【牧野主査】 ちょっと時々音声が途切れてしまっておりましたが、なんとか聞き取れたかと思います。ありがとうございました。それでは続きまして、山形県立酒田光陵高校から湯澤先生、よろしくお願いいたします。
【山形県立酒田光陵高等学校】 それでは山形県立酒田光陵高等学校情報科の湯澤と申します。今日はよろしくお願いします。
まず初めに、山形県立酒田光陵高校の概要ですが、本校は平成24年度に酒田市の4校が統合してできた学校になります。地域に根ざした教育ということで、公益、情報、国際をキーワードに、地域社会を支えるリーダーを育成することをスクールミッションとしております。
設置学科ですが、普通科が2クラス、工業科が3クラス、商業科が2クラスで、今回私が話をする情報科が1クラス、定員40名のクラスになります。
これまでの取り組みとして、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールであったり、DXハイスクール、リーディングDXスクールの指定校ということで、様々な取り組みに取り組んでおります。 普通科、工業科の方は機械制御科、電気電子科、あと環境技術科。商業科はビジネス流通科、ビジネス会計科という風に、小学科では全部で7学科ある学校です。普通科、工業科、商業科のカリキュラムはご覧の通りです。
進路実績ですが、本校の場合ですと、学科ごとでその進路の実績が大きく異なっている構成になっております。工業科の場合ですとほとんどが就職、普通科、商業科、情報科の場合は進学の割合が高くなっている構成になってます。特に情報科の場合は進学の方が75%を超えるような進路実績になっております。
酒田光陵高校の情報科について説明させていただきます。まず、専門学科情報科ですが、学習指導要領の目標としましては、実践的・体験的な学習活動を行うことを通じて、情報産業をはじめとする地域産業を支える職業人として必要な資質・能力を育成するということで、学習指導要領の中ではこのように科目が割り振られております。原則履修科目として情報産業と社会と課題研究。卒業まで25単位以上履修が必要となっております。我々の教員免許は共通教科情報と同じものでして、私も普通科の「情報I」の授業も持っている状況です。
専門学科情報科の教育課程の方はこのようになっております。情報システム分野と情報コンテンツ分野と教科としては大きく2つに分かれていますが、本校はどちらかの分野だけを集中して行うのではなくて、両方とも学習を行う、まんべんなく行う形をとっております。特にコース分けするのではなくて、生徒の興味関心や進路先によってどちらかというとコンテンツ分野が多くなる生徒、どちらかというと情報システム分野が多くなる生徒はおりますが、基本的にはどちらとも学習を行うということでカリキュラムを組んでおります。
また本校は、学校設定科目として、「情報総合」「SPアルゴリズム」「IoTシステム」、あと「AIとデータサイエンス」を開設しております。
教育課程の主な流れとしまして、まず基本的な学習をした後に、SPアルゴリズム、課題研究と進んでいき、その中で基本的な学習の内容から実践的な学習、探究的な学びへと繋がっていくんですけども、基礎的な学習の内容に関しましても、程度の差はあれ、どの教科でも探究的な学び、実践的な学びを取り入れて進めております。1年次より実践的・探究的な学びを積み上げていくことで、学びを深めていきます。
そういった探究的な学びを通じることで、生徒が主体的に課題に取り組み、新しいことにもどんどんとチャレンジできるようにしております。ITの基礎をベースにした上で、実践的、体験的、主体的な活動をしていく。ICTを活用した課題解決、それに加え新しい情報技術、こういったものを取り入れながら、情報産業の創造と発展に主体的、協働的に取り組む態度を育成していきます。その上で、これから進展の激しい新しい情報技術、情報社会にも対応できる、その活躍の場で情報のリーダーとなれる人材の育成を目指して指導を行っております。
では、具体的に教科の中身か話をさせていただきます。まず1つ目、学校設定科目の「SPアルゴリズム」です。この授業では、販売顧客管理システムの作成を通じて、情報技術者としての能力・態度を育てていく授業です。この授業は、山形県立産業技術短期大学校庄内校と連携しておりまして、カリキュラムの中身や、技術的な視点などをご指導いただきながら一緒に進めております。
開発するシステムは、現場の情報システムと同じようなシステムを作っていきます。メイン画面があって、データベースと連携をしながら、ネットワークで接続をし、それぞれの各注文画面を作っていくシステムです。具体的には、このような画面を生徒たちで作っていきますが、生徒たちは全部1人でやるのではなくて、チームを組んでこの1つの画面に責任を持って制作していき、最後にシステムとして合わせる実習に取り組んでおります。ということで、1つ1つ人によって課題もみんな違う、設計も違うことに取り組む授業をやっております。
そのため授業の内容としましては、一斉の授業を行うのではなくて、様々な形で学習を行っております。班を飛び越えて相談している生徒もいれば、他のメンバーに話しかけてる生徒もいる、できる人に助けをもらいながら教えてもらっている生徒もいれば、生成AIと会話をしながら制作を進めていく生徒もいます。このように生徒たち自分たちで探究を深めながら学習をしております。これは、SPアルゴリズム実際の生徒発表資料ですけれども、できたものの評価をして、さらによいシステムにするためにどうするかを繰り返し思考することで授業を行っております。
2つ目です。情報システム実習。実習の中では具体的にいろんなことに取り組んでおりますが、1つ大きな実習として「ゲーム制作実習」に取り組んでいます。ゲーム制作は、プログラムなどの情報システム分野だけ、コンテンツ分野だけを学習しているのではゲームを作ることはできません。例えばキャラクターを動かすにはプログラムの力も必要ですし、3DCGの力もいる、全体のシステムを開発するにもデザインの力やアルゴリズムの力が必要であったりと、情報に関わる全ての分野を総合的に学習した上でこのゲームができています。そのため、ゲームを作り完成させることがすごく大変な実習です。
この実習自体も、生徒が自ら企画を作成して、生徒が作りたいものを自分たちで調べながら実装していきます。その時に、実際に様々な資料を見ながら生成AIも活用しながら、生徒は時間をかけて作っていきます。教員は主にサポートを中心に行っております。先ほどのSPアルゴリズムと同様に、生徒は自分たちで自分たちの作りたいゲームについて学習方法を選択しながら作っていくことを行っております。
3つ目です。「AIとデータサイエンス」です。この授業は学校設定科目ですけど、最新のICT動向も踏まえ新しい技術もチャレンジして取り入れていこうということで、3年次生の1年間2単位で学習をしております。AIやデータを活用して、実際の課題を解決するための技術と態度を身につけることを目標として、数理・データサイエンス・AI教育プログラムの認定制度に照らし合わせると、リテラシーレベルを超えて「応用基礎」まで入れるレベルを内容の目標としております。情報の授業では共通的な分野と情報システム・コンテンツ分野でリテラシーの部分を学習すると、数理・データサイエンス・AI教育プログラムの認定制度のリテラシーレベルの多くは履修できると考えております。そこにプラスする形でAIとデータサイエンスで応用基礎の部分までやっております。主な学習内容は、このようになっております。新しい技術にも対応し、生成AI、プロンプトエンジニアリング、RAGにも対応する形で行っております。
「AIとデータサイエンス」の授業では、モデルを作って、精度を求めて終わりではなくて、実際にデータを収集して、データの前処理を行い、モデルを作成した後、AIモデルを実際の利用システムに実装する。この一連の流れを意識したような授業を実施しております。
このような授業を実施した上で、生徒たちが主体的に学ぶ、探究的に学ぶ力を最大限に発揮して実施しているのが「課題研究」になります。生徒の興味関心に合わせて、課題は生徒自身が設定しており、我々の方で「こういう風にやりなさい」といった導き方はしておりません。また、積極的に外部と連携しながら、生徒の探究を深めています。課題研究では、生徒が主体的に学習を行い教員は、ポイントポイントで探究の輪を回していく時に、アドバイスをしております。
これは一昨年、去年のテーマの抜粋になります。高度な内容、例えば生成AIを使った研究であったり、AIに関する研究という最新技術や高度な内容の研究も生徒は積極的に取り組んでおります。高度な研究に取り組むということは、我々教員の方も新しい技術に対応しなければいけません。教員も大きな挑戦になります。新しい技術を生徒とともに学びながら毎年課題研究に取り組んでおります。
テーマの具体例は、VRアバターを活用した情報科魅力発信プロジェクトを行うために、VTuberとなってYouTubeの動画投稿をして魅力を発信することをやってみたグループや、RAGを活用した校内ルールAIチャットボットの開発、このRAGの研究を担当したのは私ですが、生徒がRAGを使って問題解決をしたいと言った時に、私もRAGについて全く知らず、「RAGって何?」っていうところから始まりました。このように生徒自身が新しい技術を見つけてきて、積極的にチャレンジをしたいという環境を整えて、生徒がチャレンジしたいそういう風に思えるようにしております。RAGの開発については、当然私だけではなかなか解決できませんので、地元のAIエンジニアと連携をしながら実際に開発を進めております。
また、実際に地域の困り事を解決するということで、地元企業の棚卸しのときにパイプの数を一つ一つ数えるのがすごく大変だということを生徒が聞き、生徒が、パイプを数えてくれるAIアプリケーションを作れば楽になるのではないかと、地元エンジニアの方と連携しながら、さらに地元企業の方にヒアリングを実施、現場見学なんかを行いながら課題解決をしていくという課題解決の授業研究も実施してました。このように普通科ではなかなかできない高度な情報技術や最新技術を取り入れながら、生徒が課題解決に向けてチャレンジし続けております。
昨年度から、DXハイスクールも参加しております。DXハイスクールの事業の中で、生徒向けの研修会の実施、具体的には「データサイエンスサマーキャンプ」として、AIスタートアップ企業の講師によるAI・データサイエンスの学習合宿会を開き、AIへの興味のきっかけ作りを行いました。また、高性能なコンピューターを導入したりしております。どうしてもこういったCGであったり、ゲーム制作など高度なことをやるとPCに負荷がかかります。PCがストレスなく動作することで生徒の学びの意欲を止めずに学習や活動を行うことができます。さらに、高性能なGPUワークステーションを使うことで、実際にローカルLLMを活用した高度な課題研究を行った、個人でやりたくてもなかなかできないこともできております。さらにファブリケーションルームを整備することで、生徒がやりたいと思った時に機器が使えるようにすることで、生徒の探究の学びを止めないようにしております。
生成AIパイロット校の指定もうけております。モラル講座、プロンプト研修を行ったうえで、生成AIを活用することを大いに認めて、生徒が普段から生成AIを使っている状況です。今までも出てきておりましたが、実際に授業中でも生成AIを普通に活用しながら、実践的・探究的な学習において日常的に活用して、内容の高度化に大きく貢献をしております。授業でもフルに活用しています。
進路実績は、本校情報科から一般入試ではなかなか進学はできておりません。情報科で学習した研究実績をアピールすることで、総合型選抜や学校推薦で大学に進学をしております。大体クラスの4分の3が進学、4分の1が就職という形です。また、このような大学に入っております。ご清聴ありがとうございました。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは、これまでのご発表を踏まえまして、委員の皆様方からご質問、ご意見等があればお願いしたいと思います。ご発言の際は挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してからご発言をお願いいたします。また、ご発言が終わりましたら再度ミュートにしていただくようよろしくお願いいたします。それではいかがでしょうか。はい、小川委員お願いいたします。
【小川委員】 こんにちは、小川です。よろしくお願いします。私は商業科の立場ですので、他の商業高校のご紹介を兼ねて、最後に早水先生にご質問をさせていただきたいと思います。
昨年の11月に全国高等学校生徒商業研究発表大会が開催されまして、先の県立岐阜商業高校は言うまでもなく、佐賀県の鳥栖商業高校の生徒が数理最適化の手法を用いてタクシー会社の配送業務についての巡回セールスマン問題を解決するアプリを作成しました。また、岐阜県の大垣商業高校の生徒がアパレルの在庫管理について正味現在価値法という方法を使い、経営改善のためのコンサルティングを社長にプレゼンをするなどの素晴らしい実践発表がありました。
今回、早水先生をはじめ、他の先生方ご発表ありがとうございました。早水先生が所属する県立岐阜商業高校については、本当に追いかけてもどんどん背中が遠くなります。ホームカミングデーや、株式会社GIFUSHO、「探究のてびき」など、本当に素晴らしい取り組みだなと思います。一昨年、日経ストックリーグのポスターセッションにも私自身参加させていただいて、それを参考に東京都でも色々な意見をしているところです。
質問ですが、探究での共通教科、専門教科とのつながりについては先ほどの説明でお聞きできましたが、これだけ商業科の先生方で頑張っていると商業科目と共通教科の普段の授業の調整もなかなか難しいかなと思いますが、その辺りについてもう少し具体的な説明をお願いします。
【牧野主査】 それではお願いします。
【岐阜県立岐阜商業高等学校】 はい、県立岐阜商業高等学校、早水です。小川先生、質問ありがとうございます。
商業科目の中で共通教科とどううまくバランスを取ってやるかということだと思いますけれども、実は本校、進学者の数が全卒業生の8割を超えていまして、プレゼンの中でも表示した通り、進学校としての役割も担っているのではないかと感じております。その中で、本校では、実は共通科目が非常に割合としては高くですね、外国語、英語の割合は非常に高いです。それからまたビジネス情報科という学科におきましては、実は今選択で数学IIIまで履修するようなカリキュラムをしております。
カリキュラム委員会等でよく議論になりますのは、本校がどのような生徒を育てたいかを明確にし、そのために商業科目と共通教科で同じ認識、共通認識を持って、そのためにどんな科目が必要であるのか、どういう知識を身につけさせたらいいのかということをよく議論しております。ですので、商業科目だけをたくさんやればいいという認識ではなく、商業科目にとってもその共通教科の科目の学びが非常に重要になり、また商業科目で学んだことがまた共通科目の学習にも生きているというようなことが教員間でも共有しておりますし、生徒たちもそのような認識で学習に取り組んでおります。
最近で言いますと、共通教科の「公共」の授業の中でビジネスについて扱う場面がありまして、その担当の先生が「このようにビジネスを扱いたいけれども、これでいいですか」というようなことを商業の教員に相談しに来たりしていました。ですので、かなり科目の中でお互いにこう横断的に学習を進めているというような状況です。これでよろしいでしょうか。以上で説明を終わらせていただきます。
【牧野主査】 小川委員、よろしいでしょうか。
【小川委員】 参考になりました。
【牧野主査】 それでは続きまして、香山委員お願いいたします。
【香山委員】 はい、信州大学の香山と申します。よろしくお願いいたします。それぞれの高校にちょっと1つずつご質問がございます。まず商業科の県岐阜商の方にお伺いをしたいと存じます。探究活動がすごく充実しているなという印象を持ちました。で、科目の配置としましては、「総合的な探究の時間」と「課題研究」と両方組み合わせているという風に読み取ったのですが、それぞれの単位数を教えていただければありがたいと思いました。まずこれが1つです。
2つ目の看護科の学校さんにおかれましては、常盤高校さんの方ですかね、カリキュラムを拝見した際に「情報I」を置かれていて、かつ「看護情報」という科目を高学年の方に置いてありました。その2つの科目の関係性を教えていただければというのが2つ目の質問です。
そして最後の酒田光陵の情報科の先生なんですけども、「AIとデータサイエンス」という結構チャレンジャブルな科目を置いてらっしゃると思いました。先ほどの小川委員の質問ともちょっと関係してくるとこなんですけども、そのAI・データサイエンスを真面目にやろうと思った時には、結構数学の、特にすいません大学風の言い方をすると線形代数の分野とかめちゃくちゃ大事になってくると思うんですけども、そういったところの基礎科目というんですかね、数学的なベースはどのようにサポートされておられたのかということをそれぞれ教えていただければと思いました。お願いいたします。
【牧野主査】 はい、それでは早水先生、鴨志田校長先生、湯澤先生の順番でお答えをいただければと思います。よろしくお願いします。
【岐阜県立岐阜商業高等学校】 はい、県立岐阜商業、早水です。質問ありがとうございます。
本校の「総合的な探究の時間」ですけれども、1年生で1単位、2年生で1単位、そして「課題研究」につきましては学科によって3単位から4単位と、学科ごとにばらつきがあります。ただ総合的な探究の時間の代替としているのは1時間だけでして、この3時間4時間の中のうち1時間を探究の時間としまして論文執筆に当てております。後の2時間、3時間はですね、科ごとにかなり異なるんですけれども、株式会社GIFUSHOの実践的な活動を行ったり、また科によって必要な知識を得る時間にしております。
【埼玉県立常盤高等学校】 常盤高校です。ご質問ありがとうございます。本校の教育課程で1年生に共通教科の「情報I」を1単位、それから3年生で「看護情報」を1単位取ります。「情報I」は共通教科の内容と同じです。「看護情報」は医療や看護に関わる情報です。今は電子カルテです。それから情報モラルですとか、そういった医療現場で必要な情報を主に学んでいます。ただ、この情報化社会の中でこの教育課程が正しいかどうかという検討中でございまして、今後重要ということも感じています。以上です。
【山形県立酒田光陵高等学校】 酒田光陵高校の湯澤です。ご質問ありがとうございます。
数学の部分に関しては、本校の場合、情報科は全員「数学I」「II」「A」「B」まで受講しております。「数III」に関しては選択で開講しておりまして、進学を目指している生徒は「数III」まで取っておりますので、大体クラスの半分以上は「数III」まで学んでおります。当然「AIとデータサイエンス」をする上で数学と連携しながら進めてはおりますが、正直その数学の深いところまで使ってそのAIのちゃんとしたところを理解しようというよりも、実際にデータってどうなってるのとか、こういう風にAIを作っていった時にこういう風に動くよという、理屈の部分を重視しながら授業の方は進めております。なかなか数学の重たい部分出てくるとなかなか逆に生徒が進まなくなりますので、まず理解というところに力を入れてやっております。
【香山委員】 はい、ありがとうございました。
【牧野主査】 はい、それでは続きまして、清水委員お願いします。
【清水委員】 3校の先生方、ご説明ありがとうございました。大変勉強になります。
岐阜商業高校さんと常盤高校さんに教えていただきたいことがございます。まず岐阜商業高校さんでは、先ほど「総合的な探究の時間」ということでビジネス探究I、IIを実施されてるということを伺いましたけれども、この1年生、2年生の1単位というのは1週間のカリキュラムの中で月曜から金曜までの中で6時間授業の中で全てが収まった状態になっておられるのか、プラスアルファのような形で1時間ずつ取り組まれているのか、教えていただければと思いました。岐阜商業高校さんのカリキュラムの表を見させていただいてたところ、合計の単位数として89(2)というような形で書かれていたものですから、教えていただければと思いました。
常盤高校さんの音声が途切れてしまってご回答がなかなか難しいかもしれませんが、教えていただきたいことは、産業教育に関係する専門学校のほとんどの生徒は中学校時代に将来のことを見据えて高校選択をされてると思いますが、中には専門高校で学んだ後に他の産業に進む生徒もいるのが事実かと思いますが、常盤高校さんの場合には5年間過程ということで一貫性を持った教育を進められてるわけですけども、3年生が終了した段階でまた5年間の学びが終えた段階で他の産業に進む生徒さんはいらっしゃるものなのかどうかということを教えていただければと思います。看護師を目指して入学をしてこられてると思いますので、多くの生徒さんが看護師となって働かれてるのではないかと思いますので良1点は多く学ばせていただければと思いましたので質問させていただきました。
【牧野主査】 はい、それでは早水先生、鴨志田校長先生の順番でお願いいたします。
【岐阜県立岐阜商業高等学校】 失礼いたします。県岐商、早水です。月曜日から金曜日の中でどのように授業を実施しているのかということでしたけれども、本校7限ですとかそういう時間は設けず、月曜日から金曜日まで全て1限から6限の中で実施しております。
ですので実はこの「総合的な探究の時間」を実施するとなった時に校内でかなり議論をいたしました。本当に総合的な探究の時間として1時間やるのか、課題研究の代替でいいのではないかっていう議論もあった中で、やはり生徒の主体性を育むためにこの総合的な探究の時間が非常に重要であると、そこを前提にやはり他の教科の1時間を減らしてでも1時間を入れたいということで、反対もあった中で入れさせていただきました。
ですので、1時間ずつですね、1日6時間の中で入れさせてもらって、その中で他の教科にちょっと単位を減らしてもらったという科目もありました。実は2年生のその1時間は商業科目を1時間減らしました。その1時間を減らしてでも生徒の主体性を育んで、それによって生徒の意欲を伸ばすことでより生徒が学習にも意欲的になれるはずだという風に信じてこのような単位設定にいたしました。
【牧野主査】 続けてお願いします。鴨志田校長先生、聞こえますか。常盤高校の鴨志田校長先生、お答えができないようで申し訳ないんですが、進めさせていただいてもよろしいですかね。鴨志田校長先生、また繋がりましたらということでよろしくお願いいたします。
それでは西岡委員お願いいたします。
【西岡委員】 3校の先生方からの発表、とても学びの多いもので、たくさん勉強させていただきました。本来の産業教育の特色や強みが生かされた活動をされていると思いました。キャリアパスの描き方であるとか、職業意識の醸成についても、本当に素晴らしいと思います。その上で岐阜商業高校の早水先生にお尋ねできたらと思うことがあります。それは、インターンシップではなく企業にインタビューをされているとお話しされていましたが、この経緯や背景についてが一点目です。また、先生のプレゼン資料の14ページに作品を制作するという記載がありましたが、この作品というのは具体的に何を指しておられるのか、この2点をお尋ねできたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
【岐阜県立岐阜商業高等学校】 ご質問ありがとうございます。まずはですね、本校の「チャレンジオープンカンパニー」の経緯なんですけれども、実は本校ずっとインターンシップはやっておりました。ただインターンシップは希望制でして、就職希望者のみに対してやっておりました。また本校、事務職で就職する希望する生徒が大変多いんですけれども、求人もいただいてるんですけれども、インターンシップに事務職で行かせていただいても、個人情報の関係ですとかそういうことで実際にやらしていただける作業が非常に少ないということもありました。ですので何らかの形で生徒にもうちょっと企業のことをこう知ってほしいと、そしてインターンシップですと企業の方の負担も重いということで、このようなものを取り入れました。
また本校進学者8割と言いましたけれども、実はその多くが大学へ進学しても後々地元へ戻ってきます。そうなった時に本校の学校として目指す姿は、都心に出ていって活躍する姿ではなくって、やはり地元に残って地域のリーダーとして産業を引っ張っていく、そういう人材だと考えて育てています。となりますと、高校時代に地元にいかにいい企業があって、またそこで働いている1人1人の方たちがいかにこう地域社会を支えているか、そういうことを教えるだけではなくって実感することが非常に重要だと思いました。
これ実は校内の教員の1人のひらめきと言いますか、商業科ではなくて共通教科の教員が「こんなことができたらいいな」っていう話から始まったんですけれども、せっかく地元に多くの本校の卒業生OB、OGがたくさん活躍してるのに、それを知る機会が少ないということで、岐阜県の産業人材課とも連携いたしまして、そういう企業さんを探していただきまして、また高校時代っていうのはどうしても固定概念みたいなものが多くございまして、そういうものを一旦外して企業を見るという形でも実施したいと思いまして、生徒の希望を聞かずに地理的な条件、遠方から通ってくる生徒も多いですので、その生徒たちの住んでいる地域によって企業を分けて、インタビューに行かせていただくということを実施するようになりました。始まって3年ほどになります。
それからもう1つの質問ですけれども、作品制作ということなんですけれども、これは主にビジネス情報科で取り組んでおります。iPhoneのアプリを制作したりですとか、あとそれからホームページの制作等になっております。本校は株式会社GIFUSHOを持っておりますので、その中で以前は目覚ましアプリを販売して、そしてそれをOBの方に使っていただくということで配布したこともありました。ただこれ実際にはうまくいかなかったこともあったりもして、またそれが生徒の学びにも繋がっております。
今年は岐阜県の商業教育研究会という組織がありまして、そちらのホームページが随分古くなって使い勝手が悪かったことから、ビジネス情報科の生徒にお願いをして、そちらを更新してもらいましたし、また最近ちょっとやっておりますのは地元企業さんが皆さんSNSの活用をしたいんですけれども、人数が限られていたり、そういうものに詳しくないという方が多いので、高校生ならば得意ではないかということで、地元企業さんからそういう仕事を請け負いまして、やりたいという生徒を募集しまして、生徒たちが「SNS中の人プロジェクト」という名前でやっているんですけれども、地域の小さな製造業の情報発信に賃金をいただいて、会社としてそれを受注して実施しております。これで質問の回答になっているでしょうか。よろしくお願いいたします。
【西岡委員】 ありがとうございます。背景がよく分かりました。
【牧野主査】 はい、ありがとうございました。他の委員の方々、挙手がありませんのでよろしいですか。
【埼玉県立常盤高等学校】 鴨志田ですが、今入りました。申し訳ございません。
【牧野主査】 それではすみません。先ほどの質問に、お願いします。
【埼玉県立常盤高等学校】 清水委員の質問にお答えします。先ほどありましたように本校の場合は、進路が就職90%、進学10%ですので、90%の生徒は病院に就職をします。で、10%も先ほど示しましたように保健師や助産師を目指しています。保健師、助産師になるためには看護師の資格がなければなれませんので、そういった意味では本校の卒業生は100%医療機関に関するところに就職または進学しております。
【牧野主査】 ありがとうございました。もう1人、川﨑委員から手が上がってます。他の方よろしいですか。それでは川﨑委員お願いいたします。
【川﨑委員】 埼玉県立の鴨志田先生にもお願いしたいんですが、国家試験に向けて資格試験を取るということがゴールになっている部分も大きいのかなと思いますと、高い合格率っていうのは非常に素晴らしいと思ってお聞きしました。5年間の教育の中でそこを目指していくことは、専門学校や大学でも高い合格率を出すのは難しいところもあります。それは授業の中で特別な何かを行っているものがあるのかいうことと、それをすることによって逆に科目の方に影響が出てないのかというところもお聞きしたと思いました。よろしくお願いします。
【牧野主査】 はい、それではお願いします。
【埼玉県立常盤高等学校】 ご質問ありがとうございます。本校の場合には中学を卒業した16歳から看護がありますので、そういった看護の心と言いますか、看護師としての心も勉強していきます。また、全員が同じ目標に向かって5年間進んでいきますので、必然的にその看護に対する力はついていきます。特別に国家試験の勉強というよりも、むしろ子供たちがですね、お互いに学び合ってる状況があります。
結果的には合格100%ですけども、先ほど申しましたように本校は国家試験の合格じゃなくて、むしろどんな看護師になりたいかというキャリア教育に重点を入れています。ただ、専攻科の2年生のこの時期、2月15日試験ですけども、この時期になりますと集中的に補習ですとか、基本的には放課後ですけども補習したり、またオンラインで補習したりとかしてます。従いまして、そういった生徒たちのモチベーションと教員たちの努力がこの100%に結びついてると思っております。以上でございます。
【牧野主査】 それでは、これまでのご発表を踏まえて、質疑応答がされました。ご発表いただいた皆様方、改めて御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。この後ご退出いただいても、あるいはこのまま傍聴いただいても、どちらでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
それでは冒頭でも申し上げましたように、本日長丁場でございます。この辺りで5分程度の休憩を挟みたいと思います。(2)の議題の開始時刻は4時45分とさせていただきます。よろしくお願いします。
(休憩)
【牧野主査】 それでは、会議を再開させていただきます。
議題(2)に移ります。資料3、職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化(3)について事務局より説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 よろしくお願いいたします。私の方から資料3に基づきまして、本日の論点をご説明させていただきます。
まず1ページ目でございますけれども、本日は大きく3つの議題をご準備させていただきました。
1点目、議題の1ですけれども、各教科の目標における知識・技能、思考力・判断力・表現力等につきまして、どのように表現をしていくべきかというものでございます。
議題の2つ目ですが、内容の表形式化の具体的な形式ということで、総則・評価部会または企画特別部会から大きく2つの様式を示されておりますので、専門教科としてどういった様式を選択し記述をしていくかということでございます。
3つ目でございますが、高次の資質・能力ということで、高次の資質・能力、統合的な理解と総合的な発揮ということについて、どのように記載をしていくかということでございます。
順次ご説明をさせていただきます。まず議題の1つ目、知識・技能、思考力・判断力・表現力等ということでございます。3ページをご覧ください。
3ページ目、また4ページ目はですね、第2回の議論に関わりまして、目標また見方・考え方に関する議論の方向性を改めて掲載した資料になってございます。
ここに関しましては、3ページ目の左側の方向性ですね、丸1、職業に関する各教科の目標の柱書きについてというところの3つ目の丸を少しご覧いただきたいと思いますが、第2回の議論の中では、職業に関する各教科の学びを深めるためには共通教科の学びも重要となるが、こうした観点から目標において配慮すべきことにはどのようなものがあるかというような方向性を示させていただきました。
ただここに関しましては、今回各教科との目標の柱書きに加えるというよりは、資料を少し飛ばさせていただいて恐縮ですけれども、6ページにございますように、高等学校においては「3つの方針」ということで、グラデュエーション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーというものを定めることということになっておりますので、各教科の目標というよりはこういった学校全体の教育課程を編成していく上で、考え記載していくべきものということで、今回は整理をさせていただきたいと考えております。
3ページ目、4ページ目はおさらいですので、ご説明としては少し割愛をさせていただきたいと思います。5ページ目をご覧ください。
5ページ目が本日の議題の1に関する論点の資料になります。まずこの5ページ目の上段ですね、現行の規定ということがございますけれども、産業教育に関する各目標というのは、現在学習指導要領解説等におきまして、今お示しさせていただいてるような形で示されております。これに基づきまして各教科の特質に応じて各教科との目標が作られているということになっておりますけれども、まずはこの産業教育の解説等に示されている目標をどのように記述していくかというところから議論を始めさせていただければと思います。
方向性の方をご覧ください。四角で4つ論点を上げさせていただいております。
まず1点目ですけれども、全体に通じる話といたしまして1点目の整理をしたいと思っております。まず知識、技術に関する観点の名称についてでございます。
こちらにつきましては、これまで職業に関する各教科については従前より「知識及び技術」という風に整理をしてまいりました。これは技能がより高まった段階が技術であるというような考え方の元を用いてきた言葉でございますけれども、技術という言葉の持つ意味合いが技能に包含される狭義の技術と誤解されうるものであることでありますとか、今次の改定においては職業に関する各教科全体として資質・能力ベースに記述を改めていくというような検討を行っていることから、資質・能力を表す言葉として「知識及び技能」という風に表現することとしてはどうかと考えているところでございます。ただ一方で、これまで大切にしてきた技術というものを決して否定するものではないということを付言しておきたいと思います。
続きまして四角の2つ目です。ここからそれぞれの具体的な内容になってまいります。知識及び技能につきましては、各職業分野について体系的・系統的に理解するということが書かれておりますけれども、このことにとまらず社会的な意義や役割ということも大変重要であると考えられることから、この文言を、「社会的な意義や役割」という文言を目標に追記する方向でどうかということでございます。
四角の3つ目でございます。加えてこれも知識・技能の話でございますけれども、現在は関連する技術を身につけるということだけが記述をされておりますけれども、より指導に深まりを持たせるということのためにも、何のための技能を身につけるのかというようなことを追記する方向でどうかということでございます。
具体的には左下をご覧ください。少し読み上げさせていただきますが、「各職業分野について社会的な意義や役割を踏まえ体系的・系統的に理解するとともに、各職業分野の発展及び職業人としての自己の成長のために必要となる技能を身につけるようにする」というような表現にしてはどうかということでございます。
続きまして思考力、判断力、表現力のところでございます。ここにつきましては4つ目の四角でございますけれども、今後データの利活用が不可欠になることということを背景といたしまして、「科学的な根拠に基づいて探究する」というようなことを明記してはどうかということでございます。イメージはその下にございます。「各職業分野に関する課題を発見し、科学的な根拠に基づいて探究するとともに、職業人としての倫理感を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う」ということについて今回ご提案をさせていただきたいと考えております。
また、学びに向かう力、人間性等に関しましては、第2回目の議論の中で学習過程に基づいて4つの要素を踏まえて考えていくというようなことを示させていただきましたけれども、これはさらに検討ということで、また次回以降、2回目の議論を踏まえた具体的な表現ぶりについてお諮りをさせていただきたいと思っておりまして、本日のワーキングにおきましては知識・技能、思考・判断・表現のところでご検討をお願いしたいと思っております。
説明を続けさせていただきます。資料7ページ目以降が本日の議題の2つ目、内容の表形式化の具体的な形式というところでございます。資料8ページ目をご覧ください。
論点整理では「分かりやすく使いやすい学習指導要領の実現」を通じてというようなことで、学習指導要領の内容について表形式で構造化を図るというような方針が示されております。その具体的な内容というのは各教科等のワーキングで検討ということになっておりまして、具体的には大きく2つのパターン、「並列パターン」というものと「並行パターン」というものが示されております。
10ページ目ご覧いただきたいと思いますが、こちらが並列パターンの様式、また少し飛ばさせていただきますが12ページ目が並行パターンの様式ということになっております。資料行ったり来たりで恐縮です。1枚戻らせていただきます。資料の11ページ目をご覧ください。
1つ目の丸にございますけれども、並列パターンという様式に関しましては、知識、技能に対応して一体的に育成を目指す思・判・表を並列して示すことで横の関係を示すということで、知識、技能のことを「知・技」と呼ばせていただきますが、知・技の内容の系統性が明確で知・技の内容のまとまりに対応した固有の思・判・表が想定できる教科に関しましては、並列パターンの方が適切ではないのかということが示されております。
2つ目の丸ですが、一方でというところでございますけれども、教科によっては知・技よりも思・判・表の系統性が明確であるもの、また知・技が全体として思・判・表の深まりを助けるといった構造のものもあるということで、こちらにこういった構造のものについては並行パターンの方が適切ではないかというようなことが示されております。例として並列パターンは数学、また並行パターンにつきましては国語が示されておりますけれども、こうしたことを元に考えますとということで、14ページをご覧ください。
職業に関する各教科においてどういった表形式化の方向性を考えていくかということでございます。1つ目の四角でございますけれども、今の考え方を元にしますと、職業に関する各教科については知識・技能の系統性を示すことができるんではないかということでありますとか、当該知識・技能の内容のまとまりごとに思考力、判断力、表現力が想定される構造ではないかということから、いわゆる並列パターン、この下に示させていただいているような様式を用いて表形式化を整理してはどうかということをご議論いただきたいと思っております。
ただ2つ目の四角ですけれども、課題研究に関しましては知識・技能の系統性ということが考えにくい科目であろうと考えておりますので、1つ目の四角で示したいわゆる並列パターンとは少し趣きを異にするかなというところで、課題研究に関してのみその示し方につきましてはさらに別途検討させていただきたいと考えております。これが議題の2つ目でございます。
最後議題の3つ目、高次の資質・能力というところでございます。16ページ目をご覧ください。
高次の資質・能力の可視化の目的というところで、知・技、思・判・表の深まりの可視化、知・技、思・判・表の一体的育成の可視化ということを通して、単元作りを助け、深い学びを具体化しやすくするというようなことを目的として掲げております。
高次の資質・能力のイメージというようなところで、18ページ目以降をご説明させていただければもう少し具体的なイメージが湧いていただけるかなと思いますので、説明を少し続けさせていただきます。
18ページ目をご覧ください。これは現行学習指導要領の構造と改善のイメージの構造というものを少し可視化的に示したものでございます。1番下の「科目の内容」というところをご覧いただければと思いますが、現行学習指導要領におきましては指導項目として今「(1)ア、イ、ウ」とございますけれども、こうした箇条書きのようなもので書かせていただいております。
これを今後改善イメージというところでは、資質・能力ベースに記述を改めるというようなところを考えておりますので、その資質・能力ベースに記述を改めるという中で、どのような資質・能力の柱が考えられるのかということをまず考えた上で、その資質・能力の柱ごとに高次の資質・能力、その単元であるとかその資質・能力のまとまりの中でどういった個別の資質・能力を持ち統合した上でどういった資質・能力を身につけるのかということを考えていく必要があるんだろうと考えております。
18ページ目をご覧ください。その上で今回事務局といたしましては、職業系全ての科目で今回お示しをさせていただくと科目数が膨大にたくさんございますので、まずは職業系8学科のそれぞれの原則履修科目のうちの基礎科目に着目をいたしまして、イメージとして資質・能力ベースでの柱立てのイメージを示させていただいた上で、高次の資質・能力ということを考えていくことができるんではないかなと考えております。
18ページ目の資料につきましては、それぞれの原則履修科目の基礎科目の中で共通的に考えられる資質・能力の柱立てをイメージとして作成をしたものになります。それぞれの8教科の原則履修科目の基礎科目につきまして、大きく共通するものとして3つの柱立てがあるんではないかなと考えております。
(1)でございますけれども、こちらに関しましては各産業の社会的な意義や役割、(2)が各教科で学習する内容の概括、(3)が教科全体を通じた実践的・探究的な学習という、大きな3つの柱立てでございます。
1つ目でございますが、各産業の社会的な意義や役割ということで、どの教科であっても関連する産業がございますので、その産業がどういった発展をしてきたのか、どういった技術の特色があるのか、またその産業にはどういった意義や役割があるのかというようなことを資質・能力として身につけて理解してもらいたいというのが大きな1つ目の柱。2つ目ですけれども、例えば農業や工業という風に1つの教科を取ってみても、その工業からさらに多くの小学科でありますとか色々な分野に分かれていくものでございます。ですので、まずは入学年次で学習するこの原則履修科目の基礎科目の中で、それぞれの教科で今後どういったことを学んでいくのかというような、学ぶ内容の概括を学習するような場面が必要であろうということで、(2)ということが共通的に言えるんではないか。
また3つ目ですけれども、専門高校におきましては実習が非常に重要な学び方ということで実習が多く当然行われております。ですので、そういった実習をどのように行っていくことが3年間を通じた学びを深めていくのかというような、その学び方を学ぶというような場面も必要であろうということで、大きく3つ柱立てとして整理をさせていただいております。
では仮にこういった柱立てが原則履修科目の基礎科目の中でできたという風なこととした時に、高次の資質・能力がどうなるのかというのが19ページ目で示させていただいたものになります。
(1)の各産業の社会的な意義や役割ということに関しましては、様々な個別の知識・技能を学習することを通して、この単元を通じて高次の資質・能力としてこういった理解や思考・判断・表現を身につけて欲しいというところが今文章で記述をさせていただいているところになるのかなと考えております。
例えば(1)の各産業の社会的な意義や役割のところですが、その学びを通じて読み上げさせていただきますけれども、「我が国において各産業が果たしてきた意義や役割、その技術を学習することで、当該産業を継承・発展・創造していくことが私たちの暮らしをより良くすることにつながることを理解する」という統合的な理解でありますとか、思考・判断・表現のところに関しましては、「これからの我が国の各産業のあり方に関する課題を発見し、それらを取り巻く諸問題や今後の可能性について、科学的な根拠に基づき、合理的かつ創造的に考察することができる」ということで、こういった高次の資質・能力が考えられるんではないかなと考えているところでございます。
またこれも例ですけれども、(3)のその実習に関する学び方を学ぶというような単元、もしくはその資質・能力の柱立てのところに関しましては、高次の資質・能力といたしましては「繰り返し課題解決に取り組むことで、未知の課題に直面しても創造的な解決につなげることができることを理解する」ということでありますとか、思・判・表の総合的な発揮につきましては「各産業に関する課題を主体的に発見し、科学的な根拠に基づいて探求するとともに、職業人としての倫理感を踏まえ、合理的かつ創造的に解決に向けた選択を行うことができる」というような思・判・表を高次の資質・能力として考えることができるんではないかなと考えているところでございます。
こうした高次の資質・能力を示すことによって、個別の資質・能力は生徒の中で相互に関連付けられて総合的に獲得された際の姿というようなことが表すことができ、教師が単元作りのイメージを持てる結果として、深い学びが具現化されていくというようなことにつながっていくんではないかなと考えているところでございます。
18ページの考え方、また19ページの高次の資質・能力について様々ご意見を頂戴できれば大変ありがたいと思っております。以上駆け足でございましたけれども、議題の1、2、3の事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 それでは、これからこの職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化(3)についてご質問、ご意見を伺っていければと思います。
まずこれまでと同様、議題(1)から始めていきたいと思います。もちろん全体にかかるご意見、ご質問についても受け付けさせていただきますので、まずは委員の先生方、(1)あるいは全体にかかるご質問、ご意見ありましたら挙手をお願いいたします。
今4人ほど手が上がっておりますね。それでは藤田委員お願いいたします。
【藤田委員】 藤田でございます。実は今日4回目ですけれども、私は初めて参加しておりまして、これまで3回とも授業と重複しておりまして大変ご無礼いたしました。実は先ほどの3つの学校のご発表にも色々お聞きしたいことがあったんですが、委員の皆様にお挨拶もしていないままいきなり発言するのをちょっとためらっておりまして大変ご無礼いたしました。申し訳ありません。これから少し発言したいと思います。よろしくお願いいたします。
で、議題の1でございますけれども、知識及び技術なのか、あるいは知識及び技能なのかということに関しましては、実は私専門がキャリア教育なもんですから、産業教育をご専門とされる先生方のご意見を是非拝聴したいなと思って聞いておりました。
私が今回申し上げたいのはですね、今日の資料の3ページに整理してくださっております第2回ワーキンググループの議論なんですが、左下の赤組のところで「地域や社会産業で産業の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力」という表現がございました。で、この表現非常に重要だと思っておりまして、やはり今回ご発表の中でもありましたけれども、地域社会を担う人材の育成であったりとか、あるいは持続可能性ということにつきましては、やはり今回の知識及び技能、技術なのか技能なのかってこれからご意見いただくことになるかと思うんですが、知識及び技能についても言及しておいた方がいいのではないかなと私個人は感じました。
ですので、各職業分野の発展については、各職業分野の「健全で持続的な発展」、あるいは「各職業分野の持続可能な発展」、そういったものに変更することも1つあり得るのかなということを感じた次第です。以上でございます。
【牧野主査】 それでは、ただいまの藤田委員の意見も参考にさせていただきながらということでよろしくお願いします。本日、17時半にご退出をされる委員の先生がいらっしゃいますので、そちらを優先させていただきます。溝上委員お願いいたします。
【溝上委員】 はい、溝上でございます。1点コメントと1点意見申し上げます。
1つは目標表記のスライド3のところですけれども、目標表記のところで「共通教科との関連」という、そこを配慮しながらという文面がありまして、先ほどの事例報告の中でも共通教科との関連が非常に重視されているお話がありまして、特に産業教育、専門教育の学校にはですね、ここをしっかりやって欲しいと思っております。まずここを確認してですね、今回目標表記というところでは専門教科、そういう意味での各教科の目標の位置付けが事務局からしっかり説明されましたので、そういう理解をしていいんじゃないかという、これはコメントになります。
資料につけていただいた「3つの方針」のところは、これは後で個人的で結構ですので教えていただきたいんですけれども、3つの方針が学校教育法の施行規則でいつ改正なされたのかという、すみません、私この情報を追えていませんので教えてください。高等教育では「3つの方針」で統一してますので、この表記で合わせていくのはいいと思います。
もう1つはスライド5のところ、これは今藤田先生がお話しされたこととちょっと重なりますけれども、「知識及び技能」に変更していくという、ところなんですけれども、技能と技術の関係が誤解されるとか云々という説明はですね、私これ書かない方がいいのではないかと思います。
技術と言っても色々あります。資質・能力にあまり絡まない単純技術から資質・能力に大いに絡む非常に高度な技術まであって、中にはこう書かれてある通りのこともありますけれども、専門教育とか産業教育ではこういうグラデーションが非常に大事になってきます。そういう意味では、ここで「知識及び技能」と書き改めていく理由というのは、もう学習指導要領全体の形式をここでも踏襲するということでいいと思います。それを産業教育でも「知識及び技能」として同じにしていくと、こういう風に説明なさった方がいいのではないか。と個人的には思います。
で、その下に赤で「各職業分野について社会的な意義や役割」とあって、ここに一言でいいから「技術」とかですね、入れておけばいいんじゃないかいます。やはり産業教育、専門教育の中で技術という言葉の重みが、他の普通科とか他の学科と違ってですね、かなりあると思います。ご検討いただければと思います。
【牧野主査】 ご質問個別ということでよろしいですか。それでは溝上委員ありがとうございました。次に、佐野委員、よろしくお願いします。
【佐野委員】 はい、ありがとうございます。佐野です。産業界の立場から参加しておりコメントを述べさせていただきます。
今回の資料で示されている職業教科の目標内容を知能及び技能の総合的な理解と思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮としての構造化、表記化する方向っていうのは、我々産業界の人材育成の考え方と多く重なるものがあると受け止めてます。企業の現場でも何を知ってるか以上に、どのような場面でその知識や技能を組み合わせて使えるかということが重視されると考えております。今回の整理ではそのような観点で教育段階から意識する上で1つの方向性を示して頂いたと考えております。
ただ、一方で少し別の角度から申し上げますと、少し表が到達目標の一覧として完結しないことがとても重要ではないかと考えております実務の現場では正解のない課題に対して科学的な根拠等を基づきながら問いを立て、判断し、その答えを説明する能力が求められてると考えております。その意味で今回の構造化が、探究的・実践的な課題設定と往還しながら学びを設計する“設計図”として機能することを期待しております。はい、私からのコメントは以上になります。
【牧野主査】 それでは続けてまいります。清水委員お願いします。
【清水委員】 はい、よろしくお願いいたします。まず資料を分かりやすくまとめていただきまして、本当にありがとうございます。3点ほどお願いしたいと思います。
1点目ですけども、先ほどお話がありました「知識・技術」のところですが、「技術」が狭い意味での知識、方法、手順などと誤解されがちだということ、このような現象が起こってしまっているのであれば、経験や訓練なども通じて実践的な能力を体得する意味を含めた「技能」という言葉にしていただくことについては問題ないものと思います。
2点目は、「科学的な根拠」についてです。他教科も同じであると思いますが、工業科の学習指導要領を振り返ってみてみますと、昭和26年度の施行の段階から昭和48年の4月の施行の学習指導要領に至るまでの間に、教科の目標に「科学的根拠」という言葉が明記をされていた歴史もございます。その後の、昭和57年に4月の施行の学習指導要領からこの科学的根拠というキーワードが消えてしまっているということが非常に残念に思っていたところです。
この科学的根拠という言葉が現行の学習指導要領の科目の中の目標の中で出てきたということは非常に歓迎したところですが、今回の改定において教科の目標としての中に科学的根拠というような文言が明記されることについては、私としては非常にありがたく思っているところです。是非科学的根拠が構築されるまでの過程も含めて「科学的な根拠に基づいて探究」というこの言葉を明記していただきたいと思います。
3点目です。細かい部分については教科ごとに検討が進められるものと思いますが、気になったところがありましたのでお願いはできればと思います。
5ページの方向性の「知識・技能」と「思考・判断・表現等」と、たたき台として示されている20ページの「知識・技能」と「思考・判断・表現等」を見比べてみると「基礎的な」というキーワードが書かれているところがございます。特に20ページのところには「知識・技能」の最後のところで「関連する基礎的な」というキーワードが赤字で記されていますが、私の考えとしては「基礎的な」という言葉を加えることによって学びの範囲が制限されてしまうことも危惧されるのではないかとも思います。そのためあえて「基礎的な」という文言を明記する必要はないと思っております。
この叩き台に書かれている「基礎的な」というキーワードの重みがどの程度か分かりませんが、この点が少し気になったところです。赤字で書かれたところは非常に重要なことと受け取ると、どの教科においても「基礎的な」というキーワードを入れなければならないのか、教科ごとにお任せいただけるようなものなのか、ということを教えていただければと思います。以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。事務局からお願いします。
【栗林産業教育調査官】 清水委員ありがとうございました。最後のご意見に関してというかご質問に関してということですけれども、まず大前提といたしましてこの20ページ目以降のところはですね、参考のイメージということで、あくまでもたたき台のイメージということで、これがこのままその学習指導要領になっていくということよりは、少しこうイメージをもう少し先生方に持っていただくために我々として作成してみたものになりますので、そういった前提で見ていただきたいと思っておりますということが大前提でございまして。
その上で、すいません、「基礎的な」という表現が適切かどうかというところは往々にしてあろうかと思いますけれども、農業の教科目標としてはこの20ページの上段に書かれているものが農業の教科目標になってくると思います。そして、その下に見方・考え方があって、原則履修科目、農業の場合は「農業と環境」という科目がございますので、仮にその原則履修科目の目標を農業全体の教科目標からこう考えた時にどうなるのかというところで少し違いを出したり、その「基礎的な」みたいなところを少し原則履修科目という意味合いで入れてみたんですけれども、またそこは大前提としてはたたき台のイメージでございますので、また先生方からもご意見を頂戴しながらという風には思っております。
【清水委員】 ありがとうございます。特には縛りがあるものではないということ。一例ということでお示しいただいたことを理解いたしました。
【栗林産業教育調査官】 先生のおっしゃる通りです。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは続けさせていただきます。野口委員お願いいたします。
【野口委員】 はい、佐野松桜高校の野口です。よろしくお願いいたします。
5ページの技術と技能についてです。先ほど藤田委員さん、溝上委員さんからもお話がございましたが、技術と技能については様々な解釈があると思います。教科福祉における技術は単なる手順や方法にとまらない、状況に応じた判断、倫理的配慮、関係性の構築などを含む高度な熟練を要する実践知として捉えてきました。現場の先生方もそのような理解で教育を実践されています。
共通教科の知識・技能と同様にして、技術を技能に変更するのであれば、福祉を含む全ての専門学科の専門性や価値が、先生方をはじめとする広く多くの方々に適切に伝わるように、技能、技術の解釈の説明や位置付けを明確にしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 ありがとうございました。ご意見として承らせていただきたいと思います。小坂委員お願いいたします。
【小坂委員】 まず5ページの部分の、先ほどの委員にもありました「科学的な」っていうのが、思考・判断・表現のところに「科学的な根拠に基づいて探究する」っていうのは本当に大事なことだと思いますし、これは是非残していただきたいなと思います。
現場サイドからするとどうしてもここの部分が抜けて、何をよりどころにしてこう思考・判断・表現っていうところが示されてるのかっていうところが、どうしても伝統的な技術とか、いわゆる口頭伝承のようなこともありますので、やはりこの科学的な根拠に戻っていくっていうところの表現がすごくこれから大切になるのかなという風にも思いますし、実際の現場で行われている職業教育のレベルアップにもつながると思います。
でもう1点、18ページ19ページのところになるんですけれども、どうしてもやっぱり「課題」というところの言葉の使い方が、どうしても今回の学習指導要領ではより好きを育みとか、個人と社会のウェルビーイングだったり、いわゆる子供たちとその産業界をどうやってつなげてこうか、どちらかというと子供寄り、子供たち主体の部分で考えていくっていう根幹があると思うんですね。その時に「課題」っていうものの解釈の仕方ですよね。
単純に産業界における課題だけじゃなくて、そこにはやっぱりもうちょっと近いところで「問い」っていう言葉でもあると思うんですね。そういったそのもう少し子供たちベースになった時の問いを立てるとか、問いを解決するとか、問いを科学的に考えるとかっていう表現が少しあっても良かったかなという風にも思います。
「課題」と使ってしまうとやっぱりどうしても産業教育なんで、そういった部分、課題解決っていうところがどうしても強くなってしまうんですけれども、現場としてやはりこれからもっともっと子供たちに産業教育の主体的なこう学びっていうところを結びつけようと思った時に、高度なことも大事なんですけれども、自分から湧いてくるその「問い」っていうところがもう少し見える表現にしていただくと嬉しいなという風に、参考までによろしくお願いします。
【牧野主査】 ありがとうございました。森澄委員お願いいたします。
【森澄委員】 専門教科でこれまで「知識・技能」というところを「知識・技術」を用いてきております。産業現場で必要とされる職業として成り立つ水準、「技能」よりも高度なより具体的で実践的な「技術」を習得するということを示してきたかと思います。そこが「知識・技能」になると身につけるレベルが低下するような印象を与えてしまいますので、そうではないことをどこかに示していただくとよいかと思います。
また平成19年の学校教育法改正の際、高等学校教育の目標、学校教育法51条に元々「知識及び技能」と書かれていたところを「専門的な知識、技術及び技能」と変更されたこととも関連していたように思います。「知識・技能」になっても生徒に「技術」を習得させる目標には変更がない。また学習指導要領の本文内には「技術」というワードを使用しても構わないということでよろしいでしょうか。確認させていただければと思います。
また教科「水産」には全国水産高等学校長協会が組織されております。で、私自身も副理事長をしておりまして、水産・海洋教育の改善、振興を目的に活動しております。その下部組織に水産高等学校教科「水産」研究委員会が6つの分野ごとに整理され、養殖分野ですと資源増殖部会があり、それぞれ分野がありまして、食品、情報通信、潜水、エンジン、漁業などそれぞれ6つあります。
そこで「知識・技術」を高めるためにまた確認するためにも各検定を実施しておりまして、その名称には海洋情報技術検定、水産海洋技術検定、栽培漁業技術検定、エンジン技術検定、潜水技術検定、このように検定の名称に「技術」という名称が入っております。「技能」に変えると現場としても大きな影響があるんではないかと考えておりますので、その点の配慮があれば回答お願いします。
【牧野主査】 ありがとうございます。今の話はちょっと事務局からコメントいただけますか。
【栗林産業教育調査官】 森澄委員ありがとうございました。まず最初にございましたように、技術が技能という風に変わることによってその身につけるものが低レベルになるんではないかというようなお話がございましたけれども、こちら側としては決してそういったことを意図しているわけではございませんので、決してその技能になったから何かこう身につけるものがよりこう低いものでいいんだということでは決してございませんということは、この場で述べさせていただきたいと思っております。
また指導要領全体としてどの程度「技術」という言葉、目標ではなく中身として使われているのかというところ、ここ具体の例まではつまびらかに承知はしてないところございますけれども、何か言葉狩りのような形であの全て変っていくというようなことを、これもまた意図してるところではございませんので、技術とは何か技能とは何かということの整理と含めて、今後また整理をしていければいいのかなと考えております。以上でございます。
【牧野主査】 はい、それでは続けさせていただきます。ただいま3人の委員の方から手が上がっておりますが、他の委員の方々よろしいでしょうか。
それでは3人の委員の方々からそれぞれコメントをいただきたいと思います。長友委員お願いいたします。
【長友委員】 失礼します。今しがた事務局の方からお話がありましたので、あえて手を下ろそうかなと思ったんですけども、やはりどうしても宮崎県はこういった専門性の高校がたくさんある中で、やはりどうしてもフラッグワードになってしまいがちです。もうご説明をきちんとされるというのは十々承知しておりますし、ただ学校の先生方の中にこの学習指導要領が浸透していく中で、どうしても各教科、私英語なんですけども、英語の時には現行であったら「外国語で行う」とか、そういう教科全体を牽引していくフラッグワードにどうしても、この技術、技能ということが変わったところというのが、どうしても先生方は、教育委員会もそうなんですけども、そこに注目をして学校への説明をしていくということを考えると、何かミスリードにつながってしまうようなフラッグワードは、本当にこの特に教科の目標という大きなところで使われる上で、本当になんか、すいませんという意見です。以上です。
【牧野主査】 続けさせていただきます。川﨑委員お願いいたします。
【川﨑委員】 先ほど来、技術、技能の議論がされていたんですけど、私もこのテーマをいただいた時に、看護の世界ではずっと「技術」という言葉に馴染んでおります。決して技能よりも低い概とは理解していませんでしたその中には非常に高いものをきちんと追求してというような考えがありました。
それなので技能という言葉で統一するであれば専門学校看護大学と言葉の使い方があまり乖離しない方が良いと思ってるところもあります。ただ技能にするんであれば、概念規定と言いますか、そういったものが明記されるか、あるいは概念の整理をされて発信していただくっていうのが1番誤解を生まないのかなと考えておりました。以上でございます。
【牧野主査】 それでは、小川委員お願いいたします。
【小川委員】 はい、商業の小川です。よろしくお願いします。
今の技術、技能についてでございますけれども、私としては誤解のないように説明があれば、技能の方が技術も包んでいるような考え方ができるのではないかと考えます。商業などでも資料の下にある「科学的な根拠」というところについても、論理的とかあるいは再現可能であったり、物事を数値で捉えるというようなところで商業は学習を継続してきましたので、科学的という表現も私は理解非常にできますので、誤解のないように進めていただければいいのではないかと思っております。
それから先ほど小坂委員のお話でありましたが、私もよく「課題」とか課題意識などの言葉をよく使うのですが、やはり生徒目線でいけば自ら湧いてくる「問い」というのは、今後話し合う「学びに向かう力」とか「人間性」のところに入ってくるといいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【牧野主査】 ありがとうございました。それぞれの委員の皆様方からコメントをいただきました。そうしたコメントも参考にさせていただきながら、踏まえさせていただきながら、この(1)の方向性、5ページの方向性については、本日確認をさせていただいたということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
はい、よろしくお願いいたします。
それでは時間もだいぶ経っておりますので、(2)のパターンの話ですね、14ページにあります方向性、それから(3)の高次の資質・能力につきまして、それぞれの委員の皆様方からご質問、ご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。先ほども各科目の農業のところまで言及いただきましたが、これはたたき台ということで、各課については今後の議論となると思いますので、まずは(2)、それから(3)の高次の資質・能力(中核的な概念等)に関して、ご意見ありましたら、ご質問でも結構ですのでよろしくお願いいたします。 はい、藤田委員お願いいたします。
【藤田委員】 はい、よろしくお願いいたします。(2)(3)まとめて感想を申し上げたいと思います。
(2)につきましては、やはり私欠席をしておりましたが、第3回のワーキンググループにおいてその各教科の構造的な整理がなされていて、学習の深化、いわゆる学びの深まりについて教科・科目の構造的な整理がなされていたかと思います。その議論と重ね合わせましても、今回ご提案の並列パターンで私個人はスムーズに理解ができたなという風な印象を受けました。これはあくまでも感想でございます。
で、議題の(3)でございますが、これは私個人がちょっとこうまだ理解が十分咀嚼ができていないところでございますけれども、今回高次の資質・能力を可視化していくっていうことが大きなミッションとしてあったのかなという風に理解をいたしました。で、可視化をする以上はPDCAサイクルが確立されて、どういった資質・能力を身につけるのか、そして身についた資質・能力というのが果たしてどの程度身についたかっていうことの検証があって、その改善が図られるっていうことが必要になるかと思うんですが、例えば農業の例として示された23ページを拝見いたしますと、なんかこうどちらかというと抽象度が高いレベルで示されているので、学習指導要領の性質上、抽象度が高いまま示しておいて、で、具体的なところは各教科・各科目であったり各学校であったりで具体化していくという方向性でもいいのかなと思いつつも、ちょっとこう抽象度が高く、心がけというか、願いというか方向性に留まってる印象っていうのがございました。
もう1つこれも蛇足でございますけれども、23ページで示していただいているその農業の例を拝見して、特に深緑色の文字で示された部分なんですけれども、その資質・能力ベースになっていないような印象も若干受けたところです。例えば23ページのいくつか例を拾っていきますと、例えばその右側の「これから農業と生産技術のあり方についてデータに基づいて考察すること」、それから中段の「農業生産の計画と工程管理、評価、地域農業環境の調査に取り組むこと」、この「考察する」とか「取り組む」というのは学習活動であって資質・能力ではないのではないか。そういう風なことを考えるとその資質・能力という風に提示しながら実は学習活動も入ってきてしまっている。ということは、前回のワーキンググループで先生方がご議論された「学習形態っていうのは各学校で具体的に構想すればいいんじゃないのかな」っていう議論とちょっと矛盾してしまうんではないか。
ですからこの資質・能力ベースでどういう風なその高次のものを作っていくかっていうことについてはもう1度議論してもいいのかなって印象を受けました。で、今申し上げたことと矛盾してしまうんですが、これは私第3回、前回出席していないために誤解してるところもあるかと思うんですけれども、じゃあ学習形態を全て学校に委ねるっていうことが果たしていいことかどうかということも改めてやはり議論すべきだろうと。そうした時に23ページで示されているようなその「取り組むこと」「考察すること」ということも、あえて残していって、これを学習形態と呼ぶのか、なんと呼ぶのかは別ですけれども、資質・能力だけで果たして物事が進んでいくんだろうか、進んでいきにくいからこそこういった学習活動のようなこともこう顔を出してしまうんじゃないのかな、そんなことをちょっと考えた次第です。ちょっとまとまっておりませんが、以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。ご意見として承らせていただきます。よろしくお願いします。事務局から少し説明をさせていただきたいということでありますので、よろしくお願いします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。ご意見ありがとうございました。
まず高次の資質・能力とそのPDCAというようなお話が前段であったかなという風に思いますけれども、現在その高次の資質・能力自体をですね、その評価の観点のような形で評価していくというところまで本当にそう行うのかどうかというところもまだ結論が出てないというか検討の俎上かなという風に考えておりますので、必ずしもこれが評価の観点としてなっていくということではなく、やはり評価に関しては個別の資質・能力をこの高次の下にこうしっかりと書いていくような形になろうかなと思いますので、評価自体は基本的にはその個別の資質・能力のところでこう評価をしていくというような流れになるのかなという風に思いますね。ちょっと少しこの高次自体がその何かPDCAの評価の観点になってくということが今明確に決まってるわけではないということで少しご発言をさせていただきました。
【栗山教育課程企画室長】 教育課程企画室長の栗山と申します。全体の取りまとめでございます。よろしければ17ページを投影いただいてもよろしいでしょうか。
今、藤田先生からお尋ねがありました点、仮にPDCAということが学習評価であればということであれば、栗林補佐申し上げたようにですね、その点については先だった教育課程企画特別部会におきましても、高次な資質・能力自体についてはですね、個別の資質・能力ではないという性質から学習評価を対象にするかどうかは今後整理をしていくということで論点となっておりますので、今後総則・評価特別部会等で議論が行われるということがまず前提でございます。
その上で補足的に申し上げれば、この17ページ、こちらも総則・評価特別部会でお示しをいたしましたこの高次の資質・能力ということをどのように整理していくかということのための観点でございますが、とりわけこうCをご覧いただければと思います。
そもそもこの高次の資質・能力というものが何のために今回析出をしようとしているかという点とも関わってまいりますけれども、例えば2つCの部分でございますが、この知識及び技能の統合的な理解の方であればですね、この点でございますが、先生が授業作りの時にこう単元構想時にそれにぶら下がる個別の知識・技能や総合的な発揮と、それにぶら下がる個別の思・判・表とこう往還して参照した際に、単元を通して児童生徒が追求する本質的な問いを構想する上で参考になるかといったようなこと。あるいはその下にも総合的な発揮の部分でございますけども、このように「主体的・対話的で深い学び」と実装ということが掲げられる中で、深い学びのイメージというもの、それを授業作りで具現化することのイメージということが必ずしもしにくいのではないかというご指摘を現行の人たちいただく中で、こうした高次の資質の部分と個別の部分をこう往還することで授業作りをしやすくするという目的のためにですね、こうした議論が行われ、今作業を各ワーキング等でお進めいただいているということがございます。
一義的にはやはりこう授業作りということにお役に立てるようにということで、その上で評価、見取りという点においてどのようにフィードバックをしていけるのかということについてはですね、改めて検討していきたいと考えてるということが構想でございます。今ちょっと限られた資料で恐縮でございますけれども、補足以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございます。藤田委員、よろしいですか。
【藤田委員】 ありがとうございます。大変よく分かりました。
【牧野主査】 ただいまあと3名の委員の方が手を上げていらっしゃいますが、他の委員の方々いらっしゃいますか。
はい、それでは3名の委員の皆さんからコメントを頂戴したいと思います。中島委員お願いいたします。
【中島委員】 中島です。おまとめありがとうございます。
私ビジネスパーソンなんで、そういう意味でちょっと感じた感想になってしまいますけど、2つあります。いくつか表現の中で「我が国」っていうところがすごく出てきます、「我が国の産業」とかで。今どっちかっていうと日本の経済とかは例えば30年前ぐらいよりもこう世界における位置付けが少しこう小さくなってきてるというのとは、言い換えると少しよその国といろんな国をやってかなきゃいけない必要性がこう上がってきてるということで相対的になってるんで、あまり我が国の中で考えるより少し外の国との相対関係の中でやっぱりいろんなことを考えてかなきゃいけないんじゃないかなという風に感じるので、なかなかあんまりこう「我が国」に限定しないで他国との関係性の中でっていうのがなんかどっかに言葉として出てきたらいいんじゃないかなっていうのが1つ目の感想です。
もう1つは先ほどのご指摘あったような気がしますけれども、「問題を解決する」っていう言葉がこれも何度かこう出てきてるんですけども、今おそらく問題を解決するよりもこの問題を「問いを立てる」って力が非常にこう大事になってきている感じがしますので、そこはあまり解決に固執しないで問題をこう見つけていくっていうところがなんか言葉で出てきたらいいんではないかなと、そんなことを感じましたので少し感想ではございますが申し上げさせていただきました。以上でございます。
【牧野主査】 はい、ありがとうございました。それでは小坂委員お願いいたします。
【小坂委員】 はい、今もうまさにちょっと被ってしまったんですけど、23ページのところでやっぱり今世界でどうなってるかっていうその位置付けだったり立場だったりっていうところも、すごく自分とその産業を結びつける上で大事だなと思っておりましたので、そういった視点も必要かなと思いました。我が国だけではないかなという風に思っております。
もう1つは、今回本当に高度なものを目指してるのでやっぱり難しくなってきたなっていうのが文章全体で思っておりまして、教員は理解できるようにはなってきてるんですけど、できればこういうの子供にも見せて一緒に目標を共有しながらやりたいなっていう現場の意見が出てきた時に「めちゃむずいな」っていう風にも思ってしまうところもありまして、なんかそこは子供版を作るのか我々で考えるのか、もっと簡単な表現でもいいのかなっていう、そこをさらにちょっと噛み砕いた表現していただけるといいなと思いました。
【牧野主査】 ありがとうございます。残り、お一方増えまして、あと3人の委員の方が手を上げています。他の委員の方よろしいでしょうか。もう1人増えました。すいません、じゃあお三方の委員のコメントをお聞きしてということで、よろしくお願いいたします。それではまず清水委員お願いいたします。
【清水委員】 はい、よろしくお願いいたします。表形式化についてだけ述べさせていただきたいと思います。
14ページにも書かれておりますけれども、いわゆる並列パターンでの表形式に整理してはどうかということ、特にこれについて異論があるものでもございません。
その際のところで「課題研究については」という、断定的に書かれているようにも取れてしまうかなと思いましたので、他の科目の中でこの並行パターンの表形式に即さないようなものがあった場合も柔軟に対応させていただく、その際の進め方は別途検討しながら進めさせていただくという理解でよろしいでしょうか。
【牧野主査】 はい、それでは事務局からお願いします。
【事務局】 事務局でございます。現時点においては今回ご提案させていただきましたのは、基本的には課題研究以外の科目については知識・技能の系統性を示すことができてという風に考えておりますので、基本的にはこの並列パターンで、課題研究のみそこの系統性というものを示すことは困難ではないかというところで、違う表形式化の別途検討をというところで考えていたところです。
【清水委員】 知いたしました。課題研究以外は並列パターンということで統一ということで、承知いたしました。
【牧野主査】 はい、ありがとうございます。並列パターンということでよろしくお願いいたします。吉野委員お願いいたします。
【吉野委員】 はい、吉野でございます。
農業教育の立場から申し上げさせていただきます。知識及び技能や思考力・判断力・表現力などについてはですね、並列でいいのかなという風に思っていますが、さらにはその中核的な概念と結びつけて、知識・技能として活用し、科学的根拠に基づき意思決定する力としての目標をさらに明確に位置づけることが重要かなという風に考えています。
でまた内容の形式化にあたってはですね、例えば学年相当ごとにどの概念の元で資質・能力がどのように統合的に育成されるのかが見える形式とすることで、農業のような総合性の高い分野の特性が生かせるのかなという風に考えたところでございます。以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは最後に加藤委員お願いいたします。
【加藤委員】 まずはですね、ここまでのまとめ本当にありがとうございます。敬意を表したいという風には考えております。
私ビジネスパーソンとして意見なんですけれども、私は企業家代表、企業代表でありつつも一応2人の子供の母としても現場の先生と三者面談などで話すことが多くてですね、そこも踏まえてちょっとご意見申し上げられたらなという風に思っております。
まずはですね、先ほど別の先生からのご発言にもありましたが、やはりこう世の中が顕在化している課題ばかりではないので、課題解決能力ももちろん大切なんですけれども、潜在的な課題、よくある例え話で馬車が走ってる時にユーザーさんに聞いてもですね、「速い馬車が欲しい」とか「壊れない馬車が欲しい」とか「疲れない馬が欲しい」とか言うだけで誰も「車が欲しい」とは言わないというようなことがありましたので、やっぱりその解決だけではなくてですね、潜在的なニーズみたいなことも含めてそのインベンディングというかイノベーティブな課題発見能力みたいなところをこう養えるようなことができたらいいんではないかなという風に思っております。
それからもう1つですね、やっぱり最近AIとかでも私に色々教えてくれるし、子供たちも2人ともチャッピーに課金してるんでですね、もう知識では結構私叶わないなっていうところもありまして。そんな中で感じるのはですね、やっぱり一次体験ですね。AIが学習してるのはここ30年ぐらいのインターネット上にある全知識でございます。それも膨大でですね、すごいんですけれども、活版印刷の歴史だけでも600から1000年ぐらいあるという風に言われておりますし、やはり人類が五感を使って一次体験、こう視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚で感じることでそのセンサーから自分の頭で考えること、ここを重視するような教育が今後より大事なんじゃないかなという風に思います。
子供の三者面談の先生と話していた時もですね、音楽を教えよう教えようとすればするほどですね、実際楽器に触れる、いろんな楽器の世界にいろんな楽器があって、それを実際に触れてみる、鳴らしてみるっていうような時間が減っていくと、座学が増えていくというようなお話があって、これからはその土臭い部分ですね、その一次体験、生徒によって学生によって感じ方違うと思うんですけれども、そこに重点を置くようなそういうようなところもますますこのAI時代に大事になっていくんじゃないかなと思ったので申し上げさせていただきました。
【牧野主査】 それでは、それぞれの委員の皆様方からご意見をいただきましたので、そうしたご意見もまた参考にさせていただきながらですね、議題(2)の14ページにあります方向性、それから(3)の高次の資質・能力(中核的な概念等)について事務局からも説明をいただきました。この方向で確認をさせていただくということでよろしいでしょうか。
はい、それでは確認をさせていただいたということでまとめをさせていただきます。
本日の議事は以上とさせていただきます。最後に次回以降の予定について事務局よりお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 次回ですけれども、次回につきましては令和8年2月20日金曜日、16時から18時を予定しております。正式には後日またご連絡をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
【牧野主査】 それでは以上を持ちまして本日の産業教育ワーキンググループを閉会とさせていただきます。皆さんありがとうございました。失礼いたします。
―― 了 ――
電話番号:03-5253-4111(代表)