令和7年12月16日(火曜日)15時00分~17時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【牧野主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会産業教育ワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御参加をいただき誠にありがとうございます。
前回に引き続きまして、前半は、議題(1)といたしまして、専門高校の現場の教員の先生方から、ヒアリングを行います。その後、議題(2)といたしまして、職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化につきまして、御審議をいただきたいと思います。
なお、本日は、中島副主査、加藤委員、藤田委員におかれましては、都合により御欠席でございます。
これより議事に入ります。資料1、ヒアリング日程につきまして、事務局から説明をお願いします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。資料1を御覧ください。
前回に引き続きまして、議論の参考としていただくため、学校現場における実践事例を御発表いただきます。
それでは、発表者を御紹介いたします。広島県立西条農業高等学校校長、竹志幸洋先生でございます。もうお一方、愛知県立古知野高等学校教諭、髙木諒先生でございます。
【愛知県立古知野高等学校】 よろしくお願いします。
【栗林産業教育調査官】 よろしくお願いいたします。
発表者の皆様には、それぞれ10分程度で御発表いただき、その後、20分程度の質疑応答の時間を確保したいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは初めに、広島県立西条農業高校から竹志校長先生、よろしくお願いいたします。
【広島県立西条農業高等学校】 失礼いたします。広島県立西条農業高等学校の校長の竹志と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
【牧野主査】 よろしくお願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 このたび、本当に貴重な機会をいただきました。約10分ということで、本校の取組について、事例発表させていただきます。ではまず、資料の共有をかけさせていただきます。
では始めさせていただきます。よろしいでしょうか。
【牧野主査】 お願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 じゃ、お願いいたします。
まず、このたびタイトルを、農業教育の特徴である実践的・探究的な教育活動等を中核に据えたカリキュラムによる教育目標の実現というタイトルで発表させていただきます。
まず最初に、本校の概要を説明させいただきます。本校の沿革につきましては、明治41年に創設しまして、今は115年目の教育活動を進めておるところであります。
学科につきましては、ここにあります7つの学科が設置をされております。あとは校訓でありますとか、生徒が目指すべき生徒像、こういう形でありますので、また、見ていただければと思っております。
あと、本県の農業高校においては、ここにお示ししたとおり6校あります。西条農業は赤で書いておるところですが、ほかにも5校、こういう形で設置されているというところを御確認いただければと思います。
続いて進路状況ですけれども、お示ししたとおり、就職よりもどっちかというと進学の多い学校になっております。
続いて進学状況の中で、ちょっと特筆すべきところでありますけれども、農業というと、どうしても就農というところ、農学部だけというような部分があるかもしれませんが、うちは総合科学産業的な捉えで、様々な分野に進学をしておるという状況を見ていただければと思います。具体的な進路先というのは、SSHの取組をしての13年間を整理したものがここに載っております。
続いて、学校運営についてのところに入ろうと思います。まず、学校運営するに当たって、スクールミッションというのがありますので、設置者から示された、令和7年の3月14日に広島県では、スクールミッションが示されております。特に専門学科については、こういう形で示されております。
それに基づいて、本校は農業高校であるので、農業高校とはどういう高校かというところ、これについても再度整理をしたところでありますけど、一番上に書いてあるポツ、ここはどっちかというと学習指導要領に基づいた形で整理をしたものになっております。
あとは、実際に教育というのはどういう内容、どの方法で子供たちに教育していくのかというのがありますので、農業高校の農業教育の扱う内容というのは、ここに書いてあるような内容であって、どっちかというと一貫性を持たせて、一次産業をはじめ、産業横断的な学習内容と書いてありますけれど、幅広い内容を学ぶようになっています。学び方としては実践的ということで、実習・実験というものを大事にしながら進めておるところであります。
あと、探究的な学習活動は、昔からプロジェクト学習法というのがありますが、そういった探究的な学習活動にも、先ほどありました実践的な活動から探究に繋げていくという学習活動をしております。それを支える上でも、地域産業ともつなぐ学習というところにも、重点を置いて取組を進めております。
最後6番目にちょっと示しましたが、人間教育ということを、人間形成と書いておりますけれど、農業教育というのは、生命であるとか、自然を相手にするというところがありますので、やはり人としてどう生きていくべきかというところに帰って、子供たちが学んでいくという教育であると、ここに赤で書いてあるんですけど、本校で考える農業教育というのはこういうものが大事だというところで、整理をして進めております。
こういうことを踏まえて、本校では、今お示ししたような3つの方針ということで、スクールポリシーを整理しております。最終的には、ここの2番目にありますが、3年間、子供たちが学んだときには、こういう姿で卒業していくようにということになっています。これは、まだ質的なところでどこのレベルまでというのは、これには示しておりませんが、こういう方向性で子供たちを育てたい。じゃ、どういう形でやるのということで、基本理念が掲げられて、実際の内容・方法・評価、目標・指導評価の三位一体のという考え方で、こういう形で整理をしております。
具体的に子供たちが、じゃ、それぞれの質をどこまで高めるのかということで、マスタールーブリックを作って、全ての教職員が一丸となってやる上では、この力をどこまで育てるのかということを分かりやすく整理をしております。ただ、SSHをしておりますので、3年で全ての生徒がここまで到達というのがありますが、SSHをやることで、レベル4まで持っていきたいという考え方で進めております。
続いてですけれども、今日、藤田委員さんがお休みだということですけど、藤田先生が掲げておられました、カリキュラムの考え方でありますけれど、うちの全職員が、基本的にはここに掲げているようなカリキュラム・マネジメントを実際に機能させるために、それぞれの教科・科目の関連性であるとか、系統立てであるとか、体系化をしていく上で、この考え方で進めております。
特に大事にしておるのが、最終的には、学んだものの課題研究、これは1人もしくは少人数でやっていますので、最終的には1つの学校の学校という大きな集団の中で、一市民として、どうその力を発揮するのかということで、特別活動、特に学校行事等は本当にすばらしい、一番子供たちが力を発揮する大舞台、これをつくって、子供たちがそこで何ができるのかということ図る、こういうカリキュラムで、3年間子供たちが力をつけるよということの意思疎通を図りながら進めております。
簡単にまとめた資料でありますけれども、カリキュラム・マネジメント、3つの機能が機能しないといけないので、ここにありますように目標を共有して、カリキュラムをデザインすること。それと、PDCAをしっかり回すということと、内外リソースを活用すると、こういうコンセプトで、全ての先生が、育成活動に当たっているということになっております。
続いてになりますけれど、よくいわれるのが、国の指定事業を受けているのは特別なことと言われますが、私たちが考えているのは、ここにある国の指定事業というのは、多分この上にきちっとかぶさっていくと。だから、この国の指定事業をやることで、より子供たちの力を効果的、効率的につけることができるといった、全く新しい目標があってほかのことをしているんじゃないということを理解した上で進めております。
具体的な本校の取組ですけど、今、SSHの3期目になっております特色と変革ということが求められている、発展期の取組を進めております。本校のSSHも、平成24年からやっておりますけど、その前、研究開発学校等を受けて、ずっとプログラム開発、カリキュラム開発には取り組んできております。
そこのところは参考にありますので、また、見ていただければ。第3期の研究課題であるとか目的というのもあります。今日は、ここは割愛いたしまして、今日、特に発表したいのがここになります。
4本の柱がありますけれども、一番大事にしたいのはここにあります、学科・教科が一体となって教育活動を充実させる探究活動の深化ということで、カリキュラムの中核に探究活動を置いて、子供たちに3年間の教育活動を進めておると。2、3というのは、それを支える補助的な取組であるというように見ていただければと思っております。4番は、多くの学習成果を普及させていかないといけないということがあるので、4目の柱があるということです。
その4本の柱を整理したポンチ絵がこの絵になります。1本目の探究活動の深化というところがこちらになって、高大接続システム、あと海外との成果普及というところ、この4本の柱で進めております。今日は、ここをメインでお話をさせていただこうと思います。
この課題研究を中心とした探究活動を充実するために、大きく大事にしていきたい4本の柱を今は考えています。1つは、系統性を持たせていく。多分1、2、3と系統性を持たせていく、内容も系統性を持たせていくという部分。
2つ目は体系化です。横・斜めの関係で教科・科目がどう繋がっていくのかというようなところです。
3つ目が、それをつなぐといってもなかなかつなぎにくいので、学校設定教科や科目を使ってうまくそこをつないでいくという取組をしております。
最後です。教育課程は授業だけではなしに、様々な学校の教育活動を支えていくという、そういう仕組みづくり、ここにもあるんですけれども、マイ・カリキュラム制度であるとか、探究マッチングがありますけど、こういう制度もうまく使いながら、カリキュラムの充実を図っているということになっております。
具体的にその制度のことはここにありますが、また、時間があれば見ていただければと思います。
実際に系統立てて進めているところの事例を幾らか言います。まず最初の農業と環境、これは1年生のところです。すみません、ちょっと戻りますが、まず、1年生の農業と環境という、そもそも必履修科目と、新しく設定している学校設定科目、これをうまく連動させて、教育活動を進めております。探究活動のベースになるところだと思っています。
まず、ここの農業と環境については、一番私たちが大事にしているのは、課題設定というのが大事だといえますけれど、課題設定に向けて、子供たちが問題を発見できるようにさせるところです。問題を発見させるためには、観察・記録がありますけれども、農業の実験・実習の中で、観察をして記録を取るということ、これをどれだけ丁寧にして、そこから問題がどこにあるのかということを見つけさせると、そういう教育活動を大事にしております。
それに合わせて、実際にここにプロジェクト研究とありますけれども、もともと昔から、農業はプロジェクト学習法がありますが、この中でプロジェクトをしながら、今の観察記録をしながら、子供たちが問題点を見つけていくというところに重点を置いた取組をしています。
それと、本校のこれは独自の取組なんですけれども、せっかく農業高校に来て農業学ぶので、農業高校で学ぶことの意義であるとか、将来求められている資質・能力、こういったものをきちんと感じさせる、志に当たる部分ですけれど、これも最初に育もうということをしております。
次です。アグリサイエンスという部分ですけど、これは学校設定科目です。ここについては、どっちかというと今度は、課題を設定したものを、解決に向けてのアプローチのところを重点的にやっていくというようになります。なので、課題に対して、解決に向けて計画を立てて実験をし、分析し、まとめていくという学び、ここのところを重点的に進めていくということになります。
そのときに特徴的なのが、SAINOメソッドって書いてありますけれども、実は探究を2回回しています。1周目は、教員が課題を設定しますので、これはプロブレムベースになります。しかし、そのプロブレムベースで子供たちが探究のプロセスを回す中で、新しい問題点や課題を見つけたら、それは、自らで解決に向けて取り組んでいくというような取組をしています。ということで、これが絵になっておるんですけれど、1回目は与えられた課題を回すのですが、次に2回目というのがありますけれども、2回目は、自らが課題を設定しということで進めていくというようなことになっています。そのときに、農業分野と理科分野、この両方ともを子供たちが教材として扱って学んでいるということになっています。
続いて、2年生の取組です。2年生については、今度は、実際に探究のプロセスを回していくんですけど、子供たちが、SS課題研究1という2単位ほどを、自分で自ら課題を設定して学んでいくというのありますが、そこを補っていくということで特に大事にされているのが、ここにありますけど、論理的説明能力であるとか、プレゼンテーション能力というところが、非常に子供たちは弱いので、ここを補足するために、補うために、先ほどもありましたデータサイエンスであるとか、グローバルサイエンスという学校設定科目を1単位ずつ入れております。
データサイエンスにつきましては、そこにありますとおり、子供たちにつけさせたい論理的思考力とか、評価・検討・改善能力をつけるためにということで、どっちかというと、数学の統計学的な中身をやっているところになっています。これのポイントになるのは、先輩の先行研究を教材にしますので、自分事としての学びが深めていけるんじゃないかと思います。
次にグローバルサイエンスですけど、プレゼン能力というようなところで、これも日本語だけではなしに外国語を使ってプレゼンするというところで、新たにもう一回、論理的にきちんと説明できる力をつけるためにやっているような科目になっております。SS課題研究1のところについては、これは2年生です。これが3年生で学ぶということで、今のSS課題研究1でやったものを、継続課題で取り組む場合もありましたら、新しい課題を見つけて取組を2で進めていくという場合もあるということになっています。2のところの強みは、大学や産業界だという多くのサポーターの力を借りながら、探究を深めていくという取組を進めておるところであります。
そういう活動をして、ちょっと飛んでいきますが、仕組みのところは、もう時間が大分来ておるようなので割愛しますけれど、うちの課題研究の大きな目玉になるのはここにありますけど、ただ何かの研究したじゃなしに、何かを目指して、要するに社会貢献じゃないですけど、こういう社会をつくりたいからこんな研究をするよというようなところで、取組を進めておるということになります。
最終的には、社会実装までというような事例が幾つかありますので、これらによって子供たちが本当により、高校を出ても、大学でも、企業に就職しても、その精神を持って活躍をしていこうという形で取り組んでおるということになります。
時間が、多分15分ということでもう伸びておりますので、1回、この辺で発表は終わらせていただければと思っております。すみません、長くなりまして、失礼いたしました。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは続きまして、愛知県立古知野高等学校から髙木教諭、よろしくお願いいたします。
【愛知県立古知野高等学校】 お願いいたします。画面共有をさせていただきます。それでは、お願いいたします。
皆さん、こんにちは。愛知県立古知野高等学校の髙木諒と申します。
本日は、タイトル、マイスター・ハイスクールで動き出す福祉・探究の学びについて、マイスター・ハイスクールにおける取組を中心に、福祉科の実践について報告いたします。よろしくお願いいたします。
お時間も限られていますので、マイスター・ハイスクールの取組と学びの深まりの2点に焦点を当てて、お話をさせていただきます。
本校は、地域ビジネス科、ITビジネス科を置く商業科、生活文化科、そして福祉科の3学科からなる専門高校で、福祉科では、介護福祉士国家資格取得を目指して学習に取り組んでいます。
スクールポリシーでは、専門的な知識・技術の習得のみならず、それらを生かし、状況に応じた介護を実践できる人材の育成を目指しています。また、多様な人と関わるためのコミュニケーション能力を身につけ、他者と協働して課題解決を図り、卒業後も地域の発展に貢献できる人材の育成を重視しています。
商業科と生活文化科には総合選択科目があり、二、三年時に、それぞれ2単位ずつ教科横断的な学びが可能となっています。両学科では、地域や企業との連携、検定試験に向けた学習も積極的に行っています。
福祉科では、介護福祉士養成に必要とされる法定53単位を履修できるよう、科目を体系的に構成しており、7限も活用して授業を実施しています。
また、3年間で450時間以上を、特別養護老人ホームなどの施設・事業所で介護実習を行うことが求められており、夏期休業中も活用して、各学年で実施をしています。
国家資格、国家試験合格率は常に90%以上を維持しており、受験者全体や専門学校等と比較しても高い水準です。
本校の進路状況です。過去5年間を見ると、進学がやや多い傾向ですが、全体の約9割が医療・福祉分野へ進んでいます。特に就職希望者のほとんどが、福祉・介護分野に入職しており、地域の医療・福祉人材を安定的に輩出していることが、本校の大きな役割となっています。
ここからは、マイスター・ハイスクールの取組についてです。マイスター・ハイスクールでは、科学的裏づけに基づく介護の実践と、課題解決型学習、KOCHINO PBLの2つを柱として取組を進めています。
まず、科学的介護についてです。学習指導要領では、福祉用具や介護ロボットを含む福祉機器に関する学習の充実が明記されており、意義や活用を扱うことと示されています。単に知る段階から使いこなす段階へ学びを深め、得られたデータを分析し、目の前の対象者の暮らしをどうよくするかを考える学びへと発展させています。歩行データ、睡眠データ、体圧分布などを多角的に読み解き、利用者の状態を、根拠をもって判断できる力を育成しています。ロボットや機械はあくまで手段であり、何のために使うのかという目的を理解した上で活用できる人材の育成を目指しています。
続いて、課題解決型学習です。スライドに示した3つのテーマから生徒が関心分野を選び、チームを構成します。その後、テーマを踏まえて、解決すべき福祉課題を生徒自らが考え、設定し、今年度は認知症の方や家族が孤立しない場の創出、子供の共に生きる力の育成、介護職の魅力発信、高齢者の健康維持などの課題が挙げられました。各テーマには、専門職をPBLアドバイザーとして招聘し、生徒は助言を受けながら自らの問いを深め、地域に寄り添う形で解決策を検討していきます。
探究の流れについて補足いたします。1年次の社会福祉基礎では、市の社会福祉協議会の職員から地域の現状や課題について説明を受け、生徒は自分たちにできる取組を検討し、アイデアを発表します。
2年次の介護福祉基礎では、地域福祉計画や介護保険事業計画を読み込み、市内の課題を把握した上で関心のあるテーマを選択します。自分たちがやりたい活動ではなく、地域にとって何が必要かという視点を重視し、自分の成長との関係にも気づきながら活動を進めます。今年度は、従来のロイロノートによる振り返りに加え、非認知能力を可視化できるアプリも導入しています。
介護総合演習では、PBLの進行管理や成果発表の準備を行います。授業内での進捗報告会で他チームと共有し、非認知能力のスコアを参考にしながら振り返り、次の改善へと繋げていきます。成果報告会には、これまで関わってくださった方を招き、外部から講評もいただきます。また、福祉を学ぶ高校生が一堂に会する福祉フェスでも成果発表し、他校との学びの共有も行っています。福祉科目は、内容が相互に関連しているため1つの科目で完結せず、複数科目を横断して探究に取り組んでいます。
続いて、マイスター・ハイスクールの取組による学びの深まりについてお話しします。科学的介護の場面では、体圧分布の授業や歩行測定を通して、歩幅、重心の揺れ、左右バランスなどが可視化され、主観だけに頼らず根拠に基づいて状態を判断する姿勢が育まれています。データを見ることで、これまで何となく理解していた利用者の動作や負担が、具体的な数値として捉えられるようになってきました。
昨年度、この授業を受けた生徒が3年次の介護実習で、車椅子で食事中の利用者から、臀部が痛いと訴えがあった際、足台に足を置いたままの姿勢では圧が集中する可能性があると判断し、椅子に移り変えたほうが、痛みが軽減するのではないかと提案することができました。これまでなら、痛みに寄り添う声かけが精いっぱいだったかもしれませんが、データ分析の学びがあったからこそ状態を評価し、理由をもって提案するという、一歩先のケアに繋がった場面です。
こちらは、睡眠状況を把握する眠りスキャンです。右の写真の青が睡眠、黄色が覚醒を表し、データを基に眠れない原因を探ったり、改善策を検討します。一部の介護施設では、アラームが鳴ってから対応する後手の支援が行われている現状もあります。これを踏まえてある生徒からは、センサーがなる前に対応できる介護がしたい。アラーム機器としてではなく、睡眠データをアセスメントに生かしたいという言葉がありました。科学的介護の学びが、専門職としての判断へと結びつき始めていると感じています。
PBLでも、多くの学びの深まりが見られます。こちらは、市と連携した認知症カフェに関わるチームの様子です。主催者は、認知症の人を真ん中に、安心できる場づくりを大切にしています。生徒は、交流のためのレクリエーションを提案しましたが、主催者の思いとは少しずれがあり、初めは採用されませんでした。話合いを重ね、生徒たちは回想法の考え方を取り入れた昔遊びを再提案しました。主催者にも受け入れられ、当日は、参加者からもよい反応があり、主催者にも新たな気づきが生まれました。この提案には、他科目で学んだ、薬に頼らない認知症ケアの知識が生かされており、学びが繋がっていることが分かります。また、一度うまくいかない経験を乗り越えて再提案したことは、生徒にとって、レジリエンスを高める経験にもなりました。
こちらは、小中学生向けの認知症VRコンテンツを開発するチームです。映像系専門学校との協働では、生徒が専門学生に認知症の症状の1つである幻視を説明しようとしても、症状名だけでは十分に伝わらないという場面があり、生徒自身も、自身の理解の浅さに気づきました。そこで生徒は、認知症専門看護師やグループホームの職員に、当事者にはどのように見えているのかを丁寧に聞き取り、その内容を基に専門学生へ分かりやすく説明し直しました。一方で、生徒は映像制作の素人であり、専門学生から撮影技術や構成の工夫を学ぶ姿も多く見られています。このように他分野と協働することで、互いに持っていなかった視点が生まれることを実感しています。
また、高齢者の健康維持に取り組むチームでは、ポップな音楽に合わせたエアロビクスの開発を進めています。音楽科の教員からリズムやテンポの助言を受けるなど、教科横断的な連携も生まれています。
年度末には、定量的・定性的な評価を行っています。科学的裏づけに基づく介護に関しては、自立支援介護の意義を考える力や、認知症の方への適切なコミュニケーション方法の実践力などの項目で、肯定的な回答が約9割と高い値を示しています。
課題解決型学習については、このような結果となっております。特に他者の意見を尊重し、前向きに対話を進める力、自分の感情をコントロールする力では、8割から9割の生徒が肯定的な評価を示しました。また、PBLを通して、将来の介護現場で学びを生かしたいという決意や、意見を言えなかった生徒が、勇気を出して発言できたという変容などが見られました。一つ一つは小さな変化ですが、その積み重ねが、生徒の在り方や生き方を考える経験になり、自分の価値観や将来像を深く見詰める契機になっていると感じています。
最後に、これからの福祉科の発展のために、大切にしたいことを述べます。1点目は、根拠に基づき問いをつくる力、探究的思考です。データに向き合い、なぜそうなるのか、本当にそうかと自ら問いをつくり、探究を重ねる学びへと転換することで、福祉・介護の現場で求められる判断力を養っていきたいと考えています。
2点目は、答えのない課題に向き合う力、探究の持続性です。地域や福祉の現場では、すぐに答えが見つからないことが多く、解決よりも伴走する姿勢が求められます。葛藤の中でも関係を続け、寄り添いながら歩む経験こそが学びを深めます。こうした関係を継続する力を、大切に育んでいきたいと思います。
3つ目は、専門性を超えて価値を共創する力です。芸術、メディア、デザインなど、一見福祉と関係の薄い分野との出会いが、新たな発想や価値を生み出します。未知の領域に踏み出し、越境しながら専門性をアップデートしていく。生徒にとっても、教員にとっても、わくわくする学びを大切にしていきたいと考えています。
以上で報告を終わります。御清聴ありがとうございました。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは、これまでの御発表を踏まえまして、御質問、御意見等があれば、お願いいたしたいと思います。御発言の際には、挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら、再度ミュートにしていただくよう、よろしくお願い申し上げます。それでは、委員の皆様方いかがでしょうか。
それでは、小坂委員、よろしくお願いいたします。
【小坂委員】 御報告ありがとうございました。小坂です。
まず、最初の農業のほうの部分での質問と意見というか、思ったことなんですけれども、すごく横断的な内容の部分の科目をされているということで、すばらしいなと思われたんですけども、そういった中で、どうしても専門分野だと横断的にするというと、広く浅く見せるだけで終わってしまうことが多いと思うんですけれども、その点、私なんかは、広く浅くじゃなくて繋がり、分野におけるそれぞれの繋がりというのを、子供たちに認知させていくということが、すごくその後の専門分野における興味・関心だったりとか、作業的な部分における意義だったりとか、そういったものを感じるのかなと思っているんですけれども、そういった工夫があるのかどうかというところと、もう一つ、最初のほうに、筑波大学の藤田先生が御提唱になる特別活動とのところの繋がりというのをお示しになっていたと思うんですけれども、どうしてもSSHのお話でしたので、探究活動を中心にお話しされてたんですけれども、特別活動との繋がりの部分を、もう少し補足いただけるとうれしいです。お願いします。
【牧野主査】 それでは、よろしくお願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 御質問ありがとうございます。今のまず学習内容の繋がりのところの話があったと思いますけれども、ここのところも、広く浅くという形では実はなっていなくて、うちは7つの学科があって、実はよその農業高校より、かなり領域的には狭い状況になっておるところがあると感じています。
私どもが、新しく学校設定科目をたくさん入れているのは、途中でも説明させていただいたんですけれども、探究のプロセスを回していく上で、問題を見つけて課題を設定するとか、その課題を解決するためにというところで、そこを強化するための学校設定科目を、どっちかというと丁寧に入れているというふうに御理解いただければと思っております。
それと高校時代なので、よくSSHで年にいろんな大学の先生が来ていただいて、数回か講演いただきますが、今よく言われるのが、専門でずっと突き抜けていく部分もすごく大事なんだけれども、多様な他者と繋がると。西条農業は7つも学科があって全く違う学びをしているから、そういう内容も違うし、学び方も違うというのを共有するだけで、学校の中だけで、非常に異文化の学びができるよねって言われているので、そういうとこを大事にしていこうと思っております。
2本目です。特別活動と課題研究との繋がりのところです。最終的には、子供たちが探究活動で学んだものというのを、最高の舞台で発表するというのがありますので、学校行事、例えば、今度はSSHの発表会であるとか、すみません、発表会としては大きく2回の舞台をつくっています。1つは収穫祭という、11月頃に収穫物も合わせての発表会のような形になります。それともう一つは、2月にSSHで実践をまとめたものを発表するというのがありますけど、それはどうしても課題研究と連動していますので、一体的にそれが繋がっていくような学びをしているというように進めておるところです。
ちょっと答えになっているかどうかあれですけど、以上です。
【牧野主査】 ありがとうございました。よろしいですか。
【小坂委員】 ありがとうございます。
【牧野主査】 それでは続きまして、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】 よろしくお願いいたします。西条農業高校さん、古知野高校さん、ありがとうございました。教科等横断的な学びを進められているということで、非常に参考になります。本当にありがとうございました。
両校に教えていただきたいことがございます。専門教科の中での共有はもちろんのことかと思いますが、共通教科・科目の先生方との連携の仕方、在り方について、こうすれば全体でうまく共有が図れて、よい取組ができるのではないだろうかというアドバイス的なことと、逆にその難しさ、そういった点。
もう一つは、これは西条農業さんだけになるかもしれませんが、学校設定科目の中で、農業分野とほかの共通教科の分野に分かれたような形で記載されていると思うのですが、この際の担当の仕方、先生がどのようなかたちでこの授業を持たれているのか。例えば、両教科の先生が、その科目を担当して、持ち時数の中に含めてやられているのか、もしくは、特定の時間だけに御指導いただいているなど、そういったところについても、御教示いただけるとありがたいと思いました。
以上でございます。
【牧野主査】 それでは、最初に西条農業の竹志校長先生、お願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 専門科目と普通教科の連動のところですけれども、これは、本校の場合は、基本的に2人が一緒になって、同じ学校設定科目を持っております。これは、年間通じて、一緒になってシラバスをつくるところから、実際に授業・実習、そして評価するところまで一連の流れを一緒にやっております。
特徴的なのは課題研究も、本当は教科農業の課題研究をベースにしておりますけれども、理科の先生にも入っていただいて、一緒に課題研究をやるというところまでやっております。どこかの時間だけ一緒にというのではなしに、本当に一緒になってシラバスをつくるところから、教材をつくるところから評価までをやっているということになっています。
それとあと、難しいところというのもあったんですけれども、実は平成15年から研究開発学校を受けて、もうその当時から、教科を越えて農業と、例えば地理であったり、農業と英語とかというのも昔からやっていましたので、ここの学校は、教科を越えて一緒につくっていくという風土がありましたので、実はそんなに難しさはありませんでした。
ただ、実はこれ、今、西岡先生もおられますけれども、京都大学の先生がうちに来てくださいまして、幾らか御指導いただいた中で、無理に教科横断を図るんじゃなしに、お互いがお互いの授業を見る中で、いろいろとこんな内容この方法でやっているんだ、この学科では、こんなことやっているんだって知るだけで、知らないうちに自分の教科や科目に持って帰って、それが横断的な内容になっていくと。それは、ふだんから連携するとどんどん広がっていくということが分かりましたので、無理にそういうことをやろうというんじゃなしに、自然とお互いがお互いの授業を見合いっこする中でという形で進めておるところであります。
以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。
続きまして、古知野高校、髙木先生お願いします。
【愛知県立古知野高等学校】 御質問ありがとうございます。福祉のエッセンスは、どの科目にもあるなと思っていますので、まず年度始めのところで、各教科の教員と教科書やテキストを確認しながら、福祉や介護と接続できる内容はないかということで、意見交換を行っています。地・歴・公民であったりとか、家庭科、また生物の先生方との連携が多いんですけれども、例えば、地・歴・公民の先生には、人権や尊厳といったテーマについて、歴史的な背景だったり、社会の変遷を踏まえて御指導いただいております。また、その学びを踏まえて福祉科の科目の中で、利用者の尊厳をどう守るかとか、支援の在り方をどう考えるかというような学習に繋げていますし、また、生物の授業では、解剖学的な視点から理科の先生には御指導いただいた上で、そういった機能が低下したときには、どのような支援や介護が必要なのかというの福祉の科目で扱っていくということで、横断的な学びを今はしております。
特に今のところ難しさというのは出ておりませんけれども、担当者が変わっても、しっかりと毎年毎年続けられるように、文書に残して、年度初めのところで情報共有していくのが大切かなと考えております。
以上です。
【牧野主査】 ありがとうございました。清水委員よろしいですか。
【清水委員】 ありがとうございます。もう一点、西条農業高校さんに、学校選定科目を複数名で持っているというのは、人の手配というのは、SSHの関係で人的な対応ができるのか、通常の人数だとちょっと厳しくなるおそれもあるのではないかと思いますが、その辺についてお願いできればと思います。
【牧野主査】 じゃ、お願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 人的なものにつきましては、一応、教育委員会のほうから、国が基でしょうけれど、加配は1人はあるんですけど、1人じゃ回りません。県が少人数指導みたいなことでの講師枠であるとか、そういった人的な配慮をしてくださっていますので、それを使って、極力マックスで子供に当たれるような体制を組んでやっているところであります。
【清水委員】 どうもありがとうございました。両校の先生方ありがとうございました。
【牧野主査】 ありがとうございました。ただいま、挙手がありますのが、野口委員、森澄委員、佐野委員のお三方であります。ほかの方はよろしいですかね。
それでは、順番に御質問していただければと思います。まず、野口委員にお願いいたします。
【野口委員】 2校の先生方、ありがとうございました。
まず、西条農業高校の竹志校長先生に質問です。ハイスクールラボということで、特別研究生のとてもレベルの高い学習内容に取り組んでいるのかなと思ったのですが、選択している生徒の人数、どの程度の生徒が学習しているのかを教えてください。
もう一点なのですが、いろんな学校設定科目、課題研究の科目があるのですが、学科を越えて各科の生徒が、共同で学習を行うような科目があるのかどうかを、教えてください。
そして、古知野高校の髙木先生に質問です。資料の10ページの科目横断的な探究の実践のページで、1年生の社会福祉基礎、2年生の介護福祉基礎そして、2年生の介護総合演習等、学びを積み重ねて継続しているかと思うのですが、3年生への繋がり、3年生では、どのような科目で、どのように発展させていくのかという点を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【牧野主査】 それでは、よろしくお願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 御質問ありがとうございます。大きく2つの御質問いただきました。
1つ目のハイスクールラボでありますけれども、現在、今年度ですけれど、6名の生徒がこれを使って学んでおります。6名って少ないようにも思われるかもしれませんが、これ実は、大学の研究室に行って一緒に研究することなりますので、なかなかその人数を確保するというのが、非常に難しい状況になっております。まず、6人になります。
2つ目です。学科を超えて学ぶ科目があるのかということですけど、それは、今はまだ設置はできておりません。しかし、共同で課題研究がありました。SS課題研究1、2がありましたですけど、共同であるテーマに向けて研究するというような活動をしておりますので、科目が、それにちょっと当たるかなというようなところになります。
以上であります。
【愛知県立古知野高等学校】
3年次の探究についての御質問だったかなと思います。地域活動としての探究については、2年次のKOCHINO PBLのところで、一旦完結をするんですけれども、全ての座学も含めた科目の中では、探究的な視点で授業するということももちろん大切に意識をしておりますし、特に3年生の介護実習では、先ほど、車椅子の足台に足を乗せることで臀部に圧がというような事例を御紹介したのですが、実は、あの生徒はそういう提案をしたのですが通らなくて、うちの介護施設ではそういう時間がないから、なかなか椅子に移り替えることは難しいわというような御回答をいただきました。
そこで、その課題について学校に持ち帰ってきて、そもそも、なぜ痛みがあるんだろうかということで、食生活、栄養状態の改善であったりとか、車椅子に座っているときの姿勢とか、そういう様々な視点で検討重ねていって、また、車椅子の上でも、クッションを敷くことによって、少しでも痛みが軽減できるのではないかということで、その生徒は裁縫がとても得意でしたので、クッションを作ってということで、7月の実習に臨んでいったということがあります。
なので、地域活動としては、3年生の学びとしてはないんですけれども、そういう2年次までの探究活動の成果というのが、しっかりと3年生の介護実習でも息づいているなと考えております。
すみません、以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございます。野口委員、よろしいですか。
【野口委員】 ありがとうございました。
【牧野主査】 それでは森澄委員、お願いいたします。
【森澄委員】 失礼します。西条農業の取組についてお聞きします。すごく組織的に進められていて、推進部、SSHの係があるのかなと思って、参考になりました。
質問なんですけど、課題研究が2年生で2単位、3年生で4単位というふうに教育課程の資料で見て思いました。どういう時間割になって、午後2時間、2時間なのか、ぶっ通しの4時間なのか、大きなことができる4時間連続を考えておられるのかをお聞きしますことと、あと生徒の満足度。この教科、課題研究の生徒の満足度、教員のやりがいという点をお聞きしたいということと、あとすみません、多くの賞を受賞され、各種発表会で優秀賞を受賞されています。課題研究が中心になって取り組まれているのか教えてください。
【牧野主査】 お願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 3点御質問をいただいておると思います。
1点目ですけれども、課題研究が2年生2単位、3年生の4単位、これを時間割にどう組んでいるのかというところがあったと思います。2年生の2単位につきましては、これはどっちにしても午後、5限、6限とかに入れております。五、六時間目に入れております。というのが、そのあと農業の学びは、学校農業クラブ活動という教育課程外の活動にまで繋がっていきますので、放課後もそういったところに連動させて、子供たちが研究できるようにということで、5限、6限に入れたりしております。
続いて、3年生の4単位もですけれど、今、目の前に時間割もあるのですが、3時間目から、3、4、5、6限というような形で入れて、これも同じです。終わった後、放課後も研究活動が自主的にできるようにという形で、時間割を組んでいるということになっております。これが1点目です。
2点目ですけれども、満足度についてです。満足度については、今日の資料の中にも、実は後半に入れておったのですが、私は9月、10月頃に、子供に面談もしました。その中で、子供たちが大学を希望して決まった後、どのように過ごすのかと言ったときに、課題研究を、自分からテーマを決めて研究してきたので、最後までやり遂げて、子供たち、次の世代の1年生、2年生にバトンタッチをしたりであるとか、本当に最終的に、このSSHの発表会のところできちんと皆さんに自分の研究を伝えて、いろいろな評価をいただきたいとかいうような形で、課題研究については、非常に喜んでおる子が、喜んでというのはおかしいですけど、学びの集大成と考えている子が非常に多いですというのが、1つです。
それと、さっき途中で写真を見ていただきましたけど、社会実装まで考えてやっていますので、実際にそこまで到達した子供たちの満足度というのは、もう非常に高いものがあります。これが2点目です。
最後の賞のところですけれども、基本的にやっぱり課題研究が中心になっています。ただそれプラス、うちは自然科学部というような部活動、これで頑張っている子たちも、かなりまた課題研究プラス、自主的に活動しておりますので、そこでも賞を取っているということになっております。
以上でございます。
【牧野主査】 よろしいでしょうか。
【森澄委員】 ありがとうございました。
【牧野主査】 それでは、佐野委員、お願いいたします。
【佐野委員】 御指名いただきまして、ありがとうございます。また、両校の発表に関しまして、とても大変深く聞かせていただきましてありがとうございました。1点、民間の立場で今回参加させていただいておりまして、御質問させていただければと思います。
探究型学習、また、探究型取組を推進するに当たりまして、民間の果たす役割というところに関して、ぜひ、先生方の御意見をいただければと思っています。地域連携におきましては、地域の企業との連携及び地域に閉じない全国エリア、また、海外展開する企業等があると思っています。両方の側面において、ぜひ、その企業に対する期待するところという点について、お答えいただければと思います。お願いいたします。
【牧野主査】 お願いします。お答えお願いできますか。
【広島県立西条農業高等学校】 西条農協からでもよろしいんでしょうか。
【牧野主査】 どうぞお願いします。
【広島県立西条農業高等学校】 民間のというところにつきましては、先ほどの私の発表の中でも、カリキュラム・マネジメントの視点で、学校運営していく上でも、内外リソースをということを言わせていただいたと思いますけれど、非常に特に産業教育については、産業界との繋がりを大切にしております。地元の企業さんとのコラボというようなところももちろんですし、もっと言えば、本当に海外まで視野に入れて活動しているというようなところ。これは本当に、子供たちの研究テーマであったり、具体的な取組の進め方において、どこの企業さんとというところで、アプローチをさせてもらっているということがありまして、本当に産業界さんとの連携というのは、もう絶対にこれは切っても切り離せないと思っているところであります。すごく簡単なあれですけど、非常に重要視をしております。
【牧野主査】 ありがとうございます。続けてお願いします。
【愛知県立古知野高等学校】 お願いいたします。本校のマイスター・ハイスクールでも、多くの企業・法人さんに御協力いただいているところでして、特に企業の方たちが、学校の学びが、今はどんな現状なのかということで、実際に学校のほうに来ていただいたりとか、耳を傾けてくださっているということが、うちのマイスター・ハイスクールの発展にとても繋がっていると思いますので、これからも福祉に限らないんですけれども、企業や法人の方には、まずは学校の様子を知っていただいて、そして、一緒になって福祉・介護人材の育成をしていくという、そういう姿勢で業界の発展のために取り組んでいただきたいと考えております。
以上です。
【牧野主査】 ありがとうございます。よろしいですか。佐野委員よろしいですか。
【佐野委員】 大丈夫です。ありがとうございました。貴重な御意見ありがとうございました。
【牧野主査】 ありがとうございます。今、川﨑委員から手が挙がっておりますが、ほかの委員の皆様方はよろしいですかね。では最後に、川﨑委員、お願いいたします。
【川﨑委員】 大変すばらしい発表聞かせていただきまして、ありがとうございます。
愛知県の古知野高校さんに、御質問させていただきたいんですけれども、実際に対象者の身体面を知るという意味、しかもそれを科学的に理解するという点は非常にすばらしい取組だなと思います。
実際の介護現場では、例えば、睡眠センサーなどは実装されていて、入所者さんの訪問の件数を少し減らすことができるとか、そういったところまで来ているところもあるかなと思うのですが、その辺の実装レベルと、対象を知るというところのあたりの学びというのは、何かそこでの違いみたいなところがあるのか知りたいなと思いまして、御質問しました。
【牧野主査】 では、髙木先生お願いします。
【愛知県立古知野高等学校】 ありがとうございます。ともすれば、その機器を導入している施設の中には、介護者の負担軽減のみに焦点を置かれていて、利用者の尊厳というのが、置き去りになっているケースもあると思います。
なので、本校の1年生を対象に、いろんな福祉機器や、スマートフォンを使ってデータを取っていくというような、そういう授業もするんですけれども、それがまず、とてもいい商品だよね、機器だよねということではなく、これが使われたときには、自分だったらどうですかとか、あと利用者の方にとってはどういう思いがするのかということも含めてお伝えをする、考えさせる授業をしています。
また、多くの企業・法人さんにも協力をいただいていますけれども、本当にそういう視点で、機器がとても機能がいい製品だよではなく、こういう機器を使って、どういうメリットがあるのか。反対に、どういうデメリットがあるのかということも同時に御教示いただけるところと、今は一緒に進めているところなので、まさに先生おっしゃったようなところは、生徒に身につけさせていきたい考え方だと思っています。ありがとうございます。
【川﨑委員】 ありがとうございます。ともすると、DXで、何かこう省力化みたいなところにエネルギーが行きがちなところの、本当に根幹になる尊厳の部分というのを大切にしながらの教育というのは、すばらしいと思います。ありがとうございます。
【愛知県立古知野高等学校】 ありがとうございました。
【牧野主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま御発表いただきました、お二人の先生方におかれましては、改めて御礼を申し上げます。本当に今日は、御発表ありがとうございました。
【愛知県立古知野高等学校】 ありがとうございました。
【牧野主査】 この後は、御退出をいただきましても結構ですし、あるいはこのまま傍聴をいただいても結構です。どちらでも結構ですので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【愛知県立古知野高等学校】 失礼いたします。
【広島県立西条農業高等学校】 ありがとうございました。
【牧野主査】 それでは、議題(2)に移らせていただきます。資料3、職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化、丸2について、事務局より説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。私のほうから資料3に基づきまして、本日の論点等について、御説明をさせていただきたいと思います。
まず、1ページ目を御覧ください。本日ですけれども、大きく3つの議題を御準備させていただきました。全体といたしましては、第2回の議論を踏まえまして、目標や見方・考え方の議論であったわけですけれども、その中で、探究的・実践的な学びの積み重ね、深まりというようなことも御議論いただいたところでございます。そういったことを実際に科目レベルに落とし込んだときに、どういったことで、科目や構造、カリマネというところで充実を図っていくかという方向性を御議論いただきたいと思っております。
1つ目の議題といたしましては、探究的・実践的な学びの中心的な科目になるであろう、課題研究でございます。この課題研究の在り方というものを、御議論いただきたいと思います。
議題の2つ目ですけれども、こちらは、課題研究が探究的・実践的な学びというふうに変わっていったときに、それ以外の科目は、全体としてどういった構造で学びの深まりを出していくかというようなところを、御議論いただきたいと思っております。
議題の3つ目ですが、当然、専門高校とはいえ共通教科、国語や地歴、数学や英語、外国語といったことも学習しますので、こういった全体を含めて専門高校において、どういった教育課程を編成していくことが探究的・実践的な学びの深まりや積み重ねに繋がるのかということで、カリキュラム・マネジメントの視点から、そういったことを御議論いただきたいと思っております。
2ページ目以降、まず、議題の1から御説明をさせていただきたいと思います。
まずは議題の1の課題研究の在り方ということでございます。3ページ目ですけれども、専門高校においては、従来より課題研究などにおいて、探究的・実践的な学びというものが、行われてまいりました。それを説明させていただいたのが、この3ページ目になります。課題の設定、情報の収集、整理分析、まとめ表現というようなサイクル、これは、各教科によって言い方が違うということはあろうかと思いますけれども、おおむねこういったサイクルで、探究活動ないし、研究活動を行ってきたというふうに事務局としては理解をしております。
その上で4ページ目ですけれども、今後の在り方ということでございます。4ページ目の1つ目の丸、課題研究というのは、平成元年告示において、専門学科において探究的な科目として設置をされたという経緯がございます。
一方で、2つ目の丸ですけれども、課題研究については、約30年が経過した現行学習指導要領においても、その規定内容に大きな変化がないというような課題があろうかと思っております。これは、その後ろに補足資料の2というものをつけておりますので、また、御確認いただければと思います。
丸の3つ目でありますけれども、そういった学習指導要領に基づきまして、各学校の創意工夫により、探究的な学びが進められているというふうに承知をしておりますが、その一方で、特にまとめ・表現の段階において、計画の実装や実行というところに重点が置かれてしまって、課題設定などのほかのプロセスが、曖昧となっているような事例も見受けられるのではないかというような課題を感じているところでございます。変化の激しい社会において、前例にとらわれず、市場環境や業態変化に柔軟に応えていく産業人材の育成に当たっては、課題設定こそが重要ともいえるのではないかと考えております。こうした観点から、今後、課題研究における探究的・実践的な指導をさらに深めていくためには、さらなる改善が不可欠であろうということを考えているところでございます。
その上で、この方向性の丸1ということですけれども、大きく2つ示させていただきました。四角の1つ目でございます。こちらは、我々文部科学省が令和3年度から、マイスター・ハイスクール事業、今日、古知野高校さんにも御発表いただきましたけれども、マイスター・ハイスクール事業というものを実施してまいりました。この事業は、産業界と専門高校が一体となって教育課程を編成し、産業界に御協力をいただきながら教育の充実、探究活動を行っていくというものでございます。こういった事業成果を踏まえまして、課題研究というものの抜本的な見直しを図ってはどうかというものが、1つ目の方向性でございます。
2つ目ですけれども、現在、指導要領の書きぶりは指導項目ということを示しておりますけれども、こういった指導項目を示すということではなくて、今後は、各教科等横断的な学びでありますとか、探究的な学習を通して身につけるべき資質・能力というようなものを、産業教育における探究的な学習を行う際の配慮事項というような形で、そういったことを中心とした学習指導要領の記述にしてはどうかというものが、2つ目の方向性でございます。
もう一つでございますが、その間に黒丸で書かせていただいておりますけれども、課題研究というのは、設置時より学習指導要領の解説におきまして、高学年ないし、卒業年次において履修させることが望ましいというふうに書かれております。こうしたことが、卒業年次のみに履修するとの解釈に繋がってしまって、探究的・実践的な学びの積み重ねを阻害する要因となっているのではないかということが、1点考えられます。
ということで、これの方向性としまして、丸2で示させていただきましたが、大きく2つ挙げさせていただいております。1点目につきましては、そこの赤字のところを読み上げさせていただきますが、学習指導要領解説における課題研究の履修学年の規定を、削除してはどうかということでございます。このことによって、学校の実態等に応じて、柔軟に教育課程を編成できるようになるのではないかということを考えているところでございます。
四角の2つ目でございますけれども、先ほど、課題の設定こそ重要ということを述べさせていただきましたが、探究的な学びは、与えられた課題を探究するのではなく、本来的には自己の在り方、生き方に関わる課題を自ら発見し、解決していくことが重要であるというような趣旨に鑑みまして、例えば、課題研究の導入段階で、実社会・実生活に関わる課題を探究する活動を取り入れることとしてはどうか、ということを方向性の丸2として挙げさせていただきました。
右側に、すみません、シンプルな図で恐縮ですけれども、描かせていただきましたが、実社会・実生活における課題の探究というものを入り口にして、どんどん専門性の高い課題を探究していくというような姿を描いておるところでございます。こういった方向性について、本日は1点目を御議論いただければと思っております。
5ページと6ページに、マイスター・ハイスクール事業の取組事例を参考でつけさせていただきました。
また、7ページは、先ほど申し上げたように平成元年告示と平成30年告示を対比したような形で、指導要領の抜粋を掲載しておりますので、また、御覧いただければと思います。
以上が、議題の1つ目の御説明でございます。続けさせていただきたいと思います。
議題の2つ目でございます。各教科の構造的な整理というところでございます。
9ページ目でございますけれども、課題研究における探究的・実践的な学びの一層の充実という方向性、これから御議論いただくところでございますが、そういったことも踏まえまして、教科全体として、学びの深まり、何ができるようになるかということを意識した教育課程の編成が、一層可能となるように、今後、各領域分野における学びの体系、科目の縦と横の繋がりを、まず、1点目は、整理してはどうかということでございます。
それと同時に、今後、これは第4回目以降の御議論ということになろうかと思いますが、高次の資質・能力というものを、今後は整理していくこととなりますけれども、そういった整理も踏まえまして、各科目のさらなる整理を行う方向で検討してはどうかというのが、産業教育全体を通じた方向性ということで示させていただいております。
2点目ですけれども、各教科の特色も踏まえながら、学習内容と社会等を結びつける内容。特に経営管理でありますとか、ビジネスといったものに関する内容の充実を図ってはどうかということと、あわせて、データサイエンスやAIなど、各産業におけるDX化に対応した内容の充実を図ることとしてはどうかということで、方向性として示させていただいております。
その下にイメージ図をつけさせていただいておりますが、現行学習指導要領においては、原則履修科目であります基礎的な科目と、その上に課題研究というように、原則、履修科目は2つ置かれていて、サンドイッチのような構造になっておりますけれども、その間に置かれている選択履修科目というのは、領域ないし分野として、各科に関する科目がその中に置かれているわけですけれども、その科目同士の深まりや積み重ねというところまでは、しっかりと示し切れてなかった部分もあるのかなというような反省に立ちまして、右側の改善案というところですけれども、まず1つは、探究的な学び、課題研究というのが履修学年を外したことによって、全ての科目に関わるような形で示せないかということと、選択履修科目の中で、これまで領域分野としてだけ示していたものの中の科目のさらに構造を、学習の深まりや積み重ねという観点から、整理ができないかというようなことが、今回の大きな、各教科を貫く考え方でございます。
まず、農業科でありますけれども、先ほどイメージ示させていただいたように、左側が現行ですけれども、原則、履修科目に挟まれて、選択履修科目が大きく4つの領域で示されておりました。これを改善案ということで示させていただいたのが、11ページになりますが、例えば、農業生産・経営という領域でありますと、生産・実践という作るという段階から、分析・科学という、その作ったものをどうよりよく作っていくかというふうに科学的に見ていく段階。それをさらに経営・活用といって、経営や流通、ビジネスというようなところに発展させていく段階というようなことで、これまで置かれていた科目を、学びの深まりや積み重ねというようなところで見たときに、このように整理ができるのではないかと考えたところでございます。
こうしたときに、大きく2つ、先ほどの概要で述べさせていただいた、こちらの四角の2つ目ですけれども、ビジネスというところから、現在の農業経営でありますとか、食品流通といったところの内容を充実させたいというところと、もう一つ、右下の農業と情報という科目がございますけれども、こちらのところで、スマート農業やAI、データサイエンスといったところから、こちらの内容も充実させていきたいというようなところを、全体として表させていただいた表になります。
12ページ目以降は、各教科を示させていただいています。少し簡単に触れさせていただくような形で説明をしたいと思いますけれども、12ページは、工業のものでございます。こちらにつきましては、建築科目の例を示させていただいておりますけれども、まず、すみません、方向性というところを御覧いただきたいと思いますけれども、工業科というふうに一言で申し上げても、機械科や電気科、電子科、建築科など、小学科が多岐にわたりまして、それゆえに、教科工業の科目が現在59科目というふうに、他教科に比べてひときわ多い状況にございます。こういった状況も踏まえまして、体系的な学びの実現という観点から、改善を図るということができるのではないかと考えております。
建築科の例ということで、左側、現行のほうを御覧ください。現在、建築計画、建築構造、建築構造設計、建築施工、建築法規という、建築系には5科目が置かれておりますけれども、大きく学びの段階としては、今、お示しさせていただいているように、1年生で建築計画を学び、順次学んでいって、最後に3年生で建築法規というものを学ぶというものが、一般的な科目の置き方かなと考えているところでございます。
ただ一方で、1年生で学ぶ建築計画であっても、法規を学ばないといけないですし、構造であっても、やはり法規がどうしても関わってくるというところで、なかなか体系的な学びが、こういった科目の置き方では実現できなかったのかなというようなところから、右側の改善案というところですけれども、こういった科目の置き方を計画する、つくる、ルールを知るというような、大きく3つの体系に分けさせていただいて、これを同時に学んでいくというようなところで、大括り化して、科目を統合して考えていくことができるのではないかというようなことで、イメージとして示させていただいたものでございます。
続きまして、商業ですけれども、商業は、これまで4分野を置いておりましたけれども、これを14ページ目、大きく3分野にしてはどうかということでございます。これは、マーケティング分野、マネジメント分野というところを、1つの経営・経済分野というところでまとめさせていただいた上で、これを中心に置きつつ、会計分野とビジネス情報分野がこれを支えていくというようなイメージかなと思っております。
その上で、ファイナンススキルの向上でありますとか、ビジネススキルの向上、また、デジタルスキルの向上というようなところで、内容の充実を図っていくということを考えていきたいと思っております。
続きまして、水産科でございます。こちらも左側が従来の分野、5分野で設定をしておりましたところでございます。これを、大きく6分野にしてはどうかというのが、今回の1つでございます。新たに産業界の変化やニーズに対応してというころで、海洋開発分野というものを設定してはどうかというようなところと、あとは、産業教育全体に共通するところですけども、やはり、左上の水産ビジネスというような経営やビジネスに関わるところを充実させてはどうか。
また今度は、右下のほうで恐縮ですけども、海洋調査技術というような科目がございますが、こちらも、データサイエンスやスマート水産、AIやIoTというようなものを学ぶ科目として、従来の科目を再構築してはどうかと考えているところでございます。
続きまして、家庭科でございます。家庭科につきましても、同じように学びの深まり、積み重ねというようなことで整理をさせていただいた上で、方向性を四角2つ書かせていただきましたけれども、1つは原則、履修科目の生活産業基礎において、探究的な学びをこの中により一層盛り込んでいくというような改訂を行ってはどうかということと、四角の2つ目ですけれども、現在、共通分野のところに消費生活というような科目がありますが、こちらについて、アントレプレナーの視点で商品やサービスの販売、企画等を学ぶ内容を盛り込んでいってはどうかというようなところを、考えているところでございます。
続きまして、看護でございます。こちらも現行からの改善案ということで、学びの深まり、積み重ねというところで、下から上に整理をさせていただいた上で、このように整理をしてみますと、母性看護から老年看護というようなところで、科目間の指導内容の重複も見て取れるというところですので、こういったところは精選をしていきたいというところ。
また、全ての科目で実習と座学の往還を意識した学び、つまり、実践的・探究的な学びができるように、内容の取扱いというところにもしっかりと工夫をしていきたいと考えております。
続きまして、情報でございます。こちらにつきましては、従前より資料として提示させていただいたものになろうかなと思いますが、このように整理をいたしますと、データ、AI活用分野というところが、現行学習指導要領では、必ずしも足りていないというところもございますので、新たな分野として、データサイエンス、AI分野を設ける方向で整理をしていきたいと考えております。
最後の福祉科でございます。福祉科ですけれども、これも学びの深まり、積み重ねというところで整理をさせていただいた上で、各分野の関連性というものを表現をさせていただいております。その上で、丸印や星印でつけさせていただいておりますけれども、介護テクノロジーに対応するような科目の内容を、充実させたいということでございますとか、第1回目の課題のところで挙げさせていただいたものになりますけれども、福祉には、かなり外国人の労働力というものが入ってきているというところもございますので、星印のところで、多文化共生でありますとか、チームマネジメントというような内容を充実させることで、福祉全体の充実を図っていきたいと考えているところでございます。
21ページ目以降は、現行学習指導要領における各教科の科目を、一覧で示させていただいたものになりますので、また、お読み取りいただければと思っております。
こういった、各8教科を駆け足で説明させていただきましたけれども、教科全体としての学びの深まりというものを、今は並列で書かれている各科目を、再構成・再構築することで学びの深まり、何ができるようになるかということを意識した教育課程が組めるのではないかということ。また全体として、経営管理やビジネスという内容、また、データサイエンスやAIといった内容を充実させていきたいというようなところを、御説明させていただきました。この観点から、御議論いただければ大変ありがたいなと思います。
最後、議題の3点目でございます。専門高校における教育課程の編成の在り方というところで、カリキュラム・マネジメントによる、探究的・実践的な学びの積み重ねの在り方というところを御議論いただきたいと思います。
丸の1つ目でございますが、産業界では変化の激しい社会の中で、前例にとらわれず、市場環境や業態変化に柔軟に応えられる産業人材の育成が求められていると考えております。こういった観点から専門高校においても、探究的・実践的な学びを充実させるということが不可欠であろうということ。
2つ目の丸ですけれども、探究的・実践的な学びを充実させるということは、専門科目だけで行えることではなく、教科等横断的な視点からのカリキュラム・マネジメントの充実というのが重要であろうと考えております。
3つ目の丸ですけれども、太字のところですが、専門高校においては当然のことながら、専門教科を中心とした教育課程が編成されるわけですけれども、このことが教科横断的、または総合的視点に立ったカリキュラム・マネジメントや、資質・能力の育成という意識を弱める原因になっていることが考えられるのではないかということから、いま一度、専門高校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方というものを検討したいと考えております。
方向性のところを御覧ください。では、どのようにカリキュラム・マネジメントを充実させていくかということでございます。
四角を2つ挙げさせていただいていますが、1つ目の四角でございます。議題の(1)というものも踏まえて、これは、課題研究の充実の在り方というところですけれども、課題研究がより一層、探究的・実践的な学びを深める科目になるということなのであれば、カリキュラム・マネジメントの中核的な科目としては、課題研究を位置づけてはどうかというのが、四角の1つ目です。これは、従来から各専門高校においても行われているものと考えておりますけれども、改めて、課題研究を中心科目に置きたいということを明確にしたいということでございます。
四角の2つ目ですけれども、その際、改めてということですけれども、学校の教育目標は、地元産業界や地域の実態等も踏まえた目標設定や、自己の在り方・生き方に繋がる課題を設定するということでありますとか、各教科等で身につけた資質・能力を生かしながら活動に取り組むこと。また、探究・研究活動に当たっては、全ての学習の基盤となる資質・能力が育まれ、活用されるようにすることというような、カリキュラム・マネジメントにとって重要な視点を、内容の取扱いなどに配慮事項として整理してはどうかなと考えているところでございます。
以上、大きく3つを議題に挙げさせていただき、その議題の説明でございました。
私のほうからは、以上です。
【牧野主査】 ありがとうございました。前回同様、盛りだくさんの方向性を、事務局のほうから説明していただきましたが、これから、それぞれの議題につきまして御議論いただき、方向性の確認をさせていただければと思います。
なお本日、御欠席の中島副主査から、あらかじめ御意見をいただいておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 では、私のほうから、中島副主査の御意見を代読させていただきたいと思います。
今回の内容を拝見して、意見を述べさせていただきます。特に食品産業では、量をたくさん作ることを考えると、農業でいえば農薬、遺伝子組換えという方向性になるが、質にこだわろうとすると、無農薬、有機栽培という方向性になる。日本を含めた先進国が求めているのは、後者のような付加価値があり、環境負荷が低い農産品がより求められていると感じる。
一方で、途上国では、量をつくることが求められているので、本人の意思により、どちらの方向でもあり得るので、視野が広がる場が提供できたらと感じる。
産業での動きを感じられるように、企業から授業に講師派遣して、種々感じてもらう機会があるとよいと感じる。
以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。それではこれから、議題(1)、議題(2)、議題(3)、それぞれにつきまして御議論いただき、確認を進めていければと思います。
最初に議題(1)から入りますが、前回同様、全体としての御意見を言っていただいても構いません。その上で、また議題(1)についての方向性の確認もできればと思っております。
それでは、御意見のある方、御質問のある方は挙手をお願いいたします。それでは、長友委員お願いいたします。
【長友委員】 御説明ありがとうございました。意見というか、今回の御説明を聞いていて、やはり私たち、宮崎県のあくまでも例なんですけども、困っていることとして、最終学年で専門的な学びを使った課題研究をするというところから、どうしても生徒たちが本当に一番大事だなと、今日改めて実践校の発表聞いて思ったのは、自分で問いを見いだすというところではなく、もう専門の基礎を勉強した上に、どうしても先生方のお力がそこに介在しているというか、そういうところを思ったときに、今回の新しい学習指導要領のところで、学びの積み重ねや深まりを意識したというところで、西条農業が言われた、1と2という考え方です。特に専門系の高校の科目には、1と2というのは多分、商業科ぐらいしかないと思うんですけども、ほとんどなくて、どうしてもばらばらに見えてしまって、深まりというのが段階的にという、何か登っていくという感じがするんですけども、課題研究を中心に据えるということを考えたときに、やはり私は、1と2と、今日の西条農業さんのあの形をすることで、やはり生徒たちが、自分たちで課題をまず発見するという、そこのところからしっかりと学ばせる、その手法を学ばせるということが大事なんじゃないかなということを改めて思いました。まずは、そこでお願いします。
【牧野主査】 ありがとうございました。御意見ということで伺わせていただきます。ありがとうございました。
それでは続きまして、小坂委員、お願いいたします。
【小坂委員】 ありがとうございます。基本的に、事務局の出された4ページの部分の方向性というのは賛成でありまして、今、委員のほうが言われたように、職業系の課題研究は、まさに課題研究になっていて、専門性の中での、どちらかというと自分は少し括弧に置いておいて、その分野で起きている問題ですとか、専門性の部分が重視されてきたというところの過去があるのかなと。そこに学習者の主体が、少し優先順位として低かったのではないかと感じております。
そういった反省を踏まえて、やはり今回、総則にも載るであろう、好きを育むという部分は、思い切ってお示しになられたほうがいいのかなと思っております。特に4ページ目のところでは、配慮事項ですとか、資質・能力で示すというふうにありましたり、方向性の2のところでは、自己の在り方・生き方に結びつけるというのは示していただいていますけれども、やはりそこは、本当に職業系分野のそこの部分の好き、要は自己と職業系分野における課題だけではなくて、面白いと思っている部分をどうやって結びつけるかというところが、その後の主体的に自分の人生をかじ取りして、人生を歩んでいくというところに繋がると思いますので、そこは今回の改訂では、全体の総則に合わせて好きを育むという、好きという部分の言葉にこだわってもいいのかなと思っております。思い切って書かなければ変わらないかなというふうに、現場では感じながらやっておりました。
あわせて、課題設定の部分の今は話だったんですけれども、私は、そういう探究学習をした卒業生のインタビュー調査というのを長年やっておりまして、その中でも、やはり専門性の分野って、とても魅力的な問題とか課題が多いんですよね、取り組むべき喫緊の。どうしても、そこにぼんと生徒を落としてしまうと、その力が物すごく魅力的過ぎて、そっちに引っ張られてしまいまして、最終的に自分との結びつきみたいなものが結局感じられないで、課題は解決したけれども、発表はいい発表をしたけれども、そこに自分というものがなかったという例もございましたので、ぜひ、自己の在り方・生き方というところ、自分の好きというところに注視してお示しいただけたらと思っております。
以上です。
【牧野主査】 ありがとうございました。御意見として承ります。
それでは、溝上委員、お願いいたします。
【溝上委員】 溝上です。今の小坂委員の御発言に私は賛成で、そのまま続けたいと思います。
これまでの回で申し上げてきたことですけれども、高等教育、あるいは実社会に出て専門家として世に出ていく、そういう専門教育を考えても、このVUCAの時代、あるいは技術の進展が非常に早い現状において、専門教育の技術とか課題への解決、それだけで進めていくという、現状を少し、本当に少しでいいと思うんですけど、改善するという道を模索してほしいと思います。
議題の1と3についてコメントしたいと思いますけれども、その方向性を非常に具体化していく御提案が事務局からなされたと私は聞いていて思いまして、本当に事務局の御苦労に感謝申し上げたいと思います。
スライド4のところをコメントしたいと思うんですけれども、結局、スライド4のところで、右の下の山のところなんかが分かりやすいイメージだと思いますけれども、課題研究は大事だと思います。今日、2つ事例発表があった中でも、私はすばらしい取組だと思って感銘を受けて聞いておりましたので、こういった部分は捨てずに頑張ってほしいと思っています。ただ、入り口のところでもう少し、いわゆる一般的にいえば総合的な探究、今、小坂委員がおっしゃった、自己の在り方生き方、この産業教育ワーキング的に言えば、専門の課題、専門知識や関心を1回括弧にして、本当に自分が気になる課題って何なのかとか、そういったところに取り組む1年生、あるいは、前半期の時間、こういうことを設けて、それが緩やかに専門教育に繋がっていく3年間のカリキュラム、このように進めていく提案だと聞いていて思いましたので、是非そういう方向で進めていただきたいなと思います。これが、1つコメントです。
もう一つは、スライドの21の議題3のほうですけれども、カリキュラム・マネジメントです。事例の中でもちょっと言葉がありましたけれども、カリキュラム・マネジメントをするということは、教科等の横断をすればいいというのではなくて、教科等横断しないといけないような何かしら組織の目標や目的があるはずなんです。それは、現行の指導要領での言い方でいうと、育成すべき資質・能力であって、そういう学校全体として、こういう子供を育てたいという資質・能力があるからこそ、その資質・能力を育成するためには、各教科に埋没した学習だけじゃなくて、やはりまたがないといけないようになってくるはずなのです。こういうのが、この産業教育のワーキングでいえば、課題研究の課題なんだと思うのです。
ですからそういう意味では、課題研究の課題に焦点を当てて、その課題の質を実社会、実生活、自己の在り方・生き方、そして専門性の高みを目指していくとか、そういう辺りを、もっともっと精緻に議論して、課題が教科等横断をつくっていくと。そういう意味で課題研究、あるいは、その課題がカリキュラム・マネジメントを促していくというこの説明は、全くそのとおりだと読んでいて思いました。
1点、ぜひお願いしたいんですけれども。「教科等の横断」と普通科等をはじめ、一般にいうときにはそれでいいんですけれども、やはり産業教育の中では、教科等と聞いたときに専門教科のイメージがどうしてもあります。私は、やはり冒頭の話でVUCAの時代とか、技術の進展の速さとか、そういうことを鑑みて、共通教科との関連が非常に大事だと思うので、課題によっては、共通教科から問いや疑問が出てくる、そういうのだってあっていいわけですよね。ですから、ぜひ共通教科という言葉を一言入れていただいたら、このカリキュラム・マネジメントの重みが増すと思います。
以上です。ありがとうございます。
【牧野主査】 ありがとうございます。御意見として承らせていただきます。
あとお三方、一応、今のところは議題(1)で、今は(3)につきましての御意見も賜りましたが、議題(1)を中心として、あと四方でよろしいですかね。それでは、聞いていきましょう。
清水委員、お願いいたします。
【清水委員】 よろしくお願いいたします。基本的には、議題1ということでお願いいたします。
課題研究につきまして、御提示いただいた内容について異論があるものではございません。よくまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
課題研究そのものについては、やはり専門教科としては、かなり重要視した科目であることは変わらないと思いますので、この後も研究をどんどん進めていただけると、ありがたいと思います。
ただ、課題研究の目的や内容そのものに何か問題があるかというと、そういうものでもないと思っています。一番問題なのは、この科目自体が、総合的な探究の時間の代替であるということに対して、の認識の甘さがあるのではないかと思っています。
特に今回4ページに指導項目が示されていますが、この指導項目に、かなり重きを置き過ぎてしまっていて、これをやればいいんだというふうに、結果としては、従来どおりのものをつくるだけとか、調べるだけになってしまっている。その辺が、問題なのではないかと考えています。この辺の指導項目に対して、いろいろ言及もしていただいておりますので、こういったところも大切にしながら、一層の活動が進められればと思いました。
また、探究的な学びというのは、果たして課題研究だけでやるべきものなのかという視点も必要なのではないか思います。これについては、どの教科・科目においても、例えば、教員の言葉かけ次第で、いろんな探究的な学び、深まりを持つことができるのではないかと思います。探究的な学びは、課題研究だけであるとかそういう考え方ではなくて、全体的な科目を通して、探究的な学びに繋がるようにしていこうというような意識も必要なのではないかなと思います。
以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは、続きまして、西岡委員、お願いいたします。
【西岡委員】 ありがとうございます。私は、産業界をベースに仕事をしておりますので、その観点から、お話しさせていただきたいと思います。
まず、4ページに関しては、私も全く異論なく、賛成でございます。もちろん学年によりレベル感は違うと思いますけれども、ぜひ低学年から始め、学びを、1年、2年、3年目と進めていくことが自身でも学びの深まりを実感できるでしょうから、その方向で進めていただきたいと思います。
自己の在り方・生き方に関わる課題を発見して、解決をしていくというテーマについてはもとてもすばらしいと思いますが、その反面、日本の中だけで完結せずに、世界でそれぞれが扱っている産業がどういう状況にあるのか、という視点も忘れないよう、課題設定の中で考えていただけるとよいのではと思います。
もう一点、経営的な視点、ビジネスの視点を強化していくというお話もございました。これもとても大事でが、職業倫理という点も、ぜひ、加えていただきたい。例えば、技術が社会に与える影響、安全、品質、法令遵守の捉え方も、課題研究の中で具体的に捉えていくといいのではないかと思います。
最後に、コミュニケーションの大切さも、先生方からも御発表いただきましたが、課題研究の中で、働くことの意や意義を考える、感じることも必要では、ないかと思います。社会と自分の接点を言語化する力もぜひ高めていただきたいと考えます。
その上で、産業界そして教育界が共同設計者として、一緒に教育プログラムをつくっていくという視点も必要だと先生方のお話をお聞きしていてあらためて思いました。
以上です。ありがとうございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。
議題(1)に関しまして、あとお二方の委員の方にお手を挙げていただいております。それでは、お二方からお話をいただきまして、次に進めていければと思います。
それは、まず、香山委員、お願いいたします。
【香山委員】 よろしくお願いいたします。西条高校さんのお話をお伺いして、農業科という専門課程なんだけれども、出口が多様であったというところが非常に印象的でした。それを踏まえて課題研究のところを見たときに、今回、御提案をいただいている4ページ5ページの内容、方向性というところは、まさに納得するところでありますし、大賛成であります。
小坂委員、溝上委員が御指摘になられていたこととも関係するんですけれども、特に高校1年生は義務教育が終わってすぐの方であって、産業教育の学校に入ってはきたんだけれども、これから専門家になっていく人であるといったときに、地球人としての自己といいますか、専門家になる前に、溝上先生は、専門を括弧に入れてという言い方しておられましたけども、まずは今、世の中でどんな問題が起きているのかということを確認するような、そんな高校生として社会課題を捉えるというような機会があって、次第に専門家としての教育を踏まえていく上で、自分の立ち位置から見たときに、この専門からどんなアプローチができるのかというのを、もう一回考え直すというような、そんな試みが今回の提案でできるのかなという、非常に期待を持ったところであります。丸1に関しては、まずそこまでにさせていただきます。
【牧野主査】 ありがとうございました。
それでは、続きまして、佐野委員、お願いいたします。
【佐野委員】 御指名いただきましてありがとうございます。少し丸1、丸2、丸3に関わるかもしれませんが、全般的に意見を述べさせていただければと思っています。
【牧野主査】 結構です。
【佐野委員】 ありがとうございます。本日の方向性に関しましては、賛同いたします。特に課題研究を卒業年次に限定せずに、低学年から積み重ねる仕組みや、また、DXの対応というところに関しては、変化の激しい産業化に対応できる人材育成には、私自身も不可欠だと思っています。その中で、テクノロジーの活用というのは、やはり全領域で重要で、特に農業、水産、商業、福祉、情報など、どの産業においてもデジタル化が進んでいる中において、AIやIoT、データ活用は、生産性向上、競争力の鍵になっているというふうに常に感じています。教育現場で、こういったスキルを育成するということは、産業界の持続的な成長にも直結するというふうに感じています。
また、課題解決型学習を実効性あるものするためには、生徒、企業、自治体とのマッチングということが不可欠であると思っています。地域課題や産業課題を、教育現場に届ける仕組みを整えたりですとか、オンラインの連携ですとか、いろんなプラットフォームを活用することによって学びの質ということを高めて、一方で、産業界の負担ということも軽減できるのではないかなと思っています。
実際に企業が長期のインタビューですとか、長期プロジェクトに対応すると、正直、本業に支障が生じるというケースも実態ではあるのではないかなと思っています。理想を実現するためには、国としての調整役の配置ですとか、費用の負担ですとか、また、様々な教材の環境等、企業を支援する仕組みということも同時に検討いただければと思っています。産業界と共同し、テクノロジーを軸として持続的な、実践的な教育モデルを構築するということを、強く期待したいと思っています。
以上になります。
【牧野主査】 ありがとうございます。それぞれの先生方におかれまして、御意見をいただきました。
そうした御意見も踏まえまして、議題(1)につきましては、確認をさせていただければと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、時間も大分迫ってまいりましたので、議題(2)と議題(3)は、一緒に扱えればと思います。まず、御意見、御質問等がある方は、お手を挙げていただければと思います。今、1人の手が挙がっていますが、ほかの先生方、ほかの委員の皆様方はいかがでしょうか。今、お三方挙がっていますが、ほかにいらっしゃいますか。今、5人挙がっています。よろしいですか。
それでは、5人の先生方から(2)及び(3)を中心にいたしまして、御意見等をいただければと思います。まず、吉野委員、お願いいたします。
【吉野委員】 担当させていただきます、吉野でございます。よろしくお願いいたします。
資料の中の9ページ、農業分野の方向性のことなんですけれど、この方向性ですごくいいなというふうに感じておりますが、1つ意見を述べさせていただきますと、改善案のところなのですが、スマート農業の推進に向けてというところについては、もう少しウエートを重くして、格上げをしていきたいななんていう、そういうイメージを持ちました。
つまり、今は令和7年度ですので、令和14年度から、この新学習指導要領がスタートいたしますので、その頃の時代のスマート農業という部分では、やはり今からは想像できないような技術革新が始まっていくのかな、なんて思っています。
現段階でも、やはり都道府県によっては、学校間のスマート農業の差というのが生じておりますので、1つはその中で、10ページの農業と情報、分野共通の科目というところでは、スマート農業というところを扱っているんですけれど、例えば、栽培と環境、あるいは飼育と環境というところで、分析科学という項目の位置づけの中で、よりスマート農業的なビッグデータを扱えるような、分析ができるような生徒の育成というところが求められていくのかなと思っていますので、少しこの農業と情報というところの枠から外していきたいなと思っています。
それと、水産科のほうを見させていただくと、改善案の中にAIやIoTを用いたスマート水産業というふうになっておりますので、そこを、スマート農業というような文言に変換して、農業のところにも落とし込んでいただければありがたいなと考えております。
以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。続きまして、香山委員お願いいたします。
【香山委員】 よろしくお願いいたします。まず、担当といいますか、情報科の内容のところで整理をさせていただくんですけれども、これまで2分野だったものを、社会情勢等を踏まえて3分野に整理をいただき、かつ、共通になっていたものを上にも、サンドイッチするような構造にしていただいたということは、これまでの問題点を整理していただいた結果ではないかと感じております。
一方で、溝上委員の丸1のときの発言で、専門教科の話だけじゃなくて、共通教科のことも議論ということもちょっとおっしゃっていたんですけども、丸3のカリキュラム・マネジメントのところでも、全ての学習の基盤となる資質・能力という言葉が出てきておりました。
これに関連しまして、すみません、繰り返しになってしまうんですけども、産業教育全てにおいて、共通もしくは専門科目で何とか情報という内容が入っておりますよね。こうなったときに、どんどん、どんどん高度化していく産業の中で、応用の部分だけを積み重ねても、ちょっと危ういのではないかと。基盤としてしっかりつくっておいて、さらに専門教科のほうで伸ばしていくようなことを考えますと、情報科については、現在は代替科目で、それぞれの分野に入っているところがあるかもしれないのですが、新しくなってくる情報1を、例えば、もう共通科目としてしっかり受けてもいいような形に整えて、日本の高校生は、ベースラインがしっかりあるんだと。さらに産業教育としては、その上に積み上げていくんだというような考え方も、今回は検討してもいいのではないかなというのを、丸2のところで、全体を通して見せていただいて感じたところでございます。
まずは、以上とさせていただきます。
【牧野主査】 ありがとうございました。清水委員お願いいたします。
【清水委員】 よろしくお願いいたします。2と3にまたがるかと思います。よろしくお願いいたします。
まず、産業教育としての全体の方向性をまとめていただき、本当にありがとうございます。特に学習の深まりとか積み重ね、この辺に視点を置いていただいたことは、とてもありがたいと思います。
今回、各教科で例示がありましたけれども、こういったものをベースにしながら、詳細については、今後、深めていただければありがたいと思います。
この方向性で、ぜひ御検討いただければと思いますけども、同時並行的に学んだほうがよい科目であるとか、積み重ねによって学んだほうがよい科目であるとか、こういったものも、いろいろ出てくると思いますので、各専門教科での検討をぜひ進めていただいて、よりよいカリキュラムが編成できるようにと思っています。
特に積み重ねによって学んだほうがよい科目についてですけれども、この内容で、各分野の中で科目を細かく分けるようであれば、年度末だけではなくて、例えば学期末とか、学期の途中でも、単位認定ができるようにするなど、柔軟な単位認定についても、ぜひ、検討もしていただけるとありがたいなと思います。この科目をしっかり学んだからこそ、この科目が生きていくというような積み重ね。そういったものの柔軟性も、大切なのではないかと思います。
また今回、御提示いただいた領域分野の整理や、学びの関連性・可視性など、体系的・系統的な学びを進めていくためには、学校内においてどの科目で、いつ何を学んでいるのかということを、しっかり把握し合わなければならないなと思います。これは専門教科の中だけではなくて、当然、普通教科も含めて、学校全体で、いつどんな内容をどの科目で学んでいるのか、そういうことをしっかりと共有することになってくると、当然カリキュラム・マネジメントは、すごく重要な考え方に立つことになるのではないかと思いますので、先生方のそれぞれの情報の共有を進めていただくと、非常にありがたいと思います。
そういった意味でも、前回も話題になっていますけども、教科・科目の知識だけじゃなくて、見方・考え方もしっかりと共有をしていただいて、学校全体で授業を進めていく、カリキュラムを組んでいくということを求めていけばよいのではないかと思います。
以上でございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。森澄委員、お願いいたします。
【森澄委員】 ありがとうございます。配付資料にありました、専門高校に関する参考資料集の中で、それを見ながら、今回の改訂の2の方向性を考えていたんですけど、特に工業科なのですが、大ぐくりする方向で、科目の統合を検討してはどうかというふうに3行目にもありますが、参考資料集の19ページのほうには、(5)下のほうに、船舶工学を新設し、船舶の概要、船舶建造などというくだりがあります。これは、新たに新学科をつくる、新科目をつくるのか、統合の反対の方向なのかなというふうに見受けられます。質問ではないんですけど、そのように感じたということです。意見です。
【牧野主査】 よろしいですか、意見ということで。
【森澄委員】 はい。
【牧野主査】 ありがとうございました。いいですか。じゃ、事務局からお願いします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。今、森澄委員におっしゃっていただいたのは、現行学習指導要領、平成30年に告示された学習指導要領において、船舶に関する科目が新設されたというところを言及いただいたのかなというふうに思っております。
もちろん、当時は必要だということで科目を新設したわけですけれども、今回も、今後は議論がどうなっていくか分かりませんけれども、もちろん、大ぐくり化してというところは示させていただきましたが、実際にどう科目を編成していくかというのは、今後の議論になってこようかなと思いますので、そこは検討しますけれども、すみません、ちょっとお答えになっているか分かりませんけども、現行の話と、これからの話と分けて考えていますということでございます。
【森澄委員】 ありがとうございます。
【牧野主査】 それでは、あと4人の委員の方の手が挙がっていますので、それぞれできるだけ、すみませんが、コンパクトに、よろしくお願いできればと思います。
小坂委員、お願いいたします。
【小坂委員】 ありがとうございます。
2番目の部分に関しては、本当にそれぞれの科目を横断的にということで、いろいろ枠組みがすごく工夫されているなと思います。特に水産の16ページの部分、水産専門なので見てみますと、本当にこの括り方が、まさに横断的な部分でいい形になっているなと思いますし、今は2の部分の話なんですけど、3の部分にも繋がってくるのですが、先ほど、溝上委員が言われてた部分にも繋がるんですけれども、何のために横断的にするのかというところの目的を失ってはいけないかなと。やはり、中心の部分に課題研究、探究学習を据えるという部分が抜けてくると、何のために横断しているのかなというのがなくなりますので、最後の3のところでいえば、本当に課題研究を中心に、カリキュラムの中心据えるという部分は、明確にされることをお願いしたいと思いますし、また、これは私の経験なんですけれども、大分早い段階で、10年ぐらい前からこのカリキュラム・マネジメントを自由にさせてもらっていた経験から、やはり地域の人の声を聞くというのが、すごく大事だと思っております。
地元の産業や地域の実態、これも本当に大事なんですけれども、ただどうしても近視眼的になってしまうところがありますので、先ほどの委員からもありましたように、世界全体が、その業界が一歩先へ行くためには、どうすればいいのかなということも必要ですので、必ずしも地元だけではなくて、海外の動向ですとか、最新の状況という部分が分かるところの意見も踏まえながらというのは、すごく大事だなと思います。
あわせて、カリキュラム・マネジメントというところの科目の調整で、これはこの議題には関係ないんですけれども、目標設定は皆さん、非常に企業の方は盛んにできるんですけれども、カリキュラム・マネジメントの細かい科目の構成とかってなると、やはり教員が、そこはプロ意識を持ってしっかり組んでいくということが、すごく大事だなというのが学びとしてありますので、共有させていただきます。
以上です。
【牧野主査】 ありがとうございます。それでは、川﨑委員、お願いいたします。
【川﨑委員】 ありがとうございます。では、私が関係している看護の部分のところで、意見を言わせていただきます。
拝見しまして、いわゆる地域であるとか、在宅であるとかというところに動きが出ていますので、今回のこの構成を見てみますと非常に合っているなと思いますし、精神看護なども横断的に、どのジェネレーションにおいても必要だと考えますので、この組立てに関しては、非常に今の時代に合っている。そしてまた今後、さらに強化しなければいけないという部分が表現されているので、私は非常にいいなと思って、見せていただきました。
それから、カリキュラム・マネジメントの全体的な部分のところというのは、本当に今おっしゃってくださったように、教育の専門家の方々が、やはり緻密に見ていただくというのがいいかなと思います。あとは、本人が今はどこの部分をどういうふうに学んでいるのかというのがわかり、自分が迷わないような、筋道が表現できるものが整理されると、非常にいいんじゃないかなと思いました。ありがとうございます。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 よろしくお願いいたします。私は福祉担当なので、福祉のところでお願いいたします。
本日の古知野高校さんの取組にもありましたが、カリキュラム・マネジメントをしっかりと行って、専門教科・共通教科の往還、横断的な学習で探究的な学びを深めることがとても重要だと思いました。
事務局案の介護総合演習と介護実習を中心として整理をして、充実を図るという案に賛成です。
以上です。
【牧野主査】 ありがとうございました。それでは最後に、長友委員、お願いいたします。
【長友委員】 よろしくお願いいたします。学科を超えたという、先ほどから横断のことがたくさん出てきている、教科横断、学科横断ということは大事だと思うんですけども、総合的な探究の時間というのが、いわゆる学科を越えた科目となってハブ的な感じで、いろいろな学科を、今はつないでいるものになっているというのが、非常にいろんな学校で見聞きされるところなんですけれども、産業系学科で課題研究が代替となったときに、それぞれが課題研究になると、ただでさえ専門性の高さが壁となって学科横断が難しいこの産業系の学科において、産業学科が横断していくハブ的なものって、今後はやはり課題研究が、新しい学習指導要領で、今、御提案のような形に変わっていく中で、必要になってくるんじゃないかなと感じたところです。意見と要望です。すみません。
【牧野主査】 ありがとうございました。
それぞれの委員の皆さんから、御意見を賜りました。ありがとうございました。
そうした意見も参考に踏まえさせていただきまして、そしてまた次回以降も、それぞれの皆さん方からもちろん意見をいただきながら、進めていければと思っております。
そういう中でありますが、本日、この(2)、(3)の議題につきまして、事務局からお示しいただいた方向性についての確認をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、確認をさせていただいたということで、本日の議題(2)、事務局から説明をいただいた論点の資料に基づいた議論につきましては、本日は、この程度にさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、時間も参りましたので、本日の議事は以上とさせていただきますが、最後に、次回以降の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】 事務局でございます。次回につきましては、令和8年1月22日木曜日の15時半からを予定しておりますけれども、正式には、後日、連絡をさせていただきたいと思います。
また、この場を借りて1点だけ御案内をさせていただきたいと思うのですが、例年1月末に、我々文部科学省が実施しておりますマイスター・ハイスクール事業、今日も何度か事業名が出てきたと思いますけれども、その成果発表会というものを、例年1月末に行っております。また正式には、委員の先生方に御案内をさせていただきたいと思いますけれども、またぜひ、御覧いただければなと思っておりますので、この場を借りて御案内させていただきます。また、正式に御連絡させてもらいます。
【牧野主査】 ありがとうございます。私も、マイスター・ハイスクール事業企画評価会議の主査もさせていただいておりますが、ぜひ、委員の皆様方には、今回のまたこうしたいろいろな議論の参考になるかと思います。1月末の成果発表会にも、ぜひお顔出しいただければと、私のほうからもお願いさせていただきます。
それでは、以上をもちまして、本日の産業教育ワーキンググループを閉会とさせていただきます。ありがとうございました。どうぞ皆さんよいお年を。
―― 了 ――
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