教育課程部会 産業教育ワーキンググループ(第2回) 議事録

1.日時

令和7年11月18日(火曜日)15時30分~18時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. ヒアリング
  2. 職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化について
  3. その他

4.議事録

【牧野主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会産業教育ワーキンググループを開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御参加をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日前半は、議題1といたしまして、専門高校の現場の教員の皆様方からヒアリングを行います。その後、議題2といたしまして、職業に関する各教科の目標、内容の構造化、表形式化につきまして、御審議をいただく予定であります。
 なお、本日は、藤田委員、溝上委員は御都合によりまして御欠席でございます。
 これより、議事に入ります。資料1、ヒアリング日程につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】  事務局でございます。資料1を御覧ください。
 今後の議論に当たり、委員の皆様に、専門高校の取組や現状に関して具体的なイメージをお持ちいただくため、今回を含め3回程度、ヒアリングを予定したいと考えております。
 それでは、発表者の皆様方を御紹介させていただきます。まず、埼玉県立大宮工業高等学校教頭、手島裕司様。新潟県立海洋高校校長、保坂哲様。千葉県立佐倉東高等学校教諭、仁平知恵利様のお三方でございます。
 発表者の皆様には、それぞれ10分程度で御発表いただき、その後、30分程度、質疑応答の時間としたいと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。
【牧野主査】  ありがとうございました。それでは、初めに、埼玉県立大宮工業高校から、手島教頭、よろしくお願いいたします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  よろしくお願いいたします。では、画面のほうを共有させていただきます。
 大宮工業高校におけるDXハイスクールを活用した企業連携と特色ある取組ということで、今回、機会を頂き、ありがとうございます。私も、昨年度は国研にいたもので、その部分でワーキンググループ等を非常に視聴させていただいておりました。このような機会の中で、本校の取組が、また新しい学習指導要領の一つの、一部となることができるというのは非常に光栄なことであり、機会を頂けて、感謝しております。では、説明のほうをさせていただきます。
 まず、学校の紹介と概要といたします。本校、本年度で100周年を迎える埼玉県にある工業高校になります。目指す学校像としては、「日本を支え 世界で活躍する 人間性豊かなエンジニアの育成」「小中学生に憧れを!在校生に自信を!卒業生に誇りを!」というふうなことで目指しております。また、重点的な取組は、挙げさせていただいている4点になります。
 設置学科については、全日制4学科、定時制、工業技術科の1学科となります。定時制におきましては、機械コース、建築コースの2つからなっております。
 各生徒数は、各学年共に、募集は80名。機械、建築、電子機械においては80名で、電気科のみ40名となっております。
 進学状況につきましては、昨年度は、就職56%、大学・短大19%、専門学校22%、進学準備ほかで3%という形になっております。
 では、本校の取組について、移っていきたいと思います。本校のDXハイスクールにおける、今回のお時間の中でお話をさせていただこうと思っていることは、ドローンを活用した最新の測量や、屋根・外壁等の安全管理の実習、また、設計した図面や3DモデルをARで重ね合わせることによって、設計意図を深く理解し、空間認識能力を養うというふうなことでの取組になります。
 また、今後求められる外国語でのコミュニケーション能力ということで、取組自体は建築科の取組になるのですが、こちらのほうを挙げさせていただきました。
 DXハイスクールを活用した興味・関心を高める授業といたしまして、こちらが1年生における建築科の最新測量技術の体験とドローン操作になります。本校の扱う内容といたしまして、全て昨年度まで取り組んできたマイスター・ハイスクールの授業の中で、連携してくださった協力企業の技術支援を受けて、実施しております。
 左のほうに挙げさせていただいている、iPadを掲げて生徒の画像を撮っているほうは、こちらは3Dスキャンを行っております。生徒の持っているiPadであったり、スマートフォンというのは、機能としてLiDARスキャンを持っているので、こちらを使うことで、実際に建築現場で、部屋の中のレイアウトをカメラで取り込んで、実際にそれがどのようなレイアウトになっているかの確認やインテリアを仮想的に配置する等を行うことができるものとなっております。
 また、右のほうではドローン操作を行っているんですが、こちらでは、実際に建築現場の欠陥というか、物の壊れている部分を探したり、人の目で直接見ることができない部分を、このドローンのカメラを使って実際に確認したりということは、現在、建築現場において行われております。そちらの実際に現場において活用されているものを、1年生の段階で触れることで、興味・関心、あと授業への取組姿勢等も含めた学びに向かう姿勢というのをより高めるために、このDXハイスクールの取り組みとして一つ活用させていただいております。
 2つ目になります。先端技術を活用した企業との連携というところで、こちら、一つは3Dの画像、もう一つはVRゴーグルをかけて実際にシミュレーションしているものになるんですが、こちらはBIMと言われるアプリケーションを使いまして、建築現場における実際のVRのゴーグル、または3D等で表示することで視覚的にグラフィック上で工程管理や、施工管理であったりということを一つの流れとして扱うことができるようになっております。
 これを行うことで、実際に資材の発注の手順であったり工程管理、あと、設計段階での問題点の洗い出しというのを行います。そうすることで、実際の現場におけるシミュレーションの体験を学生のうちからできること、また、実際に現場に入っても、同じようなソフトを使っているというところで、このような使い方をすれば、実際に自分がつくったものがどのような形になるのかというイメージを含めた能力を高めることができると見込んでおります。
 また、この実際につくったものを、VRゴーグルをかけて、実際に部屋の中をのぞいて、どういうところの部分が重なり合っていて問題があるとか、扉を設置したらその扉が引っかかってしまうとか、動かないとかという問題点を見つけたり、あと、部屋と部屋の移動であったりとか、実際に物を建てなくても、それを仮想的に視覚上で判断して、自分たちがつくっているもの、または現場で実際に取り組まれているものというところを知ることができるものとなっております。
 続きまして、建設業グローバル化体験ということで、こちらは建築科の3年生が取り組んでいるものとなります。こちらにつきましては、令和の時代に働く者として求められる国際感覚の育成ということで、実際に、生徒が、外国人の労働者の方と一緒に折り紙を折っています。この折った折り紙が、1つずつの柱として、最終的に組み合わせることで、1番右下の箱のようなものがあるかと思うんですが、写真の中でも見えると思うんですが、こちらのような柱を組み合わせて1つの模型をつくるというふうなところで、実際のコミュニケーションを取ってみたり、あと、人に教えることの難しさというところの体験をすることで、自分たちが施工管理者として、実際の現場で、多国籍の労働者の方々を動かしていくときに必要となる感覚的な部分を磨く取組として活用させていただいております。
 ここからは、直接、DXハイスクールとは関係ないんですが、本校における特色ある取組の一つとして挙げさせていただきます。
 先端技術を活用した企業との連携というところで、本校のほうで今回提供していただいたロボットで、「temi」というロボットを提供いただいております。こちらは5台ありまして、右の絵であれば、個々の生徒が学校内の校舎をスキャニングして、実際のマップ上に学習をさせているという作業を行っています。また、ここにノーコードのプログラミングができることから、そこの部分でプログラムを入れて、説明する内容、あと、質問を聞かれたときにどのような受け答え等を行うというプログラムを入れることで、実際に学校の中で移動して、ここの場所で説明をやってほしいというところを学習させる取組をとおして、よりロボットをどのように使っていけばいいのか、また、新しいものをどのように活用していけばいいのかというところであったり、ファミリーレストランに置いてあるロボットと物自体は変わらないので、そのようなロボットがどのような形でつくられて、どのような制御をされていて、配膳されてくるのかという実際の学びと生活とをリンクさせた取組が、一つ特色なものとなっております。
 DXハイスクール(プロフェッショナル型)を活用して得られた成果として、以下の5点を挙げさせていただきました。
 令和の時代を働く人材に必要となる最新設備に触れる機会。生徒にとって新しいものに触れる機会というのは、既存の学校の設備では実現できなかったものが、DXハイスクールやマイスター・ハイスクールを使うことによって実現できております。
 また、次に2つ目になるんですが、生徒だけに限定するものではなく、教員も、最新設備・技術に触れる機会を確保できております。既存の古いものを操作することに長けることも非常に重要なんですが、これからの時代を生き抜く子たちを育てていくためにも、教員も新しいものに触れてアップデートしていく機会というのが得られております。
 3つ目なんですが、こちらは、どの現場においても多国籍労働者というのは多い状況にあるかと思っております。多国籍労働者に関わるということは、これから先、10年、20年と置かずとも、必要なことだと思っております。この部分において、このような新たに働きに来ていただけている多国籍労働者の方と協同することというのは、これからを生き抜く上でも、生徒にとっても重要なことですし、そのことを知るという意味では教職員にとっても非常に重要なものとなっております。
 4つ目です。最新デジタルツールの活用方法を知ることで、教科書に書かれていない最新技術を活用した興味、関心を高める授業デザインの創出ということで挙げさせていただいております。こちらはやはり、教科書に書かれているものだけではできなかったこと、また、現在、中教審等でもデジタル教科書の話が、非常に、活用するというふうなところで動かれているかとは思うんですが、その部分で、やはり教科書だけでは、今の最新のものというのは、当然数が扱われているものは少ないと思っております。その部分で、生徒の個々の興味、関心を高める授業デザインというふうな点にも、この新しいものに触れる機会、またはデジタルツールに触れる機会というのがあることによって、大きな成果となっていると思っております。
 次に、最新技術を活用することでしか得られない新たな気づきということで、こちらについては、より新しいものに触れることで、次に何ができるのか。今までできたことは当然のことながら、そうではなく、新しく何ができるのか、どのような使い方があるのかということから考えることで、新たな授業デザインにもつながっていると捉えております。
 では、次に行きます。次に、高等学校と地域による未来共創プロジェクト事業、こちらは、埼玉県で本年度より行われている埼玉県版のマイスター・ハイスクール事業になります。
 本校で、実際にこれは3年生で、1つの学科ではなく、機械科と電気科の生徒が、実務家教員による課題研究の支援を受けまして、実際に電車のレールの切替えの部分を教えてもらいながら製作している写真になっております。この部分では、1時間ないし2時間、実際に講義を受けまして、その後、個々のレールの継ぎ目であったりとか、動かし方であったりというふうなところで、どのような対応というか、作業をして物を形づくっていけば、これが実現できるのかというふうになっております。
 2つ目に、同じ内容なんですが、こちらはレーシングカートです。実際に指導者の方に来ていただいて、技術的な指導、あと、不足している部品がどのような部品で、何を買えば、何を使っていけばカートを動かすことができるのかといった部分について指導を受けているものになります。最初はエンジンが壊れていて、そこの部分の部品は何を買えばいいのかということすら分からず、教員間でも非常に苦労していました。その部分で、実務家教員として、実際にレーシングカート場を運営している方に御支援いただいて、講師として来ていただき、1つずつ、どういうものが必要なのかである部品の洗い出し等から、ここは車体を真っすぐ走らせるために必要なのは、どういうふうなことをやらなくてはいけないのかという指導まで、より基礎から技術的なことまで、非常に細かく御支援をいただいた取組となっております。
 最後になるのですが、大宮工業高等学校は、来年度より浦和工業高等学校との統合により、新しく埼玉県立大宮科学技術高等学校という学校となります。目指す学校像としましては、グローバル化する社会の持続的な発展に向けて、高い教養と先端技術を活用した創造性を育み、技術をリードする人材を育成します。
 埼玉県初となる専門・情報科、「情報サイエンス科」を設置いたします。あと、工業科としては、機械工学科、電気工学科、建築デザイン工学科、ロボット工学科の4つを設置するという運びになっております。
 新校における特徴については、このような6点を挙げさせていただきました。
 1、2年生における科学探究の実施。
 情報I、IIを全学科の生徒が履修します。
 理工系大学への進学を目指した教育課程をつくっております。
 工業科における学科横断による工業技術基礎の実施を行います。
 あと、学科横断型の課題研究を、今も行っているんですが、これを継続してまいります。
 また、今まで培ってきたマイスター・ハイスクール等で築き上げた産学連携の継承を図っていきます。
 説明は、以上となります。
【牧野主査】  ありがとうございました。御質問、御意見等は、後ほど、各高校の発表を聞いた後にお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、新潟県立海洋高校から、保坂校長、よろしくお願いいたします。
【新潟県立海洋高等学校】  では、お願いいたします。それでは、新潟県立海洋高等学校校長の保坂です。これから説明をさせていただきます。時間も限られておりますので、早速始めさせていただきます。
 まず、本校の沿革についてです。1898年に創立をしまして、現在、創立127年目を迎えております。途中、校名が改称されておりますが、現在は新潟県立海洋高校へとなっております。
 学校の所在地についてです。この地図の左下、ここに本校、海洋高校がございます。海から少し離れております。糸魚川市にございますので、隣が富山県となります。高台にありますので、生徒たちはこの丘を上がって登校してきます。
 実習については、海のほうにマイクロバスを使って向かいます。日本海側にありますこの3つの丸のうち、真ん中の丸、ここに能生の漁港がありまして、実習船の海洋丸が停泊しており、また、栽培漁業臨海実習棟がございまして、ここではヒラメやアカムツなどの種苗の生産、放流、そして養殖などを学習する施設がございます。
 また、この黄色の丸の右側のところに道の駅がございまして、ここには本校の生徒が商品開発をしたものを販売するアンテナショップがございまして、ここでの販売等も行っております。このことについても、後ほど詳しく説明をさせていただきます。
 本校のスクールミッションです。最初に書いてございますように、本校では、産学官連携の水産・海洋関連の実践的実習を通して、地域振興に資する能力を育成するという学校でございます。そのほかもございますが、主にここの部分だけ、今お話をさせていただきました。
 こちらの資料、1点訂正をお願いいたします。左上の部分が創立124年となってございます。ちょっと資料が古かったもので、失礼いたしました。127年となります。
 左下の部分の円グラフになります。特徴的なのが、本校に在籍している生徒なんですが、所在地である糸魚川市、隣の都市の上越市からの生徒の割合が41%で、それ以外から来ている生徒が59%ということで、約6割が他地域から通学をしている生徒です。
 全校生徒については、211名となります。1学年80名となります。
 こちらの表なんですが、表題がなくて申し訳ございません。これは、他県から来ている生徒の数であります。特徴的なのは、特に長野県、群馬県、新潟県の隣県で、海がない県からの生徒が来ていることが特徴的かなと言えます。
 続きまして、こちらが生徒のコース分けになります。1年生の段階では、80名、水産科としてくくり募集をしますが、2年生から大きく2つに分かれます。水産資源科、それから海洋開発科。大きく分けますと、水産資源科は、どちらかといいますと、やはり食品、養殖であったり食品加工になります。そして、海洋開発科については、直接海に関わるコースになります。乗船実習が主であったり、また、海に潜って、いわゆる溶接であったり測量だったりでございます。 そして、2年生、3年生になりますと、4つのコースに分かれまして、それぞれ25%ずつに分かれて、より専門的な内容を学ぶことになります。
 ここからは、本校の特徴でありますマイスター・ハイスクール事業についての取組となります。遡りまして、平成27年度にまず本校所在地である糸魚川市から御協力いただきまして、水産資源活用産学官関連事業ということで、食品科学コースの取組が始まります。その後、令和3年度から文部科学省より指定をいただきまして、マイスター・ハイスクール事業と、これは海洋高校単独での取組となります。令和3年から5年度までがマイスター・ハイスクール事業。その後、この取組をさらに他校への普及、そして今までの取組を進化させるべく、令和6年度、昨年度からマイスター・ハイスクール普及促進事業ということで、他校との連携に移りました。隣の上越市の高田農業高校との連携となります。これも、後ほどお話をさせていただきます。
 人材育成システムの構築ということで、左側のほうは、いわゆる学校が中心となって取り組む場合の、こういったメリットもあるんですけれども、非常に多忙感が増大するという中で、右側のように、今はここに「株式会社能水商店」となってございます。こちらは、実は、以前本校で教諭として勤めていた方が、この事業を立ち上げてくださいまして、この能水商店が、生徒とともに商品開発をしたり、また、そこでの販売実習、いわゆる実習の場を提供してくださっています。この能水商店の社長が、マイスター・ハイスクールのCEOも務めていただいています。ですので、地域とのつながりであったり、学校の取組等についても調整をしていただくので、学校の職員としましても、ふだんの授業、学校での取組も専念することが可能となりました。
 こちらのほうが、マイスター・ハイスクールで目指す海洋高校の成長ということで、左側のほうに重点的に伸ばす3つの力、協働力、行動力、自己管理力ということで、こういったものを実習等通して養っております。こちらのほうの成長度合いについては、やっぱり何らかの数値化をしてはかるべく、右側にございますアンケートであったり、学びみらいPASSであったり、資格の取得率だったりがあります。特に、学びみらいPASS、これは河合塾のものになるんですが、これを毎年4月に各学年に実施し、3年生は集大成でもございますので、12月にもう一度実施ということで、そこでの数値を見て、我々も評価をし、また、職員研修の場で、今後の取組についての研修をしているところであります。
 こちらが、次世代の水産業・農業を担うプロフェッショナルの育成ということでのポンチ絵になります。左側の下の部分になります、令和3年度から5年度まで、こちらが海洋高校が単独で行いましたマイスター・ハイスクール事業です。そこにございますように、商品開発であったり、アカムツの種苗育成であったり等々を行ってまいりました。こちらの取組から、発展・普及させるべく、令和6年度からマイスター・ハイスクール普及促進事業へと移ります。連携校は、隣の上越市にございます高田農業高校となります。「TAN-KY(探究)プロジェクト」という名称を打ってありますが、TANというのは高田農業高校、KYは海洋高校、これを合わせてTAN-KYプロジェクトとなります。これまでの本校の取組に合わせて、高田農業高校と連携をする中で、幾つか商品開発であったり、また、実習等を行うことになります。
 こちらの図でございますが、真ん中にマイスター・ハイスクールCEO、能水商店の社長を務めていただいている方にお願いしているところです。この方が中心となりまして、下のほうにあります、いわゆる産業界、あと糸魚川市と連絡、連携を取っていただきます。そして、海洋高校との調整をやっていただくんですが、この三角印の真ん中の左右にありますマイスター・ハイスクール運営委員会、そしてマイスター・ハイスクール推進委員会、この2つがあるんですが、マイスター・ハイスクール運営委員会というのは、この事業の概要、事業目標の策定であったり、この取組についての評価をしていただくことになります。また、マイスター・ハイスクール推進委員会のほうは、事業の成果の検証であったり事業の改善等々ということで、また、生徒の発表等も行っているところであります。
 こちらが主な取組の一例でございます。左側のほうなんですが、実は、魚が野菜を育てるというシステム、「アクアポニックス」というものがございます。循環させて作成するんですが、そのアクアポニックスについての発表を、上越市にあります水族館「うみがたり」でしているところであります。右側が、高田農業高校でアクアポニックスを設置したときの写真となります。
 今ほどの説明で1つ補足をさせてください。今ほどの水族館での活動の中で、つくられたバジルについては、ピザのメニューとして水族館のレストランでも販売していただいております。こちらのほうは、有機肥料ということで、廃棄となります魚のあらであったり、また、カニだったと思いますが、甲羅であったり、発酵させたものを使用しての有機肥料です。こちらのほうは今年度配付して、またいろいろな方から御意見をいただいて、フィードバックをいただいているところであります。
 こちらは、職員研修の様子です。生徒の取組について、先ほどの学びみらいPASSであったり、生徒の面談の様子等々をここで職員で研修して、次の取組に繋げていきます。右側のほうは、連携先である高田農業高校に対して、松本CEOのほうで説明をしていただいている図になります。
 非常に駆け足になってしまいましたが、また御質問等々ございましたら、後ほどお答えしたいと思います。御清聴ありがとうございました。
【牧野主査】  ありがとうございました。それでは、続きまして最後に、千葉県立佐倉東高校から、仁平教諭、よろしくお願いいたします。
【千葉県立佐倉東高等学校】  よろしくお願いいたします。では、私のほうから、千葉県立佐倉東高等学校服飾デザイン科のカリキュラムと取組について説明させていただきます。
【千葉県立佐倉東高等学校】  では、説明させていただきます。
 本校なんですけれども、大変歴史のある学校だということで、もともとは女子技芸学校としてスタートしたんですけれども、2005年、平成17年に男女共学になりました。今年で創立118年を迎える伝統ある高校で、現在は普通科、調理国際科、あと服飾デザイン科の3学科があって、1学年に、調理国際科が1クラス、服飾デザイン科が1クラス、普通科が4クラスの6クラス編成になっています。
 それぞれの学科のカリキュラムは次のようになっています。普通科は、習熟度別の少人数の授業を行ったりして、基礎基本の定着を目指し、コース別カリキュラムで生徒一人一人の進路希望に対応しています。こちらは部活の様子なんですけれども、部活も大変頑張っている学校です。
 調理国際科なんですけれども、千葉県公立学校唯一の学科で、卒業時に調理師の免許が取得できるというのが大きな特徴の一つになっています。和食、洋食、中華、全てシェフに来ていただきまして、それぞれ御指導をいただいているような授業になります。
 服飾デザイン科なんですけれども、こちらはカリキュラムがこのようになっていまして、1年次に、基礎的な服飾デザインの知識と技術を学んでいきます。専門科目は生活産業基礎、あと生活産業情報、ファッション造形基礎、ファッションデザインを設定しておりまして、ファッションデザインの中で、1単位ずつ、色彩、デザイン画、CADの授業を行っております。1年次と同じようにファッションデザインで、2年生では、デザイン画やCADの授業を2単位ずつ行っております。3年次には、ウエディングドレスや振り袖など、高度な作品製作に取り組み、文化祭でファッションショーとして成果を発表しております。
 専門科目は、ファッション造形、ファッションデザイン、課題研究、服飾文化を設定しており、製作だけでなく、ファッションショーやその他の行事を開催するための様々な学習に取り組んでいます。また、プロのデザイナーによりデザイン画や、1級和裁士による和裁の授業も行っておりまして、本格的な製作活動を行っています。これらのカリキュラムは、生徒の創造力を育み、実践的なスキルを身につけることを目的としております。
 生徒の進路なんですけれども、普通科、調理国際科、服飾デザイン科と多少ばらつきはあるんですが、こちらは昨年度のものなんですけれども、おおむね進学が7割から9割、就職が3割から1割程度になっています。進学のうち、やっぱり専門学科が多いので、専門学科は、6割から7割が専門学校に進んでいます。普通科は、逆に4割程度になっておりまして、あとは大学や短大に進学しております。進学のうち、ほとんどが推薦で進学するというような状況です。例年この程度の割合ではありますが、普通科は特に進学に力を入れていることもありまして、大学への進学が少しずつ増えている状況にあります。 
 ここから、本校の服飾デザイン科の取組ということなんですけれども、その1つが、ファッション造形、和裁コースによる取組を御紹介させていただきたいと思います。
 こちらは、服飾デザイン科の取組事例の大きな1つなんですけれども、和裁コースのほうで、1級和裁士に来ていただきまして、2年次より、洋裁コース、和裁コースに分かれて、和裁コースの生徒が教わるんですけれども、それぞれ2年生からなので、2年間、洋裁は洋服の作品、和裁コースは和服の作品を製作し、特に和裁コースのほうでは振り袖まで製作して、ファッションショーで発表しております。
 製作に当たっては、先ほども言いました1級和裁士の先生をお招きして、和裁の技術の指導をしていただいています。その製作した浴衣とか小物等を、着物着つけ士のやはりプロの先生に来ていただきまして、着つけの技術を身につけます。その他、自分で製作した着物やはかまで登校して、一日学校生活を過ごすという和服登校という行事や、校内・校外でのファッションショー等の行事で活動しているような状況があります。これは大きな特徴の一つかと思います。
 こちらは取組のもう一つとして、DXハイスクールの取組ということで、この3つの内容で御紹介させていただきたいと思います。
 デジタル技術を活用した家庭科教育の推進ということで、現在の産業に対応できる最先端の機材や環境を整備し、生徒向けの講習や教員向けの研修を充実させながら、デジタル技術を活用した効果的なカリキュラム開発と創造力の育成を図るということで、大型スクリーンとか電子黒板、実物投影機を使用した実習ですとか、アパレルの2DCADでの実習、これは割と早くから取り組んでいるんですけれども、アパレルCADのソフトで図面を描いたり、あと、動画配信など、設備を利用した学習を行っております。
 2点目に、アパレルCAD、3DCADの導入ということで、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用してイメージを可視化する知識及び技能を身につけることを目指し、アパレル3DCADを導入して、詳細な生地データとCADデータを基にアバターを活用して高精度な3Dシミュレーションを行い、デザインデータを活用した迅速な情報共有に必要な方法の学習をするということと、あとは、生活産業における情報化の進展に適切に対応し、情報及び情報技術を活用して課題を発見し、合理的かつ創造的に解決する力の育成を目指し、カッティングプロッターを使用したデジタルファブリケーション実習を充実させるということで、ハイスペックパソコン、あとアパレル3DCADソフトの導入を行いまして、CADデータを基にアバターを活用して、3Dシミュレーションを行い、デザインデータを活用した迅速な情報共有に必要な学習を目指しています。
 現段階では、設備の整備を進めるとともに、2DCADで作成したデータを3DCADソフトにインポートして、どのような印象になるのかを、3Dシミュレーションを行うということをしておりまして、年間を通して職員研修等を行いながら準備を進めている状況です。
 3点目が、生成AI、仮想現実を取り入れたコンテンツ作成ということで、大学から講師を招聘し、生成AIの基本及びその活用と課題を学び、将来の情報技術の発展を展望し、情報社会の在り方、人の役割や責任について考察する。また、目標や状況に応じた新しいコミュニケーションの形態を学習して、ARやVRなどの技術を取り入れた創造的なコンテンツを制作し、相互評価と改善を繰り返して、豊かなコミュニケーションの力を育成して、CGを活用したメタバースファッションショーやVRゴーグルを用いたバーチャルファッションショーを実施するということで、ちょっとまだ、こちらは検討段階ではあるんですけれども、今のところ、生成AIを用いたデザイン画製作や、あとは専門学校の先生をお招きして、バーチャルファッションショーについての、ファッションについての講義等を予定して、これから行う予定になっております。
 今後も、設備の整備を進めていくことを目指しております。設備の充実が、教育の質を高めるだけではなくて、生徒の創造力を引き出す重要な要素となっているというふうに実感しております。
 一応、DXハイスクールの取組は、現行の学習指導要領における「家庭科(専門教科)」改訂のポイントの一つである、「ライフスタイルの多様化に伴う生活産業発展に関する学習の充実」を目指した取組となっているということです。
 あと、本校は、いろいろな活動を行っておりまして、年間を通じていろいろな講習会を行ったりですとか、検定に挑戦したり、コンテストの応募等も行っております。
 また、学校行事としまして、あと地域との連携等があるんですけれども、文化祭でファッションショーや小物販売の実施を行ったり、あと、校外行事ですね。DIC総合研究所の見学や、地域連携として、佐倉市や千葉県警とコラボしながらいろいろな行事に参加しております。
 先ほど御紹介できなかった、一応コラボということで、スライドの順番が変わっておりましたので、スライドのほう戻らせていただきます。
 学校家庭クラブ活動というものも実はちょっと行っておりまして、こちらは調理国際科とコラボして行っている活動なんですけれども、老人ホームにクリスマスカードや年賀状を届けたり、シーツ縫いをして届けたりとか、あとは「ひまわりプロジェクト」といって、福島のほうで種を頂いて、それをヒマワリを育てて、また種としてお返しするというような、学校家庭クラブ活動も行っております。
 こちらは、最近なんですけれども、調理科の生徒が考えた、佐倉市の表彰者の記念品のクッキーに、デザイン科がデザインしたこういったカードなんかをちょっと利用したりと、そういうようなコラボ的な活動も行っております。
 最後に、創造力と技術力、表現力を育む専門学科、あとは、地域と業界との連携による実践的な学びということで、千葉県立佐倉東高校の服飾デザイン科は、創造力、技術力、表現力を育む専門学科として多くの生徒に支持されております。カリキュラムや活動を通じて、実践的なスキルを身につけることができ、地域や業界との連携による学びの場も大変豊富であります。今後も、教育内容の充実と活動の幅を広げることで、より多くの生徒が夢を実現できる環境を整えていくことを期待されておりますので、服飾デザイン科、未来のファッション業界を担う人材を育てるということで、大きな目標として、これからもいろいろな活動をしていきたいと思っております。
 すみません、ちょっとまとまりませんでしたけれども、以上、佐倉東高校の発表になります。
【牧野主査】  ありがとうございました。それでは、これまでのそれぞれの高校の発表を踏まえまして、質問、意見等があれば、お願いしたいと思います。
 委員の先生方におかれましては、御発言の際には挙手ボタンを押していただければと思います。私のほうから指名をさせていただきますので、ミュートを解除してから、御発言をしていただければと思います。また、御発言が終わりましたところで、再度ミュートにしていただくよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、いかがでしょうか、委員の先生方。清水先生、よろしくお願いします。
【清水委員】 よろしくお願いいたします。3校の先生方、詳しい御説明をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私は、工業の代表のような形で出席をさせていただいておりますので、大宮工業高校の手島先生にお願いをしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 来年度、新校になられるというお話もいただきましたが、来年度に向けて、様々な取組が既に進められているのではないかと思います。その中で、課題研究であるとか、工業技術基礎であるとか、学科横断的な工夫などもされているということも伺いました。どのような工夫をされているのかという点と、この学科横断にとどまらず、共通科目、共通教科と専門教科との教科横断的な授業だとか、そういうものの事例だとかがございましたら、御紹介をいただけないかなということ。
 もう一点は、工業高校からの大学進学も非常に多くなっているというようなことも伺いました。このために、時間割の編成であるとか、体系的、系統的な学びの実現に向けた取組など、様々な工夫をされていらっしゃるのではないかなと思いますので、そういった点で、御紹介いただけることがありましたら、ぜひお願いをしたいと思います。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。それでは、大宮工業高校の手島教頭、よろしくお願いいたします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  よろしくお願いいたします。教科横断的な学びの点におきましては、やはり、工業科、各科ばらばらでやっていくと、これからの時代、探究的な学び、本校では科学探究という名前で来年度以降実施していくものとなるんですが、そちらのほうを進めていくに当たり、様々な考え方であったり、作業の流れ、あとは電気と機械というと、全くもって別物というふうなところになってくるんですが、そういう全くもって別物という既存の考え方から脱却しなくてはならないと私は思っております。その中でも、工業技術基礎であり、課題研究における教科横断的な学びというのは、これからの大学進学や、または就職というところになると思うんですが、そういうふうなところで、様々な経験、様々な知見を持って世の中に出ていくことができる非常に重要なものと考えております。そのためにも、こちらについては、柔軟に、いろいろな教科において、横断的な学びを実行していくというのが、新校であり、現大宮工業高校における学びのあるべき姿と私は思っております。
 また、大学進学、時間割の面につきましては、新校におきましては45分掛ける1日7時間の授業というふうなことで、進学するに必要な普通教科の充実を図っていくようになっております。工業科の教育課程におきましては、最低限24単位が下限となっているかと思うんですが、そちらの卒業までの最低限の24単位以上を履修するというふうなところで、工業の学びを進めていくというふうになっております。
 また、この7時間の中に、総合的な探究の時間を各1年生、2年生において1時間ずつ実行していくようになっております。こちらのほうでは、1年生において、探究活動を行うに当たっての基礎固めであり、2年生ではそれを基により専門的なものを学んでいきます。この1年生、2年生における学びは、ミックスホームルームという形で、これは、情報サイエンス科の生徒も含めた5科の生徒が一緒になって探究活動を進めていくという運びとなっております。
 また、系統的な学び、体系的な学びにおきましては、実際に学びが重複する部分というのは非常に多くあると思っております。その部分において、発達段階という表現が正しいかどうかは分からないですが、個々の生徒の状況も踏まえ、学ぶタイミングを選ぶことにより無駄の少ない、重複することを最小限に抑えることによる、生徒が無駄に学習することのないような学びというのも実現できるように思っておりますので、体系的、系統的な学びというのは、新校においては当然必要ながら、今までの工業高校において若干無視されてきた部分があるものと思っております。その部分を大切にして、体系的、系統的な学びは充実を図っていかせていただきます。
 また、ちょっとお話が戻ってしまうんですが、教科横断的な学びにおいて、普通教科においても本校では扱わせていただいております。事例としては、国語、家庭科、あと理科というふうなところでやっております。こちらのほうは、国語の先生がメインとなって進めていってくださっているような内容にはなるんですが、個々の、この体系的、系統的な学びと同じような形で、より深い学び、学びの深化というところも含めて実行、実現できるものと考えているような所存でございます。
【牧野主査】  ありがとうございました。清水委員、よろしいですか。
【清水委員】  どうもありがとうございました。参考になります。
【牧野主査】  それでは続きまして、香山委員、お願いいたします。
【香山委員】  よろしくお願いいたします。3校の先生、ありがとうございました。それぞれの高校さんに1つずつ質問がございます。
 まず、1点目が、大宮工業高校さん。今も新校の質問があったところなのですが、新校において、情報IとIIを全員が履修するというお話がございました。こちらを導入するに至った経緯、あるいは、専門科目でも、情報に関係する内容等が各学科であると思うんですけれども、特に情報技術基礎との関係等を教えていただければと思います。
 まず、こちらからお願いします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  よろしくお願いいたします。情報I、IIにつきましては、これから世の中に出ていく生徒にとって必要となるものだと我々は考えております。その中でも、文部科学省のほうでも、情報Iについては、まず基本的には全ての学校で実施する運びとなっております。また、情報IIについては、学校裁量にはなっておりますが、こちらは、工業というよりも、大宮科学技術という名前でいく以上、より新しい学校、新しいメッセージを発信していく意味でも、この情報I、IIを体系的に学ぶことで、より高度なもの、生成AIだけが高度ではないと思っているんですが、そのほかにはプログラミング技術であったり、あと、データサイエンス分野であったりというふうなところを広く学ぶことがこれからの産業人材に求められるものであることから、情報I、IIについて、全ての生徒が履修をするという運びにさせていただいております。
 あと、専門科目との重なりというところになるかと思うんですが、こちらについては、プログラミングというところでいうと、ロボット工学科と情報サイエンス科、あと教科情報のI、IIというのはクロスする内容になってくる部分もあるかと思うんですが、プログラムにおける論理的な思考であったり、過程であったりというところを進めていくに当たっては、ここは、どんなに時間があっても正直足りないものだと私は思っております。その部分で、より実践的な学びというのを、基礎を情報I、IIで学んでいただいて、プログラム的な、要である思考であったり、あとは、より世の中に求められるものがどんなものなのかというところを含めて学んでいくのが工業科であり、情報サイエンス科で進めていければというふうに考えております。
【香山委員】  ありがとうございました。委員長先生、あと2つなんですけれども、ここでやめておいたほうがいいですか。
【牧野主査】  続けてください。どうぞ。
【香山委員】  恐れ入ります。新潟県立海洋高校さん、教えてください。1年生では、水産科という形で入られた後、2年生、3年生で学科コースに分かれていくというお話がございました。こちら、4つのコースがあったかと思うのですが、それぞれ、生徒さんの希望に沿った形での所属になるのでしょうか。それとも25%ずつ調整されるのでしょうか。教えてください。
【新潟県立海洋高等学校】  御質問ありがとうございます。4つのコース分けについてですが、まず、生徒に希望調査を取ります。理想は、全員がその希望がかなえばいいんですけれども、どうしても教室サイズであったり、授業展開等もございますので、やはり25%ずつになるように調整をします。これはまず成績を最優先にします。これについては、入学当初から、もう教務主任から、コース分けについては希望を取るけれども、まず成績が優先されるので、そのつもりで頑張るようにという指導で行っております。
 以上です。
【香山委員】  分分かりました。ありがとうございました。佐倉東高校さん、よろしくお願いいたします。
 DXハイスクールの試みとして、服飾デザイン科の事例、アパレル3DCADですとか生成AIのお話をいただいたところですが、ほかの調理や国際の学科ですとか普通科のほうもDXハイスクールの試みをされておられるということでよろしかったでしょうか。
【千葉県立佐倉東高等学校】  すみません、DXハイスクールのほうは、服飾デザイン科のほうでということなので、まだ普通科と調理科はまだ取組ができてない状況です。
【香山委員】  分かりました。ありがとうございました。
【牧野主査】  ありがとうございました。それでは、続きまして、小坂委員、お願いいたします。
【小坂委員】  御発表ありがとうございます。私からはそれぞれの学校に聞きたいんですけれども、それぞれ探究的な要素を含んだ活動もたくさんしていただいていると思うんですけれども、実習だったり、課題研究だったりという部分が大きいのかなと思っておりまして、いわゆる座学のふだんの授業においては、そういった探究的な要素はどれほど取り入れられているのかなみたいな、まだこれからなのか、それとも大分、授業の座学、いわゆる普通の授業自体が大分改善されてきたのかというところをお聞きしたいです。お願いいたします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  すみません、大宮工業高校からでよろしいでしょうか。
【牧野主査】  お願いします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  探究的な要素につきましては、まだ、必ずしも全ての教科において実現できているものではないと考えております。その中でも、本校においては、一つは国語の教科なんかは座学、普通教科においては探究的な要素を取り入れた取組というのも少しずつ根づいてきているような中にあります。工業におきましては、どうしても教科書ベースというところが一つあるところなんですが、初任者であったり若い先生方の中には探究的な要素を取り入れて、調べ物学習を単にするだけではなくて、より深掘りをしていくというところで含めた取組というのが少しずつ根づいてきているような状況にあります。
 以上となります。
【牧野主査】  続けてお願いします。
【新潟県立海洋高等学校】  新潟海洋高校です。探究的な学びについて、課題解決学習についてなんですけども、やはり本校の特徴でもありますが、水産科でありますので、水産科の実習がメインとなるのが正直なところであります。学校設定科目の中で地域探究というのがありまして、そこも実習であったり座学というよりも、実際には活動を伴うものが多いですので、正直なところ、実習であったり座学ではない部分が多いのかなと感じております。
 以上です。
【牧野主査】  続けてお願いします。
【千葉県立佐倉東高等学校】  佐倉東高校ですけれども、普通科においては総合学習の時間に典型的な学びということで、今は佐倉市なんですけれども、盛り上げていくにはどうしたらいいかみたいな形で、そういった学習をしているということです。
 ただ、専門学校は、実は総合学習は課題研究に置き換えておりますので、課題研究のほうでやっているとしたら、テーマ学習というのがあるんですけれども、作品をつくっていくことにつながるんですが、どのようなテーマをみんなで設定して、どのように衣装をつくっていったらいいか、どういう衣装が今、どのように人気があって、どのように取り入れていったらいいかというような調査をしながらテーマを決めていくという学習がありましたり、あと、生活産業基礎という学習で、小物づくりを我々、やっているんですけれども、小物作り、何を作るかという市場調査をして、どのような商品をつくっていくかというような、専門科目ではそのような探究的な学びを行っております。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。小坂委員、よろしいですか。
【小坂委員】  ありがとうございます。
【牧野主査】  それでは、続きまして、西岡委員、お願いいたします。
【西岡委員】  先生方のご説明を聞かせていただいて、それぞれの学校で、すばらしい教育をされていると感銘を受けました。その中で、1点、埼玉県立大宮科学技術高等学校の先生にお尋ねができたらと思うことがあります。
 大変充実した実践教育がなされていると思いますし、その中で新しい技術に触れるという取り組みもされておられ、複数の企業との連携が大変充実されていると拝察いたしました。企業との連携をどのように始められたのかまた、こうした取組を通じて、さらに強化していくと良いと思われる点など、今後取り組もうとされている高校にとって、これまでの御苦労や、企業との連携が高まったきっかけや経緯などを含めて参考になるお話をお聞きできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
【牧野主査】  お願いします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  よろしくお願いいたします。新しい技術に触れるというところにおきましては、企業も若返りが進んでいるような状況なので、その中で、本校は昨年度までマイスター・ハイスクールの実施校でした。その3年間培ってきた実績を基に、DXの分野においても、新しい企業の取組、実践的な最新鋭の技術というところで今回紹介させていただいた次第でございます。
 本校においても、新校に向けて新しい教科等の設定というところで、現状において、新しい教育内容の充実に向けては、現状の企業連携だけでは足りていないと正直、私は思っております。その中で、一つこのようなことをやりたいなという夢の部分を一つ言わせていただければと思うんですが、授業の座学の中で、どうしても産業教育の分野においては企業連携というのは、また、研究機関との連携というのがまだうまくできないというのが正直な課題だと私は思っております。その部分で、そこを実現するというところを一つのミッションとして、来年度以降、進めさせていただければと思っております。
 実際の苦労というと本年度、私自身が着任したばかりなのでなかなかお話しすることはできないんですが、先生方のモチベーションというところも含めて、私は企業連携だと今回思いました。実際に一つ、クイック羽生という企業と連携するに当たっては、最初、レーシングカートをつくる、直すというところで、自動車専門学校のほうにお願いしに行きました。そうしたら、どうしても専門ではないからできない、指導できないというところで、そうすると、次のところを紹介してあげるよというところで紹介していただいたのが、今回の企業になります。というように、一つは学校頼み、一つは専門学校であったり大学というところの関わりのあるところを御紹介いただいてつないでいくというのは、、企業連携を充実させるためには非常に効果的なものなのかなと思っています。また、企業同士であれば横のつながりというのが非常に強いので、その業種業種の強みというのを紹介していただくということも非常に重要なことなのかなとは考えております。
 以上となります。
【牧野主査】  ありがとうございました。西岡委員、よろしいですか。
【西岡委員】  ありがとうございます。大変示唆に富んだお話をいただいたと思います。ありがとうございます。
【牧野主査】  ありがとうございました。ただいま、手が挙がっているのが小川委員ということですが、ほかの方はよろしいですか。それでは、最後に、小川委員、よろしくお願いいたします。
【小川委員】  すみません、お時間のないところ。3校の先生方に御質問させていただきます。御発表ありがとうございました。
 まず、大宮工業高校さんですけれども、45分7時間の授業を組まれて、理工学系の大学に進学ということですけれども、この教育課程というのは完成されているのではないかと思いますが、どこかで見ることができれば御紹介いただきたいと思います。
 それから、海洋高校さんについては、コーディネーター役として、株式会社能水商店さんが入った経緯であるとか、入ってからどのぐらい時間がたっているのかというところをお尋ねしたいのと、学びみらいPASSというのを確認をしたところ、結果について、3つの項目が出るようですけれども、どのような形で生かしているのかを教えていただければと思います。
 最後に佐倉東高校さんについては、進学、専門学校の方にも数多く行かれるということなんですが、、調理師、調理国際科の調理の免許が卒業時にどのぐらいの割合で年取っていかれるのかというところを教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
【牧野主査】  ありがとうございます。それでは、それぞれの先生方よろしくお願いいたします。
【埼玉県立大宮工業高等学校】  大宮工業技術高校の手島でございます。大宮科学技術高校の教育課程につきましては、大宮科学技術高校とホームページのほうで調べていただきまして、学校紹介というところがございます。こちらのほうに、教育課程を載せさせていただいております。ぜひ、こちらを見ていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【新潟県立海洋高等学校】  新潟海洋高校です。今ほど御質問ありがとうございます。コーディネーターで来るCEOの件、それから学びみらいPASSについてですが、実は本日、このミーティングにも本校の松本CEOが出席いただいておりますので、直接、松本CEOから説明いただきたいと思います。松本CEO、お願いできますでしょうか。
【牧野主査】  よろしくお願いします。
【新潟県立海洋高等学校】  よろしくお願いいたします。2021年のマイスター・ハイスクール事業からCEOを担当しております松本と申します。
 この会社ができた経緯ですけども、私が海洋高校の水産加工を教えているコースの教員を16年、やっておったんですけども、最後の後半3年間は、生徒とともに一緒に開発したサケの魚醤、フィッシュソース、これをちゃんとした形で生徒が製造して販売するという、当時6次化とか言われた時代に、一貫して生徒がしっかりそこに関わるという仕組みをつくるために、同窓会がもともと一般社団法人で法人格を持っていて、法人格の会計管理の下で、県の施設から離した場所で、その魚醬を生産するということ始めました。結果的に、その3年間、生徒がちゃんとビジネスとしてそれに関わって、かつ、生じた利益をちゃんとプールして海外の展示会に行ったり、もしくは、新しい商品開発するためのお金に使ったりという形でお金を回せるという状態をつくりました。
 3年目ですか、私、最初と最後の年、生徒と私で3,500万の売上げを完結したことがありまして、それをしっかりとしたメーカー事業としてこの地に根づいていかせるためには、僕も教員という立場だと、日中は授業がありますからなかなか対応できないということで、退職して一般社団法人から事業承継して私が株式会社立ち上げたという経緯です。今、8年目、8期目に入っています。
 マイスター・ハイスクール事業をいただいたときに、海洋高校はいろんな定員割れ克服だとか、もしくは生徒のそういった実習機会の増加とか、また質を高めるとかという意味合いから、2022年に道の駅にお店をつくりました。小売店です。それはもちろん県の資産じゃなくて、私の会社の資産になります。そこに定期的に生徒が行って、もしくは、例えば商品開発している時の市場調査をそこでするとか、もしくは完成された商品がそこでちゃんと並んでいて、全国的にお客さんも来られる道の駅から発信をするだとか、もしくはカフェメニューの生徒が開発をして、スポットで何か季節メニューを提供するとかという、そういった実践の場になっているということです。
 私らは会社経費として年間二百数十万ほど生徒の教育活動に投下しておりまして、こういったお金を使って生徒が首都圏の販売会とか、例えば、去年はニューヨークの展示会に生徒が行きましたし、こういったものの旅費だとかを会社経費としてスピーディーに出して生徒が実践的な学びができるという環境を整えています。これは何か誰から頼まれた話でもなくて、私が元教員だったという立場の中で、この地域でそういう振る舞いをしてきたということだけですので、何か非常に属人的な動きです。ですから、仕組みとして皆さん真似てもいいと思うんですけども、なかなかリスキーなこともあったんだろうなと思います。ただ、何か思いのある同窓生とかが既に会社、法人を持っていて、その法人格の中でお金を回すとかということは十分、明日からでも皆さんの学校でできると思いますので、そういった柔軟な動きということは別にできるとは思います。
 あと、学びみらいPASS、これもマイスター・ハイスクールを導入してから、私が導入しようということで始めております。つまり、専門高校の生徒って、基礎教科学力的には高くない子たちが来るというケースが多いですよね。ただ、彼らの例えば仕事の段取り力とかいろんな年齢層の人たちのコミュニケーション能力だとか、いわゆる進学校の生徒たちにはない力というのも結構あります。こういったものを見える化したいというところで学びみらいPASSを導入しています。いわゆるジェネリックスキル、基礎的、汎用的な能力を見るということになりますけども、リテラシーという考える力、これと、あとコンピテンシーという行動する力、この2つの側面から5段階評価で評価できるようになっています。非常に僕も生徒を見ていると、その数字でかなり人間の輪郭をちゃんと表現してくれるのですごく重宝しているんですけど、個別の生徒に対しては、その結果を見ながら指導者が担任なり専門教科の指導者が何でこの数値になっているんだろうねと。    (音飛び)克服するためにどんなことを意識しますかとか、または、この強みをどう生かしていくかとか、そういった問いかけを個別にする面談週間というのも年に2回、学校のほうでマイスター・ハイスクール期間中に設けさせてもらいました。
 そういったところで、基礎的、汎用的能力、これを伸ばすに当たっての動機づけ、見通しというものを職員が生徒と面談して伝えていくというか、本人に自覚させるという、こういうポイントになっています。また、マイスター・ハイスクールの事業、総体としての評価としては、もちろん学年のガラガラポンした平均というところ、こういったところを追っていくと、私ら学校としての教育力が年々どうなってきているのかとかということも把握できます。大まかに、このマイスターをやらせていただいて、5年間にわたって、基本的には右肩上がり、コンピテンシーもリテラシーも入ってきている生徒総体の数値としては高くなってきていますので、教員の教育力というのも上がったのかなと一応解釈はしております。こんな感じで、マクロで見るというのと個別の生徒に対応するという部分と、2つの使い勝手があるということです。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。それでは、続きまして、千葉県立佐倉東高校、お願いします。
【千葉県立佐倉東高等学校】  佐倉東高校です。説明が足りなくて申し訳ありません。調理師の免許、調理国際科は取れるんですけど、卒業を通して取れるんですが、一応基本的には全員が取得しております。その予定で、就職も一応25%、調理師として就職しておりますので、一応そのような形になっております。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。小川委員、よろしいでしょうか。
【小川委員】  勉強なりました。ありがとうございました。
【牧野主査】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、ヒアリング終了とさせていただきます。それぞれの高校の先生方ありがとうございました。お世話になりました。この後は御退出いただいても、あるいは、そのまま傍聴いただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。
 では、議題2のほうに移っていきたいと思います。資料3、職業に関する各教科の目標・内容の構造化・表形式化につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】  それでは、よろしくお願いいたします。資料3に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 まず、1ページ目を御覧ください。こちら令和7年10月14日の総則評価部会の論点資料となってございます。上のところを少し読ませていただきますが、学習指導要領の目標・内容の構造化、表形式化イメージと具体化が必要な論点ということで、以下の丸1から丸5について、総則・評価特別部会で一定の方針を示した上で、各教科等ワーキングで具体の検討を進め、企画特別部会や本部会が適宜調整することとしてはどうかというような方向性が示されております。ということで我々、産業教育ワーキングにおきましても、この総則・評価部会で示された方向性に基づいて、産業教育ならではの観点から議論を深めていくというのが本日からの議論でございます。大きく検討項目1から検討項目5までございますが、全て読み上げることはいたしませんけれども、本日は目標に関わる検討項目1、2について御説明をさせていただき、御議論いただきたいと思います。
 2ページ目を御覧ください。これが検討項目の1と2に関わるところでございます。本日ですけれども、現行の目標と左側、書いてありますが、この目標に関しまして、議論ということで議題1、目標の示し方の整理、特に柱書について御議論いただきたいと思います。続きまして、議題の2といたしまして、見方・考え方の示し方の整理、議題3といたしまして、学びに向かう力・人間性等の示し方の整理ということで、大きく3つ御議論をいただきたいと考えております。
 それぞれ、個々の議題について御説明をさせていただきます。まずは目標の示し方、特に柱書のところについてでございます。4ページを御覧ください。左上に現行の各教科等の目標の柱書の考え方を示させていただいております。見方・考え方、学習過程、資質・能力の趣旨というものを目標の柱書で現行の学習指導要領は示しており、その後に、(1)知識及び技術、(2)で思考・判断・表現、(3)で学びに向かう力・人間性等というような目標の構造に現行の学習指導要領ではなっております。イメージといたしまして、右側に農業の例を記載しておりますので、こちらを御確認いただきたいと思いますが、この現行の目標に関しまして、企画特別部会や総則・評価部会の中では、現行の技術部分の課題ということが挙げられています。一つは冗長で分かりにくいという御指摘、もう一つは、特に見方・考え方の具体は解説に落とされており、併せて読まないと分からないというような御指摘。また、論点整理で示されたことといたしまして2つ、見方・考え方まで含めて書き下すと、目標の柱書に見方・考え方まで含めて書き下すと、焦点が定まらなくなるということ。また、目標の柱書は、育成したい資質・能力の趣旨や固有の学習過程を端的に示すべきであり、見方・考え方は別途欄を設けて記載してあろうかというようなことが方向性として示されたところでございます。ということで、現行の柱書をこの御指摘に踏まえて見直してみますと、左側の矢印の下になりますけれども、資質能力の趣旨と学習過程というものを目標の柱書に示し、現行、見方・考え方まで含まれていた柱書について、見方・考え方は別途整理するというようなことで考えていくということになっております。
 ということで、本日の目標の柱書に関する方向性と論点というところですが、右側の中ほどに示させていただいておりますけれども、1つ目の丸といたしまして、産業教育に関する各教科の目標の柱書については、企画特別部会において、見方・考え方は別途整理するということとした上で、丸1、資質能力の趣旨、丸2、学習過程を端的に示すということが示されていますので、産業教育ワーキングでも同様に考えていくということが1つ目の丸で示させていただいたものです。2つ目の丸ですけれども、産業教育に関する特徴といたしまして、特に丸1の資質・能力の趣旨につきましては、各教科の関連する産業や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力というものを丸1の資質・能力の趣旨では表し、丸2の学習過程課程のところにつきましては、専門高校で重視すべき学習活動として、実践的・探究的な学習活動を行うということで、丸1、丸2と整理してはどうかということを方向性として挙げさせていただいております。その上で、3つ目の丸ですけれども、職業に関する各教科の学びを深めるためには、共通教科の学びが重要となるということから、目標において配慮すべきことはどのようなものがあるかということで、論点として、3つ目として挙げさせていただいております。
 こういったところから本日御検討、御議論いただきたいと思いますけれども、この3つの方向性や論点を踏まえればということで、下にイメージとして書かせていただきましたが、赤枠囲いのところでございます。地域や社会、産業の健全で持続的な発表担う職業人として必要な資質・能力ということで、資質・能力の趣旨を示し、実践的、探究的な学習活動を行うことなどを通してということで学習過程を示し、次のとおり育成することを目指すというような目標の柱書としてはどうかというようなところを、本日、御検討いただきたいと考えております。
 5ページ目が、今の考え方に基づいて、各教科、柱書を整理するとどのような書きぶりになるかということで、イメージを示させていただいたものになります。特段読み上げることはいたしませんけれども、赤字のところが各教科の特性、特徴ごとに書き分けており、それ以外のところについては、基本的には同様の記述になってくるのかなというところが今回、イメージとして示させていただいているところです。
 6ページ目は、現行の学習指導要領における目標の記述を示しておりますので、御参考として、お読み取りいただければと思います。
 これが1点目の議題の目標の柱書というところでございます。
 説明、議題2、議題3と続けてさせていただきたいと思います。
 まず、議題の2ですけれども、見方・考え方の示し方というところでございます。先ほど冒頭触れさせていただきましたけれども、現行では目標の柱書の中に見方・考え方というものも含まれておりましたけれども、今回は、学習指導要領、目標から切り離して別途整理をするという前提の下で、論点整理では、見方・考え方を各教科等を学ぶ本質的な意義の中核に焦点化した上で、その具体を解説ではなく、学習指導要領本体に位置づける方向性ということで示されております。2つ目の丸ですが、また、論点整理では、見方・考え方の意義について、教科固有の様々な世の中を見る視点や考え方が豊かになることで徐々に資質能力の育成を導くといった観点だけではなく、よりよい社会や幸福な人生につながるものと位置づけており、学校教育のみならず、その後の人生でも豊かに働くことを視野に入れているというようなことが論点整理で示されております。
 これを分かりやすく使いやすいということを目指す上で、次の丸ですけれども、目標の柱書に、見方・考え方まで含めて書き下すと焦点が定まらなくなるということでありますとか、次の丸ですが、目標の柱書は育成したい資質・能力の趣旨や固有の学習過程を端的に示すべきであり、見方・考え方は目標直下に別途、欄を設けて記載してはどうかというような方向性が示されております。
 続きまして、右側ですけれども、こういったことを踏まえまして、総則・評価部会で整理されたことといたしまして、赤枠囲いのところでございますが、見方・考え方に含める要素としては、以下のような要素を含めることを基本に各教科等の特質に応じて検討してはどうかということで3つの要素が示されております。
 丸1といたしまして、当該教科等が扱う事象や対象、丸2といたしまして、当該教科固有の物事を捉える視点、丸3といたしまして、当該教科固有の考え方や判断の仕方ということで、大きくこの3つの要素を含めて、見方・考え方というのを整理すべきではないかという方向性が示されております。
 また、留意事項といたしましては、端的に示すことを基本とするということでありますとか、経験の浅い教師が読んでも理解可能なものというような視点を重視して整理すべきではないかということが示されたところでございます。
 こういった方向性を踏まえまして、産業教育ワーキングで職業に関する見方・考え方というのをどのように考えていくのかというのを示させていただいたのが9ページになってございます。1つ目の丸は今申し上げたとおり、企画特別部会や総則・評価部会で3つの要素を前提として端的に示すということが整理されているということを述べさせていただいております。その上で、2つ目の丸ですけれども、特に産業教育、職業教育としては、丸3について、実際の職業につながる教科であるということを重視して、当該産業や産業に関わる社会の発展ということとともに、職業人としての自己の成長に関わる考え方や判断の仕方を含めてはどうかということで、大きく丸3の考え方や判断の仕方というところに関しましては、教科に関わる社会や産業の発展という視点と、もう一つ、自分軸、自己の視点ということを含めた表し方をしてはどうかということで御提案をさせていただくものでございます。
 矢印の下、イメージとなっておりますけれども、取り扱う事象や対象というものは、従前同様、社会や産業に関する各教科固有の事象を取り扱うということ、物事を捉える視点といたしましては、これも従前どおりですけれども、職業に関する各教科の本質に根差した視点で捉えるということ。また、考え方や判断の仕方というところにつきましては、従前は、そこに書かれていますように、人々の健康の保持増進や云々と書かれておりましたけれども、改善のイメージとしては、先ほど申し上げたように、大きく2つの視点から職業人としての自己の成長という自分軸、自己の視点というものと、社会や産業の発展に繋げるという社会全体としての視点という大きく2つで整理してはどうかというものでございます。
 10ページ目が今の整理に基づいて各教科に落とし込んだときにどのような表現となるかというイメージを示させていただいたものでございます。例えば商業の見方・考え方というところを御覧いただければと思いますが、商業において、取り扱う対象や事象というのは、丸1と書かせていただいておりますけれども、企業活動に関する事象というもの、丸2といたしましては、物事を商業として捉える視点としては、利益の追求と社会的責任の視点で捉えるということ。また、その固有の考え方や判断といたしましては、職業人としての自己の成長とビジネスの持続的な発展に繋げることということで、見方・考え方といたしましては、企業活動に関する事象を利益の追求と社会的責任の視点で捉え、職業人としての自己の成長とビジネスの持続的な発展に繋げることという形で、これはあくまでもイメージでございますけれども、整理することができるのではないかというようなところでございます。ここについても、また御議論いただければと思います。
 最後、議題の3点目、学びに向かう力・人間性というところでございます。目標のところで少し述べさせていただきましたけれども、大きく目標には(1)、(2)、(3)というものがございまして、(1)が知識・技術、(2)が思考力・判断力・表現力等、(3)が学びに向かう力・人間性等ということになっておりますが、大きく本日は(3)に当たる学びに向かう力・人間性等の記述の方向性ということについて御議論いただきたいと思っております。
 資料の左上にございますけれども、教育課程企画特別部会におきましては、学びに向かう力・人間性等については、4つの要素により整理する方向というものが示されております。2つ目の丸のところですけれども、学びに向かう力・人間性等が単によりよい知の獲得に向けた力としてのみ捉えられてはならず、学習したことを踏まえて、人生や社会に向かう際の情意・感性に係る側面も重視すべきとの強い意見がございました。その上で、大きく4つの要素ということで、学びを方向づける人間性、学びの主体的な調整、初発の思考や行動を起こす力、好奇心、他者との対話や協働というような4つの要素が示されております。
 また、この4つの要素につきましては、そこに書かれていますように、上部と下部というように、大きく上部といたしましては、当該教科等の学習で育まれる人生社会に向かう際の情意や感性に関わる部分というもの、下部といたしましては、当該教科等の学習で育まれる学びに向かう態度に関わる部分という大きく2つに分けられるのではないかということで、これを踏まえて右側、総則・評価部会で整理されたことといたしましては、学びに向かう力・人間性等の目標につきましては、以下の2つの要素をバランスよく含めることとしてはどうかということで、先ほど申し上げた下部の部分と上部の部分、こちらをバランスよく含めるというようなことが示されたということなのかなと考えております。
 特に丸1のところ、右側の丸1のところ、教科固有の学習過程を踏まえた言葉で示すということを産業教育ワーキングでは重視をして、4つの要素ないし、4つの要素をさらにまとめた2つの要素、丸1、丸2というものを検討していきたいということで方向性として示させていただきました。
 方向性のところを御覧ください。1つ目の丸ですけれども、これは今申し上げたことを書いたところです。4つの要素と2つの要素というものを記述するということ。2つ目の丸ですけれども、その際、4つの要素は学習過程との関係で検討、整理していくこととし、当該整理を基にさらなる検討を進め、より洗練された言葉で示していくこととしてはどうかということを示させいただいております。
 補足資料の3のほうから、少し資料が行ったり来たりで恐縮ですが、説明をさせていただきたいと思います。まず、産業教育の学習過程のイメージというものを示させていただきました。これは前回改訂のときに整理をされたイメージを少しアレンジしたものになっております。産業教育というものは、課題の発見から課題解決の方向性の検討というようにどんどん進んでいき、振り返りという、こういった一連の学習過程を踏むんであろうという前提で整理をさせていただいたものになります。そのときに4つの要素の関わりといたしましては、特に課題の発見というところでは、初発の思考や行動を起こす力、好奇心というものが大きく関わってくるだろうということで、ここを文章で表すと産業教育としては、自由な発想に基づき、各職業に関わる課題を自分との関係(自分事)で捉え、それらに進んで関わろうとする力というように整理ができるのではないかということ。
 右側に移りますけど、他者との対話や協働という4つの要素の中の一つに関しましては、この学習過程で言うところの、これは全てに関わるところになりますけれども、他者への働きかけ、他者との共同、外部との相互作用というところから整理ができるんじゃないかというところで、言葉といたしましては、産業界との連携、協働や多様な他者との対話、議論を通じて課題をよりよく解決しようとする態度というように整理ができるのではないか。
 また、学びの主体的な調整といたしましては、この学習過程全体を通じて育まれるものと考えますけれども、今の学習が将来の職業にどのように繋がっているかを認識し、見通しや振り返りを通じて、自己の思考や行動を調整する力というような形で整理ができるのではないかなということで、学習過程との関わりで初発の思考や学びの主体的な調整、他者との対話、協働というものを整理してみました。これらが育まれることによって、いわゆる上部というものに当たるものになろうかと思いますけれども、学びを方向づける人間性ということに関しましては、これは大きく2つの視点で、社会の一員としてというところと、個人としてという視点を持って、よりよい社会を実現しようとする態度ということと、職業人としての倫理感及び豊かな人間性というような言葉で表現できるのではないかというように考えているところでございます。
 資料を1枚戻らせていただきますけれども、13ページでございます。ということで、2つ目の丸に再度戻りますが、4つの要素は学習過程との関係で整理、検討、また、その言葉自体はより洗練された言葉で示していく必要があると思いますけれども、一つの現段階のイメージとして示せるのではないかということ。3つ目の丸ですけれども、学びの方向づける人間性に関しましては、社会の一員としての態度及び個人として目指すべき人間性の両面から捉えてはどうかということ。また、4つ目の丸ですけれども、当然各教科の特性は出しつつということでありますけれども、現行の職業に関する教科の目標がそれぞれ共通するところも多いということで、おおむね同様の内容となっていることから各教科の特性は出しつつも、おおむね同様の内容としてはどうかということを方向性として示させていただきました。
 その上で現行、改善のイメージということで示させていただきましたが、これは先ほど申し上げたこと、先ほどの14ページの言葉と繰り返しになるので読み上げることはいたしませんけれども、大きく4つの要素をこういった形で示させていただき、実際、これをさらにこの言葉自体を洗練させて表現していくというような方向を今回、こういった方向でよいかということを御検討、御議論いただきたいなと考えております。
 駆け足になりましたけども、事務局から本日の御議論いただきたい点についての御説明は以上となります。
【牧野主査】  ありがとうございました。
 それでは、議題1、議題2、議題3と、3つの方向性について本日は確認していくということでよろしいですか、事務局としましては。それでは、そういった形で方向性を確認していくということにしたいと思います。なお、本日御欠席の溝上委員からあらかじめ意見を預かっておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】  事務局でございます。本日御欠席の溝上委員から御意見を頂戴しておりますので、私のほうから代読をさせていただきたいと思います。
 桐蔭学園桐蔭横浜大学の溝上慎一です。今日は都合が合わず欠席となります。申し訳ありません。資料を拝見して、コメントを2点申し上げておきます。
 一つは書き方の問題かもしれませんが、産業教育に関する各教科の目標の話が専門学科の目標とならないような注意書きを入れていただくか、あるいは、それに準ずる対応を取っていただけますと助かります。第1回ワーキンググループの自由意見で申し上げましたが、ある専門分野に特化した知識や技術、技能が卒業後、長く有効である時代はとうに終わっています。専門分野の知識等を主に学びながらも、他方で、専門以外の国語や理科社会などの共通教科の学習をしっかりリエゾンさせて、共に学習を充実させる必要があります。大学で言えば、専門教育に対する教養やリベラルアーツに相当しますが、実際はもう少し複雑で、学際系の科目やプロジェクト学習など、専門分野をまたがる教育が多かれ少なかれなされていることに対応します。ここを高等学校の産業教育として教育課程の目標の一つとなるように、あるいは産業教育に関する各教科の目標というときに、そこまで射程に入れた書き方を目指すように、少なくともこのワーキンググループが専門教育だけの議論にならないように、最大限の配慮をお願いします。地方創生の中では、産業教育の高卒人材が大変期待されています。しっかりそれに対応するアップデートをお願いしたいと思います。
 もう一つは、今日の審議内容に直接関わるものではないと思いますが、第1のことと関連して意見を申し上げておきます。結論を先に言えば、総合的な探究の時間と専門教育の課題研究との関係、それぞれの在り方を積極的に検討してほしいということです。与えられる、あるいは先行研究に大きく制約を受けた専門的課題で取り組む問題解決学習は、身近な実社会、実生活、自己の在り方、生き方を踏まえた課題を自ら設定して取り組む総合的な探究の時間と似ていて非なるものです。これからの専門的人材は高い専門性に支えられながらも、他方で、専門から離れた幅広い知識や個性的な関心、視座をどれだけ持てるかが重要となります。問題の根っこは第1のことと同じです。御検討をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【牧野主査】  ありがとうございました。
 それでは、これから、御質問、御検討のある方は挙手をお願いしたいと思います。まず、議題(1)、目標の示し方、これに関しまして議論を進めさせていただきます。中島委員、お願いいたします。
【中島主査代理】  すみません、ありがとうございます。必ずしも議題1だけということではないんですけど、今の事前にいただいた御意見と近しいところがあるんですけども、それぞれの内容がおかしいということは一切なくてよく整理されていると思うんですが、全体的にもう少し目線を挙げたところを目指す感じの内容になるといいなと思っておりまして、先ほど御指摘あったように、例えば課題の発見、解決とかという中では課題の発見が一番多分大事になってくると思いますし、産業構造は猛烈に変化しておりますので、産業の発展と定義したときに発展するであろう産業というのもどんどん変化しているので、その辺を見極めていくというところがすごく大切になるだろうなと思いますので、1番目の右側の赤いところに、持続的な発展を担う職業人という表現があるんです。職業人というのが目線としては少し低めに感じますので、表現としては、例えばなるべくマネジメントポジションとかハイスキルなポジションにつくような、こういったところを目指していくように目線を上げていけるような目標になったらいいんじゃないかなと感じました。
 以上でございます。
【牧野主査】  ありがとうございます。それでは、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  よろしくお願いいたします。私のほうからも議題1だけにかからなくなってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
【牧野主査】  結構です。
【清水委員】  ここで構造化、表現形式であるとか、見方・考え方であるとか、そういったことについてもいろいろ触れていただいていると思いますけれども、この辺の書き方については他の部会との関係もあろうかと思います。お願いしたいことは分かりやすく、現場の先生方が理解しやすいようにまとめていただくことが期待されているのではないかと思います。
 その中で、先ほども教科固有のというキーワードがありました。工業なら工業としての見方・考え方であるとか、商業としての見方・考え方であるとか、非常に重要なことなのかなとは思いますが、あまり固有の考え方にとらわれ過ぎてしまうのもいかがなものかなという思いもございます。できれば多くの見方・考え方を尊重した上で、その上での専門学科としての見方・考え方が育成されるとよいのではないか思います。例えば、先ほどのお話にもありましたけれども、教科横断型的な取組であるとか、教科そのものであっても体系的な学びであるとか、そういったことに対する議論も必要なのではないかとも考えています。
 これから時代が大きく変化していって、予測困難な社会で生きていくための資質・能力の育成と言われるものを重要視しているということですが、専門高校では技術の進展や高度化、大学の進学者の増加、当然のことながら学ぶべきことが増大してしまっていると思っています。そういった中で、当然時間的な制約もあり、これまでどおりというわけにはいかなくなってくるだろうと思います。そうなると、教科そのものの学習内容をしっかり精選して、重なり合ってしまうというところは極力調整をしながら時間を生み出す努力も必要になってくると思います。
 当然のことながら、多層的な改革も必要となり、その中で、先ほどの教科横断的な学びであるとか、体系化、系統化と言われるものがすごく重要な役割を担っていくのではないかと思います。
そして、専門高校で学ぶ生徒たちは、まだまだ就職する割合が高く、高校卒業後すぐ社会に出る生徒たちが多いのが事実です。当然のことながら、日本の産業の未来を担う存在であって、国家的な使命を帯びていると考えております。そのためにも専門高校の存在意義の再確認と、変化を恐れないで変わっていく勇気をしっかり持つべきなのではないかなと思います。
 国においては、今日の日経新聞にも、日本のものづくりの強化をにらみ、1校に20億円という大きな見出しで支援の話が出ておりましたけれども、専門高校が変化を恐れず進化し続けていくための姿勢を持ち続けるために、様々な方策を御提供、御支援をお願いできればありがたいと思います。
 少し話がずれてしまっても大変申し上げませんけれども、どうぞよろしくお願いします。
【牧野主査】  ありがとうございます。一応議題1、議題2、議題3と分けていこうかと思いましたが、それぞれの皆さん方の全体を通してという御意見が多いやに思いますので、全体を通して言っていただいても構いません。後で、方向性については一応、そういった意見も踏まえた上で、確認をさせていただければと思っております。
 それでは、小坂委員、お願いします。
【小坂委員】  ありがとうございます。まず、1つ目のところは先ほど私の職業系高校の先生方の質問にもあったんですけれども、ふだんの本当に実験とか実習とか、総合的な学習の時間は、課題研究は本当に充実しているんですけど、一方で、いわゆる通常の授業と言われる座学の部分の学習が本当に知識、技術ベースであるというのは、今、市町の教育長をしていて、小中学校生が職業系の高校に上がったときに、それはかなり多く感じておりまして、そういう意味でここに見方の部分を外した上での実践的・探究的な学習活動を行うことなどを通しというところが入っているというのは非常に評価できるかなと思っております。そこの、ただ、探究的な学習というのはどのように捉えるかと、体験的なだけではなくて、座学の中でも深い学びをいざなうような授業を座学でもしていくということが、これからの職業系高校は何でも体験すればいいというわけではないと思いますので、地元目線でお話をさせていただきます。
 2番目、3番目は、またそのときになったら話させていただきます。
【牧野主査】  ありがとうございます。香山委員、お願いします。
【香山委員】  ありがとうございます。溝上委員からの共通教科の学び、専門分野の横断というところ、そして清水委員がおっしゃっておられました、教科固有と教科横断というところも鑑みてなんですが、今回、ヒアリングで実際に3つの高校の事例なんかもお伺いをした上で、また、前回の各分野の狙い等のお話を聞いた上でなんですけれども、産業教育として、産業横断的なデジタルリテラシーというのは今とても大事になっているんじゃないかなと改めて感じました。
 先ほど大宮工業高校さんのほうから情報Iと情報IIは全員で履修するという話もありましたけれども、大学進学も、あるいはエキスパートになっていくような高校生さんも、日本の高校生として、ベースとしてしっかりデジタルリテラシーを同じように学んでいることが、各分野のより発展的な活動にも繋がっていくんじゃないかなというのを今日、改めて感じたところでございます。これまで各産業教育として、それぞれの分野で築き上げてきた科目体系というところがあるところではありますが、そのコアの部分というのは改めて何なのかというところと、産業教育として横断するような能力というところも改めて、このワーキングでは考えるべきじゃないかなと思った次第です。
 具体的には、例えばデジタルリテラシーを考えたときに、情報Iという内容が日本の全ての高校生がもうベースとして持っていて、それをさらに深めるのが情報の専門教育で、各産業と×(かける)情報、クロス分野というんですか、工業×情報とか、看護×情報というようなことを考えていくのが応用分野としてそれぞれのところにあるというような立てつけができていくのも一つかなと思いました。
 また、2つ目の見方・考え方のところの話になったときには、情報の分野から発言させていただければと思います。以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。取りあえず、よろしいですか。挙手されている方はいらっしゃらない。一応、今、議題1ということで全体の話も含めてお話をいただいた方もいらっしゃいましたが、4ページの今、見えている方向性というところについて、御意見をいただいたということでございます。
 それぞれの皆さん方、特に私も持続的な発展ということはあるけれど、まさに環境変化に対応できるような、そういった人材をどう育成していくかというお話もいただきました。大事な視点だと感じたところであります。そうしたことも含めて、また、この方向性について、今日出た意見を踏まえた上で確認ができればと思うところでございます。よろしいでしょうか。
 それでは、(1)につきましては、方向性についての御意見を踏まえて確認をさせていただいたということにさせていただきます。
 続きまして、9ページに移っていただきまして、この見方・考え方のところ、これにつきまして、御質問、御意見賜りたいと思います。いかがでしょうか。それでは、小坂委員、お願いします。
【小坂委員】  これにつきましても、一番下のところの職業人として、自己の成長と社会や産業の発展に繋げることという、発展という言葉はすごい大事だなと思っていまして、どうしても産業系って持続することだったりとか継続することだったりとか、後継者の育成みたいなところがすごくあるんですけれども、どの産業においても引継ぎを行われてきたというのは、本当に発展と進化を遂げてきた連続の積み重ねであるというところが大きいなというのは地方産業を見ていて思います。そういう意味では、もう本当に発展というところがすごく大事ですし、そこの原点の発見みたいなところもすごく大事だなと思っていますので、この記述でよろしいのではないかと思います。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。そのほか御意見をお願いします。御質問でも結構です。ほかの方いかがですか。中島委員、お願いします。
【中島主査代理】  これも特に記載されていることに異論は全くございませんけども、例えば途中の御説明でも、企業との連携みたいなところも課題感があるような話題も出ていたような気もいたしまして、例えば、私たちの会社なんかは学生インターンを非常に積極的に取っていまして、学生、大学の1年生、2年生とか3年生とかが二、三か月ぐらい結構1年中、ころころ出たり入ったりしていて、たくさん来ている子はどんどん視野が広がって、自分に合っているものとか合っていないものというのを結構見極めがそれなりにできてきているような印象を受けていますので、そういう社会との接点みたいなところで、企業さんにインターンみたいな形で接点を増やしていくような、少し具体策を幾つか進められたらいいんじゃないかなと。それを方針としてどう書くかというのは私、分かりませんけども、そんな感じをいたしました。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。そのほか、御質問、御意見ありましたらお願いいたします。川﨑委員、お願いします。
【川﨑委員】  私もこの文言で非常によいのではないかなと思っています。それは、一つは変化の激しい時代に自分自身が成長し続けていくというか、学び続けていくという要素を非常に大事にしていくことがとても重要なんじゃないかなと思っています。逆にそれが先に出ているところのほうがとてもいいなと思って見させていただきました。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。ほかに御質問、御意見ありましたらお願いいたします。西岡委員、お願いします。
【西岡委員】    ありがとうございます。どこで発言したらいいのか迷うところですが、先ほどもお話がありましたけれども、学び続けていくということがとても大切な時代になっていると思います。高校卒業後、まだ就職をされる方が若干多いというお話もありました。高校卒業された方々が、今まではどちらかというと、現場の中心になってエッセンシャル的な仕事もこなすというイメージが強いと思いますが、今後は大学に進学をされたり、あるいは一旦就職された後、リスキリングやリーラーニングのために大学に戻られたり、論文を書など学びを深めていくプロセスが多くなっていくと考えますので、その学びの基本となる、教科横断やリベラルアーツをしっかり身に付けておくことも大変重要だと思います。また、全体を俯瞰して考えるとか、システム思考も、職業をベースにした学校では重要ですので、そうした視点も反映をさせていただけるとありがたいと思っております。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。佐野委員、お願いいたします。
【佐野委員】 佐野です。産業界の目線から話させていただければと思っています。
 見方・考え方の整理に関しましては、現行の方向性を対照して、判断の仕方を端的に表すというのはよいと思います。ただ一方で、産業界の最新の動向とかを反映することも不可欠じゃないかなと思っていまして、DX、GX、AI活用とかカーボンニュートラルといった新しい視点というのは、今後の職業人の必須であって、教育課程にも組み込むべきであり、そのことで学校教育と産業界のギャップということも縮められのではないかなと思っています。
 また、見方・考え方に職業倫理とか社会的責任を含めることによって、産業界の利益追求だけじゃなくて、ESGとかSDG対応を求められているというところにも反映できるのではないかなと思っています。
 また、記載は簡潔である一方で、少し産業界の事例を盛り込むことで、現場の活用性を高めることもできるのではないかなと思います。具体的には工業では、例えばDXによるものづくり革新とか、情報ではAI活用した開発創造など、このような視点も教育に入れることが未来の人材育成に生きると考えております。
 以上になります。
【牧野主査】  ありがとうございます。そのほか、御発言ありますか。ありがとうございます。
 それでは、(2)の議題につきまして、見方・考え方についての方向性、ただいま出た意見もまた踏まえながら、確認をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、最後に、学びに向かう力・人間性……。
【香山委員】  すみません。
【牧野主査】  どうぞ、香山さん。
【香山委員】  申し訳ありません。10ページのところで気になったことがありまして。
【牧野主査】  じゃあ、戻りましょう。結構です。
【香山委員】 申し訳ありません。特に情報のところに関してなのですが、今、佐野委員も御提示いただいたような、価値創造のようなところが情報の中に入るといいなということで、丸2のところに書いてあります課題解決、価値創造の視点というのが比較的ふんわりしているといいますか、本質に根差した視点というところで考えたときに、情報特有ということが少し弱いのかなというのが個人の感想になってしまうんですけども、ありました。
 また、情報という分野に関しては、これまで我が国において、コンテンツ分野とシステム分野と、2つ大きく柱があった上で、今のAIデータサイエンスというところも入ってくるようなことを踏まえますと、そういった中身も考慮するような形がいいのかなというので、例えばというところなんですけど、すみません、長いのでチャットでお送りをしてしまうんですが、データとコンテンツとシステムを基に価値ある仕組みをデザインする視点で捉えとか、ちょっと長くなってしまって申し訳ないんですけども、もう少し、情報科というところの本質を、少し言葉が多くなっちゃうんですけども、入れたものも考えていただければなと思った次第です。
 すみません。以上です。
【牧野主査】  分かりました。ありがとうございます。まだ手が挙がっているということは、(2)のほうでよろしいですか。
【森澄委員】  先ほどの補足資料の2の中で出ておりまして、その中で、各教科で若干違うところがあります。大事なところだと思いますので、発言させていただきます。
 水産学科現場では、教員も多忙、毎日の授業で精いっぱい、その中でどのように目標を分かりやすく伝えるかということが大事だと思います。いいものをしても、伝わらなければ意味がないということで、生徒に授業を精いっぱいする人たちなんですけど、授業力を高めてほしいという点では、示された見方・考え方、この方向性で全くいいと思うんですけど、各教科で少し文言が違うと感じています。例えば、水産のところでは、丸3「職業人としての自己の成長と、水産業及び」となっているところと、農業のほうでは、丸3のところが「職業人としての自己の成長と農業や」ということで、「及び」と「や」という引用が違うんです。産業全体も「や」になっているんですけど、意味合いが「及び」よりも「や」のほうが若干弱いんじゃないかなと。両方を強調する場合には「及び」にしたほうがと考えています。
 さらに、発展とか実現とか、各分野によって文言が違います。これは各分野で違ってもいいんですけど、混乱を招くようなおそれがあるんでしたら整理されたほうがいいかな。各教科でこれでいくんだということでしたらいいんですけど、どうでしょうか。
【牧野主査】  ありがとうございます。ここはもう一度、どのようにするか検討、事務局のほうでしていただくということで、よろしくお願いいたします。森澄委員、それでよろしいですか。
【森澄委員】  ありがとうございます。
【牧野主査】  西岡委員、お願いします。
【西岡委員】  二回目の発言になり恐縮ですが、10ページについてです。に、今、産業界で求められている一番大きなキーワードはイノベーションですが、イノベーションという言葉はどこにも出てきていませんので、考慮いただいたらどうかと思います。また、10ページの、工業では、よりよいものづくりという言葉が使われています。ただ、よりよいものづくりというのはなかなか定義するのが難しいと思いますので、もう少しダイレクトに伝わる言葉を選んでいただくのがいいのではないかと思いましたので、ご検討をよろしくお願いいたします。
【牧野主査】  分かりました。ありがとうございます。よろしいですね、事務局。また確認させていただきます。
 ほかにありますか。よろしいですか、(2)。
 それでは、最後、議題(3)の学びに向かう力・人間性等のところで、13ページの方向性について見ていただければ、御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。小坂委員、お願いいたします。
【小坂委員】  ありがとうございます。2つあるんですけれども、13ページのところに関しても、今ほかの委員からもあったように、右下の一番下、改善のイメージのところです。丸1、「各職業に関する課題を」というところになっているんですけど、課題だけじゃなくて発展とかイノベーション、課題や発展を自分との関係で捉えという形で、子供たちが前に向く、前に向いて挑戦できるような部分を目指したほうがいいかなと思いますので、そういった文言を、課題だけじゃなくて発展というような言葉を入れられたらどうかなと丸1の部分で思いました。
 2点目が12ページなんですけれども、スライドを、12じゃないか、その上かな。産業教育における学びに向かう力・人間性等で、これは、この部会だけじゃないと思うんですけれども、初発の思考や行動を起こす力、好奇心のところと見せ方だと思うんですけれども、一番右側の他者との対話や協働という部分は、初発の思考というのは、子供たちが「わあ」とか、すごいとか面白いとかと湧いた部分を、それだけじゃなくて対話だったり、そこの職業に関係する人たちだったりの対話を通じて、興味関心まで向上させたりとかという部分だと思いますので、緑色の部分がもう少し学びの主体的な調整であったりとか、初発の思考や行動を起こす好奇心のところにぐぐっと貫くような形のイメージでも、もっといいんじゃないかなと。私は現場で職業の生徒たちが、ただ物を見るだけじゃなくて、現場にいる方たちとの対話を通じてそういった気持ちがわいてくるというのを何度も経験しておりまして、そういう意味で、その図の示し方なんですけど、緑の部分は途中でとまっているので横貫きでやっていただいて、上は全部関係すると言っているんですけれども、下の緑のところも貫いて、三重ぐらいになっているといいんじゃないかなと、お示しいただいた部分は。
 ということで、すみません、2点です。
【牧野主査】  ありがとうございます。続きまして、小川委員、お願いします。
【小川委員】  すみません。13ページのところで、学びに向かう力・人間性という部分で、好奇心という言葉がいいと感じます。人生100年時代でしたり、あるいは、マルチステージのことが言われていたと思いますが、いろいろなことを常に好奇心を持って勉強するんだという思いが感じられます。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。ほかに御発言される方いらっしゃいますか。西岡委員、お願いします。
【西岡委員】  114ページです。括弧の中に入っている言葉というのは固定化された言葉だとは思いますが、例えば計画の立案についてはゼロからシナリオをつくっていくというようなイメージ、つまり、構想するとか発想するというようなイメージが伝わるといいなと思います。また、計画の実施では行動をする力を求めたいところですだと思うので、そういったことが伝わるような文言を補足的に加えていただけると、何が求められているのかより理解されやすいのではないかと思います。御検討いただければと思います。
【牧野主査】  ありがとうございます。そのほかに御発言、清水委員、お願いします。
【清水委員】  よろしくお願いいたします。意見というものではありませんが、行動を起こす力であるとか、好奇心であるとか、非常に重要なキーワードであると思いますが、私としては設定したもの、目標にたどり着く力というのでしょうか、ゴールに向かって取組を進めていって、最終的には納得のいくところまでしっかりと諦めずに取り組んでいく力がすごく重要なことなのではないかと考えております。修正を依頼するものではありませんけれども、どこかでこのどり着く力などをイメージできるものを取り上げていただけるとありがたいなと思っていいます。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございます。佐野委員、お願いします。
【佐野委員】  ありがとうございます。産業界の立場で、学びに向かう力と人間性について少し意見を述べさせていただければと思っています。
 産業界においては、変化が激しい社会で主体的な学びをつける力って不可欠だと思っています。その中で、教育課程においては、初発の思考や行動を起こす力とか、他者との共同、学びの主体的な調整だったり、職業人としての倫理感や社会的責任ということをより明確に位置づけることが重要かなと思っています。特に企業現場では、課題解決力とかチームワーク、リーダーシップというのは今後求められてきますので、そういうスキルはは学校教育で育成されるべき基盤であると思っています。また、こうした意欲のある取組を評価する仕組み化をすることで、実践的な課題に対する取組過程や、協働や自己調整がどのように発揮されたかということの評価の視点も重要になってきます。
 以上であります。
【牧野主査】  ありがとうございます。そのほか、御発言のある方いらっしゃいますか。よろしいですか。ありがとうございました。
 議題(1)、議題(2)、議題(3)につきまして、それぞれ貴重な御意見をいただいたというように受け止めております。その上で、この方向性というものが一応、ここでそうした意見を踏まえた上で確認されたと捉えたところでございます。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本日の議事につきましては、以上とさせていただければと思います。
 最後に次回以降の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
【栗林産業教育調査官】  事務局でございます。本日はありがとうございました。
 次回ですけれども、12月16日火曜日、15時からを予定しております。正式にはまた後日、御連絡をさせていただきます。
 以上です。
【牧野主査】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日の産業教育ワーキンググループを閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

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