令和8年6月23日(火曜日)15時00分~17時00分
WEB会議
【清原主査】 皆様こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループ第10回を開催いたします。本日も大変御多忙の中、御参集いただきまして、どうもありがとうございます。
本日は、前回会議において御議論をいただきました、本ワーキンググループの取りまとめの骨子案につきまして、事務局において委員の皆様の御意見を踏まえた御修正をしていただきました。前回の会議だけではなくて、事務局にお寄せいただいた御意見についても反映をさせていただいております。そこで、この修正案を事務局より御説明をしていただきまして、本日御確認をいただき、さらに御議論をいただきたいと思います。
それでは、ただいまより議題の1、取りまとめに向けた検討に入ります。本日の流れは、進行資料のとおり、事務局からの説明の後、委員の皆様によります意見交換の時間を設けます。早速ですが、取りまとめ骨子案について、事務局より説明をお願いいたします。また、ほかのワーキンググループの検討状況などについても、大いに関連いたしますので、その情報についても併せて説明をお願いいたします。
それでは、酒井企画官、よろしくお願いいたします。
【酒井特別支援教育企画官】 失礼いたします。事務局、特別支援教育課の酒井です。
今、主査から御指示いただきました、本ワーキンググループ、前回の会議で御議論賜りました取りまとめ案の修正案について、また、他のワーキングの議論の状況等について御報告させていただければと思います。
まず、本日、参考資料としてお示しさせていただいている資料、順番に内容等を御紹介させていただきます。
参考資料1につきましては、これまでの本ワーキングにおける各委員の御意見について要約をさせていただいた資料となります。
参考資料2につきましては、参考のデータ等になりますので、また御参照賜ればと思います。
参考資料3につきましては、本日の資料の中でも言及させていただいておりますが、小・中・高等学校全体につきまして、今、調整授業時数制度の具体化や、高等学校の単位制の大幅な柔軟化について御議論をされているところです。これについて参考資料3を御用意させていただきました。
また、参考資料4につきましては、本ワーキングでもこれまで、知的障害のある子供たちの教育課程における情報活用能力の在り方について御議論賜っておりました。小学校、中学校、高等学校の御議論については、情報・技術ワーキングの方で議論をされておりますが、その内容についてさらに精査をされている状況ですので、最新の状況として、参考資料4を御用意させていただいております。
また、参考資料5につきましては、特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキングの取りまとめ案です。6月16日の会議で取りまとめ案が御議論されたところですが、これにつきまして、特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程についても、特別支援学校の児童生徒も含めて、その教育課程の対象となるという方向で御議論されましたので、参考資料5として御用意させていただきました。
また、参考資料6につきましては、不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキングの取りまとめ骨子案、6月17日付で御議論いただいた内容について、参考資料6として御用意しております。こちらの不登校児童生徒に係る特別の教育課程についても、特別支援学校も含めて御議論をいただいているところですので、参考資料として御用意させていただきました。
最後に、参考資料7です。先週、令和7年度の英語教育実施状況調査について公表させていただきました。令和7年度の調査からは、特別支援学校についてもその調査対象としておりまして、今回、特別支援学校の教師の英語力についても調査をさせていただいたところです。資料にありますとおり、例えば、この英語教師の英語力ですけれども、CEFR B2レベル相当以上を取得している教師の割合というのは、特別支援学校の教師は、中学校、高等学校と比べて少し低い状況があるというところです。また、ICT機器の活用状況についても、ICT機器を全く活用していない学校の割合が高い傾向があるというところ、さらにはALTの参画状況についても、例えば高等学校と比べて参画状況が低いというような状況があるというところです。
以上の関係するワーキングや関係の情報等について、参考としてまず御参照賜ればと考えています。
その上で、本ワーキングの取りまとめ案ということで、本体資料、資料1を御参照いただければと思います。前回の会議の御意見を踏まえて修正をさせていただいた点と、後半の補足資料として、各御検討を深めていただくために補足イメージを追加させていただいた部分もございますので、その点を中心に御説明させていただきます。
2ページをお願いします。1ポツ、特別支援教育をめぐる現状と改訂における基本的考え方についてです。(1)特別支援教育の意義と現状、4つ目のポツです。前回の会議で、特別支援教育についてのセーフティネットとしての役割という点について御議論がございました。この点、前回の御議論を踏まえまして、特別支援教育のそれぞれの学びの場について、「障害の状態等を踏まえつつ、全人格的な発達・成長を保障し、安全・安心な居場所・セーフティネットとしての役割を果たしており」と修正させていただきました。
続きまして、3ページをお願いします。2ポツ、幼稚園・小学校・中学校・高等学校における改善の方向性の(1)基本的考え方です。このページの右側、丸2、重層的な指導・支援の考え方を踏まえた方策についてです。2つ目のポツです。重層的な指導・支援に取り組むためには、前回の会議において特別支援学校のセンター的機能の活用、これも重要だという旨の御意見を賜りました。その旨を追記させていただいたというところと、校内委員会の位置付けや役割の明確化、そしてこういった工夫を学べる研修コンテンツ、教師向けの資料等の提供、これらについて好事例の周知に取り組むといった点、御意見賜りましたので、その旨を追記させていただいております。
さらに3つ目の丸です。特別支援学級における指導ですが、通常の学級だけでは指導・支援が困難な子供たちに対して、個別の指導を実施することが重要、そして、通常の学級では指導・支援が困難な子供たちについては、特別支援学級において指導を実施するという、文言の適正化を図らせていただきました。さらに、下から2つ目のポツ、個別の指導計画についてです。これについては、個別の指導計画の内容を真に必要な記載に精選するといった点、これは作成に係る負担感の軽減につながるものであるといった旨の御意見を賜りましたので、修正をさせていただきました。
4ページをお願いします。(2)合理的配慮の提供を促すための方策についてです。丸3、合理的配慮の提供を促すための方策、右側のページです3つ目のポツですが、今回、合理的配慮の提供を進めるための考え方を分かりやすく示すといった点について、その意義として、「建設的な対話による合意形成に資するよう」といった点を追記させていただいた点と、「具体的な合意形成に向けたプロセスについて、分かりやすく示す」といった点で追記させていただきました。
また、2つ目の矢羽、過重な負担の基本的な考え方というところで、学校種についても追記させていただきました。
さらに4つ目の丸、合理的配慮を受ける子供が「特別扱い」をされていると捉えられ、学校やクラスの中で孤立しないようという中で、学校全体で組織的に取り組むことが必要である旨を追記させていただいたことと、個に応じた学習過程の充実が必要な旨も追記をしております。
さらに次のポツ、合理的配慮の内容について、学校間で確実に引継ぎを行うことの重要性、このことを明示すべきといった点についても修正させていただいております。
続きまして、5ページ目です。(3)通級による指導における改善の方向性の丸2、通級による指導を受ける場合の特例的な取扱い、3つ目の丸の2つ目の矢羽です。障害の状態等を踏まえて、通常の学級において受ける授業を含め、各教科等の学習内容の変更・調整が必要な場合には、合理的配慮の提供の観点から、学校側に過重な負担が生じない範囲で、本人・保護者と十分に意思疎通を図りつつ、かつ、系統性・関連性に留意しつつ、といった旨を追記しています。
続いて6ページです。(4)特別支援学級における改善の方向性、丸1、特別支援学級の現状、2つ目のポツです。今回特別支援学級の状況、学びの在り方について分かりやすく示すことの意義ということで、具体的な指導のイメージを教師に持ちやすくしていただくという点を追記させていただきました。また、右側、特別支援学級の教育課程については、通常の学級との連続性を踏まえ、小・中学校の見直しの方向性を踏まえた充実を図ることが必要であること。その際に、調整授業時数制度の適用等も考えられるという点で、その旨を追記させていただきました。
続きまして、7ページです。(5)高等学校における改善の方向性という点の4つ目のポツです。障害の状態等に応じた教育課程の編成・実施は可能とする新たな制度、ここを「特例校制度」と記載させていただいておりましたが、誤解を招く表現ということで、「特例制度」と修正させていただいております。
さらに7ページ右下、交流及び共同学習については、重層的な指導・支援における「多様性・包摂性を尊重した生活づくり」という点、これは特別活動ワーキングで御議論をされている内容ですので、その辺りの役割分担についても明記をさせていただいたところです。
続いて9ページをお願いします。3ポツ、特別支援学校における改善の方向性の(2)自立活動の充実に向けた方策の丸1、自立活動の位置付けです。1つ目のポツ、「自立活動は特別支援学校の教育の核となるものであり、『社会モデル』の考え方を踏まえた上で、」という点を追記しています。また、丸2、子供主体の視点に立った自立活動の更なる展開の1つ目のポツ、「保護者等と適切に連携・情報共有しつつ、」という点と、子供主体の視点に立った自立活動を全ての学部段階を通じて積み重ねていく点を追記しております。
続いて10ページ、(3)総則等の構成・記載の在り方についてです。2つ目のポツ、今回の改訂で、幼・小・中・高等学校における見直しの方向性については、特別支援学校においても同様に取り入れていくべきということで、括弧で、「調整授業時数制度や高等部の単位制度の柔軟化等も同様に取り入れていくべき」という点を追記しています。
さらに11ページです。(6)高等部の充実についてです。1つ目のポツ、これからの高等部については、卒業後の姿を見据えつつ、生徒の意思決定に資する教育活動を展開することが期待される旨を追記した点、そして右の(8)特別支援学校のセンター的機能の充実の2つ目の矢羽です。各学校の強み・専門性を活かしつつ、特別支援学校にアウトリーチ的な取組も期待されるという点を追記させていただきました。
続いて補足イメージですが、補足イメージの4、15ページを御参照ください。通常の学級の学びと通級による指導の連携のイメージとして、自立活動にプラス、特に必要がある場合という旨を追記し、そして各教科の内容の一部という点を追記させていただきました。同様の修正については、16ページの通級による指導を受ける場合の教育課程の特例的な取扱いの見直しについても、その旨を追記しています。さらに、中・高については、教科等を取扱う場合、該当教科の免許を持った教師が実施すること。これは、前回の会議でも記載をしておりましたが、当該教科として評価も行うことになるためという、その理由付けについても記載をしています。
さらに17ページ、18ページです。通級において各教科の指導を行う場合の事例のイメージです。17ページについては、これまでの会議の中でも御覧いただいたものになりますが、18ページ、各障害の事例を追加・追記をさせていただいています。
18ページにおいては、小学校3年生の弱視の児童を想定した場合の、自立活動と各教科の内容の一部、例えば国語科で取扱う場合のイメージを追記しています。また、真ん中には中学校3年生の、これも弱視の生徒をイメージした場合に、自立活動と、例えば理科の活動、理科の内容において取扱うイメージということで追記をしています。さらに1番右、小学校2年生の肢体不自由・病弱の児童のイメージです。自立活動と各教科の内容の一部としては、体育科のイメージを記載していますので、こちらを御覧いただければと存じます。
続きまして21ページです。重層的な指導・支援の考え方を踏まえた「基礎的環境整備」、「障害種ごとの配慮事項」、「合理的配慮」についてです。前回の会議でも、このような新しい概念のそれぞれの関係性について改めて整理をした方が良いという御意見もいただきました。前回までの会議では、「障害種ごとの配慮事項」と「合理的配慮」の関係を記した図でございましたが、それをブラッシュアップしまして、「基礎的環境整備(デジタル学習基盤含む)」を加え、この重層的な指導・支援を軸に、「基礎的環境整備」と「障害種ごとの配慮事項」、「合理的配慮」とはどのような関係にあるのかを図としてお示しさせていただきました。
そして、それを具体的にしたのが22ページです。例えば、ここは発達障害、特に読字困難の例として資料化させていただきました。重層的な指導・支援の考え方を踏まえた取組、このブルーの上のところですが、例えば、在籍する通常の学級において学校全体で基礎的環境整備に加えて読字に係る負担を軽減し内容理解を促すために、授業内容のプリントをクラウド上で共有する。そして、必要に応じて音声読み上げ機能を活用できるように指導していくということが考えられること。そしてその上で、本人の読字の困難さに係る指導・支援が通常の学級だけでは困難であったために、Aさんの教育的ニーズや本人・保護者の意向等を総合的に勘案し、通級による指導を利用しているということで、重層的な指導・支援の考え方を踏まえた取組が行われているところを想定しています。
そしてこのページの1番下の緑の部分です。「基礎的環境整備(デジタル学習基盤を含む)の状況」ですが、例えば、これは学校全体で、文字情報に依存しない視覚的支援とするために案内表示を、例えばピクトグラムの使用や、係・当番の作業の流れを絵や図で示すことを統一的に実施すること。また、授業づくりに際して、読字に係る負担を軽減するために1行の情報量を少なくしたり、重要な用語で色分けや下線を引いたりするなどの読みやすい板書を全ての学級で行ったりすること。これを情報提供の工夫として位置付けて実施をする、学校全体の取組として支援する、指導を実施するということが考えられること。さらには校内研修を通じて、手順等の動画・図式化や画面表示の拡大・色調整、音声読み上げ機能の活用等について周知し、全ての教師がその取組をできるようにしていくこと。このようなところが、まず学校全体の基礎的環境整備として考えられるのではないかと思います。そして左側の黄色の部分です。通級による指導、例えばこの障害種ごとの配慮事項という制度の中で記載してございますが、スラッシュ読みなどを活用して1文字ずつではなく語句をまとまりで読む指導や、漢字を部首や作りから捉え音声との結びつきを意識した指導を行い、その読みや意味を推測するための手がかりを得られるようにするなど、自分に適した読み方、読みの覚え方を見つけられるように指導をすること。これは通級による指導で実施をしていく。その際には障害種ごとの配慮事項というところで、教師の指導上の工夫、障害種ごとに想定される困難さに応じた基本的な留意事項について示していくことがあるかと思います。それをもってしてもなお解消されない困難について、右が合理的配慮の提供ということですが、例えばこのAさんは、問題文を読むのにどうしても時間がかかってしまうため、定期試験において問題文へのルビ振りや、試験時間の延長をしてほしいという申し出があった場合、別室で個別に対応すること。これは合理的配慮の提供に当たりうるものであろうと整理ができるかと考えています。このような具体的な事例を取り上げて、今回のこのワーキングで御議論いただいた各概念、コンセプトについて整理ができるのではないかと考えております。
次のページは難聴の例ということで、特別支援学級を含んだ例として整理をさせていただいておりますので、御参照いただければと思います。これらの障害種ごとの配慮事項については、24ページにありますように、これまで御議論いただいた内容について考え方を整理させていただいています。
また25ページ、26ページを御参照いただければと思います。本ワーキングでも知的障害の特別支援学校の教育課程において、情報活用能力の徹底を図っていく点を御議論賜りました。その際に、知的障害の教育課程において想定される学習、情報活用能力の学習活動のイメージについて御議論をいただいておりましたけれども、情報・技術ワーキングについてその内容、育成を目指す資質・能力、そしてその取扱う内容について深まった議論が行われましたので、その情報・技術ワーキングの議論を踏まえた最新の学習活動のイメージということで、資料を更新させていただきました。小学校については、生活科を中心として小学校の低学年の内容を参照にしつつ、その内容について検討しているというところ。さらに中学部の職業科においては小学校の中・高学年、総合的な学習の時間に付加いたします情報の領域(仮称)、この内容を参考としてお示しをしています。また高等部の職業科においては、中学校の情報・技術科(仮称)の想定される内容を基に表していますが、これらについて、知的障害のある児童生徒の特性や、発達の段階等を考慮した内容にしているものです。ただ、これらの内容については従前から、例えば中学部、高等部においては職業・家庭科の職業分野の中で一定取扱ってきました。情報機器の活用というところを、従前の職業・家庭科の中では取扱ってまいりましたが、その趣旨自体はこの情報・技術の適切な取扱いや、情報・技術の特性の理解ということで想定されてきたものです。今回、情報・技術ワーキングの御議論を踏まえ、内容をそれに当てはめ、知的障害のあるお子さんの特性に応じてブラッシュアップをさせていただいたというところで、イメージ図になっているところです。御参照いただければと思います。
さらに27ページを御覧いただければと思います。知的障害のある子供の学びの特性や発達の段階等を踏まえた単元づくりのイメージです。これまでも本ワーキングでは継続的・長期的かつらせん状に深めていくこと、それに基づく授業づくりを御議論いただいておりました。どうしても知的障害のある児童生徒の特性として、学習によって身に付けた資質・能力が断片的になりやすく、他の学習や生活の場面で活用しにくい、定着しにくいという学びの特性を踏まえますと、単元での学びを次の単元の学びにつなげられるような、それぞれ知識・技能の統合的な理解、思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮の状態を確認しながら、行きつ戻りつを繰り返す、継続的・長期的かつらせん状に深めていくような授業づくり、単元づくりが必要であるといったところで、そのイメージ図として27ページの図を表させていただきました。
これに基づき、30ページです。今回、高次の資質・能力が御議論いただいてきたところですが、それを生かして、先ほどの継続的・長期的かつらせん状の学びの深まり、これも踏まえた具体的な単元づくりはどのようにやっていくか、その参考イメージを作成させていただいています。小学部の生活科については30ページ、31ページ、中学部の職業科については32ページ、33ページでイメージをさせていただいておりますので、御参照いただければと思います。
30ページについては、単元計画作りの参考イメージとして記載をさせていただきました。例えば、この単元においてはどのような観点で学習指導例を見ていくのか、そして高次の資質・能力を踏まえた上でどのような目標を設定し、具体的な単元構想を描き、単元計画を作っていくのか。その考え方、思考のプロセス、フローを表したものになります。そして、これを踏まえたのが、31ページの単元構想のイメージです。この中で特に本ワーキンググループの中で鍵になってくるのが、7ポツの「本単元の指導と自立活動の指導との関連」と考えています。例えば、それぞれの児童生徒が自立活動の時間でこのようなことを学んでいる、そして本単元においては、こういった手立てを講じていくというような旨を記載していただくことが、この本ワーキングの御議論を踏まえると、単元構想に当たっての大変重要な鍵になってくるのではないかということで、こういった記載をさせていただいています。
最後、35ページにつきましては、「交流及び共同学習」の取組の実現に向けた再整理ということで、これまでの御議論いただいた内容を構造化して、ポンチ絵化させていただいたものになります。
駆け足となりましたが、本日御用意させていただいた資料は以上になります。御審議の方、どうぞよろしくお願いいたします。
【清原主査】 はい、酒井企画官、御説明をありがとうございます。皆様、今御説明いただきましたように、参考資料1から7まで私たちのワーキンググループの取りまとめをするに当たって、参考になる他のワーキンググループの情報なども含めて御説明をいただきました。そしていよいよ私たちとして、この資料1にまとめていただきました特別支援教育ワーキンググループの取りまとめ案について、ブラッシュアップをしていきたいと思います。
16時55分頃までを目途として、委員の皆様にこれから順次御意見をいただきたいと思います。御意見をいただく際には、Zoomの挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。私から指名をさせていただきます。なお、資料1の例えば何ページのどの項目の箇所というふうにあらかじめ明示していただいて御発言をいただくと、皆様共有しやすくなると思います。
それでは、どなたからでも挙手ボタンを押してください。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
11ページまでの内容に加えて、本日補足イメージも拡充をしていただいております。どのページからでも結構です。それでは、菊地委員よろしくお願いいたします。
【菊地委員】 まず、これまでの議論を丁寧に取りまとめてくださり、本当にありがとうございました。細いところも含めて8点ほどお話しさせていただきます。
まずは2ページです。安心・安全という箇所についてです。ここは障害の有無にかかわらずすべての子どもにとって大事なことであり、その旨を示すことがよいと思いました。
3ページです。個別の指導計画等の負担の軽減に関する箇所です。細かいところになりますが、「精選」という文言が使われております。「精選」というよりは、どれも大事なことだと思われますので、「焦点化・重点化」という表現がより適切かと思いました。以前、学習指導要領の改訂に関わったときに、こういったことが議論になりましたので、そのように考えました。
4ページです。合理的配慮に関する箇所です。「建設的な対話」というところのくだりについて、これも繰り返しになるのですが、「本人を中心とした建設的な対話」というように、本人が中心であるということ、後で出てくる「意思決定」にも関連付け、重ねて強調した方がよいと思いました。
6ページです。特別支援学級のところについて、調整授業時数制度について触れられております。ここは、すごく大事なところだと思います。ただ、現時点では当該のワーキンググループの最終的な整理と予想される具体的な学校での具現化が少し見えにくいですし、後の改訂作業で本省内での最終的な調整検討が必要になると考えます。現時点ではこのような内容でよいと思いますが、学校現場で実現できる具体的な形を想定した記載が必要と考えます。
11ページです。高等部のところで、意思決定という文言を用いています。とても大事なキーワードだと思います。また、高等学校・高等部段階だけでなく、小学校・小学部段階からの積み重ねが必要であることも示されてよいと思います。この箇所は福祉等の他分野や世界的潮流も踏まえて、個人的には少しトーンを強めて、例えば「小学校・小学部段階から重視していくことが必要である」と示してもよい箇所だと思います。あわせて、意思決定をただ求めるだけではなく、障害の状態による困難性があるわけですから、意思決定のための支援が重要であるということについても触れておきたいと考えました。
続いて18ページです。自立活動の例示図です。これも学校現場にとって非常に分かりやすい方向性を示すものになりうると思いました。これは通級による指導における自立活動を想定した困難が比較的分かりやすい障害の例として挙げていますが、自立活動の指導という点では、今後知的障害のような少し具体イメージが持ちにくい障害についても例示できればと思います。
21ページです。重層的な指導・支援の補足イメージについてです。3つの視点から重層的な指導・支援を再整理していて、より分かりやすくなったと思いました。「基礎的環境整備」の部分については、このスライドでも少し触れているのですが、これを解説等で文章化する際に、学級経営や、プロアクティブな生徒指導、あるいはキャリアガイダンスというようなものも関連するということにも触れていければと思いました。また、続く22ページ、23ページの例示分かりやすくてよいと思いました。小中学校等においてとても参考になる資料だと思います。
最後です。24ページ以降の知的障害に関する箇所、とりわけ27ページ以降の単元づくりの考え方については、学校現場における一定の理解が進み、実践の具体化が期待できるものと捉えました。改訂後、学校現場がこの考え方を実装していくために、特総研等がこれまで研究をとおして集積した実際の好事例を整理して発信していくと、より理解が進んでいくと思いました。
以上になりますが、全体的な取りまとめの方向性としてうまく整理できたと考えます。
【清原主査】 はい、菊地委員ありがとうございます。多くの項目について建設的な提案をいただきました。感謝いたします。
はい、それでは続きまして丹治委員お願いいたします。
【丹治委員】 失礼します。まずは、これまで10回にわたる多岐にわたる議論を取りまとめていただきまして、このように丁寧な骨子案を整理・作成していただきましたこと、本当に感謝申し上げます。私も、全体を通して非常によくまとめていただいたなという感想を持ちましたので、その上で、今後ちょっと期待も込めてと言いますか、2点コメントをさせていただきます。
1点目ですが、デジタル学習基盤の効果的な活用についてです。資料の10ページの(5)番の2ポツ目、改訂に当たってはというところになります。こちら特別支援学校のデジタル学習基盤の使用を、効果的な活用事例を広く周知していくことが重要であると書いてあるんですが、これは特別支援学校だけではなくて、通常の学校でも重要ではないかなというふうに思っておりますので、通常の学校のところでも記載があると、より強調できるのではないかなというふうに思っています。今回の骨子案で、至るところにこのデジタル学習基盤の使用が前提であることですとか、重要であるということがあって、私自身も今後の期待を込めて、ぜひ引き続き推進してほしいなというふうに思っています。一方で、デジタル学習基盤を導入すれば魔法のように問題が解決したり、効果的な支援がすぐにできるわけではないということは留意しないといけないかなというふうに思っています。ですので、今後解説などで具現化をしていく際に文言に留意が必要かなというふうに思いました。そこで重要になるのは、通常の学級におけるデジタル学習基盤を活用した「基礎的環境整備」の実践例ですとか、通級指導や特別支援学級とも連携した合理的配慮の実践例の蓄積かなというふうに思っています。本ワーキンググループでも議論になっていました重層的な指導・支援の充実に関わる重要なポイントの1つではないかなというふうに思っています。事例の蓄積で周知の際に留意すべき点として、どのような児童生徒にどのような場面でデジタル学習基盤の何をどう活用すると効果的なのかといった点で、事例の整理が待たれるのではないかなというふうに思いました。
また、デジタル学習基盤を、例えば集団で通常の学級等で活用しようとする場合、学級の規律ですとか、使用のルールですとか、ネットワーク環境の状態ですとか、あとは学級の風土とか、教員の活用度合いとか、そういった効果的活用のための前提条件もあるのではないかなというふうに思っていますので、デジタル学習基盤が子供たちの学びを阻害するツールではなくて、効果的に活用できる手段となるように、先ほど示した前提条件も含めて、実行可能性のあるデジタル学習基盤の好事例の蓄積と周知というのが期待されるのではないかなというふうに感じました。
2点目です。2点目は、他のワーキンググループの取りまとめとの接続についてです。例えば、特に本ワーキンググループの議論と内容の重なりや繋がりを感じた点として、特定分野に特異な才能のある児童生徒のワーキンググループの資料の15ページですとか、あとは不登校ワーキンググループの資料の19ページにもあるんですが、「2階シート(仮称)」というところがあったかと思います。これは通級指導とか特別支援学級ですね。特異な才能のある児童生徒のワーキングで言うと15ページですかね。「2階シート(仮称)」があると思うんですが、通級指導とか特別支援学級の子供たちの個別の指導計画とか教育支援計画との接続をスムーズにして、なるべく重複を避けられたりとかスリム化できるといいのではないかなというふうに思いました。教員の混乱ですとか、負担も軽減できるのかなというふうに思っています。特に障害のある不登校の子供ですとか、トワイス・エクセプショナルのお子さんとか、そういったお子さんは重層的な指導・支援の通級指導や特別支援学級の中にも入ってくる可能性のあるお子さんかなというふうに思いますので、特別支援教育と不登校の生徒支援や特定分野の得意な才能ある児童生徒の支援の縦割りにならないように、切れ目のない支援ができるように、関係性の整理というのは必要ではないかなというふうに思った次第です。はい、以上2点になります。
【清原主査】 はい、丹治委員ありがとうございます。デジタル学習基盤が基礎的環境整備となるために重要な視点であることなど、他のワーキンググループとの接続について御提案いただきました。
それでは緒方委員お願いいたします。
【緒方委員】 今回の取りまとめ案については、検討の基盤として示された3つの方向性を踏まえた内容になっていて、これまでの議論を丁寧にまとめられているなという印象を受けました。
まず、主体的・対話的で深い学びの実装については、これは27ページあたりでしょうか、単元構想レベルまで具体化していて、らせん的に深める単元づくりを示していることは、知的障害のある児童生徒の学びの特性に適合したものであるとも考えられるし、通級においてもこういうようなモデルが当てはまるのではないかと考えたところです。あと34ページについては、自立活動と教科指導の関連も分かりやすく示されていると思いました。
次に、多様性の包摂については、12ページで、通常の学級を起点として重層的な支援構造や、14ページの「合理的配慮」と「基礎的環境整備」等を一体的に位置付ける考え方が明確に示してあるので、個別対応と学級全体の学びの質の向上を両立させる方向性が示されていると思いました。そのため、障害の状態が多様な子供への支援に繋がると感じたところです。
さらに、校長としては実現可能性の確保という観点がすごく重要と思っています。校内委員会による組織的対応であるとか、個別の指導計画の、先ほど菊地委員もおっしゃいましたが、記載内容の精選というよりも重点化の方が合っていると思います。また、過重負担の考慮を踏まえた合理的配慮の規定など、現場の持続可能性に配慮した内容となっていることから、この取りまとめ案については理念にとどまらず、教育課程や授業改善、校内運営を横断した実践的な枠組みが提示されていると感じています。
また、これも菊地委員と同じ意見なんですけど、スライド11にある生徒の意思決定に資する教育という表現は、教育と福祉の連携を促進する上でも極めて重要で、今後教育・福祉だけでなく、労働・医療との連携を充実させる上でも、このような共通言語と共通な表現を学習指導要領に取り入れていくことは、教員の意識の広がりも期待できると思います。
最後です。ちょっとこれは課題なんですけども、特に29ページ、30ページなんですが、本資料の内容が現場で十分に機能するためには、特に高次の資質・能力を踏まえた単元計画づくり、これについては教師の専門性に依存する側面がやはり大きいと思っています。そういった意味では、高度な見立てを必要とするところもありますので、これは解説等において丁寧な説明が必要だというふうに思いました。
以上です。
【清原主査】 はい、緒方委員ありがとうございます。私たちが学習指導要領を検討する際の3つの柱に沿って、それぞれコメントいただきました。その中で、菊地委員の御提案と共通して、「精選」という用語よりは「重点化」がいいのではないかという、重ねての御提案もいただきました。また、先ほどの丹治委員との関係では、実現可能性の中において共通の御提案もいただいたように思いますし、やはり解説と連携していくことの重要性についても御指摘いただきました。それでは、是永委員御発言お願いします。
【是永委員】 はい、よろしくお願いします。特別支援教育は子供の学ぶ権利の保障であるので、「負担」という表現を極力減らしたいと考えます。学校現場の負担感は、学校や教師への支援を十分に実施するための人員や資源の不足の結果と捉える方がよいと思うからです。そして、特別支援教育を受けることが、学校や教師から負担と思われていると、本人・保護者に誤解されることを回避したいためです。また、過重な負担は合理的配慮を提供しない根拠にもなる場合もあるため、「負担」という表現によって支援を実施しなくてもいいと、学校や教師に考えてほしくないためでもあります。
以下、「負担」の表現の工夫の提案です。3ページ左。要望・期待に対して学校や教師の負担が増大している状況。要望・期待が増加していることは負担ではなく事実として表現するならば、「要望・期待のため学校や教師の対応が増加している」という表現ではいかがでしょうか。
3ページ右。個別の指導計画のうち作成に係る負担感の軽減。これは、個別の支援計画作成に慣れていない、作成の際の支援者がいないための不安として表現するならば、「不安感の軽減」がよいのではないでしょうか。
4ページ左。合理的配慮の提供への負担感、不安感に繋がっている。不安感のみでも文意は通じますが、不可避的に生じてしまう障壁を意図した表現として必要であれば、「合理的配慮の提供への困難さ、かつ不安感」はいかがでしょうか。
6ページ左。指導・支援への負担感や不安感。これも支援に慣れていないための不安として表現して、「支援への不安感」はいかがでしょうか。
6ページ左。負担感の声も上がっている。これも指導方法に対しては「困難さを感じている」はいかがでしょうか。
9ページ右。作成の煩雑さや負担感の解消を図る。やはりこれも支援者がいないための不安として、「作成の煩雑さや不安感の解消を図る」はいかがでしょうか。
19ページ、補足イメージ6の下。学級経営の視点と組織的なアプローチ、負担感の解消。学級経営の視点と組織的なアプローチの指摘が重要であるので、負担感の解消の表現はここでは必要ないと考えます。
22ページ、補足イメージ2、2か所。読字にかかる負担。これは子供自身が負担を感じるという表現は構わないと考えます。
ほかに6ページに戻っていただいて、左。機械的に特別支援学級を学びの場とする決定とありますが、制度として運用されていることが前提なので、「機械的」は削除してもいいのではないかと考えます。
最後、27ページ、補足イメージ11。行きつ戻りつという表現が、戻るという表現が退行を想起させるので、その表現を削除してもよいと考えます。行きつ戻りつの表現がなくても文章は繋がりますし、定着しにくいらせん状という表現でイメージ図は理解できると考えます。
【清原主査】 はい、ありがとうございます。「負担感」という表現が、より子供の視点からいくと望ましくないのではないかという観点から、表現の転換を御提案いただくとともに、最後に図にありますらせん状の取組について、行きつ戻りつではない、戻りつがない方がいいんじゃないかということも御提案いただきました。
これらの点については、必ずしもすべて反映することはできないかもしれません。と申しますのは、他のワーキンググループとの関係で、学校における働き方改革の観点から、やむなく負担という言葉を使わざるを得ないような場合もあるかもしれません。けれども、今の御提案について、私も、なるほどと思った点もありますので、反映できるものはきちんと反映できればなと思った次第です。
では、大関委員お願いします。
【大関委員】 大関です。小学校や中学校の特別支援学級や通級指導教室の部分を中心にいくつか述べさせていただきます。
まず全体的に、これまで会議以外に個別でお伝えしてきたことも含めて、とても丁寧に汲み取ってくださり、骨子案をまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
資料でいきますと、まず幼稚園・小学校・中学校・高等学校における改善の方向性という2番の部分のところからになりますが、4ページのところでは、まず合理的配慮の提供を促すための方策のところについて意見を反映し、丁寧に表現していただいたことで、学校全体で組織的に取り組むことをしっかりと伝えていただくことが、さらなる充実に繋がるのではないかということで、非常にありがたく思っております。
補足イメージでも出てきましたように、どうしてもこれまでの議論の中でもありましたように、合理的配慮の内容と環境整備の部分、あるいは障害種に応じた配慮のところなどが、どうも分かりづらい。我々は分かっていても、学校全体、いろいろな通常の学級も含めた中でいくと、まだまだ誤解が多かったというところを、今回は非常に伝えやすくなっていく補足資料も出てきておりますので、期待できるところです。
次に(3)の通級の部分、5ページです。特例的な取扱いについて、これまで何度も話が出てきましたとおり、自立活動をしっかりと実施した上での特例的な対応であるというところについてです。議論の内容が断片的に現場に伝わっている中で、教科の扱いというところで誤解を生み始めていたところも、一部学校においてはあるようです。そうではないんだという部分がしっかりとここに示されたことが、とてもいいと思います。特に中学校などの教科の部分がしっかりと免許が必要であるということ、あるいは自立活動をしっかりやった上で、それでも特例的に行う部分というところが学校現場にとって過重とならないよう歯止めできたことで、誤解のないように進むと思います。
6ページに進みますと、特別支援学級の資質の確保に向けた方策において、通常の学級との連続性を踏まえていくという今回の狙いがしっかりと伝わります。通常の学級と通級による指導、特別支援学級や特別支援学校も含めた連続性は大切にしようというのが、委員共通の思いだったと思います。また、そもそもの多様性の包摂という部分も出てきたときに、ピラミッド型の重層的な取組のところにも表してきたところを通常の学級の先生方にもしっかりと共通理解をしていただくために、補足イメージの8のところに今回新たに出していただいている図が非常に分かりやすく、今後の共通理解に期待ができるところです。また、各委員より様々な文言の言い回しあるいは修正について具体的な提案がありました。ぜひ御検討いただく際に、学校種を超えて共通理解されるという部分を念頭に、より充実した適切な修正となるよう期待するところです。
【清原主査】 はい、大関委員ありがとうございます。通級指導、特別支援学級の視点からいくつか重要な箇所を御指摘いただきました。学校全体で組織的に取組んでいくことや、連続性、あるいは重層的な指導・支援ということの必要性、さらには、それらの趣旨は学校種を超えて通じるように、また通常の学級の教員にも通じるようにというような視点の御提起をいただきました。
それでは、川合委員、お願いいたします。
【川合委員】 はい、よろしくお願いします。この度も取りまとめ案を御提示いただきありがとうございました。これまでの議論を丁寧にまとめていただき感謝申し上げます。
今回御提示いただいた案についてですけども、インクルーシブ教育システムの理念のもとで、通常の学級から特別支援学校までということで、連続性のある学びというところをきちんと整理いただき、障害のあるお子さん一人一人の教育的ニーズに応じた重層的な指導・支援を実現しようとする形で、全体として非常によくまとまっていると思いました。また、合理的配慮の位置付けを明確にしたり、自立活動の充実、知的障害教育における教育課程の改善、情報活用能力の体系化など、多くの点で障害のあるお子さんにとって前進が見られるまとめになっていると思いました。その上で、いくつか私の方から、文書に関わるところについて御意見を申し上げたいと思います。
まず1点目は、自立活動についてです。これは特別支援教育全体に関わる話かなとも思うんですけども、今回の案では、自立活動に関して子供主体の観点であるとか、自己選択、自己決定、それから環境因子への着目、「社会モデル」の考え方、こうしたものが盛り込まれていて、この方向性は非常に重要だというふうに思っております。一方で9ページや34ページの図の中に、やはり障害による困難を「改善または克服する」という従来からの表現が残っているということがございます。これ自体を完全に否定するというわけではないんですけども、今回の改訂の理念を象徴する部分の1つが、やはり「社会モデル」というところにあると考えますと、この「改善・克服」という表現は、どうしても個人モデルというイメージを強くするのではないかと懸念するところです。ですからICF等の考え方からすると、自立活動はもちろん障害そのものを改善するためのものという側面もあるのですが、障害によって生じる学習上または生活上の困難に対して、自己理解であるとか、自己決定、あるいは支援や援助の要請、意思表明、必要な支援の活用、環境との相互作用、こういった部分を調整する力を育てる教育活動でもあるのではないかと思います。ですから例えば「困難への対応」であるとか「支援の活用」、「環境との相互作用の調整」、こういった観点がより適切に伝わる表現の見直しというものを検討する必要があるのではないかと考えました。
次に、3ページに示されている最初のポツのところですかね。まずは通常の学級において障害のある子供たちをはじめ云々というところですね。これはMTSSのピラミッドの図にももちろん関連することですし、当然、スタートポイントは通常の学級というところはあるのかなと思います。一方で、通常の学級でこれだけのことしますよ、という形でいきなり始まると、それこそ先ほどの負担の話ではないですけども、「これだけのこと私たちするんですね」ということで、先生方にある種のプレッシャーを与えかねない部分も心配するところです。ですから学校というのはそもそもチームとして成り立っていて、一人の先生にすべてを押し付けるのではない、ということをまずは記載した上で、通常の学級においては云々という、そういった書き方もあるのかではないかと思いますし、場合によってはその順番を調整することでこのあたりの表現を改善できるのではないかと思いました。
あとは、例えば少しページと話題が飛びますけども、交流及び共同学習については、例えば35ページもそうかもしれませんが、「学びの場の変更を検討する」という結論から先に読まれることのないように、まずは必要な合理的配慮や支援、環境調整というものが十分に行われてきたかを検証し、それを明確に位置付けていくんだということを強調した上で、必要に応じて学びの場の変更を検討するというような書き方がいいのかなと思います。先に学びの場の変更を検討することありき、と受け止められるとどうかなというところを感じました。
それから、また少し前の位置に戻ってしまいますけども、4ページの合理的配慮のところですかね。今回、合理的配慮を総則レベルで位置付けるというのは非常に大きな前進だなというふうに思います。一方で、建設的対話、合意形成、過重な負担といった要素が比較的前面に出ている印象がありまして、先ほどの是永先生のお話とも重なるかもしれませんけども、合理的配慮というのはまず障害のあるお子さんの学習権を保障するという観点があって、その上で、建設的な対話を通じて具体化されていくという順序を明確にすることが重要ではないかと思います。
さらに、保護者さんであるとか本人からの意思表明というところについても、特にお今さんの場合には、ご自身で意思表明することが難しい場合もありますので、そういった場合に、学校がどのようにニーズを把握して必要な支援に繋げていくのかというところについても、もう少し丁寧な説明があったらよいと思いました。
また、合理的配慮の検討・見直しについても、担任の先生個人にお任せするというよりも、先ほども申しましたように校内委員会であるとか管理職を含め、「チーム学校」として組織的に検討する体制を位置付けているんだということを、明確に表す必要があるかなというところです。
また、5ページの通級による指導のところですね。通級による指導を通常の学級における学びを支える仕組みとして拡充しようとする方向性にはもちろん賛成なんですけども、各教科の指導、各教科等の目標、内容の一部変更を可能とする場合は、特別支援学級との違いであるとか、学習評価、進級、卒業、高校段階への進学、高校段階における単位認定、こういったところを少し明確にする必要があるのかなというふうに感じました。
あとは、「先生方の持ち時間数の増に繋がらないように」であるとか、「一定期間に限る」といった記述ですね。こちらもやはり教育的な必要性というよりも運用上の制約が前面に来ているかなというところですね。先ほど主査がおっしゃったように、これらは働き方改革の観点からということで、これ取るというよりも、もう少し順番を工夫して、まずは子供のためにどういう支援が必要なのかというところがあって、ただし先生方の過度な負担にならないようにする、という形がよいのではないかと思います。順番として、運用上の制約が前面に出るよりも、いわゆるお子さんに対する支援の在り方どうするのかということをまずは議論した方がいいのかなという感じがいたしました。
また、7ページの高等学校段階における制度設計というところですけども、特例制度の創設についてというところで、ここは文言を変えていただいたということは大変意義があるなというふうに思いました。あとは学校現場としておそらく単位認定の在り方であるとか卒業認定の在り方、大学への進学であるとか就労への移行、福祉との接続、こういったところについてはかなり関心が高いのかなというふうに思いますので、卒業後の進路保障であるとか社会への移行、こういったところとの関係性についても整理する必要があるかなというふうに思いました。
最後に全般的なところですけども、地域差、学校差への対応というところですね。今回、校内委員会、センター的機能、デジタル学習基盤、教員研修など、たくさんの方策が出ているんですけども、好事例の周知や努力義務だけでは地域間の格差の解消には限界があるのではないかというふうに思います。今後は最低限保障すべき支援体制、判断プロセスの共通化、合理的配慮の標準的な手続き、専門人材の配置の在り方、こういったところについても引き続き検討が必要ではないかと考えました。
私の方からは以上です。
【清原主査】 川合委員ありがとうございます。全体として今回の取りまとめについては大変重要な方向性が示されているけれども、それをさらに誤解なく現場に伝えるために表現の順番のことでありますとか、あるいは「チーム学校」というか組織的な対応の重要性ですとか、あるいは通級とそれから特別支援学校との関係、あるいは通常の学級との関係などについても誤解がないようにという視点からのいくつかの提案をいただきました。また、地域差や学校差がないようにしなければいけない条件整備について、あるいは卒業後の在り方との連携についても問題提起をいただきました。これらは記載に含まれておりますけれども、本当に正しく私たちの真意が伝わるようにという建設的な御意見をいただきました。
それでは有吉委員お願いいたします。
【有吉委員】 有吉です。本ワーキンググループには保護者という立場で参画させていただきましたが、教育を支える立場の方々がこのようなまでに熱心に子供たちのことを考えてくださっているということを改めて知る機会となりました。この熱さを多くの保護者に知ってもらいたいと思います。これまで貴重な機会を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。また、事務局の皆様におかれましては、御準備や取りまとめなど毎回本当に大変だったと思います。今回の資料もまた一層分かりやすくまとめてくださり、ありがとうございました。
私からは感想を交えて、繰り返しにもなりますが、交流及び共同学習、自立活動、特別支援学校高等部の充実について少々申し上げます。
まずは2ページの「セーフティネット」についての表現の修正は、意図することが伝わりやすくなったと思っています。
7ページ、「交流及び共同学習は、学校行事や学級活動をはじめとする特別活動においても一層重視することが必要である」ということは強く願うことであります。小中高等学校にとってこそ大事な活動であり、児童生徒に「差別」という意識を生じさせないことが肝要です。不登校やいじめの問題にも関わってくることであり、12ページの三角形の一番下に繋がることだと思います。
9ページの自立活動については、今までも意見を申し上げてきましたが、やはり正確に理解されている先生が少ないのではと感じております。先生方に対する丁寧な説明も御検討ください。
11ページにて修正していただいた箇所の、「生徒の意思決定に資する教育活動を展開することが期待される。※こういった学びは小学校段階から積み上げられることが期待される」という文言は非常に大事であり、先生方によく理解していただきたいと思います。私たちの子供は意思があってもそれを伝えられずにいます。日々我慢や遠慮を繰り返している子供たちにも、障害の向こう側には人格、人間性があります。気持ちを少しでも理解していただくことで、子供の意思形成、意思決定の力は培われると確信しています。子供たちの意思を汲み取ろうという思いを持って指導に当たっていただけるか否かで、学校卒業後の長い人生は大きく変わってきます。
これまで積み上げてきた取りまとめが、これからを生きる子供たちのために着実に実施されるよう、関係する皆様にはお願いいたします。
最後に、我が子が通う学校の現状について少しお話しいたします。東京都世田谷区にある東京都立光明学園の高等部3年に次男が在籍しています。4月初めの時点で肢体不自由教育部門の児童生徒数は205人、うち通学籍が185人、訪問籍が20人です。通学籍185人のうち、医療的ケアが必要な児童生徒は80人、そして17台もの人工呼吸器が稼働しています。障害種別は肢体不自由ですが、単一障害の児童生徒は1桁ほど、重度の重複障害がある児童生徒が大多数です。悲しいお知らせも多く、子供たちは毎日を懸命に生きています。1日でも早くにより良い環境が整いますよう、心よりお願い申し上げます。以上です。
【清原主査】 有吉委員ありがとうございます。本当に命の視点から、保護者の視点からいつも御意見を言っていただいて、本当に胸が熱くなって受け止めておりました。何よりも今日の委員の皆様すべてが「子供中心に」ということで発言をしていただいています。そのことを保護者の視点から有吉委員も受け止めて、いろいろ御提案していただいたことがかなり反映はされていると思いますが、何よりもやはり今日も言っていただいた「自立」ということ、そして「意思決定支援」の重要性。これはこれまで今日御発言されたすべての委員の方がそこを根拠に発言をされていると思いますので、私たちの取りまとめにそれが1本核として入って、皆様に受け止められればよいと思っております。
それでは、亀田委員お願いします。
【亀田委員】 能美市立寺井中学校の亀田です。まずはこれまでの議論を踏まえ、事務局の大変丁寧な取りまとめ案の御提示に深く感謝を申し上げます。この案に対し強く賛同いたします。私、情報・技術ワーキングにも所属している立場から、今回2点に絞って意見を申し上げたいと存じます。
1点目については、デジタル学習基盤の「基礎的環境整備」への位置付けについてです。今回の改訂において「社会モデル」の考え方も取り入れられ、デジタル学習基盤の活用が合理的配慮の基盤となる「基礎的環境整備」として位置付けられたことは極めて重要であり、大きな意義があると考えます。これまでも意見を申し上げてまいりましたが、これは単に社会的障壁を取り除くためのツールということだけではなく、先ほども主査、そして有吉委員からもありましたように、子供を中心に考えますと、まず子供たちが自ら学びを深める主体的な学びにも寄与する必要不可欠なものだというふうに考えております。ただ、先ほど冒頭の方に丹治委員もおっしゃっていましたように、単にデジタルを導入すればいいというものではないということは承知しておりますので、引き続き教員の研修の充実を図りながら、デジタル学習基盤の効果的な活用について現場での好事例の創出に努めてまいりたいと思います。そしてそれとともにですが、その好事例が普及されますように、横展開されますよう期待しているところであります。
そして今回事務局にお示しいただいた補足資料についてですが、この重層的な指導・支援のイメージが、先ほど菊地委員もおっしゃっていたように、特に21ページから23ページですね。21ページ、これは事務局の方でブラッシュアップされたということでありましたが、大変分かりやすくなったというふうに感じております。さらに22、23ページの具体的な事例も現場の教員にとって大変イメージしやすく、現場の理解と実践を支えていくものというふうに考えております。
2点目についてです。25ページに示されました情報・技術ワーキングでも議論されてきました情報活用能力の育成についてです。これも事務局の御説明にもありましたように、知的障害のあるお子さんに合わせてブラッシュアップされたとのことでしたが、この特に緑の部分、中学部の緑の部分ですが、情報技術の特性やリスクの理解が明確に組み込まれていること、大変重要であると考えており、強く賛同いたします。知的障害を持つお子さん、児童生徒においては、知らない間に加害となってしまうようなリスクとか、あるいは知識の隙を突かれて加害者にさせられてしまうような被害者になるような、そんなリスクも危惧されるのではないかというふうに思います。子供たちが被害からも加害からも身を守り、社会で自立して生きていくための情報活用能力の育成は不可欠であると考えます。今回これがしっかりと示されたことは大変重要で、意義あることと考えております。
これら事務局の大変丁寧な整理と具体的なイメージにより、現場での実効性が高まっていくこと、これを期待しているところであります。今回この取りまとめ案を強く支持したいと存じます。
【清原主査】 亀田委員、ありがとうございます。情報・技術ワーキンググループの取組をされていることも踏まえて、何よりもデジタル学習の基盤がまさに基礎的な環境整備になっていることの意義。しかし丹治委員も御指摘されましたけれども、それを整備しただけではそれが役立つ保障ではないわけですので、主体的な情報活用能力を培うためにも、適切な好事例の創出と、それを横展開していく、その重要性を再度強く言っていただきました。
また、情報活用能力の育成については、加害者にも被害者にもならないようにという大変重要な御指摘をいただきまして、やはり情報活用能力は基本的人権を自らが獲得して実行していくためにも、今後なくてはならない能力となってまいりますので、御指摘いただいたことを強く共有したいと思います。
それでは海老沢委員お願いいたします。
【海老沢委員】 とても分かりやすくまとめていただきありがとうございます。私の方からはいくつか気づいた点を申し上げます。
まず11ページですね。いろいろな委員の方がおっしゃっていましたが、高等部の充実というところで、生徒の意思決定に資する教育活動の展開というのは本当に大事だなと思いますし、意思決定支援の考え方ですね、これが本当に大事な考え方だなと思います。どうしても「自立」のイメージが訓練的だったり、スキルを獲得するイメージになっているということがまだ多いような感じがしています。この※のところですね、小学校段階から積み上げるというのがすごく大事だなと思いますので、高等部だけではなくて、ぜひ小学部・小学校段階からの取組とすることを明記していただけるといいかなと思います。よく高等部の生徒さんで自己選択とか自己決定がなかなか難しいということがあるんですけど、やはりそうした機会が少なかったということがあるんじゃないかなと思うんですね。そういう意味では、やはりこの積み上げというのがとても大事だなと感じました。
それから25ページの情報活用能力のところですね。知的障害特別支援学校についても前回よりも詳しくまとめていただきありがとうございます。小学部の「情報技術の活用」のところですけれども、この矢印が、知的障害特別支援学校は下向きになっているというのはとてもポイントだなと思います。体験を通して「情報技術の適切な取り扱い」や「情報技術の特性の理解」に繋がるというのは本当に矢印が逆になっているところがとても分かりやすくポイントとして示されているなと思います。
「情報技術の活用」については、漠然として難しいかもしれないなと感じました。生活科を中心にということなので、例えば幼児教育ワーキンググループの中で、第5回、2月24日に「幼児教育におけるICTの活用の在り方について」という資料が提案されているんですけれども、その中の内容なども参考になるんじゃないかなと思います。例えば、幼児の遊びや生活を豊かにするようなICT活用ということで提案がされていますので、生活科の中で身の回りの生活を豊かにするための活用というイメージですかね、その辺りが少し紹介されていると、生活科で使うということがもう少し分かりやすくなるかなと思います。
それから27ページの、知的障害のある子供の学びの特性や発達の段階などを踏まえた単元づくりということで、らせん状に学びが深まっていくというイメージはとてもよく分かりやすく示されていると思います。このパズルが組み合わさっていくというところのイメージなんですけれども、最終的に4つのパズルが四角く組み合わさるというようなイメージになっていますが、ややもすると、スキルをまず基礎的に獲得させていくことが大事だよねというイメージにならないかなというのがちょっと心配なところで、1つ1つのパズルのように知識・技能の習得というのをやっていくことがまず大事だということにならないように、そのパズルを組み合わせることがさらにまた広がっていって深い学びに繋がるというようなイメージが示されるとよりいいかなと思いました。
それから菊地委員もおっしゃっていた具体例ですね。じゃあ例えば、一番下に書いてある知的障害の各教科等の中で、例えばらせん状に広がるというのはこういうことだというようなイメージがあると、先生方はなるほどと腹落ちしやすい内容になるかなと思いました。
それから30ページも、単元計画づくりの参考イメージということで、先生が話しながら進めていくというところがとても分かりやすく示されていますね。ここも教師もらせん状に深めていくみたいなイメージになると、さらにいいかなと思いますし、先生同士が対話をしているような、やり取りする中で深めていくみたいなイメージがあると、より単元計画の作り方というものがイメージしやすいかなと思いました。
あとは33ページの単元構想のイメージというのもとても分かりやすくまとまっているなと思います。教科の見方・考え方がとにかく大事だというところもお示しいただいたのがとてもいいなと思います。これも具体例ですかね、これから今後は具体例がいろいろ掲載されていくと思うんですけれども、例えばこの教科では~という具体例があると、現場ではより生かしやすい形になるかなと思いましたので、その辺りは今後また検討を進めていっていただければと思います。
【清原主査】 海老沢委員、ありがとうございます。
特に高等部の充実のところの意思決定支援のところは、菊地委員も御指摘されましたが、小学部からの積み上げの重要性を新たにまた補強していただきました。25ページの図や27ページの図の充実、また30ページ、そして33ページのそれぞれの補足イメージの充実の方向に向けて御提案をいただきました。
それでは一木委員、お願いいたします。
【一木委員】 失礼いたします。これまでの様々な意見を踏まえてまとめるのは大変な作業だったかと存じます。丁寧にまとめていただきありがとうございます。これまで申し上げました懸念あるいは意見について、重ねて発言することは控えたいというふうに思います。今回は3点申し上げます。
そのうちの2点は自立活動についてです。右下、ページナンバー17ページ、それから18ページにわたってお示しいただいています自立活動のところの書き方なんですけれども、今回右下ページナンバーだと9ページ辺りになると思いますが、自立活動に係る課題について、また改善点についてお示しいただいているメッセージとの関係で捉えると、例えば一番左側の言語障害で、ここの心理的な安定、コミュニケーションの項目を関連させてこういう指導を行うというふうな書き方をいただいておりますが、例えば言語の形成と活用を図るために、こういった区分、項目を関連付けた指導を行うというような並びになさると、先ほど申し上げました右下9ページの自立活動の改善に係るメッセージと整合性がより取れるのではと、そんなふうに拝見いたしました。これが1点目です。
それからもう1点は、右下22ページ、23ページになります。補足イメージの丸8になります。特別支援学級の場合、それから通級の場合ということでお示しいただいておりますが、いずれも特別の教育課程を編成する場であることが、その前のページにもお示しいただいているところです。そうしますと、この図の中に自立活動がどこに位置付くのかをお示しいただけると、特別支援学級や通級において自立活動の指導の充実をしっかり図ってくださいということが、右下ページナンバーの5ページ、6ページに示されていますので、先生方もこういった諸々のこととの関連で自立活動はここに位置付くんだなということを理解を深めていただけるのではないかと思いますし、先ほどお示しいただいた右下17ページ、18ページにお示しいただいている情報との関係も捉えやすくなるのではないかと思いました。
最後1点は右下ページナンバー27ページになります。細かなことですけれども、図の下に記載いただいている知的障害の各教科等の中学部についてなんですけれども、外国語科が入るかな、その辺りどうかなと思ったところです。
【清原主査】 一木委員、ありがとうございます。
全体として反映を評価していただくとともに、補足イメージのところで17ページ、22ページにおける「自立活動」の明確な位置付けについての御提案と、27ページの中学部の教科名についての御指摘をいただきました。御提案ありがとうございます。
それでは野口委員お願いします。
【野口委員】 野口です。改めて、次期学習指導要領において多様性の包摂が柱の1つとなった中、その上で特別支援教育はどうあるべきかというのが本取りまとめになってくるのかなと思います。それを踏まえて本取りまとめにおいて、「社会モデル」の視点が含まれたこと、重層的な支援・指導の構造が示されたこと、そして障害のある子供を保護の客体として見るのではなく意思決定の主体であるといった視点が含まれたことは、障害者権利条約を踏まえたときにも非常に大きいのではないかなと思います。改めて取りまとめをいただいたことに感謝申し上げます。
重層的な指導・支援の構造について、4ページ、補足イメージだと21から23で非常に分かりやすくお示ししていただきありがとうございました。先ほど菊地委員からもあったと思いますが、この「基礎的環境整備」の中には、生徒指導における発達支援的生徒指導、特別活動における共生社会の担い手を育むための活動、高次の資質・能力に基づく単元ベースの計画、調整授業時数、など、特別支援教育の文脈以外の施策も含まれます。これは教育課程企画特別部会でも意見をしようと思いますが、こういった接続点をより分かりやすく提示するように今後提案していきたいと改めて思います。
また先ほど丹治委員からも御意見ありましたが、「2階シート(仮称)」の話が本取りまとめでは触れられていません。外国人児童生徒の教育の充実に関する有識者会議と、特異な才能のある子供のワーキンググループに参加していますが、それぞれにおいて、複合的なニーズというところに触れています。障害があって外国にルーツがあったりとか、あるいは不登校状態で障害があったりとか、そういった子供たちもいるので、そういったことを踏まえていくことについて、やはりどこかに記載した方がいいのではないのかなということを改めて思いました。
あと2点です。先ほど是永委員がおっしゃっていた負担という言葉について、本当におっしゃるとおりだなと思いました。子供の当たり前の権利が保障されることそのものが教師にとっての負担となっているのであれば、それは資源が不足しているということだと思うので、バランスが難しいと思うんですが、負担だから提供しないというふうにならないような表現を改めて検討していただきたいなと思いました。
最後です。川合委員からも指摘がありましたが、やはり私は、特別支援教育の定義や自立活動の目的として記載されている障害による困難さの改善・克服という言葉が、本当にこのままでいいのかというところがずっと引っかかっています。あまりにも個人モデルに偏った表現ではないのかなと思います。ちなみに特異な才能のある子供のワーキンググループの最終取りまとめ案においては、「環境との関係性の中で困難さが生じている」や「困難さの軽減や解消」という言葉が使われています。困難さの改善も克服も両方とも個人モデル的に捉えられるので、いずれかでもよいので、変えることを御検討いただけないのかなというふうに思いました。
私からは以上です。
【清原主査】 野口委員、ありがとうございます。 本ワーキンググループで「社会モデル」であるとか、「重層的支援」であるとか、あるいは意思決定の重要性が明記されたことを評価するとともに、そうであるならばということで、いくつかの御提案をいただきました。 この点については複数の委員の方から共通した御提案の部分もあり、私たちの全体の主張したい点が誤解を受けないように、また、もう1つ重要な御指摘をいただいた、他のワーキンググループの表現というのをきちんと共通にしていく必要がある部分もあるかと思います。いわゆるギフテッドの子供たちについても、私たちしっかりと連携をしながら特別支援教育として自立支援をしていくということになっておりますので、今複数の委員から御指摘いただいた点については、私たちのワーキンググループのこれまでの審議の過程を取りまとめるに当たって、誤解がないような表現を検討していきたいと思いました。
それでは谷口委員お願いします。
【谷口委員】 まずは、毎回多様な熱い議論が展開してまいりましたけれども、いろいろな意見を汲み取り、このような形でおまとめいただきましたことに厚く御礼を申し上げたく思います。私といたしましては、今回の御提案には強く賛同しているということをまずお伝えいたしたく思っております。その上で2点だけ少し御提案を申し上げます。
1つ目は12ページにございます、補足イメージの丸1でございます。この中で校内委員会を中心とした組織的な対応、左上のところですが、これが重要であるということには強く賛同しておりますけれども、やはり通常の小中学校の組織としての特別支援教育に関する専門性の不足というものが否定できず、それが現場の困り感ですとか、先ほどより話題になっております負担感に繋がっているように感じております。ですから、自分たちの学校だけでなんとかしようとするのではなくて、センター的機能ですとか、あるいは他の研修の資料等を活用しながら組織的な対応を運営していきましょうというようなところを、この図の左上のところがにセンター的機能や、あるいは研修資料等の活用というようなことを付記していただけると、学校だけでなんとかしなくてはというような閉塞感が緩和されるのではないかと期待しているところでございます。それが御提案の1点目でございます。
2点目に関しましては、10ページをはじめといたしまして、調整授業時数の制度や、あるいは高等部の単位制度の柔軟化といったことが書かれているかと思います。こちらについては、やはり具体的に何がどうなるのかということが現場の先生方には見えづらいのではないかという印象がございました。
本取りまとめは紙幅の制限が厳しいとお聞きしておりますので、もはや入りきれない、もう今もなんかパンパンという感じがございますので、難しいように存じますが、解説等何らかの形での説明がやはり欠かせないと思っています。その説明があまり別のところにありすぎると、やはり先生方のアクセスがしづらいということが起きるようにも感じております。将来的なお話にはなるかとは思いますが、ウェブ上にこの指導要領が貼り付けられたときに、例えば調整授業時数制といったところにリンクがあって、クリックすると説明のスライド等に繋がるといったような提示方法の工夫をしていただくことが、もしかすると先生方の御理解を助けることに繋がるように思っております。好事例や、あるいは追加の御説明というものが現場の先生方の御理解と、そして指導要領の記載内容の実践への落とし込みというところに繋がると思っております。そうしたことが最終的には子供たちの育ちに貢献するということを考えております。以上2点について御検討いただけましたら幸いです。
また、これまでたくさんの学びをさせていただきましたことに、委員の先生方、また事務局の先生方に対しまして厚く御礼も申し上げたく思います。以上でございます。
【清原主査】 谷口委員、ありがとうございます。 全体としてこの取りまとめの方向性に賛同いただいた上で2点の御提案をいただきました。特別支援教育ワーキンググループとして、やはり強く校内委員会の取組への位置付けというのは強調したいところですので、そのことについての御提案、そして高等部の取組についての御提案を聞かせていただきました。その取り扱いについてはまた改めて検討していきたいと思います。それでは、続きまして青山委員お願いいたします。
【青山委員】 よろしくお願いいたします。事務局の丁寧なまとめを拝見して大変に感激して、総論としても賛成です。その上で、大きく言うと3点お話し申し上げたいというふうに思います。
まず1点目です。これまでにも委員の方からいくつか出ているんですけども、例えば6ページのところに調整授業時数制度の適用等ということで記述が加わりました。なるほどなと思いました。私、実際に調整授業時数を実現しようとしている研究校に関わりを少し持っております。その関わりの中で、確かに小学校の教育課程全体に対しての見直しを図ろうとしているんですが、特別支援教育における特別の教育課程がその議論の中から少し別のものになっている感は確かにあると思うんです。
ですので、ここに関しては非常に重要なことで、見直しの方向性を踏まえた充実をという表現がありますけれども、これを解説等で少し丁寧に記述して、よりその趣旨が特別支援教育においてももちろん重なるものであると伝わることが重要だと改めて今日気づきました。
ちなみに先ほど谷口委員がおっしゃったことは多分10ページの特別支援学校における同様の調整授業時数の制度の適用の話だったと思います。似ているようなんですけども、ちょっと若干違うというか、小学校の場合はどうしても特別の教育課程の編成というのが通常の教育課程の編成と別に捉えられやすいというか、なんか違うものであるとなりやすいような気もいたします。あえて6ページのところでということで、最初菊地委員もおっしゃったと思うんですけども、そこを1点、丁寧な解説等での説明が必要だというふうに思ったというのが1点です。
それから2つ目です、7ページです。7ページのところで一番右側の一番後段ですけれども、特別活動ワーキングで議論されているとおりということで、特別活動ワーキングとの議論との接続についての記述が今回なされました。重要なことだなと思いました。やはりほかのワーキングと連携しながら議論を進めているんだということが明示されるということの大切さを改めて感じたところです。こういった地道な表現を丁寧に丁寧に紡いでいくことが必要なんだなというふうに思った次第です。
3点目です。21ページから22、23のところですが、21ページのところです。もう多くの委員から御指摘が今日もありました。私、前回のこの会の中でも今まで議論していたことが1つのイメージとして見えることと、その議論してきたことが接続しているということが伝わっていくことが重要だと申しました。前回もすでにポンチ絵がございましたけれども、今回またブラッシュアップする形で丁寧に作ってくださっているということに対して大変感謝申し上げます。
そして22ページに行きますと、さらにおそらく小学校、中学校、高等学校の先生方からすると非常に具体的にどういう視点が同時に絡んでくるのかということが見やすい図になっていると思います。やはり非常にこういう努力が必要なんだ、大変分かりやすいなと思ったという、感謝が伝えたくてこの点を取り上げました。
例えばなんですけれども、ちょっと1ページ戻っていただいて、この図が分かりやすいんですけども、さっき野口委員もおっしゃったように、この第一層の部分ですね、この第一層の部分は実は12ページのところにもともとこの第一層の図があると思うんです。12ページ開けていただいて、この12ページの図の中に、高等学校の場合は20ページだと思いますけども、第一層の部分がおそらく先ほど野口委員が指摘されたように、いろいろなことが融合されてこの第一層の部分が取り組まれていくと思うんです。なので、ポンチ絵の中で示すのか、それとも実は解説、それが特別支援の解説になるのか、それともひょっとすると小中学校の総則の解説になるのか、私は分かりません。ただ、その解説の中で丁寧にこの第一層の部分というのは実はいろいろなワーキングで取り組まれていること、いろいろと提案されていることと密接な関連性を持つんだということを丁寧に丁寧に伝え、それを丁寧に丁寧に実行していくということがこれから求められているんだなというふうに改めて思った次第です。
そして最後ですが、もう一度すみません、21ページに戻っていただいて。このポンチ絵の中で左側のところ、「障害種ごとの配慮事項」というのがあります。これ見ていきますと、真ん中辺りのところに、矢印の右側のところですが、「困難さの状態への対応にとどまらず、困難さの背景に目を向けた指導とすることが必要」という記述がございます。ここに関してはワーキングの中でも第3回のワーキングを中心に議論があったところだというふうに認識をしています。また今回の取りまとめの中では、実はここは3ページの中で丁寧に記述がある部分でもあると思うんです。ですので、もしやはりこの困難さの背景に目を向けた指導ということをもう少し強調するのであれば、例えばそこの部分をゴシックにして、やはり「障害種ごとの配慮事項」を考えて指導内容や指導方法を考えるときの、そのもう1つ前の大きなポイントとしてということが具体的に分かりやすくなるように示すということも考えられるのではないかというふうに思いましたので、その1点申し上げました。以上です。
【清原主査】 青山委員、ありがとうございます。
全体として取りまとめ案には賛同していただいた上で、特に調整授業時数が入ったことのメリットや、特別活動ワーキンググループとの連携を明示したことの意義などを御指摘いただくとともに、図の22、23、あるいは21につきましての御提案もいただきました。それでは澤委員ですね。御発言お願いいたします。よろしくお願いします。
【澤委員】 よろしくお願いいたします。まず全体を通じて丁寧に取りまとめていただきまして、本当にありがとうございます。大変分かりやすくまとまったかと思います。 特に21ページの補足イメージの図ですね。これは非常に分かりやすくて、「障害種ごとの配慮事項」、「合理的配慮」、「基礎的環境整備」の位置付けということが目で見て分かるということでは、大変素晴らしい絵になったなというふうに思います。あと22ページ、23ページの補足イメージ、これについても事例として大変分かりやすいというふうに思います。できればこの例がですね、もういくつか増えて充実するといいのかなというふうに思いました。私から申し上げたいこと2点ほどになります。
1つは谷口委員の御発言と重なるんですけれども、先ほどの12ページの絵ですね。ここの部分にやはり特別支援学校のセンター的機能という言葉がどこかに入るといいのかなというふうに思いました。現場の先生方の負担感の軽減とまではいかないかもしれませんけれども、ただ特別支援学校が大きな役割を果たしているというところも明記すべきかなというふうに思いました。
あと、その前のページの11ページの、これはこの後への期待ということも含めてなんですけれども、このセンター的機能の充実のところをですね、この部分の2つ目の矢羽になりますでしょうかね、「解説等で示すこと」というふうに書かれております。ぜひ解説のところで具体的なところを細かく記述されるということが望まれるかなというふうに思います。
同じように矢羽の3つ目ですね、乳幼児教育相談の充実ということもここに書かれて挙げられておりますので、この点についても解説等々でその内容について細かく解説されると大変ありがたいなというふうに思います。
あと1点ですね、その前のページの10ページの右側の最後のポツ、小規模化が進む障害種、これおそらく視覚障害、聴覚障害のことが想定されると思うんですけども、「小規模化が進む」という表現がなんかちょっと引っかかるなという感じがいたします。進みたくて進んでいるわけでもありませんので、何かこの表現については改善をしていただければなというふうに思います。
あと最後に、これは本当に今後の期待ですけれども、この特別支援教育ワーキングで議論された内容、そしてここに示された取りまとめというのが、実際の小中高等学校の学習指導要領の中で、あるいは特別支援学校の学習指導要領の中できちんと生かされて明文化されるようなことが望まれますので、ぜひその部分は力を注いで頑張っていただきたいなというふうに期待をしております。
【清原主査】 澤委員、ありがとうございます。
全体として取りまとめ案に賛同していただくとともに、図の充実について評価もしていただきました。その上で、特別支援学校のセンター的機能についてさらに強調することと、それから10ページの小規模化の表現についても懸念が表明されましたので、何らかの修正をということです。
いずれにしましても、この内容が具体的な学習指導要領に反映されることを、他の委員の皆様と同様に期待を込めておっしゃってくださいました。
それでは宮内委員、お願いいたします。
【宮内委員】 宮内です。この度は資料の取りまとめありがとうございます。他の委員からもありましたように、今回の資料では特に補足イメージが分かりやすくなったと感じています。特に追加はございませんが、せっかくなので、他の委員が御指摘されたことの繰り返しになりますけれども、私もそうだなと思ったところをお伝えできればと思います。まず12ページのキーワードのところです。12ページに澤委員と谷口委員もおっしゃっていたように、センター的機能や研修等を追加していただくと、良いと感じました。
その他、21ページの図は、今後もキーになっていくように感じます。特にここのワーキンググループ以外にいくつかの委員会が同時に議論をされているかと思います。例えばこの図を一つ、どこの委員会でも共通に参照するようなものにしていくと良いのではと感じた次第です。なので、この点は野口委員、青山委員もおっしゃっていましたけれども、ぜひキーワード等の追加をお願いできればなと思っています。
最後です。やはり「負担感」という言葉は私もとても気になっていました。やっぱり私たちワーキンググループでは、障害を有する子供たちの学びの在り方を中心にして、議論してきました。もちろん先生方が多忙でなかなか厳しい状況に置かれていることは理解しています。その意味で先ほど是永委員がおっしゃったような形で負担感という用語を置き換えていくことに賛同します。
いずれにしましても、とても丁寧にまとめていただきましたし、私自身、委員皆様一人一人の方から、たくさんの学びを得ることができました。改めてお礼申し上げます。
【清原主査】 宮内委員、ありがとうございます。
全体として取りまとめ案に賛同していただきつつ、特別支援学校のセンター的機能や研修の重要性を強調していただくとともに、21ページの図が、まさにこのワーキンググループだけではなくて、全体のこれからの学校教育の在り方のキーになる図ではないかということを御提案いただきました。また、「負担感」という用語についての取り扱いについても重ねて御意見をいただきました。どうもありがとうございます。
これで本日、御出席の委員の皆様からは全員それぞれコメントをいただきました。私としては、全体として皆様、本日資料1の取りまとめ案につきましては、おおむね御賛同をいただいたというふうに受け止めましたが、確認をさせていただければと思います。皆様、おおむねこの取りまとめ案には、もちろん御意見いただいたわけですから、それを可能な限り反映した上で賛同という方はちょっと手を挙げていただくとありがたいです。いかがでしょうか。いかがですかね。全員手が挙がりました。私は挙げていないという人はいませんね。というわけで、おおむねこの取りまとめ案については皆様から御賛同いただきました。ただ、本日もかなり皆様から具体的な御提案をいただきました。主査としては、主査代理と連携しながら、可能な限り皆様の御意見は、私たちの審議内容を正しく伝えるための建設的な御提案ですので、反映したいと思っています。ただ、先ほど申し上げましたように、ほかのワーキンググループでの用語の使い方であるとか、あるいは私たち特別支援教育ワーキンググループとして主体的に明示しなければいけない部分についての独立性を担保するためにということで、すべてのご意見が反映できないかもしれません。でも、その場合には、皆様にあらかじめ今後の最終的な取りまとめについて、個別に御意見を確認させていただいたり、御相談をさせていただきたいと思っています。全員ではないと思いますけれども、そのときの御協力をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。うなずいていただいております。
それでは、私としては、現時点提案させていただきました特別支援教育ワーキンググループ取りまとめ案について、皆様から御了承いただきました。ただし、今日の御提案の中で可能な限り反映に尽くしますが、これは御発言いただいた委員の皆様に確認をしたいときには確認をさせていただくことについても御了承いただきました。感謝いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、10回を数えましたこのワーキンググループも、今回が取りまとめ案の御了承をいただいたということで、一定の最終ということになりますので、私としましては、今後の予定を改めて確認をさせていただきます。
【齊藤特別支援教育課課長補佐】 失礼します。委員の皆様、本日もありがとうございました。
今後、委員の皆様に御議論いただきました、本日もお示しをしております取りまとめ骨子について、先ほど主査からもお話ありましたけれど、個別に御相談させていただくことあるかと思いますが、主査と御相談の上、適宜修正等も行った上で、今後、教育課程企画特別部会において御報告をさせていただくという運びで考えております。よろしくお願いいたします。
【清原主査】 それでは、事務局と御相談の上、その修正の在り方、取りまとめについては、主査である私に御一任をいただくということでよろしいですか。うなずいていただいて、皆様に信頼していただいたので相当プレッシャーがかかっておりますが、心して、最大限皆様の御意向が反映されますように尽くしたいと思います。
それでは、ここで、事務局を代表して原田特別支援教育課長より一言御発言をいただければと思います。よろしくお願いします。
【原田特別支援教育課長】 特別支援教育課長の原田です。事務局を代表しまして、委員の皆様に一言御礼申し上げたいと思います。
これまで、委員の皆様には、昨年秋より10回にわたりまして御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。事務局側としましても、至らぬ点もあったかもしれませんが、委員の皆様から、委員の皆様のお立場からの御意見だけでなく、子供目線の子供中心の、貴重な様々な観点での御意見をいただきました。
今後、文部科学省としましては、皆様からいただきました御意見を基に、次期学習指導要領の告示に向けまして、皆様から解説で丁寧に記載をというようなお話もいただいておりますし、こちら事務局側としましても解説も含めまして、本格的な作業に入りたいと思っております。委員の皆様におかれましては、これまで本当にありがとうございました。
【清原主査】 原田特別支援教育課長、どうもありがとうございます。それでは続きまして、奥住主査代理からも一言発言をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【奥住主査代理】 奥住です。一言御挨拶させていただきます。
本日まで、多くの時間をかけて多くのトピックを議論することができました。本日、こういう形で取りまとめ案の検討を行うことができたことに大変ホッとしております。
本日ここまで到達できたのは、清原主査、委員の皆様、そして原田課長をはじめとする特別支援教育課の皆様のお力があってのことだと思っております。このワーキングでの議論が次期学習指導要領に反映されることを期待したいと思っております。
【清原主査】 奥住主査代理、ありがとうございます。いつも私の隣にいてくださって、いろいろお支えいただいたこと、感謝申し上げます。
それでは、私からもご挨拶をさせていただきます。
まず1点目には、何よりも委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、特別支援教育ワーキンググループの日程を最優先に調整していただきまして、万難を排して御出席いただきましたこと、そして、多様な御専門、多様なお立場を代表して、多元的で多角的な御意見を積極的に、率直に御発言していただきましたこと、心から感謝を申し上げます。それを見守ってくださいました関係者の皆様、そして傍聴してくださった方々、そして何よりも御支援いただいた事務局の皆様に、心から感謝申し上げます。どうもありがとうございます。
2点目に、私たちの理念である「主体的で深い学び」、そして「多様性の包摂」、そして「実現可能性」を基本に置きまして、通常の学級の中での学びと、そして誰も取り残さないということも含めて、特別支援学級、特別支援学校、特別支援教育の総合的な在り方について、皆様と一定の方向性をまとめることができました。
そのときに私が痛切に感じたのは、皆様がもう可能な限り当事者としての児童、生徒の視点を極力貫いていただいたこと、そして保護者の視点、さらには教職員の視点、そしてそれだけではなくて、教育委員会を超えた首長部局や、あるいは関係機関の視点も漏らさず反映しようというふうに御意見を言っていただきました。
AIを含むデジタル化の流れの中で、私たちが情報・通信基盤、デジタル基盤を基礎的な環境整備として提案したこと、そして特に自立支援を重視したこと、意思決定支援を重視したこと、これは共通して、私たちが「児童・生徒中心」、「こどもまんなか」の視点を貫いたからこそ浮かび上がってきた方向性だというふうに思います。本当に、「チーム・ワーキンググループ」というか、「チーム学校」を私たちは提案してきたんですけれど、この皆様とのチームワークというか、しかも本当に多様なので、一致するところは一致しますけれども、でも本当にお一人おひとりの思いを超えた「創発性」がこのワーキンググループで展開したというふうに思います。
最後に3点目。これは皆様と同じ思いだと思いますけど、何よりもこのワーキンググループの取りまとめが生かされなければ意味がありません。次期学習指導要領に反映されることはもちろんですが、子供たちが学ぶその現場で生かされなければいけないですし、保護者の皆様の安心に寄り添わなければいけませんし、教職員の皆様の自信に反映されなければいけないと思っています。これを皆様と一致して、事務局を通して、文部科学省を通して、このワーキンググループの取りまとめが具体化して実現可能性を高めることを願っています。そして、私も含めて、お一人おひとりが当事者です。ぜひ提案をする当事者ではなくて、具体化するときにも皆様御一緒にいていただきますことを心から願いまして、主査からの感謝と、それからちょっと大げさですけど、連帯の挨拶とさせていただきます。皆様、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆様、奇跡的に予定時間より早く終わるという見事な最終回です。本当にありがとうございます。それでは、以上をもちまして、特別支援教育ワーキンググループ第10回を閉会といたします。皆様、必ずまたお目にかかります。本日もありがとうございました。お元気で御活躍をお願いします。
―― 了 ――