令和8年5月28日(木曜日)15時00分~17時00分
WEB会議
【清原主査】 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループの第9回の会議を開催いたします。
皆様、御多用のところ、御参加いただきましてどうもありがとうございます。本ワーキンググループは、昨年の10月から8回の会議を重ねてまいりました。皆様から多くの御意見を伺ってまいりました。本日の第9回の会議は、本ワーキンググループにおけるこれまでの検討をまとめた取りまとめ骨子案のイメージを事務局より示していただきます。委員の皆様におかれましては、これまでの議論を踏まえて、足りない点や、さらなる議論が必要な点がないか、といった視点で御意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、これより議題(1)特別支援教育の教育課程の充実に向けた方策について、に移ります。本日の流れは、進行資料のとおり、事務局から約30分程度説明をしていただいた後、委員の皆様と意見交換をしてまいります。早速でございますが、取りまとめ骨子案について、事務局の酒井企画官より説明をお願いいたします。
【酒井特別支援教育企画官】 失礼いたします。事務局特別支援教育課の酒井でございます。私の方から、今、主査からお話のありました本日の資料について御説明をさせていただければと考えております。本日の説明に入ります前に、参考資料の御説明をさせていただきます。参考資料1として、これまで各委員から寄せられました主な御意見をまとめた資料を御用意させていただきました。
また、参考資料2といたしまして、本ワーキンググループでそれぞれ使ってまいりました参考資料をまとめております。特にイメージが必要なものは、本日の本体資料の中に入れさせていただいておりますが、枚数の限りもありますので、これまでに御議論いただいた内容につきましては、参考資料2の中に入れ込んでおりますので、御参照を賜ればと思います。
また、参考資料3といたしまして、本日午前中に同じく中央教育審議会の教員養成部会で御議論がありました教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループ2次まとめ(案)の資料を御用意させていただいております。教育課程と教員養成を車の両輪として議論するということで、これまで御議論を賜っておりました。特別支援教育に関して、特別支援学校の免許の教員養成課程の在り方等についても御議論をいただいていまして、本日養成部会の方で、まとめ(案)ということで御議論いただいたというものでございますので、適宜御参照を賜ればと思います。
それでは、本日の資料1に基づきまして、取りまとめに向けた検討ということで御議論を賜ればと思います。まず、1ページでございますけれども、本日御議論とりわけ御議論いただきたい観点ということで、検討の視点を3点御用意させていただきました。まず1点目は、主査からもありましたが、取りまとめ骨子案について、これまでの議論を踏まえて足らざる点や、更なる議論が必要な点はないかというところ。
また、2つ目のポツですが、その際、幼稚園・小学校・中学校・高等学校については、総則・評価特別部会において、関係ワーキングからの御報告ということで、本ワーキングの検討状況についても御報告をさせていただきました。その際には、学校現場を取り巻く状況を踏まえた実現可能性のある改善の方向性を提案していただきたいことや、学校現場を抱える様々な業務の負担もある中での実現可能性のある取組を御提案いただきたいというような御意見があったとのことで、そういった趣旨の観点も踏まえた御意見等を賜れると大変ありがたいと思ってございます。また、特別支援学校についても、幼・小・中・高等学校との連続性の観点を踏まえつつ、特別支援学校を取り巻く状況を踏まえた実現可能性のある改善の方向性となっているか、こういった観点で御議論・御意見を賜ればと思ってございます。
それでは、取りまとめ骨子案について御説明をさせていただきたいと思います。3ページでございます。まず、特別支援教育を巡る現状と改訂における基本的な考え方ということで御用意をさせていただいております。(1)特別支援教育の意義と現状でございます。
1つ目のポツにありますように、特別支援教育は障害のある子供の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、障害による学習上又は生活上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものとされているところでございます。そして、特別支援教育は共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨として行われることが重要であること。そのためには、障害の有無に関わらず、子供たちは可能な限り同じ場で共に学ぶことを目指すべきであると。そして、その際には、それぞれの子供が授業内容を理解し、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ生きる力を身につけているかどうかという最も本質的な視点に立つことが不可欠であるという点を確認賜ればと考えてございます。
また、3つ目のポツにございますけれども、そのためにも、子供一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であること。小・中・高等学校の通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場において、障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導、必要な支援を行うことが必要であるといった点を記載してございます。
また、4つ目のポツですが、少子化による児童生徒の数が減少する中、特別支援教育に関する理解や認識・期待の高まり、また、各学校・設置者の努力・創意工夫により、特別支援教育を受ける子供の数は増加の一途をたどっている状況がございます。このことは、特別支援教育が、障害のある子供たちにとっての単なる学びの場という側面のみならず、セーフティーネットという役割を果たしており、障害の種類や程度に関わらず全ての障害のある子供たちを学校教育制度に包摂するための不可欠な役割を果たしているといった点を記載してございます。
そして右側、(2)でございます。今回の改訂における基本的な考え方といたしまして、次期学習指導要領においても、インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨といたしまして、障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援について更なる取組の深化を図ることで、障害のある子供たちの「深い学び」を確かなものとし、障害のある子供たちを包摂する柔軟な教育課程を推進することが必要であること。その際には、学校現場の持続可能な在り方を追求し、実現可能性を確保した方策とすることが重要であること。これは、今回の学習指導要領改訂の大きな柱に沿った考え方ということで記載をさせていただきました。
また、次のポツになりますけれども、このワーキングでも御意見を頂戴しておりました、障害の「社会モデル」についてでございます。障害者基本法および「障害者差別解消法」においては、障害者について「社会モデル」の考え方も踏まえた捉え方が現にされているところございます。この考え方は、世界保健機関(WHO)による「国際生活機能分類(ICF)」の整理を踏まえ、障害の状態を「医学モデル」と「社会モデル」の両者を統合して障害を把握するものであり、これからの特別支援教育においては、このICFの視点を踏まえ、「社会モデル」の考え方も取り入れた取組の充実が必要であるといった点を記載しております。
続いて、4ページをお願いできればと思います。幼稚園、小学校、中学校、高等学校における改善の方向性についてです。(1)基本的な考え方、幼・小・中・高等学校における現状課題というところでございます。
まず1つ目のポツでございます。特別支援教育を受ける子供の数は急増しており、このことは、特別支援教育に対する理解や認識・期待の高まりの一方で、障害のある子供たちも、通常の学級で学ぶことが可能な子供は通常の学級で学ぶという前提が十分に理解・共有されていない実情もあるのではないかということ。
3つ目のポツになりますが、多様な子供がいることを前提とした授業づくりや学級・集団づくり、通常の学級に在籍する障害のある子供たちへの個別的な支援が十分でないこと、そして特別支援教育に係る教師の専門性が十分でないこと。他方で、特別支援教育を含め様々な要望・期待に対して学校や教師の負担が増大している状況等おも相まって、障害のある子供たちに対する包摂的な取組が、障害のある子供や保護者から見ると不十分なように映るような現状があるのではないかということ。
次のポツですが、こういった状況に対して、平成25年の就学先の決定に関する制度改正によって、学校教育法施行令第22条の3の規定に該当する障害の程度の子供が小・中学校に一定程度就学している一方で、通常の学級を学びの場とすることが適切と思われる場合であっても特別支援学級を学びの場とするような子供や、小・中学校を学びの場とすることが適切と思われるような場合であっても特別支援学校を学びの場とする子供が増え続けている現状があるのではないか。このために、これまで御議論は賜っておりましたが、各学校段階において、障害のある子供たちを包摂した教育を実現するために、「重層的な指導・支援」の考え方に基づく指導・支援に取り組むことが必要ではないかといった点を記載してございます。
右側、この重層的な指導・支援の考え方を踏まえた具体的な方策でございます。この点はこれまでも御議論を賜っていた点になりますけれども、まずは通常の学級において、障害のある子供たちをはじめ様々な面で配慮が必要な子供たちが在籍していることを前提として、全ての子供に対する多様性・包摂性を尊重した学習者主体の授業づくり、学級・集団づくり、教室・学習環境の整備を進めていくことが必要である。その際には、デジタル学習基盤を活用することも必要であるといった点を記載してございます。その次のポツですが、その上で、障害の状態等を踏まえ、個別的な支援が必要な子供たちに対しては、指導内容・指導方法の工夫に取り組むことが必要である。その際には、校内委員会による組織的な対応が必要である点を記載してございます。
さらに次のポツは、通常の学級だけでは指導・支援が困難な子供に対して、通級による指導を実施することが必要であり、その上で、障害の状態等を踏まえ、通常の学級では指導・支援が困難な子供たちについては特別支援学級を学びの場とするといった、教育的ニーズを踏まえた段階的なプロセスによる学びの場の検討が必要であるといった点を記載してございます。
下から2つ目のポツですが、その際、個別の指導計画のうち、各教科等の指導に係るものについては、指導上の配慮事項や手立てに関する内容など、真に必要な記載に精選することが必要であり、学校現場に係る負担感への対応も可能になるのではないかといった点についても記載しています。
さらに1番最後のポツですが、各教科等の指導に当たっては、「困難さ」に応じた指導内容や指導方法の工夫が必要ですが、教師から見える表出した「困難さの状態」への対応にとどまっており、その背景にある「困難さが生じる要因」に、十分に目が向けられない状況があることも踏まえ、それに基づく手立てを実施する考え方や事例等を示していくことが必要ではないかと記載していす。
続きまして、5ページを御覧いただければと存じます。(2)合理的配慮の提供を促すための方策についてです。この点もこれまで御議論をいただいた内容をまとめた資料になります。
まず左の上の合理的配慮の提供と基礎的環境整備に関する現状でございます。1つ目のポツですが、合理的配慮の提供は障害のある子供を包摂する観点からも不可欠な視点である。そして、学校側の対応も進んできておりますが、他方で、合理的配慮の提供に積極的に取り組んでいる小・中学校の割合は一部にとどまっており、地域間の差も大きい現状があるといった点でございます。
そして2つ目のポツですが、現行の学習指導要領においても、指導内容や指導方法の工夫に関する記載はされてございますが、教師による指導上の工夫としての記載であり、合理的配慮の提供を求める場合との関係は必ずしも明らかになっていない。そのため、合理的配慮の提供に関する理解が十分に学校側に浸透していないという状況もあるのではないか。
また、1人1台端末のデジタル学習環境が整備されたことで、ICTの活用は基礎的環境整備として位置付けられるものになったが、ICTの活用が十分進んでいない学校や、アクセシビリティ機能を十分活用しきれていない学校もあるなど、デジタル学習機能を活かしきれていないという実態が、合理的配慮の提供への負担感・不安感に繋がっているのではないかという記載をしてございます。
そのため、基礎的環境整備については、合理的配慮の基盤となるものであり、その意義等を総則等で明記することが必要であることや、障害の状態等に応じ、アクセシビリティ機能や入出力支援装置を適切に活用すること、個別の学習ツール等を学習活動に柔軟に取り入れるということが必要ではないかという点を記載してございます。
5ページの右側でございます。合理的配慮の提供を促すための方策についてです。
1つ目のポツですが、障害のある子供たちにとって、合理的配慮の提供を求めるということは、社会的障壁を取り除くために必要なものであるだけではなく、自己の学習を主体的に調整するためにも必要なものであり、障害のある子供たちの自己選択・自己決定に資する資質・能力の育成という観点からも重要なものである。そうしたことを踏まえ、2つ目のポツですが、合理的配慮の提供について更なる理解を図り、実現可能性の観点を踏まえつつ促すための方策として、各学校段階の学習指導要領等の総則において、本人・保護者からの意思の表明を踏まえ、本人・保護者との建設的対話による合意形成を通じて、過重な負担のない範囲での合理的配慮の提供を行う旨を位置づけてはどうかと記載してございます。
その際、設置者・学校と本人・保護者の意見の違いが大きい場合があることも踏まえ、解説等において、合理的配慮の提供を進めるための考え方を分かりやすく示すことが必要である。例えば、学習内容の変更・調整、情報保障や教材の配慮といった合理的配慮として考えられる観点や、過重な負担の基本的な考え方、デジタル学習基盤を含む基礎的環境整備との関係などについて記載してはどうかという点を記載してございます。
続きまして、6ページを御覧いただければと思います。(3)通級による指導における改善の方向性についてです。こちらも、これまでの会議等で御議論を賜っていた論点になります。まず左側、通常の学級の学びと通級による指導の連携についてです。通級による指導は1つ目のポツになりますが、通常の学級での学習活動や学校生活を円滑に進めることを目指すものであり、通常の学級において障害のある子供たちを包摂するための取組としては不可欠なものであると記載してございます。
しかしながら、2つ目のポツで、教育的ニーズを十分に精査・整理することなく、通級による指導を実施している学校も見受けられるといった点。3つ目のポツで、他方、自治体によっては、通級による指導の利用についてのハードルが高く、困難を抱えたまま通常の学級に取り残されてしまい、学習や学校生活に支障をきたすといった状況も生じているのではないか。通級による指導を実施している学校が一部にとどまっている自治体もあり、本来であれば通級による指導を受けながら通常の学級に在籍することが想定される子供たちが、特別支援学級を学びの場としているような状況もあるのではないかということ。
このような状況を踏まえて、通級による指導については、「重層的な指導・支援」の考え方を踏まえ、通常の学級での教育活動における配慮や手立てを実効的なものとするために実施するものであることを明らかにしてはどうかと記載してございます。
そして、その上で、通級による指導において、自立活動を取り入れることや、自立活動の指導と通常の学級における教科の指導をより密接に関連させることが重要である旨を示すことが必要ではないかと記載してございます。
右側のページになります。通級による指導を受ける場合の特例的な取扱いについてです。1つ目のポツですが、通級による指導を受ける子供たちは、内容・単元によっては、障害の特性や状態等によって障害のない子供と同一の内容や進め方では困難が生じる場合があり、教科の内容を十分に理解できず、学習についていけない状況も生じているのではないかということ。
2つ目のポツですが、こういった状況に対して、現行では教育課程上の対応は困難であり、合理的配慮の提供の観点や、通常の学級において障害のある子供たちを包摂する観点を踏まえると、更なる制度の柔軟化が課題となっているということ。
3つ目のポツですが、そのため、通級による指導を受ける場合の特例的な取扱いとして、まず1つ目の矢羽です。自立活動の指導を実施した上で、通常の学級における少人数指導等では障害の特性等を踏まえた対応が困難な場合の特例的な措置として、教科の内容の一部について、理解できず学習が遅れがちとなったり、他の子供たちと同じように学ぶことに困難をきたしている場合等において、困難さの状態に対する手立てとして特に必要な場合においては、合理的配慮の提供の観点から、学校側に過重な負担が生じない範囲で、かつ、教師の持ち時数の増に繋がらないよう、指導期間を一定期間に限るなど働き方改革にも留意した上で、各教科等の指導を行うこと。
また、2つ目の矢羽になりますけれども、障害の状態等を踏まえ、通常の学級において受ける授業を含め、各教科等の学習内容の変更・調整が必要な場合には、合理的配慮の提供の観点から、学校側に過重な負担が生じない範囲で、本人・保護者と十分に意思疎通を図りつつ、各教科等の目標・内容の一部を障害の状態等に考慮したものに替えることを可能とするとことが考えられるのではないかと記載してございます。そして、これらの教育課程の特例的な取扱いは、設置者の定めるところにより実施するものと整理することが妥当であると記載してございます。
続きまして、7ページをお願いできればと思います。(4)特別支援学級における改善の方向性です。特別支援学級の現状です。現在、1つ目のポツですが、特別支援学級をめぐっては、自閉症・情緒障害学級や知的障害学級を中心とした在籍者が急増しているといったところがございます。こうした中、特別支援学級における特別な教育課程の編成が正確な理解を欠いたまま編成されているという実態。また、交流及び共同学習において、必要な支援を受けることなく、大半の時間を通常の学級で学んでいる子供たちがいることなどの課題が生じております。
そして、その背景として、学校側や保護者側の双方に、通常の学級における障害のある子供たちに対する指導・支援への負担感や不安感が生じており、子供たちの教育的ニーズを十分に精査・整理することなく、特別支援学級を学びの場としている学校も見受けられます。こうしたことを踏まえて、特別支援学級における学びの在り方について分かりやすく示していくことが必要ではないかと記載してございます。
右側です。特別支援学級における教育の質の確保を図る観点から、特別支援学級の教育課程の編成・実施に関する基本的な考え方について、「重層的な指導・支援の考え方」を踏まえつつ、これまでの優れた実践を基に整理することが必要である点。例えば、2つ目の矢羽にありますけども、特別支援学級特有の学びを進めていくためには、デジタル学習基盤の活用が不可欠であるといった点。さらに、4つ目の矢羽ですが、自立活動の指導を行うための時間を適切に設けた上で、教育活動全体を通じて自立活動の指導を行う旨を明らかにすること等について記載してございます。
続いて8ページを御覧いただければと思います。(5)高等学校における改善の方向性でございます。高等学校においても、障害のある子供たちが数多く在籍しているが、障害の状態等を踏まえた教育課程の編成に課題がある。そのため、「重層的な指導・支援」の考え方を踏まえた対応は高等学校においても必要である。そして、まずは通常の学級において、多様性・包摂性を尊重した学習者主体の授業づくり、学級・集団づくりに取り組み、その上で、一人一人の教育的ニーズに応じた個別的な対応や通級による指導を行うことが必要であると記載してございます。さらに、高等学校において、障害のある生徒の教育的ニーズを踏まえた教育活動を積極的に推進するための教育課程の柔軟化を含めた取扱いについて、将来的な制度的対応を見据えた検討を進めるのが必要であるといったところで、3つ目のポツですが、障害の状態等に応じた教育課程の編成・実施を可能とする新たな特例校制度を創設し、将来的な対応を見据えた先導的・実証的な取組を進めるべきと記載してございます。
(6)幼稚園における改善の方向性でございます。幼稚園においても、合理的配慮の提供を図っておりますけれども、1つ目のポツですが、園内の支援体制の整備や関係機関に対する専門的な助言・援助の要請、個別の教育支援計画の作成や指導計画の作成については、十分に対応できていない。
そのため、次のポツですが、幼稚園においても「重層的な指導・支援」の考え方を踏まえ、多様性・包摂性を尊重した指導・支援を進めるとともに、その上で、個々の幼児の障害の状態等を含めた個別的な支援としての指導の工夫に取り組むことが必要である。
そのため、8ページ、右上ですが、その上で、基礎的環境の整備を促すとともに、合理的配慮の提供が確実に行われるよう、必要な規定を行うべきといった点。また、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成・活用を一層推進するとともに、園内での共通理解と小学校への確実な引継ぎを図ることが重要であるといった点を記載してございます。
(7)障害種ごとの「配慮事項」でございます。これは前回の会議で御議論いただいた内容をまとめたものです。障害種ごとの基本的な対応は、各教科等の全般にわたる主な配慮事項において、困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫に資する基本的事項として示すことが重要であるといった点を記載してございます。
さらに、(8)交流及び共同学習ですが、この点も前回の会議で御議論いただいた内容をまとめているものでございます。幼・小・中・高等学校の交流及び共同学習については、通常の学級に障害のある児童生徒が数多く在籍しており、相互に正しい理解と認識を深めることが期待されること。特別支援学級の子供たちと通常の学級の子供たちが交流及び共同学習を通じた基本的な学びを進めることで、相互理解や認識が深まることが期待されること。これらの趣旨について、改めて国において示すことが重要であるという点を記載してございます。
続いて9ページを御覧いただければと思います。ここからが、3ポツ、特別支援学校における改善の方向性でございます。(1)知的障害者である子供たちに対する教育課程の改善といった点でございます。まず基本的な考え方でございます。
2つ目のポツですが、知的障害者である子供たちに対する各教科等においては、幼・小・中・高等学校の教育課程との連続性を重視しつつ、発達の段階や知的障害の学習上の特性や、「主体的・対話的で深い学び」の実装を進める趣旨を踏まえた対応が必要であるといった点を記載してございます。その上で、情報活用能力の抜本的強化に向けた方策について、御議論いただいた内容をまとめておりますが、2つ目のポツ、例えば小学部では、「生活」において情報機器の活用を取り入れるなど、「生活」を中心として他の教科等において適切に取り扱うこと。中学部では、職業分野の情報活用能力育成を明確にするため、現在の「職業・家庭」を「職業」と「家庭」の二つの教科に分離し、「職業」においては中・高等部を通じて「情報機器・情報技術の活用(仮称)」を設定することについて記載してございます。
右側です。目標及び見方・考え方、資質・能力の構造化についてです。特に、特別支援学校独自の教科である小学校の「生活」と中学部・高等部の「職業」について、目標及び見方・考え方、資質・能力の構造化の方向性について集中的に御検討を賜りました。「生活」については、まず1つ目の矢羽ですが、多様な生活体験を積み重ね、生活に必要な基本的な知識や技能及び態度を着実に身につけていくという学びの本質的意義や特質を引き続き重視していくといった点でございます。そのため、目標及び見方・考え方については、従来の考え方を基に整理をしていくことが妥当であろうと。
資質・能力の構造化にあたっては、「知識及び技能に関する統合的な理解」と「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」をまとめて示すことにより、「生活」の本質的意義を踏まえた深い学びの実現に向けた単元づくりに資することになると考えられること。
さらに3つ目の矢羽ですが、この高次の資質・能力については、3段階を通して示すことで、継続的・長期的、かつ、らせん状に深まるという知的障害のある児童生徒の学びの特性を踏まえた指導が促されることが期待されること。さらに、複数の内容をまとめた「領域」ごとに示すことで、学びの深まりが捉えやすくなることにも期待されるといった点を記載してございます。
次に「職業」については、社会人や職業人として必要な知識や技能及び態度を身につけるという、その本質的意義は引き続き重視すべきであるといった点。従来の目標及び見方・考え方の在り方を基にしつつ、情報活用能力の抜本的強化の方向性を踏まえた整理が必要であるといったこと。
次に、資質・能力の構造化においては、内容の系統性や情報活用能力の抜本的向上を踏まえ、領域ごとに高次の資質・能力を示すことが妥当であること。中・高等部の6年間を通して高次の資質・能力を示すことで、知的障害のある児童生徒の学びの特性を踏まえた一貫した指導の促進が期待されるといったこと。
さらに、その他の教科等については、知的障害の特性等を十分に踏まえ、児童生徒の生活年齢を基盤とし、知的能力や適応能力及び概念的な能力等を考慮しつつ、小・中・高等学校等の方向性を踏まえた見直しに取り組むことが必要であるといった点。これは、これまで御議論いただいた内容をまとめたものになります。
10ページ目になります。自立活動の充実に向けた方策でございます。これまで御議論いただいた内容をまとめたものになります。自立活動の位置付けについては、まず左の方にありますが、特別支援学校の自立活動の意義や位置付けをより明確にするため、総則において示すことが必要であるといった点。例えば、自立活動は、心身の調和的発達の基盤を培うものであり、各教科等を通じて育成する資質・能力を支える役割を果たすものであること。特別支援学校の教育活動全体を通じて、自立活動の視点を持って取り組む必要があるということ。自立活動の時間における指導、各教科等の指導を活かすために、カリキュラム・マネジメントの中で自立活動と各教科等を関連付けていくこと。こういった点を示していってはどうかと記載してございます。
次のポツですが、自立活動の指導と各教科等の密接な関連を図るためにも、障害による学習上又は生活上で生じる困難さと、自立活動の指導との関連を図るとことの例示を示すことが重要ではないかといった点を記載してございます。
また、子供主体の視点に立った自立活動の更なる展開といった点でございます。子供主体の視点に立った自立活動の更なる展開が必要であり、そのため、指導すべき課題の整理において、6区分の観点から捉えた子供の実態と、子供自身が捉えている困難さを考慮するように示すこと。また、個人因子のみならず、「社会モデル」の考え方を踏まえた環境因子から把握することの重要性について、解説で示していくことが考えられるのではないかといった点を記載してございます。
さらに右側、自立活動の内容等の示し方についてす。1つ目のポツですが、自立活動を示す内容は、各教科と同様に全てを取り扱うといった誤解や、区分・項目が指導内容のまとまりを想起させてしまうといった混乱を避けるため、自立活動の指導は、指導すべき課題を明確にした上で指導目標を設定し、必要な項目を選定し、それらを相互に関連付け、具体的な指導内容を設定する旨を分かりやすく示す必要があること。その際に、次のポツですけれども、指導する教師によってイメージしやすく分かりやすい示し方の観点、また、学習指導要領の目標・内容の構造化・表形式化の検討の方向性も踏まえ、表形式化に取り組むことが必要であるといった点を記載してございます。
さらに、5つ目のポツですが、障害が重度で重複している子供や医療的ケアを必要とする子供に対する指導内容例や留意点等について、解説等の記載を充実することも必要である点を記載してございます。
続いて11ページ目を御覧いただければと思います。(3)総則の構成・記載の在り方についてです。2つ目のポツにありますけれども、今回の改訂においても、幼・小・中・高等学校における見直しの方向性については、特別支援学校においても総則の中で同様に取り入れていくべきである。その上で、総則の構成や記載の在り方については、特別支援学校の教育課程の考え方や編成・実施についてより的確に、分かりやすく示すよう、改善を加えていくということが必要だと。その際、1つ目の矢羽にありますように、国の障害者施策の方向性を踏まえ、自立と社会参加を目指していくという理念を明らかにすること、4つ目の矢羽ですけれども、不登校児童生徒への支援に関する記載を示すこと。
次の矢羽ですけれども、重複障害者等に関する教育課程の取扱いについては、対象をより的確に表す項目名に見直すこと。高等部における目標・内容の柔軟な取扱い、小・中・高等学校の目標・内容をより柔軟に取り入れることについて検討すべきといった点を記載してございます。
(4)障害種ごとの「配慮事項」についてです。前回の会議で御議論いただいた内容ですけれども、例えば、障害種共通的に総則において、デジタル学習基盤の活用を前提とした障害の状態等を考慮した活用に当たっての配慮すべき事項や、自立活動の時間と各教科等の指導の関連に係る配慮すべき事項を記載してはどうかということ。
右上ですが、一方、視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者または病弱者である子供たちに係る事項として、障害の状態を踏まえつつ、各教科等の指導内容に係る適切な設定に関する事項を規定してはどうか。その際には、障害種固有の概念の形成や認知の特性、意思疎通に関する事項を確実に規定することと、規定順についても、統一的な整理が必要ではないかという点について記載してございます。
さらに(5)学習・指導・評価の改善充実の在り方については、特別支援学校の教育活動についても「主体的・対話的で深い学び」の実装を図ることは、次期学習指導要領に向けた基盤となる考え方である。そのため、幼・小・中・高等学校における見直しの方向性を踏まえた学習・指導・評価の対応については、特別支援学校においても行うことが必要であるということ。特に、その際には、デジタル学習基盤の活用は、障害による学習上又は生活上の困難さの改善・克服を図るためのツールとともに、学習主体者の学びを進めるためのツールであるといった視点も重要であるといった点。
さらに、3つ目のポツになりますが、知的障害者である子供たちに対する教育課程における学習評価については、小・中・高等学校の各教科等の考え方を踏まえた学習評価とし、指導と評価の一体化の一層の推進を図ることが必要であるといった点を記載してございます。
12ページ目、(6)高等部の充実についてという点です。
1つ目のポツですが、特別支援学校高等部においては、産業構造や社会システムの変化、デジタル技術の飛躍的な進展の中、特色ある取組を積極的に進める学校がある一方で、社会情勢の変化を踏まえた取組が十分でないという課題がある学校もあると記載してございます。
そのため、2つ目のポツですが、特別支援学校高等部の役割を明確にし、障害の状態等を踏まえつつ、特色・魅力ある教育活動を展開するために、高等学校で策定されているスクール・ポリシーのうち、「育成を目指す資質・能力に関する方針」や、「教育課程の編成及び実施に関する方針」を取り入れることについて見直しをしてはどうかと記載してございます。
さらに3つ目のポツですが、障害のある生徒の自立と社会参画に向けて、教育課程全体を通じてキャリア教育を行っていくこと。さらには、地元の企業や産業界、農業などの関係団体等、多様な関係者との連携・協働の更なる推進を図ること。その際には、コミュニティ・スクールの活用なども考えられるといった点について記載してございます。
さらに、高等部の職業教育においては、地域社会や企業・事業者と連携した実践的な取組をこれまで以上に重視することが重要であること。とりわけ、専門学科については、学校現場の裁量による創意工夫を後押ししていくために、視覚障害教育、聴覚障害教育の専門学科の科目の内容は、全国的な教育課程の基準を示すことが必要と考えられる保健理療、理療、理学療法、理容・美容において示し、その他の専門教科については、設置者・学校現場の裁量に委ねることが必要である。これは、これまで御議論いただいた内容をおまとめしたところでございます。
右上、(7)交流及び共同学習については、前回の会議で御議論いただいた内容でございます。特別支援学校においては、交流及び共同学習について、学校間交流の実施状況に課題が見られることや、近隣の学校との連携体制を構築している学校も一部にとどまるなどの状況がございます。
そのため、都道府県教委等が主導して、市区町村教委と連携しながら、学校間の連携・交流体制の構築を各地域で図ることが期待されるということ。さらに、特別支援学校と小・中・高等学校の一体的な運営に関する学校モデル構築に向けて、国においては各地域における取組の深化に向けた更なる施策を進めることや、都道府県教委等においても、先導的な施策に取り組むことが期待されることについて記載してございます。
最後に、(8)特別支援学校のセンター的機能の充実についてです。特別支援学校によるセンター的機能の更なる充実を図るために、特に2つ目の矢羽、特別支援学校にアウトリーチ的な取組も期待されることや、小・中・高等学校において体制整備が課題となる弱視や難聴などの子供たちが在籍している場合には、特別支援学校が確実に支援体制を構築することが期待されていることについて記載してはどうかと、とりまとめをしているところになります。
全体の方向性は以上になります。次のページ以降につきましては、補足イメージということで添付しておりますので、御参照いただければと思います。説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
【清原主査】 酒井企画官、御説明ありがとうございます。皆様に、主査としても申し上げます。今回各ワーキンググループの答申につきましては、様式の統一が図られるということで、このパワーポイントの様式で、原則として10枚程度ということでございまして、今回、参考資料1にも特別支援教育ワーキンググループの第1回から第8回における主な御意見をまとめていただいておりますが、それを最大限反映して、取りまとめのパワーポイントを作成していただきました。さらに、必要な図表等については、付け加えることができると伺っております。
私たちの構成としては、この3ページに、1ポツの「特別支援教育をめぐる現状と改訂における基本的考え方」。そして次に、2ポツの「幼稚園・小学校・中学校・高等学校における改善の方向性について」は、(1)基本的考え方から進みまして、8ページの最後、(8)交流及び共同学習までまとめていただきました。また、3ポツの「特別支援学校における改善の方向性について」は、(1)知的障害者である子供たちに対する教育課程の改善から、最後の(8)特別支援学校のセンター的機能の充実という流れで項目をまとめていただきました。
これから皆様にお一人3分程度で、御意見を順次伺いたいと思いますが、その際には、どの項目のどの箇所かということで、本日の資料1のページ数をお示しいただくとありがたいと思います。それでは皆様、御発言を希望される方は挙手ボタンを押してください。私が順次指名をさせていただきます。それではまず、是永委員、どうぞお願いいたします。
【是永委員】 よろしくお願いします。検討項目に負担感が示されたことは、学校現場が困っていると捉えて、主に通常の学級が包摂的になるための手立てを提案する必要があると思います。いろいろなところで言及されているデジタル学習基盤について、その意味することは多義的ですが、デジタル教科書がすべての子供に提供され、本人が選択できる教材として位置づけば、教員の支援にも繋がります。
私が研究している北欧では、フィンランドモデルであれば特別支援学校の教育相談部門が地域支援部門も担い、複数人の教員配置で圏域の小学校・中学校・高等学校を支援します。それは資料12ページの特別支援学校のアウトリーチ的な取組にも繋がると考えます。デンマーク、ノルウェーモデルであれば、教育委員会や教育事務所に特別支援教員や心理士が配置され、子供の評価や、個別の指導計画作成を地域の学校を対象にした月数回の定期的な巡回指導によって支援します。それは資料4ページの指導主事による指導助言で補えていない分野です。スウェーデンモデルであれば、通常の学校に特別支援学校免許取得者を配置して、通常の学級の体制整備や通常の学級教員の個別指導計画の作成を支援します。必要に応じて一時的な追加支援も提供します。これは日本の通級担当者の役割に近いと考えます。
次に資料7ページに関連して発言します。通常の学級における支援としては、近年フィンランドでは抽出支援から通常学級における集団支援に転換しています。それは支援が必要な子供を通常の学級集団の中で特別支援教員が支援する方法です。これは資料7ページの通常の学級での特別支援教育の専門性を確保することにも繋がります。また、資料8ページの交流及び共同学習の取組も念頭に置くならば、通常の学級内で特別支援学級教員が自立活動の人間関係の形成の視点で支援を行うことが一層意味を持つことになると思います。
次に資料4ページに関連して、通級について。資料4ページでは段階的なプロセスによる学びの場、そして資料8ページ、特別支援学級からの学びの場の変更の選択肢の1つとして通級は位置づけられるでしょう。その際、他校通級であれば中学校区に1つ、巡回相談であれば基礎自治体に1つ以上は設置されるべきだと考えます。
資料4ページと6ページに関連して、各教科等の指導の内容は自立活動の専門性の内容であると考えるため、該当教科の免許を持った教師による各教科の指導ではなく、自立活動の環境の把握の観点を充実させ、通常の学級において子供ができることが増えることが通常の学級の教員の支援にも繋がると考えます。事例等も自立活動に基づいた例示ができると良いと考えます。
最後に資料8ページに関連して、高等学校に関して特例校制度という新たな分離を行うのではなく、高等学校1つのコースとして、例えば自立支援コースのようにインクルーシブな高校づくりの一環に位置づけて検討すべきだと考えます。
【清原主査】 是永委員、ありがとうございます。御専門の北欧のモデルを御紹介いただきながら、何点か御指摘いただきました。今、是永委員に御発言いただきましたように、足らざる点、あるいはさらなる議論が必要な点について、皆様からお気づきの点を、続けて発言いただければと思います。それでは丹治委員お願いいたします。
【丹治委員】 失礼します。事務局の方では、これまでの議論を踏まえまして、骨子案をお取りまとめいただいてありがとうございます。大変な作業だったかと思いますけども、要点を分かりやすくまとめていただきまして、感謝申し上げます。
私から大きく2点コメントをさせていただきます。
1点目ですが、5ページ目の、合理的配慮の提供を促すための方策の箇所になります。右側で言うと3点目のポツに、「設置者・学校と本人・保護者の意見の違いが大きい場合があることも踏まえ」というところがあるかなというふうに思います。確かに、すれ違い、双方向の対話というのが難しいケースもあって、意図というのは十分理解できました。ですが、そのあとの3つの矢印の方向性を拝見しますと、そのような食い違い解消だけじゃなくて、学校と保護者が建設的に話し合える仕組みづくりのための解説を記載されようとされているのかなというふうにも理解できましたので、意見の違いというのを強調されるような表現ではなくて、学校と保護者が建設的に話し合えるようにという前向きな表現でも良いように思いました。それに加えて、その前向きに対話が行えるようにするためのという意味でも、具体的な合意形成に向けたプロセスのフローの例もあると、学校現場としても保護者としても実現可能性が高まって助かるのではないかなというふうに考えましたので、そういったことも修正あるいは追加というところで1つ挙げてもいいのではないかなというふうに思っております。それが1点目です。
2点目ですが、先ほど是永委員からも言及いただきましたけども、学習支援用デジタル教科書について、議論が必要ではないかなというふうに考えましたので、意見を述べさせていただきます。現在国会でも議論中でもありますので、現時点で学習指導要領に何か記載するとか明示するということが、あとはその具体的な議論を進めることが難しい状況というのは重々承知していますが、やっぱりデジタル教科書の環境整備がデジタル学習基盤に関すること、アクセシビリティ向上に関すること、あるいは我々も重要にしていた基礎的環境整備の充実に関することとして大事ではないかなと考えております。
日本LD学会等から要望も出されておりまして、デジタル教科書の環境整備が包摂性の向上、あるいは基礎的環境整備の充実に繋がるものとして、やっぱり今後の改訂とその実現に向けた重要な議論の1つにしていく必要があるのかなと考えております。日本LD学会の要望にもあるんですけども、特に学習障害、あるいは読字に困難のある児童生徒への教材アクセスを確実なものとする仕組みづくりというのは急務になっていまして、ただ、現状では拡大教科書等と同様にデジタル教科書の使用には申請が必要になっています。申請手続きが複雑でしたり、学校側や教育委員会でも対応に苦慮されているケースというのも耳にします。必要な教材にアクセスできずに困っている当事者がいるという実態があるということになります。通常の学級には、読み書き困難の児童生徒が学校現場で十分に把握されていなかったり、申請を前提とする仕組みだけでは制度上その困難さの実態が見えにくかったり、必要な教材のアクセスから取り残される恐れのある児童生徒がいます。手続きが必要なのでデジタル教科書が新学期から使用できない、学期が始まった後に遅れて提供されるという事例もあるというのも聞いています。ですので年度当初から学習上の不利益を受けているというようなケースも懸念されています。
LD学会の要望としては、当面の対応としてはデジタル版の教科用図書、特定図書が年度当初から滞りなく、かつ診断書等に過度に依存されることなく、柔軟に利用できることが求められています。中長期的には、障害の申請の有無に関わらず、通常の教科書そのものにアクセシビリティ機能が搭載された、基本機能として搭載された設計というのが求められているわけです。ですのでこういったデジタル教科書の環境整備というのは、包摂性の向上、基礎的環境整備の充実、誰一人取り残されない学びというところを後押しするような重要な議論、重要なピースの1つではないかなというふうに考えておりますので、意見させていただきました。もちろん今回の改訂では明確な位置づけは難しいとは思うんですけども、今回の改訂で目指す方向性を具体的に実現する策として、教育的ニーズのある子供たち本人やその家族、あるいは支援者とともにより良い議論を進めていく必要があるのではないかなということで、この場をお借りして意見をさせていただきました。以上です。
【清原主査】 丹治委員ありがとうございます。合理的配慮に関連しては、建設的な対話の仕組みなど前向きな表現を、ということ。また、デジタル教科書についても御発言がありました。これは私の認識ではもちろん国会での議論もございますが、文部科学省の中でこのデジタル教科書について検討している組織もあると承知していまして、事務局におかれましては、ただいまのデジタル教科書に関する発言についてお伝えいただき、より特別支援教育の視点からの御意見として、深めていただくようにお伝えいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。うなずいていただきました。私たちも、デジタル学習基盤を含む基礎的環境整備については、しっかりと提起をしていきたいと思います。
それでは緒方委員お願いします。
【緒方委員】 よろしくお願いします。取りまとめ骨子案については個人的にはいくつか意見がある箇所はありますが、全体的にこれまでの議論を踏まえてまとめられているというふうに感じています。
まず、4ページ目のところですが、特別支援教育をめぐる現状と改訂における基本的考え方、および幼稚園・小学校・中学校・高等学校における改善の方向性については、障害を社会モデルで捉えることの重要性、あと多様性の包摂や重層的な指導・支援の考え方が適切に整理されているというふうに考えます。ただし、3つの検討項目で示されている、学校現場が抱える負担感、不安感への対応や、教師の現状ですね、今の現状に即した内容になっているかという点については、やはり少々課題があるのではないかと考えます。特に小中学校等においては、特別支援教育やインクルーシブ教育システムに対する教員のやはり意識改革を図る必要性があると強く感じています。そのため今後、国立特別支援教育総合研究所と全特協が連携して行う、要するに管理職研修、校長研修は、実現可能性の確保の視点からも極めて重要であって、継続して行うことにより改善が図られると考えます。本ワーキングでも話題になりましたが、校長が率先して意識改革を図って、合理的配慮の提供義務を正しく理解して、日本におけるインクルーシブ教育システムを強力に進めようとする風土を醸成することが、現状最も重要だというふうに考えているところです。
続いて12ページ目、特別支援学校における改善の方向性についてでございます。他校種との連続性を踏まえつつ、センター的機能の発揮や地域支援の強化が求められており、その期待に十分に応えられるよう努めたいと思う一方で、特別支援学校自体が児童生徒数の増加や多様化に直面しており、専門性の高度化と人的体制の充実が追いついていない現状がございます。さらに、9ページに示されている情報活用能力の抜本的強化についてですが、方向性としては理解しつつも、指導できる教員の育成や確保が、現場の校長としては不安に感じています。このことについては教員養成部会等での議論にもなると思いますが、理念の提示にとどまらず、やはり育成、人的配置、研修、財政措置等を含めた実装、実効性のある担保が不可欠だと考えます。
最後、11ページです。総則の記載の在り方ですが、重複障害等の教育課程の取扱いについて、現行の高等部学習指導要領の第1章第8款の規定の見直しを指しますが、このことは学部間の連続性や、より柔軟で多様な実態に対応したい教育課程の編成の視点からとても重要な改善であるというふうに考えます。そのことが教員に分かりやすく、かつ強く印象付けられるような、今後の記載を期待しているところでございます。
【清原主査】 緒方委員ありがとうございます。1点目の教員の負担感・不安感に対して、もちろん寄り添いつつも、さらなる意識改革が必要であるので、今後、特総研と連携して進めていらっしゃる幹部研修もとても重要である、という問題提起をいただきました。また、特別支援学校については何よりも人材の確保の重要性を御指摘いただくとともに、3点目の総則については重複障害についての主要な取組を、分かりやすく認識していただくための手当てが必要という、それぞれ積極的な御提案をいただきました。それでは、菊地委員お願いします。
【菊地委員】 まずはこれまでの意見の取りまとめと御提案ありがとうございます。あとは他のワーキンググループの報告とすり合わせて、どれくらい踏み込んで記載できるかという段階に至ったと捉えています。少しこの先の作業、具体的な改訂の中身を想定した部分も含みますのでよろしくお願いいたします。
まず1点目は、幼・小・中・高等学校における特別支援教育についてです。先ほど是永委員からも御指摘がありましたが、向かう方向性はよいと思います。ただ、特別な場、特定の学級や学校だけではなく、すべての学級や学校において教員一人一人が障害のある幼児児童生徒や特別支援教育を理解し、組織的に取組を進めていけるように、そして適切な指導と必要な支援が行き届くように、自分たちごととして捉えられるようにまとめ、記載していただくことをお願いしたいです。そこで2点あります。
一つは重層的な指導・支援について、です。この考え方について、学区や圏域におけるクラスターとして捉えるような考え方を併せて示してはどうかと考えます。特別支援学校のセンター的機能、交流及び共同学習、空き教室の利用によるサテライト化、巡回型通級等、様々な課題を解決する上で、現実的には教員定数をはじめとするヒト・コト・モノの財源上のハードルがあります。このことについては引き続き文部科学省様に頑張っていただきたいのですが、合わせて現行制度を効果的に活用し、柔軟に対応していく上で、このような考え方を示し、リソースの融合を図り、効果的に生かしていく考えや、これらの取組による知見も重要と考えます。そのような意味で学習指導要領の改訂後にモデル事業を展開して、併置校・一体校も想定したインクルーシブな学校づくりのエビデンスを蓄積していくことなども期待されると思います。
もう一つは特別支援学級と特別支援学校高等部等との接続についてです。特別支援学級は小・中学校における重層的な指導・支援の中で、より特別な場としての位置付けとなるため、それぞれの学校の中での連続性を考慮する必要があると思います。その一方で卒業後の特別支援学校高等部や高等学校との接続についても十分に考慮していく必要があると思います。教育課程の考え方、自立活動における指導計画の作成と内容の取扱い、あるいは個別の指導計画等を通して先を見据えた対応の必要性とその具体について示す必要があると考えます。同時に高等学校における特別支援教育の充実についても喫緊の課題となっていますので、その点についても教育課程のみならず高等学校における指導・支援の充実を図るために必要な事項について具体的に示していく必要があると思います。
続いて、2点目は特別支援学校についてです。次期改訂に向けての議論は、現行の学習指導要領をより確実なものとして実施していく方向にありますし、これまでの意見も積み重ねられてきておりますので、あとは解説レベルで具体的に分かりやすく示していくことが肝要になると捉えています。例えば知的障害教育におけるカリキュラム・マネジメントや学習評価の考え方や具体的な手続きについてです。各校の教育課程、指導の形態のタイプに応じた解説があればと思います。また自立活動についても本人の願いの把握の手続きや、医療的ケアを受けている子供への当該行為場面における自立活動の視点の重要性などです。解説に具体的に例示することで学校現場が理解し実践できるようになると思います。ただ、学習指導要領解説だけでは十分に伝えきれない、書き込みにくいものもあると思います。ですので、何らかの手引きや特総研の研究等をとおして発信していくこと、あるいは校長会や各教育委員会での調査・研究等の知見の発信や普及によって、具体的な実装をこの段階でも押し進めていくことが1つの鍵になると思います。以上、よろしくお願いいたします。
【清原主査】 菊地委員ありがとうございます。すべての学校で取り組む方向性、そして重層的な指導・支援についてはリソースの融合、そしてモデル事業を、という御提案がありました。また高等部との接続については、卒業後を見据えた対応が必要であるということ。そして、特別支援学校については、その解説レベルの重要性、手引きだけではなくて、とにかく実装できるようにという、そうした仕組みの重要性を御提案いただきました。それでは宮内委員お願いいたします。
【宮内委員】 宮内です。この度は資料をありがとうございます。全体として、大変丁寧にまとめられていると感じましたし、文言もかなり詳細に検討されたのだと思います。改めてお礼申し上げます。その上で、私から4点ございます。
1点目です。細かくて恐縮ですが、3ページ目にあります、特別支援教育の意義と現状の4つ目の箇条書きの部分です。こちらには、少子化により児童生徒が減少する中、特別支援教育を受ける子供の数が増加していることについて書かれています。増加している点については異論はありませんが、その理由について書かれている部分に、「特別支援教育はセーフティーネットとしての役割を果たしており」とあります。この表現に、少し違和感がありました。セーフティーネットという言葉は文脈によっては、通常の教育がうまくいかなかった場合の補完的措置のような負のイメージを与えてしまう危険性があると思って見ていました。少なくとも特別支援教育や特別支援学校はそのような意図で進めてきたわけではないと思います。もしかすると4ページ目のところに通常学校の現状として書かれていることを反映したのかなとも思ったんですが、いずれにしても、誤解のない表現を検討する必要があると思いました。また、あえて記載するのであれば、増加している理由について少し分析をした上で、説明する必要があるのではないかなとも感じた次第です。例えば私が研究しているイギリスなどでは、通常の学校における基礎的環境整備が十分でなかった結果として、支援を必要とする子供が急増しているという理解をしており、そのため、国として、通常の学校に対して基礎的環境整備を整えるための予算などの措置をしてきました。以上を踏まえ、検討が必要と思った次第です。
2点目です。こちらは、通常学校の現場の負担感・不安感への対応という観点から見ると、4ページ目の記載は、もう少し検討の余地があると感じました。現在の記述ですと、どうしても、既存の学校内のリソースのみで対応するようにと読めなくはないと感じます。現状として多様な子供たちが通常の学校に存在していますし、一部の子供たちについてはかなり専門的な知見が彼らの学習を支えるうえでは必要となっています。そのためには特別支援学校で蓄積されてきた専門的な知識を巡回指導のような形で、通常の学校に移行していく必要があると思います。よって、例えば、4ページ目の右側の、重層的な指導・支援の在り方を踏まえた方策の部分に、1文でも特別支援学校のセンター的機能を活用するといったような文言があるだけで、通常の学校だけで抱え込む必要はなく、必要に応じて外から支援を求めることができる、そのためにも校内支援体制が重要であるという、そういうメッセージに繋がるのではないかと感じました。通常の学校の先生方の負担感への配慮というのはとても重要だと思います。一方で、その結果として障害のある子供たちの学びの保障が不十分になるということは避ける必要があります。そういった意味でも表現で工夫できる部分は工夫をして、両立が取れるようにできたらと感じました。
3点目です。こちらは、7ページの(4)特別支援学級における改善の方向性の2つ目の箇条書きです。専門性担保を図るため、学習指導要領で分かりやすく示すというようなことが書かれています。学習指導要領を分かりやすく示すという方向性自体は私も賛成ですが、特別支援学級や通級による指導を、特別支援教育に関する専門性を必ずしも持ち合わせていない教員が担当している実態があるという現状と、そのために特別支援学級等における教育の質の担保のため学習指導要領で分かりやすく、という、この表現に違和感がありました。特別支援教育に関わる専門性を持ち合わせていない先生が特別支援学級や通級による指導を担当していること自体がとても大きな課題で、結果このことが今、まさに課題になっている教員の負担感にも繋がっていると思います。教員の専門性についてはまた別のワーキングで議論されていることと思いますので、今後変わっていくことを期待していますが、ただ、今の時点で、このように書かれてしまうと、学習指導要領を分かりやすく記載することイコール教育の質や専門性が担保されるという、誤解を招かねないと思います。ですので文言の検討をお願いできればと思います。もし記載するのであれば、「知識や経験が十分でない先生たちにとって具体的な指導のイメージを持ちやすくするため、学習指導要領を分かりやすく示す」というような書き方が良いと感じました。
4点目です。全体を通してこの資料を何度か読んでみますと、大きく4つのキーワードが繰り返し出てくると感じます。具体的には社会モデル、重層的な指導・支援、合理的配慮、そしてデジタル学習基盤です。これらはこれまでの学校教育や特別支援教育の中で必ずしも十分に議論や整理がなされてこなかった用語・概念だと思いますし、今後インクルーシブ教育システムを推進する上で重要なキーワードなのだろうと感じました。ただ今回、私たちのワーキングでは、これら概念・キーワードの定義やそれぞれの関係性などについては十分に整理しきれなかったと感じます。もし時間や検討する余地があるのであれば、このあたりの整理に、時間を割いても良いように思いました。
なお、さきほど丹治委員がおっしゃっていた、学習者用のデジタル教科書のアクセシビリティ保障に関することについては、デジタル学習基盤は大事なキーワードでもありますので、引き続きしっかりと御検討いただきたいと思います。
繰り返しになりますが、私からの提案としては、この4つのキーワードをもう少し整理できないかなということです。十分に整理されていないことが、現場の先生たちから見ると、「新しいものが次々に求められている」という印象に繋がり、負担感や心理的抵抗感に繋がっている可能性もあると感じます。「重層的な指導・支援の考え方を踏まえて」という文言はあらゆるところに書かれていますが、例えば、この考え方ももう少し踏み込んで、13ページの補足イメージを言語化しながら解説ができると、現場の負担感・心理的な抵抗感も変わるのではないかと思いました。
最後に、菊地委員をはじめ数名の委員がおっしゃっていましたが、基礎的環境整備は、今ある学校現場のリソースで対応するというものではなくて、国や教育委員会など、追加で予算措置を投じながらはじめて整えられていくものだと思います。よって、通常の学校で今あるリソースで何とか対応してください、というメッセージにならないような工夫が必要と感じました。以上になります。
【清原主査】 宮内委員、ありがとうございました。 3ページ、4ページ、7ページにそれぞれ、表現により趣旨が伝わるようにという具体的な御提案をいただきますとともに、「社会モデル」、「重層的な指導・支援」、「合理的配慮」、そして「デジタル学習基盤」というキーワードが全体を通底しているので、それについてより良い理解が図られるような工夫を、という御提案をいただきました。それでは、川合委員、お願いします。
【川合委員】 よろしくお願いいたします。
まず、事務局の皆様には、詳細な資料を取りまとめていただき、また、最後まで丁寧に修正していただいたことに感謝申し上げます。大変な御尽力であったと思います。私の方では大きく3点、申し上げたいと思います。
第1点は、骨子案の基本的な方向性についてです。資料4ページの右側の「全ての子供に対する、多様性・包摂性を尊重した」という最初の項目については、非常に重要な視点であると考えます。これをさらに前進させるためには、特別支援教育を特定のみの課題として捉えるのではなく、通常の学級における授業づくり、学級経営、学習評価の改善などについても、より明確に位置付ける必要があると考えます。
先ほど宮内委員もおっしゃっていましたが、重層的な指導・支援の在り方は非常に重要であり、海外のMTSSにも通じる考え方であると思います。一方で、通常の学級における特別な教育的ニーズへの対応を推進するという意味でも、大きな一歩になることを期待しています。通常の学級における基盤的な支援、個別的な支援、さらに通級による指導や特別支援学級等につながる専門的支援との関係について、どの範囲を通常の学級担任が担い、どの段階から特別支援教育担当者等と協働して支援を行うのか、その役割分担や連携の在り方やかかわりの程度の濃淡を、学校現場に分かりやすく整理して示す必要があると感じました。
次に、5ページの「合理的配慮の提供を促すための方策」についてです。合理的配慮はこれまでも重要視されてきましたが、個別対応のみとして捉えられる傾向があるのではないかと感じています。授業全体の改善や教材の工夫によって、一人の子供だけでなく他の子供たちの学びの改善にもつながること、またICTの活用を含め、学習環境全体の改善と一体的に示すことが重要ではないでしょうか。これは教員の負担感の軽減にもつながる視点であると思います。もちろん、合理的配慮は個々の児童生徒に対するものであり、基礎的環境整備は全体に関わるものであることは理解しています。しかし、合理的配慮を過度に個別対応として捉えることが、現場の負担感につながっている面もあるのではないでしょうか。個別の工夫が結果として他の子供にも良い影響を及ぼすという視点を教員が持てるよう、整理することが必要であると考えます。
また、4ページに戻りますが、上から5つ目の「個別の指導計画のうち各教科等の指導に係るものについては、真に必要な記載に精選することが必要であり、学校現場が抱える負担感への対応も可能になる」という記述についてです。この点について、「精選すること」がどのようなプロセスを経て学校現場の負担軽減につながるのかが、今ひとつ見えづらいなというところがあります。
私がこれまでたくさんのお子さんに関わってきた経験からすると、精選するためには子供の見取り力というのはかなり必要なのかなというところがあります。ですから、精選するためには、きちんと子供を的確に見取る力、それを校内で共有する力、すなわち共通理解を図っていくことが前提になるかと思います。そのため、単に様式の簡素化であるとか内容を精選するだけでは負担軽減には繋がらないのではないかと思います。先生方も何らかの意味があって記載されているのだと思いますが、そのためには、やはり特別支援教育は教育の基盤であるということも含めて、きちんとした研修であるとか、教員の指導する力、見取る力をつけていくという観点も、本筋とは少し外れる意見かもしれませんが、必要なことだろうと思っているところです。
あとは、自立活動に関してです。補足資料23ページのところですが、以前、酒井さんが「改善・克服」という言葉に関しては、今後少し変更があるかもしれないということをどこかの回でおっしゃっていたような気がしたのですが、今回もこの表現が残っていることが少し気になりました。当然、こういった考えというのは重要な側面もあると思いますが、現在、合理的配慮や、特に強調されている社会モデルを重視する流れの中では、障害そのものを本人が克服するかのように受け取られないよう、より慎重な表現、あるいは補足的な説明が必要なのではないかと考えました。ここで言う対象はその障害そのものではなくて、必要な支援や環境調整のもとで学習上又は生活上の困難に対応して力を発揮できるようになることであるということを、明確にする必要があるのではないかと考えた次第です。
第2点は、幼・小・中・高等学校における実現可能性についてです。改善の方向性ということで、6ページ以降の話になると思いますが、学校現場の負担感・不安感、それから先生方の現状に即した方向性というところです。こちらについても、やはり先生方個々の努力や力量に依存するのではなく、担任、教科担任、通級による指導担当、コーディネーター、管理職、外部の専門家などが、二重にも三重にもサポートする体制、組織的に支える体制を前提として記載することが必要かなというところです。
また、幼稚園について、小学校もそうかもしれませんが、早期の気付き、支援開始というところの重要性です。困難というのは問題行動として捉えるのではなく、学びや生活への参加のしにくさというふうな視点を持つことの重要性、そういったところも記載する必要があるのではないかと思いました。あとは教科間の連携であるとか、評価の工夫、進路の指導との接続というところですね。こういったところも整備する必要があるのではないかと思いました。
3点目は、特別支援学校における改善の方向性というところです。例えば連続性のある学びの場ということで、すみません、ページをすぐに確認できず恐縮ですが、もちろん連続性というのは場所ということもあると思いますが、実態把握であるとか支援方法、合理的配慮や学習評価、進路支援など、様々な面で切れ目なく引き継がれるということが重要かなと思います。そういった意味では、就学前から卒業後までを見通した個別の教育支援計画の連続性、接続ということを制度面、実務面の双方から具体的に示す必要があるのではないかと思ったところです。
あとセンター的機能についてですが、これは12ページの8のところですかね。充実という点は当然重要なことでありますけども、地域の幼・少・中・高等学校を支える専門性の拠点としての視点を明記する必要があるのかなと思ったところです。あとは、特別支援教育コーディネーターは、巡回相談や研修支援、教材共有、ケース会議等々、様々な役割を担っていらっしゃる方々ですので、人員体制、業務整理も議論しなければいけないのかなと思いました。また、地域によっては、地域校の中でも特別支援教育の専門性や実績が蓄積されていると思いますので、そういった意味では、地域校で蓄積された実践知も共有し合えるような双方向の連携体制は考える必要があるかなと思います。常に特別支援学校側から提供するではなく、地域から特別支援学校側に提供できるものも、これまでの実践の中でできている部分があるのかなと思いますので、双方向の支援、連携についても考えていく必要があるかなというふうに考えたところです。以上になります。よろしくお願いいたします。
【清原主査】 はい、川合委員ありがとうございます。それぞれの箇所について具体的に御提案をいただきました。感謝いたします。まだ多くの方手が挙がっていますので、早速次に移らせていただきます。では、一木委員、御発言ください。
【一木委員】 はい、一木です。資料の作成等ありがとうございました。私からは3点申し上げます。
まず、資料6ページ右、「通級による指導を受ける場合の特例的な取扱い」の3点目、「各教科等の目標内容の一部を障害の状態等を考慮したものに替えること」の記載についてです。知的障害特別支援学校の各教科に替えることも含め、幅広い解釈が可能かと存じます。右側1点目との整合性の観点からも、意図がより正確に伝わる記載の検討が必要かと存じます。
2点目は、10ページ右下、「自立活動に関する個別の指導計画」に係る記載についてです。次の点がより明確に伝わる記載となればと考えます。自立活動、養護・訓練の内容の成立過程を踏まえれば、実態把握の視点として6区分は不可欠であり、この実態把握に基づき、「流れ図」に例示されるような、課題の整理、指導目標、指導内容の設定がなされます。これらは個々の実態に即して整理される情報であるため、「個別の指導計画」に記載する必要があります。よって業務の重複を省く際には、まずこのような自立活動や、その他各教科について必要な実態把握を行うことを「前提」とした上で、「他の諸計画」にも重複する内容を記載する必要性や、適宜「個別の指導計画」から転記することについて検討する流れになると考えます。
最後に3ページ、「現状と改訂における基本的な考え方」についてです。左上の「特別支援教育の定義」と自立活動の目標は密接に関連します。すなわち、特別支援教育ではすべての教育の場の教師に、自立活動の視点による子ども理解が求められることを意味していると理解できます。その上で、個々の実態に応じた自立活動の指導は、左側3点目の「多様な学びの場」のうち、特別支援学校、そして「特別の教育課程」を編成する通級、特別支援学級で行われます。これらの教育の場については、教育課程に自立活動が位置づけられることとの関係で、個別の指導計画の作成が義務づけられています。左側4点目のこれらの教育の場で学ぶ子どもの増加は、換言すれば、「人間として調和の取れた育成」を目指す際に、各教科等の学びに加えて、自立活動の指導を必要とする子どもが増加していることを意味します。また右上では、「特別支援教育の取組」や「障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導」の必要性に言及されていますが、その要となるのが自立活動の指導です。今回の資料では「自立活動」の文言が見当たりませんが、こちらの「基本的考え方」や、それを踏まえ示される4ページ以降の「各教育の場における改善の方向性」について、先生方に「日々の授業」との関係で捉え、理解し、実践に生かしていただくためにも、また、教員養成段階における自立活動に係る学修の充実を図るためにも、こちらの3ページの「特別支援教育をめぐる現状と改訂における基本的考え方」について、「自立活動」の文言を明示しながら、「自立活動」との関連で示すことが肝要と考えます。
【清原主査】 はい、一木委員ありがとうございます。6ページの特例的取扱いについて、そして10ページの自立活動の実態把握の重要性、そして関連して3ページにも自立活動の文言を、という御提案です。
それでは、海老沢委員、お願いします。
【海老沢委員】 資料の1枚目の合理的配慮への負担感・不安感についてですが、私の感じることですけれども、合理的配慮を求めるとなると、特別な対応をしなければいけないんじゃないかと考えてしまうことがすごくあるんだろうなと思うんですよね。でも、その子だけの特別な配慮を求めているわけではないということが、とても大事だなと思います。先ほど緒方委員がおっしゃっていたように、管理職への理解も進めていく必要があると思いますし、例えば僕も眼鏡をかけていますけど、眼鏡をかけるときに承認や許可って必要なんだろうかということと同じと考えられますよね。そういったことが大事かなと思います。
それと関連して5ページなんですけれども、右側の4つ目のポツのところですね。合理的配慮を受けるとなると、特別扱いされるのは嫌だと感じるお子さんもいらっしゃると思うんですよね。なので、これは学び方の選択肢が用意されているということがとっても大事な視点になると思うんですね。どの子も選択していいということですよね。そういった授業を作っていきましょうということがとても大事かなと思います。これは個別最適な学びにも繋がることですし、文部科学省のnote「みるみる」の中にも、山登りのルートが書かれている図があると思うんですが、山登りにもいろんなルートがあるよねということですよね、学びのゴールに行くまでに。そうした考え方が大事なんだということを、しっかり明示していかれることが大事かなと思っています。
それから、7ページの特別支援学級における改善の方向性というところに関してですけれども、在籍者が急増しているというのは現状だと思うんですけれども、あくまで幼・小・中・高等学校との連続性のある多様な学びなんだという押さえが、とっても大事かなと思います。特別とか特殊な支援じゃないということですね。そこのところが、うまく伝わるととてもいいのかなと思いますし、知的障害の特別支援学級であれば、例えば小学部1段階から3段階の学習内容も、小・中・高等学校との連続性があって包摂されているんですよというようなところですね。そういう考え方をお示ししていくことが大事かなと思っています。
それから10ページですね、自立活動に関してのところですけれども、子供主体の視点に立った自立活動の更なる展開というのが書かれていますが、これが本当にとっても大事だなと思いますし、例えば特別支援学校高等部のお子さんで、選ぶことがなかなかできないというケースが現状あるんですね。自己選択・自己決定といったことを経験してきていないということがすごくあるので、そこに資する指導内容というのはとっても大事だなと思いますし、それが意思決定支援に繋がるというところで、小学校段階から積み上げていくことが大事かなと思います。それは結局学習者主体の授業づくりに繋がるということですね。切り離して考えるのではなくて、それが学習者主体の授業づくりに繋がるし、また個別最適な学びに繋がるということですね。そうした一貫した考え方が示されているんですというのが、分かりやすく伝わるといいのかなと思っています。
それから次期学習指導要領が、学校現場で授業づくりとか自立活動を考える際に、常に参照できるようなものにするというのが実現可能性に繋がるとすごく思うんですね。現行の学習指導要領の理念や趣旨も浸透していないというのが示されていますけれど、ビジョンが分かりやすく把握できるようにするということが何より大事かなと思いますので、そこの辺りがポイントになると思いますし、「学習指導要領って改訂されたんだね、それでどんな内容になったの?」なんていうことがないように、多様性を包摂する教育課程は実現できますよ、その実現のために伴走していきますので、一緒に考えていきましょうというような、そういったメッセージというのが明確に打ち出されると、現場にとっても不安感が少なくなるかなと思います。
【清原主査】 はい、海老沢委員ありがとうございます。合理的配慮につきましては、緒方委員、そして先ほども川合委員が、個の環境整備をするだけでなく、実はすべての子供にとっても良い環境に繋がることであって、何か個別のことではないのだということをおっしゃいましたが、海老沢委員におかれましても、学び方の選択肢が環境として増える、というふうな表現もしてくださいましたように、今回の私たちの中でも、合理的配慮については、まさに重要な柱になっていることについて、加えて御意見いただきました。そして7ページ、また10ページの自立活動の取組については、何よりも、高等部における自己選択や自己決定に結びつく、意思決定支援に繋がる、ということの確認をしていただきました。
それでは、堀川委員、お願いいたします。
【堀川委員】 改めまして、失礼します。取りまとめ骨子案は、これまでの議論を踏まえて必要な記載も加えられていると思います。短期間の中で、たくさんの情報を適切に取りまとめていただいたおかげで、この改善の方向性というものは適切な内容となっていると思っています。その中でいくつか意見を述べさせていただきます。
幼・小・中・高等学校の方向性について2点です。まず1点目ですけれども、6ページ目の通級による指導について、その通級の中で子供のニーズや実態把握をきちんと踏まえた上で、自立活動を実施するということを明確に示されるということが前提となりますけれども、この上で必要な場合には自立活動の中で教科的な内容を取り入れた指導を十分に行って、また在籍学級で指導の工夫をしっかりと行うということも合わせた上で、別途通級による指導において各教科の指導が必要な場合には、教科の内容の一部を取り扱う指導ができるというふうなことが記載されているというふうに理解しました。これが各現場で正しく理解されていくということが大事だと思います。このことについては一木委員からも御発言があったかと思います。
そういったことを考えますと、16ページ、17ページには補足イメージ図ということで通級による指導のイメージが示されているわけですけれども、こちら自立活動を行うということでありますけれども、この図の中には文言として文章の中に自立活動を取り入れるということは書いてありますが、一見して自立活動に取組むということが分かりづらい図かなと思います。これおそらく公表されていく、その文章で示されたことを補足していくイメージとして今後公表されていくと思いますので、この図の中のそのオレンジの四角のところですよね、こちらの中が自立活動というふうなことが取り入れられるということになっていくのかなと思いますし、また合わせて水色の四角、下の方向性の検討の中で水色の四角の中が各教科というふうなことが書かれていますが、各教科だけですと特定の教科の学習を取り出して通級指導を行うのではないかというふうなことの誤解に繋がってもいけません。あくまで特例的に教科の内容の一部を取り扱うということが分かるようにするためには、こちらの「各教科」という表現を「各教科の内容の一部」というような文言に揃えていただけるとありがたいと思います。
続いて2点目です。これは、幼・小・中・高等学校の方向性についての実現可能性や負担感について、感想も含めてということになりますけれども、こういった実現可能性や負担感への配慮というのは、様々な部分で学校現場への配慮がなされたものになっていると思います。ですが一方で、もし自分が担任だったらという担任の視点に立ちますと、学級の中には配慮を要することが何人もいて、障害のある子供、不登校の子供、日本語指導の必要な子供、特異な才能のある子供など、同時に多様な取組、支援、配慮が求められることになります。担任が負担感なく実現していけるかと言われますと、正直厳しいなと思います。
じゃあ、学校現場で負担感を最小限にしながら必要な教育活動を進めていくためにはと考えますと、組織的な取組が鍵になるかなと思います。先ほど緒方委員の御発言の中にも管理職の意識という御発言がありましたけれども、それも大きく関わってくると思います。校内の組織的な取組と言いますと、重層的な指導・支援のピラミッド図ですね。これは13ページの補足イメージになります。13ページの補足イメージのピラミッドの左上にあります「校内委員会」というものが不可欠になりますし、ここでの組織的な対応がどう円滑に進められるか、学年やチームで担任を支えられるかといった仕組み作りですとか、役割分担が重要になると思います。チームで支えるには会議や打ち合わせの時間の確保が必要になってきますけれども、時間は限られています。そういった意味で、特総研ですとか各教育委員会、また国で収集した校内支援体制のモデルケースですとか校内委員会の好事例、またこの度の学習指導要領の改訂とも大きく関わりますけれども、標準授業時数の柔軟化によって創出された余白の活用例、こういったことを学校にとって有益な情報を広く提供するといった教育委員会等による支援がますます必要になるというふうに感じました。
もう1点、特別支援学校にかかる方向性についてですけれども、特別支援学校における自立活動のうち、こちらページで言いますと10ページになりますかね。10ページの右側の5ポツ目になりますが、医療的ケアにかかる記載の充実がなされるということには大きな意義があると思います。なぜかと言いますと、特別支援学校だけではなくて、小学校・中学校・高等学校にも医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍しておりますし、その人数というのは増加傾向にあると思います。そのうち特別支援学級に在籍している児童生徒は自立活動においてそういった内容を取り扱うことができますけれども、通常の学級に在籍する子供について見てみますと、自立活動を位置づけないものの、学校生活において自立活動の視点を踏まえた指導を受ける。こうしたことによって子供本人の自己理解や自己支援の力を高めていくということが必要になってくると思います。小学校・中学校・高等学校の教員が特別支援学校の学習指導要領を参考とすることができるよう、小学校・中学校・高等学校の学習指導要領の解説のどこになるか分かりませんけれども、どこかの中にも記載があると良いかと思います。
【清原主査】 はい、堀川委員ありがとうございます。特にイメージ図があることによる理解の促進について、自立活動の明確化についても、また何よりも組織的に学校が取り組んでいく、チームで取組んでいくときのその支援としても、図の有効性についても支援いただきました。特にモデルケースであるとかそうしたものの有効性も御指摘いただくとともに、特に特別支援学校の場合には自立活動を進める上でも、医療的ケアの記載の意義と、それから高校においても特別支援学校学習指導要領がよりよく読まれるということの重要性も御提案いただきました。 それでは野口委員、御発言お願いします。
【野口委員】 すいません、途中参加で、かつ外からの発言になって恐縮です。皆さんの意見すべて聞けていないのですが、資料など踏まえた上で発言させていただきます。改めて、今回の様々な関係部署や関係者と御調整していただきながら取りまとめをいただいたのではないかと推察しています。細かい表現など気になる部分もありますが、大きな枠組みについてのお話をいくつかしたいと思います。
まずやはり前提となる、補足イメージ1の重層的支援構造の部分ですね。今回のポイントはやはりどの学びの場においても学びが保障されるために、そして本人や教職員の負担感の軽減といった視点に立っても、この個別に調整をする前の土台である基礎的環境整備、すなわち第一層支援の充実ということが、肝であるということは、委員の皆さんも含めて共通認識をしているのかなと思います。これはすなわち社会モデルの視点に立って、あらゆるバリアをあらかじめ取り除いていくということです。例えば基礎的環境整備として、今各学校ではバリアフリー化が進んでいますが、スロープやエレベーターが設置されていたら、本人にとっても周りにとっても、そういったものが設置されていることによって負担は減るわけですよね。同じように学校文化や授業作りにおける多様な子供にとってのスロープやエレベーターというものが、充実することの大切さ、でそれが、必ずしも負担増ではないということを改めて学校現場を始めとした各関係者の皆さんと共有していきたいなと思います。
このワーキンググループでは十分に基礎的環境整備、この土台の第一層支援については検討ができていないかと思いますが、他の部会やワーキンググループで検討している調整授業時数ですとか、あるいは特別活動を中心とした共生社会や民主的な社会の未来を育むという方針ですとか、得意を伸ばし好きを育む柔軟な教育課程そのものというものが、この土台の基礎的環境整備としても機能するということを、改めて皆様と共通認識をしておきたいところです。これは教育課程企画特別部会でも提案したいと思いますが、現在各ワーキンググループごとに様々な別々な議論をされているので、多分聞いている先生方としてはいろんなものがどんどん積み重なっていくように見えてしまうと思いますが、例えばこの重層的支援構造の土台の部分に、調整授業時数ですとか、あるいは今議論を進めている各教科等のワーキンググループでも議論を進めていることが入っていって一枚絵になると、よりどんどん積み重なっていくというよりは、総合的に包括的なものとして設計がなされていくという、そういうことを学校現場とも共有ができるといいなと思っています。これは、デジタル教科書の議論も全く同じだと思います。合理的配慮として個別の調整を要する、申請しないと使えないという状態は、本人や学校双方にとって負担です。基礎的環境整備として紙とデジタル、どこの学年でも準備すべきです。
もう1点、7ページのところで右下に、「特別支援学級ではなく通常の学級を学びの場とすることが適切と思われる子供については、通常の学級の中で指導できる体制を整備することにより、通常の学級での特別支援教育の専門性を確保することが必要。こうした子供たちを通常の学級の中できめ細やかに指導できるような指導・運営体制の在り方について、将来的な制度的対応も含むあらゆる対応策を見据えて、国において検討を進めることが必要である。」と記載をいただいています。これは、踏み込んで書いていただいたのではないのかなと推察しています。学びの場については、現状どの障害のある子も、障害者権利条約への批准を経て、本人・保護者の希望と学校の環境整備の状況を踏まえた上で、通常の学級に在籍できるようになっています、制度上は。まさに、これは今後、特に通常の学級における基礎的環境整備としての体制整備を、今回学習指導要領の改訂のみならず、今後国として検討していく必要があるというところに、深く共感をいたしたところでございます。すいません、ちょっと早口になってしまいましたが、私からは以上です。
【清原主査】 はい、野口委員ありがとうございます。基礎的環境整備の意義を確認していただくとともに、ページの7に書いてあります、通常の学級での学びの在り方についての提案に共感と、それが非常に重要であるという御指摘いただきました。
それでは、足羽委員、お願いします。
【足羽委員】 足羽でございます。資料の整理、本当に大変だったと思いますが、心から感謝申し上げます。
まずもって、今野口委員がおっしゃった、そしてまた多くの委員からも声が出ております、今回の改訂に向けた大きな柱、流れである重層的な指導・支援。これがしっかりと確かなものとなり、そしてその考え方が現場にしっかり伝わっていくこと、これがまず大きなポイントになろうかというふうに思いますので、このあたりの整理をよろしくお願いしたいと思います。
私の方から3点ですが、1点目はページで言いますと6ページになります。これも、一木委員や堀川委員の方からもありました。この通級による指導の特例的な扱いとして、自立活動を前提としながら各教科の指導を行うことが可能となっていくという視点に立てば、この各教科の学習指導要領の方ですね、例えば小学校の国語等の学習指導要領の中に、解説の中でもですね、障害のある児童への配慮事項の中に、今でもそうした説明があるのですが、さらにこうした通級における自立活動、そして各教科の指導が可能だということを踏まえれば、この通級指導において個別に実施をしていく教科の指導、その際の留意事項を、そうした各教科の方の学習指導要領の方にもきちんと明記することでリンクされていくんじゃないかと思っているところでございます。これが1点でございます。
2点目は8ページ、お願いいたします。これは、幼稚園における改善の方向性というところ。私は非常に幼保、そして小学校への接続ということが、この支援を要する子供たちへの教育だけではなく、例えば不登校や、あるいは、いじめ等についても非常に重要な視点だなと思っているところでございます。その意味で、この幼稚園における改善の方向性もまた学習指導要領の方にも記載されていくと思うのですが、一方、先ほど申したような現行の小学校の学習指導要領の、今ある個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成と活用、ここのところに、幼稚園、そして小学校、この接続の大切さ、重要性ということがきちんと規定として明記されれば、よりこの連続性が担保できるのではないかと考えました。
3点目は、12ページ、お願いいたします。特別支援学校のセンター的機能の充実ですが、先ほど川合委員からもこの点について触れられましたが、センター的機能につきましては平成17年の12月に、この中教審の答申において6点示されていると思いますが、その際には医療とか福祉とか労働機関等のそうした関係機関との連絡調整というふうな形で整理をされていたと思うのですが、昨今の現状はここにSSW、スクールソーシャルワーカーが大いなる働き、そして活動していただいて、この支援に関わっていただいております。このあたりのことも、文言にするかどうかは別ですが、SSWの存在、そしてまた配置、こうしたあたりも踏まえた再整理をすることも必要じゃないかなと思って考えました。私からは以上でございます。
【清原主査】 はい、足羽委員ありがとうございます。重層的な指導・支援の重要性から、特に通級においては各教科指導の点についての留意、そして幼稚園を含めるとしても幼・保・小が着実に接続するための提案をいただきました。また特別支援学校のセンター的機能についてはスクールソーシャルワーカーの役割の意義を提起していただきました。
谷口委員、お願いします。
【谷口委員】 これまで様々な議論をおまとめくださいましてありがとうございます。心より感謝を申し上げます。重層的な指導・支援をはじめといたしまして、基本的な方向性および具体例を解説等にお示しくださるということを含め、総合的に賛同しております。特に5ページの右側にございます、3つ目のポツになりますけれども、合理的な配慮として考えられる観点や、過重な負担の基本的な考え方についてしっかりと明示していただけるということは、通常の学校において感じられている合理性の判断の難しさという実践上の困難を緩和してくれることへの貢献が期待できると考えております。
その上で2点、御提案を申し上げます。多くは今までの先生のところと重なりますので省きますけれども、やはり現場の通常の学校の現場の負担感ということについて考えないわけにはいかないと思う反面、通常の学校の先生方に関しましては、どこか合理的な配慮の提供がプラスの仕事といったような御認識があるのではないかといった印象も持った次第でございます。そのあたりの認識の修正につきましては、様々な先生からすでに御意見をいただいておりますけれども、学習指導要領の合理的配慮のところの最初に、合理的配慮の提供は教師としての責務であり、使命感を持って取り組む必要があるということを文言としてはっきり御記載いただければというふうに思っております。もちろん負担感の根本的な解決には、先生方の多忙化の解消の施策が必要と思っております。そのためにも4ページの右側にあります研修コンテンツの充実、また12ページの右側にございますセンター的機能の充実というところにも大きな期待をいたしますとともに、教員養成の方で出ました特別支援教育の教員と通常の学校の教員の人事交流によって、それぞれの先生がお持ちの実践知の交流が起きるということにも効果が期待できるのではないかと考えているところでございます。
2点目になります。10ページ目になりますけれども、自立活動の流れ図というところになります。この自立活動の内容に関しましては、現場の先生方の方から保護者からその内容に御納得いただけないことがあるということも耳にしております。そうした流れ図の作成プロセスにおきまして、保護者の方たちとどのように情報共有をしていくのか、または合意形成をするのかといったようなことをどこかに追記をしていただければ幸いに思っております。以上でございます。
【清原主査】 はい、谷口委員ありがとうございます。現場の負担感を認識しつつも、合理的配慮については着実にそれが進むようにという具体的な御提案。そして自立活動の流れ図については、保護者との情報共有や、あるいは合意形成などについて支援をする方向性を御提案いただきました。
それでは有吉委員、お願いいたします。
【有吉委員】 はい、今回も丁寧な資料をありがとうございました。保護者の立場から申し上げます。
はじめに、4ページにありますが、「多様性の包摂」を目指すことにより、小・中・高等学校の先生方の負担感や不安感が増大するであろうことは私にも想像できます。「合理的配慮」や「基礎的環境整備」という文言に対して構えてしまうのではないでしょうか。障害の有無に関わらず、児童生徒一人一人の学ぶ環境がより良くなるようにと考えることは教育の基本、当然のことだと考えます。「しなければならない特別なこと」ではなく、教育の一環として先生方が捉えられるよう具体的に分かりやすい示し方、支援が大切だと思います。13ページの三角形の1番下の部分は大事なことだと私も思います。公立校において地域間での教育格差が生じないようにと願います。また特別支援教育における書類の煩雑さについても課題になるかと思いますが、先生方だけでなく保護者にとっても同様です。もう少し簡便になれば先生方と家庭とが連携することも、よりスムーズになっていくのではないでしょうか。
インクルーシブ教育を訴える障害当事者や保護者が多い中で、特別支援教育を受ける児童生徒が増加しているということですが、知的障害の程度によって「差別」と「区別」とに考え方が分かれるのだと思います。3ページの左下の「特別支援教育はセーフティーネット」という文言はそのとおりだと思いました。その子その子に合った教育は必要です。子供がどう成長していくかを見据えた学校選びについては、教育委員会等専門家による親身な助言が必要だと思います。
9ページから12ページの特別支援学校における改善についてですが、まずは「重複障害者等」「障害が重度で重複している子供や医療的ケアを必要とする子供」という文言を明記してくださりありがとうございます。以前より申しておりますが、肢体不自由教育校では重度重複障害のある児童生徒が多数です。11ページの「国の障害者施策の方向性も踏まえ、自立と社会参加を目指していくという理念を明らかにすること」について大きく賛同いたします。また、「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」についてですが、この点は見直しとともに具体的に示す必要があると思います。特に高等部においては、社会に出るための意思形成、意思決定の力を養うことが重要です。その後の生き方を左右します。先生方の理解を深めていただきたくお願いいたします。
10ページに関連してですが、実は昨日、我が子の個別支援計画をいただきました。よく考えてくださった内容だと感謝しています。ただ、自立活動についての記載が少ないことが気になりました。6区分27項目ある中で、姿勢やICT機器の使用、摂食介助についての記載のみでしたので、高等部であれば「人間関係の形成」や「環境の把握」についても指導していただきたいと思いました。先生方は、普段の授業や面談からは我が子のことを多方面から見てくださっていることが窺えますので、もしかしたら自立活動の区分や項目を個別で捉えているのではないかと想像しました。6区分27項目を総合的に捉え、教科も含めてどのように組み合わせて、どのように指導内容として設定するか、カスタマイズの手法や実践例について先生方に対して丁寧に提示する必要があるのではないでしょうか。自立活動は特別支援教育の核となる指導だと考えます。きちんと各家庭に対して示し、説明し、話し合うことが必要だと思います。
教員不足が深刻化している中、そして働き方改革が謳われている中ですが、先生方には教育とは何かを今一度考える時間を持っていただきたいと願います。学習指導要領については経験の浅い先生方も保護者も正しく理解できるよう、分かりやすさが肝要だと思います。以上でございます。
【清原主査】 有吉委員は、保護者の視点から、多くの提案をいただきました。例えば、書類ももっと簡素化していいのではないかということ。また、自立活動については、家族との対話の重要性も御提案いただきました。そして、重複障害や、あるいは医療的ケアについて記載したことについては、当事者の立場からもその評価をしていただきました。
それでは澤委員お願いいたします。
【澤委員】 私の方から細かいところで3点、それから全体の感想のようなものになりますが、1点述べたいと思います。
まず5ページの合理的配慮というところですけれども、他の委員からもいろいろと御発言があったかと思います。特に合意形成の在り方等々につきまして、このあと解説等で細かく説明されるというところが望まれるかと思います。また、4つ目のポツですが、合理的配慮を受ける子供が特別扱いされていると捉えられているような、少しストレートな言い回しかなとも思うのですが、ここで授業づくりや学級集団づくりが必要だということが書かれておりますけれども、学校全体としてどういう取組をしているのかということを発信するような、例えば他の保護者に対して説明するような、学校全体としての取組ということについても文言が加わるといいのかなと思いました。
6ページ目の特例的な取扱いのところで、3つ目のポツの矢羽の部分ですが、上の方は指導期間を一定期間の各教科の指導を行う、行えるようにすることということ。2つ目は教育内容や教育目標を変更するというようなことが書かれていて、この2つというのは、かなり内容が違うと思います。矢羽という形でこう表すのがいいのか、少し別立てな形で表した方がいいのか、このあたりの表し方ということは少し考えてもいいのかなと思いました。
あと12ページのセンター的機能の充実ですね。ここでは、センター的機能の取組への期待や、あるいは乳幼児相談の充実ということが書かれていますけれども、やはりセンター的機能に関しても、地域の実情や学校の状況によって、取り組める取り組めないというところは違いがあると思います。ここでは過度な負担のない範囲でという言葉が入っていないのですが、地域の実情に応じた取組という観点を入れておくのがいいのかなと思いました。
全体を通じての感想のようなものになってしまうのですが、ここまでこのワーキングの中で話し合われてきた内容について、非常に整理された形でまとめられているかと思います。私が望んでいるのは、ここで話し合われたことが実際の学習指導要領の中にどのように反映されていくのか。先ほど野口委員からも御発言がありましたけれども、最終的にまとめられていく中で、ここで話し合われた内容ができるだけ反映されるような形で学習指導要領が作られていくということを望んでいますし、期待したいというふうに思っております。
【清原主査】 はい、澤委員ありがとうございます。5ページ、6ページ、そして12ページについて、御提案いただきましたし、全体として学習指導要領にワーキンググループの答申内容が大きく反映されることへの期待を述べてくださいました。
はい、それでは青山委員お願いします。
【青山委員】 はい、失礼いたします。今日授業がありまして途中からの参加になりました。申し訳ございませんでした。いつもの通り丁寧な資料を作成していただきました。おそらく関係各所、各課、各ワーキングとの調整で非常に難航されたのではないだろうかとも思いながら拝見しました。いつもありがとうございます。
前回の会議のときに、このワーキング、私たちのワーキングだけでも、様々な議論が展開され、論点が非常に多い状態である。そこで、委員として参画していても、一体何の話がどこで出ていて、そのどの話がどこで繋がっているのかということが分からなくなってしまうこともあるのだというようなことを申し上げたと思います。そこで、できるだけこのワーキング内の議論が、どういうふうに繋がっていて、どういう関係性を持っているのかが分かるように、というようなことを申し上げたところ、今回資料の20ページのところを補足イメージの8で示してくださっている図を拝見し、非常に考えて工夫をして表現をしてくださっているんだと、大変共感をしております。
これは今日話題になっているであろうと思われるこの「重層的な指導・支援」と、合理的配慮と基礎的環境整備の議論は一体どこで接続しているのかであるとか、もしくは第3回ワーキングの頃に話題になっていた「困難さの背景」に目を向けた指導という、基本的なところを共有していこうとか、また障害種ごとの困難さを表現することが重要だと、今まで以上に丁寧な記述をといったような議論が、この1枚の「重層的な指導・支援」との接続関係を意識した形で示されていると思います。おそらく今後学習指導要領を作成され、解説が作られていく中で、やはりこういった接続であったり関係性であったりということが分かりやすく示されるということがポイントのような気がします。という意味で、非常に重要な御提案今回いただいたなというふうに思ったということがまず1点でございます。
それから、あと各論で2つ申します。スライドの19を拝見して、高等学校における「重層的な指導・支援」のイメージということで、補足イメージ7を作ってくださっていました。これを改めて拝見して、小・中学校というか、まあ義務教育段階ではこの「重層的な指導・支援」というのはかなり広まってきているというふうにも思うのですが、高等学校段階における特別支援の捉え方が、なかなかこの第一層部分から積み上げていく「重層的な指導・支援」がイメージ化されていないのではないかという印象を持っております。そういう意味では、高等学校におけるということで、これを明確に示すことの重要性を強く思いましたので、共感をしたということです。
それから、よくよく見てみますと、左の方に障害の重い生徒を受け入れる場合などにおいては、今後、教育課程の編成実施を可能にするような特別な編成を可能にするような新たな「特例校制度」を実施するのだといった提案が示されています。やはりこういったところにかなり踏み込んだことを議論してきたと思いますので、それが分かりやすい形で示されている重要なイメージ図だなというふうに思ったということが2つ目でございます。
それから最後3点目です。スライドの6になります。私が今日参加させていただいてから、何人かの委員の方から出ているこの通級による指導に関してです。先ほど澤委員から出た話と重なる部分があるのですが、3つ目の黒丸のところの、要するに2つ目のパラグラフですね、障害の状態等を踏まえてというところで、よくよく見てみますと、通級を受けるその児童・生徒に関しては、合理的配慮の提供の観点から学校側に過剰な負担が生じない範囲で、本人・保護者と十分に意思疎通を図りつつ、各教科等の目標・内容の一部を障害の状態等を考慮したものに変えることを可能とすることという提案がなされています。これは通級による指導の中身ということよりも、通級による指導を必要としている子供にとっての教育課程の柔軟な変更に関する可能性を探っていこうという、かなり踏み込んだ御提案をされているのではないのかというふうに読みました。これはここのワーキングで今までにも議論になっている、通常の学級において、柔軟な教育課程は具体的にどこまでどのように可能にしていけばよいのかといった話ともすごく接続する御提案だと思いました。私は、大変重要なことだと考えます。ですので、先ほど澤委員さんもおっしゃっていましたけども、もう少しそこをひょっとすると今の書きぶりよりも、別の形で1つ論として立てる方が良いのか、でも特例的な取扱いと言われれば確かにその範疇ですから、今の形の方が分かりやすいのか、ちょっとそこははっきり分からなかったのですが、内容に関しては非常に重要な御提案だと私は共感して受け止めたという、3つ目の意見でございました。以上でございます。
【清原主査】 はい、青山委員ありがとうございます。青山委員、冒頭で申し上げたのですが、今回教育課程企画特別部会としては、答申の在り方をこのパワーポイント大体10ページ前後でということになっていますが、必要な図については付け加えることができますというふうに申し上げたのですが、ただいま御指摘いただきましたように、この図があることでお読みいただく皆様の理解が進むし、よりその関連性が、あるいは連続性が分かっていくという御指摘を受けましたので、私もこれは必要だと思っていました。皆様も何人もの方がこの図を重要視していただきましたので、ぜひこれは答申につけたいなと思ったところです。さて、そして他にも御指摘いただきましたことをありがとうございます。
亀田委員、よろしくお願いいたします。
【亀田委員】 能美市立寺井中学校の亀田です。まずは事務局の御丁寧な審議の取りまとめと御説明、誠にありがとうございました。現場の負担軽減と指導の充実に向けてということで、現場の視点で、3点申し上げたいと思います。
まず1点目です。指導計画の精選とデジタルの活用という視点について、まず4ページ、個別の指導計画の記載内容の精選についてでございます。ここを精選するということは、極めて現場にとってありがたいことで大切であると思っております。その際、教員のデジタル活用によってさらに負担を減らすことができるのではないかというふうに考えております。何人かの委員の方からありましたが、専門性を持たないまま特別支援学級や通級を担当する教員がございますので、そういう教員にとっては、子供たちの特性に応じた手立てについて、計画を立てる際にアプリの活用とか、あるいはセキュリティを担保した上での生成AIによる支援の自動生成を行うとか、そういうことが有効ではないかと考えております。そこから教員が精査していく、そういうプロセスは単なる負担軽減だけではなく、子供たち一人一人へのより良い指導や支援の構築、そういう保障へと繋がるものと考えております。
さらに5ページになります。基礎的環境整備の理解においてです。1人1台端末などのデジタル学習基盤が、単なる効率化の道具ではなく、子供の能力を拡張し、困難を補完するためのものであると位置付けられ、基礎的環境整備というところで位置付けられることは大変意味深いものと考えます。テクノロジーを通じて支える人、支えられる人というそういう固定化された枠組みを超えて、子供たちが互いに個性を生かして繋がり合うことが重要であるのではないかと。そしてその実効性を高めるためには、教員のデジタルスキルの向上、その支援が欠かせないと改めて強く思った次第です。
2つ目になります。過剰な負担の捉え方についてです。この過剰な負担のない範囲という捉え方、これについては、現在現場ではこの共通理解の共有に非常に苦慮している、そういうケースを見聞きいたしております。例えば就学判定で特別支援学校が適当とされたお子さんが、御本人あるいは保護者の強い御意向で地域の小・中学校に在籍された場合、設備や教師の専門性、業務量において大きな負担が生じていることは否めません。特に医療的ケアを要する場合、合意形成の対話に多くの時間を費やし、意見が異なる場合には、双方にかなりの心理的負担が生じている実態がございます。ですから、国から合理的配慮の進め方や過剰な負担の基本的な考え方、これをお示しいただけることは大変意味深いと考えます。その際、今資料に御提示されております学校規模や財政規模という文言がございますが、それに加えてぜひ学校種という観点も加えていただけたらというふうに存じます。例えば校外学習における活動範囲ですとか、あるいは配置できる教職員の体制などは、小中学校や特別支援学校など校種によって大きく異なるのではないかというふうに思うからであります。
最後3点目になります。通級による指導の特例的な取扱いの理解についてです。6ページの通級指導における特例的な取扱いの理解について、他の委員からもたくさんございましたように、この特例が現場や保護者にしっかりと理解されるよう注意が必要だと考えます。通級指導が分からないところを個別に教えてくれる場であるかのように誤解されて、安易な教科補充指導とならないよう、本来の教育的意味・意義を正しく理解してもらうための啓発が不可欠だと考えております。今回、現場の教員が抱える負担感や不安感にしっかりと寄り添った実効性のある取りまとめとなることを期待しております。
【清原主査】 はい、亀田委員ありがとうございます。まさに中学校長として現場の声として、個別の指導計画等を作る際、セキュリティに留意した生成AIアプリの活用など御提案いただきましたし、そのためにも適切なデジタルスキルの重要性、そして2点目には、負担感の捉え方については、いろいろある中、合理的配慮についても学校の規模や財政規模だけではなくて、学校種も配慮した在り方を提起していただくと有用であるということ。最後に、6ページの特例的な取り扱いについては、それぞれ理解の必要性、これは多くの委員の方がこの部分について御指摘いただきましたので、事務局と御一緒にこの点は非常に重要だということが確認されましたので、より分かりやすい表現にさらに深めていきたいと思いました。
お時間のないところ恐縮ですが、主査代理の奥住委員からも御発言をしていただきたいと思います。奥住主査代理、お願いいたします。
【奥住主査代理】 時間の無いところで恐縮でございますが、一言発言させていただきます。まずは事務局におかれましては、資料作成につきまして大変な御尽力を感謝いたします。8回までの成果を分かりやすく整然と整理していただいたと思っております。個人的には、重層的な指導・支援のモデル、合理的配慮と基礎的環境整備、デジタル学習基盤の活用、そして教員の働き方改革などの文言が適切にまとめられている意義は大きいと思っております。今後取りまとめを作成するにあたり、他のワーキンググループ等の成果と平仄を合わせながら、より具体的なものにしていきたいーと思っております。本日はどうもありがとうございました。
【清原主査】 奥住主査代理、ありがとうございます。奥住主査代理におかれましては、特別活動ワーキンググループ、そして総則・評価特別部会にも御出席いただきまして、私たち特別支援教育ワーキンググループの皆様と語り合ってきた趣旨を御報告いただいてまいりました。やはりこうしたワーキンググループ相互の連携の必要性を改めて痛感しておりますが、その御経験からも他のワーキンググループとの連携、そして平仄を合わせた内容の吟味の必要性について語っていただきました。
私からも一言申し上げます。市長経験者としては、市長と教育委員会がこの特別支援教育についてもさらに連携をしていくということが重要だと考えております。学校の中だけで特別支援教育は完結しないと思います。福祉でありますとか、医療でありますとか、保護者の支援につきましても、市長部局がしっかりと特別支援教育の現場の動きを尊重して、連携していく、協働していくということが必要だということを思っておりますので、この特別支援教育に関わる学習指導要領については、首長部局にも発信していければよいと考えたところです。特に特別支援教育の学習指導要領の内容というのは、より市長部局の理解が不可欠だと思いました。
先ほど澤委員が、特別支援学校のセンター的機能のところで、地域の実情に応じた取組ということが重要ではないかとおっしゃいました。全国知事会、全国市長会、全国町村会の首長の皆様だけでなく、都道府県議会議長会、あるいは市議会議長会、町村議会議長会の皆様も、地域の実情に応じた創意工夫が極めて重要であると認識されています。限られた財源かもしれないし、限られた人材かもしれないけれども、地域が知恵を絞って創意工夫していくことが重要だと幾度もおっしゃっています。そういう意味では、地域の実情に応じた創意工夫ということについても、積極的にどこかで触れていただくということも重要と感じたところです。
それでは皆様、本日も熱心に意見交換をしていただきまして、ありがとうございます。それも、事務局におかれましては、これまでの8回の会議に基づいて、また、他のワーキンググループの動向も踏まえながら、私たちにとって意見交換がしやすい骨子案を作っていただいたからです。事務局の皆様の御努力に感謝いたします。そして、委員の皆様におかれましても、骨子案をさらに発展させる、前向きで建設的な御意見いただきましたことについて、本当に感謝を申し上げます。委員の皆様におかれましては、今後もお気づきの点がありましたら、また事務局にお寄せいただきたいと思いますし、事務局におかれましては、本日委員の皆様からいただきました多元的・多角的、そして建設的な御意見を踏まえて、御一緒に、さらにブラッシュアップしていきたいと思います。
それでは、次回の予定について事務局から御紹介をお願いいたします。
【齊藤特別支援教育課課長補佐】 失礼します。本日もありがとうございました。次回の開催日程につきましては、追って事務局から委員の皆様に御連絡を差し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【清原主査】 はい、齊藤補佐、ありがとうございます。
皆様、寒暖差が激しく、また台風も発生して、本当に天候不順の5月から6月になろうとしています。でもそんな天候には絶対に負けずに、私たちは、ぜひ実効性のある、そして「多様性の包摂」を実現するための取りまとめに向けて、努力を続けていきたいと思います。
それでは以上を持ちまして、本日の特別支援教育ワーキンググループ第9回を閉会といたします。皆様、本当にありがとうございました。
――了 ――