教育課程部会 特別支援教育ワーキンググループ(第7回)議事録

1.日時

令和8年3月17日(火曜日)14時00分~16時30分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 特別支援学校に関する検討事項について
  2. その他

4.議事録

【清原主査】 中央教育審議会、初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループ第7回の会議を開催いたします。
 年度末の大変御多忙の中、御出席いただきまして心から感謝申し上げます。
本日の流れは進行資料のとおり、事務局から御説明をいただいた後、委員の皆様による意見交換の時間を設けさせていただきます。
 それでは早速、議題の「1、特別支援学校に関する検討事項」について入らせていただきます。本日は第1回ワーキンググループで事務局から提案のありました「特別支援学校に関する検討事項」について、まず「特別支援学校学習指導要領の総則等の構成記載の在り方」、次に「知的障害である児童生徒に対する教育を行う場合における各教科の目標・内容の構造化」、この2点について審議をいたします。
 まずはこれらについて事務局より説明をお願いいたします。
 酒井企画官、お願いします。
【酒井特別支援教育企画官】  失礼いたします。事務局特別支援教育課の酒井でございます。私のほうから資料1、資料2に基づきまして説明をさせていただきます。
 まず、資料1に基づいて説明をさせていただきます。「特別支援学校学習指導要領の総則等の構成・記載の在り方について」でございます。
 まず、3ページでございます。現行の特別支援学校学習指導要領(小・中学部)の構成についてでございます。
 特に、第1章、総則を中心に記載をしてございますが、黄色のマーカーの項目については、小学校・中学校学習指導要領にはない、特別支援学校学習指導要領独自の項目となっているところでございます。
 特別支援学校学習指導要領の構成でございますが、4ページのとおり、昭和54年以降の大きな項目名の編成についてまとめてみましたので、御参照いただければと思います。
 5ページをお願いいたします。現行の学習指導要領総則等の構成と今後の方向性等についてでございます。
 1つ目の丸でございます。現行の総則については、前回の改訂において、小・中・高・特別支援学校学習指導要領に共通して、教育課程の編成の手順に沿った章立てとなるように、前回見直しを行ったところでございます。
 現在議論が行われております総則・評価特別部会においては、各学校における教育課程編成の手順に沿った総則の示し方、これはカリキュラム・マネジメントの基盤として重要であり、基本的には引き続き踏襲する方向で御検討されているところでございます。
 また、同部会においては、小・中・高の総則について、教育課程企画特別部会の論点整理を踏まえ、以下のような見直しが提案され、検討がなされているところでございます。
 まず小・中学校では、現在、「教育課程の編成における共通的事項」を「内容・指導計画に関する共通的事項」(仮称)と、「授業時数に関する共通的事項」(仮称)に分け、「授業時数に関する共通的事項」(仮称)において調整授業時数制度等について記載してはどうかと。これらは全て仮称でございますが、どうかという議論。
 また、高等学校については、単位制の柔軟化について検討されているところですが、「教育課程の編成における共通的事項」について、「内容・指導計画等」に関するものと「単位・授業時数等」に関するものを分けて示してはどうかと。
 さらに、児童生徒の学習の自己調整や教師の個に応じた指導に係る内容は、「教育課程の実施と学習評価」にまとめて記載してはどうか。
 特別な配慮を必要とする児童生徒への指導については、子供一人一人に応じた教育課程の編成が日常の教育課程編成として行われるよう、「児童の発達の支援」の項目でなく「教育課程の編成」の項目に移行してはどうか。このような御議論がなされているところでございます。
 特別支援学校学習指導要領においても、小・中・高の構成・内容に準じながら、特別支援学校において必要となる事項や内容を記載しているというものでございますので、現在、教育課程企画特別部会や総則・評価特別部会における見直しの方向性について、特別支援学校学習指導要領の総則等においても同様に取り入れていくと考えてはどうかというところでございます。
 その上で、特別支援学校指導要領の構成や記載については、特別支援学校独自の観点から以下のような改善を加えていくべきではないかということで、例えば、特別支援学校の教育課程の考え方、編成・実施についてより的確に、分かりやすく示す構成や記載、特別支援学校における教育課程の編成・実施の在り方に関わる内容が適用される対象や範囲の的確な表し方、特別支援学校に在籍する児童生徒の障害の状態等は多様で、卒業後の進路の希望等も様々であり、また重複障害のある子供たちが一定数在籍していることを踏まえた教育課程の編成・実施についての的確かつ分かりやすい示し方。さらに小・中・高等学校において特別支援教育を担う教師が特別支援学校学習指導要領を参照することを前提とした分かりやすい構成や記載の在り方、こういった点に留意して改善を加えていくべきではないかというところでございます。
 アスタリスクをお示しをしてございますが、幼稚部教育要領、高等部学習指導要領についても小・中学部の方向性を踏まえ同様の見直しを行うこと。さらに、今回これから御検討いただきたい総則の内容の中には、センター的機能の充実、交流及び共同学習の充実、こういった内容も含まれるところでございます。総則の記載の内容に関わる事項ではありますが、これらの内容の改善については別途検討することとして、本資料ではまず特別支援学校学習指導要領の構成や記載の在り方について御検討賜ればと考えてございます。
 資料6ページ、このような観点から具体的には以下の点で特別支援学校学習指導要領の構成や記載の見直しを行ってはどうかというところでございます。7ページ以降では、例えば教育目標の在り方、教育課程全体を通じた自立と社会参加を目指していく在り方、さらには各章、各項目、各節で記載する内容について見直しを行っていくべきではないかという点を、具体に御提案をしてございます。6ページで簡潔にまとめてございますが、7ページ以降で御説明をさせていただきます。
 まず、7ページでございます。特別支援学校学習指導要領の総則の第1節に「教育目標」というものがございます。ここは特別支援学校学習指導要領独自の記載でございますが、特別支援学校の教育目標については、「国際生活機能分類(ICF)」の考え方や、障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等における「障害」や「障害者」の定義、支援の考え方等、国の障害者政策の方向性を踏まえて自立と社会参加に繋がる教育目標となるよう、示し方を改めて検討していく必要があるのではないかという点が総則の中で課題としてあるのではないかと考えています。
さらに、特別支援学校の教育課程全体を通じて自立と社会参加を目指していくという理念や、特別支援学校の教育課程の編成・実施等の全体が、障害のある子供が教育を受ける機会を確保するための基礎的環境整備であるという考え方を特にこの第2節という中で示していくべきではないかと。
 さらに、現行第2節の中では自立活動の指導という記載がございますが、これまでのワーキングでも検討いただいたとおり、自立活動は、知・徳・体といった調和のとれた発達を目指す際の基盤を培うことを目標とし、各教科等を通じて育成する資質・能力を支える役割を果たすという点も踏まえまして、総則における自立活動やカリキュラム・マネジメントの記載についても改めて、今後の方向性を踏まえた検討が必要ではないかという点を確認いただければと思ってございます。
 次に、8ページ、第3節「教育課程の編成」というところでございます。右側の吹き出しにありますように、小・中・高に準ずる内容と知的障害の教育課程の編成における基礎的な事項が小項目で列記する形で混在しており、分かりにくさがあるため、小見出しをつけて場合分けをするなど、理解しやすくするための工夫もしていってはどうかというところ。
 さらに、黄色の吹き出しでございますが、授業時数の弾力化を可能とする「調整授業時数制度」については特別支援学校においても想定されるものでありますので、「授業時数等の取扱い」の項目で必要な内容を記載することを検討してはどうかと。
 さらに、「3 教育課程の編成における共通的事項」の(3)の(オ)に、「知的障害教育における合わせた指導」に関する記載がございます。知的障害教育における合わせた指導は、指導の形態の一つではありますけれども、教育の内容と指導の形態を混同して理解されているケースがあるという指摘もあるところです。教育課程の編成の手順に沿って示す考え方を踏まえたときに、合わせた指導を行う場合に留意すべき事項については、指導計画の作成等に当たっての配慮事項を示す本項目ではなく、「第2章 各教科」以降に記載する形、こういった形の整理が考えられるのではないかと。
 さらに、合理的配慮の提供については「教育課程の編成」の中で位置づけていくということ。
また、現在、「第3節 教育課程の編成」に「個別の指導計画の作成」、第5節に「個別の教育支援計画の作成」の記載がありますが、分かれて記載されていることで両計画の役割・関係が伝わりにくくなっているのではないかと考えてございます。個別の教育支援計画は関係機関との連携を図り、長期的な視点で支援を行うための計画でございますが、その内容を踏まえ、個別の指導計画の作成に生かしていくことが重要であり、両計画について「教育課程の編成」の中で合わせて記載してはどうかという点。
 さらには、指導計画の作成に当たって障害状態等を踏まえて考慮すべき事項等については、「教育課程の編成における共通的な事項」とは別に新たに項目を設けて記載してはどうかという点。
さらには、個別の指導計画を作成するに際し、現行の規定では、児童生徒の障害の状態等を考慮して基礎的・基本的な事項に重点を置くということを示しておりますが、様々な障害の状態の児童生徒が特別支援学校に在籍しており、進学を希望する生徒がいることも踏まえた示し方について検討していく必要があるのではないかという点でございます。
 次に、9ページを御覧いただければと思います。黄色の吹き出しでございますけれども、現在、総則・評価部会では、児童生徒の学習の自己調整に係るものなど、児童生徒が主体的に学ぶことができる学習環境の構築に関する内容を、「教育課程の実施と学習評価」にまとめて記載する方向で検討されていると。特別支援学校指導要領においては、こうした内容に加えて、障害による学習上または生活上の困難さの改善の観点からICTの活用についても記載することとしてはどうかと。
 現在、ICTの活用という記載については、総則の中でも小・中・高に準じた記載がございますが、これまでもデジタル学習基盤の活用で御議論いただいたとおり、障害のある児童生徒については、障害による学習上また生活上の困難さの改善の観点からの活用ということが考えられるという御議論・御検討をいただいておりますので、そういった趣旨も記載してはどうかというところでございます。
 さらに、次の吹き出しでございますが、訪問教育や重複障害者に関する指導については、現在総則の中の各節に記述が点在しており、少し分かりづらいといったところがございます。「教育課程の編成」の中で、これらについては整理をして記載してはどうかというところでございます。
 さらに、一番下の黄色の吹き出しでございますけれども、現行の小・中・高の学習指導要領においては「児童(生徒)の発達の支援」の項目において、不登校児童生徒への配慮について記載をされておりますが、特別支援学校の学習指導要領についてはそういった記載はないというところでございます。特別支援学校においても、不登校の児童生徒数が増加している状況にあり、小・中・高における記載内容や記載箇所を踏まえながら、特別支援学校において必要な不登校児童生徒の支援について記載することを検討してはどうかという点でございます。
 次に、10ページを御参照いただければと思います。
 現行の記載でございますが、第6節に「学校運営上の留意事項」といった記載がございます。現行の学習指導要領においては、個別の教育支援計画の作成の項目、重複障害者への指導の項目において、関係機関との連携等について触れております。
 しかし、重複障害者に限らず、障害のある児童生徒の支援に当たっては、切れ目のない一貫した支援の実現、高い専門性を必要とするケースへの対応等の観点から、医療、福祉、保健、労働等の関係機関との円滑な連携、特別支援学校同士の連携が不可欠であります。そうしたことから「学校運営上の留意事項」の中で明確に示していくことも考えられるのではないかというところでございます。
 さらに、第8節、「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」についてでございます。本節では児童生徒の障害の状態、学習の状況を踏まえながら教育課程の編成を工夫するための弾力的な取扱いについて規定しているところでございます。冒頭申し上げましたとおり、小・中・高の学習指導要領にはない特別支援学校指導要領独自の内容であるというところでございます。
 現在、第1章総則の最後に記載してございますが、特別支援学校における教育課程の編成の在り方に関わる重要な内容でありまして、教育課程の編成の手順に沿って示す考え方を踏まえたときに、最後に記載するというよりは、「第3節 教育課程の編成」の中でまず記載をするほうがより的確かつ分かりやすく示すことができるのではないかと考えてございます。
 また、項目の名称について、現在「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」としてございますが、本規定が適用できる対象は必ずしも重複障害者に限っていないというところ、各先生方、御案内のとおりかと思います。そういったところを踏まえますと、より的確に対象を表すような項目名の見直しというのも検討すべきではないかと考えてございます。
 さらに、この第8節の教育課程の弾力的な取扱いの中では、現状、特に必要がある場合には、目標・内容を下学部の目標・内容に替えることができるとしてございます。ただ、高等部においては、目標・内容の一部のみを替えることができ、全部を替えることはできないという規定になってございますので、知的発達の状態によっては、実態に即した教育課程を編成する上で課題があるという御指摘もあるところでございます。
 また、現行では、在籍する学部の最終段階の内容を修得し目標を達成した者については、相当する学校段階までの小・中・高の学習指導要領の各教科の目標・内容の一部を取り入れることができると規定されてございますが、下学部の目標・内容を取り入れながら学んでいる場合や、在籍する学部段階の内容を学んでいる途中に小・中・高の学習指導要領の目標・内容を取り入れることまでは規定をしていないということになっておりますので、小・中・高との連続性に課題が生じる場合もあるという御指摘もあります。
 こうした御指摘も踏まえまして、特別支援学校における子供たちの多様な実態に応じた教育課程の編成を可能とするような規定の在り方について、必要な見直しを検討していくことも考えられるのではないかと考えてございます。
さらに、11ページをお願いできればと思います。「第2章 各教科」の内容についてでございます。
 先生方御案内のとおり、「第2章 各教科」では、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の指導計画の作成と内容の取扱いに当たっての配慮事項を示しているところでございます。
 小・中・高の各教科の目標・内容に準じて指導する場合であっても、障害の状態、特性等を十分に踏まえて指導をする必要があるところでございまして、障害種ごとに配慮事項を示しているというところでございます。ただ、ここで示している内容は、各教科に限らず、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動、自立活動を含む教育課程全体において配慮することが望ましいものと考えてございます。
 こういったことを踏まえますと、各教科に限らず、教育課程全体を通じて配慮すべき事項として位置づけを見直し、第2章ではなく「第1章 総則」の中の「教育課程の編成」の中で、こういった配慮事項等について記載することとしてはどうかと考えてございます。
 その際、特別支援学校の児童生徒の障害の状態等は多様であり、卒業後の進路の希望等も様々であると。また、重複障害のある子供たちが一定数在籍していることも踏まえて、共通に配慮すべき事項は何かという点を改めて検討するとともに、知的障害の配慮事項についても同様に総則において記載してはどうかと考えております。
 さらに、特別支援学校学習指導要領全体を通じて、障害種に応じて異なる内容を記載する箇所では、「視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者、また病弱者である児童に対する教育を行う特別支援学校」、「知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校」といった表記を用いているところでございます。
 学校教育法において、特別支援学校はいずれの障害種の児童生徒に対する教育を行うかを明らかにすることを規定してございまして、このことを踏まえた表記とも言えますが、例えば、視覚障害教育を行う学校において視覚障害と知的障害を併せ有する子供への指導を行う際、「知的障害である児童に対する教育を行う特別支援学校」に係る規定をどこまで適用することができるのか明確でないといった課題がございます。
 特別支援学校には重複障害のある子供たちが一定数在籍することを前提としますと、学校教育法施行規則の規定にならいまして「視覚障害者である児童生徒への教育を行う場合」、「知的障害者である児童生徒への教育を行う場合」といった表記のほうが的確かつ分かりやすく見直しを検討していってはどうかと考えているところでございます。
 なお、これらの記載につきましては、6ページの1つ目のポツに「ここで示す対応案は現時点の方向性であり、小・中・高等学校学習指導要領の見直しの方向性を踏まえ、引き続き検討する中で変わりうるものである」と記載をしてございます。小・中・高の全体の検討状況を踏まえて、改めての見直しという点を踏まえながら検討していきたいと考えているところでございます。
 続きまして、資料2に基づきまして、知的障害者である児童生徒に対する教育を行う場合における各教科の目標・内容の構造化について御説明をしてまいりたいと考えてございます。
 前回の会議でも、特別支援学校学習指導要領独自で知的障害者である児童生徒に対する教育を行う場合の各教科として定めております「生活科」、「職業科」について御議論をいただいたところでございます。本日はそれ以外の各教科の目標・内容の構造化について御議論をいただきたいというところでございます。
 まず、3ページを御参照いただければと思います。
 特別支援学校学習指導要領の前回の改訂におきましては、左の現状・課題でございますが、知的障害教育における各教科等においては、幼・小・中・高等学校の教育課程との連続性を重視しまして、例えば知的障害の各教科等の目標・内容について、育成を目指す資質・能力の3つの柱に基づき整理をすると。そして、中学部の2つの段階を新設し、小・中・高等部の各段階に目標を設定し段階ごとの内容を充実していくと。特に必要がある場合には、個別の指導計画に基づき相当する学校段階の小学校等の学習指導要領の各教科の目標・内容の一部を取り入れることができるといった旨を規定したところでございます。
 こうした規定によりまして、知的障害の教育を行う特別支援学校においては、幼・小・中・高等学校との連続性を踏まえながら、多様な実態の子供たちに応じた教育課程編成の工夫が可能になっていると考えてございますが、一方で、例えば、高等部段階の目標・内容に、知的障害のある生徒の実態として取り扱うことが困難なものが含まれているのではないかといった点。小学校1段階の内容については、発達の段階等を踏まえ、より実態に即した具体的な指導内容が重要となることから、更なる内容の充実が必要ではないか、こうした課題が指摘をされているところでございます。
 また、各教科の指導に当たっては、学習指導要領で示す内容を基に児童生徒の知的障害の状態や経験等に応じて具体的な指導内容を設定するとされておりますが、各教科等における児童生徒の習得状況の把握が不十分な場合があり、指導計画の作成や単元づくりが画一的、形式的になるなど、実態に即した授業が展開されていない場合もあるといった指摘があるところでございます。
 右側、検討の方向性でございますが、今後知的障害教育における各教科等においては、引き続き、小・中・高の教育課程との連続性を重視し、育成を目指す資質・能力を整理することとした上で、各段階の内容については、前回改訂と同様に、児童生徒の生活年齢を基盤とし、知的能力や適応能力、そして概念的な能力等を考慮しながら配列し、より深い理解、学習へと発展させ、学習や生活を質的に高めていく、こういったことを原則として位置づけてはどうかと考えてございます。
 他方で、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場面で生かすことが難しいという特性を十分に考慮する必要がある中、日常生活で用いる機会が少なく抽象性のある言葉や、抽象的な概念の理解を伴う内容などの取扱いについては、知的障害のある生徒の学びの特性を十分に踏まえながら、具体的な指導内容を設定できるように、各教科で取り扱わないことについて見直すことを検討していってはどうかと考えてございます。
 また、小学部の1段階の内容については、知的障害のある児童生徒の実態を踏まえ、例えば、音楽科の「音楽遊び」や、算数科の「数量の基礎」などの内容については、より内容を見直し、充実を図ることを考えてはどうかと。
さらに、主体的・対話的で深い学びの実装に向けて、小・中学校等における各教科等の高次の資質・能力の構造化に準じつつ、知的障害の特性や発達の段階等を十分に踏まえた構造化の在り方について検討していってはどうかというところでございます。
 次、4ページを御参照いただければと思います。知的障害教育における各教科等の目標・内容に係る構造化・表形式化、高次の資質・能力の示し方について、基本的な考え方について少し整理をまとめてみました。
 上段の左側を御覧いただければと思います。まず、構造化・表形式の基本的な考え方につきましては、知的障害の各教科における表形式・構造化、並列パターンにするか並行パターンにしていくかについては、小・中・高等学校の各教科と同様とするということをまず基本に考えてはどうかと。
 さらに知的障害の各教科における領域や区分の整理についても、小・中・高等学校との学びの連続性を踏まえ、同様の方向性で見直しを図りつつも、知的能力や適応能力、概念的な能力、発達の段階等を考慮しながら、精査した現行学習指導要領を踏まえた見直しを行ってはどうかというところを、基本的な考え方として位置づけてはどうかと考えてございます。
 さらに右側にありますが、今後高次の資質・能力を示すに当たってでございますが、その基本的な考え方としまして、知的障害の子供たちは、発達期における知的機能の障害が、同一学年であっても個人差が大きく、学習状況も異なってくると、こういったことを踏まえて、個々の生徒の実態に即して効果的な指導ができるように、学年でなく段階を設け、各段階の目標・内容を示しているのが現状でございます。
 さらに、資質・能力の育成に係る一層の具現化・深化を図るためには、知的障害の子供たちの学習上の特性である、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場面で生かすことが難しいと、こういった点を踏まえて、継続的・長期的、かつ、らせん状に深まるという展望を描いた指導がこれまで以上に重要になってくると。さらに、教科の特質等を考慮する必要があると。
 ということで、矢印の下側でありますけれども、今後高次の資質・能力の示し方については、知的障害のある子供の知的能力、適応能力、概念的な能力、発達の段階等や学習上の特性を考慮しつつ、継続的・長期的かつらせん状に学びが深まるという展望を描いた指導に生かすことができるよう、小・中・高等部全学部を通じて高次の資質・能力を示すということを基本にしつつも、学部段階において教科、あるいは教科の内容の構成が変わる場合など、教科の特質等を考慮して学部段階ごとに示すことが適している教科等については、学部段階ごとに高次の資質・能力を示すことも考えられるのではないかと整理をしてはどうかと考えてございます。
 さらに領域・区分については、小・中・高等学校の各教科の見直しの方向性を十分に踏まえるとともに、知的障害の各教科の内容構成に応じて整理することが考えられるのではないかとしてございます。
 なお、以下お示しする案でございますが、現時点の方向性でありまして、小・中・高等学校学習指導要領の見直しの方向性も現在検討されているところでございます。この見直しの方向性を踏まえて引き続き検討する中で変わりうるものであるというところも前提にしつつ、御議論をいただければと思います。
5ページをお願いできればと思います。そういったことを踏まえまして、小・中・高等学校での検討状況を踏まえた知的障害の教科における構造化・表形式の方向性でございます。
 まず、左側が小・中・高の教科の検討状況、これは表形式のパターンと高次の資質・能力を学校段階で分けているのか、それともすべて共通で分けているのかということでございますが、表形式についてはそれぞれ教科の特質を踏まえた並行・並列で示されていますが、基本的に高次の資質・能力については、それぞれの学校段階別、小・中・高等学校といった別で示されているという状況でございます。
 今般、知的障害教育の教科の方向性につきまして、表形式のパターンについては、小・中・高に準じて並行・並列としていってはどうかと。一方で高次の資質・能力の示し方につきましては、原則として先ほど申し上げましたとおり、小・中・高等部を通じて共通で高次の資質・能力として位置づけていくことを前提にしつつも、教科の特質等を踏まえ、例えば国語科であれば小学部、中学部、高等部の別に示していってはどうかと。これは、学習の対象とする国語の広がりを考慮して学部ごとに示してはどうかという趣旨でございます。
 また、音楽科については、小学部・中学部と高等部を別にしてはどうかということで、この内容の構成の違いを踏まえ、小・中と高で分けて示してはどうかという点でございます。
 また、図画工作・美術科については、学部別、小学部、中学部、高等部の別、これは図工と美術の違い、内容の構成の違いを踏まえて学部ごとに示していってはどうかという点でございます。
 体育・保健体育については、体育については小と中・高別、保健については全学部共通で考えてはどうかと。特に体育については、「運動遊び」から「運動」への変化を踏まえ、小と中・高で示していってはどうかと。
 さらに、外国語については、小と中・高に分けて示してはどうかと。外国語活動と外国語の違いを踏まえて、小と中・高で示していってはどうかという点が、まず全体の総論といったところでございます。
 少し各論についても御説明をさせていただければと考えてございます。
 9ページまず御参照いただければと思います。国語科についてでございます。
 10ページについては、まず国語科の目標および「見方・考え方」の示し方についてでございます。これはあくまでも全体の方針を踏まえたたたき台でありますので御参照いただければと思いますけれども、「見方・考え方」は校種を超えて共通の内容と考えてございます。
 現在、国語ワーキングの中で、国語科の資質・能力の構造化に関しまして検討をされているところでございまして、高次の資質・能力を含む全体の構成イメージについても議論を重ねられているところでございます。
 この国語ワーキングの議論を踏まえ、まず現在、国語科については思考力、判断力、表現力等の系統性が明確であると、知識及び技能が全体として思考力、判断力等の深まりを助けることを明確にするということ。さらに、小・中・高の連続性を勘案し、小・中・高同様に、「並行パターン」で示していってはどうかと考えています。
 さらに、児童生徒の実態に応じた言語活動を通して、生活に必要な国語を身に付けることが大切であるということから、「何のために言葉を使うのか」という視点を明確にし、学習活動、目的を意識できるよう、思考力、判断力、表現力等の内容については従来の「聞くこと・話すこと/書くこと/読むこと」の領域に加えて、「言葉を使う目的(仮称)」といったところで整理をしてございます。
 さらに、国語科では、知的障害のある児童生徒の生活に必要な国語を身に付けるということが大切であります。さらに、学部が上がるにつれて児童生徒の生活が広がるということを踏まえまして、現在小学部では日常生活の国語、中学部では日常生活や社会生活に必要な国語、高等部では社会生活に必要な国語へと学習の対象が広がり、深まるというような構造となってございます。こうした広がり、深まりを考慮し、高次の資質・能力の示し方についても、学部ごとにお示しをしていくという考え方として捉えてはどうかと考えているところでございます。
 また、「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」、「知識及び技能の統合的な理解」については、小・中・高等学校との連続性を踏まえた示し方としていってはどうかという点で記載のとおりでございます。
 続いて、16ページは社会科でございます。
 17ページには、社会科の目標、「見方・考え方」について現行のベースの考え方を踏まえた記載をさせていただいてございます。
 18ページは、社会科の表形式による構造化のパターン、さらに高次の資質・能力の示し方でございます。
 現在、目標については、中学部・高等部ごとに示し、各段階で目標を示しています。
 内容は小学部、中学部、高等部それぞれ2段階の4段階で示し、中学部から高等部まで系統性を踏まえて領域で整理し、段階的に示しているということでございます。
 こういった考え方について高次の資質・能力については6年間を通し、それぞれの領域別に示していくという考え方としてはどうかと考えているところでございます。
 一例については、19ページ御参照いただければと思います。
 続いて、算数・数学科についてでございます。
 21ページには、算数・数学科の目標、「見方・考え方」の示し方、現行ベースのたたき台について記載をさせていただいているところでございます。
 22ページでございますが、算数・数学科については、算数・数学ワーキングの方で小・中・高を通じて現行の領域項目について6つの分野に再編し、名称を統一するといった方向で議論がされているところでございます。
 こういったことを踏まえて、算数・数学科の学習内容や資質・能力については、それぞれの区分ごとに学習内容や資質・能力を示すというような議論がされているというところでございます。
 24ページには、こういったことを踏まえまして、特別支援学校学習指導要領の算数・数学科の中での扱いについてでございますが、冒頭、知的障害教育の特徴として申し上げた「数量の基礎」という領域でございます。これについては、今回全体として領域等を分野へ再編するといったところを小学部、中学部、高等部を通じて、小・中・高に倣って算数・数学科についても行っていくことを前提に見直していってはどうかと考えておりますが、この知的障害教育の基礎となります「数量の基礎」については、引き続き1段階において位置づけていくこととしてはどうかと考えています。
小・中・高のそれぞれの区分に分類された内容と知的障害特別支援学校の整理については、25ページのとおりと考えていってはどうかと考えているところでございます。
 26ページ、表形式による構造化や「並列パターン」というところでございます。
 知的障害の小学部算数科、中学・高等部の数学科においても、算数・数学ワーキングで提案されている考え方を踏まえまして、知識及び技能の内容の系統性が明確であると。内容のまとまりに対しては高次な思考力、判断力、表現力等が想定しやすいという状況を踏まえまして、「並列パターン」としていってはどうかと。そういう中で、知的障害小学部の算数科、中・高の数学科の内容は、小学校との繋がりに留意して構成されているということから、教科の系統性を踏まえて学習内容や資質・能力については小学部から高等部まで共通して一つの統一したものを作成していってはどうかと考えてございます。
 その際、小学校算数科の学習内容や資質・能力を踏まえたものを作成することとし、各学部段階の留意点は、各学部段階の学習指導要領の解説等で丁寧に説明していくことにしてはどうかと考えているところでございます。
 続いて、28ページ以降は理科でございます。29ページには理科の目標、「見方・考え方」の示し方でございます。これはあくまでも現行の記載をベースにしたたたき台でございます。
 30ページ以降でございます。理科についても現在小・中・高については、分野領域の再編ということで、現行の2分野4領域について系統性の確保の観点から4分野に再編していってはどうかというような議論がなされているといったところでございます。さらに、各分野をさらに3つ程度の区分に分類していってはどうか、そして高次の資質・能力についてもそれぞれの区分ごとに定めていってはどうかという議論がなされているというところでございます。
 これを踏まえまして、特別支援学校指導要領の中におけます理科の取扱いについても、小・中・高の見直しの方向性を踏まえまして領域を分野および区分へ再編をしていくと、改めて内容の再編を小・中・高との連続性を意識した再編を今後具体的に検討していってはどうかと考えているところでございます。
 このことを前提としまして、表形式におけます構造化のパターンにつきましては、理科についても知識及び技能の内容の系統性が明確であると、内容のまとまりに対応した固有の思考力、判断力、表現力等が想定しやすいということを踏まえまして、知的障害中学部、高等部の理科においても小・中・高と同様に「並列パターン」としてお示しをし、また中学部、高等部の理科の内容については小学校との繋がりを留意して構成されていること。さらに、教科の系統性を踏まえまして中・高で統一した高次の資質・能力を作成してはどうかということを考えてございます。
 その際、小学校理科における学習内容や資質・能力を踏まえたものとして作成をし、各学部段階の留意点については、各段階の指導要領解説等で丁寧に説明していってはどうかと考えているところでございます。
 36ページ以降が音楽科でございます。
 37ページでございますが、音楽科につきましても、現行の目標、「見方・考え方」を現行ベースで改善案について当てはめたものが37ページのものでございます。
 38ページが、現行の音楽科の小・中・高における領域・分野の示し方と知的障害の特別支援学校の指導要領における領域・分野の示し方でございます。
 御案内のとおり、小学部につきましては1段階の中で「音楽遊び」という内容、さらに小学部2段階以降については「身体表現」といった内容が盛り込まれているというところでございます。
 現在、小学校・中学校・高等学校については、「A表現」の中で、「歌唱」「器楽」といったものを、それぞれの区分についてまとめて高次の資質・能力を示していくといった方向で議論がなされているところでございます。
 知的障害特別支援学校の今後の教科の在り方につきましても、「歌唱」「器楽」については、高次の資質・能力等を示す段階では内容等をまとめて示すということと、独自の区分であります「身体表現」、現在では小学部の2段階から高等部までという示し方をしてございますが、小・中学部について従前どおり設けることとしまして、高等部については学びの連続性、生活年齢、発達の段階等を考慮し設けないという考え方もあるのではないかというところで、今後御検討を賜ればと思ってございます。
 40ページ、表形式による構造化や並行パターンでございますが、まず表形式の示し方については、芸術科ワーキンググループで提案されているとおり「並行パターン」としていってはどうかというところでございます。
その上で高次の資質・能力の示し方は小・中と同様に区分ごとに示すといったことでございますが、学びの連続性を踏まえた区分の整理、各学部の目標・内容を踏まえますと、小・中学部と高等部、この2つに分けた高次の資質・能力を示していってはどうかといったところでございます。
 続いて43ページ以降、図画工作・美術科でございます。
 目標、「見方・考え方」について現行ベースの内容を当てはめますと、44ページのとおりとなるといったところでございます。
 45ページには、図画工作・美術科の現段階で、芸術ワーキング等で議論されています見直しの案を踏まえた知的障害特別支援学校における内容の見直しの方向性ということでお示しをしてございます。
 特に、小学校の図画工作、中学校の美術については、小学校においては「造形遊び(仮)」といった内容、さらには中学校においては「自分と美術(仮)」や「身近な生活や社会と美術(仮)」など、こういったような内容が、「A 表現」、「B 鑑賞」の中で盛り込まれていくというところと承知をしているところでございます。
 この小学校の図画工作の方向性に沿って、特別支援学校の小・中学部に関しても内容について見直しの方向性をするとともに、特別支援学校の高等部に関しては、中学校の美術科に準じた見直しを行っていってはどうかというところでございます。
 46ページ以降は、表形式による構造化、これについては図画工作・美術科と同様に「並行パターン」にしていくということと、高次の資質・能力については、それぞれの小・中・高等学校段階別に、各領域別にお示しをしていくという考え方を取ってはどうかというところをまとめてございます。
 続いて、48ページ以降が、体育・保健体育でございます。
 49ページについては、体育・保健体育の目標、「見方・考え方」の示し方を現行の考え方に当てはめて記載をしているところでございます。
 50ページには、現在体育ワーキングで小・中・高等学校における体育科・保健体育科の運動領域等の系統性の改善のイメージが議論をされているといったところでございます。
 51ページには、そういった中で、体育・保健体育科の表形式を用いた内容の一層の構造化、高次の資質・能力の現状の整理についてこれまでの提出資料について整理をさせていただいてございます。
 52ページには、こういった考え方を踏まえた、まず知的障害の体育運動領域の系統性の見直しといったところで、小学校の4年生までの内容を踏まえました小学部段階の体育運動領域の内容の取扱い、そして小学校5、6年生段階の内容を中学部の1段階、2段階で行うという考え方。さらには、中学校1年生段階の内容を高等部の1段階、2段階で行うといった系統性の考え方を踏まえた小・中の内容の見直しを踏まえた内容の見直しを図っていくということをまず前提としてはどうかと。
 これを前提といたしますと、53ページにあります小・中・高との連続性を踏まえて知的障害体育・保健体育科においても「並行パターン」としていくということ、さらには高次の資質・能力の示し方は、系統性の見直しを踏まえて小・中と同様に領域ごとに示し、各学部段階の示し方については学びの連続性を踏まえて整理したこと、さらには各種の運動の基礎を培う小学部と、多くの運動領域を経験するとともにスポーツの文化・理論の基礎に触れる中学部・高等部に分けて高次の資質・能力を示していってはどうかといったところでございます。
 さらに、56ページには保健領域の系統性の見直しについても議論をされているところでございます。保健領域の系統の検討でございますが、特に知的障害特別支援学校の中では、小学校低学年で現在保健の取扱いがないといったところ、発達の段階を踏まえて小学校2段階からの取扱いにしていくといったところを考えてはどうかと。その際、現行の1段階、2段階で取扱う、うがいをはじめとする手洗い、汗の処理などの指導内容の重要性を考慮し、生活科において少し取扱いを考えていくということも考えてはどうかといった点。
 さらには、現行において知的障害の特性を踏まえ、心と体の密接な関連を重視し、従来より「心身」としておりますが、引き続き領域を分けずにしてはどうかと。
 さらには、小学校に準じつつ、「健康な生活」や、「けが、傷害の防止」、「病気・疾病の予防、安全な社会生活」、「心の健康と心身の発育・発達」、4つの領域で整理をしていく、こういったことを考えていってはどうかというところを整理しているところでございます。
 さらに、58ページ以降が家庭科でございますが、59ページは現行の考え方を踏まえたものでございます。
それを踏まえまして、家庭科についても基本的に現行の学習指導要領に基づいたものでございますけれども、表形式による構造化につきましては、全体の小・中・高の家庭科の考え方に照らし合わせまして、「並列パターン」で整理をし、63ページ以降ですが、その取り扱う内容については中学部、高等部を通しておおむね小学校段階の内容であるといったところで、高次の資質・能力については、学部を共通で設定していってはどうかと。さらに、「A 家族・家庭生活(仮称)」から「D 衣生活(仮称)」、こういった内容について領域を通してそれぞれの領域別に高次の資質・能力を示していってはどうかといった考え方をお示ししてございます。
 最後、65ページ以降、外国語活動・外国語についてでございます。
 66ページが、外国語活動・外国語の目標、「見方・考え方」でございます。現行を踏まえた考え方でございます。
 外国語ワーキングにおいても、目標・内容の構造化について今議論が重ねられているところでございます。
 そういったところで、70ページでございますけれども、内容の構造化の案というところでございますが、小・中・高との連続性を勘案し、「並行パターン」としていくということを整理してはどうかという点、さらには高次の資質・能力については、「外国語活動」と中学部・高等部の「外国語科」に分けて示していくといった点を整理していってはどうかと考えているところでございます。
 少し駆け足になりましたが、事務局からの説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【清原主査】  酒井企画官、御説明をありがとうございます。
 今、御説明いただきましたように、本日、資料1の「特別支援学校学習指導要領の総則等の構成・記載の在り方」について、例えば今後の方向性は5ページ、6ページにまとめられているとともに、7ページ以降各項目に沿って御提案がありました。
 これまでの私たちの意見交換を踏まえて、「自立活動の指導」であるとか、あるいは「個別の指導計画と教育支援計画の関係」であるとか、「ICTの活用」や「訪問教育の必要性」、また「重複障害のある児童・生徒への対応」など、それぞれこの方向性をもとに私たちに検討をしてほしい、あるいはこれまでの意見を反映しているけれども確認してほしい内容を整理していただきました。
 また、資料2には「知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う場合における各教科の目標・内容の構造化」について、3ページに「検討の方向性」、そして4ページには「知的障害教育の各教科等の目標及び内容に係る構造化・表形式化、高次の資質・能力の示し方」について論点を提起した上で各教科について具体的な方向性を示し、御説明をいただきました。
 資料1と2は関連する部分もあると思いますので、特にこれから意見交換をしていただく際、テーマを分けることはいたしません。皆さんの中には、双方を関連づけて話される方もいらっしゃるでしょうし、総則についてだけ御発言いただくことでも結構ですし、資料2の中のある教科について御発言いただくことでも結構でございます。今の御説明を踏まえて、16時25分頃までを目途として委員の皆様に意見交換をしていただければと思います。
 今御説明がありました論点の中のどこについてであるかを言っていただくと反映がしやすいと思いますので、御意見を言っていただくときにそのような御配慮をお願いできればと思います。
 御意見のある方につきましては、Zoomの挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。私から指名をさせていただきますので、その順でよろしくお願いします。
 それではまず是永委員、それから澤委員と続けてどうぞ。
 では、是永委員お願いいたします。
【是永委員】  私は資料1を中心に発言します。
 資料1の6ページ、そして11ページにも関連して、「特別支援学校」表記から「場合」といった表記に変更することについて、学校としての対応ではなく、重複障害も含めて個のニーズに応じた対応になることにも繋がると考えます。そのため、学校に子供を合わせるのではなく、子供のニーズに学校を合わせるという表現も含み込んでいただけたらいいなと思っています。
 次に、資料1の7ページに関連して、自立と社会参加に繋がる教育目標が書かれておりますが、生活モデル、環境モデルの観点をいかに表現するのかということが重要であり、自立させるのではなく活動の充実であること、また社会参加が保障されるために基礎的環境整備と合理的配慮の保障という意味合いがあることも含めていただきたいと考えます。
 同じように、7ページに関連してです。特別支援学校が基礎的環境整備であるという考え方についてなんですけれども、インクルーシブ教育を推進する上で、特別支援学校の在り方も変わりゆくのではないかなと考えます。そうすると、特別支援学校がなくならない前提の基礎的環境整備ではなく、通常の学校がよりインクルーシブになることで、通常の学校が基礎的環境整備になる可能性もあると思います。そうすると、特別支援学校は合理的配慮になります。よって、基礎的環境整備という表現は強調しなくてもいいのかなと考えています。
 最後に、資料1の9ページに関連して、障害による学習上または生活上の困難さの改善の観点からのICTの活用について言及していただきました。ICTは、個別最適な学びを保障することに繋がる可能性は大いにあると思います。ただし、同時に、対話的な学びのためのICT活用が十分に検討されなければ学びの個別分断化に繋がる傾向はどうしてもあるなと考えるため、通常の教育と同じ程度の表現にとどめてもいいのではないかなと考えます。
 私からは以上です。
【清原主査】  是永委員、御意見ありがとうございます。
 主として、資料1の6ページから7ページ、9ページにかけて具体的な御提案をいただきました。子供のニーズに学校を合わせていくということ、自立と社会参加の点や、基礎的環境整備や合理的配慮についての具体的な御提案をいただくとともに、ICTの活用については、対話的な学びの重要性とのバランスという点での御意見をありがとうございます。
 それでは、澤委員、その後、緒方委員ということで。
 では、澤委員、お願いいたします。
【澤委員】  まず私も資料1の方について少しお話しさせていただければと思います。
 まず、6ページの「知的障害である児童に対する教育を行う場合」という表現、これは、是永先生がおっしゃったとおり、学校に縛られないという形の表記の仕方で賛成です。
 それと、7ページ目の教育目標のところで、ICFのことであるとか解消法に関することも述べられていると思うんですけれども、その中に手話に関する施策に関する法律についてもぜひ触れていただきたいというのが私の希望であります。
 それから、8ページ、個別の教育支援計画と個別の指導計画を合わせた形で教育課程の編成のところで述べていくというのは非常に分かりやすくていいのかなと思いますし、10ページの重複障害者に関する教育課程の取扱いも、上のほうに上げていくというか、教育課程の編成の中で上げていくという形が非常に分かりやすいかなと思います。
 その次の11ページなんですけれども、こちらも第1章総則の教育課程の編成の中で記述するということなんですが、伺いたいんですけれども、視覚、聴覚、肢体、病弱は上に上げるとして、知的障害もそちらのほうに含めていくということなんでしょうか。教育課程の編成の中で記述するということなんでしょうか。そこがちょっと分かりにくかったんですが。
【清原主査】 ありがとうございます。
 それでは、御意見は伺うこととして、今質問いただいたことはその後の皆様のご意見に関わるかもしれませんので、まずお答えをいただきたいと思います。
 酒井企画官お願いします。
【酒井特別支援教育企画官】  御質問ありがとうございました。また、説明ぶり少し分かりづらく申し訳ございませんでした。
 知的を除いた4障害を上げるのではなく、基本的に5障害それぞれについて共通して記載をしていくという考え方で考えてございます。
【清原主査】  澤委員いかがでしょうか。
【澤委員】  そうすると、知的障害のところで書かれている各教科の細かなところも全部上がっていくということですか。
【酒井特別支援教育企画官】  これについて総則の中で記載をしていくものと、今現在知的障害の各教科の指導計画の作成、そして各教科全体の内容の取扱いでございますが、これの内容を上げていくことを前提に考えていますが、それと各教科の中で書いていくもの、この棲み分けというものは必要ではないかと考えてございます。
【澤委員】  分けるということですね。分かりました。
 最後にもう一つだけ、資料2と関わるんですけれども、構造化というところです。これは総則・評価特別部会の方で多分議論が進んでいると思うんですけれども、教科によって仕方がないんでしょうけれども、表形式のパターンが並列と並行に分かれているというのは、私も総則部会の方の資料を見たんですけれども、なかなかぱっと見分かりにくいなというのが正直ございました。これはこのままの方向で変わらないということで考えていくんでしょうか。これも少し質問になってしまうんですが。
【清原主査】  それでは今の他の教科との一貫性について、酒井企画官お願いします。
【酒井特別支援教育企画官】  表形式のパターンにつきましては、今総則・評価特別部会で議論されているところでございますが、基本的には並列パターン、並行パターンというのは各教科の特性に応じて検討していくと捉えられてございます。ですので、それに基づいて、基本的には知的障害の各教科も準じていくという考え方かなと考えてございます。
【澤委員】  分かりました。ありがとうございます。
私からは以上です。
【清原主査】  澤委員ありがとうございます。
 おおむね総則に関する方向性については御賛同いただくとともに、手話に関わる法律などについても配慮という御提案もいただきましたし、今幾つかの御質問の中で確認をしていただきました。どうもありがとうございます。
【緒方委員】  まず、10ページですが、第1章の第8節、高等部では第8款になると思いますが、この規定を見直すことについては全特長の提言でも示ししたとおり反映していただき、とても感謝しております。
 また、学校運営上の留意事項に医療、福祉、労働等の関係機関との連携を明確に示すことについても賛同します。本件提言でも触れましたが、教育と福祉等の連携を総則等に明記して、意思決定支援やライフプランニングなどを教育課程に組み込んでいくことは、地域の相談支援機関や福祉サービスとの協働を促進させることに繋がると考えます。
 また、8ページ、教育課程の編成のところなんですけれども、従来児童生徒の調和的な発達の支援とか、重複障害等に関する教育課程の取扱いなどの別項目にされていた内容がここに統合する案が示されていますが、この再配置は教育課程編成の視点を広げるという意味ではメリットがあると思います。
 ただ、一方で、内容が過度に集中して、教員が分かりやすいかというと、なかなか参照すべき指針がかえって把握しにくくなるという課題もあると考えますので、ここは慎重に項目立て等を考えたほうがよろしいかと思います。
 特に、個別の指導計画、教育支援計画や自立活動、合理的配慮など、本来は編成ではなく実施段階や学習環境整備に位置づけるべき事項が編成段階に混在すると、教育課程の理念と実務が曖昧になって整理がつかなくなってしまうという懸念があるので発言させていただきました。
 続いて、資料2です。5ページの表なんですけれども、まず高次な資質・能力を特別支援学校の特に知的障害教育に導入する意義というのは、私は学習の目的を単なる知識・技能の習得にとどめずに、生活場面であるとか社会参加へ繋げるより上位の理解と活用を育む点にあると考えます。
 ただ、他のワーキングでも挙げられていたと思うんですが、学年ごとに高次の資質・能力を細かく書き過ぎると、学習内容とほぼ同じレベルになって、資質・能力としての深まりが示せないという課題があるため、私は資料2の5ページに示した案は適切だというふうに判断します。
 また、小・中学校との連続性を意識した表形式については、別の部会、教員養成部会においても、特別支援学校と小・中学校の形式が同じだということはとても重要なところだというふうに考えます。
 以上です。
【清原主査】  緒方委員、どうもありがとうございます。
 特に、総則のところの5ページ、「医療、福祉、保健、労働等の関係機関との円滑な連携」という記述の重要性を確認していただきました。また、「高次の資質・能力」ということは、まさに生活や社会参加に繋がるという意義があること、ただし配慮すべき点があるということで御提案をいただきました。それぞれ今までの皆様の御発言を踏まえて反映してきたところですが、それを教員の視点で見たときにより理解が深まるような位置づけが重要という御提案だと受け止めました。ありがとうございます。
 それでは、ただいま菊地委員から手が挙がっています。その次に大関委員の順でお願いいたします。
 菊地委員、どうぞ。
【菊地委員】  御提案ありがとうございます。今回の提案は、インクルーシブ教育システムにおける、多様な教育的ニーズに応じた対応を進めていく上で、総則部会や各教科の部会での議論を踏まえた大変意義のあるものと捉えています。
 ただ、私自身が十分に理解するまでに至っていない状態で、少し咀嚼のための時間をいただきたいというのが、正直なところです。
 そのような状態であることを前提に、提案は、主に構造化についてでありましたが、少し学校現場における具体実装レベルを想定した意見を3点述べさせていただければと思います。
 まず、全体についてです。カリキュラム・オーバーロードという声も聞かれる中で、障害による学習上または生活上の困難のある児童生徒の学びをどう充実させていくかということはとても重要なテーマであると考えます。
 その一方で、各教科の構造化は、学習指導要領全体の大きな流れの中で、小・中学校との整合を図るものとして提案され、方向性としては大事なことと思うのですが、正直学校現場で実際に運用される際に困難を生じさせないかという心配もあります。教えるべき内容が多いことに加えて、障害による学習上の困難があるわけですから、児童生徒の負担を十分に考慮しつつ、教育課程レベルから授業レベルに至るまでの様々な工夫が求められるということになると思います。
 よって、それを学習指導要領及びその解説に、分かりやすく、段階的かつ手順を踏まえて具体的に配列していくことが必要だと考えます。学校現場のユーザー目線に立って、十分に吟味しながら進めていくとありがたいです。
 また、このことは、特別支援学級において教育課程を編成し授業実践を進めていく上でも大きく影響を与えるものと考えますので、とりわけ在籍の大半を占める知的障害特別支援学級や自閉症・情緒障害特別支援学級を十分に考慮した検討を進めていくことが肝要かと思います。
 続いて、検討項目2についてです。知的障害のある児童生徒の場合は、従前から、また国際的にも具体的な教育活動を中核に据えて、あるいは具体的、実際的な状況下で学習を展開することが肝要とされてきました。
 各教科の指導内容、育成を目指す資質・能力を意図した実践が求められるのは言うまでもありませんが、その上で各教科の指導目標や指導内容を選択した後の知的障害の状態を踏まえた適切な指導の形態の選択、あるいは具体的な学習活動、そして学びの関連づけ、各教科や指導の形態を超えたカリキュラム・マネジメントの考え方や具体的方策例が丁寧に示される必要があると考えます。このことは、先ほど述べたことにも関係していくと思います。
 知的障害のある児童生徒の教育におけるカリキュラム・マネジメントについては、小・中学校の通常の学級とは異なる緻密な工夫もあると思います。このことについて、どの段階でどのような手続で進めていくとよいのかについて、学校現場が混乱しないよう検討して示すことが必要だと思います。
 また、御説明の中で、「合わせた指導を行う場合の誤解」とありましたが、教科別の指導を行う場合についても同様に誤解や混乱があると思いますので、その場合の留意事項についても丁寧に記載していっていただければと思います。
 なお、文部科学省が指定した研究開発学校の取組、例えば筑波大学附属大塚特別支援学校が取り組んだ理科、社会、生活科に関するカリキュラムモデルとか、単元レベルの配列や日課表レベルの工夫等の知見も参考になると考えます。
 最後に、これまで触れられてきていない事項となりますが、医療的ケアの必要な児童生徒について少し述べさせていただければと思います。強いて言えば、検討項目1に関係する事項になると思います。
 具体的には、自立活動における個別の指導計画と個別の教育支援計画の作成と内容の取扱い、また、関係機関との連携にも関わることになると思います。医療的ケアは看護師が、あるいは研修を受けた教員が特定医療行為従事者として対応していることと考えます。医療的ケアは自立活動の大事な部分になるということについて、特別支援学校においてはもちろんのことではありますが、昨今小・中学校における在籍ケースも増えてきていることから、連携というような軸だけではなく自立活動として踏み込んで明確に示す必要があると考えます。その記載箇所を考えたときにどういった位置づけがよりよいのかということも検討いただければと思います。
 以上です。
【清原主査】  菊地委員ありがとうございます。
 いずれも児童の負担を軽減するとともに、特にカリキュラムについて、現場でより理解が進むようなこと、例えば研究開発のカリキュラムモデルなども含めて分かりやすく示していく方向性についての御提案と、最後に医療的ケア児の自立活動に結びつく方向性についても御提案をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、大関委員、どうぞ御発言ください。
【大関委員】 私は、資料2を中心にお話しさせてください。
 先ほど澤委員より御質問がありました並行でいくのかとか、構造化をするという部分において、各教科の特性で分かりづらいかもしれないということに対して、酒井企画官より各教科の特性としてそれはこのような状態だという御説明いただいたところですが、小・中学校の現場からすると、実際に特別支援学級在籍の児童生徒が通常の学級に行って学ぶ教科などもあります。そういう実態もあり、それから、知的障害特別支援学級の児童生徒と自閉症・情緒障害特別支援学級の児童生徒が共同学習を行うというケースも現場では見受けられます。ですので、通常の学級の教科の特性に応じた構造の示し方という部分は、小・中学校の立場からすると今回は分かりやすい部分に近づくものだというふうに受け止めたところです。
 一方、菊地委員より御指摘がありましたように、誤解や混乱を招くことにも繋がりますので、十分丁寧に分かりやすい表記の工夫というのはしていかないといけないというところは私も感じたところです。
 以上です。
【清原主査】  大関委員、ありがとうございます。
 何よりも具体的な現場のお声として、通常学級で学ぶ場合もあるし、知的障害、自閉症の学級がそれぞれ共同学習する例もあると。そういうことを考えると、このたびのような各教科の特性に応じた整理の仕方というのは、一方で分かりやすいと。ただ、現場の授業時の混乱を招かないように、先ほど菊地委員もおっしゃいましたけれども、分かりやすい説明の仕方の必要性などを御提案いただきました。
 皆様、御意見いかがでしょうか。今までの御意見と重なることもあるでしょうし、皆様の御意見を伺って、新たにこれまで発言された方でも気づかれたことがありましたら御発言いただいても結構です。
 それでは、野口委員、お願いします。続いて宮内委員です。お願いします。
【野口委員】  野口です。
 まず、資料1の教育目標について検討したいということで、御提案ありがとうございます。以前自立活動の目標を変更すべきという意見を私から述べさせていただきましたが、特別支援学校の教育目標に関しても障害者権利条約への批准や、障害者差別解消法などを踏まえたときにやはり検討していくべきだと思います。「児童及び生徒の障害による学習上または生活上の困難を改善・克服し、自立を図るために必要な知識、技能、態度及び習慣を養うこと」とありますが、これは恐らく学校教育法の第72条を踏まえた目標になっていると思いますが、やはりここはもう時代に合わせて変えていくべきだと思います。
 繰り返しになりますが、社会が多様な人がいることを前提に設計されていないこと自体が障壁になっている、社会の側に障壁があるという視点が全くこの目標からは受け取れないので、障害による困難さは本人が全て改善・克服しないと自立ができないと読み取れてしまうという点を踏まえて、目標は変えていくべきだなと思います。
 学校教育法の変更は難しいのかもしれないですが、「自立のために知識・技能を授ける」といった表現も検討が必要ではないですか。
 また、次期学習指導要領全体の方針として、好きや得意を生かすとか伸ばすという視点が掲げられています。例えば、現在私が参加している特定分野に特異な才能のある子供の特別の教育課程に係るワーキンググループにおいては、本人の得意なところに目を向けて学習上や生活上の困難の軽減・解消を期待していくというような、そういった視点で話合いがなされていたりですとか、外国人児童生徒の教育の充実に係る有識者会議においてもこちらも子どもたちの違いを欠陥や困難さとして見るのではなく、いわゆるストレングスアプローチというものを土台にしていこうということが話し合われています。
 こういった全体の方向性を踏まえた上でも、特別支援学校においても、当然実践上ではされているところもあると思うんですが、その子の好きや得意を伸ばしていくという視点や、社会の側の障壁をなくしていくといった視点を入れていくべきだと思います。
 加えて、特別支援学校における教育課程の編成を基礎的環境整備として位置づけるという御提案があったんですが、誤解になってしまうなと思うのが、特別支援学校が基礎的環境整備なのではなくて、必要に応じてどの場においても子供の状況において特別の教育課程が編成できるという、そういったシステムがあるということが基礎的環境整備なのではないでしょうか。
 これもちょっと大きな話になってしまいますが、関連して、特別支援学校の学習指導要領でいいのかということですよね。小・中・高に在籍する子供も、先ほど大関委員からありましたが、必要に応じて特別支援学校の指導要領に基づく教育課程の編成が既になされているということを踏まえると、特別支援学校、校種で指導要領としてしまうのは今の制度上仕方ないのかもしれないんですが、ここはやっぱり検討していかないといけないんじゃないのかなと思います。
 加えて、知的障害のある子供についての教育課程についても、小・中学校との連続性を踏まえて構造化の検討はすごく大変だったと思います。特別支援教育だけ全教科検討することは、物すごく大変な作業だったと思います。本当にありがとうございます。
 高次の資質・能力について、前回私のほうで、小・中・高における高次の資質・能力の表現をもっとビッグアイデアにしていくことによって、そこに多様な障害のある子供も含まれるという構造にしたほうがいいんじゃないかという提案をしてきたんですが、思ったより教科ごとにかなり細かく設定がされるという今方向性になってしまっているので、知的障害のある子供については別途設定していく旨ということもよく理解したところです。
 一方で、先ほどの話にも繋がるんですが、大関委員からもお話がありましたが、特別支援学級や、または通常の学級においても知的障害のある子供がいるということを踏まえたときに、どの学びの場においてもその子に合った目標が設定される、どの学びの場においても必要な資質・能力の育成ということが目指されるということを期待したいです。それを今回どこまでやるのかというところも含めてですが、特別支援学校だけで知的障害のある子供の学びが保障されるということからは脱していかないといけないと思いますので、そこの部分の記述の仕方ですとか全体の構成の仕方の工夫をお願いしたいなというところです。
 すみません、長くなりまして、最後ですが、重度重複障害のある子供や訪問教育の対象となる子供がいることを前提とした構成については賛成したいと思います。
 また、特別支援学校の保護者と話していると、特別支援学校においても不登校状態にある方はかなりいます。地域の小・中・高では実際に不登校支援をされているところは増えてきましたが、特別支援学校における不登校はどうしたらいいのか、どこにも居場所がないという声を先日もある親御さんから聞いたところですので、不登校についても記載いただけるということで賛成したいと思います。
 以上になります。
【清原主査】  野口委員、ありがとうございます。
 教育目標の書き方について、「好き・得意を伸ばす」という方向性や、「どの場においても基礎的な環境整備を」ということを、また今回「不登校」についても触れた点についての歓迎の御意見をいただきました。
 それでは、これから、宮内委員、有吉委員、丹治委員、谷口委員、海老沢委員、亀田委員、川合委員、青山委員の順で御発言をお願いします。
 まず、宮内委員から、どうぞお願いいたします。
【宮内委員】 宮内です。この度は御説明ありがとうございます。
 先ほどからいろいろな委員の皆様の意見を聞きながら、そのとおりだなと思って聞いていました。
 7ページ目の、「特別支援学校を基礎的環境整備・・」というところは、私も違和感がありまして、ほかの委員がおっしゃっていたとおり、検討したほうがいいと感じました。
 それ以外で、3点ほどございます。1つが、6ページ目に記載されている内容についてです。知的障害を除いて障害種別ごとの配慮事項を第1章の総則に持ってくるということ、教育課程の編成の中で記載してはどうかという点ですが、視覚障害が私は専門になりますが、その観点からしても、おっしゃるとおり教育課程全体を通じて配慮すべき事項でもありますので、総則に入れるという点は異論はございません。なお、これは、配慮事項のすべてを第1章総則に移動させて、第2章の各教科の箇所からは完全になくなってしまうというわけではなく、記載事項を整理した上で、引き続き各教科にも残していくという提案であるという点も、先ほど澤委員に対する御回答の中で確認できました。個人的には、やはり各教科にも、どの内容を記載するかは今後検討が必要ですがけれども、残したほうがいいと考えています。その理由は、視覚障害の場合は、見えにくい、あるいは見えない子供たちの場合は、触覚、聴覚など、ほかの感覚を活用しながら学んでいく子供たちになりますし、あと視覚的な情報がないがゆえに概念の形成などが不十分であったりします。ですので、準ずる教育で学ぶことはできるのですが、やはり教科によっては、特に視覚的な教科によっては、特にこういった発達上の特性を踏まえた上での配慮がとても必要になってきます。
 今回、スライド4に昭和54年以降の変遷が書かれていましたが、これまで第2章各教科に記載があったがゆえに、特に視覚障害教育分野では教科ごとに、配慮事項を反映した専門性が蓄積されたという、点もあるかと思いますので、今回の改訂によってせっかく築かれてきた専門性が薄れることのないような配慮が必要かと思った次第です。
 また、同じく6ページ目の資料で、「特別支援学校」というところを「場合」に変更するという点は、的確ですし分かりやすいと思いますので、この点は賛同いたします。
 最後ですが、7ページ目の第1章総則に、国の障害者政策の方向性も踏まえて文言を検討するというふうに書いてくださっています。また、ICFなどの話も書いてありまして、これはとても大事だと思って賛同いたします。
 もう既にほかの部会などでも話し合われていることなのかもしれませんが、ICFの話など、これは障害を有する子供たちだけではなく、全ての子供たちにとって、特に発達とか、学校の学習とか参加を考えたときにとても普遍的な内容ですし、重要な事項でありますので、小・中・高等学校の学習指導要領等でも記載を検討されると有効であると考えていました。
 以上になります。
【清原主査】  宮内委員、御意見ありがとうございます。
 おおむね方向性としては賛同していただくとともに、最後に指摘されました視点をきちんと入れることなどは重要であるとともに、各教科にもきめ細かく今までの専門性が生かされるような方向性をと御提案いただきました。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、有吉委員、御発言をお願いいたします。
【有吉委員】  まずは、資料の作成をありがとうございました。お示しいただいている対応案について、全てを十分に理解できてはおりませんが、おおむね賛同いたしております。私からは、感想を含めて幾つか思うところをお伝えいたします。
 1つ目です。資料1の8ページにある「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画の作成」の両計画の役割や関係が伝わりにくいのではないかというところですが、まさしく保護者にとっても同様かと思います。学校教育において指導する計画と、学校のみならず関係者同士が連携して支援を行う計画は趣旨が違うものです。
 例えば、医療でのリハビリを学校で同じように行うことはありません。医療でのリハビリの状況を踏まえ、座りやすい姿勢が取れるよう学校生活でも支援をするなど、指導ではない計画だから支援計画と整理されていると理解しております。
 私は保護者の立場ですので、学校指導要領のどの項目に整理することが適切なのかは分かりませんが、少なくとも保護者にとっても指導と支援が混在しない形で整理していただけることが重要ではないかと思います。学校の役割を保護者も正しく理解することが必要です。
 2つ目です。資料1の中に、重複障害、重度障害、知的との重複障害等、単一障害でない児童生徒に対する対応についての記載がありますが、この表記の違いが経験の浅い先生方に理解できるのかどうか疑問に思います。
 また、訪問籍を含め、重複障害のある多くの児童生徒が知的障害を併せ有することと思いますので、知的障害児者に対する教育は専門性を保ちながら、汎用のしやすさも求められるのではないでしょうか。他種別の先生方への分かりやすさも重要だと思います。障害種別ごとの指導方法を掛け合わせる意義をどこかに明記してください。
 3つ目です。特別支援学校学習指導要領は、小・中・高校の学習指導要領の構成・内容に準じていますが、あまりにもかけ離れた文言が出てくることに違和感を抱くことがあります。例えば、中学部に入ると算数は数学となりますが、抽象的・論理的思考が難しい生徒にとって、学ぶ内容は個々の学びの状態に応じて小学部や他学年の内容に変えることになります。歴史や地理、古典などについても同様に思います。肢体不自由校に多く在籍する成長発達が遅い重度重複障害児者が必要とするのは、むしろ学びの基盤となる乳幼児期の学びを丁寧に学ぶことが重要だと私は考えます。
 今回共有いただいた論点整理を拝読していて、幼児教育では、小学校教育との円滑な接続がうたわれています。そのような観点から、資料2の3ページにおける小学部1段階の内容について充実が図られることは、重度重複障害の子供にとっても大切な方向性だと思います。時間はかかっても、一つずつ着実に学び、成長していける姿を今後も大切にしていただきたいと思います。
 最後に、優生保護法問題についての資料を読みました。差別をなくしたいというのは、障害当事者やその家族も同じ気持ちです。史実を正しく伝えること、ただしそれは道徳の時間ではなく歴史の時間で扱われるべきことです。障害理解や共生について、健常者が「施し」ではなく、優位性を持たずに真の「共生」が実現できるように、幼少期からの教育や体験を促してください。
 以上です。
【清原主査】  有吉委員ありがとうございます。
 保護者の視点から、指導計画、支援計画が混在しないように、また2点目、重複障害、重度障害について教員の理解が正しくなるように、言葉はそのまま残ったとしても内容がしっかり届くようにという御提案をいただきました。3点目には、教科について、特に幼児教育と小学校の教育の連携が重要であったという観点から、大変具体的な御提案をいただきましたし、最後に障害者差別を解消して共生という認識を全ての国民が理解するような、差別しないような内容というのを教科の中でしっかりと、例えば歴史などで伝えていってほしいという思いをお話ししていただきました。受け止めます。
 それでは、丹治委員、谷口委員、海老沢委員、亀田委員、川合委員、青山委員の順で、まず丹治委員、お願いします。
【丹治委員】  このたび、資料1と資料2の方向性について整理いただきありがとうございました。特に資料1については、これまでの章立てを維持しながらも、小・中・高に準ずる形で連続性を整理いただいたかなと思いますので、包摂する柔軟な仕組み等が総則に位置づけられることについて大いに期待できるかなと思っております。
資料2につきましても、知的障害教育の各教科の構造化で、高次の資質・能力の深まりとか、一体的育成というところを表形式で可視化していただいたのは、今後の深い学びの実装というところに繋がるような視点を明示いただいたのかなと思っております。
 私からは、4点ほど述べさせていただきたいと思います。
 まず、1点目です。合わせた指導と各教科の目標を有機的に結びつけられるようなカリキュラム・マネジメントというところが重要になってくるかなというふうに思っています。特に資料2とも関連してきますけれども、資料1ですと8ページの該当箇所になりますでしょうか、知的障害教育の強みの合わせた指導と、今回整理された各教科との接続については、生活単元学習ですとか遊びの指導と教科の目標とをどうやって結びつけるかとか、評価すればいいかと戸惑う現場の先生方もいらっしゃるのかなと想像されますので、第3節の教育課程の編成とかカリキュラム・マネジメントの項目等において、理念ですとか留意事項というのを明記しておくとよろしいのではないかなと思ったところです。
 2点目ですが、資料1の9ページのところで、「児童生徒の学習の自己調整に係るものなど、児童生徒が主体的に学ぶことができる」といった記載があったかと思いますが、構成案のとおり「教育課程の実施と学習評価」にまとめるときに、特にデジタル学習基盤というのは今回重要なツールになろうかなと思います。単なるツールの紹介にとどまることなく、ICTの例えばアクセシビリティ的なものを活用して自己調整学習のサイクルを回すことが深い学びに繋がるんだといったプロセスとの連動を踏まえてICTをいかに活用していくか、デジタル学習基盤を活用していくかというところの記述があると、例えば自立活動の指導とか、そういったところにもより繋がってくるのかなというふうに思った次第です。
 3点目ですけれども、特別支援学校学習指導要領の中でも、社会モデルという考え方はどこかに明記しておくということと、多層型の支援ですかね、第1層、第2層、第3層といったところがこれまでも議論されたていたかなと思います。そういったところと合理的配慮の明確な位置づけということで、例えば7ページとか8ページにあったところかと思いますけれども、社会モデルを総則の基本理念の中に明記するとか、多層的な支援の枠組み、第1層から第3層への支援といった構造的な位置づけについても包摂性を高めるという上では非常に重要になってくるかなというふうに思いますので、その辺り、明記しておくということも重要なのかなと思ったところです。
 4点目、最後ですけれども、資料1ですと8ページですとか10ページの教育支援計画とか個別指導計画のところに記載ですとか、あとは医療、福祉、保健、労働等の関係機関との連携の記載があったかと思います。こちらは、個別の指導計画とか教育支援計画の中でこれまでも連携はされていたかと思うんですけれども、チーム学校として、例えば養護教諭とか心理職とか、医療福祉等の外部機関との協働の連携とか、例えばアセスメントとか実態把握とか、そういったところも明記いただくと、チーム学校とか、組織的なチームアプローチといいますか、そういったところが、もしかしたら合理的配慮ですとか、あとは包摂性を高める上で重要になってくるのではないかなと思いました。ですので、例えば指導計画とか教育支援計画の中で連携というのが重要だというところを解説等に説明いただくとか、そういったところも明記いただくとよろしいのではないかなと思いましたので意見として述べさせていただきたいと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【清原主査】  丹治委員ありがとうございます。
 1点目、「カリキュラム・マネジメントの重要性」ということ、2点目に「デジタル学習基盤はプロセスとの連動を」ということ、3点目に「社会モデル、多層型支援」の明記、4点目に教育支援計画や個別の指導計画のときにはまさに「チームアプローチ」、「連携」が重要であるという御提案いただきました。
それでは、谷口委員お願いします。
【谷口委員】  まず、丁寧な御説明をいただきましてありがとうございます。私からは、検討事項丸1総則についてのみ幾つか意見を申し上げたく思います。
 まず、1点目、ほかの先生もおっしゃっていましたけれども、第2章各教科の中の文言を「場合」という表現に変えるということについてですが、病弱におきましても目の後ろにがんができて手術をすれば視覚障害が加わってくるですとか、手足のほうに腫瘍ができれば肢体不自由を伴ったりというようなことがありますので、「場合」という表現のほうが適切でありがたいと感じております。
 2点目になります。第1節の教育目標のところにおいて、自立と社会参加に繋がるものとなるようにお示しくださるという御提案がございましたが、強く賛同いたします。ただ、「自立」という言葉を辞書で引きますと、広辞苑などには「他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること」となっておりまして、自立イコール独力というようなイメージが強いというのが社会一般の認識ではないかと思います。障害の有無に関わらず、他者からの支援を受けながらということも含めて、自分なりの生活を立ち上げていくことというのが自立を考えるときには大切と考えております。自立イコール独力ということではないというようなニュアンスが含まれているとよろしいのではないかと思った次第でございます。
 3点目です。8ページに、合理的配慮について、教育課程の編成において示すということが御提案されております。それについて、反対ではないんですけれども、最初の教育目標のところに関しましても合理的配慮は特別支援教育の目標を達成するために欠かせない支援の考え方でございます。教育目標のところにも記載があってもよいように思った次第でございます。
 最後になります。10ページ目の第6節の学校運営上の留意事項のところになります。防災や安全教育については、1の(2)に少しだけ触れられているにすぎないということが気になっております。今後10年間に大災害が起こる可能性がゼロではないということを考えますと、安全や防災に係る教育について、命を守るための教育として計画的な実施についてしっかりと記載する必要があるのではないかと考えております。
 その際、特別支援学校には1人での避難が難しいお子さんがたくさんいるということ、そうしたことを踏まえて教育の内容というものを考えていく必要があるのではないかと思っております。
 以上でございます。
【清原主査】  谷口委員、ありがとうございます。
 先ほど宮内委員も御発言されましたが、「場合」という表現について適切であるということ、また「自立」という言葉は独力ではないと、「支援を受けながらも自立するという方向性」、そして「合理的配慮は教育目標にも必要である」ということ。最後に、防災や安全についても、要支援者であるけれどもしっかりと位置づけていく必要があるという提起をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、これから、海老沢委員、亀田委員、川合委員、青山委員、そして一木委員の順でお願いします。
 それでは、海老沢委員、お願いいたします。
【海老沢委員】  資料ごとにお話しできればと思います。
 資料1の5ページ、「小・中・高校において特別支援教育を担う教師も特別支援学校学習指導要領を参照することを前提とした、分かりやすい構成や記載」というのはとても大事だなと思います。特に、小学部1段階とか2段階の知的障害のあるお子さんの学習内容、目標とか内容はどういうことなのかということを、小・中・高校で特別支援教育を担う先生方も分かるような形の記載というのができるといいのではないかなと思います。
 あとは、8ページ、「知的障害教育における合わせた指導」についてですけれども、教育の内容と指導の形態を混同して理解するケースというのはあるんじゃないかなと私も思います。ここでお示しくださったように、各教科以降に記述する形に整理するというのが、教科のねらいや目標を踏まえた上で合わせた指導があるということが分かりやすくなり、順番としてはそれがいいんじゃないかなと思います。
 また、9ページ、先ほど丹治委員もおっしゃられていましたけれども、一番上のICT活用についてですが、読み書きに困難がある際の活用であるとか、入出力方法の選択肢が増えるということであるとか、あとはコミュニケーション支援、AACとしての活用であるといった例が記載できると、それが主体的で対話的な深い学びにつながる基盤になるということのイメージが持ちやすいのかなと思います。
 それから、10ページ、高等部についてですけれども、重度の生徒さんも多数在籍しているので、多様な実態に応じた教育課程の編成についての見直しというのを検討していただけると、現場の先生方にとっても授業がつくりやすくなるかなと思います。
 あとは、資料2の3ページ、現状と課題の一番下に書かれている「各教科等における児童生徒の習得状況等の把握が不十分な場合がある」ことが、私も現場にいてとても感じるところです。児童生徒が1段階、2段階、3段階のどの段階にあるのか、各段階でどのような各教科の目標・内容があるのかということを、大まかに把握できるような形にしていただけると目安がつきやすくなるかなと思います。
 あと、高等部の段階は、なかなか内容が難しくて該当する生徒さんが少ないというのが現状としてあると思いますので、先ほどほかの委員の方もおっしゃっていたことと同じですが、小学部1段階の内容を充実していくということと、小学部1段階、もしくはそれ以前の段階の児童生徒というのも想定した形の内容というのが記載されるととても分かりやすくなるかなと思います。
 関連して4ページなんですけれども、「高次の資質・能力を示すに当たっての基本的な考え方」というのは、私もこれを読んでいてそのとおりだなと思ったんですが、先ほどの3ページと関連するところですが、実態把握とか、各段階の各教科の目標・内容等を踏まえた上で、それがらせん状に深まるという展望につながるような、そうしたことが具体的にイメージできるような形になると、先生方が知的障害のある子供たちの授業づくりを考える上で非常に参照しやすいものになるかなと思います。
 以上になります。
【清原主査】  海老沢委員、ありがとうございます。
 何よりも、小・中・高、編成の手順に沿った章立ての必要性や、教科の狙いが明確になること。丹治委員もおっしゃいましたが、「ICTの活用」については、具体的な支援の内容を提示することによって現場に生かされるのではないかと。特に、高等部の重度の生徒に向けては、多様な実態を把握する必要があるし、資料2の3ページとも関連しますが、実態の把握を十分にすることによって各段階での対応を示していくことの有用性が提起されました。何よりも、実態に基づいてらせん状に学びが深まるような方向性というのを具体化していく必要性を提起いただきました。ありがとうございます。
 それでは、亀田委員、お願いいたします。
【亀田委員】  私のほうからは、8ページと9ページ、個別の指導計画等とICTの活用、この2点について意見を申し上げたいと思います。
 まず、初めに、8ページのところです。個別の指導計画と個別の支援計画を教育課程の編成の中で併せて記載し、一体的な扱いとする事務局案についてですが、先ほど有吉委員からの慎重な反対の御意見もあった中ですが、今自分の考える中で思ったことを述べさせていただきたいと思います。
 まず、これらの計画の一体化というのは、現場の先生方の指導の充実にも繋がると今のところ自分は考えております。これまで別々に作成していた書類が繋がり合うことで、将来の自立という長期的な目標と本時の授業の繋がりというところが明確になると考えます。
 例えば、国語や算数、それと自立活動等の支援がどのように関連し、貢献していくのかというところの繋がりが明確になってきて、教師が一貫した指導に集中できるのではないかと考えます。
 さらに、保護者の方にとっても、複数の書類を提示されるよりも、もしかしたら一つのプランとしてお子様の全体を捉えて、提示をされるほうが分かりやすいのではないかなと思ったのですが、先ほど有吉委員からの御意見を伺って、はたと立ち止まり、もう一度自分自身も熟慮したいと考えた次第です。
 ただ、今賛同しているわけですけれども、もし一体的に扱うとするならば、先ほどの有吉委員からの御意見も踏まえまして、どのような記載となるのかという様式の在り方について、工夫することで解決できないだろうかと思っております。関係機関との連携もスムーズになると思われますし、子供の将来を見据えたより実効性の高い計画になることを模索していけたらと考えております。結果として、資料を一体化させることで、教師の負担軽減にも繋がり、子供一人一人に向き合う時間の創出にもなるのではと期待したいところです。
 2点目の9ページ、ICTの活用につきまして、障害による学習上または生活上の困難さの改善という観点から記載される事務局の御提案に賛同いたします。ただ、障害の状態に合わせて端末とか教材・教具を最適化するということで、困難さの改善というのは児童生徒が主体的に学べる学習環境を教育課程の実施段階で保障することであると考えますし、その学習基盤が主体性にも寄与するということになると思いますので、主体性の観点を強調してもいいのかなと考えました。
 また、是永委員から御意見がありましたように、個別最適の個別ばかりに偏るのではなく、対話的な学び、協働的な学びにも役立つということも重要です。例えば、特別支援学級の他校の学級同士が道徳的価値について話し合って議論を深めていく、このような道徳を実現するために、オンラインで繋がり合って学ぶとか、あるいはクラウド上で同じシートのところに絵を描いて共同編集するとか、クラウド上に上がっている友達の作品を閲覧し合うとか、そういうことが特別支援学級でもなされておりますし、特別支援学校でもできると思っております。ですので、そういう辺りも追記されてもいいのかなというふうに、同じように考えました。
 以上になります。
【清原主査】  亀田議員、ありがとうございます。
 個別の指導計画・支援計画というのを一体的に扱うことについて、それが保護者にとっても、そして教員にとっても負担軽減になるだけではなくて、本人にとっても役に立つのではないかということ。そして、「ICTの活用」については、生活上の困難さに対応するためにも、主体的な利用の在り方という意味合いが出ること、それは「個別最適な学び」だけではなくて「対話的・協働的な学び」にも有意義であるということです。
 私、ここで主査として有吉委員にお願いがあるんですが、私、有吉委員の先ほどの発言は、必ずしも個別指導計画と個別支援計画を一体化することに対しての反対というよりは、それが混在化することによって分かりにくくなるということや、そうした不安を披瀝されたのではないかなと思っていまして、有吉委員、今の亀田委員のこの部分の発言を聞かれて何かコメントはありますか。よろしければ発言していただければ助かりますが、いかがでしょうか。
【有吉委員】  ありがとうございます。今おっしゃっていただいたように、私は一体化することを反対するという意味合いで申し上げたのではなくて、指導と支援が混在してしまうことによって保護者が分かりにくくなってしまったり、また、保護者が学校ではできないことを期待してしまったりなど、そのような問題が生じてしまうことを懸念して申し上げたつもりです。決して否定はしておりませんので、その旨お伝えいたします。
 保護者の視点から個別指導計画も支援計画も理解され、生かされることが必要でございますので、亀田委員に提起していただきましたように、内容が保護者にも、もちろん当事者にも分かりやすく、そして今のような誤解が生じないような取組をしていくという方向性が重要ではないかと確認させていただきました。お二人の意見がかみ合ってよかったです。ありがとうございます。感謝いたします。
 それでは、大変お待たせしてごめんなさい。川合委員、よろしくお願いいたします。
【川合委員】  まず、事務局の皆様におかれましては、本日の資料、論点を明確に整理し、御提示いただきましたことを感謝申し上げます。
 今回は、資料1の総則の構成・記載の在り方、それから資料2の各教科の目標・内容の構造化について、両者を関連づけながら意見を申し上げたいと思います。
 まず、資料1について、例えば6ページに示された今後の方向性等についてですが、教育課程の編成手順に沿って構成・整理し、多様な児童生徒の実態を踏まえながら分かりやすく示そうという方向性については、基本的に賛同いたします。
 一方で、学習指導要領でありますので、単なる記載上の整理ということだけではなく、特別支援学校における教育課程をどのような理念や構造に基づいて編成するのかという本質的な課題に関わるものと考えております。そのため、教育課程の編成の中において、個別化や重複障害への対応、訪問教育等を一体的に位置づけ、多様な学びを前提とした構造へと再整理していくことが必要であると考えます。
 また、資料11ページの部分ですが、多くの委員の先生方と同様に、「○○である児童」に対する教育を行う特別支援学校を「場合」という形で整理する考え方について私も賛同いたします。
 一方で、このような整理をなさるのであれば、例えば先ほど申し上げた訪問教育や、重複障害の児童生徒への対応をする場合、という形で、同じ枠組みの中に位置づけてはどうかとも考えるわけです。これらについても、教育課程の編成上に係る重要な事項ですし、より体系的に整理・提示することが必要ではないかと考えます。
 併せて、教育課程の弾力的な取扱いについても、例外的、補足的な措置ではなく、教育課程編成の基本的な考え方として明確に位置づけ直す必要があると考えます。
 そういった意味では、先ほど丹治委員からもありましたMTSSにおける第3層、第4層の考え方、いわゆる学部段階間を柔軟に行き来できるような仕組みとして再構築することも考えなければならないのではないかと思いながらお話を伺いました。
 また、資料2における教科の構造化についてですが、小・中・高という連続性を踏まえて整理しようという方向性自体には、これは重要ですし賛同いたします。ただ、連続性というのは、いわゆるインクルーシブなのか、インテグレーションなのかという議論も含め、通常の枠組みに形式的に近づけることを意味するだけではなく、特に知的障害のある児童生徒の学習特性や発達の在り方を踏まえた上での接続であることが必要であると考えます。
 教科ごとの学びの構造は大きく変わります。例えば、算数・数学のように系統性や概念形成を重視ものもありますし、体育や音楽のように身体を基盤とする教科もあります。そうした違いによって、目標や内容の構造化もおのずと異なるものと思います。したがって、教科の特性、学びの特性を踏まえた柔軟な構造設計が求められますし、表の在り方が異なることについては、私も一定の理解を示しつつ、学校現場の先生方にとってはできるだけ統一された形式で示されているほうが、澤委員もおっしゃったように理解しやすいのではないかとも思うわけです。この点については、実践への影響というものを踏まえながら慎重な検討を求めたいと思います。
 また、知的障害教育においては、生活との往還を構造原理として明確に位置づけられるということが必要かと思いますし、学習内容がどういった生活場面と結びつくのか、どのような経験を通して意味づけられるのかということを構造として再整理する必要があると考えます。
 先ほども御指摘がありましたが、例えば小学校第1段階については、単に小学校から教科の導入であるということだけではなく、特に障害の重い子供にとっては、感覚運動やコミュニケーションを基盤とした幼児期からの学びが必要となる場合もあると思います。そのため、この辺りは連続した学び、とりわけ学校段階が変わる部分においても、連続性を意識する必要があると考えます。
 また、先ほども少し触れましたが、重度重複障害のある子供も置き去りにしてはならないという点もあるかと思います。連続性というのは、上に向けた発達を保障する必要がありますが、難しさを抱える子供や、命に関わる状況でありながら学ぶ子供にとっても、学べるという実感を持てるような、また保護者も学校が学ばせてくれていると感じられるような状況をつくっていくことが重要です。ですから、平均的な発達モデルに依拠した構造も、もちろんインクルーシブな構造の中では一つの形であると思いますが、その枠組みからこぼれ落ちてしまう危険性のある子供もすくい上げるということを、私たちは意識しなければならないと考えました。
 また、ICTの活用や主体的・対話的で深い学びについても、先ほど丹治委員をはじめ複数の委員の先生方もおっしゃっていましたが、理念的な記述だけではなく、具体的に落とし込むこと、すなわち学習指導要領の解説や、何らかのガイドブックの中で、個別化された指導や合理的配慮の具体例、AACやICTの活用事例などを、どこかで示していく必要があると考えます。
 最後に、やや論点からずれるかもしれませんが、これらのインクルーシブな学びに実効性を持たせるためには、人材配置や予算措置が必要であると考えます。特に特別支援学校の中学部・高等部、知的障害の学校においては、必ずしも全ての教科の専門性を持つ教員がそろっているわけではありません。以前もそうした議論があったかと思いますが、これを本当に実効性あるものとするには、中学部・高等部において教科の専門性を有する教員を適切に配置していく必要があると思います。これは国や教育委員会が計画的な施策として進める必要があるのではないかと考えます。
 以上です。ありがとうございました。
【清原主査】  川合委員、ありがとうございます。
 今後の方向性を考えていくときに、「多様な学びの保障」ということを示していく必要性、また資料1の11ページの「場合」という表記については、もちろん重要だけれども、訪問教育とか重複の場合も含めて学部段階間も柔軟に行き来できるような柔軟性ということも御提案をいただきました。さらに、3点目として、教科を構造化していくときに、現場の教員にとっては一定の統一性も、教科の違いがあったとしても必要であるということ。そして、知的障害者においては、「生活との往還」という視点が重要であるということ。そして、ICTは、これは多くの委員の方が御提案されましたが、それを主体的な深い学びに持っていくためにも具体的な解説などの用意が必要であるということ。最後に人材配置についても御意見をいただきまして、これは本当に重要な御提案だと思います。
 それでは、青山委員、続いて一木委員とお願いします。
 青山委員、どうぞ。
【青山委員】 青山です。よろしくお願いします。
 事務局からは、非常に丁寧な、そして多分難解な作業だったと想像いたしますけれども、資料を提供いただき、御提案ありがとうございました。
 特別支援学校の学習指導要領の話なんですけれども、私はそれが小・中・高等学校の学校教育にどのように連結・接続していくのかという観点を中心に3点申し上げたいと思います。
 まず、1点目です。教育課程の編成の重要性がいかに分かりやすく共有されるかということについてです。資料1の例えば11ページのところにございますが、今までの委員の方からも出ているんですけれども、例えば右側の上のところですが、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の指導計画の作成と内容の取扱いについての配慮事項、これは各教科に限らず全体を通じて配慮すべき事項なんだと、だから第2章ではなくて第1章総則のほうに記載するようにしてはどうかという御提案がありました。
 例えばここもそうですし、それから同じく資料の9ページ、右側の上から2つ目の四角の中ですが、訪問教育、重複障害者の指導について、これも教育課程の編成の中で整理して記載してはどうかという御提案がありました。
 私、ここだけではないんですけれども、教育課程を編成していく重要性ということが、分かりやすい形で内容をまとめて記載していくということは、非常にシンプルではありますが重要だと思います。特に小・中・高等学校においては、特別支援というと、どうしてもどう支援するかという、支援方法にすごくウエートが置かれているといった印象もありますが、実際には教育課程をどのように編成していくかといったところをまず進めていくことが大切だと思います。ということで、この御提案に対して非常に共感をした。たまたま2つ挙げましたけれども、ほかの部分も含めて、整理をするということに関して共感したということがございます。それが1点です。
 2点目です。同じく資料の10ページのところです。ちょうど真ん中付近ですけれども、重複障害者等に関する教育課程の取扱いですが、この規定は、実は現行学習指導要領において、既に重複障害者に限ってはおりません。その対象というのは非常に広いですし、私はこの規定は、実は教育課程編成をするときにすごく柔軟な規定を現行学習指導要領の中で示しているものだと思うんです。だとすると、ここでおっしゃっているように、名称を分かりやすくするということに関して賛成であると同時に、特に小・中学校の特別支援学級においてこれが適用されるのは既に当然のことです。が、さらに、もう少し、内容によっては通常の学級においても、重複障害者等の取扱いは適用できることが実際あるのではないだろうかという気持ちもいたします。
 具体的にここでは申しませんけれども、そういったような観点から、もう少し踏み込んだ、要するに子供たちの多様さを包摂していく教育を小・中・高等学校、通常の学級において進めていくときに、もう少し踏み込んだ連結・接続の在り方が検討できる可能性があるのではないだろうかと考えたということが2つ目です。
 3点目です。知的障害者に関する各教科の目標・内容の構造化についてということです。これについては、小・中・高等学校の教育課程との連続性を踏まえて進めていくという基本的な方針があるということでよく理解をしているつもりです。ただ、そうは言いながらも、先ほど菊地委員もおっしゃっていましたけれども、実際に学校現場、特に小・中学校の学校現場では、目標・内容を構造化することと、実際にそれを学校現場において子供たちの実態に応じて指導することというところにギャップがあるというか、そこに難しさもあり、またそこに面白さもあるといったような実態があるのではないだろうかと想像します。
 そう考えると、資料1の8ページのところに提案されておられましたけれども、右側の3つ目の四角です、「知的障害教育における合わせた指導は、指導の形態の一つである」ということで、合わせた指導を行う場合の留意すべき事項については第2章各教科以降に記述する形に整理してはどうかと提案していらっしゃることは非常に重要かと思います。つまり、指導の形態と各教科の目標・内容の構造化というのを一体的に考えていくものだというのは、シンプルな内容ですけれども、実は学校現場、特に小・中学校の学校現場の中で、そこは難しいという実態があるのではないかと推察します。
 そして、これは最後ですけれども、ただ、そうは言いながらも、実際のところは指導の形態の一つなんですが、やはり教育課程の編成の基本的な考え方があってのことだとすると、教育課程の編成というところにも知的障害児教育における教育課程の編成の基本的考え方が分かりやすく示されていることは、実は必要かもしれない。つまり、これは、教育課程のところにも、各教科のところにも、両方に押さえて、その意味であるとか考え方としての連続性が分かりやすく示されることが必要なのではないかと思った次第です。
 以上です。
【清原主査】  青山委員、ありがとうございます。
 小・中・高の学校教育との連携を軸に3点御提案いただきました。何よりも教育課程の編成が重要であるということ。そして、2点目に、子供たちの多様性と包摂を考えると、通常学級との連携ということが有意義になってくるということ。3点目に、小・中・高の連続性を考えながら、実際の現場に具体化するところの難しさ、面白さを考えると、合わせた指導というのを各教科のところで提起していくことの必要性を確認していただきました。いずれにしましても、「教育課程の編成の意義」というのを改めて強調していただきました。ありがとうございます。
 それでは、一木委員お願いします。
【一木委員】 一木です。資料1について申し上げます。
 教育の目標について、障害や障害者の定義等に関わる議論は重要と認識しています。一方で、学習指導要領のいずれの箇所にどのように反映すべきかについては検討が必要と考えています。
 教育目標は、教育基本法第1条に「~を養うこと」とあるように、子供に何を育むのか、これを掲げるものであり、自立的に生きる基礎を培うことや社会参画の態度を養うこと等を含め、義務教育の目的、あるいは教育目標に明示されているところです。
 特別支援学校の教育目標は、小学部は小学校教育、中学部は中学校教育の目標を掲げた上で、これらの目標を達成する際に、一人一人の子供が必要とする指導を担う自立活動に通ずる目標を位置づけており、学校教育法に示される特別支援教育の目的とも密接に関わることから、その見直しに際しては、自立活動の意義も踏まえ慎重な検討を要すると考えます。
 その他の事項につきましては、教育課程、年間指導計画、単元計画、個別の指導計画、そして個別の教育支援計画、それぞれの区別、関連、これを踏まえた検討が必要であることを指摘した上で、以下4点申し上げます。
 1点目、重複障害者等に関する教育課程の取扱いの名称変更につきましては、「等」を見落としている方も多いので検討できるとよいのではと思います。
 2点目、第2章各教科の指導における配慮事項について。これは、年間指導計画の立案や授業の段階で必要な配慮事項であり、教育課程の節に移動することには違和感を覚えます。小学部の教育課程は、学校教育法施行規則第126条に基づき編成し、小学校の教科を扱う場合、その目標・内容は小学校学習指導要領に示されます。しかし、障害への学びにくさ等を踏まえた指導の工夫なしには子供の力を十分に引き出し学習の成立を図ることが容易ではないため、あらかじめ配慮すべき事項としてここに示されています。
 今回、合わせた指導について、授業の形態の選択、すなわち指導の工夫であることから、第2章以降への記載とすることが提案されているのも同様の理由と受け止めています。
 3点目です。「視覚障害者である児童生徒への教育を行う場合」等への表記の見直しについて、授業で講じる指導の工夫は学校種ではなく子供の実態を踏まえたものになることは当然ですが、学校教育法施行規則第126条から第128条の第1項は視覚障害者等の、第2項は知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の教育課程を規定しており、このことと重複障害者等に関する教育課程の取扱いの2及び3の規定や、第2章各教科の第1節、第2節の第1款、第2款が対応している、このように理解しています。この点も視野に入れた検討・整理が必要でしょうか。
 最後に、個別の教育支援計画に関わる内容を教育課程の編成に位置づけることについてです。教育課程は、学習指導要領を含む教育関連法規を踏まえ編成されるものです。自立活動の指導や重複障害者等に関する教育課程の取扱いとの関連で編成された教育課程の下、一人一人の子供が受ける教育の目標や内容を個別に具体化する必要性から作成されるのが個別の指導計画、一方、個別の支援計画の一部をなす個別の教育支援計画は、学外の関係機関との連携を図るために作成されるものです。子供の学びが学外の活動や卒業後の豊かな生活に生かされるためにも、必要な連携を図ることは重要ですが、教育課程を個別に具体化するもの、これが個別の教育支援計画ではなく、また個別の教育支援計画の目標が学校として編成する教育課程、すなわち教育内容の選択や授業時数の検討に直接関与するものでもありません。各計画の関係を示し、区別・活用を促すことは重要と考えますが、「教育課程の編成」への位置づけはなじまないのではと、このように考えます。
 以上です。
【清原主査】  一木委員、ありがとうございます。
 重複障害の視点から重要な御提案をいただきました。また、法律との関係、あるいは施行規則との関係で、私たちが留意しなければならない点についても指摘をしていただきました。また、個別教育支援計画と指導計画との大きな違いとして、校内の計画であることと校外の連携の計画であるということのそれぞれの趣旨が生かされるようにということで、いずれにしましても教育関連法規、施行規則等々の関係で問題提起いただきましてどうもありがとうございます。
 それでは、奥住主査代理、御発言をお願いいたします。
【奥住主査代理】  奥住です。3点述べさせていただきます。
 まず1点目は、資料1に関係しますが、事務局提案にある通り、現行の総則が分かりやすく整理されていると思います。緒方委員がおっしゃったこととも重なりますが、第8節の位置づけが分かりにくかったのですが、その対象規定も含めて分かりやすく示すことについては大事なことだと思っております。
 一方で、今の原案のままですと第3節が膨れ過ぎますので、一木委員の御意見も含めて、法令上の位置づけ等を考えながら再整理が必要と思います。
 2点目ですが野口委員がおっしゃったことと重なりますが、現行の特別支援学校学習指導要領では、不登校の位置づけが曖昧で、それを位置づけることは大変大切だと思っております。実際、学校現場を見れば、登校困難の子供が一定数おりますので、その支援を含めることは意義があると思います。
 3点目は、資料2に関係しますが、多くの委員がおっしゃっていたように、小学校等との教科の連続性を示しつつ、知的障害の特性に配慮した統合的な理解と総合的な発揮の工夫が提示されたと思います。実際は、各教科等のワーキングの進捗状況を踏まえつつ、知的障害教科についても検討していく必要があると思います。以上でございます。
 私から以上です。
【清原主査】  奥住主査代理、ありがとうございます。これまでの皆様の御意見も踏まえて、何よりも総則を分かりやすくということで、今までよりより良い総則に向けた検討がなされているのですが、8節であるとか、3節の内容のバランスであるとか、法令上との関係であるとか、まだ時間はありますので吟味をという御提案。そして、不登校の位置づけについての意義、そして特に知的障害の子供たちへの学習指導要領の検討については、連続性も重要であるとともに、それぞれの教科の今後の検討を踏まえて、それを反映しながら特別支援教育としての在り方をより深めていこうという御提案でございます。ありがとうございます。
 今までの皆様の意見交換で、改めまして、本日の資料1の「特別支援学校学習指導要領の総則等の構成・記載の在り方」についても確認をしていただき、重要な部分と、さらに補強や、あるいは追加が必要な部分や位置をもう少し考えたらという御意見を伺いました。
 また、検討項目2の「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う場合における各教科の目標・内容の構造化」についても、重複障害のことも踏まえながらも、それぞれの教科の特性を尊重しつつ、しかしより現場の教員に分かりやすい内容であるように、さらには学習指導要領で示すだけではなくて、解説であるとか、具体的な事例を示していくことの必要性も提起していただきました。ありがとうございます。
まだ少々予定の時間ございますが、皆様の御発言を聞いてさらにという方いらっしゃいますか。
どうぞ、菊地委員御発言ください。
【菊地委員】  先ほどの青山委員の、重複障害者等に関する教育課程の取扱いのところで、なるほどと思ったことがありましたので、発言させていただければと思います。
 このことは、通常の学級と特別支援学級、あるいは特別支援学校という異なる場、異なる教育課程の中で学んでいる子供たちが交流及び共同学習等において共に学ぶ場合にも効果的に適用されていると言えるのではと思います。つまり、障害のある子供とない子供が共に学習活動を行う中で、それぞれの教育課程の規定に基づきながら、授業における目標と、場合によっては学習内容が異なることがあるということです。
 そう考えると、このような取組は、現行のそれぞれの教育課程等の規定の枠の中に在籍しながら、交流の側面や共同学習の側面を踏まえた実践をとおした、いわゆる「十分な教育」を目指すチャレンジであるとも言えます。
 野口委員がおっしゃるような、よりインクルーシブなモードに転換していくということを踏まえると、現行制度の中でさらにできることとして、例えば個別の指導計画に基づいて、交流及び共同学習や通常の学級における授業をさらに柔軟にアップデートしてことが必要であり、その取組の知見を蓄積し、反映していくことが大事だと思います。教育課程から年間指導計画、単元や授業までの一連の教師側の計画だけに合わせるのではなく、在籍する場にかかわらず、子供を中心とした個別の指導計画に基づいた様々な配慮等を確実に踏まえていくことによって両者が噛み合い、通常の学級に在籍する多様な実態の子どもを視野に入れた教育としてさらに前進できると思います。この辺りのことについては、おそらく海外に明るい是永委員や、丹治委員、宮内委員等が詳しいとは思いますが、いかがでしょうか。
【清原主査】  青山委員の御意見から反映して、まさに「交流」とか「共同学習」の在り方ということが、個別の指導計画の中でよりインクルーシブな学びの場を実現していく可能性について触れていただきました。
【是永委員】  実は今スウェーデンにいまして、今日デンマークのコペンハーゲンに移動するんですけれども、特別支援学校の学習指導要領を残しているのは北欧4カ国のうちスウェーデンだけなんです。それは、スウェーデンは、特別支援学校重要性を強く意識しているためです。日本でも特別支援学校の学習指導要領で特別支援学校の存在意義が問われているんだろうなと思います。ノルウェー、デンマーク、フィンランドは学習指導要領を1つにして、対応できない場合は、今まで皆さん言ってくださったように、個別の指導計画で追加するだけなんです。そうすると、の地委員が言われたように、個別の指導計画の重要性が通常の学習指導要領しかないため、特に重要になってきます。特別支援学校がどうなっていくのか、何が譲れないものなのかというところで、やはり核を定めることが大事なんだろうなと思いました。
【清原主査】  スウェーデンがとても身近に感じましたが、まさにリアルな情報をいただきましてありがとうございます。
 ほかの皆様、よろしいですか。
 事務局から、今までの御発言を伺って特に御説明を加えたいところとかはありますか。いかがでしょうか。
 酒井企画官、お願いします。
【酒井特別支援教育企画官】  先生方御指摘ありがとうございました。今後、まとめに向けて御議論をいただくこととなりますので、今回いただきました御意見も踏まえて検討させていただきたいと考えております。
 今回、様々御意見をいただいておりました個別の教育支援計画と個別の指導計画を統合するといった意味合いの御提案ではなく、それぞれの計画を関連づけて作成いただくために、学習指導要領上における規定の位置を工夫してはどうかという御提案でございました。2つの計画を1つの計画に統合して1つの計画作成いただくという趣旨ではございませんが、資料において少し誤解を招く表現や書き方となっておりましたら失礼いたしました。
本日、各委員から様々な観点で、実態や法的な位置づけについても御意見をいただきましたので、いただいた御意見を踏まえて引き続き検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【清原主査】  いずれにしましても、それぞれ計画をしていく内容について、相互関連性がないわけではないので、それをそれぞれ有意義に連携させながら児童生徒を中心により望ましい教育のプロセスを保障していくかということでの事務局の御提案だったと思います。それを保護者の視点からも教員の視点からも、そして当事者の視点からも、あるいは連携している関係機関の観点からも、充実していくということは重要ではないかと考えます。
 先ほども「交流」であるとか「共同学習」の事例をお話ししていただきましたけれども、特別支援学級に通っているお子さんにそういう機会があるということは、障害のある児童生徒の当事者にとっての「交流」の意義もありますが、通常学級の子供たちにとっても、何らかの障害のある子供たちと出会うことによって、無用な障害に関する認識を持つことなく、普通の児童生徒として共に学び、そして休み時間には共に遊ぶというような機会で、場合によっては放課後の地域子供クラブというようなところで共に過ごすというようなことで、まさに生活の中でたまたま一時的に学級の場所は離れることがあるかもしれないけれども、一緒に学ぶこともあるし、一緒に遊ぶこともあるし、交流することもあるしということで、そうした出会いの重要性、そしてそのことによる無用な偏見とか誤解を相互に招かない学校運営というのも実態として全国各所で試みられているのではないかとも思いました。
 今日の委員の皆様のお話から、「連携」、「交流」、「共同学習」、そして「主体的な学びを保障していく」ということ、いくつも重要な方向性に関わるキーワードをいただきましたので、また事務局と御一緒に、より良い特別支援教育、あるいは障害のある子供たちがまさに学びの権利を保障されていく環境づくりに向けて、取りまとめを進めていきたいと思います。それでは事務局から御連絡事項はありますでしょうか。
【堀江特別支援教育課課長補佐】  次回開催日程につきましては、4月21日火曜日16時からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【清原主査】  堀江補佐ありがとうございます。
 それでは本日も委員の皆様から多岐にわたる御意見をいただきました。そして検討項目1、検討項目2について、事務局では会議当日ギリギリまで準備を進めていただいたことについても、各委員から感謝の思いが伝えられて、主査としても大変ありがたく思います。事務局の皆様と私たち委員が一体となって、より良い内容を深めていきたいと思います。今日の御意見を踏まえまして、今後、さらに適切な見直しの検討を事務局と御一緒に進めてまいりましょう。
それでは、4月21日火曜日16時からの次回会議に、皆様、可能な限り日程の御調整をいただければありがたいと思います。皆様どうぞくれぐれも御自愛いただきまして、元気に次回の会議でお目にかかり、内容を深めてまいりたいと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。閉会といたします。
  
――了 ――