令和7年12月9日(火曜日)13時00分~15時30分
WEB会議
【清原主査】 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループ第4回の会議を開催いたします。
本日は、まず、議事に入ります前に、先日報道のありました『学校基本調査』の件について事務局より説明をしたいとの申出がございましたので、総合教育政策局の野田参事官より御説明をお願いいたします。どうぞお願いします。
【野田総合教育政策局参事官】 御紹介ありがとうございます。総合教育政策局で調査企画担当の参事官しております野田と申します。
まず初めに、先日の報道にありましたとおり、学校基本調査における大学進学率の算出について、特別支援学校の卒業者数のデータが母数に含まれていなかったことについて、この場をお借りして関係の皆様に心からお詫び申し上げます。
現在、大臣からの指示に基づき、大学進学率の算出方法の在り方について、過去の数値の再集計や担当者への聞き取りも含め、早急に見直しに向けた作業を進めているところであり、数値の再集計の結果等については、速やかに公表してまいります。
文部科学省としては、特別支援教育の重要性に鑑み、関連の取組の充実に今後とも努めてまいります。関係の皆様におかれましては、引き続き御指導、御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【清原主査】 野田参事官、御説明をありがとうございます。
委員の皆様におかれましては、ただいま説明のございました内容について御意見などがあります場合には、後ほど、本日の議題に関する意見交換の時間がございますので、その際に併せて御発言をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題1、「特別支援学校に関する検討事項について」に移ります。
本日の流れは、進行資料のとおりでございます。全国特別支援学校長会会長でいらっしゃる緒方委員より、全国特別支援学校長会及び各障害種の特別支援学校校長会からの御意見について御発表をいただきます。先ほどの野田参事官からの御説明を受けて、特別支援学校校長会として、もし御意見等がございましたら、併せて御発言をお願いいたします。そして、その後、特別支援学校に関する個別の検討事項について、委員の皆様に御議論をいただければと思います。本日の流れはそのようでございますので、皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、全国特別支援学校校長会会長として、緒方委員より、資料1について御発表をいただいた後に、委員の皆様との質疑応答の時間を設けたいと思います。それでは、緒方委員、御発表をお願いいたします。
【緒方委員】 それでは、発表の前に、先ほどありました全国特別支援学校長会の会長としては、共生社会を目指す特別支援教育を担う立場からも、本件については非常に残念に思っております。本件については、至急改善と調査結果の修正を望みます。また、他の調査においても同様のことがないか確認し、障害のある子供やその保護者、学校関係者などの信頼回復に全力で当たっていただきたいと強く要望します。
本件については、以上です。
それと、本日未明に発生しました地震に関して、北海道及び青森の理事の校長先生に状況の確認をしたところ、青森地区、特に八戸辺りがかなり被害が大きいようで、特別支援学校長会としても何らかの支援を考えておりますが、早い復旧と、元の日常に戻ることを強く願っております。本当に被災された方には、まずはお見舞い申し上げたいと思います。
それでは、資料1を中心に、全国特別支援学校長会からの改訂に向けた提言について説明をさせていただきます。
特別支援学校は5つの障害種に対応しており、それぞれの学校の現状や児童生徒の障害の状況が異なっております。そのため、全特長だけでなく、後半5ページ以降からは、各障害種別の校長会が作成した資料についても付け加えておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
私のほうからは、全国特別支援学校長会からの提言の1のみを説明させていただきます。ただ、5ページ以降の各障害種別から出された主な意見を簡単に紹介すると、視覚障害では少人数化から生じる課題への対応として、オンラインなどを含む様々な形態を活用して共に学ぶ機会についての提案がございました。また、聴覚障害では、対話的な学びの充実を図るために、話合いや発表などの学習活動における音声、文字、手話、指文字などの多様なコミュニケーション手段の活用について、さらに肢体不自由では、障害の重度重複化に伴う障害の状態に応じた観点別学習評価の例示の必要性について、知的障害では、卒業後の社会で学び続ける力の育成を重視したキャリア教育の充実、病弱では、病気療養中の学習中断を防ぐため、遠隔教育の制度的な位置づけの明確化などが挙げられました。後ほど、そちらについては御覧いただければと思います。
それでは、資料1の特に2番、現行の学習指導要領の課題、及び、こちら、3ページ目以降になりますが、3、次期学習指導要領に求める事項について、説明をさせていただきます。
全特長としては、全種別に関わる大きなテーマ、5つについて提言をしたいと思っております。
まず、第1点目でございます。情報の共有をさせていただきます。
まず、1点目の課題は、柔軟で弾力的な教育課程の編成に関してです。特別支援学校では、小・中学部において総則の第8節、高等部においては第8款の規定に基づき、障害の状態に応じた柔軟な教育課程の編成が可能となっています。しかしながら、そこの部分が総則の中でも特に例外規定でもありますので、全教員が理解しやすい表記かというと、どちらかというと難解な内容になっているのではないかと考えます。分かりやすい学習指導要領の改訂を進める上では、この部分は改訂をしておく必要、改善を図るべきと考えます。また、ここに書いていますが、現行の学習指導要領においては、小学部の第8節の1、高等部においては第8款の1の規定について、中学段階では、中学部の各教科の目標内容を当該教科に相当する小学部の各教科の目標内容の一部または全部によって変えることができますが、同様の高等部の規定では、中学部、小学部の各教科の一部によって変えることが可能ですが、全部を変えることはできない規定になっております。小学部段階と高等部段階とでは異なる考え方の規定になっており、ここは学部間の、要するに学びの繋がり、系統性等を確保するためには見直しを検討することを提案したいと思います。
以上、柔軟で弾力的な教育課程の編成に関しては、学部間の学びの繋がりを考慮する上で、現行の小・中学部の学習指導要領の第8節の1及び高等部学習指導要領第8款の1の規定の見直しが必要だと考えます。
2点目です。2点目については、自立活動の抽象性と現代的課題についてです。現行の学習指導要領では内容が抽象的で、現場の指導の具体化が難しいという指摘があります。しかしながら、私個人的には、過去の学習指導要領の改訂を経て、自立活動については、流れ図などにより実態把握から目標設定、そして具体的な指導内容を整理しやすくなってきており、充実しているというふうに考えております。しかし、やはり多くの先生方が分かりにくさを残したままでは本質的な理解が進まず、画一的な指導になることは、これは大きな問題です。具体的改善案としては、評価と改善の手続きの間をつなぐ要点を分かりやすく表現することなどの改善が必要だと考えます。なお、医療的ケア児の学習上、生活上の困難の改善克服、意思決定支援などの取組については、内容の取扱いに記載するなど、検討する必要があると考えます。
また、論点整理でも指摘されておりましたが、自立活動の時間の指導と各教科等の指導の関連性が十分でないという点については、全特長としては、特に環境の把握に関する指導区分と各教科の指導の関連を分かりやすく示すことが求められており、十分な説明が必要だと考えます。
以上、自立活動については、医療的ケア児の学びや意思決定支援に関することを自立活動の内容の取扱いに明確に位置づけること。抽象的な目標だけではなく、実践の過程において学習状況を評価し指導の改善を図ることについて、具体的な例を提示し、現場での実践を支援することを望みます。
3点目は、知的障害の教科による系統性についてです。現行の学習指導要領では、育成を目指す資質・能力の3つの柱から小・中学校との関連性や系統性の視点で整理されているということについては、十分に評価しております。しかし、学校現場での教科指導において、小・中学校との関連性を意識した指導実践が十分でない現状があるようにも感じます。文部科学省著作教科書、いわゆる星本も開発されていますが、現状十分に活用が図れていないようにも感じております。また、高等部段階、1・2段階の目標の内容が、第1章総則の第2節第8款の2の規定を勘案しつつも、高等部に在籍する生徒の実態に合っているのか改めて検証し、必要であれば見直しを行うことを求めます。さらに、情報活用能力の育成については、今回の論点整理において重要な課題となっております。小・中・高等学校においては、総合的な学習の時間や探究の時間、情報・技術科の新しい教科が検討されていますが、知的障害を有する児童生徒の情報活用能力をどのように育成するかについては、十分な検討が必要だと考えます。本来、情報活用能力の育成については、別に項目を起こすことも検討しましたが、現行の学習指導要領における小学部、中学部、高等部の教育内容について検証し、必要な見直しを行うことを求めます。
以上、知的障害の教科の系統性については、まず、小・中学校との教科との関連性を明確にし、学習の発展性を保障するカリキュラムモデルを提示すること。さらに、情報活用能力の育成強化を前提とした学校教育法施行規則で構成されている教科の在り方を含めた教育の内容について検討すること。具体的には、情報活用能力の育成に関して、小学部の生活科、中学部の職業・家庭科、高等部の情報の扱いについて、教育の内容及び学び方、いわゆるどのように学ぶかについて十分に検討することを求めます。
続いて、4点目は福祉との連携についてです。関係団体からのヒアリングにおいてもありましたが、障害のある子供や保護者は、学校卒業後、福祉サービスを利用し生活することになります。特に福祉分野では意思決定支援が重要視されており、学校卒業後、いきなり本人の意思を重視することが求められるため、保護者も戸惑い、そのため、学校の在校時から卒業後を意識した指導支援が必要だという要望を学校現場でもよく聞きます。しかしながら、現行の学習指導要領では、卒業後の内容、また、福祉サービスの有効活用等については、意思決定支援や成年後見制度なども含め、内容が十分に反映されていない現状があります。高等部段階では、就労選択支援が始まろうとする中、意思決定支援などの福祉で重視されている内容や用語、及び合理的配慮に関する考え方や用語を積極的に取り入れることで、福祉と教育の連携した教育の充実が図られると考えます。また、教員においては、高等部の進路担当者の中には、福祉や労働に関する専門的な知識を有し、保護者向けの進路学習会などを開いて情報提供していますが、多くの教員は、福祉や労働等に関しての知識を十分に有しているとは言えない状況があります。学習指導要領に考え方や用語を積極的に取り入れることで教員の意識が高まり、保護者のニーズに沿った進路指導や生活指導の充実に繋がると考えます。
さらに、校長も含めた管理職においても、教育だけでなく、労働や福祉に関しても必要な知識を持つことが求められてくるのではないかと考えます。
最後に、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成に関してです。これに関しては、これまでその対象が改訂ごとに拡大してきました。この点は小・中学校等の内容になりますが、次期学習指導要領では、その対応を一定の条件を満たした通常の学級に在籍する障害のある児童生徒に対しても作成し、各関係機関と連携した支援の充実が図られたり、合理的配慮の提供が確実に行われたりすることが重要だと思います。ある一定の条件というのは、市町村の教育委員会の就学相談を通じて個別の指導計画や支援計画の作成を保護者が確認したケースであるとか、合理的配慮が実際に提供されているというような児童生徒を指します。
以上、福祉等との連携においては、教育と福祉の連携を総則に明記し、意思決定支援や合理的配慮の考え方を教育課程に組み込むこと。総則の学校運営上の留意事項として、地域の相談支援機関や福祉サービスとの協働を促進する重要性や仕組みを整えることについて明記することを提案します。
最後に5点目として、キャリア教育の体系化についてです。現行の学習指導要領では、キャリア教育の重要性が示されていますが、障害種別ごとの具体的な指導モデルや段階的な発達に応じた内容が十分に示されているは言えない面があります。また、前回の改訂の際に、幼稚部、小学部からのキャリア教育の推進が挙げられましたが、キャリアパスポートの活用状況など、前回の改訂のポイントとなる部分の成果と課題を明らかにし、次期学習指導要領の改訂に生かすことを望みます。
さらに、障害者雇用を取り巻く環境においては、法定雇用率の改定や短時間労働等を含め多様な働き方ができるような制度の改善が行われています。そのような中、AI等の活用により、実際に雇用する企業の業種業態についても今後大きく変化することが予想されます。そういった中で、まず、キャリア教育の体系化と職業教育については、幼児期から高等部まで一貫したキャリア教育の系統を示し、関係する教科等において発達段階に応じた目標と内容を明確化すること。今後の障害者雇用の状況の変化を見据え、デジタル学習基盤を前提とした職業教育の充実を図り、障害の児童生徒の自立と参加、社会参加の促進について明記することを提案します。
最後に、本提案は、今回主体的・対話的で深い学びの実装を中心とした内容としました。全特長としては、やはり基本となる考え方の実現性の確保についても極めて重要な視点だと考えております。今後のワーキングの検討において、実現性の確保も含めた議論が行われることを期待して説明を終わりたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【清原主査】 緒方委員、御発言ありがとうございました。まず、冒頭、緒方委員もおっしゃいましたけれども、昨夜発生した北海道、そして青森県に被害が発生している地震について、委員の皆様と思いを1つとして、私からも、このワーキンググループとして地震被害の皆様にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧復興を願いたいと思います。
緒方委員、ありがとうございます。
そして、今回の『学校基本調査』についても、共生社会を目指す特別支援教育を担う立場からも、残念とおっしゃりながら、何よりも至急な改善と調査結果の修正を望まれるという、そして何よりも信頼回復をというお言葉をいただきました。ありがとうございます。
そして、資料1に基づきましては、特に系統性、体系化、そして何よりも、現在のデジタル化の状況を踏まえて、学習内容においても情報活用能力を高めるということや、また、それを基盤として職業教育に繋げていくということ、さらには教育と福祉との密接な連携の仕組みの具体化というような重要な御指摘をいただきました。どうもありがとうございます。感謝いたします。
それでは、緒方委員から御発表のあった内容につきまして、20分ぐらいのお時間を取りまして、委員の皆様との質疑応答の時間を設けたいと思います。緒方委員に御質問のある方がいらっしゃいましたら、Zoomの挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。私から順に指名をさせていただきます。時間の制約がございますので、それぞれ簡潔な御発言をお願いいたします。また、委員からの御質問に対する御回答については、この質疑応答の時間の最後にまとめてちょうだいできればと思います。
それでは、まず、菊地委員、御発言をお願いします。
【菊地委員】 緒方委員、ありがとうございました。2点ほどお伺いいたします。
1点目は、自立活動についてです。「時間の指導と各教科等の指導の関連性が十分でない」というご指摘と、「環境の把握と各項目との関連を分かりやすく」という部分についてもう少し詳しく伺いたいです。例えば知的障害のある子供の学習上、生活上の困難に関しては、自立活動だけではなく、知的障害教育の各教科においても応じており、効果的な実施のためには、指導の形態の工夫や単元等の関連づけ、カリマネが肝要になると考えます。あるいは、学習におけるストラテジー獲得への支援等も、環境の把握に関連すると思って聞いておりましたが、この辺りについてもう少し詳しくご教示いただければと思います。
2点目は、キャリア教育についてです。推進と充実が図られてきている一方で、いろいろと考えさせられる現状がまだあると受け止めました。改めてキャリア教育の定義の正しい理解を図ることと、それを踏まえた実践上の課題があると推察します。例えばキャリア教育は特定のプログラムや、何らかの能力や態度を育成することそのものを意味するものではなく、すべての教育活動における資質・能力の育成を通して「キャリア発達を促す」というものです。この部分が分かりにくいという背景から具体化を求める意見が出ていると思うのですが、この辺りの課題について、方向性として何らかのプログラムのようなものを示すということなのか、キャリア教育のより本質的な理解を図る方策を検討するということなのか、少し御説明いただけるとありがたいです。
以上です。
【清原主査】 菊地委員からは、1点目、自立活動について、そして2点目、キャリア教育について御質問いただきました。
それでは、続きまして、大関委員、御質問お願いいたします。
【大関委員】 全特教の大関でございます。ありがとうございます。
緒方委員より御提言いただいた内容につきましては、小学校、中学校における特別支援教育の充実という立場からも、非常に関連づけて受け止めるべき内容だと思って、本日聞いておりました。中でも、特に最後のほうにおっしゃっていただいた福祉との連携の部分について触れられた中になりますが、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成について、特に、小学校、中学校の通常の学級においても、合理的配慮の対象となっている児童生徒について確実に作成していく状況を、学習指導要領上も触れていくことが重要ではないかというふうにおっしゃっていただいたところは、小・中学校の立場からも、非常にここは欠かすことのできない大切な観点かなと思っております。
そういった意味からも、特別支援学校と、それから通常の学級も含めた小・中学校という観点から、この支援計画等を作成するにおいて、その手順ですとか様々なところで、まだ今後、さらなる工夫検討が必要なものとして何かお考えの点があるか。特に卒後です。就労にすぐ結びつくケースばかりではなく、さらに小・中学校の場合には、進学という、上の学校への進学というところにも繋がっていく合理的配慮というものがしっかりと位置づけられていくというふうな重要な観点かと思っておりますので、その2つを考えたときに、何かさらに補足していただけることがございましたらおっしゃってください。ありがとうございます。
以上です。
【清原主査】 ありがとうございます。大関委員からは、小・中学校の自立支援の中で通常学級にいる児童生徒に対する合理的配慮の中で、特に支援計画の手順や工夫についての御意見をということと、その支援計画は、就労だけではなくて進学に繋がるということで、その辺りについてもう少し詳しくという御質問でございました。現状、挙手されているのは、この2人だけでしたでしょうか。
それでは、ただいまの菊地委員、大関委員の御質問につきまして、緒方委員、順にお答えいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
【緒方委員】 まず、自立活動の部分の、要するに環境の把握の区分と、各教科との関連ということで、特定の区分を挙げさせていただきましたが、実は国立特別支援教育総合研究所の、これは小・中学校の調査だったと思うんですけれども、どの区分で扱って指導しているのかという調査の中で、実は心理的な安定であるとか、コミュニケーションであるとか、人間関係の形成とあるとか、そこばかりで、実は環境の把握といったところが圧倒的に低いという状況が、資料として見せていただきました。改めて、環境の把握の内容のところには、認知であるとか概念形成の部分が示されています。これは、教科と非常に密接に関係しているところだというふうに思っております。
そういった中では、多分小・中学校においてもそうだと思いますし、特別支援学校でもそうですが、やっぱりきちんとした実態把握の下で指導がされているかというとそうではなく、やはりやりやすいコミュニケーションであるとか心理的な安定であるとかって言ったところが多く行われているといったところが、実は論点整理の最初のところの指摘事項なのかなということで、この環境の把握については区分を特定して示させていただきました。
あと、併せて菊地委員から、キャリア教育についての考え方について説明がありましたがそのとおりだと思います。キャリア教育の目標、内容というのは示されておりません。ただ、いろんな教科に、キャリア教育に関連するよねという内容は書かれているんです。それが体系として見えにくいといったところで、ここでは、要するにキャリア教育と関連する教科等における目標であるとか内容を整理して示すと、よりよく体系化したキャリア教育というのが分かりやすく先生方も見てくれるんだろうなということで、このような提案をさせていただきました。
最後、個別の教育支援計画と個別指導計画についてですが、これは、小・中学校においては、やはり今後、特別支援学校のセンター的機能や特総研の動画等を活用しながら研修を積んでいくというのがやはり必要になってくるだろうと思います。
なぜかというと、特別支援学校においても、実は、この個別の教育支援計画、個別の指導計画、100%作成はされておりますが、私が言っていいのか判断に迷いますが、何となく形骸化しているのではないかといったところの心配があります。それはなぜかというと、これは保護者と一緒に共同でつくり上げていくものなんだけれども、何となく見ていると、教員側が一方的につくって面接で提示をして、そしてそれについて保護者は、特に何も意見なく納得して、それが実際に活用されているのかというと、やはり作成過程からそういうことだと、実際の活用にまで至っていないんじゃないか。ちゃんと活用されて、いろんな機関が連携した支援が行われているケースも数多くあると思いますが、何となくそういうような傾向になってきているというような心配もありまして、今後はやはり保護者との関係性の再構築を図って、やはり学校、そして保護者、保護者はやはり一番の身近な支援者だと私は考えておりますので、保護者の参画を求めながら、改めて個別の教育支援計画、個別の指導計画について作成を進めていくのが、やはり特別支援学校においても課題だというふうに私は考えております。
以上です。答えになっていますでしょうか。
【清原主査】 ありがとうございます。ただいまのお答えの中で、特に「環境の把握」ということが重要であるということ、また、キャリア教育の中で教科との関係で体系化されていないという課題を提起していただき、個別の指導計画、支援計画については、もちろんセンターとしての特別支援学校や特総研の動画活用の研修も必要だけれども、保護者との協働ということについて、改めて再構築していく必要をお答えいただきました。
菊地委員、大関委員、何かコメントございますか。
【菊地委員】 ありがとうございました。よく分かりました。特に環境の把握のところは、認知特性を踏まえた学習ストラテジーの獲得として考えていたことと共通していて納得できました。キャリア教育の課題についても、児童生徒を中心に対話をとおして学びをつなぐ、キャリア・パスポートの活用にもつながる課題だと受け止めました。教科における体系化の課題については、小・中学校等の議論の方向性との整合を図る必要がありますが、全体計画の示し方などについて検討するポイントをいただいたような気がします。ありがとうございました。
【清原主査】 ありがとうございます。大関委員はいかがですか。
【大関委員】 大関です。ありがとうございます。
センター的機能を発揮していただく特別支援学校の立場から、このように御提言いただいたことは、小・中学校も一緒になって進んでいかなければいけないこととして改めて再認識することができました。ありがとうございます。
【清原主査】 ありがとうございました。ほかに御質問はございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは、緒方委員、御報告、そして御丁寧な質疑応答ありがとうございます。
それでは、本日、各校長会からも学校現場の実情を踏まえた貴重な御提案をいただき、資料に含めていただいておりますので、ポイントは先ほど緒方委員から御紹介いただきましたけれども、資料の1を私たちも改めて大切に拝読したいと思います。そして、本日いただいた御提案を踏まえながら、今後の本ワーキンググループにおける審議をさらに進め、深めてまいりたいと思います。どうもありがとうございます。
それでは、ここから特別支援学校に関する個別の検討事項の審議に移りたいと思います。
本日は、第1回ワーキンググループで事務局から御提案のありました特別支援学校に関する検討事項に関して、まず、「知的障害特別支援学校における情報活用能力の抜本的強化に向けた方策」、また、「自立活動の充実に向けた方策」の2点について審議いたします。先ほど緒方委員からも、この2項目に関連した御提案をいただいておりますけれども、まず、審議の前に事務局より、資料2について説明をしていただきます。それでは、酒井企画官、よろしくお願いいたします。
【酒井特別支援教育企画官】 事務局、特別支援教育課の酒井でございます。
私のほうから、資料2に基づきまして、本日の検討資料につきまして、論点資料として御説明をさせていただければというふうに思います。
本日御検討いただく項目につきましては、検討項目1といたしまして、知的障害特別支援学校における情報活用能力の抜本的強化に向けた方策について、検討項目2といたしまして、自立活動の充実に向けた方策について、この2点について御審議を賜ればと考えております。
まず、検討項目1、知的障害特別支援学校における情報活用能力の抜本的強化に向けた方策についてでございます。
4ページでございます。
4ページの左の上になりますけれども、現行の特別支援学校学習指導要領の位置づけでありますけれども、各教科等での情報活用能力育成に関します取扱いにつきましては、準ずる教育課程については、小・中・高の各教科等の内容の取扱いに通じると。そして、各障害種に応じて情報機器を活用して指導効果を高めることを示しているというところでございます。
一方、知的障害特別支援学校の各教科の教育課程の中では、中学部において、職業・家庭科の職業分野「B情報機器の活用」の中で、高等部においては職業科「B情報機器の活用」の中で、また情報科の中で取扱いを示しているというところでございます。そして、各教科と全体にわたる内容の取扱いにおいて、情報機器を活用して指導効果を高めることについてお示しをしているところでございます。
右側でございます。そうした中で顕在化している課題でございますが、特に知的障害特別支援学校の各教科の教育課程の中では、小学部については教科等に明確な位置づけがなく、授業時数や指導内容の具体が示されていないため、地域や学校による格差があるといったようなこと。中学部での指導内容が情報活用能力として捉えられるものの、地域の活用にとどまっているということ。小学部から高等部までの情報活用能力の指導の体系が明確になっていないということ等が挙げられると考えております。
そうした中で、情報活用能力の育成に関する具体的な方向性と論点というところでございます。
小学部段階でございますが、1つ目のポツになります。学びの連続性や発達の段階、知的障害の学習上の特性を踏まえ、学習活動における体験的な活動を通して、情報活用能力を構成する要素、情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解、これらを一体的に取り扱う範囲について検討することが必要ではないかと。そして、より具体的には、生活に根差した探究課題を設定したり、体験活動や探究課題の解決を目指した学習の過程を設定しやすい生活科において情報機器の活用を取り入れるなど、生活科を中心に、他の各教科等においても適切に取り扱うこととしてはどうかと考えております。
中学部段階であります。学びの連続性や発達の段階、知的障害の学習上の特性を踏まえ、情報技術の活用を中核としながら、情報・家庭科の職業分野「B情報機器の活用」において、小学校中学年段階の内容を参考に、情報技術の適切な取扱い及び特性の理解に関する内容についても充実をさせるとともに、その内容が機器の活用にとどまらないことから、現行の名称を変更しまして、「情報機器・情報技術の活用(仮称)」といったような分野の名称としてはどうかと考えています。学習指導要領の目標及び内容の在り方を踏まえ、職業分野の情報活用能力の育成を明確にするため、その上で、現在の職業・家庭科については、職業科と家庭科、この2つの教科に分離してはどうかと。そしてその際、職業科の名称については、職業教育での情報活用能力を中心とすること、高等部職業科との繋がりから、職業科のままとしてはどうかと考えて御提案をさせていただきたいと思っております。
さらに、高等部段階においては、小学部、中学部で新たに整理した内容の系統性を踏まえ、小学校高学年段階の内容を参考に、職業科の内容を充実させてはどうかと。中学校段階の情報技術の特性の理解に関する内容については、生徒の実態を考慮して設けることができる情報科の中で内容の充実を図るということとしてはどうかと考えております。
そして、全学部段階を通じまして、障害特性による固執性などから生じる長時間利用や意図しない不適切な使用などを防ぐ観点から、家庭との連携の在り方を踏まえ、知的発達の特性を踏まえた対応について、内容の取扱い等に明記していってはどうかと考えておるところでございます。
この知的障害教育における情報活用能力の抜本的向上の方向性のイメージですが、現状と課題を今口頭で御説明しましたが、簡単に図示したものが、こちら、5ページの資料というふうになってございます。また、具体的な内容のイメージ、あくまでイメージでございますが、この6ページの上のほうが、現在、小・中・高等学校の学習活動の中で情報活用能力の抜本的強化という中で、今、イメージとして議論がされている内容ですが、これを仮に知的障害特別支援学校の教科の情報活用能力の育成に落とし込んだ場合のイメージということで6ページの資料をつくらせていただきましたので、御参考いただければと思っております。
続きまして、検討項目の2、自立活動の充実に向けた方策について、続けて御説明をさせていただきます。
自立活動につきましては、教育課程上の位置づけでございます。御案内のとおりでありますけれども、特別支援学校の教育課程については、小・中・高等学校の各教科等と自立活動によって編成、知的障害の特別支援学校においては知的障害の各教科等と自立活動において編成するというふうになっております。
自立活動の指導は、自立活動の時間をもとより、学校の教育活動全体を通じて適切に行うこと。
自立活動の時間に充てる授業時数は、児童または生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて適切に定めるということ。
特別支援学級では、特別支援学校学習指導要領に示す自立活動を取り入れること、通級による指導では自立活動の内容を参考として指導を行うことを小・中の学習指導要領に規定をされているというところでございまして、自立活動の目標・内容については、こちらの8ページの資料のとおりの内容が定められているということでございます。
そして、その具体的な内容、区分につきましては、9ページのとおり、6区分27項目が定められているところでございまして、また、10ページには、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領の自立活動において、個別の指導計画の作成と内容の取扱いについて記載された事項について掲載をさせていただいているというところでございます。
さらに、11ページは、特別支援学校の学習指導要領の中で総則における自立活動に関する主な規定について抜粋をしたものでございます。
それでは、12ページを御参照いただければと思います。
12ページの左側でありますけれども、自立活動の意義と指導の基本というところでございます。障害のある子供の場合、その障害によって日常生活、学習場面で様々なつまずき、困難が生じることになると。そのため、特別支援学校学習指導要領においては、特別の領域として自立活動を通じて調和的発達の基盤を培い、人間として調和の取れた育成を目指すというようなことが規定をされているところでございます。
これまで自立活動の規定については、平成11年の中で従来の養護・訓練から自立活動に転換した後、様々な改善が行われてきたところでございます。例えば、左側の4つ目のポツにありますように、平成21年の改訂においては、いわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえて、自立活動の目標を「障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服する」から、「障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服する」というふうに改めたというところでございます。
そして、現行の自立活動の内容について、6区分27項目については、人間としての基本的な行動を遂行するために必要な要素と、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な要素を検討して、項目・区分を分類・整理をしているというところでございます。
そして、自立活動の内容は、各教科等のように、その全てを取り扱うものではなくて、個々の子供の実態に応じて、指導目標を達成するために必要な項目を選定すると。それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を設定するというような内容となっております。
12ページの右側でありますが、個別の指導計画の作成と内容の取扱いについてというところですが、平成11年の自立活動の規定が設けられたときに、自立活動や重複障害者の指導に際して、個別の指導計画を作成することが規定されました。そして、平成21年の改訂の中では、各教科等にわたり個別の指導計画を作成していくということが規定されました。
また、平成29年の学習指導要領の改訂において、特別支援学級、通級による指導を受ける子供たち全員に対しても個別の教育支援計画、個別の指導計画を作成することが規定されたというところでございます。
そういった中で、自立活動の個別の指導計画の作成においては、一人一人の実態把握に基づき、指導すべき課題を明確にすることによって、個別に指導目標や具体的な指導内容等を設定し作成をするというふうになっています。
そして、指導目標の設定に至るプロセスが重要になりますので、前回の改訂の中で、解説の中で作成の手続きの例示、いわゆる流れ図をお示しをし、その中に「指導すべき課題を明確にすること」を加えて、指導目標の設定に至る考え方や指導の継続性を担当者間で共有するというふうに示したところでございます。
また、前回改訂の中では、具体的な指導内容を設定する際に考慮すべき事項として、自己選択及び自己決定する機会を設けることとあることや、自立活動における学習の意味を将来の自立や社会参加に必要な資質・能力との関係を理解し、取り組めるような指導内容を取り上げると、こういったことを示してきたところでございます。
こういった中で、13ページでございますが、こちらは第1回のワーキングの中でも御説明した内容ですので割愛しますが、自立活動に関しましては、様々な現状課題等が指摘されているところでございまして、本ワーキングの中でも論点としてお示しをしてきたというものでございます。
14ページでございます。
そういった中で、自立活動に関します具体的な論点といたしまして、1つ目は、教育活動全体における自立活動の位置付け・自立活動と各教科等の指導の関連があると考えております。特別支援学校においては、左側、現状・課題でありますけれども、特別支援学校においても、知的障害特別支援学校を中心に適切な授業時数の設定がされていない学校があるのではないかというようなこと。また、総則にあります「学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする」という理解が不十分であり、教育活動全体で行っていることをもって自立活動の指導としているような学校もあると。また、各教科等と合わせた指導を行っている場合に、合わせることとなる自立活動の時数計上が曖昧であり、個々の自立活動の指導目標や指導内容が不明確なまま指導が行われているというような課題もあると。さらに、自立活動と各教科等との密接な関連を保ち、学校の教育活動全体を通じて適切に行うことの重要性、このことが十分には浸透していないのではないかというところが挙げられると考えています。
さらに、特別支援学級・通級においても、自立活動の指導内容やその成果を教科等の指導に生かすなどの関連が図られていないというところがあると思います。
こういった状況を踏まえまして、今後の方向性の御提案でございますが、右側、1つ目のポツになります。特別支援学校の教育課程における自立活動の意義や位置付けをより明確にするため、例えば1つ目の点でございますけれども、自立活動は、知・徳・体といった調和のとれた発達を目指す際に、その発達の基盤を培うことを目標とし、各教科等を通じて育成する資質・能力を支える役割を果たすものであること。2つ目の点ですけれども、自立活動の目標、役割は、特別支援学校の教育目標そのものに関わるものであり、特別支援学校の教育活動全体を通じて、自立活動の視点をもって取り組む必要があること。3点目のポツでありますけれども、自立活動の指導については、カリキュラム・マネジメントの中で、自立活動と各教科等を関連付けていくということが重要であること。こういったことを特別支援学校学習指導要領の総則の中でも分かりやすく示していくということが考えられるのではないかと思っております。
さらに、2つ目のポツですけれども、自立活動の指導と各教科等との密接な関連を図るためにも、障害による学習上又は生活上で生じる困難さと、自立活動の指導との関連を図ることの例示、こういったことを解説で示してはどうかと考えています。
さらに、最後のポツですけれども、小・中・高等学校に関して、特別支援学級においても自立活動の時間を適切に設けた上で、教育活動全体を通じて自立活動の指導を行うことや、通級による指導についても、自立活動を取り入れることを明確にした上で、自立活動と教科をより密接に関連させることの明確化が必要ではないかと考えてございます。
今申し上げたような自立活動の位置づけをイメージ図で示したものが15ページになりますが、左側が、育成を目指す資質・能力の観点から整理した自立活動の位置づけのイメージ。右側が、自立活動の時間の指導を要とした、教育課程編成の観点から整理した自立活動の時間の指導のイメージ、これを少しイメージとしておまとめをしたものでございます。
続きまして、16ページをお願いできればと思います。
2つ目として、子供主体の自立活動をさらに展開する方策、こういったことが現状、論点としてはあろうかと考えています。
1つ目のポツですけれども、自立活動の指導においても、いわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえた障害の捉え方を前提として指導すること、これはこのワーキングの中でも御指摘をいただいてきたところでございます。
2つ目のポツですけれども、そういった中で、子供主体の自立活動について更なる充実に向けた方策、こういったようなところも御指摘をいただいているところでございます。
さらに3つ目のポツですが、指導すべき課題の整理については、教師から見て一方向、一側面の困難さを課題にする傾向があって、子供自身が捉えている困難さを考慮した指導目標の設定になりにくいということや、指導目標と指導目標の達成に必要な項目を選定し、項目同士を関連付けた具体的な指導内容になっていない、こういったようなことの指摘があるところでございます。
そういったことを踏まえまして、16ページ右側でございますけれども、今後の方向性としての御提案でございますが、自立活動の指導に当たっては、障害の「社会モデル」の考え方も踏まえつつ、子供主体の自立活動をさらに展開させていくことが必要ではないかと。そのために、子供主体の自立活動となるよう、指導すべき課題の整理において6区分の観点から捉えた子供の実態と子供自身が捉えている困難さを考慮するよう示してはどうかと。その際に、実態把握においては、個人因子のみならず、社会モデルを踏まえた環境因子から把握することの重要性を解説等で示していってはどうかと。
3つ目のポツです。その際、子供自身が捉えている学校での困難さや社会参加に向け想定される困難さを子供とともに整理をしたり、指導を通じた子供の自己評価や振り返りを取り入れたりすること、こういったような必要性も解説に示してはどうかと考えています。
最後のポツです。子供自身の自己選択・自己決定に資する指導内容をより一層促していくという観点から、個々の児童生徒が自己の意思を表明することができるような指導内容を取り上げる、こういったようなことも配慮事項の記述として充実させていってはどうかと考えてございます。
さらに、17ページにあります3ポツでございます。
特別支援学級・通級による指導においても自立活動を取り入れることを前提とした自立活動の内容等の示し方についてであります。
左側1つ目のポツですけれども、6区分27項目について、必要な項目を選定し関連付けて指導内容を設定する理解が不十分というような御指摘もいただいているところでございます。
2つ目のポツ、特に環境の把握については、感覚の活用や認知の特性など、学習上又は生活上の困難と深く関係することになりますが、教師によってはその名称と各項目が意味していることは捉え切れず、実態把握や具体的な指導内容に生かしきれていないというような指摘もあると考えています。
さらに、特別支援学級や通級による指導においては、特定の指導方法を当てはめて指導したりするなど、その意義や基本が十分に理解されていない状況も見受けられるのではないかと考えています。
それでは、右側でございますが、学習指導要領における自立活動の「内容」について、各教科等と同様に全てを取り扱うといった誤解や、障害区分や指導内容のまとまりを想起させてしまうという混乱を避けるために、例えば、「内容」に柱書きを追加して、自立活動の指導に当たっては、個々の児童生徒の障害の状態等の的確な把握に基づき、指導すべき課題を明確にした上で指導目標を設定し、指導目標を達成するために必要な項目を選定し、それらを相互に関連づけ、具体的な指導内容を設定する旨を明らかにしてはどうかということ。
2つ目のポツですけれども、学習指導要領の目標・内容の構造化・表形式化の検討の方向性も踏まえながら、自立活動の内容について表形式化を行ってはどうかというところでございます。
具体的には、18ページを御参照賜ればと思います。
自立活動における表形式化の方向性でありますけれども、この構造化・表形式化に係る論点になりますが、左側、繰り返しになりますが、自立活動は各教科の資質・能力の育成を支える役割を担っているものと認識しています。そのため、現行学習指導要領でも、教科等のように育成を目指す資質・能力の柱ごとに目標・内容を示しているようなものではないと。また、教育課程上、特別な領域として位置づけられているものです。そのため、なかなか今回の構造化の中でも、各教科等と同じように内容を「高次の資質・能力」を元に構造化して示すことはなじみにくいというふうに考えております。
一方で、教師にとって分かりやすく、使いやすいものを目指す上で、表形式で分かりやすくすることは重要なことだと考えています。
そのため、検討の方向性として、各区分の概括的な意味内容を表すものとして、「区分の観点」(仮称)として表記するとともに、各項目の意味するものとして「項目の趣旨」(仮称)を加え、表形式で示してはどうかと考えております。
続いて、19ページを御覧ください。
個別の指導計画の更なる充実についてでございます。左側、実態把握から指導目標・内容の設定に至るまでの考え方・プロセスについてでございますが、特に2つ目のポツです。流れ図に示してある指導目標から項目の選定に至る手続きの拠り所になる考え方が明確に示されていないと、どの項目を選定したらよいか分かりにくいという指摘もあります。
そのため、右側を御覧いただければと思いますが、まず、1つ目のポツで、多岐にわたる実態把握について、個別の教育支援計画などで把握している内容と重複している部分もあると。このため、作成の煩雑さや負担感の解消を図る観点から、この重複がないように留意することについて解説等に示していったらどうかと考えています。
また、2つ目のポツですが、流れ図にある5から6に係る手続きである指導目標から指導目標の達成に必要な項目を選定する際の手続きについて解説の流れ図で示してはどうかと考えています。
具体的には、20ページを御参照いただければと思います。
現行の課題ですが、5から6に至る手続きの考え方、拠り所が分かりにくいというような指摘があります。
そのため、21ページを御覧いただければと思います。
改善の方向性として、自立活動における表形式の活用により、指導する教師が選定しやすくなるというようなところもあります。そのため、指導目標、それぞれの4から5に至るときに指導目標を定めていくことになりますが、指導目標を達成するため必要な要素について分析をし、それを自立活動における表形式を活用することで項目の選定を分かりやすくしていくといった改善が考えられるのではないかということで、解説等の中で、こういった趣旨について盛り込んでいくということについて考えているところでございます。
駆け足でございますが、本日の検討項目についての説明は以上となります。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
【清原主査】 酒井企画官、御説明ありがとうございます。ただいま御説明いただきました検討事項について、15時25分頃までを目途として、委員の皆様による意見交換の時間とさせていただきます。御意見のある方がいらっしゃいましたら、Zoomの挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。私から順に指名をさせていただきますので、その指名に沿って御発言をお願いいたします。なお、時間に制約がございますので、お一人3分以内を目安に、簡潔に御発言をお願いいたします。それでは、まず、是永委員、御発言お願いします。
【是永委員】 よろしくお願いします。
自立活動のほうからいきます。14ページ、自立活動と各教科等をより密接に関連させることについて。特別支援学級の子供は、通常の学級における交流及び共同学習においても、特別支援学級教員と通常の学級の教員が個別の指導計画を共有し、自立活動の内容を意識しつつ、共同で指導を行うことを明示するとよいと考えます。通級による指導を受けている子供は、主たる学びの場が通常の学級であることから、通常学級教員が通常の学級でも活用できる自立活動の内容が個別の指導計画に記載されることが重要だと考えます。その際には、環境の把握などの内容が重要になってくると思います。
16ページ、子供主体の自立活動のさらなる展開としては、子供自身の自己選択、自己決定に関連して合理的配慮を要求できるセルフアドボカシーの観点を「コミュニケーション」などの区分で意識すべきだと考えます。
19ページ、個別の指導計画のさらなる充実に関連しては、特別支援学級や通級の場合は、負担の軽減も意識して、自立活動を中心とした今回提示されたような計画が、個別の指導計画としても位置づくとするとよいのかなと考えます。
最後に、4ページのところに戻り、情報活用能力の方向性と論点に関連して発言します。知的障害教育においてICT活用が目的化しないように、何のためにICTを活用するのかを指導者が意識することが重要だと考えます。それらは、例えば、文部科学省が2020年に提起した「特別支援教育におけるICTの活用について」で示されたように、「抽象的な事柄の理解」や「話し言葉によるコミュニケーションの代替」だと考えます。抽象的な事柄の理解は、視覚的構造化や手順提示の動画の活用、コミュニケーションの代替は、前回のワーキンググループでPTA連合会、冨永会長も指摘していたように、話し言葉のみに頼らない子供への情報伝達、そして、子供が伝わったという成功体験の保障のために活用されることが重要だと考えます。ほかにも、知的障害のある子供自身がICTを活用する場合には、基本の振り仮名設定のみならず、視覚優位であれば写真動画を使った経験の可視化、聴覚優位であれば音声読み上げ機能や録音の活用が通常の学級でも活用できる方法として有効だと考えます。
以上です。
【清原主査】 是永委員、ありがとうございます。自立活動について3点の御提案、そして、情報活用能力については、ICT活用が目的化しないようにという趣旨で御提案をいただきました。ありがとうございます。
それでは、足羽委員、御発言お願いいたします。
【足羽委員】 では、足羽でございます。
学校現場を預かるという立場から、私は自立活動のほうについて、2点、御提案をしたいと思います。
まず、資料の15ページで示されました心身の調和的発達、これに自立活動が要となるというふうな考え方、非常に大事な視点であり、理解ができるなというふうに思いました。
関連しまして、18ページ、19ページ、20ページ辺りにかけてなんですが、この自立活動の指導内容を設定していくまでの流れを記載していくということには本当に重要な視点であって、学校現場の先生方が非常に分かりやすく指導に役立てていくことができるという点、これは非常に重要な取組というか考え方だと思っておりますが、一方で、学校現場の現状を考えましたときに、現実的に、自立活動の指導経験がない教員が多いこと、そして、専門性という観点からも不足していることから、これは、学習指導要領の観点からはずれますが、プラスアルファとして、やはり教員の指導力の向上というふうなことをどこかで押さえておく必要があろうというふうに思います。これが1点目です。
2点目は、この自立活動が特別支援学校の学習指導要領で示されているわけですが、同時に、今回13ページでもありましたが、特別支援学級、つまり、通常の小学校、中学校における特別支援学級や通級による指導においても、自立活動を取り入れることを前提としている、この考え方には非常に賛同できるものであります。ただし、やはり先ほど申した教員の指導力、理解力をより深めていくことが必要という観点からすれば、関連して、特別支援学校の学習指導要領だけではなく、小学校、中学校における、あるいは高等学校における学習指導要領への記載ということも関連づけて考えていく必要があるのではないかなと思います。実際、本県でも、高等学校で通級による指導をしていますが、なかなかその指導が一貫性のあるものになっていない現状があります。そういったことも含めて、特別支援学校を基本として、小・中・高等学校全体に広がる共通のものとなるような視点に今回の改訂が繋がればいいなと思います。
以上でございます。
【清原主査】 足羽委員、ありがとうございます。自立活動について、1点目、特に、15ページ、18、19、20ページの内容について分かりやすいものとして意識しつつも、指導力が重要であるので、指導力の向上、理解力の向上など、教員の資質の向上についても、何らかの形で記載する必要性を御提案いただきました。
2点目は、特別支援学級や通級において自立活動を取り入れることの意義を確認していただきつつ、小・中・高と教員がそのような取組ができるような条件整備をという御提案ありがとうございます。
それでは、続きまして、野口委員、そして、宮内委員の順で、まず、野口委員、御発言をお願いいたします。
【野口委員】 一般社団法人UNIVAの野口です。私も自立活動について発言したいと思います。
事務局のまとめにはない論点になってしまうかもしれませんが、私はやっぱり目標の見直しをしたほうがいいのではないかと思っています。共生社会の実現を目指すということ、次期学習指導要領の基盤に多様性の包摂がそもそもの教育の前提に入ること、また、個々の好きや得意を伸ばすという次期学習指導要領の全体の方向性、また、障害者差別解消法が既に全面実施されているということを踏まえたときに「自立活動」という言葉と目標がこのままでいいのかということは、私たち、真剣に考えないといけないと思います。平成21年ですよね、この目標。次期学習指導要領が全面実施される頃には20年前の目標がそのまま使われるということですが、皆さん大丈夫ですかということを私は問題提起したいと思います。非常に変化の大きい、この20年で本当にそのままの目標をあと10年続けていいんですかということです。
現行の解説には、当然ICFや社会モデルについても触れられていまして、つまり、障害のある人がいることを前提に今の社会がつくられていないがゆえに、社会の側に障壁が生じている。それを解決するために合理的配慮が義務づけられているということは、解説には書いてあります。一応21年にも社会モデルを踏まえて目標の見直しがあったと、先ほど酒井さんから解説がありましたが、やはり今の目標の「障害による学習上または生活上の困難さの改善・克服」という言葉から、現状の困難さは、機能的な障害からのみ生じているように捉えられるのではないでしょうか。困難さは社会的障壁によって生じているということは、この文言から読み取れるのでしょうかということを聞きたいです。困難さの背景には、社会的障壁、社会の側が変わらなければいけないことがたくさんあるにもかかわらず、社会の側が解決するべきことも含めて、本人が主体的に改善克服しなければならないと読み取れてしまうのではないでしょうか。
丁寧に解説をしていただいているんですけれども、目標が現行のままであることによってやはり個人モデルに偏った実践というのが続いてしまうのではないかということを私は懸念しています。
特別支援学校の実態について私は詳しくないので、ぜひ支援学校の先生方にお聞きしたいなと思うんですが、私は地域の小・中の通級や支援学級をよく見ていますが、やっぱり本人が主体的に周りの子供と同じようにできるようになることを目的とした実践というのが多く行われています。先ほど指摘もありましたが、パッケージ化された〇〇トレーニングのような活動が自立活動として行われています。子供の願いを聞かずに、子供のできないところ探しをして、得意や好きを伸ばすという視点ではなく、できないところをただトレーニングする、かなりしんどい時間になっていないですかということです。この今の目標がそれを招いてしまっていないですかということを私は問題提起したいです。好きや得意を活用したり、次期学習指導要領全体の方針として好きや得意を伸ばすというのがありますけれども、好きや得意を活用したりとか伸ばしたりすることで困難さを解消することができるにもかかわらず、苦手を訓練的に克服するという視点に、今は非常に偏っていると思っています。自立活動という言葉自体も、私は変えていったほうがいいんじゃないかなと思っているんです。具体の言葉がないので、ぜひ皆さんと考えたいなと思っているんですが、やっぱり今の文言だと全部1人でできるようになければならないというような印象を持ってしまうのではないでしょうか。
例えば、「個々の児童生徒は自立と社会参加を目指して、学習上または生活上の困難さや社会的障壁を主体的に低減・解消していくために必要な知識技能、態度を養う」など、例えばそういうような方向性での目標の書換えというのは考えられませんでしょうか。やっぱり目標が大きいと思うんです。目標が変わってくると、内容については、先ほど是永委員や団体ヒアリングでもこれまでも発言があったように、本人が社会モデルとか合理的配慮の概念を知るとか、自分の権利を知るとか、それをもって環境に働きかける、その子も共生社会をつくる担い手ですので、セルフアドボカシーについて本人も学び、それを自立活動の時間で練習していく。目標が書換えられれば、このような内容もより扱われるのではないかなと思っています。
また、先ほど足羽委員がおっしゃっていた、小・中・高においても自立活動の記載がされる。自立活動という言葉がいいのかどうかはさておき、記載がされるべきということについて私も賛同したいと思います。
以上です。
【清原主査】 野口委員、ありがとうございます。社会的モデルに基づいた目標の見直しをという御意見をいただきました。
それでは、続きまして、宮内委員、緒方委員、菊地委員の順でお願いします。まず、宮内委員、どうぞ。
【宮内委員】 宮内です。よろしくお願いします。
このたびは御説明いただきありがとうございます。私からも、自立活動の充実についてです。
今、野口委員からお話がありましたけれども、確かに抜本的に学校そのものが変わっていく必要があるというのはすごく私も感じています。ただ一方で、私、専門が視覚障害ですので、視覚障害の立場からいうと、自立活動の中身の中には、社会が変われば解決する問題だけではなくて、障害を有するがゆえに身につけなくてはいけないスキルというのがあるので、その辺のバランスが大事なのかなというふうに理解しました。
その上で、ちょっと今回、3点大事な点があるのかなと考えています。
1つは、今回頂いた資料で読み取れるのは、自立活動を指導する先生方が必ずしも十分な専門的知識を有していないということです。2つ目は、自立活動を指導していても、各教科外指導との十分なそこの関連性がつけられていないということと、3つ目に指導が子供主体ではなく教員主体に偏りがちという、この3点なのかなというふうに理解しています。このような課題に対して取り組む上で、今回の資料に示された14ページ以降の資料、これは確かに重要な観点かなと思っています。
その上で、ちょっと補足的になるんですけれども、私からも3点あります。
1つは、子供の主体的な自立活動の展開ということと、自立活動と教科の指導を密接に関連づけるという、大きな2つの課題が今回挙がっていますけれども、これの目標を実現するためには、やっぱり考えなくてはいけない幾つか前提となる条件があるというふうに理解しています。私自身は、視覚障害の自立活動に関連する内容について、アメリカとドイツの研究者と一緒に共同研究をしていますけれども、今挙げた2つというのは日本だけでなくほかの国についても同じように課題になっているんです。研究を通じて見えてきたのは、この2つを実現していくために必要な条件というのがあって、幾つかあるんですが、特に重要なものというのが2点あります。これは、これまでも議論になっている実現性の確保という観点からも重要といえます。
1つは教員の専門性です。自立活動の狙いや内容を理解して、さらに教科の学習との関連を適切に見つけ出していくという、これは相当な知識と専門性が必要になります。この専門性が十分でないと、どうしても教科との効率的な関連づけというのは難しくなります。
2つ目は、自立活動の内容を就学前から、つまり、幼少期から系統的に育てていくという観点です。つまり、時間軸です。自立活動のというのは、身辺自立や心理的安定など、基礎的な内容から結構高度なキャリアの話だとかコミュニケーションなど、幅広いです。こういったものは、義務教育が始まる前から、専門家が保護者と連携しながら、系統的に育てていくことが挙げられます。この基盤がしっかりしていればするほど、義務教育段階に入ってから、教科の学習が本格的に始まった後でも自立活動の内容の多くを教科と関連づけて指導できていきます。ただ、逆にこの基盤が不十分だと、どうしても教科とは別に個別で取り出して指導せざるを得なくなります。なので、こういった点を踏まえて、学習指導要領の総則、特に学校運営上の留意事項としてなんでしょうか、ちょっと私は詳しくないんですけれども、ここの辺りに、幼少期から体系的に自立活動を指導することの重要性だとか、あとは専門性を有する教員が関わる重要性、特に通常の学校でもこういったものを教えていくとなりますと、通常の学校の先生たちというのは必ずしも特別支援学校の免許を持っていませんので、そういった場合には、通常の学校で担当される先生が積極的にその専門性を有した外部の専門家と連携しながら指導していく必要性、こういった辺りを明記していくといいのかなと思います。特に、日本は人事異動がありますので、これは共同研究やっている海外の国では人事異動がないです。なので、低発生頻度障害を有する子供たちの専門的指導を確保するという観点から見ると、やっぱり専門性を考慮した人事異動というのが不可欠になってきます。
最後なんですけれども、資料2の16ページのスライドに社会モデルという文言が出てきました。この部分、人権モデルという言葉のほうが適切ではないかと考えています。社会モデルというのは、これまでもずっと議論に出てきましたけれども、障害というのは個人の心身の特性と社会にある様々な障壁との相互作用によって生じるものであって障壁を取り除くのは社会全体の責務であるという考えです。一方で、ここで言っているのは、自立活動の内容を決める際に、当事者である子供もきちんと関わっていくべきだという点だと思うんです。なので、これは社会モデルというよりも人権モデルという言葉のほうが意図されている趣旨に合致するのかなと思った次第です。
以上になります。
【清原主査】 宮内委員、ありがとうございます。子供の主体的な自立活動の展開や各教科との関係を高めるためには、まず、教員の専門性が必要であること、そして、就学前からの系統的な育成が必要であり、関連して総則にそのような記載をという御提案と、社会モデルという用語を人権モデルというふうにすることの御提案もいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、緒方委員、菊地委員、川合委員の順でお願いします。それでは、緒方委員、御発言ください。
【緒方委員】 先ほど全特長の提言に早速お答えしていただけるような内容が示されており、事務局の方には感謝申し上げます。
まず、情報活用能力の抜本的強化についてです。今回の提案では、小学部から高等部まで体系的に情報活用能力を育成する方針が示され、具体的には生活科や職業科を中心に探究的な学びと連携した指導が重視されています。また、安全であるとか倫理の指導を含め、家庭との連携を明記した点も、これは重要な視点であるというふうに考えます。なお、提案されている中で職業・家庭をそのままにするか分けるかというところについては、私は個人的には、中学部では職業科として独立させ、より教科指導の充実を図る案のほうがよいと個人的に考えます。
次に、自立活動の充実に関してですが、今回の方針では、学校の教育活動全体を通じて自立活動を位置づけて、カリキュラムマネジメントの中で各教科との関連づけを徹底することが示されています。確かに、そこには教員の専門性というのは非常に重要な負担になってくるとは思うんですが、ただ、もう1点としては、やはり子供主体の自立活動の推進が今回示されたことは大きいと思います。自己選択、自己決定を重視する指導への転換を図るということは、先ほどの障害の社会モデルではなくて人権モデルを踏まえたという御発言については、私も何となくそっちのほうがしっくりくるなというふうには思いました。。そちらの方が現代的な課題の合った方向性になっていると考えます。
そして、スライド16に示してある、本会が提案している意思決定支援に関しても、個々の児童生徒が自己の意思を表明することができるような指導内容を入れること、これについては大いに賛成します。なお、意思決定支援の段階があります。各教科等でやはり意思形成の支援を行い、そして自立活動の中で意思を表明するための支援、そして、各教科や学校生活全体の中で、ただ表明するだけではなくて、表明した意思を実現させるところまでいかないと、子供の意思決定支援にはならないというふうに思いますので、その辺のところの関係性を丁寧に説明すべきだというふうに考えました。
そして、自立活動の表形式化については、これはスライド18で示されていると思うんですが、私は各区分の観点であるとか項目の趣旨がああいう形で示されていると、やはり分かりづらかったところが非常に分かりやすくなるのではないかというふうに評価しているところです。
以上です。
【清原主査】 緒方委員、ありがとうございます。まず、情報活用能力については、小・中・高を体系的に、そして家庭との連携というものが重要であるということ。また、職業科の独立ということを御意見として伺いました。また、自立活動については、子供の自己選択、自己決定が明確にされたということに賛成するとともに、各教科での支援や自立活動の支援に加えて、学校生活全体での実現について御提案いただきました。
数名の委員の方が御指摘になっている16ページの自立活動における方向性の「2、子供主体の自立活動のさらなる展開」の最後に、「子供自身の自己選択・自己決定に資する指導内容を促す観点から、指導計画の作成に当たっての配慮事項の記述を充実し、個々の児童生徒が自己の意思を表明することができるような指導内容を取り上げることなどを新たに盛り込んではどうか」とあります。
私が、ちょっと自身の意見をここで挟んで恐縮ですが、『こども基本法』が制定されて、第3条に理念が明確に書かれているのですが、憲法と、そして、児童の権利条約を踏まえて成立された議員立法の法律ですが、そこには「全ての子供の意見表明権」がうたわれているだけではなくて、「社会的活動への参画機会の確保」というのもうたわれていて、今、緒方委員が、意見表明だけではなくて、それを実現するというところまでが重要と御指摘になったことは、この『こども基本法』の理念にかなった趣旨の御指摘ではなかったかと私も共感したところです。ありがとうございます。
それでは、続きまして、菊地委員、川合委員、丹治委員の順で、菊地委員、御発言お願いします。
【菊地委員】 ご提案ありがとうございます。自立活動に関して、4点、お話しさせていただければと思います。
1点目は、自己決定、本人の願い、合理的配慮の箇所についてです。基本的には、これまでの委員の皆様の意見と同感であります。多様性の包摂の考えや、好きや得意を伸ばすという考え、あるいはウエルビーイングやエージェンシーといった障害の有無に関わらない基盤となるキーワードが総則等に位置づけられることが期待されるところですが、それに連動させる形で、自立活動に関する箇所についても、冒頭に示すなどの位置づけや書き方の工夫によって重要な軸であることを明確に示すことができればと考えます。また、なぜ、何のため、何を学ぶのかということを本人主体に進めていくために、キャリア・パスポートの活用も鍵になると考えます。このことは、従前からの課題となっている個別の諸計画の本人参画や機能化にも資すると考えます。
2つ目は、知的障害と発達障害に関する自立活動の立てつけとしての区分、項目についてです。いろんな分野から出てきている課題でもありますが、このことについては、情報活用能力の育成にも関することとしてお話ししたいと思います。ICTの活用は、小・中学校の位置づけとの整合性を図ることを踏まえつつ、知的障害や発達障害の学習上または生活上の困難を踏まえると、自立活動においても認知特性の理解と強みを生かしたり困難を補ったりする一歩踏み込んだICT活用が求められます。つまり学習ストラテジーの獲得等として取り扱う重要性が高いと考えます。また、野口委員から出たように、社会モデルの考えを重視することは本当に大事なことだと思うのですが、一方で、障害という個々の困難そのものが完全になくなるわけではありません。本人がそのことをどのように受け止め向き合うかについては、実は障害の有無だけに関わらない自身の有り様のことでもありますので、まさに「キャリア」の考えにも繋がる部分と捉えます。しかしながらその一方で、「困難を改善・克服」という表現は、どうしても本人の努力を求める的な印象をもってしまいがちであると感じております。このような、自分で学習をかじ取りしていくための方略がもてるようにしていくことが明確に示されると、自立活動の目標にも合致していくのではないかと考えます。
ここについての整理は、区分・項目の文言の整理や変更だけでよいのかという問題もあると思います。なかなか難しいところですが、例えば区分・項目の立てつけを変えることが難しいのであれば、「個別の指導計画の作成と内容の取扱い」において、障害種別の要点を押さえて具体的に示すという形も考えられます。
3つ目です。自立活動と各教科等の関連についてです。先ほど緒方委員に御説明いただいたことにも関連します。この問題を構造的に捉えると、知的障害のある児童生徒に対する教育課程においては、自立活動だけにとどまらず、各教科の効果的な実施においても関連する、学習上の困難と教育課程の構造を踏まえた問題と捉えられます。つまり、自立活動だけではなく教育課程全体を通した専門性が必要となります。これまでも繰り返し言及してきたことですが、現行の学習指導要領解説「各教科等編」に示す学習上の特性や教育的対応の基本を踏まえて指導することが不可欠ですので、位置付ける箇所の検討を含め、自立活動や各教科の指導においても重視すべき事項であることを明確に示すとともに、具体的な考え方やモデル例示があればと思います。このことは、小・中学校の特別支援学級においても重要であり、かつ交流及び共同学習の推進に向けて通常の学級側の理解を図る上でも大事な項目だと思います。具体的な内容については、研究開発学校や学校現場の実践研究を通して知見が蓄積されてきていますので、その反映が考えられますが、どのレベル、どのようなトーンで示すか、例えば解説に明示するのがよいのか、それとも手引き的なものがよいのか、特総研の研究として進め示していくのかなど、この辺りについても検討が必要だと思います。
最後に、個別の指導計画の作成と内容の取扱い、いわゆる流れ図についての部分です。流れ図はよく考えられたものであり、専門的な内容をできるだけ分かりやすく具体的に取り上げられるように示していると認識しておりますが、学校現場において、特に小・中学校等においては、ハードルが高く、作業コストがかかるという課題があると考えます。手順を簡素化することや、帰納的に区分・項目にたどり着く例示などについても検討できればと思います。提案資料には、手順として「必要な要素」の後に「項目の選定」があり、理屈には合っていますが、それだけが最善な手順なのかということです。例えば、「本人の願い」から具体的に目標設定、支援内容を導き出すアクションプラン作成ワークの1つであるPATH(Planning Alternative Tomorrow with Hope)のように、ゴールから検討する部分があってもよいのではないでしょうか。具体的には、実態把握の部分に含まれることですが、本人の願いを出発点とすること、そして後半の「必要な要素」の次に「具体的な指導内容」を導き出し、そこから帰納的に「項目の選定」を整理していくという方法も考えられるのではないかということを付け加えたいと思います。
以上です。
【清原主査】 菊地委員、ありがとうございます。重要な軸として、キャリアパスポートの活用の御提案、また、2点目、知的障害の情報活用能力では、障害を受け止めて向き合う自身の在り方というのも提起いただきましたし、3点目には、自立活動と各教科との関係については、やはり全体としての専門性が求められるので、モデルの例示などの御提案をいただきました。最後に、個別指導計画の流れ図についても、本人の願いを出発点とした別の流れ図の御提案もいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、川合委員、丹治委員、大関委員の順でお願いします。では、川合委員、お待たせしました。どうぞ。
【川合委員】 よろしくお願いいたします。今回の検討事項に関しまして、私も自立活動の方面にお話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
自立活動については、やはり今後子供の自立であるとか社会参加、そういったものを支えていくような基盤的な学習領域としての位置づけというのが必要かなと思っております。野口委員からもお話がありましたように、個人因子、環境因子を含めた社会モデルの視点、こういったところが重要なのかなと思いますし、今回御提案いただいているような子供主体のプロセスというところ、こういったところって非常に重要かなと思いますし、いわゆる国際的な観点との関連づけといいますと、やはりWHOのライフスキルというところとの観点、こういったところのすり合わせということも重要になるかと思います。ただし、WHOのライフスキルもかなり古いものですから、今後のさらなる10年で考えたときには、これが全て適合するかというところも含めて検討が必要かなと思いました。
今回御提案いただいたことに対してですが、まず、教育活動全体における自立活動の位置づけというところですけれども、これについては、教科との関連、それから教育活動全体に関して関連づけを行うということは大変重要だというふうに考えております。特に、自立活動を学校教育全体の基盤に位置づけるということ、学ぶための準備にも、この自立というものが必要になってきます。特に今回、自己理解であるとかそういったところ、それから子供たちが自ら自分のことを主体的に考えられるようにということが強調されるということは必要かなと思いますし、先ほど出てまいりました最初の検討項目1の情報活用能力、これも、今後のデジタルエイジにとっては1つの自立に必要になってくる能力かもしれないということで、この辺りをどういうふうに関連づけるのかということも、ひょっとしたら検討が必要なのかもしれないと思いながらお話を伺っておりました。
それから、2番目の子供主体の自立活動のさらなる展開ということに関しても、いわゆる子供主体、自己評価、振り返り、本人の困難の把握というところは非常に妥当であると思います。一方で、困難な部分だけ強調されてしまうと、本人のいわゆる自己肯定感の低下にも繋がりますので、この辺り、子供が伸びている点も含めて、どういうふうにバランスよく本人が自認できるように周囲が支えるか、こういった観点も重要になるかなと考えております。
それから、3番目の特別支援学級や通級における自立活動の示し方というところですけれども、先ほど御提案もありましたように、これが特別支援学校の学習指導要領の中で終わらせていいのかというところも含めて検討が必要だと思いますが、特に小学校の先生、中学校の先生、自立活動を通級等で行うときに、これって全部入れないといけないですかみたいなことをおっしゃる方が今でもいらっしゃるということです。ですから、必要な部分を選択していくんだということをきちんと明記する必要があるかなと思いますし、先ほど申し上げたように、ライフスキルとの対応ということで、より一般の先生方に御理解いただきやすい、例えば、人間関係というところが対人関係やコミュニケーションであるとか、あるいは心理的安定に関してはライフスキルの感情対処であるとか、あとは環境の把握というのは問題解決、意思決定、こういったところに繋がるかと思いますので、こういった国際的な視野、観点との関連づけがより一般の先生方にも内容として自立活動を御理解いただきやすくなる可能性もある。この辺りも検討が必要かもしれません。
それから、個別の指導計画のさらなる充実に関しては、やはり二重入力の回避であるとか区分の整理というのは非常に重要かなというふうに思っております。この辺りが形骸化しないように、やはり子供、それから保護者さんときちんと相談しながら、有効な支援計画、指導計画を練っていく、こういったところが必要だと思います。それには、やはりPDCAサイクル、こういったところの再協調というのが必要になるかと思っております。
私のほうからは以上です。よろしくお願いいたします。
【清原主査】 川合委員、ありがとうございます。自立活動について、WHOのライフスキルというキーワードもいただきながら、子供主体のプロセスであることの意義や、困難のみではなくて伸びているところにも注目する必要、また、特別支援学級や通級というところでの広がりの点については、国際的な視野からも説明する意義をお話しいただきました。そして、個別の指導計画については、有効性を発揮するためにもPDCAサイクルの再確認も御提案いただきました。ありがとうございます。
それでは、次に、丹治委員、大関委員、青山委員の順でお願いします。丹治委員、どうぞ。
【丹治委員】 丹治でございます。私からは、大きく3点ございます。
1点目は、知的障害特別支援学校における情報活用能力の抜本的強化に向けた方策についてです。6ページに記載がありますように、今後の検討が恐らく進むだろうと考えられますけれども、特に知的障害教育における生成AI活用の扱いについての意見になります。
子供の発達段階の実態にもよりますけれども、生成AIを単なる道具ではなくて児童生徒の認知的な負荷を軽減したり、彼らの理解力、表現力、想像力を高めるための協力的な、強力な支援技術、システムテクノロジーとして、今後ますます積極的に活用することが重要ですので、知的障害教育においても情報活用能力の強化方策の1つとして位置づけていくのが重要ではないかなと考えています。
一方で、デジタル社会で安全に生活するためには、情報モラルですとか情報リテラシーといったところも重要になりますので、知的障害のある児童生徒においては、事故とか事件に巻き込まれるリスクというのも当然あろうかと思いますので、特に中学部、高等部段階においては、学校卒業後の自立とか社会参加も見据えて、生徒がデジタル機器を通じて安全に、そして幸福な社会生活を送れるための基盤を身につける指導というのの充実が今後必要になってくるかなと思っていますので、次期学習指導要領においては情報の受け手として、そして発信者として、情報活用能力のさらなる育成の充実に向けて、教育課程を検討していく必要があるのではないかなと考えております。
2点目です。2点目と3点目については、自立活動の充実に向けた方策についてです。まず、2点目ですけれども、前回の議論でお示しいただきました通常の教育課程との指導の連続性、通常学級、通級指導、特別支援学級との教員間の連携の充実に向けた意見になります。前回のワーキンググループでも、重層的な指導支援のイメージ図をお示しいただきましたが、やはり小・中学校においては、通常の教育課程との指導の連続性ですとか、あとは通常学級、通級指導、特別支援学級等の教員間の連携というのが非常に重要になってくるかなと思っています。例えば、特別支援学級や通級指導教室での自立活動、環境の把握といった目標の下で、子供が学習攻略、ストラテジーを学ぶということの指導の必要性があったときに、それを通常の学級ですとか社会で生かしていくということが重要になってくるかなと思いますし、通常の学級においては合理的配慮といったところにも繋がる事項かなというふうに思っております。ですので、この点については、教科学習と自立活動の関連づけというところにおいても非常に重要なポイントになるかなと思いますので、自立活動と教科学習の繋がりを関連づけて考えることの充実ということを踏まえた上でも、次期学習指導要領においては、この連携とか、通常の教育課程との連続性みたいなところのポイントというのは非常に重要になってくるかなと思っております。
最後、3点目です。先ほど野口委員からもありましたけれども、私も目標、自立活動の目標の障害というところを、先生方、学校の関係者の皆さんがどれだけ理解しているかというところが、非常にちょっと気になったところです。平成21年に改訂されたと御説明ありましたけれども、目標設定する担い手である教員が、障害というのを心身の機能障害だけで捉えていないか、いま一度確認が必要かなと思いました。社会モデルを踏まえた自立活動の充実を目指すということが書かれておりましたので、障害による学習上または生活上の困難をというところの障害という部分を広く捉えられるような目標設定というのが重要になってくるのかなと思っております。ですので、教員の専門性の問題も先ほどから議論、これまでもされてきたかなと思いますので、社会モデルとか、先ほど御指摘ありました人権モデルに基づく意思決定とか意思形成、自己実現等、子供主体の自立活動の指導のイメージが先生方湧かないというところもあろうかなと思いますので、そういったモデルの提示や例示があると、多忙を極めて人手が足りない教育現場の中で実装を考えた上で非常に重要になってくるのかなというふうに思ったところです。
私からは以上になります。ありがとうございました。
【清原主査】 丹治委員、ありがとうございます。1点目、知的障害者の情報活用能力のところでは、システムテクノロジーとしての生成AIの活用について御提案いただくとともに、知的障害児が、事故や、あるいは事件に巻き込まれないような、中高の一貫した多様性の自立について御指摘いただきました。
すみません、私も発言を挟んで恐縮ですが、私も同じ思いを持っておりまして、何よりも裁判などを傍聴しておりますと、やはり障害児者が犯罪に巻き込まれて、思いもよらぬ加害者、被害者になることがあるということを承知しています。したがって、それを防ぐためにも、今回例えば6ページの中学部のところに、「インターネットの危険性や情報セキュリティーの基本を知る」、また、もちろん「長時間利用の影響を知る」などが含まれている点というのはとても重要で、やはり私たちは、特別支援学校、支援学級、通級に通う子供たちが、決して、このような実際の社会における犯罪に加害、被害の形で、巻き込まれないような自立支援というのも重要だと思ったところです。
続きまして、自立活動につきましては、何よりも、通常の学級やあるいは教員の連携、連続性ということを御提案いただくとともに、教科学習との繋がりについても御提案いただき、さらには3点目、目標について、障害の概念についての丁寧な配慮について御提案いただきました。社会モデル、人権モデルに基づいた理解と、それから教員の専門性についても改めて御指摘をいただいたところです。
それでは、大関委員、青山委員、そして、有吉委員の順でお願いします。では、まず、大関委員、お願いいたします。
【大関委員】 ありがとうございます。何名かの委員の方とも重なりますが、通常の学級の担任がしっかりと理解することも、とても重要だと思います。自立活動についての話だけに絞ってお話ししますと、通常の学級の中で各教科等の学びをやっていく状態があって、そして、通級による指導の中で自立活動をやっていく、これが分断されたものでなくて、しっかりと繋がっていくためには通常の学級の教員が理解しておかないと、やはり前に進まないと思います。自分は担当ではないという他人事になってしまっては元も子もないと思いますので、もうそこをしっかりと担保するためにも、今回のように、区分の観点、それから項目の趣旨を分かりやすく示していただくことで、非常に期待ができるところです。
そして、特別支援学校の学習指導要領だけでなく、幼・小・中・高のところにもしっかりと自立活動の部分を書き込んでいくという部分を、出し方、見せ方は、本当に重なってもいいので、かなり示していかないと、重層的な支援の第1層の場面で学級担任がしっかりと意識していくというところに繋がらないと思いますので、ここは今後とも工夫していくということを我々委員も検討していきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
【清原主査】 大関委員、ありがとうございます。1点目は、通常学級の担任の理解が不可欠で、決して分断しないで、通級との連携がなされること、また、幼・小・中・高の自立活動をしっかりとそれぞれに書き込む重層的支援の御提案をいただきました。ありがとうございます。
それでは、青山委員、有吉委員、堀川委員の順で、まず、青山委員、お願いします。
【青山委員】 青山でございます。よろしくお願いいたします。
自立活動に関することということで3点お話をさせてください。
まず、1点目です。もうほかの委員からも出ましたけれども、子供主体の本人主体のということを軸に据えた自立活動を進めていきましょうという考えに大いに賛成でございます。そのときに、子供自身がこうなりたいとか、こう変わりたいとか、こうしたいということを大切に扱うという、平たく言うとそういうことだと思います。それに関しては、宮内委員さんから御指摘ありましたけれども、私、今まで社会モデルと個人モデル、どのように接続を図っていくのかと考えておりましたけれども、やはりそこには人権モデルという考え方を据えて、どういうふうに接続を図るかという議論が重要なのではないかと、今日議論を聞きながら思った次第でございます。1点目です。
2点目です。特別支援学級や通級による指導に取り入れていくというか自立活動がそこで大切にされていくという観点からです。私は、特に小・中学校において、自立活動は子供同士の関係性の中で生じていくよさということが、実はものすごく重要なのではないだろうかと思います。そう考えると、例えば自立活動の考え方の中に、子供同士が共同的に学ぶ中で、子供同士の関係性の中で育っていくことと、気づいていくこと、変わっていくことがあるんだということをしっかり押さえるということもいるのではないだろうかと思うわけです。また、同じように考えると、例えば現行の教育制度でいうならば、交流及び共同学習と自立活動の関係性にも実は重要な視点があるのではないだろうかと思います。交流及び共同学習の中で、どんなことが起きて、そこで子供たちがもっとこうなりたいとか、こう変わりたいとか、新しく気づいてといったようなことを実際には起きているのではないでしょうか。とすれば、そういう視点も重要なんだということが、やはり明示されることが必要なのではないだろうかと考えます。これは、先ほども丹治委員さんとか御指摘ございましたけれども、やはり重層的な支援という前回のワーキングのときに出てきている議論と実は重なるのではないでしょうか。重層的な指導支援のファーストフェーズのところで大切にしようとしていることと、実はそこに自立活動という考え方というのを丁寧に踏まえて、その接続を見ていこうというふうにすることは重要な視点なのではないだろうかと思う次第でございます。そのことは、結果的には通常の学級の先生方の自立活動への理解を促進していくことにもなろうかと思いますので、前回の議論との結びつきという視点も必要ではないかと考えた次第です。
最後、3点目です。今の2点目からもう少し踏み込んだところです。教育課程上、通常の学級の指導の中に自立活動という領域が位置づかないということはもちろん承知しております。しかしながら、実際に通常の学級の教育を一緒に考えていく中で、そこで起きていること、つまり、この子はもう少し自分がどうなりたいかということを丁寧に学んでいけたらいいのになとか、どう変わりたいのかということを大切に扱われたらいいのにねという場面は、実は通常の学級の中にたくさんある気がします。それは、今ここで言っている自立活動の話と実は重なっているのではないでしょうか。だとすれば、通常の学級の指導においても、自立活動の視点を踏まえて指導を行っていく、参考にしながら、それを踏まえるという視点が必要ということは、従来も記述あったと思いますけれども、もっと強調されてもよいのではないだろうかと思います。ただ、そのときに、野口委員おっしゃっていましたけれども、やはり従来のかなり偏った感じの自立活動という理解のものが通常の学級の中に入っていくということではなくて、やはり社会モデル、人権モデルといったことを踏まえた、そういった自立活動のモデルが、実は通常の学級の指導の中にも大きく関係しているのだということが示され、前回の議論と接続していくとよいのではないかと思った次第でございます。
以上でございます。
【清原主査】 青山委員、ありがとうございます。1点目、自立活動が本人主体になることを踏まえて、社会モデルと個人モデルを円滑につないでいくヒントに人権モデルという概念があるのではないかという御提案。また、2点目は、自立活動については、子供同士の関係性というのが大変重要ではないかと。そして、加えて、前回議論した重層的指導支援と、この自立活動の関係には大変深いものがあるし、したがって、3点目に、通常学級においても、この自立活動というものが、子供たちの学んでいきたい、よくなりたい、変わりたいというようなことを踏まえた取組として位置づけられるのではないかという御提案いただきました。私は中央教育審議会の委員として、「令和の日本型学校教育(令和3年1月)」のモデルのキーワードに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」という2つを掲げた経験をしておりまして、まさに一人一人に最適な学習を提供する、学習の場を提供するだけではなくて、協働的な学習が重要であるということを御提案いただいたことを共感したわけでございます。ありがとうございます。
それでは、有吉委員、堀川委員、一木委員の順にお願いします。それでは、有吉委員、お願いします。
【有吉委員】 有吉でございます。
まずは、すみません、冒頭にありました大学進学率の件ですが、障害のある子供を持つ保護者の立場からも大変遺憾に思いますということをお伝えします。数は少ないかもしれないですが、大学進学を目指し、そして大学へ進学した児童生徒は、私たちの希望でもあります。今後の改善及び資料の修正をお願いいたします。障害のある子供たちのことが忘れられないようにと願っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、私から、自立活動についてを中心にお話ししたいと思います。
第1回目のワーキンググループでも発言いたしましたが、保護者にとっても分かりやすい学習指導要領の検討を進めていただきたいと思います。特に自立活動については、その在り方が子供たちの成長や将来の生き方に大きく左右すると言っても過言ではありません。各教科との結びつきが欠かせません。自立活動の表形式は保護者にとっても俯瞰して分かりやすいので、ぜひこのような形で示し、また、具体例をリサーチしやすくするなどして、先生方の自立活動の充実を図っていただきたいと考えます。特別支援学校においては、「自立活動を主とする教育課程」というクラス編成があるため、保護者には、自立活動の意味合いが正しく理解されていない危惧があります。私自身も、かつては体の取組のことのみを指していると捉えておりました。保護者も正しく理解し、各教科の指導と関連を図るよう、そして外部専門家の意見も参考にしながら、担任の先生と家庭がしっかりと話をし、併せて学校以外でもよりよい時間を過ごせるよう、本人を主体に、教育支援計画、個別支援計画を立案していただきたいと思います。当然ですが、言葉で説明できない子供たちのことも考慮して本人主体の考えを充実させてください。先生と保護者、本人と確認し合う重要性もどこかに記載していただくことで、障害の程度が重い子供たちにとっても、より一層主体的な自立活動になるのではないかと思います。
どんな子供たちも意思を表出しようとしています。そのサインに気付こうとする日々の心構えが大切です。子供たちはそのサインを見過ごされてしまうと表現することを諦めてしまいます。
関連して、最後に保護者としての思いをお伝えします。昨日、東京都立特別支援学校4種別合同の保護者学習会がありました。コミュニケーションがテーマでした。障害種別や程度が違っても、それぞれに意思表出に関する悩み、問題があることを痛感いたしました。学校のみならず、放課後の過ごし方や卒業後の過ごし方にも広がる悩み、問題です。校長会からの御提言にもありましたが、教育と福祉の連携は欠かせません。その上で、意思決定支援の考え方を大切に進めていただきたくお願いいたします。
以上です。
【清原主査】 有吉委員、ありがとうございます。保護者の立場から、改めて『学校基本調査』についての思いを語っていただきまして、文部科学省も、そのことを重く受け止めていると拝察します。ありがとうございます。自立活動につきましては、保護者にとっても分かりやすいとともに、本人主体で、しかし、言葉だけでは理解しにくい子供たちの立場を考えて、必ず意思表明をしようとしているその子供たちの声をしっかりと反映できるような在り方というのを確認させていただきました。そして、教員、保護者、子供たちがきちんと指導計画や教育計画について参画をする本人主体の在り方、そしてそれを支えるためのコミュニケーション、そして意思表明の在り方についての重視を御提案いただきました。ありがとうございます。
それでは、堀川委員、一木委員、亀田委員の順でお願いします。堀川委員、お願いします。
【堀川委員】 私のほうからは、まず、情報活用能力、知的障害特別支援学校における情報活用能力について、1点、意見を述べさせていただきます。
先ほども緒方委員の御発言にもありましたとおり、このたびの新たな学習指導要領というふうなところの中で、知的障害の特別支援学校の子供たちの学習について、小学部、中学部、高等部を通して体系的にそういったイメージが示されたということは非常に分かりやすくなり、意義深いと思いますし、また、その中に安全倫理の指導というものが位置づけられているということに、大変今後の必要な指導が盛り込まれているというふうに思いました。
6ページのイメージ図を見せていただいたときに感じたことは、これはあくまでイメージ図ということで、例えば小学部は小学校の低学年のものを参考に内容が示されており、そして中学部については、小学校の中学年、また高等部については小学校の高学年を中心にというふうに書いてあるのですが、知的障害の特別支援学校のお子さんの実態を考えますと、この小学部の中の段階が非常にもっと細かい段階があり、そこの中で、例えば写真動画を撮影するというところについても、ただ撮影するということだけではなくて、そういった撮影の経験からどう広げていくのかといったことですとか、撮影した動画をどう活用するのか、活用して、こういうところで役に立ったというふうな経験を重ねて、児童生徒の自発的な活動につないでいくといったようなことが必要であると思いますので、また、小学部から中学部の繋がりということも、ここではちょっと間、間が非常に空いているような印象を持ちましたので、そこのところの繋がりがより具体的に示されると、現場での活用が促進されるのではないかと思いました。
次に、自立活動の充実について、3点述べさせていただきます。
まず、1点目です。自立活動というのは、各委員の御意見にもありましたように、重要なものでありながら、各教科との繋がりが分かりにくいというところですとか、また、そもそも自立活動というのは児童生徒一人一人の実態を的確に把握した上で、目標設定、内容設定というものを行うものである。個別にカスタマイズしていく必要があるというものであるがゆえに、非常に手順も複雑ですし、分かりにくいものであると思います。子供の実態に応じて、自立活動で取り扱う内容を整理し決めていくためには、今回のこのスライドの中で、スライド15にあるように、自立活動が各教科の下支えになるものであるということですとか、各教科と関連づけながら指導がなされるものであるということが改めて示されたことで、非常に分かりやすい、教員が別建てではなくて関連づいているということを意識する上で非常に分かりやすいものになると思いました。
2点目です。現行の学習指導要領、小・中学校の学習指導要領から次期学習指導要領に変更するに当たって、通級による指導の中での自立活動の扱いについて、教育課程に位置づけるものということを明確にしていく、明示することが必要であると考えます。児童生徒の実態、ニーズを踏まえた各教科の下支えとなる指導、そして、日々の生活を支える指導を確実に進めるためには、自立活動として通級による指導の中でも取り扱っていく必要があると思います。自立活動に取り組んでいくときには、子供の主体性が非常に重要になります。このことを解説に示すことは賛成です。特に、通級による指導においては、限られた指導時間の中で、子供自身が自分の長所も含めて自分を客観視し、自己分析し、自己の支援方法等について学ぶということですとか、学んだことを学級、家庭、地域の生活の中で生かしていく、適切に自己決定や自己選択、支援についての意思表明ができるようにしていくということを示していく必要がありますし、それが教員が意識できるように示していく必要があると思っています。そのためには、新学習指導要領の解説編等の中で、例えば「1 健康の保持」の「(4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること」の内容ですとか、また、「2 心理的な安定」の「(3)障害による学習または生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること」といったように、複数の障害の例を挙げながら、そういったところの中で自立活動での学習を通して、自分の特性、自己支援方法を学び、そして教科の学習に生かせるようにすることが明記されることが必要であると考えます。特に、発達段階が上がり、中学校や高等学校段階では特に必要になってくると思います。
3点目、これはちょっと今回の論点と少し関係がないのかもしれませんけれども、自立活動を適切に行うためには、複雑ですけれども、細やかな実態把握、適切な実態把握が欠かせないと思います。その点で言いますと、網羅的ではありますけれども、令和3年に出されました「障害のある子供の教育支援の手引」がありまして、こちらのほうでは、各障害に応じた教育的ニーズの把握の観点が示されていまして、経験が浅い、または経験年数が少ない先生方が増えてくる中で、こういったものの視点も活用しながら自立活動の取組について検討することもできるということを学習指導要領にも示していただけると、リンクすることができてよいのではないかと感じました。
以上です。
【清原主査】 堀川委員、ありがとうございます。まず、堀川委員からは、6ページのイメージ図について、もう少し小学校、中学校、高校の間に何となくはざまがあるように見えるところをもっと連携、繋がりをという御提案。それから、自立活動につきましては、各教科の下支えであると。したがって、関連性が必要であると。そこで、通級にも自立活動が明確化されることが重要であるけれども、実態ニーズを踏まえる必要があって、障害の違いを含めたこの自己決定、自己選択についても、解説のところで丁寧に説明する必要性を提案していただきました。3点目に、自立活動については、細やかな実態把握が必要なところ、教員の皆様にとっても、令和3年に教育支援に関する障害者に対する手引きが出されていて、そのようなものも活用していただければという御提案いただきました。ありがとうございます。
それでは、一木委員、亀田委員、谷口委員、澤委員の順で御発言をお願いします。それでは、まず、一木委員からお願いします。
【一木委員】 失礼いたします。自立活動の指導について4点申し上げます。
まず、自立活動の指導は、障害のある子供の全てに行うことを前提とはしていない。障害の有無に関わらず、各教科等の学習を通じて調和的な発達を促す、その際にその基盤を培う指導も併せて必要な子供が指導の対象となり、通級や特別支援学級学校で指導を受けることになる。この自立活動の指導と各教科等の指導の関連については、現行指導要領第2章の各教科の指導における配慮事項、こちらの記載との関連も踏まえ拡充等を検討していくことになるでしょうか。
2点目です。養・訓創設以降の改訂を振り返りますと、平成11年、子供主体の学習活動であることを踏まえ名称が自立活動となり、目標に個々の児童生徒が自立を目指すことを明示された。さらに、内容区分も学習の主体である子供の視点から想起される名称、こちらに改訂された。前回の改訂では、指導の担い手が一層拡大する状況も鑑み、指導内容の設定に至る道筋の解説が拡充され、「課題」の概念が新たに提唱されたところです。現在、各地でこれらの考え方の理解を促す研修が重ねられています。先ほど来、子供主体に関わる議論について、その重要性は十分認識しています。一方で、自立活動の理念、流れ図の考え方を踏まえ、今なぜこの指導目標なのか。自らの判断についてまだ十分に説明できる状態にない先生方も少なくない現状を鑑みますと、説明責任を子供に委ねるような事態を招くことがないよう留意していく必要があると感じています。
3点目です。これまでの幾度の改訂を経ても、なお共通認識に至り切れていないのが、自立活動の本質である内容構成についての理解だと思っています。教科と異なる自立活動独自の構成については、本日の資料12ページ、あるいは18ページに記載いただいたとおりで、以前より解説に明示されてきたにもかかわらず、誤解が解消されない現状にあります。例えば、各区分が特定の障害と対応すると捉えるような誤解は1990年代の論文で指摘されていますが、今年度本学が実施した調査でも同様に確認されました。また、教科の内容のまとまり、例えば算数の「数と計算」や「図形」と同様に6区分を捉え、区分ごとに指導内容を導き出すような誤解に基づく実践もまだまだ見受けられます。自立活動を特別支援学校の専門性の中核とうたいながら、なぜ本質についての共通認識が醸成されないか。教員養成大学のシラバスを参照しますと、そもそも自立活動の内容の構成や項目の理解自体に焦点化した授業内容、時数は限られます。コアカリで、自立活動に関する事項が第1欄ではなく、障害種別の第2欄に位置づけられたことによる制約も想定されます。教科の場合、単独の科目で当該教科の目標・内容の理解を促す仕組みになっていることを踏まえれば、今回、指摘された様々な課題が表面化しているのは、教育現場、教室ですが、その事態をもたらす原因はどこにあるのか。背景に目を向け、今回のこの議論に参画する我々含め、それぞれが自分事として捉える、このことが肝要と強く認識しています。
最後に、資料20ページについて2点申し上げます。1点は、実態把握の視点として6区分が不可欠であること、こちらを明示いただきたい。丸1で把握した情報を丸2の1 で6区分に振り分ける、この流れでは6区分は担保されません。障害種問わず自立活動に関わる研修に伺う機会がございますが、把握した情報がいずれの区分に相当すると判断すべきか戸惑う先生方が非常に多いです。実態把握の視点は、教育内容のカリキュラム構造と密接に関わります。自立活動の理念、内容、構成を踏まえれば、実態把握の視点として6区分が欠かせないことは明らかです。養・訓創設時の解説においても、当時の柱ごとに実態把握の例示がなされていたところです。
もう1点は、御説明いただいた丸5から丸6 、「指導目標達成のために必要な項目を選定」とはどういうことなのかと。この点について、先生方の理解を支える解説が重要と考えています。
以上です。
【清原主査】 一木委員、ありがとうございます。自立活動について4点御指摘いただきまして、重要なのは、子供を主体にすることによって、子供に責任を委ねるようなものになってはいけないのではないかという問題提起がございましたし、何よりも、内容構成についての理解が現場の教員に不十分であるということについて、例えば、教職課程においても、なかなか十分な情報伝達ができていないのではないか。あるいは実態把握の6区分についても、まだまだ不十分な点があるのではないかと。したがって、解説であるとか具体的な実態を踏まえた対応が必要であるという問題提起いただきました。ありがとうございます。
それでは、亀田委員、谷口委員、澤委員の順でお願いします。亀田委員、お願いします。
【亀田委員】 ありがとうございます。石川県の亀田です。
私のほうからは、情報技術ワーキングの委員としての立場で、本日は情報活用能力の抜本的向上について意見を申し上げたいと存じます。
まずは、昨夜の青森県、北海道で起きました地震につきまして、被災された方々にお見舞い申し上げたいと存じます。といいますのも、私、石川県、皆さん御存じのように、令和6年1月1日に能登半島地震が起こりました。その際に、実は、本市でGIGA端末は令和4年の9月から毎日家庭持ち帰りを基本としておりまして、いろんなコロナ禍の学級閉鎖や、あるいは大雪での休校が想定されるときに、常に家庭でのオンライン授業を想定して備えていたことが、実はこの能登半島地震の際に、子供たちが、こんなに子供たちって力があるんだよということを実は教えてくれたという出来事がございましたので、まずはこれを皆さんと共有させていただきたく、御紹介させてください。
まず、1月2日ぐらいに、私たちは1月1日避難所運営に奔走していたわけですが、大人たちが混乱している中で、はたと私は教育委員会事務局として安否確認を取ろうというふうに考えました。保護者や子供の安否確認を実は事務局としては、大人の連絡ツールを使って取ろうとしたんです。大人の連絡ツールを使いながら学校長に指示を出し、続々と安否確認が分かってくるわけなんですが、なかなか数日、早い学校で1日たって安否確認ができたという小規模校からスタートし、全校の安否確認は数日をやっぱり要しました。その中で、ある学校の校長先生が、亀田先生ということで、1つエピソードを話してくださったのが、ある端末をのぞいたときに、子供たちがクラスの友達と繋がり合って、1月1日の日からチャットで安否確認をしていると。コメントをかけ合って励まし合っているし、自分の身の安全を発信しているという、こういう出来事を教えてくれる校長先生がいらっしゃいました。そこで、落ち着いてからなんですが、私は本当にそのときは涙したわけですが、落ち着いてから子供たちの端末を確認させていただき、どのような交流、子供たちがしていたのかということを見させていただいたところ、なんと、特別支援学級の情緒学級のお子さんは、交流学級のクラスのところのルームにも入って、そこのお部屋の中で、投稿というか自分のコメントを連なって、みんなの一員として連なってコメントをしていると。僕も何とか生きていますとか、あるいは障害の知的のほうの学級のお子さんは、ちょっと交流学級には登校できておりませんでしたが、何と知的学級の中のクラスの安全性が担保されている場所において、そこにおいて1月1日の日から実はその子は動画を撮っていたと。こういう家の中の家具が倒れて鉄みたいなところ曲がっちゃったって、コメントは1文の平仮名なんですが、動画を撮って発信していたということで、私たち事務局も、校長先生方も涙したことがございました。大人が指示しなくても、自ら主体的にこのGIGA端末を使って安否確認をし、そして、何とか頑張っていこうねなんて励まし合っていたと。そして、自分の特別支援学級のお子さんについては、自分が使えるソフトウエアとかツールを使いながら選んで、選んだものによって発信して繋がり合っていたと。これに非常に感銘を受けました。子供たちから、子供の力って、大人の思うような枠の中にないよということを示してくれた出来事かなと思いました。
そこで、災害時にもレジリエンスとなり得るような子供の繋がりを見せてもらったわけなんですが、そこで昨日の地震に際してもそのようなことをちょっと思い出していた次第です。
そこで、実は昨日、情報技術ワーキングの4回目の議論がなされていたわけなんですが、その中でトピックとして挙げられていたのが、情報活用能力の抜本的向上が目指す姿でありますとか裾野の拡大、スケーリングさせるというところが議題となっておりました。その中で、やはりスケーリングということが、ひとつ日本の国家戦略としては非常に大事であるというふうには私も理解しておりまして、AIも発達において、AIスケーリング予測というのがございまして、やはり計算量とかそういうものを、データとかを増やすこと、良質なものですけれども、そういうものを増やせば増やすほど創発進展を生み出すというのがAIの進展にとっては大事なことでございました。また、あるスポーツ競技についても、幼児からお年寄りまで競技できるように環境整備して競技人口を増やしたことで、世界のトップアスリートチームを輩出することになったとかというようなことで、やはり裾野を広げる、スケールさせるということは、目指す姿を実現するために欠かせないことであるというふうに考えております。このような議論が、情報活用能力の抜本的向上でワーキングの中でも出されておりました。
そんな中で、このスケーリングさせる中に、先ほど能登半島地震の際の子供たちの活躍からもう明らかだと思うんですが、特別支援学級あるいは学校の児童生徒も当然含まれているわけでございまして、この子供たちに情報活用能力をしっかりと身につけるということは、生活社会の基盤がDX化していく中で、あるいは、いつどんなときに日本において災害が起こるか分からない、あるいは世界もそうですけれども、そういう中で情報技術を活用できる力というのは極めて重要であるというふうに考えております。ですので、何人かの委員の皆様がおっしゃったように、GIGAスクール構想におけるICT活用、特にAIの活用は、現在、個別最適なUI、ユーザーインターフェース、こういうものを生成することができるようになったことで、さらなる学習上の困難さの解消とか、あるいは自立に繋がること、そして将来的にはポテンシャルとしてAGI、汎用人工知能というのがもう目の前にあるわけですけれども、こういうものの発達というのは、知的障害を持つ児童生徒の可能性を最大限に引き出すことが期待されているのではないかというふうに感じております。そのことによって社会参加も大きくなってくるのではないかと考えているところです。
ですので、冒頭、緒方校長会長様がおっしゃったように、デジタル学習基盤活用の指針をぜひとも学習指導要領に明示することを望んでおります。そしてまた、さらにスケーリング予測を成功させるために重要であると私が考えておりますのが、端末活用において自治体学校間差がやっぱりあるので、その底上げを図る必要があるのではないか。そして、カリキュラムの質の担保をして、学習指導要領への明示をしっかりすることが大事ではないか。そして、特別支援学校とか学級の先生、通級指導教室担当の教員の情報活用能力の底上げも図りたい。そして、それらを設置している設置者である都道府県や市町村教育委員会、ガバナンス層、その方たちの理解と情報活用能力の向上も必要であろうと。そして最後に、子供たちを支えている保護者の方、地域住民の方の理解も必要であるのではないかと考えているところでございます。
以上になります。
【清原主査】 亀田委員、ありがとうございます。能登半島地震のときの子供たちの情報活用能力の事例から、これからも知的障害者のみならず特別支援学校、学級におけるAI、ICTの活用について御提案いただきました。特に、私、市長経験者としては、やはり自治体のガバナンス層の理解が不可欠でございまして、予算の提案も首長がするわけですし、条件整備も首長がいたしますので、本件については、特に「教育委員会と首長部局の強力な理解と連携が必要」ということを改めて申し上げたいと思います。ありがとうございます。
それでは、谷口委員、澤委員、そして奥泉主査代理の順でお願いします。谷口委員、どうぞ。
【谷口委員】 ありがとうございます。私からは、自立活動に関しまして、3点お話を申し上げたく存じます。
まず、1点目でございます。特別支援学級や通級における自立活動の推進に関しましては、担当の先生方の専門性の向上とともに、この特別支援学校のセンター的機能の活用を推進することが鍵ではないかと思っております。通級における先生方に関しましては、恐らく何を相談すればよいのか、また、相談するとどのようなメリットがあるのかという辺りの御理解が必ずしも十分ではないように感じられることがございます。相談することによって、現場の先生方が持っている具体的なノウハウを教えていただけるということが明らかになることによって、センター的機能の活用が促進されるのではないかと期待しております。その辺りの、こんなことを教えていただけるんですよというような例をお示しいただけましたら幸いに存じます。
2点目でございます。17ページにございました健康の保持の括弧3の文言、用語を対応に修正する件でございます。対応以外に自己管理や自己調整、あるいはセルフコントロールも考えられるように思いました。選択肢として御検討いただければ幸いに存じます。
3点目でございます。16ページの自立活動における方向性、丸2の2ポツのところに関しまして、基本的に大賛成でございました。個人因子と環境因子の両面から把握をしていくということ、特にこの環境因子に関しましては、どのような環境がバリアになるのかということだけではなくて、どのような環境があれば学びが担保されるのかという望ましい環境についてもきちっと考え把握をしていくことが必要ではないかと考えております。併せまして、18ページの表形式に関しましても、先生方にとってきっと分かりやすいものになることが期待できると思いまして、強く賛同する次第でございます。
以上でございます。
【清原主査】 谷口委員、ありがとうございます。自立活動について、特別支援学校のセンター機能の重要性について、特に相談機能は特別支援学校を利用する教員の皆様だけではなくて、むしろ特別支援学校においてもニーズを把握する意味でも意義があるということ、そして、自己介護やセルフコントロールという概念についても提案いただきましたし、個人因子、そして環境因子の両面から検討するということ、その際も、ネガティブだけではなくてポジティブな因子についての把握の御提案もいただきました。ありがとうございます。
それでは、澤委員、お願いします。
【澤委員】 私も自立活動について2つお話しさせてください。
1つは、一木先生の御意見と重なるものです。16ページの子供主体の自立活動というところなんですけれども、子供主体の自立活動という考え方自体はいいんですが、やはり教えるべき内容について、子供に説明責任を委ねてしまうような形にはならないようにしてほしいと思います。子供主体ということの考え方をきちんと明確にすべきかなと思いました。
それから2つ目は、18ページの表形式です。これ、とても分かりやすく見やすくていいんですけれども、項目の趣旨のところの書き方というのは、やはりかなり工夫をしないといけないのかなと思います。この項目の趣旨に書かれていることが、経験の浅い先生ですと、そのまま指導の内容にぽんと結びついてしまうような気もいたしますし、さらにこれを特別支援学級とか通級指導教室でもこの考え方でということになってくると、通級で対象としている障害種が、ここで説明の中に入ってくるのかというようなことです。項目の趣旨というのをどれくらい細かく書くのか、あるいはオーソライズしてまとめて書くのかというところは、1つポイントになってくるのかなと思いました。そのことが、恐らく21ページですか、丸5から丸6でしたっけ、結びつけるところにこの表形式の活用というところが挟まっているんですけれども、この表形式のまとまったものがここで使われるとなると、ますますその趣旨の書き方というのが1つポイントになってくるのかなと思いました。
一木先生もおっしゃっていたんですけれども、20ページですけれども、実態把握をして考えて、最終的に項目の選定に至るというのは、スタート地点に戻るようなイメージがありまして、最後は具体的な指導の中身ということになってくるので、この20ページの表の作り方というのが、これでいいのかなということをちょっと考えました。初めから6区分の観点で評価するという考え方もありなんじゃないかなと考えました。
すみません、まとまりませんが、以上です。
【清原主査】 澤委員、ありがとうございます。改めて子供主体の自立活動において、子供に説明責任を委ねるようなものにならないようにということ。それから、18ページ、21ページ、20ページに関連して、表形式に表すときの項目の趣旨についての在り方について、問題提起いただきました。これにつきましては、賛同いただく委員もいらっしゃいましたが、何か違う方法でより分かりやすくという御提案もありましたので、またさらに精査されるものと考えております。
それでは、最後に、奥泉主査代理、お願いします。
【奥住主査代理】 委員の皆様からいただいた意見は、どれも貴重なものばかりで、後ほど振り返りながら主査と確認をさせていただきたくと思っております。
そうした中で、検討項目2つにつきまして、意見を2つ述べさせていただきます。
まず情報活用能です。おおむね緒方委員の御発言と重なってしまいますが、ここで提案されている内容について、小・中学校等の目標・内容と知的障害特別支援学校の学部間の目標・内容と連続性意識されているものになっていると思います。情報活用能力についての資質については、教育課程全般を通じて行うことと併せて、より焦点を当てた教科として、小学部では生活科、中学部では、職業・家庭科から職業科、そして高等部では職業科と情報科で、分かりやすい連続性だと思います。
現行学習指導要領との関連で言えば、生活科の内容項目の中に、情報につながるものが必要だろうと思います。また、高等部については、職業科は必修教科ですが、情報化は設けることができる教科ですので、学校ごとの履修の有無が生じますので、そこをどう解決するかが課題と思います。
次に自立活動です一木委員の御発言と重なるところが多いのですが、「流れ図」の重要性の確認です。より作成しやすく、より実効的のあるものにすることが、大事になると思っています今回提案された区分の観点,、項目の趣旨などは、「流れ図」の作成から、それに続く指導や評価に有効になると思っております。
以上でございます。
【清原主査】 奥住主査代理、ありがとうございます。情報活用能力については、特に小・中・高の連携、学部間の連携の必要性と、生活科の在り方について問題提起いただきました。自立活動については、改めて流れ図の重要性、そして実効性を高め、区分イコール障害種別というような誤解を防ぐような在り方というのが私たちにも課せられているということを確認させていただきました。
さて、私からも一言申し上げます。
私は、自立活動において、改めて通常学級、そして特別支援学校、特別支援学級、通級の連続性、そして、その環境整備をするに当たっては、市長部局と教育委員会の連携性、確認されましたが、加えて、私自らの実践では「コミュニティースクールを基盤とした小・中一貫教育」に取り組んできたものですから、「地域コミュニティ」という広がりも含めてはいかがかなと思っております。子供たちが自立活動をしていくということは、改めて学級での自立だけではなく、家庭あるいは地域生活での自立、さらには将来の進学や就労についての自立であるとも思いまして、そうであるならば、地域の人々、地域コミュニティの皆様、そして、自分の保護者以外の保護者はもちろんのこと、地域のあらゆる皆様に特別支援学校、特別支援学級、通級についてのご理解をいただき、共に生きていくということになると思います。調べましたら、コミュニティ・スクールについては、全国の特別支援学校1,130校のうち569校で既に取り組んでいるということでございます。ただし50.4%、ようやく半分でございます。教員や保護者だけではなくて、地域の皆様が学校の運営に関わるのがコミュニティ・スクールでございまして、やはり特別支援学校が開かれた教育を進めていく上では、コミュニティ・スクール、あるいは地域学校協働活動というのは重要な在り方ではないかなとも思っておりまして、「地域コミュニティの視点」、「コミュニティ・スクール」というキーワードを私から提起させていただきました。ありがとうございます。
それでは、時間が参りました。皆様、熱心な御意見を表明していただきまして、ありがとうございます。昨夜の北海道、そして青森県を中心とする地震の被害が気になるところでございますし、こうしたときにやはり障害のある方にとっては困難がまた大きいと推察されます。こういうときこそ助け合い、支え合い、そして地域を越えて私たちが取り組んでいかなければ真の復旧復興はないと思います。そうした被災地の皆様に、能登半島の地震も含めて、思いを向けながら、これからも審議をしていきたいと思います。
皆様の御意見の中には、今後の取組の中で確認をしていかなければならない一部質問も交えていたと思いますが、それらも引き受けまして、次回の審議の過程で明らかにしていきたいと思います。
それでは、時間も過ぎましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。
最後に、次回以降の予定について、事務局より御報告お願いします。堀江課長補佐、お願いします。
【堀江特別支援教育課課長補佐】 次回の開催日程につきましては、12月23日火曜日、15時からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【清原主査】 それでは、師走になりまして、もちろんこの会議の委員には先生が多いわけでございますから、先生自ら走るような時期かもしれませんが、どうぞ健康第一にお過ごしいただきまして、年末の開催となりますが、12月23日、第5回の会議もよろしくお願いいたします。それでは、大変にありがとうございました。お疲れさまでございます。失礼いたします。閉会します。
―― 了 ―