教育課程部会 幼児教育ワーキンググループ(第9回)議事録

1.日時

令和8年6月5日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 取りまとめに向けた検討について

4.議事録

【秋田委員長】  はい、皆さまおはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第9回幼児教育ワーキンググループと、第10回保育専門委員会を合同で開催いたします。お忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございます。本日は前回に続きまして、引き続き取りまとめに向けた検討についてを議題にご議論をいただきたいと思います。それでは、まず初めに事務局よりご説明をお願いいたします。
【西尾成育基盤企画課長補佐】  それでは、本ワーキンググループ委員会の取りまとめ案について、前回資料からの主な修正箇所を中心に説明させていただきます。前回のワーキンググループ委員会において、委員の皆様からいただいたご意見を踏まえ、主査、委員長とご相談の上、修正をしております。
 1ページをご覧ください。右側の2つ目の黒丸、乳幼児一人一人の環境の受け止め方や環境への関わり方等は異なっていることについて、そもそも乳幼児一人一人が多様であるという観点から、「このような乳幼児の多様性を受け止め」と追記しております。
 3ページをご覧ください。右上になります。前回資料では、「家庭や地域との連携・支援」としていた見出しについて、「全ての乳幼児の育ちや学びを支える社会の在り方」に記載を変更し、記載位置も変更しております。また、1つ目の黒丸については、多様性の包摂の観点から、「家庭や地域の状況に関わらず、全ての乳幼児のウェルビーイングの向上に向けて、幼稚園・保育所・認定こども園は多様な乳幼児一人一人を尊重し、多様性が包摂された園生活の中で、全ての乳幼児の育ちや学びを保障していくことが重要」と追記いたしました。右下の「各園の幼児教育を支える地域の体制」には、自治体において関係部局が緊密に連携することや、各園を支える体制整備が必要であること、幼児教育の質の向上を担当する職員の育成・配置が不十分であることを追記しております。
 4ページご覧ください。左側の一番下の黒丸については、「遊びの深まり」について補足するため、記載を大幅に修正しておりますので、読み上げます。「このような改善が図られた3要領・指針を手がかりに、幼稚園教諭・保育士・保育教諭が、乳幼児理解と3つの視点・5つの領域のねらい及び内容に基づく教育的意図を踏まえて実践を構想し、環境の構成・再構成や援助を行うことにより、乳幼児の自発的な遊びが乳幼児自身の興味や関心、これまでの体験等と結び付き、更に展開したり他の遊びとつながったりしながら、『遊びの深まり』が実現されていくことが重要である」と修正しました。
 5ページをご覧ください。まず、全体の順番について変更しております。最初に移動した「0歳からの学びのつながり」では、乳幼児の発達の過程について、「乳幼児は、健康で安全に過ごすことができる園生活の中で、自分の存在が認められているという安心感や、周囲の大人への信頼感が支えとなって、自己を発揮し、周囲の環境に関わり、自分の世界を広げていくようになる」ことなどを、新たに記載しております。続いて、「遊びの中で多様な動きを伴う体験の充実と身体感覚の育成」、「他者と関わり協同する力の育成」、「言葉を用いて考える力の基礎の育成」の順番で記載しております。なお、前回資料では「多様な動きを行う体験」としていたところを、「多様な動きを伴う体験」に修正しております。
 6ページをご覧ください。前回ご議論いただいた表形式での示し方などについて、左側の最後の黒丸、右側の2つ目、3つ目の黒丸に追記しております。また、乳幼児という言葉の整理について、注釈を追記しております。本取りまとめでは、法令上の整理に基づき、乳児を0歳児、幼児を1歳から小学校就学前と整理しています。
 7ページご覧ください。左側の2つ目の黒丸は、前回資料では注釈だった記載です。これを地の文として記載しています。また、全体の記載の順番を変更するとともに、「0~2歳児においては」、「3~5歳児においては」と分けて記載していたものを、0歳からの連続した流れで読めるように修正しています。
 8ページをご覧ください。左上の1つ目の黒丸において、乳幼児理解に基づく評価は、他の乳幼児との比較や、一定の基準に対する達成度を捉えるものではなく、「乳幼児一人一人のよさや可能性」を見取るものであることが分かるように、追記しました。また、左側の一番下の黒丸については、評価を含めた全体像が分かるように、記載を大幅に修正しましたので、読み上げます。「このように、乳幼児の姿を捉えた記録を基に遊びの中の『学び』を見取り、園内での対話等をしながら振り返り、環境の再構成や必要な援助の改善など実践の改善充実を図ることにより、乳幼児の『遊び』は深まっていく。その際、対話を広げ、他の幼稚園・保育所・認定こども園はもちろん、小学校とも学び合い、幼児教育における『遊びの深まり』により育成された資質・能力を基盤として、小学校以降の教育における『学びの深まり』が実現されることが期待される。」
 続いて、右側の3つ目の黒丸をご覧ください。障害のある乳幼児だけではなく、様々な特性のある乳幼児にとってICTが効果的に活用されるよう、記載を修正しております。右側の一番下の黒丸です。「園生活全体を通じた食育の充実に当たっては、『健やかに伸び伸びと育つ』視点や『健康』領域を中心としつつ、他の視点や領域との関連も踏まえながら、食事の場面や食物の栽培・収穫などの直接的・具体的な体験を通して、資質・能力の育成を図ることが重要である」と修正しています。
 9ページをご覧ください。左上の黒丸について、文章の冒頭に「乳幼児は、生命の保持と情緒の安定が図られ、保護者や周囲の大人との愛情ある関わりの中で見守られているという安心感や信頼感に支えられながら、行動範囲を広げたり、自ら身近な環境に働き掛けたりしながら成長していくことから」と追記しております。左側の一番下の黒丸では、「とりわけ入園時や2~3歳児におけるクラスの移行時等に」援助や支援が必要なことを補足しました。右上の黒丸になります。最新の医学的・学術的知見等に基づくことを追記しております。また、右側の3つ目の黒丸として、「とりわけ在園時間が長時間にわたる乳幼児には、一人一人の生活のリズムに配慮し、園と家庭での生活の連続性を確保したり、保育の内容や方法を工夫したりするなどの配慮が必要」と追記しております。
 10ページをご覧ください。左側になります。3つ目の黒丸、外国人乳幼児等への指導や支援に当たり、「母語での声掛けや母文化の遊びを取り入れる」ことなどについて、追記いたしました。
 11ページ、右側をご覧ください。「9.各幼稚園・保育所・認定こども園の幼児教育を支える地域の体制の在り方」について、前回会議を踏まえて記載しております。1つ目、自治体において、幼児教育の質の向上に関する様々な施策が一体的に推進されるよう、部局間の緊密な連携を一層推進すること。2つ目、0歳から18歳までの教育の一貫性を図る観点から、学校教育の専門的知見を有する教育委員会が積極的に関与して役割を果たしていくこと。3つ目、教育委員会における指導主事や児童福祉部局における保育指導職の育成・配置を促進すること。4つ目、設置者や施設類型に関わらず、幼稚園・保育所・認定こども園を支える幼児教育センターの設置を促進し、幼児教育アドバイザーや架け橋期のコーディネーター等の育成・配置、研修の実施、小学校教育との接続の取組等の充実を図ること。特に広域行政を担う都道府県においては、全都道府県における設置を目指すこと。5つ目、都道府県においては、幼児教育アドバイザー等の派遣により市町村を支援するほか、市町村を含む連携体制を構築したり、域内全体で幼児教育に携わる人材が学び合う体制や機会を充実すること。6つ目、国立教育政策研究所幼児教育研究センターは、幼児教育の調査研究拠点の中核として、各地域の幼児教育センターや大学等と連携・協力し、国内外の研究ネットワークを構築することといった体制の整備を推進することについて記載をしています。
 12ページをご覧ください。これまでご説明した1ページから11ページの修正を踏まえて修正をしております。次に、13ページをご覧ください。冒頭に「全ての乳幼児に対して」と追記をしています。続いて、14ページご覧ください。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の図やイラストを変更しております。また、ねらいと内容の説明について、ポイントに下線を追加いたしました。
 15ページをご覧ください。左側の図について、矢印の循環が分かりやすく見て取れるように、図を修正しております。17ページをご覧ください。前回会議を踏まえて、補足イメージ丸4を追加しております。続いて、19ページをご覧ください。スタートカリキュラムについては、現在、生活・総合ワーキンググループにおいて、生活科を中心に小学校1年生の1年間を見通したカリキュラムの改善充実が検討されていると聞いております。このため、ここの右下の図の枠内の記載については、生活・総合ワーキンググループでの検討を踏まえて記載することとしたいと考えております。20ページをご覧ください。こちらも前回会議を踏まえて補足イメージ丸7を追加しております。
 事務局からの説明は以上になります。
【秋田委員長】  西尾課長補佐、ご説明をどうもありがとうございました。それでは、ただいま説明いただきました資料の取りまとめ案についてご意見をいただきたいと存じます。また、本日をもってこれまでの議論の取りまとめとさせていただければと思いますので、本日は取りまとめ案だけではなく、ここで示している趣旨を現場に伝えていくための工夫であったり、現場で実現していくために必要な施策を取りまとめ、幅広く今後の展望についてもご発言をいただければと考えてございます。
 それでは、ご意見のある方は挙手ボタンを押していただきまして、私の方から指名をさせていただきますので、ご発言時にはミュートを外してお話しください。本日はお一人3分程度、今日は2時間半ではなく2時間でございますので、3分程度でお話しいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それではお手を挙げていただければと思います。ありがとうございます。岸野委員、よろしくお願いいたします。
【岸野委員】  失礼いたします。時間がもったいないので、毎度一番に手を挙げさせていただき恐縮です。事務局におかれましては、短期間での修正、多方面にわたる各委員の発言を様々に取り入れていただき、本当にありがとうございました。
 私からは3点申し上げたいと思います。1つは、4ページの「遊びの深まり」に関わって、子供とともに保育者が協働して探究していくことの重要性を付け加えておきたいと思います。環境の構成・再構成の際には、平たく言うと教材研究ということになるかもしれませんが、保育者自身が対象に関して協働して深く探究していくということを提起していくことも重要だと思います。例えば、福大附属幼稚園での実践ですが、カラスがトマトを食べに来ることにいろいろ対策をしているうちに、カラスの生活にも思いを巡らすようになり、カラス研究所ができ、カラスにもいろんな種類がいること、カラスの住む家はどんなものなのか、折り紙で鳥を作ったりして遊んでいたところから、だんだん藁や土でも作ってみるというように展開していく実践でした。トマトを守るプロジェクト的な活動というよりも、環境に関わっていく中で子供たちにいろいろな思いや考えが湧いてきて、それに合わせて保育者自身も探究しながら環境を再構成していくというプロセスがありました。このように子供とともに保育者も世界を探究していくということが、遊びの深まりにおける環境の再構成には欠かせないのではないかと思います。そしてこうした過程は6ページにある幼児教育で大事にされてきた捉え方に根ざしていますが、これは遊びの過程であると同時に学びの過程でもあり、小学校以降に繋いでいくことも重要だと思います。特に架け橋期には、小学校でも環境の呼びかけに応えながら自分なりにそれに関わり、試行錯誤しながら意味や関わり方に気づき取り込んでいくといったことが非常に重要だと思います。
 2つ目に、10ページ左側の幼児教育と小学校教育の接続に関して、子供の姿を基にした共通理解ということを強調しておきたいと思います。いろいろな意味が込められた上での互いの教育への共通理解という記述だと思うんですが、それがテクニカルなことだけでなく、当たり前ながらその前提として子供の姿を基に学びのつながりを共通理解していくということなのだと確認しておきたいと思います。掲示の仕方が見通しが持ちやすくていいですねとか、サークルで話すやり方を取り入れていいですねというような技術的なところは、目に見えて取り入れられやすく、逆にそうしたことを危惧しております。まずは子供の姿を丁寧に捉えて、子供の思いや考えを探り、学びを見取る眼差しを共通理解し、その上でそれぞれの場でどう子供たちの学び育ちを支えていくといいのかを一緒に考えていくということが重要だと思います。
 最後、3つ目に11ページ右側、地域の体制のところについてです。幼児教育センターを中心に、学び合う体制や機会を作っていくためには、センターが関連部局や大学等とも連携しながら、協働で探究していく動きの源になっていくことが欠かせないと思います。そのためには、前年度を踏襲というのではなく、今の状況をどう捉え、どういう手を打っていくといいのか、より良くしていくために協働しながら動いていく、そういった体制が重要で、国としても伝達的なことにとどまらず、そうした動きの渦を作り出し、加速していくような働きかけを今後期待したいというふうに思います。以上です。
【秋田委員長】  岸野委員、ありがとうございます。それでは続きまして、北野委員、お願いいたします。
【北野久美委員】  取りまとめ、本当にいろんな意見が反映されて素晴らしいまとめになっているなと思いましたが、私の方からは意見として5つ、それから必要なこと、展望に関してを3つほど述べさせていただきます。
 まず、これは終始申し上げているところでございますけれども、この3要領・指針を「こどもまんなか」の理念に基づいてどうぞ一本化をお願いいたします。乳幼児期の育ちは、その子の人生の基礎となるものです。こども家庭庁が創設され、こども基本法が制定されてから初めての改訂になります。ですからなおのこと、日本において乳幼児がいずれの施設に通っていても質の高い保育が等しく保障ということで一本化をお願いいたします。
 2つ目です。11ページになります。保護者や地域との連携、協働の充実のところでございますけれども、家庭や地域との連携・支援の充実に関する記載がありますけれども、地域の子供、子育て家庭を支援するためには、やはり保護者や地域との連携、パートナーシップを強化していくことが重要だと思います。私たちはこれまでも、地域全体で多様な支援ニーズを受け止める体制の一端を担うということだけではなく、地域の子供たちの育ちを支えるための様々な取組を展開して、こども家庭センターとか民生委員、児童委員等、多様な地域の関係者と連携を図っています。今後もこの支援ができるように、保護者や地域との協働、連携の充実が図られるというような記載をもう少し強化していただけたらと思います。同じくそのページの右側になります。体制の在り方ということで、「0歳から18歳までの発達の学びの連続性を踏まえた教育の一貫性を図る観点から」と記載があるんですけれども、0から18歳までの発達の学びの連続性を踏まえた一貫性をするためには、やはり教育委員会だけではなく、福祉部局との連携、協働を図るというのが一番重要なことでございます。地域によってはすでに乳幼児教育センターとして、教育委員会と福祉部局が連携、協働して0歳からの子供の育ちを元に小学校までの連携を図っているところが多くございます。こうした好事例を周知していただいて、教育委員会が主導とか福祉部局が主導とかそういったことではなく、連携、協働を図れるような記載を強化していただけたらありがたいです。
 9ページに参ります。ここの子供の育ちには養護、そして教育の視点が必要だ。一人ひとりに寄り添うアタッチメントを基盤とするというようなことが記載されていますけれども、私たちはやはり養護と教育の一体的提供を行っているという自負はございます。この養護の改善充実の在り方を盛り込んでいただけたということは評価するんですけれども、やはり「はじめの100か月の育ちビジョン」にもありますように、養護を基礎とした育ちの保障が大切だと思っています。これは保育所及び幼保連携型認定こども園に限ることではなく、すべての子供の育ちの基礎に養護があるということを明確にして、養護等の改善の充実の在り方の記載をもっと前に記載してほしいと同時に、左肩に保育専門委員会とございますけれども、この養護の重要性を幼稚園や小学校以降の育ちにも大事な観点であるということ、5ページにも0歳からということが記載されているのであれば、これは中教審の資料等にも入れるべきことなので、保育専門委員会という抜き出しだけではなく全体を通してのこととして捉えていただけたらありがたいです。
 1つ戻りまして8ページです。ICTの2つ目の黒丸でございます。3つ目で特性のある乳児にとって有効だということが書かれているんですけれども、それよりもっと大事なのはこの医学的な知見も踏まえて必要な留意点を示すべきというところをもう少し強調していかないと、やはりICTの活用は少し危惧されるものが多いのではないかと思います。
 これから3点は展開に関してでございます。指針等のねらいが達成されるための環境の整備を図ってください。子供たちにしっかりと向き合って指針等のねらいを達成して保育の質を保障するためには、配置基準の改善は急務です。職員の配置基準を改善するとともに、看護師、栄養士、調理員、事務員等を含めて配置の在り方について精査して、そのねらいが達成できるように環境の整備を図ってください。また私どもは長時間保育を行っております。朝から夜まで11時間以上いる子供たちも多くおります。そもそも長時間保育に関する検討も必要ですけれども、保育士等の就業時間に関する検討も併せて行っていただければと思います。
 続きまして解説書の作成でございます。保育現場の声を聞いてください。今後、本年度末の告示化に合わせて解説書を作成すると伺っています。解説書の作成にあたっては、実際に活用していく保育現場の声が反映できるように、そのワーキングに参加させていただきたいと思います。そのワーキングにもしも万が一参加できない場合は、少なくとも保育現場の意見を聞く機会を作っていただけますようにお願いいたします。
 最後でございます。その年度末に告示化された後、実際に活用するために周知のための研修が1年かけて行われると思います。その研修会の企画にあたっても、保育団体に事前の相談なり企画の参加なりさせていただくように、これは強く要望したいことでございます。早口になりました、申し訳ございません。以上でございます。
【秋田委員長】  北野委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして多田委員、お願いいたします。
【多田委員】  はい、多田でございます。今回が最後の委員会になりますので、食、栄養、食育の観点から御礼と今後の現場での運用のための解説作成に向けた意見を申し上げたいと思います。
 まずこれまで意見を申し上げてきました食事を含む生活場面の位置付けについて、今回の取りまとめ案の8ページでは、園生活全体を通じた食育の充実、また「健やかに伸び伸びと育つ視点」や「健康」領域を中心としつつ、他の視点や領域との関連も踏まえることが示されており、大変重要な整理をしていただいたと受け止めております。食事の場面が健康だけでなく、言葉、人間関係、環境、表現などにも関わる生活の中の学びであることが、今後の指針や解説の中でさらに具体的に示されていくことを期待しております。
 その上で今後指針や解説、具体的な運用を検討する際には、ぜひ管理栄養士、栄養士の役割について具体的に取り上げていただきたいと考えております。食事は乳幼児の生活と発育、発達を支える基盤であり、子供の発達段階、健康状態、生活状況、家庭の状況等を踏まえた支援が求められます。その際管理栄養士、栄養士は栄養管理、食事提供、食形態の調整、食育の推進、家庭への食生活に関する助言などに関して専門性を有し、保育士、看護師、調理員、医師等と連携しながら子供の育ちを支える重要な役割を担う専門職であると考えます。特に食物アレルギーのある子供、障害のある子供、医療的ケア児、咀嚼、嚥下機能や口腔機能の発達に配慮が必要な子供、感覚過敏や強いこだわりによって食事場面で困難が生じやすい子供などについては、個々の状態に応じた具体的な食支援が必要になります。例えば栄養摂取量の確認、食形態の工夫、アレルギー対応食の安全な提供、食事環境の調整などは専門的知見に基づく多職種での検討が不可欠であり、管理栄養士、栄養士の関与が重要です。また食に関する課題は家庭においても生じやすく、保護者が不安や負担を抱える場面も少なくありません。こうした点について家庭の状況も踏まえた具体的な助言を行い、保育所と家庭、さらには医療機関や地域の関係機関を繋ぐ役割も期待されます。
 一方で、すべての施設に管理栄養士、栄養士が配置されているわけではないことも踏まえる必要があります。解説においては配置されている場合の専門性の発揮に加えて、配置されていない場合にも自治体や保健センター、医療機関、地域の管理栄養士、栄養士との連携によって専門的助言を受けられる体制を整えることについても示していただくことが望まれます。先ほど北野委員からも専門職の配置についてご意見がありました。私からも今回の取りまとめ案では専門職や専門機関との連携及び協働の重要性が示されてはいますけれども、その具体化にあたっては食事提供、栄養管理、食育、個別支援、家庭支援を繋ぐ専門職として管理栄養士、栄養士の役割について指針や解説の中で明確に位置付けていただくことを強く期待しております。これまで丁寧にご検討いただきありがとうございました。
【秋田委員長】  多田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】  よろしくお願いします。スライドの8枚目お願いできますでしょうか。私の方から2点お願いしたいと思います。
 このスライドの向かって左側の一番上の黒丸なんですけども、この評価の仕方について、「乳幼児理解に基づく評価を行うこと」と明記されているわけですが、小学校に上がりますとやはり到達度を中心とした評価になることが多いと思うんですね。ですから幼児期はそうではなくて、一生懸命頑張ったことであったり、最後まで諦めなかったことであったり、それから周りの友達を気遣ったという態度であったり、そういった態度であったり心構えみたいなものが評価されると良いなと思いました。なので少しそういった文言がここに入ると良いのかなと思っています。特に架け橋というカリキュラムの中で小学校に上がるとどうしても到達度を中心になっていくわけですが、架け橋の中でもそういった子供たちの態度であるとか構えであるとかいったものの評価が加わるといいなと思いました。
 それからもう1点目は9枚目お願いします。9枚目のスライドの一番下です。特別な配慮を必要とするお子さんについてですけども、一番下の黒丸で大変専門職とか専門機関との連携が大事だということを書いてくださってとってもありがたいなと思いました。これがですね、小学校にやはり繋がるような配慮が必要でございます。今現在5歳児健診等で発達に課題のあるお子さんに気づかれて、いろんな療育等がそういった要素を盛り込んだ保育が行われているわけですが、それがなかなか学校に繋がっていきにくいという声が行政の方から届いていますので、ここに促進していくことに加えて、必ず小学校にそれを繋いでいくこと、これが重要といったことが少し加わるととってもありがたいなと思いました。以上でございます。
【秋田委員長】  小枝委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】  これまでの取りまとめ、それから前回の議論を踏まえての委員の意見の集約と反映に感謝いたします。
 私からはまず3ページのところについて見させていただきたいと思うんですけれども、右側の一番上、「全ての乳幼児の育ちや学びを支える社会の在り方」の1ポツ目で、一人一人の尊重、多様性の包摂を謳い、その上でその次のところで特別な配慮を必要とする乳幼児への指導・支援のさらなる充実を図っていくことが示される形となっています。こうした理念を現場において実現していくには、9ページにも全ての保護者に対する相互の理解とか個々の尊重ということを書かれておりますけれども、やはり特別な配慮を必要とするお子さんの保護者だけではなくて、クラスや園で全ての保護者と理解を共有していくということが非常に重要と思っております。11ページにも家庭や地域との連携支援に関する方向性というところで、幼児教育の基本的な考え方について園と保護者が共有・理解を図っていくということが示されておりますけれども、この中でも乳幼児期における遊びの重要性といったこととともに、こうした多様性の包摂といった理念についても分かりやすく全ての保護者に対して伝えていくということが求められると思っております。
 また今回資料全般を通して小学校教育関係者をはじめ児童発達支援に関わる専門職ですとか、それから看護師、先ほどもお話に出ました栄養士など園の内外で様々な専門職との連携ということが謳われております。並行通園ですとか、専門職の配置ということが進んでいく中で、やはり保育の場でそれぞれの専門性を生かしていくというところで、幼児教育の基本的な考え方をそうした他の専門職にも分かりやすく伝えて共通理解のもとで支援をしていくということが非常に重要と考えております。このように考えると幼児教育の理念や基本的な考え方を広く保育や教育分野の関係者以外の方々にも伝えていけるような、そういった資料も必要ではないかと思っております。すでに3施設それぞれにリーフレットを作られていると思いますし、また動画も作成・公開されているかと思います。また100か月ビジョンのように非常に分かりやすい動画なども他の分野では作られたりしておりますけれども、このようなものを踏まえつつ、よりシンプルで現場が大切にしていることについてメッセージ性のあるもの、そして3施設が共通して使えるようなものがあると幼児教育についてよく分からない方であっても要領や指針で示されていることについて現場がより説明しやすく、また広く知ってもらう最初の窓口になるんじゃないかなと思っております。現場に向けての研修の資料とか分かりやすい解説ということももちろん大切なんですけれども、そういった外の方々に向けてもできるだけシンプルで分かりやすいものも作るということが今後指針や要領を広く周知していく上では効果があるんじゃないかなと考えております。
【秋田委員長】  高辻委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして松井委員、お願いいたします。
【松井委員】  よろしくお願いいたします。これまでの多岐にわたるご意見について短期間での取りまとめ、どうもありがとうございました。
 4ページの左下から右上にかけてこの度追加された3要領・指針を手がかりに乳幼児理解と3つの視点、これに基づき実践を構想しというところ、ちょっと省略しますけれどもそこの乳幼児の遊びの深まりが実現していくことが重要であるといったところ、本当に重要ですし、それをどのように推し進めていくのかという点から少し述べたいと思います。
 このことは養成校の授業においてもすごく痛感することで、どんなに要領・指針に重要なことがまとめられていましても、それを読んで理解されないと意味がないということがあります。授業では保育の動画を用いてその具体的な場面と要領・指針の文言と照らし合わせて説明をすると、書かれていることとつながりましたとか、理解できましたというようなコメントが出てきます。それでもまだ表面的な理解かもしれませんけれども、やはり実習後の事後指導において自ら経験したエピソードをもとにした語りの深まりというのには毎回目を見張るものがあります。そういった具体的な経験や事例と結びついた理解でないと単に字面を追うだけになってしまうのは学生のみならず私自身の自戒も込めて研究者も、広く言えば誰にとっても同じだと思います。そのために様々な良い保育を見聞きすることも重要ですし、OECDのTALIS2024の調査でも日本では研修として他園の見学に参加する園長・所長の割合が74.2%、調査国の中でも最も高いことが分かっています。ですのでそういった風土があることを基盤としてさらに単なる見学に終わることなく、岸野委員もおっしゃっていましたけれども子供の姿に基づく実質的な対話を伴っていくというのが次のステップではないかと思います。何を見て何が見えたのか、そこで起きている出来事の意味とか意義は何なのかを含めて理解するには対話が不可欠だと思います。それが8ページの記録と振り返りの充実2つ目にある同僚等との対話ですとか、10ページの右側にある2つ目にあります対話を通じて小学校関係者などに共有を図ると明記されていることにも繋がるかと思います。保幼小接続の場においても相互の現場を見合うだけではなく対話に基づく研修にしていく必要があるかと思います。
 また現場の先生方が日々実践なさっている一見さりげなくも見えてしまう、それは本当すごいことなのですけれども、その0歳からの幼児教育としてどのような意味があっていかに子供の育ちや学びにおいて重要なのかを言葉にすることは実践とはまた異なる難しさがあります。8ページの下から2つ目ですけれども乳幼児の姿や学びを表す言葉を豊かにすること、その見取る力をいかに身に付けていくかというのが問われるかと思います。保育者同士の対話はもちろんですけれども保護者や連携する専門職の方、そして広く社会に向けて日々の保育とか幼児教育の重要性を説明して発信して広めていくための対話における言語化の手立てとして要領・指針、それに付随する解説書などが大きな手がかりになることが求められます。そのためにやはり要領・指針が文章として連なっているだけでは大きな効果を見込めないのではないかと考えます。表形式化も予定されているようですけれどもさらに分かりやすくできないかなと。告示文では難しくても例えば解説書などでせめて今回の取りまとめ資料にある補足イメージなどは掲載できたりしないだろうかと思っているところです。またこれまでの会議で写真とか図式化とともに提示された事例も大変分かりやすかったですし、より踏み込んで視覚的なイメージを多用するとか、そういった事例集に簡単にリンクできるといったような工夫も求められるのではないかと思います。
 前例踏襲ではなくていかに要領・指針の活用が実質化するか、共通言語的な役割を担えるかということは全国的な保育の質の向上であるとか一般社会における幼児教育の意義の理解へ繋げるための重要な鍵となり得ると思います。前回の会議において幼児と乳幼児の用語の使い方に少しブレがあるのではないかとか現場で混乱がないようにする必要があるということを申し上げましたけれども、5ページとか7ページの記述が0歳から幼児へ向かう流れで整理されたことであるとか6ページに乳児、幼児の定義が注が記載されたことでより明確になったのではないかなと思いました。
【秋田委員長】  松井委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして堀委員、お願いいたします。
【堀委員】  堀でございます。事務局の皆様におかれましては短期間でこれだけの資料をおまとめいただきましてありがとうございます。また、委員の皆様の深い議論に深く感謝いたします。私からは専門の乳児保育の観点から述べさせていただきたいと思います。
 今回の取りまとめにおいて、まず5ページの「0歳児からの学びのつながり」が明確に示されたことを大変意義深く受け止めています。0歳児からの学びのつながりを示すことが重要なのは、乳児期をこの人生の学びの出発点として位置付けることに繋がるからです。乳児は言葉で説明したり学習課題を設定したりすることはできませんが、周囲の人との関係の中で安心感を得ながら、見る、聞く、触れる、動くといった経験を通して絶えず環境に働きかけて世界について学んでいます。保育者の顔をじっと見つめたり、人の顔、声に耳を傾けたり、気になるおもちゃに手を伸ばすことなど、一見すると日常の何気ない姿に見えますが、その1つ1つが人を信頼することにつながり、自分から環境に働きかけること、また自分の思いを表現することといった、その後の学びの土台になっていくと考えます。そうした点からも、この0歳児からの学びのつながりを示すことは、乳児期と幼児期を切り離して捉えるのではなくて、乳児期から幼児期さらにはその後の育ちへと連続する発達の過程として捉えることに繋がると思っています。そのような観点からも、14ページに示されたこの図は本当に素晴らしい乳児保育の専門の立場からも大変今回の取りまとめの中で貴重な図だと捉えております。一方でやはりこの養護を基盤としている、今回こども家庭庁でも示されている安心と挑戦の循環の中の理念とも合致すると思いますので、養護を基盤としているということが何らかの形で記載していただけないかということはもう1点ご検討いただきたいと思っております。
 最後にもう1点です。今回の内容を現場の実践の場に広く浸透させていくためには、指針・要領そのものの記述に加えて、その内容を実践と結びつけて、これまでも皆様からご意見があったと思いますけれども、理解できるような資料の充実も重要ではないかと考えています。現行の指針・要領には保育の本質を表す豊かな表現が数多く盛り込まれており、それらはぜひ大切に残していただきたいと思っています。一方で実践の先生方からは、理念は理解できるが具体的な実践とのつながりが見えにくいという声も聞かれますので、普及版に加えて、そのトピックに合わせた様々な映像資料であったりとか、解説書であったりとか、そうしたことの充実を今後検討できると良いのではないかと考えております。以上でございます。
【秋田委員長】  堀委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】  はい、久保山でございます。高辻委員と重なるところが多いんですけれども、最後ですので蛇足を恐れずに申し上げたいと思います。
 前回の5月29日の会議で多様性の包摂ということを盛り込んでいただきたいというお願いをしました。そうしたところ今回特に3ページですね、「全ての乳幼児の育ちや学びを支える社会の在り方」という項立てができて、そもそも子供一人一人は多様なんだということ、その多様な姿を尊重するということ、多様性が包摂された園生活というような表現が盛り込まれたということを感謝申し上げたいと思います。またこれも重なるんですけど、この項が「特別な配慮を必要とする乳幼児への指導・支援」の項よりも前にあるということが非常に重要だと考えます。事務局のご検討・工夫に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 その上で今後に向けてということなんですけれども、保育所、認定こども園、幼稚園の現場は多様性の包摂とかインクルーシブ教育システムとかなどというはるか以前から多様であるということを前提に保育を計画して実践してきたと思うわけです。それが今回こうした形で文字化されたというのは、これまでの保育現場が悩みながら必死で頑張ってきてくださって、例えば保育室は水浸しになろうとも、あるいは眼鏡を掴まれて放り投げられようとも、それでも子供の前では笑顔で多様性を尊重してきた、その取組の後付けであるとも言えるかなと思います。ですから今回の取りまとめを通して、保育の世界では多様性を尊重するってことは当たり前なんだということ、それを当たり前にやってきたんだということを小学校以上の教育にしっかりと伝えていく、それから広く多くの皆様に知っていただきたいと願います。
 もちろん残念ながら現状では特別な配慮が必要な子供の在籍状況というのが園によってかなり偏りがあるというのも事実だと思います。前回述べましたように、今特別な配慮が必要だと言われている子供が10年後にはそういう表現をしなくても当たり前のようにどの園にもどのクラスにも存在するということ、そういうことを前提とした保育がなされるということを強く願っているところです。それには多様性が尊重される保育というのは実は質が高い保育なんだということをさらに研究していくことが大事だと思いますし、私で言えば、園における合理的配慮とか基礎的環境整備というのは具体的にどういうことなのかという大きな宿題がありますから、それを具体化するようなお手伝いをしていきたいと思っているところです。
 いずれにせよ今回の改訂を通じて、私たちは教育によって「共生社会の担い手」を育むんだということを強調したいと思いますし、「共生社会の担い手を育む」ということを教育の合言葉にしたいと願っています。各幼児施設それぞれ大変なんですけども、それぞれの園がそれぞれのクラスが小さな共生社会であるといいなと願います。そのためには私のような特別支援教育を専門とする者がもっと頑張んなくちゃいけないなという決意表明なんですけれども、保育の現場が安心して多様な子供を受け入れることができるようにどうしたらいいのかということを先生方とともに学んだり考えたり、そしてそれを発信していきたいと思っております。決意表明で終わって申し訳ありません。
【秋田委員長】  久保山委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして小松委員、お願いいたします。
【小松委員】  これまで資料の再検討、またまとめをいただきまして大変ありがとうございました。ここからの今後の方向性ということですけれども、先ほどの松井委員や堀委員からもございましたけれども、当たり前ですけども要領や指針という文書が直接子供に関わるわけではなくて、間に人ですとか組織というのが入ってくるわけでございます。私も教員養成の大学やまたその大学の附属幼稚園というところにおる者としては、これを養成や研修の中でどんなふうに理解していくのかということが大きな課題になってくるのかなと感じているところです。
 前回もお伝えしたんですけれども、今回の取りまとめの文章は非常に端的な言葉で内容がまとめられておりました。それからこれまでの議論にもありましたように、とても重要な理念、ある種の理想と言ってもいいかもしれません。そういうことが書かれているわけです。これがどういうふうに理解されて実際に実施されていくのか、正直に申しますと、やや危惧と言いますか、大丈夫かなと思うところもなくはございません。前回触れた例で言えば、例えば7ページでしたでしょうか。学びということがどう理解されるかとか、目的を形成、目的に向かって協同といった表現から何をイメージするかということを前回お話ししたと思うんですけれども、こういうことについて画一的な解釈を共有するということだけではなくて、実践と丁寧にすり合わせながら理解を共有させたり発展させていく必要があるんだろうと感じております。
 そのための基礎が作れるかどうかですね。これは大学も含めまして、シンプルにコストとリターンというような計算で済むところではないところがあると思っています。以前の会議でも1月の子供たちの理解を巡ってというところだったと思うんですけども、理念はあっても、現場で保育に関わる皆さんが話し合う場所とかファシリテーションがしっかりできてなければ、これはできないみたいなことを発言したことがあったと思いますけれども、そしてその中で、どうしても比較的分かりやすくてシンプルな答えに流れやすいところを、そうではなくて答えのないものを探究していくんだという、そういう方針や考え方が共有されて実現されていくということがとても大事だと思います。ちょっと抽象的な話で申し訳ないんですけれども、これは実践を踏まえながら時間をかけて丁寧で、かつ多様なやり取り、議論ができる条件、例えば人的な資源も含めてですけれども、それが保障されているかどうかということになってくると思います。そういう環境が大学も含めまして様々な場面で作られていくことの必要性ということを最後に申し上げておきたく思いました。
【秋田委員長】  小松委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして石山委員、お願いいたします。
【石山委員】  はい、石山です。よろしくお願いします。これまで本当にありがとうございました。私からは3点お伝えいたします。
 1点目は資料4ページの遊びの深まりっていうところについてです。こちらについても非常に遊びの深まりが実現していくまでのことが分かりやすく記載されておりますので、岸野委員もおっしゃっていましたが、私も保育者の探究的な学びという部分もやはり関連してくる。さらに園全体での学びの深まりが遊びの深まりに繋がっているという部分についてもぜひ確認したいなと感じました。
 2点目です。2点目は10ページ目になります。円滑な接続の在り方のところで矢印の2つ目のところになりますけども、架け橋期のカリキュラムを協働して作成するなどという部分で、今それぞれの市町村または学校区で進んでいるところではあります。ただ、つながりという部分をいろんな捉え方があると思いますので、その点についても少し整理したいなということを感じました。1つは表面的な子供の姿としてという部分ではなく、本質的な子供の資質・能力というところを語り合うべきだと感じます。就学前教育保育施設においては、心情・意欲・態度を重視しているというところがなかなか小学校側の方には伝わりづらい部分がありますので、その点について対話していくことの大切さを感じているところです。そのようなことで話し合っていくことで、架け橋期のカリキュラムの支援等のところに書かれてくる内容も、子供の姿の表面的な部分の記述だけではなく、主体的に関わろうとする、または意欲を高めるような、そのような支援・援助等も記載されてくるのではないかなと感じております。
 最後に3点目です。現場に伝えていくための工夫という部分についてお話しします。これまでもまとめの中で非常に分かりやすく示していただいております。だいぶ理念等も浸透してくるのではないかなと感じております。ただそれがやはり実践に結び付くというところになると、まだ少し難しさを感じています。このあと補助資料、動画等も考えられていると思いますけども、そこに実践にやはり結び付くもの、今回の補足イメージも含めて何か提供等があればさらに分かりやすい示しになると思います。そのほかには小学校以降での学習指導要領の総則のところに、円滑な接続について内容も記載されると思いますが、その際に幼児教育のところに飛ぶような、例えばQRコード等もあって小学校の学習指導要領を見ても幼稚園・教育・保育要領等も含めた部分も見られるような工夫も必要になってくると思います。小学校側の理解が進むという部分でもそこも考慮できればと感じました。最後は全部すべて共通して0から18歳まで資質・能力を育んでいくという観点で、それぞれの1枚もので見られるような資質・能力をこういうふうに育んでいるんですよというのが1番後ろの補足の資料の部分でもよろしいと思いますので、どの学習指導要領や教育要領を見てもそれが分かるものが共通してあればさらに乳幼児期の教育・保育の理解も進むのではないかと感じております。
【秋田委員長】  石山委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  保育現場として考えることは、幼児教育の質の向上は各園でその質を高めようと努力することはもちろんですけれども、社会全体でまず幼児教育を理解することから始まると考えておりますので、11ページに関するまとめを丁寧にしていただいたことを大変ありがたく思っています。各幼稚園・保育所・認定こども園の幼児教育を支える地域の体制の在り方ですが、そこにお示しいただきましたように、設置者や施設類型に関わらず幼児教育施設において3要領・指針に基づく質の高い幼児教育が行われるためには、園が存在するその地域全体が幼児教育の質に対して関心を持っていただかなければならないのですが、各施設を支える体制の整備がなかなか進まないのが現状です。
 私どもは現場として体制の整備を待っているだけではなくて、やはり保育現場から幼稚園から社会に働きかける工夫をすることが大事だと思い、私どもの地域の団体では幼稚園を飛び出して街中で公開保育をすることによって、多くの市民の皆様にも買い物をしながらでも気軽に保育を見ていただこうと、街中を幼稚園にすることをこの9月に計画しております。架け橋が遅々として進まないとただ待っているのではなく土曜日に街中で各園が保育をすることにより、小学校の先生方にも多くの市民の方にも保育の様子を気軽に見ていただくことができるような公開保育をする研修会となっています。街中にある市の公共施設である美術館やポータルミュージアム、歴史的建造物の中で保育をする。歴史的建造物の中には畳のお部屋しかありませんけれども、畳のお部屋であっても保育はできる。美術館は一般のお客様もいるわけですけれども、その中でその横で保育が行われている。街中に砂場も作って、砂遊びの豊かさを多くの人に見ていただき、感じていただくなど、私たちは子供が目の前にいれば、その環境の中で豊かな学びに繋がる保育を展開することができることを社会に伝え、そうすることによって子供が社会にいることの豊かさを感じていただき、幼児教育を支える地域体制の構築の一歩になればと思っております。
 実はこの研修会は東北地区の私立幼稚園の教員研修大会の一環で行うものですので、開催地には500人以上の保育者が集まるわけですけれども、保育現場としてただ地域の体制が整えばいいと願い待つだけではなく、研修会という機会を地域との連携に重ねていくことなど、幼児教育の質の向上は各園のことだけではなく、社会全体が支えて支援していくものだということをお感じいただけるように、幼児教育に携わる団体としてこれからも努めてまいりたいと思っております。これまでのおまとめをありがとうございました。私からは以上でございます。
【秋田委員長】  岡本委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  まずは事務局の皆様、主査、委員長におかれましては短期間でのお取りまとめ、本当にありがとうございました。改めてお礼申し上げます。
 私の方からは5ページと7ページにある、遊びの中で多様な動きを伴う体験の充実と身体感覚の育成に関して2点申し上げたいと思います。こちらは先ほどご説明があったとおり、前回までは「多様な動きを行う体験」を「伴う体験」としていただいたことで、多様な動きをより自然に結果として体験するというニュアンスになったように思いました。多様な動きを「行う」だとどうしてもその動きを行わせるとか、活動をやらせるというような印象があって、問題点として指摘されている一定のプログラムや一方向的な指導をさせることに繋がることも懸念されますが、ここを改めていただいたことで、保育者によって意図された環境のもとで自発的な活動を通して、結果的に多様な動きが引き出されて、その体験が積み重なることで動きを身に付けていくという意図が表現されて、誤解が生じにくくなったように思いました。
 こちらの4つ目の黒丸に記載がありますけれども、小学校体育科については現在、体育・保健体育ワーキングでも幼児教育段階との接続、発達の特性を踏まえて、現行の学習指導要領でも低学年は運動遊びとなっているところを、小学校4年生までの段階を運動遊びとする方向で検討されております。また運動遊びはいわゆるやらされではないことや、単なる自由遊びとは異なることなども強調されていて、この点においても幼児教育との相互の理解が深まって、より一層学びのつながりが図られることが期待できるのではないかと思っているところです。
 それからもう1点ですが、7ページの左側の4つ目の黒丸では、「文部科学省・スポーツ庁・自治体等が行う幼児の運動促進のための取組を活用することも」とありますけれども、スポーツ庁では幼児期からの運動習慣形成プロジェクトを展開していて、幼児期における運動の重要性に関する情報を発信したり、幼児期運動指針や日本スポーツ協会のアクティブチャイルドプログラムの活用等を通じた運動遊びの機会の充実を促進する事業を行っています。幼児期からの体を動かす習慣の形成は保護者等の意識や行動の影響も大きいですし、幼児期運動指針でも園に限らず家庭や地域での活動を含めた1日の生活全体の身体活動を射程としております。こちらの資料でも「領域『健康』等における指導に加え」とありますが、園内に限った取組としてだけではなく、保育内容としてだけではなく、子供の1日の生活全体としての捉えの中で、保護者への啓発や理解を促していくことも引き続き園の役割として重要であると考えております。
【秋田委員長】  吉田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】  短期間の間に取りまとめいただきありがとうございます。乳幼児教育センターの立場としての少し感想になるんですけれども述べさせていただきます。
 「2. 資質・能力の在り方や構造化のポイント」、「3. 内容改善での0歳から18歳までの学びのつながり、連続性」、それから「4. 指導・評価の改善・充実の在り方」の遊びの中の学びを見取る視点については重要であると感じるとともに、やっぱり十分に理解していく必要があり、現場の園の皆さんにどのように伝えていくと良いのか、私自身が学んでいく必要性を感じました。また「7. 幼児教育と小学校教育との接続の在り方」では、これまでも言われてきたものではありますが、さらに進めて架け橋期のカリキュラム作成、対話の重要性や教育委員会と担当部局が連携すること、小学校と園が連携し相互理解していくことが示され、ここはやはり行政、私たち乳幼児教育センター等の役割の重要性を感じています。また「8. 家庭や地域との連携支援の在り方」については、保護者と保育者を乳幼児教育や育ちや学びを共に支える関係性と示していただいていますが、さらに協働していくパートナーという関係性が重要であるとも感じました。
 11ページなんですけれども、こちらも前回の会議をまとめていただき、「9. 幼児教育を支える地域の体制の在り方」なんですけれども、今回の専門委員会ワーキングで検討された内容とその趣旨が本当の意味で現場に浸透していくことが大変重要だなと感じています。そのためにはあらゆる方法で現場に伝えていくことが必要ですし、その1つであるのが地域の私たちのような乳幼児教育センターであると思っています。乳幼児教育の専門性を有する専門人材として、教育委員会における指導主事や市長部局、児童福祉部局における保育指導職の育成と配置を促進して、指導や助言・援助を積極的に行うことが本当に重要だなと感じています。そしてその地域の専門職が内容やこの趣旨を理解してなければ、さらに現場の方には伝わっていかないと感じています。
 ただそういう場は少ないように感じますので、指導や助言、それから援助にあたる専門職が学ぶ機会を創出し、育成を図っていくことも必要です。都道府県の幼児教育センターや国立教育政策研究所幼児教育研究センター、そして大学が中心となってぜひこうした学ぶ機会を作っていただけるとありがたいと思います。これまで実施されてきた保育実践充実推進のための中央セミナーや幼児教育の理解・発展推進事業、中央協議会と言われるものは同じ指導を担当する専門職同士で情報交換を行ったり学び合ったりする機会となっていましたので、そうした機会も重要ではないかとも思っています。また松井委員からもあったように、これまでの会議の中で補足資料として示していただいた内容が解説書の中で示されると分かりやすいと感じました。
 最後です。通っている園種は違っても乳幼児教育としての内容は同じである必要があることを踏まえると、北野委員がおっしゃられたように一本化されるということを私も願っております。内容については整合性も図られてきましたけれども、名実ともに一緒になっていく方が私たちも現場にお伝えしやすいと感じます。同じ乳幼児教育施設として乳幼児教育を理解して保育していくために活用されるものになってほしいと願っていますし、そうなるように私自身も学び続け伝え続けていきたいと感じております。
【秋田委員長】  飯田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして北野委員、お願いいたします。
【北野幸子委員】  よろしくお願いします。これまでの議論を分かりやすく丁寧にまとめていただいて、皆様に本当に深く心から感謝します。私からは新たに提示してくださった11ページの「9. 地域体制の在り方」と関わって、それからまた今後現場にいかに寄与できるかについてコメントさせていただきたいと思います。
 11ページ「9. 地域体制の在り方」と関わり、地域における保育の質の向上を図る上で、公開保育を実施や、ミドルリーダーの育成等の取組は極めて重要であると私は考えます。昨年度12月に開催された中央セミナーで神戸市の事例を報告させていただきましたが、実はちょうど昨日、今年度のキックオフのプロジェクト会議を神戸大学の附属幼稚園でさせていただきました。9年目に入りました。公開保育は希望が多くて厳選しなければならないというような事態に去年もなっていて、35回の公開保育で862人参加がありました。昨日は会議前に附属幼稚園の公開と附属幼稚園の園長が講演をしてくださいました。国立大学の附属の使命を果たしてくださっていると思います。国研の幼児教育研究センターや各地の乳幼児教育センターと同様に、いわゆる附属幼稚園にも大いに機能が期待されると思います。
 人材不足について、これはあらゆる分野で起こってますが、保育分野は極めて深刻だということが昨日も話題になりました。今年度はその公開保育や事例検討会等々に加えて、保育の魅力を発信すること、保育専門職の専門性について、乳幼児の遊びを深まりを支え、人の関わる力を育てる、多様性の包摂も掲げられてますが、その独自性と重要性を発信することが大切であり、このことの発信することも神戸市乳幼児保育研究部会で進めていこうということになりました。国研の幼児教育研究センターの最新の報告書で、私は保育の質に関わる国際的な研究動向の整理をさせていただきました。2023年にもさせていただいて同様に整理しましたが、そのときと比較すると研究のキーワード「幼児期の保育者」が、前回7位が3位になっている。それから前回上位25項目には入っていなかた「保育者と子供の関係性」が19位となっています。
 ご承知のとおりOECDの2025年に出たスターティングストロング8においても、社会全体の大きな不平等の縮減、そして格差の是正のロードマップの二つ目に、一つ目は保育保障なのですが二つ目が「すべての子供と保育専門職との意義深い相互作用」の保障があげられてます。次世代育成の専門職は対象とする子供の年齢に関わらず重要であるということ、これが人権の観点から私は前提だという強い信念を持っています。現在人材不足が問題化されていまが、すでに2005年のOECDの報告書「教師の重要性、Teachers Matter」において、教師不足の改善には資格の階層化、高度化、働き方改革、処遇改善、そして仕事の社会的評価、つまりプレゼンスの向上が必要だとあげられてる。何度も申し上げてすいません。でもこの五つ目についてこのたびこども家庭庁の方で新設してくださった保「育士等のミドルリーダーの活用による保育の質向上の推進事業」、この支援を受けて神戸市でも今年は広く市民や学生に「乳幼児の命を守り心を支えて学びを広げる保育専門職の重要性」というテーマでシンポジウムを、それこそ佐々木先生や飯田先生にも力添えをいただいて8月4日に計画しています。
 保育者や地域の方々との連携・協働は今後ますます必要となると思います。保育の重要性や独自性、それへの理解、それから保育者がいかに高い専門性を有する専門職なのか。その専門職としてのまっとうな評価が浸透していくことが大切だと考えています。保育専門職については保育が環境を通じた教育であるというその独自性、遊びの深まりを支えるというには5領域のねらいと内容の理解の深化、独自な内容・方法への理解を深めることが大事で、それに基づいてこそ総合的な指導が保育において可能となると考えます。養成教育や現職教育において要領・指針の内容をいかに伝えるのか。要領・指針が保育専門職の拠り所にいかになるのか、どうやったら支えるものになるのか。私自身が今後微力ながら尽力できることをしっかり考えて実行したい。私も意見表明みたいになりました。
【秋田委員長】  北野委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして川越委員、お願いいたします。
【川越委員】  短い時間でのお取りまとめ、本当にありがとうございます。前回の協議の内容が反映されており、事務局の方の皆様のご苦労いかばかりかと拝察いたします。私からは伺いたいことが一つと、あと現場にこれらの理念をどのように周知するかということ、二点について述べさせてください。
 一つ確認をしたいというか、教えていただきたいなと思ったことがあります。前回の協議の中で乳幼児と幼児、いろいろな言葉が混ざってるというところがありましたが、そこがとても整理されてきているなと思った中で、5ページ、0歳からの学びのつながりというところでは「乳幼児は」というふうにあるんですけども、例えば「多様な動きを伴う」のところが「幼児期」だったり、2ポツ目のところは「幼児」となっていたりというところが、「幼児」になってるなと思いました。これは動きのことだから「幼児」ということになっているのか、どうなのかなと思っておりました。そこに対応するというか、7ページのところの内容の改善の在り方のところでの多様な動きのところでは、「0歳児から」とか「乳幼児の自発的な活動として」とあるので、ここは乳幼児と幼児をどういうふうに分けて考えたらいいのかなというところが拝読していて感じたところでございます。何か機会があったら教えてください。
 そして全体を通してなんですけども、現場にいる者としてこれらの理念をどのように現場の方に周知をしていくかということについて、皆様からも同じような意見がありましたが、一つは具体的な事例とともにこれらの理念をご説明いただくとよいかなと思いました。特に遊びの深まりということが新しく出てきたので、これについてはもしかしたらそれぞれでいろんな解釈とか理解がありそうな気がします。そこで私たちが現場で実践で日常的にやっていることで、「ここがこの改訂のポイントである」というような示し方、決して好事例ではなくって等身大の実践でそこをご説明いただけると、現場も分かるのかなと思いましたので、解説であったり何かの資料でそのようにお示しいただくと分かりやすいなと感じました。ちょっと先の話になりますが、また10年後とかにこの改訂があると考えたときに、今の若手教員が中心となってこの改訂の作業を進めていくことになると思います。この今の若手教員が実践を積み上げていく中で、今回の改訂の内容がきちんと理解されるようにということを考えると、等身大の実践での結びつきということをお願いしたいなと思っております。
 そして二つ目なんですけども、施設類型に関わらずどの園でもこの要領・指針に則った保育実践がされるようにということで、このワーキングの初めの方にこの要領・指針に則った保育がなされてない園があるというようなご指摘もありましたが、私も地域の幼保小の協議会で聞くことが、現場の保育士さんたちは主体的な遊びの大切さということはよく分かっているんだけども、どうしても会社の方針で、例えば知育に偏ったような実践をしなきゃならないというようなお話を聞くこともございました。きっとこれからこの改訂のことを広めていかれるときに、首長部局であったりとか、あとは教育委員会の方に説明があってそれが現場に降りてくるというような構図は考えられるんですけども、例えば保育には直接は関わらないが保育内容に大きく関わりのある、園を経営される方たちにもしっかりと説明や理解を促していただいて、例えば市町村の教育目標とか、あとは私立の方であったら例えば建学の精神にそのようなことを盛り込んでいただくようなことをお願いしていただきたいなと思っております。そうすると現場の先生方も、同じような子供の姿から同じように見取って話ができるのかなと感じました。以上でございます。
【秋田委員長】  川越委員、どうもありがとうございました。先ほどの5ページと7ページの表現は今事務局の方で補足をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 すいません、5ページと7ページなんですけども、前回は0歳から2歳、それから3から5歳で少し分けて書いていた影響で、乳児と乳幼児の記載が少し混ざってるとこあります。このあとご指摘を踏まえて精査したいと思います。
【秋田委員長】  じゃあさらにまた精査をお願いいたします。それでは続きまして柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】  はい、よろしくお願いいたします。この場で取りまとめて本当にどうもありがとうございました。大量な意見がある中でいろんなご配慮をいただきながら作っていただけたこと、本当に感謝してます。
 その上でなんですけども、今回現場で実践、実現されていくために必要な施策を含めってことなので、内容というよりは現場の人間なのでそちらを中心にお話しさせていただければと思います。まず一番スタートのところは2ページにあるように、3要領・指針に基づく実践の課題がやっぱりあって、今川越委員がおっしゃったように、現状のものであってもそれが現場としてはできていない、要領・指針の内容が子供たちに届いてないっていうことの課題があります。この課題をやはり解決するということが一番大事だと思って、今回もそのような内容になってるのかなと考えています。それではどう解決していくかっていうと、今回の改訂、皆さんおっしゃってるように、この改訂がやっぱり子供に届くってことが一番大事で、日本全国すべての園に届いていく、そこの園で今回の内容を実施していくってことがやっぱり重要なのかなと。そこを目指していくってことが大事なのかなと考えています。
 では、そのためにどうしたらいいかっていうことなんですけども、例えばですけども、子ども・子育て支援法には集団指導っていう項目があって、これが運営の指導みたいに考えられて、給付であったりとか施設運営であったが内容となっていますただこれはやっぱり保育内容にも該当するものであると思いますので、やはり市区町村だとかそういったところが集団指導ですべての園に届くような形を、年に1回以上みたいな規定があったと思いますので、そういったことでまず集団的に、指導という言葉がいいのかどうかは別にしても、法律・規定ありますのでそれを行っていく。または10年間でPDCAサイクルをきちんと考えていく。どれぐらいその指導によって成果が上がって保育が変わっていったのか、子供たちの生活が豊かになったのかっていうことがなされてないと思いますので、それを全国津々浦々いろんなところでPDCAサイクルを回していって10年単位でどういう結果が出ているのかってことが大事なのかなと考えます。その上ではやっはり調査をしてデータ化していく。どれぐらいの園が子供主体の保育をしているのかなどと。これ多分なかなか難しいと思うんですけど、ほかの専門家の先生方や教育センター等である程度の項目を作っていただいて、きちんとそれが反映されるような状況にしてい、絵に描いた餅みたいな形で素晴らしいものはできて、素晴らしい解説書はできたけど届いてないということになる。現在私も養成校とか、特に小さな専門学校さん等で運営の方に少し意見を言う立場にあるのですけど、そういったところでは学長先生ですら今回改訂の話が出てることすら知らない。職員の方も知らない。そんなことはやってるんですねみたいな話すらあるので、そういった養成校の存在も知っていただきたい。もちろん素晴らしい国公立であったりとか、研究熱心にやられてるところでは分かってる話なんですけど、そうではないところが全国にはたくさんあって、そこの出身の養成校の出身を雇っている事業者があって、そこで保育を受けてる子供たちがいるっていう状況があると思います。保育現場の方でも、保育施設も素晴らしい園さんがいろんな発表するところは学会だとかで目にすると思うんですけど、そうじゃない園がたくさんある。そこでの保育に対して今回の要領・指針をきちんと届けていって保育を変えていくっていう作業が必要になってきますので、かなり私も事業者なので自分の首を絞めたりするような発言にはなってるんですけども、そこをしっかりやってく必要があるかなと思います。
 また第三者評価です。第三者評価は努力義務になってますけども、これを義務化して、例えば幼稚園であっても給付をいただいてるところであればきちんと第三者評価を受けていく。また北野先生やいろんな方が公開保育の重要性って、これも公開保育、今小学校接続の加算にはなってますけども、きちんとこれも義務化して、どの施設であっても公開保育と第三者評価を受けていく。そうすると今度第三者評価の機関が必要になってくるので、その機関は今も様々いろんなところと付き合ってますけども、今回は指針・要領の内容に対しての理解をされた評価機関をきちんと国が厳しく審査をして、その指導に基づいて要領・指針の評価を行っていく。それを公表、どういった形の公表になるか分かりませんけど、そこをPDCAサイクルで回していくと、この10年間でもだいぶ全国のいろんな園の保育が変わっていって、今回の素晴らしい指針・要領の内容が子供たちに届くのかなと思っています。
 また久保山先生がおっしゃったように、共生社会の担い手を作るって、本当にまさにそのとおりだと思っていて。現状ではやっぱりたらい回しが発生するにもかかわらず、人材不足であったりとか、体制が整ってないということで、入園を拒否している状況がいろんなところで行っています。外国人の方もそうですし、障害のある方もそう。そういった子たちがやはりいることが大事で、その子たちだけじゃなくて、その子たちが集団にいることによって、ほかの子たちにとって学びが多くなって、そして優しい心が育ったり、また生涯にわたるいじめがなくなっていったり、いろんなことがあると思うんです。そこでの学びを失わさせてしまってる状況が非常にもったいないと思いますので、ここもやはりグリップをかけて、例えば39週のコアタイム、幼児教育とされる部分だけでも、例えば療育機関に通ってる子でも、特別な家庭で保育を行ってる子でも、そこは集団の一員としてきちんと参加できるような仕組みを、それも加算なのか何なのか、きちんとルール化するのか分からないんですけども、そういったことをきちんとやっていけば、このインクルージョンっていうものは、ある意味乳幼児期においてはどの園でも必ずされて、そしてそこの地域で生まれたら必ずどこかに地域での集団の行き場が生まれてくるのかなと考えてます。
 また地域の連携とかですけれども、やっぱりこれ我々も少し考え方変えなくちゃいけないと思うんですけれども、事業者はその事業を中心に地域と繋がろうと思うんですけども、実は子供側からすると時間軸も地域の横軸もそうですけれども、ある意味子供たちの生活の一部を我々が預かってる状態なので、連携なんて当たり前な話なんですよね。連携をしなくちゃいけないとか、連携して良くなるっていうことではなくて、子供が発達していれば家庭から施設、施設から学校、義務教育に繋がるのは当然ですし、地域も園に通ってる以外の時間に地域で育つんであれば、そこは当たり前に繋がるべきだと思うんです。なのでこれを、どういう形で社会に今回のもので連携をしましょうってことを伝えていくんであっても、ある意味我々のような施設は地域の1つの社会的なインフラであって、だからこそ繋がるべきなんです。子供の生活はすべて繋がってるからです。幼稚園に、保育園、こども園に繋がるべきですとか、幼稚園が繋がっていきましょうではなくて、当たり前かのように繋がっていく仕組みを作るということが大事。子供の生活が繋がっていれば必ずほかの関係機関や小学校と繋がるので、それはもう小学校以降の施設も同様だと思うんですね。小学校の子供たちに今何度も会議の中で言ってますけど、問題行動の低年齢化があればそれが小学校のスタートで、小学校内で解決できるものではなくて、やっぱり接続をしてその下の家庭だったり乳幼児施設と連携をして子供たちが集団の中でどういう育み方をしたほうがいいのかってことは多分小学校以降の教育にも繋がっていくものなので、そういった意味で1つの社会のインフラとして我々が機能するためには連携は当たり前だっていうものの言い方の方が事業者は分かるのかなと思っています。大体事業者目線で言うとそういう形になるので。
 あとはやっはり先ほど最初に言ったように、本当に全国いろんなところにはいろんな園があるので、最初の課題になったような園や養成校、そのような保育事業者が全国にあるんです。だから保育の質がよいいとされてる園だけではなくて、そういった事業者ところも見ていただいて、そしてじゃあそういったところの学校や園にどう届けていくかってことを考えていくといいのかなと思うので、大変だと思うんですけども、官僚の皆様や関係者の皆様、そういったところを見ていただいて指導するわけではなくても、そういう園が今回の改訂の指針・要領の内容を理解し保育をできるような形を整えていくと、多くの子供たちの元に届く、今回の改訂した要領・指針が届くのかなと思っています。
【秋田委員長】  柿沼委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして河合主査代理お願いいたします。
【河合主査代理】  河合でございます。本当に短時間で精査をしていただきまして、より内容が反映されて、とりわけ0歳からの学びのつながりが読み取りやすくなったと思います。今回論点はそれぞれに書き示されてるんですが、論点それぞれが有機的に繋がってることの重要性、またそれを確認して示すことができたということも大変重要だと考えています。15ページの資料を本当に分かりやすく、またさらに乳幼児理解の深まりと教育的意図の関係性もよく分かるようになりましたし、ここで言えば本当に幼児教育の始まりはすべて乳幼児理解から始まるのであって、そこに子供たちの理解を、あと5領域のねらい・内容から教育的な意図を込めて環境を構成して、全部一直線ではないんですけれど、この図で言えばそれが右側の子供たちの遊びの深まりにつながり、それをまた学びを見取って振り返り園内で共有する、さらにここで検討されたのが、この流れを小学校と一緒に見取ることで、それが子供の学びや発達が小学校に繋がっていくことにも実効性がある話も出ていました。さらに地域や家庭にもこのことを伝えることが重要。つまり論点のすべてが関連してるということを改めて私も深く心に刻んだ次第です。今回0歳から18歳を見通して発達や学びを繋げていくという点が一層実現に向かっていく改訂だと考えております。
 家庭との連携についても話し合いが行われていますが、子供の人生の基盤となる時期であるので、幼児教育については家庭との連携は今柿沼委員もおっしゃったとおり当然のことであり、極めて重要なことだと考えます。今回園と家庭がお互いを尊重しつつ共に子育てをするパートナーとしての関係の構築や、必要な家庭には支援を届けていく、そしてその中で大人自身のウェルビーイングを育む場としての園の役割も語られたかと思います。さらに長時間保育を受ける子供への配慮、そして幼稚園や認定こども園における教育課程時間終了後等の教育活動についても話が及びました。そこでは子育ての多様なニーズに対応しているという意味合いがあること、それからその時間を過ごす子供たちにとってただ預かるのではなくて、子供の豊かな時間になることの重要性、そしてそれを支えるには体制整備や支援が必要だということも確認されたところだと考えております。
 次、11ページで細かいところではないんですが、体制のことも触れられています。本当にすべての幼児教育施設で大切なことを行っていくんだと思います。多分簡単ではないと思います。ですので覚悟と誇りを持って私も取り組んでいきたいと思います。私も決意表明をさせていただきます。みんなで行っていくためには、実は環境を通して行うとか、それから自発的な活動としての遊び、みんなやっているつもりで同じ言葉を使ってるんだけれど、施設やそれは施設類型または各園で捉え方が異なる言葉もあるのだと思います。さらに乳幼児理解に基づく評価、そして深い学びといった、これまでもあったまたは新しいキーワードも出てくるということになりますので、告示に向けて、またそのお知らせに向けては新たなキーワード等も含めて改めてその意味合いとか定義とか確認したり、共通理解を図ったり整合を図っていくということも大切なことではないかなと思います。こうしたことは解説に書かれていくことかと思います。一方で分かりやすさっていうことが一律の考えとか一律の教材や方法ではないということも改めてお伝えし、皆さんと共通理解したいと思います。もう分かったよって思った瞬間に考えることをやめてしまうと思うので、それに基づいて私たちはどうしていくのか、園も地域も考えながら保育を創造していくというところに幼児教育の重要性もあるかと思いますので、このことをお伝えしたいと思います。
 それに向けてはこれまでに公表された補足のための各種資料を含めて、実践を支える資料集とか研修の実施、地域の研修を支える体制整備がさらに推進されていくことが大事だと思います。そして体制整備のために尽力されている自治体や教育委員会の担当者の方々のお話も多く聞くことがありますので、そうした方も支えていけるようなことが大事だと思います。幼保小接続が引き続きしっかり進めていけるような体制を整え、維持していくことも重要だと思っております。そして資料、研修という点では、これまで取り組んできた方には一層の充実に向けて、そしてここからまたは改めて取り組むんだっていう方へは一歩踏み出しやすいような、そうした内容や提供の工夫も必要かと思います。そうした点で地域での研修会の充実とともにミドルリーダーの育成、また園内研究が自律的に行われていくような支えになるような支援、そうした多様な支援の在り方を検討し実施していくことが大切だと考えております。どの研修でも対話をしながら自分たちの実践と引きつけながら検討していくこと、そのことが一番大事なことだと私は考えております。
 最後になりますが、合同会議という場が設けられて多様な立場の方々のお話を伺う中で、自分の視野が狭かったなっていうことに直面したり、新しい気づきとか共に考えて深めていくということの良さとかありがたさを実感しました。このことは今後進んでいく子供の姿を真ん中に、地域の中でみんなで対話しながら取り組んでいくということの一部分でもあるかなと思いながら感想を最後に述べさせていただきました。本当にありがとうございます。
【秋田委員長】  河合主査代理ありがとうございます。それでは続きまして大豆生田委員長代理お願いをいたします。
【大豆生田委員長代理】  はい、大豆生田です。これまでの取りまとめありがとうございました。前回までのたくさん出た意見がこれだけ丁寧に反映させていただき、さらに素晴らしいものとなっていますこと、ほんと感謝申し上げます。まず特に0歳からの学びという点の明確な提示や、遊びの深まりのところが本当に明確に示されている点など、とても重要な点が示されてきたのではないかと思います。
 その上で何点かお話しさせていただければと思いますけれども、1つは先ほどから柿沼委員等から出ていますように、これをいかにもちろん現場は当然のこと、養成、それから保護者や一般の方にも含めて、日本の乳幼児期の教育・保育というものがこれだけ重要なことをメッセージしているんだということをどう発信していくかという仕組みをどう作っていくかということが重要だと思います。それは以前もお話あったように、もしかすると子供たちの動画なども含めて、現場の動画等も含めてということもあるでしょうし、様々な配信の方法なども含めて工夫していくということも求められるのかもしれません。
 そのことと関連しながら11ページのところのお話に行きたいと思いますが、11ページの右側の方で特に地域の体制というところについて、これも今河合委員や北野委員などがお話しされていたように、まさにこのことがどう広がっていくかというところでは、幼児教育センター等々、あるいは自治体の役割等々が重要になってくるということになると思います。その中でも園内研修に加えて、地域の研修の厚みを増していく、地域の研修の厚みを増していくということの中に、公開保育が当たり前になっていくということが、このことを深めていくことでとても重要になっていくと思います。そうだとすると、公開保育を行う上ではいかにそれを伴走する役割の方ということが重要になってきます。幼児教育アドバイザーだけではなくって、当事者性を持った存在、ミドルリーダーの育成ということが今行われていますけれども、多層的にそれを支えていく、みんながこれを広げていく当事者的な存在の役割も含めて、このことの体制づくりということが重要になってくるだろうと思います。この点がまず1点目です。
 少し話が変わりますけれども、2点目、4ページの遊びの深まりのところです。この遊びの深まりのところは本当に前回申し上げさせていただいた環境の再構成、つまりこれまでの日本の幼児教育が大事にしてきた環境を通した教育ということが基盤になって、この遊びの深まりがなされるんだということがとても重要であることが明確に示されたと思います。これはここに記されるというよりも、もしかすると解説書なのかもしれません。前回もご意見がいくつか出ていたように、遊びというものが本来、遊びとは子供が遊びだと感じているものが遊びだという遊びの原点のところ。昨日公開保育がありましたけれども、そこでは小さな子たちが水たまりで水をピシャピシャとただ跳ね上げて、それをまるでリズムのように楽しんでいるだけのように見えることの豊かさ、それは深まっていくというよりはそこで終わることかもしれないけれども、そういうことがそもそも遊びの、それはもしかすると倉橋惣三が言っていた「さながらの生活」ということが、そういうことから始まる原点の中に遊びの深まりということが多分位置付けられていたのだと思います。この中でも遊びのプロセスということが書いてありますので、そのことが含まれていることだと思いますけれども、このことが解説書等でもしっかりと示されることによって、遊びということが本来持っている大事さに加えて、遊びが深まっていく、学びであるということの大切さ、この両面のことが兼ね合って伝えられていくということが、よりよくこの遊びの本質を捉えた遊びが学びになっていくということになっていくのだと思いますので、そのことが今後の解説書等も含めて丁寧に記され、発信されていくことが重要だろうと思っています。
 まさにこの全体のところの中でも、乳幼児期の教育・保育が大事にしてきた視点の根幹のところが示され、特に子供の思いや願いのようなことが根幹に置かれることが、まさに子供が主体的な学び手であるということが明確に示されつつ、これが発信されていくことはとても大事なことだと思っています。私からは以上です。
【秋田委員長】  大豆生田委員長代理、どうもありがとうございます。それでは続きまして、古賀主査お願いいたします。
【古賀主査】  はい、ここまでの熱心なご議論を賜り誠にありがとうございました。文部科学省とこども家庭庁の合同ワーキングという形で、日本の幼児教育の質向上に向けた要領・指針の改訂の議論ができたことが、まずは大きな一歩でありますが、これが形だけに終わらず、実を伴うということが非常に重要です。今日皆様がご議論くださったそのとおりだと思っております。
 今回要領・指針の改訂の方向性として、遊びの深まりということが打ち出されたことが非常に重要だと考えております。現在現場では複雑な家庭的背景を背負った子供が増え、多様な子供の姿、保護者の姿があります。発達に対するリスクを背負った子供たちにとって、質の高い幼児教育が重要であるということは世界の常識となっています。つまりは、自発的に遊んでいればいいということではなく、その先の遊びの深まりをすべての幼児教育施設において生み出すのだということが重要です。遊びの深まりとは何かということを、現場の先生方が子供の姿を見て議論し、保育の内容の探究を深め、環境と援助の工夫をし、実践の質を高めていく、そのことによって様々なハイリスクな状況に置かれている子供を含めたすべての子供のウェルビーイング、育ちと学びを支えるということに繋がるはずで、非常に価値のあることに向かおうとする要領・指針改訂の方向性だと思っています。ただ、多くの先生方が今日おっしゃってくださったように、どうこれを全国津々浦々の園で実現するかが重要です。
 すべての現場が良質な保育を生み出すことに向けて、質改善の仕組みを園内、架け橋ブロックの幼保小、縦の関係と幼児教育施設横の関係、また地域を超えたつながりの中で多層的に機能させ続けていくということが求められます。今回記録ということが出てきておりますけれども、活動の記録だけではなく、子供の姿を記録するということ。それを基に見取りに関して学び合い、対話するということ。架け橋ブロックでは共通の視点を用いた対話のための資料というものが出てきておりますけれども、その対話のための記録を作成し活用することで、資質・能力を視点として子供の遊びの深まりと学びの深まりを生み出す、幼保小それぞれの実践の質向上に向けた先生方の教育内容と方法の探究がなされるということが重要です。
 また、幼児教育センターが民間園に訪問支援で入っていきにくいというようなことは、毎年中央協議会、中央セミナーでも課題となり続けています。このことについてどう改善に向かえるのか、各団体がこの要領・指針の実現に向けて協力関係を結び、互いの実践を開き、学び合う仕組みづくりを幼児教育センターと協働で行っていく時代に入るべきだと思います。すべては子供たちの育ちと学びのために、すべての幼児教育施設で遊びの深まりを実現させるために、そして今回0歳からの幼児教育と定義されたものが社会的に正当に評価されるために、関連団体と幼児教育センターと教育委員会、それは幼児教育所管の部局だけではなく、小学校以上の学校教育に関わっている教育委員会部局とも協働することが重要です。これについては国レベルで構造的に展開する必要があると思っています。
 また、保護者や地域社会にどう幼児教育の重要性を伝え、連携、協力していくかということも未だ大きな課題です。ここまでの検討の中で、家庭は子育ての主体者として、そして保育者は幼児教育の専門性を持つ者として連携していくということが打ち出されました。この連携と言っているものをどう充実させて、子供の学びと育ちを支えるパートナーとして、同じ方向を向いて考え合える関係を築いていけるかどうかが肝心なところです。子供を真ん中により良い在り方を共に考え、実際に動いてより良い実践を作っていくパートナーシップを形成していくような展開が非常に重要になるというのは、それは子供の育ちの危惧もありますけれども、それだけでなく、特に保護者との関係は年々難しさが増しています。疲弊する教職員が増えています。そういったことを私は危惧いたしております。保育専門職の先生方の人権を守り、安心して働ける環境づくりが、これまでより一歩、二歩進めた形でなされなければ、優秀な先生方が現場からいなくなってしまうということにもなりかねません。教職員向けの心理カウンセラー派遣なども必要とされていると思います。そういった先生方が安心して働けることを基盤としていかなければ、これまで検討してきたことがすべてぐらついてしまいます。保育の質を高める園を取り巻く多層的な質向上システムの展開を充実させていくためにも、保護者と地域とのパートナーシップの重要性は強調しておきたいと存じます。
 以上、先生方と共にこれまで進めてきた今日までの議論に改めて感謝申し上げたいと思います。今後も引き続き実践現場と共に現実をすべての子供のために動かしていくことに心を込めて取り組んでいきたいと思います。
【秋田委員長】  古賀主査、どうもありがとうございました。私の方からも一言ご挨拶させていただきたいと思います。
 ここまでに一本化できましたのは、まさに文部科学省、こども家庭庁の関係の職員の皆様が本当に一堂に会して心を込めて、委員の皆様の一言一言を受け止めて作り上げて、一緒に作り上げてきたものがここに出されているということが、私は大変ありがたく感じているところでございます。そして、これはただ現行のものを一本にという方向だけではなく、これからの未来を見据えまして、やはりこれから少子化、少子高齢化していく、また生成AIを始め、急激なデジタル化の中において、乳幼児期に何が一番必要なのかというところを、こども基本法ができまして、まさに子供の権利、そしてこどもまんなか社会の実現のために関係省庁が一緒になり、そして施設類型に関わらず、皆が同じ形で乳幼児の幼児教育を受けられるというところを目指してきたものとして位置付けることができると思います。
 そして、これが先ほどからもお話がありました遊びの深まり、そしてこれが学習指導要領の深い学びとの接続をしていく、その基盤を作っていく。また、多様性の包摂というのも今度の新学習指導要領の大きな柱でございますが、それを乳幼児期には特別な支援だけではなくて、一人一人が元々多様なんだ、それを理解し受け止めていく、そしてそういう社会を作っていくことが共生社会になっていくのだと、今日も久保山委員や小枝委員もお話しくださいました。そういう姿がここに書き込めたことはとても重要なことだろうと思っております。また、先ほど岸野委員や石山委員が話してくださいましたように、そのためには子供が探究するだけではなくて、保育者や園や、そして地域、ご家庭がみんなでワクワクしながら探究をしていく。そういう輪を作る起点にこのまとめがなっていくことが重要であります。そのためには伝え方ということで、この文章だけでは皆さんが何が新しく、何がワクワクするのかが見えませんので、これをさらに一般の皆さんに伝えられるような形を作っていく、委員の皆様が言われましたような形にしてまいりたいと私も思うところであります。
 そこには逆にデジタル社会に向かうことが推進してくれるのではないか。従来であれば伝言ゲームのように行われていたものが、誰でもがこの動画を見ればその心、真髄が分かるというようなものや分かりやすい版や詳しい版というものを全国一律に見て対話をすることが初めて可能な時代になり、そこに向けた伝え方は何かということを考えていくことが重要になると思います。また、周知というのは関係者と言われる人だけではなく、広く社会の皆さんに、私どもは100か月の育ちビジョンというものを国民に向けて作りましたけれども、今回は乳幼児、そして主には小学校のご関係者にやはり分かっていただくような形で発信ができたらいいのではないだろうかと考えるところでございます。
 今回、文部科学省の方では学習指導要領の部会と、それから教員養成部会が両輪になりまして、それによって学習指導要領の改訂の内容を即刻生かせるような教員養成や研修の在り方を養成・採用・研修で考えてございます。それと同じように、今回、まだ現在検討中でございますが、幼稚園や幼稚園教諭、それから保育教諭、そして保育士の養成が一緒になってやはり回していきながら、それとこの指針や要領の改訂が両輪となって一層プッシュしていけるように進んでまいれたらいいのではないかと私自身は考えているところでございます。
 そしてまた、それだけではなくて、これから現在もそうですが、残念なことでございますけれども、やはり少子化とともに公立の施設が現在減ってきているということがございます。その中でやはりいろいろな事業者が、先ほどの柿沼委員もお話がありました、幅広くいろいろな方にご理解をいただいて、公立か施設か民営か私立かというようなことではなく、その事業主体の方たちにもよくご理解をいただくということが、保育者の方が一層働きやすくなっていくためには重要なところなのではないかと私自身考えているところでございます。
 12ページ、13ページのところが、これから多分小学校以上にこの九点のまとめや次の図というものがあらゆる学校種に開かれてまいるわけでございますけれども、本当に一つたりとも落とすことができない九点に集約をしていただいていると思いますので、これが分かりやすく今後伝わっていくといいなと考えているところでございます。また一方で、小学校の方で言いますと、今回はカリキュラムはデジタル化しますので、それと関連して関連の資料であったり、関連のURLであったりが全部リンクしていくような方向で検討がなされています。そこにこちらの一本化、どのような形になるか分かりませんが、要領・指針もデジタル化し、そしてそれと連携を図っていきながら、様々な資料も事例集も合わせて見れることで、ばらばらに冊子ではなくってデジタルで繋がっていくような形の構造が作れると良いのではないかと私自身は考えているところであります。そして、そうしたことが私たちがやはり乳幼児期からの遊び、そして学びということが、本当に生涯にわたるウェルビーイングを繋いでいくのだということを一層皆さんに、社会に伝えていき、プレゼンスを高めていくために重要なことだろうと思います。そのためには体制整備と同時に条件整備が極めて重要でございますので、そこにつきましても両省庁に予算取りを始め、頑張っていただきたいと思うところでございます。
 それでは、本日のいろんな意見をいただきましたことをありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。議論も一定の結論には収束したものであるというふうに、もちろん微細やまだto be continuedなところもございますけれども、本日いただいたご意見などを踏まえて、最終的な取りまとめの作成に関しましては、委員長である私と古賀主査の一任をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。ご異議はありませんでしょうか。皆様の方からうなずいていただいたというふうに理解しておりますので、そうしましたら事務局の協力の下で最終的な取りまとめを行いたいと思います。それでは、今日は本当に皆様がお一人3分を守っていただいたことで、時間内に終了できそうでございますので、本日の議事は以上とさせていただきたいと思います。そして最後に、これまでご尽力賜りました両事務局からご発言をお願いしたいと思います。じゃあ、文部科学省の方からお願いいたします。
【三木文部科学戦略官】  文部科学戦略官の三木でございます。本日もご多忙な中、精力的にご議論いただきありがとうございました。本日のワーキンググループ、委員会において一定の区切りを迎えるにあたりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。私からは二点でございます。
 一つは合同開催ということでございます。本会議は中央教育審議会の幼児教育ワーキンググループと、こども家庭審議会の保育専門委員会とを合同で開催をいたしまして、一体的にご議論いただき、画期的な会となりました。誠にありがとうございました。養護を基盤にしながら、施設類型を超えて0歳からの学びのつながり、幼児の教育の重要性を共通認識として、合同会議の中でご議論いただけたと思っております。
 二点目は、本日も秋田委員長をはじめ皆様方からもお話ありましたけれども、やはり現場への浸透ということでございます。我々目指しますのは、この場での議論を基に3要領・指針の改訂だけではなくて、現場への実践に結び付いていく、そしてそれが子供たちの資質・能力をしっかりと育成していく、それが充実していくということを目指してるわけでございまして、そのためには今後3要領・指針の具体の記述も含め、解説や関係資料も作成し、分かりやすく伝えていくといったことも非常に重要だと思っております。引き続き皆様にご指導をいただきたいと思っております。
 この取りまとめ案につきましては、これから教育課程企画特別部会等におきまして、幼小中高の全体を通じてご審議していただいた上で、中央教育審議会とこども家庭審議会のそれぞれにおいて答申をおまとめいただくわけでございますけれども、その際には引き続きこども家庭庁とも緊密に連携を図りながら、3要領・指針の改訂に向けて作業を進めてまいりたいと思います。
 昨年10月に第一回を開催をして以来、約八か月の間、古賀主査、秋田委員長をはじめ各委員の先生方におかれましては、それぞれの専門性、現場のご知見を基に非常に充実したご意見をいただいたことにつきまして、重ねて厚く御礼を申し上げます。
【中村成育局長】  こども家庭庁の中村でございます。よろしくお願いいたします。 今、三木さんがおっしゃっていただいたことに付きまして、私からも改めて委員長、主査、ならびに委員の皆様方に厚く御礼を申し上げます。こども家庭庁、こどもまんなかということを掲げておりますけれども、こうした施設が類型別にあるというのは、当然子供のための施設ではあるんですけれども、やはり親の働き方等々で分かれてるところもございまして、大人まんなかとは申し上げませんけれども、やっぱり子供の視点に立ってどうするのかというのが、こども家庭庁もそうですし、文科省と共通した視点だと思っております。
 そういった理念面でもそうですし、もうご案内のとおり、共働きか片働きかという二律ではなくて、共働きにもいろんなパターンがございますし、片働きのとこにもいろんなパターンがあって、非常に連続的になってる中ですね、共通してるものは何かということで、この合同でやっていただいたことは非常に大きいと思っております。多様性というのは同時に、それぞれの価値を尊重しながら共生していくという、子供たちにもまさにそういうことをやっていただきたいと思いますし、こうした施設の類型におきましても、そういった今回同じ子供ということで共通できるところは何かということを振り出していただいた上で、そういうのがベースになると、それぞれやはり特色がある子供に対する向き合いができるんではないかと、大いに期待をしております。
 特に10年ぶりということで、かつ今後10年を見通しますと、先ほど秋田委員長もおっしゃってましたけれども、前回から一番大きく変わるのはやはり、もともと変わりますし、もうあらゆる面でブラッシュアップしてるんですけれども、やっぱり最も変わるのは、そういうインターネットとかSNS、生成AIに関するものが、大人のところでもだいぶ来てますけれども、それがかなり丁寧に進んで、この世界にも入ってくるんじゃないかということで、今回も非常にメリット面、あと注意するべき面、書いていただいておりますし、加えてだからこそ中核となす学びであるとか遊びであるとか、それが本当に重要であるということを認識する今後の10年だと思っておりまして、そういう意味では非常に意味あるものをまとめていただいたと思ってます。
 あとはぜひ文科省とこども家庭庁一緒になって、今日いただいたヒントを基に、これを施行する前にもですね、いち早くこれを皆さんにご理解いただくように、様々な周知に努めていきたいと思っております。本当に委員の皆様、ありがとうございました。
【秋田委員長】  三木戦略官、そして中村局長、ご挨拶ありがとうございました。それでは、以上をもちまして閉会といたします。委員の皆様も本当にありがとうございました。閉会といたします。
 
―― 了 ――