令和8年5月29日(金曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【古賀主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第8回幼児教育ワーキンググループと第9回保育専門委員会を合同で開催いたします。お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。
本日は、「取りまとめに向けた検討について」を議題に御議論いただく予定です。事務局より説明いただいた後、意見交換を行います。それでは、初めに事務局より説明をお願いいたします。
【上遠野幼児教育課子育て支援指導官】 それでは、資料3を中心に、資料1と資料2を交えながら説明させていただきます。
まずは資料3を御覧ください。これまで、本ワーキンググループ、委員会において、委員の皆様に御議論いただいた方向性を取りまとめた案となります。多くの御意見を頂戴したところですが、本取りまとめに全ての御意見を記載することは分量的に難しいため、次期3要領・指針をどういった考えで改善していくかといった方向性を示すものにフォーカスしてまとめさせていただいております。これまでに頂戴した細かな意見や具体的な事例などについては、この取りまとめ(案)には記載しきれてはおりませんが、今後、3要領・指針の改善の方向性を分かりやすく伝えていくために、指導資料や広報資料なども作成していくことになりますので、そうしたものを作成する際に参考にさせていただく予定です。
まず、1ページを御覧ください。1ページ~5ページまでは、「1.現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性」として総論をお示ししております。
まず(1)の現状の成果と課題です。最初に3要領・指針の考え方を記載しております。左上の1つ目の黒丸、現行の3要領・指針において整合性を確保していることから、幼稚園・保育所・認定こども園に通う乳幼児に対して、施設類型に関わらず、内容の整合性が図られた3要領・指針に基づく幼児教育の充実が進められているところです。
続いて、幼児教育の基本的な考え方を4点お示ししております。左側の2つ目の黒丸、幼児教育は、環境を通して行うものであることを基本とし、直接的・具体的な体験を通して、資質・能力を育むこととしていること、右側の1つ目の黒丸、自発的な活動としての遊びは、乳幼児にとっての学習であり、乳幼児は園生活の中で、多様な遊びを通して様々なことを学んでいると言えること、2つ目の黒丸、幼児教育は、乳幼児理解に基づき、乳幼児一人一人に応じて行われることが重要であること。
3つ目の黒丸、幼稚園教諭・保育士・保育教諭は、乳幼児の生命の保持と情緒の安定を図るとともに、乳幼児一人一人に対して受容的・応答的に関わりながら、乳幼児との信頼関係を築くことが重要であること。
こうした幼児教育の基本的な考え方を踏まえた上で、右下の黒丸、現行の3要領・指針においては、幼児教育の特質を踏まえ、幼児教育において育みたい資質・能力を示すとともに、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にしたところです。
2ページを御覧ください。2ページ左上からです。一方、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の在り方については、育みたい資質・能力や5つの領域のねらい及び内容との関係性が十分整理されていないといった課題や、2つ目の黒丸、資質・能力の育成に向けた実践の構想に課題があるという指摘もあります。
こうした課題は、育みたい資質・能力、ねらい及び内容、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係性が不明確であることや、整合性が確保されていない部分があるといったことが要因と考えられます。
続いて、3要領・指針に基づく実践等についての成果と課題をまとめております。
1つ目の黒丸では、課題として、言葉を用いる体験を一層充実する必要性や、入園するまで家族以外の人と関わる経験が少ない場合が多いこと、また、室内遊びに偏る乳幼児も少なくなく、体を動かす活動も、一方的な指示により行うものとなっている場合もあることなどが挙げられております。
右側の1つ目の黒丸です。保育所においては、養護及び教育を一体的に行うこととされているものの、現場によって理解の程度にばらつきがあり、実践上の混乱が生じているとの指摘もあります。
2つ目の黒丸、幼稚園や認定こども園において、乳幼児理解に基づく評価の充実が進められている一方で、育みたい資質・能力を育成する観点から指導を振り返ることが十分に行えていないといった指摘もあります。
また、3つ目の黒丸、保育所においては、乳幼児の実態に即して計画を作成・実践し、その計画と実践を振り返って評価し、結果を次の計画に反映させていくといった一連の過程に沿った実践の取組状況は、各園によって様々であるとのことです。
4つ目の黒丸、ICTを活用した活動が乳幼児の発達や活動のねらいに応じた活用となっていないといった課題が生じていること。
5つ目の黒丸、入転園時やクラスの移行時において十分な配慮が必要であること、1日の在園時間の長時間化を踏まえた対応も求められていること、また、家庭でのインターネットの利用率の増加や、ICTの長時間使用による心身への影響の懸念があることなどが課題として挙げられています。
3ページを御覧ください。左側、幼児教育と小学校教育との円滑な接続について成果と課題をまとめております。現行の3要領・指針及び小学校学習指導要領においては、育みたい資質・能力が系統的に示されるとともに、幼児教育と小学校教育との円滑な接続について明記されました。このため、国は、架け橋期のカリキュラムの作成等に取り組む「幼保小の架け橋プログラム」を推進しており、こうした接続の取組を通じて、小学校において課題が改善されたり、教職員の幼児・児童への関わりや指導方法に変化があったりするなどの成果が見られているところです。
一方、4つ目の黒丸に挙げられているような課題もあり、全国的に見ると未だ十分とは言えない状況にあります。
右上を御覧ください。特別な配慮を必要とする乳幼児への指導・支援については、1つ目の黒丸、改正障害者差別解消法の施行も踏まえ、「合理的配慮」の充実を図ってはいますが、「合理的配慮」の基盤となる「基礎的環境整備」の状況については、各園のばらつきがまだ大きいこと。
2つ目の黒丸、外国人乳幼児等の円滑な受け入れは喫緊の課題であることなどを記載しております。
また、家庭や地域との連携支援については、1つ目の黒丸、はじめの100か月の育ちビジョンや幼児教育の基本的な考え方について、保護者をはじめ社会一般に十分理解されるよう、普及・啓発を行ってきたところであるが、引き続き、国や自治体において取り組むことが重要であること。
2つ目の黒丸、子育て中の保護者においては、情報提供や相談・助言も含め、子育てへの支援が強く求められていることを記載しております。
なお、次の各幼稚園・保育所・認定こども園を支える地域の体制に関する課題等については、本日、資料に基づき御議論いただいたことを踏まえて追記する予定です。資料2については後ほど御説明いたします。
では、4ページを御覧ください。(2)として、改善の方向性についてまとめたパートになります。
これまで本ワーキンググループ、委員会においては、乳幼児の遊びの重要性について、多くの御意見をいただいてきました。これを踏まえ、改善の大きな方向性を資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」の実現と打ち出しております。
1つ目の黒丸の下線部を御覧ください。乳幼児にとっての学びである遊びのプロセスが資質・能力の育成に深く結びついていくという「遊びの深まり」を実現することが、幼児教育の質の向上を図る上で不可欠であるとしております。
2つ目の黒丸、このため、幼稚園教諭・保育士・保育教諭が「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を念頭に置きつつ、3つの視点と5つの領域のねらい及び内容に基づいた実践を構想することができるよう、「育みたい資質・能力」、「ねらい及び内容」、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係性を明確化し、整合性を図る構造化を行い、改善を図ることとしております。
この3者の関係性や構造については、14ページの補足イメージ丸1を御参照ください。
14ページになります。このイメージは、第2回、第3回の御議論を踏まえて更新したものとなります。右下の箱内のとおり、「ねらい」は、幼児教育において育みたい資質・能力を視点・領域ごとに明確にし、乳幼児の生活する姿から捉えたものであり、先生たちが実践を構想する際の環境構成や援助に込める意図として示されているものと考えられます。
また、「内容」は、ねらいで示した資質・能力の育成において重要な乳幼児の経験として必要な構成要素を明確にしたものであり、各視点・領域の特性を踏まえ、乳幼児の経験が豊かなものとなるよう、乳幼児の姿を捉えた環境構成や援助の骨子となるものと考えられます。
また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、5歳児後半において、遊びが深まり、資質・能力が総合的に育成・発揮されている姿と考えられます。
続いて、15ページの補足イメージ丸2を御覧ください。資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」のイメージをお示ししております。右側が、資質・能力が育ちつつある具体的な乳幼児の姿のイメージです。右下では、環境に関わることにより、心情・意欲が生まれ高まり、様々な対象に関わろうとする態度が現れ、そして直接的・具体的な体験を行うことを通じて、「好き」や「得意」を見付け、広げ深めることにより、また心情・意欲・態度が育つといった循環の中で、資質・能力が一体的に育成されていくという、遊びが深まる過程のイメージを表しております。
こうした「遊びの深まり」が実現するよう、幼稚園教諭・保育士・保育教諭はどのように実践を改善充実しようとしているのかというイメージが左側になります。
左下に青い字で書かれているとおり、「ねらい」及び「内容」の理解に基づく構想の創意工夫として教育的意図をもつとともに、ピンク色の字で書かれている乳幼児理解を基に、環境の構成・再構成や援助を行うなど、実践を充実することが重要になります。
そうした実践の下、子供たちが遊びを通して育んでいる資質・能力、すなわち遊びの中の学びを子供の姿から見取り、それによってさらに乳幼児理解が深まり、より実践が充実し、さらに遊びが深まっていくという循環を繰り返し続けることが、資質・能力の育成に向けた遊びの深まりのイメージになります。
4ページにお戻りください。こうした方向性について、左下の一番下の黒丸から右側の1つ目の黒丸に記載をしております。
また、右側の2つ目の黒丸のとおり、遊びの中から見取った「学び」のつながりを意識した実践の改善を図ることは、幼児教育と小学校教育との接続においても重要であることを記載しております。
右側の一番下の黒丸から5ページにかけては、0歳~18歳までの「学び」を見通した内容の改善についてまとめております。
5ページを御覧ください。第2回、第3回で御議論いただいた内容の改善について記載しております。詳細は別途7ページに記載しておりますので、ここでは概略のみ説明させていただきますが、3歳~5歳においては、言葉を用いて考える力の基礎の育成、他者と関わり協同する力の育成、遊びの中で多様な動きを行う体験の充実と身体感覚の育成の方向性についてお示ししており、また、これに向けて0~2歳児においても様々な援助が行われ、0歳からの学びのつながりが図られるよう、内容の改善を行うこととしております。
6ページを御覧ください。ここからは各論のパートになります。「2.資質・能力の在り方、構造化のポイント」についてです。
左側の1つ目の黒丸、2つ目の黒丸では、幼児教育において育みたい資質・能力については、現行と同様に、引き続き、「知識及び技能の基礎」、「思考力、判断力、表現力等の基礎」、「学びに向かう力、人間性等」とすることが適当であるとしております。
3つ目の黒丸では、「学びに向かう力、人間性等」について、従前より幼児教育が重視してきた心情、意欲、態度が育つ中で育まれることを考慮して整理するとともに、「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」、「他者との対話や協働」、「遊びの主体的な調整」については、幼児期の後半をイメージして規定することをお示ししております。
これについては、16ページの補足イメージ丸3を御参照ください。
このイメージは、第2回、第3回の議論を踏まえて更新したものとなります。
このパートに関連して、資料1を御覧ください。1ページを御覧ください。現在、小学校以上が、各教科等のワーキンググループにおいて、目標や内容を表形式で示すことが議論されています。具体的なイメージは左側の表のとおりです。これを参照しつつ、3要領・指針における示し方についても、2ページのとおり御提案しております。
2ページを御覧ください。冒頭に記載しているとおり、3要領・指針においても、小・中・高等学校との教育の連続性・一貫性を表すために、小学校学習指導要領等における示し方を踏まえた表形式で示すことを御提案しております。
右側の表は、現行の3歳~5歳児の「健康」領域の記載を使ったイメージ例になります。まず、検討事項丸1として、「ねらい」については、冒頭の柱書は、現行の3要領・指針に記載されている資質・能力の趣旨を基にしつつ、園生活全体の中で、乳幼児の自発的な活動として遊びを通してと、資質・能力を育む過程を示す形をイメージしております。
また、小学校以上のように、資質・能力を「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力等」に分けて記載するのではなく、「学びに向かう力、人間性等」も含めて一体的に示す形にしております。
次に、検討事項2として、「見方・考え方」についてです。今回、「見方・考え方」については、各教科等を学ぶ本質的な意義の中核に焦点化して、より端的に示していく方向で検討されていますので、「幼児期の教育における見方・考え方」については、「見方・考え方」としての位置付けを変更し、乳児も対象としつつ、幼児教育が重視すべき遊びの過程として、引き続き重視していくことをお示ししております。
最後の検討事項丸3としては、内容について、ねらいと同様に資質・能力を一体的に示す形にしております。
また、右側の下の※印のとおり、小学校以上で議論されている「高次の資質・能力」については、幼児教育においては示さないこととしたいと考えております。
6ページにお戻りください。今、御説明した資料1の内容については、本日の御議論を踏まえて、この6ページに追記する予定になります。また、右側の1つ目の黒丸については、先ほど4ページや14ページで御説明した構造化により改善を図るポイントについて記載しているところです。
続いて、7ページを御覧ください。「3.内容の改善の在り方」についてまとめたパートです。
左上の1つ目の黒丸、0歳~18歳までの「学び」を見通し、「学び」の連続性・一貫性を図るため、「0歳児」、「1~2歳児」、「3歳以上児」のねらい及び内容について、乳幼児にとってその時期に必要な資質・能力が育まれるようにする観点から、また、0歳から小学校就学前までの学びの接続が図られるようにする観点から、必要な見直しを行うこととしています。
これを踏まえた上で、具体的な内容の改善の方向性として3点記載しております。
1点目は、言葉を用いて考える力の基礎の育成についてです。0~2歳児においては、言葉の理解や獲得を促すとともに、乳幼児が自分なりに考えたり、思いを伝えようとしたりする意欲を支える援助を充実すること、3~5歳児においては、様々な援助を受けながら、更に考えようとして言葉を用いる指導を充実すること、また、その際、考えることや言葉で表現することの技能的な伸長ではなく、喜びや満足感等を味わうことに重点を置くことを記載しております。
2点目は、他者と関わり協同する力の育成についてです。0~2歳児においては、他の乳幼児への関心を深め、自ら関わろうとする意欲を支える援助を充実すること、3~5歳児においては、自分とは異なる他者と関わり、他者と共に目的を形成し、その目的に向かって協同していく力の育成を図る指導や、当事者意識と社会参画意識の芽生えが育まれる指導を充実することを記載しております。
3点目は、遊びの中で多様な動きを行う体験の充実と身体感覚の育成についてです。0歳児から、自発的な活動としての遊びの中で、多様な動きを行う体験を充実することに加えて、3~5歳児においては、そうした体験を通して、身体感覚を養う指導を充実することを記載しております。
8ページを御覧ください。「4.指導・評価の改善充実の在り方」についてまとめたパートになります。
左上の1つ目の黒丸、施設類型にかかわらず、全ての幼稚園・保育所・認定こども園において指導の改善が図られるよう、乳幼児理解に基づく評価を行うことを規定することとしております。
指導と評価の改善充実のイメージについては、17ページの補足イメージ丸4を付けておりますので、後ほど御参照ください。
これを踏まえた上で、2つ目の黒丸では、幼児の具体的な姿を評価の参考となる情報として日頃から記録し、蓄積するとともに、記録を基に自身の指導を振り返ることや同僚等と共有し、多様な視点で捉え直すことが重要とし、記録と振り返り振替の充実について記載しております。
また、4つ目の黒丸、記録する際や記録を基に振り返る際に、乳幼児の姿から遊びの中の「学び」を見取る視点を持つことを重視すべき。
5つ目の黒丸、見取った乳幼児の姿や「学び」について、どのような言葉で表すか、表そうと考えるかも重要であることについて記載しております。
続いて、右側の1つ目の黒丸、ICTの活用に当たっては、乳幼児期は直接的・具体的な体験が重要であることを踏まえ、発達に応じて、乳幼児の直接的・具体的な体験の充実を図る道具として活用することとすべきことや、2つ目の黒丸、乳幼児の直接的・具体的な体験を阻害する活用とならないことはもとより、科学的・医学的知見等も踏まえて、必要な留意点を示すべきこと。
一方、3つ目の黒丸、障害のある乳幼児への指導においては、ICTは効果的に活用できるツールであることから、障害の状態など一人一人の実態に応じた配慮において、ICTを適切な管理の下で活用することが求められることを記載しております。
また、1日の生活の流れに応じた活動の充実として、1つ目の黒丸、幼稚園及び認定こども園において行われている、いわゆる「預かり保育」については、改めて教育課程に基づく活動との連続性、つながりが図られるよう留意すべきこと。
また、一番下の黒丸、友達と食事をしたり、食物を栽培・収穫したりする活動は、直接的・具体的な豊かな体験であり、園生活全体を通じて食育の充実を図ることが重要であることを記載しております。
9ページを御覧ください。「5.保育所及び幼保連携型認定こども園における養護等の改善充実の在り方」として、このページのみ保育専門委員会単独のページとして取りまとめております。
左上の養護の重要性の明確化については、養護を基盤として、乳幼児期全般を通して育ちと学びを支えることができるよう、その位置付けや記載の内容の整理を図ることが重要であることとしております。
続いて、0歳児からの円滑な接続・移行については、1つ目の黒丸、「0歳児」、「1~2歳児」、「3歳以上児」の保育の「ねらい」及び「内容」の円滑な接続を図るため、発達過程を踏まえることが重要であること。
2つ目の黒丸、家庭や集団生活での経験年数が異なることを踏まえつつ、安心感を持って円滑に園生活を送ることができるよう配慮することや、入園時やクラスの移行時には、園での生活や遊びに徐々に慣れ親しめるような援助とともに、保護者の不安や悩みに寄り添った支援を充実していくことも必要であることを記載しております。
右上、乳幼児の健康及び安全の確保に向けた取組の充実については、様々な課題に対して、迅速かつ適切に対応できるよう、より一層の配慮や取組を充実させていくことが重要であること。
また、2つ目の黒丸、特に3~5歳児を対象として、幼児の実態を踏まえ、発達を援助することを意図した主体的な遊びを中心とする活動の時間を設定することや、3つ目の黒丸、特に0~2歳児においては、1日の生活全体を考慮することが必要なことについて記載しております。
また、4つ目の黒丸、障害のある乳幼児や外国人乳幼児等のみならず、全ての乳幼児について、一人一人の育ちゆく過程全体を大切にし、周囲の様々な人との相互的な関わりを通して育つという基本的な考え方の下、援助の充実を図ることが重要であること。
5つ目の黒丸、保護者に対しても一人一人を尊重し、パートナーとしての相互の信頼関係を築いていくことを重視すること。
6つ目の黒丸、その上で、より個別的な支援が必要な場合には、施設長・園長のリーダーシップの下で体制を整えるとともに、園内外の専門職や専門機関との適切な連携及び協働を促進していくことが重要であることを記載しております。
10ページの左側を御覧ください。「6.特別な配慮を必要とする乳幼児への指導や支援の改善充実の在り方」についてまとめたパートになります。
1つ目の黒丸、障害のある乳幼児への指導や支援の充実を図るに当たっては、「基礎的環境整備」の充実を促すとともに、「合理的配慮」の提供が確実に行われるよう規定すべきこと、また、全ての乳幼児一人一人の発達の特性や、興味・関心等に応じる幼児教育の基本を大切にしているかといった視点も重視すべきこと。
2つ目の黒丸、個別の支援計画や指導計画の作成・活用を一層推進すること。
3つ目の黒丸、外国人乳幼児等への指導や支援の充実に当たっては、一人一人の日本語の習得状況や生活習慣などの実態に応じ、指導の工夫を組織的・計画的に行うこと。
4つ目の黒丸、日常的な関わりや言葉掛けにおいて、“日本語の力を育む視点”をもち、一人一人の実態に応じた指導の工夫を行うことを重視すべきこと。
5つ目の黒丸、自治体の関係部局や関係機関との一層の連携・促進を図ることについて記載しております。
続いて、右側を御覧ください。「7.幼児教育と小学校教育との円滑な接続の在り方」についてまとめたパートです。
1つ目の黒丸、接続を図るに当たっては、それぞれの専門性を発揮した教育の互恵的な充実を図る観点から、合同の会議・研修の相互参観等の機会を充実し、対話を通じて互いの教育への共通理解を図ることや、共通の教育的視点に基づき、「架け橋期のカリキュラム」を協働して作成するなど、育みたい資質・能力等を共有し、学びのつながりを意識した実践の改善を図ること、また、その際、幼児の姿から遊びの中の「学び」を見取り、幼児教育で育まれた資質・能力について、「対話のための資料」を作成・活用するなど、対話を通じて小学校関係者に共有を図ることが重要であることを記載しております。
これらのイメージについては18ページに示しておりますので、御参照ください。18ページですが、先ほど御説明したこととともに、右側の図では、「架け橋期のカリキュラム」について、5歳児のカリキュラムと小学校における1年生のカリキュラムであるスタートカリキュラムとの総称として位置付けることを表しております。このことは、別途、生活ワーキンググループにおいても並行して御議論いただいているところです。
続いて、11ページを御覧ください。11ページ左側です。「8.家庭や地域との連携・支援の在り方」についてまとめたパートになります。
1つ目の黒丸、子育ての主体者である保護者と幼児教育の専門性を有する園とは、それぞれの立場から乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性であることを踏まえ、信頼関係を築くとともに、保護者の各園の活動への協力・参加を促し、また、保護者の子育てを支える取組を充実するなど、組織的な家庭との連携・支援の充実を図ることを記載しております。
また、2つ目の黒丸、保護者の子育てを支える取組については、幼児教育の専門性を生かし、乳幼児期にふさわしい生活や学びについて相談に応じたり、情報提供したりすることが重要であることについても記載しております。
3つ目の黒丸、さらには、より個別的な支援が必要な場合には、園内体制を整備し、組織的に対応するとともに、自治体の関係部局や関係機関による専門的な支援につなぎつつ、継続的な支援に取り組むべきであることを示しております。
また、4つ目の黒丸、地域全体で多様な支援ニーズを受け止める体制の一端を担うため、地域の保護者の子育てを支援する取組を積極的に行っていくべきこと、
5つ目の黒丸、乳幼児の体験が一層豊かなものとなるよう、地域にある人的・物的な資源を積極的に活用するとともに、地域の乳幼児等に対しても、幼児教育の特性を生かした活動を提供する取組の充実を図るべきことを記載しております。
続いて、11ページの右側の「9.各幼稚園・保育所・認定こども園を支える地域の体制の在り方」については、資料2を基に説明いたします。1ページを御覧ください。幼稚園・保育所・認定こども園においては、日々、3要領・指針に基づく実践が行われているところですが、こうした実践を支えていく地域の体制の在り方について、現状と課題を記載しております。
左上の枠内の1つ目の黒丸、幼稚園・保育所・認定こども園に関する業務を所掌する部局は様々でありますが、その連携や調整が未だ不十分な地域もあること。
2つ目の黒丸、指導主事や保育指導職など、幼児教育の質の向上を担当する職員の育成・配置が不十分な場合が多いこと。
3つ目の黒丸、0歳~18歳までの発達や学びの連続性を踏まえた教育政策を進める観点から、学校教育の専門的知見を有する教育委員会が積極的に関与することが必要との指摘があります。
また、設置者や施設類型を問わず、全ての幼児教育施設を支えていくために、各地域において幼児教育センターが設置されつつありますので、その現状も掲載しております。
続いて、2ページを御覧ください。地域の体制の在り方の方向性として、冒頭の菱形、設置者や施設類型を問わず、3要領・指針に基づく質の高い幼児教育が行われるよう、地域において、以下のような体制作りを推進することが重要であるとしております。
まず、1.担当部局間の連携については、1つ目の黒丸、幼児教育の質の向上に関する様々な施策が一体的に推進されるよう、部局間の緊密な連携の一層の推進を図るべきではないか。
2つ目の黒丸、0歳~18歳までの発達や学びの連続性を踏まえた教育の一貫性を図る観点から、学校教育の専門的知見を有する教育委員会が積極的に関与して、役割を果たしていくことも必要ではないか。その際、幼児教育担当部局と小学校教育担当部局間の共通理解や連携を図ることも重要ではないか。
2.行政における専門人材の育成・配置については、幼児教育に関する助言や援助等を行う専門人材として、教育委員会における指導主事や児童福祉部局における保育指導職の育成・配置を一層促進するべきではないか。
3.幼児教育センターの設置についてです。1つ目の黒丸、設置者や施設類型を問わず、全ての幼児教育施設を支える幼児教育センターの設置促進を図るとともに、特に広域行政を担う都道府県においては、全都道府県における設置を目指すべきではないか。その上で、都道府県においては、自ら設置する幼児教育センターの活用や幼児教育アドバイザー等の派遣により、域内の市町村を支援することが重要ではないか。また、広域連携を促進していくことも必要ではないか。
4つ目の黒丸、既存の幼児教育センターの名称や設置形態、役割等は様々でありますが、0歳から小学校就学前までの乳幼児を対象に行う幼児教育の質の向上に向けては、主に以下の機能を有することが必要ではないか。この主な機能については、幼児教育アドバイザーによる助言・援助、幼稚園教諭・保育士・保育教諭の全てを対象とした研修等の実施、幼児教育アドバイザーや架け橋期のコーディネーター等の人材の育成・配置、幼児教育と小学校教育との接続の推進に関する取組などを挙げております。
なお、左下に記載のとおり、幼稚園教諭・保育士・保育教諭の養成・採用・研修の在り方については、別途、中央教育審議会の教員養成部会やこども家庭庁の保育士養成課程等検討会で検討されているところですので、本ワーキンググループ、委員会では割愛させていただいております。
幼児教育センターとその取組については、3ページと4ページで取組例も御紹介しておりますので、御参照ください。
では、11ページにお戻りください。今、御説明した資料2の内容については、本日の御議論を踏まえて、この11ページの右側に追記する予定です。
続いて、12ページを御覧ください。12ページは、これまで1ページ~11ページで御説明した主な内容の記載について、1枚にまとめた概要となります。
また、13ページは、改善の大きな方向性である資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」の実現を中心に、幼稚園・保育所・認定こども園における幼児教育から、小・中・高等学校教育を通じて学びの改善を図るという改善の方向性を示す資料になります。概要の補足イメージとして位置付けております。上半分は、1ページに記載している幼児教育の基本的な考え方をまとめたもの、下半分は、4~5ページの改善の方向性についての記載を中心にまとめたものとなっています。
この12ページと13ページがセットで本取りまとめ(案)の概要となります。事務局からの説明は以上になります。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま説明いただきました資料1、資料2と資料3の取りまとめ(案)について、併せて御意見いただきたく存じます。
本日、意見交換の時間は多めに取っておりますので、いつもより長めの5分程度お話しいただくことができます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。発言時はミュートを解除してお話しください。それでは、どうぞ御発言のある方は挙手をお願いいたします。
では、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 この間の様々な議論の取りまとめ、本当に事務局は大変だったと思います。心より感謝申し上げたいと思います。
私のほうからは大きく3点申し上げたいと思います。
まず第1に、「遊びの深まり」ということについてです。資料3のスライド4の「遊びの深まり」ということについて、今回改めてそういった言葉にされましたので、どうなることが遊びが深まるということなのだろうかと考えました。子供がそれぞれ自分なりに環境、ものや人やこと事に関わり相互作用しながら、また、ほかの人たち、ほかの友達や先生がものや人やこと、環境に関わっていくこととも響き合いながら、影響し合い、関わり方や意味が変わっていき、遊びもまたその中で変わっていく、そういうことなのかなと思いました。そこでは、イベント的な遊びや、また、その日限りの遊びとして単発で何か活動して終わりではなく、経験が繋がって活動が発展していく、そういう遊びのサイクルが重要なのかなと思います。
スライド15の補足イメージにもありますが、保育者が子供の姿を記録し、学びや育ちを見取りながら、さらにそれらを促すために指導・改善していくことで、子供と共に環境が再構成されていく。右側の図のところでぐるぐるぐると黄色っぽい回転とピンク色、そして紫というふうに、活動を展開していくサイクルが発展していくところに「遊びの深まり」があり、そこの中でこうした資質・能力が育まれていくといったことが重要で、そういった意味合いが込められていくとよいのかなと思いました。
2つ目に、幼児教育と小学校教育の円滑な接続の特にスタートカリキュラムの扱いということについてなのですが、スライド10の右側の「7.幼児教育と小学校教育との円滑な接続の在り方」について、黒丸の3つ目の小学校における1年生のカリキュラム(スタートカリキュラム)という表現なのですが、その辺りは生活・総合ワーキングでも出ていて、そのときに、私自身、議論が不十分だったのではないかなと反省しているところなのですが、1年生のカリキュラム、イコール、スタートカリキュラムと見えるのですが、スタートカリキュラムを含むという意味のほうがよいのではないかなと思います。スライド18のところにも、小学校1年生のカリキュラム、イコール、スタートカリキュラムというふうに図のところが見えてしまうことにちょっと違和感があります。
生活・総合ワーキングの中では、スタートカリキュラムの在り方が形骸化せずに、形だけにならずに、多様な在り方を考えていくというように拡充するということや、また、スタートカリキュラムと架け橋期のカリキュラムの整理が必要だということは議論がされたのですが、その際に示された補足イメージでは、1年生のところの一部分にスタートカリキュラムが位置づいていたかと思います。この図だと、5歳児のカリキュラムと従来的な入学当初の狭い意味でのスタートカリキュラムを合わせたものが架け橋期のカリキュラムだという誤解を生じるのではないかなと懸念いたしました。この辺り、小学校のほうのワーキングで議論すべきことかもしれませんが、架け橋期のカリキュラムとしては、子供が新しい学校生活をつくり出していくということだけでなく、まさに左側の説明には書かれていますが、幼児教育で育まれた資質・能力を各教科での学びにもつないでいくということを含み込んでいると思います。
もしこの図のようにするのであれば、スタートカリキュラムが安心して自己を発揮し、新しい学校生活をつくり出していくということにとどまらず、生活科を中核に合科的・関連的な学習を展開しながら、全ての教科において、年間を通じて幼児期の学びとの繋がりを具現化していくことを指すのだというふうに、スタートカリキュラムの再定義を明示することが必要になるのではないかなと思いました。
また、こちらと関わるところで、図の左側の下のところ、学びの繋がりを意識した実践の改善の幼児教育のところなのですが、小学校の各教科等における資質・能力の育成を見通してというふうにあると、例えば困らないように訓練しておこうというようなニュアンスで誤解されるのではないかということも懸念しますので、もし書くのであれば、小学校での資質・能力の育成に生きる経験としてといった表現のほうがよいのかなと思いました。
最後、3つ目に地域の体制の在り方についてです。まず、資料2のスライド1の市町村と県の関係についてなのですが、多くの場合、特に幼児教育は市町村単位で様々な取組を行っていると思います。県としては直接個別の園や小学校に関わるというだけでなく、むしろ市町村での取組をマネジメントする役割が非常に大きいと思います。スライド1の右側には市町村へのアプローチも書かれているのですが、各市町村の状況を県が把握し、市町村を超えてその取組を共有し合い、学び合っていくということが重要だと思います。それが単なる情報共有の連絡会ということにとどまらず、互いの市町村での動きが繋がり合って連鎖していくような場をつくっていく必要があると思いました。
今のこととも重なりますが、スライド2の右側にもアドバイザーの派遣や広域での活用というのがあるのですが、むしろ一番最後の黒丸の中の幼児教育の質の向上に向けた研修や幼児教育施設を支える人材の育成というところが重要ではないかと思います。
福井県では、市町村や県で雇用されてアドバイスに行くという人材だけでなく、市町の幼児教育アドバイザーの養成を通して、現職の園の管理職や中堅の先生方が園を超えて学び合ったり、公開保育に行き来し合ったりする、そういった仕組みをつくってきています。そういう意味では、個別に園や学校訪問をするアドバイザーだけでなく、そうした園を超えて共に実践を見直し、再構成し合っていく体制を編んでいくということが重要で、そうしたところにも県の幼児教育センターをアプローチしていくべきではないかと思います。
そういう意味で、研修を単に施設類型を超えて県として単発で行うということだけではなくて、市町さんや団体でも多様な研修があると思いますので、そういったものも十分把握し、それらをマネジメントしながら体制づくりを進めていく、そういった役割が求められていくのではないかなと思いました。長くなりましたが以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
資料1、2、3それぞれについて1つずつ申し上げたいと思っています。
まず、資料1についてですけれども、ほかの指導要領等に即して表形式でそろえていくと。その際、2ページの検討事項にあるような方針で進めていくということについて、これは必要なことかなと感じました。
それに加えてなのですけれども、今すぐは無理なのかもしれないのですけれども、解説も含めまして、例えば特定のキーワードを入力すると、それに関わる内容がまとめて出てくるというような形で、柔軟に内容を整理し直して閲覧できるようなことが実現できないだろうかと。実は類似の構想を教科に関するワーキンググループで紹介していただいたことかあるのですけれども、そういう使いやすさということについて御検討いただけるといいかなと思いました。
それから、資料2についてです。これも資料2の2ページにありますように、担当部局間の連携、人材育成、そしてセンターの設置等、どれも重要なことかと思っております。ただ、これらについて私、決して詳しいわけではないのですけれども、身近に見聞きするだけでも、組織というのはとても難しいのだなと思うことが、ままございます。ここによい例というのを示していただいているのですけれども、なぜそのよい例はうまくいっているのかということを積極的に示していただくとか、逆に、組織上のうまく行かなさというのを分析していただくということもとても重要なのかなと考えました。
それから、特に人材ということについてですけれども、これは先ほどの御説明ですと今回の議論の対象から若干外れるということなのかもしれないのですけれども、教員養成の大学に所属する者としては、大学の役割というものについて、さらに一歩深めることができるといいなと考えました。現在、1ページの資料では、大学の役割が、黄色い研修の提供というところになっているのですけれども、専門性といったときに、例えば大学院においでいただくですとか、附属校園に交流人事で来ていただくとか、そういったところで人的な繋がりができるといったこともまた重要かと思いました。
これはもちろん大学側の努力も必要なのですけれども、人の交流ということまでまいりますと、送り出していただく側のサポートということも必要になってくる場合がございますので、そうしたことも長期的には、2ページにありますような体制づくりに寄与するかなと思いました。
それから、最後に資料3についてでございます。長い膨大な議論をまとめていただきまして、本当にありがとうございます。その際、やはりまとめということになりますと、いろいろなことで、端的な表現というのが重要になってくるのだなと思われました。ただ、ここからさらに進めていくに当たりまして、端的な表現の具体というのがうまく伝わっていくのがとても重要かと感じました。
2ページのほうに実際、理解のばらつきという言葉が出てくるわけです。その辺のことについてになるかなと思いますけれども、それを最も感じたのは、繰り返し出てくるのですけれども、学びとか学びを見取るという表現で、例えば7、8ページのあたりには何回か出てまいるかと思います。学びという言葉がいろいろな形で出てきます。これもかなり毎回のようにかぎ括弧を付けておられるというのは、注意してそういうふうにされているのかなと思ったのですけれども、それでも一般に、場合によっては他の学校種の先生方も含めてですけれども、学びという言葉をぱっと聞いたときにイメージとして最初に現れるのは、やはり教科書とか授業を通じて何かを身に付けていくプロセスということになるのではないかなと思われました。7ページに学びの連続性・一貫性という言葉がございますけれども、これを用いるとさらにそれが強固になるようにも感じられました。
そうではなくて、最初の資料1にもございましたように、環境との関わりを通して試行錯誤して何かつかみ取っていく、協同的でありながら、個々でそのプロセスが多様に展開していく、そういう理解で学びという言葉の実が広がっていくとよいなと感じたところです。
同様のことは、細部で恐縮なのですけれども、7ページ、他者と関わり協同する力の育成にある、目的を形成し目的に向かって協同していくというのも、字面だけで読みますと会社組織のようにとても大人っぽいものを想像しかねないところがある。でも、子供にとって本当にそれは柔軟で、これも日常の理解とのずれをどう埋めていくかというポイントがあるかと思います。
言葉を用いて考える力の基礎にある、遊びをより楽しく面白くというのもありますけれども、それは確かに重要ですけれども、その裏側には、困ったときどうするかということも当然あるのではないかと思うわけです。そういうふうに言葉の多層的な意味、広がりというのが、端的にまとめていただいたこういう言葉からきちんと読み取られていくような、そういう努力というのが必要かなと思いました。少々オーバーしまして申し訳ありません。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 まず、取りまとめどうもありがとうございます。感謝申し上げます。
最初に私からは、資料2の地域の体制の在り方のところについて申し上げたいと思います。
私も、これまでの先生方の御意見とも重なりますけれども、小さな自治体も参加できるようにというところでは、都道府県あるいは政令、中核といった大きな都市との広域的な連携というのは非常に重要と思います。また、こうした取組が継続的で実効的な仕組みとして機能していくためには、支援人材の厚みというものが非常に重要になってくると思いますので、アドバイザーとかコーディネーターといった人材の育成というところでは、ベテラン層に加えて中堅層の配置や育成ということも視野に入れて、長期的に考えていくという視点も重要と思っております。
また、先ほど岸野委員のほうからも県の広域的な研修のお話がありましたけれども、国でも中央協議会や中央セミナーといった取組などもあると思うのですが、各自治体の支援人材が共にいろいろな情報を共有しながら支え合い学び合っていくような機会というのは非常に重要と思っております。
あと、1ページ目の右側、地域の養成機関も位置付けられておりますけれども、先ほど小松委員からの御発言もありましたが、例えば実習指導といったものは、学生だけではなくて、指導する側の、受け入れる園の指導担当者の先生にとっても活用できる学びの機会ともなり得ると思いますので、そうした養成と研修を繋げていくような連携の在り方も考えられるのではないかと思っております。
続きまして、取りまとめのほうの資料3について申し上げたいと思います。
5ページと7ページのところ、単に見せ方なのかなとは思うのですけれども、この並び順について、特に0歳からの学びということを考えたときに、まず身体的な諸感覚を生かして体を使いながらというところ、人との関わりを通してというところがあって、そして言葉という流れのほうがしっくりくるかなと思いました。これは並びの問題かなと思うのですけれども、そのように考えております。
それから、9ページ目になりますけれども、左側の1ポツ目、「養護を基盤として」というところに、保育者との間に育まれた関係の中で持てる子供の安心感や安定感、信頼感といったことと、それから生活リズムですとか生活の見通し、また生活習慣の自立、あるいは自分でしたいというような気持ちの芽生えといったような意味合いが含まれていると思っております。保育所はただ安全に預かればよいとか、身の回りのお世話をすればよいということではないのだというような、現場のこれまでの長年の強い思いとともに、一方で、こうした養護という文言には、乳幼児期の子供が毎日長時間過ごす生活の場として、安全・安心あるいは安定といったことが守られるということの重要性が込められていると思っております。改めて、養護と教育は、乳幼児期全般を通して一体的に行われるということをここで確認をしておきたいと考えております。
それから、同じページの右側の1ポツ目、健康及び安全の確保というところ、これは保育専門委員会のほうでも述べさせていただいたのですけれども、指針の位置付けから健康と安全の確保に関する事項をしっかりと明記する、示すということは必要です。
一方で、この資料の中にもありますように、子供の健康と安全をめぐる問題はこの間新たなこともたくさん出てきておりますし、今後もまた突発的な、もしかすると予想外のことも生じる可能性があるのではと思っております。また、この間、安全計画の策定ですとかBCPの作成といった新たに求められることも出てきておりますし、科学的なエビデンスに基づいてしっかり最新の知見を反映した対応が状況に応じて必要になってくるということも多いと思っております。
こうしたすぐに実行に移すべき具体的な対応というのは、なかなか指針の改訂では追いつかないということがあると思いますので、そうした場合も想定して、指針を根拠としつつ、個々の個別の事象に対しては、自治体であるとか現場は具体的に、速やかに、かつ適切に取り組むことができるようにという形にしていくことが重要ではないかと考えております。
それから、11ページになりますけれども、左側の1ポツ目のところ、保護者に対する支援というところでは、9ページの右側の下から2ポツ目でも書かれていますけれども、まずは相手を尊重する、一人の人として理解するという姿勢を持って、相互の信頼関係を築いていくということが大事と思っております。これまでの議論でも複数の委員から御意見が出ていたと思いますけれども、やはり幼児教育についての理解の共有とともに、施設側が保護者に対する理解、状況や思いを理解する姿勢の重要性も明記をしておくべきではないかと考えております。
それから、最後、左側の下から2ポツ目ですけれども、地域との連携というところ、在園児、在宅子育て家庭問わず、毎日顔が見える関係の中で様子を見ていくという幼児教育施設の役割は非常に大きいと思います。養育環境においてリスクの高い家庭の不安の軽減ですとか虐待予防という観点で、地域の中で在園児、在宅での子育て家庭を問わず関係機関と連携しながら支援していくということは、しっかりと位置付けたいと思っております。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。続きまして、村地委員、お願いいたします。
【村地委員】 失礼いたします。まず、多様な議論を取りまとめていただき、ありがとうございます。
私のほうからは、資料3について3点申し上げたいと思います。
1点目です。4ページの育みたい資質・能力、3つの視点、5つの領域のねらい及び内容、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿について、補足イメージ丸1にも構造化され、一体的に、そして乳幼児期から長期の見通しを持ちながら育まれているということがよく伝わると思いました。また、ねらいと内容はどういうもので何が示されているのかということも端的に記載されており、補足イメージ丸1のポンチ図にも位置付いておりまして、小学校の立場から見ても大変分かりやすいと思いました。
ただ、補足イメージ丸1の太字であったり色で強調されていたりしている箇所が、共に資質・能力、そして視点・領域となっており、ねらいと内容の違いが明確につかみにくい印象でした。ねらいは環境構成や援助に込める意図として示されているということや、内容は乳幼児の経験として必要な構成要素であること、環境構成や援助の骨子であることなどが示されておりまして、そういった伝えたいポイントを強調したほうがよいのではないかと思いました。
また、「遊びの深まり」という文言が出てきておりまして、岸野委員からもありましたが、「遊びの深まり」というのは、一体どういう姿が遊びが深まっているのかということと、それから、主体的・対話的で深い学びといった文言もほかの補足イメージ図に位置づいておりまして、恐らく現場では、その深まりとの関連、同じような意味合いで示されているのか、それとも違うものなのかというところについては、御説明であったりとか資料が必要であるのではないかなということを感じた次第です。
2点目です。4ページの補足イメージ丸2なのですけれども、右側の図については、遊びが深まる過程が子供のつぶやきとともに、心情・意欲・態度が示されて、大切にしたい視点などが非常に伝わってきました。ただ、左側の複数の矢印が出ている図なのですが、恐らく学びを見取り、見取った学びを基に振り返り、環境の再構成等を行うということがイメージ図として示されているのだと思うのですけれども、青い矢印内に書かれている内容とオレンジで示されている内容が重複していたり、教育的意図がオレンジの矢印の外に記載されたりしておりまして、先ほどの御説明で、乳幼児理解の深まりと教育的意図の2つをもって実践の充実を図っていくのですよといった説明があったから、なるほどなと思わせていただいたのですけれども、例えばこの図を白黒印刷した場合、一層伝わりにくいなと思いました。サイクルで実践を改善していくことを伝えていくのであれば、そのサイクルがより伝わるように、重複しているような文言を統一し、枠外に書かれているものをどこに位置付けていくのかというようなことで分かりやすくなるのではないかなと思いました。
また、矢印については、それぞれ矢印の意味とか意図があると思いますので、矢印を多用するのではなく、意味のある矢印を使うほうがいいのではないかなということを思った次第です。
3点目です。幼児教育と小学校教育の円滑な接続の在り方についてです。岸野委員からもありましたが、10ページには、架け橋期のカリキュラムは、幼稚園・保育所・認定こども園における5歳児のカリキュラムと小学校における1年生のカリキュラム、そこに括弧でスタートカリキュラムの総称として位置付けることとするというふうに文言で示されているのですけれども、補足イメージ丸5を見てみますと、架け橋期のカリキュラムの枠の中に、小学校1年生から矢印が伸びており、スタートカリキュラムと大きく示され、そこに括弧書きで小学校1年生のカリキュラムとなってしまっています。5歳児のカリキュラムの対になるものがスタートカリキュラムであると示してしまうことで、小学校では従前から作成しているスタートカリキュラムさえ作成すればオーケーであるという認識になってしまうのではないかと危惧しております。架け橋プログラム事業を展開し、徐々に架け橋期のカリキュラムの作成に着手しつつある中、スタートカリキュラムを強調していくことは、これまでの取組から逆行していくような印象を受けました。
また、スタートカリキュラムは、小学校にすれば、小学校生活に慣れるためのカリキュラムであるという認識がやはりまだまだ強い印象でございます。また、長くて6月までの取組となってしまっております。今回の改訂では、架け橋期のカリキュラムを協働して作成すること、そしてそれは5歳児と小学校1年生の最低2年間を見通していくこと、そして双方の保育・教育を改善していくこと、これらを強調するのであれば、スタートカリキュラムの文言は沈めていく方向でもいいのではないかなと思いました。
また、そういった強調したいポイントをポンチ図の中でも強調していただけましたら、全国的な推進にも繋がるのではないかなと思いました。
それから、このポンチ図の互いの教育に対する共通理解の下に書かれている【幼→小】に主体的・対話的で深い学びの実現に向けた改善の取組とありますが、その改善の取組という日本語が、ちょっと違和感がありました。取組の改善という意味であれば、現場としてすとんと落ちるのではないかなと思った次第です。長くなりました。以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 ありがとうございます。久保山でございます。
まず、事務局に心から感謝申し上げます。各ワーキング、フォーマットが一定で限られた紙面だそうでありますが、その中で、特別な配慮が必要な子供についてもしっかり書き込んでくださっているということ、感謝申し上げたいと思います。
私からは、特別な配慮が必要な子供を中心に、やや大きなことが1つ、中ぐらいなことが1つ、やや小さめなことが2つということで、4点申し上げたいと思います。5分以内に何とかお話します。
1つ目なのですけれども、そもそも論として、教育課程企画特別部会の論点整理に出てくる多様性の包摂という概念を、乳幼児期はどのように具体化していくのかというところが、議論が足りなかったかなと感じています。今回の資料を拝見して、かなり工夫して書かれているとは思いつつも、例えばこれを読まれた現場、園によっては、あたかも特別な配慮が必要な子供がいないというのが普通で、いることが特別なのだという受け止めをされて、さてそういう子供が来たときにどうしたらいいのでしょうということになってしまいがちなような気がします。
もちろん特別な配慮が必要な子供が在籍するというのは、園にとって時に大きな負担になったりすることもあるのですけれども、それでも、次の10年ということを考えたときに、特別な配慮が必要な子供、この言葉もやめていかなくてはいけないかもしれないのですが、特別な配慮が必要な子供が園に在籍するというのは当たり前なのだということ、それを前提に園の経営や保育を考えるという発想を何らかの形で盛り込めたらなと思うわけです。特定の園が頑張るというのではなくて、全国津々浦々全ての園で偏りがないように取り組んでいくのだということがあるといいなと思っています。
企画特別部会の論点整理、9月に出たものが、今年更新されたのが出ていますけれども、あの中に、例えば小学校の35人学級、中学校の40人学級の図が出ているのですが、さてあれが保育所・認定こども園・幼稚園ではどうなのかということですよね。35人が皆同じではないということは非常に分かりやすく図式化されています。それが乳幼児期はどうであろうかということが図にできないのかなということを思ったところでした。
関連して、そもそも現行の要領に全文が初めて入っていて、その中にすばらしい文章があるわけです。「これからの幼稚園は」で始まる文章ですけれども、「あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働する」のだと書いてある、そういう子供をしっかり育てるのだと書いてあるのですよね。それをしっかり次の要領・指針でも、指針には残念ながらこの文言はないのですけれども、それを入れ込んでいけたらなというのを強く感じたところです。これが1つ目になります。
2つ目が中ぐらいな話なのですけれども、10ページ辺りに出てきます基礎的環境整備ということです。ここに書かれていることはとても大事で、そのとおりだと思うのですけれども、そもそも保育所・認定こども園・幼稚園で基礎的環境整備と言われて、さあそれが何を表しているのかというのがどの程度伝わっているのだろうかということを心配します。
例えば私が保育所・認定こども園・幼稚園で基礎的環境整備について説明をせよと言われたときに、かなり苦労するなと思うのです。国の平成24年の中教審の初等中等教育分科会報告では8観点示しているのですけれども、それがそのまま保育所・認定こども園・幼稚園に適用できるとは思えません。あえて言えば、先ほど申し上げたように、特別な配慮が必要な子供が園に在籍していることを前提にして、園経営を考え、保育を考え、それを具体化するということが基礎的環境整備に当たるのかなと私は率直に思います。
もうちょっと具体的に言うと、3つぐらい分けて考える必要があって、物理的な環境をどう整えるかということ、これは例えば車椅子ユーザーの子供が来たときにどうするのかということに対応することになると思います。
2つ目としては、保育者の関わりとしての人的な環境ですよね。例えば自閉症の特性のあるお子さんが入園してきたときに、その子にどう関わるのかといったことがあると思います。
そもそも3つ目として、保育者の発想とか保育観としての環境として、多様な子供が園に在籍するということは、保育が豊かになるのだと思えるといったことが基礎的環境整備として重要だと思うのですけれども、そういったものが何らかの形で具体化できたらなと思っているところです。
今後に向けて関連して申し上げると、現在、特別な配慮が必要な子供に対する支援については、特別支援学校などの支援を受けながらと要領に書いてあるわけですけれども、これは実際問題、特別支援学校の力はもちろん借りながらも、今日話題になっている幼児教育センターあるいは乳幼児教育センターの力のほうがむしろあるのかなと私は思っているところです。
あと2点、小さなことで、これは言葉の使い方の話です。個別の指導計画という用語については、現状、幼稚園と認定こども園には出てきています。指針では、解説レベルの扱いになっているということ。これをどうするのかということです。
それから、教育支援計画、個別の支援計画となっていますが、幼稚園では個別の教育支援計画、認定こども園は個別の教育及び保育支援計画、そして指針には明示されていないという現状があって、さてこれをどうそろえるのかというのは次の段階で考えておく必要があろうかということがあります。
それから、2つ目ですが、今回の資料に出てまいらないのですけれども、今後に向けてということで、多様性の包摂ということから考えると、交流及び共同学習について、これも幼稚園と認定こども園には記述があるわけですけれども、指針には出てきません。ただ、何をしたら交流及び共同学習になるのかという具体が実は保育現場は分かりにくいのではないかと思うのです。この辺りは少し考えていかなくてはならないと思いますし、昨日の特別支援教育ワーキングで交流及び共同学習が話題になっていますけれども、特別支援学校の交流及び共同学習の相手先として、保育所・認定こども園・幼稚園が特別支援学校の学習指導要領には明示されているわけで、この辺りの整合性も考えなくてはいけないかなと思ったところです。長くなりました。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。続きまして、松井委員、お願いいたします。
【松井委員】 よろしくお願いいたします。これまでの多岐にわたる議論の整理をどうもありがとうございます。
4ページの冒頭にも書かれていますように、資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」の実現に向けて進んでいくということの重要性に全く同意いたしますし、そのために必要なことが明確に整理されていると思います。
細かいものも含めまして5点ほど申し上げます。
まず、5領域、資質・能力、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の関係性をより分かりやすく構造化して提示することが必須かと思います。このことは乳幼児の姿から遊びの中の学びを見取る視点を持つということとも深く関連してきます。先ほど岸野委員や村地委員も、どういったことが「遊びの深まり」なのかということをおっしゃっていましたけれども、まさに「遊びの深まり」を捉えるということもそうですが、その遊びの中で学びを見取る力というのは非常に重要でありつつも難しいことであって、保育者の高い専門性の一つでもあって、それをいかに磨き続けていくのかが求められていくかと思います。
そのため、14ページに示された図はとても分かりやすくなっておりまして、養成校の授業でも実はもう活用させていただいているのですけれども、さらに表形式の提案もなされて、期待を寄せているところです。
その上で、3つの資質・能力が一体的に育つのであって、分けて示しにくいことにも同意いたしますし、表形式の5領域のねらいや内容に3つの資質・能力の名称が入り込むということで、以前より繋がりを示せると思うのですけれども、単に資質・能力の名称が列挙されているだけでは伝わるだろうかと少し懸念しましたので、何か分かりやすい工夫が求められると思います。
また、16ページの補足イメージ丸3の左側の図と右側の図というのは、別個で見ますと納得がいくのですけれども、左側の図と右側の図の関係でいきますと、それらがどんなふうに位置づくのだろうかというところが、考えても自分でもよく分かりにくくて、そこをもう少し説明できると、より分かりやすい提示や理解に繋がるのだろうかともちょっと思ったところでした。
次に、9ページの乳幼児の育ちと学びを支える養護の重要性の明確化といったところですけれども、ここも非常に重要な点だと思います。以前の委員会でも申し上げたことでもありますけれども、また、現行の指針にも主体としてといったような記述があって、養護における重要な点は網羅されているのではないかと思いますけれども、もっと明確に、丁寧なお世話を超えるのだということ、非言語的に表された思いを受け止めるということも含めて、子供が主体となって、そこから子供たちが生きる世界を広げていくことが読み取れる一歩踏み込んだ記述が必要ではないかなと考えております。0歳から園生活における遊びを通した子供の学びの基盤として養護がある。そこでどんなふうな適切な援助や応答的な関わりが具体的に求められているのか、分かりやすく提示されるとよいと思います。
3点目に、高辻委員もおっしゃっていましたけれども、右上の乳幼児の健康及び安全の確保に向けた取組の充実につきましても、昨今の感染症とか自然災害などを鑑みますと、社会状況の変化とかルールの変更等に臨機応変に対応できるように、まさに迅速かつ適切に対応できることが重要だと考えます。
4点目ですけれども、資料全体にわたって乳幼児という用語が多用されていまして、0歳の乳児から就学前までということを一体的に捉えて、そして0歳からの学びの連続性ということが念頭に置かれていることが読み取れました。
一方で、1ページだけに限らないのですけれども、幼児教育の注のところに0歳から小学校就学前までとあって、幼児は0歳からを指すと読めると思うのですけれども、5ページの左上の1つ目とか2つ目では、幼児期、幼児と書かれているところで、これは3歳~5歳を指しているのだろうなと思います。その同じページの右下の最後の黒丸であれば、0~2歳児を指して乳幼児と使われることもあって、幼児あるいは乳幼児の定義に微妙にぶれが生じているようにも見えて、私自身、0歳からの幼児教育ということに異論はありませんし、言葉尻を捉えた難癖を付けたいわけでもありませんけれども、何より現場での混乱を招かないような表現とか説明が必要ではないかなと思います。全ては子供に返っていくものですし、保育者の方はもちろんのこと、保育学生とか、子供に関わる人、広く社会一般的に要領・指針の内容・考え方が十分に理解されるような、明瞭かつ分かりやすい提示が必要不可欠だと考えます。
最後に、記録や評価とか、小学校との接続などの資料・補足イメージでも用いられている、対話ということも重要なキーワードとして提示されていまして、資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」の実現に向けて、これもいかに実質的な対話を生み出していくのかということに工夫を凝らすことが重要かと思います。以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、堀委員、お願いいたします。
【堀委員】 堀でございます。これまでの議論の取りまとめ、多岐にわたる内容をおまとめいただきまして、ありがとうございました。
これをどのような形で指針・要領として、現行の指針・要領のよさを生かしつつ、今の時代に適した形で改善し、それをまたどのように伝わる内容、みんなで共有できる内容にしていくかということを、またこれから御一緒に皆さんと検討できたらと思っております。
私からは3点意見を申し上げたいと思います。特に1つ目の評価についての意見は少し長めにお話しさせていただきたいと思っております。
評価につきましては、今回、2ページ、それから8ページにも記載がある内容なのですけれども、まず、現行の幼稚園教育要領及び認定こども園教育・保育要領では、評価について、子供理解を基盤とし、一人一人のよさや可能性を捉えという、その考え方が比較的明確に示されていると思います。一方で、保育所保育指針における評価に関しては、保育所や保育所の自己評価という側面が中心となっており、評価の対象や目的の示し方に違いが見られるように思っております。
しかしながら、今回、施設類型にかかわらずということを8ページ、それから17ページにもお示しいただいておりますように、保育所保育においても子供理解に基づいて、一人一人の育ちや可能性を捉えて、その後の保育に生かしていくことは保育の根幹であり、理念自体は共通していると考えています。そのため、評価に関する記載についても、乳幼児一人一人のよさ、それから可能性を捉えるという共通の評価の捉え方がより明確に伝わるよう、3要領・指針の整合性や表現の整理を検討することが必要ではないかということを考えているところでございます。
また、評価を考える際には、これまでも繰り返し出てきておりますし、皆様のお話にもありました学びをどのように捉えるかという観点も重要だと捉えています。特に0・1・2歳児は、知識や技能の獲得ということを評価する時期ではないということ、現行の指針の中に記されている学びの芽生えという記載が非常に適していると思うのですけれども、乳幼児は、安心できる大人との関わりを基盤として、周囲の人々や物事に関わり、自ら世界を広げていくわけですけれども、その姿は一見すると成果として見えにくいものなのかもしれませんが、まさに学びの出発点であり、その後の育ちの基礎となる重要な姿と捉えております。
したがって、評価は、この辺りは皆様と一致しているとは思うのですけれども、何ができるようになったかということを確認することにとどまるものではなくて、その子が何に心を動かし、どのようなことに関心を持ち、自ら関わろうとしているのか。そして、その子が保育者の捉えとしてどのような可能性が芽生えつつあるのかといった姿を丁寧に捉えて、次の環境構成や援助に繋げていく営みとして位置付けられるべきではないかと考えております。
特に低年齢時期は、今この時々に安心できる環境の中でそれぞれが自分らしく過ごして、自らの感性に基づいて自己発揮することに大きな価値があると思いますので、評価においても次の段階のために、今、発達過程という言葉が保育所保育指針の中には用いられていますけれども、次のステップのために何を身に付けたかという視点だけではなくて、その子が今どのように世界と関わり、自分らしさを発揮しているのかという視点を大切にすることが重要ではないかと考えます。この辺りは17ページの計画からの乳幼児理解という点にも表されているところだとは思うのですが、今後一層その辺りのところの整理が必要なのではないかと考えているところでございます。
長くなりましたので、2点目、3点目については一言ずつにさせていただきます。
2つ目は、先ほど高辻委員も触れておられましたけれども、家庭や地域との連携のところで、家庭に対しても保育の意図の理解ということをより深めていく必要があるだろうということを考えておりますし、もう一点は、やはり2歳から3歳の接続に対する理解、保育者の人数の違いであったり、保育内容の違いであったり、その点についてもより充実した記載ができるといいのではないかと思っております。
地域における推進体制については、先ほど岸野委員からもありましたが、私自身も、園に最も近い市区町村が主体的な役割を果たし、国、それから都道府県がバックアップしていくという体制がより一層求められると思っております。長くなりましたが以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、石山委員、お願いいたします。
【石山委員】 石山です。よろしくお願いします。これまで本当に議論等を取りまとめていただき、また、補足イメージも含め、大変分かりやすく示していただきありがとうございました。
私からは大きく3点お話しします。
1点目については、「遊びの深まり」という部分です。スライドは4ページになると思います。
「遊びの深まり」というところで、ポツの2つ目について、下線の部分ですが、「育みたい資質・能力」、「3つの視点・5つの領域のねらい及び内容」等、整合性を図る構造化について、非常に分かりやすくなったと感じました。それが補足イメージのスライド14になるのですが、イメージ化されたことで、大変分かりやすくなったと思います。
あわせて、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿という部分について1つ触れますけれども、まだ個別に取り出して指導するものではないということは分かっているのですが、図のほうで見ると、どうしても10個の項目と捉えることもあるのかなということを感じております。実際に見られる子供の姿というのは、様々な姿が出てきているものですので、そこの表し方をグラデーションというわけではないと思いますけれども、1個ずつ独立しているような見方を少し工夫できればいいなという部分を感じました。
さらに、補足イメージ丸2についてです。スライドは15になりますが、こちらについてもどのように「遊びの深まり」のイメージが分かりやすいなと感じたところです。実際に保育をしている先生方を見ていますと、日々の保育のねらいの設定に少し苦慮している部分があるのではと思います。遊びの中からどのような学びがあるかという点で、ねらいのところに資質・能力の視点で記述していくわけですけれども、今回も、教育的意図という部分と、乳幼児の姿からの見取りという部分があって、真ん中に指導計画に基づくという矢印がありますけれども、そこにもし付け加えられるとすれば、「指導計画におけるねらいの明確化(資質・能力)」というものがあると、より日々の保育の中でも資質・能力を育んでいこうということが分かりやすいのではないかなということを感じたところでした。
それから、大きく2点目ですが、スライド10番になりますけれども、「7.幼児教育と小学校教育との円滑な接続の在り方」についてです。こちらについては、いろいろな地域で取組状況に差がある部分が見られます。ただ、その中で、対話という部分を大事にしていきたいなと考えております。
初めの段階であれば、お互いの教育・保育について知るということも必要であるので、そういった意味での対話というのは十分行いたいなと思います。さらにその対話が進んでくるにつれて、お互いの教育・保育内容について深めていきたいと考えます。そのために、共通の視点での対話とどこかに入れると、それぞれの地域に応じた対話が進んでくるのではと感じたところでした。
それから、3点目です。資料2の地域の体制の在り方についてです。こちらについても課題として挙げられている部分は、秋田県でも感じています。我々も県としてそれぞれの市町村を支援しているわけですけれども、学校現場等を経験していない方も教育委員会に入っている場合があり、また、教育委員会ではなく福祉部局のほうで主に進めているところもあり、様々な違いが見られます。
そういった際に、秋田県には25市町村あるわけですけれども、幼児教育推進体制構築や幼保小の架け橋プログラムの推進という目的で、市町村を参集する機会を設けております。その際に、お互いの情報交換、それから共通の視点による協議を行っていきながら、人材の育成という点で進めているところです。
効果としましては、お互いの市町村同士の対話もありますので、刺激し合いながら、また、横のネットワークが広がっていくということも、成果として上がってきている部分がありますので、人材育成という点では、県でも支援が必要だとうことを実感しております。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、次に北野久美委員、お願いいたします。
【北野久美委員】 ありがとうございます。
この取りまとめ(案)を拝見しまして、本当にこれまでの議論がこんなふうな整理がなされるのだなということで、ありがたく思っております。その上で私のほうからは6点ございますので、よろしくお願いいたします。
まず、4ページ、5ページでございます。ここに、0歳からの学びの繋がりという、とにかく0歳から小学校就学前までの学びの接続が図られるというような記載に関しては、本当に感謝いたします。その上で、4ページの下の段もそうですし、5ページにかけても、0からということが強調されている。これは本当にありがたいことなのですけれども、7ページに参りますと、最初の黒丸では0~18歳というところで、「0歳児」、「1~2歳児」、「3歳以上児」というくくりがございます。また、言葉を用いて考える力のところでは、0~2、3~5と分けての記載があるのですけれども、これが0~2歳児、3~5歳児と分断されることがないような配慮が必要かなと思います。
例えば、言語を用いて考える力の基礎の育成ということに関しましても、0歳児の喃語の時代ですとか、ここで私が述べることではないのですけれども、2歳児後半からの語彙が急激に増えるところ、3歳児の会話がスムーズにいく、そういった育ちの過程の中で大きな変化があり、そして支援の在り方も異なるのです。ですから、そういったところで、やはり0~2、3~5という分断ではなくて、0歳からの学びの連続性が意識できるような記載の仕方がいいのではないかなと思いました。
また、2点目です。8ページに参りますと、ICTの活用と留意点というところで、もちろん弊害というか、マイナス面もちゃんと捉えた上で、体験を阻害する活用となってはならないという記載は本当にそのとおりなのですけれども、一方で、3つ目の黒丸のところに、障害のある乳幼児への指導においてはと記載がございます。ICTの効果的な活用をするということで言えば、今、私どもの現場では、障害のあると言っていいのか、特性に応じたと言うのか、ICTはかなり活用ができるツールであるということも思っていますので、ここに障害のある乳幼児においてはと限定をされるのは少し課題かなと思います。大きく言えば、障害のある乳幼児への指導においてもとか、特性に応じてというようなことで書きぶりは変えられるのではないかなとも思いました。
9ページに参ります。右側のところで、1日の中での活動の時間の繋がりという記載があるのですけれども、3~5を対象にしてとか、発達を援助するとかいうような記載がございますが、1日ということをどの時間帯で捉えているのかなと。私ども保育現場では、やはり12時間開所以上のこともございますので、基本的に11時間以上いるお子さんもいます。そもそも長時間保育のことを検討することが必要なのでしょうけれども、しかし、1日の中の活動ということの1日の生活全体の捉え方がもう少し細やかに要るのではないか。この辺はひょっとしたら解説書等で押さえなければいけないのかなとも思っているところです。
4番目でございます。ページでいいますと9ページが、保育専門委員会からの意見ということになっているのでこういう順番になっているのかもしれないのですけれども、子供の育ちには養護と教育の視点が必要で、子供一人一人に寄り添っての発達に応じた提供が必要だということ、これはこれまでもアタッチメントを基盤として、人や環境との出会いの中で、豊かな遊びと体験を提供するということ。こういったことを行っている中で、この取りまとめ(案)に、保育所及び幼保連携型認定こども園における養護等の改善充実、ここのページに盛り込んでいただけたことはありがたいのですけれども、本来子供の育ちには、はじめの100か月の育ちビジョンにもあるように、養護を基盤とした育ちの保障が必要ということであると、生命の保持、情緒の安定は当たり前ですよと捉えられているのかもしれませんが、その当たり前が消えないように、施設類型にかかわらず、全ての子供の育ちの基礎に養護があるのだということを明確にしていただいて、この記載全体を前のほうに持っていっていただいて、これがベースとして当然のことですというようなことが項目として挙げられるとありがたいなと思います。
このページだけではなく、12ページの概要を見たときに、養護という支えが5番目の右側にある。このことよりも、やはり基礎にありますというようなことで記載があれば、例えば13ページ、14ページ、15ページの図で表されたところを包括、積み込む部分なのか、ベースの部分なのかは検討しなければいけないですけれども、その図の中にも養護は必要なのではないかなということを強く思っております。
5番目でございます。地域との連携、11ページの8番、9番です。8番は「家庭や地域との連携・支援の在り方」ということで、地域との連携のことが記載されています。隣の9は私たちを支える地域の体制の在り方という捉え方で書かれているのですけれども、資料2を拝見しますと、どうしてもここは私たちを支えるという観点から、幼児教育が行われるように地域で支える体制づくりをと書かれてあるので、これは仕方のないことなのですけれども、教育の視点に重点が置いてありまして、これが同じように地域との連携とか支援の部分と、地域が支える体制づくりという、同じ地域という言葉を使われておりますので、その捉え方に混同がないかといったことを考えると、この部分は体制の在り方ということであって、地域の連携等々は8番に盛り込んでいくということのほうが混乱がないのかなとか、支え合うという部分もあるので、相互に支え合うというところを考えると、9番は教育に軸足があり過ぎるのかな。そして、8番と9番の地域という書きぶりを丁寧に説明する必要があるのかなと思いました。
最後でございます。乳幼児期の育ちは人生の基礎となるものです。こども家庭庁初の指針の改訂ですので、一番最初に書かれてあるように、施設類型にかかわらず、幼児教育の充実が進められている、求められているということを考えますと、先ほどいろいろな委員から、これは指針にはないですよねとか、これは義務付けられていないですよねという言葉がある。あるいは、私どものほうからは、0歳からの受入れ、0歳からの育ちということを考えた場合、やはりここは3要領・指針を一本化するという方向で、どちらにも、0からの育ちを支える全ての人たちがこれを柱にして保育ができるというような体制に持っていくというのがありがたいなということを考えて、6つ述べさせていただきました。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】 ありがとうございます。大変分かりやすく整理していただいて、3つの視点と5領域、あるいは資質・能力の3本の柱と10の姿が構造化されて、とてもいいなと思います。また、「遊びの深まり」についても大変意義深いと思います。
2つだけお願いします。
1つは、18ページの接続、先ほどの村地委員の意見に僕も賛成で、先般、文部科学省の使われた接続期の資料でも、昔の実践なので、アプローチカリキュラムと書いてあったのですが、「スタート」という文言を除いて、接続期の、前期、後期でいいのではないのかなと思っております。
もう一つが4ページ目のことなのですが、僕は5年ぶりに園長に返り咲いて元気いっぱいなのですが、現場で「遊びの深まり」という言葉を聞くと、間違ったプロジェクト遊びとかいうことにならないかちょっぴり心配をしているところです。
6ページ目の資質・能力の在り方とかには、学びに向かう力、人間性等について、初発の思考や行動を起こす力、好奇心など重要なところを書いてくれているのですが、ページが違うので、これをちゃんと併せて読み取ってくれないと思うので、4ページに戻りますが、「遊びの深まり」のところ、こうした乳幼児にとっての「学び」である「遊び」の次に、「学び」イコール「遊び」ではなくて、「幼児自身の興味や関心に基づく自発的な」とかいうのを付けて、いわゆる教師主導のやらせとかではないようなことが必要かなと思います。
この間、幼稚園に参りましたら、雨上がりに4歳の女の子2人がハスの葉っぱの上にぽつっと水玉を落として、そしてふらふらして振って喜んでいました。ぽとっとするというのは、自分の濡れたハンカチで露を落としていたのですが、露を落とすほどに大きな水玉ができて喜んでいて、ふと思い立った友達が、じょうろにお水をくんでざばっとかけると、全部ばさっとハスの葉っぱから落ちて、2人とも本当に顔を見合わせてげっそりとしていました。きっとそこでの学びは、分子間張力という水の性質のことでもないし、そのことについて今はやりの様々な機器を使ってプレゼンしたりすることでもなく、頑張って努力をして仕事量を増やせると幸せが来るはずなのに、やり過ぎたら幸せは遠のいてしまうという人生の教訓を知ったのだと思うのですが、実はそういういわゆる学習とか課題ではないところの遊びというものを守ろうということなので、そんなことが入ればもっと伝わりやすいかなと思いました。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 よろしくお願いいたします。まずは、これまでの膨大な議論を取りまとめいただきまして、ありがとうございました。事務局の皆様には感謝申し上げます。
私からは、資料3に関して3点申し上げたいと思います。
1点目は、7ページの右下に、遊びの中で多様な動きを行う体験の充実と身体感覚の育成とありますけれども、0~2歳児のところでは、下線部に、0歳児からの自発的な活動としての遊びの中で、多様な動きを促す援助の実現とあって、次の3~5歳児においては、最後のところで、身体感覚を養う指導を充実となっています。乳児期は、1行目にあるとおり、座る、はう、歩くなどの言わば基礎的な動きの獲得の時期で、動きのいろいろな変化のことを多様な動きとしていると理解しておりますけれども、現行の要領・指針等では、身体感覚という文言は、乳児期、乳児保育の「健やかに伸び伸びと育つ」のねらいに身体感覚が育ちとありますし、また、多様な動きについては、3歳以上の領域「健康」の内容の取扱いに、「多様な動きを経験する中で体の動きを調整するようにすること」とあります。
多様な動きは、基本的な動きのいろいろな変化ですので、小学校体育科の低学年の目標にある文言になっています。ですので、こちらの書き方ですと、ややもすると0歳から多様な動きを先行して身に付けさせようとか、身体感覚は3歳児から養うもののような誤った認識にもなりかねないので、身体感覚は0~2歳児のところに、また、多様な動きは3~5歳児のところで表現していただいたほうがよろしいのではないかと思いました。
また、0~2歳児の下線部に「自発的な活動としての遊びの中で」となっているのですけれども、この時期は生活の中での動きの経験とも密接で切り離せないので、遊びや生活とか、資料1の表形式化のねらいの書き方のように、園生活全体の中で乳幼児期の自発的な活動としての遊びを通してのような文言のほうが、誤解がないのではないかと思いました。文字数の関係もあるかと思いますが、御検討いただければと思います。
2点目は、資料3の10ページ目になります。「7.幼児教育と小学校教育との円滑な接続の在り方」に関係しますけれども、対話を通じて互いの教育への共通理解を図るためには、共通言語やそれぞれ用いる言葉の理解が必要になります。先日、ある研修会で小学校の指導主事の方が、幼稚園では支援とは言わないのですねとおっしゃっていて、そこに違和感を覚えられたようでした。小学校では広く支援を使用するそうなのですが、小学校の学習指導要領にも、発達の支援とか、課題を見付けることができるように支援するとあるのに対して、幼児教育では、子育ての支援や保護者支援、それから特別な配慮を必要とする幼児への指導の文脈で教育的支援は使いますけれども、一般的には指導や援助です。それぞれの独自性や違いはもちろんありますけれども、お互いの教育への理解を図るためには、今の例はすごく小さいことかもしれませんけれども、よく使用する言葉に関しては、どこかで前提として示しておくと、抵抗なく対話が深められるのではないかと思いました。他の委員からも御発言がありましたけれども、対話や理解においては、文言の意図や内容を誤解ないよう説明・提示することが必要かと思いました。
この点で言えば、7ページの「3.内容の改善の在り方」の一つにある遊びの中で多様な動きを行う体験の充実と身体感覚の育成に関しては、多様な動きや基本的な動き、それから遊びと低学年体育の運動遊びに関しては、現行の要領・指針等においても共通言語としてありますので、お互いの教育への共通理解が図りやすいと考えますし、学びの繋がりも意識しやすいと思っております。今後、相互理解が図られることで、より一層の円滑な接続に繋がることが期待できるのではないかと思っております。
最後、3点目、簡単にですけれども、8ページ目の右側、ICTの活用と留意点に関してです。3点記載していただいておりますけれども、いずれも子供に対するもの、保育の実践・指導に生かす道具・ツールとしての活用・留意点かと思います。このほか、指導や評価そのものに活用するツールとしての活用という可能性もあると思いますので、この点に関しての記載があってもよいように思いました。以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、北野幸子委員、お願いいたします。
【北野幸子委員】 ありがとうございます。これまでの議論を本当に丁寧にまとめてくださって、とても分かりやすくて、事務局の皆様に深く感謝申し上げたいと思います。
特に大切にしたいと私が考えている点、あと再度確認させていただきたいことについて4点、私からコメントさせていただきます。
まず1つ目、資料1の表形式についてです。2ページの検討事項丸1「ねらい」の示し方について、2つ目の黒丸で、資質・能力について、個別に取り出して指導するのではなく、遊びを通した総合的な指導の中で資質・能力を一体的に育むものであるとしっかりと記載してくださっていて、いわゆる柱で分けて示すのでなく、一体的に提示されていることに賛同したいと思います。
幼児教育と小・中・高の教育の連続性・一貫性を踏まえることは大切ですが、踏まえつつも、幼児の場合は3つの柱の基礎であって、これまでと同様、柱というよりも、ベン図のようなものとして理解しています。つまり、全てに情意が関わっていて、3つを分断しないこと、そのような理解であると思いますが、念のためにそのことについては再度確認させていただきたいと思います。
資料1の表形式においても、3つを横並びに記載してくださって、それがありがたいことだと思っていますが、さらには資質・能力が相互に重なっている部分があることが示されるとよりよいのではないかと思っています。
なお、資料1の表形式について確認しておきたいことは、幼稚園教育要領等の各領域のねらいは、育て養うとする領域と、養うものと、養い豊かにするというものがあるということです。育てることのみではなくて、エージェントとしての子供を意識していくこと、これを留意したい、確認したいと思います。つまり、表形式については、この違いを踏まえて、ねらいによってはその記載そのもの、あるいはその方法を検討する必要があると私は考えています。
2つ目ですけれども、資料3の7ページの「3.内容の改善の在り方」について、0歳からの学びの繋がりは極めて大切であることを確認したいと思います。書いていただいていることが大切だと思います。指導計画を作成する際には、乳幼児期の発達の個人差が大きいことを踏まえ、「0歳児」、「1~2歳児」、「3歳以上児」の区分を参照しつつも、乳幼児の実態に応じて柔軟に対応するよう配慮することが重要と記載されています。これを大切にしたいと思います。一人一人の子供が、誕生から育ちを積み上げていく。個の尊厳の観点からも、実態に応じて柔軟に対応する。そこでは、子供の一番近くにある保育専門職の専門性に委ねる、そこが大切であると理解しています。子供理解の深化に基づき、専門職としての判断に委ねられている、このことを大切にしたいと思います。つまり、日本の指針とか要領というのは、カリキュラムガイドラインだと、ガイドラインということを確認、大切にしたいと思います。
3つ目は言葉についてです。小学校以降の学習指導要領改訂の関係で強調してくださっているのかと推察します。実際、保育関係の国際学会はこの20年、言葉、数理認識、家庭との連携協働に関する研究の発表が増えています。しかし、言葉を用いる、考える基礎の育成の前提というものは、0歳からの育ちや学びの繋がりを考え、0歳から積み上げられていくものであり、その大切さを考えると、乳幼児教育において優先的に考えたいものは、まず安心・安全、居心地のよさ、情緒の安定、生命の保持、そういった状態の確保、次に子供自身の身体感覚の育ち、動きです。そういったものの土台があって、言葉を用いて考えることが次第に培われて、大切になっていくということも確認しておきたいと思います。
ウェルビーイングの観点から、生命の保持、情緒の安定といった状態、状況を保障することに加えて、エージェントとして子供自身が安心・安定して居心地よく、だからこそ好奇心、探究心、憧れを抱き、物や人を大切にする気持ちが育まれていって、そしてそこから人に関わりたい、物は面白い、知りたいと思う気持ちが育っていくこと、これを認識したいと思います。そして、言葉が生まれる前、つまり言葉を用いて思考する前のプロセス、これを保育では大切にしたいと考えます。知性の信頼、世界は面白い、人と関わるのは楽しい、うれしい、そういう素地がまずあると思います。読み書き算の前倒し教育、そういう教育にならないように、言葉についてフィーチャーすることについて考えたいと思います。
4つ目、資料2の体制についてですけれども、人材確保・育成・定着が今、喫緊の課題だと思います。全ての職種で人材不足が起こっています。2018年~23年の5年間のデータによると、高校卒業後の大学・短学・専門学校への進学は5%減っている。保育者養成に関しては26%と5倍のペースで減少が進んでいます。これに関しては20年前から、教師不足に関しての世界的課題を解決するために、教師の重要性~確保・育成・定着~という報告書がOECDから出ています。そこでは、資格の階層化と、高度化、働き方改革、処遇改善、そして何よりも職に対する社会的プレゼンスの向上が言われています。センターにそれらの機能をすることを加えていくことが示されることが期待されます。
5分になってしまった。すみません。
最後に1つだけ、久保山先生が読み上げてくださった幼稚園教育要領の前文は、世界の保育学研究者の仲間に常に賞賛されていて、私自身もとても誇りに思っています。一人一人の幼児が、自分のよさや可能性を認識し、つまり、好きを育み、得意を促すこと、これは私たち要領が既に掲げてきたのだということ。あらゆる他者を価値ある存在として尊重すること、多様な人々と協働しながら乗り越え、豊かに生きる力を培う。SDGsの言及もある。私たちの幼稚園教育要領等は、先駆的に既にこれらを掲げてきたと思います。この崇高な理論を継承して、さらに発展させていくことが今まさに目指されていると思います。私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。先ほど私のほうで順番を間違えてしまいまして大変失礼いたしました。次は飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 ありがとうございます。取りまとめをいただき、ありがとうございます。
私のほうからは、(2)の各保育所・幼稚園・認定こども園を支える地域の体制の在り方について少しお伝えさせていただきたいと思います。
まず、今回このように方向性が示されることに大変感謝しております。今、私が所属しておりますのは、市の乳幼児教育センターです。組織としては市長部局でございますが、幼稚園・保育所・認定こども園など施設類型を問わず、公開保育や研修の実績、乳幼児教育コーディネーターによる園への訪問等を通じて、地域の乳幼児教育の質の維持・向上を目指す拠点としての役割を担っております。
架け橋プログラムや特別支援に関する連携については、市の教育委員会と一緒に取り組んでおりまして、2ページ目の1、担当部局間の連携に示されているように、幼児教育担当部局と小学校教育担当部局間の共通理解、連携は欠かせないと感じております。
行政はいわゆる縦割りで、どうしても担当部局が違うと連携しにくいということが起こっております。だからこそ、行政がそこを超えて繋がっていくことが重要ではないかと思っています。それは園種、学校という校種の違いにも同じことが起こっておりますので、こうした違いを超えていくというところでは、園種は違っても同じ指針とかが要領で乳幼児教育を実施していくということが必要ではないかと感じております。
また、保育専門委員として今回参加させていただく中で特に実感していますのは、今、一緒になるといいなと言ったのですけれども、3つの要領・指針を正しく丁寧に伝えていく役割が私たち地域の乳幼児教育センター、つまり行政にあるのではないかと感じております。そのためには、2のところに書かれております行政における専門人材の育成・配置に示されておりますように、行政に専門職を配置して、施設類型問わず全ての乳幼児教育施設に周知を図っていく必要があります。
3の幼児教育センターの設置については、各都道府県、それから市町村にセンターの設置を願うところではありますが、それぞれ地域の実情に合わせて、よりよい形で体制が整うことを期待したいと思っています。
また、参考資料もとても参考になりますので、私自身も参考にさせていただきたいなと感じております。
次に、取りまとめについてですけれども、簡単に2つ程度、感想になりますがお伝えさせていただきます。
10ページ目の7の小学校教育と幼児教育の接続についてですが、先ほどから議論に上がっておりますスタートカリキュラムと架け橋期のカリキュラムの関係性が分かりにくいなということをずっと感じておりましたので、示されることはよいと思っております。ただ、やはりスタートカリキュラムは1年生のカリキュラムの一部であると捉えておりますので、そう示していただくか、もしくは村地委員や佐々木委員がおっしゃったように、架け橋期のカリキュラムとして2年間を示していただくほうが分かりやすいのかもしれません。
18ページに示されている対話のための資料というのが出てくるのですが、真ん中辺りの矢印のところです。この対話のための資料というのが何を示しているのかなと思いましたので、何か具体例があるのであれば、あるといいなと感じました。
13ページの概要の補足で、遊びについてしっかりと記していただいたことは重要だなと感じております。「遊びの深まり」なので5歳児をイメージしておられるのだと思うのですけれども、3歳以上だけではない、0歳から主体的・継続的な遊びを通じて学びが繋がってきていること、そこから深まっていくということが、もし可能であれば写真などで示されるといいなと思いました。紙面の関係できっと難しいのかもしれないのですが、0歳から学びが繋がっているということを言っていただいているので、そこに示されるといいなと感じました。
また、最後、感想になるのですが、14ページ目の補足イメージ丸1で、3つの視点、5つの領域のねらいと内容、育みたい資質・能力、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の関係性について周知していくためには、どうやって現場の先生方に説明して、どうやって実践に生かしていただくのかというのを、私自身が学ぶべきことがたくさんあるなと感じましたので、これをどうやって広げていくかというのも、従来から言っていますが、すごく重要になってくるのではないかと感じています。以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、奈須委員、お願いいたします。
【奈須委員】 よろしくお願いいたします。
資料1の2ページの表組みのところですけれども、ねらいの示し方、内容の示し方は、結論としては全然これでいいと思うのですが、なぜそうするか、小学校以上と変えるかという理由のところが違うと思っていて、というのは、例えば幼児教育においては、書いてある3つを個別的に取り出して指導するのではなくと書いているのだけれども、小学校はそうだと思っているのですか。それは違いますよ。だって、小学校の授業で、今日は知識ですとか、今日は思考力ですとか、そんな授業はないですよ。だから、3つの資質・能力は学力の3側面で、学力というのは常に一体的なものだというのが資質・能力ベースの考え方ではないですか。そこがコンテンツベースから変わったわけですよね。それは小学校であれ、高校であれ、全部そうなのですよ。だから、ここでこの3つを個別的に取り出して指導するのではなくと書くと、小学校以上はそうするのですよという認識で幼児教育はいるということですよ。正直言ってそれはちょっとまずいと思います。そうではなくてという話だと思うのです。
では、なぜ幼児教育はそうしないかというと、小学校以上だと、一体なのだけれども具体的に分析的に記述することが可能だし、それが有益だという話だと思うのです。特に育成や評価に関わって。育成するのは一体的にやるのだけれども、それを分析的に捉えるということをしたほうが小学校以上の場合は益が多いからやっているだけで、幼児教育はそうしないほうがいいという話なのだろうなと私は思うのです。ねらいについても、内容についても同様です。いつも気になるのは、幼児教育が自分の特質を説明するために仮想敵として小学校以上について考えていることが時々違うと思うのです。以前、評価でも申し上げました。それは、つまり小学校以上が改心して随分変わっているので、変わっているところ、まだ現場は必ずしもそうなり切っていませんよ。でも、政策上はもうすっかり現行からそうなっていて、次はさらに一段進めようとしているので、その点は共有して、アップデートしていただかないと、幼児教育側が小学校以上について、以前の状態のまま、やはりそうですよねという認識を持っていると、また別の乖離が新たに生じるのではないのかなと。これはとても危惧をしていますので、ちょっと慎重にと思います。
もう一つは、それに対して一体的に指導するという説明をよく使うのだけれども、それで何でも説明できると考えるのもちょっと危ういというか、失礼な言い方だけれども、安易な気がします。一体的という言葉で何でも済ませてしまうという、そんな簡単なものではないのではないかと、ちょっとこれは考えなければいけないと思っています。難しいことですけれどもね。
例えばねらいと内容のところについて、幼児教育においてはその3つの側面がありますけれども、それについて例えば内容ごとに各側面の具体を分析的に記述するのは困難であり、とかだったら分かるのですけれどもね。あるいは、さらに遊びを通した総合的な指導の中で、資質・能力を育むという指導の特質からも、あえて分析的な記述を行わないとしてはどうか、とかだったら私は分かると思うのです。
それから、高次の資質・能力のところも、これも説明がちょっと違うと思います。高次の資質・能力を示すのは、幼稚園教育ではやらないほうがいいと思うのですけれども、その理由が、学びに向かう力、人間性等も含めて、一体的な育成を行う幼児教育においては示さないというのではないと私は思います。つまり、高次の資質・能力、今言っている統合的な理解とか総合的な発揮というのは何かということだと思うのですが、それは一つ一つの単元とか個々の場面での学びで終わらずに、それを1段上げるわけですよね。だから、複数の学びを統合して、その意味を自覚して転移可能にするという話が統合的な理解や総合的な発揮ですよ。だから、それはさすがに幼児教育としては難しいでしょうということですよね。いろいろな場面で遊んだり、いろいろな場面で暮らしたり、その中で気づきとか学びとか育ちとかがあるのだけれども、それを前やったことと今日やったことは似ているよねとか言って、それって結局こういうことだよねとか、そんなことは幼児教育ではしないですよねということです。一方、小学校以上はそれをもっとやらなければいけないということなのですよ。
掛け算と割り算というのは別ではなくて、同じことの逆数理ですよねとかいうことをやろうとか、いろいろな図形について勉強しているのだけれども、それは実は図形を構成している要素と要素間の関係ということで見ると統合できる。そんな話を考えているわけですけれども、それは幼児教育ではやらないということだと思うのです。だから、例えば、小学校以上において示す高次の資質・能力については、複数の学びを統合し、その意味を自覚するといったことだから、それは幼児教育の学びとしては考えにくいから示さないというのであれば、とても私はよく分かるのです。
きつい言い方をしましたけれども、小学校以上で今、議論していることが何かということ、小学校以上でできていないことはまだまだたくさんあります。でも、理念的にはそちらに進もう、政策的にはそこに進んできているわけで、それを踏まえて、幼児教育はさらに何がどう違うのか。全然違っていいのですけれども、その違う根拠、分かれ目は何かということを明示的にきちんと整理して、こういうところは示していく必要があると思います。
結論はこれで全然いいと思うのです。見方・考え方についても、幼児期の見方・考え方は変ですよね。見方・考え方は、ディスプリンディシプリンに即して現れてくるものですから、小学校教育の見方・考え方なんてないように、幼児教育の見方、変え方なんて、もともとあるはずもないのです。だから不適切だったと私は思いますし、ここに書いてあるように、見方・考え方としての位置づけ位置付けはやめて、乳児も対象としつつ、幼児教育が重視すべき遊びの過程として重視する、この結論はこれでいいのだけれども、なぜその結論に至るかという論理については、難しいと思うのですけれども、再度精査をお願いしたい。そうしないと小学校以降のほうにも影響する話なので、難しいお願いをしていますけれども、御検討いただければと思います。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 ありがとうございます。まず、資料1からお話しさせていただきます。
最初からの議論にあったように、他から見て分かりづらい、そこが幼児教育の豊かな学びだと思っておりますので、1~3の検討事項に関して示してはどうかということについては賛同いたしますので、今後議論を深めていくことができればと感じております。
また、資料2について、幼児教育の質を向上させていくためには、やはり幼児教育センターの設置がまだ不十分だということは大変大きなことだと思っておりますので、これらの資料を見て、必要だと思っていただけるようにお出しするのがよいと感じております。2ページ目の一番右側の最後のところに、幼児教育センターの機能ということが書いてありますけれども、その一番最後に幼児教育に関わる機関・団体との連携・調整ということで、全ての教育が広がりを持っていくためには、1ページ目にあります黄色い右側の表ですけれども、大学・養成等ということで示されております養成校との連携のほかに、もう既に幼児教育センターを置いていらっしゃるところは、公開保育を幼稚園と共同してするなど、幼児教育の団体等も密接に関わりながら研修を深めていますので、加えていただければと思います。
また、資料3につきましては、現場の保育者が読んでも非常に分かりやすく、分かりやすい言葉で示していただいておりますので、これを一つ一つ丁寧にしていくことが大事だと思います。
資料3の幼児教育の基本の考え方が4点書かれてありますけれども、その一番最後の4つ目なのですが、今、多様な育ちをしている子供たち、そしていろいろな境遇に置かれている子供たちがたくさんそれぞれの施設にはいると思うのですけれども、私たち保育者がその乳幼児と信頼関係を築くことは大変重要なのですが、今の時代はやはりその前に、保育者こそ乳幼児との愛着形成をしっかりすること、そして信頼関係を築いていくことが重要であるなと私自身は思っております。
また、18ページの架け橋のイメージ図は、皆さん方が御指摘のとおり、こちらもなかなか現場として進まないという現状があります。左側の互いの教育に対する共通理解という理解がまだ深まっていないという現状を思ったとき、カリキュラムが目立ち過ぎてしまいまして、共通理解をもっとすることによって、おのずと架け橋期のカリキュラムを共同して作成することができてまいりますので、スタートカリキュラムという言葉、どうしても右側の0からの階段のような図が別々にあることは、そこは触らなくても、先ほど来、先生方がおっしゃっていること、スタートカリキュラムと5歳児のカリキュラムを目立つようにするよりも、共通理解をすることによっておのずとそこで架け橋期のカリキュラムということが生み出されると思うのですけれども、そちらのほうにフォーカスするような描き方がよろしいのではないかなと感じております。
また「遊びの深まり」という言葉ですけれども、こちらも現場の保育者が感じ、考えるときには、どうしても遊びが続いていく、継続していくということに引きずられるのではないかなと思っています。子供たちのそれぞれの遊びの点と点が繋がって線になり、面になっていくという側面、それがおのずと深まっていくという言葉になると思うのですけれども、深まりという言葉だけを取ってしまいますと、どうしても保育者は今日の遊びが昨日と繋がらなかったと思わないような記載が、先ほど佐々木先生のおっしゃったところがしっかりと説明があれば分かりやすいのではないかなと思います。点と点が繋がって線に、そして面になっていくような「遊びの深まり」、そこが豊かな学びに繋がっていくことを示していくことができればよろしいのではないか。
この取りまとめというのは、今までの議論が全て入ったものではないということは重々理解しておりますけれども、それを分かりやすく示した取りまとめというものは大きな位置を占めるものだと思って、ここまでおまとめいただきましたことに感謝と敬意を表したいと思います。私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、続きまして、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 よろしくお願いいたします。取りまとめに関して、本当に多様な意見がある中で、このようにまとめていただいてありがとうございます。
特にこの取りまとめに対しては大きな意見がないので、進めていただければと思っています。その上で2点ほど意見を申し伝えさせていただければと思います。
1点目は、指針・要領の内容自体は、本当にすばらしいものができていると思っているのですけれども、これがどう社会に届いていくかということが大事であって、指針・要領をつくるためだけに話合いをしてきたわけではなくて、指針・要領の内容がどう子供たちの育ちに繋がっていくかということが大事なので、どのような子供を育てるために、今回のような指針・要領の内容をきちんとやっていくかということなので、どんなふうにしたいかが事業者だけではなくて社会や全体に届いていくことが非常に重要かなと思いますので、こんな子供たちが育っていく未来をつくっていきたいために今回の改訂がありましたということが一番大事なのかなと思っているのが1点目です。
2点目は、今回の改訂内容もいろいろな意見があって、すばらしいものができたと思っているのです。ただし、10年前の指針・要領に対しても、それもすばらしかったと思っているのです。これまでのものに対しても。ただ、事業者、我々も反省すべきだと思うのですけれども、この10年間においてその内容がうまく伝わってこなかったり、それが実践として生かされていなかったのだと思っているのです。
昨年の中教審の取りまとめでも、問題行動の低学年化があったり、子供の数がどんどん減っている中でも自殺や虐待や不登校が増えているという社会的な背景がある中なので、もう喫緊の課題だと思っているのです。なので、今回の指針・要領は、建学の精神やこれまでの実践、いろいろ事業者のほうもあるとは思うのですけれども、今回の内容をしっかりと事業者が義務を課すのかどうかは別にしても、しっかりとこれをやっていくような体制をつくっていかないと子供の生活に間に合わないのかなと考えています。
なので、我々事業者も含めて、今回の指針・要領をしっかりと子供たちの生活を、遊びを通して、主体的な学びを通してやれるような体制をつくっていただきたいなと思っています。それは幼児教育センターなのか、行政なのか、いろいろな反発もあるし、いろいろな課題もあると思うのですけれども、子供の生活にこれだけすばらしいもので、こうしたら子供が豊かに育つよねというものができたのであれば、これがきちんと子供に届いて、家庭に届いて、しっかりと社会に届いていく。そして、10年、20年先には、世界で戦えるような子供たちだったり、しっかりと幸福度が増すような社会をつくっていくようなものにしていただけならありがたいなと思っています。
我々事業者も、これまでの考えとかやってきたものとか経営とかいろいろあるのですけれども、公金を頂いている以上、この国を背負う子供たちをしっかりと育てていかなければいけないし、それに対しては国も行政もしっかりグリップを利かせていただいて、そしてこの内容が全ての子供たちに届くようにしていただきたいなと思っています。
最後に、僕はずっと言っているのですけれども、毎日のように子供を取り巻く悲しいニュースがあって、命を亡くす子がいたり、虐待されている子がいたり。そういったことがあるので、子供の命を守って、情緒を安定させるようなものが保育であれば、保育がきちんと社会化されていって、はじめの100か月にあるように、地域全体で保育をして、子供の命を守って、情緒を安定させて、この国で生まれた子供たちが一人も命を亡くすようなことがないような社会にしてほしいなと思うので、この指針・要領の内容が社会に届いていただきたいなと思っています。以上3点です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、倉石委員、お願いいたします。
【倉石委員】 私は短めに2点お話をします。取りまとめいただいてありがとうございました。
資料3で私が気になったところが、10ページの外国人乳幼児の指導や支援の充実というところで、日本語がやはり大事なので、日本語の力を育む視点が大事ですということが書かれていて、これは十分大事なことなのだけれども、外国人乳幼児の指導や支援で大事なのは、母語をどういうふうにこの中に組み込むかということだと思うのです。保育の場面では政策的にもそういうところが打ち出されているというところもありますので、その辺がもうちょっと言葉を付けていただいてもいいのかなと思ったのが1点です。
2点目は、ほかの委員もおっしゃっていたのですけれども、幼児教育とか乳幼児教育とか乳幼児という言葉がたくさん使われていて、とても難しいところだというのは重々分かるのですけれども、ちょっと混在しているなという感じで、例えば11ページの8番目の「家庭や地域との連携支援の在り方」、ここは一応私の専門の立脚のところなのですけれども、2行目のところには、それぞれの立場から乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性であって、3行目は、そこから幼児教育の基本的な考え方について共通理解を図るとなっているのです。また、次の2つ目のポツには、子育て支援を支える取組として幼児教育の専門性というのがありながら、下から2行目は乳幼児の心身への影響や使う際に留意すべきことなどとなっているので、この辺りは読み手のことを考えると、大変かとは思うのですけれども、精査していただく必要があるのではないかなと思いました。
非常にたくさんの議論をこういうふうにまとめていただいたということに対しては、本当に事務局に対して敬意を表しております。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、川越委員、お願いいたします。
【川越委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。これまでの議論がこのようにまとまったと思うと、事務局の方々の御苦労を拝察いたします。ありがとうございます。
私からは、これが出て現場の保育者がどのように捉えるかという視点で、主に資料3の14ページから考えたことをお話させてください。主に2点でございます。
1点目は、乳幼児期の教育の根本とか真髄を改めて確認ということです。今回の資料を拝見し、御説明を伺って、今回の要領とか指針の改訂は、何か新しく変わったりとか加わったりするということではなく、これまでの委員もおっしゃっておられたように、遊びの深まりということで、いろいろなことが整理をされたということに納得をいたしました。それは、今回の小学校以降の学習指導要領の改訂の大きなキーワードにもなっている「好きを育み」というようなところのこれからの教育全体の方向性に向けて、私たち乳幼児の教育に関わっている者が、改めてやってきたことを見直し、整理をされたものだと捉えました。このような捉えで合っておりますでしょうか。
しかし、「好きを育み」という文言だけを見ると、一見、好きなことだけをしていたらよいのかと捉えてしまうことも懸念をされます。ここの誤解がないように、現場ではここの資料の意味を正しく解釈し、保育の実践をしていかなくてはならないと考えました。14ページの補足イメージ丸1のように、今回、3つの資質・能力と3つの視点・5つの領域、そして10の姿の関係性ということが図示されました。これまでの委員の御発言にもありましたように、私もとても分かりやすくて、保育を構想・実践・評価する際の大きな手がかりになると考えます。
乳幼児の姿から総合的に保育を実践する中で、その子の好きや得意が見つかっていく。逆を言えば、だからこそ乳幼児期にいろいろな経験ができる環境を用意することが大切だということを改めてここでお示しいただいているのではないかなと思いますが、好きなことだけをやっていればいいのではなくてということを、例えば解説などで確認するということが必要なのかというふうに考えました。現場が誤った解釈にならないような工夫をよろしくお願いいたします。
そこで、私は幼稚園に属しておりますので、幼稚園教育要領を見ていろいろな指導に当たっているところなのですけれども、0歳児のところの3つの視点という文言については、幼稚園教育要領ではこれまで触れられていなかったので、これが0歳児の保育であるということもどこかで御説明していただくと、また3つの視点ということが新たに加わったのかという誤解も受けるのかなと思いましたので、御説明いただけると分かりやすいかなと感じました。
そして2点目です。5領域のねらいと内容の関連性の説明についてです。14ページの右下の囲みの中にあるところです。それぞれこのたびこのように、ねらいはこういうことだよということと、内容はこういうことだよということで、文言を整理していただきまして、改めて私も勉強になりました。よく読むと、そのねらいが何か、内容が何かということが分かるのですけれども、よく考えないで読むと、さらっと読み飛ばしてしまいそうだなと思いました。例えば内容の説明の2行目、必要な構成要素という言葉であったりとか、一番下の環境構成や援助の骨子というような文言が、特に若手の教員が少し難しく感じることがあるのではないかなと思いました。
ねらいというのが乳幼児の姿と教師の願いという2つから成るもので、評価、反省をしっかりすると出てくるもの、教師の意図だけとか、幼児の姿だけということからは生み出せないものということがここで確認されましたし、また、内容は、いろいろな側面から幼児の活動を支えていくべきであることということが確認されましたので、改めてそのような構成要素とか骨子ということについても、解説等になるのかなと思いますが、丁寧に説明をしていただけると、若手の保育者であっても保育実践に使えるのかなと感じました。以上でございます。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、次に秋田委員、お願いいたします。
【秋田委員長】 ありがとうございます。学習院大学の秋田です。これまで、こども家庭庁、文部科学省が一緒になって議論をしてきて、幼児教育ワーキングと保育専門委員会がそれぞれのまとめを出すのではなく、これを一本化して議論を取りまとめるということ自体が非常に画期的なことであり、これまでの御尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。
その中の鍵になる言葉の一つが、一本化して出している鍵になる言葉が、「幼児教育」です。幼児教育というのは、0歳から小学校就学前までの幼稚園も保育所も認定こども園における教育を指すのだという、これまで法令上一度も使われていない言葉で、幼児教育という言葉において何を指すのか、それを議論することによって、これが一本でまとめられていくということの意義は大変大きいと思います。
ですから、誤解が生じないようにということでの定義は、幼児教育は明確に今回のまとめでも出されているわけなのです。そこをいかに周知したり、皆さんに御理解いただくかということが大事であり、年齢区分と同時に、施設の類型にかかわらず、一つにできる用語としての「幼児教育」ということが極めて重要であります。
そうしますと、実は資料3の12ページ、13ページが、ここの委員会だけではなく、学校種を超えた方たちへの説明資料として使われるわけなのですが、ここには残念ながら、星印で幼児教育が何を指すかが出ていないのです。なので、12、13ページで幼児教育が何を指しているかということは必ず入れていただくことは、このまとめが一本化できるのであれば、必要なことになるのではないかと思います。
また、13ページ目のところなのですけれども、久保山委員が、多様性の包摂ということが文部科学省学習指導要領のほうの一つの鍵なので、例えばここも学習指導要領のほうでは「全ての子供に確かな学びを」という言葉があるわけですけれども、こちらも全ての子供が、乳幼児は園生活の中で遊びを通して学ぶとか、全ての子供を対象にして、これを私どもがつくっているというメッセージがどこか言葉の中に出ていくということが、それだけでは多様性の包摂としてはまだ弱いところもあるかもしれませんけれども、まずはそこのところを少し書き加えていただくことができるとよいのではないかというのが資料3の1点目です。
2点目としては、「遊びの深まり」につきましては、15ページの図が分かりやすいのですけれども、佐々木委員や岡本委員が言われましたように、「遊びの深まり」が深い学びへ繋がっていくわけですが、「遊びの深まり」ということが、イメージが分かるように矢印がぐるぐる回るようになっているのですが、これは実は直線的にいつも回るわけではなく、むしろ子供の遊びの中では時に切れたり、飽きたり、外れたり、でも長期的な目で見ると、先ほど岡本委員が、点が線になり面になっていくと言われたような形です。遊びというのはプロジェクト保育をこれでやってほしいという話ではなく、日々の遊びが積み重なって、これが回っていくことで深まっていく、そうした視点を持っていくのだと思います。そこが見通しとして、この循環を見ているから、長い目で見るからこそ遊びの深まりが見えていくのだという、そういうところをこの図では描けないと思うのです。もうこれ以上は無理と思うほどよく描いてくださっていると思いますので、むしろ「遊びの深まり」に関して、深い学びに繋がるものとして、事例集等で具体例を示し、そして「遊びの深まり」とは一体何なのかということを一層一般の方に分かるように書いていただくことが大事だと思います。
それから、3点目が18ページ目でございます。先ほどから御議論がございましたが、カリキュラムという言葉が架け橋で重視されているのは、安定的に行われるためには、活動だけではなくて、カリキュラムとして計画されることが重要だから、架け橋カリキュラムであります。そして、今回は画期的だと私は思ったのは、どうも一部の方の中に、スタカリは4~5月のところで小学校がやるものでしょうという10年前の国研で出されたスタートカリキュラムを今もイメージされているかもしれませんが、2年間の場合には、小学校1年生全体の時期のあらゆる教科の小一カリキュラムをスタートカリキュラムとして捉えたいということなのです。もしかするとこの図で小学校1年生のカリキュラムというほうを括弧出しし、そしてイコール、スタートカリキュラムというふうに、1年のカリキュラムは全てスタートカリキュラムを指しているのだという表現で、これが小学校以上の教育課程の議論でうまく議論できるのかということはさらに検討が必要だと思うのですけれども、どうも今までの御発言だと、1年生のカリキュラムの一部分、スタカリは一部ですよねという御意見があったように思いますが、架け橋期を2年間に進まないからこそ、前に報告書をつくりやってきた2年間の意味は、小学校1年生の全科とつないでいくことによって、幼児教育と小学校以上の教育全てが繋がっていく基本が1年生の低学年時期にあるということを1年生の先生が理解してくださって、「遊びの深まり」から深い学びへつなぐということが必要だという意味で、報告書のほうでも1年生のカリキュラム、イコール、スタートカリキュラムと入れていただきたいと思います。
そして、この図の中にも、「遊びの深まり」がキーワードであれば、「遊びの深まり」と深い学びというものをこの図の中にも入れる必要があると感じるということであります。
あとは細かい点で、資料1に関しましては、私は、デジタル化になっても、総則評価のほうで、学習指導要領でも恐らく前文は書かれると思いますので、こちらでも前文は確実に書き、そしてデジタル化をしていただき、なおかつ、小学校以上とつないで、検索キーワードで、幼児教育についても小学校の先生が分かるような形に表形式をつないでいただきたいということが資料1です。
資料2につきましては、1ページ目の大学のところで、まず1点は、各都道府県につくってくださいねと国が頼むだけではなくて、さらに都道府県の幼児教育センターをつかさどるのが、国立教育政策研究所の幼児教育センターというところが都道府県の幼児教育センター全体の調整やマネジメントや、そういうことを一つ担うために、幼児教育センターが東大CEDEPと別にその1年後にできている意味合いというのはそこにあると思いますので、それを書いていただくことが必要と思います。
また、大学と書いてありますが、先ほど岡本委員からもありましたが、保育関係諸団体もございますので、むしろここは教員養成部会のほうで議論しているのですけれども、幼児教育やコンソーシアム、保育の各先生が研修に来てくださいという話で、各大学の先生が各センターに講師で行きますよという話だけではなくて、全体として団体や各大学・養成校が一緒になって幼児教育センターとコンソシアムとしてこれからを考えましょうというような図柄を少し加えていただくとよろしいのかと思った次第です。以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
大変申し訳ありません。私の時間の調整がうまくいっておらず、ぎりぎりいけるかなと思いましたけれどもあふれてしまうようで、12時を超過してしまうことをどうか御容赦いただけたらと思います。申し訳ありません。続きまして、河合委員、お願いいたします。
【河合主査代理】 ありがとうございます。ポイントだけお伝えさせていただきます。
まず、資料1の表形式のところは、全体的なことについて賛同いたします。柱書きの中に、これまであった領域の趣旨を位置付けること、私はとても大切だと思っております。その領域がどんな資質・能力を目指しているのかということが端的に書かれているので、重要だと考えます。
次に、資料2についてですが、体制の在り方に関する協議がまず行われるということが非常に極めて重要だと思います。2ページ目の下から2行目のところ、教育委員会内の共通理解・連携というところがあるかと思うのですが、これは極めて重要だと思っています。教育委員会で対応しているというところもあるのですが、その中で幼児教育と小学校以降が分かれているときに、そこですぱっと縦割りになってしまうと、お互いの共有が難しいこともあると思いますので、この点は改めて大事だということをお伝えさせてください。
そこに関連して、幼児教育の専門人材の育成や配置とともに、他校種の指導主事などが幼児教育の担当となることで相互理解が深まる側面もありますので、そうしたことも含めて、引き続き大事にしていけたらいいなと思っております。
そして、資料3についてです。本当にお取りまとめありがとうございました。今回を含め、これまでの議論に付随して公表された補足のための各種資料が大変分かりやすく、今後も活用していきたいと思いますし、活用が図られていくことが重要かなと思っています。取りまとめがコンパクトにまとめられていて、少し説明が十分できないところを補足するという意味で、こうした資料の存在や活用を進めていきたいなと思っています。
それから、最後になりますが、今回の取りまとめで示していただいているところ、改めて0歳~18歳を見通した教育を進めていくのだということが一層実現に向かっていく、そういう方向性を持っていると思います。振り返りますと、現行の平成29年改訂で育成を目指す資質・能力の明確化と、幼児教育で育まれたものが育ち続けていくのだという発達や学びの連続性の明確化が行われました。幼児教育においては3要領・指針で一層の整合性が図られて、乳児保育からのねらい及び内容の明確化などによって実践が積み重ねられてきたと考えております。そして同時に、制度的なこともありまして、地域の幼児教育施設の研修などが一体的に行われるなど、設置者や施設類型を問わずに一緒に取り組んでいくということが、程度の差はあっても進められてきていると思うのです。ですので、これは架け橋プログラムの推進も後押ししているということが、この会議でも語られてきたところでした。
そうしたことを背景にして、いよいよ設置者や施設類型にかかわらず、全ての園で幼児教育の質を高めていく、それは環境を通して行う教育ですとか、乳幼児理解に基づく評価の実施、そしてキーワードにもなっていく「遊びの深まり」、こうしたことの具現化をみんなで目指していくということ。その土壌が耕されて、種がまかれて、芽吹いてきているように思いますので、次期改訂ではそれをさらに進めていけるような内容や改善の方向性が今回のまとめで示されていると考えております。このことをしっかり捉えながら、私も引き続き理解を深めてやっていきたいなと思っています。
最後の最後ですが、こうしたことを踏まえて、専門職としての幼稚園教諭・保育士・保育教諭の専門性がこうした取組で向上する、さらにその専門性への理解というものが周知されたり、さらに誇りを持って勤めていけるようなことに繋がっていくことも併せて大変期待を持っているところです。以上になります。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、大豆生田委員、お願いいたします。
【大豆生田委員長代理】 時間がないので少し短めにお話しいたします。
本当にこれだけ膨大な議論の成果をこうやって取りまとめていただき、感謝です。また、そうした私たちの声をここに反映していただいたこと、とても感謝申し上げます。
その上で何点か申し上げます。
1点目ですけれども、1つ今回の大きなポイントになっている4ページの「遊びの深まり」の実現のところ、本当にここが大切なところだと思っています。その上で、この中の文言のことですけれども、例えば補足イメージ丸2、資質・能力の育成に向けた「遊びの深まり」のイメージの中では、環境の構成・再構成の援助を行うことを通して「遊びの深まり」を実現し云々と書かれています。全くそのとおりだなと思っています。戻って4ページの文面を見ていくと、環境の構成ということに関しては書いてあるのですけれども、環境の構成と再構成という観点、再構成という言葉がここの中には見当たらなくて、恐らくそれは当然含み込まれたものとして記されていると思います。
実は環境の構成と再構成ということが、子供と保育者が共につくって遊びが深まっていくということを説明する上ではとても大切かなと思っています。また、そのことは、4ページの右側の小学校との学びの繋がりの中でも、小学校との中でも環境の再構成のことが書かれていることを考えると、ここの両方に、「遊びの深まり」の中に環境の構成と再構成ということが記されることが大事かなと思います。また、そのことが取りまとめの概要などにおいても記されることで、よりそこが明確になるのではないかなと思うというのが1点目です。
2点目です。5ページや7ページのところで、言葉のことや他者との関わり、多様な動きのことが記されています。その中で、年齢区分、0~2歳とか3~5歳ということが書かれています。北野久美委員も、そこに分断がなされないことが大切だというふうに書かれた点に関しては、私も少し配慮が必要かなと思います。例えば、言葉で説明ができるとか考えられるということはとても大切なことなのですけれども、最近現場でよく聞くことの中に、例えばサークルタイムで話せない子をどう話させるようにするかということに特化するということがかなり聞こえてくる言葉だったりもします。それ以外にも、3歳までにこれをできるようにさせることでというふうなこともたまに聞く言葉だったりします。
そうすると、例えば先ほどの言葉のことに関しても、なかなか言葉にできないその子の思いや願いみたいなことが、実はそれは3歳以上でも大切にされることということが、当然そういうことを踏まえてこれは書かれていらっしゃるわけですけれども、そのことがより分かるように示されることが、よりこれをよく理解していただくことに繋がることかなと思います。
最後、3点目ですけれども、今回この議論の中で、3ページの家庭との連携の中で100か月ビジョンのことなどが記されてきているように、これまでこども基本法や100か月ビジョンの中での子供の権利や人権のことが背後にあったと思います。それはこれまでの指針などでも子供の最善の利益ということで、子供が権利の主体者としての意味合いということ、この中の全部にそれが伝わっていると思いますけれども、そのことも根幹に当たるところなので、見えるようになると、よりこの趣旨が伝わるのではないかなとも思いました。
これだけ幼稚園・保育所・認定こども園等の内容が一つになって示せる本当に大切な機会となっていること、私は本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。大変申し訳ございませんでした。時間を超過してしまいましたけれども、委員の皆様に御意見をいただけたかと思います。
大変熱い様々な視点について、論点について御意見をいただき、本当に心より感謝申し上げます。
先ほど来、スタートカリキュラムと架け橋の整理について、生活科ワーキングとの関連もあろうかと思いますが、この点、補足等、事務局からありますでしょうか。
【上遠野幼児教育課子育て支援指導官】 スタートカリキュラムについては、生活、総合的な学習・探求の時間ワーキンググループにおいて議論されております。補足しますと、10ページの右側の3つ目の黒丸に記載の「『架け橋期のカリキュラム』は、幼稚園・保育所・認定こども園における5歳児のカリキュラムと小学校における1年生のカリキュラム(スタートカリキュラム)の総称として位置付けることとする」ということについては、この生活、総合的な学習・探求の時間ワーキンググループで御議論されているところのものであります。
ここの意図としては、先ほど秋田委員長の御発言のとおり、小学校1年生のカリキュラムの中で、スタートカリキュラムの実施時期が、例えば1~2週間の学校もあれば1か月の学校もあるというように、いろいろなバリエーションがあるということもございますし、少し形骸化されているという反省点もございます。
そういったところを踏まえて、今回、生活、総合的な学習・探求の時間ワーキンググループでは、小学校1年生の1年間のカリキュラムとしての見通しをもってスタートカリキュラムを位置付けるという方向性で議論されていると聞いています。
その辺り、幼児教育ワーキンググループ、保育専門委員会の取りまとめとスケジュールが並行していくことになりますので、また生活、総合的な学習・探求の時間ワーキンググループの議論も踏まえながら、歩調を合わせて今後整えていきたいなと考えています。
【古賀主査】 ありがとうございました。それでは、最後に、御欠席の多田委員より書面にて御意見を提出いただいておりますので、事務局より紹介をお願いいたします。
【西尾成育基盤企画課長補佐】 多田委員の意見書について読み上げさせていただきます。
食栄養・食育の観点から主に2点、資料3について意見を申し上げます。
まず1点目は、生活全体の中での食事の位置付けについてです。今回の取りまとめ(案)では、遊びの深まりを通じた資質・能力の育成が中心的に整理されており、幼児教育の質の向上に向けた方向性として重要であると考えます。また、資料8ページにおいて、友達と食事をしたり、食物を栽培・収穫したりする活動が、園生活全体を通じて食育として位置付けられている点は大変重要であると考えます。
その上で、乳幼児期の育ちは、遊びのみならず、食事・睡眠・休息等を含む生活全体の中で形成されるものです。資料9ページにもあるように、特に1日の生活全体を考慮して、食事・睡眠・休息・遊びなどが無理なく営まれるよう配慮することが求められています。
こうした整理を踏まえると、遊びと生活は対置されるものではなく、相互に関連しながら資質・能力の育成に寄与するものとして、より明確に位置付けることが重要と考えます。特に食事は日々繰り返される基本的な生活行為であると同時に、乳幼児が主体的に人や環境と関わる重要な学びの場面でもあります。そのため、「遊びの深まり」を中心とした環境に加えて、食事をはじめとする生活場面そのものに学びが内在していることを明示することが全体の理解をより一体的にするものと考えます。
具体的には、資料4ページの資質・能力の一体的な育成に向けた「遊びの深まり」に関する箇所、または資料8ページの食育に関する箇所に次のような趣旨を加えていただくことを希望いたします。
食事をはじめとする生活の場面も、乳幼児が人や環境と関わりながら学びを深める重要な機会であり、遊びと生活の双方を通して、資質・能力が育まれることを重視する必要がある。
2点目は、食事場面の教育的意義の明確化についてです。資料では、友達と食事をすることや食物を栽培・収穫する活動が直接具体的な豊かな体験として位置付けられています。この点に加えて、食事場面そのものが持つ教育的意義についてもより明確に示すことが重要であると考えます。例えば食事の場面では、友達と一緒に食べる中で人との関わりが生じ、自分の好みや気持ちを言葉で伝える経験があり、食べ物や料理に関心を持つこともあります。こうした食事場面において自然に生じる多様な経験は、健康にとどまらず、言葉、人間関係、環境、表現など複数の領域に関わる資質・能力の育成と深く関わるものであり、生活の中の学びとして捉えることができます。また、本案が重視する直接的・具体的な体験を通した学びという観点からも、食事場面は典型的な実践の場と位置付けられるものと考えます。
そのため、資料8ページの食育に関する記述に、次のような観点を明確にしていただくことを提案いたします。
食事の場面では、言葉によるやり取り、人との関わり、環境への関心、自分の思いや考えの表現等、多様な育ちが自然に生じることから、健康に加え、ほかの視点や領域とも関連付けながら保育を構成することが重要である。この点は、食育を特別な活動として独立させるという趣旨ではなく、日常の生活の中にある食事場面を乳幼児の理解や資質・能力の育成につながる生活場面として捉えるという趣旨です。「遊びの深まり」との整合性も十分図られるものであり、むしろ遊びと生活の双方を通して、乳幼児の育ちと学びをより豊かに捉えることにつながると考えます。
なお、専門職との連携に関する記述について1点申し添えます。食事は乳幼児の生活の基盤であり、発育・発達段階や個別の状況に応じた配慮が求められる場面です。栄養管理、食形態の調整、アレルギー対応、家庭への食生活に関する助言、食育の推進等については、栄養士・管理栄養士の専門性が生かされる領域でもあります。本文で職種名をどこまで例示するかについては全体の整理が必要かと思いますが、今後、解説や具体的な運用を検討する際には、栄養士・管理栄養士を含む専門職との連携という視点も留意いただければと思います。
また、家庭との連携・支援の観点において、食事に関する課題についても触れていただくことが考えられるのではないかと思います。偏食やアレルギー等、食に関する課題については保護者が不安を抱えることも多く、必要に応じて栄養士・管理栄養士等の専門職と連携しながら、施設と家庭が情報共有を行い、支援を進めていく視点も有用ではないかと考えます。以上になります。発言の機会を与えていただきありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。大分時間が超過しまして申し訳ございませんでした。本日は本当に様々な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
今日のポイントとしましては、「遊びの深まり」ということの重要性に向かってこの中身がまとめられてきたということが大きなポイントだったかと思いますけれども、その重要性とともに、中身の示し方を慎重にしていくであるとか、丁寧にしていくということも重要ではないかということの御指摘をたくさんいただいたかと思います。
私としては、保育者の側からこれを捉え直して、0歳からの保育内容の探究に繋げていくということが生じる、それがすごく大事だと思っておりますので、分かりやすい示し方であるとか、また、ねらい、内容と資質・能力の関係をどのように分かりやすく伝えていくのかといった辺りも今後の大事なところかなと思ったところです。
それから、評価につきましても御意見いただいたかと思いますけれども、確認しておきたいところですが、17ページの図の中に記載がありますとおり、幼児教育・保育における評価というのは、子供に対して行うのではなく、保育がどうだったかということを振り返って、自らの保育の評価を行うというところで、そこは押さえておきたいなと思ったところです。
それから、養護の位置付けについても複数の先生方から御意見をいただきました。それが育ちのプロセスを踏まえて示されていくということが重要であろうと考えました。
それから、スタートカリキュラムと架け橋については先ほど上遠野さんのほうから説明があったとおりであろうかと思います。
そして、多様性の包摂などにつきまして、3要領・指針でかなり記載がそろっていないところ、整合性をどう図っていくのかというところと、さらに充実させていくということも考えていくべきというような御指摘があったかと思います。ありがとうございました。
これをもちまして今日の会議は終了としたいと思いますけれども、次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【上遠野幼児教育課子育て支援指導官】 次回の幼児教育ワーキンググループ及び保育専門委員会の開催は、6月5日を予定しております。議題は、本日と同じ取りまとめに向けた検討について行う予定になっております。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
これだけの内容をあと1週間でというところで、なかなか緊迫感がありますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。
――了――