令和8年3月24日(火曜日)16時30分~19時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【古賀主査】 定刻となりましたので、ただいまから第6回幼児教育ワーキンググループを開催いたします。お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。
本日は、3つの議題について御議論いただく予定です。初めに、議題1として、乳幼児理解に基づく評価の充実について御議論いただいた後、議題2の家庭との連携・支援の充実についてと、議題3の教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動の充実についてを併せて御議論いただく予定です。
なお、議題1と議題2につきましては、後日、保育専門委員会との合同開催においても重ねて議題とする予定ですので、本日は特に幼稚園及び幼保連携型認定こども園における課題や今後の方向性にフォーカスして御議論いただければと存じます。
それぞれ事務局より説明いただいた後、意見交換を行います。
それでは、議題1について、事務局より説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、資料1について説明いたします。1ページを御覧ください。
まずは、評価に係る現在の仕組みと課題について御説明いたします。現在、幼稚園、幼稚園型認定こども園、幼保連携型認定こども園においては、乳幼児一人一人の理解に基づいた評価が行われています。その主なポイントを簡単に御紹介しますと、評価は乳幼児の発達の理解と指導の改善という両面から行うものであること、日々の指導と評価は一体になっているものであること、評価は指導の改善を図る手掛かりを求めるものであること、他の乳幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないこととされているところです。このように、幼児教育においては、評価は乳幼児の理解に基づくものとしており、一人一人の乳幼児と直接に触れ合いながら、思いや考えなどを理解して受け止め、その乳幼児のよさや可能性などを理解しようとすることです。
また、評価の妥当性や信頼性を高められるよう、日々の記録やエピソード、写真など、評価の参考となる情報を生かしたり、複数の教職員で日々の記録等を共有しながら多面的に幼児を捉えたりするなどの工夫が重要となります。
こうした評価の現状と課題について、右側に記載しております。1ポツ、指導の改善に生かす評価を行うに当たり、育みたい資質・能力を育成する観点から自身の指導を振り返ることが十分に行われていないのではないか、また、記録が単なる表面的な活動の記述に留まっており、指導の改善に生かす評価の参考となる情報が不十分な記録となっているとの指摘もあります。
2ポツ、幼稚園等に対する調査によると、評価の妥当性や信頼性を高めるための取組として、「写真付きの記録を作成したり、エピソードを記録したり等、評価の参考となる情報をできるだけ充実させる」を選択した割合は56.2%であり、また、教育活動の記録方法については43.1%の園が「手書き」であったとの結果でした。
2ページを御覧ください。こうした現状と課題を踏まえ、乳幼児理解に基づく評価の充実の方向性について御提案しております。
1つ目の四角、乳幼児理解に基づく評価により指導の改善が図られるよう、以下の取組について明記するとともに、評価に関する参考資料等を作成することが必要ではないか。2つ目の四角、指導の改善に生かす評価の充実に向けて、記録の充実や記録を基にした振り返りなどの取組を推進すべきではないか。この記録の充実や記録を基にした振り返りについて、2点御提案しております。
1ポツ、評価の妥当性や信頼性を高められるよう、評価の参考となる情報を日頃から記録し蓄積するとともに、記録を基に自身の指導を振り返ることが重要ではないか。また、記録に当たっては、指導の改善に生きるよう、単なる活動スケジュール等を記すのではなく、右の図に記載のような評価の観点、ここでは3点例示しておりますが、こうした観点から振り返ることができる情報を記すことが重要ではないか。その際、写真や動画などを活用したり、ICTを活用して園内で共有したりする工夫も効果的ではないか。
2ポツ、指導の改善に生かす評価を行うに当たっては、特に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等の観点から、自身の指導を振り返り、長期的な視野から育みたい資質・能力の育成を捉えようとすることが重要ではないか。具体的には、どのような学びをねらいとしていたのか。そのための環境の構成や必要な援助は適切だったか、実際に展開された乳幼児の活動において、ねらいとしていた学びや予想を超える学びは見取れたのか。記録をする際や記録を基に振り返る際に、乳幼児の姿から遊びの中の「学び」を見取る視点をもつことが重要ではないか。こうした遊びの中の「学び」を見取る視点について、3から4ページに補足イメージを掲載しておりますので御参考ください。
3ページは、左側の枠内、学びが芽生えつつある幼児の具体的な姿の記録を掲載しております。こうした記録を基に、水色の枠内、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を活用して、「学び」を見取り、資質・能力が育まれていることを確認し、ピンク色の枠内、指導計画の改善の方向性を検討して、一番上の段のように、週案のねらいと内容を修正するといったイメージ例になります。
4ページは、左側の枠内のようなドキュメンテーションを作成する際に、例えば「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」又は育みたい資質・能力の観点などから、右側の吹き出しのやり取りのように、自身の指導を振り返り、担任等や管理職等が話し合いながら多面的に幼児を捉えていくといったイメージ例になります。
2ページをお願いします。このような記録や記録を基にした振り返りの充実、また、その際に遊びの中の「学び」を見取る視点をもつことにより、乳幼児理解に基づく評価を充実する方向性について御議論いただければと存じます。
説明、以上になります。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました論点について、御議論いただきたいと存じます。御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。発言時はミュートを解除してお話しください。御発言は3分程度におまとめください。時間の都合上、皆様に御発言いただこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】 ありがとうございます。
今回、御説明いただいた内容で、いわゆる保育の構造化がとてもよく分かって、とても適切だと思いました。なぜなら、1回目の他団体との議論のときに、資質・能力が具体的に育っている姿として10の姿が出ました。そうすると、5領域のねらいや内容と10の姿ということで、ダブルスタンダードになって、どっちがどうか分からないというような議論が出てきました。実際、そういうようなことも出ておりますので、5領域のねらいや内容を基に指導計画を立てて、そして実践をして、その中での子供たちの遊びの様子をよく観察をして、10の姿から、資質・能力の10の視点から何が育っているのかを見て、それを評価をして、子供の見取り、理解をさらに深め、翌日の指導を改善するという、そういう保育の構造化がとてもよく分かる好事例だと思います。
リレーの実践例も表してくれているんですけれども、こういう具体例はとても大事で、数とか量とかということについてはなかなか現場で捉えることが難しいです。量というのは、長さとか、大きさとか、熱量とか、暑いとか、寒いとか、速さとか、様々なものがあります。それが抽象的な形になったときに、分離量としての数というものが現れるんですが、その辺の発達の捉えもこういう具体的なところを示してくると分かりやすい好事例だと思いました。
感想です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 失礼いたします。スライド2のところにまとめていただいたように、本当にその記録を基に指導を振り返るということは私も大変重要だというふうに思います。それに関わって2点、記録の仕方と、それを支える園での営みなどについて申し上げたいと思います。
まず、記録の仕方について、スライド2の1の2つ目の黒ポツのところにあるように、やはり何をしてどうだったのかという活動のことをざっくりと書くだけでなくて、やはり子供の姿が具体的にどのようだったのかというところが重要だと思います。記録には、本当に保育者が何を見てどう捉えたのか、何を考えていたのかということが如実に表れると思います。ぼんやり見ていて何も考えていないと何も記録ができないというふうに思うわけです。
そして、スライド3も、そういう意味では、ともすると、リレーの事例ですけれども、今日はリレーをして楽しく走れましたとか、ルールどおりにできました、あるいはルールにちょっと沿ってできませんでしたとか、そういうところで終わってしまう可能性もあると思います。それに終わらずに、この記録のように、子供が何をどのように楽しみ、どこに面白さを感じているのか、そしてさらに学びや育ちに繋がっていくにはどういう方向があり得るのかというのを、今、佐々木委員もおっしゃったように、遊びの中の学びの視点でこういった多面的に、多角的に子供の姿を丁寧に見詰め直すということが本当に大事だと思います。見取りを指導に生かす、そういう乳幼児理解を踏まえた記録というところをやはり大事にしていくことが必要だと改めて思いました。
そして、2つ目に、もう一度、スライド2に戻っていただいて、1の3つ目にあったかと思うんですが、そういった記録と振り返りというのはやはり1人では難しいということもあると思います。記録がなかなか書けないという声も時折聞くんですけれども、それは時間がないという問題だけではないようにも思います。もちろん保育の現場、非常に忙しくて時間自体も足りないと思うんですけれども、でも、時間だけではなくて、保育が身体的な行為であるのに対して、書くということはやはりかなり言語的な自覚が必要になりますので、その場では何となく子供に反応してこうしてそこで動いたけれど、それはどういうふうに子供の言動を捉えて、どんな意味があったのか、捉え返して言葉にしていくというところには非常に深い省察が必要になって、それはちょっと面倒でもありますし、時に苦しいことでもあるのかなと思います。そうした言葉にし難いところを改めて言葉にしていくというところでは、対話がやはり大事だと思います。
そういう意味で、スライド4のように、同僚の保育者とか管理職の先生と、そのときどうだったのなんていうふうに問われることで、そういえばこうだった、ああだったという見取りが引き出されたり、それってこういうことだよねという価値付けや解釈を手伝ってもらう、それによって捉え方が豊かになって力にもなっていくのかなと思いました。そうした対話の場とか、あるいは園内研修の場、さらにはそうした場をコーディネートする人の研修といったところも重要になってくるのではないかなというふうに思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 評価というものの在り方について、2枚目でしょうか、方向性案というところにありますような基本的な方針というのは、これは基礎的なものとして大切なものだなというふうに考えました。その上で、特に乳幼児期を考えたときに重要かなと思われたことについて申し上げたいと思います。
このページの次のページから、2つ、イメージというのが出てまいるわけですけれども、記録と振り返りの充実イメージというのと、指導計画の改善のイメージと振り返りの充実のイメージです。こういう理解を豊かにしていくためには、この日の子供たちの姿というのを、これまでの育ちの姿とつないで理解していくということが大切なのかなと思いました。どちらの例についても、A児とかA君という表現があるわけですけども、そのA君というか、A児がどんな子なのか、そのA君が何をしたということに固有の意味がある場合というのは少なくないかなと思っていて、例えばリレーの例で申しましたら、いつも元気で活発でみんなを引っ張っていくA君が掛け声をかけたのか、これ、ありがちかなと思うんですけど、そうするとA君らしいなという理解になっている。そうではなくて、A君はふだん物静かで、どちらかというと子供たちの遊びに後から参加するようなタイプなんだけど、今日は張り切って最初に掛け声をかけたのかもしれない。となると、先ほどのA君とはまたちょっと違う理解になってくる。
そういうところで、今日の出来事の意味とか、そこからどんな保育が進んでいくのか、あるいはA君にどう関わっていくのか、A児にどう関わっていくのかというのが違ってくるのかなと思います。それは、現行要領にもある、考え方にあるよさとか可能性を広げていくということにも関わってくると思います。これは、恐らく小学校以降の評価という概念とは少し違ったものになってくるのではないかなと思います。そういうことが大切かなと。
そのためには、子供たちの変化というのを長期的に十分に理解しておくということが必要で、そのためには主に担当する保育者だけではなくて、園内、場合によっては園外の多様な人々が、子供たちの様子を見て、ああ、A君、そんなことしていたんだというように、お互いが見て取った子供たちの姿、理解をすり合わせていくような過程というのが必要かなと思いまして、それ、今、岸野委員からもありましたように、そういうやり取り、対話の場というのが保証されるということに意義があるかなと思っております。
その際に、資料にありますようなICTですとか記録の活用というのは、これ、とても大きな意義があると思っております。ただ、1点だけ申しますと、セキュリティの基準というのが物すごく難しいところがあります。基準を読んでも素人によく分からないみたいなところがありまして、この辺については適切に運用されることが必要かなというふうに思っております。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 私も先生方がおっしゃるように、幼児理解において大切なことは、やはり1ページにありますように、複数人の教員で多面的に子供の姿や育ちを共有することであるように思っています。クラス担任は、目の前の子供たちと、日々、共に生活をして、担任なりの幼児理解はできているとは思うのですけれども、他者と関わることで、語り合うことによって、自分には見えてこなかった姿が見えてきますので、そのようなことが必要ではないか。私どもの園も、子供たちの遊びの姿を折に触れて写真に収めておりますけれども、それらをこんな姿もあるということを教職員全員で見合う時間を持っており、担任自身が新たな子供の姿に出会うということもよくあることです。
また、園生活の時間も長くなっていることから、日中の保育時間と異なる姿を預かり保育の時間に見せることを思いますと、そこにもやはり園全体で子供というものを理解していく、その工夫をしていくことの重要性を感じております。
また、評価の充実を考えるときには、2ページの図にあるように、小さなPDCAサイクルを幾つも回していく、一つだけではなくて小さいことを幾つも回していくということが大事であろうと思います。そのための方法の一つとして、やはりそこにも保育を見合うという取組が有効ではないか。園内で見合うことはもちろんなのですけれども、時には小学校の先生方に保育を開いて見ていただいたり、近隣の園に声を掛け合うなど、保育を開いていく、そして参加者と、開きっ放しにするだけではなくて、そこで参加者と語り合うことを通して自園だけでは見えなかった姿を知ることもできますので、成果があるように思っております。
私共が所属します幼児教育研究機構では、公開保育を活用した保育の質向上システムを構築しておりますけれども、自分自身の保育を開いて他者の保育者と語り合うこと、小学校の先生方と語り合うことで、幼児理解が新たにあり、そこに気づきを得ることがあり、そうしますと必ずそこに次のねらいへの設定理由とか、記録の持ち方へ、どんどん広がっていきますので、保育を見合うということは有効ではないかというふうに思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 ありがとうございます。資料の1ページ目のところにありますように、評価は指導の改善を図るために行われるということを改めて確認する。その上で、その信頼性、妥当性を高めていくための様々な工夫や取組を推進していくという方向性、非常に大事だなと思って拝見しておりました。
ただ、ここで言う評価の信頼性とか妥当性とはどういうことなのかというところが幼児教育では難しい課題としてあるのかなと感じています。特に妥当性です。つまり、真に捉えるべきものをちゃんと的確に自分たちの評価では捉えられているんだろうかという部分が、幼児教育における評価の難しさの一つとしてあるのではないかなと考えています。
測定可能な特定の能力をテストなどで測るというような、そういうものとは違って、ここで捉えていく子供の学びというのは、先ほどの資料後半のほうの具体的な例示でも挙げられていたように非常に多面的ですし、また、ここまで小松委員などからもありましたように、個別の子供の文脈であったり、それまでの経緯であったり、その子の個性であったり、様々なことを踏まえた上で見ていくという部分があって、非常に多層的でもある。
そういう意味では、そうした学びを支え促す指導の在り方というのも、必ずしも常にこうあるべきとか、こうすればよい、これがいい指導だというものが一定のものには限られない。評価をしていくときに、併せて常にもっと違う見方はできないかとか、どういう可能性がさらにあるだろうかということを、評価とともに常に問い続けることに意味があるのではないかと、そういうことも言えるのではないかと思います。
そこは、私たちが通常イメージする、テストで測ったり、星をつけたり、何かランク分けしたりするような評価とはやはり大きく異なるところで、そこの理解の共有がまずやはり非常に大事ではないかと思っています。
そういう中で、やはり捉えたい子供の学びをしっかりと見取っていく視点というところは、根拠を持ってきちんと見ていかなくてはいけないですけども、その視点が偏ったり、ぶれたり、ちょっと違う方向性に行ってしまったりということがないようにするために、要領に示された資質・能力、それから10の姿を共通の軸としながら、記録等を突き合わせて、根拠を持って評価を行っていく。そういう流れが非常に大事ということが言えるのではないかと思います。
そういった意味で、2ページのところ、様々な記録を情報として生かす、それから複数の教職員で多面的に捉えるということが信頼性、妥当性を高めていくための取組として挙げられていますけれども、それに加えて、先ほど岡本委員からもありましたように、やはり園内や組織内だけでとどまってしまうのではなくて、時に様々な外部の研修であるとか、地域の公開保育などを通じた学び合いの機会など、より開かれた取組を通して、自分たちの見方に偏りや見逃しがないか、もっといろんな視点があるんじゃないかというようなところも深めていったり、広げていったりと、そういうところも併せて必要になっていくのではないかなと思います。
資料2ページの右側の図ですけれども、このサイクルは、閉じたものではなくて、課題の多い園はもとより、どんなに優れた実践を既にされているような園であっても、やはり要領に示された資質・能力のより深い理解によって、常に評価していく視点そのものも問われ続けるものだというような理解をベースに行っていく、ここのところを重視したいと考えているところです。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、村地委員、お願いいたします。
【村地委員】 園の先生方の記録を拝見していますと、実によく一人一人の表情だとかつぶやきから子供の思いや育ちを捉えられていると感心させられます。スライド3のエンドレスリレーの〈記録した幼児の姿から「学び」を見取る〉にある、「リレーの様子を目で追って、先を走っているチームが速いと捉え、勝ちそうだと思っている」というような思考・判断している子供の姿なんか、とてもすばらしいなと思ったところです。
スライド3の右側の青囲みのところにおける、10の姿で見取って、さらに資質・能力からの観点から確認をしていくという、このプロセスそのものを見たときに、小学校の学習指導要領の体育科における、運動に進んで取り組み、決まりを守り、仲よく運動をしたり、勝敗を受け入れたり、安全に気をつけたりすることができるようにするだとか、走ったり飛んだりする簡単な遊び方を工夫できるようにするなどといった園と小学校の繋がりも見えてきます。
ただ、記録の面というところにおいては、岸野委員からもありましたように、非常に負担感もありますし、時間的に限られた中であるということを考えたときに、43.1%が手書きであることであったり、複数の教職員で多面的に幼児を捉えている園が78.8%であることを踏まえますと、やはりICTの活用というのは業務改善の面において不可欠ではないかと思います。園によって、ICTの整備状況が様々でありますから、園や自治体での補助を受けながら一層整備を推進していくことで、ハード面でも整えていく必要があるのかなと思ったところでございます。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 大きく1点です。評価と計画ということなんですけど、やはり現場実践をやっている者としては、ノンコンタクトタイムのような、きちんと計画できて評価ができる時間と、あとは皆さんおっしゃるように対話的にということで同僚性等が担保できる中で、特に記録のほうは、やっぱり大人数を一人の教員で見るというよりは複数人で見て、そして多面的な見方をしないと、いろんな子供たちの育ち方が一方的になってしまうので、そこは対話的に、そして人数、ある程度の人数によって見るような時間、そして振り返る時間と、次の日の計画を立てる時間というのが必要なので、ノンコンタクトタイムと、人員の問題というのは非常に重要かなというふうに思っています。
また、集団の中の育ち方って非常に難しい評価になってくると思いますので、やはりそこを指導する教員であったりとか、主幹教諭であったりとかいうものが非常に力を発揮しないと難しいのかなと思いますので、その辺のキャリアラダーの構築が必要になってくるかなと思います。
また、地域によってもそうですし、これから指導、保育内容をしっかりしていこうというふうに思ったところには、やはり園の中だけではもう人材がかなり難しい状況も出てきますので、教育センターや専門機関とのきちんとした連携の下、またその指導体制をしっかりと構築しないといけないのかなと思いますので、その点が大きく1点になります。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、奈須委員、お願いいたします。
【奈須委員】 ありがとうございます。
乳幼児期の評価の在り方については、資料のとおり、委員の皆さんがおっしゃるとおりで、それで全然構わないと思いますが、いつも申し上げることですが、乳幼児期はこうで、小学校以上は変わるんだというふうに発想するのはそろそろやめたほうがいいと思います。今ほど言われたような、多面的に見るとか、多様な指標で見るとか、その子の以前とつなげて見るとか、その子のほかの場面とつなげて見るとか、それを通してその子自体のありようや伸びようとしている姿を捉えようとするとかいう評価は、小学校以上も高校までもずっと全体に必要で、それが評価の基盤になってないということが小学校以降の大問題で、幼小連携という観点からすると、ここで議論したようなことを、幼児期はこうしているんですから小学校以降も当然そうしてくださいねというふうに言っていくのが私は大事だと思います。
確かに小学校以降は、教科の内容についての各側面を基準準拠評価でやるということも付け加わりますが、それは今、議論していらっしゃるような、子供を丸ごと捉えて丸ごと育てていくというふうな評価にそういうことが付け加わるというふうに考えたほうが私はいいんじゃないかと思って、全体の評価の議論、またこれは総則・評価部会なんかでやるべきことですが、そういうところでの議論に今ほど伺ったようなことを持ち上げて、評価ということのありよう全体の基盤を移行する段階にあるだろうと思っていました。また、いろいろお力をいただければと思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、北野委員、お願いいたします。
【北野委員】 ありがとうございます。神戸大学の北野です。
資料の中で、しっかりと乳幼児教育においての総合的な指導によって資質・能力を一体的に育んでいる、そのことが、もちろん知識・技能の習得は悪いことではないですけど、それが一義的な目標じゃなくて、それは付随してくる現象、結果であって、保育はまず全ての教科教育の基礎となる知性の信頼、自分の知性の信頼とか、学ぶことの楽しさとか、人と関わることの楽しさが本当に大切で、それが乳幼児期の教育の評価の要であること、この点を大切に示してくださっているというふうに思います。
今、奈須先生がおっしゃったとおりだと思います。小学校以降も、教育という観点から学びの楽しさとか、それから人と関わることの楽しさというのは当然大事にされていて、そういうことで連続性が進んでいくといいな、ジワリと小学校以降の教育にも浸透していくことが期待されるなというふうに私も思うところです。
資料1において、実践の記録のところなのですけれども、単なる実践の事実記録だけではなくて評価に生かす記録、後の保育に活用できる記録、そこで大事なところというのは、その後の資料のほうにも対話が入っていますけれども、吟味が可能となるような記録を活用するから評価に信頼性が保ててくると。そういう意味では、私たちの研究では事実記録と解釈を分けることによって、小中高の接続期のカリキュラムをつくったというような本学附属の例もあるんですけれども、その記録というものも、活かせられる記録、信頼性のある記録、こういったことが大事だということも示してくださっていると思います。
資料2にあるPDCAサイクルですけども、PDCAサイクルに関しては、保育の業界ではその言葉が浸透する以前から、当然、私たちには教科書がないので、次の教育を考えるときには、今日までの、昨日や今日の保育を振り返って、子供理解に基づき環境の構成と再構成と、援助の工夫について計画を立ててきましたので、そのことは、私たちにとってはPDCAサイクルというのの連続性というのは自明なことだと思いますけれども、こういった資料によって、保育者だけではなくて、保育における一人一人の子供の理解に基づく評価あるいは実践の改善というのがどうなされてきたのかということが社会にも広がっていく、そういうふうに思っています。
この時期において大切にしたい教育、小学校の前倒しや準備教育や早期教育ではなくて、本当に今この時期に大切にしたい教育、それが小学校以降の教育の基盤にもなるわけですけれども、それを家庭や地域、小学校に共有していくこと、そして実践をやりっ放しにしているんじゃなくて、実践を振り返り、子供理解によって質の向上を図っているんだということ、そのことを保育専門職はしているということを表してくださり、それの機会をつくってくださっている資料だというふうに思います。
とても適切な資料で、大きな期待を持ってコメントさせていただきました。私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、川越委員、お願いいたします。
【川越委員】 ありがとうございました。先ほど来、この資料がすばらしいなというふうに思っておりまして、委員のお話を伺っておりまして、本当にそうだなと思っておりました。
今、現場での、特に若手の先生方の記録の取り方などを見ておりますと、本当に記録をとることに、苦しんでいます。先ほど来、評価に生かす記録を書くことでということのようなお話もありましたが、どうすることで評価に生かすことができるのか。特に若手の先生は、毎日、子供たちの前に立つ中で、自分が何を思って保育をしていたのかということを、その瞬間その瞬間に捉えられないでいるので、子供たちが帰り、職員室に帰ってきて、ふっと座ったときに、自分が何を考えていたのかというところを探るところから記録に入るのかなというふうに思っています。
本園の若手教員もそうなんですけども、それを考えるために、子供がまず何をしていたのかというようなことを書きながら、それで自分がそこで何を思っていたのかなということを振り返ることから始まるというふうなことを始めていくと、本当にあっという間に勤務時間は終わってしまい、明日の準備をしなくてはならなくてというような、中途半端なところで毎日が過ぎてしまうなというふうに考えておりました。
これは自分が若いときもそうであったし、今の自分が本当に1日で毎日の次の保育に生かせるような記録が書けるのかどうかというふうに問われたときに、ちょっと自信がないところもあるんですけども、やはりこういうふうな若手が苦しみながら記録を書いたり、自分の保育を省察するような場面に、先ほど来出ているような同僚であったりとか、あと主任教諭とか管理職が若手の保育者の保育に価値をつけていくということがやはりすごく大事なのかなというふうに思います。
毎日毎日対話をしてということが難しいのではありますが、例えば本園では、週案を提出するときに、前の週の子供の記録から週のねらいをこういうふうに立てましたということを書いてもらっているんですけども、そういうところで一緒に管理職が指導をしたりとか、あと園内研究会で保育者が集って、対話の時間を取るというようなことをしながら、先ほど5領域があって、そのねらいを達成して10の姿になるというようなお話もありましたが、そういうような仕組みも園内研究であったりとかというところで、主任教諭とか管理職がきちんと若手に分かるように示していくということが大事かなというふうに思っております。
そういうことを若手教員が経験をしながら、その結びつきであったりとか、だんだん自分が何を考えながら保育をしているかということができていくようになると思うので、この資料にあるようなPDCAサイクルをしていくこともそうなんですけども、そのようなことができるような若手教員を育てていくような組織といいますか、そこがやはり大事なのかなというふうに思って資料を拝見しておりました。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 ありがとうございます。国立特別支援教育総合研究所、久保山でございます。
皆様方の御発言と重複しないところでシンプルに一言、記録という点では、保育者が子供を表す言葉を豊かにするということが大事だなと思います。もうちょっと言うと、言葉をしっかり練っていくというプロセスをしっかり経験するということが大事かなと思います。
今回の資料、とてもすばらしくて、全ての先生がこうなってくださるといいんですけれども、若手の先生方の研修でグループ協議を見ておりますと、「もうあの子、ギャン泣きして大変だったのよ」って誰かが言うと、「そりゃ大変ね」って言って何となく分かった気になってしまうと。そのギャン泣きってどういうことなのという突っ込みを誰もしないんですね。そうではなくて、何となく分かるんではなくて、ギャン泣きってどういうことなのということをしっかり突っ込んで、みんなに分かる言葉にしていくという経験を積んでいく必要があろうかと思います。
私たち特別支援教育の業界では、最近、リフレーミングという言葉をよく使います。一見ネガティブに見える行動をほかの言葉に置き換えてみる。例えば「落ち着きがない」ということを「活発である」という言葉に置き換えてみる、あるいは「集中できない」ということを「変化に気づきやすい子供なんだ」というふうに書いてみると。この間、すごく僕、感激したんですけど、集団の中に入れないという子供に対して、「集団のにぎわいが苦手である」という言葉を使った先生がいて、なるほど、こんな豊かな表現があるんだなということを感じます。
決めつけるような言葉、あるいは特別支援教育を専門とする人たちがパニックとかって簡単に言ってしまうようなことを、いやいや、そうではなくてみんなに分かる言葉にしようということをみんなで考えていきたい。言葉を練るということは、必ず保育者のまなざしに反映されると思うんですよね。ネガティブな言葉で子供を表している人はそういう目で子供を見る。しかし、それをリフレーミングして、ポジティブな言葉で見れる保育者はそういう目で子供を見れるようになる。それが、多分、保育の改善に繋がっていくんだろうと私は思っていますので、そんなことができたらなということでした。
以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。
資料の2ページ目になりますけれども、こちらの冒頭にもありますように、乳幼児理解に基づく評価というのが前提であるということは共通理解していることと思うんですけれども、右側の図だけが仮に独り歩きすると、長期の指導計画に始まるというような誤解を招くことも考えられるように思いました。自明のことですが、ここは確認しておきたいと思いました。
それから、補足イメージの一つ目の左側の記録においても、補足イメージの2つ目の最初の吹き出しでも、初めにあるのは子供の姿です。まずはこういった目の前の子供の姿を捉えること、こういったことを踏まえて計画、具体的なねらいや内容を立てるという流れが再確認できるといいのではないかと思いました。
また、2ページ目の左側の「1.記録と振り返りの充実」の1つ目の丸にある、「記録を基に自身の指導を振り返ることが重要」に関してですが、園内研などに単発で伺った際に、週案や日案にねらいだけという園があります。ねらいと内容の内容は、ねらいを達成するために指導する事項ですけれども、この視点が定まってないと指導も漠然と感覚的に行われることになってしまうので、自身の指導を振り返る際も曖昧な感想にとどまってしまいます。右側の概略の真ん中辺りに記載がありますが、この点、ここがすごく大事ではないかと思いました。
小学校の先生が参観にいらっしゃる際も、本時のねらいと内容、そして評価の観点が示されることで見る視点が定まりますし、これによって評価の妥当性や信頼性も担保されるように思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、河合委員、お願いいたします。
【河合委員】 ありがとうございます。
本当にとても分かりやすい資料をまとめていただき、先生方の話も本当に同意しながら伺っておりました。改めて記録を取るということが、若手の先生の苦しさもお話しいただきましたけど、誰でも最初は1年生って言いますけれど、最初はその人なりの取り方から始まってよいのだということを支えながら、この資料やお話合いにあったとおり、それをみんなで考え合っていく中で、そういう見方もあったのか、あしたはこういうふうにしていこうということを記録者自身が実感を持ってあしたに繋がっていく手応え、そういうことを大事にしていくことが非常に重要だなということを改めて思いました。
そのためには、先生方のお話にあるとおり、園の中でみんなで考え合っていくことや、それをリードしていく、または研修を行っていくという園内で高まり合っていくという側面、それともう一つは、自治体や団体等で行われている研修がありますので、そうしたところで他園や様々な人と御一緒に考えながら、外部の力をもらいながら力をつけていく、その両輪がやはりこれからますます重要なことだなというふうに思いました。
また、記録を通してみんなで考え合っていくことが同僚性を育み、みんなで保育をしていくチーム保育の高まりということにも繋がってきますので、そういう点でも記録、評価のことではあるんですが、やはり幼稚園や認定こども園での保育というものが、先生方がそれぞれ力を出し合って一緒に進めていく、子供と共によりよい教育環境を創造するというふうにも書かれているとおり、そういうものであることを改めて感じて、今、ここに座っております。
また、久保山委員のお話にあったとおり、目の前の子供の姿、記録を取る子供は自分との関係性で現れた姿であるということを改めて確認していく、そのことも一緒に考え合っていくことで多面的に見ることができるなというふうに思ったところです。
資料の2ページ目のところ、今、吉田委員からもありましたPDCAですが、いつも計画が先にあるということではなく、幼児教育においては、計画も、実践も、評価も、改善も、まず子供の姿から始まるということ、私たちは自明のこととして思っているのですが、こうした資料が世に出ていくときに、この概略図のところにもそうした子供、乳幼児理解に基づく、全ての場所で乳幼児理解に基づくのだということが分かるような表記の仕方がさらにできると、誤解なく伝わっていくのではないかなというふうに感じたところです。
こうした取組、様々進んできていますが、自分の言葉で書いたり語ったりできる実感とか喜びが、またそれを保護者に伝えたり、小学校の先生に伝えたりすることで、さらに自分の保育にも返っていくということもあろうかと思います。園内の評価、記録というところではありますが、架け橋プログラムの推進がこの一翼を担っていたり、次の話題になりますが、家庭との連携にも大きく影響してくるというふうに感じたところです。
資料のリレーのところなどありますけれども、こうしたことを小学校の先生と、まさにこのエピソードを持ち寄ってこのプロセスを一緒にやっていくことが相互の理解の推進や教育を一緒に考えていくことにも資するものだというふうに改めて思ったところです。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
これで皆様に御発言いただいたかと思います。すみません、私が余計なこと言ったものですから、かなりコンパクトに御意見いただいたのではないかと思います。申し訳ありません。ありがとうございました。
様々御意見いただきましたが、基本的にはこの方針に皆様、御賛同いただいたというふうに理解をいたしております。この資料にある5領域から指導、そしてそれを見取って指導の改善に生かしていくということが非常に構造的であり、整合的であるというようなこと、それからそういった言語化して、記録を取るということを言語化することなわけですけれども、それはすなわち、またその姿を価値付けて、意味付けて解釈をしていくということであり、それを基に対話をしていくということが保育の質の改善に非常に重要であるというような御指摘、そしてそれぞれの子供の姿には固有の意味があるということを、これまで非常に幼児教育の世界では重要視してきたところですけれども、それがまた一層確認されたということや、そういったことの意味を確認しながら保育を開いていくことというのが重要であるというようなことですね。
妥当性を問うというようなことが言われましたけれども、それはまさに保育の継続性の中で問われ続けることであるというふうに私は思っているところです。あしたもまた保育がある、あしたもまた子供たちがやってくるという中で、果たしてその見取りがどうだったのか、この環境がどうなのかというようなことを問い続けるということが保育の質改善の中で非常に重要であろうというふうに思いながら聞かせていただいておりました。
また、こういった幼児教育における評価ということが、小学校以降も当然重要であるというようなこと、おっしゃっていただいたことは非常に心強くもあり、また非常に大きな宿題でもあるというふうに思いました。評価全体への提起というふうにつなげていくべきであるという御指摘、非常に重要な御指摘をいただきました。
そういったことの基盤となる信頼性のある記録というのを積み重ねて、また子供を表す言葉を豊かにしていきながら、言葉を練り、子供の見方を豊かにし、保育を変えていくというエネルギーにしていくというようなこともまたこれから重要視していきたいというふうに思いますし、また今後、これから、この後の議題にも繋がっていくようなことですね、家庭との連携というようなこともここに支えられることであるというふうな御指摘もいただきました。
それでは、もしかしたら初めてかもしれません。ちょっと休憩を取るということが可能になりましたので、5分ほど休憩をしたいというふうに思います。では、こちらの時計ではありますが、5時20分より再開というふうにしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
( 休憩 )
【古賀主査】 皆様、よろしいでしょうか。これより再開いたします。
それでは、議題2と議題3について、併せて事務局より説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、まず資料2について説明いたします。
1ページを御覧ください。上段の水色の枠内に、「家庭との連携・支援の充実に関する現状と課題」を記載しております。1つ目の黒丸、乳幼児の健やかな成長のために、幼児教育施設と家庭とが連携することが必要不可欠でありますが、幼児教育の基本的な考え方や当該園の目標や方針等について、保護者に十分理解されていない場合があるのではないかとの指摘があります。また、2つ目の黒丸、特に幼稚園に在園する幼児の保護者は、入園まで子育てに関する悩みや不安を相談する場や機会が限られているとの指摘もあり、在園児の保護者に限らず、0歳から2歳の未就園児の保護者も幼児教育施設が連携し支える対象であることなどが挙げられます。
こうした現状と課題を踏まえた方向性として、ピンク色の枠内の1つ目の黒丸です。子育ての主体者である保護者と幼児教育の専門性を有する幼児教育施設とが、それぞれの立場から乳幼児の育ちや学びを共に支えることが重要であるとして、その概念図を右側の黄色の枠内に示しております。家庭における育ちや学びと園における育ちや学びは重なるところもありますが、家庭と園の立場や役割は異なるものですので、それぞれの役割を果たすことで乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性であることを改めてお示しするものです。
1つ目の黒丸の後半に戻ります。この図でお示ししているような家庭との連携について一層の充実を図るとともに、国においても、その重要性を幼児教育施設はもちろん、保護者にも十分理解されるよう周知するべきではないか。
2つ目の黒丸です。具体的には、日常的なやり取りや計画・記録等の掲示・配布を通じて、幼児教育の基本的な考え方や当該園の目標や方針等について共通理解を図る。これは、図の中の黄色の両方向の矢印の部分に当たります。こうした当該園の目標や方針等について共通理解を図ること、また保護者の子育てを支える取組の充実を図ることが重要ではないか。ここは、図内の青色の矢印の部分に当たります。
そして、3つ目の黒丸、特に幼稚園においては、在園児及びその保護者だけではなく、園庭・園舎の開放、未就園児の親子登園、公開講座の開催、「こども誰でも通園制度」を活用した取組などにより、来園した乳幼児に対して質の高い幼児教育を提供するとともに、その保護者に対しても、乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性を築くことが重要ではないか。
4つ目の黒丸、こうした家庭との連携・支援に当たっては、保護者が我が子の姿を肯定的に捉え、その成長や可能性に気付き、子育てを楽しみ、ひいては保護者自身のウェルビーイングにも繋がるという観点を大切にするべきではないか。
資料2の論点は以上になります。
家庭との連携・支援については、本資料にある論点のほか、障害のある乳幼児の保護者など、様々な困難を抱える保護者への個別支援ですとか、また家庭だけではなく、地域との連携・支援についても関連があるところですが、そういった論点につきましては、後日、保育専門委員会との合同の開催のときに議論いただく予定ですので、本日は特に本資料で示されている論点にフォーカスして御意見いただければと存じます。
続いて、資料3について御説明いたします。
1ページを御覧ください。幼稚園や認定こども園においては、教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動として、いわゆる「預かり保育」が実施されており、令和5年度調査によると、定期的または一時的に実施している幼稚園は全体の90.9%となっています。一方、「預かり保育」という呼称については、ただ預かるだけという誤解に繋がっているとの指摘もあり、教育課程外ではあるものの、幼稚園や認定こども園が行う「教育活動」の一環であることを、保護者をはじめ実施する園及び社会に改めて理解される必要があるとの声も大きいところです。また、教育課程内・外において行う教育内容や幼児の体験の繋がりをどのように捉えていくかが課題であるとの指摘もあります。そのほか、保護者の事情により、例えば11時間在園する幼児がいるなど、長時間在園児にとって充実し、心身の負担が少なく、無理のない教育活動の工夫等が必要になっているということも課題の一つです。
こうした現状と課題を踏まえ、右側に論点を挙げております。1つ目の黒丸です。幼稚園教育要領においては、「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動」とされているところですが、改めて幼稚園及び認定こども園が行う教育活動の一環として、「標準時間外の教育活動」であるという位置付けを再確認してはどうでしょうかという点です。
2つ目の黒丸です。実施に当たっては、当該園で行う教育活動としての一貫性が図られるよう、教育活動の計画を作成して全体的な計画に位置付けるとともに、地域や保護者の実情を踏まえて弾力的に運用するものとしてはどうか。その際、以下の丸1から丸4について整理・周知し、教育活動として一層の充実を図ることが重要ではないか。
丸1、教育課程に基づく活動との関連を図る上での基本的な考え方や具体的な工夫、丸2、教育課程外の教育活動としての充実、丸3、幼児の心身の負担への配慮、丸4、体制の整備や情報共有の在り方、以上が資料3の論点となります。
今、御説明したような資料2の家庭との連携・支援の充実についてと、資料3の教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動の充実についての2つの議題について御意見いただければと存じます。
説明は以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま説明いただきました件について、御議論いただきたいと存じます。
また、事務局から説明があったとおり、議題2については、後日、保育専門委員会と合同で議論する際に、障害のある乳幼児の保護者などへの個別支援や地域との連携・支援も含めて議論される予定ですので、本日は特に本資料で示されている論点にフォーカスして御議論いただければと存じます。
それでは、御意見のある方は挙手ボタン押していただき、私から指名をさせていただきます。発言時はミュートを解除してお話しください。
それでは、どうぞ。
では、佐々木晃先生、お願いいたします。
【佐々木委員】 ありがとうございます。
「家庭との連携・支援の」というところの保護者のところに子育ての主体者と明確に示してくれてあるところがとても重要だと思います。私は、自分が担任した子供の最年長者は45歳児で、最年少者が25歳児です。保護者の皆さん、親になっても現場に来てくれたりするんですけれども、保護者の方が、自分が園を巣立った後、どのような子育てのストーリーを進めてきてか。あるいはそのことについて、幼稚園での様々な体験を子供たちの成長のストーリーに関係させて語っていたところが僕も学びになりました。やっぱり人生の意味とか価値を形成する、その保護者が子育ての主体者として、私たちはそれを支える専門家として協働体制であるということを示すことってとても重要だと思います。そういうような関係で、子育ての喜びを、あるいは子育ての楽しさをさらに支えていくという、そういう視点は幼稚園教育要領のならではの優れた視点だと思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 まず、資料2の家庭と園の関係性について、互恵性とか、双方向性の視点から意見を申し上げたいと思います。まず、スライド1の図にあるように、「子供の学びや育ちを共に支える」という、この黄色で書かれている位置付けというのが非常に大事だと思いました。そして、この上のところに丸で、ベン図で書いてあるところですけれども、保育では、「週末、おうちでこういうことあってね」というふうに家庭での経験が持ち込まれることもあると思いますし、また逆に、保育で経験したこと、園で経験したことを家庭に持ち帰って、「おうちでもやりたい」というふうに言って、週末のお出かけとか週末の活動に影響するということもあると思います。それが重なりのところになるのかなというふうに思ったんですが、そこの部分が、また園と家庭それぞれの学びや育ちを豊かにしていくことに互恵的に繋がっていくという構造がこれで表せるのかなというふうに思いました。
それから、また、ピンクの囲みの2つ目の黒ポツのところですけれども、「共通理解」というところ、また、これ、図のほうでも一番下の黄色で双方向にされていますが。一方で、ここはどちらかというと園として幼児教育についてとか、園の方針等について伝えて分かってもらうという方向の形になりがちなのではないかなと思うんですが、実際にはその間にはやはり子供がいて、一人一人の子供の学びや育ちについて、保育者が保護者から教えてもらうというところもあると思いますし、そういう意味で双方的に園と家庭とで、お互いに子供の学びや育ちについて、何を大事に思って、どういうふうに一緒にそれぞれの場でよりこう学び・育ちを支えていけるのかというのを一緒に考えていくという、そういう形が大事なのかなというふうに改めて思いました。
それから、最後、3つ目の黒ポツのところで、幼稚園については特にここに書かれているような、在園児以外も含めて地域の子供たち全体の学びや育ちを支えていく拠点のような役割、位置付けというところも求められていくのかなというところも思いました。
次に、資料3のほうの、これまでいわゆる預かり保育とされてきた時間についてですけれども、教育活動として位置付けるということに賛同したいと思います。保護者によっては、園での教育というよりも、より長く、より習い事的な、そういうオプションを求めるような、サービスを受けることを求める傾向のある場合もあるように思います。それに対して、子供からすると、実際にはこの時間も、こちらに書かれているように標準時間の教育課程と繋がっていて、逆に言うと、この時間を担当する保育者の先生は、子供たちが標準時間の教育課程でどう過ごしてきて、さらにどういう支えがあると学び・育ちが豊かになるのかということを考えていくことが必要になると思います。
でも、一方で、課題にも出ているように、子供によってはメンバーが固定化されないなんていうところもあると思いますので、その日その日で、クラスとはまた違う場としてコミュニティを、どういうふうにその場をつくっていくのかというところもまた問われていく。そういう意味で、ある意味、この時間特有の専門性といったようなところも必要になってくる、問われるのかなと思いますので、その辺り、またどういったところを充実させていくのか、ここに挙げられているところをより一層研究していくというところも必要なのかなというふうに思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございます。
ほかの先生方、いかがでしょうか。柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 よろしくお願いします。
まず、家庭との連携のところなんですけれども、やはり幼稚園とか、幼稚園型とか、うちも一つは幼稚園から幼保連携になった園は6割方が1号認定の園があって、特に3歳以上はですね、1号認定が多いということのよさもあって、先ほどの話も出ましたけども、ノンコンタクトタイムが取りやすいとか、あとは保護者対応も非常にしやすかったりとかということで、今回の方向性でいいのかなというふうに思っています。ただ、その時間の使い方をある程度明確にしないといけないのかなというふうに考えます。役割ですね、指導教諭であったりとか、主幹であったりとかという者が家庭とつなぐという、その役割をきちんとしたほうがいいかなというふうに思っています。
2点目は、保護者同士の交流というのは実は非常に重要で、初めの100か月の育ちビジョンにもあるように、保護者とか養育者のウェルビーイングを考えたときに、実はこの時間があることによって保護者との関係性が、保護者同士の関係性をよくすることによって、卒園後というか、義務教育課程においての保護者の関係性もよくなっていったりとか助け合う構造が生まれたりするので、ここというのが、園と保護者だけではなくて、保護者同士の関係性をよくするということの場をつくったり、保護者が楽しめるような環境をつくったりということは非常に重要かなと思っています。
私自身も、子供を育てていたときに、幼稚園時代の保護者のPTAだとかの関係の方が、その後、中学校ぐらいまで助けてくれたりとかということがあったので、この関係性というのは、この1号認定というか、短時間であることが非常によかったのかなと。もちろん保育所でそれがないというわけじゃないんですけど、日中の時間が使いやすいということがあるので、いろんなことが学び合えるということがあったかなと思います。
3点目は、また「家庭との」というところに誰通の話もありますけれども、地域の家庭との連携がしやすい、するというところがありますけれども、やはりゼロから2歳の家庭で育てている方というのは孤立化しやすいので、地域で孤立化してしまって、例えば先日のコロナ禍のように情報も何も入らないような状況も起きないわけではないですし、あとは頼る場所がどこにあるかということで、孤立していって、子育てが非常に困難にされていったり、産後から鬱になってしまったりということで、頼れる場所としての幼稚園とか、そういった認定こども園というものになるように、そうするとそこからは、ある意味、1号認定に繋がっていく方も非常に多いので、その繋がりの中で、関係性が深めた中で子供のいろんな悩みだったり自分自身の悩みだとかということを話し合える関係性というのができてくるのかなというふうに思っています。
2点目の放課後というか、のところなんですけども、私共も学童保育も運営しているのですが、一方でちょっと心配というか、預かり時間が教育時間であるというのはいいんですけれども、その言葉をきちんとしないと、例えば学童保育をやっていると、学童保育を充実させていくと子供が疲れるということもなくはないんです。例えば午睡のことも書いてありましたけど、これが幼児の時間において教育時間だということで、例えば後半の時間に対しても教育をしなくちゃいけないということで、例えば生活をきちんと一人一人の子供の生活に合わせていかないと、一生懸命やってはいるけども、子供としてはかなり疲れた状況になってしまったりということがあるので、この言葉だけちょっと気をつけていかないとと考えます。預かり保育の時間も教育ですって言っていって、そのまま取っていて、後半も何かしなくちゃいけないということであって、先ほどの計画もそうですけど、計画中心にいってしまうということもあり得るので、ここだけはちょっと十分注意していったほうがいいのかなというふうにはちょっと思っています。
また、やはり人員がかなり、幼稚園とか1号、幼稚園型というと、やはり保育者というか幼稚園教諭、人数が少ない状況でクラス担任制だったりするとなってくるので、きちんとコアタイム以外の時間の担当をきちんとするとかしないと、せっかくノンコンタクトタイムが取れている状況が、教育時間だということで、そのまま引き続き預かり時間の子供に対しても教育をしなくちゃいけない、担任だとかが残らなきゃいけないということであると、多少本末転倒なことも出てくると思いますので、きちんとその教育時間をコアタイム以外でつくるんであれば、人員の確保と、またその教育体制というか指導体制もしっかりと明確にしていく必要があるのかなというふうに思っています。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 まず、家庭との連携・支援の充実というところですけれども、これは改めて言うことではないのかもしれませんが、本当に家庭というのは本当に多様で、幼稚園とか幼児教育施設に求めるもの、関係のつくり方というのが本当に多様です。ある程度以上の規模の自治体になりますと、同じ自治体の中でも地域によっていろんな多様性があったりするという場合もあります。例えば親子の関わりということを考えても、本当に積極的なアウトリーチというのが必要な場合もあれば、むしろPTA等も含めて様々な活動に来ていただくという形が重要な場合もあるし、いわゆる教育熱というものが強い場合にそれをどう考えていくのかが必要があるという場合もあるわけです。
ですので、この資料の下のところに、ちょっと小さめなイメージ、具体的なイメージということで、本当に多様な連携の在り方というのを示していただいているんですけれども、この中で何をメインにしながら、どんなふうに関係をつくって、どこでちょっと、いい表現か分かりませんけど、線引きといいますか、バランスを取るのか。これは園によっても、それから個々の親子によっても、また年度等によっても違いが出てくるのかもしれません。その辺の評価ですとか方針の設定というのをどんなふうにしていくのかということについて、個々の先生方とか園とか、あるいは自治体のほうでも、その辺の課題を捉えながら様々な資源、幼稚園等以外の様々な資源も含めて関わりを模索して考えていく必要があるかなと思いました。
それから、もう一つ、教育時間の終了後に行う、あるいは標準時間外に行う教育活動ということについて、本当に教育時間とトータルで子供たちがどんな経験をしているのかということをまず十分考える必要があるというふうに考えました。負担を勘案しながら、子供たちにとってその時間がどのような意味を持ってくるのかということをまず丁寧に理解していくと。1日の流れで言えば、言わば折り返し点を過ぎてからという言葉がいいか、これも分かりませんけども、そういう過ごし方としてどんなものが望ましいのか。資料にもありましたように、「預かり」という言葉では捉え切れないような意味というのをしっかり位置付けて考えていく必要があるのかなと思いました。
逆に、「教育時間外」という言葉、「教育時間終了後」という言葉が、要領ですとか、あるいはあるべき幼稚園教育の趣旨というのを逸脱してもいいのだというふうに、そういうふうな理解をされないような注意というのも必要かなというふうに思いました。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 ありがとうございます。
資料に示されているように、先ほど岸野委員からもありましたけれども、乳幼児の育ちや学びを共に支えるという関係性、これが非常に大事だなというふうに私も考えています。この関係性、先ほど互恵性とか双方向性というような表現がありましたけれども、やはりその関係は両者それぞれの、相手にどういう理解や思いを向けるかということがあって成り立つものだと思いますので、関係性に基づく連携や支援の充実と考えると、園側の基本姿勢として、資料にあるような幼児教育の基本的な考え方や園としての目標や方針について共通理解を図っていくということはもちろん大事だと思うんですけれども、それと併せて保護者を理解しようとする姿勢、保護者の置かれている状況であったり、保護者それぞれの思いや意向というものを酌み取って理解しようとする、そういう姿勢というのもまた非常に重要かと思います。
もちろん先ほど来、出ていますように、家庭も多様化しているということで、いろんな保護者の方、家庭もありますし、中には共感的に理解するのがちょっと難しいなという場面は現実あるかと思います。ただ、共感的に理解するというのは何でも受け入れるとか、肯定するとか、認めるということとはちょっと違う。また、過去の類似の事例とか、自分の価値観とか枠組みに当てはめて、よしあしとか適不適を判断して、この保護者はこうだとか、そういうことでもない。まずは目の前の相手に向き合って、発した言葉をありのままに受け止める、その意味とか経緯や背景を考えてみるというところが援助、特に相談対応ではやはり出発点になっていくと思いますし、そのためには保育者自身の自己洞察というか、自分が持っているフィルターみたいなものを時には見返すというようなことも必要になってくるのかなというふうに思います。
現場の先生方は、もちろん日々、当然のように実践されていることだと思いますけれども、共に子供を支えるという関係は一方的なものではなくて、相互的なものであるという認識を改めてここの部分では明確にする必要があると思います。
資料の一番下のところに、子育ての喜びを保護者が感じられるように、子供のいい面に目を向けられるようにとありましたけれども、そういった働きかけも、身近に、日々、接してくれる保育者自身が、そういう目で子供を見ている、自分の子供をそういうふうに見てくれている人がそばにいるということ自体も大きな支援になると思いますので、ここもやはり、保護者にそういうふうに思ってもらうというだけではなくて、乳幼児理解のところと結びついてくると思いますけれども、保育者のそうしたまなざしを共有していく、そういうスタンスで関わっていくということが大事だなというふうに改めて思っております。
それから、2つ目の教育課程に係る教育時間の終了後等の教育活動のところですけれども、いわゆる預かり保育は、資料にもありますように、実態としてはもう既に広く普及しているにも関わらず、いろいろな園に伺いますと、その内容は非常に様々だなと感じております。午前中の充実した内容と打って変わって午後は、ちょっと言い方は適切ではないかもしれませんけど、本当にただ預かるというような状況になってしまっていたりとか、あるいはお稽古事、教室、スクールといったものが立て続けに入っていて、選ぶ子もいれば選ばない子もいますけれども、立て続けに入ったような場合はそれでもう疲れ果ててしまっている様子が見られたりとか、そういった様子なども見聞きすることが実際にあります。
一方で、そうした状況の中で、1日の生活を、もっとトータルで見ていこうということで見直しを図っていらっしゃったりとか、日頃の園の活動の一環の中で繋がりを持って丁寧に考えられている、そういう優れた取組をされている園も実際にあって、そういう意味で今は非常に多種多様な状況にあるのが現状かなと考えています。そういう中で、今回改めて要領としてここの部分についてしっかりと基本的な考え方を共通のものとして示していくということの意味は非常に大きいと思いますので、今回のような形で整理して考え方を示していくということには賛同をしております。
特に、幼児の心身への負担への配慮、家庭生活との連続への配慮というところ、これはやはりとても重要で、保育所でも3歳以上になってくると午睡の時間、必ずしも取らない園なども出てきますので、必ず必要というわけではありませんけれども、適度な休息であるとか、あるいは起きてはいるけれどもゆったりとちょっとくつろいで過ごせるような環境とか、時間を設けるとか、自由に子供が自分の心身の状態に合わせてそういうような場面がつくれる、そういう視点は幼稚園においても長時間過ごすという状況の中では必要ではないかというふうに思っております。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 久保山でございます。家庭、保護者との連携・支援ということで、障害のある子供についてお話を始めるときっと止まらないと思います。それは次回に回せということなので、今は我慢します。
それで、端的にまず保護者、家庭のことについて3点申し上げます。一つは、先ほど上遠野指導官の説明の中に、幼稚園の保護者は相談に慣れてないんじゃないかというような説明があったかと思うんですけど、それは本当に実感していて、例えばある保護者は、どのぐらい子育てが大変だったら相談していいのか分からなかったということを言っているわけです。それは、でも、話を聞いてみると、もう夜も眠れないんだというようなことまで言う。いや、それはもう相談するんだよという、そういう状態にもかかわらず、いや、まだ大丈夫、まだ大丈夫とやっている可能性がある。特に1号認定の保護者の中に相談に慣れていないということがあると思いますので、そこはしっかり保育者側が承知しておくということ。
それから、もう一つ、もう大分これが言われるようになって長いんですけど、立ち話で相談することが難しいということが言われています。つまり、あの保護者、先生と何か話しているよというのをほかの保護者に見られたくないというようなことがもうかなり前から言われるようになってきています。そうなると、やっぱりプライバシーへの配慮とか、しっかり時間を区切って丁寧に対応するということも必要なのかなというのがあります。これが1つ目のお話です。
2つ目は、保護者との信頼関係ということで言うと、もうとにかく園の情報をしっかり公開することに尽きるだろうと思うんです。幼稚園などに伺っていると、写真を撮ったのをスライドショーにしてお迎えを待っている間に見てもらっているという園があったり、あるいは、これは保護者の許可を得てですけれども、スマホにその日の写真を送るということができている園があったりします。そういうことは、ICTを活用していいんじゃないかなと思うんです。その園長先生に伺うと、自分の子供が写ってないじゃないかって苦情が来るというのはないそうです、繰り返していると。それはそうだと思うんですよね。だから、そういうやっぱり園の情報公開というのはまず基本にある、あるいはお便りの書きぶりというのもあろうかなというのは思ったところが2つ目です。
3つ目なんですけど、これ、佐々木先生が保護者のストーリー、親子のストーリーとおっしゃった。私は親子の歴史って言葉をよく使うんですけど、そういうことを尊重できるかどうか。あるいは、岸野先生が教えてもらうという姿勢も大事ではないかとおっしゃった。これは本当にそうで、やっぱり園では分からないことを保護者はもう十分経験してきているので、そういったことをしっかり教えてもらうという姿勢を示したいですね。
若手の先生とか子育ての経験のない先生が自信なさげに保護者と関わる姿があるんですけれども、そんなことはないよといつも申し上げていて、むしろそういう経験がないからこそ、ありのままを受け止められるということがあるかもしれない。私のような年になって子育てが大体終わってしまうと言いたいことがどんどん出てきてしまって、それに蓋をしてお話をするというのは結構苦しいんですけど、むしろ素直に聞けるというよさがある。そこを園長先生や副園長先生がしっかり尊重してくださって、その先は園長先生がちょっと助言をしてくださるというような、そういう組合せができたらいいなということを思ったところです。保護者から、保護者の子育てを尊重する、教えていただくという姿勢かなというところをお話ししました。
教育時間終了後の話なんですけれども、これはもう言おうと思っていたことを岸野先生が全ておっしゃったのですけど、この預かりという言葉もどうかなというのは常々思っているのと、それからやっぱり長時間になりますから、その子のペースでゆったり過ごせるという時間は絶対に必要だと思います。私がお邪魔している幼稚園ですと、いわゆる預かりの時間を楽しみにしている子供が結構いて、預かりに行ったらこれをやるんだみたいなことを、じゃ、あんた、今まで何していたのって話なんですけど、そういうことも実は許すというか、そういう日もあってもいいかなという。やはり集団の中で十分配慮した保育をしているんだけれども、でも、ちょっと疲れたよという子もいるし、いや、本当に僕がやりたいのはそうじゃなくてこっちなんだよという子供の素の姿というのをしっかり受け止めてくださる時間だと思います。なので、専門性が必要であり、そこで起きている出来事をきちんと記録して共有するという力が預かりの時間の先生には必要だろうなと、そんなことを思ったところでした。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 ありがとうございます。
まず、家庭との連携ですけれども、最近、私どもの参観日を見ていますと、平日に父親の参加が多くなってきたなということを感じております。私どもの園は創立70年を過ぎているのですけれども、やはり当時は父親の参加がなかったので、あえて日曜日に参観日を設定して、日頃、来れないお父さんたちにぜひ園へ来てくださいということで令和の時代になっても日曜参観日をずっと続けてきたのですが、最近、教員たちとも、わざわざ日曜日にしなくてもいいのではないか。ほとんどの参観日に父親が半数以上参加しているこの状況を見ますと、ある意味、働き方改革は機能しているのかなとうれしく感じていることもあります。
私たちは、家庭との連携を考えたときには、やはり保護者の皆様に保育に参加していただくということが私たちを信頼していただくということに結びついて、有効だと思っていますので、保育参加の仕方はいろいろ園によって違っていいと思うのですけれども、やはりこれを続けていく必要は私はあるなというふうに日頃から感じております。先日も委員会のお母様たちとも話をしましたけれども、先ほど柿沼先生が言っていたように、保護者の保育参加により卒園してもそれがずっと続く友情に繋がったり、今後の子育てを支える力になっているということは、どこの園でもあるように思っております。
そういった中で、一番最後の文章、「こうした家庭との連携・支援に当たっては」という1ページ目の最後の文章ですけれども、保護者が我が子の姿を肯定的に捉えてその成長や可能性に気づくのはもちろんのこと、やはり集団生活の中で我が子以外の子供の育ちを喜び合うということがその後の子育ての楽しみに繋がり、ひいては保護者自身のウェルビーイングにも繋がっていくのではないかなと思って、私も日頃から保護者の皆様には、我が子以外のところに目を向けていただくことのうれしさをあえて語りながら、そうやって子供が育ち合っていくということを大切にしたいと常日頃思っております。
また、預かり保育に関しましては、やはり今この時間でも子供たちが何人も、幼稚園であってもおりますけれども、子供自身が疲れているなということは私たちが一番に感じていて、これをどうしていくかということを考えなければいけないだろうと思いながら日々過ごしております。ただ預かってはいないものの、預かり保育のところの資料の3つ目のポツのところで、教育活動の一環だと言いながらも、一番最後の丸ポツで、やはり無理のない教育活動ということが何となく矛盾に感じてしまっていまして、何かいい表現の仕方が、何か他の言い方がないのか。無理のない教育活動の工夫が必要であり、先ほど久保山先生がおっしゃったような遊びの仕方とか、ごろごろしたりとか、いろんなことがあっていい、それをどういう言葉で示していけば皆様方に理解していただくことができるのか。大変重要なところであるなと感じております。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、北野委員、お願いいたします。
【北野委員】 ありがとうございます。
私も、まず家庭との連携についてですけれども、研修の開発とか、あと各国の養成教育で家庭との連携がどのように位置付けられているか、あるいは各国の保育評価において家庭との連携が評価の観点としてどのように位置付けられているのか、そういうふうな調査を自分は調査したことがあります。その中で、今日、皆さんがおっしゃってくださったことと重なるのですけれども、資料1でも示してくださっているように、やはり連携ということが大きく位置付けられていて、各国の行政文書と養成教育のコンテンツの中には、サポートって言葉からインボルブメント、連携、そしてパートナーシップ、現在ではエンゲージメントということばが行政用語としても使われていますし、保育現場の実態においても、先ほど小松先生おっしゃったとおり、保護者の保育参観から保育参加、保育参画という参観、参加から、参画となっています。、これは幼児教育だけじゃなく小中のほうもそうだと思うんですけれども、社会に開かれた教育課程、そういったことの文脈の中からも進んでいる、そういう実態があると思います。
資料の中で、互恵性について他の委員も言及してくださっていましたけども、やっぱりエージェント、当事者として、一方でしっかり子育ての第一義的責任を有する保護者が、子育ての主体者、資料には「子育ての主体者」って、佐々木先生もおっしゃられたけど、私も示していただいてとても大切だなと思いました。子育ての主体者である保護者と幼児教育の専門職である保育者がそれぞれの機能を発揮する。そういう方向性がこの20年、家庭との連携に係る研究の、そして制度の展開の動向にもあるので、適切な資料を作ってくださったな、分かりやすいなというふうにありがたく思いました。
資料において、家庭と園がそれぞれ機能を果たし互恵的に連携を進めていくこと、共通理解、信頼関係を構築していくこと、これを明示してくださっていますけど、これ、本当に大切だなと思いました。一方で、乳幼児期に大切にしたいこと、これが断絶せずに園でも家庭でも連続していくこと、他方で多様な保護者、先ほども他の委員もおっしゃっていましたけど、その背景の情報を園の保育に活かしていくこと、共通に、資料の中では黄色い矢印に両方向に、黄色い線に両方の矢印がありますが、それらを資料で示してくださっていることは大切だなというふうに思いました。社会に開かれた教育課程や子供の育ちや学びの責任感、他責化するのではなくて、やっぱり当事者意識をそれぞれが、両者が持つこと、それが進んでいくことが示されているなと思ってありがたいなと思いました。
それから、もう一つ、教育課程に関わる教育時間の終了後等に行う教育活動の現状と課題については、資料1で書いてくださったように、私自身も個人的に預かり保育という呼称には違和感をずっと抱いてきましたので、その点についても言及いただいていること、ありがたいなと思いました。実態としても、もうもはや私たちの調査でも、園種公私に限らず長期化している実態がありますので、そういう意味では、そこでの教育活動としての一貫性、関連が図られた教育活動としての充実、これが示されていることは私も意識したいなというふうに思いました。
その中で、皆さんおっしゃっていたとおり、そこで教育活動がイベント化するのではなくて、何人もの先生がおっしゃっていたとおりですけど、より一人一人のペースで子供主体の活動としての遊びを通じた保育が保証されていくこと、その大切さがここで確認されているので、そのことに強く賛同したいなというふうに思います。
私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、川越委員、お願いいたします。
【川越委員】 大変失礼いたしました。ありがとうございました。
まず、家庭との連携についてでございます。多分、今の現要領では「子育ての支援として」という言葉が家庭との連携とか支援という言葉に代わるのかなというふうに思いながら現要領のほうを見ながら考えておりましたが、そのように考えてよろしいのでしょうか。その辺り、教えていただければと思っておりました。
そして、本園の今の取組でお話ししますと、在園児ではない子供たちには、未就園児の会ということで月に1回程度行っています。どの回も割と申込みをいただきまして、数回実施しますと、割といつも来てくださる顔の方がいて、そうやって保護者同士が顔見知りになり、入園する前にそういう関係性ができるのはとてもいいことだなというふうに思っています。
その未就園児の会で提供している遊び、季節の制作であったりとか簡単な紙芝居を読むというものだったんですけども、今まで子育ての支援というような側面で考えてきたときに、あまりその遊びの経験、経験できる遊びの内容までちゃんと言及していなかったなということを今回の資料を拝見して反省をしたところでした。
家庭との連携・支援という側面で考え直したときに、この未就園児の会で経験できる遊びの内容とか、あとそこで子供がどんなことを経験しているのか、育っているのかということをきちんと説明をしたり、今日の経験が入園後、どういうふうに繋がるのかということも考えていったり、丁寧に説明することが大事だなというふうに考えていました。どちらかというと、今まで子育て相談といったようなところで終わらせていたものを、これからは考え方を変えて実施をしていく必要があるかなということを資料を拝見して思っておりました。
今の保護者の方ってすごく園に対する希望とか、子育てはこうしていきたいということ、すごく大きく期待を持っておられる方が多くて、未就園児の会も、もちろん2歳の方はそうなんですけども、ゼロ歳の保護者の方とか妊娠中の方もいらっしゃって、すごく大変熱心だなというふうに感じております。そのような方に、この乳幼児期に大事なことということを話せる機会というふうに捉えていくと、この乳幼児教育の価値というものを社会に知らしめていくような機会として未就園児の会ということを活用していかれるというふうに考えたときに、家庭との支援・連携ということを大切にしていかなくてはならないなというふうに感じました。
そして、資料3の預かり保育についてです。本園も預かり保育を始めて2年になりまして、6時までお預かりをしております。ちょっと変わった預かりの形態を取っておりまして、教育時間が終了した後は、本園、公立幼稚園なんですけども、別の業者というか、委託をして預かり保育をやっていただくというようなシステムでやっております。そのようなシステムでやることで、園の教員の負担軽減であったりとか、先ほどの記録じゃないんですけども、翌日の保育の準備というものが十分にできるようなというような配慮があるんですけども、そうであったとしても、家庭との連携というような視点も踏まえたところで、その繋がりをきちんと考えていかなくてはいけないなというふうに感じました。
そして、この預かり保育を始めて一番感じたことが、異年齢の関わりが、預かり保育を始める前と後ではすごく大きく、たくさん見られるように、保育中でもたくさん見られるようになったかなというふうに思っております。今、預かり保育園が実施をしている園が増えてきているというような実態を踏まえて、改めて、今、論点の案のところにお示しいただいた丸1から丸4のような視点で、どのような効果があるのかというような検証って何かできるといいのではないかなというふうに思っておりました。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
ただいま質問いただきましたことについて、事務局から御説明があります。お願いします。
【上遠野子育て支援指導官】 子育ての支援の言葉について御質問あったかと思います。子育ての支援については、例えば今のこの資料2の概念図で言うと、青い矢印で「保護者の子育てを支える」と言っているところの中身が、従来、子育ての支援として幼稚園教育要領等に書かれていることかと思います。子育ての支援ということについては、今、「家庭との連携・支援」など、「支援」という言葉を使っているように、今までもこれからも重要なことだと思いますので、そういった言葉がなくなるということではないかと思います。
ただ、北野委員に御発言いただいたように、サポートというところからインボルブメント、エンゲージメントというふうになっていったという関係性を踏まえると、多分、全てを子育ての支援という言葉で説明してしまうと少し漏れる価値観というか、考え方というものがあるということで、今回、「家庭との連携・支援」という少し大きなくくりで示しているところでございます。
説明は以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。
まず、家庭との連携について、資料の1ページ目の図に関してなんですけれども、今もちょっとお話がありましたが、家庭と保護者と幼児教育施設はそれぞれ独立していて、双方向の矢印でその関係が示されているんですけれども、オレンジ色の矢印で示されているように、保護者も幼児教育施設の活動に協力・参加するなど、保護者自身も幼児教育施設で主体的に参加したりとか施設を活用したりするということを考えるならば、左側の保護者が右側の幼児教育施設に一部入り込んできているのかなと思いました。
先ほどの事務局の説明では、重なる部分あるんだけれども、それぞれの立場という点を示しているというような説明をいただいたかと思うんですけれども、この図だと、ややもすると両者が二項対立的にも見えてしまうので、子供の育ちや学びを連携して支える関係性ということであれば、ここが交わりのあるような図で連携とか共に支えることが示せるといいのではないかと思ったんですけれども、それが難しいようでしたら、先ほど口頭で御説明のあったような補足があると誤解がないように思いました。
それから、もう一つの教育時間の終了後等の教育活動についての1ページ目の右側の3つ目の丸3「幼児の心身の負担への配慮」に関連するんですけれども、生活リズムへの配慮が必要かと思います。教育活動としての充実は重要だと思いますし、御提案には賛同しますが、家庭生活との連続性という点からは、資料にも記載のとおり休息やリラックスできる時間やそういう場所の確保というのが必要ではないかと思います。これまでも、高辻委員はじめほかの委員からもお話があったかと思います。
特に長時間の在園の場合には、就寝時間や疲れの様子などの情報交換等を家庭との連携を図ってしていくことが必要になるかと思いますし、また同時に、左側の水色の一番下にも11時間在園する幼児がいるという現状もありますので、個別の配慮というのも必要になるのではないかと思いました。
また一方で、保護者や園が抱える困難さにも対応が不可欠ではないかと思っております。これは、右側の一番下の丸4として、「体制の整備・情報共有の在り方」に集約されていると思うんですけれども、教育活動としての一層の充実というのは、保護者や園の負担の上に成り立つものではなくて、体制の整備や業務の効率化はもとより、保育者に対する心理的な支援も欠かせない視点かと思います。子供の心身の負担への配慮と保育者の働きやすさが両立しなければ、標準時間外の教育活動の充実は成り立たないので、この点も重要な点ではないかと思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、河合委員、お願いいたします。
【河合委員】 ありがとうございます。
まず、保護者との連携のことについてです。皆様からもお話があったとおり、乳幼児の育ちや学びを共に支えるということ、これが重要で、関係者のみならず広く社会で共有したい観点だなと思います。私は、この1ページの図の楕円が重なっている部分があるかと思うんですけど、ここには写真もイラストもないんですが、この真ん中に子供の姿があるような気がして、子供の姿を真ん中に、家庭と園の先生方が横並びで共に成長を喜んでいるような、そんなイメージを持ちながらこの図を見ていたところです。
そうした共に育てるという関係性は大変大事なんですが、さあ、入園したから今日から共になんて言っても、多分、それとても難しいことで、こうした関係になっていくというプロセスを大切にしたいなと考えます。その中には支援が必要な保護者もいらっしゃるでしょうし、そうした支援と連携はとても重なりがあると思っております。一人一人の保護者によって、そのプロセスが異なるので、これはこれまでも園で保護者との連携の上で行われてきたことでありますが、そうしたことが改めて大事なように思いました。
それから、1ページ目の一番下の黒丸になりますけれども、連携していくということが、保護者などがその人個人としても安心していられることや、世界を広げたり、力を発揮するチャンスに大いになっていくと思います。この具体も先生方からお話をいただいたところかと思いますが、ここも大変重要で、保護者同士の繋がりのチャンスということにもなろうかと思います。
特に幼稚園、また認定こども園で1号認定のお子さんがいるように、ゆっくり子育てをしたいという家庭もありますし、お子さんの状況からゆっくりと集団生活に入りたいということもあるかと思います。そうしたことが大切にされる場が提供できる、これが幼稚園などの特徴でもあり、こうした子育ての歴史とかストーリーとおっしゃいましたけど、そういうことを多様に選んでいけることは大変重要な側面を持っているのではないかなというふうに考えております。
そういった観点からも、幼稚園などにおけるこども誰でも通園制度についても、園における幼児教育ってどんなことなのかとか、子供にとってふさわしい生活ということに保護者が出会うきっかけとして貴重だというふうに考えます。それができるように、幼稚園などで行ういわゆる誰通への理解とか、体制整備、仕組みなども求められるところだと思います。
幼児教育を伝えていくという観点から、この論点、最後にしたいと思いますが、現行の幼稚園教育要領解説の中でも、自然との関わりなどを含めて、支援のみでない家庭との連携が示されているところかと思います。現在ではスマートフォンの利用を含めたICT活用に関することなど、現在の社会状況などに鑑みて家庭と連携を図っていく必要があることを充実して記載するというのではないかなというふうにも考えているところです。
時間外教育活動についてです。私も預かり保育という呼称が変わっていくことは大いに賛成するんですが、なかなかいい言葉を考えてもひらめかないんですけれど、このことはもう本当にぜひ皆さんと考えていきたいなと思います。ここで時間外教育活動というような示し方をしていただきましたが、これを踏まえてその時間のネーミングをしていく、ぴったりくる共有できるネーミングがぜひ欲しいなと思っているところです。何の案も出せなくて申し訳ないんですが、考えていきたいなと思っています。
この時間外教育活動のことですが、委員の先生方からも、子供の1日の生活の流れ、疲労感等にも言及がありまして、資料の中でもこうした子供の心身の負担への配慮とも書かれています。もとより幼児教育、幼稚園教育は、子供の自然の流れを大切にした計画をすることになっていますので、こうした教育課程外の時間の過ごし方の計画も教育活動として大変重要な意味を持っていると思います。ただ、言葉だけで見ると誤解も生じるので、丁寧な説明をしていく必要があるかと思います。
こうした課題とか整理、周知というところについては、改めて要領の内容がこうしたことを踏まえているかどうかを点検、充実させていくことが、改訂の時期として必要ではないかと思います。
それから、実際の取組を伺うときに、教育課程内の教育活動がいわゆる時間外の教育活動に繋がる、さっき久保山先生があれがやりたいんだよっておっしゃったこともそうだと思うんですけれど、そしてそこの時間での体験がまた次の朝、教育課程内の時間によい影響をもたらすというようなこともいろいろ聞くことが増えてまいりました。そうした循環が随分語られているように思います。ですので、現在行われているよい事例とか工夫、それから知見を取りまとめて発信していくことが大切だと考えます。それから、教育課程内とそうでないところを分担して考えるような、そういうことを別物として考えるのではない、考え方の転換も必要ですし、今回がそうしたきっかけになることに期待もしているところです。
最後になりますが、教育活動として、子供の生活をちゃんと踏まえた教育活動として充実を図る上ではそこでの専門性も求められていくところですので、そうした取組を支える人材を含めた体制の整備や支援は必須だと思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
今、挙手いただいている先生方は全て御発言いただいたところですけれども、まだ御発言いただいていない先生方、よろしいでしょうか。
それでは、今日は大分時間が豊かにあるようですけれども、今、もしもう一度発言してもいいならということで、ちょっと発言が、また思いついたことがあるとか、ちょっと言い足りなかったことがあるとかいう方がいらっしゃいましたら、加えて御発言いただけるかと思いますけれどもいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、今日はこの辺りでと思いますけれども、今、2つの議題について御議論いただきました。まずは、家庭との連携というところで、これまで「子育ての支援」というふうに幼稚園教育要領では言ってきたところがありましたけれども、今回、「家庭との連携・支援」ということで打ち出しております。そのことの中で、今回、この図、子育ての主体者としてということと幼児教育の専門家としてという、それぞれの立場でまた連携しながら、共に子供の育ちや学びを支えるという視点を重要視していくということに先生方には御賛同いただきましたと理解しております。ありがとうございます。
互恵的であるというようなことが重要でありますし、それからそれぞれの立場で関わりながらではあるんですけれども、保護者が幼児教育の理解をしていくということだけでなく、家庭の育ちや歴史というか、育ちのストーリーというようなものを幼児教育の側も理解しようとするというようなことが重要ではないかという非常に重要な御指摘がございました。
といった中で、保護者の子育てを尊重しながら関わるというようなこととか御指摘いただきましたけれども、多くの先生方に預かり保育の、預かり保育ならぬ標準時間外の教育活動というふうに位置付けることにつきましても御意見をいただきました。こちらのほうは、かなり幼児の心身への負担への配慮というところにたくさん御意見、御心配をいただいたかと思います。教育活動というふうに打ち出していくことで誤解を生むようなことがあってはならないということを思いました。教育という言葉がともすると誤解を生むというようなことが、これまでも様々言われてきたところではありますけれども、それをどのような言葉で、どのような内容で伝えていくのかといったことは慎重にしながらですけれども、ただ預かるのではないですし、ただ外部委託するというのでもない、そこらあたりの教育課程外の教育活動としてどう繋がりをつけ、有意義なことにしていくのかということはかなりの専門性が必要ですし、それぞれの専門家同士もまた連携を取りながら、情報共有しながらよりよいものにしていくということを目指していくべきであろうというふうに思いました。
その中で、かなり体制整備につきましても御指摘をいただいたところです。今回のこの話は、要領、指針、要領に関する話なわけですけれども、もちろんこれを打ち出した後には、先生方がしっかりとした実践をしていくための体制整備や、それから研修やそのための資料の整備ということもしていく必要があるかと思います。その中で、グッドプラクティスの共有であるとか、そういったことも一層重要であろうというふうに思いました。
ということで、今日、議題が3つございましたので時間がかかるかなと思っておりましたが、非常に先生方の御意見、コンパクトにおまとめいただきましたことと、論点が、今回、幼稚園と幼保連携型認定こども園に関わる内容でということで集約していただきましたので、また引き続き合同ワーキングのほうでも議論していくということで、引き続きこの内容について考えていくということになろうかと思います。
私自身、ちょっと考えたことを、蛇足になりますけれども、少しお話しいたしますと、この資料にあるような家庭との連携につきましては、やっぱり保護者のモデルになったりとか保護者同士をタイミングよくつなぐ援助するためには資質・能力の高い保育者必要とされるということは言うまでもありません。先生方もおっしゃっていただいたとおりです。受容的で、繊細かつ大胆にかゆいところに手が届くような支援ができる保育者というのは、とても資質・能力の高い人になるわけです。そういう園をつくることにも、御指摘いただいたとおりで、園づくりもまた重要です。そういったことが子供の姿を発達の姿として言語化して、非常に必要な援助を体現していく、また保護者にはその意図を含めて説明できるということであるとか、そうやって支えた子供の育ちを共に見合って喜び合うみたいな、そういう保育者を養成することは非常に重要でして、この部会だけではなくて、今、教員養成部会の幼児教育作業部会もあります。その中での検討内容にも関わってくるかと思います。そういったところの連携を取って進めていくことも重要であろうというふうに改めて思った次第です。
それから、預かり保育を改め標準時間外の教育活動ですけれども、河合先生おっしゃってくださったように、この時間をどういうふうに名付けるかということにつきましては、ぜひ先生方のお知恵をお借りしたいというふうに思うところです。園としての教育活動全体の中で位置付けるということは従前から行ってきたことではありますけれども、どう教育課程の内容と連携を取りながら進めていくかというのは園の実情によって多様であるということは御指摘いただいたとおりで、さらには多くの子供がこの預かり保育を活用するというんですかね、いることが増えてきましたし、それから多様な子供さんがいるというようなこともあります。
そういったいろいろな子供が長時間保育を受けるという中で、どういった場所やどういった内容の工夫がどのように可能なのか、その時間が発達的に、また一人一人にとって教育的にふさわしい内容であるためにはどのような工夫ができるのかといったところはもうかなりそれぞれの地域やそれぞれの園での工夫がなされてきたところでもあり、また悩んでおられるところでもあると思いますので、ぜひこの要領改訂後にもそういった取組の支援となるような資料や制度の充実といったことが、工夫が必要かというふうに思っております。
蛇足になりましたが、以上です。
それでは、時間も参っておりませんが本日の議事はこれにて以上とさせていただきたいと思います。
次回以降の予定につきましては、事務局よりお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 次回の幼児教育ワーキンググループは、保育専門委員会と合同で開催する予定です。正式な御案内については、日程調整の上、後日御連絡いたします。
【古賀主査】 では、以上をもちまして本日は閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――