教育課程部会 幼児教育ワーキンググループ(第7回)議事録

1.日時

令和8年4月9日(木曜日)15時30分~18時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 乳幼児理解に基づく評価の充実について
  2. 家庭・地域との連携・支援の充実について

4.議事録

【秋田委員長】  皆様、こんにちは。
 定刻となりましたので、ただいまから第7回幼児教育ワーキンググループと第8回保育専門委員会を合同で開催いたします。お忙しい中、ご参集いただきまして、ありがとうございます。
 まずは事務局に人事異動がございましたとのことですので、一言ずつご挨拶をお願いいたします。まず、三木戦略官からお願いいたします。
【三木文部科学戦略官】  今ご紹介をいただきました、4月1日で文部科学戦略監を拝命いたしました、三木忠一と申します。前職は私学行政課長でございまして、幼稚園から大学まで学校法人を担当する職をしておりました。このたび文部科学戦略官としまして、幼児教育も含めて担当することになりましたので、委員の先生方のご指導をよろしくお願い申し上げます。
【秋田委員長】  三木戦略官、どうもありがとうございます。それでは続きまして、米原課長、お願いいたします。
【米原課長】  ただいまご紹介をいただきました、4月1日付けで幼児教育課長を拝命いたしました米原と申します。10年1度の改訂ということで、ワーキングの先生、委員会の先生におかれましては、ご協力をいただきながらしっかりと仕上げていきたいと思ってますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
【秋田委員長】  米原課長、どうもありがとうございます。
 それでは本日の議事について申し上げます。議題1として、乳幼児理解に基づく評価の充実についてご議論をいただいた後、議題2として、家庭・地域との連携・支援の充実についてご議論をいただく予定でございます。それでは事務局よりご説明をいただいたあと、意見交換を行います。
 それでは、これから初めに議題1について事務局よりご説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】  それでは資料1について説明いたします。1ページをご覧ください。
 まずは乳幼児理解に基づく評価に係る現状や課題についてご説明いたします。左側をご覧ください。
 現行の幼稚園教育要領及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領においては、乳幼児一人一人の理解に基づいた評価を行うこととされています。また、評価を行うにあたっては次の点に留意されているところです。
 評価は乳幼児の発達の理解と指導の改善という両面から行うものであること、日々の指導と評価は一体となっているものであること、評価は指導の改善を図る手掛かりを求めるものであること、他の乳幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないこと。
 このように幼児教育においては評価は乳幼児の理解に基づくもの、すなわち一人一人の乳幼児と直接に触れ合いながら乳幼児の言動や表現といった姿から思いや考えなどを理解し、受け止め、その乳幼児の良さや可能性などを理解しようとすることであります。また、評価の妥当性や信頼性を高められるよう、日々の記録やエピソード、写真など評価の参考となる情報を生かしたり、複数の教職員で日々の記録等を共有しながら多面的に幼児を捉えたりするなどの工夫が重要となっています。
 こうした評価の現状と課題について右側に記載しております。上段をご覧ください。
 保育所等においては、これまでも乳幼児の実態に即して計画を作成・実践し、その計画と実践を振り返って評価し、結果を次の計画に反映させていくことが、保育の質を高める上で重要とされてきました。一方で、こうした乳幼児理解に基づく一連の過程に沿った実践は園によってばらつきがあるところです。また、日常的な書類作成業務が負担となっているとの指摘がある中で、単に書類を削減することのみを目的とした場合、記録として不十分になったり、計画が形骸化したりするなど質の低下に繋がる恐れがあることにも留意が必要です。
 続いて下段をご覧ください。
 幼稚園等においては指導の改善に生かす評価を行うにあたり、資質・能力を育成する観点から自身の指導を振り返ることが十分に行われていないのではないか、また、記録が単なる表面的な活動の記述にとどまっており、指導の改善に生かす評価の参考となる情報が不十分な記録となっているとの指摘があります。また、調査によると、評価の参考となる情報をできるだけ充実させるを選択した割合は56.2%であり、また、教育活動の記録方法については43.1%の園が手書きであったとの結果でした。
 2ページをご覧ください。
 こうした現状と課題を踏まえ、乳幼児理解に基づく評価の充実の方向性についてご提案しております。
 1つ目の四角、全ての幼児教育施設ということで、幼稚園、保育所、認定こども園のいずれであっても、乳幼児理解に基づく評価により指導の改善が図られるよう、以下の取組について明記するとともに、評価に関する参考資料等を作成することが必要ではないか。
 2つ目の四角、指導の改善に生かす評価の充実に向けて、記録の充実や記録を基にした振り返りなどの取組を推進するべきではないか。
 この記録の充実や記録を基にした振り返りについて2点ご提案しております。
 1ポツ、記録と振り返りの充実です。評価の妥当性や信頼性を高められるよう、評価の参考となる情報を日頃から記録し蓄積するとともに、記録を基に自身の指導を振り返ることが重要ではないか。記録にあたっては指導の改善に生きるよう、単なる活動スケジュール等を記すのではなく、右の図に記載のような評価の観点から振り返ることができる情報を記すことが重要ではないか。その際、振り返りがより充実するよう、写真や動画などを活用したり、ICTを活用して園内で共有したりする工夫も効果的ではないか。
 2ポツ、遊びの中の「学び」を見取る視点です。指導の改善に生かす評価を行うに当たっては、特に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等の観点から自身の指導を振り返り、長期的な視野から育みたい資質・能力の育成を捉えようとすることが重要ではないか。具体的には、どのような「学び」をねらいとしていたのか、そのための環境の構成や必要な援助は適切だったか、実際に展開された乳幼児の活動においてねらいとしていた学びや予想を超える学びは見取れたかなど、記録する際や記録を基に振り返る際に、乳幼児の姿から、遊びの中の学びを見取る視点を持つことが重要ではないか。
 このように、一定の基準に子供を当てはめるのではなく、子供の姿から遊びの中の学びを見取る視点について、3ページから4ページに補足イメージを掲載しております。
 3ページは、左側の枠内、学びが芽生えつつある幼児の具体的な姿の記録を基に、水色の枠内にある子供の姿から幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を手掛かりにして学びを見取り、資質・能力が育まれていることを確認し、ピンク色の枠内、指導計画の改善の方向性を検討して、1番上の段のように終盤のねらいと内容を修正する、といったイメージの例になります。
 4ページご覧ください。
 4ページは左側の枠内のようなドキュメンテーションを作成する際に、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、または育みたい資質・能力の観点から、右側の吹き出しのやり取りのように、自身の指導を振り返り、担任等や管理職とが話し合いながら多面的に幼児を捉えていく、といったイメージ例になります。
 2ページにお戻りください。
 右側の図は、このような乳幼児理解に基づく指導と評価の概略を示しております。前回の幼児教育ワーキンググループにおいても、保育専門委員会においても、指導と評価のあらゆる場面で乳幼児理解を基にすることが大事であるとのご意見をいただきましたので、右上の吹き出しで追記しております。また、一人で行うのではなく、園内、園外で他の先生たちと対話しながら乳幼児を多面的に捉えることが大事であるということも下の吹き出しで追記しております。
 このような記録や記録を基にした振り返りの充実、また、その際に子供の姿から遊びの中の学びを見取る視点を持つことにより、乳幼児理解に基づく評価を充実するという方向性についてご議論いただければと存じます。事務局からの説明は以上です。
【秋田委員長】  ご説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきました論点についてご議論をいただきたいと存じます。ご意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。発言時はミュートを解除してお話をください。ご発言は、誠に恐縮ですが3分以内におとどめをいただけますようお願いをいたします。そして時間が限られておりますので、他の委員のご意見と趣旨が重なる場合はぜひ簡潔にしていただいたり、また他の委員のご意見に新たな視点を加えていただいたりするなど、他の委員のご意見を踏まえてご発言いただけますと、議論が充実するというふうに思いますので、ご配慮のほどよろしくお願いいたします。
 なお、時間の都合上、皆様にご発言いただくことが難しい場合は一旦時間で区切らせていただきまして、議題2で意見交換をいただく際に議題1への意見も合わせてご発言いただくことにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、およそ今から60分強時間を取りたいと思いますので、早めにお手を挙げていただいてご発言いただけると幸いです。
 それではまず、小枝委員、北野委員と続いてお願いをいたします。小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】  よろしくお願いします。
 3ページにある指導計画の改善のイメージが、私には非常に分かりやすくていいなというふうに思いました。特に、青い部分で書いてある記録が、どういうふうに短くまとめられるかを書いて、なおかつそれが幼児期の終わりまでに育ってほしい姿のうちのどれに該当するかという、こういう書き方というのは、現場の先生方にとって分かりやすくていいのかなと思ったんですが、できれば、例えて言えば3ページ目の、自分でやりたいことを見つけ、自ら取り組んでいる、両括弧のアに該当するところで、それが健康と自立心といったところ、書いてあるわけですけども、これがなぜ健康な心と体に該当する、あるいはなぜこれのどこが自立心に該当するかっていうところをもう少し表みたいにして説明していただくと、現場の先生方には分かりやすくなるのかなと思いましたので、ここをさらに詳しく解説していただくようなイメージでお作りいただけたらというふうに思います。
 以上でございます。
【秋田委員長】  小枝委員、ありがとうございます。
 それでは続きまして、北野委員、続いて多田委員、飯田委員と進みたいと思いますのでお願いいたします。
【北野(久)委員】   北野久美でございます。あ、今の北野委員は北野久美でよろしいんですよね。お認めいただいた現状や課題、1ページにございます。それを拝見いたしますと、表現は若干違いますけれども、保育所等とか幼稚園とか、そういった園種に関わらず同じ課題があるということが見えてきます。そしてそこから導き出された方向性には本当に共感して賛同いたします。ここに明記されることで、今は自治体間でかなり差のあるICTの活用ですとか、記録を基にした振り返り、遊びの中の「学び」を見取るといった視点は明確になるというふうに考えます。
 今出していただいた2ページの右側のチャートも、吹き出しが入ったことで前回よりもとても分かりやすくなりましたし、私たちもこのチャートの並び方、なるほどなと捉えやすいものになっています。
 それから3ページ、4ページと続いています。改善のこのイメージ、それから次の充実のイメージもとても捉えやすくなっています。3ページのところでですね、5歳児の例が書いてあるんですけれども、確かに1つずつ少しずつ具体的に見ていくと、指導計画の改善で友達と一緒にって書いてあるけれども、本当にこの一緒にっていうものが必要なんだろうか、一人でじっくり考えるっていったことも必要だよねとか、小さな文言に関しましては後々考えるとして、とても分かりやすいものになっているんですけれども、現場感覚で申し上げますと、示されたものをやりたいんです。で、これができたらいいなって思うことがたくさん書いてあります。しかし現実の中ではその時間の確保とか、またキーパーソンの存在とか、そういった条件整備が必要となっていると思います。
 またこの今出されている示しがとっても分かりやすいだけに、5歳児だけではなくて、そこに至るまでに培っている0歳からの学びは遊びである、育ちの連続性といった意味でも、やはり3歳未満児の指導計画の改善とか、振り返りの充実とか、イメージとか、そういったものを例示していただければありがたいなというふうに思います。
 随所に今回の資料でもそうですけれども、乳幼児という捉え方が随分見えてまいりました。であるならば、この就学前の子供に対するガイドラインは一本化する必要があるのではないかなというふうに強く思わせていただきました。しかしとても具体的になっていることで、おそらくこれが示されたことで、私たちは充実した保育展開ができるなというふうにポジティブな気持ちになるような資料でした。
【秋田委員長】  北野委員、ありがとうございます。それでは続きまして多田委員、お願いいたします。
【多田委員】  多田と申します。よろしくお願いします。
 私も分かりやすく資料をまとめていただいて、とても興味深く拝見させていただいております。
 2ページの資料に関して少し意見を申し上げたいのですけれども、2ページに遊びの中の「学び」を見取る視点といった言葉があるのですけれども、遊びの中の学びと同様に食事をはじめとする生活の中にも学びが成立していると考えます。資料で示していただいているように、評価は乳幼児理解に基づいて指導の改善に繋げることが重要とされていますけれども、食事の場面もその乳幼児理解を日常的に支える具体的な観察場面になり得ます。例えば食具の使い方、食べ方の変化、他の子とのやり取り、食べ物への関心など、日々の食事の様子には発達や生活習慣、人との関わりが自然に現れます。したがって、食事は評価のために新たに記録する対象ではなく、すでに存在している生活記録の中核として位置づけることもできるのではないかと考えております。
 現場では書類負担の課題も指摘されておりますけれども、食事のような日常場面を起点に考察と振り返りを行うことで、記録の質も担保しつつ、形骸化の防止にも繋がるのではないかと考えます。また、児童福祉施設における食事の提供ガイドにおいても、食の取り組みを保育計画と連動させてPDCAを回すことの重要性が示されております。食育を計画に組み込むことは評価の負担を増やすのではなく、生活に根ざした評価を可能にする仕組みになるのではないかと考えております。
【秋田委員長】  多田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】  1ページ目の現状課題のところなんですけれども、やはり計画も含めた評価が子供の興味、発達の姿、乳幼児の理解に基づいたものになっているかという点では、本当に課題があると感じております。評価の元となる記録が単なる活動記録になってしまい、評価が次の計画や保育実践、指導に生かされていないのではないかといったことも感じております。そういったことが書かれているかと思うんですが、書くことが目的化し、形骸化しないようにするために、また2ページ目の概略にあるように、計画、実践、記録、評価、改善が行われるためにはどのようなことが必要なのか、どのようにこれを実践していくのかという難しさも感じておりまして、私たち行政というか、乳幼児教育センターがどのようなことを実施していったらいいかということも今後考えていかなければならないのではないかというふうに感じています。
 2ページ目の1、記録と振り返りの充実、2、遊びの中の「学び」を見取る視点はとても重要だと思います。先日の会議の中でも意見で出させていただいたんですが、本市では記録の1つであるドキュメンテーションの研修を行って、保育の中の具体的な子供の姿や育ち、学び、保育者の関わりや環境等について、写真や文章で示して保護者にも発信するように取り組んでおりまして、これが保育者にとっては遊びの中の育ちや学び、それから保育者の関わりなどについて書くことで保育の振り返りになり、次の保育へ生かされるものになっていると感じています。遊びの中の学びはこの4ページ目の例にあるように、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿や、育みたい資質・能力、領域等のねらいや内容の観点から見取るようにしています。このような事例があるととても分かりやすいというふうに思いますし、ここにもう少し具体的な保育者の関わりや言葉がけ、環境構成なども簡単に示されているとより分かりやすくなるのではないかと思います。
【秋田委員長】  飯田委員、ありがとうございます。
 それでは続きまして、松井委員、その後高辻委員、佐々木委員、堀委員と順にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【松井委員】  松井です。
 2ページ目の記録と振り返りの充実にもありますように、この保育を振り返って評価に具体的に生かせるような情報を記すことは本当に重要だと思います。ただ、やはりそのような記録を取るというのは慣れるまでは難しいことかもしれないと思います。何を見てそこから何が見えたのか、見ることと見えることは全く異なりますし、見たからといって見えるとは限らないということで、単にその日の活動を見て表面的になぞったものでは意味がなくて、2に書いてある遊びの中の「学び」を見取る視点も重要ですし、その見取る力をいかに磨いていくかということが求められるだろうと思います。
 3ページ目の資料においても、これも本当に分かりやすくて、元々のねらいがあって子供の様子から、姿を活用して、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を活用して学びが読み取られ、さらにねらいの修正の方向性まで非常に分かりやすく提示されておりますし、4ページ目の資料においても、遊びを通して多様な姿とか力が総合的に育まれることが読み取れるだけでなくて、記録が個人内にとどまるのではなくて、他者と共有されて対話を通して振り返りや多面的な捉えが生まれていく様子が手に取るように分かると思います。また、同じものを見ても人によって見え方が異なる場合もありますし、1人で全てを見られるわけではないというところから、やはり子供の姿に基づく記録をもとに、保育者同士、保護者など、子供と関わる様々な人と対話することを通して、子供を多面的に捉えて、そしてまた乳児理解へと生かしていく、遊びを見取る視点や力を磨き続けていくことになると考えられます。
 こういった10の姿であるとか、3つの資質・能力などの用語が、就学前後の教育において共通言語のように活用されていくことで、幼児期にふさわしい遊びを通した幼児教育の重要性であるとか、乳幼児期から小学校以上へという学びの連続性も強調していくことができると思います。そういった10の姿といった枠組みを手にすることの重要性と、反対にもし枠組みに強く縛られすぎてしまうと、かえって見えにくくなるとか、目が向かなくなるとか、見落とすということも時に起こり得ると思います。あくまでも目の前の心を動かされる保育のエピソードから10の姿や学びを見出すのであって、その逆ではなくて、つまり10の姿に当てはめるための事例を抽出する事態に陥らないような留意も必要かと思います。
 最後に、保育の質の向上に資する記録と対話において、やはり先生方が日常的に取り組める仕組みが必要だろうと思いますので、必ずしも文章にこだわるのではなくて、時間のかかりすぎる過度な負担とか形骸化に陥るものでもなく、写真のような視覚的情報もうまく活用しながら、分かりやすく先生方が楽しみながら意欲的に保育を語り合われて、実質的な振り返りと改善が可能となる方法を各園で工夫していくことが重要ではないかと思います。
【秋田委員長】  松井委員、ありがとうございます。続きまして高辻委員、お願いをいたします。
【高辻委員】  2ページ目の右の図ですけれども、短期の指導計画の評価のところに2つポイントが示されている部分があるかと思います。ここの発達の理解という言葉、育みたい資質・能力、育ってほしい姿の観点からといった部分は、これまでの議論の中で取り上げられてきたことと改めて明確に関連付けて説明をする必要があるなと思いながら資料を読ませていただきました。
 1つはここで言う発達の理解というのが、そもそもどういう発達観のもとでのものなのか。これまで議論の中で、環境との相互作用を通したプロセス全体を捉えていく、あるいは大まかな道筋は共有していても、実際の姿としては文脈・背景といったものを考慮すると、相当大きな個別性や多様性のある経路をたどっているということ、あるいは葛藤や失敗など、一見ネガティブな場面も育ちの現れとして見取ることができるといったことなど、今まで様々に指摘があったと思います。こうした要領・指針において学びや育ちを捉える視点として大切にしていきたいことを踏まえ、それが共有された上で、この発達の理解、ひいては乳幼児の理解が適切だったのかというような観点が重要になってくると、そういった説明の仕方が重要かなと思っております。
 もう1つは、これもやはりこれまでの議論で積み重ねられてきたことの確認ということになりますけれども、資質・能力と、領域、そして幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の関係と言いますか、全体の構造、この会議の最初数回にわたって議論されましたけれども、こうしたものを踏まえての振り返りの観点であるということ。先ほど北野委員からもございましたけれども、特に保育所や認定こども園の場合は、低年齢児からの保育というところで、その視点や領域のねらい及び内容の連続性を意識するということも重要になってくるかと思います。そうした意味で、3ページ、4ページにあるような具体的で分かりやすい参考資料の作成は、現場にとって非常に有用だと思いますが、その際に、こうした前提となる非常に基本的なところの考え方を改めて一緒に丁寧に伝えていくことが、やはり必要ではないかと思います。ともすれば幼児期の終わりまでに育ってほしい姿をこの5歳児だけではなくて、上から下の年齢にも下ろしてきて、できていること、できてないことをチェックリスト的に当てはめながら見るというような、現行でもそこは到達目標的な使われ方とならないようにということは留意点として挙げられておりますけれども、こうした点についてはやはり注意が必要かなと考えております。
 また、すでに複数の委員から度々指摘されておりますけれども、やはりこうした深い読み取りを振り返りの中で行っていく上では、保育者の負担の軽減に向けた現場の支援も必須と改めて感じました。ICTの活用も、記録の充実としての活用ではなくて、定型文の借用・使い回しなどむしろ形骸化の方向に流れてしまうといったことも懸念されますので、どのように負担軽減していくのかというところも非常に大きな課題と考えております。
【秋田委員長】  高辻委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】  先生方のこれまでのご意見と同様、構造化がとてもできて分かりやすいです。5領域のねらいや内容と、それと10の姿、3つの資質・能力ということの構造が明確でとても分かりやすいです。
 僕自身の信条は、遊びはご馳走、学びは栄養ということで、いかに子供たちとその遊びを作っていくのか、でもその遊びというご馳走を作るときには、5領域のねらいや内容、つまりタンパク質や炭水化物のような栄養素と関係しながら、その時期時期の旬のもの、子供たちの好みやその様子を全部総合的にして遊びというものを作ります。で、そこの中で子供たちの中でどんな栄養が体の中で吸収されたかどうかというのが、外に現れる姿であります。その10の姿をよく見ながら、この生きていくための重要な力、資質・能力にどう繋がっていくのかということがとてもよく分かって良いと思います。
 1つ、2ページ目のこの共感と実践のサイクル、とてもいいんですが、後ろのこの資料の方にはもうすでに子供たちの姿があって、ねらいをもっていうことがあるんですが、初めにねらいありきにならないように、短期の指導計画の作成の下にも、乳幼児の姿と5領域のねらいや内容から具体的な指導のねらい、内容を設定みたいな、そういう筋道を明確に書いてくださると、さらに抑えが効いていいかなというふうに思いました。
【秋田委員長】  佐々木委員、ありがとうございます。
 それでは続きまして、堀委員、その後岸野委員、柿沼委員、小松委員、岡本委員がお手を挙げてくださっていますので、順にお願いしたいと思います。それでは堀委員、お願いいたします。
【堀委員】  堀でございます。よろしくお願いいたします。
 1ページ目をお願いいたします。こちらの基本的な考え方として、左側、右側にも両方に、例えば乳幼児理解に基づく評価であったり、右手の段には乳幼児の実態に即してという文言があるように、子供の姿をもとに計画が立てられ、それをまたそれに対して評価が行われるという考え方について、その捉え方について賛同いたします。乳幼児期は個人差がある時期であり、そういう点においても計画ありきでなく、子供の姿に基づいた保育実践、そしてまた保育の評価という捉え方が重要だと捉えています。
 一方でですね、では計画は必要がないのかというとそうではなくて、やはり見通しを持った子供たちの生活や遊びを形作るためにも、その見通しを持った計画ということも、そこに実は保育の専門性が現れる点でもありますので、計画をしっかり立てていく上でも、保育実践の評価を適切に行うこと、それが重要だと考えております。そのあたりの考え方の根底に共通の捉えが示されていると思います。
 続いて2ページ目をお願いできればと思うんですけれども、先ほど評価を具体的にどのように取り組んでいくかという点で言いますと、多田委員の先ほどお話にもありましたが、遊びの中の「学び」を見取る視点ということはもちろん大変重要ですし、合わせてその生活習慣、遊びたい生活ということではなく、生活が遊びであり、遊びの中に生活があるのですけれども、子供たちは保育の場の中で確かに生活習慣を身につける、そしてその中に学びや子供たちの育ちがあるということを考えたときに、その生活習慣の獲得であったり生活習慣の子供の育ちという視点ももう1つ盛り込んでいただけると良いのではないかということを考えております。
 で、そのようなこのサイクルの中に右側のこのフィードバック過程が記され、計画と指導評価改善のフィードバック過程が記されていると思うんですけれども、まず乳幼児理解をもとに先ほど申し上げたその基本をベースにして作られている、大変分かりやすい内容だと思うんですが、この際にですね、この文言の中にはこの記録と振り返りの充実としてこのフィードバック過程が記されているんですけれども、この図の中にいかに記録が重要であるかということが示されるように、このもちろん話し合い評価の中に評価の1つとして記録があるということもありますが、保育者同士の話し合いというところに評価の視点が含まれるとは思うんですけれども、フィードバック過程の中にこの記録が位置づいているんだということが図として示されると良いのではないかということも考えていたところです。
 またさらにですね、計画のところにも繋がりますけれども、評価を行う上で、ねらいを先生方がどのような見通しを持って保育を形作ったかというねらいの大切さっていうところもやはり含まれると思います。このどのようなねらいを持って保育を形作り、それが実践を通してどのように子供の姿が見られたかというそのあたりのところですね。先生方が立てたねらい、それに対する評価、評価を行う際にこうした指標となるのがねらいである。もちろん様々な臨機応変に対応することも出てきますし、様々な事象があるのが保育ですけれども、また自身の保育を振り返る上でも、どのような意図を持って保育が展開したのかということの捉えも重要だと思っています。
 こうした際に指標と、ねらいを、それから評価の指標となるための指針要領の内容を作成することが、やはり私たちの今の取り組みの1つとして重要なことなのではないかということを考えております。以上でございます。
【秋田委員長】  堀委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして岸野委員、お願いをいたします。
【岸野委員】  失礼します。前回の単独の幼児教育ワーキングから更新された箇所を中心に2点申し上げたいと思います。
 1つは特に1ページの保育所等における現状や課題ということに関わって、負担の問題と記録の両立のことが挙げられていますが、ここには先ほど松井委員からも見取る力ということについて言及されましたが、私も保育中の見取りを鍛えていくということが非常に関わっているのではないかと思います。前回の幼児教育ワーキングでは、記録が書けないっていうときに、それは時間の問題だけでなく、保育特有の身体的・情動的な関わりを言語化することや省察することそのものの難しさがあるのではないかというふうに申し上げたんですが、やはり保育所等の長時間にわたる保育のことを思うと、時間の問題も間違いなくやはり大きいというふうに思います。で、それにはノンコンタクトタイムを作るといったことももちろん必要だと思うんですけれども、当然時間がない中だからこそ問われるのが、保育中にどれだけ保育者が子供を見取れるかということではないかなというふうに思いました。
 遊びを管理的に見守っているということだけでなく、子供はこんなふうに環境に関わっていくんだなと保育者自身が心を動かして子供の姿を面白がり、より豊かな関わりを共に模索していこうとすると、記憶にも残ってくるのではないかと思います。子供ってこんなこと考えるんだとか、こんなふうに環境に関わるんだという驚きなど、「今日のこれ!」という保育者なりの発見や学び、また時には迷いなどもあるかもしれませんが、子供たちをよく見て、心や頭を動かしながら保育をしていると、自然とメモをしておくっていうことにも繋がっていくのではないかなと思います。そしてそういうことを、例えばすれ違いざまとか日誌を書きながらとか、ちょっとしたタイミングで保育者同士で、あの時こうだったね、こういう意味があったね、環境をもっとこうしていったらどうかな、などというふうに共有していけると、より良いのではないかなと思います。基盤の整備ということと同時に、このように保育者同士がつぶやき合えるような場、そして心理的安全性を組織として作っていくということが、見取りを鍛える、保育の専門性を高めるということにも繋がっていくのではないかなと思いました。
 2つ目は2ページの右の図に関わってですけれども、今回吹き出しで乳幼児理解をもとにということが書かれております。先ほど堀委員もおっしゃいましたが、計画ありきではなく、第一に子供理解があるのだということがやはり非常に重要だと思います。で、それに関わって特にこの図の評価のところには記録に関する記載はないんですけれども、2つ目の丸のところに例えば「記録等をもとに振り返り」といった文言も入れ込めるといいのかもしれないと思いました。
 またよく見ると評価の観点として指導が適切だったかといったようなことが中心になっているんですが、当たり前のことながら単に指導が良かった悪かったということだけではなくて、ここにもあるように乳幼児の姿に照らしてというところが重要だと思いますので、子供の思いが今どこに向かっているのか、何を面白いと感じているのか、それをどう支えていけるのか、子供の姿の捉えが第一にあって、それを踏まえた上で自身の指導の見直しがあるのだというところがより強調できると良いのではないかなと思いました。
【秋田委員長】  岸野委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】  現場の感覚からのお話を少しさせていただければと思います。全体的にはこのような方向でいいのかなというふうに考えています。その上で大きく3点ぐらいあります。
 まず、ただいま岸野委員がおっしゃったところは僕も同じように思っていて、そのICTの活用なんですけれども、それはICTをどういうツールが必要かっていうのも少し考えなくちゃいけないのかなというふうに考えています。記録だとか計画だとかを簡略化するようなICTなのか、それとも保育中に記録、子供の育ちだとか子供の動きだとか、そういったものを記録するようなツールが今後は必要なのか、ICTって一言で言ってしまっていくと、何かこう記録だとか計画だとかが少し簡略化していくようなイメージで、業務負担を減らすための道具みたいになってるのが少し気になっているところであります。また、手書きかどうかっていうところがやっぱり課題としてあるんですけれども、例えば私共の施設でも、高齢の保育士さんだとか、あとは少し障害を持ってる方もいて、なかなかICT機器を使いづらい方もいるので、その場合っていうのは手書きかどうかっていうことよりは中身の問題になってくると思いますので、そういった保育士さんたちもきちんと働けるような形がいいのかなというふうに考えています。
 2点目は先ほど堀委員もおっしゃっていたところに関するところなんですけど、2ページのところで、指導計画から評価っていうPDCAサイクルのところなんですけども、そこの吹き出しのところにアドバイザーとか指導教諭が対話しながらと書いてあるんですけど、どこでどう関わるかっていうのが少し明確になっていると、逆に初めて管理者になったり指導の立場になったものがどのように関わるかっていうのが分かりやすくなってる方がいいのかなと思います。計画や評価は一人で立てるようなものではなくて、園全体であったりとか、同僚と対話しながらとか、多面的な理解のためにはどういう関わりがどこであった方がいいのかみたいなものが、少し分かりやすくなっていると、園の運営としては非常にありがたいなというふうに考えています。
 また、先ほどノンコンタクトタイムの話も出ましたけれども、やはりその時間の確保っていうのは非常に重要になってくるので、これも以前もお話しましたけれども、指導体制と多面的理解のための時間の確保と人の確保、また指導体制の確保は非常に重要かなというふうに考えています。
 以上3点となりますので、よろしくお願いします。
【秋田委員長】  柿沼委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして小松委員、お願いいたします。
【小松委員】  評価の在り方ということで、2ページでしょうかね、方向性案というものがありますけど、これにありますような基本的な構造と言いますのは、これはとても大切なものだなというふうに感じました。
 その上で、特に乳幼児の理解ということを考えたときにですね、私は個別性とそれから比較的長い時間の中での流れの中での変化ということが重要かなと思っております。どういうことかと申しますと、例えば次のページからある2つのイメージの中で、どちらもA君、A児、A君が出てくるわけですけども、例えば新幹線の例で言いましたら、新幹線とか電車にこだわりがあるということがあって、それがA君の夏祭りでの経験に繋がっていくと。それがB君も電車好きっていうところがあってうまく繋がっていくわけですけども、じゃあこれがそんなに電車に興味がないCさんとどんなふうに繋がっていきうるのか、うまく繋がりができてやり取りが広がっていくのか、そのためにどんなことが必要なのかというようなことが大切のかなと。これは時間の流れの中で、その子その子が持ってるものを理解していくということです。これはみんなに同じように共通に働きかけたらとか同じ経験をしたらこういう結果が返ってくるっていうそういうような構造とは全然違う個別性がありまして、その中で個々の子供たちを理解していくということが大切かなと思います。
 そのためにはですね、2ページ目のところですね、吹き出しで下の方の吹き出しにありますように、ここには園内の管理職同僚等と対話したりということがありますけれども、とにかくその対話をしながら理解を作っていくと。結構これエネルギーがいることだと思いますので、そのための場がやっぱり保障され、これは今まで複数の委員からご指摘あったところだと思いますけれども、保障されることに意義があるかなと思っております。
 ICTの活用というのも、そういう構造の中でうまく活かしていけるといいかなというふうに思っています。写真というかですね、というふうになってくると、昨今のその世間の雰囲気ですと、SNSでいいねがつくみたいなそういうものがつい評価されるっていうのが世間ではあるわけですけども、間違ってもそういうものを目指してるのではないのだということが、うまく子供の理解と繋がって使われていくということが大事なのかなというふうに思いました。
 以上でございます。
【秋田委員長】  小松委員、どうもありがとうございます。
 それでは続きまして、岡本委員、その後北野幸子委員にお願いしたいと思います。
【岡本委員】  感想にはなりますけれども、評価は改善を促すものであって、自分たちの保育を良くするための評価ですので、記載されているとおり、自分たちを振り返る機会を持つことは日常的に行うことが必要なのですけれども、一方で、教員たちが日々の生活や遊びを通して、質の高い保育を実践しているのか、自分たちが良さと自覚していることが今、目の前の子供たちにとって良いものであるのか、ジョハリの窓の理論にありますように、自分には見えないこと、自分たちには見えないこともあることを自覚しなければならないなと思っています。
 それでは誰の目で見ていくのかということになりますと、やはり2ページの右の吹き出しにありますように、他者と会話をしながら振り返ることがますます重要であると思っているのですが、その視点を少し具体的に書いた方がいいのではないかなとも思っております。
 幼児教育がさらに豊かなものになるためには、自分たちから保育を開かない限り、保育自体が社会からは見えづらいものですので、社会に開くことや保育を公開することを通して、自分たちの良さをさらにより良いものにして子供たちのウェルビーイングに繋がるように意識していかなければならないと考えております。そこには第三者的な視点も必要であって、地域の幼児施設や小学校などに保育を開きながら振り返ることも、これからはさらに大事になっていくと思っております。それがおのずと次の議論にあります地域との連携にも繋がって、さらに乳幼児期の教育全体へ繋がるものではないかなというふうに思っております。
 感想ですが、以上でございます。
【秋田委員長】  岡本委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして北野幸子委員、お願いをいたします。
【北野(幸)委員】  私からは、乳幼児教育における評価の独自性を示してくださっていることと、評価の構造を明確にしてくださっていることと、あと記録の意義について重なる部分もありますが、コメントさせていただきたいと思います。
 まず、乳幼児教育における評価の独自性をしっかり示してくださっていること、これは本当にありがたい大切なことだなと思います。乳幼児教育ではやはり総合的な指導によって一体的に育むんだと、コンテンツベースの教育ではないということ、小学校以降との違いを明確に確認できると思います。それが資料の2ページのところでは、全ての乳幼児教育施設において、園生活全体の中の遊びにおいて遊びの中の「育ちや学び」を見取ることこそが、乳幼児理解に基づく評価であること、松井委員や岸野委員もその視点のことを言及されていますけど、保育専門職の遊びの中の「育ちや学び」を見取るその力が不可欠で、保育専門職が「乳幼児理解をもとに」評価を行うこと、これが資料に書かれている。こういった資料により分かりやすく独自性が語られることで、保護者や小学校以降の教育専門職、あるいは社会と共有しやすくなるなということが期待されると思います。
 2つ目は構造的な問題ですけれども、佐々木先生がすごくユニークで分かりやすく示してくださっていることについて言及されていましたけれども、やはり2ページの右の吹き出しに「乳幼児理解をもとに」とあること、これがつまりは子供の姿が起点となって、5領域のねらいと内容を踏まえて計画が立てられ、実践し、実践しながらも振り返り、実践した後も振り返りながら修正していく。これが保育のカリキュラムの構造の独自性だと思います。振り返るときに10の姿や資質・能力の視点によりその育ちや学びの姿を見取ること、それに基づいてその育ちや学びに繋がる環境構成とその再構成を評価する。課題があるのであればさらに再構成かを検討する。それから援助の工夫が適切であったのか、評価し、さらなる創意工夫が可能かを検討する、そういうサイクルっていうのが明確に示され分かりやすくなったというふうに思います。ありがたいことだと思います。
 最後に、記録が負担であるとのいろいろな議論があることは当然のこととして理解できますが、やはり記録には意義があり、その記録を留意することも確認してくださっていることがとても大事だと思います。単なる事実記録、こんなことがあった、こんなことしてたというような記録にとどまらず、その記録を共有することだけではなくて、記録が議論する媒体として機能するように、要は事実と解釈をしっかり分けた形の記録が活用されることによって、事実を確認するだけではなく、事実の解釈の部分があるからこそ、吟味し共有し質向上が図れるということだと思うので、そういう意味では記録の大切さ、それから記録の中身、そういったことについても確認していただいてよかったなというふうに思うところです。
 私からは以上になります。
【秋田委員長】  北野幸子委員、ありがとうございます。それでは続きまして石山委員、お願いをいたします。
【石山委員】  ありがとうございます。
 これまで委員の先生方から出てきた意見もその通りだなと思いながら聞いておりました。私からは一つだけお話ししたいと思います。
 見取る力っていうのが大切になってくる部分だと思います。実際に資料の中で構造化を図っている部分であったり、どのようなものがどのようなサイクルで回っているのかっていうのは理解できているところではありますが、実際の保育現場においては、それを指導計画等に表していく際に非常に苦労しているところを目にしております。
 4ページ目の対話の中でのいろいろな資質能力が見えてきている部分についての言及がありますけども、そこが非常に大事な部分だと感じております。つまり、記録していくことももちろん大事ですし、管理職と対話する上での質問の視点と、実際に保育で見取る視点が重なってくるところがあると思いますので、そこら辺についてもこちらの対話のところで、このような視点で対話していきましょうというようなことが少し示されると、園全体でのレベルアップにも繋がっていくと思いますし、合わせて保育を見取る力が培われていくのではないかなということを感じました。
【秋田委員長】  石山委員、ありがとうございます。
 他にはお手が上がっていないようでございますが、よろしゅうございますでしょうか。
 すでに幼児教育ワーキング、それから保育専門委員会でもそれぞれご議論をいただいてきたところでございまして、おおむねご賛同をいただいたと同時に、やはり乳幼児の姿から始まるというその見取りの重要性でありましたり、遊びの中の学びと同時に、乳児からの場合の暮らし生活の中での通常の生活の中での習慣等の育ちや評価の重要性、また評価というところの右側の図の方には記録というものがこの評価の中でどう組み込まれるのかというようなところについて加えていくことであったり、それからそれぞれに対話や園全体でこれを行っていくのだというようなところがより一層伝わっていくようにというところ、またICTという文言がございますが、これを簡略化のためのものとしてではなく、またICTだけではなくて多様な形を選べることの意味やその意義ということについてもご発言をいただきました。誠にありがとうございます。
 それではまず議題の1につきましてはここまでとさせていただきまして、ただいまから5分間、珍しく休憩というものを私が一切リボイスを本日しなかったのが功を奏したのか、5分間の休憩を取らせていただきまして、4時26分から開始とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
「( 休  憩 )」
【秋田委員長】はい、それではこれから再開をいたします。
 それでは議題2につきまして事務局よりご説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】  それでは資料2について説明いたします。1ページ目をご覧ください。
 1ポツです。1ポツ、乳幼児を取り巻く現状や課題についてです。
 現在の社会状況においては、自然と触れ合ったり、地域で異年齢の友達と遊んだり、働く人や高齢者など幅広い世代と交流したりするなどの直接的・具体的に関わる体験が不足しているとの指摘があります。また、インターネット利用の低年齢化や長時間化に伴う乳幼児の生活や心身への影響の懸念が高まるとともに、保護者においても乳幼児にデジタルデバイスを使わせることの是非を含め、SNS等から得る子育て情報に振り回されたりするなど、子育てに不安を抱く保護者が増えているとの指摘があります。
 2ポツ、家庭との連携・支援に関する現状や課題です。
 1つ目の黒丸、一部の幼児教育施設においては、幼児教育の基本から見て必ずしも適切とは言えない活動が行われることが危惧されているとともに、保護者においても長時間預かることを求めたり、幼児への教育について過度に期待しすぎたりする傾向も見られます。
 2つ目の黒丸、幼児教育の基本的な考え方や当該園の目標や方針等について、保護者に十分共有されていない場合があるのではないかとの指摘もあります。
 3つ目の黒丸、障害のある乳幼児、外国人の乳幼児や海外から帰国した乳幼児等の保護者など、個別に支援が必要な家庭もあります。こうした家庭に対しては複合的な困難を抱えている可能性にも留意しつつ、早期に状況を把握するとともに、園内及び自治体や地域の関係機関との連携を図ることが重要です。
 3ポツ、地域との連携・支援に関する現状や課題です。
 1つ目の黒丸、少子化、核家族化、過疎化、地域の繋がりの希薄化等を背景に、子育て中の保護者においては子育てへの支援が強く求められています。
 2つ目の黒丸、幼児教育施設に在園していない0歳から2歳児のいる家庭を対象とした支援の必要性が高まっている現状に鑑み、「こども誰でも通園制度」が制度化され、令和8年度より子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国で実施されています。
 3つ目の黒丸、子育てへの支援の取り組み状況については、地域の実情や幼児教育施設の規模等により様々であるところです。
 2ページをご覧ください。
 こうした現状や課題を踏まえた方向性についてご提案しております。
 一番上の黒丸です。まず大前提として、乳幼児の健やかな成長のためには、幼児教育施設と家庭や地域がそれぞれの有する機能や役割を互いに発揮し、支え合いながら一体となって取り組むことが必要であることを記載しております。
 その上で2つ目の黒丸、家庭との連携・支援にあたっては、保護者が我が子の姿を肯定的に捉え、その成長や可能性に気付き、子育てを楽しみ、ひいては保護者自身のウェルビーイングにも繋がるという観点を大切にするべきではないか。
 また3つ目の黒丸、幼児期までのこどもの育ちや幼児教育の基本的な考え方について、保護者をはじめ社会一般に十分理解されるよう一層の普及啓発を行っていくことが重要ではないか。この点については、4ページ、5ページに掲載のとおり、現在こども家庭庁及び文部科学省において動画等の様々な資料を作成し、周知に取り組んでいるところですのでご参考ください。
 2ページにお戻りください。
 これらを踏まえつつ、1ポツ、家庭との連携・支援についてです。
 1つ目の黒丸、子育ての主体者である保護者と幼児教育の専門性を有する幼児教育施設とが、それぞれの立場から乳幼児の育ちや学びを共に支えることが重要であるとして、その概念図を右側の黄色の枠内に示しております。家庭における育ちや学びと園における育ちや学びは重なるところもありますが、家庭と園の立場や役割は異なるものですので、それぞれの役割を果たすことで、乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性であることを改めてお示しするものです。この乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性というものは、前回の保育専門委員会においてパートナーシップという言葉でご意見いただいた趣旨と同じであると考えております。
 1つ目の黒丸の後半に戻ります。この図でお示ししているような家庭との連携については、一層の充実を図るとともに、国においてもその重要性を幼児教育施設はもちろん保護者にも十分理解されるよう周知するべきではないか。
 2つ目の黒丸、具体的には日常的なやり取りや計画・記録等の掲示、配布を通じて、幼児教育の基本的な考え方や当該園の目標や方針等について共通理解を図る。これは図内の黄色の矢印の部分にあたります。ここでは矢印が両方向を向いているように、園から保護者へ説明するだけではなく、保護者から家庭での子供の姿について園に伝え、それにより園も保護者もその子への理解が深まるといった双方向の関係性を示しております。
 2つ目の黒丸の3行目の後半に戻ります。保護者の子育てを支える取り組みの充実を図ることが重要ではないか。これは図内の青色の矢印の部分にあたります。四角囲み内に取り組み例を挙げております。保護者の相談に応じたり、子育てに関する情報を提供したり、保護者同士が交流する機会を提供したりといった取り組みが挙げられます。
 続いて2ポツ目、特別な配慮を必要とする乳幼児の保護者等への個別支援についてです。1ポツでお示しした乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性を土台として、特に障害のある乳幼児、外国人の乳幼児や海外から帰国した乳幼児等の保護者など、より個別的な支援が必要な場合には、園長のリーダーシップのもと、専門職の配置等も含め、園内体制を整備し、組織的に対応するとともに、自治体の関係部局や関係機関等による専門的な支援につなぐことが重要ではないかという論点についてご意見いただきたいと存じます。
 3ページをご覧ください。
 ここでは家庭も含む地域との連携・支援の充実に向けた方向性についてご提案しております。
 (1)、地域の保護者の子育てを支援する取り組みの充実についてです。幼児教育施設においては、地域全体で多様な支援ニーズを受け止める体制の一端を担うため、こども家庭センター等の関係機関との連携・協働を図りつつ、地域の保護者の子育てを支援する取り組みを積極的に行っていくべきではないか。その際、地域の実情に応じて、市町村が幼児教育施設やその他の施設等の規模や有する機能等を考慮した上で、各施設等の役割分担を明確にすることが重要ではないか。
 (2)、地域の人的・物的資源の活用についてです。幼児教育施設においては、地域と連携し、地域にある人的・物的な資源を積極的に活用していくことが重要ではないか。その際、乳幼児の興味・関心や必要感に基づいた活用、そこでの体験がその後の遊びの充実に繋がるような工夫が大切ではないか。また、こうした連携は地域社会と信頼関係を築き、幼児教育への理解を醸成することにも繋がる観点からも重要ではないか。
 (3)、地域の幼児教育施設としての機能や施設の提供についてです。幼児教育施設に在園しているか否かに関わらず、様々な家庭の乳幼児等が幼児教育の環境に関わることができるようにすることが重要である。特に幼児教育施設は保護者にとって安全・安心に利用できる場でもあります。このため、園庭・園舎の開放などの取り組みにおいて、保護者の子育てを支援するとともに、地域の乳幼児等に対して幼児教育の特性を生かした活動を提供する取り組みの充実を図るべきではないか。
 幼児教育施設が地域と連携して行う取り組みは、同じ取り組みであっても様々な側面がありますので、この3つの論点からご意見いただきたいと存じます。事務局からの説明は以上です。
【秋田委員長】   ご説明どうもありがとうございました。
 それではただいまから、このご説明にいただきました論点について順次皆様にご議論をいただきたいと存じます。ご意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただきますので、発言時はミュートを解除してお話しください。ご発言は先ほど同様、3分以内でお願いをさせていただきます。議題1のご意見で先ほど発言できなかったけれどという方は、そちらと合わせてご発言をいただくこともできますので、どうぞよろしくお願いいたします。お手を挙げていただいた順に指名をさせていただきますので、どうぞ挙手をお願いいたします。
 それでは、岸野委員、お願いをいたします。
【岸野委員】  2点申し上げたいと思います。
 まず家庭との連携に関して、前回の幼児教育のワーキング単独の会とちょっと違う角度で申し上げたいと思うんですけれども、乳幼児の育ちや学びを共に支える関係性を保護者と構築していくというときに、組織づくりが大変重要ではないかということです。
 スライド2の図のところでは保護者の子育てを支えるという青い矢印がありますけれども、実際のところなかなか難しいケースというのもあるのではないかなというふうに思います。特に若い保育者の方にとっては、保護者対応というのが難しいというふうに感じたり、また保護者の中には過度な要求やクレームとして表す方もいらっしゃったりするというような、難しいケースというのも見聞きすることがあります。で、その背景にはおそらくその方の基盤の不安定さであったり、子育ての不安があったりするのだと思うんですけれども、そうしたものはなかなか一人では対応しきれないということも多々あると思いますので、そういったことが個人の力不足というふうに帰属されないように、やはり組織として、保護者の状況を見取りながら、どう関わり支えていくといいのかということを協働して取り組んでいくということが求められるのではないかなと改めて思いました。
 次に地域との連携について、スライド3の(2)のところになりますが、地域との連携が遊びの充実に繋がるというところが大変重要だと思いました。特に地域との連携が「しなければならぬもの」になっていて、例えば単発的な交流イベントで終わってしまったり、あるいは「地域の文化祭に作品を出さなきゃいけないので、そこに認められるような地域の要請に応えなきゃいけない」といったような活動を制約するものとして働いたりして、子供たちの遊びの充実とかけ離れたものになるという事例を見聞きしたことがいくつかあります。その意味で取り組み例、ここの右側にありますように、日常の保育と繋がった形で地域と関わっていくということが重要だと思いました。
 私も園に関わっていく中で、散歩中に畑仕事をしている大人とのやり取りが保育に繋がっていったり、地域の伝統的な祭りが遊びの充実に繋がっていったりといったケースをたくさん見聞きしてきましたが、そこではその大人たちの保育者とその地域の人たちとの関わりを子供たちが大変よく見ていて、逆に言うと、その保育者が地域や社会とどう関わるのかというところが問われるのではないかなというふうにも思います。
 そうした関わり合いを通して、スライドにも書かれていますが、地域に幼児教育を理解してもらうことにも繋がると思いますし、地域の人々ともまた子供の育ちや学びを共に支える関係性を築いていくこと、そういう意味では地域の人的・物的資源を「活用する」、「利用する」だけでなくて、共に子供の育ち・学びを支える関係を築いていくということが保護者だけでなく、地域のほうにもあるのかななんていうふうに思いました。
【秋田委員長】  岸野委員、どうもありがとうございます。それでは続いて小松委員、その後多田委員、高辻委員、松井委員、北野久美委員、久保山委員、堀委員、柿沼委員、村地委員とお願いしたいと思います。
【小松委員】  家庭との連携についてですけれども、これは家庭というのは非常に多様で、また幼児教育施設等に求めるもの、関係の作り方というのは本当に多様で、一方で以前の会議で、調査結果踏まえて申し上げましたけれども、連携・支援のニーズというのは強まってるんだろうなというふうに感じます。ここでどこまできめ細かく連携していくのかということを考えるところに、本当に重要性と難しさがあると思っておりまして、いろいろ考えていきますと、先ほど評価について話したこととなんとなく重なってくるような気もいたしました。
 2ページ目ですかね、全部で3つですね、1、2、3と挙げていただいてるんですけれども、例えば1のところに取り組み例というところで、不安に寄り添い相談に応じるっていうのが出てるんですけれども、不安というのもその表され方っていうのは非常に多様で、いろんな形で出てくると思います。で、それに対応するときにもですね、割とうまくやり取りできる場合と、人によってというか相性のようなものによって関わりがうまくいく場合とうまくいかない場合っていうのはあるのかなと思ったりします。
 特別な配慮を必要とする乳幼児の保護者等との関わりも同様でですね、一言で障害のあるとかっていうふうに言いましても、非常に多様ですし、そのことについてどう考えているかということも本当に多様なわけです。かつそれが、先ほども評価に関わって申し上げたように、時間を経て変わっていく場合も変わっていかない場合というのもあると。
 それから3番目ですね。次のページに挙げていた地域との連携・支援というのも、これも何か1つこういうやり方をみんなでしたらいいということに枠には当てはまらずにですね、先ほどもお話ありましたけれども、今どういう関係が作れるのか、どういう関わりがあるのかというのを見ながら考えていくということになると思うんです。
 で、こういうことをですね、しっかりやっていこうとしますとですね、先ほどの評価と同じでですね、この家庭、この保護者、この地域との関わりの固有性の中でですね、今まで起きたことを含めて今後どうしていくのかというのを考えていく。で、それをかついろんな見方で考えていくということが必要になってくるということで、非常にしっかり考えるためのエネルギーがやはりいることになるというふうに考えました。で、そうした資源をどんなふうに確保して、どんなふうに必要な連携・支援を見極めていくのか、これアセスメントという言葉になるかもしれないんですけれども。繋がりを作っていくのかというようなことについて、やはり同じようにやったら同じように結果が返ってくるというのではないことについて考えていく重要性というのが、あるように思われました。
【秋田委員長】  小松委員、どうもありがとうございます。続きまして、多田委員、お願いいたします。
【多田委員】 よろしくお願いいたします。
 私は2ページ目のところの資料に関して意見を申し上げたいのですけれども。こちらの中で生活や学びということで生活という文言をこちらでは入れていただいておりますが、食事は家庭と園をつなぐ日常的な生活の接点として重要であると考えています。
 資料にも示されているように家庭との連携は不可欠です。特に2ページ目の取り組み例の比較の囲みの中に、保護者の不安に寄り添い相談に応じるといった記述がありますが、その中で食に関する悩みは偏食や食事量、アレルギーなどそういったことが多く挙がりますけれども、食事の様子を園でのことと家庭のことを共有することが、ほかのことに関しても対話の入口になることが少なくないのではないかと思います。そのため、保育所などで提供されている食事を子供の発達に応じた、より適切なものとするためにも、保護者との情報共有は不可欠であると考えます。また、「こども誰でも通園制度」のように多様な家庭と関わる機会が増える中で、食事の場面は生活状況を把握したり、支援に繋げる重要な契機にもなると考えます。
 さらにその下のところに園内体制にも触れていただいていますけれども、現状では栄養士が配置されていない施設も一定数あることを踏まえると、施設内の栄養士に加えて地域の管理栄養士や栄養士も含めて情報共有の要として栄養士も関与する体制を明確にしていただけたらと考えております。食事という生活の視点を手がかりに、家庭と園と地域が繋がる支援の具体化を図るといったことが重要ではないかと考えております。
【秋田委員長】  多田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 私も資料2ページのところについてまず1点意見申し上げたいと思います。
 2番目のところの個別支援のところになりますけれども、ここで挙げてあるように障害、外国籍、そのほか養育環境ですとか経済状況など、さまざまな支援のニーズというのを抱えているケースというのはあると思うんですけども、中には支援の必要性が最初は見えにくい、入園当初は気がつかなかったんだけれども徐々に明らかになってくるとか、あるいは保護者自身が支援の必要性に気づいていなかったり、ちょっと目をそらしてしまっていたりというような、いろいろなケースがあるのではと思います。支援のニーズ自体が必ずしも明確でないような場合も含まれているというのが、こういった乳幼児教育施設における個別的な支援が必要な場合の難しさでもあると思いますし、だからこそサポートに繋がっていく最初のきっかけになるという意味で強みでもあり特性でもあるのかなと思っております。また、園に在籍している途中で家庭内の状況が大きく変わっていくこともあると思いますし、そういった意味ではその時々の状況を把握するということも求められてくると思います。
 先ほど小松委員からもございましたけれども、保護者自身がどのようにそうした現状を認識されているのかということをしっかりと受け止めた上で、場合によってはすぐに何か問題に気づいたからといってこちらから働きかけるというよりは、少し様子を見ながら声をかけるタイミングであるとか伝え方といったものを考慮するなど、寄り添いながらどういう形で問題を一緒に考えるような状況に持っていけるかといったことも、保育者には求められる場面があるかと思います。このように考えると、個別の支援の必要性の有無とかその程度が必ずしも最初から明確ではなくて、グラデーションと言いますか、いろいろな段階があって、かつクラス全体として見たときに今全体としてどういう状況にあるのかもさまざまというのが実情ではないかと思います。
 言い換えればそこのところ、何かあって初めて、明確にニーズがわかっている中で支援を求めて利用者の方がやってくるような形ではなくて、まず日常の関わりがあって、必要が生じたときに支援に繋がっていくことができるというのが非常に重要なところかなと思っております。そうした意味でも、前回の幼児教育のワーキング、保育専門委員会で、保護者との関係性をベースにという話が重要だと皆様もおっしゃっていましたけれども、やはり関係性がベースになって支援に繋がっていくというのは非常に大事と思います。
 この資料の中では相談対応ということを挙げていますけれども、やはりそれにはまず保護者にこの人になら話してもいいとか、先生に相談してみたいなというふうに思ってもらわないと相談そのものが始まらないということがあると思いますので、個別の支援の有無に関わらず、やはり全体に対して相手を受容するとか共感的な理解というのをベースにした関わり、それによって作られた関係性があって個別の支援がそこから見えてくるというような、そういったような構造というか流れになっているのかなと思います。その上で、保育者自身がそこでどうあるべきか迷ったり悩んだりしたときに、負担を一人で抱え込むのではなく、支援にしっかり向き合えることができるように、組織としての体制や地域における関係機関などとの連携によって重層的に支えていく環境が必要になってくると、そういうふうに思ってこの資料拝見しておりました。
 それから2点目としまして、次の3ページ目、地域の中での支援というところになりますけれども、この間地域における様々な支援機関、制度、事業が随分増えてきたと思いますが、一方でまだそれらが切れ目なく様々な分野にわたってそれぞれが繋がりながら機能していくという点では課題も多いと認識しております。ニーズに応じた支援のコーディネートやマッチングを、誰がどういう形で地域の中で担っていくのかというところですね。参考資料の中でもこども家庭センターなどが取り上げられており、そのほか要対協とか、最近ですとこども家庭ソーシャルワーカーなど、様々な仕組みができてきておりますけれども、分野横断的な支援に関してはこれからというところだなというふうに思っております。
 そういう中で今回資料の3ページの3の(1)の2つ目のところのように、市町村が地域の実情に応じて各施設の機能や役割をつないでいくというのを明確に示していくということは1つ重要なスタンスと言いますか考え方を示した部分と思います。同時に、それぞれの園でも自園の現状を踏まえつつ、地域全体を視野に入れて、その中で自分たちの園の強み、特性といったものをどんなふうに生かしていくことができるのか、自分たちの果たしうる役割は何なのかという視点で考えていくというところも非常に重要と思っております。
【秋田委員長】  高辻委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、松井委員、お願いいたします。
【松井委員】  よろしくお願いいたします。
 これまでも家庭と園との間で2ページの右の図で示されているように、保護者の子育てを支えて、保護者は園の活動に協力するといったことを行われてきたと思いますけれども、特に黄色の双方向の矢印の箇所、幼児教育に関する共通理解とか、園の目標、方針や園児一人一人への共通理解を図り、信頼関係を築くというところもより強化して、保護者と保育者が双方向的に共に乳幼児の育ちや学びを支えていくということが求められるんだと思います。
 例えば保育参観とか保育参加であれば、単に子供の様子を見たというだけではなくて、その日の子供や活動にはどんな意味があって、子供の姿を踏まえてどのような意図やねらいのもとに保育が行われているのかということが保護者に十分伝わる必要があります。
 それから幼児教育の意義の普及啓発についても急務ですけれども、資料の4ページ、5ページにもありますように、幼児教育の意義とか遊びの重要性についてのわかりやすい資料がいくつも作成されています。まずは保護者、そして広く社会における幼児教育への理解に向けて、これらの貴重な資料をいつどんなふうに活用していくかというのが重要だと思います。
 その際に何事もそうなんですけれども、自分とかあるいは自分の子供に直接関わりのあることとして視聴するかどうかというのが1つのポイントになるかと思います。私自身5ページ目の動画は保育者養成校の授業でも活用しておりますけれども、例えば自分の子供の頃の経験とも繋げながら、子供にとってなぜ遊びは重要ですかということを説明してくださいというような課題を出した際に、こういった動画を視聴した後に書くと、実は記述内容が深まるといったことがあります。まずは動画に出てきた解説の受け売りの部分があるかもしれませんが、そこから次第に理解が深まることを期待します。ですので、保護者の方であれば、動画とともに自分の子供の実際の園生活と繋げた解説が、信頼関係のある先生とか幼児教育の専門家からなされるといったような、真に響く工夫が求められると思います。
 最後に、3ページ目の地域との連携・支援の(2)の地域の人的・物的資源の活用に関してですけれども、年齢に応じた子供のエージェンシーが発揮される内容や方法が求められると思います。例えば地域の専門家との出会いの場が用意される場合も、例えば保育者の一方的な意図が優先されたりして、あらかじめ定められた道筋に沿って子供が動いていくのではなくて、この取組例にも挙げられていますように、何より子供の興味・関心から出発することが重要ですし、単に新たな知識を受け取る場の設定があれば良いのではなくて、保育者の支えのもとに、例えば事前に何について尋ねればいいのかということを子供たちが主体的に考えて整理して決定していくというようなプロセスも欠かせないだろうと思います。
 新たな人と人・物・場との出会いと関わりを通して、新たな情報を子供自らが手にして、必要感に基づいて試行錯誤しながら活用する。そしてその後の遊びの充実へと広がっていくような援助が求められるかと思います。
【秋田委員長】  松井委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、北野久美委員、お願いいたします。
【北野(久)委員】  1ページ目の課題も、これも園種を問わず子育てに関わる現状が本当に表されているというふうには思いました。そして2ページ目の方向性等でございます。ここにも大事なことが網羅されているので、大枠では本当に賛成なんですけれども、保育現場にいる私にとっては家庭との連携とか支援は欠かせないもので、ある意味保育士の専門性が発揮できる分野でございます。
 しかしこの2ページの1のところで保護者に十分理解されるように周知ですとか、保護者の子育てを支える取り組みの充実を図るといった場合に、私たちが情報発信するためには、その発信のための受信がとても必要になってくるわけです。それから次のページの3もありますが、地域との連携云々を考えますと、ここはやっぱりキーパーソンの存在が欠かせないんですね。そういったときに主任が必置ではない保育所はですね、ここでどなたがキーパーソンになりますかということ、誰にそういう時間がありますかということ、もうこれも申し訳ないんですけれども、議題1同様、条件整備が必要ではないか、人の配置・時間といったものが必要ではないかというふうに思います。
 また、2ページ目戻っていただきまして、2ページ目の下の段です。特別な配慮を必要とする乳幼児の保護者等への支援というふうにありますが、ここはやはり先ほどの意見にもありましたように経済的な問題やDV等も関係してくると思います。支援の例のところでやはりそういったものも必要ではないかというふうに思います。
 またこの右側にありますこの表なんですけれども、これはあくまでも家庭とは書いてありますが、在園している家庭で、右側が私たち幼児教育施設ということだと思うんですね。そしてこの赤い丸と青い丸で囲まれていて、この重複する部分が下の矢印に現れますよということだと思うんですけれども、ここでやはり誤解とか混乱がないように、この幼児教育施設のところは1ページ目に保育所、認定こども園、幼稚園全てですよということが書かれてはあります。米印でですね。しかしこの表のところにもやはり幼児教育施設とはこういうところですよと書いてあるほうが誤解や混乱がないのではないかなというふうには思いました。
 で、さらにですね、ここは在園している保護者と幼児教育施設との関わりなんですけれども、地域の子育て支援となると、ここがおそらくその6ページに示されている、今まで何度も目にしたこの図だというふうに思うんですけれども、この本当にこども家庭センター、あるいは地域の子育て相談機関、こういったものが実装して繋がるためには、やはり今はまだ自治体間の格差が大きいと考えます。さらにこども家庭センターから下の矢印のところに様々な資源って書いてあるところにも保育所という言葉はある。しかしここにこども誰でも通園制度とか、そういった新しい考え方が入っていない。また現実に本当に即しているのかなというようなことも考えなければいけないのではないかなというふうに思っています。
 で、そうであるならばですね、申し訳ないんですけれども、4ページよろしいでしょうか。この育ちに関する資料の中で、このはじめの100か月の育ちビジョンはもう全ての人にわかってほしい子供の姿や子供の魅力なんですけれども、その次のページに行きますと、はい、ここに示されているのが、先ほど幼児教育施設というのは幼稚園、保育所、認定こども園全てですというふうな考え方からいくとですね、この動画は本当にわかりやすくて、短時間で子供の姿や興味・関心、または大人の関わり方が本当によくわかるんですけれども、ここにもやはり0歳の遊びが学びに繋がっていますよということ、0歳からの育ちが就学前のその就学に繋がる育ちに繋がっていますよということ、そういったコンテンツが今後必要ではないかなというふうに思いました。
 この議題2の資料も議題1同様に園種に関わらず私たちが抱えている役割がたくさん書いているので、これらを網羅したガイドラインはやはり前段で申し上げたように一本化する必要はあるなというふうに思いました。
 また申し訳ございません、議題2に直接関係することではないお願いなんですけれども、これまでの6回、7回の議論の中で、各委員がそれぞれのお話をし、それがどう反映しているかが見えない部分がございます。素晴らしい意見をたくさん聞かせていただいて本当に学びにもなっているんですけれども、それが資料に対してどう反映されているのかということと、夏頃に意見の取りまとめをするというふうに伺っていたんですが、そこまでにあまり時間もないわけで、であるならばどんなふうに反映されていたのかということと、そこまでに一体今からどれぐらいの議論をする、あるいはそれを拝見する時間があるのか、スケジュール感等をお聞きできればというふうに思います。
 最後、事務局さん、お答えいただければありがたいです。以上でございます。
【秋田委員長】  北野委員、ご意見ありがとうございます。なお、先ほど言われた反映やスケジュール感につきましては、最後に事務局のほうからということで扱わせていただきます。それでは続きまして、久保山委員、お願いをいたします。
【久保山委員】   久保山でございます。
 秋田先生が議題1で話してない人は話してもいいですよと言ってくださったので、すいません。議題1についても一言だけ。
 前回と重なるかもしれないのですが、子供を見取る力というのは、やはり子供を表す言葉をどれだけ豊かにできるか、子供を表す言葉をどれだけ磨くことができるかということに尽きるかと思います。その意味では対話ということを引き出しに入れてくださったのはとても大事だと思います。写真が今回も資料に出ていますが、例えばどうしてこの場面を写真に撮ろうと思ったのかとか、いっぱい写真を撮った中からどうしてこの写真を選んだのというところから対話が始まるのだと思うんです。そういうところから言葉を磨くってことができると思います。ですから解説でそういった具体的な例を挙げていただけるといいのかなと思います。また、前回も申しましたけれどもリフレーミングという発想で、「落ち着きがない」というのか、「活発である」というのか、あるいは「集中できない」というのか、それとも「変化に気づきやすい」と見るのか、そうした考え方も入れ込めるといいかなというのが思ったところでした。
 議題の2ですけども、すいません、5点申し上げます。
 1つ目です。2ページ目のあたりに保護者の不安とあります。保護者の不安とは何かと考えたときに、通園しているお子さんの場合、実は園のありようが保護者の不安を増長させているという可能性があるということを忘れてはならない。保護者と話していると、「みんなと同じにできていますか」、「みんなと違っていませんか」、など「みんな」に対する圧力をすごく感じています。そうだとするならば、「みんなと同じでなくても良いのだよ」ということをどれだけ園側が伝えていけるかということに重要だと思うんですよね。これ以上保護者を不安にしない保育ということ、それが大事かなということを1点思いました。共生社会の担い手を育むのだというところで、一人一人が大切にされるというのはどういうことなのか。遊びが大事ということは確かにそうなんだけれども、一人一人の遊びということを大事にできたらなというのが、それが保護者の不安解消の大きな1つだと私は思います。
 2つ目です。「相談」とありますが、これも前回申し上げました、「どのぐらい大変な状態になれば相談していいのかがわからない」といった保護者がいます。それほど相談慣れしていない保護者がいるということを考えると、日頃の保護者の様子を丁寧に見取るという力が主に管理職の先生方には必要なのかな、そのことを2つ目に思いました。
 それから3つ目、専門機関の話です。2番の特別な配慮を必要とする乳幼児のあたりですが、確かに専門機関につなぐということは大事です。しかしこれもある保護者の言葉なんですけれども、「専門機関を紹介されるということは園をやめさせられるのではないかと思った」というふうに思っている保護者が随分いると思います。そうではないのだということ、そして安易に専門機関を相談すればいいというわけではないのだということ、そこまでの丁寧なやり取りの積み上げが必要だということは押さえておく必要があろうかと思います。
 それから4点目、3ページの地域との連携です。これについては連携の窓口役となる人をしっかり養成する必要があろうかと思います。幼稚園で言えば特別支援教育コーディネーターがその任になるかと思いますが、その特別支援教育コーディネーターであっても幼児期特有の連携先はあるし、なかなか幼児期特有の養成がなされていないというふうに思います。ましてや保育所で考えてみますと、これに当たるコーディネーターはどうやって養成するのでしょうか。横須賀市の例を挙げますけれども、横須賀市は平成21年から発達支援コーディネーター研修を行っていて、毎年20人から30人ぐらい受講生がいます。この研修の特色は、横須賀市内の子供に関わる全部の行政課の職員、係長レベルの人が出てきて、うちの課はこういう仕事をしていますということをつぶさに説明してくださっています。こういうことがあったときはここに相談できるんだということを知る、そういう職員が園の中にいるというのはとても大きなことだと思います。特に保育所のコーディネーターに当たる人たちをどう養成するのか、神戸市も昨年から始まっていますけれども、そういったことをみんなで考えていけたらというのが4点目です。
 それから5点目、これが最後ですけど、2ページ目に戻りますが、特別な配慮を必要とする子供の話ですけれども、保護者の方の中には児童発達支援センター、あるいは児童発達支援事業所を利用している方たちがいます。そういった方たちに対して、園の役割といいますかね、それは専門機関とは違う役割があるんだ、あるいは子供の見方も違っているんだ、それでいいんだということ、そして園の専門性というのがあるんだということ、そのことをきちんと保護者に伝えるということはとても大事なことだと思います。専門機関がこうすべきと言ってくることがあるかもしれないけれども、それは園で必ずしもやるべきことではないかもしれない。そのあたりをきちんと伝えられるってことが求められるかなと思ったところです。
 以上でした。どうもありがとうございます。
【秋田委員長】  久保山委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、堀委員、お願いいたします。
【堀委員】  はい、よろしくお願いいたします。
 私からはですね、3点お話しさせていただきたいんですけれども、まず2ページですね、方向性につきまして、家庭との連携・支援の充実に向けた方向性につきまして、全体的な方向性については賛同しております。
 特にですね、1の家庭との連携・支援のところの1つ目の丸ポチのところですけれども、子供の姿の向こう、背景には保護者との暮らしといいますか生活があるわけで、そういう点で考えると園に通うのは子供たちですけれども、一体的に捉えていく必要があるということを強く感じています。で、そういう点で考えたときに、保育の場は子供の成長発達にふさわしい生活の場、それが整えられた場であるわけなのですけれども、園に繋がることによって改めて保護者はその乳幼児期の大切さに改めて気付く、そういう場でもあると考えています。先ほども皆様のご意見にもありましたように、であるからこそ保育者の専門性を発揮する場でもあるというふうに考えています。
 ただし1つ目の意見になるんですけれども、先ほど岸野委員もおっしゃっておられましたが、この専門性というのは多様な保護者がいる中で、その専門性は全ての役割を保育者が担うということは難しい部分もあります。そういう点で言うと、以前から様々なところで申し上げていますが、多職種連携、例えば特別支援の取り組みなどに関しては現在充実しているところですけれども、例えば保護者を支えるようなその巡回であったりとか、そうしたこともこれは指針要領の中にどのように盛り込んでいくかということはありますけれども、これはもしかしたら保育そのものの仕組みの問題かもしれませんけれども、そうした保護者を支える仕組みということも今後考えていってはいいのではないか、保育者だけで担うには非常に難しい部分もあるのではないか、多様な保護者がいる中でですね、そんなふうに考えています。
 2点目は、やはりこの保護者にこの乳幼児期に対する理解を促すことが難しいということが課題としてあるわけですけれども、実は幼児教育の関係者の中にもこの乳幼児期の直接的具体的な体験の重要性ってことがより理解が深まっていないっていうこともあるのではないか、そう考えたときに、やはり今回指針要領が一体的に今回このように議論していることはとても重要で、そして我々こそが共通の言語を使っていく、考え方は先生方と共通しておりますので、そうしたこの指針要領が乳幼児教育に関わる方々全てに伝わるような、そして繋がっていくようなものにしていくということの重要性をより強く感じています。そういう意味でも、書きぶりをですね、今現在指針要領の子育て支援に関する書きぶりが若干異なるところもあるので、その点についてはメッセージ性もという観点からも書きぶりを統一していく必要があるのではないかということを考えています。
 3点目になるのですけれども、3ページ目を見ていただきたいんですが、地域との連携ということで先ほどから皆様もおっしゃっていますように、やはりどう繋げていくのかって非常に重要だと思うんですよね。事例なども挙げていただいてますけれども、私自身も様々な園に関わる中で、その子供たちの身近な生活の環境の中に保育の場はあることが多いので、そういう意味でも自分が住まう環境を子供たちが愛して身近に感じるっていうことはとても大切な経験の1つに繋がっていくと思うんですけれども、保育者が発信するのか、あるいは自治体が保育の場まるごとそうした機会を設けられるような役割を担ってくださるのか、そうしたことも含めてですね、地域との繋がりということをより進められるよう考えていく必要があるのではないかというふうに感じたところです。
【秋田委員長】  堀委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】  はい、大きく3点あります。
 1点目なんですけれども、課題の中で家庭の幼児教育に対する考え方だってことなんですけれども、多分幼稚園とかこども園とか、園児募集みたいなものがあるところであると、なかなか今までやってきたこともありますし、また文化なんかもあるので、なかなか難しい側面もあるのかなみたいなふうに考えているんですけれども、そういった上で2ページの家庭との連携・支援のところの2ポツ目ですね、具体的には幼児教育施設において日常的なやり方や計画記録などの、幼児教育の基本的な考え方や当該園の目標や方針に基づいて共通理解を図るっていうところなんですけれども、この幼児教育の基本的な考え方が各園によってバラバラしているっていうのが現状としてあるんだと思うんです。なんでこれなんかちょっとできるのかできないかあれですけれども、この指針要領に基づいた幼児教育の基本的な考え方みたいな、きちんと書いてしまったほうがいいんじゃないかなみたいなふうにはちょっと考えています。
 2点目はですね、特別支援ですね。特別な配慮を必要とする乳幼児期の保護者等の個別支援のところの文言のところなんですけれども、園長のリーダーシップのもと専門職の配置も含め、園内体制を整備しつつ組織的に対応するとともに、つなぐことが重要ではないかっていうのは、これだけ読むとなんとなく先ほど久保山先生もおっしゃっていたんですけれども、専門機関につなぐことが重要みたいなところに強くなってしまうので、こういったところもインクルーシブな学びを前提としてっていうふうにある意味きちんと子供たちにその多様な子供たちがいることによって多様な学びがあって、障害があろうとなかろうとそれぞれの学びがあるんだっていうことで、園の中でみんなでインクルーシブしていくっていうことが明確に書かれた上で、体制整備をしていって専門的な支援につなぐっていうふうに受け入れることは前提にしていったほうがいいんではないのかなみたいなふうに考えています。
 3点目です。3点目は地域のところになります。3ページのところなんですけれども、1点最初のところで、幼児教育施設には「はじめの100か月育ちのビジョン」の普及促進が書いてあるんですけど、ここはなんか地域、基礎自治体なのか市町村のところなのか、市町村にもこの100か月のビジョンだとか普及促進が求められるってことが書いてもいいのかなっていうふうに考えてます。なぜならやっぱり社会を変えていくことが一番早いと思いますので、保護者のニーズがきちんと要領・指針に基づいた幼児教育の施設がいいんだというふうに考えていったほうが施設に求めるより早いと思いますので、社会を変えていくってことであれば基礎自治体にもその幼児教育をきちんと普及促進するっていうことが明確に書かれたほうがいいのかなみたいなふうに考えています。
 でもう1点は、特に「こども誰でも通園制度」がスタートしていって、これが0歳児から預かるっていうか0歳児から対応できるっていうことになってますので、やはり母子保健であるこども家庭センターの役割、非常に関わりが非常に重要になってきていると思うんです。で、特に幼稚園とかであれば福祉施設がないとここの関わりが非常に薄くなっているので、こども家庭センターが積極的に関わっていくような文言の書き方がいいのかなというふうに思っています。母子保健のところがあることによってこの誰通のところも安心・安全も繋がっていきますので、こども家庭センターの役割、明確に書かれたらいいかなっていうふうに考えています。
 最後にもう1点なんですけれども、地域の役割のところなんですけど、(1)のポツ2なんですけど、その際地域の実情に応じて、市町村が幼児教育施設やその他の施設などの規模や機能などを考慮した上で、各施設の役割分担を明確にすることが重要だとは思うんですけど、これ役割を明確にしていくと、そこに切れ目が生まれるんじゃないかなみたいな、ちょっとそれを読みながら、逆にやはりそれぞれに役割を果たしながら協働していくってことだと思うので、で多分幼児教育は施設、家庭、地域がそれぞれに役割を果たしながら行っていくものが幼児教育であるみたいなことだと思いますので、ある意味園の規模が小さくなって園の力が弱くなれば家庭や地域がそれを補完していって、家庭の力が弱くなれば施設、地域がそれぞれ役割を果たしていくみたいなことだと思うので、役割を明確にすることはもちろん重要なんですけれども、その上でそれぞれが協働していって子供たちを育てていくみたいな、また2であったような地域と施設と家庭が関わっているような図なんかもこうあるといいのかなみたいなふうにちょっと考えました。
【秋田委員長】  柿沼委員、ありがとうございます。続きまして、村地委員をお願いいたします。
【村地委員】  はい、失礼します。
 乳幼児の育ちや学びを共に支えるために、家庭・地域の連携・支援、そして保護者の考え方や勤務体系の多様化等への対応、本当に園として求められる役割は大きい。それと同時にやっぱり負担感も非常に大きいんじゃないかなっていうことも感じました。
 小学校に上がってくるまでにいろいろな園の先生とお話ししていると、随分その園の先生がきめ細やかに保護者へ対応してくださることで本当に心がほぐれて入学してくるお子さんもいらっしゃいますし、逆に非常に保護者対応に苦慮されているような事案も聞いております。2ページ目のスライドに特別な配慮を要する乳幼児って書いてあるんですけども、それのみならず全ての保護者に対してはやっぱりチームとして組織として対応していく必要があるんじゃないかなということを感じているところです。保護者のウェルビーイングも大切なんですけれども、やっぱり保育者のウェルビーイングを保障することで子供のウェルビーイングにも繋がってくるかなと思っているところです。
 2点目です。地域との連携なんですけれども、本校が地域の活動をするときに地域コーディネーターの役割を担ってくださる方がいらっしゃって、こういう学習をしたいんだけど、こういう体験をしたいんだけどこういう人いないかなっていうと、実に的確に人、物、ことにつないでくださるんです。しかも詳しい。そして紹介だけじゃなくって実際につないでくださって、こういう活動もできるよとかコーディネートしてくださるんですね。他の地域から通ってきている管理職や職員ではやっぱりそういった対応できなく、地域の人だからこその情報網っていうのがあるんです。そう思うと負担感なく地域との連携を進めるためにはどうしたらいいのかっていうことは、単に地域との連携が大事だよっていうことだけじゃなく、各自治体でコーディネーターといった人材を配置するだとか、体制づくりっていうのも大事じゃないかなというふうに思ったところです。
 以上でございます。
【秋田委員長】  村地委員、ありがとうございます。それでは続きまして、小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】  小枝です。
 私から3点短くお話しさせてください。
 2枚目のスライドの上に3つポツがあるうちの真ん中です。家庭との連携・支援にあたって、保護者が我が子の姿を肯定的に捉え、その成長や可能性に気づき、子育てを楽しみ、ひいては保護者自身のウェルビーイングにも繋がるという観点を大切にするべきではないかと書いてあるわけですけど、それはその通りなんですけど、なんかちょっと違和感がありましてですね、出発点がそもそもネガティブなんじゃないかなっていうふうにちょっと私自身は感じちゃったんですね。なので子育てって大変だから、楽しいってことを気づいてもらい、それから肯定的に捉えて、それがその延長で保護者自身がウェルビーイングにも繋がるっていうと、なんかもう出発点がネガティブなところにあるような気がして、ちょっと違和感を感じます。私だけならいいんですけど、なんかこのままでいくと、子育てって大変だからね、みんなで頑張ろうねみたいなそんなふうになっちゃうので、子育て自身はやっぱり楽しいものだし、親自身の育ちにも繋がるので、もっと肯定的な出発点から書かれたほうがいいような気がいたしました。それが1点目です。
 それから2点目は、下のほうの特別な配慮を必要とする乳幼児の保護者等への個別支援です。園長のリーダーシップのもと専門職の配置等も含めって書いてあって、この書きぶりでいいのかなと思うんですが、ただ専門職を配置するとそれで終わっちゃうこともあり得るかなと思うんですね。だから一人一人の保育士さん、あるいは保育者がやっぱり自分のこととして捉えて、その専門職とともにその親子を支えるっていうそんなことが必要かなと思うので、全ての保育者が対応力を向上させみたいな、その専門職からいろんなスキルを学んでいきましょうみたいなことが読み取れるような文になるといいのかななんて思いました。
 それからめくっていただいて3枚目です。(2)の地域の人的・物的な資源の活用っていうところで、ここ本当にそのままいいこと書いてあるんですし、例のところを見ますと本当にこんなことがあったらいいななんて思うようなことが書いてあるんですが、これやっぱり保育士さんとか幼稚園の先生ではなかなか無理ですよね。先ほど村地委員がおっしゃったように、地域のことを知ってる人が入らないとこういうことはできないですよね。だから園の中でそういう役割とか窓口を作るよりは、園の外の地域にそういったことをよく知ってる人と何か繋がるというような仕組みを作らないと、この例にあるような素晴らしい取り組みって広がっていかないんじゃないかなと思うんですね。そうするといわゆる自治体の公民館であったり、自治体活動の中でのそういったコーディネートできる人を探すのか、あるいは保護社会の中で地域でこういったことをよくやってる人がいらっしゃれば、そういった人たちを保護社会を活用してやっていくなんていうこともあっていいので、なんかそれが具体的に本当に実現しそうなことをちょっと書いていただけるといいのかなというふうに思いました。
 以上3点でございます。
【秋田委員長】  小枝委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】  私のほうからは1点だけ簡単に、2ページ目の家庭・地域との連携・支援の充実の支援という言葉に関してなんですけども、家庭と園との関係性を示す部分になるのかなとは思うんですが、説明の中ではそういう意味合いのことをおっしゃったと思うんですが、どちらか一方がしてあげるとかしてもらうという関係性ではなくて、共に子供の育ちと学びを支える主体としてという意味では、この支援という言葉よりも連携・協働とかパートナーシップ・コラボレーションっていう意味合いの言葉のほうが良いのではないかなと感じました。で、地域のところももしかしたら同様なのかなと感じましたので、園と地域の関係性も連携・協働という関係性が望ましいのではないかというふうに感じました。
 すいません、1点というのがもう1点なんですが、家庭や保護者の乳幼児教育の理解という点では、先ほどお話ししたドキュメンテーションも有効だと感じています。本市でも全ての園で実施できているものではないのですが、乳幼児教育の共通理解を深めたり、保育者の子供への関わり方などが保護者の子育てに良い影響を与えたりしているのではないかというふうにも感じています。行政の立場としても、地域とか家庭とか保護者へ遊びの重要性の発信や乳幼児教育の理解をどのように進めていくのか、先ほどの意見の中にもありましたけれども、やはり行政の役割も重要じゃないかなというふうに感じています。今回資料でご紹介いただいた動画等も活用しながら、もっともっと地域全体へ理解とか周知を図っていく必要があるなということを感じました。
【秋田委員長】  飯田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】  今までの先生方の議論を少しまとめるような形での提案となります。3ページをお願いします。
 あと、僕は教育委員会の指導主事もやらされていて、そして幼児教育施設の幼稚園の園長もやっておりました。国が示すこのことについては、県、市町村っていうのはもう本当にマストでやってくれるということもわかっていますので、ぜひお願いしたいです。
 3ページ目の地域との連携のところの(1)の黒ポツです。柿沼先生もおっしゃっていましたけれども、各施設等の役割分担と連携の方略を明確にするということで、その分担と連携の作戦を自治体が、市町村っていうと小さな町や村では無理なので、各自治体においてって感じでそれぞれの地域の実情に応じた連携を展開する。で、やっぱり県とか大きいところでは人材もいるし、各市町村のそういう施設とか専門的な機能っていうことも把握していると思うので、そのほうが現実的かなと思ってご提案します。
【秋田委員長】  佐々木委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、川越委員、お願いいたします。
【川越委員】  現場の立場ということで2点お話をさせてください。
 1つは2ページ目の家庭との連携・支援のところです。その下に取り組み例ということで、保護者の不安に寄り添い、相談に応じるとか情報の提供というようなことがありましたが、園での子供たちの生活、様子を見ていただくこともすごく有効なのではないかなというふうに感じました。というのはですね、本日本園は入園式がありまして、3歳児の保護者の方が4、5歳児のお祝いの言葉というのを見て、「2年後にはこうなるのかしら」っていうふうにすごく心配そうに、でも嬉しそうにお話をされていたんですね。で、園での子供たちの具体的な様子を見ることで、我が子のその後の育ちの見通しというものが、希望も持ちながら心配もありながらなんですけども、ぼんやりと見えてくるのではないかなというのを、まさに今日感じました。
 そして子育ての支援をするときにこのような状況を作り出して、子育ての楽しさというようなことや希望とかということを作り出すことを、子供たちの姿を見てもらうことで作り出せるのではないかなというふうに感じたところです。で、そこに加えてご提案のあった4ページとか5ページのような資料をその後の保護者会などで活用をしながら説明することで、ぼんやりとした希望ということが確固たるものであったりとか、そういう基礎みたいなことがあって、そういうような園の方針や取り組みの具体があって子供たちが成長するんだということを理解していただくように感じました。先ほど松井委員も資料の活用について言及されておられましたが、このように子供の姿と資料ということを双方向で活用していくことで、家庭との連携や支援、子育ての支援ということになるのではないかなというふうに感じました。こちらが1点目です。
 そして2点目が2ページ目にお戻りいただいて、2の特別な配慮を要する個別支援というところです。特に今、外国人の乳幼児のお子さんとか保護者への支援ということが喫緊の課題になっておりまして、前回のワーキングでも本園の状況をお話させていただいたところではありますが、外国籍の保護者の方の文化の背景が十分に理解できないために言葉では伝えるんだけどもなかなかその保護者の思いに寄り添えなかったり共感性が低くなったりするのではないかなというふうに感じております。右側に専門的な支援の例ということで、語学についての制度の案内であったりとか通訳とか翻訳の方の派遣などもありましたが、この文化についての理解とかそのあたりを調整してくださるような関係機関の方にお手伝いいただけるとすごく現場はいいのかなというふうに思いました。
 はい、現場からということで以上でございます。
【秋田委員長】  川越委員、どうもありがとうございます。それでは、古賀主査、お願いします。
【古賀主査】  失礼します。今日はちょっとお時間がありそうかなと思って発言させていただきます。古賀と申します。よろしくお願いいたします。
 子供の姿を見取る専門性のことが先ほどの議題1のところからちょっとお話をさせていただきますけれども、子供の姿を見取る専門性を磨くということが出てきました。また、言葉を豊かにするというようなご指摘もありました。幼児教育を評価する専門性を磨くということによって、保育の楽しさが生まれ、自らの保育の説明言語を持つということに繋がることが重要であろうというふうに思います。で、写真や映像は有力な手がかりになりますけれども、それを幼児教育のプロセスとしてどのように評価するのかというところに専門性が問われるというふうに私は思っております。
 形式的で形骸化した記録を生み出すことを避けて、日々子供を発見するということが生まれる記録の取り方が重要なわけで、それはその保育という身体的な時間を感覚をたどって振り返り、簡単に意味づけに走らずに、あれは何だったんだろうな、もしかしたらこういうことを楽しんでいたのかもしれないし、そうでないかもしれないし、よくわからないけれど、具体的にはこういうときにこんな様子だったなと、言葉にならない多くのものを含む身体的な感覚と言葉の間を行き来しながら子供を発見するという、子供を発見する手がかりになる具体的な姿と状況を記録しておき、いつでもまた考えたり振り返ったりすることができるようにしておくこと、つまり保育者が保育を豊かにするために必要な情報を記録して、ためて、また時を置いてたまったものを振り返ってみると、ある子供の姿の変化や学びの芽生えのようなものが見えてくると。ま、そういったことが重要で、記録しなくてはならないから記録しておくというのではなく、記録することが保育の楽しさと充実に繋がること、ま、そこに繋げることが重要であると。またそういった記録と評価のプロセスを繰り返すことによって、小学校の教師やこれからお話しする保護者であったりとか地域であったりとか、様々な方々にその幼児教育とは何かということを説明する説明言語が充実するということが起こってくるというふうに思いますので、そういった意味でもこの記録と評価ということとこれから展開する地域へのことっていうのが繋がっていくことが非常に重要であるというふうに思います。
 幼児期の学びの芽生えとはどのようなものか、それがどのような保育の工夫によって豊かになるのか、具体的な姿と具体的な環境や援助を記録し意味づけていくということは幼児教育の説明言語を持つということに繋がるであろうということを思います。
 議題2についてですけれども、幼児教育や指導という言葉が社会一般だけでなく専門家の中でも十分に理解されてないという場合があるというふうに思っています。できちんとさせるとか理解させるとか、大人の意図性が強いものと捉えられる嫌いがあります。幼児教育とは環境を通した教育であるというふうにもうすでに書いてありますとおり、子供が身の回りの環境に自ら関わる中で面白さを見出し、もっと関わりたい、もっと楽しくしたいと試行錯誤したり関わりを深めていく、そういった具体的な姿を見取り、関心や意欲、学びの芽生えとして意味づけ、さらにその関わりが深まったり広がったり深まったりするような働きを生み出そうとすることであり、指導はそういった発達に必要な経験が得られるような状況を作る保育者の行為を指しているということです。で、そういった基本的なことが園種を問わず0歳からの幼児教育の考え方として共通だということを明確に伝わるようにしていく必要があるのではないかというふうに思っています。
 それから少子化が進み、子供の集団が形成しにくくなり、目にする遊びの数が減っていくという時代に入っています。で、幼児教育の質を園内だけでは十分に保証することが難しいというふうにすでに感じている地域の保育者の方も多いと思います。そうすると園同士の交流であるとか地域への広がりということが保育の質の充実には欠かせなくなります。それが1回限りのお出かけで終わっては幼児にとってはお付き合いで終わってしまうので、そうではなく、遊びの充実に資するには計画的で持続的で発展的であるということがある程度必要であり、それが大人主導にならないように進めていく保育者の専門性が必要になってきます。で、これは非常に難しい問題で、先ほどからその地域の専門家が必要だというようなご指摘がありましたけれども、その地域で生活することの良さを保育者自身が知り、面白さを感じると、これはもう環境領域における教材研究の一つというふうに私自身は捉えています。で、それを子供が感じるような園生活ってどんなふうにすれば展開できるかなというふうに知恵を絞ることと、最近の子供たちの遊びや関心と掛け合わせて楽しい展開ができるかなと構想を練ること、その意図を園の環境に含ませながら遊びの中で展開するように工夫するということが重要で、まさにその地域での特色が生かされるような生き生きとした実践が生まれて、そういったグッドプラクティスの情報が交流されていくことも重要だろうというふうに思います。
 なので、園や地域に閉じるのではなく、開き交流し豊かにしていく努力を園や地域や組織を超えて共にしていくような時代に入るのであろうというふうに思います。で、そのためにはやはりその幼児教育とは何かということが共通理解されなくてはならなくて、どういう遊びが幼児教育にとって重要なのか、園生活を豊かにするとはどういうことを指すのか、ただ体験を増やすということではなく体験を豊かにするということはどういうことを指すのか、保育者は家庭や地域と活動を共にしながら専門家として考えを伝えていくということが重要になるというふうに思います。
【秋田委員長】  古賀主査、どうもありがとうございます。それでは続きまして、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  家庭や地域との連携や支援の充実が、乳幼児期の子供たちの育ちにとって、また幼稚園教育にとって大変重要な教育内容であるのは少子時代だからこそさらに重要だと私も認識しております。
 その中で幼稚園教育要領にも幼稚園と家庭が一体となって幼児と関わる取り組みを進め、地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たすよう努めると記載されてありますが、私ども幼稚園はさらにその役割を自覚しなければならないなと思っております。それぞれの地域でその園なりに努めてはいるのですけれども、地域にある幼児教育センターやこども家庭センターとの、またあと教育委員会との繋がりをさらに深めることも重要ですので、その繋がりができるだけ直接的な繋がりになるように、私たちも書面での繋がりではなくて、現場が生き生きできるような、そのようなところまでしなければならないなというふうに思っております。地域によってはセンターの在り方が異なってしまったり、私立幼稚園もいろいろ出入りはしておりますけれども、ちょっと温度差があるなということも感じますので、その辺もつないでいくことができるようにしたいこと、また乳幼児期の教育の様子を先ほどの古賀先生のお話ではないのですけれども、社会に開く工夫を今後ともしてまいりたいと思いました。
 自戒を込めて発言をさせていただきました。以上でございます。
【秋田委員長】  岡本委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  2ページ目の2の個別支援と、それから3ページ目の3の地域との連携・支援に関わって申し上げたいと思います。
 特別な配慮を必要とする乳幼児の保護者等への個別支援に関して、下線部に関係機関等による専門的な支援につなぐことが重要という点については全くそのとおりだと思います。ただ一方で、関係機関と繋がった後、園と関係機関の両方に通園通所する並行通園児に関しては、関係機関との間の連携・支援において切れ目があるということの指摘もあります。例えば巡回相談では並行通園児よりも関係機関に繋がっていない幼児が優先される傾向があって、繋がった後に継続的な連携による支援が行われていないというようなことです。つなぐことはもちろん重要ですけれども、それで終わりではなく、繋がった後の課題も現状あることを踏まえて継続した連携・支援についても目を向ける必要があると思いました。
 家庭との連携・支援というのも、どこかとどこかが点として結ばれた線としてではなくて、乳幼児に関わる人たちが密接に連携し合って面としての支援、包括的に全体がチームとして関係性を構築することだと思います。もちろんそのためには個々の線の繋がりが大切になってくるんですけれども、そういった広い視点、捉えも常に念頭に置いておくことも必要ではないかと思いました。
【秋田委員長】  吉田委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、北野幸子委員、お願いをいたします。
【北野(幸)委員】  まず1ページの2の家庭との連携・支援に関する現状や課題で示してくださったこと、幼児教育の基本から見てこの時期に大切にしたいことが明確化されていること、本当にありがたく思います。しっかりと「幼児教育の基本から見て必ずしも適切とは言えない活動が行われていることが危惧されている」、これを明確に活字化し発信してくださっていることは本当に大切だと思います。
 あと何よりも2ページ以降で互恵的に家庭と園とのそれぞれの独自の機能を発揮することの大切さを示してくださっていること、これにも賛同します。乳幼児教育専門職はこもりではない、幼児教育の基本から見てこの時期に適切な育ちと学びを保障していると、独自な次世代育成の専門職であるということは、いわゆる社会学のパーソンズをはじめ、そのいわゆる専門職要件に関する先行研究をいずれと照らし合わせた場合でも、保育専門職は高度な専門職であることは明確であるにもかかわらず、でもその理解の浸透が不十分である実態があると思います。去年12月に出たOECDの保育版タリス調査、の結果もそうでした。私、保育学を専門とするものとして自らの不甲斐なさを感じてきました。ですので、家庭教育、園における乳幼児教育、社会教育、それぞれがそれぞれの機能を互恵的に発揮することの大切さ、それぞれの機能、独自な機能への理解が浸透することが、その一層の普及と啓発がこの度大いに期待され、ありがたいなと思っています。
 で、その一層の普及啓発を図る上で、私はやはり情報の信頼性と公平性が不可欠で、誕生から小学校就学までの乳幼児教育の基本、これは何なのかを信頼性と公平性をちゃんと担保して、可視化し発信することが大切であると考えます。他の委員も指摘されていましたけれども、現状には自らの自戒も含めて本当に課題があるというふうに考えています。さらには発信の内容と方法と対象を考慮した工夫、これが必要であると考えます。松井先生同様、私も4ページと5ページの資料は一方では幼稚園と小学校の教員を目指す必修科目の教職論の授業で、それから他方では教養の教育学の科目、理系の学部の受講生が多いんですが、活用させていただいています。両者で4ページと5ページの資料の受け止められ方が受け手によって違うとコメントペーパーを見ながら思ったりします。
 乳幼児教育の施設、つまり園における遊びこそが学びであることとか、園こそでのことと、園でも家庭でも地域でも乳幼児期に大切なこと、100か月ビジョンはとてもありがたいものであると思いますけれども、発信の内容、方法、対象が今後ますます工夫されていくこと、精査されていくことが期待されると思います。
 あと最後に家庭と地域との連携については、皆さんもご指摘されていたとおり、他の委員も言われていたとおり、家庭の形態や価値観が多様化していることと、それから家庭そのものが変化のプロセスにあり、それに伴走すること、これも含めて連携することを考えること、それから地域についてはその実情を踏まえていくこと、これがお示しくださってるとおり大切だなというふうに思います。それから地域にある人的・物的な資源の活用、この地域の人的資源には保護者も含まれると思いますが、この地域の人的・物的資源の活用も地域の実情に応じて、私はこれをポジティブに受け取ってますが、共主体の観点から当事者性があってそれぞれのウェルビーイングに繋がる連携が進むこと、が期待されると思います。これを示していただいていることが大切であると考えました。私からは以上です。
【秋田委員長】  北野幸子委員、どうもありがとうございます。それでは続きまして、河合主査代理、お願いします。
【河合主査代理】   全体的な2ページ目にあります大きな方向性は本当に賛同しますし、これをもとにしながらいろいろなことが進んでいくということを改めて皆さんと共有したいと思います。
 3つ目の丸にある話題になっていますが様々な資料、私も使わせていただいています。今回の資料のように一覧性があったり、ちょっと見やすくてQRコード読んでみようかなというような、こうした資料の見せ方は非常に重要で、これから様々にある資料が使いやすく、ちょっと使ってみようかなって思えるような発信の仕方は大変重要だとこの資料を見て思いました。
 で、この2ページ目の図のところなんですが、細かな文言は別として、この共に支える関係性というのは、在園の保護者のみならず、園に関わってくる全ての保護者との関係性の基盤になるものとして私は受け止めていました。細かな具体的なことは少し在園寄りに書いてありますけれど、心持ちと言いましょうか、こうした心構えで一緒にやっていくということが大事なのだろうと私は受け止めておりました。
 そして2点目の特別な配慮を必要とするというところですが、これもすでに委員の先生方からお話があるように、幼児教育施設での保育者としての専門性を十分に発揮しながら、そして専門家の専門性を発揮しながら、相互にお互いの専門性を活用しながら一緒にやっていく、この方向はとても重要だと思いますので、現在も解説に書いてあるところかとは思いますが、今回確認しつつ必要なことを充実させていく必要があるなと思います。ここにつないでいくと、つないで終わりみたいなイメージがあるという話も少しあるかもしれませんが、つなぐことは手放すことではないと思います。お互いの情報共有に加えて、例えば療育を受けているお子さんが療育を受ける先でやっているアクティビティとかいろんなものがあると思いますけれど、その情報をおそらく園で受け止めて、保育者はきっとどの子供にとっても楽しめるようにアレンジをすることはとても得意な分野じゃないかと思うんですね。お互いにその子の状況、それから支援を共有しながら、それぞれの場所でその子、また特に幼児教育施設では集団の教育ですから、みんなにとって良いものになるようなことも十分できるかと思いますので、連携して協働して一緒に子供を育てていく、そして一緒にやっていきますから大丈夫ですよという姿が保護者の安心に繋がっていく、そういうことを改めて大事にしたいと考えたところです。
 そして次のページのところ、地域との連携です。小さなことなんですが、下のところに(3)の隣、乳幼児にとっての経験でってあると思うんです。私、これが乳幼児にとってのって書いてあるところはとても大事だと思っていて、家庭との連携・支援ということになるとどうしても大人同士のことに目が向くんですが、いつも子供にとってどういうことなのかということを問い続けながらやっていくことが大変重要なのではないかと思っています。ですので、書いてある中身はもしかしたらこれまでもされていることですが、やることが子供にとってどうなのかという視点を、幼児教育施設と家庭や地域と一緒に考えていきたいというふうに思います。で、家庭を支えるという点では、方向性は一致しながらも、おそらく様々な施設によってこれまでやってきたことや機能や知見や工夫があると思いますので、それぞれの取り組みは大事にされる分野かなと思います。例えば幼稚園やこども園ではゆっくり子育てをしたい人、それからお子さんの状況からゆっくり集団生活に入るために少し園に通って様子を見ていきたいということもあるかと思います。そうした様々なことが選べたりする、多様に選べることはとても重要なことではないかなというふうに考えております。
 そのことを非常に強く思ったところです。
【秋田委員長】  河合主査代理、ありがとうございます。それでは大豆生田委員長代理お願いします。
【大豆生田委員長代理】  すいません、限られた時間で短くお話しさせていただきますけど、すいません、議題1の方から2点と、議題2の方から2点お話しさせていただきます。
 議題1の方で、乳幼児理解に基づく評価というものが、日々の子供の理解から振り返ってという中で、遊びから学びを見取るっていう点、本当に賛成でございます。で、その中で、まず1点目ですけれども、この最初の2ページのところで、理解のプロセスの中で対話ということをこの吹き出しで入れてくださったこと、とてもありがたく思います。で、そのときにこの議題2で保護者が子供の姿をより理解したりしていくパートナーだとするとすれば、ここがその日々の保育を行う中では保護者ということも重要な対話者になっていったり、今日お家でこういう姿だったのねっていうことが反映しながら保育のことを考えていくという視点もここの中で必要なのではないかというのが1点目です。
 それから2点目ですけれども、この議題1の方の4ページに関して言うと、これドキュメンテーションを示していただいていますけれども、これおそらく日々の姿ということとして捉えられると思いますけれども、さっき古賀主査もお話しされたように、その日々の子供を理解していくということは、その分からなさとともにAちゃん、Bちゃん、Cちゃんの姿が今日こうだったのかな、ああだったのかなというふうな振り返りと、それをどうその遊びを学びとして可視化していくかということの葛藤の中にあるということで考えるとするならば、他の委員の方の中にもあったように、これは必ずしも毎日10の姿と直結するのではなくて、ある程度のその中長期的なところで捉えていく。もちろん10の姿などはそのことを振り返る上ですごく役に立つわけですけれども、その使い方への考慮という視点が必要なのではないかというふうに思います。
 以上2点が議題の1です。
 で、議題2に関してになります。こちらも先ほどお話しされたように、乳幼児の育ちを学びを支える関係性ということで、その家庭と園がそのパートナーなんだというふうに位置づけられたということはとても大事な視点だというふうに思います。そしてこの2ページのところで、右の四角の図のところの中の真ん中のところに赤い矢印で、家庭保護者から幼児教育施設に幼児教育施設の活動に協力参加するという、この大前提がとても大事だと考えています。そうだとすると、この左側の一番の家庭との連携・支援の中の2つ目の黒ポツのところで、日常的なやり取りや計画・記録等の掲示・配布を通じてその目標や方針についての共通理解を図るということが書いてあるわけですけれども、ここにおそらくもう多分大前提なので書いてないのかもしれないですけれども、保護者や家庭との協力参加、特にこの参加っていうことがとても重要なので、そのことをきちんとそこを捉えておく必要があるのではないかということが議題2に関しての1点目です。
 それからもう一つはですね、3ページになります。3ページの2で皆様申し上げられたように、地域の人的・物的資源の活用ということがこれが入ったこともとても重要だというふうに思っています。これまさに子供の興味関心に応じて保育者もともにその地域とともにというところがとても大事なわけですけれども、そのときにその地域のいろんな人たちや資源とその信頼関係を築くと同時に、これは保護者も同様なんですけれども、こういう地域の人たちとの互恵性、ここでも互恵的な関係性、つまりこれが単なるイベントではなくって両者にとって意味があるということもここでも位置づけて良いのではないかなという点を追加させていただきます。
【秋田委員長】  大豆生田委員長代理、どうもありがとうございました。
 皆様の熱意ある、多様なご意見をいただきましたことで、全体像が浮かび上がってきたと思います。まず言えますことはですね、幼児教育の方でもそれから保育専門委員会の方でもご議論をいただきましたが、その中で先ほど一本化という話もございましたけれども、施設類型に関わらずですね、まず保育者の専門性というのは一体何なのかというところの共通理解をし、そしてその中で評価の充実というところで、やはりその子供の姿を、先ほど古賀主査も言われました、身体的に感覚的に私どもは捉え、そしてそれを見取っていくというところから始まることの専門性というところがとても重要であるということが言えます。
 この点はですね、実は中教審の方の総則・評価特別部会の方の小学校以上の方でも、今見取る姿というのが学びに向かう力の評価の観点として出てきてございまして、その中でも幼児期から小学校以上にこれが繋がっていく重要な視点ではないかということが議論されています。そういう意味でもこの乳幼児期からのまさにその子供と関わる専門家の在り方、それがこのような形で、特に私どもはドキュメンテーションというような言葉であったり記録というものを多様な形で捉えることから評価が出発するというこの理念というものが、さらに小中高へと繋がっていくその起点になっていくということが極めて重要なのではないかというふうに改めて伺いながらいたところでございます。
 また家庭・地域との連携・支援の充実につきましても、皆様がいろいろ言っていただいたことで、特に重要なことは、それを支えていくためのやはり人材であったり体制整備というものがなければこれが進まないというところを、どのように私どもが考えていくのかというところがございます。また堀委員が言われましたけれども、これまで指針の方と要領の方でこの部分については少し書きぶり等も違っているところがそれぞれの施設の機能役割に応じてございますわけですけれども、これをどのような形で私どもがこれから全国全ての子供たちのために幼児教育、乳幼児教育の基本って何なんだ、保育の基本って何なんだということを、やっぱりその基本的考え方はまさに要領や指針に示されているこれなんだと言えるものを一緒に考えてそれに基づいて進めていくような形というのが重要ではないかと、改めて皆様のご意見を伺いながら感じたところでございます。
 私が長く話してしまいますとまた時間が来てしまいます。北野委員の方から今後のスケジュールでありましたり、それから今後どのような形で各委員の多様なご意見が反映されていくのかということについてのご質問がございましたので、事務局の方からお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】  まずこれまでの資料と皆様のご意見の反映についてですけども、これまで資料はいわば皆様方にご議論いただく土台としての資料でしたので、一つ一つその次の会議の時に、その資料にこう反映しましたということはお示ししておりませんでしたが、今後ワーキング・委員会を取りまとめていく中で、先生方のご意見を反映した形で資料を準備させていただければと考えております。
 今日の議題の家庭や地域との連携・支援の充実までで、幼児教育ワーキンググループ・保育専門委員会において、合同で検討すべき共通事項としてお示ししていたものは一通り進めさせていただいたかと思います。ですので次回以降、議論をまとめていく段階に入っていくことになろうかと思いますので、また資料を準備させていただければと思います。また現在、小中高等学校の各教科等のワーキンググループにおいても並行して議論が進められているところですので、そうした全体の議論の進捗とも歩調を合わせながら、これまでにいただいたご議論の取りまとめに向けて、またご審議いただきたいと存じますので、よろしくお願いします。
【秋田委員長】  ご説明の方、ありがとうございます。よろしゅうございますでしょうか。
 このような形で一応個別のトピック等につきましては今回までで多様な皆様からのご意見をいただきましたことを踏まえまして、さらに資料を精緻にバージョンアップしていって、それをもとにしましてまたご議論をいただいていく。ただし今もお話ししましたように、全体としての部会の流れということもございますので、それの頃合い等を見ながらまた皆様とご相談をし進めさせていくというようなスケジュールになるということで、この具体のいつというようなことにつきましては、また追って事務局の方と相談させていただきまして進ませていただきたいと思います。
 それではですね、これでよろしゅうございますでしょうか。はい、それでは以上を持ちまして、本日も閉会といたします。1分前ということで皆様のご協力を持ちまして無事本日も終わることができました。お忙しい中、感謝御礼を申し上げます。
 
 
―― 了 ――