教育課程部会 幼児教育ワーキンググループ(第5回)議事録

1.日時

令和8年2月24日(火曜日)9時30分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 幼児教育におけるICTの活用の在り方について
  2. 特別な配慮を必要とする乳幼児への指導・支援の充実について

4.議事録

【古賀主査】 定刻となりましたので、ただいまから第5回幼児教育ワーキンググループと第6回保育専門委員会を合同で開催いたします。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。本日は議題1として、幼児教育におけるICTの活用の在り方についてご議論いただいたあと、議題2として特別な配慮を必要とする乳幼児の指導・支援の充実についてご議論いただく予定です。それぞれ事務局より説明いただいたあと、意見交換を行います。それでは初めに議題1について、事務局より説明をお願いします。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、資料1について説明いたします。1ページをご覧ください。幼児教育におけるICTの活用の現状と課題についてお示ししています。1つ目の丸、現状として、年々情報化が進展する中、小学校では1人1台端末等の整備が行われており、幼児教育施設においてもICTを活用した取組が行われてまいりました。こうした取組については3から5ページに事例を掲載しております。3ページでは、図鑑で得た知識を確認するために、ダンゴムシの足の本数を電子顕微鏡を使って確認する事例などを、4ページでは遊戯室でプラネタリウムを投影した事例や、グループごとにカメが冬眠できやすそうな場所を探しタブレットで撮影して発表する事例などを、5ページではオンラインで海外の人や他県にある園と交流する事例を、それぞれご紹介しております。1ページにお戻りください。こうした取組が行われている一方で、ICTの活用については幼少期からの長時間使用による心身への影響等への懸念も指摘されているところです。こうした懸念について6から8ページに参考資料を掲載しております。6ページは低年齢層の子供のインターネット利用率や利用時間のデータなど、ICTが乳幼児に与える影響への懸念についての資料、7ページはこども家庭庁の会議において、幼少期の子供たちの現状への懸念について、全国国公立幼稚園・こども園PTA連絡協議会の山崎会長のご発言を抜粋した資料、8ページは低年齢層のインターネット利用に係る実態把握に向けた国の取組スケジュールなどをお示しする資料、となっておりますので、ご参照ください。1ページにお戻りください。そうした懸念もある中で、幼児教育施設においては、乳幼児期は直接的・具体的な体験が重要であることを踏まえて、ICTの活用が行われており、その際の主な目的・用途は、2つ目の丸に整理して、お示ししているとおりです。先ほど3から5ページでご紹介した事例も、ここに記載のとおり「記録する」「詳しく知る」「表現する」「やり取りする」のいずれかの事例になっております。
一方で、3つ目の丸のとおり、ICTを活用した活動の実施に当たっては、乳幼児の発達や活動のねらいに応じた活用となっていない、物理的環境の整備が不十分、不適切なコンテンツの表示、ICTの専門的知見の不足によるトラブル、操作上の問題、といった課題も生じているところです。こうした課題について、幼児教育施設からいただいた具体的な例を左側の吹き出しでご紹介しております。1つ目の吹き出しです。インターネットで検索することについて、実際に見ることができたり図鑑などを活用して調べることができたりするものに対しても、安易に使ってしまっていること。また、すぐに答えが分かってしまうと、答えを知って満足という結果に終わってしまうこと。
2つ目の吹き出しです。動画で折り紙の制作の仕方を教えてもらう取組において、この時の幼児の発達の段階からすると、画面から読み取ることが難しそうだったこと、音楽に合わせて体を動かす見本を動画に変えてみたところ、動画を見本とするのではなく、動画を見るという行為に変わってしまう子供がいたこと、オンライン交流において、他者意識が未熟な幼児にとっては、画面越しの相手のことを考えて表現することは難しかったこと。
3つ目の吹き出しです。タブレットそのものを触ることが目的になり続けることがあること、動画の視聴を止められなくなることがあったこと、各幼児教育施設においては、ICTの活用に関して、こうした課題を実感しているところかと存じます。2ページをご覧ください。こうした現状と課題を踏まえ、ご議論いただきたい、幼児教育におけるICTの活用の方向性と懸念・留意点の検討に向けた論点をお示ししております。まず、左側の枠の1つ目のひし形です。小学校以上においては、デジタル学習基盤を前提に、情報活用能力の抜本的向上などに向けて、検討が進められています。また、家庭や社会においても日常的に使用されているとともに、幼少期からの長時間使用による心身への影響等への懸念も指摘されています。こうしたICT活用の懸念も踏まえ、要領・指針での示し方について、どのように考えるか、ご議論いただきたいと存じます。2つ目のひし形です。ICTの活用にあたっては、乳幼児期は直接的・具体的な体験が重要であることを踏まえ、乳幼児の直接的・具体的な体験の充実を図る道具として活用することとしてはどうか。その際、乳幼児の直接的・具体的な体験を阻害する活用とならないよう、どのような点に留意する必要があるかについて、ご議論いただきたいと存じます。また、議論の参考になるよう、主な留意点の例をお示ししております。乳幼児の発達や活動のねらいに応じていない活用、乳幼児の発達にとって望ましくない活用、ICTの操作の習得を目的とした活動、乳幼児を一方的に指導するための道具としての活用、ICTに指導を委ねるような活用などが挙げられるかと存じます。続いて、右側の枠の1つ目のひし形をご覧ください。左側の枠では、ICTの活用について、乳幼児の直接的・具体的な体験の充実を図る道具として活用することを論点とする一方、障害のある乳幼児への指導においては、ICTは効果的に活用できるツールであると考えられます。障害の状態など、一人一人の実態に応じた配慮において、ICTを適切に活用することが求められるのではないか、という点について、ご議論いただきたいと存じます。また、ICTの活用のイメージ例や実際の事例をご紹介しております。例えば、触覚が過敏で虫に直接触れない幼児に対して、虫の映像を使って質感や細かい点まで見ることができるようにしたり、直接他者とコミュニケーションをとることが困難な幼児に対して、あらかじめ登録してある言葉、例えば「一緒に遊びたい」とか「トイレに行きたい」などを読み上げるソフトを使って、友達や先生にしたいことや気持ちを伝えることができるようにしたり、写真や動画で1日の活動を振り返り、主体的な活動につなげたり、初めての活動に不安がある幼児に対して、友達の活動を動画で見せて見通しが持てるようにしたり、といった例を挙げておりますので、議論の参考にしていただければと存じます。資料の説明は以上です。
【古賀主査】 それでは、中村局長の方からご発言をお願いします。
【中村成育局長】 こども家庭庁成育局長の中村でございます。一言補足させていただきます。まず、着座が遅くなって申し訳ございませんでした。ただいま文科省のほうから、ICT教育の活用の在り方について説明させていただいたところでございます。この中で、ICT活用のメリットに加えて、懸念点についても触れていただきましたけれども、それについてどのようにご審議いただくかということについて、補足的に申し上げたいと思います。実は秋田委員長も先週出ていただきましたけれども、こども家庭庁の最も根幹をなす1つの部会である基本政策部会というのがございまして、今後の子供の政策について分野を問わず議論する場がございました。その中で大雑把に言って3分の1ちょっとぐらいの方が、このデジタル、インターネット、AIについて、子供に与える影響について懸念を持って、きちんとこういうものに対して向き合うべきじゃないかというご意見をいただきました。ちょうどこの資料の中にもございましたけれども、一昨年来、こども家庭庁、これ文科省のほうにも参加していただきますけれども、オール政府として、青少年、子供たちにインターネットがだいぶ入ってますけれども、どういう規制の在り方があり得るのかといった議論をしておりまして、今年の年末ぐらいまでには1つの到達点に着地しようかということで進めておるところでございます。こういう中、まさに本日、要領指針を議論していただく中で、ICTの活用がテーマになったということで、お出しする資料のときもインターネットがだいぶ子供たちのところに入り込んでるのは分かるけれども、保育園の話なのか、家庭の話なのか、留意点でいいのか、あるいは懸念までいくのか、やり取りさせていただきました。こども家庭庁としていろいろインターネットについて子供との関わりに向き合ってる際に、1つは先ほど言った就学後の子供でさえ規制する、しないという話をしておるんでございますけれども、規制以前の話に加えて、もっと真っ白な、ある意味脆弱な未就学児についてどういう対応で臨むのかどうかということと、あとはインターネットにつきましても、今の方向にもありますとおり、かなり多くの方がもうすでに入学前に幼稚園・保育園の段階でいろんな形で触れているという状況がございます。あと、この指針は今後10年間動いていくものでございまして、まさにChatGPTが来たこの1、2年、かなりここの議論が進んでおりまして、じゃあ今後10年のこの指針を考えたときに、我々この保育、幼児教育に携わるポジションの人が、このインターネットについてどういうことを書いたらいいのか、これは同時並行に進んでいることで大変難しいことである一方、かなり重要な点だと思っておりまして、そういう意味では今日いろんな立場から、角度からご意見いただけることを期待しております。よろしくお願いいたします。
【古賀主査】 子供のスクリーンタイムの悪影響に関する研究は増えておりまして、また、諸外国における若者のSNS利用に関する法規制なども話題になっているところかと思います。今、局長がおっしゃっていただいたとおり、日本国内においてもそういった動きがあるということで補足をいただきました。乳幼児期におきましては、直接的・具体的な体験が重要であるというのはこれまでも強調してきたところです。園生活においてどのような利用、活用が望ましいのか、調査研究も行いながら進めてきたところではあります。さらにこのたびの要領指針の改訂においては10年という見通しの中で、どのような活用の方向性や留意点等を示す必要があるのかということをまたご議論いただきたいと思っておりますが、小学校以上のICTの活用のところでも、やはり10年というのはかなり難しいということで、もう少し短いスパンでというような議論も出てきているところかと思います。また、特にこの点につきましては家庭への影響も大きく、家庭とどのような連携を取りながら進めていくのかという点につきましては、今日に限らず引き続き議論していくというようなことも必要かと思っておりますが、まずは今日は幼児教育におけるICTの活用の方向性と懸念・留意点の検討に向けた論点というところに基づいて、皆様のご意見をいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、ご意見のある方は挙手ボタンを押していただきまして、私から指名をさせていただきます。ご発言はミュートを解除してお話しください。ご発言は3分以内におまとめください。時間の都合上、皆様にご発言いただくことが難しい場合は、一旦時間を区切らせていただき、議題2で意見交換いただくときに、議題1への意見と併せてご発言いただくことにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは秋田委員長、お願いいたします。
【秋田委員長】 学習院大学の秋田です。論点や全体の方向性に大変賛同するものであります。やはり直接体験、特に諸感覚を働かせるというところが、乳幼児期においては極めて重要であると考えます。ただし、その諸感覚を一層働かせ、子供がその遊びの世界に遊び浸る、学び浸るためのICTの使い方というのもあると感じております。例えば、ここに書かれているものだけではなくて、プロジェクターであったり、ウェブカメラで外で撮ったものを室内で大映しするなどが、今年は大変暑かったので、夏、外に出られないときに戸外の風景であったり、海の様子などを実際に写真を撮って、乳幼児もそこの世界になりきるなど、いわゆるネットを使うということと、デジタル機器を有効に使うということは、少し慎重に分けて考えることも必要であろうと考えております。そういう意味で、乳幼児期にしかプロジェクターで大映ししたり、世界に入り込むというような活用の方法というのは、小学校以上ではあまりされないんですけれども、こうした乳幼児期の遊びやファンタジーを支えるような使い方もあり得ると私自身は考えています。もちろんそれだけではなくて、それがまた直接の戸外の体験と結びつくということが極めて有用だということを言う必要があろうと思います。また2点目としては、今日もお話がありましたけれども、様々なハンディや多様なルーツ、外国ルーツ等を持っている子供たちのサポートとして、こうしたものが有効に機能するのだということを子供が知っているということが、多文化共生や多様な人々を受け入れていくときには重要であろうと考えております。だからといって積極的に直接的な遊びにとって代わるものであっていいはずはありませんが、この先10年を考えたときには、より有効に利用すること、そして、これは指針ではありませんが、そのためには小学校以上は1人1台端末が配られたわけですけれども、園においても予算措置があって、例えば1園に1つでも1クラスでもタブレット等があって、ネットではなくてもっとものをよく見るとか、遊びを深めるとか、そういうことのための予算措置がなされること、そして保育者並びに保護者に対して、今の懸念やメリットの両面を正確にその都度都度伝え行っていくような研修等が併せて行われるということが、デメリットが多いから今後使わないほうがいいというだけではなくて、今後の予算措置とセットに保育者の専門性として必要だと思います。国際的動向から見ればどの国もこうしたことの研修がなされているんですが、我が国はICTやデジタル機器の研修が多くないということがありまして、このあたりは今後考えていくことが必要だと思います。1人1台が必要なのではなく、協働で直接体験を深める道具として、1園に1台はそうしたツールが今後あるということが必要であろうと思いますし、乳幼児が今生成AIを使い始めていますが、逆にこういうもののガイドラインはきちんと小中高と併せて、乳幼児期からの警鐘を鳴らすということが私は大事ではないかと両面から考えるところです。
【古賀主査】 それでは佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】 ただいまの秋田委員長のお考えに共通するところがあるのですが、自分は長年現場におりまして、園長もやっておりましたので、そういう観点からお話しします。まず子供の体験としては、直接体験、あるいは生の人間と触れ合う経験ということを幼児期になさないと大変問題が多いと思うので、その時間を削ってまでICTにかかるというのは反対ですし、大切な発達保障ができていないと考えます。もう1つは手段の目的化というのが現場の保育者たちにも進んでいます。つまり、情報教育というのは情報機器を使ったら情報教育ではなくて、情報についての向かい方や見方、考え方を形成するのが大事で、情報機器を使うというのはその手段だと思うのですが、やはり幼児教育の現場はパソコンなどが小学校以上の学校と比べると断然配布されていなくて使いこなせていないので、そういう手段の目的化ということも普通に起こってしまっています。そういうことも先生方の経験不足から来ていると思うので、現場の先生方にはコンピューター等のネット環境を充実させるとともに、手段の目的化を防ぐために、それがいかに幼児期の子供たちの一番大事な経験を補完できるのかというところの研究と、具体的な手法について考えられるように、現場への普及と子供たちの発達保障と、そのことをきちんと吟味できて批判できるような何かが必要だなと感じております。
【古賀主査】 それでは多田委員、お願いいたします。
【多田委員】 多田です。よろしくお願いいたします。基本的に秋田委員長、佐々木委員がおっしゃられた方向性に私も賛同いたします。栄養の観点から申し上げますと、食事は味覚や嗅覚、触覚に加えて、噛む、飲み込むといった体の動きを伴う多感覚かつ全身的な生活行為です。したがって、食材に触れたり、匂いを感じたり、口に入れて、噛んで、飲み込むという一連の経験は、感覚と運動が統合される過程であって、乳幼児期の身体感覚や自己調整の基盤形成と密接に関わります。その意味で、食は体を通した具体的経験の代表的な領域であり、デジタル媒体によって置き換えられるものではないと考えます。ICTは食材への関心を高める導入や、経験を振り返る補助として活用することは有効ですが、最終的には実際に触れて食べるという経験に結びつけることが重要であると考えます。また、生活リズムの観点からは、食事、睡眠、身体活動は相互に関連する要素です。画面視聴時間が長時間化した場合、睡眠や活動量に影響が生じ、それが食欲や食行動にも波及する可能性が指摘されています。ICTの活用を検討する際は、教育的効果だけではなくて、生活全体のバランスという視点を持つことが必要であると考えます。ただ一方で、発達特性のある子供に対しては、ICTは予測可能性の提示や視覚支援の手段として機能します。食事内容や手順を事前に提示することによって、不安軽減と主体的参加の促進に繋がり、身体的経験を補助する役割を果たすと考えます。以上より、ICTは乳幼児期の発達構造及び生活リズムの統合性を損なわない範囲で、食という身体的基盤を支持する補助的ツールとして位置付けることが適切であると考えます。
【古賀主査】 それでは引き続き岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 2点申し上げたいと思います。1つは、スライド1に課題として挙げられているようなことを、私も保育実践の場に伺う中で時折見聞きします。確かに見つけた動植物などを安易に調べて分かった気になって終わってしまうといった問題や、また使ってみることが目的になるといった問題があるように思います。単に名前が分かるといった正解を得るためではなく、むしろ先ほど秋田委員長もおっしゃっていましたけれども、例えばデジタル顕微鏡で見てみたら驚きや発見があったり、またさらなる疑問が生まれていくといったような、デジタルを活用することで心の動きや思考の動きが生まれて、次の展開につながっていくといった探究のプロセスに繋がることが重要であると思います。その意味で、幼児教育においては、そうした経験をしていくということそのものが大事であり、また小学校以降の学習でも、幼児期にそうした経験をしてきているんだということを踏まえる必要はあると思います。ただ、佐々木委員も手段と目的というところでおっしゃっていましたが、私も幼児教育の段階ではデジタル活用そのものが目的ではなく、スライド2の体験の充実を図る道具として活用するということですので、活用の資質・能力としての育成は目指さないということで賛同したいと思いました。むしろ問われるのは保育者のほうであり、大人のほうであり、そうしたデジタルを活用する経験を重ねることで、直接的・具体的な体験とどう繋がり、どのように学びを豊かにするのかといったところをよく考えて環境に組み込んでいくことが重要であると思いますし、秋田委員長がおっしゃっていたように、そうした予算措置や研修といったことも必要だと思いました。2つ目に、このスライド2の左側の1つ目にありますように、現段階では家庭や社会において様々な媒体に触れる機会というのはもはや避けられず、園での遊びの中にも、例えばYouTubeなどのSNSで流行っていることが出てきたりするといったことがあって、それはテレビで見ているアニメや番組を園に持ち込んで遊ぶのと同等のようでありながら、ただやはり流行るためのある種尖った情報とか表現というのも含まれがちで、質が様々だという問題があると思います。そうしたコンテンツが園に持ち込まれたときに、それをまたどう自発的な活動としての遊びにつなぎ、学びにつないでいくのかということや、また先ほど長時間使用の問題も出ていましたが、テレビとまた違って際限なく見続けてしまうといった難しさはあると思いますので、やはり家庭や社会においてそうした媒体をどのように使用していくのかということを共に考えていくということが、これからの大きな課題になるのではないかと思いました。
【古賀主査】 それでは小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 今まで各委員から出していただいた意見と基本的には重なってくるところが多いと思うんですけれども、いくつか申し上げたく思います。基本的にとても重要なのは、こういう機器とか、あるいはネット上のサービスで何ができて何ができないのか、それが子供たちの育ちとどう関連するのかというのをきちんと理解して考えながら生かしていくことではないかと思っています。例えば資料の1ページ目、今までもご発言であったわけですけど、乳幼児期は直接的・具体的な体験が重要とありまして、まさにそのとおりだと思うんですけれども、じゃあなぜ直接的でなければならないのかということが分からないと、その機器とかサービスとかとの関係で具体的に判断ができないわけだと思います。いろんな考え方ができると思いますけれども、秋田委員長からもありましたように、例えばこれは身体性の問題、体を動かすこととの繋がりで様々な感覚が変化していって、さらにそれをもとにして体を動かしていく、場合によってはそういう動きを友達とか先生とも共有する、そういうことによって事物の性質ですとか自分自身というものも理解していくと。さらに背景として心理学的なことを言うと、手続き記憶とか手続き的知識といった言葉がありますけども、言葉で身につけていくものとは違う仕組みで身につく知識がある。知識というのは言葉で知って覚えるものと理解されていることが多いわけですけども、それだけではないんだということが理解できていないと、直接経験の意味というのが分かりづらいというところがあると思います。そういうことを重視して多様なものと関わることが重要だと思うんですけども、そういうことについてはICT機器でできることは現状では限られているわけですので、現場において、あるいは養成の過程でも、なぜ直接的経験なのかということを具体的に理解しながら進めていくということが重要かなと思いました。これと同様なことで、資料の3ページに留意点として「乳幼児の発達にとって望ましくない活用」というような表現があるんですけれども、何がなぜ望ましくないのかを考える力がいると思っています。ICT機器とかネット上のサービスであえて望ましくないと明言しているものはあまりなくて、むしろ場合によっては専門家と称する方の推薦とかお墨付きがある場合というのもあるわけです。実際使う場面で、教育とか保育の目標とかあるべき姿ということがきちんと理解できていないと、何が望ましいとか望ましくないという判断はできないと。これは障害のある乳幼児の指導ということにも通じることだと思います。個々の子供たちで障害といっても様々で、それが発達的に変化していく、それを理解しながら機器とかサービスとマッチングさせていくというのはかなり専門性の高いことだと思っておりますので、そういうことに基づく教育ですとか保育というのが重要かなと思いました。以上でございます。
【古賀主査】 それでは堀委員、お願いいたします。
【堀委員】 よろしくお願いいたします。今、皆様からご意見いただいた内容についても、私も近い意見を持っております。ほぼ賛同いたします。私からは2ページに関して広く2点意見を述べさせていただきたいと思います。まず1つ目は、このICTに関しては生活の中に急速に入り込んでいるということがあり、子供にとっては私たちが思う以上に日常的なツールになっているということがあると思います。そういう意味でも1点目なんですけれども、1つの子供の表現のツールとしてのICTという観点というところでご意見を述べさせていただきたいんですけれども、実は関わっている附属園でも、発表会の前に自分たちの動きを確認したり、または今日事例として出てる内容にもありますけれども、見つけた植物の写真を撮って他の子供に知らせたりということがありました。ただ、それはあくまでツールであって、それが他の媒体とどのように違うのか、より具体的に示すツールになっているということは実感しましたけれども、そういう意味でも、例えば話を知るにしても絵本との違いであったりとか、そうしたことの検証というのはまだこれからではないかと考えています。そのような観点からしますと、先ほど秋田委員長のお話にありましたが、ICTとして一括りで捉えるというよりも、ある意味やはりデジタル機器の活用ということだったと思うので、そことネット環境については、むしろ岸野委員もおっしゃっていたように、保育者のリテラシーであったりとか活用の仕方であったりとか、そうしたところが関連してくるのではないか。指針・要領においては、具体的に方向論を示す機会ではなく方向性を示すものであってほしいということを考えますと、数あるツールの1つとして示すほうが良いのではないかと考えます。もう1点なんですけれども、2ページにもありますように、今皆様のお話の中にはこのデジタル機器の活用という観点からしますと、主に幼児期の後期の子供たちをイメージされていると思うんですが、ここには乳幼児とありまして、この乳児保育の中でこのICTを、例えばデジタル機器の活用ということを子供が扱う、この1つのツールということをお伝えしましたけれども、乳児保育においてこうしたデジタル機器の活用が果たして子供の育ちやこの体験にとってどのような意味を持つのか、ここであえて乳幼児としていただいているところに乳児期も対象とされているのかどうかということについては、私個人は大変疑問に思いますし、また乳幼児期、子供全体を示した上での表現ということは理解していますけれども、そのような観点からすると、乳児期も含めるのかどうかということは、ぜひ皆さんのご意見も伺いたいところでございます。以上でございます。
【古賀主査】 現在のところ、非常に多くの先生方に挙手をいただいておりまして、かなりこの後の議題の時間もございますので、一旦今挙手いただいてる先生で議題1については区切らせていただきたいと思います。まだ挙手できていない方でご発言されたい方につきましては、議題2と併せてご意見いただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 ここまで出たご意見に私も賛同いたします。現行の幼稚園教育要領でも、やはり直接的な体験がこの時期非常に重要であるということを踏まえて、それを生かすための工夫をしながら活用することが情報機器においては非常に重要であると示されていますけれども、その際の留意点については解説の方で、安易に使用しないとか、それから情報機器を使用する目的や必要性を自覚することが大事だと言われています。ここの留意点の部分というのを改めて今回の改訂の中ではしっかりと示していくということが重要かなと思っています。従来の方向性、直接的な体験があくまでも大事だというところをしっかり基本に置きながら、この間の飛躍的な技術の進展で、子供たちが本当にそれがどういうものか分かる前に、もう日常の生活の中に当たり前にICTが入り込んでいるという事実を踏まえて、そういう状況の中で保育者が意識的・選択的にICTを活用していくということをしっかりと現場の中で共通理解として持っていくことが非常に重要かなと思います。そのためには、「活用する」とは具体的にどういうことなのかを、指針・要領そのものというよりは、資料などでしっかりと活用事例として示していくことですとか、それから懸念点を踏まえた留意点もより解説などで具体的に示していくことが必要ではないかと思います。先ほども出ていましたけれども、保育者自身が情報リテラシーを持つこと、それから長時間の使用による視力ですとか生活リズムなど健康上の課題、あとは個人情報の保護であるとか、個人の権利や人権の侵害につながらないような活用の仕方といったところは、やはり現場としてしっかり理解が必要になってくることとして挙げられるかと思います。それから、子供たちの保育に生かすというところでは、やはり子供たちが自ら考えて試行錯誤することを妨げるような使い方は避けなければいけない。あくまでも子供たちの気付きとか興味を促していく、進展させていくというところにこうした技術の活用というのは重きを置かれるべきであって、先ほども出てましたけれども、効率よく正解が得られるとか、そういうものではないんだということですね。失敗したり試行錯誤したりということがこの時期非常に大事だということは併せて伝えていくことが必要かなと思います。それから資料の6ページの方で、インターネットの子供の家庭における利用状況が示されておりましたけれども、こうした家庭生活の中での利用状況というところを踏まえますと、保護者との理解の共有というのも非常に大事かなと思います。特に保育所の場合は長時間保育所で過ごして家庭で過ごす時間が限られた中で、これだけの時間をインターネットの視聴などに使っているというところはかなり生活リズムにも影響があるかなと思いますので、保護者に向けても情報共有、連携ということをしっかりしていくということを考慮すべきではないかと考えております。
【古賀主査】 それでは大内委員、お願いいたします。
【大内委員】 保育の現場からお伝えさせていただきたいと思います。今の現状、そこまでICTを多く活用しているということではあまりなく、クラスにタブレット端末が1台あるくらいで、今のところ乳児クラスではほとんど使用しておらず、使っているのは幼児クラスがメインかなというところがあります。やはりICTに頼りすぎてはいけないというところと、必要なときに適切に使うというところが大事だと思います。今まで行ってきた折り紙であったり、体を動かす体操というところを直接行うことができることは、やはり保育技術、保育の専門的な部分なので、そこはICTであったりAIに取られてはいけないというところはすごく感じるところです。やはり保育士だからできることというところを大事にしながら、対話から生まれるものというものもたくさんあると思うので、そこを大事にしていきたいと思います。また、タブレットだけではなくて、絵本であったり、図鑑であったり、手遊びであったり、今まで使ってきたものをやはり今後も継承していくという面で、育ちに関わることなので大事にしていきたいなという部分ではあります。ICTは直接的に難しい部分で活用していく、慎重になって使っていくというところが大事だと思います。大人が適切に管理していくことと、やはり大人がICTのデメリットを知る、また子供たちにもICTのデメリットを伝えていくというところも大事だと思います。
【古賀主査】 それでは松井委員、お願いいたします。
【松井委員】 よろしくお願いいたします。これまでの委員の先生方のご発言に賛同いたしますし、重複するところが多いですけれども、資料1、2ページにもまとめられていますように、あくまでも乳児期に重要な五感を通した直接的・具体的な体験の充実を図る道具としてICTを活用するということが大前提になってくると思います。堀委員もおっしゃっていた、乳児期に使用することはやはりかなり慎重にならざるを得ないでしょうし、乳児が自分で扱う必要性はあるだろうかとは考えております。ICT活用の留意点のキーワードとしては、そこで得た情報が共有されて、子供同士のやり取りや対話が生まれるかとか、その後の試行錯誤と工夫の余地があるか、さらなる探究や協同に繋がるかとか、特別な配慮の必要な子供について、あるいは全ての子供にとってと言ってもいいかもしれませんけれども、安心と挑戦を保障できるものであるかといったことが挙げられると思います。今、この2ページの右側の障害のある乳幼児への指導ですとか、3ページ以降の補足イメージに挙げられている事例にはそういったことが保障されていますけれども、1ページ右側のICTの活用の際に感じた課題例に挙げられています、答えを知って満足とか、動画を見るという行動に変わるであるとか、オンライン交流の意味の理解の難しさなどについては、いずれも先ほど申し上げたキーワードが見られないかと思います。本当に単純な個人内の知識の獲得であるとか、漫然と視聴するのみに終わってしまっておりますし、面白いとか、もっとやってみたいとか、知りたいとか、それを友達や先生と共有したいというような気持ちは生まれているとは言い難いですし、園で子供同士が関わり合って学びが生まれるということには至っていないと思います。2ページの左側に挙げられている留意点につきましても、いずれも重要なことだと思います。必ずしもICTで調べることは良くないわけではありませんけれども、早く正解にたどり着くとか完成するとか、見栄えの良いものになるのではなくて、これまでの取組内容が視覚的に見えやすくなるとか、ICT活用後の試行錯誤のプロセスや遊びの豊かさに繋がるのか、好きを育み、得意を伸ばすということが言われてますけども、そこに至るような、子供にとって安心と意欲に基づくより良い生活を生み出すかどうかを常に意識する必要があると思います。ですので、いつ、何を、どのように使うのかというその選択・判断ですとか、デジタル的なICTを活用しつつも、直接的・具体的な体験が充実するための目の前の環境構成に専門性が問われていくんだと思いますし、さらにそういった意義とか留意点を、これはICTだけではなくて保育全般に関わることでもありますけれども、保護者にいかに適切に分かりやすく発信して説明して、理解を求めて連携を図っていくのかということも非常に重要だと考えます。
【古賀主査】 それでは吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 これまでの先生方のご意見と重複するところもありますが、私も今までアナログで行ってきたものをデジタルに置き換えるだけのような安易な活用に陥らないようにしなければならないと思いますし、子供に操作や活用させるためだけのものにならないようにしなければならないと思います。2ページ目の2つ目のひし形にありますように、乳幼児の直接的・具体的な体験の充実を図る道具としての活用ということには賛同しますし、現行の要領でも得難い体験を補完するとなっておりますが、足りないもの、不十分なものを補う形で活用するというスタンスは維持するべきであると考えます。例えば、動物のことを図鑑で調べてその特徴を知ることはできますけれども、実際の動きとか、その動きの速さなどは図鑑だけでは分からないので、なかなかイメージできないと思います。それを動画で見ることでよりリアルにその動物を理解して、豊かな表現活動に繋がることが考えられると思います。また、留意点の例に挙げられているような活用は、結果として在位姿勢時間が長くなって、身体活動が制限されるという問題もあります。こういった場面においても、例えばICTの活用をきっかけに体を動かしたくなるような使い方というのが望ましいと思います。あくまでも補完的に活用するといった、大前提を抑えた道具としての活用であることを強調することが必要かと思います。それからもう1点、1つ目のひし形の要領指針での示し方に関してですけれども、要領指針そのものでなくても、ICTをどう活用するのかということ、他方で望ましくない活用例を示すことも参考になるのではないかと思います。加えて、何を目的としてICTを活用しているのかということが示されないと、それぞれの勝手な解釈で、過剰な、あるいは誤った情報活用能力の育成に偏った指導になってしまうことが考えられると思います。こちらの左側の枠内の一番下の※印の最後に、①から③について、「体験するものである一方、資質・能力としての育成は目的としないこととする」とありますが、この点をしっかりと説明して示すことが必要ではないかと思います。
【古賀主査】 それでは石山委員、お願いいたします。
【石山委員】 私もこれまで委員の皆様方がお話しした内容と大体同じような部分ではありますけども、直接的・具体的な体験の充実を図る道具としてということは賛同をいたします。さらに、やはりこの時期というのは興味・関心・思い等から出発しまして、面白そうとか、なんでだろうといろいろ考え巡らせながら、対象に繰り返し関わっていくことで試行錯誤し、探究のプロセスを経て様々な体験をしていくわけですが、その際に補助的なもの補完するものの1つとしてICTの活用があると、さらに子供たちの思考等もいろいろ膨らんでいくと思います。そういった点での活用については進めていってもいいとは思っております。また、実際にICTの活用になると、子供たちが使っていくことも考えられると思いますが、先ほどの懸念の中で安易に答えを知ってしまうというところもありましたけども、その点についてもなかなか難しいところではありますが、遊び・生活等と結びついたもので実際の場面でも確かめたり、また見たり聞いたり、いろんなところでお互いに繰り返し行ったり来たりするような場面で使っていくということもあると思います。また、私も乳幼児の乳というところについて、実際にその言葉を入れるかというところは、やはり慎重に議論していくべきところだと考えております。
【古賀主査】 それでは北野久美委員、お願いいたします。
【北野久美委員】これまでの皆様方の意見に本当に賛同ですし、共通しているなと思いました。今後10年を見据えた上での議論ということですので、今後ますます人口減少、あるいは過疎化、そしてそれに伴って仲間不足がございます。加えて、グローバルな視野ということも考えなければならないし、秋田委員長おっしゃったように、気候の変動などでなかなか小川遊びもできない、いろんな条件が重なっていく、そんな中でこのICTの活用というのは慎重に考えないといけないなと考えます。私たちは発達に沿った教育をしておりますし、とりわけ初めての体験はやはりリアルなものであってほしいなと工夫しています。もちろん、障害のあるお子さんですとか困難なお子さんに対してのこのICTの活用事例が書いてありますけれども、やはり表層的な知識だけではなくて、十分な体験があるよ、せめて園の中ではこういう体験ができるよというようなことをベースにした上でICTを活用するということ、早期教育であってはならないと思うんですが、一方でICT関連の補助金なんです。1ページの3つ目の丸にもありますように、物理的環境の整備が不十分とか、最後にICTの専門的知見の不足によるトラブルということがございますが、このICT関連の補助金が保育業務に限定されている側面が強いんです。保育内容のICT化に関する補助金はセットでないと進まないという現実があります。ですから、タブレットが1人1台ですとか、あるいは1クラスに1台とか、そういったことも整備されていないところが多い、これが実態です。また、この保育士の養成課程においても、この部分が一番遅れているようにも感じます。養成課程でのこの取り組みがさらに求められるのではないかなとも思いますし、また園においてはICTの保護者への啓発ができる、大人に啓発できる砦としての役割もあると思いますので、正しい関わり方とかリテラシーがきちんと抑えられるということも大事かと思っています。また、諸外国がなぜこのタブレットやスマホを禁止しているのか、低年齢児の使用を禁止しているのかということも併せ持って考える必要があると思いますので、それも資料にあればいいなと思いました。本音を言えば、せめて長時間子供たちが過ごしている園という場では、できるだけ直接的な体験を、そして皆様がおっしゃるように、補完的な役割でのICTというようなことをリテラシー含めて抑えておく必要があると考えました。以上でございます。
【古賀主査】 それでは村地委員、お願いいたします。
【村地委員】 失礼します。現在、小学校現場では入学直後から日常的にタブレット端末を活用した授業が展開されております。2ページに乳幼児の発達や活動の狙いに応じた活用となっていないというような課題が示されておりますが、小学校でもICTを活用した授業において必ず議論の中心となっているところでございます。低学年では乳幼児期と同様、身の回りの事象を観察したりだとか、具体物を操作したりといった学習活動を通して資質・能力を育んでいきます。そのことが中学年以降の抽象的な思考へとつながっていくことから、タブレット端末を乳幼児の直接的・具体的な体験の充実を図る道具として活用することということについては、学びの連続性からも大賛成でございます。家庭や社会においては、子供たちは受動的に多様な情報を受け続けています。だからこそ、園や小学校においては、子供が主体的にやってみたいを実現したり、充実させたりするための文房具、ツールとしてICTを活用することが大切であると思います。小学校でもICT機器を発達段階に応じて使えてるかどうかというところは、様々な失敗を繰り返してまいりました。その失敗をじゃあどのように補ってきたのかというと、やはり校内での授業研究会や現場で議論しながら見えてきたものがございます。ですので、方向性として出した上で、園や現場で議論していくことが大切ではないかと考えております。以上でございます。
【古賀主査】 それでは久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 久保山でございます。冒頭で秋田委員長がICTのことを語るときに、インターネットの活用とデジタル機器の活用は分けて考えるべきだということをおっしゃっていまして、私は障害のある子供さんと関わっている中で、この考え方はとても大事だと思っています。デジタル機器の活用がなくてはならない子供さんもいらっしゃいますので、インターネット活用とデジタル機器活用を一括りにしてしまうことでデジタル機器活用が萎縮することがないようにと私は考えます。また、この後論ずる合理的配慮という観点からも、デジタル機器を活用するということが当然のことであるということが周りの子供にも伝わるようなことは大事だと思います。デジタル機器を使っている姿を周りの子供たちが見て、「ああいう機器があるんだ」「ああすれば力が発揮できるんだ」あるいは「将来僕は大人になったらああいうのを作ってみたい」なんていう子供が生まれてくれることを期待しているところです。2ページ目の右側の四角の中に障害のある乳幼児の指導のことが書いてございます。これは本当に大事なことをまとめてくださっていますが、例えば文字にしろ絵にしろ拡大することが必要な人がいます。さて、どの程度拡大したらいいのかということについては、かつては非常に大変だったわけでありますけれども、それが非常に簡単にできるようになっています。あるいはここに書いてないんですけれども、色使いでありますとか眩しさでありますとか、そういったことの調整もできます。デジタル機器の活用はとても大事だろうと思います。また、こうやって音声言語を当たり前のように文字言語にしていますけれども、聴覚に障害のあるお子さんにとっては大事でありますし、発達障害のある子供にとっても音声言語が文字言語に変わるということはとても理解がしやすいということに繋がります。さらに言えば、障害の重いお子さん、現在視線入力という技術がかなり発達してきています。コミュニケーションのツールとしても非常に重要なものだと思います。こういったことを要領とか指針そのものには紹介できないかと思いますけれども、解説の部分で取り上げていただけるとありがたいなと思います。それからすでに議論になっていますけれども、道具として使うんだということでありますが、タブレットの使用についてこの写真を見ますと、基本的に先生が管理していらっしゃるということ、これも一つの手だなと思います。あるいはのりやハサミと同じように、どこにでもいつでも使えるようにはしているんだけれども、出しっぱなしにしてはならないというルールは、幼児たちでもちゃんと理解できると思うんですよね。だから、こういうときに使おうよとか、こういうときはしまっておこうよというようなこともちゃんと約束事ができると思うので、ハサミやのりと同じなんだよという、そういう理解が子供たちに伝わるといいかなと、そんなことを思いました。
【古賀主査】 それでは藤原委員、お願いいたします。
【藤原委員】 幼児教育センターの取組として、公私立の乳幼児施設あわせて100園ほどに年間を通じて訪問をさせていただいております。その中で、年々ICTの活用については徐々にではありますけれども増えてきていますが、それぞれの園の裁量で使用されていることを感じております。留意点などを挙げていただきましたけれども、幼児クラスでは正解をすぐ知るためのツールとなっていないか、どのようなねらいで使っているのかと思うこともたびたびあります。また、連続しての利用時間が長いのではないかという懸念や子供たちのタブレット端末等を使う姿勢がとても気になっています。寝転んだり、画面に近づいて見たりということもあり、30センチ以上離すや明るい場所を選んで置いて見るなど、具体的な解説もいるのではないかと思います。あと保育者の立ち位置というのもとても気になります。子供に預けっぱなしにせず、大人が介在して対話を促すツールとして、「じゃあ次はどうする?」「こんなことしてみようか?」というようなツールとして使うためにも、保育者の立ち位置は大事ではないかと思います。そのあたりのことも含めて適切なガイドラインのような、具体的な解説が必要ではないかと思います。探究心がより深まっていくツールとして正しく活用されるためには、どの子にとってもアナログよりも意欲や探究心が高まっているかという内面の捉えの視点を保育者が忘れないことが大切ではないかと、園訪問していて感じている次第です。
【古賀主査】 それでは岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 -私はまず子供時間の保障の観点から、やはりその必要性を考えているところです。人間の基礎・基本を作る乳幼児の教育にはやはり時間がかかるということを日頃から考えていて、その時間をかけること、そして根っこにある乳幼児期の教育は、例え10年を超えたとしてもその部分は変わらないのではないかと思いますと、やはり子供時間をたっぷりと保障することをしっかりとまずは優先的にしたいということが一つ目です。もう一つは親子の会話を奪ってはいかないか、ということを大変危惧しています。それは例えば小学校さんでの事例ですけれども、給食だよりをネットで配信するということを聞きました。私はそれは親子にとってどうなのかということ、お母さんが「牛乳飲めなくても今日は頑張って飲んでくるんだよ」とか「今日はお魚だね」という会話を言わなくなってしまうと。お母さん方は「そうですね、画面ばっかり見てますから」とおっしゃっています。安全確認等にいろいろ使ったとしても、子供が親に学校から帰って話す前に様々なことが伝わるということが、どうかなと思うこともあります。子供を信じる力とか、親が学校を信じる力、そういうものを奪っていくのではないかということで大変心配をしております。「お母さん教えて」とか「お父さん教えて」という言葉もとても大事な言葉ですし、それは大人になっても親を信頼していくとか、親を尊敬するという気持ちにもなりますので、乳幼児期は愛着形成にも深く関わるのではないかなと思います。使い方は使う側の教育的意図というものをしっかりと考えて使っていくべきではないかと思っています。今の子供たちの姿を見ていれば、デジタル機器とかICT、ネットの影響は大変大きいということは皆様方と同じように思っておりますし、歌一つにとっても非常にテンポが早く、歌の中にある歌詞の意味とか、そういうことを伝えていく重要なことも奪っていかれるなと思います。やはりそういうことはしっかりと教育の中で大切にしていくべきではないかと思い、私は大変慎重に考えていくべきだと感じております。
【古賀主査】 それでは柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 まず大前提としては直接的体験が大切だということは皆さん言っているとおりだと思っています。その上で、先ほど久保山委員や秋田委員長が冒頭に言ったように、これ道具なので、今回の指針で10年後を考えたときには、このテクノロジーは想像以上に発展していくので、この道具をどう使うかということを無視してはいけないんだと思っているんです。なので使い方、例えば保護者に対してのものもあれば、子供たちに対しての教育、学びを深めるものもある、こう分けて考えないと、このICT一括りで考えていくと非常に難しさが出てきて、デメリットばかりを考えるのかなと思います。自分自身アナログで、うちの法人内の施設もアナログでやっているので余計なんですけど、やはり苦手意識が出てくるんです。この苦手意識をどう保育者や、特に経験を積んだ保育者なんかがこの道具をどう使うかということを考えていく必要があって、先ほど教育センターのお話が少し出ましたけれども、だからこそ教育センター等でこのICTの使い方をしっかり考えて、幼児に対してどういう、今回資料に出ているような使い方が望ましいんだということをしっかりと保育者が学ぶ必要があるかなと思います。また保育者だけではなく養成課程にもこのICTの使い方とデメリットをしっかりと使っていく。そして保護者、社会に対しても、こういう幼児期の集団の部分であったりとか、学びを深める部分ではこういう使い方が望ましいんだと、一人一人に持たせて自分勝手にやるものではなくて、何か子供が気づいたり調べたり深めるときにはこういう使い方があるんだということを社会全体が学ぶ必要もあるのかなと考えます。また少し乳幼児の乳児の部分は本当にこれでいいのかというのはしっかりと議論する必要はあるかなと思っています。幼児の部分は現場を持つ人間としてはかなり有効なんだと思います。それが自分自身、法人では使いこなせていないという部分もあるので、今回を機にこの10年後の社会を築く子供たちがその10年後にどういう大人になってほしいのか、そうするとやはりこのテクノロジーは避けて通れないと思いますので、だからこそ乳児期にしっかりとその道具としての使い方や有効性を子供たちと一緒に学んで、その使い方を保育者がしっかりと学んで、子供たちと一緒にその道具を使っていくということかなと思います。もう1点は、最後にやはり10年ってかなり長いので、切り分けて3年ぐらいで振り返らないと、今作ったものが3年後にはもう古いものになっているような気もするので、ここは短いスパンでテクノロジーの進化とともに使い方をみんなで学んでいくというようなことが必要なのかなと思います。
【古賀主査】 それでは河合主査代理、お願いいたします。
【河合主査代理】 河合でございます。乳幼児のICT活用は皆さんがおっしゃるとおり、発展も生活への浸透もまさに進行中なので、いわば走りながら考えていく課題だと思います。これまでにも出ていたとおり、乳幼児のICT活用に対する懸念ということを踏まえると、幼児教育施設において教育活動としてICTを活用する際に保育者が留意すべき点については、要領指針にしっかりと明示していくことが必要ではないかと考えております。皆さんと本当に同感なんですが、子供たちにとってまず実体験があるということは大変重要だと思います。資料3ページで、ダンゴムシに関わる事例が載っていますが、おそらく実際に子供たちは関わる中で、知りたいという強い気持ちから始まっているのではないかと考えられます。ダンゴムシそのものに関わって心が動いたり、飼育しながら愛着を持ったり、この資料では赤ちゃんが生まれるというとても大きな出来事があるわけですが、そこからもっと知りたいという気持ちがあって図鑑で調べる、それをさらに確かめたいという思いから電子顕微鏡へとつながっていく、そこで終わるのではなくて、その喜びや発見を先生や友達と共有することで、さらにダンゴムシとの関係、関わりが深まっていくと推察されます。こうしたことの重要性を改めて関係者で確認をして、現在要領指針に掲載されている幼児の体験が豊かになるという方向性は引き続き大事にしたいと考えております。この間明らかになってきたこうした教育活動としての実践とか知見を参照しながら、乳幼児期の体験が豊かになる活用の在り方ということとともに、その活用の在り方が乳幼児の発達や活動のねらいに応じているか、そのときの保育者はどう関わるべきかといった、教育活動として活用する際に保育者が留意すべき点をしっかり明示することが必要だと考えます。【古賀主査】 それでは川越委員、お願いいたします。
【川越委員】 皆様のお話されているところに本当にそうだなと思いながら聞いておりました。子供たちの体験を補完するというところは本当にそうだなと思いながら、一方で今保育者自身、特に若手の先生方が、小さいときからスマホなどが身近にあったところで育ってきている先生たちが多いかなと思います。例えば折り紙の折り方一つにしても、すぐにスマホなどでパッと調べてそれを子供たちに下ろそうとするような姿も見られる中で、こちらにたくさんお示ししていただいているような好事例であったりとか、機器を使ったときにどんなことに留意をしたらいいかということをきちんとまとめていただいた資料を共有しながらやっていくことで、誤った方向で保育の中で活用されないようにしたいなと思っております。教材観というところがだんだん変わっていくのではないかなと思います。その教材を用いることで、どこで子供がワクワクするのかとか、どこで子供がつまずくからどんなふうに環境を準備しようなどということを見通しながら実体験につなげていくということをやはり忘れてはいけないかなと思いますので、保育者の教材観といったところにも配慮すべき点であると思っております。あと、先ほど、YouTubeとかそういうコンテンツの中から遊びが出てくるというお話がありましたが、まさに本園でもそのようなことがたくさんあり、今担任がどこを遊びに取り上げていったらいいかというのを本当に困りながら指導をしているところです。共通項というところをどこに持っていくべきなのか、テレビなどから遊びが広がっていくことはもちろんあるんですけれども、直接体験とか、そうじゃないところから共通項を見いだせるような環境の準備というところも、保育を組み立てていく上で大切にしていかなくてはならないなと考えました。以上でございます。
【古賀主査】 それでは大豆生田委員長代理、お願いいたします。
【大豆生田委員長代理】 大豆生田です。もうすでにたくさんのことが言われてますので重なりも出ますけれども、基本的には家庭などでこれだけICTが活用されてはいるわけですけれども、実際は動画視聴であったりゲームなどが一般的です。だからこそやはり園ではこういう体験的で主体的で対話的な、ワクワクするような学びに繋がるようなより良い使い方を道具として学ぶ機会という観点から、改めて園で使うことの意味ということがあるんだろうと思います。私自身がこういうふうにICTやデジタル機器などを用いて実践をしている取組の園を見せていただく機会がたくさんありますけれども、これまで言われてきたような主体的で協働的な活動の延長線上で道具として使われるときに、むしろ豊かな実践が生まれるということをたくさん見聞きしてきております。また、多様な子供たちの参加機会としても促されているということが見えています。そのときにこれはアナログかデジタルかの二項対立ではなくて、どちらにしても往還的であって、それは最終的には子供たちのより良い学びに繋がるという点が大事な点かなと思っています。そのときに直接的、具体的な体験ということが重要なんですけれども、じゃあその直接的、具体的な体験とは何かということが問われる必要があるかなと改めて思います。4点ほど思うんですけれども、1点目は例えば身体性や関係性、時間性というやつです。子供が虫取りでゆっくり時間をかけて見たり、聞いたり、触れたり、匂いを嗅いだり、おしゃべりしたり、教え合ったりする、こういうプロセスみたいなことがきちんと保障される。でもこれが途中でデジタル機器がポンと挟み込まれてしまうことによってその機会が奪われたりもするし、それがいいタイミングで入るときに豊かな経験になっていくということだろうと思います。2点目は他者との相互性や協働性、つまり育ち合いに生かされるかどうかということだと思います。先ほども折り紙の例がありましたけれども、折り紙をみんながデジタル機器で使い方をやってしまうだけで進んでしまうと、得意な子が出てきて、それを「じゃあなんとかちゃんに教えてもらおうね」みたいなことが出てこなくなっちゃう。つまりそこにはいろんな子たちがいることでの相互性、協働性、育ち合いが生きなくなるということだと思います。3点目は創造性、ファンタジーだとか試行錯誤、探究の機会ということですけれども、これ遠方の人たちと繋がるということもとても大事なツールとして生かされます。でもつながれないことも、すごくそこをイメージしたりだとか、どうやって相手に思いを伝えようかという試行錯誤が生まれてくるということでもあります。そういうことを二項対立で考えるのではなくて、どこでどういうふうにしていくかが良いかということが問われることが重要だと考えます。4点目ですけれども、ICT、デジタル機器等にはやはり刺激が強いというか、そういう側面があります。だから結構子供がそこにぐっと引き込まれるという性格があります。でも葉っぱが揺れたり風が吹いたりすることは、とっても環境刺激としては浅いわけです。でもこの時代大事にしたいことは、その小さなことに心が動く、センス・オブ・ワンダー、心の驚きみたいな感覚を大事にしたいわけです。そう考えると、そうしたことがすごく大事にされながら、でもどこでこのICTやデジタルを活用することがより良い経験に繋がるかということがすごく大事になってくるということです。そうするとこれまでもお話しされていたように、その道具性をどういうふうに発揮するかという保育者の専門性、そのための研修機会等々が重要になってくるということにもなると思います。まさに保育者のリテラシーのことが問われるということだとも思います。
【古賀主査】 それでは北野幸子委員、お願いいたします。
【北野幸子委員】 皆さんのご意見に本当に賛成で重なる部分もありますけれども、私のほうからもお話しさせていただきます。1つ目は体制の整備と、活用・利用の在り方を分けて考えるということを大事にしたいなと。皆さんもそういう意見だと思います。体制の整備についてはインフラの整備の推進が大切と思います。他の委員もおっしゃってくださっているし、資料の1でも示してくださっているとおりだと思います。活用については実態を踏まえて活用の可能性を、それから留意しなければいけないこと、これをしっかりと要領と指針で示してくださることがとても大事であると私も思います。資料6で示してくださっている内容などは広く社会に浸透してほしいと思いますし、そのきっかけになるようなことが要領や指針で、そして詳しい内容については解説などでも記されていく必要があると思います。体制の整備についてですが、私たちの拙い研究ですが、アーバン・イノベーション神戸という神戸市の助成金を得て、令和2年と3年に神戸市全園のICT環境調査をしています。そしてそれは先行研究、例えば全国私立保育連盟さんが既に調査されているICTの内容や、小学校以降のデータと比較可能となるような調査としました。その結果、私たちの調査では保育者あたりの整備率は令和2年の調査は7.4%、令和3年の調査では、19.6%でした。文科省の2022年の報告書にある令和3年になされた調査では、教員あたりの整備率は125.4%でした。小学校125.4%に比べて保育関係全体は19.6%ととても低い状態でした。現在では改善されていると思います。私たちの1年の調査だけでも7.4から19.6に伸びているので、1年間だけで。今はもっと増えていると期待しています導入に偏りがあるという調査結果等を考慮いただけたのか、予算拡大とか体制整備が進んだ実態もあります。冒頭で局長がそういう調査の予定の話もしてくださっていて、これとてもありがたいことだなと思いました。ICTの活用にはステップがあると考えています。2018年経産省の未来の教室EdTech研究会、私1月19日に登壇させていただいて、その説明をさせていただきました。保育においては一つ目は業務効率化、これはもう既に進んでいると思います。二つ目はいわゆるICT環境三つ目は評価に多層的に導入すること、育ちの姿のモニタリング。そしてそれを共有すること。そして四つ目は、振り返りや共有ツールとしての活用です。保護者と連携、これももう既に進んでいると思います。ICTについて、要領指針の中でしっかり位置付けていただくことで、今日皆さんがたくさん話されたこととも重なると思いますが、子供の振り返り共有のツール等に活用することも期待されますが、新しいメディアはあくまでも道具で、その可能性と扱い方の留意事項を資料の1で示してくださっているように明記されることが大事であるかなと思います。拡大縮小、場の制限をなくすこと、それから距離を超えていくことなどなど活用の可能性があると思います。それから五つ目は、研修での活用です。遠隔研修により参加へのハードルが下がったり、研修の高度化が進んでいるようにも思います。今年度の12月、中央セミナーにおいてこども家庭庁の分科会でご一緒に神戸市の紹介をさせていただきましたけれども、神戸市では2018年以降、全市を挙げて公開保育による質向上を図ってきていますけれども、コロナ禍の最初の年は公開保育ができなかったんです。翌年は遠隔での公開保育を行いました。そのICT整備をして、さっきの研究費なども得ながらなんですけれども。ICTの機能を活かして対面と遠隔による公開保育の研修が今、どんどん進化していっています。皆さんの意見、お話とも私すごく共感するんですけれど、保育専門職の研究を私は進めてきましたが、保育者の専門性はやはり人間らしさ、子供との相互作用と子供同士の相互作用援助、そこに保育専門職だから可能なことがあり、これについてはICTができないことが多々ある。そういったことを意識したい。そして科学技術の発展はもっと保育者の助手とか、例えば目になるとかメモリーになることで活用できるというふうにも思います。なお、文科省の事業研究費をいただいて、神戸大学附属幼稚園では、今、保育者とすべての子供の登園から降園までの園内での位置測位データを収集しています。このデータをもとに、例えば保育者の安心の材料とか、それから実践の質向上に図れているということがあります。例えば保健対応については、半分くらいは保育者がその場にいなかった状況でしたが、位置測位システムによってその状況がわかるデータが得られるので、先生方の安心にもつながっているということがあります。それから壁面の環境構成、再構成の効果、それから離れ際の援助の在り方が、その後の子供の遊びにどうつながっていったか、そういった研究も附属幼稚園とともに進めています。ICTの活用は、保育者支援にも広げていくこともできるなと思います。最後に改訂のスパンについて、こういうふうに科学技術すごい速さで進んでいるので、改訂のスパンを著しく変化するこの社会に対応して短くしていくことも大事って言ってくださっていました。これもありがたいことだし、自分も賛同するところです。私からは以上です。
【古賀主査】 多くの先生方に非常に多岐にわたるご意見をいただきました。インターネットの利活用とデジタル機器の活用というのを分けて考えることでありますとか、探究のプロセスに繋がるような、学びに繋がるような利用というのがどのように気をつけながらできるのかというような、乳幼児教育における活用の在り方、留意点の示し方、また懸念というものをどう考えるのかということにつきましても、様々ご意見いただきました。その表現のツールとしての活用であるとか、そういったことをどうやって先生方が学ぶのかといった研修の在り方ですね、それについての予算措置でありますとか、また研修の在り方についてもこの後の検討も必要であろうというようなご意見、それから乳児保育をどうするのかといったこと、非常に重要なご指摘かと思います。それから大人ですね、地域や家庭への啓発の在り方というのも、園がやはりどのように関わっていくのか、これから家庭との連携ということも議題に入ってくるかと思いますけれども、そういったところでさらに議論が必要かというふうにも思いました。まだまだ様々なご意見をいただきましたので、これからまた十分に検討をしていきたいと私自身も考えたところでございます。非常に時間が押してきておりまして、残念ながら今回も休憩なしというふうにさせていただきたいと思います。それでは議題2につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、資料2について説明いたします。1ページをご覧ください。障害のある乳幼児への指導・支援の充実に関する課題についてお示ししております。1ポツ、基礎的環境整備の充実と合理的配慮の提供に関する課題です。現行の3要領・指針では、障害のある乳幼児への対応に関して、一人一人の障害の状態等を踏まえた個別的な支援について記載されています。令和6年に改正障害者差別解消法が施行され、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されたところであり、「合理的配慮」の提供への理解については、その浸透を進めている途上です。また、各幼児教育施設の「基礎的環境整備」の状況により、提供される「合理的配慮」が異なることとなるため、「合理的配慮」の充実を図る上で「基礎的環境整備」の充実は欠かせませんが、幼児教育施設ごとの「基礎的環境整備」にばらつきが大きいのが実態です。なお、合理的配慮の提供に当たっては、配慮を受ける乳幼児が、周囲から「特別扱い」をされていると否定的に捉えられる場合があることも指摘されており、心理的な安全性を確保する集団づくりが、併せて必要であることに留意が必要です。2ポツ、園内体制の課題です。園全体の特別支援教育の体制を充実させ、計画的・組織的に取り組むことが重要ですが、園内組織や特別支援教育コーディネーター等の体制整備、特別支援学校等の関係機関に対する専門的な助言・援助の要請、個別の支援計画や指導計画の作成については、十分に対応できているとは言い難い状況にあります。2ページをご覧ください。こうした現状と課題を踏まえ、障害のある乳幼児への指導・支援の充実に向けた論点をお示ししております。1ポツ、基礎的環境整備の充実と合理的配慮の提供に関する方向性です。1つ目の黒丸、国においては、現行の要領・指針の施行後の令和5年3月に合理的配慮の提供も含め、障害のある乳幼児等への指導に当たっての基本的な考え方や具体的な事例を解説した資料「障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導」を作成しております。また、様々な研修動画等も作成し、ホームページに掲載しているところです。具体的には5から7ページのほうに紹介しておりますので、後ほどご参照ください。2ページにお戻りください。1つ目の黒丸の後半です。各自治体・幼児教育施設が、こうした資料や研修動画といったリソースを、研修で活用したり指導の充実の参考にしたりしやすくなるよう、一覧性のある分かりやすい情報提供・周知を図るべきではないか。2つ目の黒丸、今後、各幼児教育施設が障害のある乳幼児への指導の充実を図るに当たっては、「基礎的環境整備」の充実を促していくこと、また、「合理的配慮」の提供が確実に行われるよう、3要領・指針等において明示していくことが必要ではないか。その際、次のことに留意すべきではないか。指導内容や指導方法の工夫に加えて、本人・保護者からの意思の表明を踏まえ、本人・保護者との建設的対話による合意形成により、過重な負担のない範囲で合理的配慮の提供を行うこと。幼児教育施設と本人・保護者の意見の違いが大きい場合もあることも踏まえ、以下のような点を含め、合理的配慮の提供を進めるための考え方を分かりやすく示していくこと。例えば、過重な負担の基本的な考え方や、―資料1でご議論いただいたような、ICT等のデジタル環境を含む基礎的環境整備との関係などです。右側の四角囲みをご覧ください。「基礎的環境整備」には施設・設備の整備や人的支援等のハード面だけではなく、ソフト面の環境整備も含まれていることから、幼児教育施設における「基礎的環境整備」の充実に当たっては、幼児教育の基本を大切にしているかといった視点が重要と考えております。幼児教育の基本とは、ここに3つ挙げておりますけれども、例えば障害のあるなしではなく、一人一人の発達の特性を生かした集団づくりを作り出すこと、そういった一人一人の興味・関心、思いや願いを大切に遊びが展開されるよう、援助していくことが重要であることといった点です。ここでは、こうした幼児教育の基本を大切にすることは、多様性の包摂につながることをお示ししております。続いて2ポツ、園内体制の充実に関する方向性です。園が有する幼児教育の専門性と、地域の機関が有する障害等の専門性が相まって、一人一人の実態に応じた指導の充実が図られるよう、幼児教育センターによる支援や特別支援学校のセンター的機能の活用、児童発達支援センターを始めとする医療、母子保健、福祉等の関係機関との連携を一層促進すべきではないか。また、こうした地域の関係機関との連携促進を図りながら、いずれの施設類型の幼児教育施設においても、障害のある乳幼児に対する個別の支援計画や指導計画の作成・活用を一層推進するとともに、個別の支援計画に「合理的配慮」の内容を記載することにより、園内での共通理解と小学校への引継ぎを図ることが必要ではないか。これらの点についてご議論いただければと存じます。続いて10ページをご覧ください。左側の水色の枠に、日本語の習得に困難のある乳幼児への指導・支援の充実に関する課題についてお示ししております。1つ目の黒丸、外国人の乳幼児や海外から帰国した乳幼児など、文化的・言語的背景が異なる乳幼児の在園が増える中で、生活に必要な日本語の習得に困難のある乳幼児も増えているところであり、こうした乳幼児の円滑な受け入れというものは喫緊の課題です。2つ目の黒丸、現行の3要領・指針では日本語の習得に困難のある乳幼児への対応に関して、一人一人の実態に応じた個別的な支援に関して記載されています。一方、令和5年度に行った調査によると、母語を用いたあいさつや言葉掛けといった取組を行っている園は2割以下であったり、4つ目の黒丸、乳幼児が特に支障なく園内で生活を送っているように見えても、他の幼児の様子を見て行動しているだけで日本語の理解に課題がある場合もあります。また、日本語の習得に困難のある乳幼児は全国に在籍しているものの、地域・園によって状況が様々であることに留意が必要です。こうした現状と課題を踏まえ、指導・支援の充実に向けた論点を、右側のピンク色の枠にお示ししています。1つ目の黒丸、国においては現行の要領・指針の施行後、日本語の習得に困難のある乳幼児の受け入れにおける基本的な考え方やQ&A、取組事例等を記載した資料や研修動画等を作成し、ホームページに掲載しているところです。詳しくは11ページから13ページ、後ほどご覧いただければと思います。こうした資料や研修動画といったリソースを各自治体・幼児教育施設が研修で活用したり、指導の充実の参考にしたりしやすくなるよう、一覧性のある分かりやすい情報提供・周知を図るべきではないか。2つ目の黒丸、今後、施設類型を問わず、全ての幼児教育施設において、文化的・言語的背景の異なる乳幼児一人一人の、日本語の習得状況や生活習慣などの実態に応じ、指導の工夫を組織的・計画的に行うとともに、園内での共通理解と小学校への引き継ぎを図ることが必要ではないか。3つ目の黒丸、指導の充実に当たっては、受容的な態度で臨み、母語での声掛けや母文化の遊びを取り入れるなど、乳幼児が安心して自己を発揮できる環境づくりが重要ではないか。その上で、乳幼児の発達を踏まえ、体系的な語学指導を行わない幼児教育施設においては、日本語の習得に困難のある乳幼児との日常的な関わりや言葉掛けにおいて、“日本語の力を育む視点”をもち、一人一人の実態に応じた指導の工夫を行うことが重要ではないか。具体的な指導の工夫については、12ページでご紹介している研修動画・資料をご参照いただければと存じます。5つ目の黒丸、園が有する幼児教育の専門性と、園外の機関が有する日本語指導等の専門性が相まって、一人一人の実態に応じた指導の充実が図られるよう、幼児教育センターによる支援、自治体の関係部局や関係機関との連携を一層促進すべきではないか。以上、2ページでお示しした障害のある乳幼児への指導・支援の充実に向けた論点と、10ページでお示しした日本語の習得に困難のある乳幼児への指導・支援の充実に向けた論点について、併せてご議論いただければと存じます。資料の説明は以上です。
【西尾成育基盤企画課長補佐】 補足説明させていただいてよろしいでしょうか。恐れ入ります。1月21日にこども家庭庁で行われた第4回保育専門委員会において、生涯にわたるウェルビーイングの向上に資する保育の充実についてご議論いただきました。今回の内容と重複する内容ですので、報告させていただきたいと思います。3点大きく議論いただいたのですが、養護と子供の理解、そして特別な配慮を必要とする乳幼児への援助の課題の3点ご議論いただきました。養護に関しては割愛いたしますが、子供の理解、そして特別な配慮に関する内容は密接不可分と考えておりますので、大きく2点ご報告いたします。今、資料でお示ししている2ページの真ん中右の部分、多様性の包摂につながる幼児教育の基本といった視点が重要であるという点が、こちら私たちのこども家庭庁での報告の内容とは重複するかとは思います。まず、前回改訂時からの制度的な動きとして、令和5年4月、次代の社会を担う全ての子供が生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人として等しく健やかに成長することができ、心身の状況を置かれている環境等に関わらず、その権利の擁護を図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができるこどもまんなか社会の実現を目指すこども基本法が施行し、また同年12月には「はじめの100か月の育ちビジョン」においても、子供は権利の主体であること、そして乳幼児期が生涯にわたるウェルビーイングの基盤となること等が示されました。そうした背景と保育がどのように関連があるかというと、こうした理念等を踏まえ、全ての乳幼児に格差なく質の高い保育・教育を保障し、乳幼児一人一人の良さや可能性を見出しながら、生涯にわたる生活や学習の基盤となる生きる力の基礎を育んでいくことが必要であり、また多様性の包摂、共生社会の実現に向けて、障害のある乳幼児に対する合理的配慮の提供や、外国籍等の乳幼児への文化的・言語的背景を踏まえた対応が求められる中、特別な配慮を必要とする乳幼児への援助が一層重要となってくるということを現状課題としてお示しいたしました。その上で子供の理解についてですが、乳幼児一人一人の興味や関心に応じた保育・教育の実践に関する課題として、先ほど申し上げたこども基本法等の理念に基づき、全ての乳幼児に格差なく質の高い保育・教育を保障するためには、一人一人の状況や発達過程等を踏まえた丁寧な理解に基づく援助を行うことが重要であるにもかかわらず、一部の幼児教育施設においては乳幼児一人一人の思いを置き去りにした一方的な指導が行われているとの指摘があることを踏まえ、一人一人の子供の理解を踏まえた援助の充実として、保育における子供の理解は乳幼児と実際に関わり、心を通わせる中での保育士等の気付きや振り返りを通して広がり、深まっていくものであることから、固定的な見方や決めつけにとらわれない姿勢を大切にするとともに、乳幼児の行動や育ちを一般的な発達の目安や乳幼児同士の比較から優劣として捉えるのではなく、その過程や思いに目を向けることが重要ではないかということや、保育士等は自分自身が保育の人的環境の一部であることを自覚し、自らの眼差しや関わり方が乳幼児にどのように受け止められているかを振り返る視点を持つとともに、乳幼児は場面や相手との関係性によって異なる姿を見せることを踏まえ、他の保育士等や保護者と乳幼児の姿を共有し、多面的に理解を深めていくことが重要ではないかということについてご議論いただきました。そして、特別な配慮を必要とする乳幼児への援助に関する課題として、近年、障害のある乳幼児や外国籍等の乳幼児等が増加傾向にありますが、具体的な援助や実践については個々の保育士等の努力と工夫に委ねられている状況であるとの指摘があり、そのため保育士等が有する保育に関する専門性を援助の基盤としつつも、園が必要とする専門知識を有する専門職や専門機関との連携のもと、特別な配慮を必要とする乳幼児に適切な支援を行っていくことが重要であることを踏まえ、特別な配慮を必要とする乳幼児への援助の充実として、障害のある乳幼児や外国籍等の乳幼児のみならず、全ての乳幼児に対して一人一人の育ちゆく過程全体を大切にし、周囲の様々な人との相互的な関わりを通して育つ存在であることを踏まえた援助が重要ではないかということ。また、特別な配慮を必要とする乳幼児に対しても保育の基幹は共通でありますが、より個別的な援助が必要である場合には、一人一人の特性やニーズ等に応じて専門職や専門機関との適切な連携を図り、その充実を図っていくこと、特に個別の支援計画の作成が重要ではないかということについてご議論いただきました。以上で補足説明を終了いたします。
【古賀主査】 それでは、ただいま説明いただきました論点についてご議論いただきたいと存じますが、まずは特別支援教育をご専門とされている久保山委員より、5分程度でご発言いただきたいと存じます。久保山委員、よろしくお願いいたします。
【久保山委員】 はい、すみません。先に発言の機会をいただきましてありがとうございます。時間が押している中で恐縮なんですけれども、5分ほどお時間をいただこうと思っています。まず冒頭でご紹介したいものがあって、それはこういうことなんですね。「幼児一人一人の特性に応じた特別支援教育は、一人一人の幼児の姿を丁寧に見取り、適当な環境を整え、遊びを通した教育を進める幼稚園教育の考えそのものである。」これは10年ほど前にある研究会で、函館市立はこだて幼稚園さんがご発表なさったものの冒頭にあるものです。つまり、自分たち幼稚園教諭は特別支援教育という前から一人一人を丁寧に見取ってきたんだ。一人一人を大事にしてきたんだ。多様性ということをしっかり包摂しながら保育をしてきたんだということ。だから、これからいろんな子供が入ってくるかもしれないけれども、これまでやってきた保育をさらに高めていくんだ。質を上げていくんだ。そうやって対応していくんだということを明言されたとても大切な言葉だなと思います。残念ながら函館市立はこだて幼稚園さんは閉園してしまったんですけれども、この言葉を残してくださったことをとてもありがたく思っています。最近、様々な研修の機会をいただいています。ほぼ毎週のように特別な配慮を必要とする子供の研修に呼んでいただいています。先生方のニーズはとっても高いなというふうに思います。そんな中でお話をしていますと、久保山の話を聞いて、今までやってきたことは間違ってなかったんだ。今までのやり方をそのまま深めればいいんだということを感想でおっしゃってくださる。とてもありがたいことだなと思っています。私もそういう研修でよかったなと思って、嬉しく思っているところです。つまり、先生方は障害のある子供といっても、障害が全てではないということをしっかり踏まえてくださって、一人一人の大切な子供である。良さや得意や可能性もある子供なんだということをしっかり押さえて保育をしてくださっているんだなと。そのために保育士は何をしたらいいかということを日々考えてくださっているのだなと思っております。そのことが実は今回、基礎的環境整備という言葉がいきなり出てきたので少し面食らってるかもしれないんですけれども、その日頃の保育を充実させるのだということ、一人一人を丁寧に見取るのだということを含めて、日頃の保育を充実させるのだということが実は基礎的環境整備に当たるものなのだというふうに私は理解しますし、そういう形でこういう資料を作ってくださったことを感謝申し上げたいというふうに思います。資料の2ページ目にあります右の囲みの部分がとても大事だなと思います。基礎的環境整備の解説のようなものがここにあるわけでありますけれども、1月の保育専門委員会でも申し上げましたが、これからの時代、どの園のどのクラスにも特別な配慮が必要な子供がいるということを前提に保育を考えなくてはならない。その時にその柱となるのは、実は今までの保育の現場が大事にしてきた、ここに挙げてあるような3つのことなんだろうなというふうに思います。特に一番下の3番目のポツですけれども、一人一人の興味・関心、思いや願いを大切にした遊びが展開されるということ。確かに障害のある子供である、とするような知識や、あるいはその表現ができる子たちがいるわけです。そういうことを保育者がしっかり受け止めて、「みんな見てみて」ってやることで、多様性の包摂につながっていくんだということ。こういったことをしっかりやっていれば、合理的配慮というのはそれほど大きなものではないかもしれないというふうに私は思います。日々保育の質を高めていくということを続けることで、合理的配慮としてやらなくてはならないというのはかなり少なくなっていくのではないかなというふうに思います。なので、おそらくこの資料は合理的配慮の前に基礎的環境整備という言葉が出てきているのだなというふうに思います。その合理的配慮の提供についてなんですけれども、この資料の左側、3番目のポツに、その際次のことに留意すべきではないかとあって、2つ目のチェックのところに、幼児教育施設と本人保護者の意見の違いが大きい場合があるとあるわけでありますが、これは乳幼児期、特に大きいと思います。そして保護者の不安はとても大きいと思います。一旦そういったものをしっかり受け止めて、合意形成を図っていくんですけれども、なかなかそれが難しい。もっと人をつけてほしい、もっと個別をしてほしいという保護者の声が出てきます。一旦それを受け止めた上で、しかしこの園の基礎的環境整備があれば、減らしていくことも可能ですよということも視野に入れながら対話を続けていくということが大事だと思います。「これこれこういうことはすでにうちの園でできているので、合理的配慮として挙げていたことも少し減らしていくことも可能なんですよ」というような議論もしながら、合意形成を図っていくということが大事かなというふうに思います。それから、園内体制の充実に関する方向性でありますけれども、1つ目のポツのところで、様々な機関と連携することは大切であるということがあります。ただこの時に、1月の保育専門委員会でも申し上げましたが、保育の現場の先生方が子供を理解している、その子供理解といったものは、こういったいわゆる専門機関の先生方と同等か、それ以上の価値のあるものであるということを忘れてはならない。保育の現場の先生方の力というのはとても大切だということは申し上げておきたいことと、ここに挙げてあるような専門家と言われる人たちが保育の現場のことをよくわかってほしい。集団を通じて行う保育の大切さ、その中で個別を見るというのはどういうことなのかということをよくわかってほしい。そういう保育現場のことをよくわかる専門家を育成していく必要があるというふうに思います。それからその後の2つ目のポツの個別の支援計画に合理的配慮の内容を記載するということです。これはもしかすると保育現場は一瞬とまどうというかためらうかもしれません。しかし、おそらく入園する前に地域の児童発達支援センター、あるいは児童発達支援事業所等を利用していますから、そういったところでどんな配慮をしてきたかということを踏まえれば、そんなに困難なことではない。むしろその内容を園の中でどう使っていくのか、可能なのかといったことをしっかり議論することが大事かなというふうに思うところです。お時間を取りました。私からは以上です。
【古賀主査】 それでは、ご意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。発言時はミュートを解除してお話しください。時間が押しておりまして、多くの先生方にそれぞれお話しいただきたいんですけれども、もちろんお話しいただいてと思いますが、重なるところにつきましてはちょっとコンパクトにしていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、小枝委員お願いいたします。
【小枝委員】 はい、お話の機会いただきましてありがとうございます。この度基礎的環境整備の充実ということが入ったことを非常に嬉しく思っています。ここを厚くしていただくということが合理的配慮の充実にもつながってくると思いますので、この基礎的環境整備の充実を最優先にしていただくということが、ユニバーサルな子供たちへの配慮ということにもなると思うんですね。それからもう一つ、一番最初の議題とも絡みますけども、この合理的配慮の一つとしてデジタル機器の提供ということは不可欠ですので、やはりないと困る子についてはこれはやはりどんどんと導入していただきたいなと思っております。ただし、ないと困らない子もいるわけで、そういう子への導入はまだ影響がはっきりしません。実態調査を国がしておられますけども、それはあくまで実態調査なので、導入してどんな影響があるか、子供たちがどんなふうに変わっていくのかという調査を踏まえた上での導入が私はいいのではないかと思いまして、全般的な導入には慎重であってほしいなと思っています。もう一点、外国人の子供について言及してありました。本当ありがたいです。10年前にはこれなかったと思うんですね。外国人の子供に日本語をというお話が出てきて、大変良いことだと思いますが、これまで外国人の子供たちの問題に関わってきて、話し言葉と書き言葉では全然語彙数が違うんですね。なので、外国人の子供は日本の保育所・幼稚園に行きますと、日本語を使って不自由なく遊んで喋っていることできるんですけども、書き言葉を聞いて育つということが少ないので、小学校に上がってからちょっと勉強につまずくことがあるんです。なので、話し言葉と書き言葉の差というものを十分理解してですね、話し言葉だけではなくて、保育所・幼稚園においても外国人の子供については書き言葉も学ぶような体制を整えるといったことが加わるといいのではないかなと思っております。以上でございます。
【古賀主査】 それでは、多田委員お願いいたします。
【多田委員】 栄養の立場から合理的配慮において食事場面をどのように位置付けるかという観点で発言いたします。第一に食事は毎日繰り返される生活場面であり、養護と教育が同時に成立する典型的な場面であるという点です。生命の保持という基盤的な側面と社会的・言語的・自己調整などの発達課題が重層的に関わる時間であって、幼児教育の本質的構造が凝縮された場面と言えます。具体的に食事は発達特性が顕在化しやすい場面でもあります。味覚や嗅覚、触覚などへの感覚過敏、強いこだわり、咀嚼や嚥下機能の未熟さ、注意の持続の困難さなどは食事場面で具体的な困難として表出することが少なくありません。これらを行動上の問題としてではなく、発達特性に基づくニーズとして理解する必要があると考えます。こういった点から合理的配慮の具体例の中に、食材の大きさや硬さの調節、刻み方やとろみ付けなどの調理形態の工夫、食事が混ざらないよう盛り付けを分けるといった提供方法の工夫、それから座席配置や環境刺激の調整といった形で合理的配慮として具体化できることが多くあると考えます。したがって、具体例の中にこういった食事場面における調理形態、提供方法、環境調整を明示することは現場にとって実効性の高い指針になるのではないかと考えます。また、第二に合理的配慮は個別的に決定されるものではありますが、その実効性については小枝委員も重要性に触れておられました基礎的環境整備に依存すると考えます。摂食嚥下や感覚特性に関する園内研修、アレルギー対応の標準化、個別対応食の体制整備、施設の管理栄養士・栄養士や外部専門職との連携など、食に関する支援体制も基礎的環境整備の構成要素として整理することが望ましいと考えます。また、第三に個別の支援計画への記載と小学校への引継ぎについてです。食形態や配慮事項、成功体験の積み重ねの状況などを明記することは、給食を含む学校生活への円滑な移行に資すると考えます。保幼小の接続の観点からも、食の情報は重要な引き継ぎ事項の一つと位置付けられるべきではないでしょうか。加えて、合理的配慮が特別扱いと受け取られないように、心理的安全性を確保する集団づくりも欠かせないと思います。食事場面では完食を目標とするのではなく、子供が安心して挑戦できる環境を整えるといったことが前提になります。最後に、多職種連携の体制について申し上げます。保育所に配置されている栄養士、あるいは栄養士が配置されていない場合には、地域の管理栄養士・栄養士が施設の食事提供や食育、個別支援において多職種と連携しながら関与することが重要であると考えます。食事は毎日繰り返される生活の基盤であり、特別な配慮を必要とする子供にとっては特に慎重な対応が求められる場面です。保育者による日常的な観察、医療や療育の専門的知見、そして栄養士・管理栄養士による食形態や提供方法の調整が情報共有のもとで連携することによって、安心・安全な食事提供がより確実になります。管理栄養士・栄養士が多職種や関係機関及び保護者との連携の中で食事提供に関する調整役を担うことを明確に位置付けていただきたいと考えます。特別な配慮を必要とする子供にとって食事は困難が生じやすい場面である一方、適切な支援によって自己効力感を育む機会ともなり得ます。さらに、食に関する困り事は施設内にとどまらず、家庭においても生じることが少なくありません。偏食や感覚過敏、アレルギー対応などについて保護者が不安や負担を抱える場合もあります。管理栄養士や栄養士は子供の状態を踏まえた食形態や提供方法の調整のみならず、家庭における食事の困り事に対しても専門的知見から具体的な提言を行うことが可能です。その際、保育者の日常的な観察、医療や療育の専門的知見、家庭での状況をつなぎ、情報を整理・共有する要となる役割を担うことが期待されます。したがって、特別な配慮を必要とする子供への支援の充実にあたっては、子供本人への支援のみならず、施設の職員や家庭と連携しながら食事提供や食育、個別対応を総合的に調整する専門職として、管理栄養士・栄養士の専門性を生かした支援が必要であると考えます。食の視点を施設と家庭をつなぐ連携の中核として組み込んでいただくことを提案いたします。
【古賀主査】 それでは、飯田委員お願いいたします。
【飯田委員】 先ほどICTのところで発言をしなかったんですけれども、皆さんおっしゃったように留意点が重要で、保育者がそこを理解していくための研修での学びや解説書での丁寧な説明が重要だと思います。付け加えさせていただきます。では、今の議題のところなんですけれども、私も2ページ目の久保山委員と同じことになるんですが、四角囲みの乳幼児教育の基本のところが重要と考えています。1つ目のところは基本なんですけれども、発達の課題の理解についてのところですが、その子の年齢・発達の姿と比較して課題があるというものではなくて、一人一人の今の姿から見出せるものという箇所は特に重要だと思っています。それから2つ目なんですけれども、集団生活の中で一緒に過ごすことによって、互いにクラスの一員としてかけがえのない存在として認め合い、時にはぶつかり合う中で多様性を認め合うクラス集団づくりをしていくことが大切だと思います。そのためには、保育者が一人一人の思いを聞いたり、言葉のないお子さんであっても、その表情や仕草から感じたことを言葉にしたり受け止めたり、一人一人の子供を認め、尊重する関わりが重要だと感じています。当たり前ですけれども、大切にされてきた子供は他者も大切にすることができます。そのことが互いに認め合う集団になり、共生社会の担い手になっていくのだと思っています。それは、次のところの多様な言語や言語的・文化的背景の異なる子供に対しても同様だと思います。一緒に過ごすことで理解も深まりますし、多様な人とつながる原点になっていくと思います。それから、2の園内体制の充実に関する方向性、2つ目の丸にある通り、施設種に関係なく個別の支援計画や指導計画を作成し、一人一人の育ちや支援を小学校以降へ切れ目なくつないでいく必要があるというふうに思っています。本市では、各園に発達支援コーディネーターを置いて、乳幼児教育センターのコーディネーターや市内の保健・医療等の専門職が園を巡回し、個々に応じた支援方法等の助言を行っています。その助言をもとに、各園において個別の支援計画等を作成してもらっていますし、様式についても統一を図るようにしています。こうして施設種によって差が出ることのないようということを願っています。
【古賀主査】 それでは、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 はい、先ほど久保山委員がおっしゃった内容は本当に賛同するもので、今回特別な配慮を要する子供ではなく、幼児教育の基本という部分で考えていくと、おのずとこの特別な配慮を持つ子供だとか、外国籍の子供というのは、保育所やこども園、幼稚園が受け入れていくものだと思っているんです。特に10年後考えていくと、この多様性の社会はもっと進みますし、その時代を子供たちがどう生きるかということであれば、いろんな人たちやいろんな特性を持つ方たちと一緒に協働して、そして社会を作り上げていく必要があります。そうであれば、自分以外の人がいる保育所や幼稚園、こども園といったところでは何を学ぶのかというところに視点を移すと、今回の特別な配慮を要する子供がいることが大切であって、その子たちの特性を理解し、自分たちが協働して社会を作り上げていくということを考えていくと、この部分というのは今回の指針要領の改訂の大きなウェイトを占める部分だとも思います。現時点ではそれができてない、要は受け入れることもできてない、大変だと言っている施設がたくさんある中で、そこの地域に生きる子供がみんなそこに通えるんだというような支援体制を作っていくという意味でも大きなところなのかなと思います。その上でやはり現場を持ってる人間としては、この支援体制がやはりすごく重要かなと思っています。ただし、受け入れるのであれば、その地域が例えば療育機関やその他医療機関、その支援計画を立てる上でも、そことの連携をしっかり行い、保護者には保育施設では何を子供たちが学ぶのか、そして療育機関との違い、また使い分けをしながら子供が個々の発達とその集団の中でその地域を生きる子供としての学びをどう深めていくかということを保護者も合わせながら、その地域全体で守っていくような仕組みがないと、片方の保育施設だけに子供を預かって、そこで療育のようなことを求められたりとか、または保護者と対立したりということが出てきますので、ここは行政や教育センターなのか特別支援学校なのかわかりませんけども、連携をしっかりと家庭とつないでいく必要があると思います。そうしなければ今の状況は変わらないで、人員がいないや、専門性がないといった理由で断るような施設がたくさん出てくるという、今と変わらない状況になっていくと思うんです。そうではなくて、いろんな子供がいることが施設の教育の上では大事なんだということがわかれば、保護者もその使い分けをするし、または関係機関との連携も深まるしということなので、そのあたりの支援体制がしっかりとした上で受け入れていくこと、そしてその研修を受けたりとかいろんなことというのができていくのかなと思います。10年後の社会を考えていく上では絶対にここの部分がみんなでインクルージョンしていって、そして学び合い育ち合っていくという社会を作っていかないと、どんどんどんどん少子化も進みますし、少ない人数でこの国を育て、支えていくわけですから、当たり前のことだと思いますので、ここの部分というのは重要な点だと思いますので、意見とさせていただきます。
【古賀主査】 それでは、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 2点申し上げたいと思います。1点目は障害のある子への支援と保育の在り方との関連です。ここはもう久保山委員、飯田委員もおっしゃっていたところなので簡潔にしたいと思いますが、やはりスライド2の枠の中の基礎的環境整備として書かれたところ、大変重要だと思いました。一人一人の発達の特性のその子らしさというのは、環境に関わるプロセスの中に現れてくるものだと思いますので、そういった意味で一人一人がどのように環境に関わり、その関わり方をどのように豊かなものにしていくのかという点で、障害のある子への支援はもちろんのこと、保育の質そのものを問うことにつながっていくことだと思います。一方で2番の体制のところに関わることになるかと思いますが、保育の場ではおそらくクラスに個別の支援に関わる保育者と担任保育者というのがいる場合が多いと思うんですが、研修の機会はどうしてもおそらく正規職員の担任保育者の方が多くなってくるという場合が多いのではないかと思います。しかし例えば公開保育などの機会も活用しながら、全ての保育者が一人一人の興味・関心、思いや願いを大切に遊びを展開していく専門性を共に高めていくということができるようになっていくといいなと思いました。2点目は保幼小接続との関連です。特別な配慮を必要とする幼児への関わりはやはり保幼小の接続においても肝になるところだと思います。個々の子供の育ちをつなぐということや、支援の仕方を共有するということはもちろん大事なんですけれども、同時に育ちを支える教育課程というところも重要だと思います。架け橋の取り組みに関わる中で、特別支援教育の文脈だけで限定的に考えられて、例えば個別の支援計画は引き継ぎで参考にするけれど、要録は十分見ていないといったような、教育課程はまた別物というふうになって十分に取り組まれないという事例にも出会ったことがありますので、特性に合わせた支援を引き継ぐということはもちろん大事なんですが、個々の子供がどのような経験を通してどのように学んできたのかということも合わせて、授業をはじめとする活動やカリキュラムをどう構成していくといいのかという中身も連動させながら合わせて考えていくといった引き継ぎになっていくといいなと考えました。
【古賀主査】 それでは高辻委員お願いいたします。
【高辻委員】 これまでにいただいたご意見に賛同いたします。その上で、合理的配慮のところですけれども、個々の状況に合わせて合意形成していくというところで、具体的にどういうふうにそれを考えればいいのかというところでは、やはり関係者間の共通理解をベースにおいて促していくことが非常に大事だと思いますので、具体的に合理的配慮とはどういうものなのかしっかり伝えていくことが重要かなと思っています。合わせて、その合理的配慮がなぜ求められるのかというところで、障害をその個人の問題としてだけではなくて、社会の問題として考える、障害の社会モデルというような背景にある考え方を踏まえて、その趣旨や目的、なぜ合理的配慮が求められて、それに施設側として応えていく必要があるのかというところ、そこがベースにあっての合理的配慮の具体的ないろいろな手立てということになっていくかなと思いますので、そこも合わせてお伝えしていくことが大事かなと思っております。その上で専門委員会の方でも述べましたけれども、子供同士の育ち合いであるとか、関係者間の対話を通じた相互の専門性の理解に基づく連携ということが重要であろうと考えております。それから外国籍などのお子さんについてですけれども、10ページの資料の左側の最後のポツでも触れられているように、かなり地域によって、一括りに外国籍のお子さんと言っても、コミュニティが出来上がっているとか、どういった国籍の方がどれくらいの分布でいるのかというのは非常に地域差があるかと思います。各施設単位の取り組みだけではなくて、行政ですとか、そこに関わっている様々な関係者間の連携や情報共有ということが必須になってくると思いますので、現場においてもこうした地域との繋がりの中で、園で何をしていくのかというところをしっかり考えていく必要があるかなと思っております。また日本語の力を育むということと同時に、その子供の母語ですとか家庭の文化の尊重もアイデンティティの形成という意味では非常に重要かなと思いますので、日本とそういった多様な文化、互いの相互の言葉や文化を尊重する姿勢というのが全ての子供に関わる時の基盤になるということが必要ではないかと思っております。
【古賀主査】 それでは北野久美委員お願いいたします。
【北野久美委員】 重複するところは避けたいと思いながらも、冒頭に久保山先生がおっしゃったような、やはり私たちは特別な配慮を必要なお子さんというよりは、みんな配慮が必要ということで受け入れをしているということを、だからこそのこどもまんなかなのだということ、そういったことを前置きをさせていただきたいというふうに思いますし、現場ではいわゆる配慮の必要な子供への支援は当たり前のこととして実践しているということも合わせてお伝えしたいと思います。皆さんがおっしゃっているように、2ページ目の四角囲み、ここが反映される仕組みや仕掛けが必要だということで案が示されているんですけれども、ここでは一人一人とか特性を大事にするとか、一人一人の興味関心ということを強く打ち出されているんですけれども、しかし書かれているのは本当に障害を持つお子さんの合理的配慮であったり、計画であったり、教育支援計画であったりということなんですね。しかし現場の中では、この障害と判定はされていない、しかし何らかの発達が緩やかなんじゃないか、何かがあるんじゃないかというようなお子さんもたくさん受け入れています。じゃあそのお子さんたちが、そのいわゆる計画から入らないお子さん方の対応に対してどうしているかというようなこともすごく大事になってくるんですが、そこも含めると左側の3つ目の黒ポツの下の方にあるように、過重な負担というようなことも現場ではなくはないです。だからこそ園内体制の充実に関する方向性のところで幼児教育センターと書いてあるんですけども、これはおそらく乳幼児教育センターという言葉に変わってくるのではないかなと思いますし、そのセンターが核となっていろいろな支援を各園にしていけるような仕組みということもとても大事になってくるのではないかなと思っています。園にはやはりアレルギーですとか家庭に配慮が必要なお子さんとか貧困ですとかいろんな配慮が必要なので、そういったこともコーディネートするそういう役割が必要であると思います。また外国籍のお子さんなんですけれども、10ページの左側の3つ目のポツに令和5年度に行った調査で乳幼児に対して母語を用いた挨拶、これが2割以下となっているんですが、ここも少し実態をお話しさせていただきますと、1つの園で5か国、6か国のお子さんを受け入れているところも今は少なくありません。そういった言語がまるで違うお子さんに対して私たちがその母語で語りかけをするということは本当に困難なことでございますし、右側もそうなんですけれども、2つ目のポツに文化的・言語的背景の異なるとあるんですが、今回は言葉にのみ、あるいは日本語にのみ着目されているんですけれども、私たちが受け入れている時はやはり文化とか風習とか宗教とか食事とか本当に多様なことを含めて受け入れをするわけです。そういった時に果たしてそれが潤沢に行くような仕組みなのかというようなことも整理する必要があると思います。また外国籍のお子さんの文化や言葉に触れるという、日本語のみを強調するのではなく、そのお子さんの持つ言葉や文化に私たちが触れる、互いの文化を大切にするというようなそういった押さえも、今後複数国を受け入れている私たちの現場ではそういう取り組みも大事なのではないかなと思います。また申し訳ありません、時間ない中なんですけれども、こういういくつもの要素が含まれた大事な論点をですね、この短時間で語るという議論、これ本当に難しいことだと思います。1つ1つを丁寧に話すためにももう少し時間の配分が大事になってくるのではないかなということも僭越ながら述べさせていただきます。以上でございます。
【古賀主査】 ただいま時間の配分についてご指摘いただきましたけれども、残すところ30分切っておりまして大変申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。それでは藤原委員お願いいたします。
【藤原委員】 当センターの2つの事例からお話しさせていただきます。当センターでは研修会を開催しておりまして、公立・私立園の保育者年間4000名ほどに受講していただいています。その中でも特別支援に関する受講者が突出して多いという現状があります。今年度は、「インクルーシブ保育における加配保育者との連携について」という演題で、加配保育者と担任との協働というところにスポットを当てた研修会を開催いたしました。参加研修後のアンケートの中に、「主担と加配保育士にはそれぞれの役割や聖域のようなものがあり、互いに遠慮が生まれがちですが、子供の姿を、その時の新鮮な事実を、クラス内で共有していくことの大切さを実感したので、短い時間でも伝え合っていきたいと思いました」という回答がございました。園内が活性化するような研修の充実の必要性をその時に痛感いたしました。2つ目は、私立保育園に訪問した際の事例です。3歳児の外国籍のお子さんがいらっしゃいました。日本語の理解が難しく、お子さんは落ち着かない様子でおうちの人も悩んでいるということで園から相談をいただきました。その時に国際交流センターや特別支援学校の地域コーディネーターさんなど、いろんなところと繋がるようにコーディネートさせていただきました。「多言語の読み聞かせや外国人向けの生活支援サイトなどいろんなツールを教えていただいて、「親との距離が縮まりました」「親子の会話が増えたことで安心感が高まって日本語習得への意欲が増えました」というお話を後日聞かせていただきました。その子の困り感を、ICTを使うことでどう解消したのかを、今5歳児になりましたので、今度は学校に伝えるようにしてくださいとアドバイスし、今回園から学校の方にも情報提供させていただいたということがあります。自分の園だけではなかなか解決が難しいですので、全てのお子さんの「分かった」「伝わる」「嬉しい」を引き出すツールとして、正しく可能性を広げていることを伝えてもらい、今後も重層的な支援が行き渡るようにしていけたらと思っております。
【古賀主査】 それでは松井委員お願いいたします。
【松井委員】 よろしくお願いいたします。これまで先生方のご意見もありますので、ちょっと違うところからですけれども、資料10ページの上から3つ目にあります、先ほど北野委員もおっしゃった、日本語の習得に困難のある乳幼児への母語を用いた挨拶・言葉かけの割合が2割以下というのは、実は予想以上に低いなと思ったんですけれども、北野先生もおっしゃったところからすると、数か国がある園であれば過小評価がなされたりしているのかなとか、あるいは全園10割に対する2割であれば、日本語の習得に困難のある乳幼児のいる園が6割としてその2割であれば、もう少し高まるのかなということを考えながら思っておりました。挨拶や簡単な言葉かけというのは割と容易に改善できるだけではなくて、全ての子供の多文化理解への最初の扉を開くという意味でも重要だと思いますし、「おはよう」とか「ありがとう」みたいなごく簡単であっても人と人とをつなぐ一言から導入することは割とすぐにできるんじゃないかなと思います。そして挨拶とか食生活・遊びなんかは、子供も関心を寄せやすいものだと思いますので、まずはそういった簡単なところから意識するだけでも向上の余地があるのではないかなと思います。例えば、様々な国の子供が在籍する園で、「今日はおはようを好きな国の言葉で言ってみよう」みたいな取り組みも拝見したことがあります。それから、言葉かけだけではなくて挨拶とか数の数え方とかその国の文化の様子が目で見て分かりやすい写真や図解資料を子供の目につくところにしっかり掲示することもできますし、その外国籍のご家庭から資料や情報を提供していただくとか食文化体験であるとか、見るだけじゃなくて園全体の家庭や子供を巻き込んで直接的な交流体験の生まれる活動を実施していくことも連携の1つになると思います。それから13ページのイラスト付きのお知らせなどは、当初は外国籍の保護者向けの資料だったかもしれませんけれども、全ての子供や大人にとっても分かりやすくユニバーサルなものと言えるかと思います。特別な配慮を必要とする子供への支援については、現場の先生方は本当に子供とか保護者の方、専門機関と関係構築を行って園内で連携を図って日々悩みながら実践されていることをよくお聞きします。資料4ページにもありますように診断名に基づくのではなく1人1人の姿に応じた支援が必須ではありますけれども、やはり類似の事例というのはすごく参考になるかと思います。資料2の1つ目の黒丸にもある一覧性のある分かりやすい情報提供・周知というのはこれも急務じゃないかなと思います。これまでも様々な情報が配信されていると思いますけれども、まず読みやすさ、それに加えて細かいことですけれども、好事例が豊富に詰まった事例集があったとしても、内容全体の一覧が目次として俯瞰できて知りたいページに簡単に飛べるといったような仕様の工夫がないと、そのページにたどり着いても実際的な活用には至らず埋もれてしまう懸念もあるんじゃないかなと考えます。
【古賀主査】 それでは堀委員お願いいたします。
【堀委員】 はい、ありがとうございます。冒頭の久保山委員、それから今回おまとめいただいた資料については全体的には賛同いたします。私からは時間もないところですので、2ページの2の園内体制の充実に関する方向性の点について意見を1点だけ述べさせていただきたいと思います。こちらは地域の機関との連携ということになりますけれども、今回資料としてまとめていただいた内容は大変素晴らしいのですが、やはり保育者に求められている内容やスキルというのが多種多様に渡っており、先生方も保育者としてたくさんの業務を抱える中、かなり負担が大きくなるなということも1つの懸念としてあります。と言いますのも、先生方の思いで取り組まれていることもありますけれども、「感情労働」という言葉で表されることもあるように、先生方の良心であったりその専門的な思いであったりというところに任せるのではなく、園任せにするのではなく、また保育者に委ねるのではなく、やはり国として、その地域として、乳幼児教育センターなどの設立に関しても地域格差が広がっている部分もあると思います。ある地域とない地域があるというところですね。そういった点においても専門機関との連携、そして専門家の派遣というところの仕組み作り、その点を指針・要領の解説の中にどのように盛り込んでいくか。これは制度的なことになろうかとは思うんですけれども、その点をより明確にバックアップ体制と言いますか、そうしたことも踏まえた上での取り組みということに繋がっていくのではないかと思います。現在まで、従来に比べて例えば母子保健センターとの連携であったりとか役所内の連携というのは随分進んでいるというふうに伺っておりますけれども、そうしたことも踏まえて共に検討していくということが必要だろうと思っております。以上でございます。
【古賀主査】 それでは秋田委員長お願いいたします。
【秋田委員長】 最初のご説明並びに久保山委員のお話に大変賛同するところであります。この検討の仕方として特別な配慮を必要とする子供のことの事項として検討がなされると思うんですけれども、これはその指針等に書かれる時にその事項のところにだけ書かれるのではなく、やはりこれが多様性の包摂と多文化共生社会を作っていく基本的な考え方なんだということが、今後この10年間に合理的配慮の問題等もあり、またこども基本法も制定されている中で、もっとそれを強調して書いていく方向が重要なのではないかということが1点目でございます。そして2点目としては、特別な配慮を必要とする子供として、ここでは障害の子供と外国ルーツの子供のことがそれぞれ書かれているんですけれども、たまたま私のところの院生等が留学生の調査をしていると、例えば外国ルーツで子供がグレーゾーンであったり障害を持っているお子さんを抱えた保護者というのは本当にどう相談していいのかストレスが大変多くあります。その整理としては個別にこういう場合にこうあるということですが、家族の背景の中にはそうした困難が複数生じている場合というのが非常に多くなってきているように思います。そうした中でやはり先ほど堀委員も言われましたけれども、園内の体制だけではお互いの連携は大事ですけれど大変難しい、そこのところについて児童発達支援センターであったり、外国ルーツの関係であったりの、今後そういうネットワークか連携が一層必要になるというところについて、より明確に書く必要があるだろうと思います。それと関連して3点目ですけれども、先ほど北野委員が言われましたが、特別な配慮を必要とする子供というのはこの2通りのカテゴリーの子供だけでは当然ないわけです。様々な経済的な困難もありますし、国際的な動向としましてはOECDが今インクルーシブな子供のためのレポートをカナダが中心になって作っているんですけれども、その中ではこうしたことだけではなくて、例えば震災等が日本でも起こりましたけれどそうした災害にあった子供たちの支援であったり、そういう困難な経済状況、それから児童虐待をはじめ様々な困難な子供たちが特別な配慮を必要とする定型的なパターンではない子供たちとしているわけであります。そうした子供たちへの迅速な対応が取れるということも、本当の意味での特別な配慮がいつどこで必要なのかというようなことの判断として、今後より広くこの特別な配慮を必要とする子供ということの概念を広げながら、久保山委員が最初に言われたように、本当に全てが1人1人の子供という原点と繋がるんだということを書いていただくことが必要だろうと思います。そして4点目としては、先ほど松井委員も言われましたけど、普及啓発・周知・広報というのが、この委員会でこういう資料が出されると私たちは知ることができますが、これをどのようにして各園がすぐアクセスできるような一覧性と詳しい情報、まずは入り口で見れるような、そうしたデジタルを活用した在り方をご検討いただくことが、今後これを思想もより深めて保育の質の充実を図るために大事かなと思いました。
【古賀主査】 それでは河合委員お願いいたします。
【河合主査代理】 私は1点だけお願いいたします。外国に繋がりのあるお子さんの日本語の力というところの関連です。この日本語の力を育む視点というのは、全ての子供たちにとっても大変重要なところだと思います。現行でも言語活動の充実ですとか、保育の中で言葉に関する充実が図られているところかと思います。ただ、先ほど小枝委員から書き言葉ということでお話がありましたが、私がよく聞くのは生活言語と学習言語という言葉で聞きますけれど、学習言語の観点を保育の先生方が十分分かっているかというと、そういうところも難しいかと思うんですね。この点については、ぜひ専門家または地域の関係部局との連携をしっかり図っていくことを大切にしたいと思います。それは外部に任せてしまうという意味ではなくて、そうしたところでの取り組みを多職種連携で交換する中で、保育の中でも幼児にふさわしい形で生かしていけることがあれば、全ての子供たちにとってもより豊かな言葉ということに繋がるかと思いますので、その点を一つ意見として申し上げたいと思います。その際、ぜひできれば保護者と幼児が共にそうした機関に出向いていくことで、親子での一緒に学ぶ楽しい時間があったり、そこで日本の文化、他国の文化などを改めて確認するということにも繋がるかと思いますので、そうした視点からも検討ができたら良いなと思っております。
【古賀主査】 それでは、石山委員お願いいたします。
【石山委員】 県内の施設を回っていますと、久保山委員がおっしゃったように、一人一人の興味・関心、思い・願いを大切にしている保育を展開している施設の方は、やはり合理的配慮も少ない印象を受けていました。合理的配慮について一点だけお話ししたいと思います。個別の支援計画というところで、内容を記載することを例示されていますけれども、大変大事な視点であると思います。合わせて、その子の変容が見られた具体的な指導等についても記載していくことも考えられると思います。例示で示している栃木県の資料で、評価にあたる部分にそのような内容等を記していました。この計画を作っていく際には、子供たちのこの後の可能性だったり良さをより引き出すものの1つとして計画を考えていくと、それが小学校以降への引き継ぎや、担任が変わったり環境が変わったりした際も、子供たちのいろいろな良さが見えてくるようなものになると、この計画を活用していく重要性について実感できるのではないかと考えております。
【古賀主査】 それでは、北野幸子委員お願いいたします。
【北野幸子委員】 私からは二つ、共生社会の創生に繋がる、先ほど秋田委員長もおっしゃいましたけど、社会経済的背景に応じた一人一人の支援、そういうことを示してくださっていることと、二つ目はそれを実現するための保育専門職とか園での要領指針というもの、それから多職種連携が具体的にされることなどについて話させていただきたいというふうに思います。なるべく早く喋ろうと思います。久保山先生のお話も西尾成育基盤企画課長補佐のお話も本当によく理解が膨らみましたし、その考えについては他の委員と同様に同じです。多様性に対する寛容性とかその共生社会の礎にそれがなるんだということ、実は2024年の環太平洋乳幼児教育学会で国連の子供の権利委員会の委員長であられた大谷美紀子先生に基調講演をしていただきまして、その時に偏見や洗脳の影響がすごく少ない乳幼児期教育、そこにこそ期待してるって言って勇気を得たんですけれども、やはり全ての子供の人間関係の形成能力、社会性の基礎を園が育んでいく、その育ちや学びを支えていくというところ、ここのところが大事だなと思っていて、やはり園生活の中での保育ということが大切にされることが必要だなと思います。保育の友の11月号で世界のインクルーシブ保育について寄稿させていただいて、再度最近勉強したんですけれども、もう世界的には原則としてのインクルーシブ保育、選択しての支援の充実、切れ目のない誕生から大人になるまでのインクルーシブの教育ということが前提となっているということを確認しました。もちろん日本でも人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が明確に幼児期からと位置付けられて、大きな法律根拠としてあると思いますけれども、そこの内容が本当にこの論点に含めていただいてるのは大事だなと思いありがたく思っています。2つ目についてなんですけれど、先ほど負担とか大変さということが出てたと思いますけど、互恵的な保育専門職と多職種の連携についてということを考えていくことは大事と思っていて、人口減少の中で場の共有は進みつつあると思うんです。高齢者や学童や小学校以降だけど、それについて場の共有と専門職が機能分化を高度にして、それを前提にしないと質保証が困難になるということは確認しておきたいことだなと思います。そしてその担い手となる保育の園での生活での子供たちに特化した専門職に必要となってくる専門的な知識と技能の研修は丁寧に保障されることも大事で、それはもちろん特別な支援、多文化的背景、経済貧困、虐待、ギフテッド、ヤングケアラー、兄弟とか親戚、家族ですよね。それについての研修保障があって、それによって園生活での保育専門職の任される仕事の担い手を明確にしたり可視化して質保証することが大事かなと思います。そしてその環境整備することとインセンティブ、このことについても議論するきっかけに、指針・要領の中で示されることがなっていったらなと願っています。そして実はこれって先ほど秋田委員長もおっしゃったように、どんどん今後ますます丁寧に広がっていくのではないかと。そういう意味では震災もそうかもしれない、感染症もそうかもしれない、それからいろんな背景や社会経済的貧困、ギフテッドと色々あると思うんですけど、これら全部を指針・要領でどこまで含むのかってなんか難しい課題のように思いました。根拠となる大きな法律と関係付けること、指針と要領にいっぱい項目がどんどん含まれていくというよりは、例えば震災が起こった時に園に来る子供は兄弟が小学校にいて高齢者施設に親戚もいてというような時に、やはり全体法の中でのこの支援というのと紐づくことと、園生活の中での保育の充実というところはしっかりと考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思ったところです。私からは以上です。
【古賀主査】 それでは小松委員お願いいたします。
【小松委員】 はい、もう時間がございませんので今までおそらく出てないと思うことを1点だけ申し上げさせてください。もしかしたら私が見落としている、あるいは当たり前のことだから書いていないということなのかもしれませんけど、2ページにありますような論点の中でですね、個々の子供に色々あり多様ですという、あえて横の比較というふうに言いますとですね、言えると思うんですけども、それに加えてですね、時間軸という縦の視点、縦の比較の視点というのを持っておくのが、あるいは示しておくのは重要かなと思いました。と申しますのは、子供たちの場合、心身の非常に大きな発達の最中ですので、一旦こういう特性があります、こういう多様性がありますってあっても、それが常に変化していくと思います。私は特別支援教育の専門家ではございませんけれども、1度うまくいった支援がずっと有効とは必ずしも限りませんし、特性とか診断ということで分かりやすくなる部分もあるけれども、それによって子供の発達とか変化の芽に気付きにくくなるという側面もあるのかなと思ったりいたします。ということで、常に子供の変化ということについて丁寧に見ていくということについて、どこかで強調されておくことによって、こういう支援というのがより明確になっていくかなと思いました。
【古賀主査】 それでは川越委員お願いいたします。
【川越委員】 私が今おりますのが公立幼稚園というところで、令和6年10月の今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者会議最終報告の中でも、公立幼稚園の役割として障害のある幼児や外国籍等の幼児を含む全ての幼児に質の高い幼児教育の機会を保障する役割ということの公立園の役割が示されております。この立場で1点、障害がある乳幼児への指導というところで述べさせていただきます。本園は今ここで出されているいわゆる基礎的環境整備というのは大変整っているかなと思いました。担任の他に支援が必要な幼児への教員の加配もありますし、あとはいろいろな研修も受けられます。また区のスクールカウンセラーが巡回してこのような幼児への指導であったりとか保護者の支援というのを園と共に行っていただいて、多方面から支援をできてるという状況にあるなと感じております。今この基礎的環境整備のところにソフト面のことがたくさんお話がありましたが、やはりハード面の整備というのはすごく大切なのかなと思っております。ソフト面を支えるというところで、そのハード、人的な環境であったりとか、施設の設備などの整備ということは大事かなと感じました。というのは、本園で支援を必要としていた幼児で、加配の教員もついていた幼児が転居のために他の自治体にお引っ越しをすることが決まり、ただその自治体には公立園がなくてなかなかこの子を受け入れてくれる園を探すことが難しかったということを保護者から後で聞きました。なんとか受け入れてくれる園に巡り合えたものの、大変不安であるということを母親は述べていたことを思い出したのですが、一人一人に応じた指導ということを実現をしていくために、この多様性の包摂というようなソフトの考えはもとより、この施設類型でどこでもこのようなお子さんを受け入れて、共生社会を実現していくというために、やはりハード面ということは基本になってくるのかなと思いますので、この面の充実ということを考えていただけたらいいなと思っております。以上でございます。
【古賀主査】 今挙手をしていただきました先生方につきましては、ご発言をいただいたところですが、私がコンパクトにと申したものですから、だいぶご遠慮いただいた先生方も多いのではないかなと思います。大変申し訳ございません。心残りのある方は今挙手いただいてもと思いますが、今日発言いただけなかった先生につきましても、事務局の方に思いの丈をお送りいただけたらとも思いますので、ぜひ思い残すところがおありの先生方はご連絡をいただけたらと思っております。今日は非常に多岐にわたるご意見をたくさんの先生方からいただきました。ICTと、それから特別な配慮を必要とするということについて、2つの大きな議題だったわけですけれども、どちらにつきましてもこれからの進展・発展というのが非常にスピードアップが求められるところでもありますし、多様化がどんどんと進んでいく中でどうしていくのかというようなことが、現場では本当に対応が求められていく、そういう問題でもあると思っております。特別な配慮を必要とするということにつきましても、様々な支援を必要とする子供が増えていく中で、包摂性の高い保育がこれまで以上に大切になりますこと、また保育者の専門性をそこに対して高めていくということが常に求められていく中で、保育者が全部を引き受けるというのは無理でもあり、そういうことではないわけで、専門家との連携というのを一層進めていくことが必要ということですけれども、久保山委員がおっしゃってくださった、その専門家と言われる先生方が保育の専門性を理解することも重要だというようなご指摘もありました。非常に心強く思いました。それから、園生活における経験ということですね。そういった視点がICTにおきましても、それから障害のある子供たちにつきましても、また多言語・多文化、これから先色々な子供が園の中にも増えていく中で、専門機関の訓練ではなくその園生活の中でどのような豊かな経験を一人一人に保障していくのかということ、子供の変化を捉えるというような視点もいただきました。そういったことを丁寧に捉えて、今までの先生方が本当に努力してこられた丁寧な保育というものをいかに全ての園で実現していくのかということをさらに考えていきたいというふうに思います。研修の在り方や様々な施設整備の在り方や、多くの視点を本日いただいたと思っております。それでは時間も参りましたので本日の議事は以上とさせていただきます。次回以降の予定につきまして事務局よりお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 はい、次回の幼児教育ワーキンググループ及び保育専門委員会の開催は日程調整の上、後日ご連絡いたします。
【古賀主査】 はい、それでは以上を持ちまして閉会といたします。
 
 
―― 了 ――