令和7年11月25日(火曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【古賀主査】 定刻となりましたので、ただいまから、第3回幼児教育ワーキンググループと第3回保育専門委員会を合同で開催いたします。お忙しい中、御参加いただき、ありがとうございます。
本日は、議題1として「育みたい資質・能力の在り方について」御議論をいただいた後、議題2として、「資質・能力の育成に向けた内容の改善・充実について」御議論いただく予定です。
それぞれ、事務局より説明いただいた後、意見交換を行います。
本日の議題については、第2回のワーキンググループ・委員会において、それぞれ一度御議論いただいておりますが、本日は、それらをまとめて両ワーキンググループ・委員会の委員全員で一体的に議論していきたいと思います。
前回のワーキンググループ・委員会で御発言していない観点からの御意見でも結構ですし、さらに深掘りした御意見でも結構ですので、よろしくお願いいたします。
それでは、初めに、議題(1)について、事務局より説明をお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、資料1について説明いたします。1ページを御覧ください。
「資質・能力」と「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に関し、前回改訂における改善と成果、また、課題を受けた方向性の案についてお示ししております。
まず、左側、水色の枠に記載のとおり、前回改訂では、幼児教育において育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」、「思考力、判断力、表現力等の基礎」、「学びに向かう力、人間性等」が、小学校以降の教育において育む資質・能力と系統的に明記されました。
また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」については、特に5歳児後半に見られるようになる資質・能力が含まれている幼児の具体的な姿として明記されました。
これらにより、幼児教育施設における指導の改善や、幼保小の接続などに関し成果が上がっている一方で、資質・能力とねらい及び内容、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」との関係を理解して実践に繋げていくことが難しいとの指摘や、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」について、項目名はほとんどの幼児教育施設において活用されているものの、具体的な記述については、幼稚園を対象にした調査によると、約4割から5割程度の活用にとどまっているという結果も出ております。
こうした成果・課題を踏まえ、右下の枠に記載のとおり、2点、方向性を御議論いただきたいと存じます。
1点目、資質・能力、ねらい及び内容、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の果たしてきた役割や課題等を踏まえ、その在り方や関係性についてどのような改善が考えられるのか。
2点目、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」については、資質・能力が育まれている幼児の姿として、具体的な援助等を行う際の手掛かりとされてきましたが、その活用について、今後どのように改善していくべきか。
2ページを御覧ください。
この2点について御議論いただく際の参考として、2ページに、現行における資質・能力とねらい及び内容、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係のイメージをお示ししておりますので、適宜御参照いただければと存じます。
続いて、3ページを御覧ください。
左の図は、論点整理にて示された「学びに向かう力、人間性等」の今後の整理のイメージです。各要素の説明は、小学校以上をイメージしたものとなっております。そのため、今回、右上の図にある幼児教育において、「心情」「意欲」「態度」を重視してきたことも踏まえ、幼児期の後半をイメージして、幼児教育としての説明を右下に提案しております。
具体的には、「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」については、自分に自信を持ち、様々な事物や現象、他者の姿などに興味や関心をもったり憧れを抱いたりして、自ら積極的に関わろうとする力。
「他者との対話や協働」については、先生や友達などの他者に親しみ、信頼し、他者との関わりを通して多様な感情を体験したり互いの考えに触れたり葛藤を乗り越えたりしながら、目標を共有して協同しようとする力。
「学び(遊び)の主体的な調整」については、幼児教育では、幼児の発達に合わせて、学びではなく遊びの主体的な調整とし、遊びながら実現したいことを願い、どのようにしたらいいか見通し、試したり工夫したりして振り返り、難しいことが生じても粘り強く取り組んで、更なる試行錯誤や工夫に繋げる力という案になっております。
なお、各要素のうち、上部に位置する「学びを方向付ける人間性」については、幼小中高を通じて育んでいく共通の大きな方向性を示しているものとして、幼児教育としての説明は作らないこととしております。
この幼児教育としての捉えについて御議論いただきたいと存じます。
事務局からの説明は以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま説明いただきました論点について、御議論いただきたいと存じます。それでは、御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。御発言時は、ミュートを解除してお話しください。御発言は3分以内におまとめください。
時間の都合上、皆様に御発言いただくことが難しい場合は、一旦時間を区切らせていただき、議題2で御意見をいただく際に、議題1への意見と併せて御発言いただくことにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、御意見をよろしくお願いいたします。
では、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 福井大学の岸野です。
事務局での取りまとめや調整、本当にありがとうございました。前回の議論を踏まえて、より適切な表現がなされるようになってきたと思いました。
1点だけ、4ページの「学びに向かう力、人間性等の今後の整備イメージ」について申し上げたいと思います。
右下に幼児教育としての説明が入ったことで、論点整理で挙げられた要素の左側のものの基盤が幼児教育の中で培われるということがより明確になったように思いました。そして、この右上の図が幼児教育の特質をよく表していると思うのですけれども、それと、今度の右下の3つの要素との関係というところ。上の図と下に書かれた3つの要素との関係というところも、これからより明確に表せていけるとよいのではないかなと思いました。
「心情」「意欲」「態度」が循環していく中で、自ら積極的に環境に関わっていくというところに繋がり、また、その循環は、一回きりのサイクルで終わらずに、複数サイクルが重なっていく中で、その過程で、友達や保育者の心の動きや思考の動きにも刺激を受けたり、響きあったりしていくというように、「他者との対話や協働」とも繋がっていき、そうした展開が、学び(遊び)の調整という、自分なりに実現したい目当てを持って自律的に試行錯誤していくということに繋がるのだと考えられるのではないかなと思いました。
図としては、これ以上書き込むと複雑になり過ぎて、関連が表しにくいところもあるかなと思いますので、また今後、文章として整理していく中で、そういった関連性というところも表せるといいのかなと思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】 よろしくお願いします。小枝と申します。
資料1の3枚目を出していただけますでしょうか。
右上の図で非常に分かりやすくまとめてあるなと思ったのですが、「心情」、そして「意欲」に繋がり、そして「態度」と書いてあるのですけれども、現場の先生たちにすれば、ここは、「態度」という言葉よりも行動を見るという、「行動」という言葉のほうが入りやすいのではないかと思いました。実際に幼児さんを保育していて、教育していて見るのは、どういう行動を取っているかといったところに着目したほうが見やすいかなと思いましたので、御検討いただければと思います。
それから、資料の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を詳しく書いたものがございます。資料の一番最後の青い字で書いてあるものがあるのですが、ずっと下に行っていただいて、参考資料の次ですかね。これです。
これの(9)の「言葉による伝え合い」、非常に幼児にとって大事なことかなと思うのですけれども、ここに「日本語の特徴を理解する」というようなことが入るといいのかなと。小学校へのつなぎを考えますと、日本語の特徴で、音と文字の対応が非常にいいですよね。猫は「ね・こ」、犬は「い・ぬ」、ねずみは「ね・ず・み」と3拍になる。2拍、3拍。そのように1つの拍との対応がいいので、日本語の特徴だと思うのです。ですから、日本語の特徴の、音節としての単位を捉えていくという力が、特に5歳児以降重要かなと思っていまして、それが分かるようになると、しりとりができて、しりとりができると平仮名を読む、平仮名を学んでいく基礎ができると私は思っていますので、この「言葉による伝え合い」の中に、そういう非常に日本語のよい点を理解して遊びに繋げる。しりとり遊びのような、言葉遊びに繋げるみたいなものが入るといいなと思いましたので、御検討いただければと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 今回は、資料の3ページ、論点整理として4つの円で示された内容が、幼児教育の内容としてどうなるかについて示されております。右下の3つの内容が新しく加わったかと思いまして、これについて考えたことを申し上げようかなと思っております。
この3つのことについて全体的に言えるのは、非常に端的な言葉で内容を示されているので、その具体的な内実としてどのようなことが想定されているのかということを議論したり理解して共有していくということが重要かなと思いました。
特に、この3つの中でも一番気になるといいますか、理解の上で重要性が高いと私が思いましたのは、一番下にある「学び(遊び)の主体的な調整」という言葉で示されているもので、この学びと遊びの関係というのもちょっと難しいところだと思うのですけれども、それとはまた別に、右側にあります具体的な説明文について申し上げます。
この文章を読みますと、「願い」「見通し」「振り返り」というようなことが書かれておりまして、これをそのままぱっと読みますと、独立した個々の子供の力としてこうしたことができるようになるとか、あるいは、それを育成しましょうとも読めるように思われました。これは、左側の論点整理の中央にあります、「学びの主体的な調整」という、この内容との対応で言いますと、確かに、大人になるまでの長期的な発達とか教育の過程で、独立した個としてそうした力を身につけていくのは大切なことかもしれないと思いますけれども、一方では、11月11日の会議で申し上げたのですけれども、幼児期の子供たちにとっては、「主体的な調整」というのは、周囲の他者、大人との関係とか協同性の上で達成される側面が殊さら強いのではないかなと思うわけです。
つまり、この図のイメージで申しますと、主体的な調整というものが、右下のほうにあります「他者との対話や協働」の円とぐっと近寄る。さらには、部分的に重なりながら、例えば、「願う」とか「見通す」というときに、保育者が子供たちとの信頼関係の中で、その様子を深く理解しながら、対話をオーガナイズしていくことによって具体化される側面があるのかなと思ったりします。論点整理では「往還」という言葉でそこは繋げられているのですけれども、それを超えた一体性というものが理解に含まれるといいのかなと思われました。
もう一点、使われた言葉とその内容ということで申し上げますと、一番上の「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」と説明の最初に、「自分に自信をもち」という言葉が出てくるのですけれども、これも、これだけぱっと読みますと、とにかく何でも自信満々でやるんだ、やってほしいのだと読めてしまうのです。確かにそういう側面も大事だと思うのですけれども、ここでの「自信」というのが、そういうことだけではなくて、おっかなびっくりとか、すごく不安があっても、周囲への信頼があって、失敗しても大丈夫だというような感じで取り組んで、結果として自信みたいなものが育っていくという部分もあると思います。つまり、そう考えますと、その下にあります他者への信頼みたいなものにも繋がってくるのかなという理解が必要かなと思いました。
そのように、個々の言葉の具体的な内実、要素間の繋がり、重なりのようなものが重要と思われましたのでお伝えいたします。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、多田委員、お願いいたします。
【多田委員】 多田でございます。
私は、食と栄養の観点から申し上げさせていただきます。
資料1の1ページや、今拝見した2ページ目なども、育みたい資質や能力を幼児が自発的な遊びや生活を通して身につけていくべき根幹として整理してくださっていると思うのですけれども、やはり、遊びや生活の中で、直接的・具体的な体験の重要性という意味では、私は、この食の領域からの支援も可能であると考えております。乳幼児にとって、食事は必ず毎日繰り返される生活の中心というか根幹でありますし、「言葉」や「人間関係」「環境」「表現」「健康」という、5領域全てに関わる学びの機会であると考えております。
例えば、食卓で「おいしいね」とか「ありがとう」という自然な対話は、資料1が掲げる言葉の伝え合い、協同性、思考の芽生えに直接結びつく姿であって、子供同士の関わりが生まれる大切な場面であると考えております。
また、幼稚園では給食提供がない園もありますけれども、昼食をともにするという生活の共有時間は全ての幼児が持つ体験ですし、ここでの関わりを通じて食への興味や主体性を育むことは十分に可能ではないかと思います。
さらに、資料1が示しておりますように、幼児期は、身近な人や物事と関わる中で、自分なりに考え、気づき、感じる力を育てる時期でありますので、食は、こうした学びを生活の中で自然に統合する時間になると思います。
このように食事は、資質や能力の一体的な育成を実現するための、最も身近で、かつ、全ての幼児が経験する生活場面ですので、私は、この育みたい資質や能力の議論の中に、生活としての食の重要性も位置づけていただけると望ましいと考えております。
以上です。よろしくお願いします。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 ありがとうございます。
資料の3ページ、左側の図の各要素、幼児期の後半をイメージして右下のように整理していただいたということで、この資質・能力の中の「学びに向かう力、人間性」というものが、幼児教育からその後の教育へ連続性を持って繋がっていくというのがより具体的に見やすくなったと感じました。
先ほど、岸野委員のほうからもありましたように、右上の黄色い図と、下の3つの今回整理していただいた幼児期ならではの各要素の部分、ここの関係性はやはり説明が必要かなと思っていますけれども、より低年齢の時期からの育ちも含めると、従前から大事にしてきたこの「心情」「意欲」「態度」が循環的に育っていく中で、これらの下の各要素のほうで表されるような力として、それぞれ形づくられているというようなイメージかなと全体を捉えております。
これと、2ページの図のほうを合わせて、幼児教育の基本的な考え方の全体像が見えるかなと思うのですけれども、やはり、それと実践を結びつけるというところで、今回、改めて保育者の乳幼児理解ということが非常に重要だということを感じました。
これは、総則のほうに、乳幼児理解というところはなってしまうかと思いますけれども、やはり、こうした構造を実践に結びつける要というところでは、この時期の発達の特性とか道筋の全体的な理解、それから、目の前の子供や子供たちの育ちや内面ということを個々の文脈に照らして読み取ろうとするような視点とか、子供の存在を肯定的に受け止めて、一人一人のよいところや育ちの可能性というものに目を向ける姿勢とか、そういった乳幼児理解の基本的な態度といいますか、姿勢、そうしたものがあっての環境構成とか援助ということになってくるのかなと感じました。
だからこそ、注釈的に書かれている部分ではありますけれども、やはり、実践においては総合的に指導され、一体的に育まれていくとか、それから、10の姿は到達目標ではなく発達の方向性を意識しながら積み重ねられていくものだとか、全ての子供に同じように見られるものではないとか、こうした留意点の部分、要領・指針はときにいろいろな読まれ方をされてしまうこともありますので、こうしたことも一緒に丁寧に伝えていかなくてはいけないなということを思いました。
現実には、本当に日々いろいろなことがあって、ここにある図で描かれているようなものも決して実際には右肩上がりの直線的なものではなくて、行きつ戻りつだったり、凸凹があったり、大人から見ると時には困った行動とか泣いたり怒ったりみたいなポジティブな姿ばかりではない部分も含めて、この構造を意識しながら、実際の子供の姿を見ていくことで、育ちつつあるところとか、次の保育の方向性が見えてくる、そういうあたりをしっかり表現していきたいなと改めて思いました。ありがとうございます。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、北野幸子委員、お願いいたします。
【北野(幸)委員】 よろしくお願いします。
幼児教育の内容論と方法論、そして、保育者の養成と研修の研究を私は専門とさせていただいております。やはり、この10年、社会とか感情、社会情動的スキルを幼児期に育むことの大切さは随分注目されてきましたけれども、社会情動的な側面だけではなく、やはり学びの部分、社会的学習理論とか関係発達論、それから、脳科学、感情の研究が、この10年随分研究が進んできて、それが、もっと前からですよね。社会的学習理論などバンデューラとかでも随分前だし、ヴィゴツキーの関係発達論も随分前ですけれども、それが幼児教育の内容と方法、そういった実践のほうに影響を与えてきたのだなと思っています。それが、3ページの右側のところでは、随分分かりやすく明確にしていただいたなと思って、そのことを大切にしたい。これは改めて思うわけです。
3ページの下のところに、興味・関心とか好奇心、探究心、そして憧れを抱いているということ。このことは明示してくださっています。やはり、好奇心というのは、知りたいとかやってみたい。探究心とは、もっと深く知りたい、もっと極めたいということだと思うのですが、これは内発的動機づけの部分が多いと思います。一方、ここで書いてくださっている憧れを抱くというのは、最近のいわゆる脳科学とか感情の研究の影響も、もちろん、社会的学習論とか関係発達論、バンデューラやヴィゴツキーの言っていることも前提とはなっているとは思うのですが、この憧れというのは、社会的な学びを促す動機づけになると考えていて、つまり、憧れから主体的な模倣を通して学びが深まっていく、そのようにも思うわけです。
特に、保育の現場では、すごく感動する先生方の専門性、私、よく見ますけれども、例えば保育専門職が、時にともに遊び、モデルとなって、一緒に遊んでモデルとなるのだけれども、すっと抜けていく。その離れ際の援助があって、そこで、子供たちの遊びから探究が深まったり、創意工夫が随分生まれてくるということも。保育専門職の役割というのは、随分感情的なもの、憧れみたいなものにも関わっていると思います。
ミラーニューロンもそうだし、それから、バンデューラの言う社会的学習理論もそうですけれども、人の模倣を促して、より深い観察や挑戦に繋がる援助というのは、本当に保育専門職の方たちのきわめて独自な専門性でもありますし、今後、ますます必要になってくることだなと思います。
他にも異年齢との関わりの中で、子供たちが憧れを描きながら、学びが随分異年齢の保育の中で進んでいっている、深まっているということは、保育実践の多くの研究が明らかにしている。そういう根拠となっているなと思うわけです。
なので、やはり、探究心、好奇心とかで、探究心だけではなくて憧れ、これもしっかりと意識して、知性や技能的なものへの憧れというのもありますし、そして、好奇心や探究心では説明しがたい価値とかモラル、つまり、かくなりたい私とか、かくありたい私、そういった育ち学びが、憧れこそが原動力となっていると思うので、そういったところが明確に示されているというところが大変大事なことだなと思いましたので、説明を補足させていただきました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 柿沼です。よろしくお願いいたします。
2点ありまして、まず1点目は、資料中にある、今の3ページのところもそうなのですけれども、やはり学びの解釈のところ、学びというと、多分、一般的に言うと学習に置き換えられてしまうので、この学びというのはどこかで、この資料中ではないのでしょうけれども、細かいところで、学びとは学習のみではないんだというところは明確にしないと、学びだけ先行してしまうと、勉強みたいな感じになってしまうのかなというのがずっと気になっているところです。
2点目は、3ページ中にあるところの右側、「環境との関わり」、黄色い部分の下のところです。この「心情」「意欲」「態度」はそのままですごくいいなと思っているのですけれども、この下に、安心みたいなものとか、「先生による意図的・計画的な環境の構成・再構成」とありますけれども、この前のところに、先生による、例えば、ここに愛着形成みたいなものを含んだ上での意図的な計画的な環境構成とかみたいに、少し愛着形成、先ほど高辻委員がおっしゃっていたように、乳児期の必要な部分というのが見えるようなほうがいいかなと思っています。
なぜなら、安心の上で挑戦をしたり、安心がなければ失敗できないので挑戦できなかったりということが多くなってくるので、その安心感は、まず、保育現場で先生によってきちんと育んだ上で、その上で子供たちが挑戦できるのだと。安心できる場所をつくった上でということがないと、特に、幼稚園さんとか、こども園でも乳児をやっていないところとか、ここの部分だけでいくと、自分たちが子供たちに安心感を与える立場な上ではなくて、いきなり挑戦をさせようということが起こり得ないのかなというのがちょっと心配だなと思っています。
なぜかというと、今ここでは、3歳以降の集団のところに書いてあるのは前提で分かった上でなのですけれども、私たちの法人では、6歳から18歳の要保護家庭の支援事業をやっていて、そこでの子供たちというのは、家庭が、保護家庭だったり虐待家庭だったりするので、ここでの課題というのは、実は要領指針で今話されているような内容のところが課題とぴったり合っていて、6歳~18歳の子供たちであっても、この意欲がなかったり、面白そうだ、挑戦してみようと思ったりとか、興味があったりということはないのです。
それは、どこから来ているかというと、家庭での安心感とか、不登校であったからずっと家庭にいたりとか、そういった意味での、愛着形成が育まれていないことによって起こっており、自分が何をやっていいか分からなかったり困っていたり、6歳から18歳の子供であっても、このような課題や学びに向かう態度が欠落しているので、そういった意味で、やはり保育所というのが、保育を必要とする子供たちの施設であれば、きちんと、そこの愛着形成を育んだ上で、子供たちは安心して挑戦できるのだということを明確にしたほうがいいのかなと思っています。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、石山委員、お願いいたします。
【石山委員】 よろしくお願いします。
先ほど、資料として説明していただいたいろいろな関係図等がありますけれども、大変分かりやすく整理されておりまして、すごく大切な視点を示していただいたなと感じています。ありがとうございます。
私からは、大きく2点お伝えします。
1点目は、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の活用についてです。
先ほどのお話にもありましたけれども、なかなか活用という面では難しさを感じている場合があるのではないかということを、訪問等をしながら感じているところです。その中で、小学校、幼保小の接続の観点で、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を活用していくということは、これまでも明記されているところではありますが、その点について、より重点的に示していく必要もあると思います。
その際に、小学校教職員との対話の質を高めていく意味で活用していくことや、子供の姿が育っていくプロセスを具体的に伝えるために活用していくということが示されると、現場としてはより分かりやすいのではということを感じております。
また、もう一つは、日々の保育をしていく上でも活用していくということではありますが、保育者の思考のツールとして活用していくことを示していくことも必要ではないかと感じます。
大きくもう一点は、学びに向かう力、人間性の育成を図るためというところですが、身体の諸感覚を使い豊かで、多様な体験を積み重ねることが小学校以降と違う部分としてどこかに明記されると、より、幼児期の大切にしている部分が分かるのではということを感じました。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、石山委員、お願いいたします。
【石山委員】 よろしくお願いします。
先ほど、資料として説明していただいたいろいろな関係図等がありますけれども、大変分かりやすく整理されておりまして、すごく大切な視点を示していただいたなと感じています。ありがとうございます。
私からは、大きく2点お伝えしたいと思います。
2点目は、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の活用についてというところです。
実際に、先ほどのお話にもありましたけれども、なかなか活用という面では難しさを感じている場合があるのではないかなということを、訪問等をしながら感じているところです。その中で、小学校、幼保小の接続の観点というところで、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を活用していくということは、これまでも明記されているところではありますが、その点について、やはり、より重点として示していく必要もあるのではないかなと思うところです。
その際に、小学校教職員との対話の質を高めていくことという意味で活用していくということであったり、それから、子供の姿が育っていくプロセスを具体的に伝えるために活用していくということが少し示されていくと、より現場としては分かりやすいのではないかなということを感じております。
また、もう一つは、日々の保育をしていく上でも活用していくということではありますが、保育者の思考のツールとして活用していくことも大事ですよということを示していくことも必要なのではないかなということを感じます。
大きくもう一点は、学びに向かう力、人間性の育成を図るためというところですが、そのところのどこかに、やはり、この時期というのは、身体の諸感覚を使ったという部分も大事になってくるのではないかなと思います。身体の諸感覚を使った、そういうことで豊かで、多様な体験という部分が、やはりこの時期、小学校以降と違う部分としても、そこら辺もどこかに明記されてくると、より、幼児期の大切にしている部分というのが分かるのではないかなということを感じました。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、川越委員、お願いいたします。
【川越委員】 ありがとうございます。
私からも、大きく2点、気がついたことを述べさせていただきます。
まず1つ目は、2ページの左側の図についてです。
私は、特に幼稚園におりますので、今回、左側の図で、0歳の乳児のところ、3つの視点というところが入り、こうやって乳児のところから繋がっていくのだなということを改めて勉強させていただきました。ありがとうございました。これによって、乳児からの指導の連続性という捉えがとてもよく分かるようになったなと思います。
そこで、改めて、10の姿とかの関係性というところで、左側の図の一番上のところが3つの資質・能力になっていて、確かにこの3つの視点と5領域を育てていくと、この3つの資質・能力に繋がるということはそうなのだなとは思ったのですけれども、現場にいて、それを活用していくということを考えたときに、もしかしたら、この3つの資質・能力の図のところが、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」のほうになるのかなと思いました。
というのは、5領域のねらいというのが、幼児の生活する姿から捉えたものということで指針の解説のところでは示されていることを考えると、それを、そのねらいにのっとって指導をしていくと、こんな姿になるのだよというところで、10の姿が上に来たほうが、姿、姿で繋がるのかなと感じました。
ただ、3つの資質・能力は、終わりまでに育ってほしい姿を支えるというか、同じ意味であると思うので、その姿の裏というか、下というところに、ちょっと難しいのですけれども、示されていると、姿として繋がって、それが資質・能力というものと同義になるということが分かりやすいのかなと感じました。前回、そこまで気がつかずに申し訳ありません。
2つ目が、3ページの図です。
先ほど来、皆様から、右下の図のところの各要素についてということを改めて示していただいて分かりやすくなったというお話があり、私も全く同じ考えでございます。
まず、右下の各要素の幼児教育の説明というところで、ピンクとか青とかの色が使われています。きっと、この色に意味があるのかな、もし、どこかで明記されていたら、見落としていたらすみません。先ほど、それぞれが結びついていたり、重なりのある部分もあるのではないかというお話もありましたが、ピンクが人と関わって育っていくものなのかな。青が、その結果、自分の中で育っていくものなのかなと、何かそんな違いがあるのかなと思いました。結構、現場でこういう色を使うときに参考にしたりしますので、そのようなことをどちらかに明記していただくと分かりやすいのかなと思いました。
そして、右下の、それぞれの3つの丸の説明のところの一番下、「学び(遊び)の主体的な調整」のところで、その中の説明の文として、「実現したいことを願い」とあるのですけれども、確かにそうかなと思ったのですが、むしろ、「実現したいものとか、そういうことを自分の中で持ち」とか、「願いを実現したいと思い」とかのほうがいいのかなと思いました。
5歳児の終わりの姿をイメージしてということでしたので、5歳児の終わりでは、自分が何をしたいかということを具体的に持つからこそ目的が明確になって、試行錯誤に繋がっていくのかなと思いましたので、意見させていただきます。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
資料の確認ですけれども、今のところ、5歳児の後半ではなくて、幼児期の後半というところ、御確認をいただけたらと思います。
それでは、次、村地委員、お願いいたします。
【村地委員】 ありがとうございます。
3ページの「学びに向かう力、人間性等の今後の整理イメージ」をより精緻にまとめていただき、ありがとうございます。
小学校1年生では、園での経験や気づきを生かして学びが展開していきます。それを思いながら、右側の幼児教育のイメージ図を見ていきますと、「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」については、幼児期の後半であれば、これまでの生活経験や遊びを通した気づきを土台にしながら興味関心を持ったり、さらには疑問を持ったりするのではないかと思いました。
また、その上の黄色の図なのですけれども、これは本当に、子供たちの言葉というか、学びのサイクルがぐるぐる回っているイメージがありまして、分かりやすいなと思いました。ただ、「態度」、「やってみよう!」と、「意欲」「やってみたい!」と子供の言葉で示されているのですけれども、小学校側からは、ぱっと見たときにその違いがよく分からなくて、例えば、「学びに向かう力、人間性等」の整理イメージを踏まえていきますと、例えば、「態度」については、「試してみよう」とか「やってみよう」、「意欲」については、「もっと○○したいな」というような、言葉に置き換えることで、小学校側との繋がりも一層見えてくるのではないかと思った次第です。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、堀委員、お願いいたします。
【堀委員】 ありがとうございます。堀でございます。
皆様の議論、様々に興味深く拝聴させていただいております。
私からは、乳児保育の観点から2点、意見を述べさせていただきたいのですけれども、まず、3ページのところです。従来、3つの資質・能力も含めてですけれども、また、10の姿など、様々な子供の姿を、幼児期からのと表現されていたところが、現在、多様な保育施設からの子供たちの保育経験ということも鑑みて、乳幼児期からのということで、0歳児からの5領域、そして、学びに向かう力という形で示されたという点については、非常に今の子供たちの保育における生活を考えたときに、非常に分かりやすく、そして、現在の子供たちの姿に合った図だと思い、まとめていただいたことに感謝しております。これからの保育実践にいらっしゃる先生方も、この図をイメージして、子供の育ちのプロセスということが、道筋としてより見えてくるのではないかということを感じました。
その点でなのですけれども、例えば、現在、保育所保育指針を読まれている先生からしますと、3つの視点ということが乳児を示し、そして、1歳以上が5領域ということで示されていることは御理解いただいていると思うのですが、共通に示す際には、もう少し具体的な形で表の中に入れ込むであったり、もちろん、歳児別に示す必要はそれほどないとは思いますけれども、何をもっての3つの視点なのか、それから、また、そこからの5領域という点については、何らかの形で明示できると、より、理解が深まるようなこの図になるのではないかということを感じました。
もう一点なのですけれども、これは乳児保育にかかわらずということになりますが、現在、幾つかのキーワードが現れてきているかと思います。そのキーワード、3ページ、4ページ、それぞれなのですけれども、3つの視点、5領域、そして、また、学びに向かう力などですが、こうした、様々なキーワード、10の姿も含めてですけれども、関連性といいますか、保育実践の中でどのようにこれを位置づけていくのかというところは、もちろん、既に現在の図式化の中でも、図で表していただいたことで理論がより明確にはなっているのですけれども、これらの関連性ということについては、どのように絡み合っているかということは、実践の先生方の御理解を深めるためにも必要なのではないかということを考えております。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
現在のところで、あと5名の方に挙手いただいておりますので、時間的に議題1につきましてはこのあたりで締め切らせていただこうかと思っております。今、北野久美先生も挙げていただきましたので、では、6名の方で議題1については締め切らせていただきたいと思います。また議題2のところで一体的に御意見をいただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 ありがとうございます。久保山でございます。
3ページ目、本当にすばらしい修正をしていただいて感謝申し上げます。
端的に申し上げます。この右下の部分ですけれども、幼児期の後半のイメージというのは確かにそうだなと思いながら、発達の多様性とか、あるいは、発達的に子供を捉えるという観点からいくと、もうちょっと書き込みが必要かなと思います。
例えば、「自分に自信をもち」といきなり出てくるわけですけれども、先ほどの小松委員のお話ではありませんが、ここのところを、例えば、2ページ目の左下の表現をそのまま使って、「身近なものとの関わりで得た感性や達成感などの自信を基に、さらに様々な」と続けていったらどうだろうかと思っています。
同様に、「他者との対話や協働」についてですが、「身近な人との関わりで得た他者への親しみあるいは信頼を基に、さらに多様な他者との関わりを通して」と繋げていくと、いろいろな子供がいるということを前提に考えていくと、分かりやすくなるかなと思ったところです。
以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 それでは、佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】 ありがとうございます。
とても分かりやすく整理していただいて、保育の内容の構造化ができているように思います。
私は、3ページ目の黄色い図のことでお話をさせていただきたいと思います。
この黄色い図というのは、下に「先生による意図的・計画的な環境の構成・再構成」とありますので、僕は、「態度」というのはとても的確だと思います。「態度」というのは、行動と違って目的的な、いわゆる身体活動ではない心の揺らぎとか不満な態度とか不安な態度のような、内面的なものがにじみ出して、表出しているようなことなので、「心情」と「態度」がやってみたいという目的的な活動を促していくようなこの構造というのは大事で、実は、僕は昭和39年の幼稚園教育要領で育って、平成元年の幼稚園教育要領の基に実践にしておる人間なのですが、目に見えないところこそ重要でということが、幼児教育の根幹に関わるので、僕はこの3つの関係性というのはいいなと思って感じておったところです。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。
簡単に3点述べさせていただきます。
まず、3ページ目の黄色の図とピンクと水色の図の関係ですけれども、ほかの委員から御意見があったように、全く同じ意見ではあるのですが、この黄色っぽい「心情」「意欲」「態度」の図について、ぜひ「学びに向かう力、人間性等」のこのピンクと水色の図の関係が分かりやすい形で示されるといいなと思っています。
ほかのワーキングの議論の中で、「学びに向かう力、人間性等」で、特に「心情」「意欲」が見えにくくなっているように感じております。ですので、そこの関係性を示していくことがすごく大事ではないかと思っていますし、そこが理解されてくると、幼保小の接続とか連続性というのが図られるのではないかと思っています。
それから、2点目ですけれども、こちらの「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」ですが、左下のピンクの丸のところに、薄ら「創造性等と関連」という記載があります。今御提案いただいているところでは、少しその部分が見えにくいようにも思っておりますが、幼児なりに課題を立てたり、新たに問いを立てたり、新しいアイデアを生み出すということをしていると思います。ですので、ここには、幼児なりの創造性も含まれていると理解しております。文字数に制限があると思いますので、そのあたり、解説や補足等で表現、説明されるといいのかなと思いました。
それから、2ページ目の右下に「ねらい」と「内容」のことが書かれているのですけれども、ちょっと論点とはずれてしまうのですが、今、「内容」として「ねらいを達成するために、乳幼児が身に付けていくことが望まれるもの」とあります。こちらは、解説の文言かと思うのですけれども、私は、現行の要領にある文言のほうが分かりやすいと考えています。幼稚園教育要領等では、「ねらいを達成するために指導する事項」となっていて、保育所保育指針では、保育士等が適切に行う事項と、子供が環境に関わって経験する事項という両面で示されていると思います。評価に関しては、幼児の発達の理解と保育者の指導の改善という両面から行っていきますので、全てでそろえていくのであれば、現行の要領、指針にある文言、特に、指針に倣うほうが分かりやすいと考えております。
最後は論点とずれておりますが、以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、藤原委員、お願いいたします。
【藤原委員】 ありがとうございます。
私からは様々な保育現場に関わる立場から発言させていただきますので、よろしくお願いいたします。
現場としましては、重要なポイントや切り口がたくさんありますので、具体的な指導との結びつきが曖昧になりがちですので、今後も、現場が指導の意図を明確にする助けになるようなものとなっていくように、今回ブラッシュアップしていただきまして、ありがたいなと感じております。
2点目ですけれども、様々な委員の皆様からの御発言にありましたように、3ページ目の「学びの主体的な調整」というところで、前回から少し気になっているところではあります。
自己調整力やレジリエンスという言葉をよく耳にします。保育現場としては、意外に抑制的なイメージが強いために少し混乱をしているところもあります。この力をつけるために、取り出してというような誤解も生じやすいために、主体的な遊びを大事にしていくことで、これらが育まれていくということが、右の部分でもよく分かるような形にしていただいたかなと思いますので、このあたりの説明、解説は大事にしていかなくてはならないのではと今後に期待しております。
3点目は、柿沼先生や高辻先生がおっしゃったように、右の上のほうの「心情」「意欲」「態度」の、「意図的・計画的な環境の構成・再構成」というところの土台に、やはり子供の理解というか、子供を出発点にした見方というところがとても大事ではないかなと思っています。保育者が、そのように子供理解を深めていくところから、意図的・計画的な環境の構成になっていくのだろうなというのは日々感じていますので、そこは同じ考え方だなと思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、倉石委員、お願いいたします。
【倉石委員】 発言の機会をいただいて、ありがとうございます。
今回の資料、とても分かりやすくまとめていただいてありがたく思っております。
私からは2点プラス1点なのですが、2ページ目の、先ほど高辻委員もおっしゃられたのですけれども、右の10の姿のところの下に黒ポツが2つあるのですけれども、この黒ポツの2つは非常に重要で、黒字が3か所あるわけですけれども、この黒字のところというのは非常に子供を個性的に捉えるというところでは大事なポイントだと思いますので、ぜひ、この点は今後も継続して、文字でも結構ですし、図にしていただいてもいいですけれども、10の姿と連動して位置づけていただきたいと思っております。
2つ目は、3ページ目の行為のところ、先ほどから何人かの委員の先生方がおっしゃられているのですが、黄色の3つなのですけれども、「態度」でもいいですし、私は「行為」という、「行為」というのは内面に「意欲」というものを持ったものと解釈されますので、「行為」か「態度」というのがいいのかなと思いました。
3点目は、意見ではなくて、参考資料の6ページに示していただいた調査結果に私も関心を持っておりまして、またしっかり読み込まなくてはいけないなと思っているのですけれども、小学校と保護者との間で活用されていないというところが30%近くになっているというのが、どういう要因があるのかということを、私自身ももう一度しっかり捉え直さなくてはいけないなと思っている次第です。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、北野久美委員、お願いいたします。
【北野(久)委員】 ありがとうございます。
申し訳ありません。今日ネットワークがとても不安定で、先ほどから手が挙がったり下がったりしておりまして御迷惑をおかけしております。
では、始めさせていただきます。
説明、ありがとうございます。2ページです。
先ほど堀先生のほうからもございましたが、まず、下に3つの視点があって、その上に5領域があって、そしてというところなのですけれども、どうしても、今日の資料は幼稚園教育要領がベースになっているので、それで仕方のないことかもしれませんが、しかし、3つの視点から下支えをしてあるのだということであれば、これが、「幼児が環境に関わって展開する」というよりは、「乳幼児が環境に関わって」というところになるのではないかなと思います。
そこが右側に発展しますと、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が、今、倉石先生もおっしゃったように、下の丸がすごく大事で、「それぞれの時期にふさわしい指導を積み重ねていくことに留意する必要がある」というのであれば、この、どういう部分なのかということを丁寧に表す必要があるなと思っています。
前回、久保山先生が年齢の区分について御質問されておりましたけれども、こここそ、ふさわしい指導というのがどこにあるのか。ふさわしい指導がどこにあるのかということを丁寧に表す必要があるのと同時に、幼児期の終わりまでに育ってほしい、グリーンで10個書かれているのですけれども、この10個を包括した部分で、そこの土台のところに心の育ちがあるんだよというような図で表していただけると、これはあくまでも幼児期の終わりに育ってほしい。このグリーンのところですね。でも、これを全部くるめた形で、この中に、それまでの育ちがあるんだよということで、これを一つ一つの丸ではなく、繋がるような、そして、まとめて、そこに、それまでの育ちがあるみたいな図式があると分かりやすいのかなと思いました。
3ページです。
ここも、やはり幼稚園教育要領がベースになっているので、どうしても「教師」とか「先生」という言葉が使われているので、私は、保育所保育指針を見ておりますので、若干の違和感がございますが、しかし、黄色の部分、「心情」「意欲」「態度」というところで表してあるのですけれども、この下に、「先生による意図的・計画的な環境の構成・再構成」がございます。ここが、藤原先生や柿沼先生がおっしゃったように、やはり、その手前にもう一つある養護の支えの部分、そういった部分が書かれてあると、もう少し現場に即したものになるのではないかなと思うのと、その下の、「他者との対話や協働」のところで、「葛藤を乗り越えたりしながら」とか、その左側の青い水色の丸のところで、「対立の乗り越え」とか、そういったことが本当に大事なことだと思うのですけれども、この上の黄色い図では、やはり、そういった、葛藤を乗り越えるとか、そうやって対立しながらも意見を合わせていく、人間関係を培っていくというようなところが少し見えにくくなっているのです。
なので、先ほど申し上げたように、養護の支えの部分とか、先生というよりは、私たち保育所の保育指針では、「保育士等」になっています。それは、やはり、保育の専門職である保育士と、看護や養護、それから、栄養、それぞれの専門職が、保育園という場合にはおりますので、その専門職同士の意図するもの、それから、話合いによってお子さんを多方向から見ていく目みたいなことがございますので、この文言のところは、保育士等というか、そういったチームで支えているというようなものがあると、現場には即しておりますし、分かりやすいのではないかなと思いました。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、議題1につきましては、こちらで一旦終わらせていただきたいと思っております。様々重要な御意見、ありがとうございました。
黄色い図とその下の3つの関係性を整理すべきであるというような御指摘や、また、具体的なその内実というものをどう示すか、そして、それらの一体性こそが幼児期、乳幼児期において非常に重要であるというような御指摘。そして、留意点の部分を丁寧に伝えていくようなことが非常に大事なのではないかということ。それから、憧れというところが、実は、その人の観察、例えば、今、たくさんの委員がおっしゃってくださいましたけれども、先生の姿、保育者の姿をモデルとして観察を促して学びへといざなうようなことに繋がっているというような御指摘もたくさんございました。また、安心というような土台の部分をどう示していくのかということも課題として提示していただいたかと思います。
それでは、ここで休憩に行きたいかと思うのですが、時間的なこちらの不手際で押しておりますので、長時間にわたる議論となりまして申し訳ございませんが、休憩なしとさせていただきたく思います。
それでは、議題2について、事務局より御説明をお願いいたします。
【西尾成育基盤企画課長補佐】 それでは、事務局から説明させていただきます。
1ページを御覧ください。
こちらでは、0歳児からのこれまでの議論と乳幼児を取り巻く現代社会の課題をお示ししています。3点挙げているのですが、まず1点目として、「乳幼児の遊びや生活に関する現状と課題」として、意図的に用意しなければ、乳幼児の発達に必要な様々な人やものと直接的・具体的に関わる体験を十分に確保することが困難になっていること。また、一部の幼児教育施設においては、SNS等からの偏った情報などから、乳幼児の発達にふさわしくない保育、ここでは、幼児が知識技能を早期に獲得することを目的として、文字や数量を機械的に暗記させたり、一人一人の思いを置き去りにした一方的な指導が行われているとの指摘があります。
また、2点目として「0歳児からの育ちと学びの連続性・一貫性の確保」を挙げています。
具体的には課題を2つお示ししております。
「(1)3歳未満児の保育における課題」と「(2)入園時・移行時の保育における課題」です。
最後に「現代的課題への対応」として、感染症や自然災害といった健康及び安全に関する様々な課題に対して、迅速かつ適切に対応できるよう、より一層の配慮や取組の充実が重要であることをお示ししています。
2ページを御覧ください。
こういった課題を踏まえて、本日、内容の改善・充実の方向として、御議論いただく内容として6点を示していますが、ここでは1から3の3点を挙げています。
まず、大きく2点、前提となる事項について上部にお示ししています。
上のほうの四角ですが、乳幼児が自己を十分に発揮し、生活と遊びが豊かに展開される中で、それぞれにふさわしい経験が積み重ねられるよう、保育の内容を充実させていくことは極めて重要であり、保育士、保育教諭等は、乳幼児とともに保育環境を構成しながら、保育所、認定こども園等の生活全体を通して「育みたい資質・能力」を育むよう努めることを挙げています。
また、次の四角で、乳幼児の自発的な活動としての遊びを通して資質・能力が育成されるよう、全ての保育所、認定こども園等においては、環境を通して行う保育を基本としつつ、遊びの中で様々な人やものと直接的・具体的に関わる体験の充実を図ることが重要であることを踏まえ、0歳から18歳の発達や学びの連続性の観点から、次の3つの事項について御議論いただきたいと思っています。
まず、1点目「0歳児からの育ちとともに、学びを支える保育の内容の充実」として、3点お示ししています。
また、丸2ですが「0歳児からの円滑な接続・移行」として2点お示ししています。
最後に、丸3として「乳幼児の健康及び安全の確保に向けた取組の充実」として、お示ししております。
以上が3点の内容になっております。
3ページ目を御覧ください。
こちらにつきましては、ただいま御提案した3点のうち、丸1の0歳児からの育ちとともに学びを支える保育の内容の充実について、補足イメージをこちらでお示ししています。
次のページから実践例を挙げているのですが、こちらの保育内容の充実のイメージをより分かりやすくお示しするため、次のページ以降でお示ししておりまして、ここでお示しするのはあくまでも一例であり、乳幼児一人一人の状況や発達過程に応じて、環境を通した保育の在り方は多様であることをあらかじめ申し上げます。
4ページ目を御覧ください。
まず、こちらは、子供が安心できる状況で、戸外にて光や風を感じながら、「葉っぱがいっぱいあるよ!」「パリパリ鳴っているね!」といった、保育士の言葉がけによって枯れた葉っぱに興味を持ち、実際に握ってその感触を楽しむなど、身体感覚を通して学ぶ姿が現れています。
5ページ目を御覧ください。
続いて、こちらは、はいはいによって子供の世界が広がっていく場面をお示ししております。
おすわり、はいはい、つかまり立ち、伝い歩きなどの動きに合わせ、保育士が環境を再構成していくといった工夫が見られます。
6ページ目を御覧ください。
次に、絵本を介して、子供が保育士やほかの子供とやり取りを楽しんでいる様子です。
「バナナ、食べる?」「はい、どうぞ」など、保育士の言葉がけがこうしたやり取りを支えています。
7ページ目を御覧ください。
この場面では、水たまりに石を落とす遊びを通して、子供が落とす高さの違いによる水しぶきや音の変化に気づくなど、試行錯誤を楽しむ姿を捉えたものです。
8ページを御覧ください。
こちらは、先ほどの3つの御提案のうちの丸2、0歳児からの円滑な接続・移行の補足イメージになります。
9ページ目を御覧ください。
こちらは、入園時における援助の場面です。
安心できる空間でこそ、保育士とのやり取りが楽しめるとともに、そうしたやり取りが、また、保育士との信頼関係を育てていくことをお示しした実践例になります。
10ページ目を御覧ください。
こちらは、幼保連携型認定こども園での取組ですが、2歳児クラスから3歳児クラスへの移行期に、乳幼児同士の交流を通して集団生活への関心や期待が育っていくよう、支える援助の実践例になります。
【上遠野子育て支援指導官】 それでは、ここからは、3から5歳児における内容の改善・充実について御説明します。
11ページを御覧ください。
まず、これまでの議論と子供を取り巻く現代社会の課題についてお示ししております。
1ポツは、先ほど、1ページ目で御説明した内容と同じですので割愛させていただきます。
次に、2ポツには、幼小中高、つまり幼稚園、保育所、認定こども園といった幼児教育施設から、小学校、中学校、高等学校等を通じた教育の改善・充実についてお示ししております。
この0歳から18歳までの学びの出口のイメージとして、18ページを御覧ください。
18ページのとおり、論点整理においては、全ての幼児、児童、生徒に育むべき資質・能力育成の具体化・深化と並行して、一人一人の「好き」を育み、「得意」を伸ばしながら、それらを原動力として、学び全体への動機付けを図っていく取組と、当事者意識を持って自分の意見を形成し、多様な他者と対話や合意を図る取組を同時に進め、これらが有機的に関わり合い、高まっていく教育課程に変革していく必要があるとされております。この実現を幼小中高を通じて目指す中で、幼児教育においては、小中高における教育課程の変革を支える基盤的役割を果たすため、「言葉を用いて思考を深めていく指導」や、「他者と関わり協同する力の育成」が位置付けられています。
11ページにお戻りください。
2つ目の黒丸になります。
論点整理に示された、「言葉を用いて思考を深めていく指導」や、「他者と関わり協同する力の育成」に関する課題をお示ししております。
「(1)言葉にまつわる課題」として、遊びや生活をよりよくしたいと思い、更に考えようとして、言葉を用いる体験を一層充実する必要があるとの指摘や、「(2)他者との関わりに関する課題」として、幼児教育施設に入園するまで家族以外の人と関わる経験が少ない場合が多いとの指摘といった課題が挙がっております。
また「3.現代的課題への対応」については、1つ目の黒丸、幼児の自発的な活動としての遊びの中で体験することが重要である点や、そうした体験を通して身体感覚を養うことなどについては、一部の園では十分に理解されていない面もあり、先生からの一方的な指示等により体を動かすための活動になっている場合もあるとの指摘などが課題として挙がっております。
こうした課題を踏まえ、内容の改善・充実の方向性について御提案したいと存じます。
12ページを御覧ください。
まず総論として、先ほど2ページ目で御説明したことと同様に、幼児教育は幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本としており、幼児の自発的な活動としての遊びを通して資質・能力が育成されるよう、全ての幼児教育施設において、遊びの中で、様々な人やものと直接的・具体的に関わる体験が一層充実されることを改善・充実の根幹とすべきではないか。その上で、小・中・高で育成を目指す資質・能力の基礎を培う観点から、「学びに向かう力、人間性等」のみならず、「知識及び技能の基礎」、「思考力、判断力、表現力等」の基礎を一体的に育む改善・充実をどのように図っていくか、具体的に検討すべきではないかとの提案をお示ししております。
このうち、2つ目のひし形の提案につきましては、幼保小の接続の観点も含めて御議論いただきたいことから、本日ではなく、別途、幼保小接続を議論する回において御意見いただきたいと存じます。
本日は、3つ目のひし形、論点整理等で指摘されたことを踏まえ、以下の丸4から丸6について、下記に示すとおり改善・充実を図ってはどうかについて御議論いただきたいと存じます。
初めに、「丸4 言葉を用いて思考を深めていく指導の充実」について御説明します。
1つ目の黒丸です。
ここでは、自発的な活動としての遊びという幼児教育における遊びの重要性、遊びを通して資質・能力を育むという幼児期特有の学びを強調したいため、「遊びの中での直接的・具体的な体験を通して」と記載しております。
この記載のように、遊びを通して実感を伴って言葉を身に付けていくことが、言葉を通じた概念の習得や深い意味理解につながることから、個別の単語の習得に終始するのではなく、幼児が言葉を手掛かりに自分を取り巻く世界を理解しようとすることの重要性を再確認すべきではないか。
2つ目の黒丸、思考力の芽生えが培われるよう、先生の援助を受けながら、更に考えようとして言葉を用いる指導の充実を図ってはどうか。
その際、技能的な伸長ではなく、言葉を用いて自分の考えがまとまったり深まったりすることへの喜びや満足感等を十分味わうことに重点を置くべきではないか。
この丸4の補足として、13ページを御覧ください。
上段のピンク色の枠内には、先ほど説明した内容をより詳しく記載しております。
1つ目の丸では、自分の考えをまとめたり深めたりするためには、言葉を用いて表現する活動が重要であることから、主に領域「言葉」において指導の充実を図ること。また、幼児は考えがうまくまとまらなかったり、言葉で表せなかったりする場合も多いことから、先生が言葉を添えたり代弁したりするほか、視覚的資料や実物などを合わせるといった適切な援助をすることが必要であること。
3つ目の丸では、言葉を用いて思考を深めていく指導の充実により、考えることを楽しみ、考えようとする幼児の姿が育つことを目指すことなどを御提案しております。
また、御議論いただく際の参考にしていただくため、実践例のイメージを2つ掲載しておりますので御覧ください。
それでは、12ページにお戻りください。
続いて、「丸5 他者と関わり協同する力の育成に向けた指導の充実」について御説明いたします。
多くの他の幼児や先生とともに過ごす園という身近な社会において、自分とは異なる他者と関わり、他者とともに目標を形成し、その目標に向かって協同していく力の育成を目指し、指導の充実を図ってはどうか。その際、自分とは異なる他者への寛容を基に、思いや考えを伝え合い、例えば、いざこざなどによる葛藤やつまずきをも体験しながら、自他を尊重し、幼児なりのルールや納得解を形成するなどして、園内の身近な社会の一員として遊びや生活をつくっていくことを通じて、当事者意識と社会参画意識の芽生えが育まれることが重要ではないか。
この丸5の補足として、14ページを御覧ください。
上段のピンク色の枠内の1つ目の丸には、自分と考え方などが異なる者とは関わろうとせず、他者との交流が同質な集団内に偏る傾向が高まっているという現代社会の課題を踏まえ、幼児教育においては、主に人と関わる力を養う領域「人間関係」において、指導の充実を図ること。その際、時には待ったり見守ったりといった時間をかけて意図的・計画的に働き掛ける指導も必要であることなどについて説明しております。
また、御議論いただく際の参考にしていただくため、実践例のイメージを2つ掲載しております。ただ、この資料の中には、実践の全てを書き込めておりませんので、ここに掲載している事例においても、いざこざなどによる葛藤やつまずき、それを乗り越える過程がございますので、皆様の御意見の中でそういった事例についても御紹介いただければと存じます。
12ページにお戻りください。
最後に、「“様々な遊びの中で”多様な動きを行う指導の充実」について御説明します。
1つ目の黒丸、幼児の自発的な活動としての遊びの中で多様な動きを体験することの重要性と、そうした体験を通して身体感覚を養うことを踏まえた指導の充実を図ってはどうか。
2つ目の黒丸、幼児期からの運動習慣の形成を図るため、領域「健康」等における指導に加え、文部科学省・スポーツ庁・自治体等が行う幼児の運動促進のための取組を活用するなどして、1日の生活全体の中で幼児が自発的に体を動かして遊ぶ機会を充実することが重要ではないか。
この丸6の補足として、15ページを御覧ください。
上段のピンク色の枠内の2つ目の丸では、「幼児期運動指針」では、量的な目安として、幼稚園、保育所などに限らず、家庭や地域での活動も含めた1日の生活全体の身体活動を合わせて、幼児が様々な遊びを中心に毎日合計60分以上楽しく体を動かすことが望ましいとされていることなどについて補足しております。また、御議論いただく際の参考にしていただくため、実践例と取組のイメージを掲載しております。
左側と真ん中の実践例が園における実践例になります。
例えば、真ん中の例は、遊戯室の中で探検隊ごっこをしている場面です。近年の夏の暑さや園舎立地の状況等により、室外だけでなく室内での指導をどのように充実するかも重要な視点であると存じますので、こういった事例についても御紹介しております。
また、右側の枠内では、幼稚園の教育課程の内外を問わず、また、保育所や認定こども園での生活、また、家庭での時間も含め、1日の生活全体の中で幼児が体を動かして遊ぶ時間が充実されるよう、国や自治体が行う取組や、そうした取組に幼児教育施設が連携・協力することなどをイメージとして例示しております。
それでは、2ページにお戻りください。
これら丸1から丸3の改善・充実の方向性、また、12ページの丸4から丸6の改善・充実の方向性について御議論いただければと存じます。
事務局からの説明は以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました内容の改善・充実の方向性について、丸1から丸6のどこに関してでも結構ですので、御意見をいただきたいと思います。
それでは、御意見のある方は、挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。御発言時はミュートを解除してお話しください。全員に御発言の機会があるよう、御発言は3分以内でおまとめください。議題1の御意見と併せて御発言いただいても結構です。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
では、岸野委員、お願いいたします。
【岸野委員】 この後、都合がありまして、毎度一番手で大変恐縮ですが、お話しさせていただきます。
後半のことにつきましては、前回発言させていただきましたので、今回は前半のところについて、未満児のところについて発言させていただけたらと思います。
4ページ目からの具体的な子供の姿の実践例というのが大変イメージしやすいと思いました。言葉として発せられない段階では、大人からすると分かりづらさはありますけれども、子供は0歳から目や耳、全身で環境と相互作用しているということがよく伝わると思います。子供がどんなことを感じているかということを保育士が捉えて、言葉にしたり、子供の感じたり、試したりしていることがより豊かになるように関わっていくということが大事だということを改めて思いました。
その際、大人の目線、捉えで決めつけるというのではなく、子供が何を見て、何を感じているのか、何をしようとしているのか、子供の目線を丁寧に探り、より適した言葉がけや援助をすること、そういう意味で、そこでの保育者の省察性、リフレクティビティということが極めて重要だというところも改めて思ったところでございます。
また、このように0歳から世界への探究が始まっているのだと考えられることから、安心・安全な環境ということは前提としながらも、多様な世界と出会っていけるような環境ということも重要だと思いました。
危ないからとか、まだできないだろうからといって、ある意味閉じ込めて制限や管理するようなことばかりでなく、もちろん、安心・安全ということを十分に保障しつつ、子供の動きに応じて遊びや生活の中で、子供なりの多様な試しを可能にする環境と援助ということが大事だということを認識いたしました。
先日、ある保育所での公開保育に参加したのですけれども、そこでは、2歳児が5歳児のお店でお買物をするというような異年齢の関わりをしておりまして、その中で、2歳児がお金を自分なりに作って持っていくという姿なども見られました。そうした、日常的な異年齢での相互作用ということを通して、たくましく自分なりに環境に関わっていく、世界を広げていく、そういった2歳児の姿を思うと、こうした0歳から1歳、2歳と育ってきたものが3歳以降に生かされていくという、その連続性のところも重要だというところで併せて申し上げたいと思いました。
すみません。まとまりませんが、以上になります。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 それでは、丸2の円滑な接続・移行というところで、当幼稚園でも、満3歳児クラスを平成13年から始めましたので、20年以上たっています。最初、未満児を園でお迎えするに当たり、私どもは、園内の満3歳クラスを園内のどこにそのクラスを置くかという、場所的なことですけれども試行錯誤しながら実践してまいりましたが、1歳から2歳児の親子教室のお部屋のお向かいにすることで今に至っています。
お向かいにするということは、満3歳児の生活の姿が、親子教室に通っていらっしゃる保護者の皆様によく見えるということ、満3歳クラスの子供たちの育ちの姿が、我が子の育ちの見通しとなっていたり、我が子にとっても、親にとっても初めての集団での生活への安心感や園に対する信頼が育まれていく。それだけではなくて、そのことが、我が子以外の子供たちの育ちへの共感につながっているように感じることが多いため、この1歳児、2歳児の親子教室のお向かいに満3歳児の部屋をずっと置いて実践をしております。この共感が、親としての育ちにも繋がっているのではないかなと感じております。
子供たちが園での生活や遊びに徐々になれ親しんでいることを支えるものは、やはり、そこには親の存在が大きいのではないかなと思いますと、先ほど、資料1のところでも話題にはなっておりましたけれども、人がよく育っていくために必要な、この分かりきっている愛着の部分をしっかりと書くことが必要ではないかなと思うと同時に、環境を通して行うということに関しましても、環境という言葉は、それぞれの図の中には出てくるのですが、この図式化は、どうあればいいのかを考えていく必要があるのではないかなと感じております。
私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 失礼いたします。
先ほど、資料1のところで意見を言えなかったので、そこだけ少し補足させてください。
3つの視点、5つの領域のねらい、内容、資質・能力、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係性について、すごく分かりやすくなったなと私も感じました。ただ、このことを、保育の現場に誤解のないように正しく伝えていくということが重要ではないかということを改めて、先ほどの議論を聞いて感じています。
では、2のところでお伝えいたします。
先日、第2回の保育専門委員会では、私は市全体の乳幼児教育の質の維持向上のため、指針や要領が具体的な実践につながるようにお伝えする役割があるという立場から、資料2の3ページにある、「0歳からの育ちとともに、学びを支える保育の内容の充実のイメージ」のところが重要ではないかということをお伝えしました。そこに関連しまして、丸1の「0歳からの育ちとともに、学びを支える保育の内容の充実」のところをお伝えしたいと思います。
繰り返しになってしまうのですが、これまでからも、養護の「生命の維持」「情緒の安定」は、3歳未満児だけではなく、乳幼児期の保育を基本としつつ、それだけではなくて、乳幼児が環境への興味や関心を高めて、先ほどから出ております、憧れを抱き、自発的な活動としての生活や遊びを通して様々な学びを積み重ねていく。そのために、保育者の意図やねらいを反映した環境の構成や、子供の様子や遊びの様子によって行う環境の再構成は、本当に環境を通じて行う教育と言えると思っています。0歳であっても遊びを通じて学ぶということは、3歳以降と同じですし、学びは連続していると感じています。
安全・安心だけではない、もちろん、そこを基盤としながらも、子供自らが主体的に身近な人やもの、事と関わり、0、1、2歳児なりに好奇心や探求し、そして、憧れの気持ちを持ち、考えたり、試行錯誤していることを改めてお伝えしたいと思います。
また、12ページにあります「丸4 言葉を用いて思考を深めていく指導の充実」と、先日の私の発言内容と関連するところについてお伝えしたいと思います。
舞鶴市では、0歳から就学前の乳幼児教育の方向性を示した乳幼児教育ビジョンの中では、子供の主体性や自己発揮、自己決定、自己表現を大切にしたいこととして示しております。0歳児が自分で決めることは、言葉で表現することも含めてですけれども、難しいかもしれませんが、保育者が、子供の、言葉にならないけれどもやってみたいとか、面白そうという意欲や、こうなりたい、こんなことをやってみたいという願いを、表情や視線などから見取り、受け止めて、寄り添い、実現できるように支えたり、「あれ何だろう」と不思議に感じている姿や、気づきに共感したり、さらに、「何だろうね」と問いかけたりすることが、子供の主体性や自己発揮、それから、自己表現を大切にすることにつながると考えています。
この言葉にならない子供の思いを見取り、言葉にしたり、共感したりすることは、子供が言葉を獲得し、言葉を用いて思考していく上でも、基礎となる重要な保育者の援助だと感じています。それは、保育の専門性とも言えると思っています。
また、「丸5 他者と関わり協同する力の育成に向けた指導の充実」についてですが、家族以外の人と関わる初めての他者は保育者とも言えると思います。保育者との信頼と安心を基盤にしながら、同年代の友達に関心を持ち、さらに、異年齢の子供と過ごす中で、一緒に遊びたいという思いや憧れの気持ちを持ち、模倣したり関わったりすることが、まさに他者と関わり協同する力の始まりになり、それは0歳から始まっているのではないでしょうか。0歳からの学びのつながりや連続性について、ぜひ丁寧に指針や要領に記していただきたいと思っています。
最後に「丸6 “様々な遊びの中で”多様な動きを行う指導の充実」というところですが、先日も言いましたが、何かが早くできるようにとか、うまくできるようにトレーニング的に決まったことを機械的にさせるのではなくて、子供が自発的に体を動かしたくなるような環境や遊び、そして、自然と触れ合いながら遊ぶ環境が大切であること。そして、そこには保育者の援助が重要であることをお伝えしました。このことは、3歳以降にも同じことが言えますので、ぜひ、誤解のないように示されることを願っています。
以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、高辻委員、お願いいたします。
【高辻委員】 ありがとうございます。
前回の幼児教育ワーキングで久保山委員のほうから投げかけがあったところなのですけれども、12ページの丸5のところ、「自分とは異なる他者への寛容を基に」、ここについて、久保山委員からの投げかけを基に私もいろいろと考えさせられたところですので、そこについて述べさせていただきたいと思います。
ここを読んで改めて考えたときに、この「寛容」というところ、これは、まずは園という場、それから、そこでの保育者一人一人の子供に対する姿勢が寛容であること、これがベースにあってのものかなと読み取りました。園の中で、家庭とはまた違う多様な状況とか背景、自分とはまた違う、そういった状況や背景を持った子供たち同士が一緒に過ごす、日常をともにするという環境があって、子供たちは互いを仲間として認識していくのかなと思います。また、そこでの保育者の関わりを見ながら、自分たちはそれぞれに違うけれども、それぞれに大切にされる存在なんだというような実感を持っていく。
あるいは、先ほど、前半のところで北野委員からも、観察学習や模倣という言葉がありましたけれども、保育者の関わりをモデルにしながら、同じような関わりを他者に対しても行っていく。そういったようなことによって、子供の中に根づいていくのかなと思っています。
実際に、現場では、例えば1歳児クラスの、まだ思いやりとか利他性みたいなところはもうちょっと先の話かなと思うのですけれども、でも、「みんなで外に行くよ」などといった場面で、身体的な障害のあるお子さんのところに、ある子供が、1歳児クラスの子なのだけれども、いつも先生が自分とか友達にしてくれているように、その子の帽子を持ってきてくれるとか、あるいは、もうちょっと上の年齢になってきたところで、ずっとそれまで1番ではないと気がすまない、いつも列を乱して入ってしまうような子がいて、周りの子たちも、それをよく分かっているので、いつもは「しようがないな」という感じで受け止めていたのが、だんだん成長してきたところで、その子の様子なども見ながら、ある時、「今日は駄目だよ。後ろに回って」ときっぱり言って、そうすると、案外その子もすんなりと順番に並べたり。子供たちなりに、お互いを仲間として見ながら、当たり前に一緒に日常を過ごしてきた、そういう中で寛容さということが互いの姿として現れてくるのかなと。そのように感じたところです。
なので、ここの部分、子供は他者に対して寛容であるべきとか、寛容さありきみたいなように、この「寛容を基に」というところが読まれてしまうと、例えば、割とおおらかな子供だったり、あるいは自分の思いを言葉で表しにくい、そういうことがなかなかふだん出ない子が、いつも譲ったり、場合によっては我慢したりすることを強いられがちになってしまうとか、あるいは、子供が自分の本当の思いと向き合ったり、それを表したりすることがしにくくなってしまったり、そういうことに繋がらないように、やはりこの寛容という言葉で伝えたいことの意味は、しっかりと整理をした上で伝えていきたいなと思いました。
ありがとうございます。以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、堀委員、お願いいたします。
【堀委員】 ありがとうございます。
皆様の御議論を聞いてきまして、私自身も様々考えるところがあるのですが、今回は3点、述べさせていただきたいと思います。
私は乳児保育の観点から、丸1丸2丸3のところを中心にと思うのですが、最後に、お時間があれば丸5のところもと思っているところでございます。
恐れ入ります。1ページのところをお願いいたします。
今回、現行保育所保育指針は、人的環境の重要性というところにフォーカスを当ててきたというところがあると思うのですけれども、今回、議論の中では、これまで繰り返し皆様からのお話にもありましたように、またこちらにも示されておりますように、乳幼児期の学びの連続性、0歳から5歳、6歳までのこの連続性というところに、ある意味焦点が当たっていると思います。
そういう観点で言うと、非常に多様な保育施設を経験している子供たちもいる中、また、幼稚園も、預かり保育を多くの園でなさっているところを考えましても、園での生活というのが、現在の子供たちにとってスタンダードな場であるということですね。家庭とプラス園での生活というのが、今の子供たちにとってはスタンダードな場であるということを考えますと、その学びの連続性という観点で保育を考えていくという点は、非常に現代的だということを考えているところでございます。
ただ、そのような中で、前回、検討会の中でも述べさせていただきましたけれども、また、先ほどの委員のお話にもたびたび出てきておりますが、教育や学びという形をどのように捉えるかということです。その時期にふさわしいありようというものがあり、今回、事例としてお示しいただいている0歳児さんの写真などの事例は、それをまさに端的に表していると思うのですけれども、それを具体的に、その子供ならではの、この時期ならではの学びをどのように表現するかということに関しては、これからまた検討が必要だろうと思っています。教育という言葉との繋がりも含めて、この点については議論をまたさせていただきたいと思っております。
続いてなのですけれども、移行期のことが1ページにも触れられております。入園児の移行時における保育の課題ということですね。こちらも、やはり入園児だけでなく、また2歳から3歳への移行ということもあると思いますし、また、時期だけでなく、生活場面の移行、保育所のみならず認定こども園、幼稚園でも、保育の場の中での長時間化がこれから課題となってくるかと思いますけれども、ある意味、短時間でのぶつ切りでの移行ではなく、子供の育ちに適した子供の思いに即した形での園生活を考えたときに、生活時間の移行という、遊びから生活、食事場面、食事から午睡といったような、そして、また、遊びの時間というような、緩やかな移行ということも考えていく必要があるのではないかと思っております。
3つ目なのですけれども、言葉や表現の一貫性、統一といいますか、可能な限りで構わないかと思うのですが、幼稚園教育要領の文化があり、保育所保育指針、認定こども園要領のそれぞれの文化がこれまでございましたけれども、何を意図しているのかということです。そのあたりを、できるだけ同じ言語でも語っていく、その土壌はもう既にできていると思いますので、その点についても、今後考えていかれたらと思っております。
最後に、12ページの、先ほど高辻委員のお話にもありました子供同士の関わりの点なのですけれども、今、寛容のことが出ておりましたが、私自身は、現在の子供たちの生活、きょうだいも地域によっては少ないといったことであったり、園生活が子供同士が触れ合う場になっていると思うのです。異年齢がかかわり合う、岸野委員からもお話がありましたけれども、そういう貴重な場になっていると思うのですが、例えば、他者との関わりにおいて、子供同士の他者との協同、葛藤場面だけではなくて、喜びもあり、そこからの子供自身の成長もあると思うのです。それは、0、1、2歳も3歳、4歳、5歳も同様だと考えています。その点が、より豊かに表現できるといいのではないかと考えております。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、多田委員、お願いいたします。
【多田委員】 多田でございます。
また食と栄養の観点から意見を申し上げたいのですけれども、資料2では、幼児期における生活、遊びを基盤とした直接的な具体的経験の累積ということで、遊びの中で行う運動指導の充実に関して提示していただいているのですけれども、食事の時間も、領域横断的な学習の契機が自然に生起する活動の一つであると考えております。
主に、丸1丸2についてなのですけれども、丸4と丸5とも関わってはくるのですが、0歳児からの発達の連続性という観点では、乳児の手づかみ食べや食べこぼしは、単なる食行動ではなく、感覚統合や手指の巧緻性、主体的な探索行動を促す重要な発達課題であると考えております。これは、自発的な遊びによる多様な経験の積み重ねとも合致しておりますし、離乳食から幼児食への移行を一貫した視点で支える必要があります。
例えば、上手に食べられたら褒めてもらえたり、笑顔で「おいしいね」と声をかけてもらうことで、自発的に食べる意欲に繋がっていくと思います。また、ただ食べるだけではなくて、料理名や食材名を伝えたり、「トロトロしているね」とか、「カリカリしているね」といった表現方法を伝えることで、自分の好みや気持ちを伝えるといったことを覚えていくことに繋がって、食事中の会話の発達に繋がるのではないかと思います。
それから、幼児期から小学校への接続に関して、また別途議論があるかと思うのですけれども、小学校の文部科学省の食に関する指導の手引では、教科横断的に、学校教育全体の中に食が位置づけられています。ですので、幼児教育においても、生活全体の流れの中に食を意識的に位置づけるということは、幼小接続の観点からも、一貫性のある学びの環境整備に繋がると考えます。
ですので、今、例示の中では食の場面というのが出てこないのですけれども、やはり食の場面においても、保育者の声かけや援助を通じて、食事を通して友達と関わるとか、自分の好みや気持ちを言葉で伝える、それから、主体的に関わるといったことが、小学校に向けた基盤として重要ではないかと考えております。
また、幼稚園では給食提供がない園もありますけれども、昼食を教材化しなくても、例えば、食材が出てくる絵本の読み聞かせとか、園庭の一角を活用した小規模な栽培活動は、食への興味や関心を高める、環境を通して行う教育の一例になるかと思います。食材の理解、言語活動、協同作業など、複数の領域と育ちが同時に促進できるのではないかと思います。
また、栄養士や保育士が一体となって食育計画を策定して、子供、保護者と日常的に対話する環境を整えたことで、子供の主体性や興味が高まったといった事例も示されています。ですので、多職種協働の環境構成というのは、保育の内容の質の向上に資するものと考えますので、指針の改定においても、そういった体制に関しても触れていただければと考えております。ですので、ぜひ、食の場面が幼児教育において果たす役割についても盛り込んでいただけたらと思います。
以上です。どうぞよろしくお願いします。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、小枝委員、お願いいたします。
【小枝委員】 よろしくお願いします。
資料の右下の番号で2番目のスライドに、現代の課題として、乳幼児の健康及び安全の確保というのがあるわけですけれども、安全の確保には、やはり危険の回避かなと思っておりまして、ここに「感染症、自然災害等への対応」とあるのですが、ここに「事故予防」というのを入れていただけると、より具体的に現場の先生方はイメージしやすいのかなと思いましたので、よろしく御検討ください。
もう一点は、右下の番号で11と書いてあるところを見ていただけますでしょうか。
2番目のところで、幼小中高、いわゆる学校に上がってからの課題ということが書いてありまして、「(1)言葉にまつわる課題」のところの2番目のポツですけれども、「小学校以上の学習の中では」と書いてあって、言葉が現実の事象や経験と結びついていないというようなことの御指摘がございます。
これについて、発達に課題のある子供たちをずっと見ている立場からしますと、話し言葉に終始しているという気がするのです。決定的に語彙が少なくて、書き言葉に触れていないということがあるがために、いわゆる、教科で出てくるような言葉自体を見たことも聞いたこともないといったことがあるのです。なので、その対応として、12枚目のスライドを出してください。
「丸4言葉を用いて思考を深めていく指導の充実」、ここは非常に具体的によく書いてあると思うのですが、主に話し言葉の話に終始しているかなという印象がございまして、幼児期であっても、絵本の読み聞かせなどを通して書き言葉に触れておくということが、実は大事ではないかなと考えておる次第です。
13枚目をお願いします。
13枚目、「補足イメージ」のピンクのところの一番上の丸に、「言葉を添えたり代弁したりするほか、視覚的資料等を合わせる」という、非常にヒントになる言葉が書いてありまして、これを「絵本などの視覚的資料等」にしていただくと、現場の先生方にイメージが伝わるのではないかなと思いましたので、よろしく御検討ください。
以上でございます。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございます。
それでは、河合委員、お願いいたします。
今、機材トラブルがございまして、先に村地委員、お願いいたします。
【村地委員】 失礼いたします。
内容の改善・充実の方向につきましては、丸4から丸6までの方向性は、本当に小学校でも課題でありまして、今後も幼保小と一緒に連携しながら、引き続き充実させていくべきものだと考えております。
18ページの論点整理で、「『好き』を育み、『得意』を伸ばす」とあります。でも、逆に言いますと、苦手だから嫌いという子もいるわけで、ただ、友達とか先生の声がけで、挑戦していくうちに苦手だったことができたとか、それから、いつの間にか好きになっている子もいます。これは、大人にでも言えるのではないかなと思っております。
ほかにも、好きだけれども苦手、嫌いだけれども得意、子供たちの思いとか状況は様々であると想定されていきますと、だからこそ、本当に一人一人の思いや願いはどこにあるのかということを、より一層、幼児教育でも小学校教育でも、子供理解に努めていかなくてはいけないのではないかなと改めて思います。
論点整理の「『好き』を育み、『得意』を伸ばす」とか、内容の改善・充実の方向性の丸4から丸6までの文言の部分だけを切り抜いてしまう。現場へ行くと、そこだけを取り出してしまうということも多分あると思うのです。だからこそ、例えば、幼児教育で、ドリル的に話形に当てはめて話す練習をさせるとか、なかなか手の力が入らないのに鉛筆を握るように持って平仮名の練習をさせるとか、そういったことが起こらないように、やはり環境を通して行うとか、幼児の自発的な活動としての遊びの中で、直接的・具体的な体験を通してというところを、より一層強調しながら、現場への説明をしていかなくてはいけないのではないかなと思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、河合委員、お願いいたします。
【河合主査代理】 大変失礼いたしました。ありがとうございます。
改めて乳児の保育としての3つの視点から表していただくことで、0歳から18歳の発達や学びの連続性を踏まえて、ともに考えていくことを感じています。同時に、幼児教育の中でも0歳から進学前の中で、相互理解を図るよいチャンスにしたいと改めて思ったところです。
そして、発達や学びの連続性を大切にするということで、小学校以降と同じ言葉を用いながら研究していくことが大切だと考えております。その際、幼児教育で育んでいくことで何が大事なのかということ、それを実践する方々、皆さんが共通理解するために必要な説明を行っていくことが重要だと考えているところです。
それでは、議題2について、2つ触れさせていただきます。
まず、丸1について、3ページの下のところになりますが、乳幼児とともに環境を構成・再構成していくということをとても重要だと考えています。そして、その後の4ページの事例になりますが、この事例そのものも本当に心に残りますけれども、そのことに加えて、最後の乳児さんのまなざしを撮っている写真がありますが、この撮影をされているという点がとても心に残ります。つまり、その子の関心が今どこにあるのか。今ここで楽しかったこと、気づいたことが、次の発見と心が動くことに繋がっていくのだという期待や確信、子供は有能な学び手であるということへの信頼がある。だから、この写真がちゃんと残っていて、説明がされているのだなと思いました。
この子供は有用な学び手であるという見方を、保育に携わる先生方が獲得していったり、再確認をしていったりするために、どのような記録、それから、評価などが必要なのかを今後考えていく必要があると思っております。
そして、丸5についてです。
葛藤やつまずきをも体験するということを入れていただいたこと、これは大変大切だと感じております。こうした体験の中で、他者を知り、自分を知り、乗り越えたり分かり合ったりすること、これが他者への寛容を育むものだと考えております。このように育まれた他者への寛容を基に、思いや考えを伝え合い、感じながら、他者と関わり協調する力が育まれていくことを確実にしたいなと思っております。
以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、北野久美委員、お願いいたします。
【北野(久)委員】 ありがとうございます。
では、私のほうから幾つかあるのですけれども、まず、写真のことから申し上げてもよろしいでしょうか。
4ページ、5ページ、6ページ、7ページ、9ページと、写真で子供たちの興味関心の姿があるのですけれども、私、これは、一番最初に出てくるのは、むしろ9ページの「安心できる空間の中で、保育士とのやりとりを楽しむ」という部分ではないかなと。
なぜかといいますと、ここに、「入園当初は、保育士に抱っこを求めるなど、不安な様子を見せていた」、ここがすごく重要だと思うのです。下に、入園から3週間してこのようになっているというのがあるのですけれども、むしろ、私たちの現場では、不安とか、保護者から離れて私はどこに預けられているのだろうとか、そういった、泣いてしまう姿から、次第に、受け入れた保育者に対して、信頼を持って、安心感を持ってこういう笑顔を見せてくれるわけです。そして、このやり取りがあればこそ、安心感があればこそ、4ページの、じっと葉っぱを見ている、その子供の様子を見て、葉っぱが揺れているのに気づいて、これを取ってほしいのかな。このように、自分と一緒に三項関係、保育士と物とお子さんと、こうやって一緒に共有したいのかなというところに持っていけると思うのです。
まず、安心感、信頼感がなければ、こういったすてきな姿を捉えることができないのです。ただ、大泣きしている様子というのは写真には表せないでしょうから、ここは、もう少し書きぶりを、「不安でいっぱいだったそんな子供が保育者の関わりによって」というようなところを広げていただきたいなと思います。
そして、はいはいが始まり、それから、他児とのやり取り。このやり取りのところも、実は、12ページのほうには、葛藤とかつまずきとか、そういったことが記載されているのですけれども、実際に、0、1の丸1丸2丸3のところに、そういった葛藤とかいざこざとか、そういったことが表現されていないのです。どちらかというと、これは0歳からで、本当は人を育てる大切な3年間なのに、0歳のことが割と中心になっていて、1歳の、「嫌」「駄目」「自分でする」とか、あるいは、2歳の「貸して」「いいよ」「でも、嫌だな」、そういう葛藤、そういったものがとても大事だと思うのですけれども、そこはさらりと、次の、丸4丸5丸6に繋がっているように思います。
この辺のつなぎ方、それから、それぞれの年齢での発達の押さえみたいなことは、もう少し丁寧にさらわないといけないのではないかなと思うと同時に、4、5では押さえられているのですけれども、0、1、2の部分こそ、やはり子供たちが、自分の言葉としては出ない、思いとしては出ない、しかし、私どもが、何を考えているのだろう、このお子さんはどうしたいのだろうというのを、気持ちの状態を酌み取って状態に合った言葉がけをして、待つということもとても大事にしているのです。何を感じているのかなということを待つ。待った上であえて言葉をかけない。あえてトラブルを少し、少し味わうことを経験させる、そういったこともあるので、そういった押さえのところが、丸1丸2丸3では少し薄いのかなというのと同時に、丸1丸2丸3では、内容の充実となっているのですけれども、丸4丸5丸6では「指導の充実」ということになっています。
ここで、0歳からになっていて、1歳、2歳の大切な5領域に繋がっていく部分の押さえとか、そういったこと。最初に不適切な「さらりと」というような言葉を使ってしまいましたけれども、やはり、ここは丁寧に、0、1、2の発達の流れを押さえて、そして、この3から5に繋がっていく、丸4丸5丸6の部分のクロスする部分というか、この、丸4丸5丸6は、もちろん、0、1、2にもあるので、その辺の言葉の使い方を、解説なりになるのか分かりませんけれども、もう少し拾っていただかないと、観察、あるいは、言葉をかけなくてはいけないというようなことになってはいけないのではないかなと思いました。
まとまらないままでしたけれども、この、丸1丸2丸3と丸4丸5丸6の関わりの部分をもう少し丁寧にと思いました。
以上でございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、石山委員、お願いいたします。
【石山委員】 ありがとうございます。
私から2点についてお話しいたします。
まず、2ページの丸1のところに関してです。
1ポツのところで、「0歳児からの自発的な遊びの中で多様な動きを促す援助」ということについて、非常に大切なことであるということを感じています。
まず、心と体を一体として捉えるという視点からも、非常に大事な部分ではないかなということを感じました。
ただ、体をただ動かすだけという意味だけではなく、例えば音のするほうに行きたいとか、感触を確かめたいといったような、五感を通した好奇心の動機となるような部分について、大事にしていきたいということを感じています。
2点目は、12ページの「丸4 言葉を用いて思考を深めていく指導の充実」というところについてです。
ここについても、内発的な表現欲求が高まるような経験というのを大事にしていきたいということをまず感じます。感情が動かされるような体験であったり、思考が活発になるような部分であったり、様々な表現したいという欲求が高まっていく点で、直接的、具体的な体験というのは非常に大事でありますし、もう一つは、絵本の読み聞かせというようなものも含めて、想像していく部分と言えばいいか、そういった視点でも、内発的表現要求が高まっていくのではないかということを感じます。
あと、ポツの2つ目のところで「先生の援助」という部分がありますが、そこについて慎重にいかなくてはということを感じます。書かれているものだけで読み取ると、「言葉を添える」とか「代弁する」ということがありますので、そこについて、子供の話をしたい意欲を高めるという意味でも、保育者が待つことや子供が言葉にできなくても、どのようなことを言いたいのか保育者が読み取ることも非常に大事になってくると思いますので、そこの表現の仕方は慎重にいかなくてはいけないなということを感じました。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、柿沼委員、お願いいたします。
【柿沼委員】 よろしくお願いいたします。
大きく4点ありまして、まず、大前提として、先ほども1つ目の議案のときに言いましたけれども、愛着形成は発達理解が大前提であるということだと思うのです。文面の中でも「発達に沿って」みたいなものというのが資料の中にもありますけれども、不適切保育だとか、現代社会で保育現場においても抱えている課題は、この発達理解と、保育者が愛着形成をきちんと育んで安心・安全な場所を提供するのだということが抜けていることだと考えます。内容だけ重視してしまって不適切な保育が起こっているということもあると思うので、そこで発達理解と、安心・安全の保障、愛着形成を育むという自分たちが置かれている立場というか役割を大前提としたということがスタートとしてあるべきではないかなと思っています。
その上でなのですけれども、1点目は、資料2の2ページ、「丸10歳からの育ちとともに、学びを支える保育の内容の充実」のところなのですけれども、黒ポツがあって、「こうした発達の流れに沿って、0歳から自発的に遊びの中で多様な動きを促す援助の充実を図ってはどうか」みたいなことがありますけれども、ここは生活があるべきではないかなと思います。
先ほど、多田委員もおっしゃったように、手づかみのところですね。「自発的な遊びの中で多様な」は、やはり手づかみのところから、例えばスプーンに繋がったりはさみに繋がったりするので、やはり、乳児であれば食には興味・関心が非常に高いので、食のところの手づかみで食べるというところから、そういったものが繋がっていくというので、やはり、生活ということが、ここに遊びだけではなくて入ったほうがいいというのが1点目です。
2点目は、先ほど北野委員がおっしゃったことと全く同感で、乳児のところのスライド、やはり保育者との関わりが一番最初にあるべきだと思います。ここは、3歳以降のところもそうなのですけれども、やはり家庭での対話不足が非常にあるので、対話することに慣れていなかったり、また、言葉を発することを受け入れてくれなかったりという家庭も。いろいろな家庭があって、多様な生活をする子供たちも多いので、やはり、安心する場所で対話をするということがスタートとしてあって、初めてその次の段階に行くと思います。保育者との対話がスタートして、自分たちが安心・安全に、言葉になっていなくても、受け入れてくれて、自分たちの意図を酌み取ってくれる存在がいるみたいなところがすごく大事になってくるかなと思うので、そのスライドは、やはり保育者との関わりの部分というのが一番大事になるかと思います。
3点目です。
これは幼児のほうの丸4のところになるのですけれども、ここも今の話と繋がるように、対話するとかいろいろ話すということは、やはり話す相手、どれだけ安心できる場所がある。話すことも失敗していい。例えば、サークルタイプみたいなものでも、否定されたりとかすると話せなくなってしまうので、やはり自分の言葉が安心して伝えられるような場面があって、そこで、仮に失敗したとしても、保育者がそこに対して、誰か、例えば、お友達にそれは変だとか言われたとしても、保育者が、それをきちんと正してあげる。そういう意見もあるよねみたいなことを言って、初めて子供たちが安心していろいろな意見を言えるようになるし、または、それは違ったとしても受容しなくてはいけないのだということを学んでいくので、それは協同に繋がってくるのかなと思うので、ここも、例えば、これからスライドが出るにしても、何か言葉で、やり取りの中で失敗をしても大丈夫だみたいなスライドがあってもいいかなと思いました。
4点目です。
丸5のところなのですけれども、これは、先ほど、「他者と関わり協同する力の育成に向けた指導の充実」に、リレーみたいなものの事例がありましたけれども、ここの協同ところもリレーみたいなのもいいかなと思っていて、なぜかというと、リレー遊びみたいなものというのは、例えば、車椅子の子がいる、足が遅い子がいる、速い子がいる、競争するみたいなものの中で、いろいろ人の違いがあって、なおかつ、同じ目標に向かっていったときに、子供たちの中で、足が遅いから負けたとか勝ったとかいろいろな話があるときに、本当のゴールはどこなのかと。みんなで協力してやることだよねとか、障害のある子も一緒に参加することだよねとか、車椅子の子がいても、どうやって距離を縮めていくのか、それとも、押してあげるのかみたいなことで、多様性のところもどんどん理解されるので、そういった事例があってもいいかなと思います。
その上でなのですけれども、今まで子供主体の保育みたいなことを意識してこなかった園も、今回の指針や要領の改訂によって、できる限り子供主体、主体性を育んで、協同的に、そして、遊びの中でそのような姿に近づいてほしいのであれば、例えば、リレー遊びはやっていたとしても、運動会等での競争として行っていたところが、言葉を使って、なおかつ、協同的なものとして育んでいけるような内容にしてあげると、一歩先に進んでやりやすくなるのかなと思いますので、事例の中でもそういったところを意識したものがあってもいいかなと思います。あとは山間地だとか、ちょっと過疎地になったところは集団が確保できないところもあるので、そういったところは異年齢であったりとか、人数が少ない、子供集団が保てないところであっても、保育者が入りながら、数人の子供でも充実していくような指導というものが見えるようなスライドができたらいいかなと思います。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、松井委員、お願いいたします。
【松井委員】 甲南女子大学の松井です。
私のほうから3点申し上げます。
まず、言葉を用いて思考を深めていく指導の充実につきまして、0歳児の連続性からいうと、資料2の4ページ以降に写真とともに提示されている事例からも分かるように、何より直接的・具体的な体験を通して子供が感じることがまずあって、それに対して、保育者による言葉をかけない見守りとか、共感や代弁とか、受容的、応答的な関わりがあって、そして、言葉はなくても、短時間であってもイメージを共有してつながる経験の積み重ねも経て、言葉で伝えたい思いや意欲が膨らんでいく。さらに、その後、12ページの丸4に既に書かれているように、言葉で上手に語るスキルの獲得ではないことが十分に強調されて、うまく言葉にできないことも含めて自分なりに考えること、伝わる喜びとか満足感を味わえることを重視すべきだと思います。
そして、13ページにもありますようにも、事例のところにも書かれておりますが、視覚的な資料を活用する工夫とともに、子供たちのこれまでの経験、過去と、現在をつなげて未来に向かって見通しにつながるようなヒントを提示するといった援助も必要になってくるかと思います。
2点目ですが、好きということと興味、関心、好奇心と「心情」「意欲」「態度」、「学びに向かう力、人間性等」との関係性についてです。
資料1の3ページが主に関連すると思いますけれども、子供と環境との関わりにおいて、好奇心が原動力となって、「何だろう」とか「面白そう」という心情が生まれて、「やってみたいな」という意欲、「やってみよう」という態度へ向かっていく。そして、好奇心が持続していって、環境との関わりを深めて興味・関心が生まれていくのだと思いますけれども、「『好き』を育み、『得意』を伸ばす」という箇所で、「好き」という用語に括弧つきで興味関心が同義のように提示されていますけれども、「好き」というときには、要領指針でも様々な箇所で使われる、幅広く興味関心というものよりも、もう少しそれぞれの子供にとって焦点化が起こり、深まりを持っている様相だろうと思います。そのあたりの区別も含めて整理される必要があるのではないかなと思います。
その上で、「心情」「意欲」「態度」と「学びに向かう力、人間性等」のこの両者を併せて図式化するとどうなるのかなと。環境との関わりにおいて、好奇心を原動力としながら、「心情」「意欲」「態度」の循環的なプロセスから思考と知識の基盤が生まれつつ、「好き」が生まれて、他者との対話や協同とも絡み合って、学びに向かう力、人間性の高まりへとなりますと、「心情」「意欲」「態度」が単に原初的なもので、「学びに向かう力、人間性等」へ発展するという直線的に単純なものではなさそうだと思いますし、相互に連動するものをどう分かりやすく説明できるのか、考えたいところだなと思っております。
3点目は、これまでの議論の中でも言及がなされていたところではありますけれども、資料1の3ページの5領域とか、3つの資質・能力、10の姿の関連性についてとか、「心情」「意欲」「態度」の図がとても分かりやすくて、これまで授業でも学生にどう伝えるのか苦慮して、自作の図で何とか説明してきた経緯がありますので、今回のような共通のものとして明快な図式化は理解の大きな助けになると思います。
これらは、要領とか指針そのものに掲載される可能性もあるのかなとか、幾ら重要なことであっても伝わらなければ意味がありませんし、練り上げられた文言もただ流れていくだけになることを痛感しておりますので、要領指針に掲載できることの制限もあるかもしれませんが、保育現場とか、そして、社会に広く理解されるための分かりやすい提示の工夫は必須であると改めて思うところです。
以上です。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 小松です。
丸1から丸6までかなり多様な内容というのが挙げられておりまして、それをまとめて必要なこととして考えたことをお伝えできたらと思いました。
それを一言で言いますと、ここで書かれたことを実現していくためには、現場での複合的ですごく深い子供理解というのは一層必要になるのではないかなということです。
例えば、丸1の探究とか思いや考えの表現についてですけれども、もちろん、発達的な理解ということも必要ですし、新しい環境にすごくわくわくしながら関わる子供もいれば、慎重に関わる子供もいる。そうした違いを理解しながら、世界との出会いをつくっていく必要があるということだと思います。
それから、丸4の言葉を用いて思考を深める。これは11月11日の会議でお伝えしたのですけれども、言葉を用いるということは、日常の経験もそうですし、丸5にあるような、協同性とか関係というのも、非常に切って切り離せないところがあると。言葉だけ取り出して働きかけるというわけではないわけです。
こういうことが適切になされるためには、言葉、思考、関係といったものを切り出して理解しつつ評価するというだけではなくて、あるいは、こういう働きをすればこういう結果になるというような画一的なノウハウが必要だというだけではなくて、時間とか空間のいろいろなところでの子供たちの姿をつなぎ合わせて理解していく必要があるということだと思っています。
0から6歳までの接続、移行というのも、そうした時間軸の中で、今見えている子供の姿が、将来こういう姿に繋がっていくのだと、そういう理解をつくっていく必要があると。こういう理解を一層深めていく必要があるのだと思っています。
さらに、この点についてちょっとややこしいと私が思いますのは、そういう子供理解というのは、誰が見ても同じように見えますねという側面だけではなくて、個々の大人、周囲の大人によって少しずつ違って見える。違う視点とか基準で見えているところが恐らくあると。それはそれでとても重要なことだと思うのですけれども、それを擦り合わせながら関わっていく必要というのがあるのだろうと。
それは、これまでも実践の中でしっかりされてきたことだと思うのですけれども、そういうやり取りというのをあえて意識的に深めていく、そうした場をしっかり持っていくということが大事かなと思いました。
抽象的で、ある種の理想論的なところもあるかもしれませんけれども、これまでの議論を基にして考えたところです。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。
私からは、領域「健康」、「健やかに伸び伸びと育つ」の視点から3点述べさせていただきます。
まず、2ページ目の丸1の1つ目の黒丸にある、「0歳児からの自発的な遊びの中で多様な動きを促す援助の充実」とありますけれども、特に乳児期は、遊びだけでなく生活場面における体験も重要かと思います。例えば、保育者や保護者に近づこうとする際に、大人が子供に近づいていくことも一つの方法ですけれども、あえて待つことで、子供がはったり歩いたりの動きを引き出すことができます。先ほど、柿沼委員もおっしゃっていましたけれども、そういったことから広く、遊びや生活の中でとしてあってもいいのかなと思いました。
また、1~2歳児でも日常的に40種類以上の様々な動きを体験しています。ですので、ただ活発に動いているだけではなくて、そういったことの理解を基に、意図的に援助、環境を構成していくことが必要ではないかと思います。
2点目は、12ページの丸6に関してですけれども、1つ目の黒丸にある身体感覚についてですが、11ページの課題とか、こちらの方向性とか、あと、15ページにある指導の充実のイメージでは、全身を使ってとか多様な動きの体験を通してといったような、全身運動とか粗大運動の文脈なので、狭義の身体感覚とも読めますけれども、身体感覚は、体の動きや平衡感覚だけでなくて、五感とか皮膚の感覚、それから、どきどきするとかおなかがすくといったような体の内部感覚も含まれます。ですので、身体感覚は運動の調整には不可欠ですけれども、環境に適応したり集中したり、心、情緒の安定とも深く関わりますし、姿勢を保持するなど、学習行動を支える学びの面、基礎でもあると言えると思います。
4ページの乳児期の具体のイメージ、写真では、五感を通して自然と関わる様子が示されていてとても分かりやすいと思います。乳児期の、例えば、手づかみ食べでは、運動で言えば微細運動ですけれども、食べ物の形とか硬さとか重さとか、そういったことを指先で感じることは、触覚とか力加減を調整するといった身体感覚を学ぶ重要な体験でもあります。また、おなかがすくという感覚も、生活リズムや習慣の形成にも関係しています。
15ページでは、ピンク色の1つ目の身体感覚を養うことの確認の必要性を踏まえて、3つ目の丸に、主に、「領域『健康』において」とありますが、領域「健康」は、心と体の健康に関わる領域で、多様な動きといった運動的な側面、粗大運動だけでなく基本的な生活習慣の形成や、安全という側面も重要な保育内容になっています。また、「乳児期の健やかに伸び伸びと育つ」とも密接で、身体感覚については、現行の「健やかに伸び伸びと育つ」のねらいに、「身体感覚が育ち」とあるだけなので、これが幼児期にかけて様々な発達の側面との関連で説明されていくことで、連続性が示されるようになるのではないかと思います。
最後、3点目ですけれども、こちらの15ページの右下の「取組のイメージ」に「一層の周知啓発を図る」とあります。幼児期運動指針では、あくまでも合計であって、60分間の運動プログラムを行うことではないということとか、戸外だけでなく屋内も含めて、1日の生活において体を動かす合計の時間として設定していることとか、保育者だけでなく保護者もともに体を動かす時間の確保というのが望まれていて、つまり、登園しない日も家庭でということが記載されていますし、それから、時間だけが問題なのではなく、様々な遊びを中心として、散歩やお手伝いなどというような記載も、そういったことも含めて多様な動きの経験が大切であるとあります。こういったことを、保育者等、家庭、保護者に理解してもらうことも必要ではないかと思いました。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、久保山委員、お願いいたします。
【久保山委員】 ありがとうございます。久保山です。待っていると緊張が高まりますので、次からは早く手を挙げようと思います。
私からは2つ、それから、細かいことを1つ申し上げたいと思います。
1つは、2ページ目からですけれども、丸1から丸6全てに関わるのですが、いろいろな先生がおっしゃっていましたが、「子供の姿の発達的な理解を基本として」というような文言を、特に丸1とか丸2に入れ込みたいなと思います。「子供の姿の発達的な理解を基本として」というような、当たり前のことなのですけれども、これが今、保育現場、若干心配なところがあります。
それは、私のように、配慮が必要な子供さんと関わってきた人間の責任でもあるのですけれども、子供の理解が障害の理解から入ってしまっているような傾向が強くて、多数派と違う行動を示す子供に出会ったときに、それは、もしかしたら発達の順序性であったり、あるいは、その子の発達のペースによるものであるかもしれないのに、それを障害として捉えてしまいがちであると。それは、本来、保育の先生方が持っていた専門性と大きく異なるはずなのです。だから、もう一度、この発達的な理解ということを基本にする。あるいは、ある時点での行動だけに目を向けて判断するのではなくて、その背景を、ああでもない、こうでもないと探っていくという、その専門性を大事にしていただきたいということが、どこかに書けたらと思いました。
それから、2つ目なのですけれども、12ページ、高辻先生や河合先生から、既に建設的な御発言があります。例の寛容のところです。
ここは、「その際」から始まる2つ目のポツを2つに分けてはどうかと思いました。最初の部分ですよね。「寛容」という言葉を一旦置いて、「その際、先生も子供も思いや考えを伝え合い、葛藤やつまずきをも体験しながら、自分も、自分とは異なる他者を理解し、尊重しながら寛容さを育んでいくことが必要ではないか」と一度切って、また、「自他の理解を踏まえて、幼児なりのルールや」と始めていくというように、ポツを2つに分けたほうが理解が深まるかなと。いきなり、「寛容さを基に」を持ってきてしまったところに、ちょっと難しさがあるのかなということを思ったところでした。
最後、細かいことなのですが、同じページの丸4、2つ目のポツのところに「視覚的資料」とあるのですが、これは、あまり保育現場になじみやすい言葉ではないように思います。もう少し分かりやすい表現があってもいいかなと思ったところでした。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
こちらの機材の入替えなどがございまして、順番が入れ替わっておりますけれども、秋田委員、お願いいたします。
【秋田委員長】 ありがとうございます。学習院大学の秋田です。
先ほど、議題1のほうで発言ができませんでしたので、まず議題1のほうで発言をさせていただきたいと思います。
2ページ目のところでございますが、これは堀委員が言われたところでもございますが、一番下の丸が0で、次からが1歳ということになっています。そして、それが5歳までいって、この育みたいという遊びを通してというのがあるというような距離感であったり、それから、私自身は0から広がっていくイメージなのですけれども、基本的に同じ土台がしっかり伸びていくというような同心円のほうが立体的にはよろしいのではないかと個人的なイメージとしては思っているというところで、乳児幼児からという、0歳からというところでございます。
それから、3ページ目でございますけれども、3ページ目につきましては、非常に分かりやすく書いてくださって、「学び(遊び)の主体的調整」と、幼児に入れていただいたのと同様に、例えば「初発の思考や行動」というのを、「初発の思考(思い)や」というような、何か幼児にふさわしい「心情」「意欲」を入れた言葉に変えられないかということと、この左側の図が、小学校以上の環境を示しているのですが、幼児については、2ページ目でも知識、技能と思考力、判断力が小学校以上は離れているのに対して、幼児期は合体をさせたような形の図の表現になっております。
ここにつきましても、この、主体的な調整というところと、初発の思考や行動というところと他者というところが近い関係にあるというような形の図柄になるとよく、また、皆様が既に言われた、この黄色い図のほう下にありまして、そして、そこに、先ほどからお話が、それぞれいろいろな委員から、柿沼委員をはじめいろいろ言っていただいたように、一番下に愛着や安心があって、そこに、挑戦というのがあって環境というものがある。それを通して、左側のようにらせんですね。これは、小学校以上の要領の会議で私が「らせん」をということを強く申し上げて、「らせん」と「往還」というのが入ったのですけれども、やはり、発達的にらせんや経験が積み重なって、この黄色の環境の関わりから、このピンクやブルーが育っていくというようなイメージの図が乳幼児期に関してはつくられていくといいのではないか。
また、そのときに、環境との関わりのところで、5歳後半の幼児というものが、どうしても言葉を通した指導の思考力、言葉を用いて思考を深めていく指導という言葉になっているので、基盤のところでは、感覚、感性や身体を用いた環境との関わりなど、やはり、言葉の前に体というものが非常に感性等が重要であるというようなことが、あわせて一体的に表現できるとよろしいのではないかと考えたというのが議題1になります。
そして、議題2につきまして、まず、2ページ目のところの丸1、これは0歳児からの育ち立ちとなっていますので、0からだけではなくて、未満児だけではなく、幼児までが含まれると考えますと、この中の3つ目の黒丸でございますが、乳幼児の「自発性や探索意欲」と書かれているところですが、「探索・探究意欲」というように書いていただけないかと思います。
それは、1歳や2歳児でも、例えば雨ということに気づくと、もっと雨を、これは探索ではなく探究してみたり、いろいろな雨に気づいていったりするというような姿があることから、やはり、ここに「探索」と「探究」という言葉をぜひとも入れていただきたいと思います。
また、丸2のところでは、堀委員が言われましたけれども、移行の中に、日常の日々の生活の中の活動間の移行というところにおいて、やはり、子供のペースや子供時間という子供の心理的時間を満たすような形での移行ということの大切さということを入れていただくということが必要になるのではないかと考えます。
また、12ページのほうでございますけれども、この前に、やはりこれは、保育者が子供の声を聞くとか受け入れるという受容性と、受容的・応答的というのが、乳児のほうでは入っているのですが、この受容的であるということが、次のページからの図でも、事例でも、実は、例えば、「新幹線みたい」と首をかしげるとか、それから、「どういうこと」というのでも、問い返しているだけではなくて、子供の言ったことをまずは聞き、受け入れているというところの説明というのが重要なのではないか。それが、言葉を育てていくための基盤になるので、その部分を書き入れていただくということが重要ではないかと思います。
また、2つ目の丸で、「思考力の芽生えが培われるよう」というところで、自分が表したい、伝えたいの前に、分からないとか助けてということが言えるということが、実は、小学校1年生になっても援助要請とか、それが難しい子供たちというのがいて、そういう子供たちというのは思考力を培うことができないので、その前提として、やはり、自分でそういう言葉を出せる、そして、それに先生が言葉を加えるというようなことが重要である。特に、外国ルーツの子供さんたちにとっては、こうしたSOSの言葉を言えることが思考力を培っていく基礎になっていくのではないかと思いますので、そこの部分をぜひ書き加えていただくということができるといいと思います。
あと、最後に1点ですが、先ほどからも、12ページになると、全部、「指導の充実」になるわけで、2ページのほうは内容となっているのです。特に、例えば丸6のところでの「多様な動きを行う指導の充実」というところでは、やはり、多様な動きが出ていくためには、例えば、園庭でも室内でも、多様な環境があるということが重要であり、遊具や用具が環境として準備されるというようなことがあって、多様な動きが出てくるということが行われますので、こちらについても、環境というような言葉と、指導の充実ということがセットになって出ていくことが、環境を通しての保育・教育という乳幼児期を貫く一つのありようではないかと考えるところです。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
今、お手を挙げていただいている先生方、あと3名いらっしゃいまして、現在、11時56分でございます。残り時間がどうしても足りないということで、申し訳ございませんが、10分程度延長をお願いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、北野委員、お願いいたします。
【北野(幸)委員】 ありがとうございます。
私は、保育の内容、方法、専門性の勉強をしていますと言いましたけれども、保育者の専門性のところに絞ってコメントさせていただきます。
資料2の18ページのところに、「学びをデザインする高度専門職としての教師」と書かれていると思うのでが、そこのところが、育ちと学びをデザインする高度な専門職としての保育士、保育教諭、そして、幼稚園の教師だと思うわけです。そうなってくると、資料1の3のところで、何名かの委員の先生方もコメントされていましたが、「先生による意図的・計画的な環境の構成・再構成」という、そこの言葉に既に含まれていると思うのでが、解説とかに、ぜひとも考慮していただきたいのは、この先生のところの前のところに、やはり子供の、その自発的な活動である遊びの中での、子供の好奇心とか探究心とか憧れを、受容したり洞察したりして、相互作用の中で、意図的な計画的な環境構成や再構成、援助の工夫をしているのが保育専門職なのだということを確認されたい、そう願っています。
そして、資料2の2ページと12ページの中で、丸1丸2丸3丸4丸5丸6と挙げてくださっていて、私も、これの構造とか順番とか、いろいろ自分の中で考えましたけれども、0歳から家庭的雰囲気を大事にしながらも、家庭教育とは異なる、誕生からの育ちと学びを支えているのだと。そこの保育の専門性とか、保育の重要性ということを広く伝えるためには、この1番のところの内容の充実というところが、やはり、一番表に、一番最初にあげるのが自分の中ではすとんと落ちました。
そして、2番の円滑な移行とか接続というのも、誕生からどのようにということですし、それは、どちらかというと、いわゆる状態を表しているなと思って、そして、3については広い話だと思うのです。これも、援助なのだけれども、取組の充実とか、援助とか指導の充実というものは、3のところ。ここのところと、それから、12ページに当たる4番、5番、6番のところが分かれているのは、私の中では整理がついて分かりやすいなと思いました。
確かに、4番のところでの、先生の援助の中に言葉を添えるとか、もちろん、沈黙を理解するとか、深い内容も入っていての誕生からの、それから、受容とか応答性、相互作用ということが入っていると思いますし、もちろん、葛藤や、いざこざ、つまずきも入れていただいているのが5番、6番のところだと思います。
この「指導」という言葉が先ほどから何度も出ているのですけれども、私の中では、指導の中に、環境構成と再構成と援助の工夫が入っていると考えれば、指導という言葉で表せることの中身のことをしっかりと、整理したり、解説、その他であらわされることによって理解とかが深まるのではないかなとは思いましたので、そのことだけ発言させていただきました。
私からは以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、大豆生田委員、お願いいたします。
【大豆生田委員長代理】 大豆生田です。よろしくお願いします。
たくさんの委員から出された意見の中に、私と同じものがたくさんありますので、そこは割愛して、3点だけお話しさせていただきたいと思います。
全て12ページのところからにしたいと思います。
1つ目が、「丸4言葉を用いて思考を深めていく指導の充実」の中の2つ目のポチです。
私は、先生の援助の中に「視覚的資料等」と入れたことがとても大事だと考えています。ただし、先ほど久保山委員からも出されたように、視覚的資料とは何かということになると思います。
一般的にイメージされるのは、絵本や図鑑やデジタルツールなどが考えられると思うのですけれども、それ以外に、保育者のドキュメンテーション、例えば、写真記録や子供たちの作品等々、つまり、ここに環境の再構成という概念が入ってくることで、より豊かになっていく、このことを、今、あちらこちらの現場で始まってとても重要なところだと思いますので、そこが分かるように記していただけると、ここがとても大事なポイントになるかなというのが1点目です。
2点目ですけれども、今度は、丸5の他者とのところになります。
1つ目のポチになりますけれども、ここもとても大事なところで、異なる他者との関わりで、そこから「他者とともに目標を形成し」とあるのですけれども、多分、なかなかいきなり「目標を形成し」にはならないのだと思います。ここに、恐らく対話を通したプロセス、つまり対話を通してということが重要になってくるかなと。ここで言う対話というのは、遊びの中でもそもそも対話は起こっているし、そして、今集まり場面の中でも、意図的にその対話場面を持つことで、そのことの協同性を豊かにするということが、とても現場では進んでいることかなと思っていますので、そこが、より明確になるとよいかなと思います。
3つ目、最後ですけれども、先ほどから挙がっている丸5の2つ目のポチの寛容のところで、実はこの「寛容」という言葉は、私はとても大事だと思っています。つまり、これは0、1のところから考えていったときに、この寛容さがどう培われるかと言えば、自分が大人や他者から受け入れられる、受容されたり、そのことを積み重ねられる中で、この寛容さということが生まれてくる。そして、自分がそうされてきたように、他者に対しても寛容さを発揮していくというところが重要なポイントになってきて、その先に、ここに書いてあるようなことが出てくるだろうということを考えると、ここが明記されることによって、この問題が解決されるかなと思います。
以上、3点とさせていただきます。ありがとうございます。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、藤原委員、お願いいたします。
【藤原委員】
前回、泥だんごの事例を少し話したのですが、それは、0歳から5歳児までがいる保育園で、5歳児を自分が担任していた頃のお話をさせていただきました。その続きをお話しさせていただこうと今日は思っております。
その5歳児のクラスには、支援を要するお子さんと、外国籍のお子さんがクラスの4割ほどいました。泥団子づくりをずっと春から続けていたのですが、ピカピカを極めるというところから、秋ぐらいになると、カチカチになった泥団子を土山で転がすというような遊びになってきました。土山の水を流した筋みたいなところに上からコロコロと転がしていくのですが、いろいろなコースで転がしていくと、最後、割れないというのをすごく喜んでいるお子さんと、一方で、なるべく、直角なところを見つけて転がしていって、最後、パッカーンときれいに砂状に割れるというのを楽しんでいるお子さんと、遊びの楽しさの見つけ方が違うところがあって、それはそれで面白いなと思って見ていたのです。
ただ、日本に来たばかりのお子さんがいたので、互いの楽しみ方がどう繋がっていくかというのを、どのように自分も仕掛けていこうかちょっと迷っていた時で、この日、コロコロと、最後、何とか壊れずに転がっていった泥団子が、たまたまですが、割れることを楽しんでいる子供たちの下に転がっていったことがあって、目の前に来たのでそれを割ってあげなくっちゃと思った子が最後に踏みつけて、「割れたよ」と喜んで言ったけれども、こっちの子は「何で割ったん?!」ということになりまして、それで、大変なトラブルみたいなことになっていたのです。
日常的に思いもよらなかったそういう偶然がもたらす葛藤とかいざこざというのはよくあることで、それをこちらが収めてしまうのではなく、いかに自分たちがポジティブに捉えるかということが大事だなと思ってきました。
また、子供の内面をつかむことや、その子らしさを理解しようとしたり、聞いてもらえるという、自分や他者の存在が伝えたい思いの源になっていることを意識したりしてきました。子供たちとともにつくっていこうとする、その全体からにじみ出てくる雰囲気というのが、それも環境だと思っていたので、その環境も大事にしてきたと思います。
今、言語、言葉というところが、議論の中に入っていますけれども、私は、そのときに、言葉にならない振る舞いといった、表情とかしぐさとか、声とか指の動きであったりを酌み取っていくようにしていました。そのことによって、周りもそのように振る舞いを大事に言葉にしていこうとするような、言語化していくようなこともよく起きていたと思っています。
子供はもっと分かち合いたいなとか、もっと続けたいなというような遊びになってくると、諦めずに向き合って、ツールを総動員して生かそうとして、何とか前へ進もうとする。新たな価値や深い理解を生み出していくところにすごく意味があるのだなと自分は思っていました。壊れた泥団子のことは、子供たちは絵に書いて、どうしたらいいか、こっちのコースのゴールでは何を楽しんでいたか一生懸命表現して、見やすいようにばっと貼っていくようなことをクラスで繰り返していました。最終的にはわかりやすい2つのコースを作ろうということで、写真に撮って、コースを作っていくというようなことを、時間はかかりましたけれども、そのようになっていったこともあります。
こういう、気づいたら資質・能力が一体的に育まれている生活や、営みが、学びのストーリーが、そこにあるということが日々あるということが大事だなと思っていますし、そのプロセスが保育者に見える化していくような、そんな事例が提示できたらいいなと思っています。
以上です。ありがとうございました。
【古賀主査】 ありがとうございました。
多くの委員から御意見をいただいたところですけれども、まだ御意見いただいていない先生もいらっしゃいますが、時間もありますので、ここらあたりでよろしいでしょうか。
大変申し訳ございませんでした。時間のマネジメントがよくなくて時間を超過しましたことをおわび申し上げます。
それから、今日、御発言いただけなかった委員につきましても、また、全ての委員の先生方につきましても、この会で十分に言えなかったことなどがございましたら、また事務局のほうに御連絡いただけましたらと思います。
本日、大変重要な御指摘をたくさんいただきました。丸1丸2丸3と丸4丸5丸6の繋がりをどう示すかとか、どう寛容性というところを記述していくかなど、これからの指針要領をどのように伝えていくのか、現場に分かりやすくしていくのかというところと、本当に、子供たちとのわくわくするような生活を、全ての幼児教育施設で実現するためのアイデアをたくさんいただいたと思っております。ありがとうございました。
それでは、本日の議論につきましてはここまでとさせていただきたいと思います。
では、次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【上遠野子育て支援指導官】 次回の幼児教育ワーキンググループ及び保育専門委員会の開催は、日程調整の上、また後日御連絡いたします。
以上です。
【古賀主査】 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして閉会といたします。先生方、お忙しいところをありがとうございました。失礼いたします。
―― 了 ――