令和7年10月15日(水曜日)14時00分~16時00分
文部科学省会議室(対面・WEB 会議併用)(東京都千代田区霞が関3-2-2)
【貞広部会長】 では、定刻となりましたので、第3回中央教育審議会初等中等教育分科会教師を取り巻く環境整備特別部会を開催いたします。
皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事に入ります前に、事務局より、文部科学省の組織改編について御連絡をお願いいたします。
【堀家補佐】 事務局でございます。10月1日付で、当省の働き方改革関係部局において組織改編がございましたので、御連絡申し上げます。
質の高い教師を安定的に確保するべく、働き方改革と教師の養成・採用・研修を両輪で進めていくため、これらを一元的に所掌する教育職員政策課が初等中等教育局に新設されました。これまで財務課が所掌しておりました働き方改革の関係業務は、教育職員政策課の働き方改革推進室に引き継がれることとなります。大江教育職員政策課長と髙見教育職員政策課働き方改革推進室長より、それぞれ一言御挨拶をお願いいたします。
【大江教育職員政策課長】 教育職員政策課長に就任いたしました大江でございます。よろしくお願いいたします。
【高見企画官】 同じく10月1日付で、初等中等教育局企画官に加えまして、働き方改革推進室長を拝命いたしました高見です。よろしくお願いいたします。
【貞広部会長】 御連絡いただきまして、ありがとうございます。
本日の会議につきましては、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただいております。会議を円滑に行う観点から、委員の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。
また、報道関係者と一般の方向けに、本特別部会をYouTubeにて配信しております。YouTubeでの傍聴者から、録音及び録画の御希望がございましたので、御承知おきいただければと存じます。
それでは、議題1、教師を取り巻く環境整備についてに入ります。前回の特別部会では、文部科学大臣が定める指針の改正について、部会長一任とさせていただき、その後、文部科学省において所要の手続を行い、令和7年9月25日に告示に至りました。文部科学省におかれましては、指針の改正に合わせて、教育委員会が働き方改革に関する計画を策定する際に参考になるよう、計画のひな型を作成し、各委員会に御周知いただいているところでございます。
高見室長より、改正の指針や計画のひな型の内容につきまして、御報告をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【高見企画官】 では、私から御説明を申し上げます。資料1-1から1-3に基づきまして、御説明を申し上げます。
まず、資料1-1を御覧ください。こちらですけれども、前回の会議におきまして、委員の皆様から多くの御意見をいただきました指針のポイントと本文になります。皆様からの御意見を踏まえた修正案につきましては、ただいま貞広先生からも御説明ございましたけれども、部会長一任ということにしていただきましたので、貞広部会長に御相談の上、御了解をいただきまして、9月25日付で告示をいたしました。教育委員会に対しては、9月26日付で通知しております。委員の皆様におかれましては、短期間で丁寧に御確認をいただきまして、御意見を頂戴しましたこと、改めて御礼を申し上げます。
それでは、指針につきまして、委員の皆様の御意見を踏まえた主な修正点を御説明申し上げたいと思います。資料1-1の最初、6ページを御覧いただけますでしょうか。こちらの上の(ハ)というところです。こちらは何かと申しますと、計画の中に盛り込む目標の例示というところでございますけれども、年間の時間外在校等時間の時間数というところについても盛り込むべきという御意見を踏まえまして、「360時間以下とすることを目指すこと」を加筆させていただいております。
次に、7ページを御覧ください。7ページの真ん中から下の辺りですけれども、前回の会議におきまして、教員の働き方改革を進めるに当たりまして、事務職員の皆様に、これまで以上に御活躍をいただくという案にしていたところ、複数の先生方からかなり、事務職員の負担が過重なものとならないようにという御意見を頂戴いたしました。ですので、事務職員の負担が過重なものとならないよう、事務処理の精選や効率化、質の向上、近隣の学校の事務職員間の相互支援のため、共同学校事務室の設置に努めることということを加筆させていただいております。
次に、8ページを御覧ください。8ページの5のところです。保護者等からの過剰な苦情等への対応というところでございますけれども、こちら、教育委員会に加えまして、首長部局にも対応いただけるような書き方をしたほうがいいという御趣旨の御意見をいただきまして、教育委員会等の行政機関の責任において苦情等に対応できる体制を構築することとさせていただいております。
そして、10ページを御覧ください。10ページ、(3)のところでございますけれども、こちらは学校における措置をまとめたところになりますが、イといたしまして、教育課程について書いている部分になりますが、最後のほうですけれども、始業日の設定に当たって、年度当初の準備の負担の観点にも留意することという旨を加筆させていただいております。
また、ハを御覧いただければと思いますが、部活動に関しても教育職員の勤務時間内に適切に設定するということが分かるような文章に修正させていただいております。
そして、最後に、14ページを御覧いただければと思います。指針の中で、第4章の(1)のところになります。文部科学省の取組についてまとめたところでございますが、前回の会議におきまして、予算的な措置をどうするのかという御趣旨の御意見をいただきました。こちらにつきましては、もちろん市町村だけでやるものではないですし、市町村、都道府県、そして、文科省もしっかりと対応していくということを表そうとしておりまして、ここに、(1)にありますような教職員や支援スタッフなど学校の指導・運営体制の充実ですとか、地域と学校の連携の環境整備、それから、部活動の地域展開、校務DX等々書いておりますが、これまでのやってきた取組というところもうまく活用しながら、文科省としても手を緩めずにやっていきたいということを改めて整理させていただいております。文科省としての措置というところと、都道府県、市町村としても取組に優先順位をつけていただきながら、可能な予算措置をお願いしたいと考えているところでございます。
続きまして、資料1-2を御覧ください。こちら業務の3分類でございますけれども、見た目も改めまして、なじみやすいような絵も少し入れさせていただいておりますが、上の矢羽根のところを御覧いただければと思います。こちらも委員の先生の御意見を踏まえまして、まとめた趣旨として、教師が教師でなければできない業務に専念できるように、この3分類をまとめたのですということを先に書きまして、また、上の矢羽根は教育委員会、下の矢羽根が学校の取組についてまとめておりますけれども、いずれにも優先的に対応するものから計画に反映する、優先順位を定めながら各校の実情に応じた運用を行うということで加筆させていただいております。
そしてまた、これが全ての学校で全てやらなければいけないということでもないので、あくまでこれは代表例ですということも学校のほうの矢羽根で書かせていただいておりまして、これを見ていただきながら、地域、学校ごとに議論していただきたいということで、絵から出ている吹き出しも、まず、取り組めること、取り組むべきことが何か話し合うことが大切ですというメッセージを込めさせていただきました。
引き続きまして、資料1-3を御覧いただければと思います。こちらは先生方に必ずしも御覧いただいていないものですけれども、計画のひな型として作成したものでございます。教育委員会には、業務量管理・健康確保措置というものを令和8年の4月から取り組んでいただくことにしております。ですので、措置を実施できるようにするための計画は、今年度中に策定いただくことが必要となっております。非常に時間が限られておりますので、教育委員会が計画を策定していく上での少し助けになるようにということもありまして、こちらのひな型を策定いたしました。
上の四角囲みの2つ目の丸にございますけれども、本ひな型ですが、一つの参考例ですということでお示しをしております。
3つ目の丸には、既に、学校における働き方改革等に関するアクション・プランですとか、既存のものがある場合には、それが指針に即しているかということは確認いただいた上で、必要に応じて修正・追記をすれば足りるということで、必ずしもこのひな型と同様の形にする必要はないということも書かせていただいております。
そして、下の市町村教委に吹き出しで出ているところを御覧いただければと思います。こちらも委員の先生からいただきました御意見で複数の教育委員会において、共同して計画を策定することも可能ですということを書きながら、ただ、共同して策定したからといって責任がないということではないので、しっかりと計画の公表ですとか総合教育会議への報告につきましては、各教育委員会で行ってくださいということをやってございます。
おめくりいただいて、3ページを御覧ください。これもあくまでもひな型ということですので、立てつけとしてこのとおりにする必要もないわけですけれども、考えられるところといたしまして、まず1番目、計画の趣旨・現状を書いていくということを挙げております。趣旨といたしましては、学校における働き方改革は自治体として目指す教育を実現するために必要である、こういったことを書いていただくのがよろしいのかなということで、吹き出しにまとめております。
また、(2)としまして、現状と書いてございますけれども、本市の現状というところになりますが、我々は何よりも、これは一律で国で定めるものではないと思っておりまして、各市町村の現状として、どういった時間外在校等時間になっているのか、こういう実態をまずはきちんと把握していただくということが重要だと考えております。ですので、下の吹き出しですけれども、時間外在校等時間の状況を踏まえて、自治体として認識している主な課題について記載していくということが考えられるとしてございます。
次のページ、4ページを御覧ください。次に目標ですけれども、実態を踏まえた上で、目標として、こちらの思いとしては、下のほうの(1)に定める時間外在校等時間に関する目標ということと、それに加えて、(2)として書きましたワーク・ライフ・バランスや働きがい等に関する目標と、この二本立てがまず必要なのかなということで例示させていただいているところになります。ワーク・ライフ・バランスの目標といたしまして、これも例えばでございますけれども、年次有給休暇の平均取得日数を何日以上にするといったことが考えられるかということで書いてございます。
次に、計画の期間ですけれども、5ページを御覧いただければと思います。指針におきましても、計画の期間を一律に定めておりませんで、これはもう自治体の状況ごとに定めていただきたいということで書いておりますけれども、2つ目の※の2行目の辺りですけれども、例えばということで、目標の達成期間を3から5年程度に設定することが考えられるということをお示ししながら、下の2行ですけれども、年度計画のような形にして、各年度の取組内容を整理して、1年ごとに更新していくといったことももちろん可能です。かなり自由度が高いということを改めて御説明しております。
次に4番が、この計画の中身として一番柱になってくるところになりますが、実施する業務量管理・健康確保措置の内容ということでお示ししております。
次の6ページを御覧ください。(1)といたしましては、「業務の3分類」を踏まえた業務の見直しということで、指針の中に盛り込みました業務の3分類の中から主立ったものを例示化いたしまして、いつまでに何をするというところをなるべく定量的な指標も入れながら構成していただきたいということで、このような例示をさせていただいております。
次に、7ページの下のほうからですけれども、学校における措置の推進ということで、次のページです。まず1つ目として、やはり教育課程を指導体制に合ったものに見直していただくということが、例示として一番最初に書かせていただいたところです。それに加えて、日課表の工夫ですとか、校務DXの達成状況の目標、こういったところも市として盛り込みをさせていただきました。
(3)は、これも例えばですが、教育職員の健康及び福祉の確保に関する取組ということでありまして、例えば80時間超の教員に医師による面接指導を実施するですとか、11時間の勤務間インターバルの確保ですとか、年次有給休暇についてまとまった日数を連続して取得できるようにする。こういった取組が考えられるということで載せてございます。
最後、9ページ目でございます。5番の関連する取組といたしましては、こちらの計画に掲げた措置を着実に実行していくために、計画の内容について、あるいは実施状況につきまして、ホームページで公表するとか、あるいは定例の教育委員会、総合教育会議において報告するというフォローアップ体制につきましてもここに記載しております。また、教育委員会だけでどうしようもないような医療・福祉に関する人材の確保といったところにつきましては、2つ目のポツで、関係部局とともに取り組むといったことで記載しているところでございます。
一番最後、10ページを御覧いただければと思います。最後の吹き出しのところでありますが、具体的な取組として、例えば、首長と教育委員会、地域・保護者の団体等と関係者が合同で、学校の働き方改革に向けたメッセージを発信するといったことも効果的な取組として考えられると思いますので、例示としてお示ししているところでございます。
御説明は以上ですけれども、こういったひな型をつくりましたが、このとおりにつくっていただきたいという趣旨では全くありませんでして、各自治体の状況をしっかりレビューしていただいて、各自治体に合ったものをつくっていただきたいというのが我々の願いでありますし、その方向で我々も伴走支援をしていきたいと考えております。
御説明、以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございます。しっかりとした計画はつくっていただきたいけれども、自治体がおかれている状況はもろもろなので、しっかりとそれぞれの置かれた状況を分析の上で、それぞれに優先順位をつけてつくってくださいということを強調していただいているところでございます。ありがとうございます。
御報告ありがとうございました。また、前回の特別部会では、多くの委員より、国の予算確保の必要性について、今、高見企画官からも言及ありましたけれども、予算確保の必要性について、多々御意見を頂戴したかと存じます。
そこで、山田財務課長より、令和8年度概算要求の内容及び次期通常国会に提出予定の義務標準法改正の内容につきまして、御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【山田財務課長】 資料2-1を御覧ください。先ほど指針の説明でもございましたが、文部科学省としても、働き方改革、教師を取り巻く環境整備のために必要な取組を図る必要があると思っておりまして、これは1年度きりの取組では終わりませんので、今後も引き続き取り組んでいく必要があると思いますが、取りあえずというか、まず来年度の概算要求でどういったことを要求しているかということを御説明申し上げます。
次のページを御覧ください。先ほど御紹介いただきました法改正とも関係するんですけれども、これは来年度からの「新たな「定数改善計画」」という名前を打ち出しまして、来年度からある程度見通せる形で、3年間、定数を改善していこうというものの、初年度のものとして要求しているものでございます。
上の箱が定数の内容で、4つ、○が左側にありますけれども、その大きな柱、その下にそれぞれ星があったり、ポツがあったりしますけれども、この星の部分、我々としてはぜひ義務標準法の改正の中に盛り込んで、法改正をして、基礎定数の中に盛り込みたいというものとして要求しているものでございます。
上から御紹介いたしますと、中学校の35人学級の実現ということで、まず1年目をスタートさせたいというのが1つ目の柱でございます。2つ目の柱、これは本年度から実施しておりますけれども、小学校の教科担任制の計画的な推進を引き続き進めて、4年生でも教科担任制を拡充したいというものでございます。
3つ目の柱は、いじめ・不登校等の対応ということで、中学校の生徒指導担当教諭は本年度から充実していますけれども、これに小学校も加えるとともに、学びの多様化学校をつくった場合には、自動的に2人ということと、あとは養護教諭の配置基準について、今、2学級以下のところに養護教諭が措置されていないんですけれども、そういったところに措置するとともに、大規模校については、小学校で851人、中学校で801人からやっと複数算定ができるんですが、その基準を100ずつ、それぞれ引き下げる要求をしております。
最後の柱がそれ以外のものですけれども、夜中も先ほどの学びの多様化学校と同様、つくったら必ず2人で、学校の統廃合も実現したら統合後3年間、必ず措置すると。大規模共同調理場、最近増えてきておりますので、今、6,001食で3人ということになっているんですけれども、10,001食以上だったら4人ということと、一番最後に書いておりますのが、事務職員の強化のためでもあるんですけれども、複数の学校で共同学校事務室というのをつくった場合に、機能強化のために、複数置いている市町村に事務職員をプラスするという要求をしてございます。
給与のところは、さきの国会で決定されました、給特法に基づいて主務教諭の創設、調整額の1%増といったものも盛り込んでおります。
次のページは、教員以外の支援員の充実も必要だということで、例えば左側の教員業務支援員、今、積算上、各校1人ずつ積んでいるんですが、課題が多いところ、人数が多いところには2人目もぜひ配置したいと考えまして、増の要求をしておりますし、真ん中の緑の、副校長・教頭マネジメント支援員も増の要求をして、教員以外のマンパワーを足すことによって、現場の働き方改革を加速させたいと考えております。
そのほかにも、例えば次のページの、学校に様々な過剰な苦情だとか不当な要求がなされる場合に、学校が学校だけで対応するのではなくて、主に教育委員会だと思いますけれども、行政側に、そういう支援体制を構築した場合に補助をするよというような取組も来年度から始めていきたいと思っていますし、その次のページの、専門家を活用して、教師のメンタルヘルスの改善のための取組をしようということ、こういったこと、あるいは次のページの校務DXの加速と、こういった様々な方法で、教師の働き方改革を予算面でもサポートすることをしたいと思っております。
一番最後に書いていますのが、部活動の14ページです。地域展開、これは事項要求を含んでおりますけれども、地域展開の加速というものを併せて実現し、働き方改革の一層の推進を図っていきたいと思っております。
資料2-2につきましては、先ほど御説明を申し上げました定数改善のうち、来年度から新規で進めたいものの背景となるような説明をしているものです。このページは、学びの多様化学校の設置、300校を目指してやっていますので、こういった成果が上がっているので、こういうことをしていきたいということを書いているのと、次のページが、養護教諭です。養護教諭の役割はもう皆さん御承知のことだと思いますけれども、現状として、大規模校に配置する、あるいは小規模校に配置するということが、こういう重要性があるんだという背景をまとめております。
3ページ目が夜中です。全国の全都道府県に配置するということを目標にやっているんですけれども、一定の都道府県でやっているんですが、これのさらなる拡充を図っていきたいということです。次のページが、小中学校、最終的には、これは自治体の判断ですが、ある程度、学校は適正規模になることが、学校教育の目的を達する上で重要だと思っておりまして、こういったところを統合するというときには我々としても支援したいということです。
最後が大規模調理場の、先ほど申し上げたような、今、6,001食以上で3人というところまで定数が措置されているんですけれども、かなり大規模な、1万食を超えるような調理場が出てきているので、それに応じた体制を我々としても確保したいという内容です。
最後が共同学校事務室で、各学校に事務職員が配置されているんですが、今、校務のDXも進んできていますので、いろいろなオンラインでのやり取り等を通じて、共同学校事務室で分担して事務を行うほうが効率的だろうということで進んできています。こういったものを市町村で進める場合には、事務職員を追加で措置するということをさせていただきたいという背景を御説明しているものでございます。
私からは以上です。
【貞広部会長】 どうもありがとうございました。事務局からの御説明、後先になりましたけれども、この後、もう少し事務局からの御説明をいただいた後に、全体を通じて委員の皆様からの御意見を募る時間を設けますので、今しばらくお待ちください。
今、山田財務課長から、令和8年度の概算要求の資料について御説明をいただきました。ぜひこちらにお示しいただきました令和8年度概算要求や、中に記載ございました義務標準法の改正、星マークがついていたところですけれども、これらについて、ぜひともという思いは委員の皆様とともにしているかと思います。
そこで、本特別部会から、教師を取り巻く環境整備へ向けた緊急声明を出すということを考えました。案として、今日、事務局から配付していただいております。事務局から内容を読み上げていただけますでしょうか。お願いいたします。
【堀家補佐】 事務局でございます。それでは、配付いただいております資料について、事務局で読み上げさせていただきます。
「教師を取り巻く環境整備へ向けた緊急声明(案)。学校を取り巻く環境が複雑化・多様化する中、急激な少子化や過疎化、情報化、健康課題の深刻化など、家庭や地域を巡る状況も大きく変化してきている一方、我が国の教師を取り巻く環境は非常に厳しい状況にある。そうした問題意識の下、令和6年8月に「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」が取りまとめられた。本答申を受け、政府において公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律が提出され、国会での審議を経て本年6月に改正給特法が成立した。改正給特法では、附則において、令和8年度からの中学校35人学級の実現へ向けた法制上の措置や、令和11年度までに1ヶ月の時間外在校等時間を平均30時間程度まで削減することを目指し、様々な措置を講ずることが規定されている。
文部科学省においても令和8年度概算要求が行われたところであるが、改正給特法を踏まえた教師を取り巻く環境整備を着実に進めるとともに、少子化をはじめ今後の社会状況の変化を見据え、教師のみならず、事務職員やその他の学校を支える支援スタッフ等の指導・運営体制を整備することで、全ての子供たちへのよりよい教育を実現するため、政府において下記の事項について実現を図るよう全力を尽くすことを求める」。
以下、記でございます。「令和7年度で小学校35人学級が完成することを踏まえ、子供たちが切れ目無く同じ学級規模での学び続けることができるよう、令和8年度からの中学校35人学級の実現へ向けて、義務標準法改正案を次期通常国会に提出すること。中学校35人学級の実現に加え、不登校対応や多様な教育課題等に対応するため、義務標準法改正による基礎定数の改善も含め、体制整備を行うこと。さらに、教員業務支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の支援スタッフの配置充実、不当な要求等を行う保護者等への対応に係る支援、部活動の地域における展開等を円滑に進めるための財政的な援助等に必要な予算を確実に確保すること。幼児教育段階から高等学校段階までを含む今後の中長期的な学校における指導・運営体制の整備の在り方については、令和8年度概算要求で盛り込んだ「新たな『定数改善計画』」の進捗、働き方改革の取組状況、また、現在中央教育審議会で議論を進められている教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況等を踏まえ、幅広く検討を行うこと。
以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございました。あくまでも、今、読み上げていただいたものも(案)でございますので、委員の皆様からぜひ御意見をいただきたいところです。ここからの時間は、事務局から御説明をいただきました資料1、そして、資料2、そして、今お話しいただきました緊急声明のそれぞれについて、皆様の御意見や御質問をいただきたいと思います。御質問や御意見のある方は、Zoomの「手を挙げる」ボタンを押していただきますようお願いいたします。会場の方も同様に、Zoomのほうで手を挙げていただければと存じます。こちらから順次、御指名させていただきますので、その際はミュートを解除していただいて御発言をお願いいたします。
なお、毎回、大変恐縮ではございますが、できるだけ多くの委員の皆様から御発言をいただくため、御発言はお一人当たり3分以内としていただけますようお願いいたします。
また、御発言が終わりましたら、「手を下げる」のボタンを押しまして、挙手を取り下げていただきますようお願いいたします。御協力をお願いできれば幸いです。
御欠席の委員からの御意見は、また途中で事務局に読み上げをお願いしたいと思います。
では、もう既に手を挙げていただいていますので、荒瀬委員、戸ヶ﨑委員の順番でお願いいたします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。教職員支援機構の荒瀬でございます。いずれも非常に丁寧につくっていただいて、部会長に深く感謝するとともに、事務局に敬意を表したいと思います。ありがとうございました。
その中で、本当に細かいことを幾つか申し上げたいと思うんですが、最後に読み上げていただいた「教師を取り巻く環境整備へ向けた緊急声明(案)」でございますけれども、言葉を少し直さないといけないところがあるようですので、こういったことをまた丁寧に直していただいて、また改めてちゃんと届くように発出をしていただければと思います。
それから、資料2の御説明も非常に力強く、山田財務課長からご説明いただいて、ご期待申し上げる次第です。ただ、一つだけ、大変僭越で申し訳ないですけれど、お願いがあります。我々はついつい分かっているということで、略語を使うことが多くあります。さきほども、「夜中」という言葉が幾つか出てまいりました。「夜中、失礼します」という表現は使いますけれども、これはそういう意味では全くないので、夜間中学校に通う方への敬意を込めて、「夜間中学校」という正確な言葉を使っていくことでお願いしたいと思います。
それと、3つ目は、最初に御説明いただきました資料1の関連でございます。とりわけ資料1-3で丁寧に御説明いただいた中で、まず、その現状をしっかり見ると、それによって具体的に目標設定する。このことは非常に重要なことだと思っております。目標から現状を引き算すると、課題、取組が見えてくるというのは、私もいろいろな場面でこのことを申し上げるんですけれども、その際、ついつい見てみると、目標というのが一番前に来ているので、目標にばかり目が行ってしまいがちですけれども、現状をしっかり把握するということが大事で、この現状の把握の仕方というのはもちろんのこと、最も現場に近い教育委員会の皆さんがしっかりと見てくださるというのはとても大事であると同時に、当事者である教職員が実際にどのように感じているのかというのをきちんと受け止めていただく必要があろうかと思います。
その意味で、現状が見えているというような思いを持つことなく、現状が十分把握できていないのではないかというおそれを持って、多面的、多角的に現状把握に力を注いでいただきたいということを思っております。
最後に、資料1-2のところでございますけれども、吹き出しにある言葉、「まず取り組めること・取り組むべきことは何か、話し合うことが大切です」、これは非常に重要なメッセージだと思います。ただ、ちょっと文字が小さいのではないかということを思いました。
細かいことばかりでございますけれども、申し上げました。ありがとうございました。
【貞広部会長】 ありがとうございます。もう少し文言を修正しなきゃいけないところがあるとか、文字の大きさとか、細かいと荒瀬委員はおっしゃっていますけど、こういうことこそ、神は細部に宿ると、しっかりと最後詰めていただいてと思います。
では、戸ヶ﨑委員、お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 戸田市教育長の戸ヶ﨑でございます。様々なお取組、御尽力に深く感謝申し上げます。実施計画のひな型のことに絞って何点か申し上げます。
まず1点目に、このひな型が大変丁寧につくられており、恐らく小規模自治体等にとっては大変ありがたいと感じるのではないかと思います。一方で、これだけ丁寧につくってありますと、逆に思考停止に陥ってしまうことや、管理規則準則ではありませんが、ひな型が全国のいわゆる「準則」になってしまい、計画が一律化してオリジナリティーがなくなることを危惧しています。指針の中にもあるように、教育委員会は各地域の実態を踏まえた上で取組に優先順位をつけた計画を策定する必要があることから、3分類と同様に、「同じものは2つとない」ということを強調し認識すべきだろうと思っています。
2点目は、働きがいについてです。これは計画の目標として、教師の働きがいに関する指標を検討することが提言されていますが、思い返すと昨年8月の中教審答申でも、働きやすさと働きがいの両立を前面に打ち出しています。教師にとっての働きがいとは何なのか、働きやすさの推進施策との連携の視点、あるいは働きがいの充実に向けて、何が課題で、どのようにそれを補強するべきかなど、学校や教育委員会は真剣にこの働きがいについて考えるべき時期に来ています。そうは言っても、定義づけは簡単ではないと思いますので、積極的な議論が必要になってくると思っています。
3点目に、この計画に伴うPDCAサイクルを実行するマインドセットとして、私なりにキーワードが3つあると思っています。
1つ目は、オーナーシップを持つということ。2つ目は優先順位ということで、プライオリティー。3つ目は、受援力、ヘルプシーキングです。もう少し具体的に言うと、教育委員会、学校、保護者、地域、首長部局がそれぞれの権限と責任に基づいて、オーナーシップを持って取組を進めること。2つ目は全方位外交や前例踏襲はやめて、必要なものから優先順位をつけて取り組むこと。それから、3つ目は、一人の教師、一つの学校で抱え込まず、必要な援助を外部にも求めて、アウトソーシングして、個業から協働へシフトチェンジしていくという、この3つが非常に重要ではないかと思っています。
最後に、今回の計画は各教育委員会が地域の実情に応じて、主体的・対話的に働き方改革の議論を進めていくための大きなきっかけづくりになると思っています。
学習指導要領の改訂に関わる議論も現在進行中で、学校裁量の幅はますます広がっていくはずです。その際、今の目の前の子供たちにどういう教育をすべきなのかを学校や教師は常に探究し続けることが求められます。子供の学びと、学校や教師の学びは相似形であると今までも言われていますが、働き方改革に係る教師の探究は、次期学習指導要領における子供の深い学びの実装に必要不可欠な営みなのではないかと思っています。
「誰々がやってくれないから」と「くれない族」になって、思考停止し、今、働き方改革に主体的・対話的に取り組むことができない学校や教育委員会は、厳しい言い方ですけれども、次期学習指導要領を使いこなすことは困難だと思っています。教師の服務を監督する責任は、服務監督権を有する教育委員会であり、校務をつかさどり所属職員を監督する校長にあります。そうした意識をしっかり持って、それぞれの主体が自分事として働き方改革の加速化に取り組むことが重要だと思っています。
以上です。
【貞広部会長】 ありがとうございます。途中、回線が乱れまして申し訳ありませんでした。また、そのプロセスで、たしか佐藤委員と橋本委員がそれぞれ挙手されていたかと思うんですけど、キャンセルされているんですが、これは回線の問題ですよね。
では、次、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 では、お願いします。今回、文部科学省に示された内容を基に、教育職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画を服務監督教育委員会が今まさに検討する段階にあります。文部科学省から説明及び具体的な資料を提示していただいたことで、各地区教育委員会から学校に、どのような現状かとか、意見を求めるという動きが始まっております。この指針が生きて働くものとなるよう、各地区教育委員会では学校の現状や意見等を把握する、それが必要だと思っております。そして、今回そのように動き出したこと、これについてはとてもありがたく思っております。教師を取り巻く環境を適正にしていくということは、まさに、この作業なくしてあり得ないと考えるのです。改めて、このように働きかけをしていただきました文部科学省に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
しかし、各地区教育委員会との意見交換の状況を聞いておりますと、気になる点もございます。それは、地区による財源の違い、さらには教育委員会、首長部局との考え方の違いです。財源については、文部科学省の令和8年度概算要求の御説明もありましたが、この様々な事業での要求、要望が出され、様々な切り口で教育課題の対応が御検討されていることは分かります。ところが、全国の学校のレベルになったとき、この概算要求が行き届くのか、気になるところでもあります。学校を含む監督する自治体・教育委員会の財源の格差が各学校の教師の置かれる立場の格差にならないよう、今後も財源確保に御尽力いただきたいと切に願っております。
私から御質問及び確認したいことがございます。それは前回もお話ししたことですが、事務職員会との調整はどのようになっておりますでしょうか。学校と教師の業務の3分類には、事務職員の方々の力なくして成立しないことが多数、示されました。このことをどのように事務職員会は捉えており、協力体制ができたかということ。そして、今回の資料2-2の6ページにある学校事務の共同実施についてです。従来から学校として、共同学校事務室については課題が多いのではないかと捉えております。学校の中心となり、教師ができない様々な対応を日々行っているのが事務職員です。その事務職員が常に学校にいないということ、さらには、1校に1人、事務職員がいないという状況になるのではないかという懸念する声をよく耳にします。この資料で示された内容は、その懸念を払拭するものなのかを教えていただければと思います。
最後にお願いです。学校に対して保護者や地域からの期待が大きく、そのことはありがたいことと捉えています。しかし、併せて要望も依然多くあります。今回の指針に伴う働き方の改革は、学校が子供たちによりよい教育を行うことを目的に行い、教育の質の向上のために必要不可欠であることを学校も発信していきます。文部科学省としても、ホームページだけではなく、様々な手段や方法によって、保護者や地域に発信し続けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【貞広部会長】 ありがとうございます。御要望、御質問への事務局から応答は後ほどまとめて時間を取りますので、そちらでお願いできればと思います。
また、今後の御発言でございますけれども、先ほどネットが乱れてしまって一部キャンセルがなされてしまいましたので、私の独断で恐縮ですけれども、以下、申し上げるような順番で御指名を申し上げます。都竹委員、島村委員、清水委員、橋本委員、青木委員、妹尾委員、井上委員の順番で御指名申し上げます。
では、まず、都竹委員、お願いいたします。
【都竹委員】
岐阜県飛騨市長の都竹でございます。まず、内容を拝見いたしまして、大変よくまとめていただけたと思っておりまして、部会長の貞広先生に感謝したいと思います。ありがとうございます。また、前回、事務職員の負担増ということについて指摘をさせていただいたわけですが、一定の配慮はいただいております。また、最大の課題だと申し上げております予算の確保につきましても、部会の声明という形でまとめていただきまして、これについては賛成でございますし、大変よかったと思っております。
それで、事務職員の件なんですけれども、こうした中でも配慮されておりますけれども、そもそも事務職員の業務が過重になっているという状況を踏まえますと、配置充実ということが必要ではないかと考えております。したがって、声明の中にもございますけれども、ここに事務職員を書き加えていただいて、文言として盛り込んでいただけるとありがたいと。今の映像の出ているほうでいくと次のページです。そこの丸2の教員業務支援員云々のここの部分とかに書き加えていただけるといいのではないかなと考えました。
それから、予算の確保ですけれども、教育委員会のみならず、首長部局が行う取組についても財源措置が必要であるということを含めまして、この声明の趣旨を文部科学省はもちろん、財務省や与野党に対してもしっかりと御理解をいただく必要があるのではないかと思います。また、これは声明ですけども、一つの要望書として、具体的な要請活動をしていただけるといいのではないかと思います。
それから、今後、業務量管理、健康確保措置実施計画の策定ということが進んでまいります。ひな型はあくまでも参考例ということで示していただきましたし、既存の計画がある教育委員会については、それも活用できるということも明示いただきまして、負担軽減が図られているということについても評価をいたしたいと思います。この点については、しっかりと周知を行っていただきたいと思います。ただ、実際の策定は、教育委員会の学校籍の職員が恐らく行うことになるんだろうと思うわけです。我々もそうなんですが、小規模自治体ですと、学校籍の職員が少ないという実態がございまして、ただでさえ非常に過重な業務を行っておりますので、困難が予想されるわけでございます。したがって、各自治体の事実情に応じた進み具合での対応ができるように配慮をお願いしたいと考えております。また、この計画の策定は、首長の理解が不可欠でございますので、全国知事会、全国市長会、全国町村会を通じまして、首長に直接、趣旨と考え方、方針等の周知を図っていただくように、この点についてもお願いをいたしたいと思います。
いずれにいたしましても、大切なことは教師の業務負担が大きいという現実を国民に広く知っていただくということ、そして、それを軽減するということが、教育の世界だけではなくて地域全体の課題であるということの認識を広めていく、これが一番大事ではないかと思いますので、既に文科省で分かりやすい周知を始めていただいていますけども、引き続き理解が進むように御努力をお願いいたしたいと思います。
以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございます。まさに首長のお立場から大変重要な御示唆をいただきました。どうもありがとうございます。
では、島村委員、お願いいたします。
【島村委員】 よろしくお願いします。周南市立大河内小学校の島村でございます。去る9月25日に示された指針及び3分類について、学校現場においても様々な声が上がっている中、本校でも管理職のリーダーシップの下、改めて業務の精選をしております。私からは資料1-3のひな型、2-1の概算要求事項、そして部会声明文につきまして、感想となりますが述べさせていただきます。
まず、資料1のひな型についてでございます。大枠としてのひな型が示されることによって、服務監督教育委員会が実施している業務量管理、それから健康確保措置について改めて整理が進むとともに、他の教育委員会が実施する措置と比較することができるという、そういったメリットもあろうかと思っております。この観点から、1、計画の趣旨、現状のチャプターには、その市で配置している教員や支援員の数、また、独自に行っているもの、教育予算額等が記載されると時間外在校等時間の状況、その市ごと、町ごとのそういった状況とリンクした、より実効性の高い計画となるのではないかと思っています。
また、5、関連する取組、今後のフォローアップについてのチャプターには、首長部局との連携した予算確保に関する記載はもちろんでございますが、これまで当たり前のように実施されている施策についても聖域なく検討、見直しを図る旨の記載が入ってくることを期待しております。大変恐縮ですが、山口県を例にすると、全国学力・学習状況調査に関連した回答用紙のコピー、学校での自校採点、その結果を県の教育委員会に報告するといったようなことや、新体力テストに関連をして、県内小学校4年生、中学校2年生については、12月末までに実技種目の2回目を実施し、その結果を改めて県教育委員会に報告というようなことがあり、教職員の負担が増えているなと感じるところがございます。他の地域におかれましても、子供のためであり、教師の業務ではあるが負担が大きいものがあると推察をしております。本計画が策定されることを機に、負担軽減を促進できるのではないかという思いがございます。
次に、資料2-1の概算要求項目についてでございます。特に、新たな定数改善計画、9,214人では、児童生徒数の減少による教員の自然減とほぼ同数の改善が見込まれていると承知をしておるところです。ここでは、現場の声をお伝えします。中学校における指導体制の充実や小学校教科担任制の計画的な推進のため、この定数改善により教師の数が増加すると見込まれる学校の先生方からは期待の声が高まっております。他方、ここには当てはまらず、児童生徒数が減少することによって定数のみが減少してしまう学校では負担増を危惧する声がございます。また、先ほど来出ておりますが、新たな3分類で名前が挙がった学校事務職員、それから不登校等への対応が増えている養護教諭、安心安全な給食を提供しながら食育を推進する栄養教諭からも、ぜひ基礎定数の充実、体制の整備をぜひ達成してほしいとの声がございます。この新たな定数改善計画が実現しますように、どうぞよろしくお願いをいたします。
最後に、部会声明文についてでございますが、本特別部会から政府に対して声明文を提出するということは大変大きな意味がございます。明快にかつ的確におまとめいただいていると思います。様々な資料等を御準備いただきましたことを深く感謝いたします。ありがとうございます。
以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】 連合の清水でございます。初めに、私ごとで恐縮なんですが、先週開催されました連合の定期大会で、4年間務めた事務局長という役職については退任をいたしましたので、現在は連合の顧問ということになりましたので、そのことをお伝えをさせていただきたいと思います。私から意見を申し上げたいと思います。
まずもって、短期間で指針の改定を取りまとめていただきました部会長、並びに事務局の皆様に敬意を表したいと思います。大変お疲れさまでございます。また、取りまとめに当たっては、前回の部会で私が申し上げた内容について、総時間数のところですが、そこについても反映をしていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。今後は改定された指針に基づいて、学校の働き方改革を着実に前進させていくことが重要だと思います。そのためには、概算要求の説明がございましたが予算を確保することが必要でございます。特別部会として声明を出すということについて、内容について御意見もいろいろありましたが、賛同するところでございます。現在、臨時国会も来週には開会するというような方向になっているんですが、来年の通常予算も含めて、こういう政治状況でありますけれども、教育に関わるこういった部会から、あるいは関係団体からしっかりと国に対して教育を中心に据えて、人づくり、人への投資なんだということを訴えていく、こういったことは大事だと思いますので、早急に声明をまとめていただいて臨時国会の開会と同時に出していくということが必要ではないかというようなことも思っておるところでございます。
特に概算要求では、御意見もございましたが、養護教諭の複数の配置基準の改正が具体に出ておりますけれども、ここでの部会で話があったとおり、概算要求から大きく事務職員の共同実施を展開することはいいんですが、基礎定数の部分、先ほど意見ございました。また、学校の栄養教諭、あるいは栄養職員も含めて、そういったいわゆる少数の職種について、ぜひ定数改善、これも概算要求にプラスして、今しっかりと議論を積めば、国会でも当初の予算でないことも通っていくような状況もありますから、教育という部分で大事にやっていくことが必要かなと思っております。そうしたことを踏まえた上で国や文科省に要請したことを少し述べさせていただきます。
教職員不足の解消が喫緊の課題であろうと思います。予算確保が必須の定数改善、あるいは部活動の地域移行など、学校だけでは解決できない事柄については、文科省が先頭に立って、先ほどあったように、各自治体とも一緒になって取り組んでいただきたいということを、指針も含めてお願いしたいと思っております。また、さらに文科省に要請したい点が2点ありますが、1点目は長時間労働の是正に向けて、改正した給特法、あるいは今回の指針によって学校現場、あるいは一人一人の教職員がどうなっているのか、このことに中教審の特別部会によるフォローアップとともに、勤務実態調査を一定の時期にしっかりと実施をして、その分析、検証を確実に行っていただきたいというのが1点ございます。
もう1点は、先ほど少しありましたが、次期学習指導要領の改訂告示まで2年を切っているところでありますが、働き方の改革の観点から言えば、内容の精選ということ、それから年間の総授業時数の削減の検討、こういったことも必要かと思います。また、部活動の記載が学習指導要領にありますが、これを削除というか、これの在り方について本格的に議論をすることも必要なのではないかと。書いてあれば学校で展開するものという認識を与えてしまうこともあろうかと思います。TALISのOECDの調査によっても日本の働き方、長時間であるということが出ておりますので、教科、教育を教えること以外の部分、これをどれだけ削減できるかということは学習指導要領の改訂でもかかってくるんだろうと思います。
それから、標準時数については、これがどこが基準なのかというのはいつも議論になりますが、学校現場の声からいうと、最低基準としては、平成15年、2003年の改定通知、これについて、標準時数を最低ではなくて幅広く見ることができるように、見直しについても検討していただければと思っております。
最後に学校現場、それから校長先生、教頭先生、管理者も含めた教職員、一人一人に対しても、自らの意識改革も必要だろうと思いますし、校務DXの推進であったり、あるいはICT機器等の活用であったり、あるいはAIの進展がありますけれども、そういったものに伴って、そういったものに積極的に取り組んで、いわゆる省力化とか効率化、こういったことを図るといったことも大事だろうと思います。学校が教育に専念できる場として、魅力ある働きがいのある場となるよう取り組んでいく、これは全体として、教職員自らもお願いをしたいと思っておるところでございます。
私からの発言は以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では、橋本委員、お願いいたします。
【橋本委員】 橋本です。指針、3分類のアップデート、計画のひな型ともよくまとめていただいたと思います。特に3分類につきましては、前回私が少し申し上げた、優先順位を定めながら各校の実情に応じた運用を行うということを記載いただき感謝申し上げたいと思います。
3分類はもちろんいずれも重要な項目だと思いますが、経験上、全項目を同時並行で進めるということは、あまり現実的ではなく、ある事項を優先して解決していくことで、ほかの事項にも波及効果をもたらして改善に向かっていくと、こういった流れが普通かなと思います。また、優先順位をつけるというプロセスの中で、改めてその業務の重要性とか代替可能性ということを見直すということにもつながっていきますので、単純な担い手の変更といったようなことも防げますし、より効率的な見直しにもなるかと思います。いろいろ指摘のありました事務職員の方への単純な移行による負担増といったような懸念も、こういうことをしっかりやることによって減らすことができると考えます。
今回の改正は、先ほどから何人かの委員の方がおっしゃっているように、単純な業務の移管ということではなく、教育現場全体の働き方改革と効率化を目指した包括的な環境整備の一環であるということを、社会に対して繰り返し丁寧に説明し、理解を求めていくということが極めて肝要だと思います。そして、それが地域社会と保護者の理解を得ることにつながり、子供の教育環境の充実に責任を持って支えていくことが不可欠であるということを社会全体に浸透させていくという機会になればと思います。改善の中で必ず新たな課題も出てくるでしょうから、ぜひ必要な財政措置を含め、きめ細かなフォローをお願いしたいと思います。
先ほど清水委員からもお話ありましたけども、TALISの結果を見て思ったことを申し上げます。原文に詳細にあったわけじゃありませんけれども、この結果を見ても、日本の先生の勤務時間が、改善はしているけれども、前回に続いて調査対象国の中では長く、特に学校運営、事務作業、課外活動に多くの時間を費やしている一方で、授業そのものの時間が短いという結果が出ています。また、先生の多くの方が教師不足ということに対してストレスを抱えておられる実態も示されています。一昨年から現在まで、貞広部会長の下で2つの特別部会を行い、働き方改革による勤務環境の改善をいかに進めるか、そして、教師が教師でなければできない業務にいかに専念いただくかということについて議論をしてきたわけですが、この調査の結果を見ても、私は議論の方向性の正しさというものを改めて感じることができました。
ただ、先生方のストレスに関しては、国や自治体の要求への対応にストレスを感じる割合が小学校、中学校とも国際平均を上回っているという結果も出ています。この点についてはどんな原因があるのか、もちろん国とか自治体にも改めて留意いただく必要があるわけですが、今回の指針とか計画の策定が、この項目にあるような過度な負担といったことにならないように十分な配慮が求められると考えます。今回の結果をまとめていただいた文科省にお礼を申し上げるとともに、こういった数字が非常にタイムリーに出ましたので、ぜひ活用いただいて、財源確保に向けて折衝を頑張っていただきたいと思います。
以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございました。では、青木委員、お願いいたします。
【青木委員】 青木です。まず、冒頭御説明がありました担当室が省内にできたということについては、私も各所で文部科学省の機能強化をお願いしてきた者として大変うれしく思います。高見室長を応援します。
ここからが今回の資料、議題についてですけれども、制度を研究する研究者としての発言になります。事務職員の方の負担を考慮するということで指針の修文がなされたということ、これはもう妥当なことだと考えています。恐らく事務職員1人当たりの業務量を考えた場合にはそういう議論が妥当なんですけれども、ここでは事務機能を担う総体としてのリソースをどう確保するのかという問題として考えていきたいと思います。そうすると、県費負担事務職員による、いわゆるひとり職場性というものを所与の前提とせずに、市町村費負担の事務職員の配置を念頭に、学校の体制整備の充実を図っていってほしいと考えています。これは指針の第3節(4)に関わることでありまして、資料1-1、今回の10ページに関わる記述と整合的な意見と考えています。ここまでの意見は、地方自治体、特に予算に責任のある首長さん、議員さん、そして教育長さんに向けて発言しております。この点に関しては、文部科学省に対しての意見としては、事務職員の業務や機能についての調査研究、少なくとも実態把握というのを行っていただきたいという意見になります。
理由です。まず、財政制度で、地方交付税の基準財政需要額に市町村費事務職員の経費が計上されているわけでありまして、これは歴史的に見ても合理性があってそういう措置がなされているわけでありますので、これがどのぐらい措置されているのかということを踏まえた議論が必要であると思います。もう一つです。業務体制です。現在、共同学校事務室、もしくは学校事務の共同実施が進んでいます。そして、オンラインというものがどんどん導入されているわけでありまして、執務環境の変化というのもありますので、どのように事務機能というものを設計していくのか、学校体制の中に位置づけていくのかということが極めて重要な論点になっていくかと思います。というのが全体を通じての意見です。
最後に今回、私どもの部会としても緊急声明を出していただくということで、私もこれは賛成ですけれども、文部科学省におかれましても、どんどん広報、頑張っていっていただきたいと思います。政府広報で山田課長がラジオ、テレビ等で既に御活躍ですけれども、これからもどんどん進めていっていただきたいと思います。
以上です。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では、妹尾委員、お願いいたします。
【妹尾委員】 妹尾です。取りまとめ等ありがとうございます。私からは大きく4点申し上げます。
1点目は、荒瀬さんが現状をしっかり見るということの重要性をおっしゃいましたけれども、それにも関係しますが、今回、指針が新たに改定されて、重要な一歩だと思っておりますが、かなり既にやっていることも多いというところがあると思います。例えば共同学校事務室とか、共同実施も含めると約9割近くのところでやっているというような調査結果もある中で、それ以上に何が本当に必要なのかとか、今までやってきたことのいいところは当然継続しつつも、まだまだ踏み込み不足とか足りないところもあるんじゃないかというところはしっかり考える必要があるかなと思います。つまり、現状の延長線上だけの対策で果たして十分なんだろうかというところが、まだまだクエスチョンだなと思います。細かくは申し上げませんけれども、前回の私から意見書を出しておるところにも書きましたように、例えば事務職員の負担軽減に向けてはもっと県費事務を抜本的に削減するだとか、アウトソーシングするだとか、あるいは教職員のメンタルヘルス対策ももっと抜本的に改善しないといけないところも多々あると思います。その辺りも含めてぜひ今後も検討していただきたいというところが1点目です。
2点目は、そことも関係しますけれども、戸ヶ﨑さんからオーナーシップの話など、キーワード3つありましたけれども、共感しますが、問題はそういったオーナーシップだとかリーダーシップを十分発揮できていない校長等をどうするのかというところは課題だと思います。今回も人事評価の在り方等を書いてくれていますけれども、人事評価も校長からの自己申告をベースにすることが多いので、そういったやり方で果たして十分なのかどうかとか、人事評価だとか校長の、校長だけのせいでは当然ないんですけれども、校長だけ苦しめる意図はありませんが、校長を応援しつつも、しっかり課題のあるところを底上げしていくような仕組みづくりをどうするかというところは大きな課題だと思うので、これはぜひ教育委員会も文科省も、あるいは我々も、しっかり引き続き考えていく必要があると思います。これが2点目です。
3点目は緊急声明を出していただくのは大賛成で、今後も、予算獲得等を私も応援したいと思いますけれども、2ページ目のほうだと思いますが、義務教育標準法の基礎定数の改善等を含めてという1番目の丸のところですけれども、そこにぜひこの文言に加えて、勤務時間の中で授業準備や研修等が無理なくできるような体制をつくるといったような、そういった内容もぜひ入れていただきたいというところと、あと、ほかの委員もおっしゃいましたけれども、教員不足、欠員の問題に緊急的にもっと取り組まないといけないというところだと思います。私、今日も別のところで研修してきましたし、先週も同じ話を別のところで言っていたんですけれども、来月から産育休の教員がいるけれども、それがもう欠員のままだということで、非常に苦しいという話を校長等からもあちこちから聞いております。そういった状況でありますので、そんな状況でなかなか働き方改革と言われてもねというような、愚痴ですけどというように校長先生おっしゃるんですけれども、これは国と都道府県、政令市の大きな責任だと思いますので、教職員不足への対応をぜひぜひ今後も引き続き頑張っていただきたいなと思います。これが3つ目です。
4番目なんですけれども、今後、月30時間程度の目標に時間外がなる中で、もっともっと時間を減らせというような呼びかけ、圧力が高まると思います。そんな中、自宅の持ち帰りが増えたりとかいろいろなことが懸念されておりますので、全国の教育委員会に繰り返しですけれども、お願いしたいのは、もうさっさとクラウドワーク、テレワークを認めていただいて、そういったところを在校等時間にしっかり含めるという運用をしていただく。これで随分、モニタリングが、精度が上がりますのでお願いしたいし、文科省もそういったことを促していただきたいというのが一つです。国に求めたいのは、先ほど清水委員からもお話がありましたけれども、勤務実態調査はやる必要があるんじゃないかと思っております。自治体等のICカード、タイムカード等だけのデータでは、何にどれぐらい忙しいのかといったことが分からない、非常にざっくりした把握しかできませんし、一部過少申告もある実態も分かり切っている中で勤務実態調査をやる意味はあると思います。ただし、今はアンケート項目が非常に多過ぎるので、そういったことは精選しつつも、負担は考慮しつつも、しっかり文科省としても、今までの政策がよかったのかどうかということを検証する意味でも、しっかりそういうことも考えていただきたいなと思っております。
以上4点、よろしくお願いします。以上です。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では、澤田委員、お願いいたします。
【澤田委員】 先生の幸せ研究所の澤田です。様々おまとめいただいてありがとうございます。幾つかお伝えしたいと思います。
まず、声明については、つくっていただいてとてもよかったと思いますし、これが有効に機能することを本当に願っています。もう少し危機感についても記載できればと思いました。現状を知れば措置の優先度が上がると思いますので、既に記載が上のほうに非常に厳しい状況であるとは書いていただいていますが、何かもう一歩踏み込んで書き添えられればと思いました。
次に、実施計画についてです。戸ヶ﨑委員もおっしゃっていましたが、ここにあることをまねればいいというのではなく、各地でできること必要なことを積極的に各教育委員会には考えてほしいなと思います。各地域の実情に応じてやって、本当に学校現場の助けになる計画を立てて進めてほしいと思います。
3分類の実行計画についてなんですが、教育委員会の事務局からは各学校での実行についてどうしたものが困っているという声も私のところには早速来ています。荒瀬委員も言っていたように、まず、話し合うと書いてあるのは本当にすごくよくて、教育委員会と学校も話し合う必要がありますし、学校が校内や地域と話し合う必要もあります。話合いながら、各現場の実情に応じた解を出してほしいと思いますし、学校が全て1個1個違う以上、そうして話し合っていくしかないんだと思います。
次に、首長部局との連携について、ほかにも言っていただいた委員もいらっしゃいましたが、非常に肝になると思います。教育委員会と首長部局の関係性が、お伺いを立てる側と聞いてあげる側のようにならないことが大事だと考えます。教育委員会には素案の段階から首長部局を当事者として巻き込んでいくなどしてほしいと思いますし、首長部局も当事者として地域の宝である子供たちのためには、様々な地域課題全体の中でも優先度高く考えてほしいと思います。
次に、計画や進捗の公表について幾つかお伝えします。公表というのは心理的にも抵抗があるかもしれないんですが、むしろ私は各教育委員会にとってチャンスかなと思っています。例えば進捗の公表についてなんですが、業務の見直しというのは軌道に乗るまでは関係者にとってなかなか気の乗らないやらされ仕事になりがちなことが多い中で、関係者が希望を持てることが非常に重要で、なので、各教育委員会においては進捗の公表というのを関係者のモチベーションアップにうまく使ってもらえるんじゃないかなと思いました。想定していた指標に関する成果だとか在校等時間の状況だけではなくて、進めてみるとほかにも想定外の効果が出てくると思います。例えば弊社の業務改善の支援先においては、給食の残食が減ったり、授業中に保健室に行く子が減ったり、教職員の交通事故が減ったりということがあります。そんなことも載せてみてはいかがかなと思いますし、具体的な取組の成果、例えば3分類のこれは達成済みだとか、留守電全校配置済みだとか、個々のことについても見える化していってはどうかなと思いました。やってみて分かった効果も、進んだ個々の施策についても進んで公表していただきたいなと思いました。
ホームページへの公表というのは広く市民の目にも触れるチャンスと捉えて、各教育委員会では市民や保護者へのメッセージの記載なども検討して、ぜひホームページの見つけやすいところに掲載していただきたいと思います。それと、各教育委員会が考えることを想像したときに、ほかの地域の計画や進捗を参照したくなるのではと思いますし、それが実行力を全国的に底上げすることにもなると考えます。その際、各教育委員会がホームページに他自治体で公表されたものわざわざ検索して見つけにいくとなると、本当は10自治体程度参照したかったけど大変だから少なくてもいいやと、離脱率が上がってしまう可能性があるかなと思いますので、例えばどこかに掲載先URLを一元化するなど、簡易的なものでいいので、何か国のほうで主導してもいいのかなと思いました。
以上です。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では、続きまして、今城委員、お願いいたします。
【今城委員】 高知県です。よろしくお願いします。まず、このたびは、指針改定を取りまとめていただき、そして、実行を促す計画のひな型を丁寧に、かつ具体的に示していただいたことに深く感謝を申し上げます。この後は、先ほど委員の皆さんもおっしゃっていたように、自治体や学校が自分事として議論し、取り組むことが重要だと考えます。そうした意味でも緊急声明、これ、まさに時宜を得た提言でありまして、その趣旨に私も心から賛同いたします。その上で、高知県の実情を踏まえた意見を少し述べさせていただきます。
もとよりではございますけれども、教員の時間外在校等時間の縮減、そして、きめ細かな指導を図ろうとする少人数学級を進めていくためには、教員だけじゃなくて事務職員、スクールカウンセラー、学習支援員などを含めた多様な専門性を持つ人材の増員、そしてそれに伴う確実な予算措置が不可欠となってきます。特に高知県のような地方においては、県独自の財源確保が難しいといった課題がございます。ぜひ地方の教育水準を、財政状況に左右されることがないように、国庫負担による教職員定数の抜本的な改善ですとか、予算の確保等を切にお願いしたいと思っています。以上です。
【貞広部会長】 ありがとうございます。では。露口委員、お願いいたします。
【露口委員】 失礼いたします。膨大な資料と声明の御提案、誠にありがとうございます。私のほうから簡単に3点ほどお願いいたします。
1つ目がこちらの業務量管理、健康確保措置実施計画の3ページのほうになります。地方のほうで業務量管理の実施計画を作成していくのですが、実は私、大事だなと思うのが計画の趣旨のところで、学校における働き方改革をなぜ行うのかということをもう一度、丁寧に議論していただいて、目的は何かというところの確認をする機会をしていただけたらなと思います。次の4ページにあります、こちらの45時間、30時間のほうがどうしてもインパクトが強いので、そちらのほうにリーダーの方々の、そして学校の方々の気持ちがいくかとは思うのですが、時間外在校等時間とともに、働きやすさと働きがいの大切さ、そして、何のために働き方改革を行うのか、そういう議論をしていく機会にしていただけたらありがたいかなというのが1点目でございます。
そして、2点目が、こちらの声明のほうの最後の4つ目の丸になりますが、幼児教育段階から高等学校段階までという形で、高等学校が射程に入っているという書き方をいただいておりますが、ただ、高等学校の先生方のお話を聞いておりますと、なかなか義務教育中心で高校のイメージが湧きにくい、松永委員のほうからも書類のほうで今回御提案いただいておりますが、高等学校を射程に入れた支援、こちら、校長のリーダーシップに対する支援体制の構築のお願いということではあるのですが、高等学校は、義務教育とは違う課題もありますし、特に私立学校等の競合の中で、部活も手を抜きにくいであるとか、なかなか緩めるものが見当たりにくいとか、さらに校長先生の異動スパンも義務に比べたらさらに短いとか、そういった様々な課題がございますので、高等学校を対象にした支援の在り方というのも丁寧に議論を進めていく必要があるのかなと思いました。
最後、3点目ですが、特別部会のテーマが環境整備ということで、いろいろ学校のほうから聞こえてきた声を紹介させていただきますと、一つ、教員用のパソコンが遅いから仕事が遅くなるとか、買換え等、現場のニーズ聞きながらペースを上げていく必要があるのかなというのを思います。いろいろなところでこの声はよく耳にします。遅いPCで仕事をしていただくというのは働き方改革上マイナスになるのかなということと、あと6月、9月、10月あたりが教育実習の時期なんですが、うだるような暑さの中で授業をされている学生たちを見ていると、これは教員を選ぶのかなという不安が出てまいります。物理的な環境も先生方にとれば働く環境の一つでありますので、総合的に、物理環境を含めて見ていく必要があるのと思います。教員を選ばなかった学生の就職先を見ていくと、涼しそうなところがいっぱい並んでいますので、学校も快適に働ける場所だと、そういうメッセージも送っていただきたいと思います。以上でございます。
【貞広部会長】 ありがとうございます。私も最後の点は同様に思います。ありがとうございます。では、井上委員、お願いいたします。
【井上委員】 お取りまとめいただきまして、ありがとうございます。とても分かりやすく読ませていただきました。大変にありがとうございます。私としては、地域の立場ということもございますので、その点からお願いしたいことがございます。
緊急声明の案についてです。この中で、記の前のところの段落で、「文部科学省においても令和8年度」というところから始まる一節なんですけれども、途中で「教師のみならず事務職員やその他の学校を支える支援スタッフ等の指導・運営体制を整備すること」と書かれているんですが、ここのところに、ぜひ地域住民等との円滑な協働における環境を整備することでというような一文を加筆していただけないかなと思いました。それは働き方改革が人と人との関わりを切るということであってはならないと思います。地域との連携は必要で、これからもさらに必要となっていくと思います。ですから、チーム学校の中だけの運営整備にとどまらず、協働の相手が活動しやすいという環境整備も忘れてはならないという視点から、この辺りを御検討いただければいいのかなと思いました。
3分類についてですが、学校は学校運営協議会での議論を経てと書いていただいていますけれども、先ほど来、御意見にもあるように、吹き出しの中に話し合うことが大切ですということを書かれていますが、学校運営協議会自体が合意形成を持つという役割を持っていますので、そのことをさらに理解してもらえるように、私たちコミュニティ・スクールに関わる者も周知に尽力していきたいなと、これを拝見していて思いました。
最後に、学校を見ていると、皆様も分かっていらっしゃると思いますが、教員不足というのは大きな課題だと思います。妹尾委員の話にもありましたけれども、先生がどなたかお休みされてしまうと、代わりの先生はもうほとんど見つからないという現状があります。先生の仕事は大切な仕事ですし、やりがいがあるという仕事でもあるはずなのに、それが伝わらないで、負のことがクローズアップしてしまうという傾向があると思います。働き方改革の整備と同時に、先生を増やすというための工夫というのも、さらにしていただきたいなと思っています。
私からは以上です。
【貞広部会長】 どうもありがとうございます。本日御出席をいただいている委員の方々からは、おかげさまで皆様から御意見をいただいたところです。
先ほど露口委員から御言及いただきましたけれども、本日御欠席の松永委員から意見を御提出いただいております。参考資料6を御参照いただければと思います。先ほど露口委員おっしゃったように、高等学校の観点から重要な御指摘をいただいているところでございます。ありがとうございます。
それでは、全体的に委員の皆様から御意見と、とりわけ佐藤委員からは事務職員会からの調整の到達点と、共同事務については課題が大きいのではないかという懸念を含めた御質問をいただいていますので、これらの御質問と、あと全体の委員の方々の御意見について、事務局から応答があれば、山田財務課長、お願いいたします。
【山田財務課長】 ありがとうございます。私の説明の中で不十分なところが多くございましたところ、おわびを申し上げます。また、いろいろ多くの先生から御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。しっかり周知をすべきというのが多かったのと、あとは予算を確保して、働き方改革を国でも進められるような状況をつくるべきというようなことも多かったかと思います。いただいた先生方の御意見を踏まえて、今後対応をいたしたいと思います。
あと、緊急声明案についても、今日いろいろ御意見を頂戴したので、また、部会長と相談をさせていただければと思っております。総論的な反対というよりは文言の話かなと承りました。
佐藤委員からいただいたところは、資料2-2の一番最後を、御覧いただければと思うんですが、学校事務の共同実施についてということで、事務職員はあくまでも学校の職員です。ですから、任命権者は教育委員会ですけれども、学校の職員なので、基本的に学校にいる人です。それは共同学校事務室をつくったとしても何も変わりませんので、私も実際に視察などで拝見しましたけれども、事務職員さんが主に今、いろいろなDX系のツールがありますので、メール等を駆使して、その事務を一緒に進めることができます。これも事務職員の方との協力体制ができているのかという質問にもつながるんですけど、事務職員全員を代表するような団体はないと思うんですが、事務職員の在り方について研究をしている団体ともいろいろ御相談をして、右半分に載っている図とか、割振表もその団体からいただいたんですけど、そういった研究をされている方は一生懸命取り組みたいとおっしゃっているし、賛同していただいていると思います。例えば、この学校の事務職員の方は児童手当を中心にやるんだよとか、隣の学校の人は旅費を全部やるんだよとか、そういう、うまく分担をして週に1回集まりましょうかみたいなことをやっていたりするようなんですけど、基本的には学校にいながら、学校の職員なので、効率的に事務を進めるというものだと思っております。これを進めることについては、多くの事務職の方から賛同を得られるものと思っていますので、ぜひ我々も必要な定数を確保していきたいと思っております。
【貞広部会長】 ありがとうございました。事務局のほうから応答いただきました。
全ての委員にということは難しいんですけれども、お一人か、お二人ぐらい、追加で御意見いただく時間が設けられそうなんですけれども、御意見をお持ちの方いらっしゃいますでしょうか。挙手をしていただければこちらから御指名申し上げますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それぞれ大変貴重な御意見をいただきました。とりわけ、緊急声明文の修文に関しましては、幾つか御提案をいただいているところでございます。文言を整えるということも含めまして、もし御一任いただければ、私、部会長と事務局のほうでお預かりいたしまして、修文させていただきたいと思います。それぞれ、本当に魅力的な全部入れたいというような御意見だったんですけど、政府において下記の事項について実現を図るよう全力を尽くすと、名宛人が政府となっているので、ここに収まるものだけを入れさせていただくような形になります。入らないからといって、その意見は軽んぜられるということではなくて、名宛人ということを想定して、こちらに相談して書き込ませていただくという形を取りたいと思いますので、そういうことで御了解をいただいてもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【貞広部会長】 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。本日も大変多くの御意見をいただきまして、ありがとうございます。これはまた事務局のほうで引き取っていただきまして、引き続きの御尽力をいただければと思います。ありがとうございます。
では、最後に次回の予定について事務局から御連絡をお願いいたします。
【堀家補佐】 事務局でございます。本特別委員会の次回の日程につきましては、現在調整中であり、追って事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【貞広部会長】 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしましたので、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――