令和7年9月24日(水曜日)10時00分~11時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
【堀田主査】 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会、デジタル教科書推進ワーキンググループの第12回を開催いたします。
本日は、また御多忙の中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
本日は坂本委員と松下委員が御欠席ですが、それ以外の委員は全員対面で御出席をいただいてございます。
また、本日は冒頭の撮影の希望がありまして、それを許可しております。事務局の指示に適宜従って御協力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から連絡事項等、よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】 本日の会議開催形式及び資料につきまして、御説明させていただきます。
今回の会議は、出席委員の全員が対面で御参加いただいているため、対面形式での開催となります。また、前回同様、報道関係者と一般の方向けに、会議の模様をユーチューブにて配信しておりますので御承知おきください。ユーチューブ配信用の音声は、会議室中央の音響機器でまとめて集音しておりますので、委員におかれましては、御発言時を含め、お手元のタブレット端末のマイクはミュートのままにしていただきますようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時も含めて、会議中はオンにしていただきますようお願いします。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますけれども、議事次第に記載のとおり、資料1から3、加えて参考資料が1と2となっております。委員には紙でもお配りしておりますけれども、お手元の端末でも御覧いただけます。御不明な点がございましたらお申出ください。
では、冒頭の撮影はここまでとさせていただければと思います。御協力のほどよろしくお願いします。
(プレス退室)
【西田教科書課課長補佐】 事務局からの事務的な説明は以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。
それでは、議題に入ります。まずは議題1、審議のまとめ(案)でございます。
前回のワーキングでは、事務局に御苦労いただきまして、審議のまとめ(素案)というものを出していただきました。皆さんに御審議いただいた結果、基本的な方向性については意見の一致を見たかと思います。ただ、細かい部分については、各委員から様々に御意見をいただいたところでございます。
今回、事務局におきまして、前回いただいた御意見を踏まえ、審議のまとめ、今回は(案)ということで作成していただいた、それが資料の1と資料の2になります。こちらについて、本日は審議をしていただくということになります。
それでは、事務局から審議まとめ(素案)からの修正点を中心に、審議まとめ(案)の御説明をお願いいたしたいと思います。
【後藤教科書課長】 ありがとうございます。教科書課長の後藤でございます。
前回の会議で、審議まとめの素案ということで、全体的な御説明をさせていただきました。本日はそこからの、前回先生方に御議論いただいたことを踏まえた修正部分に絞って御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料1の本体のほうでございますけれども、修正箇所は4か所、施してございます。
まず、14ページのところを御覧になっていただければと思います。画面にも映しておりますけれども、現行のデジタル教科書ではできないことというか、裏返しで言いますと、制度改正をやってデジタル教科書で新しくできるようになるようなことという観点で、前回の会議の中でも、振り子の運動の実験の場面について御示唆をいただいたところでございまして、類似の記載がもともと審議の「素案」の文の注釈の箇所であったわけでございますが、そこの部分に、前回いただいた御意見ということでさらに追記をさせていただいたというところが、修正のまず1つ目の箇所でございます。
2つ目の修正の箇所は18ページ目のところでございまして、18ページ目の箇所の部分では、これは次期学習指導要領の議論が並行して行われておりますけれども、その議論の中での教科書の在り方についての方向性の議論の部分についての記載のところにつきまして、その後の議論の進行の状況などを踏まえまして、その関連部分について、表現をこの赤で修正をしておりますが、適正化をさせていただいたといったところが、修正の2か所目でございます。
続きまして3か所目は、19ページ目のところでございます。動画の取扱いということにつきまして、今後の制度改正後のデジタル教科書の中での動画の取扱いについて、前回の御議論がありましたので、そのことを踏まえた記載を追加させていただいているところでございます。
ここは全文御紹介させていただきたいと思いますが、本文のところで、「なお、動画については、例えば技能の習得など文字や静止画、言語による説明では理解することが難しい学習内容を理解しやすくする上で大変効果的であると考えられる。一方で、前述のような教科書の性質や副教材との役割分担、授業を行う教師の負担、検定審査の限られた期間での修正の困難性、過当な競争やコストへの影響等に鑑みれば対象とすべきではないとの意見もあったことを踏まえれば、動画を認めるに当たり、教科書として真に必要なものについて一定の枠組みの下で認めることが適当であると考えられる」といった形で、本文にまとめた形で追加をさせていただいたところでございます。
なお、この同じページの下のところで注釈がありましたけれども、この注釈の部分も、もともと書いてあった点も含めまして、本文の記載のほうで内容的に整理をさせていただいて、今回修正を施させていただいたところでございます。
続きまして、4点目の修正は24ページの部分でございまして、アカウント管理の負担軽減についての記載の部分でございます。前回の御議論の中で、ここの部分に関して、特に国の主導的な役割ということについて御意見をいただいたところでございまして、そのことを踏まえた表現の修正をさせていただいたといったところが4点目の修正でございます。
本文上、修正させていただいたのは以上の4点でございますが、併せて概要資料、資料2ということで整理をさせていただいております。この概要資料上も少し工夫をさせていただいた点がございますので、御説明をさせていただきます。
概要資料の2ページ目のところでございます。今後のデジタル教科書の在り方についての制度的な方向性を書いた大事な部分でありますけれども、まず、この中段の部分でございます。大きく2か所あるわけですが、まず中段の部分の紫色の字で表記をしているところでございまして、現状認識として、デジタル教科書のデジタルならではの可能性、これを狭めているのではないかという記載があったわけでございますが、このことについて、この概要資料のほうにおきましても、紫字で書きましたとおり、具体的に、最初は問題提起だけ見せながら、子供たちに考えさせながら問題解決的に授業を進めやすくなるというようなことについて、例示で概要資料上も明記をさせていただいたといったところが1つ目の修正でございます。
それから2つ目は、同じこのページの下段の部分でございまして、ガイドラインに関わる部分であります。ここも紫色の字で表記をしておりますけれども、デジタル教科書の有効活用ということに向けて国が示すべきということで、審議まとめ(案)に盛り込まれておりますガイドラインにつきまして、この概要資料上も、前回の議論の御意見を踏まえまして、審議まとめ(案)の本文上の記載も踏まえまして、こちらの概要資料のほうでもガイドラインの策定に当たって勘案して盛り込むべき事項、要素として、対象学年・教科等の考え方のほか、これまでの実証の成果、教科の特性、また子供の認知処理能力、紙・デジタルそれぞれのよさといったことなどについても、この概要資料上にも分かるように明記をさせていただき、前回の御議論を踏まえた修正ということで、資料1、資料2というふうに整理をさせていただいたところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。
今、縷々御説明いただいたとおりですが、比較的大きい修正としては、19ページの注釈にあったものを本文に入れたという部分かと思います。この辺は非常にまだ線引きが難しいところで、今後いろいろと整理が必要な部分ではありますが、動画等について、教科書として真に必要なものについては一定の枠組みの下で認めるとするのだけれども、その「一定の枠組み」とか「真に必要」というのはどういうものかということについては、その上に書いてあるようないろいろなこととのバランスを見て今後も検討を重ねていくということでございます。
私どものワーキングは中教審の中にあって、この後、議題2で御説明いただきますが、教育課程企画特別部会が進めている、次の学習指導要領に向けた、様々な子供たちにとって学びやすさを提供する様々な教育改善、これについて検討を進めていく上で、これを教科書でどのようにフォローアップしていけばいいかという意味で、教科書の在り方をデジタルの部分も含めて検討していこうと。そして、デジタルの部分を認めていくとなった場合に、これは制度変更が必要になりますから、あらかじめ先回りしていろいろと課題になりそうなところを洗い出していこうというのが私どものワーキングの役割でございまして、細かな制度の話は今後、事務局のほうで詰めていかれることになるかと思っております。
今、御説明いただきました資料1と資料2でございますが、これらにつきまして、委員の皆様、何か御意見ございますでしょうか。
よろしいですかね。確かに、おおむね反映されていると思います。
今日御欠席の坂本委員と松下委員には、事務局から事前に御説明をしていただいておりまして、特に修正の御意見はないという状況でございます。
それでは、対面の委員の皆様もこれで問題ないということであれば、審議のまとめ(案)というものをこれで確定したというふうに考えてよろしいでしょうか。
ありがとうございました。ただ、まだこれはあくまで私どものワーキングの案でございますので、今後、一つ上のデジタル学習基盤特別委員会や、ずっと上には初等中等教育分科会があるわけですけど、こういうところで御報告しながら、教育課程の改善とのバランスを取りながら調整がされていくことになるかと思います。
一旦、私どものワーキングとしては、審議まとめの案までをここで作成し、了解したということとさせていただきたいと思います。御協力ありがとうございました。
それでは、議題2に参ります。議題2は、教育課程企画特別部会の審議状況についてでございます。
先ほども申し上げたとおりですが、教育課程、次の学習指導要領に向けて、基本的な方向性について検討しているのがこの教育課程企画特別部会でございまして、12回ですかね、13回ですかね、検討が進み、先般、論点整理(案)というのが出されたところでございまして、これにつきまして、今日は教育課程課の栗山教育課程企画室長にお越しいただいて御説明をいただくということになっております。
御説明をいただいた後に、各委員から一言ずつ御意見を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、栗山室長、よろしくお願いいたします。
【栗山教育課程課教育課程企画室長】 失礼いたします。教育課程課で教育課程企画室長をしております栗山と申します。よろしくお願い申し上げます。
今、堀田主査からいただきましたように、教育課程企画特別部会で御審議をいただいてまいりました論点整理(案)について御説明をさせていただきます。
本論点整理(案)は、9月19日の教育課程企画特別部会におきまして、貞広主査、また奈須部会長に一任をいただいております。その上で、9月25日に教育課程部会において御審議をいただいた上で、御了承をいただけるかどうかというのが現在の状況でございます。
その後、御了承いただいた上で、総則評価特別部会や、今後、各教科等のワーキンググループにおいて具体の議論が進む前提でございます。
本日は時間が限られておりますので、大変恐縮でございますが、内容についてポイントをごく絞って御説明をさせていただければと考えております。
全体の方向性でございますけれども、8章から構成をされております。第一章で次期学習指導要領に向けた基本的な考え方について整理をした上で、第二から第7章で各論を整理したところでございます。第一章を中心に御説明した上で、第二章以降はポイントを絞って御説明をさせていただければと考えております。
まず、第一章、次期学習指導要領に向けた基本的な考え方についてでございます。
5ページでございます。次期学習指導に向けた検討の基盤となる考え方についてでございますけれども、まず1.主体的・対話的で深い学びの実装、2.多様性の包摂、3.実現可能性の確保、この3つの方向性について三位一体で進めていくという方向性を御議論いただいてまいりました。
その上で、この青い部分でございますけれども、この3つの方向性を進めていく上で、学びをデザインする高度専門職としての教師、デジタル学習基盤をはじめとする基盤整備、裁量的な時間をはじめ柔軟な教育課程による余白、総合的な勤務環境整備といったことでしっかりと支えていく、こうした全体像としてお示しをしているところでございます。
その上で、この1、2、3の方向性を一言で申し上げれば、「多様な子供たちの『深い学び』を確かなものに」という表現で暫定的にまとめをさせていただいております。
その上で、この3つの方向性を進めていくことによって、その下にある、「生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら、自らの人生を舵取りすることができる、民主的で持続可能な社会の創り手をみんなで育む」、こうした方向性を具現化できるようにということで議論をおまとめいただいております。
この、「自らの人生を舵取りする力」と「民主的で持続可能な社会の創り手の育成」、これは今後、各教科等のワーキンググループで御議論いただきながら具体化していく部分でございますけれども、検討のイメージを6ページにお示しをしております。
「『好き』(興味・関心)を育み、『得意』を伸ばす」ということ、そして、右側にありますように、「当事者意識を持って、自分の意見を形成し、対話と合意ができる」ということ、この2つを両輪で行っていけるように、各教科等や総合的な学習・探究の時間、特別活動、道徳などを含めて実現をしていくという方向性をお示ししております。
例えば、各教科等におきましては、上からございますように、生きて働く「確かな知識」の習得を前提とした上で、興味・関心が広がる教材・学習方法の選択を推進、自分の意見を表現する活動の充実、また、探究的な要素を持つ学習活動の充実、家庭学習の内容を自律的に決められるような段階的な指導、こうしたことがより実現していけるようにということを御議論いただいてまいりました。
これと連携する形で、左側、総合的な学習・探究の時間におきましては、課題設定の充実や、グループ探究や個人探究について、より柔軟にしていけるように検討を進めていくということを御議論いただいてまいりました。
また、右側、特別活動につきましては、児童生徒主体のルール形成や学校生活の改善、行事の創造等の明確化、納得解を形成しようとすることの重要性の明文化、考え、議論する道徳の徹底などについて御議論をいただいたところでございます。
いずれにせよ、各教科等のワーキンググループ等において、今後具体的な議論が進むということが前提でございます。
ここまでが第一章として、基本的な考え方として整理をしていた部分でございます。
ここ以降、第二章以降でございますけれども、ポイントを絞って御説明をさせていただきます。
質の高い、深い学びを実現し、分かりやすく使いやすい学習指導要領の在り方についてでございます。ポイントといたしましては、右下にありますように、子供たちに育む資質・能力が分かりやすく、日々の授業づくりの中で教師一人一人が使いやすいと思えるよう、「中核的な概念等」を基にした一層の構造化や様々な用語・概念の整理を図りつつ、表形式化やデジタル化により学習指導要領のインターフェースを刷新していくということを議論としてまとめさせていただいております。
具体については、時間の関係もございますので割愛させていただきますけれども、(1)として中核的な概念等を活用した一層の構造化・表形式化・デジタル化について整理をさせていただいております。
この構造化については、例えば中学校の数学について、このような形で構造化・表形式化をしていくということをこの中で整理をしておりますけれども、当然、今後教科書の在り方に大きく影響していく部分でございますので、よくよく教科書課とも連携をしていきながら検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
また、(2)として、「学びに向かう力、人間性等」の課題についても再整理をさせていただいております。
また、「見方・考え方」の再整理に加えまして、今般の改訂は1人1台端末が配備されて最初の改訂でございます。デジタル学習基盤を前提とした学びの在り方、学習指導要領と「個別最適な学びと協働的な学び」の関係の在り方、これは令和3年答申でございますけれども、こうしたものとの関係性についてもしっかりと整理をした上で、学習指導要領に今後位置付けていくということを議論しているのが第二章の部分でございました。
第三章については、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の在り方についてであります。多様な子供たちを包摂できる教育課程の実現に向け、標準授業時数の弾力化を可能とする調整授業時数制度の導入等を通じ、各学校で柔軟な教育課程を編成可能としつつ、不登校児童生徒や特異な才能のある児童生徒等に特別の教育課程を編成可能とするという内容でございます。
特にこの調整授業時数制度について、若干でございますけれども御説明をさせていただきます。34ページでございます。
調整授業時数制度は、多様な個性や特性、背景を有する子供たちを包摂する柔軟な教育課程編成を促進するため、児童生徒や地域の実態を踏まえ、必要に応じて以下のような取組の一部または全部の実施を可能とする方向で検討しているものでございます。
現行制度については、上に御覧いただけますように各教科の標準を定めた上で、計画段階ではその時数以上で編成いただくということが前提でございますけれども、論点イメージの下のほうを御覧いただきますと、ブルーの部分、各教科について一定の範囲内で標準を下回ることができるようにした上で、その下回った授業時数を調整授業時数として扱った上で、その調整授業時数を他の教科、この左側の教科Aでありますとか、あるいは緑色の裁量的な時間、これは児童生徒の個性や特性、背景に応じた様々な学習支援をすることに、教科や領域に属さない学習活動に充てることができるとしているものでございますけれども、こうした裁量的な時間に充てることができるとしているものでございます。
また、裁量的な時間については、その一部について、授業改善に直結する組織的な研究・研修等に充てることも可能とする方向で御議論をいただいておりまして、その具体的な条件でありますとか具体的な要件等については、今後、総則・評価特別部会において主に御議論いただくということにしているところでございます。
その他、高校における教育課程の柔軟化についても御議論いただきましたし、詳細を割愛して恐縮でございますけれども、1階部分の調整授業時数制度を活用した学校としての教育課程編成の在り方に加えまして、2階部分の個別の児童生徒に係る教育課程の編成の在り方についても、さらに新設や拡充をしていく方向で議論を進めていただいております。
第四章、情報活用能力の抜本的向上と質の高い探究的な学びの実現についてでございます。
ポイントといたしましては、情報技術を自在に活用し、課題解決や探究ができるようにしつつ、デジタルの負の側面にもしっかり対応できるよう、情報活用能力の抜本的向上を図るものでございます。
このために、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域(仮称)」を付加しつつ、中学校については情報技術に関連する内容を強化した「情報・技術科(仮称)」を新設し、それらを踏まえた高等学校の情報科の充実を図るという内容でございます。
52ページで、ごく概要について御説明させていただきます。現行が上の部分、小中高をお示ししておりまして、下が改善の方向性についてでございます。
小学校、左下の部分につきましては、先ほど申し上げたように総合的な学習の時間に「情報の領域」を付加し、一定の時間を確保した上で、内容の着実な育成を図ると。これによって情報活用能力を育成し、探究的な学びの基盤として位置付け、育成を図っていくという方向性を示しております。
また、中学校についてでございます。中学校については、現在、「技術・家庭科」の技術分野の中で情報について学んでおりますけれども、「技術」と「家庭」を分離した上で、技術分野について「情報・技術科(仮称)」として位置付けた上で、学ぶ内容をさらに深め広げていくと。現在の「情報」の領域以外の領域につきましても、産業の現状も踏まえて、情報技術活用の観点を重視していくということをお示ししております。
その上で、高等学校については、現在「情報Ⅰ」が必履修、「情報Ⅱ」が選択でございますけれども、義務教育段階の充実も踏まえて、さらに情報科の内容を深める方向で改善をするということが示されているところでございます。
こちら、質の高い探究的な学びについてでございますけれども、今申し上げた説明の内容と、今後の探究的な学びの関係性について整理をさせていただいているところでございます。
第五章、「余白」の創出を通じた教育の質の向上の在り方についてでございます。
教育課程の実施に伴う過度な負担・負担感が生じにくい在り方を追求し、教師と子供の双方に余白を創出するものです。第二章・第三章で提起した学習指導要領の構造化やそれに伴う必要に応じた学習内容の精選、柔軟な教育課程も契機とした教科書の分量の精選等を図るとともに、標準授業時数の弾力化を通じて真に必要な授業時数の設定を容易にしていくといった内容でございます。
66ページに、特に教科書の在り方との関係も含まれております。まず4ポツでございますけれども、第二章の内容でもありますけれども、上の4ポツの部分、学習指導要領の構造化・表形式化・デジタル化として、1.第二章で構造化・表形式化・デジタル化を一体的に進めることで、記載の冗長・複雑さについてもスリム化に繋がるとともに、ユーザビリティーが上がり、学習指導要領の参照や指導案等の作成がよりしやすくなる。
2.構造化に当たりましては、各教科等の本質的な理解(中核的な概念等)の獲得に重点を置き、学校段階や教科等の特性を踏まえつつ、それに必要な学習内容を検討したり、必要に応じた精選を行っていくことが必要であるというふうにしているところでございます。
それを踏まえ、5ポツ、構造化を踏まえた教科書等の在り方として整理をしておりまして、上記4ポツのような学習指導要領の構造化の考え方を踏まえ、教科書の内容は教科等の中核的な概念等をつかみやすいものに精選するとともに、教科書で得た理解を広げたり深めたりするための多様な情報を得る手段として、その他の教材を活用するという役割分担を考えていくことが必要であるとしています。
先ほどご説明いたしました、2.調整授業時数制度の下で、一定の範囲で各教科の標準授業時数を他の有益な活動に充てることを可能とする方向で検討する場合、調整後の時数で十分に指導可能なものとなるよう、教科書の分量、デジタル教材との役割分担、教師用指導書での指導計画の示し方も、整合性を持って検討すべきというふうにお示しをしているところでございます。
こうした考え方について、この69ページの部分で図示をしておりますので、別途御参照いただければありがたく思っております。
第六章、豊かな学びに繋がる学習評価の在り方についてでございます。
資質・能力の育成に真に繋がる学習評価としていくために、その育成や評価を重視することを前提としつつ、「学びに向かう力、人間性等」の評価については、その特質に合った評価となるよう評価方法を改める。また、「記録に残す評価」の頻度やタイミングを減らしつつ、「学習改善等に活かす評価」を充実させることを促していくというふうにしているところでございます。詳細については、恐縮でございますけれども割愛させていただきます。
第七章、その他の諮問事項で提起された事項の在り方でございます。第二から第六章の極めて重要な内容の他にも重要なものがございますので、こちらで扱っております。
その具体的な項目については、右下ポイントにございますように、まず、教師にとって意義を感じられる日常の取組となるよう、カリキュラム・マネジメントの考え方などを整理すること。多様な子供の個性・特性を踏まえた選抜の充実や中学校以下との円滑な接続に資する高校入試の改善を促進すること。産業構造の変化などを踏まえて産業教育の教育課程を改善すること。通級指導で各教科の指導も可能とすることなど特別支援教育を充実させること。全ての幼児教育施設において、遊びの中で直接的・具体的な体験を通した学びを保障するために、幼児教育を充実させること。特別活動において児童生徒が主体となってルールの形成や学校生活の改善に関わるようにするなど、子供が主体的に社会参画するための教育を充実させることなどについて議論をいただいておりました。
最後に、今後のスケジュール等についてでございます。第八章でございます。
今後のスケジュール等につきまして、教育課程企画特別部会でこの論点整理を取りまとめいただきまして、教育課程部会に御報告、御了承いただいた上で、既に設置されている総則・評価特別部会や各教科等のワーキンググループにおきまして、第一章から第七章の今御説明いたしました方向性や内容、あるいは全国学力・学習状況調査等の各種データで明らかになった教科ごとの課題等を十分に踏まえて検討を進め、遅くとも令和8年の夏頃までに取りまとめを行います。
その後、教育課程部会で審議のまとめを経た上で、来年度中、令和8年度中に中央教育審議会としての答申を取りまとめていただけるよう、検討を進めてまいる予定でございます。
この内容につきまして、申し上げたように教科書との関係が大変深いものでございますので、引き続き十分に連携をしながら検討を進めていければというふうに思っております。
大変雑駁で恐縮でございましたが、御説明は以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。
大変大部な、非常に重要な資料をかいつまんでお話しいただくことになりまして大変恐縮でございましたが、この審議は全部公開されて進んできておりましたので、マスコミ等の報道にも乗った部分がたくさんございます。私どものワーキングの委員の皆さんも多かれ少なかれ関わっていらっしゃるところかと思いますので、この後、皆様に、今の御説明に対して御意見を一言ずついただければと思います。
どうでしょう、いつものように挙手いただいた方からと思いますが、全員しゃべりますので、早めにお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
どうでしょうか。順番に当てますか。阿部委員から行きましょう、名簿順で。
では阿部委員、お願いします。
【阿部委員】 ありがとうございました。本ワーキンググループにも関わるところがすごくたくさんあるなというふうに聞かせていただいていました。
まず、多様性に関わるところが冒頭のほうに出てきましたけれど、本当にここは学校現場にとって切実な問題です。数年前に比べて、例えば外国につながるお子さんたちはものすごく増えていますし、それから発達に課題がある、発達障害と言われている子もそうですし、診断を受けていなくても発達に凸凹がある子供は、これもまた爆発的に増えています。
そうした中で、一人一人に個別最適な授業をしていくというのに、35人学級というのがもう無理というのが今、現場の感想です。先進国で35人1クラスなんていう国はそうないと聞いておりますので、35人でなく、やがては20人ぐらいにしないと、一人一人に目を向けた個別最適な、そして主体的で対話的な授業というのは難しいのではないかという気持ちを強く持ちました。
それから、教科書を教えるのではなくて教科書で教えるんだというようなことが本ワーキングの中では何度も出てくるわけですが、こちらでも、先生たちの授業を変えるには、授業観を変えていくということがものすごく大切です。どうしても先生たちは、自分が子供のときに受けてきた授業がモデルなのです。なので、すごく変えるのが難しい。そこは、学校ごとの研究や研修が繰り返し行われて、教員が主体的に研究していくみたいなことが行われない限りは、自分の受けてきた授業のモデルを覆すことは難しいのではないかと思っています。
続いて、時数は少々柔軟に捉えることができるというのが今回の目玉の一つかと思いますけれども、働き方改革というのが叫ばれる中で、子供が授業を受けて学校にいる時間という、ここの時間を早めない限り、先生たちは早く帰ることはできないです。なので、早めるためには、やはり時数の削減というところにも踏み込んでいただきたいなと率直に思っています。
それから、教科書の内容が増加していくのが問題だというお話がありましたけれども、これは本当に、本ワーキングで話している教科書のデジタル化というのが推進されていけば、一層改善しやすくなるのではないか思いました。
【堀田主査】 ありがとうございました。
私どものこれはデジタル教科書推進ワーキングですので、その観点にうまくつなげながら、皆さん御意見をいただければありがたいところでございます。
岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 教科書協会の岡本でございます。論点整理の御説明ありがとうございました。私からは、教科書発行者として特に大きな影響がある部分ではないかというところを中心に、意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、第1章の5ページ目のところで、三位一体の具現化というところを御説明いただく中で、その下支えをするものとして、青いところでデジタル学習基盤というところも示されているかと思いますけれども、その上の三位一体のうちの実現可能性の確保、こちらについて、発行者としては非常に気になるところでして、この教科書のワーキングの中でも、例えば前回ですと教科書の供給と価格に関して私のほうで意見を述べたんですけれども、従来の教科書の価格にはクラウド利用料とか維持管理費というようなところ、使用に伴う変動コストに相当しますが、これが含まれておりませんので、従来の教科書価格の決め方ですと、こうしたデジタル化、それから供給が実際に実現できるのかというところが、非常に今、業界としては不安に感じているところです。
この審議まとめの中にも、例えば義務教育ですと3年以上とか、高校とかは4年以上というような一定の数値が出されておりますけれども、例えば使用年数が小学校の場合ですと1年の教科書もありますので、そうした使用年数を超える長期間のクラウド配信というのを例えば発行者に義務づけるということであれば、そうした新たに生じてくるコストというのを含めた教科書価格をセットで検討していただかないと、なかなか実現可能性というところは確保できないんじゃないかなというふうに感じております。
それが例えば十分にできないというような判断がある場合は、ほかの例えば使用年数を超えた部分の配信とかダウンロードは国が担って、発行者にコスト面のしわ寄せが来ないような運用も考えていただくということもあるのではないかなというふうに感じております。
教科書をデジタル化していく上で、教科書の価格そのものを発行者が決められないという制度にありますので、実現可能性のあるものにするために、そうした価格面での検討というのは今後欠かせないものではないかなというふうに思っております。
ほかにも、今回の審議まとめに至る間に様々、教科書の範囲ですとか検定ですとか、著作権の権利制限などについても議題に上がりましたけれども、実際の企画とか制作を考える際には、まだどのように具体的に作っていいのかというところが見えていない部分もございまして、これについては審議まとめのほうでも、検定の審議会ですとか文化審議会で今後議論されるということですので、そうしたところの審議に発行者としても注目しながら、必要な意見はお伝えしつつ、また文科省さんですとか文化庁さんにも御相談しながら作っていく必要があると思いますので、こうした実現可能性の部分をぜひ、具体化の際にはデジタル教科書についても考えていただきたいというふうに思っております。それが1つ目。
もう1つは、裁量的な時間の扱いに関しまして、一定の標準時数を下回る範囲での指導が可能ということになりますが、教科書の場合ですと、現在、学習指導要領の内容をある程度網羅することと、それが標準時数で使われるということが前提になっておりますので、標準時数を下回る選択をした学校においては、教科書の内容をどのように扱うのかというのがまだはっきり把握できていない部分もございますので、そうした制度において、少ない時間、つまり、例えば105時間のものを90時間にした場合、教科書は105時間をベースで作られているものですので、90時間の場合、15時間分の内容をどうするのかというようなところを、少し具体的なイメージを持ってお伝えいただく必要があるかと思いますので、そういうところも今後、発行者側に十分理解できるような形での説明ですとか、場合によってはそうしたところでの情報交換などができるといいかなと思っております。
私からは以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。
では、中村委員、お願いいたします。
【中村委員】 みどりの学園義務教育学校教頭の中村でございます。御説明のほう、ありがとうございました。私はこのワーキング、デジタル教科書推進をするという立場を踏まえて、まず、この論点整理を現場の先生たちがどういうふうに理解していくかというところ、もう一つは、デジタル教科書というものがこの論点整理にどう寄与するのかというところと、最後はお願いというところで、3つお話しさせていただきたいと思います。
私は、デジタル教科書の推進ワーキンググループの中でもずっと言ってきたところが、誰一人取り残さないという視点で議論を続けてきたというふうに感じています。その中で、やはり多様性の包摂、インクルーシブの視点が一緒に連動して動いていることというのが、デジタル教科書でも再現できている、体現できるというふうにすごく思うところです。
さらに、今度はすごく高度な知識を持ったお子さんたちを深い学びにいざなっていくときにも、このデジタル教科書というのはすごく寄与するもの。なぜかというと、この中にも含まれているように、多様な情報にアクセスできるような形態の教科書をもってすれば、また、デジタルで構造的に情報を捉えていって整理してということが完全にできる状態になっていくという中で、本当にこの論点整理の中におけるデジタル教科書の役割が大きいなと思っていて、すごく誇らしく思っているところです。
ただ一方で、余白をつくる部分というところでは、本校でも、効果的に内容を捉えて、多少柔軟な時間割を実現しようと試みているところです。その部分でいうと、今持っているデジタル教科書の機能であると、教科を超えて、教科の視点を超えて何か連動するようなことができるかなというふうに考えたときに、少しその部分の実現がまだできていないのではないかというふうに感じるところもありますので、せっかく、この余白をつくるために柔軟な教育課程を編成するためのデジタル教科書の在り方といったときに、教科の横軸ですかね、教科の枠を超えて飛び越えていける、デジタルだからこそ飛び越えていけるような、そういう世界感があったらいいなと思いながら聞かせていただきました。
2つ目の、先生方がこれをどう理解していくかという点ですけれども、私はこのデジタル教科書の議論をしていく中で一番キーワードとして心に留めていたのが、一個前に出されている「令和の日本型学校教育」というところの「個別最適な学び・協働的な学び」というキーワードに寄り添って、この議論にいろいろ向き合ってきたところなのですが、そうなると、今のこの論点整理の中で、私はある程度理解はしているんですけれども、先生方が新たなキーワードというか、これまで出てきた大切な教育におけるキーワードというものを、論点整理の中でどういうふうにこのプロセスの中に、今までのキーワードはどこに行ってしまったんだろう、新しい言葉に置き換わってしまったのではないかというような、少し困惑が見られるように感じました。
それも含めて、この教科書ということを通して、例えば13ページに個別の知識や技能をもってして、さらにそれを縦と横の関係で知識を深めていくんだというふうに書かれているところ、こういった部分を学校の先生にも、教科書ということも軸に置きながら、どう使うとこの深い学び、思考の仕方が実現できるのかということを伝えていきたいなというふうに感じています。これまでの学びに寄り添ったキーワードが新たな形になった、でも、これがなくなったわけではないということも、少し丁寧に説明していきたいなというふうに思っています。
最後に、やはりデジタルの学習基盤に基づく学校教育、私たちも目指しているところなんですが、一番に理解していただきたいのは、実は学校の先生方はこれはある程度理解してくださるんですけれども、保護者や社会の方も一緒に理解してほしいというふうに思っていますので、ぜひ、私もこの世界観で学校教育ができることをとても楽しみにしておりますので、保護者の方が同じように、いい学びが始まるねというふうに思っていただけるような、保護者も一緒に、社会も一緒に巻き込んだ理解に進んでいただきたいなというふうに思っております。
整理がつきませんが、以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。
奈須委員、お願いします。
【奈須委員】 上智大学の奈須です。よろしくお願いします。私は部会長で、この論点整理の取りまとめ側なので、何かということはないのですけれど、デジタル教科書のこのワーキングとの関係でいうと、今、室長が報告してくださったように、今回は柔軟性とか弾力性とか自由度を上げるとか、現場の裁量権を拡大するとか、それから一人一人の子供に対して柔軟につくるという話ですよね。
それに対してデジタルというのは、まさにその方向性ととても合致していると思うんです。柔軟性とか自由度とか個別性とかいう話と対応していて、使い方によっては質の高い協働性ということにも資するということが出ているので、デジタル学習基盤ということ自体は、とてもそこに調和するというか、親和性があると思うんですけど、「デジタル教科書」という言葉に私はずっと、実はこのメンバーでありながら違和感を感じていて。教科書というのは、やはり質の高い教材を作って、それをしっかり使っていけばいい授業ができて、学力が保障されるという、これが日本の学校教育の長年の強みで、公正さということを担保してきた、あるいは、質の高い学力を実現してきた原動力だと思うんですけども、いいものをしっかり作っていこうとすればするほど、何というか、研ぎ澄ますような方向に行きます。
教科書作成というのはまさにその方向性だと思います。私もずっと作ってきましたけれど、2つの可能性があるのだけれど、この誌面に載せるとしたらどっちを選ぶんだというのを議論して、ぎりぎりのところで1つを選ぶということをしてくるわけですよね。
それによって、どの教科のどの教科書会社の教科書も、とても質の高いいいものになって、特に若い先生方が最近増えてきていますけど、そういった方々をサポートするということにもなっていると思うんですけれど、それは逆に言えば、弾力性とか柔軟性とか自由度という方向とは元来やっぱり逆の方向に向かっているところがあって、この辺を今後どう考えるかというのが難しいと思います。
デジタル教科書は、教科書というのはそういう特質をベースに持ちながらも、そこにデジタルという特性を入れることによって、何らかの調整ができるとか拡張ができるとかということに資するところがあるんだと思うんです。
今日の修正のところにもありましたけれども、紙の教科書だと全部見えちゃうんだけど、デジタルだから最初に出す情報を制限できるなんていう話があって、最初に出す情報を制限するというので私が思い出すのは、仮説実験授業がそうなんですよね。板倉先生がなぜ仮説実験授業を作られたか。教科書は、理科の実験の結果が次のページに出ていると。あれではわくわくする理科にならないと。だから、1枚目のプリントにはこういう実験をするということしか出ていない。実験をした後に結果の紙を渡す。それをまさにアナログでやっていたわけですけど、それがデジタルでできるという話ですよね。
そういう、紙の教科書にできなかった、それが授業に対して制限をかけていたものを、デジタルにすることによって柔軟になったり使い勝手がよくなったりする部分があるので、教科書がもともと持っている特質と、そういう柔軟性とか自由度とか拡張とかということの、ある種相反する部分がどうしてもあると思うんですが、デジタル教科書は、うまくそこを接合して調整できる可能性があるんだろうと思っています。それが今後どうなっていくかということが大事で、それを各教科書会社が、いいものを闊達に無理なくお作りいただけるような条件整備とか制度整備というのが今後も必要だというのは、先ほど岡本委員が言われたことそのものだと思うんです。
一方で、ただ、教科書である限り、やはり限界という言い方もそうですけど、全てうまくやることは不可能で、だから、ベースとして教科書にはこういう役割、意義を求めたいということはあるし、それはあまり変える必要がない。これまでうまくやってきたので変える必要はないと思っているんですけど、ただ、それを基軸にして、引き続き学習環境というか教材環境をつくっていくと思うので、それでいいと思うんですけど、その上で、自由度とか展開可能性とか柔軟性というのを高めていくということをどう考えるか。
そうなってくると、ある意味では、デジタルも含めて教科書の教材全体とかカリキュラム全体における占有率というか、位置づけが少し下がってくるという方向が私は自然だろうと思っているんです。
そのことをどの辺りで考えるかという話で、以前申し上げた、検定というのは何をしているか、あるいは教科書使用義務というのは何を本当に求めているか。ちょっと過剰になり過ぎている部分があるので、そこを正確に伝えて、しっかりと使ってもらうと同時に、まさに「教科書を」教えるのではなく「教科書で」教える、自由濶達に目の前の子供に合わせた使い方ができる、それがどういうことか。
このことは、デジタルだけではなくて教科書を教育課程の中でどんなふうに位置付けるかということで、引き続き議論が必要なんだろうと――どこで議論するのか、総則・評価特別部会でも議論するんだろうと思いますけれども、何かそんなことをとても思っていました。
本当に、デジタルの進展を踏まえて、多様性の包摂という話が出てくる中で、150年この国がやってきた、特に義務教育のベースの部分が大きく変わるんだろうと思いますね。というのは、義務教育というのは、大きなことを言うようですが、やっぱり国民統合ですよね。国民教育、国民統合、一人一人の発達を保障すると同時に、国民を形成して国民を統合するということが近代国家には必要で、近代教育のこれは基盤ですよね。
その部分をもちろん続けるんですけど、より一人一人の発達を支援するという方向にぐっと寄っていくんだろうと思うんです。一人一人の発達を支援するということが、実は何も国民形成とか国民統合と矛盾しないという理解の中で、どうやっていくかということが、今回の指導要領とか今後の学校教育のデザインで大事だと思っているんですけど、そういうことを考えたときに、「教科書」ということと「デジタル」ということがなかなか微妙で難しい、時には相入れないような構造になっているので、その辺りをどうやってソフトランディングするかということをまた考えなきゃいけないんだろうな、なんていうことを今日思っていました。
まとまりませんけれど、以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。
今日の会議は一応1時間しか用意されていなかったんですけど、皆さんからたくさんのご意見をいただいております。また、教育課程企画特別部会で議論されていることと私どものワーキングとの接続の議論ですので、非常に重要な議論かと思っています。
ただ、栗山室長はもしかしたら次の会議とかがあろうかと思いますし、そういう時は事務局のほうで承っていただいてというふうに思いますので、よろしくお願いします。
では、細田委員、お願いします。
【細田委員】 よろしくお願いいたします。細田でございます。
まずもって、この論点整理のところで掲げてあります基本的な考え方に対して、心から賛同いたしまして、とりわけ自らの人生をかじ取りする力、民主的で持続可能な社会の創り手という、この辺りのところに学校教育の持つ最上位の目標がちゃんと掲げられていて、そして、それを踏まえた形で我々のこのデジタル教科書のワーキンググループでも、奈須委員もおっしゃっていたように、まさに学制発布以降、大変大きな改革、いよいよ教科書も紙だけではなくてデジタルもということになって、紙とデジタルのどちらのよさも尊重するという、そういうことが掲げられたということ、これは大変大きなことだなと、この部会、このワーキンググループにて常々考えているところでございます。大きな風穴が開いたといいますか、本当に大きな改革だなというふうに思います。
加えて、次期学習指導要領の審議が、実はAIが社会インフラになる時代における初めての審議であるということも、大変意味深いというふうに思っているところでございます。
そして、論点整理のところに、「学びをデザインする高度専門職としての教師」という表現があるのですが、私自身このワーキンググループでも常々思っているところは、紙とデジタルのどちらのよさも尊重しながら、授業を日々どうデザインしていくかということが大変重要になってきて、授業をデザインする力、一人一人の高度専門職である教師が、そういった授業デザイン力をどうこれから先つけていくかということが、いよいよここから先は本当に大きく問われるなというふうに思います。
本当に、そもそもAI時代に学校に集い学ぶことの意義を再認、再度整理する、これが大変重要になってきて、だからこそ、学びをデザインする高度専門職としての教師の在り方、教師がどうあるべきかということを強く問われるというふうに、私自身が今日、教育者の1人として強く認識をしているところでございます。
加えて、私どもの審議の中で、概要にもありますように、いよいよこういったものに魂を入れていくためには、次のガイドラインも大変重要になってくるなと強く思っているところで、この方向性が、これまでの実証の成果、教科ごとの特性、それから子供一人一人の認知の処理能力等、そういったものをよく勘案して、紙とデジタルのよさ、そういったものに対して具体的なガイドラインがこれから非常に重要になってくるなと、こんなふうに実感しているところでございます。
大変意義深い議論の中に身を置かせていただいて、大変自分自身も勉強になり、そして、次に向けて新たな決意をしたところでございます。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。
それでは、松谷委員、お願いします。
【松谷委員】 私立中高連の松谷です。よろしくお願いします。
非常に論点整理が良くできていて、ありがとうございます。次期学習指導要領が、やはり3つの改定、3つの方向性というのが、私はすばらしいなと思っています。現在の指導要領が、これを発端として、学校現場では既に学校教育の中にどんどん浸透してきている途中の段階ではないかと考えております。そういった意味で、次の指導要領ではこれを徐々に、徹底してやっていく形の教育が大切だと思っています。
私立は、やはり建学の精神を基に、各校の独自性・精神性というのを重んじて各学校の教育を進めているということ。そういった中でデジタル教科書が、幅広いそういった教育を広げて展開してくれるのではないかと考えています。
それから教育課程のほうでも、これから基礎基本は押さえておいて、幅広く柔軟に時間数を変えていくという考え方は、これから私学も学校の教育方針のところで幅広く展開が自由にできるのではないかと考えています。そんな意味で、論点整理が良く、ありがとうございます。
一点だけ、情報の指導というところで、小学生、中学生、高校、特に情報・技術科という新しいものが出てきたというと、現場ではやはり、じゃあ先生をどう確保するとか、どういう指導かということが心配になってくるところで、そういった部分も御検討いただければと思っています。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。
では、中川主査代理、お願いいたします。
【中川主査代理】 中川です。私のほうでは、本ワーキングの区切りですので、主査代理として主に議題1に引きつけてコメントすることをお許しください。最後に一つ、議題2について個人的な意見を手短に申し上げたいと思います。
まず、本ワーキングのまとめについてです。何度も言っていますけれども、とてもクリアにこれまでの議論を分かりやすくおまとめいただいたと思っています。特にガイドラインの表記とか、それから動画の扱いについても、先日の意見を反映くださりありがとうございました。円滑に進んでいくことを期待しています。
そして、議題2の論点整理についても、それからデジタル教科書の審議のまとめについても、これからの子供たちの学びを深めて広げていくことに寄与する、具現化できることを心から期待したいと思いますし、表記に出ていますデジタルと紙の二項対立に陥ることなく、デジタルのよさ、アナログのよさをうまく教育活動に生かしていく、一つの指針になることを願っています。
また、「教科書を教える」ことから、教科書で教えるというより学ぶことへの転換が、本ワーキングでのデジタル教科書の議論をきっかけにさらに具現化・加速化するようになってほしいと思っています。
最後に、議題2の個人的な要望なんですけども、個人的な懸念を一つだけ申し上げますと、情報・技術以外の情報活用については、基本的には各教科に委ねられるようになると理解しています。私は、情報活用そのものもこれからの学びにおいてとても重要だと思っていますので、ここの温度差が教科間で出過ぎないよう、関連を持たせられるよう、調整に期待したいというふうに思っています。
以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。
皆さんから一言ずつ御意見をいただいたところでございました。私も最後、区切りですので一言申し上げたいと思いますが、今、栗山室長から御説明いただいた、非常に大きな考え方の転換、あるいは制度の変更を見越した新しい在り方を、教育課程企画特別部会で検討されてきたわけです。
ちょうど66ページでしたか、余白あるいは教育の質の向上の文脈で教科書について触れられていまして、学習指導要領自体をうまく構造化しましょうと。デジタル化することで分かりやすく、たどりやすく、使いやすくしましょうという話があり、このことと教科書の在り方、中核的な概念とそれ以外を上手に構造化するという学習指導要領の話と対応させて、教科書も調整授業時数で減ったとしてもちゃんとこなせる分量にするとそこには書いてありますが、こういうようなことについて、詳細は今後検討されるとしても、これをうまく学習指導要領の分かりやすさと連動させようとすると、ここにはやはりデジタルの強みがあるのかなと思うわけです。
一方で、従来までの指導法、あるいは紙のよさはなくなるわけではありませんので、この教科書なるものをどのようにこれからの時代に合わせて再定義し、そして、その一部にデジタルを認めていく場合の制度変更等について、先回りして検討してきたというのが私どものワーキングでした。
これは役割としてそういうふうにやってきたわけですけど、いよいよ教育内容、教科書の内容と含めてこれから具体的に検討され、そして実現可能性が高い形で、業界の方々と連携して進んでいくということに向かっていくと思っております。
従来までの「デジタル教科書」という言葉の定義は、これまでの「教科書」という定義を踏まえ、それを全部デジタルにしたものを「デジタル教科書」と呼ぶというものでした。すべて紙とすべてデジタルの2つしかなかった時代から、次の段階では、「教科書」というのは紙の部分とデジタルの部分がミックスされて構成されているものだ、みたいなことを考えようとしたときに、どのような制度変更が必要かということを、私どもは今まで議論してきたわけです。
このように、今までとは違う考え方で検討が進んでいるということが十分に伝わっていないまま、紙がいいとかデジタルがいいとか、全部デジタルにするのは危険だとか――そんなことは言っていないんですけど、あと紙をなくすのは危険だとか、これも言っていないんですけど、そういうふうに過剰に議論されているところがあります。それは私どもの説明が十分に社会にまだ届き切れていないということかと思いますので、このことについて、私どももこの教育課程企画特別部会、あるいは各教科等のワーキングと連携しながら、より一層発信を強めて、正確なところをさらに理解していただけるようにしたいと、特に保護者についても理解していただけるように進めてまいりたいと思います。
いよいよこれで、私どもが1年間行ってきたこのワーキングの検討はちょうど区切りとなります。最後に、今村戦略官から一言御挨拶いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【今村文部科学戦略官】 委員の皆様方におかれましては、昨年の9月以降12回にわたり集中的に御議論いただき、大変にありがとうございました。
このワーキングは、教科書という我が国の学校教育制度の柱の一つである制度についてデジタル技術を活用したもの、その制度的な在り方に限って御議論いただくという場でございましたので、恐らく委員の皆様方には非常なフラストレーションといいますか、それにとどまらない様々な論点がどうしても頭に浮かばれてきてしまって、それをおっしゃりたいということもあったかと思います。その点大変、非常に窮屈な思いをさせてしまいまして申し訳なかったなというふうに思っております。本日、その一端をほんの少しだけ御披露いただけたかなというふうにも感じているところでございます。
主査からも既におまとめいただいておりますので、それに加えることはございませんけれども、この間、まずは令和元年度から教科書代替教材ということで、既にデジタル技術を活用した教科書としての使用の実績、作成の実績もある中で、さらに進めて制度上、デジタルを用いたものも教科書検定、採択、そして無償給与の対象としての教科用図書の対象にするということで今回おまとめいただきまして、それに伴いまして、まだまだ詰めなければいけないところ、国に託されましたガイドラインの作成も含めましてありますので、この点などに関しまして、引き続き委員の皆様、そして関係の教科書の発行者の皆様、そして、その発行を支えていただいている学術界の皆様、教育の現場の皆様の、引き続きの御助言、御協力を賜りながら、私どもも制度改正に向けてさらなる検討を進めていきたいと思っておりますので、今後ともそういった形での御助言、御協力を賜りたいと思います。本当にありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。
それでは、本日予定しておりました議事はこれで終了いたします。ここまでといたします。閉会いたします。どうもありがとうございました。
ー了ー
初等中等教育局 教科書課