デジタル教科書推進ワーキンググループ(第6回)議事録

1.日時

令和7年2月14日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)

3.議題

  1. 中間まとめ(案)の審議について
  2. その他

4.議事録

【堀田主査】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会のデジタル教科書推進ワーキンググループ第6回を開催いたします。本日もまた御多忙の折、皆様、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 出席者ですが、本日は坂本委員、奈須委員が御欠席、細田委員がオンライン出席となっております。
 また、本日は冒頭の撮影の希望がありまして、それを許可しております。事務局の指示に適宜従って御協力をいただければと思います。
 それでは、本日の会議開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  説明させていただきます。本会議は前回と同様、対面とオンラインのハイブリッド形式での開催でございます。オンラインで参加されている方もいらっしゃいますので、会議を円滑に行う観点から、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時も含めて、会議中はオンにしていただきますようお願いします。御理解のほどよろしくお願いします。
 次に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますけれども、議事次第に記載のとおり、資料が1と2、参考資料が1から3となっております。対面で御参加の委員には紙でもお配りしておりますので、御不明な点がございましたらお申し付けください。
 では、冒頭の撮影はここまでとさせていただければと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 事務局からの事務的な説明は以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、議題に入りたいと思います。また、本日は報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeにて配信しておりますので御承知おきください。
 それでは本日の議題ですが、今日の議題は中間まとめ(案)の審議についてでございます。前回までは、私たちは「当面の間」という言い方と、「その後」という言い方を今までしてきております。「当面の間」というのは現行の学習指導要領の下で、デジタル教科書を含む様々な教科書や教材をどのように用いて子供たちに学びやすさを提供していくかという、現行の法令の下での取組について、これを「当面の間」という形で考えてやってまいりました。
 また、「その後」については、つまり次の学習指導要領が動き始めてからは、制度面の改善も含めた検討を進めていく必要があるということで、まだその改善の話までいっているわけではないんですけど、どういうことが論点になり得るかということについて検討をしてきたということでございます。
 前回の会議、第5回の会議は、この「当面の間」以降の制度面について議論を整理したところになります。それらの議論を基に、委員の皆様の間で一定の共通の認識が得られたということについて整理していただきまして、事務局に今日、中間まとめ(案)として文書をつくっていただいております。この資料1と資料2について、本日は御審議いただくということになります。
 まずは事務局より、資料1、資料2の御説明をお願い申し上げます。
【黄地教科書課長】  教科書課長でございます。本日はありがとうございます。今、お手元に資料1と2を配付させていただいております。資料1は、これまでの御議論をまとめた中間まとめの案でございます。資料2は、その概要でございます。本日は、資料1を中心に御説明させていただければと思います。
 まず、1枚おめくりいただきまして目次がございます。その上で、1ページ目に「はじめに」ということで書かせていただいております。一つ目の白丸は、社会全体でデジタル化の動きですとか、人生100年時代など様々な社会の動きを記載させていただく中で、二つ目の白丸では、そういった中で学びの在り方も変わっていることを書いてございます。
 さらに三つ目の白丸の中で、そうした中で教科書については児童生徒に国民として必要な基礎的・基本的な教育内容の履修を保障する重要な役割であることを前提に、デジタル教科書が紙の教科書に代えて使用できる特別な教材として制度化された経緯などを記載しております。
 四つ目の丸では、そうした中で本ワーキングが立ち上がっている経緯とともに、その次の白丸では、議論の在り方として様々な方々から意見聴取を行いながら精力的に検討を行ってきたと。その際、デジタル教科書の活用を自己目的化するのではなく、あくまで児童生徒の学びを充実するためにどのような教科書がよいのかという観点を大事にしてきたことに触れさせていただきながら、一定の共通認識が得られた点について中間的な取りまとめを行うと。
 最後の白丸では、さらに検討すべき課題もあるので検討していこうという流れをまとめております。
 2ページを御覧ください。ここからは、まずデジタル教科書をめぐる状況につきまして記載させていただいております。まずはデジタル教科書を取り巻く状況として、上から二つ目の白丸までは、社会におけるICTの浸透の状況とともに、二つ目の白丸で政府全体としても様々な取組が行われているということを記載しております。
 そういった中で新たな学びの内容として、次の白丸を御覧いただければと思いますけれども、これまでは学力観が内容中心だったところ、今後は何ができるようになるかという資質・能力を基盤としたものに拡張してきた経緯ですとか、さらに学びの姿も個別最適な学びや協働的な学び、そうした中でICTが必要不可欠であるという内容について触れさせていただいています。
 次の3ページを御覧いただければと思いますが、一つ目の白丸で、一方でデジタル教科書が制度化された当時は、まだ国際的にもICTの活用というのは必ずしも進んでいなかった経緯を書いてございます。
 次の白丸で、そうした中でGIGAスクール構想が打ち出されて大きく国全体として進めるようになった経緯とともに、次の白丸で、デジタル教科書についても様々な学習教材、デジタル教材ですとか学習支援ソフトウェアを効果的に組み合わせる中で、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図ることや、さらに学習eポータルなどを通じた連携も期待されているといった広がりについて記載してございます。
 次のページを御覧いただければと思います。4ページです。そうした流れがさらに進んでいる点につきまして三つ目の白丸まで大まかに記載させていただいておりまして、四つ目の白丸では直近の会議の動きとして、今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会、さらにはその後、令和6年、昨年の12月の中教審に次期の学習指導要領の諮問が行われたところでございますが、そうした中でもデジタル教科書について触れているという点について記載してございます。
 そうした中で、次の5ページでございます。デジタル教科書の現状ということで、まず、一つ目の白丸では制度改正の経緯について触れてございます。平成30年の学校教育法の一部改正によって、教科書の代替教材としてデジタル教科書が制度化されたということでございます。3行目に書いてございますように、これは紙の教科書の内容の全部をそのままデジタル化した教材ということで、次の行ですが、そのイメージとしては端末画面上に教科書紙面と全く同じ内容が表示されて各種機能がついている教材ということでございます。
 次の白丸では、さらにそれを具体的に触れてございまして、一方で教科書ではなく教材であることからすれば、デジタル教科書自体に使用義務はない、また、内容は紙の教科書と同一であるため検定はされていない、さらには採択や義務教育における無償給与の対象外であるということで、教科書とは異なる取扱いであるという点について触れてございます。
 その上で、紙の教科書と併用という形でこれまで一部教科、学年について国から提供している中で、次の白丸でございますが、令和3年の制度改正によって1年間の授業全体をデジタル教科書のみによって行うことも可能とするといった点などについても触れているところでございます。
 続いて6ページを御覧ください。まず、諸外国の状況ということで、諸外国においては教科書制度自体が教科書の定義や使用義務の有無、国定・検定・認定の別など状況様々でございまして、したがいましてデジタル教科書の位置付けも様々であるということが見てとれますが、一方で、その下の行を御覧いただければと思いますが、国家レベルで近年、デジタル教科書を推進している例として韓国とエストニアがある一方で、スウェーデンのようにデジタル化の見直しを行っている国もある点について触れております。
 さらに次の発行・活用状況についてでございます。これまでも参考資料等で御説明いたしましたけれども、デジタル教科書が制作されている割合は小・中学校で100%、高校は約76%ということでございます。さらに、国においては令和3年度から小・中学校に対して一部教科のデジタル教科書の大規模な提供を開始しまして、令和6年度時点で英語が100%、算数・数学は約55%に提供されている点などについて触れております。
 その活用状況が次の白丸でございまして、令和6年度で言いますと小・中学校の教員のうち、64%は4回に1回程度以上、デジタル教科書を使用しており、これは年々10ポイントを超える上昇となってございます。
 その要因としては一番下の行に書いてございますが、端末やデジタル教科書への慣れがデジタル教科書の使用頻度に影響していると考えられる点についても記載してございます。
 その上で、実際活用してどうだったかという実態につきまして6ページから10ページまでで触れております。お時間の関係もありますので細かくは御説明いたしませんが、これまでのワーキングでのヒアリングや委員の皆様の御意見、あるいは文科省で行ってきた実証研究などの状況を教科ごとにまとめたものでございます。例えば英語では箱書きでまとめてございますけれども、4技能の習得に向けて子供自身や先生自身が様々に試行錯誤を重ねながら使用している姿ですとか、算数・数学で言えば、その下の箱でございますけれども、シミュレーション機能など様々な機能を使う中で多様な取組を行っている点、あるいはまた、その他、国語でもペンやマーカー機能を様々な形で使っているなどという点に触れてございます。さらにはその下に特別な配慮が必要な児童生徒にも、例えば音声の読み上げ機能ですとか拡大機能などを使用しながら、それぞれの特性に合った形で使用されている点について触れております。
 そうした中で10ページを御覧いただければと思いますけれども、こうした授業実践が進む中で効果に関するデータも蓄積されている内容を記載されております。細かくは申し上げませんが、例えばその冒頭に書いてございますように、子供たちを対象にした大規模調査の中では、デジタル教科書をいつも使う子供たちは、そうでない子供たちに比べ授業内容がよく分かっている割合、「主体的・対話的で深い学び」を行っている割合が高いという結果が出てございますし、その他の調査でも効果があるといったようなデータが上がってきているところでございます。
 そうした内容を11ページの二つ目の白丸までで記載させていただいていまして、四つ目の白丸ではまとめということで、以上のようにデジタル教科書の活用が進むことで、子供たちが個別に学習する場面において間違いを恐れずに何度も書き込みしたり、図形やグラフを動かしたりしながら試行錯誤しながら考えたりする中で、個別最適な学びですとか、協働的な学びの姿が多く見られるようになったことを記載してございます。
 また、次の段落では、先生自身の負担軽減やこれまでしにくかった学びが可能になっているということに触れて、その結果、授業改善などが進んでいることも触れてございます。
 その下の白丸では、ヒアリングの中で上がってきた御意見として、学校関係者から、教科書が重くなって児童生徒の負担になっていることが大きな課題となっていると、そういった意味で軽量化が図れるようなメリットもあるという点についても触れてございます。
 一方で次の12ページでございますが、これを進めていく中で様々な課題感が教師に上がっているということで、主なものをここでは記載してございます。まず、環境面の課題として丸1としてアカウント登録などの設定作業、丸2としてフリーズやエラーへの対処といった使いづらい点、また、活用面の課題として丸3ということで、効果的な活用方法についての情報不足、丸4として子供たちが授業と関係ない操作に集中してしまうことがあるという内容が教師から上がっているということでございます。
 次の白丸では、それぞれの課題感に対する対策について触れてございます。まず、丸1でございます。設定作業に係る問題につきましては、一つのファイルを作成すれば、そのファイルでどのビューアでもアカウント登録をできるようにしたという動きですとか、また、これまでのワーキンググループでも紹介させていただきましたが、業界の方でも例えば、登録用ファイルを自動生成しながら簡単な指定でアカウント登録が自動的にできる無償サービスなどの取組を紹介したところでございます。
 また、丸2の課題、要すればフリーズやエラーへの対処の問題等については、多くはネットワークやデジタル教科書の配信基盤の通信量の多さを原因とするということでございますので、国としても当面の推奨帯域を示すとともに、ネットワークアセスメントの実施や機器の入替え、校内ネットワーク環境の整備に係る経費を補助するなどの支援を行っている点、あるいはビューアについても標準仕様書を示しながら改善を図っている点について触れてございます。
 また、丸3の効果的な活用方法の情報不足の点につきましては、実践事例の創出・発信ですとか、研修などの組織的な横展開の取組を充実させているということで、さらに進めていくということでございます。
 また、丸4の授業と関係ない操作に集中してしまう点につきましては、これまでも効果的な活用の在り方に関するガイドラインについて留意すべき点を示しているところでございます。また、PISA2022によりますと、日本の生徒はICT機器の利用によって注意散漫になることが全参加国の中で一番低い状況である点についても触れてございます。
 また、健康への影響に関する課題につきましては13ページに触れてございます。こうした懸念につきましては、2行目にございますように、授業時間中、常に手元の教科書やデジタル端末のみを児童生徒に注視させ続けている状況であるとすれば、これは健康面においても、また新しい学びの在り方としても極めて憂慮される問題ではないかということを記載してございます。
 ただ一方で、これまでのヒアリングでもございましたように、実際の授業では教師が教材を適宜参照させながらも、考えをまとめたり議論したりするなど、主体的、対話的で深い学びを促す中で、教科書や端末だけではなくて、黒板や大型提示装置、あるいは先生やほかの生徒など遠くを見ることが多いことが一般的に想定されるし、また今後の学びの在り方として望まれるということでございますので、したがって次の段落にもございますように、こうしたことを前提に進めていこうということで、これまでもガイドラインや通知、ガイドブック、リーフレットなどについてやってきたという点について触れてございます。
 また、記憶や学力への影響があるのではないかという指摘もあるところでございますが、これもこれまでのワーキングで紹介いたしましたが、デジタル学習に慣れた児童を対象にした実証研究を行ったところ、記憶テスト、理解テスト、学力調査、いずれも紙の教科書と同等程度の結果であったとする研究結果もあるという点について触れてございます。
 こうした様々な効果や課題感がある中で今後どうしていくべきかということで、13ページから本題でございますが、デジタル教科書の制度的な位置付けについて触れております。まず、13ページの一番下の白丸でございますが、大前提となる基本的な方向性として、教育はそれ自体が主体的かつ創造的な学びであること、したがって現場の創意工夫が最大限に生み出されるような環境の実現が大事であること、そのためにも関係者の納得や共感を得ながら適時適切に対応していくための制度設計とすべきことを基本的な方向性として書いてございます。
 その上で次のページでございますが、一方で教科書のあるべき点として、まず、大綱的な基準としての学習指導要領や、主たる教材で質が担保され、無償給与される教科書があるといった学習面についても全国的に適用される共通ルールが必要であるという点でございます。
 こうした点などを踏まえて制度的な位置付けを次のように整理したということで、三つ目の白丸から記載させていただいております。まず一つ目は、これまでのページでも触れたところと若干重複いたしますが、まず、教科書の代替教材としてスタートしたという点について記載してございます。次の白丸では、そうした中で効果や影響に関する成果や知見が蓄積されている点について触れてございます。
 そうした知見が蓄積されていく中で、三つ目の白丸の中では4行目あたりから書いてございますが、デジタル教科書を導入しやすくなるよう教材ではなく無償給与される教科書として位置付けるべきといった意見、あるいは紙の教科書紙面と同一の内容を画面上表示させる必要があることがデジタルならではの可能性を狭めている意見といったように、制度的な位置付けに関する意見が多く出されていることについて触れてございます。
 したがって、こうした声に応えながら学びの一層の充実に向けた意欲的な取組を後押しするための制度的な位置付けを明確にすることが重要であるということで、次のページでございます。4行目でございますが、そうした中でも紙の教科書からデジタル教科書へ一律に切り替えるような全国一律の対応という方向は望ましくないということを触れてございます。その具体的な理由が次の段落でございまして、学びの本質は機械的、定型的な作業ではなく、本来的に創造的なものであると。したがって関係者が自分事として納得感ある形でデジタルの良さを生かした取組を促すことが何よりも大事であると。したがって、このためにもデジタルのみ、あるいは紙のみ認めるといったような一律の規制の設定ではなく、社会状況の変化に柔軟に対応した多様な展開が可能となるよう、様々な選択肢が用意される方向での位置付けの明確化が必要であるという点について触れてございます。
 したがって次の白丸でございますが、教科書の形態としては紙だけではなくデジタルによるものも認められることを制度上、明確にするということとし、紙の教科書と同様にデジタルによる教科書であっても検定による質の担保、設置者などによる採択や義務教育段階における無償給与などの対象とすることが適当と考えられるという点を記載してございます。この点につきましては、前回のワーキンググループで御議論いただいた上で共通認識として得られた内容をまとめたものでございます。
 その下でございますが、そうした中でも紙とデジタルの良さを取り入れた学習環境というのは当然大事でしょうということを触れてございます。一つ目の白丸では、仮に上記の対応をした場合であったとしても、授業時間の全てを端末の操作やデジタル教科書の閲覧のみに費やすようなデジタル一辺倒の学びを志向したり、従来の紙の教科書の良さや手を動かすこと、様々な体験などのアナログやリアルの活動の重要性を否定したりするものでは全くないことを前提に、次の白丸で、こうしたことを踏まえれば、教育課程・授業全体として紙の良さに加えてデジタルの良さも生かして、リアルの活動も適切に組み合わせてデザインすることが重要であるという点を触れてございます。
 そうした中で、その下の行でございますが、新たな学びをコーディネートする教師の役割は極めて重要であって、こうした教師の役割がICTに代替されるものではないということを触れてございます。
 要すれば、三つ目の白丸にございますように、紙かデジタルか、デジタルかリアルかといったような二項対立の陥穽に陥ることなく、教育の質の向上のために学校や児童生徒の実態等に応じて適切に取り入れ、生かしていくべき考え方に立つべきであると、この辺りが極めて大事であろうという点を触れてございます。
 その上で次の16ページでございますが、そうした中でワーキングの議論でもアイデアとして頂きましたのが、様々な教科書のバリエーションがあるとしても、一つ目の白丸に書いてございますように、例えばデジタルのほうが学習上ふさわしい内容は紙からデジタルにシフトする中で、一部が紙、一部がデジタルでつくられたハイブリッドな形態の教科書も選択肢であっていいんじゃないだろうかということでございましたので、この点について触れてございます。
 また、次の白丸では具体的なイメージとして、本文部分は紙部分に掲載し、逆に発展的な内容やコラム、学び方の例などについてはデジタル部分に記載する、あるいは英語であれば長文は紙部分、あるいは逆に音声やチャンツなどはデジタル部分、算数・数学であれば、ひっ算の計算や演習問題の問いは紙部分に記載した上で図形などのシミュレーション、演習問題の解答はデジタル部分にするといったイメージも御提案いただいたところでございます。
 一方で、これはあくまで一例であるということでございまして、今後新しい学習指導要領の議論や現場のニーズも踏まえて検討されるという点を記載いたしました。
 また、次の白丸でございますが、下から4行目のところを御覧いただければと思います。制度改正を踏まえた教科書が現場に配布されるまでは今からまだ数年ございます。前回の論点資料でもスケジュール感をお示しいたしましたが、あと数年あるということでございますので、それまでは「当面の間」として併用を続けていくべきではないか。さらに、その制度化の後も従来配布していた英語、算数・数学以外の教科も対象に支援を広げていくことも考えられるという点についても記載してございます。
 こうした中で、デジタル教科書の範囲はいかなるものであろうかという点について触れてございます。一つ目の白丸の上から4行目に書いてございますように、教科書の場合は使用義務、検定、無償給与、こうした内容が実施されているところでございまして、こちらはデジタル媒体による教科書を認めるとした場合であっても変わらない内容であるということでございます。
 したがって次の白丸にも書いてございますとおり、デジタル教科書がいろんなデジタル教材とつながり得ることからすると、先ほどの使用義務ですとか質の担保、もろもろの教科書はどこまでなのかといったような範囲を明確にすることが必要になります。その点につきましては三つ目の白丸で、教科書と認められる範囲としては学習指導要領に基づく必須の内容が活字や図表などによって系統的・組織的に記載されたものが必要であるという点で明確にしてございます。
 一方で次の17ページでございますが、教科書を補完するものとして作成されておりますドリル、ワーク、資料集、動画、こういったものは教科書の内容をより深めたり広げたりするような副教材であるといったことでございます。
 そうした中で線引きが図られるということでございますが、一方で次の白丸にございますように、これもワーキングで様々御意見頂戴いたしましたが、教科書自体の内容や分量が大幅に増加していることは、教育現場では内容を網羅的に教えなければいけないといったような考え方が依然として根強く、負担感を生んでいる実態が指摘されているところでございますので、その辺りについては今後の学習指導要領の議論も踏まえながらということでございますが、内容・分量の精選、あるいはいろんな学習材と組み合わせることによる連携性の向上を図るべきという点について触れてございます。
 次の段落は、その具体的な内容についてイメージを触れているところでございます。
 続いてQRコードの取扱いについて17ページの下の方に書いてございまして、2行目に書いてございますように、従前のQRコード先のコンテンツは、それ自体が学習指導要領における指導事項を系統的・組織的に表すものではなくて、あくまで教科書本文の理解を深めるための教材として理解されてきたところでございます。
 18ページにございますように、今後もこうした教材の趣旨目的を踏まえるということであれば、そういった教材としての位置付けは変わらないということでございます。
 他方で次の段落でございますけれども、指導事項が系統的・組織的に記載される教科書の一部として認められるデジタルコンテンツであれば、その範囲がデジタルコンテンツになる場合には当然、教科書として認められるということからすると、全部がデジタル媒体による教科書もそうですし、先ほど御紹介した一部がデジタル媒体のハイブリッドの教科書においても、こうした考え方を適用することが大事だ、必要であるということでございます。
 次の白丸は、これもワーキングの中で話題として出てまいりましたが、教科書採択のプロセスの中でQRコード先のコンテンツが調査研究の対象となったり、それが採択の考慮事項になっている割合が大きくなっている状況からすれば、これは決して望ましいことではないのではないかと。また、現場や教科書発行者の負担感も生じているということからすると、次の段落で、QRコードを通じて紙の教科書と一体的に提供されて採択の判断の対象となり得るデジタルコンテンツは、あくまで教科書の一部として認められるデジタルコンテンツに限るべきではないかということについて触れてございます。
 したがって、その3行下でございますが、検定や採択の時点においては補完的な教材として位置付けられるデジタル教材が教科書と一体的に提供されないようにすること、これによって教科書以外の要因によって採択に影響が出ないようにする方策の検討も必要ではないかということを記載してございます。
 また、こうしたデジタル教科書の対象となる学校種や教科をどうするかについては、下から二つ目の白丸に記載してございます。今回の制度改正の趣旨は児童生徒の学びの充実を図る観点ということからすると、英語や算数・数学以外の教科についても実証研究を通じて様々な実践例やニーズがあること、あるいは日進月歩の技術革新や社会状況を踏まえた対応を行うということでございます。
 また、さらにということで次の白丸でございますが、どういう教科書をつくるかということは教科書発行者の創意工夫に委ねられていると。また、どういう教科書を選ぶかという点については、公立学校の教科書採択は自治事務でございますので採択権者に委ねられている中で、次の19ページでございますが、対象となる学年や教科につきましては、これまでの実証研究の成果や今後の学習指導要領の議論、さらには教科特性や子供たちの発達段階などに応じて検討することが大事ではないかと。
 その上での留意点として、その下の段落では、小学校低学年の認知処理能力の兼ね合いが重要であるという指摘ですとか、あとは、高校の場合は義務教育段階とは異なる性格を持っているという点についても触れてございます。
 さらに、その下に各教科に関する留意事項ということで触れておるところでございます。
 次が20ページで、20ページを御覧いただければと思います。こうした方向性を実現していくための導入時期について触れてございます。現行の教科書制度は、おおむね4年間を一つのサイクルとして運用されてございます。そうした中で、採択、供給、検定、あるいは著作・編集ということが各年度で行われるということでございます。そうした作業、プロセスも踏まえながら、遅くとも次期学習指導要領の実施に合わせて使用できるようにすることが望ましいという点を触れているところでございます。
 続いて、そのためにもそうした流れの中で関係者の理解が極めて大事ではないかということを触れてございます。一番下の白丸にも書いてございますように、そもそも学びをどのように変えるのかという方針が理解されないまま、デジタル教科書が活用されてしまうとすれば、かえって個別最適で協働的な学びの実現は程遠くなってしまうのではないかと。
 また、次の21ページを御覧ください。また、これまで指摘されていたような分量の多い教科書が、媒体がデジタルであろうが紙であるかを問わず、依然として採択されやすい傾向が続くことも懸念されることからすれば、このためということで、デジタル教科書の活用を自己目的化するのではなく、あくまで学習者である子供たちの学びの充実を図ることが最重要の目的であることを前提に、どういうふうに教育が変わるのか、ふさわしい教育がどのようなものなのかといったような点について、現場が納得感を持って採択や学習につなげられるように推進方策を講じる必要があるという点について触れてございます。
 そうした上で次の2ポツの今後の推進方策ということで、まず、基本的には現行制度上の実施の、先ほど紹介した課題を改善しながら取組を行うことが大事であろうとした上で、二つの白丸の中で、新しい教科書が配布されるまでの「当面の間」は紙とデジタルの併用を継続するということでございます。この間にもICT全般の活用スキルを向上させる中で、授業改善における教科書の活用の在り方を検証しながら、それぞれの教育委員会や学校が活用の可否の判断につなげられるようにするという点、また、三つ目の白丸では、「当面の間」は英語、算数・数学を段階的に導入していくが、それ以降については他の教科も含めて希望する教育委員会や学校がデジタルを取り入れた教科書が導入できるようになるという趣旨を踏まえれば、さらなる推進方策を検討していくことが望ましいということでございます。
 その上で3ポツで、更に検討を進めるべき事項として二つ目の白丸にございますように、デジタル教科書の効果的な活用方法の発信や教員の指導力の向上、アカウント管理などの負担軽減や健康影響への対応、通信環境の改善など、環境整備をいかに進めていくか、また、デジタル媒体も含む教科書の検定の在り方、採択や発行・供給の在り方、著作権の在り方などをどう考えていくかなどについてもさらに検討を進めていくべきではないかということで、こちらはまだ中間まとめという位置付けでございますので、また最終まとめに向けて御議論いただきたい点ということで最後に記載させていただいたところでございます。
 簡単ではありますが、以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。私どもがずっと議論してきたことを、いつもながら事務局の方々には丁寧にまとめていただき、今回は特にこの中間まとめとしてきちんと成文していただいたところでございます。感謝申し上げたいと思います。
 これにつきましては皆様も前回の会議も含めて、事前にいろいろと御意見等頂いているところではございますけれども、今日はこの中間まとめの案について、この記述ぶり、書きぶりについて、いろいろと御審議いただくということになります。
 オンラインは細田先生だけですので、細田委員におかれましては挙手ボタンを押していただいてと思います。ほかの方々も発言のある方は挙手ボタンを押していただいて、対面とオンライン、差がないような形で進めたいと思います。
 それでは、どこからでも構いませんが御意見のある方お願いします。この会議体、委員の数もそんな多くありませんので、ぜひ皆様から御意見を頂ければと思うところです。いかがでしょうか。
 では、皆さんも御準備されている間、私の方で少しつなぎますので御準備をお願いします。今回のこの中間まとめ(案)は目次にありますように、大きくローマ数字の1と2で出来上がっています。このローマ数字の1というのは今までの系譜と現状について、やや説明的ではありますけれども、現状の説明をしていると。この現状というのが正確に理解されていないまま意見交換がされてしまうと適切ではないということもあって、この現状のところをしっかりとまとめていただいているということでございます。
 ただ、これはあくまで現状、「当面の間」のいろんな取組の話でありまして、私たちが検討しなければならないのは「当面の間」のいろんな現場の御努力を吸い上げて、あるいは課題を解決していくことと同時に、次の学習指導要領がもう検討が始まっていますので、そういう新しい学び、新しい教育課程の下で、この教科書なるものがそもそもどうあればいいのか、紙やデジタルがどういうふうに組み合わさればいいのか、子供の学びやすさをどういうふうに提供していけばいいのかみたいなことの議論の中で、現行の制度とか位置付けを何らかの形で変更しなきゃいけない可能性が出てくるとしたら、それはどこなのかというようなことについて、皆さんに理想の形も御意見をいろいろ頂きながら今日まで意見交換をしてきたわけです。そのことを幾つかの項目に分けて整理していただいているということになります。
 まだまだ検討が十分でない部分もありますので、関係者のいろんな御意見とかをこれから頂きながら、今回は中間ですけど、最終まとめに向かってまたさらに検討を進めていくところではあります。私たちの会議は中教審の下にありますが、中教審の第12期というのがそろそろ期が終わる時期でもありますので、ここでしっかりと今期のまとめという形で中間的なまとめをしたということになります。こういう状況の中で、だからこれは完成形ではないんだけれども、今まで議論してきたことを中間まとめをした、このまとめについて皆さんの御意見を賜りたいということでございます。
それでは、大分つなぎましたがいかがでしょうか。御意見をお願いいたします。
 では、中村委員からまいりましょう。お願いいたします。
【中村委員】  ありがとうございます。みどりの学園義務教育学校、教頭の中村でございます。このたびは、このように中間まとめをまとめていただきまして、自分がここに参加しているデジタル教科書を検討することがどういった時代背景において必要なのかも改めて自分自身も学んで、そこに立った思いでおります。本当にこの内容、分かりやすくまとめていただきましてありがとうございます。その中で、先ほど堀田主査から大項目1、デジタル教科書をめぐる状況という大きなくくりと、それから2の在り方というようなところについて、現場の教員として感じるところを少し述べさせていただきます。
 まず、1につきましては、全体として子供たちのデジタルな状況における資質能力をというような必要性から、この議論が進んでいくんだと私の方では受け止めたところなんですが、これというのは今、学習指導要領における情報活用能力の育成ということにしっかりと位置付いてやっていくんだと私は受け止めました。
 その中で私、現場ですごく感じるのは、子供たちに付けたい力、情報活用能力とは、自分の学びやすいように今のデジタルな環境をカスタマイズしていけるようになってほしいと思っています。つまりデジタル教科書の中でつくり込まれたツールの中だけで学ぶのではなくて、汎用性の高いデジタル環境に自分たちが、自分が学びやすいように、それを選んで、また学べるようにカスタマイズしてというような力を付けさせたいと考えている中で、デジタル教科書はどうあってほしいかということをすごく今日、考えたところです。
 つまり私がハイブリッドを提案したときのように、あくまでも教科書とはシンプルな問いを与えるものであって、その先に学ぼうとしたときにどういうアクセシビリティが必要なのかというのも、自分から機能を探しに行くとか、そういったような世界観がこの先に広がってほしいなと感じたのが一つです。その辺りが今後の議論の中で少し検討していただければありがたいなと思うところです。
 二つ目なんですけれども、今、学習指導要領とセットでこの議論が進んでいくというお話があったかと思うんですが、現場での課題感としてカリキュラムオーバーロードというような課題感をすごく感じています。こういった多忙感、それから先生方が全て網羅的に学ばなきゃいけない、学ばせなければいけないというような、呪縛という言葉がいいのか分からないんですが、そういったところから解き放つことができるのもこのデジタル教科書の存在なのかなと思っております。
 つまり、この教科書の在り方がすごく中核的なものであって、その中核的なものの外に広がる教材の世界観がより子供たちを追究だったり、個別最適な学びにいざなうような世界観であるというような考え方を持つと、教材なのか、または教科書なのかというような考え方の一つの基準になっていくのかなと思うところです。すごく単純に、私なんかはハイブリッドを提案したときなんかは、QRコードというものは全て教材というよりは、もしかすると中には一体的に捉えて教科書準拠的な存在のものもあったり、逆に全くもう子供たちが自由探究的に探していくものと考えたりというような2段階になっているんじゃないかなと感想としては持ちました。
 最後に、今後の進め方、推進においてなんですけれども、今、教科書、この中にも算数と英語が提示されているんですけれども、今後どのような教科がデジタルとの親和性が高いのかというところ、私も提案したときにいろんな教科書とデジタルの親和性というのを提案したんですけれども、何がデジタルと親和性が高いのか、教科特性なのか、場面なのか、内容なのかは分からないんですが、その議論を詰めていくことでデジタル教科書の学びの在り方というのが見えてくるのかなと感じたところです。
 すいません、雑駁な意見になってしまいましたが以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。ほかの方々いかがでしょうか。御意見をお願いいたします。
 では、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  ありがとうございます。教科書協会の岡本でございます。事務局の方、これまでの議論をシンプルにまとめていただいて大変ありがたく思います。ありがとうございます。私からは資料1を拝見して、教科書の発行者としての立場からお話を差し上げたいと思っております。
 ページで言いますと、我々が大きく関わるのが13ページのローマ数字2の今後のデジタル教科書の在り方というところが非常に大きく関わってくる部分ではございまして、その中でも14ページの上段から制度的な位置付けというところの項目ですけれども、ここに記されている中でも15ページになりますかね。15ページに制度的位置付けのまとめのような形で「このため」から、「基本的方向性としては」というところですが、デジタルでつくられた教科書が認められる制度に例えばなった場合、これは紙でつくられた教科書と同様に検定によって質が担保されて、従来と同じように採択が行われて、無償給与の対象として供給されるということがこれまでも述べられてきていて、発行者としてもそれが適当であると考えております。
 それで教科書というのは今、申し上げましたように検定があり、採択があり、無償給与というような特別な制度の中に位置付けられるものですけれども、今回は検定と無償給与に関連して少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほど中村先生からもお話がありましたけれども、どこまでが教科書で、どこからが教材なのかという議論は、今後詰める必要があると発行者としても考えておりまして、そこに関する内容としましては16ページの後半から、教科書の範囲、内容・構成というところに書いていただいていると認識しております。ここに書いてある内容といたしましては、教科書は主たる教材であって使用義務があるというところから検定の対象になっていて、これは教科書のある意味、特性ということで、それとは別に補完的に使用されている副教材と呼ばれているもの、ここを明確に線引きしていく制度設計がないと検定も非常にやりづらくなってしまうと感じております。
 それで例示として示していただいているのは、17ページの1行目のところにドリルとかワークとか資料集、動画コンテンツということが例示されておりまして、これは確かに現在、学校の判断で必要に応じて採用して用いている副教材の位置付けと私どもも認識しておりますので、教科書が紙ではなくてデジタルも認められるとなったとしても、これらの位置付けそのものは変わるものではないと感じております。ですので、こうしたものが検定の対象になるか否かというところは、そうした教科書としての位置付けなのか、教材としての位置付けなのかというところで区別されていくというのが発行者としては自然な区分け方かなと見て読んでおりました。
 それと17ページの、その後に示されております教科書自体のボリュームが多くなる点ですね。こちらについては、最後の方の、先ほど御説明いただいた一番最後、21ページの2ポツの上の方にも、分量の多い教科書が採択されやすい傾向が続く懸念というようなことも書かれているんですけれども、本来の学びの本質という議論と実際に採択される際に量が多いほうがお得感みたいなのがあって、それで選ばれてしまうというギャップがあるとすれば、そこは本来、学習指導要領が目指すべき学びの姿というところをしっかり発信していただいて、例えば、これも先ほど中村先生がおっしゃっていましたが、中核的な内容ということで教科書を改めて位置付けていくというような、位置付けを明確化することを何らかの形で発信していただいて、それを、例えば教科書の記述の精選が求められるという記述もありましたが、そういうところにつなげて、発行者としましては、検定基準に項目としてあれば、それに沿って教科書をつくることになっていきますので、学習指導要領でどのように発信していくか、それを検定基準にどうやって反映していくかというところで、本来の学びを支える主たる教材としての位置付けをつくっていくところが重要なのではないかなと。そうした基準をつくっていくことで教科書を変えていき、中村先生がおっしゃったように授業を、学びを変えていくようなことを考えていく必要があると思って読んでおりました。
 それともう1点、続けてQRコードに関する問題についても触れられておりまして、これも教科書と教材をどう区別するかということの文脈の中で考えていく必要があると思っています。今は教科書の中に教材へ飛ぶ仕掛けがたくさん入っているということですが、これが実際、使う側からすると教科書の一部なのか、教材なのかがよく分からないと、採択時点は特にそういうことが起こっている状況かと思います。場合によってはそれを教科書だと思って採択されている自治体さんがあるかもしれないと思っているぐらいです。
 ですので、そこは先ほどの中核的な教科書の役割というものと併せて、どこを教科書として見て御採用いただくのか。その後、例えば教材をアドオンするにしても、自治体ごと、学校ごとにどういう形でそれを決めていくのかを順序立てて、教育を組み立てていただくというのが望ましいのではないかなと感じておりました。
 検定に関しましては以上のようなことになります。
 それと、もう一つ、無償給与の話が教科書の特性として出ましたので、このタイミングで言わせていただきたいと思います。15ページに戻るんですけれども、15ページのまとめとしまして「このため」のところで、基本的方向性としての教科書の特質がデジタルに適用される。これはそのとおりだなと思って今、述べたところですが、その次の段落で、デジタルの教科書というのが民間の創意工夫によって、発行者が創意工夫して教科書づくりが行われることを期待するというような文脈で書かれているんですけれども、御承知のように、教科書というのは価格を発行者が決められない制度になっています。ですから、様々創意工夫を凝らしてデジタル部分をつくったとしても、その制作コストというのは価格に転嫁することができない事情があって、こうした中で今、紙もデジタルも認めて創意工夫を期待するような制度にするということであれば、期待に応えたくなるような価格の見直しというのを同時に検討していただかないと、かなり厳しいというところが正直ございます。
 例えば、資料の中で言いますと、6ページから活用の実態というのが10ページにかけてずっと書かれていると思います。英語のところは7ページに書かれているんですけれども、これを見ますと4行目あたりに会話のアニメーションとか動画、チャンツなどの教材を使ってと書いてあるんですが、これは先ほどの教科書か教材かって議論でいうと教材だと思います。
 これは、従来は商品として販売してきたものでもありますし、実証事業で教科書と一体的に教材を提供するという普及促進事業があったので、併せて教材を提供している経緯もございますので、そう考えますと、こうしたコンテンツも含めて新たに教科書として位置付けるということであれば、そこに含まれるコンテンツには当然制作費用がプラスしてかかっていて、それも加味した計算をしていただきたい、例えばそういうことでございます。
 最後になりますが、参考までに申しますと、皆さんもお使いになっている普通の大学ノートありますよね。昔からデザインが変わっていない、企業名は伏せますけれども、グレーで何かノートブックと書いてあるような、昔から同じようなデザインのノートがありますけども、あれを調べますと、何も情報が載っていない30枚でできているノートが今、税込みで286円です。今年度、子供たちが使っている小学校の教科書価格を見ますと、保健が229円です。図工が235円です。音楽が236円です。いずれもノートより安いんですね。こうした状況で今後、紙とデジタル双方の良さを提供するとなったときに、それを可能にするためには、無償給与イコール国費だと思いますけれども、国費でどこまで予算を付けられるかという議論を併せて行っていく必要があると発行者としては強く感じています。
 以上、話が長くなってしまって、大変申し訳ないんですけれども、検定と無償給与について発行者としての意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございました。ほかの委員の方、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 阿部委員、お願いします。
【阿部委員】  今回、中間まとめに関してはこれまでの議論を、本当にどれもこれも入れていただいて、とてもよくまとめていただきました。ありがとうございました。なので、これについて特段これをという意見はないんですけれども、付け加えて、14ページになりますでしょうか、一番上の白丸です。
 現場の実態や児童生徒の興味関心に応じて多様な展開の授業が可能になるような学習環境が存在するのは、本当に自分も必要だと思っています。今、ここは児童生徒の興味関心というのが一番重要視して書かれていますけれども、これに加えて現場の実態に入るのかもしれませんけれども、現場の教員の経験値の差みたいなものも物すごくあります。経験のある先生たちは、教科書が網羅的に書かれていることはかえって邪魔で、本当に子供の興味関心の湧く授業をしようと思えば教科書は見せないで進めていくようなことも多くあります。
 でも一方で、経験の浅い教員たちにとっては教科書がよりどころとなっているところもあるんです。ですから本当にカリキュラムオーバーロードは教科書がよりどころになっている経験の浅い人たちが教科書をよりどころにするあまりに陥っているのかなと思います。
 となると、紙とデジタル、もうハイブリッドで進めていくならば、これは発展だよ、これは補充だよ、これはコラムだよ、みたいなのをはっきり分かるようにしていただくことなどを工夫していただき、また、本当に経験値によっての多様な展開が可能になるようにと考えますと、例えば私は理科が専門ですけれども、導入が一つ違うことによって子供の持つ問題は全然違いまして、でも、どんな導入でやっても内容を網羅できればいいわけですから、いろんな導入なんかも例として載せておいていただけると、本当にこれこそ多様な展開が可能になるような学習環境になるかなと思っています。
 それからこの後、実際に次期学習指導要領に向けてのデジタル教科書が配備されていくとして、今現在はデジタル教科書が使える自治体においても、使えない学校、使ったことのない教員はたくさん存在していますので、それらの子供たちや先生たちがこのデジタル教科書に慣れていく、こういう時期ということで設定していただけると本当に良さを実感できる期間になるんじゃないかなと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。現場の声ということでお話しいただきました。
 今、阿部委員もありましたが中間まとめ、非常に上手にまとめていただいていることと、皆さんにも一度見ていただいていることもありまして、特段、これについての御意見はないと理解できると思うんですけど、せっかくの機会ですので何か一言ずつ、これにとどまらずお話しいただければと思います。未発言の方、ぜひお願いしたいと思います。
 まず、松谷委員から行きましょう。お願いします。
【松谷委員】  非常にこのまとめ、ありがとうございました。非常に今までの議論がまとまっているのではないかと思っております。私から感じたことというか、学習指導要領、これからのが細かいところまで細分化するんじゃなくて、もっとシンプルに少なくして、これからの思考力、判断力をつくっていく、そして個別最適な学びとか協働的な学びをするんだったら、全て教科書に網羅されていたら、それを見れば分かるわけで、そういう教科書ではなくて探究的な、こういったテーマで、そしてそれを自分たちで調べて、そして意見交換をして学べるような学習指導要領に集約してほしいと思うんですね。そういった意味でのこれからの協議というのが進んでいかないと変化できない、それから教科書も変わっていかないと思います。
 それと発達段階での取り入れ方、紙とか、いろいろな先生方の話を聞くと、書いて学ぶことも小学校の最初の時点から必要だという話も多く聞きます。それから荷物も重くなってということもあるんで、そういった段階的にパソコンを使う時期を、内容を少なくして徐々に増やしていく形、そして基礎的な紙でやるベースから、この教科はタブレットを使ってやったほうが、デジタルのほうがいいというものはどんどん進めていくし、それから、これからの発達段階で、各教科で研究していただいたものを徐々に使っていって、そしてそういった施策でデジタル教科書もレベルアップできる、そういった形がとれるのが必要かなと。ですから、両方で、紙とデジタルをうまく使っていく、これからの4年間では必要じゃないかなと私は感じました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 太田委員、お願いいたします。
【太田委員】  日本PTA、太田です。まず、20ページに関係者の理解ということで、「保護者においても」というこの一文を入れていただいたこと、大変感謝申し上げます。私たち一番の願いはそちらでありまして、私たちもしっかりと理解をしながら、これからの教育というものについて、私たちも考えていきたいと思っております。
 あと、それと、私たち保護者の一番の願いというのは教室、学校において子供たちが生き生きと学ぶ姿を望んでいるのと同時に、先生方も生き生きと輝いて教壇に立っていただきたいという、そういう豊かな教室の姿、学校の姿というのを望むわけですけれども、例えば15ページのところなんかに先生方の役割は極めて重要であるとかいう、当然そうなんですけれども、これによって先生方の教え方が変わるというか、ゆとりが生まれ、先生たちにも今までとは違う、ゆとりのある教壇の立ち方になる、そのことがひいては子供たち一人一人に向き合う時間が増えて、そういう豊かな教室の姿が連想されるような書き方だとか。例えば20ページのところも、ただ委ねるだけじゃ駄目だよとか何か、こうなったら駄目になるということじゃなくて、こういうことがより良い学校とか教室の未来に向かっていくんだよというようなことが、何かイメージできるような書き方というのがどこかにあると、先生方も私たち保護者もほっとするのかなというのは感じました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。どうしても懸念中心に書いてしまうところがありまして、大変申し訳ございません。
 細田委員、お願いいたします。
【細田委員】  よろしくお願いします。まず、成文に対して心より感謝申し上げます。こうやって成文化されると自分自身も非常に頭の整理ができたなということで、本当に心より感謝申し上げます。
 デジタル教科書の使用が自己目的化するのではなくて、あくまでも子供たちの学びをさらに効果的にするための視点に我々の議論が終始立って進められてきたことが大変意義があったなと思うこと、そして、その議論の結果、ハイブリッドでの提案になったことも、何か手前みそになってしまって恐縮ですが秀逸であったと思います。
 具体的には、例えばデジタル教科書が教材として活用されるようになった平成31年の議論後に、実際に様々な場面で活用されていく中で成果と課題が蓄積されて可視化されてきたことにより、例えば課題においてもテクニカルな部分がかなりあることが分かったこととか、あと、そのことが今後適切に対応できることである、そして私はこれ、とても個人的にそういう結果が見えたことがうれしかったんですけれども、日本の子供たちがICT機器に対しての集中力があること、世界的に見てもかなり集中力があることが可視化された。
 これは、どうしても毎日現場にいると、少しうまくいかないときに集中力が切れたなんて思ってしまいがちな、完璧を求めがちな日本の教師にとってみても、国際基準からするとかなり集中力がある子供であるということが分かってきたことも大変うれしいですし、それから学力への影響もプラスの部分が確認できたこと、このことにより心配事が大分減ったと思います。ですので、この議論、そしてこの成文化については大変多くの皆様方に読んでいただき、御理解いただけるといいなというのを個人的に思っているわけですが。
 さて、次と考えますと、自分自身が教育行政と学校を行ったり来たりしながら教育に携わってきた、いわゆる実務家でありますので、この後ハイブリッドでデジタル教科書を選んでいったときに、活用して効果的に授業デザインができるような教師の授業力、これを付けていくために、例えば育成とか研修において工夫をし、システムをつくり、さらに新たな学びに向かって全ての教員がコーディネートする力をどういう仕組みでつくっていくかということを、デジタル教科書を真ん中に置きながら議論を展開させていく必要があるんだな、それがさらに求められるんだなと。もう一度学校に、また教育現場にボールが投げ返されるんだなと思ったところでございます。
 大変有意義な議論の中に加わらせていただいたこと、感謝申し上げます。ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 中川主査代理、お願いいたします。
【中川主査代理】  ありがとうございます。事務局のおまとめ、ありがとうございます。よく、これまでの議論を踏まえておまとめ、ありがとうございますと言うんですが、本当にこれまでの議論をいろいろと検討されて踏まえ、盛り込まれて、まとめられているなということを改めて感じました。お礼申し上げます。
 今日は、主査代理というよりは一委員として最後にコメント三つさせていただきたいと思うんですが、一つ目は社会におけるICTの浸透と新たな学びにおける教科書の姿を見据えることが必要だということを改めて強く感じたということですね。例えば今日の出されたまとめですと、14ページにこういうふうに書いてあるんですね。「これからの新しい時代を切り拓いていくために必要な資質・能力を育む観点から、「主体的・対話的で深い学び」や「個別最適な学びと協働的な学び」に向けた授業改善等にデジタル教科書が効果的であるとのデータや分析・見解が多くの教育実践と実証研究を通じて示されている」と、こういうふうに指摘されていることはとても重要だと思います。
 本ワーキングでも何度もいろいろとこの発表があったり、それから調査研究でもそういう結果が出ていると。そう考えますと、1人1台端末環境が児童生徒に学習基盤のツールとして定着しつつある現在ですので、ここはもう後戻りするようなことがないようにしていかなきゃいけないということを我々、一回これ、共通認識したいなと思うことが一つ目です。
 二つ目が、今日出ています基本的な方向性として、教科書の形態として紙だけでなくてデジタルによるものも認められることを制度上明確にするということは、これはまさに一丁目一番地だと思うんです、古い言葉ですけれども。そしてそれに伴って検定範囲とか検定時期を決定すること、あるいは今日、ほかの委員からも話が出ていますデジタル教材との線引きを検討すること、これ、早急かつ明確に進める必要性を感じています。そんなに時間はないと思っていますので、ここをぜひお願いしたいということが二つ目です。
 それから三つ目、最後ですけども、先ほどこれも話が出ていたQRコードへの懸念です。QRコードのみがイコール本まとめに出てくるハイブリッドという短絡的な話ではなくて、今後さらにハイブリッドの在り方とか詳細を議論していくべきだと理解していますけども、ここは何か独り歩きというか、誤解がないようにすべきだと思っています。また、18ページにも書かれていますように、QRコードを増やしていく状況が教科書の内容に応じて採択すべき教科書を判断するという採択本来の趣旨に照らして望ましいことではない、この指摘も非常に重要で十分留意していく必要があると考えています。
 以上三つについて述べましたけれども、今後さらに、これからの時代に合った教科書の在り方や位置付けを議論していく必要性を強く感じています。よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。ほかの委員の方、ほかに御意見がありますでしょうか。よろしいですか。
 では、私からも主査として少しコメントを差し上げたいと思います。まず、この議論、今回、今日で6回目になりますけれども、この一つ前の会議体、さらにその前の会議体とあったわけです。デジタル教科書というものをどのように描くか、そして、それをどのように例えば使用可能にするか、どこまで認めるかみたいなことはもう平成の段階からずっと議論が続いているわけです。それはつまり、現在ある教科書、この教科書制度というのは日本の誇るべき非常にすばらしい教育制度の一つだと私は思っていますけど、これまでの議論は、この教科書制度の範囲の中でどういうふうにデジタルも認めていくかという、そういう議論だったわけですね。
 そもそも教科書制度というのは、学習指導要領を国が教育課程の基準としてつくり、それに対して検定を行って質保証するという国の役割と、民間企業、今日、岡本委員がおっしゃったように、教科書発行者が専門的なノウハウをお持ちで、ここが良質の教科書をつくることによって、ちょっと競争的になりますけれども、いろんな良いものを改善しながらつくっていただくという、こういう民間のお仕事と、そうやって検定された幾つもの教科書の中から、うちの子供たちにはどれが合うのかということを自治体広域でいろいろと詳細に検討いただいて、教育委員とかも入っていただいて採択していただくという実態に応じた自治体の判断、そういうものがうまく交わった制度ということになりますし、そうやって採択された教科書を用いて目の前の子供たちにどのように指導するかは、それこそ現場の教師の裁量として今まで動いていたわけですね。これらの制度の組合せ、そしてそれに対して無償給与という形で義務教育をより良いものにしていくという、そういう制度の中でデジタルをどうやって認めていくかということを今まで議論してきたということになります。
 このデジタル教科書の議論においては、たくさんの御意見を、それこそ国民の皆さんや、あるいは現場の先生方や、報道も含めていろんな御意見があります。様々な御意見をうまく吸収して私たちは議論していかないといけないと思っていますが、デジタル教科書というのは様々にあるデジタルのいろんな教材やツールのうちの一つだし、そもそも端末も使って学習を進めていくときの題材の一つであります。いろんな意見の中にはデジタル教科書の問題ではなく、端末を使うときの例えば姿勢の問題とか、健康の問題とか、あるいはデジタル教材の質が十分でないみたいな話を、まるでデジタル教科書の課題かのように議論に交ざってしまうことがありました。
 これらのことについては先ほど岡本委員もおっしゃったように、どこからどこまでが教科書として私たちが今、検討している範囲かということを冷静に見極めながら、デジタル教科書の議論を丁寧に進めていくことが大事なのかなと思います。
 現に中川主査代理が中心となって様々な調査等を行ってきていただいておりますが、学校現場でデジタル教科書を使用した先生ほど、これの効果は理解していると。逆に言えば、まだ使っていない人はいろいろと心配や懸念があるということもありまして、国としては文部科学省で英語、外国語を中心に算数・数学も提供していただいていますけれども、いろんな教科でつくられているデジタル教科書をもっと多くの先生が利用できるような、そういう段階もつくっていかなきゃいけないんじゃないかなとは思います。
 また、いろんな課題として例えばユーザー登録が大変だとか、こういう課題はいろいろ出ているわけで、これは既にいろんな努力で改善は進んでいますけれども、また、ネットワークの速度の問題で、その結果、デジタル教科書が使いにくいみたいになってしまっていることもあろうかと思いますが、こういうことの改善も着々と総合的に今、進んでいるところです。
 中教審に対して大臣からの諮問が昨年末の12月25日にありまして、次の学習指導要領に向けて、これからの教育の在り方について検討が進むところでございまして、より今まで以上に多様な子供たちをどうやって包摂し、子供たちに対して学びやすさをどのように提供し、そして、そこに教師の新しい役割と教師の持ついろんな指導のノウハウをどのように提供していくかと、このことについて保護者にどういうふうに御理解いただくか、教育委員会がどのように対応するか、民間の力をどういうふうに借りるか、こういうことを非常にこれから大事なこととして検討が進んでいくわけで、制度をより柔軟にする方向に少し向かっているようにも思いますし、現場の意見、あるいは現場の考えをより尊重しやすいような柔軟な制度に向かっていくということが今、出ています。
 子供第一主義で進んでいくということだと思いますけど、こう考えてみると、子供から見れば採択された1社の教科書しか見られないというのが、本当に今後の形としていいのかどうかということも、今は制度上そうなっていますけど、これも一つの大きな課題かもしれません。無償給与の範囲を定めることが教科書の価格に反映されてしまって云々という話が今日、課題として出されたところでありますけれども、これも本当に無償給与をどこまでにしていくのかということも、もしかしたら大きな議論としてあるのかもしれない。
 教科書の流通についても今、非常によくできた仕組みで、様々な努力で流通がされていますけども、これもデジタルになると、デジタルの部分は少なくとも流通はネットワークの速度は大きな問題になりますが、簡便になると考えると、紙の部分の流通をどうしていくか、デジタルとどういうふうに組み合わせていくかというのはこれからの大きな議論の課題になると思います。
 まだまだ、ですから検討して解決しなきゃいけないことはたくさんあるわけですけれども、私たちは現行の制度にとらわれ過ぎず、新しい形を描きつつ、今後の制度の在り方を、これもまた一度に急には変えられないと思いますので、丁寧に議論して文部科学省の方に私たちの考えをお伝えし、そして制度の改善に努めていただくようにお願いしていく形になろうかと思います。
 皆さんからも出たように、この中間まとめの文章、大変丁寧にまとめていただきましたので、細かい御意見はいろいろありましたけれども、大きなところでは特段の改善要求はなかったと私は思います。細かい言い回し等については、これからも事務局に少し反映していただくつもりですけれども、基本的な方向性や内容については、おおむね共通理解が得られたのかなと思います。今後の修正内容については、皆さんにまた御相談するところあるかと思いますが、基本的にはこの主査一任とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
【堀田主査】  ありがとうございます。それでは今後、このワーキングの中間まとめを主査一任していただきましたので、事務局と相談して細かい部分を修正した後に、親会議等でも審議にかけていくことにしたいと思います。ありがとうございました。
 まだこれ中間ですので、今後また議論していくことが必要になりますけれども、第12期の中央教育審議会、これはもう間もなく任期が切れます。私たちは中教審の中のワーキングですので、一応この開催としては、このワーキングは本日が最後の開催ということになりますので、また今後の議論については新しい体制で議論が進んでいくものと思いますし、このワーキングのみならず、いろんなところで議論が起こると思いますので注視いただければと思うところです。
 事務局に一旦お戻ししようと思いますが、いかがでしょうか。どうしましょうか。課長、お願いいたします。
【黄地教科書課長】  ありがとうございます。先生方におかれましては本当にお忙しい中、お集まりいただきまして、本当に活発な御議論をいただきまして本当にありがとうございました。
今日、中間まとめの文章を御説明させていただきましたが、我々もこういった形で御提示できましたのも、これまで6回にわたる会議の中で、先生方、あるいはヒアリングにお越しいただいた様々な方から具体的な形で御意見などを頂戴できたからこそ、我々も文章化できたというところでございます。本当にありがとうございます。
 今日も堀田主査の御采配によって、無事中間まとめはほぼ御了解、御了承いただけたということでございます。また今回の中間まとめですね、今後、先ほどお話いただきましたように初等中等教育分科会などでも御審議いただくほか、また、我々事務方としてパブリックコメントなども行わせていただきたいと思っております。また、さらに今後検討しなければならない点、今日の中間まとめの案にも書いてございますし、また、今日の御議論の中でも様々御提案いただきましたので、引き続きワーキンググループの中でも御議論を進めていただければと考えてございます。
 また、今期は今日が最後になるところではございますが、委員の皆様には引き続き様々な機会でお知恵、お力をお借りできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。
【堀田主査】  黄地課長、ありがとうございました。
 それでは、本日の審議はここまでといたします。皆さん、御協力ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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初等中等教育局 教科書課