中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教科に関する専門的事項に関する検討委員会家庭ワーキンググループ(第3回)議事録

1.日時

令和5年6月20日(火曜日)13時30分~15時30分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 教科に関する専門的事項に関する検討について(家庭)
  2. その他

4.議事録

【岡本主査】  定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会、教科に関する専門的事項に関するワーキンググループ(家庭)第3回を開催させていただきます。
 本日もオンラインでの開催です。
 それではまず、事務局から会議の開催方式と資料について御説明をお願いいたします。

【松本教員免許・研修企画室専門官】  文部科学省教育人材政策課の松本でございます。
 まず、会議の進め方等についての確認をさせていただきます。本日はオンラインでの開催となっておりますので、インターネットでも聞き取りやすいようにはっきり御発言をお願いいたします。御発言の際は、お名前をおっしゃっていただくようお願いします。発言時以外はマイクをオフ、ミュートにしていただくこと、御発言に当たって「手を挙げる」ボタンを押していただくことに御協力をお願いいたします。
 また、資料についてでございますが、資料1から3については、順番に1つのファイルでまとめております。参考資料につきましては、1から4ごとにファイルがございます。
 事務局からは以上でございます。

【岡本主査】  ありがとうございました。早速議事に入らせていただきます。
 本日の議事は、次第にあるとおりでございます。まずは議事1、教科に関する専門的事項に関するワーキンググループ(家庭)まとめ(案)についてです。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【樫原教員免許・研修企画室長】  皆様、本日もよろしくお願いいたします。教員免許・研修企画室長の樫原でございます。
 まず、資料1を御覧ください。資料1が教科専門に関するワーキンググループ(家庭)の前回にいただいた主な御意見でございます。
 主な意見としましては、それぞれ科目区分全体について、「家庭経営学(家族関係学及び家庭経済学を含む。)」について、「被服学(被服製作実習を含む。)」について、「食物学(栄養学、食品学及び調理実習を含む。)」について、「住居学」について、「保育学(実習及び家庭看護を含む。)」について、最後に「家庭電気・家庭機械・情報処理」についてということで記載しております。それぞれの意見の詳しい中身については、この後のワーキンググループまとめ(案)の御説明の中で随時取り上げさせていただきます。
 続きまして、資料2を御覧ください。教員養成部会、教科に関する専門的事項に関する検討委員会ワーキンググループ(家庭)まとめ(案)でございます。
 まず、1.見直しの基本的な方向性です。教育職員免許法施行規則第4条第1項表備考一号ヌにおきまして、中学校教諭の普通免許状「家庭」の授与を受ける場合の教科に関する専門的事項に関する科目の単位を修得する際には、以下の科目(以下「中学校家庭科目区分」)についてそれぞれ一単位以上修得することが必要とされております。こちらは「家庭経営学(家族関係学及び家庭経済学を含む。)」、2点目が「被服学(被服製作実習を含む。)」、3点目が「食物学(栄養学、食品学及び調理実習を含む。)」、4点目が「住居学」、5点目が「保育学(実習を含む。)」です。
 また、施行規則第5条第1項表備考第1号ワにおいて、高等学校教諭の普通免許状「家庭」の授与を受ける場合の教科に関する専門的事項に関する科目の単位を修得する際には、以下の科目(以下「高等学校家庭科目区分」)についてそれぞれ一単位以上修得することが必要とされております。
 1点目が「家庭経営学(家族関係学及び家庭経済学を含む。)」、2点目が「被服学(被服製作実習を含む。)」、3点目が「食物学(栄養学、食品学及び調理実施を含む。)」、4点目が「住居学(製図を含む。)」、5点目が「保育学(実習及び家庭看護を含む。)」、6点目が「家庭電気・家庭機械・情報処理」でございます。
 本ワーキンググループでの検討の結果、中学校家庭科目区分及び高等学校家庭科目区分を次のように見直すことを求めるということです。こちらについては、下のほうに一応見直し後のものがありますので、そちらを見ていただければ分かりやすいかと思います。
 まず、基本的には中学校の家庭科目区分については、5区分という考え方は変えるものではありません。その上で、「被服学(被服製作実習を含む。)」については(被服製作実習を含む。)を(被服実習を含む。)という形にしております。
 次に、「保育学(実習を含む。)」については(実習を含む。)を削除しております。
 高等学校の家庭科目区分については、6区分あったところですが、6番目にあった「家庭電気・家庭機械・情報処理」を削除しております。
 また、「被服学(被服製作実習を含む。)」については中学校と同様に(被服製作実習を含む。)を(被服実習を含む。)という形にしております。
 「住居学(製図を含む。)」については(製図を含む。)を削除しております。
 最後に、「保育学(実習及び家庭看護を含む。)」については(実習及び家庭看護を含む。)を削除しております。
 それぞれの考え方ですが、まず、科目区分については、特に家庭経営学と保育学について組み替えてはどうかという御意見もいただいたところですけれども、家庭科学会の関係者から過去に提言されたものを見ましても、基本的には5区分の考え方というのは変わっていないということを踏まえますと、少なくとも今の段階でこの5区分を再編して、新たに各大学に対して科目の開設の見直し等をお願いするというのは少し時期尚早ではないかということがありまして、この5区分というものは基本的に維持する方向で考えております。家庭経営学については(家族関係学及び家庭経済学を含む。)ということでそのままとしております。
 続いて、被服学の(被服製作実習を含む。)という部分ですけれども、ここについては、特に実習というものは被服に関して必要だというところで御意見はまとまっていると思う一方で、製作といいますと基本的に被服構成の中の作るという部分に限定されてしまうということでありまして、被服については、被服構成だけではなく、被服衛生や被服管理等、様々な側面から基本的には被服学というのが成立しているわけですので、その一つだけを取り出すよりも基本的には被服実習として幅広い実習の方法を読み込めるようにしたほうがいいのではないかということで(被服実習を含む。)ということにしております。
 3点目に「食物学(栄養学、食品学及び調理実習を含む。)」ですけれども、こちらは食物学といっても栄養学的な側面、食品学的な側面の両方あるということと、実習としてはもはや調理実習ということで実習形態がおのずと決まっていくものと思いますので、(調理実習を含む。)のまま維持しております。
 4点目に「住居学」ですけれども、特に高校の(製図を含む。)については、高校のインテリアというか高校の住生活デザインの部分でも製図そのものまでを求めているわけではないと考えると、(製図を含む。)は不要ではないかと考えております。
 5点目に「保育学」ですけれども、(実習を含む。)の部分につきましては、実習の具体的な中身までは書いていないこと、そして、この後触れさせていただきますが、そうなったときにどのようなことでこの学問を学ばせるかということは大学側の対応に委ねるべきではないかということで、この「実習」という文言を削っております。一方で、(家庭看護)の部分が高校のほうにだけありますけれども、特に家庭看護とか介護というのは、本来どちらかというと保育学とは別物であって、単元的に言っても家族関係とかそちらのほうに本来含まれるべきものであろうと思います。その中で、家庭看護のみを特記しておりますけれども、例えばほかの介護ですとか、ほかの家族関係に関わるものとの並びを考えたときに家庭看護だけを特記する理由は乏しいのではないかということで、ここからは削除し、「保育学」で統一したいと考えております。
 続きまして、2番目の必要な移行措置等ですが、1ポツを踏まえて、以下の措置を講ずることが必要であるとしております。
 1つ目は、改正前の科目「住居学(製図を含む。)」を既に修得した者については、それぞれ改正後の科目「住居学」を修得した者とみなすことができること。
 2点目に、既に修得した又は卒業までに修得する「家庭電気・家庭機械・情報処理」の単位については、改正後の「教科に関する専門的事項に関する科目」の単位としてみなすことができること、つまり最低一単位という部分には無関係になりますが、例えば一種免許であれば20、二種免許であれば10必要な単位の中には当然含むべきであろうということで、既に修得した、もしくは当該学生が今後卒業までに修得する部分の単位についての扱いは、このように経過措置を置くべきではないかと考えております。
 続きまして3点目ですが、今回の改正により、中学校家庭科目区分と高等学校家庭科目区分が完全に一致することになる。このため、教育職員免許法別表第八の規定により中学校教諭普通免許状「家庭」を基礎として高等学校教諭の普通免許状「家庭」の授与を受ける場合について、特定の高等学校科目区分を大学独自科目に含める規定は削除することということで、今までは中学校の免許しか持ってない人が高校の免許を取るという場合には、高校で必要な部分でカバーされていないものについては新たに単位を取る必要があったんですけれども、今回は中学校と高校が重なるということですから、この部分については単純に削除するということになります。
 それで、実は中学校の免許を持っている人については、今回の改正によりおよそ高校の免許に必要な単位は取れているということになろうかと思いますので、一部例外的な場合はあるかもしれませんが、そうすると、こういった人たちについては、そのまま再度申請することで高校の免許を取れる可能性も残っているということを付け加えさせていただきます。
 最後になりますが、「中学校、高等学校ともに免許外教科担任の許可件数が多いことから、各都道府県教育委員会等に対し、免許法認定講習の開設等を促すとともに、国としても必要な措置を講ずること」ということを書き加えさせていただきました。
 私からの説明は以上です。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 では、ただいま説明いただきましたまとめの案について審議に入ります。
 鈴木佳子委員お願いします。

【鈴木(佳)主査代理】  鈴木です。よろしくお願いします。
 これは、まず全体的に通してということでよろしいでしょうか。
 前回、1回目、2回目ということでワーキンググループを開催していろいろ検討させていただいたわけですけれども、2回の検討事項を踏まえて基本的にはまとめていただいたのかなと思っておりますので、私としては、この大きな先ほどの御提案については、基本的にはこういう方向でよろしいのかなと思っています。細かいところが必要だということであれば、また一つ一つについて意見を申し上げたいと思いますけれども、大きな方向としては、私としてはこれでよろしいのかなと思います。
 以上です。よろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 鈴木明子委員、お願いいたします。

【鈴木(明)委員】  お世話になります。
 前回の会議から、またいろいろと関係の皆さんとお話しさせていただきまして、先ほども御説明がありましたように、今回、保育学と家庭経営学の中の家族関係学とのセットでの枠組みも新たにというようなところ、それはかなり大きな改革といいますか、様々なところに影響を及ぼすものとして時期尚早、時期がまだ早いというようなこともございまして、やはり方向性としてはそちらを目指して、私たちがその根拠になるものをきっちりつくっていかないといけないのかなというところも改めて感じながら今日を迎えておりますが、先ほど提案いただいた方向性は、鈴木佳子委員と同じように大まかなところは現時点ではこれでいいかのなというように思います。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 3人目の委員として、私も、大筋はこれでいいのではと思っております。
 3人の委員でまとめの方向性としては一定了承されました。その上で、先ほど鈴木佳子委員、鈴木明子委員から細かな点についてお考え等がおありのようですので、御意見を頂戴できればと思います。
 鈴木明子委員、お願いします。

【鈴木(明)委員】  では、私からでよろしいですか。
 すみません、資料を共有したほうがありがたいかなと思うのですが。ありがとうございます。
 これの、一つ家庭経営学のところは、生活経営学とすべきではないかということを提案してまいったのですけれども、これに関しては家政学会の学問分類が家庭経営学のほうが上位にあるということで、それを根拠とするならば仕方がないということで今は納得したところなのですが、早速、家政学会のほうでもそこは検討を始める予定ですが、できるだけ早くこれは「生活」にしたいなと思いますが、これはもうこのままで結構かと思います。
 1点、被服学のところなのですが、被服実習ということで「製作」を消すということについて、先ほどの御説明で被服衛生や被服整理、管理等々の実習、それらの専門性もある中、構成のところだけがここに表現されるような感じを受けて、そうではない形にということで「製作」を消すということだったんですけれども、下の食物学の調理実習のほうは、食のほうは実習というと必然的におのずと調理実習ということになるという御説明で、そうであれば被服のほうも同じことなのかなと。食物のほうも栄養学、食品学の、そちらは実験ということになるのかもしれませんけれども、だから実験と実習というところを被服学、食物学で整合させる必要はないんですけれども、納得しながらも、この被服学のほうの「製作」という言葉を残していただきたいなというところは若干ございます。
 というのは、調理のほうでも基本的な実習題材が日本文化の継承というところで残っていっているように、被服学のほうも針と糸を使ったものづくりというところは落とせないかなと思いますので、それも含んでいるということだとは思うんですけれども、「製作」という言葉が消えるということは若干抵抗はございます。これが被服を作るというところをイメージさせるということだとは思うのですけれども。大筋は納得しておりますが、「被服製作」の「製作」のところは様々な方から意見はいただいているところです。
 以上です。すみません、佳子先生、先にやらせていただきました。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 では、鈴木佳子先生、お願いいたします。

【鈴木(佳)主査代理】  鈴木です。よろしくお願いします。
 今、被服製作実習のところでお話があったんですけれども、私、学習指導要領が小・中・高ともにABCの3つの内容に統一されていて、そのうちの一つ、Cが消費生活と環境になっているが、今のこの専門科目の区分だと全然見えてこないので、何かそういうことが意識できるようになるといいのではないか、みたいなことを、最初のときに、申し上げたような気がします。この意見の中にも書いてありましたけれども、被服実習というようにすることで、もうちょっとその辺のイメージが広がるところがあるのではないかなと思っているところがあります。
 それからもう一つ、学習指導要領のBの中の(4)として衣服の選択と手入れというのがあって、「日常着の手入れついて理解し、適切にできること」という表現があります。手入れが適切にできるということが指導要領として求められていることだと考えると、そのことが製作だけじゃなくて手入れとしてもできるよう、実習を通して必要な技能が身につけられるということにもなると思います。環境とかに配慮しながら手入れしていくとか製作していくということが、この被服実習というようにすることで具体的な言葉が入るわけではないけれども少し意識できるようになるのではないかという部分と、先ほど申し上げたように「手入れが適切にできること」という表現があるので、そのことが被服実習とすることで、製作だけではない部分を少し意識していただけるのかなというふうに思ったので、「(被服実習を含む。)」でよろしいのではないかなと私は思っています。
 どうぞよろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございます。ただいま、被服学の「(被服実習を含む。)」に関して、御意見をお二方からいただきました。
 その前に、鈴木明子委員から、家庭経営に関して、将来的には生活経営も視野に入れる方向で、という御意見をいただいたと思っております。
 被服製作実習の製作について、お二人の委員のお考えが異なっております。どちらの観点も納得感がありますので、判断が難しいところかと思います。
 私の考えも少し申し上げますと、私は、最初の時点から「(被服実習を含む。)」とした場合でも、被服製作を排除するものではない、という考えで発言をさせていただいておりました。現在の衣生活は、ファストファッションの浸透により、被服製作を必須としなくても生活が成り立っている、衣生活をいかに合理的に快適に過ごすかということが生活者として成長していく児童・生徒たちに、限られた時間の中で行う教育として、被服について広範囲に学ぶことが出来るのではないかと考えています。
 先ほど鈴木明子委員から、決して被服製作を排除しているとは捉えていないとご発言があったと思います。衣生活について幅広く扱う、それから、今はファッションコーディネートの観点から、限られた枚数の衣服で上手に着こなしていくことも、衣生活の在り方の一つであろうと考えますので、幅広く範疇を広げた実習ができたらいいなと考えているところでございます。
 ということで、被服に絞ってちょっと詰めていけたらなと思いますけれども、いかがでしょうか。

【鈴木(明)委員】  鈴木明子です。
 最終的には岡本先生にお委ねるところなんですけれども、これからの衣生活、そして現状の子供たちや生活実態を考えると、先ほどおっしゃっていただいたようなことになるかと思います。ただ家庭科の中で、みそ汁もそうだと思いますし、お茶もそうだと思いますし、現状の生活ではあまり食さないものもやはり文化として残すという、文化の継承というところで針と糸の文化というのも非常に重要かなと思っておりますので、排除するものではないと言いましても、やはりそれがだんだんと変わっていくのかなというようなこともちょっと危惧するところではあります。
 ごめんなさい、もう最初に言いましたように大筋は納得しているんですけれども、もう一つ、高校の専門科目の中に被服に関わる科目が結構多様にあります。それに対応する教員としては、1枚の被服の製作ということは、やはり作っていくのは必要なのかなというようにも思っていますので、あとは教員養成の大学の先生方のお考えといいますか、そこのお考えにお願いしたいというようにも思います。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 鈴木佳子委員、いかがでしょうか。

【鈴木(佳)主査代理】  鈴木です。
 私も、全然ミシンとか針と糸を使うということを否定しているわけじゃなくて、そういう経験ができればあったことにこしたことがなくて、先ほどの学習指導要領でいくと、さっきの衣服の選択と手入れということと、もう一つ、中学校では生活を豊かにするための布を用いた製作となっているわけです。そうすると、求めていることが布を用いた製作なので、ミシンや、針と糸を使って適切に布を用いて何か物を作るということは、生活をする上でこれから、少なくとも家庭科の先生を目指す人には必要かなというふうに思っています。
 ただ被服製作と入っちゃうと、被服というか、何か着るものを作るということに限定されてしまうので、もうちょっとそこが幅広くなって、だけどきちんとそういった布を用いた製作ができるよう、必要な知識や技能を身につけられる、そういう経験ができるような学習が何か担保できればいいのかなと、そのように思っています。よろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 ただいま御意見をいただきました「被服製作実習」を「被服実習」に、ということで、大筋で意見がまとまったと思います。ただ、ここに至るまでの議論の中で、「製作」の表記がなくなっても、被服実習には被服製作が含まれていると伝わる必要があると思います。
 食物その他について御意見とかお気づきの点はございますでしょうか。

【鈴木(佳)主査代理】  鈴木佳子です。お願いします。
 食物のところについては、前回、「(調理実習を含む。)」だけでいいのではないのかというような御意見もあったかと思うのですけれども、ここの主な意見のところにも書いていただいていますけど、衣食住のうちの食に関することというのは指導要領の中で(1)(2)(3)ということで3つ示されているんです。その3つ目が日常食の調理と地域の食文化となっているので、(1)(2)はまた違うもの、栄養とか、それから食習慣みたいなところについて書かれていて、衣のほうは先ほど申し上げたように(4)(5)ということで2つなんです。数だけで何とも言えるものではないんですけれども、食のほうが少し時数的にも多く学習しているというお話も前回させていただいたと思うんですけれども、そういうように考えると食のほうがいろいろなところを踏まえて少し細かくやっているところもあったりするので、このままの形でいいのではないのかなと思っているところです。
 どうぞよろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 鈴木明子委員、いかがでしょうか。

【鈴木(明)委員】  食に関してだけ、今申し上げたほうがよろしいですか。
 専門の方にもいろいろ御意見を伺ったところなんですけれども、非常に悩ましい、さっき鈴木佳子委員が言われたように「(調理実習を含む。)」だけにするという案と、原案のように3つ並べるということ、それぞれ非常に悩ましいということだったんですけれども、最終的には今の原案を支持するというところで御意見を、ごめんなさい、私の可能な限りでの意見聴取ですけれどもいただいておりますので。
 あと、さっき鈴木佳子委員も言われたように、これは家庭科の食の内容のベースにある学問として食品学、栄養学、そして調理科学というのは、これは三本柱でいいんだと思います。それを明記するということでいいよねとは思います。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 私も、食は家庭科の中でのウエートが大きいということで、現状の科目区分の表記のままで進めて良いのではと考えています。 住居学についてはいかがでしょうか。原案では高校の「(製図を含む。)」を削除して、中学・高校とも「住居学」ということで提案していますが、これに関していかがでしょうか。
 
【鈴木(佳)主査代理】  鈴木佳子です。
 前回もこれはこういう方向で大体方向性が出ていたかなと思うんですけれども、先ほどの高校での共通科目としての家庭科の中にはもう既にそういった製図みたいなことをやるような状況にはなっていなくて、専門科目としてやるときに場合によっては製図をやるというようなことになっているのが現状かなと思います。ということを考えたときに、もちろん専門的にそういうことも学んでこられれば、それにこしたことはないんですけれども、全体の方向として免許の取りやすさとか、軽減する方向で考えると、これは「(製図を含む。)」を除いて中・高一緒にするような形が望ましいのではないかなと思いました。よろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 鈴木明子委員、いかがでしょうか。

【鈴木(明)委員】  これはもう収束したのかなと思っています。高校の専門科目の住生活デザインにおいても、調査官からの御指摘といいますかお勧めがあったように、記号の理解のというところで比較されているということで、特に製図を求めてはいないと思いましたので、確かにその授業はあったほうがいいとは思いますけども、ここで消すということでよろしいかと思います。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 住居に関しては、前回、田邉調査官から補足説明をいただきました。前回の段階で「(製図を含む。)」を削除することで了解をいただいておりましたので、住居学につきましては原案どおりということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岡本主査】  ありがとうございます。
 次は保育学ですけれども、ここは前回も意見が出ていたところでございます。原案としましては中学校、高校とも同じ表記で「保育学」となっておりますが、これに関しても御意見をいただければと思います。
 
【鈴木(佳)主査代理】  では、鈴木佳子です。お願いします。
 まず、前回もこれは申し上げたと思うんですけど、保育学という中で示すのであるとすると、やっぱり家庭看護はなくてもいいのかなというふうに思います。看護というよりは、先ほどもちょっとお話ありましたけど、どちらかというと介護のほうが学習指導要領の中では言葉としても用いられているのかなと思っていて、その介護も入っていないので、家庭看護はなくてもいいのではないかなと思っています。
 それからもう一つ、「(実習を含む。)」というところなんですけれども、私、実習はやっぱり身につけるべき技能として求めているものがちゃんとあるのかということが大事かなと思っていて、先ほどもちょっと衣生活のところでも申し上げましたけれど、あそこにはちゃんと例えば衣服の手入れが適切にできることとか、製作が適切にできることというような表現があるんです。もちろん調理実習のところには知識及び技能を身につけることというようなことが、指導要領にそういう表現があるので、きちんと技能としても求めることがあると理解しています。
 それに対して、中学校の家族、幼児の生活と家族というところを見ると、次のような知識を身につけることとなっていて、理解することを求めているということと、それから、幼児とのよりよい関わり方について考え、工夫することとなっていて、考え、工夫することは求めているんですけれども、明確な技能というようなところまで指導要領は求めていないというようなところもあります。もしそれを実践的・体験的に学ばせるということであれば、これはもう家庭科の目標そのものに関わることで実践的・体験的な学習を通してという話になっていますから、そうすると全てのところに「(実習を含む。)」が入らないと変な話になってしまうかなと思います。そういうことも考えて、ここでこの実習が具体的には何かを表しているものではないというようなことが前回も確認されたかなと思うと、ここだけ「(実習を含む。)」と入れるのは何となく不自然かなとも思いますので、ここは「(実習を含む。)」は切って、それぞれの大学さんで創意工夫しながら実践的・体験的に学べるような保育学にしていただけるとありがたいのかなと思っています。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 鈴木明子委員、お願いします。

【鈴木(明)委員】  ここについては、私は先ほども申しました家族関係学との関係というところでずっと意見を言わせていただきましたので、そのことに関しては先ほどから申しておりますようにちょっと時期尚早のところがあるということで、保育学だけをこうして一枠として考えたときに括弧の中をどうするかというところは、個人的には鈴木佳子委員ほどきちんと考えられてはいないのですけれども、御意見を伺った中では残すという方向を支持する御意見が多かったように思います。
 ただ、先ほど鈴木佳子委員が言われたことも確かで、実習として何を目的とするのかというところは確かに曖昧というか、指導要領のほうが何を求めているのかというところがあるので、教員養成としてどういう実習ならいいのかというか、そこは曖昧な感じはいたします。ごめんなさい、意見になっていないのですが、保育学という枠を残すということで、括弧の中の議論というのは継続して行っていくべきかと思いますが、原案でよろしいかなと私は思っています。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 私も保育学に関しましては中・高どちらの免許も同時に取得できるという考え方から、原案でいいのではないかなと考えています。
 最後は、第1回目のワーキングにおいてほぼ結論が出ているころですが、「家庭電気・家庭機械・情報処理」については、高校の科目区分から削除するというものでございます。
 以上、本日の御意見を踏まえて3名の委員全員が原案に了承をいたしました。各論においては、それぞれの科目区分で修正が必要という御意見は出なかったと判断いたしますが、いかがでしょうか。

【鈴木(明)委員】  ごめんなさい。鈴木明子です。
 それで結構だと思うのですけれども、また将来のこととして、今後のこととして、枠組みとか、枠組みの中の表現の方法、考え方というのは、生活が動いていく、家政学も動いていくということですので、できるだけそれに見合った適切な早期の対応をお願いしたいと思っております。付け加えさせていただきます。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 では、室長、お願いいたします。

【樫原教員免許・研修企画室長】  岡本先生、どうもありがとうございます。
 先ほどの一連の議論を伺っておりまして、特に実習の扱いですけれども、これは他のワーキンググループでも同じような御意見がございましたが、(実習を含む。)という表現がなくなることによって、あたかも実習は必要ないというようにみなされるというのも決して望ましいことではないのかなと思っております。
 つきましては、規則の案としましては、(実習を含む。)については、除くべきものは除くのですけれども、基本的に通知等々の中で各大学に対し、これは鈴木佳子先生が最後にお話しされたことともつながりますが、(実習を含む。)の規定がない科目における実習等を含む授業の実施方法については、教職課程を設置する各大学において、教員養成の目標や授業科目の到達目標等に照らして判断するものとするというのを、今回のまとめの中に一つ入れさせていただくということではいかがでしょうか。

【岡本主査】  ありがとうございます。私はそれに賛成いたします。
 委員の皆さん、いかがでしょうか。

【鈴木(佳)主査代理】  鈴木佳子です。お願いします。
 先ほど申し上げたとおり、家庭科の目標が実践的・体験的な学習を通してというようになっていますので、指導する先生が子供たちに座学で教えるわけではなくて、実践的・体験的に学習させなくてはいけないので、教えるべき先生も実践的・体験的に学んで、そうするとまた指導法になるのかもしれませんけれども、どのように子供たちに教えていくかというところになっていくかなと思います。座学だけではなく、実践的・体験的な学習を通して家庭科を目指す先生が必要な知識や技能を身につけていくというところはぜひ重視していただけると大変ありがたいかなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 鈴木明子委員、お願いいたします。

【鈴木(明)委員】  ぜひ先ほどの補足といいますか、それを付け加えていただきたいと思います。
 以上です。
 
【樫原教員免許・研修企画室長】  まとめ案に追記させていただきたいと思っております。

【岡本主査】  ありがとうございます。まとめ案に追記していただいて最終案とするということでいかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岡本主査】  ありがとうございます。
 あと少し時間がございますけれども、今回のワーキンググループに御協力いただきました委員の皆様から、感想などございましたらお願いします。

【鈴木(佳)主査代理】  では、鈴木です。よろしくお願いします。
 今回、こういうことであまりお役に立ったかどうか分からないんですけれども参加させていただいて、大変自分自身も勉強させていただきまして、ありがとうございます。
 今、教員不足というか、本当に大変な状況になっているかなと思います。そういうことも踏まえて中・高の免許が一緒に取れるようにするとか、取得しやすくするというような方向もあってこういうワーキングが開かれたのかなと思いますけれども、このことによって家庭科の免許を取る人が増えてくれるといいかなと思います。
 一方で、ある意味軽減されることによって家庭科の先生として必要な資質といいますか力がそがれてしまうというのは、多分本来の趣旨と違うかなと思いますので、取得しやすくなったと同時に必要な資質・能力がちゃんと身につけられるように教職課程を取っていただけると大変ありがたいかなと思っているところです。
 ちょっと矛盾するようなことを言って申し訳ないんですけれども、本当にお世話になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【岡本主査】  ありがとうございます。
 
【鈴木(明)委員】  大変お世話になりました。私自身も本当に勉強させていただきました。この免許法の枠組みが学問分野の対応だけではなく、学校や子供たちの現状、先生方の現状、それから様々な大学の現状によって決まっているというか、決めなければならないのかなということも、分かってはいたのですが改めて理解した次第です。
 ただ、6枠目にありました家庭電気・家庭機械・情報処理が今回、こういう言葉を使ったらあれですけどようやく枠からというか、私どもからするとなぜもっと早くというような思いもずっとあったけれども、本当に20年、30年かかったかなという、そんな思いもしております。そういうことに今後同じことにならないように、先ほども言いましたけれども、いろいろな社会の動きとか学問分野や学校実態に応じて早期に適切に変えていけるようにしていただきたいなと、これは希望ですけどそのように思っております。
 それに対して、私たち研究者の立場としましては、それがちゃんとその根拠、エビデンスをつくれるように、きっちりと方向性に応じて根拠にしていただけるような資料や論文、研究をしていかないといけないのだなということも改めて感じ次第です。本当にいろいろと勉強させていただきました。ありがとうございました。
 以上です。

【岡本主査】  ありがとうございました。
 家庭科は人間生活に一番近しいところにありますので、学ぶ対象としてとても大切な領域だと思っています。だからこそ、時代に寄り添っていく必要もあると考えています。今回、委員の皆様におまとめいただいた内容は、その点で時代に沿ったものになったと考えております。
 最後に、中・高免が同じ学びで免許を取得できることで、今後、家庭科の免許を取得していく裾野が広がるということと、将来的には複数教科の免許取得にもつながり、マルチタイプの教員の在り方にもつながっていくのではないかと思っています。このたびのワーキングに参加させていただき、ありがとうございました。
 それでは、今後のスケジュールについて事務局からお願いいたします。

【松本教員免許・研修企画室専門官】  ありがとうございます。
 それでは、資料3を御覧いただければと思います。今後でございますが、本日でワーキングは最終となっておりますので、第2回の検討委員会、親会議のほうでございますが、こちらは7月21日に開催の予定で、本日おまとめいただいた案について、岡本先生から御報告いただく予定としております。その後、最終的には8月に中央教育審議会の教員養成部会に報告させていただくという流れになります。
 以上でございます。

【岡本主査】  それでは、室長、一言お願いいたします。

【樫原教員免許・研修企画室長】  改めまして、教員免許・研修企画室長、樫原でございます。
 まず、初めに、岡本先生、鈴木佳子先生、鈴木明子先生、3名の委員の皆様におかれましては、今回の会議に御参画いただき、そして様々な観点から御意見をいただきましてありがとうございます。
 くしくも、ちょっと個人的な話になりますが、もともと私自身は平成21年の高校の指導要領改訂のときに教育課程課というところにおりまして、一時期家庭科を担当しておりました。ですので、当時の家庭科の高校の解説に私の名前が記載されているんですけれども、先ほど鈴木明子先生からもお話がありましたように、本来、先ほどの「家庭電気・家庭機械・情報処理」の話については、本当はそのときに処理しなければならなかったことだったのかとは思いますが、今回、このような機会で改めてこうした立場に立たせていただくことによって、ある意味、十数年間手がついてなかったことに着手させていただいたのかなと思っております。
 その上で、先ほど岡本先生からもお話がありましたように、今後教職の姿がどうあるのかという中でマルチに捉えていくということは、当然それぞれの専門性を生かしながらも重要なのではないかと考えております。特に免許外が中学校で2,000件弱あるという実態を考えると、特に一つ一つの学校のサイズが小さくなって、一つ一つの科目の中に専任の教員が置けるかどうか難しい状況においては、2つの免許を持った先生の存在というのは非常に心強いのではないかなと思っております。
 すみません、御挨拶の場ではあるんですけれども一つ紹介させていただきたいと思います。参考資料1を御覧ください。こちらは文部科学省の教育人材政策課名で各自治体や大学等に送らせていただきましたが、この中で現職教員の新たな免許状取得の促進ということで、免許外教科担任の縮小に必要な教科等に関する認定講習等の開発・実施ということで、現在公募をかけさせていただいております。これは各都道府県教育委員会ないし各大学等が実施する免許法認定講習に対して、文部科学省が予算面で一定程度の支援を行うという制度でございます。こうしたものを各大学や教育委員会で開設いただくことによって、できるだけ免許外教科担任というものは減らしていきたい、特に家庭科はその数が多いものですから減らしていきたいと思っております。
 最後のお願いになってしまいますが、委員の皆様におかれましては、もしくは傍聴されている家庭科の関係者の皆様がいらっしゃるようでしたら、こういった機会もうまく活用いただいて、できるだけ家庭科の免許を持った先生に教わる機会をどんどん増やしていくということで対応していただきたいと我々として思いますので、御協力のほど、お願いしたいと思います。
 改めまして、今回の会議に参加いただきました方々に私からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

【岡本主査】  室長、どうもありがとうございました。
 これで第3回のワーキングを閉会とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、御多忙の中、ワーキンググループの審議に御協力いただきましてありがとうございました。お礼を申し上げます。
 

── 了 ──

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