中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教科に関する専門的事項に関する検討委員会(第2回)議事録

1.日時

令和5年7月21日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 教科に関する専門的事項に関するワーキンググループからの報告
  2. 教科に関する専門的事項に関する検討委員会 まとめ(案)について
  3. その他

4.議事録

【森田主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会「教科に関する専門的事項に関する検討委員会(第2回)」を開催させていただきます。
 本日は御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日も主査を務めております森田が進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 本日、オンライン開催ということになりますので、まずは事務局から会議の開催方式と資料についての御説明をお願いいたします。

【松本教員免許・研修企画室専門官】  文部科学省教育人材政策課、松本でございます。
 それではまず、会議の進め方について確認をさせていただきます。本日はオンラインでの開催となっておりますので、インターネットでも聞き取りやすいようにはっきり御発言いただくことなどの配慮をいただくこと。御発言の際は、お名前をおっしゃっていただくこと。発言時以外はマイクをオフ、ミュートにしていただくこと。御発言に当たりましては、「手を挙げる」のボタンを押していただくことに御協力いただきますようお願いいたします。
 また、資料についてでございますが、資料の1から4については一つのファイルでまとめております。参考資料については、資料番号ごとにファイルがございます。
 以上でございます。

【森田主査】  ありがとうございました。
 それではまず、本日の会議の進め方について、説明をさせていただきます。本日の議事につきましては議事次第にございますが、1つ目は、教科に関する専門的事項に関するワーキングからの報告、それから2つ目としまして、教科に関する専門的事項に関する検討委員会のまとめ(案)ということで、大きくは2つの議事を予定しております。
 まず、議事の1といたしまして、前回この本委員会で設置を決定いたしました各ワーキングで御検討いただきました内容につきまして、教科の専門的事項の科目区分の見直しのまとめ(案)を、各ワーキングから御報告をいただきたいと思います。
 そのワーキングの御報告を踏まえまして、次に、議事の2といたしまして、本検討委員会全体としての科目区分の見直しのまとめ案を御審議いただきたいと思っています。およそ以上のような流れで進めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、早速でございますが、議事の1、教科の専門的事項に関するワーキンググループからの報告を始めさせていただきます。
 まず、この間の経過について御説明をさせていただきたいと思いますので、具体的には資料の2を御覧ください。資料の2にございますように、本委員会につきましては令和5年4月26日になりますが、中央教育審議会の教員養成部会において設置が決定されて、5月12日に第1回の検討委員会を開催いたしました。
 第1回の検討委員会のところでは、本委員会で対象にする専門的事項を見直す教科等について御議論をいただき、どういった教科のワーキンググループを設置するかということを御議論いただきました。
 具体的にその第1回のところで先生方からいただいた主な御意見等については、資料1にまとめていただいていますので、詳細は後ほどご参照いただきたいと思いますが、検討を進めていく教科としまして、理科と技術、家庭、そして情報という4つの教科について見直していくということで、委員の先生方で合意いたしました。
 その中で技術と情報につきましては、隣接する教科ですので、ワーキングとしては3つ、理科と、それから技術・情報をひとまとめにしまして1つ、そして家庭と、この3つのワーキングを設置することになり、この間それぞれのワーキングのところで御議論をいただいてきました。
 資料にございますが、技術・情報、それから家庭についてはそれぞれ3回、理科につきましては、2回のワーキングで検討を行っていただきました。
 それでは、今説明しました経過の中で、御議論いただいたことにつきまして、それぞれのワーキンググループの主査の委員の先生から、御検討の結果を御報告いただきたいと思います。
 順番ですけれども、まず理科、その次に技術・情報、そして家庭の順番で進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 早速でございますが、まず、理科から報告をさせていただきたいと思います。理科につきましては、私がワーキングの主査も兼ねて担当させていただきましたので、私のほうから説明をさせていただきたいと思います。
 資料3に基づいて説明をさせていただきたいと思いますので、資料3の1ページ目になります。1ページ目の1を御覧ください。
 まず、見直しの基本的な方向性ということの前に、資料の3の1ページ目にございますとおり、現在の科目区分について少し説明をさせていただきますが、現在、理科の科目区分につきましては、まず中学校の部分が、資料にございますとおり物理学、それから化学、生物学、地学という4分野に加えて、それぞれに物理学実験、化学実験というような形で実験系の科目区分がセットでついているということで、合計8つの科目区分があり、それぞれから1単位以上科目を修得するということが決められているということでございます。
 下側にまいりますが、高校につきましては大きく物理、化学、生物、地学という枠組みは変わらないのですけれども、いわゆる理論的なことを学習する科目に加えて、先ほど申しました実験系の科目が1つの科目区分としてまとめられています。物理学実験、化学実験、生物学実験、地学実験というものが1つの枠組みになっているということでございます。
 後ほど御報告しますワーキングでも議論になりましたが、中学校と高等学校で、この科目区分の枠組みについて、中学が8区分、高校が5区分ということで、中高のところで少し差があります。この辺りも含めてワーキングで議論を進めてきたということでございます。
 1ページ目の下から、具体的なワーキングでの議論の報告ということになりますけれども、先ほど申しましたとおり、特に中学校のところの科目区分が非常に多くなっています。これは他の教科と比べても、8区分あるというのは最も多い区分数になっておりますし、それから、中学校と高等学校を勘案したときにもやはり中高で大きな差があることがワーキングの中でも議論になりました。
 特に中学校の場合、それぞれの分野についての実験が区分として分かれておりますので、この辺りが免許取得の際の負担になったり、それから大学で課程の開設をするときに少し難しくなっているのではないかというような視点から検討を進めてまいりました。
 理科の場合、先ほど申しました物理、化学、生物、地学、この4つの分野の科目区分について見直す必要はないだろうということはすぐに合意を得られましたので、具体的にはこの実験等の在り方について、ワーキングで御議論いただいたということでございます。
 その結果ということになりますが、2ページ目の下のところに記載してありますので、御参照いただければと思っておりますが、まず、中学校の理科の科目区分につきましては、いわゆる物理学実験、化学実験、それから生物学実験、地学実験と、科目区分として4つに分かれていたものを高等学校のように1つの科目区分に統合して、物理学実験、化学実験、生物学実験、地学実験で、1つの科目区分にするということでワーキングのところで御議論をいただきました。
 1つの区分になりましたので、この実験が1つとなった区分の中で、1単位以上を満たせば要件を満たすということにはなってまいります。ただし、こちらにつきましては、高等学校と異なるところなのですけれども、それぞれの実験のところを黒丸でつなぐ形で置くようにしています。ですから、こちらは物理、化学、生物、地学、いずれの実験についても科目の中で触れる必要がある形とするということで、ワーキングで議論をいただきました。
 その背景的なところで申しますと、高校のところは実験科目が選択になっておりますが、中学校の場合は、学校の先生の担当体制の在り方からしても、1人の先生が4つの領域の実験を担当するということが通常ですので、やはり何らかの形で4つの領域の実験に触れておく必要があるだろうというご意見がございまして、繰り返しになりますけれども、黒ポツでつなぐような形で4つの実験には触れなければいけない形で見直していこうということで御議論をいただいたということでございます。
 それから、その次ですけれども、科目区分を5つにして、そして黒ポツでつないでいく、中学のところはそういう形になったのですけれども、実験のところの後ろにそれぞれ括弧づきでコンピュータ活用を含むということがついています。これは第1回の委員会のところでも、論点として挙げさせていただいた点ですけれども、現状を考えますと、この実験系の科目でコンピュータを使っていくということは、もう前提になっているというような状況があるということでしたので、あえて、このコンピュータ活用を含むというものをつけておく必要もないだろうというご意見がありました。そのため、授業を行っていく際の手法的な記述と申しますか、このコンピュータ活用を含むにつきましては、中学校、高校ともに実験の科目区分から削除していく方向で、議論をしました。
 高等学校につきましては、特に大きな変更はなかったのですけれども、先ほどと同じように、実験系の区分にある括弧つきのコンピュータ活用を含むというところを削除するということで、議論をまとめることができました。
 そして、その次になりますが、こういった見直し案を踏まえて、3ページ目の2にありますような、いわゆる必要な移行措置等ということについて少し議論をいたしました。
 今のような改正の案を踏まえまして、以下の4つの点について移行措置等で求めていきたいということで議論をして、まとめております。
 まず、1つ目の丸につきましては、これは中学校についてということでございます。今、御説明したとおり、改正前の現行の中学校理科の科目区分が、先ほど申しました4つの領域についての実験がそれぞれ分かれた形になっています。ですから、現状のその4つの分野の実験科目を既に修得した者、または卒業までに修得する者については、改正後の1つにまとまった科目区分を修得したものとみなすことができるという形にしたいということです。
 それから改正前、現行の実験科目、4つに分かれている部分ですけれども、その中で一部の実験科目を修得した者については、改正後の教科に関する専門的事項に関する科目の単位としてみなすことができると、そういう形にさせていただきたいということでございます。
 今回の改正が施行されていくに当たりまして、学生によっては修得済みの実験科目というものが一部しか修得していないという者もいるかもしれませんけれども、その一部の修得した科目が無駄になるということではなくて、改正後も教科の専門的事項の部分に該当する単位としてみなすことができるということにしたいということでございます。
 それから2つ目の丸になります。これは高等学校のことに関してでございます。こちらにつきましては、区分自体の大きな変更はなく、括弧のコンピュータ活用を含むというところを削除するというだけの改正案になっていますので、こちらにつきましては、現行の改正前のものと改正後の科目で、そのまま読替えができるというような形でさせていただきたいということでございます。
 それから、3つ目の丸につきましては、こちらのほうは免許法の、いわゆる別表第八というところで規定をされています、隣接校種の免許を修得する場合について対応を記載させていただいています。別表第八といいますのは、例えば中学校免許を基礎にしながら、高校免許を新たに取得する場合、それからまたその逆の場合など、中学と高校でこの教科の専門的事項の科目区分が異なっているといいますか、一致していない教科がありますので、そういった教科の場合は異なっている部分の足らない部分を新たに修得する必要があると、そういう規定になっているのがこの別表第八の部分でございます。理科の場合につきましては、高等学校を基礎にして中学校の免許を取る場合ですけれども、現行では、実験4科目のうち3区分の修得が必要ということの規定になっておりましたけれども、今回改正するに当たりまして、受験科目を1つにまとめていくということで提案をさせていただきますので、こちらの規定につきましても、1つの科目区分名で記述をするということです。
 そして、最後4つ目になりますけれども、理科につきましては、御承知のとおり小学校高学年の教科担任制が進んでいく中の専科指導の優先実施教科ということになっていますので、複数校種でありますとか複数教科の免許状保有を促進していくという観点から、各都道府県の教育委員会に対して、免許法の認定講習の開設等を促していきたいということで、記載をしています。この点につきましては、昨年12月の中教審の答申においても提言されていますので、ここにも記載をさせていただいたということでございます。
 おおよそ理科のワーキングの議論の状況と、それから最終的にワーキングとして確定した見直し案については以上でございます。
 この後ですけれども、御質問、御意見等あると思いますけれども、先に全てのワーキングの報告をさせていただいて、後ほどの議事の2のところで御質問、御意見等を踏まえた質疑をしていきたいと思いますので、まず、ワーキングの報告を進めさせていただきたいと思います。
 それでは次に、技術・情報のワーキンググループで主査を務めていただきました高橋主査のほうから御報告をよろしくお願いいたします。

【高橋主査代理】  高橋でございます。よろしくお願いいたします。技術・情報ワーキングの検討の結果について御報告を申し上げます。
 まず、技術についてです。資料3の4ページを御覧ください。まず、見直しの基本的な方向性についてですが、4ページの上段に現行の科目区分がございます。現在はこれらの6区分になっております。木材加工から情報とコンピュータまでの6区分です。
 ワーキングでは、現行の学習指導要領と乖離している現状であるとか、大学の学問体系と技術の科目区分の関係性などから、教職課程の開設の難しさ等々様々な議論がございました。また、特に技術の場合は、課程認定大学の少なさであるとか免許状授与数の少なさ、さらには、臨時免許状や免許外担任の許可件数の多さなどもかなり大きな問題として議論になりました。こうした状況を改善するために、どのようなことが考えられるかという観点で検討を行ってきましたが、その結果が1つ目の丸になるかと思います。
 平成29年に告示された中学校学習指導要領において、4つの内容構成に整理されていることを踏まえまして、現行の中学校技術科目区分を改め、次の4項目にしたいと思いますと議論がまとまりました。
 1つは材料加工(実習を含む。)、2つ目が機械・電気(実習を含む。)、3つ目が生物育成、4つ目で情報とコンピュータでございます。
 見直し後の4区分の具体的な内容について御説明申し上げます。1つ目の材料加工は、現行の木材加工と金属加工を統合したものでございますが、もう一つ、丸で解説を加えさせていただいたように、この材料加工については、あらゆる材料の加工を網羅する必要はなく、特定の材料、木材、金属、プラスチックなどの加工について、一般的包括的な内容を扱うのであれば、施行規則第4条第1項表備考第二号に定めるような「教科に関する専門的事項は、一般的包括的な内容を含むものでなければならない」との要件を満たすものとするとさせていただき、木材や金属など素材等は問わない「材料加工」という包括的な科目分とすることとしました。
 また、2つ目の区分で、「機械・電気(実習を含む。)」については、機械及び電気のどちらの内容も扱うこととするとしており、こちらは機械と電気、いずれも修得が必要なものとなります。
 また、3つ目の丸になりますが、生物育成については、あらゆる種類の生物の育成を網羅する必要はなく、特定の生物(作物、動物、水産生物など)の育成について、一般的包括的な内容を扱うものであれば、一般的包括的要件を満たすものとするとしており、木材加工と同様に扱う対象は問わず包括的な科目区分としております。
 また、(実習を含む。)の取扱いについてですが、見直し案では、上の2つの区分は実習を残しておりますが、下の2つの区分から削除しております。これに関しては、5ページ目にある丸のとおり、(実習を含む。)の規定がない科目における実習等を含む授業の実施方法については、教職課程を設置する各大学において、教員の養成の目標や授業科目の到達目標等に照らして各大学が判断するとしております。
 生物育成に実習を記載していない理由ですが、第2回ワーキングおいて、関係団体のヒアリングを行いましたが、その際の意見として、現行の「栽培」の区分が技術の教職課程の開設の障壁になっている可能性について示唆をいただきました。
 また、栽培における実習を課すことで、例えば大学が農園や農場などのハード面での整備が必要と考えてしまうといったようなことも話題となりました。これらのことから今回の見直しではこの部分の実習を削除しております。
 また、情報とコンピュータについては、プログラミング等の実習を行うことは前提であるだろうということで削除しています。
 一方で、材料加工や機械・電気については、特に安全面での観点から実習を残すというような御意見がございまして、残しております。また、現行で入っていた製図については、材料加工等の一連のプロセスの一過程に含まれるものであるため、削除しております。
 次に、5ページ目の(2)の必要な移行措置についてです。改正案を踏まえて、以下の措置をすることが必要であるということで、以下4点を求めることとしております。
 まず、1つ目の丸ですが、改正前の科目を既に修得した者、または卒業するまでに修得する者については、それぞれの科目の内容を含む改正後の科目を修得した者とみなすことができることとさせていただいております。
 これは、改正の前後でそれぞれ対応する科目において、科目の読替えができるということをお示ししております。
 続いて2つ目の丸ですが、ただし、改正後の「機械・電気」については、改正前の機械及び電気の両方を修得した者についてのみ、修得したものとみなすことができること。なお、改正前の機械または電気のいずれかの単位を修得した者の単位は、改正後の教科に関する専門的事項に関する科目の単位とみなすことができることとさせていただいております。科目の読替えができることと、単位は無駄にならないことということを示させていただきました。
 あと3つ目の丸でございますが、これも先ほどの理科と同様、隣接校種の免許取得の際の修得するべき科目の規定も変更になるということになっております。
 4つ目の丸でございますが、これは、免許外教科担任の許可件数が大変多い状況でございますので、各都道府県教育委員会等に対し、免許法認定講習の開設等を促すとともに国として必要な措置を講じること、また、情報とコンピュータについては、毎年、免許法認定通信教育として大学等による科目が開設されています。これらの科目が一般的包括的要件を満たすか否かについては、一律に除外するのではなく、それぞれ科目の授業内容を踏まえて、教員免許を授与する各都道府県教育委員会において適切に判断する必要があることを周知することとさせていただきました。
 こういったことで、特に技術は免許外担任の許可件数が非常に多くなっておりますので、こういった対応を求めているということになります。
 技術については以上となります。
 長くなりますが、続いて高校情報について御報告を申し上げます。資料3の9ページを御覧ください。
 まず、見直しの基本的な方向性についてです。9ページの上段に現行の科目区分がございますが、現在はこれらの6区分になっております。
 それで情報についても、技術と同様に免許外担任件数が多いなどの観点で検討を行いました。検討の結果、以下の5つの区分としております。「情報と職業」を一番上の区分、「情報社会・情報倫理」に統合し、「情報社会(職業に関する内容を含む。)・情報倫理」としております。
 また、「(実習を含む。)」を全て削除しておりますが、なお書きで記載しているとおり、各科目における実習等を含む授業の実施方法については、教職課程を設置する各大学において、教員の養成の目標や授業科目の到達目標等に照らして判断するものとするとしております。
 また、9ページの下、(2)必要な移行措置についてです。改正案を踏まえ、以下の措置を講ずることが必要であるということで、以下の4点を求めることとしております。
 まず、1つ目の丸については、先ほどと同様で改正前後で括弧が削除になっているだけの項目は、読替えがそのまま可能であるということです。
 2つ目の丸については、これは中学理科の実験や技術の機械・電気と同様のことで、情報と職業は一番上の科目区分の「情報社会・情報倫理」に統合されておりますので、セットで改正後の科目とみなすこと、片方のみの場合は単位が無駄にはならないということをお示しさせていただきました。
 また、3つ目の丸については、これも先ほどの理科・技術と同様に、隣接校種の免許取得の際の追加的に修得すべき科目の規定も自動的に変更になるということを周知させていただきました。
 4つ目の丸についてですが、これも技術と同様で、免許外担任の許可件数が多いことから、こういったことを求めるということになります。
 情報・技術のワーキングからは以上となります。よろしくお願いいたします。

【森田主査】  高橋委員、御報告ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、家庭ワーキンググループの主査をお願いいたしました岡本委員から御報告のほどよろしくお願いいたします。

【岡本委員】  岡本でございます。よろしくお願いいたします。
 家庭ワーキングの検討結果について報告をさせていただきます。資料3の6ページを御覧ください。
 まず、見直しの基本的な方向性についてですが、6ページの上段は、現行の中学校の科目区分でございます。下段が高校の科目区分となっております。中学校は5つの区分、高校は6つの区分となっています。両者で大きく異なるのは、中学校にはない、高校の6つ目の区分、「家庭電気・家庭機械・情報処理」の部分でございます。また、細かい点としましては、「住居学」で、高校のみ(製図を含む。)があったり、「保育学」で、高校のみ(家庭看護を含む。)があるという点が異なっています。
 家庭のワーキングでは、特に高校のみにある「家庭電気・家庭機械・情報処理」の扱いや、括弧書きの記述の扱いをどうするか、また、中学校と高校での並びの観点なども踏まえて、検討の結果、次のように見直すことを求めることといたしました。
 具体的な見直し案については、資料3の7ページの見え消しの科目区分案を御覧ください。まず、一番大きな点として、高校のみにあります「家庭電気・家庭機械・情報処理」につきましては、現行の学習指導要領を踏まえ、科目区分自体を削除としました。過去においては、家庭科の男女共修化により、このような項目が学習指導要領でも扱われたことが背景にありましたが、現行の学習指導要領においては、これらの項目は既に存在しないことから、今回削除としております。
 また、細かい点として、括弧書きについてですが、中高ともに「被服学」の(被服製作実習)を(被服実習)としております。これは、現代の生活実態に即し、実習をスカートなどの衣服等の製作のみに限定するのではなく、被服のメンテナンスや管理、染色や洗浄なども含め得る実習として、(被服実習)としたものです。
 また、高校の「住居学」の(製図を含む。)を削除しましたのは、学習指導要領でも製図までは求めていないことから削除しております。
 「保育学」につきましては、中学校では(実習を含む。)を削除、そして高校では、(実習及び家庭看護を含む。)を削除しております。実習にいては、理科のコンピュータ活用を含むなどと同様に、手法的な記述について改めて記載する必要はなく、大学の判断で適切に対応していただくことで構わないのではないかということで削除しております。
 また、「保育学」の中に位置づけられている高校の(家庭看護)については、家庭内でのケアという観点では、子供だけに限るべきではなく、高齢者なども含め看護や介護ということが重要であり、ここで、保育学としての家庭看護のみをあえて記載するのはバランスが悪い、違和感があるという意見なども踏まえて削除しています。
 次に、7ページの下、2.必要な移行措置等についてですが、改正案を踏まえて、以下の措置を講じることが必要である、ということで、以下の4点を求めることとしています。
 まず、1つ目の丸については、先ほどと同様で、改正前後で括弧が削除になっただけの科目は、読替えがそのまま可能であるということです。
 2つ目の丸につきましては、改正前の「家庭電気・家庭機械・情報処理」の科目区分は、区分自体が改正後になくなりますので、改正前に修得した単位は無駄にはならず、教科に関する専門的事項の単位としてみなすことができるということでございます。
 3つ目の丸については、これも先ほどの理科・技術などと同様、隣接校種の免許取得の際の修得するべき科目の規定についてですが、今回の改正により、中学校家庭科目区分と高等学校科目区分が完全に一致することになります。このため、教育職員免許法別表第八の規定により、中学校教諭普通免許状「家庭」を基礎として、高等学校教諭の普通免許状「家庭」の授与を受ける場合について、特定の高等学校科目区分を大学独自科目に含める規定は削除すること、ということで、別表第八に基づく家庭科の追加的に修得すべき教科専門の科目の規定はなくなるということでございます。
 4つ目の丸ですが、これも技術・情報と同様に、免許外担任の許可件数が多いことから、このようなことを求めるということでございます。
 家庭科の見直しにつきましては、以上でございます。

【森田主査】  ありがとうございました。
 それでは、3つのワーキンググループの検討の結果について御報告いただきましたので、議事の1については、ここで終了させていただきます。
 引き続き、議事の2のほうに入りたいと思います。各ワーキンググループの主査の先生から、それぞれの科目区分の見直し案の説明をいただきましたが、これにつきまして、委員の先生方から御質問、御意見等ありましたらお伺いしたいと思います。
 全てを一緒に議論することも煩雑になりますので、まず教科ごとに、理科から順番にお伺いしたいと思います。理科の見直し案について何か御意見、それから御質問等あればお出しいただきたいと思いますが、委員の先生方いかがでしょうか、まず、理科についてですが。
 青海委員、お願いいたします。

【青海委員】  丁寧な御説明ありがとうございました。
 科目区分の見直しについては、大変現状に合っているなというのが私の感想ですけれども、実験について4つに分かれていたものを一つにまとめて、黒ポチでつないだという形で、全ての領域の実験を行うというお話がありました。ということは、現状と比べると4分の1の履修時間で済むというように捉えてよろしいのでしょうか。

【森田主査】  まず、私のほうからお答えできる範囲でお答えしたいと思いますが、最低1単位ということでございますので、そこの線で、例えば1科目だけ1単位で設定した場合にはそういうことが可能になるとは思います。ただ、法令上の最低基準だけではなくて、各大学の判断で幾つかの科目を、例えば2つ、3つの科目を置くというようなことは可能でございますので、必ず全大学が4分の1になるかどうかというのは少し分からないところかなと思います。事務局のから今の点について御説明ありますでしょうか。

【樫原教員免許・研修企画室長】  事務局でございます。
 まさに森田先生御説明いただいたとおり、最低1単位ということになりますので、その最低基準は、当然、青海先生御指摘いただいたように4分の1ということになります。ただし、実際には、各大学の事情において開設をするということになりますので、例えば各大学が今と現行と同じように物理学実験とか化学実験とかそれぞれの単独科目を置いた場合であっても、それを多分4つ集約して4単位として実施することも当然可能ですし、そこは基本的には大学側の裁量に任されているところでございます。ただし、名称としてこういう名称になっている以上、少なくともこの4分野については全て触れていただく必要があるということになっております。

【森田主査】  青海委員、いかがでしょう。

【青海委員】  どうもありがとうございました。了解いたしました。

【森田主査】  ワーキングの理科のところでは、例えば1科目を仮に置く大学があったときに、4つの領域について同じバランスではなく、例えばどこかの領域だけの実験にすごく偏って実施ような場合があるかもしれない。そういうところは、やはり各大学等の判断でしっかりとバランスよくやるようにしてくださいということを何らかの形でお伝えしたり、また、課程認定のところでも、そういうところも少し目を配っていただいて確認いただくというようなことも必要かなというような御意見が出ておりましたので、御紹介させていただきます。
 それ以外、理科につきましては、いかがでしょうか。甲斐委員、理科のワーキングのメンバーに入っていただきましたが、何か補足的な説明ですとか、御意見等ありましたらお願いいたします。

【甲斐委員】  理科のワーキングのほうに参加をさせていただきました甲斐と申します。
 理科の方は、やっぱり中学校の場合は、物理、化学、生物、地学の4つの内容について、ある程度、実験の背景を理解しておいていただく必要があるということで、黒ポツということで、先ほど青海委員が言われたように、4分の1の負担になるかと思うんですけれども、恐らくこれは二種免に対してそうなだけですので、一種免ということで考えれば、現行、今まで開設している形と変わらない形になるだろうということで、黒ポツ科目にしていただきました。一種免を取る場合であれば20単位取りますので、もう物理実験、化学実験、生物実験、地学実験とそれぞれ1単位ずつ置いていったほうが効率もいいでしょうから、そういうことも踏まえて、二種免を取得する場合に、黒ポツで少し軽減を図るというようなことで置いております。
 また、この実験に関しては、もしかすると今後、いわゆる理科の実験ということの探究的な実験の在り方だとか、そういう今度、指導要領のほうから変更になっていくことによって実験の在り方そのものがちょっと違ってくるかもしれませんので、そういう検討の余地も残して探究的な実験ということで、内容として物理や化学や生物、地学を扱っていくようなやり方とか、科目を黒ポツにすることによって、それぞれの内容は扱わなければならないんですが、手法として、各大学が新しい何か統合的な実験の在り方を検討するとか、そういうことも今後、各大学が出してくる可能性もあって、そういうことの余地も少し残していけたらというような部分もございます。ありがとうございます。

【森田主査】  ありがとうございました。今までのように細かく4つに分けておくよりも1つに統合しておいたほうが、それぞれの大学が自律的な判断でいろいろなやり方が可能になるのではないかという議論もワーキングの中でございました。
 それ以外の先生方、いかがでしょうか。布施委員、突然でございますが、理科につきましていかがでしょうか。

【布施委員】  工夫されている点について実習などを一つにまとめるという形で、省力化していただこうというような考え、工夫されている点、よく分かりました。質問、意見等はございません。ありがとうございます。

【森田主査】  ありがとうございました。
 それでは、理科につきましては、ほかの先生方も特によろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、理科につきましては先ほど御説明したとおり、ワーキングでの見直し案というものをこの委員会の案として採用といいますか、確認したということで考えたいと思います。
 それでは、次になりますが、高橋委員から御報告いただきました技術・情報につきましてはいかがでしょうか。何か御質問、御意見等あればお願いをいたします。
 それでは、布施委員、お願いいたします。

【布施委員】  ありがとうございます。技術につきましても、現在の学習指導要領なども考慮していただきながら、緩和いただいたと受け止めております。ありがとうございました。
 1点、意見という形になるんでしょうか、必要な移行措置等のところになるんですけれども、今回の留意点というような形で記載していただいていると理解していますが、最後のところに免許外教科担任の許可件数が多いというようなくだりがございます。我々含めた各都道府県教育委員会に開設、認定講習の開設を促すんだというような記述ございます。
 技術に関しては、特に私のほうの問題意識としては、そもそも課程認定をしている大学数が少ないのではないかというような気持ちがありまして、認定講習をするにしても結局、大学のほうと連携しながらでないと開設できないということを考えたり、そもそもあくまでも認定講習というのは現役の教員向けの対応だと理解していますので、殊、技術に関して言えば、成り手不足という点の観点からすると、この制度改正によって課程認定、開設できるような大学が増える余地はあると思いますので、大学側へのアプローチというのも重要な観点なのかなと思っています。
 大学側のアプローチというのは、なかなか各教育委員会のほうでは難しいところもございますので、ここについてはぜひ国のほうに何らかの形で支援なのか、働きかけなのか、表現はちょっと分かりませんけれども、促すような表現があっていいのかなと思いました。
 以上でございます。

【森田主査】  ありがとうございました。確かにそうですね。大学のほうで新規に申請をいただく大学が増えていくということも大事だと思いますので、その辺りどういう形で、このまとめ案の中に入れていくことができるかについてはまた検討させていただきたいと思います。
 もう一つは、後の議論になってしまうかもしれませんが、今、委員の御指摘の視点は中学の技術だけに限定したことでいいのか、それともこの検討委員会で議論しているほかの教科についても、同様なことが言えるのかというポイントもあるかと思いますので、その点についても、また検討していきたいと思っています。ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方で技術・情報につきましては、何か御質問等ありますでしょうか。特によろしいですか。
 青海委員、お願いいたします。

【青海委員】  丁寧な御説明、ありがとうございました。
 私、前回のときに、特に技術については学校現場で正規教員が置かれていないケースなども御紹介しながら、見直しについて要望したのですが、大変すっきりした形というか、大学側にも、それから履修する側にも整理された形に提案されたと思います。
 御説明の中にもあったかもしれませんが、木材、金属の加工のところに製図というのがあったのがなくなっていますけれども、それは現状の学習指導要領では求められていないという判断でよろしいんでしょうか。

【森田主査】  これにつきましては、高橋主査、ご回答、よろしいですか。

【高橋主査代理】  これは先ほども少し私、説明させていただきましたけど、まずは一連のプロセスの中に製図があるんだということです。このデザインとか設計のプロセス全体の中にあるので、特出しする必要があるのかとか、その辺りから減らさせていただいたと。ほかにもいろんな理由がありましたけど、主に私はそこが大きな理由だと当時の議論を考えております。

【森田主査】  青海委員、いかがでしょうか。

【青海委員】  ありがとうございました。

【森田主査】  ありがとうございます。そのほか何か御意見、御質問等あればいかがでしょうか。

【高橋主査代理】  森田主査、先ほどの布施委員の質問についてなんですけども、少しよろしいでしょうか。

【森田主査】  高橋主査、お願いいたします。

【高橋主査代理】  先ほど貴重な御意見をいただきまして、実は技術・情報のワーキングでは、この免許関係のいろんな検討のみならず、やはり免許外の方が非常に多いということからいかに免許を取る方を増やすのかということをかなり総合的に検討したところがございます。その中で関連する学会、団体のほうからも、そういう免許外ということを減らすための様々な講習等についてのアイデア等もいただいたところでございます。
 ただ、ここの布施委員の御質問の記述については、ほかの意図もあったように当時の議論から思っております。多分専門的な説明だと思いますので、室長からしていただけますかね。要は、各都道府県教育委員会に求めることということについて、もちろんその法定講習の開設を促すという部分も当然書かれているんですけど、最後のほうの、特に適切に判断するとか授与するところとか、何かもう少し解説をこの辺り加えていただくと、より明確になるんじゃないかなと思いまして、お願いできますか。よろしくお願いします。

【森田主査】  樫原室長、お願いいたします。

【樫原教員免許・研修企画室長】  すみません、まさにここのところが2つのことが書いてあると思っておりまして、一つ免許法認定講習でその現役の人たちに対してその免許を出す手段をどうやって確保するか、どうやって増やしていくかという関係が書かれていて、後段の部分については、どちらかというとその免許法認定講習を自ら開設するというよりは、その免許法認定講習を開設している大学をどうやって免許に反映するかという観点が書かれているというところかと思います。
 一方で、布施先生のおっしゃる話というのは、まさに免許法認定講習もそうなんだけれども、いわゆる大学での養成の中で、多分もともと技術の養成課程を持っている大学が63しかないというデータがありましたけれども、その数を根本的に増やしていくことも必要じゃないかという視点なのかなと思っております。
 確かに技術のワーキングのときにもお話があったんですけれども、確かにその高校の工業の教職課程を持っている大学というのは実は100を超えているんです。ところが、それに対して技術というのが60幾つということで、そのギャップというものを埋めるためにネックがなっているのが何かという観点から、多分技術のワーキングの中でも議論があったのかと思っております。
 ですので、多分その点についてはまさに今回、生物育成のところで「(実習を含む。)」ということがなくなって、かつその今までの栽培ではなくて生物育成という比較的多様なものを受け止められる科目設定になるということになると、今、既存の高校工業の教職課程を持っているような大学に対して、中学校の技術を開設してください、もしくは高校の情報を持っているところに、中学校の技術を開設するということを多分促していくというよりは、どちらかというと情報提供していくということは必要になるのかなと思っております。
 今までに比べて多分、そこは開設の負担はかなり軽減されるということですので、特に私学が結構多くはなると思うんですけれども、そういうところの教職課程を持っている大学なんかには、こうした改正の趣旨なんかを国として多分周知をしていくべきではないかという、多分それが布施先生の趣旨なのかなと思っておりまして、そういうことは私たちも予算的な支援というのはなかなか教職課程を設置するときに難しいんですけれども、適切な情報提供という意味では、私たちはやっていくべきなのかなと受け止めておりました。

【森田主査】  室長、ありがとうございました。高橋委員、今のようなお答えでよろしいですか。

【高橋主査代理】  あと、特に後段の情報とコンピュータについては、何かなかなか単位が認めてもらえないとかそういう話も少し出たと思いますので、一律に除外するのではなく少し中身を見て単位認定していただけると、現職の方の免許取得とかも増えていくんじゃないのかとか、かなり幅広に議論が行われたというふうには思っております。ありがとうございました。

【森田主査】  ありがとうございました。それ以外の委員の先生方いかがでしょうか。情報・技術につきましてはよろしいでしょうか。甲斐委員、情報・技術の部分ですが、いかがでしょうか。

【甲斐委員】  すみません、甲斐です。
 技術に関しても、家庭科もそうなんですけれども、私、今、九州のほうにおりますが、どこもそもそも採用試験で採用がないというところがあって、私立大学なんかも撤退したというところが出てきたのが、ここもう20年ぐらい前からの話なんですけれども、そういう経緯もありまして、要するに採用がないので、ゴールがないので、そこをという意味で教育委員会で積極的に教員採用していこうという、今はそういう形にもしかしたら東京都も含めてなっているところがあるのかもしれないんですけれども、そういう背景もあって、大学が撤退ぎみになってきた。また、今度、取りやすく免許もしましたので、もう一回働きかけてということで、出口のところが保障されていくようになっていけば、もっとこれは変わってくるということがあって、いろいろなことが複合的に関わっている部分、免許外に関してはあるのかなと思っておりますので、そこら辺も含めた議論が必要かなと少し感じております。

【森田主査】  ありがとうございました。岡本委員、いかがでしょうか。

【岡本委員】  今回の改正に関しましての特段の意見はございませんが、先ほど甲斐委員の御発言にありましたように、家庭科教員の採用について、今回審議をしたことによって、総合的な判断の必要性を感じた次第です。

【森田主査】  ありがとうございました。御指摘いただいた点につきましては、どういう形でこの委員会としてメッセージを発していくことができるかということについて、少し検討が必要なのかもしれないかなと思っております。
 第1回の委員会のところでも御指摘があったと思いますが、例えば中学校技術であれば必要な教員が確保できない状況も実際に生じているということもありますので、その辺りも勘案しながら、また、この委員会としての発信の仕方について、少し検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、この技術・情報につきましては、御提案いただいた内容について、検討委員会としては、この方向性でいくということを確認させていただきたいと思います。
 それでは、次に家庭になりますが、家庭につきまして、何か御質問、御意見等あればよろしくお願いいたします。
 布施委員お願いいたします。

【布施委員】  度々すみません、布施です。
 家庭科についてちょっと質問になるんですけれども、今回の変更によって、必要な移行措置等のところに書いていただいているんですけれども、必要な科目区分が完全に一致するということですけれども、これというのは例えばこのビフォーアフターというか、今までとこれからで新しく変わることによって、大学のほうがその対応した場合に、学生さんの目線で見たときに何が変わるのかというのを教えていただきたいんですけれども。

【森田主査】  ありがとうございました。

【岡本委員】  岡本でございます。よろしいでしょうか。

【森田主査】  お願いいたします。

【岡本委員】  家庭の教員免許を取得しようとしている学生にとりましては、多くの学生が中学校免許、高校免許の両方の教職課程を開設する大学が多くございますので、現役の学生に対しては大きな影響はないのではないかと考えております。
 一方で、中学「家庭」の免許をお持ちの方が、高校「家庭」の免許を取得する場合は、現行の科目区分ですと、例えば「家庭電気・家庭機械・情報処理」を取らなくてはいけない。「住居学」ですと(製図を含む。)が高校にはあって、中学校にはないことや、「保育学」では高校に(家庭看護)がありますので、現行では、これらの単位を取得しなければ、高校家庭の免許が取得できないということになりますので、今回の見直しでは、この辺りが改善されると考えております。

【布施委員】  ありがとうございました。

【森田主査】  布施委員、よろしいでしょうか。

【布施委員】  ありがとうございました。

【森田主査】  ありがとうございます。それ以外の委員の先生方いかがでしょうか。急ですけれども、青海委員、いかがでしょうか、家庭科の案につきまして。

【青海委員】  特に質問はありません。御説明よく分かりました。ありがとうございます。

【森田主査】  ありがとうございました。それでは、高橋委員、何かございますか、家庭科につきまして。

【高橋主査代理】  ありがとうございます。内容としては、特に私から申し上げることはございません。
 ただ最後に、ちょっと全体で申し上げようと思ったんですけど、技術科でも感じたんですけども、これまでのこういったことの検討があまり行われてこなかったと、何十年か行われてこなかったということで、やはり今回一遍にそろえるというか、直すというのはやはりいろいろ家庭科のほうでも大変だったんじゃないかなと私も感じます。
 なので、これは指導要領と免許ということが非常に密接に関連しているとすれば、指導要領改訂のたびに、この専門部会みたいな、専門科目について検討するようなことが定期的に行われればいいなと感じながら、岡本委員の御苦労を感じながら拝見させていただきました。ありがとうございます。

【森田主査】  ありがとうございました。大事なポイントかなと思っておりますので、その辺りをどういう形でこのまとめ案に反映できるのか、課題として引き取っていきたいと思います。
 甲斐委員、いかがでしょうか、家庭科につきまして、先ほど少し御発言いただきましたが、何か今の御議論聞いて補足等ありますか。

【甲斐委員】  ありがとうございます。完全一致ということでかなり思い切っているなと、中と高の差がないというところで、それに関して例えば弊害みたいなものはもうなかったというか、中と高で、要するに高校の内容プラス中学校の網羅的にほぼ同じで取っていけると思われたのかなというところで、少し質問というか、御苦労も含めて感じました。

【森田主査】  ありがとうございました。
 それでは、家庭につきましても、委員の先生方から見直しの方向性については御了解いただいたと思いますので、この家庭につきましても、先ほどの内容にてこの検討委員会のまとめとさせていただきたいと思っております。
 もう一つ、今教科ワーキングごとに御議論いただきましたが、先ほどの少し技術でありました、大学等への働きかけのようなことも含めまして、教科をまたがるといいますか、検討委員会全体としての総論的な部分で、何かこういうことをまとめに反映しておいたほうがよいといった点について御意見があればお伺いしたいと思いますが、この辺りいかがでしょうか。
 まず、各ワーキングの主査の先生方、高橋委員、ワーキングの主査をされていて、全体として何か総論的な部分として発信しておいたほうがよいようなことありましたら、お願いいたします。

【高橋主査代理】  先ほど申し上げたとおりでして、30年以上変更していなかったとのことで、なかなか一遍に修正するのはすごく難しいなと感じましたので、定期的にルーティーンのように見直す仕組みがあれば、非常に議論もスムーズに進みやすいんじゃないかなと思いました。
 以上です。

【森田主査】  ありがとうございました。それでは、岡本委員、何か総論的な部分でございますでしょうか。

【岡本委員】  岡本でございます。
 ワーキングの先生方には、それぞれ異なるお立場からの御意見をいろいろといただきました。その中で先ほど甲斐委員から御指摘がございました中と高の科目区分の差がなくなったことについてですが、例えば高校では、普通科の家庭科と、専門学科として開設される家庭科がありますけれども、実習の取扱いは特に専門のほうの家庭科になると、中学校の科目区分と合わせてよろしいのでしょうか、という御意見がありました。
 このことに関しましては、平成11年の学習指導要領の改訂時に高等学校の家庭科の科目に「家庭基礎」ができ、現在は「家庭基礎」を選ぶケースが多くなっていることから、「家庭基礎」に対応する形で今回話がまとまりましたことを御報告させていただきます。

【森田主査】  ありがとうございました。
 それぞれの委員の先生、何かこの総論的な部分で必要なことにつきましてご意見はございますでしょうか。布施委員、いかがでしょうか。

【布施委員】  ありがとうございます。
 まとめの部分に入ってくるのかもしれませんが、各ワーキングの中の主査の皆様、また参加された皆様、ありがとうございました。私のほうから総論的なところで2点、意見という形になろうかと思いますけれども、付け加えるかどうかについては御検討の範囲だと思いますし、そういう形で理解いただけばいいんですけれども、1点目は先ほど少し技術のところでお話しさせていただいて、樫原室長からフォローもしていただいたんですけれども、免許が取りやすくなっているという方向感がある話に関して、大学に情報提供していただいたりとか、具体的な例えばそのモデルケースみたいなものを御提示しながら、それぞれの大学の裁量で決めることだという前提はあるんだと思いますけれども、この新しい課程認定の仕方みたいなものに見直す、修正していくということが促しやすいような動きというのをつくっていただけるといいなということと、あと、その先にはそれを履修しようかどうかと考えてくる学生さんたちがいると思いますので、大学側が学生さんたちに対して、何かこういうふうに変わるんだよということがお伝えできるようなものというものも、何かモデルみたいなものが御案内とかしていただいて、最終的に教員を目指したいという学生さんたちが、免許が取って教員になっていくという流れがプラスに働けるような取組というのも、引き続きお願いしたいなというのが1点でございます。
 あともう1点は、今回、教育委員会に求められていることということで、認定講習の件もありますが、それ以外にも今回の経過措置が幾つかあると。なかなか複雑な部分もあると思いますので、特に免許取れる、取れないというところで扱いを間違えてしまうと大変なことになりますので、この移行期の取扱いについては、特に各教育委員会に丁寧に説明いただければなと考えております。ありがとうございました。

【森田主査】  ありがとうございました。それでは、青海委員、いかがでしょうか。

【青海委員】  各ワーキングの先生方、ありがとうございました。
 私も全部ではないのですが、ワーキングでの議論も聞かせていただくことがありました。大変現状に合った形に整理されたなと思っておりまして、この後の働きかけが大事になると思っています。
 古いものが残っていたということが何か所かあったのですけれども、やはり高橋先生がおっしゃられたように、学習指導要領の改訂ごとに確認していくことが必要なのではないかということは、非常に感じたところでございます。他の教科も含めてです。ありがとうございました。
 以上です。

【森田主査】  ありがとうございました。
 最後になってしまって恐縮ですが、甲斐委員、何かございますでしょうか。

【甲斐委員】  ありがとうございました。
 岡本委員から先ほどお話しいただきました家庭科の件、よく分かりました。それぞれの教科の事情があるかと思いますので、私も今までの先生方がおっしゃられたように、理科とか、今回幾つかの教科だけでしたけれども、ほかの教科に関してもまたいろいろ議論をしていかないといけないところがあるのかなと思いますので、こういう機会があれば議論をするような体制ができていくといいのかなと思っております。
 それから、これは採用の問題と免許を出すということといろいろ複合的に絡んでくることですので、今回免許の取りやすさということで検討していくんですけど、その先の採用のところだとか、いろいろここからまた動き出していっていただくということが、ちょっと私の希望というか、そういうふうな未来になっていただければと思っております。
 本当に技術、家庭科に関しては、今うちの大学なんか免許もちろん出していますけれども、みんな残念ながら小学校の免許を副免で取得していて、やっぱり採用の段階で採用がありませんので、しょうがなく小学校の教員になっているというような状況もありまして、それが東京都に行けばいいんですけど、やっぱりどうしても地元がこちら、九州のほうにありますので、そういうアンバランスさもいろいろあるわけなんです。
 なので、そういう各教育委員会のそういう状況、どこがどんな教員が足りていないというようなこともこちらの九州のほうではまた把握ができていない、全体的に足りていないところは把握できているんですけれども、なのでまたそういう情報も寄せていったり集めていただいて広げていっていただければ、それぞれの地方でも検討していく余地が出てくるのかなと思いますので、また、それもよろしくお願いいたします。

【森田主査】  ありがとうございました。各委員の先生方からいろいろと御指摘いただきました。
 私は理科の主査を務めさせていただいたところとの関係でいいますと、少し前のそこで議論になっていたことで記憶にあるのは、今回、実験についての議論がメインだったわけですけれども、この教科の専門的事項の科目のところでやるべき内容と、この委員会の範疇ではないんですけど、いわゆる教科の指導法のところでやるべき内容とを、切り分けて考えていく必要があるだろうという議論も一つあったと思います。この委員会のまとめに書くことができるのか、それとも別途通知のような方法で発信するのか、その辺りは検討の余地はあると思いますけれども、この実験とか実習について、それぞれのワーキングの結論として見直す部分もありますので、教科の指導法の中でも実験や実習に関連する必要な内容も取り扱ってもらいたいというようなメッセージを、どういった形がよいか分からないのですけど、何かこの委員会の議論の結果として外に出せないかなと少し感じるところがございます。
 ありがとうございました。それでは、様々御議論いただきまして、資料3で、各ワーキングから御報告いただいた教科に関する専門的事項の科目部分の見直し案ということにつきましては、基本的には資料3のような形で、この委員会としてのまとめということにさせていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【森田主査】  ありがとうございました。
 それで、先ほど幾つか御意見を頂戴したことがございます。総論的な部分として書くのか、それとも各教科のところで書くのか、それともこのまとめではない別の形で発信していくのか、いろいろな方法があると思いますので、そういった少しこの資料3にプラスアルファで、一部修正が必要な部分につきましては、今後事務局と主査の私のほうで調整をさせていただいて、最終的な文章につきましては主査に一任いただくということにさせていただきたいと思いますが、この点につきましても御了解いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【森田主査】  ありがとうございました。
 それでは、基本的にこの資料3の内容を本委員会のまとめとさせていただきつつ、一部修正が必要な部分につきまして、主査預かりということで、今後進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 今後につきましては、本委員会のまとめの最終案を確定させて、その上で、中央教育審議会の教員養成部会に報告をさせていただくことになりますので、この辺りも御了解いただきたいと思います。
 それでは、議事の2につきましては、以上をもって終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 つぎに、今のことを踏まえまして、この委員会としてまとめたこの改正案に係る今後のスケジュールについて、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【松本教員免許・研修企画室専門官】  それでは、今後のスケジュールの案につきまして、説明させていただきます。資料4を御覧いただければと思います。
 本委員会のまとめに基づきまして、今後、教育職員免許法施行規則という省令でございますが、省令改正を行うということになります。
 まず、スケジュールの上段のところ、省令改正等(文部科学省)というところで書いてございますが、この後、教員養成部会のほうにまとめの報告を森田主査のほうから行っていただきます。その際、併せまして、今回の改正に係る省令改正案についても教員養成部会でお諮りさせていただきます。
 その後、省令改正案のパブリックコメントを実施させていただきまして、予定としましては、9月中の改正・公布に向けて進めてまいりたいと考えております。改正省令の施行についてでございますが、現時点では令和6年の4月を想定しているところでございます。省令の関係については、以上のような流れで行っていきますが、資料の中ほどのところを御覧いただければと思います。
 こちらの教職課程認定大学の関係でまとめているスケジュールでございますが、まず、既存の大学についてでございますが、今回の改正内容ですが、科目の新たな追加の事項があるというようなものではなく、統合や削除のみの改正案となっておりますので、既存の大学につきましては、基本的には変更届出の御対応をいただくということで考えております。
 このため、大学におかれましては、改正後の科目区分に対応するような授業科目の整理を行っていただきまして、今年度末までに変更届を提出いただくということで、令和6年4月入学者からの適用ということで、準備のほうを進めてまいりたいと考えております。
 なお、こちらの大学関係のところの上の段に書いていますが、新規開設大学ということでスケジュールを記載しております。今回の見直しの教科につきまして、教職課程を新規で開設したいというような大学がございましたら、課程認定の申請につきましては、通常の課程認定のスケジュールで進めていきたいと思っておりますので、直近で言いますと今年度末の3月に申請書を提出いただいて翌年度審査を行いますので、最速で、令和7年度の入学者からスタートするというようなことになります。
 大学のところで黄色の矢印で書いてございますのは、こちらについては経過措置に関することを記載しておりまして、在学者につきましては、改正前の科目区分に基づく授業科目を取っている状況ではございますが、基本的には、改正後の科目に読替えができるような経過措置を置いていく予定でございますので、旧区分のままの授業科目を履修させて、大学のほうでその経過措置に基づいて新区分の科目に読み替えるというようなケースも可能でございますし、大学によってはもう施行後、直ちに在学者についても新科目区分のほうを適用して、授業科目を変更していくというようなことも可能ではございます。
 その場合については、そういった旨の変更届の手続を行っていただければよいかと思います。
 その下の段は認定講習等の開設と、免許状の授与事務についても記載をしておりますが、認定講習や認定通信につきましては、大学のような在学生が学年進行でそのままこの施行の間、引き続いて残るというようなことは基本的にはないと思いますので、基本的には年度で区切って開設をされていくことだろうと思いますので、今年度中は改正前の科目区分での開設をしていただくんですけれども、令和6年の4月以降については、改正後の科目区分のほうを適用して開設をしていくというようなことになります。
 一番下の免許状の授与事務に関しましても、施行についてはそのようなことになりますが、免許状の授与の申請においては、個人で申請される場合も含みますけれども、旧課程での科目区分での申請というのが出てくると思いますので、その際には経過措置を踏まえながら、適切に免許状の授与事務を行っていただきたいと考えております。
 今後のスケジュール等については、以上で考えておりますが、よろしくお願いいたします。

【森田主査】  御説明ありがとうございました。
 ただいまの御説明いただいた今後のスケジュール等につきまして、何か委員の先生方から御質問等ございますでしょうか。特によろしいでしょうか。
 委員の先生方にも、御了解いただいたということで、このような予定で進めていくということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、本日予定していたこの本委員会の議事につきましては、全て終了いたしましたので、最後になりますけれども、樫原室長より一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【樫原教員免許・研修企画室長】  改めまして、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教科に関する専門的事項に関する検討委員会に御参画いただいた委員の皆様、本当にありがとうございました。
 特に各ワーキンググループを務められていただいた各3人の主査の方におかれましては、特にワーキングはかなり議論が様々な観点から出ていたところをこのような形でおまとめいただいたことに改めて感謝申し上げます。
 委員の先生方からも御意見いただきましたが、本来こうした教科に関する専門的事項というのは、まさに学習指導要領の改正というものと一定程度連動して変えるというのが通常あるべき姿であって、そういう意味では特に家庭科のところで「家庭電気・家庭機械・情報処理」などがまだ残っていたりとか、その他の部分も含めて、事務局としても反省すべき点はあるのかなと思っております。
 また、今後に向けましては、布施委員からも御指摘いただきましたけれども、各大学向けのまさに開設に向けた周知ですとか、特に免許事務に関する教員向けへの周知なども、私たちのほうで丁寧に対応していきたいなと思っております。
 本日の会議ですけれども、教職課程の開設を既にしている大学の関係者が多く傍聴されていると伺っております。各大学向けに対しては、私たちのほうから改めて説明の機会を設けたいとは思っておりますが、今回のおおよその方向性を踏まえて、特に令和6年度にどのような科目を開設するのかというのは、今の段階からもう既に議論が始まっていると思いますので、そういったところの準備を進めていただければ大変ありがたいと思いますし、その際に不明な点等がございましたら、文部科学省のほうに問い合わせていただければと思います。
 改めまして、私のほうから御礼と御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

【森田主査】  樫原室長、ありがとうございました。また、お忙しい中、この検討委員会に御協力いただきました委員の先生方、大変ありがとうございました。主査として御礼申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、教科に関する専門的事項に関する検討委員会の第2回を閉会とさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
 

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