令和8年10月1日(木曜日)10時00分~12時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
石井委員、植坂委員、亀田委員、高橋委員、利根川委員、中川委員、奈須委員、西端委員、平田委員、堀田委員、横尾委員(50音順)
常盤木大臣官房学習基盤審議官、浅原参事官(デジタル学習基盤担当)、齋藤大臣官房教育改革調整官、細野GIGAスクール基盤チームリーダー、後藤教科書課長、吉木参事官補佐、菅野参事官補佐
AISI西村副所長、内閣府齋藤企画官
中央教育審議会 初等中等教育分科会
デジタル学習基盤特別委員会(第11回)
令和8年10月1日
【堀田委員長】 皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会の第11回を開催いたします。
本日もまた御多忙の中、たくさんの方に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日も報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をZoomウェビナーにて配信しておりますので、御承知おきください。
それでは、本日の委員の出欠状況、会議開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【吉木参事官補佐】 皆様、本日もありがとうございます。この場をお借りして恐れ入りますが、新たにデジタル学習基盤担当の参事官補佐として着任をいたしました吉木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、森田委員が所用により御欠席となっております。また、前回と同様、対面とオンラインのハイブリッド方式にて開催をさせていただいております。
また、本日、議事の関係で、内閣府より齋藤企画官、それから、AIセーフティ・インスティテュートより西村副所長に御出席をいただいております。
ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、オンライン参加の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようにお願いをいたします。カメラにつきましては、御発言以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。対面参加の皆様におかれましては、お手元の端末について特段操作をしていただく必要はございませんけれども、何か不具合がございましたら、現地出席の皆様におかれてはお手を挙げていただきまして、オンライン出席の皆様におかれてはチャット機能や電話等で事務局まで御連絡をいただければと思います。
続いて、資料の確認をさせていただきます。議事次第を御覧いただければと思いますけれども、本日は、次第にございますとおり、資料が1から6まで、参考資料が1から3までございます。御不明な点等ございましたらお申しつけくださいませ。
続いて、本年8月付けで人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。大臣官房学習基盤審議官として常盤木が着任、また、大臣官房教育改革調整官として齋藤が着任しておりますので、御挨拶をさせていただきます。
【常盤木学習基盤審議官】 失礼いたします。常盤木でございます。ほとんどの方とまた改めましてになりますけれども、会計課のほうで1年やってまいりまして、またここに戻ってまいりました。戻っているというのはよく分かりませんけれども、戻ってまいりました。また引き続き、皆様と一緒に教育の改善に努めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
【齋藤企画官(内閣府)】 教育改革調整官の齋藤と申します。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 それでは、本日の議題についてでございます。議題は今日は6つございまして、議事次第に書いてありますので繰り返しませんが、たくさんの議題がございますので、てきぱきと進めてまいりたいと思います。
それでは、本日の議題に入ります。まずは議題1でございます。令和8年度全国学力・学習状況調査及びPISA2025の結果について、特にICT関係のところについて、事務局より資料の御説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 失礼いたします。資料1に基づきまして、前回の特別委員会から令和8年度全国学力・学習状況調査、全国学調、また、OECDが実施しておりますPISA2025の結果が公表されておりますので、御報告を申し上げます。
まず、令和8年度全国学調の結果でございます。概要につきましては、2ページ目となりますけれども、小学校6年生、中学校3年生対象に今年4月20日から5月29日の間に実施された内容となります。かいつまんで御説明をさせていただきたいと思います。
まず、ICTの活用状況につきまして、3ページ目でございます。ICT機器を「ほぼ毎日」「週3回以上」活用していると回答した学校は、小学校、中学校約95%程度となっておりまして、ほぼ横ばいとなっておりまして、活用の定着が見られるところでございます。また、不登校児童・生徒、特別な支援を要する児童・生徒などに対する学習活動等への支援、児童・生徒の心身の状況の把握等にも活用されているといった結果が得られております。
次に、5ページ目でございます。ICTの活用による効果でございます。約9割の児童・生徒が、「ICT機器については分からないことがあったときにすぐに調べることができる」、「友達とお考えを共有したり比べたりしやすくなる」と考えているという結果が明らかになっております。ICT機器が日常の学習に定着し、効果的な活用ができている様子が見られております。
次のページでございます。ICT機器を活用する自信がある児童・生徒ほど、自分で学び方を考えて工夫したり、課題の解決に向けて自分で考えて取り組んだりしている傾向が見られております。また、同じくICT機器の活用に自信のある児童・生徒ほど、自分の考えを深めたり、新たな考えに気付いたり、自分の考えがうまく伝わるように資料や文章、話の組立てなどを工夫して発表している、考えているという傾向が見られております。
次のページでございます。学校への質問調査でございますけれども、ICT機器を活用して各教科等における見方・考え方を働かせるような学習指導を行っていると考えている学校は、小学校86.3%、中学校83.4%というふうな形になっておりまして、そのような学校ほど、児童・生徒の個別最適な学び・協働的な学びの実現のための学習活動を取り入れたり、身に付けたことを課題解決に生かすことができる機会を設けたりしているといったことを考えている傾向が見られております。
次のページでございます。ICT機器やインターネット活用に関するルールやマナーでございますけれども、ほぼ全ての児童・生徒がICT機器やインターネット利用に当たってのルールやマナーを学校で学んでおり、ルールやマナーを守って活用できると回答しています。また、そのような児童・生徒ほど、いじめがどんな理由があってもいけないことだと思っている傾向が見られております。
次のページでございます。教員研修やサポートに関してでございます。教員がICT機器の効果的な使い方を学ぶための研修や自己研さん等の機会を十分に設けていると考えている学校、また、ICT機器の活用に関して学校内外のサポートを受けられていると考えている学校は、小学校、中学校ともに約8割から9割という形になってございます。
次のページでございます。SNSや動画視聴の長さと学力との関係でございます。SNSや動画視聴等の利用時間が長い児童・生徒ほど、各教科の正答率・スコアが低い傾向が見られております。また一方で、ICTを活用する自信がある児童・生徒ほど、各教科の正答率・スコアが高い傾向というものが見られております。
また、授業におけるICT機器の活用頻度と各教科の正答率・スコアとの関係にも一定の関係が見られているところでございます。左下の図になりますけれども、活用頻度が高い場合とそれから低い場合を比べたときに、活用頻度が高い、ほぼ毎日といったところが正答率・スコアが高いというような結果が見られております。
次のページでございます。社会経済的背景、ICTの活用、教科正答率・スコアとの関係を見たデータになります。家庭の社会経済的背景、いわゆるSESが低いほど、各教科の正答率・スコアが低い傾向が見られております。一方で、SESが低い状況であっても、ICT機器を活用する自信がある生徒は、各教科の正答率・スコアが高い傾向が見られております。例えば、ICT機器を使って学校でプレゼンテーションを作成することができるという質問について、低SESグループであっても、「そう思う」と答えた生徒は、高SESグループで「そう思わない」と答えた生徒より平均正答率・スコアが高い傾向が見られているところでございます。
続きまして、1ページ飛ばしまして、PISA2025について御報告をさせていただきます。PISA調査の概要14ページになりますけれども、15歳生徒を対象としたものになってございます。91か国地域から約76万人が参加しておりまして、日本からは全国の高校などの1年生のうち、国際的な規定に基づき抽出されました183校、約6,500人が参加しているといった調査になってございます。
今回重点的に調査を行う中心分野は科学コンピテンシーでございます。また、革新分野といたしまして、ICTを活用した自立的な学習、いわゆる自己調整学習のプロセスを通して問題解決をして、その中で新しい知識を獲得できるかを調査するラーニング・イン・デジタルワールドといった調査も実施がされているところでございます。
PISA調査の結果につきましては、既に報道等されておりますので概要といたしますけれども、調査開始以降初めて3分野全てでOECD加盟国中1位という形になってございます。また、3分野全て国際的に高い水準を維持しておりまして、一貫して社会経済的公正性が高いといった結果が見られております。一方で、低得点層の割合の上昇といった課題も見られているところでございます。
その中で、デジタル関係の結果を御紹介したいと思いますので、少し全体の概要、結果につきましては飛ばさせていただきます。17ページ、こちらは全体の結果推移となってございます。18ページ、こちらはOECD加盟国あるいは全参加国における比較のデータとなってございます。
19ページから具体的なデジタル関係の結果となってございます。まず、デジタル機器・AIの活用関係ですけれども、学校内でのデジタルリソースの利用頻度、OECD平均よりも高いといったような結果が見られております。また、学校外についても、同じようにOECD平均よりも高い傾向が見られております。
次のページでございます。学校内でのデジタルリソースの使いやすさにつきまして、日本は肯定的回答の割合がOECD平均よりもおおむね高いといったような結果が見られておりまして、また、有効性に関する項目について、日本は肯定的回答の割合がOECD平均よりも高いといった結果が見られております。
続きまして、21ページでございますけれども、教科別のデジタルリソースの利用頻度のうち、「全ての授業またはほとんど全ての授業」または「授業の半数以上」と答えた割合が、日本はこれまでと同様、OECD平均よりも低いといった結果になってございます。
また、生徒はデジタルリソースを使っているため気が散っているという設問に対して、「全く、またはほとんどない」と回答した割合について、OECD平均よりも高いといった状況になってございます。
また、次のページでございます。デジタルリソースでの活動に費やす時間でございます。日本、OECD平均ともに、学校での学習活動においてデジタルリソースを適度に使用する場合、科学コンピテンシーの平均得点が高い傾向が見られております。一方、使用しない、または長時間使用するといった場合には、科学コンピテンシーの平均得点が低いといった傾向が見られております。
続きまして、24ページでございます。AIの関係でございます。学校の勉強におけるAIの利用頻度指標につきまして、OECD加盟国中、日本は38か国中38位といった形で、利用頻度が低い状況となってございます。
次のページでございますけれども、学校でAIによって生成された情報の質を評価することを学ぶ機会があり、また、かつAIを学習の助けとして適度に利用する生徒は、そうでない生徒に比べて科学コンピテンシーの平均得点が高い傾向にあるといったような傾向が見られております。グラフを御覧いただきますと、日本が上の2つのグラフとなってございますけれども、月に一、二回、週に一、二回といったような形で利用するといった場合、科学コンピテンシーの平均得点が高いといったような傾向が見られております。
続きまして、26ページ、ラーニング・イン・デジタルワールド、今回革新分野として実施された内容になります。この革新分野につきましては、コンピュテーショナルな問題解決能力と自己調整学習の2つの構成要素から成り立っておりまして、今回はコンピテーショナルな問題解決能力部分のみ公表がなされているという状況でございます。結果につきましては、日本はOECD加盟国中1位というような状況になっておりまして、具体的などういった問題を解いているかというところも、御参考までに27ページにお付けをしているところでございます。
簡単でございますけれども、2つの調査について結果を報告させていただきました。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
大変駆け足で御説明いただいたところでございます。時間はあまりありませんけれども、もし御意見、御質問等ございましたら、挙手ボタンにて意思表示をしていただいてと思いますが、いかがでしょうか。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 丁寧な御説明ありがとうございました。令和8年度の全国学力・学習状況調査及びPISA2025の結果を踏まえて、学校現場の立場からお話しさせていただきます。
1点目は、ICTを使うことからICTで学びをどう変えるのかということへの変換についてです。児童・生徒質問調査の中にもICTを活用した学習状況が明確な分析領域として位置付けられております。また、質問調査自体もICT端末を用いたCBTで実施されてきていることから、学校現場では1人1台端末はもはや特別なものではなくなってきています。だからこそ、これからは、調査結果を「何回ICTを使ったか」ではなく、「ICTを使ったことで子供の学びがどう変わったのか」、ここを評価することの重要性を伝えていく必要があると感じております。
また、デジタル学習基盤は、ICT教育のための基盤ではなくて、子供が主役の学びを実現するための教育インフラであるということももっとアピールしていく必要があると考えております。
その視点から、今後もICT環境整備と情報活用能力、生成AIの活用、そして学習評価を一体的に考えていくことが重要であると考えております。
感想になりますけれども、以上で終わります。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
横尾委員、お願いいたします。
【横尾委員】 ありがとうございます。PISA調査のこと、触れていただいてありがとうございます。今回、そこにも書いてありますように、15ページですけれども、初めて3分野1位の世界トップだということで、大変いいことだなと思っているところです。
それに続いた説明の中にあった資料にも書いてあるんですけれども、「おおむね高い」という表現があります。例えば、私は自治体の首長を経験しましたが、学力調査、県内の調査とかを見ていますと、新聞報道もそうですけれども、全国平均よりおおむね高いとか低いというちょっとヴェイグな表現が割とあるんです。これは関心を持っている人にはよく分からないんです。
ですから、ぜひ1つ1つ、細かいところかもしれませんが調査をしていただいて、それを解析し、何の手を次に打ったらいいのか、何が本当に弱いのかということを分析して、今後の教育の充実に更に関係者にお力を出していただくと、よりよく伸びていくと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。どうぞお願いします。
【利根川委員】 一言、PISAの結果、すばらしい結果なんじゃないかなというふうに思っています。この結果を素直に喜んで誇ったらいいんじゃないかなと思っていますし、その中の新しくできた革新分野のラーニング・イン・デジタルワールドの結果ですね、GIGAスクールでのICT活用ですとか今の学習指導要領のプログラミング必修化の成果が着実に表れているというところを発信していく必要があるんじゃないかなと考えています。
私は最近、海外の教育関係者の方と話す機会が多いんですけれども、その中では、おおむねというか、ほぼ全て日本の教育についてポジティブな評価をいただいています。一方、現場の先生方は素直に称賛される機会というのはあまりないのではないかなと思っておりますので、今回のPISAの結果は、日本の先生たちが自分たちがやってきたことの手応えを感じる機会にすることが必要かなと思っております。
ただの簡単な感想ですが、以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。
私から2つコメントしておきます。1つは、PISAのほうで言うと、AIのところ、24ページですね。AIのところは38位。つまり、今までの学力については、しっかりと手応えある今までの成果が出ているわけだけれども、新しいことに対してはやや出遅れているという現実があるということです。これは次の学習指導要領の改訂に向けて、どういうことに気をつけながら、どんなふうに利活用していけばいいかということをしっかりと教育していくタイミングにあるのかなというのがコメントの1つ目です。
もう一つは、昨日でしたか、今日でしたか、全国学力・学習状況調査については都道府県別の細かい分析データも公表されておりますので、そちらを御覧いただくと、いろいろな取組のちょっと差というか、温度差というか、出ていたり、あるいは、SESについては、今表示されているあたりですね、結構細かく分析されておりまして。こういう分析をしやすくなるように、調査問題ごとにどんな内容と関係があるかみたいなことを、国研のほうで出していまして、などなど材料はいろいろ提供されているところでございますので、当事者があとはしっかり分析していくことが大事なのかなというふうに思っております。
ありがとうございました。では、議題が多いので、次行かせていただきます。
続きまして、議題2でございます。次期学習指導要領に向けた議論における情報活用能力の抜本的向上に係る検討の審議状況についてということで、事務局より御説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 資料2でございます。次期学習指導要領に向けた審議が進められているところでございますけれども、先般9月25日に教育課程企画特別部会におきまして審議まとめ案が審議をされ、おおむね御了承いただいたというような状況になってございます。これまでの情報・技術ワーキンググループでの検討状況を含め、御報告を申し上げたいと思います。
まず、御覧いただいておりますのが、令和7年9月25日時点の情報活用能力の抜本的な向上を図るための方策の方向性としてお示しをされたものでございます。その方向性を踏まえまして、情報・技術ワーキンググループにおきまして詳細かつ精緻に御議論いただきまして、次の2ページ目になりますけれども、情報・技術ワーキンググループとして概要、方向を取りまとめたものになります。本日はこちらの概要に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
まず、背景と課題でございますけれども、AIなどの情報・技術が社会経済の基盤となる一方で、偽・誤情報の拡散、人々の価値観に隔たりを生じさせるなど、民主主義社会の分断を招きかねない課題も顕在化しているといった状況がある中、こうした負の側面に適切に対処し、全ての子供たちに情報活用能力を確実に育成することが不可欠である。
一方で、これまで学校教育においては、小・中・高を通じた育成体験というものが十分に整理されていないこと、また、情報モラルやメディアリテラシーなどの指導に学校間の差が見られること、また、探究的な学習との連携や指導体制が十分でないといったような課題がございました。
4ページ目でございますけれども、今申し上げたような内容を審議まとめ案を抜粋する形でお示ししております。
5ページ目でございますけれども、概要に戻りますが、そうした背景・課題を踏まえまして、情報・技術ワーキンググループにおきましては、次期学習指導要領で学ぶ子供たちが2040年代の社会を支えるために重視すべき方向性というものを議論し、そこを見据え、そこからバックキャストして情報活用能力の抜本的向上を柱とした教育課程の改善というものを議論いただいたところでございます。
6ページ目でございます。2040年の社会の想定として、AI・ロボットによる雇用構造の変化、偽・誤情報の拡散による社会の分断、また、流動化する労働市場とマルチステージ型社会への転換といったことが想定される中で、今後重視すべき方向性といたしまして、御覧いただいております4点、揺るぎない健全な民主主義社会を支える主権者の育成でありますとか、また、我が国の経済の維持・発展を担うアドバンスト・エッセンシャルワーカー、AI・DX等のスキルを駆使して協働的に課題を解決を進めたりするアドバンスト・エッセンシャルワーカー、また、社会革新を生み出す世界トップレベルのイノベーターの育成など、こうした観点、方向性を重視しますと、全ての人々に情報活用能力が必要となるということで、こうした人材育成につなげるため、全ての子供たちに一定程度以上の情報活用能力を育み、情報・技術の賢い使い手を育てる、言わば広い裾野を育てるとともに、できる限り多くの情報・技術を活用したイノベーションのつくり手を育てる、高い頂を育てる、この方向で改善を行うこととして下が進められました。
次のページでございます。概要全体に戻りまして、主な改善の方向性として5点示されておりますので、1から順に行きたいと思います。
まず、1点目、育成すべき資質・能力でございます。今申し上げましたように、2040年代の社会で誰もが情報・技術を使いこなせるように、情報活用能力を構成する3つの要素を発達段階に応じてバランスよく着実に育成することとされております。
次の8ページ目に詳細がございます。情報活用能力の抜本的向上に向けては、以下の3つの要素をバランスよく育成することといたしまして、1つは情報・技術の活用。情報・技術を活用して探究的に課題を解決して、新たな価値を創造することができる力、2点目といたしまして、情報・技術の適切な取扱い。情報・技術のリスクを適切に判断し、ルールやマナーを守るとともに、他者や社会への責任を考えて行動できる力。3点目といたしまして、情報・技術の特性の理解。情報・技術の科学的な特性を理解し、課題の解決策を構想・表現できる力。この3つの要素をバランスよく育成する形で整理がされています。
また、この3点の関係でございますけれども、下になりますが、この活用というものを情報活用能力の中核的な構成要素と整理をした上で、この活用する力を発揮するために、適切な取扱い、また特性の理解、この2と3を育成する、それを構成要素として整理をしております。
続きまして、この情報の領域、情報・技術科、情報科の体系整理の方向性ということで整理がなされております。先ほど活用、適切な取扱い、特性の理解と、3つの要素をバランスよく育成するというふうな整理がなされたというふうに御説明を申し上げましたけれども、小学校段階におきましては、体験的な活動を重視して、活用を中核としながら、適切な取扱い、特性の理解と相まって培うこと、また、中学校段階以降では、各要素も内容を深めつつ、より抽象的、科学的な理解を必要とする特性の理解を一層重視することとして整理をしております。
ちょっと台形の大きさが、そちらの活用とまた特性の理解といった扱いの部分を台形の大きさで表現しておりますけれども、育成を目指す資質・能力をこの3つの要素に基づいて整理しております。
続きまして、2点目、新教科・領域等の学習内容の整理でございます。各段階の特色を踏まえつつ、小学校総合に情報の領域を付加し、また、中学校情報・技術科を創設するといった方向性、論点整理でお示しをされておりますけれども、それぞれ具体的にどのような内容、資質・能力を育てていくのかといったことを議論しておりました。
次のページ、11ページでございます。小学校総合的な探究の時間、情報の領域の内容項目間の関係をお示ししておりますけれども、総合的な探究の時間の目標、情報領域の目標といたしまして、よりよく課題を発見・解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力について、情報活用能力を効果的に発揮した探究を通して育成することを目指するといったことを目標といたしまして、この情報の領域については探究の領域を基盤として支えるものとして位置付けられているところでございます。
内容項目につきましては、先ほどの3つの要素、活用、適切な取扱い、特性の理解、それぞれに応じて整理をしておりますけれども、活用が中核となるということで、灰色の矢印、上が大きくなってございますけれども、そういった関係性をお示ししております。
次に、中学校でございますけれども、情報・技術科でございます。目標といたしまして、情報や技術でものを生み出し、生活や社会の問題を発見・解決する資質・能力について、情報・技術やそれを基盤とした生産技術に関する実践的・体験的な探究活動を通して育成することを目指すといたしまして、2つの領域、情報・技術また情報を基盤とした生産技術、2つの領域を扱うこととなってございます。また、技術を関連付けて活用して未知の課題を解決する学習を強化するというところで、下でございますけれども、技術の統合として取り組むこととされております。
続きまして、高等学校でございます。情報Ⅰ、情報Ⅱというふうにございますけれども、目標につきましては御覧いただいているとおりでございます。共通必履修科目として情報Ⅰで培った基礎の上に選択科目として情報Ⅱを設置するという現行の考え方を維持した上で、中学校や情報Ⅰで学んだ情報・技術を統合して、課題解決プロセスを実践する機会を充実するといったような内容で、再度、内容の整理・充実を図っているところでございます。
情報Ⅱにつきましては、情報Ⅰで培った基礎の上に選択科目として情報Ⅱを設置するといった現行の考え方を維持した上で、情報Ⅰ・Ⅱで学んだ情報・技術を統合して、課題解決、価値創造のプロセスを実践する機会を充実するといったような内容の充実が図られているところでございます。
そのほかメディアリテラシーに関する内容につきましても盛り込まれております。メディアリテラシーに関する内容につきましては、現行の情報モラルの考え方、情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度としておりますけれども、現行の情報モラルの考え方と重複するものと現行学習指導要領では明確に位置付けられていないものがあり不明確といった課題がございました。情報モラルとともに適切な取扱いの一環として扱うこととして整理し、明確化されております。メディアリテラシーの重要な要素であります情報の吟味、批判的な評価、デジタル社会への参画といった要素、こういった内容を明確に位置付けて取り扱うこととなってございます。
続きまして、AIを使いこなす力の育成ということでございます。AIにつきましては、AIを適切かつ効果的に活用し、問題を発見・解決したり、自分の考えを形成したりする力、いわゆるAIリテラシーを育成するといったことで、AI自体を学ぶこと、AIを活用して学ぶことといった形で整理をし、構造化し、発達段階に応じて体系的・系統的に取り扱う方向となってございます。
そのほか、AIの出力、批判的に吟味しながら、この利点を生かして活用できるようになるための方策につきましては、発達段階を踏まえまして、本日後ほど御議論いただきます生成AIの利活用に関するガイドラインにおいても検討を進めているところでございまして、このガイドラインや教材なども活用しながら、教育内容の陳腐化を防いでいくといったことが必要であるといったことも御指摘いただいているところでございます。
続きまして、プログラミング的思考の考え方でございますけれども、従来の考え方を発展的に捉え直しまして、プログラミングによって何を実現したいのかを考える最初の段階、また、生成・作成したものを責任を持って判断し問題を解決すると、最後の段階まで含む考え方としてプログラミング的思考を捉えるといったことが適当であるといった方向で整理をいただいているところでございます。
続きまして、概要に戻りますけれども、大きく3つ目でございます。今回のこの情報・技術情報の項目といったものが各教科の学びの充実と内容の生成にどのように寄与するのかといったことについても整理がなされました。情報活用能力の育成の要となるこの新教科・領域におきまして集中的・体系的な育成を図ることで、各教科等における端末等の活用方法やプログラミング、タイピングを含む情報・技術等に関連する内容の精選に寄与する、また、各教科等は固有の学びを深めることができるようになり、教育課程全体の学びの質を向上させるといったことで検討がなされておりました。
次のページでございますけれども、情報活用能力の育成に関わる各教科などとの関係でございます。下の部分になりますけれども、現行学習指導要領、各教科等の指導の中で、当該学習活動に必要な情報活用能力のみを取り扱うといったような形になっておりまして、各教科等で情報活用能力が効果的に機能できていないのではないかといった課題がございました。次の学習指導要領に向けては、情報活用能力が各教科等で効果的に機能するように、核となる教科、新領域でございますとか情報・技術科において、情報活用能力が育成されているといった前提で各教科等の指導を行うことができるといった形にするということで検討が進められておりました。
1ページ飛ばしまして、21ページでございます。先ほど申し上げましたように、特定の教科で扱われている内容のうち、新教科・領域の創設によりまして各教科等からこの新領域・新教科に移行するといった内容について、具体的にどのようなものがあるのかといったこともワーキンググループで整理を行いました。
例えば、左側、小学校の例でございますけれども、算数のプログラミングにつきまして、現行、プログラミング体験をしながら算数の教科の中で学んでいたわけですが、今後、情報の領域の中で、プログラミング的思考や情報・技術を活用したデータの収集整理・可視化といったものを体系的に扱うといったような形にする、そのことによりまして、算数におきましては、算数固有の学習に重点化することが可能になるのではないかといったことでございます。
次に、国語、下のブルーのところになりますけれども、タイピングでございますが、現在、小学校3年生で国語の時間でコンピューターでローマ字などの文字を入力するといった基本的な操作を学習するとなってございますけれども、これを情報の領域で取り扱うことによりまして、キーボードで文字を入力する基本的な方法、そういったものも体系的に扱うといったような形にすることによりまして、ローマ字入力によるタイピングの習熟、それから各教科等の端末を活用した学習活動の高度化が期待できるのではないかといったような形で、各教科につきましてもこういった検討が行われたところでございます。
再度概要に戻りまして、大きく4点目でございます。こうした新領域・新教科といったところにつきまして、条件整備に向けた取組の加速といったことも強く指摘をいただいたところでございます。新教科・領域等の確実な実施に向け、国の責任の下、条件整備を抜本的に推進してまいります。
次のページを御覧いただきますと、情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制改善プランといったものを、7月30日時点でございますが、取りまとめております。そして、これに基づきまして、来年度予算、概算要求において必要な経費を計上しているところでございます。
具体的には、下の1、2、3の3点になりますけれども、先生方の指導力向上に関する研修の充実、研修コンテンツの作成といったこと、また、全ての先生方への研修が促進・充実されるように取り組むといったような内容でございます。
また、2点目でございますけれども、学習者用教材といったところでは、先生方が授業でそのまま活用可能な授業動画を含めた学習者用教材を開発するといった内容を盛り込んでおります。また、中学校技術分野・高校情報担当教員の免許状所有状況の改善に向けまして、免許法認定講習の大規模な実施など、そのほか教員の計画的な養成・確保に資する免許制度の在り方などについても別途中教審教員養成部会で御検討いただいているといった状況でございます。
概要に戻りまして、最後でございますけれども、新教科・領域の先行実施の考え方でございます。新教科・領域につきましては、小学校は令和12年度から、また中学校は令和13年度から全面実施となりますけれども、経過措置といたしまして、先行実施に向けた条件整備を計画的に進めつつ、小学校は令和10年度から、また、中学校は令和11年度から段階的に講ずる方向となっておりまして、具体的な内容については、今後、文部科学省において具体化をすることとなってございます。
26ページでございます。今回の小学校総合情報の領域、中学校情報・技術科の必要な授業時数といった点につきまして、御覧いただいております右側下の部分のこま数が必要になるのではないかといったことが検討されているところでございます。参考資料としてお付けをしておりますけれども、小学校各学年、中学校各学年でどういった内容を具体的に学ぶのかといったところを精緻に議論した上で、積み上げた上で、こうした授業時数が必要ではないかというふうに検討がされているところでございます。
27ページ目でございます。今回、この新領域・新教科の授業時数の確保に向けましては、小学校3年生以上の各教科等の標準授業時数について、現在35コマ以下であるものを除いた教科・領域、例えば、小学校では8教科等になりますけれども、それぞれの授業時数に対して一定の割合の時数を減ずることとして確保をするということとなっております。一律で三、四%程度の時数を言わば広く薄く減ずるといった形で確保するといったこととされております。
そのほか、先ほど申し上げました各学年における具体的な学習内容のイメージなどは、参考資料としてお付けをしております。時間の関係で説明は割愛させていただきます。
御説明、以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
これは1年9か月ぐらいかけての審議の報告をかいつまんでしていただいた上で、ここでは質疑とか取れる状況ではございません。
私から少しだけ追加しておくと、先ほど26ページですかね、に出たものですが、この授業時数に関して、情報に関する授業時数を取るために、今、参事官に御報告いただきましたけれども、各教科等、時数の多い教科等から薄く時数をもらってくるという形になります。このことについて新聞報道等ではなかなか、減らすとは何事だみたいな感じの反応があるところでございますけれども。
21ページにありますように、各教科等で行われていた情報に関する内容を集めてくるという、そういう意味では内容の移行がございますし、これに伴って各教科等が内容の精選を図るという、それによる時数の確保の話なんですけれども、割と現状維持を大事にする方向でネット上では意見が飛び交っているというところでございまして、厳密には、先ほど参考資料で挙げられているような、そういう形で内容の調整をしてきた結果の数字でございますので、ここにしっかりと御理解をいただきたい。
もう一つは、条件整備の話を参事官がされましたけれども、しっかりと予算を取っていただいて、しっかりと整備や研修やそういうものを整えていくと、周知徹底も含めて、私どもこのデジタル学習基盤をうまく生かすための情報活用能力の育成という形になりますので、そこのところをしっかりと皆さんの御協力で進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
それでは、議題3に参ります。初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインの改定に向けた検討状況です。このガイドラインですが、現在のバージョン2.0でしょうかね、が出ておりまして、これを次もう一回改定するという方向になっております。そして、その改定は、学習指導要領の改訂を待たずに今年度中に行うということになってございます。
このAIの利活用については、学校教育だけでなく、非常に動きの速いあらゆる領域に関わるものでございますので、関係分野、教育に関わらない分野での状況も踏まえながら検討を加速していくという必要があると考えられます。今日は、そういう観点も踏まえて、お二人にお越しいただいてございます。
お一人目は、政府全体の大きな方向性について、内閣府から他分野の状況も含めたAI関係施策について御紹介をいただくということ。もう一つは、より専門的な安全性の検討について、AIのセーフティ・インスティテュート、AISIと言うんですけれども、ここより検討の状況の御報告をいただくということをして、それを踏まえて、現在文部科学省で進めている初等中等教育段階におけるAIの利活用のガイドライン、これについての検討を進めていくというふうにしたいと思います。
まずは、政府全体のAI関係の施策について、内閣府の齋藤企画官に今日は来ていただいておりますので、御説明をお願いいたします。
【齋藤企画官(内閣府)】 御紹介いただきました内閣府AI室の齋藤と申します。よろしくお願いします。
今日前半の話でございましたが、初等中等教育におけるAIの利活用の施策、非常に進めていただきまして、大変ありがとうございます。今日は時間も限られている中において、全体像としてAI法というものが出来上がりましたと、それに基づいた政策を展開しているところでございますけれども、その方向性としてイノベーション展開とリスクの対応という2つの観点でどういうふうな大きな動きがあるかについて簡単に御紹介させていただきます。
まず、次のページをお願いします。皆さんよく御存じだと思いますけれども、AIに関するメリット、今までの我々の抱えている課題として、大きく1個目、人口減少、生産人口の減少、これに非常に影響を与えるものがございます。実際AIによる利活用による効果というのは2割とか3割とか言われておりますけれども、この減少に関する効果に対しても非常に大きなものがございます。
次のページお願いします。翻って、実際AIの利用の状況で見てみますと、日本は何とまだ、上のほうに書いています、AI利用率は22.5%で48位というところでございまして、非常に低うございます。一方で、実際の利用率、伸びはあるところでございますけれども、なかなか利用が進んでいないというところでございます。
次のページ、そんなこともございまして、AIの投資で見てみますと、2024年断面で米国の約100分の1だったのが、2025年断面では米国の250分の1という形でございまして、実際にお金の投資もなかなか進んでいない。これでは本当に皆さんが自分たちにとって必要なAIが使われて作れてという状況にならないなというところでございます。
次のページお願いします。じゃあ何で使わないのかという話についてやった調査の結果です。これは2025年の調査でございますけれども、大体皆さん共通しているのは、リスクに対して適切に理解が進んでいない、リスクが不安だ、あと、最近の製造業の傾向で見ると、AIエージェントが勝手なことをしたらどうするんだとか、データを読み込ませるときに自分たちのデータが抜かれたらどうするんだという課題があって、ここに対する対応がないとなかなか進まないという問題意識を持っております。
6ページ目でございます。そんなこともございまして、2025年の9月から完全施行されておりますけれども、AI法というものをつくっております。細かな内容は御紹介しませんけれども、大きく分けて2つございまして、赤のマークで書いていますが、AI基本計画というものをつくって、政府としてどういう方向性でAIを使うのか、作るのか、また我々の生活を守っていくのかという方向性をつくっております。もう一つは、この基本的施策の中に適正性のための国際規範に即した指針でございまして、まさにリスク対応に関して大きな方向性を政府としてつくっていくということをやっているところでございます。
ここから次にイノベーションの話を御紹介します。7ページをお願いします。今、AI基本計画というのを昨年の9月のAI法ができてからもう既に2回つくっておりまして、非常に技術進歩も速いので、どんどんつくって改正していってやってきております。今年も恐らく改正もあるでしょうという状況かと思いますけれども。ただ、共通してやっていこうとしているのは、ここに、下に4つの方針があるんですが、まず政府、そして全体へとして使うということをしっかり進めていきたいというふうに考えております。
使っていく中において出てくる課題というものが出てきますので、その課題に応じてしっかりつくるという2つ目のポツの柱を回していくということを政府としては描いておりまして、これは公共分野だけじゃなくて、製造業であるような市場性のある領域であったりとか、はたまた戦略的な防衛とか警察とかの領域においても、一貫してまずここをしっかり取り組んでいこうという方向性でうたっているところでございます。
この「使う」のところに書いてある2つ目のポツにも書いてあるんですが、我々は何を使っていくのか、何をつくっていくのかというものとしましては、大きな勝ち筋として2つ設けています。1つは、業務特化型のバーティカルAI、そして、ロボットにAI組み込んだフィジカルAI、この2本をしっかり柱として展開しようという方向で動いております。
次のページ以降に簡単にバーティカルAIの概要を紹介します。細かな話は割愛しますけれども、要は、我々は今まで実際、生成AI、米中にある程度全部依存していたところでございますが、今後のAI市場というのは、基本的には一番上のアプリ層かデータセンター層と言われており、このアプリ層においては、バーティカルAIとフィジカルAIをしっかり展開することで我々として勝ち筋があるんだということを考えてございます。
このバーティカルAI、まさに現場に特化したAIとしましては、9ページ目に載っておりますが、今、全部で19領域20テーマ設けて、ここに徹底的に集中投資をしようというのが政府としてうたっております。ここに黄色マーカーで書かせていただきましたけれども、教育分野についても、多様な児童・生徒への対応だったりとか働き方改革の両面でしっかり展開していくようなAIの活用・開発を徹底的に後押ししようという方向で向かっております。
次に、若干ここは毛色が変わります。冒頭言ったように、イノベーションが進めたいと思ってもリスクは不安だ、本当に多いと思います。なので、政府としてはまず、10ページにも書いていますけれども、技術進歩の早いAIに対応するためには、法律や規則の対応では困難だと思っておりますので、法律や規則だけでなくて、しっかり現場に即したガイドラインをつくっていくというのが一番上の柱。それとともに、ガイドラインでできたものをしっかり周知していって、何か問題があった場合においては、左側にあるような調査を通じてAISIとともに必要な対応を新しくつくっていくというような柱をしっかりやっていきたいと思っています。
11ページ目に、御覧になっていただくと、実際、全体で当時17ガイドラインがございましたけれども、今、全体では20ぐらいありますかね。いろいろな各分野において、生成AIの活用に関して、開発に関するガイドラインが出ております。AIエージェントが出てきて、高性能AIミュトスも出てきて、今後も更にアップデートが進められていくと思われます。
12ページ目でございますが、その一方で、実際に新しいAIの技術進歩に応じた知見の提供がなかなかなければ現場に即したものはつくれないというところでございまして、今日これから御紹介する「エイシー」と読みますけれども、我が国は世界に先駆けて3番目ぐらいにつくっておりますが、ここの中でAIの安全性の面で、皆様のサポートとして、ガイドラインをつくったりAIモデル評価をつくったりしております。
多分この後御紹介があると思いますけれども、13ページ目でございますが、この中において事業実証ワーキンググループという非常にユニークな取組をやっております。通常のガイドラインだったら、ハルシネーションに気をつけましょうとか、その程度の大きな話しかうたっていないところなんですが、例えばヘルスケアの分野であれば、患者さんに対してどうやって応えていくのかというユースケースをちゃんと想定して、そのユースケースに即してAIをどう使っていくのか、どういうふうに注意していくのかというのが非常に重要になってくると思いますので、まさにこういうユースケースに即した丁寧なガイドラインというのをAISIと現場の方々が一緒になってつくり込んでいくということを応援しているところでございます。
この中に新しく今回教育も入ってきていただけるという形になっておりまして、今後、この後の展開、非常に期待できるところかなと思ってございます。
私からは簡単でございますが以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。非常に国の大きなAIに対する大きな動きについて御説明いただき、また、その上で教育というのがどういうふうに位置付いているかというところを御説明いただいたところでございます。ありがとうございます。
では、続きまして、今御紹介いただきましたAISIにつきまして、西村副所長より御説明をお願いいたします。
【西村副所長(AISI)】 AIセーフティ・インスティテュートの西村でございます。私のほうから、今、内閣府のほうから御紹介いただきました、AISIの中で現在教育分野におけるAIというテーマで、これをいかに安心・安全に使っていくかということについて検討しておりますので、その検討状況について御紹介をさせていただきたいと思います。
3ページ目お願いいたします。もともとAISI、御存じない方もいらっしゃるかと思いますけれども、少し御紹介させていただきますと、AISI、もともと起点となっておりますのが日本で開催されたG7の会合でございます。広島で開催された会合でございます。ここでまさにAIを安全に使っていこうという国際的な首脳合意がございました。これに基づきまして、日本はもちろんのこと、世界の主要国においてAIセーフティ・インスティテュートあるいはそれに類する機関というのが設立をされておりまして、日本の場合は2024年の2月ということで、設立以来ちょうど2年半強ぐらい時間がたっているという状況でございます。
次のページをお願いします。今、ちょっと各国で設立をされているというお話をさせていただきましたけれども、主要国、アメリカ、イギリスをはじめとして日本も含めて10か国でコミュニティーが形成されておりまして、ここで、いわゆるAIの安全性に関する様々な議論を定例的に行っているという状況でございます。
5ページ目でございますけれども、我々の位置付けでございます。AIの安全性のいわゆる実行機関としてAISIは設立されておりますけれども、内閣中心に12省庁の下で業務を行っているという全体像でございます。加えまして、幾つかの国立の研究機関、今は独法でございますけれども、いわゆる通信だったりとか産業全般であったりとかこうした観点で幾つかの国研がございます。こうした機関とも連携をしながら業務を進めているという状況でございます。
ちょっと飛んで7ページ目でございます。我々の役割とスコープでございます。今申し上げた、政府の下で設立をされているという基本的な枠組みの下業務を行っているという性格上、いわゆるAIの安全性に関する様々な調査であるとか評価手法の検討、基準の作成、こういったことについて政府を支援していくというのが大きな柱の一つとなってございます。
これに加えて、例えば、国内でいいますと、産業界あるいはアカデミアといった関係者をつなぐ、あるいは関係企業・団体をつなぐ、あるいは、先ほどちょっと御紹介しましたいわゆる国研との関係をつくっていくといった中で、AIの安全性のハブになっていくというのが1つの基本となってございます。
加えて、こうした国内に加えて国際的な協調、先ほどちょっと国際ネットワークのコミュニティーのお話をさせていただきましたけれども、関係各国のAISIとの協力といったことも業務の柱となっているというところでございます。
少し飛んで9ページ目でございます。AIセーフティ取組を全体のマッピングをすると、左にこのような形でそのターゲットとなるような領域、タスクといったものが並んでおります。こうした検討対象を前提として、右側に上から列挙してございますけれども、幾つかの切り口で、これまでのAISIとしては、AIに関するガイドブックであるとかガイドラインであるとかこういった類いのものを社会的にAIの実装がより進むようにとこういう観点で公表しているということでございます。
本日のテーマであります教育とAIといったことを前提として、AIをどう安全に活用していくか、どういう観点でAIをチェックすべきかというガイドについては、5ポツの評価観点ガイドといったものがございまして、これがAIの利用について安全に使うためのチェックをどういう観点ですべきか、というガイドは既に作成をしておりますけれども、こうした共通的なガイドをベースに各分野の安全性といったところに落とし込んでいくという作業を、今しているということでございます。
次の10ページ目でございます。これは先ほどちょっと御紹介がありましたけれども、政府のほうでまさにAIといったことを全般に捉えても、解像度を上げないとなかなか社会実装が進まないということでございまして、幾つかのカテゴライズの中に特に公的な分野の一つとして教育が位置付けられているということでございまして、これは日本の方針としても明示的に教育でAIを使っていくというところが位置付けられているということでございます。
次のページでございますけれども、こうした政府の方針であったりとか、あるいは国際情勢、我々のこれまでの取組といったことを踏まえまして、もともと我々、先ほども御紹介がありましたけれども、事業実証ワーキンググループということで、各いわゆるセクター、バーティカルな分野ごとにより詳細な社会実装や社会実装に向けた検討を行うグループを立ち上げております。その中で教育サブワーキンググループということで、教育現場におけるAIの実装を進めるために、安全に使っていくためということで検討を行うサブワーキンググループを立ち上げて、今年度から検証を行っているというところでございます。
2つ目、教育分野のAI利活用に関する国際動向ということで、13ページ目でございます。これは具体的な例を2つ挙げてございます。OECDとユネスコの例でございますけれども、ここでレポートが発出をされておりまして、教育分野、初等中等教育段階においてAIを活用していくと。生徒一人一人に合った学びであるとか、あるいは先生の校務の効率化と、こういったところにAIが貢献をしていくだろうということが記載をされている一方で、いわゆるリスクの部分として、認知オフロードにおけるメタ認知的な怠惰であるとか、あるいはAIに依存する、擬人化してしまうといったリスクといったところが指摘をされているというものでございます。
具体的な例として、AIを使って課題をさせるといった取組の中で、例えば、生徒自身が学習をするという観点において、学びつながらないであるとか、AIに頼り過ぎた場合に、自身の学習において何を理解し何を理解できていないのか、自分の中での理解度みたいなところを振り返る機会が失われる、こうした点についても示されているということでございます。
こうしたものに加えて、例えば、AIを実装していくと、生徒に対して先生が課題を提供する、それに対して生徒さんはそれに答える、それを最終的には処理をする、採点をするといった一連のプロセスにおいて、それぞれの生徒さんであるとか先生の関わりが、AIが全般的に行うことによって関わりが薄くなってしまうといったリスクであるとか、あるいは、生徒さんがAIにかなり依存をしてしまうといった、AIの擬人的な関係が強くなってしまうといったリスクについても指摘をされているというところでございます。
次のページをお願いします。これは個別の国の例でございますけれども、イギリスとエストニアの例でございます。イギリスにおいては、安全で責任ある生成AI利活用の推進に関する施策文書ということで、学校関係者であるとか保護者ですとか、あるいはサービスを提供するEdTechの事業者、こうした方々に対してのリスクといったものが整理をされているというものでございます。また、もう一個の例、エストニアの例でございますけれども、教育分野に特化した生成AIが開発が進められているといったことを含めて記載をさせていただいているところでございます。
ちょっと時間の都合上スキップをさせていただいて、我々のサブワーキンググループのほうでどういった取組を進めているかということで、17ページ目でございます。我々のサブワーキンググループのほうで、ここに1から4まで段階で書いてございますけれども、赤囲みのところについて今進めているということでございます。
まさにAI全般に関する、AIセーフティに関する評価観点ガイド、先ほどちょっと言及をさせていただきましたけれども、これをベースとしながら、評価観点の項目であるとか観点といったものを教育分野に特化する形で、今、整理を進めているということでございまして、これを踏まえまして、初等中等教育段階における生成AI利用についてのリスク、これをスコープとして様々なユースケースの洗い出しといったことを今後進め、さらに、これを全体としてまとめていく、ガイドとしてまとめ、それを公表していくというプロセスを描いているということでございまして、現状、リスクの整理の部分までを進めてきているということで、その中身について簡単に御紹介したいと思います。
18ページ目でございます。教育分野のリスクということで幾つか御紹介しますと、例えば、感情的な愛着の形成ということで、子供がAIを人のように捉えるということで、さっきAIにかなり依存するといった御紹介をさせていただきましたけれども、こういったシナリオ、リスクでありますとか、あとは、これも先ほどありましたが、生産的試行錯誤の喪失ということで、学習場面においてAIを活用し過ぎると、答えであったりとか学習のヒントみたいなところをかなり提供してしまうということで、まさに学ぶ機会がそれによって失われるのではないかといったリスク。こういったものが想定をされるということで、今後、こうしたリスク評価に基づいて具体的なユースケース、リスクといったものを体系的に整理していくといったことを想定しております。
19ページ目でございます。具体的な整理イメージということで、ここでは中学3年生の数学といったところを1つ切り取って示しているものでございます。こうした1つ具体的なユースケースの洗い出し、そこで更に解像度を上げていくということで、ここの中で学習の流れに沿って、どの学習過程・学習活動においてどういうリスクがあるのかといったところを精緻に整理をしていきたいということでございます。今後も、こうした具体的なユースケースの洗い出し、あるいはリスクの整理といったものを精力的に進めていく予定としてございます。
最後、20ページ目、今後の方針でございます。ロードマップ、簡単に示しておりますけれども、今年度は初等中等教育段階における生徒の生成AI利活用に関するユースケースとリスクの整理、ここをまさに進めているということでございます。今後、教育現場で生成AIの活用を進めていただくという前提とした場合に、生成AIの教育現場で提供されるサービスを開発される、あるいは実装される事業者を含めた形でリスクについての取組を進める必要があるということでございまして、最終的には、教育現場におけるAIセーフティの評価観点ガイドという形で取りまとめをし、公表という形で進めてまいりたいと思います。
今後も、様々な関係者の方々と議論を精力的に進めまして、教育現場で安心・安全なAIの利活用が進むように我々なりに貢献をしてまいりたいと思います。
説明は以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ただいま内閣府からは齋藤企画官に、AISIからは西村副所長に御説明をいただいたところでございます。これを踏まえて、文部科学省としては、初等中等教育における生成AIの利活用に関するガイドライン、これを改定するための検討しているところでございますので、事務局より御報告いただきまして、その後に、事務局の案に対して委員の皆様の意見交換をしたいと思います。
それでは、齋藤調整官、お願いいたします。
【齋藤教育改革調整官】 堀田委員長、ありがとうございます。文部科学省より、資料3-3に基づきまして、時間も限られておりますので、少し駆け足で説明いたします。
2ページ目を御覧ください。こちらは6月の本委員会の資料でございます。今回の改定検討の出発点になります。上段の2つ目のポイントにございますとおり、一律の禁止や義務付けを求めるものではないという参考資料という位置付けや、現在の構成、人間中心の利活用といった考え方を基本としつつ、下にございます6つの検討項目などについて本委員会に報告を行い、学習指導要領の改訂を待たずにガイドラインを改定してはどうかとさせていただいておりました。
本日は、具体的な改定案を作成する前段階といたしまして、どのような方向性で改定すべきかを御議論いただきたいと考えております。
3ページ目でございます。各項目についての検討の方向性の案をサマリーとしてまとめております。最後にこのページに戻る予定でございまして、早速、次のページから各検討項目について御説明いたします。
まず、検討項目の1つ目、技術の進展・リスク関連の学術研究、国際的な議論についてでございます。5ページを御覧ください。現状・課題といたしまして、技術面では生成AIは飛躍的に性能が向上しており、大学院・専門家以上レベルの問題を解けるかどうかを最新モデルで競い合っております。AIサービスの利用状況については、児童生徒の利活用が急速に広がっている状況にあります。一方で、過度な依存やバイアスに関するリスクなど、学習場面におけるリスクも多く指摘されております。
こうした現状・課題を踏まえまして、改定の方向性として1つ目、モデルの進化、性能の向上はあるものの、学校現場での利活用に当たって検討すべき事項に絞ってはどうか、また、児童生徒がより活用している状況も踏まえて本ガイドラインの更新を図ってはどうか、2つ目、学術研究などを踏まえて、リスクについて、該当箇所や脚注・参考資料等において分かりやすく示すことが必要ではないか、3つ目、教育分野に特化したAIの必要性についても盛り込んではどうかという案をお示ししております。
次のページでございます。検討項目1の参考資料といたしまして、まずは、技術の進展に関する状況でございます。下の図の右側になりますが、2026年、今年の生成AIモデルの代表例が並べられております。競い合っているレベルは、初等中等教育段階で扱う内容ではなく、専門家水準レベルであることが示されております。
次のページでございます。左側の縦の棒グラフ御覧いただければと思いますが、学校段階が上がるにつれてAIの活用経験は高くなっていることが示されております。また、右側にございます他の調査におきましても、若年層を中心にAIが活用されている状況でございます。
8ページを御覧ください。こうして生成AIの利用が広がる中で、今年1月にOECDが生成AIの活用に関する最新のエビデンスをまとめております。こちらは前回の本委員会で御説明しておりまして、また、先ほどAISIからも御紹介いただきましたので、説明は割愛させていただきます。
9ページを御覧ください。AIに関するリスクや懸念の全体像として、左側のとおり、AI事業者ガイドラインに示されているリスク分類と、右側のとおり、文部科学省のガイドラインで示しているリスクを掲載しています。資料の上段にも文章で書いてございますとおり、これは現行のガイドラインにも同様の趣旨を明記しておりますが、このようなリスクの存在をもって直ちに利活用を否定するものではなく、リスクの存在を踏まえて、人間中心の利活用に向けて向き合っていく姿勢が重要と考えております。
10ページは、6月にも御説明した教育分野特化に関連する研究例でございます。左側の2つの研究例が示しておりますとおり、汎用モデルのみでは資質・能力の育成やそのプロセスを毀損するリスクがある一方、右側の2つの研究例では、AIによるフィードバックの有効性や経験の浅い教師を支える可能性も指摘されております。
11ページでは、前のページよりもスコープを広げまして、AIに関するリスクや懸念に関する研究例を掲載しております。この資料は再掲になりますが、左側の2つは過度な依存やバイアスに関するリスク、右側の2つは批判的思考やメタ認知等の学習過程への影響に関する研究例でございます。
12ページでございます。先ほどの2ページは主に学習との関係の研究例でございましたが、リスクはそれだけではございません。上段の文章にまとめておりますとおり、AI技術は偽・誤情報の生成を通じて既存のリスクを増幅させるなどが指摘されている状況でございます。
続きまして、検討項目の2と6を併せまして、教師の役割及び校務における利活用に関する検討論点として御説明いたします。
まずは、14ページでございます。現状・課題といたしまして、半数以上の教職員がAIを活用している学校の割合が17%となっており、そのうち99%が働き方改革に効果を実感している状況です。また、教員養成部会においても、AIの活用については、教師の業務の代替にとどまらない教師の専門性の補完・拡張という考え方が重要であるといった指摘がされているところでございます。
一方で、ヒアリング等においては、学習活動に関連する校務との違いがガイドライン上明確ではない、私用端末における活用が起きているといった課題も指摘されているところでございます。
こうした現状・課題を踏まえまして、改定の方向性として、1つ目、校務の効率化・高度化の具体的な例をより多く示してはどうか、本来人間が判断すべき要件やAIにより効率化できる点をより具体的に示してはどうか、2つ目、より分かりやすい形式でガイドラインの周知広報を行うことができないかという案をお示ししております。
15ページからは検討項目2及び6の参考資料になります。まず、15ページの左側の棒グラフでございますが、校務における生成AIの利活用が年々広がっていること、一方で、半数以上の教職員がAIを活用している学校の割合は17%にすぎないことを示しております。また、右側の棒グラフでは、教職員の半数以上が活用した学校のうち99%が働き方の改善に効果があったと実感していることが示されております。
16ページは、前回個別事例も含めて御紹介しておりますが、校務での活用例が全国の生成AIパイロット校から生まれているところでございます。
17ページを御覧ください。こうした事例を広げていく場合、セキュリティの強化も重要な課題になります。この資料では、セキュアな環境における生成AIの校務利用に関して2つの事例を示しております。こちらも前回御説明しておりますので、詳細は触れませんが、資料の一番下にございますとおり、セキュアな環境下においては業務の更なる効率化はもちろん、業務の質の高度化にも寄与することが想定されると考えております。
18ページは、校務における生成AIの利活用を通じた業務時間の削減の具体的な例を示しております。この資料も再掲になります。今年度中に教育委員会担当者向けに校務における利活用のための手引きを取りまとめる予定でございまして、その一部をこのガイドラインにも盛り込むことが考えられるところでございます。
次のページでは、AIを活用した校務の発生頻度と1回当たりの業務削減時間の散布図を示しております。左側の棒グラフにございますとおり、授業準備、学校広報、会議・打合せ、こういった校務について活用事例が多く見られております。
次のページでは、教師が生成AIを活用して所見案を作成する際のフローを示しております。資料の上にございますとおり、教師が実施する日々の気付き・見取り情報をデータ化し、それらを基に生成AIが業務のサポート、ここで言うと文案作成や校閲のサポートになりますが、こういったサポートをすることで業務の効率化と質の向上を実現している例でございます。教師が確認・判断すべき場面を明確にし、業務の流れを設計することが重要と考えております。
続きまして、次の検討項目といたしまして、AIサービスの提供者に求められる視点に関する検討論点について御説明いたします。22ページを御覧ください。現状・課題の1つ目と3つ目のポイントは、先ほど御説明いただいたとおりでございまして、加えて2つ目のポイントといたしまして、事業者側でリスクの発生を防ぐ、いわゆるガードレール付きAIを提供するなど責任ある提供の形が求められる一方で、現行のガイドラインでは具体的な手法等が明確でない状況でございます。
こうした現状・課題を踏まえまして、改定の方向性として、1つ目、現行ガイドラインにおける主体ごとの留意事項と同様に、5つの観点を踏まえて整理してはどうか、2つ目、サプライチェーンや契約関係を踏まえた上で留意事項を整理してはどうか、関係機関における検討状況も踏まえつつ、記載の充実を図ってはどうか、その際、過度な規制となってしまわないよう留意してはどうかという案をお示ししております。
23ページを御覧ください。今年度の教育分野特化の生成AIの実証事業を一覧にしております。例えば、一番上の例ございますが、教科書等のデータを活用してデータ基盤構築の実証が行われております。こうした教育向けAIでは、下の実証主体や実証フィールドにもございますとおり、複数の主体が関わることになります。次のページでその関係を整理いたします。
一般的なAIの事業活動を担う主体を基に、右側にございますとおり、教育分野におけるAIの事業活動を担う主体を整理しています。右図で色を変えておりますが、教育分野ではAI企画者ですとかAI利用の承認者といった主体も例として想定しうると考えております。
25ページは、学校現場においてAIが提供されるまでのフローを示しております。AIの有するリスクを低減するためには、上流にあるデータ提供、AIモデル開発、教育向けAIサービス開発などを含めて、全体を通じて整理する必要があると考えております。
続きまして、次の検討項目、視点を児童生徒に移しまして、情報活用能力の抜本的向上に関するガイドライン上の検討論点について、ここは1つ前の議題、議題2の説明と重複しますので、簡潔に御説明いたします。
27ページを御覧ください。現状・課題といたしまして、まずは、教育課程部会における御審議の内容を記載してございます。実態といたしましては、パイロット校の事例において、情報活用能力が発揮されていない事例も見られるところでございます。また、児童生徒が直接AIを活用しなければAIについて学ぶことができないといった誤解などがある状況にあります。
こうした現状・課題を踏まえまして、改定の方向性として、1つ目、次期学習指導要領に向けて検討されている内容のうち反映すべき観点として、情報活用能力の基本的な考え方、特にAIに関する検討状況、メディアリテラシーに関する検討状況をガイドラインに反映させてはどうか、2つ目、情報活用能力を構成する3つの要素に沿って反映することとしつつ、活用に当たっての具体的な取扱い方や工夫例を示してはどうかという案をお示ししております。
28ページは、AI自体を学ぶ学習内容のイメージでございます。AIは全ての情報・技術や生産技術と密接に関係しているという認識の下、適切な取り扱いと特性の理解を発達段階に応じて深めていく整理となっております。
29ページは、もう一方のAIを活用して学ぶ考え方のイメージでございます。資料の真ん中の箱にございますとおり、資質・能力の育成を行う観点から、生成AIの活用が効果的か否かを吟味しつつ利活用していく必要があるとした上で、発達段階ごとにAIを活用して学ぶ内容が整理されております。
次の30ページは、これまでの2ページを合わせて、AIを使いこなす力の育成の全体像として整理したものでございます。先ほど御説明がありましたので、割愛させていただきます。
最後の検討項目、学習活動で利活用する場面についての検討事項についてでございます。32ページを御覧ください。現状・課題といたしまして、簡単に児童生徒が出力を転記し、自らの学びにつながっていないという事例が散見されております。また、AIは仮説を立てるといった高次の認知機能も代替可能である点に大きな特徴があるとの指摘もあるところでございます。また、課題の遂行力でなく学習過程を評価すべきとの指摘があるほか、評価時には口頭試問を設けるなどの例も見られております。
こうした現状・課題を踏まえまして、改定の方向性として、AI活用時の指導上の工夫例を記載してはどうか、その際、単元全体や授業設計の中で効果的に活用していると考えられる例や、深い学びにつながりにくいと考えられる例の両面から示してはどうかという案をお示ししております。
33ページは、学習場面における懸念を5つの観点から整理し、有識者のコメントとガイドラインの記載を一覧にした資料でございます。現行ガイドラインの改善点を具体的に検討する材料になり得るものと考えております。
34ページは、海外でのAIの利活用に関するガバナンスの例といたしまして、学習課題の性質や目的に即して、生成AIの利活用に関する方向性を、利活用を認めるか認めないかではなく、段階的に明示している例を示しております。
35ページでは、全単元において生成AIを使うのではなく、ここでは3時間目になりますが、AIに自分の考えを投げかけ、不足している観点を指摘してもらうために生成AIを活用した例を紹介しております。資料の右下に成果や課題とございますが、一人一人が根拠をもって話し合いに参加し、授業後にも議論が続く様子が見られた、一方で、情報の真偽の確認に時間がかかり、時間内に終わらない生徒もいたという結果が出ております。
36ページは、今年度の生成AIパイロット校の取組を御紹介しております。
最後37ページは、現行のガイドラインにも掲載している事例でございますので、説明は割愛させていただきます。
最後に、3ページにお戻りください。本日は、この検討の方向性の事務局案につきまして、不足している観点や留意すべき点も含めまして御意見をいただきたいと考えております。
御説明は以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ちょっと時間が押してございますので、御意見ある方はまず挙手いただきまして、御指名させていただきたいと思いますが、手短に御説明、御質問等いただければと思います。では、利根川委員、お願いいたします。
【利根川委員】 ありがとうございます。4点申し上げたいと思います。
1点目、項目1の技術の進展のところなのですが、資料3-3の5ページのところにエージェント技術と記載されています。このエージェント技術については教育上無視できないものと考えていまして、例えば、今のガイドラインだとLLMとマルチモーダルの図解があったと思うんですけれども、エージェントAIについても図解を入れるなど、現場の先生方にまず伝えるところからやる必要があるかなと思っています。これから調査が出てくるところだと思いますが、知見を収集して随時現場に発信する必要があると考えています。
エージェントAI、様々な探究的な学びがより深くできるポテンシャルがあるようにも思える一方で、児童・生徒の発表が見かけだけよくなる可能性もあるとか、どんな場面で利活用するといいのか、その際の留意点は何なのか、初中局だけにとどまらず実証研究する必要があるかなと考えています。
2つ目、同じページの教育分野に特化したAIについてですが、次の学習指導要領の理念を実現するために、2030年代、どんな教育特化型AIが現場にあるといいのか、そのためにどんなことを実証することがいいのかという大きなスケジュールを示していただきたいと思っています。
この後の議題の予算の中でもAI活用の環境の話が出てくるかと思いますが、我々としては、2030年代に目指したい教育、教室の姿、子供の姿があって、それを実現する、支えるためのAIでないといけないかなと思いますし、それをどういう順番でつくっていくんだっけというところがないと現場の先生方に落ちていかないかなというふうに思っています。
個人的には、教育特化AIの必要性、大きく守りと攻めの2つの観点があるかなと考えていまして、守りというのは、例えば、海外の汎用AIとかですと、いつサービスが終わったり突然仕様が変わったりみたいなところの不安定さと、日本の教育現場で想定されていないことによる特有のリスク、そういったところが守りをちゃんとやっていくというところです。
その上で、攻めというのが、これが学校現場に落ちていくところでも大事だと思うんですけれども、先ほど申し上げました2030年代の学習指導要領のスローガンである深い学び、多様性の包摂実現可能性、その方向に持っていくんだと、そのためにこれは使いたいよねと先生が思ってもらうというところが大事かなと思っています。この予算事業をやっていく上で、攻めと守りを両方をやっていくというところが必要かなと思っております。
3つ目、AIと多様性の包摂についてです。私はこういう場でいつも言及しているんですけれども、特化型のAIにしろそれ以外にしろ、多様性の包摂の実現のためのAI施策というのはもっと力を入れていく必要があるかなと思っています。
例えば、次期学習指導要領における各WGの取りまとめでは、AIを含むデジタル学習基盤を活用して1階部分をよりインクルーシブにしていきつつ、2階の教育課程も新設するという方向性ですが、これを本当に実現するためには、この参事官チームだけでなく文科省の各課が連携してAIの可能性を探ることを加速させていく必要あると考えています。
例えば、具体的には、23ページの実証事業、富士通さんのところには多文化・多言語の検証が入っているんですけれども、その知見がほかのところにも行くようにしていくというようなところが必要かなと思っていますし、これは本ガイドラインだけでなくて、AISIさんの側にも入っていく必要があるかなというふうに思っています。
最後、教育特化の主体の整理、24ページにあったと思うんですけれども、これは子供の姿がちょっと見えないなと思っておりますので、子供に結局どういういいことがあるのというところから整理していく必要があるかなというふうに思っております。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
植阪委員、お願いします。
【植阪委員】 よろしくお願いします。まず、様々なリスクも含めてかなりしっかり整理していただいたこと感謝しています。
これは子供のレベルにまで落としていく必要があるかなと思います。学校の中だけではなくて、かなり小・中学生も含めて、私の娘も中学生で日常的に生成AIを使っています。ですので、子供が学べるような何らかの教材なり、リスクはいろいろ増えてきていますので、国が責任を持って提供していく、学校の先生がいつでも参照したいときに最新のものが見られるという環境を整備する必要があるかなというふうに思っております。
それから、教育特化型の生成AIに関してなんですけれども、この発想はとてもいいなと思っていまして。ただ、今、どちらかというと、お話を伺うと、事業者さんにお願いするみたいな形で、国としてどこまで責任を持つのかということについては少し議論したほうがいいのかなというふうに思っています。というのは、自治体格差でかなり経済的なところも違いますので、そういうことによって子供が使えるAIの質に違いが出ないようにすべきだろう。だから、国がある程度教育特化のものを責任を持って提供するということが必要だろうと思っています。
その上で、アプリレベルで言えば、先生方がフル利用するのか、限定的な利用にするのか、全く使わせないのか、その辺を選択して子供に簡単に、1回1回バイブコーディングしなくてもできるようなアプリを国として提供する。それが全ての学校からアクセス可能という環境ですとか。
あとデータに関しては、今、生成AIのデータは一般のネットワークを使っていますけれども、かなり意図的に誤った情報なども学術の世界では飛び込んできていて、正確性みたいなところがかなり担保されていないところがあるので、実証実験の東書さんの話もそうですけれども、教科書の知見をきちんと踏まえたような生成AIを教育においては使えるようにする。ただし、もちろん教科書会社さんにとっては1つの脅威なので、それはやっぱり版権も含めて国が財政的な部分はちゃんとカバーする。そのくらいの、事業者さん、お願いします、いいものを、教育委員会さんそれを認めてみたいなのは、もう少し国が責任を持ったほうがいいんじゃないかと個人的には思っていますが、どこまで持つのかというあたりの議論はぜひ詰めていただければと思っています。
以上です。失礼します。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
亀田委員、お願いいたします。
【亀田委員】 能美市立寺井中学校の亀田でございます。今回のAIガイドライン改定の方向性につきまして、学校現場をお預かりする立場から強く賛同し、大きく3点意見を申し上げたいと存じます。
1点目は、リスクに対する基本認識、本ガイドラインの重要性です。先ほど事務局御提案や内閣府、そしてAISIからのお話にありましたように、使う方向性がしっかりと打ち出されていることは大変心強く思います。
AI時代において最大のリスクは、過剰な恐れから使わないという選択をしてしまうことである。触れる機会を奪うことこそが子供たちの将来の可能性を閉ざすリスクであると捉えておりますので、この基本認識を学校現場で広く共有する必要があるかと考えております。発生し得るリスクを正しく理解し、それを自ら回避しながら、よりよい使い方を考え抜く力を児童・生徒も、そして教師自身も育てることが大事かと考えます。
情報・技術ワーキングで議論を重ねてまいりました新教科・領域における小・中・高の体系を整理した情報活用能力の抜本的向上を図る上で、本ガイドラインの改定は学校現場にとって極めて重要な指針となると期待しております。
そこで、2点目は実践事例の横展開についてです。資料35から37ページに示されていますように、生成AIパイロット校ですばらしい実践が多数創出されています。これらの知見や工夫を一部の学校にとどめず、全国の学校へ迅速に横展開していく仕組みづくりを文部科学省のほうでも工夫されているというふうに存じておりますが、都道府県や基礎自治体の中でも横展開の仕組みが構築されることを期待したいと存じます。
3点目です。学習活動における利活用の場面の整理についてです。第5章の32ページで示されています具体的な活用場面の改定の方向性について、指導上の工夫例を効果的か、または、深い学びにつながりにくく効果的でないかの両面で示してはとの御提案ですが、今後機動的に更新されていく中で、児童・生徒が活用する場面、つまり、自立した学習者の視点と教師が活用する場面、つまり指導者の視点に分けて整理、提示していただくこともよいのではないかと考えます。活用主体ごとの視点が整理されることで、現場の教員にとって学習活動における利活用のイメージがより明確になり、実践の横展開が一層加速するのではないかと期待いたします。
最後になります。安全性の担保には、学校現場の努力だけではなく、事業者側の安全性確保が不可欠ですので、今回、提供者側の視点が盛り込まれたことは、現場が安心して技術を導入するための非常に大きな支えとなると考えます。生成AIをはじめとするデジタル学習基盤はこれからの教育を支える基礎的環境整備そのものですので、これを正しく理解し、全国のどの子供たちにも等しく届くよう、このガイドラインを基に活用を私自身も推進してまいりたいと考えております。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
この後、石井委員、平田委員、中川委員の順番で参りますが、時間が随分押していますので、手短にお願いいたしたいと思います。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 ありがとうございます。
ガイドラインの改定に当たっては、リスクを並べるだけではなくて、しっかりとユースケースを共有できるような形にする。そして、セーフティー面というところが一番先生方が困っているところだと思います。セーフティー面が担保されていないだろうと先生方が予想して、やっぱり使わないことにしようという発言が非常に多いのかなと思っていますので、ガイドラインの改定とともに、各教育委員会に安全な環境で使用できるというところ、安全の担保を先生方に伝えていくということ、そして、研修の充実というところが重要だと考えております。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
平田委員、お願いします。
【平田委員】 私は、32ページの「学習活動で利活用する場面についての検討事項」の「現状・課題」の中の3項目について、「課題の遂行力でなく学習過程を評価すべき」というところが大切であり、ぜひ具体的に書き入れていただきたいと思います。
7ページでは、2024年の子供たちがAIをどれぐらい使っているかという状況が書いてありますけれども、それから2年経った現在は、さらに使っていると思います。彼らの身近には生成AIがあり、例えば美術の授業での作品や国語の授業での作文など、その成果物を見ても、AIを使ったのかどうかは外部からは分からないため、そうしたことを踏まえ、どのように子供の変容や、学習過程を評価するのかといった評価の在り方について、先進校の知見から得た具体例を含めて、ぜひ書いていただけるとありがたいと思います。ありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
中川委員、お願いします。
【中川委員】 ありがとうございます。
事務局案ですけれども、とても丁寧に、そして分かりやすく整理されていると感じますので、大枠で異論はありません。特にAIとの関わりについては、現行のバージョン2でも示されているメリットや可能性とリスク・留意点の両面から言及していくことは今後も重要に思います。
一方で、このガイドラインが今後自治体から出されるとしたら、出てくるものとダブルスタンダードにならないように、指針を伝えつつ、具体もよりしっかりと示していかなければならないと考えています。そのために、例えば、各教科の生成AIの活用場面について、単元全体を示すことはもちろん重要なんですけれども、活用場面が埋もれないようにする表現の工夫も重要に思います。こんな場面でこう使うとこういうメリットがある、でも、こういう配慮が必要だということを焦点化して示してほしいと思います。そして、特に個人的には、小学校のAI自体を学ぶ事例は充実してほしいと思います。
また、最後に、教員研修なんですが、いろいろなバリエーションをこのガイドラインで示すことはできないのは承知の上なんですが、個人的には、教員研修が重要だということを示すために、コラム的には示してほしいと思います。ただ、教員研修はガイドラインで終わらず、がっちりと文部科学省で今後大がかりに進めてほしいというふうに思っています。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
次は、西端委員、横尾委員の順番で参ります。西端委員、お願いします。
【西端委員】 承知いたしました。私からは2点手短にコメントさせていただきます。
まず1点目なんですが、技術の進歩によって過去いろいろなシステムが構築されてきました。例えば、わざと間違うCAIであるとか、子供用の検索サイトもこの間話題にはなりましたが、このように教育に特化した、技術は変われども、子供が発達段階に応じて発達して学習の内容や方法が変わるというところは変わらないので、そういう意味では、いま一度、教育特化用のAI、ここにもパートナーであるとか、ポートフォリオにもなり得るかなと思いますので、ぜひそういう観点からも入れていただきたいというのが1点目です。
2点目は、このガイドラインとは直接は関係ございませんが、教員養成系ということで、今、部会のほうでも検討されているかと思います。確かにAIデータサイエンスのところは選択ではございますが、今必修になっている情報・技術を活用した教育の理論及び方法がございますが、その中にもAIというところを組み込めるのではないかと考えておりますので、そこも御一考いただければと思います。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
横尾委員、お願いいたします。
【横尾委員】 ありがとうございます。
内閣府並びにAISIからも説明がございました。その中で西村さんが御説明いただいた18ページのリスクのことについてですけれども、海外の事例等も含めて指摘がされているんですが、こういった点は非常に重要だなと改めて感じました。一度会って詳しくお話を聞きたいと感じたぐらいです。こういう1つ1つのリスク、個人にとっても社会にとっても重要なことなので、そういったことをちゃんと政策立案のターゲットに入れて今後の検討を進めていく必要があると感じました。
2つ目は、同じく海外の事例ですけれども、London School of Economics and Political Scienceの34ページのことが書かれています。ここではどんなことを標準にするとか、こういったことは認める認めないということをかなり先行しているというか、いろいろな経験をしながらこれまでされていると思うんです。こういった海外の事例でより的確な参考になるのはもっともっと日本は生かしていくべきだと思うんです。1000年を超える日本の歴史の中で、知の歴史を振り返ると、そういうのがとてもたけた民族だと思っていますので、そういったことをぜひ今後ともこの分野はすべきだろうと思っています。
7から8年から10年ほど前にAIの起業している方にお会いしたことがありますが、その時に言われたのは、これから渦のように、怒濤のようにAIは進化しますと、5年、10年じゃないですよ、2・3年ごとに多分進化していくでしょうと言われたのが、まさにそんなことが目の前に起こっているなと感じていますので、そういったことを我々が理解をして、子供たちによい教育をつくることが極めて重要だと思っています。
同時に感じていることは、真偽をちゃんと見極めることができる眼力といいますかね、センスを持つことと、法的なことを含めた認識やモラルのことはもちろんですけれども、それを踏まえた上でのAI並びにICT教育とか、いろいろなことに関するリテラシーの向上、本当にやっていかなきゃいけないなと改めて思います。
併せて必要なのが、そのスキルと同時に、よりクリエーティブなことを一人一人が実はできるんだから、それをやっていくというモチベーションもしていかないと、取りあえず回答だけ書けばいいということだけでは教育じゃないと思いますので、ぜひそういったことも意識していく必要があると思っています。
今、例えば、スマホで検索をかける際に「○〇〇は何ですか」尋ねると、最初に出てくるのはAIによる分析結果が出てくるんですね。きっと多くの人たちも同じように使いながら、身近に見ているはずなのです。そこで、今、たくさんの資料を頂きましたけれども、ぜひこういったこれまでの積み上げが生かせるように、関係者の皆さんと力を合わせてよりよいものを目指していくというのが基本だと改めて感じました。ありがとうございました。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、最後に、高橋副委員長、お願いいたします。
【高橋委員長代理】 ありがとうございました。今回の案ですが、非常に現場にとって分かりやすい目次の案になっていると思いますので、おおむねそのことについては賛成でございます。
一方で、心配は、現行の資質・能力観とか授業観が土台になって書かれているような気もしますので、その点について、今はこれがいいと思いますけれども、今後のバージョンアップに向けて、少しその辺りも踏まえつつやる必要があるかなというふうに思っています。
こういった前提で1つ私が感じるのは、冒頭にありました我が国のICTの環境の充実ぶりということは、これをつくる上で、ガイドラインをつくる上で非常に有効というか、前提として捉えなきゃいけないなと思っております。
僕はこの1年間でヨーロッパとかアメリカとかいろいろ回ってきましたけれども、いろいろな先生とお話ししまして、台数が不足している国とか、学習用に設計されていない端末を使っている国とか、クラウドでなくてファイルベースで使っている国とか、ああいう国々の人たちと同じ一口とICTと言っても、非常に違うように感じておりまして、結構日本の先生たちは、世界と比較して、授業でのICT活用の感覚が進んでいるんじゃないかと。ただ、今、全部AIにつなげられるコンピューターを持っているのに使っていないので、その部分についてはやや古いんじゃないのか。そこをどういうふうにサポートしていくのかなということが1つです。
もう一つ、AIそのものの学習とAIを活用した学習という2点出ていますが、それだけでは不十分だと思います。AIを使えば資質・能力観が変わっていくというか、より本質なほう、上方、上のほうに移っていかなければならないわけで、この変化するというか、ターゲットとなる資質・能力が変わっていくということを前提にAIを活用した学習を考えていかなければならない。現行の資質・能力観の中でAIを使っていくと考えるので、答えを言わないAIのほうがいいとか、ああいう話になりがちなんじゃないかということです。
あと、教育専用の設計は、AIのモデルを専用にすべきという話をしているのか、そのモデルを動かすためのツールみたいなものを専用とすべきと話しているのかの区別も、ややこの中では弱いですし、その際に、子供も成長するし、教師も成長するし、両社が望ましい方向に成長していく、させていくことを前提にツールを考えていかないといけないと思います。今は子供も変わらないことを前提にガードレールとしてこういう機能が必要というような書き方が少し多いような気がしています。
プログラミング的思考のほうで書かれていますが、AIの出現によってがらっとプログラミング的思考の定義、書きぶりが変わりました。こうしたことが、各教科の資質・能力の中でも起こり得ることが想定されますので、それを前提にガイドラインを少しずつ改定していくのかなというふうに感じているところです。
私から以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
多数意見がございましたので、私からは控えますけれども、非常に重要な、そして注目度の高いガイドラインの改定でございまして、文部科学省では他省庁と連携しながら精力的に進めていただいているところでございますけれども、私どものこのデジタル学習基盤の特別委員会に御報告いただきながら改定していただいているというところでございました。どうもありがとうございました。
それでは、まだ議題は3つございますので、皆さん、最後まで頑張ります。次は令和9年度の概算要求についてということです。事務局より資料をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 失礼いたします。時間の関係もございますので、簡潔に御説明をさせていただきます。
令和9年度予算概算要求に関する御説明でございます。今ほど様々御議論いただきました点、AIの活用についてでございますけれども、本年、令和8年7月に閣議決定されました骨太の方針におきましても、国策としてGIGAスクール構想を推進し、安全かつ主体的なAI活用に向けた環境整備や実証研究等を進め、先進事例の創出、横展開を図るというふうに閣議決定がなされているところでございます。
文部科学省といたしまして、学校現場における安全かつ主体的なAI活用環境を整備するということで、御覧いただいております事業の1から4まで、パッケージとしてこういった環境整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
詳細は割愛させていただきますけれども、先ほど御意見をいただきました全国の先生方向けの研修の充実であったり、教育分野に特化したアプリの実証研究、教育分野に必要な基盤的なデータ整備、また、そういった特化型AIを活用していく上での前提となります情報セキュリティが適切に確保されたインフラの整備といったものも進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
概算要求額については、御覧いただいているとおりでございます。
続きまして、2ページ目でございます。GIGAスクール構想支援体制整備事業となってございますけれども、このGIGAスクール構想の実現に向けて、引き続き環境整備を進めてまいります。事業内容の1、2、例えば、クラウド環境整備でございますとか、学校セキュリティの確保といったにつきましては、先ほど御説明を申し上げましたAI活用環境整備の事業の4と重なる部分というふうになってございますので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、次のページでございますけれども、学習指導要領改訂を見据えた情報活用能力の抜本的な向上ということでございます。議題の2つ目で御説明を申し上げましたように、次期学習指導要領の実施に向けまして、この条件整備、確実に実施していくことが重要であるというふうに考えております。先ほどお示しをいたしました指導体制改善プランにのっとりまして、必要な経費を計上させていただいております。学習者用教材の開発、研修、また免許法認定講習の強化などを総合的に進めてまいりたいというふうに考えております。
次のページとまたその次のページにつきましては、さらにこの条件整備の予算内容に係る詳細となっておりますので、御説明は割愛をさせていただきたいと思います。
また、学校教育における情報セキュリティの確保につきましても、先ほどのクラウド環境整備をはじめといたしまして、個人情報の保護の徹底を含めた教育現場の情報セキュリティ対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
次のページになりますけれども、教育DX環境を支える基盤ツールの整備・調査研究ということで、文科省CBTシステム(MEXCBT)の改善また活用推進でございますとか、教育データ利活用の加速化に向けた実証研究、また、教育データの標準ルールの策定・充実といったことについても引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
雑駁でございますけれども、御説明以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ここは質疑等はないところでございますので、先に進みたいと思います。
続いて、議題5でございます。デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に向けた制度改正についてということで、教科書課より後藤課長にお越しいただいておりますので、御説明をお願いいたします。
【後藤教科書課長】 失礼します。教科書課長の後藤です。デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に向けた制度改正の状況について、御報告をいたします。
まず、2ページ目でございますけれども、流れを整理しておりますが、昨年9月の審議まとめをいただきましたが、これを踏まえまして、これまで紙だけが認められてきた教科書に、デジタルのよさを取り入れることを可能にして、児童・生徒にとってより分かりやすい教科書づくりができるようにするということで、本年6月に学校教育法等の改正を行いました。
次の3ページ目のところに法改正の概要があります。このとおりでございますが、ポイントは、4ページ目を御覧になっていただくと、4ページ目にイメージをお示ししましたように、これまでは教科書は紙でなければならなかったと。現行の教科書上にもQRコードなどでひも付けられたデジタルコンテンツというのはあるんですけれども、それは教科書ではなく教材扱いで、使用義務であるとか検定の対象ではないという、そういう整理であったわけですが、新たな教科書制度の下では、紙とデジタルを組み合わせて1つの教科書を構成するというようなことができるようになるということでございます。
その組合せの両極端の形として、例えば、全てがデジタルであるということですとか、逆に全てが紙であったりということもあり得るわけですけれども、このように教科書へのデジタル活用を可能にして、そのやり方によって様々なバリエーションの教科書づくりが可能になるということでございます。
その中で、内容や分量の観点から教科書としてふさわしいデジタルコンテンツについては、新たな制度では教科書の一部ということになって、そのデジタル部分も使用義務や検定の対象にもなるということでございます。
一旦、2ページ目のほうに、すいません、戻っていただきまして、2ページ目の下段であります。この新たな教科書は、次期学習指導要領の実施に併せて学校現場に導入できるようにということで準備を進めてまいりますが、それに当たりまして、制度改正によって教科書づくりの今ほど御説明させていただきましたようにバリエーションが増えるというわけでありますが、デジタルを教科書を使った学習で効果的に活用していくという点からは、教科ごとの違いですとか学校段階あるいは学年段階による違いもあるというふうに考えておりまして、この点、昨年9月の審議まとめでもいただいた御提言も踏まえまして、文部科学省におきましては、制度改正後のデジタルな形態を含む新たな教科書について、教科ごとの特性や発達段階などを踏まえた新たな教科書の発行・使用に当たっての指針を大臣指針という形でお示しするべく、現在、堀田先生、中川先生の下で別途有識者会議を開催しているところでございます。
また、それと併せまして、新たに教科書にデジタル部分が入ってくるということになるわけですが、どのようなデジタルコンテンツであれば教科書として認めるのか、教材ではなくて教科書として認めるのか、また、分量は無制限なのかとか、また、そのときの掲載するときの条件をどうするのかといった、そういった検定基準の仕組みを整備する必要もありますので、教科書検定審議会においての検討も並行して進めているところでございます。このほか、新たな教科書のデジタル部分についての標準仕様の検討なども進めております。
ちょっと飛びまして、5ページ目以降でございますけれども、5ページ目以降のところで、大臣指針の策定に向けた検討についての資料を掲載しております。この今映していただいている6ページ目から7ページ目にかけては、まさに有識者会議で今御議論いただいている主な論点を掲載しております。
6ページ目のほうの①のところにありますように、学校種や学年段階、教科特性、さらには、採択権者、教育委員会等の意向も踏まえた教科書の形態の在り方ですとか、②のところにありますが、紙が効果的な学習場面、それからデジタルが効果的な学習場面などについて、認知科学であるとかあるいは発達心理学などの専門的な知見もいただきながら検討を進めているところでございます。
ページが少し前後して恐縮ですが、10ページ目を御覧になっていただくと、10ページ目には、有識者会議でもお示ししましたが、採択権者への意向調査の結果というのもお示ししておりまして、全学校種・全教科を通じまして、紙とデジタルを組み合わせて1つの教科書として制作する、ハイブリッドな形態を望むという回答が非常に多いわけですが、ハイブリッドな形態というときの紙とデジタルの組合せのあんばいについてですが、小学校低学年・中学年段階では、ほぼ紙か紙のほうが多いというものを望む回答が多い。一方で、小学校高学年、中学生ということになってくると、教科によってはデジタルの割合が半分以上になってくるというようなものも望むというふうな声も多くなってくるといった結果になっております。
こうした調査結果なども踏まえながら有識者会議では、9ページのところでございますけれども、本年4月以降5回にわたって御議論いただいておりますが、秋頃には、議論の取りまとめをいただいた上で、大臣指針という形でお示しをしたいというふうに考えております。教科書発行者や教育委員会に向けてお示しをしたいと思っています。
また、11ページ目以降には、教科書の新たなデジタル部分に対する検定の仕組みの検討についての資料を入れております。大臣指針に示す内容に加えまして、教科書にデジタルを取り入れる場合であっても、どのような内容のものをどのぐらいの分量までどのような条件で掲載させるのかといったことを教科書検定の立場から具体的な基準として明確にしておくことが必要になりますので、検定審議会で並行して議論しておりまして、こちらも秋には一旦取りまとめをいただきたいと思っております。
12ページ目と13ページ目には、9月の検定審議会で示した骨子案の資料を載せております。内容は多岐にわたりますので一部に絞って御説明いたしますが、教科書として認められるデジタルコンテンツは、12ページ目の左側のほうにありますとおり、学習指導要領との関係で、教科の本質的理解に関わるものであって、授業の中で実際に全ての児童・生徒、教師とともに共通的に活用するということが想定されるようなものというふうにしております。それ以外のものは教材という扱いであって、教科書として使用義務がかかるというものとの区別はきちんと行うというふうな方針で整理をしていこうと考えております。
また、検定後の教科書の内容に勝手に変更が加わったり削除されたりということは認められませんので、教科書掲載のデジタルコンテンツは、発行者の責任管理下にあるものに限定をして、例えば、外部サイトとか外部リンクにつなげるというふうなことは、教科書としては認めないという整理にしております。
その上で、次の13ページ目のところでございますけれども、この動画が新たなデジタルコンテンツとして導入が期待されるわけでありますが、無制限に掲載を認めるということについては、年間の授業の時数あるいは授業構成ですとか学習効果の点からも慎重に考える必要があると思っておりまして、1冊当たりの動画の総量上限を定めるということを考えていきたいと思っております。
続きまして、15ページ目以降は、新たな教科書の標準仕様の検討についての資料でございます。ここはさらっとで恐縮でございますが、紙の教科書をそのまま引き写した現行の教科書代替のデジタル教科書と違って、新たな教科書ではデジタルの特性を生かした教科書づくりが可能になって、動画とか音声コンテンツも教科書を構成する内容となるということも踏まえまして、アクセシビリティやユーザー管理の諸機能に加えまして、コンテンツの不正拡散防止機能ですとか、動画の場合の字幕表示とか再生速度の調整機能ですとか、まだ印刷・ダウンロード機能などを標準化するべく、現在、年度内のとりまとめに向けて検討中です。
最後に、17ページ目でございますが、学習障害等のある児童・生徒への対応についての資料も入れております。制度改正後の新たな教科書は、先ほど意向調査の話も触れましたが、基本的には紙とデジタルが組み合わさって1つの教科書を構成しているというハイブリッドな形態の教科書が使われていくということが見込まれるんですが、文字認識などの点で紙媒体では学習が困難だと、フルデジタルな形態で音声読み上げなどの機能を使って学習することが必要だという児童生徒が一定数おりますので、こういった児童生徒への対応も重要であると考えています。
今回の制度改正の中で、教科書バリアフリー法に基づく教科用特定図書等の中に、一般のハイブリッド等の教科書の内容と同じ、フルデジタル版で一般の教科書よりも高いアクセシビリティ機能を備えたものを給与するということにしておりまして、その標準規格を、これも年度内に作成するべく検討を進めているという状況でございます。
今の現状の報告ということでございます。駆け足で恐縮でございますが、説明は以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
既に会議が終わる時間になってございますけれども、私のさばきが下手くそで申し訳ございません。今日は重要な案件がまだありますので、大変申し訳ないですけれども、10分ほど延長させていただきます。
今の後藤課長には、本当はたくさん伝えなきゃいけないことがある中、かいつまんで御報告いただきました。これについて御意見のある方は、今から挙手いただいて御意見を賜れればと思います。秋頃に出すという、もう今日10月1日ですので、もういよいよ間近ということですので、御意見のある方はこのタイミングでおっしゃっていただく必要がございますが。委員の皆様、何か質疑、質問や意見はございますでしょうか。植阪委員。
【植阪委員】 ありがとうございます。
法令改正によって、紙とデジタルというのが独立で動くような形になることになるかと、そういう会社も出てくるかと思うんですけれども。いわゆる紙のときに、PDFというか、普通にデジタルのPDFを持っていることというのは、一般の障害のあるという話をしていただいたんですが、それだけではなくてとても大事だと思うんですけれども。いわゆる紙をフルデジタルにしたものは、一般の子供も利用できるようになるんでしょうか。
というのは、今、タブレットもあって教科書もあって、めちゃくちゃ重いので、どうしても教科書が学校に置いていかれがちになる。でも、予習するにとてもいいツールなんだけれども、PDFであれば、家でタブレットさえ持っていけば何の教科書でも見られる。そういう環境を多分保証したほうがよくて。
なので、障害があるなしに関わらず、紙を選んでもPDFがつくという形にしたほうがいいと思うんですが、それ自体は保証されていると考えていいんでしょうか。新しい法令の理解にも関わるところだと思うんですが。お願いします。
【堀田委員長】 お願いします。
【後藤教科書課長】 そこは法令というよりは、具体的には、教科書の要件を定める検定基準の世界になってくるということで、したがいまして、今、こうしますということを明快に申し上げることはできないんですけれども、要は、紙の部分とデジタルの部分があるというときに、紙の部分もデジタルで見て、重複するような形でやると、ランドセルが軽くなって、タブレットだけ持って帰ればいいんじゃないかという、そういう御指摘かと思います。
そういった御意見もあるというところは我々も把握というか、承知をしておりまして。一方で、今回の議論の中で、紙の媒体で学習活動を展開したほうが効果的な場面、それから、デジタルで学習を展開したほうが効果的な場面というのをよく意識して、使い分けて教科書づくりを進めていこうというコンセプトもまた一方であるので、その手の関係で、重複をどういった形でどの程度認めるかというところは、全く認めないということもないと思うんですけれども、どの程度やっていくのかというふうなところについては、もう少し検討が必要と考えております。
【植阪委員】 御検討ということ。自己調整、自分で学べる子にするためには、ツールとして利用するという、本人が利用するという道を残したほうがいいと思いますので、ぜひ御検討ください。お願いします。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
お願いします。
【横尾委員】 確認の質問です。17ページに点字化というのが書かれているんですけれども、これは音声で補うことはもちろんできると思うんですが、点字は点字で必要だと思うんです。両方をきちっと教えていくという前提に立っていると認識していていいですか。
【後藤教科書課長】 はい。おっしゃるとおりで、デジタルの話だけさせていただきましたけれども、拡大教科書であるとか点字教科書であるとか、これは引き続き、必要な児童・生徒に行き渡るようにという対応は続けていくということでございます。
【横尾委員】 よろしくお願いします。
【堀田委員長】 ほかにいかがでしょうか。中川委員、ちょっと一言だけ付け加えて。すいません、急に。
【中川委員】 後藤課長の御説明にあったことで終始されるんですけれども、決してこの今の流れは紙を否定するものではなくて、その上で学校ではデジタル学習基盤として子供も教師も慣れてきた現状がある中で、一人一人の子供の学びが深めたり広げたりするためにデジタルのメリットもうまく生かしていくことができるように進めていくということだと思います。
更に言うと、紙かデジタルかということを追究するあまり、二項対立に陥らないということが前提になっているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、議第5については、ここまでとさせていただきます。ありがとうございます。
ちょっと急いですいませんが、最後に、議題6でございます。これは次期ICT環境整備方針等の在り方についてのワーキンググループの設置についてということです。事務局より御説明をお願いいたします。
【細野GIGAスクール基盤チームリーダー】 堀田先生、ありがとうございます。文部科学省の細野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、次期ICT環境整備方針等の在り方ワーキンググループの設置について、御説明をさせていただきたいと思います。資料6のほうを御覧ください。
資料6の設置の目的でございます。現在、中央教育審議会におきましては次期学習指導要領に向けた審議が進められており、デジタル学習基盤を前提とした新たな学びの在り方が示されております。こちらのほうは参考資料1に添付させていただきましたので、後ほど御参照いただければと思います。
また、小学校における情報の領域、中学校における情報・技術科の創設など、情報活用能力の抜本的向上に向けた教育課程の改善方策が具体化されつついるところでございます。こうした新たな教育課程を学校現場において着実に実施していくためには、単に端末の整備にとどまらず、多様な子供たちの深い学びを実質的に支える環境の在り方を見据えた整備が必要不可欠と考えております。
あわせまして、現行の「学校のICT環境整備3か年計画」が2027年度末に期間の終了を迎えることを見据えて、教育環境の急激な変化に対応した新たな整備方針や計画を今から検討していくことが喫緊の課題となっております。補足的に申し上げますと、実はこの3か年計画の前におきましても、方針などを検討するに当たって、本特別委員会におきまして設置の決定をいただいているという経緯もございます。
こうした背景を踏まえて、本特別委員会の下に次期ICT環境整備方針等の在り方ワーキンググループを新たに設置し、専門的な事項について御審議いただきたいと考えております。
なお、本ワーキンググループにおきましては、今後の新たな整備方針の在り方について御議論いただく予定としておりますけれども、ICT環境整備という視点のみにとどまることなく、子供たちの多様な学習活動を物理的・機能的に支える教室等の学習空間の在り方、現場の施設、そして現場で活用される多様な教材・備品の活用環境も含めまして、学校における総合的な学びの基盤としてどのような条件整備が必要かどうかという点も視野に入れながら、大局的な観点で御審議を深めていただくことを想定しているものでございます。
主な検討事項といたしましては、資料6の2にございますとおり、1「学習指導要領の改訂に伴う新たなICT環境整備方針等の在り方に関すること」、2「そのほか」としております。
委員の皆様におかれましては、本ワーキンググループの設置につきまして何とぞ御承認賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
これは1つ前のものも同様にワーキングを設置して細かく議論しています。GIGAで国のお金も入れられて整備されている端末の話もあれば、地財措置等で整備されているもの、あとネットワーク基盤とかいろいろなものがあって、この辺りの考え方について、最新の技術とか次の学習指導要領とかを踏まえて、実態も踏まえて検討していくということになりますので、この辺りについてこの専門のワーキングを設置するということでございまして。
この設置はこの委員会で認めるということになりますし、ちょうど参考資料2にこの特別委員会の運営規則がありますが、第2条のところに必要な専門部会等を置くことができるとあり、しかも、その2項に、部会の委員は委員長が指名するというふうに書いてございます。
まずは、このワーキングの設置についてお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
【堀田委員長】 ありがとうございます。
では、委員の指名等につきましては、これから事務局と相談しながら、それぞれの御専門性を考えて、私に一任いただいて進めさせていただきたいと思います。
本日の議事は全て終了しましたけれども、予定を10分過ぎてしまいまして、大変申し訳ございません。
事務局から、次回の予定についてお願いいたします。
【吉木参事官補佐】 皆様、本日は御審議いただき、誠にありがとうございました。
次回の本特別委員会の予定については、公式にはまた改めて御連絡をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 それでは、時間過ぎて申し訳ございませんでした。ここまでといたしたいと思います。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付