令和7年9月8日(月曜日)15時00分~17時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
石井委員、亀田委員、高橋委員、利根川委員、中川委員、奈須委員、西端委員、堀田委員、森田委員、横尾委員(50音順)
堀野大臣官房学習基盤審議官、寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー、細野GIGAスクール基盤チームリーダー、大林学校デジタル化PTサブリーダー、後藤教科書課長、相原学力調査室長、野田教育DX推進室長
中央教育審議会 初等中等教育分科会
デジタル学習基盤特別委員会(第8回)
令和7年9月8日
【堀田委員長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会の第8回を開催いたします。本日もまた、御多忙の中御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、オンラインで参加の石井委員、中川委員、森田委員、横尾委員、そして御欠席が植阪委員、平田委員となっております。
本日の会議開催方式及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【大林学校デジタル化PTサブリーダー】 事務局より説明をさせていただきます。
本会議は、前回までと同様、対面とオンラインのハイブリッド方式にて開催をさせていただきます。つきましては、ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、オンライン参加の委員におかれましては、発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外を含め、会議中はオンにしておいていただきますようお願いいたします。対面参加の委員におかれましては、お手元の端末を操作していただく必要はありませんが、何か不具合等々ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。
次に、資料の確認をさせていただければと思います。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1から資料5、参考資料が1から5までとなっております。御不明点や不足等々ございましたら、こちらも事務局にお申しつけいただければと思います。
以上になります。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
続きまして、本年7月より新しく着任をされた堀野学習基盤審議官に一言御挨拶をいただきます。お願いいたします。
【堀野大臣官房学習基盤審議官】 本年7月に学習基盤審議官に着任いたしました堀野でございます。前々職で初等中等教育企画課長をしておりましたので、戻ってまいりましたということでございます。
この委員会では、デジタル学習基盤ということで、もはや個別最適な学びと協働的な学びになくてはならないものになってきていると思います。本日は教育課程企画特別部会の審議状況についても議論をいただきますけれども、次期学習指導要領においても、デジタル学習基盤というものを前提として検討が進められておりますので、ここの議論の重要性はますます高まっていくものと考えております。皆様方の御見識から幅広く御議論をいただいて、今後の施策に役立てさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。本日の議題についてですが、議題が5つございます。
まず、議題1です。デジタル教科書推進ワーキンググループの審議の状況につきまして、まず事務局から御説明いただき、その後、皆様から御意見を賜りたいと思います。これが1回目の区切りです。続いて、議題2から議題4まで、すなわち、教育課程企画特別部会の審議状況、全国学力・学習状況調査の結果等、そして、令和8年度の概算要求、ここまでは、関連する内容もございますので、まとめて事務局から御説明をいただいた後に、皆様から御意見を賜りたいと思います。ここまでが二つ目の区切りです。最後になりますが、議題5につきましては、学校教育情報化推進計画というものが現在動いておりますけども、それの見直しにつきまして御検討いただくために、事務局から御説明いただいた後に、また皆さんから御意見をいただく。今日はそういう3回の区切りで進めさせていただきます。
また、本日は報道関係者及び一般の方向けに、本会議の模様をZoomウェビナーにて配信しておりますので、御承知おきください。
それでは、早速、本日の議題に入ります。議題1、デジタル教科書推進ワーキンググループの審議状況についてです。本件につきましては、デジタル教科書推進ワーキンググループにおける検討状況の御報告となりますけれども、事務局より資料の御説明をまずお願いいたします。
【後藤教科書課長】 それでは、失礼いたします。7月に新たに教科書課長に着任いたしました後藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、デジタル教科書推進ワーキンググループの審議状況について御説明させていただきます。当ワーキングでは、昨年9月の第1回の会議以降、今年の2月には中間まとめを取りまとめていただきましたけれども、これまでに合計で11回、御審議をいただいているところでございます。先日の9月5日に会議が直近でございました。そのときに審議まとめの素案を御審議いただいたところでありまして、本日は、そのデジタル教科書推進ワーキングの審議まとめの素案について、資料1-1、今映していただいておりますが、これが本体でございまして、資料1-2のほうが概要ということで配付させていただいております。本日は主に資料1-2のほうに基づいて御説明をさせていただければというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。
まず、資料1-2の1枚目でございますけれども、1枚目はデジタル教科書の現状について整理をした部分でございます。まず、中ほどにありますが、制度的位置づけとして、現行では紙の教科書のみが教科書でありまして、現在配布されているデジタル教科書は、紙の教科書の内容をそのままデジタル化した教科書代替教材という位置づけでありまして、検定とか採択とか、あるいは無償給与というようなことの対象外という仕組みになっているということを記載しております。
その活用状況ということに関して、これも中ほどですが、国から小学校5年から中3を対象として、英語は100%、算数・数学は55%の小中学校に提供しているというところでございまして、年々その活用状況は増加をしてきているというような状況でございます。
そのような活用の状況の中で、例えば、この下のほうでございますけれども、英語の発音を自分のペースで何度も確認してみたりだとか、また、算数の図形あるいはグラフを動かしてみたりというようなことで試行錯誤するということで、今まではできなかった、あるいはしにくかった、そういう主体的な対話的で深い学び、個別最適な学び、協働的な学び、授業改善につながったというような現場の声があるというようなこと。
また、障害のある児童生徒にとりましても、拡大とか音声読み上げなどのアクセシビリティ機能によって、学習上の困難さを低減できて、理解を促進するという効果があったというようなことも記載をしているところでございます。
さらに、こうしたデジタル教科書をよく使う児童生徒というのは、授業内容の理解ですとか、また主体的な学び、対話的で深い学びといったことに取り組む割合が高くなっているというデータも出ているということを、この1枚目の資料の右下のグラフとともに記載をさせていただいているところでございます。
こうした活用状況などを踏まえまして、今後の在り方の方向性がまとめられているのが、この資料でいえば2ページ目、2枚目のところということになります。2枚目以降ですけれども、今回のこの審議まとめの素案では、関係者の納得と共感を得ながら創意工夫を生み出す柔軟な制度設計が適当であるということで、紙かデジタルかという二項対立ではなくて、どちらのよさも考慮して、紙・デジタル・リアルを適切に組み合わせてデザインしていくことが重要というコンセプトの下に、中ほどでございますが、学校関係者の声とか、あるいは児童生徒の声、特に紙の教科書の内容をそのままデジタル化するという制約があるので、その下では、本来のデジタルならではの可能性が狭められているのではないか、そういった御意見なども踏まえまして、中ほどの赤字のところですが、教科書の形態として、紙だけでなくデジタルも、また、一部が紙、一部がデジタルというハイブリッドも認めて、現場が選択できるようにするということを制度上位置づけて、そしてそれを検定や採択、無償給与の対象にしていこうという方向性が示されているというところでございます。
その上で、この教科書の発行や採択、使用に当たって、教科ごとの特性でありますとか、また、児童生徒の発達段階などに応じた検討が重要になるだろうということで、この審議まとめの素案では、そうした観点から、国がそうした観点について一定の指針(ガイドライン)を示すことが必要だということも示されているところでございます。また、こうした制度見直しを経た新しいデジタル教科書は、次期の学習指導要領の実施に合わせて導入していくべきというようなことも盛り込まれてるところでございます。
続きまして、3枚目でございますけれども、新たなデジタル教科書の導入に伴う関係制度の方向性の部分について整理をしております。まず、二次元コードの扱いについてでございまして、教科書への二次元コードへの掲載が近年、量的に増えているという状況でございますけれども、現行では、この二次元コード先の内容は、教科書ではなくて教材という扱いになっておりまして、教科書扱いということではないので検定の対象ともなっていないというのが現状であります。
今後は、先ほどもございましたように、デジタルな形態の教科書を認めていくという上で、この二次元コード先も教科書として扱っていくということになりますが、その一方で、教科書の一部として位置づけられる内容のものに絞って認めていくと。それで検定対象となるということで、質の保証もしていくという方向性を示しているところでございます。
そもそも、この資料にも書いていますけれども、教科書の在り方につきましては、教育課程部会のほうでの学習指導要領に関する議論でも取り上げられておりますように、教科等の中核的な概念をつかみやすいものにして、内容とか分量を精選していくべきという議論もされているわけでありますけれども、そうしたことも踏まえて、教科書と補助教材の適切な役割分担を図りながら、教科書に掲載する二次元コードの対象についても考えていく、そういった趣旨になるものでございます。
次に、検定についてでございますけれども、検定については、文字や図画による内容を審査するというのは、従前より変わらないわけでございますが、例えば、音声読み上げですとか、拡大でありますとか、ルビの表示など、そういったデジタル機能の作動ということについては、一定の確認を行うということにとどまりますが、動画とか音声データといったものが入ってくることになりますけれども、そういったものの内容を見ていく必要がありますが、それをどの範囲で認めたり、また、どのように検定を、審査をしていくかということについては、検定審議会のほうで専門的に御検討をいただく必要があるということについて記載をしておるところでございます。
また、このページの一番下のところでございますけれども、発行とか供給に関してでございますけども、教科書のデジタル部分の供給は、ライセンス期間など定まった一定の期間、児童生徒が使用できるようにすることが必要であるということを踏まえまして、この審議まとめの素案では、義務教育段階では少なくとも3年間以上、高校段階では4年間以上が望ましいということ。また、使用期間後ですとか、その供給が一時的にできなくなるような場合にも備えて、印刷機能の実装といったことが重要であることなどについて、記載がなされているところでございます。
また、一番下でございますが、教科書価格に関しては、デジタルな形態の教科書も含めて、必要なコストに見合った適正な価格設定となるように国において検討すべきということが、素案に記載をされているところでございます。
最後の4枚目のほうに移りまして、一番上では、拡大教科書などの教科用特定図書等についても、デジタルな形態を認めて、無償給与の対象とするということですとか、また、新たなデジタル教科書の制度化に伴う著作権の権利制限の在り方について、こちらについては、文化審議会のほうで専門的に御審議いただく必要があるということも記載を盛り込んでいるところでございます。
また、その下でございますが、制度改正によって新たな教科書が配布されるまでの当面の間の推進方策ということで、6点、記載をしております。まず、小5から中3を対象として、英語、算数・数学を配布しておりますが、これに加えて、そのほかの教科・学年についても、効果や影響の検証の観点から、配布を進めるべきだということ。
2点目、右側ですけれども、効果的な活用方法の発信や教員研修、また、養成段階からの改善によって、教師の指導力の向上に取り組む必要があるということ。
また、3点目、左側ですが、官民でアカウント管理に係る負担軽減の取組を強化していくということ。
また、健康影響に関することですが、専門家の御意見も踏まえながら、長時間継続して近距離で凝視するというか注視するというようなことは避けるということなど、最新の知見も取り入れながら、ガイドライン等で周知していくということ。
ICT環境の改善ということに関しては、端末の着実な更新と、当面の推奨帯域の早期達成に向けた支援を実施していく必要があるということ。
最後に、教育委員会や学校、教師、児童生徒、保護者といった関係者に対しての理解ということでは、デジタル活用を自己目的化するというものではなくて、これは児童生徒の学びの充実が最も重要な目的であるということの理解を図っていくことが大切であるということを記載させていただいているところでございます。
以上、デジタル教科書推進ワーキングの審議まとめ(素案)について、簡単でございますが、御説明をさせていただきました。よろしく御審議のほどお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございます。ただいま御報告いただきましたデジタル教科書推進ワーキングは、私どものこの委員会の下に設置されたワーキングでございまして、9月5日に審議まとめの素案まで行きましたので、その審議状況の様子について御報告いただいたということでございます。
先ほども申し上げましたとおり、ここで委員の皆様の御意見を伺っておきたいと思いますが、時間はあまりありませんので、御意見のある方、ぜひ早めに挙手をいただいてと思います。なお、このデジタル教科書推進ワーキングは、私、座長を拝命しておりまして、その座長代理に中川委員が就任されております。
石井委員、次、森田委員という順番で御指名いたします。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 ありがとうございます。現在、デジタル教科書については、児童が使う学習者用デジタル教科書の活用よりも、指導者用のデジタル教科書を使って分かりやすく教えるということを、多くの教師が経験済みの状況かなと思っております。しかし、これはこれまでの教科書を拡大コピーして、提示していたものをデジタル化して使用しているにすぎないという場面を多く見かけます。デジタル学習基盤を活用するためには、やはりこれまでの授業の一部をデジタル化して満足するのではなく、児童生徒がデジタル教科書を使って、自分の考えを書き込んで、共有して、他者参照してというような、より自分の考えを深めていくということが重要であると考えております。
今回この審議まとめを見させていただいて、こういう現状の中ですので、作成には大変多くの御苦労があったのではないかなと思っております。特に「はじめに」の丸5つ目の3行目、デジタル教科書を、あくまで児童生徒の学びを充実させるためにはどのような教科書がよいのかという観点を大事にして、議論を行ったという一文からも、デジタルも紙も目的は一緒であり、大切なのは、その後に続いていくその学びの方向性を踏まえつつ、これまでの紙にデジタルを加えることで、社会や学びの在り方の変化に対して学びの可能性を広げようとしている思いが、強く伝わりました。
現在の学習者用デジタル教科書ですと、教材という部分をプラスしていかないと、やはり子供たちの学びの可能性を広げることが難しいことであったり、教科書会社によってその設定に差があるという課題もあります。そこで、解決するために、学習eポータルを利用することが提案されているにもかかわらず、周知が不足しているなど、まだまだ課題は様々あると思っております。
今回の審議まとめは、整備する自治体の担当者だけではなく、実際に活用する先生方にも読み進めていただき、それぞれの自治体の課題の解決策、目指す学びの姿を実現するための適切な教科書採択、それを実施していくためのバイブルとして、活用していただきたいなと思っております。この審議のまとめを丁寧に周知していただくことが大事だと思います。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。続いて森田委員、お願いいたします。
【森田委員】 学びの可能性を広げる教科書を副題に示して、誰一人取り残さないという令和の学校教育の理念を出発点にして、デジタル教科書を位置づけている点は、中央教育審議会答申や審議まとめ(素案)と方向性が一致しており、教育現場にとって納得感があるなと思います。本当に委員会の皆様、ありがとうございました。
その中で、教科書内のデジタルコンテンツの件ですけれども、審議のまとめにもありますように、デジタルコンテンツはあくまで教科書の一部として位置づけられているものに限定して認めるべきだと思います。その上でのデジタルコンテンツを検定対象とすることで、主たる教材として質の保証もできると思います。とは言っても、その線引きは難しいんではないかなとも思います。でも、難しくても、やはりここを明確にしないと混乱を招いてしまうんではないかと心配しています。もしその基準が不明確で、コンテンツがどんどん拡大されるようなことになりますと、発行者の負担だけではなくて、教育現場にも負担を増加させてしまいます。また、デジタルコンテンツを多くすることで、児童生徒に教科書で学びが完結してしまうような、そんな勘違いをさせてしまう可能性もあるのではないかという懸念があります。学びを広げ深めるコンテンツ、学びの可能性を広げるデジタル教科書であってほしいと思っています。
あともう一点、ガイドラインの在り方ですけれども、これは大変重要だと思います。まとめに示されておりますように、学年や教科だけで単純に示すのではなくて、学習内容や学習場面によって望ましい活用例を示していくのがいいのではないかと考えています。そのためにも、これまで望ましい活用がありますので、それを集めて整理することが必要になってくるのではないかなと思っております。どうぞよろしくお願いします。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。それでは、亀田委員、お願いしましょうか。
【亀田委員】 能美市の亀田です。よろしくお願いいたします。先ほど審議のまとめ、そして、後藤課長様から丁寧な御説明ありがとうございました。
私のほうからは、実は本市で昨年実証をいただいておりました、英語、算数・数学以外の国語について少しエピソードを共有させていただきたいと存じます。去年、実証でいただいておりまして、この詳細のまとめにもありますように、抜き出すとかマーカーを引くとか、この辺りに子供たちも先生たちも非常に有用性を感じられていまして、もちろん識字が苦手な子といいますか、音読が苦手な子、そういう子たちにももちろん響くんですが、国語の中に、引用するとか、筆者の考えを引用しながら自分の考えを形成して表現する、こういう場面もあろうかと思います。こういうときに、引用する部分をすぐにコピペで、あるいはマーカー引いてすぐに引用して、そして引用元も明らかに、デジタル教科書の中にも明示されて残る、根拠も明確に残る。この辺りの使い方によって、子供たちが授業の中で、話し合う部分に特化して非常に集中して議論ができたという報告が、本市においてはたくさん上がっております。
そこで、その授業者である教師が、今年は国語の実証ないですよと言った途端、それは非常に困るということになりまして、実は生徒集金で国語科デジタル教科書を全学年買っているということになっております。つまり、それぐらい、先生方が、個人集金にしたとしても有用性が高く、使いたいという意見が得られておりますので、ぜひともまたこれをお伝えしたいなと思いました。ですので、今後ガイドラインを示されることは現場にとって非常にありがたいことと思います。心強いと思います。有用性のあるところ、効果的なところをガイドラインにお示しいただくことによって、先ほど森田委員がおっしゃってましたが、それをまた一つ、参考に各現場で実践していけるといいなと思った次第です。
以上になります。
【堀田委員長】 ありがとうございました。横尾委員、お願いいたします。
【横尾委員】 ありがとうございます。発言をさせていただきます。私は首長ですし、自治体の関係の仕事、教育だけではなくていろんなことやっていますけれども、そういった意味で感じたことを述べます。
今回プレゼン説明いただいたことは、コンパクトに整理されて大変よかったと思います。加えて思ってることなんですけど、例えば最近、気象が非常に荒れてきて、災害多発化傾向もあります。一方では、ヘルスリテラシー、皆さんも御存じのとおり、自分の健康は自分で守るという意識を持って、データをよく見て、自己管理ができるような人を育てていく必要があると思っています。これは生涯学習の分野でも同様です。
その入り口として、この初等中等教育の中で、今説明いただいたようなことをコンパクトに授業の中で学習指導要領に従ってやっていくわけですけど、その学びの中で、今申し上げましたように、ヘルスリテラシーやハザードマップや、気象のこと、災害に関する情報のリテラシー、こういったことを高めることもどこか意識をしていただいて、学校現場でも御指導いただくといいと思います。
このことによって、命を守ることができますし、自分の健康を守ることができます。これは一生の宝、財産にもなっていきますし、地方にとっても地域にとっても、また家族にとっても大切なことなので、ぜひそういったことも意識して、先ほど御紹介いただいた教科書としての活用と同時に、使いながら、学びながらそういったことを習得していくことができること、時にはそういったことも話題に先生から出していただくこと、ぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。大変貴重な意見でございます。西端委員、お願いいたします。
【西端委員】 承知いたしました。まず、適切におまとめいただいてありがとうございます。非常に分かりよく読ませていただきました。
教科というのはもう皆さん御存じのとおり、らせん型カリキュラムを組んでおりまして、今までどうしても、学年が変わると教科書が変わるので、前学んでたこと何だっけと、子供たち自身もよく分からなかったりするということも多くございましたが、今回、御説明を読ませていただいて、ライセンスであるということと、やはり教科書で学ぶということを強調しておられるということと、あとは、中核的な概念をつかみやすいものにするということで、今検討中であるということをお書きになっておられますが、そういうところが先生方はもちろんのこと、子供たち自身も、低学年では難しい面もございますが、高学年になると、あそこで学んだことが今こうなって、今度こうなるんだなというのを先読みができるようになるのではないかと思って、非常に期待しております。ありがとうございます。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございます。利根川委員、お願いします。
【利根川委員】 ワーキンググループで多くの委員の方によく御議論いただいたなというのを、改めて読んでいる中でも非常に感じることができました。正直申し上げますと、現場の実態や会議の細かいやり取りを追えてない中で感じた課題感を、逆に新鮮な観点という意見で捉えていただければと思っております。
資料1-2の2ページ目、II.の今後のデジタル教科書の在り方のところです。ここが恐らく、デジタル教科書を今後推進していくに当たって何がいいのとかいうのをちゃんと伝えなきゃいけない、非常に大事な話ですよね。ただ、それが位置づけとか制度とか細かい話に急に落ちてしまっているんです。デジタル教科書がなぜいいのか、何がいいのか、なぜ進めるのかというところを、I.とII.の間でちゃんと示すというんですかね。そこを示さないと、デジタル教科書に詳しい人は、今までのいろんなコンテクストを分かってるので、すっと頭に入っていくと思うのですが、そうでない方にはいまいちピンとこないままになるのではないかと危惧しています。ここからより多くの方に理解していただき、今後、より大きなムーブメントにしていくためには、そうした属性の方の方が大事だと思いますので、改めてなぜデジタル教科書なのかということを整理していく必要があるのかなと思っております。1ページ目に書いてある現場の声など、既に議論されていることだと思うので、ぜひその点、含めていただけるといいかなと思っております。
そのほか、アクセシビリティの観点ですとか、また財政状況の差が出ないようにという部分ですとか、学校のネットワークが大丈夫なのかという点、併せて経済的に困難な状況にある家庭についてもネットワークは大丈夫なのか、その辺りが気になりました。
細かい部分はまた事務局の方にメールいたしますが、以上が私からの意見でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。大体これぐらいかなと思うんですが、一度事務局にお返ししましょうか。後藤課長、何かありますでしょうか。
【後藤教科書課長】 ありがとうございます。今いただいた意見を踏まえまして、デジタル教科書推進ワーキングのほうでの議論はまだ続きますので、そちらでも、事務局としても何か盛り込めることないか、また検討させていただきたいと思います。
【堀田委員長】 ありがとうございました。私からも少し付け加えをしておきますが、先ほども申し上げたとおり、このデジタル教科書ワーキングというのは、私ども今やっている、このデジタル学習基盤の特別委員会の下にありまして、つまり、デジタル教科書というのはデジタル学習基盤の一部として検討されている。つまり、ほかのツールとか、ネットワークの速度とかそういうものが十全に整備されていくことを前提に、これは議論されているということです。
もう一つは、この後の議論になりますけども、教育課程企画特別部会で次の学習指導要領に向けた検討が進んでおりますけども、これを実現しやすくするためには、子供たちの多様性を包摂し、子供たちに学びやすさを提供していくという大きな方向感の中で、紙の力だけでなくデジタルの力もうまく利用できないかという大きな流れですね、加えて、教科書というのは質保障されたものであり、義務教育段階においては無償給与されているものでありまして、こういう観点から、検定というのがあるわけですけども、デジタルを検定するとなると、今までなかったことですから、この部分をどのようにやっていくかということ、いくつもの制度と関わる話ですので、もしそういうことになるとしたら、制度のどこをどのように考えていくかという検討が非常に重要であるということで、先んじてワーキングで、作業部会でやっているということになります。
こういう状況の中で、まだこれが、一つ一つが確定してるわけではありませんけども、ほかの関係の会議体、あるいは予算等も含めて、あるいは社会の認知も含めて一緒に進めていくという性質のものですので、皆さんから今いただいた現場の御意見や、さっきのヘルスリテラシーの話もそうですし、一般の方に分かりやすくという点でも非常に重要な御意見をいただいたと思っております。ありがとうございました。議題1はここまでとさせていただきます。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 学校情報基盤・教材課長の寺島でございます。それでは、私から、まず資料2に基づきまして、現在教育課程企画特別部会で行われている次期学習指導要領の議論について御紹介をしたいと思います。
資料2の表紙を御覧いただきたいと思います。これは論点整理の素案の表紙でございますけれども、右下のところを見ていただきますと、令和7年9月5日の日付になってございます。これはまさに先週の金曜日に、この特別部会に提出をされた資料ということでございます。
資料1ページおめくりをいただきまして、1ページ目が目次ということになっております。ここの目次を御覧いただきますとお分かりのように、非常に多岐にわたる論点が整理をされておりますけれども、本日は時間の関係上、この目次の中の第1章の基本的な考え方、第4章の情報活用能力の抜本的な向上、それから第8章の今後の検討スケジュール、ここに絞って御説明をしたいと思います。
それでは、3ページでございます。今回の改訂を貫く基本的な考え方を示したものです。今回の改訂議論を貫く三つの方向性ということで、基本的な考え方を示したところでありますけれども、一番上のところ、囲みにございますように、今後の議論については、丸1「主体的・対話的で深い学び」の実装、丸2、多様性の包摂、丸3、実現可能性の確保、この三つの方向性を踏まえて議論を行うべきであるということが端的にまとめられております。
その下、このうち、丸1「主体的・対話的で深い学び」の実装は、現行学習指導要領が目指している、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を通じた資質・能力の育成について、一層の具現化・深化を図るものであるとされております。
特に、この本委員会との関係の深いところでいきますと、この下に二つ、レ点がありますけど、二つ目のレ点のところを見ていただきますと、このような授業改善に不可欠であるデジタル学習基盤の効果的活用ということで、この「主体的・対話的で深い学び」の実装のためには、デジタル学習基盤の効果的な活用が不可欠であるという認識に立った上で、2行目のところでありますけれども、しかし、いまだその活用というのは道半ばである。また、デジタルの負の側面への対応も含め情報活用能力の育成にも様々な課題が見られる。こういった課題意識の下に、小学校の総合的な学習の時間への「情報の領域(仮称)」の付加、中学校での「情報・技術科(仮称)」の創設等の具体的方策を示した上で、情報活用能力を各教科等における探究的な学びを支える基盤と位置づけて、抜本的な向上を図るとしております。なお、こうしたことを進めるに当たっては、知・徳・体のバランス、人間ならではの身体性、実体験の重要性を十分に踏まえる必要があるということで、これは諮問文でも、リアルとデジタルのバランス、あるいは、デジタルの力でリアルな学びを支えるという基本的な考え方が示されておりますけれども、この辺りも論点整理の中でまとめられているというところでございます。
その下、三つの方向性の二つ目でございますけれども、多様性の包摂は、多様な個性や特性、背景を有する子供が多くなっている実態に向き合うとともに、こうした多様性を個人及び社会の力に変える観点から、一人一人の意欲が高まり、可能性が開花し、個性が輝く教育の実現を目指すものであり、先ほど申し上げた第一の方向性と両立させることが不可欠な第二の方向性として示されております。
したがいまして、三つの柱のうち第一の方向性と第二の方向性、これを両輪で進めていくんだということを前提にした上で、次のページでありますけれども、一番上、第三として、実現可能性の確保ということが書かれております。この第一、第二の方向性の両立を支え、実現可能とする観点として、実現可能性をしっかりと確保していくべきだということが示されております。
それを図示したものが、5ページ目になりますけれども、今申し上げた三つの観点、丸1、丸2、丸3でありますが、左上の丸1、右上の丸2、これが第一、第二の二つの方向性を両立していくんだということでありますけれども、これを両立するためには、3番目として、実現可能性を確保していく必要がある。この三つをしっかりと三位一体で具現化していく必要があるというのが基本的な考え方ということでございますけれども、この丸3の実現可能性の確保の下の箱のところでありますが、幾つか書いてあるものの一つとして、デジタル学習基盤というものが位置づけられております。すなわち、丸1、丸2の基本的な方向性を実現していくためには、この実現可能性の非常に大きな要素を占めるものとして、デジタル学習基盤の充実ということが今回の学習指導要領でも議論されているということでございます。まずはこの基本的な考え方をしっかりと押さえておきたいと思っております。
少しページが飛びますけれども、47ページ目まで飛んでいただけますでしょうか。よろしいですか。第4章というところであります。先ほど少し目次で御確認いただきましたように、今回、情報活用能力の抜本的な向上というのが一つの大きなテーマでございますので、第4章という一つの章を設けて取り上げられております。この囲みのポイントというところを少し御覧いただきますと、この第4章のポイントでありますけれども、情報技術を自在に活用し、課題解決や探究ができるようにしつつ、デジタルの負の側面にもしっかり対応できるよう、情報活用能力の抜本的な向上を図る。そのため、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域(仮称)」を付加しつつ、中学校は情報技術に関連する内容を強化した「情報・技術科(仮称)」を新設し、それらを踏まえた高等学校情報科の充実を図る。第四章は概要こういったことが書かれてございます。
少し細かく見ていきますと、49ページでございますけれども、現在の課題ということが書かれております。特に右側でありますが、顕在化している課題ということで幾つか述べられております。
一つ目は、指導内容が不十分ではないかという課題でございます。丸1の一つ目の黒丸にありますように、小学校ではコンピュータやネットワークの仕組みの理解が扱われていないという課題。二つ目、中学校で扱われてはいますけれども、しかしそれが十分であるかどうかという課題。三つ目、小中高全体を通して、生成AI等の先端技術に関わる内容が明確に位置づけられておらず、また、情報モラルやメディアリテラシーの育成についても、学校による取組の差が大きい、こういったところが課題として挙げられております。
それから、二つ目の課題であります小中高通じた育成体系が不明確という課題であります。一つ目の丸、小学校では、教科等に明確な位置づけがなく、授業時数や指導内容の具体が示されていないため、地域や学校による差が大きいという課題。二つ目の丸でありますけれども、小学校の指導内容、それから中学校や高等学校との体系が明確になっていないという課題。三つ目、探究的な学習の課程との十分な連携が図られていない。こういった課題が指摘をされております。
次のページ、50ページであります。こういった課題を踏まえて、具体的な改善の方向性をまとめたものがこの資料でありますけれども、まず左側の小学校段階のところを見ていただきますと、小学校段階の一つ目の丸では、このアンダーラインが引いてあるところでありますけれども、一定の時間を確保した上で、発達段階を踏まえつつ、総合的な学習の時間における探究的な学習との具体的な連携の在り方を検討すべきということは指摘をされております。
また、二つ目の丸の後半のアンダーラインでありますけども、情報活用能力が各教科等の探究的な学びの深まりに資するということに留意しながら議論すべきであるということ。
三つ目のポツでありますけれども、この情報活用能力を、情報技術の活用、適切な取扱い、そして特性の理解、この三つの側面にしっかりと意識をして考えて、この三つの側面それぞれが小学校、中学校、高等学校と系統性を持って意識して検討すべきである。こういった指摘がなされております。
続いて、中学校でありますけれども、中学校では、このアンダーラインのところ、技術分野の領域「情報の技術」を引き続き受皿としつつ、大幅な拡充をすべきであるということ。そして、その際には情報技術が認知や行動に与えるリスクに留意をすべきということ。
三つ目の丸でありますけれども、現在の技術・家庭科を、家庭科と情報・技術科(仮称)の二つの教科に分離すべきである。こういった指摘がされております。
高等学校では、小・中学校で新たに整理した内容の系統性を踏まえて、情報科の内容をさらに充実する方向性で検討すべきということが指摘をされております。
そして、右のところでありますけれども、丸2でありますが、こういった充実、改善をするためには、この改訂を支える十分な条件整備が必要であるということが指摘をされております。
51ページからは、今申し上げたことを少しイメージで描いたところでありますけれども、先ほど申し上げましたように、情報活用能力を、情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解という三つの側面から捉えて、これらを小中高全て通貫するように系統的に考えるべきであるというイメージの絵であります。
52ページをお願いします。先ほど文章で紹介したところを少し図示したものであります。改善の方向性のところを見ていただくと、小学校では、現在は特定の教科の位置づけはありませんけれども、改善の方向性としては、一定の時間を確保して内容を取り扱うべきであるということ。中学校では、技術・家庭科の技術の分野をより充実をさせ、特に情報の技術を充実させていくべきではないかということ。そして、高等学校では、小中学校の系統性の上により情報化を充実させていくべき。こういったことをイメージで表している資料でございます。
53ページ見ていただきますと、今申し上げたことをまとめて示した資料でありますけれども、左の上の三つの丸がございますが、今申し上げた、情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解、この三つを相互に関連づけながら、そして下、小学校、中学校、高等学校通して、これらの三つの力がバランスよく系統的に身に付けるようにすべきだということを図示しております。
以上、ここまでが第4章、情報活用能力の抜本的な向上というところで示された具体的な内容ということであります。
最後に、一番最後まで飛びますが、104ページまで飛んでいただきまして、一番最後の章は今後の検討スケジュールということが示されたところであります。
1ページおめくりをいただいて、105ページのところであります。1番の今後のスケジュールというところでありますけれども、一つ目の丸のアンダーラインのところにありますように、既に設置をされている総則・評価特別部会や各ワーキンググループにおいて、この論点整理を踏まえながら検討を進めて、遅くとも令和8年の夏頃までには各ワーキンググループで取りまとめを行うというスケジュールが示されております。その後、教育課程部会で審議まとめを経た上で、令和8年度中に中央教育審議会として答申を取りまとめられるよう検討を進めるというスケジュール感が示されております。
同じページ、このページの3、その他というところでございます。先ほど第4章のところで御紹介申し上げましたけれども、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域(仮称)」を付加するということ、そして中学校では、「情報・技術科(仮称)」を創設するという方向性を示されていますが、これに伴う標準授業時数の増加については、諮問で既に、年間の総授業時数は現在以上に増やさないという方針が示されておりますので、この時間をどうするかという問題については、教育課程企画特別部会及び総則・評価特別部会にて教育課程全体を見通した観点から検討を行って、時数については令和8年の春頃を目途に一定の結論を得ると、こういったスケジュール感が示されておるところでございます。
106ページでございますけれども、今このスケジュールのところで申し上げたとおり、これから各教科のワーキンググループが具体的な検討を進めるわけでありますが、先ほど第4章で御紹介をした情報活用能力を含めたところは、主にこのワーキンググループがたくさん並んでいるところの一番右の下でありますけれども、情報・技術ワーキンググループというところで主に議論がなされて、今後、議論が深められていくというスケジュールになってございます。
以上、教育課程企画特別部会での審議の状況について、本特別委員会の関係の深いところを中心に御説明をさせていただきました。以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
続きまして、議題3、令和7年度全国学力・学習状況調査の結果等についてということで、相原室長よりお願いいたします。
【相原学力調査室長】 学力調査室長の相原です。よろしくお願いします。まず、資料3-1に基づきまして、本年度の全国学力・学習状況調査の結果を御報告します。
本年度の概要、2ページにございます。国語、算数・数学、理科を実施いたしました。初めて中学校理科に1人1台端末を利用したCBT調査を導入したほか、結果返却を2週間ほど早めて、夏休み前に児童生徒に返却できるスケジュールに改善したところです。
下に各教科の正答率、スコアの表がついております。小学校は国語以外の5教科でA問題、B問題が一体化された平成31年度以降で最低の正答率となったところですが、調査問題は毎年度異なる問題でありまして、単純に比較するということは難しいと考えております。今年度は特に算数・数学でばらつきが多かったという年でございました。また、公表段階で初めて男女別の集計を行いまして、国語の平均正答率においては女子が高く、理数教科の平均正答率・平均IRTスコアにおいては大きな男女差が見られなかったという結果に注目したいと思います。
3ページをお願いします。中学校理科のCBTでの実施状況は、途中の経過を本委員会でも御報告いたしましたけれども、この最終的な数字というのはこちらの表のとおりでございまして、後日実施も含めまして、全体としてはネットワークの環境の理由によってCBT実施できなかった学校はなかったということでございました。これも現場で計画的な準備にご協力いただけた結果というふうに考えております。
また、3ページ中ほどに、学校外実施の状況というのをまとめております。今年度、4月に入ってから、学校外実施の周知の期間があまりないまま突入したものの、後日実施での中学校の理科、それから児童生徒質問につきましては、CBTのよさを生かして学校外での実施も可能とする取扱いをマニュアルでお示ししました結果、今年度、小中合わせて4,500人余りの参加をいただくことができました。また、重複する数値も含みますが、3ページの下にある「支援が必要な児童生徒の参加状況」は回収率6割程度の「実施後アンケート」の結果でございます。全国学力・学習状況調査に参加している児童生徒のうち、長期欠席、障害のある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒の状況というのも初めて把握しました。今後、この選り分けたデータについて、私どもも分析を進めていきたいと思っております。
4ページをお願いします。教科調査の中で、特にCBTで実施した中学校理科を御紹介したいと思います。CBTのメリットを生かして実験動画を流しまして、化学反応を原子や分子のモデルで表現するもので出題しましたところ、この問題の正答率は35.8%ということでした。CBTを導入した、中学校理科におきましては、従来の正答数、正答率に替えまして、児童生徒には5段階のIRTスコアバンドによって結果を返却しております。
そして、5段階のバンドにひもづけて学力層ごとの正答等の特徴を表したG-P分析図というのを作成しています。これが4ページ右のグラフでございます。このG-P分析図を見ますと、この問題については、正答である赤線が、バンド4、5に正答が集中しておりまして、バンド3以下では正答が非常に少ないということがわかります。また、バンド1、2の層では、反応前後で原子の種類や数が異なるといった化学反応の概念や、反応物質と生成物質の整理ができていないといった誤答の類型が8割を占めているということなどもわかります。
5ページですが、中学校理科の調査結果の報告書は例年より分量が多くなりました。これはこのページのようにG-P分析図というのを積極的に活用しまして、学力層ごとの解答状況に着目して、特徴が見られた問題の分析、授業アイディア例を紹介しました。各学校、学級の現場で、バンドの分布状況とこの分析図を照らし合わせることで、個に応じた指導に取り組みやすくなる、強力な支援ツールになっていくというふうに考えております。来年度以降、CBTの導入科目におきまして順次、この活用を進めてまいります。
6ページをお願いします。質問調査からICT関係の部分を御紹介したいと思います。まず、ICT機器の授業での活用頻度について、6ページ上段が学校質問調査の結果ですが、ほぼ毎日、週3回以上と回答した小学校は約97%、中学校は約94%でした。また、今年度初めて取ったデータですが、1日に複数のコマで活用している学校というのは小学校中学校とも6割を超えまして、ネットワーク環境の制限を受けずに自由に活用できる学校が確実に増えてきているというデータかなと思います。
また、6ページ下段が児童生徒の解答状況でありますけれども、授業でICT機器を使用した頻度の高い児童生徒のほうが平均正答率・平均IRTスコアが高いという状況も確認されました。ネットワーク環境が整いまして、効果的な活用と頻度が結びついてきていると考えられるところです。
7ページをお願いします。不登校や特別支援等での活用に関するデータです。また、今年度では、翻訳アプリや健康観察アプリの支援などもあって、(4)外国人児童生徒等に対する学習活動等の支援や(5)児童生徒の心身の状況の把握に関する結果の数値も伸びてきておるところです。
8ページをお願いします。こちらは、情報の整理、プレゼンテーションなど、具体的な場面でのICT機器の活用の自信に関する今年度の新規の質問です。これらは、TIMSSなど国際調査も参考にして設定した質問となります。こうした自信のある児童生徒ほど平均正答率・平均IRTスコアが高い傾向が見られますとともに、9ページ以降ですけれども、探究的な学びにも取り組めています。これらの傾向は、CBTで実施した中学校理科とそれ以外の教科での違いもございません。教科等横断で育成される情報活用能力の性格も、このデータに表れているのではないかと思います。
また、12ページでは、ICT機器の活用の効力感につきまして、昨年と同様の結果でありますけれども、ICTが、むしろ文房具として浸透してきたという結果かと思いますが、「とてもそう思う」という積極的な回答の割合が減っているところです。
13ページです。こうした効力感について、肯定的に回答している児童生徒ほど、自分と違う意見について考えたり、新たな考えに気づいたりするという前向きな傾向も見られたところです。フィルターバブルなど受動的な使用に伴う懸念もある中で、交流、共有、発表といった授業での効果的な活用が児童生徒に与えるよい影響を示唆する重要なデータではないかというふうにも捉えております。
あわせまして、参考資料3-2から、昨年度実施しました保護者に対する調査の結果を御紹介したいと思います。
2ページをお願いします。保護者の回答ということで毎年度の児童生徒の質問とは違いまして、保護者の見立てでの回答ということになります。ここで、子供の学校外での平均的な過ごし方というのを御覧いただきますと、この3年間で、勉強時間の減少、ゲーム・スマートフォンの使用時間が増加傾向で変化しておりまして、この保護者の見立ては、児童生徒質問の回答以上に増加傾向が大きくなっているという状況があります。また、ゲーム時間が長くなるほど、またスマホの時間が一定時間を超えるほど、経年変化分析調査の教科のスコアが低くなるという傾向も見られました。
資料-1の6~13ページのデータと参考資料3-2の2ページ目のデータは、異なるファクトのデータです。学校の授業でのICT機器の活用の部分と、学校外でのゲーム・スマホの使用に関する部分、それぞれ別のデータでございまして、両者をしっかり区別して、冷静に捉えて議論することが必要です。
次に、資料3-2に基づきまして、来年度の中学校英語の全国学力・学習状況調査の実施について、簡単に御報告いたします。資料3-2は、昨年9月に改訂した全国学力・学習状況調査のCBTでの実施計画に関する行政文書ということになります。6ページに今後のCBT化の工程表がございますが、来年度は中学校英語でCBT、令和9年度以降は小中学校全教科でCBTによって実施していく計画でございます。
2ページをお願いします。来年度の中学校英語につきましては、昨年の段階では、4技能をまとめて4、5日間で実施するというイメージで盛り込んでおりました。その後、現場の状況、意見を把握して、詳細を検討してまいりました。その結果、2ページ中ほど4つ目の丸でございますけれども、前回の令和5年度と同様、「話すこと」調査というのを切り離して1か月強に実施期間を拡大して分散実施するという方向で、変更の改訂を現在検討しております。この4技能のうち特に「話すこと」調査は、録音した音声のアップロードもあり、ネットワークの負荷がやはり大きいということ、それから、周囲の声を気にせずに話すことができる程度の少人数での実施も現場では望まれていることを勘案して、変更を検討しているところでございます。
今後、サンプル問題の公開、地方向けの臨時説明会の開催などによりまして、来年度の中学校英語のCBT実施に向けまして、計画的な準備を丁寧にお願いしてまいりたいと考えており、引き続き、教育委員会、学校現場と連携して、CBT化の歩みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。続きまして、議題4ですね。令和8年度概算要求について御説明をいただきます。寺島課長、お願いします。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 それでは、資料4に基づきまして、来年度の関係する概算要求を簡単に御説明したいと思います。
表紙1枚おめくりをいただきまして1ページ目でございますけれども、先ほど論点整理のところで御紹介したように、現在、情報活用能力の抜本的な向上が議論されています。この次期学習指導要領の全面実施を待つことなく、この方向性に沿ってしっかりと準備を進めるということで、来年度の概算要求ではこの下に書いてある(1)から(4)番を一つのパッケージとして、情報活用能力の抜本的な向上のための準備ということで要求をしております。
具体的内容は次のページをお願いします。四つの内容のうちの(1)番が左側ということでありますけれども、丸1、情報活用能力育成のための実践研究ということで、一つ目の黒い丸にございますように、先ほど御説明をした次期学習指導要領では情報活用能力、情報教育が抜本的に充実をされるということでございますので、今後予想される移行時期も含めて、どの学校でも確実に実施できるよう、まずは教材の開発ということに取りかかりたいと思っております。
そして、その教材の開発する際には、二つ目の丸でございますけれども、これまでのリーディングDXスクール事業を発展させて、実証地域を指定し、この開発する教材の実践・検証を併せてやっていくということを考えております。その下に図が描いてありますけれども、この実践校、実践地域とも往還をしながら、具体的に学校現場で活用できる教材の開発ということを、まずは令和8年度、先んじて着手したいと思っております。
右側、(2)番であります。(1)番はどちらかというと児童生徒が使う教材の開発というところが主眼でありましたけれども、右側の(2)番はそれと連動いたしまして、教師用の動画教材あるいは研修コンテンツを併せて充実させていきたいと思っております。
(2)の丸1番でございますけれども、動画教材・研修コンテンツの充実ということで、教員の負担軽減にも資するよう、授業で使える動画教材、あるいは教員向けの研修コンテンツ、こういうものを開発していきたいと思っております。
続けて、丸2番であります。先ほどの論点整理の中でも御紹介申し上げましたが、情報技術の適切な取扱いをしっかりと充実をさせていくことも申し上げましたけれども、この情報モラル教育推進事業ということで引き続き、情報モラルポータルサイトの充実でありますとか、授業で活用できる各種コンテンツの充実、あるいは指導者用セミナーの開催など、トータルに情報モラル教育を進めていきたいと思っております。
次のページをお願いします。このパッケージの(3)番、三つ目の柱でございます。先ほど御説明したとおり、中学校の技術・家庭科の家庭科を分離して、情報・技術(仮称)という教科を新しく新設したらどうかというこよが議論されているところでございますけれども、現状、中学校の技術科の免許保有者が非常に少ないという課題がございます。現状では、臨時免許状であるとか免外の仕組みを使って中学校の技術を担当している割合が多いといった現状がございます。これを解消するために、免許法認定講習を強化したいと思っております。
そのスキームは、この(3)の右の図のところでありますけれども、拠点大学ということを一つ指定して、拠点大学が中学校技術科の認定講習を開講するというスキームを考えております。この拠点大学はオンラインを前提としてプログラムを実施していくということでございます。オンラインでございますので、ある程度のキャパシティーを持って、各全国の先生方を受け入れられると思っております。ただ、中学校技術科でございますので、当然実習を伴うプログラムもございます。そういった場合には、この青いところ、連携大学というところありますけれども、地域にある連携大学が実習を伴う講習をサポートしていくというスキームを考えております。これらが一体になることで、全国で一つの認定講習を実施するというようなイメージで事業を考えておりますけれども、こういったスキームで、免許法認定講習を強化して免許状の取得者を増やしていきたいというのが(3)番でございます。
(4)番でありますけれども、外部人材の活用促進ということで、特にこの情報領域では非常に進歩が速いということもありまして、民間企業等の外部人材を活用することが有効だと思っておりますが、現在中学校の技術科では外部人材活用の手引のようなものはございませんので、これを作成するということを来年度の予算で考えたいと思っております。
次のページをお願いします。校務DX等加速化事業ということでございますけれども、この上の現状・課題の一つ目のポツの赤い字のところに書いてございますように、今年度の骨太の方針でも、校務DXを通じた働き方改革を加速していく必要があるということを指摘されております。この校務DXを加速化するためには、二つ目の丸にございますように、今の環境でできる校務DXと、システム構築のような環境整備を伴う校務DX、これらを両輪で進めていく必要があると思っております。また、三つ目の丸でありますけれども、校務DXの実現に当たっては、情報セキュリティ対策は大前提でありますので、ここも進めていきたいと思っております。
具体的な事業内容は下にございますけれども、特に丸1番の、今の環境でできる校務DXの推進ということで、現在私どものほうで校務DXチェックリストというものを設けて、それをセルフチェックしながら進めておりますが、特にこの校務DXチェックリストに基づく取組の優良事例を横展開するということですとか、あるいはこの校務DXチェックリスト自体の改善であるとか、校務DXチェックリストの項目を実施することによって生まれる効果、こういったものもしっかりと検証して発信をしていきたいと思っております。
次のページでございます。これは今年度の予算から引き続いての要求ということでございますけれども、GIGAスクール構想支援体制整備事業ということで、一つの補助金を要求しております。これは一つの補助金でございますが、メニューとしては左下(1)から(3)番の三つのメニューを用意しております。このメニューの内容も、今年度と同様ということでありますので、今年度から引き続いてこの補助事業を実施したいと思っております。
(1)番は、先ほど申し上げました校務DXを推進するためには、今の環境でできる校務DXと、環境整備を伴う校務DX、これを両輪で進めるということを申し上げましたけれども、この環境整備を伴う、すなわちシステム構築等を伴う校務DXを進める際に必要となるイニシャルコストを補助したいと思っております。ただ、この補助を受けるための条件として、都道府県域での共同調達・共同利用、あるいは帳票の統一を条件として補助をしていきたいと思っております。
(2)番、通信ネットワークのソフトの改善ということで、これも昨年度、今年度、重点的な課題として取り組んでおりますけれども、ネットワークアセスメントの結果を踏まえたネットワークの課題解決に係る初期費用、例えば機器の入替えであるとか設定変更等を補助していきたいと思っております。
(3)番として、教育情報セキュリティポリシーの策定あるいは改定の支援、あるいはセキュリティリスクアセスメントを実施する際に技術的なコンサルタントに必要となる経費を補助していきたいと思っております。
次のページをお願いします。端末の更新ということでございます。左の下、青いところが、公立学校のスキームでありますけれども、現在各都道府県に基金が設けられていて、この基金を基にして各自治体で更新が進められているところでございます。現在までのところ、令和7年度までに必要な費用はこの基金に全て積み立てられているわけでありますけれども、令和8年度以降に更新が必要となる部分については、新たに基金を積み立てる必要がございますので、この費用を令和8年度の予算で要求したいと思っております。
ただ、まだ令和8年度、9年度、10年度のどこで何台ぐらい更新をするかという、この精緻な数字が固まっておりませんので、一旦は108億円プラス事項要求として要求をしておりまして、年末の予算編成までに必要となる額、台数を精査して、必要な額を基金に積み立ててまいりたいと思っております。ただ、既に令和5年度の閣議決定で、今後5年間、同等の条件で支援をするということは既に閣議決定をしておりますので、必要な予算は確実に積立てをしたいと思っておりますけれども、この時点で額が確定できないという要素がありましたので、今回は全体として事項要求という形で要求をさせていただいております。
次のページをお願いします。生成AIの事業でございます。基本的には今年度実施している事業を継続して行っていきたいと思っております。具体的には、1番のところが実証研究でありますけれども、1のa、生成AIパイロット校での実証事例の創出を引き続きやっていきたいということと、bの教育課題の解決に向けた生成AIの実証研究事業というものを引き続きやっていきたいと思っておりますし、右の2の調査研究では、aにありますように、事例の収集であるとかウェブサイトの運営等々も引き続きやっていきたいと思っております。
次のページをお願いします。先端技術を利活用して教育課題を解決するという実証研究でございます。これも今年度に引き続きやっていきたいと思いますけれども、来年度はこの(2)、(3)にありますように、(2)のところは、教育課題から出発して、例えば不登校の課題を解決するにはどんな先端技術が使えるだろうかという観点で実証研究を進めていきたいと思っておりますし、(3)では、逆に技術から出発をして、こういう技術を使えばこういった教育課題が解決できるのではないか、こういった方向性で実証研究を進めていきたいと思っております。
次のページお願いします。真ん中のところ、事業内容の(1)番を見ていただきますと、文部科学省CBTシステム(MEXCBT)の改善・活用推進ということで、運用費、開発費等を要求していきたいと思っております。先ほど学力調査室長からも説明がございましたように、来年度は英語の実施がございますし、令和9年度からは全面的にCBT化をするということでございますので、そのためにもMEXCBTの運用開発をしっかりとやっていきたいと思っております。
(2)でありますけれども、デジタル学習基盤の在り方に係る調査研究ということで、一つ目の丸にありますように、例えばGIGAスクール構想で整備された端末の調達・活用状況の検証であるとか、今後のデジタル学習基盤の在り方を見通した調査研究であるとか、あるいは教育データ利活用に不可欠なデータ標準化の推進、あるいは相互運用標準モデルの更新、こういったことも調査研究をしていきたいと思っております。
次のページをお願いします。教育データ利活用の加速化に向けた実証研究ということで、この(1)、(2)にあるような実証研究を進めていきたいと思っております。
最後のページでございます。デジタル教科書でございますけれども、事業内容、左の下、丸1のところにございますように、先ほど教科書課長からも御説明がございましたが、令和8年度も全ての小中学校等で英語のデジタル教科書を提供するということ、そして、一部の小中学校等で算数・数学のデジタル教科書を提供するということ、こういったことを要求していきたいと思いますし、丸2番のところで、デジタル教科書の全国的な活用状況あるいは効果的な活用方法に関する調査研究、これを拡充して実施をしていきたいと思います。米書きに書いてございますように、高等学校での授業実践等のモデル創出メニューも新たに追加をして、実証研究を進めていきたいと思っております。
以上、駆け足でございますが、関連する概算要求を説明させていただきました。以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。情報量が多かったかなと思いますが、全部関係しておりまして、議題2は教育課程企画特別部会での審議状況の話。それが全国学力・学習状況調査にどう結果として表れつつあるのかのような話。また、CBTで学習状況調査を進めていきますから、そうするとこれはデジタル学習基盤の下でということになりますので、この点。そして、概算要求としては少し先回りしていろいろやるべきこともあるので、こういうようなことを要求しているというところでございます。
それでは、これから、お時間どれぐらいでしょうかね。あまりありませんね、やっぱり。皆さん、御意見をお願いします。議第2、3、4、いずれでも結構でございますので、ここのところと御指定いただいてお話しいただくとありがたいかなと思います。
では、利根川委員、お願いいたします。
【利根川委員】 説明、丁寧にありがとうございました。それぞれについてコメントを差し上げます。まず、議題2の教育課程のところです。本部会のスコープである情報活用能力に関係が深い情報技術ワーキングに向けた期待を中心に3点ほど申し上げたいと思います。
一つ目は、育むべき情報活用能力についてです。生成AIなど進展が速い情報の技術は、学校で学んでもその知識は陳腐化してしまうのではないかという指摘があります。では、陳腐化するから使わなくていいかというと、そういうわけでもない。そこでどうするのかというところなのですが、これまで10年間、各地の学校や実業界の方と関わってきたところから振り返って、何を本質的に育むべきかと考えますと、今後新しい技術が現れたとて、自分はその技術を学んで活用できるんだという信念のところ、ここでないかと私は考えております。
そのために必要な学習活動なのですが、実際、情報技術を用いて表現とか課題解決を経験すること、そのときに、先生が作らせたいものではなくて自分が本当に作りたいもの、この経験が何より重要ではないかなと考えています。ただ、実際の教室は様々な制約から、先生が作りたいものにとどまっている現状が多いと認識しておりまして、そこから脱するための情報技術の教育が、論点整理の素案の「「好き」を育み、「得意」を伸ばす」という記述の実現につながるのではないかなと考えております。
その上でもう少し具体で言いますと、2点目が、AIも含む体系的な情報教育というところですね。今回、体系的に情報教育をやっていきましょうという枠組みを示しましたが、実際には、ちゃんと授業実践が行われることが大事です。特に今の学習指導要領と変わるところ、そこをどうしていくかという実現可能性がやはり大事です。具体的に心配しているのは、小学校の情報の領域のところです。卒業時に身につけたい資質・能力をきちんと示す必要があると考えておりまして、その中でも、私からすると情報技術の特性の理解のところ、ここが先生方からイメージしにくいんじゃないかなというところを懸念しておりますので、どういう事例がいいのか、教材は、どういうものが適当なのかを具体的な姿を含みながら御検討いただきたいと思っています。
AIのリテラシーについても議論する必要がありますが、その際には、OECD等の国際的な議論ですとか、あるいは逆に、例えば研究開発学校などで実際に精力的に取り組んでいるところ、その辺りを今回の改訂議論においては取り込むという、ローカルとグローバル両方を見る必要があると考えております。
また、3つ目なんですが、今回の諮問で包摂性という観点が示されましたが、情報分野特有の包摂性の課題としてジェンダーのギャップがあるというのを申し上げたいと思っております。今の情報・技術の分野がどうしても男性中心になっています。どういうことが教室で起こるかというと、中学校の技術で、先生が何気なく車のスピードメーターなどの例示でしてしまいます。そうすると、女子生徒はそっと興味を失っていくみたいなことが、よく観察されています。
今後の議論においては、各ステップにおいて、そのジェンダーの観点、具体的には女子の観点から課題改善策がないかというのを留意する必要がありまして、それを女性の委員だけではなくて、ワーキンググループの全体の重要事項と認識して、各委員や事務局の皆様に御検討、御議論いただく必要があるかなと考えております。
とはいえ、大きな方向性としては、我々が今の学習指導要領が始まったときから感じていた課題に対して正面から取り組んでいると認識しておりますので、充実した議論がされて、2030年代の情報活用能力育成の指針が示されることを期待しておりますし、私自身も引き続き議論に貢献していきたいと思っています。
議題3の全国学力・学習状況調査については、先ほどのジェンダーの話と少し絡むんですが、今回初めて男女別の結果を出したことに非常に注目しております。理数系の得意、好きという観点では男女で差が出ているが、スコアではそんな差が出てないというところですね。実はこれ、同じ構造が情報の領域にもあるのではないかというところが、全国でこの仕事をしていると感じる部分でございますので、そういった観点も取組に当たっては御留意いただきたいと思っております。
最後、議題4の概算要求についてです。次の学習指導要領を見据えて、実践事例をつくるというところ、すばらしいと思っております。特に、新しい情報・技術科(仮称)では、GIGA端末だけではなくて、ハードウエアを含めた教材が必要になってくるかなと考えております。その際に、外国で作られている教材で事足りるのか、あるいはそれが本当に全国の各地の先生で実践できるのか、そのときに必要な予算措置はどうなのか。まずは実証のフェーズかと思いますが、本丸はその先にある普及の段階かなと思っております。効果的かつ低廉な教材が普及するよう、実証のフェーズのみならず、普及段階の予算措置についても、2030年代を見据えて早め早めで検討を進めていく必要があるのではないかなと思っております。また、中学技術の臨時免許・免外についても重要な課題であると認識しており、関連する施策を進めていただきたいと思います。ただし、様々な事情から「情報・技術が必ずしも好きではない」他教科の教員が技術の免許を取得することもありうると考えますので、彼らが良い授業ができることを意識した講習・研修の設計をお願いしたいと思います。
長くなりましたが、以上でございます。
【堀田委員長】 貴重な意見をたくさんいただきましてありがとうございます。続きまして、中川委員、お願いいたします。
【中川委員】 御指名ありがとうございます。中川です。私は、参考資料3の第4章、また、概算要求にあった情報活用能力についてコメントしたいと思います。
本委員会ではデジタル学習基盤に基づく情報の基礎、基本について特にスポットが当たっていると思いますが、特別部会や委員会等にかかわらず、デジタルにかかわらず、情報活用そのものに関しても総合的に能力向上を検討していく必要があると私は思っています。教育課程部会の教科等ワーキングでこの点を議論していただくことになると思いますが、総合的な学習の時間だけではやり切れないとも推測しますし、今後発足する情報技術ワーキングだけの問題ではないと考えます。その際、教科間で大きなグラデーションが出ないように、教育課程企画特別部会だけでなく、本委員会においても視野に入れておく必要があると思います。この点、今後も引き続き御検討いただければ幸いです。
以上になります。
【堀田委員長】 ありがとうございました。石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 よろしくお願いいたします。石井です。まず、(2)についてお話をいたします。論点整理の中にも、デジタル学習基盤や情報活用能力という用語が多々ちりばめられ、どのページにも入っているというくらいの書きぶりになっているなと思っております。1人1台端末は使って当たり前という状況だなと感じておりますし、また次期学習指導要領がスタートするときには、1人1台端末が地域格差、学校格差、教員格差ということが全てなくなって活用できるような状況にしておく必要があるなと感じました。
また、(4)についてお話しいたします。この予算書を見ると、これからどんなことをしていけばいいのかというところの、課題、現状がしっかりまとめられていて、さらに、具体的な取組が見えるような予算書になっていると思っています。作成ありがとうございます。
(4)のこの予算書についてですが、(2)の論点整理を受けて、これから実現していくために、やはり具体的な取組へ向けての実証検証というのは、令和8年度からもスタートしていく必要があるなと感じております。そのための予算として、新規事業だけではなくて継続している事業であっても、5億円から37億円の増額というところも見られております。やはり、デジタル学習基盤の強化が重要であるということを文部科学省も考えているということを強く訴える資料になっているなと感じておりますので、ぜひ予算獲得に向けて、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。西端委員、お願いいたします。
【西端委員】 はい、承知いたしました。では、資料のそれぞれにつきまして、一言ずつコメントをさせていただきます。
まず、資料2の論点整理の素案のところですが、13ページ、今回は時間の都合上、御説明を省かれたところではあるかと思いますが、ここからが非常に分かりやすかったというか、先ほどらせん型カリキュラムの話をさせていただきましたが、これがこういう形で図示されているということは非常に先生方にとって分かりよいだろうということと、一方で、我々教員養成系の大学におきますと、こういう図を作れるようにしないといけないというところからも、今までのような形とこのような図示のような形と並行して、ぜひこういうことが先生方の中で整理できる教員を養成しないといけないなと改めて思ったところでございます。
教員養成というところでございますと、次の資料、3-1の13ページでございますが、こちらで、ICT活用の効力感と自分と違う意見について考えるというところで御説明いただきました。ここは非常に、今、言葉に詰まったのは、大学生はまだ自分と違う意見についてなかなか述べにくいというところがあるところにおきまして、教員養成系の大学の中で、自分と違うというところをどうやって、大学生自身の自己効力感も高めないといけない、なおかつ、教員採用のことを考えますと、やはり今までも、例えば面接であったり実技であったり加点であったり、様々な形で、教員の強みというところを出して、見いだしていただいて、教員としてさせていただいているところでございますが、こういうところを考えなくてはいけないなと改めて考えたところでございます。
そして最後なんですが、資料4のところでございます。6ページですね。ありがとうございます。次世代校務DX環境の全国的な整備というところでございますが、御存じのとおり、奈良県は早々に県域で一括導入しておりまして、2019年から毎年いろいろな形で教員へのアンケートを取っております。それで、奈良教育大学の小﨑先生が中心になって今データをまとめているところでございまして、データの具体的なところというのは今月末の学会の発表をもって、またお話しさせていただければと思いますが、ただ、やはり先生方の中でも、県域のものが入って、最初に校務が入って、次にGIGAが入ったというところで先生方の大変さの部分が変わってきたりであったり、そもそものアンケート項目が変わるということは、取りたいと思っていることが変わってきたというところもありますので、そういうところ、また機会がありましたら御発表させていただければと思います。
以上でございます。
【堀田委員長】 奈良県を見習って、セカンドGIGAではそのようにしてきている地域もあると。つまり、先生方に異動もありますし、小さい教育委員会だけでは見切れないこともありますけど、県域でそこを上手にやってらっしゃる好例が奈良県にあるということで、大変期待しております。ありがとうございました。
【西端委員】 承知いたしました。ありがとうございます。
【堀田委員長】 森田委員、お願いいたします。
【森田委員】 まず、議題2の教育課程企画特別部会の審議については、非常に深い学び、情報教育の充実、教育課程の柔軟化、多様性対応と、本当に現代的な要請に応える施策が明確に示されているなと思いました。そして、改善という点でたくさんやるべきこと、やっていることが示されていますけれども、これが教員の負担感にならないのかというのを少し心配しています。教員誰もが全てを読み込める、理解できる、そういう情報発信、そしてその人も含めて分かりやすく納得感や安心感が持てるような示し方を、ぜひこれからも御工夫いただければなと思いました。
4ページと6ページですが、この新たな概念とか4ページは出てまいりますが、この点を十分注意していきたいなと。言葉が独り歩きしてしまう可能性などがあるんではないか、理解を難しくしてしまうんではないかと心配もしておりますので、ぜひ現場の教員にとっては分かりやすい、使いやすい、そういうものにしていただければと。それは学習指導要領も同じです。ですので、可視化というものが大分言われておりますけれども、言葉の使い方、それからデジタルのよさを生かしたリンクの活用なども十分に検討いただければなと思いました。
それから、情報教育の充実として、小学校の総合的な学習の時間に情報の領域、そして中学校には情報・技術科を新設するということが提案されておりますが、ぜひこれは実現していただきたいなと思います。そして、その情報活用能力ということについては、現場でも迷いが出ないように、学年ごとや発達段階ごとの具体的な目標とか評価方法も示していただければ、先生方も安心できるんではないかなと感じています。
それから、議題3の全国学力・学習状況調査については、やはり事前の操作練習、サンプル問題によるその準備というのが、まだ差があるのか、学校によって差があるんではないかなと思っています。ぜひ、学習eポータルの活用が全校で日常化するような、そんな方向に進んでいけばいいなと思っています。
また、調査実施後、即時に結果が本人にフィードバックされるという点では、効果が非常に高まりますし、学習力の向上にもつながるんではないかと感じています。さらに、CBT化によってこそできる情報、回答までに要した時間や入力のやり直し回数など、そういう学習行動の新たなデータの分析なども可能になるんではないかと感じています。あわせて、そのデータの分析については、可視化ですね、ダッシュボード化して返却できるとなれば、国が目指すデータ利活用の方向にもつながっていくんではないかと感じています。
そして、議題4の概算要求ですけれども、情報の理解、判断、発信までを含め、情報活用能力の強化を打ち出されている、本当にありがたいものだなと感じています。
技術科の免許のオンライン講習の整備ですけれども、教員不足というこの現実の課題に対しての方策として大変ありがたいと思っています。そこで、受講者が多忙で講習を受講できない、そんなことがないようにするために、受講を希望する教員の時間の確保とか、安心して受講できる仕組み、こういうものも併せて示していくといいのではないかなと思っています。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。横尾委員、お願いいたします。
【横尾委員】 ありがとうございます。幾つか意見を申し上げます。今回示された中で、私自身にとって大変インパクトが大きかったのは、資料4にあります令和8年度予算概算要求概要なんですけど、その中に、数字で明確に書いてありましたけど、48か国中31位が日本だということなんですけど、これをもうちょっと上げなきゃいけないと思うんですよね。やっぱり、トップにいきなりは難しいとしても、国民を挙げて国を挙げて、48分の31ではなくて半分以上、あるいはできたら10位とか、そういったことを目指して、各分野の皆さんが協力をして、このレベルを上げていくことがとても大切だと思います。そういったことをする中で、学力の向上や、こういう端末活用のスキルのアップとか、あるいはそれを使った応用的な学習の展開とかになっていくと思いますので、ぜひこれをみんな意識することが必要だと思っています。
また、幸いだったのは、今回も予算に入っていますけど、1人1台端末の着実な更新を推進するってことを明確に掲げていただいているので、各地方自治体、特に教育委員会の現場では、やっぱり更新を必要な分だけ必要なときに適宜やれるということが重要なことですし、その予算的なサポートを基金方式とかで今回対応していただいてますけども、あれば、市長部局、首長部局においても予算の配備あるいは予算の決定もスムーズに進むと思いますので、お願いしたいと思います。
また、これらと関連し、ほかとも関連しますけど、やはり教師の皆さんが御指導いただくので、教師の方々のモチベーションアップというのもどこかで加味していく必要があると思ってます。そういう意味では、最先端のベストプラクティスの活用の事例ですとか、さらには国を越えて他国でのこういったICT教育など、GIGAスクール的な学習については、どのような取組をして、どのような効果があって、もっと楽しく、あるいは効果のあるやり方があるということも教職の皆さんが知ることのできるような情報の提供、情報で知る知識のコンテンツでそのモチベーションを上げていく、そういったこともぜひ勘案いただいたらいいかなと思ってます。
一々、講演というのもあるんですけども、今はオンデマンド式で学ぶことができる時代ですので、そういうことをちゃんとコンパクトに準備すれば、それぞれの先生方が自分の御都合で、あるいは1週間や一月の間のカリキュラム、あるいはいろんなほかの校務をしながら自己調整してできますので、そういったこともぜひやっていただいたらいいかなと思ってます。
あと3点目、終わりですけれども、全国学力・学習状況調査のことが出ていました。この全国学力・学習状況調査については、今後どんどん注目が上がっていくと思います。このことは、スキルアップのこと、あるいは中身としてのコンテンツをよく理解して、ちゃんと判断や評価ができること、さらにはそのことに基づいて、応用して暮らしの中とか実践の中に生かしていくこと、こういった進化しをていくわけですけど、入口は端末の活用とか、いくつか示されたスキルのことがあると思いますけど、こういった流れをしっかり捉えながら学力としての力を上げていくことが、ひいては、冒頭に申し上げました48分の31か国ではなくて、国としてそういったデジタル人材のストックができる、また育成ができる、そしてそのことが、産業界あるいはアカデミアなどなど、国力のアップにもつながっていきます。このことはもう今後必要なことなので、ぜひ文部科学省におかれまして推進いただくことを心から期待したいと思います。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。続いて高橋委員長代理に御指名いたしますが、次の議題もございますので、今日ここの御意見は高橋委員長代理までとさせていただきます。それでは、お願いいたします。
【高橋委員長代理】 ありがとうございました。議題2番、3番、4番を伺いまして、既にデジタル学習基盤の役割で、本当に学校教育のベースラインというのが上がり始めているなと感じました。例えば、この全国学力・学習状況調査のところで、ICT機器を活用する自信がある生徒ほど探究的な学びに自信を持っているとか、あるいは自分にはよいところがあるといったような回答というのは、やはりこのデジタル学習基盤というのが非常に効いているんじゃないかなと思います。
私も学校回っていて感じるのは、非常に子供が、やり直しができるというか、例えば新聞とかを作っていても、最初、計画立てるというようなやり方でやっとの思いで画用紙とかに書いていたところが、もういきなり思ったことを書き始めても、後から記事の入替えができたり、やり直しができたりするということで、やり直しをすればするほどいい新聞ができていくような活動を通して自信を持つということが、いろいろなところに影響していると思いますし、先生方がデジタル学習基盤の手応えを毎日のレベルで感じるというのは、学力が上がるということももちろんそうかもしれませんけど、こういった日々のささやかな子供の自信みたいなところが見取れたときだと思いますので、こういった結果が増えていくということが非常に重要だと思いますし、これが結果的に深い学びとか高い資質能力の育成につながっていくものじゃないかなと思っています。これがまず1点です。
二つ目は、教育課程のほうで、特に実現の可能性の確保という観点から考えて、そこにデジタル学習基盤ということが書かれているわけなんですが、ここに書かれている、高度専門職としての教師であるとか、裁量的な時間で余白とか、勤務環境とか、こういうのは、僕は全て、大ざっぱに見ると情報の流通を効率的、整理していくということが非常に関していて、重要なんだと思います。高い資質能力であるとか包摂とかいうことも、増えた情報を適切に処理していくことが求められている傾向にあるんだと思います。
例えば、全国学力・学習状況調査でも、今回理科においてIRTによって報告書が厚くなったとされておりますが、調査を手厚くすればするほど情報の流通量が増えてきて、それはもう紙や鉛筆では処理し切れない情報量であって、コンピューターの中を使ってどういうふうに処理していくのか、ますますデジタル学習基盤が重要ですし、それらを扱える教師教育であるとか研修であるということも重要ですし、また子供のほうも、将来もっと情報量が増えていくことが予想されるわけですから、情報活用能力も必要なんだなというふうに思っています。
情報活用能力のほうで、私が関わっている研究開発学校の様子を見ると、やはり、調べたりまとめたり伝えたりという活動を取り出してトレーニングしている成果というものがすごく効いてて、どこの教科でも大体調べてまとめて伝えるという活動があって、そういうところが鍛えられて、情報活用能力として鍛えられていくことが、本当に教科で高い資質能力を育んでいくために重要だと思います。
一方で、少し心配だというのは、その後、学校内での情報の流通という観点からでよく整理していくと、校務システムのところはやや心配がございます。特に校務支援システムのほうですね。こうした複雑化した教育課程を受け止めるとかいうほどの精度に上がっているのかというのは、何年か携わっていて少し心配があります。
例えば、我々どものほうで要求仕様というか仕様の要件を定める必要があると思っています。教育課程が柔軟になっていけばなっていくほど、職員の働き方が柔軟になればなるほど、扱うべき情報量は増えていきますから、そのためのシステムというのが非常に重要になってきます。これを民間のほうにお任せするだけでは、多分なかなか変わらないというのがこの数年来の話だと思いますので、この後、予想されるたくさんの情報をどう受け止めていくのかという観点で、全体を見直し、さらに深めていくということが重要と感じたところです。
私からは以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。議題についてはここまでにしたいと思います。私から一言だけ、ちょっと付け加えておきます。
資料2の62ページを提示していただけますでしょうかね。先ほど学力調査室から御報告あったように、子供たちがICTの活用に自信があると、各教科等の学力とも相関しているのみならず、様々な期待される学習活動のところに影響が出るということが報告されました。それはすなわち、この図でいうところの右側ですね、情報活用能力が各教科等の学習の基盤として発揮されていくことで、彼らに自信が伴って、期待される学習活動が各教科において行われて、そしてそれが学力に影響している、そういう好循環が見てとれると思います。
1ページ戻っていただいて61ページに行くと、次期学習指導要領では、特に小学校では情報の領域を設置することになっておりますけれども、ここできちんと情報活用能力が身につくことで、その下にある、各教科等への影響とか、総合的な学習の時間への影響、活用と書いてありますけど、中学、高校への縦の、この図でいうと横ですけど、連携ですね。こういうことを考えたときに、この小学校の情報の領域がしっかりと、ICT使ってみたというだけではなくて、ちゃんと身につくようなカリキュラムになるということが非常に重要かと私は感じております。
幸い、エビデンスが出つつあるので、ただ、地域格差がありますから、この地域格差がなくなるためにも学習指導要領がそういう方向に動くというのは大変望ましいことであると同時に、気をつけてこの情報の領域のカリキュラムを整備していかなければならないのではないか、それを今日的なものにするべきだというのが先ほどの利根川委員の御意見かなと受け止めております。ありがとうございました。
若干時間が押していて大変恐縮ですが、最後に議題5がございます。議題5は、学校教育情報化推進計画の見直しについてということで、寺島課長より御説明をお願いします。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。議題5について簡単に説明をさせていただきます。議題5は学校教育情報化推進計画の見直しについてということでありますけれども、まずは参考資料4のほうから少し御覧いただきまして、この学校教育情報化推進計画の位置づけを少し確認しておきたいと思います。
参考資料4でございます。縦のほうの資料です。今、映っておりますのが学校教育情報化推進計画の本体ということでございますけれども、右肩のほうに日付が入っておりますが令和4年12月26日に策定をされたものでございます。
この縦の資料の23ページまで飛んでいただきまして、もともとこの計画の根拠になっている法律というのがございます。今ここに映っているように、学校教育の情報化の推進に関する法律というのが令和元年に制定されました。これは議員立法で制定されたものでございますけれども、この法律の第八条というところに、文部科学大臣は、学校教育の情報化の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、学校教育の情報化に関する計画を定めなければならない、こういった規定がございまして、この本体であるこの計画が定められたといった経緯でございます。
すみません。この計画の10ページのところを見ていただきますと、この計画の3に計画の期間という定めがございます。計画の期間を確認しておきますと、本計画は、今後5年間に取り組むべき施策の方向性について示すものであると書かれております。この策定が令和4年12月でありますので、基本的には令和4年12月から令和9年12月のこの辺りが、この計画のターゲットとしている期間ということであります。
ただし、技術革新のスピードが速いICT分野の特性を踏まえて、必要に応じ随時更新を加えるとともに、策定から3年後をめどに見直しを行い、次期計画を策定するものとするという規定がございます。この最後のところに、策定から3年後をめどに見直しを行うと書いてございますけれども、これが、令和4年12月から見れば、3年後というのが令和7年12月、今年の12月ということでございます。
それで、この3年後を目途に一旦見直しを行って、次期計画を策定するものとするというふうに書いてありますので、この3年後の見直し、すなわち今年度の見直しを経て、次期の計画ということは、令和9年12月以降に新しい計画をつくるのだと、そもそもこういう立てつけになっているということをまず御説明させていただきました。
その上で、資料5のほう、横の資料に戻っていただきまして、今申し上げたことが1ポツに書いてございます。令和元年に成立をしたこの法律に基づいて、令和4年12月にこの計画が策定されたということでございます。そして、2ポツ、計画の期間が、まさに今申し上げたとおりでありますけれども、令和4年から5年間の計画ということでありますが、策定から3年後をめどに見直しを行うということになっていて、策定から5年後には新しい計画をつくる、こういう期間が定められているということでございます。したがって、今から御議論いただくのは、この策定から3年後をめどに見直しを行うという、ここの部分をこれから御議論いただきたいと思っているところでございます。
3ポツのところに、策定3年後見直しと今回呼んでおりますけれども、策定3年後見直しのポイントということで少し書かせていただきました。令和4年12月に策定をされてから今まで、2年、3年弱がたつわけでございますけれども、ここに書いてあるような幾つかの変化が生まれております。ICT環境整備の進展ということで、端末の整備であるとか、ネット環境の整備であるとか、デジタル教科書の普及等であるとか、あるいは先ほどの学力調査の結果でもありましたけれども、学校現場でのICT活用の定着であるとか、あるいは生成AIの急速な社会への普及であるとか、こういったような変化が生じているというところでございます。
一方で、この計画の本体をとして、2ページ目以降を見ていただくと、この計画の概要が書いてあるわけでございますけれども、第1部の総論というところを見ていただきますと、今後の学校教育の情報化の方向性について、以下の四つの観点で整理をするのだということが書いてあります。一つ目に、ICTを活用した児童生徒の資質・能力の育成、二つ目に、教職員のICT活用指導力の向上と人材の確保、三つ目に、ICTを活用するための環境の整備、そしてICT推進体制の整備と校務の改善ということ、四つの観点ということを整理して、3ページ以降の各論については、この四つごとにそれぞれ施策を整理した。こういった構成になっているというのが今の計画ということでございます。
1ページ目にお戻りをいただきまして、3ポツの二つ目の丸のところでありますけれども、今申し上げた四つの観点というのは、先ほど申し上げた、変化を踏まえた上でもこの四つの観点自体は引き続き重要な観点であろうと考えております。したがって、一番最後の丸でありますけれども、今般の計画の見直し、この策定に当たっては、3年後見直しということでありますが、現行の計画に定める基本的な方針、この四つの観点ということは維持をした上で、現在に至るまでの変化を踏まえて、現状の認識や必要な施策をアップデートする。こういった観点で3年後見直しをしてはどうかということでございます。
そして、その先には、この5年後の次の計画ということが出てくるわけでございます。次の計画の時期ということに少し目を向けてみますと、先ほど申し上げましたように丸5年というのは令和9年12月ということでありますので、年度でいうと令和10年度に入るあたりのところが次の新しい計画の策定のタイミングということになると思います。例えば今の端末の更新、この基金を活用した端末の更新というのは令和10年度まで行うということになっていますので、恐らくこの第2期の更新というのは大体終わって、第3期はどうなるのかということが考えられる時期だろうということです。
あと、先ほどの議題の2の中で、学習指導要領の改訂という議論がございましたけれども、まだ改訂の時期は正確に決まっているわけではないですが、例えばこれまでの改訂のスケジュールを踏まえれば、恐らく令和10年度あたりから先行実施のようなことが始まるタイミングなのではないかということが考えられますので、恐らくそのタイミングでまた新しい観点での計画ということは必要になると思っておりますけれども、今現在のこの3年後見直しという点で申し上げると、必要な施策のアップデートといったような見直しをすることが適当ではないかと現時点では思っておりますが、この辺りについて委員の御意見を伺いたいと思いますし、この3年見直し、年度でいうと、ちょうど令和7年12月は丸3年ということでございますから、今年度中ぐらいをめどに見直すというスケジュール感で考えていきたいと思っておりますので、この委員会においても、いずれも具体的な改訂案ということを議論していただくことになると思いますけれども、今日のところはこういった3年後見直しがあるということで、そのキックオフとして、少し大所高所から御意見をいただければということでございます。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。今日、これを最後にしたのは、前が押してしまうという懸念もあってですが、今、御説明いただいたように、これは今日で結審するものではありません。ただ、御事情を説明いただいたように、非常に重要な法律の下でつくられている計画で、今すぐ見直す必要があるわけではないけども、技術の進展は非常に速いので、ようやくGIGAも定着してきて、現場の実態も随分進んできているし、全国学力・学習状況調査等にもそれが反映されている事実を考えたときに、現状でできるアップデートは今期のうちしておくと同時に、次の改訂のときにはどうしておけばいいかの議論を始めておきたいということでございます。
五、六分しかないんですけど、何か御意見がある方はぜひ御意見を承りまして、それを今日のキックオフ、この議題のキックオフとさせていただきたいと思います。
利根川委員、お願いします。
【利根川委員】 手短に。基本的な方針堅持ということなんですけれども、これだけ生成AIというのを日々やっている立場からすると、直感的にはすごい違和感を覚えたというのが正直な感想でございます。どういうメッセージになるのかなみたいなところが気になっております。
また、その生成AIというのが、昨今、教育全体の重要なイシューである先生の成り手不足とか働き方改革という観点と、実際、生成AIの活用が進んでないのと、この差があるわけですよね。なので、計画で描いた世界が実際できてないところ、何があるのかというところを本来であれば分析して、見直しにおいて反映するというところが必要かなと思っております。
そのほか、またメールで事務局に申し上げます。
【堀田委員長】 メール等でいただくとありがたいです。今の件は計画できなかった部分なので、そういう意味では、そういう新しい技術開発が出てきたときに、これが非常に有効と考えられるときにどのように吸収していくかということは、認識として大事なことだと思います。ありがとうございます。
続いて亀田委員、お願いいたします。
【亀田委員】 ありがとうございます。この推進計画の見直しについては、今、利根川委員もおっしゃっているように、本当にもう生成AIの日々進化が激しいですので、これはもう本当に随時見直しが図れるものということで、本当にありがたいことだなと思います。
私、地方行政に携わる者として懸念していることを少しお伝えさせていただきたいと思います。リーディングDXスクール事業、本当に画期的なすばらしい事業で、私ども指定をいただいたおかげで、全国の皆様とつながったり、そしていろいろな、どういう整備をしているかという全国の各インフラ状況も把握させていただいて、その使命としては、今後地元の県の中でそれをしっかりと指定地域の任務を果たして広めていくことだなと感じている次第です。
そんな中で、やはり地元の県内を見ますと、いろいろと情報が入る、入らないもあると思います。自分で取りに行くものだと言われたらそれまでかもしれませんが、やはり格差といいますか、差が見られているのが実態です。全国の都道府県の中でも、指定地域はある程度のいろいろインフラ整備がなされているけど、もしかしたらというところがあるかなと思います。
そう思いますと、この推進計画を見直される際に、どこまで各教育委員会のスタッフが理解できて、そしてそれを、首長部局、財政当局も含めてしっかりと説得をしていけるのか。そして、いろいろ熱い思いも含めてですけども、しっかりと、こういう計画を見直すんだ、そして国の流れはこうなんだ、なのでこれだけの予算をうちはつけてほしい、こういう整備がまだ不足してるからやりたいというふうな説得力を増して言うにはどうしたらいいのか。ここはやはりすごく悩ましいところかなと思っています。
各基礎自治体の指導主事、そして教員上がりの課長、この辺りがキーパーソンになろうかと思いますが、リーディングDXでつながらせてもらって、ちょっと学んだことが、行政職の課長さんがものすごく理解を示していらっしゃる自治体においては、学校現場から上がりの指導主事、課長さんじゃなくても、かなりのインフラ整備をしていただけるんだなということを感じた次第です。ですので、いかに指導主事とか教員の課長が、行政職の課長さんたちとつながり合いながら、首長部局のほうに説得力のある説明ができるかというところも、この計画とともに必要かなと感じた次第です。この辺りのまた御支援も賜れると幸いだと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。それでは奈須先生、よろしくお願いします。
【奈須委員長代理】 この学校教育情報化推進という考え方なんですけど、これまでの学校教育を情報化することを推進するという話なのか、すっかり情報ということの意味が変わって、社会の在り方さえ変わった中での学校教育をデザインし直す、それを推進するという話なのかは全く違うんだろうと思って、先ほど利根川委員がおっしゃったことでいうと、後者をどこかでイメージしながら、これはもう進めたほうがいいと思います。
例えば、大臣諮問文の中にAI翻訳を使うことを考えたら、英語教育はどうなりますかという問いがあって、これは今後、当然、英語のワーキンググループでしっかり御議論いただくことなのでまだ個別の議論はしてませんけれども、そのくらいの大きな変化が視野に入ってきている。この間、国語教育で作文を頑張っている先生とお話ししていたら、作文教育だって本格的に生成AIが入ってきたら全く基盤が変わりますかねと言われて、当然変わりますよね。
作文、文章を生成し、よい表現を作るという資質能力は国語科の中で非常に重要なものですけども、本当にもうその基盤が動くかもしれない。それを使うか、使わないかという論争もあるけれども、確かなことは、情報巡る状況によって人間の知的な営みそのもののベースが動いているということだと思うんですね。そういう時代が来るし、子供たちはそれをデジタルネイティブとして当たり前だと感じているわけで、そんな子供たちにどんな教育をするかということが問われていると思います。
だから、これまでの学校教育の情報化を進めるのではなくて、情報化していく社会、それが何かということをしっかり見据えることと、その中で教育がただ追随するのではなくて、本質的なところとして教育の機能とは何かということをしっかり考えなくてはならないと思います。子供を育てるということはどういうことなのかということを、変化する状況に振り回されずにしっかり考える。その中で、そういう社会の中での学校教育をリデザインするのかなと僕は思っていて、それは今回の学習指導要領全体もそうだと私個人は思っていますけど、特にこういうデジタル学習基盤特別委員会とか、学校情報化推進計画の見直しという作業は、そこを構造的に、また、御専門の先生方もいらっしゃるので、しっかりと検討できるところだと思っていて、その辺がどうかと思いながら大きい話をしましたけれど、期待をしていますというか、難問にぶつかりましたねというような気がしておりますというのが私の考えです。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。難問の御指摘ありがとうございます。これは全く難問でございまして、私としては、令和元年のこの法律というのは、例えばこの私どもの委員会の存在価値みたいなことを示してるんだとも思います。こういう重要な法律に基づいて、今ちょうど次の学習指導要領に向けて、新しい時代の教育はどうあるべきかという議論がされてますから、そういうことを含み込んで、私たちはこの整備や推進を考えていかなくてはならないと思いますし、そう考えたときに、私としては、今後の方向性として、四つの視点はこれでいいと思いますが、やっぱりより一層、各地域だけの努力ではなかなか難しいような、例えば、企業の努力に委ねられるかもしれないけども、システム間連携とかデータ連携がうまくいくことで、スムーズに必要なデータがうまく取り出せたり動かせたり、それによって先生たちの働き方を楽にしたり、子供たちの学びの状態をすぐに可視化できたりみたいなことですね。こういうようなことを支える部分というのがあるのかなと思います。この辺りはそれぞれの分野でそれぞれの方々が御努力されてますけど、それが、いろんな利益の関係とかいろんなこともあってなかなか難しいところがありますから、国の方針としてしっかりと、基盤整備って一言で言うとそういうことだと思いますけど、進めていくべきところかなと思います。
というわけで、今日の議事はようやく全て終了いたしましたのでここまでといたしますが、次回の予定につきまして、事務局から御説明お願いします。
【大林学校デジタル化PTサブリーダー】 次回の本特別委員会の日程につきましては、追って事務局からまた御連絡を差し上げたいと思ってございます。
【堀田委員長】 分かりました。
それでは、本日の会議、ここまでといたします。
皆さん、どうも御協力ありがとうございました。
議題1について
(委員会中の発言と重複しますが)資料1-2について、そもそもデジタル教科書の在り方として何が良いのかを、 P.2 で明示しないと、詳しい方には伝わるが、そうでない方にはいまいちピンとこないままになるのではないかと危惧している。これからデジタル教科書を広めていくにあたっては、そちらの属性の方が大事であるので、改めてなぜデジタル教科書なのかを示す必要があるのではないか。
議題4について
(一部、委員会中の発言と重複しますが)2030年代の、中学校情報・技術科では、GIGA端末に加え、ハード教材が不可欠になると思う。効果的かつ低廉な教材が普及するよう、実証フェーズのみならず、普及段階の予算措置についても、早めにご検討を進める必要があると考える。
また、臨時免許・免外についても重要な課題であると認識しており、関連する施策を進めていただきたい。ただし、様々な事情から「情報・技術が必ずしも好きではない」他教科の教員が技術の免許を取得することもありうると考える。彼らが良い授業ができることを意識した講習・研修の設計をお願いしたい。
議題5について
奈須委員が発言されていたように、見直しの前提として「学校教育の情報化」とは何かを改めて考える必要があるというのは大変重要な指摘であると考える。現状認識と今後の課題を整理し、課題への対応策をご検討いただきたい。その際、特に、生成AIの進展と教育に与える影響について考える必要があるだろう。計画策定当初の指標の達成度の確認と、未達の場合にはその要因を検討を行っていただきたいが、このときも、生成AIの進展によって変化していることはないか、AIの進展によって達成期日の前倒しや指標の見直しは必要ないかという目線でチェックいただきたい。また、計画と関連する、以下のような文書等との関係性も整理するのが適当ではないか
例えば、議題1の議論でも述べたが、デジタル教科書を安定的に使用するためには、高速大容量ネットワークの整備が必要。計画には「ネットワーク速度の実測値や、アセスメントの実施状況」が指標になっているが、いつまでに何を達成しなければならないかの記載はなく、「教育DXに係るKPIの方向性」にその具体的な記述があるなどといった事態が発生している。どこに何が定められているのか、関係者にとってわかりやすい整理をお願いしたい。
なお、生成AIに関する指標としては現状、「教育DXに係るKPIの方向性」で「生成AIを校務で活用する学校」をR7までに50%にするとのKPIが示されているが、それだけで十分なのか、見直しの前提と合わせてご検討いただきたい。
―― 了 ――
初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチーム