高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第9回)議事録

1.日時

令和5年8月24日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室(WEB会議も併用)

3.議題

  1. 中間まとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【荒瀬主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ第9回を開催いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございます。
 この会議、本日もウェブ会議システムを併用しつつ、文部科学省内の会議室で開催とさせていただいております。また、傍聴者の方につきましては、YouTubeにより御視聴いただいております。
 なお、本日、報道関係者から、録音及び写真撮影御希望のお申出がありました。これを許可しておりますので、委員の皆様におかれましては御了承いただければと思います。
 では、本日の会議の配付資料についてですが、事務局の異動もあったということを聞いております。あわせて御説明をよろしくお願いいたします。
【松田参事官補佐】  事務局でございます。まず、異動についてでございます。
 8月8日付で大臣官房文部科学戦略官として梶山が着任しておりますので、よろしくお願いいたします。
【梶山戦略官】  水田の後任の梶山と申します。よろしくお願い申し上げます。
【松田参事官補佐】  続きまして、本日の配付資料でございますけれども、議事次第のとおりとなっておりますので、不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
【荒瀬主査】  では、議事に入ります。
 本日は、中間まとめの取りまとめに向けて御議論いただきたいと思っております。資料について御説明をよろしくお願いいたします。
【松田参事官補佐】  それでは、説明させていただきます。資料1、高等学校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめ(案)でございます。
 まず、「はじめに」のところでございます。1ページ目でございます。こちらで、この中間まとめ案の性質を示してございまして、本日も含めまして、これまで9回の会議を開催し、議論を重ねてきていただいたところでございます。今後も引き続き、これからの高等学校教育の在り方について議論を深めていく必要があるが、その中で、直ちに対処すべき課題も明らかとなってきたところ、このため、これまでの議論も踏まえ、委員間で一定の共通認識が得られ、速やかに取り組むべきと考えられるものについては、本中間まとめにおいて、その具体的方策を提示することとする、そのようなものを書かせていただいております。
 続いて、2、これからの高等学校の在り方に係る基本的な考え方でございます。
 今日、高等学校への進学率は約99%に達し、それゆえ、高校生それぞれの有する入学動機や進路希望、興味・関心や学習経験、学習意欲、背景にある生活環境等は非常に多様なものとなっている。また、それを受けて、学校教育の実態も地域・学校により大きく異なっている。そうした状況を踏まえて、各高等学校において、生徒一人一人の個性や実情に応じた多様な可能性を伸ばす「多様性への対応」を図りつつ、高等学校教育の質確保・向上を目指すに当たっては、全ての生徒がその後の進路に関わらず、社会で生きていくために広く必要となる資質・能力を共通して身につけられるよう「共通性の確保」を併せて進めることが必要である。
 この共通性の確保については、教育基本法や学校教育法等の各種法令により、制度上、一定程度その実現が図られている。すなわち、生徒が国家・社会の形成者として必要な資質・能力を着実に身につけることができるよう、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等、学びに向かう力、人間性等を育み、知・徳・体のバランスの取れた成長を図り、生涯にわたり学習する基盤が培われるように教育を行うこととしている。こうしたことを確実なものとしていくことが、全ての生徒の可能性を引き出すために必要であり、高等学校における共通命題となっているというところでございます。
 そして、平成26年6月の中央教育審議会の議論においては、社会・職業への円滑な移行に必要な力、そして市民性、これが全ての生徒に共通して身につけるべき資質・能力の重要な柱ということで、特に重視していくべきとされております。この議論も踏まえて、平成30年に高等学校学習指導要領が改訂されているところでございます。それと前後する形で、平成28年に選挙権年齢、令和4年に成年年齢が引き下げられているところでございます。また、生成AI等の急速な普及、そうした変化も生じているというところでございます。
 そのような今日の状況に鑑みれば、それぞれの高等学校において共通して取り組むべき特に重要なこととして、自己を理解し、自己決定・自己調整ができる力の育成、自ら問いを立て、多様な他者と協働しつつ、その問いに対する自分なりの答えを導き出し、行動することのできる力の育成、自己の在り方・生き方を考え、当事者として社会に主体的に参画する力の育成、義務教育において修得すべき資質・能力の確実な育成など、知・徳・体のバランスの取れた土台の形成が挙げられる。これらの力の育成が全ての高等学校において着実になされるよう、国や教育委員会等の高等学校の設置者の取組の下、学習指導要領が掲げる理念の各高等学校への一層の浸透を図りつつ、これからの教育課程の在り方として、「総合的な探究の時間」を教育課程の基軸に据えながら、各教科・科目等の相互の関連を図る中で、高等学校生活全体での学びの充実を図ることが今後特に重要である。
 他方で、多様性への対応として最も重要なものの一つが、在籍する生徒の希望する進路の実現に必要となる多様な学習機会の提供であると言える。しかしながら現状では、学校の立地、リソース等に伴う制約により、学校が生徒の多様な学習ニーズに対応し切れていない、もしくは潜在的なニーズを引き出せていないといった課題がある。また、各課程に関する制度等によって、不登校経験など多様な背景を有する生徒の受入れが特定の学校・課程に偏っていたり、生徒の在籍する学校、課程、学科により、その後の進路の固定化が生じやすかったりするといった課題もある。こうした課題を解消するために、地理的状況や各学校・課程・学科の枠に関わらず、いずれの高等学校においても多様な学習ニーズに対応し、潜在的なニーズに応える柔軟で質の高い学びを実現し、全ての生徒の可能性を最大限に引き出すことができるようにしていくべきである。このための方策として、教科・科目充実型の遠隔授業や、通信の方法による教育の活用、学校間連携等の促進、家庭や地域、企業等の関係機関との連携・協働等が特に有効であると考えられることから、必要な体制・環境を整備しつつ、これらを一層進めていくことが重要であると考えられる。
 期待される効果として、以上のようなことを通じて、多様な生徒が学ぶ高校において求められる「共通性の確保」「多様性への対応」を果たしていくことによって、高等学校全体の一層の質の確保・向上、各高校のスクール・ミッション、スクール・ポリシーを踏まえた多様で特色ある教育活動の展開など、生徒を主語にした高等学校教育の真の実現が期待されるというふうなところを挙げてございます。
 また、留意すべき点として、「共通性の確保」「多様性への対応」に各校が取り組む上で、国や高等学校の設置者の取組の下、高校の役割の明確化、学校・教師が担う業務の役割分担・適正化を図るなど、学校における働き方改革を総合的に推進すること。管理職も含めた教師について、リスキリング等を通じた資質・能力の向上や、体制・環境整備を推進すること。高等学校入学者選抜の在り方や、高校教育に与える影響が大きい大学入学者選抜を改善すること等を併せて進めていくことも重要であるというふうなことを掲げてございます。
 続きまして、3、各論点に対する現状・課題認識と具体的方策でございます。そのうち、まず1つ目、少子化が加速する地域における高等学校教育の在り方でございます。
 少子化の影響によって、多くの地域で統廃合が進み、令和3年5月1日時点で、約65%の市区町村において公立高校の立地が0または1となっております。0が約28%、1が約37%という状況でございます。今後も15歳人口の減少は一層加速し、令和19年には、令和5年の約108万人から約78万人、約28%減になることがほぼ確実な状況となっておりまして、都道府県において公立高校の適正規模・適正配置に関する議論が一層加速することが見込まれるところでございます。
 そうした際に、一定の小規模校を地域に残す必要がある場合に、小規模校のメリットを最大化するとともに、課題を最大限解消し、教育条件の改善につながる方策を国として考えていくことも必要である。このため、遠隔授業の活用や学校間連携の推進に取り組むべきと、そうしたことを掲げてございます。
 他方で、遠隔授業や学校間連携等について、授業時間や教育課程の不一致、体制上の課題等により実施が難しい場合があるという課題もございます。そうしたことを踏まえて、必要な制度の見直し、体制・環境整備などの支援策を考える必要があるとしておりまして、それぞれ、その後具体的に示しておりますけれども、まず1つ目、遠隔授業における受信側の教室の体制でございます。教科・科目充実型の遠隔授業の実施に当たっては、指導や支援、机間指導、安全管理等を行う観点から、当該教科の免許保有者であるか否かは問わないものの、原則として、受信側の教室に当該高等学校の教師を配置するべきことを求めております。他方で、こうした遠隔授業を行う必要性が特に高い中山間地域や離島等に立地する小規模高等学校においては、多様な科目開設や習熟度別指導等を行い、生徒の多様な進路実現に向けた教育を実施しようとする場合、受信側の教室に教師を置くことが難しいといった課題がございます。
 このため文部科学省では、COREハイスクール・ネットワーク構想事業において、教師の配置に代えて、実習助手や学習支援員など、受信校の職員としての身分を有して安全管理や学習支援等を行うことができる者の配置をすることを特例的に可能としまして、小規模校の受信側の体制の在り方について実証研究を実施しているところでございます。この研究は令和5年度まで行われる予定でございますけれども、これまでの研究結果からは、遠隔授業の受信側の教室の体制について、生徒と授業者のコミュニケーションのフォローや生徒のサポート対応等は教師でないと難しく、多様な授業方法の展開や、生徒の見取り支援等の観点からは教師が受信側に配置されることが望ましい。机間指導代行や機器の接続トラブル対応等については、実習助手や学習支援員など、教師以外の当該学校の職員でも対応可能であること、そうしたことが分かっているところでございます。
 こうしたことを踏まえれば、受信側の教室の体制について、原則としては引き続き、教師を配置し、生徒の状況に応じたきめ細かな指導・支援が行われることが望ましい。他方で、中山間地域や離島等に立地する小規模高等学校において受信側の教室に教師を常時配置することが困難な場合で、受信側の教室における生徒の数や、生徒が必要とするサポートの内容等に照らして、教育上支障がないと考えられる場合には、一定の基準の下、教師の配置要件を弾力化していくことも必要であるということを掲げてございます。
 さらに、小規模高等学校の中には、当該高校に配置されている教職員の数等の事情によって、受信側の教室に、教師はもとより職員を常時配置することも難しい場合があるという指摘もございます。このため、受信側の教室における教師や職員の具体的な配置の在り方について、常駐せずとも、配信側の教師の授業の運営上に差し支えなく、かつ受信側の教室において生徒の安全管理上の方策を十分に取ることができる配置が可能かどうか検討すべきである、そうしたところを掲げてございます。
 続いて、遠隔授業における対面授業でございます。教科・科目充実型の遠隔授業では、履修する各教科・科目ごとに年間2単位時間以上の配信側の教師による対面授業が必要となっております。この要件について、配信側から受信校までの距離が遠いことによって、配信側の教師が一つの受信校への移動に数日費やし、その間の他校への授業配信ができなくなるなど、出張負担が大きく、実施に支障が生じる場合があることも指摘されております。
 この対面授業について、生徒との関係構築や実験・実技指導等のために必要であることから、年間2単位以上実施するという原則は引き続き維持することが適当であると考えられる。一方で、そうした出張負担が大きく、小規模高校において多様な科目開設を妨げてしまっている状況においては、教育上支障がないと考えられる場合には、一定の基準の下、対面授業の要件を弾力化していくことも必要であるということにしてございます。
 続いて、遠隔授業における配信方式でございます。遠隔授業には、学校間で連携する形で実施している都道府県や、配信センターを置いて各学校に配信する形で実施している都道府県があるが、学校間で連携する形においては、両校の時程統一や配信側の教師の負担等を考慮する必要があることから、配信センターから配信する方式のほうが円滑に実施しやすいとの意見が実証研究の中で多く出ております。他方で、こうしたことに向けては相応の体制・環境整備が必要となるため、国において配信センターの設置・運営に関する財政的な支援を行っていくべきであるということを掲げてございます。
 続いて、通信教育の活用というところでございます。高等学校で、学校間連携による地域留学をはじめとする生徒の多様な学びを後押しする観点から、対面授業や同時双方向型の遠隔授業と比較して教育の質の確保が十分に担保されている限り、生徒が有する特別の事情に応じてオンデマンド型の学習を可能とする通信教育を認めていくことも必要である、そうしたことも掲げてございます。
 そして、これらの留意すべき点でございます。小規模校の課題を最大限解消し、多様な学習ニーズに対応していくことは望まれるんですけれども、その際に、遠隔授業や通信教育の活用で、対面授業と比較して教育の質の確保ができているかを十分に留意しながら進める必要がある。遠隔授業や通信教育の活用は、生徒の履修の選択肢を増やし、もって当該生徒の幅広い進路選択を実現することを目的とするものでございまして、これらを学校の統廃合や教師の数の合理化の手段として捉え、教育の質の低下を招くようなことは決してあってはならない、そうしたことを掲げてございます。
 続いて、スクール・ミッション、スクール・ポリシーを踏まえた学校の特色化・魅力化でございます。少子化が加速する地域において高校の在り方を考える上で、生徒の教育条件の改善ということが大切な視点であるというところでございます。既存の学校の在り方をそのまま残そうとするのではなくて、今ある学校がスクール・ミッションを実現できているかどうか、生徒のニーズや希望する進路等を踏まえながらスクール・ポリシーを検討して、生徒が行きたいと思える学校づくり、特色化・魅力化を進めて、生徒の学習意欲を高めていくことが必要である。その際に、例えば都道府県と市町村が連携協力して学校を運営していくことや、小中学校等と連携・一貫した教育を進めていくことが有効である場合もあることから、そうした在り方についても検討していくことが必要である。また、小規模校に配置できる教職員の数は限られておりますので、地域との協働や、他校との連携を行いながら、生徒が地域に根差した学校において成長できるよう、コミュニティ・スクールの導入や、コーディネーター等の専門的人材の配置など、体制・環境を整備していくべきであるというところでございます。
 四角囲みのところで、それぞれ具体的方策を掲げてございます。
 まず、遠隔授業における受信側教室の体制に係る要件の弾力化でございます。今ほど説明させていただいた内容と同内容のものでございますけれども、教科・科目充実型の遠隔授業における受信側の教室の体制について、学校は、教師を配置して、生徒の状況に応じたきめ細かな指導・支援をすることが望ましいため、この原則は引き続き堅持する必要がある。他方で、中山間地域や離島等に立地する小規模高等学校において、多様な科目開設や習熟度別指導等を行い、生徒の多様な進路実現に向けた教育を実施する際に、当該高等学校に配置されている教師の数等の事情により受信側の教室に教師を常時配置することが困難であり、かつ受信側の教室における生徒の数や、生徒が必要とするサポート内容等に照らし、教育上支障がないと考えられる場合には、一定の基準の下、教師に代えて職員を配置することが可能となるよう、国において、この要件の弾力化を行うべきである。このための具体的な基準については、対面授業と比較して教育の質の確保を図ることに留意しつつ、国において定めることが求められる。また、国は、受信側の教室における教師や職員の配置について、常駐以外の方法により、配信側の教師の授業運営や受信側教室の生徒の安全管理上問題のない配置が可能かどうか実証研究を行い、その結果を踏まえ、必要な取組を行うべきである、そうしたことをまず掲げてございます。
 続いて、遠隔授業における対面授業に係る要件の弾力化でございます。こちら、学校は年間2単位時間以上実施するという原則は引き続き堅持する必要がある。他方で、受信校が離島・中山間地域に立地する等の事情によって、配信側から受信校の距離が遠いことで出張負担が過度に大きく、遠隔授業による多様な科目開設を妨げてしまっている状況においては、その特殊性を踏まえつつ、受信側の教室における生徒の数や、生徒が必要とするサポートの内容、配信側教師による当該生徒の指導歴等に照らして教育上支障がないと考えられる場合には、一定の基準の下、当該教科・科目の単位数に関わらず対面授業を年間1単位時間以上とすることも可能となるよう、国において要件の弾力化を行うべき。そのための具体的な基準については国において定めることが求められるというふうに掲げてございます。
 続いて、配信センターの体制・環境整備、学校間連携等の推進でございます。遠隔授業や通信教育を活用した積極的な学校間連携等のネットワークを構築するための配信センターについて、国において連絡調整・支援スタッフの配置等の体制・環境整備や、機材等の環境整備に向けた支援を行うことが求められる。これによって、原籍校で開講されない科目の履修など、生徒の多様な学習ニーズに幅広く対応するための遠隔授業や学校間連携等の優良事例を創出し、その普及を図るべきであるというふうにしてございます。
 続いて、通信教育の活用に向けた制度改正でございます。国内の他の高等学校に一定の期間留学することにより特定の科目を履修する機会を特別に設ける必要がある生徒など、特別の事情を有する生徒を対象に、全日制・定時制課程においてもオンデマンド型の学習を可能とする通信教育が活用可能となるよう、国において制度改正を行うことが求められるということでございます。
 続いて、スクール・ミッション、スクール・ポリシーを踏まえた学校の特色化・魅力化でございます。国において、スクール・ミッション、スクール・ポリシーの策定・運用状況を確認し、実効性のあるものとなるよう、不断の改善などの働きかけを行う必要がある。その際、単位認定の要件等の生徒の学びに係る学内の規程等について、適切に見直しを図り、生徒がその内容を把握できるようにしておく必要がある旨を周知するべきである。また、普通科改革など、各学校の特色化・魅力化を進めて、生徒にとって魅力的な学校づくりを支援することが求められるというところでございます。
 都道府県と市町村の連携による学校運営について、こちらについては、国において、各地方公共団体のニーズを聞き取りながら、その実現に向けて取り得る方策について整理を進めるべきであるとしております。
 続いて、地域や学校を超えた生徒同士の学びのプラットフォームの構築でございます。小規模校の生徒や特別支援学校の生徒等が、総合的な探究の時間において、地域や学校を超えてつながり、同じ志を持っている同世代から学ぶといったことを可能とするプラットフォームを国において構築することが求められるとしてございます。
 続いて、学校や地域社会との連携・協働の推進でございます。課程・学科の特質や各学校の特色を踏まえつつ、高校と家庭、地域、企業等の関係機関が連携・協働し、社会全体で生徒の成長を支える環境を整備するため、国は、高校におけるコミュニティ・スクールの導入、地域学校協働活動推進員等の配置を促進すべきである。また、学校における働き方改革を進めて、必要な業務を精選するとともに、高校の魅力化・特色化に当たり、学校と外部資源との連携・協働等を学校の中核となって担うようなコーディネーター等の専門人材の配置の拡充に向けた支援を行うべきである、そうしたことを掲げてございます。
 続きまして、全日制、定時制、通信制の望ましい在り方について御説明をさせていただきます。近年、不登校児童生徒は義務教育段階を中心に大幅に増加しておりまして、令和3年度時点で小中高合わせて約30万人に上り、過去最多となるなど、喫緊の課題となってございます。高校については不登校・中途退学率の推移を見ると、おおむね横ばいとなっております。ただ、通信制課程に在籍する生徒数は近年大幅に増加しておりまして、通信制課程が不登校経験など多様な背景を有する生徒の受皿になっている状況にあるというところでございます。
 一方で、公立高校については、令和6年度までに全学年で1人1台端末環境整備が完了予定、また同時双方向型のメディア活用も普及している状況にあるというところでございます。こうした状況を踏まえれば、全日制、定時制、通信制いずれの課程にあっても、ICTの活用等により、多様な生徒に対してきめ細かく支援し、いつでも、どこでも、どのようにでも学ぶことが等しく認められるようにするなど、それぞれの生徒の状況に応じた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な実現を目指すことが重要である。
 全日制、定時制課程の在り方について、必要な資質・能力を身につけて卒業することができるよう考えていくことが重要であることを、ここに列挙してございます。
 資料が多くなってございますので、ポイントだけ、かいつまんで御説明させていただくようにしたいと思います。
 この辺り掲げているものございますけれども、特に具体的方策のところが特にポイントとなるかと思いますので、その部分を御説明させていただきます。16ページでございます。
 全日制・定時制課程における不登校生徒の学習機会の確保に向けて、合計36単位の範囲内において、高校が自宅等での同時双方向型の遠隔授業を不登校生徒に受講させることを可能とするとともに、文科大臣により不登校特例の指定を受けることで活用できるオンデマンド型の学習を可能とする通信教育について、指定を受けずともこれを活用可能とするために、国において必要な制度改正を行うことが求められる。また、その際、国において、不登校傾向のために授業時数の3分の2以上の出席など、多くの学校において慣例として定められている単位認定の際の出席要件を生徒が満たせなかった場合でも、学校が一人一人の実情に応じて柔軟に履修・修得を認める運用となるよう、上記制度改正の周知と併せて促す必要がある。あわせて、ICTやオンラインを活用した効果的な支援を進めていくために、国において、機材整備、支援スタッフの配置など、体制・環境整備に向けた支援を行う、それでモデルとなる優良事例の創出・発信を行っていくべきということでございます。
 また、不登校特例校の設置促進に向けて、国において進めていく。その際、設置者による申請の簡略化を促進するべき。また、学校内で安心して学ぶことのできる校内教育支援センターの設置について、国においても促進していくことが求められる。また、中学校で不登校経験を有する生徒が、欠席日数や内申点に関わらず、安心して高校に進学することができるように、国は、中学校等において自宅等における学習成果の成績への反映を促す制度改正を進めるべき。高校入学者選抜について、在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取扱いを行わずに、不登校経験を有する生徒の高校での学ぶ意欲・能力を適切に評価するよう実施者に対して配慮を促すべきであるというところでございます。
 そして、通信制課程における優良事例の創出等に向けて、通信制課程は、まず、引き続き質の確保・向上を図っていくことが必要である。全日制・定時制課程に比較して少ない登校回数下で、人間関係を構築しながら、自己のよさや可能性を認識し、多様な人々と協働する環境を整えるために、モデルとなる優良事例の創出・発信を行うとともに、心理的・福祉的支援やキャリア支援の在り方に関する調査研究を行うことが求められる。また、情報発信として、中学校の教師、生徒、保護者等が通信制課程の制度や特徴を正しく理解できるよう、文科省のホームページ等において、係る情報の記載の充実を図る必要がある。また、不登校生徒本人に対する継続的な実態調査を実施して、不登校経験を有する生徒が高校に進学した後の見通しを持てるようにするべきということを掲げてございます。
 また、国において、多様な背景を有する生徒に対して切れ目なく支援できる体制を構築するために、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置充実と、また心理・福祉分野に強みや専門性を有する教師の育成、それをすることが求められると掲げてございます。そして、公立通信制高校の機能強化、学校間連携等の促進に向けて、国において、機材整備や連絡調整・支援スタッフの配置など、体制・環境整備に向けた支援を行うことが求められるというところでございます。また、その際に、単位制への移行の在り方など、そうしたことの調査研究を行う必要があることも掲げてございます。
 そして、通級指導に向けては、生徒にとって効率的・効果的な巡回指導の実施に向けたモデル構築を行いまして、全国的な普及を図りつつ、校内支援体制の充実に向けて、教職員の配置を含む指導体制等の在り方の検討を進めることが求められる。
 日本語指導に向けての体制整備でございますけれども、高校がNPO法人、企業等の地域の関係団体等と連携して、外国につながる生徒等に対して日本語指導や各種支援を実施する際、引き続き国において支援を実施し、母語支援員の配置など、総合的な体制の整備を進めることが求められるということを掲げてございます。
 長くなっており、申し訳ございません。最後、3、社会に開かれた教育課程の実現、探究・文理横断、実践的な学びの推進でございます。平日休日ともに、高校生約3割の生徒が家や塾で学習しないと回答しておりまして、また、学校での学び、授業満足度・理解度、中学生以降、学年が上がるとともに低下傾向にある、そうした課題がございます。また、日本の生徒の意識が、国際的な割合が低くなっているような課題、そうしたものもございます。こうした課題を踏まえて、これからの教育課程の在り方として掲げているものがございます。20ページでございます。
 いずれの高校の課程・学科にあっても共通して取り組むべき重要な柱を1において掲げましたけれども、これをするために、これからの教育課程の在り方として、生徒が自己の在り方・生き方を考え、社会に主体的に関わったり、自ら学びを調整したり自己決定したりする場面を積極的に取り入れていくこと。生徒が各教科の学びで習得した資質・能力を相互に関連づけ、生かしながら、実りある探究活動を進めることができるよう、「総合的な探究の時間」を教育課程の基軸に据えてカリキュラム・マネジメントを行い、各教科・科目の相互作用を強めていくこと。そうしたことにより、各教科・科目等における学びの充実を図ることが特に重要であるということを掲げてございます。
 具体的方策でございます。普通科改革の促進、コーディネーターの配置支援、そうしたことをまず進めていくことが必要であること。国際的な教育を行う高等学校の整備推進・運営支援に向けて、国において必要な支援を行っていくこと。理数系教育のさらなる充実に向けて、SSHの取組、そうしたことを含めて一層進めていく必要がある。産業界と専門高校の連携・協働の強化、マイスター・ハイスクールの取組、そうしたところを横展開に向けて国において支援を行うことが必要であるということを掲げてございます。そして、学校における働き方改革として、学校・教師が担う業務の役割分担・適正化等を進めて、支援スタッフの配置、また、国における学校向けの調査の削減・効率化、そうしたことを総合的に進めていくということでございます。また、スクール・ポリシーに準じて業務の精選・重点化を図ることも期待されるとなってございます。
 ちょっとこちらはレイアウトが崩れており、申し訳ございません。
 そして、教師の資質・能力の向上に向けて、まず教師が効果的・効率的に研修を受講することができるように、多様な主体がオンライン研修コンテンツを開発する取組、これを支援するべきであるというふうにしてございます。そしてその中で、喫緊の課題に対応する研修コンテンツの開発支援であったりとか、教師自ら課題を探究する力、探究的な学びをデザインし、マネジメントする力、そうした育成に向けて研修開発支援を行うことが求められると挙げてございます。
 大学入学者選抜についても委員の皆さんから多く意見をいただきましたけれども、今後、学力の3要素の多面的・総合的な評価への速やかな改善を促すため、国において必要な取組を進めるべきということでございます。また、文理横断的な学びを進める観点から、高校における取組と併せて、人文・社会科学系における理系科目、もしくは自然科学系における文系科目の設定といった、大学入学者選抜における出題科目の見直し等も促進する必要があるというところでございます。
 残りは再掲でございますので、説明は割愛させていただきます。
 最後、引き続き検討を必要とする論点として、幾つか掲げてございます。全てを申し上げることはしませんけれども、例えば、生徒の多様な学習ニーズに応える遠隔授業配信センターの体制等の在り方について、また全・定・通の課程の区分に関して、実態等も含めた、その在り方の見直し。いずれの高校においても全ての生徒の可能性を引き出す、そうした教育システムを一層構築するために必要な取組、その支援の在り方。次期学習指導要領の在り方、そして高校の役割の整理・明確化と併せて、教職員の配置を含む高等学校の体制の充実のための方策、そうしたことも含めて、これからの高校の在り方について引き続き議論を続けていくことが必要であるということを終わりのところで掲げてございます。
 そのほか別添資料として、具体的方策の主体別の整理であったりとかデータ集、そうしたところも参考資料として掲げておりますので、御参照いただければと思います。
 説明が長くなり申し訳ございません。以上、よろしくお願い申し上げます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。もちろんこれまで議論していただいたものをまとめていただいたわけですけれども、今日は最終的にこの審議まとめをまとめるということで、改めて確認をする意味で、丁寧に御説明いただきました。
 別添資料のほうでは、具体的にやっていく際の、国とか、あるいは学校設置者等がどういうことをしていくべきかといったようなこともまとめていただいています。こういうことを通して具体に進めていく中で、まさに高校生一人一人を主語とする高等学校が実現していく方向に少しでも近づくようにということを願っているわけでありますが、今日は、この審議まとめのまとめに当たっての最後の会議ということになりますので、この後の時間を使って、この審議まとめ……、すみません、中間まとめ。中間まとめに関する御意見、さらにございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
【田村主査代理】  よろしいですか。
【荒瀬主査】  すみません、その前に、ごめんなさい。田村先生御発言いただきますが、会場にいらっしゃる方は札を立てていただくと分かりやすくてよろしいので、よろしくお願いします。それから、オンラインで御参加の方は、いつものように「手を挙げる」ボタンを押していただくということで、よろしくお願いいたします。
 では、まず田村先生、お願いします。
【田村主査代理】  ここまでの丁寧なおまとめ、ありがとうございました。具体的な方策について、かなり固まったと思います。そのような時点で申し上げるのもはばかられるところもあるのですが、全体を改めて通して読んでみまして、気になった点がございます。
 どう気になったのかといいますと、全体の論調が、何か高校が通過点であり、将来の準備期間であるような印象をところどころで受けました。今後の資質・能力を育成するとか、それから将来のウェルビーイングを実現するであるとか、そして多様性への対応で、4ページや21ページのところにあるのですが、多様な進路実現に対応するという文脈で、将来への準備としてのニュアンスは述べられておりますが、現在のウェルビーイングについての記述が薄いと感じました。
 そこで、高校生の、今現在のウェルビーイングの実現というような観点を一言盛り込んでいただけたら、ありがたいかなというふうに思いました。といいますのも、教育振興基本計画の中で全ての子供の健やかな成長とウェルビーイングの向上ということが謳われ、そして、子供たちが幸せな状態、ウェルビーイングで成長できるよう、家庭、学校、職場、地域等が一体的に取り組むというふうにも書かれております。学校にいる3年間、または4年間の場合もありますけれども、そこで、学びそのものが喜びといいますか、子供のウェルビーイングにつながることも目指されているわけです。高校生にとって、将来への準備期間であることは間違いないんですけれども、とはいえ、かけがえのない3年間なので、中学校受験が終わったら、すぐ次の進路、将来へといったような観点だけではなくて、高校生活自体を楽しみたいと思って生徒さんたち入ってこられていると思いますので、そういったニュアンスを一言か二言、書き加えていただけたらうれしいと思いました。
 以上でございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。全体見ていただいて、お気づきの点を言っていただきました。高校生の今が楽しく充実しているということの大切さ、全くそのとおりだと思いますので、よろしくお願いします。
 では、岡本委員、お願いいたします。その後は冨塚委員、お願いいたします。岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】  本当にお取りまとめ大変だったと思います。ありがとうございます。いろいろと盛り込んでいただいて、うれしく思っております。
 本当に膨大な資料になっていると思うのですが、25ページのところに学習指導要領に関して、我々の議論の中でも、おおむね堅持しながら、現場への浸透、学校現場への浸透に時間をかけていくべきという意見も入っている中で、ここに盛り込まれている内容を現場で実現するためには、もしくは学習指導要領も含めて実現するためには、今の体制のままで本当にいいのかというところ。もう少し詳しく言いますと、教員の業務は何であって、ほかの、例えば補助員の方々に分散すべきものなのか、その予算は各都道府県で本当に賄えるものなのかだとか、実現するための現場の基盤となるような人的もしくは資金的なサポートはどのようなものが必要なのかみたいなところも、今後の議論になるかもしれませんけれども、こちらには教育長の方もいらっしゃいますので、出していただいて、理念的なところと、あとは仕組みの部分のところ、両方でこれが実行できて、浸透できるようにしていければと思いました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。お金があれば相当なことが解決するというのは全く事実でありますので、その辺りについては多分継続して、本当に議論していくべきことではあるかと思うんですが、ありがとうございました。大変重要な御指摘でありました。
 では、冨塚委員、お願いいたします。
【冨塚委員】  まず本当に、事務局の皆様に感謝を申し上げたいと思います。短時間の間にここまで中間まとめをしていただきまして、丁寧に意見を拾っていただいたことに感謝を申し上げます。
 その上で、先ほど田村委員が、今現在の学校に通っている子供たちのウェルビーイングということをおっしゃったのですが、それにも関連するのですが、私、7月末と8月に、文化のインターハイと言われる全国高校総合文化祭と、それからスポーツのほうのインターハイを、鹿児島県と北海道に視察に行ってまいりましたが、それを通じて、部活動というものは子供たちの自己表現、自己実現、自己肯定感の向上に欠かせないものであることを、改めて肌で感じました。部活動の在り方、今いろいろと議論がされ、そして中学校については土日の部活動の地域移行が進められているところでございます。
 部活動がどうなのかということはいろんな御意見があるとは思うのですが、この中では特段そのような、部活動に関する記述などはないのですけれど、そしてそこに何か加えるということでもないのですけれど、子供たちの今現在のウェルビーイングという中で、勉強だけではなく、特別活動、部活動ですとか様々な学校行事の中で自分が輝くというところを持っている子供たちがたくさんいて、学校現場はそれを大事にしようということで、スクール・ポリシーの中でも部活動を頑張るというようなことをあえて盛り込んで、そこを指導することによって、子供たちが社会に出ていく自信をつけていくということを多々見てまいりましたので、そのようなことを少し意識しながらやっていけたらなと思います。ですので、もし田村先生の御意見を取り入れていただけるのであれば、その中にそういった部活動のような、特別活動のようなことも何となく読めるように工夫をしていただければ非常にありがたいかなと思います。
 あと、以前に意見を申し上げました小規模校の存続のところで、遠隔教育の条件の緩和などについて、中山間地域や離島だけではなく、千葉県においても郡部においてはこういったことが必要なので、中山間地域と離島に限らず、条件の緩和をぜひお願いしたいと申し上げました。そして、この中で離島等ということで、ほかの地域も読めるような形で工夫をしていただき、ありがとうございます。
 ただ、こういったものはやはり、人が替わっていきまして、文部科学省さんのほうでも人が替わっていきますと、後になって解釈の中で、いやいや、ここの報告書にあるこの「等」というのはそんなに広い意味ではありませんというふうに担当者様に言われる、そのような事例が時々あるので、ここの「等」というのは、「等」と書いてあるけれども、離島や中山間地域に限らず、小規模校を残さざるを得ない人口減少の著しい地域については広く含んでいるということを、ここに書けないけれども、申し送りといいますか、後に残るようなことを工夫していただけたらなと思います。
 以上でございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。後のほうの「等」の説明は大変重要かと思います。普通科改革のときも、例示として出した2つのタイプがありましたが、それがいつの間にやら「例示」というのが消えてしまって、その2つでなければならないみたいな、学際的なものと地域との結びつきという、それしかないみたいな感じになってしまっているというのも現実にありますので、十分にここは、ゴシックで注をつけていただくとかいったことも含めてお願いしたいと思います。
 それと、1つ目でおっしゃったことで言うと、お聞きしながら私もちょっと思い出したんですけども、学校で目立つ子といいますか、存在感、それによって自己肯定感のある子というのは、勉強ができるか、クラブができるかで、それ以外の、どこといって取り柄のない子には、結局学校というのは、その他大勢の中で自分が何とか息をしていくみたいな、そんな感じになってしまいがちだというの聞いたことがありまして、田村先生のおっしゃった、今の子供のウェルビーイングということで言うならば、部活のみならず、ほかの点でも様々な形で今を楽しみ、今を幸せに思えるような状況をつくっていくというのが大事なんだということを併せて考えていただけるとありがたいと思います。
 では、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】  今回ここまでしっかりまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
 その上で何点かですが、最初の1点目は、11ページ目のスクール・ミッション、スクール・ポリシー等を踏まえた学校の特色化・魅力化の中に、学内の規程についての見直し等のことが書かれています。ここに関してですけども、やっぱり卒業認定の要件だとかが生徒や保護者さんに伝えられていないとか、あと学校によっては学校間連携だとか学校外学修が厳しく制限かけられているというか、認められていないという、ただ、それも関係者は知らない、周知されていないとか、そういった事例なんかもありますので、ここの書き方ですけども、「その際」以下のところで、卒業認定や単位認定の要件等、生徒の学びに係る学内の規程についても適切に見直しを図り、生徒をはじめ、学校内外の関係者が普段から参照できるようにしておく必要があるというような形で、生徒指導提要の校則に関する書き方に倣うような形でというか、そういったようなところで丁寧に書いていただけるとありがたいなというのが1点目です。
 2点目が25ページ、最後の「引き続き検討を必要とする論点」の中で、「次期高等学校学習指導要領に関して、内容をおおむね堅持しながら学校現場への浸透に時間をかけていくべきとの意見」とありまして、私も参加させていただいていた中で、学習指導要領の理念や方向性、前文に書かれているようなところは学校現場への浸透に時間をかけていくというような意見だったかと思っていて、逆に、指導要領で書かれている内容面に関しては、カリキュラム・オーバーロードのような指摘も多々あったかと思いますし、内容に関しては縮減をしていきながら、まして指導要領が主語になるのではなく、生徒が主語になる探究的な学びだとかに十全に学校、生徒が取り組めるように、余白をもっとつくっていく必要があるのではないかというような意見が出ていたかと思いますので、ちょっとここ、内容を堅持しながらというと、減らさないとか、そのまんまというふうに読めてしまう、誤解を与えかねないなと思いましたので、ここももしかしたら、少し丁寧なというか、書けたらいいのかなと思ったところです。
 あと、このページの一番最後、「その際、国、高等学校、教育委員会などの」というところですけども、私、今、いろいろな公立高校や都道府県の教育委員会からすごく相談を受けるのが、やっぱり地元自治体とどう連携・協働していくのか。高校における地元自治体の役割だとか、場合によっては必要となるリソースの確保だとか、そういったところでの相談がものすごい多くて、困っている高校や都道府県教育委員会があるというところですので、ここは前、あったと思うんですけど、やっぱり地元自治体というのがここにちゃんと関係機関であって、それぞれが実施すべきことだとか必要となるリソースの確保とか、そういったところに地元自治体、市町村がちゃんとあるということを。ちょっと今、地元自治体というのが全体として消えてしまったような気がしますので、せめて最後のところぐらい当事者意識をしっかり持って、一緒に高校をよくしていくという意味でも、これは残しておいていただきたいなというふうに思うところです。
 最後ですけども、この全体を通して、恐らくこれを進めていこうとするときに壁になってくるものは、やはり全て自分の学校で抱え込もうとするとか、手元にあるもので何とかしようとするという閉ざされた自前主義というものが、この取組だとかを進めようとするときの意識的な壁になり得るところかなと思いますので、そういったところも。閉ざされた自前主義をちゃんと超えて、本当の意味で社会に開かれた教育課程というか、自分の学校だけではなくて、他校だとかとの連携もそうですし、ほかの課程とも一緒にということもそう、地域や社会とという、本当の意味で開かれた教育課程を生徒たちのためにということをもう一度、場合によっては最後に。こういう壁、自前主義というところが、私、現場の教員と今回の話なんかをしていても、すごくそこは教員がやっぱり引っかかるところでありましたので、そこは、場合によっては最後にもう一度明記しておけるといいのかなと思ったというところです。
 すみません、ちょっと長くなりましたが、以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。3点目におっしゃった地元自治体という言葉は消えたんですかね。
【松田参事官補佐】  企業等の関係機関という中に包含しておりましたが、それを明記するというふうにいただいたので、そのように。
【荒瀬主査】  なるほど。入れておいても別に全然おかしくないので、それはぜひ。
 1つ目については、さっきの岩本委員からの御提案は、ほとんど元の文と変わらない気がするので、もう少し強調するなら文案をいただけると。
【岩本委員】  はい、また。本当に細かいところですので。
【荒瀬主査】  私はこれで結構言っているというふうに読んでいましたので、ですからその意味では、また事務局とも御相談いただいたらと思います。
 それから2つ目ですけど、小中学校と高等学校の一番の違いは、高等学校は74単位で卒業できるということになっていて、しかもスクール・ポリシーというのは校長が、もちろん校長1人でつくるわけじゃないですけど、つくれるので、ここにというか、校長を中心とした学校としての取組が本当のところ必要だと思うんですね。その際には、現行学習指導要領、おっしゃったように理念とかは堅持しつつ、内容的にはこれを大幅に変えるということは、ちょっと現実的にも厳しい面もあると思いますのと、それと、入れている中身をどう具体的に高等学校で実現していくための、スクール・ポリシーに合わせてやっていくかというのは、高等学校で相当判断できるところがあるので、4つ目の話と関わって、例えばこんな言葉はどうですかという。岩本委員のおっしゃった閉ざされた自前主義というのは、確かに私もそれは駄目だなと思うんですが、逆に、自分のところでできるんだという意識をもっと持っていただく。そういう意味では、開かれた自前主義というか、そういったような感覚にならないと、誰かにやってもらわなければできないというのは、高等学校の場合は相当違うという気がいたします。
 それぞれが選抜をしていて、入学者も自分たちで決めている、カリキュラムも当然のことながら自分たちで決められる、卒業に必要な単位は74単位である、そういう中で外形的なところ、結果的に開いているから、進路を考えたら大学入試とか、就職考えたら就職試験とか、そっちばっかりに目が行ってしまっていて、今の生徒たちへの対応をどうするのかというところがなかなか中心になりにくい現状があるように思うんですね。だからそこをぜひ考えていただくというふうな意味合いも含めてというのを、私はお聞きしていて思いました。でも、ありがとうございました。
【岩本委員】  分かりました。では、細かいところは、また送らせていただきます。
【荒瀬主査】  よろしくお願いいたします。
 すみません、ちょっと順番が分からなくなってしまいましたが、長塚委員、清水委員、青木委員、今村委員の順でお願いいたします。
【長塚委員】  ありがとうございます。私は岩本委員とちょっと重なるような点なんですけれども、2点だけ申し上げたいと思います。
 今御説明いただいた資料の中では具体的方策というふうに、分かりやすく端的にまとめていただいている部分がありますので、そこで、1つ目は11ページ辺りですが、スクール・ミッションとポリシーの後に各連携協力の項目などがあるわけですけども、私立学校は特に、スクール・ミッションもポリシーも、建学の精神から始まっているので、独自性が必要だというところで始まっていますから、それはあるんですけども、どうしても学校単体になりがちだとか、設置者だけになりがちだとかいう傾向があるように思うわけです。公立高校の場合には、それこそ自治体全体で考えたり、施策をするというのができるわけですけども、そういう意味で、都道府県と市町村の連携と以下ある中で、異なる設置者間でも連携ができるようなことという意識がもっと必要じゃないか。特に私学側からすると、高校の3分の1、あるいは生徒の3分の1が私学であるとすれば、元々、独自にやっている私学が多いわけですけども、それでもやはりリソースを広げていくという意味では、公と私の間の垣根を越えていくような機会が必要なのではないかなと思います。
 どうしても公と私というのは行政的にも、私学は特に独自性の立場から、行政の枠組みも違ったりして、なかなか情報がつながっていないということが実際に現場では多いんですよね。予算の措置も違うこともあるんでしょうけど、そういう意味で、もう少し意識して、異なる設置者、特にここでは私学を意識した思いで言っているんですけども、そういうことがもっと意識されていくべきではないかというのが1点目。
 それから同じように、23ページですが、ここに大学入学者選抜の改善とあるんですけど、これも連携という意味で言うと、大学との連携というのがちょっと薄いのではないか、表現があまりないなと思います。地域との連携とかいう言葉はあるんですけども、例えば今、私立高校のことを言いましたけど、私立高校の半分は大学附属または系列なんですよね、ちょうど。そういう意味で私立の場合には大学との連携というのが自らしやすいという傾向があるんですけども、公立高校も各地域で、各地域の国公立大学とつながって連携しているというケースも大分増えてきました。それが、例えば大学入試の総合型選抜で多面的、総合的な選抜をすることにもつながっているし、つまり高大の連携が高大の接続につながっていくということなんですけども、多くの高校生が大学に進むに当たって、資質・能力を多面的、総合的に見て大学につながっていくというような仕組みがもっと必要じゃないかなと思います。
 そういう意味では、大学との連携、大学のリソースを活用するというような文言もここにはあっていいんじゃないかなと、どうもその言葉がここにはあまり表現がないかなと、そういうふうな気がしたものですから申し上げました。特に探究的な学びを進める上では欠かせないものじゃないかなというふうに思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。おっしゃった2つの点、異なる設置者同士の連携といったようなことも含めてというのは大事なことだと思います。それから高大連携というのも本当に大事なことだと思いますので、ちょっとまた考えていただくということでお願いしたいと思います。
 これ、地域によっては随分進んでいるところがありますね。
【長塚委員】  そうですね、既に。
【荒瀬主査】  京都とかだと、そういうのはもう当たり前みたいな感じ。
【長塚委員】  そうですよね。
【荒瀬主査】  はい。それは多分、高等学校の数なんかでも、公立と私立とが本当にせめぎ合っているといいますか、ほとんど同じような状態でやっているので、だからそういうところは関係が深まりますし、大学も同じような感じで、高等学校と関係持たないとと思っていらっしゃるところが大きいので、だからそういう地域の関係はありますけれども、全体にもそういう視点をということで、ありがとうございました。
【長塚委員】  お願いします。
【荒瀬主査】  では、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  よろしくお願いいたします。中間まとめ、ありがとうございます。18ページからの社会に開かれた教育課程と探究、文理横断、この辺についてのことですけども、全体的な分量としては、まだこの部分については少ないと感じているところです。特に現行学習指導要領でもあります社会に開かれた教育課程をどう実現していくのかというところに、もう少し踏み込むべきと感じもいたします。
 また、資料として頂いているほうの47ページでしょうか、こちらでは文系理系のことについて触れていただいておりますけども、理系の内容は非常に少なくなってしまっている。また、文理横断型について触れていますが、それでもやはり理系に取り組む生徒の数がかなり少ない状況であり、これは日本にとっても危機的な状態なのではないかなと感じているところです。また、そこからつながるような職業教育についても、国としてどのように取り組んでいくべきなのかを、もう少し具体的に検討していくべきと考えております。
 中間まとめということでありますので、まだ今後議論が進むかなと思いますので、この3番の社会に開かれた教育課程の実現であるとか文理横断であるとか、実践的な取組であるとか、こういったところの内容について議論を今後進められたらいいなと思います。ここまでのまとめについては非常にしっかりまとめていただいて、ありがとうございます。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。本当に今後、今おっしゃったことは続けていく話だと思います。理系が少ないのはなぜかというのは文科省全体の中でもいろいろと考えていらっしゃるみたいですが、やっぱり理系の面白さというんでしょうか、理系文系で分けることはおかしいというんですけど、明らかにやっぱり理系と文系は分かれていると思うんですが、分かれるというのは、人が分かれるんじゃなくて、学問の内容は分かれると思うんですけど、理系の面白さを体験的に学べるようなことがなかなかないと。それは、一つは教員採用の段階で、なかなか理系の学びを十分にできていないのではないかというような話とか、実験をするのも十分できていないとか、そういう話を聞くと、小学校段階からしっかりとした学びが大事なんじゃないかなということを思います。その辺も含めて、今後継続して話合い、お願いしたいと思います。ありがとうございました。
 では、青木委員、お願いいたします。
【青木委員】  ありがとうございます。青木です。私は外形的なところで、まず、おまとめいただいてありがとうございました。特に別添資料の1番が大変分かりやすくて、政策目的に沿って政策手段と主体別に記されていて、これは事実上、非常に出来のよい概要版になっていると思います。なので、中間まとめを発出する際の案内文には、ぜひ、時間がなかったらここだけでも見てほしいというぐらい言っていただくと、忙しい実務に携わっている方もまずこれを見ていただいて、かなり中間まとめが普及というか、刺さっていくのではないかなと思いました。
 私から、もしも可能であれば修正の御検討いただきたいのは1か所で、目次の表現です。全体を今日改めて見ますと、ローマ数字Ⅰの「はじめに」というのがどうも、建付け上、何といいますか、平仄が合っていない感じがして、つまり、Ⅳ番が「はじめに」に対応する「おわりに」に当たると思うんですけれども、普通「はじめに」があれば「おわりに」があるし、「はじめに」「おわりに」があるんだったらローマ数字ⅠとⅣのナンバリングはしないということになるので、これ、大幅に変えないで、「はじめに」というのを、例えば「はじめに」の中の記述を生かして、かぎ括弧つきで「『生徒を主語にした』高等学校教育の真の実現に向けた具体的方策」みたいに入れておけば、この中間まとめがなぜ出されたのかが、より分かりやすく伝わるのではないかなと思いましたので、あとは主査、主査代理等々と御検討いただければと思います。
 私からは以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。大変具体的な御提案をいただきました。検討させていただきます。確かにそうですね、「はじめに」があったら、「おわりに」ですよね。分かりました。ありがとうございます。
 では、今村委員、お願いいたします。
【今村委員】  ありがとうございます。私もこの長い文書を御説明いただいて、取りまとめ大変だったなと思いながらですけど、読解力が乏しくてなかなか頭に入ってこなくて大変だなと思っていて、これを多分見る方々も、財務省の方は読めるかもしれないけど、一般の人たち分からないかなと思ったので、確かに別添資料を充実させるというやり方もあると思うんですけど、先ほど田村先生がおっしゃっていたみたいに、私たちのこの議論は何のためにあるのか、やっぱりそれは子供たちのウェルビーイングを実現していくということなのであるみたいなことがきちんと入って、その上で別添資料のほうも、そのような目標が掲げられて、これをやりますみたいなことになっていると、確かに、また新しいタスクリストが降ってきたみたいな感じじゃなくて、こういうことのためにやるんだということが受け取りやすいかなと思いました。
 というのが具体的なことの1つ目ですけども、2つ目に、私は、ウェルビーイングのことを掲げるというのは、確かにすごく大切だなと思いました。ウェルビーイングを実現するためにというか、学ぶということを通じてウェルビーイングを実現していくというか、学ぶということ、探究していくということが子供たちが幸せになるということであって、子供たちが何者かにならなきゃいけないからタスクをこなして、結果いつか幸せになる、じゃなくて、学ぶことがウェルビーイングなんだみたいな、そういう考え方に変えていきたいという思いが、ここずっと皆さんと議論してきたことだったように思っていて、そういうことが本当に一番大切にしたいこととして書きたいなと思ったので、田村先生おっしゃっていたように、もしかしたらそこを「はじめに」に書いていただきたいなと思いました。
 あと、別の観点ですけれども、先ほど岡本先生がおっしゃっていたとおり、やはり学習指導要領に掲げられていることをちゃんと実現していく、特に社会に開かれた教育課程も、生涯にわたって探究を深める未来のつくり手として送り出していくと学習指導要領に掲げたことの実現のために、社会に開かれたという教育課程を実現していくわけですよね。それが結果、ウェルビーイングになるわけなんですけど、やっぱりそこができていない、探究が各学校で全体の柱になっていない、タスクの一個にしかなっていないと。探究が受験勉強の邪魔にすらなっているという、カリキュラム・オーバーロードの問題を、この6ページの課題というところにきちんと書くべきなんじゃないかと思いました。
 2023年は新しい学習指導要領が始まって2年目で、現在地の段階での課題は、探究が主役になっていないということをきちんと掲げ、主役といいますか、探究する高校生たちのために教科の学びがあるのだという構造には決してなっていない、多くの受験勉強のために時間を取っているにすぎないんだということをはっきり掲げたほうがやっぱりいい。そのために遠隔教育とか、ほかの制度を緩めるとか、そういったこともやるべきなんだということを、とにかく分かりやすく、その優先順位を掲げていただきたいなというふうに思いました。
 すみません、まとまらないんですけども、思ったところは、まずは以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。「はじめに」のところで、さっき田村先生のおっしゃったようなことを少し工夫して盛り込んでいく、その際、冨塚委員からあったお話、また今、今村委員からあったお話なんかも加えて考えていくということでやりたいと思いますので、よろしくお願いします。探究が軸になっていないというのは、今に始まったことではなくて、本当にずっとそれが続いているわけですけれども、そこの根本的な原因が何なのかというところを、これから継続的に明かしていくといいますか、分かっていると言えば分かっているのかもしれませんが、それを共有していくことが多分大事で、共有をしっかりしない限りは、例えばこの中間まとめでどれだけ出しても、何言っているのというだけで終わってしまっては残念なので、だから続けてやっていくということは、もう既に我々確認していますから、ぜひその際に、また改めて御意見をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、石崎委員、お願いいたします。
【石崎委員】  
 いろいろこれまで申し上げた意見について取りまとめいただいてありがとうございました。大体私が申し上げたは留意すべき点に入れていただいていますが、5ページを御覧ください。5ページの留意すべき点のところで、ここに書いてあることを実現するためには、「高等学校の役割の明確化や学校及び教師が担う業務の役割分担・適正化を図るなど、学校における働き方改革を総合的に推進すること」という一文を入れていただいたんですけれども、私の解釈では、役割の明確化というところは、やっぱり学校が最低限やるべきことというのをある程度限定し、それこそそれが共通性なんじゃないかということを申し上げたと思うんですけど、そういう理解でよろしいでしょうかということと、そうであるならば、そのことがもう少しはっきり伝わるような表現にして頂きたいなということです。
 それから、続くところも、「学校及び教師が担う業務の役割分担・適正化を図る」というのは、働き方改革をして業務を減らせということではなくて、やっぱり今それぞれの学校がやっていることというのは、一つ一つ大事なことが多いと思うんですね。それを継続していくためには人員を増やすというようなことも選択肢としてはあっていいんじゃないかなということも申し上げたと思うんですけれども、そこが、「働き方改革を総合的に推進すること」だけが留意すべき点ではなくて、やっぱり人を増やして教育の質を維持するということも考えてほしいなということを申し上げておきたいです。
 特に高等学校は、教員の数にしても、設置者によって差が出ることも起こり得るわけです。そうしたことが、地域とか設置者による教育の差というのを生んでいくということは必ずしも望ましいことではないと思いますし、そうした部分は、やはり設置者任せではなくて、国で考えていかなければいけない部分というのもあると思います。ですからそういったところで、働き方改革を推進することだけではなくて、やっぱり人を増やして、今やっているいいことは維持していくようなことも考えなければいけないんじゃないかなと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  石崎先生、これ、控え目な表現ではあるかもしれないんですが、「国や高等学校の設置者の取組の下」というのが全体にかかっているんですけれども、ですから設置者だけではなくて、国もということなんですが、これももっと強調したほうがよいという。
【石崎委員】  もうちょっと国の役割を。やっぱり高等学校って、公立学校で言えば、正直言って都道府県によって違うわけですし、御承知のとおり教員の数だって自治体によっては、何とでもできるという言い方が適当かどうか分からないですけども、そういう部分もある一方で、それができない自治体もあるわけで、そういったことも含めて、国としてやっぱり日本全体の高等学校の教育の質を担保していくというか、そういったことが伝わるような。特に地方の校長先生方からはそういう声もいただくので、それが地方と、そうでないところとの、またあまりいい言葉じゃないかもしれないけど、格差みたいなものを生まないような前提というのが必要じゃないかなというふうに思います。
【荒瀬主査】  なるほど。だからもう少し強調されるような表現が。
【石崎委員】  そうですね、書きぶりの問題として。
【荒瀬主査】  そういうことですね。分かりました。
 あと、先生おっしゃった高等学校の役割の明確化といったような言葉とか、あと学校における働き方改革を総合的に推進することという、具体に書かないで、こういう丸めた言い方のほうがいろいろと取れて、かえってやりやすいんじゃないかと私なんかは思うんですが、そんなことないですか。
【石崎委員】  人を増やすとか学校でやることをもっと限定的に考えるというように、絶対やってほしいことや検討してほしいことは具体的に例示として書いておいてもらったほうが分かりやすいと思います。もちろん、そういうニュアンスをあえて柔らかく書かれたんだと思うんですけれども、でも実際として何でもかんでも学校に来て、学校が疲弊しているというのが現状として課題になっているのではないかと思いますし、教員の働き方改革に関する別の会議に私は出ていないですけれども、そっちでもそういう話をしていると思うので、そういうことも含めてやっぱり考えていただければいいんじゃないかなというふうに思います。
【荒瀬主査】  なるほど、分かりました。じゃあもう少し、何とか何とかなどみたいな感じで、例示するべきことは例示して書くということで。
【石崎委員】  そうですね。今言ったような、そういう課題に悩んでいる学校があるんだというところを踏まえた書き方にしてもらえればありがたいかなと思います。
【荒瀬主査】  先生がおっしゃっている質の高い教師の確保特別部会のほうは、いろいろともちろん具体的に書いているわけですけれども、書いているというか、検討しているわけですが、だからここでも、ちょっとそれも踏まえて。
【石崎委員】  先ほど冒頭で御発言いただいた委員の先生もおっしゃっていたと思うんですけど、ここに書いていただいたことを実現していくためには、やっぱり人の配置もそうだし、お金の配付もそうでしょうけれども、そうしたことを前提としなければ実現しない部分もありますし、それがまた実現できる自治体と、できない自治体に差が出るというのも望ましいことではないですし、そういったことを踏まえた何か書きぶりができるといいかなというふうに思っております。
【荒瀬主査】  なるほど。じゃあ工夫をしていただくということで、お願いいたします。ありがとうございました。
【石崎委員】  ありがとうございます。
【荒瀬主査】  それでは続きまして、鍛治田委員、お願いいたします。すみません、順番を申し上げます。鍛治田委員、沖山委員、塩瀬委員、濱田委員の順でお願いいたします。
 では、鍛治田委員、お願いいたします。
【鍛治田委員】  鍛治田です。よろしくお願いします。
 おまとめ、本当にありがとうございました。もうすごいなって、いつも文科省の皆さんには敬服しているのですけれども、1つ目が、生徒たちが共通に身につけるべき資質・能力、資質・能力といった言葉がたくさん出てきますが、私たちが同じことをイメージできているのかなと思いました。それぞれの学校が思っている資質・能力と、全国の学校が思っていること、また社会が期待している、考えていることとずれがないかなということが気になります。
 以前、学校が学力優先でやっていた頃、社会に出るとコミュニケーションの方が大事だったと、このギャップに非常に苦しんだ若者たちがいたと思います。今の学習指導要領は、それが随分改正されたと理解しています。でも、経産省が出している社会人基礎力などを見ると、学校がつけようとしている力とはまた違ってくるんだなと。経産省の出しているのが全ていいとは思ってはいないんですが、何が言いたいかというと、生徒が身につけなければいけない共通している資質・能力の定義といいますか、同じものをみんな思えているかどうか、その辺りが1点、気になっています。
 2点目ですけれども、12ページの括弧の丸のところです。「小規模校の生徒や特別支援学校の生徒等、総合的な探究の時間等において」で、ここを読んだときに若干唐突感がありました。中山間部の生徒同士であったり、遠隔授業を行う学校間連携をしようと、ほかの部分でたくさんでている中で、あえてこれを書いている。これは単位とは関係ないと思うんですけれども、このプラットフォームを構築することが求められると挙げた目的は何なんだろうと思いました。ここに特別支援学校の生徒のことが出ていて、実際にこのことは可能になるのかとも思いました。もしかしたら国連が日本は分離教育だと言われたこともあって、国としてのこういったことを入れることが求められているのかなとか、その辺りの意図を伺いたいと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。では、御質問というか確認が出ましたので、12ページの枠の一番上の丸印についてどういう趣旨かということですけれども、いいですか。お願いします。
【田中参事官】  鍛冶田先生、御指摘、御質問ありがとうございます。12ページの記述というのは、このワーキングで以前、今村委員から御紹介いただいた事例があったかと思います。カタリバにおいて、全国の小規模校、それから、その中には特別支援学校も含んだ形で、子供たちが遠隔のネットワークを使った、全国の離れたいろいろな学校の生徒たちと共通する点での探究学習を進めていたり、また、その中で教師同士の研修も進めていらっしゃると、そういう事例を御紹介いただきまして、その紹介いただいた事例、いろいろ御議論いただきましたけれども、そういったこともあると。まさに遠隔教育というのを使ったときに、特に公立の場合、通常、都道府県内で、設置者の中で、当たり前ですけれども、物事を考えがちなわけですが、それを超えた取組というのも、この遠隔、オンラインという手段を使えばできるのでないかという御例示いただきましたので、これについては、各県で勝手にどうぞやってくださいというよりは、各県を超えた存在としては、国という視点が私どもありますので、そこで何らか国のほうでそういったものを構築することを進めてもいいのではないか、そういう御提案があるのかなと、そう考えまして、事務局としては書かせていただいたところでございます。
【鍛治田委員】  分かりました。いいと思います。ありがとうございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。1つ目におっしゃった資質・能力のイメージというのは、これは相当ずれといいますか、ぶれというか、揺れがあると思います。学力という言葉も相当揺れがあると思います。私なんかは、学校は何をするところですかと聞かれたら、学力をつけるところですということを明快に申し上げようと思っています。学力をつけない学校というのはないというふうに思っていますが、ただし、その際の学力というのは、単にテストで成績が分かるものだけをいうのかというと、そんなことはもちろんないので、学校教育法30条2項に示された学力の3要素が基本になっている学力ということで、ただ、そういったようなことは多分、人によって様々違うと思います。残念ながらキャリア教育という言葉も、民間の方がお使いになる場合と学校関係者が使う場合も違いますので、その辺のずれがあるということを理解した上で、少しずつ話合いを通じて共有していくということもまた大事なのかなと思います。
 私がお答えする必要のない話で大変僭越でありますけれども、お聞きしていて、ちょっとそんなことを思いました。ありがとうございました。
 では、沖山委員、お願いいたします。
【沖山委員】  発言の機会をありがとうございます。本日は「中間まとめ」がまとまるという会議であるわけですけど、いつにも増して、ちょっとぼんやりと感想めいたことだけを述べて恐縮です。これまで結構幅広い事柄を、本当に多くの視点で議論してきたと思います。そういった意味では、ここまでまとめていただいてありがとうございます。検討に参加させていただいた者としてどういうことが読み込めるかということは、分かるつもりですけども、ただ、社会にこれを発信したときにどう読まれるかなという視点で改めて昨日から読み直してみました。
 この中間まとめに対しては丁寧に意見も聞き取ってくださったことに感謝しかありませんが、例えば1ページ目の「はじめに」の最後のほうに「本中間まとめを踏まえて」という一文があり、その中に「国、高等学校とか学校設置者」等に加えて、私は、保護者とか、学校外の子供を支える様々な支援機関といったものが入っていないのはなぜかということを申し上げました。今回の中間まとめには「家庭や地域」というふうに盛り込んでいただきましたが、そういう言葉から少し深読みしていくというか、広げて理解をしてもらえるだろうかと感じました。また、「生徒を主語にした」ということをこのワーキンググループでは盛んに言ってきたと思うんですけども、この中間まとめ自体が生徒を主語にした記述にそもそもなっているのかということを、感じています。
 つまり、学校の在り方がどういうふうなものであることが望ましいかとか、そのためにはどういうあれこれの仕組みが必要かということを様々盛り込んでいますが、ではそういったものを生徒が自分に合わせて選択をして、それを自在に組み合わせて活用していくことができる、学校生活を送ることができる、学びを深めていくことができる、どういうことが生徒にとって可能になるのかという視点で、あちこちに少しそれを盛り込めるとよかったのかなとも感じました。一番初め、冒頭に田村主査代理の御発言で、生徒のウェルビーイングということの御発言があったことにも、触発されて発言いたしました。単なる感想で申し訳ありません。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。とても大事なお話だと思います。生徒を主語にしたものになっているかどうかということですけど、多分生徒を主語にする上での前提の条件をどう整えるかということが我々の議論の一番中心にあったように思います。ですから、今回のこの中間まとめを読んで、生徒がわくわくするといったことには必ずしもならないかと思うんですけれども、少なくとも生徒がわくわくするような毎日の学校生活が実現していく、そのきっかけづくりにはなるのではないかというふうに思っておりまして、今後、議論の中で、今、先生おっしゃったこともまた、本当にそうなっているか、それが進んでいるかということの確認も併せてしていければと思っております。ありがとうございました。
 では、塩瀬委員、お願いいたします。
【塩瀬委員】  ありがとうございます。内容については、もう既にほかの委員の皆さんが御指摘されたことが反映されれば十分かと思います。私のほうから指摘したいのは2点だけ、並びの順番だけ御提案させていただけないかなと思いまして、言葉としては多様性と通信制の2点についてです。
 まず2ページ目の中で、以前、僕自身も発言の中で、共通性の確保と多様性の順番を変えられませんかというのを御提案させていただいたかと思うんですけども、2ページ目の2ポツのところで、多様性への対応を図りつつ、共通性の確保を併せて進めることが必要であるという順番にしていただいているんですけど、その後ろから「共通性の確保」というとこで8ポツがスタートしまして、その後に「多様性への対応」で3ポツになっていて、最後の留意すべき点のところで、まず「共通性の確保」及び「多様性への対応」というところに戻るんですよね。
 これはどうしても価値の再生産で、もちろん歴史的な背景から、高校の進学率が上がって、まず共通性の確保があり、その後、多様な生徒への対応がありという歴史的な順序があるとは思うものの、今多分この時点で価値の順番を逆転させないといけないタイミングなんじゃないかなと。そうしないとどうしても、丸坊主にした上で、多少襟足が伸びているとかという多様性を確保するという話になってしまうような気がするので、先に多様性の確保ありきというのは、ここで文章上、全部入れ替られないかなというところが少し期待としてありまして、そういう意味で言うと、2ページ目の「共通性の確保」という文言から3つと、後ろにある「多様性への対応」の3つ、ポツの順番が入れ替えられませんかというところを御提案したくて、「共通性の確保」の4点目から、「この学習指導要領と前後する形で、大人となり云々」というあたりは多様性の中で議論しても十分なのではないかなと思いまして、学制150周年で、共通性の確保というところが大前提である学制の中からでも、150年たったというところも踏まえまして、多様性というのをちゃんと認めるというところからスタートができないかなと。
 どうしても多様性という言葉が、現場でもネガティブに使われている部分がもしかしたらあるのかもしれないと。例えば、いわゆる進学校と進路多様校とおっしゃるときにも、やっぱり大学への進学と専門学校と就職するための学校のようなニュアンスで多様性が使われるし、多様な生徒に配慮しないといけないという言い方で多様という言葉を使っているので、もしかすると多様性は消極的に、仕方なく受け入れようとしているのではないかなと。そうではなくて、本当に多様性というところに価値を認めるのであるならば、多様性の確保を前に出せないかなというのを、ここを節目にできないかというのが1点目です。
 もう1点、それに関わるのが14ページ、全日制、定時制、通信制の中での通信制課程の在り方というところですけど、ここも、14ページの2ポツ目「また、通信制課程については、多様な生徒の学びに対するセーフティネットになっていると考えられ」というところからスタートして、次のやつも「もとより、通信制課程は、勤労青年に高等学校教育の機会を提供することを目的として制度化されたものであるため」云々とあるんですが、変わってきたという背景を前に書いてしまうと、結局その価値を再生産させてしまうことになるので、むしろ、この2ポツ目の4行目から書いてある「このことを踏まえれば、通信制課程について、生徒がその進路にかかわらず、自立した学習者として社会で生きていくために広く必要となる資質・能力を身に付けられるよう、必要な支援体制を整えていくとともに、全日制・定時制課程に比較して少ない登校回数下で、生徒が人間関係を築きながら、自己の良さや可能性を認識し、多様な人々と協働する機会を充実させていくことが重要である。」という文言を前のほうに持ってこられないかなと、そういう手段として通信制を新たに捉えるという意味で、背景という順番。だから内容は変えなくていいので、順番だけ変えられないでしょうかという提案になります。
 これは結局、多様性も通信制も、何となくネガティブなままなんじゃないかなと、そうじゃなくて、新たな可能性として多様性と通信制を見いだすのであるならば、ここは前に持ってきたほうがいいのではないかなというところをできれば提案させていただきたく、そうしないと、今まで思っていた価値がどうしても、もう一度繰り返されてしまう。そこがずっとみんな子供たちは感じ取っているような気がするし、生徒たちも大人がそう思っているんだなというのはすごく感じていると思うので、できれば節目としてそこをここで変えられないかなというところを提案させていただけたらと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。ちょっと実際に動かしてみて、それだけで済むかどうかということもありますので、全体のバランスも含めて検討させていただきたいと思います。大変重要な御指摘ありがとうございました。
 進路多様校と言うときには、恐らく、何というんでしょうか、多様という言葉に悪い意味を置いているわけではなくて、その学校がいわゆる進学校でないということを否定的に捉えるのではなくて、いろんな進路のある子だということを言うために多様という、取って置きのいい言葉を使っているという感じがないですかね。
【塩瀬委員】  本来そのはずだったんですけど、結構、現場で。
【荒瀬主査】  今、違うんですか。
【塩瀬委員】  そういうニュアンスではない、仕方なく進路多様校に行っている、進路多様校に対応せざるを得ないという、そういう文言で使われる場面があるので。
【荒瀬主査】  そういう文脈で使うんですか。
【塩瀬委員】  そこがすごくもったいなくて、多様ということ、だから本当はいい意味ですよね、どちらにでも行けるというはずですよね。
【荒瀬主査】  そうです。
【塩瀬委員】  多分そういうふうに期待されている言葉で使われていないところがもったいないとすごく感じるので、本当に可能性が開かれた学校として言いたいと思っている大人がいるのは事実なんですけど、そうじゃない文脈で使われている。
 多分、通信制も同じだと思うんですね。通信制の可能性に感じておられる方は、オンラインも含めて、これを使っていろんなところから自由に受けられると思っているけど、そうじゃない方が使っている言葉が、さっきの価値の再生産と同じで、その地域の中で同じように使われる。うちの子は進路多様校にしか行けないからという言い方をされると再生産されるので、そこを何とかして、順番を変えて、今皆さんの期待しているポジティブな意味での使い方をちゃんと流布できないかなと。
【荒瀬主査】  なるほど、分かりました。ありがとうございます。ちょっと検討、よろしくお願いします。
 それでは、続いて濱田委員、お願いいたします。
【濱田委員】  中間まとめ、ありがとうございました。根本的な話をしている中で、少し感想めいたことになるかもしれませんが、申し訳ありません。
 まず、少子化が加速する地域における高等学校教育の在り方につきましては、これまで遠隔授業の実証研究をしてきた者としては、非常にありがたいまとめになっています。現状と課題の整理、そしてこれから取り組むべき方向がきちんと明示されていまして、非常にありがたいというふうに思っているところです。
 特に9ページの、遠隔授業はそもそも何のためにやっているのかというところをきちんと記載していただいて、留意すべき点のところで「これらを学校の統廃合や教師の数の合理化手段として捉え、教育の質の低下を招くようなことは、決してあってはならない」と、これは本当に、取り組んできた者としてはありがたい一文でございます。
 それから16ページの具体的方策の2つ目、授業時数の3分の2以上の出席についてです。これが慣例だったんですよね。慣例だったんですけれども、当たり前のように出席日数不足の生徒たちを通信制に送ったり、中途退学せざるを得なくなるようなことがございました。ここに書いてありますように、「上記制度改正の周知と併せて促す必要がある」では少し弱くて、やはりこれが慣例である以上、授業時数の3分の2以上の出席だけで子供の今後の進路を促していくというようなことがあってはならないと思いますので、すぐにもぜひ通知等対応して、都道府県教育委員会、市町村教育委員会において是正策を促していただくように再度お願いしたいと思います。
 それから最後が、23ページの教員の資質・能力の向上のところです。ここにおいては、喫緊の教育課題に対応する研修のコンテンツとか、それからキャリアステージに応じた研修ですとか、そういったもののコンテンツの開発を国においてしていくということで、それは本当にそのとおりなんですけれども、あわせて、各都道府県には教育センターがございまして、各都道府県の教員の研修は、その各都道府県の教育センターが担っていて、集中的にやってございます。ですので、国と都道府県の教育センターが連携をしながら、国がやることと都道府県教育センターがやるべきことの役割分担は必要でしょうが、特に探究的な学びをデザインしてマネジメントする教員の育成なんていうのは、国がコンテンツを出す前に、こういう方向は決まっているわけですから、都道府県の教育センターに国としてきちんと指示といいますか、通知をするなり、促していくなり、やはりそれぞれの教員育成を担っている都道府県にかかっているんじゃないかと思います。そういったところも御検討いただけたらと思います。ありがとうございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。これは、今の3分の2以上の話もそうですけれども、また事務局には御負担をお願いすることになるかもしれないんですけども、よく言う話ですけど、一枚物で、これを見るとこの中間まとめの内容が、一目瞭然とまではいかなくても、ほぼ分かるみたいな、何かそういうものを、すぐにというわけではなく――すぐにでなければ意味があるのかないのか分からないですけど、それは可能かどうかを含めて御検討願えないでしょうか。今みたいな話も、文章の中に溶け込んでいると見えないけれども、実はこういうところは大事な点ですよという、逆に言うと、項目別に1枚ずつでもいいのかもしれないんですけど、何かあるといいのかなと思いました。
 それから、最後におっしゃった話は、これは教職員支援機構もいろいろと今努力しておりまして、高知県からも特別研修員の方が来ていただいていて、一緒に今、探究型の研修をどうしていくのかというのを模索しているところです。
【濱田委員】  はい、そうです。
【荒瀬主査】  ですから、ぜひまた御一緒にやっていきたいと思いますので、これはうちのほうからも全国の教育委員会の皆さんにいろいろとお願いして、千葉県にもまたお邪魔いたしますけれども、よろしくお願いしたいと思っています。ありがとうございました。
 それでは、篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  ありがとうございます。皆様の意見を聞いていて、少し触発されたり、プラスしたいと思ったりしたことを、お伝えしたいと思います。
 今村委員もおっしゃっていましたけれども、やはりこのメンバーでは、いろいろな価値観がある程度共有されてきたり、このことってこういうことだねという話が分かってきたりしていても、これを初めて読む皆さんにそれが伝わりにくいのではないかなということを思い、やはり本当の最初に、この「はじめに」というのが、項目が変わるのかどうか分かりませんけれども、1段落、私たちはこういうことを目指してこのことをまとめている最中なのですということの、決意表明といいましょうか、宣言を、要約という形かもしれませんけれども冒頭に1つあって、その1段落がある意味、今、荒瀬座長がおっしゃられた何とかの概要をまとめるときの鑑文になったりするみたいに、そんなことを一つ目指したらいいのではないかなと思いました。
 その中で強調すべきことは、やはり少子化になって、一人一人の生徒を、今までも大切にしてきたでしょうけれども、これまで以上に大切にしなきゃいけない、まさに個別最適で高等学校教育を考えていかなくてはいけないということの真剣さといいましょうか、これまでの延長線ではないんですよということ。少子化を異次元の政策でやるというふうに政府は言い出しましたけれども、高等学校についてもやはり今やらないと間に合っていかないということも含めて、そのことを強調すべきではないかなということを思いました。
 2点目は、やっぱり全体読んでいて、まだまだ中間なので討議すべきことが本当に多いなということを改めて感じているんですが、全体を俯瞰すべきということだと思います。全・定・通の在り方についても、やはり通信制がセーフティーネットでスタートして、これまでもセーフティーネットであり続けている。これから全・定がそのセーフティーネットをどんどん細かくしていくときに、では通信制というのはどういう役割を果たしていくものなのかという設定、その在り方が全く違うのであれば、それに対応してどういう方向性が考えられるかということをトータルに全体で設計したいというふうに思いました。
 これに関連してかどうか、第3になるかもしれません。「生徒を主語にして」という、この部会のキーワードですけれども、これは全く将来的な提案ですけれども、この審議のまとめを、最終的になるときに、高校生が読める審議のまとめを1枚作ってはどうかということを御提案したいと思います。高校生が、自分たちの学校がこれからこうなっていくんだということに、それこそ少しわくわくしていく、あるいは後輩たちに、いいな、おまえたちはというふうに言えるような審議のまとめ高校生版みたいなものができたら、すごくこの会議のありようみたいなこともまた示せるのではないかなと思いました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。これまで何人かの方がおっしゃったことを支持していただいたものかと思いました。最後、高校生が読む審議のまとめに将来的にはまとめていくという、それも大変大事な御提案をいただきました。ありがとうございました。
 一通り御意見頂戴したという感がありますが、まだ時間が少しございますので、もしももう少しということがありましたらお願いいたします。
 では、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  今回修正の中で指摘させていただいたところとして、最近、探究活動を現場で見ていると、社会課題にすごく寄ってしまっているというのはやっぱり前々の議論からあって、例えば清水委員からも理系の話が出たんですけど、中学校の段階とかで社会貢献を強く言い過ぎるあまり、弊害のようなものが出てしまっていて、実はこの前、4日前ぐらいに、バイオエネルギーの研究をしている学校に行ったんです。そこで、まあ小規模な、学校にある植物をエネルギーに変えるみたいなことをやっていたんです。そこの目的のところで世界のエネルギー問題を解決するみたいなことが書いてあって、スケール的には絶対無理なんですよね。その中で説明を聞いていると、じゃあそのバイオエネルギーを作る過程における化学式を書いてごらんとか、そういう話になって、その途中で面白い、化学において現象が出てきたんです。ここを掘り進めていったらすごく面白い探究になるんじゃないかと僕は話をして、先生もそういうふうに言っているけど、生徒は化学反応式は十分に書けないのですが、かたくなに、いや、エネルギー問題何とかしなきゃいけないのでというところに行ってしまうんですよ。
 それがあったので、今回、学問的な問いみたいなところも、3ページの下から2番目の「また、生成AI」のところで、「社会における膨大な情報やあらゆる学問分野の中から」というふうに、学問分野を入れていただいたんですけど、すぐ役に立つか分からないし、だけども好奇心があるからこれをやりたいんだというところをもっともっと大事にしないといけない。あとは、その後に行った学校の中で、僕が生徒向けに話をしたときに……、SDGsとかを気にせずに好きなことをやりなさいと言ったら、生徒がすごい喜んだんですよ。というのもその後細かく聞いてみると、それと関連していないよねというふうにやっぱり言われてしまうと、SDGs関連してないじゃん、これとか、そういうふうにして生徒の好奇心というものよりも社会的な課題、社会的な貢献みたいなところにバランスが寄ってしまっていて。中学校のときはある種、今社会ってこういうふうになっているんだと知ることは大事なんですけど、高校って、自分をもっと知って、自分が何がしたいのかというところを大切にして欲しい。やっぱり進路を選ぶとても重要なタイミングですので、そこをもう少し強調したいなというのが探究の中で議論するときには重要なのだというふうに思って、追加ですけれども、こういう意図でその辺の文言は付け加えていただいたということです。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。とても大事なことですよね。これは全然別の会議ですけれども、探究をするとなると、中学校も高校も地域、地域という話になると。地域に結びつける、地域を愛し、地域に帰ってくる、そういう人材を育てるんだというけど、何で地域に縛りつけて自由な発想を持たせないのかという話があって、全くそのとおりだと思うんですね。若いうちは、もう本当にいろんなことをやってみたいし、壺井栄の時代から、十七、八が二度候かよといって、島を出ていこうとする若者たちがいたという、そういう気持ちというのはとても大事だし、そのときでしか思いつかないこともありますよね。それが、それこそ文系とか理系とかに限らないことも当然だし、社会としての意味というのと、自分としての意味というのと両方ありますよね。それは本当に大事で、ありがとうございます。
【岡本委員】  はい。強調して。
【荒瀬主査】  大事な点をちゃんと追記していただいています。
 では、今村委員、お願いいたします。
【今村委員】  すみません、時間があるということなので、非常に細かいんですけれども、別添資料の中の4ページに触れてはいただいていますスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーのところについて。ここですけれども、これまでも文科省さんの資料の中に配置支援みたいなふうには書いてあるんですけど、結局スクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーさんとかの財源って、国の補助はない前提で、自治体負担になっている状態は高校も同じですか。県が持っているんでしたっけ。
【田中参事官】  スクールカウンセラーについては国からの補助制度がありますので、児童生徒課のほうの補助金で国で補助している部分と、自治体のほうで御負担していただいている分と、それを重ね合わせてやっているという形です。
【今村委員】  重ね合わせて。じゃあ全部の自治体が補助を受けて配置しているという前提でしょうか。
【田中参事官】  補助以上に配置しているところもあるかもしれませんが、児童生徒課では全国にくまなく配置できるように補助金の拡大というのも年々図ってきていると、そういう状況です。
【今村委員】  高校は結局教育機関なので、福祉機関ではないんですけれども、やっぱり18歳が法律上の成人年齢になるということを重く受け止めたときに、高校で、制度のエラー、制度というか、高校で難しくなってしまったときに、今回新しく校内教育支援センターという言葉が、新しいのか前回もあったのかちょっと分からないんですけど、出てきていて、確かに学校でサポートするということを充実していくことをやっていくところも大事なんですけど、学校からエグジットしてしまったとき、そしてその方が広域通信制で、心理のケアがない広域通信制につながったとき、全部ではないと思うんですけれども、やっぱりその方が本当に、働けない若者というか、若者支援の領域に移行するわけなんですよね、18歳になるわけなので。
 だから、全日制、通信制、そして箱のある、通学ができる場所から卒業せず外に出る、そして自立を求められる通信制に行くということの、失礼ですけれども、リスクをやっぱり感じていて、スクールソーシャルワーカーを国がきちんと充実して配置されるということは、特に県立高校についてもっと充実したほうがいいと思いますし、ここは全部が無理だったら、やっぱり傾斜をかけて、困難な家庭環境にある子たちがいるということが把握できる、学力がちょっと低位の学校とか、そういった地域には、とにかく国がきちんとそこに、スクールソーシャルワーカーですね、スクールカウンセラーでなくスクールソーシャルワーカーを、卒業後もきちんと福祉の視点で、その子が通信制に行ったのであっても、公立学校に在籍したのであれば、そこからつながりを閉ざさずにその子を支援するような形にしないと、本当にかなり大人になって病気になって、40歳ぐらいになって、もう気づいたら病気を抱えていて福祉とつながって、やっと自治体としてその子の存在を把握して、課題が明らかになって問題が重大化、もう大きなものになっているということになってしまうことになると思うので、成人年齢が18歳になった今、やはりスクールソーシャルワーカーをきちんと県立学校に充実させる、傾斜をかけてでも充実させるということも重めに書いていただきたいなと思います。というか、そこの財源、頑張って取ってきていただきたいなと思いました。ちょっと論点が学校論じゃなくて申し訳ないんですけど。
【荒瀬主査】  うん。だからここに盛り込むかどうかというのはちょっと検討させていただいて、今のお話は高等学校だけの話ではなくて、もう少し会議の在り方も、今村さんもいろいろ出ていらっしゃるし、違う場所での議論というのが必要な気がしますね。ここは、さっきも申しましたように、高校生が今、学校で学ぶという際にいろいろな、高校生が乗り越える必要がないにもかかわらずあるところの様々なハードルとか、それをいかになくしていくかを考えるということがやはり第一義的な目標だと思いますので、その辺りももちろん大事な話ですけれども、それも踏まえて考えますが、少し検討させていただくということでよろしいですか。
【今村委員】  であれば、ごめんなさい、この校内教育支援センターも大事なんですけれども、県が設置している教育支援センターがワークしていないところも結構あるなと思っているので、県の教育支援センターをせめて充実させてという政策もここに書いておいていただけると、自治体が、まず県の教育センターがどう県立学校とつながってやっているのかということの把握からだと思いますけど、それぐらいは書いていただけるとうれしいなと思います。
【荒瀬主査】  考えます。ありがとうございます。
 では、冨塚委員、お願いいたします。
【冨塚委員】  すみません、今村委員の御意見を伺っていて、ほかのところでの議論ということなので、取りあえずここの議事録に残していただきたくて、あえて発言をいたします。
 今村委員のおっしゃるとおりで、我々今すごく課題と思っているのは、一つにはスクールソーシャルワーカー、高校を拠点にして、小中も見るような形で配置をしておりますが、予算的なことは国からもいただいておりますけれども、予算もそうですが、成り手というか、社会福祉士や精神保健福祉士という資格のある方が非常に少ないといいますか、確保しづらい状況です。
 それには、一つにはスクールソーシャルワーカーの待遇といいますか、雇用の条件が、予算的な制限もあって常勤でということが難しいので、こういった資格を持っている方は本当に引く手あまたで、病院、施設、いろんなところで必要とされているので、もっと勤務条件のいいところに行ってしまいまして、今の千葉県の待遇の中では、時間的にも少ないですし、なかなか確保しづらいというところで、人を増やすのが難しいところがあります。
 そんな中で、やはりスクールソーシャルワーカー、特に高校においては、小中までは自分の住んでいる市町村の中の学校に行っているので市役所の福祉部門がその子供のことも分かっていて、例えば生活保護が必要だったら、学校設置者イコール福祉事務所の所長なので、そこの連携がすごくしやすいのですが、高校になると、市域を越えて、例えば千葉市の学校に通ってくる子も、船橋市や四街道市から通っているので、そうすると学校としては、その子の居住地の市役所の福祉部門と非常に連絡が、連携が取りづらい。それをつないでくださるのがソーシャルワーカーで、学校は非常にソーシャルワーカーに頼っている状況がありますので、もっとソーシャルワーカーを増やしたりという努力を県としてもしたいですし、さらなる国の支援があれば非常にありがたいなというのは思います。
 というのと、先ほど今村委員おっしゃった、本当にいろいろと学校が頑張っても、どうしても一定数、通信制に転学する子、あるいはやめてしまう子がいます。家庭の経済状況だったり、どうしても学校になじめない、もともと勉強が嫌いで高校なんか来る気なかったけど、親や先生が行けというから来たけどやっぱり無理だと言って、やめてしまう子もたくさんいます。そうすると、もう学校は追えないです。そういうやめちゃった人たち、その後どうしているか追えていますかと校長先生に聞くと、追えませんと言います。
 だから、もしかするとその中で社会的に、何というか、あまり好ましくない方向に走ってしまっている子もいるし、そこの若者支援を民間のNPOやボランティアでやってくださっている方や団体があるので、そういうところと学校と、それからソーシャルワーカーとか、もうちょっと学校の枠を超えた幅広い若者支援のネットワークの研究をしたいなというふうに思っているので、そういったことを、この場ではなくて、どこかでぜひ議論を深めていただく、あるいは今村委員の所属している団体のような、社会的にいろいろな支援をなさっているところと学校現場とつなぐようなシステムみたいなものがあると、非常にありがたいなと思います。
 すみません。以上です。
【荒瀬主査】  時間がないんですけど、ちょっと一言だけ。子供、若者支援のときに、そういったような民間団体とかは、やっぱり自治体と大いに関わらないといけないと思っていらっしゃって、関わりにいこうとするんだけど、自治体のほうがなかなか開いてもらえないというような話があったりするようですので、自治体の中でも、またぜひ御検討いただくということが大事ではないかなというふうに思います。高校に属していないからどうなったっていいなんて、そんなことはもちろん誰も思っていないので、いかにして若者を支えるかという、その際にいろいろな支え方というのが必要になってくるでしょうし、その辺りぜひ考えていきたいと思います。
 すみません。では、時間が本当に、さっきはあったんですけど、だんだんなくなってきて、岩本委員、青木委員、石崎委員の順にお願いします。最後、田村委員に御発言をいただくことにしますので、手短に、よろしくお願いいたします。
【岩本委員】  じゃあもう私、手短に。先ほど高校生も語れるぐらいシンプルに、最後、1枚ぐらいあったらいいんじゃないかという御意見なんかもあったかと思うんです。私、すぐにじゃなくてもいいんですけど、文科省さんは割とポンチ絵って結構得意で、作られていると思うので、これからの高等学校の在り方という大きいテーマだったときに、それってどういう在り方なのかというのが1枚で見れるとか、少子化が加速する地域における高等学校教育の在り方とは何なのかというお題に対して、一旦、こういう絵だみたいなところで、何かビジョンというか、イメージがつかめて後は読めば分かるとか。少なくとも我々や、今回、設置者である、例えば都道府県の教育委員会とかが学校だとかに伝えていくときに、伝えやすいそういうものがあると、それを基に説明できるとかというので、今後どこかの時点で多分作られると思うんですが、やはりあるといいなというところで。
 以上です。
【荒瀬主査】  急がずに考えていただく。
【岩本委員】  はい。全然今でなくていいと思っていますので。
【荒瀬主査】  でも本当は、読んでいただかなければ駄目だし、本当は読んで要約して伝えられるという力を我々もしっかりと磨いていきたいというふうに思います。すみません、余計なことを言いました。
 青木委員、どうぞ。
【青木委員】  ありがとうございます。冨塚委員のリソース調達の困難に関することで、中間まとめに入れていただきたいという意見ではないです。アイデア一つだけ出すという意味で発言します。
 最近、人事院などでも検討されている公務内兼業というのは一つ有力な選択肢ではないかなと思いますので、例えばこの場で、中間まとめの後で、国からの審議会、国レベルの審議会で地方自治体に対して、そういうものもありますよという選択肢を提示するぐらいの議論はあってもいいのかなと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。大変重要な、大事なお話かと思います。
 では、石崎委員。すみません。
【石崎委員】  すみません、感想めいた話ということなので申し訳ないですけど、さっき、やっぱり多様性が大事だという話もあって、私は全くそのとおりだと思うんですよ。進学校だ、進路多様校だという話もありましたけれども、実際に大学に行く生徒というのは、高校卒業する生徒の5割ちょっとしかいないわけですよね。だから、やっぱり私たち社会が高校を卒業したということをいかに認めていくかというか、高校でこういう力が身について、社会の一員としてやっていくんだということを訴えていくような、そういう部分がないから、何か高校を卒業したことがきちんと認められていないというようなことになっているんじゃないかなと。だから何が言いたいかというと、そういうメッセージをやっぱり、高校でこういう力がついたんです、だから社会の一員としてこういうことができるんですというようなことをメッセージとして訴えていくことも必要なんじゃないかなと思います。
 そのためには、やっぱり高校でやることということが、さっきの話に戻るんですけれども、これだけは絶対できるようになっていますよというような限定的なところも明確にしていくこと、高校を卒業したことというのをきちんと、勉強の内容だけに限らずこういう成果なんですよということを訴えていくようなメッセージを入れていくといいんじゃないかなというふうに思いました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。まさにスクール・ポリシーですよね。ありがとうございました。
 では、田村委員、お願いします。
【田村主査代理】  失礼いたします。先ほど岡本委員がおっしゃった学問的な問いといったようなことに関連してですけれども、今後、探究を軸にした教育課程ということが考えられているわけですが、質の高い探究をしていくためには、教科の学びというものが大事であり、さらに探究というものの経験を契機として教科の学びが深まっていく、学問に新たな知見を加えていくというところは非常に大事かなと思います。20ページの、丸の1つ目ですが、「各教科等における学びの充実を図ること」と入れていただいたということを、ここでもう一度、繰り返しておきたいと思います。
 それから2点目ですけれども、19ページ、丸の2つ目になりますか、真ん中辺りに「正解主義や同調圧力への偏りから脱却し、生徒がチャレンジできる機会を増やすことを通じて」と、この部分は私がお願いして入れていただいたんですけれども、もし可能であれば、チャレンジだけではなく、試行錯誤、あるいはもっと言うと、これは書き込みにくいかもしれませんが、失敗もできると。そして生徒が自己肯定感だけでなく、もうこれは言い始めると切りがないんですが、レジリエンスであるとか探究心であるとかチャレンジ精神であるとか、学校というところは失敗をしながら学ぶことができる、そういう安心安全な場であると、そういったところもこれから議論を深めていければというふうに思います。
 こういったことを実現するために、先ほど資質・能力をすり合わせるというお話があったんですが、各学校がスクール・ポリシーを考えるところで資質・能力をすり合わせる必要がありますし、面白い探究の学習をデザインする、あるいは深みのある教科の授業をしていく、そのために必要なのは、やっぱり先生方が生徒を見つめ、自分の実践を振り返り、思考し、研究し、同僚やほかの方々と対話する、そういう時間と心のゆとりというのが必要で、そういったものがあってこそ、先生方にとっての仕事もウェルビーイングになっていくのではないかと。そして、そういう教員たちに学んだ子供たちというのは、それを見て社会に対する希望であるとか、人生に対する希望というものも持っていくのではないかというように思います。
 以上でございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。今おっしゃったようなお話が、我々だけでなくて、全ての学校関係者はもとより、いろんな方々に共有していただけるようになるといいなと思ってお聞きしました。ありがとうございました。
 修文ということでおっしゃったわけではなかったかもしれませんが、19ページのチャレンジのところは、試行錯誤という言葉がいいのかもしれませんね。チャレンジは「挑戦する」ですけど、試行錯誤は、国語辞典の意味の中にも、失敗することも含めてということが明記してある辞書が多いですから、そっちのほうがいいかもしれませんね。
【田村主査代理】  そうですね。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。
 それでは、もう時間が過ぎてしまいました。申し訳ありません。今日もまた様々な御意見いただきました。これまで頂戴した意見に加えて、今日の意見も含めて、最終的に中間まとめ案にどのように反映するかということでありますけれども、こちらのほう、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【荒瀬主査】  最終的に田村先生とも御相談いたしまして、事務局のほうにお願いをすることにしたいというふうに思っております。
 では、御一任いただいたものといたしまして、ありがとうございました。
 では最後、次の日程です。よろしくお願いします。
【松田参事官補佐】  本日は御議論いただきまして、誠にありがとうございました。次回の日程につきましては、また追って事務局より御連絡をさせていただきます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。
 では、本日はこれで終了いたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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初等中等教育局参事官(高等学校担当)付