幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会(第12回)議事録

1.日時

令和5年2月27日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議形式で開催

3.議題

  1. 審議とりまとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【無藤委員長】  定刻となりましたので、ただいまから第12回中央教育審議会初等中等教育分科会 幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございました。
 それでは、本日の会議の開催方式及び資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【澤田子育て支援指導官】  本会議は、Webexを用いたウェブ会議方式にて開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 なお、本日は、報道関係者と一般の方向けに、本会議の模様をWebexにて配信しております。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1から資料2、及び参考資料の1から2となっております。御不明な点がございましたらお申しつけください。
 以上となります。
【無藤委員長】  ありがとうございます。
 それでは早速、議題1に参りたいと思います。本日は、議題1におきまして、2つのテーマに分けて御意見をいただきたいと思います。1つ目は、前回の委員会に引き続きまして、審議まとめの案及び概要の案について御意見をいただきたいと思います。2つ目は、本日が最後の架け橋特別委員会となります。しかし、今後、審議まとめを実行に移していくに当たって必要と考えられる方策、また架け橋期の教育の充実に向けて、今後の展望、期待などについて御意見を頂戴して、今後の推進に役立てたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、この間、2月、審議まとめ案につきまして一般の意見募集を行っております。それについていただいた御意見についてもまとめていただきましたので、事務局より報告をお願いしたいと思っております。
 それでは、まず事務局より、資料の説明をお願いいたします。
【横田幼児教育企画官】  それでは、資料1を御覧ください。前回の架け橋特別委員会でいただいた御意見を基に修正した案となっております。黄色でマーカーしている部分が、委員の皆様よりいただいた御意見によって修正や追記を行ったところですので、本日は黄色マーカーのところを中心に御説明させていただきたいと思います。
 それでは、2ページを御覧ください。まず、2ページの下から3つ目のパラグラフになります。5歳児から小学校1年生までの2年間を架け橋期と称して焦点を当て、当該時期の教育、架け橋期の教育の重要性について、幼保小の先生はもとより、家庭や地域をはじめ、子供に関わる全ての関係者に幅広く訴えることを目的としたものであること、また、連携・協働を通じまして、幼児教育や小学校教育の充実を図るとともに、子供の健やかな成長に不可欠である家庭や地域の教育力の向上へとつなげていくことが重要であること。さらに、子供に関わる関係者が真に一体となって連携・協働することにより、子供はもとより、全ての関係者のウエルビーイングの実現へとつなげていくことも期待されること。そして、実現に向けては共に取り組んでいくことなどについて、明確化いたしました。
 また、2ページ目の脚注7におきまして、ウエルビーイングの概念定義につきましても追記をさせていただいているところであります。
 次に、少し飛びまして、資料8ページ目になります。文章の適正化を図りまして、5歳児から小学校1年生の2年間の架け橋期は、幼保小が意識的に協働して子供の発達や学びをつなぐことにより、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくることが重要であるといたしました。
 また、9ページ目、次のページになりますけれども、教育委員会の教育方針としておりましたところを、少し分かりやすく「教育委員会が定める教育に関する基本的な方針」とし、また、幼保小の相互理解を深めるために、具体的な事例を用いて、大事にしている子供の経験などの対話を通じて深めていくことが重要であるとしました。そして、一番下の丸になりますが、「異なる施設類型や学校種の教育内容や指導方法を理解し、指導の見直しや工夫を行うことは、幼児教育施設や小学校の先生の双方にとって、自らの指導や子供の学びを豊かにする貴重な機会につながると考えられる。」といたしました。そして、幼児教育施設の横の連携強化に取り組む理由として、「幼児教育施設においては、私立が多く、また複数の施設類型が存在し、それぞれが特色ある幼児教育を展開していること」を追記しております。
 次に、(イ)の上から3つ目の丸ですけれども、先生の負担を大きくせず、積極的に関わっていただくために、「オンラインも適宜活用しながら」という文言を追記いたしました。また、架け橋期のカリキュラムという手段が独り歩きをせずに、そのときの子供の様子や声を大事にしていくものであるため、「目の前の子供の実態に応じて、架け橋期のカリキュラムの実践・改善等を行っていくことも大切である。」としたところであります。
 そして次のページ、11ページ目になりますが、(1)現状と課題の1つ目の丸で、こういった架け橋期の教育の充実は、保護者や地域住民などの参画を得ながら取り組んでいく必要があるとしたところであります。
 次に、13ページになります。3番の特別な配慮を必要とする子供や家庭への支援のところです。もともと違う場所にあった記述ですが、(1)現状と課題のところで、1つ目のパラに持ってきたらいいのではないかという御意見をいただきまして、障害のある子供や外国籍等の子供など、その対応が増加していることを1つ目のパラに持ってまいりました。また、3つ目の丸になりますけれども、何が分断されているのか不明瞭であったため、幼児教育施設における子供の障害等に応じた支援が小学校に引き継がれず、支援が分断されているとの指摘があると明確化したところであります。
 そして、次のページになります。(2)の上から2つ目の丸になりますけれども、ここのパラグラフは少し主語が不明確であったところがありましたので、「国や地方自治体においては」という文言や、「幼児教育施設は」という文言を追記して、主語を明確化しました。また、一人一人に応じた指導を重視する幼児教育のよさを生かしながら、障害の状態などに応じた支援を行うよう努めることが必要であることも追記いたしました。
 そして、15ページ目になります。外国人の子供の多くがいじめを体験しているという御意見をいただきました。そのため、「幼児教育施設においては、外国籍等の子供との触れ合いを通して、子供に多様な文化的・言語的背景を尊重する姿勢を育み、国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすることが必要である。」としたところであります。そして、次のページになりますけれども、特別な配慮を必要とする子供の周りの子供が共生社会の担い手として育っていけるようにすることが大切であるということについても追記をしたところであります。
 そして、18ページ目になりますけれども、学童のニーズが増加していることに伴いまして、幼児教育施設が、小学校、放課後児童クラブ、子育て支援に取り組むNPO法人、地域のボランティア団体などとの連携・協力を図り、保護者が必要とする子育て支援を継続的に受けられるようにしていくことも重要であるとしたところです。さらに、その下のパラになりますが、保護者同士の交流も必要であること、また、家庭への架け橋という観点も必要であること、そして生活習慣が非常に重要という御意見から、「乳幼児期の子供の保護者と小学生の保護者が交流できる場を設けることにより、保護者がそれぞれの子育て経験等を共有しながら、小学校での子供の学習や生活の見通しを持つことや、遊びを通して学ぶという幼児教育の特性について認識を共有していくことが期待される。」としたところです。また、幼保小では1日の生活リズムが異なることを踏まえて、「幼児教育施設と家庭が連携することにより、小学校生活を見据えながら、生活習慣を養うこと等が考えられる。」ということも追記をしたところであります。
 21ページ目になります。研修のところで、(イ)の1つ目の丸になりますが、異校種の研修も学ぶことがすごく大きいということで、学校種を超えた研修に取り組むことも必要であるとしたところです。そして、一番下の丸になりますけれども、文章を分かりやすくするために文言を追加しています。「先生同士の子供理解が深まったり、保育への手応えややりがいが高まったりするなど、一層効果的に実施することが可能になる」と文言を追記したところであります。
 そして、22ページ目になりますけれども、(エ)幼保小の架け橋プログラムの推進の上から2つ目の丸のところで、保護者などの関係者の意見を聞き、検証しながら取組を充実していくことが必要であるということで、「関係者で共通理解を図りながら進めるとともに、関係者と共に振り返りながら改善を図っていくことが重要である。」としたところであります。
 そして、少し資料のほうは飛びますけれども、28ページ目になります。大規模縦断調査のところで、ゼロ歳から18歳の学びの連続性を踏まえつつ、データやエビデンスの収集等が必要であると追記をしたところであります。
 最後に、「おわりに」のところにおきましても、「はじめに」と同様に、ウエルビーイングを実現していくことにつきまして追記をさせていただいております。
 以上のほか、事務局で文言、用語の統一ですとか、文章をより適切な表現とする等の修正等を行ったところであります。
 続きまして、資料2を御覧いただければと思います。資料2は、審議まとめの概要として作成した資料になります。審議まとめ同様に、公表資料としていく予定です。審議まとめと同様の柱立てを行いまして、それぞれの章のポイントを絞って作成しております。
 まず、手に取って読んでもらえるように、また簡潔にポイントが伝わるように、2枚に収めるように作成をしています。また、幼児教育関係者と小学校教育関係者が、それぞれどの部分が主に関わるのかを明らかにするため、赤い幼児教育の丸と、オレンジの小学校教育の丸などもつけて作成をしてみました。
 それでは、一番上の四角の部分から御覧いただければと思います。本審議まとめの基本的考え方として書かせていただいております。幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、全ての子供に等しく教育機会を与えて育成していくことが必要であること。そして、幼児期は遊びを通して小学校以降の学習の基盤となる芽生えを培う時期であり、小学校においてはその芽生えをさらに伸ばしていくことが必要で、そのためには、幼児教育と小学校教育を円滑に接続していくことが重要であるとしています。
 一方で、幼児教育と小学校教育は、他の学校段階等間の接続に比して様々な違いを有しており、円滑な接続を図ることは容易でないため、5歳児から小学校1年生の2年間を架け橋期と称して焦点を当てて、架け橋期の教育の充実を図り、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくることが重要であるとしています。その際、子供に関わる全ての関係者が立場を超えて連携・協働することや、文科省は、こども家庭庁をはじめとする関係省庁と連携を図りながら、全ての子供が格差なく質の高い学びへと接続できるように、幼児期及び架け橋期の教育の質を保障していくことが必要であるとしています。
 そして、これらを踏まえて、以下の方策を推進ということで、1番、架け橋期の教育の充実のところ、丸1では、幼保小が意識的に協働して架け橋期の教育を充実すること。そして2つ目のポツのところでは、幼児教育施設においては、小学校教育を見通して、主体的・対話的で深い学びなどに向けた資質・能力を育み、小学校においては、幼児教育施設で育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施すること、特に入学当初においては、低学年の各教科における学習に円滑に接続するよう教育活動を実施することとしています。
 また、丸2のところでは、幼保小が協働して架け橋期のカリキュラムを作成し、小学校1年生の修了時期を中心に共に振り返って、架け橋期の目標や教育活動の評価をして、幼保小それぞれの教育を充実するPDCAサイクルの確立をしていくこと。またその際、幼児教育施設と小学校の継続的な対話を確保することや、コミュニティ・スクールなど既存の枠組みを活用しながら、保護者や地域住民の参画を得る仕組みづくりとしていくことを追記しております。
 また、2番の丸1では、幼児期の遊びを通した学びの特性に関する社会や小学校との認識の共有が不十分であるため、遊びを通した学びの教育的意義や効果の共通認識を図ることや、丸2のところでは、日々の教育実践や子供の学びを見える化して、幼児教育の特性や教育方針等について保護者や地域住民の理解を促進していくことなどを書いております。
 そして、2枚目になりますけれども、3番の特別な配慮を必要とする子供や家庭への支援のところでは、丸1におきましては、幼児教育施設・小学校と、母子保健、福祉、医療などの関係機関との連携強化で、切れ目ない支援を実施すること。また、3つ目のポツで、幼児教育施設は一人一人に応じた指導を重視する幼児教育のよさを生かしながら、子供の実態に応じた適切な支援を実施していくこととしております。
 また、4番の全ての子供に格差なく学びや生活の基盤を育むための支援のところの丸1におきましては、ゼロ歳から5歳の未就園児も含めて、様々な体験の機会が得られるように、幼児教育施設が有する専門的な知見や場を地域に提供して、様々な子供の学びの場への参加を推進すること、また保護者の子育て支援を充実していくことなどを書いております。
 そして5番、教育の質を保障するために必要な体制等のところでは、丸1では、地方自治体において、幼保小の担当部局の連携・協働や、幼保の担当部局の一元化、幼児教育センターの設置・活用や幼児教育アドバイザーの配置を推進していくこと。また、丸2の人材育成では、架け橋期のコーディネーター・幼児教育アドバイザーの育成や、管理職の研修を充実していくこと。そして丸3のところでは、国においては処遇改善等の必要な施策を引き続き実施することや、地方自治体においては総合的な人材確保策を推進すること。また、幼児教育施設において、管理職がマネジメント能力やリーダーシップを発揮していくための研修を充実していくことや、心理や福祉、障害などの専門的知見を有する者を積極的に活用すること、またICT環境の整備を推進することや、事故等の発生・再発防止のための取組を徹底していくことを書いております。
 また、6番になりますけれども、必要な調査研究といたしまして、丸1、幼保小接続期の教育に関する調査研究としては、国においては架け橋期のカリキュラムに基づく評価方法などの調査研究を推進すること。また、丸2の幼児期の教育に関する調査研究としては、国内外の研究ネットワークを構築することや、国のプロジェクトとして大規模な長期縦断調査を実施すること、また、日本独自の質評価指標の開発や、園内研修などにおいて活用しやすい質評価指標の開発を推進していくことを書いております。
 そして最後に、参考資料2も御覧いただければと思います。2月1日から2月15日まで意見募集を行いまして、全部で17件の御意見をいただきました。
 同様の問題意識から複数御意見をいただいたものとして、大きく2つございました。まず1番の「はじめに」の1つ目の丸のところですけれども、年長の1年をカリキュラムに沿ったやり方を子供に当てはめ、小学校の接続期として費やすことに反対。小学校に適合する子供を育てることが保育園や幼稚園が目指す保育ではないですとか、また、3番の1つ目の丸のところで、期待する子供像について、誰が期待する子供像なのかといった御意見。そして、2ページ目になりますけれども、本質が異なるカリキュラムを無理に統一することは難しいと考えるといった御意見や、1つ目の丸のところで、架け橋プログラムが正しく理解されない場合には、小学校教育の前倒しと捉えられるのではないか、管理教育が進む懸念があるなどの御意見をいただきました。
 また、2つ目としては、2枚目の上から3つ目の丸になりますけれども、小学校の先生の園視察、園の先生の小学校授業の見学が可能となる体制づくりが必要であること。また、架け橋プログラムについては、多忙な現場の実態と乖離している。配置基準や労働環境の改善などを行うべきではないか。そして、下の丸になりますが、幼児期から学齢期への接続を重視するなら、小学校1、2年生の時期は35人より少ない人数で学級編成すべきなど、教育環境、労働環境の改善に関する御意見をいただきました。
 1つ目の架け橋期の教育につきましては、そもそも架け橋期の教育につきましては、幼児教育施設と小学校のどちらかがどちらかに合わせるということではなくて、それぞれの教育内容や指導方法について相互理解を深めながら、それぞれの教育をより一層充実し、豊かにしていくものでありますけれども、架け橋期が正しく理解されない場合には懸念があると今回御意見いただいたことにも留意しながら進めていくということかと思っております。また、必要な教育環境、労働環境の改善については、今回、審議まとめの5番、教育の質を保障するために必要な体制等でも具体的な施策を示していますが、架け橋期の教育を充実するためにはこれらの施策をしっかり進めていくことが必要であると考えております。そのほかにも、資料のとおり様々な御意見をいただきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 事務局からの説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  それでは意見交換に入りたいと思います。
 今、審議まとめについて、修正を加えたものについて御説明いただいたわけですけれども、さらにこの辺りどうかという御修正などの御意見がある場合、お願いしたいと思います。また、概要の案というのをお示ししましたけれども、これは本日初めてお見せすると思います。こちらについても御意見があればお願いしたいと思います。なお、今後の課題につきましては、また改めて御意見をいただきたいと思いますので、この審議まとめと概要についてよろしくお願いいたします。どなたからでも結構でありますが、いつものとおりですけれども、お一人2分以内ということでの御発言をお願いして、発言を希望される方は挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。どなたからでも結構です。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、秋田委員、お願いします。
【秋田委員長代理】  ありがとうございます。今回初めてということで、概要について、大変細かな点ですが、7点申し上げさせていただきます。
 1ページ目の1の丸2の文章で「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿等を手がかりとしながら」と書かれているんですが、これ、幼児期の人には分かるんですが、小学校の方に伝わるためには、「資質・能力の具体的な姿である」といった説明をつけていただくほうがよろしいのではないかと思います。
 また2点目として、2番の丸1ですけれども、社会や小学校との認識の共有が「不十分であるため」と書かれているんですが、不十分というよりは、「まだ十分ではないため」ぐらいのニュアンスということが、既に取り組んでくださっている方のために必要かと思います。
 それから、続きまして2ページ目でございますが、3番で特別な支援のところで、一人一人に応じた指導を幼児教育の施設ではやっているというだけではなくて、小学校1年はそれを受け継いで支援を実施などの、小学校とのつながりを書き込んでいただくことが大事だということです。
 それから4番目としては、これは文科省の用語で、「家庭や地域の教育力」は、今は家庭や地域のポテンシャル、教育のポテンシャルという表現をほかでは使っていると思いますので、統一いただくことが必要だと思います。
 それから5点目ですけれども、これは「教育課程の編成」となっていますが、保育所やこども園も入りますので、全体的な計画や教育課程ということを入れていただくことが必要になります。
 それから、あと終わり2点です。6番が、5番の教育の質を保障するために必要な体制等の丸1ですけれども、幼保の一元化というのは、幼保の担当の一元化というような表記にする必要があろうかと思います。また次も、幼保小に関して専門的な指導・助言は、架け橋期のコーディネーターと幼児教育アドバイザーだけではなくて、教育委員会指導主事というのを必ず入れていただくことが必要だと思います。
 以上7点になります。
【無藤委員長】  ありがとうございました。いずれも、より正確な言い方ということで、ぜひ取り入れる方向で検討します。
 ほかにはいかがでしょうか。
 神長委員、お願いします。
【神長委員】  ありがとうございます。神長です。私は感想を含めて2点、感想も一緒になってしまっているんですけど、2点お話をしたいと思います。
 1つは架け橋期のカリキュラムのイメージですけれども、ページ数で言いますと、9ページになるかと思います。9ページの幼保小の協働による架け橋期のカリキュラムの作成というところですけれども、私も実は実際に、高知県の岡林先生のところでカリキュラムの開発会議に参加させてもらっているんですけど、そこでいろいろ勉強させていただいて、ここの、丸で言えば一番上の丸ですけれども、共通の視点を持って教育課程や指導計画を具体化できるようにという、これはまさしくこのとおりなんですけれども、実際に作成している様子などを見ると、子供像というのをやはり共有することが大事なので、何度も何度もそこに戻りながら共有していくんですけれども、そのときに、最初に研究開発校のカリキュラム開発とは違ってという話がこの会でも出ていたかと思うんですけれども、本当に違っていて、それぞれの教育課程や全体的な計画があって、子供の姿をもう一度そこで共有しましょうというようなことを作業しながら、この具体化というところを考えます。やはり日常の保育や授業の中で大事にしていることを話し合う中で、実はそういう意味だったのかというようなことで、相手の指導を知ったり、自分たちがやってきた経験の中でやってきた指導を振り返ったりということをしていくんです。
 まさにボトムアップで指導を具体化していくんですけれども、そのときに、単に「具体化し」という表現であると、その辺がなかなか伝わらない。何のために具体化するかということは、指導の工夫を共有していくための、指導を同じくすることじゃなくて、やはり工夫する、視点を共有するための具体化であるという目的がもう少し書かれると。一貫したカリキュラムのイメージが伝わるかと思っております。
 もう一つは、これはまた後半のところです。アドバイザー、コーディネーターの役割というのはすごく重要でして、そこで例えば主体的・対話的深い学びという言葉にしても、幼児教育の中では、それは環境を構成し、再構成していくとか、柔軟な指導とか、体験と体験をつないでいくとか、そういう言葉で言ってきたことを今回共通に使いましょうということでの視点を出しているんだと思うんです。その辺の言葉の整理をきちんとしていくということが、このコーディネーターに求められている役割かなと思います。この点につきましては、21ページの推進体制のところにコーディネーターのことが書いてありますので、その辺にもう少し書ければと思いまして、発言させていただきました。
 以上の2点です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。いずれにしても御指摘いただいたところがうまく表現できるように、もう少し言葉を加えたいと思います。
 それでは、中山委員、手が挙がっていますか。
【中山委員】  はい。ありがとうございます。私からは2点、お話ししたいと思います。
 19ページの5の(1)の1つ目の丸に、幼児教育の現場は私立が多いというところから、ここは本当に大事だと思うんですが、設置者や施設類型を問わず、幼児教育の質の向上や幼保小の接続等の取組を一体的に推進する。そのために地方自治体において必要な体制を構築というのがあります。ここは本当に大事……。
【澤田子育て支援指導官】  中山委員、すみません、音声が途切れたようですが。
【中山委員】  すみません、大丈夫でしょうか。
 9ページ、1の(2)の丸2のアのところです。2つ目の丸で、先ほどイエローのマーカーというところで触れていただいた、教育委員会が定める教育に関する具体的な方針というのが書かれていて、ここをもうちょっと具体的に示していただけることで、先ほどの設置者や施設類型を問わず、幼児教育の質の向上や接続等の取組を一体的に推進するということになると思いますので、先ほどの幼児教育アドバイザーや架け橋期のコーディネーターなどの役割含めて、教育委員会が基本的な方針をさらに明確に発信するようなことがまちづくりとしても必要かと思いますので、お願いしたいというのが1点。
 それともう1点、親、保護者のことで、10ページです。コミュニティ・スクールのことが書かれていて、とても大事だと思うんですけれども、一つ課題となるのが、学校運営協議会をそこからどう広げていくかということだと思いますし、そもそも、その園、その施設のPTAですとか保護者会の活動の活性化ということがやっぱり必要じゃないかと思うんです。行政からのいろいろな周知、アナウンスがあってこそということではありますけれども、結局保護者たちが、幼児教育の場合に私立、民間が多いところでは、園を選ぶところ、保護者の園選びに影響を与えなければ経営者も変わりませんので、経営者が変わらないと園の保育者は研修も受けられないということになりますので、その辺のPTAとか保護者会の活性化ということも必要かと思います。よろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  ありがとうございます。教育委員会の方針のところと、保護者、あるいはコミュニティ・スクールとの関連で、例えばPTAの活用その他ということで、書き込みたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにお手を挙げている方はどなたですか。
【澤田子育て支援指導官】  鈴木委員が手を挙げていらっしゃいます。
【無藤委員長】  お願いします。
【鈴木委員】  よろしくお願いいたします。御丁寧なまとめをありがとうございました。特にまとめの18ページに、家庭との連携であったり生活習慣であったりということを書き込んでいただき、本当に感謝申し上げます。
 それで、私からは1点、お願いとしては、今日初めていただきました資料2のほうの2枚目ですが、4番の全ての子供に格差なく学びや生活の基盤を育むための支援で、先ほど秋田委員からも家庭や地域の教育力のポテンシャルのお話がありましたが、丸1のところで、幼児教育施設の教育機能と場の提供を通して、この中で幼児教育施設が有する専門的な知見や場というのと、子供の学びの場への参加の促進はとてもすばらしいと思うんですが、と同時に、やはり保護者の方に幼児教育の理解の推進というのをぜひお願いしたい。先ほど中山委員もおっしゃっていましたけれども、幼児教育観というのがすごく大事だと思っておりますので、ぜひここには保護者の幼児教育の理解の推進というのをお願いしたいなと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  分かりました。ありがとうございます。いろいろと足りないというか、文言が十分でないところもあるんですけれども、実を言うと、何とか2ページで収めて、行数を増やさない苦心をしているんですけど、でも多分何とか、御意見頂戴したところを入れられると思いますので、工夫したいと思います。ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 渡邉英則委員、お願いします。
【渡邉(英)委員】  まとめていただいてありがとうございます。私のほうも一応2点なんですけど、1つは、やはり全体的には架け橋を通して全ての子供が格差なく質の高い学びとまとめのところに書いてあることについてです。多様さを受け入れる社会にしていくとか共生社会をつくっていくということでいくと、16ページの共生社会をつくっていくというのが、すごいすてきな文章なんです。16ページの上のほうで、「特別な配慮を必要とする子供が地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう」と言いながらとか、「特別な配慮を必要とする子供の思いや状況等を先生が他の子供に伝え、クラスでの生活が、互いにとって豊かな時間となるクラス経営を行い、共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育む」というところで共生社会の担い手が育っていくということです。これはどちらかというと、資料2の、特別な配慮を必要とする子供や家庭への支援の中だけに押し込む話ではなくて、これからの社会をつくっていくためにはすごく大事なことだというようなことを、何か入れ込むことができないかなというのを感じたのが1点です。
 それからもう一つは、僕は、やはり教育とか保育のありようを、もう1回この架け橋を通して見直しをするというときに、10ページにあえて入れていただきましたけど、目の前の子供のことを大事にする、子供の実態に合わせるという、黄色がついているところです。上から4番目の丸のところの、「目の前の子供の実態に応じて」というところで架け橋期のカリキュラムの実践・改善を行っていくとなると、目の前の子供のことをちゃんと見よう、聴こうというのは、予め決められたことを決められたように子供がさせられるのではなくて、目の前の子供たちの意見を聞いたり声を聴いたりすることが、これからの本当に教育とか保育に必要なんだというのが強調されるべきだと思います。その2つが大事にされたら、本当にこの架け橋をやる意味があるかなと思っています。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。御指摘の箇所そのものはよしとして、もう少し、特に前のほうの全体を示すところに今のような趣旨が明確になる工夫ということになろうと思いますので、やってみたいと思います。ありがとうございました。
 いろいろお手挙げいただいているようです。中井澤委員、宮下委員、お願いします。
【中井澤委員】  ありがとうございます。私からは1点、「はじめに」と「おわりに」のところでウエルビーイングのことが言及されていると思うんですけれども、全ての関係者のウエルビーイングとか、それぞれのウエルビーイングという表現で、それは、ロジックとしてはそうだとは思うんですけれども、まず何よりも教師と保護者のウエルビーイングというのが前提にあって、初めて子供のウエルビーイングにつながるというところだったりとか、特に教師についてはいろいろ労働時間の問題とかも指摘されているところではあると思うので、その辺りの言及もあってもいいのかなというふうには感じました。そこがあって子供のウエルビーイングにもつなげていくだったりとか、前提として教師、保護者のウエルビーイングの観点も大事ですよというようなところがあると、受け入れられやすさとしては、教師側としてはいいのかなというふうには感じています。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。教師、保育者、ここでは先生と呼んだりしますけれども、それと保護者のウエルビーイングの在り方が子供のウエルビーイングを大切にする上での前提であるということ、何らかの形で組み込みたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、宮下委員。
【宮下委員】  おまとめいただきましてありがとうございます。私も今の中井澤委員と同じ部分のことについて意見を述べさせていただきます。
 最後の「子供に関わる関係者が真に一体となって連携・協働することにより、子供はもとより、全ての関係者のウエルビーイングの実現へとつなげていくことも期待される。」という部分ですが、子供のことだけではなくて、保護者や教師たちのウエルビーイングが重要だという、ここの部分はいい文章が加わったなと思っております。
 要約の資料2のほうですけれども、今のウエルビーイングが4の丸2に出てきています。もちろんこのウエルビーイングということについては、どういうことかよく分かっていらっしゃる方がほとんどだと思いますが、ウエルビーイングについて少し注釈が入れられるところがあれば、入れたらどうなのかなと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  ウエルビーイングの注釈は何とか紙面上、可能そうですので、工夫したいと思います。ありがとうございます。
 それでは、岡林委員も手をお挙げいただきましたか。
【岡林委員】  高知県の岡林です。審議の取りまとめ、ありがとうございました。私からは2点お伝えしたいと思います。
 まず、資料2の2ページ目の5番の丸2の2つ目の黒ポチのところ、幼児教育施設の園長等や小学校の校長等の管理職の研修を充実ということで、管理職の方の研修が非常に重要であるということが分かりますが、そこが、資料1の21ページとも関連するのですけれども、やはり合同研修というものも非常に重要である。またそういったところも進めていただきたいと思いますので、この中に、「園長等」とか「校長等」という「等」に先生方の研修も含まれてはいると思いますけれども、管理職の研修だけのようにも見えますので、「及び合同研修などを充実する」という文言を入れていただくと、園内研修、校内研修の充実や、研修への参加、協議の見直しというところにもつながっていくのではないかと思います。
 2つ目は、資料1の22ページの中ほどの白丸2つ目「子供の学びや生活に関すること」という括弧書きのところの1つ目、架け橋期を通じて育みたいものというところがありますが、ここで育みたい「もの」が漠然とした表現になっているのではと思うので、育みたい「資質・能力」と明確にしたほうが、読み手にとっての捉えがぶれにくいのではないかと感じたところです。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。合同研修は当然なので、それがもっと表に出るようにいたします。それから、架け橋期を通じてというあたりは、ちょうどいろんなことを羅列しているところですけれども、趣旨はそのとおりなので、分かるようにしたいと思います。ありがとうございました。
 ほかに挙手をされている方はおいでですか。いらっしゃらないかな。
【澤田子育て支援指導官】  藤迫委員の手が挙がりました。
【無藤委員長】  じゃあ、お願いします。
【藤迫委員】  とてもうまくまとめていただいておりますので、今後の課題としては、これを実践に向けて進んでいくのと、好事例を横展開できたらなというふうに思っているんですが、その上で、1つ提案と、1つ感想ですが、先ほど中山委員の御意見を聞きながら、ふと思ったんですけど、資料1の9ページの「教育委員会が定める教育に関する基本的な方針」について意見、触れられていたと思うんですけども、これ、よく考えてみると、例えば保育所、認定こども園、幼稚園、小学校、もっと言うと私立の幼稚園というところが、箕面市の場合は一貫して教育委員会に寄せていますので、全部私の所管になっているんですが、まだまだここが股裂きになっている自治体が多いと思いますので、例えばここに首長と定める教育大綱みたいなものをでーんと置いて、全部にかかっていますよみたいなことも一つの案かなと思いました。それが一つ提案です。
 あと感想ですけども、これは何回も私言っているんですけど、やっぱりこれらをうまく進めるには小学校側の意識改革が肝だと思っているんですね。そういう意味では、資料の中で幼保小が意識的に協働してという言葉が出てきている、これは非常にいい言葉だなと思っていまして、小学校のほうが自分事としてやる、そのためには、校長先生がやろうぜとか、今度1年生の担任はそれをしっかりしようぜと言うんじゃなくて、やっぱり校務分掌にコーディネーターとして位置づけてやるということが肝になると思う。ここは感想ですけど。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。首長の教育大綱などももちろん基本を定めるので、入れるようなことで工夫します。もう1点のところは、改めて読み直して、不十分なら加えたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、ほかの方。オチャンテ委員。
【オチャンテ委員】  ありがとうございます。まとめてくださってありがとうございます。
 1つだけ気になっているというか、特別な配慮を必要とする子供と家庭のためのところの15ページの2つ目の丸で「子供に多様な文化的・言語的な背景を尊重する姿勢を育み」のところですけど、ここは本当にすばらしい、とても重要だと思ってはいるんですけど、やっぱり母語を使用するとか、多言語な環境、バイリンガルな環境を励ますようなことが私はとても重要だと思っていて、特にこういう幼児期のときの母語の習得というのが後のアイデンティティー形成にもつながっていくので、やっぱりどこかでそういう母語使用を励ますとか、または多言語な環境を励ますというような表現をもし取り入れることができるならと思って、ちょっと気になって。これを見たときに、やっぱり母語も大切、もちろん日本語を学ばなければならないというのはそのとおりではあるけれど、同時に保護者との親子関係とかアイデンティティーの形成にも、その後にやはりつながっていくので、どこかで母語使用することを妨げるような行動はしないようにとか、何かそういうような表現を明記していったほうがいいのかなと思ってちょっと気になって、今回お伝えしようと思ったんです。特にはそこだけです。
 あとはやはりもう一つ、これは感想にはなるんですけど、最近いろんな、幼児教育とかをサポートしている方たちと話をすると、やっぱりこの時期にいかに外国籍の保護者が日本の保護者と関係を持つことによって、その後の小学校、中学校へとつながっていく。ママ友とかそういった、日本人の保護者からいろんな支援、いろんな情報共有をいただけるということがあるので、やはりそういう保護者同士の関係、そういう交流をさらに行っていくというような文言があればいいなと思いました。
 以上です。すみません、まとまっていなくて。
【無藤委員長】  ありがとうございます。多言語の環境を確保するとか、むしろ積極的に奨励するとか、ちょっと表現を工夫しながら、それが伝わるようにしたいと思います。また、特にここのところで、保護者同士の支え合いですか、情報交換というか、その重要性はおっしゃるとおりだと思うので、それも加えたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、ほかの委員で。
【澤田子育て支援指導官】  田村委員が手を挙げていらっしゃいます。
【無藤委員長】  お願いします。
【田村委員】  田村です。ありがとうございます。丁寧なおまとめありがとうございました。可能であればということで意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず1つ目が、7ページの丸の1つ目「また、文部科学省では」というところになります。ここの文章を読んでいくと幼児期の教育のよさが確認できるわけですが、イメージとしては、幼児期の教育が個別最適な学びと協働的な学びを、ある意味モデルというような形で実施しているものではないかと私は考えることができると思います。ですので、もし可能であれば、その丸の後ろから2行目のところで「協同性を育んでいることの意義についても再確認を」のあたりを、「育んでいることは小学校以降の教育の参考となるものであることなど、その意義」というふうなニュアンスが示せればどうかなと考えたところです。
 なお、このページの欄外に生活科の説明のところがありますが、「創設」よりも「新設」という言葉のほうが適しているのではないかと思いましたので、付け加えておきます。
 2つ目が9ページの、同様に一番上にある部分であります。丸がありますが、ここの最後のところに、例えば次のようなことを加えてはどうかと思いました。「こうした取組がそれぞれのカリキュラムマネジメントと連動し、編成、実施、運用されることが大切である」とか「欠かせない」とか、カリマネの話に架け橋がちゃんと位置づいていくことが大事だということが、どこかに出ていましたらすみません、と感じたところです。
 最後に3つ目、付け加えになりますが、ページで言うと20ページ以降のところに今後の方向性について書いてありますが、何といっても幼児期から小学校低学年の架け橋期のところに、ある意味先ほどのウエルビーイングの話にかかりますが、学校の先生方を含めた、いかに人的な充実ぶりといったものを進めていくかということこそが重要な鍵になってくると思いますので、ぜひその辺のニュアンスのところがお示しいただけるとうれしいなと感じたところです。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。個別、また協働のあたりは幼児教育が先行しているという、先行していると言わなくてもいいですね。そちらでしていることを参考にできるというあたりと、カリキュラムマネジメントへの位置づけは当然あるべきでした。すみません。入れたいと思います。さらに人的充実への言及ということで、ありがとうございました。
 ほかの委員の方はいかがでしょうか。挙手されている方はいらっしゃらないですか。
【澤田子育て支援指導官】  現在挙手されている方はいらっしゃらないようです。
【無藤委員長】  取りあえずよろしいですか。最後にもう一度申し上げますけれども、御意見がありましたら、書面といいますか、メールでよろしいんですが、事務局にお伝えいただきたいと思いますが、最後に、とにかく中教審の、上に上げる必要があるので、事務局の勝手なお願いですけど、2月中というのは、冷静に言うとあしたまでになってしまうんですけど、お伝えをお願いできればと。よろしくお願いいたします。
 それでは、もう一つのことがあります。それが議題の2でありますけれども、その他にしてありましたけれども、今後のことです。
 実際にこの審議まとめの報告は、中教審の、上に上げていくわけです。了解いただけるかなというふうに考えますけれども、単に報告が文書としてあればいいわけではないので、これは極めて実践的というか、今すぐ実行するという想定の下で作りました。そういう意味で、本年度既に始まっておりますけれども、来年度一層その実行を強化していくということであります。その上で、必要と考えられる方策とか、架け橋期の教育の充実に向けての今後の展望とか期待などについて、ぜひ御意見を頂戴したいと思っております。できれば委員の皆様全員に、短い時間ですけれども、御発言をお願いできればと考えております。最初に申し上げておりますけれども、この特別委員会は今日が最後の予定であります。そして、委員の任期が多分、3月初めぐらいということになっていると思いますので、そういう意味でも全員で集合できるのは今日で終わりですので、よろしくお願いいたします。
 ただし、お一人2分以内という、発言しろと言いつつ短い時間で恐縮でありますけれども、よろしくお願いいたします。今後に向けてということで、どんなことでも結構であります。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですが、議論してきたことの感想とか、あるいは御存じの現状とか、ここはぜひ力を入れてやるべきであるとか、そういうようなことをお願いしたいと思います。
 中山委員、お願いします。
【中山委員】  ありがとうございます。すみません、私ばっかりしゃべってしまいまして。
 保護者の話の続きになるんですけれども、いかに保護者、あるいはPTA、保護者会を味方につけるかということで2点考えておりまして、1点目は、ここで話題になったことでありますけれども、幼児教育での学びが小学校教育の学びにつながっていくということ、これは最近、非認知的能力などがエビデンスとともに周知されてきているので、大分保護者たちには伝えやすくなっているんですが、もう1点、気になっていることがありまして、それは地方にもよるかと思うんですけれども、私どもの地方、都市部でないところでは特にそうなのかもしれませんけれども、遊びを中心とした総合的な指導の下、子供たちが思い思いの場所で遊んでいる姿から、ほったらかしじゃないかとか、うちの子のことをちゃんと見てくれているのかみたいな意見が、一部かもしれませんけど、聞こえてくるんですね。そうなりますと、決してそれは放任保育ではないということを、実践を通して示していく必要があるのかなと思うんですね。
 そのためには、一つには先生の配置基準、保育者の配置基準を見直すことも必要かもしれませんし、むしろ私はそれよりも、何よりも子供たちが遊び込むというところが非常に重要かと思うんです。子供たちの、そういう遊び込むということは、何よりも子供たちのウエルビーイングにもなることでありますと同時に、子供たちが遊び込むことで、保育者、先生たちが、子供たち一人一人あるいは集団の見取りやすさということにつながってきますので、きちんとそれぞれの場で遊んでいる子たちのことを見取って、援助していますよと実践で示せると思うんです。その辺の研修が必要かもしれませんし、事例の収集なども必要かと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。保護者をいかに味方につけるかという趣旨で発言いたしました。ありがとうございます。
【無藤委員長】  ありがとうございます。保護者に幼児教育の意義を具体的に伝えるというあたりだと思います。
 それでは、齋藤委員、曽木委員と手を挙げていらっしゃいます。齋藤委員、お願いします。
【齋藤委員】  齋藤です。成功事例の共有というのが大切かと思います。架け橋的な教育でうまくいっている事例を広く共有するために、ネットに事例をアップするなどして、こういうやり方がいいんだという認識を共有できるように今後は持っていっていただければと思います。とりわけ小学校の先生たちが、この架け橋教育の重要性について気づいてくれるのが大切なことなんですね。ですので、小学校の先生たちの認識が変わったような事例があれば、そうした事例をアウトプットしていくことによって、架け橋教育の重要性が小学校の教員に共有されるのがいいと思います。「架け橋ニュース」のような感じで、事例をコストをかけないでアップするということができればお願いしたいということです。考え方自体はすばらしいので、その後、運動として広がっていくようなアウトプットをお願いしたいということです。
 以上です。
【無藤委員長】  架け橋ニュースという、すてきな名称ですので、そういうものを。媒体をどうするかは、ユーチューブとかネットのどこに載せるとか、違う形とか考えますけれども、事務局と相談して進めてもらいたいと考えます。
 それでは、曽木委員、お願いします。
【曽木委員】  東京都の陽だまりの丘保育園の曽木です。よろしくお願いいたします。
 先ほどの資料、私からの修正はなかったため、感想と、あと思いをお伝えできればと思います。
 資料1に関しまして、家庭や地域というところを強調されているのでいいと思いましたし、3ページ目の「文部科学省をはじめとする関係省庁」というところで、子供を取り巻く全ての関係者が、本審議まとめの提言内容の実現に向けて共に取り組んでいくことも、すばらしいと思いますし、私自身も期待しております。そのためには、具体的にどうしていくのかが必要だと思います。
 あと、資料1の18ページの、新しく追加になりましたコミュニティ・スクール等の仕組みを活用し、小学校と近隣の幼児教育施設や地域の自治体、まちづくり協議会等との連携・協力を推進し、乳幼児期の子供の保護者と小学校の保護者が交流できる場を設けるなどは、とても大事なことだと思います。
 また、資料2の1から6の全部大事ではありますが、例えば5の幼児教育センターの設置・活用として、全国の都道府県を100%にするなども考えていただきたいですし、市区町村率をどうアップするのか、そして架け橋コーディネーターや幼児教育アドバイザーの育成は、園長等や小学校の校長等の管理職の研修などに関しても、いつ、どのように実行していくのかが大事で、どう下ろしていくのか具体的なスケジュールを作成しないと、絵に描いた餅になると思います。
 架け橋の説明をしますと、全国、皆さん、「いつ下りてきて、具体的にいつ私たちは動くのでしょうか」という質問を受けます。もう具体的に取り組んでいるところもありますし、これからモデル地域を基に下りてくることもあると思いますとお伝えしておりますが、これまで行ってきました思いや言葉、資料等は大事ですし、すばらしいものになったと思います。
 しかし、実際に動く人やスケジュール、体制などが一番大変ですし、発信したら勝手に行ってくれるものではないと思います。もちろん、現場の実践者が考えることも大事ですが、責任を持って具体的に動ける仕組みを、労働環境や体制も含めて、一緒に再度考えていくなど、バランスを取っていただければと思います。
 すばらしい委員の皆様と御一緒できて幸せです。ありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  ありがとうございます。この架け橋期の教育の話は、例えば文科省なり国なりが命令・指示して実施するものではないので、基本的には自治体、現場側の自主的な取組を促すという種類のものなんです。
 そういう意味では、全国の人間を集めて何かというわけではないんですが、しかし、広報するといいますか、できる限り詳細に説明するといいますか、ということは重要ですので、幼児教育課としても、例えば指導主事に対してとか、あるいは様々な幼稚園・保育園・こども園などの集会などに積極的に説明に出向いていただいていると思うんですけれど、その辺ももっと組織的に行いたいというか、行ってもらおうというふうに考えております。ありがとうございました。
 それでは、どなたからでも順番はいいんですが、お願いします。
 じゃあ二宮委員、そして吉田委員、お願いします。
【二宮委員】  二宮です。本当に皆さんとこうしてお話しさせていただく中で、この架け橋期の重要性を勉強させていただきましたし、これが全国に届くということを非常にうれしいことだと思っています。
 また、特に今、コロナ禍で、対面でなかなか話せない中で、こうしてリモートを通じていろんな立場の方々のお話を聞かせていただいたことをうれしく思います。
 私は解説委員から、去年の夏に青森放送局に異動になりまして、地方という立場からお話させていただくことになったのですが、やはり小さな町や村にももちろんお子さんたちはいっぱいいて、そういったところにも届くような仕組み、チラシや動画、SNSなどを通じて、ぜひ、地方の小さな町や村にも、この重要性が届くといいなと思っています。
 先ほど「架け橋通信」という御意見がありましたけど、すばらしいと思います。そういった何気ないことを通じて、そんなに大きな取組じゃないけれども地道にやっているところを紹介したりするような、小さな取組も共有していけるような仕組みが必要と思っています。
 加えて、保護者へのアピールについても、いろんなところにチラシを置いたりして、相談していただけるような体制をつくっていただければと思います。
本当にありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 それでは吉田委員、お願いします。
【吉田委員】  全国市長会社会文教委員長、埼玉県本庄市長の吉田でございます。この会議、会合、大変重要な会議であるにもかかわらず、私自身なかなか出席することができなくて、本当に申し訳なく思っています。
 2点、お話します。架け橋というのは大変大事であると思います。先ほどの先生からもお話があったように、これは「こうすべき」ということを国のほうでというのではなくて、現場の状況の中で出てきた課題、問題を、どうみんなで支援していくか、あるいは国のほうでも支援していただくかという視点は非常に大事だと思っていまして、我が市の場合は、発達に課題のあるお子さんを、幼稚園・保育園、あるいはもちろん保護者の情報共有を行う。そしてそれを、今度は小学校にお子さんが上がるときにつなげていくという、そういう機関を市独自でもう15年ぐらい前に立ち上げて、今日までやっているんですけれども、そこでやっぱり見えてくる課題というのは、これは本当にマンパワーなんです。課題のあるお子さんをケアしながら、健全な発育・発達をみんなで促していくためには、非常にこれ、パワーが要ることです。
 ぜひ、この架け橋ということでやっていくんだとすると、そういう課題のあるお子さん方をどうケアするかということは、非常にマンパワーが必要である。地方自治体の場合、そのマンパワーを確保するためにもいろんな面で、財源であるとかそういったことをしっかりしなければならない。国全体として、そういうものを支援していく体制というのが必要なのではないか。課題のあるお子さんをどうやって支援するか。それはもう国全体の課題であって、しっかりとこれは財源的にバックアップしていただきたいというのが1つです。
 もう1つは、実は非常にこの、幼稚園・保育園の高学年、そしてまた小学校の低学年、先生方が大変なんです。先生方が安心して子育てにしっかり携われる、その体制づくりのために注力いただきたい。現場では、問題が起こると、学校も保育園も、特にマスコミ等も含めて、非常に大変な状況に遭われるわけでございます。
 そういう、何か問題が起こったときの対応の仕方みたいな、危機管理みたいなところも、もっともっと幼稚園・保育園・小学校の間で情報を共有しながら、危機管理体制の能力というか、そういったことを身につけていくようなバックアップも必要ではないかなということを、常々、いろんな突発的な問題等が起こるたびに感じているところでございます。
 ちょっとすみません、最後のお話はちょっと抽象的になってしまったんですけども、私からは以上でございます。
【無藤委員長】  人材の育成……ではない、人材の充実・拡充ですね。本当に、心からそう思っております。また、危機管理体制の問題、おっしゃるとおりいろんな問題があろうと考えております。
 それでは、佐川委員ですかね、お手をお挙げいただきましたね。佐川委員、お願いします。
【佐川委員】  全国の町村会の行政委員会の委員を務めております、愛媛県砥部町長の佐川でございます。感想を述べさせていただきたいと思います。
 昨年の5月より架け橋特別委員会に参加をさせていただきまして、無藤委員長はじめ委員の皆様と共に今回の審議まとめ案に携われましたことを、まずもって感謝申し上げたいというふうに思っております。
 幼児教育・小学校教育の質的向上と、幼保小の連携を一体的に推進するためには、学校や保育所等の縦のつながりと、地域や家庭、行政といった横のつながりを持ち続けることが大変重要であると考えておりまして、そういった環境づくりにおいて、私たち自治体が果たす役割も期待されているところでございます。
 なお一方、町村など小規模自治体におきましては、指導・助言を求める幼児教育アドバイザー等の専門人材が不足をしているといった課題を抱えておりますので、改めて人的支援、また財政支援を今後よろしくお願いをしたいというふうにも考えております。
 地域づくりは人づくりと言われておりますように、人口減少・少子高齢化が進行する社会におきましては、地域を担う人材の育成と、その基礎となる幼児教育・小学校教育、ますます重要になってくるというふうに考えております。
 関係機関の連携によりまして、地域と社会に開かれた教育の実践を通して、新たな価値を創造していく能力を備えた人材を育てることが、地域の持続可能性にもつながっていくというふうにも考えております。
 こうした教育改革には息の長い取組が求められますので、審議まとめ案を踏まえ、今後、幼児教育と小学校教育の連携・協働が一層促進されることを願っております。
 私のほうからは感想、以上でございます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。難しさとお励ましをいただきまして、ありがとうございます。
 渡邉一利委員、お願いします。
【渡邉(一)委員】  渡邉でございます。まず、資料の取りまとめ、皆さんどうも御苦労さまでした。ありがとうございました。
 この委員会を通じていろんなことを私も勉強させていただきましたので、またスポーツ政策のほうにも反映していきたいと思います。
 1点だけ感想を述べさせていただきます。先ほど来お話がありますように、すばらしいものが出来上がりました。しかしながら、労働環境、教育環境、あるいは地域・家庭での参画といったところにいろんな課題があるわけです。
 その上で、実行性と実効性を高めるためにどうすべきかといったことは、当然考える必要があるんですけれども、ここで今まで出てきた議論の中で、多文化共生社会をつくるという観点から、かすたねっと等の既存のいろんなリソースがあると思いますが、まだまだ周知されていない、あるいは利活用されていないといったことも課題として残っているんじゃないかなと思います。こういったところを再度周知徹底していただいて、利活用していただくような環境をまずつくっていただきたいというのが1点です。
 それから、架け橋プログラムの手引、あるいは参考資料が出来上がっておりますけれども、先ほどどなたかの質問で無藤委員長がお答えいただきましたが、地方自治体が、地域によっていろんな実情がある中で、どう主体的にこれに取り組んでいくか、ここがやっぱり重要だというお話があったと思います。
 そこで、この委員会にも複数の教育長、あるいは首長が参加しています。したがって、好事例を収集するという観点にもつながるんですけども、教育長が考える、実効性を高めるためのヒントとか手引とか、こういったものを先進的に取り組んでいる教育長からお話を聞いて、具体的に分かりやすいものをつくって、どうやったらいいか分からないような地方自治体に周知徹底したらどうかなと思って、私、聞いておりました。
 これは希望と感想でありますが、もしそういった取組が可能であれば、少し検討してみてはいかがでしょうか。
 どうも長い間ありがとうございました。以上です。
【無藤委員長】  最後に御指摘いただいた、教育長あるいは教育委員会の優れた取組を全国から集めることですけれども、既に実践の推進について18自治体にお願いして、これはヒアリングを初年度、既に行ったのですが、初年度は当然ながら準備段階の話なので、来年度、2年目には実績の成果が出てくると思いますので、それをまとめてどこかで発信したいと思うんですが、それとともに、当然ほかでも並行して頑張っていらっしゃるところも増えてきましたので、何らかの形で教育委員会なり、あるいは保育所等の担当なり、あるいは各園、各小学校なりの取組を反映させるということをぜひやるように、幼児教育課にお願いしたいと考えております。ありがとうございました。
 それでは村田委員も手を挙げていただきました。お願いします。
【村田委員】  お願いします。こちらの機器に不具合があるんだと思いますけど、ビデオなしでお願いします。すみません。
 国のほうでは、実は福祉と母子保健の一体化ということで、児童福祉法の改正に伴って令和6年の4月から子ども家庭センターの設置に向けて準備をするようにということが言われていまして、今こちらでも準備を進めているんですけれども、様々な施策の中で、これまではかなり特別な配慮を必要とする子育て家庭の支援というふうに特化していたところが、もっと裾野を広げて、幅広く子育てを支援していきましょうという流れが来ているような気がするんです。
 そうしますと、今回本当にいろいろたくさんまとめていただいてありがたかったなと思っているんですが、母子保健とか医療とか福祉の関係機関との連携は、実は特別な配慮を必要とする子供や家庭だけではないんじゃないかなというところも少し含んでいただけるとありがたいかなということと、資料2のほう、地方自治体における推進体制の構築で、幼保の担当部局の一元化というところが、こうなるといいなという思いはすごくあるんですけれども、実際どうしていくといいかなといったところのヒントを、かなり早い段階で先進事例を示していただけると一気に進むかなと思いますので、そこをお願いしたいです。
 本当に様々な意見をうまくまとめていただいて、どうもありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。子ども家庭庁の発足に伴って、かなり子供、あるいは家庭支援、広がると思いますので、それとのつながりを図ることとか、それぞれの自治体における担当の仕組みをより一層統合的にするということは、ぜひお願いしたいというふうに考えてございます。
 それでは、石戸委員もお手を挙げていただきました。
【石戸委員】  石戸です。私も動画が乱れるので、音声で失礼いたします。
 非常に充実した取りまとめをしていただきましてありがとうございます。感謝申し上げます。
 社会実装に向けては、各地域の自主的な取組を促すという話もありましたが、やはり社会運動としてどう盛り上げていくかが大事ではないかと思っています。
 取りまとめに「研究ネットワークの構築」と書いてありましたが、同時に「架け橋普及ネットワーク」を構築して、普及のためのアクションプランをしっかりと設計するのがよいと思います。
 また、その際に、こちらも取りまとめに「学びの見える化」とありましたが、この活動の見える化も大事ではないかと思います。ポータルサイトなどを使って広がりを可視化する仕組みを構築できるとよいのではないかと思います。
 よい実践例の共有という話もありましたが広がりを可視化する定量的な目標設定もできるのではないかと思います。
 あともう1点、この議論は幼児期や小学校のみならず、このペーパー自体が、年代を問わず、今後進むべき学びの在り方の議論のきっかけになり得るのではないかと思います。その仕掛けがつくれるといいと感じました。今また大きな社会変革の節目に立っていると感じます。
 昨年の終わりぐらいから、どの会議に出ても、いよいよ本格的に広がりつつあるAIをどう取り扱うという議論ばかりが、私が参加する会議でなされています。AIが論文を書いて、AIが小説を書いて、AIが絵を描く時代。そしてそのAIは、弁護士や医師になるための試験も難なく突破してしまうと言います。そんな時代に人間は何を学ぶべきなのか。これまでも議論されてきたことではありますけども、今までよりも一段切実さが上がった問いとして、どこに行っても議論になります。
 そんな時代の変化の中にあって、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というのは、人間が心豊かに生きるために普遍的に必要なことが描かれていると感じます。どの年代の人たちにとっても必要なこととも言えるので、このペーパーが年代を問わず、今後の進むべき学びの在り方の議論のきっかけになるような社会への投げかけを期待します。
 以上です。
【無藤委員長】  非常に視野の広い励ましをいただきましたけれども、より具体的には、普及のためのアクションプランだったり、広がりを可視化したほうがいいんだという、石戸委員の御経験からいろんなサジェスチョンをいただいたので、幼児教育課として、ぜひ考えていただきたいと思います。
 それでは、先ほど提言に対する意見で発言していただきましたけれども、改めて全体について、今後についてということで、オチャンテ委員、お願いします。
【オチャンテ委員】  ありがとうございます。本当に、オンラインではありましたが、皆様の意見を聞きながら、また資料を読みながら、とても幼保小の架け橋の大切さについて勉強になりました。
 私も、先ほどの意見にも出たんですけど、かすたねっとの有効活用について、もう少し考える必要もあるかなと思います。恐らく小学校以上が対象の文章とかが、現時点でメインにはなっているんですけど、もう少し幼児教育とか施設とかで、どんどん恐らく多言語な文書を作成はしてきていると思うので、それをもう少し取り込んでいく取組を行っていく必要もあるんじゃないかなと思います。
 あとは、そうですね、やっぱりどうしても外国人の場合だと、そういったいろんな取組を行っている自治体とかあるし、まだまだ地域差があるので、やはりそういう既にいろんなことを取り組んでいる、モデルケースとなるようなものをどこかで見えるようにシェアし、情報共有とかができるような、そういったプラットフォームなのか、分からないですけど、やっぱり具体的に、分からなかったらここへ行けば何か参考になるような点があるというような、そういったところも必要なのかなと思いました。
 あと最後は、やっぱり私が関わっている保護者の中では、非常に不安定な環境にある保護者が多くて、それはやっぱり子供の日本への適応とか学校への適応には影響していくと思います。今後は、やはり保護者への支援とか、保護者をどう子供の教育に巻き込んでいくのかについて、どういった取組、どんな支援が必要なのかということも、続けて考えていかなければならないかなと思いました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。特に多言語環境について、かなり進めている自治体なり何なりがあるわけですが、幼児教育といいますか、幼稚園・保育所・こども園のレベルでのその周知というんですか、かなり進んでいるところの情報が、必ずしも表に出ていないところもありますので、架け橋にとってはそれは非常に重要な意味を持ちます、ということでお願いしたいと考えました。
 それでは神長委員、お願いいたします。
【神長委員】  ありがとうございます。神長です。本当にこの中教審の議論の中に、この架け橋期の教育の充実ということを取り上げて、このようにいろいろな角度から審議をして、まとめていただいたことの意義は大きいかなと思っております。
 私も長く幼児教育に関わっておりますけれども、こういう一つの機会を通して、これから、幼児教育もそうですけど、学校教育全体が豊かになっていくといいなと思いを持っております。
 これは今回というか、29年に改正された、資質・能力を育んでいく教育を裏づけていくといいますか、確かなものにしていくための円滑な接続ということなんだと思うんです。だから、接続のところのみではなくて、やはりこれが子供たちの豊かな学びにつながっていくということを踏まえていくことが大事かなと思っています。
 それは小学校以降の生活や学習の基盤にもなっていくんですけれども、やはり乳幼児期の保育・教育の中でも、資質・能力が芽生えてくるとか、発達に必要な体験とか、体験を豊かにということを改めて考えながら、やはり架け橋期から始まるのではなくて、それを支えていくような乳幼児期の教育・保育ということを実践していくということが大事かなと思っていますし、やはりそこに、芽生えをどう培っていくかという視点で、小学校の教育がつないでいくといいなと思います。
 そのためには、これから普及ということでは、もう皆さんがおっしゃっていることと本当に共通してくるんですけれども、いろいろな、今、各都道府県においては、もう本当に来年度の中にどういうふうに位置づけていくのかということで、その担当をなさっているところではいろいろ企画していらっしゃると思うんですけれども、これが各区市町村になってくると、すごい温度差が出てくるのかなと思います。
 また、幼稚園や保育園や認定こども園の先生方と話す機会が多いんですけれども、なかなか、やりたくても相手がいないとか、そういった現実の問題というものもあって、なかなか一つの方向にまとまっていくのは難しいなと思うんですけれども、ぜひ、市町村の単位のところで頑張っていただいて、普及をしていくような手だてを考えていただきたいなと思います。
 前に、ステップ1、ステップ2という幼小連携の指標を表したものがありましたけれども、本当にこれから始めるところには何をしたらよいのかというあたりの指標を示していただきながら、多分モデル地域として取り上げてやっていくようなところでは、もうどんどん進められると思うんですけれども、なかなか取り組めない、財政的に非常に厳しいとか人材がいないとか、いろいろなところでは、これならできるよというような指標を示していくということも大事なことなのかなと思っています。
 幼・保・認定こども園の先生方の本当に意識のある園長先生方は、改めて架け橋期ということの意味が分かると、やはりカリキュラムを見直していきたいんだけれども、やはり相手がいないというようなことをよく話題にというか、訴えていらっしゃいます。
 できるだけそのコーディネートを、相手を見つけたりとか、そんなに組織立ったところではなくても、こんなやり方だったらできるよというようなこととか、やはり研修を通して、この架け橋期ってどういうものなのかということを学んで、それぞれの園のカリキュラムを見直す機会とか、小学校の1年生の指導を考える機会をつくっていくような研修の充実も大事なのかなと思います。
 なかなかできないというところに、少しでも、こんなやり方だったらできるよという手だてを示していただければと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【無藤委員長】  全国の市町村で、とにかく始められるところはこんなところという示し方ですね。具体的にありがとうございます。
 それでは岡林委員、お願いします。
【岡林委員】  高知県教育委員会の岡林です。今日はありがとうございます。
 各市町村の声を聞くと、いかに好事例を発信するかが求められていると思いますので、そういったところを意識して進めていきたいと思います。
 研修については、本県、全ての園や小学校の先生方にたくさん参加していただけるように、3月には保幼小連携・接続、この架け橋期の教育に関する全ての研修を一覧表にしまして、県全域に周知をする予定にしております。とにかく小学校の先生方にも参加していただけるように、早め早めに計画に入れていただけるような働きかけをしていきたいと考えているところです。
 皆さんからも出ていましたように、やはり周知というところでは、保護者の方にもこの幼児教育の理解というのを深めていただきたいと思っておりますので、温度差がないように、国の方からリーフレットや説明動画等で、発信していただけるツールがあると非常にありがたいと思っているところです。
 その他、本県が、管理職の先生方の理解というのも非常に役割が大きいと思うところで、教育委員会事務局内で連携をしまして、研修の充実とともに、県が示す来年度の学校経営計画に、この架け橋期の教育について必須項目として位置づけ、組織的・計画的に取り組んでいただくように、来年度からスタートをする予定になっておりますので、そういった事務局内での連携というのをさらに強化していきたいと思っています。
 しかしトップダウンで、先生方がやらされ感でやるのではなく、先生方が主体的に、やりがいをもって取り組んでいただけるように、自治体が忘れてはいけないのは、現場の先生方に寄り添いながら支援をしていくことだと常に思っておりますので、そういったところを職員で共有しながら進めていきたいと思っております。
 本当に、この会議に参加させていただきまして、専門性の高い先生方と御一緒させていただくことで、非常に私も勉強させていただくことが多かったです。ありがとうございました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。高知県はかなり先進的取組をしていただいていますので、その工夫も参考にしながら、自治体への支援がどう可能かも考えていきたいというというふうに思います。
 それでは鈴木委員、お願いしていいですか。
【鈴木委員】  國學院大学の鈴木みゆきです。このたびは本当にありがとうございました。私も、やはり中教審の中にこういう特別部会ができたというのはとても大きいと思っております。そして、これだけの鮮やかなまとめを、無藤座長をはじめ秋田先生、そして事務局の方、本当にありがとうございました。とてもこう、何か新しい世界が開けた感じがいたします。
 同時に、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というのは、やはり18歳以降も見通した姿だったんだなというのを、改めてこの場で学びました。
 多分、本当に多くの自治体は、どう動いていいのかという戸惑いからスタートするかもしれませんけれども、できることからやっていこうというような意気込みを持って取り組んでいただけたらいいと思うし、また、その場にいろいろな形で関われたらいいかなというふうに思っております。本当にありがとうございました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。
 それでは宮下委員、お願いします。
【宮下委員】  宮下でございます。今回のこの委員会の中で、様々な立場の方々と架け橋期の教育についていろいろと意見を交わすことができて、本当に有意義な時間を過ごさせていただきました。
 実際に、これからこれを広げていくという中で一番大事なのは、やはり幼児教育の先生たちと、小学校の先生たちが一緒になって、子供の育ちや教育について考えていくことだと思います。そのことが、自分たちの保育や教育を良くしていくという実感が大事ではないかと思っています。
 とにかくそれぞれが第一歩を踏み出すこと、これは一方的にどちらかだけが頑張っても、達成しないものだと思いますので、幼児教育のほうからも、小学校のほうからも、両方からいわゆる架け橋をかけて、一緒に子供たちのウエルビーイングのために頑張っていこうという、そういうことが全国、広がっていくといいなというふうに思っております。
 小学校は、中学校との接続も進めている関係で、幼児期との両方の接続を考えていかなくてはならないという大変な部分もあるかもしれませんけれども、校長会等でも、この幼児教育との接続が非常に重要だということを共通理解していただき、積極的にこれを進めていけたら、本当に幸せだなと思っております。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。お願いいたします。
 それで、久保山委員にお願いしたいんですが、久保山委員は今、乗り物で移動中だそうで、事務局にメールが来ているんですかね。お願いします。
【澤田子育て支援指導官】  ありがとうございます。久保山委員から御意見をいただいております。
 まとめに当たり、意見を取り入れてくださりありがとうございました。16ページに「共生社会の形成」や「共生社会の担い手」という文言が入ったことは、極めて重要だと考えます。
 その実現に向け、特別支援教育、あるいは児童発達支援を専門とする人たちが、さらに幼児教育を学び、尊重し、深く理解する必要があると考えます。そのことにより、特別支援教育と幼児教育のさらなる融合が進むことを目指したいと考えます。
 今後も微力ながら、国立特別支援教育総合研究所のインクルーシブ教育システム推進センターや幼児班も好事例の収集をしておりますので、その公表や、先生方の研修等で貢献してまいりたいと思います。といった御意見をいただいております。
 久保山委員、ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 それでは田村委員、お願いします。
【田村委員】  國學院大學の田村です。お願いのまず1つ目は、せっかくキャッチーな「架け橋」という言葉をつくったわけですから、幼児教育側はもちろん、文部科学省はこれを積極的にPRに使っていき、ムーブメントを起こしていくと。ある意味、国民的理解を促進するような様々な手だてを打っていただきたい。
 具体的に言うならば、先ほどにあったとおり、資質・能力が幼小中高とつながったこの幼児期と小学校を結びつける劇的な架け橋というワードをつくったわけですから、メディアなどを使ってキャンペーンを張るなど、積極的にこの言葉を流行語にするような御工夫があるといいかと思います。
 2つ目は、具体的な話ですが、各県の指導主事の皆さんや、あるいは指定の自治体への対応の際に、架け橋期のカリキュラムをどうデザインするかはかなり重要な話題になってきていると思います。その際に、意識したいなと思ったことが2つです。
 1個目が、今回のまとめの9ページの欄外の21にあるアイデアは、一つの方向性としては分かりやすいと思いますので、そうやって共通言語を統一していくというアイデアが1つ。
 2つ目は、自治体が示す大綱的な架け橋期のカリキュラムのデザインと、個別の各学校が作る詳細版のグレードの違いをやっぱり自覚的にやっていかないと、各学校が複雑なものになっていくような作業があってはいけないと思いました。
 つまり、今回のこういった新しい価値観が広がることによって、それぞれの園や学校等が何か作業が増えるとか負荷がかかるというようなことは、できるだけ避けていく必要があるんじゃないかなということです。
 これまでやってきたこととこんなふうにつながっているので、この取組は総体的にはさほど難易度が上がるとか負担が増えるということではないんだというような、全体の作業量の軽減というふうなことも常に意識しながら発信していくことが大切ではないかと感じます。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。いろいろ示唆いただきましたけれど、最後の点は、実際にそうだと思っておりますけれども、そのことが分かるように伝えて、また新しい仕事が世の中からできたという感覚ではないものにしていきたいと。むしろ自分たちの実践を掘り起こすというんでしょうか、という方向をぜひ進めたいと思います。
 それでは吉田委員、お願いします。
【吉田委員】  すみません、全体的なということでございましたけど、先ほど私、いろいろ課題も含めてお話しさせていただいたんですけれども、この会に出たときだったと思うんですが、やっぱりお子さんの教育、お子さんに幼児教育を行うということは、私は究極的には、いろんな面で、例えば貧困家庭のお子さんなどにとっては、貧困からの脱却に最終的につながるのは、私は教育だというふうに本当に感じております。
 小学校のお子さん方に、学校でなかなか学びの機会が難しいというお子さんを、ボランティアの団体とか、我が自治体においても支援をし、そこに予算をつけてサポートすると。
 学力を得ると、ますます、めきめき、また勉強したくなる。そういう実態もあります。これはやっぱり、小さいうちからやっていくというのは非常に大事なんです。貧困からの脱却という意味でも、この架け橋というのは非常に大事なのではないか。
 そういう視点で、何か新しいものをやるというよりも、現状のお子さんを取り巻く貧困の問題を解決するためにも、やはりこの幼児教育というところにしっかりスポットを当てていくんだよというようなメッセージも、私はすごく大事ではないかと。
 それから、これもどこかで申し上げましたけども、やっぱり語彙力が豊富であればあるほど、人間はやっぱり生きる力というのは私は出てくるんだろうというふうに思いますし、その語彙力というのは小さいうちからだというふうに、本当にそれは感じております。これはある幼稚園の先生や保育園の先生のお話ですけども。
 小さいうちからそういう語彙力を身につけさせる。これは決して小学校に上がるための準備としての幼児教育かというとそういうことではなくて、人生をしっかり生きていくための、三つ子の魂百までの話だと思いますので、そういったところをもう少し社会的にみんなが認識をして、お子さん方の教育をみんなでバックアップしようよと。そういうことをこの世に大いに訴えていただきたい。
 そのためにも、この「架け橋教育」という名前を出していただいたというのは大変意義があることだというふうに思いますし、ぜひ教育の問題だけではなくて、広く国民の貧困の問題等をしっかり解決していくためにも、こういう動き、ムーブメントが必要なんだよというところに持っていければよろしいんじゃないかなということを、この文章等を見ながら感じさせていただいたところでございます。
 すみません、まとまりのない話でございますけど、以上でございます。
【無藤委員長】  ありがとうございます。貧困を含めた格差の是正の問題、語彙力、言語力の育成の問題、基本だと思いますので、それが見えるようにしたいと思います。
 それでは、渡邉英則委員、お願いします。
【渡邉(英)委員】  すみません、最後なので一応、皆さんにお会いできたことを感謝しつつも、現場の話をちょっとしたいと思います。
 私は横浜で港北幼稚園という幼稚園と、認定こども園「ゆうゆうのもり幼保園」の園長をしています。やはり、認定こども園の運営にずっと関わってきて、福祉部局と教育委員会に制度が分かれていると、結構その壁は大きかったです。
 これからは子供が真ん中になるという話にはなるんですけど、保護者のニーズに応えるサービスのほうが福祉的な話であって、子供のことを本当に考えようという、幼児教育というものがどこまで本当に社会に認識されていて、ある意味予算にも反映されているかというと、結果的には、私学というところが、公立の幼稚園数がだんだん減ってきたときに、私学が安上がりだから幼児教育は私学が担えばという形で進められているのかなという感じもしないではないです。
 やっぱり子供のことを本当に社会全体で考えよう、子供が育とうとするときに、子供だっていろいろ考えている。それを認めてあげて、あなたはあなたらしくしていいんだよとか、あなたが世界を広げていくことが、本当にそれが学びなんだよということを、架け橋でもう一回、社会に広く訴えてほしいと思います。
 具体的には、この時期、やっぱり小学校の先生たちが園に来ると、もう圧倒的にという言い方まではちょっと言いづらいんですけど、横浜はスタートカリキュラムをやってくださっているけど、やっぱり多いのは、小学校に入学する子供のできないところとか大変なところ、子供のそういうところばっかりを聞こうとするというような、何かこの子供が学校へ来たときにどれだけ大変かどうかということです。
 いやいや、そうじゃなくて、この子にはこんなにすてきなところがあるとか、幼児期にやっとここまで育ってきたんだとかという、その一人一人の子供を肯定的に見ようとする姿勢とか、学校がそれを肯定的に受け入れられるような枠や幅を広げていくとか、そのようなことを今やらなかったら、やっぱり子供真ん中社会はつくれないと思います。
 そういう意味では、行政の方も、学者の方も含めて、現場の人間も集まって、今、幼児教育は様々なありようがある中で、本当に子供を育てるということはどういうことなんだを考えるきっかけにしてほしい。保護者も交えて、地域の中で子供たちがちゃんと真ん中にいるということはどういうことなんだということを、僕は架け橋からスタートさせることが大事かなと思ってはいますので、皆さんの本当にお力を借りながらも、僕も現場の中でもそういうことを一歩一歩進めていけたらと思っています。
 皆さんに本当にいろんなことを聞かせていただいたことに感謝します。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございます。本当に同じ思いです。
はい。じゃあ中井澤委員、お願いします。
【中井澤委員】  今回の委員会、私は若手からの参加ということなので、今後に期待することとして、ちょっと若手の意見を述べさせていただきたいと思います。
 この委員会を通じて、私、いろんな幼稚園の先生だったり、小学校の先生とお話ししてきたんですけれども、やっぱり現状に対してある種の無力感というか、どうせ変わらないだろうとか、忙しいからあんまりそういうことを考える余裕がない、みたいな人は結構多くて、この架け橋のプログラムを通じてぜひちょっとお願いしたいなと思っているのは、積極的に若手の参画を呼びかけてほしいなというふうに思っています。
 その時に、「やってよ」とか「これお願いします」という、ある種のトップダウン的な感じじゃなくて、どういう意見とかどういう価値観を持っているのかというところを吸い上げながら、どこまで失敗できるのかという、失敗できる許容範囲を決めた上で、ここまでは失敗していいから一緒にチャレンジしていこう、みたいなところの取組を、ぜひ若手を巻き込んでやっていただきたいなと思っています。
 それが巡り巡って、例えば10年後、20年後となったときに、彼らが管理職になったりするときに、彼らはチャレンジして育つので、それが次の世代のチャレンジを促して、どんどんいいサイクルが生まれてくるんじゃないかなと思っております。皆さん、ありがとうございました。
【無藤委員長】  はい。そうおっしゃっていただける――中井澤さんが若手だからどうだとは思わないんですけれど、そういう方が増えてくることを本当に期待しております。ありがとうございます。
 では秋田委員、お願いします。
【秋田委員長代理】  参加させていただき、本当にいろいろな先生方の、委員の皆様のお知恵によってこういう審議まとめができたということ、それを単なる文書で終わらせないための行動がこれから始まるのだと思います。子供たちの、まさに生きる喜びや希望を生み出すためには、ゼロ歳からの子供たちのウエルビーイングが保障され、それが生涯にわたるウエルビーイングにつながっていくための架け橋というものが、単なる行政用語ではなく文化に根づいていく必要があると思っています。
 恐らくこれだけ力を入れて、無藤座長や私どもももう最後の仕事と思って頑張ってきているものだと思っていますけれども、その中でこれから考えたいところの1点目が、やはり教員養成・保育者養成のところに、架け橋という教育をきちっと両方で入るような、教職の課程や養成の課程を組み込むという仕事は、ぜひ、幼児教育課やそれから学校教育の教育課程課を含め、教育人材のほうの総合政策等と連携を取って進めていただくというのが国の役目だと私は思いますので、ぜひこれが幼児教育課だけにとどまらず、広くつないでいただきたいと思います。
 また2つ目としては、自分事にしていくためには、やっぱりいろんな人の声が大事です。先ほど、教育長のメッセージ、すてきだなと思いました。首長や教育長、それから経験した指導主事や小学校の若手の先生が、この架け橋を経験して、こんなことが分かったよという生の声であったり、園の若手の先生も、こういうことをしてみて保育もよくなったよとか、そういう生の声をいろいろなチャネルで出していただけたらありがたいと思います。
 それをどういう形で発信をしていくのか、いわゆる19のモデル地域があって、それをまねるのではなく、一人一人の子供が生きている各地域のエコシステムの小さなエピソードが、とても私は大事だと思っています。
 私の関わっているところで、こんな連携をしたら自然にこうやって子供が帰り道で手をつないでいるんですよ、という写真を先日送ってもらいました。子供の姿にそういう活動の成果がつながって表れて、地域に絆が生まれていくところに、本当の意味で架け橋が出てくる。
 そういうエピソードというのは、なかなか大きな自治体の報告書では出ません。でも、そういうものを大事にしていただきたいというふうに私は思っていますし、そのためには保護者が、こども家庭庁がつくっているように、どこでも誰でもが分かりやすいようなメッセージで、架け橋を伝えていただきたいと思います。
 そして最後に、この会で結局解けていない問題というのが1つあります。1.3万人の子は園に通えていません。無償になっても通っていない子供をどう保障しながら、その子たちも架け橋を渡り、小学校以降の学びへと、全ての子供の学びの権利の保障ということが、先ほどありました貧困の格差の問題の中でどうしていくのか。これは恐らく文部科学省幼児教育課だけではなく、本気でこども家庭庁や関係者が一緒に政策を打たなければ、この子たちは救えないと思っています。そうしたところも今後射程に入れながら、ぜひ考えていきたいなというふうに思います。
 多くの皆様のお声でたくさん学ばせていただいたこと、また、無藤座長をはじめ幼児教育課の皆様や、御関係の内閣府、厚生労働省の方の御尽力でこういうことができたことをありがたく思っています。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 もうお時間ではあるのですが、委員の皆様方、よろしいでしょうか。より具体的な案の訂正、あるいは提言は、ぜひ文書、メールで事務局にお送りください。
 それでは、時間でございますのでここまでとしたいと思いますが、私も一言だけですけど御挨拶をしたいと思います。
 期間としては1年半強ぐらいだと思うんですけれども、十数回にわたる議論をありがとうございました。また、並行してワーキンググループがかなり頻繁に開かれたということも付け加えたいと思います。
 委員の皆様も何人もおっしゃっていただいたように、非常に熱を持った議論、多面的な議論を一つにまとめることができて、本当にありがたく思います。
 幼児教育、幼稚園・保育園・こども園の問題、いろいろな、私も長年やってきましたけれども、一方で小学校教育にも関わりはありますが、どうしても担当として、文科省の中でも分かれますけれど、自治体でも分かれるわけで、そういう意味での様々なつながりの悪さがあるわけですけれど、やはりそれを乗り越えてこそ今後が開かれるということは、今回の議論を通して確信しているところです。
 ただ、途中でも申し上げたように、きれいな文章を作ると自然に何かが実現できることはあり得ないので、全国どの自治体においても実現できるように、具体的な手だてを次に尽くしたいと思います。
 文科省として、また厚労省、内閣府としてお願いすることはたくさんあるわけですけれども、国としての役割とともに、途中で申し上げたように、これは国として強制できる種類のことではないわけですので、各自治体、各園、各学校、またそれぞれの方々の積極的な参加が必要ですし、保護者、また大きくいえば世論の支えがあってできると思いますので、ぜひ今後ともよろしくお願いしたいというふうに考えております。どうも、長い間の御議論、ありがとうございました。
 今後ですけれども、本日、委員の皆様から御修正の御意見等もいただきました。それを踏まえて、私どものほうで必要な修正をさせていただきます。
 そして、審議まとめ及び概要というふうにいたしまして、3月上旬に初等中等教育分科会が開かれるということでありますので、そこに報告をしたいと思いますので、よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、審議まとめ及び概要を取りまとめさせていただきます。追って事務局から、委員の皆様にそれについては御連絡をさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、最後でありますけれども、審議の取りまとめに当たり、藤岡幼児教育課長より一言御挨拶を頂戴したいと思います。お願いいたします。
【藤岡幼児教育課長】  幼児教育課長の藤岡でございます。これまで12回にわたり、無藤委員長、秋田委員長代理をはじめ委員の皆様には熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。本日まで御議論いただいたこと、子供たちの成長にとって大変重要なことと感じております。
 私も文部科学省の職員ですが、3年間、公立の中学校の校長を経験させていただきました。中学校の時期は、高校入試に向けて将来の進路を考え、別れていく時期となります。自分の人生を自分の考えや力で切り開いていく時期となるのですが、やはりうまく切り開いていく子もいれば、なかなかうまくできなかった子もいたことを思い起こします。
 子供の成長にとって、幼児期に育まれる資質・能力の大切さ、そして小学校以降において、それを踏まえてその後の教育活動が行われる大切さを痛感しております。子供たちが将来大人になったときに、幸せで充実した人生を送れるようになること、まさに一人一人のウエルビーイングを実現するために、大変重要なことと感じております。
 裏を返せば、これが実現できないことは、子供たちにとって大きな不利益になってしまうということです。
 来月には、各幼児教育施設では卒園式があると思いますが、幼児期はあっという間に過ぎてしまいます。目の前の子供たちのために、私たちはやっぱりスピード感を持って、また、しっかりと実効性があるよう取り組んでいく必要があると思っております。
 文部科学省といたしましては、その実現に向けて、幼保小の架け橋プログラムのモデル事業の実施や、その成果の普及、また地方自治体の体制整備、調査研究や大規模実態調査の実施などをしっかりと進めていきたいと考えております。
 また、文部科学省だけではなくて、やはり幼児教育施設や小学校の関係者の方々、また都道府県や市町村の方々、さらには幼児教育や小学校教育の研究者の方々の御理解、御協力が必要となると考えておりますので、これらの方々との連携・協働を進めてまいりたいと思っております。
 特別委員会といたしましては、本日が最後となります。また、3月初旬には委員としての任期も終わるわけでございますが、お集まりの委員の皆様方は各界で大変な指導力、また影響力、発信力のある方々ばかりです。ぜひ、委員の皆様それぞれの立場で、日々の教育活動や、また研究活動などにおいて、幼児教育と小学校教育の接続の改善の応援団の一員として、推進を担っていただけると大変ありがたく思っております。
 これまで本当にありがとうございました。以上でございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 リモートの会議ということで、今日もトラブルがあったりしましたが、何とか無事に、私としては座長の役を務めることができて、御礼申し上げたいと思います。
 何より今後の実行が要でありますので、ぜひ、課長の御挨拶のとおり、今後ともよろしくお願いいたします。
 本特別委員会はこれにて終了であります。本特別委員会は終了となりますけれども、文部科学省におきましては、引き続き架け橋プログラムの推進に向けた取組が進められますが、それはもちろんとして、委員である私どもも一緒になって取り組んでいくことが大切だと考えてございます。
 特別委員会の終了が新たなスタートでもあるということで、いろいろな形で、引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、長い間にわたり本当にありがとうございました。本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――
 
 

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