幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会(第6回)議事録

1.日時

令和4年2月24日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

WEB会議形式で開催

3.議題

  1. 幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き及び参考資料の初版(案)について(報告)
  2. 審議経過の骨子(案)について(審議)
  3. その他

4.議事録

【無藤委員長】  皆様、それでは、定刻となりましたので、ただいまから第6回中央教育審議会初等中等教育分科会幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会を開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
 本日の会議の開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【橋田幼児教育企画官】  本会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、Webexを用いたウェブ会議方式にて開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますけれども、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。
 なお、本日は報道関係者と一般の方向けに本会議の模様を配信しております。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1-1から資料3まで及び参考資料1から3となっております。御不明な点等ございましたら、お申し付けください。
【無藤委員長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題は大きくは2つなんですけれども、議題1が報告事項でございます。幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き及び参考資料の初版(案)につきまして、まず、私から検討チームの検討状況の概略を御報告させていただきまして、その後に事務局から内容のポイントを報告していただきます。そして、その報告の後、議題2でありますが、御審議いただく審議経過の骨子(案)というものがございます。そこに、手引き及び参考資料の主要な要素を盛り込みましたので、骨子(案)に関する御意見を頂戴して、その中で適宜、手引き、参考資料の見直しも図るようにさせていただきたいと考えてございます。
 それでは、お手元の手引き、資料1-1、それから、参考資料(初版)(案)、これが資料1-2でありますけれども、かなり分厚いものでございますけれども、この手引き、参考資料につきましては、特別委員会での御意見を頂戴してございますので、それを踏まえまして、検討チームで延べ6回にわたり集中的に議論し、準備してまいりました。手引きにつきまして、まず、幼保小の架け橋プログラムの重要性や、関係者で共有し、大切にしていきたい視点を整理してあります。特に、5歳児から小学校1年生を架け橋期として着目することの意義。そして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と資質・能力の関係などについて整理してございます。この手引きの位置づけといたしましては、全国的に普及するとともに、モデル地域における実践に活用していただくことを想定してございます。今後の取組状況を踏まえて、さらに改善充実を図るということにしてあります。ということで、ちょっと厚いですけれども、できる限り趣旨が伝わり、かつ分かりやすさを目指したつもりであります。
 さらに、手引きにおきまして、プログラムのねらいと進め方のイメージ、架け橋期のカリキュラム開発会議の取組、園・小学校の取組と体制、自治体の支援体制等について整理いたしました。
 なお、質の保障の仕組みにつきましては、今後の議論なんですけれども、検討チームで集中的に検討いただくという予定にしてございます。
 それでは、内容のポイントを事務局から御報告をお願いいたします。
【大杉幼児教育課長】  幼児教育課長の大杉でございます。少し音声と画像が会場は切り離されておりますので、音声が出ている画面のほうは真っ暗かもしれませんけれども、別の画面で映っております。6回にわたって検討チームの先生方には本当に深い議論をいただきまして、手引き、資料1-1、それから、参考資料1-2、おまとめいただきまして、ありがとうございました。なかなか短時間では御説明し尽くせませんけれども、要点を絞って御紹介させていただきたいと思います。
 それでは、資料1-1のまず4ページ目を御覧いただければと思います。「はじめに」ということで、幼保小の架け橋プログラムの重要性をまず冒頭におまとめいただいております。子供の生涯にわたる発達や学びの連続性を見通しつつ、5歳児、それから、小学校1年生という段階が学びや生活の基盤づくりということで、非常に大事な時期であるということ。ここを架け橋期と呼んで、今回、プログラムということを実施していくことにしようということでございます。
 一番最後の丸にございますように、架け橋プログラム、子供に関わる大人が立場の違いを超えて連携し、この時期にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現を図り、一人一人の多様性に配慮した上で、全ての子供に学びや生活の基盤を育めるようにすることを目指すと。その中での創意工夫が広がっていくようにということでございます。
 次ページ、5ページ目でございますけれども、ここから、関係者、様々な立場の方いらっしゃいますので、ここで共有していきたい視点ということでおまとめいただきました。特に2つ目の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」、なかなか解説等では、資質・能力との関係ですとか主体的で対話的で深い学びとの関係など、なかなか理解しづらいところもまだありますので、今回のプログラムを通じて、そうしたところの理解も図っていきたい。あるいは、特別な配慮を必要とする子供を含む全ての子供の可能性を引き出す、大人という存在の意味ということもまとめていただいております。
 次のページ、6ページ目でございますけれども、実施に当たっての視点ということでおまとめいただきました、関係者が立場を超えて連携し合えることの重要性。その中の3つ目の丸にございますように、ともすると、書類をまとめることに注力してしまって、書類上はきれいなんだけれどもということもあるのではないか。実質的な話合いや実践を重視して、それを可視化するために紙に落としていこうというプロセスを大事にしよう。その中で、先生方に新たな負担を強いらないようにということ、あるいは形式的な取組とならないようにという視点をおまとめいただいております。
 7ページ目、8ページ目は、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を参考まで載せているところです。
 9ページ目ですけれども、この手引きの位置づけ、特に2つ目の丸にございますように、モデル地域だけではなく、全国的な架け橋期の教育の充実を並行して、集中的に実施していく。そのための参考となる手引きという位置づけでございます。
 おめくりいただきまして、10ページ目、11ページ目、12ページ目、13ページ目辺りは、特別委員会のほうでも御議論いただいたことを軸にまとめていただいておりますけれども、特に13ページ目、少し吹き出しのところに様々な立場から意見や事例を出し合おうというような、こういった視点も少し加えさせていただいているところでございます。
 そして、14ページ目ですけれども、目指す方向性、幼保小の協働ということ、育ってほしい姿を手がかりとしながら、具体的な教育課程や指導計画の参考になるようなものを御議論いただくということ。
 それから、15ページ目の進め方のイメージ、これもかなり御議論いただいて、こういった形にまとまりましたけれども、様々、地域ごとの連携の状況が多様でございますので、その状況に応じた深まり、広まりをつくっていけるような進め方ですね。フェーズに分けさせていただいているということ。それから、方針、具体化、支援という視点に分けさせていただいているということでございます。
 16ページ目から、各フェーズ、自分の地域が幼保小の連携、どの段階にいるのかということをある意味、自己診断しながら深めていけるような工夫というものをここに取り入れていただいているところでございます。
 20ページ目からは、開発会議の進め方のイメージになってまいります。特に21ページ目にございます、幼保小で共通の視点を持っていくということが重要になってまいりますので、共通の視点として考えられる項目名、恐らく一番取り組みやすいのは、マル5の子供の交流、具体的な交流を考えるということかもしれませんけれども、それだけではなくて、やはり期待する子供像、学びや遊びのプロセスのつながりなどなど、こういった視点が重要になってくるのではないかというようなイメージを置いていただいております。
 22ページ目からは、特に検討チームの中で、こうした視点でカリキュラム開発していくに当たって、重要になるのではないかという御意見を少し列挙させていただいております。基本的な考え方について、5歳児、小学校1年生の学びの重要性、豊かな生活ということの重要性。あるいは、3つ目の丸にございますように、各園・小学校での具体化ということと、地域での共通視点ということ。ある意味、バランスよく動かしながら進めていくということの重要性ということ。
 それから、23ページ目が、期待する子供像ということですけれども、架け橋期を通じて、どのような子供を育てたいか。特に、育みたい資質・能力、2つ目のポツにございますけれども、幼児期、具体の姿から伸ばしていくというやり方。小学校以上では、育成すべき目標としての活用の仕方、こうした違いを認識しつつ、幼児期のどのような体験が生活の基盤、あるいは様々な学びの基盤ということにつながっていくのかのイメージが大事だろうということ。どのような資質・能力、どのような姿が、どのような資質・能力につながっていくのかの事例ということを積み上げていこうという考え方でございます。
 それから、24ページ目には少し、資質・能力も無理して、いろいろ分類してしまうと、具体の姿を見過ごしてしまうこともあるのではないかというような、少し留意点も足していただいているところでございます。
 25ページ目が、遊びや学びのプロセスで、子供の姿をつないでいこうということ。主体的・対話的で深い学びを重視するということは4章共通ですけれども、幼児期の生活全体を見ている幼児期と、ある意味、授業や単元ごとに考えている小学校との違い。互いのよさに学びつつ、つなげていこうということ。
 それから、3つ目のポツですけれども、園における遊びを通じて、どのような体験を得ているのかということ。小学校の授業の展開の中で、どういう学びが深まっているのかということを相互理解しながら、主体的・対話的で深い学びの実現を図っていくことが重要であるということであります。
 26ページ目ですけれども、園で展開される活動と小学校の単元構成等、これをどうつないでいくかということですね。園のほうは、幼児の生活全体を捉えた一つの教育課程、指導計画というものになっているのに対して、小学校では、ある意味、各教科等ごとにあるという、この違いをつなぐものがまさに生活科であり、合科的・関連的な指導なのだという、そういう意味をしっかり捉え直しながら実質的に考えていく必要があるのではないか。園と小学校の年間の区切り方や、学びの範囲の視点から整理していく。あるいは、共通に充実を目指す活動や体験を共有していくということ。こういった視点を整理いただいています。
 また、27ページ目には、主体的・対話的で深い学びを、この架け橋期なりのものとして実現していくことが求められていく。スタートカリキュラムの取組などもそういった教育の質の向上の観点から見直していくというところをおまとめいただいております。
 28ページ目が指導上の配慮事項、先生の関わり、あるいは環境の構成、環境づくりということで工夫できる点。
 29ページ目は、子供の交流、地域や家庭との連携で工夫できる点ということでございます。これからモデル事業を実施していきますと、ここもいろんな視点が出てくるかと思いますので、参考になることは大切にしていこうということをイメージしております。
 30ページ目からは、質保障の枠組みと連携のイメージ。これも特別委員会で少し御議論いただいた内容を中心にまとめさせていただいています。31ページ目にございますように、共通の視点からの検証・分析と、地域独自の視点からの検証・分析、双方が必要になってくるだろうということでございます。
 32ページ目は、各園・小学校での具体化の進め方ですね。フェーズごとに深まりをイメージしております。
 次のページはフェーズごとの進み方のイメージ。
 34ページ目には、それぞれ、先ほどカリキュラムの視点で捉えた部分での発達の段階に応じた視点の例ということでございます。
 35ページ目にございますような、幼児にとっての学びである遊びと、小学校の自覚的な学びということを幼児期の経験を生かしながらどうつないでいくか。
 36ページ目からは、少し具体的に、その遊びのプロセスの中で子供たちがどういう試行錯誤を探究しているのかということと、37ページ目の小学校以上の学びの中で子供たちがどういう試行錯誤、体験をしているのかということを整理させていただいております。
 38ページ目は、小学校での学習や生活の課題の視点から、幼児期の工夫がどういうふうにつながっているか。課題の例として、語彙量ですとか、身近な出来事から気づきを得るなど、様々想定されるわけですけれども、例えばそういったことに、39ページ目にございますような、幼児期の豊かな体験ということがつながってくるのではないか。こういったことを認識していくことも大事じゃないかということでございます。
 40ページ目以降もスタートカリキュラムの基本的な考え方、41ページ目、週案を作成する際の意識ということで、幼保小のつながりを意識するために必要な視点は、なるべくこの参考資料に、この手引きに盛り込んで、これを見ることで省力化できるというようなものになることをイメージしております。
 42ページ目以降は、先生の関わりのイメージ、それから、44ページ目以降が教材としての環境のイメージ。こういったところも幼保小で様々、同じ言葉を使っていても、指し示すことが違ったりといったことを一つ一つ検討チームでかなり整理していただきながら、手引きにおまとめいただいているところでございます。
 また、46ページ目、様々、連携ということで、この辺りは今後も少し夏に向けて議論を深めていただく必要があると思いますけれども、先ほどのフェーズごとの深まりをイメージしながら資料をまとめさせていただいております。
 50ページ目には、幼児教育推進体制ということでございます。
 この辺り、手引きだけを見てもなかなかストンと落ちない部分もあるかと思いますので、御協力をいただいている先生にもお諮りしながら、例えば解説動画をつくっていくというようなことも含めて、今後考えていきたいと思っております。
 少し長くなりましたが、以上です。ありがとうございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。報告は以上でございます。ここについての御意見もあると思いますけれども、議題2のほうでの御意見の中で、質問や個別的なことをお出しいただければと思います。ということで、引き続きまして、議題2の審議経過の骨子(案)の審議に入りたいと思います。
 昨年、特別委員会で整理いただいた論点整理のたたき台、そして、会議での議論、検討チームの検討などを踏まえまして、私と秋田委員長代理、事務局とで相談の上、審議経過の骨子(案)というものをまとめてございます。本日の会議での御意見を頂戴いたしまして、それを踏まえまして、次回、3月下旬ですけれども、その会議において、審議経過報告(案)として御議論をさらにいただくということであります。そして、今後、質の保障の仕組みを中心に検討を行いまして、6月頃をめどとして最終的な報告をまとめていくと、そういう予定を考えてございます。
 それでは、事務局より資料2に基づきまして、審議経過の骨子(案)についての御説明をお願いいたします。
【橋田幼児教育企画官】  それでは、審議経過の骨子(案)について、ポイントの部分のみ説明いたします。
 まず、資料2の1ページ目、1ポツの「はじめに」の部分でございますけども、こちらは昨年7月の初中分科会からの審議要請文を基に、施設類型を問わず、幼児教育の質的向上や、小学校教育との円滑な接続の必要性、本特別委員会の設置経緯等について整理させていただいております。
 続いて、2ページ目の上から2つ目の丸にございますように、この審議経過の位置づけといたしましては、特別委員会における現時点での審議の状況を取りまとめたものということで、今後さらに、質の保障の仕組みを中心として検討を行うこととしております。
 次いで、2ポツの背景のところでございますけども、(1)子供の学びや生活の充実に関する取組の主な経緯等といたしまして、これまでの幼稚園教育要領、保育所保育指針、小学校学習指導要領における幼児教育と小学校教育の関係性を整理しています。
 続いて、3ページ目の中段からは、現行3要領・指針、学習指導要領等における取扱いや取組等を整理しております。
 続いて、5ページ目の(2)の子供の学びや生活をめぐる主な現状の把握のところでは、幼児教育・保育の無償化と質の向上、コロナ禍の状況を整理させていただき、6ページ目の下段からは、特別な配慮を必要とする子供への対応、7ページ目の下段からは、持続可能な社会の創り手の育成の重要性を整理しております。
 8ページ目の3ポツの課題につきましては、昨年、特別委員会で整理いただいた論点整理のたたき台の項目を踏まえ、構成しております。
 まず、(1)幼児教育の質に関する認識の共有の必要性を述べた上で、9ページ目からは、(2)0~18歳まで見通した学びの連続性に配慮しつつ、幼保小の接続期の教育の質を確保するための手立ての不足というということで、その課題を整理しております。特に、この部分は後ほど説明いたします幼保小架け橋プログラムにつながる部分でもございます。
 続いて、10ページの下段からは、(3)格差なく学びや生活の基盤を育むことの重要性と多様性への配慮。
 また、11ページの中段からは、教育の質を保障するために必要な体制等として、幼児教育推進体制をめぐる課題を整理しております。
 さらに、12ページの下段からは、教育の機会が十分に確保されていない家庭や子供への支援について整理しています。
 13ページの4ポツの目指す方向性の構成も、論点整理のたたき台の項目を踏まえ、整理させていただいております。まず(1)といたしまして、「社会に開かれたカリキュラム」の実現に向けた教育の質に関する認識の共有について触れております。
 14ページからは、(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と各園・学校や地域の創意工夫を生かした幼保小の架け橋プログラムの実施といたしまして、議題1で報告いたしました手引き等の主要な要素を盛り込んでおります。中では、架け橋期に着目した教育の充実、10の姿の理解と活用。
 16ページでは、プログラムのねらい、取組のイメージ。
 17ページでは、目指す方向性と進め方。また、架け橋期のカリキュラムのイメージなどを整理しております。
 18ページ中段からは、(3)全ての子供のウェルビーイングを高めるカリキュラムの実現。下段からは、(4)幼児教育推進体制等の全国展開による、教育の質の保障と専門性の向上ということで、人材確保、研修を含め、整理しております。
 20ページの中段からは、(5)地域における園・小学校の役割の認識と関係機関との連携・協働等について整理しております。
 最後に、21ページでは、今後の進め方のイメージといたしまして、先ほど委員長からもございましたとおり、骨子(案)を基にした委員の意見を踏まえ、次回会議では、審議経過報告(案)を審議いただく予定であること、架け橋期を中心とした質の保障の仕組みについては、検討チームでさらに集中的に検討した上で、今後、特別委員会で審議予定であることを整理しております。
 以上、ポイントの部分のみ説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局の御説明を踏まえまして、審議経過の骨子(案)を基に、残りの時間で質疑応答及び意見交換を行いたいと思います。できる限り多くの皆様から御意見をいただくために、お1人3分以内、非常に短くて恐縮ですけれども、3分以内ということでの御発言をお願いできればと思います。そして、手順はいつものとおりでありますけれども、御発言を希望される方は、この後、手を挙げる挙手ボタンを押していただきますようにお願いいたします。今日も大勢御出席いただいてございますので、押していただいた方のお名前を事務局で控えていただき、事務局より名簿の順番を基本にして指名させていただきます。そして、指名された方はミュートを解除いただいて、御発言をお願いいたします。その発言が終わりましたら、手を下げるボタンを押して、挙手を取り下げていただきますようお願いいたします。
 なお、御希望いただいた方全員からの御発言が終わって、時間が余るかもしれませんので、その場合には改めて追加での御発言をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、平川委員が早めに御退席と伺っておりますので、最初に平川委員から御発言いただくのでよろしいですか。平川委員はいらっしゃいますか。お願いしてよろしいでしょうか。
【平川委員】  はい。ありがとうございます。非常に簡潔にいろいろおまとめいただき、ありがとうございました。19ページ目、体制の全国展開の丸ポツ、(4)の1つ目のところでございますけれども、ここに加筆していただきたいところがあります。その際、全国知事会、全国の都道府県教育委員会が自分事として本気になれるよう、乳幼児教育が全ての教育の起点であるという認識を持ってもらえることを目指すというふうに書き加えていただきたいと思っております。
 と申しますのは、自責の念というか、自分も頑張らなければという意味も込めてですが、幼保小の架け橋プログラムの成功の鍵の一つは、都道府県の教育委員会がどれだけ本気になれるかということだと思っております。もちろん市町村教育委員会もそうですが、1,700もあって、予算、体力とも様々です。一方で、47都道府県の教育委員会というのは、ある程度大きな組織ですから、都道府県が設置する高等学校と特別支援学校を何とかしようと思われるだけでなく、市町村が設置する小学校・中学校についてもタッチできないだろうと思われず、これは何とかしなければいけないと。
 それはどうしてかというと、乳幼児教育は、やはり教育の礎というか、起点になると思っておりまして、例えば小中高と成長していくとともに、様々な困難なことがある場合、そういえば乳幼児のときにどうだったかと振り返ることがあると思います。乳幼児は、個性とかプリミティブなところがすごく出る時期なのではないかと思って、すごくここが大切なところなのではないかと思っています。
 ですから、全国の教育委員会組織の中に乳幼児に関わる部署がセンターとして独立してあるのが50と伺っているんですけれども、そのうち、私が数えた限り、都道府県は26程度しかありません。ですから、47分の26ということです。半分ちょっとしかそこにないというのが寂しい限りだと思っております。全国都道府県教育長協議会は、来年度、5月に予定されていますけれども、ぜひとも文部科学省の方が全国都道府県教育長協議会でお話をして、乳幼児が起点ですよということを分かっていただくと。それから、全国知事会のほうにも御説明をいただきたいなと思っております。私も頑張ります。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。大変心強い提言を具体的に、ぜひこの報告にも取り込みながら、今の希望、2つについて文科省側でお願いしたいと思いました。
 さて、それでは、次ということで挙手いただきたいと思いますが、どなたか。
【橋田幼児教育企画官】  今、石戸委員と水野委員が手を挙げられております。
【無藤委員長】  では、石戸委員からでよろしいですか。
【石戸委員】  石戸でございます。欠席が続いて申し訳ありませんでした。途中の議論が抜けているため、重複したり、流れを無視したコメントであれば申し訳ありません。全体を通じての感想として数点述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目ですが、世の中が変化しても、変わる点と変わらない点があると思います。幼児教育においては普遍的なことも多いと感じています。ここに書いている10の姿などもそうですが、幼児教育においてこれまでも重視されてきた変わらない視点だと思うのですが、社会の変化に伴い、その変わらない点が、今まで以上に重要になっているということ初めに指摘をしておいてもいいのではないかなと思いました。
 それに付随して、子供を主体とした学習環境のデザインが今まで以上に重視されている中で、幼児教育の在り方は、小学校以上の教育に大きな示唆を与えるのではないかなと思っていまして、その視点の発信をすることが、よりよい接続につながるのではないかなと感じました。
 2点目ですが、逆に変わる点として、ICTの活用もそうですし、コロナによるライフスタイルや人々の価値観の変容の影響もそうですけども、小学校以上の教育現場も今大きな変革のときを迎えている。その実情を踏まえて、幼児教育はどうあるべきかを考えなければならないタイミングであるという視点というのも記載されていてよいと感じました。
 3点目ですが、これは言わずもがなですが、カリキュラムがよくできていればいるほど、形だけがまねされて形骸化していくということはよくあることだと思います。先ほどの御説明で、手引きにはそうならないような工夫が見られてとてもよいなと思いますが、改めて、コンセプトこそ、しっかりと明記するとともに、カリキュラムを開発するに至った思考プロセスというのを可視化しておくといいのではないかなと思います。
 また、カリキュラムとともに、その実施に当たって留意すべき点を整理したガイドラインや研修の仕方、カリキュラムの評価や検証の仕方といったこともあるとよいと思います。一方で、先生方が主体的にカリキュラムの構築に関われるような余白というのを残すことも必要と感じます。
 4点目ですが、「遊び」という言葉が与える誤解についての話とか、もしくは幼児教育の質と言うと、早期教育と勘違いされるという話が度々見られたかと思います。この件だけではなく、役所の議論の会議でしばしば感じることですが、とてもすばらしい報告書がつくられてくるけれど、一体どのぐらいの人がそれ読んでいるのだろうかと感じることがあります。この件は多くの関係者を巻き込みながら、対話し、発信しながら進めていくのがよいと考えています。
 例えばですが、この会議も毎回サマリーを幼稚園、小学校の先生方に、例えば3分動画で発信するとか、そういう発信の仕方、より対話をしながらこの件を導入していくという姿勢が大事かなと思います。
 最後ですけども、既に記載されていますけども、先生方の負荷を軽減するという点においてもICTを活用することが不可欠ですし、保護者の理解を深める上でも幼児教育からICTの利活用をするということは効果的だと考えています。そして、さらには今後、例えばですが、バイタルデータを活用して子供たちの健康をサポートする、もしくは子供たちの特性をより深く理解して、その子に合った環境を提示するということもこれから出てくると思います。そのような新しい技術の活用に対してはどうしても批判的な声というのが上がりやすい領域だと思いますので、一歩先の技術活用を常に意識して、その活用可能性を入れておくことによって、社会受容性を早めることにつなげることも大事だと思います。
 いずれにせよ、本当に非常にすばらしい話ですが、壮大な話でもあり、実現方法、実効性の担保も気になります。現場の実態を配慮した、丁寧なアクションプランを期待したいです。
 以上です。
【無藤委員長】  大変心強い御意見ばかりだと思います。5つ御指摘いただきましたけれども、どの点も報告に入れるとともに、例えば発信などについても、動画などのことはまだ具体化していませんけれども、なるべく早急に考えて実施に向けたいと思います。
 それからICTの活用、ICT等の技術の活用は、当然文科省あるいは幼児教育課でも議論していると思うんですけれども、その議論途中もここに入れながら展望を開くようにしたいというふうに考えました。ありがとうございます。
 それでは、水野委員でしょうか。挙手いただきましたか。
【水野委員】  大阪府大東市教育委員会の水野です。よろしくお願いいたします。まず資料1-1の46ページで、フェーズでしっかり図式化していただいたのはすごくありがたいなと思っておりまして、というのも、先ほども平川教育長からも少しお話がございましたが、この手のものは、いかにこの文言の中に本気度を練り込んでいくかというのがとても大切でして、私自身も、今、この中教審の特別委員会の会議内容を本当にタイムリーに、市の教育委員会で何か連携できないかというのを、実は動きながら、この会議にも参加しているんですけれども、なかなか本庁の子ども室、そして、我々の市の教育委員会との連携というのはなかなか複雑怪奇なところがございます。それを進めるためには、いかに具体性と本気度を盛り込んでいくか、ここがポイントだと思います。これがまず総論の意見です。
 各論のところで申し上げますと、資料2のところの10ページ、こちらの2つ目の丸に課題としまして、地域とか家庭の、いわゆる情報共有、関係性のところを課題として挙げていただいております。ただ、これを、ずっとその先を読み解いていっても、この課題に対しての手法というものが随分不明確な形で表されているなと感じました。ですので、もう少し具体的に、アンサーといいますか、この課題に対する手法、アンサーとして、例えばですが、ネウボラですね。子育て世代包括支援センターのことを盛り込むであるとか、あとはコミュニティスクールをこの連携のところに盛り込んでいくとか、市ベースで言いますと、より具体的なところが書かれていると動きやすいなというところを感じます。
 2点目が13ページです。「社会に開かれたカリキュラム」の実現に向けたという、ここの項目なんですが、これは読む人によっては主語がすごく不明確かなと感じました。恐らく幼児教育現場と小学校現場を主語にしながら当て込んで読むのかなと思うんですが、先ほど申し上げた、いわゆる本気度、具体度というところで言いますと、もう少し保護者とか家庭教育というものを主語にした文言があってもいいのかなというふうにも感じます。
 そして、最後3点目が18ページです。先ほどからちょっと不明確、具体性がないなというところのアンサー部分が恐らく18ページの2つ目の「〇」ですね。「家庭や地域とも連携協力し」というところがそこに当てはまるのかなと思ったんですが、ここに少し具体的な明記を書いてもいいのかなというふうにも思います。
 ですので、なかなか市の教育委員会としましては、国がこう言っている、都道府県がこう言っているというのが最初の動き出す根拠になることも往々にしてございます。とはいえ、もちろん市の教育委員会の本気度も問われるところではございますが、その辺り加味した表現をお願いしたいなと期待しております。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。まさに都道府県もそうですけれど、市町村の教育委員会の動きが多分、動きの要になると思いますので、貴重な御意見いただきました。いろんなところで本気でやるぞということを書きたいと願って、まとめてきましたけれども、同時に家庭との関わり等についてはあまり書いていないので、見込める限りで書いたり、あるいはこの狭い意味での架け橋プログラムの中でなくても、並行して取り組まれているところについての言及を考えたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に挙手をいただいた方は。
【橋田幼児教育企画官】  今、齋藤委員と二宮委員が手を挙げられております。
【無藤委員長】  齋藤委員、二宮委員。では、その順番で齋藤委員からお願いします。
【齋藤委員】  取りまとめ、どうもありがとうございました。私としては、日本語の名文になじむという文言が、既に入っていれば、ちょっと見落としなんですけども、入っていなければ入れていただきたいということです。参加しているとき、この1点だけを強調してきたので、参加している意義としましても、文言として、日本語の名文になじむという文言を何とか盛り込んでいただきたいということですね。関連しているところがあれば、4-4が絵本とかあったかと思いますけれども、日本語の名文と出会う、日本語の名文になじむという、そういう明確な方法というものが大事だと私は思っておりますので、幼児期に日本語というものの一番いいもの、それは名文だとしますと、そういうものと出会ってなじんでいくということが架け橋になるという考えでずっと言ってきましたので、ぜひ入れていただきたい。入っているんだったら、それを御指摘くださいということです。
【無藤委員長】  ありがとうございます。どこかに文化の継承を踏まえて、言葉遊び等という言い方を多分したと思うので、もう少し分かりやすく入れると。
【齋藤委員】  そうですね。日本語の名文になじむという文言でお願いしたいですね。言葉遊びとか、ふんわりしてしまうのではなくて。
【無藤委員長】  はい。それも理解いたしました。
【齋藤委員】  ぼやけない感じがいいと思います。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 次、二宮委員、お願いします。
【二宮委員】  よろしくお願いします。非常に多角的な視点、多くの示唆に富む取りまとめになっていると思います。私からは、発展とか受け取りという立場で、少し意見を述べさせていただきますと、平川委員、水野委員もおっしゃっていましたけども、もう少し受取り手が、あれっ、これ、自分に言われているのかなとか、自分がもっと深く考えなきゃいけないのかなというのに資するような表現の仕方というか、もっと端的に言うと、もっと分かりやすく伝わるような取りまとめの表現の仕方があるといいなと思いました。
 今は、もともと、まだまだたたき台のようなもので、これがもっと分かりやすくまとまっていくんだと思うんですけども、手引きのほうで36、37ページみたいなところに写真が入っていたり、図が明示されていたりというような形でおつくりになっているところ、この辺りとかですね。こういう受け取ったほうが、直感的に分かりやすくまとまっているといいなと思いました。非常に狙いとか理念とか欠かせない視点というのがすごくいっぱい盛り込まれているんですけれども、1ページ目からずっと字ばかり読んでいくと、なかなか全部読んでいただける方は、そうは多くないのかなと思いまして、こういった分かりやすい、直感的な表現というのも必要かなと思いました。
 その点で言いますと、先ほど水野委員もおっしゃっていたように、家庭とか地域、いわゆる市役所とかそういうところではない家庭とか本当の園の周り、PTA的なところまで届くような形で言うと、これを本当にばっさりまとめた概要のパンフレットですとか、先ほど事務局からもおっしゃっていたような動画で、5分見てください、10分見てくださいというような動画で、この理念とか、やってほしいことを伝えるというような形も必要なのかなと思います。
 非常に目指すべきものは大変なことでありますけれども、そこにみんなを一緒に連れていく、ついてきてもらうというようなところに、実現というところに持っていくまでのプロセスについてももっとお考え、意見もあるかなと思います。
 あと最後に、これもまた水野さんもおっしゃっていましたけど、家庭というものに届く、アウトリーチするような章立てとか表現がもっと多いといいかなと思います。その意味では、この審議経過の骨子の中にも、家庭と地域というものに届ける。届けて、そちらも変わってもらうというところの表現をもう少し増やしていただければなと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。図、写真は字間の関係でここまででしたけれども、もう少し増やせるものを考えたいと思います。そして、分かりやすくということでは、とにかく審議結果の骨子は必ずしも、どこでもではないでしょうけど、特に手引き等につきましては、予定では12ですけれども、地域指定された以外の全ての都道府県市町村の担当で読んでいただければ、利用していただくことを願っておりますので、より分かりやすくということと、それから先ほどもお話ししましたけれども、動画などの説明、さらに保護者などに分かりやすく伝えるということでは、別なパンフレットなりに、あるいはブログのような形、あるいは動画というよりも、複数のメディアで工夫したいと考えておりますので、これもまたよろしくお願いします。
 それでは、次の方はどなた挙手されるでしょうか。
【橋田幼児教育企画官】  今、中山委員と渡邉一利委員が手を挙げられております。
【無藤委員長】  お願いします。
【中山委員】  では、中山からお話しさせていただきます。ありがとうございます。複数の委員の方から、本気度という話が出ていて、本当に私もそれを願うところです。絵に描いた餅には本当にしたくない、今、絶好のチャンスが到来していると思いますので、本当に行政の方がまず本気度を持っていただくというのは非常にありがたいですし、行政の方にお任せするだけではなくて、それだけではなくて、本当に我々市民も本気度を持って臨みたいと思うのですね。
 そのときに一つの答えがあるなと思ったのは、資料2の8ページ、課題というふうには書いてあるんですけれども、私にしたら、ひとつ目指すところのように思えるんですね。8ページの、これは幼稚園教育要領の前文ですかね。子供一人一人が将来、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協力しながら、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる。これは何度読んでも僕は感動するんですね。すばらしいと思う。ここをみんなで目指しているんじゃないのかなと思うんですね。
 そのために、同じく資料2の10ページにあります。丸が5つありますけれども、例えば2つ目の丸とか、4番目、5番目の丸、そのためにそういう課題を克服していく、解決していくと動機づけられるわけですね。でも、まさにここをやらないと、私たちのまちが持続可能ではないということですよね。架け橋プログラムに取り組まなかったら持続不可能なまちになってしまうということですので、そういう意味では、市民ともども、まちづくりの視点で本気度を持っていきたいなと思います。
 それと、現場の目線で考えたときの本気度というのは、私はウェルビーイングだなと思っています。この間、幼稚園で先生をやっていて、小学校で先生をやって、また幼稚園に戻った先生の話を聞いたんですね。その方がおっしゃっていたのは、幼児教育を体験した上で小学校で先生をやると、もうめちゃくちゃ楽しいと。楽しいし、子供が伸びるということを言っていたんですね。これはすばらしいなと思って、本当に子供のウェルビーイングがそこにあって、先生のウェルビーイングもあって、そういうやり取りを見ていたら、きっと保護者もウェルビーイングだと思うんですね。三方よしではありませんけども、三者のウェルビーイングが目指されていくことで、これは架け橋プログラムに取り組んでいきたいという一つのモチベーションになるのではないのかなと思いました。
 もう1点だけすみません。資料2の20ページに、下から3番目の丸ですね。「幼児の保護者と小学生の保護者により子育て経験等を共有」、これはひとつ、架け橋プログラムを広めていく、定着させていく、一つの大きな要因になる、要素になると思うんですね。これは小学校と親、園と親が協働的な関係があるという前提になるわけですけれども、小学生の親が、今、学校はこうなのよ、こんなふうに変わったんだからと、こう言ってくれると、幼児の親は、ああ、そうなんだと。非常にこれはまた同じ立場同士で理解が深まると思うんですね。そうすると、小さい子供を持つ、小さい乳幼児の親たちは、それこそ、どの園に我が子を入れようかなと園選びのところから、そこはプラスに作用してくると思いますので、ここは本当に一つ変えていくときの契機になるのではないのかなと思いますので、親とか市民という存在とどう関わっていくか。何度も言うんですけども、連携よりももっと強い表現、協働的な関係とか、何かそういうもので強調していただきたいなと思います。
 以上、ありがとうございました。
【無藤委員長】  一番基本となる大事なところ、持続可能な地域社会とか、子供、ウェルビーイングを中核に置く、さらに、いわゆる連携を超えた協働、対話の関係を家庭、地域とつくっていくということ。もう少しそれがはっきりと見えるように変えていきたいと思います。
 渡邉一利委員、お願いします。
【渡邉(一)委員】  渡邉と申します。検討委員会での議論、そして、事務局におけます資料の取りまとめ、どうもありがとうございました。改めて、この委員会の重要性を認識すると同時に、保育者、教育者の仕事の大変さ、さらには、家庭、地域との連携の難易度の高さがこの資料から読み取れると思います。
 意見が1点と質問が3点です。
 意見は、先ほど来皆さんから出ていますけれども、架け橋期のカリキュラム開発会議の参考になる手引きと参考資料ですが、ボリュームが多いということもあるんですが、特に活字が多いということもあって、自分が読み込んで、これを材料にする上においては、なかなか理解しにくいところもあるかなと。したがって、皆さんから発言ありましたが、動画ですとか、イラストですとか、写真ですとか、もう少しビジュアル的なものをうまく使って、分かりやすさを追求されたらいかがかというのが意見であります。
 それから質問なんですけれども、今の話に連動しまして、全国の自治体に開発会議をつくっていただいて、いろいろ議論して、実行していただくといったような観点で質問なんですが、今、文科省でここの会議が行われて、すばらしい文章が出来上がっているんですが、これを具体的に全国1,700の自治体にどう届けるのか。ロジスティクスという観点から、今考えていることを教えていただければというのが1点目であります。
 それから2点目は、当該開発会議については、当然自治体が事務局となろうかと思います。先ほど水野さんからのお話にありましたけども、教育委員会で事務局を担うのか、あるいは首長部局で事務局を担うのか。そこによって、自治体の中での面での展開というのが多少変わってくるかなと。微妙な関係というようなニュアンスの話をされていましたので、今現在どういうふうな進め方を考えているのか、教えていただきたいというのが2点目です。
 それと、3点目は、並行して行われますモデル事業について、3年間の計画だと読み込んでおりますけども、具体的に、全国何か所ぐらいのモデル地域を今、想定されているのか。そして、そのモデル地域をどのような基準で選ぼうとされているか。さらには、モデル地域の事業を当然検証した上でということになると思いますが、これもロジスティクスに絡んできますが、どのような形で全国展開を行おうとされているのか。
 以上3点についての質問であります。よろしくお願いします。
【無藤委員長】  ありがとうございました。いずれも、このプログラム案が生きるかどうか。まさにロジスティクスの中心となるところですが、事務局から御回答お願いします。
【橋田幼児教育企画官】  はい。それでは、3点御質問がございました。
 まず1点目の、市町村を含めて、これをどう届けていくかというところでございますけども、資料1-1の11ページ目には取組のイメージということで、例えば、幼児教育推進体制のネットワークを通じた周知として、中央での協議会、都道府県の協議会、小学校担当の指導主事会議等の機会を捉えて周知していくことにしています。また、先ほど平川委員からも御指摘がありましたけども、都道府県や市町村の教育委員会の連合会等もございますので、自治体関係者向けの周知にも力を入れていきたいと思っております。
 また、2点目の部分でございますけども、この資料でいきますと、13ページ目について、実際、委託先につきましては、都道府県が受ける場合と市町村が受ける場合があります。また、、いわゆる教育委員会主導の場合と、首長主導の場合の両方あると思っております。ただ、カリキュラム開発会議の構成員にもございますように、教育委員会と子育て担当部局とが横断的に連携・協働して取り組んでいただくようにということで、どちらが主になったとしても、連携・協働していただくイメージで考えております。
 3点目のモデル地域でございますけども、予算上は、今、12地域を想定しておりまして、こちらのほうの公募自体は、今月末から開始させていただきますけども、こちらのほう、自治体からの手挙げを踏まえまして、この審査委員会での審査をいたしまして決定させていただくというところでございます。
 この13ページの右下ぐらいにございますように、国の質保障の仕組みとの関係で申しますと、モデル地域での取組を検証させていただいて、その成果、改善事項等は広く全国的にも普及していきたいと考えております。
 以上でございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。よろしいですか。
【渡邉(一)委員】  ありがとうございます。実効性を高めるという観点、その場合にはやっぱり本気度、具体性というのがすごく大事になってくると思いますので、ぜひ本気度を国のほうでもしっかり持って、全国展開していただきたいなと思います。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 それでは、次に挙手している委員の方はどなたでしょうか。
【橋田幼児教育企画官】  宮下委員、藤迫委員が手を挙げられております。
【無藤委員長】  宮下委員と藤迫委員。宮下委員からお願いします。
【宮下委員】  宮下です。よろしくお願いします。もう随分長年の間、この幼保小接続ということが言われてきましたけれども、今回この資料1、資料2を続けて読ませていただいて、ああ、動き出したなという感じが実感しております。資料の20ページの丸ポツの一番初めのところに、教育に関する専門性の向上のことが書いてあるんですけれども、ここのところの3行目から、「園・小学校の教育活動に携わる参加研修、人事交流など」となっております。私は一番初めのときから繰り返し、この人事交流といいますか、小学校の先生と、あと、幼児教育の施設の先生が入れ替わって、ある一定の日数、体験の学習をするということが非常に大事だということを御提案させていただいて、先ほど中山委員からもそのような御発言がございましたけれども、この人事交流と言うとなかなか難しいのであれば、互いの職場の体験という表現が、この資料1の5の1のフェーズのイメージのところに入っておりますので、そういうものがしっかりと、このところに位置づけられるといいな、そんなふうに思っております。
 それから、戻りまして、8ページになりますけれども、ここのところに、「持続可能な社会を創るために必要な視点」というものが上から6行目から載っているわけなんですけれども、これは国研の研究の最終報告書の中からと書いてございます。これと同時に、そこの報告書の中には、持続可能な開発のための教育の視点に立った学習指導で重視する能力・態度の例として7つ載っているわけなんですけれども、例えば、批判的に考える力とか、未来像を予測して計画を立てる力と、7つ載っているんですけれども、ここの初めの多様性というのが載っているのであれば、もしあれでしたら、この7つの能力、態度の例も載せてもいいのかなと私的には感じております。そういうものを参考にした中で、これからの社会を生き抜く子供たちにどのような力が必要なのかというのを考えていくということが重要ではないかなと思います。
 あと、細かいところなんですけれども、10ページの五つ目の丸のところの2行目に「遊びや暮らしの中での気付き」という表現がございますけれども、この「暮らし」という表現、私、ちょっと新鮮な感じです。今までは「遊びや生活」という言葉が割と使われていたかと思うんですけれども、ここが「暮らし」となった何か意味があるのか、その辺のところはまた教えていただければと思います。
 以上でございます。
【無藤委員長】  最後の御指摘の「暮らし」というのは、ほかは多分「生活」と使っているし、幼稚園教育要領も「生活」を使っておりますので、わざわざ「暮らし」と言うべきかどうかは、すみません、私もうっかりしておりましたので、それは再検討して、意味が同じなら同じ言葉にするように致します。ありがとうございました。
 最初の方は、まさに御指摘は確かにより分かりやすくなるので、文科省といいますか、学校教育全体においてSDGsの中でも七つを取り出した重点にしてありますから、より分かりやすく明確にしたいと思いました。ありがとうございます。
 それでは、藤迫委員、よろしいですか。
【藤迫委員】  ありがとうございます。いろいろお世話になります。先ほどの渡邉委員のお話を伺ってちょっと反応して手を挙げてしまったんですけれども、私どもは箕面市の教育委員会ということで、本事業を推し進めていく自治体の立場なんです。本気度の話もありましたけれども、実は箕面市では来年度に私立さんと連携して幼児教育センターを立ち上げて、そして、本件の架け橋プログラムのモデル事業に手を挙げております。進めていきたいと思っていますので、まずは文部科学省さん、よろしくお願いしますということをまずここで言っておきたいと思います。
 我々はもう一つ、0歳から18歳までを全て教育委員会で所管しております。だから、もちろん保育所も認定こども園も幼稚園も小学校も私が所管しておりますので、この事業を進めていく上で大きなメリットがあるのかなというふうには思っているんですが、実はもう来年度にこれ、やるということを決めているので、もう今、事務的にいろいろ進めているんです。
 そこでやはり一番悩ましい、ここに力を入れていかなければ駄目だなと思うところは、報告書でもありますけれども、やっぱり施設類型がいろいろあって、入学の状況が多様であるというところは本当に実感としてあります。私立幼稚園とか私立の認定こども園というのは割と組織立っておりますので、もう既にその代表の方とお話しして、こうしよう、ああしようということができていますけれども、保育所におきましては、待機児童対策でかなりたくさん整備して、株式会社まで入っていますので、なかなかまとまった組織もないというところで、なかなかこの話を進めていく糸口が見付けられない状況でちょっと今立ち止まっているということで、何か組織的なものを作っていただけないかなということもお願いしています。
 それともう一つは、箕面市特有の事情かも分かりませんが、市外に行かれている私立幼稚園、私立の認定こども園が30%を超えるということになっていますので、市外に行っている子供たちをどう取り込んでいくか。ということで、ちょっとここが悩み代になっていますけれども、それこそ本気を出して来年度チャレンジしていきたいと思いますので、またこの委員会でも何か助けてもらうようなことを発信するかも分かりませんが、そのときはぜひよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  箕面市の実情などをお話しいただいたので。確かに保育所に限らないかもしれませんけれども、従来の幼稚園、保育園、認定こども園で公立があり、民間がありという、その民間側が更に多種多様になっている事実があります。そこら辺をどういうふうに一つの枠に入れてもらえるかどうかということと、確かにこれ、まとめにあまりそこを考えていなかった気がしますが、特定の市から隣の市に動く場合、進学する場合、当然、それは受け手側としては隣の市から入ってくるわけですけれども、そういう広がりまで見通す必要が確かにあるので、そこら辺もどうするかというのはちょっと検討したいと思いました。ありがとうございます。
 それでは次に、挙手いただいている方はどなたですか。
【橋田幼児教育企画官】  今、曽木委員、久保山委員、溝上委員が手を挙げられております。
【無藤委員長】  はい、お願いします、その順番で。曽木委員から。
【曽木委員】  曽木です。よろしくお願いいたします。資料1-1の手引書(暫定版)、資料1-2参考資料(暫定版)、資料2の審議経過の骨子(案)等の詳細に関しましては、質的向上に関する検討チーム内で何度もお話をさせていただきましたので、今回は、大枠の今後プログラムや手引書が自治体へと下りていく中で、現実的に懸念される事項についてお話しできればと思っております。
 一つ目としましては、手引書、大分厚くなりましたが、その本質の中で、「子供にとって」ということ、あと、「保育の質が大事である」ということ、「子供の思い・願い・興味・関心、そして、対話すること、子供たちに深い学びにつながる人的・物的環境を整えていく」ということが大事であるということを忘れないでいただきたいです。もちろん手引書の中の4ページから6ページ、また22ページから29ページ、そして、34ページから45ページの部分をよく読み込んでいただけると、そこはよく分かるかなと思っております。
 しかし、よく読み込まず、話し合う中で、全国に下りていく中で、手引書や参考資料の一部を切り取って形だけが先行して趣旨からずれないように進んでいっていただきたいと願っております。また、手引書等の文が全国の自治体の皆様や各関係機関の方に、全国に誤解なく発信していっていただきたいと切に願っております。そして、どんなに幼児教育機関側が頑張ったとしても、小学校の皆様の、そして、自治体の皆様の協力がどうしても重要になってまいります。そこで「子供にとってという価値」を本当に見いだせるかどうかが重要になってくるのではないかなと思っております。
 また、資料2の骨子(案)の19ページにもあります、幼児教育推進体制の中にも、幼児教育アドバイザーや幼児教育センターの設置というところがあります。これからも推進していくということですが、これ、本当に3年後にここがどうなっているのかというところが重要で、絵に描いた餅にならずにどんどん進めていっていただければと、そしてくような形が、取り巻く環境がより良く進んでいくことを願っております。
 あと、細かいことでいいますと、先ほどのお話に連動しますが、都心では保育園が増えている中、昔から小学校さんと交流ができている園と、新しい園のため、交流を見付けることが難しい園とがございます。また、小学校さん側も、たくさん増えたため、保育園施設のどこまでと連携をしていくのかなども自治体を通して、協議が必要になっていくと思われます。また、地方では、定員数の減少や過疎化の問題の中、遠い小学校さんとの連携等も必要になってくるのではないかと思われます。それ以外の課題もたくさんあると思われます。そういったところの工夫も現実に沿って見ていかなくてはならないと思っております。
 二つ目としましては、今回の幼保小の架け橋プログラムの幼児教育部分に関しましては、子供にとって大事な教育の、とても当たり前のことを改めて「見える化」しているというものであって、「追加で何か縛りがある」というものではないと認識しております。しかし、全国の園に下ろしていく中で、多様な園があるからこそいいと思ってはおりますが、その分、立場が違うと捉え方も異なってくるということがございますので、よりすり合わせが必要になってきますし、対話をしていかなければならないと思っております。
 また、現在、指導検査の権限が自治体に下りております。それが、今は大丈夫だと思いますが、それがいつしか独り歩きをして、プログラムの内容がこの指導検査に連動されて縛りになったり、園の先生たちが苦しくなったりしないように、今後も注意が必要ではないかと思っております。この架け橋のプログラムや手引書等が今後の幼児教育の質の向上として、国の宝であります「子供にとって」、そして、「その周りを取り巻く環境がよりよくなるため」のものであるということを一番に願っております。
 私からは以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。まさに子供にとって有意味なもの、そして、そのためには保育の質、保育環境の豊かさ等を更に実現する必要があるということはある程度書きましたけれども、更に数か月、その辺りを中心に議論できると思いますので、膨らませていきたいと思います。また、本当に地域の事情は様々なので、そういう多様な在り方を念頭に置きながら、そこで、無理なくと言っていいのかどうか分からないんですけれども、ある程度は頑張っていただかなければならないけれども、同時に非現実的な理想を言ってもしょうがないので、可能なところを模索したいと思いますので、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、次の委員はどなたでしたっけ。
【橋田幼児教育企画官】  久保山委員、お願いします。
【無藤委員長】  お願いします。
【久保山委員】  ありがとうございます。国立特別支援教育総合研究所、久保山でございます。私は立場的に、特別な配慮を必要とする子供がどのように扱われるのかということにいつも関心を持って参加させていただいていますが、本当に御苦労いただいて適切にいいバランスで入れてくださったかなと思います。その観点で骨子案の6ページから8ページにかけて意見を1点、それから、同じく骨子案の20ページに関して質問を一つさせていただこうと思っています。
 まず6ページからの部分なんですけれども、ここの書きぶり、特別な配慮を必要とする子供への対応という部分と、その次のページにある持続可能な社会の創り手の育成という部分がうまくつながるような流れはできないだろうかということをずっと考えておりました。というのは、持続可能な社会の創り手の育成の中に、大切なキーワードとして多様性ということが挙げられています。そういったものが読み手にすっと伝わるように、その前段である特別な配慮を必要とする子供への対応をもう一段階分かりやすく書けるといいかなと思いました。
 この6ページ、7ページの書きぶりが、現状がこうなっています、もうちょっと言うと、これだけたくさんの子供がいますというふうに書いてあって、その後に、こういう対応をした方がいいのではないかという書きぶりになっているんですけれども、もう一つ丸を増やして、対応の部分ですね、障害のある子供につながりのあるこの部分を、もう一つ丸を増やして、その対応の部分を一つまとめてしまうということはできないだろうかということを私は考えています。
 そこをまとめた上で、特別な配慮を必要とする子供も、当たり前のことなんですけれども、園や学校の大切な一員であるというような趣旨の内容と、それから、今、特別な配慮を必要としないと思われる子供にとっても、配慮が必要な子供が存在するということがとても重要なんだということ、共に生活するということがとても重要なことなんだというような趣旨のことを書き込んでいただけると、次の持続可能な社会の創り手の育成につながっていくのではないかと考えておりますので、御検討いただけたらと思います。
 関連して申し上げるんですけれども、7ページ目の上から5行目ですかね、小学校の通常の学級に7.7%と書いてあります。これ、小学校全体で7.7%なんですけれども、第1学年だと9.8%という数字になっておりまして、幼児期はもっといるだろうという趣旨のことをここで感じてもらうのであれば、第1学年で9.8%というような表記の方が伝わりやすいのかなというようなふうに考えております。このデータは、恐らく今、特別支援教育課さんの方で新しいデータを作っていらっしゃるはずですので、また差し替えが必要になるかもしれないと思います。いずれにしても多様性ということを大事にするということを、8ページに書いてあるんですけれども、そこをうまく書いていただけるとありがたいなと思います。できれば、共生社会の担い手という表現が使えると、私個人的にはうれしいです。
 意見はそこまでで、質問なんですが、20ページの下から2番目の丸のところに、園・小学校における障害のある子供に対する教育の充実云々という欄がありますが、これはあれでしょうか、特別支援教育の分野で今まとめた、家庭教育・福祉の連携、いわゆる「トライアングル」プロジェクトのことを指していらっしゃるのか、その辺りちょっと確認をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
【無藤委員長】  ありがとうございました。第1点は、そういう心づもりもあってそういう論点を順番に並べてありますので、より趣旨が分かるようにおっしゃる方向で書き加えたいと思いますし、データも改め、最新のものしたいと考えます。
 その上で、2点目のことは御質問ですので、事務局としていかがでしょうか。
【橋田幼児教育企画官】  この点、「トライアングル」プロジェクトに限らず、切れ目ない支援とか体制整備、研修の在り方を含めて全般的に検討していきたいということで、引き続き、特別支援教育課ともよく連携しながら、この点進めていきたいと考えております。
【無藤委員長】  ありがとうございます。よろしいですか。
 溝上委員がお手を挙げていただいています。
【溝上委員】  桐蔭学園の溝上でございます。総合的にこれまでの議論をよくまとめられていると思います。お疲れさまでございました。その後、もう皆さんがおっしゃっているように、これを実践にどういうふうにつなげていくかということがとにかく大事で、私はこの後そこがしっかり進んでいくところと、を特に注視して見ていきたいと思います。
 私の方からは2点コメントしたいと思います。一つは、資料1-1の手引の初版の方ですけれども、21ページの幼保小を架け橋していて、共に書き込んでいくカリキュラムのイメージというものです。私はここが肝だと思うんです。これをとにかく幼保小関係者が顔を合わせて議論して、活動をいろいろ書き込んでお互いに共有していくと、ここがやっぱりどれだけできるかということだと思います。
 1点これに関するコメントなんですけれども、例えば私のところの幼稚園で、育ってほしい10の姿をカテゴリーとしていろいろな活動に当てはめるという研修活動を続けています。つまり、幼稚園の先生方は、いろいろな活動はこれまでの経験を踏まえてどれも大事だと思っています。ただ、どう大事なのかというのが意外に分かっていないということも分かってきて、日誌を毎日付けていますので、あらゆる活動に、10の姿のどれに関わる活動が営まれたかとかということをやっているんです。
 そういうことから考えると、このカリキュラムのイメージで多分3番だと思うんですけれども、園で展開される活動、小学校は特に教科を中心とした学習が出てきますので、ここにカテゴリーをどういうふうにお互い当てはめていってクロスオーバーさせていくかというのが、理解を深めていく上で非常に重要で、そういう意味では、この3番が何か、例として挙げられてはいるんですけれども、取扱いが小さいという印象を受けます。
 それから、小学校の先生方は生活科を中心としてと書かれておりますけれども、例えば言葉遊びとかしりとりは国語ですし、数遊びとか図形は算数、例えば飼育や栽培活動は生活・理科とか、こういうふうに教科のところから入って単元、そして、そういうふうに言うなら何とかというふうにカテゴリーのスキームが働いてくると思うのです。生活科だけでなく、教科の具体的なところを上位カテゴリーとして当てはめていって、そして、できるなら、幼保の活動に、例えばこれは小学校の国語のこういうところだよみたいな小学校のカテゴリーを幼保に充てていくというんですかね、それがお互いに行ったり来たりしないと。逆もしかりです。カテゴリーのクロスオーバーを御検討いただければと思います。
 もう一つは、審議経過の骨子の14ページなんかに出てくるところ、「0~18歳の学びの連続性に配慮しつつ」という、こういうのが幾つか出てきて、私は幼保小の架け橋のこの審議において、18歳まで見通していく、場合によってはそれは社会に開かれた教育課程と、こういうふうにつながっていくところがとにかく理念上、概念上とても大事だと思っているんですね。そういう意味ではここは必要なところがしっかり入っているという意味でいいと思うんですが、ただ、この書き方では、言葉が流れるだけで、あまり現場には響かないと思います。18歳まで見通してといっても、結局は接続でしょうみたいな話になります。
 提案ですけれども、学びは連続というよりも、小学校1・2年生、低学年が基礎となって中学年、高学年、中学校へと発展していく、基礎の積み上げではないでしょうか。書き方としては、すみません、私の言葉になりますけれども、0~18歳の学びや成長をにらみつつ、例えば小学校1年生の学びが18歳までの大きな基礎になるというんですかね、ここを崩してはその後ろがしっかりつながってこないぐらいの、何かそういう書き方の方が現実的ではないかなと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。2点目は、まさにそういうことを書きたかったのですが、もっとそれが伝わることを、文章を明確にしていきたいと思います。
 第1点の方も、検討委員会の中での議論ではあるんですけれども、どこまでこの手引で文科省の書類として書き込んだらいいのか、これから地域で開発していただくのにあまりに縛り過ぎてはいけないという議論もあって、ちょっと今の部分は控え目になっているんですけれども、これがもう国の枠だよ、これにしなさいねという形ではない形の例示みたいな工夫をもっと検討したいと思いますので、溝上委員の御指摘を踏まえたいというふうに思いました。ありがとうございました。
 では、次に挙手いただいている方は?
【橋田幼児教育企画官】  今、6名の方が手を挙げてくださっています。
【無藤委員長】  では、名簿の順に御指名いただくように名前を挙げてください。
【橋田幼児教育企画官】  岡林委員。
【無藤委員長】  お願いします。
【岡林委員】  岡林です。よろしくお願いします。資料の取りまとめ、ありがとうございました。私の方からは、2点ほどお願い事項をお伝えしたいと思います。
 まず、13ページの4の目指す方向性の一つ目の丸にもありますように、この取組を通して、見えにくいといわれる幼児教育の質の意義や価値を、いかに見えやすくして情報発信していくことが大事かということを実感をしているところです。幼児期の教育を共有するためには、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を手がかりに小学校関係者や保護者、地域の方にも認識を高めていただけるように、自治体がリーダーシップを発揮してあらゆる機会を創り出していくということが大切だと思っています。
 そこで、1つ目のお願いとしまして、資料の20ページの一番上に園内・校内研修等の実施について文言がありますが、その参加に留まらず、協議もしくは話し合い、そういった言葉を盛り込んでいただき、理解を深めていくということに繋げられたらと思います。
というのも今年度、本件が全ての保育所、幼稚園、認定こども園に御協力いただきまして行った調査でも、100%には届かなかったのですが、約90%の園が保育を見合っての園内研修を実施しておりました。その機会を捉えて小学校と連携し、保育参観や協議への参加をお願いしており、少しずつ幼児教育への理解が広がり深まりつつあります。そこでのポイントとしましては、保育参観に留まらずに共に協議を行うというところで、小学校教員の感想などからも、理解を深めるために重要であると実感しております。
 2つ目のお願いとしましては、そういった園内研修等を行うにあたって力を発揮していただくのが市町村教育委員会や保育主管課となります。自治体が連携を取ってというような文言の折りには、どうしても形式張った堅苦しい印象がありますが、やはり自治体も「子供たちのために、子供たちを中心に」という思いがありますので、自治体である、都道府県と市町村が共に幼児教育等について理解を深めていく姿勢を大切にしながら、子供を中心に自治体も動いているんだということを盛り込んでいただきたいと思います。現場の先生方と共に互いの教育を学び合い、それを保障していくための研修も行っているわけですので、寄り添いの気持ちが伝わるような表記をお願いしたいところです。
 最後に、施設の別を超えて互いに学び合うといったところでは、16ページにもありますように、昨年12月に文部科学省と厚生労働省が合同で実施しました中央協議会及び中央セミナーは、非常に画期的な取組であったと思います。中でも、秋田委員や宮下委員、曽木委員の皆さんの御発表は、小学校担当の指導主事等、関係者の全ての方に視聴していただきたかったという思いで一杯でした。あのような機会が今後さらに広がり、このプログラムの下で保幼小の架け橋期の取組が点から面に広がっていくことを今後も期待しているところです。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。いずれもそういう方向がより明確になるような文言を加えるなり、書き換えるなりというところで進めたいというふうに思いました。ありがとうございました。
 次の挙手されている委員の御指名をお願いします。
【橋田幼児教育企画官】  オチャンテ委員、お願いします。
【無藤委員長】  オチャンテ委員。
【オチャンテ委員】  桃山学院教育大学のオチャンテです。骨子案、資料のまとめ、ありがとうございます。
 一つ、コメントにはなりますが、可能かどうかは分からないんですけれども、質の保障の仕組みとか人材確保の研修、19ページのところに当てはまるかどうか分からないんですけれども、養成大学とかの学生のインターンシップというような形か分からないんですけれども、そういった幼保とか小学校になりたいなと思っている若者の力とか活用とかを生かしていく、連携を取っていくことも、一つのウェルビーイングじゃないかな、教育のウェルビーイングになるんじゃないかなと思って、何かどこも書いてないかなと思って。もし間違っていたらすみません。
 あと一つ、思いました。20ページの地域における園・小学校の役割のところの丸一つ目に外国籍の子供たちのことが書いてあります。ありがとうございます。どこも本当に必要な課題ばかりではあります。ただ一つ気になったのが、いろいろ教材を作成するとか書いてあるけれども、それをどのようにとか、具体的にどういうふうに提示していくのかというのがまだまだ多分これからのことにはなるけれども、例えばもう既にある文科省の多言語の文書検索とかのプラットフォーム「かすたねっと」とかを、連携を取りながら資料を見せていくとか何かそういう、もう既に今から、そこに行ったらそういった資料があるんだなと分かるような、もう少し具体的に書いていくのも一つかなと思いました。
 そして、最後になるんですけれども、文化継承とかはいろいろ書いてあるんですけれども、同時に、この時期から異文化理解教育とか人権教育も重要だと思っているので、どこかでそういう内容、言葉を取り入れていただければなと思って。もし見逃していれば、すみません。いろいろ多様な人々との協働とか、尊重するとかということは書いてあるんですけれども、もう少し具体的にやっぱり異文化教育、既に今、様々な外国の人もいるということで、外国の方だけではなく、様々なハンディを持った周りの人たちがいるので、やっぱりお互いそういった多様性を理解していくための教育も大事だということ、みんなのために重要になるということも盛り込んでいただければなと思いました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。養成課程における学生が関わることは、学校体験活動など可能なはずですので、言及できるようにしたいと思います。
 また、外国系あるいは様々な文化を背景にしたお子さんたちの教育について、幼児教育と小学校教育のつながりの中でできることということで、関連の議論、資料、また、人権教育との結びつき等を踏まえて書き入れたいと思います。ありがとうございました。
 では、次に、手を挙げていただいた委員。
【橋田幼児教育企画官】  神長委員、お願いします。
【無藤委員長】  神長委員、お願いします。
【神長委員】  神長です。よろしくお願いします。もう意見が大分出ているんですけれども、私は資料2の16ページのところ、16、17、18と関連するところの意見です。まず16ページのところで、プログラムとカリキュラムのイメージ、カリキュラム開発のイメージというところでお話をしたいと思います。このページは資料1-1の5ページからのものがこちらに要旨だけが移ってきているので重ねて見ています。資料1-1の方を見ていたときには一枚一枚が独立して読んでいたので、表題と中身については、関係がしっかり出来ている、出来てないというチェックはしてなかったんですけれども、一つの文章になってきたときに、括弧書きのところを読んでいくとすごく重なりが気になってきました。
 中身についてはもう資料1-1の方にしっかり書いて、議論して書いてあることがあるので内容そのものではないのですが、例えば16ページのところに、幼保小の架け橋プログラムの狙いがあって、次が幼保小の架け橋プログラムの取組のイメージがあって、その次に、架け橋期のカリキュラムの開発のイメージがあって、その次のところを見ると、目指す方向性と進め方のイメージというのがずっと続いてくると、独立して読んでいるときはその中身なんですけれども、文章として読んで、項目のつながりが何か行ったり来たり行ったり来たりして重なっているようなところがすごく気になります。筋道としてはもう1-1の資料の方で出来ているんですけれども、もう少しこのつながりのところに何か必要な文章があるのではないかなと思って読んでおりました。
 特に16ページの先ほどのところで見ると、皆さんの御意見の中に、これは架け橋プログラムのねらいというところに黒ポチで書いてある三つ目ですけれども、接続期に園の先生が行っている環境の構成や子供の関わり方に関する工夫を見える化し、家庭や地域にも普及していきましょうということが狙いの一つの中に挙げられていると思います。何度かお話の中にも出てきたように、これが新しいプログラムだからとか新しいカリキュラムだからという形で今までのものから変わるというよりは、やはり園で行っているということをいかに分かりやすく伝えていくかということと、また、それを幼小で共有したり、園の先生方でそこを意識して行ったりという、そのことがすごく大事なんだと思うんです。
 そういうイメージで読んできたときに、やはりこのカリキュラム開発のイメージというところが、カリキュラム開発というと、やっぱり新しい視点のものを入れていくという、そちらの方がすごく強いので、もちろん今行おうとしていることが、整理しながら、共通の視点で整理していくというものはカリキュラム開発の中身と思いますが、そのことをもう少しつながりとして、特に架け橋期のカリキュラム開発のイメージというところの開発のイメージということをもう少し説明してもよいのかなと思います。
 何かこれだけを読んでいたときに、こういうふうに0歳から18歳までを考えるんだなということとか、カリキュラム開発委員会で構成するのだなということとか、また、それを改善していくんだなという、カリキュラム開発の仕方については書いてあります。、つながりとして読んでくると、だから、こういう開発の考え方を持ちましょうという文章としてのつながりというものを意識した整理の仕方も必要ではないかなと思いました。
 それと関連してなんですけれども、1-1の方の資料が今回、関係者で共有し大切にしていきたい視点というところがすごく分かりやすく書いてあって、こういう何か心構えって大事なことだなと思います。最初の課長さんの説明の中にも、新たな負担を課すのではなくて、やはり先生方がやっていることを見える化していく、関係者で可視化していくというお話もあって、そういうことがこの開発というところでは姿勢として大事なことで、それが分かりやすく伝えていくというところまで含んでいるんだということをぜひ強調していただきたいなと思いました。
 もう一つ、今の言葉の問題なんですけれども、「接続期」と使っているところと、「架け橋期」のカリキュラムと書いてあるところと、例えば接続期というのは、プログラムの狙いのところは接続期と書いてありますが、この辺の整理をしておく必要があると思いました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。最初の部分は、確かに御指摘の上で見てみると、箇条書のままであるので、検討する側としては、手引がまずあって書いていますので、ついつい分かるようなつもりなっておりましたが、改めてこの審議経過の骨子の文章だけを読むとばらばらというところがあるので、もう少しつながる文章化を心がけたいと思います。
 また、カリキュラム開発に当たっては、既に幼児教育では幼稚園教育要領、保育指針、認定こども園教育・保育要領、小学校では学習指導要領があるわけで、それを根本から変えようという話をしているわけではないので、既になさっている、試みているところを可視化しながらよりよいものにしていくということでありますので、そういうことも分かるようにしたいと思います。
 接続期と架け橋期というのは、この特別委員会自体でどのぐらい御説明したか分かりませんけれども、当初は接続期と呼んでいたものを、その後、5歳と小1の2年間については架け橋期と呼ぶという言い方で途中でやってまいりました。接続期というのは世の中にかなり普及した言い方で、指すものが極めて多様だということが分かりましたので、あえてそういう形を取っておりますので、その辺は文科省事務局とも相談して、少し用語は整理したいと思います。ありがとうございます。
 では次に、挙手いただいている委員の方にお願いします。
【橋田幼児教育企画官】  鈴木委員、お願いします。
【無藤委員長】  鈴木委員。
【鈴木委員】  ありがとうございます。まず、資料を丁寧に取りまとめていただきありがとうございました。私は逆にこの接続、この架け橋が、幼少から始まって小中、中高というふうに、そこまで、18歳までの接続のモデルになるといいなというふうに思いました。
 私からは一つ。幼少の教員の接続の重要性というのは何度もここの中でも繰り返して取り上げていただいて、共通の視点を持つという言い方が非常に重要だと思いました。同時に、それぞれ文化がありますので、タームがあるので、例えば幼稚園教育要領にしても指針にしても教育・保育要領にしても、例えば創造的な思考と主体的な生活態度という言葉で接続のことを要領の中とかに表現しています。それをやっぱり小学校の先生方がタームとしてちゃんと理解をしていただくということがすごく大事だと思っているんです。なので、こういうタームなんかをお互いに学び合うということがそこにもうちょっと盛り込めたらいいかなと思います。
 二つ目なんですけれども、家庭・地域への発信、様々な委員の先生方からの御指摘どおり、今後モデルが出てきて、ビジュアルであったり、アプリを使ったりというような多様な発信ができたらいいなというふうに期待をしています。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。多様な発信は、この3月に間に合うかはちょっと自信がありませんけれども、かなり早急に実行に向けたいと思います。
 用語の違いは確かにおっしゃるとおりに様々にありまして、幼児教育なり小学校教育なりのそれぞれに固有のものもあるんですけれど、共通に使いながら意味合いがかなり違うものもあります。それから、実はもっと細かく見ると、幼稚園や保育園、認定こども園での違いもありますので、その辺がお互いに理解できるように、可能なものは共通にした方がいいんですけれども、いろいろな縛りの中でできない部分もありますので、できる限り用語について分かりやすくし、また、それぞれの地域でも学び合ってほしいということを盛り込みたいと思います。ありがとうございました。
 さらに、挙手していただいている委員の方は?
【橋田幼児教育企画官】  中井澤委員、お願いします。
【無藤委員長】  はい、中井澤委員。
【大杉幼児教育課長】  先生、今、中井澤委員、渡邉委員、秋田委員、荒瀬委員、田村委員、村田委員に挙手いただいております。残り20分ほどになります。よろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  そうですね。すみません、ゆっくりやり過ぎたわけでもないんですけれども、手早く、私の余計な解説は抜きにして進めたいと思います。ありがとうございます。
 では、中井澤委員。今の声を上げていただいた順番で今後行きたいと思います。すみません、お願いします。
【中井澤委員】  一般社団法人ひととの中井澤です。まず、取りまとめいただき、ありがとうございました。私の方から3点、意見を述べたいと思います。
 一つが、少し細かいところなんですが、骨子案の7ページの注23のところで、日本語指導が必要な児童生徒数について述べられている箇所があるんですが、こちら2万6,000人となっていて、注23でこれ、児童生徒数になっているんですが、これは小学生の数だと思うので児童数ではないかと思います。ここはちょっと確認いただきたく思います。これ、少し細かい点ですが、一つ目です。
 二つ目について、先ほど何回も議論に上がっていた、これからどうやって展開していくか、各都道府県に浸透させていくかというところで、骨子案の8ページと手引の10ページで課題について書かれている箇所があるかと思います。骨子案の8ページの課題の書き方は、これ、国の目線の課題ということで私は理解していて、ここはこういう書き方でいいかなというふうに思うんですが、手引については、各都道府県とかステークホルダーが参照する部分ですので、もう少しステークホルダーに寄せた文言に変えると、それこそ当事者意識みたいなものが持ちやすくなるかなと思いました。例えばこういう課題があって、それがこう解決されると、幼稚園とか保育園、こども園もしくは子供たちにとってこういういい点がありますよみたいなメッセージが伝えられると、その課題についてより当事者意識を持って、それこそ本気度高く取り組んでもらえるような仕組みになるんじゃないかなと思いました。
 三つ目の意見は、カリキュラムイメージのところで、手引21ページ目のところです。このカリキュラムイメージというのはこれ、飽くまで例ですので、参考程度ということだと思うんですけれども、特別な配慮を必要とする子供たち、外国籍の子供たち含めなんですが、この整合性がちょっと気になっております。例えば4の指導上の配慮事項のところに、特別な配慮を必要とする子供たちへの対応とか、外国籍の幼児児童に対する対応というところがあると、もうちょっと全体の中でそういう特別な配慮を位置付けるようなことがしやすくなるんじゃないかなと思いました。これも飽くまでイメージですので、イメージと言いつつ、これ、手引の中で各関係者だったり担当者が参照するところですので、何かそういうところにこの特別の配慮がないと、これは別で立てるものなのかというふうな何か誤解を招きそうだなというふうに思って、飽くまで参考の意見として取り入れていただければと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。検討して、なるべく取り入れる形にしたいと思います。
 それでは、次の委員、お願いします。
【橋田幼児教育企画官】  渡邉英則委員、お願いします。
【渡邉(英)委員】  すみません、よろしくお願いします。私は横浜で幼稚園と認定こども園の園長をやっているんですけれども、現場の立場も含めて大きくは2点お話ししたいと思います。
 私は特別委員会の方にも出ていて、架け橋とは何かというところで幼稚園の年長から小学校1年生の話を中心に手引き等を考えてはいるんですけれども、ただ、やっぱり改めてこれからの日本の教育をどうするかという話が、ここで議論されることが大事かなと思っています。幼児教育では、子供自らに育つ力があるとか、子供自らが自分で学ぼうとしているって、それをどうやって大事にしていくかということを多分ずっと懸命に考えてきたと思っています。
 ただ、幼稚園が私学だったりとか、いろいろな施設があると、やっぱりこれまでの教育って、子供に何をどのように教えるかということばかりが議論されてきました。個別最適な学びとか協働的な学びという中教審の答申も含めて考えると、子供自身にもうちょっと聞いてみようとか、子供自身が考えて、その中で探求心を発揮するような学び方はどのようなものなのかという、子供自身が学んでいくことを、教師側、大人側がどういうふうに手助けするかという、教育のあり方を考えるべきだと思っています。そのことを考える入り口として、幼児教育と小学校教育関係者が同じ席に着いて話をするということがすごく意味があるだろうと思います。
 ただその一方で、幼稚園とか、認定こども園、保育園もそうかもしれません。子供に即する保育をしようとしたときに、教師が教えるような保育をしていた園が、それを変えようとすると結構難しさがあって、小学校でも子供の主体性を尊重する教育を行おうとすれば、そこでは多分いろいろな意味で工夫をしていかなければいけないことが多いんだろうなと思ったりします。実情に即してどういうふうにそれを実現していくかということは、地域だったり、それこそ公立か私立が多いかとかでも違いがあるし、構成メンバーによって、そういう保育の大事さがきちんと発言できる委員の人たちがいるか、教育委員会の中に分かっている人がいるかということでも、またいろいろ架け橋期の意味が違ってくるかなと思うと、本当に対話というところが大事になってくるんだろうと思います。
 今回議論しながら作ってきた手引書は、みんなで考えようという、トップダウンで文科省が各県に向かって、指示するのではなくて、日本の子供たちをどう育てるとかをみんなで考え、いまの現状を、市町村とか、それから、僕ら現場でとかというところで、子供たちにとってこれはどうなんだろう、こういうことって大事だよねということが話し合われ積み重ねられて、それが全国に広がっていく。そういう学び方こそがこれからの教育では大事なんだということが発信できたら、架け橋期を議論することによって改めて、これからの教育のありようをみんなで考える機会になると思っています。
 そういう意味では、架け橋を一部の人たちだけがやればいい、一部の地域がやればいいとか、一部の園がやればいいではなくて、いろいろなところで、モデル地区としては限られたところかもしれませんけれども、全国的にそういうのをやるということに意味があるかなと思っています。
 以上です。長くなりましてすみません。
【無藤委員長】  対話を広げ、みんなで考えるという姿勢、まさにそのとおりだと思いました。
 それでは、次の委員、お願いします。
【橋田幼児教育企画官】  秋田委員、お願いします。
【秋田委員長代理】  ありがとうございます。大きくは2点のことをお伝えしたいと思います。
 1点は、今の渡邉委員が言われたところとつながるところでございますけれども、19ページの質の保障の仕組みというようなところに関わるところです。今回、全国的に向けて発信をしながら、モデル事業としては12の地域で検証していくということが書かれているわけであります。ここは基本、国の役割かと思うんですけれども、ワーキングの方では議論にも出ていたところでありますけれども、やはり全国的な取組のプロセスを今後この3年間なり、様々な形でプラットフォームを作って共有をしていくというような自治体の取り組みを繋ぐ体制づくりを考えていくとか、それから、全国でこの資料を共有しますよというメッセージまでは手引書に書かれているんですけれども、3年たったときに、この架け橋がどれだけの人にとって、全ての人が自分事で、自分の自治体が参画したのかというような、いわゆるコレクティブインパクトと今、社会変革の理論等では言われますけれども、そういうインパクトを大きく調査していくことが大事だと思います。それは量的なだけではないですけれども、全国的にこれがどのような形で、多様であってもどのような取組がなされているかを検証していくということが必要だと思います。
 質の保障の仕組みというところが、どちらかというと、一つ目を見ますと、どうしても格差の是正を図るというような形だと、スタンダードを作っていくイメージというものが出てきます。その前に「多様性や自律性を生かしながら」とは書かれているんですけれども、今後やはり自治体によって、過疎の自治体も、大きな、人口密度の高い自治体もありますので、それらのいろいろなところの取り組みを学び合う、共有の仕組みや質の保障の仕組みというものを作っていくのだという点が大事だと思います。それはマネジメントではなく、今後ムーブメントだというふうによく言われたり、それから、共有の質保障の測定システムを作るというよりも、より有効なものを効果的に学ぶという形へと、インパクトの出し方というのも全体として社会イノベーションでも変わってきています。その辺りを少し、国の質の保障というモデル事業に入れることも必要だと思います。今後の取組に書くのか分かりませんけれども、全国の自治体皆が自分事で本気度を出した取り組みをみんなが共有する、その手だてを探っていくというようなところをどこかにお書きいただけるといいのではないかというのが1点目です。
 2点目の方は、13ページの、大変小さな、細かなことでございますけれども、ICTの活用ということが、発達の段階に応じて特性を踏まえてというところなんですけれども、「情報を伝達・活用する活動の在り方」と書かれていますが、これは幼児期には情報を幼児は伝達されるというような在り方というよりも、むしろICTを遊びや学びをより豊かにする文房具とか道具として使用する在り方を検討していくというような形のイメージに、いわゆる探索、探求していく方向での記述を議論いただけるとありがたいと、文言を少し微修正いただけないかと思った次第です。
 以上です。
【無藤委員長】  ICTはそのとおりだと思います。
 全国的なプロセスを共有していく仕組みをどう作るか、それを通してコレクティブインパクトを少なくとも3年後に明確にしていくということは、これは恐らく国、文科省の責任でもあろうと思うので、この議論の中に入るかどうかというのはちょっと事務局と相談しまして検討したいと思います。
 では、次の委員、お願いします。
【橋田幼児教育企画官】  荒瀬委員、お願いします。
【無藤委員長】  荒瀬委員。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。無藤先生さっきちょっとおっしゃいましたけれども、私、無藤先生のお答えといいますか、解説があって大変理解が深まりました。
【無藤委員長】  恐れ入ります。
【荒瀬委員】  ぜひこういう進行をしていただければと思っております。
 重なることは言わないようにしようと思うんですけれども、いかに伝わるかというのは本当に大事なことで、これは学習指導要領もどれだけ定着しているかということにあまり自信が持てないということもありますので、ぜひ伝わることを考えていただきたいんですが、ただ一方で、しっかり書き込むことと、それから、短い動画を作るとか、あるいは概略版を作るということは必ずしも矛盾はしないと思うんですけれども、非常に難しいので、ぜひ工夫をお願いしたいと思っています。
 それから、溝上委員からお話が出た0~18歳って、これ、とても大事な話だと思うんですが、一方で、0~18歳までを見通して架け橋期、特にこういった時期にそれが全て決まってしまうんだというふうな誤解が生じないように十分な配慮をする必要があるということを思っています。子供たちの発達というのは多様で、実際に高等学校教育を見たら、本当にたくさんいろいろなところでつまずきを持った子供たちもいます。こういった子供たちを本当に0~18歳ということを考えるのであれば、初等中等教育全体でもってこの架け橋期をどう捉えるかというふうなことをしっかり見る必要があると思います。
 これはもうこの会議の中でやっていただいているわけで、特に検討チームの皆さんに一生懸命考えていただいているわけなんですけれども、中教審としてもこの議論をしっかりと受け止めて、改めて初中分科会等で全体の中でどう位置付けていくのかというのを考えて、また、その一方では、学習指導要領が高等学校で学び直しということも言っているわけですので、その辺の全体像をどうしていくのかというのを考えていくことが課題かなということを思いました。
 以上です。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございます。中教審、特に初等中等教育分科会での更なる議論をぜひお願いしたいと思います。
 それでは、次、まだいらっしゃいますね。
【橋田幼児教育企画官】  田村委員、お願いします。
【田村委員】  まずは資料の1、2を通しながら、架け橋期を年長5歳児と小1の2年間として規定したこと、その時期が将来につながる大切な時期だと明言したこと、この架け橋期のカリキュラム開発の手順・ポイント・仕組み、その例示が明示されたことは大変好ましいことで、すばらしいことではないかなと感じました。
 その上で、資料2に関して三つほど考えていることを申し上げたいと思います。一つ目が、体制、システム、条件整備についてです。17ページの目指す方向性と進め方のイメージに丸が三つあります。三つ目のところに、各自治体はカリキュラム開発会議を作る、学校では体制を整える、自治体も体制を用意しましょうと言っているわけですが、このことをこの三つの丸のお尻にぶら下げるのではなくて、イの一番にまず明確に語った上でというふうな形がいいのではないかと考えました。
 二つ目は、16ページの架け橋期のカリキュラム開発のイメージの二つ目です。開発主体が並んでいますが、資料1-1を見ると、架け橋期のコーディネーターといった言葉が出てきます。つまり、この開発主体の中には、とりわけ架け橋期に関わる特有な専門性や、そのようなカリキュラムの開発あるいはコーディネートのできる人材が必要で、そのような人材を各々用意することが重要ではないかということも明示してはどうかと考えました。一つ目は以上です。
 二つ目がカリキュラム開発についてです。14ページから15ページにかけて、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿について、これまでにない形で明示されたことは大変好ましいことだと考えます。10の姿は資質・能力であり、総合的・一体的に示されたもので、しかも見いだすものと読み解きました。小学校以降は三つの柱によって分割して示してあり、育成を示すものとしているわけです。ここの明確な認識はかなりカリキュラム開発上意味があると思いますので、今後の機能していく肝だと思いました。
 こういったものを実際に架け橋期のカリキュラムとして整備するのが、17ページのところに出ているカリキュラムのイメージになりますが、その意味では、丸1番に期待する子供像を置いたのは、今のような違いがあるがゆえに丸1が来ているんだという認識に立つことが重要で、更に言うならば、先ほど溝上委員がおっしゃったとおり、そこをコアとして位置付け、動かすものが丸3であるというような認識を我々が持つことが大切ではないかと考えました。
 そのことをより確かに実現するためには、こちらは資料2の17ページの上から2番目の「開発会議では」と書かれている文のところを、カリキュラム開発や実施に当たっては子供の姿を前提としてとか、あるいはその姿から学ぶことを通して互いの理解や認識を深めながら共に学び合い進めていくことが重要である旨を書かれてもいいのかなと感じたところです。
 最後に三つ目です。全体として、小学校あるいは小学校以降の教育関係者にいかにメッセージとして伝えていくかはかなり重要なポイントだと思います。とりわけ、小学校のプレーヤーに参加してもらうような手を何とか立てなければいけない。資料2の水準のレベルで僕が書くとするならば、8ページに書かれているところの課題の辺りを、幼児期のところのみならず、もうちょっと小学校の方まで明確に見える化して言及する。あるいは、18ページに書かれているところから先のところで、小学校以降において具体的にこんなアクションができるということが、見えるような形で書いてはあるんですけれども、もう少し明確に示していくことによって、この資料全体が幼児教育関係者がやっているものであるということを払拭することも重要ではないかなと思います。
【無藤委員長】  どの点もこの意図をより明確にするという形の御提言だと理解しました。そして、特に最後の点の小学校教員側がまさに自分たちの問題でもあると捉えて、積極的に関わるということをより分かりやすくするように工夫したいと思います。
 さらに、挙手いただいた方は?
【橋田幼児教育企画官】  村田委員、お願いします。
【村田委員】  お願いします。1点のみです。資料2の20ページ(5)の二つ目の丸についてです。これまで私は、保護者の方が非常に子育てに苦慮しているよということを主張してきたので、そこをくんでいただいたと思うんですが、一方で子供が育つと同時に保護者自身が育ち直しのチャンスだというふうに捉えています。また、この架け橋期というところが、一番保護者に一斉にメッセージを届けやすい時期、非常に重要な時期だと思うんです。
 中学校以降、実は子供たちはものすごく思春期に揺れ動きます。反社会に行く子もいれば、非社会に行く子もいるんですけれども、そんな子供たちを見ていても、感覚的にですが、この子は軌道修正してくるなという子がいるんです。そういう予想の立つ子がいる。それはなぜかというと、保護者との関係が出来ているからなんです。つまり、人を育てるというときに、ここに書かれているように、例えば子供も保護者も幼児教育施設が支援するのではなくて、幼児教育施設と保護者が一緒になってやっぱり両輪で子供というものを育てていくという自覚を何とか育めないかなということをずっと感じています。
 特に、情緒的な交流が難しい、これまで御自身が経験されてきていない保護者に対して、そういったところが本当に大事なんだよといったようなメッセージとかそういったものを届けつつ、小学校1年生、さあ、ここから始まる義務教育を一緒に頑張っていこうねというふうに持っていこうとすると、保護者はやはり支えられるだけの存在ではなくて、一緒に子供を育てていく両輪なんだよというようなメッセージがどこかに盛り込んでいただけるとありがたいなと思います。持続可能な社会の創り手を目指すのであれば、今目の前にいる幼児期の子供たちは20年後には親になるのであり、親になったときに自分の子供を育てていける子を育てるということであれば、やはり保護者にもう少し頑張っていただきたいというようなイメージの文言も盛り込んでいただいてもいいのではないかなと感じました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。幼児教育施設と保護者、家庭との連携を超えたパートナーシップのような、言い方は何でもいいですけれども、というのがもっと見えるように文章化を考えたいと思います。
 さて、さらに、委員の中で挙手を……。
【橋田幼児教育企画官】  挙手された方は以上になります。
【無藤委員長】  以上ですか。最後の方はちょっと急がせてしまって申し訳ありませんが、15時をもう実は過ぎましたので、申し訳ありませんけれども、まだ御意見いろいろあると思うんですけれども、それはメール等で事務局までお寄せいただきたいと思います。
 この報告は3月に、最終ではないですが、おおむねは完成に近付けたいと思いますので、ぜひ、細かいこと、大きなこと、今のうちならかなり言い直すこと、加筆することができると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは最後に、次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
【橋田幼児教育企画官】  次回の特別委員会につきましては、資料3のとおり、3月23日水曜日14時からを予定しております。よろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  ありがとうございます。5分ほど過ぎてしまいました。委員の皆様方にちょっと無理をお願いしてしまいましたけれども、一応本日予定した議事は終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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