幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会(第5回)議事録

1.日時

令和3年12月15日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議形式で開催

3.議題

  1. 幼保小の接続期の教育の質的向上について意見交換
  2. その他

4.議事録

【無藤委員長】  定刻となりましたので、ただいまから第5回中央教育審議会初等中等教育分科会幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会を開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
 本日の会議の開催方針及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【澤田子育て支援指導官】  本会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、Webexを用いたウェブ会議方式にて開催させていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様方には御不便をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。なお、本日は報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をWebex Eventsにて配信しております。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1-1から資料2まで及び参考資料1、2となっております。御不明な点等がございましたら、お申し付けください。
【無藤委員長】  よろしいでしょうか。
 それは、お手元の議題に沿って、まず議題の1でございます。
 これから、幼保小接続期の教育の質的向上についての意見交換をさせていただきたいと思います。
 まず、事務局から資料1-1に基づいて説明をお願いいたします。
【大杉幼児教育課長】  それでは、私から御説明をさせていただきます。
 資料1-1、それから1-2を御用意させていただいております。本日御意見にお時間取らせていただくために、資料1-2は説明を割愛させていただきますけれども、こちらにつきましては、幼保小の接続期の質的向上に関する検討チーム、本日お集まりの先生方の中で特に実務面の御検討をお願いさせていただいたチームの中で、今3回まで議論を深めていただいているものでございます。こちら、その議論の概要だけでございますけれども、実際には様々な資料、全国の幼保小連携の事例ですとか、今後まとめていく手引きのたたき台のようなものも含めて御議論いただいている状況ですけれども、そちらの資料につきましては、年明け、また改めて、こちらの会にお諮りさせていただきたいというふうに思います。
 本日は、検討チームで御議論いただいた内容のうち、特に架け橋プログラムの全体の構成、考え方について、資料の1-1にまとめさせていただきました。本日は、こちらについて御意見いただきまして、それを踏まえてまたさらに検討チームで議論を深めさせていただきたいと思います。
 それでは、資料の1-1を御覧ください。
 スライドの1ページ目になりますけれども、まずは架け橋プログラム、幼保小連携の架け橋プログラムの必要性、方向性というものをもう少し分かりやすく整理したほうがいいという御意見を本会議でもいただいたところでございます。今まで幼保小連携、どのような成果があり、ただ依然としてどのような課題があり、それをどう克服していくのかという狙い、これを少しコンパクトにまとめさせていただいた資料がスライドの1枚目になります。
 幼保小連携の成果、3要領・指針の整合性確保、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の策定、また、連携の取組が9割に上るというような取組を着実に進めていただいているところでございます。
 ただ一方で、課題意識を持つ園が7割から9年に上ることでありますとか、行事の交流にとどまり、力を伸ばすというような接続期のカリキュラムになっていないのではないか。また、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が誤解されまして、連携の手がかりというよりは、幼児期に育てておいてほしいという、どちらかに責任がかかってしまうような使われ方をしていないかどうかというようなことでありますとか、あるいはスタートカリキュラム、それからアプローチカリキュラムと言われたり、別の名前で伝えている点もありますけれども、5歳児までのカリキュラムがばらばらに策定されていて、並べてみると理念がお見合いでつながっていなかったり、あるいは同じことを全くやっているのではないかというようなものがあったりということで、適切な伸びしろということを考えていく必要があるのではないか。あるいは、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を生かす、何かもう少し手引きのようなものが必要ではないか。それから、小学校側の取組が学校になれるという学校探検のみにとどまり、力を伸ばすものになっていないのではないか。あるいは、小学校側から見ると、施設類型の違いを超えた共通性が見えにくい、あるいはデータに基づき改善を図っていくという基盤が弱い。こういった課題があることが、子供たちの学びや生活の基盤の育成ということに影響してしまっている、それが小一プロブレムと呼ばれるような形で現れてきてしまっているのかもしれないというような、そういった分析でございます。
 これらを克服するために、架け橋プログラムの狙いでございますけれども、1つ目は、地域の幼児教育と小学校教育関係者が連携してカリキュラム・教育方法の充実・改善に当たること。また、教育方法の改善に生かしていくことができる手だてを普及していくこと。また、考え方を家庭や地域にも普及していくこと、データに基づく改善を促進していくこと、これらが今回の架け橋プログラムの狙いということで御整理をいただいております。
 スライドの2枚目になりますけれども、架け橋プログラムの取組のイメージでございます。今後3か年程度を念頭に、モデル地域における先進事例の開発・実践と、全国的な架け橋期、接続期より架け橋期と仮に呼んでおりますけれども、この教育の充実を並行して集中的に推進してはどうかということでございます。
 まず、小さい四角でございますけれども、モデル地域における開発・実践、これは来年度予算の幼保小架け橋プログラム事業を活用してモデル地域を選定いたしまして、開発・実践をしていただくという枠組みでございます。ですが、今回のプログラムはこれにとどまらず、幼児教育推進体制等を通じた全国的な取組を同時並行で行っていく。例えば、幼児教育推進体制のネットワークでありますとか、中央協議会、都道府県協議会などの機会を活用しまして、本特別委員会の議論の成果や、議論を基に作成されて手引などを普及して、好事例の分析・展開なども行っていくということ。また、それに基づいて各自治体における充実・改善を促進していくということ。そして、連携体制や推進体制の設置を全国的に促進していくこと。これらを並行して実施していってはどうかというイメージでございます。
 そして、次のページからは、モデル事業のイメージということになりますけれども、対象につきましては、検討委員会でも議論いただきましたが、5歳児からの小学校1年生を架け橋期と捉えまして、そこだけを取り出すイメージがあまりに強すぎてはいけないということで、0歳から18歳までの学びの連続性に配慮しながら、この架け橋期、接続期の充実というものを図っていくということ。また、モデル地域において、関係者からなるカリキュラム開発会議を構成していただくということ。そして、カリキュラム開発会議におきましては、本特別委員会の議論を基に検討チーム等で御議論いただきます手引や参考資料を活用して開発いただくということ。モデル地域内の園・小学校において、この架け橋期のカリキュラムということの共通性を踏まえながら各園独自の教育課程を編成していただくということ。また、国では、質保障の枠組みを通じて改善を図っていくということ。そして、開発内容につきましては、架け橋期のカリキュラムということ。各園の教育課程・保育計画、あるいは小学校の教育課程の前提となるような共通の考え方を示すものというイメージでございます。
 また、その実施に必要となる教材や研修等の開発も同時並行で行っていただくという予定でございます。
 スライドの4に移っていただきまして、今申し上げたイメージを少し図にさせていただいたものでございます。モデル地域におきましては、カリキュラム開発会議の中で、手引を活用しつつカリキュラムの開発、研修等の開発・実践を行っていただくということ。そして、各園におきましては、それを踏まえた教育課程・保育計画の編成・実施、それから、できましたら、その架け橋期の接続をコーディネートするものということを明確化していくということ。そして、右側の緑の部分でございますけれども、架け橋期の教育の質保証ということで、現在の検討チームのメンバー及び関係者を中心に、実地調査でありますとか改善事項の指摘というものを行っていただくようなイメージでございます。また、このセンターを、1年待たずとも随時全国に普及・反映させていくということを目指すということでございます。
 そして、次のページ、スライドの5ページ目が、モデル地域における架け橋期のカリキュラムの開発イメージということでございます。
 架け橋期のカリキュラムにつきましては、各園・小学校が共通の視点を持って、教育課程や保育計画等で具体化しやすいような工夫が必要であるということ。また一方で、自治体ごとの工夫も促していきたいということでございますので、共通項目を整理しつつ各自治体、各園の工夫も可能とするような示し方を考えていく必要があるかと思います。
 項目例というところはあくまで例でございますけれども、こういった共通の視点で5歳児と小学校1年生の活動がつながっていくようなカリキュラムを開発していくというようなイメージでございます。
 現在、検討チームでまだまだ御議論いただいているところでございますので、本日、本会でもいただいた御意見を検討チームの議論にも反映させていただければと思っております。
 そして、スライドの6ページ、こちらも検討チームでもまだまだ御議論いただいている最中ですけれども、架け橋期の教育の質保障のイメージということで、検証目的として幼保小の接続に関する実態をしっかり把握した上で、実践に移り、その効果検証をしていくというイメージでございます。できましたら、自治体間を通した検証を可能とするために共通のアンケート項目などを開発して活用させていただければというふうに考えております。こちらも、本日の御議論を踏まえて、さらに検討チームで深めていただきたいというふうに思っております。
 また、スライドの7もまだまだ議論をし始めたところでございますので、モデル事業も実施しながらさらなる改善を図っていく必要があるかと思いますけれども、質保障の視点ということで、実地調査でありますとか検証を行っていただく際に、どういう点に着目してモデル事業の取組を見ていくかというような視点でございます。架け橋期のカリキュラムに関すること、実施状況、それから子供の姿や子供の変化に関すること、これは個々の子供の評価ということではないということに留意しながら検討していく必要があるかと思います。また、教育のプロセスの質を考えていくに当たり必要な事項。また、実施運営・行動に関すること、これらは既存の様々な評価の枠組み、学校評価や第三者評価の枠組みとの整合性も考えながら実施していく必要があるかと考えております。
 それから最後に、推進体制の今後の在り方についてということで、最後のスライドになります。
 推進体制、既に地域によってはかなり充実した取組をしていただいているところでございますけれども、面的な広がりもしっかり考えていく必要がございます。また加えて、取組の内容の深まりということも考えていく必要がございます。既に幼保小の接続の機運の醸成等にはすぐ取組をしていただいているところでございますけれども、アドバイザーの経験頼みのところも大きく、質のばらつきや指導内容の継続性、あるいは各園の特徴に合ったアドバイスということに課題があるという状況でございますので、今回、幼保小の架け橋プログラムということがコンテンツの面で充実が図られることによりまして、こういった面も課題も克服されていくことが期待されるということで、幼児教育推進体制の質の高まりも、この幼保小架け橋プログラムの実施とともに目指していくという考え方でございます。
 本日、忌憚のない御意見をいただきまして、さらなる改善を図らせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  どうもありがとうございました。
 それでは、質疑、御意見の交換ということになりますけれども、いつもどおりのことですけれども、大勢の委員の皆様全員から御意見いただくということですので、お一人様、2分という短い時間ですが、めどとさせていただきたいと思います。
 そして、そのやり方もいつもどおりでありますけれど、もう一度申し上げると、御発言を希望される方は手を挙げるというボタンを押していただくようにお願いします。そして、私のほうで委員の皆様が、実は一覧できない状況に画面上なるものですから、事務局で名簿の順番に沿って挙手していただいた方のお名前を記名して、その順番、あいうえお順ですか、に沿って指名させていただきたいというふうに思っております。指名された場合にはミュートを解除していただいて御発言をお願いいたします。そして、御発言が終わりましたら、手を下げるというボタンがありますので、挙手を取り下げていただきたいと思います。そのようにして、必ず全員に御発言いただくようにいたします。
 それでは、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 まず、どなたでも結構でございますけれども、挙手、よろしくお願いいたします。いかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  田村委員、お願いします。
【無藤委員長】  お願いします。
【田村委員】  
 今日は途中で失礼をさせていただくので、最初に発言の機会をいただければと思います。
 まず、架け橋期といった期間にターゲットを絞りながら、具体的なモデル地域の展開から全国に広げていこうという方向性については、丁寧な方法だと感じたところです。
 今回のこの架け橋期が確かなものになるためには、幼児教育関係者のみならず、小学校の関係者をできるだけこの場に参画していただくことが重要なポイントではないかという点から、感じたことを4つほど申し上げたいと思います。
 1つ目が、最初の1ページ目のスライドですが、右側の1個目の丸に小学校と書いてありますが、例えば3つ目の丸のところにも、家庭や地域に広げるだけではなくて「小学校及び」という表現で、その辺を意識していってはどうかと思ったところであります。
 スライドの5枚目のところに、架け橋期のカリキュラムのイメージがありました。複数の園と複数の小学校が複雑に絡んでくるのが、その連携の状態だと思います。つまり、小学校には複数の園から来ますし、1個の園は複数の小学校に行くということになりますので、各自治体がつくるモデル地域における架け橋期のカリキュラムのイメージについては、少しゆったりとした概要的なものといいましょうか、多様性に対応できるものとして準備していくことが重要なポイントになるのではないかと感じましたので、その辺のところが意識されるといいと思いました。
 3つ目が、6ページ目の質保障のところになります。アンケートによる質保障のチェックはもちろんですけれども、ある程度観察による継続的な変容を見ていって、そのことによって語るということを考えることもできるのではないかと考えます。
 最後の4つ目は、推進体制の8枚目のスライドです。幼児教育アドバイザーがキーマンになるというお話もあったと思うのですけれども、この幼児教育アドバイザーという名称自体が、どうしても幼児教育の関係者の幼児教育を専門とされているというイメージが強く出てきはしないかと感じます。つまり、架け橋期の幼と小をつなぎ、まさにこのカリキュラムをつないでいくという点含めて名称を考えてはどうかと思ったところです。
 以上ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
【無藤委員長】  ありがとうございます。どの点も重要なので、さらに組み入れる方向で検討したいと思いますが。
 次の方はどなたになりますか。
【澤田子育て支援指導官】  平川委員、お願いいたします。
【無藤委員長】  平川委員です。
【平川委員】  広島県教育委員会教育長の平川です。大変すばらしく架け橋プログラムをおまとめいただきありがとうございます。
 1点、架け橋期を限定するのは危ないと感じております。
 冒頭で、現状の課題の中で、学校に慣れるというところで終わってしまうというご説明がありましたが、1年生までがその架け橋期というふうにしてしまうと、どうしても1年生までやっていたらいいと思ってしまうのではないでしょうか。今回のこの架け橋プログラムは、これは私の個人的な捉えで申し上げますと、小学校のカリキュラムをどう子供起点にするのか、どう個別最適化するのかということにかかっていると思っておりまして、架け橋期ということを限定してしまうと、どうしても皆さんが誤った認識になってしまうのではないかと思っています。1年生の学校に慣れるまでのカリキュラムを頑張ってつくって終わりとするのではなく、6年生までをどうするかということが肝心だと思います。
 それで申し上げますと、先日、福井県の大野市というところにあります下庄小学校というところに行ってまいりました。ここでは福井県の幼児教育支援センターの方が入っていらっしゃってフリートークということを基に、児童が自発的に参加できる授業で、先生はとにかく見守るとかファシリテーターをやるというような非常にすばらしい教育をされていらっしゃいました。全ての小学校で、子供が萎縮することなく、先生の許可がないと発言しては駄目とか、許可がないとトイレに行っては駄目というようなことではなく、幼保でやっているような子供起点、まさに真の子供起点になるためには、この架け橋期の捉えを1年生というふうにしてしまうと、どうしても誤解が生じるので、ここは6年生までとしてもらいたいと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。架け橋期という用語の適用は、以前に議論いただいたように、幼児の年長と1年生ということで割と焦点を当てたいわけですけれども、当然幼児のほうは乳幼児全体の教育、小学校のほうは6年間見通す必要があるので、その辺、平川委員の御指摘のような、そこがはっきり見えるような形を工夫したいと思います。ありがとうございます。
 それでは、次の方、いかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  二宮委員、お願いします。
【無藤委員長】  二宮委員、お願いします。
【二宮委員】  二宮です。よろしくお願いいたします。
 分かりやすく、しかも多くの課題をきちんと網羅した内容、資料になっていると思います。
 先ほどの田村委員と重なるのですけれども、幼児教育アドバイザーというキーマンは、かなり重要な役割だと思います。どのような方がどういうふうにかかわっていくかというのが非常に大きな成果にもつながるでしょうし課題にもなろうかと思います。小学校側の経験が豊かな方などがなる場合に、それも幼児教育アドバイザーという名前になると誤解を招かないかが少々気になります。個人的には「幼小架け橋アドバイザー」のようなイメージだと思いますので、名称も含めて、どういった方がどういうふうに関わっていくのか、具体的にしたらいかがかと考えます。
また、自治体単位となると、小さな村や、町に、そういった方、人材がいるのかというところも含めて、研修や育成の観点も必要ですし、横のつながりについても、もう少しあらかじめ考えて具体的にしておいてもいいと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。架け橋期は小学校1年生を含むと明瞭に書きましたので、おっしゃるように、小学校教育を分かっている方が入らなければ困るでしょうから、その辺は幼児教育アドバイザーというのが後のほうに出てくるのは、実はこの架け橋プログラム自体の事業と並行して幼児教育センターというのは以前から進んできているもので、そこに幼児教育アドバイザーというのが設置されることになっているものですから、その活用というのを入れたわけですけれども、お二人から御指摘のように、この開発プログラムそのものについては、幼児教育アドバイザー、名称のこともあるし、幼児教育に詳しい方だけではやれないでしょうから、架け橋コーディネーターとか別な言い方、少し視点が違う人も検討はしているので、少し修正を図る必要があろうと思います。ありがとうございました。
 さて、次の方、お手をまた。
【澤田子育て支援指導官】  堀田委員、お願いします。
【無藤委員長】  お願いします。
【堀田委員】  ありがとうございます。架け橋プログラムの必要性等はよく理解できました。これからモデル地域でプログラム開発をされていくに当たって、メディアやICTを研究してきたものとして2つお伝えしたいと思います。
 まず1つ目は、カリキュラムです。教育内容と言ってもいいかもしれませんけど、ここに、この時代ですので、メディアを排除するのではなく、時には有効に利用する方法を経験させるようなことをカリキュラムにうまく入れられないかと思っております。それは、かつてテレビと子供をどうするかみたいな話なども無藤先生が古くに御研究されていましたけど、そういうのは子供たちの生活において必要な体験だと思いますので、園での体験のみならず、そういうメディアとの付き合い方みたいなことを有効な方法のみでいいと思うので、何かうまく取り入れられ、それが運用事例としてモデルで提示されることが重要かと思っております。
 2つ目は、実施体制の方法論みたいな話になったときに、これは前回もお話ししましたけど、幼児教育に関わる先生たちの多忙化とか負担軽減のためにICTをうまく使って、初等中等教育で言うところの校務の情報化のようなものを一緒に進めないと、負担が重なってしまって現実的ではなくなる可能性があると思います。そこのところや、もう一つは、保護者との連携、あるいはサービスにデジタルをうまく使う、オンラインをうまく使う、小学校との連携にオンラインをうまく使うみたいなことも、運用をうまく進めるためのモデルとして、何か提示されるといいと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。ICTの活用は、指導側というんでしょうか、保護者を含めたところでの連絡等で使うということは当然進める必要があるのと、子供にとっての活用の仕方というのは当然、特に年長児、1年生では入ってくると思いますので、その辺もどう書き入れるかを検討したいと思います。ありがとうございます。
 次の挙手されている方はどなたでしょうか。
【澤田子育て支援指導官】  水野委員、お願いします。
【水野委員】  大東市教育委員会教育長の水野です。
 まずは、架け橋プログラムの取組のイメージ、ものすごく練り込まれたものが出てきたと、すばらしいと感じました。
 今日お話ししたいのは2点です。
 1点目が、まず研修についてですけれども、私自身が大東市の小学校と幼稚園の先生、いろいろとヒアリングする中で感じたのが、同じ子供を見ていても、こうも見ている景色が違うのかというのに結構びっくりしたんです。例えば、幼稚園の先生は、この子は好奇心旺盛な行動的な子だと表現したかと思ったら、小学校の先生は、この子は自分勝手で我慢ができない子ですというふうに表現をすると。そして、まさに同じ子供を見ていても景色が全く違う状態であると。研修においては、おのおのが見ている景色の違いというのをしっかり理解して、相手側、向こう側からどう見えているかというのを理解するところから架け橋が起こってくるのかとは感じます。
 個人的には、小学校教育がもうちょっと幼児教育から学んでいって手法をアップデートしていくのがいいのかというふうには感じております。
 2点目が、地域と家庭連携についてですけれども、ここも資料上で出ておりますが、教育委員会の目線でいうと、コミュニティスクールの活用であるとか、小中一貫教育で目指すべき子供像というのを小中整えていっておりますので、この小中一貫教育の連携会議やコミュニティスクールの活用というところも明記していってもいいのかと感じました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。特に2点目の地域家庭との連携とかコミュニティスクール等々の活用、確かにここにあまり明示的にはなってないので、入れる方向で検討したいと思います。ありがとうございます。
 では、次の方はどなたでしょうか。
【澤田子育て支援指導官】  秋田委員、お願いします。
【秋田委員長代理】  ありがとうございます。学習院大学の秋田です。
 先ほど田村委員ならびに平川委員からのお話を伺っての発言となります。
 頂戴しましたスライドの1ページ目の架け橋プログラムの狙いというところになりますが、狙いの2つ目の丸を見ますと、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の正しい理解を促して教育方法の改善をいたしていくというのは、恐らく幼児教育側にとっては重要なことであります。しかし、小学校においては、当然到達目標ではないわけですけれども、それを生かしつつも、小学校の先生は、これまで幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を理解しているわけではないので、むしろ主体的、対話的で深い学びというようなところも、できるだけ幼児期から深い学びを、遊びから深い学びへというような、小学校の先生が御理解いただきやすいような狙いを示すことや、3つ目の丸も、接続期に保育者が行っている環境の構成を、工夫を見える化するだけではなく、小学校低学年1年生の先生の環境の工夫というものも同じように入っていくというようなところが重要になってくるのではないだろうかと思います。
 そして、次の架け橋プログラムの取組のイメージの2ページ目に関しまして、これからモデル地域を選ぶことになると思うんですけれども、できるだけ多様な施設類型や、多様な特色を持ってこれから試みようとするようなバリエーションを重視した選択が重要であろうと考えるところですし、全国で今から架け橋のプログラムを、モデル事業だけではなくどこもやるのだというメッセージが、これでより強く出ていくことが望ましいと思います。
 また、5ページ目のスライドになりますけれども、そのモデル地域における架け橋期のカリキュラム開発のイメージというところですが、平川委員が言われたように、あくまでもこれは0歳から18歳までの保育教育の充実の中の接続ということを考えていくということを考えますと、幼児期にも小学校にもカリキュラムマネジメントという言葉が今回入れられております。接続期のこの架け橋のカリキュラムというのが、まさにカリキュラムマネジメントとして地域で機能していくというようなところを入れていただくことで、小学校のカリマネの一番最初の部分が架け橋プログラムなのであり、ほかも、より柔軟に考えていく必要があるのだというところをより明確に示していただくようなことができていくといいのではないかと思います。
 あと最後に、田村委員が、調査のチェックだけではなくて観察も入れるといいのではないかというお話がありました。ぜひ、モデル地域については、子供の実態の観察と調査というようなものを同時並行できる地域もあるとよろしいのではないかと思いました。
 以上になります。
【無藤委員長】  ありがとうございました。いずれも非常に大事なポイントなので、このプログラムをより明確に広げるという方向で組み入れることを努力したいと思います。
 また、取組のイメージでは、先進事例ということと全国的な展開というのが並列するんだということを明記してありますので、そういう中で、おっしゃるように、バリエーションということを意識したいと思います。全国本当に様々な独自性を持つことは確かです。ありがとうございます。
 それでは、次の方はいかがでしょうか。
【澤田子育て支援指導官】  宮下委員、お願いします。
【宮下委員】  静岡豊田幼稚園の園長の宮下です。よろしくお願いいたします。
 3点ほどお話をさせていただきます。
 1つは、教育課程・保育計画の編成の前提となる架け橋期のカリキュラムのことですけれども、これは、幼児期の終わりに育ってほしい姿を踏まえた教育方法の改善の視点などを考慮して開発するということになっています。先ほど秋田先生がおっしゃったように、私も主体的、対話的で深い学びということもしっかりとこの中に入れていったほうが、小学校の先生、そして幼稚園の先生が同じ思いでこれを開発していけるのではないかと思っております。
 まだまだこの主体的、対話的で深い学びというものの理解が幼児教育の世界では浅いように感じておりますので、そういう意味でも、ここの部分が大切ではないかと思います。
 2つ目は、1年生の生活科を考えていくことも非常に大事ですけれども、幼稚園の多様な体験が中学年以上の理科とか社会の授業に非常に生かされていると感じております。そういう意味で、幼稚園でのいろいろな体験について小学校の先生方が分かってくださっていて授業が展開されると、非常に面白い授業になっていくのではないかと思います。
 もう一つ、幼児教育アドバイザーですけれども、今、いろいろな方がこれについていらっしゃると思いますけれども、現状は、公立の先生が多いのではないかというふうに思います。今後、私学の園長等の起用ということも考え、広めていただけるとありがたいと思います。
 以上でございます。
【無藤委員長】  ありがとうございます。いずれも本当に重要なことなので、プログラムの中でより明確にしたいと思います。
 それでは、次の方はいかがでしょうか。
【澤田子育て支援指導官】  渡邉一利委員、お願いします。
【渡邉(一)委員】  渡邉です。検討チームでの御議論、また架け橋プログラムの取りまとめ、どうもありがとうございました。
 2点ほどお話を申し上げたいと思います。
 まず1点は、モデル地域における先進事例の開発・実践のところで、カリキュラム開発会議というところがございます。ここに構成員の表示がございます。ただ、子供を育てるというそもそも論に立ちますと、学校、家庭、地域で子供を育てるという視点に立てば、まちづくりという観点から、このプログラムのモデルケースの展開を図る必要があるのではないかと思います。そうすると、まちづくり推進部局であり、あるいは福祉の部局であり、こういったところも一緒に入っていったほうが、今はEBPMを推進する必要がありますから、3年後、5年後にしっかりとしたアウトカムを獲得するためには、役所の中では横断的な部署の取組、それをプラットフォームとしながら進めていくのがいいのではないかと思います。これは、子供の貧困等を踏まえて、家庭状況もまちまちだということを前提にした発言でございます。
 それからもう一つは、並行しながら、全国的な架け橋期の教育の充実を集中的に推進すると。これは、先ほどもお話ございましたけども、周知啓発を全国にどうやって徹底していくかといった観点だと思いますので、堀田委員のお話にもありましたけども、都道府県、市町村、あるいは学校、あるいは家庭、こういったところに情報を届けて啓発していくためには、オンライン、あるいはICTというのを有効に活用して進めていくのがいいのではないかと思って発言いたしました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。いずれもぜひ実施の方向で入れたいと考えております。
 次の委員の方は。
【澤田子育て支援指導官】  久保山委員、お願いします。
【無藤委員長】  はい、お願いします。
【久保山委員】  ありがとうございます。国立特別支援教育総合研究所、久保山でございます。
 これまでの取りまとめ、それから今後の計画、ありがとうございます。とても楽しみにしております。
 私から3点申し上げます。
 1つが、このカリキュラムの根本にインクルーシブな教育、またはインクルーシブな保育の実現ということをどう入れ込んでいけるかということです。言い換えれば、子供の多様性ということに対する視点をどのように入れ込むかということです。お話を伺っていると、小学校の側について、通常の学級を想定しているように思われるんですけれども、例えば特別支援学級であるとか通級による指導というものもある。そういったところに通う子供たちが、現に保育所、幼稚園、こども園にいるわけで、少数派である子供たちのことを初めから排除しないようなカリキュラムになるといいと思います。
 もうちょっと言えば、通常の学級でどれだけ多様な子供たちを受け入れていけるのかというような視点がどこかに入れていただけるとありがたいというのが1つ目です。
 それに関連して、実は今度の要領等の改訂で、新しく交流及び共同学習という言葉が入っています。障害のある子供とない子供が共に生活するというものですけれども、その例として、幼稚園にもこども園にも、開設の例の中に、近隣の小学校の特別支援学級などの児童との交流も考えられると書いてあるんです。つまり、幼稚園とかこども園の子供たちが近隣の小学校の特別支援学級の子供たちと交流することを試してみませんかという記述が例示されています。こういった取組が進むといいと思っておりまして、これも何か入れ込めたらいいなと考えます。
 それから3つ目ですけれども、先ほど水野委員の中で、保育所、こども園、幼稚園と小学校の研修が大事だという話がありました。見ている景色が違うのだという御発言だったんですけど、私からすると、使っている言葉が違っているのではないかというところがあります。例えば、落ち着きがないという言葉も、幼児期と小学校ではかなり捉えが違っているでしょうし、同様に乱暴であるという言葉もそうであると思いますので、そういったところの言葉遣いといいますか、そこのすり合わせという活動も大事かと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
【無藤委員長】  インクルーシブな視点とか、最後の用語の問題とか、いずれも何とか工夫したい、ここに入れたいと考えております。
 それでは、次の。
【澤田子育て支援指導官】  曽木委員、お願いします。
【無藤委員長】  お願いします。
【曽木委員】  曽木です。よろしくお願いいたします。
 御説明いただきました幼保小の架け橋プログラムについての資料の1ページ目や3ページ目にあります、教材等の開発について、保育園ではなじみがない言葉で一度話が出たと思いますが、再度詳しく共通理解のため、どういったものを示しているのか、捉え方をお聞きできればと思っております。後ほどお答えいただければと思います。
 また、幼保小の架け橋プログラムの実施に関する方向性や今回の資料1-1に沿って、各自治体や関係機関に下ろして、皆様に具体的にカリキュラムの開発を検討いただくことになると思われますが、そのときに気をつけたい置き去りにされそうな留意点を何点かお伝えさせていただきたいと思います。
 私がお伝えしたいのは、資料1-1、5ページ目、7ページ目にあります、遊びと学びのプロセスについてです。
 幼保小の接続期の教育の質的向上に関する検討チームの会議の中でも、主体的、対話的深い学びの大事さを伝えてまいりました。
 1つ目として、何度もお伝えしておりますが、子供の思いを大事にしてほしいということです。10の姿や幼児教育の資料を見ていく中で、これだけ幼児教育の先生方が伝えているにもかかわらず、そこに子供の姿や声、思い、興味関心が見落とされてしまう資料が多いです。大人の「ねがい」、「ねらい」はもちろん大事で、私たちは専門職として考えていかなければならないと思っております。しかし、それと同じように、子供の興味関心、気づきは、既存の概念にとらわれない自由な発想をしており、私たちの大人を上回る想像力豊かな声を発しております。幼児教育を担う大人は、それを一緒に探求し、気づいて意識していく、その感性が必要だと思っております。
 2つ目としては、そのために大人は子供たち自身が考え発信していくことができるような質問をしたり環境を整えたりすることが大事だと思っております。その機会が、現状とても少ないように感じています。あなたはどうしたい、どう思うと問われ、自分自身を内観し、考えられるやり取りがより深い学びにつながっていくと思われます。
 3つ目としては、私たち幼児教育の活動として、1回の活動の中で10の姿がある、ないと捉えるか、継続して興味が広がっていく活動の中で子供の成長の過程の中で10の姿を捉えるかは大きく変わってくると思います。
 4つ目として、集団と同じように個の大切さを考えてほしいと願っております。子供の特性を捉えていってほしいと思っております。小学校との接続に関しまして、小学校、幼稚園、認定こども園、保育園ともに忙しい中で、継続的に参加し、活発に意見を交わし、それが有意義なものにできるかどうかは、この接続が「子供たちの育ちに本当に役立ち価値がある」と思えるかどうか、心が動くかどうかにかかっているのではないかと思っております。その意識を持ち、各関係機関自らが動いていただくためには、共通する教育内容をテーマにした心に響く合同研修や、各小学校地区などに分けての相互の参加型の見学を行うなど、相互理解への取組を行う必要があると思います。ですので、頂いた資料の4ページ目の幼保小の図は、一方通行ではなく相互の方向性になることを望んでおります。
 私からは以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。後半で御指摘いただいたことは、プログラムに多少書き入れるとともに、今後つくる予定の手引などでより詳しく展開できるかと思っております。ありがとうございました。
 それと、教材というものの捉え方、後で事務局からも御説明いただいたんですけど、私の簡単な理解を申し上げると、教材は当然小中学校の学校教育で使っているわけですけれども、幼稚園教育要領でも教材という言い方をして、それは物すごく簡単に言えば、環境に置かれた全てのものが何らかの意図を含んでいるんだよという中で使っているので、幼稚園で別に教科書みたいなものがあるわけではないので、そういう広い意味だと思うんです。ただ、保育所指針では、多分教材という言い方をしてないように思いましたので、その辺が幼保こども園を含めてというときに、どういう言い方がいいか、さらに検討したいと思います。ありがとうございます。
 事務局で補足ありますか。
【澤田子育て支援指導官】  ありがとうございます。要領の解説等におきまして書いておりますのが、子供は環境を通して学ぶ存在であることから、人や物や時間や空間なども含めて、子供の周りを取り巻く環境の全てが子供にとっての教材であり教育的価値があるというふうに記しておりますので、こういったことを踏まえながら検討させていただければと思います。
【無藤委員長】  ということでございます。ありがとうございます。
 では、次の方は。
【澤田子育て支援指導官】  中山委員、お願いします。
【中山委員】  中山です。よろしくお願いいたします。
 まず、モデル事業というのは次年度から始まるということですが、次年度のいつぐらいから始まるのか、もし分かる範囲でいいので教えてください。
 そして、そのモデル事業でありますけれども、先ほどお話しありましたように、自治体単位ということで日本中いろんな自治体があります。人口規模ですとか、そこでの施設の数、公立、私立のバランス、教育委員会がリーダーシップを取りやすい、取りにくい、いろんなまちがあると思いますので、モデル事業でそういった幾つかのパターンがあぶり出されるようなことを期待したいと思います。
 そして次に、全体としての取組姿勢でありますけれども、架け橋ということで、幼児教育と小学校教育に関わる人たちが、お互いを尊敬し合うというか、そういった姿勢が大事かと思います。幼児教育というのは、教育全体にある意味革新をもたらすものだと思いますので、資料の1-1の1ページの課題のところ、5つ目の黒ぽつに、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿だけではカリキュラムの工夫や教育方法の改善、教育方法の改善が分からないとか、また次の6番目では、小学校で教育方法の改善に踏み混まずなんていうところがあるので、そういうところでお役に立つのではないのかと思っています。
 ただ一方で、我々幼児教育に携わる者も、先ほどお話がありましたように、主体的、対話的で深い学びをきちっと実践し、10の姿でそれを小学校の先生と語り合うような努力をする必要があります。それぞればらばらで共通性が見えにくいというところもありますので、多様な保育を展開しながらも、根底に流れる原理原則みたいなものを小学校の先生ときちんとやり取りできたらいいなというふうに、自分自身に置き換えて考えています。
 そしてもう1点です。小学校の先生が、本当にどうやったらこの取組に関わりやすくなるのかということをずっと考えていまして、そこでは、計画を中心とした仕事の仕方、ある意味で働き方に関わるところまで踏み込まないと、なかなか小学校の先生方が、急な予定変更は難しいですし、計画的に入れていく、また午前中の保育を御覧になりにくいなんていうことも経験しておりますので、その辺、資料1-1の2ページに幼児教育センターの設置なんていうことがありますけれども、そういったところがプラットフォームになってコーディネートしていただけたらと思います。
 それと、市町村の幼児教育センターは非常に重要だと思うんですけれども、幼児教育プロパーの先生がいらっしゃらないこともありますので、都道府県の幼児教育センターのサポートが重層的にあるといいと思いました。
 最後にもう1点、小学校の先生方が関わりやすくなるためには、先ほどお話ありましたけども、ICTを使ってオンラインのいろいろな事業とか保育の相互参観、動画の配信などが手だてとして必要なのかと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。いずれもこのプログラム、あるいは手引きに繰り入れるべきことです。最初に出てきたスケジュール、来年度ですよね。これについては、事務方として今言える範囲の、今言えると言っているのは、予算も決まっていないのでよく分からないかもしれませんけれども、何かありますか。
【大杉幼児教育課長】  おっしゃるとおり、予算が決まる前にあまりフライングで言ってしまうとあれですけど、今のところの事務局の予定としてはということですが、募集につきましては、1月ぐらいに事前の御紹介、予算成立しましたらさせていただきまして、各都道府県考えていただきまして、市町村、各都道府県。正式な募集は恐らく2月の下旬から3月頭ぐらいで、年度明けたら速やかに実施をしていただく。ただ、その実施というのも、開発しながら実施ということになるかと思いますので、もう既にいろいろな取組をやっているところは、もしかしたら年度初めからいろんな実践が始められるかと思いますけれども、先ほどバリエーションということで考えていくと、これからやるというところも恐らく選んでいく必要があるのかというふうに、今日の御議論で思いますので、そういったところはまず、いろんな議論から始める、体制づくりから始めるというようなところも、もしかしたらあるかもしれません。そういったいろんなバリエーションの中で対応していければと思っております。
 ありがとうございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
【中山委員】  ありがとうございます。
【無藤委員長】  それでは、次の委員ですけれども、いかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  藤迫委員、お願いします。
【藤迫委員】  箕面市の教育長の藤迫です。
 私から2点ですが、まず1点目は、4ページのところで少しお話がありました施設類型の違いを超えてということですが、さらに言うと、私の問題意識としては、市の手が届きにくい市外の私立の幼稚園ということもありますので、何が言いたいかというと、この5ページのカリキュラムの開発をつくり上げていくときには、多様な特徴、多様な取組が受け止められるような、少し幅のあるようなものにしていかないといけないのかと思っているのが、まず1点です。
 2点目は、手法論にとどまる意見で申し訳ないんですが、保育所、幼稚園と小学校をつないでいくというイメージを持つときに、私は第1回のときにお話しさせてもらいましたが、箕面市ではALTをたくさん採用して英語教育をやっています。当初は、小学校から中学3年生まで、なれ親しむことから、つなげる、発信するとこまでイメージをしてつくり上げてきたところに、ALTを利活用しようということで、保育所とか幼稚園にも触れるということで、決してこれは小学校教育の前倒しという観点じゃなくて、体験の延長線上で触れて、歌を歌ったりゲームをしたりということで、そういうことで、多分子供たちは英語に関しては保育所、幼稚園から小中まで一気通貫で割とスムーズにいけると思うんです。
 こういうことをもう少しイメージできる活動がないかと、私、いろいろ考えたんですが、箕面市の場合では、小学校のプールで幼稚園の子供たちが一緒に小学生と活動する。あるいは、小学校の運動場でドッジボールをするとかということで、運動、体育というキーワードは割とスムーズにそういうことがイメージしやすいのかと。
 もう一つは、小学校で言う生活の部分です。調べ学習というんですか、園庭にある植物、昆虫を見てきて、それを図鑑で調べるとか何かで調べるとかいうようなことは、小学校の低学年でも当然ありますので、そういうところもつながりやすい。
 何が言いたいかというと、この架け橋のところのカリキュラムのイメージするために、何か具体な実践をいろいろ集めてイメージしながらつくり上げていくということが大事なのかと思っています。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。具体的な提案を生かしたいと思います。
 それでは、次の委員。
【澤田子育て支援指導官】  溝上委員、お願いします。
【無藤委員長】  溝上委員。
【溝上委員】  おはようございます。桐蔭学園の溝上でございます。
 1点感想と1点コメントです。
 まず、取組が非常に先進的豊かで進んでいる自治体の幼保小の連携ということではなくて、国として1つプラットフォームをつくっていこうという取組ですので、それが今回非常に印象的な言葉として、質保障の保障が謳われています。高等教育だったら証明の証を使う保証を使うんですけど、ここでは権利といいますか、そういうものの保障ということで、この言葉が非常にインパクトあると思いました。これは感想です。
 1つコメントで皆さんおっしゃっていないところで、データのところをお話ししたいと思いますけれども、1ページ目に、データに基づくカリキュラム、教育方法の改善を促進と書かれていて、ここをぜひ積極的に進めていただきたいと思います。データというときに、すぐ指標の話になっていくんですけれども、個人的な意見としては、指標のところにあまり時間とか労力をかけ過ぎないようにして、特に10の姿とか、あるいは小学校、中学校、高校等の学習指導要領では、先ほどから出ている主体的、対話的で深い学びとか、あるいは思考力、判断力、表現力等の資質能力というものがもうかなり策定されておりますので、そちらにつなげて、先ほど秋田委員おっしゃった18歳までのという、その見通しをそういう形でつなげるぐらいにして、むしろデータの収集と、アセスメント結果から保育の質を高めること、ここにできるだけ注力していただければと思います。
 全国学力テストでもそうですけど、データというときに、各自治体がばらばらに取ったのをまとめても何も出てきませんので、ほんのちょっとでいいので、共通指標というんですか、それがあったほうが、探究みたいに、全国学力テストで、私の見ている限りでは、かなり威力を発揮したのは探究の効果だったと思いますけれども、そういうことが、ここでも共通指標によって何か得られるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。データのことは、実はまだ詳細の検討に入っていないので、今の御指摘ぜひ生かしていきたい。特に共通指標を持って全国的な動向を見られる工夫、どうするかとか、手間のかけ方などについても検討したいというふうに思います。ありがとうございました。
 次の委員。
【澤田子育て支援指導官】  中井澤委員、お願いします。
【無藤委員長】  中井澤委員、お願いします。
【中井澤委員】  一般社団法人ひととの中井澤です。
 私から、先ほどの溝上先生の議論を踏まえて、質保障に関して2点ほど意見を申し上げます。
 まず、スライド3ページ目にある対象の5歳児から小学校1年生、0から18歳の学びの連続性に配慮と書いてある点で、もしその学びの連続性として18歳までを視野に入れるのであれば、その評価だったり質保障のプロセスというのも、カリキュラムの評価、その就労時点の評価ではなくて縦断的なものになってくる必要性があるのかと感じました。これが、もしそのカリキュラムを終了時点、つまり小学校1年生だったり小学校入学前の時点に矮小化されてしまうと、必然的にそのターゲットとなる児童だったりとか幼児というのは、絞られてしまうのではないかと感じました。
 2つ目は、ここはまだ議論が進んでいないところではあると思うんですけれども、何をもってして質が保障されたとみなすのか、もしくはその基準について、それが妥当なのかというのは、かなり難しいところであると感じていまして、特にAをやればBが出るというふうに、アウトプットとアウトカムの可視化が教育だとほとんど不可能であると思うので、効果検証みたいな、過去志向の評価ではなくて、この改善に向けた提言とスライドでは書いてありますけれども、これをやって、将来にどう生かすかというようなフィードバック的な評価ではなくて、もっと未来志向な評価も重要になってくるのではないかと思いました。
 そういう意味で、対象となる小学校1年生の修了時点でこういうことをやって、それを踏まえて小学校2年生以降、どう生かしていくか、その先の18歳までどう生かしていくかという評価も取り入れたらいいのではないかと感じました。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。この質保障の中身、また、そもそも質とは何かという、質をどう捉えるかということ、また、それをデータにどう落としていくか、データをいつ取るか、どこまでフォローするかを含めて、今後といってもそれほど先ではなく議論を進めたいと考えております。ありがとうございます。
 次の委員、お願いします。
【澤田子育て支援指導官】  渡邉英則委員、お願いします。
【無藤委員長】  渡邉英則委員、お願いします。
【渡邉(英)委員】  すみません。よろしくお願いします。
 皆さんの議論を聞きながら、本当にいろいろ感じたことがありました。資料の1枚目の課題4つ目に、「スタートカリキュラムとアプローチカリキュラムがバラバラに策定され、理念が共通していない」という文章があります。そもそも、教えるとか、育てるという営みに対して、小学校もそうだし、幼稚園、保育園、認定こども園の中でも多分様々な教育や保育があり得るんですけれども、子供をどう見るかという理念が共通化していないような気がしています。特に、自分の経験からすれば、うちの母親のやっていた当時の保育は教える方向だった。それを遊びを重視したり、子供主体的という保育に変えていくと、主体性って何だとか、その子らしさとは何かというようなところが問われてきました。多分、今後、小学校がそのような問いに向き合っていくときの入り口として、多分スタートカリキュラムというのはすごく大事だろうと感じています。それは、スタートカリキュラムだから1年生の入学当初で、もちろん子供をどう見るかということも考えているんだけれども、そのときの子供の見方とか、子供の思いとかをきちんと大事にしていくことが、小学校教育そのものを変えていく突破口になるだろうと思っています。今後、学校がどう変わっていくか。また、もちろん園もどう変わっていくかというような、突破口的なところが今回の架け橋プログラムにすごく問われているのかと思っているので、理念をどう共通化していくかというところは、すごく大事だと思っております。
 そのときに、久保山先生も言われたんですけれども、例えば配慮が必要なお子さんに対して、専門家によっては訓練主義の方もいて、久保山先生はそうではなくて、子供と一緒になって生活するという、教え込むことではないというような、考え方があると、7ページ目に書いてある、例えばですけれども、「子供の姿や子供の変化に関すること」というのが「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」だけの話ではなくて、幼保小が一緒になって何かやろうとするときに、本当に今はかかわりの難しい子がいたりとか、グレーゾーンの子がいたりとか、複雑な家庭環境の子がいるときに、そういう子たちに対して、少し丁寧に見てあげたらみんなと一緒にいれられるようになっていきます。入り口としては、そういう子供の姿とか、子供の変化とか、子供の理解が、教育のプロセスとして、この7ページの2番目と3番目の中で丁寧やっていくことが、本当は子供の幸せとか、子供が育っていくことにつながっていくのだろうということがあったりする。その辺のところがきちんと今回の架け橋プログラムの中で示されることが素敵かと思っています。
 場合によってはというところで言えば、このカリキュラム開発会議を地方都市で開催しようと思っても、遊びに縁がない保育をしている園ばかりとか、学校の先生も教え込んだほうがいいという意識が強い教員が多い場合、わざわざカリキュラム開発会議を開いても、幼児教育の本質が広がって行かない可能性があるという現状もあるかと思っています。横浜の場合でいけば、好事例はあるので、好事例の先生たち、校長先生とか、指導主事の先生とか、教員の先生はいます。だけど、好事例が横浜市内の中でどう広がっていくかという、好事例をう広げていく好事例みたいなものが必要かと思っています。横浜は少し規模が大きいかもしれませんけれども、そういう意味では、最後、幼児教育アドバイザーという言葉にはなるんですけれども、他の先生もおっしゃっていましたけれども、僕は、横浜の場合は、校長先生とか、指導主事とか、教員の人たちが、幼児教育のこういう考え方がすごく大事だって思ってくれるという人たちがいていただけたというのが、多分、幼保小とか、接続期というか、今回の架け橋プログラムを進めていくときに物すごく大事だったと思っています。その幼児教育アドバイザーの中に、ある程度本当に小学校のことも分かりながら、ただ、その幼児教育の考え方をきちんと取り入れて進めていけるような方たちが、教育委員会とか、そういう部署にいてくださることというのは、すごく大事かと思っております。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。かなり基本的な理念というのが明瞭に見えるような形の文案を考えていきたいと思います。
 それでは、次の委員ですか。
【澤田子育て支援指導官】  黒木委員、お願いします。
【無藤委員長】  黒木委員、お願いします。
【黒木委員】  全国町村会、九州の西米良村の黒木と申します。
 本日の報告をお伺いいたしまして、詰め、まとめ、しっかりと進めていただき、感謝いたしております。
 その中で、幼保小の架け橋プログラムをしっかりと実現するためには、私たちのような小さな町村の役割も極めて大きく、それぞれの自治体が新たなしっかりとしたカリキュラム、それから、教育方針を設定することが極めて大事だと思っております。
 その中で、小さな自治体には、人的、質的、また機能的なものに厳しいものが現実にあります。それから、架け橋期の教育の質の保障をするためには、私たちは、他からのいろいろな力、機能、ノウハウを利活用したいと思っております。
 また、多数の幼保施設から1つの小学校に集まるので、幼保の時点でばらついていると、それを1つの機能としてしっかりまとめていくものが必要だと考えます。そのため、私は、幼児の教育センターとアドバイザーさんにぜひともお願いしたい。その上でそのような機能を強化して、そして広域的に利活用ができるという体制の強化を同時に図っておく必要があると考えます。
 全国的に質のばらつきとか格差が出ないように、しっかり展開しなければならないと思っておりますので、そのことを申し上げさせていただきます。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。ちょうど横浜市の話は、横浜市は恐らく自治体単位として一番大きいのだと思うんですけれども、同時に今、黒木委員のような市町村レベルで非常に小さいところもある。その両方をぜひ目配りというんですか、含み込んで、どちらでも可能な枠組みや援助体制をどうするかを本当に具体的に考えたいと思います。ありがとうございます。
 次の委員の方は。
【澤田子育て支援指導官】  岡林委員、お願いします。
【無藤委員長】  岡林委員。
【岡林委員】  高知県教育委員会幼保支援課の岡林です。よろしくお願いします。資料の取りまとめをありがとうございました。
 幼保小の架け橋プログラムの体制ができることで、資料1-1の最後のページにありましたように、幼保小の共通理解が進んで、子供たちの遊びの中の学びが充実し、それが小学校以降にしっかりと生かされることで、教育的内容の質の向上がより一層図られていくことが期待されます。各自治体が全力を挙げてバックアップをしていく必要があると思っているところです。
 お伝えしたいこととして3点あります。
 まず1つ目は、資料1-1の4枚目のイメージ案をもって進めていくに当たっては、自治体がまず目指す子供像を掲げて、一体となった取組を進めていけたらと思いますが、まずは、我が地域にどのような資源、よさや強みがあるかといった現状把握を広い視野をもってしておくことが重要かと思います。社会全体を巻き込みながらの取組に価値があるだと思いますので、保護者や地域の方、関係団体や養成大学などの取組など、資源を大いに活用していくことが、その地域なりの特性を生かした取組になるのではないかと思っております。
 2つ目に、こうしたことからも架け橋期のカリキュラム開発に当たっては、資料1-1の5枚目のような国の参考資料を活用しつつ、各園や小学校がこれまで蓄積してきた取組やよさを生かしながら、見直しや充実を図り、地域の特性を生かすことのできる柔軟性の余地のある開発にしていけたらと願うところです。
 ですので、このカリキュラムの開発イメージも、あくまでも参考ではあるかと思いますが、左側の項目例などについては、より現場の先生方の実効性のあるものに共通項目を整理してお見せできればと思います。
 また、先ほどからお話がありますように、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」や「主体的・対話的で深い学び」というところは非常に重要だと思いますが、0歳から18歳までを貫いて大事にされているところが「資質・能力」だと思いますので、そこの部分も参考資料等でも示していくということが重要ではないかと思います。
 3つ目が、同じく資料1-1の5枚目のイメージ案の中ほどにあります、各園・小学校において、「架け橋期の接続をコーディネートする者」の明確化と役割という点ですが、園と小学校のパイプ役となる市町村主管課との連携が非常に大切になってくるかと思います。
 ただ、ここでの困難さは、お話にも出ておりましたが、公立、私立等といった園校種が違うというところをどうつないでいくかといったところもあると思います。そこは都道府県の自治体がリードしていく必要もあるのではないかと思われます。そこで地域ごとに施策を検討していくことが大切になってきますが、それを進めるに当たっては、今回新しく「今後3か年を念頭として」と示されておりますので、その3か年というところでの大きな全体像とスケジュール感が見えてくるとさらに見通しが持てるのではないかと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。具体的な提言ですので、ぜひ酌みながら作っていきたいと思います。
 次の委員。
【澤田子育て支援指導官】  神長委員、お願いします。
【無藤委員長】  神長委員、お願いします。
【神長委員】  ありがとうございます。神長です。
 皆さんの意見と重なるところがあるんですけれども、私は1点、先ほど来から話題に出ているカリキュラムの開発イメージというところで、「遊びと学びのプロセス」というところについてお話をしたいと思っています。
 非常に具体的に提案してくださるので、イメージとしては伝わってくる、架け橋期のカリキュラムのイメージというのは非常に伝わってきます。もちろんこれが0歳から5歳までと、また、1年生、2年生、3年生とつながっていくというイメージはもっとここに欲しいとは思います。ただ、ここの架け橋というところをクローズアップしたのがこの図だと思うんですけれども、表だと思うんですけれども、ここで誤解が生まれると困ると思うところは、「遊びと学びのプロセス」というのが、こういうふうに時間軸で流れていくというふうに受け止められると、ここで一生懸命共有していこうという架け橋期の教育の方法として、また保育の方法として共有していくということが誤解されると。それほど5歳の4月から1年生の3月までに変わっていくというよりは、むしろここはクローズアップ、重なっていくというイメージがとても強いのです。強く持っているのです、私自身は。計画されたカリキュラム、あらかじめここの中に育ってほしい姿であったり、それぞれの園で展開される活動とか、生活科を中心とした単元活動というのは、あらかじめ教育課程や保育課程の中にあるわけですから、その地域として共有していくという意味で、1つの時間軸で描けるものだと思うのです。
 もう一つ大事なことは、実践しながら共有していくというそのプロセスがとても大事で、まさにこの「遊びと学びのプロセス」というのは、そのことを言おうとしているわけで、ここは、多分5歳の中で、遊びを通しての総合的な指導という中で、ある遊びと学びのプロセスと、1年生の生活科の中にある学びのプロセスとが非常に重なっているんだねということに気づくことによって、単元の指導方法も変わってくるし、遊びを通しての総合的な指導方法も変わっていくわけですよね。だから、実践しながらここは豊かにしていくというイメージなので、そのときには、時間軸で示す、あらかじめこんな学び方だよねというような時間軸であらかじめ示されるんですけれども、こんなふうに推移していくというものではないということと、そのためには、エピソードを記録の中で取りながら話し合うという、そういう合同の研修が必要なわけで、そのプロセスを見ながら、そういうわけでこの指導方法だったんだねということをお互いに気付いていくことだと思うんです。
 私が研究開発校で幾つか見たところの中で、実際の保育を見ながら、授業を見ながら、そういう意味で子供たちはこういう活動をしていたし、先生はこの指導方法だったねと気づくことによって、自分自らの指導を振り返られるので、そういう意味では、「遊びと学びのプロセス」をいかに豊かにしていくかということが、このカリキュラムがいいカリキュラムになっていくかということなのかと思います。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございました。その辺りがより明確になる表し方も考えたいと思います。
 次の委員。
【澤田子育て支援指導官】  齋藤委員、お願いします。
【無藤委員長】  齋藤委員、お願いします。
【齋藤委員】  大筋よろしいかと思います。私の希望としましては、文化という視点が欲しいと思います。子供の興味関心というのも、文化との出会いの中で生まれると私は思っております。
 ということで、今、この架け橋が必要なための、つまずきの1つとして、各家庭における文化環境の格差があると思うのです。要するに、子供たちが享受している幼児期で文化が随分違うと、そういうことで、それを、格差を是正するためにも文化というものを共有することが大切かと思います。
 今は、文化という言葉が入っていないようなので言うわけですけれども、具体的なイメージとしましては、例えば、文化としての日本語ということですね。日本語というのは、普通に私たちは使っていますけれども、文化としての日本語というのは、みんなが享受しているわけではないわけです。そうしますと、「にほんごであそぼ」を私は20年ぐらいやっていますので、文化としての日本語というものをこの幼稚教育で共有していただけると、言語教育としても小学校につながっていくのではないかと思っています。例えば、俳句というものは非常になじみやすいものですので、そのようなものをきっかけにということもあると思います。
 ということで、教材作りがその際大切になります。既に読み聞かせや音読ということもやっていらっしゃる方も多いと思うので、そういうものも先進事例として共有できればいいと考えております。ぜひ、全ての子供に文化をというコンセプトを入れていただければと思います。
【無藤委員長】  ありがとうございます。幼児教育も、小学校の低学年教育も、家庭における環境の格差の是正という機能を大きく持っているはずですので、文化的な豊かさというものを実現する。絵本とか、その他いろいろ御指摘のようなことはあり得るので、そこが見えるようにしていきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、次の委員はいかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  荒瀬委員、お願いします。
【無藤委員長】  荒瀬委員、お願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。教職員支援機構の荒瀬でございます。
 前々回でしたか、その前でしたか、鈴木委員からの御指摘がありまして、教職員支援機構として、研修の在り方について、ぜひ考えるべきではないかということでございました。
 それを受けまして、3点ご報告します。教職員支援機構で中央研修というのをやっておりますけれども、その中央研修の冒頭で、私、30分ぐらいお話をする時間がありまして、その中で、この幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会が設置されて、そこでこういう議論が行われているということの紹介と、小学校の先生方には、幼児教育についてもっと理解をしていただくという必要があるのではないか。あるいは、またその幼児教育を担当なさっている方には、小学校教育との交流というのもしっかりやっていただく必要があるのではないかということを申し上げているということが1点。
 2点目といたしまして、来年度以降の教職員支援機構の研修の中で、どのような形で取り入れるかということを、鈴木委員とも少し御相談しながらですけれども、具体的に考えていきたいということで、機構内で検討を始めているという御報告です。
 3点目といたしまして、これは最後ですけれども、当機構の英語名の略称がNITS(ニッツ)ですので、NITS大賞ということで学校現場の取組を応募していただいて賞を出しているんですけれども、今年応募がありました中で一次審査が終わりまして、最終選考に11本残りました。その11本のうちの1本が、1つの幼稚園と1つの小学校との関係において、幼児教育と小学校教育とをどうつなぐかというところでの取組でした。
 今後公開することになりますが、小学校教育と幼児教育の架け橋がしっかりとしたものになっていく、いろいろと試行錯誤をされながらよりよいものになっていく、子供を主語にしたものになっていくということを目指す一助になればと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【無藤委員長】  ありがとうございます。教職員支援機構として、幼児教育、あるいは架け橋についての研修を通しての援助を広げていただけるということだと思いますので、非常に力強く感じました。ありがとうございました。
 それでは、次の委員。
【澤田子育て支援指導官】  今のところ、挙手いただいているのは。
【無藤委員長】  あと、御発言いただいてないのは、村田委員がまず、今日いらっしゃるんでしたっけ。いらっしゃらない。そうしたら、榎本委員はいらっしゃいますか。お願いします。
【榎本委員】  ありがとうございます。東京大学の榎本です。
 まずは、大変な取りまとめありがとうございます。御提言、とても分かりやすいと思います。
 僕は、ヒトや動物の脳発達の基礎的な仕組みを研究する立場からいつもお話しさせていただいています。この会議で主として議論されているような発達時期は、ヒトでは脳神経回路の再編が最も活発に起こる、非常に大事な時期です。一言で言うと人の個性が生まれてくる時期です。言い換えると、多様なスペクトルが、ヒトの個性という形になって現れてくる重要な時期です。ですので、それをサポートする周囲の大人が最も意識すべきことは、一言で言うと『こうあるべき』と決めつけてしまわないことです。要するに、これができなければ駄目だとか、こういうことができないとおかしいとか、これができると将来に役立つのにとか言う、大人の先入観で子供を指導してしまうと、それは子供にとって、消化できないストレスが生まれてしまいます。動物の進化と同じで、ヒトの発達は予測不可能だし、最終的に何がベストなのかは誰にも予測できないのです。ですので、子供の多様性を担保できる環境を作るということがとても大事です。一方で、それは、教育の現場の方々からすると大変なコストを要するという事との裏表ですので、現場のバランスをうまく取れるようにサポートするシステムが必要になります。
 そのためのアイデアとして、御提案いただいたようなアドバイザー制度はとても素晴らしいと感じました。その次の問題は、どなたか今日も御発言されましたが、全体をどうやって上手くオーガナイズするかと言うことです。個々の現場で任せきりになると、たとえアドバイザーという素晴らしいシステムを作ったとしても、想定されているのは、個々の教育に既に関わっているような方々が中心になってやられるのだと思うのですが、新しいプログラムを始めようとすると、それにかなりパワーを割かれて疲弊してしまうというところがあります。ですので、長く続けていただくためにも、できるだけ効率的に実施できるシステム、つまり、オンラインを使うようなシステムが必須となります。それによって、情報の統合やシェアを効率的に進めることにより、現場の負担を減らす。
 具体的には、可能であれば、このプログラムの中で、うまいプログラムを設計される方や、キュレーターのような人も雇用していただいて、大きな枠組みを作るときにアイデアをもらうことを考えて頂くと良いのではないかと思います。
 私どもの経験上、そのときに、プログラミングやキュレーションが上手なだけの人を多く入れてしまうと、これは実はあまりうまくいかないのです。私どもの場合であれば、脳とか神経に興味があり、しかもプログラムやキュレーターの要素を持っている方が入ってくれると、一番実はうまく行きます。できればそういう能力を持ちつつも、教育システム自体にも興味を持ってくれるような方をうまくリクルートして一緒にやっていけると、受け身ではなく、自分から積極的に面白いアイデアを出してくれて議論が盛り上がるので、とても良いテンポで仕事を進めることができます。この辺りは文科省のご担当となると思うのですが、人材リクルートまで併せて、うまくオーガナイズして頂けるとありがたいです。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。大きな理論的見通しと、実務的な助言をぜひ生かしたいと思います。
 あと、村田委員、いかがですか。
【村田委員】  ありがとうございます。
 架け橋プログラムを家庭や地域にも普及するという文言があったりとか、あと、モデル地域のイメージ案の開発会議の中に教員等養成大学が含まれていたり、そういったところのいろいろな団体を含んだ会議をイメージしていただけていることに、非常にありがたいと思っています。
 一方で、こういったことが新たに始まるということに対して、学校現場というのは、負担感を先に感じてしまう傾向がありますので、例えば、カリキュラム開発会議のイメージにしても、既に今ある子育てについてとか、それから地域の子供たちを大切にしていく、例えばコミュニティスクールであったりとか、まちづくり協議会であったりとか、そういったものを一部アレンジすることでやっていけるんだよといったような、そういう開発事例も示していただけると、いろいろな自治体がそれぞれ自分のところでもやっていけそうかといったイメージを持っていただけるのではないかということを感じています。
 また、アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムがばらばらであるといったような課題がありましたが、小学校の先生方が一番感じているのは、自分たちの小学校に上がってくる子供たちの所属先が、多いところでいくと20以上あったりするのです。そこのどこに焦点を当てていいのかが分からないということをよくお聞きします。ということは、先ほどどなたかがおっしゃられましたように、子供をどう見るか、子供の行動をどう見立てるかというところが共通理解さえされていれば、そこがうまくクリアしていけるのではないかと思いますので、そういった意味でも家庭や地域への普及というのがすごく重要になってくるかと思います。
 これは国で随分頑張っていただくことになるのかと勝手に思っていますが、子供たちを大切に育てていきたいという願いというのはずっとあるわけですから、そういったところをうまくつないでいただくような仕組みをつくっていただけるとありがたいと思います。感想だけですが、よろしくお願いします。
【無藤委員長】  ありがとうございます。全国の試行するところの募集でも、そういった地域、家庭との広がりとか、既存の仕組みの活用とか、ぜひ考慮してお願いしたいと思います。
 1通り御出席の委員から御発言を多分頂いたと思いますが、あと二十数分ございますので、本日のヒアリングと申しますか、このプログラム案についての御意見を頂戴したんですけれども、少し広く御質問、御意見があれば、この際出していただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。特別委員会は、なかなか頻繁には開かれていないので、もう少し広い立場でとか、今後の展望とかで御意見があれば出していただけますか。いかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  中山委員、お願いいたします。
【無藤委員長】  お願いします。
【中山委員】  質問にもなるんですけれども、資料1-1の1ページのねらいのところにある、手引や教材等、教材ですね、それから、3ページの開発内容のところにも教材や研修等の開発、教材が出てきます。それと、また最後の8ページには共通資料ということも出てきて、その辺、自分が少し分からないので教えていただきたいのですが、教材というと本当に子供たちのための教材というのが中心だと思うのですが、私はこの架け橋プログラムのカリキュラムを作っていくときに、我々大人たちが学ぶ教材とかいうのもあるのかと思うのですが、そういう理解は合っているのか、間違っているのかということをお聞きしたい。
 それは、先ほど時間がなくて最後まで言えなかったんですけれども、小学校の先生たち、忙しい中で午前中の保育がなかなか見れない中で、保育場面を撮影しながら解説を入れていく、それって教材なのではないのかとか、それから、先ほど村田委員からありましたけれども、地域や親たち、保護者たちと共有していくときにも分かりやすいものが必要で、それも映像というのは非常に有効だと私は思うのですが、そういうのも教材なのか、はたまた共通資料というのはどういうものなのか、その辺、私自身分からないので、教えていただけたらと思います。
【無藤委員長】  その辺り、きちんと実は議論をまだしていないんですけれども、私のイメージでは、教材は子供が手に取るもので、資料とか手引きというのは先生方のためにという感じだったと思いますけれども、事務局から何かその辺についてのお考えがあれば。
【大杉幼児教育課長】  ありがとうございます。先ほど、曽木先生からも教材の件の御質問を頂いて、恐らくいろいろ分かりにくくなっているのだろうと思いますので、また検討チームの御議論を踏まえて、しっかり分かりやすく直させていただければと思いますけれども、基本的に、教材というのは、先ほど橋田からも御説明をさせていただいたように、かなり幅広く捉えております。
 その中で、基本的には、先生方自身がしっかり工夫したり開発していったりしていただくときに、そこのサポートになるようなものを手引きや参考資料として御提供していくことになるのかと思っています。
 一方で、先生方向けの教材、子供向けではなくて先生方向けの教材としては、スライドの3ページにもございますように、今回プログラムとしては、研修等の開発ということもセットでやっていきたいと思っておりますので、御指摘のような動画は非常に有効だと思いますし、いろいろなこういう架け橋期、それから学びの連続性、いろいろなことを御家庭も含めて普及していくという意味では、非常に動画というのは有効になるかと思います。恐らく文科省としてもいろいろ発信をしていきたいと思いますし、各自治体で発信する際、あるいは研修で使っていただくものの開発ということのサポートも両方でやっていくというような形になるかと思いますので、次回、もう少しイメージを具体化して御議論いただけるように工夫したいと思います。ありがとうございます。
【無藤委員長】  ありがとうございました。
 ほかに、どういう内容のことでも、御質問あるいは御意見、いかがでしょうか。齋藤委員、お願いします。
【齋藤委員】  これからモデル地区などで実践していくというときの、そういう希望を募るということもあるでしょうけれども、そういうときに、教材を作って実践するという、具体的にそういうのを進めるプロセスというんですか、種類があると思うんですけれども、パターンが、少しイメージを頂きたいということです。
 教材作りというのは非常に重要なことだと思うのです。それがもし全国に広まった場合、それが独り歩きというか、それが中心になっていくわけですから、そうなりますと、それを作るプロセスというのが最も重要なプロセスなので、そこが今回どういうふうになされていくのかというのを、少しイメージをお聞かせ願えればと思います。
【無藤委員長】  まだこれは検討委員会で議論もしてないんですけれども、事務局として、ある程度こんな感じというのはありますか。
【大杉幼児教育課長】  ありがとうございます。基本的には、スライドの4ページ目にございますような、カリキュラム開発会議の取組内容として、様々なカリキュラム開発・実践と、同時並行でやっていただくようなイメージかと思っております。
 ただ、先ほどのいろいろなバリエーションということの中で、どのようなことを共通的にしっかりお示ししてというようなことは、自治体のいろいろな取組状況によっても変わってくるかと思います。ですので、もしかしたら少し参考資料を手厚めにしたほうがいいようなところもあるかもしれませんので、少し検討チームの中でいろいろな御意見を頂きながら、次回、また御意見を頂けるようにしたいと思います。
【無藤委員長】  ありがとうございます。
【齋藤委員】  分かりました。どうもありがとうございます。
【無藤委員長】  私の今の感想程度のことですけれども、多分教材は従来よりたくさんいろいろなところで開発されていると思いますけれども、それは必ずしも全国的に共有されていないとか、あるいは、幼児教育側の開発と小学校側の開発が別々で、実はもっとつないだらよくなるのにというのが分かれてしまっているというのがあると思いますので、そういう既にあるものを併せていく、共有していく、交流していくことも含めて、そして新しい開発も含めてということだろうと考えております。ありがとうございました。
【齋藤委員】  ありがとうございました。
【無藤委員長】  それでは、また別な委員の方で何かあれば。
【澤田子育て支援指導官】  平川委員、お願いします。
【無藤委員長】  平川委員、お願いします。
【平川委員】  この教材について、重要なことだと思うのですが、先ほど何人かの方が、今回のこのカリキュラム開発について、自治体、教育委員会や学校がやりやすいようにと、大変御配慮いただいて、これはありがたいのですが、これを本気でやろうと思ったら、そんな甘いものではないと私は思っています。
 それで、今問題は、何か1つのものをつくって、それを共有化しましょうというのではなくて、ジャズ風な感じでやっていかないと、絶対うまくいかないです。それは、今私も、乳幼児から小中高、特別支援学校等を見て、探究のレベルは、小中高、特別支援学校、どこも正直質的に変わらないと思っていて、この探究のレベルをきちっと上げていかない限り、日本の教育は駄目なのではないかというくらいに思っています。
 だから、この乳幼児というのが起点ですけれども、本気で小学校から子供起点の個別最適な学びと呼べばいいのか、それとも子供起点と呼べばいいのか、何と呼ぶか分かりませんけれども、とにかく今の在り方を変えていかないと、不登校もがんがん増えていくし、絶対よくない。だから中途半端な生半可なことでこの幼保小のことをやっていくと、やることばかり増えたり、書類が増えたり、また、何というか、教材でこれやれとかあれやれというようなことが増えたりするので、ジャズ風に少し緩やかに捉えていかないと、今までのやり方で研究開発校をつくってやってというのは、何かとても違和感があるのは、私だけでしょうか。
 これで何かうまくいくという、そういう実感が全く湧かないのですが、ほかの方はどんなお考えでいらっしゃるか。これは本気で広島県はやろうと取り組んでいますが、ほかの方で、いや、そんなことないよとか、もし御意見がありましたら教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
【無藤委員長】  非常に核心的な問いかけで、本当にそこを考えなければならないんですけれど、1つだけ、誤解があるといけないので申し上げておくと、教材などについても触れましたけれども、これは全国一律で何か教科書っぽいものを作って配布するというイメージでは全くなくて、それぞれの地域なりに、あるいは園や小学校なりに教材を工夫するという在り方を広げる、そのためにはいろいろな資料というものを簡単に見られるようにしようというのは、どちらかというとイメージとしてはそういうことですけれども、今の平川委員の提起に対して、何か御意見等をぜひ頂戴できればと思いますが、いかがですか。
【無藤委員長】  では、事務局からお願いします。
【大杉幼児教育課長】  事務局から少し補足をさせていただきます。教材という言葉で、恐らく小学校以上の教材のイメージで御議論をされているので、誤解があるのかと思います。事務局でも言葉の使い方をもう少し丁寧に資料を御用意させていただく必要があると思いますけれども、基本的には、各園の先生方のカリキュラムとか、その教材開発ですとか、その力を上げていかないと、一律の何かを、これをやればいいんだということになってしまっては、幼児教育の本旨に反しますので、そのためのサポートをするためのものを提供していくということになるかと思います。最終的には、一人一人の先生方の資質・能力アップのためのサポートということが目的になるかと思っております。失礼しました。
【無藤委員長】  ありがとうございます。委員の皆様方からは何かございませんか。
【澤田子育て支援指導官】  秋田委員、お願いします。
【無藤委員長】  秋田委員、お願いします。
【秋田委員長代理】  ありがとうございます。学習院の秋田です。
 先ほどの平川委員のお話を伺っておりまして、私自身も大変触発をされました。なかなか幼小接続が、研究開発学校だとか指定校はうまく、何とかその期間、努力するんだけれども、それ以降なかなかつながりにくいということが、これまでなかったかとはいえません。そこに大きな課題があったとすると、ジャズ的ということで、私は、1つは、例えば今後、モデルの、これが皆さんと一致するかどうか分かりませんが、例えば、先ほども出ていましたし、私も体験している、オンラインで連携や交流、会議でやれるところはやってしまおう、そうしたらどれぐらい今まで、別に幼小だけではなくて、今後、小中や中高も考えるときにいいではないかと思います。また探求でうちは取り組んでみたらこんなふうにできるとか、それから、先ほど久保山委員が、特別支援のお子さんのところに光を当てるというような話がありましたけれども、例えば、今日はオチャンテ先生はおられないのだと思うんですけれども、外国籍のお子さんとか、本当に小学校でも工夫を学びたいとか、園でもいろいろなことで本当に子供たちのためにやりたいけれども、どうしたらいいのだろうというようなところで、こうやれば本当にいいよねというようなものが生まれていくことは必要です。何か、全園、全部の学校に平たくこのカリキュラムを開発して、みんなでやりましょう的なこれまでのような形ではない、ユニークな発想を取り出してやっていくということが、それがどこの県であろうが、どこの自治体であろうが、面白いものが共有されていくという時代だと思います。ですので、その辺りをどう実はモデル事業の中でも入れていくのかというのが、あの図だけだとなかなか伝わりにくいところだろうと思いますけれども、こうやれば今までより省力化するけれども面白いとか、本質的なところはここだというようなことが申請とかでも見えてくるように、全国でもそういうものがうまく伝わるようなモデル事業になるといいと、個人的には考えているところであります。
 多分従来の公立園と公立学校が悪いと言っている話では全然ないんですけれども、そこで開発されてきたモデルだけでは、今はもう立ち行かなくなっている。そういう中で、新たな発想でやれるものをモデルとしていくと同時に、そこに刺激を受けながらやっていくという方向があり得るのかとは思うところです。
 以上です。
【無藤委員長】  ありがとうございます。私も少し加えると、1つは、研究開発学校などですと、どうしても、何というんでしょうか、優良園とか優良小中学校をつくるというところで、それが完成したら広げるというモデルだと思うんですけれども、架け橋プログラムの場合には、とにかく来年度から全国的に動き始めるということで、そこで幾つかの拠点的な部分でまずは試行的に、そこはむしろユニークな、その地域ならではの試みでしてもらう。それは様々だと思うんですけれども、それぞれの地域で架け橋プログラムを通して、むしろ乳幼児の保育教育全体、小学校教育全体を活性化するような、そういう意味での架け橋ということをぜひ進めてもらいながら、それが少しずつ広がっていくと。
 その地域というのは、あくまで1つの園と1つの小学校の結び付きというよりは、その地域にある幼保、こども園、小学校の様々な結びつきを活性化するという方向を何とか国として応援、サポートして、そういう幾つかの元気になる拠点が生まれないのかというのは、私の非常に個人的な希望ですけれども、ただ希望を言ってもしようがないので、その辺に平川委員の言うような、かなり厳しく、同時に自分のところでなさるようなところもぜひ参考にしていきたいと思います。ありがとうございました。
 今のことやほかのことで、もう少し時間がありますけれども、お一人、お二人、まだ発言ができますが、いかがですか。
【澤田子育て支援指導官】  荒瀬委員、お願いします。
【無藤委員長】  荒瀬委員。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。
 平川さんのおっしゃったのは、実際に具体的な取組を現場がしていかない限りは、前に進まないのではないかということとして受け止めたのですが、それでいいのでしょうか。
【無藤委員長】  いかがですか、平川委員。
【平川委員】  そのように感じております。それは、乳幼児と、それから小学校だけではないですが、どこかの学校だけとかいうことではなく、全ての学校でやっていかない限り、現場がきちんとやらない限り、なかなか難しいので、そこは現場に入り込んで、伴走をしながら、絶対にはしごを外さないという、そういう意気込みでやらないと難しいという、そういうことです。だからそんなに甘いものではなくて、結構大変だということです。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。大変、何というんですか、中教審のこういう議論の場では、あまり皆さんが思っていらっしゃってもおっしゃらないことを平川さんはずばりとおっしゃったので、非常に気持ちよく承りました。
 この架け橋プログラムもそうですけれども、もっと言うと学習指導要領とか、あるいは中教審答申の理念であるとか、方向性であるとか、そういったことも、出したらおしまいではなくて、それについていかに理解を広げていくかが重要だと思います。先ほど秋田委員がおっしゃいましたけれども、面白いとみんなが思えるようなものが広がっていくのだと、定着するのだという、私もそう思いますので、これは何というのでしょうか、議論をやりました、こんなことがまとめで出ました、あるいは答申になりましたとか、それに関わってこんなことをやりましたという、その部分的な話ではなくて、本当に平川委員がおっしゃるように、全ての現場で、ではどう取り組んでいくのかということを、自分のこととして考えていけるようにするにはどうしたらいいのかという、これはほかのものも全て同じことが言えると思うんですけれども、それはぜひ考えてやっていきたいと思います。
 【無藤委員長】  ありがとうございました。少し方向が見え始めた気がいたしますけれども。平川委員のような、かなり長期的かつ現場目線で厳しく見ていただく方に御意見を頂戴しながら、具体化をより進めていきたいと考えております。
 時間がほぼ参りましたけれども、ぜひということがあれば受けますけれども。取りあえずよろしいでしょうか。
 なお、追加的な意見があれば、ぜひ事務局にメール、その他でお寄せください。
 それでは、今日はここまでとさせていただきますけれども、次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
【澤田子育て支援指導官】  次回の特別委員会につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
【無藤委員長】  それでは、本日予定しておりました議事は全て終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

お問合せ先

   初等中等教育局幼児教育課

   電話番号:03-5253-4111(代表) (内線2373)