学校安全部会(第9回)議事録

1.日時

令和3年12月22日(水曜日)16時00分~12時00分

2.場所

WEB会議(Webex利用)

3.議題

  1. 第3次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申案)
  2. その他

4.議事録

【渡邉(正)部会長】定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会学校安全部会第9回会議を開催いたします。
本日の会議は、報道関係者並びに一般傍聴者の傍聴を許可します。オンライン配信で傍聴いただいている方々には、傍聴登録者以外へ当会議の配信URLを転送することや、他への放映は固くお断りしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。
 
【朝倉安全教育推進室長】会議資料は議事次第のとおりで、資料1から資料3まで、参考資料は1から3までございます。お手元に御用意いただきますようお願いいたします。
本日は、中井委員を除きます17名の御出席をいただいておりまして、定足数を満たしていることを御報告いたします。
事務局からは、総合教育政策局長、藤原章夫、主任教育企画調整官、小松悌厚、男女共同参画共生社会学習・安全課長、石塚哲朗ほか、関係室長・課長補佐等が出席しております。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、議事1に入ります。前回11月26日の第8回学校安全部会をはじめ、12月1日の初等中等教育分科会、12月10日の総会において、委員の皆様から多くの御意見をいただきました。それを踏まえて事務局で修正しましたので、「第3次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申案)」について、文部科学省から御説明をお願いいたします。
 
【中村安全教育推進室室長補佐】総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課安全教育推進室の中村でございます。
議事1、「第3次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申案)」に関して御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
資料1-1は、第3次学校安全の推進に関する計画(答申案)概要です。答申案のポイントと構成を3枚にまとめております。資料1-2は、答申案の本体でございます。答申案の具体的な内容について、資料1-2をお手元に御覧いただきながら、前回の学校安全部会で御審議いただきました答申素案から変更した箇所を中心に御説明いたします。お手元には資料1-2を御用意ください。
まず、表紙の次のページ、目次を御覧ください。ローマ数字の2、学校安全を推進するための方策の中で、答申素案から2か所、項目の追加がございます。1つ目は、3ポツの(4)「幼児期、特別支援学校における安全教育の好事例等の収集・発信」、もう一つは、5ポツ(4)「学校におけるデジタル化の進展とサイバーセキュリティの確保」です。
また、項目の表現の修正がございます。まず、答申素案では、4ポツ(3)「学校事故の予防のための学校における安全文化の醸成」としていた箇所については、前回会議での委員の御意見を基に修正をしております。また、目次の5ポツ(1)「学校安全の「見える化」」としていた箇所について、前回会議での委員の御意見を基に修正をしております。そのほか、本文との表記をそろえるなど、細かな修正を行っております。
資料は1ページを御覧ください。「はじめに」の部分については、答申素案の段階では含まれておりませんでした。ページの中ほどにありますとおり、令和4年度から令和8年度の5年間を計画期間とする第3次学校安全の推進に関する計画であること、本計画に基づき、安全で安心な学校環境の整備や組織的な取組を一層充実させるとともに、安全教育を通じて、児童生徒等に、いかなる状況でも自らの命を守り抜き、安全で安心な生活や社会を実現するために自ら適切に判断し主体的に行動する態度の育成を図ることの重要性、そして、学校安全の取組は、安全に関する資質・能力を身につけた児童生徒等が将来社会人となり、様々な場面で活躍することを通じて、社会全体の安全意識の向上や安全で安心な社会づくりに寄与するという点で極めて重要であることなどを記載しておりますが、委員の皆様からの御意見もいただきたく存じます。
続いて、総論部分です。答申素案からの主な変更点は、3ページの一番下から始まる2ポツ、施策の基本的な方向性の部分となります。資料は4ページをお開きください。枠囲みの内部の修正として3か所ございます。まず、2つ目の丸には、「地域の多様な主体と密接に連携・協働した安全対策の推進」と答申素案ではしておりましたが、「子供の視点を加えた」という文言を追加させていただきました。これは、初等中等教育分科会において、子供の主体性や子供の参画を得て学校安全の取組を進めることが望ましく、そのような要素を第3次計画に加える必要があるとの御意見を複数いただいた関係での修正でございます。
次に、4つ目の丸、「実践的な防災教育を実施」としておりましたが、「防災教育」の後ろに「・訓練」を追加させていただきました。前回の委員の意見に基づき、修正をしております。
そして、5つ目の丸、「事故情報などデータを活用し学校安全を「見える化」」としておりましたが、「事故情報」の後ろに「学校の取組状況」という文言を追加させていただきました。枠囲み内部の修正点は以上となります。
その下の部分を御覧ください。前回の部会では、計画に基づき何を実施するかも重要ではあるものの、目標を明確に記載する必要があるという御意見をいただいておりました。答申素案では本文中に記載をしていた内容をこの位置にまとめて記載をするとともに、1つ目の丸、「全ての児童生徒等が、自ら適切に判断し、主体的に行動できるよう、安全に関する資質・能力を身に付けること」、この項目を新たに追加しております。
ここまで総論部分に関する主な修正点でございます。
続いて、ローマ数字の2、学校安全を推進するための方策について御説明いたします。4ページ、1ポツ(1)では、主に3つの修正を加えております。1つ目は、2段落目、答申素案では「校内安全委員会を設置したり」という表現をしていた部分について、記載を見直しております。ここでは、校長が学校安全を学校経営に明確に位置づけること、そして、校内安全委員会を設置すること、この2点を明示的に例示するように修正を加えております。
2つ目は、3段落目、「国は」で始まる段落については、新たに記載を追加しております。
3つ目は、5ページ、主要指標の部分です。上から2番目のポツ、校内体制の整備状況の部分に後ろに括弧書きで例示を追加したこと、上から3番目のポツ、学校安全において学校評価について扱っている学校数を新たに追加しております。学校評価に関する記載は、初等中等教育分科会の意見の中での指摘を踏まえた修正箇所でございます。
続いて、5ページの1ポツ(2)では、主に2つ修正を加えております。1つ目は、1段落目、学校安全計画の立案に当たって、学校医等が参与することとされていることを追記しております。前回部会でいただいた意見について、今後、学校安全計画の見直しにも学校医はどのように参与するのか、実態を含めた整理が必要という御趣旨の御意見をいただいたと理解をしておりまして、国の取組として、うまく進められている事例の収集・発信といった中で取り組んでいきたいと考えているところでございます。
もう一つは、主要指標の部分です。基本的な指標ではございますが、一番上のポツ、「学校安全計画の策定状況」を追加したことと、上から3番目のポツ、「学校安全計画について定期的に評価・点検し、次の対策につなげている学校数」を新たに追加しております。
6ページを御覧ください。1ポツ(3)では、主に2つの修正を加えております。1つ目は、2段落目の3行目、答申素案では「都道府県・政令指定都市単位の取組を支援する」と記載していた部分でございましたが、「学校及び学校設置者の取組を支援する」と修正しております。
もう一つは、主要指標の部分です。上から1番目のポツ、「危機管理マニュアルの策定状況」を追加したこと、上から3番目のポツでは、特に災害の種類や学校の立地を意識、上から4番目のポツでは、災害以外の事故等のリスクを意識、上から6番目のポツでは、学校におけるBCPを意識した追記を行っております。
なお、答申素案で記載のありました主要指標のうち、「管理的側面の職員の実践的な訓練の実施状況」については、この後の1ポツ(5)の研修・訓練の項目に関係が深い項目として整理し、ここからは削除をしております。
6ページ、1ポツの(4)学校における人的体制の整備については、前回の部会でいただいた御意見を踏まえ、修正を加えております。まず、1段落目3行目では、「管理職以外の」という文言を加えております。管理職以外の教職員が明確にされていることを不可欠としております。
2段落目、既に地域ごとでは、安全主任等を置くことで校内体制を整備する取組が行われていること、そういった取組も参考として、学校安全の中核となる教職員の位置づけを明確化するといった記載を追記しております。
3段落目、7ページになります。「国は、各学校における学校安全の中核を担う教職員の位置付けに関する実態を把握し、その結果を踏まえ、学校安全の中核を担う教職員が配置されるよう、制度上の位置付けを含め具体的に検討する」と記載を修正しております。
4段落目、学校における働き方改革の観点も踏まえた配慮の必要性を追記しております。
そして、主要指標においても、「管理職以外の」の追記や、学校安全主任あるいは学校安全主事など例示の追記を行っているところです。
7ページ目、1の1ポツ(5)では、答申素案から主要指標の項目数をまとめる意味での修正を加えまして、立て方としては2項目にしてございます。
続きまして、8ページを御覧ください。1ポツの(6)では、4つの修正を行っております。1つ目は、2段落目の正常性バイアスなど心理的な側面の用語、BLS、一次救命措置に関する説明を注釈として追加しております。
2つ目は、2段落目の5行目以降に、前回会議からの委員の御意見を踏まえまして、防災教育に関する教員養成段階での記載を追記しております。
3つ目は、3段落目、国の取組として、授業科目のプログラム等を作成し、大学等へ具体的な情報提供をするといった記載を追記しております。
4つ目は、主要指標について、2項目を新たに追加しております。
続きまして、2ポツ(1)家庭、地域との連携・協働の推進では、主に3つの修正を行っております。9ページを御覧ください。1つ目は、前回の部会でいただいた御意見を踏まえまして、2段落目と3段落目に、学校と地域の連携・協働と学校安全の双方が推進されることに期待できる、また、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動などの学校と地域の連携・協働の仕組みを活用するということについて記載を追記しております。
2つ目は、「また、例えば」から始まる最後の段落でございますが、PTAなど保護者の視点からの取組を推進すること、そして、国は、効率的で継続が可能な取組について検討し、普及を図ることなどを新たに追加しております。
初等中等教育分科会における意見では、答申素案では、PTAという主体がなかなか見えづらいという御意見もいただいておりまして、活動の具体例として、例えば、学校での安全点検、児童生徒等の見守り活動、そして、学校の所在する自治体における通学路の交通安全の確保に関する推進体制の参画といった例示を記載しております。
3つ目は、主要指標について、本文と合わせる形で2項目を新たに追加しております。
9ページからの2ポツ(2)については、答申素案の時点から全体的に追記を行っております。まず、丸1、通学時の安全対策の推進については、1段落目の1行目、答申素案では「通学時の安全は」としておりましたが、幼児期を含むことを明確にするために、「(通園時を含む)」と追記しております。
続いて、10ページを御覧ください。千葉県八街市で発生した事故を受けた国の対策に関して、具体的な記載をしております。また、各自治体における関係機関が連携した取組の強化等の推進を記載したこと、さらに、発達段階に応じた対応能力を子供が身に付けることや、自転車利用時の安全について新たに追加しております。
防犯の観点からの子供の安全確保については、登下校防犯プランに掲げる各施策を引き続き実施するとしております。
丸2、防犯対策における取組については、10ページから11ページにかけてでございます。政府として取組を行っている青少年の安全・安心なインターネット利用環境整備に向けた施策の推進に関する記載や、性犯罪・性暴力対策の強化の方針に基づく、被害の根絶に向けた取組について追記しております。
11ページを御覧ください。丸3の災害発生時の避難所運営に係る取組については、災害時に避難所の運営主体となる市町村の防災部局等との平時からの連携について追記しております。初等中等教育分科会の中でも、県立高校においては、学校設置者との関係もさることながら、地元の行政区との連携が重要といった意見もあったところでございます。
続きまして、11ページの3ポツ、学校における安全に関する教育の充実についてです。11ページからは、学校における安全教育の目標等について追記しております。
12ページを御覧ください。3ポツの(1)安全教育に係る時間の確保については、主に2点の修正を行っております。1つは、2段落目の3行目から、「東日本大震災の教訓も踏まえ、児童生徒等が危険を予測し、回避する能力を育成することが重要」といった記載を追記しております。
もう一つは、主要指標の部分です。ここでは、主要指標として新たに1項目を追加しております。
3ポツ(2)地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育の充実については、記載も多い部分でございまして、前半を防災教育の重要性・必要性、後半を防災教育に係る取組、として見出しをつけて記載を分けております。まず、前半の部分では、前回の部会を受けて委員から御意見をいただいておりまして、防災教育に関する児童生徒、また、その地域への波及効果に関する記載や、「社会に開かれた教育課程」といった文言を追記するなど、記載の具体化を行っております。
また、13ページの中ほどに避難訓練に関する記載をしている箇所がございますが、委員からの御意見も踏まえて、記載を具体化させていただいております。「例えば」というところで、訓練の想定に関する記載を追記しております。訓練の単発の取組ではなく、子供たちの資質・能力を身につける場としての課題解決の学習の流れとなるような、計画性のある訓練になるよう見直しを図る必要があるとしております。
また、後半の防災教育に係る取組については、13ページの一番下の段落、幼児期からの防災教育に関して記載を具体化しております。
14ページを御覧ください。委員からの前回の部会で寄せられた御意見を踏まえ、避難訓練の取組に関する内容の具体化をしております。実践的な避難訓練の実施を推進するということと、そのための環境整備が重要であるといった御意見をいただいていたところでございます。
また、主要指標の部分につきましては、数多くの御意見をいただきまして、全てを列記する形にしますと、多くの項目が並ぶことになりますので、本文の記載と対応する項目についてまとめるように試みたところでございます。御意見をお寄せいただき大変ありがとうございます。追加の御意見もいただければと思います。
14ページ、3ポツの(3)教育手法の改善については、主に2つの修正を行っております。1つは、3段落目、「安全教育を効果的に実施するためには」から始まる段落を新たに追加しております。前回の部会での委員からの御意見を踏まえて追加をした箇所でございます。
もう一つは、15ページの2段落目、「各学校は」から始まる段落を新たに追加しております。
15ページ、3ポツ(4)幼児期、特別支援学校における安全教育の好事例等の収集・発信についてです。答申素案の段階では、特別支援学校に言及する記載がございませんでしたが、もともと学校安全について語る際には、幼稚園から始まる学校を広く含むもので、特別支援学校に関する特別な言及がなくとも、特別支援学校を対象に含むという考えではございましたが、他方で、特別支援学級の数も増加している中で、センター的機能を果たす特別支援学校の役割、また、その取組の好事例の収集・発信については新たに追記をさせていただいた部分でございます。答申素案の段階で幼児期について記載をしていた箇所と、特別支援学校の取組に関する箇所をここでまとめて記載させていただいております。
15ページ、3ポツの(5)については、大きく3つ修正を行っております。次の16ページを御覧ください。「また」から始まる2つ目の段落、新型コロナウイルス感染症対策とマスクの着用による熱中症リスクに関する安全対策との両立といった、新型コロナウイルス感染症対策と学校安全の関係につきまして追記しております。熱中症予防の観点からのマスク着用に関する考え方につきましては、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル等を踏まえた取組について、一層の周知を図るとしております。
2つ目は、サイバーセキュリティに関する記載の追記になります。児童生徒等にID・パスワードの適切な管理について指導するなど、これまで以上に情報モラルやサイバーセキュリティに関する教育を充実させることが重要であることから、国は、サイバー防犯に係るボランティア等との連携も図れるよう、サイバーセキュリティに関する注意事項の啓発等に取り組むとしております。
前回の部会でいただきました、ランサムウェア等による学校へのサイバー犯罪の脅威といった箇所については、最後の5ポツ、横断的な事項等の部分にも記載しているところでございます。
16ページ、4ポツ(1)安全点検については、丸1の部分、学校における安全点検に関する手法の改善について、新たに追記しております。丸1では、学校における安全点検は、教員等による日常の安全点検と、法令に基づく定期の安全点検といった、そういった点検の種類の違いもございますし、前回の部会でも、安全点検そのものが整理される必要があるのではないかといった御意見をいただいていたところでございます。
16ページの2段落目、「児童生徒等の安全の確保を図る上で支障となる不具合を判断する具体的な基準など、安全点検に関する標準が明確でない点も指摘されているところであり」といった、これまでいただいた御意見も踏まえまして、17ページ、「国は」から始まる段落でございますが、子供の視点を加えた安全点検を推進することや、学校管理下で発生した死亡事故や重大事故から得られた情報を基に、類似の事故の発生を防ぐための学校向けの定期点検要領の作成について、第3次計画期間中の可能な限り早期に検討し、普及を図るとしております。
17ページの丸2、学校設置者による点検・対策の実施につきましては、大きく2つ、修正を行っております。1つは、1段落目の上から5行目、「また、災害時においても、発災直後の施設の安全点検等が迅速かつ適切に行えるよう、専門家との連携など実施体制の構築を検討することが重要である。このため、学校設置者は、学校の施設・設備の設置状況や児童生徒等の多様な行動を考慮の上、専門的な点検を実施して不具合を早期に発見し、適切な維持管理を実施することにより、事故を未然に防いでいくため、技術職員が在籍する首長部局との連携や民間委託等により点検体制の強化に努める。また、校長からの申し出や専門的な点検により把握した不具合をできる限り早期に解決するよう努める」と書かせていただいております。「民間のノウハウの活用」という記載も答申素案ではございましたが、具体的には民間委託等を活用することを想定した学校設置者による体制の整備ということで、記載を修正したところでございます。
また、それに合わせて、主要指標の表現を修正しております。国の取組として、専門的な視点からの安全点検の実施体制について、実態を把握し、必要な取組を強化するという視点から主要指標を追加しております。
17ページ、(2)施設・設備の安全性の確保のための整備につきましては、まず、17ページの一番下の部分にございますとおり、国立学校等の施設についての老朽化についての記載し、また18ページにわたりまして、公立学校と同様に老朽化対策を推進するとしております。
また、「国は」から始まる18ページの2行目からの段落でございますけれども、事例集や手引書等の作成・普及に努めるとともに、必要な予算額を確保し、学校設置者を支援するという記載を追記しております。
その下の「将来の発生が懸念される」から始まる4段落目でございます。1行目から2行目にかけて、地域の流域治水の取組も踏まえつつといった流域治水の考え方や、段落の最後の部分、「学校に設置されている防災に関する設備自体を、学校における避難訓練など実践的な防災教育に生かしていくことも重要といった記載を追記しております。
また、その下の、「民間のノウハウを活用」という記載が答申素案ではございまいたが、こちらも同じ趣旨でございますので、民間委託等による整備事例・手法の蓄積等と記載を修正しております。
続いて、18ページの(3)重大事故の予防のためのヒヤリハット事例の活用でございます。前回の部会で、ヒヤリハット事例の活用の範囲について、また、学校安全文化の醸成という項目との関連性について、御意見をいただいていた部分でございます。御意見を踏まえまして、ヒヤリハット事例について、「重大事故につながり得るヒヤリハットの事例」という記載に修正をしておりますほか、子供の視点や意見も踏まえつつ、という記載を追記しております。
19ページ、4ポツの(4)につきましては、答申素案からの大きな修正は行っておりません。
19ページ、5ポツ(1)でございます。学校安全に関する情報の見える化、共有、活用の推進、まず、項目の名称についてと修正しております。
丸1としては、学校安全に係る調査の実施とモデル事業等の成果の周知でございます。国で行っております学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査について、その実施状況の把握はもちろんですが、分かりやすい形でその結果を公表すること、また、国の行うモデル事業や調査研究事業等として、第3次計画の推進事項は重点的に取り組み、成果や事例を分かりやすい形で周知するとしております。
20ページを御覧ください。丸2、学校現場における事故情報等の効果的な活用の推進でございます。こちらは、日本スポーツ振興センターに蓄積されている災害共済給付に関するデータ等について、関係省庁間での共有を図るとともに、教科や場面に応じた分かりやすい啓発資料の周知、情報共有、効果的な活用を図るとして、記載を修正しております。
丸3、設置主体に関わらない取組の推進については、答申素案から追加した項目となってございます。学校安全につきまして、設置主体の違いにより必要な情報や取組に差があってはならないが、教育委員会が主催する教職員向けの研修等の多くは公立学校の教職員を対象としていることなど、国立・私立学校の場合、公立学校と比べて、学校安全に関する研修等に関する情報や機会が少ないのではないかということから、国の取組として、必要な情報や研修について、設置主体の別を問わず行き渡るような取組を、関係団体と協力を図りながら一層強化するということを記載させていただいております。
5ポツ(2)、科学的なアプローチによる事故予防に関する取組の推進につきましては、「国は」の後の取組について、具体的な記載を追記しております。
(3)学校安全を意識する機会の設定の推進につきましては、前回の部会でいただいた御意見も踏まえまして、4行目以降、「各学校の「学校安全の日」の設定においては、それぞれの地域の地理的及び歴史的特性や災害リスクなど地域の実情を踏まえた設定を推進する」と追記しております。
21ページ、5ポツ(4)学校におけるデジタル化の進展とサイバーセキュリティの確保については、答申素案から新たに追加した項目でございます。学校におけるデジタル化の進展が期待される一方で、大きな社会問題となっている学校におけるサイバーセキュリティの確保について適切に対処していくために、警察等の関係機関と連携しながら、教育委員会における教職員に対するサイバーセキュリティに関する研修の充実を促進するとして追記をさせていただいております。
(5)学校安全に関する施策のフォローアップにつきましては、答申素案からの大きな修正はございません。
これまでいただきました御意見につきまして、反映を試みてみたものでございますが、十分に反映できていないところもあるかとも存じます。ぜひとも御審議をいただければと思います。私からの説明は以上でございます。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。
それでは、本日御出席の委員の皆様から御意見をいただく時間を取りたいと思います。まず最初に、事務局から御説明ありました答申案の内容について、御質問や意見がございましたら、発言をお願いしたいと思います。
本日は、学校安全部会として最後の会議ということもございますので、これからいただく御質問、御意見とは別に、最後に皆様からお一人ずつ御感想などをいただく時間を設けたいと思っております。ですので、30分程度、最後のほうに残したいと思いますので、まず最初に、今の答申に対する御質問、御意見をお願いしたいと思います。質疑・討議のおおよその目安としては、17時35分ぐらいまでとしたいと思います。
それでは、もし御意見がございましたら、チャットのほうからお願いします。まず、大木委員のほうからお願いします。
 
【大木委員】申し上げようと思っていたことがあったので、1つだけ、すみません。反映、ありがとうございました。
1点、前回の後で、私が詳しくこれも反映したらいかがでしょうかというふうにお伝えし切れなかったことがあったので、1つ、学校における安全管理という4の(1)学校における安全点検の丸2、学校設置者による点検・対策の実施というところで、「また、災害時においても、発災直後の施設の安全点検等が迅速かつ適切に」というところがあると思うんですけれども、そこに、よく学校関係者から絶えず質問に上がることで、『断続的に発生する余震にどのくらい耐えられるか』というのがあるので、例えば、「発災直後の施設の安全点検や断続的に発生する余震にどのくらい耐えられるか等の情報は迅速かつ適切に共有されるべきであり、専門家との連携など」というふうにつなげたらいかがかなと思いました。また後で文言をお送りするので、適切かどうか判断していただいて、もしよろしければ反映いただけたらと思っています。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。渡辺弘司委員、今大丈夫ですか。
 
【渡辺(弘)委員】すみません。今、事務局の人が一生懸命やってくれたんですけど、申し訳ありません。
簡単に3点だけ。今さらなんですけれども、意見というよりも、ちょっと教えていただきたいことがあるんですが、主要指標というのがたくさん決まっていますが、全部文科省がこれを主導的に調べられるのか。どちらかというと、市町教育委員会とか都道府県の教育委員会がこれを自前で全部調べて、情報共有することによって、その地域の学校安全のレベルも上がっていくように思います。誰がどうするかということが、これだけだとちょっと分かりにくいような気がしまして、文章の中に書かれることではないかもしれませんが、この主要指標をどう使っていくかということを明示するか、通知されたほうがいいかなと思います。そうしないと、誰かがやるだろうと思っていたのでは、いつまでもやれないし、文科省がこれを全部毎年調査するというのも非常に難しいことだと思いますので、ぜひ使い方をうまく通知していただくか、どこかに書いていただければと思います。
それから、5ページのところに学校医を少し書いていただいたこと、大変ありがとうございました。ただ、文章のつながりからすると、学校医等が積極的に参画するぐらいを書いていただいて、もっと働けと言っていただいたほうがありがたいなという気がいたします。
それから、19ページのヒヤリハットのところ、丁寧に書いていただいたんですが、ヒヤリハットは、基本的には何か気がついたことを、何でもいいから挙げていくというところが一番大事なことで、それが重大事故につながるかどうかというのは、第三者が評価する、もしくは、分析して評価するものだと思うんですね。だから、学校内で共有するということも大事ではあるんですが、ヒヤリハットの報告数がどうかということは、やっぱりその学校がどれだけ注意を払ってヒヤリハットに取り組んでいるかということにつながりますので、できれば、主要項目の中にヒヤリハット事例の数と分析というのが入ったほうが具体的でいいんじゃないかなと。評価もしやすいかなというふうに思いました。以上でございます。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。では、文科省のほうから。
 
【中村安全教育推進室室長補佐】事務局の中村でございます。渡辺弘司委員からの1点目の主要指標に関することについて、補足で御説明をさせていただきたいと思います。主要指標につきましては、第3次計画の計画期間中に予定しております、文部科学省が行う取組状況調査の調査項目としていけるように、計画に記載した事項のモニタリングをしていくための指標として考えています。学校が行う取組もございますし、学校設置者などが行う取組も主要指標には混ざっておりますが、学校向けの調査で聞く項目と、学校設置者向けに聞く調査項目が分かれることを想定しています。
取組状況調査の項目へ反映されていくという関連性について、答申素案の中でうまく表現できなかったところでございますが、そのようなものとして御理解いただきたいと思っております。
 
【渡邉(正)部会長】よろしいでしょうか。次に、今度は藤田委員からお願いします。
 
【藤田部会長代理】大阪教育大学の藤田です。答申案を大変分かりやすくまとめていただき、ありがとうございました。
私のほうから1点、答申案の9ページの3段落目、「国は、コミュニティ・スクール等の仕組みを活用した学校と地域の連携・協働による防災教育の充実が図られるよう、防災に関する知識・経験を有する地域人材の育成を支援する」なんですが、この中に、当然、コミュニティ・スクールの活動の中で警察OB等もありまして、防犯という観点で、例えば、防犯活動や防災教育の充実、また、防犯・防災に関する知識・経験というふうな形で、犯罪予防という観点も、地域の連携ということについても、可能であれば触れていただきたいなというふうに感じました。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。では、次は小川委員、お願いいたします。
 
【小川委員】よろしくお願いします。幾つかあるんですけれども、まず、1番目ですが、主要指標のことについてですけれども、政策評価する上でこういった指標を常に把握しておくというのは、とても大切なことだなと思いました。
ただ、拝見させていただくと、私が、第1回部会のときに申し上げたと思うんですけれども、アウトプット関連の指標が多いような気がします。こういうことをやっていますかといったら、やっていますと。取り組んでいる学校の数だとか、アウトプットが主であって、本当に実質的に効果が上がっているのか、成果が上がっているのかという成果指標が足りないなと思って、第1回目部会のとき申し上げたと思います。4ページのところにあるのは、事故数だとか、傷害の件数だとか、負傷の件数だとか、発生率とかいうのは、これは最終アウトカムだと思うんですけれども、中間的なアウトカムを何か入れてもいいのかなと。例えば、児童生徒の意識、態度、行動がどう変わったとか、児童生徒の主体的な教育活動がどれだけ普及したかとか、そういった中間アウトカムの指標があれば、最終アウトカムを予測できるので、そういった指標を入れたらどうか。もう少し指標のところを、アウトプットと中間アウトカムと最終アウトカムに整理する必要があるかなと思いました。
といいますのは、防災教育の最終アウトカムは、実際、災害が起きてみないと分からないわけで、非常に生々しいことになってくるんですけれども、それで評価していくということはとても難しい話なので、中間アウトカムの部分をやはりしっかり把握していって、子供たちが自分の命を守ろうとしているということを把握していく必要があるのかなと思いました。これが1点目です。
それから、2点目は、6ページ辺りに書いている、マニュアルの見直しとか、学校安全計画の立案ということですけれども、これは第1次のときから言われていることであって、実際に現場は忙しくて、見直したいけどなかなか見直す時間や余裕もない。1人の教員が様々な業務を抱えているので、何かがあれば見直すけど、なければ昨年のものをただ焼き増ししているというのが現状かなと思います。
質的にもう少し向上させていこうと思えば、もう一歩踏み込んでもいいのかなと思っていまして、例えば、いろいろな研修会が行われている中で、中核的な教員が研修会の中でお互いそれぞれの学校が持っているマニュアルだとか学校安全計画を持ち寄って、お互い見直し合うとか、お互いチェックし合う。そういう情報交換の場を、あるいはワークショップみたいなものを開催していけば、より水準は上がっていくと思うんですね。学校安全計画とかマニュアルを効果的に見直していく方法について、もう一歩踏み込んだ記述があるといいかなと思いました。
以上です。追加意見については、また時間があれば、申し上げたいと思います。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。それでは、次に、首藤委員お願いします。
 
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。事務局の方、前回までの各委員の御意見を様々反映していただいて、本当にどうもありがとうございました。
私からは、ささいな点も含めて、4点ほどあえて申し上げたいと思います。まず1点目は、前回も、私を含めて多くの委員が指摘をしました、中核を担う教職員というものの取扱いについてです。今回の答申案を拝見しますと、例えば、7ページですかね。制度上の位置づけも含めて具体的に検討するというようなところまで大分踏み込んで書いていただいたなというふうに、非常に私から言うのもなんですが、すごく高く評価したいというふうに思っております。
それを考えますと、ちょっと残念だなと思うのが、本編のほうには、中核を担う教職員という表現について、例えば、具体的に学校安全主任という文言を追加されたり、あるいは、管理職以外のというような表現を追加されたりしているんですけれども、資料1-1の概要版のほうがそのような表現の追加がないものですから、このまま見ると、前の計画とあまり変わっていないように見えてしまうんじゃないかという気がしました。多くの方が概要をまず御覧になることも考えると、この概要のところにもぜひ強く聞こえるようにというか、見えるように表現を追加していただきたいなというふうに思います。それが1点です。
それから、ここから先はちょっとささいなことも含めて、気づき事項になります。3点ございます。まず、本編の5ページの上のほうにある主要指標の3点目、「学校安全について、学校評価において扱っている学校数」というのを入れていただいたということで、これは非常にいいことだというふうに私も思います。ぜひこれで測っていただきたいと思いますけれども、この表現がちょっとこなれていないというか、分かりにくいのでは。多分おっしゃりたいのは、学校評価において学校安全に関する評価項目を挙げている学校数とか、そういうことだと思うので、ここをもうちょっと分かりやすい表現にされたらいいのではないかなというふうに思いました。
それから、その次が10ページになるでしょうか。10ページのちょうど真ん中辺の段落、「これらの取組とともに」というところから、発達段階に応じて、様々な効果的な安全教育の手法の普及を図るということが追加されたというふうに、先ほどの御説明で伺ったように思います。
ただ、ちょっとここ気になりますのは、この項目は安全教育に関する項目ではなくて、関係機関との連携による安全対策の推進という項目なので、こういう教育を推進するということそのものがここに入っているのは何となく違和感があります。この効果的な安全教育をいろいろな関係機関と協力して推進するということを述べるのであれば、ここに入っているのが分かりますが、そうでなければ、安全教育とか防災教育の項目のほうに移動したほうがいいのではという気がしますので、ちょっと御検討ください。もしかしたら私の読解力があまりなくて、理解が間違っているかもしれませんが、御説明を伺っていて、そのように思いました。
それと似たようなことが、14ページで御紹介いただいた、14ページの一番上のところですかね。さらに、学校設置者や専門機関と協力して、避難訓練を実施するというようなことで、避難訓練をしっかり実施できるようにというようなことがここに挙げられているんですが、この項目、ここの位置づけは実践的な防災教育の充実なんですが、避難訓練というのは防災教育なんでしょうかというのが気になります。例えば、緊急地震速報受信システムやトランシーバーなどを生かしてというのは、防災教育というよりは、むしろ管理の部分でしっかりとやっていくべきという話なのではないかと思いまして、ちょっと位置がここにそぐうのかなと疑問に感じました。これも、より適切な場所があれば、そちらに移動していただければいいのかなというふうに思います。私からは以上でございます。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。それでは、次に、𠮷門委員お願いします。
 
【𠮷門委員】𠮷門でございます。これまでの議論をこのようにおまとめいただいて、ありがとうございました。
その中で、少し今日申し上げたいことは、大きく3点ほどになると思っていますけれども、細かい、ここの書きぶりがということではなくて、これはお願いといいますか、この推進計画が出された後のことが、要するに、実現性を高めるためにどうかという観点で、少しお願いを申し上げたいと思っております。
まず1点目は、中核となる教員のところです。先ほど首藤委員もおっしゃられましたように、具体的に検討するというふうに書いていただいたところは非常にありがたいなと思っておりますが、これはぜひ具体的に検討した結果、それから、全国の状況を把握した結果、何もなかったということにならないように、これはあくまでも具体的に、これ、1次計画のときから言われております3次計画ですので、やはり今後の学校安全の推進のための強力な策の一つとして、きちんと制度化するということを本当に前向きにぜひ御検討いただいて、実現していただきますように、これが推進計画が閣議決定された後の国の施策を非常に注目して見ていきたいと思っておりますので、ここはぜひお願いしたいというふうに思っています。
やはりいろいろなことが、これまでも様々な事件や事故、そして、自然災害が大きくあった中で、第3次計画を今迎えているわけでありますけれども、少しずつ進められてきたと思いますけれども、このタイミングでやはりしっかりとこれからの10年20年の学校安全、子供たちの命を守る学校の取組のためには、やはりこれがどうしても重要な、ここがターニングポイントになったなと言えるようなものにしていただけたらなというふうに思っています。
2つ目としましては、関係機関との連携というのがたくさん出てきます。防災分野でもそうですけれども、全て主体が学校なのかというふうなことを、少しそういう視点で見ていただきますと、学校から全てそういうふうにアプローチしなければならないのかというふうに学校が誤解してしまわないように、例えば、学校には避難所機能というのが求められている地域もたくさんあるわけでありますけれども、そういうところの避難所の開設とか、そういうところの主体は学校ではないはずでありますから、ただ、学校も、いきなりそういう避難の方がたくさん押し寄せてきたときに学校が困らないように、学校運営も円滑に進めていけるようにするために、事前に地域の方や関係機関と連携をして、学校が何をなすべきかということをしていきましょうという観点だと思っておりますが、地域によって、全ての地域でそうではないのではないかというふうに今までの経験上思っていまして、それぞれの市町の防災担当部局が主体性を持って学校にアプローチできているのかどうか、それぞれの中で、避難所として置いている学校に、例えば、避難確保計画をつくらなければならない学校が避難所にも一方では指定されているわけでして、その辺りのことも整理ができているのかということも含めて、ぜひ関係機関の、中央省庁の中での連携として、学校だけが主体性を持ってやるのではなくて、そういうところは学校には知見が一番薄いところでありますから、それぞれの担当部局のほうからのアプローチも積極的に行っていただけるような国のほうでの取組もぜひお願いしたいと思います。
それから、3つ目としましては、安全教育に関わってです。先ほど小川委員がおっしゃいましたけれども、当初からここも、安全教育の手法というのは、これまでも様々に開発されてきて、いろいろな手法がある。それをどのように使って、何ができるようになればよいのか。要するに、アウトカムですよね。子供たちにどのような安全に関する資質・能力――安全に関する資質・能力って一言で言っても、様々な分野によっては異なっていくものでありますし、何ができれば1年間しっかりと安全教育の成果が上がったと言えるのかという、そこのところもどういうふうにそれを学校が考えていけばよいのかというのを具体的にお示しいただけると、非常にありがたいなと思います。それはこの推進計画の中に書き込むということではなくて、この後、施策としてそういうことが学校に分かりやすく示されるようにお願いをしたいと思っております。
以上が大きく3点で、雑駁な言い方になりましたけれども、この計画は計画として、この後、学校が何をすればいいのかということがどれだけ分かりやすく伝えられるかということが重要だと思います。
それから、プラスアルファで、これは本当に感想、印象でしかないのですけれども、今回は、この5年間に起こったことの様々なことを踏襲されて、このような書きぶりになっているということは重々承知していますけれども、例えば、防災一つ取っても、東日本大震災から10年、まだまだこれからどのように実践的な防災教育にするであるとか、訓練の在り方とか、見直しがということが様々書かれていく中で、どんどんどんどん分野が広がってきているという印象があります。
例えば、「生命の安全教育」などという言葉が新しく入ってまいりましたし、これはそれまで、例えば、性被害ということはこれまでも課題としてなかったわけではないのですけれども、安全の推進計画の中にそのことが中心に入ってきたりとか、あるいはサイバーセキュリティの対策のことなどが安全の推進計画に書かれるようになってきたとか、いろいろなものがすごくデパートのように書かれているというのが、この3次計画という印象を受けてしまいました。
ですから、やはり元に戻りますけれども、この後、どのように学校が何をすればいいのか、子供の命を守るためにこれだけはやりましょうということをきちんと見えるような施策をぜひお願いしたいと思います。以上でございます。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。それでは、引き続き、次は北村委員、お願いします。
 
【北村委員】産総研の北村です。非常にたくさんの意見をうまくまとめていただいて、ありがとうございました。
私からは3点ほど、少し細かい点も含めて、幾つか御意見を申し上げられればと思っております。
1点目は非常に細かいお話なんですけれども、10ページ目の真ん中辺りにある主要指標の少し上の部分に、自転車の事故に関して書かれている部分があるかと思いますが、ここの対策というか、対応のところが、安全教育ということだけで書かれていて、具体的に読み上げますと、「自ら危険を予測し、回避できる力を身に付けることができるよう、効果的な安全教育の手法の普及を図る」と。これ自体、もちろんいいことではあるんですけれども、残念ながら、こういう自転車の事故なんかでは、本人が予測をしても避けられない事故なんかもあって、自転車のヘルメットのように、万が一事故が起きても身を守るということができるような対策もあるので、自ら危険を予測して回避できる力だけではなくて、万が一事故が起きたときでも自分の身を守れるような力を身につけるとか、そういった対策も取れるような知識を身につけるというような観点も少し入れていただけると、自転車のヘルメットであったりとか、自転車の点検とか整備というところも含めて入れられるかなと思いました。
2点目は、11ページの下の部分から始まる、3の学校における安全に関する教育の充実という項目なんですけれども、ここの11ページから始まっている項目では、かなり大枠で安全に関する教育について書かれているんですけれども、その後の(1)から始まる項目では全て防災に関する内容になっていて、防災はもちろん大事なので、書いてあることは非常に大事なんですけれども、この部分に防犯であったりとか事故予防という観点での安全教育というのが含まれない点に関しては、何か意図があって含まれていないのかという辺りを少しお伺いできればと思いました。
3点目は、17ページの、一番初めに大木委員が御意見された位置になるんですけれども、学校設置者による点検・対策の実施というところに関してなんですけれども、ここの項目に関しては、基本的には平時も含めて記載をしていて、先ほど大木委員がおっしゃった「また」というところは、災害時においても発災直後の施設の安全点検などが迅速に適切に行えるようにということで、災害発生時には特出しでそういうふうに書いているというふうに理解をしております。
しかし、ここの文言の書き方次第かもしれないですけど、「また」というところから、「迅速かつ適切に行えるよう、専門家との連携など実施体制の構築を検討することが重要である。このため」というふうにつながっているので、専門家との連携などが災害発生時だけが必要なように読めてしまう書きぶりになっているので、ここは少しうまく分けて書いていただいて、平時でも災害時でも、やはり専門家とうまく連携をしながら、専門家の知見であったりとか技術を取り入れながら、学校の点検であるとか対策を実施していく必要があるというような書きぶりにしていただければと思います。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。2点目のことについて、御質問だったと思うんですけど。
 
【中村安全教育推進室室長補佐】事務局の中村です。防災教育の充実については、今回、安全教育の中でも、防災教育だけが項目として1つ立っている意味で、また、記載の量の部分では少し差はありますけれども、全体的に安全教育と書いてあるところについては、防災に限らない、全体の分野を意識したものとして事務局としては考えております。特に今回、交通安全や生活安全の観点を踏まえた記載を書かないという意図はなく、安全教育と書かれているところに広く考えており、防災教育と限定して書いているところについては、特に今回の第3次計画の中での大きな柱になるものとして記載量が多くなっていると御理解いただければと思います。
 
【渡邉(正)部会長】よろしいでしょうか。
今のところ、チャットのほうには、ほかの委員の方からは御発言が出ていないんですけど、ほかには皆さんございませんでしょうか。いかがでしょう。
じゃ、小川委員のほうから、追加があるということですので、お願いします。
 
【小川委員】すみません。ちょっと細かいところで意見を言わせてください。
1つは、7ページ目の教員研修ですけど、先ほど私、マニュアルの見直しとか学校安全計画を現場で新たに見直すというのは難しいと申しました。そうすると、ここに書いているとおり、研修の充実次第だと思うんですね。研修を企画している教育委員会とか教職員支援機構の企画力というか、それがすごく大事になってくるなと思っています。著名な先生をお呼びして講義で終わっている、そういう研修、それも大切なことかもしれませんが、中核となる教員同士が情報交換して、レベルを高め合っていく、そういう企画力というのは今後問われていくと思います。もう一歩踏み込んだ企画力があれば、全体が上がっていくように思って、文言をどういうふうに表現していいか分からないですけど、研修の企画力を上げていくためにどうしたらいいかということを問いかけたいなと思います。
それから、8ページ目の正常性バイアスということが特筆されているんですけれども、ごもっともだと思います。正常性バイアスに対してどう向き合うかということなんですが、生活安全とか交通安全の仕事に関わっていると、正常性バイアスを含めて、危険というのは外の世界だけにあるんじゃなくて、心の中にもあると。内的なリスク要因として、感情だとか、動機、自分の意思とどう向き合うかというのはとても大切だという話をしています。その中に正常性バイアスも含まれるなと思っていまして、何事も不都合なことは自分には降りかからないと思っている自分とどう向き合うか。心の中にもリスクを高めていく要因があるよと。そんな説明の仕方をすれば、整理がつくかなと思います。マップづくりは、どちらかというと外の危険であり、正常性バイアスは心の中の危険、その中には感情や動機や意思が含まれるので、内的リスク要因という大きな枠の中でくくられたらどうかなと思いました。
それから、10ページ目、通学路のことなんですけれども、通学路の交通安全の問題においては、道路環境改善、教育、規制ということで、警察や道路管理者、学校側、それから地域の方が一緒になって協働で進めているんですけど、やはりその限界があって、私は最後の切り札は車両だと思います。車両の自動運転の最先端の技術を活用しないと、この問題は解決しないと思うんですよ。だから、ゾーン30だとか、通学路に入ったら車は一定以上の速度が出ないように、自動的に制御をかけていくような自動運転の技術を活用していく必要があると思うので、そういった文言があるといいかなと。具体的に言うと、車両の先端技術の活用というのを、ガードレールとか、そういった文言の後でも構いませんので、道路施設の整備に加えて車両の先端技術の活用というのが入ったらいいかと思います。
それから、自動車メーカーや保険会社、民間組織との連携もすごく大事になります。保険会社なんかは、マップづくりのアプリなんかを普及させようとしていますし、自動車メーカーも当然、最先端技術を活用していかないといけないので、そういうメーカーや保険会社などの民間組織も、ここに関係団体として含まれたほうがいいかなと思いました。
それから、12ページですけど、先ほどの北村委員と同じで、地域に開かれた安全教育は防災教育に限らないと思うので、防災教育の充実というのは私もすごく分かるんですけれども、地域に開かれた教育、地域の方と一緒に学んだりマップづくりをしたりするのは、交通安全や生活安全でもできるので、3領域の教育の充実や、地域に開かれた教育というのをもう少し表現を工夫されたらどうかなと思います。
それから、17から18ページですけど、学校の施設の整備のことを書かれていますが、どちらかというと防災上のことが中心なんですけれども、防犯上の施設や設備の整備は必要ないのかなと思いました。例えば、職員室から校庭や校門が見渡せるような環境にあるのかどうか。もしそれができていないのであれば、防犯カメラを整備していくというふうに、セキュリティ上の学校施設の整備を検討する必要はないのかなというふうに思いました。
多くてすみません。最後、18ページですけれども、重大事故とヒヤリハット事例の活用のところですが、それはこれでいいんですけど、そこに軽微な事故は含まれないのかなと。軽微な事故が起きているということも重大事故につながっていくので、ヒヤリハットだけではなく、軽微な事故というものは含まれないのかなと思いました。多くてすみません。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、首藤委員のほうからまた追加ということなので、お願いします。
 
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。もう1点だけ追加で発言をさせていただきたいと思います。
前回の会議のときに、私が安全文化という表現をこの項目に入れるのはちょっとそぐわないのではないかというところで申し上げたために、そこから安全文化という表現がなくなった結果なんですけれども、私が先ほど資料を検索してみましたら、安全文化という表現は、4ページの基本的な方向性のところには入れていただいているんですけれども、具体的な方策のところに安全文化という表現が実はなくなってしまっているということに気づきました。
ただ、おそらく方針にも書かれているように、学校安全文化の醸成というのはどうしても必要なことだと私自身は思っておりますので、もしできればなのですが、4ページのⅡの次の「1.学校安全に関する組織的取組の推進」というところで、その次にすぐ(1)が来ていますけれども、そうではなくて、1.の柱書きのようなところで、組織的な取組の推進によって学校安全文化を醸成するんだというような表現を入れていただいて、Ⅱの1.全体が学校安全文化の醸成だというふうな位置づけにしていただいたらいいかなと思いました。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。ほかはいかがでしょう。
ちょっと私から1点だけ。8ページ目なんですけれど、ちょうど真ん中ぐらいに一次救命措置のことが書いてあるんですが、本文中が、一次救命処置(BLS)やAEDを用いた実習という書き方になっていて、BLSの説明の下を読むと、AEDを使ったりするということが書いてあるんですね。要するに、上のほうは並列してあって、下はそれを含むという書き方になっているんで、であれば、本文中も、AEDの使用を含む一次救命措置とか、そういう書き方にしておかないと、ちょっと表現が矛盾してしまいますので、そこのところを直していただければというふうに思います。今はもう本当に、一次救命では必ずAEDを使いますので、中に入っているものというふうに考えてもらってもよいかと思います。
さて、ほかにはいかがでしょう。もしないようでしたら、ちょっと私のほうから指名させていただきたいと思うんですが、特別支援学校のこととか、幼稚園のこととか、そういったことは先ほど少し修正したこと、御指摘があったんですけれど、例えば、特別支援学校のことに関してですが、村山委員、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。
 
【村山委員】最後にまとめて話そうと思いましたが、話させていただきます。15ページに、「特別支援学校の事例の収集と発信」ということで入れていただいて、本当にありがとうございます。
特別支援学校の児童生徒、特別支援教育を受けている児童生徒の安全教育の推進は、「誰一人取り残さない令和の日本型教育」の基本になると思っているので、これを推進させることは、共生社会の実現に近づくと思います。
あと、11ページ、18ページの避難所の関係については、後で述べさせていただきます。今回、目次のほうにも特別支援学校のことを入れていただき、第2次に比べ、すごく大きな進歩だと感じています。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。幼児のほうはいかがでしょう。渡部佳代子委員、いかがですか。何か御意見ございますか。
 
【渡部(佳)委員】ありがとうございました。幼児教育とか幼稚園教育についてのことをたくさん入れていただいていて、本当に分かりやすくまとめていただきました。特に14ページとか15ページのところには、保護者や家庭も含めてというところが大事というところも書いていただいているので、それは本当に幼児教育にとっては一番大事なことなので、ここはありがとうございますとお伝えしたいと思います。
1点、15ページのところで、情報収集とか発信ということが書かれているんですけれども、ここのところは指標が示されていないんですけれども、何か指標となるものがあるようであれば教えていただければと思います。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。これは御質問ということで、よろしいですか。
 
【中村安全教育推進室室長補佐】事務局の中村でございます。これまで好事例や様々な情報を発信したときに、それがどのぐらい使われているかというような指標として、例えば、ウェブページのページビューであるとか、そのページビューにさらにどのぐらい滞留していたのかといった項目で、デジタルを活用した媒体であれば、どのぐらいのその情報に利用者の方が触れていただいたのかという意味での主要指標になるのではないかと思います。では、それが実際に使われているのかといった観点になりますと、やはりそれぞれの保育・教育施設での使用実態を調査するといったようなアプローチになろうかと思います。
もし今後、次年度以降に文部科学省が行う調査の中で、どちらも取ったほうがいいのではないか、こちらでいいのではないか、そういったところについて悩むところも出てくると思いますので、引き続き御意見を頂戴できればと思います。
 
【渡部(佳)委員】ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】ほかには何か御質問、御意見ございますでしょうか。
もしなければ、あとの皆さんの御感想、また、全体的な御意見に関して、最初はお一人1分というふうに考えていたんですけど、若干長めでお伺いすることもできるかなと思います。ですので、1人2分ぐらい、倍ぐらいの時間を取れますので、そちらのほうで回してということでよろしいでしょうか。
今、皆さんに、答申案につきまして多くの御意見をいただきました。本日、皆さんからいただきましたこの御意見を踏まえまして、また文部科学省のほうで答申の中にさらに組み込んでいくということになりますけれど、この学校安全部会は本日が最後の会議となります。この後の文章の調整等につきましては、部会長一任とさせていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、この後の修正等については、部会長一任とさせていただきます。
それでは、続きまして、先ほど申し上げましたように、学校安全部会としては本日最後となりますので、皆様からお一人2分程度で、この部会に対する御意見、御感想などを述べていただければと思います。
私のほうから五十音順で順番に指名させていただきますので、名簿が五十音順になっておりますので、その順番でお願いいたします。それでは、まず、石井委員お願いいたします。
 
【石井委員】東庄内小学校の石井です。これまで大変お世話になりました。
前回、この会議の中で、中核を担う教員の位置づけということで、はっきりと名称を記載するという意見を述べさせていただきましたが、そのように修正をされておりました。大変ありがとうございます。
また、前回、他の委員さんから、位置づけるということが重要であるという御意見が出されていたと思います。随所に本当にいろいろなところにいろいろなことが位置づけられておりました。位置づけだけではなくて、あと実行することが大事なんですが、位置づけるということで、私がこの会の最初に申し上げました、現場としては何をすればよいのか、どうすればよいのかが明確に分かることが大事だということを言ったと思うんですけれども、その視点から見ても、今回の推進計画を見たときに、何をしなければいけないのかということが以前よりもとてもよく分かるようになったというふうに思っています。
最後になりますが、今回、このような機会をいただきました。大してお役には立てていないと思いますが、逆に、私が皆様の御意見を伺う中で、本当に勉強させていただきました。現場を預かる者としてさらに頑張らないといけないなと、身が引き締まる思いでございます。本当に貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】では、次に、大木委員お願いします。
 
【大木委員】ありがとうございます。低頻度大災害をいつも相手にしているので、過去に起きた事例だけに頼っていると、やっぱり予想もしなかった被害が起きます。そういうふうに考えてみると、直下型のタイプの地震は学校管理下の時間にほとんど起きていないんですよね。学校管理下に起きたらどうなるかというのを、この数か月間、膨大な資料の中から集めて洗い出しました。それを学校教員研修で実際にやるんですけれども、教員研修、実地訓練みたいなものをつくりながら、「本当にこんなことが起きるのかな、こんな悲惨なことが起きるのかな」というふうに思っている自分がいます。それで気がついたんですが、私、11年前に東北の巨大津波の想定に対して同じことを思ったんです。そして本当に起きてしまった。そういうふうに考えると、学校管理下で本当に発災していないだけで、今このまま,例えば首都直下地震なんかが起きると、これは大変重大なことになるということを改めて感じています。
 教員研修等で先生方と一緒にやっていると、何か反省会みたいな形になるんですね。研究授業をやっても、研修の後の講話とかでも、反省会みたいな形に、これができなかった、みたいな空気に先生方がなるんですけども、そうではなく、ぜひ「本番前に見つかってよかったね!」という言葉を合い言葉にしていただきたい。それをここに盛り込みたいぐらい、そういうふうなマインドで向き合うものなんだと。そうしないと、課題が見つからない訓練しかしなくなってしまうので、そこを強調して、うまく盛り込めるようだったら、またちょっと事務局のほうにお送りしますので、検討していただけたらと改めて思いました。
 どうも今までありがとうございました。大変勉強になりました。
 
【渡邉(正)部会長】では、次に、小川委員お願いします。
 
【小川委員】私が最近大切だなと思うようになったのは、先生方の気持ち、やりがい、充実感です。それから、安全教育に関わった子供たち自身の充実感、やりがいというものをやっぱりどこかで大切にしたいなと思います。その点をこの計画の中に盛り込んでいくかどうかというのは議論はありますが、こうやって安全教育や安全管理など様々な活動を通して、先ほど𠮷門委員がおっしゃっていましたけれども、子供がどう成長したのかというのを先生自身が実感できれば、すごくやりがいにつながると思うし、子供たち自身も、自分たちはこれだけ成長したんだということを実感を持てば、さらに上を目指していこうという気持ちになっていくと思います。そういう意味で、どういうことができて、どう成長したのかという中間アウトカムの指標というのは大事かなと思います。先生方や子供たちが充実感ややりがいがあるような安全教育の活動、安全管理の活動というものを推進していければなと思いました。
子供たちが一生懸命調べたことを、マップづくりなどを通して地域の人たちの前で発表し、地域の大人たちがそれを聞いて感銘を受けて、感動して自分たちも何かできるんじゃないか思うようなプロセスを、私は、何度か見てきました。それは本当にやりがいにつながるし、指導をした先生、特に若手の先生のやりがいや充実感にもつながっていくし、子供たちもこういうふうに社会と関わっていくんだなということの実感につながっていくと思うんですね。そういったやりがいや充実感というものを大切にした安全教育の活動、安全管理の活動が広く推進されていくことを願っております。
皆様方の様々な御意見をお伺いして、私も大変勉強になりました。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】次に、北村委員お願いします。
 
【北村委員】北村です。ありがとうございました。
私は、ふだんは学校との関わりということでは、子供の事故予防という観点で、事故予防に関する教育を現場の先生方に行ったり、お子さんたちに教育をして、お子さんと一緒に予防策について検討するというような活動をしたりということを行っているんですけれども、今まさに小川委員がおっしゃったように、そういう事故予防という観点だけで見ていると、いかに安全にするかということだけになってしまうんですけれども、その過程を経て子供たちがどう成長したかとか、安全に対しての考え方から、我々から大人がちょっと思いつかないような予防策を考え出すお子さんがいたりということで、うまく事故だけではなくて、防災であったり防犯という観点は、何となくマイナスなものを何とかうまくなくそうというような形になりがちなんですけれども、それはもちろん一つの目的ではあるんですけれども、その中でお子さんがいかに成長していくかというところも見られる、非常に明るい未来が見えるような、そんな対象だなというふうに日々感じています。
特にこの部会では、様々な立場の委員の方々が参加されていて、いろいろな視点での意見が交わされることで、私もすごく気づきがあって、現場の方々の思いであるとか、そういうものも感じながら、御意見を伺いながら非常に勉強になりました。
こういう子供たちの安全という観点でこれだけの人が集まってみんな安全のことを考えているというのは、非常に心強くて、非常にうれしい時間でした。今後、私も実際の自分の活動のほうにこの経験を生かしていきたいと思っております。短い期間でありましたけれども、ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、木下委員お願いします。
 
【木下委員】よろしくお願いします。まず、答申案に関していろいろな方の意見を反映させていただきありがとうございます。届いたときに読んで、すごく読み応えがありました。
私は、主に地域の連携という点から発言をしました。家庭と地域の連携、関係機関と協働という項目は、大体一番最後に出てくることが多いのですが、今回の3次計画では2番目に記載されていて、「地域との連携が大事である」と認知されたような気がしてすごくうれしく感じています。
子供の安全に関して、関係者がそれぞれ役割を確認する場を設けるという一文を明記してくださったところが特にありがたく思っています。登下校の安全は、誰かが誰かに頼むとか、誰かがしてくれるという他力本願的な取組ではなく、地域の方は地域で何ができるか、自分は何をするか、主体的に取り組む活動にするために関係者が集まって考える場が必要だと思っておりましたので、この一文が入っていることを大変ありがたく感じています。
地域ボランティアの人材確保がどこの地域でも課題になっていますが、この現状も踏まえて、ボランティアに対する考え方というのも転換の時期に来ているのかなと思っています。さっき小川先生がおっしゃっていたように、単なるボランティア活動ではなく、子供と一緒に安全教育とか安全活動に取り組むことで、大人たちが安全活動に関わる良さを再認識し心を動かされることで、さらに活動を続けていくモチベーションのアップにもつながるのではないかなと感じています。
最後に𠮷門委員が、今回の計画が学校安全のデパートという表現がありましたが、私も同じく学校安全の範疇が広いなと思いました。だからこそ私は今学校安全に直接関わる立場ではない社会教育の立場から、自分でも何かできることがあるのではないかと感じています。
学校安全は一部の学校関係者だけでなく、関係機関総ぐるみで取り組む必要がある計画にしてくださったことに感謝しています。最初の初めの文に、総ぐるみとか、全力でみんなで推進しましょうと書いてありましたので、私も自分の立場でできることを取り組んでいこうと思っております。いろいろ勉強させていただきまして、ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、木間委員お願いします。
 
【木間委員】今回、この部会に加えていただいて、答申案を検討する中で、本当に私も勉強させていただきました。ありがとうございました。
そして、様々な取組を聞いて、現場にも生かしていかなければいけないと思っております。また、私が所属している全国・東京都学校安全教育研究会では、毎年1回、研究大会やセミナーを開催しています。大会やセミナーにおいて、この第3次計画を生かした実践発表ができるように今後考えていきたいと思います。
審議する中で、やはり現場として、今回、この答申案がまとまった後に、学校がすべきことをしっかりと明確化していかないといけないとも考えています。答申案について、安全教育を研究してきた者にとっては分りますが、現場が生かすためには、やはりこれからの5年間で段階的に学校が何をすべきかということを具体的に明確にしていただいて、1年目はこれをというふうに出していただけると、さらに学校が安全教育に関わっていける、さらに取り組めていくものと思いました。
2点目は、本校が年明け2月に研究会の全国大会を開催するために研究を進める中で、教員たちは安全教育の指導法を深め、子供たちにどのように危険予測、危険回避の力をつけるかという学習の進め方は理解されてきましたが、課題として教員たちから出てきたのが、評価です。子供たちの変容をどのように見取るか。教員たちは、学習の後に、学習感想のような形で、子供たちに、この学習がどのように今後に生きるかというようなことで書かせていますが、それが本当に実践の場で生きてくるかという変容がなかなか見取れないということが出てきています。今後も研究を深める中で、評価というものについても考えていかなければいけないと考えています。
もう1点だけ言わせていただくと、この研究会は、現在、日本スポーツ振興センターとセンターの今までの研究を現場でどう生かすかという研究も行い始めています。先日、本校、葛飾区立柴又小学校で固定遊具の研究授業を行い、センターが出したワークシートなどを活用した授業を行いました。今後、答申案にも書かれていますが、日本スポーツ振興センターのデータを生かした授業ということも研究会でも取り上げて考えていきたいと思っています。本当にいい機会をいただきまして、ありがとうございました。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】次に、嵯峨委員お願いします。
 
【嵯峨委員】嵯峨です。今回はこのような会に参加させていただきまして、大変勉強になりました。
一口に学校の安全といっても、随分幅が広いんだなというのを実感しました。それと、やはり自分としては、地震のことと、あと、事故ですね。それがやっぱり気になっていて、特に地震に関しては本当に自分の学校が湾岸地帯にあるということもあって、非常に気にしています。それで、耐震補強その他は自分のところは終わっていますけれども、いざ実際に地震が起きたときに、多分、先生たちも近隣の方々も、いつか来るというのは分かっているんですけれども、でも、来るまで実際にはどんな悲惨なことが起きるかというのは、多分、僕らも含めてですけど、よく分からない。でも、ちょっと言うと、近隣の方々も何とかなるんじゃんみたいなことと、学校としてやるんだけれども、やはり地域の方々とも、より役割を分担というか、話し合っていかなきゃいけないのかなというのも感じました。
あと、実際、東北の地震のときに実家が宮城にあった教授の方に、ちょっと学校で手伝っていただいているんですが、ものすごい、地震の災害だけじゃなくて、終わった後の、例えばお手洗い事情とかもめちゃくちゃで、実際に簡易のものが来るといっても、国から来るのは約3日後というふうにお聞きしていて、それで、それが来ても、それもあっという間に使用不可みたいな状態に陥るというのを聞いて、私どもも、簡易のもの、1回で捨てるものですけれども、万単位でそろえているんですけれども、それでも、実際になったときに、数日はもつとは思うんですけど、そんな長くはきっともたないんだろうなというと、衛生関連のことなんかはものすごく不安です。でも、これはちょっと地域も含めて考えて、水とお手洗いというのはきっと大事なんだろうなというのは感じております。
先ほどちょっと自動運転の話が出たんですけど、確かに私ども、幼稚園なんかを持っていると、どういうふうに協力しても、子供は交通安全はできないんで、お母さんたちがほとんど自転車で来る方もいて、前後に乗っけていたり、時々事故に遭う箇所なので、ちょっと気をつけて、学校としてできることは限られていて、おそらく社会全体をまきこんだ安全管理に取り組んでいかないと、なかなか事故はなくならないのではないかなというふうに思っております。
今回、自分の気づかないようなことが随分あったので、本当に勉強になりました。参加させていただきまして、ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、首藤委員お願いします。
 
【首藤委員】社会安全研究所の首藤です。ありがとうございます、本当に。
たしかこの会議体は今年の4月から始まったんだと記憶しておりますけれども、まだ12月で、年も明けていないのに、もう第9回で、最後の回ということで、もしかすると中央教育審議会ではそれが普通なのかもしれませんが、ほかの省庁の審議会なども経験している立場からすると、すごく短い期間に高頻度でやるえらい会合に参加しちゃったなというのが、ちょっと表現は悪いですけれども、率直な感想です。その分、事務局の皆様はすごく大変な労力をかけてくださったんだと思いまして、改めて深く感謝申し上げたいというふうに思います。
私は、自己紹介のときにも申し上げましたけども、私自身は決して学校安全の現場そのものに関わる機会は決して多くはございませんので、私の知る範囲で役割を果たせたらというふうに思っておりまして、果たした役割以上に、皆様からの御発言、御意見などから学ばせていただくことの多い会議だったなというふうに非常に思っております。
今回、第3次計画が完成間近ということで、それに関わらせていただいたこと自体、大変光栄に思いますけれども、一方で、計画というのは立てて終わりではなくて、できたところがスタートだというふうに私自身は思っておりまして、先ほど𠮷門委員もおっしゃられたように、この計画をどうやって実現していくかという、これからが正念場なんだなというふうに改めて実感します。
私は一民間のコンサルタントという立場ですけれども、その中で自分たちが果たせることがあったら、ぜひ少しでも微力ながら力を尽くしたいというふうに思っております。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、藤田委員お願いします。
 
【藤田部会長代理】大阪教育大学の藤田です。私も3回の学校安全の推進に関する計画の策定に関わらせていただきまして、振り返っても、今回、中核教員や管理職研修の制度的な充実を図るという、学校や国の努力の方向性が明確に示されたということで、大変進歩して、これからの学校安全のさらなる発展を期待したいというふうに思っているところです。
また、この答申の中で安全教育とか安全管理とか組織活動への、児童生徒、さらに地域人材、保護者、PTAの参加を促していくと。いわゆる学校の教職員が安全に関わる活動全てを抱え込むのではなくて、私が現在取り組んでいるセーフティプロモーションスクールの活動もそうなんですが、学校の教職員と児童生徒、地域、家庭が協働して取り組んでいくことが、学校安全の推進の実効性を高める起点となるというような考え方が、今回の推進計画の中で示されたことによって、今後5年間の学校安全の活性化に関わって、今後も引き続き学校安全の発展のためにいろいろと取り組んでいきたいなという思いを新たにしたところです。
今回、この推進計画の策定に参加させていただいて、いろいろな方々の御意見を伺って、また現場のほうに展開させていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、松本委員お願いします。
 
【松本委員】中京大学の松本です。ひょっとすると私が一番、今回のこの会議の中で学校安全という全体からは遠い人間だったかもしれません。たくさん勉強させていただきまして、ありがとうございました。
ふだんは大学生を相手に、運動生理学、スポーツ医学のような教育研究活動をやっています。もう一つは、熱中症の予防というようなところでは、専門家としてのコンテンツ、エビデンス集を出すような活動、日本スポーツ協会のガイドブックや、環境省の環境保健マニュアルの作成に参加するなどの活動をやっております。
おそらくこの会議に呼んでいただいたのは、豊田市でありました死亡事故の事故調査委員を経験した等の話題で呼んでいただいたように思いますが、その辺の話はなかなかあまり貢献できなかったかなと思っています。
それから、熱中症のお話もあまり発言はできなかったようにも思います。ただ、既に学校やスポーツ現場での熱中症死亡事故は、毎年多くて1あるいは0というところまでかなり減ってきております。これは長年にわたる熱中症予防啓発活動の効果がかなり出てきているのだろうと思っています。
もう一つ、情報です。日本スポーツ協会の熱中症予防の研究会で今出していますガイドブックは、中学生、高校生、あるいは先生、指導者向けを意識した内容になっていますが、小学生向けの漫画を中心にしたようなガイドブックを今年作ろうという活動をしております。うまくいけば4月ぐらいに、タブレット版で見ていただくようなデジタルコンテンツとして、学校でも授業に使っていただけるようなものを発行したいという予定ですので、またよろしくお願いいたします。1年間ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】南川委員お願いいたします。
 
【南川委員】私は、学校安全について、判例研究をこれまでしてきたわけですけれども、判例が示す法的責任の限界である注意義務というのは、やっぱりこれをやらなければ法的責任が発生するという意味で、言ってみれば、最低限のボトムの話だったんですね。それに対して、今回の目標に掲げられている、死亡事故について限りなくゼロを目指すというような上では、先手先手の予防という観点が非常に重要になっているというふうに思います。
それで、今回、我々そうであったように、今後も様々な新しい知見というのを計画に取り込んでいって、計画を充実化させていくと。そして、それによって行政当局の活動を充実化させていくということが今後も必要だというふうに、それがちょっと過剰に負担をかけている裁判例への、裁判所、裁判例に対する負担軽減にもつながるというふうに考えています。会議に参加させていただきまして、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】村山委員お願いいたします。
 
【村山委員】村山です。改めて特別支援学校・教育の部分について、第2次から比べてかなり具体的に入ることになり、ありがとうございました。
千葉県八街市で痛ましい交通事故がありましたが、先日、四街道市のグループホームに住む軽度の知的障害者が、新生児を落として殺害したという事件がありました。ニュースでも出ていたと思いますが、おそらく推察ではありますが、何らかの形で特別支援教育を受ける機会があったのではないかと思います。
個人的な見解になりますが、彼女が「助けて」と伝えられなかったことは、ある意味、被害者とも言えるのではないかと思います。自分の命や他者の命の大切さを学ぶ、命を守る安全教育について、卒業後もつながるように推進してほしいです。特別支援学校において、災害部分は、いろいろな実践が出てきていますが、交通、生活の部分では、まだ具体的なところが実践として般化されていないところがあると思うので、3つの領域を全て網羅するカリキュラム・マネジメントを確立して、特別支援教育で学ぶ全ての子供たちに、安全教育を実践してもらいたいと思っています。
よく、次のような例え話をします。自衛隊に、1人でおぶられて避難できるような姿勢づくりや、感覚過敏などの解消は、重複障害と言われる障害を2つ以上併せ持つ児童生徒についても防災・安全教育として学ぶことができると。立活動という特別支援教育ならではの学習においても、命を守る実践につなげてほしいと思います。
先ほど「指標」の話が出ましたが、どのようなものがあるかと考えてみました。例えば、特別支援学校の立地別や障害種別が考えられますが、障害種別といっても、5障害だけではなく、医療的ケアや発達障害、通級指導で吃音などにより言葉の教室で学ぶ方など、いろいろな方がいらっしゃいます。それらの具体的な安全教育の事例というのは、埋もれているのではないかと思っています。そういった埋もれている事例を集められたかということを「指標」とすることも一つの方法だと思います。いろいろな視点から探っていただいて、収集・発信してもらえると非常にありがたいと思います。
また、管理面で言えば、18ページになりますが、具体的に、障害の有無にかかわらずという視点や、「職員室」を入れていただき、ありがとうございます。教員の立場として、ここが機能し、しっかり管理できないと、子供たちは守れないと思います。自家発電は医療的ケアの子供たちの支援につながると思います。実際、洋式トイレがない学校が多いと感じていますので、こういったところも改修工事等の際には、ぜひ進めてもらいたいと思います。このたびは、参加させていただき、ありがとうございました。以上です。
 
【渡邉(正)部会長】山田委員お願いいたします。
 
【山田委員】この安全部会、参加させていただいてありがとうございます。結構知らないことばかりだったので、とてもためになりました。ありがとうございます。
結局4月からだと、1学期2学期の期間になるんですけれども、この期間の間で本当に数え切れないぐらいの、通学時の児童生徒が巻き込まれる事故がありまして、なかなかこれだけ話合いをしていても、事故が常に起こる状態で、後を絶たないということ自体がちょっとすごく心苦しいというか、どうしてなくならないのかなという思いでいっぱいなんですけれども、今回、関係省庁と連携して交通安全について推進するという文言も入れてもらっていますので、ぜひこれが世間の人たちに響くといいなと思います。
あと、15ページのところのGIGAスクール構想、入れてもらったんですけれども、児童生徒のID・パスワードという、直接ピンポイントなところで入れてもらっているので、できればもうちょっと幅広く、ICTの利用について子供たちや、児童生徒たちに伝えるという感じにちょっと変えてもらえるとうれしいなと思うんですけれども、やっぱりピンポイントで答申すると、そこだけの対応になってしまいそうで、できればもう少し枠を広げた状態で答申に入れてもらえるとありがたいなと思います。以上になります。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、𠮷門委員お願いいたします。
 
【𠮷門委員】ありがとうございました。私も今までは、14年ほど行政の立場で学校安全を見てきて、今年度から学校を預かる立場で考えたときに、子供の命を預かっているという学校の責任というか、その責任の重さを日々感じているところです。そういう立場から今回の議論に参加させていただいて、今までとは少し違った角度で発言させていただいたかなと思っています。
安全教育は、その時間の、どういうふうに行うかということと含めて、どれだけ安全教育の機会を確保できるかというところがこれからも重要で、これまでもずっと課題で、これからもそれがどのように確保されていくのかということを、なかなか難しいところだと思いますけれども、学校に出て初めてやはりカリキュラム・マネジメントということで実現できる可能性はたくさんあるなと思っています。それはやはり国語や社会科や理科で身につけた知識を総合させる場として、子供の中で統合させる場として安全教育を考えていけば、しっかりとそういう視点を持って指導していくことで、子供たちが自らを律して安全を優先した行動選択をできるような子供たちに育てていくことが可能ではないかなと。ただ、知識を行動化するというのは、本当にそこには何段階もステップが必要で、なかなかすぐにはいかないわけですけれども、そういうことを本校では錦の御旗としてこれからも進めていきたいと思っておりますし、それはやはり校長がまずはそれが大事だと思わなければ進まないというふうにも痛感しているところですので、今回の計画でそういうところがずっと進んでいくということに御期待申し上げたいと思います。
最後に、国の計画である推進計画は、先ほどちょっと失礼な表現だったかもしれませんけれど、総花的にということを申し上げたのですけれども、縦割りでそれぞれの関係省庁が、それぞれの機関が専門性を担っている、そういう全ての子供の安全に関わるものに対して横串を刺してそれぞれを連携させていくというのがこの国の推進計画の役割であると考えれば、今回の充実した内容になったというふうに思います。
繰り返しになりますけれども、それをどう実現性を担保していくかというところがこれからにかかっていると思いますから、それぞれの機関、私たちは学校を預かる者は、教職員は、学校の立場として自分が何をするかということを自分が実行、何を実行していくかということをそれぞれが本気で考える必要があると思いますので、関係省庁の皆様方も、それぞれの地域地域で、それが皆が自分が何をするかというふうに自分事として考えていけるような施策をこれからお願いしたいと思います。もちろん私たちも学校で自分がすべきことを行っていきたいと思います。ありがとうございました。以上でございます。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、渡部佳代子委員お願いします。
 
【渡部(佳)委員】今回このような機会をいただいてありがとうございました。学校教育全体の検討がされる中で、幼児教育のことがまだまだ入りにくいという現状があるなと感じていたところなんですけれども、今回、この答申をまとめるに当たって、幼児教育についてのことを本当にしっかり入れていただきましたし、大事なことが何であるかというところも伝えるような内容にしていただいているので、本当にありがたく感じています。
実際、これからまた現場でどうしていくかというところは、それぞれ幼稚園、保育園も含めて、教員がどうしていくかというところに関わってくると思いますので、しっかり推進していけるようにしていきたいなというふうに考えています。
本当に委員の皆様からいろいろな御意見を伺うことができて、気づかなかったことがたくさんあったんですけれども、大変勉強させていただきました。これを生かしていけたらと思っております。ありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】それでは、渡辺弘司委員お願いします。
 
【渡辺(弘)委員】まず、本会議に出席させていただきまして、各委員の専門の方々の意見を聞かせていただいて、大変勉強になりました。御礼申し上げます。
私がまずこの会議に出て強く感じたことは、学校医がほとんど学校安全に関与していなかったということです。私は、30年近く学校医に就任し、医師会では20年近く学校保健を担ってまいりました。学校安全に関しては、日本スポーツ振興センターの災害共済給付の審査委員をやったぐらいだったと思っております。そういった意味で、学校医の参画というのを強く求めました。
また、私、学校の産業医をやっておりまして、学校の先生方というのは非常にタイトなスケジュールで業務をなさっておられるという実感があります。学校安全は大変重要な課題ではありますけれども、教職員の多忙な状況を考えますと、本文にもございますが、学校安全委員会を改めて設置しようということも必要かもしれませんが、通常行われております学校保健委員会における議題の一つとして、日常的に学校関係者が学校安全ということに関して情報を共有し、当たり前のように対応していくということが望ましいんじゃないかなというふうに思います。このような対応であれば、多分、答申に書かれたような全てのことが関係者の理解が進み、実践できるのかなというふうに思っています。
今回のこの答申とこの計画が、現場の学校の先生方が無理なく遂行できることを祈念しております。どうもありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。予定の時間をちょっと過ぎてしまいましたけれども、本日の議事は以上とさせていただきます。本日、皆様からいただいた御意見を踏まえまして、またそれを答申の中に組み込んでいき、資料の3に載っておりますけれども、来年1月に開催されます初等中等教育分科会及び総会で御報告させていただきます。その後にパブリックコメントを実施し、第3次計画の策定というふうになっていく予定になっております。
先ほども確認させていただきましたように、文章の修正等に関しましては、部会長一任とさせていただきます。
本学校安全部会におきましては、本年3月に文部科学大臣から諮問があり、5月の第1回目以降、毎月、8月は2回行いましたけれども、9回審議してまいりました。委員の皆様の御協力により円滑に議事を進めることができましたこと、部会長として御礼申し上げます。ありがとうございました。
やはり計画は実効性のあるものにしていかなきゃいけないということもあります。皆様には、今後もさらなる御協力や御支援を賜ることもあるかと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、事務局より一言お願いいたします。
 
【藤原総合教育政策局長】どうも失礼いたします。総合教育政策局長の藤原でございます。委員の先生方におかれましては、本日も最後まで熱心に活発な御議論を賜りまして、本当にありがとうございました。
今年の3月に文科大臣から諮問をさせていただきまして、それから9回にわたり、精力的に御審議をいただいたところでございます。先ほど委員の先生からもお話がありましたけれども、非常にタイトな日程の中で、本当にこうした形で御参画をいただきましたこと、大変ありがたく思っている次第でございます。
この後ということでございますけれども、必要な修正を渡邉部会長とも御相談をさせていただき、来年開催されます初中分科会、それから中教審の総会に諮ってまいりたいと考えております。
したがいまして、この部会における審議は本日をもって最後ということになるわけでございまして、改めて委員の先生方に心より御礼を申し上げたいと存じます。
この答申案を基に、今後政府として第3次学校安全の推進に関する計画を策定いたしまして、現場に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。この計画が子供たちの命を守る活動にしっかりと結びつけられるように、私どもとしても力を尽くしてまいりたいと存じますので、どうぞ委員の先生方におかれましては、引き続き学校安全の推進にお力添えを賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。誠にありがとうございました。
 
【渡邉(正)部会長】ありがとうございました。
本日予定した議事は全て終了いたしました。これで閉会といたします。皆様、長い間、本当にありがとうございました。
 
――了――

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)