新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第6回) 議事録

1.日時

令和2年2月13日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 新しい時代の高等学校教育の在り方について(1.生徒の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすための学科の在り方等について 2.地域社会や高等教育機関との協働による教育の在り方について)
  2. その他

4.議事録

【荒瀬主査】 皆さん、おはようございます。少し早いのですが、皆さんおそろいですので始めたいと思います。中央教育審議会初等中等教育分科会新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループの第6回会議を開催いたします。
本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、まず、会議に入ります前に、本日の配付資料につきまして、事務局から御説明をよろしくお願いします。
【酒井参事官補佐】 失礼いたします。本日の配付資料でございますが、議事次第にございますように、資料1-1から資料2、参考資料1及び参考資料2を御用意しております。
なお、お手元の座席表には、本日、跡部委員と清水委員のお名前がございますが、急遽、御欠席ということで承っておりますので、御報告させていただきます。
なお、資料につきましては、お手元のタブレット端末にも格納しておりますので、そちらも御参照いただければと思います。過不足がございましたら、事務局までお申し付けください。
以上でございます。
【荒瀬主査】 それでは、議題に入ります。
前回12月9日の会議では、普通科などの学科の在り方を議題として取り上げて議論を行いましたが、時間の関係で御発言の機会を十分にお取りすることができませんでした。
本日は、前回の会議の御議論を踏まえまして、改めて学科の在り方について御意見を頂戴した後、二つ目の議題といたしまして、地域社会や高等教育機関との連携の在り方について御議論をいただきたいというふうに思っております。
では、まず、学科の在り方について、議題として御議論いただきたいと思うのですが、前回会議の議論の概要等につきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
また、本日御欠席の香山委員から、今回の検討事項について御意見を頂いておりますので、併せて御紹介をお願いしたいと思います。
では、酒井参事官補佐、よろしくお願いします。
【酒井参事官補佐】 失礼いたします。お手元、参考資料1を御用意いただければと思います。前回第5回ワーキンググループにおきまして、学科の在り方等について御議論いただいたところでございます。本日は、その議論の続きということで、まず、前回の御議論の主な概要について、私の方から参考資料1を使って御紹介させていただきたいと思います。
まず、1ページ目の一つ目の丸でございます。専門高校では、専門科目の再構造化に伴い、国語、数学、理科、社会といった伝統的な教科が、普通に教科書を使って各先生方が自分の専門性に応じてやっていくということになると、学校全体のスクール・ポリシーやスクール・ミッション、あるいは生徒たちが学校に行って、1日こういうふうに学びを深めたいということが、ある種二分化するというか、層別化してしまうおそれがある。
国語については、工業高校や商業高校での国語は、国語の基礎を培いつつも、ある種の特質化が可能であるし、理科なども化学を学ぶときに、工業高校の化学と農業高校の化学と商業高校の化学はそれぞれにやり方があるはず。普通科も同様であり、普通科が新たにミッションを定義して、そこに描いたものに対して、国語、数学、理科、社会といった各教科がどのような位置付けやどのようなスタンスで絡んでいくかがカリキュラム・マネジメントであり、そういったことをどう議論するかが重要ではないかといった御議論がございました。
二つ目の丸でございますが、現実の生徒たちの姿を見て、標準化して日本がここまで非常にいい教育をしてきたという姿と、目の前にいる生徒たちの現状とにずれがある。それをより目の前の生徒たちに合わせて、もっと専門的にやっていきたいと思うとぶつかってしまう。今回この問題に焦点が当てられたというのは、とてもいいことだと思うので、思い切ってそこのところに踏み込んでいくべきではないかと思うといった御議論。
三つ目の丸でございますが、専門学科であればその専門性の先、普通科であっても、生徒たちの学びの先にある産業界であったり、大学であったり、地域であったり、そういった先にあるものとの協働体制の構築がポイントであるといったところで、2枚目でございますけれども、3行目以降です。学校やこれからの教員の役割を考えると、一つはリソースコーディネーターとして、生徒たちの様々な学びの必要なものをつないでくるというような機能、二つ目がカリキュラム・マネジャーというような、様々な教材だとか内容があっても、それをカリキュラムとして、学習のプロセスとして再構築化を各教科中心にしながらカリキュラム・マネジメントをやっていく部分、三つ目が生徒の学びに寄り添った学びのファシリテーターという役割が、今後、学校そしてその中での、特に教員のこれからの時代に求められるものではないかといった御議論。
次の丸でございますが、スクール・ミッションの再定義は設置者が行うことになっているが、各学校が、自分たちはこういう学校になりたいという特色作りに向かうという話を事例で聞いてきたが、高校側から上がっていくものと、トップダウンではない改革というものへのモチベーションや、それらへの働き掛けや仕組みをどのように考えていったらいいのかといった御議論。
また、多様性はこれからとても重要だと思うが、どうしても明るい子が良い、できる子が良い、はきはきしている子がいいという価値観を、知らない間に学校の中で押し付けていないか。スクール・ミッションを再定義する中で、社会が求める像を子どもたちに言うのではなくて、子どもたちの声に沿う、このあたりがかなり重要になってくるといった御意見。
次、資料に設置者と各学校との適切な連携というキーワードがあるが、現状では学校任せになってしまっており、ばらばらな状態になっている。国はどのような形で関わっていくのか、各都道府県にお任せする形なのか。そのようなところで、是非国がリーダーシップを発揮していただきたいという御意見。
共通科目と専門科目の融合的な話は、できればそういう形を進めていただきたい。専門科目の学びは非常に重要なことであると思うが、最後はどうしても大学進学に突き当たってしまうという御意見。
3ページ目でございます。高校を中学生が選ぶとき、高校に進学する中学3年生の段階で、将来のキャリアイメージまで含めて、各高校を把握するのは非常に大変で、その十分な理解がないまま高校に上がろうとしている実態の方が多いと思う。子どもたちの発達段階からすると、実際に高校に入ってから、いろいろな基礎的なことをやっていくうちに将来が見えてくるという方が自然というか、普通ではないかといった御意見。
基礎教育は大綱化しないとコンピテンシーベースにはならない。基礎科目の探究をしているうちに専門性をどういう方向にするかという進路選択なり、キャリアイメージが生まれてくるのでないかという御意見。
設置者が各学校と適切に連携しながらスクール・ミッションの再定義をするという踏み込んだ提案であり、文科省の方でしっかりリーダーシップを取って、決して各教育委員会に丸投げすることのないようにお願いしたいという御意見。
普通科は、自分が生まれ育ったところがどんなところかというところをちゃんと学ぶということをやっていただきたい。高校が地方から見て人材の流出機能を担ってしまっていて、この状況は、普通科において一番顕著に出ている。本当に普通科というのは一体何のためにあるのかということを考えなければならないといった御意見。
4ページ目でございます。スクール・ミッションについてでございますけれども、スクール・ミッションの決定を含めて学校の運営や教育活動に主体性と当事者意識を持つことが重要であるといった御意見。
スクール・ポリシーが育成を目指す資質・能力を学校教育目標に落とし込むというところからスタートしているが、違和感がある。目指すべき資質・能力は、グラデュエーション・ポリシーとして落とし込まないと、それと関連する教育課程の編成・実施方針とのリンケージが図れないという御意見。
また、総合的な学習の時間が総合的な探究の時間になっていく中で、専門高校においても学習意欲や基礎学力が乏しい子どもたちが、高校を出るときに探究心を持って自らの在り方や生き方を考えるようなプログラムがなされているかどうかが、今後の高等学校の大きな課題ではないかという意見がございました。
これを踏まえまして、前回の会議の際に事務局から提出させていただきました具体的な検討事項、1関係の具体的論点を、御意見を踏まえまして修正させていただきましたので御報告させていただきます。
資料1-1が溶け込み、資料1-2が見え消しとなっておりますので、資料1-2、修正履歴付きの方で御説明をさせていただきたいと思います。
4ページをお願いいたします。4ページの(6)でございます。スクール・ミッションの策定でございますが、ここについては、御意見を踏まえまして、まず、各学校の設置者が、各学校と適切に連携だけでなく協議しつつ、スクール・ミッションを作って定義・確認していくというふうに修正をさせていただきました。
また、(7)でございますが、スクール・ミッションを再定義する際に、「地域の将来像を具体的に描いた地元自治体等の関係機関の意見を適切に踏まえ、そうした将来像の中で学校に期待される役割を見据えたものとなるよう定義を行う」といった一文を追加させていただいております。
続きまして、8ページをお願いいたします。8ページの(9)でございます。(8)で普通科の学科の在り方について記載がありますが、(9)で新たに追加しておりますのは、普通科の高等学校が、特に地方部において人材の流出機能を担っているという現状で、そういった地方の状況を踏まえた上で、普通科の在り方の見直しを図るということが必要ではないかという一文を追加しております。
さらに9ページ、(11)番でございますが、各高等学校のスクール・ミッションの再定義に当たっては、国の役割が重要になってくるというところで、文科省はスクール・ミッションの内容を各都道府県に丸投げするのではなく、リーダーシップを取って枠組みを示していくということが必要ではないか、こういった一文を追加してございます。
さらには10ページをお願いできればと思います。10ページの(2)でございます。スクール・ミッションを踏まえたスクール・ポリシーの策定に関してでございますが、御意見を踏まえまして、「各学校の育成を目指す資質・能力を卒業の認定に関する方針に反映させた上で、教育課程の編成及び実施に関する方針を一貫性あるものとして策定する」といったところで記載をしてございます。
さらには、(3)番でございます。「スクール・ミッションやスクール・ポリシーに基づく教育を実現するために、教育課程の構造化といたしまして、国語、数学、理科をはじめとする各教科において、それぞれの学校に特質化された教科科目の設定や授業の実施など、教育課程全体を見通してカリキュラム・マネジメントに取り組むことが必要ではないか」、こういった一文を追加・修正をさせていただいておりまして、本日におきましては、これらのことにつきまして、更なる具体的な方向性について御議論を賜ればと考えております。
なお、冒頭、主査からお話しありましたように、本日御欠席の香山委員から、本日の議題に際しての御意見を頂戴しております。口頭で恐縮でございますけれども、御紹介をさせていただきたいと思います。
香山委員からは、現在、普通科においても一定の専門教育の科目の履修が可能であるということで、現に運用されているといったことでございまして、それでもなお全国の高校生の7割が在籍する普通科の中に学びに向かう力や意欲を減退させた高校生が少なからずいる中で、より高度な学びを求める高校生がいるという現状の課題を改善する必要があるといったところです。
そして、その考えられる手だてとして三つ、一つ目が普通科で履修できる専門教科・科目の単位数の弾力化、二つ目は生徒の個々の学びの弾力化、三つは校外の資源の活用、この三つが考えられるのではないかという御意見を頂戴しております。
一つ目の普通科で履修できる専門教科・科目の単位数の弾力化については、現在、慣行として普通科で履修できる専門教科・科目は24単位以下ではないかというような御意見がありまして、こういった各現場で慣行とされているような専門教科・科目の単位数の算定について弾力化するような方策は考えられないかということが1点目。
2点目、生徒個々の学びの弾力化については、教室で教師のアドバイスを聞くグループ、EdTechを活用するグループ、協働的な学びを進めるグループなどにデザインして、個別最適化を図る授業や単元を開発すること。学力観がコンテンツ重視からコンピテンシー重視へと転換されたことから、育成を目指す資質・能力をグラデュエーション・ポリシーと定め、学習指導要領を基準としつつ、育成を図ることを目指した上で、全日制における授業時数の弾力化を図るということが考えられるといたしまして、例えば現行の慣行でも3分の2程度の出席でも可とする高校が多い中で、学習指導要領を基準としつつも、学校で明確化された育成を目指す資質・能力を身に付けたことを裏付けるポートフォリオやパフォーマンスがあれば、一定程度の出席でも可能とするような運用を認めても良いのではないかということ。
最後に、校外の資源の活用といたしまして、総合的な探究の時間はもとより、各教科においても実社会で知識や技能が活用されているリアルな場面などに出会わせることを通して、教科書を使う学びへの意欲が高まり、深い学びに誘うことは可能となる場面も想定されると、こういった学びを保障していく教育課程の弾力化を模索したいという御意見を頂戴しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
参考資料1で前回の御議論の全体像、それから資料1-2ということで、その参考資料にありました御意見を反映させた中での修正があったということであります。さらには香山委員の御意見も御紹介いただきました。
それでは、今から30分余り、前回の続きといたしまして、皆様から御意見を頂戴したいと思います。きょう修正を御説明いただいた部分等につきましても御意見を頂ければと思います。いつものように名札を立てていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
【牧田委員】 質問を1点。
【荒瀬主査】 どうぞ、牧田委員。
【牧田委員】 参考資料1で工業高校の国語の記述のところにある、ある種の特質化というのは、具体的にはどういったことなのでしょうか。
【酒井参事官補佐】 前回の御議論の中では、まず、専門高校に対するヒアリングというのが冒頭あった上でのこの御議論という、延長線上であったものでございます。その中で、御発言の趣旨といたしましては、恐らく国語についても、いわゆる主要教科であらゆる学校で同じ国語をするというものではなくて、工業高校や商業高校、それぞれの高校の特質に応じた国語のやり方であるとか、各教科のやり方があるんじゃないかと、そういう御意見であったというふうに受けとめております。
【牧田委員】 具体的にはどういうことでしょうか。
【酒井参事官補佐】 この御意見の中では、実は議事録の中である種の特質化というような御意見を賜っております。そういう中では、例えば国語でも、通常のいわゆる同じ教科の国語というだけではなくて、例えば課題の出し方とか、授業の展開の仕方とか、そういった中で、普通科の高校と、いわゆる専門高校の中で、国語の授業展開であったり、単元の扱い方であったり、題材の扱い方であったり、そういったものがそれぞれの学校の特質に応じてあるのではないか、そういった御意見であったというふうに受けとめております。
【荒瀬主査】 よろしいですか。
【牧田委員】 はい。
【荒瀬主査】 ほかにはいかがでしょうか。
では、角田委員、お願いいたします。
【角田委員】 スクール・ポリシーの策定の仕方について、少し意見を言わせていただきたいと思います。前回、学校側がもっと主体であっていいのではないかという趣旨の発言をさせていただきました。今回書かれていることは、設置者と学校と、そして地域の関連機関の意見も入れてと広がりがあり賛成ですが、できれば高校生本人ですとか、地元の中学生の意見ですとか、そういった当事者、もしかしたら後輩のためだけになるかもしれないんですけれども、それでも十分一生懸命考えるはずですので、そういった若者の声も含めて策定していくようなプロセスを踏んでいただくといいなと思います。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。大切な視点かと思います。
では、内堀委員、お願いいたします。
【内堀委員】 では、お願いします。2点です。1点目は、今御説明のあった資料1-2の8ページの(9)です。前回の意見を踏まえていただいて書いていただいたものと思われますが、確かにここに書かれているとおりの部分であって、一定の子どもたちが、進学先の場所の影響などももちろんありますが、生まれ育った地域ではなくて、日本だとか、世界的・国際的なところに出て行くということは事実としてあって、そういう実態を踏まえての文章だと思うんですけれども、普通科の高校が人材の流出機能を担って流出機関になっているというのは、ちょっと極端な書きぶりかなというふうに思います。様々な子がいていいんだと思うんですよね。いろいろな学びをして、いろいろなところで、その子が自分で生きがいというか、やりがいを持った仕事をしていって、社会の役に立ったり、自分で幸せな人生を歩んだりしていくということが重要なことであって、地域にいる子が出ていってしまうことがだめなことである的な感じはちょっと一面的かなというふうに思います。
その一方で、確かに高校になると地域のことを学ばなくなる傾向もこれまでは現実としてあったので、これについては、長野県でも信州学といって全ての高校で信州に関する探求的な学びを必ずするようにと、方法や中身は各学校に任されていますけれども、そういうことになっていますので、そのこと自体はいいと思うんですね。ただ、さっき言ったような視点から書き加えていただくこととしては、生徒一人一人が自分は何者であるのかと、どういうアイデンティティーを持っていて、どう生きていくのかということを、しっかり見つめることが重要なことであると。それは地域の関連性の中でもそうですし、もっと広い視野でもそうなんですけれども、そのこと自体が重要なことなんだと思うんですね。その上で、地元への意識が高まった子は地元に残り、世界に羽ばたこうという子は世界に羽ばたいていくということが重要だと思います。こういう視点だけで書いてしまうと、何か地域に残る子どもだけを育てるための機関が高校であるというように受け取られてしまうので、そういった配慮が必要かなと思います。
2点目は、10ページの(2)のところなんですけれども、全体として、今回見させていただいたペーパーについては、委員の意見を聞きながら、すごく工夫されていて深みのあるものになっていると思いますし、理念だけでなく、使命感というか、これからの未来の教育について責任を持つというような覚悟も感じられるような文章ですばらしいなと思うんですが、ちょっとどうしても理解できないのが(2)でして、せっかく下の方、下線を施したところで、「スクール・ポリシーを策定する際は、各学校の育成を目指す資質・能力を卒業の認定に関する方針に反映させた上で」というふうに書いていただいているのに、表現が卒業の認定に関する方針なんですよね。もしお考えがあるならお聞かせいただきたいんですけれども、どうしても卒業認定方針というふうにしないといけないのかなと。前回も申し上げたように、むしろ生徒を育成する方針にした方がすとんと落ちるんですけど、せっかく下の方でそういうことを書いていただきながら、卒業認定という、要は表現の問題です。表現がそうなっているので、そこがちょっと誤解を生んでしまうのではないかなと。卒業認定というと、どうしても何を何単位取りましたとか、ホームルーム活動で一定の成果を上げましたとかという卒業認定に係る規定がありますよね。あれを思い出してしまうので、ここで言いたいことはそれではないのではないのかなというふうに思っています。
以上2点です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
ともかく御意見を頂いて、後からそれぞれの御意見に対しても御意見がございましたらお願いしたいと思います。
では、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 私も2点です。
1点目はスクール・ミッション、スクール・ポリシーの再定義というところと、現在行われている学校自己評価システムとの関連です。学校自己評価システムでは学校教育目標とは別に、「目指す学校像」を定めることになっています。ダブルスタンダードになってしまうと、学校にとっては負担になるかとも思います。学校自己評価システムの方は、人事評価システムとも連動させています。
また、埼玉県では、学校自己評価システムを定着させるのに約10年間、大学教授をはじめとする学校評価の専門家と教育委員会の管理主事が学校の取組を長期にわたって経過観察しながら研修、指導・助言を繰り返しました。新たに、スクール・ミッション、スクール・ポリシーを学校の中に深く浸透させていくためには、同様の取組を設置者がしていく必要があるのかどうかが心配です。
もう1点は、コミュニティ・スクールについてです。本校は総合学科の学校ですけれども、この4月からコミュニティ・スクールを導入しようということで、今、県に申請をしております。地域の皆さんの力をかりるとか、先ほど角田委員さんから御意見があったように生徒、保護者、それから近隣の中学校の生徒の皆さんの意見を吸い上げて、学校の目標を設定していくのは非常に大事なことだと思います。実は1月の末に、学校のある戸田市とも包括連携協定を締結させていただいたりして、地域の中にある学校づくり、地域とともに歩む学校づくりを進めているところです。コミュニティ・スクールについては、全国的に見ると導入の進んでいない地域もあるようですが、文科省からも仕組みのいいところをより積極的に紹介していただけたらと思っております。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
それでは、牧野委員、牧田委員、岩本委員、奈須委員の順番でよろしくお願いいたします。
【牧野委員】 先ほど内堀委員からあった話に関連するんですけれど、普通科がどういう科なのかという根本的なところが見えていないというのが非常に大きな課題かなと。もう一つは、普通科の生徒が職業科に対してかなり生徒数からいうと多いわけですよね。全体の大体7割ぐらいが普通科だというふうに私はお聞きしておりますが、その7割の生徒さんが普通科で一体何を学んで、その後どういう人生設計をしていくかというところが非常に大きな課題。そもそもそこについて、今までのやり方で普通科の在り方を考えていいのかというのと、先ほど申し上げた、それが7割ぐらいの生徒さんを対象にしたものであっていいのかと、そこのところが大きな課題かなと。
むしろもう少しいろいろな多様性、バリエーションを出した方がよいのでは。今まで普通科であったという高校の在り方がもっと多様な学科構成になっていったっていいわけですし、むしろ魅力ある高校を考えた場合は、そういった考え方がもっと前面に打ち出されてきてもいいのではないか。そもそも普通科というのは一体どういうものなのかと、大学に進学するためにあるんだったら、別に大学進学科と言ったっていいと思うんです。そういうふうに言えばいいだけの話で、普通科という言い方をしているので、よく分からなくなっているわけですから。
それともう一つは、高校を卒業して地元に残ればいいというものではないというのは、私もそのとおりだと思っています。もちろん残る希望のある人に残ってもらえればありがたいんですけれども、やはり地域の将来を考えていった場合、いろいろな技術や経験、知識、そういったものを外の、まさに大学や大学院、そのほかいろいろな社会の中に入っていって、それをしっかりと習得して、また帰ってきてもらって、そして地域の将来を担っていってもらう。そういう人材もたくさん出てきてくれれば、私はそれでもいいと。
問題なのは、先ほどのペーパーにも説明がありましたように、えてして今までは、普通科の生徒さんたちは、地域のことをちゃんと分からずに3年間過ごしてしまって、そして出ていってしまっていること。地域のことを何も知らずに出ていってしまって、自分の地域には何もないと、そういうふうに思い込んでしまって帰ってこなくなる。そういったことが非常に大きな課題だと。それが流出機能という言い方を私はしたんですけれども。別にまとめるときはそういうふうに決め付けてもらわなくてもいいんですけれども、そういったことが実際に多いというのは、今でも変わっていないと私は思っています。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
では、牧田委員、お願いします。
【牧田委員】 4点ほど。まず1点目は、先ほどの工業高校の国語の話ですけれども、国語という教科の役割というのは、要は社会生活を営むことができればいいわけで、例えばそれが工業高校だったら、何かのマニュアルを読み込むとか、そのようなことが特質化になるのかなと思っていたのですけれども、それは別に工業高校や普通科とは実は関係なく、工業高校の子どもたちだって日々新聞を読まなきゃいけないだろうし、そういう意味では、国語という教科に関して、私は特質化なんていうことはあり得ないと思っています。これは全ての高校生が一様に学ぶべきことでありますし、国語力というのは、実は社会に出て、皆さんよくお分かりだと思いますけど、国語ができないと仕事できないのですよ、ベースとして。数学ができなくても仕事ができる人はいらっしゃいますけれども、国語ができなくて仕事ができる人というのはいらっしゃらないわけで、そういう意味では、国語というものをもう少し重要に捉えていただくことが大事なのかなと思います。これは先ほどの参考資料に対する意見です。
それからもう一つ、今の牧野市長がおっしゃった人材流出の話ですけれども、私もこれは仕方のないことだと思っています。子どもたちが高校を卒業して進学するわけです。進学先が、例えば首都圏に集中していれば、当然、その場所の大学に行きたいと思えば、そっちへ行っちゃうわけなのですね。大事なのは、進学して、例えばある程度都会で経験を積んで、更にその知見を生かして地方で活躍しようという意識を持たせることが大事なのでありまして、これは一概に流出だからだめだとかということではないということをまず申し上げたいと思います。
それから三つ目ですけれども、これはきょうのテーマの根幹に関わる部分ですけれども、学習意欲をどう高めるかということですが、これは、私は高校だけでは無理だと思っています。つまり、子どもたちのベースに学ぶ楽しさというものをちゃんと身に付けない限りは、これは幾ら強制的に押し付けたって、多分勉強しないのですよ。これも社会の話をしますけれども、皆さん、今一生懸命働いておられますが、何で働くのですかと言ったら、とりあえず世間一般的に、お金がないと生きていけないからと大体おっしゃいますよね。じゃ、お金を稼ぐために働くという第一義的なものがありますけど、それは金を稼ぐという目に見えない強制力が働いて働くわけです。その中で、働きがいや生きがいを感じるかどうかというのは、その中に楽しさを見つけるかどうかということになってくるわけで、今の高校生の場合は、別に高校へ行かなくてもいいわけです。行かなくてもいいのに、高校へ行って勉強させられているという現状があるわけで、ここはボタンの掛け違いというか、高校へ進学――ごめんなさい、言葉がうまく言えなくて、多分、これは誤解を受けるのだろうと思うのですが、高校へ行かなくてもいい子どもたちが高校へ行って、勉強しろと言われているのが大変つらい状況なのだろうと思っています。だから、そこのところを考えないと、学習意欲というのはいつまでたっても高まらないというのが三つ目です。
それで四つ目、今の話に実は関わってくるのですけが、今、大学入試改革にちょっと関わっていて、それから見ると、高校入試の位置付けというのはどこにあるのだろうとか、ということも考えなきゃいけないと思います。高校へ入るだけのレベルを有している子どもたちを選考するのが高校入試なのか、それとも高校という枠を作ってあるから、その定員を満たすために、そこへ入れることが高校入試の役割なのか。これは実は大きな違いがあると思っています。
それは、先ほど申し上げたとおり、本当に高校に行って勉強したい子どもたちはそれでいいのですけれども、勉強したくない子どもたちも、何となくみんなが高校へ行くからということで高校へ進んでしまう。そして、入れてしまう。入れてしまうという言い方は語弊がありますけれども。だから、そういう子どもたちが入ってきて、今、我々がまさにやっていることは、そういう子どもたちの学習意欲をどうやって高めようかという話をしているわけで、それは入り口から実はもう、言葉は悪いですけど、可能性が低い状況に、直面しているので、私はそういう意味で高校入試の位置付けというのをまず考えて、なおかつ、先ほどこれも牧野市長がおっしゃいましたけど、普通科を大学進学科にしてもいいと思うのです。より明確に大学に進みたい子ども、高等教育機関に進みたい子どもはこっちへ来なさいと。それから、大学、高等機関に進みたくはないのだけれども、中学校で学んだことをさらに深めたいと、そこで専門学校とか行って社会に出たいのだという子どもが行く普通科があってもいいと思うのです。ですから、その辺はやはりきちんと我々の高校生を捉えるときのターゲティングの層をきちんと分けるといいますか、我々はそこを認識して議論を進めていかなければいけないのではないかなというふうに思っています。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
今のお話で、どの時点で将来の進路を決定するのかというのは非常に大事なことでもありますし、かつまた、考え方の分かれるところでもあると思うんですね。普通科というのはどういう科なのか、もっと具体に名前で中身が分かるようにするべきだというお考えも当然あるとは思うんですけれども、じゃ、中学生の段階で将来の先々までも決定するという、そういう一つのコースの中に入れていいのかどうかという議論も当然あると思いますので、こういったことについても避けて通れない話ではありますから、是非御意見いただければと思います。
【牧田委員】 ごめんなさい。今の話、1点だけ。それについては、僕は、中学生が高校を選ぶ段階で自分の進路なんてほとんど決められないと思っています。ですから、まず、大学に進学したいという子どもは、それでほぼ確定だと思うので、そこの区差別はまず付けた方がいいと思っています。
【荒瀬主査】 ありがとうございます。私の経験で言いますと、これは経験なので一般化できるかどうか分からないんですけれども、進学するつもりで入ってきた生徒が自分のやりたいことが分かって就職していくという、そういうことも当然ありますので、その際に、いわば例外を認めるというふうな方向で行くのか、幅の広い状態で選択ができる、よってむしろ選択する力を付けようとするということにするのか。それはまさに今やっている議論で、スクール・ポリシーとかスクール・ミッションとかというのはそういうことだと思っています。そのあたりをどう考えていくのかというところもまた考え方の多様なところだというふうに思います。
【牧田委員】 もちろん敗者復活もありだと思います。
【荒瀬主査】 済みません、私が余りしゃべるとよくないと思いますが、もう一つ、私のこれまた経験で大変恐縮ですけれども、何のために高校に入るのかよく分からないまま入ってきたという生徒たちとの関わりの中での話です。工業高校の話なんですけれども、私、国語の教員でありましたので、文語文法を教えていて、ラ行四段活用とラ行変格活用の違いというのは、これはさっきの話でいうと、将来、知っているからといってあまり役に立たないことだと思うんですね。ところが、ラ行四段活用とラ行変格活用の違いが分かった生徒がどうなるかというと、これは本当に感覚的な経験で申し訳ないんですけれども、笑顔になるんですよ。知らなかったことが分かるということは、こんなにおもしろいことなのか、楽しいことなのか、ということに気づく。そう思った子はどうするかというと、まだ分かっていない子に同じように分かる喜びを伝えようとして、相当乱暴な方法ではあるけれども、教えようとするんですよね。
分かるということの喜びを味わうというのは、これはとても大切なことで、それがどういう状況の中で生まれるのかということを求めて、日本の先生たちはいろいろな形で腐心していると思うんですけれども、必ずしもすぐに効果が出るわけではなくて、だからどう言うんでしょうか、私が余り申し上げるのは本当に良くないと思うんですけれども、どの時点で本人が選択していくのか、あるいは選択した中で具体の道筋が通っていくのかというところをどうしていくのかということも多分スクール・ミッションとかスクール・ポリシーの中に入れていって、各設置者と学校とが、もちろん先ほどお話があったように生徒なんかも含めながら考えていくのかなというようなことを思う次第です。済みません、長々とお話ししました。
牧野委員、今の件に関してですか。
【牧野委員】 後でいいです。
【荒瀬主査】 いいですか、済みません。
では、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】 スクール・ミッションとスクール・ポリシーのところで1点ずつです。スクール・ミッションの策定のところでは、設置者がということで設置者の責任だとかを明確にしているというのはいいと思うんですけど、都道府県の教育委員会の中にいる人間として見たときに、設置者、例えば都道府県教委だけ、この中だけで設定をしていこうとすると、今までどおりのことになりそうだなというので、これからの時代に対応した姿とかに本当に行くんだろうかというのは、なかなかやっている人間としてはイメージが持てないと。
あとスクール・ミッションの書き方全体を通して、あくまで地域だとか学校も、声は聞くよと、ただ、決めるのは俺たちだというところで、学校とか地域社会の関係者を余りパートナーとして見ているという、パートナーとして対話をしていくようなスタンスがこの文章から読み取れないなと。あくまで最後は設置者が決めるのは、そうだと思うんですけど、もう少しちゃんと関係者を、それぞれ協働する主体者として一緒にやっていくパートナーとして対話しながら、この地域の子どもたちをどうするんだ、ここで生きる子どもたちのその先どうするんだということを一緒に対話しながら作っていく、それが合意形成まで行ければ本当にパワフルだと思いますし、あくまでちょっと一方的な、声だけ聞くよというスタンスから、もう一歩踏み出して、せめて対話ぐらいはやっていくというふうにならないといけないのではないかというのがこのスクール・ミッションのところで思うところです。
少なくとも、今、我々県でやっているところは、学校とか自治体とかが主体となって、本当にここら辺の学校をどうしていくのかを考えていく。県はそれを伴走していくという形で、主体はどちらかというと現場側だというスタンスで、伴走、支援していくというような、そういったところが出てきている中で、もうちょっとフラットな関係というか、体制みたいなところがあってもいいのかなというのがスクール・ミッションに関してのポイントです。
二つ目がスクール・ポリシーのところに関してですが、全体を通して、(1)から(7)が学校内の話に終始しているように見えてしまって、いわゆる社会に開かれた教育課程と言われていて、理念でも地域の人的・物的資源を活用したりとか、社会教育と連携を図ったりと、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有、連携しながら実現させることということが書かれている中で、じゃ、その社会と連携していく体制をどう考えていくのかみたいな視点も、学校内の体制だとか、分掌をどう統合してとかということも当然やっていきながら、最後少しぐらいは、学校の中の話だけでなく、社会にどう開き、どうつながり、どう連携しながらチーム学校としてなのか、社会に開かれた学びの体制を構築するのかということまでも、一つスクール・ポリシーを策定していく中で学校は考えていかないと、いつまでたっても内向きの話で終わってしまうと思うので、是非、社会に開かれた学びの体制もこのポリシーに連動して一緒に考えていくというところまであるといいのかなと思いました。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございます。
では、奈須委員、お願いいたします。
【奈須委員】 2点お願いします。1点は、先ほどの牧田委員と荒瀬主査の間で議論があったことに関してですけれども、結局、この国の教育政策は単線型をとっているということがあると思います。だから、普通科であろうが、専門高校であろうが関係なく、専門高校からも大学進学って幾らでもできる。つまり、単線型を日本は戦後選んできたと。ヨーロッパで一部あるような複線型の在り方をすれば、中学卒業時点とか、もっと早い時点で先に合ったことが選べるわけですけれども、これはとても大きな論争になるだろうと思います。
普通科が多いのも、原則として単線型をとっているということ、流動性を保持するということをしているわけで、その辺は短期的な議論ではなくて、もっと長期的な議論の中で、戦後とってきた在り方が大丈夫なのかどうかということに関わってくるんだろうと思います。だから、普通科の幅を広げるというよりも、単線型の教育の在り方のやってきたことと、この間に発生している問題に対して、どう対処するかという中で議論するんだろうなと思っています。
もう一つは、先ほど来から出ている地域を学ぶということなんですけど、総合的な学習を担当してきた中で、地域を知るということを小・中学校はずっとやっているわけですけど、なかなか難しい問題があります。地域を学ぶというのはどんな学力観かというのをこの間ずっと議論してきましたが、地域をコンテンツとして学んで、地域に詳しくなるということが、必ずしも地域に残るということをもたらさないと。地域に詳しくなれば詳しくなるほど、もうここはだめなんじゃないかということが分かってしまうということもあって、あるいは大人がこの地域はまだ大丈夫なんだ、大丈夫なんだと言えば言うほど、危ないんじゃないかということを子どもは悟るということ、これは小学校、中学校でよく言われることなんですね。
では、地域をしっかりと教えていくのは、何を目指して、どんなふうに教えていくか。一つの考え方は、地域はコンテンツではなくてマテリアルだと、教材だと。地域を一つの教材、事例として、より一般的なもの、つまり、子どもたちが主体として社会を創造していくと、コミュニティの問題解決に主体として参画して、質の高い問題解決の担い手になってくると、そういうことを学ぶ、シティズンシップのようなことですけれども、そうすれば、彼らが将来どこに行っても、東京に行っても、ニューヨークに行っても、そこの人たちとつながって、そこの人たちと一緒に問題解決をするという人間になっていく。総合的な学習の時間ではそういう人材を育てるということが地域を教えるということだろうと考えているわけです。
だから、地域についてそういうことを学んで、何かの縁で地域に帰ってきたときに、だから地域に帰ってくればいいんじゃなくて、地域に帰ってきたときにどういう人になるかで、地域に帰ってきたときに、そこの地域の人たちとまた新たにコミュニティをより良く創造していく担い手として小中高の段階で育てると。だから、地域と学校の関係って難しいんですけど、特に高等学校は難しいだろうと思いますが、その辺の学力論を、今回の公民科の方でも変化が起こっていますし、シティズンシップ教育のこともあります。18歳選挙権のこともあるので、少しそういったラインで地域を教えるということの意味を、まさにそれは今度教育課程、教科との関係も出てきますので、教科と別途、ただ地域に詳しくなるんじゃなくて、教科とも絡めながら、もっと知的な学びとも絡めながら、地域を良い教材として子どもたちが学びを深めていく、その学力論を確立するということが一方で大事かなと思って伺っていました。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
では、角田委員、お願いいたします。
【角田委員】 済みません、議論がまたちょっと戻ってしまうと思うんですけれども、この普通科をどうするかという議論が始まったときに、やはり普通科をなくして、特色ある学科に分けるのではないかという心配がわっとわき起こったと思います。そして、その方がいいという意見も結構あったかとも思います。
スクール・ポリシーを議論していく中で、それぞれの高校がそういった道を選ぶかもしれません。もっと特色ある学科に普通科から変わっていこうという道に。しかし、先ほど来、荒瀬先生もおっしゃられたように、多くの生徒たちは中学校段階では自分のことも分からない、進路も見えないという状態にいると思うんです。その子たちが高校という段階に行ったときに初めて勉強のおもしろさに目覚めたり、自分のことが分かったり、将来の方向性を見つけたりということを用意するという、今よりももっと用意するというのが普通科改革で一番重要なことなのではと思っているところです。
改革事例ですばらしいと思うところには、普通科と専門学科が並列して存在していたり、多くの選択肢が用意させているところです。そこで、いろいろなタイプの子たちがそれぞれの道を見つけていくということが現実に起きていると思います。現在、それを遮っているような枠組みがあったら、それを取っ払うような方向に持っていきたいですし、実は枠組みなどないことを知らなくてできないんだと思いこんでいる部分があれば、もっと周知していくということが必要ではと思います。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
牧野委員、どうぞお願いいたします。
【牧野委員】 二つ、一応、今どんな話が私のところに入ってきているか、具体的な話で申し上げます。牧田委員のお話とも関係するんですけれども、中学の時点でなかなか自分の進路を見つけられないという話はあるかもしれませんが、本来、どれだけ将来の人生設計を考えていってもらえるかということは、まさに小中の義務教育の中の教育の在り方に関わると思うんです。
その上で、私と同年代の大学の先生から聞いた、実際に私の地元であった話なんですけれども、中学校の先生に対して、「私は将来農業をやっていきたいので、農業の高校に行って、そこから農業の大学に行ければいいと思います。ですから私は農業高校を受けたいんです。」と言ったら、先生に物すごく怒られて、「何を言っているんだ、大学に行きたいんだったら、おまえは普通科へ行け」と。それしかないみたいな感じの言い方をされたというのは、本当はおかしいんじゃないかと。農業のことをしたいのであれば、早くから農業のことを学んで、その上で農業大学に更に行けるような道というものが本来はあっていいのに、あえてそれを、普通科に行って、農業に行きたかったら、あと大学に行って学べばいいんだという教え方をされたと。本当にその在り方でいいのかなということを、実際の体験として、その大学の先生は私に語ってくれたんですね。
もう一つ、今、実際に飯田で起こっている、地域人教育を進めているOIDE長姫高校の生徒さんというのがどういうふうになってきているかということですけれど、文科省の捉えでは、偏差値教育的に見ればミドル層の職業科という位置づけになってきていたんですけれど、今、入ってくる生徒は実は偏差値が高い生徒がどんどん入ってきているというのです。本来であれば普通科に入っていくような生徒が、むしろOIDE長姫高校へ行きたいと言って入ってくる。そういった意味では、学力的にはバリエーションが出てきているんだという話を校長先生がされています。
ですから、恐らく職業高校から大学に行く、そういった生徒も増えてくるだろうということが将来予想されるわけですね。だから、地域のことを学ぶ地域人教育をやっている中中で、中学生の頃まで地域のことをすごく学んできた人は、あえて普通科に行かずに、そういうことをやっているOIDE長姫高校へ行って、更にもっと頑張りたいと、また地域のために頑張りたいので、私は大学に行こうという生徒が恐らく増えてくる可能性があると思うんですね。これは実際に起こっていることですので、あえて報告しておきます。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
私も自分の体験から話をしましたので、今、牧野委員のお話しになった大学の先生の御体験というのをどうのこうの言う気はないですが、ただ、その中学校の先生は、大変問題のある御発言をなさったということは事実ですね。私の年齢の時代でも、農業高校から農学部に行った人というのは幾らもいまして、ですから、何というんですか、御存じないまま進路指導をなさっていらっしゃる。それはもう全然話にならなくて、同じようなことが高等学校で言うと、偏差値に応じて大学を選ばせると、おまえ難しいから、そこはだめだとか、ひどい場合は調査書を出さないとか、そういうおどしをかけて、結局、言ったとおりに合格する、ないしは言ったとおりに不合格になる、そういうことを見極めるのが進路の達人みたいな誤った考え方というのがあるんですよね。そこはちょっとだめかなと思います。
義務教育をどうのこうの文句言う気は全くないんですけれども、義務教育でやるべきことをやっていただくというのはもちろんで、ただ、そういうことを経て高等学校に入ってきた生徒たちに対して、どんな学びの場を展開できるようにするのかということが大事なんだろうなということを思います。今の話なんか農業高校の先生がお聞きになったら、きっと本当にひどいなということになると思いますね。
【牧野委員】 でも実際に、そういう風潮があったということですから。
【荒瀬主査】 なるほど。
【奈須委員】 大分前の話でしょう。
【牧野委員】 私らと同じ世代ですから。
【奈須委員】 だから大分前の話ですよ。
【牧野委員】 今の話じゃないですよ。ただ、普通科がそういうふうに位置付けられていたという話です。
【奈須委員】 かつてね。
【荒瀬主査】 済みませんでした。いかがでしょうか。
この議論、さっきのお話で、本当に日本のこれまでの教育制度自体もちょっと考えていくとなると、ここだけの議論では終わらなくなってしまうので、ただ、対症療法的に何をしたらいいのかということを言っているだけでも、これまた意味がありませんので、そのあたりを考えていくということですが、ここで……。
【牧田委員】 それはある意味、このワーキンググループの問題提起としては、ここに載っけてもらうことは可能ですよね。
【荒瀬主査】 それはもちろん、当然我々が全部議論をし尽くすということは不可能ですので、今後、こういったことについては一層の議論を深めていく必要があるということは当然出せると思います。
【牧田委員】 多分、最初の会議で申し上げたと思いますけど、高校の下と上が必ず関連してくるので、その視点で捉えないと、必ずおかしくなっていくのじゃないかと思っているので、それは是非お願いします。
【荒瀬主査】 今おっしゃった下と上というのは、義務教育と高校を卒業した後、大学なり就職とかですね。
【牧田委員】 はい。
【荒瀬主査】 分かりました。では、そういったことにつきましては、これからまた後の会議の場面でも御意見をお願いしたいと思います。
では、もう一つ議題がありますので、一旦そちらの方に移りたいと思います。検討事項2でありますが、「地域社会や高等教育機関との協働による教育の在り方について」ということで御議論をいただければと思います。
では、また酒井さんの方から御説明をよろしくお願いします。
【酒井参事官補佐】 失礼いたします。資料2を御用意いただけますでしょうか。資料2と途中、参考資料2、関係資料集も用いながら具体的論点ということで御提案させていただきたいと思います。
本論点でございますが、先ほどの議論の中でも学科の在り方の中で、いわゆる地域社会との連携の在り方というのがかなり大きなテーマになっていたかと思います。先ほどの議論と関連する部分が多くあると思いますので、そのことも念頭に置きながらごらんいただければというふうに考えております。
これまでの議論の整理でございますが、まさに先ほどの御議論そのものでございますけれども、各高等学校においては、これからの高等学校においては、地域社会でありますとか、企業でありますとか、NPO、高等教育機関をはじめ、社会との連携・協働を通じた教育をより一層実施していくということが期待されているのではないかというのが、これまでの議論の中であったかと思います。とりわけ、地域社会が抱える課題の解決を図り、これからの地域や社会の将来を担う人材の育成が期待されている高等学校が多数存在しているということもあろうかというふうに考えております。そういった高等学校において、地元の市町村でありますとか、様々な関係機関との間で組織的・継続的な連携・協働体制を構築する、その中で教育活動を展開していくということが求められているのではないかというのが、これまでの議論の整備かというふうに考えております。そして、高等学校は様々ありまして、例えばグローバル・リーダーを育成するような高校でありますとか、そういった高校もあるのであろうというふうなところでございます。
最後の1ページ目の四つ目の丸でございます。一方で、少子化や過疎化の進行に伴って、公立高校の小規模化や定員割れといった課題も顕在化しているというふうに受けとめております。とりわけ、離島や中山間等において、高等学校の存在は地域の活力につながる重要な機関といったことは、これまでも御指摘があったところでございますが、今後、少子化に伴う高校生の減少も予想される中で、公立高校の配置と規模の適正化を図るとともに、離島や中山間地域の小規模な高校の教育水準の維持・向上やその特色化・魅力化を図る。このことが重要ではないかというのが、これまでの議論でありましたり、諮問事項等の中から導き出されるものではないかというふうに考えております。
2ページをお願いいたします。そういった中で、この検討事項で具体的に御議論いただく際に視点として2点お示ししております。1点目は、これまでの御議論の延長でございますが、各高校の特色化・魅力化を実現するための地域社会でありますとか、関係機関との連携・協働の在り方、これをどのように考えていくかというところでございます。
2点目でございますが、少子化や過疎化の進行に伴う高校の小規模化、定員割れが顕在化する中において、今後の公立高校の配置規模の適正化についてどのように考えていって、小規模高校を配置する場合の教育水準の維持・向上、そういった方策というのはどのようなものがあるか。それが大きな議論の視点ではないかというふうに考えております。
まず、一つ目の視点についての論点ペーパーでございます。3ページをお願いいたします。「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた地域社会や高等教育機関等の関係機関との協働の在り方というところでございます。
(1)でございます。これは平成28年の中央教育審議会の答申で、「社会に開かれた教育課程」としての役割が、これからの教育課程には期待されているということが指摘されていたというところでございます。
(2)番は、平成27年の答申の中でも、これからの公立学校においては、地域でどのような子どもたちを育てるのかといった目標・ビジョン、これを地域住民と共有して、地域と一体となって子どもたちを育んでいく、「地域とともにある学校」へと転換するということを目指して、取組を推進する必要があるということが指摘されておりました。その上で、全ての公立学校がコミュニティ・スクールを目指すべきと、地域と学校がパートナーとして、共に子どもたちを育て、共に地域を創るという理念の下で、地域と学校が連携・協働して地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支えていく「地域学校協働活動」を推進すること、その推進する体制として「地域学校協働本部」に発展させていく、こういったことが提言されていたところでございます。
この27年答申を踏まえまして、平成29年に、いわゆる地教行法の改正によりまして、教育委員会に対します学校運営協議会の設置の努力義務化でありますとか、学校運営協議会の委員に地域学校協働活動推進員を加える、こういった規定の改正が行われるとともに、社会教育法の改正によりまして、地域学校協働活動に関します地域住民と学校との連携協力体制の整備、これが教育委員会の事務とされるとともに、「地域学校協働活動推進員」に関する規定の整備が講じられたところでございます。これらについては、公立高校も対象になるというふうなところになっているところでございます。
(4)番でございますが、学校と地域との連携・協働の議論というのは、これまでは主として小・中学校を念頭に置いた議論が多かったというふうに受けとめております。高等学校段階においては、例えば通学区域の問題であったりとか、様々な学科・課程があるというようなところで、なかなか高等学校段階が対象になる議論は多くはなかったというのが現状であろうかと思いますが、4ページ目でございますけれども、これからの高等学校というのは、高等学校という学校種の特性を生かしつつ、地域社会との連携体制の構築を図っていくということが求められているというところかと考えているところでございます。
その中で、(5)番でございますが、とりわけスクール・ミッションでより地域を支えるために必要となる力を育成するというようなことを掲げる高等学校においては、これまで以上に地域社会と連携・協働した教育活動の展開が求められるのではないかというふうに考えています。その中で、少なくとも公立高校においては学校運営協議会を設置し、地域社会の参画・協力を得て、学校運営の改善を図るということ。併せて、地域学校協働活動と一体的に取り組むことで、地域社会と連携・協働する教育活動の更なる充実が期待されているというふうに書かせていただいているところです。
(6)番でございます。その上で、更に地域と連携・協働した取組を一歩進めて、地域社会と連携・協働して高校の特色化・魅力化に取り組むという学校においては、地域の実情に応じて、いわゆる「コンソーシアム」、これは高等学校と市町村、産業界、高等教育機関、NPO、関係団体等との協働体制でございますが、これを構築して、より安定的・計画的・持続的な関係を地域社会と築くということが望まれているのではないかというところでございます。
「コンソーシアム」については、その直下に参考ということでコンソーアムについてということ、少し字が小さくて恐縮でございますが、記載をさせていただいております。今、「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」の中でも、この設置促進が掲げられているところでございまして、詳しくはこの資料の14ページ、15ページに全文を掲載させていただいております。
現在、このコンソーシアムについては、島根県教育委員会の方では、全ての高等学校において構築する方針を「県立高校魅力化ビジョン」の中で掲げられているというふうに承知しております。
また、文科省の委託事業であります「高校と地域をつなぐ人材の在り方研究会」の中でもこの御議論が行われたところでございます。これについては、恐れ入ります、参考資料2、関係資料集の33ページ以降をお開きいただけますでしょうか。参考資料2の33ページでございます。「高校と地域をつなぐ人材の在り方研究会」についてということで、今年度、文科省の委託事業の一環といたしまして、高校と地域をつなぐ人材の在り方について調査研究を今行っているところでございます。この中の研究会の委員としましては、本ワーキンググループの委員でもあられます、香山委員、牧野委員にも御参画いただきまして、事務局としては岩本委員が担っていらっしゃるというようなところでございます。
この中の御議論を紹介させていただきますと、次のページ、34ページでございますけれども、高校と地域をつなぐコーディネート機能というものが必要ではないか。そのコーディネート機能としましては、高校から地域に働きかけるコーディネート機能と、地域と関係しながら地域と高校をつなぐコーディネート機能、そういったものが必要ではないかというようなところの御議論がございました。
35ページには、高校と地域をつなぐためにはコーディネート人材が必要であろうという御議論もありまして、そのコーディネート人材のイメージについての資料となってございます。特に高校内のカリキュラムを構築し地域に働きかけるコーディネート機能と、協働体制におけるコーディネート機能を担う人材、こういった人材が今後、高校と地域をより一層深めていくためには必要ではないかという御議論でございました。
さらに36ページでございますが、具体的に「コンソーシアム」と言われるもののイメージでございます。学校運営協議会と地域学校協働活動を一体的に運用しまして、「社会に開かれた教育課程の実現」と「学校を核とした地域創生」の好循環の基盤となる協働の組織体制の構築といったところで概念図がお示しされているところでございまして、この資料の下にはコンソーシアムが担うべき機能というようなところにも言及があったというところでございます。
恐れ入ります、本体の資料2に戻っていただきまして、5ページをお願いいたします。5ページの(7)でございます。スクール・ミッションの中で、例えばグローバルの活躍、国内外の社会課題の発見・解決に対応できるリーダーの育成を掲げるような学校が出てきた場合に、こういう学校においては、地域内外でありますとか、国内外の高等教育機関でありますとか、国際的な企業、世界的な拠点となっている研究機関でありますとか、国際機関との連携や協働、こういった体制の構築が望まれるのではないかというようなところでございます。
(8)番でございます。専門学科においては、産業界で必要される専門知識や技術が高度化して、従来の産業分類を超えた複合的な産業が発展しているというところでございます。そういった実践的な教育を充実していくということが求められることを踏まえまして、高等教育機関や企業との連携を強化しまして、最先端の実践的な職業教育が求められているのではないかというふうに記させていただいております。
(9)番でございます。地域社会や高等教育機関をはじめとする関係機関との連携、これは大変重要ですが、特に都道府県立の高校においては、地元の市町村や住民との意思疎通、関係構築が必ずしも十分ではないというような学校もあるという御指摘もこれまで数々あったというところでございますが、公立高校については、地域振興の核としての役割を期待されているという意識を持って、地元自治体との関係を構築するということが望まれているのではないかというところでございます。そして、地元自治体側といたしましても、例えば市町村の教育振興基本計画などにおいて記述を盛り込んでいただくなど、地元の学校として必要な対応を講じていただくことも、併せて必要ではないかといったところを記させていただいております。
最後(10)でございますが、中学校を卒業した生徒のほぼ全ての者が現状においては高校に進学するという中で、生徒の学習ニーズは極めて多様なものになっているかと思います。その中で、不登校でありますとか、中途退学を経験した生徒さん、特別な支援を必要とする生徒さん、外国籍の生徒さんや日本語指導が必要な生徒さん、経済的に困難を抱える生徒さんなど、厳しい環境の中で困難を抱えている生徒さんが在籍している場合、高等学校は関係機関と連携しつつ、問題・課題に対する支援・対応策を講じていくということが必要ではないかというふうに記させていただいております。
7ページをお願いいたします。済みません、ちょっと空白のページができてしまって申し訳ありません。7ページでございますが、こういった地域社会や高等教育機関をはじめとする関係機関と連携・協働を考えるに当たって、より一層、現在文科省で取り組んでいる事業の御紹介もさせていただきたいと思います。
平成30年6月に文科省では、「Society5.0に向けた人材育成」というようなものをお示しさせていただいていて、高等学校普通科において文系・理系に分断されている実態を改めまして、文理両方を学ぶ人材を育成するための学習プログラム・コース、これを「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」として創設することでありますとか、地域の、地域による、地域のための高校改革を推進するため、地域高校の創設といったようなところの提言を文科省の中で取りまとめさせていただきまして、今年度からこういった取組を進められる高校を支援するような取組を進めているというところでございます。
具体的には、また済みません、参考資料2のポンチ絵集をお開きいただければと思います。具体的に学校の事例を御紹介させていただきたいと思います。参考資料の16ページでございます。地域との協働による高校教育改革推進事業というものを今年度取り組んでおりまして、この中では、高校生と地域課題のマッチングを行うコンソーシアムの構築でありますとか、学校と地域をつなぐコーディネーターを指定するといったようなところで、地域との協働による活動を学校の教育活動として明確化するような学校に対する事業というのを進めさせていただいております。
具体的には、まず、19ページをお開きいただければと思います。御紹介させていただく事例の一つが岡山県立和気閑谷高校、本ワーキンググループの委員であります、香山委員が校長を務めていらっしゃる学校の取組事例ということでございます。今年度1年目の事例でございますけれども、この和気閑谷高等学校においては、各教科・科目の地域協働カリキュラムでありますとか、地域協働デュアルシステムのカリキュラム、さらには総合的な探究の時間の地域協働カリキュラム、この中では課題解決型探究学習としての「閑谷學」というのを取り組んでいらっしゃいます。さらには、各教科・科目と連動する課外活動、こういったことを一体となって取り組んでいらっしゃるというところでございます。各教科・科目の中では、この和気閑谷高校が設定されている目指すべき資質・能力を、年間計画を生徒と教師が共有した上で教科横断的なパフォーマンス課題を開発・実践しているということでございます。
さらにはデュアルシステムとして、2年次から3年次にかけて一定期間、就業体験実習でありますとか、地域貢献活動を実施されているというところでございます。今後、さらにその活動を拡大されるということでございます。さらに総合的な探究の時間では1年次から3年次にかけて段階的に探究の手法を学んで、御地元の自治体をテーマとして探究学習を実施されると。さらに3年次には、各自の進路分野について情報収集しながら、現実と理想の差を埋める提案を探究していくという取組を進めていらっしゃるというふうに受けとめております。
これを支える地域との協働体制といたしまして、下の方に概念図を示しておりますが、和気閑谷高校さんと地元の自治体である和気町、近隣の赤磐市、備前市の自治体でありますとか、大学、商工会議所、NPOによる新たなコンソーシアムというのを構築されて取組を進めていらっしゃるというふうに承っているところでございます。
恐れ入ります、もう一つ事例を示させていただきます。22ページをお願いできればと思います。22ページにつきましては、先ほど牧野委員からも御紹介ありました、長野県の飯田OIDE長姫高校の事例でございます。長姫高校におきましては、工業科と商業科について専門性を追究するとともに、学科間連携から環境保全でありますとか、ビジネス、地域資源の有効利用の面から多角的に実践的・探究的な考え方と行動ができて、かつ地域の産官学や異業種とも連携した「地域協創スペシャリスト」の育成を目指す取組を進めていらっしゃるというふうに承知をしております。
この中で、先ほど委員からも御紹介がありました、商業科における地域人教育、熱心に取り組んでいただいているというふうに承っております。資料の中ほどでございます、「地域人教育推進委員会」というふうな委員会を立ち上げられまして、飯田OIDE長姫高校、松本大学、そして公民館、地元の御企業が連携して取組を進めていらっしゃいます。そして、この特徴的な取組といたしましては、公民館から公民館主事の方が高等学校の方に入っていただいて探究的な学習、地域人教育を御支援されているというふうに承っております。飯田長姫高校では高校1年次から3年次まで系統的な授業カリキュラムとしてこのカリキュラムを取り組んでいらっしゃるというふうに受けとめております。
さらに、これを支えるコンソーシアムとしまして、機械・電子・電気系の委員会でありますとか、建設系の委員会、商業系の委員会、各三つのコンソーシアムを御地元と構築をされて取組を進めていらっしゃる、そういうふうに承知をしているところでございます。
もう一つ、恐れ入ります、24ページ、25ページをお願いします。これはワールド・ワイド・ラーニング・コンソーシアム構築支援事業の中での取組事例の御紹介でございます。将来、イノベーティブなグローバル人材を育成するため、文理両方を学ぶ高校改革を進めるプロジェクトといたしまして、グローバルな社会課題のカリキュラムの開発でありますとか、高校生国際会議を開催すると、さらに中身としましては、大学教育の先取り履修を単位認定するような取組でありますとか、多様な学習内容を生徒個人の関心・特性に応じて、履修可能とするプログラム・コースを開設しているものでございます。
25ページには、事業拠点校といたしまして、筑波大学附属坂戸高校さんの事例を御紹介させていただいております。この高校では、地球市民性教育ということで「グローバルライフ」という科目を設定したり、「アセアンフィールドワーク」といたしまして、インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、これを生徒全員が経験されているというふうに承っております。そして、フィールドワークに付随した第2外国語の開発等も進められているというふうに聞いております。
さらには、選抜制度では国際的なフィールド、更なる高見を目指すフィールドワークを実施されているというふうに聞いております。この中では、先取り履修としまして、筑波大学のSDGsの関連した学習プログラムでありますとか、各種のプログラムと連携して大学教育の先取り履修にも取り組んでいらっしゃるというふうに聞いております。
恐れ入ります、行ったり来たりで申し訳ありません。本体資料の8ページをお願いいたします。本体資料の8ページでございます。こういった取組を希望する多くの高等学校さんが今あって、多くの学校から現在申請をいただいているところでございます。それぞれの地域や学校の実情に応じた特色化・魅力化に向けた取組をかなり進めていきたいという御希望を承っております。こういった学校さんの取組をより後押しするような更なる制度的な措置、支援策、こういったことがどういったものが必要か、そういったことを御検討いただければというふうに考えているところでございます。
9ページをお願いします。ここのテーマのもう一つの大きな御議論いただきたい課題といたしましては、20年先・30年先の社会や地域の変化、少子化を見据えて、高等学校において教育水準の維持・向上を図る在り方でございます。
(1)番でございます。地方制度調査会が昨年7月に公表いたしました「中間報告」におきましては、今後、我が国において人口減少が深刻化し、高齢者人口がピークを迎える2040年頃にかけて、様々な人口構造、インフラ・空間、技術・社会、あらゆる領域で変化・課題が生じていくというふうに見込まれていると言われています。そして、その変化・課題の生じ方というのは、地域によって大きく異なるということも見込まれております。一例としまして、将来推計人口を踏まえますと、人口減少の傾向は市町村によって状況が様々であるというふうに見込まれているところでございまして、これから各地域においては、そういった変化・課題の現れ方が地域ごとにどういった変化・課題が出てくるか。それを見通して、資源制約の中で何が可能なのか、どういった未来を実現したいのか、この議論を重ねていくというようなことが必要であるということが指摘されています。
こういった中で、特に公立高校においては、地域社会の中心的な人材育成機関として果たすべき役割は極めて大きいものがありますけれども、やはり公立高校が、特に先ほどのスクール・ミッションを定義いただく場合には、これからの20年先・30年先の地域社会の姿、未来像を踏まえて、将来にわたって、その高校が地域社会の中でどういう役割を果たしていくのか、議論を重ねていただく必要があるのではないかというふうに考えています。そして設置者でありますとか、校長先生でありますとか、こういった方々は、20年先・30年先の地域社会の姿に責任を負っているという御認識を持っていただいて、スクール・ミッションを定義していただく必要があるのではないかというふうに考えております。
そのためにも公立高校においては、地元自治体をはじめとする地域社会の関係機関と意見交換を行っていただくことが当然重要であろうかと思いますし、その地域の未来像を共有した上でスクール・ミッションを定義することが必要ではないかというふうに考えております。
10ページをお願いいたします。その上で、最終的に設置者においては、20年先・30年先の地域社会の姿を踏まえつつ、これからの地域社会の将来像として求められる高校教育の在り方の検討を行って、これからの時代に求められる学校や学科の姿を描いて、その配置規模が適正なものとなるように必要な措置を講じていただく必要があるのではないかというふうに考えております。
このように公立高校は地域社会において人材育成の中心的な機関として、社会インフラとしての役割を担っているところでございますが、中山間地域や離島などの高等学校においては、都市部の高校と異なって、生徒が自宅から通学できる地域で唯一の高等学校というようなところもあろうかと思います。そうした高等学校は、大学進学、就職、特定の専門分野の教育、これは生徒の多様なニーズに応えるために様々な役割を担うことが求められていまして、こういった特徴は都市部の学校とも異なっているんだというふうに認識をしております。
一方で、こういった学校の中には生徒数の減少による小規模化が進みまして、高校としての機能、教育水準を維持するには大変厳しい状況に置かれているという学校があるということも承知をしているところでございます。こういった学校の教育水準の維持・向上を図るための方策というのはどういったものがあるか、これを御検討賜ればというふうに考えているところでございます。
(4)番でございますけども、現在、都道府県教育委員会の中では独自の取組としまして、小規模な高校が他の高校と連携協力する中で、小規模な高校の教育水準の確保を図っている例でありますとか、例えば複数のキャンパスを設けることで、これは統合に際してでございますが、統合前の学校の教育機能の維持でありますとか、地域における教育環境の維持を図っている例が見られておりますけれども、様々な学校、複数の学校や校舎が共同して教育活動に取り組むことにより、教育水準の維持・向上に取り組んでいる例も見られているところでございます。
こういった例を踏まえつつも、中山間、離島に立地する小規模な高校において、生徒の興味・関心・特性に応じた多様な教育活動を実現するための更なる方策というのはどういったものがあるかというふうなところでございます。例えばでございますが、ICTを活用することによって、中山間の小規模高校に在籍する生徒が自身の希望する進路を実現するために必要な科目を、例えば遠方の都市部の学校で開設されている授業を履修するというようなことがより一層可能になることで、そういった生徒さんのニーズに応えるということも考えられるところでございますが、いずれにしましても、こういう小規模な地域性を踏まえた高校の在り方というのはどういったことがこれからあるのか、そういったことを御議論を賜ればというふうに考えているところでございます。
説明は以上でございます。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
先ほどの議論とも関わってということでありますけれども、今、御説明いただきましたことに関しまして、御意見がございましたらお願いいたします。
では、牧田委員、お願いいたします。
【牧田委員】 誠に地域連携というのはいい取組だとは思いますが、実は、私は内閣府のネットトラブルの委員をしているのですが、いろいろな省庁でネットトラブルを防ぐためにいろいろな方策が出てくるのですが、最後はやっぱり、青少年のトラブルですよ、青少年のいわゆるリテラシーの問題だろうということに必ず落ち着くのですね。そのリテラシーを醸成しているのは誰かというと、まず、身近にいるのは保護者なのであります。そんなことで、今の地域連携の話とちょっとこの辺はかぶるなと実は思っていて、地域に高校生をサポートというか、高校教育をサポートしてもらおうということはよく分かるのですけれども、その前に保護者がまずは努力をすべきではないかなと思います。
そういったことからいうと、今、コンソーシアムというのを立ち上げられていらっしゃいます。これは誠にいいことだと思います。いいことだと思いますけれども、少なくとも島根は岩本さんがいらっしゃいますし、それから閑谷高校は香山さんという、多分、僕が言うのも僣越ですけれども、スーパースターが仕切っておられるので、こういう成果が出るのだろうと思います。これを全国押しなべて全ての高等学校で実施をするということになると相当時間も掛かるし、リーダー役を育てることも大変だろうと思います。
そこで何を申し上げたいかというと、私、きょうPTAの代表で来ていますが、なぜ皆さんPTAをお使いにならないのかということなのであります。保護者は基本的には、今ここに書いてある地方公共団体の職員もいれば、企業経営者もいれば、いろいろな人がいるわけです。まさにこのコンソーシアムを構成するような方々が全部そろっているのです。それをなぜ活用せずして新しくコンソーシアムを作るのかというのが、正直私は、PTAを預かっている者としては非常にじくじたる思いなのでありまして、加えて最近、特に義務教育で多いのは、PTAが何やっているかよく分かんないと。だから、PTAには入らないのだという保護者が増えています。公立高校でも若干増えつつあります。その理由というか、それをさかのぼっていくと、PTAの存在価値というものがないのだろうというふうに思われるわけですね。ですから、私はこういったところでPTAの活用といいますか、もっとPTAにミッションを与えるべきではないかなと、ちょっと我田引水のところはありますけれども、申し上げたいと思います。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
では、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】 今の連携・協働の話で1点と、あとは小規模の離島、中山間や、そういった高校のことに関して1点です。
まず、コンソーシアムとか協働のところで、まさに今言われたPTAというところは、本当に一つ重要な要素だと思いますし、もう一つは卒業生会、卒業生というこのリソースもしっかりと使われていない部分が多くあると。こういったPTAや卒業生、まさにコンソーシアムを構成するような方たちだとか、そういったところにつながってくるので、これをうまく活用というとちょっと言葉がよくないですが、やっぱり活かしていくという必要があると。
そうしたことを学校側がもっとうまくやっていくために何をしていく必要があるかというところで、一つ、今回触れられていないところでいけば事務室、今、みんな教員教員教員と、役割が教員に行くわけですけれども、教職員であって、実は職員が高校には複数いらっしゃいます。これも公務員としてそれなりの方というか、事務長を含めいらっしゃいます。この事務室が連携・協働のハブになったりとか、卒業生だとかPTAの方たちとのだとか、場合によっては学校の経営体制における経営企画室的な機能だとか、本当はそういったところも担っていくということも、現実やっているかどうかということではなく、これからを見たときには、なぜ教員ばかりに行くのかと。職員の方もというところで、今後、是非事務室の役割の再定義だとか、本当にどういう人たちが本来いるべきなのかとか、教員の資質・能力は言うけれども、じゃあ事務職員や事務長の資質・能力って誰が育成して、どういう中で、どういう基準になっているんでしょうかということも含めて、そこら辺の議論って先ほどの中教審の中でも、どこで議論されているのだろうかというのがちょっと見えないなというところですので、事務室の機能の再定義だとか機能強化、そういったところなんか、教員免許がなくて外部人材の活用なんていうのはもっとしやすい部分でもありますので、こういったところは今後どこかで触れていただく必要があるのではないかというのが1点目です。
2点目は、離島や中山間地域、小規模校のところをどうするのかというところでいくと、全国のこういった小規模のところに行って感じる、これからの方向性は二つあります。一つは、今回出ていたキャンパス制みたいな、他の高校とつないで、水平での連携の中でやっていく、これは大事ですし有効ですので、これは進めるといいと思うんですけれども、それ以外でいくと二つあります。
一つは、この小規模な高校の足元を見てみると、もっと小規模な中学校や小学校が存在していますと、ここも実は高校と同じような課題を抱えて苦しんでいます。水平、遠くの高校とやっていく動きをやりながらも、縦でちゃんとつないでいくと。例えば家庭科や音楽や芸術の教員なども場合によっては中学校、小学校で、小中高で教員をワークシェアしていくとか、そういった発想だって、若しくは部活動の指導も、もっと近くにありますので、徒歩圏内にあったりとかしますので、そういう部分だとか、あと、さっき縦の上下という話もありましたけど、上というか、見ると、そういった小規模の高校の周りには大学はないですね、こういう過疎の地域には、残念ながら。
そうした時に、こういった小規模の学校は、実はその地域における最高学府を担っている。その地域の方たちの中でも学習に対するニーズもある。場合によっては、3年間だけではなく、その先のコミュニティ・カレッジ的な機能だとか、リカレント教育みたいな機能も含めて、検討してもよいと思います。地域の方たちも、私が現場でやっていたときも今、こんな学びがあるのかとか、教科もという中で一緒に学びたいというような声なんかもありましたので、そういった縦で、本当の意味で地域社会に開いて学びを構成していくというのが一つ重要だと思います。そういった意味では、コンソーシアムの中でしっかりとそういった議論をしていくと、縦のつながりの中で、どう産業界を含めてやっていくのかというのが見えてくるかなというのが一つです。
二つ目の方向性は、未来社会に開くというような方向性かと思っています。これはここにも書かれていますけれども、先端技術だとか、ICTの活用というところは外せないと。離島、中山間のような小規模校を見ていくと、一つのクラスのなかで学力差は非常に大きいと。分数の足し算、引き算がうまくできないという子から、国公立の二次対策まで必要な子までが同じ学級にいざるを得ないとか、小規模になってくるとこういう学力差が出てきていますので、要は個別最適化の学習なんていうのをせざるを得ないというところに追い詰められているというか、逆にそういう状況なんですよ。こういったところこそ、そういった機器だとかシステムなんかも、小規模ですから、そんなに莫大なコストが掛かるわけではない。要は大規模校で今まで通り普通にやっていける普通科進学校よりも、こういったところの方が個別最適でそういったことをやっていくニーズも非常に高いですし、こういった小規模校は、コストもそんなに掛からない中、入れて、小回りも利くし、成果も、スピードも速く動けるようなところがありますので、そういったところから先導的な取組をやっていくというのが一つ重要になってくるのかな。
そうしたときに、ここでも書かれていますけれども、近くの高校とか県の教育センターが配信してみたいな、都道府県任せというか、そういったところでやっていくのは大事だと思うんですけれども、そういった学びを支えていくプラットフォームって、実は全国規模でとか、国なんかの単位で考えていく必要もこれからあるのではないかと。例えば放送大学、これの高校版みたいなイメージがあってもいいのではないかと。数学や物理だとか、いろいろありますけど、地域ごとにそんなに学習内容は変える必要はもしかしたらないかもしれないと。数学や物理のコンテンツ自体はある種普遍性を持ちながら、それをどう使っていくのかは、その地域ごととか、学校ごとの特色だとか、生徒に合わせてですけれども、そういう意味では、今後、場合によって、広域通信制の話とまさにつながっていくと思いますけれども、そういった形で、全国のどこに生まれても、どんな学校規模に通っていても、日本で学ぶ子たちには教育の質の保証というか、機会の均等はこういった形で担保していくと。この機会の均等、ある種教科学習だとかにおける学びのプラットフォームによる機会の均等があるからこそ、各学校や地域ごとに特色や多様化が図られていくというところで、均等かつ特色化・多様化というところを同時にやっていくような動きをしっかりと考えていく必要があるのではないかというところです。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
それでは、内堀委員、鍛治田委員、牧野委員、佐藤委員の順でよろしくお願いいたします。では、角田委員、長塚委員、よろしくお願いいたします。時間がだんだん短くなっておりますので、大変申し訳ありませんが、御配慮をよろしくお願いいたします。
では、内堀委員、どうぞ。
【内堀委員】 じゃ、お願いします。3点かと思います。1点目は、地域と協働して、あるいは地域の中で学ぶことの意味ということに関連して発言したいんですが、例えば1ページの二つ目の丸のところで、先ほど発言したこととちょっと似通ったことなんですけれども、4行目あたりに、これからの地域や社会の将来を担う人材の育成が期待されている高等学校が存在していて云々とあるんですけれども、もちろんそういう部分もあるんですけれども、こういった場面において、やっぱり子どもたちの側というか、子どもたちの学びというところから考えていく視点が必ず必要だなと思っていて、先ほど奈須委員も発言されましたけれども、例えば地域で学ぶこと、あるいは地域を題材にして学ぶことの意味というのを報告書の中には入れていってほしいなと。例えばここでしたら、人材育成という部分も期待されていることは理解するんですけれども、同時に、地域課題を題材にして学ぶことによって、自分事として社会の課題をとらえる力が身に付くだとか、あるいは課題がどこにあるか見出し、それを解決しようとする中で課題発見能力だとか、課題解決能力だとかが育まれていくことが重要なことだと思いますので、そういった視点を入れていくことが必要かなと。
また、4ページの冒頭のところでは、学校だけで育まれるのではなくて地域社会の多様な人々と関わる中で育まれるというふうにあるんですけれども、もう一つ、地域で学ぶ、あるいは地域を題材にして学ぶといったときに、学びにおいてすごく大きな意味があるなと思っていることがありまして、それは学校で学ぶ知識や技能みたいなものが世の中でこういうふうに使われているのかという、最近はやりの言葉でいうと、リアルとかオーセンティックということなんですけど、そういったものを見つけることができるんじゃないかと。学校、特に高校の学びというのは物すごく抽象的になっていて、現実離れしちゃっているんです。それをいろいろ教員が工夫しながら、子どもたちが実感を伴って学べるように努力しているんですけれども、その努力には教室だけでは限界があって、世の中で使われているものとか、コンセプトや理論や公式みたいなものが実際にどう具現化されているかというようなところで学べることが大きくて、そういう、学ぶ意味だとか、学びへのモチベーションだとか、教科と探究活動をつなぐことだとか、そういった様々な役割を社会という場所が持っているんですね、機能として。ですから、それは活用しない手はないだろうと思うのが1点。
それから、2点目ですけれども、先ほども牧田委員さんから高校の前とあとの話が出ましし、長野県でも教育委員会としては幼保小中高一貫した学びということをいろいろな場面で言っているんですけれども、視点の一つとして、幼保小中高大とか企業とか地域社会とかという、一貫だとか一体的だとかということの文脈は一つ押さえておいた方がいいかなというふうに思っています。
その上で、5ページの(8)のところですけれども、例えば高専みたいな学びとか、あるいは前回都立町田工業高校から専門学校とつながった5年間の学びについて発表があったと思うんですけれども、そういった既存の教育機関と連携することも大事なんですけれども、地域の中での役割をいうことで考えたときに、企業とか地域というものを働く場所という据え方をするだけではなくて、教育機関として機能することも可能ではないかという視点で見ていくことも大事だと思っているんですね。
長野県は、未来の学校構築事業ということで6つの高校をモデル校に指定したんですけれども、その中の一つに、木曽という林業で有名な地域がありまして、その地域の高校で今やろうとしていることは、一つは林業大学校との連携と、もう一つは、一旦地元に就職しながら、自治体や地域の企業の皆さんの財政的、あるいは人的な支援を得ながら学び続けるということができないかと。それが起業だとか、経営だとか、地域貢献だとか、地域創生といったことにつながっていくようにできないかという研究をしようということで、今、つくり始めているんですけれども、地域そのものの中にある企業とか、会社みたいなところですね、そこをゴールとして位置付けるのではなくて、更に学んでいく場として位置付けるという視点も、今後更に高度な専門教育をしていくというときには必要ではないかというのがあります。
3点目としては、11ページのところですけれども、参考と書かれていて、現在の学校間連携の仕組みのところでかなりのことができますよというふうに書かれている。その一方で、例えば総合的な学習の時間については認めていないとか、遠隔通信を活用したものについては規定がされていないという記述があるんですけれども、今後、新しい時代の高校教育と言ったときには、規制緩和といいますか、縛りを緩くしていくということをどこまでできるかという議論が絶対に必要だと思っています。できるだけ緩い方が学校はいろいろなことができます。
ただ、その一方で、通信制の協力会議のところでも問題になっているように、余り緩くしてしまうと、本当にそれ学校なの?というようになってしまうので、バランスが大事だと思いますけれども、まだできることがあるんじゃないかなと思っていて、例えばこれから過疎化していって高校がなくなりますよといったときに、地元の人たちが、その高校を残したいといったときの手だてとして、例えばですけれども、中学校の中に高校を入れて一体的に経営することで、県立のままにするのか、市町村立にするのかは別として、非常にコストを安く、人的なものも少なく経営できたりするということがあり得ると思うんですね。その時の例えば法整備や支援みたいなものが国からあるといいと思うんですけれども、そういった部分だとか、あるいは、必履修科目をもっと減らせないかとか、以前少し出たんですけど、議論がそのまま止まっちゃっているんですが、そういったものとか、もうちょっと思い切ったことができる、今でもかなりできるんです、実は。世間の皆さんが思っている以上にいろいろなことができるんですけれども、更にできるような仕組みづくりというのが求められているのではないかなというふうに思います。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
それでは、鍛治田委員、お願いいたします。
【鍛治田委員】 地域やコンソーシアムというところで、最初、角田委員もおっしゃったように、子どもたちの話を聞くこと、生徒たちがどこかで発言できることが大事かと思っています。ただ、生徒たちの意見が一番とは思ってはいないんですけれども、それは、どうしても生徒たちは周りの価値観で揺れていくということがあるからだです。どうしても大人が気に入るようなことを言ってしまったりとか、やっぱり能力主義でずっと来た子たちが多いので、できることがいいという価値観があるのかなと思っています。
話がちょっとずれるかもしれないんですけれども、今、学力や技能の能力だけではなくて、いわゆる認知能力以外のものが大事だ。指導要領にもなっていますし、社会性とか、やり抜く力とか、そういった非認知能力の大事さも言われていますが、やっぱり能力が高いことに価値感が置かれている。それを子どもが感じている。親も学校もそのことを大事にしていること本当にいいのかなとこの頃思っています。大切なことは、どう生徒を育てるか、どう子どもを育てるかというところで、この子が本当に幸せになって、日本の社会が温かくて、子どもを産んで育てたいと思うような世の中にするための資質・能力が必要で、それって何かなって何度もこの頃は考えています。
環境が変わると、生徒たちが劇的に変わるのを何回も見ていて、これできるようになったねとか一緒に喜ぶんですけれども、もしかしたら私たちの価値観も何かができることが良いであったりとか、みんなの前で堂々と発表することであったりとか、深く考えられるようになって提案していくとか、でもそれでいいのかと考えたりします。ちょっと前提の話になってしまうんですけれども、そんなふうに考えています。
あとは少子化のところも出ていますけれども、これからは外国籍の子どもたちが本当にたくさん増えてくると思います。これは違う委員会でされていらっしゃると思うんですけれども、こうなると普通科の中にもたくさん外国籍の生徒たちが入ってくる。日常の中にも地域の中にも入ってくるということを前提に、20年後、50年後を考えて、その人たちと一緒に生きる生き方というのも必要かなと思っています。
先ほど小規模校で個別最適化が大事という岩本委員のお話もあったんですが私たちの学校は550人ですけれども、割り算できない子から国公立までばらばらで、でも違う、いろいろな人がいるからおもしろい、同一化していないからおもしろいなと生徒が感じてもらえるような学校にしたいと思っています。いろいろな人たちがいる世の中、その中で生徒が生き生きていけることを考えていきたいので個別最適化をし過ぎるとだめにならないよう、さっきおっしゃったように共通化と個別最適化とうまく混ぜながらやりたいと、やれることを考えます。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
では、牧野委員、お願いいたします。
【牧野委員】 コンソーシアムのところについてちょっと思うところを申し上げたいんですけど、先ほどからいろいろな人を入れてということで、牧田委員からPTA、あるいは岩本委員から卒業生、同窓会という人選もあると言われたと思うんです。さっき私が同年代の大学の先生の話をして、奈須委員からも、それは過去のことですよねと御指摘を頂いたんですけれども、その過去の人がまさに同窓会や卒業生にいらっしゃるわけでして、その人たちの意識が変わっているかというと、そうでもないんですよ、正直申し上げて。それは多分、岩本委員も、よく分かっていらっしゃる。
そういう皆さん方の意識も含めて変えていかなきゃいけないという中で、4ページの下から5ページの上にかけて書いてあるコーディネート機能の役割というのが、プロジェクト事業の成否を分けるぐらいの大変重要な役割を担っていると思うんです。ここのところのコーディネート機能のできる人が、先ほど牧田委員から、岩本さんや香山先生の話も出ましたけれども、要は、高校の方から地域に働きかけられるコーディネーターと地域と高校をつなげるコーディネーター、そういう方がどれだけ確保できるのか。まさに全国でそういうことを展開しようとしたときに、その地域の中でしっかりそういった方を見つけて、その人に頑張ってもらうというところがとても大事になってくると思っております。
そこのところはいろいろなやり方があって、先ほどOIDE長姫高校の地域人教育の紹介もしていただきましたけれども、飯田の場合はそれを公民館主事がやっているというところが特徴です。それが隠岐島前高校であれば、NPOの方が非常に頑張ってやっていると。地域によっていろいろやり方はあると思うんですけれども、少なくともそうした方が頑張れるような、そういった環境整備をしていくということをしていかないと、なかなか、ここの地域と高等教育機関との協働というものがうまく機能しないんじゃないかと。是非そこのところは留意していっていただきたいということを申し上げておきます。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
では、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 参考にしていただけるかどうか分からないですが、先ほど申し上げました、本校が戸田市と包括連携協定を締結した件をもう少し詳しくお伝えします。実は本校1校だけではなくて、市内にあります全日制の普通科と外国語科を持っている南稜高校と、昼夜開講三部制の定時制の総合学科の高校と、もう一つ、本校の敷地に令和3年4月に開校する予定の高等部だけの特別支援学校という、特色のある県立3校がたまたま戸田市内にあるということで、戸田市と県立3校との包括連携協定というのを結んでもらいました。
高校生が地域振興の核として役割を期待されているわけですけれども、1校だけでそれを全部担うというのは、手が足りないところがあります。私自身も1人でリーダーシップを取るには力が足りないところがあります。これが特徴のある3校でということになるといろいろな可能性が広がるのではないか、おもしろい取組ですねということで市長さんにも乗っていただいて包括連携協定を組むことができました。
本校は、資料2で言いますと、5ページの(10)番に書いてあること、まるで本校のことを紹介してくれていると思うぐらい全部ここに入っているんですけれども、本当にいろいろな人の手をかりて学校運営が成り立っています。戸田市の行政の皆さん、それから特別支援学校の先生方、学校に関係する皆さんに力になっていただいております。もちろん本校も他の2校、あるいは戸田市に何か力になっていければということで、今後いろいろな取組をしていきたいなというふうに思っております。
小中高特も入れての連携ということは、これからの特別支援教育の必要な生徒さんがどんどん増えていくということが、特に埼玉県の南部地域では大きな課題になっていますので、そういったところの連携もしていきたいなと思っています。
もう一つ、コミュニティ・スクールの話なのですが、コミュニティというのをどのように捉えるかということについてです。ローカル・コミュニティという、「地域」「学校が設置されている場所」という捉え方も大事なのですが、テーマ・コミュニティという捉え方もあります。すなわち、その学校にどんな課題があり、課題解決のためにどんな人材が必要か、シンクタンクとしてのコミュニティです。大学の先生であるとか、病院の先生であるとか、本校でいうと不登校の生徒は市の行政機関や公民館等でお世話になっていることが非常に多く、行政の方とお話をすると、生徒の様子がよく分かるなんていうこともありますので、行政機関の方とか、そういった広い意味でのコミュニティの捉え方もあるわけです。本校ではそのようなことを踏まえてコミュニティ・スクールの取組を進めていけたらなと思っております。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
今のような具体のお話を聞きますと、本当に日本の高等学校、約5,000校ある高等学校は様々な状況の中で、地域によっても違いますし、また、生徒の状況によっても違います。高等学校の話が出てくると必ず出てくるのが、共通性と多様性にどう向き合うか。それが先ほど岩本委員がおっしゃったような、全体をどうするかということと、最適化をどうするのかということだと思うんですが、我々が提案できるといいますか、全体でまとめられるのは、やはり共通性のところをどうしていくのかというところが非常に大事であるというふうに思います。もちろん、個別最適化していくということを考えていくと、各高等学校のスクール・ポリシーというのが非常に重要になってくるわけですけれども、そのあたりのことについて、今、聞けば聞くほど、まとめるのは難しいなということをつくづく思う次第であります。済みません、余計なことを言いました。
では、角田委員、お願いします。
【角田委員】 感想めいてしまうんですけれども、9ページからの20年、30年先の社会を考えた学校の在り方というところに非常に可能性を感じています。小規模校や離島の高校が教育水準を落とさないためにということでの取組のようなんですけれども、未来の高校の在り方も表しているんじゃないかなと思います。ICTを活用してキャンパスも複数あったり。小規模校だからこそ多様性が担保されるということもありますよね。学力格差があったり、学年を超えての学びがあったり。こういった高校は、少子化がすすむなか、日本にこれから多くなっていくと思いますので、こちらをスタンダードで考えてもいいのかなと思うぐらいなんです。
スクール・ポリシーを考えるときは、地域発にきっとなると思うんですが、地域を超えた高校の在り方というのも、ここで話し合うことができたらいいのではと思いました。ミネルバ大学のようにキャンパスを持たずに各国を回って、そこでフィールドワークをして課題解決していくという学び方が大学では実現しているわけなので、高校の段階でもそれぐらい枠を取り払った学びという方向性もあるのではと思いました。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
何か一々申し上げて大変申し訳ありませんが、要は、先ほど少しお話が出ましたけれども、通信制高校との関わりということが、やはり議論をする中では検討していかなければならないことだなと思います。将来の姿というわけではなくて、現に学校に行けない生徒が今たくさんいるわけですから、その子たちにどう教育をしていく場を作っていくのかというのも考えなければならないなということを思いながらお聞きしました。
では、長塚委員、お願いいたします。
【長塚委員】 検討事項の1と2にまたがってしまうかもしれませんが、今回のまとめを見ても、「公立高等学校は」というふうに公立高校を中心に語られています。私は私立の学校で仕事をしているわけですが、私立は建学の精神ありきで創られていますので、ミッションとかポリシーというのはある意味当たり前のことで、その下で学校が創られているとか、運営がされているということができます。それがないと、本来、教育というのは動かないものだろうというふうに思うのですが、我々からすると、公立の私学化が始まりそうだなという、ちょっと危機感を持っているぐらいなんです。逆に言えば、私学が公立化しているとでもいうんでしょうか、形の中に収まってしまっている。そういうお互いに気が付くところがあるんだろうなというふうに思うんです。
公私の割合からすると、私立高校は30%強なんですけれども、意外と知られていないんですが、その半分の学校は、実は大学附属や系列校なんですね。また、私立高校の半部は中学校を持っていますから、中高大とつながっているところが結構多い。場合によっては幼稚園から大学まであるわけで、同じポリシーの下でそこに集まっているという姿が私学の中にあります。これは設置者の学校法人がそれを配しているわけですけれども、一方、公立学校は、設置者は都道府県ですので、そこがやはり教育政策として全体方向性を出さないと、どなたかの御指摘にもあったとおり、個々の学校がいろいろ始まってしまってばらばらでいいのかという心配があるんじゃないかと思うんです。
やはり地域といえば、その地域の境界としての自治体、県ごとの政策の中で県全体の課題をどうするかというようなことから始まって、それなりに必要な財政的なものも含めて政策的にやっていかないといけないのではないか。個々の学校にそれぞれ考えていいんだよというだけでは、そのときの教員や校長が考えたものが、本当にそれだけでいいのかということにもなりかねないところが私はあるんじゃないかと思うんですね。現場も大事だと思うんですが、全体の方向性を各自治体が考えるところから始めることも、ポリシーを立案する上でも大事だというふうに思っております。
現在、全国の約300万人の高校生に対して高校が約5,000校ありますから、平均すれば1校当たり600名なんです。公立高校は500名台になっているかもしれませんが。ということで、今後、同世代が80万人になるとなれば、さらにそれが400名ぐらいになり、1校当たりの規模がどんどん小さくなっていくわけです。そういう中で、一つの方法論があるかなと思うのは、コンソーシアムとかエリア・スクールという考え方です。コンソーシアムというのは、現にもう始まりましたけれども、ちょっと物理的に離れているところがいろいろな知恵を持ち合ったり、協力し合うということができるような仕組みだと思うんです。私学にもコンソーシアムが作られていますけど、全国からのコンソーシアムだったり、海外とのコンソーシアムだったり、グローバルというコンソーシアムではそうかもしれませんが、それは日常的には物理的になかなか連携しにくいですよね。
しかし、今、公立高校は全県一学区が全国に26県もあるんです。どんどん進みまして、つまり交通網が非常に良くなって通いやすくなったというのが一番大きな原因だと思うのですが、多くの高校がその県の中にあって、そこが連携するという仕組みは出来やすくなっているわけです。
そこでたとえば、フィンランドなどは普通科に入って、高二生になって、いや、やっぱり工業科に行きたいという、それを認めるわけですよね。普通科と専門学科の行き来を認めるようなことをする。ですから一つの学校で総合学科的なカリキュラムを編成するのが難しければ、思い切って学校を異動するようなことも認めていくようなことをしたらよいのではないでしょうか。これから規模が小さくなっていくだけの方向性の中で、実質的なコンソーシアムを形成するようなことまで含めて考えれば、生徒にとってもハッピーな仕組みになっていくんじゃないかなというふうに思うんです。全県一学区の方向性というのは、そういうことを実は前触れしているんじゃないかなと私は感じております。
もう一つ、同じ島国のニュージーランドなどは幼稚園から高校までぐらいの学校が一つになっているエリア・スクールが多数存在しています。過疎化していく地域においては、エリア・スクール的発想というのも一つ重要で、これは日常的に地域の集まりが実現できるわけです。そういう方向性というのは、高等学校という縛りだけじゃなくて考えていくことで、公立学校でおやりになっている自治体もあるかもしれませんが、もっとそういうものを緩やかに運用していくというか、実現していく方向性というのがあるんじゃないかなというふうに思います。
最後にもう一つだけ、最近は通信制高校などに関連して、個別最適化という言葉がどうしても出てくるわけです。確かに、一人一人の生徒が個別に自分の好きなことを好きなだけやっているという方向性も大事だとは思うのですけれども、私はもう一つ、全体最適化ということをきちっと学ぶということも大事だという気がします。全体も個々のためにあるんですけれども、個々も全体のためにある。集団と個人というのが教育の基本の中に据えられているはずですから、個別最適化の方法論はどんどんやるとしても、全体最適化のために問題解決をする学びが必要ではないでしょうか。自分の問題の解決だけではないんだということ、そういう学びをしていかないと、社会全体は実は継続可能な秩序が成り立っていかないともいえます。先ほどの学校の在り方について言えば、一校一校も大事ですけれども、全体の学校の在り方も大事という意味合いでは、全体最適化というような概念も是非おろそかにしないでいただきたいなというふうに思っております。
以上です。
【荒瀬主査】 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、時間もちょうど定刻になろうとしておりますので、このあたりにしたいと思います。
では、最後に次回以降の予定につきましてお願いいたします。
【酒井参事官補佐】 本日も御議論ありがとうございました。
次回のワーキンググループは、3月12日木曜日10時から12時、場所はここ文部科学省3F1特別会議室を予定しております。議事については、また主査と御相談の上、御連絡させていただきたいと思いますが、主査から御発言がありましたように、本ワーキンググループの検討課題の中で、例えば定時制、通信制の課程の在り方でありますとか、より更に御議論を深めていただきたいものがございますので、それについて、今後、順次御議論をお願いしたいというふうに考えている次第でございます。
以上でございます。
【荒瀬主査】 では、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――
 

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