新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会 (第9回) 議事録

1.日時

令和2年6月11日(木曜日)9時30分~12時00分

2.場所

文部科学省15階特別会議室(WEB会議)
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の学校教育の在り方等について
  2. いじめ・不登校・児童虐待への対応策の充実について
  3. その他

4.議事録

【荒瀬部会長】 皆さん,おはようございます。荒瀬でございます。定刻となりましたので,ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会第9回新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を開催いたします。本日は御多忙の中,早朝から御出席いただきまして,誠にありがとうございます。
 今日は正午までの2時間半を休憩なしで進めるということで予定しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 本会議は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため,ウェブ会議方式にて開催させていただきます。
 まず,本日の資料につきまして,田中教育制度改革室長から御説明をよろしくお願いします。

【田中教育制度改革室長】 先生方,おはようございます。教育制度改革室長,田中でございます。よろしくお願いいたします。
 まず資料につきましては,2回程送らせていただきました。最終版の資料を送らせていただいたのが昨日の夜になってしまいましたので,申し訳ありませんでしたけれども,御確認いただければと思います。
 また,本日は,今ほど荒瀬部会長からございましたようにウェブ会議方式で開催しております。御不便をおかけすることもあるかと存じますが,どうぞよろしくお願い申し上げます。
 毎回となりますけれども,ウェブ会議を円滑に行う観点から,御発言に当たりましては,インターネットでも聞き取りやすいように,はっきり御発言を頂くなどお願いいたします。また,恐縮ですけれども,御発言の都度,お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。また,御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。御発言に当たりましては,「手を挙げるボタン」を押していただくなど,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,資料でございますけれども,先ほど申し上げましたように,メールで送らせていただいてありますが,資料1-1から資料3まで,加えて参考資料1から5-2までとなっております。御不明な点等ございましたら,お申しつけいただければ幸いです。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 本日は,議題の1つ目といたしまして,新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の学校教育の在り方等について,引き続き取り上げることとしております。
 また,議題の2つ目といたしまして,昨年12月の論点取りまとめにおいて,今後,特別部会において検討するとされました事項のうち,いじめ,不登校,児童虐待への対応策の充実について取り上げ,委員の皆様から御意見を頂戴したいと考えております。
 議題に入る前に,私から参考資料1につきまして御説明をしたいと思います。よろしいでしょうか。参考資料1でございます。
 会議の回数も増えてまいりましたので,答申の取りまとめに向けまして,今後の検討のスケジュール及びこれまでの議論の経過,検討体制等を事務局にて整理していただくようお願いいたしまして,参考資料1としてまとめていただいております。この件につきましては,前回の会議の後,天笠副部会長からも御意見を頂いたところであります。
 参考資料1を御覧いただきますと,1ページ目には,今後のスケジュールということで,9月末までの日程と現時点での議題案を示しています。年度内を目途に答申するということで,スケジュールが大変タイトになっておりますが,審議事項が多岐にわたりますため,委員の皆様におかれましては,引き続き御協力をよろしくお願いいたします。
 また,めくっていただきまして,2ページ以降は,これまでの審議の経過が示されておりますが,5ページでございます。5ページから後の部分で,それぞれの部会やワーキンググループ等での議論いただいている内容につきまして整理していただいております。新型コロナウイルス感染症に関わる問題は,諮問事項にはございませんでしたが,新しい時代の初等中等教育の在り方を議論する上で避けて通れない事項でありますので,この特別部会において御議論いただいている内容でもあり,今回追記していただいています。このような内容で答申の取りまとめに向けて議論を加速してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は,報道関係者と一般の方向けに,本会議の模様をYouTubeでライブ配信しておりますので,御承知おきください。
 それでは,本日の議題に入りたいと思います。
 議題1でありますが,資料は,1-1,1-2,2に基づきまして,新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の学校教育の在り方等について,御議論をお願いいたします。
 まず,先日,6月5日に公表されました「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」及び「新型コロナウイルス感染症に伴う児童生徒の『学びの保障』総合対策パッケージ」について,御説明をお願いしたいと思います。
 浅野初等中等教育企画課長と滝波教育課程課長から続けてお願いいたします。

【浅野初等中等教育企画課長】 文科省の初等中等教育企画課長でございます。資料1-1に基づいて御説明させていただきます。
 資料1-1の持続的な学校運営のためのガイドラインにつきましては,これまで幾つか出されてきた学校再開等のガイドラインを一本化して一つにまとめたものでございます。学校における感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減した上で,持続的に児童生徒等の教育を受ける権利を保障するために学校運営を継続していくためのガイドラインでございます。
 資料1-1の1ページ目では,感染症対策の考え方,特に,新しい生活様式を踏まえて学校運営していくことが書かれてございます。
 2ページ目でございます。衛生主管部局との連携や出席停止の措置の取扱い。特に保護者から感染が不安で休ませたいという相談等に応じて,それぞれの状況,合理的な理由がある場合には,こういった出席停止,忌引等の日数としての記録。欠席とはしないような柔軟な取扱い。それから,医療的ケアを必要とする児童生徒等についても,同様の取扱いという形で,さらには,4ポツのところで臨時休業について,学校で感染者が発生した場合に,学校の全部または一部の臨時休業を行うことについて,様々な状況を踏まえて判断するとなってございます。
 それから,3ページ目の最後からは分散登校について,4ページ目にかけて記載してございます。学校の臨時休業を行う際でも,登校日を設けて,分散登校を行う。学校教育活動を継続することが重要だということが書かれてございます。これに伴って,児童生徒等の心身の状況の把握についても非常に重要だということで,児童生徒等の心のケアの配慮,そして,子供の居場所の確保といったようなことも併せて,これまで記載された通知の内容を整理されてございます。
 続きまして,7ページ目からは学習指導について書かれてございます。これにつきましては,またこの後,滝波課長から説明させていただきます。
 8ページ目については,その内容について書かれてございますけれども,9ページ目を御覧いただくと,ICTについて,活用は非常に重要だということで,まずは家庭のパソコンやタブレット,スマートフォン等の活用,学校端末の持ち帰りなど,あらゆる機器や環境を最大限活用する。そのために家庭の通信環境についても,設置者において至急把握するということ。そして,それはあくまでも緊急的な対応であり,設置者において,一刻も早く,児童生徒のICT環境を整えることが必要であるということで,その下の方で,遅くとも令和2年8月までには少なくとも小学校第6学年・中学校第3学年等の最終学年の児童生徒や,経済的理由等でICT環境を準備できない家庭に対して,ICT環境が整備されることを目指すということが記載されてございます。
 その後,学校図書館の活用でありますとか学校給食の実施,机を,会食に当たって飛沫を飛ばさないように対応を取るとか,それから,10ページ目になりますけれども,部活動について,生徒の健康・安全を第一に考慮して,実施内容や方法を工夫するということも記載されてございます。
 その他,教職員の職務等の記載がされております。
 簡単ではございますが,ガイドラインについての説明をさせていただきました。ありがとうございました。

【滝波教育課程課長】 それでは,続きまして,資料の1-2に基づきまして,教育課程課長の滝波から御説明申し上げます。
 資料の1ページ目を御覧いただければと思います。これは「学びの保障」総合対策パッケージということで,去る6月5日に公表したものでございまして,今般の臨時休業などによりまして,学びに格差が生じるということが懸念されておりますけれども,そういう中で,あらゆる手段を用いて,誰一人取り残すことなく,最大限に学びの保障を行っていくということが必要だと思っております。
 まずは感染症対策をしっかりやりながら,可能な限り,学校を開いた状態にしていくということが重要と思っています。今年の3月に,国から,学校の一斉臨時休業をお願いして,4月からは全国が緊急事態宣言の対象になったということもありまして,ほとんどの地域において,学校が休業になったということがございました。
 致し方なかった面もあったかと思いますけれども,今後の対応が長丁場になるということも想定されます中で,子供たちの「学びの保障」を図るために,学校の臨時休業の判断をより慎重に行っていく必要もあるだろうと思っております。
 再度の感染流行があったような場合におきましても,可能な限り分散登校といったような形で,学校の機能維持をしていくことが必要だろうと思っております。その際に,特に次の年度以降に学習を繰り越すことのできない,最終学年の児童生徒につきまして,優先して学びの機会を確保することが必要だろうと思っています。
 それから,最終学年以外の児童生徒につきましては,2,3年間を見通して教育課程を編成する中で,着実に「学びの保障」を図っていくことを可能とするような特例的な措置を講じることとしてございます。
 その上で,限られた授業時間は,教師と児童生徒,あるいは児童生徒同士によります協働的な学習といったような,学校でしかできない学習活動に重点化していくということを考えております。こういう事態でありましても,可能な限り今年度から全面実施が始まっております新しい学習指導要領の趣旨を体現していくということが大変重要だろうと思っております。
 教科書発行者の御協力によりまして,学習活動の重点化をしていく際に,参考となるような資料につきまして,「子供の学び応援サイト」というものがございますけれども,そこのところに掲載してございます。
 具体的には,教科書の中でどの部分が個人でもできる学習活動で,授業以外の場でも実施ができるのかといったようなことを具体的に示しているものでございます。全教科書発行者の全教科書分につきまして,まずは小学校6年生と中学校3年生の分を,去る6月5日に掲載したところでございます。これ以外の学年につきましても,作業が終わり次第,今月中をめどに順次掲載していきたいと考えております。
 このページの下半分のところに,授業日数のイメージが書かれておりますけれども,これは,4月,5月,臨時休業が行われていたという場合の中学校3年生の例を取り上げておりますけども,どういうふうな形で全体の授業日数を確保することができるかということをお示しした図でございます。
 今月6月も分散登校を行ったというような場合に,ざっと計算して45日程度の授業日数が不足しているというような状況と見ております。このことにつきまして,学習活動の重点化によって,例えば20日分程度が確保できるんじゃないか。年間授業日数200日の約1割という目安かと思います。
 それから,長期休業の短縮ですとか,土曜日の午前授業を行うとか,あるいは週1コマ,追加的に補充授業を行っていくとか,あるいは学校行事を幾つか重点化していくことを行うことによりまして,例えば35日分程度が授業日数が確保できるのではないかと見ております。さらに,去る4月10日に通知を出しておりまして,学校が課した家庭学習を一定の条件の下で,授業と同様に評価することができるという枠組みを作っております。こういったことも活用して更なる余裕を生み出していくということも可能ではないかと考えております。こういったことはあくまで例として示しているものでございますけれども,長期休業の日数など,各地域の実情に応じて御判断いただくものではないかなと考えております。
 資料の1ページはこんなところでございます。
 それから,資料の2ページでございますけれども,御覧いただきますと,今申し上げたことの少し基本的な考え方をざっと説明した資料になっておりますので,また御覧いただければと思っております。
 続きまして,資料の3ページを御覧いただければと思います。ローマ数字1番のところの上半分ですね。これは今御説明したところの繰り返しになります。
 それから,次のところは高校入試,大学入試の関係ですけれども,特定の受験生が不利益を被らないための措置ということ。この点は保護者の関心も非常に高い部分かなと考えております。
 高校入試につきましては,5月13日に各都道府県教育委員会等に通知しているところでございまして,出題範囲ですとか内容,方法について,地域における学習状況を踏まえて,必要に応じた適切な工夫を講じるといったこと。実施者でございます都道府県教育委員会等において配慮いただくように要請しているところでございます。
 それから,大学入試でございますけども,既に5月14日に高等教育局長名で各大学長に対して,総合型選抜あるいは学校推薦型選抜について,いろんな大会とか資格試験に参加できなかったことが不利益にならないように,成果獲得に向けた努力のプロセスを評価すること,あるいはオンラインによる個別面接の工夫といった配慮を今お願いしているところでございます。
 それから,一般入試を含めて,入試の日程ですとか出題の範囲,追試験の活用による受験機会の確保などにつきまして,高等教育局から全国高等学校長協会にアンケート調査を依頼しているところでございまして,これを踏まえて,大学,高校関係者などの協議の場で御議論いただいて,6月中に,例年お示ししております大学入学者選抜実施要項の中で,策定・公表していくということを予定しているところでございます。
 こういった「学びの保障」を図っていくためには,徹底した感染対策,あるいはきめの細かい学習指導につきまして,人的・物的体制の整備が大変不可欠だと思っております。そのため,今年度の第2次の補正予算案に必要な経費を計上しているところでございます。現在,この補正予算案の審議が国会で審議されているところでございます。
 まず1つ目の人的体制整備のところですけども,教員加配でございます。小中学校の最終学年につきまして,感染症対策を講じながら授業時数を確保できますように,地域の感染状況に応じて,20人程度の少人数編成を実施できるように,3,100名分の教員加配に必要な経費を計上してございます。
 それから,学習活動の重点化によりまして,内容の定着が不十分な児童生徒に対して,個別にきめ細かにフォローできるようにするための学習指導員,6万1,200人分ですけれども,これの配置に必要な経費を計上しております。これは感染状況の厳しい地域については,小学校3名,中学校2名ずつ,その他の地域については,小学校2名,中学校1名ずつ配置ができるような数を確保しているところでございます。
 それから,ごく小規模な学校を除きまして,現在,スクール・サポート・スタッフが未配置の小中学校に1名程度,追加の配置ができますように,スクール・サポート・スタッフにつきましても,2万600名の配置に必要な経費を計上しているところでございます。こういった方々には授業の準備とか,保護者への連絡,健康管理,消毒作業,こういった業務の補助についていただくということを予定しております。
 そのほか,児童生徒の心のケア等のためのスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーについても,地域の状況に応じて追加配置のための必要な支援を行うこととしているところでございます。
 それから,こういった人材を確保していくために,退職教員ですとか塾講師,あるいは大学生,NPO等の教育関係者,あるいは地域の人材の御協力が不可欠と考えております。我々文科省では学校をサポートいただける方々の登録を促しまして,地域の教育委員会に紹介いただきます「学校・子供応援サポーター人材バンク」を設置し,運用しております。これまで1万2,000件の登録がございまして,定期的にこの名簿につきましては,関係教育委員会の方に送付しているところでございます。
 それから,学校における学習指導員の活動を弾力的に教育実習として認めるように,各教職課程を置きます大学等に通知しているところでございます。
 それから,学習指導員につきましては,教員免許状の保有を求めているところもございますけれども,必要に応じて資格要件の緩和ですとか,免許保有者を必要とする場合に,臨時免許状,特別免許状の活用も検討するようにお願いしているところでございます。
 それからもう1点,「学びの保障」を図っていく上での物的体制の整備の部分でございますけれども,校長の判断で,感染症対策ですとか学習保障に必要な取組を迅速,柔軟に実施ができますように,裁量的な経費というものを学校規模に応じて支援ができるような経費につきまして,第2次補正予算案の中に計上しているところでございます。
 具体的には,感染対策として,消毒液,非接触型の体温計,換気対策のための備品,給食調理員の熱中症対策,それから,学習保障につきましては,教材,空き教室を活用するための備品,電話機の増設,こういったものについて対応できるようにしていこうと考えております。
 第2次補正予算が成立次第,速やかに交付申請受付ができますように,今,準備を進めているところでございます。
 それから,4ページを御覧いただけますでしょうか。ICT端末を活用した家庭学習のための環境整備についてでございます。
 今後もあり得る学校の臨時休業などの事態に備えて,ICTの積極的な活用について準備を進めていくことが重要でございます。昨年度の補正予算,それから,本年度の第1次の補正予算におきまして,関連経費を計上しております。これを積極的に御活用いただきまして,GIGAスクール構想の加速をしていくということが必要だと考えております。
 ただ,端末の調達に一定の時間が必要だということがございますし,それから,まずは家庭のパソコンですとかタブレット,スマートフォンといったものの活用を図っていく。あるいは学校の端末の持ち帰りをしていくといった,あらゆる機器や環境といったものを最大限に活用していくことが必要だろうと考えております。
 ただ,一方で,家庭の通信環境を活用することは,これはあくまで緊急的な措置でございます。必要なところから順次整備を進めていくということが必要だろうと思っております。特に第2波の影響ということも警戒しながら,少なくとも最終学年あるいは経済的理由でICT環境の準備ができない御家庭に対して,少なくとも8月までに整備が図られますように取組を今,促進しているところでございます。
 また,低所得世帯に対する通信費の支援につきましては,要保護児童生徒援助費補助金等の特例的な支給により対応することが可能となっております。
 次に,教師が「学びの保障」に集中する環境整備ということでございますけれども,これについては,6月5日に教員免許状の有効期間の延長によりまして,更新講習受講の猶予が可能であるということを総合教育政策局から通知しております。また,本年度の全国学力・学習状況調査については見送ったところでございますけれども,それ以外に,文科省から学校へ委託する各種の授業につきましても,原則として見送りをしているところでございます。大変御心配をおかけしておりますけれども,本年度のこういった事情に鑑みまして御理解いただければと考えております。
 次に,文科省のホームページ内に設置しております「子供の学び応援サイト」でございますけれども,これは教育委員会が作成した学習支援動画ですとか,NHKあるいは放送大学の番組などの学習支援動画をワンストップで提示しているものでございます。
 先ほど御紹介した学習活動の重点化に関する参考資料も掲載しているところでございまして,今後も充実を図っていきたいと考えております。それから,学習内容の定着のための教材の作成を今進めておりまして,現在,小学校6年生,中学校3年生の分の1学期頃までの学習内容の振り返りのための教材ということで作成を進めているところでございます。
 それから,ICTをフル活用できる教育ICTシステムの構築ということで,今後,「学びの保障オンライン学習システム」のプロトタイプの開発,実証。あるいは,学習指導要領のコード化,こういったことを含めて,教育データの標準化を進めていくということを考えております。
 それから,最後の5ページを御覧いただけますでしょうか。このページは,「学びの保障」に関する取組を実施した上で,本年度,学校行事なども含めて,どういうふうな形で教育活動を展開していくことができるかということのイメージ例をお示ししたものでございます。ここに示しておりますのは中学校3年生の例でございますけれども,4・5月が臨時休業になった。6月は分散登校を実施しているという中で,7月以降,どういった形でいろんな行事を組み込むことができるか等のことをざっと記載していったものでございます。
 御覧いただくように,パッケージの「学びの保障」に関するいろんな考え方を取り入れた上で,各学校の中で,一定の学校行事も含んだ形で,無理のない形で,通年の学習活動を展開することは可能だと考えておりますので,是非こういったことも参考にしながら各学校の中で学習活動の計画を進めていってほしいなと考えております。
 少し早口になりましたけれども,説明は以上でございます。引き続き御指導いただきながら,子供たちの「学びの保障」に取り組んでいきたいと考えております。よろしくお願いします。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 今般の新型コロナウイルス感染症を踏まえた「学びの保障」における遠隔・オンライン教育を含むICTの活用は,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない個別最適化された学びの実現を図るためのICTや先端技術の効果的な活用に関連するものであります。このため,前回の神野委員や今村委員からの御発表の内容や,委員の皆様から頂きました御意見を踏まえて,事務局で論点の整理をしていただいております。この点につきまして,浅野初等中等教育企画課長から御説明を頂きました後,委員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。
 では,浅野課長,よろしくお願いいたします。

【浅野初等中等教育企画課長】 資料2に基づいて御説明させていただきます。
 まず,1ポツのところで,基本的な考え方として,初等中等教育の本質的な役割について,家庭の経済状況や地域等に関わりなく,新しい時代に必要となる資質・能力を育むための学習機会を保障する役割に加えて,社会の形成者としての全人的な発達・成長を保障する役割,安全安心な居場所・セーフティーネットとしての役割,こういったことの重要性が今回の臨時休業の中で再認識されたところでございます。
 さらには,日本型の学校教育ということで,児童生徒の状況を総合的に把握して,知・徳・体を一体的に育んでいる。そして,特に初等中等教育は,学校という場や地域社会で様々な集団活動を行い,多様な他者と関わり,対話することを通じて人を育てるという営みであるということに留意する必要がある。
 そして,教師には,ICTを活用しながら,児童生徒の対話的,協働的な学びを実現し,多様な他者と共に問題の発見や解決に挑む資質・能力を育成することが求められるということでございます。
 2点目では,今後の初等中等教育の在り方についてということで書いてございます。おめくりいただいて2ページ目でございますが,今後,更に臨時休業等が行われる団体で,非常時の対応として,遠隔・オンライン教育,ICTを活用した家庭学習,地域社会,専門機関等の連携,あらゆる手段を引き続き講じる必要があるということで,特に,次の丸のところでございますが,現在,学校現場で行われています遠隔・オンライン教育等の実態については検証を進める必要があって,様々な学習コンテンツを利用することで,多様な学習ができる,教師と児童生徒がICTでつながることで心身の健康状態や学習状況の把握が可能になる,学校再開後の学習活動を円滑に進められるなどの成果がある一方で,発達段階や習熟度の違い,障害の状態等により自発的な学習困難である場合,家庭環境による学習の状況・成果に差が生じてしまうなどの課題も見られるということでございます。
 今後,初中教育の本質的な役割を踏まえて,非常時の対応として,今,取り組まれているような取組について,積極的に取り入れていくことによって,多様な子供たちが誰一人取り残されることなく社会とつながる個別最適化された協働的・探求的な学びを実現していくとしております。
 2ポツの必要な取組ということで,まずは「WITHコロナ」段階という,コロナの感染が収束していない状況でございますが,今現在,マル1で,4月10日の初等中等教育局長通知でのオンラインを含む家庭学習を,授業と同様に評価する,優先登校の重点的な対応や,学習の重点化といったようなこと。そして,ICT環境の早期整備,学習コンテンツに関する情報提供の充実,教師のICT活用能力の向上,先進事例の発信,展開。そして,これら,今,取り組んでおります学習状況の把握について,マル6でございますが,今後しっかり行っていくと。
 さらに,7番目でそういった調査も活用しながら,臨時休業前から学校再開後の児童生徒の状況変化をしっかり分析し,今後の学校における指導改善につながる検証を行っていく必要があると書いてございます。
 それから,4ページ目からは,収束した後の「ポストコロナ」の段階として,今後,教師が先端技術を活用して,対話的,協働的な学びを実現していくということで,その成果や課題を踏まえて,教師が対面指導と家庭や地域社会と連携した遠隔・オンライン教育等を使いこなすハイブリット化ということで,協働的な学びを展開していく。
 その際に,義務教育の特性と,それから,高等学校における教育の違いにも留意する必要があるということ,特に知・徳・体を一体的に育んでおります「日本型学校教育」の良さを継承するとともに、履修主義と修得主義等の考え方を柔軟に併用していくことで,こういった個別最適化された学びを実現していくということでございます。
 ※印部分に書いてございますように,現在の教育課程の制度でも,履修主義や修得主義,それから,年齢主義や課程主義といったような様々な要素が取り入れられているということでございます。
 それから,取組事項として,全ての児童生徒への取組として,マル1で学習履歴(スタディ・ログ)を活用したきめ細かい指導の充実,それから,次のページの教師の対面指導と遠隔授業の融合した授業作りによって,習熟度別の授業や,それから,個別最適化された授業を展開していく。それから遠隔授業,海外の児童生徒と交流することができると。
 それから3番目では,特に高等学校については,同時双方向型の遠隔授業の実施について,単位数の算定,対面により行う授業の実施などの要件の見直しを行い,教師による対面指導と遠隔授業を融合させた柔軟な授業方法を可能とし,高度な学習機会の充実を図るとしております。
 それから,4点目ですが,デジタル教科書・教材の普及について,有識者会議において,更に検証を行いつつ,充実の観点から検討を行うとなってございます。
 マル5では,臨時休業,特に感染症や自然災害等によって,臨時休業が行われた場合に,継続して,心のケアや虐待の防止を図るために学校の教育活動を継続していくといったようなことを制度的な措置等について検討・整理するということで,取組例として,各設置者における教育活動を継続するための計画の作成の要請といったことが挙げられてございます。
 続きまして,6ページ目では,今度は多様な児童生徒への取組ということで,マル6では,障害のある児童生徒,日本語指導が必要な児童生徒への理解度や特性に応じた学習活動を進めるということで整理されております。個別支援計画の作成や電子化といったことが挙げられてございます。
 7番目では,学校で学びたくても学べない,病気療養や不登校の児童生徒に向けた相談・指導の実施,こういった出席扱いする制度の活用促進,好事例の周知ということが書かれてございます。
 マル8では,個々の才能を存分に伸ばせる高度な学びの機会など新たな学びへの対応ということで,教育課程の特例を認める制度の活用,実証的な取組を進めるということで,義務教育段階では,遠隔・オンライン教育による最先端の知見に触れるような機会の提供,それから,カリキュラム・マネジメントによる授業時数の弾力化に向けての検討。そして,特別な配慮を必要とする児童生徒についての特別な教育課程の編成,特例的な措置ということで,実証研究を実施するということが書かれてございます。高等学校段階におきましては,家庭における同時双方型オンデマンド型の学習を授業の一部として特例的に認めることにより,対面指導と遠隔・オンライン教育とをベストミックスさせた指導方法の研究開発と実証研究を実施する。
 最後に,マル9として,中山間地域等の地方の学校における遠隔授業の活用ということで,義務教育段階で,児童生徒間の多様な交流や専門家による対面での指導が困難な場合に,遠隔の授業を積極的に活用すること。高等学校段階では,地域圏の複数の高等学校ネットワーク化して,同時双方向型の遠隔授業を実施し,科目の相互履修を可能とするような新たな仕組みを構築するといったことを挙げさせていただいております。
 以上でございます。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 では,御意見を頂戴したいと思いますが,今おっしゃいました点につきましては,前回5月26日の概要を参考資料4としておまとめいただいておりますので,そちらの方も御覧いただきながら御意見を頂戴できればと思います。御発言のおありの方は,「手を挙げるボタン」を押していただきますようにお願いいたします。指名させていただきますので,その際,ミュートを解除していただいて,御発言をよろしくお願いしたいと思います。
 まず若江委員,よろしくお願いいたします。

【若江委員】 ありがとうございます。私からは2点お聞きしたいと思います。
 まず1点目は,教員の支援サポート。具体的には,新しい学びを実現していくための教員の研修の現状についてお聞きしたい。
 2点目は,学習保障に関して,いろんな人的支援があるということを,先ほど資料1-2で滝波さんからもお聞かせいただいたんですが,その2点です。
 まず1点目の教員研修についてなんですけれども,子供たちの学びを保障していくために,やはり現場で一番必要なのは,教員に対しての支援であり,例えば新しい学習指導になって,社会とつながる学習課程を実現していく。さらには,コロナのことがあり,ICTの利活用を余儀なくされたというような状況にあるんですが,今現在,各教員が,まだまだ1人1台PCの環境が整っていなくて,都道府県市町村で,その辺りのことをじっくり考えて体制を整えていくということがまだ後手になっているような気がいたします。
 さらには,現場の対応に追われていて,教員研修そのものが後手後手になっていまして,今現在,私どもでは,例えば広島県においては,広島県が全体で対応しているグーグルクラスルームを使って,県下の全ての指導主事を集め,約200人ぐらいになりますけども,それをグループに分けて,集めながらオンライン研修で,これからの学びをどうしていかなきゃいけないのかとか,指導主事が各学校を指導していくときに,どんな視点を持たなきゃいけないのかですとか,さらには,ICTを活用した各市町村での研修の在り方,もしくは学校との連携の在り方みたいなことを具体的にすぐに活用できる内容を御提示して,研修を系統立てて,校長先生,指導主事,そして,10年研,6年研というふうに,同じベクトルで系統立てた研修をしかけていこうとしているところですけれども,現在,教育委員会では現場への対応に追われて,やはり研修についてじっくりと考えていく余裕がないということもお聞きしますので,その点について,文科省としてどのような支援をされているのかということをお聞きしたいのが1点。
 そして,もう一つが,先ほどの人的支援のところ,物的支援のところですけれども,スクールソーシャルワーカーですとか教員の加配のお話がありましたけれども,1点,最も必要なのは,今,教育委員会が教育政策をこの機会に現場での,今,直近の対応だけではなく,これからに向けていろいろと考え直していこうとしたときに,教育政策に関わるアドバイザーですとか,そういった次元での教育委員会に対する支援というのがあるのか。その辺り,2点についてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【荒瀬部会長】 ありがとうございます。後からまとめてお答えを頂こうと思います。今,2つの御質問を頂きました。
 では,この後,御発言いただく順番を申し上げたいと思います。次に今村委員,それから,吉田晋委員,堀田委員,神野委員,佐藤委員,天笠委員,今野委員,清原委員,長谷川委員,田村委員,東委員,毛利委員。今全部で,あと12名の方から御発言の御要請がありました。ほかにまだありますか。では,香山委員,貞広委員,この順にお願いしたいと思います。
 大変申し訳ありませんが,たくさんの方の発言が予定されますので,いつも失礼な言い方で申し訳ありませんけれども,まとめていただきまして,御発言よろしくお願いいたします。
 では,今村委員,お願いいたします。

【今村委員】 コメントさせていただきます。ここのところ,文部科学省の方々の非常に踏み込んだ通達がたくさん現場に出されていて,本当に心からお疲れさまですと思っております。
 今回,資料2にまとめていただいたものに関してや,最近出されている様々な通達について,ひとつ御提案なんですけれども,高谷情報教育・外国語教育課長が,5月に御自身の言葉で,動画でお考えをネット上で表明されて,あれは本当に現場の方々にとても思いが伝わりましたし,熱くそれを受け止めて様々な解釈と議論が沸き起こっていましたので,文部科学省の方々が思いを持って出される通達に関しては,ああいった言葉で発信するようなことを継続していただきたいなと思っているというのが御提案の1つ目です。
 2つ目なんですけれども,今の資料の中なんですけども,1点だけ,6ページの「多様な児童生徒への取組について」というところ,そして,マル6の「多様な児童生徒に対応した個に応じたきめ細かな指導について」という表記から,障害,外国ルーツ,不登校,虐待の方々に対しての方針が書かれているんですけれども,できましたら,多様だから個に応じなければならないという,社会的に何らかタグがついた子供たちだけが多様で,その方々に対してこういう対応が必要ということではなくて,そもそも子供たちは全て,そういった分かりやすいタグがついていなくても,全て多様性を持っていて,発達も特性も個別的であって,ここに書かれているようなことは,分かりやすく,タグがついているからこういったことが必要なのではなく,全ての子供たちにとって個に応じた学びの在り方が必要というような全体感に捉えられるような表記にしていただければ,もっとよりよい方向になるなと思いました。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。大変ごもっともなお話だと思います。
 では,引き続きまして,吉田晋委員,お願いいたします。

【吉田(晋)委員】 ありがとうございます。
 私としては,まず滝波課長の「学びの保障」の総合対策パッケージでお尋ねをしたいのですけれども,これでは基本的にこれからの学校再開を踏まえた上でのいろいろな案が出ているわけだと思うのですけれど,例えば,1ページの「人的・物的体制の緊急整備」というものが入っていて,今日は別紙で,参考資料2として,「学校の段階的再開に伴う児童生徒等の学びの保障」というのが入っているわけですけれど,ここで,先ほどお話のあった学習指導員の追加配置,6万1,200人とか,スクール・サポート・スタッフの2万600人というのが出ているのですけれど,これは補助率3分の1ということは,これは公立学校だけに対するものなのか。私立学校の場合ですと,今,第2次補正でやはり学校の再開に伴う感染症対策等への支援として,いろいろな経費が出ているのですけれども,児童の学びの確実な定着のために必要な経費に対する支援,2分の1とかいうのがあったり,ですから,ここには具体的な人数も何も出ていない。それから,今,ここの2分の1とか3分の1と書いてありますけど,一体幾ら出していただけるのか。今すぐにこの支援が必要な時期なのではないかと思うのです。
 というのは,今日の「学びの保障」の例として,5ページに,今後の教育活動の展開イメージというのがありますけれど,これでいくと,何かもう,ずっと9月も何も週2回程度しか学校をやらないみたいな形で,ICTがあたかもあって当たり前のような形での教育課程を組まれているのですけれど,文科省でお出しになったガイドラインで言っている部分と,この部分との整合性を私は教えていただきたい。
 ICTに関しては,今日も最初の資料で,「直ちに調達行為に入るとともに,納期を分割することなどにより,特に早急に整備が必要な分は優先的に整えるなどの対応を行う。これにより,遅くとも令和2年8月までには,少なくとも小学校第6学年・中学校第3学年等の最終学年の児童生徒や,経済的理由等でICT環境を準備できない家庭に対してICT環境が整備されることを目指す」とはっきり書いてらっしゃいますけど,これは実現可能なのかどうかというのは,今の状況で本当に可能なんでしょうか。
 それがあった上で,この9月からのこういった週2回登校をやるならまだ分かります。それでその上に,9月,週2回なのに,10月にはもう運動会,修学旅行をやれると。一体僕は,どうやったら我々ができるのか。そして,この部活動のことも何にも書かれていません。昨日,甲子園のことがありましたけれども,今,文科大臣がいろんな賞を出して,各県の大会とかをやってくださいというお話がありますけれど,部活動の再開という話が全く出ていない中で,それがいいのかどうか。
 長くなって申し訳ないんですけれど,もう1点,このオンラインの最後の御説明の中で質問させていただきたいのですけれど,これは何となくオンライン授業というものが,あたかも,今,全校で行われて,いい成果が出てきているという前提に書かれているような気がしてしようがありません。実際にオンライン授業は,公立では5.何%しかできなかったとかいうお話も伺っています。
 そういう中で何かこう,多数者教育をする我々の初等中等教育というのは,やはり子供と子供,子供と先生,人と人が会うことで,しっかりとした社会性を身につけさせる,決められた規則の中で自由があるということを教えることが一義的な問題だと思うのですけれど,オンラインをうまく取り入れて,オンデマンドにすることによって,それをベストミックスさせてどうのとか,何か学校自体の必要性よりも,まるで通学の意義がないような形のハイブリッドな教育というのはいかがなものか。今,これからの我々の教育にとって,そこをどうしたらいいのか。何かガイドラインとの併合,整合性,その他含めて,しっかりとしたお考えを教えていただきたいと思います。
 すみません。長くなりました。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。先ほど申しましたように,まとめて,後からお答えを頂きたいと思います。
 では,堀田委員,お願いいたします。

【堀田委員】 堀田でございます。2点,意見を申し上げます。
 資料2の2ページ目でございますが,1ポツの最後,真ん中辺りの丸について,ここに「遠隔・オンライン教育等を積極的に取り入れていく」と書かれてございます。今し方,吉田委員がおっしゃったように,子供たちが集合して啓発しあいながら学ぶということです,先生から直接学ぶということは何よりも大切なことだと私も思っております。ここで「遠隔・オンライン教育」と書いてあるのは,必ずしも学校に来なくても学べるということだけではなくて,個々の子供たちがアカウントを持っていれば,それぞれの学習の進捗等を教師が把握できる中で,それぞれの子供たちに個に応じて適切に学習を促すということかというふうに私は理解しておりまして,そういうもののはやはり個別最適化にもつながりますので,対面の学習ができる状況であっても,積極的に取り入れていくべきものかというふうに理解しております。
 そのことと協働的・探究的な学びですね。これもネットでできなくもないのですが,やはり対面の授業の中で子供たちが相互啓発されながら学ぶということが大事だと思います。したがって個別最適化されたという言葉と,協働的・探究的な学びを安易にくっつけてしまうことによって,イメージされる学習が限定的になってしまうのではないかという危惧を感じます。
 個別最適化はとても大事ですし,協働的・探究的な学びもとても大事ですから,いろんな学びとその支援の仕方がある,その際のオンラインがたいへん有効だという,形にした方がいいのではないかと思います。これが1点です。
 もう1点,3ページ目の下の方ですけど,臨時休業等における学習状況の把握についてです。コロナで学校が休業したということに対して,どういうふうに子供たちの学習,学びを止めないようにするための支援が行われたかということはちゃんと検証すべきことかと思います。まだ学校が再開して間もないので,今はまだ大変な状況だと思いますけど,これを検証しておくことは,今後の第2波,第3波に備えるという意味でも大事かと思います。
 その把握について,ここにはICT環境の整備状況などを把握しと書いてあるんですけど,これらのICT環境の整備状況というのはその都度把握されているわけで,これを改めて把握することには,私はあまり意味がないかと思います。それよりも,例えばオンライン授業は何%行われたかということを把握すべきだと思います。5%という数字は4月16日の数字ですので,最終的にはどのぐらいの教育委員会がオンライン授業を実施できたか,あるいは,その教育委員会の中の学校の何%が行うことができたか,どのようなタイプのオンライン授業をしたか,紙との併用も十分あると思いますし,電話等の併用もあると思いますので,そういうようなことをちゃんと把握して,学校がどのぐらいの体制が取れるようになっているか,それを設置者がどのぐらいフォローアップできているかということこそ把握しておくことが今後につながるかと思います。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 では,神野委員,お願いいたします。

【神野委員】 神野です。よろしくお願いします。
 私は2点お話しさせていただきたいんですけれども,まず最初に,「学びの保障」という話の中でお話をさせていただくならば,高校における端末ということをどう考えていくかということもそろそろ議論を始めなきゃいけないのではないかと思っております。もともと義務教育の段階においては,GIGAスクールという中で配備していくという中で,高校に関しては,BYODということを議論の中心にしてきたかと思うのですが,仮にそのBYODという話で行くのならば,このBYODをちゃんと促進していくような策ということも考えていかなくちゃいけないと思っておりまして,それこそ都市部においては,子供たち自体のICTリテラシーも高いですし,また,先生方のそのような情報に対する考え方もすごく早いものがあるので,BYOD自体,進んでいくような自治体も多いと思うんですが,一方,地方においては,このBYODという策だけで行ってしまうと,どうしてもそういうような策を学校として取れないというようなところも増えてきているなと思っています。
 もちろん,だからといって,早急に配布をしなければいけないのかどうかというところを私自身,結論が出ていないものの,そのBYODで本当に学習の保障になるのかということに関しては,ひとつ議論していかなきゃいけないんじゃないかなと思っています。
 また,もう一つ,これは若江委員もおっしゃられていました教育委員会に対する支援があるのかというのが,このようなGIGAを進めていく上で,教育委員会に対する支援があるのかというお話ありましたが,ひとつ,今,ICT支援員だとか様々,学校現場に対して入っていくような,この件に関する方々がいらっしゃるものの,そういう方々が大体やられているのというのは,例えばタブレットのソフトウエアのダウンロードに対するサポートだとか,Wi-Fiの設定に対するサポートだとか,かなり現場に近いところのサポーターはいるものの,もう少し上流過程,例えば本当に教育委員会の方々がどう学校長たちに説明していくのか,また,どう議会に説明していくのか,そして,全体としてどういう教育課程を組むのかというところに対する支援はまだまだ足りていないものがあると思っていて,先ほど今村委員もおっしゃられていました,通知だけじゃなくて,動画も必要だというぐらい,動画も必要だし,更に言えば,現場に伝えていく存在自体が必要だなと思っていまして,前の提言,私たちに委員ペーパーとして書かせていただいた中におきまして言うと,CIO的存在ということをいかに自治体に対して派遣していくのかというところが,今,構想を練っているもの自体を実現していくために最も必要な施策なのではないかなと思っております。
 以上になります。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。今,1つ目でおっしゃった,高校においてはBYODで行く方向でというお話でしたけれども,それは具体的にそこまでの議論にはまだなっていないと思いますので,そういったことも含めて,今後詰めていく必要があるということではないかと思います。
 では,佐藤委員,お願いいたします。

【佐藤委員】 日本PTAの佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
 夏休みがうちの学校では8月5日から8月19日ということで決まっていたんですけれども,そうなりますと,エアコンの設置状況について,最近マスコミでよく取り上げられています。国の方針としては,今年の3月末までに全国の90%程度でエアコンが設置されるだろうというような話は聞いたんですけども,その後どのようになっているかというのが御質問の一つです。
 東北,北海道の方は大分,暑くならないので大丈夫だという話を聞いておりますが,現実に,今年はお盆以外,子供たちが通学するだろうと思われますので,その辺を教えてください。また,もう一つは,エアコンの運用ですね。フィルターの掃除であるとか,設定温度といったところをしっかりと各学校で対応できるかなと思っています。
 もう一つは,ICTの活用,タブレット等ですけれども,まだ全国的には1人1台というのはもうちょっと先になるかと思うんですが,子供たちが共有して使う場合に,タブレットなどからウイルスが感染したというようなニュースも医療機関等でありましたので,こちらも学校になるかもしれませんが,しっかりとそういったクリーニングも実施できるような形でお願いしたいと考えております。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。では,天笠委員,お願いいたします。

【天笠部会長代理】
 まず,先ほど御説明いただきました資料1-1,それから,資料1-2,そして,資料2に,この3件の資料についての御説明があったわけですけども,この件については,改めて教育課程部会の方でも議論させていただきたいと思っております。したがって,それをまた近々,近々というか,もう直近ですけども,教育課程部会が開かれる予定でありますので,その席において,また,委員の方々からの議論をお願いしたいと思いますし,また,今日の委員の皆さん方のこの場での意見も,教育課程部会で御紹介させていただき,そして,それを集約したものをまた本部会に上げさせていただいてということで,往復の作業をさせていただきたいと思いますので,この件について,よろしくお願いします。
 その上で,3点申し上げたいというふうに思います。
 それでまず,1つ目は,先ほど御説明がありました6月5日の通知を含めて,その中でガイドラインの一本化云々というような言い方をしたんですけども,確かに3月からこの間,様々な通知が出されたということなんですけども,何がどういう形で一本化されたのかとか,前の通知というのがこれとどういう形で加筆修正されたのかとか,そこら辺のところについて御存じの方というのが一体どのぐらいいらっしゃるのかどうなのか。とりわけ現場の立場からするならば,次から次へと,場合によっては,日を置かずして,朝と夕に次から次へと来るというのが,それは恐らく一般的な受け止め方なんじゃないかと思いますので,どうしても全体が見えなくなってしまわざるを得ないということ。もう一つは,とかく現場の立場からすると指示待ちにならざるを得ないということで,通知一つ一つの中に大変意味のある,そういうことがそこに含まれているというのはよく理解するところであるんですけども,改めてどういう全体像であって,また,恐らくこれは今後とも,更にいろんな形で加筆修正が加わるということがあるかと思うんですけども,こういうものが通知の中でどういう全体図の中で,これなのかどうなのか。何がどういう形で整理されて,今ここで提起されているのか。あるいは,改めて何が新しく加わったのかとか,何が修正されたのかというようなことが,比較的分かりやすく伝えていくというか,通知していくということが必要なのではないかと思います。
 その際,改めてこの場において,原理原則を言うというのもいかがなものかという御意見もあるかと思うんですけども,やはり私は教育課程は学校が編成するんだという,こういうことが,こういう事態においても大原則としてということなんですけども,これがとかく現場の先生方が,そのところを,とかく日々のお忙しい中で,何と言うんですかね。見失われがちな部分というのもあるんじゃないか。次から次へと通知,指示等々という中に置かれているわけですけども,改めてそれぞれの学校において,先生方,学校が責任を持って創意工夫を凝らしていただいて,教育課程を編成するんだと。常にその原則と現実の実態との対応関係ということを大切にしていきたいなと。そういう中で一つ一つの通知の位置づけ,意味づけをもう一度確認していく必要があるんじゃないかというのが1点目であります。
 続いて2つ目なんですけども,学校の図書室について言及させていただきたいんですけども,この間,学校の休業に伴って,図書室も一緒に閉ざしたというのが,私の知り得る限りですと,多くの学校の実情ではないかと思っております。その中で,ただ,図書室は,要するに,何を申し上げたいかと,図書は開いたというんでしょうか,活用したというのが,少数ながらあったという。ここら辺のところが私は着目させていただいているところではあるわけですけども,ICT環境の整備ということと,それから,学校図書室の整備というのを,これは今後一体的に考えて,学校の学習環境の整備の在り方という形で整えていくやり方をしていくということがこれからの課題になるんじゃないかと思います。
 図書室の方を閉ざしておいて,ICT環境の整備だけをひたすら促していくというのは,これからの学校の学習環境の整備という観点から取ったときに,バランス感覚に欠けていくということが今後予想されるわけで,ですから,ICT環境の整備をしていくということは非常によく分かるところであるわけなんですけども,一つの学校というところでの学習環境といった場合に,いろんな資源があるわけですので,その資源を複合的に活用していくという学校の環境の在り方という中にICT環境の整備というのも目指していかないと,ひたすらICT環境の整備だけを声高に進めていったとしても,当面ハードウェアの整備が必要であるということはよく理解できるところであるわけなんですけども,その先を展望したとき,学校の中にしっかりと根付いていくかどうかというところまで見定めたときには,今申し上げたようなことが必要になってくるんじゃないかと思っております。
 それから最後になりますけども,どうしてもこういう状況ですので,授業時数の消化ということをもって,学校は使命を,役割を果たしたということに,ある意味で言うと,ならざるを得ない。そのお立場からもよく分かるところであるわけなんですけども,併せてというか,あるいは,こういう視点というのが私は重要なんじゃないかと思っているのは,学校日数の確保ということで,ひたすら7時間授業ですとか,全部教科の授業で埋めて,そして,それで消化すれば役を果たしたということよりも,やはり私は学校の日数,学校という日常の生活,その中に,授業もあれば生活もあるということが重要であって,そうしたときに,この国の教育課程の一つの特徴というのは,教科と教科外の2領域で構成されているという,このことが国際的にも評価されている一つの観点になっているわけですので,こういう事態であっても,教科と教科外のというふうな,その調和の取れた学校の日常を確保していこうという,こういうスタンスをやっぱり持ってほしいと思いますし,そういう観点からしたときのいろんな通知ですとか,様々な財政的な人的な資源というのが,それとうまくかみ合っているのかどうなのかということを常に捉えていく必要があるんじゃないかと思っております。
 したがいまして,そういう点からしますと,教育課程の中,学習指導要領の構成上の特別活動,学校行事というのを,これからそれぞれの学校がどういう形で創意工夫されて扱っていくのかどうなのか。現行のまま,5つの学校行事をそのまま進めていくというのはなかなか現実的ではない部分があるわけで,これをどんな形で整理していくのかどうなのか。こういうことについての支援も,また支援の一つであるんじゃないかと思います。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。大変基本的なお話を頂戴いたしました。
 では,今野委員,お願いいたします。

【今野委員】 今野享子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は,「学びの保障」総合対策パッケージの3ページのところに書いてございます,「国全体の学習保障に必要な人的・物的支援」のところで,本当に「迅速かつ柔軟に」というところをお示しいただいたところ,大変有り難く思っております。
 それで特に,物的体制の整備のところなんですけれども,「校長の判断で」とお示しいただいたところ,大変学校現場の考えに沿っていただいたと思っております。これから,先ほどの御説明では,交付申請が受け付けられれば速やかにということでしたので,今後,学校現場の要望,校長の判断で要望したものや考えたものについて,是非お願いしたいと思います。その際には,第2波,第3波のことを考え御配慮いただきたいといと思いました。
 それから,今,天笠先生がおっしゃったことですけれども,時数のことです。どうしても教科の時数に目が行ってしまいますけれども,協働的な学習というものが総合的な学習の時間と大変リンクしているので,総合的な学習の時間も大切にする視点を織り込んでいただければと思いました。
 以上でございます。

【荒瀬部会長】 今野委員,ありがとうございました。天笠先生がおっしゃいました,教育課程は学校が作ると。正に校長が作るわけでありますので,今おっしゃった校長の判断というのは,そういったことも踏まえた上での判断なので,それが生かされるようにということの御指摘かと思いました。ありがとうございました。
 では,続きまして,もう一度,順番を申し上げますが,清原委員,長谷川委員,田村委員,東委員,毛利委員,香山委員,貞広委員,吉田信解委員,松尾委員と,これだけの方がまだいらっしゃいますので,再三,大変申し訳ありませんが,まとめていただきまして,御発言を願えればと思っております。
 では,清原委員お願いいたします。

【清原委員】 ありがとうございます。清原です。
 まず今回,資料1-1,1-2と,新型コロナウイルス感染症対策に伴う,これまでの,3月2日,一斉休業以降の文部科学省の取組等について,ガイドライン及びパッケージとして集約をしていただきました。この間,初等中等教育分科会,特別部会のメンバーも,文科省の皆さんと一緒に未曽有の経験をしてきたわけですが,この間のお取組,事務局,そして,委員の皆様に感謝申し上げます。
 3点に絞って申し上げます。
 1点目は,資料1-2の,1ページについてでございます。この間,「あらゆる手段で,子供たち誰一人取り残すことなく,最大限に学びを保障」ということで,特に学校現場では,先ほど来,御議論もありましたけれども,資料1-2の1ページ目なんですが,授業時数についての日数のイメージも示していただきました。夏休みが短くなるという地域もあるかと思います。感染症対策は,熱中症予防も大きな課題になります。
 実は私,全国市長会の副会長,あるいは社会文教委員会の委員のときに,是非全国津々浦々,学校のエアコンとトイレ改修をと働きかけをさせていただいた立場です。多くの補正予算を示していただき,順次進んでおりますが,やはり夏の感染症予防と熱中症予防は,学校現場については大変重要な課題ですので,是非衛生管理,また,健康の分野から,これにつきましては,具体のガイドライン,マニュアルなどを示して,子供たち,教員の命を守っていただければなとお願いです。
 2点目は,同じく資料1-2の3ページでございます。ここには入試の関係についての記述がございます。「高校入試及び大学入試で特定の受験生が不利益を被らないための措置」とあります。NHKの本日のニュースによりますと,大学の入試の共通テストにつきましては,6月中に関係者が協議をして,現時点では予定どおり来年の1月実施ということが報道されました。受験生,そして,教員,保護者にとりましては,入試については本当にこの状況の中で心を痛めていると思います。その中で,例えば出席停止の配慮ですとか,文部科学省でもいろいろな指針を示されているわけですが,入試の範囲についてもそうですが,学習の遅れ,入試の範囲,受験生にとってはいろいろ悩みが深いと思いますので,受験生を受け入れる高校や大学も熱心に現実的な対応をしていただくことになると思うのですが,もう9月以降,AO入試も始まるような状況だと思います。
 そこで,授業日数の内申書での扱いであるとか,今年特有の状況などについて,関係者で協議をしていただいたものが受験生,保護者,また,教員に適切に届きますように,適切な広報,情報提供に御配慮いただければと思います。
 3点目です。資料2について申し上げます。今回,「WITHコロナ」の段階から「ポストコロナ」の段階へと,時間軸も置きながら,ICTが望ましい遠隔・オンラインの教育に生かされるように,私たちの議論なども踏まえた論点整理をしていただきました。
 私は,このときに,多くの委員もおっしゃいましたけれども,やはりICTを整備して,遠隔・オンラインの教育ができれば,それで全て代替がかなうわけではありません。ある学校では,授業だけではなくて,ホームルームにオンラインを使ったところ,生徒の意識が共有度が上がったとか,あるいは,授業以外の共同学習等にも取り組むとか,オンライン一つとってみても,多様な使い勝手を児童生徒が想像します。また,授業日数にこだわることなく,授業を圧縮して,むしろ子供たちのいわゆる行事等を優先的に確保したいとおっしゃる校長先生も少なからずいらっしゃると承知しています。
 そうであるならば,WITHコロナのときの使い勝手と,ポストコロナの使い勝手を分けていただいた,このハイブリッドの考え方と時系列,これを専門の堀田先生も御研究されていらっしゃると思うので心強いのですが,是非持続可能な,リアルな教育現場とデジタルの教育現場との望ましいハイブリットをこの特別部会で提案できればと思っています。
 特に,学校で学べない病気や障害のある人,不登校の児童生徒への項目が6ページ,マル7として記述され,中山間地域の利用について,マル9として記述されています。正にこれまでも必要だった取組ですが,WITHコロナの中で,本当に真正面から取り組むチャンスが与えられました。是非ICTを真の意味で生かす方向での検討を特別部会として中間答申あるいは最終答申で提起する上で,新型コロナウイルス感染症対策のWITHコロナとポストコロナの分け方などは,有益かと思いまして,発言をさせていただきました。
 以上3点です。よろしくお願いいたします。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 では,長谷川委員,お願いいたします。

【長谷川委員】 ありがとうございます。LITALICOの長谷川です。よろしくお願いします。
 資料2の4ページ目についてですね。4,5,6ページについてなんですけど,3点あります。
 まず4ページ目,取組事項で,マル1,学習ログ,スタディ・ログを活用した個別最適化された学びについてというところに具体的に追記いただきたい点があるんですけれども,これはログをしっかり取っていくことによって,個々の状況に応じたきめ細かい指導の充実を図るというところがあって,非常にすばらしい内容だと思っていますけれども,学習の結果だけではなくて,そもそもどういう狙いで授業をやったのか,どういう計画で個別的に指導をしたのかというところとセットで結果を見ていかなければ,PDCAで改善をしっかりなされないと思っていますので,追記いただきたいのは,こちらに,最後のところに,「また,全ての子供に個別学習計画に基づく個別最適化された学びを実現する」という文章を具体的に追記いただきたいと思っております。その計画に対する結果を見て,具体的に次のプランを,個別的な学習計画をどういうふうに改善するのかというところをしっかりと改善につなげていく必要があると考えております。
 今村委員もおっしゃったとおり,これを障害のある子供だけのものではなくて,全ての子供に対して実行していくということが大切であると考えております。
 2点目,5ページ目のマル5,「臨時休業時等に学校と児童生徒等の関係を継続し学びを保障するための取組について」という項目があります。こちらについて,今回のようなやむを得ない事情のとき,臨時休業等が行われた場合に,学校と児童生徒の関係を継続し,学びを保障する。そちらについてオンライン授業の制度化等,具体的な制度を検討・整理するというところがありますけれども,こちらに具体的に「臨時休業等」に含まれているんだと思いますが,臨時休業のほか,不登校など,やむを得ない場合においても,学びを保障するというところを具体的に記述いただきたいと思っております。
 理由としては,学校教育法においては,既に不登校というのはやむを得ない事情として,制度上,認められています。やむを得ない事情として認められているんですが,そこにとどまっているというのが課題であると思っておりまして,やむを得ない事情であると認めるのであれば,学びを保障すると,具体的な施策を講じるというところも制度化すべきであろうと考えておりますので,こちらについて具体的に記述いただきたいと思っております。
 3点目,最後です。6ページ目の6,多様な児童生徒に対応した個に応じたきめ細かな指導についてというところがありますけれども,中段のところに「また,不登校児童生徒も含め,関係機関と児童生徒の状況を共有し,支援しやすい環境を構築するため,個別の支援計画等の作成及び電子化を進める」という項目があります。これは非常に大切な趣旨が含まれていると思っておりますが,こうして書いてしまうと,多分,学校現場の中で,電子化するというのはエクセルを使って,紙でやっていたものをエクセル化しました,で終わってしまうと思っておりまして,本質的には,これはきちんと支援計画もデータをしっかりためて,データも将来的に解析をして,より精度の高い支援計画,支援につなげていくことが大切であると思っておりますので,この「個別支援計画等の作成及び電子化を進める」の手前に,具体的に,統合型校務支援システムを整備,活用して,個別の支援計画等の作成及び電子化を進めるということを記述いただきたい。そのシステム全体の中の1つに支援計画の作成ツールが組み込まれることによって,先生の業務の負担の軽減ということにもなりますし,エクセルではなくて,ちゃんとシステムに組み込まれることによってデータがしっかり溜まっていって,どういう子供にどういう指導,計画をやった結果,効果的だったのかというデータの活用に将来つながると思っておりますので,この統合型校務支援システムの中にきちんと個別の支援計画が作成できる機能が盛り込まれるようにしていただきたいというところになります。
 以上,3点であります。ありがとうございます。

【荒瀬部会長】 具体的にありがとうございました。
 では,田村委員,お願いいたします。

【田村委員】 田村でございます。3点申し上げます。
 まず,是非学校を見てほしいということです。実は,私の学校は都道府県立の特別支援学校ですけれども,強くお願いして,昨日初めて本校を担当する教育委員会の課長や担当者の方に来ていただきました。実際に学校現場に行くのは,3か月ぶりだということでした。感染させてはいけない,学校にクラスターを発生させてはいけないということで,一切行っていないということでした。もちろん,たくさんの学校支援策を講じていただいたり,実情の聞き取りもしてくださっています。学校の視察の前には,校長から,PTAの役員の方にも教職員にも,「学校の実情を見てもらって応援をしていただくためです。きちんと感染予防の対策を取って,気をつけながらやりますので協力しましょう。」と全員に理解を求めてやっています。学校を見てほしいと考えています。
 学校の中で,例えば1人が授業を受けていて,もう一人がiPadで,家に居ながらそこに参加している授業形態もあります。感染リスクが高い方もいます。Zoomを使って,学年や学級活動の朝の会もやっています。家庭のプライバシーが映るので,最初はお名前だけ表示されている御家庭がたくさんありましたが,Zoomを使うと,今皆さんが見ているように,他のお友達の様子が,みなの笑顔が互いに見られることが分かり,「3月から初めて学校とその学ぶ仲間とのつながりを実感できた。ああ,これは教科学習だけではない良さがあるんだということが伝わりました。」との保護者の率直な声もいただきました。ICT教育,遠隔学習といっても,学校の中でもいろいろな方法を用いて様々な実態に応じてやっています。是非学校の現場を見てほしいとの思いです。
 それから,分散登校のことです。実際には学校は,例えば今は,3分の1登校ですので,3分の2の方は来れないので,それに対してはプリントを作って渡したり,そしてインターネットを使っての学校TVの一斉配信をやったり,個別のインターネットによる教科の補充学習への相談をしたりという3回転,それからお子さんを一日ご家庭でステイすることに困っている方を預かったりと4回転ぐらいしています。教員の業務はすごい状況になっています。通常の学期より幾つものことを同時並行してやっている状況です。
 遠隔学習に用いるいろいろな機器が配備されるということです。届いているものもありますけど,まだまだのものもあります。一方で,連休明け以降から,本会による緊急アピールの効果もあったことでしょう。非常に現場に即した柔軟な対応が進んできて,かなりの学校が今,何らかの形でオンラインの遠隔教育ができています。本校では「こうめいTV」と言っていますけど,訪問学級チャンネルであったり小学部チャンネルであったり,全校チャンネルであったり保健チャンネルであったり,様々な内容を三,四十分単位で流すということもできています。震災後の状況と同じです。絶えず求められる支援の中身が変わってきますので,是非現場を見て一緒に考えてほしいのです。
 それから,先ほどの資料2のところで,障害のある方や不登校の方というところが記されていました。6では多様な児童生徒にきめ細かくということで,7では学校で学びたくても学べない児童生徒へとあります。学校で学びたくても学べない児童生徒というカテゴリーとして,病気療養,不登校とありますけれども,もともと初等中等教育の中には,学校そのものの機能を教員が出向くことによって教育が実現する訪問教育の制度が根付いています。
 学びたくても障害や病気や感染予防から学校に出向いて学べないお子さんは以前からいます。制度上では週に3回,1回2単位を標準としています。この制度で積み上げてきたノウハウも取り入れながら訪問教育のお子さんも含めて一緒に考えていただければと願っています。この在宅訪問学級のお子さんたちは今,コロナ禍で先生が家に行くと感染するから家庭への訪問を辞退されている方もいるので,このカテゴリに加えて一緒に考えてほしいところです。
 交流教育に関してですが,感染予防の観点から児童生徒の直感的なふれあいは止まっていますけど,こうした時こそ,学校がスタンドアローンにならないように,ネット環境を使って,様々な人がいるということを学べる機会にしていけるのではないでしょうか。会えないからできないということではなくて,むしろ工夫ができるのではないかと考えています。
 最後の1点ですけれども,出席停止という言葉です。例えば児童生徒ご本人が指定伝染病に感染しているときに,感染をしないようにするということは,他への感染を防ぐということで「出席停止」となります。これは誰でも納得できます。「出席停止」は「免許停止」に近い意味合いに受け止められがちで保護者には非常に抵抗感がある方がいます。実際には感染を避けるために,呼吸器をつけていたり気管切開していたり予後があるので,お子さんを守るために出席を自主的にやめているお子さんもいます。このときに授業日から除くという「出席停止」扱いになりますと,授業日数がどんどん減ってしまって,まるで学習が成り立っていないかのような日数になったりします。 詳しく調べれば配慮措置なのですけれども,受け取る側の保護者とお子さんからしたら,病気で出席が停止されたように思ってしまいます。病気だから止められているのではなく,学習が在宅でも可能な日だということがもっと分かるような言葉に何か工夫できないでしょうか。
 以上でございます。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。大変配慮のあるお話であったと思います。
 では,東委員,お願いいたします。

【東委員】 美晴幼稚園の東です。よろしくお願いいたします。時間が限られていますので,1点だけ意見を述べさせていただきます。
 資料1-2の4ページ目に,教師が学びの保障に集中する環境整備とありまして,教員免許状の有効期間の延長,あるいは更新講習の猶予について記載されております。6月5日の通知も私,拝見しましたが,通知の中では現職教員に限るというふうに記載されております。免許保有者の復職や任用に当たって,あるいは,私は幼稚園でありますので,幼稚園教諭あるいは認定こども園の保育教諭の場合,子育て等,キャリアを積んだ後に復職する場合があります。そうしますと,このような状況の中で,人材をより十分に,余裕を持って確保したいという場合において,現職教員という配慮の趣旨は十分理解できて,承知しているんですが,現職教員に限られますと,先ほどのような復帰や任用の障壁を生む可能性がありますので,できましたら再考いただいて,そのような点にも配慮いただければと思います。とりわけ来年3月に修了確認期限を迎える教員にとって,あるいは復職を予定している,あるいは任用を希望したりする教員にとっては非常に喫緊の課題でもありますので,2年2か月という余裕を持った猶予期間の設定がされていますから,できる限り幅広く対象を設定していただけるとよろしいのではないかというふうに考えている次第です。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。やはり具体的に御指摘いただきまして,ありがとうございます。
 では,あと6名の方に御発言を頂くことになっております。大変恐縮ですけれども,手短によろしくお願いいたします。
 では,毛利委員,お願いいたします。

【毛利委員】 つくば市みどりの学園の毛利でございます。よろしくお願いします。
 先ほど御説明の中から,とにかく今できる方法を全て使って,何でも使って前例を踏襲しないでやるという文科省様の言葉は,本当に学校現場の者としては非常に心強いなと思っております。好事例を紹介していくというお話もありましたので,是非それは大切なことだなと思います。それから,学校は通常登校になりましたけれども,やはり通常登校になったんだから,コロナのときとは違って,元の授業スタイルに戻すんだという考えは違うなと思っていて,今後,必ず第2波は来ると思ってやらなくてはいけないので,通常登校になっても,第2波が来たときを踏まえて,いつなってもいいような学習体制を整えることが大事だと考えています。
 そこで大事なことは,教員がほぼ車で出勤する場合は,学校に来てオンライン学習ができるんですが,電車など公共機関で通勤をしていらっしゃる先生が多い学校は学校に出勤できない場合,教員が自宅からオンライン学習しなければならない状況になることも考えられまして,そういう教員が自宅でも児童生徒とオンライン学習ができる仕組みも考えていかなくてはいけないのではないかなと考えました。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 それでは,香山委員,お願いいたします。

【香山委員】 失礼いたします。岡山の香山です。
 本日出された資料2につきまして,方向性として賛同いたします。1点,違う視点を加えておきたいと思います。コロナの状況が今後も続くのではないかといった見通し,あるいは収束した後も含めて3密を避けていくということが非常に重要かと思うんですけれども,大都会,あるいは人口密集地が,コロナが起きやすい環境にあるというのは,感染者数を見ても明らかなわけです。かつ,天笠委員等もおっしゃいましたが,教科外での全人的な発達を促す,そういった学びの機会であるとか,あるいは地域社会をフィールドにして探究学習をするといったような機会であるとかをしっかり保障していくということを考えた場合に,大都会や人口密集地から,いわゆる過疎地域の学校に留学しやすい仕組み,受入れ側の地方自治体や学校を支援するような仕組みということも今後考えていってもいいのではないかと思います。実際,今年4月から内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部で,高校生による地域への単年度留学が実験的に始まりましたので,こういった仕組みを小学校や中学校や高校が実施しやすくしていくような,そういう観点も1つ盛り込んでいただいてもいいのかなと感じております。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 では,貞広委員,お願いいたします。

【貞広委員】 ありがとうございます。千葉大学の貞広と申します。時間がありませんので,1点に絞って御意見申し上げたいと思います。
 資料2の4ページの四角の下のところ,※印以降に,履修主義や修得主義についての文章がついております。この5行ですけれども,ちょっとフォントが小さい文字で書いてありますけれども,公教育の根幹に関わる問題だというふうに思います。現在,目の前の様々な必要に対応していくということはもちろん重要なんですけれども,万が一にも,その総和として結果的に,特段根本的な議論もなく制度の目指すところが変化してしまうというありようは決して好ましいものではないというふうに思っております。こんな大変なときに面倒な理屈をという受け止めもあろうかと思いますけれども,この課題については,状況や,これまでの成果と課題を整理し,資源配分の在り方と連動させて,根本的かつ集中的な検討が必要であろうと考えます。
 少し具体的に申し上げますと,吉田委員や,ほかの方もおっしゃっていましたとおり,対面で,集団の中で学ぶということの学校教育の意義は非常に大きいと私自身も思っております。特にこうした意見,現場の方々の体験的な根拠もありますし,日本型教育システムのよさが最も生きる部分であったというふうに感じております。ただ,前回のこの会議でも,例えば出席至上主義や就学義務についての議論を進め,学校に通っている子供だけではなく,そうでない子供たちに資源の配分を行うことを考えざるを得ない段階に来ているという御意見も出ていました。こういう御意見が出るというのは,従来あったひずみや無理が今回のコロナの問題で表面化したということでもあろうかと思います。ここが実は根本的に問われている部分なのではないでしょうか。
 ただ,早急に考えなければならない,手立てを講じなければならないけれども,拙速に舵を切ってはならない大きな変化とも言えます。いきなり脱履修主義・修得主義に転換するといったようなものだとか,どの理念を選び取るかなどというような乱暴な議論というよりも,ハイブリッドという言葉も出ていましたけれども,複数の理念をどのように混合させて,学校段階や状況によってその混合ぶりをどういうふうに変化させるのかということ,そうした根本的な議論が伴わないと,制度や対応を取っていくことが,しっかりと腹落ちするものにならないかと思います。
 私なりにも意見がないわけではありませんけれども,この点については唯一の正解があるというような課題ではなくて,社会的に決定する事項ですので,やはりこの問題に関しては,状況や,これまでの成果と課題を整理して,資源配分の在り方と連動させて,根本的,集中的な検討を行っていただきたいというふうに考えます。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。大変根本的なお話を頂きました。この辺りも多分,教育課程部会等でも御議論いただくことになるのではないかというふうに思います。おっしゃいましたように,早急に取り組まなければならないと同時に,拙速は慎まなければならないという,非常に難しい条件があるわけですけれども,是非考えてまいりたいというふうに思います。
 では,吉田信解委員,お願いいたします。

【吉田(信)委員】 大変お世話になっております。3点,手短に,現場からの声ということでお聞きいただきたいと思います。
 まず,資料1-1の1ページ目でございますけど,学校における感染症対策の考え方についてでございますが,6月8日に全国市長会長の名前で文科省宛てに,マスクの着脱の在り方についての小児医学会等の見知を求めた上でのガイドラインというか,それを是非出していただきたいという要請書を出しました。現在のところマスクは有効でもあるし,しかし熱中症対策を考えると注意も必要ということで,注意喚起のレベルでございます。もちろん現場では現場対応で,いろいろ考えております。うちのまちでも,登校時にはもうマスクは外して,日傘をして登校するとか,そういう工夫もやっておりますけれども,やはり小児医学の見知からのガイドラインというか,学校においてのマスク,登下校時どうすべきかとか,教室の中でクーラーをつけているのであればやはりした方がいいとか,何かそういう明確なガイドライン,分かりやすいガイドラインを出していただきたいということを全国市長会として文科省にお願いしておりますので,この点是非よろしくお願いしたいと思います。
 2点目はICTでございますけれども,いろいろ御意見いただいておりますが,実は県によっては,例えば共同調達をしてタブレットを購入しようと。しかし,それがなかなか進んでいないというところも現実ございます。先ほどある委員さんから,この資料に書いてあるように今年の8月までに,いわゆる中学3年生,あるいは小学校5,6年生,本当にできるのかという話がありましたが,これは正に私どももそういうふうに思っております。やらなければいけないということはよく分かっておりますし,現場はやりたいと思っています。しかしなかなか,例えば県の共同調達というのも,県の方から話を聞きますと,非常に時間がかかると。時間がかかるので,市町村単独でやってもいいですみたいな話が来ているという県もあるようです。しかし,では市町村に投げられたからといって,市町村がやったとして,本当に県の共同調達より早くできるのかと言えば,非常に疑問でございます。
 現在なぜこの調達が遅れているのかということも,全国的な見地から,是非文科省には考えていただきたい。原因,そしてその解決に向けた対策です。もしも資材調達等,非常に時間がかかって,なかなか難しい状況があるのであれば,どのぐらいかかるのか,その間どうするのか。第2波のおそれもあるわけでございますので,オンライン教育というのは,これはできる形でやっていくということは必要,私は本当に大事だと思っていますけれども,是非実態に即した中で,現実に即した中で計画,ビジョンを立てて進めていくべきだということを考えております。是非御検討いただきたいと思います。
 3点目でございます。これは資料1-2ですけれども,3ページに物的支援の整備ということで,学校にお金を配分していただけると。本当に有り難い話ですけれども,現実はもう既に各自治体とも,感染予防のための学校への物品配備は始めております。ですから,これは後々ちゃんと予算が出せるようにしていただきたいなと,既にもう調達したところには適用されませんというようなことにならないように,柔軟にその予算がきちんと配分されて,使い勝手のいい形になるように,この点は是非お願いしたい。
 以上でございます。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。やはり大変具体的な御要望を頂きました。文科省でよく御検討いただければと思います。
 では,松尾委員,お願いいたします。

【松尾委員】 失礼いたします。姫路市立白鳥小学校の松尾です。よろしくお願いいたします。もう皆さんがおっしゃったことと重なるところがたくさんありますので,簡単に申し上げます。
 私たちも,学校が再開されて2週間,分散登校が終わろうとしています。来週からの通常登校に向けて各学校現場,ガイドラインづくりに一生懸命になっているところです。そんな中,正に学びの保障について文科省の方から御提示いただいたこと,大変感謝申し上げたいと思います。
 その中で,今,課題だなと感じることを1点申し上げたいと思います。学校休校中には,現場も時間がある中で,急速にICT環境とか研修が進んで,本市でもグーグルサイト,フォーム,ミート,クラスルームなどを活用して研究が進みました。その進んだものを学校再開後にいかに検証したり持続していくかということがとても大事だなというふうに今感じています。御提示があった,いかにハイブリッド型の学校運営をしていくかという研究も必要だと思いますし,休校中の過程で児童との関係づくりは一定の効果があったんですけれど,今後,学習場面での活用のビジョンの研究ですとか活用事例を交流したり,好事例を御提示いただくようなことも必要じゃないかなというふうに感じております。
 もう1点は,学校再開後の課題として,資料1-2の5ページ,中学校3年生の教育活動の展開イメージを載せていただいていますけれども,やはり学校行事というのは,正に子供たちに潤いと秩序を与えるとても大事なものだと思っている中で,いかに校長裁量として行事を組み込んでいくか,組み立てていくかということをとても課題に感じています。そういった事例ですとか,また校内研修の在り方,教員研修の在り方なども交流できたらいいな,事例を紹介していただいたら有り難いなということを感じております。
 以上です。ありがとうございました。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
 では,最後に加治佐委員,お願いいたします。

【加治佐部会長代理】 それでは,私は2点,申し上げたいと思います。
 この資料2を拝見しまして,本当にこの厳しい体験,経験を次に前向きに生かすという姿勢が,特にポストコロナのところでよく表れているというふうに思いました。それで,貞広先生が,大きな制度改変を伴うということで慎重な議論が必要だということもよく理解しつつ,同時に,なかなかこれまで変えられなかったこともこういうときに変えるのかな,変わるのかなという印象も持っています。しっかり考えなければいけないと思うともに,この機会を生かすべきとも思います。
 特に高校制度が大きく変わる,柔軟化,多様化するんだという印象を持ちました。義務教育とは別なんだという位置づけをして,大きく変わるということです。そこで思いますのは,質保証ということなんですね。恐らく大学も,オンラインでほとんどやっているところが多いですので,今後,設置基準の在り方とか,あるいは事後評価の在り方が,また問い直されるんじゃないかと思っていますが,同じ意味で高校も質保証を図らなければいけないということです。ここだけ見ると,あえて申し上げますが,これまでの通信制高校と,オンラインを使うとかICTを使うところがもっと増えるとかあるのかもしれませんが,同じようなことかなという印象を持たないわけでもないんですね。広域通信制高校はこれまでも,何度も問題が指摘されてきております。ですから,これからいろいろな実証研究等されるということですので,高校の新しい在り方についての質保証,つまり事前規制をどうするのか,事後評価をどうするのかという点も同時にやはり研究していただく必要があるのかなということは本当に強く思いました。これが1点です。
 それから2つ目は,これは要望なんですが,資料1-2の3ページで,学習保障に必要な人的・物的支援。この人的体制の整備の方は,私がおります国立大学の附属学校は対象になっていないと聞いています。物的体制の特別支援学校のスクールバスの増便等は支援してくれるということは聞いていますが,人的体制は対象になっていないということなんですね。制度的にこれまでの公立学校の支援策の拡充ということですので,それは分かるんですが,今回こういう必要性を感じているのは同じですので,これは初中ではなくて高等教育局のマターなのかもしれませんが,そこらの考慮を頂けないかということをお願いしたいということです。
 以上です。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。まだ御発言をお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが,一旦ここで切りたいと思います。
 今頂きました御発言の中で,質問も幾つかありました。あるいは要望も幾つかありました。こういったことにつきまして,今日の時点でお答えできるところを文部科学省の方からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【田中教育制度改革室長】 失礼いたします。教育制度改革室長の田中でございます。
 若江委員から御質問いただきました件でございますけれども,今直接の担当課がいないもので,適切な答えにならなかったら申し訳ございません。これ自体,もともとGIGAスクールを進めるに当たりましても,年末の論点まとめでも出していただきましたように,ハードを進めるだけではなくて,人を育てる,ソフト面を進めるということも大事だということも提言いただいたところでございますけれども,現場,それから教育委員会へのICT面での支援ということで言いますと,まず教員の研修というのは各都道府県教育委員会でも計画に基づいてやっていただいておりますけれども,国の方といたしましても,教職員支援機構,いわゆるNITSにおきまして,研修用の動画の作成というのを進めております。またICTの実践事例等の作成・普及,それから「教育の情報化の手引」の追補,それから,このNITSによります教育情報化指導者養成研修の充実,こういったものを図っているところでございます。
 また,現場に対する人材的な支援ということで,これは先ほどの神野委員の御発言にもつながるところでございますが,ICT支援員の配置を促進しており,また,今,現状のICT活用を支援する予算も増やしておりますし,現場のICT活用を支援するだけではなくて,教育委員会等に対してアドバイスを行うようなICT活用教育アドバイザー,この派遣というのも文部科学省からさせていただいておりまして,その教育委員会レベルに対する高度な支援ができる人材の派遣と,こういったものもやらせていただいているところでございます。
 十分なお答えではないかもしれませんけれども,以上でございます。

【浅田総合教育政策局長】 総合教育政策局長の浅田です。答えられる範囲でお答えさせていただきます。
 若江委員からの教員研修の支援については,国としても,養成段階での学びに加え,先生方に研修に打ち込んでいただける環境づくり,時間的,人的なサポートに努めてまいります。また, NITSでの研修の例も挙げていただきました。ただ,自分の経験も踏まえて思うのは,こうした,特にICT関係の研修については,研修そのものと,機器等の条件整備と,日々の活用と,これらをセットでやらないとなかなか進みません。かつて,電子黒板の活用が進まなかったのもそういうところに原因があったのではないかなと私は感じています。だから,機器を入れる,実際に使う,使いながら研修をする,そういうことを一気に進めるちょうどいい機会ですし,それは主には学校や教育委員会でやっていただく必要がありますが,それを国としてサポートしていくことが大事だと思っています。
 佐藤委員からエアコンについてのお話がありました。先程挙げられた数字は公立学校の普通教室についてのものだと思いますが,整備は急ピッチで進んできています。今年度の予算でもさらにそれを進めるべく所要の予算を計上しています。ただこれも,エアコンを入れれば全て解決するわけではなく,生徒個人によって暑さ寒さの感じ方は違いますし,あるいは教室の中でも場所によって効き方も違います。換気も必要です。相当きめ細かく配慮しながら使わないといけないということです。他の事柄にも言えることですが,物的な整備と,実際の使い方と,それらを併せてよくよく考えながら,生徒の顔を見ながらやっていかなければいけないと思います。
 あと,天笠委員から,学校の図書室のお話がありました。ICTと図書室で,どちらかが進んだら,どちらかが要らなくなるということは全くありません。当然どちらも大事です。今回,学校が休業期間に入ってすぐに,文科省の子供の学び応援サイトの中に,「きみの一冊をさがそう」という,子供の読書を応援するサイトも作りました。これはどんなときでも非常に大事なことですので,引き続き応援し,環境も充実していきたいと考えています。
 また,田村委員からの,とにかく学校に来て,見て欲しいというお話と,出席停止という言葉が当事者にどう感じられるかといった御指摘については,率直に言って,私も同じ感覚を共有しているつもりです。国会が終わって,もう少し時間ができれば,是非学校にもどんどん行きたいなと思います。貞広委員からの履修主義,修得主義等についてのお話は,学校教育制度の根本に関わることで,何となくの議論にしてはいけないと私も思っています。相当慎重に,きっちり詰めて考えなければいけないということを改めて感じました。
 以上です。

【田中教育制度改革室長】 施設部長,よろしくお願いいたします。

【山﨑文教施設企画・防災部長】 ありがとうございます。
 エアコンの整備について御質問がありました。確かに今年は臨時休業の影響に伴って,夏休みを短縮したりすることが考えられると思います。そのため,熱中症事故の防止についてという依頼の文書を先月出しておりまして,その中でも,空調設備に有無に合わせた活動内容の設定に留意して,子供たちの健康確保に十分配慮してくださいというお願いをしています。
 空調設備の設置状況につきましては,30年度に補正予算,臨時特例交付金を作りまして,希望する全ての自治体に対して補助金を交付しております。特に子供たちが長く過ごす普通教室を中心にやってきておりますけれども,その普通教室については昨年度末の設置率が,おっしゃるように9割に達しております。それを見ると,北の方の北海道とか青森,秋田以外のところは大体8割程度の設置状況になっております。それに加えまして,今年度は補正予算,当初予算含めて空調設置に関する予算を計上しております。また,さらに今年は夏までに,時間もあまりありませんので,臨時的な対応として第1次補正予算,第2次補正予算で,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金というものが措置されております。この活用によりまして,例えば移動式エアコンなどの導入等が可能になっているところでございます。
 運用でございますけれども,注意事項がございまして,エアコンを使用していても換気がされているわけではございません。エアコンを使用していても換気,窓開けですね,是非していただくように重ねてお願いします。このことは衛生環境マニュアルにも書いてございますので,御参照いただければと思います。
 以上です。

【荒瀬部会長】 どうもありがとうございました。引き続きお願いいたします。

【浅野初等中等教育企画課長】 企画課長でございます。
 今の点に係りまして何人かの委員から御指摘がございました,感染症対策と,それから熱中症対策,これについては,エアコンの整備と併せて,今後,衛生管理マニュアルの方で,もう少しこの辺の対応についてはしっかりと充実していきたいと思っております。先ほど天笠委員からも御指摘ありましたように,幾つかの通知がこれまで出ておりましたので,今日お示しさせていただいた持続的な学校運営のためのガイドライン,6月にほとんどの学校が通常で再開されるという状況がございますので,そういった通知類を1本にまとめて,基本的には,新しいことよりも今までの対応を整理させていただいて,それに衛生管理マニュアルという形で感染症対策についてのマニュアルを付随するとともに,今回の学びの保障のパッケージというものも,学習面での対応について附随をさせていただいたわけでございます。
 もう1点,若江委員,それから今村委員,神野委員からも御指摘がございました教育委員会に対する支援でございます。私ども,この中教審の委員の先生方で,こういったオンラインでの会議が可能だということを十分理解できましたので,これまでの教育委員会向けの研修でありますとか会議,文部科学省のこういった政策についての会議等については,こういったオンラインのシステムを各教育委員会とつなげて実施するということで対応をし始めております。今後丁寧に,一般的に見られるような形で,文部科学省の今回の学びの保障のパッケージの政策の説明と,それから各設置者でのこういった学びの保障の取組の具体的な事例について御紹介をいただくようなセッションを,ユーチューブ上で,明日12日の午前中に予定してございます。そういった形でしっかりと教育委員会の方々とも連携しながら進めていきたいというふうに考えてございます。
 それから,資料2についてでございますが,ちょっと私,説明で触れずに恐縮でございました。7ページ目に用語の定義というのを書かせていただいてございます。ここには,遠隔・オンライン教育,遠隔教育,遠隔授業という形での言葉遣いについて定義をさせていただいておりまして,この文中,吉田晋委員からも御指摘いただきました対面の授業の必要性,指導の必要性というのも非常に重要だということは,私ども,この資料2で書かせていただいております。
 ただ一方で,この遠隔・オンライン教育という言葉がかなり入っているので,そういった対面の授業が大幅に減るようなイメージを御覧いただいているかもしれませんけれども,用語の定義の1ポツで書かせていただいておりますように,遠隔・オンライン教育の定義は,双方向の授業というだけではなくて,授業の一部や家庭学習で学びをより効果的にする動画等の素材を活用するという形で,そういった教育という定義をさせていただいておりますので,この文章の中ではそういった双方向型の授業についての記載,それから,授業の中で取り上げる,そして家庭学習の中で取り上げていくようなオンラインの教育の内容について記載させていただいております。貞広委員の御指摘もございますので,今後,委員の皆様方の意見をしっかり取り入れながら,一方では,現在行われておりますオンライン教育,確かに一部の地域で実施されているわけでございますが,こういった事例も検証しながら,しっかりと検討していきたいというふうに考えてございます。
 それから,ICTの問題について,吉田晋委員,吉田信解委員から御指摘がございました。私ども,端末の業者にもいろいろ働きかけをしながら,生産的にはある程度,台数について確保できるというような話も聞いているところでございます。それがそれぞれの自治体の調達とうまくマッチングされるように,相談に乗るアドバイザーの連絡先も全て自治体にお示しさせていただいて,かつ文部科学省としても直接,自治体の方々と意見交換をさせていただきながら,第2波,第3波に備えて,やはり最終学年をまず優先的に,夏ぐらいまでに整備が整うようにしっかりと努力していきたいというふうに考えてございます。
 私からは以上でございます。

【滝波教育課程課長】
 続きまして,教育課程課長の滝波の方から,何人かの先生,今野委員や吉田信解委員などから,資料1-2の3ページの下のところの物的体制の整備の関係での御質問があったかと思います。校長の判断で感染症対策や学習保障等に必要な取組を迅速,柔軟に実施できる経費を支援ということでございますけれども,このことにつきましては,御説明申し上げましたとおり,今般の第2次補正予算の中で必要経費を計上しているところでございます。やはり趣旨としては,今般の長期休業があった中で学校を再開していくということになりますので,速やかにこの補助が執行できるようにしていく必要があるというふうに思っております。第2次補正予算案の審議が国会で今なされておりますけれども,その審議が進んだ上で,実際に補助を行いますための交付要綱といったものを作成する必要がございますけれども,それを速やかに作成しまして,交付申請の受付に入っていきたいというふうに考えております。既に学校再開してきておりますので,できるだけ早く交付ができるようにしていきたいと思っております。
 経費としては,この資料のところにございますような,感染症対策に関わる経費,あるいは学習保障に関わる経費ということで,支援イメージが右側のところに少し,図が描かれておりますけれども,学校の規模によりまして,小中学校ですと,小規模の場合100万円,中規模150万円,大規模200万円,それから高校や特別支援学校については300万円ということを基本に考えながら,感染の程度,状況に応じて加算ができるような仕掛けを考えております。やはり交付の御申請を頂いたり,交付決定の手続をしていくということに時間がかかっても仕方がありませんので,もうなるべくスピーディーにできるような形で,簡易な形でできるような形を今,工夫できるように考えているところでございます。
 それから,吉田晋委員の御質問の中で,資料1-2の5ページのところに学校の教育活動の展開イメージが描かれてございまして,こういったことが可能なのかどうかというところ,あるいは部活動はどうするのかということの御質問があったかと思います。これはあくまで中学校3年生の事例のイメージということで描いたものになりますけれども,今6月というところで,分散登校を行っていらっしゃる学校が多いかというふうに思っておりますけれども,順次本格的な通常授業ということに向かっていく学校が多く出てくるかなと考えております。その上で,夏休みを少し短縮する可能性もあるかと思いますけれども,各学校,子供たちの状況,学習の遅れの状況に鑑みて,どういった形で授業日数を確保していくのかということはそれぞれお考えいただく必要がございますけれども,そうした上で,もちろん感染対策を講じながらということが付きますけれども,いろいろな形で運動会や文化祭や,あるいは校外学習といったことも可能な限り実施できるように工夫をしていただくといいなというふうに考えているところでございます。また,修学旅行ということも,特に中学校3年生ですと楽しみにしているところだと思いますので,ここでは10月のところに記載してございますけれども,場合によっては3月ということもあるかもしれませんし,そこは実際の感染の状況等に鑑みながら検討いただくということになるかというふうに考えております。
 それからもう1点,清原委員からの御質問の中で入試の関係があったかと思いますけれども,高等学校の入試に関しましてはいろいろ配慮を頂きたいということの通知を出してございますけれども,その中で,調査書におきまして出席日数や学習評価の内容,あるいは諸活動の記録や指導上参考となる諸事項の記載が少ないことをもって不利益とならないように,不利益を被らないようにするということもこの通知の中でお示しをしているところでございまして,その上で,中学校において進路指導をより一層丁寧に行っていただいて,志願先の入試の内容をしっかりと入学志願者に伝えていただくということもお示しをしているところでございまして,こういった配慮を頂くように各教育委員会等に対してお願いしているところでございます。
 それから,天笠委員からは教育課程部会との連携の話もお話しくださいました。この点については,明日,また教育課程部会が開催されることとなってございますので,本日頂きました御意見もしっかりと受け止めながら,教育課程部会の方でも御審議を深めていただければというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。今,幾つかの点で御回答いただきました。回答がきちんと出ていないのではないかと思われる委員の方もいらっしゃるかもしれません。当然のことながら記録を取っておりますので,これら,あるいはまた頂きました御意見,御要望等を含めて,事務局の方でもう一度きちんと検討いただいて,次回以降答えていただく,ないしは文言の中に生かしていただくというふうにお願いしたいと思います。
 大変申し訳ありませんが,あともう1点,今日の議題がございまして,時間がもうほとんどない中で御説明を頂くだけになってしまいますが,今後引き続きまた検討していくということを条件といたしまして,御説明を頂きたいと思います。
 議題の2は,いじめ・不登校・児童虐待への対応策の充実ということで,大変重要なことでございます。資料3に基づきまして,大濱児童生徒課長から御説明をよろしくお願いいたします。
 すみません,吉田先生,どうぞ。

【吉田(晋)委員】
 全然答えになっていないので聞きたいのですけれど,先ほどICTの件も8月までの整備体制を整えると,いかにも他人事で書いてあるんですけど,ここを書いているのは文科省が書いているのですよね。だとしたら,その8月までにどこまで揃えられるかとか調べもしないで書いているというのは無責任じゃないのか。それから私,滝波さんに御質問した人的体制の整備のことで,3ページには人数であるけど,761億の2次補正が参考資料の2で出ているわけですけれども,ここでの学習指導員とか教員の加配とか,そういうのがここで書いてありますが,一体いつから始めていいのか。今一番必要なときにそれだけの体制が取れるのか,それからお金があるのか,それを質問したはずですけれど,それが全然,お答えされていません。
 それからあと,用語の説明の中でオンライン学習の話があったのですけれども,あの資料の6ページは多様な児童生徒への取組についてという題材の中で,高等学校段階というのが,家庭における同時双方向型オンデマンド型の学習や,授業の一部として特例的にとか,あと遠隔・オンライン教育とをベストマッチにしてといっていますが,この用語の説明の遠隔・オンライン教育というのは,通常の学校がやる同時双方向型で学校同士をつないだ合同授業とか,全然,多様な児童生徒への取組についてに使われる遠隔・オンライン教育の言葉とは意味が違うんじゃないかと思うのです。その辺のところの整理をきちんとしていただきたいという思いがありますので,よろしくお願いします。

【丸山初等中等教育局長】 初中局長の丸山でございます。
 先ほど吉田委員の方から御質問いただきました件ですが,まず人的な整備の関係ですが,今回の人的体制の整備については,対象となるのが公立の学校ということで考えております。教員の加配,学習指導員,スクール・サポート・スタッフ等々で,全体として8万5,000人程度の追加措置を行うということであります。
 それから,あわせて物的体制の整備の関係は,先ほど課程課長の方からも説明をさせていただきましたけれども,感染の状況,学校規模に応じて,感染症対策や学習保障ということで様々学校が取り組んでおられますので,予算の成立を待って速やかに,遡及して支援が行えるような体制で,今,事務の手続,そういったことについて作業を進めているところでございます。遡及してやっていくということでございます。
 ここの部分については私学についても,また加治佐委員からもお話がありましたが,対象については国公私ということで,各学校に対しての支援を考えておりまして,具体の支援スキームについて,補助率等も含めまして,2分の1ということでございますが,特に私学の部分については現在,高等教育局の私学部の方におきまして,こちらのスキームについて整理を行っているということでございます。
 それから,ICT端末の調達の関係につきましては,8月には,特定警戒地域としてこれまでも指定されておりました13の都道府県を先行させて整備を進めていくということでございます。各都道府県の教育委員会から,なかなか物がないといったような御指摘も先ほどありましたので,我々の方からメーカーサイドにも直接働きかけを行い,その整備を促進するようにということでございまして,小6,中3というところを優先して整備を進めていくということであります。現在我々が各自治体からお聞きしている整備の状況等も踏まえると,そういった最高学年の部分を優先して進めていくということについては取組が進められるのではないかなというふうに考えております。ただ,それだけでは決して十分ということではございませんので,その他の地域における整備も,令和2年度第1次補正予算,それから昨年度の補正予算,トータルで約4,600億のGIGAスクール推進に向けた経費を計上しておりますので,しっかりと自治体,それから学校法人の関係の皆様方とも気持ちを一つにして,このICT端末の整備,しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
 ちょっと説明の方,十分ではないかもしれませんけれども,私からは以上でございます。

【荒瀬部会長】 ありがとうございました。吉田先生,いかがでしょうか。

【吉田(晋)委員】 ありがとうございます。今ので少し分かってきましたけれど,たしか私立もICT補助員は若干つけていただけていたと思うのです。今の中で是非お願いしたいのは,パソコンの8月に各学校整備というのは多分公立学校の話だと思って,私学補助制度もまたちょっと違いますけれども,その機会をやはり私学にも回していただけるようなことだけはきちんとやっていただきたいなと思いますので,よろしくお願いいたします。

【荒瀬部会長】 今見えないと思いますが,こちらの方で事務局の方がうなずいていらっしゃいますので,御検討いただきたいというふうに思います。
 では,議題の2,もう御説明いただくだけで時間が来てしまうんですが,大変重要な件でございます。先ほどもちょっと申しましたが,資料3に基づきまして,大濱児童生徒課長から御説明をよろしくお願いいたします。

【大濱児童生徒課長】 早速でございますが,資料3に基づきまして御説明をいたします。
 まず,おめくりいただきまして1ページ目でございます。こちらは先般,5月27日でございますが,今回の学校再開に当たりまして,生徒指導上の留意事項の大きな柱4点,都道府県教育委員会等に周知したものの御説明でございます。こちらの趣旨でございますが,通常の夏休みのような長期休業とは異なりまして,今回は大変イレギュラーな形での再開,長期休業の後の再開ということでございまして,児童生徒の心が不安定になるのではないかという懸念,心配に基づきまして,これは当課の有識者のいじめ会議ですとか自殺予防会議,不登校の会議の先生方の御協力を得まして早急に取りまとめたものを4点,お示ししたものでございます。
 内容でございますが,1つ目,資料左上の児童の自殺予防についてでございます。こちらにつきましては,先ほどと重なりますが,通常,長期休業明けの9月1日ですとか,そういう日は自殺が多いというのが統計上,表れております。そういった意味でも,今回はより一層注意を要するという意味で,しっかりと自殺企図の兆候を把握して,特定の教職員が抱え込むことなく組織的対応をお願いしたいということでお示ししたものでございます。
 2点目でございますが,右上の不登校でございます。こちらも非常に今回イレギュラーな中で,不安やストレスを抱え,学校が始まるに当たって大変ストレスを抱え,また保護者の経済的状況,家庭環境が大きく変わる中,不登校が増加する懸念というのは当然考えられるという認識でございます。そういった意味で,丸の2つ目にございますけれども,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー等としっかりと支援をして,また家庭環境の悪化等々もしっかり頭に入れて支援に適切に取り組むということをお願いしたものでございます。
 左下の3番目,児童虐待についてでございます。こちらも在宅時間が非常に増加した中で,しかも学校に来ないということでありますと,虐待の兆候,大事なサインを学校がキャッチすることが非常に難しい状況が続いておりました。そういった意味でも児童虐待のリスクの増加,深刻化が懸念されたところでございます。そういった形を受けて,やはりこれも学校再開後のアンケート調査等によって,しっかり児童生徒の状況を把握いたしまして,必要な支援,関係機関につなぐ等行うことをお願いしたものでございます。こちらも自殺予防と同様,組織的対応もお願いしたところでございます。
 4点目,右下でございます。差別,偏見,コロナいじめと称されるようなもの,これは絶対にあってはなりません。医療関係者の方々の御家族ももちろんでございますが,例えば帰国された児童生徒に対するいわれなき差別,偏見,いじめというのは絶対にあってはならないという下に,生徒指導の配慮事項をお願いしたということでございます。しっかりとアンケート調査等で把握するとともに,これはコロナ感染症の適切な知識を発達段階に応じてしっかりと学んでいただいて,それを生かして生徒指導上の配慮事項を行っていただきたいということの趣旨でございます。
 続きまして2ページ目でございますが,大きな柱の1点目,いじめの状況でございます。こちらにつきましては統計をお示ししております。小中高とも増加傾向にあり,54万3,000件余りということの認知がございます。
 おめくりいただきまして,3ページ目でございます。いじめを認知した学校の割合の円グラフでございまして,こちらにつきましても全体で8割の学校で認知をしていただいているということでございます。
 4ページ目でございますが,こちらにつきましては学年別の棒グラフをお示ししたものでございまして,小学校の,特に低学年での増加の傾向が著しいということでございまして,こらちについてもしっかりと,早期のものを含めていじめを把握していただいて,しっかり対応していただいているというふうにも見ておりますけれども,しっかりこの辺のところは我々も対応していかなければいけないという認識を持っております。
 5ページ目でございますが,いじめの状況でございます。こちらにつきましては,一番上の冷やかし,からかい,悪口を言われるというようなことは,どの学校種においても多うございます。また,下から2つ目ございますが,昨今問題になっておりますパソコンや携帯電話で誹謗中傷ということについては,これは学校種ごと,高校で伸びてきているというような状況がございます。件数も伸びてきております。こういうところはしっかり見ていかなければいけないという認識でございます。
 6ページ目は,いじめの重大事態のグラフでございます。こちらにつきましては,いじめ法の児童等の生命,心身,財産に重大な被害を生じたもの,それから当該児童生徒が相当の期間,学校を欠席するということで,これは大変あってはならない事態でございます。こういったものも件数が伸びているということは,極めて憂慮しなければならないものと考えております。
 おめくりいただきまして,7ページ目でございます。2番目の不登校でございます。こちらにつきましても小中ともに伸びておりまして,数ももちろんでございますが,1,000人当たりの児童生徒数で見ましても増加傾向にございます。これにつきましても我々しっかりと,重くこれを受け止めていかなくてはならないという認識でございます。
 8ページ目でございますが,不登校の状況,日数をお示ししたものでございます。こちらは全体の6割,58.1%の方が長期化の傾向があるということでございまして,下に学年別の不登校生徒数がございますけれども,しっかり我々これは受け止めていかなければいけないと考えております。
 9ページ目でございますが,これは不登校の要因という形の調査の結果でございまして,いじめを除く友人関係をめぐる問題ですとか学業の不振,学校についていけないというような要因がございますし,家庭に係る状況等もございます。こちらにつきましては,しっかりと要因分析ができていないのではないかという御指摘を頂戴しております。そういった意味でも我々,これで足りるとは考えておりませんので,もう少し深掘りをした調査分析をやっていきたいと考えております。
 3点目は児童虐待でございます。10ページ目でございますが,折れ線グラフで御覧のとおり,社会的関心の高まりもありまして年々伸びてきているということでございまして,態様別では心理的虐待が1番を占め,その次が身体的な虐待ということでございます。あと端緒,虐待を発見した経路でございますが,下にございますとおり警察等が半数を占めておりますが,2番目に近隣・知人とございまして,3番目に学校での発見,こちらが7%を占めているということで,こちらも学校等の役割が非常に重要なものになっております。我々にとって,しっかりやっていかなければいけないという認識でございます。
 11ページは好事例を2つ,お示ししております。いずれの事例もスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーが中心となりまして児童虐待に適切に対処した結果,当該児童の安全が確保できた好事例でございまして,こういった好事例もしっかり横展開を図っていきたいと考えております。
 12ページ目でございますが,こちらは文部科学省の,先ほど来述べた課題に対する総合推進事業としておまとめしたものでございまして,時間の関係上,省略をさせていただきたいと思います。
 13ページ目以降は,今後の方向性でございます。こちらは我々の頭の中にあるものをフルにお示ししたものでございまして,これではまだまだ足りないという御指摘も十分考えられるんですけれども,5つほど挙げております。
 1つ目でございますが,積極的な生徒指導ということでございます。こちらは,何か起こってから対応するということではなくて,先んじて,特に問題行動の未然防止に力を入れて予防的にやっていきたいと,やっていくということを今後も進めてまいりたいと考えております。
 2点目でございます。これは先ほどのものと少し重複いたしますが,予防的な指導ということでございまして,例えば,上にございますピアサポート,あるいはソーシャルスキルトレーニング等,こういった社会性を身につける,そういう教育をしっかり普及していくことによって予防に資するものを考えております。それから自殺予防について,これも正にあってはならないことでございますので,SOSの出し方に関する教育ですとか自殺予防をしっかりとやっていきたいと考えております。
 大きな3点目でございますが,組織的な対応の推進でございます。こちらも,当然のことでありますが,こういった諸問題に対処するに当たりましては,一人一人の先生方が個人で抱え込んで,個人で対応するということはあってはならないと考えております。正に管理職,学校長がリーダーシップを取って,学校全体,組織全体での対応を促してまいりたいと考えております。時間の関係で中身は省略いたしますが,いずれにしても,こういった諸問題にはしっかりとした組織としての対応が重要,必要であろうと考えております。
 4番目でございますが,教育相談体制の整備,充実でございます。こちらにつきましてもスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーの充実を図ることはもちろんでございますけれども,その専門性を十分に発揮できるような,こういったスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーの方々が生きがいを持って,しっかりやりがいのできる環境づくりということも我々考えておりますし,そういった意味では教職員の皆様方の現場の理解ということも,今後より一層必要なんだろうと考えております。また,SNS,こちらは先ほどいじめの問題とも関連いたしますが,電話相談ではなかなか相談しづらいという声がございます。LINE等々のSNSによって相談しやすい環境,あるいはそれが全国的に,どの地域に住んでいても気軽に相談できる,利用できるという環境づくりも大変重要だろうと考えておりますので,今後そういったことも考えております。
 5番目,これは非常に重い課題,不登校の児童生徒の方々の学習環境,学びの保障という観点でございます。こちらも我々非常に手探りといいますか,どうしていいのか分からない状況の中,今後取り組むべき課題として何点かお示ししております。まずは,一番上にございますけれども,教育機会確保法の法律の趣旨,あるいはそれに基づく基本指針の趣旨の完全な理解,これが,いろいろな方々からお伺いしていますと,現場の教職員の方々に完全な理解がないというような,大変耳の痛い御指摘を頂いております。そういった意味でも法の理解,完全な理解というのは当然でありますが,それがしっかりと実践できるような形で進めていくことが,まず第一に大変重要であろうというふうに考えております。
 それから,上から3つ目でございますが,教育支援センター,これは各自治体に置いていただいておりますけれども,こういった支援センターが,地域の不登校の対応の要といいますか,中心になって,しっかりアウトリーチ型の支援も含めて機能を強化していきたいというふうに考えておるところでございます。
 それから,下から数えて2つ目の,自宅等における遠隔教育も含めたICTの活用。こちらにつきましても随分以前から,こういった形でICTで学習した場合には出席扱いにできますという制度は既に設計されていたんですけれども,なかなかこれが定着しないというような大変重い課題を得ております。そういった意味で,こちらにつきましても活用を促進していただくということはもちろんでありますけれども,我々ができることで,例えば好事例を横展開していくですとか,教職員の方々の理解をより一層進めていただくというようなことが大変重要であろうというふうに考えております。今回コロナ感染症の関係で,ICTの活用が避けて通れないということになってまいりました。そういった意味でも,こちらについてはしっかり充実させて,一人一人,どうしても学校に行けないお子さん,児童生徒の心情に寄り添って,こういったことがしっかり運用できるような形で進めてまいりたいと考えております。
 大変駆け足で申し訳ございませんでした。今後とも引き続き,委員の皆様方の御意見を頂戴しながら,いじめ,不登校,児童虐待等々の対応策を充実させていきたいと考えております。
 以上でございます。

【荒瀬部会長】 大濱課長,ありがとうございました。大急ぎで御説明を頂きました。
 大変申し訳ありませんが,既に時間が過ぎておりまして,今日この件につきまして御意見を頂戴することができません。ただこの件は,ある一部の話ということではなくて,全体に関わる非常に重要な点であります。前回会議では,たしか貞広委員から,例年8月末から9月1日にあった問題が既に始まっているのではないかというような御指摘もあったところです。今後御議論の中で生かしていただくなど,必要に応じて,御意見を頂ければと思っております。
 今日,御意見を全ての方から頂いたわけではございませんので,御発言いただけなかった委員の皆さん,あるいはまた,言い残したことがある,これも加えたいということがございましたら,メール等で事務局の方にお送りいただければというふうに思います。今日はこれで終了させていただきたいと思います。
 最後に,次回の予定につきまして,事務局からお願いいたします。

【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。次回につきましては,6月18日木曜日10時から12時半にて,今回と同様のウェブ会議方式で開催いたします。詳細につきましては改めて御連絡申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

【荒瀬部会長】 それでは,終了いたします。ちょっと会議が続きます。また,ウェブ上の会議ということで,なかなか自由に御発言いただけないという点で大変申し訳ありませんが,引き続きよろしくお願いいたします。
 今日はありがとうございました。

―― 了 ――


(会議終了後,書面で提出のあった意見は以下の通り)

【浜田委員】
 本日の議題(1)新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の学校教育の在り方等について に関して,対策の中に外国人児童生徒等に関する視点を盛り込んでいただきたいと思います。
 コロナ禍による休校の中で,外国人の子ども達や日本語のわからない保護者達は,いつも以上に多くの課題に直面しています。一例を挙げますと
・保護者が日本語の理解が十分でなく,現在の状況や学校からの通知内容を理解できない。
・自習課題として渡されたワークブックの日本語がわからない。
・保護者とともに取り組む多くの課題は,保護者も日本語がわからないため,課題の内容すら理解できない
・特に家庭や技術など,専門用語が多くて,日本語が堪能な保護者でも理解が難しい。
・クラスでの活動を通してであれば,理解できる学習内容も,先生が一方的にお話しされる動画では,よく理解できない
・ネットにつながるデバイスがスマホ1台しかなく,そのスマホを保護者が仕事に持って行ってしまうと,ネットでの学習が難しい
等です。
 各学校,教育委員会におかれては,対応に追われていることとは思いますが,こういった外国人の児童生徒,保護者にも必ず配慮していただけるよう(例えば多言語対応が無理でも外国人の保護者がわかりやすいような「やさしい日本語」での情報発信を行う,日本語ができない場合にも取り組める課題の在り方を検討する等がありうる),また,国としてもこのような対応に必要な支援を行っていただけるよう,この部会からの意見として提言をお願いできれば幸いです。

【山中委員】
 先日の部会において,意見を述べる時間がありませんでしたので,書面にて提出させていただきます。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のための,長期にわたる臨時休業を受け,文科省におかれましては,様々な対応を検討していただきありがとうございます。各自治体や学校においても対応が工夫されているところですが,その状況がかなり異なっており,学校運営のガイドラインや学びの保障についての基本的な考え方などを示していただき,向かうべき方向が見えてきたところです。
 私からは,今回の臨時休業にあたり障害のある児童生徒のことについて意見をお伝えいたします。5月27日付けで,「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開後の児童生徒に対する生徒指導上の留意事項について」の通知を出していただき,ただ単に学びの遅れを取り戻す必要性だけではなく,児童生徒の心理状態等への配慮が重要であることが示されました。このことは,学校が教科書を用いた学習だけではなく,人との関係を築きながら,心を豊かにしていくための場として大切な役割を担っていることを改めて認識させていただきました。
 さて,障害のある児童生徒にとっても,今回の臨時休業は大変に大きな影響を与えました。
通常の学級で教科書を用いて学習を進められる児童生徒には,オンラインや印刷物による学習課題による学習が有効でしたが,特別支援学校や特別支援学級で学ぶ児童生徒は,それさえも難しい児童生徒もおります。課題に向き合う時間にも限度があります。課題についても一人でできる通常の学級と同じような練習問題や書き取り等は難しい場合もあり,担当教師は課題の作成にもかなり苦労したと思います。また,オンラインといっても保護者が常に付き添っていなければ,一人で操作することは難しい児童生徒も多くいます。
 通級による指導を受けている発達障害等のある児童生徒については,家庭での生活リズムが整わなくなってしまう,それが基で保護者も過剰なストレスを抱えてしまう,学習課題があっても計画的に実施できない,学校が再開しても意欲が戻らない,不安な情報に晒され極度の情緒不安定を起こす等の様々な問題があります。
 また,自閉症や知的障害のある児童生徒については,学校で生活に密着した指導を日々行うことで身に付けてきたことが,この長期にわたる休業でくずれてしまった児童生徒もおります。まだ,障害のある児童生徒が,今回の臨時休業でどのような影響を受けたのかについて詳細に把握してはいませんが,ぜひ,障害のある児童生徒の状態の把握とそれに対する対応もご検討いただきたくお願いいたします。

【小林委員】
 教育のICT化そのものはその質を高めるための新しい道具であり,「ICTの活用=教育の質の向上」ではありません。しかし,この新しい道具はこれまでの道具ではできなかったことを可能にします。例えば一人一人の理解度のモニタリング,学校全体であれ個人レベルであれ登校し教室で授業を受けられない時の教育の継続,新しいアプリケーションの活用等々です。教育現場がより注力すべきことはICTを使うかどうかではなく,この新しい道具を活用することで教育プログラムを向上させることです。これは50年前にはなかった理科の実験施設を今使って実験することと変わりはありません。ただその活用範囲が広いことで必要な経費も先生方が習得しなければならない知識,既存の教授法への影響が大きくなります。特別部会でも「ハイブリッド」という言葉を皆さんはお使いになりますが,ICTを活用するということは「ハイブリッドの教育をする」ことではなく,直接あって対面で学ぶこととICTを介して学習する「道具をハイブリッドに使う」という意味であることを明確にしておく必要があると考えます。教育界が達成しなければならないことは,この新しい道具を使いこなしていかに教育の質を高めること,という認識を共有しておく必要があります。その意味では,機器の接続,授業プログラムをどのように見せるか等の技術的な問題は先生方が時間を使う問題ではなく,外部人材に任せても良いのではないでしょうか。先生方はその時間をより良い授業の構築の仕方に費やしていただきたいと思います。
 

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