新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会 (第4回) 議事録

1.日時

令和元年10月25日(金曜日)14時00分~17時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階第2講堂 (東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 関係部会等からの検討状況の報告

4.議事録

【荒瀬部会長】 それでは,定刻となりましたので,ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会第4回新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を開催いたします。本日は,御多忙の中,また,悪天候の中,御出席いただきまして,誠に有難うございます。
まず事務局から,本日の資料につきまして,御説明をよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】 事務局,教育制度改革室長でございます。
それでは,資料の確認をさせていただきます。本日の配付資料ですが,議事次第にございますとおり,資料1-1から資料6まで,参考資料は参考資料1から5となっております。過不足等ございましたら,事務局までお申し付けください。
なお,本日は,機器手配の都合上,ペーパーレスで開催することを予定していたんですけれども,機器の方が間に合いませんでして,今回は紙での開催とさせていただきます。まだ環境整備が不十分なところがございまして申し訳ございません。次回以降は,従来どおり原則としてペーパーレスにて進めたいと考えておりますので,何とぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
【荒瀬部会長】 こういう懐かしい形の会議は,今後は余りなさそうだということであります。
議事に入ります前に,本部会の年内の予定につきまして申し上げておきたいと思います。本日及び11月21日に開催いたします第5回会合におきまして,これまでの審議を踏まえた論点整理(案)を取りまとめて,12月に開催予定の初等中等教育分科会に報告したいと考えております。
これまで本部会では,特にICT環境や先端技術の活用,教科担任制の在り方等について検討を進めてきたところですが,その間,教育課程部会,教員養成部会,新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループなどにおいても検討が進められてきたところでありますので,本日及び次回の特別部会におきましては,それらの部会等の検討状況を御報告いただき,論点整理(案)に盛り込んでいきたいと考えております。
本日は,まず前半と致しまして,教育課程部会,教員養成部会,新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループから御報告を頂いた後,委員の皆様から御意見を頂戴したいと考えております。今日も3時間ということでありますが,休憩を挟みまして,後半と致しまして,新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議,幼児教育の実践の質向上に関する検討会から御報告を頂き,委員の皆様から御意見を頂戴する時間を設けたいと思っております。2部構成で行うということでございますので,よろしくお願いいたします。
なお,次回の特別部会では,教育課程部会,教員養成部会,新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議から再度御報告を頂くとともに,外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議からも御報告を頂くことを予定しております。
また,本日は,報道関係者等から,会議の録音・撮影を行いたい旨の申出がありまして,許可しておりますので,御承知おきいただきたいと思います。ただ,写真を撮られるような場合は,傍聴者個人を特定するような撮影は御遠慮くださいますようよろしくお願いいたします。
それでは,議題に入りたいと思います。関係部会等からの検討状況の報告に先立ち,これまでの審議を踏まえた論点整理(案)について,事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】 教育制度改革室長,田中でございます。それでは,お手元の資料1-1と1-2がございますけれども,主として,少し見づらいのでございますけれども,1-2を中心に御説明申し上げたいと思います。この論点整理(案)につきましては,前回の第3回部会,9月4日の特別部会でこの基となるものを基に御議論いただきました。そこでいろいろな御意見を賜ったところでございます。また,続きまして,10月4日でございますけれども,初等中等教育分科会におきまして,3回の特別部会の御議論を報告させていただきまして,また,分科会におきましても,様々な御意見を頂いたところでございます。
お手元の資料1-2につきましては,9月4日の特別部会,それから,10月4日の分科会それぞれで頂いた御意見について,9月4日の時点にお示しした資料から見え消し修正という形で示させていただいているものでございます。なお,資料1-1の方につきましては,それを溶け込ませたものということでございます。
それでは,お手元の資料1-2を基に御説明申し上げます。1枚目が,教育の将来像の方向性(イメージ)ということでございますけれども,2段落目というか,子供の学びのところでございます。ここにつきましては,先端技術のところ,教師を支援するツールとしての先端技術を有効に活用するというところを明記したところでございます。
また,その下でございますけれども,基礎的読解力などの基盤的学力という表現を使っておりましたが,これにつきましては,新学習指導要領におきまして学力という言葉よりも育成を目指す資質・能力ということを明確化しているところですので,そのことを踏まえまして表現ぶりを適切化,より詳しくするという観点でこのように修正をさせていただいております。
また,この下に,この形だと分かりにくいので,恐縮ですが,資料1-1の方を少し御覧いただきたいんですけれども,子供の学びなどいろいろ丸が描いてイメージが書いてあります。その下に矢印で,黒四角で,ここのところですと,ICT環境や先端技術を効果的に活用した教育の在り方,あるいは教育課程の在り方とございますけれども,矢印が引っ張ってございます。これはこの後でお話し申し上げますけれども,資料1-1を1枚おめくりいただいて,3ページを御覧いただければと思います。特に論じていくべき点ということで,ここに幾つか黒四角の項目が並んでおります。こことの関連を示しているものでございます。
これにつきましては,これまでの御審議の中で,この3ページの黒四角がそれぞれ重要な論点として並んでいるわけでございますけれども,それぞれの関連性,横串を通すようなことが必要ではないかという御指摘も頂いたところです。その横串というのは,正に1枚目の将来のイメージでありまして,目指すべき姿がどの論点につながっているのかということを示すためにこのように矢印を引いて黒四角を描かせていただいたというところでございます。
恐縮ですが,資料1-2の1ページ目にお戻りいただければと思います。次,2つ目の〇のところでございますけれども,「多様な子供が共に学び」というところを書かせていただきました。これは障害のある子供も含めてということで,そのような教育を目指すべきであるという御意見があったことを踏まえて入れさせていただいたものでございます。
その下の〇でございます。こちらも分科会の意見でございましたが,子供の心身の健康を守ること,これがまず大前提であるという御指摘がございました。また,安心だけではなくて,実際安全であることも必要であるということで,このように追記しております。
続きまして,次のページ,資料1-2の2ページ目を御覧いただければと思います。点線枠囲みの部分の最後に幼児教育のことについて書かせていただいております。これは過去の部会・分科会でここについて特化した議論があったということではございませんけれども,先ほど部会長からお話がございましたように,今日は幼児教育について報告させていただくことになっておりますので,そのことを先に書かせていただいたということでございます。
それから,下の部分でございますけれども,このような教育を実現していくためにということで,これまでの御議論の中で,学校のチーム力,組織としてのチーム力を高めること,それから,いろいろ取り組んでいくに当たっても当然働き方改革を進めていくことが必要であると,そういった御意見がありましたことを踏まえてこのように追記しております。
また,その際,これまでの学校の常識にとらわれず,新しい時代を見据えて検討を行っていくことも必要ではないかという部分でございますけれども,これにつきましても,例えば今回テーマの1つになっております個別最適化を進めていくと,例えば今までの常識であったような,同学年の子供たちによる学びという学校の姿が変わってくるかもしれない。そういったことまで見据えて検討が必要ではないかという御指摘があったことを踏まえて記入させていただいたものでございます。
以下,先ほど申し上げた黒い四角によりまして,それぞれの論点が並んでおります。ここの部分につきましても,3ページの方で幼児教育の質の向上のところを,先んじてでありますけれども,書かせていただいております。
なお,3ページの下の部分でございますけれども,ここの部分につきましては,これまで特別部会の御審議の中で特に優先して本年の間に検討すべきことを中心に書いておりますけれども,諮問の事項はこれだけではございません。また,1枚目の将来像を実現するのも,この施策だけで全てを網羅しているわけではございませんので,諮問の事項のうちに,この黒四角に含まれていないことにつきましても,年明けに以後に審議を行っていくことが必要であるということを書かせていただいたところでございます。
続きまして,4ページを御覧いただければと思います。これまでICT環境や先端技術を効果的に活用した教育の在り方につきましては,この個別の論点をお示しさせていただきまして御議論いただいたところでございます。そのことを追記してございます。
まず1つ目のところでございます。ICT環境や先端技術は何のためにということでいうと,学びと社会をつなげて,社会に開かれた教育活動の実現にも資するものであると,こういった御意見がございましたので,これを書かせていただきました。また,真ん中でございますけれども,いじめ・虐待など困難を抱えた子供たちの早期発見・早期支援も含めたことが必要であるということ,それから,その下でございますけれども,ICTを活用することで,一人一人の個別の学習計画が作れるようになってくると。これの活用を進めるべきであるという御意見があったことで,こういったことを書かせていただいております。
それから,2つ目のところでございます。効果的な場面を整理しているわけでございますけれども,効果的な場面だけではなくて,その際,目指す学校のグランドデザインや学習環境の在り方を見据えて,これまでの従来の取組との融合とか複合を意識しながら進めることが必要じゃないかと,こういう御意見を踏まえて書かせていただいております。
その次でございます。デジタル教科書も先端技術の1つでございますので,このことについて明記をしてございます。また,デジタル教材もございます。また一方で,こういった先端技術を活用する中で,特に義務教育段階におきましては,対面での教育を通じて社会性等を身に付けさせることこそが重要であるということ,児童生徒同士,児童生徒と教師が顔を合わせて共に学ぶことの意義について再確認することが必要ではないかという御意見があったことを踏まえまして,この点を追記させていただいております。
また,その下でございます。先端技術の活用といいましても,今まで日本が培ってきた教科書等を基盤とすることが必要ではないかという御意見もありましたので,追記させていただいております。また,課題解決的な学習のところは,ここでは表現を適正化したところでございます。また,最後のところが消してございますけれども,「その際,学年を超えた学びを行うことについてどう考えるか」というのは,これは次のページに段落を分けさせていただきました。これにつきましても,学年を超えた学びというのを先端技術だけから導き出されるものというよりは,個別最適化が進んだ中で見えてくるものであるという,そういう御意見があったことを踏まえまして,独立した項目とさせていただいております。
次,5ページでございます。下のところ,赤字で大きく追記している部分につきましては,これは前回の特別部会で堀田先生からプレゼンテーションを頂きまして,委員の皆様から活発な御意見を頂きました。そのことを追記したものでございます。主な内容と致しましては,学校ICT環境は教育現場において必要不可欠ですけれども,現状の情報化の致命的な遅延や地域間の大きな格差,そういったものが問題としてございまして,抜本的な改善が必要であるということ。また,ICT環境の整備というのは,学校における働き方改革や保護者の負担軽減の観点からも,ハード・ソフトの両面から進めるべきことであるということ。
特にこの下にポツで羅列してございますけれども,具体的に取り組むべきこととして,児童生徒1人1台のコンピュータ端末の整備への支援,安定かつセキュアな高速ネットワーク環境の整備,クラウド活用推進の支援,学習ログの活用等に関するガイドライン等の整備,それから,データ規格の標準化,統合型校務支援システムの導入促進,学習調査・診断等のICT技術活用の促進,ICT活用教育アドバイザーや支援員の配置の促進など専門人材確保への支援,こういったことを御提案頂いたところでございます。
続きまして,6ページでございます。義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方についてでございます。まず冒頭の論点のタイトルのところ,「小学校における」というところを取ってございますけれども,これも御指摘として,今回高学年における教科担任制の導入が中心に議論されているわけですけれども,これは義務教育9年間を見通した上での教科担任制の在り方であるという御指摘を頂きまして,そのことを踏まえまして,ここは落としてございます。
また,1つ目のポツのところでございます。小学校から中学校までの義務教育,今と同じ話でございますけれども,9年間を見通した教育課程・指導体制の一体的な検討が必要だと。また,学校規模も大小様々ございますので,こういった学校規模の観点も含めて,各地域や各学校の実情を踏まえた柔軟な教科担任制が実施できる在り方が必要ではないかという御意見について書かせていただいてございます。
その次のポツでございますけれども,教科担任制の本格導入に当たりまして,定数,養成・免許・採用・研修と書いてございましたけれども,当然のことながら,教育課程も議論の対象になるということで,これらを一体的にどう考えるかということを書かせていただいております。特に具体的な制度として,義務標準法の在り方も含めた教科担任制に必要な教員定数の確保の在り方,また,教育職員免許法の在り方を含めた,義務教育9年間を見通した養成,採用,研修,免許制度の在り方,9年間を見通した教育課程の在り方の検討が必要ではないかと少し具体的に書かせていただいております。
その次でございますけれども,小規模校において高学年段階の教科担任制を実施可能とする仕組みについてどう構築するかということについて考えるべきであるという御指摘を頂いたことを書いてございます。
最後でございますけれども,小学校高学年以降の専門性の高い教育を見据えて,小学校中学年までに基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させるためには,ICT技術などを使って,その習得状況を把握することが必要じゃないかと。9年間を見通したときに,5・6年生の教科担任制に移行する前に,その前にしっかり知識・技能の習得をICTも活用して図るべきではないかと,その御意見を書かせていただいてございます。
私からの説明は以上でございます。
【荒瀬部会長】 田中教育制度改革室長,有難うございました。御説明いただくのがしばらく続きますが,よろしくお願いいたします。
それでは,教育課程部会における検討状況につきまして,滝波教育課程課長から御説明よろしくお願いいたします。
【滝波教育課程課長】 それでは,私の方から,教育課程部会における審議状況につきまして御報告いたします。資料は,資料2でございます。
2ページですが,まず教育課程部会は,4月に諮問を受け,それ以降,3回これまで審議をしてきております。第1回は6月でしたけれども,この日は初回でしたので,諮問事項にかかわらず,学習指導要領の円滑な実施に関する取組や芸術教育の在り方などについて議論いたしました。第2回は7月に行い,諮問事項に関して審議をいただきました。この日は特別部会と教員養成部会と合同で教科担任制や先端技術活用についての御審議をいただいたところでございます。それから,9月の第3回はSTEAM教育についての議論をいただきました。
3ページ以降が,第3回で御審議いただいたSTEAM教育についての報告です。当日は,有識者の方々などからのヒアリング,それから,意見交換を行いました。なお,STEAM教育自体は高校教育の内容にも関わりますので,これは後ほど報告があるかもしれませんが,高校ワーキングでも御議論いただいたところでございます。
このSTEAM教育が諮問の中で取り上げられることになった背景には,このページの下半分にございますように,教育再生実行会議で,技術の進展に応じた教育の革新について議論がされる中で,STEAM教育についても御議論があったということがございました。また,これらと並行しまして,文部科学省内の大臣タスクフォースや内閣府の総合科学技術・イノベーション会議などでも,このSTEAM教育については議論があったところでございます。
4ページは諸外国の状況について取りまとめた資料でございます。初等中等教育における資質・能力の育成に向けた授業改善として,各国で重視している学習活動につきまして,国立教育政策研究所の方で整理した表でございます。それによりますと,記載のとおり,教科横断的な学習につきまして各国とも積極的に取り入れて取り組んでいるということが見て取れると考えております。
それから,5ページでございます。そもそもSTEAM教育をどのように捉えるのかということの定義でございます。Science,Technology,Engineering,Mathematicsという各分野が複雑に関係する現代社会の問題を,各教科・領域固有の知識あるいは考え方を統合的に働かせて解決する学習という点では共通ですけれども,科学技術分野の経済的な成長あるいは革新・創造に特化した人材育成を志向するという考え方と,全ての児童生徒に対する市民としてのリテラシーの育成ということを志向するという,この2つの考え方がございます。
さらに,ArtのAにつきましては,記載のとおり,デザインや感性などのArtsの要素を加えるという考え方,あるいはリベラルアーツの考え方に基づいて,美術,音楽,文学あるいは歴史に関わる学習などを取り入れる考え方,あるいは文理の枠を超えた学びという考え方などがあり,捉え方にいろいろな幅があると考えております。
6ページでございます。ここでは表の形にまとめておりまして,高等学校の新しい学習指導要領の中で位置付けられております「総合的な探究の時間」あるいは共通教科「理数」とSTEAM教育との関係を整理したものでございます。この表で見てお分かりのとおり,目的や対象・領域,学習過程,教育課程,いずれにおきましてもそれぞれに親和性があるのではないかと考えられます。
そして,このような点を踏まえまして,7ページ以降ですけれども,第3回の教育課程部会を9月4日に開催し,御審議をいただいたところでございます。その際にここに記載のあるような御意見を頂いたところでございます。
まず1つ目に,STEAM教育というのは,課題の選択・進め方によっては強力な学ぶ動機付けになる。そのため,STEAMのAの範囲を芸術,文化,経済,法律,生活,政治を含めたできるだけ広い範囲として捉えて定義することが重要であるという御意見がございました。
2つ目に,高等学校新指導要領の総合的な探究の時間・理数探究とSTEAM教育は滑らかにつながっている。これらの関係性をしっかりと学校に伝えていくことが重要であるという御意見がございました。
それから,1つ飛ばしまして4つ目に,特に学習意欲に課題を抱える生徒が集まる学校において探究的な学習をどのように進めるか,これはこれからの課題であるという御意見がございました。
5つ目には,小学校の生活科から小・中学校の総合的な学習の時間,高校の総合的な探究の時間に至る学習経験あるいは資質・能力の積み重ねを考えることも重要であるという御意見などがございました。
それから,8ページは,先ほど申し上げたように,高等学校の教育内容に関わりますので,高校ワーキングの方でも御審議いただきました。これは10月15日に御審議を賜り,このページのような御意見を頂いたところでございます。当日は,事務局から教育課程部会での審議の状況を御説明した上で,奈須委員から意見発表を頂いて,その後,意見交換したという形でございました。
主な意見としましては,1つ目に,STEAM教育につきまして,新学習指導要領の下での実践展開の選択肢の1つとして位置付けることが穏当である。新学習指導要領とSTEAM教育との親和性は十分に高い。また,STEAM教育の学際科学としての視点を総合的な探究の時間に導入することは,学校段階を見通した総合的な学びの体系全体にとっても大きな可能性があるという御意見がございました。
それから,2つ目に,STEAM教育の導入によりまして格差が生じる可能性については危惧をしていると意見がある一方,STEAM教育は全ての高校に導入する必要があるのかという御意見もございました。
3つ目に,現在厳しい立場にある生徒ほどSTEAM教育あるいは探究学習が必要である。アメリカの調査では,ドリル学習だけでは格差が拡大するという結果もあり,STEAM教育のレベルをどうするかは検討の必要がある。エリーティズムではないSTEAMの在り方が必要である。そして,学習意欲に課題のある生徒については,STEAM教育あるいは総合的な探究の時間は難しいという議論もあるけれども,実際にやってみると全く違うという御意見がございました。
最後に,STEAM教育の導入には,現場への分かりやすさが必要である。ステークホルダーの納得を分かりやすく得られるような見やすい姿があるとよい。総合的な探究の時間とSTEAM教育をクロスさせるような具体的な単元イメージがあるとよいという御意見などがございました。
つきましては,今後ですけれども,教育課程部会は引き続き,天笠部会長の下で教育課程全般について御審議いただきたいと考えておりまして,来週10月29日には第4回部会を開催する予定としてございます。その中で,基盤的な学力の確実な定着に向けて,関係者からの発表等を交えてまた御審議を賜りたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。天笠部会長から補足がありましたら。
【天笠部会長代理】 今の御説明で十分かとは思うんですけれども,若干補足をさせていただきます。改めまして,今御覧いただきました資料の2ページをもう一度戻って御覧いただければと思います。
教育課程部会の1つの大きな問題意識としては,そこにありますように,新しい学習指導要領の円滑な実施ということ,ここに大変大きな問題意識を持っております。この学習指導要領の円滑な実施が,次の新しい時代の初等中等教育の在り方の具体的な第一歩を切り開くものではないかというふうに受け止めて考えております。従いまして,その指導体制の在り方とかということで,御承知のとおり,来年の4月から小学校,再来年に中学校,そして,その翌年に高等学校で順次本格実施という,そういうところまで来ております。申し上げましたように,その円滑な実施に当たって,様々な人の手当てとか,いわゆる条件整備等と絡みながらこの問題,この取組の方向性,具体的にというようなことの議論を重ね進めているところです。その一環として,教科担任制の在り方とかICT化等とか,今詳しい説明のありましたSTEAM教育という,こういうことについて順次検討を重ねているということであります。
今も御説明がありましたように,STEAM教育は高等学校の教育,あるいは高等学校の学習指導要領の実施と大変絡んだテーマということになりますけれども,全体としましては,新しい学習指導要領の1つの方向性として,いわゆる教科横断ということが小学校から高等学校までを通してのカリキュラム改革の1つの方向性と打ち出されているわけですけれども,とりわけ高等学校における教科横断の1つの手立て,手法・方法として,STEAM教育ということがまた大切な在り方ということで定義され,先ほど御案内いただいたような議論が重ねられているということであります。これらを通しながら,さらに,今ありましたように,基礎的な読解力あるいは資質・能力の在り方等ということいついて今後議論を重ねていくという,そんな予定をしておるということを御報告させていただきます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では続きまして,教員養成部会における検討状況につきまして,加治佐教員養成部会長から御報告をお願いいたします。
【加治佐部会長代理】 それでは,御報告させていただきます。教員養成部会は,4月17日の諮問以降5回会議を行っております。そのうち1回は,特別部会,教育課程部会との合同でありました。2つのワーキングも設置しております。
これまで議論してきた論点は,資料3にありますような4点にまとめられると思います。1つは,教員免許状を持たない社会人の登用及び社会人等による普通免許状取得についてということです。社会で経験や高い専門性を持った多様な人材を学校教育に生かすため,次の2点について検討していくことが適当ではないかと,そういう方向が出ております。
1つは,特別免許状の授与に関するこれまでの指針の見直し,あるいは制度の弾力化,それから,社会人と学校とのマッチング支援など,こういう事例も報告されましたが,そういうことを教員としての必要な質を保証しながら,免許状を有しない社会人が活躍しやすくなるような制度運用を整えるべきではないかということです。
それからもう一点は,教職特別課程というものがあります。この教職特別課程の標準修業年限の弾力化とか,試験を受けて教員免許を取る,教員資格認定試験の現在の内容・方法を見直すとか,そういうことによって,社会人が学び直しによって普通免許状をより取得しやすくするための多様な方法を考えてはどうかということであります。
それから,2点目が,教員免許更新制も含めた効果的な,あるいは体系的な研究の在り方ということです。教員の負担軽減を図りつつ,教職生涯を通じて継続的に資質・能力の向上を図るために,次の2点について検討していくことが適当ではないかという方向が出ております。1つが,免許状更新講習。新たな免許状取得のための講習,いわゆる認定講習,それから,教職大学院の授業,こういう多様な学習機会をつなぎ合わせることによって,何かより効果的な仕組みができないのかということです。ラーニングポイント制とか,そういうものも当然視野に入ってまいります。
それから,先般の教育公務員特例法の改正によりまして,教員育成協議会,教員育成指標,それに基づいた研修計画,こういうものが仕組みとしてできたわけですけれども,更にこれを有効に活用して,大学と教育委員会がより連携・協力を深めると,こういう方向があるということです。
それから,3点目が,効果的・効率的な教職課程の在り方です。先ほど2つワーキングを設けたと申し上げましたけれども,その1つがこのことを検討しております。教職課程の基準に関するワーキンググループです。ここでは,教職課程の水準の維持・向上や,効果的・効率的な実施を図るための教職課程認定の基準の在り方について,次の3点を中心に審議して,年内に取りまとめる予定にしております。
その1点が,同じ大学内での学科等の間で、免許というのは学科単位で出ますけれども,学科等の間での科目や専任教員を共通化し,より効果的・効率的に教職課程を実施する仕組み。それから,2点目は,今度は複数の大学間の連携・協力により教職課程を設置する仕組み。3点目が,全額的に教職課程を統括する組織や自己点検評価など,教職課程の質を保証し,向上させるための仕組みを作っていくべきではないかと,こういうことが方向として出ているということです。
それから,最後,4点目が,教員養成を先導するフラッグシップ大学の在り方です。これについて,もう一つのワーキング,教員養成のフラッグシップ大学に関するワーキンググループにおいて検討してきているところです。これは教育再生実行会議第11次の提言を受けまして,教師のICT活用指導力や個別最適化をはじめとするSociety5.0に対応した教員養成を先導するフラッグシップ大学の在り方。同時に,これに連動した教員養成に関わる大学全体のシステムの在り方について審議しておりまして,先般,中間まとめを取りまとめて公表したところです。今後,年内にパブコメ等を経まして最終報告を取りまとめる予定と,こういうことにしております。
現在のところ,この4点を中心に検討し,一定の方向性を出してきているところですけれども,特別部会等のまた審議状況によっては新たな課題も入ってくるのかなということを思っております。
私からの報告は以上で終わりです。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では続きまして,新しい時代の高等学校の在り方ワーキンググループにおける検討状況につきまして,事務局の塩川参事官からよろしくお願いいたします。
【塩川参事官】 それでは,資料4「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループこれまでの検討概要」に基づいて御説明させていただきます。6月27日の本部会で,その中の諮問第2,高等学校教育の在り方ということで3つ,普通科改革など学科の在り方,それから,2つ目,地域社会や高等教育機関等との協働による教育の在り方,それから,3つ目として,定時制・通信制の在り方を高校ワーキングで中心的に議論を進めることとされている中,本ワーキンググループでございますが,1ポツにございますように,7月25日に第1回会議を開催して,これまで4回議論を重ねてきております。
第1回,フリーディスカッション,それから,第2回については,どちらかというと学校の教育理念・方針についての議論を主に重ねたところでございます。第3回としては,高校改革ということで,普通科の総合的な探究の時間あるいは「高校生の学びの基礎診断」の活用でどうやって生徒の学習意欲を高めるような工夫をしているかといった先進事例について発表いただいて,意見交換をしております。第4回,先ほどの教育課程部会からの御報告にもありましたが,新指導要領の趣旨の実現とSTEAMということ等について議論したというのがこれまでの開催状況でございます。
2つ目,議論の論点ということで,3つの検討事項についてこれまで議論してきた主な論点を掲げさせていただいております。検討事項1につきましては,①にございますように,生徒の受け入れから卒業までに身に付けさせたい資質・能力,それから,その学校ならではの学校経営をどうやって校長がリーダーシップを持って方針を示して,当該方針の下で教職員が一体となって社会とつながった学校運営を行っていくか,それが重要であって,そのための具体の方針をどうしていくか。
それから,②にございますように,普通科の類型の在り方をはじめ,専門学科,総合学科も含めた高校全般として,学校が生徒ニーズに合った特色・魅力ある教育の推進についてどういった制度的な在り方が望ましいのかといったことが議論として出ております。
検討事項2につきましては,次のページにまたがって恐縮でございますが,地域の特性,それから,高校の特性を踏まえた組織的・継続的な学校と地域の産官学との連携・協働体制の在り方をこれもまたどう構築していくか,そして,それがどのように生徒の学習ニーズに応えていくかといった論点が出されたところでございます。
それから,検討事項3でございます。定時制・通信制についてでございますが,時代変化の中で生徒が多様化している状況を踏まえて,適切な教育活動を保障し,推進するための方策をどうしていくのか。さらには,その際にICTの進展を踏まえて,その有効な利活用を含めた通信教育の在り方をどうしていくかといったことが論点として掲げられたものでございます。
以上が審議の経過の報告でございますけれども,今後こういった論点について更に深めた審議を,教育課程部会等とも連携しながら進めていくということを事務局として考えている次第でございます。
以上でございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。ただいまそれぞれ,前半と致しまして4つの御報告を頂きました。これに関しましてこれから意見交換をしていくわけでありますけれども,まず今御説明いただきましたことで何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では,また途中で御質問内容もありましたら加えていただくということで,では,御発言を頂きたいと思います。時間としましては,今から1時間余り時間が取れますので,いろいろと御意見ございましたらお出しいただければと思います。またいつものように名札を立てていただきまして置いていただきましたら,順次御指名をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では,清原委員,お願いいたします。
【清原委員】 御説明有難うございます。これまでの各部会,そして,ワーキンググループの皆様の熱心な御検討に感謝いたします。
資料1-1の内容に沿って,意見を,あるいは考え方を申し上げたいと思います。今回論点整理をしていただきましたように,私たちが目指しているのは,「自立した人間として主体的に判断し,多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成」であり,「Society5.0,第4次産業革命の中にあって,変化を前向きに受け止めるだけではなくて,受け身だけではなくて,ポジティブに参画していく資質・能力を測っていく」ということです。
そのために,今回,子供の学びと,それから,子供の学びを支える環境を更に補強していただいたわけですが,特に子供の学びを支える環境について申し上げたいことがあります。と申しますのも,ごく最近報道されたことで,神戸市の教員間のいじめが顕在化いたしました。これは最近の事案ではないようでございますけれども,神戸市のみならず,保護者の皆様,何よりも児童生徒に一定の不安感を与えているということは事実です。もちろんまだ調査のプロセスにあると思いますし,ここで文部科学省においても明確な情報を全部把握していらっしゃるわけではないと思うんですけれども,私はこのような事案は,どうしても一地域のこととして済ませない構造的な問題もあるかもしれないと謙虚に受け止めなければいけないと思っています。
私としては,特に全国津々浦々,どの学校においても質の高い教育活動を実践するとともに,教育課程部会で御議論いただきましたように,新学習指導要領を円滑に実施していくには,教師の質の向上は不可欠です。しかも例えば資料1-1の3ページに明確に書いていただきましたように,「学校のチーム力を高め,学校における働き方改革を着実に進める」ということが必要であると思います。何よりもやはり児童生徒を中心として,教員がそれぞれの能力と努力を発揮できる環境を作っていくということも重要だと考えます。そこで,改めて,「学校長の役割や責務」,また,「教育委員会のガバナンス」ということも重要なキーワードとしてやはり位置付けていかなければならないのかなと思います。
また,教員養成課程においては,部会長の加治佐先生が明確におっしゃいましたように,教員の多様化についても,特別免許状とか,社会人と学校とのマッチングとか,多様な教員が学校に入ってくることを前提とした御検討をいただいています。そうであるならば,内なる学校社会の中で,教員の間の残念ないじめのような問題が再発してはいけませんし,増えてはいけないとも思います。
したがって,どの部会で検討したらよいのかは定かではありませんし,今後私たち特別部会が検討する中で,正に私たちのチームワークで少しでも児童生徒が安心していただき,保護者の皆様が学校を信頼していただけるような方向性での,この問題を端緒とした学校組織の問題,そして,教育長,教育委員会の問題などが明確になればと思っています。
と申しますのは,私,この4月まで三鷹市長をしておりまして,市議会に教育長については選任同意をお願いした新しい法律に基づいた取組もしてきたわけでございまして,首長部局と教育委員会は風通しよくやってまいりましたし,また,教育委員会におかれても,人事についても東京都(教育庁)と連携しながら,より良い学校組織作りを進めてきた経験もあります。
したがって,是非,今回の問題を端緒に,改めて本日整理していただきましたこの資料1-1の論点整理の中の「学校のチーム力と学校における働き方改革」を更に強力なものにしていただき,具体的提案となっております「ICT環境や先端技術の効果的な活用」や「教科担任制」についても,このようないじめなどの病理が絶対に起こらないような健全な学校の在り方について検討がまとめられていけばよいなと,このように考えて発言をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
【荒瀬部会長】 有難うございます。今の件について,今特にということはよろしいですか。今,委員からもありましたように,まだ途中のことであるのでということでありますが,どこかでというお話でありますが。
【浅野初等中等教育企画課長】 今現在,神戸市の教育委員会において,第三者委員会を立ち上げて,先週第1回目を開催して,弁護士の方3名が委員で入っておられて,正に事実関係の調査をやってございます。文部科学省の文部科学副大臣と大臣政務官も現地に赴きまして,しっかり調査を行って,それに対する対応策と,それから,関係者に対するしっかりとした対応をしてくれということでお願いをさせていただいたところでございます。
調査委員会の方も年内にまとめる方向で進めているということでございますので,私どもとしても,しっかりと調査が行われていくように,そして,その結果を踏まえて,しっかりと私どもも対応を考えていきたいと思っております。この中教審の中でも教員養成部会の方で教員の資質の問題とかそういったものの検討が行われておりますので,そういったところでもしっかりと御検討いただければと思ってございます。
【清原委員】 有難うございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【荒瀬部会長】 ということで,大変大きな話でもありますし,根本的な話でもありますので,注視していきたいと思います。有難うございました。
それでは,神野委員,長谷川委員,小林委員,香山委員,貞広委員,東委員の順でよろしくお願いします。それから,毛利委員ですね。よろしくお願いします。
【神野委員】 このようなスピード感でこのようなことまでまとめられていっていることにすごく驚きです。私の立場でこんなことを申し上げるのは恐縮ですが,どうしても皆様方と共有しておきたいことは,円滑に新学習指導要領を進めるという話で申し上げたときに,2020年から段階的に進める中で,2019年現在の,堀田さんがおっしゃっているようなICT環境の遅延や地域間の格差ということも踏まえると,かなり危機的状況にあるというのが正直私の認識です。ですので,もちろん教員免許などの在り方をここまで一気にドラスティックに議論されているスピード感はすばらしいと思いつつ,それでもなお,私たちは危機感を持って,今,次なる議論,次なる措置に向けてやっていかなければいけないのではないかということをあえて先に申し上げさせていただきたく思っております。
その中で,地域間の格差について述べるときに,皆様のお手元に私から参考資料5という形で今日お持ちしております。今,私たちは,経済産業省様や様々な自民党の方々の御協力を得ながら,地域へ未来の教育とは何かということをお届けするための,このようなキャラバン活動をずっとさせていただいております。
その中で,教育長の方々,教育委員会の方々,学校長の方々とお話しさせていただくのですが,やはり彼らにすごく響く瞬間というのは,例えば私たちの例でいえば,麹町中でこういうことが起こりましたというようなことを先生のインタビューとともにお届けすることでしたり,ほかの学校現場でも先生と一緒になって学習指導要領の略案を作らせていただいたり,現場のオペレーションというところまで含めて一緒になってお話しさせていただいているということをお伝えしたときです。そのとき初めて地域の方々がイメージを持ってくださる。そして,そういうようなイメージを持ってくださったあとは,どうしても最後,ハードウェアがネックになります。そのハードウェアがちゃんと導入されているところでは,この教育を今すぐ始めたいと,まずやっぱりそういうような流れなのです。
つまりは,今回の学習指導要領をちゃんと達成していくための第一歩として,基礎学力に対してICTに期待する効果があるとするならば,2つの課題を乗り越えなければなりません。1つは,プレーヤーたち=現場の方々及び行政職員たちが,それをちゃんと導入しなければならないという気持ちになれるかどうかという問題と,2つ目は,それをちゃんと実現できるだけのハードというインフラが整っているかという問題がある中で,前者の方は,教育の実現のために地域が1つにまとまるために,私たちが自ら地域に赴き,そこで実証結果を見せて,話をする以外に僕らはないと思っています。
ですので,もしかなうならば,こういうような活動を私たちは幾らでもさせていただきますので,全国の地方自治体に対してお話をする機会を一緒に作らせていただけないかということが,参考資料5から私たちが言いたいことになります。
続けて2つ,今回の資料についてコメントさせていただきます。STEAMではない,ほかのPBLのような形を届けるということも議論に含まれていたかと思いますが,私たちがもう一つ懸念として思っていることは,正にこの言葉をここで使うのは非常に怖い思いで使いますが,ゆとり教育というものは,ある種そのような教育を学校現場で実現することを目的に作られたものだと私は思っています。それがやはり学校現場で高い理念を実現することがどうしても難しくいろいろな問題が起こったということを踏まえると,STEAMだけではなく他も,というような議論をするのも大事なのですが,そもそもSTEAMですら,恐らく学校現場の中で導入していくことは今のままだと非常に難しいと思います。
そうしたときに,そのような新しい教育をどうやって現場の先生方と作っていくのか。これはもしかしたらキャラバンを通して先生たちに会いに行くということも重要でしょうし,また一方でカリキュラムを本気でどうしていくのかという議論をしていくことももう一つ大事なことなのかなと思っております。
最後になりますが,こちらの免許制度の中でちらっと書いてある2番目の2ポツ目,教育公務員特例法などの改正によりという中で,大学と教育委員会との連携・協力の強化と書いてあるのですが,正に教職員の免許制度もすごく大事です。教職員の方々の人材という要件自体をどんどん高めていくことも大事な一方で,教育委員会の方々に対する研修も私もすごく大事なものになってくると考えています。といいますのも,教員多忙化とか,いじめもそうかもしれませんし,自治体においての課題観としては,全国学力・学習状況調査を絶対高めなければならないというような気概に取りつかれている自治体もすごく多くあります。
そのような中において,学力調査を上げるならば,先生が一生懸命働く,結局,教員多忙化にたどり着くというような構図があると思うのですが,このような議論の解決策として,テクノロジー,EdTechみたいなものが存在し得るのだということを行政職員の方々がちゃんと学ぶような機会があったりすると,今の構図の中で,学力調査を上げなければいけないんだったら,みんながもっと勉強するような環境を作らなければいけないよねだけじゃなくて,テクノロジーを使った新しいソリューションをちゃんとみんなで議論できる,そんなような雰囲気になっていくのかなと思っています。
そういった意味で,研修会などで,教育行政という現場の中で,問題発見をし,ソリューションを生み出せるような,そんなような人材たちを育てるような機関も必要なのではないかと思っております。
以上になります。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,長谷川委員,よろしくお願いいたします。
【長谷川委員】 有難うございます。資料1-1の下から2つ目の「子供の心身の健康を守るとともに」という部分に関してですが,是非ここに,今回論点として,障害児に関する特別支援教育とか,外国人児童生徒という言葉も具体的に盛り込まれている点は非常にすばらしいと思っていますが,障害児や外国人児童生徒と同様に,LGBTの子供たちも同数ほど学校にも存在しているというところが当然明らかになっておりまして,今,とても厳しい状況に置かれている子供たちでもあるというふうに私は感じています。親自体にもなかなかそれはカミングアウトできないですし,いまだ,友達に言えば口をきいてもらえないかもしれないというところで,心理的な安全を脅かされている。
事実として,厚生労働省がかつて進めた調査の中でも,自殺を考えたことがあるというLGBTの方は65%にも上って,自殺しようと実際にしたこともあるという方が14%にも上るという結果も出ています。これはやっぱり学校の中で心理的安全を確保するために具体的な対策を講じていく必要があると思っております。「外国人児童生徒等を含めた」というところに,是非LGBTの児童も加えていただきたいというのが1つ目です。
2つ目としてなんですが,資料1-1の5ページ目から,ICTを活用して個別最適化された学びを推進していくというところも具体的な方針としてここまで盛り込まれているのは非常に心強いと思っています。一方で,これまでもそういうような目標があった中で,ICT環境のインフラの整備というのは進んでこなかったと。よって,現在危機的な状況であるというふうに理解していますが,なぜこれまで進んでこなかったのか,どうやったらそれが進めたのかと考えると,反省すべき点として,国もそれほど主導して今回のようにやらなかったということもそうでしょうし,各自治体もお金があるところややる気があるところが偶然そろったら,それを自治体ごとに進めるということで,結果的には全国でそれほどインフラ環境は整備されておらず,自治体間の格差もあるという状況に至ったと思っています。
今回,結局インフラを整えて,かつコンテンツの方も,具体的にeラーニングが進んでいけるようなコンテンツもセットでちゃんとそろって個別最適化学習が進められる状況を可及的速やかに整えるということが大事だと思っていますので,今回インフラに関して力強く盛り込まれていると思いますが,僕は具体的な目標をここにおいて決めた方がいいと考えています。
全てにおいて具体的な日付を切るのは難しくても,一番重要なところに関して決めると。よって,先端技術を活用した個別最適化学習の推進において,例えば2022年,今から3年後までに特別支援学校も含む義務教育段階の全ての学校において,ICTを使った個別最適化学習の機会を整えられる状態を目指すというような具体的な目標を掲げると。それが2022年じゃなくてもいいと思うんですが,目標をしっかり掲げるのか,掲げないのかというのは1つ論点にしていただきたい。
個別最適化学習を推進していく上で,きちんと個別の学習計画を作って,その学習計画が効果的だったのかどうかをきちんとデータをためて検証していくというところも併せて非常に大切だと思っております。いきなり全ての子供たちに個別の学習計画を義務化するというのはなかなか難しいと思っていますが,まず個別の学習計画の努力義務を作るというところは検討できる範囲かと思っておりますので,努力義務を設けるかどうかについても論点として是非加えていただきたいと感じています。
関連して,特別支援教育に関しては皆様の努力によって既に義務化されております。これは非常にいい影響があったと我々も感謝しておるところなんですけれども,義務化されているんですが,全てアナログでほとんど管理をされていて,せっかく計画を作って,どうだったかという検証ができるのに,データが何もたまっていかないから,結局,教育の専門性がそんなに上がっていかない。これはもったいないと思っています。
6ページ目の方に,統合型校務支援システムの導入促進というところがありますが,ここに,特別支援学校等においては個別計画を作ることは義務化されているので,校務支援システムにデフォルトで,スタンダードとして計画を作成できる機能をきちんと追加的に設けるという方針を出せば,民間は普通にこの機能を追加しますから,そこでしっかりデータをためていって特別支援教育の専門性を高める。将来的には,学校教育全体の専門性をテクノロジーを使って高めるというような施策につなげられたらと思っていますので,ここに特別支援教育の個別指導計画も含めた校務支援システムの導入促進というところを是非具体的に加えていただきたいと思っております。
以上であります。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
続きまして,小林委員,お願いいたします。
【小林委員】 2点あります。1点目はもう既に神野さん,長谷川さんから御指摘いただいた点と共通だと思いますが,ICT環境を1人1台提供できるようには言っていますけれども,現実そこに予算がなかなか割かれないというのは,やはりこれ,鶏と卵の問題だと思います。具体的に何を達成しようとしていることへの理解が得られていないが故に,本当にそれが必要なのかというふうになってしまっていると思います。ICT環境を整えるというのと併せて,具体的にいつまでにどういう教育を提供しようとしているのかというピクチャーと時間軸を明確に出していくことで,実際に予算を付与することへの地方自治体のインセンティブを高めることができると思います。
それからもう1点は質問ですが,資料3の教員養成部会の審議状況の1点目の最初の①です。ここに,「教員としての必要な質を保証しながらも,教員免許状を有しない社会人が活躍しやすくなるよう」と書いてありますが,実際必要な質ということについてはどういう議論がなされているのか,あるいはここについて議論をこれから深めていく予定があるのかということに関心がございますので,教えていただきたいと思います。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,長谷室長,よろしくお願いいたします。
【長谷教員免許企画室長】 御指摘いただきましたのが,教員養成部会の審議事項の中の,社会人活用の中で必要な質を確保しながらというところで,具体的には教員養成部会の中で,この中に入っておらないんですけれども,今後の学校において必要な教師の資質・能力の在り方ということも全般的な議論をしております。その中でも,やはり教師として必要な熱意とか,子供への愛情とか,コミュニケーション能力といった,従来必要とされているような教師の資質に加えまして,今後の学校において必要なICT活用能力とか,アクティブラーニングを引き出すような指導力とか,そういったようなことが必要であると。
それは教師全般について言えることではあるんですけれども,社会人についても,やはり最低限,例えば児童とのコミュニケーション能力とか,指導力とか,そういったことは必要だろうと。そういったことについては,何らかの形での質の担保をしながら,ただ,やはり多様性を確保するような教員組織を作っていくために社会人の活用を進めていくべきであると,そういった議論がされているところでございます。
【荒瀬部会長】 よろしいでしょうか。
【小林委員】 はい。
【荒瀬部会長】 では,香山委員,お願いいたします。
【香山委員】 3点申し上げます。1点目は,ICTという問題につきまして今3人の委員の方がおっしゃいましたので,屋上屋は重ねないんですが,現場の高校の校長としまして,一言申し上げます。本校の場合は1人1台iPadを持たせています。そういう中で,それに至るまでのプロセスの中で,いわゆる情報化社会,Society4.0ぐらいの段階では,まだAIが関与していなかった頃ですので,ICT化を進めれば進めるほど,クラウドにある情報を教員が取ってこなければいけないといったようなところで,働き方改革に逆行するような状況があってなかなかiPadを生徒一人一人に与えるということに至らなかった経緯がありました。そういう意味では,今後,ICTの議論とともに,それが教員の働き方改革にもつながっていくような形で是非議論を収れんしていただけたらというふうに思っております。それが1点目です。
それから,2点目は,長谷川委員と同じところの指摘なんですが,1ページ目の「子供の心身の健康を守るとともに」というところです。これは長谷川委員とは全く違う観点で,衣食足りて礼節を知るという言葉がありますけれども,衣食を足りて学びを知るというふうなことを考えましたときに1つ気になっておりますのが,食料自給率の減少なんです。
私は1959年生まれですが,当時は70%から80%ぐらいたしかあったと思うんですけれども,今はもう40%を切っているという中で,学校給食において子供たちが口にするものの中で,ポストハーベストといいますか,農薬等が残っていたりするようなことがなければいいかなと案じております。そういった分析等も専門のセンターが数値を出したりもします。特に学校給食法とか実施基準とかで,中には小麦粉の取扱いについても言及があったと思うんですけれども,そういったところにつきましても,新しい時代を見据えた初等教育において重要なのではないかなとも思います。これまでの議論とは少し観点が違いますので恐縮ですが,そういったことについても視点を持っていただけたらなと思います。これが2点目です。
それから,3点目は,天笠委員,加治佐委員のお話とつながっていくんですけれども,新しい学習指導要領の実施におきまして,社会に開かれた教育課程,それを実現していくということが非常に重要です。社会に開かれた教育課程の概念というのも多様性を持っていると思うんですが,1つは,リアルな生活や社会の文脈で知識・技能を活用し,学習課題を解決する,そういった学びを計画・実践していくことが必要だと思います。
具体的な場面としまして,例えば総合的な学習の時間あるいは総合的な探究の時間において,身の回りの地域と連携・協働して探究的な学習を進めていくといったようなことがこれからますます求められていると思うのですけれども,その際に,実は今,教員をしている人たちは,なかなかそういう経験がないために,どんなふうに地域と学校,あるいは地域と生徒をコーディネートしていったらいいのかということがなかなか具体的な実感として見えていないわけです。そのために,地域側にコーディネーターを要請して,それが基礎自治体から与えられている学校もあるんですけれども,多くはないといったところで,教員のコーディネートの能力の向上,それから,実際のコーディネーターの存在,この辺りが今後非常に重要になってくるということを今,痛感しております。昨日は文科省の地域との協働による高等学校教育改革推進事業全国サミットが行われたんですけれども,多くの教員から不安と悩みを私が聞く側に回ったといったことがございまして,これはもう本当に喫緊の課題だなと思っております。
そういう観点から,加治佐委員の御報告の中で,特別免許状のお話,先ほど長谷さんから説明がありました教員として必要な質という中に,やはりコーディネートの能力といいますか,総合的な学習の時間,探究の時間をより質を上げるための能力といったことも含めていただきながら,実際に教員免許更新の折とか,あるいは中堅教諭等の資質向上研修の折とか,あるいは大学における教職課程の中において,しっかり時間を掛けてそういった体験をするといったことを是非一層踏み込んで考えていただけたらと思っております。
以上3点です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,貞広委員,お願いいたします。
【貞広委員】 各委員からICTの件については皆さん御意見が出ておりますので,それについては改めて申し上げることは控えたいと思います。その上,ちょっと老婆心のような細かい意見なんですけれども,2点申し上げたいと思います。いずれも4ページの部分に該当します。
まず4ページの一番最初のブロック,「ICT環境や先端技術(教育ビッグデータの活用を含む)」という部分に,学習ログなどの話が出てきています。こういう使い方をされると非常にいいなと思うんですけれども,こういうビッグデータは,子供の支援に使われると同時に……。
【荒瀬部会長】 恐れ入ります。4ページはどの資料の4ページでしょうか。
【貞広委員】 済みません,申し訳ありません。資料1-2の4ページです。申し訳ありません。
【荒瀬部会長】 有難うございます。
【貞広委員】 そちらの一番最初のブロックで,学習ログをはじめとする教育ビッグデータの活用についての見通しが書かれております。こういう教育ビッグデータは,使い方によっては本当に子供たちの支援になるわけですけれども,他国の事情などを見ますと,学校や教員又は子供の評価や管理に使われかねないものです。5ページの方に,ビッグデータ,学習ログの活用に関するガイドライン等の整備をしなければいけないということを書いていただいているんですけれども,やはり今後も,あくまでも子供の支援に使うものであって,子供・学校・教員の評価や管理に使うことはないのだというようなことをしっかりと確認をしていただくということが必要であると思います。こちらが1点です。
もう一点は,同じ資料の4ページ目の3つ目のブロックの部分にあります。今回赤字で加えていただいている最後の3行に,特に,義務教育段階では,対面での教育を通じ,社会性等を身に付けさせることこそ重要であるというような書き込みがあります。これは委員の方が出された御意見だったと記憶しておりますし,私も強く同意するところではございます。その一方で,例えばこういうICTの環境や先端技術を使いますと,何らかの事情で今学校に行くことができない,又は行けなくなってしまっている子供たちに,対面的ではないような形で豊かな学びを実現するツール又はそういうチャンスを保障するという,そういうフェーズにもあると思います。
ですから,対面的こそ重要だというふうに書いていただいてもいいんですけれども,その一方で新しい学びの在り方の価値剝奪にならないように,特定の,又はもしかしたら今後全ての子に広がっていくのかもしれませんけれども,少なくとも現時点では,それが有効な子供たちについてはもう少し柔軟に,かつ,むしろ積極的にそういうツールやチャンスを活用していくというような書き込みを是非していただきたいなと思っております。
特に2点目に関しては,前回でしたでしょうか,加治佐委員が,同学年の子供たちの学級や通学の在り方などが学校の在り方自体を問い直すような場面なのではないかという御発言をされていまして,私も全くそのように思っております。今までは,対面型で,学齢があり,学年があり,それに付随して教員の配置があり,学校が全てフルスペックだったという時代だったわけですけれども,今回の論点整理の段階で大きな転換が生まれるかということは別として,将来的に,例えば非対面型で,学齢自体の問い直しも始まり,それによって学校の在り方が,私たちが受けてきた教育の在り方とは全く違う形になることによってこそ,全ての子供たちに新たな資質・能力の育成が可能になるような場になるということも考えられますので,是非そういう見通しを含み込んだような書き方にしていただければと思います。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,東委員,お願いいたします。
【東委員】 失礼いたします。まず第1回の会議の折に清原委員から,本部会では,これから変容や変化が予測される新しい社会に対応する観点の議論と,これまでの学校教育現場での課題についてしっかりと改善に結び付くような議論をという,2つの視座について述べられたことに非常に共感しておりまして,その立場でもこれから発言をしていきたいと考えているところであります。
まず幼稚園の園長としてでありますけれども,論点整理の中に,この後幼児教育課の方から御報告がありますので,そのことの言及は避けたいと考えておりますけれども,数少ない諮問項目の中で幼児教育をお加えいただいたことにまず感謝を申し上げたいと思います。後の議論でまた発言させていただきたいと考えています。
それからもう一つ,大学の教員養成の立場で,教員養成部会のおまとめについて少し発言をしたいと考えております。
幼稚園教諭,それから,保育士資格につきましては,他の学校種の教員養成と異質なというか特性があります。これまで養成課程が短期大学や専門学校に限られていた時代的な背景もあり,現在の幼稚園あるいは認定こども園,保育所の幼児教育を担っている中核の世代の40代,50代の教員が二種免許の取得者が非常に多いという特性があります。取り分けて私立幼稚園あるいは民間のこども園,保育所ではそのようなことがありまして,その上進について,この後の幼児教育課からの御報告にもありますけれども,対応策を,上進の手続といいましょうか,講座や認定講習を実施し始めているところであります。
2にありますように,効果的・体系的な研修の在り方の中に,免許状更新講習だとか,新たな免許取得のための認定講習等のラーニングポイント制という話がありましたけれども,これを円滑に進めていただくことが,幼稚園教諭の特殊性,二種免許から一種免許あるいは専修免許につながる体制整備につながるのではないかと考えて,好意的におまとめをお聞きさせていただきました。
それから,先ほど保育士資格と幼稚園教諭の併有ということが幼稚園教諭の特性であるということを申し上げたんですが,養成大学では今現在も,コアカリキュラムとか課程認定に際して,保育士の養成カリキュラムと幼稚園教諭の養成カリキュラムとの重複の問題がございます。隣接する科目内容について,行政,都道府県単位での認識とか判断の違いもあるんですけれども,同様の科目をあえて二講座といいましょうか,授業を開設しなければならないという問題とか,国立大学法人の教員養成課程においても,教員の確保が難しいというような問題が顕在化してきています。これらの科目といいましょうか,コアカリキュラムだとか教職の課程認定に関する科目内容の整理・統合を図っていくということも今後の幼稚園教諭の教員養成には必要な観点ではないかと考えているところであります。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,毛利委員にお願いしますが,毛利委員,今野委員,佐藤委員,森山委員,そして,天笠委員の順でお願いいたします。
【毛利委員】 つくば市立みどりの学園の毛利です。資料1-2をお願いします。1ページです。子供の学びの2つ目ですが,特別支援に対する個別支援ということが書かれておりますが,個別支援には2つ必要性があります。1つは,個別に最適化された教材を毎回用意するのは難しいので,多分デジタルのようなもので個別に最適化されたものと,あとは,アクセシビリティで,例えば文字の大きさをちょっと変えただけで読めるようになる,字の間隔をある大きさにすることで分かりやすくなる,あるいはもうそもそも読めないけれども,読み上げてくれさえすれば理解できる。それはやはり一人一人違うんですね。なので,やはりここには,1人1台のPC・タブレットが整備されていて,その下で個別支援が充実されてという形になるのではないかなと思いました。
あと,4つ目の,「学校と社会とが連携・協働することにより,多様な子供たち一人一人に応じた探究的・協働的な学びが実現されるとともに,STEAM教育……」と書いてあるんですが,正にこういう学習をするとすれば,先生が教材を用意するのではなくて,やはり一人一人の課題に応じて子供たちが課題や資料を自らいろいろな方法で持ってくるような感じになるので,そうすると,ここも常に1人1台整備されたPCやタブレットを活用しながら,教科横断的な学びを行っていくというような形になるんじゃないかなと思いました。
次のページをお願いします。3つ目の〇で,統合型校務支援システムの導入などICT化により校務の効率化がなされているというところですが,現在,統合型校務支援システムは非常によくできておりまして,先生が使うだけじゃなくて,あるところでは,朝来たときに,子供たちが今日の心を天気にして,今日は晴れとか,今日は雨とか,それをタブレットを使ってやることで,先生が,見た目は静かだけど,今日はいらいらしているんだなとかいうのが分かります。あるいは,「先生,あのね」と言って,なかなか先生に声を掛けられないけれども,タブレットを通じてだと言いやすいとか。なので,これもICT化による校務の効率化だけよりも,ICT化により更なる児童生徒理解と校務の効率化がなされるんじゃないかなと。そのためには,先生だけ整備しただけじゃ駄目で,1人1台環境が生徒にもあって。生徒の気分も朝と昼では変わるわけですね。朝,晴れだったけど,昼になって雨になったとか,朝は親とけんかして雨だったけど,友達と仲良くなって晴れになったとか。だから,そういうのも1人1台環境があれば,子供たちがそのときにポチッと押せるわけです。だから,そういう意味でも1人1台環境があるといいのかなと思いました。
あと,4ページお願いします。4ページの一番下で,「AI技術を活用したドリルなど先端技術の活用により,教科指導を基盤とし,学びの質を確保しつつ,知識及び技能の定着に係る授業時間を短縮し」というよりも,定着に係る学習時間,これはきっとAIドリルは授業だけじゃなくて,家庭とかすき間時間とかそういうこともあるでしょうから,授業だけに限らず,学習時間が効率化する。例えば普通の紙の問題集の1ページから順番にやるんじゃなくて,できる子は20ページからやるとか,そうすると,学習が効率化して,それが短縮にもなるわけですね。なかなかできない子は,できない応用問題を「うーん」とやるよりは,もっと易しいものを繰り返した方がいいので,そういうふうにした方がいいかなと思いました。
とにかくもうちょっと1人1台環境だとこんな学習ができますという,新しい時代の教育の将来像に何か盛り込んでいただけるといいのかなと思いました。
以上でございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,今野委員,お願いいたします。
【今野委員】 2点ございます。1点目は,各委員の皆様からもお話がありましたICT環境のことでございます。学校間,そして,地域間で環境整備の中に格差があります。その中でこれから整備をしていくわけですけれども,整備をするスタートがそれぞれ違っておりますので,目指すICTの目標を具体的にお示しいただいて,すぐにそこにたどり着ける学校さんもあると思いますし,市教委さんもあると思いますが,すぐには難しいと思いますので,徐々に行くのが現実的ではないかなと思います。そういうわけで,まずはどのような実態になっているのかというようなことを市教委さんから実態把握をしまして,市教委さん自身がこの目標に向けて計画を作成していくというようなことも大事ではないかなと考えました。
2つ目は,9年間を見通した教科担任制の在り方や学びの連続性といったようなところです。小学校,幼稚園ではアプローチカリキュラムやスタートカリキュラムということを大切にしておりますけれども,小・中の中でこのようなカリキュラムをどれだけの教員が意識しているかなと思います。各中学校で,児童生徒,自分の学校に引き受ける小学校の年間指導計画や指導がどのようになっているのか,各教科で,国語,理科,算数でどのようになっているのかというのを実際にはっきりと理解しているかどうかといったようなことも思いますので,こういう理解をすることが大事ではないかなと思います。働き方改革とは少し,また仕事が増えるかも分かりませんが,小・中の中でも,幼・小で行っているようなアプローチカリキュラムやスタートカリキュラムのようなものがあるといいのかなとも考えました。
【荒瀬部会長】 有難うございました。働き方改革という点でいうと,本当にしなければならないことが何なのかということをしっかり考えて,無駄なものは省いていく,あるいは学校がしなくてもよいものについては周りにちゃんと担っていただくということを考えていくということと併せてですので,今の今野委員のお話は,それをやっていく中で考えていくということが大事かなと思いました。
では,佐藤委員,よろしくお願いいたします。
【佐藤委員】 全国の公立の小・中学校のPTAの団体であります日本PTAの会長をしております佐藤です。一昨日,64の協議会があって,そこの会長さんが集まる会議が東京でありました。そこで講師の方を2人招きました。1人は経済産業省の未来の教室をやられていた浅野課長さん,もう一人は鳴門教育大学の教員養成大学の教授をされております阿形先生,いじめの専門家でございますけれども,お二人の御講演を頂きました。
その中で浅野課長さんが言っていた個別最適化の授業の今日の話が,保護者の64の会長さんに伝わりました。その中でやはり大変皆さん興味を持って,終わった後の講演では,名刺を頂くのにみんなが並ぶというような状況です。一方,阿形先生の話は,やはり教員がちゃんと学校において子供たちのところに行って心を通わせることが大事だよという,そんな講演を頂きました。この2つは大変対照的だなと思いながら,でも,これ,1つになるんじゃないかというような感想を持ちました。
学校において,日本の教育では知・徳・体と3つの領域がありますけれども,ICTを使った授業の知の部分というのは,先生方の働き方改革を変えて,より便利に,よりスマートにというか,簡単に教えられるところは教えていく。ところが,徳の道徳の部分というのは,それはやっぱりAIやICTで教えられるものに限界は僕はあるんじゃないかなと思います。これは長い間日本で培った道徳教育とか,先生方の人徳とか,そういったものが大変重要になるんじゃないかなと思いますので,この辺の議論は十分に分けて考えないと,それがごっちゃになってしまったのでは,先生はただ教えるだけの,パソコンを操作する人とかになってしまったのでは,そもそも教員とは何なのかという話になってきますので,しっかりと先生になる学生たちにその部分は当然教員養成大学では教えているわけですから,そこを生かしたカリキュラムを作っていくというのは大変重要なことじゃないかなと思っています。
また,私も某知事に会いに行きまして,1人1台を何とかうちの県でやってもらえないだろうかという直訴に行きましたけれども,全く相手にされませんでした。そんな予算は県にはないと言われました。それは副知事にも県の教育長にも言いました。それは分かっていただきました。県内全ての子供たちが同じ教育環境にあるというのが義務教育の基本ですよねというふうに言ったら,それはそうだということで教育長さんは分かっている。ところが,知事さんは,そんな要望を全部聞いていたらとてもじゃないけど県が回らないというような言い方でした。これはやはり各市町村の教育長さんとか首長さんにお願いをしないと進まないことだなと一方では思いました。
もう一つは,浅野課長さんがおっしゃっていたんですが,例えば1個10万のランドセルをおじいちゃん,おばあちゃんが買うんだったら,じゃ,そこ,子供に,小学校1年とは言わないですけれども,買うような仕組みをもし作ったらどうなんだろうかという話もありました。もう一つは,プールの授業なんかも,今,老朽化しているプールを建て替えるのか,民間に渡して,そこに年間何回かバスで行って授業をするのか。これによって相当な費用が浮くというような試算があるとも聞いております。
またもう一方で,どういうふうに普及していくかという話の中では,この間文科省の施設課の方に行政説明を頂きましたが,エアコンの設置率が,昨年政府で決めた途端に,東北・北海道を除くところがほぼ8割というデータが今年度末にはもう出るんですね。ということは,やろうと思ったらできるということですね。
ということは,ICTの環境を整えようというふうに政府が決めて,国民が一丸となってそれを後押しすれば,これは実現するものだと思います。それぞれ各地がお金がないとか,あるとか,誰が出すんだということよりも,先生の働き方の改革も含めて,これは一体として全員ができるんだというふうになれば,これはもう多分あっという間にできること。日本はそんなに弱くないと私は思っていますので,この辺はこの部会から始まって,中教審の方も一丸となってそれを後から押し上げていくということができれば実現するんじゃないかなとも考えております。
以上です。
【荒瀬部会長】 大変力強い御発言有難うございました。本当に実現していかなければ,ここで議論しているだけでは何も学校は変わらないわけであります。とりわけ,今おっしゃった中で,教員が単に操作の仕方を教えるというのは,これは全くおかしな話でありまして,人間の教員は何を人間の子供たちに指導していくのかというのも改めてまた,加治佐先生の方で随分と議論していただいているようでありますけれども,私たちも見守っていかなければならないと思いました。
では,森山委員,先ほど失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
【森山委員】 私の方から3点述べたいと思います。1点は,教育課程部会における審議の状況のプリントの中で最後の8ページのところです。「STEAM教育の導入により,格差が生じる可能性について危惧しており」という文言がございます。これは格差が生じるということはどのようなことなのかというところを具体的にお伺いできればと思います。これが1点です。
それからもう一点は,高等学校の教育全体に関わることですけれども,高等学校教育において,大学入試に合わせて文系,そして,理系に偏った学びをするということが実際に現状として示されるわけですけれども,その中で偏った学びをするということで,これは大学生の学力にも格差が生じるわけです。具体的に言いますと,教員養成の場面でもこのことが問題になるということです。そういう流れの中で,もう少しこの辺りのところを具体的に検討する必要があるのではないかと考えるところでございます。
3点目は,これは少し大きい話になるのですが,やはり今回新学習指導要領の実際の学校での実現,定着化というのが,今回のこの特別部会の新しい時代の初等中等教育の在り方のある意味では基盤を作るというか,ここからスタートするわけです。そういう意味におきましては,これを実現するために早急に対応すべき課題が示されていると思います。学校の中の例えば学びということにおいても,主体的な学びということについても,いろいろな課題が出てきているのも事実だと思います。
これは移行段階でいろいろな検討がなされていると私も存じておりますが,そういう中で,課題があるのであれば,この基盤を作る新学習指導要領実現に向けて新しい学びに対応した教員が必要になってくるわけです。そういう意味においては,それに対応した力を付けるということに,養成段階である大学,それから,研修,採用については教育委員会,でございますが,いつも話に出ますように一体的改革と言いますけれども,それぞれが実際に実現するために力を結集するような形となるよう,この特別部会で整理をして,その上で新しい時代の初等中等教育の在り方のその次のビジョンを示すということが必要なのではないかと思います。これは私が全体を見せていただいた感想ということにもなります。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。最後の点は本当にここで議論をしていく方向の中での話ではないかと思います。
今御質問が出ましたが,じゃ,塩川参事官,お願いいたします。
【塩川参事官】 STEAM教育の議論で格差といったものでどういった御議論がというような御質問があった部分についてまず私からお答えさせていただきます。
STEAMについて,この意見,課題として御意見を頂戴したのは,いわゆる科学技術分野,経済的成長とか,革新創造的な人材育成のためのSTEAM教育であれば,いわゆる進学校的なところの高校であればいざ知らず,なかなかいろいろ困難を抱えている学校ではSTEAM教育というのは難しいんじゃないか,ひいては,STEAM教育を一律やろうとすること自体,そういった状況も踏まえないとできないのではないかという文脈での御意見が出たところでございます。
そうした中,他方,STEAM教育の考え方としてそういった目的もありますけれども,同時に,全ての児童生徒に対する,むしろ一般市民リテラシーの育成志向という考え方があって,その観点からすると,むしろ教育困難校とかも含めた全ての児童あるいは生徒に対して必要なものではないかといった意見交換がなされたというのがこちらで書いてある内容のもうちょっとつまびらかなものになるところでございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。よろしいでしょうか。今御指摘は2つ目の〇でありましたけれども,実は3つ目にもそのことに関して逆の御意見もありましたので,いろいろな心配もあるけれども,その心配は,よってやらないということではなくて,具体的にそういう危惧も大事にしながらどう進めていくのかというふうな話の議論であったということであります。よろしいでしょうか。
【森山委員】 はい。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,天笠委員,お願いいたします。
【天笠部会長代理】 今のことに関わって,あるいは先ほどの高等学校の教員がこの種の総合的な学習の,あるいは探究の時間のそれに不慣れだと,あるいはそういうところについてトレーニングを受けていないという,これなんかは教員養成という観点からやっぱりその辺りを考えていくのもまた1つの提起されている提案ではないかと。
御承知のとおり,教科担任制を前提とした教員は,その教科の専門性を深める。よって,その免許状を取得して,ですから,中学校・高等学校の教員というのは,その教科の専門性に通じれば,相応に役を果たすことができるであろうという前提で長くやってきているわけですけれども,ここに来て,御承知のように,先ほどの議論のような,こういうカリキュラムの新しい時代にということがここで提起されているわけですので,そういう点からすると,教科担任制の在り方というのは,小学校5・6年生の在り方ということじゃなくて,小学校から高等学校までの在り方ということと通底するものであって,改めて教科の専門性ということと,教科を横断するような,探究するようなそういうところの専門性を深めるというふうな在り方をどういうふうに織りなしていくのかどうなのか。
ついては,それを免許状という形でどういうふうに表現していくのか。さらに,養成の在り方というところの,そういう問い掛けとしてあるんだと思うんですけれども,これまではそういうところからすると,私の捉えているところですと,これまで高等学校における総合的な学習の時間というのは大変曖昧に扱われてきたというのは,一体何がそうなってきたのかどうなのかというのはいろいろな分析をしなければいけないと思うんですけれども,1つは,今申し上げたようなこともその大きな背景としてあるのではないかということです。
自分の担当する教科の専門は,それは自負心と,また責任を持ってということですけれども,それを超えたようなことが求められるということについてはどうしても脇に置かれるというふうなことがこれまでだったとするならば,もう少しその辺りのところについて,先生方の認識を変えていくような在り方というのは,それは研修もあるかもしれませんけれども,大きく言うと,免許の在り方ということもやっぱり視野に収めて検討するということの必要性があるんじゃないかと。ただ,これはすぐそれが明日にという話でもなかなか,いろいろな仕組みの中で組み立てられているということかと思いますので。ただ,問題意識は私は持っていていいのかなというふうに思うところであります。ということだったので申し上げさせていただきました。
簡単に3つ申し上げたいと思うんですけれども,1つは,今日の資料1-2ということで,回を重ねるごとにICT環境の論点と,それから,教科担任制の在り方についての論点というのは,次第に中身と,ある意味でいうと,取り組むべきこと等が明確になるような記述の厚みを増してきているなというのが,それがまず率直な感想です。従いまして,ICT環境と,それから,教科担任制,この2つの柱でより中身を深めていくという,そういう進め方,議論の深め方も1つの進め方としてあるんじゃないかと思います。
とりわけ教科担任制というところに新たに書き込まれたのは,義務標準法の在り方とか,あるいは教職員免許法の在り方を検討するんだという,そういう文言がしっかりと明記されたということを私はこれは大変高く評価していて,是非こういうところについて検討していかなければいけないんじゃないかなと思っていますので,こういう在り方とか書きぶりということはいいかと思っております。
ただ,現在の段階はこういう段階だということはそれはそれとしまして,改めて全体としてどういう柱立てになっていくのか,どういう地図を作り出していくのかということが,少なくとも目指すところであるということはあるんじゃないかと思っていまして,今はある意味でいうと建設途上,いろいろな素材が,材料がここのところに置かれているんですけれども,それをどういうふうに組み立てていくのか,どういうふうに全体として整理していくのかという辺りのところが,現在の段階だとまだ模索の段階というのが今日の段階なのかなと捉えています。
そういう点からすると,まだ若干時間ということもあるかと思いますので,今日ここで出てきたこと,ここに出されるこの論点整理が,それぞれの部会とかワーキンググループとか養成部会とか,そういうところでもう一度これを議論していただくというか,また教育課程部会も教育課程部会として議論するという,例えばこういう必要があるかと思います。
例えば義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について,養成部会でこれを取り上げていただいて議論していただくという,こういうこととか,あるいは高等学校のワーキンググループで初等教育の在り方を高等学校の関係の皆さんに一度議論していただいて,またここのところにそれの結果をお出しいただくとかという,各部会とこの特別部会とのキャッチボールをする。それに当たってのこの今日の段階での論点整理(案)ではないかと思いますので,それぞれの部会でということをお願いできればなという,こういうことであります。
その上で,これ,最後にしたいと思うんですけれども,改めて資料1-2の今日の論点整理の中で,先ほど清原委員からの御意見もあったかと思いますけれども,点線の枠組みでいろいろ書かれていて,そして,その上で,それは学校のチーム力を高めるということがやや活字が大きくなって,しかも赤字で新たに加えられたという,ここのところをやっぱり何らかの形で1つ形にしていくんでしょうか,ということは是非これ,必要なのかなと思います。
私の認識ですと,この特別部会が1つ強く認識すべき課題として認識すべきことというのは,働き方改革で提起されていることというのは,やっぱりここでも受け止めていかなければいけないそれであって,それが教科担任制にしてもICT環境にしても,それをどういうふうに受け止めて,ここのところに姿形として方向性を示していくのかどうなのかという。それは学校のチーム力ということを非常に意識しながら,あるいは働き方改革ということを意識しながら,その在り方を示していくということは先生方とかにも1つのメッセージということになっていくんじゃないかと思いますので,学校のチーム力という,ここのところをどういうふうな形で形にしていくのかどうなのかということもこれまた御検討いただければと思います。
以上です。
【荒瀬部会長】 おまとめいただいて有難うございました。
長谷川委員,どうぞ。長谷川委員,そして,加治佐委員で予定の時間になろうかと思いますので,一旦そこで切りたいと思います。では,長谷川委員,よろしくお願いいたします。
【長谷川委員】 有難うございます。今回の一番のテーマで,多様な子供たちを誰一人取り残さない教育にしていくというところは非常に共感していました。多様な子供たちを誰一人取り残さないために,子供たちに僕は多様な選択肢が必要であると思いますし,今回の議論を通して,一人一人の子供たちの目の前の現実をどう力強く変えるのかというところの具体的なものを盛り込みたいと。
不登校の子供たちというところの観点ですけれども,不登校の子供たちの支援が,かれこれ多分20年以上前からこういった場でも論点に上がって,様々な対策が実行されてきている,前進をしていると思っておりますが,一方で現実として,不登校になる子供の率自体は増加し続けています。
それ自体が僕は悪いと思っているわけではなくて,教育機会の確保法のように,学校に行くのが難しい場合に一定の休息を認めるというのは,僕は子供たちにとってよいことと思いますが,一方で不登校になっている現実の中で,彼らの学び自体を不登校だけどどう確保するのかという観点で,今回のICTを使った個別教育の推進の環境が整えば,不登校の子供たちにも学びは確保されるという状況は整いやすくはなってくると思っています。
一方で,中学校ぐらいから不登校の率はより高くなると思うんですが,もともとの学校には戻れないというようなお子さんはやっぱりうちの中でも多くいて,様々な要因が複雑に絡み合っていると思っています。そういったお子さんたちに,もともとの学校ではない違った選択肢をどう現実として提供するのかも同様に重要である,現実的な策であると思っております。
高校生になると,通信制の高校があります。一方で中学生にとっては,そういった新しい選択がなかなか認められていなくて,今,実際に通信制の高校さんが,中学生にもオンラインで授業を提供して,実質的には通信制の中学校じゃないかというような状況にもだんだん今,実態はなりつつあると思っていますが,子供をとにかく中心に,我々が考える概念的な教育の理想というよりは,子供を中心に考えたときに,戻ることができない,学校に行け行けとプレッシャーが掛かり続ける環境よりは,確実に新しい選択肢をしっかりと認めて,新しい道への一歩を応援するような教育であるというところが,誰一人取り残さない教育には非常に重要であると思っています。
大人も働いていて,文科省で働くのが厳しいとか,この会社でもう働けない,行きたくない,上司とどうしてもそりが合わなくなったら,皆さん多分転職すると思うんです。そういう道が大人には残されているけれども,子供たちにはなかなかその道が残されていないという状況というのは何とか改善したいと思っております。今回,小学校まではなかなか難しいかもしれないんですが,通信制の中学校というところは,中学生の不登校の実態を踏まえて,そういった形を認めていくというところも非常に重要な論点の1つでもあると思っておりますので,是非今後議論できると有り難いと思っております。
以上であります。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では最後に,加治佐委員,お願いいたします。
【加治佐部会長代理】 教員養成部会に関わる事項について,たくさん御意見いただいて有難うございました。なかなか難しい課題もいっぱいあったような気がいたします。多分,どうですかね,なかなか厳しいんじゃないかという気もするんですが,その中で1点だけお答えしたいと思います。
これもすぐに解決どうこうということではないんですが,やはり今の教員がコーディネート力とか,あるいはファシリテーションの力とか,要するに,子供の協働的な学びを生かす,そういう力が欠けているんじゃないかという御指摘が香山委員等からありました。おっしゃるとおりだと思います。ほかでもよくそういう指摘は聞きますので。
では,こういう力を持った教員をどう育成していくのかということです。先進的な教育委員会では恐らくそういうところにも力を入れ出しているのかもしれませんが,やはり教員の力量を保証するのはやっぱり免許状のわけです。その免許状がどうなのかというと,これは天笠先生おっしゃったように,まさしく中高は教科ということになっておりますので,そこでやっぱり教科ごとに,要するに,免許が出るわけです。
だから,教科を超えるようなSTEAMとか,あるいは探究的にPBLとか,そういう力をどうやって免許状の中で保証していくかということになると思います。これは長谷さんもおられますけれども,なかなかまた新たな課題ですね。なかなか今の免許状の構造というのは非常に密になっております。いずれも中身が欠かせないものになっておりますので,これをどうするかはちょっと大きいことかなと思います。ですから,天笠先生おっしゃるように,すぐ明日にはできないんじゃないかと,あえて私が言うのもおかしいですが,何かそんな気がします。
そこで,それでも進めなければいけませんけれども,やっぱり可能性としてそれを進める可能性的なことを2つ申し上げたいと思います。1つはやはり教職大学院です。現職の先生が来られる,あるいは学部を出られてすぐ入って,大学院で2年ぐらい学んで現場に出ると,そういう大学院として教職大学院があるわけです。教職大学院は基本的に免許状とは関係ありません。免許状を取る大学院というよりも,むしろ教員としての力量を本当に高める,高度化すると,そこだけに狙いがあるわけです。
教職大学院では,私はPBL型の授業はやっているところも結構あるんじゃないかと思います。ですから,そういう教職大学院にそういう授業をやるといいますかね,教員にそういう力を育成するような,教職大学院でのPBL型の授業をもっと増やすような指導をするとか,そういうことが必要なのかなと思います。
そして同時に,これ,内情を明かしますと,教職大学院は,評価が高いにもかかわらず,入学者がなかなか増えていない状況です。今は学部を出て教員になれますので,非常になりやすいですので,非常に苦労しているところです。だから,そういう意味でも,新たな教職大学院の役割としてPBLとかSTEAMを担えるような人材,そういうものを育成するというようなことを加えていくということがより近道かなと思います。
もう一つ,これはもっと近道かもしれませんが,もう一点は,現在の仕組みは,これは御存じのように,教員免許状を持っているわけでは教員にはなれません。公立学校の場合は,教育委員会による教員採用選考試験があるわけです。選考試験のやり方も,これまでと大分変わってきております。ただ,基本は学力と,やっぱり面接等による,人物を見る。あるいは,場面指導等によって対応力を見るとか,そういうことはあるんですが,なかなか探究を指導する力とか,子供の探究を促す力とか,そこまでなかなか見られていないんじゃないかと思うんです。
ですから,やはり採用試験を行う教育委員会の方々に,今後教員にはこういう力を求められますということを,神野さんもおっしゃっておりましたけれども,そういうことをやっていただいて,是非採用試験の在り方から変える方が近道なのかなとも思ったりするところです。そういうことをちょっとまた,教員養成部会で検討できるのかどうか分かりませんが,1つの方向としてはあるのではないかと思うところです。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。中高の教員が専門性が高いということでありますけれども,本当に専門性が高ければ,当然のことながら,別の専門があるという認識をすることにつながると思うんですね。だから,自分の専門がとても大事で好きで,これをもっと高くしていこうとすれば,当然人にも同じようにそういう思いがあるという,これはそこのところでつながっていくと思うんです。
教員が専門性が高くても,学校の中で一切専門の違う人とはしゃべらないとか,全く人の授業は知らない,何をやっているか全く闇の中であるということはないわけで,そういう中で,これまでもいわゆるPBLとか,あるいは探究型の授業とかをしてきた学校というのは,手探りでやりながら,それを何とかしてきたわけです。実はこれ,なかなかマニュアル化ができないというところが事実ではないかと思うんです。習得型の学習というのは,これは結構マニュアル化ができるのではないかと思うんですけれども,これはマニュアル化ができない。生徒を見ながらでしかできないということです。
高校ワーキングでもお話を伺った福井県立若狭高校の先生方とお会いする機会があってお聞きしておりますと,それぞれの教員の取組が有効であるかどうかというのは,これはもちろん専門の教員の相互評価などで見えるわけですけれども,教科においても総合的な学習の時間においても,生徒に自分たちの取組が有効であるかどうかというのを考える際には,生徒が本当に楽しんで学んでいるかどうかということが重要であるということでした。生徒が楽しんで学ぶというのは,例えば国語の教員から見ても,それは事実として理解できるし,数学の教員から見ても理解できる。生徒が学ぶということを大事にするのが自分たちのまさしくチームとしての学校を作っていくことなんだということに理解が至るというわけです。
これもやっぱり自分たちで取り組んでいく中で見えてくるわけでありまして,何かやりなさいと言われてやるということになるわけですけれども,学習指導要領も変わりますし,やっていかないといけないわけですけれども,でも,やってみたら本当に生徒が変わっていくというのを見ると,これは教員からしても楽しみになるというわけです。是非そこのところも重視しながら,一方では今,加治佐先生がおっしゃったような具体の取組をやっていく必要があるのかなということも思いました。済みません,ちょっと余分にしゃべってしまいました。
それでは,今,3時57分でありますので,4時7分まで休憩をしたいと思います。
( 休憩 )
【荒瀬部会長】 それでは,再開をいたしますので,御着席いただきたいと思います。
では,後半に入ります。新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議,幼児教育の実践の質向上に関する検討会から御報告いただきます。
新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議における検討状況につきまして,まずお願いいたします。俵特別支援教育課長,お願いいたします。
【俵特別支援教育課長】 有難うございます。この部会の先生方の意見を踏まえて有識者会議を設置して議論いただいていますので,その検討状況について事務局として説明させていただきたいと思います。資料は資料5を御覧いただけますでしょうか。
資料5の2枚目に有識者会議の委員名簿ということで付けさせていただいていますが,オブザーバーの方も含めて30名の方に入っていただいて議論をしています。学校の校長先生であったり,あるいは大学の専門家であったり,あるいは障害の団体の方であったり,あるいは当事者の方も含めて委員に入っていただいて議論を行っていただいています。
1ページ目に開催状況ということで,これまで2回開催をさせていただいて議論いただいています。1回目がフリーディスカッション,2回目は教員の専門性ということで,ヒアリングと意見交換という形で意見を頂いています。
これまでの議論で出た主な論点ということで,これは広い形で整理をしていますが,特別支援教育の目指す方向性,教員の専門性,障害のある子供たちへの指導の充実,それと,特別支援学校あるいは特別支援教育の制度的な課題,幼稚園・高等学校段階における学びの場,それと,医療,福祉,家庭との連携,そんなテーマでの意見を出していただいています。
今後の予定として,9月に会議を立ち上げてまだ2回の議論にとどまっていますので,今後の予定としては,11月8日に第3回目の有識者会議を開いて,これまでの議論の整理と,あと,恐らく一定のテーマも含めた議論になると思いますが,当面の予定としては11月8日,第3回ということで,その後についてはまた,これまで出していただいた意見を踏まえて議論を重ねていくと,そんな予定でいる状況にあります。
以上になります。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
では,引き続きまして,幼児教育の実践の質向上に関する有識者検討会における検討状況につきまして,森友幼児教育課長から御説明をよろしくお願いいたします。
【森友幼児教育課長】 失礼いたします。資料6を御覧ください。幼児教育の実践の質向上に関する検討会の審議状況ということでございます。幼児教育に関しましては,平成27年に新しい子ども・子育て支援法ができまして,新しい制度の下で動き始めているわけでございまして,皆様御案内のとおり,今月1日から無償化ということで,幼稚園もそうですし,認定こども園も,そして,保育所も含めて無償化が実施されております。
教育内容に関しましては,他方で,幼稚園は幼稚園教育要領,それから,認定こども園は,認定こども園の幼保連携型認定こども園教育・保育要領,そして,保育所は保育所保育指針とそれぞれございますけれども,3歳~5歳の部分に関しましては基本的に教育要領の内容と整合性を保つということで平成30年度から実践がスタートした段階でございます。
特に幼児教育分野に関します公的な投資が大きくなる中で,質の維持・確保・向上が大きな課題になっておりまして,この検討会におきましても,東委員にも御参画をいただいて,30年6月以降これまで6回程度会議を進めて,今の段階での論点をこのとおりおまとめしているところでございます。
項目と致しましては,これ,裏表で5項目ございます。教育の内容・方法,人材の確保,それから,質の評価,さらには,家庭・地域における幼児教育の支援,そして,それを支える体制の構築という,大きく5つの項目がございます。
それぞれ御覧いただきますと,まず内容・方法の改善の方ですけれども,新しい幼稚園教育要領が実施されまして,その効果的な指導方法とか教材の研究等についてどのように考えていくのか。特に幼児教育の場合には教科書がございませんので,環境を通した教育ということで非常に難しい側面がございますので,それをどのように質を確保していくのかということでございます。
また,これも昔から言われている課題でございますが,幼・小の連携・接続ということで,今回の教育要領,また,小学校の学習指導要領にも記述が充実されましたが,円滑な小学校との接続をどのように図っていくのかという点。それから,先端技術の活用についても,例えばアイトラッカーなどを用いながら実践を可視化していくとか,そういったことで何か知恵が得られないかというようなこと,そういったことをどう考えていくのかということ。それから,幼児教育におきましても,障害のある幼児,そして,外国につながる幼児といった,特別な配慮を必要とする幼児への支援をどう考えていくのかということでございます。
また,人材の確保・資質及び専門性の向上のところにつきまして,最初のところにございますけれども,若年離職者が多い中でということで,特に経験年数の長い中堅教員が幼稚園の場合にはなかなかいないということもございまして,指導の文化というか,保育の文化,専門性がなかなか継承されにくいといった側面もございますので,そういった点で高い専門性を有する教職員を育成・確保するためにどうしたらいいのかということ。それから,普遍的なもの,あるいは時代の変化に応じて求められるものといったそれぞれの課題ごとにキャリアステージごとの効果的な研修の実施・普及の在り方をどう考えるのか。
さらには,通常の教育時間終了後に行われております預かり保育とか,あるいは子育て支援の活動が,共働き家庭が増える中で幼稚園にも非常に強く求められておりまして,実施している幼稚園の数も当然多くなってきております。そういった中でそれらの活動への対応が増えてきておりますので,研修の時間をどのように取っていったらいいのかといったような課題ということです。さらには,先ほど東委員からもありましたけれども,幼稚園教諭の場合には,二種の保有率が68%ということで,小学校は10%強の中で,短大相当が非常に多うございますので,上進をしていくと。上進をすることで教員の専門性を高めていくといったことが必要なんじゃないかということです。
また,質の評価に関しましては,これも小・中・高と同様ですけれども,今回の指導要領,教育要領でカリキュラム・マネジメントが大きく打ち出されておりますので,PDCAサイクルを構築していくためにどのような工夫が考えられるか。特に幼稚園の場合,教員の人数等も比較的少ない小規模なところが多いので,そういった中でどういうふうにこれを確立していくのかといった課題でございます。また,学校関係者評価も努力義務でございますが,そういったことについても同様にどう考えていくのかということでございます。全体として,質の評価に関する手法をどう考えていくのかということでございます。
裏面でございますけれども,家庭・地域における幼児教育の支援に関しましては,これも家庭・地域において幅広く幼児教育の理解を深めていくことが重要だと。家庭・地域と連携しながら,社会に開かれた教育課程ということもございますけれども,大事でございまして,幼稚園などにおけます実践の意図とか,保育活動の狙いを家庭や地域に知ってもらうようにどのようにしていくのかということでございます。また,先ほど申し上げました預かり保育とか子育て支援の在り方をどう考えるのか。経済的困窮とか虐待など様々な問題を抱える家庭への支援の観点から,福祉機関をはじめとした関係機関との連携強化をどう考えるのかといったこと。
最後,幼児教育の推進体制の構築です。これも分かりやすく申し上げますと,指導主事という者が教育委員会におりますけれども,幼稚園の場合,幼児教育の専門の指導主事,幼児教育担当の指導主事は4割ぐらいの自治体には置かれているんですけれども,4割のうちの半分ぐらいは,いわゆる幼児教育の専門性がない小学校とか中学校とかの出身の先生であって,出身だと幼児教育の専門性がないということもない人もいるとは思いますけれども,多くはそういった状況にあります。その中で,専門性のあるアドバイザーとか地域の幼児教育のアドバイスを担えるような人の育成・配置をどう考えていくのかということ,それを支えるセンター的な機能をどういうふうに位置付けていくのかというのが課題だということになっているところでございます。また引き続き検討会において御議論をいただいていく予定としております。
以上でございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。それでは,これについて意見交換に入りたいと思います。さっきも御質問が途中で出ましたので,もう質問,御意見というふうに分けないで,御一緒にお願いできればと思います。
田村委員,どうぞ,お願いいたします。田村委員,東委員の順でお願いいたします。
【田村委員】 特別支援学校の校長,東京都立光明学園校長の田村でございます。私の学校には,肢体不自由のお子さん,それから,入院中のお子さんもいます。先ほど有識者会議の状況について御報告があったんですけれども,先ほど例えば長谷川委員の中からは,LGBTのお子さんあるいは不登校のお子さんなどがありました。つまり,一般の形での学習に向かうことが難しいお子さんというのは,特別支援学校には本当にたくさんいます。
実は教育の場につながるということはとても大事で,その後社会にチャレンジしていく人に育てるというところで,どうやってつながりを持っていくかということですけれども,ちょうど先週,私どもが手弁当でやったものなんですけれども,入院中のお子さんは例えば弁論大会とかに出られないんですけれども,ロボットを動かすプログラミングに応募することで,本人は治療中でいろいろあって写真とか出せないんですね。でも,プログラミングが行くことで,そのプログラミングがロボット相撲をして,そして,勝ち抜いて栄誉をもらうということですごく喜ぶわけです。社会との関わりが出てきて,認められるわけです。そういうことをちょうど今,病弱のお子さんで私たちやっているところなんですけれども,どうやって社会とつなげるか。
そして,そのお子さんたちは退院して学校に戻っていけるわけですけれども,不登校のお子さんがいて,実は前半のところであったお話は,多様なお子さんがいる。外国からのお子さん,LGBTもいて,実は特別支援教育と通常の教育が実質上シームレスになってくるというところの話ではないかと思っています。
様々な意見が出たんですけれども,新しい時代の初等中等を作っていくという特別に置かれた部会の中で何を骨太の方針として出していくかというところでいえば,私は個のニーズに応える教育を大胆に,集団教育の中でも必要に応じて支援ニーズを見極めてやっていくというようなところをまず骨太で置かなければいけないのではないかと考えています。そうした中で,特別支援対象のお子さん以外のいろいろなニーズのあるお子さんも含めて考えていけるだろうと考えています。
そうしたときに,個別の指導計画といって,実は例えば肢体不自由のお子さんでも非常に多様ですので,大学進学に行くお子さんもいれば,本当に福祉関係に行って看護師さんが付きっきりのお子さんもいます。つまり,1つの学校の中でこれだけの学力差や多様な中をやっているというシステムは,苦しいながらにも私たちの中で作ってきたわけです。ですけれども,先ほどたしか部会長からあったんですけれども,実際にフォームはインターネット上とか共通ファイルの中でエクセルシートに書き込めるんですけれども,そこに書いてある中身はすごくアナログなわけです。つまり,このお子さんがどうなった,どうなったなんです。
でも,これ,初回の方のこの部会に戻っていきますと,学習指導要領が今,私どものところでいうと,言葉,文字に入る前のところもすごく詳しくステップというか,バーが示されたところで,どこの段階まで行ったかというところが,学校が移っても,他県に転校しても,次のところ次のところできちんとできるところを目標にしてやっていければ,本人たちは,先ほどのように褒められてうれしいわけです。ところが,一斉の2年生,3年生という基準でやっていけないお子さんたちにとっては,永遠に追い付けないわけなんです。
ここのところを,働き方改革の観点からいうと,思い切ってきちんと基礎学力を付けるところは,そうした個別のきちんとステップを歩んで,そのステップを歩んだ量が評価されるようにしていく。かといって,全部が終わらなければ卒業できないでは今度は意欲につながりませんので,私は年齢主義であっていいと思うんですけれども,個別のステップアップをきちんと評価できたり,個別の進度に応える,個に応じた教育プログラム,学習サポートという考え方を大胆に打ち出す必要があるのではないかなと思っています。
特別支援学校で学ぶことが総合的に必要なお子さんも多数いる一方で,実は先ほどの有識者会議の中では,小・中学校にいるお子さん,つまり,一部特別支援教育を受けている通級指導等のお子さんの話題が大変大きかったです。つまり,発達障害などの視点が教員側に求められているわけです。そうしたことについては,特別支援教育の免許にかかわらず,今,なり手がなくなっている,応募倍率が減っているところでは,大学で何を学ぶかというところは大変精査しなければならないけれども,現実を見据えるところでいえば,そうしたお子さんの特性についての理解と対応みたいなものにもっとウエートを掛けて,共通課題として幼稚園も含めて全ての免許に私はもっとウエートを掛けていって,先生たちがサポートができる,むしろ入った途端に困らないようなチーム学校の中のスタートメンバーになれるようにしていかなければいけないのではないかなと思っております。
以上でございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
それでは続いて,東委員,お願いいたします。
【東委員】 失礼いたします。両御報告に御質問と提言を申し述べさせていただきたい。少し時間を要するかもしれませんが,お許しいただきたいと思います。
まず特別支援教育の在り方に関する有識者会議に,現状をお話しした上での御質問を1つお願いしたいと思います。これまでの論点の中で,5番目に幼稚園・高等学校段階における学びの場の在り方について挙げられているということでありますけれども,実は私は公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構の仕事も担わせていただいておりまして,以前から国の会議に出させていただいております。
例えば特別支援教育課が主管されました障害者差別解消法における文部科学省所管事業の対応指針の策定に,これは事務局の特別支援教育課が本当に懸命な御努力をされて成案に至らせていただいたものでありますけれども,この会議等とか,東京オリパラの内閣官房で主催された心のバリアフリーの推進政府間会議等にも参画させていただく中で,全ての障害者団体あるいは障害者の支援団体が口をおそろえになって意見表明されるのが,日本においては,幼児教育・保育段階と高等教育段階では教育の機会保障が十分なされていない。先進諸国の中でも著しく遅れている国であるということをおっしゃられました。
現状,私どもの足元を見ても,公立幼稚園では一定数受け入れは進んでいますけれども,私立幼稚園,こども園,保育所においては,障害のある,あるいは外国につながる子供たち,あるいは意外と思われるかもしれませんけれども,同一性障害の自覚を持っている子供たちも幼稚園段階からおりますので,その子供たちの対応が十分できているか。対応というよりも,受け入れ,就園自体が十分なされていない状況にあるということを残念ながらお話ししなければなりません。そのような状況の中で,この有識者会議の中でどのような議論をされるのかということをひとつお伺いしたいと考えております。
それから,幼児教育からの御報告でありました実践の質向上に関する検討会につきまして,私も昨年から参画させていただいておりますし,この中教審の特別部会の議論を踏まえてまた再スタートしたところであります。綿密な積み上げられた議論がなされてきていますし,我々の私立幼稚園団体でも,関係団体の幼稚園連合会と共同で機関決定をして,昨年の11月から7つのアクションプログラムを策定して具体的な行動に移していっています。
その内容は,偶然ではありますけれども,基本的に先ほど御報告いただきました検討会の論点と重複する,オーバーラップするものでありまして,先ほどの免許の上進制についても,文部科学省の幼児教育課の特段のお働きで当年度予算化をし,8府県で認定講習が実施されています。それは県教育委員会と,それから,養成大学の連携の下に実現しているものですけれども,参加希望の予備調査の段階から我々の想定を超える希望者がおります。来年度から静岡県でも開設が実現しようとしているところですけれども,80名の定員に対して150名の既に希望が寄せられているというような状況があります。
現場のニーズとして,保育所や幼保連携型の処遇改善のように明らかに処遇が改善されるというような挙証がない中でも,幼稚園教員については,現状を認識して,より高いスキルを求めたい,免許状更新講習や様々な公定講習がある中でもより高度なスキルと知識を持ちたいという教員がそれだけ存在しているということもまずお伝えしたいと考えています。その教員のニーズに対してしっかりサポートするような体制を,今は8府県にとどまっていますけれども,全県に面展開していくような体制整備が必要ではないかと考えております。
それから,STEAMの話がありましたし,それから,今野委員から,アプローチカリキュラムの,幼保と小学校との教育段階の接続の話がありました。今回の学習指導要領,幼稚園教育要領等の改訂においては,それぞれの校種の修了段階の資質・能力を明確にすると。それは上の校種への接続を円滑にするというための目的もあったわけですけれども,これも前回の改訂以降,各市町村の教育委員会のバックアップといいましょうか,体制整備もあるんですけれども,幼保と小学校との接続・連携は非常に進んできております。幼稚園・保育園から児童の申し送りばかりではなくて,双方の教育課程や教育内容の学び合いなども進んできています。
ただ,先ほどSTEAMの話が出ているんですけれども,幼児教育段階の学びの構造だとか,実践の在り方が,非常に学際的で,環境を通して学ぶ構造になっています。教科書もありませんし,時間割もない中で,それと,生活のありようも小学校生活とは大きく異なるという現状の中で,どのように円滑に接続していくかということが課題になっていて,そのことは幼児教育内容の質改善のプログラムや実践,学校評価とともに,少しずつではありますけれども,前進している状況にあります。
ただ,先ほど森友課長のお話にもありましたけれども,幼稚園やこども園,保育所は,どうしても施設規模が小さくて,それから,職員構成が階層化していない,組織化が十分されていないというような状況にありますので,一つ一つの施設に対する地域全体としての支援体制が必要と考えておりますので,そういうような論点でも,この会議で一定の方向性が示されることを期待しているところであります。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。最初に特別支援教育に関連して御質問がございましたけれども,よろしいでしょうか。
【俵特別支援教育課長】 有難うございます。幼稚園・高等学校段階,これは幼稚園であれば,例えば特別支援教育支援員の配置であったり,高等学校であれば,昨年度から通級指導の仕組みが導入されたりといった点があると思いますが,義務教育段階に比べても,少し不十分な点があると思います。この有識者会議の最初のフリーディスカッションのときにも,支援が必要な子供たちで就学前の子供たちの居場所がなかなか確保されていないと,そんな意見もありました。そういった意見も踏まえながら,恐らく幼稚園段階,高等学校段階においての課題,こういったことを整理しながら,具体的にどんなことが子供たちにとって必要なのか,こんな議論をしていきたいと考えています。
【荒瀬部会長】 東委員,よろしいでしょうか。
【東委員】 はい,有難うございます。
【荒瀬部会長】 それでは,清原委員,お願いいたします。そして,長谷川委員,お願いいたします。
【清原委員】 有難うございます。清原です。「新しい時代を見据えた教育の将来像」について,私たちは多様な子供たちを誰一人取り残すことがない個別最適化を目指している上で,「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」及び「幼児教育の実践の質向上に関する検討会」の2つの検討の意義は大きいと思います。2つの組織の検討にそれぞれ共通する点について4点申し上げたいと思います。
1点目は,いわゆる福祉部局との連携がますます重要ではないかなと思うことです。私も市長として,私立幼稚園で例えば障害児の児童を受け入れていらっしゃるときに,連携をしながら障害児支援センターが支援させていただいたり,場合によっては障害児保育の専門家を派遣したりというような連携をしてまいりました。特に早期発見・早期療育が不可欠ですので,母子保健の観点から,3・4か月児健診とか1歳半健診とか,そういうときに発見され,そして,幼稚園に進むか,保育園に進むかいろいろ悩んでいらっしゃるところに寄り添ってきた経験から申し上げましても,やはり早い段階での福祉部門と幼児教育,あるいはもちろん特別支援教育の連携が前提であり,ますます重要になってくるのではないかと,それがどのように系統立てて位置付けられていくか,垣根を本当になくして連携できるかということが重要な今後の取組だと思います。
2点目に,これは先ほど毛利委員もおっしゃったんですけれども,何らかの障害のある子供であれ,大人であれ,ICTと出会うことによって自立できたり,大人の場合ですと,就業できて納税者にもなれるというようなことを竹中ナミ委員も実践されていて,検討にも加わっていらっしゃると思います。従いまして,学習ツールとしてのICTだけではなくて,自立支援ツールとしてのICTということが極めて重要で,障害があればこそ,1人1台パソコンというのはおっしゃるとおり,正に不可欠だと思います。
今,学校エアコンはかなり整備されてきたと佐藤委員もおっしゃったように,やはり思い切って国が支援をされると,それなりに普及されます。今回しっかりと1人1台のタブレット型端末・パソコンこそ,子供たちの,とりわけ特別支援教育の現場などで有効に役立つというようなことを実証的に提案していくタイムリーな段階なのかなと思っています。
幼児教育においても,今保護者はほとんどスマートフォンを持っていろいろな育児での活用をしている,でも,タブレットに育児は任せないでという部分もあるかとは思いますけれども,やはり目的にかなった活用をしていくモラルも含めて,幼稚園でも,また,特別支援教育でも,ICTの利活用が有用と考えます。特に多様性がありますよね。発達障害が増え,LGBTの方や難病の子供もいます。従いまして,多様性に対応するには,ICTの活用を自立支援の観点からということを特に強調してはいかがかと思います。
3点目は,「幼・小・中連携」です。幼稚園と小学校の連携は10年前に比べたらかなり進んできたのは,東委員がおっしゃったとおりです。これは幼稚園の皆様の御努力が大きいと思うんですけれども,実はその連携の課題の1つに,どうしても個別の指導計画について,適切に,個人情報を保護しながら継承していくということが重要課題になってきます。
そこで,4点目は,例えば手書きで書いた指導計画書が,AIで簡易に,例えばエクセルに入れるとかワードに入れるとかしながら,事務支援にもICTは活用できるのではないかと思います。手書きの方が心がこもるということで指導計画を書いていらっしゃるその文書が,やはり効率的に幼稚園から小学校,小学校から中学校,その先へと継承されるような事務支援に,AI,RPA(Robotic Process Automation)の活用をこれから検討していくということも有用だと思います。
さて,幼児教育の無償化が10月から始まりました。実は幼稚園の皆様にかなりの事務負担が掛かっているということも可視化されています。例えば預かり保育についても大変きめ細かくやっていただくと大変ですので,文部科学省におかれては,内閣府や厚生労働省と連携して,幼児教育の無償化に関する事務の軽減についてリーダーシップを現場感覚で取っていただければと思います。
そして,最後にもう一つだけ。幼稚園教諭や特別支援の教員に対して適切な報酬が保障されなければなりません。しかし,公立の幼稚園と私立幼稚園ではひょっとしたら報酬に若干の差があるということも問題提起されています。保育園であれば,例えば宿舎補助をさせていただいたり,待機児解消ということで各自治体が何らかのプラスアルファをしたりしているんですけれども,幼稚園教諭におかれては,三鷹市においても,永年勤続の方に市長が表彰させていただくということが精一杯というところがないわけではありません。やはり適切な,公立・私立の報酬のギャップがないような取組も重要なのかなと思います。これは幼児教育の内容に関わることではないのでちょっと小さな声で言っていますけれども,制度的に働く方の気概が向上できるようなことについても国全体で考えていくタイミングかなと思いました。
結びに,幼児教育・特別支援教育は,正に「誰一人として取り残さない」,これからの初等中等教育の方向性を示す重要な検討分野だと改めて受け止めさせていただきました。是非それぞれの検討会や有識者会議で問題提起されたことが,最終的な私たちの問題提起の具体的な中身として含まれることを願っております。有難うございます。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
長谷川委員,お願いいたします。
【長谷川委員】 有難うございます。特別支援教育の在り方に関する有識者会議に関してですが,先ほど田村委員がおっしゃっていただいたことに大変共感しております。現場での課題感も強い中で,発達障害のお子さんたちを支援する専門性をどう実際に向上させていくのか,非常に重要な論点であると感じております。
専門性の向上のためには,具体的にその専門性とは何かを明確にして,きちんとそのスキルが身に付く具体的な機会,実践的な機会を作るというようなことが必要であると思っております。まず実践的に何らかのスキルを身に付ける機会を作る上で,研修の体制を,時間の確保というところをやる必要があると思っています。具体的には,通級の拠点校が作られるところを1つのエリアとしたときに,そのエリア,地域単位でスーパーバイザーをしっかりと設置をする。発達障害特別支援教育に関わるスーパーバイザーを専任で設置をする。そのスーパーバイザーは,教師,教員でも構わないですし,外部の人材でも構いませんが,そのスーパーバイザーが具体的にOJTを基にして実践的なスキルのフィードバックをして育てていくということが大事ではないかと思っております。
うちも社員が今2,000人以上いて,発達障害の専門性の教育というところはこれまでもやってきているんです。その中で,じゃ,教員免許の取得課程のような教育だけで,それを少しやるだけでどれほどスキルが身に付きますかというと,やった方がいいと思っていますが,その教育を基にしてどうそれを実践として体に染み渡らせていくのかというのは,これはもう具体的な実践の中でロールプレイ,うちの場合であれば,お子さんに実際にトレーニング中に来てもらって,実際ロールプレイをやるんです。大人でロールプレイをやったり,お子さんに来てもらって,実際にヒントを出すタイミングがどこなのかとか,アセスメントの計画が間違っているかどうかというのをかなり実践的にやっていきます。
授業に実際に入っていってからも,モニターで,親御さんも見られますし,スーパーバイザーがそれを,授業風景を実際に動画で見て,動き方,声の掛け方,タッチの仕方,ヒントを出すタイミングがどうだったのかをフィードバックできるような仕組みを作っています。そういった実践的なトレーニングをやる上で,スーパーバイザーをちゃんと通級の拠点校単位で専任化をして,研修ができる状況を整えるというのが1つ目です。
2つ目としては,何のスキルを向上させるべきでしょうかというのが2つ目です。具体的に発達障害や特別支援教育に関わる必要なスキルが今,不明確になっていますので,その指導スキルを明確にしっかりする。どういうスキルが必要なのかを明確にする。うちの中では8段階ぐらいスキルがあるんです。一番上のスーパーバイザーになるまでにどのスキルを最低限身に付ける必要があるのかを8段階で定義して,実際にOJTを通してスキルが身に付いたら,ランクが,等級が上がっていくというような仕組みを作っていますが,免許制度でなくて,実践を通してスキルアップをきちんと評価して,スキルアップできているか,できていないのかを判断していくような具体的な仕組みが必要であると思っています。
同様に,お子さんたちに対しても,どういう困難さを持った子にどんな指導目標や手立て,プログラムが実際に有効なのかというところも整理されていない。各通級の先生や特別支援学校の先生の属人的なもので,一生懸命空き時間を使って教材を皆さん作られたりとか,地域ごとにシェアされたりとかされているんですけれども,なかなか忙しい中でそれをやっぱり作る時間は難しいと思っていますので,特別支援教育の質の向上をさせていく上でも,もっと国主導で,指導目標のリストとか,どういうお子さんにはどういう指導目標・プログラムが有効なのかであったり,そういった統計をきちんと取っていったり,先ほど清原委員もおっしゃったみたいに,ICTをきちんとそういったことにも活用して,データをしっかりためて,どういう計画やプログラムが有効だったかをデータを基に判断して,もっと国主導的に教育の専門性を向上させるような取組が必要であると思っております。
以上であります。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
それでは,天笠委員,まずどうぞ。
【天笠部会長代理】 先ほど御意見がありましたように,1つの大きな骨太のコンセプトとして,個に応じるとか,あるいは多様性とか,学習者に応じた最適な学習の追求というんでしょうか,そういうことの意見というのは,今日的な状況等を踏まえ大切な意見であると,そういうふうに認識しております。そのことと,教育課程,カリキュラムということとの脈絡というんでしょうか,関係ということもやっぱりもう一つ考えておく必要があることではないかと,そんなふうに思いまして意見を申し上げさせていただいているわけです。
この場合申し上げている教育課程とかカリキュラムというのは,それぞれの学校としてそこに編成しておいておくものだと。極論すると,それは個々の学習者それぞれに編成すればということですけれども,通常,それは個別の指導計画とかというふうなことで称されているのではないかと。事実もまたそうなっていると思います。
片や,教育課程という場合は,少なくともこれは学校としてというふうなそういう形で掲げられているわけですけれども,当然個に応じるとか,多様性という考え方からすると,学校としてというふうな辺りのところがある意味で非常に薄くなったり,あるいは希薄になったりするということも当然あり得る話かと思うんです。でも,その中でやっぱり,こういう今日的な課題からしたときに,改めて学校として持つ,編成する教育課程というのはどういうふうにあるのか,あるいはどういうこととして位置付けていったらいいのか考えてというのは,これはまた1つ大変大きなテーマではないかと思っております。
さらに,今ありましたように,学校種の接続とかそういう観点からしたときに,改めてその中で学校として編成する教育課程の在り方ということ,これもまたそれぞれのお立場からの意見を,ある意味でいうと,それぞれ得つつ,その有りようを探っていくことも,また私はこの部会の1つ求められている課題ではないかと,そんなふうに認識をしたいと思っていますし,それらのところから議論を通したところにまた次の時代の開かれた教育課程の在り方がそこに描けるということになるのではないかなと,そんなふうにも思っております。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
それでは,東委員,お願いいたします。
【東委員】 失礼します。貴重な時間,発言の機会を与えていただきまして,有難うございます。
実は本園なんですけれども,年長5歳児に人工内耳をしている子供が2名います。1名は札幌聾学校の幼稚部に在籍しながら,特別指導日だけ週1回幼稚園の方に通園している子供がいます。もう一人は,幼稚園に入園する前までは聾学校の幼稚部の学習支援を受けるクラスに通いながら,年中からは幼稚園に在籍をして,2人とも実は来年の4月からは聾学校の初等科に入学していきます。
今,新制度になってから両方の在籍が認められないということがありまして,これは1つの例なんですけれども,もちろん聞こえの問題や見えの問題に関しては特別支援学校での専門的な教育が必要だということがあります一方,やはり社会とのつながりだとか同世代とのつながりということを考えると,学校種間連携だとか地域の連携というのは非常に子供たちにとって大事な要素になってくると認識しています。
そのような意味では,制度的な問題は当然整備しなければならないと思うんですけれども,柔軟な対応の中で特別支援学校と普通学校というんでしょうか,小・中学校との連携,特別支援学級との連携みたいなものもハイブリッドに考えていかないといけないのではないか。それぞれの専門性を追求する,あるいは幼稚園・小学校・中学校の教員の専門的な知識を養成段階から,あるいはリカレントの中で養成することも必要なんですけれども,場の共有とか連携というものもやはり考えていく必要があるのではないかと実感しているところであります。
以上です。
【荒瀬部会長】 有難うございました。
いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
非常にたくさんの御意見を頂戴いたしました。時間もそろそろということでありますので,そういたしましたら,今日の議論はこれまでにしたいと思います。よろしいですか,どなたも。
では,逆に少し早くなりましたけれども,最後に次回の予定につきまして,田中室長,お願いいたします。
【田中教育制度改革室長】 本日も長時間にわたりまして,有難うございました。
次回の新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の日程につきましては,11月21日木曜日の14時から17時の開催の予定としております。詳細につきましては,また追って事務局から御連絡申し上げます。
また,本日紙での会議となりましたので,本日の資料につきましては,机上にお残しいただきましたら郵送させていただきますので,よろしくお願いいたします。
【荒瀬部会長】 有難うございました。それでは,本日これで終了といたします。お疲れさまでした。

―― 了 ――


 

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