教育課程部会 小学校部会(第3回) 議事録

1.日時

平成28年2月22日(月曜日) 15時30分~18時00分

2.場所

文部科学省 東館15階 15F特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2

3.議題

  1. 小学校の教育課程の改善・充実について
  2. その他

4.議事録

【天笠主査】    それではただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会小学校部会の第3回を開催いたします。
  本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
  最初に、事務局から、委員の紹介及び配付資料の確認をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    それではまず、本日初めて御参加いただきます委員の御紹介でございます。
  生重幸恵委員でいらっしゃいます。
【生重委員】    よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    続きまして配付資料です。本日は、議事次第に掲載のとおり、資料の1から7、その他机上に参考資料を配付させていただいております。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。
  いつものように机上にタブレット端末を置かせていただいてございます。審議会答申ですとか関係資料をデータで入れさせていただいておりますので、詳細はタブレット端末の下の目次をごらんいただければと思います。また、一部の資料は委員の先生方限りということで、色付き附箋が付いている資料でございますので、御留意いただければと思います。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  それでは、本日は、前回に引き続きまして、小学校の教育課程の改善・充実について御議論いただきたいと思います。
  なお、本日は、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきいただければと思います。
  さてそれで、前回は、小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方について、一つは教科横断的に取り組むべき課題、もう一つは効果的で柔軟なカリキュラム・マネジメントの観点から御意見を頂きました。今回も引き続き幅広い視点で御議論をいただければと思いますが、特に、今後の小学校英語の充実を念頭に置いた指導体制の強化、教材開発、養成・研修の充実を含め、子供たちの学校における生活時間をどう組み立てていくかというカリキュラム・マネジメントの在り方を中心に御議論いただきたいというふうに思います。
  その検討に資するために、まず事務局より、前回の当部会における主な意見、続いて、外国語教育ワーキンググループにおける議論の状況について御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。それではお手元に資料1、それから本日は資料がいろいろございまして恐縮ですけれども、資料4-4-Aという資料がございます。それから資料5、この3点を中心に御説明をさせていただきたいと思います。
  それではまず資料1からでございます。資料1につきましては、これまでの小学校部会で頂きました主な御意見、それから会議の中で御紹介をさせていただきました様々なワーキンググループの資料等を少し整理させていただいたものでございます。前回と重なる部分もございますけれども、少し議論の全体像の把握ということで、重なる部分も含めまして御紹介をさせていただきます。
  まず、資料1の1ページ目、社会に開かれた教育課程の視点に立った小学校の教育課程の改善ということでございます。御議論の中では、発達の段階を踏まえた学習指導の在り方について御意見を頂きました。低学年の指導と高学年の指導の在り方が違ってきているのではないか。小学校学級担任による全科指導が基本で、教科ごとの検討ということも含めた小学校教育の全体の在り方をどう示していくか。高学年の場合には中学校との連携・接続をどうしていくか。また、教科担任が広がってきている現状を踏まえて、学校ごとのニーズにも応じながら、教科担任の持つべき部分と学級担任が指導すべき部分のある程度のめり張りが必要ではないか。中学校を見通した上で生活指導の在り方についてもかなり立ち入った配慮が高学年については要るということについても検討が必要ではないか。
  二つ目の丸でございますけれども、低学年について個別の教科での検討とともに、全体的な在り方を考えていく。特に幼児教育との接続ということで、スタートカリキュラムでも、子供の学びはゼロからではなくて、幼児期に学んだものをベースに次に行くのだということ。
  三つ目でございますけれども、小学校1年生の終わりぐらいから2年生の始まりぐらいでかなりの学力差が出てきているということ。そういったことがその後の学力ということに拡大していってしまうのではないか。また、幼児期から低学年の学力を決める大きな要因として語彙量がある。語彙量をどのように拡充していくかということが幼児教育、小学校教育共通の課題である。
  一番下の丸でございますけれども、一般的には学級担任制であるけれども、高学年になってきたときの学習の様々なニーズ、教科担任制や教科の分担ということも指導の形態として重要になってくるのではないか。2ページ目でございますけれども、結果として多忙感の軽減にもつながる。高学年になると個性が出てくるので、様々な教員と触れ合うことを通じて子供たちが相談しやすい先生というのを見つけていく。1人の子供を多くの教師が見るということでのメリットが大きいのではないか。
  次の丸でございますけれども、指導要領で内容の履修だけではなくて、それを着実に身に付けていくということ、そういったことのためには、チームがこの考え方で社会と結び付きながら教育を実践していくということ。
  次の黒丸でございますけれども、学年ごとの内容の基本的な仕組みについても、個人差に応じた幅ということを考えていく必要もあるのではないか。全ての子供たちが学習を分かり、きちんと社会に出ていけるという姿を目指すべきではないかということです。
  次に特別支援教育ですけれども、発達障害のある子供たちのことなども考えますと、個人差に対応できるような教育課程の在り方。通常の学級に在籍する子供たちも何らかの形で特別支援教育の枠組みの恩恵を受けられるようになっていく必要があるのではないか。また、内容につきましても、時代の要請でどんどん増えていくわけですけれども、その中での軽重の付け方ということを工夫していく必要があるのではないか。
  3ページ目は読み書き障害についてですけれども、日本語と英語の特性ということを考えて、特にこれから小学校に英語の読み書きを導入する上では、そういった特性ということもきちんと理解した上で配慮していく必要があるのではないか。また、英語以外の外国語の扱いということでございます。
  幼児教育・中学校教育との接続の在り方でございますけれども、今回の改定では、高校を卒業するときの姿をイメージしながら学びを積み重ねていくということが必要であるということ。また、小学校低学年・中学年・高学年で育てる力ということを考えながら行く必要があるのではないかということ。中学校が教科担任である一方で、小学校の場合は教科担任というよりは、教科をある程度分担して教師が得意とするようなところを指導していくというようなこと。問題行動も中学校から小学校に下りてきている現状、高学年の子供も多面的に見ていく必要があるのではないかということ。
  3ページ目の下は、私立の幼稚園や保育所との連携でございます。
  4ページ目は上でございますけれども、小学校と就学前教育のスタッフとの連携です。幼・小連携のつなぎの部分には、小学校も就学前教育も知っているという人が何らかの形で入っていく必要があるのではないかということ。また、高学年も中学校と接続について教科担任ということも考えながらということです。また、幼児期との関係で、入門期の学び、小学校1年生は、生活科などとも連携させながら教科横断的な学びを意識していく必要があるのではないかということです。
  家庭、地域・社会との連携ですけれども、社会に開かれた教育課程という考え方からもう一度認識をし直す必要がある。子供たちにその学校でどういう力を育てたいのかということを明確にし、地域の人や財を取り込んでいくということが必要。
  次の丸ですけれども、社会との目標の共有ということを考えていく必要があるということ。教育関係者はもとより、世の中の人にきちんと理解をしていただくような目標の在り方。
  次の丸ですけれども、地域の力を借りながら社会と共有・連携するということ。具体的に、学校や通常の大人が見えない部分をしっかりと見ていただいて、この子にどういうことを気を付けてあげた方がいいのだろうか、指導においてどういうポイントをということを学校と地域が連携していく、そういった具体的な仕組みが作れないかということ。また5ページ目は、ICTを使って様々な地域、多様な他者とつながっていくということ。また、学力の底上げには家庭学習ということも極めて重要であるということです。
  次に、小学校教育を通じて育成すべき資質・能力でございます。各教科の目標と同時に、教科横断的にコンピテンシーを育むという視点も重要である。そういった観点から、生活科や総合的な学習の時間も重要であるということ。言語に加えて非言語能力ということも極めて重要であるということ。個に応じた指導ということ、子供の学び方や学習スタイルに応じた指導ということ。
  また、最後の丸ですけれども、学びに向かう力ということ。問いや疑問をすぐに決着するというのではなくて、しばらく頭の中に置いて粘り強く取り組むというようなことも考えていく必要があるのではないかということ。
  6ページ目の上の丸でございますけれども、教科横断的な学びと教科の学びを相互に連携する。また、情報活用能力の重要性、教科における学習とスキルを身に付けるということの重要性。教科の文脈の中でどのように情報活用能力を育てるのか。また、ローマ字学習と情報活用能力の関係性。総合的な学習の時間が担う教科横断的な学びの重要性、また、様々な学びのスキルということの重要性。ESDという観点からの重要性。教科横断的な学びを取捨選択していくというところでの、学校が地域のニーズや子供たちのニーズということを捉えて発展していくということの重要性。7ページ目の2つの丸は、ともにESDという観点の重要性でございます。
  資質・能力の育成と、各教科等の充実の方向性でございますけれども、それぞれの小学校段階、中学校段階、高校段階でしっかりとした習得をし、それを積み上げていくというようなこと。それがそれぞれの教科の特性ということでうまく関係性を明確にしていくと、指導の充実にもつながっていくのではないか。各教科における指導の急所のようなものの示し方をどうしていくか。外国語活動に触れる初期の中学年段階での体験的理解という意味での言葉ということの重要性。英語で他の言葉を通訳してもらうと、英語が近くなるというようなこと。そういった相対的な理解を育むために、文法の違いや言葉の違い、体験的認識というものが重要ではないかということ。子供の体作りや体力・運動能力ということの重要性。
  8ページ目でございますけれども、子供たちが英語に対して意欲的に取り組んでいるということ。一方で、高学年で行っていくやりとりのことと、実際母語で行っているやりとりとの落差ということが意図的な学習の必要性ということにつながっていくということ。そこで、母語とは違う言語システムを明示的に理解するということで、言葉というものを相対化していく力が身に付くということ。中学校と高学年の学びということをつなげていくために、書き言葉の要素を加えた学習をまとまった時間担保していくことの必要性。体育における見通しを持った学びの必要性と、それぞれの接続段階の、運動経験という観点からの充実の必要性。特に中2の女子の運動の二極化ということでございます。
  8ページ下からは言語に関する能力でございます。大人と付き合うのは上手になってきているけれども、子供同士のコミュニケーションというのがうまくいっていないのではないか。それから9ページ目の真ん中から下は、これは言語に関する特別チームの内容を引っ張らせていただいておりますけれども、幼児期からの言語習得ということ、またそういった言語に関する資質・能力が極めて重要な役割、特に学校という場において子供が行う学習活動を支えているという意味で言語の重要性ということ。また、三つの側面、創造的思考とそれを支える論理的思考の側面、感性・情緒の側面、他者とのコミュニケーションの側面、この三つの側面にわたる言語に関する資質・能力を養っていくことの重要性でございます。
  10ページ目は、そういった言語能力と資質・能力の関係性ですけれども、言語能力について、言語の違いに気付いていく、その言語の違いから文化の違い、物の考え方の違いに気付いていくということを小学校段階から体験させていくということが重要であるということ。それに必要な環境をどのように整えられるか。また、10ページ目の二つ目の丸ですけれども、英語に関して学習困難のある生徒に対しての文字指導など、効果的な在り方を検討していく必要があるのではないか。子供たちは、就学前教育の機関がいろいろある、家庭での言語環境が様々であるということで、語彙力も含めて差がある状態で小学校に入ってくるということが、他教科の学習も含めて、日本語で書かれた教科書を使った学習ということでの差につながってきてしまっていることに認識を持って、基礎的な言語能力の育成ということが学習に極めて重要な役割を果たすということを意図的に考えていく必要があるのではないかという御指摘です。
  10ページ目の下は、またこれも言語の特別チームですけれども、言語の発達段階に応じた獲得の在り方、また、母語と外国語とのそれぞれの習得の重要性ということ、そして相互に関連付けて充実させていくことの重要性ということ。また、11ページ目は、言語の能力ということが、個別の知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力、人間性というこの三つの柱の資質・能力の要素それぞれの獲得に極めて重要な役割を果たしているということ。したがいまして、言語能力の向上が学校における学びの質を高めて、教育課程全体における資質・能力の育成を底支えしていると、極めて重要な役割、特に小学校教育において重要な課題として取り組んでいく必要があるということでございます。
  情報活用能力でありますとか様々なコミュニケーション能力、非言語的能力ということとも言語が極めて重要に絡み合っているということが11ページ目から12ページ目にかけてでございます。
  また、12ページ目は、国語教育ということの基盤形成と言語教育の関係性、英語以外の外国語活動ということへの視野ということでございます。
  13ページ目からはカリキュラム・マネジメントでございます。カリキュラム・マネジメントという視点で各教科と教育課程全体の関係性、目的、使命という観点で現状と課題を精査していく必要があるということ。低学年の学力の問題ということも、カリキュラム・マネジメント、学級経営でありますとか、学力の指導力の違いということ、チーム学校の在り方、学級経営と学年経営の連動性ですとか、学校全体としてのカリキュラム・マネジメントということをしっかりと考えていく必要があるということ。
  ◯◯教育というような現代的な課題への対応ということも含めて、総則と各教科の関係性。総則の中でしっかりと位置付けつつも、カリキュラム・マネジメントということをキーワードに対応していくことの必要性。内容ごとの関連性、相互の関連性、あるいは授業との関連性、こういったことをトータルでどうマネジメントしていくかということ。
  また、13ページ目、一番下でございますけれども、学校の自由度、地域の特色ということとカリキュラム・マネジメント、また、転校等で様々な学校に移る可能性があるということも必要に応じて考えながらマネジメントされていくことが必要であるということ。また、メディアリテラシーということもカリキュラム・マネジメントの中で教科横断的にどう育んでいくのかということでございます。
  カリキュラム・マネジメントの三つの側面ということも改めてそこに整理をさせていただいております。
  小学校における児童の発達の段階に応じた指導の重要性ということです。小学校の6年間ということは、他の校種に比べると非常に長い年数であり、低学年と中学年、高学年、同様の考え方で指導ということでいいのかどうか。低学年の場合には幼児教育との関連、高学年の場合には中学校教育との関連をもう少し強くしながら、それぞれの教育の特徴を生かしていく。カリキュラムのめり張りということが必要ではないか。小学校の6年間は低学年と高学年で発達段階が違う。その中での指導の在り方ということも考えていく必要があるのではないか。現行の指導要領では、発達段階、子供の集中時間や持続力に応じて、実は多様な枠組みをとれるはずであるけれども、現実問題として45分が基本になっている。学校教育は集団で学習することのよさ、共同的な学びのよさと個に応じた指導、こういったことを意識的にデザインしていく必要があるのではないか。1単位時間の弾力的な運用ということを一律ではなく考えていく必要があるのではないか。
  15ページ目、上ですけれども、低学年あたりについては学習に集中できる時間を考慮して、もう少し45分を短く考えていくということも考えられるのではないか。標準は45分であるが、低学年については短時間、最初集中できればいい。その一方で高学年については、問題解決的な学習については45分で足らない、60分というような、こういったことのカリキュラムの関係性も他教科との関係性も踏まえながら考えていくということです。
  それから、短時間学習の柔軟な時間設定と効果的な実施の在り方ですけれども、時間配分については、短時間学習、読書活動、計算ドリル、あるいは今後外国語活動なども含めて入ってくるかもしれないから、現実にいろいろな活用が既に進んできているということ。ただ、実際に、例えば算数を50分にしてこっちは30分というふうになると、教員の配置ということも含めてトータルで考えていくということ。配置ですとか組み合わせということと授業時間ということをしっかりと考えていくということがマネジメントの仕事であるということをはっきりさせていく必要があるのではないかということ。
  短時間については、知識と技能の定着ということで有効性が確認されてきている。英語の短時間学習のこれからの可能性というものを非常に実感すると同時に、一方で、子供たちの生活情報を酌み取るというような活動も見ていく必要があるのではないか。また、短時間学習について工夫、実践はよいけれども、学校の中にゆとりがなくなってしまうのはよくないということ。集中できる力を付けるということについては非常によいが、一方でほっとできるような学級経営も必要ではないかということ。
  授業時間の弾力的な運用ということができる仕組みになっているけれども、実際にやろうとするとできないということをおっしゃる先生方も多いということ。学習指導要領にできるとは書いてあっても、どうやってやればいいのかということも含めてトータルで弾力的な時間運用を現実化していく必要があるということ。
  学校での外国語活動や教科としての外国語の学習を充実させるために有効かどうかということの前に、誰が教えてどういうふうに時間をとるか、誰が指導するのか、次の16ページ目でございますけれども、そしてどのように指導時間を確保するのか。担任が指導するのであれば、朝の時間帯というようなことも考えられるけれども、専門的な人材ということになると、なかなか短時間ということでは不都合な部分も出てくる。誰が教えるかということと時間設定ということを併せてマネジメントしていく必要があるということ。
  学習に適切な時間ということを考えていく必要がある。読み聞かせだったらどうか、文章を書くのであればどうか、ディベートだったらどうかというような、目標とする学力を育む最適な時間ということを考えながらカリキュラム・マネジメントを考えていく必要。それから短時間学習については、活動本位になっていはしないか、実際どんなことを、どんな力を目指すのかということで、目的的に短時間学習を活用していく必要。それから、総時間からすると、知識を使った活動、練習ということと、実際にコミュニカティブな目標に向けて使っていくということ、こういった要素をきちんと含めた形で時間数を考えていくことが必要であるということ。短時間学習と、いわゆる45分単位の授業ということの有機的な関わりということを考えていかないと、負担増だけで成果が上がらない可能性があるということ。しっかりと既習をしてすぐ習熟するものと、学んだものを維持していくという二つの観点から、内容の多様性を整理して適切な対応、サポートを考えていくということ。
  子供たちの現状として、小学校の暴力行為が増加しているけれども、これは授業が分からないということがその原因にあるのではないか。基礎的な部分を身に付けさせる、授業が分かるということに朝の時間を結び付けていくということ。ただ、子供によってはその必要がないという子供もいるわけで、その内容ということをしっかり考えていく必要があるということ。実施割合として読書活動、漢字練習、計算練習というようなものの短時間学習の割合が非常に高い一方で、授業時間に含めて実施している割合が少ない。こういった時間をどのようにして授業の中に含めるような内容として学校は考えて、カリキュラムの中にうまく取り入れるようにできるかということを工夫していくということを考えなければいけないということ。以前に比べると、大分45分と言ってもかなり学校で工夫して弾力的に運用しているということ。17ページ目ですけれども、学校ではその中で、学級担任が授業を組みやすいような形でマネジメントを進めているということが現状の中にも見られるということ。短時間学習を考える際に、45分授業そのものも幾つものモジュールで構成されているという考え方もできるということ。語学においては特に、1時間の授業である内容が完全に習得されるということは考えにくく、数時間にわたる内容の連なり、繰り返しを通じて次第に習得されていくという考え方が必要ではないかということ。
  総合的な学習の時間と学校の全体計画ということを結び付けて考えていくということ。大事なことを学校の教育目標と関連させて、それをどのように実現していくかということで、子供の生活時間の在り方を考えていくということであるということ。また、単に時間から入るのではなくて、教科の目標、目的をきちんと把握して、5年生、6年生が終わった段階でこういうことができればいいという目標の中で、しっかりと到達するために必要な知識、コミュニケーションに役立てるという活用、その双方をしっかりやっていくということ。そのために必要な時間は何なのかという考え方が必要であるということ。カリキュラム・マネジメントの円滑な実施のためには、資質・能力の設定が重要であり、そのためには総合的な学習の時間を中核に考えていく必要があるのではないかということです。
  カリキュラム・マネジメントを支えるための方策でございます。18ページ目ですけれども、研修の充実や研修の体制、指導主事としての支援、あるいは教員養成の中で全体的なカリキュラムというものについて学生に理解をしてもらうような、そういったカリキュラムの在り方が必要ではないかということ。初任者に対するオン・ザ・ジョブ・トレーニングの必要性。実際に指導する先生方が、特に英語力に関して非常に不安感があるということをどのように解消していくかどうか。行政サイドの連携をしっかりとって、研修体制を組んでいくということ。中核教員ということ。どのレベル、どの人たちを対象としてそれを広げていくかということ。モデル校をセットして、その中でカリキュラム・マネジメントも含めて取り組みやすい形にしていくということ。学校のスタッフの充実の必要性。また、教材や指導の仕方についての実践的な研究ということが必要であるということ。子供たちの個々のニーズに応じた診断とその実際の学習というようなことが必要であるのではないかということ。
  朝の読書活動についても、読書活動だけで言語力が上がるということは期待できない。語彙ということとのかかわりをしっかりと考えていく。そのような中で、短時間学習の活用と指導の仕方、教材等の在り方ということを考えていく必要があるということ。教材・教具の開発や準備、条件整備というのが重要になってくるということ。指導主事というのがなかなかしっかりと配置されていない町村もあるというような中で、県も含めてサポートをどうしていくか、どういう支援が必要であるということであります。
  御覧いただきましたように、様々カリキュラム・マネジメントということを考えていく必要があるという一方で、そうしたものに対する条件整備、支援ということもセットで考えていく必要があるということでございます。
  こうした点を中心に、前回もこの4-4-Aにつきましては、ざっと御紹介をさせていただいたものでございますけれども、特に様々なカリキュラム、教材、指導体制の強化というような、外国語教育充実の方向性とそうした条件整備を一体として検討しているという状況につきまして、4-4-A、それから後ほど小林課長から資料5について御説明をいただきますけれども、お時間を頂ければと思います。
  4-4-A、ざっと振り返らせていただきますと、1ページ目にございますように、小・中・高を通じて一貫して育成すべき資質・能力ということの検討。現状の外国語活動や外国語科の成果ということと課題ということを、1ページ目、主な論点の二つ目の丸、三つ目の丸にございますような成果と課題を踏まえながら、2ページ目の上にございますように、小・中・高を通じて育成すべき資質・能力ということを、卒業後、特定の学問分野や職業へ進む場合だけではなくて、どのような職業に就くとしても生かすことができるような外国語の資質・能力ということを育成していくということでございます。具体的に4ページには、そういった小・中・高を通じた一貫した教育目標の設定の方向性ということを出していただいております。
  また、5ページ目の下から2番目の丸にございますように、学校における学習のみをもって外国語を習得するということだけではなくて、生涯にわたって自ら学び、実際にコミュニケーションの場面で使おうとする動機付けに結び付くような学びを推進していくということでございます。
  少し細かい部分は、もう既に前回、前々回の中で紹介させていただいておりますので、割愛させていただきますけれども、10ページ目にございますように、先ほどの資料1でも言語能力を向上させることの重要性ということがございましたが、そういったことを国語教育と外国語教育を関連付けながらしっかりと図っていこうということ、相互に充実させながら関連付けを図っていこうということでございます。
  また、11ページ目にございますように、小学校の活動型、教科型の充実ということは、こうした小・中・高を通じた充実の方法、方向性という中で出されているということでございます。具体的に振り返りますと、12ページ目にございますように、小学校高学年におきましては、子供たちの学びの意欲が高まってきているということの中で、聞くこと、話すことに加えて読むこと、書くことという4技能を総合的に扱うというような教科学習の重要性ということで、論点整理におきましても打ち出されたところでございます。また、外国語学習への動機付けを高める体験的に聞くこと、話すことを中心とした学習ということで、12ページ目、13ページ目にございますような外国語活動を中学年からということで論点整理で整理されたところでございます。実際の授業実践につきまして、聞くこと、話すことに加えて読むこと、書くことを含めた高学年70時間、中学年は現状の高学年と同様の35単位時間程度ということでございます。
  13ページ目の二つ目の丸にございますように、「Hi, freinds!」が学校で活用されているということ、これまでの成果、効果を生かすことを前提としまして、小学校教員の理解共有を図る観点から、今後の高学年における教科型の指導においては「Hi, freinds!」の単元構成などの基本的枠組みを基に、70単位時間の具体的なイメージを共有しながら検討していくということが必要であるとされているところでございます。
  14ページ目から少し細かく御説明をさせていただきます。短時間学習の活用などカリキュラム設定に関する考え方、先ほど申し上げましたように、高学年、中学年ともに35単位時間程度の時間増ということでございますけれども、高学年におきまして、英語教育、外国語教育、ICTも活用しながら、10分から15分程度の短い時間を単位として繰り返し指導を行うことも含めた専門的な検討が必要であるというふうに論点整理でされたところでございます。
  外国語ワーキングで具体的に検討をいただきまして、こういった短時間学習に関する成果、課題等について、15ページにございますようにおまとめをいただいております。短時間学習では、目的に応じて集中してテンポよく効率的に繰り返し学習する活動を通じて効果が得られるというメリットがある一方で、準備に過度な負担が掛からないようにするための方法等について十分検討が必要。また、小学校の短時間学習を通じて、実施割合はまだ低いけれども、効果を上げている学校があるということ。一方で、アルファベットや英単語を単に繰り返し書くというようなことでは学習意欲が低下してしまうので、短時間学習と系統性、45分授業との一体的な指導計画を考える必要があるということ。従来は短時間学習を授業時間外の扱いとし、直接的な関連性を持たせないことが多かったが、今後は特性を踏まえた指導内容のまとまりや教育効果を高める観点から、短時間学習を行う場合には学習指導要領の標準時間数内で、その時間を年間授業時数に含めて目標を明確にし、まとまりのある授業時間との関連性を確保した上で実施することが必要であるということ。教育課程における短時間学習の位置付けの明確化。目的、実施の狙い、45分授業と短時間学習の関係性を明確にしたカリキュラムや指導の順序性などを明確にしておく必要があるということ。
  教育課程実施状況調査によると、算数、国語の学力向上を目的とする計算ドリルや読書活動など、既に短時間学習に取り組み一定の効果を上げているという学校は多いということ。また、実施状況が様々であるため、全小学校が外国語に特化して短時間学習を行うということは困難ではないかということ。ですので、高学年70単位時間における短時間学習全てを一律に短時間として求めるのではなく、場合によっては45分授業を60分の扱いにすることや、短時間学習を2週間に3回程度実施するといったこと、こういったことを様々組み合わせて行うということも可能になる、幅のあるものとして検討する必要があるのではないかということ。また、まとまった時間を活用する必要がある場合には、夏季・冬季休業や休業期間中の授業日設定など、特定の期間に行うことができるような方向性も検討して、柔軟な対応が可能になるようにするようなことが必要ではないかということです。
  16ページ目の例の括弧の中には、カリキュラム設定のイメージということで、15分程度の繰り返し学習などの短時間学習のほかに、深みのあるコミュニケーションを目指す45分プラス15分、あるいは夏季・冬季休業期間中におけるイングリッシュ・キャンプなど、こういったことの柔軟な取り扱いということが考えられるのではないかということでございます。
  こういった柔軟な取り扱いを考えるにしても、いずれにしても、その担当する教員が指導内容の決定や指導の成果の把握と活用を責任を持って行う体制整備が必要であるということであります。効果的な学習を行うためには、学習規律が確立されることが重要であるため、低学年の学びからトータルで考えていく必要があるということ。指導計画、教材の整備、指導法の確立が必要であるということ。標準の授業単位により実施される授業との連動ということの中で、短時間学習に適した活動が選定されるということ。評価の在り方の確立ということであります。
  その括弧の中には、具体的にどういった形でその系統性を確保しながら短時間学習を行っていくということが考えられるかということであります。また、こういったことは高学年に関しましては英語を中心に考えていけるわけですけれども、中学年におきましては、35単位時間しか外国語活動についてはないということですので、これは他教科も含めたトータルな短時間学習の在り方ということを考えていく必要があるということであります。
  その際の留意点ということで、17ページには、単なる無機質な活動ではなく、有機的に連携した、トータルでの効果的な在り方を考えていく必要があるということであります。
  また19ページ目以降は、必要な指導体制についてということで、教員の養成・採用・研修、それから様々な連携の在り方、ICTの活用、教材の在り方等々についてまとめられておりまして、22ページ目には、より具体的に短時間学習の活用について、ICT機器や目的をしっかりとした言語活動の工夫、教員養成・研修における指導法の提示、教材の在り方、カリキュラム・マネジメントということもおまとめいただいておりますけれども、この詳細につきまして、資料5を基に、小学校における外国語教育の充実に向けた取組の御紹介を小林課長からお願いしたいと思います。
【小林国際教育課長】    それでは続きまして、小学校の外国語教育の今後の充実に向けて、現在どういう取組をしているかということで、カリキュラムと教材開発、それから指導体制の3点に絞って少し御紹介させていただきます。資料5、これは大変分厚いものになっていて恐縮でございまして、今日、内容の御説明というよりは、若干、ポイントの紹介だけさせていただきまして、中身については適宜御参照いただければと考えております。
  では、最初、1枚お開きいただきまして、右下にページ数がございますが、1ページのところにございますように、この資料全体が、カリキュラム開発が現在行われている拠点校における取組の御紹介、それから教材開発、指導体制の充実。指導体制におきましては、養成・研修、それから採用、外部人材の活用ということで準備させていただいております。
  少しおめくりいただきまして、まずカリキュラム開発の件ですが、6ページをお開きいただきますと、既に英語教育強化地域拠点事業ということで、平成26年度より、少し今の議論を先取りするような形で、研究開発校等で、小・中・高を通じた英語教育改革のカリキュラム開発・研究を行っているところでございます。今度の春で3年目に入るところでございますが、1枚おめくりいただきまして8ページのところに、2年目までのこの事業の成果と課題といったことを少し御紹介させていただいております。時間がございませんので、テーマの御紹介だけになりますが、例えば(1)で学習到達目標の設定、例えばCAN-DO形式の学習到達目標を設定しているものについて、あるいは評価方法の工夫・改善の研究などを行っております。また、8ページ右側の(2)のところでございますが、小学校高学年の教科型への接続を意識した教材の開発・活用の取組、それからおめくりいただきまして9ページ、(3)でございますが、先ほど御紹介いただきました言語能力を効果的に高める国語教育との連携などについても、この拠点事業で現在進めさせていただいております。それから、短時間学習、これにつきましても、どのような取組があるか、その効果と課題、そういったことをこの拠点事業で現在研究しているところでございます。
  10ページからが、それぞれ代表的な取組について御紹介させていただいているものでございまして、例えば小・中連携などにつきまして、10ページが群馬県の取組でございますが、その後、福井県、12ページは島根、これは複式学級などで外国語活動の取組の事例などを紹介させていただいております。
  また、時間がなくて大変恐縮ですが、14ページ、15ページは、短時間学習の取組事例でございます。例えば14ページの山形県などでは、45分の授業でやることの導入部分をモジュールでやりましたり、あるいは繰り返し学習を扱っているような事例ですとか、あとそのほか、1枚おめくりいただきまして、いわゆる定着を目指した繰り返しの活動などを行っている事例もございます。それから16ページ、17ページは、外国語教育と国語教育の連携についての研究事例でございます。この中身といたしまして、ちょっと事例を御紹介させていただいておりますけれども、例えば17ページの京都の、これは私学でございますけれども、国語の教科書や授業で紹介された学習素材などを参考に英語の発信型言語活動の教材を作って取り組んでいる事例などがございます。
  それから、18ページから21ページでございますが、これは先ほども一つの選択肢として紹介されましたイングリッシュ・キャンプなどに活用可能な新規事業の紹介でございます。既に様々な自治体でイングリッシュ・キャンプの取組などもございますけれども、学習指導要領の改訂なども視野に入れながら、教育委員会と連携して地域でそういった取組を行うことにこの事業は活用できるということで御紹介させていただいております。
  それから22ページからが、教材開発について現在取り組ませていただいているものの紹介でございます。既に英語教育の在り方につきましては、有識者会議で御提言を頂いておりまして、その内容が23ページ、24ページにございます。そういった方向性と、今の外国語ワーキングチームでの議論なども踏まえまして現在取り組んでおりますものが25ページからございます。平成23年度に小学校の外国語活動が入りましてから、「Hi, freinds!」という教材を国の方で作成して配布しているところでございますけれども、今度、次の指導要領を見据えまして、25ページにございますとおり、現在、小学校の高学年の教科化に向けて「Hi, freinds! Plus」というものを作成して、27、28年度の2年間を通じてその効果を研究開発校などで検証しているところでございます。その補助教材のポイントといたしましては、25ページ真ん中にございますように、聞く、話すということに加えまして、読む、書くということ、コミュニケーション能力の基礎を培うことを目標に、アルファベット文字の認識ですとか、あるいは日本語と英語の音声の違い、その特徴の気付き、それから文構造への気付き、そういったものを学習に入れまして、新たな教材を開発するということで、ちょうど今、27年度最後に差し掛かっておりますけれども、28年度に引き続きましてその活用と検証を行いまして、29年度にはその結果を踏まえまして教材開発に結び付けていきまして、さらに平成30年度以降では、小学校の教科型英語を先行実施する場合に使用できるというものを目指して準備しているところでございます。
  26ページからが、少し図なども入れました内容についての御紹介でございます。27ページにございますように、既に今、文部科学省のホームページにおきましても、この「Hi, freinds! Plus」を活用した事例、どのようにそれを活用するかというのを紹介したものもございますし、あるいは、補助教材につきまして、それぞれがどういった狙いと内容になっているか整理したものを掲載させていただいております。
  28ページからは、その「Hi, freinds! Plus」のイメージでございますので、少し飛ばしていただきまして、現在こういったものを使用していただいて、35ページ、36ページ以降は、先ほど御紹介いたしました教科化の拠点事業の中で、その教材をどのように活用していただいているか、また、その活用していただいている成果、あるいは見えてきた課題などについて御紹介させていただいております。こういった課題などを踏まえまして、次の教材の準備をこれからするということでございます。
  それから、大変駆け足で恐縮でございますが、42ページからが、前回も少し御意見などを頂きました指導体制の充実についてでございます。44ページに、先ほど御紹介いたしました有識者会議で出されている方向性、これを踏まえまして、現在様々な準備を進めているところでございます。改革5のところに幾つか白丸で御紹介させていただいておりますが、まず、地域全体で英語教育の指導的立場にある教員ということで、地域全体の指導体制強化に当たるようなリーダー、そういった英語教育担当指導主事や外部専門家等々がチームを組んで指導に当たるということ。それから英語教育推進リーダーを養成していくというようなことを考えております。
  それから2点目の白丸でございますけれども、各学校におきましては、校長のリーダーシップの下で、それぞれ中核教員を中心とした指導体制の強化に取り組んでいくということ。それから1つ飛ばしまして4つ目の白丸ですが、小学校の中学年では、主にこれまでの外国語活動と同様に、学級担任がALT等とティーム・ティーチングを活用しながら指導していくイメージ。それから高学年では学級担任が英語の指導力に関する専門性を高めて指導する、併せて専科指導を行う教員を活用することにより専門性を一層重視した指導体制を構築していくというようなこと。それから、平成31年度までに全ての小学校でALTを確保していくといったような方向性で現在体制の充実に努めているところでございます。
  1枚おめくりいただきまして45ページでございますが、今、少し御紹介させていただきましたことを図解化したものでございます。小学校におきましては、各地域、真ん中の人の形をしたところに英語教育推進リーダーとございますけれども、この方々の役割といたしましては、各地域の英語のリーダーになっていくということで、現在、国の研修で毎年200人ほど養成しているというところでございます。またそのほかに、各学校でリーダー的な存在になっていただくような中核教員ということで、この方は例えば校内の指導計画の作成などをしていただくようなイメージでございますけれども、専科指導もできるような立場の教員が学校の中でリーダーになっていくということ。それから右側にございますように、いわゆる小学校教員の例えば担任等の役割といたしましては、年間指導計画を作成する、あるいは教材準備、児童のつまずきに対する適切なサポートを担任がしていくようなイメージ。それからさらにそれをALT等がサポートしていくというようなことで、このALTにつきましても、小学校では各校1人活用できるような姿を目指して現在努めているところでございます。
  それから46ページ下の方は、さらにその小学校の部分につきまして、これも地域の実情に応じて、例えばいろいろなパターンが考えられるイメージの御紹介でございますけれども、丸1のところにございますのは、学級担任がみずから高学年の外国語授業を実施していく場合。それから、右の方のデータにございますように、なかなかそうはいっても、小学校におけます英語の専科教員の数というのは10%に満たないような状況でございますので、それ以外に丸2ということで、小学校教員で担任を持たず高学年の外国語授業を実施する場合に、学級担任と専科指導を行うような先生が連携してやっていくような体制を組む場合。それから一番下の段の方は、中学年、小学校3・4年生での学級担任とALTが小学校の外国語活動を推進していくようなイメージについて書かせていただいております。
  それから若干飛ばさせていただきまして、49ページでございますけれども、そういったことで、いわゆる指導体制の強化につきましては、今、多角的に様々な対応をさせていただいているところでございますが、一番上の、まず一つは外部専門機関と連携した英語指導力向上事業ということで御紹介しておりますが、これは国の、先ほど申し上げました地域全体の英語のリーダーを養成していくということで、現在200人を5年間で養成していくということを、外部専門機関、具体的にはブリティッシュカウンセルと連携してこのような事業を進めているところでございます。これはもう現職教員のいわゆる研修改善ということになります。それからもう一つは、英語教育の教職教育に関するコアカリキュラムの開発・策定というものに昨年度から取り組んでおりまして、これは、緑の図の下の方になりますけれども、各大学におけます教職課程の改善・充実の取組に活用していただくものを、現在コアカリキュラムとして研究開発を行っているところでございます。ちょうど今週末にそのコアカリキュラムの開発についてのシンポジウムを開催させていただく予定でございますが、その内容を、さらに養成課程のみならず、真ん中にございます小学校の初任者研修、それから10年研修など、いわゆる研修に活用していただくことや、あるいは小学校教員の中学英語免許の併用を促進するための免許法認定講習などにも活用できるということを検討しているところでございます。つまり、現職の先生方、それから採用、研修全てにおいて同じ方向で現在改善に取り組ませていただいているということでございます。
  以下は、それぞれの、今御紹介させていただきましたコアカリキュラムの事業、あるいは研修事業などについての資料となっておりますが、大変量が多うございますので、恐縮でございますが、適宜御参照いただければと存じます。
  ありがとうございました。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。かなり情報量が多く、なかなかそれを消化するもの大変かというふうに思いますけれども、ただいまの事務局からの報告を踏まえて、御意見のある方は挙手をいただくとともに、いつものように名札を立てていただきましてお願いできればと思います。私の方から順次御指名させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  では、福本委員、お願いします。
【福本委員】    今の外国語教育の充実に向けた取組ということに関連するんですけれども、他のワーキング等で検討されている、三つの柱をベースにした資質・能力の整理というのが行われていますけれども、この英語に関してはこれからということになるというふうな理解でよろしいのでしょうか。
  それから、評価の観点であるとかそういった整理は、それも今後のことになるということなんでしょうかね。
【天笠主査】    それはいかがでしょうか。
【小林国際教育課長】    資料の4-4-Bにございますような形で、外国語ワーキンググループにおきましても、同じような柱に沿って検討させていただいているところでございます。具体的には、3ページのところに少し整理させていただいているたたき台がございます。
【福本委員】    ありがとうございました。あと、ついでのことなんですけれども、よろしいですか。
【天笠主査】    はい、どうぞ。
【福本委員】    指導者がこれから非常に大切になってくると思うんですけれども、その評価権というか、担任の先生がベースにはなるんでしょうけれども、ティーム・ティーチングであったり、ALTとの関わりであるとか、そういったところで、どうなんでしょうか、能力的に担任の先生が不十分の場合でも、評価権者としてはその担任の先生が担うということでの理解でよろしいでしょうか。
【小林国際教育課長】    基本的には担任が評価していくということになりまして、先ほど御紹介いたしました資料の46ページのところにも、少しその学級担任の役割とALTの役割についてイメージを整理させていただいております。ALTがいる場合でも、あくまでも評価への協力というような形かと考えておりまして、評価自体は担任が行うということになろうかと思っております。また、評価の具体的なことにつきましては、これから外国語ワーキングでももう少し議論をこれからさせていただく予定でございます。
【福本委員】    ありがとうございました。あと1点、これは意見なんですけれども、小・中の接続を考えたときに、相互乗り入れというふうなことがこの資料の中にもあったんですが、ややもすると、中学校英語から小学校英語へというふうなベクトルで教育内容が考えられていくということがちょっと想定されるんですけれども、小学校の子供たちの目線で英語学習というのは何かとかということから、中学校の英語というものの見直しをしていくというふうな観点というのは考えられないんでしょうか。
【小林国際教育課長】    その点につきましても、まさに御指摘のとおりです。先ほどの拠点事業でも、小・中の連携で様々な先取りした研究の中で、やはりやり方によっては英語嫌いが増えてしまうというような懸念の声も頂いておりまして、そういうことにならないように、発達段階に応じた指導の在り方ですとか、それからまさに中学との連携ということで、一貫した目標を立てながらも、中学校にうまくつなげていくようなもの、それから小学校が変われば、やはり中学校の内容も変えていかないといけない部分も出てくるかということで、そういったことについても検討させていただいているところでございます。ありがとうございます。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
  大橋委員、お願いいたします。
【大橋委員】    ただいまの評価に関わってなんですけれども、評価の三つの観点で、知識・技能、これは恐らくCAN-DOリストが基になるのかなというふうに思いますけれども、思考・判断・表現、あるいは主体的に学ぶ、学習に取り組む態度などについての、これが何か評価基準のようなものがこれから作成されるのかどうか、そのあたりについて伺えればと思います。
【圓入外国語教育推進室長】    評価につきましては、先ほど少し御説明いたしましたけれども、まず、総則・評価部会で教科横断的な御議論がされているということでございますので、その動きを踏まえながら、外国語ワーキングの中でも、特に先ほど御覧いただきました資質・能力の三つの柱を参考にしながら検討をさせていただければと。基準というものは、前回のお話でいえばそのようなのも一例で出てくると思いますけれども、まずは基本的なところを総則・評価部会との議論を踏まえて、外国語としてはどう捉えるかというものを検討していく流れになろうかと思います。
【大杉教育課程企画室長】    少しだけ補足させていただきますと、現在、総則・評価部会、また今週1回開催されるのですけれども、議論されていますのは、目標に準拠した評価ということをいかに学習指導要領評価一体的に実現していくか、これをもう少し今日の議論に引き付けて申し上げれば、学習指導要領の目標なり指導内容というものを見たときに、しっかりとどういう力を図っていこうとしているのかということが分かりやすくなっているということでなければいけないということであろうと思います。そういった観点からは、知識、技能の系統とともに、思考力、判断力、表現力というのが各教科の中でどういう力を身に付けていこうとしているのか、それをある意味育むための学習プロセスということを少し明確化していこうということ。そういうことになりますと、先生方にとっても、こういったプロセスの中で思考、判断ということが見取っていけるのだということが分かりやすくなっていくということであろうと思います。ですから、最終的に評価基準というものを先生方に作っていただくに当たって、現在、国研が作っているようなものも含めて、今回整備していくということをどう考えるのかということにもなりますけれども、評価基準のみならず、教育課程全体が先生方の評価ということに関してある意味支えとなるといいますか、参考になるような構造にしていこうということが、これは英語のみならず全教科でやっていこうという方向性だということであります。
【天笠主査】    生重委員、どうぞ。
【生重委員】    ALTの確保って相当難しいと思うんですけれども、これだけの時間数を、そして経費面においても相当な負担になるというふうにちょっと聞いているんですが、その辺、学校現場が困らないような予算措置、配慮とかということをお考えなのかなと。
  それとともに、今、情報教育等も含めてタブレットの活用で、特に過疎地の学校なんか伺っていると、小学校でも7名しかいないようなところにALT配置は絶対に困難ですし、教員も、7人だったら人数が限られているので、全部そういうことに対応できるのかと思うと、これだけのことをやっていくんだとしたならば、タブレット活用みたいなことも視野に入れて中身をお作りになっているのかなということ。
  それから、大学受験の変革を考えると、小学校段階から検定を受けていくことも相当意識されなければいけない状況下に置かれると思うんですが、小学校で授業の中で出てくる親しみ、楽しみ、楽しむというのがどうもこう、それがメーンなんでしょうけれども、それ以外にやっぱりきちんと実質積み上げて定着させていき、検定を受けていくということを学校側がどれだけ意識するのかということがちょっと分からないなと。ただ、今後のことを考えると、そういうことも若干意識しておかなければいけないのかなというふうに考えるのですが。
【天笠主査】    少し御意見を頂きたいと思いますけれども、今の生重委員の御意見に対して事務方の方から何かありますでしょうか。
【圓入外国語教育推進室長】    補足の説明ですけれども、本日御説明した資料72ページ以降にALTをはじめ外部人材の活用に関係する資料がございます。時間がないので御説明はいたしませんけれども、一つは、ALTにつきましては、JETプログラムの拡充ということで、これは総務省さん、外務省さんと御相談しながらですけれども、今度の次期指導要領の改訂を受けた拡充についてはお話をさせていただいて、今、教育委員会さんに是非活用していただきたいということをお願いしております。先ほど御心配された過疎地なども、かなりJETの方も活躍されているということもありますが、課題としては、ALTをお世話をする方が地域でなかなか、いらっしゃるところといらっしゃらないところで差が出てきているということで、来年度からなんですが、新規で市町村にもJETコーディネーターということで、そういった方をお世話する、日本人の方でいいんですけれども、それにも措置をさせていただけるということになりましたので、さらにそれを促進していきたいというふうに考えております。
  またそのほか、授業でございましたけれども、77ページを後で御覧いただければと思いますけれども、補習等のための指導員等派遣事業ということでも、来年度から小学校英語につきましては、例えば専門性が高い非常勤講師や、英語が堪能な人材を地域の方がサポートしていただけるような、そういったところにも御支援を明確な形になってさせていただくというようなことも始まっております。
  ただ、ICTにつきましては、かなり整備はされているのですが、それをどのように効果的に授業で活用するか、教材と併せて、デジタル教材をたくさん使っていただいてはいるのですけれども、短時間学習も含めてどのように効果的に活用いただけるかということを、先ほど御紹介いただきました教材の中に組み込んで、さらに検証して普及していきたいというふうに考えております。
  検定につきましては、先ほどの学習評価との関係もありまして、五、六年生は教科になりますので、より定着を図るための、例えば今、パフォーマンス評価とかを拠点校でもやっておるのですけれども、そういった意識付けというものも、そういった研究開発を中心に教育委員会さんを通じて普及といいますか、情報発信をさせていただければと思っております。
【生重委員】    済みません、私の住みます杉並区では、私どもが杉並の小学校1年生から6年生まで全ての英語に携わる日本のボランティアを100人以上養成していまして、吉田研作先生の研修会なども開かせていただいているのですが、皆さんTOEIC900点台とか英検1級の方々ばかりで、それにALTが効果的に予算措置として入るタイミングと、それからEラーニングの活用みたいなことも含めて同時に進めていっている。一方、過疎地の問題とかも私はお訪ねしてやっていることなので、この状況はやっぱり都市部と遠隔地とでは相当開きが出てきて、義務教育としてそういうチャンスみたいなものを大切にしていくべきなのではないかと思いまして、あえて発言させていただきました。日本の中にも英語の堪能なすばらしい人材がいっぱいいるので、そこを効果的に使っていただくことでいいんじゃないかと。
  それと、12月21日に出された答申のコミュニティスクールと、地域学校連携と、それからチーム学校ということの中にもうたわれていますが、私どもは小学校英語の英語検定は、全て地域が行っております。学校の先生ときちっと相談をした上で、中学生も小学生も同じ学校で受けられるし、小学生も中学校に行って受けられるしという、チャンスが増えていく、チャレンジするという心を育てるということで、そういう多様な対応ができるように、全部を学校の教員にお任せすると、またこれは全ての小学校のを読んでいても、どれだけ先生たちは大変なのかというのを受け止めるんですが、なるべくそういう外でサポートできるようなことは、学校と一緒に連携推進していく側が、学校と共同歩調をとって検定なんかはやっていくように、今後そういう推進をしていった方が、子供に対してもチャンスができるし、先生たちの御負担も減るし、協働という意味においても必要なのではないないかなというふうに考えます。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。事務方の方から先ほど来御説明いただいたんですけれども、現に学校を預かっているお立場の方、行政の立場の方、様々いらっしゃるわけで、是非それぞれの立場から発言をお願いしたいと思います。これでいけるかどうか、あるいはここに何が課題として今のお立場からすると見えているのかどうなのか、そのあたりのことについてどのような御提言を頂けるかどうか。時間も限られていますので、それぞれの方の発言の時間はそう長くはとれませんけれども、是非発言をお願いしたいと思います。
  福田委員からお願いします。
【福田委員】    外国語が中学年、高学年に総時数として1時間ずつ増えますし、それから教えるべき教育課題ももう三十幾つ、もっとあるかもしれません。ということで、その授業の枠のとり方とか教科横断的な学び方についてまで今回の学習指導要領改訂は踏み込む方向性だというふうに考えています。そのときに、1つは、やはり学校現場にとっての時間的な単位というのは必ず必要だというふうに思っています。現在小学校は45分、それを実際、1年生なんかは45分はもたないので、20分やって5分ちょっと遊んで、それからまたというような工夫もしていますけれども、基準となる単位となるものは、例えば、15分×3というように必ず必要だなというふうに考えています。
  それから内容なんですけれども、現場としてモジュール的な15分単位の横横断の帯状の時数を設けるにしても、曖昧さを残さないでほしい。例えば、15分の今の朝読書とかドリル学習とかを授業として認めて時数カウントするのかしないのかというようなところとか、それから内容についてはどこまでか。例えば、総合的な学習の時間は主に教育課題等を担う、核になる部分かと思うのですが、現場では、やはり総合的な学習の時間における課題設定は教師が与えるのではなくゼロから子供がやるべきだというような流れもあります。ですから、総合的な学習の時間で何をやるべき、教えるべきなのか、そのどこからを学校に委ねるかというところがはっきりしないと、やはり混乱してくるなというふうに考えました。
  教育課題なのですが、本当にたくさんあるので、足し算はできるけれども引き算はなかなかできない教育現場です。ですから、必ず指導すべき教育課題と、配慮程度で押さえるものとか、又は低学年が担うべき教育課題、中学年が担うべき、高学年が担うべき、そこの重点とか取扱の軽重を付けて、それが見えるような教育課題の提示があると現場は位置付けができて具体的な計画が立てやすいと思います。全部やれというのは全部やらないのと等しいことになってしまうように考えています。
  それから最後です。条件整備なのですが、先ほど生重委員の方からALTについてありましたが、私はICTの方にも注目しています。電子黒板とかタブレットとか、非常に、特に外国語学習については有効であるし、指導する担任とかALTの能力に関わらず、受け取る側が均等に受け取れる、また、外国語活動に関わらず、いろいろな教科学習に有効です。今後、アクティブラーニングとか子供たちの自主的な教育活動とかを展開していくためには、指導すべき最低限の内容をいかに効率的に子供たちに指導するかということに懸かっているようにも思っています。それには、ICTの整備が必要なのに、東京都内を見ただけでも余りにも格差があります。ですから、その条件整備により前向きに、何をどこまでということが見えるような形での提示とか、その支援とかを是非お願いして、ICT格差が学力格差に結び付かないようにしていきたいと考えています。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。では続きまして、渡瀬委員、吉田(裕)委員、小川委員、長谷川委員、この順で御発言をお願いしたいと思いますので、渡瀬委員、お願いいたします。
【渡瀬委員】    お願いします。話すということについて、多分日本語でも小学生たちは勇気を振り絞らないと話せない子というのはいると思うんですね。英語はもちろん勇気を出さないと話せない。ですから、話すということについては、日本語も英語もある程度越えなきゃいけない壁というのは似たものがあると思います。一方、聞くということに関しては、日本語は英語ほど構えなくてもある程度聞こえてきます。しかし、英語の場合、その場その場のシチュエーションに合わせて聞き取って意味を分かろうとする力が、聞くということに関しての技能として不可欠だと思います。ここの部分はドリル的なことを繰り返して慣れていくだけではだめだと思うんですね。今まで英語を長くやってきた大人たちが使える英語になっていないというのは、ここのところに問題があって、どんなに一生懸命繰り返しをしてやっていても、いざその状況に置かれたときにそれが使えないのは、そういう状況でのトレーニングの中で、それを何とか聞き取って分かるということの訓練が足りないんだと思います。話すということももちろんそのような状況の中で訓練されないといけないと思いますが。
  ICTの活用といったときに、ICTには2種類あると思います。一つはドリル的に教材を作ってそのICTを使うという場合。もう一つは、双方向のコミュニケーションをとるためにICTを使う。例えばテレビ会議のシステムを使って授業をするのであれば、どこか遠くにいるALTの先生の顔を見ながら、口元を見ながらそれを聞こうとすることができる。その中で子供はみずからつかみ取って聞こうとする力、対応力みたいなものが育つと思うので、そういう意味ではICTの使い方も2種類で考えていかないと、ドリル的なものだけを繰り返していくと、なかなか本当の意味での活用力というのが育たないのではないかと思います。
  以上です。
【天笠主査】    どうありがとうございました。吉田(裕)委員、お願いします。
【吉田(裕)委員】    子供たちは専門的な知識・技能を持っている人から学ぶことによって、その教科を学ぶことの喜びを知っていくという側面が大きい。いまALTや専門家の助力というのも考えられている。その一つとして、いずれ小学校を終えて中学校へ進学していくのだから、近くの中学校の英語の先生の活用も有用ではないか。小学校で英語の免許を取得している先生の割合が5%ぐらいで低いという。これから充実していくのだと思うが、現状では限界があるのではないか。国語でも、中学校の国語の先生が小学校6年生に教えると、にわかに子供たちが興味を示して、学習が開けてくるとうことがあった。決して教え込むのではなく,背景的知識が豊かなことが授業の充実を保証しているのである。
  ALTが入ると、ALTにお任せになってしまう場合がある。ALTから、そのような不満の声を聞くことがある。小学校の場合、授業のリーダーシップをとるのはやはり学級担任であり、その責任のありかはきちんとしておくことが大事である。ALTにどこを指導してもらうのか、その役割分担を明確にしておく必要がある。

【天笠主査】    どうもありがとうございました。小川委員、お願いいたします。
【小川委員】    お願いいたします。大きく2点です。
  まず、ALTの関係なんですけれども、今日御説明いただいたものによると、中学年はALTとティーム・ティーチングで、高学年からは担任とか、又は専科指導といったような移行というような形で書かれております。私が勤めております行田市では、中学年から外国語活動を行っておりますが、中学年も高学年も全て、もちろん担任が主で授業は展開しますが、ALTが必ず一緒にその外国語活動をやっております。やはりネーティブスピーカーの音を聞く、又はそういう文化的背景にある方たちと関わっていくというような、そういう体験ということも子供たちにとって非常に重要だと思いますし、私は貴重だなというふうに思っております。もちろん、日本人で英語の専門的指導力を付けていけばというような、こういう計画であるのかもしれませんが、やはりそこに多様な方たちと関わりながら、またそういう人たちと一緒に学んでいくというようなことも非常に大事なのではないかなということで、是非できれば小学校においては、もちろん中学校もそうですけれども、ALTの配置ということを少し考えていただきたいなということが1点です。
  それともう一つは、短時間学習について、研究開発校でいろいろな成果や課題があったかと思いますが、やはり成果としては、繰り返し学習の補充、定着、またそうしたことをしたことによって子供たちも非常に肯定的な評価をしているというようなことがありました。反面、課題として、やはり先生方の教材研究が非常に大変だったということがここに載っておりましたけれども、私もそれが一番危惧されることですので、そういった準備が簡単になるような、そういった授業者の負担軽減ができるような条件整備、また教材開発といったことを是非お願いしたいというふうに思います。
  以上です。
【天笠主査】    続きまして長谷川委員、お願いしたいと思います。それで、その後、樋口委員ですけれども、あと御発言よろしいでしょうか。それでは寺本委員、その順でお願いしたいと思います。じゃあ長谷川委員、お願いいたします。
【長谷川委員】    今、小学校における外国語教育の充実に向けた取組ということで、本当に分厚い資料で御説明をいただきまして、なかなか消化できない部分はあるんですけれども、このような方向で今国がいろいろ、特に教材の部分とか人の部分とか、あと指導体制ですよね、非常に大事な部分ですけれども、こういうものを考えていただいているというのは非常にありがたいし、また、これを受けて各自治体が、やっぱりそれぞれの自治体の状況も違ってきますし考えていかなければいけないと思います。横浜の場合は、やはり1年生から外国語活動を入れているというような状況もありますし、今、国の授業時間数を超えて、プラス20で全部やっています。そういうことも踏まえると、時間数というのは、今回は本当に中学年、高学年が35時間増えるということでは、内容ももちろん大事ですけれども、この授業時数をどうマネジメントしていくかという、そこのところがやはり各学校に懸かってくる。やはりカリキュラムを編成するのは、各学校なので、そのためにいろいろ編成しやすい、いろいろな材料を数多く示していかなければなりません。教育委員会としても、今後、各学校が編成しやすいように、特に外国語については、授業時数の設定についても、短時間学習あるいは1単位時間あるいはそれをプラスしたものとか、いろいろな可能性があるんだという部分を示しながら、最終的には、各学校がやはり子供の実態あるいは地域の実態を踏まえて組んでいくので、そういう部分の選択肢をなるべく増やしてあげたいと考えています。
  特に私自身が非常に危惧しているというところが一つあるんですけれども、やはり小学校の高学年が教科化ということで、今度は4技能ということがきちんとうたわれてきているわけです。そして聞く、話すということが中心だったのが、今度は読む、書くというのが一つ高学年の内容に入ってきて、もちろん、その部分について慣れ親しむという、そういう部分はあるわけですけれども、小学校の先生方は非常に真面目ですので、中学校に子供を送るときに、今までは中学校に入った1年生の段階で、アルファベットの読み書きとかをされていたと思うんですけれども、今度はそういうのはやはり小学校の段階できちんと子供たちがある程度身に付けているというようなところからスタートをしていくわけですよね。そうすると、特に短時間学習の教材開発というところに関わってくると思いますけれども、そういうところで安易に15分ぐらいの時間を書いて終わらせてしまうようなことにならないような工夫というのは必要ではないかかと思います。特に小学校の英語というのは中学校と違うので、非常に1単位時間45分であっても、いろいろな教科との関連とか、必要感とか、相手意識を持ってしゃべったりとか、そういう場の設定というのが非常に大事になってくると思うんですね。だからそういう意味でも、安易に、特に私は書くというところが非常に気になるところですけれども、それが小学校の先生方にうまくその辺が伝わるような工夫というのも必要なのではないかと考えています。

【天笠主査】    どうもありがとうございました。樋口委員、お願いいたします。
【樋口委員】    お願いします。今の長谷川委員の聞く・話すから読む・書くへというところで、非常に重要な部分だと思っています。私は、中学1年生の読み書き障害のある生徒さんが、英語が、もう2年生になって壊滅的な状態になってしまって、何とかならないかということで相談を受けたんですけれども、本人がまず言ったことが、英語はずるいと言うんですね。どういうことかなというふうに考えましたら、日本人というのは暗黙の了解として、ほとんどの文字というのは一つの読み方しかしないということを、長年の間身に付けてきているわけです。その生徒さんは、アルファベットの名前は一生懸命覚えました。ほかの生徒さんよりも大分時間が掛かりましたけれども。で、やっと覚えたと思ったら、aと書いてあってもエイと読まないときが多いんですね。catのときはアなのに、cakeのときにはエイと読む。せっかく一生懸命覚えたものが使えないじゃないかということを言うわけです。で、そのことについて、かつての中学校英語ですと、いろいろな単語は覚えましょう、つづりは覚えましょうということで繰り返しがあったんじゃないかと思うんですけれども、最近、そういったお子さんも見ているということで、フォニックスの本を買いましたら、最後にeが付いているときにはaの文字はエイと発音する。そうでないとき、次に子音だけが付いているときにはアと読むという、やっぱり一応のルールが英語にもあるというんですね。ですから、読み書きのときには、恐らくある程度抽象的な思考ができるようになってきた小学校の5年生、6年生たちであれば、そういったルールを教えてあげることによって習得はかなり助けられるんじゃないかというふうに思っています。そういった指導法について、読み書きを系統的に教えるための指導技術やノウハウといったことを小学校の先生たちに今まで英語を専門的に教えていた中学校の先生方がどんどん伝えていくということが必要なんじゃないかなというふうに思っています。
  それからもう一つ気になっているのは、アルファベットの文字や単語などの認識とか語順の違いなどに気付きを得させるんだということが、これは非常に難しいんじゃないかなというふうに思っています。言語や英語の専門の先生が多くの知識を得た上で体系的にこんな違いがあるという結論に達するものを、初学者に気付けということが非常に苦しい。ですから、まず最初に全体的なことを教えますよということで、枠組みを与えてあげた方が、初めて教えてもらう立場の者としては道筋が見えていいんじゃないかなと思っています。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。続きまして寺本委員、お願いいたします。
【寺本委員】    さっき出ていましたALTのJETプログラムのことですけれども、やはりネイティブを耳にする、また、ネイティブの方というのは当然他国の方なものですから、他国を知るという部分も含めてすごく重要だということは思っているんです。実際、そのJETプログラムの関係で来ていらっしゃる方とまたお話ししたことがあるんですが、これは学校だけではなくて、周りの学校区というのか、地域というのか、こういった中にも溶け込んでいくことで、地域の力というのを学校がたくさん借りることができる一つの入り口になっていただく、接着剤になっていただくということもあったんです。そういう点では、単に英語を教えるということだけではなくて、そういった方々の活用というのは、大きな可能性と大きな力を持っているということがあるので、是非これはたくさん活用できるようにしていただきたいなというふうに思っています。
  それから、先ほど中学校の先生が小学校にというお話がありました。これも授業の面からはもちろんそうだと思うんですが、やっぱり小学校・中学校の接続だとか、小学校の子が中学校に上がる、また中学校が小学校から来た子を受け入れるという児童生徒両方を見るという点でも、大変重要な役割を果たすというふうに思っていますので、この点を含めて、もっと言えば、ALTの先生でも、小学校でも教え、中学校でも教えている方があると思います。JETプログラムの方でもそれがあると思うんです。こういったことで、いろいろと多様な実際の経験をされる方々が増えるということが、結果としていろいろな知識やいろいろな経験を持った先生から小学校の子供たちが学ぶという、英語だけに限らず様々なことが学べるという教育環境が構築されるので、非常にいいことだろうというふうに思っています。
【天笠主査】    門田委員、お願いいたします。
【門田委員】    失礼いたします。教育委員会の立場からということで、資料5の45ページの指導体制のところで、このような形で英語教育推進リーダー、中核教員、そして各学級担任へというような流れで既に準備を進めていただいていることに大変ありがたいなという気持ちを持っております。やはり学級担任として、自分の受け持ちの子供たちに、苦手であれ、専門でないであれ、授業を通して英語に親しむ、そういった力を付けてやりたいというのはあると思いますので、やはり学級担任の指導力を高めるということは大事かなと思っております。そこに中核教員を各学校に設けるということで、その指導をしてくれるのが英語教育推進リーダー、そういう流れは大変ありがたいなと思います。また、この英語教育推進リーダーをうまく活用するために、委員会としてどのようなことができるのか、また、委員会以外にも総合教育センターであるとか、そういった教育の研修の組織もありますので、そういうところとどうこの英語教育推進リーダーがつながっていくか、研修体制をどのようにしていくか、そして全ての小学校の先生方がしっかりと指導できるようになるのかというところを、もう少し詰めて整備ができたらいいのじゃないかなと思いました。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。中島先生、いかがでしょうか。
【中島主査代理】    先ほどからいろいろICTの設備をせいとか、地域の人材を使えとか、小・中連携とか、皆そのとおりだろうと思います。そうすることしかやはり方法論がない。で、私は町村の教育長をしていますから、前回も申し上げましたけれども、927ほど町村があるんですけれども、その中で人口が非常に少ないところがたくさんあるんですね。5,000人未満というのが半分ぐらいで、指導主事もほとんどいない、そういう状況の中で、自治体によって相当の格差があります。私のところも今、ICTを入れてといっているんですが、金が掛かってしようがないよという話で、うちの話で恥ずかしいんですけれども、学校に1台しか電子黒板がない。そうすると、1階にあるやつを2階に持っていけない。だからせめて各階に1台入れてちょうだいよというのがまずそもそもの話なんですね。そうしないと、15分でやろうといってもやれないんだという話。ですから、いわばそういう環境整備をどうするかというのは一つの問題としてあります。
  それから、地域の人材といっても、そのようなところで英語をしゃべれる人、指導できる人が何人おるかと。しゃべらなくてもいい、英語って楽しいよと教えてもらうだけでもいいんですが、そういう方を探すというのはあるんですが、さあ、どのくらいいるかという。
  併せて、今度は小・中連携、これは何とかなりそうなんです。私のところみたいに1中学校・3小学校みたいな、町村にはそんなのがたくさんあるんです。でかいところではないんだろうと思います。また小ささは小ささのよさを活用できると思って楽しみにしているんです。いろいろ言いましたけれども、一番大事なことは、先ほど最初におっしゃいました、話すことの恥ずかしさ。私たちもどこか行ったときに外国の方と会ったら、最初何を言おうかと思って、真面目な英語を一生懸命頭の中で考えて1回だけ言えるんです。でも、返ってきたらもうその次は言えないという話なので、ちょっと一杯どうというのは適当に言えるんですが。言いたいのは、学級で間違ってもいいよという雰囲気を作れる学級を作らないといけない。これは道徳もそうです、全部の教科がそうだろうと。間違ってもいいよという、支持的な風土とか言いますけれども、安心して間違える学級を作る、これは我々の仕事だろうと思います。そういうことじゃないと、やはり言えない。ましてこれはアクティブラーニングだってそうだろう、共同学習もそうだろうと。間違ってもいいよという雰囲気作りがまず一つ非常に大事だろうと思うんです。
  その次に、やはりいろいろな資源がない中ではどうやっていくかといった場合、私のところは14年ぐらいから小中一貫で英語をやったんです。ALTも小学校に専門で入れています。今でも入れていますけれども、その中に、その頃はまだカリキュラムがはっきりしていませんでしたから、各学校で英語の担当者会を作って、担当者を引っ張り出して、そして小中一緒に担当した。先ほどのコーディネーターってできるんですか。これは加配でいくんですか。
【圓入外国語教育推進室長】    コーディネーターというのは、JETの市町村でコーディネーターを新規でとるということでございます。
【中島主査代理】    ああ、そうですか、分かりました。うちでやった場合、担当者会でやって、中学校の英語科のコーディネーターで私たちも入りました。そうした中でカリキュラム作ったり、いろいろなどうやって授業に含めていこうかという、そういう担当者会というのは小さなところではできる。これだったら金が掛かりませんけれども、逆に教員の多忙感が増えまして怒られましたけれども、しかしそれをやることは非常に肝心かなと思いました。
  それともう一つ、先生方が最近間違えることを恐れないと。先生方も間違っても構わないよという話の中で、できるだけ普通の教科でも英語を単語として使えるのはたくさんあるんじゃないかと。家庭科でも図工でも色を英語で言ってみたり、赤はredだよとか言ってみたり、絶えず英語を使う環境を、小学校の先生方が英語だけじゃなくていろいろな教科でも使いますよという、そういう雰囲気作り。そこで間違ったら、先生も間違ったというのでいいんだなと思ったりするんです。併せて、僕は校長先生も全校集会あたりで時々英語で言ってみるとか、簡単なところだけ、そういう雰囲気作りをやることが非常に大事かなという思いがしました。
  今、べらべら、風邪を引いて声が出なくて申し訳ございませんけれども、そういうことを今思っていまして、やっぱり楽しい英語といいましょうか、楽しい英語と言わないと子供たちも嫌だろうなと、まして先生方も嫌だろうなと思いました。
  すいません。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。時間の関係もありますので、次の議題に移らせていただきたいと思うんですけれども、なお、私から一つ、やはり今回の外国語に関わっては、条件整備がかなり大きなウエートを占める。これまでも条件整備については常にテーマであり続けているわけですけれども、とりわけ今回はその点が大きなポイントになってくる可能性が改めてあるのかなということと、それから指導体制についてなんですけれども、私も少し研究開発学校に関わらせてもらった立場からすると、確かに、指導者として学級担任が指導するというのが成果が上がっているというようなことが、研究開発学校のレポートの多くはそういうことなんですね。例えば中学校の教員にしましても、ALTにしましても、その方を学級担任を支える役割としてはあるけれども、主としてやはり学級担任がというのが研究開発学校が打ち出してきた一つの結論というふうに私は認識しているんですけれども、ただ、それをもう一度少し相対化することの必要性というのもあるんじゃないのか。研究開発学校というのは、学校を挙げてそういう指導体制を組み、そしてそこで2年、3年かけて練り上げていくという、そういう環境の中に置かれると、学級担任がそういう力を発揮するとか位置付けられると。そういうレベルの地域の、あるいは条件の整った学校の場合にはそれが一つの方向性としてあるんですけれども、その前提の条件が外れた場合には、またいろいろなことを考えていかなくちゃいけないというような。ですから、学級担任のみの選択肢じゃなくて、いろいろな選択肢がその学校の条件、地域の条件によってあるんだというふうなあたりのところをむしろ出していただいて、そういう意味で言うと、全体の底上げをしなければいけない、そういう課題を地域的に持っているところもあれば、先に進んでいるところ、様々あるかと思いますので、それぞれの状態に応じて考えていくというか、そういう意味においてはそれぞれの学校あるいは地域におけるカリキュラム・マネジメント、カリキュラムの編成の在り方の重要性ということを改めてこの文脈の中で伝えていくということの視点というのがあってということだと思いますが、どうぞ、そこら辺のところをさらに検討する必要があるのかなと思っております。
  大変限られた時間の中でありましたので、まだ御意見等々おありかと思います。その方は恐れ入りますけれども、後ほど事務局の方にペーパーで提出をお願いできればと思います。
  ということで、1点目については以上ということにさせていただきたいと思います。
  もう一つ予定されていますけれども、それは各ワーキンググループの検討状況についてということで、各教科等別各ワーキンググループ等の進捗状況について、事務局から報告をお願いし、その上で委員の皆さんから御意見をお願いしたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それではお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。小学校部会、本日頂いた御意見を少し中間的にまとめるような形で、次回、事務局として御用意をさせていただきたいと思いますけれども、年度を越えて小学校部会全体としてお願いしたいことの中としては、小学校教育全体、各教科別ワーキンググループの進捗状況も踏まえながら、小学校教育全体としてどのような資質・能力ということを考えていくかというようなことが一つございます。そういった少し長期的な観点から、本日、学校段階等別・教科等別ワーキンググループの進捗状況を資料4-1としておまとめさせていただいているところでございます。資料4-1、まだまだ各ワーキング、議論の最中でございまして、そういう意味では議論の進捗状況にも少し差はございますし、まとめ方にもいろいろ教科の特性が出ているような状況でございます。これは最終的には少し横並びをとらせていただくような形になりますけれども、随時こういった形で御紹介をさせていただきながら、小学校部会の年度明け以降の御議論の少しイメージも持っていただくということで、きょうはまとめの仕方はそれぞれでございますけれども、全体像を把握していただいて御質問を頂きましたり、ざっくばらんに自由に意見交換をしていただきたいという御趣旨で、資料4-1をまずは御説明をさせていただきたいと存じます。
  資料4-1、おめくりいただきますと、本当に目次だけで数枚あるような状況でございますけれども、目次を全てお開きいただきますと、右下にページ数が付いてございますけれども、1ページというところで、総則・評価特別部会における検討事項ということでございます。先ほども評価のところで少しこの特別部会の名前が出てまいりましたけれども、本部会は小学校教育全体についておまとめいただきますけれども、総則・評価特別部会は、小・中・高、幼・小・中・高も全て見通したような形で、教育課程の全体構造、総則の在り方、それから評価の在り方ということを御議論いただいているところでございます。右下にページ数が付いておりまして、少しページによっては分かりにくいんですけれども、3ページというところを御覧いただきますと、総則の構造について検討をしているところでございます。まずは社会に開かれた教育課程ということを考えたときに、総則というのが、少し留意事項の列挙というような形になっておりますけれども、もう少し学習指導要領として全体としてどのような方向を目指していくのかということが分かりやすいような構造にしていくべきではないかというようなことでありますとか、資質・能力ということをしっかり置いていくということ、各教科との関係性、特別支援教育との関係性、個に応じた指導との関係性、もろもろの様々な教育課程の相対的な構造として必要な事項をしっかりと位置付けていくことによって、現場の先生方にカリキュラム・マネジメントの一助となるような総則にしていくという方向で御議論をいただいているところでございます。
  また、右下のページ、6ページ目ということで、学習評価、これも総則・評価部会で御議論いただいておりますけれども、資質・能力の三つの柱ということを中心にしながら、観点別評価あるいは個人内評価ということを、しっかりその資質・能力ということを捉えていくということで、どのように考えていくかということ。あるいは評価に関する資料がかなり様々な資料、答申本体でありますとか指導要領本体、あるいは報告、通知、国県が作る参考資料ということで、様々な資料が出ているわけでございますけれども、かなりばらばらではちょっと分かりにくいのではないかということで、全体的な考え方をしっかり整理していく必要があるのではないかということで御議論をいただいているところであります。
  また、9ページをごらんいただきますと、特別支援教育でございますけれども、これは特別支援教育部会の議論を総則・評価部会で受けて各教科に伝えていくというような形で、特別支援教育全体、インクルーシブ教育システムという理念から、指導要領でも全体像を分かりやすく整理していくということ。
  また、各教科等別の考え方ということも、ページ数で申しますと26ページ目以降ございますように、各教科等別に学習上の困難さということを考えて、それに対し具体的にどのような配慮をしたらいいのかということを、これまでは総則で総論が書かれているだけでございましたけれども、これをしっかりとしていくということ。あるいは、情報に関わる資質・能力、29ページ目以降についても各教科との関係性、36ページ目以降というようなことをしっかりと捉えていくというようなことで御議論をいただいております。
  46ページ目以降、健康、安全等に関わる能力ということも資質・能力の整理とカリキュラム・マネジメントということの関係性ということをしっかりと整理をしていくということで御議論をいただいているところでございます。
  71ページ目をお開きいただけますでしょうか。小学校部会との関係性ではかなり密接に議論のすり合わせを図っていく必要がある幼児教育部会における議論の状況でございます。資質・能力の在り方、それから小学校教育との接続の在り方ということを御議論いただいておりますけれども、資質・能力の在り方については、74ページ目にございますように、幼児教育におきましても三つの柱、個別の知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性、この三つの柱を大事にしながら教育課程を組み立てていくということで、幼小連携の在り方がここでつながっていくということでございます。スタートカリキュラムということが生活科を中心に組み立てられておりますけれども、資質・能力の在り方ということでしっかりと考えていくということ。ただ一方で、幼児教育の特性ということ、教科教育ではなくて、生活の中での遊びを通じて総合的に指導を行うということ。また、幼児の生活体験の中での様々な気付きを重視していくというようなこと。そういったことを踏まえまして、特にその資質・能力の三つの柱の中に括弧書きがございますけれども、これを幼児教育にふさわしい形で少し置き換えていこうということでございます。例えば、何を知っているか、何ができるかというところに関しては、遊びや生活の中で豊かな体験を通じて、何を感じたり何に気付いたり何が分かったり何ができるようになるのかというような、幼児期の総合的な教育、遊びを通じた学習ということを踏まえながら、幼児期にふさわしい表現ぶりに資質・能力の中身を少し置き換えていくということでございます。いずれにしても、この三つの柱の在り方を通じてつながっていくということ。また、幼児教育部会の方では幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、5歳児の段階でこのような力を身に付けたいということを明確にしていこうということでございますので、小学校部会の中でもゼロからのスタートではないということがございましたけれども、幼児期の学びということをしっかり小学校教育につなげるという観点からの議論が進んでいけるということでございます。また、75ページ目以降は子育て支援の在り方、預かり保育の在り方ということでございます。
  77ページ目、特別支援教育部会、これは先ほど御紹介をさせていただいたところでございます。
  78ページ目、言語能力の向上に関する特別チームにおける検討事項ということで、本部会でも、その言語能力の重要性を御議論いただいておりますけれども、その基になる御議論をいただいております。言語に関する資質・能力を、79ページ目にございますような三つの柱、そしてそのプロセス、資質・能力の要素ということを80ページ目のような形で御整理をいただいております。
  そうしたことも踏まえながら、国語ワーキンググループにおきましても、82ページ目にございますように、それぞれ三つの柱に沿って整理をいただいておるところでございまして、こうした資質・能力を、83ページ目にございますような発達の段階に即した積み重ねといいますか、資質・能力の育成ということで考えていくということでございます。丸1、丸2、丸3がそれぞれ三つの柱に対応する形となっております。今後、小学校部会におきましては、こういった形で各教科それぞれの学校段階で育成すべき資質・能力ということを整理してまいりますので、これを小学校の部分をある意味横で全部見通すような形で小学校教育において育成すべき資質・能力ということを考えていくという作業をお願いさせていただく予定でございます。
  より細かくさせていただいたのが84ページ目、85ページ目でございますけれども、この赤字部分が小学校教育で育成する部分ということの整理でございます。それぞれ知識・技能、思考・判断・表現、情意・態度に関わるものについてはそれほど大きな変化はないということで、特段細かくは分けてございませんけれども、それぞれ小・中・高ということで、この小学校部分を中心に各教科横断的に見ていくということでございます。
  86ページ目、87ページ目は、そうした要素を少し授業イメージ、学習活動ということをイメージしながら組み立てたものでございます。ここが話すこと・聞くこと、書くこと・読むことという3要件がございますけれども、それぞれについてこういった要素を押さえながら学びを進めていくということでございます。
  それから、御参考までですけれども、88ページ、89ページ目は、これは高校の国語科でございます。既に報道でも取り上げられておりますので、お目になさっている方もいらっしゃるかもしれませんけれども、高等学校の国語科における課題、言語活動ということをさらに充実させることが必要であるということ。話すこと・聞くこと、書くことをも含めた能力の育成を図るということなどなど、こうした課題に対応するためには、現在の科目構成を少し見直す必要があるのではないかということで、89ページ目にございますような構造として捉えさせていただいているところでございます。こういった科目構成に今後はなっていくということも踏まえながら、小・中・高を見通した国語教育の在り方ということを御議論いただいているところでございます。
  それから90ページ目は外国語ワーキングでございます。外国語ワーキングの詳細につきましては、92ページ目の三つ目の柱、あるいは93ページ目の学習のプロセスの要素イメージを併せまして、既に本部会で御紹介をさせていただきましたので、ここでの御説明は割愛をさせていただきます。
  94ページ目は高等学校の地歴公民科、これも高等学校ですので御参考まででございますけれども、共通必履修科目として歴史総合、地理総合、公共という科目を新たに誕生させるということになってございます。その科目イメージが95ページ目以降でございますけれども、歴史総合におきましては、育成すべき資質・能力、それから歴史を考察する手立てというところにございますけれども、そういった比較、因果、相互作用ということの視点を用いて、しっかりと多面的に吟味したり資料に基づいて解釈をしたりということができるような資質・能力を身に付けていくということで、内容の構成等を含めて検討をしているところでございます。
  具体的に、96ページ目にございますように、個別の事象の系統的な整理ということではなくて、基軸となる問いということに着目しながら科目の在り方を考えていく、そういった科目構成を考えているところでございます。
  そして97ページ目がそうした歴史総合ということの共通必履修科目と選択科目の関係性、世界史、日本史ということでございます。
  98ページ目は地理総合でございます。これも地理的な見方や考え方を育てるという観点から、99ページ目の右にございますような、これも問いということを大事にしながら授業展開ができるような科目にしていくということ。そして100ページ目にございますような選択科目ということでございます。
  101ページ目は公共でございますけれども、公共の扉ということの中で、自分と公共的空間との在り方ということを考えながら、102ページ目にございますような、主体的に社会に参画し、他者と協働するために必要な様々な概念ということを身に付け、そしてそれを基に探求的な活動を行っていくというようなことでございます。
  104ページ目がそうした公共と選択科目の関係性を示したもの、105ページ目も同様でございます。106ページ目も政経の科目でございます。
  高校の科目のことでございますので、御参考まででございますけれども、こうした高校の科目の在り方も踏まえながら、107ページ目にございますような社会科・地歴・公民ワーキンググループ全体像の御議論が進められているところでございます。
  108ページ目には社会科・地歴科・公民科を通じてどのような思考力、判断力、表現力を育成していくかというイメージでございます。大きく四つにくくってございますけれども、その中で特に赤い矢印の部分、小学校段階で育成する力、こうしたものを小学校段階で育成していくという方向性でございます。また、それが109ページ目、少し色が濃くて見にくい部分もございますけれども、小学校、中学校、高校と、社会的事象に対する見方や考え方、時間や空間ということの広がりに着目したり、物事の関係性ということに着目しながら、原因と結果を関連付けるということですとか、現代の社会生活と関連付けるというようなことをできるように、単なる事象を追うということよりは、そういった見方、考え方ができるようにしていくというようなことでございます。
  110ページ目、少し細かいので、細かくは御紹介申し上げませんけれども、追究の視点、空間や広がり、時間経過、事象相互の関係というようなことの視点に着目しながら、追究の視点を生かしたような問いに取り組むことによって、社会の中で生かせるような概念を培っていく、こうしたことを検討しているところでございます。
  そして、そうした力を身に付けるためには、111ページ目にございますようなプロセスの中で学習を進めていく必要があるということでございます。
  それから112ページ目、これも御参考まででございますけれども、SSHの取組を踏まえながら、数理探求という新しい科目を高校で選択科目で設置されるということになってございます。113ページ目が基本となる考え方でございますけれども、基本的には、理科の見方や考え方、それから数学の見方や考え方、これを総合的に活用しながら課題にチャレンジしていく。将来的には創造的な力、理科の力、数学の力を創造的に使っていくということにつながるような力を育んでいくという科目でございます。
  そういったことも念頭に置きながら、114ページ、算数・数学ワーキングの検討をしていただいております。115ページ目にありますような、これもほかの教科で見ていただいたような小学校、中学校、高等学校、こういった力を発達の中に応じて身に付けていくということ。もう少し柱ごとに見たのが116ページ目でございます。それぞれの学校段階においてそういった力を数学、算数を通じて身に付けていくということ。また、117ページにございますように、日常の事象から数学化して課題を見出して、出てきた結果を活用していくというようなことや、数や式に表されたものの中から課題を探求していくというような、数学は、大きく二つのプロセスが書いてございますけれども、これを相互に関連させながら問題発見・解決をしていくことが重要であるということ。そして、そうすることによって、118ページ目にあるような力が身に付いてくるというようなことでございます。
  119ページ目、理科も同様に、120ページ目にございますような小学校、中学校、高校の見通しの中で資質・能力を育んでいくということ。それを三つの柱の中に落としたためのが121ページの図でございます。そして、科学的な見方や考え方ということはどういうものかということを御検討いただいておりまして、122ページ、123ページでございます。社会科においては社会的事象の見方や考え方ということでございましたけれども、理科においては科学的な見方や考え方とは何か、それぞれの領域の中で主に育っていく見方や考え方とは何か、それを小・中・高でどのように育んでいくかということでございます。また、こうした見方や考え方を活用しながら124ページ目のような課題解決的な学習を行っていくことで、必要な知識、技能が構造化され、また、資質・能力も身に付いていくということでございます。
  125ページ目、芸術ワーキングも同様でございまして、小学校の音楽、中学校の音楽、高校の音楽、ちょっとページ数が3枚にわたっておりますけれども、それぞれにおいてこうした資質能力を育んでいくということ。また、129ページ目には、少しまだ構造が複雑ですので、よりシンプルに今後していく予定でございますけれども、こうした資質・能力がどういった学びの中で育まれていくのかということ。130ページ目以降は図画工作も同様でございます。美術も含めて134ページ目にございますような鑑賞と創造が鑑賞と表現ということが相互に関連し合いながら資質・能力が深まっていくというイメージでございます。
  135ページ目は高校の書道も同様でございまして、136ページ目に少しプロセスのイメージが入っているところでございます。資質・能力というものを横に並べてみたものが137ページ目、138ページ目でございます。
  家庭、技術・家庭ワーキングにおきましても、139ページ目、140ページにございますように、小・中・高でどのような力を育んでいくのかということ。技術については中学校のみですけれども、小学校の学びや高校の学びとどのようにつながっているのかという図でございます。それを三つの柱で示したのが141ページ目、またその技術分野ならではの見方や考え方ということが142ページ目、それからプロセスの在り方が143ページ目ということでございます。家庭科につきましても、144ページ目にありますような小・中・高のつながりの中で、三つの柱でごらんいただきますと145ページ目、また学習プロセスの在り方ということが146ページ目でございます。
  御参考までに、高校の情報ワーキングですけれども、147ページ目、149ページ目にございますような情報科目の在り方ということを検討いただいているところでございます。全く新しい科目として共通必履修科目を作っていくことになりますので、150ページ目にありますような課題も考えながらということでございます。
  体育、保健体育につきましても152ページ目にございますような小・中・高のつながり、あるいは153ページ目以降にございますような三つの柱ということで整理をいただいております。また、プロセスの在り方、これはまだまだ少し体育の中で御議論をいただいている最中でございますけれども、156ページ目、157ページ目、それからアクティブラーニングの体育における在り方ということを御議論いただいているのが158ページ目、159ページ目ということでございます。
  生活・総合、特活につきましても、同様の資料を御議論いただいているところでございます。
  産業教育につきましても、これも同様に、義務教育の学びが高校でどのようにつながっていくのかということ、165ページ目にございますような、職業に関する専門学科、専門教科において学ぶことにおいてどのような見方や考え方が身に付くのかということも含めて御議論をいただいている最中でございます。
  御覧のように、各ワーキング、それぞれの進捗状況でございまして、また、トータルできれいな形に整理させていただいたものは年度明け以降に事務局案として整理をさせていただいた上で御議論を頂くことになるかと思いますので、きょうは大体様子といいますか、雰囲気を知っていただきまして、今後の議論に役立てていただければということでございます。
  長くなりましたが、以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。それでは、今の報告につきまして、どこからでも結構ですので、御意見、感想等々ありましたらお願いできればと思います。発言に際しての要領は先ほどと同じようにお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
  福本委員、お願いします。
【福本委員】    検討のたたき台という形で、各教科別ワーキングで今現在検討されているところだと思いますけれども、この三つの柱に基づくこの横表に関して、現在、個別の知識・技能、それから思考力・判断力・表現力、それから学びに向かう人間性等というふうな形で、三つに大きく分かれているんですけれども、どうしても外目に見ると、習得、活用、探求という順序性を示唆するような静的というか、線的というか、そういうふうな学力観というか、そういうふうなものに見えてしまって、子供たちの思考の実態等を考えたときに、より動的もしくは循環的な見え方、もしくは理解がされるような表示ができないんだろうかということが少し気になっています。特に括弧書きで、例えば個別の知識技能というか、何を知っているか、何ができるかというようなところが、思考力、判断力、などと知っていること、できることをどう使うかというところが、どうしても順序性を意図しているように見えてしまうんですね。だから、子供たちの学習というか学びがいろいろ試行錯誤しながら、基礎的な技能であったりとか知識とどう関わっていくのかということを後で気付いていく場合もあるでしょうし、そういったことを考えていったときに、何か少し若干この辺も工夫をしていけないんだろうかというところが気になっています。非常に実態的な学力があって機能的な学力に向かうというのじゃなくて、機能的な学習というものがあって実態的な学習が成立するということもあり得るので、その辺の関係性についてもう少し知識ということの理解であったり、この関係性について何か一工夫をしていただけないかというところが、まあちょっと個人的な意見です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
  樋口委員、どうぞ。
【樋口委員】    お願いします。評価の観点の現行の評価の観点が、4観点と言いながら、結構教科によって表現の仕方が違っていたりするというところが、私自身が見ていて混乱していたものですから、今回のように、この三つの要素ということで、全ての、高校も含めて、教科、科目も含まれてくるんでしょうね、こういった形でまとめられてきているというのは、本当にすごい動きだなといいますか、混乱なくそれぞれの教科を担当する者たちが同じ土俵で検討したり改善をしたりということができるという意味で、すばらしい取組が進んでいるんだなということを、まず感想として感じました。
  それと、社会との関わりということを今回非常に重視しているということで、やはり子供たちが今学んでいることが社会の中でどう生かされるのかということをイメージできるような内容というのをやはり重視してほしいなというふうに思います。例えば、算数や数学の問題として教科書の中には存在しているけれども、社会の現実場面にはないというようなことはなるべくなくして、今、例えば分数の割り算というのは、社会の中で大人たちはこうやって使っているんだということが子供たちにも分かるような教え方がされたらいいんじゃないかなということを常々思っております。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
  長谷川委員、お願いいたします。
【長谷川委員】    ありがとうございます。今御説明いただきまして、要は、もう校種を越えて、義務教育9年間ではなく12年間というようなスパンで教育を見ていくというのは、これは非常に大事で、やはり高校教育がすごく変わるのかなと、これを今聞きましてすごく感じました。また、特に小学校は6年間ですけれども、この幼児教育の部分とどう接続していくのか。今もカリキュラムというようなことで各学校、幼・保・小との連携を工夫してやっていますけれども、そこの部分、特に低学年のところの接続もすごく大切になりますし、また、中学校との接続の部分、高学年の指導体制のことも今まで出てきましたけれども、そういう部分もすごく大切になってくるのかなと感じています。
  それから、この三つの育成すべき資質・能力の整理ですけれども、個別の知識や技能、それから思考力・判断力・表現力、これについては要するにそれぞれの教科の持っている内容とかあるいは学び方とか、そういうような形で考えていくのだと思いますが、もう一つのこの学びに向かう力、人間性等というのは何か非常に大きいように感じるんですね。今まで、これがまた学習の評価にリンクしていくと考えたときに、この最後の学びに向かう力というのが関心、意欲、態度というような形で置き換えていいものなのかどうか。もっと何かその先にあるようなものなのか、その辺のところが、多分これは学校に降りてきたときに単純に並列に考えて、それぞれの教科の内容あるいは授業に落としていったときに、これをどういうふうに使っていくのか、またどういうふうに使っていったらいいのかという、その辺のところがちょっと課題になるのかと思いました。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  渡瀬委員、お願いいたします。
【渡瀬委員】    お願いします。前回、教科横断的に育てるべき資質・能力には思考力、言語能力、情報活用能力、課題解決能力のようなものがあるのではないかという発言をさせていただきましたけれども、小学校に限定して考えると、言語能力と思考力を育てるということが非常に大事だと思います。それで、先ほど、すごいスピードだったので一つ一つの資料をしっかり見ることはできませんでしたけれども、この言語に関する資質・能力の要素・イメージ案という、これを見たときに、認知と思考と表現というキーワードがあって、これが国語科及び外国語科、外国語活動を通じて育成すべき言語能力ということで上手く図にまとめられていると思いました。この中には思考力も含まれていて、ここに全教科の狙いのようなものが盛り込めないかなというふうに思いながらこれを見せていただきました。そのときに、認知から思考へと言っていいのかどうなのかというあたりは、私はこのあたりの専門家ではないので何とも言えないですけれども、認知にもいろいろな次元の認知があって、メタ認知的に見るようなときには多分思考も高次元になっていたりするかなとちょっと思いました。ただ認知と思考と表現で、その中で言語を使って、そして思考する。この表の中には考えというところで、考え方の幾つかの思考のパターンも出ていますので大変分かりやすいと思います。思考のパターンにはもっといろいろ比較して物を考えるとか、分析的に物を考えるとか、関係付けて物を考えるとかということがあると思いますので、そのあたりを加えていくと、これで何となく教科横断的に育てようとしているものの説明がついていかないかなと考えました。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。私も今の教科横断という視点は、それぞれのところが十分もうそれが含み込まれてこの資料というのが表されつつあるというふうに捉えるのか、それとも、現在は各教科等々ごとでのその中の詰めというんでしょうか、それを進行中のそれがここにあって、それらを詰めていって、その先にいわゆる教科横断という各教科の関係というものが、そこからまた捉えられる、見えてくる、描くというようなことになるのか、ちょっとそこら辺のところがまだ私にとっては見え切れないところかというふうに思うんですけれども、それぞれの教科の中での詰めというんでしょうか、大変精力的に詰めていっているんじゃないかというふうに思っておりまして、その上でそうすると、それぞれの教科の中で育てられる云々ということと、もう一つは教科横断によって獲得されるというあたりのところの表記の仕方というんでしょうか、示し方というあたりのところがもう一つ出てくるといいかなと思っているんですけれども、ただ、もう既に三つのそれぞれのところにそれはそれなりに表記されているんだという言い方もできなくはないのかなとも思いますので、まあそのあたりのところはもう少ししっかりと私はこれを読み込みたいというふうに思っております。
  さて、生重委員、お願いいたします。
【生重委員】    私も読み込みが足りていないのかもしれないのですが、私が取り扱っている授業プログラムに野村総合研究所のシステムエンジニアの理解の授業を小学校5年生に入れています。それは、情報というものを学んだ後に、算数では円グラフとか折れ線グラフとか棒グラフとか、そこが済んだ段階で、アクティブラーニングを用いておりますので、子供たちがグループごとに話し合って、ワークシートで表現して、最終プレゼンにもっていくまでに、国語力みたいなところも含めて、5年生で学んでいることが総合トータルで表現できるようにというのは、そういう授業を様々な企業さんと一緒に作っているんですが、こういう各教科、私もずっとここに張り付いているのは、教科横断型で、社会に開かれた学びで、自分が学んでいることが社会のどこで役に立っていて、え、表とかグラフってこんなふうに比較検討していったりするときに実際の社会で使われているんだとか、分析する際に、パソコンの前だけに座っているのではなくて、コミュニケーション能力がとても重要なんだということが理解できるように、全ての教科書を読み込んで作らせていただくんですが、もっと何か全てがつながっている、学校の教えている先生が社会に開かれているんだよ、みんなが習っていることというのはとても社会に役立つことを学んでいるんだよということが教えやすいというか、伝えやすいような書き込み、何と言ったら分かりいいのかよく分からないのですけれども、そこら辺のことも是非ちょっと意識をしていただけるとありがたいなと思います。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。そろそろ終わりの時間が気になり始めました。今、吉田(裕)委員から次に御発言をいただきたいと思いますけれども、ほかに委員の方、今、意思表示していただいて、その方で終わりにさせていただきたいと思いますけれども。分かりました。ほかの委員の方、よろしいですか。それでは、吉田(裕)委員、それから中島委員ということでお願いしたいと思います。
【吉田(裕)委員】    この資料は本当にエネルギッシュで、すごいものが出てきたなというふうに感心して見ております。この努力は大変なものだったんじゃないかと思います。こういう形で全体を見せていただけると、私は国語しか分かりませんけれども、こうやって全ての教科にわたって、しかも全ての学校群にわたって、幼稚園を含めて、こうやって見せてもらうとよく見えてくるところがあるように思います。
  例えば三つの柱のところですけれども、個別の知識・技能、それから思考力、判断力、表現力、それから学びに向かう力と人間性等と、この三つに分けてありますが、私も国語のところ、言葉のところでいえば、左の技能、何かができる、読める、書ける、話せる、聞けるという、そういう力と、それが実際に使われるときに思考力、判断力、表現力等という、ここの関係がやっぱりどうも難しくて、具体的にどのように考えていったらいいのかなというので、これはまだ考え中ということなんですけれども、この7ページを見ると、今紹介してくださった資料の7ページを見ると、そこでもやっぱり難しいというふうに書いていらっしゃるんですね。そのちょうど真ん中あたりに、国語、外国語、芸術系教科等で思考、判断、表現と技能が不可分であるとされているものと。やっぱりそうなのかというように理解できて、でもここのところ全体で三つに分けていくものですから、ここをどのように教科、国語科として考えていくべきかというのはやはり引き続き課題になっていくんだなということを改めてこの資料を見て思いました。
  このように全ての教科、全ての学校群にわたって一覧できるとよく見えてくる。その関連で、国語と英語が表示されると良い。国語で示されているような形で外国語も示されると、言語能力としての共通性が明確になって、分かりやすくなると思う。
小・中・高等学校における思考力、判断力、表現力等の関連がよく見えているのが「社会科、地理歴史科、公民科における思考力、判断力、表現力等の育成イメージ」(資料5,p.108)。ここには、①社会的事象の意味や意義、特色や相互の関連を考察する力、②社会に見られる課題や問題を把握し、その解決に向けて構想する力、③考察したこと,構想したことを説明する力、④考察したこと,構想したことを基に議論する力という形で、4項目で示されている。しかも小・中・高の関連が段階的に表示されているので、小学校、中学校、高等学校でどのように発展していくのかということもよく分かる。こうした構造が全ての教科で示されると、全体構造がよく分かるものとなる。

【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  中島委員。
【中島主査代理】    小・中・高で区切ってあるわけですけれども、今、小・中一貫とか小・中連携とか言い出したときに、多いのは4年生までと5年・6年・中1・中2・中3と、そうやって見たときに、そういうのができたらいいなと思いました。大変でしょうけれども。要らんこと言ってすいません。
【天笠主査】    それでは、時間が参りましたので、本日はここまでということにさせていただきたいというふうに思いますけれども、今の話もありましたように、ここ小学校部会で今御説明いただいたこの資料について、さらには低学年、中学年、高学年はどういうことになるのかとか、各学年ごとにはどうなるのかというふうな、これはその次のステップということになるのかもしれませんけれども、その一方において、何となくおぼろげながら次の学習指導要領の姿というのでしょうか、そんなものが少し出てきているのかなというふうにも個人的には受け止めておりました。それらについて、また先に話を詰めていかないといけないかと思いますけれども、また、きょうの皆さんがそれぞれ出していただいた、あるいはこれまで出していただいた御意見につきましては、事務局で論点ごとにその趣旨を整理していただくようにお願いしたいというふうに思います。また、申し上げましたように、当部会での議論を受けて、当部会としての年度内に方向性を示すべき事項についても、次回までに事務局においてそのたたき台を作成するようにお願いしたいというふうに思いますけれども、委員の皆さん、よろしいですね。お願いしたいと思いますので、そういうことでよろしくお願いいたします。
  先ほど申し上げましたけれども、限られた時間で御発言いただけなかった点等々もあるかと思います。どうぞペーパーで事務局の方によこしていただければと思います。
  本日予定しておりました議題はここまでとさせていただきたいと思いますけれども、次回以降の日程などについて、事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    次回でございますけれども、3月14日月曜日、10時から12時の開催を予定しているところです。場所は追って御連絡をさせていただきます。主査からお話ございましたように、ペーパーによる御意見等々、必要に応じ、またお寄せいただければと思います。
  以上です。
【天笠主査】    それでは、本日の小学校部会はここまでということで、終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

――  了  ――

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