教育課程部会「論点整理」(算数・数学に関する抜粋)

2.新しい学習指導要領等が目指す姿
(3)育成すべき資質・能力と、学習指導要領等の構造化の方向性について
【1】学習指導要領等の構造化の在り方
(教科等の本質的意義)
○ 育成すべき資質・能力と学習指導要領等との構造を整理するには、学習指導要領を構成する各教科等をなぜ学ぶのか、それを通じてどういった力が身に付くのかという、教科等の本質的な意義に立ち返って検討する必要がある。
○ 教科等における学習は、知識・技能のみならず、それぞれの体系に応じた思考力・判断力・表現力等や情意・態度等を、それぞれの教科等の文脈に応じて育む役割を有している。
○ 例えば、思考力は、国語や外国語において様々な資料から必要な情報を整理して自分の考えをまとめる過程や、社会科において社会的な事象から見いだした課題や多様な考え方を多面的・多角的に考察して自分の考えをまとめていく過程、数学において事象を数学的に捉えて問題を設定し、解決の構想を立てて考察していく過程、理科において自然の事象を目的意識を持って観察・実験し、科学的に探究する過程、音楽や美術において自分の意図や発想に基づき表現を工夫していく過程、保健体育において自己や仲間の運動課題や健康課題に気付き、その解決策を考える過程、技術・家庭科において生活の課題を見いだし、最適な解決策を追究する過程、道徳において人間としての生き方についての考えを深める過程などを通じて育まれていく 。これらの思考力を基盤に判断力や表現力等も同様に、各教科等の中でその内容に応じ育まれる。

5.各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性
(1)各学校段階の教育課程の基本的な枠組みと、学校段階間の接続
【4】高等学校
○ このため、必履修科目に関する見直しと併せて、選択科目や専門教科・科目についてもそれぞれ現状の課題を踏まえた改善を図る。特に理数教育については、スーパーサイエンスハイスクールにおける取組事例なども参考にしつつ、(2)【4】及び【5】に示すとおり、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う選択科目を新設することなどが考えられる

(2)各教科・科目等の内容の見直し
【4】算数、数学
○ 算数科、数学科においては、発達の段階に応じて、算数的活動・数学的活動を充実させ、基礎的・基本的な知識・技能を確実に身に付け、数学的な思考力・表現力を育て、学ぶ意欲を高めること等に重点を置いて、現行の学習指導要領に改訂され、その充実が図られてきているところである。
○ 一方で、学習する楽しさや学習する意義の実感等については、更なる充実が求められるところである。数量や図形に関する知識や技能は、生活や学習の基盤となるものであり、また、数学的な思考力等は、根拠に基づき考察を深めたり意思決定を行ったりするために欠かせない力である。
○ 子供たちがこうした算数・数学の良さを認識し、学ぶ楽しさや意義等を実感できるよう、次期改訂に向けては、幼児期に育まれた数量・図形への関心・感覚等の基礎の上に、小・中・高等学校教育を通じて育成すべき資質・能力を、三つの柱に沿って明確化し、各学校段階を通じて、実社会との関わりを意識した算数的活動・数学的活動の充実等を図っていくことが求められる。
○ また、社会生活などの様々な場面において必要なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められており、そのような能力を育成するため、高等学校情報科等との関連も図りつつ、小・中・高等学校教育を通じて統計的な内容等の改善について検討していくことが必要である。
○ 加えて、高等学校教育においては、スーパーサイエンスハイスクールにおける取組等を踏まえつつ、生徒の興味や進路に応じて、数学科の枠を越えた科学的なテーマに徹底的に向き合い考え抜く力を育成するため、大学入学者選抜の改革や「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に向けた動きも踏まえつつ、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う新たな選択科目「数理探究(仮称)」 の設置を検討することが求められる。あわせて、「数学活用」の在り方についても検討することが求められる。
【5】理科
(略)


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