教育課程部会 体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第8回) 議事録

1.日時

平成28年4月28日(木曜日) 15時00分~17時30分

2.場所

合同庁舎7号館東館 3F1特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 体育科・保健体育科の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【山口主査】  皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ第8回を開催させていただきます。本日は、年度初めのお忙しい中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

まず、会議に先立ちまして、先週14日より続く、熊本県を中心とした九州地方での一連の地震によってとうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。現在、我が国では、被災地において昼夜を分かたず救命・救助活動を行っておられる関係機関の方々をはじめとして、国を挙げて多くの方々が持ち場で支援に当たっておられます。被災者の方々の一刻も早い救援を心からお祈り申し上げたいと存じます。

それでは、事務局から委員などの異動及び配付資料について、御確認をお願いしたいと思います。

【髙﨑学校体育室長補佐】  失礼いたします。委員の異動について、御連絡させていただきます。当ワーキングの委員でございました宇都宮市教育委員会の横嶋委員でございますが、4月より文部科学省の方に異動になりまして、委員という立場からちょっと離れてしまいましたので、御報告させていただきます。

あと、私どもの学校体育室長の異動がございましたので、御紹介させていただきます。八木でございます。

【八木学校体育室長】  八木と申します。よろしくお願いします。

【髙﨑学校体育室長補佐】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

資料1、第7回における主な意見でございます。

資料2につきましては、小学校部会における、これまでの議論のとりまとめでございます。

資料3につきまして、本ワーキングにおけるとりまとめのイメージ(案)でございます。

資料4、健やかな体の育成に関する教育のイメージ(検討素案)でございます。

資料5、体育科・保健体育科における観点別評価のイメージ(検討素案)でございます。

資料6、体育科・保健体育科における課題発見・解決の学びのプロセルのイメージ(検討素案)でございます。

資料7、豊かなスポーツライフの実現に向けた資質・能力の関係性と見方や考え方のイメージ(検討素案)。

資料8、体育科・保健体育科の見方や考え方の育成イメージ(検討素案)。

資料9、体育科・保健体育科におけるアクティブ・ラーニングのイメージ(検討素案)。

資料10、資質・能力の三つの柱に沿った小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理イメージでございます。

そのほか、机上に参考配付資料を置いてございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。

あと、机上にタブレット端末を置いております。こちらの方は台数の制限がございまして、お二人に1台ずつ机上に置いてございますので、必要がございましたら御利用の方をお願いいたします。

以上でございます。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、これより議事に入ります。初めに、本ワーキンググループの審議等につきましては、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づきまして、原則公開により議事を進めさせていただきますとともに、第6条に基づき議事録を作成し、原則公開するものとして取り扱わせていただきます。よろしくお願いいたします。

なお、本日は、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。

それでは、本日の議題に入る前に、他の専門部会等で議論されております状況などを含めまして、伝達事項、報告等を事務局から御説明をお願いいたします。

【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。年度も改まりまして、4月、5月、6月、他のワーキングも徐々に取りまとめに入っているところでございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

本日、小学校部会におけるこれまでの議論のとりまとめということで、資料の2をごらんいただければというふうに存じます。小学校部会につきましては、言語能力の育成、国語教育の充実、外国語教育の充実ということを、全体の取りまとめに先んじて少し議論するようにということが論点整理の宿題事項でございました。それを踏まえまして小学校部会、中間的な取りまとめをしていただいたものが資料の2になります。ごらんいただきますと、これまでの議論の状況、取りまとめの位置付け、中間的なものということでございます。

2ページ目からが、この中間的な取りまとめの本文でございます。論点整理の社会に開かれた教育課程の実現に向けて小学校教育がどうあるべきか。特に3ページ目にございますように、小学校の6年間、子供の発達にとっては幅のある期間でございますので、低学年、中学年、高学年のそれぞれの発達の課題に応じた対応が必要ではないかというおまとめをいただいております。

また、資質・能力という観点からのカリキュラム・マネジメントの意義ということについても、4ページ目で触れていただいております。

5ページ目からは、言語能力の育成と国語教育、外国語教育の改善・充実ということでございまして、言語能力特別チームの議論の成果を踏まえながら、また、国語教育・外国語教育ワーキンググループの成果も踏まえながらおまとめをいただいております。5ページ目にございますように、言語能力、3つの側面、創造的思考とそれを支える論理的思考の側面、感性・情緒の側面、他者とのコミュニケーションの側面、この3つの側面から整理していくということ。

6ページ目は、そうした言語能力の育成が国語、外国語のみならず、全ての教科における学習の基盤となるということ。資質・能力の3つの柱、知識・技能、思考・判断・表現、学びに向かう力、人間性の育成にとっても、その基盤となる重要な役割を果たすものであるということ。また、コミュニケーション能力との関係性、様々な非言語能力との関係性ということも、7ページ上にかけて整理をいただいております。

そして、そうしたものの基盤を培う国語教育の充実、それから、9ページ目から外国語教育の充実でございます。特に小学校の外国語教育、10ページ目から11ページ目でございますけれども、高学年段階において、子供たちの知的欲求というのが高まっている段階であり、聞く・話すのみならず、読むこと・書くことを学んでおきたかったというような声も様々な調査から明らかになっているということ。

また、国が設定をしております高等学校卒業時の生徒の英語力、これが英検準2級から2級程度を50%以上ということでございますけれども、こうした目標の達成ということも考えていく必要があるということ。

そうしたことを総合的に踏まえますと、小学校高学年においては、11ページ目の少し下の方の例ということでございますけれども、なじみのある定型表現を使って、身近なことについて質問したり、質問に答えたりすることができるというような姿を描きながら、高学年では4技能、聞く・話す・読む・書くを扱う教科型として実施し、中学年からは、それにつなげるような体験的な外国語活動を行っていくということでございます。

それに必要な内容と時間的な積み上げということも具体的に御議論いただいておりまして、12ページ目にございますように、中学年、高学年それぞれ年間35単位時間程度の時数が必要になってくるということでございます。

そうしたことの実施を考えますと、定着を図るための繰り返し学習、短時間学習なども含めて、柔軟なカリキュラム設定を考えていく必要があるのではないかということでございます。

13ページ目から14ページ目にございますように、小学校の時間割設定の現状でございますけれども、朝学習、朝時間など、また授業時間の弾力化、あるいは土曜日の活用、長期休業期間の学習活動における活用なども含めて、様々な実態があるということでございます。こうした実態を踏まえますと、一律にこうしたやり方で授業時数増分を実施するようにということの設定はなかなか難しいのではないかということ。

今回改訂においては、14ページ目の(2)にございますように、特定の教科の指導内容や授業時数を削減するという選択肢をとることは困難であるということの中で、この年間35時間増となる部分については、15ページ目にございますように、例えば短時間学習、例えば45分に15分を加えた60分の長時間学習、あるいは夏季・冬季休業期間における学習活動や土曜日の活動、学校によっては週当たりこま数をそのまま増やすというような、様々な選択肢を組み合わせながら、地域や学校の実情に応じた柔軟な時間割編成を可能としていくという方向性でございます。

ただ、いずれにしましても、15ページ目、4ポツにございますように、授業時数の増ではございますので、教育現場にとっては大きな負担の増となるということ。これをしっかりと実施していただけるように、学校の裁量ではございますけれども、様々な実施の工夫ということを普及させる観点から、国や教育委員会と小学校現場、関係団体が連携して具体的なカリキュラム・マネジメントの在り方の調査研究を行っていくということ。また、外国語を中心とした教材開発、指導者の確保ということもしっかり行っていきたいということでございます。

このように小学校において弾力的な時間割編成ということが現在でも可能なわけではございますけれども、授業時数増に伴ってさらに活用される幅が広がってくる可能性があるということでは、外国語のみならず全ての教科を見渡して時間割編成の在り方を考えていくということが、各小学校で必要になってくるということであります。

そうしますと、外国語以外について短時間や長時間の設定が効果的なのか、実施可能なのかというような議論になってくるということでございまして、例えば体育においては、短時間というのは少し考えにくいような場面も多いのではないか。若しくは長時間ということは、こういう形で活用できるのではないかといった、各学校が実施するに当たっての留意事項を教科ごとに明らかにしていく必要があるというふうに思っております。

これに関しましては2020年からの指導要領の本格実施に向けて、別途、専門的な会合の場を設けて有識者とともに、しっかりと詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、本日の議題に入らせていただきたいと思います。本日は、資料3にありますように、ワーキンググループにおけるとりまとめのイメージ(案)を基に議論をしていきたいと思います。本ワーキングも、今回、そして次回と、あと2回を残すのみになっておりまして、いよいよまとめの議論に入っていかなければならない状況でございます。

資料3をごらんいただきまして、5つに項目が分かれておりまして、1、現行学習指導要領の成果と課題及び2、育成すべき資質・能力を踏まえた教科等目標と評価の在り方について。また、3、資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実について。さらに、4、学習・指導の改善充実や教材の充実及び5、必要な条件整備等について。今のこの5つを1番・2番、そして3番、4番・5番というふうに3つに分けて議論を本日は進めさせていただきたいというふうに思います。

まず初めに、1番の現行学習指導要領の成果と課題、2番の育成すべき資質・能力を踏まえた教科等目標と評価の在り方について議論をしていただきたいと思います。進行としましては、改めて事務局の方から資料の御説明をいただきまして、その後、意見交換をさせていただきたいと思います。

それでは、まず事務局より資料の説明をお願いいたします。

【高田教科調査官】  失礼いたします。よろしくお願いいたします。

まず初めに、冒頭、主査からもありましたとおり、本日、この資料3を基に皆様方からたくさん御意見を頂戴したいと考えています。その中で、今出ている文章というのは、決まっている文章ではなくて、むしろここからまた修正をどんどん加えていくというような、本当に今一番スリムになっている状況ではないかというふうに考えていただければと思っています。

また、事前にお目通しをくださったときに様々な御意見を頂戴していると思いますので、是非忌憚のない御意見を頂戴したいなというふうに思っています。誤字・脱字が数か所ございまして、その点につきましては大変申し訳なく思っております。

それでは、まず1番の言語学習指導要領の成果と課題について、御説明申し上げます。

主なものとして、5点記載させていただいております。1つ目としましては、体育科、保健体育科については、生涯にわたって健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現することを重視し、保健と体育の関連や発達の段階に応じた指導内容の明確化・体系化を図った。そして、指導と評価の充実を進めてきました。併せて、技能、態度、知識、思考・判断のバランスのとれた指導に留意してきたという経緯。

2つ目としまして、体育については、「する、みる、支える」などの多様なスポーツの関わり方、楽しみ方の理解。併せて、中学校、高等学校において知識に関する領域の充実、また、指導の時間数の目安を示したということ。また、公正、責任、健康・安全など、態度の指導の一層の充実を図ったということ。そして、一定の成果が見られてきたということが言われています。ただ、その一方で、習得した知識を活用して課題を解決するという学習の充実、また、学習したことを相手に分かりやすく伝えることなどに課題があるという指摘があったということ。

3つ目としまして、体力の現状ですけれども、それに応じて体つくり運動を小学校低学年から実施し、多様な動きをつくる運動(遊び)を新たに新設したということ。そして、中学校以降は指導の時間数を目安として示したということ。また、運動やスポーツが好きな児童の割合が高いなど、一定の成果は見られたということが言えると思います。また、その一方で、まだ二極化傾向が見られることや、子供の体力の低下については、依然として低い状況があるということが言えると思います。

4つ目としまして、保健についてですが、健康に関する基礎的な知識の習得を目指した学習が定着しているということ。ただ、その一方で、習得した知識を活用して課題を解決する学習は不十分であった。論理的な思考力の育成にまだまだ課題があるという指摘があるということ。

最後、5点目としましては、特別な配慮を要する児童・生徒についての指導ですけれども、安全上の配慮から適切な学習機会を提供し切れていなかった状況が見られているのではないかという御指摘を頂戴しました。

全て、本ワーキングの中でお話を頂いたことを少しかいつまんでまとめたものでございます。

続きまして、2ページ目をごらんください。育成すべき資質・能力を踏まえた目標と評価の在り方についてということで御提案申し上げます。

(1)体育科・保健体育科等の特質に応じて育まれる見方や考え方。この教科の特質に応じて育まれる見方や考え方ということで、体育科・保健体育科だけでなくて全ての教科において、特質に応じた見方・考え方をしっかりと捉えていきましょうということになりました。体育科・保健体育科においては、各種の運動がもたらす体の健康への効果はもとより、心の健康も運動と密接に関連しているという立場を貫いています。

体育としては、各種の運動について、その意義や特性に着目しつつ、楽しさや喜びを見出すとともに体力を高め、公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全といった視点を踏まえながら、自己の適性に応じて、「する・みる・支える・知る」などのスポーツとの多様な関わり方について考察することが重要である。

併せて、保健としては、疾病や傷害を防止するとともに、生活の質や生きがいを重視した健康観を踏まえ、保健の見方や考え方として健康や安全の視点から情報を捉え、心身の健康の保持増進や回復、共生を目指して疾病等のリスクを減らしたり、生活の質を高めたりすることについて考察するというふうに捉えております。

(2)小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理でございますけれども、こちらにつきましては、お手元の資料4も併せてごらんいただきたいと思います。体育・保健体育の特質に根差した見方や考え方を明確にするとともに、育成すべき資質・能力の3つの柱で体育科・保健体育科の目標を整理することが重要ではないかと考えます。また、幼児期に育まれた健康な心と体等の基礎の上に、小学校・中学校・高等学校教育を通じて育成すべき資質・能力、これを3つの柱に沿って明確にしていくということです。

体育においては、体育の見方や考え方を踏まえ、学習したことを実生活や実社会で生かすことができるよう、運動に関する知識・技能、そして思考力・判断力・表現力等、そして学びに向かう力、人間性等という3つの資質・能力をバランスよく育成することが重要です。

保健については、保健の見方や考え方を踏まえ、同じように知識・技能、思考力・判断力・表現力等、そして学びに向かう力、人間性の3つの資質・能力を育成することが必要だと。

ということで、資料4のように、こちらについては体育科・保健体育科の目標となる文言につながってくるものだろうと考えています。星印になって、太字になっていますところが、体育の見方や考え方を踏まえ、豊かなスポーツライフの実現を目指して、課題を発見し、その解決を図る主体的・協働的な学習活動を通して、次の資質・能力を育成するとまずうたいまして、そしてマル1、マル2、マル3。マル1については知識・技能、マル2については思考力・判断力・表現力、マル3については学びに向かう力、人間性という、その3つの資質・能力に分けて目標を明記しています。

ここからは、担当調査官から順次説明させていただきます。私の方は小学校担当ですので、小学校の方で進めさせていただきます。

まず、個別の知識・技能については、発達の段階に即して運動の特性に応じた行い方、そして、一般原則などの知識、各種の運動が有する特性や魅力に応じた技能、発達の段階に応じた技能ということをしっかりと捉えていくという視点で、まず小学校の運動領域につきましては、各種の運動が有する特性や魅力に応じた知識や技能を習得し、運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするという観点から、マル1のように、各種の運動の行い方に関する基礎的な知識と基本的な技能を相互に関連付けながら身に付けていくことが重要だと捉えています。

併せて、思考力・判断力・表現力等ですけれども、小学校の運動領域では自己の能力に適した課題を持ち、活動を選んだり、工夫したり、他者に伝えたりすることができる力を育てるといたしました。

学びに向かう力、人間性等につきましては、各種の運動の楽しさや喜びを味わい、楽しく明るい生活を営む態度を重視するという観点から、運動の楽しさや喜びを味わい、楽しく明るい生活を営む態度を育てるとし、その内容につきましては、例えば進んで学習活動に取り組む、約束を守り公正に行動する、友達と協力して活動する、自分の役割を果たそうとする、友達を認める、安全に気を配るなどの態度が入ってまいります。

それらにつきましては、既にお手元に配りしてあります資料10をごらんください。これは、前回までの会議の中でもお示しをさせていただいたとおりでございますけれども、整理のイメージとして、3つの柱に沿った整理イメージができております。この整理の中身と、そして今申し上げた目標の記述、これが連動しているということでまとめさせていただいております。小学校の運動領域につきましては以上です。

続きまして、中・高、お願いいたします。

【高橋教科調査官】  失礼をいたします。中・高につきまして、資料10をごらんください。この資料10が3ページから6ページまでのものを1枚にまとめたペーパーになってございます。

まずは中学校のところでございますが、2枚目になります。個別の知識・技能につきましては、運動の特性に応じた行い方や運動の一般原則などの基本的な知識やスポーツに関する科学的知識、文化的意義の基礎的な知識、及び小学校段階の学習を踏まえて各種の運動が有する特性や魅力に応じた基本的な技能の観点から記載をさせていただいておるところでございます。

思考力・判断力・表現力につきましては、自己の課題に応じた運動の取組方を工夫できる力の育成を重視する観点から、具体的に文章に記載をさせていただいております。

また、学びに向かう力、人間性等につきましては、生涯にわたる運動やスポーツに親しむとともに、明るく豊かな生活を営む態度を重視する観点から文章に起こしているところでございます。

もう1枚おめくりいただきまして、高等学校の知識・技能につきましては、運動の特性に応じた行い方や運動の一般原則などの知識、及びスポーツに関する科学的知識や文化的意義の知識、及び各種の運動が有する特性や魅力に応じた技能としてまとめさせていただいております。

思考力・判断力・表現力につきましては、自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取組方を工夫できる力を育成する観点から文章にまとめているところでございます。

学びに向かう力、人間性等につきましては、生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続するとともに、明るく豊かで活力ある生活を営む態度を重視する観点から文章を起こしているところでございます。

とりまとめのイメージの資料3の4ページをごらんください。4ページの一番下の3行目でございますが、その一番最後のところから、「スポーツを通した共生社会を推進する観点から、体力や技能の程度、年齢や性別及び障害の有無等を超えてスポーツを楽しむことができるよう、指導の充実を図る」ということを、思考力・判断力・表現力等及び学びに向かう力、人間性等の部分に入れさせていただいているところであります。

また、前回の議論において資質・能力であるとか、見方や考え方について関係性を示すべきという御意見を頂戴したところであります。資料7をごらんください。1枚ペーパーの資料7でございます。

これにつきましては、豊かなスポーツライフの実現に向けた資質・能力の関係性と見方や考え方のイメージということで、例えば知識・技能のところであれば、往還による知識の深まりと技能の高まりということで、行い方のポイント等を理解した上で、技能をやってみて、なるほど、こういうことかということで、お互いに知識が深まり、さらに技能がより高まっていくというような関係性の図を、それぞれ知識・技能及び思考力・判断力・表現力。ここは態度というように置かせていただきましたが、その関係性のイメージを示したものでございます。

また、右上に行っていただいて、体育の見方や考え方については、発達の段階を踏まえ、資質・能力をバランスよく育むことによって、生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現やスポーツを通じた共生社会の推進につながっていくというイメージを表したものでございます。

また、資料8をごらんください。これにつきましては、見方や考え方の育成のイメージでございます。小・中・高のそれぞれにおいて、3つの資質・能力を深い学びの過程、対話的な学びの過程、主体的な学びの過程を通じて、また、指導と評価の一体化等によって、3つの資質・能力をバランスよく育み、発達の段階に応じてスパイラル的に関連付けていくことによって見方や考え方が広がったり、深まったりするというようなイメージを示しているところでございます。

今説明させていただいたところ、文章になっているところでございますけれども、事前に配付させていただいておりますので、加えるべき点等において、後ほど御議論を頂戴できればというように思っているところでございます。

続きまして、保健の方を説明させていただきます。

【森教科調査官】  失礼します。資料3の2の(1)のところに戻っていただけるとありがたいです。特に見方・考え方については、今までも議論をしていただいていますが、最終的にこんな感じでどうでしょうかという確認をとらせていただければということで、変更点をお話しさせていただきます。

(1)の3つ目の丸なんですが、保健としては、疾病や障害を防止するとともに、生活の質や生きがいを重視する、これは、健康の考え方というのが高等学校で内容として既に入っていて、こういった健康観があるというものを踏まえて、保健の見方・考え方というものを考えていきますということになっております。

具体的に保健の見方・考え方は、健康や安全の視点から情報を捉え、心身の健康の保持増進や回復、そして、ここに「共生」という言葉が入っております。これが前回と違うところになります。

こちらの方は、体育の方にも「共生」という言葉が入っていて、保健体育として、健康な世の中に共生というのは非常に重要だろうという観点から、今回入れさせていただいたんですけど、是非、この辺について御議論いただければ非常にありがたいところでございます。

それから、それを目指して、疾病等のリスクを減らしたり、生活の質を高めたりすることについて考察することが重要であるという見方・考え方を踏まえて、目標の方に行くということになります。

目標の方は、資料の4の2枚目、健やかな体の育成に関する教育のイメージ(検討素案)を見ていただければありがたいんですが、こちらと3ページの方を並べて見ていただけると非常にありがたいです。

まず、こちらの方が基本的に目標になるということで作らせていただいておりますので、先ほど高田調査官から説明がありましたように、知識・技能がマル1、マル2が思考力・判断力・表現力等、そして、マル3が態度に関わるところということになっています。

すいません、行ったり来たりで大変申し訳ないんですけど、資料3の3ページの出だしの個別の知識・技能の小学校保健領域についてということで、個別の知識・技能の1つ目の白丸のその後、2つ目のポチのところが小学校保健領域になりますが、ここの一番最初の「身近な生活における健康・安全についての基礎的・基本的な知識・技能を重視する観点から」という、その観点からというところまでが、こちらの資料4の方の目標になっているという構造になっています。

ですので、まず、その目標とする観点自体が、これで整合性があるかどうかということを小学校、中学校、高等学校を通じて見ていただくとともに、全体として資質・能力がどうなっているかというふうに見ていただけるとありがたいということです。

特に今回は、資料4の2枚目の方で見ていただくと非常に分かりやすいと思いますので、こちらを見て、おかしくなっていないかどうか、もっと加えるところはあるかどうかという観点で見ていただけるとありがたいです。

ということで、資料4の方を説明させていただきます。

まず、小学校なんですが、小学校については、身近な生活ということを非常に重視し、健康・安全についての基礎的な知識・技能を身に付けるということ。そういった身近なところからの健康課題に気付き、健康を保持増進するために情報を活用し、課題解決をする力というものを育成したいということです。

そして、3つ目なんですけど、「健康の大切さを認識し」ということで態度に関わるところに「認識」という言葉を入れさせていただいたんですが、ここはちょっと迷いがあるところで、知識と認識というのが非常に近いところで、認識でいいかどうかというようなところも是非御議論いただけるとありがたいというふうに思います。

もともとは「大切にし」というような形で書かれていました。その後、自己の健康の保持増進や回復に主体的に取り組み、楽しく明るい生活を営む態度を育てる、これが小学校になります。

中学校においては、もうちょっと身近な生活から踏み込んで個人生活における健康・安全に関する知識や技能ということになります。思考力・判断力・表現力については、健康課題を把握し、課題解決を目指して適切な情報を選択、活用し、「意思決定」という言葉をここで入れています。意思決定する力を育てるということです。

そして、3つ目の態度に関わるところが、「自他の健康の大切さを認識し」ということで、ここも「認識」が入っていますが、小学校との違いは「他」が入っているということです。自他と「他」が入っているというところです。それから、健康の保持増進や回復に主体的に取り組み、健康で豊かな生活を営む態度を育てるということになります。

最後、高等学校ですが、こちらは個人だけでなく、社会生活における健康・安全に関する知識・技能を身に付けるということ。それから、個人及び社会生活に関わる健康課題を発見し、課題解決を目指して情報を収集、そして分析というのが中学校にないものなんですけど、「分析」が入って、そして活用したり、適切に意思決定、行動選択というものを踏み込んで入れているということです。そういった力を育てるということです。

最後に、これも今まで議論していただいていて、やっぱり健康・安全というのを社会の中で優先していくのが保健の使命だろうというような議論をいただいておりますので、「健康を優先し」というものを最初に入れさせていただいております。そして、健康の保持増進や回復及び健康な社会づくり、ここは社会生活に関わりますので、「社会づくり」が入っている。それに参画し、健康で豊かな活力ある生活を営む態度を育てるということで、資質・能力を踏まえた目標の方を設定しておりますが、是非御議論をいただければありがたいということです。

以上です。

【高田教科調査官】  申し訳ございません。続きましてよろしいですか。

お手元、資料3の6ページをごらんください。(3)番、資質・能力を育む学習過程の在り方についてですけれども、この学習過程の在り方につきましては、資料6、プロセスのイメージ(検討素案)、これと併せてごらんいただきたいと思います。

主体的・協働的な学習過程を重視していく必要があるということで、小・中・高等学校それぞれの発達の段階に応じて、運動領域、そして保健領域、保健分野において課題を解決するプロセスの例を幾つか示させていただいております。

このプロセスにつきましては、このワーキングの議論の中でもあったとおり、決して型を決めるものでもありませんし、一方通行であるものでもありません。子供たちのそれぞれの発達の段階、そして児童・生徒の実態、また教師の指導方法等に応じて様々工夫されるものであります。この点について、もう少し文章として整理をして示していけたらなというふうに思っています。本日の資料の中では、ここは記述が少し薄くなっているところでございます。

続きまして、(4)番、「目標に準拠した評価」に向けた評価の観点の在り方についてでございます。こちらにつきましては、資料5をごらんください。本日初めてお示しする資料です。

評価の観点については、育成すべき3つの資質・能力の柱に従って、知識・技能、思考・判断・表現、そして主体的に学習に取り組む態度、この3つの観点で評価することが必要であると考えます。

知識・技能については、運動や健康についての知識・技能とし、各種の運動の行い方を知るとともに、その運動をできるようにすると捉えます。それぞれの習得に順序性を決めるものではございません。知ってからできるとか、できた上で知るとかということは、特にありません。ただ、知ることとできること、これ、どちらも重要ですということを示すものであります。

小学校の体育におきましては、運動領域ですが、各種の運動についての行い方を知るとともに、基本的な動きや技能を身に付けていると捉えています。

思考・判断・表現の観点については、運動や健康についての思考・判断・表現となります。ここで示す表現とは、思考し、判断したことを他者に言葉や文字、動作等で表現すると捉えています。ただ、体育科・保健体育科においては、「表現運動」という文言がございますので、現場の先生方が混乱が生じないように、いま一度整理をする必要があろうと思います。小学校運動領域においては、自己の能力に適した課題の解決を目指して運動の仕方を工夫し、それらを表現しているといたしました。

主体的に学習に取り組む態度の観点については、これは、従前の関心・意欲・態度というところの態度の部分が相当するわけですけれども、体育においては公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全に関する態度の指導が、主体的に学習に取り組む態度の育成と密接に関係すると捉えており、これらの態度に関する指導を総合的に捉え、主体的に学習に取り組む態度としてくくっております。

小学校運動領域では、運動の楽しさや喜びを味わうことができるよう、主体的に運動に取り組もうとしているといたしました。

続いて、中・高をお願いします。

【高橋教科調査官】  失礼いたします。資料の5をごらんください。

中学校につきまして、知識・技能につきましては、運動の合理的な実践に関する具体的な知識や生涯にわたって運動に親しむための科学的知識及び運動の特性に応じた基本的な技能を身に付けているとしております。高等学校につきましては、運動の合理的、計画的な実践に関する具体的な知識や生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続するための科学的知識及び運動の特性に応じた段階的な技能を身に付けているというふうにさせていただいております。

知識・技能で一文で書いておりますけれども、評価基準等々の適切な設定によって、知識や技能を評価することが大切であるというふうに考えているところでございます。

また、思考・判断・表現につきましては、中学校は、自己の課題に応じた運動の取組方や健康の保持及び体力を高めるための運動の組み合わせ方を工夫し、それらを表現している。高等学校においては、自己や仲間の課題に応じた運動の取組方や健康の保持及び体力を高めるための運動の計画を工夫し、それらを表現しているというふうにさせていただいております。

主体的に学習に取り組む態度につきましては、中学校においては、運動の楽しさや喜びを味わうことができるよう、運動の合理的な実践に主体的に取り組もうとしている。高等学校においては、運動の楽しさや喜びを深く味わうことができるよう、運動の合理的、計画的な実践に主体的に取り組もうとしているとさせていただいております。

この評価の観点につきましては、目標と表裏一体になるものであろうというふうに捉えているところでございます。

また、この表を文章の方に落とし込んでいくことが必要になってくるというふうに考えているところでございます。

続きまして、保健、お願いします。

【森教科調査官】  よろしくお願いします。引き続き、資料5をごらんください。この表の中の「また」と書きいてあるところ以下が保健の内容になりますので、そちらの方を見ていただければというふうに思います。

今、高橋調査官からありましたように、先ほど御説明させていただいた目標に照らして評価が付いてくるということになりますので、基本的には目標の記載をどういうふうに引き取っていくかということで作っているということになります。

ただ、ポイントは、特に真ん中の運動や健康についての思考・判断・表現というところが若干違っておりますので、そこを見ていただければというふうに思います。

小学校保健、真ん中の1個目なんですけれども、「また」以下になります。身近な生活における健康課題に気付き、その解決を目指して考え、判断し、それらを表現しているということで、ここは、基本的には小学校の目標の方と非常に近いものになっています。

2つ目の中学校からちょっと変わってくるということで、中学校の「また」以下なんですが、個人生活における健康課題を把握し、その解決を目指して科学的に考えということで、ここで「科学的」という言葉を入れさせていただきました。目標の方の記載が、果たして科学的に追求するような目標になっているかどうかということも、併せて、この評価の観点というものに整合性があるかどうかというものを見ていただけると非常にありがたいところです。

そして、高等学校は、「また」以下が個人及び社会生活における健康課題を発見し、その解決を目指しての後に「総合的に」という言葉が入っております。ここが個人及び社会生活ということで、社会生活に関してはより総合的に考えることが重要だということで入れさせていただきましたが、先ほどと同じように目標との関連性というものを見ていただけると非常にありがたいところになります。

以上、知識・技能と主体的に学習に取り組む態度については、目標の方が変われば、こちらの方も変わってくるというふうに理解しておりますので、まず目標を見ていただいてということで、よろしくお願いいたします。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。非常に多岐にわたっておりまして、これをこの後、30分ほどで議論いただくわけなんですけれども、考え方としましては、事務局が私たちで議論してきた内容を、このような形でまとめていただいたものだと考えております。ですから、皆さんに御議論いただいた中で、ここはちょっと言い残した、あるいは、ここの表現方法が、私はこういう意味で使ったんだけれども、こういうふうに載っているとかというような修正等、あるいは付け加えるところを中心に、本日は御議論をいただくことになるかなというふうに思っております。

最後に、出てきた評価についても、御説明もありましたように、目標に照らして評価が出てくるので、目標のところを重点的に御議論というか、御意見を頂戴して、そこに合わせて、必要であれば評価の方も変えていくというようなことかなというふうに考えております。

御意見を頂戴する方法ですけれども、前回の会議から時間が少し空いてしまってお忘れかと思いますが、以前どおり、御意見のある方は名札を立てていただきまして、私の方で指名をさせていただきたいというふうに思っております。

事務局の方、本当に丁寧にまとめていただいておりまして、本当に膨大な作業だったというふうに思っておりますが、特にこの項目について議論するという形ではなく、どこからでも気付いた点をどんどん挙げていっていただくような形で、事務局にはお手数かけますが、それをまたまとめていただくという作業になっていくと思います。どなたからでも気付いた点を御指摘いただければと思いますが、いかがでしょうか。

近藤委員。

【近藤委員】  丁寧な説明、ありがとうございました。事前に送られてきたものに目を通させていただいて、今のところで言うと2ページの体育科・保健体育科等の特質に応じ育まれる見方や考え方というところに、先ほど森調査官もお話ししていましたが、「共生」という言葉が入っていることについて、結論から言うと、私、とてもいいなというふうに思っています。

それは、議論のときにも、私、人権という言葉を使ったんですけど、ざっくり言うと、体育の特質は、健康とかスポーツに価値があるということを子供たちに教えていくことで、子供たちが幸せな人生を送ったり、豊かな社会ができる。だから、公立の学校で、これを教えるんだというふうに私は理解をしています。

では、その価値は何だといったときに、先ほど態度の内容で責任、参画であるとかというものの中に「共生」という言葉が入って、あっと思ったんですけれども、まさに議論を踏まえた中で、これを入れていくことで、例えば共生というと、違いのある人たちと一緒にスポーツとか健康を享受するという意味だと私は理解しているので、そうすると、違いというと、例えば年齢の違いであったりとか、国籍の違いであったりとか、小学校の授業のレベルで言えば技能の違いであったりとか、そういうことを踏まえる中で、これから先ますます高齢化すると、例えばきょうのニュースでも青木選手がまだ現役でプレーをしている、高齢の方と若い方が一緒にスポーツを楽しむという場面も出てくるだろうし、それから、今度、まさにオリ・パラがあって、いろんな国の人たちとスポーツを楽しむということもあって、つまり、今の時代に必要とされる価値、それからオリンピック・パラリンピックと時を同じくして、この指導要領が現場レベルにおりてくるというタイミング、そういう意味においても、ここのタイミングで、この共生という価値をここに入れるということは、とてもいいことだなというふうに思っていて、その後の部分にも、そういう言葉がたくさん出てきているので、すごくいいものだというふうに私は感じました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

岡出委員、お願いします。

【岡出委員】  すいません、重複するところは省かせていただくということで、気に掛かっているのは表現のところで、同じような言葉が違う形で幾つか入っているんですね。多分、「キョウドウ」が3種類ぐらい入っていて、どれを使うのかというのは合わせていただいた方がいいかなと。それによって、今度、この文章を見られた方たちの受け止め方が大変変わっちゃう可能性があるというのが1点ということになります。

今、保健の協働の話がありましたけれども、これも保健と体育で書きぶりがちょっと違っているところがあって、それは、教科全体として考えるという意味ではどちらも同じような書きぶりになっていないと、なかなかつらいなというふうに思います。

それと、体育のところで態度、情意という書き方が出ていますよね。前ずっと並んでいて、じゃ、例えば情意というふうに言われているのは何で、態度というふうに言われているのは何と、多分、こういうふうな話になってくると思うんですよ。態度で表現をされているところは、それはそれでまた別にあるわけですよね。これは、多分、評価のところにももう一度戻ることになると思うんですね。これは、何で評価するんですかということに関しては、読み手の方は、多分、混乱されると思いますし、これから論議のところで整理していただけるところだというふうに思いますので、その点についての御検討はお願いできればというふうに思います。

【山口主査】  ありがとうございます。先生、今の点についてもし御意見があれば、是非御披露していただくと事務局もまとめやすいと思います。

【岡出委員】  すいません、「キョウドウ」に関しては、協働という言葉を使われる方とか、協調という言葉を使われる方とか、教育学一般で使われる方たちのところでも意見が割れていますよね。国研の資料を見ても書き方が何か違うところがあって、協調学習というふうな言葉を使われるときと、協働学習というふうに使われるときで、学びのプロセスのところにも関わってくるんですけど、立場によって結構使われ方が違っているので、僕たちが見ていても混乱するんです。

これは、逆に言うと、文科の方が行政の文書として出されるときには、ほかの教科との使われ方も合わせる必要が出てくることだというふうに思いますので、多分、私がこれがいいというふうな話ではないと思うんですね、その「キョウドウ」に関しては。

他方で、情意、態度というふうに言われるものに関しては、これは、どの学習のドメインのものを挙げてくるかということになると思うんですよ。今までは、これは、大体、アフェクティブなドメインの成果として書かれているもので、その中に関心・意欲・態度とか、そういうふうな形で書いたわけですよね。それに人間関係みたいなものを含めるか含めないか、立場が結構違っておられる方たちが出てきているということがありますので、多分、ここに情意というふうに書かれているのは、今までで言うと愛好的態度というふうに言われていたようなものが挙がってきている。態度というふうに言われるのは、価値的態度というふうに言われていたものだろうなと思いながら読んでいたんですけど、その違いはちょっと分からないので、そこは整理をしていただければというふうに思います。

すいません、あと一点言い忘れました。学びの過程のところ、保健のところは学習過程という言葉を使われていて、態度のところはプロセスというふうに書かれていて、ここの上の書き方で言うと学習過程というふうに書かれているので、違う趣旨であれば変えていただければいいと思うんですけど、同じあれば合わせていただいた方がいいかなと。

【山口主査】  ありがとうございました。

真如委員、お願いします。

【真如委員】  大変だった作業だろうなと思って、読ませていただきました。頭の中にすんなりと入ってくる内容ではありませんから、難しい文書になることは、確かにそうなるんだろうと思います。

【山口主査】  マイクをお願いします。

【真如委員】  ごめんなさい、それ、聞こえない方がよかった。(笑)

やっぱり難しい内容なんですよね。一般の先生方が読むと、すんなりと頭の中に入ってこないで、2度、3度読まなきゃいけないという、それが1つ特徴としてあるんですね。そんな中で一文が4行だったり、5行だったりというところがあるんですよ。当然、その中に括弧を使っていろんな言葉がはめられているので、どうしても長くなっていくんですけども、はっきり主語があるわけでもない。ですから、最初に読んだことがずっと終わりの方に行くと、もう一回繰り返して読まないと、つながりがどうだったかなというのが分かりにくいところがあるんで、できるだけ区切っていただければ、ありがたいかなというふうに思います。

例えば2の育成すべき資質・能力を踏まえた教科等目標と評価の在り方についてというところの(2)の丸の2番、「また」というところでずっと書かれていて、ここはもう五、六行になっている。ですから、2行目の「バランスよく育成していくこと。また」というふうに区切って2020年に行って、次、オリンピックの話が出てくるわけですから、別のものとして分けていただくと非常に頭の中に入りやすくなると思います。

それから、文末の表現について、最初のところでちょっと気になったところがあるんですけども、2の育成すべき資質・能力のところですけど、それの(1)の2と3のところ、文末の表現が「何々と考える」というふうになっているんですね。ほかのところは「である」というふうにはっきり言い切っているんですけど、ここだけ「考える」になっているんで、ここだけどうして弱気になったのかなという気がしました。(笑)

それから、先ほどの保健の方で「認識」という言葉について話が出ていましたけども、今回、「認識」という言葉を使って出されることについて、よろしいかなというふうに私は思います。健康志向が非常に高まってきていますから、教える側としては「認識」という言葉でもって教え方がぐっと絞られてくる、そういう感じがしますので、使っていただいても構わないかなというふうに思いました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、五十嵐委員、お願いいたします。

【五十嵐委員】  先ほど調査官から御議論をいただきたいと言われました点について、1つ御指摘をさせていただきたいと思います。

2ページの2の(1)の3つ目の丸ですけど、既に体育の共生については御意見が今あったわけですけれども、保健に関しまして、この共生は少し意味が違うんではないかと思いましたけれども、今回、これが入ったことは大変意味があるのではないかと思います。

と申しますのは、この共生を目指して疾病等のリスクを減らしたりすることを考えることが重要であると、これは非常に重要なことでして、例えばこの文章からすぐに私どもが頭の中に浮かんでくるのは、予防接種をすることによって基本的に予防できる病気は皆さん、予防接種を受けましょうと。つまり、国民のハードイミュニティといいますけれども、抗体を持つレベルを上げることによって病気を予防しましょうと、そういうことが私どもにはすぐ読み取れるんですけども、要するに社会のために自分たち一人一人が積極的に予防接種を受けることによって、ほかの人が、特に体の弱い人がその病気に感染したときに非常に重篤なことが起きないためにも積極的に受けるんだということが読み取れてきまして、多分、今までこういう表現が保健体育の教科書には余りなかったと思いますので、極めて画期的な表現ではないかと思います。大変いいと考えます。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、青木委員、お願いいたします。

【青木委員】  資料3の5ページのところの思考・判断・表現力の中での保健のところについて、今回は健康情報を非常に取捨選択するというか、捉えるということが出ている中で、批判的に吟味とか、「批判的」という言葉がちょっとマイナス的なイメージがあるので、何となくほかの言葉がないかなと感じました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、友添委員、お願いいたします。

【友添委員】  今まで出た意見について重複するところは避けて、少し感じたところをお話しさせていただこうと思います。

1つは、目標が現行の学習指導要領と余り変わっていない。それはそれで議論を反映されたということで結構かというふうに思うんですけれども、先ほど近藤委員から出ましたスポーツの価値を理解するということ、もう少し丁寧に言うと保健の方も教科目標として体育科・保健体育科の目標として入れるのであれば、運動やスポーツの価値を理解しということが目標構造の中にやっぱり入った方がいいのではないかというふうに感じているところです。

その理由は後で少しお話ししますけれども、スポーツ庁ができて、スポーツ基本法の中でスポーツの価値について明示をしているということを含めていくと、それが小・中・高の学習内容の教科の目標として、体育では引き取っているということが一つ大事なのかなということと、もう一つ、具体的に共生、あるいは共生社会等の文言との対比を考えたときに、いわゆる横串がなくなってくる。つまり、運動やスポーツの価値を理解するということを目標構造に入れると、うまくバランスがとれてくるのではないかということを感じたところです。

2つ目ですけれども、この文章そのものがどういう形で反映されていくかというのは、ちょっと具体的なイメージはないんですけれども、指導要領の中では、体育とまでは言いませんけど、運動やスポーツの概念をある程度、スポーツとは何々と考える、運動とは何々と考えるまで、そういうことではなくて、具体的な例示を示しながら運動やスポーツの考え方、概念みたいなことを示す必要があるのではないか。それはどのあたりかというと、できるだけ前のあたりに示す必要があるんじゃないかというふうに考えておりました。

というのは、教科の目標として、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現するということをうたっていながら、今、身近なところで言うと資料5のところをごらんいただければと思うんですけれども、これは観点別評価のところですけど、小学校について、それから中・高については、それぞれ考えていかなければいけないと思うんですけれども、例えば中学校のところで言うと、「運動の合理的な実践に関する具体的な知識や生涯にわたって運動に親しむための」。教科の目標で生涯にわたってスポーツに親しむといっている以上は、主体的な学習のところで「運動の楽しさや喜びを味わう」というふうに言ってしまうと、運動はスポーツを含んでいるんだよということを触れておかないと、やはり語義矛盾を起こしてくる可能性がある。

だから、もう少し丁寧に言うと、例えば先ほど私が言いましたけれども、この文章そのものの中で、例えばかなりのところで「運動」という表現のところ、「運動やスポーツ」というふうに置き換えていかなければいけないだろうというふうに感じているところではあるんです。それは、多分、そうしていかないことには、運動に生涯親しむわけじゃなくて、運動やスポーツに親しんでもらうということ。それから、今度、運動という言葉を抜いてしまうと保健の方との絡みが出てくるので、もちろん運動という言葉も大事だというふうに思っています。

だから、そういうところを少し検討しておかないと、これ、本体の方に反映されてこなくなると、すごくおかしなことになるのではないかというふうに思っていました。

それから、3つ目ですけれども、岡出委員が言われたところと関係してくるんですけど、例えば評価の観点のところで言えば、主体的に学習に取り組む態度という態度領域のところでありますけれども、ここは人間性ということも非常に大きな柱だということでしたけども、これは他の教科との絡みももちろんあると思うんですけれども、1つは目標構造の中に運動やスポーツの価値ということが入ってくると、恐らくここももう少し膨らんでこなければいけなくなってくる。

それから、各教科のいわゆる指導内容のところにも、その価値をどう引き取っていくのか。これ、もちろん文章の中に入っていると思うんです。例えば運動やスポーツ、障壁を下げていくとか、それから自己肯定感だとか有用感を味わうだとか、こういうことはよく分かっていて、それをやっぱり教えてあげなければいけない。

それから、運動することによって、いわゆる健康になっていくんだとか、あるいは疾病のリスクが下がるということ、これも運動の価値ですから、運動やスポーツの価値ということを拾いながら中に書いていますので、そこの構造の一体化をしたときに、例えば評価のところで言えば、主体的に学習に取り組む態度というと、学習の構えだけの態度でいいのか。あるいは当初からあった人間性の問題についてもうまく引き取れないのか。引き取れなければ、これはこれで構わないと思うんですけど、そこは少し試行錯誤をしてみてもいいのではないかなというふうに思います。

それから、最後ですけれども、思い付くままなんですけれども、これは是非お願いなんですけど、例えば本体もそうなんですけれども、資料5なんかを見てみると小学校の体育、それから中学校の保健体育、高等学校の保健体育のところで、これは観点別評価のイメージということでイメージですけど、多分、これ、指導主事さんたちの説明資料になったり、あるいはこれが表に出ていく可能性はあると思うんですけど、体育と保健をまたでつないでしまうと、「また」というのは前と後ろの構文が関係しないということなんですね。だから、体育は体育、保健は保健ということをいわばみずから言明するみたいな形になってしまうので、ここの接続詞を少し工夫する。例えば「そして」なのか、「さらに」というと、それに付加しというのは言葉としてはちょっとおかしいですけど、例えば「また」というふうに読み込んでみると、小学校の体育で言うと、知識・技能のところ、「各種の運動についての行い方を知るとともに、基本的な動きや技能を身に付けている。また、身近な生活における健康・安全について、課題解決に役立つ基礎的な知識や技能を身に付けている」、「基本的な」と「基礎的な」が共通するところで、上の文章と下の文章がやっぱり関連性が出てこないというようなこともあるので、ここの接続詞を少し工夫して、指導主事さんへの説明資料等をしておかないと、多分、トップマネジメントとミドルマネジメントとロワーマネジメントのところにいくと、恐らく独り歩きしてしまったり、拡大解釈されてしまったり、あるいは矮小化されてしまうところで、保健と体育はやっぱり別々なんだというイメージを、隠れたメッセージとして伝えないようなところの工夫ができることがあれば、工夫をした方がいいのではないかなというふうに思いました。

もう一回申しますと、運動やスポーツとするかどうかは委員の皆様方が御議論をして決めていっていただければというふうに思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

西岡委員、お願いいたします。

【西岡委員】  それでは、私は2ページの見方・考え方に関わりまして、先ほど来お話に上がっています共生、それから回復、今回新しく追加されたものです。保健の特徴が出ていいかなと思うんですけれども、それから、今回、疾病のリスクを減らしたりということが挙げられていますけど、それと並んで生活の質を高めたりということについて意見を述べさせていただきます。

回復にしろ、共生にしろ、疾病等のリスクを減らしたり、生活の質を高めたり、こういう表現とか内容というのは、保健の新しさとか、それから幅の広さを表すものとして非常に好ましいことかなと私は思います。

ただ、この言葉自体、保健では内容をどう捉えるかということで、そこを慎重といいましょうか、中身も議論していかなければならないのかなというふうに思います。と申しますのは、例えば回復ですと、回復の内容は非常に広いわけですが、個別の健康課題になってしまいますけれども、例えば薬物乱用防止教育の際には、薬物乱用を行っても回復するというような情報は子供たちに与えてはならないとされています。要は、それをやっても何とか立ち直れるんじゃないかというような印象を与えかねないからでございます。

こういう点からいきますと、回復の扱い方について、健康課題によって変わってくるのかなということがございまして、こういうふうに前面に出てきたときに、一律にいろんな健康課題、全て回復まで言及していくと、教育の効果という点からすると懸念される面があるので、健康課題に応じた回復のような取り扱いの視点が必要なのかなというふうに思います。

ただ、基本的には回復を取り上げるというのは、私は賛成でございます。

それから、共生についてですけれども、これも私は肯定的な捉え方をしているのですが、先ほど五十嵐委員から共生の中身について例が挙げられました。私は、共生といった場合にやはり社会的な取り扱いというのがより重要になってくるかなと思いますので、高校の保健などですと、健康課題を社会的に取り扱いますので、共生など非常にマッチするかなと。あるいはヘルスプロモーションの考え方というのは、共生を促すようなものとして取り上げられるかなと思いますので、非常にイメージしやすいのですが、これが小学校あたりになってくるとどういうふうに共生を捉えるのか。これは、さらに議論が必要かなと思います。

それから、3点目なんですけれども、今回の疾病のリスクを減らしたり、これはリスクを減らす、マイナスを小さくしようという発想なんですけど、それに加えて「生活の質を高めたり」という表現がされております。これは、非常に絶妙だなと思います。よくできているなと。

ただ、一方で、2ページ以降の文章を見てみますと、生活の質を高めたりというのが欠けている部分もあれば、入っている部分もあればというので、統一がとれておりません。これは、共生、それから先ほどの回復もそうです。これらは意図的にされたならば、どういう考え方で、これを付けたり、付けなかったりしているのかということを整理する必要があろうかなと思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

渡邉委員、お願いいたします。

【渡邉委員】  それでは、1点だけなんですが、先ほど森調査官がおっしゃっていました健康の大切さの認識のところなんですけれど、恐らく心配されているのは「認識」という言葉をここに入れることによって、ここが態度として見ているわけなので、それが知識のところとかぶりはしないかということなんですけど、これを読んでいく限りでは、むしろ価値的な部分を取り上げているということなので、この書き方で特に気にはならないというか、間違えることはないだろうと思った。

ただ、資料5の主体的に学習に取り組む態度のところの、要するに観点別評価の中身のところは、今度は単に「健康を大切にし」としているんですけど、ここと整合性を持たせた方がいいのかなと思いました。単に大切にするというと、ちょっともやっとしているというか、余りはっきり分からないところがあります。ただ、「健康を優先し」ということに関してはすごく分かりやすいので、態度として捉えるということが分かっていますので、ここはこのままでいいと思いました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

野津代理、お願いします。

【野津主査代理】  ありがとうございます。保健の方のことになりますが、2ページの3つ目の丸、先ほどから話題になっている点を含めて意見を述べさせていただこうと思います。

保健の2行目の「情報を捉え」という表現ですが、ここは「課題を捉え」というような表現の方がいいのかなという点が1つ。

もう一つ、回復、共生ということで先ほど西岡委員が言われた意見、全く同感です。回復も、共生も、基本的に非常にすばらしい、新しい改善点と思うんですが、ただ、保持増進と回復と共生をこのレベルで示すとなると、それを引き取って内容を担保していかなければいけないときに、どういう具体的な内容を扱うことになっていくのか、その辺、慎重に、もう少し見通しを持った上で判断する必要があるのではないか。ここに共生が入ることは、近藤委員はじめ私も、皆さん賛成だと思うんですけども、内容としてどうなっていくのか心配があります。

それから、「自他」という表現についてです。中学校のところには自他の健康の大切さとか、自他ということがかなり示されています。では、小学校でも自他の健康の大切さを認識するにしろ、大切にするにしろ、自他の他が必要ではないか。そういう見直し、検討もいま一度してみる必要があると思います。

また、その自他を上手に使うことによって、共生まで使わなくても、そのような内容を取り上げて教育していける可能性も出てくるのかなというふうに思った次第です。

あと、もう一つ、すいませんが、4ページ、5ページの方に入ってよかったでしたっけ。

【山口主査】  4ページ、5ページ、大丈夫です。

【野津主査代理】  この辺の書きぶりが、保健と体育で統一性が少しないので、保健自体の小・中・高は整っていると思うんですが、体育の方を見ると必ずしも一致していなかった。例えば「力を重視する観点から」という表現を保健の方はしているんですが、「力の育成を重視する観点から」と体育の方にあったり、その辺、統一した方がいいんじゃないか。

表現に関してはもろもろ、ほかにも幾つか気になるところがあるんですが、とりあえず、そういうのがあるということでとどめさせていただきます。

【山口主査】  ありがとうございました。

藤田委員、お願いいたします。

【藤田委員】  失礼します。私の方からは、実際、現場の先生方が指導するに当たって、最後の評価、見取りまでスムーズに、混乱がないようにという視点で、これを読ませていただきました。前回のときにも少しお話をさせていただいたんですけれども、やっぱり知識と技能との関連については、もう少し補足をした方がいいかなというふうに感じたところです。

それぞれの知っていることとできることに順序性があるものではないとか、それに軽重があるものではないというような表現は本当に分かりやすくて、なるほどなと思うんですけれども、知識と一まとまりに言ったときに、例えば資料5の方にあるような、一般原則などの知識でポツが5つありますし、科学的な知識や文化的な意義等の知識、記載がされているんですけども、体育に関する知識は、やっぱりこれだけではないんじゃないかなというふうに思います。

現行の学習指導要領の中にも、暗黙知を含めた知識への理解を基に運動の技能を身に付けたりとか、そういうような表記もありますので、パフォーマンスを発揮するに当たっての知識というような、そういうところも含めて知識を捉えていくというところも入れていただけると。このままだと、ペーパーテストで知識が出てきて、実技で技能を測って、それを足して2で割ったらいいのかというようなメッセージになってしまうと、そこのところは少し違うのかなというふうにも感じますし、ペーパーテストで測れない知識というところもしっかりと見取っていける方がいいんじゃないかなというふうに感じております。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

中村委員、お願いいたします。

【中村委員】  すいません、まずは2ページ目の(1)の一番最初の丸のところなんですけども、これは基本的なところなので、最終的に生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現、もちろん健康の保持増進に結び付けていくというところですが、現行の学習・指導もちょっと気になっているのは、体力の向上というのが別に取り出されているところが気になっています。つまり、トータルの見方をすることがすごく大事で、そのことが結果的にスポーツライフにつながって、健康の保持につながっていくというような見方を考えていく、考察するときに、そういう考え方をしていくことが大事なのかなというふうに思いました。

「体力の向上」という言葉がある意味分かりやすいんですけど、ちょっと誤解を生むところがあるので、例えば「発達の段階を踏まえた体力の向上」という言葉を入れておくと、それぞれ発達段階に合った体力、運動能力の習得につながっていくのかなという気がします。それが1点目です。

2点目は、ちょっと戻りますが、1ページ目の成果と課題のところの丸印の3つ目の文章、子供の体力低下のところなんですけども、この5行目にある「特に中学校においては運動する子供とそうでない子供の二極化が見られる」、確かに数字で見ると、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果をずっと見ていても、まさしくそうなんですが、では、小学校と高校は問題ないかというと、基本的には他国と比べると問題はあるわけでして、ということを考えると、ここにあえて中学校と入れなくてもいいのかなというふうに個人的には思います。

問題は、運動やスポーツが好きな子供たちの割合は、数字で見ると高いことは高いんですが、ほかの見方をすると、依然として嫌いな子もいる。問題は、運動が嫌いな子が問題なわけで、いろんなところで運動をやらない子のことは言われるんですが、僕は、運動が好きであれば、苦手な子だとか、あるいは自信のない子はいいと思うんです。問題は、運動が嫌いになってしまうところなんです。

そのために、やっぱり体育や保健体育の中で、子供が運動することを心地よく感じるということが大事なので、その辺は少し考慮した方がいいかなというふうに思います。

3点目は、またちょっと戻りますが、2ページ目の、これは余り言うと怒られてしまうかもしれませんが、(2)の2つ目の文章で、「幼児期に育まれた健康な心と体等の基礎の上に」、文章としてはいいんですけど、現実どうなのかなというと、前に話題にも上っていましたが、かなり問題はあると。つまり、幼児期の幼稚園、保育園でやっている、そこは領域ですから、健康の領域って取り出すわけにはいかないんですけども、5領域、幼児の園生活とか、家庭生活全体で、あるいは遊びを通して、その5領域で養っていくと書いてあるにもかかわらず、実際には違うわけですよね。

私は、小学校の体育でやられている内容というのが、もっともっと、逆に幼稚園とか保育園に浸透していけばいいと思っているんですね。いわゆる横の広がりよりも縦の、逆に下の方に広がっていく。実際、幼児期でやっているところというのはかなり矛盾があるんですね。保幼小連携というのは、ずっと文部科学省の大事な施策ですから、そこを加味すると、もう一度、幼児教育との連携のところというのは、ここで考えられている小学校体育の流れが、そういうことを踏まえた幼児教育の中での運動や、あるいは健康の在り方をやった方がいいのかなというふうに思っています。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、日野委員、杉本委員、菊委員の順で行きたいと思います。

日野委員、お願いいたします。

【日野委員】  失礼します。他の委員さんと重なっているところは省略させていただいて、特にこのまとめが今後の学習指導要領の改訂や現場の先生に何が変わるんだろうというメッセージになっていくんじゃないかなと思うんですね。そういったところで、先ほども話がありました「共生」という言葉や「する・みる・支える・知る」という言葉が新しく入ったとか、新しいものというのはすごく注目されると思うんですけども、一方で、なくなってしまったみたいなものも丁寧に説明しておく必要があるんじゃないかなという気もするんです。

例えば今回、態度というのが前面に出ていますけども、従来、関心・意欲・態度と言われるところの関心・意欲みたいなものも、先ほど岡出委員さんも言われましたけれども、愛好的態度とか、運動を好きにすること自体は変わらず、また、運動に主体的に取り組むみたいなところ、この文章の中では「情意」という言葉で使われているんですけど、やっぱりこのことを大切にしていかなきゃいけなし、常に方向付けたりとか、そのことを評価していくみたいなところを含めて位置付けておく必要があるんじゃないかなというふうに思いました。

2つ目が、どうしても小学校、中学校、高等学校という形で学校期で示していくんですけど、一方で、内容は少し4・4・4というふうな形の重なりがあったりとか、先ほど中村委員さんも言われました幼小の連携や学校の接続ということが今言われたりもしますので、そういった点を踏まえながら、特に6ページとかの学びに向かう力の中学校のところは、「第三学年では」というふうにちょっと分けて書かれているんですけど、それ以外のところも、そういう学校期じゃなくて、発達段階を踏まえて接続とか、そういうところも関連しながら述べられてもいいかなというふうに思いました。

あと、もう一つが、特に今回、共生ということも含めて、共生社会の中で能力や障害者も含めて、いろんな指導の充実を図るというところが、思考力・判断力・表現力と学びに向かう力のところには付けられていたんですけど、知識・技能のところには付けられていなくて、そういったところもトータルとして、全てのところで、そういう配慮をしていく必要があるんではないかなと思いますので、そういった全体のバランスと書きぶりも含めて統一化を図っていただければというふうに思いました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

杉本委員、お願いいたします。

【杉本委員】  よろしくお願いします。今回、育成すべき資質・能力ということで、3つの柱に分類されているのがとても分かりやすいなというふうに思ったんですが、その中で「目標に準拠した評価」に向けた評価の観点の在り方というところで、ちょっとお話しさせていただきたいというふうに思います。

資料10と資料5を横並びにしたときに、資料10の方で、これは育成すべき力ということなので、個別の知識や技能というところでは、各種の運動の行い方についての基本的な知識ということと、各種の運動を行うための技能ということで、2つのポチになっています。それが評価のイメージの方で、各種の運動についての行い方を知るとともに、基本的な動きや技能を身に付けているというふうに1つにくくられているんですけれども、実際現場で今まで知識というと、保健の領域でとっていることが多かったので、今度は運動領域の方で知識を見取っていくということになったときに、これからの評価基準の方にもおりてくると思うんですが、どういうふうに基本的な知識が身に付いているかというのを見取るかということなど、先ほど藤田委員の御発言にも関係するんですが、そこが、これから現場の方でどうするんだということになろうかなというふうに思います。

併せて、保健の方で不安や悩みの対処、それからけがの手当て、その基礎的な技能ということで、技能も育成するので、それもきっと評価としても出てくると思うんですけれども、そこら辺も不安や悩みの対処、そして、けがの手当ての基礎的な技能をどういうふうに見取っていくか、どういうふうに評価するかということで、現場の方で具体的なものをどうするかということになってくるかなというふうに思いました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

菊委員、お願いいたします。

【菊委員】  資料4の図ですけども、先ほど目標ということでおっしゃったんですが、確かにマル1、マル2、マル3の目標の違いというのは書かれているんですけども、大きな星印については全部同じですよね。これ、多分、意図的にやられたんだろうと思うんですけど、結局、最終的には、それぞれがどういう関係で整理されていくのか。マル1、マル2、マル3というふうに、一応、資質・能力別に書いてあるのは分かるんですけども、この関係性をやはり整理することが大事かなと思います。

それは、資料3の2ページの(2)の第1番目の丸の一番最後に、「育成すべき資質・能力の三つの柱で整理することが重要である」と書いてある。どう整理することが重要なんですかということが、要するに先ほどの3つの資質の関連性について、アクティブ・ラーニングだとか、そういうことが必ず出てきますので、目標と学び方というものとの関連で、その目標をどういうふうに整理していくのかという視点もやはり必要になってくるはずで、そういう意味でいうと、先ほどから出ている価値の学習ってすごく大事なんですけども、価値は強制されるもんじゃないんですね。やっぱり体を動かすことの意味や価値というのは、私はやっぱり愛好的な態度、まさに運動することが好きであるということを通じて、それを通して学んでいかれるものであると思っているし、今までの学習指導要領も、そういう部分を柱として非常に大事にしているところだと思いますので、その辺の関係を、不易の部分だと思いますけれども、やはり変わらないんだというメッセージをきちっと内容に盛り込んでいく工夫ができたらなというふうには思っております。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。非常に活発な御意見を頂きまして、全体こうまとまってくると、通して見ると、やはり整合性のところとか、あと、表現のところで、意味が相手にどのように伝わるか、あるいは保健と体育との整合性とかというようなところで考えていく必要があるという御意見があったと思います。

皆様、まだまだ言い足りないところがあると思いますので、また、事務局の方も聞き逃したとは言いませんけれども、うまく聞き取れなかったところもあると思いますので、是非メール等で事務局に言い足りなかったこと、あるいは気付いたところをお送りいただけるようにしていただければと思います。

それでは、ちょっと急ぐようですけれども、次の議題に移ります。3番の資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実について、意見交換をしたいと思います。事務局から説明をいただきますが、若干時間が押しておりますので、皆さん、資料を読んでいただいていますので、少し巻きで説明をお願いしたいと思います。

【高田教科調査官】  では、よろしくお願いいたします。資料3の8ページをごらんください。

資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実として、まず学習過程の在り方を踏まえた教育内容の構造化というところで、今まで4観点あったものを今回3つに整理し、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力、人間性等で構造化するものとします。

体育においては、児童・生徒の発達の段階を踏まえて、学習したことを実生活、実社会に生かしていく。小・中・高を通じて体系化を図るとともに、主体的・協働的な学習過程を明示するなどの改善を図ることが重要だとします。

また、保健については、現行の学習指導要領では健康に関する知識の習得を重視した目標になっていましたけれども、そうではなくて、今度は思考力・判断力・表現力、そして学びに向かう力、人間性、この3つをしっかりと目標と内容に改善するということ。そして、小・中・高等学校を通じて系統性のある指導ができるような体系化を図るということ。そして、自他の健康の保持増進を目指した主体的・協働的な学習過程を明示するなどの改善を図ることが重要であるとしました。

続きまして、(2)番について高橋調査官からお願いします。

【高橋教科調査官】  失礼いたします。(2)番、現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しということで、ここが具体的にどのような内容に変えるかというような部分になります。

1つ目の丸が、体育と保健の一層の関連を図った指導の在り方について改善をするということ。

2つ目の丸につきましては、幼児期からの多様な動きの経験などを踏まえて、発達の段階に応じて各種の運動の特性や魅力に触れられるように内容を検討すること。体力の一層の向上を図る観点から内容を充実すること。具体的には、特に小学校においては握力や投能力に関連する領域において取り上げる運動の充実を図ること。中学校等においては運動の日常化につながるよう指導内容の充実を図ること。

次の丸につきましては、運動の習慣化につなげる観点から、体つくり運動の内容等の改善を図ること。

次の丸につきましては、自己や仲間の体力や技能の違いを認識するなど、学ぶに向かう力、人間性等の指導と評価の在り方について改善すること。

次の丸につきましては、オリンピック・パラリンピックに関する指導の充実を図るために、スポーツに関わる科学的な知識等において、その意義や価値を踏まえた指導の在り方を改善すること。

次の丸につきましては、スポーツを通した共生社会の推進を図る観点から、スポーツとの多様な関わりを楽しむことができるようにするための指導の充実を図ること。

次のページに参ります。一番上ですが、グローバル化する社会の中で日本固有の武道の考え方に一層触れることができるよう、武道の充実について改善を図ることと示させていただいております。これらの点につきまして、さらに加える点等を議論いただければというふうに思います。

続きまして、保健を説明いたします。

【森教科調査官】  10ページ、2つ目の丸からお願いします。

保健については、先ほど高田調査官からも説明がありましたように、これまで知識を中心とした内容構成になっていたものを、この3つの柱に沿った資質・能力ということで、内容を構成する、これも非常に大きな改善になるというふうに思います。これが全体を通してくるということになります。

続いて、小学校については、現在あるそれぞれの内容についての学年に配置されているものをどう配列を変えるかというようなことを、内容を含めて検討していただきたいということなんです。特に発達の段階に応じて、今回、冒頭、座長からお話がありましたように、大きな地震があるということで、今、健康な生活が先に来て、その次に発育・発達が来て、心が来て、安全というような形になっているんですけど、健康と安全という重要な内容をやはり早い段階で学ぶということも考えられますし、そういった内容の配列ということを是非踏まえて考えていただきたいということで提案しています。

2つ目、中学校については、大きなところで言うと4行目のところです。現代的な健康課題の解決ということが非常に重視されている中で、現在、健康な生活と疾病の予防というものが第3学年で学習することになっています。ただ、疾病の予防と健康な生活ということは、保健に関する中核的な内容になっているので、これを帯状で、1年、2年、3年で学べるような配列ができないかということで提案させていただいているところです。

そして、高等学校になりますと、現在、小学校、中学校、高等学校を通じて、何度もお話しさせていただいたように一次予防の内容が中心になっていますが、共生ということも踏まえて、二次予防、三次予防に関する内容というのを現代的な課題である、例えばがんや精神疾患といったものを踏まえて発展させていくことが、中学校とのすみ分けということでもいいのではないかということで提案させていただいております。そのあたりが一番話が頂きたいところで、それ以外もどしどし、よろしくお願いいたします。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、今、御説明いただきました資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実といったところで、ここのところが目玉といっては何ですけども、伝え方も含めて非常に難しい部分もあると思いますので、ここについても活発に御意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。

髙橋委員、お願いいたします。

【髙橋委員】  遅くなりまして、すいません。昨日のうちに加筆修正の部分は、遅れてくるので送らせていただいて、大分反映させていただいて、ありがとうございます。

例えば8ページの(1)の(3)のところに、3番目の柱である学びに向かう力、人間性等に構造化するという、この学びに向かう力、人間性というような言葉の意味が主体的に学習に取り組む態度と同じように恐らく使われているのだと思うんですけれども、資料10の上の方を見ていただくと、知識・技能、それから思考力・判断力・表現力、そして、一番右の方には学びに向かう力、人間性というふうに出ていて、この3つの柱で言っている一番最後の方の学びに向かう力というふうに書くときと、それから、主体的に学習に取り組む態度というふうに書くときと同じように扱っているのでしょうけれども、時によって、これが突然出てきたりするので、ほかはそういうことはないんですね。ここを統一する必要があるのか、あるいはあえて分けているのか。そこは、出すときにはもう一回吟味する必要があるかなというふうに思っています。

それから、9ページのこれも昨日出したんですけど、「オリンピック・パラリンピックに関する指導の充実を図るため」ということは、オリンピック・パラリンピックの授業内容にする指導のという意味だと思うんですけれども、分からない人がこのまま読むと、オリンピック選手を指導するための充実を図るとかというふうに読み取れないこともない。そうすると、突然、そんなことないはずなのにと。私の読み方が駄目なのかもしれないけれども、フラットに読むと、そういうふうな危惧があるかもしれないので、オリンピック・パラリンピック教育といったら、また違う意味になっちゃうのか分からないですけれども、そんなところも気を付けなければならないかなというふうに思います。

さっき友添先生の意見のところに入れなかったんですが、スポーツライフというふうに使っているスポーツという定義、それから、運動というふうに言葉で使っていること、これを運動とスポーツというふうに下の方の中で書くということが果たして合うのかどうかというのは、相当議論を尽くさないと駄目なような気がするんですね。スポーツライフといったときには、運動も、いろんなものも含めたこととして入れている。私のダンスの立場だと、ダンスも入ったスポーツというふうに考えますけれども、運動・スポーツといったときに、スポーツ、いわゆるルールに従ったスポーツだけを指してしまうのかというふうなことも考えられてしまうので、そこを下の方で書くときにどういうふうに意識するかということは大事かなと。

これは、本当は前の方の議論で入れたかったんで、もう時間がなかったので、やめています。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

西岡委員、お願いいたします。

【西岡委員】  2点申し上げます。小・中・高の内容をこういう方向に変えていくというのは非常に興味深くて、変えていく1つの方向性かなというふうに思います。

その点に関わって2点ですが、1点は、小学校の安全に関する内容です。これ、学年を今、5年ですけれど、4年におろしてということでしょうか。そこまで具体的には考えられていないのかもしれませんけども、もしそういうことでしたら、中学年になってきますので、安全に関する発達からいきますと、5年生に比べてまだまだ未熟な面があるかなと思います。

そうしますと、この安全に関する内容が単にルールを守ろうとか、気を付けようということに終わらないようにしなければならないかなと考えます。そういう点で、これは、次のところの教材の充実などとも関係するのかもしれませんが、やはり小学校では身近な課題を取り上げるということで、身近な課題をICTなどを使って具体的に取り上げて、子供たちに具体的にイメージしやすいような形で進めていかないといけないんじゃないのかな。そうすることで、思考力・判断力等も育っていくのではないのかなと考えます。

それから、もう一点は保健の技能に関することです。特に不安や悩みの対処とか、ストレス対処についての技能です。ここで、例えば、これを取り上げるかどうかは別として、どちらかというと運動スキルに近いのかもしれませんが、呼吸法などは比較的技能として設定しやすいかなと思うんですけれども、一方で、ストレス対処で大事な認知的な技能、例えばよく言われますけれども、ストレスに対して不合理な考え方をしてしまう。全て駄目だったとか、自分はそれに対して絶対に対応できないとか、こういうふうな考え方を吟味させるような二次的なスキルがストレス対処などではよく用いられております。

こういうものを、ここで言う技能に含めるのかどうかなのかという議論を進めていかないといけないかなと。要はストレス対処に関する技能をどう捉えるかということです。こういうことについて議論を進めていかなければならないかなと考えています。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

渡邉委員、お願いいたします。

【渡邉委員】  引き続き保健のことになりますけど、10ページの方、保健の小・中・高について、それぞれ1つ御意見を申し上げたいと思います。

もう一つは、今、西岡委員の方からありましたように、けがの防止を4年にしていくという話でしたけれど、確かに西岡委員の危惧されるような部分というのはあるのかなというふうに思いますが、例えば東日本大震災の後に出ました「防災教育の展開」、文科省から出た冊子なんかもありますけれど、ああいうのも学年別で見ていきますと、中学年でももう危険に気付いて、それを避けるというようなことなんかも挙がっていますので、特に東日本大震災以降、それまでの約束を守るというところから危険回避の教育というふうに大分シフトしてきているので、その辺のところも生かしていくと4年生でも十分いけるんじゃないかなというふうには思っております。

そうすると、逆に今度、発育が心の発達と一緒になるということもあるんですけど、例えば今、発育のための食事と休養というのがあるんですけれど、あの食事の内容って割とレベルの高い内容をやっていますよね。例えばカリキュラム・マネジメントの考え方でいくと、家庭科が5年から始まりますので、その辺との整合性なんかもうまくつながっていくのかなという感じがありますので、私は、そこを変えていくということに賛成の意見です。

2番目に、中学校のところで、先ほど帯状に変えていくということですが、これも大賛成です。今のところは、やっぱり中学校の3年生の内容がある意味重いというか、そういうふうな形になっていますので、もっと整理の仕方があるんだなというふうに思っています。

それと、中学生というのは、これまでいろんな調査で興味・関心がちょっと低いというようなことも指摘されていますので、これを変えることによって、そういう改善も図れるんじゃないかということもありますので、中学校で、こういう改善を図っていくということに関しては非常に期待しております。

高校につきましては、これも先ほど調査官からお話がありましたように、がんとか精神疾患とかを取り上げるということについても、特に精神疾患については、健康日本21の第二次でも1つの柱としてメンタルヘルスが入りましたので、自殺防止の視点から入ったんだと思いますけれど、そういう意味では今までなかった内容なので、是非精神疾患についても適切な形で入れていただければと思っております。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

青木委員、お願いいたします。

【青木委員】  渡邉委員とほぼ同じ意見になりました。まず、10ページの小学校のところの配列の再構成というところで、子供の発達段階と各校種とのつながりの関係も意識しながら、3つの校種を意識しながらの再構成を是非お願いしたいと思います。

それから、中学校のところ、今、本当におっしゃったとおりで、私、非常にうれしいです。3学年、全部の学年で帯状に子供たちに学ばせていただく、意識が変わると思うんです。保健内容の定着のためにも、是非3学年を通してやってもらえればありがたいです。48時間程度の縛りの中でどのようにできるのかなというのは、不安もありますけども、是非お願いしたいと思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

友添委員、お願いいたします。

【友添委員】  ちょっと髙橋委員から批判的な御発言があったというふうにも感じているんですけど、例えばアメリカではスポーツの学部とダンスの学部は明確に違いますし、そういう意味で運動を残すべきだということの中に、それは含意したつもりで、多分、その議論になってくると、柔道、あるいは武道はどうだという議論が必ずや起こってくるわけなんですね。

これは、多分、今、国レベルで議論している体育・スポーツの概念整理の問題と直接に絡んでくるわけでもあると思うんですけども、そこに踏み込んで議論するつもりはありません。ただ、運動やスポーツの中には全てのものが含まれるという合意を作っておく必要が、だからこそあるということで、例えば資料3の9ページの(2)の丸の上から5、ここも髙橋委員が言われたオリンピック・パラリンピックに関する、本当はこれ、オリンピック・パラリンピック教育と書きたいところだろうと思うんですけど、教育と書いちゃうと、特出しして、そういう教育をやらなきゃいけないのかというふうにとられるので、あえてこういう記述にされているのはよく分かるんですが、オリンピック・パラリンピックに関する指導の充実を図るため、各種の運動についての知識・技能等を習得する過程やスポーツに関わると、あえて、ここでまた「スポーツに関わる」という言葉が出てこなきゃいけない苦しさがやっぱり出てくるわけですよね。オリンピック・パラリンピックで運動をやっているわけじゃないと誰もが知っているんですけれども、こういうことが出てこないように一貫性を持たせなければいけないということを含意して、先ほど御提案したところでもあるということです。

それと、特に3の(2)の保健と体育の書きぶりが違うというのは、気にならないかというと少し気になるところで、何も合わせなければいけないわけでもないんだけれども、読み手の側から言うと余りにも階層が違うなという感じがありますので、ここのところを少し工夫していただければというふうに思うところでもあります。

1つは、私、先ほどから一貫して価値ということを申し上げているわけですけれども、スポーツの価値を理解するということを、これも菊委員から御批判を受けたわけですけれども、菊委員の趣旨もよく理解した上で、少しお話をすれば、例えば指導要領の1つの観点ということで言う、公正だとか協力とか責任とか参画とか、さらに共生も健康も、それから安全も、これも1つの価値なわけですね。こういうことの価値について、知識ベースで教えなければいけないのか、あるいは小学校の中で、運動の中で、先生方が少し説明的に指導内容に含めるべきなのかどうかということの話のレベルと、一定のいわば規範を教え込むという協調主義的な意味での価値教育とは明らかに違うということは、少し説明をさせていただければというふうに思っています。

ということで言うと、スポーツの価値ということがもし目標構造の中に入ってくるんだったら、それを引き取る的な形での教育内容の提案が生まれてこなければいけないだろうというふうに感じているところでもあります。

もう少し具体的なところで言うと、ここも多分、委員の皆様方が御議論しなければいけないところだと思うんですけれども、共生を引き取った教育内容の見直しが、共生が方法のレベルなのか、あるいは内容のレベルなのかということを考えておかなければいけないだろう。恐らく教育内容の見直しの文章を見ると、共生というのは教育方法レベルで配慮するとか、工夫をするということなのか、あるいは内容のレベルまで踏み込んでいくと、例えばユニバーサルスポーツのような、もっと具体的に言うとシッティングバレーのような、そういう教材群を設定して授業を構成するというところまで行くのか行かないのか。そういう議論も実は必要になってくるだろうと。

誤解を避ける意味で、それを入れなければいけないとか、入れるべきだということを申し上げているわけではなくて、この最初のところの目標と評価の問題、それから教育内容の見直しと一貫していますから、そういう意味でいうと、共生をどこの教育内容で引き取るのか、方法のレベルでよしとするのかということは検討しておかなければいけないだろうというふうに感じているところです。

それから、あと、これは中村委員にお伺いしなければいけないんですけど、握力とか投能力の低下の著しいというのは、例えば投動作をいっぱい授業でやったらいいのか、あるいはねじったり、絞る動作を含む運動をいっぱいやったらいいのかということなのか、あるいは全身運動そのものが不足しているから、こういうのが特に落ちるのかということによって書きぶりがかなり変わってくるだろうというふうに思うんですね。このあたりの知見について少し、これ、多分、中村委員の御専門のところだと思うので、お伺いをしてみたいなというふうに思っているところです。

あと、少し気になったところで言うと、9ページの丸の3番目のところです。9ページの(2)の上から3つ目の丸のところです。これ、少し読んでみますと、「学習したことを実生活や実社会で生かし、運動の習慣化につなげる」ということも大事だと。これが目標だとすると、体つくり運動の領域名称を含め、内容の改善を図ると。少しいちゃもん的になるんだけども、体つくり運動の名称を改めて内容の改善を図ったら、学習したことが実生活や実社会で生きて、運動の習慣化につながるか、あるいは運動やスポーツの習慣化につながるのか。あるいは、「その他の領域においても、学習した結果としてより一層の体力の向上を図ることができるよう、指導の在り方について改善を図る」、これはもちろんよく分かるんだけど、前の文言と後ろの文言との階層の違いを感じてしまうんですね。だから、ここのところは、ちょっと工夫して、書きぶりをブラッシュアップした方がいいなというふうに感じたところです。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、中村委員、先ほどの御質問を含めてお願いしてよろしいでしょうか。

【中村委員】  友添先生とほぼ同じ観点の意見なので、最初に今の(2)の2番目の丸、いわゆる体力のところなんですが、1つは、先ほどお話しした下から3行目の「特に、中学校においては、運動する子供」というところはちょっと違和感があります。これは、全校種に言えることなので、中学校だけを特化する必要はないだろうというふうに思います。それが1点です。

それから、御質問頂いたというか、お答えになるかどうか分かりませんが、特に握力、投能力の低下が著しいことからというふうな書きぶりをしてしまうと、かなり危険性があるのかなと。どちらかというと、今、友添先生の言われた、私は後者の立場をとっていまして、一番怖いのは、最近、小学校の授業なんかを見に行くと投げることしかしない授業が淡々と続くんですね。これ、だから、施策だろうと言われてしまう。全くそうではない。

今回、文科省が子供体力向上の課題別のプロジェクトを作られていますけど、ここでは確かに投能力ありますが、それはモデル事業としてやられているわけで、別に投能力だけを伸ばすための授業を作れといっているわけじゃないんですね。危険性がすごくあると思うので、例えば、これを頂いたときに私が考えた書きぶりとしては、「特に」を削って、「握力及び投能力の向上を中心に、それぞれの領域において取り上げる運動」というふうにすると少し緩やかになるのかなと。

つまり、これは別に体つくり運動だとかゲームボール運動だけではなくて、いろんな領域にまたがっている、身体能力全体のことを捉えるというふうな形を考えた方がいいのかなというふうに思います。

もう一点は、これも先ほどの友添先生の最後の疑問と同じなんですが、「実生活や実社会で生かし、運動の習慣化につなげる」というのは、もちろん体つくり運動だけのことではないということなので、やはり全ての領域の中で、こういったことを進めていくわけです。だから、体つくり運動の領域の名称を含め内容の改善を図るというところは、具体的にどういうことが考えられるのかなということは、これから考えていくことかもしれませんけども、確かに12年間の体つくり運動の具体的な中身に関してはちょっと難しい面がある。

つまり、小学校1、2年生でやっている、体ほぐしのことはちょっと置いておいて、多様な動きをつくる運動(遊び)、それから3年生、4年生の多様な動きをつくる運動というところまでの4年間と、それ以後の、いわゆる体力を高める運動というところでは、ちょっと分類の仕方が違う。あえて一緒にする必要もないかもしれませんが、多分、前の学習指導要領の改訂のときも、ここはちょっと苦しんだところだと思いますけども、いわゆる動作学的な動きのことを言っているにもかかわらず、一方で、今度は、そこからは体力要素に入っていく。しかも、高学年のところは、体力要素とはいっても、やはり調整力みたいな動きにつないでいくわけですね。

そういうことを考えると、やはりここはトータルな名称としては難しいのかなということは考えられると思いますので、具体的なところは私自身の考えがまだ明確にならないんですけども、この部分というのは、逆にきちんと名称なり、内容を改め考え、改善した方が分かりやすいのかなとは思っています。

ただ、繰り返しますけども、そのことが全て実生活へつながったりとか、運動習慣につながるというところではないだろうというふうに考えて、もう少しストレートに体つくり運動の中身を充実させるというところでいいのかなと思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

それでは、佐藤委員、お願いいたします。

【佐藤委員】  失礼いたします。1点だけなんですけれども、9ページの、今お話に上がっていた現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しの1番目です。高校現場でぱっと見たときに、体育と保健の一層の関連を図った指導の在り方ってすごく大事だなというふうに毎回毎回思うんですけども、教員がこれを読んだときに、なかなかイメージが湧きにくい。どういったことをどんなふうに関連付けていったら一番いいのかなというふうなことの、ちょっとしたイメージのフレーズなんかを入れていただけると、改善の方向に教員自身も臨めるというか、向かえていくんじゃないかなというふうに感じたところです。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

では、野津主査代理、お願いいたします。

【野津主査代理】  保健の話題に戻ります。森調査官からの提案について、私も結論的に言いますと、同じく賛成ということです。

ただ、是非発言しておきたいと思っているのは、平成10年の学習指導要領の改訂のときに、体の発育・発達に関して、5年生から4年生に位置付ける、学年をおろすというときに、かなり議論したわけです。子供たちの羞恥心などが全体として上がってこないうちに、早いうちに教育した方がいいという考えで、そうしたわけです。その後、平成20年の改訂のときでも、それを継承したという経緯の中で、今、心と体の一体化を重視するという理屈ですと、それは以前も同じであってと思います。そこで、データに基づいた議論が大事だということで、こうした調査結果があります。

全国調査なんですけれども、小学校5年生に例えば、初経は男の子の現象で、精通は女の子の現象である、マルかバツかという問いで、間違いと正答できるのが、男子で約18%、女子でも30%程度ということです。こうしたデータから見ると、体の成熟について、4年生の段階での教育というのはかなり難しいというふうに思っています。

特に思考・判断を重視して、主体的に・協働的に学ぶといったときに、こうした体の成熟に関しての学習は高学年で勉強するということを考えてもいいかもしれません。

それから、もう一つ、先ほどから精神疾患のことも出ておりました。精神疾患自体は、これまで保健ではなかなか扱ってきていないところがあるわけですけども、ここ10年ぐらいでしょうか、精神疾患に関する国際共同研究などの成果、知見がかなり示されてきていて、10代での発症が急増しているとか、成人の精神疾患のおよそ50%が14歳までに発症しているとか。

いずれにしましても、そうした学齢期において精神疾患についての基礎・基本について学習することが、先進国においては特に重要だというような指摘が出てきておりますので、学習内容として位置付けていくことは妥当だと思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

日野委員、お願いいたします。

【日野委員】  先ほどの中村委員さんや友添委員さんのところにちょっと戻るんですけども、9ページの教育内容の見直しのところが、言ってみれば、これからの要領改訂に向けての具体的なところになってくると思うんですけども、その直していくという根拠は、1つには現行の学習指導要領のときにはなかった内容で、社会変化の中で新しく生じてきた内容と、もう一個は現行の学習指導要領で課題として残っているところがあるんじゃないかなという気がするんです。

そうすると、最初のページのところで現行の学習指導要領の成果と課題という課題が述べられているところが、ここでちゃんと見直しが図られている必要がありますし、一方で、教育内容の見直しに書かれているところが課題として指摘されていないとつじつまが合っていかないかなという気もするんです。

そういった点では、先ほど中学校において運動する子供とそうでない子供というのは課題のところで述べられていますので、それは挙げていかなきゃいけないんじゃないかなという気もしますし、一方で、個人的にはもっと低学年の子供と運動の出会いや、いろんな運動感覚が身に付くような時期の運動はもっと大切にしていくということは、引き続きやっていかなきゃいけないんじゃないかなというところが、現行の指導の成果と課題のところに述べられて、それを踏まえて、こちらの方にも反映していくということが必要じゃないかなと思いました。

先ほどの体つくり運動の領域の名称を含めのところにつきましても、今、体つくり運動で何が課題なのかというところが指摘されて、初めて直していこうというきっかけになっていくんじゃないかというところの、書きぶりと内容の整合性というところでもあります。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

様々な御意見を頂きまして、事務局が非常に丁寧に作っていただいているものですけど、書きぶりとか、そのあたりのところをもう一度検討する事項が御指摘されたかなと思いますので、もう一度御検討いただいて、大変お手数ですけど、まとめていただけるようにお願いいたします。

この後、4番と5番の議論に入らせていただきたいと思います。通常の進め方ですと、調査官の方から御説明をいただいた後に議論をしていただくんですが、今までの議論を聞いていますと、皆さん、かなり読み込んでこられていますので、若干時間も押していますので、調査官の説明は省き、4番と5番の学習・指導の改善充実や教材の充実及び必要な条件整備等についての議論に移らせていただきたいと思います。なるべく先生方の御意見を頂いておいた方が事務局としてもよろしいと思いますので、残り約20分になりますけれども、御意見をどなたからでも頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。

渡邉委員、お願いいたします。

【渡邉委員】  時間もないので、急いで行きたいと思います。

【山口主査】  そんなに急がなくても結構です。

【渡邉委員】  2点ほどです。1点は、11ページにあります上から2番目の丸で、「体育理論及び保健の学習においては」の下から2行目なんですが、「なお、障害だけでなく疾病等による配慮が必要な児童生徒についても実態に応じたきめ細やかな指導に配慮する必要がある」、これはとてもいい文面が入っていると思うんですが、これは、その上の運動場面の学習にも入るべきだというふうに思います。

要するに疾病を持っている子供の中には、それを考慮されずに事故が起きてしまっているケースとか、逆に病気があるからさせないというようなこともあるわけですけど、それは生活管理指導表にちゃんと示されているわけですよね。ですので、その障害の有無の問題だけじゃなくて、こういう疾病のことについては運動の場面の学習においてこそ必要ではないかというふうに思いましたので、是非そこを考えていただければと思います。

もう一つは一番最後のページになりますけども、教員養成の話が載っておりました。14ページですが、上から5行目、「健康や安全に関する新たな内容」云々というところですけれど、まさにこのとおりだと思いますので、履修できるように改善を図るということですので、多分、ちょうど今、教員免許に関する議論を別のところでしていると思うんですけど、是非、これまでもいろいろ要望を出してなかなか実現しなかった学校保健、学校安全について、全ての教職員が、教員になる人たちが学べるような、学校でそれを必修にしていただければ、子供たちもそういうことをちゃんと分かった上で保健体育の指導もできるんではないかと思いますので、保健体育の教員はもちろんですけれど、全ての教員にやっぱりこういうことを学んでほしいと思っています。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

西岡委員、お願いいたします。

【西岡委員】  1点でございます。学習等の改善、教材の充実、4のところなんですが、体育の方ではICTの活用というのは随分挙げられているんですけれども、保健が取り上げられていない印象でございます。ただ、これ、結構ICT使えるんじゃないのかなと思います。

例えば今回議論しておった心肺蘇生法の習得が挙げられていますけれども、心肺蘇生法、自分が練習しているのをカメラで撮って、自分で振り返ってみるというような、体育で技能を高めていくような使い方を保健でもできるんじゃないかなと考えます。

それから、グループワークも随分増えるかなと思いますけれども、グループワークで出た意見をまとめたものを各グループ例示していくようなこともICTなどを使うと、かなり効率的に学習を深めてできるんじゃないかなと思いますので、保健でもICTの活用を取り上げていってはいかがでしょうかということです。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

野津主査代理、お願いいたします。

【野津主査代理】  まず、11ページの(2)の上の下から4行目でしょうか。「そのためには、従来から取り組まれてきた一斉指導に加え」という、このフレーズ、非常に気になります。一斉指導だけを今までやってきたようなイメージになりますので、これはとった方が良いと思います。

それから、12ページのところの対話的な学びの「保健については」という真ん中あたりです。「協力的で協働的な学習を重視する」ということで、これまで「主体的・協働的学習」というフレーズがあります。ここも協力的はとってしまうか、主体的という言葉に直してはどうか。

それから、13ページになります。教材の在り方で保健のところに関して、「教科書も含めた教材の工夫」という表現で、これはとてもいいと思いますが、「情報機器の活用」というのは、ICT機器に表現を統一した方が良いと思います。

最後に、必要な条件整備について14ページのところに資料等の作成が必要であるということです。これは、もちろんそうなんですが、「及び研修の充実」ということがもし書けるんであれば、是非加えていただきたい。保健体育教師の保健に関する研修というのが、企画し、募集しても、結果的に保健体育教師は、なかなか参加されないような実態があるようで、そのことの改善も含めまして、「研修の充実」という文言を是非入れていただきたいと思います。

また、指導方法等を履修することができるように改善するということなんですが、これ、物すごくすてきなことだと思います。そこでもう一つ、教育実習でなかなか保健の授業の実習ができない状況にあります。是非教育実習での保健の授業の指導を充実することが必要という文言が入るような文章の工夫ができればというふうに希望しております。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

杉本委員、お願いいたします。

【杉本委員】  お時間がないので、単刀直入にお話しします。指導方法の不断の見直しということで、深い学び、対話的な学び、主体的な学びということで出ておるんですけれども、対話的な学び、主体的な学びというのはとても分かりやすいんですが、この深い学びの過程というところが、形容詞で「深い」というのは学びの質の高まりなのか、そこのところが現場としてはすごく分かりづらい部分があるので、ここに書いてあることは普通の学習過程でのことで、さらに深い学びというのはどこまでの質の高まりを言うのかということで、ちょっと分かりづらいなと思いました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

門田委員、お願いいたします。

【門田委員】  失礼します。ちょっとまとまりのない話になってしまうかもしれませんが、個に応じた学習の充実のところで、やはり支援が必要な子供たちにはきちんと指導もしたいし、できるようにさせたいなという気持ちもあるんですが、やはりきめ細やかな指導をするためには先生方の研修も必要ですし、もし可能であれば支援者も十分に確保するということが大事かなとも思いますし、小・中、中・高とか、幼小とかの連携というのをよく聞かれるんですが、特別支援学校といいますか、そこに特化した学校との交流とか、そういう研修も深められたら、より現場の先生たちは自分のこととして捉え、自分が関わったときに何かできるんじゃないかなというのを感じました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

日野委員、お願いいたします。

【日野委員】  すいません、1点だけなんですけども、必要な条件整備のところの教員養成のところについて、今回のいろんな具体の内容のところを履修できるようにとかあるんですけども、自分の反省も込めてなんですけど、根本的に学習指導要領そのものの趣旨や内容についてしっかり伝えていくとか、指導していくところがまず前提にあって、その具体かなと思いますので、学習指導要領自体をちゃんと教員養成の中で扱っていくということを付記すればいいんじゃないかなと思います。

以上です。

【山口主査】  真如委員、どうぞ。

【真如委員】  それじゃ、勝手なことを。先生方の話を聞いていると、これから先、子供たち、いや、もっと人間といいますか、どんなふうになっていくのか、あるいはなっていきそうなのかということを頭の中に入れておく必要があるかな。そういうことを一緒にざっくばらんにいろいろ話し合ってみることが大事になってくるんじゃないかなと思います。生活環境がどんどん変わってきていますから、車、ハンドルを持たないで前へ進むような時代ですから、これから先、随分変わっていくと思うんですね。私たちが生きている今の感覚で子供の将来を考えていくというのは、それだけでは十分ではないというような、そういう時代になっていくというふうに感じるようなところもありますので、その辺のところを大事にしたいなと。

併せて、オリンピック・パラリンピックの現在の日本じゅうの様子を知るわけじゃないんですけども、様子を見ていると温度差がかなりあるんじゃないかなという気がします。近隣の市で局長が集まって話をしたときも、東京の話をちょっとしましたら、すごいなと言っていましたもんね。大体、各学校に50万、30万をぽんと付けてやっていこうと、そういうところに今いますから。実際やっているんですけども、随分違う環境の中にいる。

ですから、ここに書いてあるオリンピックのことについて触れていることも、いろんなところで、いろんな学習が始まるんだということをどういうふうに進めていこうとしているのか、その辺のところをしっかり見極めた上で、どこにでも通用するような書き方というか、そういったものも必要なのかなというような気がしました。

それから、体育も、先ほどからこれを読んで難しい、難しいといっているのは、体育を専門にやっている先生とは違う先生が圧倒的に多いわけです。それで、理解して、こちらが期待するような授業ができるかというと、それは非常に難しいところがあるので、各学校で時々やっているように、小学校の体育も専科の先生がやるような新しい授業の構成の仕方というものを考えておく必要があるかなということをちょっと感じました。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

五十嵐委員、お願いいたします。

【五十嵐委員】  1点希望、お願いがあります。14ページ、下から6行目、健康に関する「知識・技能」のところですが、健康の前に、心と体やそれらの健康に関する「知識・技能」というふうにしていただければ幸いです。健康といいましても、その前に心とか体がどういうふうになっているかということをまず知らないと、それが健康であるかどうかということになかなか行かないわけですね。ですから、是非、生理学とは言いませんけれども、もうちょっと子供たちが心や体について知る機会が本当は必要なんですが、化学ですか、理科ですか、そちらの方でなかなか教え切られていないという非常に大きな問題がありますので、是非保健の方で、時間が限られているんでなかなか難しいとは思いますが、お考えいただきたいと希望いたします。

【山口主査】  ありがとうございました。

友添委員、お願いいたします。

【友添委員】  細かいところで恐縮なんですけども、今度は10ページの4の学習・指導の改善充実や教材の充実の(1)の特別支援教育の充実、個に応じた学習の充実のところの1つ目の丸の一番最後から2行目のところですが、「交流及び共同学習の更なる充実が求められる」という記載のところですが、この交流と共同学習というのはどのレベルでの交流で、どのレベルの共同学習かがちょっとよく分からない。体育の授業なのか、単なる交流、共同学習かということでもないと思うので、運動やスポーツを通しての交流及び共同学習ぐらいの方が限定的にイメージが湧くのではないかということを思いました。

3点目のうちの2つ目ですけれども、12ページのところです。細かなところですけれども、12ページの主体的な学びの過程のところの丸の1つ目のポチのところですが、丸の最初の1つ目のところから言うと、「『主体的な学びの過程』については、運動の楽しさ」、ここを私もずっとこだわっているんですけれども、運動やスポーツの楽しさというふうに、これ、全般的に整理をしてもらえればありがたいなと思うんですけれども、今、現行の文章で読むと、「『主体的な学びの過程』については、運動の楽しさや健康の意味や価値」、つまり、意味や価値は健康に係ってくるという理解をこの文章ではするわけですけれども、「運動の楽しさや健康の意味や価値に気付き」のところですが、私が一貫してきょう申し上げているところで言えば、「運動の楽しさや健康の意味及びそれらの価値に気付き」ということになるのかなというふうに思っています。

それから、その下のポツの一番最初のところですけれども、「体育においては、運動の楽しさに気付き」、ここのところも「運動やスポーツの楽しさに気付き、それらの価値を理解し、自己の目標をもち」と。つまり、運動やスポーツの価値を理解することによって主体的な学びの意味を深めていくという表現に少し階層を変えていく必要があるのではないか。でないと、先ほど来出ていますけれども、対話的なところと主体的なところと深めるということとの違いがよく見えなくなってくるので、少なくとも深めるというところと対話的なところと、それからもう一つのところの違いは少し意識的に文言で整理していった方がいいのではないかというふうに思いました。

それから、最後、13ページの5番目の必要な条件整備のところですけれども、先ほど来教員養成の話も出ておりますけれども、例えば5の必要な条件整備等についての1つ目の丸のところで言うと、下から4行目、「教員養成においてはスポーツの多様性と価値についての理解」、ここでまたスポーツの価値が出てくるんですけども、これも一貫して整理をしていただければと思うんですが、その後、「体力や技能の違いに応じた指導方法、体力の低下などの運動課題に関する今日的課題を解決するための指導方法、オリンピック・パラリンピックに関する指導や共生社会を推進するための内容が履修できるように改善を図る必要がある」ということですが、教員法との関係もあるんですけれども、例えば障害者スポーツの指導法なんていう文言は要らないのかというふうに少し思ってしまう。あるいは逆に言うと、それも含んでいるということであれば結構かと思うんですけれども、少しくどいですけれども、最初から一貫してこの文章を読んでくると、やはり障害者スポーツの指導法なんかも教員養成なんかでは特化して期待したいと、条件を整えてもらえればというところ。

つまり、これは、2020のオリ・パラのパラとのレガシーも含めて言うと、重要な視点にもなってくるのではないかというふうに感じるところでもあります。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

菊委員、お願いいたします。

【菊委員】  今の友添委員の主体的な学びの過程のところとの関連で、先ほどの目標の構造のところと全く同じことを私は言いたいんですけど、12ページの一番上の行に、「三つの視点はそれぞれが独立するものではなく、むしろ」云々と書いてあります。これは、非常に抽象的で、やっぱりそれぞれの内容の違いは分かるんだけれども、その内容の違いをさらに理解するためには、実践の中では、それらがどういうふうに関連していくのかということのモデルとかイメージが付かないと、目標の構造というところにも行かないと思うんで、やっぱりその辺のところを一連のものとして具体的にもう少し関係性を、一言で言えば構造なんですけど、関係性を示した方が分かりやすいんじゃないか。

どうしても1つだけ示すと、これしかないというふうに考えちゃうので、幾つかやはりモデルを示すぐらいのことは必要なんじゃないかなというふうに思います。

それでもって友添委員が言ったように、ある主体的な学びの過程の中で楽しさや意味に気付いて価値の方に行くと。その価値をまた知識として学ぶことによって、また楽しさというものがより広がって深まっていくという、何かそういうイメージが、具体的な体育の学習の過程の中でイメージできるんじゃないか。

やっぱり指導者がイメージできないと、教わる子供たちがどういうプロセスでそれを学んでいるのかということも理解できないと思いますので、それは当然、評価の問題にも関わってくるということです。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。

近藤委員、お願いいたします。

【近藤委員】  どこに入れればいいか、ちょっと私も分からないんですけども、こういう視点を入れてほしいなということで、1点だけお話をします。

ここに書いてあるのを見ると、学校、小学校も学習・指導を改善充実しなきゃいけないし、教材も充実しなきゃいけないし、条件整備もしなきゃいけないしと、やること満載だな、これ、全部学校でやるのと、現場としてはそういう感じなんですね。同じことを繰り返して、結局、お金がないからできなかったり、人がいないからできなかったりと、同じことの繰り返しなわけですよ。なので、今回、開かれている教育課程という話が出ているので、どこに入れるか分からないんですけど、地域とか社会的な資源を活用して子供の学習の充実を図りましょうという視点を入れてほしいなというふうに思っているんです。

具体的に言えば、部活の外部人材であったり、地域のスポーツクラブと連携するとか、又は行政がやっているスポーツのイベントなんかの時期に合わせて、教育課程にそういう領域を入れるとか、そういうような視点を入れていただければなというふうに思います。

以上です。

【山口主査】  ありがとうございました。恐らく地域との連携とかは全体の総則のところでもきっと入ってくるのかなとは思いますけれども、ここの体育・保健体育のところでもどこかで入れる必要があるかというところは考える余地があるかなというふうに思いました。

ありがとうございました、先生方の御協力のおかげで1分前をもって。やっぱり言ってみるものだなというふうに思っております。(笑)まとめることはできませんが、様々な御意見を頂戴しまして、全体の整合性をとるとか言葉の使い方、あるいは分かりやすさ、伝わり方とか、やはりそういったところをこれからブラッシュアップしていけば、きっといいものが出来上がっていくんじゃないかなというふうに思います。ちょっと事務局、嫌な顔をしていらっしゃいますけど、(笑)先生方の御意見をまたまとめる作業、大変だと思いますけれども、是非よろしくお願いいたします。

次回は、本日、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえて、最後の会議になりますので、先生方、お忙しいとは思いますけれども、是非御出席をお願いしたいと思います。

本日予定されていた議題はここまでです。最後に、次回以降の日程などについて事務局の方から説明をお願いしたいと思います。

【髙﨑学校体育室長補佐】  次回、第9回につきましては5月26日の午後を予定しております。時間、場所等、詳細については、また御連絡させていただきます。あと1か月程度しかないので、なるべく早く皆様からの御意見を、主査からも御案内があったようにメール等でお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

【山口主査】  それでは、第8回体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループを終了させていただきます。御協力、ありがとうございました。

お問合せ先

スポーツ庁政策課学校体育室指導係

電話番号:03-6734-2674

(スポーツ庁政策課学校体育室指導係)