高等学校公民科において育成すべき資質・能力について(素案)

※ 高等学校公民科において育成すべき資質・能力については、以下のように考え整理することとしてはどうか。
○ 高等学校公民科においては、小中高等学校を通じて育成すべき資質・能力を整理するとともに、現行学習指導要領における教科目標の趣旨を勘案しつつ、「広い視野に立って、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質・能力を養うために、社会的な見方や考え方を培い、三つの柱に沿って整理した資質・能力を育成する」ことが求められると考えられる。
○ これは、現行学習指導要領公民科の目標に示されている「平和で民主的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う」ことの趣旨を一層明確にするとともに、人、商品、資本、情報、技術などが国境を越えて自由に移動したり、企業など国家以外の様々な集合体の役割が増大したりしてグローバル化が一層進むことが予測されるこれからの社会において、教育基本法、学校教育法の規定を踏まえ、国家及び社会の形成者として必要な資質・能力を育むことの大切さへの意識を持つことを期待してこのような表現とすることが考えられる。
○ その上で、育むべき資質・能力の第一としては、国家及び社会の形成者として必要な選択・判断の手掛かりとなる概念や理論、及び倫理、政治、経済等に関わる理解、調査や諸資料から社会的事象や人間としての在り方生き方に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けさせることが考えられる。
○ 育むべき資質・能力の第二としては、現代の諸課題について概念等を活用して多面的・多角的に考察したり、構想したりする力を養うとともに、合意形成を視野に入れながら、社会的事象や課題について構想したことを、妥当性や効果、実現可能性などを指標にして議論する力を養うようにすることが考えられる。
○ 育むべき資質・能力の第三としては、人間と社会の在り方に関わる課題を主体的に解決しようとする態度を養うとともに、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される人間としての在り方生き方についての自覚、自国を愛しその平和と繁栄を図ることや、各国が相互に主権を尊重し各国民が協力し合うことの大切さについての自覚を深めるようにすることなどが考えられる。

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