教育課程部会 芸術ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成28年2月23日(火曜日) 13時00分~14時55分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 芸術教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【福本主査】
 それでは定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の芸術ワーキンググループの第5回を開催させていただきます。ほとんどの方がきょう5回、6回というふうに併せて出席をいただく予定と聞いておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、委員の方には、昨日も別のワーキング等がございまして、そちらの方にも御出席されているということで、非常にお疲れかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、まず最初に、事務局から配付資料について確認をお願いしたいと思います。

【小林教育課程課課長補佐】
 配付資料の確認をさせていただきます。本日は第5回、第6回の資料を置いておりますが、第5回の資料を御用意ください。議事次第に記載しておりますとおり、資料1-1、1-2、2-1、2-2、3-1、3-2、その他、机上に参考資料を配付させていただいております。不足等ございましたら事務局にお申し付けください。
 なお、机上にタブレット端末も置いてありますが、その中には、本ワーキンググループの審議に当たり参考となる、関係する審議会の答申や関連資料等をデータで入れております。詳細は次第の裏面の目次をごらんください。
 以上でございます。

【福本主査】
 それではこれより議事に入りたいと思います。本ワーキンググループの審議等については、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づきまして原則公開により議事を進めさせていただくとともに、第6条に基づき議事録を作成し、原則公開するものとして取り扱うこととさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日は報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは本日の第5回は、育成すべき資質・能力、学習のプロセスに関する内容について意見交換します。休憩を挟みまして15時10分からの第6回については、生活や社会における働き、伝統文化の意見交換をさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局の方より、まず、書道、図画工作科、美術科、音楽科の順に資料説明の方をしていただきますので、よろしくお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは最初に、今回の議論をする前に共有しておくべき内容ございますので、大杉室長の方から説明させていただきます。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。本日、資質・能力の御議論をいただきます前に、確認と言いますか共有をさせていただきます。お手元の左側の冊子の山がございますけれども、そこに1つ資料が載せてございます、社会科のワーキングの検討事項でございますけれども、これをお出しいただきますとともに、その山を、指導要領を繰っていただきますと、下の方に緑色の冊子の教育課程企画特別部会論点整理という冊子が入ってございます。それをごらんいただければと思います。
 まず、論点整理の冊子の方からごらんいただければと思います。本日の資質・能力の議論の前提でございますけれども、初回にも御説明させていただきましたが、改めて御説明をさせていただきます。冊子の10ページをごらんいただけますでしょうか。中ほどに資質・能力の要素ということで説明しております。現在3つの柱で、この1、2、3のタイトルに基づいて御整理いただいているところなんですけれども、この中身について論点整理の中でどのような考え方がされていたかを、御参考までに振り返らせていただければと思います。
 まず1つ目、10ページ目の下の1ですけれども、何を知っているか、何ができるか、知識・技能でございますけれども、各教科等に関する個別の知識や技能などであり、身体的技能や芸術表現のための技能等も含む。基礎的・基本的な知識・技能を着実に獲得しながら、既存の知識・技能と関連付けたり組み合わせたりしていくことにより知識・技能の定着を図るとともに、社会の様々な場面で活用できる知識・技能として体系化しながら身に付けていくことが重要であるということでございます。これにつきましては、各教科でも議論が進んでいるんですけれども、ここにも体系化とございますように、個別の知識・技能という名前ではあるんですけれども、いわゆる理解という言葉で表現される教科もございますけれども、構造化された概念的な知識の獲得が重要になってきているという方向性で、各教科御議論をいただいているところでございます。
 また、2番目の知っていること・できることをどう使うか、思考力・判断力・表現力等でございます、11ページ目の上でございます。ここでは、教科共通的に問題の発見・解決のプロセスということで、その中で思考力・判断力・表現力をということで書かれてございますけれども、これも芸術教科に引きつけて解釈し直せば、これは創造的なプロセスと置き換えて読んでいただければいいかなと存じます。
 それから11ページ目の中ほど3つ目でございます。どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るかということで、1、2の資質・能力の要素をどのような方向性で働かせていくか。メタ認知のような主体的に学びに向かう力、セルフコントロールのようなもの、思考のプロセスを客観的に捉える力などに加えて、感性や優しさ、思いやりなど、人間性に関するものということでございます。これら3つにつきましては、実は明日、総則評価部会におきまして、アクティブラーニングとの関係性、それから、学習評価との関係性を改めて議論させていただく予定でございますが、簡単に議論の状況を申し上げれば、この3つの力は、それぞれ柱としては明確にしていだくものですけれども、アクティブラーニングのプロセスの中で総合的に育まれる、それぞれがばらばらに育成されるというものではありませんで、アクティブラーニングのプロセスの中で総合的・一体的に育まれるものだということを少し整理していこう、ということが1つでございます。
 もう一つ、3つ目は、学びに向かう力、人間性については、これは観点別評価との関係性をかなり御質問を受けるんですけれども、主体的に学びに向かう力という観点別評価として評価できる部分と、感性、思いやりのような、個人内評価として伸びを見ていく部分を組み合わせながら子供たちの学びを支援していく、そういった視点で整理していく必要があるのではないかという御議論が、明日の総則評価部会の中でおまとめいただく予定でございます。
 そして、御参考までに、先ほどの社会科ワーキングの検討事項をごらんいただければと思います。社会科だけを抜粋していますけれども、全教科やりますと百何ページぐらいになってしまいますので、とりあえず社会科だけ持ってきておりますけれども、それぞれの教科において、芸術ワーキングと同様に、参考の1枚目にございますような、それぞれの論点について御議論いただいております。
 1枚おめくりいただきますと、裏面に、思考力・判断力・表現力の育成のイメージがございます。社会科ワーキングにおきましては、小・中・高を通じて、この1から4にございますような思考力・判断力・表現力を体系的に育成していくということを検討しているところでございます。
 また、3ページ目が少し色がカラフルですけれども、見方や考え方ということで、3つの思考力・判断力・表現力、それから知識・技能、学びに向かう力、人間性、これらの育成の軸となるような、どのように社会を捉えて、どのようにそれに関わり探究していくかという視点。社会科で申し上げれば、空間的な広がりに着目してでありますとか、歴史の時間軸に着目して、その相互の関係性を関連付けながら考察していくというような、社会科ならではの見方や考え方を育成していくということを表現した図でございます。それの詳細版がそのさらに裏面でございます。これも本当に字が細かくなっておりますので、これを1つ1つごらんいただきたいということではございませんで、大体の雰囲気でございますけれども、一番左側にございますような追求の視点、位置や空間的広がりの視点や時間的な視点ということを生かしながら様々な問いに取り組んでいく、そこの中で見方や考え方を身につけながら、思考・判断・表現の力も身に付け、最終的に一番右側に概念の例でございますけれども、概念的知識として獲得していくということです。個別の自立的知識を関連付けながら概念的な知識として体得していくことが重要であるという御議論をいただいているところであります。
 それと学習プロセスの関係性を示したものが、そのさらに次のページになってまいります。社会科における学習プロセスの例でございますけれども、上にございますような課題把握、課題追求、課題探究、新たな課題ということにアクティブラーニングの視点で取り組んでいくということでございますけれども、それぞれ評価場面を下のように示させていただいております。知識・理解のところを見ていただきますと、社会科については、事実等に関わる知識の習得もございますけれども、それを使いながら概念に関わる知識の習得をしていって、最終的に事実や概念等に関わる知識の再認識を行っていく。知識というものへの認識が、このように概念というものへの広がりを見せていることを御理解いただければということであります。
 また、評価の場面でありますけれども、様々な思考・判断・表現を行っていく中で、上にございますような概念に係る知識の習得が進んでいくこと。ですから、評価の場面としてはこれらを一体的に見取っていくという場面も想定されます。
 こういった議論を各教科ごとにしていただいておりまして、その知識の捉え方、あるいは学習のプロセスの中でどのように見取っていくかというものの考え方が、このような議論の広がりを見せていることを御紹介させていただきました。
 それでは、小林補佐にバトンタッチさせていただきます。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、今の説明等も受けまして、まず最初に書道の方から説明させていただきます。資料1-1と1-2を御用意ください。資質・能力の整理の検討のたたき台ということで、3本の柱の案を示したところですけれども、前回、個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力、人間性等で、個別の知識や技能の中に、知識・技能といった四角の枠があって、その下に共通に必要となる事項を整理していました。また、思考力・判断力・表現力の中に、主に表現によって育む、主に鑑賞によって育むといった四角の枠と、共通に必要となるものということで、その柱の中に整理しておったところですが、今回そういったものを文章化したということで、下線部にありますように、表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通に必要となるものを含む形で、下線に入れる形で文章化して示したものでございます。そういった取り込んだ形で分かりやすく文章にしたものでございます。個別の知識や技能と、思考力・判断力・表現力となる部分はそういった整理にしております。
 また、学びに向かう力、人間性等については、前回と同様の形で示してございます。
 続いて、資料1-2でございます。芸術科(書道)における学習のプロセス、イメージ案につきまして、前回も示しましたが、もう少し全体の関係を分かりやすくということで、示し方を少し変えております。特に共通して育むものが真ん中に入っておりまして、知識や技能という部分で、緑色の部分が上の方にある、表現領域には知識・技能というのが左側の緑の部分で、鑑賞の方に知識というのが右側の緑色の部分でございます。その下の青い部分が思考力・判断力・表現力の育成ということでございまして、下の矢印が行き来しているところです、表現と鑑賞が行き来するという部分で、それぞれの資質・能力を育んでいくということで、特に知識・技能等もより深まっていくという形になっております。
 一番右下の部分に、書に対する感性とございますが、台形状の形になっているところで書に対する感性を育んでいくということで、全体に通じているものになっております。全体はそれぞれの要素を行き来しつつ高めていくという形を見えやすくしたものになっています。
 今回事務局として、これら資料1-1、1-2を示させていただきますので、今回、この内容につきまして意見等をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【福本主査】
 ありがとうございました。資料1-1、1-2が書道に関係するんですけれども、ちょっと立ち戻って、この後、書道、それから図画工作、美術、それから音楽というふうに議論していただくことになります。前回に引き続いて、この芸術科における育成すべき資質・能力の整理と、この学習のプロセス図というか、イメージ案に基づいて、前回に続いた形で、この資質・能力についてしっかり検討していくことになるかと思います。前回も出ましたけれども、この3つの柱に沿って育成すべき資質・能力の明確化について、この横表というのが、どうしても何か線的というか、非常に順序性を意図したようなものに見えてしまうということで、そうではなくて、前回小林さんから説明もありましたように、この3つが実は三角形の関係図的な循環図のように見えるものの動的な姿をしているんだという説明はあったんですけれども、ただ、そこがなかなか、他教科とずっと並べてみたときに、習得・活用・探究という見え方をしてしまうところがあります。そういったところが芸術でなかなかなじまない部分でもあるんではないかということですけれども、既にそういった課題については、他の小学校検討部会のところなどでも、芸術だけでなく、国語、英語等でも、必ずしも習得・活用・探究的な表現がなじまないのではないかと指摘されています。
 今回、特に知識と技能というところが非常にもて出しをされてきております。そこの知識の扱いが、特に芸術分野では明確にしてこなかった部分もございます。特に美術は知識というものが表立って出しておりませんので、そういったときにこの芸術教育における知識とは何かということを、改めてこの場でしっかり議論していただいて、知識・技能における知識のありようというものを、他の2つの枠組みとも関係性を明確にする形で検討していただければと思います。
 先ほど大杉さんの方からも説明がありましたように、ここで言う知識のところが、構造化された概念的な知識の獲得を目指すというふうな趣旨で言われているんだということもありましたけれども、こういったところの理解をどういうふうに現場の方に伝えていくのかということも、非常に検討しておかなければいけないことだと思いますので、是非、そういうふうなことを一応踏まえて、それぞれの教科の方で御意見を頂ければと思います。
 それではまず、今、小林さんの方からまず書道について説明がございましたので、これについて御意見を伺っていきたいと思います。もう御理解いただいているように、御意見のある方はあらかじめ名札を立てていただけると、私の方で順次御指名したいと思います。
 それから、もうお分かりだとは思いますけれども、マイクはスイッチをオフしていただくようにお願いしています。
 それでは、忌憚のない御意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。長野先生から、まずどうぞ。

【長野委員】
 失礼します。まず、書道の方で、資料2でございますけれども、これは前回持ち帰りまして、ずっと眺めていたんですけれども、非常にバージョンアップしたと言いますか、相互の関係が循環的にということが私自身は分かりやすくなったなという感じがいたしました。一番土台にあるのは感性ということになると私は思うんですけれども、左側の知識・技能と、それが相互に関連しながら、だんだん三角形の中をスパイラル的に動いていくんだろうと理解し、これは私なりには前回よりも分かってきました。
 アクティブラーニングはじめ、今度の教育課程の大きな柱は、この個別の知識や技能、あるいは思考力・判断力等の3つの柱に整理するという方向は、基本的には私は大賛成なんです。というのは、いわゆる左側の個別の知識・技能というのが、戦後、芸術教科だけじゃなくて、内容教科も含めて、教育課程のたびにと言うと少し言い過ぎかもしれませんけれども、膨らんでいってしまった。それを大胆にこういう3つの観点で柱を立てていただくということは、言ってみれば左側の個別の知識・技能というものを本当に、高校生なら高校生、中学生なら中学生、芸術教科を教育課程を通して理解していく、あるいは表現していく、鑑賞していくという中に何が必要なのかということが非常にシンプルに落ちていくと思います。
 それから、お話にありましたけれども、観点別学習評価ということが、高等学校の芸術で言いますと、関心・意欲・態度から表現にいく間の、個の学びの過程を評価するということで、全国の説明会でも先生方にもやってまいりました。その見取りが、この3つの柱とどう関わるのか。今の観点別学習評価というのは、現行の学習指導要領を作るときに、当然、評価ということをにらみながら作りましょうという共通理解だったと思いますし、表現にいくまでに工夫というところですね、そこが、結果評価じゃなくて、芸術で言うと作品評価じゃなくて、その途中をどう見るか、見取るかというところで、多分、高校の先生方も納得していただいて、実践に力を入れていただいていると思うんですけれども、そこのことと、たたき台のこの3つの柱になったときにどう見取っていくのかということが、私自身がまだ理解ができていないということが正直なところでございます。
 以上です。

【福本主査】
 ありがとうございました。関連してどなたかありますでしょうか。一応、書道を扱っているところですけれども、他の音楽、あるいは美術教育の方でもクロストークあっても構いませんので、よろしくお願いいたします。
 八巻先生、副島先生の順番でよろしくお願いします。

【八巻委員】
 失礼いたします。イメージ案の方ですが、今、長野先生おっしゃっていただいたように、非常に分かりやすくはなっていると思います。一番そこにある書に対する感性、これは非常に大事なところで、これを現場では育んでいくんだという認識で我々と言いますか、現場は教育してきたことは事実ですので、これが根底にあるということは、イメージ図として非常にありがたいことかなと思います。
 それからあと、観点別ということで、今回この3つの観点でということで、前回は4観点でというところでおったんですが、現場にとって一番評価に直結する場面で、分かりやすさというものが非常に大事になってくるのかなと思います。それぞれの教科でそれを現場の方にお伝えできるように、分かりやすく、すとんと落ちるような形でやっていけたらいいのかなと思います。この個別の知識や技能の中に表現領域と鑑賞領域があると。思考力・判断力・表現力の中にも、表現領域と鑑賞領域があるということで、私は認識しておるんですが、この個別の知識や技能というところの表現領域、下の方かと思いますが、「感性を働かせて意図に基づいた創造的な表現を構想し工夫するために」というところの下の2行、「書の伝統に基づいた効果的な書表現の技能を身に付けること」というところが技能に当たるところかなと思います。これをどのように現場では生徒に身に付けさせるのかなというところで、書道ではよく臨書活動というのを基本に行っています。すなわち古典と言いますか、古い価値のあるものをまねていくという作業から入るというところが多いんですが、それが基本になっていく。それを、前回も申し上げましたが、1つの線を表現するのでも、筆の持ち方、筆の傾き、あるいは筆の運筆の仕方、緩急、遅速など、いろいろなものが相まって1本の線ができるというところが、一つここに入っているのかなと思います。それが思考力・判断力・表現力の表現領域のところでは、その書を構成する要素、1本1本の線をどのように変化させて、あるいは自分の意図に基づいて表現していくかというところが、この思考・判断・表現力の方に当たるのかなと判断しているわけです。
 こうやってだんだんきっちりと現場の中で先生方が把握できるような形で、この資質・能力の整理をやっていけたらなと思います。まだちょっと今こう見ながら私自身、整理していっているところですので、その辺のところを整理できていったらなと思っております。

【福本主査】
 はい、続きまして、副島先生の方でよろしくお願いします。

【副島委員】
 失礼します。資料1-1も1-2も、全体を通して非常に自分は分かりやすく、整理されているなと思いました。1-2の図の中で、1つ、ちょうど中央にある思考に関わるキーワードの、「比較する」、「選択する」、「判断する」、「関連付ける」という言葉が、表現と鑑賞をつなぐような形で示されていますけれども、これがどのようなことを意図しているのかが、ちょっと自分の中で理解ができませんでした。表現と鑑賞を関連付けるのか、比較するのか。であれば、選択する・判断するはどういうふうになるのかということですね、このあたりがもう少し分かりやすく示されればいいのではないかというのが1点目です。
 2点目は、ほかの芸術の教科にも関わりますが、「豊かな情操」をどこに位置付けるのかということです。書道の場合は、「豊かな情操」と、「文字や書に豊かに関わる資質・能力の育成」が併記して示されています。芸術教科における「情操」が学習のプロセスのどこに位置付けられたら一番いいのかというのを、もしかしたら芸術教科で統一できるかもしれないなと思いました。以上、2点です。

【福本主査】
 ありがとうございました。どうしてもこの3つの柱の整理の表と、学習のプロセスの関係性というところで、気になってくるのは、評価の観点ということになるんですけれども、総則・評価特別部会の方の議論はこれからということになっているようですので、4月の段階でまた具体的な評価の観点をどうするのかということは検討していくことになると思います。今、御意見が出たことについても、情操や感性については、今は、学びに向かう力、人間性のところで整理されておりますし、また、最初に説明がありましたように、評価の観点としてのこれまでの関心・意欲・態度というものと、感性・情操というのが同じ箱には入っているわけですけれども、この関係性ですね、こういったところを芸術全体でもう少し明確にしていきたいという御意見だったかと思います。
 なかなか個別の教科で検討していくことと、芸術教育がトータルで議論していかないといけないのが両面ありますので、とりあえずこれくらいにして、続いて、図画工作、美術科、芸術の方の、資料の2-1、2-2についても説明をしていただいて、美術の方の意見交換もしたいと思います。
 それでは、資料の2-1と2-2を御用意ください。これについてまた小林さんの方から説明をお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、資料2-1、2-2を御用意ください。前回からの修正につきましては、書道と同じで、その3本の柱の中の文章について、共通事項については下線を引いて中に入れ込んだ形の文章にしてございます。それが個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力と同じかなということで整理したものでございます。また、今回、小学校図画工作、2枚目が中学校美術、3枚目が高等学校芸術の美術、また、4枚目、高等学校芸術の工芸という整理にしております。
 以上が2-1でございます。
 また、資料2-2でございます。特に前回いただいた意見等を踏まえまして、少し修正しておりますので御確認ください。全体に左上の部分にございます、学びに向かう力、人間性等、情意・態度等に関わるものということで、ここが吹き出しになっておりますが、この水色の部分が、これらの資質・能力の下部分に関わってきてございます。この水色の部分を足しております。また、一番左下の部分でございますが、※のところでございます。それぞれの資質・能力の中にある、色が濃くなっている菱形ですけれども、活動を通して得たり活用したりする知識を表すということで、それぞれの資質・能力ですね、発想や構想をする、創造的な技能を働かせる、作品などのよさや美しさを感じ取り味わうといった中に菱形が入っておりますが、これはそういった知識を表すという表記をしております。
 また、真ん中の部分でございますが、赤い菱形の部分、他者への働きかけ、他者からの働きかけ、協働的な学び。前回、相互にという意見もございましたので、内容的には他者からの働きかけというものを加えてございます。
 また、資料2-2の2枚目でございます。前回、スタートはどこからでもいいのではゴールが見えづらいという意見もございまして、今回、ちょっと立体的になりますが、示し方として、このような形で示してございます。それぞれの資質・能力が高まっていく様子として、地域、他者ですとか、自己、社会文化といった世界を広げつつ、徐々に感性、創造性、文化理解というものも発達の段階に応じて高まってきて、最終的には一番上、形や色、イメージなどの視点を持ち、生活や社会と豊かに関わる資質・能力という部分、また、豊かな情操を養うということで、こういった形での示し方になっております。
 以上が前回の修正点等を含めた資料の説明になります。
 以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。今のところが図画工作や美術に係るところです。こちらの方も意見をそれぞれお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。御自由に発言していただければと思います。じゃあ、阿部委員の方から。

【阿部委員】
 ありがとうございます。豊かな情操を目標とする、最後の図によって、前回に比べて構造が分かりやすくなりました。美術教育や音楽教育などの芸術教育は、3つ目の「学びに向かう力」に大きな意味があり、そこが目標になるということがわかりやすいと思います。こうすると、先生方にも説明しやすいと思います。先生方は、どこまでを一つの授業ととらえるといいのかなと考えると、この豊かな情操の大きな縦型の図の中の、赤い輪がたくさん並んでいますが、その一段上あたりが、美術や造形への関心・意欲・態度というような、ある種この立体的なところぐらいが、授業レベルと考えるのがいいかと思います。これらを毎日丁寧に繰り返すことによって、子供たちの感性や創造性や文化理解が進んでいくと考えると、授業を構成するところでは、水色が先ほどのこの表では学びに向かう力ということになりましたけど、感性とか創造性というのは余りにも大き過ぎるところですので、そこの中で、今まで4観点でやっていた関心・意欲・態度あたりが入ると、題材を通してとか、ある程度、子供の姿というのを見取りながらできるのではないかと思っています。
 今度はその中の思考・判断とか個別の知識・技能のところですが、確認で、平成からの学習指導要領等については、主語は、「子供は」「児童・生徒は」というふうにして、頭を全部振っていくと、考えたりするとか、考えて感じ取ったりするとかいうのは生徒がすること、子供たちがすることで、教師もさせることではないという、逆に言うと子供主体の学習指導要領ということから考えたときに、語尾をどうされるのか。そうすると、前回の会議のときは知識が語尾にありましたが、今回は理解という言葉で最終的にそこを変更してきていることです。知識ではなく「理解する」の方がやはりここには合っているという判断だと思いますが変えた理由がありましたら、教えてください。

【福本主査】
 事務局的には何か補足等ございますでしょうか。今、1つは、4枚目にあった縦図のところで上に来ている、豊かな情操というのが大きく書かれていますけれども、ここに示されているような、前回の意見に基づいて、ゴールが見えにくいということでしたので、教科特性を反映したような教科の大きな目的というか、そういうものを示して、この3つの柱に基づいた学びのプロセスは、学びに向かう力であるとか人間性というのを反映したところまでは、中ほどの感性・創造性・文化理解までであると理解しておいていいのでしょうか、それがまず1点ですね。
 それから、今、語尾の問題がありました。主語がどれかということになるんですけれども、この3つの箱にも、箱ごとに少し表現が違っておりますので、この辺の語尾の統一を考えたときに、どう考えておいたらいいのかも合わせて、もし補足等ありましたらよろしくお願いします。

【東良教科調査官】
 事務局から失礼いたします。個別の知識・技能のところの文末については、様々な知識がある中で、図画工作、美術、工芸におけるそれぞれの発達の段階、学習指導要領の内容等に踏まえた中で、どういった知識をそれぞれの発達の段階において身に付けさせていくのかを考え、どういった理解なのかを明確化する、御議論いただくというたたき台として、そういった表記にさせていただいた次第です。

【福本主査】
 分かりました。もう一つ、先ほどの縦図の方の授業レベルでの理解というのは、中ほどの感性・創造性・文化理解から下のところを考えておけばいいんでしょうかということですが、それでよろしいんですかね。

【東良教科調査官】
 この縦型の図ですけれども、右側のところに発達の段階とございますように、このワーキングの方で御議論いただいております小学校の図画工作から、高等学校の芸術、美術、工芸までの流れの中でこの軸を示しております。

【福本主査】
 阿部委員、よろしいですかね。

【阿部委員】
 分かりました。そうすると、小学校で言うと、先ほどの知識・理解のところで、「得る」という言葉が「理解とする」と、造形的な創造活動を通して理解した知識という、知識が隠れていると考えれば、そこのところは分かりました。
 先ほど言ったように、文言として語尾が最終的に、資質・能力の言葉と結構リンクしてくるものですから、音楽の資料では、「考えたりする」とか、「感じ取ったりする」という言葉がありましたので、今の話で分かりました。

【福本主査】
 はい、ありがとうございました。それでは横田委員、関連して、よろしくお願いします。

【横田委員】
 失礼いたします。先ほど知識の件についてお話が出ていたんですけれども、もう一方は技能の方なんですけれども、先ほどの室長の確認というところで、個々の、個別の知識や技能は何を指し示すのかという確認がございまして、確かに芸術表現のための技能等も含むという、そこのあたりを考えますと、美術、工芸というところでの技能というのは、当然、工夫をするということを含む創造的な技能であるべき、というところでは、ここはすごくある面でははっきり、望ましいことだなとは思うんですけれども、ここはちょっと、社会に開かれた分かりやすい教育内容というところで言われているんでしょうけれども、個別な知識・技能というところの下に書いてある、何を知っているのか、何ができるのかとか、知っていること、できることをどう使うのか。これは広く教育に対して理解を得るというところではすごくいいんだろうけれども、この何を知っているか、何ができるのかという言葉と、創造的な技能という、芸術、美術、工芸としてここに創造的な技能が位置付くというのは納得できるんだけれども、それが本当に現場や社会にうまく伝わるのなと。評価というようなところにつながるときに、この言葉が独り歩きをしてしまって誤解を生まないのかな、ちょっとそういう危惧を感じるんですけれども、その点はいかがなんでしょうか。

【福本主査】
 はい、これも事務局に振った方がよろしいですか。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。何を知っているか、何ができるか、知っていること・できることをどう使うか、どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか、これは、共通事項としてお示ししている一方で、その指し示すところは恐らく教科ごとにいろいろな意味合いが出てくるということは、その教科の本質と照らし合わせて、このような形で示していく中で明らかになっていくであろうと思います。芸術の中で創造的な技能ということをここに位置付けていくのであれば、何ができるかという意味合いはそれに照らした説明をしていく必要があろうかと思います。ある意味ちょっと汎用的な意味合いを持たせたタイトルでございますし、最終的に芸術科目の教科目標を書いていく際には、何ができるかという意味でこれを細かく書くわけではありませんで、この中身がまさに柱立てになっていくと思います。それも他教科の先生方にも説明するときに生きてくるのが、やはりこのプロセス図でありますとか、こういったプロセスの在り方、点ではなくて動的に子供たちに身に付けさせていくということと、その身に付けさせていくことの内容をなるべく分かりやすく伝えていきたいということでございます。

【横田委員】
 ありがとうございます。これがうまく伝わるということが何よりではないかなと。意図したことが現場、それから社会にしっかり伝わるような工夫が必要になってくるのかなと思っております。

【福本主査】
 大杉室長が、私の方からあれなんですけれども、この個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力というこの3つの大枠の示し方は、これは固定したものになるのか、今の説明ですと、若干変更になる可能性もあるという理解でいいんでしょうか。

【大杉教育課程企画室長】
 これ自体を変更するということではなくて、この意味合いというのが教科によっていろいろな意味合いを持つ可能性があると。それが教科の特性にもつながってくると思いますので、この柱自体を変えるというよりは、各教科の中でこの柱が持つ意味合いをちゃんと共有していけるように、このプロセス図と資質・能力の整理をしていくという形であろうと思います。そのために必要な言葉でありますとかイメージということで補っていく必要があれば、そのような資料を御用意させていただきたいと思います。

【福本主査】
 ということになると、今、横田委員から指摘のあったような括弧内の表記については、例えば、追記とかそういうことも教科の議論によっては可能になりますか。

【大杉教育課程企画室長】
 そうですね、仮に何ができるかについて誤解を生みたくないという御趣旨であれば、最終的にワーキングでおまとめいただくときは図のみならず文章がついてまいりますので、その中で芸術系教科において何ができるかということを、こうこうこういう趣旨でまとめているものであるという文章で補っていただくこともあるかと思います。

【福本主査】
 はい、ありがとうございます。

【八巻委員】
 私も前回もこれ申し上げたところでございます。美術、工芸、図画工作の先生方におきましては、これら創造的な技能であるという意味合いで捉えるということは非常にいいことだ、納得できるということで、前回いろいろな意見を頂きまして、なるほどと思いました。私も横田先生と同じように、芸術という教科で、創造的な技能と入っているのが美術だけですので、書道と音楽については技能ということでまとめておりますのでね、その辺が、例えば、学校現場で、芸術科で会議して、評価等もするんですけれども、そこでこの評価基準というか、創造的な技能であるという科目と、それから、書道、音楽の科目との違いがあれば、何かそこでちょっとそごが出るのかなという気もしますので。私は、「創造的な」という言葉が入ると、この真ん中の思考・判断・表現に入った方が今は書道の中ではそうしておりますのでね、もちろん、1つ1つの線を表現するにも創造的な感性は非常に重要にはなってくるんですけれども、そこをどちらに入れたらいいのかなというのは非常に迷っておりますが、少なくとも、今、芸術科教科というところで統一する方が理解は得やすいんではないかと私感じております。

【福本主査】
 はい、ありがとうございました。じゃあ、逢坂委員にお願いします。

【逢坂委員】
 私、美術館の方の関わりということで、学校の現場とはちょっと違うんですけれども、造形教育とともに、もう一つ、鑑賞教育というのがございますので、特に美術の関しては、小学生から高校生まで、成長の過程で非常に幅の広い世代を担っておりますので、ちょっと1つ提案をさせていただきたいと思います。高等学校の芸術のページなんですけれども、これは2-1の小学校・中学校の次のページでございます。思考力・判断力・表現力等という項目の下の方なんですけれども、「感性や想像力を豊かに働かせ、造形的な特徴などからイメージを捉えるなどして」となっておりますけれども、ここにもう一つ、思考力を鍛える意味で、作品の中からメッセージをいかに読み取るかということもあると思うんです。そのために、これは御相談させていただきたいんですけれども、イメージだけではなくて、高等学校のところには、イメージやメッセージを捉えるというふうにした方が広がっていくのではないかと思います。
 それから、一番最後の、らせん状に、スパイラル状に上がっている図のところですけれども、最終的なゴールが豊かな情操、芸術教育に関しては、豊かな情操とか豊かな感性という表現でくくられることは、ずっとそういうことが行われてきたわけなんですけれども、じゃあ、豊かな情操って一体何かというと、細かく言うといろいろ書かれているんですけれども、1つ、やはり世界がグローバリズムやコンピューターの普及によってこれだけ小さくなってきたからこそ、違う世界、違う価値観というのが私たちの日常にも入り込んできていまして、それを理解するのがなかなか難しいために、自分たちの考えだけでまとまってしまうという傾向も社会的にはあると思うんです。そういう中で、芸術が私たちに届けてくれるのは、柔軟な発想や包容力ではないかと思うので、どこかにそういう表現が入る方が、より芸術の持つ価値といいますか、力というのが伝わっていくのではないかと思います。
 以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。そうしましたら、続いて阿部委員、それから、中村委員という順番でお願いいたします。

【阿部委員】
 今、1つ同じところで、その次の行のところで、高等学校の思考・判断の「芸術としての美術や生活や社会に」の文ですが、どこで切るのか質問します。これ誤りだと思います。芸術としての美術や生活や社会の美術なのか、どこで切れて、どういう意味なのか、言葉としてはどうでしょう。

【福本主査】
 事務局の方で確認できましたらお願いします。

【小林教育課程課課長補佐】
 誤植がありまして、3枚目が「芸術としての美術や、生活や社会の中の美術の働き」。4枚目が、「芸術としての工芸や、生活や社会の中の工芸の働き」です。お願いします。

【福本主査】
 はい、分かりました。3枚目と4枚目、美術と工芸を分けて示してあるということですね。阿部委員の方、今のでよろしいですか。

【阿部委員】
 はい。それで、先ほどの知識・技能のところで、我々が大事にしたいところは、小学校でも実際に経験・体験したこと、自分の手や体で知り得た知識・技能というものに特化するように強調しておかなければならないと思います。小学校の図画工作では、経験を生かしたりとか、中学校では新たにコツをつかむとかいう言葉が入っています。これらをどう説明できるのか。言葉で説明すると、なかなか説明しにくいものがあります。できるだけ体験・経験を通して知り得た知識や技能を使って、新たな課題に取り組んで、新たに資質を磨いていくとか向上させていくというのが、新しい学力観でいう「更新する」というイメージです。このとおり伝わっていくように、文言の表記を考えてほしいと思います。

【福本主査】
 何か身体知のようなものを意図されていますかね。分かりました。じゃあ、中村委員、続いてお願いします。

【中村委員】
 失礼いたします。前回欠席させていただいたので、流れがもしかしたら見えていないところがあるかもしれませんが、大きく2つお話しさせていただければと思っています。1つは、この全体の方向性ということです。先ほど横田委員の御質問になった部分を聞きながら感じたことですが、例えば美術の場合に、先ほどの3つに整理された資質・能力の整理の中で、思考力・判断力・表現力の部分で、知っていること、できることをどう使うかという、いわば活用ということが想定されているように思いますが、ここの文章はいわゆる発想や構想の能力と鑑賞の能力のことが示されているように思います。とすると、知っていること、できることをどう使うかというような内容とは言葉がなじまないように思います。先ほど大杉室長からも話がありましたが、もしここのところがまだ教科で変えられるのであれば吟味が必要だろうと感じたところです。
 同時に、今回の審議・検討では、それぞれ教科を学力の3つの要素で貫くというんでしょうか、共通部分を明らかにして指導内容を整理していくことが基本的なコンセプトと受けとめています。そのために各教科のイメージ図を拝見すると、それなりに苦労されている。ということは、それぞれの教科の特性があって、目指すところに近付けていくために相当な事務局の御苦労があると感じています。教科の特性というものはとても大切なことで、最終的に残り続けていくと感じています。例えば、先ほど社会科の例をお示しいただきましたが、単元の教科と実技を伴う、例えば、ここにお集まりの先生方は後者だと思いますが、題材の教科では、育てる資質・能力へのアプローチが実際に異なる部分があると思います。当然、指導のプロセスも異なるし、それを1つの枠の中で入れて考えていこうとすると無理が出てくるように思います、そこをどこまでどのように検討していくのかというのがこれからの課題ではないかと感じています。そこを、あまり無理して1つの枠の中に収めようとすると、今後、教科の指導内容を構築していくときに難しい面が出てこないかということを危惧します。ただし、それは今までのものがいいと言っているわけではなく、もちろん、新しい枠組みの中でもう一回これからの教科の内容を考えていくということを前提としてのことですが。
 一方、見方を変えると、例えば、カリキュラムマネジメントということが言われて、論点整理の22ページに3つの側面が示されています。ここでは1つは教科横断的な視点、教育内容を組織的に配備するという内容と、PDCAサイクルの実施方法、それから人的・物的条件、実施条件といったことが示されています。例えば、私が校長の立場で9教科や道徳、総合的な学習の時間、特別活動などを含めてカリキュラムを組もうとするときに、それぞれ同じものを組み合わせるのではなく、違う特性があるからこそそこで総合的に広がりのある資質・能力の育成につながっていくのだろうと感じています。
 ということは、そろえることが教育の内容的なところを狭めてしまってはいけない。これまで大事にしてきた教科の特性ということをきちんと踏まえていくべきだと思います。先ほどもお話に出ていましたが、ここに集まっている美術と音楽と書道の中でも、例えば、美術と音楽は全く同じかと言うとそうではなく、違う部分もきっとあると思います。時間数は同じであっても、楽譜を基に、テキストを基にそれをどう再現していくのかというところに重点を置く音楽と、白い画用紙の中で何を作り上げていくのかというところから授業を展開する美術とでは、指導のアプローチは全く違うだろうと思います。その辺をこれからの構築の枠の中にどう入れていくのかが大きな課題だろうと感じました。
 先ほど申し上げましたように、前回おりませんでしたので、このようなことは既に議論されてたところなのかもしれませんが、流れの中で、また、きょう資料を拝見させていただいて感じたところです。
 もう一つは資質・能力の整理ということですが、やはり同じような部分で、思考力・判断力・表現力の中に発想や構想の能力と鑑賞の能力が含められているとすると、学校としては、今回、育てる資質・能力と学習内容を整理した中で、どのように評価するのかという視点から学習を構築していくことを重視して進めてきたわけで、従来の4つの観点を3つにするというところは、その理解を浸透させていくのに恐らく相当な時間がかかるだろうということを直感的に感じます。細かい個々のことについては次の質疑の中でお話しさせていただければと思っています。
 以上です。

【大杉教育課程企画室長】
 主査、失礼いたします、1つだけ補足をさせていただきます。冒頭に社会科のワーキングの御説明をしたことが、これにならってくれという誤解を生んでしまったのかなということで、そういうことでは全くございません。むしろプロセスの在り方全く違う図になっているかと思います。それぞれの教科の在り方を反映した図になっていること。そして、各教科の御議論を頂いておりますと、概念的な知識に目が向いているということを御説明申し上げたかったのであって、内容教科と概念的知識の内容が同じである、ということではないということであります。いわゆる事象を扱う社会科、理科というものと、プロセス自体が指導内容になってくる国語のようなもの。あるいは技術系教科もそういった部分があるかと思います。今日も総合的な学習の時間ございましたけれども、探究のプロセス自体を身に付けていくということ。その中で、例えば総合的な学習の時間で知識とは何かと言うと、探究的に学ぶとは何かということを主体的に理解していくことが、総合的な学習の時間における知識の在り方ではないか、そんな議論がされていることであります。したがいまして、学校教育法を踏まえますと、この3要素、知識・技能、思考・判断・表現、態度というものは、全ての教科において現在も育んでいただいているということであります。それを改めて教科の特性に応じて可視化していくということでございますので、無理やりこの枠にはめようとか、無理やりこのプロセスにはめようとか、そういう議論をさせていただいているわけではないということだけ補足させていただきました。
 以上です。

【福本主査】
 ありがとうございました。福岡委員、3分ぐらいでお願いします。

【福岡委員】
 失礼します。私、さっき中村委員がおっしゃった芸術教科の特性について1つ。もう一つ、一体的に育むという知識のありようについて、この2つでお話をしたいと思います。内容の強い教科ではなくて、もともと芸術の教科というのは、資質・能力を育む教科という特性があります。ですから、学びのプロセスの中で資質・能力が表れてくるから、しっかりそれを見取りましょうと。それを突き詰めていきますと、今出てきているアクティブラーニングそのものの学び方とつながっていく。子供がこう表現したいと湧き起こってくる、でも、出てくる課題をどう解決していきたい、そういうときに主体的・協働的に学ぶ姿というのはプロセスの中にいっぱい表れてくるわけで、それはこの芸術教科の特性であるように思います。
 だったら、この知のありようと言いますか、個別の知識・技能をこの芸術教科がどのように捉えるかということなのですが、事務局の最初の説明にもありましたように、身に付けるべき知識・技能に関しては、飽くまでも3つの柱、それが個々別々でなくて、個別の知識・技能も、他の思考力・判断力・表現力や学びに向かう力と関連付けて捉えるという視点が最も大事だと思います。なぜならば、子供が学習のプロセスにおいて、例えばどのように思考力・判断力、考えたり判断したりしていくかというと、やっぱり子供は、あのときこうだったよねという知識や技能をうまく組み合わせながら考えたり、判断したりして、課題解決に向かっていく。その結果として、また、先ほど阿部委員がおっしゃった、体や手や感覚を通したり、感性を働かせながら、新たな知に納得して、自分にとっては今までなかった価値あるもの、これを知として感じるというふうなことがありますので、知識と思考・判断・表現とは切り離せない関係にあるし、学びに向かう力とも切り離せない関係にあるということを、とても強調した方がいいと思います。
 現場の先生たちに誤解されないためには、この3つの資質・能力は一体的に働いてこそ意味があるということを、この表ではそれが表しづらいんです。で、図になると分かるんですけれども、それをお願いしたい。ですから、個別の知識・技能がどのように子供の思考・判断・表現と関わるのか。どのように学びに向かう力を引き出すのかという視点で知識・技能を捉えることが大事だと思っております。
 以上です。

【福本主査】
 はい、ありがとうございました。これが書道、美術、音楽とも重なり合っていく御意見になろうかと思いますので、ここから伊野先生にバトンタッチをして、ここから音楽の方の意見交換に移っていきたいと思います。
 それじゃあ、伊野先生、お願いします。

【伊野主査代理】
 それではよろしくお願いします。音楽の方に移ります。事務局の方から、まず音楽科の資料3-1、3-2について説明をお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、資料3-1と3-2を御用意ください。資料3-1でございます。個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力と学びに向かう力、人間性等につきまして、3つの整理をしております。先ほどの、図工、美術と同様、共通事項を下線で入れる形にして、その関連する箇所を入れて文章にしているものでございます。
 前回、学びに向かう力、人間性におきまして、意見を頂いたものについても若干追加させていただいております。小学校の音楽でございますが、下の2つ目、音楽経験を生活に生かし、生活を明るく潤いのあるものにする態度といったこと。また、高等学校において、3枚目になりますが、一番上の部分でございますが、協働して音楽表現を創造したり、鑑賞したりする態度といったものが必要ではないかという御意見も伺いまして、今回加えております。
 以上が3-1でございます。
 続けて3-2の音楽科、芸術科、音楽における学習プロセス、イメージ案でございます。前回からそれぞれの表現、鑑賞ということで、少し全体を見やすくするという感じで、3つの点を主に置きまして、全体を少し見やすくしてございます。
 まず、表現・鑑賞という部分でございますが、その一番上の緑色の部分でございまして、一体となって知覚・感受することが表現・鑑賞においても必要ではないかということでございまして、緑色の部分で実際に歌ったり、楽器を演奏したり、音を出したり聞いたりしながら知覚・感受するという部分をまず共通に置きまして、それから、表現と鑑賞という部分でそれぞれ育んでいく。また、その育む際には、表現ですと、知識・技能の部分、また、鑑賞ですと知識の部分、それらを関連付けたり組み合わせたりして、この矢印の部分になりますが、高めていくという部分になっております。
 当然、表現と鑑賞に行く、紫色の丸い矢印ございますが、行ったり来たりを繰り返しながらそれぞれ高めていくという部分でございます。
 下に行きまして、そういった学んだ過程といったものを入れて、子供たちが学んでいること、学んだことの意味や価値、社会や生活の中の音や音楽の働きの自覚というものをもって、最終的に、その下の黄色い台形になりますが、音楽に対する感性も育んでいくという部分で、全体それぞれを高めていくものであるということでございます。
 全体のイメージとしては以上でございます。

【伊野主査代理】
 ありがとうございました。それでは、教科の特性に関する部分と合わせて、先ほどからの議論の続きとしまして、芸術教科に共通して育む知識、資質・能力等についても、御意見・御議論いただきたいと思います。お願いいたします。

【宮下委員】
 まず、知識のことについて考えを述べたいと思うんですけれども、論点整理の10ページの下のところの、個別の知識・技能の、技能のことも含めて書いてありますけれども、知識のことについて言うと、ここに書かれていることは2点あると思うんですね。1つは、各教科等に関する個別の知識や技能ということ。それからもう一つは、下から2行目のところで、これらを体系的に育んで、社会の様々な場面で活用できる知識・技能とする、それを身に付けていく、この2つに分けて知識を捉えた方が、音楽科においてもいいのではないかと思うわけです。音楽科において、知識を今の10ページに即して分けるならば、1つは、表現や鑑賞のために必要な知識、例えば、音楽用語だとか記号だとかそういうことですね。これは歌ったり、演奏したり、音楽を聴いたりするときに、これはやはり必要なことであると。何々のために必要だというところに切り離してはいけないということの意味もあるんですけれども、ただ、フォルテは強く、ピアノは弱くとか、そういうことは、それからの人生においてそれほど直接的に役に立つものではないだろうと。もう一つの知識、10ページの下の方に書いてあることは、やっぱり音楽という教科を9年間なり学んで、そして、そこで得た知識として生きて働いていくもの。例えば、前にも何回か申し上げたことがあるんですけど、人間にとって、あるいは社会にとって、音楽あるいは芸術というものはどういう機能を果たしていくものなのかとか、それから、3.11の震災以後よく教育現場で見られるんですけれども、「音楽の力」という言葉がよく使われます。非常に抽象的に使われているんですけれども、音楽によって人々の心が温かくなる、豊かになる、自分も含めて。それから、感動するということは、これから生きていく上でどういうことなのか。これが感動なんだというようなこと。それをやっぱり知識として小・中・高等学校の芸術教科を終えた段階で確実にそれを付けていかなければならないだろうという、この2つで捉えるとどうかなというふうに思います。
 それで、資料3-1の小学校のところでいいんですけれども、この知識の箱のところに書いてあります、音符、休符、記号や音楽に関わる用語の意味や働きを理解しとありますから、音符、休符、記号や音楽に関わる用語の意味、これが知識になる、あるいは音楽的な特徴や構造と曲想との関わり、これが知識になるというふうに理解できるわけですけれども、これはさっきの2つの区分で言うと前者の方かなと思います。そのことだけをここに例示していいかどうかということが一つ議論になろうかと思います。
 ただ、一方で、3-2の図を見たときに、一番下のピンクのところで、学んでいることとか、学んだことの意味や価値、社会や生活の中の音や音楽の働きなどの自覚って書いてあります。これはよく見ると、左右の両端が知識のところに重なっているので、これを私がさっき言った後者の方の知識として捉えているのかどうか、ここのところを確認していかなければならないなというふうに、知識のことについて限定して述べれば、以上のような感想を持ちました。
 以上です。

【伊野主査代理】
 あちらに聞きましょうか、その後半の部分に関しては。質問になりますか。

【宮下委員】
 そうですね、確認という意味で。

【伊野主査代理】
 それでは、この3-2の下の方にあるオレンジのところ、学んでいること、学んだことの意味や価値、社会や生活の中での自覚の部分と、今の知識との関係について、少し御説明願えますでしょうか。

【臼井教科調査官】
 失礼いたします。ただいまのところ基本的にはおっしゃるとおりです。後者のものも関係するという意味において、両側のところにくっつけてあるということです。

【伊野主査代理】
 ありがとうございました。

【宮下委員】
 楽曲の背景や多様性の理解って、今までもありましたけれども、音楽における多様性とか、音楽における楽曲の背景をこういうことだとすると、非常に狭く捉えられて、やっぱり音楽と切り離された知識として扱われていく可能性があるので、論点整理の10ページの後半の方に書いてあることの意味合いを深めるとするならば、これが人間との関わりという意味でどのように重要なのか、ここのところの意味をもう少し将来性、生涯にわたって生きて働く知識というふうに捉えて位置付けたらどうかと思ったわけです。

【伊野主査代理】
 恐らくこのことは右側の方の、“どのように社会や世界と関わりよりよい人生を送るか”の項目にある、小学校あるいは中学校ですと、「音楽経験を生活に生かし」の部分と関係してくる部分だと思うんですけれども、それをどちらにどのような形で書いていくかということにもなるかなと思います。これに関連して御意見ございませんでしょうか。あるいは別な観点からでも結構です。

【山下委員】
 別の観点からということでよろしいでしょうか。今回とてもよく整理していただいていて、分かりやすくなったという印象を持っております。図に関しましては特に問題と思ったことがなかったので、3-1の方のペーパーについてのみ、意見を申し上げます。瑣末なことばかりなのですが、3点申し上げたいと思っております。
 まず1点目です。小学校音楽の個別の知識や技能の部分で、「音符・休符・記号や音楽に関わる用語の意味や働きを理解し」というのが真っ先に出ておりますが、これが最初に出てくると、今まで共通事項のイに入っていたものがことさら強調されているように感じられます。最初に個別の知識の習得ありきのような印象を与えかねませんので、順序を入れ替えるなどしていただいた方がよいように思います。
 それから2点目でございます、技能については、前回の発言をうまく反映させてくださったと思っております。小学校の音楽と中学校、高等学校で異なる文言になっていますが、連続性が感じられるような形になりました。小学校では、「聴唱や聴奏、視唱や視奏」という文言から始まり、「音楽表現をしたりするために必要な技能や」で一たん区切れ、「自分の思いや意図を音楽で表現するために必要な技能」と続くことにより、1つの技能を表と裏の両面から見ているような表記になって、すっきりと整理されたと感じます。ただし、これが中学校、高等学校になりますと、その後半部分のみが示されております。これは現行に合わせた形だと思うのですが、本当だったら、中学校、高等学校でも技能の両面がらせん状に発展していくようなものだと思われますので、前半部分が加筆されてもよいのではないでしょうか。これを加筆することによって、大きな変更が生じたという誤解を生むのであれば、なくてもよいのかもしれませんが、検討の余地はあると考えます。
 3点目です。一番右の「学びに向かう力、人間性」のところですけれども、一番上に「協働して音楽活動をする喜び」とあり、「協働して」という言葉が最初に出てきております。芸術系教科の中で考えますと、確かに音楽がもっとも協働して活動する喜びを得やすい教科だとは思うのですが、これが最初に出てきますと、音楽することよりも協働すること自体が大事であるかのようなメッセージにならないかと心配します。例えば、生活の中に生かすといったときには、家族のために曲を作ってプレゼントするなど、1人で活動することも大いにあり得ますので、必ずしも協働を最初に示す必要はないという気がいたしました。
 以上です。

【伊野主査代理】
 ありがとうございます。書き方をどのように統一するかということですが。副島委員、お願いします。

【副島委員】
 自分も、前回から非常に整理されて分かりやすくなったなと思っています。その中で幾つか御提案です。まず、資質・能力の整理の中で、知識や技能の1つ目について、中学校では、「楽曲における働きと関わらせて理解したり」となっています。それから、高校では、「音楽表現上の働きと関わらせて理解したり」となっています。ここでは当然、音楽活動を通して理解するということが前提と思います。同様の考えで、小学校を見たときに、「音符や休符、記号や音楽に関わる用語の意味や働きを理解したり」という部分について、そこに中・高との整合を図るとすれば、「……働きについて音楽活動を通して理解したり」とすることで、現行学習指導要領の意図が明確になり、「理解すること」の内実が具体的になるのかなと思いました。これが1点目です。
 それから、先ほど山下委員から御提案があった、中も高も、知識や技能の2つ目の表記を小学校に揃えるかということですけれども、小学校の段階でこの基礎的な技能を身に付けて、それを中学校では活用しながら…と考えれば、書かなくてもよいかと思います。このような意図を明確にするために、小学校音楽の技能の中の前半の「必要な技能」となっているところは、例えば、「必要となる基礎的な技能」とすることで、後の方との違いを出してはどうかというのが2点目です。 
 それから、プロセスの図の両端に知識・技能というのがありまして、そこから両矢印で、理解したり使ったりするという意味を表現してあると思いますけれども、ここに書かれている文言の「関連付けたり組み合わせたりして、理解したり使ったりする」というところを、例えば、「関連付けたり、組み合わせたりしながら、習得・活用する」、若しくは、「習得・活用し、定着を図る」といった表記にしてはどうかと思いました。
 理由は、左側の知識・技能のところが、理解だけでとどまっていてよいのかということと、「理解したり使ったり」の部分の「たりたり」という表記について、「理解」と「活用」、要するに、「習得すること」と「活用すること」は併記であるべきであり、どちらかではないと考えたときには「習得・活用する」の「習得」という表記の方が、適切ではないかと思ったからです。
 それから、2点目は、プロセスの図の真ん中の紫の知覚・感受したことを囲んであるところの、「言葉や体の動きなどで表す、比較する、関連付けるなどしながら認識し」の次ですが、「音楽との一体感を味わうこと」と「要素の働きを理解すること」と「他者と共有・共感すること」の3つを「たりたり」で表記してあります。この真ん中の「要素の働きを理解する」ということは、その他の「一体感を味わったり、共有・共感すること」と併記するよりも、例えば、「…などしながら認識し、要素の働きを理解して音楽との一体感を味わったり、他者と共有・共感したりする」とした方がいいのではないかと思いました。
 あと、この図の一番下の「学んでいること、学んだことの意味や価値」の部分を音楽科に特化してもう少し具体的に書けるものなのかどうか、ここについて検討が必要かなと思ったところです。
 以上です。

【伊野主査代理】
 ありがとうございます。宮﨑委員お願いいたします。

【宮﨑委員】
 はい、お願いします。まず、今のプロセスの図なんですが、すっきりと私自身は分かりやすくなったなと思います。ただ、1点、前半の音や音楽との出会いというところの紫っぽいところの、非常に丁寧に書いてあって、段階を追っているようにも見えるわけですが、出会って、知覚・感受したことをまた共有して、見通しを持ってというふうなところ、非常に丁寧に書かれている一方で、実際に表現を工夫したり、鑑賞活動するというところの、見た目の幅的なものが狭くなって見えて、どちらかと言うと前半の部分が非常に大切だという誤解を受けないかなということを感じています。
 ですから、ここの幅的なものをもう少しバランスよくしていただければいいのかなというのと、ひょっとすると、この前半の3段に分かれているところを2段にできるかなと思います。
 それから、今回、学びに向かう力・人間性と、どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るかというところが、非常に新しい言葉で、これをプロセスの中にどう表せばいいのかというのは、音楽に関わらず全ての教科の中でどのように表していくか。題材なり単元のスパンで考えると非常に書き表しにくいんですが、少し丁寧に表す必要があるのかなと思いました。
 それから、協働というお話が先ほど山下委員の方からありましたが、実はこのプロセスの表の中には協働という言葉が出ていません。このプロセスに出てくる言葉と、資質・能力の整理の言葉のリンクと言いますか、どういう言葉を使うかというふうなところを、音楽に関わらず整理する必要があるかなと思っています。
 先ほどの美術のところでも思ったんですが、小学校の図画工作のところに発想とか創造という言葉が実は使われておりません、この資質・能力の3つのところに。ところが、イメージ図のところでは発想や構想するという、大きくバンと字が出ているんですけれども、ここらあたり、大事なキーワードで、どの更新にも載せる言葉、そういうものを吟味する必要があるかなと思います。
 以上です。

【伊野主査代理】
 ありがとうございます。幾つか論点が出ておりますが、音楽科のことも併せ、それから、芸術教科全体のことも併せてもう少し御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
 知識・技能に対する概念の問題、それぞれの教科の知識・技能をどのように区別していくか、それぞれの特色をどう出していくかという問題ですね。様々な書きぶりの問題もいろいろ指摘されておりますけれども。それから、今の最後のキーワードがどのように取り組まれていくのか、今回の重要な問題をどのように、できるだけ分かりやすく書き込んでいくかということ等、いろいろあるかと思いますが、もう少し御意見をお伺いしたいと思います。宮下委員。

【宮下委員】
 1つちょっと事務サイドにお尋ねをしたいんですけれども、この図で、現行の学習指導要領とぱっと見てどこが一番違うのかということを、どういうふうにアピールできているかをお尋ねしたいんです。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。またちょっと調査官から補足をしていただきますけれども、基本的には、現行学習指導要領でもこういったプロセスはベースにはなっているのであろうと。一方でそういったプロセスの在り方と、資質・能力の育成の関係性が明確にされてくる必要があるというような全体の議論の中で、プロセス相互の関連性、あるいはその中で育成される資質・能力との関係性ということを明らかにしていきたいというのが全体的な流れではあります。

【臼井教科調査官】
 新しくなっていくに当たって、どういうふうに変えていくかというのは、まさにここで御議論いただきたいことです。

【伊野主査代理】
 それじゃあ、市川委員、お願いします。

【市川委員】
 先ほど、学習のプロセスの概念図と育成すべき資質・能力の整理の3つの柱がやはりストレートではないというのは、ずうっと私も見比べながら思っていたんですね。つまり、例えば高等学校で言えば、今、最終学年までようやく現行学習指導要領をやっているところなんですよね。現在の学習指導要領が4観点で学習のねらいを達成するために、授業を改善していくために、いろいろいい影響を与え出して、少しずつ授業改善に向かっているんじゃないかと、私なんかはそう感じているんです。ですから、このプロセス図に今度新しく示された育成すべき3つの柱をどういうふうにまとめるのかというのを、これから私たちがいろいろ意見を申し上げながらつなげていく必要があるんだろうなと思ってはいるんですが、例えば、一番左の個別の知識や技能のところを、現在の授業ですと、例えば、美術も工芸もあるいは図画工作も、いわゆる単元ということでなくて、題材は各学校の教師が自分の学校の児童・生徒あるいは地域の特性を踏まえて、かなり選択肢が広い、自由に自分たちで選んで題材を選定できるんですね。でも、一方で問題があるのは、じゃあ、例えば、日本、我が国として全体のある一定のレベル、水準を上げていくためには、ある意味、枠とまではいきませんけれども、それこそ現行の学習指導要領で示されている、共通に育てるべき資質・能力のところと同じような形で、例えば、個別の知識というのを個別の題材と言い換えるとこんなようなことをさせるというのが、資質・能力を育てる上で必要なのではないかという働きかけもできるんではないかと思うんです。なかなかお話しして説明するのは難しい、まだまだ頭の中で、ああでもないこうでもないやっている状態なんですけれども、1つ1つの具体的な知識というよりは、例えば、音楽の中でこういう題材を与える、あるいは美術の中でこういう題材を行うというのが、これが1つの創造的な知識や技能を身に付けるための入り口になるのではないかと私自身はそういうふうに考えております。

【伊野主査代理】
 宮下委員、ございますか。

【宮下委員】
 「個別の知識や技能」の技能、例えば、思いや意図を歌で実現することができる、というふうに捉えておくと、それをどう使うのかという議論に変えていかなきゃならないような気がするんです。一方、この思考・判断・表現力をどう使うかということを左向きの矢印に持っていくと、思考・判断・表現というものを通して、音楽をつくっていく、歌をつくっていく、というように理解することができるかなと思います。
 でも、今度は知識のことで考えてみると、知識というものは、さっきも言いましたように、表現していくために使われていくものであるので、右側の矢印のようになるのかなと思えてもくるわけです。
 美術の方を見ると、これは発想力、構想力って非常に重要なものとして捉えているように私も理解しているんですけど、これは表現することをどう使うか、応用みたいな形でさらに発想力ですかね、構想力というのも高めていくのか。一般的に考えると、発想し、構想しというものは、絵を描くために使っていくと思えるんだけど、それを非常に重視しているという考え方なんですね、ということを1つ確認したいです。
 だから、要するにこの3つの箱の順序性というか包含関係というか、接合関係というか、それがなかなか他教科と同じようにはいかないと思えてくるわけです。

【伊野主査代理】
 先ほど一体化という話が出ていましたけれども、単に一体化だけでは済まない、様々な方向性やつながりがあるんじゃないか。だとすると、それをもう少し明らかにしないといけないのではないか、ということでもあるのかと思います。
 今のは少し質問的な御発言でしたけど、美術の方、あるいは書道の方、今の点に関して御発言ございますか。

【市川委員】
 たしか前回ちょっと似たような発言をした記憶もあるんですが、例えば、発想や構想というところで、余りいいやり方ではないかもしれませんけれども、例えば、絵を描く、彫刻を作る、これまでは、教師が題材を一方的に与えて、さあ、全員絵を描きなさい、さあ、全員彫刻を作りましょう。それが現行の学習指導要領では、例えば題材も児童や生徒が選んでいけるような力を育てていく、そういうことではないかと思うんですね。ですから、先ほど私がお話ししたことと少し矛盾するかもしれませんけれども、これまでは一方的に教師が与えていた題材を、さらに児童や生徒が自由に、自分でこれをやりたいという気持ちを大切にするという、そういう方向の、今、指導要領の方向性が、かじが切られていると私は理解しているんです。
 ただ、一方で私の不安は、そうなりますと今度は必要最低限、例えば、こういう題材をやることによってこういう力がつく、あるいは創造的な技能を育てるためには、こういう題材をやらせた方がいいという、ある程度、教師として主体的に児童・生徒を引っ張っていくということが薄まりはしないかと。だから、両方バランスよくやればいいわけですけれども、ここであえてこの美術や工芸が発想や構想というところを非常に重要視して書かれているというのは、やはりそのあたり、現在の指導要領ですね、適切に展開していくための1つの工夫ではないかと思います。

【伊野主査代理】
 ありがとうございました。あとお1人、お2人ぐらい、お願いいたします。

【中村委員】
 今のこの資質・能力の示し方ですが、美術の場合に、確かに扱う題材によっていろいろな方法があり得ると思います。特に小学校の材料や場所などを基にした造形遊びのようなものについては、材料などと関わりながら、活動からいろいろな思考が生まれてくるし、気付きが生まれてくる。また、そこから発想が生まれてきて、作品にはならなくても、その学びの中で確実に力を身に付けているということがあるでしょう。題材によって1つパターン化ができないということは、順序性が作りにくい教科であると思います。そういう点では、この論点整理の中で三角形の構図で示された図は、相互の関係がはっきり分かって、分かりやすい図だと思います。実際にそのように示せるのかどうか分かりませんが、相互に関連し合う関係が一歩方向ではなく、多様にあり得るというリゾーム状のような形で資質や能力が示されると、少し具体的な授業とのイメージが重なってくるように感じました。
 以上です。

【阿部委員】
 発想・構想のところはとても大事にしています。前々回ですか、小学校の図画工作の思考・判断・表現力の中の評価規準を決めるときに、先生方に説明するときに、「思いついたり」が「発想」という力で、それから、「考えたり」というのが「構想」であることを説明しました。「大和言葉」にして平たくしてそう考えることが大切だと思います。最初、語尾に資質・能力が表れると言ったのはそういうことです。
 それから、下の方の「よさや美しさなどを感じ取ったり」の「感じ取る」というように、「鑑賞の能力」を平たい言葉にしています。このようにきちんと位置付いていますが、見えにくいということであれば、また、方法は変えなくてはならないと思っております。

【伊野主査代理】
 ありがとうございました。予定された時間が来てしまったんですけれども。失礼。逢坂委員どうぞ。

【逢坂委員】
 今、阿部委員がおっしゃったこととほとんど同じですので、発想というのは、やはり素材をどう扱うかという、具体的な、技術的なことだけではなくて、美術全体、芸術全体に関わる、隣の子供たちが、隣の生徒がどうしてこういう作品を作ったのかなというふうに感じることも含めて、発想を硬直させないというんですかね、やはり知識に変調されてしまうと、知識が豊かな方というのはその知識に縛られてしまう傾向があるので、そうではなくて、知識も大切だけれども、その次の段階として、柔軟な発想というのは芸術全体に関わるということで、先ほど申し上げたつもりだったので、補足させていただきます。

【伊野主査代理】
 どうもありがとうございました。
 それでは、時間も参りましたので、音楽科についての意見交換はこれで終わりたいと思います。様々な御意見ありがとうございました。
 それでは、進行につきまして、福本主査に戻したいと思います。お願いします。

【福本主査】
 ありがとうございました。資質・能力をこの芸術ワーキングの方でどう整理していくのか、様々な視点の提供をしていただきましたので、ありがとうございました。これで終わりということではありませんので、また引き続いて議論の方もまた深める機会があることを願っております。
 一応、きょうお出しいただいた御意見について、事務局で一応論点ごとに趣旨を整理していただくようにお願いをします。それから、限られた時間内での議論でしたので、言い足りないところですとか、お気付きの点等については、これまでどおりペーパーでまた事務局の方にお送りいただければと思います。メールでも結構です。
 一応これで第5回の議題としてはとりあえず終わりになります。次回以降の日程について、事務局の方で説明をお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 この後引き続き第6回を15時10分からこの会場で行います。なお、第6回につきましては、芸術科が生活や社会における働きといったこと、伝統文化の内容を中心に議論していただく予定でございます。
 また、主査からもお話がありましたように、ペーパーによる御意見等も頂戴したいと考えております。ファクス又はメール、郵送でも結構です。
 以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございます。それでは、とりあえず第5回の芸術ワーキンググループを終了させていただきます。引き続き第6回の方に出席いただく委員の先生方については、15時10分にお集まりいただけますようお願いいたします。お疲れさまでした。

―了―

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第三係

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3706)

-- 登録:平成29年04月 --