教育課程部会 芸術ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

平成28年1月22日(金曜日) 15時10分~17時00分

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 芸術教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【福本主査】
 それでは3時10分になりましたので、ただいまより中教審初等中等教育分科会教育課程部会の芸術ワーキンググループの第4回を開催いたします。先ほどの第3回に引き続き、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 第3回の方は、主に音楽に関する内容について御意見を伺いました。
 第4回の方では、図画工作、美術、工芸、書道に関する内容について、御意見を頂く予定となっております。まず最初に、事務局から配布資料について確認の方をお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは配布資料の確認をさせていただきます。本日は第3回、第4回の資料が置いてありますが、先ほど第3回の方は終わりましたので、第4回の資料を御用意いただければと思います。また、議事次第に記載しておりますとおり、資料1‐1、1‐2、資料1の参考で、資料2‐1、2‐1、資料2の参考と、あとその他、机上に参考資料を配布させていただいております。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。
 なお、机上にタブレット端末も置いてありますが、その中に、本ワーキンググループの審議に当たりまして参考となる、関係する審議会答申や関連資料のデータを入れております。
 また、第3回の説明の際に申し上げましたが、本日、芸術ワーキング第2回の主な意見を配布しております。一昨日、メールで同じものを送付しておりますので、期限までに御確認ください。
 以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。それでは議事の方に入っていきますけれども、本ワーキンググループの審議等については、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づきまして原則公開により議事を進めさせていただくとともに、第6条に基づいて議事録を作成し、原則公開するものとして取り扱うこととさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日は報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは第4回の方は、まず図画工作、美術、工芸について、4時半ぐらいまでをめどに御意見を伺いたいと思っております。また、その後、書道について御意見の方を頂戴したいと思います。
 それでは図画工作、美術、工芸の資料の1‐1、それから資料の1‐2について、事務局の方から資料説明の方を頂いてから、自由討議の方に移りたいと思います。それでは事務局から、説明の方をよろしくお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは資料の方を用意願います。資料の1‐1、1‐2、あと1の参考というものを御用意ください。
 まず、資料の一番下の、資料1の参考というのをお出しください。A4の横長でございます。図画工作科、美術科、芸術科(美術、工芸)に関する現状についてということでございます。現状と課題ということで、上の方でございますが、課題の方を記載しております。
 感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断し表現したり鑑賞したりするなどの資質・能力を相互に関連させながら育成することや、主体的で創造的な学習活動の充実が求められているという課題ということで、その下の方には、実施状況調査等でも、表したいことを見付けて絵に表すこと、表現の意図や特徴などを捉えることに課題があるといったこと、また、共通事項についても一部課題があるといった課題を受けまして、こういった課題というものがあるということでございます。
 こういった状況等も受けまして、それでは資質・能力といったものはどのようなものかということでございまして、論定整理の方、緑の冊子でございますが、こちらの方の附箋が振ってある部分でございます。そこを御覧ください。補足資料の27になります。
 こちらのページの下の部分でございます。まず左下の「何を知っているか」「何ができるか」、個別の知識・技能、その右側の思考力・判断力・表現力と「知っていること・できることをどう使うか」ということ、あと、その上のオレンジの部分、「どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか」という、この3点の整理といったものがございます。この整理を、図画工作、美術、工芸ということで、三つの点ということで、これらを3本の柱で整理したものが、資料1‐1ということになっております。そちらに留意しつつ、資料の方を見ていただければと思います。
 それでは資料1‐1でございます。資料1‐1につきましては、三つ、一番左が個別の知識や技能、真ん中が思考力・判断力・表現力等、一番右側、学びに向かう力、人間性等という整理になっております。それで今回、4枚ございますが、1枚目が小学校図画工作科、2枚目が中学校美術科、また、3枚目が高等学校芸術の美術、4枚目が高等学校芸術、工芸という形になっております。
 それで1枚目でございますが、小学校図画工作科の個別の知識や技能ということで、その枠の中でございます。まず、枠の中の四角の左側でございます。こちらに知識というもの、その右側に創造的な技能という形で並べております。この資料自体は、今の学習指導要領をベースにして、今後こういうことが考えられるんじゃないかということで、事務局でまとめさせていただいたものということになっております。
 資料に戻りまして、個別の知識・技能ということで、知識の中に考えられるのは、この下の黒ポツの、発想や構想する際に活用する知識と。また、その下の、表現方法や用具の扱いなど技能を働かせる際に活用する知識。また、作品などの良さや美しさを感じ取る際に活用する知識などといったものが考えられるんじゃないかと。
 また、その右側、創造的な技能ということで、一つ目のポチで、思い付いた活動や表したいことに合わせて、材料や用具の特徴を生かして使い創造的に表す技能。また、その下の、思い付いた活動や表したいことに合わせて、表し方を工夫し創造的に表す技能と。また、その下が、前学年までの材料や用具などについての経験を生かし創造的に作る技能などというものが考えられるのではないかということでございます。
 また、その四角の下の部分でございますが、形や色などの造形的な特徴に関することということで、整理させていただいております。
 また、真ん中の部分でございますが、思考力・判断力・表現力等ということで、またその更に中に、四角が二つございます。その左側が、主に表現によって育む思考力・判断力・表現力等ということで、あとはその右側に、主に鑑賞によって育む思考力・判断力・表現力等といった整理をしています。
 主に表現の部分でございますが、黒ポチの部分です。感性や想像力、手や体全体の感覚などを働かせて、形や色、材料などを操作しながら創造的に思考・判断し、造形的な活動を思い付いたり、表したいことを見付けたりする。また、その下のポチですが、感性や想像力、手や体全体の感覚などを働かせて、形や色、材料などを操作しながら創造的に思考・判断し、表し方を構想するといったことなどが考えられるのではないかということ。
 また、その隣の鑑賞部分でございますが、感性や想像力、手や体全体の感覚などを働かせて、自分たちの作品や美術作品などを見たり、それについて話したりしながら創造的に思考・判断し、作品の良さや美しさなどを感じ取るなどといったことが考えられるのではないかということでございます。
 また、共通的事項として、その下ですね。形や色などの造形的な特徴を基に自分のイメージを持つということで、整理させていただいております。
 あと、一番右側でございますが、学びに向かう力、人間性等ということで、作り出す喜びや造形への関心・意欲・態度、感性。形や色、イメージなどによるコミュニケーションを通して、生活や社会と豊かに関わる態度、豊かな情操などといったことで整理できるのではないかというものでございます。
 また、2枚目でございますが、中学校美術科でございます。整理の仕方については同様な形になっております。ただ、発達段階を踏まえて、その書きぶりといったものについても変えております。知識などでは、一番下の、生活を心豊かにする美術の働きや美術文化について理解する際に活用する知識などといったことが加えられたりといったことがございます。
 同様に、3枚目が高等学校芸術(美術)の整理でございます。4枚目は、工芸についての同様な整理といったことを出しております。
 以上、1‐1でございますが、続いて資料1‐2の方を御覧ください。こちらは学習のプロセス図のイメージ案ということで、こちらの資料1‐1を基に、まとめさせていただいたものでございます。
 三角形になっておりまして、上と両端と下の端っこということになっております。上が発想や構想、左下が創造的に技能を働かせる、右側、オレンジの部分が、作品などの良さや美しさなどを感じ取るということで、これらが、矢印がそれぞれ双方向につながりつつということで、相互に関連した働きというもの、それぞれ関わりながら、真ん中の紫の部分、これらが共通に働く資質・能力として働きつつ、三つの力というのがそれぞれ関連して高まっていくという構造になっております。
 それぞれの三つの柱の横に、いろいろ、発想や構想ですと自分の表したいことを考えて見付けるといったことや、材料などから表したいことを見付けるといったこともございますが、これらは特に順番というわけじゃなくて、柱の中に矢印があると思うんですけれども、これらはぐるぐる回っているというイメージであります。それはほかの柱も同様な形でございますが、そういったことで回っているものと捉えていただければと思います。
 また、この三角形の右側の、茶色で囲んだ部分がございます。この囲んだ部分については、資料1‐1の思考力・判断力・表現力等の部分を育成する部分ということになっております。これらを通じて言語活動、そこにも、ちょうど右側の真ん中辺りになりますが、例えばアイデアスケッチなどに感じたことや考えたことなどを整理するといったことや、話したり話し合ったりするといったこと、また、説明し合ったり価値意識を持って批評し合ったりする、また、討論や根拠を持って批評し合うといった、こういった言語活動というのを行ったりして、また、そういった他者への働き掛け、協働といった部分というのも踏まえつつ、実際そういった力を育成するといった部分になっております。
 それで、一番右側でございます。それら発想や構想をする柱の一番右側でございまして、形や色、材料などを操作したり用いたりして思考・判断するといった部分、これが一番、発想や構想の部分とつながりが深い部分ということと、その茶色の下の部分、言葉を用いて思考・判断するということでございまして、これらは作品などの良さや美しさなどを感じ取り味わうということとの深い関わりがあるということで、ただ、この色のグラデーションというか、端っこに行くほど濃くなっていますので、そこはこういった部分と関わりが深い部分ということと、この上と下の部分は、全く切り離されるわけでもなくて、それぞれも少しずつでも関わり合っているということで、色のグラデーションを出しているといったものでございます。
 また、このプロセス図の根底というか、資料1‐1にある学びに向かう力、人間性等という部分で、このプロセス図には必ずしも見えない部分ではございますが、このプロセス図の下にそういった要素が入り込んでいるといったイメージで、今、資料でうまく表されていないと思うんですが、学びに向かう力、人間性等については、そういったものが、情意・態度に関わるものがこの根底にはあるということで、御理解いただければと思います。
 また、1‐1と1‐2を並べていただきますと、この1‐2の青い部分というのが、資料1‐1の思考力・判断力・表現力等の表現に関する部分と対比しております。また、このオレンジの部分につきましては、思考力・判断力・表現力等の鑑賞の部分とつながっていると。また、あとは創造的に技能を働かせるグリーンの部分、それが個別の知識や技能のところの創造的な技能とつながっているという関係になっておりまして、個別の知識や技能と思考力・判断力・表現力の下の枠の外にある部分、これらが紫の部分と関連しているという関係になっております。
 以上、1‐1、1‐2については事務局で作成したところですが、それぞれの分け方、またプロセス等について、是非とも御議論いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。それでは、資料の1‐1、1‐2に基づきながら、意見交流を行っていきたいと思います。先ほどの音楽の方の議論の中でも、美術の先生方も自由に発言をなされていたかと思います。第4回の方は美術が中心になるということですけれども、是非音楽の先生方からも御意見の方を頂ければと思います。
 私の方は、少し音楽の第3回の方を遅れてきた関係で、十分理解をしていないかもしれませんけれども、大きな議論の柱としては、育成すべき資質・能力の整理というものを、要するに三つの柱をベースにして整理をされているわけですけれども、その中で、特に音楽の方でも、知識というものの捉え方というのがやはり議論になったかと思いますし、また、学習のプロセスの示し方、この図式について、いろいろな御意見が出されました。
 時系列であるのか、また、単に要素の構造的な関係を示した関係図であるのかというところも少し話題になりましたし、また、この一つの図式の中で資質・能力の要素を示すということ、それから同時に学習過程、そのプロセス自体を反映させていくということ、それから子供の内的な学びのプロセスというものを、三つレイヤーが重ね合わさってできているようなところから、非常に混乱をする部分もあるのではないかという意見があったように理解をしております。
 また、言語活動についても、中教審の別のところで議論をされているということで、資料説明もございましたけれども、その中で、特に音楽に関わっては、言語と音というものの補完的な関係性というか、言葉を変えれば、相補的であるだけなのか、あるいは互恵的な関係であるのかということも問題にはなるかと思いますけれども、言葉の役割と音楽の役割の違いというものの意識化というものが、発達段階によってまた変わっていくということも話題になるでしょうし、また、思考との関係で、内言語と外在化された言葉との関係、あるいはその思考との関係という中で、どのように捉えたらいいのかということが、いろいろな御意見が出ていたかと思います。
 こういった議論が、この美術の方でもそのまま引き継がれる部分があるかと思います。1‐1ですと、資質・能力の整理というのが、こういう知識・技能、それから思考力・判断力・表現力、それから人間性というふうにつながっていますけれども、この表の表し方自体が、少し例えば左から右へと一方向的なものに捉えられがちなところもあるでしょうし、そういったものが、この1‐2の中では、双方向的な要素の関係性というものが示されているように思います。
 そういったところを踏まえながら、こういった美術における、例えば知識というものの在りようというもの、あるいは、美術の方ではこのように、個別の知識・技能という中で、知識と創造的な技能という二つの枠が設けられていますけれども、こういった関係について、こういった形でいいのだろうかというところも話題になるかと思います。
 そういったことで、できるだけ自由に発言の方をしていただければと思っております。引き続いて、御意見のある方については札の方を立てていただければと。もう用意されていますね。じゃあどうぞ、福岡先生。

【福岡委員】
 済みません、小学校の図画工作、資質・能力の三つの柱に沿って整理されたこれを見ておりまして、大事な視点としては二つあるかと思います。一つ目は、まず、現場の先生たちを混乱させない、つまり分かりやすいということが大事だと思います。もう一方で、他の教科が考えておられる育成すべき資質・能力との関連性・整合性を考えることが大事だと。そのようにして、この検討のたたき台、資質・能力の整理を見せていただきました。
 今、主査もおっしゃいましたように、他教科との比較で特に違いを感じる資質・能力は、技能の部分です。図画工作科でいう技能は、材料や用具の扱い方に慣れる、習得させるという側面だけではなくて、表し方を子供自ら工夫して作り出していく、そのようなクリエーティブな技能の側面があり、それをどう入れ込むのかということが、とても課題であったと思うのです。
 この検討のたたき台では、技能を個別の知識や技能に入れているわけですけれども、これは他教科との関連性も保たれるので、現場の先生たちには分かりやすい。小学校の場合は、いろいろな教科全部教える中で、図画工作科の技能だけがほかに入ってしまうと非常に混乱します。ですから、まず現場サイドから言うと、この位置に入れていただいたというのは分かりやすいと考えます。
 その一方で、図画工作で言うクリエーティブな技能の側面は、文言として強調された形で示されています。技能の前に「創造的な」という言葉を入れることで、子供が発想したことを実現するために、材料・用具を用いて様々な表し方を子供自ら工夫して表す、そのような資質・能力であると理解ができると思うからです。
 もう一つ、またこれは全く別の視点ですけれども、社会に開かれた教育課程という視点から見ると、この学びに向かう力、人間性のところの黒ポツの四つ目、形や色、イメージなどによるコミュニケーションを通して生活や社会と豊かに関わる態度、ここにも表れているのかな、このように捉えました。
 以上です。

【福本主査】
 ありがとうございました。二つほど御指摘ありましたけれども、一つ目の、現場の先生方にとっての分かりやすさというところで、こういった形というのはいいのではないかということです。その分かりやすさというのは、言い方を変えれば、誤解のないように伝えていくということは非常に大事だと思うんですね。その中で、知識・技能というところの知識というのが、非常にくくりが、なかなか図工、美術にあっては誤解を招きかねない部分もありましたので、こういったところについて、少し意見の方をいろいろと伺っていければと思うんですが、どなたかいかがでしょうか。
 じゃあ、阿部先生。

【阿部委員】
 阿部でございます。今の関連して、自分なりにも見せていただいて、分かりやすいなということと、これが全て並立的では、三つがもちろん並立的ではないんですけれども、どうやって考えればいいかなと悩んでいました。
 一つは、創造的な技能というのが、こちらにあるもう一つの言葉というのが、創造的に表す技能、この「に」と「な」の違いが、私の中にまだすとんと落ちていないところがあって、この技能というのは、ある程度、子供が独自のものを、それぞれ半知の状態というんですか、半分持っている状態で、それらを取り出してきて更新して、また自分の新たな学力というか、技能としてどんどん膨らませていくと考えると、創造的に表す技能と、それから創造的な技能となると、もう創造的な技能というのは子供たちにあるものだと考えていくと、それらはある程度、今まで平成5年の新しい学力観を作ったときに考えていくと、その技能というのはそれぞれの独自なものとして認めた上で、そういう場を提供していくとか材料を与えていくと考えていくと、すとんと落ちるんですけれども、創造的に表すとなると、どのような表し方があるのかなと思うものですから、例えば文言が、特徴を生かして使う創造的な技能というふうに、そこで止めてしまう方法と、その辺のニュアンスの違いがどうやって出てくるのかなというのが、少し見ながら思っていたところです。
 そこのところについては、また創造的な技能に関してお話をさせていただきました。また後ほど、違う話をしたいと思います。

【福本主査】
 ほかの先生方、いかがですか。
 市川先生、どうぞ。

【市川委員】
 この資料の1‐2を、私、見ました。これは私が作ったわけじゃないですけれども、これがやっぱり美術の力なのかなと私なんか思うんですよね。文章で資料の1‐1でお示しになられている、各教科・科目が全てそろえて、恐らくこれが評価の3観点になっていくんでしょうけれども、やっぱりそれだけですとなかなか理解しにくいんですが、こういう構造図、プロセス図、色の性質も表されているのかもしれないですが、青い色、緑の色、オレンジの色、それぞれに性質を持たされているかもしれないですね。さらに、先ほど関心・意欲とか、その辺りをどこでということは、例えばこれが立体図のようになっていれば、もっと私、分かりやすいのかなと。スパイラル状にこれを発達の段階に応じて高めていくという意図があるのかなと。
 非常に今回の、全て教科・科目を、これまでのいわゆる評価の4観点、5観点でなくて、こういう観点にそろえ直しをされているんだろうというのは、ある意味、分かりやすく整理というのは理解できるんですが、特に思考力・判断力・表現力等のところですね。これまでは、いわゆる全教科に共通するところですと、順番は大分違いますけれども、私の理解している範囲では、関心・意欲・態度にはじまって、発想や構想の能力、それから創造的な表現の能力ですね。それから美術ですと、やっぱり知識というところを、鑑賞の能力ということで私は理解してきているんですね。
 現状と課題のところでも、高校なんかで示されているとおりでして、やっぱりこれまでの現場の問題というのは、これだけ育てるべき資質・能力が示されていながらも、やはり作品制作主義に陥っているということがあるんですね。あるいは、知識ということに偏重すると、今度はじゃあ作品の名前を覚えたり、作家の名前を暗記すればいいのかとか、そのようにならないようにということで、現在の4観点があるのかなと。
 ですから、今回、思考力・判断力・表現力の中で、苦労されてこの中に鑑賞の能力と表現の能力の方を分けられていますけれども、やはりなかなかこれを、それぞれかなり性質の違う能力ですから、注意して位置付けていかないといけないのかなと。結局最終的には、これによって恐らく評価が決まり、評価の観点になるでしょうから、評価の観点ということになれば、当然、育てる資質・能力に返っていくわけですので、この1‐2の図を見ながら、もう一度、どういう位置付けをするのかというのは、十分精査をしていく必要があるんじゃないかなと思います。

【福本主査】
 ありがとうございました。今、1‐2の図のことも触れていただいているんですけれども、1‐1と1‐2の関係というものを明確にしていかないと、なかなか現場の先生にも分かりづらいというところがあるかと思います。
 また戻りますけれども、特にこういった知識・技能という中で、先ほど創造的な技能ということも話題になりました。一方で、この知識という捉え方を、かつての基礎・基本的な知識という見方もされる場合もあったり、あるいは美術の教科特性というのを考えていくと、児童・生徒が非常に試行錯誤するというのを試し行いながら、試行錯誤する中で気付きが生まれたり学びが生まれてくるという、そういったところの知というか学びというものをどのように捉えていくかということとも、ある程度、関係性を整理しておかないといけないかなとは思っていますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、山田先生。

【山田委員】
 ただいまの市川委員の御意見とほぼ同じことになるんですけれども、やはり冒頭、御意見がありましたように、他教科との整合性という問題と、この教科特性の問題で、1‐1と1‐2では、見た目はもう違うんですね。三つに分けた柱と、こちらの3観点の関係性が、これですと何か合っていないということになります。私は、やはり1‐1と1‐2の構造図、基本的にはよく分かります。ただ、他教科の先生が見ると、これは何だかよく分からないかもしれないんですけれども、とてもよく整理されていると私は思いました。
 これをじゃあ他教科との整合性を考える、1‐1というこの三つの柱に落とし込む際に、やはり気を付けていただきたいのは、今、市川委員が御発言されたようなことなのかなと思っています。このイメージ図で言う発想や構想をするという一つと、作品を味わうというこのマル、やっぱりこれが、本当に一つのところにぽっと柱の中で入れてしまっていいのかなという。やっぱりそこはすごく慎重に考えないといけないんじゃないかなということでございます。
 それと、やはり私も、現場がどのようにこれを指導に生かして、最終的に評価して子供を伸ばすかということを考えたときに、どうしても評価の観点というのがどうもちらついてしまって、これまでのいわゆる四つに分けた観点で、一つが関心・意欲・態度で、すごくそれは残りの三つを全体にかぶさっていたということがあると思います。現行のそれを三つの柱のように三つに切り分けたときに、三つの柱のあの三角形の図でいきますと、本当にそれぞれが確実に独立しているような強い印象を持ちますので、一番この学びに向かう力、人間性等という辺り、どのように社会・世界に関わって、より良い人生を送るか、すごく大きなものが、単純に今のような関心・意欲・態度というものだけでいいのかなというのが、両方の表と図を見ながら、その辺りをちょっと感じたところでございます。
 自分でこういうのがいいんじゃないかとかと、そういうのは全くないんですけれども、1点、感じたところをお話しさせていただきました。以上です。

【福本主査】
 ほかにいかがでしょうか。別の観点でも結構ですので。
 どうぞ。

【中下委員】
 失礼します。今の話題で、私も資料1‐1をきのう拝見しまして、まずぱっと表を見たときに、個別の知識や技能、あ、知識・技能が来たなという印象を持ちました。この表だけを見ると、やはりそれぞれの三つが並列的にあるかのように見えたんですけれども、もう一つの1‐2の方の構造図の方を見まして、ああ、なるほどなと、とっても分かりやすいなと思いました。
 今回、私は、とても大事なのが、この三角のグレーの矢印の部分だなと捉えています。資料1‐2で言う、それぞれの能力、発想や構想する、創造的に技能を働かせる、作品の良さや美しさなどを感じ取り味わう、これらの力が相互に働き合う、そこの部分をきちんとクローズアップしてというか、指導者の方に理解をしてもらってこれを進めていくということが大事だと思いました。
 というのは、実際授業をしていく中で、例えば絵を描くということがあったとしたときに、どんなことを描こうかなと思い付いて、じゃあどのように実際に表していこうかと構想していく、そして描いていくというふうに、題材の中で発揮している資質や能力を、比較的時間的な流れの中での過程として、ここは発想・構想しているなとか、ここは創造的な技能を中心に発揮しているなというふうに、縦で最初、見がちだったんですね。
 ところが、ここに相互に関連しているとあるように、実際の子供は、最初にこのように描こうとか表そうと思い付いていても、手を働かせたり描いたりしているうちに、いや、ここにもっとこんなのをやってみたいなとか、やっている途中でもっといいことを思い付いたということがあるわけです。つまり、創造的な技能を働かせながら、また発想したり構想したりする。それをまた方法を考えて、試してやってみたくなるという、そういう繰り返しというか、いろいろな課題を一つ一つ子供が楽しみながら、あるいはよくよく考えて悩みながら、時には時間をかけて解決していく、そのプロセスというのは、本当にまさに問題解決に向けた主体的な学びということで、アクティブ・ラーニングが実現されるという部分ではないかなと。
 ですので、相互に関連するという、働いていくという、そこの部分がこのグレーの矢印であるならば、ここのところもきちんと説明していきたい部分だなと思いました。

【福本主査】
 どうぞ、室長の方で。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。少し評価の観点、特に三つ目の学びに向かう力の広さと主体的に学習に取り組む態度の範囲ということのずれといいますか、そういったところにも御指摘いただきましたので、現在、総則・評価部会で少し御議論いただいている、まだ真っ最中なんですけれども、ことを御紹介させていただきますと、これら資質・能力としては、やっぱり教科が育むべき資質・能力としては、かなり広いものであろうと。一方で、観点別評価あるいは個人内評価ですね。個人一人一人の伸びを見ていくという、それらの様々な評価のやり方の組合せの中で、その資質・能力全体を子供たちが伸ばしていくということであろうかと思います。
 そういう意味では、この三つ目のところというのは、観点別評価の中で主体的に学習に取り組む態度ということで見るべきところと、個人内評価の中で伸びを見て、ある意味、記述的に記していくべきところ、あるいは若しくは、これはまだ検討が必要ですけれども、評価ということをそもそもとの関係性から考えなきゃいけない事項も場合によってはあるかもしれませんけれども、そういった多様な評価の事項を特に含むのが三つ目の柱ではないかという御議論を頂いているところです。
 それから、この三つの柱、資料の1‐1と1‐2の関係性、これは是非セットで御議論いただきながら関係性を整理していければと申しますのは、他教科も含めて三つ、三角形で整理をして、しっかりと要素を押さえていくということが大事な一方で、それらがばらばらではないというのは、全ての教科において共通する事項であろうかと思います。であるからこそ、例の三角形の真ん中にはアクティブ・ラーニングの視点ということがあり、その学習プロセスの中で、まさに思考・判断・表現する中で知識・技能が身に付きという関係性がございますので、こういった流れとそれぞれの要素、双方から押さえていただくということで、是非御議論いただければと思います。
 済みません、失礼いたしました。

【福本主査】
 ありがとうございました。そういったことも踏まえながら、また自由に御意見を頂きたいんですが、いかがでしょうか。
 阿部先生、お願いします。

【阿部委員】
 きのう考えて、並列ではないだろうなと思いながら、偶然ですけれども、この破線を山折りしてですね。そしたら、この理解や知識・技能がベースになっていて、授業としては実際には思考・判断・表現という辺りが出てきて、これがこっち側に谷折りになりますけれども、なれば、上に、構造的にはそういうことなんだろうなと。横に並列的になっちゃうので、どうしても私たちは左側から順番にとなるんだけれども、本来的には、この知識・技能というのは、ある程度、下に隠れているというと言い方悪いんですけれども、ベースになっていて、そして学び、人間性とか、そういったところに大きく広がっていったり、つながっていくのかなと考えていたところです。
 それから先ほどの技能のところの、思い付いた活動や表したいことに合わせて、小学校の1‐1ですが、これは造形遊びを一度していますので思い付いた活動、それから表したいことに合わせてというのは、表現(2)の方の、絵やそういったことに表されているんだろうと思うんですけれども、頭の部分としては、造形活動を通して思い付いたことや表したいことに合わせてとかという文章も、くくりとしては作れるかなというのと、それから主に表現によって、右の方ですけれども、ながら、しながらというのが、大変小学校等については大切なこととして、活動をしながら自分で思いを膨らませていくということが、ここの辺りに言葉としてうんと入り込んでいますので、大切にしていきたいなとは思ったところです。

【福本主査】
 そういう活動を通してという意味合いというのが、双方向の矢印の中にも反映しているのだとは思うんですが、そのほかにいかがですか。
 はい、福岡先生。

【福岡委員】
 先ほどの中下委員の御発言で、資料1‐2の灰色の矢印の意味が重要ということで、私も同じことを思ったので話をさせていただきます。
 このイメージ案のすばらしいなと思うところは、やはりこれらの資質・能力は相互に関連しながら一体的に高まっていくということを、非常に分かりやすく示されているなと思ったんです。現場で感じている課題、いろいろありますが、その一つに、例えば表現と鑑賞の活動で発揮される子供の資質や能力が、割と別々に捉えられる傾向があります。そんなのは別々ではなくて分かち難いものであって、表現と鑑賞は一体的であるという捉えは少し弱いんじゃないかなということが気になっていました。
 しかし実際には子供は、中下委員もおっしゃったように、鑑賞の能力を働かせながら発想や構想をする姿や創造的な技能を働かせる姿があって、表現と鑑賞能力は一体的に働いています。ですから、今回のこのイメージ案で、資質・能力は本当に一体的に伸びていく、関連し合いながら子供は伸ばしていくんだということをはっきりと打ち出せる、分かりやすいなという、そこがいいところだなと感じました。
 もう一つは、アクティブ・ラーニングの視点がどのように現れているのかなという視点でこのイメージ案を見ましたときに、やはり協働、他者への働き掛け、このひし形が目に留まったのですが、やっぱりアクティブ・ラーニングといったときには、個々孤独に頑張るのではなくて、例えば図工の授業では、友人などとの交流活動を通して、表現活動の途中で生じてくる課題を、ともに力を合わせながら協働的に解決していく場面があります。その学びはアクティブ・ラーニングであると私は考えていますけれども、そういった視点は、このイメージ図の中では、他者への働き掛け、協働にも表れているのかなと感じました。

【福本主査】
 そのほかにはいかがでしょうか。
 はい、横田さん。

【横田委員】
 済みません、資料1‐2の図なんですけれども、やっぱり市川委員もおっしゃったように、非常に分かりやすくビジュアルに物事を伝えていると思うんですね。この中で、三つをつなぐ灰色の矢印の話がありましたけれども、私は特に高等学校の美術、工芸に関わり合いが大きいわけですけれども、この図の中で、当たり前、当然中心にある紫の部分ですよね。形や色、イメージなど、全ての学習活動に共通的に働く資質・能力。これは当たり前のことなんですけれども、小学校・中学校共通事項という形で示されていることなんですけれども、高等学校の現行の学習指導要領には、その共通事項というのは示されていません。高等学校の美術、工芸という授業、いろいろな先生方がいろいろな授業をされていますけれども、何を授業で目指しているのかというところでは、やはり物を作ることが目標になってしまっていて、この辺のところの紫のところ、目指す資質・能力みたいなところが、やはり不明確になっている。現行の学習指導要領の中でも、表現形式の特性であったりとか、解説の中にもこういう造形要素のことは書いてあるんですけれども、やはり不明確だなと思います。
 この辺のところが、こういう図でしっかり示されるということ、現場の先生方に分かりやすいというお話が最初にございましたけれども、やはり高等学校の芸術、これは芸術科になりますので、美術、工芸だけというわけにはいかないでしょうけれども、やはりこの真ん中にあります共通事項みたいなものをもう少し明確にすべきではないかなという意見は、何かそういうものが必要ではないかなとは思うところです。
 以上です。

【福本主査】
 ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

【八巻委員】
 失礼します。一つ別な観点なんですが、今のとちょっとないんですが、個別の知識・技能、それから思考力・判断力・表現力、学びに向かう力、人間性というところで、先ほどの音楽と、それから美術、工芸と、書道も後で出てくるんですが、その中で、個別の知識や技能のところ、美術、工芸だけが知識と創造的な技能という観点で分けられているんですが、ほかのは知識と技能ということで、「創造的な」というのが美術だけに入っておるというところなんですが、芸術の中で、こういう要素ももちろん、美術の要素も分かるんですが、例えばこの「創造的な」というのを、美術だけに入っているというのがいいのか悪いのかということではないですけれども、多分、美術についてはそれが入った方がいいと判断されて、ここは付いているわけですが、例えば一番上の、思い付いた活動や表したいことに合わせて材料や用具の特徴を生かして使い表す技能という、例えば「創造的な」がなければこれは成立しないのか、「創造的な」は、例えば右の、主に表現によって育む思考力・判断力・表現力等の中で、例えば評価のときにそちらで評価していくのがいいのかということで、評価にも関係してくるので、この「創造的な」というところをここに入れておくべきなのかどうか、また皆さんで御判断をお願いしたいなと思います。

【福本主査】
 美術の先生方にお聞きすべきか、あるいは創造的な技能という評価の観点でもありますので、こういったところを反映させた趣旨というか、そういうのを、教科調査官でも結構ですし、少し補足説明していただいた方がいいのかもしれません。
 東良委員、少し補足の方をお願いできますか。この箱の中の知識と創造的な技能というもので、特に「創造的な」というものの意味合いというのを、他の教科の方々にはどのように理解されるのかという、非常に重要なところだと思うんですけれども。

【東良教科調査官】
 失礼いたします。まず、評価の観点の名称では技能がこれまでも「創造的な技能」と示されています。これは、技能は、子供一人一人が発想や構想をしたことを基に、自分の表現を具体化するために材料・用具などを創造的に用いて描いたりつくったりするという側面が大切であるということです。例えば単にのこぎりが引けるということではなくて、そののこぎりを引くということを知ったりできようになったりした上で、自分が表現の中で、自分の意図に応じながら創造的にそれが使えるようになって初めて、技能を身に付けたと言えるのだということです。ですので、単なる技能ではなくて、ここでは「創造的」という言葉が付いているということが一つ言えると考えます。

【福本主査】
 何かほかの美術の関係の方で、補足等ありましたら。
 福岡先生、どうぞ。

【福岡委員】
 何度も済みません。今、調査官がおっしゃったことを、例えば小学校でありますと、創造的な技能を発揮する子供の姿の具体として、5年生で粘土を扱った授業で、粘土をかき取るためのへら、その用具を使っていたときに、ある子供が、こんな模様が作れるよと言いながら、へらの動かし方を工夫して不思議な模様を作っていったんですね。その技法は本当に周りにどんどん流行して、粘土をかき取るという用具のへらが、模様を作り出す用具として人気になった。そういったことが、ふだんの授業の中にあります。
 ですから、材料・用具の扱いに慣れて習熟していくという側面だけでなくて、子供自身が作り出す新たな技能で表現がより広がっていく、そんな様子を指導者は捉えて指導を工夫していきたいなと、そういう側面があります。ですから私、その「創造的な」という見出しが付いている意味を、十分に現場の先生はくみ取るんじゃないかなと、このように感じました。

【福本主査】
 市川先生、どうぞ。

【市川委員】
 これも現場の悪い点で、どこの学校もと言っているわけでは決してないです。これまであり、また今後もこういう形であっては困るという例でね。例えばある先生が御指導されると、そのクラスの作品はみんな同じようになってしまうと。あるいは、これも余り言うと差し障りがあるかもしれません。どこかの高校の美術展に行くと、どなたの作品か分からない、皆似たようなポーズで似たような形で描かれているとか、作られている。これは果たして御自身の持たれている、あるいは育てようとしている技能が創造的に働いているものかなという疑問は生ずるんですね。
 つまり、個性を育てるために一人一人が持っている技術を創造的に働かせなければ、これは芸術、美術、工芸の表現ではない。私はやっぱり、そこのところに「創造的な」、個性を育てるための一番根源のところだと思いますので、必要な文言ではないかなと思います。

【福本主査】
 ほかに。
 済みません、中下先生。

【中下委員】
 私は一昨年までいろいろな学校、京都市内回って、実際に若い先生たちが図工の授業をしてくるというのをたくさん見てきました。その中で、子供の活動と評価と目標と、この三つがきちんと一致していないと授業としてはいけないんだよという話をしてきたんですが、とりわけ小学校の先生方、いろいろな教科を教えていますので、やっぱり創造的な技能の「創造的な」という辺りがふっと抜けてしまったときに、例えば工作であったら、はさみがうまく使えている、きれいな線が切れている、そしたら創造的な技能ですよねということを言われたりします。でも、技能ではなくて、単なる使い方。いかにきれいに切れるかではなくて、自分が切りたい線はどんなのか。例えばぎざぎざだったら、はさみの奥を使ってゆっくり丁寧にぎざぎざ山を作っていくとか、そこのところを子供が考えて工夫して、その用具を活用しているか、道具を活用して使いこなしているか、そこのところがあって初めて「創造的な」というところに行き着くんですよと。その力を、そんなことを考えられる、方法そのものを考え出す子供を育てて評価をするんですという話をするんですね。
 ですので私は、「創造的な」という言葉があるというのは、とても大きな意味が、現場の先生たちにとっても今後あると思います。以上です。

【福本主査】
 山下先生、どうぞ。

【山下委員】
 音楽科の立場から言わせていただきます。先ほどの会議でも発言をいたしましたが、音楽もほぼ同じでして、例えば正しい音高で歌えるとか、正しいリズムが打てるとか、そういうことだけを技能と言っているのではなくて、こういう感じの表現をしたい、こういうニュアンスを音で出したいという、その思いや意図を実現するための技能なのだと考えます。
 当該教科の専門の先生であれば、その教科の学習指導要領しか御覧にならないかもしれませんが、例えば小学校の先生が、横断的に御覧になったときに、ああ、美術は「創造的な技能」だけれども、音楽は「技能」だから、音楽に創造的な技能は必要ないのかな、などと思われるといけませんので、その辺りはすり合わせが必要だと、今、お話を伺いながら考えました。

【福本主査】
 じゃあ山田先生、お願いします。

【山田委員】
 先ほどのイメージ図で、私、落としてしまった点が1点ありまして、実はすごくいいなというのは、スタートがどこでも、それこそ一人一人の子供たちが、自分の学びとして、ここに決められると。ここからスタートしていきたい、ここからスタートする子もいる。何かいろいろスタートがここに書かれていないところが、すごくこれのいいところで、一方で、じゃあゴールはどこかなというのが逆に若干見えないかなといいますか、どこを目指しているんだろうというのが、もしかするとこれだけだと誤解されてしまうといいますか。何かゴールは、でもあった方がいいのか、ゴールといってもみんな同じものではないんでしょうけれども、何かその教科の目標なり題材の狙いなり、何かしらどこか最後いくような、果たしてこの1枚に収まるかどうか分かりませんけれども、スタートは本当にないのが、すごくこれがいいなと思いました。
 付け足しさせていただきました。以上です。

【福本主査】
 阿部先生。

【阿部委員】
 イメージ図の方でちょっと気になったところで。右側の茶色の大きな矢印なんですが、言語活動若しくは言語表現ということで、発信していくというイメージで矢印なのかなと思いながらも、発信してまた受けるということが、そこの左側には他者への働き掛け、協働等が載っていますけれども、働き掛けるだけではなくて、他者からの働き掛けもあって初めて、また往還的にというんでしょうか、再帰的にというんでしょうか、もう一度戻ってくるような矢印でないと、発信しっぱなしのようなイメージというんでしょうか、そういう矢印が感じられてしまうので、働きを受けるとか、対象からも働きを受けますので、そういったものが少し整理される図の方がいいのかなということに思っています。
 ただ今回、上の方の先ほどのグラデーションの右端ですけれども、形や色、材料から自分自身で対象に働き掛けて考えるというものと、下の方で言葉を用いてという、実際に自分で感じたことを相手に伝えたりということがある程度明記されていますので、その時点で鑑賞なりそういったことになれば下の方が多くなるし、制作場面であれば上の方が多くなるということでも説明はしやすいのかなとは思いました。

【福本主査】
 ありがとうございました。そのほかにはよろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【中下委員】
 何回も済みません。阿部委員の話につながってなんですけれども、他者への働き掛け、協働という部分が、もちろんこの位置付けのところで、私も適しているというか、分かりやすいなと思うんですが、これをもう少し広がっていくというか、この赤い枠を越えて、創造的な技能の場でも協働的な場とか活動というのは起こるかなと思うんですが、それが何らかの形で示せると、よりいいのかなと思いました。以上です。

【福本主査】
 ありがとうございました。ほかに音楽の先生方から、図式表現に関して何か御質問、御疑問がもしありましたら、おっしゃっていただきたいと思いますが、いかがですか。
 意見がなかなか出なくなってきておりますが、大体こういったところでよろしいでしょうか。
 今回は、特に教科調査官の先生方を中心に、特に1‐2というのをまとめていただいて、非常に御苦労をされてこういった形になってきたかなと思います。こういった中で、今、非常に分かりやすいという、分かりやすさというところがあるということで、一部には、先ほどのような協働性といったところが、この中でうまく反映してくれるといいなという御意見もございました。
 あとは個人的には、少し感性という言葉であったり、想像力であったり、非常に教科の特性として、小学校までは感性という言葉を使っているわけですので、そういったところのキーワードがどこかにあると、より美しいかなとは思ってはおります。
 あと、気になる点は、先生方の御指摘にあったように、1‐1の方での三つの柱の関係性がある中で、知識・技能という中で、最初に申しましたけれども、知識というものの捉え方ということを非常に留意して使うようにしないと、どうしても美術の場合に、この知識というものがアプリオリに存在するような、何か知識だけに偏ってしまうと、まず何か一定の色なら色に対する知識を教えてから次の応用に移るというふうな、一方向的なものに誤解されやすいというところもあるかというか、そういったところが危惧されるところですので、また次回ぐらいにでも、更に知識ということの考え方というか、美術教育における学び若しくは知というものの在りようをしっかりと考えておきたいなと思っていますが、何かほかに。もうよろしいですか。
 じゃあ伊野先生、お願いします。

【伊野主査代理】
 今の御指摘は、恐らく芸術教科の共通した問題なんじゃないかと思うんですね。この三つの資質・能力が示されたがために、それに全部当てはめて1枚の、特に資料1‐1の方ですが、書き出したときに起こる芸術教科の悩みのようなもの、そしてこれを、今の美術科のような、あるいは資料1‐2で解消できればいいんですが、1‐1でも、その形がどのように表していけばいいのかという辺りは、共通してもう少し継続的に考えていかなくちゃいけないんじゃないかなと強く思いました。

【福本主査】
 ありがとうございました。それでは、ほかに御意見の方がないようでしたらこれぐらいにさせていただいて、書道の方に移っていこうと思いますが、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、別の資料になりますので、こちらの方の説明の方を、また事務局の方からお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、第4回の資料2‐1、2‐2、資料2の参考の方を御用意ください。
 まず、資料2の参考の部分になります。芸術(書道)に関する現状についてということでございます。一番上の部分でございます。書の伝統と文化を踏まえ、生徒が感性を働かせて、表現と鑑賞の相互関連を図りながら能動的に学習を深めていくことが求められていると。これらの課題については、その下の、書に対する見方や感じ方を広げていく学習に課題があるといったことなどから、今回のような課題というのが出されていると。
 また、一番下の部分でございますが、中学校国語科の書写との円滑な連携が求められているということで、それらについては、その下の部分でございますが、書の伝統と文化についての理解を深める鑑賞を中心とする学習が十分に行われていないなどの課題があるということで、こういった課題等も指摘されておるところでございます。
 これらを踏まえまして、今回、芸術科(書道)において育成すべき資質・能力の整理ということでございます。それが資料2‐1になります。三つの整理ということで、そこはほかの教科と同様になります。それで三つの柱がございますが、個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力、人間性等ということでございます。
 個別の知識や技能につきましては、その中に、知識と技能ということで、四角でそれぞれ囲んでおります。知識につきましては、一つ目のポツでございますが、目的や意図に基づいて構想し、表現を工夫する学習において活用する知識、また、その下の用具・用材の特徴や扱い方を理解し、意図に応じて効果的に表現するための知識、また、その下ですと、作品などの良さや美しさなどを感じ取り味わうことに関する知識、また、生活や社会の中での文字や書の働き、書の伝統と文化についての理解を深めるための知識などが考えられるのではないかと。
 また、その隣の技能の部分でございますが、確かな書写能力を基盤としながら、多彩な美へと発展させ、豊かに表現するための技能、また、目的や意図に基づいて構想し工夫して、創造的に表現するための技能、また、その下の、古典や名筆に基づく点画や線質の表し方を理解し、効果的に表現するための技能ということなどが考えられるのではないかということでございます。
 その下には、共通して育成すべき資質・能力ということで、書を構成する要素やその表現効果に関する知識・理解ということを書かせていただいております。
 また、その隣の思考力・判断力・表現力等の部分でございますが、こちらも主に表現によって育む思考力・判断力・表現力等という部分と、その右側、主に鑑賞によって育む思考力・判断力・表現力等ということに分かれております。
 表現の部分でございますが、その黒ポツでございます。書表現の諸要素を感受し、その表現効果を考えながら、自らの意図に基づいて作品を構想すると。その下の、自らの構想に基づき、様々な表現要素を関連させて思考・判断し、効果的な表現を工夫するといったことなどが考えられるのではないかと。
 また、鑑賞の部分でございますが、作品について根拠を持って批評し合うなどして、その価値を考え、芸術としての書の良さや美しさを創造的に味わう。また、その下の、文字や書の伝統と文化について幅広く理解し、豊かに関わることを通して、書に対する見方や考え方を広げ、新たな価値を見いだすなどといったことが考えられるのではないかといったことでございます。
 その下の部分には、共通しての資質・能力が書いております。
 また、その隣の、学びに向かう力、人間性等ということで、その部分には、書への関心・意欲・態度、感性といったこと、また、文字や書の生活や社会の中での働きや効用を考え、主体的に関わる態度と。また、生涯にわたり書を愛好する心情といったことや、書の伝統と文化を尊重する態度、また、豊かな情操といったことなどが考えられるのではないかということで整理いたしております。
 併せまして、次の資料2‐2でございます。資料2‐2につきましては、学習のプロセスといたしまして、表現領域と鑑賞領域と、左右に分けた形になっております。
 表現領域につきましては、知識・技能習得ということと、そこにあります左側の、確かな書写能力を基盤として多彩に表現するための技能といったこと、また、用具・用材の特徴や扱い方への理解、また、古典や名筆に基づく点画や線質の表し方といったこと。あとは、右側の鑑賞の領域ということ。文字や書の伝統と文化についての知識、生活や社会の中での文字や書の働きといったこと。
 それらを、緑色の下の部分ですが、書を構成する要素やその表現効果に関する知識・理解(共通に働く資質・能力)ということを育成しつつ、それぞれ高まっていく形になっているということになっています。それらを、その臨書活動・創作活動を通じまして、実際の思考・判断・表現ということで、その下の部分につながっていくということになっております。
 表現領域でいきますと、書を構成する要素による思考・判断・表現ということで、書表現の諸要素を感受する、また、自らの意図に基づいて書表現を構成するといった要素、また、自らの構想に基づき、様々な表現要素を関連させて、効果的な表現を工夫するといったこと。それらを、書こうとする言葉を選んだり生み出したりするといったこと、表現の意図を言葉で表すといった言語活動を通じて行っていくということ。
 また、鑑賞領域につきましても、作品の良さや美しさを感じ取り創造的に味わうといったこと、また、書の伝統と文化について理解を深めること、また、書に対する見方や考え方を広げ、新たな価値を見いだすといったこと。鑑賞についても、作品の良さや美しさを考えたり説明し合ったりすると、根拠を持って批評し合うといった言語活動を通じた活動といったものがあると。
 それら表現領域、鑑賞領域、それぞれ往還しながら、それぞれ高めていく形ということが、最後の学習の振り返り等を経るという形になっております。
 これらについて、今回、書道についてまとめさせていただいておりますので、これらについても御意見頂ければと思っております。以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。育成すべき資質・能力の三つの柱による整理の資料の2‐1、そして2‐2が、学習のプロセスのイメージ案ということになっております。イメージ案はかなり三者三様という感じになってきておりますけれども、この事務局案について、いろいろと御意見を頂いていきたいと思います。いかがでしょうか。
 長野先生、お願いします。

【長野委員】
 御説明ありがとうございました。また調査官を中心に、こういう資料を作っていただきまして、ありがとうございました。
 まず2点ありまして、一つ確認でございます。資料2の参考というところでございますが、上の方は、もちろんこれで基本的には賛成といいますか、いいと思うんですけれども、前回、第2回目のこの会議の一番最初に、総則部会との関係で、五つほど口頭で御説明がございました。その御説明の最初のところに、各ワーキンググループ特別チームにおける検討事項のうち、他教科の検討にも関わる重要な内容うんぬんということがございましたので、御説明を頂いたからというわけじゃないんですけれども、この一番下の中学校国語書写との円滑な連携が求められているということは、是非、これは芸術部会ではございませんけれども、国語部会にも御反映いただけると有り難いなということで、他教科との関連ということになると思いますので、それを確認させていただければと思います。それがまず1点です。
 それからもう1点は、資料2‐1でございます。まとめていただいてありがとうございます。ただ、先生方お気付きのとおり、高等学校の書道というのは、小学校・中学校に書道というのがございませんで、国語科書写というところで、少し表現が適切かどうかのねじれがございまして、それはそれで、小学校・中学校の書写を基盤にしながら芸術を、書をやっていくということなんですけれども、資料2‐1に、一番下にございますように、書を構成する要素やその表現効果に関する知識・理解とかという形で、ここが他の芸術と同じようにここに入れていただいたということは、小・中学校では、これはほかの教科ではあるんだろうと思うんですけれども、ここに入れていただいたということは、何か市民権を更に得たという感じがいたしました。ありがとうございました。
 以上、2点申し上げます。

【福本主査】
 あとはお二方、特に書道に関わる先生方の方ではいかがでしょうか。
 八巻先生。

【八巻委員】
 まず個別の知識や技能のところですが、先ほども美術の方でもお話しいただいて、「創造的な」という前が付くのが適切であるというところを頂いたんです。書道にももちろん、例えば一つ目のポツで、基盤としながら多彩な美へと発展させ、豊かに表現するための技能ということで、1本の線を表すのにも線質というものが関係してくるわけですが、その中にも、きちっとした角度で入って、きっちりした直線を引くと。横線を書くと。あるいは、それだけではなくて、残りを多くして使うことができるとか、あるいは遅速緩急の差を付けていろいろな表現をすることができるというものが、例えば豊かな表現をするための技能の一つの要素であるわけですね。
 それをここの技能のところでやるのか、あるいは右の方の表現力というところで、一つの、文字を扱っていきますので、その1本の線だけでは、その線の組合せでいきますので、そこで技能を生かしながら創造的に発展させるというところで評価をするのかというところが、ここのところの差をどうしていくかというのが非常に難しいなと、今、少し、美術の先生方の御意見を聞きながら感じたところが一つです。
 それからあと、資料2‐2のイメージ案のところですが、言語活動ですが、書道の方は、文字とか、あるいは言葉を素材としてやっていきますので、言語活動が鑑賞領域にもありますし、表現の領域にもあるというところで、ここを二つ入れていただいているのは非常に分かりやすいなと。これが書の、ほかの美術、音楽とは少し違うところなのかなと思いながら見させていただいて、書道の中では、この言語活動には非常に気にしながら、学校の教育活動の中でもされている例はたくさん聞いておりますので、その辺のところが強調されて良かったなという感想です。

【福本主査】
 ありがとうございました。
 名児耶先生、いかがですか。

【名児耶委員】
 私も、この資料2‐2の表現領域と鑑賞領域というのは互角に出てきているイメージがあるんですが、これは大変いいのかなと思っております。書を書くということは、古い古典を学んだり、先人たちの、あるいは隣の人でもいいんですが、こういう字を書きたいなということから多分発想して字を書くと思うんですが、そのときに、やっぱりたくさんいいものを見るというのがすごく重要で、これはほかの美術も音楽もそうだと思いますけれども、特に身近なものですから、すぐ自分に跳ね返ってきますので、そういう点で、この鑑賞を重要視するということは大変いいことだと思います。
 特に今、八巻先生がおっしゃいました言語活動で、なかなか言葉というのが重要になってきますので、一部の書には違うところありますけれども、基本はもう字を書くということで、言葉に対するいろいろな意識が強い、それが書なので、ここにやっぱり並列して、鑑賞にもそうですし、表現にも出てくるという、ここら辺は大変いいと思います。
 私はどちらかというと鑑賞する方が中心ですので、古い仮名の作品を見ると。そうすると、どこが美しいんだろうという造形的な美しさに興味を持つという人たち、多いですよね。そういうところから日本の伝統的な文化で長い歴史を持っているものに興味を持たせるというのは、大変面白いと思います。それからまた場合によっては、仮名なんかですと、読めない仮名があって興味を持つと。そういうところからでも、非常に書に興味を持たせるという意味では、やっぱり鑑賞教育は重要だろうと思いました。
 もう一つ、2‐1の方ですけれども、やはり同じなんですが、思考力・判断力・表現力等の項目の下の枠の右の方で、最初のポッチですね。作品について根拠を持って批評し合うなどして、その価値を考え、芸術としての書の良さや美しさを創造的に味わう。この創造的という言葉がちょっと気になったんですけれども、もう書の良さや美しさを味わうでいいのか、鑑賞しながら創造的に鑑賞するってどういうことかなと、ちょっと私、分からなかったので、どういう意図だったのか、確認をもしできればということで、それがちょっと気になりました。
 とりあえず今は以上です。

【福本主査】
 いかがでしょうか。2‐1、2‐1に関連しまして、美術あるいは音楽の先生方でも、もし意見があれば、おっしゃっていただければと思います。
 大分時間も長く、きょうはやって、お疲れでしょうか。なかなか御意見の方も出ないということですけれども、時間はまだ若干残っております。もし何か御意見頂けるようでしたら、おっしゃっていただければと思います。
 じゃあ宮下先生、是非よろしくお願いします。

【宮下委員】
 書道のことについてというよりは、これで音、美、工、書と来たので、それについてちょっと意見を。
 思考力・判断力・表現力、資料の一番前の音楽を見ていただいても、どこを見ていただいてもいいんですけれども、ここが何かすとんと落ちないところがずっとあるんです。それはどうしてかなと考えてみると、他教科においては、知識を獲得し、技能を獲得し、それでそれだけでは駄目だというのが今の課題ですよね。それがやっぱり生きて活用できなければ駄目だということで、その思考力・判断力・表現力等のところの下に書いてあるように、知っていることやできることをどう使うかという枠組みが出てきたと思うんです。じゃあ芸術科で、これで三つ、話を聞きましたけれども、芸術科でこれを考えたときに、そのような他教科の今のような考え方で全て合致するかということに、ちょっと腑にすとんと落ちないところがあるんですね。
 つまり、他教科の今の考え方でいくと、例えば音楽だったら、順序性はともかくとして、いろいろな知識を獲得し、それから演奏できるとか音楽を作るとか、そういうことができるようになった。他教科の枠組みで言うと、じゃあそれがどのように使われるかという、もう一つ先へ行くわけですよね。この枠組みでいくと。ところが芸術科のことを考えてみると、思考力・判断力・表現力ということそのものも知識・技能と関わっているんだということになるのではないかと思う。それは先ほど平面で表すと非常に誤解が生まれるということと、話は共通するんです。
 だから、他教科ではなくて芸術科において、この枠組みでいくならば、芸術科における個別の知識や技能というのはどういうものが位置付くのか、芸術科において思考力・判断力・表現力等というものはどのように位置付けられるのかということを、もう一度改めて考えていく必要があるかなと思いました。
 そのときに、先ほどの美術の1‐2の図というのはとても分かりやすくて、ここの大きな丸が書かれていますけれども、こういう力を付けたいということだと思うんです。それは1‐1の表でいくところのどこに相当するのかという位置付けを、さっき口頭で話されました。これは思考・判断の鑑賞の部分だとか。そのような考え方でもう一度考えてみるということが、教科の独自性を失わずに、しかも資料にある三角形の中に位置付けるという意味で必要なのかなと、3教科を見て感じたところです。

【福本主査】
 ありがとうございました。
 どうぞ、伊野先生。

【伊野主査代理】
 同様のことを音楽が始まったときからずっと思っているんですけれども、恐らく自分たちが教科における子供たちの学びのプロセスというものを素直にもう一度考え直したときに、今言われている三つの柱、個別の知識・技能、思考力・判断力・表現力等の中にどのように入っていくかという、この逆コースをもう一度考えて、もしこれで示さなきゃいけないようならば、そのような形で示していくと。きょうの例えば創造的な技能というのは、一つのヒントかなと私自身は思ったわけですね。創造的な技能って、実は思考しているじゃないかという、もう強烈な思考力だよなという、それをこの知識・技能の中にどーんと埋め込んでいるという辺りがいいなと僕は思ったわけです。
 でも、それができるんじゃないかと。それはもとよりほかの教科もそうですが、全部がきちんと分けられるものじゃないわけですので、それぞれの教科の中で、もしこの中で三つの中に分けるとなれば、そのような方法やアイデアを取り入れていくというのも極めて重要かなと思いました。

【福本主査】
 ありがとうございました。ほかにはもうよろしいですか。
 どうぞ、宮﨑先生。

【宮﨑委員】
 音楽を終えて美術、書道と三つ通して見たときに、芸術として共通する部分があると思うんです。それで美術の構造図、非常に分かりやすくて、これを音楽に当てはめたときに、かなり重なる部分もあるし、書道も重なる部分もあると。ですから、芸術として共通な部分と、それぞれ音楽、美術、書道の異なる部分、そういうところを少し生かして、余りにも芸術としてこの図が三つともばらばらだと共通性がないような気もしますので、そういうことを今考えられないかなということを思っています。以上です。

【福本主査】
 ありがとうございます。非常に図式が、それぞれ三者三様と最初に言いましたけれども、それぞれの教科特性を踏まえながらも、ある程度共通項を見いだしていけるのかどうかというところになるかと思います。
 時間も少し早いですけれども、大体先生方、御意見を頂いて、これまで音楽、美術、書道という形で、本日は3回、4回と続けて議論をしていただきました。本当に先ほども宮下先生もおっしゃいましたけれども、こういう一つの図式の表し方というか、これが非常に重要になってくるということで、この能力の整理図であったり、あるいはそのイメージ図であったりしますけれども、単にこういった教科の特性であったり、これから2030年に向けて次の世代の子供たちをどう育てるかという共通理解をどうイメージしていくのかというのは、非常に重要なことだと思うんですね。
 それは、宮下先生はその際、音楽のところでの議論の中で、アナロジーという言葉を使いましたけれども、我々の一つの指向性というものを、どのようにアナロジーというか、類比をもって表現するのかというのが、単に図式の我々の指向の適切性ということだけを問題にするのではなくて、一般の方にどのように伝えるのか、芸術教育の意義あるいは重要性というものを、また分かってもらい、また現場の先生にも分かりやすさというものを表現していかないといけないという意味で、図式が持っている訴求力というか、それも考えて作成をしていただかないといけないなと思います。
 芸術教育、様々な理念があって、それぞれの先生方で少しずつ違う部分もあるかもしれませんが、是非この議論を次回にも継続して、より良いものにしていければいいかなと思っております。
 それでは、きょうは1時から非常に多くの方に参加をしていただいて、大分お疲れも出ているとは思いますが、一応、これで本日の議論の方は終わりにしたいと思います。また関連する御意見、あるいはお気付きの点等がございましたら、前回と同様に、ペーパー等で事務局にお送りいただければと考えております。
 それでは次回以降の日程について、事務局より説明の方をお願いしたいと思います。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは次回以降の日程でございますが、第5回、6回目につきましては、2月23日火曜日13時から17時の開催を予定しております。場所は3F2特別会議室です。この隣の会議室になります。
 また、主査からお話がありましたように、ペーパーによる御意見等も頂戴したいと考えております。ファックス又はメール、郵送でも結構です。
 また、本日の配布資料、机上に置いておいていただければ、後ほど郵送させていただきます。
 以上でございます。

【福本主査】
 ありがとうございました。それではこれで、第3回と続けて第4回の芸術ワーキンググループの方を終了させていただきます。お疲れさまでした。

―了―

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第三係

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2076)

-- 登録:平成29年04月 --