教育課程部会 家庭、技術・家庭ワーキンググループ(第7回) 議事録

1.日時

平成28年4月13日(水曜日)13時00分~16時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階 第二講堂
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 家庭、技術・家庭の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【橋本主査】  定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会家庭、技術・家庭ワーキンググループの第7回を開催いたします。
本日は、お忙しい中、お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
中林委員がちょっと遅れてということでございますので、始めさせていただきます。
まず最初に、事務局から配布資料について御確認をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。それでは、本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
配布資料の確認でございますけれども、本日の配布資料は議事次第に記載しておりますとおり、やや多いのですけれども、資料1から資料の裏面にまでまたがっておりますが、18までが配付資料でございます。また、参考資料といたしまして、参考資料1に委員の先生方の名簿を付けさせていただいておりますけれども、こちらにつきましては、この4月に御異動があった委員の皆様からの分も反映させた形でお配りをさせていただいておりますので、御参考になさっていただければと思います。
また、いつもどおり、机上の方、タブレット端末を置いてございまして、関係資料等を確認しておりますので、適宜御覧になっていただければと思います。
以上です。
【橋本主査】  それでは、議事に入ります。
本日は報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので御承知おきください。
今回は、まず技術分野、家庭及び家庭分野に共通する内容として、家庭科、技術・家庭科における教育のイメージについて御意見を頂きました後、家庭科及び家庭分野、また、次に技術分野の順で、前回御検討いただきました育成すべき資質・能力の整理、見方・考え方、学習プロセス、改訂の方向性等について御意見を頂き、その後、評価の観点及び条件整備等について御意見を頂きたいと思います。大変盛りだくさんでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
議事の流れとしましては、議論の内容ごとに事務局から資料に基づき説明を頂いた後、御意見を伺いたいと思います。
これに先立ちまして、教育課程部会の下に置かれた総則・評価特別部会における議論について、事務局から御紹介頂きます。総則・評価特別部会においては、各教科等に関わる検討がなされておりますが、今般、1つとして、アクティブ・ラーニングの視点と資質・能力の関係、2つとして、学習評価の改善のポイントについて議論が行われ、各教科等ワーキンググループで更に議論すべき事項が整理されました。前回も少し御紹介いたしましたが、本ワーキンググループにおける本日の審議を深めるために、これらの状況につきまして事務局から説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。それでは、資料3、それから、資料4についても少し御説明をさせていただきます。まず資料3でございますけれども、アクティブ・ラーニングの視点、論点整理におきまして、「対話的な学び」、「主体的な学び」、「深い学び」という3つの視点を整理いただいているところでございまして、それに基づき、本ワーキングでも御議論を頂いておりますけれども、特に「深い学び」という観点から再度整理をしていただきましたので、御紹介をさせていただきます。
それから、学習評価の改善に関する今後の方向性でございます。これに関しましても、現在、各ワーキングで3つの柱に沿った資質・能力の整理が進められておりますことを踏まえながら、教科共通の方向性をおまとめいただきましたので、御紹介をさせていただきます。
それでは、まず資料3を1枚おめくりいただけますでしょうか。
1ページ目でございます。アクティブ・ラーニングの視点と資質・能力との関係についてということでございます。
この下記の方向性に従って引き続き御検討を頂きたいということでございますけれども、まず1ポツでございます。アクティブ・ラーニングの3つの視点、論点整理において、資質・能力、社会に開かれた教育課程の理念の下、育むために、「深い学び」、「対話的な学び」、「主体的な学び」の3つの視点に立って学び全体を改善していくことが提言されております。
こうした視点に基づく授業改善ということが、子供たちが各教科等の内容的な理解を深めながら、資質・能力を身に付けていくということにつながるということでございます。また、そうしたことが子供たちの学習に対する内発的な動機を高めて、自己調整を行いながら学び続ける力ということにもつながってくるということでございます。
既に論点整理を踏まえた様々な取組が展開されつつあるところでございますけれども、論点整理にもございますように、型に着目した理解がなされているのではないか。特定の学習・指導の型や方法ではなく、学習過程全体を見通した不断の授業改善の視点であるということでございます。
一方で、学校現場からは、そうした理念だけではなく、具体的な実践例をという声もあるところでございます。こうした実践例につきましては、様々な型や方法のカタログのような種類を紹介するということではなく、アクティブ・ラーニングのこの視点に基づきどのように授業が改善され、それが子供たちのどのような変容につながったかという、授業改善に関する実践例の蓄積と普及ということでお願いしたいということで、この点は私どもも様々な機会を捉えて伝えていきたいというふうに思っております。学習や指導の型や方法は、そうした授業改善の一つの手段として不断に提唱され、見直されていくべきものという考え方でございます。
それから、今回、改めて「深い学び」の視点ということでございます。3つの視点のうち、「対話的な学び」、「主体的な学び」ということについては、かなり教科共通で理解しやすいという一方で、「深い学び」ということがなかなかイメージがわきにくいという声もあるところでございます。「深い学び」、これは各教科等の特質に応じて示される必要もございまして、現在、ワーキングでその学習過程の在り方ということを御議論いただいておりますことから、まだイメージが示されていないということも一因でございます。
現在のワーキングの御議論を進めていただきたいということでございますけれども、その中で、「深い学び」の視点、3つ目の丸でございますけれども、資質・能力の育成や学習の深まりの鍵として、各教科等の特質に応じ育まれる見方や考え方ということを御整理いただきつつあるところでございます。こうした見方や考え方を習得・活用・探究を見通した学習過程の中で働かせながら思考・判断・表現し、見方や考え方そのものも成長させながら、資質・能力を獲得していくということが「深い学び」であるということの御整理をいただいております。
そうした学びと資質・能力の育成との関係を考えていく必要があるのではないかということ。こうした「深い学び」の実現に向けて、先生方には子供たちの教科等の内容的な理解ということにも責任を持っていただき、指導内容を組み立てるということ、分かりやすく先生が教えるということも含めて、子供たちに関わっていくことが求められるということでございます。
見方や考え方でございますけれども、2ポツにございますように、それ自体は新しい概念というわけではございませんで、現行の学習指導要領においても使われている言葉であるということ。一方で、それが具体的に何かということは具体的に説明はされていないところが大きいということでございます。
次のページ、3ページ目でございますけれども、改めて見方や考え方とはということでございますけれども、様々な事象等を捉える教科ならではの視点や思考の枠組みであるということでございます。ポツが3つございますけれども、こうした見方や考え方を働かせて学習を行うということにより、子供たちが知識・技能を社会で活用できる構造化されたものとして身に付けていくことができるということ。また、見方や考え方ということが思考力・判断力・表現力の豊かな成長ということにつながっていくということ。また、見方や考え方を通じて、社会や世界にどのように関わるかということが学びに向かう力や人間性の育成に関わるということでございます。こうした見方や考え方ということを踏まえた「深い学び」の実現、そして、子供たち一人一人の見方や考え方の困難さを捉えた指導の工夫ということも必要ではないかということでございます。
3ポツでございますけれども、こうした各教科ごとの見方や考え方は相互に影響し合いながら成長していくものであるということ。そして、それを特に意図的に総合的、統合的に活用していくというものが総合的な学習の時間であったり、特別活動といった領域であるということ。これによって子供たちが社会、世界のより広範な事象を多面的、多角的に捉えて考えていくというようなことが実現できるのではないかということでございます。
続きまして、学習評価につきまして、ページをおめくりいただきまして、その後、ポンチ絵が少し付いておりますけれども、ポンチ絵が18ページ目までございますね。18ページ目まで、「体験的な学習」までおめくりいただきますと、改めて1ページ目からページ番号が付いております資料2-1という右肩に付いております資料になります。学習評価の改善に関する今後の検討の方向性ということでございます。
評価につきましては、目標に準拠した評価の実質化ということで、既に御議論いただいております各教科の資質・能力の3つの柱ということの整理、それに基づく目標の構造化、明確化ということが評価の改善ということにも直結してくるということでございます。また、その一方で、この3つの柱ということは、相互に関係し合いながら育成されていくということも総則の後で明確にしていく必要があるということでございます。
観点別評価につきましては、前回改訂時に学力の三要素との関係性が明確化されております。これによって、観点の趣旨が明確化され、観点別評価の実施率自体は高い状況であるということであります。また、思考・判断・表現をどのように見取っていくかということも様々な実践が積み重ねられてきているところでございます。一方で、子供たちの資質・能力の育成に向けた指導と評価の一体化という観点からは、まだまだ質的な改善の余地があるのではないかという指摘もあるところでございます。
目標に準拠した評価の実質化、あるいは教科・校種を超えた共通理解に基づく組織的な評価に関する取組ということを促す観点から、別添イメージということで4ページ目にございますが、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度、これを踏まえつつ、観点別評価の観点と趣旨を御検討いただきたいということでございます。
具体的な観点の書きぶりや趣旨の記述については、教科の特質を踏まえて御検討いただきたいということでございます。
また、観点別評価、毎回の授業で全てを見取るということではなく、カリキュラム・マネジメントの考え方の下、単元や題材を通じたまとまりの中で学習指導内容と評価の場面を適切にデザインしていくことが重要であるということでございます。学習プロセスということと評価の場面の関係性を明確にできるように工夫していただきたいということでございます。
2ページ目ですけれども、それぞれ知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度についての解説でございます。知識・技能につきましては、これまで理解というふうに言われております構造化された概念的な知識の獲得ということも知識ということに入ってくるということでございます。発達の段階や教科の特質に応じて、どのような知識・技能を獲得することが求められるのかということを評価の観点のみならず、目標や指導内容の構成の中で明確にしていくことにより、評価の観点を作りやすくしていくということが重要であるということでございます。
思考・判断・表現についても同様でございます。一足飛びに成長するというような性質のものではございませんので、学年を超えた整理なども必要になってまいるかと思いますけれども、目標や指導内容の構成の中で、どのような思考・判断・表現を求められるかということを明確にしていくということでございます。
主体的に学習に取り組む態度については、資質・能力の柱等の整理をしていただいております。資質・能力の柱の方では、学びに向かう力・人間性というふうに言っておりますけれども、これには主体的に学習に取り組む態度として、観点別評価を通じて見取る部分と、評定にはなじまないので、別途、個人内評価として見取る部分ということに分けられるということでございます。このうち観点別評価では主体的に学習に取り組む態度を捉えて評価していくということでございます。
これについては、現行の関心・意欲・態度ということと同様に、意思的な側面を捉えていく。挙手の回数やノートの取り方などの形式的な活動で捉えるわけではないということでございますけれども、なかなかこの趣旨が長年指摘されて、誤解が払拭し切れないということがございますので、今回、「関心・意欲・態度」を改め、「主体的に学習に取り組む態度」としているところでございます。
また、現行の観点において3観点のうち、示し切れていない要素があるものについては、教科の特質に応じてその趣旨を明確化いただきたいということ。そして、3ページ目にございますように、指導要録の在り方については引き続き専門的な検討、また、子供たちが自らの学習状況やキャリアを見通し振り返ることができるようにするための仕組みの在り方ということも検討していくということでございます。
そうしたことも含めた学びのポートフォリオや個々の学びの特性が、校種を超えて共有されるような仕組みの在り方も検討されていくということでございまして、こうした残された論点につきましては、引き続き総則・評価特別部会においても議論される予定でございます。
続きまして、資料4でございます。資料4は、今日時点でのワーキング等の議論の状況をまとめさせていただいているところでございます。お時間の関係でなかなか一つ一つ御説明は省略させていただきますけれども、各教科において本ワーキングと同様の御議論をいただいております。例えば国語ワーキングが42ページ目から始まっておりますけれども、資質・能力の3つの柱を踏まえた43ページ目のような整理。そして、44ページ目が、これが最終的に教科目標の構造につながってまいりますけれども、資質・能力の3つの柱を踏まえた教科目標の構造のイメージでございます。まだ3つの柱だけで、目標構造には近付いていないものでございますけれども、これをベースに御議論をいただいております。
また、白黒刷りですと少し分かりにくいんですが、45ページ目は、実はカラー刷りで、小中高と色分けがされておりまして、資質・能力の3つの柱、共通事項を踏まえた小中高でそれぞれどのような資質・能力を育成していくのかというようなイメージ、46ページ目まででございます。
それから、47ページ目は、国語は学習プロセスと指導内容というものが一致する教科でございますので、学習活動の要素そのものが指導内容にも直結してまいりますけれども、47ページ目のように、話すこと、聞くこと、そして、次のページ、書くこと、読むこと、それぞれの領域の要素と言語能力特別チームで整理された言語活動、言語能力の要素ということの整合性を踏まえながら指導内容の構造の整理を行っているというところでございます。
また、国語の方は、科目構成の変更もございますので、50ページ目のようなことが高等学校国語科の科目構成の変更ということも記述されております。全ての教科は御紹介申し上げられませんけれども、こうした教科目標の構造化、資質・能力の明確化、そして、学習プロセスの明確化、教科によっては科目構造、新たな科目構造の打ち出しということを御議論いただいているところですので、御紹介をさせていただきました。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございました。これにつきまして何か御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ここで、先週4月4日に開催されました総則・評価部会におきまして、このワーキングの検討状況につきまして私から報告いたしましたので、その際の概要を簡単に御報告をいたします。資料5を御覧ください。報告の順ですが、家庭科及び家庭分野と技術分野に分けまして、育成すべき資質・能力について、それから、見方・考え方についての整理についての報告をいたしました。
その後、2ページ目になりますが、学習プロセスについて報告をし、その丸ポツの3つ目にありますけれども、技術・家庭科につきまして、技術分野と家庭分野で教科として目指すところをめぐりまして、集中的な意見交換があり、生活や社会におけるという表現で整理がなされたところであるということをお伝えしております。
今後につきましては、総則・評価特別部会からお示しいただいたことを踏まえて、これから評価の在り方等について進めていくということを申し上げました。
なお、高等学校家庭科につきましては、社会からの期待が大変高まっていることを踏まえて、丁寧な問題解決学習を実施していかなければならないんですが、授業時間と内容のバランスということを十分検討しなければならないということを申し添えました。これに対しまして、たくさんの委員の方から御質問等をいただいたところであります。
そこにありますように、一つとしては、技能と技術という表現が混在しているけれど、何か背景があるのか、使い分けはどうしているのか、教科特有の考えでいいのかというふうなことで、この辺をもう少し検討したらどうかということでございます。
次に、3ページの方に参りまして、私の方からの回答といたしまして、これまでの経緯とやはり目標と評価の観点というところで育成すべき資質・能力というところをしっかり捉えて、検討しなければならないと考えているということを申し上げました。
それから、丸のところですけれども、その授業時間と内容のバランスということについてどのような考えを持っているのかというような御指摘、あるいは2つ目の丸のところなんですが、学びの系統性ということを考えたときに、技術・家庭分野が、技術の方も含めて、イメージとしては産業教育の8教科とどのようにつながっているのかというふうに、教科としてどう位置付いているのかということでの考えを聞かれたところでありまして、この辺もこのワーキングで少しお話を深めたいと考えております。
それから、4ページの方に参りまして、説明を聞いて、随分違う領域のように聞こえたということで、家庭分野と技術分野がほかの領域の関係でどういう位置付けになるのか。全体構造の中でどうであるか。この辺についての考えもどうですかという質問がございましたので、この辺についても皆さんで少し深めていきたいというふうに考えてございます。
以上が簡単な報告でございました。
それでは、次に、前回会議から御意見を頂戴しておりました資料7-1、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)における教育のイメージ、それから、資料7-2、技術・家庭科(技術分野)における教育のイメージのたたき台につきまして、事務局から修正点を中心に御説明をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。そうしましたら、お手元の方に資料7-1、家庭科(家庭分野)、それから、資料7-2、技術分野における教育のイメージの方を御用意いただければと思います。前回にも御意見を頂戴いたしておりまして、本日の配付資料の資料2がこれまでの主な配付資料ということで、こちらの資料2の10ページ、11ページが前回第6回、3月11日に開催されました第6回における教育のイメージの配付資料でございます。これもお手元の方に置きおいていただきながら、少し見合せながら御確認いただければというふうに思っております。
資料7-1の方でございますけれども、大きく今回この教育のイメージにつきまして見直しを図った点がございます。まず第1点目でございますけれども、今ほど大杉室長の方からも御紹介ございましたけれども、総則・評価特別部会におきまして、見方・考え方に関する整理というものがなされてございます。
その整理の中では、これも先ほど御紹介ございましたけれども、思考力・判断力・表現力、そういったものに関わる部分もはじめ、知識・技能あるいは学びに向かう力、人間性といったことにも大きく関わってくるということを踏まえまして、資料7-1の方で御覧いただきますと、例えば小学校の高学年というのが真ん中、中段の方にございますけれども、ここにひし形で一つ、項目を起こしております。具体的には、今申し上げました家庭科の見方や考え方、これを従来、思考力・判断力・表現力に寄せて書いておいたものを少し外に出すような形に整理をしました。外に出すといいますのは、今申し上げました3つの柱にかぶさるような形ですね。掛かるような形での修正を行ったということです。
具体的には小学校高学年でありますけれども、家庭科の見方や考え方を踏まえ、生活の中から問題を見出して課題を設定し、その解決を目指す衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して、以下の資質・能力を育成するということで、これが中学校、高校におきましても同様にその冒頭の方にひし形で、見方・考え方というものを出して、再度整理を図ったところでございます。
また、大きな2点目といたしまして、これも先ほど橋本主査の方から少し御紹介ございましたけれども、これまでの本ワーキンググループにおきましても意見交換なされたところなんですが、「技術」と「技能」という言葉の使い分けといいましょうか、使用の仕方がございまして、家庭科におきましては、中学校あるいは高等学校でこれまで「技術」というような表現を資質・能力に関わりまして用いていた箇所がございました。これをこのたび育成すべき資質・能力の明確化、あるいは先ほども紹介ありましたが、評価の観点、これらを踏まえまして、従来、知識・理解であったものが、知識・理解とその技能に分かれておったものを、今回のその柱の整理としては、御案内のとおり、知識と技能という形で、知識・理解プラス技能というもので、知識・技能という整理を行いましたので、これを踏まえた形で中学校の家庭分野あるいは高等学校の家庭科において、資質・能力としてその用いる表現としては、「技能」という形で修正を図らせていただいております。
これは技術分野におきましては、従来から実は「技能」という表現を使っていまして、これは技術分野固有の部分として、テクノロジーとしてのいわゆる技術。学習対象としての技術と、それから、スキル、資質・能力としての技能というところで、「技術」という表現を使うと混同しますので、ここは中学校の技術分野につきましては従来から「技術」と「技能」の使い分けというのがなされておったんですけれども、家庭分野につきましては、従来より「技術」を用いておりましたので、こちらについて今回のその資質・能力の整理の一環で、資質・能力として用いる「技術」を「技能」という形での文言の修正を図っております。
具体的にはですけれども、例えば中学校のところですけれども、中学校の1つ目の丸ですが、「家庭の機能についての理解を深め、生活の自立に必要な基礎的・基本的な知識」、従来であれば、ここは「技術」だったんですけれども、「知識・技能を習得する」と。あるいは次の段でございますけれども、「生活の中から問題を見出して課題を設定し、その解決を目指して身に付けた知識・技能を活用し」ということで、資質・能力に関わる部分として「技能」という表現で統一をさせていただくということを考えてございます。
なお、例えば従来ございました調理技術とか保育技術とかそういう技術に関わる言葉があったかと思います。そういったものに関しましては、例えばですけれども、調理技術に関する技能とか保育技術に関する技能というような形で、資質・能力としてのいわゆるスキルということを明確にするような使い方を今後していってはどうかというふうに考えておりまして、こちらについては、資料8以降で再度紹介させていただきたいというふうに思っております。
また、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)につきましては、発達を踏まえた形での修正あるいは整合性が不十分ではないかという御意見を頂戴しておりましたので、そういった観点に着目した所要の修正を図らせていただいております。
次に、資料7-2、技術分野の方でございます。こちらにつきましても、今ほど申し上げましたと同じように、中学校の技術分野の箇所で、一番上に「技術分野の見方や考え方を踏まえ」という形で、これまで思考力・判断力・表現力の枠組みの中で示させていただいていたものを上の方に少し出させていただきまして、「技術分野の見方や考え方を踏まえ、生活や社会における技術に関わる問題を見出して課題を設定し、その解決を目指す実践的・体験的な学習活動を通して、以下の資質・能力を育成する」という形での整理をさせていただいております。
なお、これも冒頭、橋本主査の方から少し御紹介ありましたが、技術分野における技術、あるいは社会といった表現の用い方につきましては、「生活や社会における技術に関わる問題を見出し」ということで、いわゆる家庭生活あるいは地域生活、あるいは地域社会における生活のような、大きくその「生活」という言葉、従来、「生活」という言葉の中でいろんな意味を包含しておったわけですけれども、その一方で、これまでの御意見、御議論を踏まえまして、社会システムとしての部分に関わる技術については、別に特出しをして示しているという整理でございます。
具体的には、1つ目、2つ目、3つ目の丸の中に示されているとおりなんですが、「生活や社会で利用されている技術」、あるいは、生活や社会における問題を、技術を活用してというようなくだりで今回整理をさせていただいているところでございます。
また、技能・技術のことに関わりましては、先ほど申し上げましたとおり、従来より資質・能力、スキルの部分に当たる表現としては、技術分野につきましては「技能」を用いておりましたので、こちらについての変更というのはございません。
また、中学校の中の二重丸のところなんですが、一番下の丸ですけれども、前回、ワーキンググループの委員の先生方から、例えばですけれども、技術の高度化とそれに伴うグローバル化を重視してはどうか。あるいはその産業構造の転換、そういった社会の変化に対応させていく必要があるのではないか。ものづくりや日本の伝統的な技術、そういったものをしっかり押さえていく必要があるのではないかという御意見を頂戴いたしましたので、こちらの方に加筆をさせていただいているということでございます。
最後に、7-2の資料の、ちょうど今の中学校の一つ上のところに参考というふうに書き添えておりますけれども、中学校技術・家庭科全体についての教育のイメージという部分を今回改めて整理をし直しましたので、御覧いただければと思います。
具体的には、一番上の丸のところが先ほどの技術分野あるいは家庭分野等のひし形に当たるところでございますけれども、「技術・家庭科の見方や考え方を踏まえて、生活の中から問題を見出して課題を設定し、その解決を目指す実践的・体験的な学習活動を通して、以下の資質・能力を育成する」という形で、3つ、中点がございますけれども、1つ目の中点につきましては、いわゆる知識・技能に関わること。2つ目の中点については、ここでは「創造する能力」というふうにまとめておりますが、思考・判断・表現に関わること。3つ目が学びに向かう力ということで、「生活を充実向上するために進んで実践しようとする態度」という形で整理をさせていただいております。
こちらにつきましても、その両分野に関わる共通的に抽出できるような項目で整理をしてございますので、また後ほど御覧になっていただきまして、御意見を頂戴できればというふうに思っております。
それから、7-1、7-2、共にでございますけれども、幼児教育に関しましては、今現在その幼児教育部会においての議論が大分進んでおりますので、それらを踏まえた形での所要の修正。同じくその小学校、低中学年の段階においては関係する教科等のワーキンググループでの議論を踏まえての修正。更に、先ほどこれも橋本主査から御紹介ございましたけれども、技術分野の7-2の高等学校段階については、その情報関係あるいは職業に関する各教科、科目における議論というのが進んでおりますので、これらを踏まえた形で教育のイメージを再度修正してございます。そういった点も含めまして御確認をいただければというふうに思っております。
なお、前回頂戴いたしました御意見につきましては、資料1で、家庭科に関しましては、9ページ前後を中心に、技術につきましては、32ページ前後を中心に掲載させていただいておりますので、こちらも後ほど御確認いただければというふうに思います。
以上でございます。
【橋本主査】  ありがとうございました。
それでは、この資料7-1と7-2につきまして、これから30分程度のお時間で意見交換をしたいと思います。その際、検討をすべき視点としては、先ほどから御説明がありますように、一つとしては、総則・評価特別部会での御議論や指示を踏まえて、技能・技術というところが変わったということや、それから、中学校の教科としての技術・家庭科のイメージというところがこれでいいのかどうかということ。その辺についても意見を頂ければというふうに思います。
いつもどおり御意見のある方は札を立てていただきますと、順次指名をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
この技能・技術のことにつきましては、これまでのこの意見交換の中でも、技術というふうな使い方をしてきているけれども、科学的理解に基づいた技能というか、そういう面を踏まえて、スキルという意味で使っているという御発言などあったかと思いますが、高校の共通教科のところまで「技能」ということで整理をしたということでございますが、どこからでも結構でございます。
中原委員、お願いします。
【中原委員】  技術・家庭及び家庭分野両方とも「持続可能な社会」というのがきちっと入っていて、これは大変評価できると思います。技術分野の方の資料7-2の中学校のところの二重丸があるところですけれども、「使用者の安全に配慮して設計・製作したりするなどの倫理観」とありますが、これはものづくりというか、製造段階及び使用段階のいわゆる安全に配慮した設計・製作というのが今、非常に求められていることだろうと思いますので、是非それは入れていただければと思います。
【橋本主査】  ほかにいかがでございますか。はい。藤木委員、お願いします。
【藤木委員】  失礼いたします。7-2のところですけれども、上から3つ目でしょうかね。ひし形の次の次の丸になりますが、多分、従来は、技術を評価し、そして、それを選択、管理・運用、改良、応用するというような表現になっていたかと思うんですが、技術を評価するという部分が何か抜け落ちているような気がしていまして、これでいいのかなというのがちょっと引っ掛かるところでございます。
それから、その近くの同じ枠の一番下、二重丸のところですが、それの1行目の末尾の方に、「技術革新」という言葉がありますが、これは「イノベーション」という言葉の方が今の時代ではぴったりくるんじゃないかなと思うんですけれども、やっぱり「技術革新」じゃないとだめなのか。その辺がちょっと気になるところですが。
【橋本主査】  はい。何かこの辺については事務局の方でございますか。
【梶山主任視学官】  内容という面ではございませんけれども、こちらの答申に関しましては、できるだけ片仮名言葉というのは少なめにしたいというところがあると思っています。多くの方が見て分かるというところで書かせていただくということで、「技術革新」と使わせていただいております。それを、例えば技術革新により何かということがあれば、その説明を付けていただくとかそういうことも考えられるのではないかなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
【橋本主査】  先ほどの評価というのは、この「など」というところでしょうか。
【上野教科調査官】  「評価」のことについてお答えいたします。先ほどお話がありましたとおり、見方・考え方につきましては、全体に関わるということで、一つ上に上げたわけです。後で説明はされますが、技術分野の見方・考え方のところの考え方の方に、「評価して」、「最適なものを目指して」ということを整理してしまいました。つまり、こちらの資料では1つ目のひし形の中の見方・考え方の中に「評価」が含まれているので、下の丸の中からは「評価」という言葉が消えているということでございます。もし「評価」を見方・考え方の方に入れるべきではないということであれば、また見方・考え方の方の資料で是非御意見を頂きたいと思っております。
【橋本主査】  後ほどまたその表を見ていただいたときにお願いいたします。
ほか。橘川委員、お願いします。
【橘川委員】  知識・技能ということのお話がありましたけれど、これまで家庭科は、技能は訓練すればできるようになるものに、そこにいろんな知識とか、あるいは知恵までになったものがこれまでの技能に加わって、技術というもので考えていて、いわゆるその技能と知識が必要になったものが生活をよりよくする、そういう非常に大きなキーワードになっていたということを考えると、これまで技能と知識が組み合わさった技術というのが、今度どういうところに行くのかなと、ちょっとそこいら辺が分からないなと。
ただの技術のところにやっぱりいろんな知恵が入っていくというところがこれまでの技術という考え方だったような気が私はしているものですから、恐らく全国の家庭科の先生方もそういうような考え方を持っていたのではないかなと思います。
【橋本主査】  この辺についてほかにいかがですか。はい。鈴木佳子委員。
【鈴木(佳)委員】  私も今ちょっと職が変わって、行政の方に入ってしまったんですけれども、今まで中学校の現場におりまして、やはり生活技術を身に付けるというふうになったとき、今のお話と全く同じで、例えば包丁を使う技能とかは、技能というスキルということがぴったりくるかと思うんですけれども、調理ということを考えたときには、そういった一つ一つの身に付けないとできないような技能を含めて、お湯を沸かすとかそういう、訓練しなくてもできる普通の動作といいますか、行動というものも全部含めて、調理ができてきたのではないかなと。そういうものも含めて調理技術というふうに呼んでいて、それを身に付けるというようにとらえていたように思います。あとは例えば洗濯なども手洗いのときは確かに技能でいいかなというふうには思うんですけれども、洗濯機を使ったものなどは、基本的には今、ボタンを押したりすればできるもので、練習して身に付けるというものではないのかなと、それが技能でいいのかなとかですね。
ただ、そのときに例えば色ものを分けるとか、あるいは汚れものを、ひどいものと分けるとかというような知識も伴いながら、そういった行動をやってくるところで、今、技術というふうに呼んでいたのではないのかなと思いまして、その辺の現場の混乱がないのかなというのがちょっと心配だなというところがございます。
【橋本主査】  これまで技術という使い方をしていましたけれども、基本的な考え方としては、技能といっても運動的な訓練をたくさん重ねることでの技能という側面ももちろんあるでしょうけど、認知的な技能といいましょうか、汎用性の高い技能ということを目指すということでもあると思いますし、それから、そういうものづくり的なものとか、そういうもの以外の様々な家庭生活の領域とか、入ってきたときにどうなのか。
先ほどの事務局の御説明では、観点が今までは知識と技能が分かれていたけれども、それが一緒のところの観点に整理がされるとすると、「知識・技術」というのは、「知識・知識理解・技能」ということにもなるので、その具体的な観点としたら、教科の特性として、科学的理解とか「知」を含んだ、外から見て分かるそういう技能面というのを見るんだということはできるのかなというふうには、私としては納得をしたところなんですが、是非この辺の御意見いただきたいと思います。
はい。中林委員。
【中林委員】  今御説明をいただいた資質・能力のところを、「技術」を「技能」に整理されたということでございますけれども、現場の先生方が、今まではその技能というものを教科の特性というふうに捉えて、知識及び技術とこの教科では理解をしてきたものが整理をされ、技能に変わると、中身といいますか、これまでの大事にしてきた中学校家庭分野や、高等学校の家庭科で培ってきたそういう理解が変わってしまうというふうに捉えられてしまうと、それは困るなという部分がございまして、これまで「技能」という言葉もあったわけなので、ここで初めて技能が、学教法等、いろいろな法整備の中で出てきたわけではなくて、ここであえて整理をするというのもひとつあるのだろうと思いながらも、この教科の特性は、押さえて、全体にまとめた形で「技能」という言葉に変えてしまうというのが、この先、現場の中学校や高等学校の先生方にとって、どのような理解になっていくのだろうか心配です。今まで大事にしてきたそういう調理技術とか保育技術につながるような言葉が消えてしまうというようなことはないのか、今、判断しかねるのですけれども、「技能」に整理されるとすれば、丁寧に、これまでと何ら変わるものではないというような理解をしていていいのかというところが心配です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  これまで生活の中での技術を大事にしてきたというのはそうだったと思いますし、それを変える必要はないと思うんです。もしここで「技能」ということで他教科と統一をするとすれば、これは活用する能力、わざを活用する総合的な能力ということで捉えることになるかと思います。つまり、技術を活用しながら、それを能力に変えていくという意味での技能という捉え方になります。例えば栄養の知識を持つ、それから、それを調理する技術を持つ、それを使って健康的でバランスのとれた調理を実際に実現する力を付けると。そのアビリティとしての技能というような位置付けで「技能」を理解すると、ここで言っている能力論としての技能になるかなと。
ただ、皆さんおっしゃったように、家庭科の場合、今まで「技能」という言葉を小学校で、「技術」を中学、高校で使ってきたということがありますので、「技術を活用して能力としての技能を身につける」という用語の捉え方と、それを前提とした用語の再整理をしていかないと、現場の先生方は混乱するのではと懸念します。
【橋本主査】  ありがとうございました。事務局お願いします。
【梶山主任視学官】  後ほど御説明させていただく資料を御覧いただければ、今の御懸念というものに関して、ある程度の解消もいただけるのではないかと思っております。
資料8を御覧いただければと思います。先ほど大内の方からそれぞれの分野において、特有の技術と言われるようなものに関してはどうするかという整理でございますが、資料8の技術・家庭、中学校のところの個別の知識・技能のところを御覧いただければと思いますが、2つ目のポツなどに家族、幼児、高齢者に関する技術についての知識・理解というのと、これは知識・技能でもいいかもしれませんが、こういうふうに整理させていただいております。
先ほど来お話あったように、反復的な技能だけではなくて、それに理解を、質的な、論理的な理解を重ねて、集まっていく集合体としての技術というものは、今までと変わるものではないと。そこは家庭科においては非常に重要なんだけれども、実は今回こう整理させていただきましたということに関しましては、小中学校のいわゆる学力の3要素と言われるところに関しても、今まで「知識・技能」という言葉を使っておって、今回、評価の観点というのも変えていくということ。そういうところに当たって、このように整理させていただいた方が全体として、その資質・能力としてのものとしては、「技能」という言葉を、先ほど荒井先生もおっしゃっていただきましたが、いいのではないかという話があろうかと思っております。
ただ、もちろんこのことについて丁寧に説明をしていくというお話は当然あるのかなとは思っておりますが、資料8につきましても後ほどまた御議論いただければと思います。
【橋本主査】  中原委員、お願いします。
【中原委員】  私は「技能」という言葉は適切な表現だと考えます。どうしてかといいますと、これは定性的じゃなくて定量的に考えると、リスクを最小化する一つの能力であると考えます。栄養にしても、例えばごみの問題にしても、なるべく少なくするためにどうやったらいいのかということだろうと思います。そういう様々なリスクを極小化するための力を付けるというふうに解釈すると、結構すんなり行くのではないのかと。あんまり定性的な議論を続けていくと、解釈論ばかりが先行してしまって、何を伝えたいのかというのが分からなくなるようなおそれがあると思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。技能・技術についてはたくさんの御意見、お考えを聞かせていただきました。もう一つ、技術・家庭科、青い7-2にありますけれども、そこにはめてありますけれども、全体的なことから見ると、技術・家庭科の見方や考え方を踏まえてというふうになっていますが、この技術・家庭科として、教科としてというところではどういうふうにこれまで、大方分けて進めてきてしまいましたので、この辺についてお互い、ここのところは共通な点ではないかと、考え方ではないかというようなところでの御意見等をいただければ有り難いんですが、いかがでございますか。
神山委員、済みません。前のことですか。技能・技術論のところですか。
【神山委員】  今の御質問にリンクさせていいですか。
【橋本主査】  はい。どうぞ。
【神山委員】  ありがとうございます。今の技能にもリンクして意見があったので、申し上げさせていただきます。私は技能をスキルというふうに理解すると、なくてはいけないことですし、スキルを持つために知識を得るということですから、とてもいい言葉だと、あと、分かりやすい言葉だと思います。そういう意味では、資料7-2の技術の方を中心にちょっと見させていただいたんですけれども、革新技術だとかイノベーションを創るという、これからアクティブ・ラーニングも基にして、自分の考えを考えて、それを形にするというところをベースにした教育を目指すためには、能力を育成するという言葉が幾つも出てくるんですけれども、その能力と技能を育成するというのを一つのパッケージにすることによって、新しく自分で考えたことを形にするという、応用できるという教育につながると思いますので、そこはある意味、パッケージ的な要素があるのかなというのが私の理解です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
それでは、技術・家庭の方、いかがですか。長澤委員、お願いします。
【長澤委員】  資料7-2の枠の2つ目のところ、先ほど橋本先生が初めて中学校技術・家庭科としての教科の目標を示されたということをおっしゃってくださいましたけれども、こういうまとめ方をしてくださったのは今回初めてだろうと思うんですね。拝見していまして、とてもシンプルにまとめてくださったと思うんですけれども、ちょっと表記上、気になるところがあります。
一つは、1行目のところの「その解決を目指す実践的・体験的な学習活動を通して」という表現ですが、これは個人的な好みもあるのかもしれませんが、実践的・体験的な学習活動を通して、その解決を目指す中で、以下の資質・能力を育成するという意味であって、その全てにかかるのは、「実践的・体験的な学習活動を通して」よりも、解決のいろんなプロセスの中でふさわしい活動内容を選びつつ、解決プロセスというのが中心になってくるかなと思いますので、ここは表現の順番を引っくり返した方が個人的にはいいかなと思って、見ておりました。
それから、2つ目は、ここの黒ポツの2つ目ですけれども、突然、「問題を見出して課題を設定し」と、これはやはり何の問題かということを示していただかないと、突然、「問題を見出して」というのはあり得ないかなと思いますので、ここは御検討いただきたいと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
長谷川委員、お願いします。
【長谷川委員】  失礼します。先ほど橋本先生の方から御報告いただいた4月4日の総則・評価特別部会の件で、最後4ページのところで、奈須委員さんが技術・家庭科のことについて述べていらっしゃっています。一つの教科に2分野でよいのか、中長期的に検討する必要があるのではないかという記述があります。客観的なお立場からはそのようにお感じになるのだろうなと感じました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
私の整理というか、考え方としては、この御質問があったときにも、私たちはこれまでの流れの中での技術・家庭科というところの枠で考えていると。枠でというのは、全体構造が変わってもいいという論議ではなかったというふうに思っておりますので、これまで大事にしてきたことはやはりきちっと大事にしながらも、社会の変化に応じて少しずつ変えていくということだというふうにお答えしたつもりであります。
ほかにいかがですか。
【橋本主査】  はい。それでは、また何かありましたら後から出していただくということで、ここからは技術・家庭科(家庭分野)における、育成すべき資質・能力及び思考力・判断力・表現力等のイメージ、見方・考え方及び学習プロセス、改訂の方向性につきまして御議論いただきます。
それでは、まず、育成すべき資質・能力等につきまして、前回の会議での御意見を踏まえた修正点等を中心に、事務局の方から配付資料の説明をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。そうしましたら、資質・能力関係の資料ということで、ちょっと大部なんですけれども、資料8から資料12-3、改訂の方向性の部分まで、前回御覧いただいているということもございますので、主な変更点を中心に御説明をさせていただければと思います。
それに先立ちまして、前回の会議資料でございますけれども、資料2の16ページからが前回の対応する資料、具体的にはその資質・能力系、あるいは思考力・判断力、学習のプロセスに関わるものがずっと続いておりますので、こちらをまた見ていただきながら、それぞれ変更箇所の確認をいただければというふうに思っております。
まず初めに資料8でございますけれども、こちらにつきましては、本ワーキンググループでのまずは大きな、主な意見を種々頂戴いたしましたので、それらを基に小学校、中学校、それから、高等学校の発達を踏まえた形で、もう一回文言の再整理というのを行っております。また、先ほど梶山主任視学官からも御説明ございましたけれども、中高段階の技能、中高段階について、「技術」を「技能」に統一をさせていただいているわけでございますけれども、そこに関わりましては、表現の御確認として個別の知識や技能の枠がございます。
この中で、小学校は、これは荒井先生からもお話ありましたけれども、従来から「技能」という表現を用いていましたので、ここの小学校は、これは変更はないんですけれども、中学校の技術・家庭科の家庭分野、それから、高等学校の家庭科における技能に関わる表現というのを統一的に直しております。例えばということで、先ほど梶山主任の方からもお話ありましたような、例えば中学校の2つ目の丸で、「家族、幼児、高齢者に関する技術についての」、ちょっと飛ばしますけれども、「技術についての技能」。これこれの技術についての技能というような言い方で統一をさせたということです。
例えば次の丸でありますと、「生活の自立に必要な衣食住に関する技術についての技能」、もちろん技術についての技能だけではなくて、技術についての知識・理解というのも従来からございましたので、それと併置をさせているわけですけれども、書きぶりとしては、今後こういうような書き方で、丸丸の技術についての技能というような形で統一を図らせていただいたということでございます。
それから、真ん中の欄、思考力・判断力・表現力の欄でございます。これも冒頭、御意見、御議論を頂戴いたしましたイメージ図の際に、教育のイメージの際にも申し上げましたけれども、従来ですと、この枠の中に、見方や考え方、これらを、これを踏まえてということで、思考・判断・表現に係る部分で、リード文のところでそれが明記されておったわけですけれども、これが先ほど申し上げましたとおり、三本柱のいずれにも掛かるということから、ここからその見方・考え方を除いた形での表現になっております。そういった観点からの修正が図られておりますのと、これは次の資料9でもう少し丁寧に御説明したいと思いますけれども、発達を踏まえた形での再整理等もさせていただいておりますので、それにつきましては後ほど資料9で御説明申し上げます。
それから、資料8の「学びに向かう力・人間性」のところでございますけれども、ここにつきましても、小中高の発達を踏まえた形での再整理ということで、例えば、家族の一員、地域の人々との協働、共に支え合う社会の実現に向けてというような形での小中高のグレード分けでありますとか、従来ちょっと、現行の指導要領で入っておった文言が漏れておったものとかもありましたので、そういったのも含めまして、多少の再整理をさせていただいているというものでございます。
次に、資料9でございますけれども、先ほど資料2の方ですと、17ページの方になります。資料9につきましては、今ほど申し上げましたとおり、まず見方・考え方を思考力・判断力・表現力の育成のイメージのところから独立をさせる取り扱いを行いました。その上でですけれども、学習のプロセスというのをこれまで御議論を頂戴しておりましたので、この学習のプロセスの中で思考力・判断力・表現力を生かしながら、問題の解決に当たっていくような力を育成するという観点からの形で再整理をしてはどうかというものが、本日お配りをしている資料9でございます。
具体的には、マル1のところで、課題を設定する力。マル2のところで、構想し、計画する力。マル3のところで、考察、結果について考察したことを説明、発表する力。マル4として、評価・改善というような形で、学習のプロセスにそぐわせるような形で、思考力・判断力・表現力を再整理を大きく行っております。
その上でもう少し丁寧に見てまいりますと、マル1については、「生活の中から問題を見出し、解決すべき課題を設定する力」ということで、これが小学校の時点では、日常生活の中から、中学校においては、家族・家庭や地域における生活の中から、高等学校に参りますと、家族・家庭や社会における生活の中からそれぞれ問題を見出して課題を設定するという力をしっかり見ていこう、あるいは育成していこうということでございます。
マル2ですけれども、「生活課題について多角的に捉え、解決策を構想し、計画する力」ということで、こちらについては、生活課題について、小学校でありますと、多角的に捉え、中学校になりますと、これからの生活を展望して多角的に捉え、高等学校に参りますと、生涯を見通して多角的に捉えという形で、その時間軸をここの発達の中で整理の枠組みとして用いているという形での整理を行いました。
それから、マル3のところですけれども、「実習や観察・実験の結果等について考察したりしたことを説明したり、発表したりする力」。これは構成している要素は、前回とほぼ同じでございますけれども、より学習のプロセスの中で育成される力であることを表題として明確にしてございます。
また、マル4につきましては、「他者と意見交流し、計画・実践等について評価・改善する力」ということで、学習プロセスの中で評価する、あるいは改善していくということが重要ではないかという御意見を多数頂戴しておりましたので、それを踏まえた形での小中高の発達を見通した形で再整理をしているということでございます。
こちらの資料9のそれぞれの整理の部分が、先ほど御覧になっていただいておりました資料8の真ん中に入ってくるという構造になっておりますので、基本的には同じ文言をそれぞれはめ込んで整理をさせていただいているというものでございます。
続きまして、資料10です。資料10は、見方・考え方ということで、前回の資料で申し上げますと、資料2の18ページになります。前回の会議資料で、今回の資料につきまして、見方・考え方ということで、前回資料の特に上段の部分のみを見方・考え方としてコンパクトに示させていただくというふうに整理をいたしました。
「自立し、共に生きる生活の創造」の枠の中、すなわち、生活事象についての観点、横軸の観点と、それから、縦軸の、この家庭科において解決すべき問題を捉える際の視点、協力・協働、健康・快適・安全、生活文化の継承・創造、持続可能な社会の構築。これらについては、組み合わせは前回同様で、特に変わってございません。取り扱い方自体はそのままということでございますけれども、前回、御意見を多数頂戴いたしましたのが、例示を示すにしても、どちらかというと、方向性をちょっと縛ってしまうんじゃないかというような御意見を多数頂戴しておりましたので、例示の部分というのは今回は削除をするということといたしました。見方・考え方とは何かということをコンパクトに整理をし直したというのが変更点でございます。
続きまして、資料11でございます。学習のプロセスの方になります。資料2で申し上げますと、19ページが前回の資料でございます。資料11につきましては、これまでるる申し上げてきておりましたとおり、まず三本柱の中の見方・考え方の整理を再整理したというところを受けまして、思考力・判断力・表現力の示し方を大きく変更しております。ここで示しております思考力・判断力・表現力は、先ほど御覧になっていただいた資料8の中央部分、又は資料9に該当する部分がこちらにはめ込まれているというふうに考えていただければと思います。
また、従来、思考・判断・表現の流れ図を示しておったんですけれども、こちらをやめまして、技術分野でこれまで示しておりましたような学習評価の場面というのを色の濃淡で、評価場面を加えて示すということにしております。濃い部分が主にその力を評価する場面として考えられるのではないかということで、あくまでもこれらの学習プロセスにつきましては例示でございますので、これに限定されるものではないんですけれども、一方で、先ほど室長の方からもお話ありましたが、「深い学び」を実現していく観点からもこうした学習プロセスということをしっかり押さえて、育成すべき資質・能力を育んでいく必要があるのかなというふうに考えて、再整理をさせていただいております。
最後になります。資料12-1の方です。前回資料で申し上げますと、20ページ、21ページ、22ページがそれぞれ校種ごとに示されております。こちらにつきましては、これまでの資料の修正点を反映させる形で、例えば今後の方向性のところについて、目指す資質・能力の箇所についての所要の修正を図っているというような修正点がいずれの校種もメーンとしてございます。
また、資料12-3まで、高校段階まで飛びますけれども、高等学校につきましては、前回の配付資料の際に、2単位科目をベースとして、4単位科目の示し方を整理しておりましたものですから、多少前回資料で記載されている示し方がやや分かりにくいことと、量的に4単位科目であるにもかかわらず、その示している分量が十分でなかったものですから、改めまして4単位科目のところを丁寧に示しております。特に大きく加筆をしたところといたしましては、資料12-3の今後の方向性の右下のところですけれども、1つ目の大きな丸、少子高齢化に関する内容の改善のところの2つ目の中点、次の衣食住の生活に関する内容の改善、大きな丸の中の2つ目の中点、それから、3つ目の中点。飛びまして、大きな丸の持続可能な社会の構築に関する内容の改善の中の2つ目の中点、こういったところをより明確に示すように修正を図ったところでございます。
なお、前回までの主な意見ということで、資料1で該当するページといたしましては、家庭科関係の資質・能力については、18ページ前後を中心に、それから、方向性やプロセスに関わりましては、24ページ前後を中心に御意見の方を整理させていただいておりますので、後ほど御覧になっていただければと思います。
以上でございます。
【橋本主査】  ありがとうございました。
それでは、大変資料も多いので、ひとまず資料8から11までのところを並べていただきまして、15分ほどで意見交換をしたいと思います。
初めの総則・評価特別部会での報告のところにありましたけれども、ちょっと言い忘れたのですが、家庭科、家庭分野の見方・考え方、資料10のところについては、示し方について配慮が必要ではないかという御意見もあって、引き続きもう一度検討しますということは申し上げましたので、この辺についても御意見を頂ければと思います。
それでは、どこからでも構いませんので、この8から11までのところを眺めながら、修正点等を中心にお話をいただければと思います。
奥山委員。
【奥山委員】  ありがとうございます。資料8のところの技術・家庭、中学校の中黒のポツの2つ目です。「家族、幼児、高齢者に関する技術についての知識・理解、技能」というところですが、御説明を頂いたんですけれども、やはり文章的に、「家族、幼児、高齢者に関する技術」という文の流れがどうしても一般的に入ってこないといいましょうか、高校のように、子育て支援等に関する技術ですとか、生活支援等に関する技術というふうに入っていれば分かりやすいんですが、やはりどう考えても何となく分かりにくいなというのが感想です。
ちょっと一つだけ戻ると、先ほどの資料7-2で、技術と家庭、両分野に共通するということで、参考の御説明があって、2つ目の丸の「問題を見出して課題を設定し」のところが少し唐突じゃないかという御意見もありました。今のいろいろな説明を踏まえ、資料を見させていただきますと、「生活の中から問題を見出して」とすれば問題なく入るのかなというふうに感じました。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
中原委員、お願いします。
【中原委員】  資料8の個別の知識や技能のところに、これは小中高一貫してあるのが「環境に配慮したライフスタイルの確立に関する技術についての知識・理解、技能」という表現になっています。「ライフスタイルの確立に関する技術」というのがどうも理解できないと思っております。ライフスタイルを確立するための考え方や価値観というのならば分かりますし、その前提となって、前回の会議の資料の中にも「消費・環境に配慮したライフスタイルを確立するための意思決定能力の育成を図る内容の充実」というのが出てきて、急にここに来て、「技術」という言葉に置き換わっている。技術でできるのなら世話はないわけで、今一番、今日的な問題になっていますライフバリューであるとか、効率性や満足度、更に言えば幸福度という問題が問われている中で、そういうライフスタイルを技術でもって解決するというのはちょっと言い過ぎというか、英語に訳すと極めて乱暴で、この間非常に褒めたんですけれども、これだと褒められないなという感じがします。是非前回の議論を受けた形で論点整理をやっていただければと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
橘川委員。
【橘川委員】  前回に比べて、学びに向かう力のところで、「男女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する」というのが入ったのはとてもこれはいいことだなと思いますし、また、思考・判断・表現のところで、時間軸を含めて入れていただいているのは分かりやすいなと思います。ただ、やっぱり個別の知識・技能で、「技術についての知識・理解、技能」というのが入り込んでいるのがどうしてもなじまないなというのは、これはよく考えていけばいくほど分からなくなってくるようなところもあるので、これはちょっと検討してもいいのかなと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
ほかにいかがですか。鈴木佳子委員、お願いします。
【鈴木(佳)委員】  私もやっぱりその「技術についての」というところが少し違和感があって、でも、生活の自立に必要な衣食住に関する技術というのが、例えば自立した衣食住に関する生活が送れるようにするための知識・技能、要するに、そういうふうにできるという状況にするための知識であるとか、身に付けている技能であるというふうに考えれば、何となく理解はできるかなというふうに思いました。先ほどの幼児と適切に関わるとか、家庭の中でうまく家族関係が築けるようにするための知識だとか技能というと何となく分かるかなとは思ったんですけれども、そこに「技術」という言葉が入ってくると、なかなかちょっと違和感があるなというふうには思いました。
あともう一点なんですけれども、この「学びに向かう力・人間性等」というところで、真ん中の中学校のところなんですけど、「地域の人々と協働し」というのが一番頭の上に付くと、必ずもう地域の人々と協働して、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度となっちゃうのかなというふうに思うと、ちょっと現場的な感覚として苦しくないかなというのが、ちょっとそこは感想なんですけれども、思いました。
以上です。
【橋本主査】  荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  もう多くの方から出されていますが、私も同感です。資料8の「個別の知識や技能」の高等学校の欄の「子育て支援等や高齢者の生活支援等に関する」学習では、いろいろな価値観や意思決定や社会科学的な視点などが関わってきますが、「技術について」のというまくら言葉が付くことによって、その次の「知識・理解」が狭まってしまうので、これは抜いた方がいいのではと思います。
それから同じく資料8の「個別の知識・技能」、「思考・判断・表現」、「学びに向かう力・人間性など」の欄の下に、それぞれ「自立した生活者」、「生活の課題の解決」、「共に支え合う」というまくら言葉が入っているのですが、この言葉というのは、先ほどの「見方・考え方」の資料の視点に入ってくる共生、自立に関わるキーワードに当たります。「見方・考え方」に示されている目標について、この3つに分けた資質・能力を使いながら、総合的に家庭科で目指していくのだということであれば、各能力の下の言葉は入れない方がいいのではと思います。
それから、資料11、下半分の「目指す資質・能力と学習評価の場面の例」の「思考力・判断力・表現力」のところは、前回まで家庭科の問題解決学習の具体的な流れを示す図が載っていたのですが、今回はなくなっています。あの図は、授業の中で具体的な学習のプロセスを踏んで問題解決を行うことができるという、家庭科の特色がよく分かる図だったと思います。今回の図の4段の矢印の文言は、一番上にある「生活の課題発見」から「実践活動の評価・改善」までの文言を縦に並べ替えただけなんですね。これですと、家庭科における思考・判断・表現が具体的にどういう展開をされるのかというのはこれで全く見えてこないことになってしまいますので、前の形の方がより明快に分かるのではないかというふうに思いました。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
鈴木明子委員、お願いします。
【鈴木(明)委員】  済みません。繰り返しになりますが、資料8の個別の知識や技能のところについて御意見を言わせていただきます。中と高について、これまでの「技術」という表現を「技能」ということにしたということで、ここでもその「技術についての」という表現が入り、それが今、問題になっているんですけれども、小中高と体系的に見た場合に、小学校はもともと技能だったから、そのままで何も問題ないということではなくて、じゃ、小学校のこの技能という表現はこれまでと同じ解釈でいいのかということも問題になってくると思うんです。
この資料8の個別の知識や技能のところの小学校を見ますと、中高で「技術についての」という、ちょっと皆さん、問題だとおっしゃる表現のところがどうなっているかというと、例えば2つ目のポツで、「衣食住に関する知識・理解、技能」、そのまま何もなく、中高のような「技術についての」というような表現はなく、そのままになっている。そして、3つのポツでは、「生活の仕方に関する知識・理解、技能」となっている。この「仕方」というのは、「技術」という、中高の「技術」と同じように捉えることもできるかもしれませんが、また違った意味合いも含んでいるようにも思うんです。小中高と体系的に考えた場合に、小学校の表現もこれでいいのかということも併せて考える必要があるのではないかなというふうに思います。
先ほど荒井委員がスキルとアビリティという言葉の英語を、「技能」という言葉の訳としておっしゃっていたんですけれども、小学校がスキルで、中高がアビリティという、こういう線引きは体系的に考えたときにどうなんだろうかというような気もいたします。その辺、これまでの現場での捉え方も併せて検討していく必要があるかなというふうに思います。
以上です。
【橋本主査】  鈴木明子委員としては、一つの提案というか、その辺のお考えはいかがでしょうかね。小学校とほかを見たときに。
【鈴木(明)委員】  先ほどのスキルとアビリティについてですか。まあ、より小学校段階では、スキルが重要になってくると思うんですけれども、アビリティが全くそこに含まれないというものではないというふうに思いますので、そういうふうに思っています。
【橋本主査】  ありがとうございます。
どうぞ、たくさん、もう議論、意見交換する時間もだんだんなくなってまいりますので、思われたことを是非出していただきたいと思います。きょう、まだ御発言のない委員の方、どうぞ、いかがですか。今ちょうど小学校の話になりましたけど、曽我部委員、いかがですか。
【曽我部委員】  小学校では、技能を身に付けるということで教育をしています。小学校では、生活の中から課題を見つけ、その解決に向けて実践的・体験的な学習活動を行い、子供たちの資質・能力を育成しています。思考力・判断力・表現力とか学びに向かう力等の3つ柱から資質・能力を考えると技能でよいと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
杉山委員、お願いします。
【杉山委員】  済みません。私は、この資料11の中で、先ほど荒井先生の方から、重複しているような内容なんじゃないかというお話のあった真ん中のところの知識・理解の緑の帯と技能の黄色の帯についてです。技能のところに、「生活課題を解決するための技能の習得」。これは多分、前は「技能・技術の習得」となっていたのが、ここも「技能」になっていると思うんですけど、「生活課題を解決するための技能の習得」と、その後の「実生活に活用できる技能の習得」という、こういう書き方をすると、先ほどから、技能に知識・理解を加えて、技術とするという考え方と、ここで言うところの技能という、特に後半の「実生活に活用できる技能」と言っていることがやっぱり「技能」という言葉の意味自体をどう捉えるか、技術と技能の区別が余計よく分からない。さっきの何となく、先ほどの話の中で知識・理解、技能、技術というのが何となく、もしかするとそうなのかみたいに思えたところが、全くここにこういう表現になってくると、よりまた分かりにくくなったという感じがしました。
それで、もともとこの帯のところがどこから始まって、どこで切り替わるのかというのも、前回資料を見ても、若干そこが微妙にずれていて、本当にここの切り替えでいいのかという、そんなに簡単に切り替わることができるのか、そこも併せてどうなのかなというふうに思いました。
【橋本主査】  図示というのはなかなか難しいです。
はい。事務局、お願いします。
【梶山主任視学官】  申し訳ございません。おっしゃるとおりかと。この知識・理解、技能に関しまして、総則部会の検討を受けて、検討したところがありまして、こちらの方まで整理ができていないというところがあるのではないかと思います。そこは整理してまた御提示させていただきたいというふうに思っております。
【橋本主査】  ありがとうございます。
まだまだあると思いますけれども、次に進ませていただきます。
次は、この12-1から3、改訂の方向性のたたき台案の小中高。家庭科のですね。そこまで含めて、先ほど4単位ものの記述、そこの記述のところを直したとかありますけれども、ここまで含めたところで御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。10分ほどでと思っておりますが、8からこの12-1、2、3というところまで眺めて、いかがですか。
高校の方は2単位と4単位の倍の時間。反対に言えば、4単位の半分しか、2単位がないという中でどちらを取るかということにもなっているわけですけれども。
はい。杉山委員、お願いします。
【杉山委員】  済みません。高校の2単位と4単位科目のところの表現の仕方が、前回と、特に4単位科目のところに、(実習等)という言葉が多分、意識的に入れられたんじゃないかと思うんですが、ほとんどの項目に4単位科目の方は(実習等)というところが入っていると思います。これは2単位科目にはそういう表現が全くないように思うんですが、これはもう2単位では実習は実施はしなくてよくて、4単位だけが実習になるという意図のようにちょっと見えるような気がするんですが、2単位科目は実習はもうしなくていいとかそういう意図ですか。済みません。ちょっと私、前回来ていなかったので、その辺の議論があって、こうされたのか。
【橋本主査】  この辺は杉山委員としては4単位に比べて、2単位、半分の時間しかない中で、その辺はどういうふうにお考えか、ちょっと伺わさせていただきたいと。
【杉山委員】  はい。私は専門が食ですので、もちろん2単位でも実習は必要だと。工夫して実習を入れていくことが必要だと思っているので、当然、2単位は2単位なりの実習、4単位は4単位なりの実習だと思っているので、4単位だけに(実習等)と書かれているのは、何か2単位はもうしなくてもいいように、並べてみると、当然そういう感じに見えるので、わざわざ4単位のところに(実習等)と入れられた意図がちょっと知りたいなというふうに思いました。
【橋本主査】  事務局の方、何かありますか。
【大内学校教育官】  済みません。結論から申し上げると、十分整理ができていない部分でしたので、実習は当然ながら2単位科目におきましても大切にしていくべきものだというふうに考えておりますので、示し方は工夫させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【橋本主査】  はい。橘川委員、お願いします。
【橘川委員】  2単位科目でも現在、本当に実験、実習だけでなくて、調べ学習とか本当にいろいろな生徒の主体的な体験学習を取り入れて実施しております。やはり家庭科教育の本当の真の目的というのは、定着させるというところが非常に大きな目的になってくると思うんですね。そのときにこの2単位科目というのは、定着させるのは本当に大変なんですけれども、ここのところで少子高齢化に関する内容の改善のところで、高齢者の理解と生活支援、技術の基礎、やはりこれから高齢社会ということでとても大切なんですが、これが入って、どれだけ定着できるのかなと。ある程度もう少し2単位科目の場合には絞り込みを掛けるか、あるいは2単位というよりもむしろ1単位プラスとか、やはり少しでもこれは日本のこれからの社会の本当に重要な課題を抱えている。それも定着させるので非常に大きな意味のある内容なので、もう2単位科目という、まあ、なかなか難しいんでしょうけど、プラス1ぐらいの単位があれば、この高齢者の生活支援技術の基礎的なこともできるのになというような、そういう思いがあります。
【橋本主査】  ありがとうございます。
奥山委員。
【奥山委員】  ありがとうございます。関連しまして、私は地域子育て支援をしている施設ですが、近くの県立高校とはもう10年以上、家庭科の授業の受け入れ先として交流しております。確認したところ、やはり家庭総合4単位ということで、年に5回ほど1年生、2年生かな。学生さんを年間を通じて受け入れています。先日、家庭科の先生と今年のスケジュールを確認してくる日も年間で定めましたけれども、やはり4単位あるので、外に出られるとおっしゃっていました。授業は、一日の一番最後の時間に割り当てて、余裕を持って、外に来て、活動しているということがあります。
その際、県内の家庭科の高校の状況を聞いたときに、やはり2単位の学校ではなかなか実習は外に出ていくということがままならないというような話ですとか、ここに書いてある家庭科クラブの活動も県内13校で取り組んでいるということでしたけれども、ここには主体的に取り組むということで書かれていますけれども、更にやはりこの家庭科を進めていくためには、また今、少子高齢化に関する科目の充実ということが入った以上、体験的なふれあいといいますか、外に出ていったり、若しくはここに関わる人たちが出向いたりということが求められると思うんですね。
そういった意味でもこの単位ということについても、時間を少しでも充実できるようにお願いしたいという現場からの声もお聞きしております。
【橋本主査】  ありがとうございます。
時間が押しておりますので、中林委員と鈴木明子委員、お2人の順でよろしいでしょうか。お願いします。
【中林委員】  では、小学校と中学校にございます括弧書きで書いてある、内容のところですけれども、実践的な学習は他教科等と連携するということが、家族・家庭生活、それから、身近な消費生活と環境に関するところで、小も中も入れていただいています。実際、授業時数の中でこの大切にしたい、また、少子高齢化の対応で今回、膨らんでいる部分を実践的に行おうとすると難しいと思います。しかし、時間の掛け方が十分でないと、やはりこういうところは充実していかないと思いますので、ここの括弧書きのところは多分、今の時点では総合的な学習の時間等と連携を図ってやっている学校もあるだろうと思いますが、今後は多くの学校で他教科等と連携して、実践をしっかりやると、そういったところが表に出てくるといいと思いました。
以上でございます。
【橋本主査】  横串という点では、小学校部会とか中学校部会でももちろんこのカリキュラム・マネジメントのことについては話し合われるというふうに考えております。
では、鈴木明子委員。
【鈴木(明)委員】  今後の改訂の方向性のところで、内容について示されているんですけれども、小学校でいいますと、この家庭科独自の資質・能力の習得を可能にするために、コンテンツ、学習内容の質の保証をしていかなければならないと思っています。資質・能力を保証するためのコンテンツ、内容をどうするかというところで、これまでのいろんな調査を通して見てみますと、やはり小学校であるならば、布を用いた製作の中でも、製作計画のところの重要性は十分指導するようになっているんですけれども、例えばゆとりの理解とかがまだまだ乏しいということで、その辺の理解を可能にするような適切な題材指定の必要性、これを是非お願いしたいというふうに考えています。
【橋本主査】  ありがとうございました。
それでは、ここからは技術分野に関する内容について御意見を頂く予定としております。
ここからの進行は古川主査代理に行っていただきますので、よろしくお願いいたします。
【古川主査代理】  それでは、技術・家庭科(技術分野)について、家庭分野と同様、育成すべき資質・能力、見方・考え方及び学習プロセス、改訂の方向性について議論をいただきたいと思います。前回からの変更点を中心に資料13から16について事務局から説明をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。それでは、技術分野の方でございますけれども、資料の13から16、それぞれ全部1枚で4種類のものでございますが、こちらは前回、御意見を頂戴しております資料ですので、前回会議資料の資料2の12ページ以降ですね。12ページ、13ページ。12ページ以降で前回の技術の資料を添付しておりますので、そちらも見比べながら御確認いただければと思います。
まず資料13、本日お配りをしております資料13の方ですけれども、技術分野において育成すべき資質・能力の整理ということで、先ほど冒頭、家庭分野とともに教育のイメージということで御議論を頂戴しましたが、この教育のイメージを踏まえつつ、繰り返しになりますが、見方・考え方を外に出したと。別立てにしたということによる所要の修正というのをまずは図ってございます。
また、もう一点といたしましては、先ほどの家庭分野と同様なんですけれども、後に出てまいります学習プロセス、これを踏まえての修正を行っているということでございます。
具体的にですけれども、資料13につきましては、まだ中央の思考力・判断力・表現力のところ、前回資料で御覧いただきますと、技術分野の見方や考え方を踏まえつつ、技術を評価しというくだりがここにあったわけでございますけれども、先ほど藤木先生の方からも少し御指摘頂戴しておりましたけれども、見方・考え方をその一つ上の桁で示しましたので、ここに関わる部分というのがまず減ってございます。これが1点です。
それから、それに伴いまして、思考力・判断力・表現力のところの上から3つ目の中点のところで、「改善・修正する力」というのを学習プロセスを踏まえながら修正を加えております。
また、御意見として頂戴したものもございましたので、例えば「学びに向かう力・人間性」等の右側のところですけれども、こちらの上から2つ目のところで、「自分なりの新しい考え方やとらえ方によって、解決策を構想しようとする態度」というようなものを新たに加えております。
それから、資料14です。資料14の見方や考え方の整理ということで、前回資料で申し上げますと、資料2の13ページなんですが、ここは大きく変更をしてございます。先ほどの見方や考え方を外に立てて出しているということとも併せてなんですけれども、まず大きな変更した点といいますのは、前回資料2の13ページのところで御覧いただきますと、見方や考え方ということで、3月11日の時点で一本化されており、その隣に技術分野の思考判断の例ということで、先ほどの藤木先生からの御指摘のところで申し上げますと、見方や考え方のところには評価というのは入っておらず、前回資料の方ですが、技術分野の思考判断の例の中に評価をし、技術に関する評価を行って、それを最適なものとするための思考判断という整理をしておったところなんですが、今回、見方・考え方の枠を少し拡大させまして、といいますのは、先ほど申し上げました資質・能力の3つに関わるということから、少し大きめに捉えるような再整理をしています。
それで本日の資料14のところでございまして、ここの中で見方と考え方と、この分け方でいいかどうかも含めて御議論を頂戴したいと思うんですが、見方といたしましては、従来、見方や考え方でまとめたところまで。すなわち、各技術の特性に着目するということとともに、少し修正しておりますけれども、問題を見出し、解決するに当たって様々な、その後に倫理観等が続くんですが、その後に、いわゆる評価の様々な側面が続くんですが、倫理観、安全性、社会からの要求、環境負荷、費用と。これらはそのままなんですが、これを踏まえつつ見ていく見方・考え方だったんですが、これを見方とし、考え方としまして、従来、思考判断の例に含めておりましたところを考察するというような結び方で修正を加えています。
具体的には、資料14の考え方、右側のところですけれども、材料の生成・成形、エネルギー変換・伝達、生物の育成環境、情報の処理手順と、いわゆる技術に関わるところですが、これを評価し、最適なものとなるよう考察すること。これが技術の考え方なんだと。技術の見方としては、技術の特性に着目し、評価の様々な側面を踏まえていくというのが見方であり、考え方としては、技術を評価し、最適化していくと。最適なものとなるよう考察していくと。これが考え方という形でここを整理しております。
したがいまして、先ほど藤木先生から御指摘頂きましたイメージの中で評価が落ちているんじゃないかという点につきましては、これが今回は見方・考え方の中に技術の評価、あるいは技術を最適化するということまで含めて、考え方として整理してはどうかということでございますので、この点、御検討いただければというふうに思っております。
それから、資料15の方に参ります。こちらについては、前回資料の14ページの方になりますが、主な変更点としては、知識・技能、思考・判断・表現、それから、態度という3つの資質・能力を育成する柱、あるいはそれに伴った評価も3つに整理をされておるわけでございますので、その3つで再度整理をし直したというのが大きな変更点でございます。
また、ここのプロセスの中の学習評価の場面の例のところに出てまいります書く力については、先ほど御覧になっていただきました資料13のところで、三本柱を再整理いたしましたので、これを踏まえた形での修正を図っているということ。また、前回資料はやや細切れにプロセスを区切っておったんですけれども、それをもう少し学習プロセス全体の中で濃淡はあるにせよ、学習プロセス全体の中で見ていこうという形での帯の修正を図っているというところが大きな変更点でございます。
続きまして、最後ですが、資料16です。こちらについては、今後の方向性ということで、今ほど見ていただきました各種の資料における修正、具体的には資料16の左側、上の方に検討事項ということで、技術分野の見方や考え方とございますけれども、ここにその技術を評価し、最適なものとなるよう考察することというような表現を加えております。また、目指す資質・能力等の中では、逆に言うと、従来の見方・考え方が思考力・判断力・表現力に関わるところにしか掛かっておりませんでしたので、ここから切り分けをしたというような修正。また、先ほど少し御紹介しましたが、御指摘頂いた点も踏まえての修正、具体的には態度形成の中の上から2つ目の中点などを追加してございます。
また、そのほかの御意見といたしまして、内容のところに原案、前回の案でございました、「社会を支える技術」というような書き方だったんですが、今回は「生活や社会を」というような形での所要の修正を図ったところでございます。
前回の主な意見としまして、資料1の該当箇所としては37ページから38ページに資質・能力に関わること。また、方向性等につきましては、43ページ前後に取りまとめをさせていただいておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
以上でございます。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
それでは、まず資料13から15について、これから15分程度の時間で意見交換をしたいと思います。どこからでも構いませんので、いかがでしょうか。
藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  御説明ありがとうございました。説明していただいた内容は分かるんですけれども、「技術の評価」という言葉が見方・考え方の方に上がってしまったと言うんでしょうかね。出てしまったと。その結果、このワーキングの初期の頃に技術の方では大きくガバナンスとイノベーション、2つ、二本柱で走っていくということを私たちとしては考えたところだったんですけれども、その結果、ガバナンスのところが中途半端な感じになります。思考力・判断力・表現力の中にガバナンスの一部分である選択だったり、管理・運用だったりが残っている。そこに評価も含めてガバナンスと私たちは考えているというところなんですけれども、それが何か完結しない形になってしまっているというのが気になるところですね。
それと、先ほどの資料16ですかね。16の技術分野の見方・考え方の中に、技術を評価しということを明記してくださっていますので、これはすごく有り難いところではあるんですけれども、この技術分野の見方・考え方の中にガバナンスがドカッと入るんだったら分かりやすいんですが、その評価の言葉だけ入ってくると、単に技術を評価するということにしか受け止めにくいという。そこの整合性がとれないところが非常に気になるところであります。
それから、資料13、個別の知識や技能のところの一番下、最後なんですけれども、「技術と生活や社会、環境との関わりの理解」と。私たちのところは一般的に社会的な側面と環境的な側面、それから、経済的な側面、3つの側面から技術についていろんな見方ができるようになるということを考えていると。そういう意味では、ここには「社会、環境」と並べて、その「経済」という言葉も入った方がいいんじゃないかなというふうに考えております。
それから、真ん中の資料13の思考力・判断力・表現力のところですけれども、それの下から2つ目のポツですね。「課題の解決結果及び解決過程を評価し改善・修正する力」と。「課題の解決結果」が先に来て、「及び解決過程」というのはちょっと何か違和感がありますね。解決の過程があって、そして、解決の結果が出てくるんじゃないかと。そんなふうに思います。
取りあえず以上のところです。
【古川主査代理】  ありがとうございました。大きくは3点あったと思いますが、評価という、ガバナンスの意味での評価という言葉がなくなっているということ。それから、知識・技能のところに経済的観点という点からの理解が必要ではないかといったようなこと。最後のは文言の順序ですけれども。
はい。長谷川委員、どうぞ。
【長谷川委員】  それでは、失礼します。藤木委員さんの方からお話がありました、技術を評価するということなんですが、技術分野の見方や考え方という取り扱いが今後どのようになっていくのかというところがポイントではないのかなと思います。
やはり藤木委員の指摘もあったように、選択、管理・運用というところだけが残るというのはちょっと違和感があるなという気がします。また、評価という言葉を最初に聞いた方の印象にも配慮して丁寧に説明した方がよいと考えますので、見方・考え方の中できちんと説明するという方法もあるのではないかと受け止めました。この見方・考え方というのは成長していくという説明がありましたが、今後、固めていく中での検討、経緯等も踏まえて、よりよい着地ができればよいというのが、今の段階での意見です。
【古川主査代理】  はい。今、長谷川委員の御指摘は、2度目、3度目のこのワーキンググループの会議のときに、「評価」という言葉をガバナンスの頭に入れてくださいということで、入ってきておりますから、この資料14の考え方のところの手順を評価しということになると、少しニュアンスといいますか、が違ってくるのかなという考えがいたします。
池田委員、どうぞ。
【池田委員】  一部かぶりますので、それは省きまして、言葉のことがちょっと気になるんですけど、資料14です。技術分野の見方のところで、「物質、生物、エネルギーや情報」とあるんですけど、「物質」というのはいわゆる物のことを指すと思うんですけれども、この表現でいいのかなというのが気になりました。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございます。
藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  長谷川委員さんのお話も出てきたんですけれども、やっぱり見方や考え方と、そして、思考力・判断力・表現力、資料13と資料16を両方足してみないと、ガバナンスに見えないというのは、これはやっぱり問題じゃないのかなと思っています。
見方や考え方というところ、私なりにちょっと先ほどから解釈していたんですけど、これはフレームワークかなと。技術という教科のフレームワークと考えたら、そのフレームワークの中にガバナンスが入っているということであれば、これはすごく価値があるのかなという気がします。ですから、そういう意味では、技術分野の見方や考え方の中に「技術を評価、選択、管理・運用し」みたいなそういう表現にするというのが一つの方法かなと。ただし、そのガバナンスに関わるところはどうしても思考したり、判断したり、表現したりすることが要求される場面でもあるのかなと。そういう意味では、フレームワークでもあるけれども、思考・判断・表現の対象にもなるような気がしております。
今の点、いかがでしょうか。ちょっと議論していただければと思います。
【古川主査代理】  はい。ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。中原委員、どうぞ。
【中原委員】  間違っていたら御指摘を頂ければと思いますが、先ほどから技術の評価という話が出ていますが、環境の分野でいいますと、技術のいわゆる自然環境への影響評価と、もう一つはそれが社会システムに定着することによる社会的な影響評価の両方の側面から見ていかないと、例えばエネルギーの問題をとっても、温暖化を防ぐために原子力エネルギー等となると、その安全性をめぐってどうなのかという問題が出てきますし、移動手段としての車のハイブリッド車というのは、いわゆる動力部門を2つ持ちますから、製造段階における科学的な環境影響というのは非常に高くなる。
しかし、ユーザー側、使用者、消費者の立場に立つと、いわゆるハイブリッド機能があるためにエネルギーの使用量は半減若しくはそれ以下になってくるということになってくるわけです。どちらの側で評価していくのかという両面をきちっと、これは両輪のものだと思いますので、そういう部分の評価のやり方を考えていかないと、20世紀、様々な技術開発が行われて、その結果、何をもたらしたのかというと、あんまりいい方向に進んでないねという話にもなると思います。
今、話題になっているこのエネルギーの問題にしても、再生可能エネルギーが非常にもてはやされているけど、負の部分はあるのかないのかという技術評価もきちっとしていかないと、冷静な判断を失ってしまうのではないか。そういう部分を技術という分野できちっとやっていただけると、まさに私、前から強調していた倫理観を持ってというところが、いわゆるこちらの資料16でいいますと、社会の発展と技術という面から見て、どういうふうな方向に進むのかという判断につながっていくんだろうと思います。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  中原委員、ありがとうございました。今の中原先生のおっしゃったのが多分資料13の思考・判断・表現のところの白丸ですね。そこに盛り込まれているのがそういう意味合いのことなんだと私は理解していまして、だから、新しい検討している学習指導要領では、その技術を評価して、なおかつ、ユーザー、利用者が判断をしたり、実際どんなふうに運用しようか、どんなふうに管理しようか。そういうところまで含めて、中学校の技術として取り上げたいということを意味していると考えているんですね。
そういう意味で、「評価」という言葉の使い方が少しぶれている、あるいは幅があると言うんでしょうか。何かそのところが問題になっているのかなという気がしております。
例えば資料16の技術分野の見方や考え方、そこの一番最後の行にある「技術を評価し」というのは、スッと読むと全然違和感ないんですよね。この一番最後の行の「技術を評価し、最適なものとなるよう考察すること」と。この場面の「技術を評価し」というのは、評価したり、どれかを選んだり、あるいは管理の方法を考えたり、運用を考えたりというところまで、ある種含んでいるような意味合いでの評価という言葉のような気がしていますし、以前からガバナンスのところで使っていた技術の評価というのは、評価したり、選択したり、管理したり、運用したりする中での評価。だから、そういう意味では少し「評価」という言葉の使い方がダブルスタンダードになっているような気がしております。その辺をどう解決するか。これは難しいなと思っているんですけれどもね。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
長谷川委員、どうぞ。
【長谷川委員】  技術を評価するというのは従前の、現在の学習指導要領の分野目標の中にも表記されていることであるとともにアクティブ・ラーニングの「深い学び」に大きく関連するところです。技術を評価するという言葉が削除されるあるいは別のところに示すこととなれば、次期学習指導要領において、技術・家庭科における「深い学び」に技術を評価することは入らないという誤解を生まないような工夫が必要なのではと感じました。
それから、藤木委員がおっしゃった資料14の中に、考え方のところで、評価するという言葉が考え方のところにありますけれども、そこを丁寧に説明していくという方法も一つあるのではないかなと思います。
評価のこととは違いますけれども、資料15の一番下の帯に、「粘り強く物事を前に進める態度」というのが入っており大変よいことだと感じました。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
少し見方を考えまして、資料14、先ほど大内学校教育官の方から御指摘ありましたけれども、前回に比べまして、前回から見方や考え方、その部分を分けた。そして、前回は見方・考え方だったものを見方にしたというように、この枠が変わっておりますけれども、このことにつきましては、これでいいというふうにお考えでしょうか。
はい。藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  見方・考え方が分けられて、分けていただいたという感じなんですけれども、見方のところに入ってくるのが含まれる内容、そして、それが社会とか経済とか生活環境等との関わりみたいなところが左側の見方に入っているのかなと。そして、考え方のところが、いろんなものを評価し、最適なものとなるように考察をすると。その「考察」という言葉は、研究では論文を書いたりするときに使いますけれども、こういうところで「考察する」という言葉が出てくると、何か妙に違和感があるような気もしますけれども、この左側の見方と右側の考え方、端的に言うとどんなふうに分けられているのかを少し御説明いただければ分かりやすいんですけど。
【古川主査代理】  よろしいですか。上野先生。
【上野教科調査官】  はい。まず大前提として、全ての教科共通で、今から私が申し上げる見方・考え方の統一がとれているわけではないということで、御理解いただきたいと思います。あくまでも技術分野における見方・考え方の区別の仕方ということです。今回の見方・考え方ですが、先ほど中原委員から御指摘ありましたとおり、技術というものは光と影が必ずあって、それも一方向ではなくて、様々な方面からの光と影があるものだと認識しています。このような技術という存在をどのように捉えるかというときに、1行目にありますのが技術を支える科学的な原理・原則、絶対譲れない条件ですね。それに加えて、2行目、3行目にあるような問題を見出して解決するためにどういう側面から見なければならないのかということを見方の方に分類しました。
それに基づいて、実際に問題を解決することの根底にある考え方というのは何なのかというと、まず一つあるのは、材料の生成などの変えられる方策です。そして、それらも見方によって光の部分、影の部分があるわけですから、それをどういうふうに折り合いを付けて、最適なものにするのかということが考え方であろうということで整理しました。前回の場合には1行目が見方で、2行目の側面的なところを考え方という分類をしたのですが、今回はそういうものを見方の方に全部まとめて、それに基づいて解決のために考えるというのを考え方にまとめたということでございます。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
中原委員、どうぞ。
【中原委員】  教えていただきたいんですけれども、今御説明あった資料14の内容及びC、Dがありますね。その中で、技術というのは材料の調達方法には全く触れないじゃないですか。今、非常に大きな問題になっているのは、どこから資源を、どこから材料を取ってくるのかというのは非常に大きな問題になっていますけれども。
【上野教科調査官】  はい。もう少し細かく説明させていただきますと、この技術というのは、先ほど中原委員から御指摘あったように、使用者としての光の部分、生産者としての光の部分は違うと思います。さらにもう一つ、こちらも先ほど中原委員がおっしゃったように、使う場面での光の部分があれば、作るとき、捨てるとき、万が一の事故のときに光の部分も異なります。このように様々な場面で評価しなければいけないことも踏まえて、ここには主なものを書かせていただいたのです。こういう側面から、こういう場面において評価しというところまで、本来であれば書き込まなければいけないのかもしれませんが、今回の場合には側面のところだけに絞って、資料を作らせていただいたということです。中原先生の材料の調達というところでいけば、作るための部分に当然そういうことも入ってくるというふうに思っております。
【中原委員】  是非入れてください。
【上野教科調査官】  ありがとうございます。
【古川主査代理】  その部分というのは、今まで技術分野ではほとんど考えたことがない部分だと思います。
ほかにはよろしいでしょうか。神山委員、どうぞ。
【神山委員】  ありがとうございます。皆さんの意見を聞きながら、資料を学びながら理解しているんですけれども、今、皆さんのお話をお伺いしていて、やはりその技術という教科の在り方の中で、年々その技術の知識を学ぶことによって、それを批判的に見て評価していく。それがどういう意味なのかということを理解するということがいかに大事なのかというのは、私自身も非常に今、理解できました。
その中で、やっぱり態度の部分ですね。資料15のところなんですけれども、この態度のところで、「ふり返り改善・修正しようとする態度」だったりとか、あとは技術に関する倫理観というようなところで、もしかすると、その評価するというようなことも入っているのかと思うんですけれども、そこがとても大事だなということに改めて私自身が気付かされたので、先ほど藤木委員もおっしゃっていましたけれども、明確に記す必要があるんだなということを思います。
あと、もう一つは、「粘り強く物事を前に進める態度」だったりとか、あと、議論する力というか、伝えるということを、前のときにも私、一度お伝えしたような気がするんですが、その態度の中身として、他者との議論する態度というようなものも是非御検討いただけると有り難いなと思います。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  資料14の見方や考え方の表のところですけれども、その考え方のところが大体みんな末尾の表現が、「評価し、最適なものとなるよう考察する」と。評価し、最適なものとなるように考察する。現状にあるものを評価して、条件を変えて、いいものを導き出していくというんでしょうか。そういう意味では、改善とか改良という意味合いがここに盛り込まれているのかなと思うんですけれども、そうすると、逆に、イノベーションみたいに、技術革新という言葉になっていましたけど、新しいものを生み出すというところのニュアンスが逆に出てこない。そういう意味で、例えば最適なものとなるように考察したり、新しい技術を生み出そう、技術の生成と言うんでしょうかね。新しい技術を生み出したりするというような、何かそういうところも盛り込めれば、今までの技術教育を更に一歩前進させることができるんじゃないかなと思った次第です。
技術分野、内容A、B、C、Dの区分に分かれていますが、そこのところの末尾の表現を検討していただいた方がいいかなと思いました。
以上です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
時間も迫っておりますので、次に、資料16についての議論をいただきたいんですが、その前に資料14の考え方のところ、一番上ですが、A、B、C、Dが、BとCを入れ替えるようなことになっておりますので、考え方のところの表現を順序を入れ替えていただくと有り難いと思います。
それでは、これから10分弱を資料16について意見交換したいと思います。よろしくお願いいたします。
はい。藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  資料16ですよね。14と見比べてみたときに、例えば情報のところなんかは、14の中には例えばセキュリティだったり、システムであったり、そういう言葉が入っていますが、16の内容の4項目にまとめられた内容、簡潔にまとめられていて分かりやすいと思うんですが、例えば「プログラミング」という言葉が例の情報の技術の中には入っているんですけれども、それが見方・考え方のところには影響しないのかなと。逆に言うと、どっちにも入っていないとまずいというような気もしますし、そして、もう一つは、資料14の中身の書かれていることそのものは、検討の余地はまだありそうな気もするんですが、もうそれは終わりということなんですかね。例えば資料14の内容そのもの、一番、内容Dについてであれば、右側の考え方のところ、情報のデジタル化や計算化、計算化というのはあんまり表現として使わないような気もするんですけれども、むしろ情報のデジタル化やシステム化とか、何かそこに書かれている内容そのものはもう少し検討した方がいいと思うんですが、それは個別にまた意見を出すという形になりますかね。
【古川主査代理】  そうですね。ここで。
【藤木委員】  ここではその時間がないということですね。
【古川主査代理】  はい。
【藤木委員】  分かりました。
【古川主査代理】  資料16についていかがでしょうか。前回に比べまして、随分、目指す資質・能力等の部分、2つ目の枠あるいは3つ目の枠の部分が整理されているといいますか、ほかの資料と一緒、整合性をとる形で整理されておりますが。
長谷川委員、どうぞ。
【長谷川委員】  資料16は学習指導要領がどのようなものになるのかを説明するにあたり、本当によく分かる資料だという印象です。
【古川主査代理】  ありがとうございました。
藤木委員、どうぞ。
【藤木委員】  資料16の右側の一番下、学習プロセスの下のところ、横に帯で「技術による問題解決」という、ここでは問題の解決という表現になっています。学習プロセスの中は課題解決であったりとか、一番最後のところは問題の解決の視点であったりとか、「課題」という言葉と「問題」という言葉が混在しているんですけれども、先ほどどれかを見たときにはうまく書き分けているなと思ったんですよね。どれでしたですかね。
【古川主査代理】  問題を見出し、課題を設定するという表現ですね。
【藤木委員】  ああ、はい、はい。そうですね。ですから、何かその辺、見出すのが問題で、解決するのが課題であるみたいな、そういうところの整合性がとれるようにそろえていただければと思いますが。
【古川主査代理】  はい。ほかによろしいでしょうか。
【中原委員】  別に藤木さんにけんかを売るわけじゃないですが、さっきの「最適」という言葉のときに、上野さんとのやりとりもあったと思いますが、何もハイテクノロジーに行くのが最適な影響、評価ではないだろうと考えます。ですから、先ほどから申し上げているように、その環境影響若しくは社会的影響、それを勘案してみて、適切な評価を行わないと、技術先行になった場合に、どういう一つの社会が変わってくるのかというのをにらんでおかないと危険になってしまう。そういう意味では、中間的な技術もあり得るんだろうし、逆に言うと、それぞれの発展段階においてローテクノロジーだってあり得るんだろうと思います。基本はやっぱり豊かな社会を、技術・家庭科というのは目指さなきゃいけないわけで、これはほかの教科に比べて極めてそういう要素を持っている大変すばらしい教科だと私は思っている。そのときに社会がどうなっていくのかという一つの基準点を持っている、その良さをこの評価の中にきちっと入れていただければと思います。
【古川主査代理】  先生がおっしゃるとおりだと思います。非常に工学的なことで、チャンピオンデータをどんどん作っていくという、それも一つの学問の在り方といいますか、研究の在り方でしょうけれども、そうではなくて、いろんな見方からその条件で一番いいものを、状況として一番いい状況に収めたいという、そういうものがこの技術分野としては非常に国民のリテラシーとしては重要だろうという、そういうふうに、先生がおっしゃるようなことだとは私も思っております。ありがとうございます。
ほかにございませんか。藤木先生。
【藤木委員】  中原先生ありがとうございました。別にけんかで蒸し返すわけでもないんですけれども、おっしゃられるとおりですよね。それで、私たちが考えるときにやっぱり子供たちが自分の解決したい課題、技術的な課題を解決するときに、決して新しいものばかりになるはずがないんですよ。課題を解決するのに何をどうコントロールしたら一番最適になるか。そこを中学校の技術ではメインとして考えてきて、やってきていますので、そういう意味ではおっしゃっておられることを私たちはやっているつもりではあるんですけれども、そういうふうに今までやってきているものに加えて、新しい要素を盛り込もうという、そういう意図でイノベーションというようなことを私たちはやっているところですけれども、御理解いただければと思います。
【古川主査代理】  ありがとうございました。時間も迫っておりますので、大体ここで議論いただきました資料13から16まで、枠組みとしては大体共通理解はいただいたのかなというふうに思っております。
内容につきまして、個別の内容につきましては、藤木先生がさっきおっしゃいましたけれども、意見として文章で提出していただければと思っております。
それでは、ここからは技術・家庭科の評価の観点及び必要な支援、条件整備等に係る議論に移りますので、進行を橋本主査にお返しいたします。
【橋本主査】  それでは、評価の観点及びその趣旨につきまして、資料17の説明を事務局からお願いいたします。
【大内学校教育官】  ありがとうございました。資料17をお手元に御用意いただければと思います。こちらの資料は今回初めて配付をさせていただく資料でございます。
技術・家庭科の評価の観点及びその趣旨(たたき台)というものでございまして、冒頭、大杉の方から総則・評価部会の説明の中で評価の観点に関わること、あるいは評価の考え方について、資料3を基にしまして紹介があったところです。それらを踏まえながらということなんですけれども、学力につきましては、既に学教法におきまして3要素が規定されておりますし、今現在、次期指導要領の基準の改善を見据えてのその資質・能力の三本柱ということで、本ワーキンググループにおきましてもその3つの視点に沿った形で、検討を進めてきていただいているところでございます。
今回はその3つの資質・能力に合わせるような形で、評価の観点を3つで再整理をさせておりますので、それを踏まえた形で本日御議論をいただきました教育のイメージに当たる部分、それから、育成すべき資質・能力の3つの柱に当たる部分を参考にしながら取りまとめたというのがこの資料17になります。
具体的には、まず枠組みといたしましては、ちょっと何の表示もなくて恐縮なんですけれども、白抜きといいますか、その白で書かれている部分、学校種ごとの欄の背景に色が塗られていない方のところですね。ここが観点になります。
具体的に小学校から見てまいりますと、小学校の家庭科でありましたら、個別の知識や技能に関わる部分として、家庭生活についての知識・技能という観点。それから、中学校、技術・家庭科を統合した場合には、生活や技術についての知識・技能という観点。家庭分野、技術分野ともに生活や技術についての知識・技能という観点。これが高等学校の家庭になりますと知識・技能というような観点で、観点名としてまずいかがかということを御検討いただきたいというふうに思います。
同様に、思考・判断につきましても、小学校の家庭科でありますと、生活を創意工夫する能力と。これが中学校に参りますと、分野、教科共通で生活を工夫し創造する能力と。高等学校の家庭につきましては、思考・判断・表現ということでございます。
また、主体的に学習に取り組む態度に関わっては、小学校の家庭科は、主体的に実践する態度。これは中学校の両分野、評価ともに、小学校と同様で主体的に実践する態度と。高等学校の家庭科は主体的に学習に取り組む態度というような形で、まず評価の観点名を整理しております。
また、それぞれの観点の下に色が塗られている枠組みの中が評価の観点の趣旨というものに当たります。こちらにつきましては、先ほど申し上げた三本柱等を踏まえて、次の新しい評価の観点あるいは評価の趣旨ということで整理をしているものでございますけれども、例えば、中学校の技術・家庭科のところですけれども、中学校の技術・家庭科の個別の知識・技能の場合には、生活や技術についての知識・技能という観点がございますけれども、これの趣旨としては、生活や技術に関する基礎的・基本的な知識・技能を身に付け、生活と技術との関わりについて理解していると。
これが技術分野に参りますと、同じ評価の観点なんですが、生活や社会で利用されている技術についての基礎的・基本的な知識・技能を身に付け、技術と生活や社会、環境との関わりについて理解しているというような評価の趣旨、観点の趣旨になります。
一方で、家庭分野につきましては、家庭の基本的な機能について理解し、生活の自立に必要な衣食住や家族の生活などに係る技術についての基礎的・基本的な知識・技能を身に付けているということで、多少それぞれの分野ごとに、分野の特性を踏まえた形での表現がなされているところでございます。これが思考・判断・表現に当たる、生活を工夫し創造する能力の方につきましても、例えばですが、技術分野、家庭分野と見比べていただきますと、示し方の若干の違いがあるかと思います。
同様に、主体的に実践する態度につきましても、技術分野、家庭分野の辺りでの表現ぶりの違いというようなことについて、それぞれの教科、分野の特性を踏まえた形で整理をするとこういう形になりますが、こういう形ではいかがでしょうかということでの御検討をお願いできればというふうに思っております。
なお、その資料17の次のページに補足資料というのがございます。これが現行の学習指導要領に基づく評価の観点とその趣旨、教科あるいは分野ごとを整理したものです。一番左側の縦軸が小中高等学校、家庭科、あるいはその家庭分野に関わる教科目標と観点。それから、その観点の趣旨でございます。
中央にございますのが中学校技術・家庭科としての教科の目標、それから、教科の観点と、教科の観点の趣旨の現行版です。一番右側が中学校技術・家庭科の技術分野に関わっての目標、技術分野の目標と、その観点と、その観点の趣旨ということで整理をしておりまして、こうした構造と、それから、これまで御議論いただいた育成する資質・能力とで再整理した形で資料17ができているというのは申し上げたとおりでございまして、これについての、特に小中高の家庭、家庭分野についての連続性あるいは中学校の技術・家庭科の技術分野、家庭分野との関わり、関係性、そういったことについて御検討、御意見を頂戴できればというふうに思っております。
以上でございます。
【橋本主査】  それでは、この資料17につきまして、補足資料と比べながら意見交換を15分ほど進めたいと思いますので、出していただきたいと思います。一番初めに大杉室長の方から具体的な観点の書きぶりや趣旨の記述については、教科の特質を踏まえた表現ぶりを検討することと。ですから、小中高を通じて、一貫した観点になるよう留意することというようなところも御説明があったと思いますけれども、この総則・評価特別部会の資料なども参考にされながら、本ワーキングとしての評価の観点と趣旨というところを見ていただければと思います。御意見を頂きたいと思います。
はい。長澤委員。
【長澤委員】  先ほどの説明の中にもありましたけれども、やっぱり家庭分野と技術分野の書きぶりが大分違うので、その辺をどんなふうに整合性を図っていくかということがやはり一番大きい点として気になりました。
それから、細かいことで言いますと、3つ目の柱の主体的に学習に取り組む態度のところが、「たり、たり」の表現になっていますが、1つ目の「たり」が身に付ける。それから、2つ目が「実践的な態度を身に付けたりして」ということで、実践的な態度を身に付けるというのは、最終的な目標になるんだろうと思うんですが、これに「たり」を付けるということについては違和感があります。
ですから、例えば中学校の家庭分野でいいますと、「衣食住や家族の生活などに関する知識・技能を身に付け、地域の人々と協働し、生活をよりよくするために進んで活用したりして、実践しようとしている」というふうな形で、「たり、たり」を使うのであれば、身に付けると活用という形で、「たり、たり」を位置付けた方がいいと思います。例えば教科のイメージが1枚目にありましたけれども、あの中でも白丸が3つありまして、多分1つは内容知のことを言っていて、2つ目は問題解決学習の方法知のことを言っていて、3つ目の丸で、学ぶ意欲でそれらを結び付けていって、継続的に意欲を高めていって、学びを継続させていくという構造だろうと思うんです。そうすると、3つ目のこの一番最後のところに「たり」を付けるということになって違和感がありますので、御検討いただきたいと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
いかがですか。はい。神山委員。
【神山委員】  ちょっと質問なんですが、技術分野のところで、主体的に学習に取り組む態度のところですが、「持続可能な社会を構築するために適切かつ誠実に技術を工夫し創造」するという、この「誠実に」というのは初めて出てきた言葉だとは思うんですけれども、どういう意味に理解したらよろしいのか、御説明いただいてもいいでしょうか。
【橋本主査】  事務局、お願いします。
【上野教科調査官】  済みません。まず評価の観点ということですが、これは目標の達成状況を確認するためのものでございます。大きな教科の目標全体を、観点というのは方向だと思っていただいて、その4つの、今回は3つの方向から見て、達成状況を見ると。そして、それらをまとめて全体としての子供たちの姿を評価するということです。技術分野の場合ですと、最初のイメージ図のところとの対になっている資料だと思って御覧いただきたいのですが、最初に見ていただきました家庭分野、技術分野それぞれのイメージを示した図があったかと思うのですが、私の方ですと、7-2でしょうか。このところの技術分野、中学校の技術分野のところにひし形が一つ。その後、丸が3つあったかと思います。それの3つ目の丸の部分が態度に対応する部分になっておりまして、こちらに対応しているその姿を見ているということです。ちなみに、御質問の「誠実に」というのは、この中で言えば、技術に関わる倫理観ですね。使用者あるいは自然環境、そういったものに対して、きちっと責任を持って技術というものを使っていこうという意味で「誠実」という言葉を使わせていただきました。
【橋本主査】  神山委員、よろしいですか。
【神山委員】  はい。
【橋本主査】  荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  評価の観点及びその趣旨ですが、先ほど意見がいろいろ出たところがそのままここも入っておりますので、個別の知識・技能のところですけれども、例えば高校家庭の知識・技能のところの「自立した生活者に必要な技術についての知識・技能」ではなくて、「技術についての」を省いた方がすっきりすると思います。
同じく中学校の家庭分野も「技術についての」というのがありますので、省いた方がいいと思います。そのまくらのところですが、「生活や技術についての知識・技能」、これも先ほど出ましたけれども、技術分野とはその説明の内容が違いますので、生活についての知識・技能というふうにすると整理が付くかなと思います。
それから、高校のところですが、教科に応じた用語を使うということですと、この知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度のところは、それに応じた言葉を入れた方がいいのではないかというふうに思います。
先ほどの資料12の方を見ますと、小学校、中学校、高校で目指す資質・能力のところに、それぞれまくらがありますので、こういうものを使って、高校のところも入れていくことは可能ではないかなと思いますので、その検討をお願いしたいと思います。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。目標に準拠した評価の実質化ということもございますので、その辺からの整理ということも必要というふうに考えております。
鈴木佳子委員、お願いします。
【鈴木(佳)委員】  中学校の現場の立場からお話しさせていただくと、技術・家庭というのは一つの教科ですので、通知表とか要録の評価の欄というのは一つしかないので、ただ、授業は技術の先生と家庭科の先生が教えていて、最後はそれを突き合わせているんですね。そのときに今、長澤委員さんの方からも文言が大分違うというような話がありましたけれども、現場の立場から言わせていただければ、分野の観点の趣旨はなくても、この大きな技術・家庭の評価の観点というのがあって、その中でいろいろな題材、技術の題材、家庭科の題材がありますので、題材ごとにこの大きな技術・家庭科の評価の観点に基づいて、また個別に評価規準を作っていくと思いますので、そのぐらいの大きなことでやっていただくと、技術・家庭が一緒の教科だという感じになると思います。
先ほどから大分違っているところがあって、冒頭にもちょっと一つの教科としてというのは、どうのこうのというようなお話もありましたけれども、ただ、今の枠組みの中では、やはり技術・家庭ということでやっているんだとすれば、余りこの評価の観点を技術分野、家庭分野で変えてしまうと、最終的に突き合わせて評価をするときに何か非常に難しくなっていくところがあるのではないかなというふうに思うところがあるんですが、いかがでしょうか。
【橋本主査】  一つ提起されましたけれども、様々御意見を頂きたいと思います。いかがですか。現行でも観点の趣旨を分野ごとに整理をしているというところですけれども。
はい。藤木委員、お願いします。
【藤木委員】  そういう考え方もあるのかなとは思うんですけれども、現にその技術分野を教える先生と家庭分野を教える先生、免許法で言えば違う免許なんですよね。そうすると、そこでやっぱり教師として身に付けないといけない資質・能力も違ってくるんだろうなと。免許法上の免許が違いますから。目標そのものも技術分野と家庭分野に分かれているということであれば、やっぱりそれに応じた評価の観点も分けざるを得ないのかなと私は考えているところでありまして、ただ、観点名というところが先ほど御説明に出てきましたけれども、観点名そのものはいろいろ書きぶりがあって、かえって何か分かりにくくなっているような気がして、例えば個別の知識・技能のところは、全部ただの知識・技能とそろえたりとかそういうのはあり得るのかなと思ったりしたんですけれども。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。長澤委員、お願いします。
【長澤委員】  先ほど「たり、たり」の表現について御意見申し上げましたけれども、そのことと関連して言い忘れたことです。多分「たり、たり」の文章構造と関連していると思いますが、「主体的」と「進んで」というのが重ねて使われています。それぞれの「たり」の中に「主体的」と、後ろの「たり」に「進んで」が入っていて、これは本来は「主体的に実践しようとしている」というふうな表現の方が収まりが一番いいのかなと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
中原委員、お願いします。
【中原委員】  ちょっと確認をさせていただきたいのですが、先ほど説明があった資料17の補足資料の現行の学習指導要領の目標というのは、これは全く変わらないんですね。変わらないという前提でいいですか。
【大内学校教育官】  変わらないといいますのは。
【中原委員】  いや、このまま生かされるということですか。
【大内学校教育官】  これはあくまでも補足資料17は、現行はこうですと。
【中原委員】  こうですと。
【大内学校教育官】  はい。現行の下での指導要領の目標で、その目標に照らして評価の観点とその趣旨を作成しますので、目標規定がないと作れないと。ところが、今現時点では、この本ワーキングにおいてそこも含めて御検討いただいているので、そういう意味では、中原先生の御指摘が、もし、評価の目標が決まっていないのに評価の観点と趣旨は作れないんじゃないかということを言われてしまうと、ちょっと難しいところはございます。
【中原委員】  そこまでは言わないですけどね。ということで見たときに、資料17の主体的に学習に取り組む態度の中で、中学校の技術というのは非常にいい書きぶりになっているなという感じがします。それに比べ、何か家庭科がちょっとシュリンクしているなという感じがあって、どうしてそういうことを言うのかというと、さっき、今、問題にしました高等学校の家庭科の目標のところというのは、ライフサイクル思考を重視していて、そういう関わりの中で考えていくという部分が非常に大事だと思っております。
ところが、実際の主体的に学習に取り組む態度、高等学校を見ても、共に支え合う社会の実現とか、何か随分、今まで言われてきた言葉の羅列かなという感じがしますし、中学、小学校の場合はよりシュリンクした形になってしまって、もったいないなという感じがあります。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
時間も迫ってまいりましたので、是非きょうこの評価ということについて、皆様方から御意見を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
きょうの議論の中では、技術分野も生産者側だけではなく、やはり使用者というか、使うという観点の、中原委員のお話もありましたし、私は全体を聞いて、歩み寄れるところというのが幾つか出てきているんじゃないかなというふうに思いますので、評価の観点ということももう少し歩み寄れるところということの整理ということもできるのじゃないかなと。そして、今頂いたようなところも多分、中原委員の御専門のお立場からキーワードがございましたけど、そういうことなのかなというふうに拝聴しましたけれど。
ほかいかがですか。はい。藤木委員。
【藤木委員】  失礼いたします。主体的に学習に取り組む態度のところですけれども、観点名がちょっと気になっておりまして、一番大きな観点というのが、その主体的に学習に取り組む態度というのが一番大きな観点なんだと思うんですが、その中に高校はいいとして、例えば中学校、小学校なんかは主体的に実践する態度と。実践は学習の中で実践するのかもしれませんけれども、学習に取り組んで、その後実践するというような意味合い、そういうニュアンスを受け取ってしまうのかなと。そうすると、途中の学習のところには主体的に取り組むというようなニュアンスが薄められてしまいそうな気がしまして、そういう意味では、このままの観点名でいいんだろうかとちょっと思いました。
以上です。
【橋本主査】  藤木委員としては何かアイデアというか、こういう表現も考えられるのではないかというのはございますか。
【藤木委員】  はい。私なりに考えると、例えば主体的に学習し、実践する態度みたいな、そういう表現もあるかなと思いました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
ほかいかがでしょうか。
非常に重要なところだと思いまして、先ほどの目標との関係ということなんですが、教育のイメージということでの、まだ細かい文言の精査まで行っていないものを見比べながらということですので、なかなか難しいところではあるんですけれども、何か頂ければと思いますが。
はい。荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  今の話の高校ですけれども、「主体的に学習に取り組む態度」のところの文言が、知識・技能のところをそのまま入れてありまして、それに「主体的に」という言葉が付いてあるのが前半で、後半も思考・判断・表現のところを使っているということですので、ここをもう少しオリジナルな言葉で何かいい表現をできたらいいのではないかなと思いました。
それから、もしこれでもう御意見がないようでしたら、先ほどの技術のご議論を聞きながら、もう一度家庭科の方を見まして気が付いたところがありますので、それを今申し上げてもよろしいですか。
【橋本主査】  はい。
【荒井委員】  ひとつは、資料12-3の高校のところです。12の1、2、3と資質・能力のところを見比べてみたんですけれども、資質・能力の2番目の、小学校でいえば、「生活をよりよくしようと工夫する能力」、中学校では、「これからの生活を展望して生活を工夫し創造する能力」のところです。それが、高校のところは、「生涯を見通して生活を創造する能力」となっているのですが、ここの部分が恐らく問題を見出して、問題を発見し、課題を設定し、問題を解決していくというところだと思います。
この資質・能力の文言に、次の内容の部分でどう対応しているかをみると、小学校、中学校では、「問題解決的な学習を一層充実」と書かれていますが、高校のところは、「ホームプロジェクト」や「学校家庭クラブ等」が入っているだけで、従来と変わりません。高校では小中と同様に各分野の中でも問題解決的な学習の取組というのは非常に重要だと思いますので、「内容」の中に具体的な文言を入れていただきたいですし、それから、この「資質・能力」のところにも生涯を見通して生活を創造する能力のところに、「問題解決的な学習の充実」という文言を少し加えていただきたいというのが1点です。
それから、「育成すべき資質・能力の整理」の「思考力・判断力・表現力等」の高校の部分を見ますと、「課題を解決するために、生涯を見通して生活を創造する能力」として、4点があげられていますが、このなかに、「問題を解決する能力」あるいは「解決できる能力」という言葉が全く入っておりません。これは今、技術のお話を聞きながら、技術の中にはそれが入っておりまして、その文言はやはり入れておく必要があるんじゃないかと気が付きました。問題解決力をつけるということですから、問題を解決する能力という文言は必要と思いましたので、付け加えさせていただきます。
【橋本主査】  重要な御指摘を幾つか頂いて、私たち、これまでずっと育成すべき資質・能力について押さえてきたんですが、この評価の観点ということはそれにリンクするものでなければいけないわけで、そういうことで少し見直しを事務局の方にお願いいたします。
大変重要なポイントがいっぱい出てきたのですけれども、時間も差し迫ってまいりましたので、最後の課題であります、必要な支援、条件整備等につきまして、資料18の説明を事務局にお願いいたします。
【大内学校教育官】  はい。失礼いたします。それでは、本日最後の資料の資料18になります。こちらにつきましては、本ワーキンググループにおきまして、各委員の先生方、皆様から御意見を頂戴しておったところですけれども、これらを基にしまして、特に、支援、条件整備に関わる部分の発言だけを再整理をさせていただいたものでございます。
資料18に示しておりますとおり、例えば指導体制に関わる部分といたしましては、子供たちの生活経験が下がってきていて、調理実習というのも危ない状態で行われることが多いんだと。それで、調理実習はティームティーチングで行ったり、クラスを半分に分けて少人数で行ったりすることができるような環境整備が必要ではないかというような御意見でありますとか、カリキュラム・マネジメントの在り方を教員全員で共通理解を図っていくことが必要ではないかというような御意見。教科の専門である中学校の家庭分野の先生方が小学校に出向いていって、家庭科の授業を学級担任とティームティーチングで指導したらどうかと。あるいは、その技術分野においては授業時間が少ないことと、教員の数が少なく、教材研究がしにくいというような、指導体制に関わる部分についての御意見を頂戴しております。
また、地域の教育力、地域人材の活用ということで、その地域にある人材を協力を得ながら活用していく。あるいは逆に児童生徒が主体的に地域社会に参画していくというような、その地域との連携を図るべきであるというような御意見を頂戴しておりました。
このほか、例えばということですけれども、他教科との連携や教材等、必要な支援、条件整備について、こういった視点以外にも種々あるかというふうに存じておりますので、こういった点について、各委員の先生方、お気付きの点、御意見頂戴できればということでございます。
なお、資料18の裏面については、その他関連する御意見ということで、参考までに整理させていただいておりますものですので、適宜後ほど御覧いただければと思います。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございました。本来ならばここでこの条件整備についても皆様方から御意見を頂戴したいところでございますけれども、時間も参りましたので、本日はここまでというふうにしたいと思います。
本日お出しいただいた意見につきましては、事務局の方で論点ごとに趣旨を整理していただくよう、お願いいたします。
また、限られた時間での討議でしたので、特にこの条件整備については全く意見交換もしないということでございましたので、是非ペーパーで事務局にお送りいただければと考えております。
予定されました議題はここまででございます。
最後に、次回以降の日程などにつきまして、事務局の方からよろしくお願いいたします。
【大内学校教育官】  長時間にわたりまして、ありがとうございました。
次回以降の日程につきましては調整の上、追って御連絡を差し上げたいというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。
また、橋本主査から今、お話ございましたとおり、本日の資料に関わる御意見、是非受け付けたいと思っておりますので、御議論いただけなかった部分も含めまして、教育課程課の総括係、担当係の方へメール等で御連絡いただければと思います。
以上でございます。
【橋本主査】  きょうは3時間の長丁場ということで、予定では休憩を挟むというふうにシナリオにあったかと思いますが、休憩もなしに大変失礼をいたしました。
それでは、第7回の家庭、技術・家庭ワーキンググループはこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

―― 了 ――

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