教育課程部会 家庭、技術・家庭ワーキンググループ(第2回) 議事録

1.日時

平成27年12月15日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 家庭、技術・家庭を通じて育成すべき資質・能力等について
  2. その他

4.議事録

【橋本主査】  定刻となりましたが、ちょっと遅れている委員の方がいらっしゃいますけれども、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会家庭、技術・家庭ワーキンググループの第2回目を開催いたします。
本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
まず最初に、事務局から、前回御欠席の委員の紹介と配布資料について御確認をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。それでは、委員の先生を御紹介させていただきたいと思います。前回御欠席でございました、中林由美子委員でございます。
【中林委員】  皆さん、こんにちは。神奈川県茅ヶ崎市教育委員会から参りました。前回、大変大事な初回ということでございましたが、所用で欠席させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
【大内学校教育官】  ありがとうございます。
また、文部科学省の関係者でございますけれども、初等中等教育局視学官の望月でございます。
【望月視学官】  どうぞよろしくお願いいたします。
【大内学校教育官】  続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。
本日は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1から資料5、その他机上に参考資料を配布させていただいております。
1点、修正がございまして、議事次第の方の参考資料2のところなのですが、「全ての生徒に共通に育むべき資料・能力」になっておりますけれども、「資質・能力」の間違いでございます。大変失礼いたしました。御訂正いただければと思います。
また、資料につきまして不足等がございましたら、事務局の方にお申し付けいただければと思います。
なお、机上にタブレット端末の方を御用意させていただいておりますが、その中には、本ワーキンググループの審議に当たりまして参考となるような関係する資料、審議会の答申、関連資料等をデータで入れさせていただいております。
また、本日の資料でございますけれども、一部の資料につきましては、委員の先生方限りの資料というのも入ってございますので、お取扱いについて御留意いただければと思います。
以上でございます。
【橋本主査】  それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、家庭、技術・家庭科を通じて育成すべき資質・能力について意見交換を行いますが、議論を深めるため、三つの観点から取り扱うということにして、三つありますが、初めに、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)における教育のイメージについて、次に、資質・能力の三つの柱に沿った、小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理について、次に、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)の学習プロセスについて、それぞれ御意見を頂きたいと考えております。
議事の流れといたしましては、議論の内容ごとに事務局の方から資料に基づき御説明を頂いた後、御意見を伺いたいと思います。
なお、本日は、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。まず初めに、教育課程部会総則・評価ワーキンググループにおける状況の報告をいただき、その後に、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)における教育のイメージについて説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。それでは、まず、私の方から、先日開催されました第2回総則・評価特別部会における意見ということで、御報告をさせていただきます。
第2回総則・評価特別部会におきましては、各教科別ワーキングの御議論の状況について御報告をさせていただいたところです。それに対しまして、特別部会におきましては、全体の論点整理に沿った御議論をいただいているということについて感謝の意が述べられますとともに、以下5点について、各ワーキングにお伝えいただきたいということでしたので、羽入主査に代わりまして、お伝えさせていただきます。
1点目につきましては、検討事項のうちほかの教科にも関わるような重要な内容に関しましては、可能な限り早い段階で議論を行いまして、総則・評価特別部会及び各教科等別のワーキンググループにおいても検討できるようなスケジュールをお願いしたいということでございます。
2点目につきましては、今回、社会に開かれた教育課程という観点で御議論いただいておりますけれども、学習指導要領の法的な性格を踏まえつつも、例えば、教職課程で勉強されている学生さんでありますとか、学校に関わっている地域の方々、こういった方々にも分かりやすい、趣旨が十分伝わるような学習指導要領という構成や文章ということを心掛けて御検討いただきたいということが2点目でございます。
3点目でございますけれども、各教科について御議論を進めていただくに当たり、発達に応じた目標等の系統性という縦の軸と、それから、様々な課題やテーマに教科横断的に対応していくという横の軸、こういったものをイメージしながらそれぞれの教科等がどういった意義、役割を果たすのかということを検討しながら議論をお進めいただきたいということでございます。
それから、4点目でございますけれども、子供たちが卒業後、特定の学問分野や職業に進むという場合だけではなく、どのような職業に就くとしても生かすことができるような教科の本質的な学びということを重視して、資質・能力の御検討をいただきたいということでございます。
それから、最後になりますけれども、ほかの教科の議論と並行いたしまして、例えば、総則部会でありますとか各学校種別部会の全体的な議論というものも、今後進んでまいります。各教科ワーキングにおきましては、各教科の独自性を踏まえた検討をいただきつつ、総則部会、校種別部会における全体的な構成等に関わる議論の状況を踏まえながら議論をお進めいただきたいという、以上5点でございます。御報告をさせていただきました。
続きまして、大内教育官からの資料説明に移らせていただきます。
【大内学校教育官】  失礼いたします。そうしましたら、お手元の方に資料3、それから、関連いたしまして、資料2と1になりますが、御説明をさせていただきたいと思います。
先ほど、橋本主査より本日の家庭科、家庭分野を中心に議論するこの第2回のワーキングについて、3点、視点をお示しいただきましたが、そのうちの1点目といたしまして、資料3の「家庭科、技術・家庭科(家庭分野)における教育のイメージ(たたき台)」、こちらについてまず御議論をいただきたいというふうに思ってございます。
この資料を読み解く前に、本ワーキンググループにつきまして、前回もお配りをしておりまして資料としては変わってございませんが、資料2といたしまして、「家庭、技術・家庭ワーキンググループにおける検討事項」というのがございます。まず、これから議論いただきます資料3につきましては、このうち1ポツ目の、家庭、技術・家庭科を通じて育成すべき資質・能力について、この中の一番上の中点、家庭、技術・家庭科を学ぶ本質的な意義や他教科との関係性ということ。一つ目の中点と、それから、1ポツ目の、一つ飛びまして三つ目の中点、幼稚園・小学校・中学校・高等学校を通じた家庭、技術・家庭科において育成すべき資質・能力の系統性、この二つの視点から、資料3、イメージというものを作成してございます。
また、前回ですけれども、11月30日に御意見を頂いておりまして、資料1の方ですけれども、こちらも参考にしながら、資料3のたたき台の方を作成しております。
なお、資料1でございますけれども、前回の主な意見として、特に今回のイメージに関わって、資質・能力の観点、それから、家庭科として学ぶ本質的な意義等について頂いた御意見のうち、抜粋して御紹介させていただきますと、まず一つ目の丸のところでは、貧困問題、ガバナンスも含めてどうあるべきかを考えさせる、身に付けさせることが重要ではないかということ、あるいは、持続可能な開発やグローバル化といったような視点を重視すべきではないか、さらには、倫理や公正さというものを考えるようにしたいというような御意見を頂戴しております。
また、1ページ目の家庭科教育についての中でございますけれども、その中の一つ目の丸、中ほどになりますが、こちらの方では、ホームプロジェクトや学校家庭クラブは家庭科を通じた学びを実践して課題を解決していく力を養うものだと。課題を解決する力を養うということを引き続き重視していくべきではないかというような御意見、それから、1ページ目の一番下の丸でございますけれども、進路選択あるいは職業体験、そういった進路や職業に関わる視点を持つということ、あるいは一番下のところでございますけれども、家族を持つことについての価値観、こういったものを教えるべきではないかということ。
2ページ目に参ります。2ページ目の一番上の丸でございますけれども、幼児触れ合い体験を通して、面倒を見る立場を経験するということを通じた自己有用感を感じることですとか、家庭の中で自立に必要なことが伝承されていくということが、今、難しい状況にあると。したがって、生活文化を継承させるという視点、さらには、その際に地域人材の活用、社会との関わり、そういった点を重視すべきではないかというような御意見。
二つ目の丸でございますけれども、課題意識を持って自分の家庭生活や社会に目を向けるというようなこと、課題意識を持って生活を見詰める目を養うというような御意見を頂戴しております。
また、3点目の丸ですけれども、家庭科という教科は、実践をしないと教科の本質が成り立たないのではないかと。さらには、中学の生活の課題と実践、あるいは高校のホームプロジェクトのような取組を小学校でも実現することがいいのではないかというような御意見、さらには、生活価値観を作っていくというような視点が重要ではないかというような御意見。
一番下の丸でございますけれども、生活から離れないというのが家庭科の特徴ではないかと。さらには、消費者の視点から考える、あるいは子供に選択をさせる力を養うというような御意見を頂戴しております。
また、3ページ目の方に参りますけれども、3ページ目の上段、引き続きになりますが、アクティブ・ラーニングには家庭科はこれまでも取り組んできていると。ただ、問題解決の部分をどこまで丁寧にやっていくのかというような御意見、それから、思考力、判断力、問題解決力ということを他教科との関わりで重視し、育成していくべきではないかという御意見。
次の丸でございますけれども、食育というのが小学校ではかなり取組が進められておりますけれども、中・高等学校においてはこれからなので、そういったことを重視すべきではないかと。さらには倫理的なことを学ぶこともできるのではないか、そういった学習を通じて、理由を持って実践できる力を育成すべきではないかというような御意見を頂戴しております。
家庭科の意見の最後になりますけれども、衣生活について、衣食住の衣はライフスタイルを表現する手段であって、生活を多面的に考えることができる教材ではないかと。具体的には、なぜその形、形状を持っているのか、あるいはその素材なのかを、根拠を持って科学的に考えさせるということが必要ではないか、学校におけるものづくりの意義を考えたり、そういった取組の中で生活の土台となる感性を育むべきではないか、そういうような御意見を前回頂いております。
これらを踏まえまして、先ほどの資料3になりますけれども、「家庭科、技術・家庭科(家庭分野)における教育のイメージ(たたき台)」ということで、前回の御意見、それから、8月にまとめられました論点整理、こちらの方を踏まえて、参考にしながら、事務局の方で現行の学習指導要領ベースで考えられること、さらには、先ほどの御意見や論点整理なども踏まえながら、少し今後の方向性も含めて整理をしたものがこちらの資料になります。
具体的には、小学校につきましては、家庭科は高学年、第5・6学年に設置されている教科でございますので、まずは小学校高学年の方から、真ん中の方になりますが、見ていただければと思います。構造としては大きく五つ、丸がございます。
一つ目の丸といたしましては、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、実践的なあるいは体験的な学習活動、こういうものを通して、日常生活における必要な基礎的・基本的な知識及び技能を習得すると。また、前回の御意見でも頂いておりましたが、日本の生活文化について理解を深めるというようなことを考えてはどうかというのが一つ目の丸でございます。いわゆる基礎的・基本的な知識・技能に関わるような部分。
それから、2点目の丸でございますけれども、生活を重視するという御意見を頂いておりましたので、生活の中から課題を見出し、身に付けた知識や技能を家庭科における見方や考え方を踏まえて活用し、生活をよりよくしようと工夫する能力を養うというような、能力の視点が2点目でございます。
また、3点目でございますけれども、家庭生活への関心を高め、家族や地域の人々との関わりを考え、家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を養うという、態度形成の部分、それが3点目。
それから、4点目でございますけれども、これも前回複数の委員の方から御意見を頂戴しておりましたが、問題解決的な学習というのが、家庭科の中でこれまでも重視して取り組んできた部分ですので、こういった点について、家庭や地域との連携を図りながら進めていくべきではないかというような点が4点目。
最後になりますけれども、少子高齢社会に対応する力、家族の点についても御意見を頂戴しておりましたが、家庭生活と家族の大切さでありますとか、それから、健康で安全な食生活の基礎となる力、消費・環境に配慮した生活の仕方を工夫する力等を育成する学習活動というのを充実してはどうかというような、育成すべき資質・能力として、一つ目の丸が基礎的・基本的な知識・技能、二つ目が育成する思考力・判断力・表現力等の能力、それから、三つ目が情意・態度の点、4点目としては学習活動としての視点、5点目が現代的な課題への対応について、頂いた御意見なども踏まえて重視してはどうかというような形で整理をさせていただいております。
同様に中学校の方でございますけれども、今のような視点から、例えば、中学校の場合ですと、一つ目の丸ですが、基礎的・基本的な技能の習得の際に、生活の自立に必要なというような視点を加えてございます。
また、2点目の育成すべき能力としては、これからの生活を展望して、生活の中から課題を見出し、身に付けた知識と技術を家庭分野における見方や考え方を踏まえて活用し、生活をよりよくしようと工夫する能力を育成すると。
3点目といたしましては、態度形成の部分でございますけれども、自分と家庭、家庭生活と地域との関わり、こういったものを考えながら、地域の人々と協働し、生活をよりよくしようとするというような視点。
4点目については、これも前回御意見を頂戴しておりましたが、「生活の課題と実践」という実践的な学習時間がございますので、こういった時間を工夫、充実すべきではないかということ。
最後に、現代的な課題への対応の部分というのを入れさせていただいております。
高等学校についても基本的には同じ構造でございますけれども、特に高等学校の場合は、1点目の知識・技術に関しまして、実践的な学習活動を通して、生活を科学的に理解し、自立した生活者として必要な知識・技術を習得するというようなものを育成してはどうかと。
それから、2点目といたしましては、生活の課題を解決するために、家庭科における見方や考え方を踏まえて、生活を科学的に探究し、多面的に解決方法を考え、安心して充実した生活を創造する能力を養ってはどうかと。
3点目といたしまして、様々な年代の人との関係を深め、主体的に地域社会に参画し、社会の一員として、家庭や地域の生活を創造しようとする実践的な態度を育成すると。
4点目については、学習活動としてはホームプロジェクト、学校家庭クラブの充実。
さらに5点目としては、子育て支援、高齢者理解、介護技術、生涯生活設計能力などの少子高齢社会に対応する力の育成であるとか、課題を解決するために必要な社会参画力、他者と共生するためのコミュニケーション能力、消費・環境に配慮したライフスタイルを確立するための意思決定能力、日本の生活文化を継承・創造する力を育成する学習活動の充実というような形で取りまとめを行ってございます。
また、これにつながる小学校低・中学年段階及び幼児教育段階というものもこちらの方に示させていただいております。
具体的には、例えば、小学校低学年の生活科において基本的な生活習慣や生活技能、あるいは身近な人々の接し方、自分の成長を支えてくれた人々への感謝というような事項がございます。
また、体育においては、健康に関する部分ですけれども、健康によい生活についての理解、体の発育や発達の理解、こういったこととの関連があるのではないかと。
さらに、道徳においては、節度・節制、家族愛、家庭生活の充実、こういったことが小学校高学年の家庭科へのつながりというところになっていくのではないかというふうに考えてございます。
さらに幼児教育においては、今現在、幼児教育部会において議論されているところでございますけれども、一定の取りまとめをしていただいている中で、例えば、衣服の着脱、食事、排せつなどの生活に必要な活動について自分で行うことができるというような視点でございますとか、親や祖父母などの家族を大切にしようとする気持ちを持つというような点が家庭科における学びにつながるのではないかというふうに考えて、このような形で整理をさせていただきました。
資料3につきましてはたたき台ということで、小・中・高等学校と通じて、また、この教科を学ぶ本質というような観点から、これまでの御意見、論点整理を踏まえて整理をさせていただいたという資料でございます。
以上でございます。
【橋本主査】  ありがとうございました。
それでは、資料3の教育のイメージにつきまして、これから10分か15分ぐらいの時間で意見交換を進めたいと思います。それに当たっては、ちょっと一、二分、黙読というか、目を通していただければというふうに思いますが、御説明にあったように、これまでの論点整理あるいは前回の様々な御意見等を勘案して、このようなイメージのたたき台を作ったということでございますが、この中で、是非にこの本質的な意義ということから考えるとこれはもっとこの部分が必要なのではないかとか、この辺はちょっと整理してもいいのではないか、あるいは、先ほどの観点として、系統性ということから見るとどうなのかというようなことで、どこからでも結構なんですが、今、1分ぐらいしたらまた御意見を出していただきたいと思います。
また、御意見のある方は、あらかじめ名札を立てていただきますと、私の方で指名をさせていただきますので、終わりましたら伏せていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、1分ぐらいたちましたけれども、どこからでも結構でございます。
それでは、橘川委員、お願いします。
【橘川委員】  私、以前、高大接続改革実行プランの中で、課題の発見と解決に向けた主体的な協働的な学びの推進というのが挙げられたときに、これはこれまでも家庭科教育の中で育んできたことでもあるし、これからさらに充実させるべきことなのだろうなという思いがありました。小・中・高の流れの中で課題解決、それも地域との関わりということで、小学校高学年のところでは地域の人々との関わり、それから、中学校では地域の人々と協働し、高等学校では地域の生活を創造するということで、身近な地域を含めた社会とのつながりの中で課題解決に取り組んでいくというこの流れが大変よく分かっていいなと思いました。
やはり地域の中で、異年齢・世代の方との交流があったり、また、コミュニケーション能力が育ったり、また、学びに向かう力を育んだり、また、柔軟な発想力が育ったりということで、地域の教育力を利用してうまく、学校教育だけじゃなくて、こういう形で地域というのが入っているのは、これから大切なことではないかなと思いました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
時間も限られておりますので、こういう点が抜けているのではないかとか、この辺をもっと重視した方がいいのではないかというようなことで、クローズアップしてお話をいただければと思います。
長澤委員。
【長澤委員】  今、橘川委員から、地域学習に関連して御意見がございましたので、少し関連しますので生活文化の視点からお話ししたいと思います。資料を拝見していますと、小学校から「日本の生活文化についての理解を深める」という文言が入っていまして、中学校にも同じ文言が重なっていて、高等学校に参りますと「日本の生活文化を継承・創造する力」というふうに高められる形になっています。生活文化に注目することについては、前回の会議でも鈴木委員からも意見がございましたし、地域に学習の根を下ろして世界に発信していくという意味で言いますと、グローバル化の視点からも地域学習というのは充実する方向性だろうと思います。
その観点からと、それからもう一つ、家庭科の存在意義の観点から言いますと,これは個人的な見解ですけれども、憲法25条には、全ての国民に健康で文化的な生活を営む権利が保障されていることがうたわれているわけですから、逆に、国としては、その能力・資質を子供たちに付けていくことが義務として求められているのではないかと思います。私はこれこそが家庭科の本質的な存在意義になるのだろうと思っています。
そういう意味から言いますと、日本の生活文化に注目することについては賛成しますし、こんなふうに特出しすることについては異議はないのですけれども、ただ、小学校で「理解を深める」というような記述の仕方をしますと、現在、例えば、御飯とみそ汁とか、それから、中学校で言いますと和服が入ったりとか、学習題材として生活文化に関連したもの――私は住居ですけれども、例えば、すだれとかうちわとか打ち水とか、そういったものがたくさん盛り込まれていますが、「理解を深める」というよりは、学習を通して関心を高めて大切さに気付いていくというレベルに小学校は留まっているのではないかという気がしています。
「理解を深める」ということになると、生活文化そのものについての学習の知識・理解が求められてきますので、スリム化の方向の一方で、さらにまた新たな学習内容が入ってくるのではないかという疑問もあります。生活文化を特出しすることについては賛成いたしますけれども、この表現についてもう少し慎重に扱っていただきたいと思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。小・中・高の系統性ということもあるかと思います。
ほかにいかがですか。池田委員、お願いします。
【池田委員】  中学校のことでお話しさせていただきます。中学校の二つ目で、生活をよりよくしようと工夫する能力とありますが、今の子供たちが学習して得た知識ですとか技術が、実生活の中で十分生かし切れていないと感じます。これを今後どう育成していくのかが課題であると思います。子供たちが得た知識や技術をどう結び付けていくのか、それを活用していく力というのでしょうか、そういった力を育成していかなければいけないと思います。
併せて、家庭の機能が低下しているということで、先ほどありました少子高齢化の件も含め、そういったことへの対応であるとか、今後必要なことは環境、省エネまで含めて継続的に段階を踏んで指導していく必要があるだろうと思います。
以上です。
【橋本主査】  池田委員の今の御発言は次のところにも関係があることだと思いますので、よろしくお願いいたします。
ほかにいかがですか。鈴木佳子委員。
【鈴木(佳)委員】  私も、現場の中学校という立場からお話をさせていただければと思うんですけれども、前回もお話ししたように、今の子供たちは身近に幼児や高齢者がいない家庭で育っている生徒も多うございます。そんなことから、やはり少子高齢社会を踏まえて、中学生というまだ成長過程にある時期に幼児と触れ合ったり、高齢者と触れ合ったりするような学習を入れていくということは、すごく大事なことなんじゃないかなというふうに思っています。本当に中学生は忙しい生活を送っていて、下手をすると、全くそういう年代の人たちと関わらないで、学校と家庭の往復だけで終わってしまうというようなところもありますので、是非そんな学習をこれからも充実させていくことがいいのかなというふうに思っています。
それから、二つ目、食生活の自立を図る力というところに関しましては、ある生徒が言ったことが本当に印象的に残っているのですけれども、今、便利になっていろいろなものを、自分で食べるものをコンビニで買うということはできるのだけれども、男の子で、量がたくさん必要になってくると、おなかいっぱい食べるためには費用もたくさん掛かってしまうし、栄養的にも偏ってしまうから、家庭科の中で食を学ぶということはすごく大事なことなのだというようなことをその子が言っていたんですね。食育を学校教育の中で全てにおいてやっていますけれども、調理の技術を身に付けさせられるというところは本当に家庭科だけなので、食育推進の核としても家庭科は非常に重要な教科なのかなというふうに思っています。
もう一つだけ、済みません。今、家庭の教育力の低下ということがすごく言われていて、子供たちはやはり自分の家庭しか知らないで、自分の家庭の中でやってきたスタイルが当たり前というような形になっているのかなと思うんですね。そうすると、自分の家庭しか知らない子は、またもう一度自分が今度家庭の担い手になったときに、また自分の家庭でやってきたようなやり方を繰り返していくのかなというふうに思うと、家庭生活そのものを学習対象にしているのは家庭科だけですので、やはり望ましい家庭生活の在り方とか家族の在り方とか、そういうことの学習を通して、家庭生活というのは不変的なものじゃなくて、いろいろな工夫があったり、よりよくしていけるものなんだということを生徒たちが、子供たちが理解をして、そういったことに必要な能力を身に付けて、そして、さらにそういったことをしようとする態度を身に付けて、今後、自分が家庭の担い手になったときにそういうことができるような生徒にしていくことが、家庭の教育力の低下ということに対応していく一つの手段になっていくのかななんていうふうに思っています。
済みません、以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
中林委員、お願いします。
【中林委員】  地域の教育力を生かすといった点について、少子高齢化で豊かな長寿社会を目指していくためには、子供が高齢者と関わる機会も、生活の中で取り上げていくというのは本当に大事なことだと思いつつ、やはり一方では、現実、子供たちが非常に忙しく、地域に協力してほしいということで、例えば、防災活動ですとか、避難所の対応ですとかを、中学校や小学校の子供たちも含めて、やりたいんだといっても、土日に部活動があったりしますと、なかなか参加したくてもできないというような、そういう忙しい生活です。
そこで、どうやったらそういうところを補っていけるのかといったところでは、やはり生活そのものを題材とする家庭科教育が、授業の中でもそういった地域との関わりを取り上げて、実践的・体験的に学習活動を行うという大きな特徴を生かして、体験をさせて、その価値を見出すというところが大事なのではないかと思います。生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技能を習得するという言葉が、小学校から書いてございますけれども、実は、生活というのは非常に多岐にわたり、その基礎・基本の習得をどこまで求めるかにつきましては、子供が一つ一つに価値を見出して自分の生活に生かそうと思うまでは本当に時間が掛かるというところがございます。
例えば、家庭科の一番最初、小学校の調理室を使うために、お茶を入れるという活動がございますけれども、その一つをとっても、お茶の濃さを均等にするのに順番にまた戻って入れるというような、また、事前にお茶碗を温めるですとか、そういったことも調理室で学び、それで終わるのではなく、家庭学習といった形で家庭へ返し、その時間を確保してもらってやってみて、そして、家族に感謝をされ、また学級に戻って、喜ばれた、またやってねと言われてよかったという報告をする、そこまでのプロセスでやっと一つ、何かお茶を入れると家族で楽しい団らんができるとか、それから、上手にお茶を入れる工夫が分かるとか、本当にささいなところの一つ一つのものに時間が掛かるというところがあるので、このように系統的にとても価値あるものが言葉で並べられておりますけれども、これを本当に子供たち一人一人に、価値ある教科で、しかも自分の明日の生活に役立つものなんだというところを理解させる手だてについては、非常に今、課題が大きいという思いでおります。そこのところを厳選してやっていくという方法もあるかもしれませんし、小学校段階で実体験を伴うホームプロジェクトのような形で授業の中に組み入れられるような、子供が価値判断を自然と身に付けられる取組ですとか、そういったものも研究していく価値はあるかと思いました。
以上でございます。
【橋本主査】  大事な御指摘で、前回も長澤委員から大綱化というお話もありましたけれども、やはり厳選という、プロセスを大事にするということからすると、そういうこともあるのかなというふうに聞きました。
奥山委員。
【奥山委員】  地域の子育て支援をしている立場から、特に少子高齢社会に対応する力を育むという視点では、非常に家庭科分野に期待感を持っているところです。
まず、ここで捉えている家庭像というもの、それが現場でも、家庭の在り方というのは、本当にシングル、ひとり親家庭も多いですし、ステップファミリーですとか、それから、一緒に住んでいない、単身で父親だけが離れて暮らしているとか、家族の在り方というのも非常に多様ですね。その多様性というのもどこかで見せていくというような形というのは非常に大事だろうと思うのですね。そうじゃないと、家庭科といったときに、「うちの家庭は」というふうな思いを子供たちがしないように、子供たちが、家族があって自分はその一員であるという、むしろ家族に対して自分は何ができるのだろうという視点で見ていく、自立に向けて見ていくという視点が小・中・高の中で見えてくることが大事だと思います。よく子育てのところで言われるのが、育てられる者から育てる者へですね。その転換の部分を、中学校くらいなんでしょうかね、育てられている私から今度は育てる側に回っていく循環というのが、家庭科の中で見えてくるということがとても大事ではないかなと思います。
また、子供の世話をする、ケアをすることができる自分という体験が非常に大事なのですけれど、地域に出てくるということもそうなんですが、例えば、私なんかは少し学校現場を見ていて思うのが、小学校とか、保護者会がございます。そうすると、下の子をなるべく連れてこないでくださいという学校があるんですね。下の子が走り回ってしまうと困るということだと思うんですね。でも、例えば、そういうところで地域の方が下のお子さんの預かり、体育館の一角でやりますよとか、教室でやりますよ、そこに高学年の子たちが、家庭科のクラブの子でもいいのですけれど、ちょっとお手伝いに来るとか、何か現実的に学校の現場の中でもそれを見せられるようなことができないのかなというようなことも時々考えたりしております。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
時間が少し押してまいりましたけれども、あと……、曽我部委員、お願いします。
【曽我部委員】  私は、家庭科教育は、自らの姿について価値観を形成できる、資質や能力の育成できる重要な教科だと思っているのです。さっきの30日の整理の中にも、生活価値観とか、家族を持つ価値観という言葉が委員の皆さんから出ていたのです。今も聞いていると、価値観という言葉がたくさん出ているのですが、変化が激しくて情報量の多い社会を生き抜く子供たちに、自分の価値観をしっかり確立して、いろいろな情報から自分の価値観に合ったもののみを取捨選択して、しっかりと生きていくことができる力を付けられるのは、やっぱり私は家庭科教育ではないかなと思っています。
そういった意味で、これを、教科を学ぶ本質の図を見ると、価値観という、よりよく生活するというのも価値観から私は成り立っていると思うので、そういうところがどういうふうになっているのかなという。その言葉がどこにも出てこないので、ちょっと気になったところで意見を言いました。よりよい家庭生活を考えるためには、やっぱり価値観の形成が一番重要になると思うので、そういう点についてちょっとこの流れの中に入っていればと思いました。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございます。
荒井委員、どうぞ。
【荒井委員】  今、それぞれ、小・中・高と5項目ずつ出ております。これを注意深く読みますと、発達段階に応じて学習視野が広がっていく、そういう文言になっているかなというふうに思いますが、幾つかちょっと気になる文言がございまして、例えば、少子高齢社会に対応する力が、今回、小学校、中学校、高校と三つ入りました。これはこういう捉え方で家庭科は対応しているのだと。こういうことを考えさせるということを明示しているところはいいかなというふうに思いますが、中学校のところの「家庭の機能や子育て理解、高齢者理解等」というふうにございますけれども、中学校の保育というのは、子育て理解というよりは、子供の育つ成長・発達への理解が内容かなというふうに思います。
それから、高齢者理解も、高等学校でやるような高齢者理解というのは、中学校ではちょっと無理といいますか、学習時間的にも無理ですので、ここでしているのは、地域の高齢者と交流していく、いろいろな活動を一緒にやっていくというような、元気な高齢者と活動していくというようなことだと思いますので、少し、このままですと、高校の高齢者理解が中学校に入ったのかというように誤解されるかもしれませんので、文言の整理をした方がいいかなと思います。
それから、高等学校の「高齢者の肯定的理解」という「肯定的」という言葉は、高齢者を正しく理解していくということで、肯定的とか否定的とか、いろいろな側面がありますので、多様な面から正しく理解していくということになるのかなと思いまして、この文言もちょっとどうかなというふうに思いました。
それから、今申し上げたような、これ、五つの文章がずっと並んでいるのですけれども、どれがどうつながっているのかというのが分かりにくいので、これを図で示すということであれば、右側にでも、今のような発達段階に応じた学習視野の広がりがどうなっているのか、自分自身が中心なのか、そこから地域も入ってくるのか、その視野の中に社会的な広がりとか、今出てきました価値とか判断が出てくるのか、そういうようなことを、縦軸のようなものを作っていただいて明示していくと、よりよく分かるのかなというふうに思います。
以上です。
【橋本主査】  大変貴重な御意見をいただきました。事務局で整理をしていただくということも一つなのですが、委員の方からも、少し小・中・高で見たときにどうなのかということを、また御意見を頂ければ有り難いというふうに思っております。
鈴木委員、お願いします。
【鈴木(明)委員】  今、小・中・高での系統性というお話だったのですけれども、先ほどから、家庭科の最終目標である、生活をよりよくしようとする態度とか生活を創造する能力、そのための背景には生活価値の育成が必要だというような、そういう方向が家庭科で求められるのですけれども、結局、そのためには、小・中・高の丸印で出ております一番最初に、どの校種にも書かれております基礎的・基本的な知識や技術、これをどのように習得させていくかということが非常に密接に関わってくると思われます。
何を基礎・基本とするのかというのは非常に難しいことでもありますし、小・中・高で系統的に考えていかないといけないのですけれども、このたたき台の資料を拝見しますと、家庭科は小学校高学年から始まるのですけれども、小学校低・中学年のところに、一番最初の丸印ですけれども、生活科として「基本的な生活習慣や生活技能」という言葉がございます。これが、教科を越えての生活技能というものの学びの一番最初のスタートのところにあると思うのですけれども、結局、生活科は小学校2年生までということは、小学校の中学年での生活技能の育成ということが、家庭科につなぐ上で抜けてしまっているということで、系統的に考えたときに、ちょっとそこが弱いのではないかというふうに思われます。物を作るとかいう技能ばかりでなく、もうちょっと広義に生活技能というものを考えたときにも、そこで何らかのフォローが要るのではないかというふうに考えます。
【橋本主査】  ありがとうございます。確かに生活技能という側面ばかりではありませんけれども、幼児教育からずっと見てきたときに、中学年が、家庭科の本質的な意義というところから見ると、そこが他教科でどのようにやっているのかというのを見ると、ちょっと薄いのではないかという側面も見られるのではないかなというふうに私自身も思います。家庭科は技能の側面ということもあって高学年に入っているというふうに理解をしておりますけれども、早熟化ということもありますし、内容面においても、中学年で他教科でどのように膨らませるかということも視野に置いておく必要があるのかなというふうに感じます。
それでは、時間がちょっと押しておりますので、議論の二つ目ということに入らせていただきたいと思います。二つ目は、資質・能力の三つの柱に沿った、小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理ということでの御意見でございます。
まず、事務局の方から、配布資料の説明をお願いいたします。
【大内学校教育官】  失礼いたします。次の論点についての関連する資料でございますけれども、お手元の方に資料2、先ほどの検討事項と、それから、参考資料1、2という資料がございます。こちらの方の資料、それから、本日、委員の先生の机上には、委員限りの資料ということで、「資質・能力の三つの柱に沿った、小・中・高を通じて各教科等において育成すべき資質・能力の整理(たたき台)」というA4の横紙1枚の資料を用意しております。御議論いただきますのは、この委員限りの資料の、三つの柱に沿った育成すべき資質・能力の整理でございます。
まず、位置付けといたしましては、資料2の方の、本ワーキンググループの検討事項のところですけれども、これから御議論いただきますのは、1ポツの、家庭、技術・家庭科を通じて育成すべき資質・能力についての二つ目の中点、三つの柱に沿った育成すべき資質・能力の明確化ということでございます。ⅰ、ⅱ、ⅲとして、「何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)」、「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」、「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性など)」というような形で示させていただいております、この検討事項の1ポツ目の二つ目の中点についての御議論ということでございます。
なお、先ほど申し上げました参考資料1と2ですけれども、こちらについては、8月に出されております論点整理の中で示されております、学習指導要領等の構造化のイメージというものでございます。参考資料1の方でございますけれども、下記のような構造をイメージしながら、各教科等の意義や教科・科目の構成、各教科・科目の内容を見直す必要があるのではないかと。その際、教える側の視点だけではなく、学習する側の視点にも立ち、学習プロセスの在り方や身に付ける資質・能力等について整理していく必要があるのではないかという観点から整理をされた資料でございます。
具体的には、本日御議論いただきます資料としては、三つの柱に沿った育成すべき資質・能力の整理ということで、横軸で3本示しております。これが個別の知識や技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性の三つの柱になります。
行ったり来たりで申し訳ありませんが、これらについて参考資料1で、教科学習のところで何を示しているかといいますと、個別の知識・技能については、各教科に固有の知識や個別のスキル、こういったものがあるのかどうかということも踏まえてお示しをさせていただいているというところでございます。
また、参考資料1の真ん中の方ですけれども、思考力・判断力・表現力等ということで、教科等の本質に根ざした見方や考え方等、知っていること・できることをどう使うかということで、教科学習の説明といたしましては、各教科の本質に根ざした問題解決の能力でありますとか、この教科の学び方やものの考え方、こういったものが思考力・判断力・表現力の中に育成すべき能力として示されているということでございます。
また、学びに向かう力・人間性といたしましては、各教科を通じて育まれる情意や態度等ということでお示しをさせていただいているということでございます。
参考資料2につきましては、これに関連して付随をしまして、高等学校の関係する教科については、高等学校の御議論を、教育課程企画特別部会において御議論いただいた際の資料としてお付けしておるものでございます。
これらを踏まえ、また参考としていただきながら、本日の各委員の先生方に御議論いただきたい点といたしまして、2点目になりますけれども、「資質・能力の三つの柱に沿った、小・中・高を通じて各教科等において育成すべき資質・能力の整理(たたき台)」というものになります。こちらの資料につきましては、イメージ案、イメージのたたき台ということで、幼・小・中・高を貫いた形で、必要となる能力というものを先ほど御議論いただきましたが、それをさらに三つの柱、知識・技能、思考力・判断力・表現力、情意・態度という三つの観点から、それぞれの学校種ごとにもう少し細分化して整理をしたものというのがこの資料になります。
具体的には、例えば、個別の知識や技能についてでございますけれども、小学校の家庭科でありますと、家族の一員として日常生活に必要な基礎的・基本的な知識・技能、これをもう少し分解すると、中点で示されているような知識・理解、あるいは技能というものがあるのではないかと。中学校の技術・家庭科につきましては、生活者として自立するために必要な基礎的・基本的な知識・技能、これを分解すると、この中点で示されているような学習に関わる知識・理解、技能・技術があるのではないかと。高等学校についても同様で、自立した生活者として必要な知識・技術ということでお示しをさせていただいています。
また、思考力・判断力・表現力等のところでございますけれども、こちらで教科等の本質に根ざした見方や考え方も含めて取り扱うということになってございまして、この枠組みの中の左側の方に、小学校の家庭科でございましたら、よりよい生活を目指して課題を解決する能力、具体的には、中点で三つ示しておりますけれども、家庭生活における身近な課題を様々な角度から考える思考力でありますとか、考えたことを基に課題の解決を図るための判断力、判断した自らの考えを的確に示すことのできる表現力というような形で、この能力をそれぞれ分けていると。
中学校、高等学校についても同じような構造になっておりまして、中学校の技術・家庭科でありましたら、これからの生活を展望して、よりよい生活を目指して、課題を解決する能力、それをさらにブレークダウンしたもの。高等学校については、自立した生活者として、生涯を見通して、生活上の課題を解決する能力というような形でいずれも示させていただいております。
また、先ほど来申し上げております教育のイメージ、1点目で御議論いただいた際のイメージのたたき台の中でも少し示させていただいておったのですけれども、家庭科における見方や考え方って一体何なのだろうかと。それを示したのが、思考力・判断力・表現力の中の右側の点線で囲われた枠組みのところになります。
具体的には、仮で、この場合、家庭科において次のように設定をしてみたのですが、身に付けた知識、技術を活用したり、探究したりする際の視点の例として、これが家庭科の教科等の本質に根ざした見方や考え方として示すことを考えてはどうかと。具体的には、学習領域ごとに見てまいりますと、例えば家族や家庭に係る生活事象を取り扱う際には、協力・協働・共生といった視点に着目し、身に付けた知識や技術を活用したり探究したりしていく。あるいは、衣食住に係る生活事象について取り扱う際に、健康、快適、衛生、安全、こういった視点に着目しながら活用、探究していく。さらに、消費や環境に係る生活事象を取り扱う場合には、持続可能な社会というような観点に着目し探究をしていくというような形での、家庭科という教科を学習する際に、この教科の本質に根ざした見方、考え方として、以下に示しましたような協力・協働・共生であるとか、健康、快適、衛生、安全、さらには持続可能な社会というような視点を、この教科として活用、探究するときに持ってはどうかというような考え方で整理をしましたのが、思考力・判断力・表現力等の枠組みに書いてございます、教科等の本質に根ざした見方や考え方に当たるかどうかということについても是非御意見を頂きたいということで、仮で整理をさせていただいております。
なお、整理をした基につきましては、現行学習指導要領の中から、私どもの事務局において、こういったものが考えられるのではないかというところでございますので、是非この見方、考え方の点につきまして、忌憚のない御意見を頂戴できればというふうに思っております。
また、学びに向かう力・人間性等ということで、情意・態度に関わる部分といたしまして、これは小見出しというのはございませんが、内容として、例えばですけれども、小学校の家庭科でありましたら、家庭生活を大切にする心情でありますとか、家族や地域の人々との関わりを考え、家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度、日本の生活文化への関心、こういったもので情意・態度の面というのを形成してはどうかと。これが中学校、高等学校にわたりまして、例えば、日本の生活文化への関心・継承、さらには高等学校においては、日本の生活文化の継承・創造というような形での、育成すべき資質・能力ということでのつなぎを考えてはどうかということで整理した資料というふうになってございます。
本資料につきましては、三つの柱に沿ったということで、3本の、知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性の観点からの整理、それをまた学校種ごとにより具体的にかみ砕いていった場合にどうかという観点から御議論を頂戴したいというのが1点、あともう一点につきましては、先ほど来申し上げております思考力・判断力・表現力の枠組みの中にある、この教科の本質に根ざした見方、考え方とはどうなのかということについて御意見を頂戴できればということで整理をさせていただきました。
以上でございます。
【橋本主査】  ありがとうございます。
それでは、この三つの柱に沿った、小・中・高を通じて各教科等において育成すべき資質・能力の整理について意見交換をいたしますが、先ほどの議論の中でも大分入ってまいりましたので、できるだけ違う視点とか、どうしても重視したいとか、そういうことでの御発言をいただければと思います。時間は大体30分ぐらいを予定しておりますので、ちょっと区切って、まず、柱の一つの、個別の知識や技能というところ、そこの小・中・高を見ていただきたいのですけれども、どうしてもこの辺は私たちの専門でもありますし、様々な細かなことまで入ってくるわけですが、できれば、知識・技能を、実際、思考力・判断力・表現力の方の、どう使っていくのかというところまでを踏まえて御発言をいただければ有り難いというふうに思います。
それでは、まず、個別の知識や技能のところの小・中・高を見ていただいて、是非にこの辺をもう少し具体的に重視すべきであるとか、あるいは、小・中・高を見たときにどうなのかということでの御発言をいただきたいと思います。
それでは、橘川委員、お願いします。
【橘川委員】  個別の知識や技能の高校のところなのですけれども、中学校のところで家庭の基本的な機能というのが出ているのですけれども、やはり高等学校でも家庭の機能というのは重要なところだと思いますし、また、その後の思考力・判断力・表現力のところにもつながるのですけれども、自立した生活者としてということが非常に強調されて、とても大切なことなのですけれども、自分だけではなくて、自分以外の誰かのために、何か家庭科で学んだことを生かしてということが非常に高等学校では重要なことでもあるので、やはり家庭の機能という中で、また、地域の中で自分の力を発揮できることもあるので、自立した生活者というのがちょっと強調され過ぎていて、もうちょっと自分以外の誰かの、家庭や地域のためにという視点が入ってもいいのではないかなと思いました。
【橋本主査】  ここに書かれているのは、大綱化というか、重視すべき柱というか、視点ですので、そこをどう考えるかということでの整理かなというふうに思いますが。
奥山委員。
【奥山委員】  ありがとうございます。中学校のところの一つ目のポツのところの「家庭の基本的な機能及び家族」の後が、「幼児」となっております。高校の方は「乳幼児の子育て支援等」という形で幅広に書いてあるんですけれども、ここが幼児だけでよろしいのかどうかというところ、このあたりについては少し、赤ちゃんとの触れ合いですとか、赤ちゃんが学校に来るですとか、いろいろなプログラムを既にされている部分もあるのかなというふうに思いまして、ここを幼児だけに限定するかどうかについても少し御議論いただくといいのかなと思っております。
【橋本主査】  ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
さっきの家庭の基本的な機能ということを、高等学校の方にも一つ柱に入れたらいいのではないかという橘川委員の御意見等もありましたが、その辺に何か御意見はありますでしょうか。
系統性ということをどう考えるかということもあると思うのですけれども、中学校の学習をして、そこからまた広く深く学習するということで捉えると、決してやらないわけではないというふうにも考えられますし、当然、乳幼児のことや高齢者のことなどを取り上げるときには、そのバックボーンとしては家庭の機能ということを踏まえて学習が展開されるのではないかという考え方もあるかというふうには思いますけれども。
杉山委員、お願いします。
【杉山委員】  今のところと関わると思うのですけれど、個別の知識・技能のところで、例えば、「衣食住の生活に関する知識・理解、技能」と言っているところは、小・中・高を見ると、「技能」が「技術」に変わっているだけで全部同じ表現になっていて、どこか違うのかと言っているのが最初の2行のところで、多分、内容的には小学校は「家族の一員として日常生活に必要な」と言っているもので、中学校の場合は「生活者として自立するために必要な」というものなのだと思うのですけれど、家庭科の場合には、同じことを小・中・高で繰り返し行う。ほかの教科との明らかな違いは、ほかの教科はあることをやったらそれを土台に次が必ず重なってきて、前のところと重複する部分と切り分けて考えることができると思うのですけれど、家庭科の場合、例えば、栄養の学習だと、基本は栄養のバランスを、よく食べるということを小でもやり中でもやり高でもやる。その違いみたいなことが発達段階の中でどう捉えて、どういうふうに指導することが子供たちの生活にとって、そのときの生活にとっていいかということと、将来的に自立していくためにきちっとした理解をするために、栄養の学習というのはすごく難しいですので、最終的なところに到達するまでに段階を踏みつつ最後を目指すと言っているところがあると思うのですね。
そういう教科の特性があるので、こういう書き方をしたときに、そう思って見ると、家族の部分と言っているのは、衣食住の部分とは違った書きようになっていて、項目の中に少し具体的に小・中・高の違いが入ってきて、そのために多分高校のところで家庭の機能というのが外れたみたいに見える。でも、実は外れているわけではなくて、それは残った上で子育て支援とか高齢者――高齢者は家族の中にいないわけではなくて、家族の中にもいるケースだってあるし、外にいるケースだってあるので、そこの表現を上手にしないと、どこはやってどこはやらないみたいなことがそんなにクリアに、実は家庭科の場合はすみ分けができないと言っているところが、きれいにこういう項目を整理しようとすればするほど、取りようによっては間違った捉えになってしまうのではないかなという気がちょっとしました。どういうふうに変えたらいいかということを、今、これを拝見して、こう変えたらという建設的な意見は言えないのですけれども、ちょっと難しいかなという感じを受けました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
それでは、荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  私も今の意見に賛成です。実際には、衣食住の生活に関する知識・理解、技能は小・中・高と内容は違うわけですよね。より発展させていっているとか、それから、小学校でやったところは中学校のところではそれに付け加えて別の部分をやっているので、これですと同じ文言なので、同じことをやっているように誤解されますので、やはり文言は工夫した方がいいかなと思いました。
それから、小学校なのですが、「家族の一員として日常生活に必要な」と書いてありますが、小学校家庭科、5・6年生は、内容を見ましても、自分自身が日常生活に関心を持ってやれることを増やしていくというところが非常に重要になってきますので、それが分かるような文言を、「家族の一員として」だけではなくて、その前に必要なのかなと。中・高は「生活者として」というふうに出ておりますけれども、小学校もそういう面があると思いますので、そういう文言を入れていただく必要があるかなと。
それから、先ほども申しましたが、中学校の高齢者に関する知識・理解ということがはっきり入っていますけれども、このあたりもちょっと誤解、高校と同じようにやるのかなということになりますので、そこは少しまた文言を慎重にする必要があるかと思います。
あと、家族、家庭の機能の部分ですと、高校に入りますと、やはり家族を作る側としての視点というのが入ってきますので、独立させなくても結構なのですが、そこの部分はやはり文言としては触れておく必要があると思います。
【橋本主査】  ありがとうございます。
大変重要な議論ですけれども、時間も押しておりますので、この辺、またそれぞれの各委員、何か御意見があったら、ペーパーで是非出していただければ有り難いというふうに思います。
それでは、次の柱、思考力・判断力・表現力等というところに進んでまいりたいと思います。同じような表現になっていますが、この辺は小・中・高を見ていただいて、どう考えるかということでの御意見を頂きたいと思います。
ここも構図としては、小学校、「よりよい生活を目指して課題を解決する能力」、技術・家庭の中学校では「これからの生活を展望して」というところが付いております。それから、高等学校では「自立した生活者として、生涯を見通して」というところになっておりますが、それぞれのポツのところ、いかがでしょうか。
この辺も、先ほどの荒井委員から示唆があった、小・中・高のマトリックスというか、文言があると分かるかもしれませんけれど、線を引くなりしてやっていただければと思います。
それでは、また後からということにさせていただいて、学びに向かう力・人間性の、右側の方に先に移ってよろしいでしょうか。ここは、先ほど生活文化のお話などが出ておりましたけれども、全体を概観していかがでしょうか。
奥山委員。
【奥山委員】  済みません、先ほど、イメージ像のところで大分少子高齢社会に対応する力ということで議論があったと思うのですけれども、その中で、こちらの方の三つの柱にどんなふうにそれを盛り込んでいくかという視点が、ちょっと難しさも感じながら、先ほど荒井委員からも御指摘がありました、今度は自分が家族形成というようなことに向かってというところの部分、ライフステージのようなことですとか、やはり今、家族を持つことのハードルの高さというのが非常に議論になっているところだと思うのですね。第1子の出産、女性の年齢というのは30歳を超えているという中で、ここの高等学校を卒業してから家族形成というところまで非常に長い時間が掛かっていく中では、ここの高校のところにどんなふうにそういったものを盛り込んでいくのかという難しさも感じながら、何か入れていく必要性というのを感じております。
【橋本主査】  ありがとうございます。委員の御意見は、学びに向かう力・人間性のところにも、高等学校のところで、家族を作るとか、そういうものを少し強調したらいいのではないかということでしょうか。
【奥山委員】  そうですね。
【橋本主査】  ほか、いかがでございますか。長澤委員。
【長澤委員】  先ほど生活文化について意見を申し上げましたけれども、生活文化は先ほどは第1の柱の理解のところに入っていました。しかし、この資料で言いますと、三つ目の柱に入っていますので、その辺の整合性をもう少し明確にして整理する必要があるということが一つです。
それから、もう一つ、三つ目の柱について言いますと、例えば、「地域の人々と協働し」とか、それから、「地域社会に参画し」という記述は、多分、「地域の人々と協働できる」ということを求めているのだろうと思いますし、「参画」も「地域社会に参画できる」力を育てようとしているのだと思います。そうすると、一番初めの力のところに括弧書きで「何ができるか」というふうに書いてありますので、自分でも判断できないのですが、これも「できる」に入るのかなという疑問があります。ですから、「できる」という中にも、段階あるいはレベルがあるのではないかと思います。それをむしろこれから明確にしていこうとしているのかかという疑問です。
それから、「できる」ということについては、例えば、今、保育学習というのが中学校に入っていますが、私は中学校のことは余りよく分からないのですが、「幼児と関わることができる」のは見取れないということで、評価規準には「できる」が入っていないのですね。だとすると、やはり見取るのが難しいから、協働する力とか参画する力――参画できるとかいうのは評価できないから「できる」から外すのか、でも、むしろ評価として積極的に入れるという考え方もありますので、その辺も評価と含めて少し整理する必要があるのではないかと思いました。
【橋本主査】  大変大事な視点をいただきました。生活文化について、個別の知識や技能としての家庭科での扱いとか、他教科、総合、全体的なカリキュラムの中でのことということでもあると思います。それから、今の評価のことについてはまた違うところでも深めなければならない大事な内容ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
中林委員。
【中林委員】  今の学びに向かう力というところを見て、そのとおりというところもあるのですが、例えば、小学校で生活を大切にする心情を養うとか、中学校で地域と協働して生活をよりよくしようとするとか、高校の、地域社会に参画するというところに向かっていったときに、何がそういう向かう力となっていくのかというと、そこには喜びがあったり、それから、幸福感といいますか、他者のために何かをやれてうれしかったり、喜びを感じて幸せに思うので、そういうことをもっとやりたくなるという、そういうものが学びに向かう力になると考えます。家庭科でやっている様々な行動というものが、その人が自ら積極的に動いていこうとする原動力になる基のところでは、そういう幸せに思う気持ちとか、相手を大切に思う気持ちが働いてくるだろうということがあるので、道徳等とつながるところではあるのですが、何かそういう幸福感というか、満足感といったものがうまく表現できるといいのではないかと思いました。
【橋本主査】  ありがとうございます。今、そういう心情とか幸福感というようなお話があったのですが、こういう三つの柱で整理をしていますけれども、先ほど、余り御意見が出なかったので簡単にしてしまいましたけれども、思考力・判断力・表現力等のところの右側のところに書いてありますけれども、家庭科としての見方や考え方というようなところで、家庭科としての本質に根ざした見方や考え方ということをキーワードというか、抜き出すとすれば、どういうふうなことが挙がるのかということで、そこに幾つか例示があります。そういうところとこれまでの議論と重ね合わせてみますと、家族や家庭に係る生活事象は、例えば、協力・協働・共生、これはこれまでの様々な指導要領等に出てきている言葉、文言なのですが、この辺から見ますと、家庭科の本質に根ざした見方や考え方としてどういうふうなことが、あと出されるだろうかと。今、中林委員がおっしゃったようなことも入るのかなというふうに思って聞きましたが、その辺はいかがでしょうか。思い付いたところからでも、あるいは、これはちょっと要らないのではないかということもあるかもしれませんし、これは余りに膨大だというか、広げ過ぎではないかとか、いろいろあると思います。他教科にもつながるもの、あるいは家庭科独自のものというようなことがあると思いますが、いかがでしょうか。
鈴木佳子委員。
【鈴木(佳)委員】  済みません、ちょっとまた違うことを言っちゃうかもしれないのですけれども、消費や環境に係る生活事象というのが別枠で出ているのですけれども、本当に中学校のことしかよく分からないのですけれど、中学校の学習を考えたときに、やはり消費や環境に係る生活は、衣食住に係る生活事象を学習するときにやっぱり関連して学習しているのではないかなというような気がしていて、衣食住に係る生活事象を活用したり探究したりする際の視点の例に環境とか消費が入るのではないかなというような、消費や環境に係る生活事象の視点が持続可能な社会というふうになっているのですけれど、環境や消費というのが、衣食住に係る生活事象の中から知識を活用してよりよくするというようなことを考えたときに、環境とかという視点が入ってくるのじゃないのかなというような気がしました。
そして、持続可能な社会というのは、もしかしたら右側の、学びに向かう力とか人間性等で、どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るかといったときに持続可能な社会を構築していくような力というか、考え方とか、何ていうのですか、分かりませんけれども、態度というか、それは一番右側に入るのではないかななんていうふうにちょっと思いました。済みません、よろしくお願いします。
【橋本主査】  ありがとうございます。
鈴木明子委員。
【鈴木(明)委員】  鈴木佳子委員が言われたこととも重なるのですけれども、三つのポツで示されてそれぞれに視点のキーワードが示されているのですけれども、これでいいのかどうかというところが、ちょっと検討が必要かなと思います。例えば、健康という、衣食住のところに示されているキーワードについても、上の、家族や家庭に係る生活というところでも関わってくるものですし、家庭科の内容をもう少し構造的に見ていく中でこの視点を捉える必要があるのかなというふうに思いました。
それから、もう一点、ちょっとまた話が変わるのですけれども、一番上のところに「身に付けた知識、技術を活用したり、探究したり」というふうにあるのですが、確かに先ほど自分でも発言しましたように、個別の知識や技能が何らかあって、思考力・判断力・表現力というものが育成されるというふうな考え方もあるのですけれども、逆に、生活の見方や考え方が育つ中で、個別の知識や技能、どうしても必要なもの、リアルに自分にとって有効な知識や技術というものが見えてくるというような学習の方向もあるかと思います。先ほど長澤委員が、「できる」ということのレベルということもおっしゃったのですけれども、特に技能、知識も含めて、技能というのはそんなふうにこの三つの柱を総合した形で発達していくものかなと思いますので、その辺も考慮する必要があるかなと思います。この表現ですと、まず個別の知識や技能が身に付いて、それからこの2番目というふうな、そういう捉えになってしまうのではないかとちょっと懸念されます。
以上です。
【橋本主査】  ありがとうございました。
荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  今の思考力・判断力・表現力の右側なのですけれども、ただいま御意見が出ておりましたが、私も同じように感じました。協力・協働・共生、それから、健康、快適、衛生、安全、持続可能な社会という、これらの言葉がそれぞれ、例えば、協力・協働・共生でしたら、家族や家庭に係る生活事象とつながっておりますけれども、例えば、住居のところで、バリアフリーな住環境を整えようということになりますと、それは共生の視点も入ってまいります。それから、持続可能な社会は消費・環境だけではなくて、例えば、食品でどういう食品を選択するかというときに、より持続可能な視点を入れて選ぶというようなことは授業でもされますし、そうしますと、この三つのキーワードといいますか、視点といいますか、私はパースペクティブみたいなこと、見通しみたいなことかなと思うのですが、これらは非常に重要だと思うのですが、生活事象とか、それから領域に対応させるのではなくて、家庭科全体を貫くものとして設定をしておいて、もっといろいろな内容がこれに関わっていくというような授業がデザインできる形のものにすると、よりいろいろな学習が想定できるかなというふうに思います。
それから、ちょっと戻って申し訳ないのですが、先ほどの生活文化なのですけれども、これ、三つとも「日本の生活文化」という、「日本」というのが付いているのですが、実際、授業をしますときには、世界のいろいろな住形態とかを出しまして、食文化とかを出しながら、被服もそうですけれど、その中で日本ってどうなのかなというふうに見ていくということが実際されますので、「生活文化への理解」という言葉に統一してもいいのではないかなという。より広い視野から日本を見るということで含められると思いますので、あえて「日本」というふうに付けますと、焦点がすごく狭まってしまうのではないかなという印象を持ちました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
まだまだあると思いますけれども、もう一つ議論しなければならないことがありますので、このところでも大変見方や考え方というところは、皆様方から大きな示唆を頂いたというふうに思いますので、是非各委員からも、こんなふうな姿で表したらどうかというような御意見があったら頂ければ有り難いというふうに考えます。
それでは、次のところに入りたいと思います。三つ目は、家庭科、技術・家庭科(家庭分野)の学習プロセスということでの御意見でございます。
それでは、事務局の方から配布資料の説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。配布資料の前に、今御議論いただきましたものの見方、考え方について、きょうの御議論を踏まえまして、次につなげるお願いということになります。御議論いただきましたように、家庭科全体を貫くものの見方、考え方として共通のものがあるのじゃないかという観点からも是非御議論いただきたいと思いますけれども、一方で、領域ごとになぜこの領域を学ぶ必要があるのかという、領域固有のものの見方、考え方は何なのかという観点も是非必要だと思っております。きょうの視点は領域に寄ったような視点になっておりまして、全体の視点がこれから必要になってこようかと思いますけれども、その双方が必要になってくるという視点で、また次回まで御議論を、お考えをいただければと思っております。
失礼いたしました。
【大内学校教育官】  それでは、続きまして、3点目の議論の関係の資料の御説明をさせていただきます。3点目の資料につきましては、先ほど来の資料2、本ワーキンググループにおける検討事項と、それから、お手元の方に参考資料2の資料、それからあと、委員限りの資料ということで、1枚の紙を配らせていただいておりますけれども、「家庭科、技術・家庭(家庭分野)の学習プロセス(たたき台)」というものでございます。こちらにつきまして、これからの時間、御議論いただければというふうに思ってございます。
まず初めに、位置付けなのですけれども、資料2に戻っていただきまして、本ワーキンググループにおける検討事項の2のところで、アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき指導等の改善充実の在り方というのがございます。ここにアクティブ・ラーニングの三つの視点というのがありまして、これは下の方に掲載がされているのですけれども、米を付した下のところで、ⅰのところですが、「習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているかどうか」ということで、習得・活用・探究という学習プロセスの中でという形で示されてございます。このアクティブ・ラーニングの三つの視点、ほかにもⅱ、ⅲに示されておりますように、対話的な学びの過程が実現できているかどうか、それから、主体的な学びの過程が実現できているかどうか、こういった観点からアクティブ・ラーニングを捉えていく必要があるわけですが、その前段といたしまして、習得・活用・探究という学習プロセス、このプロセスというものはどういうものであるのかというのを御議論いただくのがこれからの時間ということでございます。
実際に参考資料2の方で、一番最後のページに示させていただいておりますけれども、こちらも夏に整理がされました論点整理の中のパワーポイント資料でございます。まとめた際には検討中ということで、今現在も引き続き検討中ということでございますけれども、問題発見・解決のプロセスというものが横軸に、縦軸としては、そのプロセスの中で働く思考・判断・表現等のうち特に重視すべきものの例ということで、思考・判断・表現の具体的な学習プロセスに位置付けた形での例というのが示されているところでございます。
これらを参考にしながら、今回、3点目の御議論といたしましては、先ほどの委員限りの資料ということでございますけれども、家庭科、技術・家庭(家庭分野)の学習プロセスのたたき台ということで、お示しさせていただいておりますのが、横軸に「生活の課題発見」、「解決の方法の検討と計画」、「実習、観察・実験、調査・研究」、「実践活動の評価・改善」、「家庭・地域での実践」ということで5つのフェーズに分けて示させていただいております。
また、具体的にそれらを構成する要素として、「生活の課題発見」でありましたら、生活を見つめる、課題を設定する、「解決方法の検討と計画」の段階では、解決方法の検討、それから、計画を立て、その計画を評価・修正するという点、「実習、観察・実験、調査・研究」は実践の場面、さらに「実践活動の評価・改善」の中では、実践結果を評価し、振り返ってまとめる、あるいは、実践結果を発表し、改善策を検討するというようなフェーズで分けております。家庭科の特徴として、学校家庭クラブ等がございますので、特に家庭や地域における実践ということで、改善策を家庭や地域社会で実践し、解決策として決定していくというような流れでいかがでしょうかということで示させていただいております。
また、その際に身に付ける育成すべき力といたしまして、大ぐくりではございますけれども、生活体験の中から課題を見付ける力、生活課題を多面的・総合的に考え、計画する力、解決策を実践する力、自分の活動を振り返り改善する力、実生活に応用し実践する力というような力を考えまして、それらを構成している要素といたしましては、思考力・判断力・表現力の観点から、例えばですけれども、思考力の枠組みの中で、生活実態の認識、生活実態に基づく問題を認識すること、横にずれていきますけれども、収集・整理した情報の分析・活用、知識や情報に基づく仮説の形成、結果の予測、実践活動に関わる思考、過程や結果の吟味と振り返り、改善策の結果の予測、知識・技術を活用した新たな生活価値を創出する、最後に、新たな問いの発見というような思考の流れを仮に当てはめてみたというような資料になってございます。
その下は判断力ということで、必要な生活情報の選択、課題の明確化、解決方法の方向性の比較、解決方法の選択、解決方法や計画の評価・修正・決定をし、実践活動に関わる判断を行い、過程や結果についての判断、結論に基づく意思決定、よりよい課題解決方法の選択・決定というような流れで構成をしております。
最後の一番下の段といたしましては、表現力ということで、解決方法、計画等の表現、結果の構成、表現、改善策の計画等の表現という形での表現力の位置付けを図ってみたものでございます。
これらにつきましても、現行指導要領を基にしながら事務的に整理をしたものでございますので、基本的にはたたき台ということで、忌憚のない御意見を頂戴できればというふうに思ってございます。
以上でございます。
【橋本主査】  それでは、残りの時間をこの学習プロセスについての意見交換をしたいというふうに思います。
まず、プロセスの流れがこれで妥当かどうか、それから、紫囲みの力の流れというところがどうか、その辺を中心に議論を進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
鈴木佳子委員。
【鈴木(佳)委員】  調理実習とか、物を作るような製作の実習とか、幼児との触れ合い体験実習とかはこの流れで今もやっているし、きちんとした形でできるかなというふうに思うのですけれども、昔の話をするとあれなのですけれど、私が本当に最初に教員になって家庭科を教えていた頃は、半分は調理実習をやって、半分は被服製作をやっていたような時代で、そのときは多分ほとんどがこれでできたような気がするのですけれども、今、かなり少し知識的なことを勉強しなくちゃならないようなところもあって、そういうのをこの流れの中のどこに入れるのかなというのがいつも難しいところであるかなというふうに思っていて、例えば、栄養に関する5大栄養素とかということを、本当に単純に知識として学習するときにどこに入れるのかなとか、あと、幼児の心身の発達みたいな、何歳で歩けるようになってどうのこうのとかというような学習をやるときにどこに入れるのかなというのがあって、そういう、固有の知識や技術があって、それを探究したり活用したりしていくということになるというようなお話が先ほどのところでもあったかと思うのですけれども、その基になるような知識や技術がないとこういうところができないので、それを学習する時間というのはこのプロセスの中のどこに入るのかなというのが、実際に教えているときもその辺が少し疑問だったところがあります。
【橋本主査】  この学習プロセスというのは、具体的な指導方法というよりは、考え方というか、子供の学びのプロセスというふうな捉え方なのかなというふうに思っておりまして、知識を獲得する、その中身としてもこういうプロセスということが重要ではないかというたたき台なのかなというふうには読ませていただきましたが、どうでしょう、皆さん。
【大杉教育課程企画室長】  主査、よろしいでしょうか。他教科等も全体的に見渡している立場から、少し補足までですけれども、ある意味、こういった大きな概念的な知識をしっかり獲得していくプロセスということと、個別の知識の獲得のプロセスがどのように家庭科でされているのかというのを是非明らかにしていきたいというふうに思います。こういった大きな流れの中で、必要な知識というのを教員が適切に提供しながら大きな流れが進んでいくということであるのか、それとも、これはこういう探究のプロセスとは別に知識の定着というような別の学びのプロセスというのが考えられるのか、アクティブ・ラーニングというものを議論したという中で申し上げれば、習得・活用・探究という大きなプロセス全体を見渡しながら深い学びということを考えていきたいということでは、余り知識の習得の場面がここで、活用の場面がここでということよりは、全体として子供がどのようにそれを獲得していくのかという大きな流れを議論したいというふうには、総合的には論点整理でまとめられておりますけれども、家庭科において具体的にそれが現実の授業の場でどうなっており、今後どうしていくのかというのは、是非御議論をいただきたいというふうに思っております。
【橋本主査】  ありがとうございます。
委員の皆さん、どうですか。荒井委員。
【荒井委員】  今のお話というのはとても難しいところで、いつも家庭科の場合、悩むところで、実践的にやろうとして、問題解決的にやる場合のどれほどの知識とスキルを使うのか、それが学習指導要領で押さえられている学習項目のどこの部分をカバーできるのか、全体としてカバーできるのかどうかというのは、本当に限られた時間の中で現場の教師は悩んでいるところですので、例えば、アクティブ・ラーニングを入れていくということであれば、知識・理解の部分のある程度の大綱化、細かいところまで、ここまで押さえなければならないとなると、現場はすごく難しくなると思うのですけれども、そのあたりのこととつながっているのかなというふうに思いました。
それから、このプロセスのたたき台ですけれども、この中で、子供たちに考えさせていく、授業の中で考えさせていくとしますと、どこかなというふうに思いますと、2段階目なのですね。解決方法の検討と計画とありますけれども、私は、これは解決方法の立案と検討かなというふうに思います。というのは、生活の課題発見、課題を設定する、ここさえも大変難しいのですが、生徒自身が生活から問題を発見するところは今、大変難しいですが、それをしたとして、次の段階に入りますと、解決方法を検討するというふうになっていますけれども、恐らくこれはまず解決方法を考える、どんな方法があるかをいろいろな例を挙げながら考えていくというところが学習の醍醐味になってくると思います。
それをしまして、その後、どの方法がよいのか比較検討するという学習が入ってくると思います。その中で比較検討して決定をすると。これで行こうとなったときに、次のところの実践部分、ここで細かい計画を立てるというところに入ってくるかなというふうに思います。その前の段階の解決方法の立案と検討というところは、思考・判断ということでいいますと、非常に醍醐味もあり、生徒も頑張ってやるところになってくると思います。だから、そこの部分をもう少し丁寧な図解にしておくと、授業を作るときにイメージが作りやすいかなと。
実践して評価して、それをさらにというのは実際そうなのですけれども、なかなか実践してさらに地域へというところまで行ける題材、それから、学習機会というのは実際には各教科少ない、難しいところですので、授業時間の中で思考力・判断力・表現力を付けさせるとすれば、今の2番目のところを膨らませて丁寧にプロセスを作っていくと、授業が作りやすいかなというふうに思います。
【橋本主査】  今、解決方法を考え検討するというような言い方でよろしいのでしょうか。ここはもっと膨らませて一つ……。
【荒井委員】  解決方法を考える、次の段階でどの方法がよいか比較検討する、それで決定と行くと思うのですね。決定した後で、細かい実行計画に入っていくのかなというふうに思います。
【橋本主査】  学習プロセスの一つの標準パターンということで全てがこれというわけではないし、発達課題というか、段階に応じて質とか量が違ってくるということはあるのかなというふうには思います。それから、系統性という観点から見ると、先ほど鈴木委員がおっしゃったようなことも、全く知識とか技能がゼロと捉えるのか、例えば、中学校の授業をやるのに、小学校の既習の知識とか技能ということを把握しているということ、つまり、カリキュラム・マネジメントというか、全体的な把握ということも踏まえながらということもなると、イメージというのがちょっと違うのかなというふうに個人的には思っております。
ほかに、今の荒井委員の御意見に対して、関連してでも結構ですが、いかがでしょうか。学習プロセスの流れというところでは、大体これでよろしいのかなというふうには思いますが、細かいそういう検討は必要だというふうな御意見でございますが、どうでしょうか。
曽我部委員。
【曽我部委員】  小学校から見ると、この流れは私はすごくいいなと思ったのです。小学校では、やっぱり解決方法を考えてある程度検討するのですが、実践しながらそれを振り返って、さらによりよい方法を見付けて、もう一回また実践してみるという、思考がサイクルで回っているということを大切にしているので、生活を見詰める段階である程度の知識・理解をこちらで付けてあげて、見詰める目を持たせて、それから課題を設定するというふうな段階で学習を進めています。それで、どこが問題なのだろうと考えながら解決方法を見付けてやるということになっているので、私はおおむねこの流れでよろしいのじゃないかと思いました。
【橋本主査】  ありがとうございます。
あと、先ほどの御説明の中では、アクティブ・ラーニング、三つの視点があるわけで、こういう学習プロセスの中で深い学びが実現できるかということのほかに、対話的な学びとか主体的な学びの過程ということが実現できているかどうかという、この辺のところからはいかがかというようなこと、また、次の課題となると思いますけれども、具体的な指導の改善充実という中で、具体的にどんなことに留意しながらやらなければならないかというようなこともあると思いますが、時間も迫ってまいりましたので、是非きょうお話をしたいという視点がございましたらお願いします。
奥山委員。
【奥山委員】  済みません、新しい視点として少子高齢化の話が入ったということで、話がもしかしたら私自身がずれてしまうかもしれないので御容赦いただきたいのですけれども、先日、ある大学の講義をさせていただいたときに、やはり例えば、幼稚園や保育園、認定こども園など、今、新制度でいろいろ子育てのところが大きく動いているところなのですけれども、家族が非常に核家族化してきて、家族だけでいろいろなことをやっていくというのが難しくなっている中で、ここでの議論の中でも協働という形で、家族内のパートナーシップということもありますし、地域の社会資源、そういったものをうまく使って家族生活を送っていくという視点が非常にこれからの生活には大事になってくるというふうに思っております。
そういう中では、ここで議論しているプロセスの中で、生活の課題発見ということで言えば、大きな枠で言えば、少子高齢化という社会であったり、都市部で言えば、待機児童問題というようなことだったり、それをテーマに、例えば、このプロセスでやってみる中で、就労とそういう保育や教育の資源をどう使うかだとか、そんな中で、高校あたりであれば、夫婦で、家族の中でどんな役割を果たしながら、どんな地域資源を使いながら家族というのを形成していくのかというような、そういった具体的な実践のイメージというのを膨らませていくことができるのかなというふうに思っておりまして、やはり目の前のいろいろな課題というものを学習プロセスの中に入れて、自分の生活、これからの将来、そういったことに活用できるような学習というのが進められると、非常に現場としても、家族というものが今非常に厳しい、いろいろな御家族がある中で、自分たちだけじゃなくて、周りの力をうまく活用する力、それを伸ばしていただきたいというような思いで若い家族を見ておりますので、学校の中でそんなことが行われればいいなと思っております。
【橋本主査】  ありがとうございます。次回から、この辺のところをどういうふうに膨らませていくのか、具体化していくのかということが入ってくると思いますので、このようなこともまた深めていきたいと思います。
あと、是非きょうということで、大体学習プロセスの流れの大まかなところは御了承いただいたというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、大変限られた時間で、また、司会の不手際で中途になったところがいっぱいありましたので、さらに御意見とかお気付きのことがありましたら、是非ペーパーの方に、事務局の方までお寄せをいただければというふうに考えております。
それでは、本日の議題はここまでにしたいと思います。
最後に、次回以降の日程などにつきまして、事務局の方から御説明をお願いいたします。
【大内学校教育官】  長時間にわたりまして御議論をありがとうございました。
この後なのですけれども、引き続き第3回ということで、本日、この場所で30分後の15時30分から、次、中学校技術分野を中心に、今と同じような議題に基づいて議論を行っていただきたいというふうに考えてございます。
また、第4回以降につきましては、日程を調整させていただきまして、追ってその後御連絡を差し上げたいというふうに考えてございます。
今ほど橋本主査からもお話がございましたけれども、ペーパーによる御意見というのを引き続き頂戴したいというふうに考えてございます。本日御議論いただいた3点につきまして、お気付きの点等がございましたら、メール又はファクス、郵送でも結構でございます。お寄せいただければというふうに考えております。
なお、本日の配布資料につきましては、もしお持ち帰りの際に不自由等がございましたら、机上の方に置いておいていただければ、こちらから郵送させていただきます。
以上でございます。
【橋本主査】  本日の議論につきましては事務局の方で整理をしていただいて、また次の資料に出していただければと思います。
それでは、第2回の家庭、技術・家庭ワーキンググループはこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程総括係

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2073)