理科ワーキンググループ(第1回~第6回)における主な意見(必要な支援、条件整備等関係)

(指導体制に関する考え方)
○ 良い授業をするための方策を手に入れても、それを考える時間的なものがすごく不足している。例えば1クラスの学級をすごく人数を減らすような予算の支援をするとか、そういうところも現場の教員は求めているところなので、そこを是非、厚くしてもらわないとこの理論・理想が何十年後かまでつながっていくようなものは難しいのではないか。

○ 議論をする余裕や、出口を設計する余裕というものが絶対に必要で、人数も必要だが、時間も必要である。必要な時間を考えず、単にこれをやろうという話ではないということを皆様に分かっていただく必要がある。

○ 小学校は若手の先生が非常に増えてきており、多くは文系の先生なので、実験をやろうとしても困難さがある。そういう先生方には理科で資質や能力をどのように育成するかといった授業展開だけでなく、観察・実験の実技研修の充実も必要である。

○ 小・中・高が一緒の教員研修の制度や教育環境の整備、こういったものも併せて整備していくことが必要である。

(実験器具等の整備充実)
○ 理科教育は、まず実験があって、観察があって、児童・生徒は目で見た事象を自分たちで考えることからスタートをする。理科の授業というのは、理科室若しくは観察の場である教室の外で行わなければいけないと思っており、そのためにも、小・中・高共通して、先生が実験しやすい、あるいは生徒が学びやすい、そういった理科室の環境を整備することは並行して必要なことだと思っている。

(教材について)
○ 現場の先生方にそういう具体的なにこのように進めればよいというようなモデルプラン的なものを学習指導要領と別枠で示していくことが必要であり、それにより先生自身が自己評価できるようなものというのが大事。

○ 資質・能力観から学習指導要領を考えていかないといけない。そこでは、こういうふうなやり方があるというモデルを示さないといけない。モデルを示すと、それだけやればよいのかと捉える人も多く存在するという指摘もあるが、それが新しい考え方なら、モデルを提示しても良いと考える。

○ 学習に対するコンテンツは非常に豊富に用意されたものがあり、それを使って理解が深まっていくような教材が整備されるようになっていくとよい。

(ICT環境の整備等)
○ 特段なし。

(入試の在り方)
○ 高校の先生と話をした中では、高校で問題解決的な授業を展開しようとしても、その後の大学の入試に役立たないというような指摘もされる。例えば若い先生が授業をこのように改善していこうとしたら、年配の先生からそんなことをやっても大学合格の実績がとれないと言われたようだ。高校の授業の改善をしていかないと小学校・中学校だけでは難しい。

○ 現行の基礎を付した科目も、大学入試センターで課してほしい科目で、これだけにしてほしかったのである。でも、大学の入試の状況が当初予定したものとは全く違っていて、大学入試センターが、本来の基礎的な能力を試す試験ではなくて、選抜のために必要な試験となってしまっているために、基礎だけで止まらなくなってしまった。もし基礎だけで止めてくれていれば、今よりも物理基礎も地学基礎も更に履修率が高まって、かなりの生徒が四つの領域を学べたはずだった。


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