教育課程部会 情報ワーキンググループ(第7回) 議事録

1.日時

平成28年4月20日(水曜日)17時00分~19時00分

2.場所

文部科学省東館15階15F特別会議室
東京都千代田区霞が関3‐2‐2

3.議題

  1. 情報教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【堀田主査】  では、定刻より少し早いですけれども、おそろいですので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報ワーキンググループの第7回を開催いたします。
 本日もお忙しい中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、会議に先立ちまして、先週14日より続く熊本県を中心とした九州地方での一連の地震によって、尊い命を亡くされた方々に深くお悔やみ申し上げ、被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げます。現在、我が国では、被災地において昼夜を分かたず救命・救助活動を行っておられる関係機関の方々をはじめとして、国を挙げて多くの人々が各々の持ち場で支援に当たっておられます。被災者の方々の一刻も早い救援を心からお祈り申し上げます。
 それでは、事務局から配付資料について確認願います。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日は、議事次第に掲載しておりますとおり、資料の1-1、1-2、資料2、そして参考資料が1から6まで、タブレット端末に関連資料、本ワーキンググループの前回までの配付資料等をデータで入れております。
 なお、4月に委員の先生方の御異動もございましたので、委員名簿につきまして修正、更新をいたしまして参考資料6とさせていただいております。また、タブレット端末の関連資料の中には、4月8日に取りまとめました「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」の中間とりまとめを新たに追加しております。
 資料の不足等ありましたらば、事務局までお申し付けくださるようお願い致します。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 特に御異動のあった方、個別の御紹介は控えますけれども、御栄転の方々、おめでとうございます。
 配付資料のうち参考資料3につきまして、少し私から補足させていただきます。参考資料3というのはポンチ絵の横置きのものでございますが、これは皆様に御検討いただきました結果、情報ワーキンググループの検討の状況ということで、4月4日に総則・評価特別部会において私が代表で説明してきたときの資料でございます。このフォーマットは各教科等の共通のフォーマットでございますので、見た目は少し違っている部分もあるかもしれませんが、内容については今まで皆さんに御議論いただいたことでございます。
 1枚目が、左側が高等学校卒業までに身に付けさせる資質・能力、その右側が学校段階の話。その次が、高等学校の情報科で育む資質・能力ですね。その次が、情報活用能力と資質・能力の「三つの柱」の関係について示したもの。その次が、高校の情報科における「見方・考え方」についてまとめたもの。まだこの図の中にはちょっとはっきりしないようなものもあるかもしれませんが、この御意見を頂きながらこれからよくしていきたいと思います。その次が、情報科におけるアクティブ・ラーニングについて、これは皆さんから御意見を頂いたものを踏まえて作成しております。その次は、学習プロセスの例として、これも御意見を頂いたものを踏まえて作っております。その次に、情報科新科目のイメージ(案)ということで、4月4日の段階での最新の案を入れてあるものでございます。これで4月4日、ちょうど2週間前ぐらいになりますけれども、御説明を差し上げてきたという御報告でございます。
 その他の参考資料、幾つかありますので、少し補足をお願いしたいと思います。大杉室長、お願いします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。
 それでは、まず、参考資料1、それから参考資料2-1、参考資料2-2を御覧いただければと存じます。既に報道発表等されてございますけれども、プログラミング教育関係でございますけれども、まず、その背景から御説明を申し上げます。参考資料2-1と2-2でございますけれども、これは、4月19日の産業競争力会議におきまして文部科学大臣の方から説明した資料でございます。御覧のように初等中等教育、高等教育、そして人材育成、全体像を見渡しながら、今後、第4次産業革命とも言われております、これからの社会の在り方と人材育成の在り方、教育の在り方ということを文科省として今後の施策をまとめております。
 参考資料2-2の方を御覧いただきますと、1枚おめくりいただきまして、1ページ目でございます。初等中等教育段階における取組ということで、先ほど主査にも御説明いただきましたような情報ワーキングにおける様々な御議論、こうしたことを踏まえながら「次世代の学校」ということで次世代に求められる情報活用能力の着実な育成ということ、それから、アクティブ・ラーニングや個の学習ニーズに対応した「次世代の学校」の創生ということ、これを両輪としてしっかりと文科省として取り組んでいくというような方向性を御説明させていただいたところでございます。
 その中で情報活用能力の育成、問題解決能力ということもそうですし、新たな価値の創造に向かうために必要な力ということ、その中でICTを効果的に活用するということ、また、様々なコンピュータ等を課題解決に活用していくという中で、プログラミング教育ということを、既にこのワーキングでも御議論いただきましたような小・中・高等学校を見渡した中で充実を図っていくということ、そして、そうしたことを実現するための学校の在り方、教師の授業力の向上とICTのベストミックスにより、学校や学級の中での多様性のメリットも生かしながら、子供たちの個々の理解度や課題解決能力の育成に向けた教育の充実を図っていくということ、こうしたことを「社会に開かれた教育課程」の実現に向けてということで、学習指導要領といたしましては、文科省中教審の中でしっかりと責任を持ってやっていくわけでございますけれども、環境整備ということでは官民連携の中で実現していく必要があるということ、教材開発、あるいは指導体制の整備ということについては、関係省庁でコンソーシアムを構築いたしまして、社会に開かれた教育課程、学習指導要領の方向性をしっかりと支えるような体制作りをしていこうということでプレゼンをさせていただいたところでございます。
 そして、そうした状況も踏まえまして、参考資料1でございます。特に小学校段階、特定の教科がない中でプログラミング教育ということ、どのような課題があり、どのような実現が図れるのか、どのような資質・能力に結び付けていくのか、こうしたことはかなり集中的な議論が必要になるということですので、堀田先生にも御協力いただきながら、また、参考資料1の一番後ろにメンバーリストがございますけれども、中川先生、兼宗先生にも御協力いただきながら、このような有識者会議を立ち上げて集中的に議論をさせていただこうということでございます。
 表紙を1枚おめくりいただきますと趣旨がございますけれども、小学校教育、世界の中でも日本の小学校教育ということはその質の高さということに定評があるわけでございますけれども、こうしたこれまでの小学校教育の強みというのを生かしながら、次世代に必要な資質・能力を育むという観点からのプログラミング教育の在り方。
 特に一番下のパラグラフにございますけれども、様々な資質・能力の育成に結び付くということと、プログラミング言語を学ぶという両側面、これを学校教育の中でどのように進めていくのか、小学校段階でどこまでの力を育むということを目指すのか、時代とともに技術が変化しても生かせる能力ということに結び付けるにはどうしたらいいのか、日本のカリキュラムに合った教材の新たな開発ということも見据えながら、この枠組みの中で御議論を頂く予定でございます。6月上旬にかけまして集中的に御議論を頂き、この成果を中教審につながせていただき、学習指導要領の改訂への反映ということを目指しているということでございます。これが1点目でございます。
 それから、続きまして参考資料4でございます。小・中・高等学校を通じた統計教育のイメージということでございまして、これは月曜日、18日の算数・数学ワーキングで御議論を頂いた内容でございます。情報教育課さんとも御相談させていただきながら、このような内容で算数・数学ワーキングでの議論をしているところでございます。
 資質・能力の整理ということで、統計教育を通じて育む資質・能力のイメージということ、そして、具体的に、次のページにございますように、小・中・高等学校でどのような改善を図っていくかということ、そして、特に高等学校におきましては、数学科の学びと情報科の学びがしっかりと結び付くような、数学科で基本的な知識や技能、考え方を育み、統計を活用して問題解決する力を育む情報科ときっちりと関連し合いながら、また、他教科への学びにもつながるようなイメージということでございます。
 さらに1枚めくっていただきますと、問題発見・解決のプロセスということでございまして、「日常の事象について、データを収集しグラフにし分析することを繰り返して、物事の判断することができる」ということ。これを御覧のようなプロセスとしてしっかりと回していけることができるような、それに必要な資質・能力というものを育むということを算数・数学でも議論しておりますので、是非こちらのワーキングでも連携した議論をお願いしたいと思います。
 その後は小学校、中学校、高等学校における具体的な改正のイメージということでございます。
 以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 私どもの情報ワーキングの少し外側でも、関係する内容の様々な議論が行われておりますので、そこでこうやって御報告いただいたところでございます。今の御説明につきまして、何か特に御質問がある方は御発言を頂きたいと思いますので、いつものように名札を立てていただきたいと思います。時間はそんなにありませんので、もし御質問があればというふうに受けたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】  失礼します。佐藤です。
 1点だけ。このワーキングでも申し上げましたように、教科の設立というのが今後どうなっていくのか。すなわち、小学校段階においてプログラミング教育を定着させるということは、やはり情報科というものが小・中・高等学校とつながるべきだというのはここでも議論させていただきましたので、そんなことも今後議論されるのかどうかということだけお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。
 有識者会議でどのような議論がということはこれからでございますけれども、基本的に新教科ということになりますと、これは全体的な議論になってまいりまして、8月の論点整理におきまして、様々な高等学校の科目構成、あるいは小学校における英語の教科化ということが提言された中には、そういった教科の提言ということはないということは一定のその時点での整理ではあろうかと思います。そういたしますと、小学校段階で特定の教科ということがない中で、例えば算数、理科、芸術系科目、あるいは総合的な学習の時間の中でどのような体系的な充実が図れるのかということが御議論の中心になるのではないかというふうには予測されますけれども、今後の議論ではあろうかと思います。
【堀田主査】  小原委員。
【小原委員】  小原です。
 小・中・高等学校を通じた統計教育のイメージというところで、数学科との関連というのは今の学習指導要領でも指摘されているところで、私ども現場の中でも数学科の教員といろいろ協調しながら進めているところであるのですけれども、このような形で非常に整理されるというのは分かりやすくてよろしいと感じています。
 この後、実務的な作業になるのかなと思うのですけれども、数学で難しいから情報でやってとか、情報でやらないから数学でやってというような押し付け合いみたいにはならないような形で、是非、お互いが相乗効果でやっていくような形での議論の進め方を、数学科とも何らかの形で話し合って建設的なことができるような形で進めていけるといいなというふうに考えています。どうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】  ということもありますので、算数・数学ワーキンググループで検討されている資料がここで配られているのですね。だから、例えばこれを受け止めて、情報としてはもっとこの辺をこうしておいた方がいいのではないかみたいなことは、とりまとめの議論をきょう、やっていきますので、そこの中でもお知らせいただければと思います。
 先ほどの佐藤委員のお話で言うと、教科を作る云々ということはほぼ決着がついてしまっている話で、その上でこの新しい内容をそれでも入れていきたいという政府の考えもあるわけですから、それを既存の教科の中でどのように少しでも実質的に、具体的に行っていくかという検討がこの有識者会議で行われるものと思いますし、そうすると、そこでやった能力はどういうふうに情報活用能力と関係してくるのかというのは、この情報ワーキングとも十分に関係してくることでございますので、私どもがこれまで検討してきたこととそう外れないような形で議論が進むように、関係の委員がここに3人入っているということかと思います。
 ほかに何か御意見ありますでしょうか。
 それでは、この件についてはここまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題に移りたいと思います。本日の議題について、まず、事務局より資料1-1について御説明お願いいたします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、資料1-1をごらんいただきたいと思います。本日、御検討いただきます議題といたしましては、そこにお示ししておりますとおり検討事項1と2でございまして、まず1の方につきまして御説明させていただきたいと思います。情報科における評価の観点はどのように整理されるかということについてでございます。
 おめくりいただきまして、2ページ目、これは論点整理から抜粋したものでございまして、改めまして簡単に御紹介させていただきたいと思います。各教科におきまして、最初にございますとおり、学習状況を分析的に捉える観点別学習状況の評価、それから総括的に捉える評定というものを実施しているところでございまして、現在は、この観点別学習状況評価に関しましては、1番目の下の方に書いてございますとおり、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」、この四つの観点が設定されているところでございます。
 そして、今回、育成すべき資質・能力の三つの柱に沿いまして指導の改善が図られますよう、評価の観点につきましても「知識・技能」「思考・判断・表現」、そして「主体的に学習に取り組む態度」、こういった整理を検討していく必要があるということで提言されているところでございます。
 そして、さらに、この観点別学習状況の評価の観点につきましては、三点目にございますとおり、各教科の目標と表裏一体の関係にあるということで、一体的に、一貫性を持って検討を進めていくことが必要であるといったことも指摘をされているところでございます。
 このことを踏まえまして、次のページにお示しをしておりますような、情報科に関しまして評価の観点というものが考えられるのではないかということを整理させていただきましたので、本日、御検討いただきたいと考えているところでございます。
 なお、これを御検討いただきます際に御参照いただきたいものといたしましては、資料が少し飛んでしまって恐縮でございますけれども、資料1-2、こちらの文章の終わった後にスライドの資料、ポンチ絵を付けさせていただいておりますけれども、スライドの1枚目と二枚目を御覧いただきたいと思います。二枚目にお示しをしております、高等学校情報科において育む資質・能力、こちらにつきまして前回まで何回もこのワーキンググループにおきまして御議論いただきまして、このような形にまとめさせていただいたところでございます。これを踏まえましてこの評価について検討したということと、それから、一枚目の小・中・高等学校を通じた情報教育と高等学校情報科の位置付けのイメージというポンチ絵でございますけれども、これの右上に「情報科」という欄がございます。こちらにマル1、マル2、マル3とまとめているところがございますけれども、これが、先ほど御紹介しました、情報科で育む資質・能力をまとめた形で、これが情報科の目標の原型ということになっていくのではないかというふうに考えております。こことの関連ということも踏まえて御検討いただきたいということでございます。
 その際、2でございますけれども、ページがいろいろ動いて恐縮でございますが、2ページの論点整理の抜粋にお戻りいただきたいと思いますけれども、下から2番目に、「その際」ということで、三つの柱の中の「学びに向かう力、人間性等」、ここに関しましては、感性ですとか、思いやりですとか、そういった幅広いものが含まれまして、観点別学習状況の評価になじむものではない、そういったものも含まれているということで、そういったものにつきましては評価の対象外とするべきであるということも指摘されております。したがいまして、「主体的に学習に取り組む態度」に関しましては、必ずしも「学びに向かう力、人間性等」に整理いたしました資質・能力の全てが入ってくるものではないと、授業中に先生方が生徒を見取ることのできる学習状況ということで整理させていただいております。これにつきまして御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 今から、検討事項が二つあるうちの一つ目、この評価の観点について御議論を頂くことになります。お時間30分ほどとなりますので、皆さん、御意見を頂きたいのですが、今、事務局から御提案がありましたように、知識・技能と思考・判断・表現と主体的に学習に取り組む態度の三つの観点で評価すると。これは今回の学習指導要領の枠組みでございますので、参考までに下に現行の4観点が書いてありますけれども、こういうのを踏まえながら、ちょっと大枠の話で恐縮ですけれども、こういう評価の観点の書きぶりでよろしいかどうかというのがきょうのここでの審議となります。
 まずは御意見をいつものようにお願いしたいんですけど、皆さんが考えている間に、つなぎで私、主査として少し意見を申し上げますが、情報モラルとか、情報セキュリティとか、そういうものを今までも日本でももちろん教育してきましたけれども、どちらかというと、それは児童・生徒一人一人の態度とか、心の持ちようの問題に帰着されつつあって、そしてそれが、だから情報モラル教育は道徳でやるべきだみたいに矮小化されてきた部分があると思うんですね。情報社会の世の中がどういうふうになっているかとか、情報技術の仕組みがどういうふうになっているかとかいう、情報の科学的な理解と言われる、そういう知識に基づいた、裏打ちされた情報モラル、あるいは情報セキュリティの教育をしっかりとするというふうに考えますと、その分野においても知識・技能のところがやっぱり重視されるべき部分があろうかと思うわけです。そして、この身に付けた、習得した知識や技能を活用することを通して思考・判断・表現をさせる。ここにアクティブ・ラーニングとかそういうようなことが深く関係してくるわけですので、そういうような、今度の学習指導要領を見据えた形のこの書きぶりについて御意見を頂きたいということでございます。
 つないでいるうちに小原委員が挙げてくださいました。小原委員、お願いします。
【小原委員】  一つ、ちょっと確認というか、こちらの資料1-2の中の後ろの方にある、これは先の話になるかもしれないのですが、小・中・高等学校を通じた情報教育と高等学校情報科の位置付けのイメージの御説明が今あったと思うのですが、その下に高等学校情報科において育む資質・能力という図があるのですが、それと、今のこの議論している評価の観点のたたき台の関連というのをどの程度までこれを考えていればいいのか。かなり重複する部分というか、当然、このカラー刷りの方を基にこちらの方を考えるのであれば、かなりこちらを上手に当てはめたり、意識しながらやっていく必要があると思うのですが、このあたりの整理というのはどのように考えればよろしいのでしょうか。
【堀田主査】  今、事務局が言ってくれたのは、小・中・高を通じたものと、それを受けて高等学校でこうするという、今のまさにカラー刷りの資料を説明してくれたんですね。一番左から知識・技能になっているし、真ん中は思考・判断・表現になっているし、一番右が学びに向かう、人間性になっているんだけれども、学びに向かう、人間性の一部は、論点整理に書いてあるように、授業の中で評価するのは必ずしも適切ではないものもあるだろうということで、この評価の観点としては、主体的に学習に取り組む態度というふうになっていて、この学びに向かう力、人間性等のところに書かれているものの一部になっていますよという御説明だったというふうに理解しています。ですので、これ、密接に関係しているというふうに考えて……。
【小原委員】  という理解。
【堀田主査】  当然、ここに大きなずれがあってはならないというふうに考えています。その上で……。
【小原委員】  では、その上で意見ですけれども、やはり、こちらのたたき台の中での思考・判断・表現の中の部分が、「適切かつ効果的に活用している」というようなところでとどまっているのですけれども、下というか、カラー刷りの方の高等学校情報科において育む資質・能力の中では「複数の情報を結び付けて新たな意味を見いだす力」というところまで入っていると思うのですね。なので、評価の観点においても、そこまではいかなくても、新たな意味を見出すとか、新たな考えをここで表現するとか、やはりもうちょっと一歩踏み込んだところも入ってよろしいんじゃないかなというふうに思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 ほかに、このような意見をお願いいたします。野部委員、西端委員の順番で行きます。
【野部委員】  野部です。失礼いたします。
 小原委員と重なる部分がございますが、思考・判断・表現のところでやはり「適切かつ効果的に活用している」というところで終わっております。現在のものでも、情報モラルに関してですが、思考を深めという部分がございますので、やはりそのような思考を深めるといったものであるとか、新たな価値を創造しているというところはことばとして欲しいなというふうに思いました。
 また、同じように知識・技能の部分でも、知識と技能を身に付け、理解しているというところで終わっておりまして、これも現在の表現では、身に付けた技能を適切に扱うというところまで入っております主体的な欄に入ってくるのかもしれませんが、やはり身に付けた技能をどのように活用するかというところも含めまして、観点としては入れていただきたいかなと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 理解までを一番左に入れるか、それをどう使うかというところは右なのか左なのかというのは、ほかの教科とのバランスも考えながら決めていきますけれども、今の先生の御趣旨はよく分かりました。ありがとうございます。
 西端委員、お願いします。
【西端委員】  失礼いたします。
 思考と判断と表現のところですが、お二方は、最後にもうちょっと深めたらということなのですが、私の意見は、「捉え」と「活用している」の間にもうワンステップ要るんじゃないかという意見です。というのは、捉えたら、もう情報技術を使って活用するというふうになってしまっているので、使わずとも判断し、思考するという、もうワンステップあった方がいいのではないかというふうに思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 柴田委員、お願いします。
【柴田委員】  このワーキングの最初の方で議論したところだと思うのですが、小・中・高等学校を通して最終的にこういう資質・能力を身に付けるという議論をしてきたところですが、実は中学校段階はどこまでか、小学校段階はこのどこまでなのかというところがこのワーキングで十分に議論ができなかったところがあったのではないかなと思います。今後、特に小学校段階でプログラミング教育を位置付けるとなれば、小学校段階においてどこまでの資質・能力を身に付けるのかというところが、観点も併せて、しっかりこのワーキングでなかなかやれなかったところがちょっと残念なところですが、どこかで議論していただいているのかなというのをお聞きしたいなと思います。
【堀田主査】  これは十分に議論できなかったのは、前半で議論して、後半は高校の情報を中心にやったので、戻ってこれなかったんですね。
【柴田委員】  そうですね。
【堀田主査】  だけど、とりまとめ、この後、きょう審議しますけど、とりまとめには当然書かなきゃいけないことなので、逆に言えば、今ちゃんと議論しておきたいんですけど、ここの評価の観点と少なくとも直接的に関係しているという話で何かあったら、先生、御意見を頂きたいんですけど、そうではなくて、やっぱりそういう議論が必要だという御意見であればちょっと後にしたいと思います。
【柴田委員】  この高等学校の情報科の評価の観点という形でたたき台がありますが、本当ならば、小学校段階、中学校段階、高等学校段階というマトリックスになるのがこの議論のスタートだったのではないかなと。途中で教科情報の話になって、高校卒業段階の評価の観点しか、この表にない状況なので、残り少ない回数ですが、ここを議論できたらいいなと思っています。
【堀田主査】  ありがとうございます。貴重な御意見です。
 ほかにいかがでしょうか。
 白水委員、お願いします。
【白水委員】  評価の観点について(たたき台)ですが、これは、左右に知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度というのを横で見渡すと、非常によくできている観点かと思いました。どんなふうに受け止めたかと申しますと、知識・技能のところには、情報と情報技術をいうのを併せて、問題の発見・解決に活用するための知識・技能がどういうものか。それが、情報化の進展する社会の特質と社会と人間の関わりについて、どんなふうに関わるかという知識・技能というのを理解した上で、思考・判断・表現のところでは、まず、事象を情報とその結び付きの視点から捉える。さらに、その問題の発見・解決に向けて情報技術というのが後段に出てきて、それを適切かつ効果的に活用している。最後に、情報社会との関わりについて考えて、問題の発見・解決に向けて主体的に情報及び情報技術をもう1回総合的に活用して、自ら評価し改善しようとしているというような全体的な構造だと考えると非常によくできているのではないかなというふうに感じました。
 一つだけ質問ですが、そう考えると、最後の「自ら評価し改善しようとしている」の目的語は、一番頭の情報社会との関わりについて考えながら、情報社会を評価し改善しようとするのか、それとも情報及び情報技術を評価し改善しようとしているのかという、この目的語は何かというのを確認させていただけるとうれしいです。
 以上です。
【堀田主査】  これ、事務局、いかがですか。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  失礼いたします。
 これにつきましては、スライドの2ページの学びに向かう力、人間性のところにも書いてございますけれども、二つ目のポツに「自らの情報活用を振り返り、評価し改善しようとする態度」というふうにございますので、後半の方の「主体的に情報及び情報技術を活用し」、この部分につきましてが目的語になるというふうに考えております。
【堀田主査】  ということは、それが明確に分かるように記述を修正した方がいいということですね。ありがとうございました。
 ほかに御意見いかがでしょうか。
 安藤委員、次、小原委員に行きます。
【安藤委員】  私も先ほどの小・中との接続ということをコメントしたかったんですけれども、既に出ましたので、そこは省略したいと思います。
 まず1点ですけれども、今回、プログラミングが必修になるというのが一つの大事なポイントかと思うのですが、ここの評価の観点の中に、そのらしさが余り出ていないような気がするんですね。ですので、プログラミングというものが必修になったときにどういう観点になるかというのは、もう少し見えやすいような書き方ができるといいのかなという気がしています。現在の表現では、特にプログラミングじゃなくても多分良いのではないかとなることが懸念される気がしました。
【堀田主査】  今のは、具体的に言うとどうしたらいいですか。
【安藤委員】  これまでの議論の中ですと、プログラミングで、例えば手順を分解する力が付きますよということが言われてきました。そうであれば、この文章の中に事象を分解してとか、そういう一語が入っていると、ああ、これはプログラミングから導かれる観点なのかなというのが見えるかな。これは一例ですが、そんなイメージです。
【堀田主査】  分かりました。
【安藤委員】  あともう一つですけれども、情報技術という言葉の捉え方について質問があります。例えば参考資料3の、「(参考)情報教育の目標の『3観点』と資質・能力の『三つの柱』との関係のイメージ」の情報教育の目標の「3観点」というところでは情報手段という言葉になっているのですが、こちらの資料では全て情報技術というものになっています。この現在情報技術と書かれているところはテクノロジーとして捉えていいのかどうかというあたり、そこが自分としてはちょっと分かりにくかったので、そこを御質問させていただきたいと思います。
【堀田主査】  この用語の整理については教育課程全体で少し調整することになると思うんですけど、まだ途中だと思うのですが、事務局、何か御意見ありますか。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  用語につきましてはまた整理をさせていただきたいというふうに考えております。情報技術という用語につきましては、先生方、御案内のとおり、3月に日本学術会議の方で参照基準ができまして、そちらの方では、ITないしICTという、テクノロジーの総称というふうな整理がされておりますので、今回の整理につきましてはその整理に沿った形で使わせていただいております。
 そして、情報技術を使う際に、それをただ単に使うということではなく、プログラミングでありますとか、もろもろの情報を扱う方法というものが当然、それを使う際にはあって使っているというふうなことで用語を使っていきたいというふうに考えております。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 むしろ、情報手段というと、いわゆるテクノロジーに限らず、情報を扱うということと情報手段、いろいろな経路で情報を得る際の手段という話に、教科情報以外はそういうふうになっていると。逆に、教科情報のところでは、特に情報技術にフィックスして、注目して捉えるという方向で議論、あるいは用語の整理がされてきているところかと思っています。
 ほかにいかがでしょうか。
 関連ですね。
【小泉主査代理】  関連です。
【堀田主査】  その後、小原委員に行きます。
【小泉主査代理】  済みません、割り込みまして。今の安藤委員の御意見についてですけれど、「思考・判断・表現」の中に、情報技術か、あるいは情報手段かという議論がありましたけれど、その一方で、プログラミングというキーワードをどこかにというのは私も同じ意見で、左側の「知識・技能」と、右側の「主体的に学習に取り組む態度」については、さすがにプログラミングというキーワードはなかなか難しいと。今の議論の中で、3行目の「思考・判断・表現」の情報技術という部分を、ある意味、「プログラミングをはじめとした」とか、「プログラミング等の」とかいう形で明示的に“プログラミング”を入れると、「情報技術」は使いにくくなり「情報手段」とかになる可能性はありますが、これを検討していただければという意見です。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 小原委員、お願いします。
【小原委員】  先ほど申し遅れてしまったところがあったのですが、二点ございます。一点目が、情報モラルについてですが、カラーパンフの方では学びに向かう力、人間性の方に入っていて、そちらの方で情報モラルという部分をピックアップしてきたと思うのですが、主体的に学習に取り組む態度というふうになった段階で、恐らく、情報モラルは主体的に取り組む態度とはちょっとベクトルが違うのかなというような意味で外れたのかなという理解をしているのですが、そうなったときに、この三つの中に情報モラルという言葉、あるいはそれに準ずる言葉が入ってこなくても大丈夫なのかなと。もし、これが小・中学校段階である程度身に付いているものだと、高等学校ではもう身に付いていてしかるべきだという判断の下であるのだったら、それはそれで私は個人的にはウエルカムなのですが、その辺のところの整理がちょっと一つどうなんだろうという部分と。
 あともう一つ、似たようなキーワードで情報セキュリティということに関して今まで私ども議論をしてきたと思うのですが、情報セキュリティという部分については、カラーの方では、ちょうど個別の知識・技能の中で情報セキュリティというのが出てきていると思うのですが、こちらの新しいたたき台の方では、情報セキュリティという言葉はやはり先ほどのプログラミング同様に出てきていないんですね。これが、「情報と情報技術を問題の発見・解決に」という、その「情報と情報技術」の部分に吸い込まれているという認識であるのだったら、それはそれでいいのですが、ちょっとそこら辺の部分がどこまで含められるのかというのが少し見えにくかったので、もし、この辺を作られたときにどの程度までというような認識があるのであれば、ちょっとお聞かせいただけるとありがたいかなと思います。
 以上です。
【堀田主査】  答えられますかね、事務局。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  まず、情報モラルに関しましては、「情報社会との関わり」という表現の中で全て含んでいるのではないかというふうに考えております。また、情報セキュリティに関しましても、モラルというよりは情報技術という方で捉えていくということになろうかと思います。これは、いずれにしましても教科全体を通じての評価の観点でございますので、当然、それぞれの学習する場面、単元等に応じましてさらに細かなものがということになってこようかと思いますので、ちょっと個別のこういう技術というふうなことを全て書き出すというのはまた検討させていただければというふうに考えております。
【堀田主査】  大杉室長、お願いします。
【大杉教育課程企画室長】  少し議論の整理のために発言させていただければと思いますけれども、これ、観点別評価の評価の観点の全体のイメージということですね、そういうことで申し上げますと、先ほどのワーキンググループの資料1-2のところで資質・能力との密接な関連ということが冒頭でもございましたけれども、目標と評価の一体的なということで、目標に準拠した評価の実現ということでは、ここの資質・能力のところでいろいろなことはしっかり明確化していく必要があるであろうということでありますので、ここに恐らく欠けているものがあってはならない。ただ、ここに全て書き切れるわけではないので、内容構成というところも今御議論いただいているかと思いますけれども、さらに詳細は教科の指導内容の内容構成の方にしっかり入ってこなければいけないということかと思います。そして、今御議論いただいております評価の観点というのは、単元ごとに恐らく先生方は一つずつ作っていくことになるかと思います。その大きなガイドラインといいますか、方向性として何が足りないのかという観点から御議論いただく必要があろうかと思います。済みません、失礼いたしました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 津賀委員、清水委員で行きます。お願いします。
【津賀委員】  全般的に分かりやすい形で整理いただいていると思っております。その中で、一番左と右で、左側の知識・技能のところですと「情報化の進展する社会」とあります。右側の主体的に学習に取り組む態度では「情報社会」とあります。これらを一緒にしてほしいという意味ではなく、このニュアンスの違いが何なのかというところを確認させていただければと思います。
【堀田主査】  「情報化の進展する社会」と「情報社会」、使い分けているのかということですね。
【津賀委員】  はい。
【堀田主査】  これは、いろいろいじっている間にこうなっているのかもしれない。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  知識・技能といった、特に知識の面といたしましては、やはり情報化社会の現在ということだけではなく、情報化社会の変容でありますとか、そういったことも捉えていくということも重要ではないかということで、今回、内容の方にもそういったことを入れさせていただいておりますので、知識・技能の点では「進展する社会の特質」というふうな表現をとらせていただいたところでございます。
【堀田主査】  さすがです。ありがとうございました。
 清水委員、お願いします。
【清水委員】  先ほどの1-2の資質・能力と評価の観点について見比べさせていただいておりました。非常によく整理されていて、分かりやすくなっているなというふうに思うんですけれども、先ほども御指摘がありましたとおり、思考力・判断力・表現力の中の一番下の「複数の情報を結び付けて」云々というところが現在抜けているのではないかというお話があったのですが、それぞれ資質・能力の中で、個別の知識・技能ということでは4つの点があって、思考力・判断力・表現力では三つの点があって、最後は4つの点があると。ここに書かれているものが、この評価の観点のどの辺に整理されているか、関連されているのかということを、先ほど主体的に学習に取り組む態度の中では御説明あったと思うんですけれども、ああいう形でうまくこことここが関連していますよということをちょっと御紹介いただけると、非常に分かりやすくてよいのかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
【堀田主査】  事務局、説明できますか、これ。観点別に1個1個のことをどう評価するかは、もちろんこの目標の裏返しで、最終的にはやるんだけど、そういう評価の大まかな方向感がこれでいいかというのが今議論していることだということですね。
 稲葉さん、どうしましょう。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  そういった、ちょっと分かりやすく説明するということにつきまして、またきょうの御意見を踏まえまして検討させていただきたいというふうに思います。
【堀田主査】  そうしましょう。ありがとうございました。
 佐藤委員、白水委員、お願いします。
【佐藤委員】  今の清水委員の御意見と重なる部分もあるのですが、特に私が、評価をするために一番軸になる、思考・判断・表現の部分が両サイドに比べて実際重たくなってくると思います。この文章、「事象を情報とその結び付き」からずっと「活用している」まで読んでいったときに、思考・判断・表現の、思考がどの部分、例えば事象を情報とその結び付きの視点から捉える思考だとか、あるいは判断はどの部分なのかとか、表現は結局、自分で判断して考えたことをアウトプットするというようなことになってくると思うんですね。ですから、これ、評価の観点ですので、そういう思考がどのあたりで、判断はどの部分で、表現はここなんだというのが分かりやすく書かれていれば、さらにかみ砕いてそれぞれの項目について観点別評価を作り上げていけると思うのですが、だから何をという、まだ私もプランはないんですけれども、そういう観点で、思考はこの部分、判断はここ、そして表現はこの部分、これを具体化してくださいというような評価の観点であれば、もっと使いやすいかなと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 白水委員。
【白水委員】  議論を多分二つの方向で整理できるといいかなと思いました。一つは、このたたき台を横に見て、大杉室長がおっしゃるような、教育と評価のガイドラインとしてどういう意味を持つかという観点での議論、それから、これを指導内容のレベルにどうやってブレークダウンして、先ほどおっしゃったように、かみ砕くときの指標として使うか、この二つというのは両方進めていけるといいのだろうと思います。
 先ほどの、例えば手順を分解してというのがプログラミングの中にあるじゃないかというのは、手順を分解するプログラミングにおける思考・判断・表現というのは、情報とその結び付きの視点から考えることの一例なんです、ということをしっかり現場に向かってかみ砕いて説明していくようなことができるといい。そう考えると、この横の抽象度の高いところのレベルで、この三つを併せてどういう教育が可能になるかというイメージが描けるといいのかなと思います。
 それでいくと、私が若干懸念するのは、情報化の進展する社会の特質、社会と人間に関する理解というのを、情報と情報技術というのを中心にして得ていく、その知識・技能というのを、思考・判断・表現を通して、最後に、「情報社会との関わりについて考えながら、問題の発見・解決に向けて主体的に情報及び情報技術を活用し、自ら評価し改善しようとしている」の目的語が情報及び情報技術だけになってしまうと、今の情報社会というのを是として、その変化に対応するような情報と情報技術の活用の仕方を自分の方がちゃんとできているかというのを評価して改善していくだけになるのではないかということです。そういうふうに考えると、情報社会の在り方自体を組み直して、見直していくというのが、資質・能力の一番最後のところにあります、「主体的に参画し、より望ましい社会を構築していこうとする情意や態度等」というふうに書かれている、ここの情報社会を作り替えていくというようなエッセンスを主体的に学習に取り組む態度のところに残しておくと、例えば思考・判断・表現力のところに、先ほどの「新しい意味を見出す」みたいなことも生きてくる余地があるかなという意味で、ここの主体的に学習に取り組む態度の目的語は案外大きいのではないかというようなコメントです。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 短い文章でまとめることになりますので、そういう意味では御意見をたくさん頂きましたが、それを全部反映できるかどうかはまだちょっと分かりません。それと、事務局の方で今おっしゃいませんでしたけど、この三つの、知識・技能から始まって最後の態度までの横並びを、情報ではこう作りますけど、数学ではこう作るとかいって、各教科を並べてみたときの整合性といいましょうか、粒度といいましょうか、そこの調整もあろうかと思いますので、次に出すときには事務局がそういう調整を踏まえた案として、もちろん皆さんの意見を受け止めた上でですけど、出すべきかなと思っております。
 僕、主査ですけど、一研究者としてもやっぱり確かに意見はあって、例えば、知識・技能のところで言うと、目標の資質・能力の方には影響とか制度とかいう用語があるけれども、影響なんていうのは大事な言葉なんじゃないかなとかですね。入れるかどうかは分かりませんけど。一番右側の態度のところも、責任とか、情報社会の発展に寄与するみたいな話は、寄与できたかはちょっと評価できないと思いますけど、そういう方向感というのは、社会を作り替えると今、白水委員はおっしゃっていましたけど、そういう態度としては非常に重要だなと思うものですから、そういう言葉の、理念のと言ったらいいでしょうか、重要なところをしっかりと残しつつ、かつ各教科等との横並びをうまく整理しつつ皆さんの御意見を入れていくと、各論になり過ぎないぐらいのガイドとしてしっかり作っていくという、これは結構難しい調整作業かと思うんですけれども、皆さんの御意見を踏まえて、そういう方向でこれから整理をしていっていただきたいと思います。
 特段なければ、次の議題に参りたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、次に、きょうのメインになるかと思いますけど、検討事項2でございます。情報ワーキンググループのとりまとめということで御議論を頂きたいと思います。きょう、「情報ワーキンググループとりまとめ(たたき台案)」という形で事務局が御準備いただいていますので、これをまず、御説明いただきたいと思います。資料1-2でございます。
 では、お願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、資料1-2をごらんいただきたいと思います。
 まず、この情報ワーキンググループのとりまとめについてでございますけれども、全体の章立てにつきましては、各教科で基本的には共通なところで考えているところでございます。ただ、内容面につきましては、当然、このワーキングで御議論いただきましたことをできる限り反映してまいりたいというふうに考えております。また、前半の方に文章、そして後半にポンチ絵を付けさせていただいておりますけれども、文章の内容を特に分かりやすく図示したものが後半のポンチ絵というふうに位置付けをさせていただいております。また、まだ現状のところでは、スライド、後ろに付けておりますポンチ絵の順番につきましては文章の順番とちょっと合っていない、ちぐはぐなところがございますが、これは後ほどきちんと修正したいというふうに考えております。
 それでは、ごく簡単にでございますが、とりまとめの全体につきまして御説明させていただきたいというふうに思います。まず1ポツといたしまして、現行学習指導要領の成果と課題ということで、情報技術の急速な進展に伴いまして、様々な変化があるというふうなことを最初に述べておりまして、その後にIT人材の裾野を広げていくことの重要性の指摘ということも踏まえております。
 そして、情報科につきましては、情報活用能力育成の中核となってきたけれども、必ずしも情報の科学的な理解に関する指導が十分ではないでありますとか、興味・関心を有する生徒の学習意欲に必ずしも応えていないのではないかといった課題もあるというふうなこと、そして、こうしたことを踏まえまして、情報科におきましては、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を育むことが一層重要というふうに述べております。
 そして、2ポツ、育成すべき資質・能力を踏まえた教科目標と評価の在り方についてということの(1)教科等の特質に応じ育まれる見方や考え方におきましては、情報科は、いわば情報技術の活用による問題の発見・解決の過程や手法そのものを学ぶ教科であるといたしまして、情報科における問題の発見・解決は、各教科における学びの対象でもあります社会、産業、生活、自然等のあらゆる事象を対象とし、情報科に特有の視点で捉える、そして、問題の発見・解決に当たって情報技術を活用していくということに特徴があるということを述べております。
 そして、事象を情報科に特有の視点で捉えるということにつきましては、事象を抽象化し、「情報」と「複数の情報間の結び付き」として把握することである。
 また、問題の発見・解決に当たって情報技術を活用していくということは、科学的な理解の基礎の上に、問題の発見・解決に向けた適切な情報技術の選択や活用を探究することである。そして、その際、情報技術の特性をできる限り生かすことを志向する、見通しをもった試行錯誤と評価・改善とを重ねながら問題の発見・解決を進めていくということを述べております。
 そして最後に、以上のことを要約いたしまして、情報科における見方、考え方につきましては、「社会、産業、生活、自然等の種々の事象を情報とその結び付きとして把握し、見通しをもった試行錯誤と評価・改善とを重ねながら、問題の発見・解決に向けた情報技術の適切かつ効果的な活用を探究する」ことであるというふうにまとめさせていただいております。
 (2)の小・中・高を通じて育成すべき資質・能力の整理と、教科等目標の在り方につきましては、二つ目の丸でございますけれども、三つの柱に沿って整理されました、全ての生徒に育むべき情報に関わる資質・能力を踏まえると、情報科において育む資質・能力は以下のように整理されるということで、これまで御議論いただきました資質・能力について述べているところでございます。
 そして、これを踏まえて、情報科の教育目標としてどのようなことが考えられるかということをその次に述べております。
 そして、その次に、小・中学校段階からの問題発見・解決でありますとか、情報活用の経験にこうした資質・能力が育まれるものであるということで、小学校、中学校におけますそうした学習活動が一層充実されることを前提としているということを述べております。
 そして最後に、3観点につきましては、情報活用能力を育成するための具体的な指導項目でありますとか、学習活動をイメージする上でなお有意義なものであるということを述べております。
 続きまして、(3)の資質・能力を育む学習過程の在り方におきましては、情報科の学習は、種々の事象の中から問題を発見し、情報技術を活用して問題の解決に向けた探究を行うという過程を通して展開されるということで、これも御議論いただきました学習過程につきましてまとめさせていただいております。
 そして、その際、現実世界とのつながりや関連を意識しながら展開されることが重要であるでありますとか、ICTを効果的に活用することが重要であるということを述べております。
 (4)の「目標に準拠した評価」に向けた評価の観点の在り方につきましては、本日の議論を踏まえまして記述をさせていただきたいというふうに考えております。
 次に、3の資質・能力の育成に向けた教育内容の改善・充実。(1)科目構成の見直しについてでございますが、ここは「論点整理」を踏まえまして、仮称でございますが、「情報1」「情報2」を設けるということを述べております。
 (2)資質・能力の整理と学習過程の在り方を踏まえた教育内容の構造化についてでございますが、情報科においては、資質・能力を明確に示すことによって、どのような指導を行えばよいのかをよりイメージしやすくなるとしまして、そのため、教育内容につきましては、資質・能力の「三つの柱」に沿って構造化することが適当であるというようなこと。
 それから、情報Ⅰ、Ⅱ、いずれも科目の導入段階におきまして、情報社会と人間との関わりなどについて扱いまして、学びへの意欲、見通しを持たせるようにするというようなことを述べております。
 (3)現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しについてでございますが、具体的に、プログラミングでありますとか、情報セキュリティなどについて充実する必要があるということ、統計的な手法についても同じでございます。そういったことを述べております。
 そして、これを踏まえまして、情報Ⅰ、仮称でございますが、そこにおきましては4つの項目で構成することが適当ということを述べております。
 なお、一定ここで補足をさせていただきますが、この「情報Ⅰ(仮称)」の項目でございますけれども、前回の本ワーキングにおきましては5項目で提案させていただいております。その中のモデル化とシミュレーションに関しましては、「コンピュータとプログラミング」との関連が非常に深いのではないかというような御意見を前回頂いております。また、5項目で構成となりますと、全体的に若干窮屈になるという部分もございますので、これにつきましては統合しまして、「コンピュータとプログラミング」の中に統合するという形で今回御提案させていただいております。
 戻りまして、情報Ⅱに関しましては、ここにありますように4項目で構成するというふうにいたしまして、課題研究につきましても、その検討が必要であるということを述べております。
 続きまして、プログラミングに関しましては、中学校技術・家庭科の技術分野の学習内容との接続・連携に留意する必要があるというふうなこと。また、本日も御紹介させていただきました種々の検討ですとか、取組、動向がございますので、それらを考慮して検討する必要があるというようなことを述べております。
 4の学習・指導の充実や教材の充実についてでございます。(1)特別支援の充実、個に応じた指導の充実につきましては、まず、特別支援の部分に関しましては、個々の生徒の困難に対応して、コンピュータ等の情報の取得や操作等が確実に行えるよう、支援技術を適切に用いる等の配慮が必要であるといったことで幾つかの具体例を述べております。
 また、個に応じた学習を進める上でICTを適切に活用することが有効であるということで、生徒が達成感を味わうような課題等を与えることが重要であるというようなこと。また、他方で、プログラミング等におきまして優れた能力を発揮する生徒に対しまして、より進んだ学習機会を提供すること等の大切さについて述べております。
 (2)「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」の充実についてでございます。情報科におけます「深い学び」につきましては、問題の発見・解決、その過程でありますとか、方法を意識して考える、その過程における情報技術の適切かつ効果的な活用を探究していくということが、「見方や考え方」を働かせ、それを成長させるとともに、概念化された知識などの資質・能力を獲得するという「深い学び」になっていくということを述べております。
 「対話的な学び」につきましては、話し合いですとか、協働制作でありますとか、産業現場の人々との関わりなど。「主体的な学び」につきましては、見通しをもって試行錯誤する、自らの情報活用を振り返って、評価・改善するといったことについて述べております。
 (3)教材の在り方ですが、教材につきましては、生徒が主体的・協働的に学習を進めることができるもの、その上で、さらに深めていくことができるものということを述べております。
 次のプログラムの制作・実行環境などにつきましては、情報科の趣旨を踏まえたアプリケーションが開発され提供される等のことが必要であるということを述べております。
 5番の必要な条件整備等につきましてでございます。初めに、カリキュラム・マネジメントについて述べております。技術分野におけますプログラミングの経験等を踏まえまして課題設定等に配慮する必要があるということ、また、先ほども御紹介させていただきましたが、数学科における統計に関する内容との関連等に留意するというふうなことを述べております。
 また、続きまして、情報科の担当教員につきまして、現在の状況の改善の必要があるというようなこと等ですとか、研修の充実の必要性について述べております。
 また、ICT環境整備につきましては、学習活動の充実に必要なICT環境全体の整備を進めることが必要であるというようなこと。
 そして最後に、大学入学者選抜に関しましては、情報科において育む資質・能力を踏まえた出題ということについて述べているところでございます。
 大変早口でございましたが、説明は以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 大変重要なペーパーだということは御理解いただけたと思います。ここで私どもの情報ワーキングとしてまとめたものが、次回、確定にかなり近い形にしたいと思いますけれども、それが教育課程企画特別部会とか、教育課程部会とかそういうのにかかっていって、中教審の最終答申につながっていく、そこに出されたものを受けて学習指導要領が作られるということになりますので、このペーパーに、私たちが考えてきたことを、審議してきたことを全てしっかりと適切な文言で入れるということが必要になります。そのたたき台を、きょうは、皆さんの御意見を、今までのものを踏まえて事務局が提示してくれたということですので、まだまだ改善の余地はたくさんあろうかと思いますので、ここをもっとこうした方がいいんじゃないかという御意見をこれから多数頂きたいというところでございます。
 中川委員から行きましょう。
【中川委員】  8ページの一番最後のところですけれども、「教育用コンピュータや高速無線LAN等のICT環境整備」とあるのですが、高速無線LANというと、学校内で閉じた高速な無線LANということも言えてしまいますので、ここは是非とも強くインターネットへのアクセスというところを入れていただきたいのと、あとはこれ、2020年を想定しているというと、ひょっとしたらもう当たり前過ぎて入っていないのかもしれないのですが、クラウドのリソースを積極的に活用できる環境という文言も入れていただきたいです。当然ですが、ネットワークのセキュリティに対して十分な配慮という文言とともに。と言いますのも高速な無線LANとだけ見ると、学校内に高速な無線LANだけを敷いて、インターネットに余りアクセスさせない、すごくセキュアな環境を作ってしまう可能性が残ります。しかしながらそれは多分、余り意味がないと思いますので、ここは安全なインターネットアクセス、高速なインターネットアクセスを強く希望します。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございます。今みたいな御意見、非常に貴重でございます。
 ほぼ皆さんが御発言されると思うんですけど、取り急ぎ、柴田委員、佐藤委員、兼宗委員、小原委員、安藤委員という順番で行きましょう。マイクの人が大変なので。
【柴田委員】  5ページですけれども、今まで言い続けてきたことが少しずつ私がイメージしていたものに近付いていて、もう一押し、同じことですが、言い続けたいなと思っています。まず、5項目を4項目にしたのは、学校現場としては非常に授業作りをやりやすくなったんじゃないかなと、非常にいい方向に行ってありがたいなと思っています。
 それから、モデル化とシミュレーションもコンピュータとプログラミングの項目の中に入ったというのも、学校としては、モデル化とシミュレーションとプログラミングを行ったり来たりするという学習が考えられるので、非常にいいなと思っております。
 それから、課題研究が学習項目ではなくなったというのも、今までずっと言い続けてきたのがやっと形になってうれしかったんですけれども、これもこのワーキングで言う話ではないと思うのですが、学校としては、課題研究をしっかりやる、例えば情報Ⅱを4単位でやるという置き方とか、2単位でこの課題研究は軽くやるというような柔軟な置き方、自由度があると、学校現場としては情報Ⅱを置く学校が増えていくんじゃないかなと思います。今までも同じことばかり言っているようですけれども、言い続けると反映していただけるんだなと思ったので、述べさせていただきました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。とても大切な観点です。先生、是非言い続けてください。
 また、佐藤先生も是非言い続けてください。どうぞ。
【佐藤委員】  では、失礼します。
 科目の構成のことは、今おっしゃったのに重なりますので、やめておきます。
 私が言い続けてきた点で、8ページをごらんください。本当に、必要な条件整備の中で、特に教員養成につきましては、非常にボリュームを持って文章化していただいて本当にありがとうございます。都道府県によっては、教員採用がないため情報課教員がいなかったり、少なかったりで、すごく困っていることが書かれております。
 また、5番につきまして、まず2つ目の丸の一番下のところですが、履修時期等についても留意することを望むと、この点につきまして、現行の学習指導要領を作るときですが、実は、できるだけ低学年に置いていただくことと、それから、分割履修は禁止していこうというような動きを、平成17年の頃に前教科調査官の下で私たちが言いたかったことで、分割履修につきましては何とか解消されるような表記に、現行の学習指導要領はなっております。ところが、履修時期については1年生というのは明言していません。そこで、今回、やはり履修時期についてもう少し具体的に、要するに私としては1年生で置いていただきたいわけで、理由は二つございまして、やはり中学校との接続という部分を意識して、1年生に置かなければというのが1つあります。現行の学習指導要領でも、置けない場合は、学校設定科目等という表現で、1単位でも置くというような文章がたしかあったように思いますので、できましたら今回は必履修2単位を、2年生ではなく、1年生に置いていただけるような、そうすることによって中学校との接続がうまくいくのではないかと考えられます。
 もう一つの要件としましては、やはり全ての教科の基本となる情報活用能力を身に付けさせる教科であるということですね。そこが大きなポイントになるかと思いますので、是非この点、何かそういうことが実現するような文章表記を盛り込んでいただけると非常にありがたいかなと思いました。これが一点目です。
 二点目ですが、これは、要するに全ての学校で実際に本当に情報の授業が行われているのかということが非常に問題になった時期がございまして、今回のこのような表記でそれも改善できるかなと期待しております。特に科学的な理解を深めることができるような授業のできる教員の育成というのは急務なのですが、一つお願いしたいのですが、抜け道がございまして、代替教科・科目ですね。専門学科におきましては、商業でありますとか、工業でありますとかは代替が認められております。その辺はいいとして、実は、それ以外でも科を置いていらっしゃるところ、グローバルサイエンスでありますとか、理数科でありますとか、そういったところが情報の科目をせずに数学をやっているとか、英語をやっている。これは代替として置けるからそういうふうになってしまっているわけです。現実的に情報をやっていないところはあります。それは代替が認められているからということで、そういったところの逃げ道を何とかなくせないかというようなことをお願いしたい。この二点でございます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 兼宗委員、お願いします。
【兼宗委員】  今までの我々の雑多な意見をうまくまとめていただいて大変感謝しております。
 幾つかコメントします。1点目は3ページ目で、小・中学校段階で文字入力をはじめとする基本技能についてひととおり行っておくことを明記してくださって大変すばらしいと思いました。ただ、前も議論に出ましたが、授業で使う情報機器が変わる可能性があり、特にタブレット等の普及が進んでいますので、そのあたりの配慮が必要でしたら記述をお願いしたいと思います。
 二点目は、5ページ目のあたりの中学校との接続についてです。中学校でも計測・制御だけではなく、プログラミングを、というお話は良いと思います。ただ、せっかく学んだものが高校の方では生かされないのではないかということが少し気になっておりまして、なぜかといいますと、5ページの一番下の丸のところでIoTというキーワードが出ているわけですけれども、これは御存じのように、様々な機器がインターネット等を通じて通信し合うというものであり、中学校の技術・家庭科と近い内容を意識しておられるのかなと思いました。また、IoTによって大量のデータが生まれますので、それを、ビッグデータ等と書かれているようなデータ処理として活用することは非常に有用と感じます。高校の中に是非、そのような「計測機器の活用」的なものを可能性として含めていただければと思います。今は全く入っていないため、興味を持った先生が授業でできないことを心配しています。 次は、以前も申し上げたことですが、技術のトレンドとしてITの用語は非常に早く廃れていきます。本当に2年たつと言葉がなくなっていることがよくあります。今、内閣からの報道でもありましたようなAIとかIoTという、現段階で重要な言葉は書かれていて構わないと思うのですが、これらを今後、指導要領を含めて残していくときには気を付ける必要があると感じております。例えば、ここで言うと情報システムとAIは多分残ると思います。ビッグデータとIoTはどうでしょう。これらが説明に書かれているのは問題ないと思っておりますが、データサイエンスにつきましては、もしかしたら危険かもしれないので、できれば単元名からは外していただければというのが私の個人的なお願いになります。
 参考までに、英語版のある検索エンジンと、皆さんで編集する百科事典サイトを見てみたところ、データサイエンスにつきましては、2年前は今の5分の1しか検索語として使われていなかったことがわかりました。もしかしたら今、急速にはやっている言葉で、もしかしたら急速に廃れる可能性があるかもしれません。また、英語版のウィキペディアにも注意書きがありまして、この語はバズワードというか、正式な用語ではないという意見もあり、この方とこの方が文献で表明されていますということが書かれていましたので、一応御参考までにお伝えしたいと思います。
 以上です。
【堀田主査】  お願いします。
【小原委員】  たびたび恐れ入ります。小原です。
 私は現場の人間ですので、どうしても現場サイドの発言になってしまうことをどうか御容赦ください。やっぱり8ページの必要な条件整備等についてがまず一番大きいなと思いますので、ここについては一言申し上げたいと思います。先ほど中川委員が最初に先頭を切ってお話しされたと思うんですけれども、今、アクティブ・ラーニングですとか、あるいは反転学習ですとか、いろいろなキーワードが出てまいりますけれども、やはりそれらのベースになるというのは、生徒が学校で学習したものを、続きを家でやるとか、自分で考え、上手に時間を使いながら主体的に学習する時には、クラウドの環境というのは今はもう切っても切り離せない状況だと思います。ですので、是非、クラウド環境、家からでも学校からでもセキュアにアクセスできる環境というのをどこかに入れ込むことができれば、私が働く東京都でも非常にありがたいなというふうに思っています。それがまず1つです。
 それから、佐藤委員から時期の話も出ましたけれども、私も前回、学習指導要領に携わったときに、できるだけ早い時期に接続の観点、また、いろいろな他教科との関連を考えたときに、早い時期に情報科の学習を通して他教科との連携を深めるというのは極めて重要な視点だろうというふうに考えておりますので、やはり早い時期、できれば1学年からというのが盛り込まれていくような形になるとよろしいというのを非常に感じました。
 ただ、全体的に非常に完成度が高くて、私も思いがたくさん入っているので、本当によく、たくさん考えてまとめていただいたんだなと思って感服しておりました。どうもありがとうございます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 安藤委員の次は益川委員から、今度、こっち側に行きますので。どうぞ。
【安藤委員】  私も、この接続について幾つか、これまで御意見させていただきましたので、数か所にわたって書いていただいていることに感謝しております。
 ページ順に少しお話しさせていただきたいんですけれども、例えば3ページの中で、是非ここも残していただきたいなという点で言いますと、「基本的な操作技能については、中学校までにひととおり習得されており」の、この「までに」というキーワードが重要かなというふうに思いますので、是非残していただけるとありがたいなと思っております。中学校の技術という中ではなくて、小学校段階である程度の機器操作を習得する必要がある、というメッセージ性があるかなと思います。
 そして、5ページ目ですけれども、先ほど兼宗委員からありましたように、IoTという言葉も、これまでの計測・制御との関わりの中で非常に重要なキーワードになると思います。ただ、このキーワード自体がどれくらい持つものなのかという、御意見がありました。とはいえ、コンピュータの中だけのシミュレーションとかではなくて、実際、何かのデータと、あるいは計測する、制御するということとの関連性も、是非、高校の中でやっていただくと接続性がよいかなということです。
 そして、7ページ目です。先ほどの私のコメントと少し関連するのですが、プログラミングということについて、この「対話的な学び」の中に唯一プログラムというキーワードが出ています。ここのプログラムのキーワードは、役割を分担してプログラムを行うという文脈でのプログラミングなんです。先ほどの評価の観点で、思考・判断・表現の中に多少、プログラミングということで身に付くものがあるとすれば、是非、この「深い学び」の中にもプログラミングによって深く学べることという表現が入るのではないかなと思います。プログラミングでどういう考え、若しくは判断・表現というところですね、そのあたりを是非入れていただけるといいのかなと思っております。
 そして、これ、最後ですけれども、8ページ目のあたりも、先ほど教員の話がございました。中学校の技術・家庭科の技術分野という中で、確かに今、計測と制御ということでプログラミング等もやっていますが、中学校は3年生ですと2週間に1回しかないという中で、技術分野の教員にとっては非常に高度な指導力が要求されていると理解できますので、是非このあたりの「担任を解消するよう務める必要がある」ということは、このワーキングでの議論ではないですけれども、中学校技術においても、情報教育を担う立場として責任を持って実施できるようにしていく必要があるのではないかなということです。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 益川委員。
【益川委員】  まず3ページ目ですが、「早い段階で基本的な操作技能を習得されることが望まれる」というところで、今、ここには「発達の段階を踏まえつつ」とありますが、どんどん時代は変わっていっていろいろな情報機器とかは増えていくので、発達段階だけではなくて、そういう子供たちの学習環境であるその情報社会の進展も踏まえつつという表現を加えて両方併記した方が、この「基本的な操作技能」というところを時代に合わせて発展的に見直していけるのではないかと思いました。
 5ページ目のところですけど、課題研究の位置付けというのがいい形になってきたというところは自分もいいのではないかと思いますが、情報2の科目選択にも関わってくるので、あくまで参考意見ではあるのですが、情報1のところでも、何らかの新たな価値を創造する課題研究に取り組めるような余地というのを、うまく表現して残しておいた方がいいのではないかと感じました。
 最後、8ページの必要な条件整備等についてです。教科情報科の高等学校の方に力点が置かれていますが、例えば小学校免許であるとか、各教科の中学校免許を取っていく中でも、こういう情報に関して学ぶ機会を整備していく必要性の記述もあってもいいのではと思ったことが1点です。あと、ICTの環境整備のところの記述になるかどうか、ちょっと分からないんですけど、流暢にいろいろな情報機器も使っていくという観点から考えたときに、学校で整備している機器だけを使うという視点から広げて、例えば日常的に高校生であればいろいろな機器を使っているので、そういう機器の活用も前向きに検討するみたいな観点をどのぐらい入れるのかも検討していただきたいです。それがさまざまなICTやクラウドの有効活用などにもつながっていくので、何らかそういう観点に触れた内容も入れておく必要があるのではないかと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 野部委員。
【野部委員】  主に8ページについて発言したいと思います。後から意見として送付しましたメールの内容も反映されていて、うれしく思っております。まず、既に何回か出ていることですが、2つ目のことに関してです。情報の履修時期が3年に置いてある、学校が残念ながらまだ散見されておりまして、3年に置いている場合、情報科としての内容を十分にできているのだろうかと心配です。
 あと、認められていることですが、SSHなどでは情報の単位を1単位にして課題研究に当てております。もちろんその1単位でSSHの学びがあるとはいえ、その分、情報科の学びが不十分になるという可能性があります。むしろSSHだからこそ1年のときにきちんと情報科2単位にして、情報の考え方を踏まえて課題研究をすることになるとより良いと考えます。
 次に教員養成及び教員の育成につきましても書いていただいて、とてもありがたいと思います。採用は都道府県単位のことですので、あまり言うのもどうかと思いますが、「情報の授業は情報科の免許を持った先生で」という先日の通達に対しまして他教科で情報科の免許を持っている先生を採用して、例えば数学で情報の免許を持っている方に加点をして採用するとか、そういう動きがあるようです。確かに情報も免許を持った先生が授業をすることになりますが、一方で、情報の免許を持って情報を教えたいけれど、他教科の免許がないから情報として採用してもらえないとか、私は数学科を教えたかったのに情報科を教えなさいと言われて、情報科は自信がないという現象が起こり得るのではないかなと想像しております。情報の授業をやりたい、情報を教えたいという先生が情報科として採用されるように是非なってほしいと考えております。ただ、免許がある方が授業を持つようにするのであれば、基本的には問題ないので難しいなと思います。 気持ちだけでなくなぜ情報科として採用してほしいかといいますと、やはり初任者の研修、法定研修で情報科として採用されなかった場合、情報科の授業づくりのような研修が受けられないということになります。情報を教えている先生対象の研修というのも設けていく予定ですし、他府県も対応されていると思いますが、けれども、人数制限の問題であるなど行き渡らないということもあります。そのようなわけで、法定研修の初任者の段階で、情報化としての教員の研修を受ける機会がないのは問題であると考えます。
これは、情報科教員の資質向上にもつながりますが、この資質向上が急務であるというところに、悉皆でやってくださいとか、準悉皆でやってくださいという言葉が欲しいです。そのくらいの危機感で望まないと、今、情報を教えている先生に、急務であるといってもなかなか行き渡らないのではないかなと思っております。
 そして、最後に情報科とともに、小学校でもプログラミング、中学校の技術でもプログラミングとなってきた場合、小学校の先生対象には、今の外国語活動と同じように、プログラミングを教えられる先生を育成するための研修なども必要であるということも併せて書いていただければと思いました。済みません、長くなりました。失礼いたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 西端委員。
【西端委員】  失礼いたします。
 では、2点ございます。今まで余りコメントのなかった1ページ目からです。ここで大事なのは、卒業後の進路を問わず、情報の科学的な理解に裏打ちが必要だという話なのですが、少し弊学の話をしますと、教育学部ですが、情報の授業、情報の科学的な理解に裏打ちされたものをやっていますが、どうして先生になるのにプログラミングが要るのと大概言われます。そのときに、上の3点を踏まえたときに、2点目と3点目はそれぞれ、IT人材になるには情報の科学は必要ですよね、3点目は、情報の科学にもともと意欲がある学生ですよねとなった場合に、進路を問わずということを言っている裏打ちが、一番上の「ブラックボックス化」だからセキュリティが必要というところでしか言っていないので、もう少しここを強く、なぜ全員に必要なのかというところを是非もう少し加筆していただきたいと思います。
 次、2点目です。6ページ目です。特別支援のことでいろいろ加筆いただいてありがとうございます。丸が2つございますが、1つ目の丸は配慮だと思います。2つ目の丸は活用についてですが、もう少し文脈を加筆いただきたいと思います。どういうことかというと、今は、ちょっとうがった見方をしますと、特別な支援が必要だけれども、プログラミングやコンテンツ制作において優れた能力を発揮している生徒についてはもうちょっとこういうところを伸ばしましょうというふうに見えるのですが、例えば、日々のデータ入力ですとか、いわゆるデータ活用の分野においても、非常にそこを丁寧に真面目に早くできるようになれば就業のチャンスがございます。そういう事例をたくさん見ておりますので、そういうすぐれたものを作れるからということではなくて、日々の情報の活用の仕方というところについても何か一言あればいいなと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 中川委員。
【中川委員】  佐藤委員もおっしゃったんですけど、時期についてもしコメントできるのであれば私もと思うところが、大学進学の準備をするのが高校2年の半ばとかですかね、理系、文系の、今でもコースが分かれてというのがあると思うんですけれども、私は理系で工学を学びたいとか思う前に、この情報1、2を学ぶようなチャンスを是非示せたらなというふうに思います。
 配付されていらっしゃいます資料2-2の最後のページで、理数系を専攻する学生が米国に比べて不足というところがありますけれども、もし1年生の段階で情報について学ぶチャンスが多くて、是非コンピュータサイエンスを大学に行って勉強したいと思って理系に進学するというような子供が増えれば、ここで書かれている第4次産業革命にも対応できると思いますので、是非1年生で履修をするようにというようなことを書いていただけるといいのではないかなというふうに思います。
 以上です。
【堀田主査】  津賀委員。
【津賀委員】  プログラミングのところで1つお願いいたします。6ページのところになります。小・中学校の学びを踏まえてということが、高等学校のプログラミングにも言えるのかもしれないのですが、これを受けて8ページの一番上のところで教材の在り方のところを整理いただいています。このとき懸念されるのが、例えば小・中でやったことをもう一度高校でやり直すような授業があり得るのかもしれないので、一言触れておいていただけるとありがたいと思っております。
 同じプログラミングに関しまして、その下のところですが、確かに教員の資質・能力の向上、これは大事でやらなくてはならないと思っているのですが、一方で、実際に授業をやるとなれば、当然サポートする人間の存在というのは大きいものですから、もし触れていただけるのであれば、外部人材の登用も含めまして、支援する人、小・中学校は何かチーム学校とかいうことでいろいろな議論がされていますけれども、そういうところも御検討いただければと思います。
 済みません、もう一つお願いします。8ページの下のところですけれども、先ほどの議論の中でクラウド等の話がありました。教員が使うネットワークに関しましては、ある程度その基準等が整理されていると思うんですけど、子供の使うネットワーク、授業で使うネットワークというのは、意外と自治体によってばらついているのではないのか、という感じもしております。実際、クラウドを利用した場合のセキュリティの基準みたいなものもどこかでは示していただいた方がありがたいなと思っております。
 以上です。
【堀田主査】  白水委員。
【白水委員】  難しい話ではないんですけれども、まず1ページ目、1の4点目の後ろに、情報活用能力調査の結果の議論もあったかと思いますので、そのポイントを載せていただいて、情報技術の利用というのが、例えば進路を問わず、複数の情報を結び付ける力を育成することに役立っているのが、小・中対象ですけど、分かってきているみたいなことを書けると説得的かと思いました。
 次が3ページ目の一番下の丸です。ここはちょっと私、記憶がないんですけれども、「情報活用能力については従前から目標の3観点が示されているが、これは、主として指導内容や学習活動の視点から整理されたものであり」というふうに断言しているのが、本当にそう言ってしまっていいかどうかというのが若干、個人的には不安です。例えば、「3観点が示されており、主として指導内容や学習活動の視点から役立ってきた経緯があるけれども、今回、資質・能力の視点からの三つの柱による整理とうまく融合させながら使っていけるといいのではないか」というようなトーンになるとよろしいかと思いました。
 それから最後、8ページ、9ページに飛びまして、8ページの一番下のところに、ここは非常に微妙かもしれませんが、8ページの一番下のところで、学校の状況に応じては個人の情報機器の利用というのが認められるというのが、簡単に言うとBYODですけれども、一言あると、いろいろな環境でも子供たちが情報機器を使いやすくなるかなと思いました。
 最後、9ページの一番最後の「なお、特定のOS、アプリケーション、プログラミング言語等についての理解を必要としたり」というところなのですが、非常に気持ちは分かるというか、これを書いておくべきだという思いの一方で、もう一つは、大学入学者選抜で情報の科目が入ってきたときに、ICTを使った実際のコンピュータ・ベースド・テスティングみたいなことをやってもらうときに、そこを推奨しようとすると、特定のOS、アプリケーションというのを一々開発してというのは非常に難しいので、ここは3行は取ってあった方が入試の点で考えるといろいろな可能性が広がるかなというふうに思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 一通り御意見は出たと思うんですけど、2周目で今、佐藤委員と小原委員が挙がっていますが、どうしても2周目、発言したい人は立てておいてください。小泉先生、またちょっと後で。
 では、佐藤委員、小原委員で行きましょう。
【佐藤委員】  では、失礼します。何度も申し訳ありません。
 先ほどちょっと言い忘れたことと、それから、先ほども言ったことの2点ございます。まず、先ほど申し上げた小学校での情報科のことですが、3ページに書かれています、3ページの白丸の下から2つ目、「なお、先に述べたように」というところの記述をしていただいている2行目、「小・中学校においてこれらの学習活動が一層充実されることを前提としている」と書いていますので、今回の学習指導要領改訂ではもう無理だとしても、次のその次の改訂に向けてまた議論が始まるときには、この情報科の設立というのを小学校からということを是非、継続課題として御議論いただきたいと思います。
 情報科の位置付けのイメージのこのカラー刷りのところでも、中学校は技術・家庭、高校は情報科とあるのですが、小学校は何もないので、現実的に、やってみたところ、小学校における、ここに書かれている内容がやはり薄まってしまうようであれば、固有の科目を作るべきではないのかなということを継続議論として残していただけたらなと思います。
 それからもう1点、言い忘れたことです。科目の構成のところですね。このカラー刷りの方で言いますと「情報科新科目のイメージ(案)」のところです。今回、4項目に整理をしていただいた。これは非常にありがたいです、現場としても。ただ、この4項目というのはいいのですが、もう少し組み合わせを変えてもいいのかなというふうに感じております。こちらの資料の2ページの上から丸2つ目のところに詳しく書いていただいておりますが、今回、科学的な理解に裏打ちされた情報科目の内容ということで、それのベースにあるのはやはりコンピュータの仕組み、デジタル情報の仕組みとはというような部分があって、その上でセキュリティ、コミュニケーション、プログラミングということになってくると思います。
 ですので、そういう視点から見ますと、例えば「情報1(仮称)」のところで(1)(2)(3)とございます。(3)にコンピュータとプログラミングというのがあるのですが、その右側に、やはりちょっとコンピュータの仕組みの部分でありますとか、デジタル情報の仕組みを科学的な視点から学ぶような内容がうまく記述されていないので、それが一体(1)(2)(3)のどこに入るのかというのがちょっと不安になっています。
 この(3)コンピュータとプログラミングのところにモデル化とシミュレーションを統合していただいた。すばらしい整理の仕方だと思います。そうすると(3)がかなり分厚くなるということは否めないのかなと。ですので、例えばですが、(1)情報社会の問題解決のところにコミュニケーションも入れてしまったりとか、あるいは情報デザインをそこへ入れたりとかで、ちょっと構成を変えていくのもいいのかなと。情報通信ネットワークのところにコミュニケーションを入れると、で、(3)を分解してしまうというような考えもあるのではないのかなと思います。ということで、また御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 小原委員、お願いします。
【小原委員】  私からは1つ、まず1点目ですけれども、今の案の中での1ページ目、2ページ目の中に、「情報技術の活用による問題の発見・解決の過程や手法そのものを学ぶ教科である」という部分なので、現場の人間からすると、問題の発見・解決の過程や手法そのものを学ぶ教科となると、どうやって問題を発見するんだろうとか、どのように解決するんだとか、そのような部分が恐らく入ってくるし、子供たちも苦手なところだから教えていかなければいけないなというようなイメージをどうしても抱くのですが、そこの部分が後ろのところの教科の一覧のところからちょっと見えにくくなっているのかなという気が少ししています。
 こちらで言うと、一覧ですから一番最後になるのかな、情報科新科目のイメージの欄のところからすると、情報社会の問題解決というところで、前回までのお話ですと、今までの簡単な中学校までの復習だというようなことなんですけれども、どのように問題を発見するのか、問題をどう捉えるのかというような部分がちょっとここのところからは見えないので、情報科各科目の項目構成の考え方の(1)のところに、もしそこら辺を入れるのであれば、少し明示しておくと、より問題というのをどのように高校では捉えるのかとか、あるいはどのように解決するための手段を考えていくのか、そして、それを意識した上でどのように情報技術、コンピュータ等を取り入れていくのかというような形での記述ができるのかなというふうに感じました。それが1点目です。
 それから、2点目なのですが、本当にくどいようで申し訳ないのですが、やはり現場の人間ですので、どうしても8ページが気になってしようがないのですけれども、先ほど津賀委員が見事にずばっと言っていただいたのですが、やはり人的配置というところが非常に大きいと思うんですね。そこの部分がここのところからはちょっと見えにくくなっているんじゃないかなというふうに思いました。一人の先生がが40人を相手に同時にプログラミングを十分に教えられるのか、となったときに、なかなか難しい部分があるのではないか、と思っています。恐らく工業高校や商業高校の場合はと少人数でやられているのではないかと思いますので、少人数とまではいかなくても、先ほどあった外部人材であってもいいですし、あるいは、人的なフォローが少し明記されるような形であってもいいのではないかなと感じています。
 また、それに関連してなんですけれども、恐らくプログラミングというのが今すごい大きなキーワードになっていて、私たち情報科の人間であっても、小学校でどんなことをやってきたんだ、中学校でどんなことをやってきたんだということが非常に気になると思います。小学校での先生方というのは、恐らく全科で一通り全部教えられていると思うのですけれども、その教員採用のときにどのようなことをやってきているかというと、恐らく教職免許を取るときにコンピュータのプログラミングはやっていないのではないかなと思うんですよね。そういう先生が採用されて、いざプログラミングといっても、恐らく非常に厳しいのではないかなということが想定されるんです。
 これは確かに私が口を挟むことではないのかもしれないのですが、例えば、教職免許を取るときにプログラミングを必ず必須にするとか、今はたしかICTの活用が必須になっていると思うのですけれども、そんな形で置くとか、採用試験のときにプログラミングをちょっと意識したものが入ってくるとか、そういうような形で少し小学校の先生を入り口の段階でスキルアップするというような手段もあるのではないか、そうすると、今度は、入ってきた小学校の先生がある程度プログラミングができる先生なので、今度はその小学校の授業も上手に進んでいくのかな、なんていうようなことを考えたりもしています。なので、ここに入れられるかどうかはちょっと分からないのですけれども、そのようなお話をする機会がある委員の先生、ひょっとしたらいらっしゃるかと思うので、もし、ああ、そうだなと思うのであれば、そんなことを小原が言っていたぐらいに思っていただけるとありがたいのかなと思っています。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 柴田委員、清水委員、西端委員で行きます。ごめんなさい、それ、隣だという主張ですかね。隣から行きましょう。
【兼宗委員】  申し訳ありません。プログラミングのことで思い出しました。今回はプログラミングだけではなくて、小学校、中学校を含む、我々のワーキングのまとめということですね。高校で何をやるかということと、それから高校卒業までに何を学ぶかということは明確に書いてあると思います。ただ、小学校のときにはこれを入れてください、中学校ではこれを入れてくださいという議論が残っていない気がするので、できれば掘り起こしていただければと思います。
 例えば、活用については小・中でということは、さきほどの3ページにありました。佐藤委員からもあった、デジタル技術みたいなことですね。そのほかに、情報科学の基礎的なことは小学校では触れないのか触れるのかとか、それから、必ず必要になってくるモラルやセキュリティ関係の内容は小学校から必要と思うのですが、それはこのワーキングから要請しなくていいのかどうか。重要と思いますので、確認をお願いしたいと思います。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 時間も押してきていますので、皆さん手短にお願いします。柴田委員、お願いします。
【柴田委員】  簡単に述べさせていただきます。
 この資料1-2を見て、生徒が授業を受けている姿をイメージすると、何か違和感があったのは、何か生徒が黙々とコンピュータで問題解決を図るような授業イメージをしてしまったんですね。なぜかなと思ったら、協働的という言葉が非常に少なく、気になっています。今の社会、問題解決というのは主体的・協働的にやるんだというところをもっと盛り込んで、授業には協働学習、協働的に問題解決を図るというところをこの段階でしっかりと打ち出さないと、一人が黙々とコンピュータを触っているような学習活動が見えてしまって、協働的という言葉を今、拾ったら、本当数か所しかなかったんですね。ちょっとそこを工夫していただくといいかなと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 清水委員。
【清水委員】  それでは、7ページのところに、「対話的な学び」の中で「情報科においては、生徒同士でデータを根拠とした話合いを行ったり」と、あと、「役割を分担してプログラムや作品の制作に取り組んだり」というような形で関わる、今の協働的な学びにつながってくるわけなのですが、多分、ここの「役割を分担してプログラムや作品の制作に取り組んだり」という言葉を、4ページの方の2つ目の丸の上から4行目ですか、「プログラムや作品の(協働)制作」という書きぶりをされているんですね。その後に統計的分析とかが書いてあるのですが、何かプログラムや作品の制作について協働的にというイメージがちょっと強く逆に出てしまっているかなと。全体的に、例えば統計的分析についても、当然、7ページに書いてあるような「生徒同士でデータを根拠とした話合いを行ったり」だとかいうことに絡んでくると思うので、この協働というところをうまくほかにもかかるような書きぶりをしていただいた方がいいのかなというふうにも思いました。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 西端委員、お願いします。
【西端委員】  先ほど小原委員からコメントを頂きましたので、ちょっと対応してという形で2点あります。まず、もちろんですが、今、弊学でも取り組んではいますが、非常に難しいところです。ただ、将来、教員になったときに、外部人材をきちんと取り込んで、こういう授業作りでこういうものを作りたいということができるような教員をまず作るというのがまず一つの目標かなと思います。
 2点目は、小学校でプログラミング教育となった場合に、プログラミングをすることが目的ではなく、論理的思考や物作りの面からとなってくると思いますので、そういう面からもまず、大学のその科目から入れられたらなと思います。
 以上、コメントでした。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 教員養成部会でもこの点、議論されていますので、そこの文章をうまく引っ張りながら書いていきたいと思います。
 野部委員、お願いします。
【野部委員】  失礼します。
 兼宗委員からも出ておりましたが、後ろの方のポンチ絵のところで、高等学校卒業までに育む資質・能力の一番最後の学びに向かうところでは、「情報モラルや方法に対する責任について考え行動しようとする情意や態度等」というのが入っておりますが、その横のところの小学校、中学校、高等学校をそれぞれ見てきたときに、情報モラルであるとか、情報安全であるとかという言葉が外れてしまっております。どの程度、小学校でもやはり著作権のこととかは要るのではないかという議論などもありました。今は、SNSがせっかく1ページに書いてあるのに、それに対しての使い方のものであるとかということが書いてありませんので、そういったことに対してもう少し触れていただければと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 では、小泉主査代理、お願いいたします。
【小泉主査代理】  先ほど来、皆さんの御意見とかアドバイス・助言を受けまして、大変充実した頭の整理ができてありがたく思っています。私の方からは特に、このまとめについては申し上げることは、特にないのでありますけれども、
 テクニカルなところで述べさせてもらいます。実は、先ほど大杉室長から御説明があった4月4日に総則・評価部会に出された資料が、この資料1-2の後半にも付いていて、具体的には、ちょっとページが振っていないので、後ろから3枚目のこのポンチ絵なんです。「抽象化された事象」というところ、この中で“抽象”という言葉がなかなか捉えにくいのではないかなと先ほど来思っていました。時間が余りないので、これは事務局の方でこの後、考慮していただきたいという程度のコメントとしてとらえてください。その左側に、世界をどのように捉えるかという中に「事象を抽象化して」という一文があります。“抽象化”というキーワードは、右側の四角の3つ目にもあって、実は一番上の横長の四角の中には、あえて抽象化という言葉がない。抽象化は多分、「モデル化」とか「簡素化」ということでのポンチ絵の中に入っているのかなと理解しています。
 ところが、「抽象」というキーワードはすごく重たくて、その左側の、どのように捉えるかというところの「抽象化して」というのは、そもそもこれはなくてもいいのかなと思いました。実は、一番上の中に抽象化がなくて、この抽象化がなくなれば、まさに一番上の中の文が、左側にある「捉え方」としてセットされる。2つ目の四角の中の「複数の情報間」という情報が何の情報かというのは少し薄いので、できれば「関係する複数の情報」とかいう言い方にすると、問題解決の一連のプロセスになる。
 最後のイコールという記号がちょっと気になっていまして、イコールは“イクイバレント”という意味で、右と左が同値であるというか、同じものであるということを意味していて、ここのイコールの使い方は少々乱暴かという気がいたしました。一つの代案としては簡単に「問題の明確化と情報活用」みたいな形で、先ほど言ったモデル化における簡素化に代わる一つのキーワードとして“明確化”というふうに表現したら、外から見て少し分かりやすいのかなと。これらも検討していただくということで、今さらではありますけれども、提案さえていただきます。皆さんの御意見、ありがとうございました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 特に御意見を聞かなかったんですけど、鹿野教科調査官、何か、お願いします。
【鹿野教科調査官】  御議論ありがとうございます。抽象化、モデル化等いろいろな言葉がございますが、これについてはこちらの方でまたお伺いさせていただいて、またこの次にお示しさせていただければというふうに思います。
【堀田主査】  ほかの御意見については特に何かコメントはありますか。
【鹿野教科調査官】  こちらで解決できることとその他のところで解決できるところはございますが、こちらで解決できることについて、この次、お示し申し上げて、その他につきましては、やはりその他の部会でまたお任せしたいということになろうかと思いますので、またよろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 私も主査ですけれども、実は意見、まだありまして、4つぐらい言いたいなと思っているんですけど、もう皆さんの御指摘にもあったんですけど、ここには高等学校の情報科という教科で主としてどうするかということについて、特にこのワーキングの後半ではそのことを議論しましたので、そこがたくさん表れているんですけど、そういうことを実現するために小学校や中学校ではどういうふうにしておけばよいかということについては、まだ記述が少し甘いのではないかと私は思っています。
 とりわけ、御指摘があったように、小学校における基本的な操作技能については技術は変わっていきますので、各教科の授業で必要になるような情報機器の基本的な操作の習得については、ちゃんとカリキュラム・マネジメントの観点から各学校で行うということを明確に書いてはどうかということや、あるいは、1月18日に総則・評価特別部会に情報ワーキングから報告したときに、この教科ではこういうことが情報活用能力とつながっているということを書いてマッピングしたものがありますので、例えばそれをうまく使っていただいて、ほかの教科のワーキングとの調整の上でできるだけ踏み込んで例示したらどうかなと思います。中学校においては技術・家庭科の技術分野の、そちらはそちらでワーキングで議論されていますので、そことの調整を密に図っていただく必要がありますが、小・中学校の、あるいは高等学校もそうですけど、他教科、ほかの教科でも情報活用能力といいましょうか、情報に関する資質・能力といいましょうか、そこは重視されるべきところだと私は思っていますので、このことをしっかりと表したいと思います。
 2つ目は、先ほど統計教育の観点から数学のワーキングとの調整の話が出ましたが、例えば、新科目の公共とか、そういう新しいところと、情報モラルとか、情報社会への責任とか、そういうようなことは何か調整、どうなっているのかなとか、あるいは、家庭科の消費者教育とか、ネット販売とか、そういうのがいろいろありますけど、それらも関係あるかなとか、そういう高等学校の教科間の調整をお願いしたいということ。
 3つ目は、どうしても高校の情報を中心に書いてしまうと、情報技術の話が前に出るんですけど、そもそも情報技術の前に情報そのものに翻弄されているという現実があることを考えると、例えばテレビからの情報とか、ネット上の情報とか、そういうものを適切に判断するようなこと、そういうようなことは小学校段階から必要に応じて育てなければいけないんだということを具体的かつ明確に書ければいいかなと思うことですね。
 4番目、これ、最後ですけど、プログラミング等については、先ほども8ページへの意見がいっぱい出ましたけど、現実の問題としてはそこにあるわけで、特にプログラミング等については社会教育でたくさんやられているところもありますので、社会に開かれた教育課程の観点からそういうところとしっかりと連携するということは、このワーキングのメッセージとして書いていいんじゃないかということや、あるいは、例えば、ついこの間、NHKでは小学生向けのプログラミングの番組をやっていましたけど、ああいうのはとても分かりやすいんですね。ああいう教材がもっともっとしっかりと世に出てくるように推進するみたいなことも、良質な教材が必要であるとか、求められると書くだけじゃなくて、もう少し具体的に踏み込んで書ければなというふうに思ったところでございます、条件整備としてですね。
 私の意見としてはいろいろ言いましたが、これも事務局としては一生懸命、まずはたたき台を作ってお示しいただいたおかげで、こうやって皆さんからたくさん御意見を頂けたところでございます。
 そして、この文章をここをこうした方がいいんじゃないかという具体的な意見ですね、ここを考えるべきだじゃなくて、具体的な代案も含めて、のめるかどうかはそれはまた別ですけど、具体的にお示しいただきながら、事務局とまた調整をしていきたいと思いますので、そういう御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、限られた時間の討議ではございましたけれども、きょうはまず、ここまでというふうにしたいのですが、次回が一応、情報ワーキング第8回、これが最終回の見通しでございます。これは情報に限らず、各教科等のワーキングは大体その辺でひとつ区切りを付けて、そして次のステップに入っていくということになっておりますので、私どもとしても次回、このたたき台として示されたものを、よりよい文章にしたものについて皆さんに御意見を頂くということを中心に第8回を行っていきたいと思っておりますので、このあたりについて事務局の方からちょっとまず、御説明をお願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  次回につきましては、5月18日、水曜日、時間は遅い時間で恐縮ですが、17時から19時での開催を予定しております。場所につきましては、現在調整中でございますので、追って御連絡をさせていただきたいと思います。
 先ほど堀田主査からもございましたとおり、次回を最終回というふうに予定しておりまして、本ワーキンググループとしましての検討結果を取りまとめていただくというようなことを予定しております。
 本日も限られた時間の中での御検討でございましたので、お気付きの点などありましたらば、大変短くて恐縮でございますが、25日、月曜日頃までに事務局の方にメール等で御連絡頂ければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  事務局は実は大変な作業をほかにも抱えています。この委員会だけじゃなくて、いろいろなものが情報科に関しては今、動いていますし、また、政府の方からきのうのようなことが出ていますので、そういうこと等の調整もありますので、皆さん、是非、特に文章の書きぶりについての御意見は、代案を含めて御協力いただきたいところでございます。
 きょう、少し早く始まりましたので、少し早く終わることができました。御協力に感謝いたしまして、きょうの情報ワーキンググループをお開きとさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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