教育課程部会 情報ワーキンググループ(第2回) 議事録

1.日時

平成27年11月24日(火曜日)17時00分~19時00分

2.場所

文部科学省東館15階15F特別会議室

3.議題

  1. 情報教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【堀田主査】  定刻より少し早いですが、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の情報ワーキンググループの第2回を開催致します。
本日はお忙しい中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まず最初に、事務局から、前回欠席された委員の紹介及びきょうの配付資料について確認を願います。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、委員の御紹介をさせていただきます。
前回、御欠席でいらっしゃいましたが、五十嵐俊子委員でいらっしゃいます。
【五十嵐委員】  よろしくお願いいたします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  野部緑委員でいらっしゃいます。
【野部委員】  よろしくお願いいたします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。本日は、議事次第に掲載しておりますとおり、資料の1から4、参考資料が1、またタブレット端末に関連の資料等をデータで入れさせていただいております。不足等ございましたらば、事務局までお申し付けください。
【堀田主査】  それでは、本日の議事に移りますが、前回のワーキンググループにおきまして、本ワーキンググループでの検討事項についてお諮りしたところでございます。資料1のとおりでございます。これは前回とほぼ近いんですけれども、少しだけ変更がございましたので、これについて事務局から説明をお願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  資料1を御覧ください。前回からほとんど大きなところは変わってございませんけれども、変更点が二点ございます。
まずローマ数字の3の2でございますけれども、教員の指導力の向上とございます。この後ろに括弧で「養成・採用を含む」、この文言を追加させていただいております。
二つ目でございますけれども、下の米印のところでございます。前回の案では、ローマ数字の1、2、3の順に検討というふうにさせていただいておりましたが、これを1、2の順に検討し、3については必要に応じて適時検討すると、このような形に修正させていただいております。
以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。というわけで、資料1が私どものミッションということになります。今、前回は自由に御意見を頂きましたところ、とりわけ現場の先生からは3番のところにいろいろ御意見を頂いたところでございますが、私どもの今回のミッションから考えますと、1番と2番が何よりも重要でございまして、そのために3をどうするかというのは適時検討するというふうになったということでございます。
本ワーキンググループの検討事項につきまして、資料1のとおりにしたいと思うんですけども、よろしいでしょうか。特に御意見ありますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは先に進めますが、前回のワーキンググループでは、今回、第2回辺りからヒアリングを一部検討しているという旨をお伝えしたところです。今後の検討スケジュールを事務局と私の方でいろいろ相談したんですけれども、なかなか時間が足りません。というわけで、まずはワーキンググループの委員同士で十分に議論する時間を取る必要があるだろうというのが今回の判断で、本日はヒアリングは実施せずに、議事次第にあるとおり、具体的な検討を行うということとさせていただきます。
この点について、事務局から補足をお願いいたします。
【新津情報教育振興室長】  情報教育振興室長の新津と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
ただいま堀田主査から御説明のあったとおり、本日は関係団体等のヒアリング等は行わず、議事次第にありますとおり御議論いただきたく存じます。なお今後、関係団体から提出のあった要望書について、本ワーキンググループにおいて御紹介させていただくとともに、学校段階等別部会及び教科等別ワーキンググループ等における検討の取りまとめを踏まえた教育課程部会における審議のまとめについては、パブリックコメントを行う予定としております。
以上でございます。
【堀田主査】  ということです。というわけで、本日の議題ですけども、二つございます。後でまた詳しく資料の説明をしていただきますが、一つ目は、教育課程企画特別部会、ここの論点整理というのが8月に出ていますけれども、そこに三つの柱というものが出ています。その三つの柱と情報活用能力、私どもが育成したい情報活用能力、これをどういうふうに関係付け、示していくかということの整理についてが1番。もう一つは、今度、高等学校を卒業するまでに、全ての生徒に育む資質・能力、これが情報活用能力ですけれども、これをどういうふうに学校段階にしっかりと割り付けていくかということも含めまして、その資質・能力についての議論、これが二つ目ということできょうは検討を進めてまいります。
それに先立ちまして、本日は中川委員から資料を御提出いただいているところです。この資料に基づきまして、まずは中川委員から簡単にプレゼンを頂きたいと思います。今後、具体的な議論を進めるに当たって、とりわけこの情報技術の進展というのは非常に著しいところでございまして、前回の学習指導要領策定時と今回では子供を取り巻く環境が大きく変化していますし、次の改訂まで今作ろうとしている学習指導要領を用いることになるわけですから、そう考えますと、技術進展の予測というのは非常に、とりわけ我がワーキンググループにおいては重要と考えておりまして、中川委員にプレゼンをお願いしたところでございます。
中川委員には、急なお願いにもかかわらずお引き受けいただき、ありがとうございます。大変恐縮ですけれども、短い時間で恐縮ですけど、よろしくお願いいたします。
【中川委員】 日本マイクロソフト、中川でございます。10分でということですので、非常にチャレンジなんですけれども、可能な範囲でたくさん情報を盛り込んでいきたいと思います。
頂いたお題が、過去5年、10年を振り返って、ITの技術が我々の生活をどのように変えてきたのかというところと、それからこの先5年、10年というところを振り返って、ITが我々の社会や生活をどのように変えていくのかというようなところについて、今、我々IT会社が考えているところというのを皆様に共有させていただきたいと思います。
まず最初に、こちらは御覧になったことがおありの方もいらっしゃるかもしれないですけれども、「Did you know?」というプレゼンテーションの内容をサマリーしたものです。これはコロラド州の高校の教員の方が同僚の先生方にこれからどういうふうに社会は変わっていくんだろうかというものを、過去のデータを踏まえて共有されたプレゼンテーションのサマリーでございます。これが作られたのがたしか2006年とか07年とかぐらいの時間軸になりますので、もう随分前の情報になりますけれども、ここで一体、世の中で何が起きてるのか、ITがどのぐらい進化しているのかということがおもしろく語られています。
まず一番上のラインにあるところが、5,000万人のユーザーを獲得したメディアとかデバイスって大体どれぐらいの期間でそれを達成したんだろうかということがここでは述べられています。身近なところで、テレビが5,000万人のユーザーにリーチしたのにかかった時間というのが13年と言われています。これに対してインターネットは4年でユーザーを5,000万人獲得していまして、びっくりするのが、実はフェイスブックさんは9か月で1億人のユーザーを獲得していらっしゃいます。ものすごく速いスピード感で世の中が移ってきていると。
ちょっとここからどんどん深掘りして、後でもお話ししますけれども、じゃあ、テレビを作っていた技術者というのは、13年間同じスキルでテレビを、テレビの進化というのはもちろんありますけれども、作っていたのに対して、ソーシャルメディアを設計するエンジニアというのは9か月で1億人ぐらいに到達してしまうし、今後もっと新しい技術やサービスがどんどん出てくるかもしれないというようなことがここからは読み取れるのではないかなと思います。
この中にはいろいろ面白いデータがあって、2010年に最も需要の高い職業のトップ10は、2004年には存在していませんでしたとか、いろいろと書いてありまして、ここにちょっと抜粋しなかった面白いデータでいうと、例えばグーグルの検索サービスって多分、皆様も日々お使いになるかと思うんですが、これは実は2006年の段階では、月間の総検索数というのは27億回だったんですが、この頃に調べられた回数でいうと、月間310億回の検索キーワードが放り込まれて、検索が掛けられていると。これ多分、少し前のデータですから、今はもっと増えていると思うんですけれども、こんなたくさんの質問を、グーグルがなかったときは一体誰に質問していたんでしょうねということがよく言われている情報になります。
あとは、勉強、学習という観点でいうと、エンジニア、技術者の方々は、最新の技術トレンドというのをどんどん勉強されていくんですけれども、実は技術に関する情報というのは、2年ごとに2倍のスピードで膨れ上がっております。同様のスピードで陳腐化してしまっているということを考えると、例えば4年制の大学に入って技術を学ぶとして、1年生から2年生、2年間丸々勉強して、3年生になったときに、もうその半分の技術というのは陳腐化してしまっていて、使えないぐらいのスピード感で技術というのはどんどんと進化している、私たちはまさに指数関数的な社会を生きていると言っても過言ではないと思います。
この状況は、インターネットの接続性の向上と、それからハードウエアの小型化、低価格化、それからソフトウエアの多様化によって導かれているんですけれども、デバイスの伸び数というのも非常に急速な角度で伸びてきていまして、実は2008年の段階で、インターネットに接続される端末デバイスというのは70億台あると言われていまして、これはちょうど世界の人口と大体同じぐらいの数です。それで2020年の予測なんですけれども、スマートフォン、タブレットなどに代表されるような情報端末というのは500億台になると予測がされています。
それからそれ以外に今、IoT、Internet of thingsという言葉がありますけれども、いろんなところにインターネットに接続可能なセンサデバイスを付けますけれども、これの数は2020年には10兆個になると言われております。非常に、見たこともないようなデバイスが今どんどんと出てきておりまして、これがインターネットにつながって、データをどんどん生み出してきている。
私の取引のあるお客様のケースでいうと、例えば自動車や、工業用の機械の中にセンサが付いていまして、そのセンサが全部インターネットに情報を吐くんですね。例えばパワーショベルのアームの稼働回数であったりとか、トラックのブレーキの踏まれる頻度であったりとかというものが実は全部、高価なそういった社会で使われるような機械の中にはセンサが取り付けられていまして、それがインターネットにダイレクトに接続して、どんどんデータを送ってくるんですね。例えばトラックで、トラックというのは会社にとっては非常に高価な装置になりますけれども、これを丁寧に扱ってくれる従業員は会社にとってはいい従業員なわけです。ブレーキをばんばん踏んだり、加速をばんばんしたりすると傷みが早くなるんですけれども、それをできるだけ丁寧に扱う従業員はいい従業員だということで、評価にそういったセンサデバイスというのが使われてきている。データが使われてきている。これが今の実社会の状況です。
全てのものがどんどんとデジタル化されてまいりまして、ユーザーの体験というのもそのデジタル化によって得られたデータにより、更に日々の生活をよりよくするような提案が機械によって行われていると。例えば皆さん、インターネットのサイトで書籍をお買いになられたりCDをお買いになられたことはおありでしょうが、次にあなたが欲しそうなもの、あなたが欲しいものと同じようなものを買った別のユーザーのデータということで、あなた、こういう音楽が好きだったらこっちもどうですかと、どんどんと提案してくると。これはデータが機械的に学習して、あなたに最適なものというものを提案してきてくれているというような状況でございます。
繰り返しになりますけれども、これらはまずはITのコンシューマ化、端末の小型化・低価格化により推進がされていまして、実は2014年段階では、1人当たりが保有している端末の台数というのは3.3台になっていると言われております。シニア層は余り端末をたくさんお持ちではないですので、そうなると若者が持っている端末、子供たちが持っている端末の数というのはどんどん増えているというようなことになるかと思います。
それから、クラウドコンピューティングに関しましては、ネットワークの接続性がどんどん向上していることにより、今、自分のデバイスに大量のデータを持つ必要がない時代になってきていまして、ネットワークにつながれば、皆様にも例えば携帯電話、スマートフォンで撮った写真はクラウド上で保管したりされていらっしゃいませんでしょうか。こういったことが実は2011年と比較して、2016年には、クラウドの市場規模というのは5倍に膨れ上がっていきます。簡単にインターネットに接続して、モバイルデバイスで簡単にデバイスを外に持ち運べる状況ですから、ソーシャルアプリケーションというのは実に多様なものが出てきていまして、こういったサービスが新しくどんどん生まれてきております。フェイスブックは、先ほど9か月で1億人のユーザーを獲得しましたと言いましたが、2014年段階では10億アカウント、10億人がフェイスブックをしているというような状態になってきております。
こういった背景を踏まえて、データ爆発というのが起こってきておりまして、全世界のデータというのは、2012年段階におきましては2.8ゼタバイトで、うちマシンが生成するデータの比率というのはどんどん増えてきていまして、先ほど私が申し上げたように、IoTで測れるデータ、機械自体が考えて、コンピュータ自体がデータを生み出すということが今行われてきていますので、予測によりますと、2020年の段階では、地上に存在する40%のデータが機械によって生成されると言われてきております。
ゼタバイトというのは、テラ、ペタ、エクサの次のゼタになりまして、10の21乗ということで、非常に膨大なデータです。身の回りのあらゆるものがデータを吐いて、ひょっとしたら将来は私がこうやってしゃべっているマイクのこの中にもセンサが入っていて、ボイスレコグニションと言って、これを全部テキストに落として、クラウドに全部上がっていって、中川が何年何月、何をしゃべったんだというのが分かるようになっているかもしれません。そのときに付けているウエラブルウオッチが、ちょっと緊張して心拍数が高かったねとかいうことが分かるようになっているような世の中が、もうすぐそこまで来ているというような状況でございます。
ITが人間の行動を予測したりニーズを理解して、さりげなく行動を支援するような世の中が来ると考えられておりまして、これも全てユーザーが小型化したような多様なデバイスを使い、その上に多様なアプリケーションが、フェイスブックとかリンクトインとかいったものは5年前、10年前、私は余り聞いたこと……、5年前ぐらいはありましたけれども、10年前なんかほとんど聞いたことがなかったようなものでしたけれども、今は非常に多くのユーザーがいらっしゃいます。こういったものが大量のデータを生み出し、そのバックボーンとして、クラウドというものがどんどん大きくなってきているというのが今の我々の状況でございます。
これから起こるシフトというのは、過去、情報が不足していた状況の中から、いかに情報をたくさん収集して意思決定をしていくのか、これは企業ですと経営判断になりますし、個人ですと、どこの御飯屋さんに行こうかなという意思決定ということになるかと思うんですけれども、情報が不足して、変化が生じにくい状況でしたので、同じことをどれだけ効率よく行えるかということが非常に重要になってきました。
企業や組織というところでは、状況に変化が余りありませんから、優秀なリーダーが判断したことをいかにダイレクトにトップダウンでボトムに意思決定を落としていって、組織を運営していくか、しかも従業員とか、その組織に属するメンバーという意味でいうと、変化がありませんから、スキルが1回取得してしまえば長く同じスキルを使っていけるということが大前提となり、スキルが陳腐化しにくいということで、個人の生産性をいかに上げて、効率よく働いて、計画的に物事を行っていくかということが求められたのですが、これからの大量情報時代には全く異なることが求められていきまして、情報の洪水が起こる中で、ものすごい変化のスピードが起こり、柔軟なネットワークというものが重要になってくると言われてきています。
市場が一瞬で情報を、ユーザーがスマートフォンで、これはいい、悪い、フェイスブックで、どこに誰がいるなんて、あっ、あそこに芸能人がいるなんていうのをつぶやいてしまって、ものすごい瞬時に情報が回りますので、いちいちトップに判断をあおいで、私、どうしましょうなんて言っていると全然スピード感が合わないわけですね。ですから末端で全部考えて、自分で行動してくださいと、それをどんどん共有してくださいというような柔軟なネットワークづくりと、それから共同体で価値を創造していくようなことが求められます。
あとこれは実社会で今、我々がきょうもここへ来るまで会社で普通業務をしてきていたんですけれども、会社で言われるのは、現状のデータはどうなっていて、そこに仮説を立てて、検証を回して、短いサイクルで君がやっていることが正しいのかというのを証明しなさいということなのかものすごく問われます。仮説検証というのが今まで以上に重要になってくるということが言えると思います。
それで、時間が少しオーバーしているんですが、せっかくお時間いただいてビデオも持ってきましたので、少しだけ、今こういったたくさんのデバイスと情報がある世の中で、我々がこの5年、10年でどんな働き方を想定しているのかというのをビデオで御覧いただきたいなと思います。
(ビデオ上映)
【中川委員】  これはYouTuBeに上げている私どもの「FUTURE VISION」というビデオです。このストーリーは、皆様のお手元の資料の中にURLが書いてありますので、これを、ちょっと英語なんですけれども、後で御覧いただければなと思うんですが、フリーの海洋科学者のケイトさんと、想定ですけれども、という方と、それから大手のバイオテックの会社の役員のローラさんという2人がどのようにコラボレーションして仕事をしていくのかということがこのビデオの中で再現されていまして、実際にこの中には、もう今年とか来年には発売される商品、テクノロジーというものが盛り込まれています。
これはケイトさんがスキューバで海の中に潜って、昆布か何かの自分で撮影をしているんですが、それを学校にボランティアでそのデータを提供しますということをおっしゃっていて、子供たちに自分が潜って調査している内容というのをダイレクトに見せているという、これは想定です。
その中で、子供たちは自由に海の状況というのをチェックしたりとか、この辺りも、3Dプリンターで出てきた海洋生物のプリント、これはヒトデですねとか、エイですねとかというのを出したりするというようなのがありまして、それからちょっと長いので、ばーっと進めますと、彼女はフリーですので、いろんなところで働くわけですね。ここは何かアジアのどこかなんですけれども、お茶を飲みながら、情報のインプットをばーっとしているんですけれども、2分30秒ぐらいのところで、本当はゆっくり解説しながら全部見ていただきたいんですが、この役員の方が出てくるんですね。
ポイントは、いい海洋学者はいないかなというふうに検索をされるわけです。それでケイトさんはさっきのビデオとかというのを全部クラウド上に送ったり、論文とかも全部クラウド上に送っていますから、この人がいいタレントいないかなと検索をしたときに、ニュータスクって、新しいプロジェクトが出てきて、トップキャンディデートって、採用するのにどんな人がいるのかなと検索したらリストが出てきますと。その中でどんどん、この人はスキルに合わないなということで落としていって、ああ、このケイトさんというのがスキルに合いますねと言ってリザルトを見ると。
これはまたこんなビデオで夢みたいなことを言ってとおっしゃるかもしれないんですけど、ヨーロッパのサッカー選手って、こうやって全部データで分析して、ちょっと言葉が悪いんですけれども、取引されていらっしゃいます。私は後半戦でゴール前のシュート率が高いんですよといったら、私のチームにそういうタレントが欲しいと言って、ヨーロッパでは今、そういうふうに人材ポートフォリオをデータベースで、データをベースにして語られているんですね。これも似たようなことが分かりやすく表現されています。
それで彼女を、この後、さっきのローラさんって役員の人から、「うちで仕事しない?」というふうにオファーをもらうわけですね。それでもらって、アジアのどこかで御飯を食べているんですけれども、コワーキングスペースって、いわゆるテレワーク、どこでも仕事ができると、この人はこのカードがIDになっているわけですけれども、これを探すと、どこにでもあるパソコンで自分の仕事をするというような形になっています。
ここからずっと飛ばして、作業をどんどんしているんですけれども、5分ぐらいのところで、これですね。これはプロジェクトにもう参加して、会社の中でプロジェクトを回していらっしゃいます。私は生物は全然分からないので、何書いてあるか分からないんですけれども、するとここの電子黒板に、これは2Dなんですけれども、人の影が出てきまして、テレビ電話状態です。これは夢のようなことを言っているわけではなくて、スカイプで実際にもう実現できているテクノロジーですね。それでプロジェクトの途中に、昆布の養殖か何か、そこの様子というのが3Dで表現されたものがあるので、こうやって立ち上げてみている。これも何か夢のようなもののように思われるかもしれませんが、マイクロソフトホロレンズというので検索していただくと、これはもう今年か来年には商品でこんなホロレンズという眼鏡が出てきます。
ここからどんどんとお仕事を進めていくんですけれども、このリストバンド、ニュープロジェクトのオファーが次に来ましたよと、アップルウオッチとか皆さんお持ちですかね。弊社もマイクロソフトバンドというのを持っているんですけれども、こういったところで仕事のオファーというのがダイレクトに来たりするというような内容です。
非常に駆け足で説明したんですけれども、10分ぐらいの短いビデオで、解説もウエブサイトに、英語で恐縮ですけれども、載っていますので、こういったものを見ていただいて、こういう働き方とかこういうデータの利用というのを、全然夢でもなくて、弊社は真剣に考えていて、ここにアプローチをしてきているというのがもう、これは2020年を待たないで多分、実現される世界ではないかなと考えております。
大事なことは、どんどんと世の中は移っていきますので、この使い方一つ一つを覚えるということではなくて、この裏に流れる原理原則をちゃんと押さえて、応用可能な情報をコントロールするスキルというものを身に付けていくということが大事かなと私どもは考えております。
済みません、長くなりましたが、以上でございます。
【堀田主査】  大変貴重な御発表をありがとうございました。特に質疑の時間を十分に取れないんですけども、どうしても何か聞いておきたいとか、押さえておきたいということがありましたら、委員の皆さん、いかがでしょうか。では安藤委員、お願いします。
【安藤委員】  どうもありがとうございました。義務教育の中で、今のお話に直接関係する教科の中には、技術・家庭科の技術分野があると思うんですけれども、その目標の中に、技術、テクノロジーを適切に評価して活用する能力と態度を育てるというのがあるんですが、今のお話の中で、そういった力、今後も重要になってくるというメッセージと捉えてよろしいんでしょうか。
【中川委員】  はい。技術進歩は非常に激しいですので、一つ一つの使い方を覚えると、新しいデバイスが出てくるたびに新しいものの覚え方をしないといけないんですけれども、基本的にコンピュータというのは、ノイマン型コンピュータで作られてからそんなに大きく中身が変わっていませんので、原理・原則をしっかり押さえていれば、表面的な部分は変わっていっても、それを使いこなす力というのがしっかりと備わっているということが一つ言えるのではないかなと思います。
プラスアルファでもう一つ必要になってくる力というのが、コンピュータは計算をするためのものですから、計算をさせた結果、分析をどう生かしていくのかということが実は、前の部分が工学だとすると、後ろの部分が情報学の部分で、ここもコンピュータを取り扱っていくには非常に重要な部分だと考えております。
【堀田主査】  ありがとうございました。ほかに何かありますか。
じゃあ、ちょっと私から一つだけ。今の世の中の変化というのは、別に教科「情報」や情報教育に限らず、多分、全ての教科等に影響するような大きな人間の持つべき能力の変化をイメージしていると思うんですけども、このワーキンググループのミッションからいくと、情報教育と言われる部分をどうするかと。具体的に言うと、学習指導要領の中にどうするかという話、何か壮大な話の中から、ちょっと申し訳ないんですけど、中川委員はその辺り、新しい時代に向けてどういうふうに学習指導要領の中にどういうものが入るべきとお考えかということを、ジャストアイデアで構いませんので、お願いします。
【中川委員】  先ほどの回答と繰り返しになってしまうかもしれないんですけれども、ソフトウエアとハードウエアは機器ですので、それを新しいものが出てきても、どう理解して使っていくのかといういわゆる技術の部分に関する工学的な基礎知識と、それから私自身も余り勉強を学生時代はしてこなかったんですけれども、やはり情報学の部分が非常に重要だと思っておりまして、全員がハンダごてを持ってハードウエアを作るわけではありませんので、ほとんどのユーザーが、生み出された情報をどう使っていくのかということがテーマになってくると思います。情報学と、ちょっと分野越えるのかもしれないですけれども、統計的なアプローチというものが非常に重要になってくると考えております。
【堀田主査】  ありがとうございました。ほかにありますか。
前に進めさせていただきます。中川委員、どうもありがとうございました。
それでは、きょうはこの後、議題の1番に当たりますけども、教育課程企画特別部会の論点整理において示された、先ほど申し上げた三つの柱、これによる情報活用能力の整理について御議論いただきたいと思います。
事務局より、資料2と資料3について御説明をいただけますでしょうか。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、まず資料3の方を先に御覧いただきたいと思います。本日の議題の御説明に入ります前に、前回、第1回のワーキンググループにおけます主な意見を、資料3の形でまとめさせていただいております。
重立ったところを御紹介させていただきたいと思います。まずローマ数字の1、小・中・高等学校を通じた情報活用能力の育成についてでございます。
最初の丸でございますが、何年生でどのような知識があり、何ができるかといった教育内容を明確にしていくことが大切であって、それが新しい時代の資質能力とどのように関係するのかを明確にしていく必要があるといった御意見。
次の丸でございますが、2030年にどのような状況になっているか、次の次の改訂にうまくつながるかというところまで考えながら検討する必要があるという御意見。
次の丸の最後の方でございますが、複数の情報をまとめる力、統合する力を特に目標に据えるとよいのではないかという御意見。
次の丸でございますが、情報の科学的な理解に子供たちをどう引き込んでいくか、どのように興味を持たせるかがデザインできるとよいといった御意見。
下から二つ目の御意見でございますが、何をインプットして、何をアウトプットしようとするのかを理解して、コンピュータを使えることが問題解決能力にも連動するのではないかといった御意見。
おめくりいただきまして、2でございます。プログラミングや情報セキュリティをはじめとする情報モラルなどに関する学習活動について、発達段階に応じてどのように充実を図るべきかということについてでございます。
最初の丸でございますが、プログラミングの学習を通じてコンピュータのことが分かった等、生徒の様々な変容が見られるということ。プログラムを完成させるには、試行錯誤しながら解決していくので、問題解決能力が身に付くのではないか。またアクティブ・ラーニングにもつながっていくという御意見。
一つ飛びますけれども、発達段階に応じて、どのように取り組むか考える必要があるといった御意見。
その次でございますが、生徒に思考力を身に付けさせる学習手段、学習内容であるというスチューデント・ファーストの発想で検討していくべきという御意見。
次でございますが、最終的にどの辺りをゴールとするか、議論が必要であるといった御意見を頂いております。
続きまして、一番下の情報セキュリティについてでございます。情報セキュリティについて、情報の特質やコンピュータの特質を踏まえた理解が期待されているのではないかという御意見。
次のページでございますが、プログラミングの概念がないと、情報セキュリティは理解できないというコンセンサスが必要であるという御意見。
また、コンピュータの基本的な操作に関しまして、小学校においてタブレットPCを導入する傾向があるが、キーボードやマウス操作への慣れが変化しつつあるのではないかと懸念があるという御意見を頂いております。
また3でございますけれども、各教科等におけるICTを活用した学習指導につきまして、アクティブ・ラーニングの視点に立った学びを推進する視点を踏まえ、どのように充実を図るべきかということに関しまして、効果的な授業づくり、多様な学習評価など、総体として情報活用能力を育んでいくということで議論したいという御意見、頂いております。
続きまして、ローマ数字の2でございます。高等学校情報科の改善についてでございます。
二つ目の丸でございますけれども、共通必履修の新科目については、第1学年に置くことによって、各教科等における情報活用能力の育成のベースとなるのではないかという御意見。
一つ飛びますが、問題解決が情報化の中心を占める内容であって、何をどう教えたらよいのか突っ込んだ議論ができるとよいという御意見。
次の御意見でございますが、問題解決やプログラミングを学ぶ上で、ページが替わりますが、扱う内容の議論も入ってくると、社会に出て使えるスキルと知識とがセットになっていくのではないかという御意見。
またローマ数字の3でございます。学習指導要領の理念を実現するために必要な方策についてということで、2の教員の指導力の向上、ICT環境の整備等に関しましての御意見でございます。
担当する教員の指導力の差が大きい。免許外教科担任の教員の指導力に課題がある。また指導力向上のほか、教員養成課程の充実、教員採用も進めていかなければならないといった御意見を頂いております。
また、プログラミングを本格的に導入するのであれば、相応のサポートとそのための人材育成が必要であるという御意見。
ネットワークも含めて、環境面の見直しが必要である、このような御意見を頂いているところでございます。
それでは引き続き、恐縮でございますが、資料2を御覧いただきたいと思います。本日、委員の皆様方に御検討いただきたい点は、この資料2の1ページ目にございます検討事項の1と2でございます。上の方に論点整理の文言を抜粋しております。最初の方のアンダーラインでございますけれども、小・中・高等学校の各教科等を通じました情報活用能力について、三つの柱に沿って明確化しと、このようなことが提言されております。
このことを踏まえまして、検討事項の1といたしまして、小・中・高等学校の各教科等を通じて育まれる情報活用能力について、三つの柱に沿ってどのように整理するべきか、また情報活用能力の3観点との関係はどのように考えればよいかというのが検討事項の1でございます。
また、論点整理の中ほどから後ろでございますけれども、情報科においては、高等学校教育における共通性を明確にし、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を身に付けるため、統計的な手法の活用も含め、情報と情報技術を問題の発見と解決に活用するための科学的な考え方等を育成する共通必履修科目の設置を検討する、こういったことが提言されてございますけれども、このことを踏まえまして、検討事項の2でございます。
小・中・高等学校の各教科等における情報活用能力の育成に関する学習及び高等学校情報科の共通必履修科目の学習を通じまして、高等学校卒業までに全ての生徒にどのような資質・能力を育むべきか、これが検討事項の二点目とさせていただいているところでございます。
では、検討事項の1につきまして、2ページ目以降で御説明させていただきたいと思います。一枚おめくりいただきまして、2ページでございます。
これから御協議いただきます情報活用能力についてでございますけれども、これは先生方、既に御承知かと思いますけれども、平成9年の調査研究協力者会議の第一次報告におきまして、情報教育の目標の観点を、ここにお示ししておりますとおり、情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会に参画する態度の三つに整理しております。その定義は、四角囲みの中のとおりでございます。
また、平成18年に初等中等教育の情報教育に係る学習活動の具体的展開についてということで、この18年の際には、情報活用能力の3観点をそれぞれに係る具体的な指導項目として、どのようなものがあるのかを整理するために、この3観点をその定義の文言から八つに分類しております。これが現在、8要素と呼んでいるものでございます。
この情報活用能力の概念の深化につきましては、後ほど参考1の方で簡単に御説明させていただきたいと思います。
3ページを御覧いただきたいと思います。このように、先ほど御覧いただきましたとおり、情報活用能力については3観点という整理がされてきたところでございますが、今回、企画特別部会論点整理におきましては、育成すべき資質・能力を三つの柱で整理するということが求められたところでございます。論点整理の要約を四角囲みの中に入れてございます。育成すべき資質・能力を以下のような三つの柱で整理することが考えられるということで、ローマ数字の1、2、3とございます。1が何を知っているか、何ができるか、個別の知識・技能、2が知っていること、できることをどう使うか、思考力・判断力・表現力等、3がどのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか、学びに向かう力、人間性等、この三つに整理することが考えられるということを提言されております。
そして情報活用能力等の資質・能力に関しましても、三つの柱に沿って整理をし、各教科等との関係を整理していくことが必要であると。このように提言されているところでございます。
このことを踏まえますと、矢印の下にお示ししておりますとおり、各教科等において育む資質・能力について、三つの柱で整理するということが求められております。その中で、情報活用能力につきましても三つの柱で整理する必要があるということになろうかと思います。またそうすることによりまして、各教科等における情報活用能力を育む取組というものもより具体化しやすくなるのではないかと考えらえるところでございます。
1ページおめくりいただきたいと思います。そこで本日、委員の皆様方に御議論いただきたい論点として、二つ整理させていただいております。
まず論点の1でございますけれども、3観点と三つの柱との関係はどのように整理されるのかということでございます。このページの中ほどの方に、このように関係が整理されるのではないかというイメージを図示させていただいております。情報教育の目標を整理しました3観点と、資質・能力の三つの柱との関係でございますけれども、このイメージ図にございますとおり、情報活用能力をいわば縦軸と横軸と申しますか、違った観点から見たものというふうに言えるのではないかと考えております。
そのように考えますと、白丸の1にございますとおり、3観点それぞれには、三つの柱として整理されます資質・能力のそれぞれの要素が複合して含まれていると考えられるのではないかということ、また3観点と三つの柱とは矛盾することなく整理することが可能ではないかどうかといったこと、こういったことをまずは一点目として御議論いただきたいと思います。
また論点の2でございます。5ページでございます。5ページのイメージ図でございますけれども、4ページの図を基に、資質・能力の三つの柱から情報活用能力を整理すると、このようになるのではないかというイメージでございます。本日はこの細かな文言につきましてはこれからの議論を踏まえましてまた精査していきたいと考えておりますが、このような形で整理することが可能かどうか、三つの柱に沿ってどのように整理されるのかという大きなところの御議論を頂ければと考えております。
なお、6ページから後ろにつきましては、情報活用能力の概念等がどのように進化してきたかというところを簡単にまとめさせていただいております。かいつまんで御紹介させていただきますと、6ページの3番でございますが、平成3年の情報教育に関する手引におきまして、情報活用能力を四つの内容として整理されていると考えてよろしいかと思います。
そして4番でございますけれども、平成9年の、先ほども御紹介いたしました調査研究協力者会議の第一次報告におきましては、情報教育の目標として、3観点が整理されたというところでございます。この情報教育の目標としての整理というのは、この後も5番の新情報教育に関する手引でございますとか、引き続き継承されているのではないかと考えております。
そして6番でございますけれども、平成18年の教育の情報化に関する検討会におきまして、これも先ほど御紹介させていただきましたとおり、8要素をこのときに示しているわけでございますが、この8要素を示す理由といたしましては、3観点についてそれぞれに係る具体的な指導項目として、どのようなものがあるかを整理することが必要といったことが書かれてございます。
また、新手引に掲げられました情報活用能力の3観点の理念をそのままでは終わらせないことにもつながることと。このようなことで8要素の整理がされたところでございます。
おめくりいただきまして、8ページ、7番目、平成22年の教育の情報化に関する手引でございますけれども、これもやはり3観点の整理に従いまして、情報活用能力の小・中・高等学校において身に付けさせたい情報活用能力の概要をこの表のように整理されているところでございます。
8番の情報活用能力調査の調査結果というところでございますけれども、これは調査結果そのものということではございませんで、調査結果について説明をする際に、情報活用能力の3観点8要素というのはこのような形で関係が整理されるのではないかということをこの図のような形で整理されたというものでございます。
説明の方は以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明を踏まえた意見交換に入ってまいります。
意見交換に移る前に、一つお願いがあるんですけれども、前回は自由討議ということで、いろんな御意見を頂きましたけど、今回からは、先ほどの資料1のローマ数字の1と2、とりわけ今、御説明いただいた部分について、私どもとしてはこの三つの柱に整理するのが何より急がれることなわけです。この三つの柱は、教育課程企画特別部会という、私たちのワーキンググループよりも上位の会議体で、今度の学習指導要領の方針として出されているもので、この三つの柱にしっかりと情報活用能力を位置付けられなければ、学習指導要領にはうまく入らないと。しかもそれを全て情報に関する教科があるわけではないことを考えると、しっかりといち早く位置付け、それを各教科等で議論していただくときに、ほかのワーキンググループにいろいろ議論をお願いしなくてはいけないと、そういう状況がございますので、私どもとしてはこの三つの柱に位置付けるというのを何よりも急いで、しっかりと第一の課題として考えたいと思っておりますので、そういう観点から御議論いただきたいと思います。
それでは、時間は30分程です。御意見ある方は、名札を立てていただいて、発言が終わりましたら名札を戻していただくという形で進めたいと思います。時間も限られておりますので、急いでよろしくお願いいたします。
じゃあ、まず白水委員、お願いします。
【白水委員】  よろしくお願いします。二点お話ししたいと思います。一点は、委員の発表にもあったんですけれども、情報技術の革新というスピードがすごく速いというのを踏まえて、教科「情報」の特徴を打ち出していくようなことができるといいなということ、二点目は、それと絡んで、情報の科学的な理解という柱を、例えば資質・能力の三つの柱というのに関係付けていくと、どういうふうに考えられるかということです。
一つ目は、今回、目標を立てて、小・中・高の発達段階に割り当てていくというお話があったんですけれども、中川委員の資料にあったように、この情報の分野というのは特に変化が激しいので、この時点で高校3年生のとき何を学ぶべきかというのを、全部きれいにあらかじめ予見できないという特徴が強くあるかと思います。非常に簡単な例なんですが、今年、高校を卒業して大学あるいは就職する18歳の子らを考えると、生まれたときから今までの間に、恐らくOSは10回ぐらい変わり、オフィスも10回ぐらい変わり、デバイスも変わってきている。そう考えると、今の時点で高校3年生まで一体何を学んでいくかというのをかなり具体的なところまで考えてみようとすると、学ぶ対象、つまり情報の科学的な理解の対象がここまで変わっていく学問、分野って非常に珍しいんじゃないか。
具体例として例えば常用漢字表というのは、恐らく小学1年生が高校3年生に行くまで変わらない。それと対比すると、子供たちが新しいものが出てきたときに、そこで学び直して適用する能力みたいなものを、例えば態度のトップに持ってくるというのは、教科「情報」の特徴を逆手に取ったものとして打ち出していけるんじゃないか。
そんなふうに考えますと、じゃあ、全部、一から学び直さなきゃいけないかというと、先ほど中川委員のコメントにあったように、例えばノイマン型のコンピュータの原理・原則みたいなものは通用するんじゃないか。1・0で物事を考える、あるいはインプット、アウトプット、その間に構造があるというようなところの捉えというのは常に大事で学びの本質になる。3観点と三つの柱は、私の場合だと、この情報の科学的な理解というのは、一旦は個別の知識、技能、思考力、判断力、表現力、それから学びに向かう力、人間性等に落として、具体的に考えた上で、その関連性というのを考えていけるといい。
そんなふうに考えますと、世の中の流れに応じて変わっていくような個別の知識・技能というのが情報技術、あるは情報の概念についてどういうものがあるか。そういう変化していく側面に対して、思考力・判断力・表現力の中に教科の本質というのが入っていると思いますので、例えば先ほどお話があったソフト、ハードの工学的な基礎知識とか物の見方として何が残るだろうかという知識の整理が、このワーキンググループあるいは事務局の方で進んでいくと、非常に充実していくのではないかと思います。
そのように整理してくると、じゃあ、本質的なところで情報のどういうことを分かっておくと、新しいものが出てきたときに適応的な理解ができるかというのを踏まえて、正に「学びに向かう力」ですけれども、世の中が変わったらそこで学び直していって、適応的に自分の知識の質、技能の質というのを上げていこうというような態度を身に付けるというのが情報の科学的な理解の中でしっかりできるといいんじゃないか。
この三つというのが、それぞれ個別の知識も変わっていくんだけれども、本質的なところは変わらないかもしれない。あるいは本質も少しずつ変えながら、個別の知識・技能というのを学んでみると学びやすくなるというような態度にメタ認知を掛けながら前に進んでいくような科目として、これをかなり具体化して出していくというようなことができると、情報の科学的な理解って非常にクリアになるんじゃないかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
兼宗委員、お願いします。
【兼宗委員】  よろしくお願いします。とても中川委員と白水委員の御意見、御発表に感銘を受けているところではあります。私の方も、工学系の大学教員ということで、非常に先端の方には関わってきているつもりなんですが、やはり技術といったものを考えたときには、今おっしゃられたように、日進月歩でどんどん変わってしまうので、教えたことがもう来年には古い、再来年には古いというふうに、大学でもやっぱりそういうふうに感じております。
今回は、小・中・高を含めまして、その学んだことを一生、生かしていただきたいということが多分、根幹にあると思いますので、それが一体何なのかということをちょっと考えているわけなんですけれども、そこで今回、情報の科学的な理解ということが入っているんですが、工学や技術ではなくて、「科学」という言葉を使っているところが非常に重要かなと個人的には感じております。
人間が考えた技術がコンピュータ技術ではあるんですけれども、やはり数学的・物理的な基礎というものが根底にありますので、やはり時代は変わっても技術が変わっても変わらない普遍のものというのはあるだろうというところは頭の中で意識していかなければいけないのではないかなと思っています。
そのときに、もう学校は卒業していますので、社会へ出てからというか成人してから自分で類推して、若しくは判断していろんな技術に接していかなければいけないわけなんですけれども、そのときにやっぱり学校で学んだことというのが自分で生かせるように、応用できるようにということを考えるのがこの情報の科学的な理解の基礎、それを与えなければいけないということですね。それをしっかりと理解した上で、どのように社会に当てはめていくのか、活用していくのかというところが実践力と参画する態度に相当するのかなと感じております。
大学の方の話になって恐縮なんですけれども、大学の方でコンピュータを考えるときには、大きく二つ、コンピュータ科学と、それからプログラミング的なことというふうに分けて考えることが多いんですけれども、今回、中川委員のお話にありましたように、情報学的な話と、やはり工学的な話という二つが含まれるかと思います。一つは、例えば数をどう表現するかとか、ネットワークの通信がどうであるとか、そういったような科学的なこと、情報の科学と言われていることがあると思います。
それでお伝えしたいのは、前もちょっと申し上げましたけれども、それを易しく小学生や中学生や高校生にコンピュータの科学を理解させる教育手法というものは、ある程度、世界で確立している、提案されて実用になっているところもありますので、それをうまく利用すると、実は高度と思われることもきちんと教えられるのではないかなということですね。
一つ私の身近なところでいいますと、コンピュータサイエンスアンプラグドという教具を使って、てんびんとかカードを使って、コンピュータの中身を、アルゴリズムを理解させよう、データ構造を理解させようという教材がありまして、ニュージーランド発ではありますけれども、今、ヨーロッパ中心に広く使われているものではないかなと思います。
もう一つは、例えばヨーロッパで10年以上行われているビーバーコンテストというものがあるんですけれども、それは情報の科学的な内容を子供たちにクイズ形式で出して、みんなでそれを解いてみようという試みを25か国以上が参加する形で行っていて、その出題された問題等ももう蓄積がありますので、そういったものをうまく利用すれば、情報の科学というものをうまく落とし込んでいくということが十分に可能であろうと思います。
もう一つ、十分に話が出ているので、今更申し上げることもないかもしれませんが、コンピュータの非常に難しいところは、今の瞬間のコンピュータの中身と、1秒後のコンピュータの中身というのが全く違っていて、状態を持って動いているという、時系列に動く機械というところが非常に特徴を持ったものだと考えています。それを理解するのは、紙で止まった形で理解させるというのは非常に困難でありまして、やはりプログラムという形で組んでみて、なるほどというように、こういうふうに移り変わっていくんだということを体験していただくということが非常に重要で、それは小・中・高の中で1回やらなければいけないということではなくて、やはり発達段階に応じて繰り返しらせん状に体験していくべきものではないかなと考えております。
そのための教育用のプログラミング言語というものも、皆さん御存じのものを含めてたくさん提案されておりますので、そういったものを上手に活用していけば達成できるのではないかなと感じております。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
名札立っていませんけど、是非、遠慮なく言ってください。僕、ちょっとだけ時間稼ぎをしますね。情報活用能力というのは、三つの観点でずっと言われてきていますけど、一つ目が実践力というふうな結びになっていて、二つ目は理解という結びになっていて、三つ目が態度という結びになっています。それで、例えば情報社会に参画する態度は、態度が目標だけども、その態度をしっかりと身に付けさせるためには、どうしても知識はやっぱり必要で、一定の理解があって判断ができて態度がみたいなことを考えると、ここにはここでやっぱり三つの柱のうちの1番はあるだろうし、2番もあるだろうし、3番もあるだろうと。もしかしたら態度と締めているので3番が多いかもしれないけど、それはそれであるだろうというようなことを私どもはここでしっかりと整理して、その整理された中身が、どれが上学年でどれが下学年でできるのかを整理し、どこからどこまでが高校なのか、あるいは共通必履修科目でどこからどこまでは選択科目なのかみたいなことを整理していかなきゃいけないと。なので、これは今後の作業から考えても非常に急がれることだというふうに付け足しておきます。
では小原委員、お願いします。
【小原委員】  済みません。今、実は主査が言ってしまったことを私は言おうと思っていたので、とても恥ずかしい思いなのですが、現場で教えて、大学でも少し教えているので、その辺りの話を少し申し上げますと、やはり情報活用の実践力というのは、情報を活用するという、ましてやここの部分は教科「情報」以外でも、一般教科・科目で多く意識される部分だと学習指導要領の中でも言われているところだと思います。
ですからここの部分の情報活用の実践力というのは、どちらかというと、イメージとしては、既にある知識を活用しながら、思考力・判断力・表現力等を中心に行っていくのが非常に相性がいい部分なのかなと思います。「情報の科学的な理解に裏打ちされた」とあるように、情報の科学的な理解の部分は、逆に科学的な「理解」の部分ですから、知識・理解としてある程度ベースとして持っておかなければいけない部分に深く関連しているのかなと思っております。
情報社会に参画する態度という部分は、まさに「態度」ですので、今の主査のお言葉をお借りすると、最後の3番の学びに向かう力、人間性のところに深く関連しているという形に、率直に見ることができるかなとは個人的には考えております。ただ、今まさに主査がおっしゃったように、それだけではなくて、学習指導要領には当然それらが、知識が更に態度を生んで、それがまた考えを呼び起こしてという形で、どんどんこれがいろいろな形で密接的に関連していくだろうということは安易に想像はできるところではあります。
ただ、とは言っても今お話ししたように、どうしても科学的な理解をベースにするのであれば、科学的な理解の部分が個別の知識・技能のところに深く関わっていかざるを得ないというのは、私はごく自然な考え方なのかなとは思っております。だから科学的な理解を押さえた上で、それを足掛かりとして、何が必要なんだろうと、そこから更に発展的なところはどのような状況だろうというところを考えながら、そこを切り口としながら、学力の三要素を、お互いの関連性をどのような形でと考えていくと、上手に整理していくことができるのではないかと個人的には考えております。
済みません、以上です。
【堀田主査】  失礼いたしました。
【小原委員】  いえいえ。
【堀田主査】  ほかにいかがでしょうか。皆さん、遠慮なくお願いしたいんですけど。
御意見を頂かないと、この原案で決まっていっちゃうので、まだこれはかなりラフだと思うんですよね。実際に指導されている方とか、是非お願いします。
じゃあ、小泉先生。
【小泉主査代理】  今まで白水委員から兼宗委員、小原委員、そして主査の発言、なかなか重みがあると感じました。内容というよりは方法論をちょっと確認したいと思います。
先ほど御説明いただいた資料の2の5ページですね。そもそも三つの柱を横串に入れて、縦串でもいいんですけれど、そして我々の情報活用能力の3観点というか、能力の3観点を、これを学習内容の3分類というふうな見方をして縦串を入れるという案なんですけど、大変いいアイデアだと思います。
その際に、5ページの上にあるまず三つの柱にイメージした情報活用の実践力と観点理解と、それから態度の部分ですね。それで、この具体をその下に書いていただいて、これは漏れていない。この内容が全て下の横串にしたときに、全部入っているかということの確認が必要だと思います。これは入っていると思います。
ただ一点だけちょっと気になるというか、留意しなくてはいけないと思う点が、下の表の思考力から判断力、表現力というこの並びの部分が、実はばらばらのものではなくて、思考、判断、そしてその結果の表現という形に今回、表現が技能からこちらに移ったという経緯がございます。ということで、その右側に並んでいる中黒の四つが、この並びの中で展開されているとはまだ今は認められないような気がします。ここをきれいに、きれいにと言うとちょっと語弊がありますけれども、きちっと整理しないと、先ほど来、主査から指示されている三つの柱で整理するということは最終的に落としどころが取れないと思っています。
なので、これは今のところたたき台ですので、この特に思考力・判断力・表現力の中身について、そもそもの実践力、そして科学的な理解、そして態度の部分の具体をどのように、この思考・判断・表現の並びの中で展開するかというのを留意する必要があるかなと、そういう印象を持っています。方法論の部分です。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。非常に貴重な御指摘かと思います。
これ、1番の個別の知識・技能については、今まで教科「情報」でも教えられてきていますし、時代の変化を考えると、あとこれもこれもというふうになるでしょうし、それが余り時代に左右され過ぎないように粒度を考えて決めるということになろうかと思いますが、これは決めれば決まることだと思うんですよね。3番も何となくみんな合意できているんじゃないかなと思うんですね。情報科で育てたい人材像と態度というのはある程度決められる。
すると問題はやっぱり2番で、1を使って2をどうするか、どういう力を付けるのかというところは非常に重要なところで、そういう力が付いているから3番につながるんだという小泉委員の御指摘は非常に重要なところかと思います。
それでは、柴田委員、安藤委員、佐藤委員で。【柴田委員】  三つの柱と3観点が大変きれいに整理されていて、ああ、なるほどと思ったところですが、ちょっと心配な部分もあるなと感じました。小・中学校や、高校でいえば情報科以外には、それぞれの教科の目標があって、その教科の中で目指すという目標があるわけですよね。その中に、すっぽり入ってしまうこの三つの情報活用能力の柱は、情報科以外の教科や小・中学校では教科の目標に上乗せするようなイメージになってしまうかなと。今後、小・中学校や教科「情報」以外の教科では、この三つの柱を各授業の中でプラスアルファのように見えてしまう資質・能力の育成を取り入れてもらえるのかなというのがちょっと心配なところがあります。
今までの観点ですと、各教科の目標の中に、何となく情報活用能力が、ああ、ここでも情報活用能力を育んでいるよねというように洗い出せ、さりげなく情報活用能力を育んでいたというところが、今度きれいに整理されると、そのデメリットみたいなものも感じます。この辺は今後うまく説明していく必要があるのかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  一応ちょっとだけ確認しておくと、今、柴田委員のおっしゃったことは、私どもは高校でいうと教科「情報」だけども、それ以外の小学校、中学校も含めて、あるいは高校の教科「情報」以外の場面でも育成されるべき情報活用能力を今こういうふうに整理しようとしていると。これのうちのどこを教科「情報」で必修でやるか、選択でやるか、あるいはほかの教科にお願いせざるを得ない。その教科にお願いするといったときは、プラスアルファでこれをお願いしますということなのか、あるいはそちらの教科の目標とこういうふうに近いので、御検討いただけますかというふうに持っていくか、あるいはそもそもそんなこと言わなくても、向こうから情報化に対応したうちの教科をこういうふうにすべきだという御意見もあろうかと。それはこのワーキンググループのもう一段上のところでの調整かと思いますので、そこはもちろん鋭意、調整をお願いしていくところでございますが、そのためにも、私どものところで全体像が明らかになっていないと、調整ができないと。調整ができないまま時間切れになってしまうおそれがあるということになります。ありがとうございました。
では安藤委員。
【安藤委員】  アウトプットのことに関してお話しさせていただきます。今後、こういった表現を吟味していくことになると思います。日本語としての表現は非常に平易な言葉を使用しても言葉の使い方や意味とかそういった、その言葉をどう理解するのかということでいろいろ混乱が生じなければいいなと思っております。
例えば、5ページの個別の知識・技能というところでいいますと、例えばですが、「社会の中で」といったときに、我々が普通イメージする社会というのは、いわゆるこの目の前にある社会だけでなく、ネットの社会とかサイバー空間もイメージすることがあろうかと思います。また、前回は少しプログラミングということについて議論しましたが、それに関して言えば、例えば2の思考力・判断力・表現力のところで、「相手や状況に応じて」のところの「相手」も、これは暗に今は人をイメージしているかと思いますけれども、プログラミングというのは、それがコンピュータだったり、そういうものに働き掛けるために考え、判断し、表現すると考えられます。
ですのでここで議論している現時点では共通認識はある程度できているかもしれませんが、今後、最終的にまとめるときまでに使用する言葉が三つの柱にきちんと区別が付くような形で使われるとよいのかなと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。最後のコンピュータが相手というのは、例えば人工知能が発達してきて、それと共存していくみたいなときを考えるということですかね。
【安藤委員】  もちろんそれもそうですが、もう少し原始的なというか、プログラムを書いて、コンピュータに伝えるというときの相手も、機械としてのコンピュータというのもあると思いますので、両方を含めてです。
【堀田主査】  分かりました。ありがとうございました。
では佐藤委員に行きますが、その後、益川委員、五十嵐委員、津賀委員で順番でお願いします。よろしくお願いします。
【佐藤委員】  皆さんの意見、すごく参考になりました。
それで、私がずっとこの資料を見せていただいていて、まず5ページですね。横に整理されています個別の知識・技能、1、2、3という部分に対して、縦串を入れていこうという、この5ページの資料は非常によく整理されていて、すばらしいなと思って拝見していました。
ただポイントなんですけれど、情報活用の実践力の中にも一応「表現」とか「判断」とかいう言葉がありますので、それと2番、横串のところにも同じ言葉が使われていますので、この辺り、ちょっと注意が必要かと思いました。
それから、この表自体につきましては、教科「情報」だけではなくて、小・中・高全体の情報教育という観点からまずしっかりと作っていこうというのがこのワーキンググループの目的かと考えており、私も同感でございます。しかしながら、情報学というものをしっかりと学ぶ場面というのは、実際に今回の検討事項2に入ってきます教科「情報」で学ぶ情報学というものが一体どんなものにあるのかということを考えておりまして、それを今、私の方で具体的に、じゃあ、それを今やっている現行の部分を、どの辺りを中学校に落とし、どの辺りを小学校に落としていけるのかというのを、先ほどの意見にもちょっと具体的なプログラミングの話も出てきましたので、そういった逆ピラミッドの考え方といいますか、そういった部分をしっかりとバックグラウンドに持った上で、この情報活用能力の表を整理していけばいいのかなと思って見させていただいております。
後半のところでまた意見を言わせていただきますが、実際のところ、教科がないという小学校なんかが非常にネックになってきますので、全体像としてどういう力が育めるのかということをここで論点整理ができれば、次の検討事項2というものの具体化ができていくのかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
益川委員。
【益川委員】  私の方からは二点ほど、検討していただきたいと思っております。
一点目は、個別の知識・技能に関わることなのですが、先ほど、情報の科学に関して変わらない知識、変わっていく知識という整理の話がありました。その中で、例えば情報であれば、いろんな情報的なアルゴリズムであるとか処理の仕方というのもありますが、同時に、例えばこの二項目目で、問題を発見し解決するための知識となってくると、コンピュータの情報処理との対として人間自身がどういうふうに情報を処理しているか、どう考えているかという、そういう視点もあると思います。ですので、「コンピュータと人間の情報の科学」という対比的視点からも知識・技能に関する文言で検討していただけると、学習者自身の学び方に対する理解みたいなところにも通じるので、検討していただければと思います。
二点目ですが、思考力・判断力・表現力や、学びに向かう力、人間性等に関わることですが、ここでの全ての表現の視点が、いろいろ考えた結果の記述になっていますが、例えば今回のアクティブ・ラーニングの視点とか踏まえて考えますと、この情報そのものを作り出しているのは人間ですので、情報を生み出している背景にある「他者」といったキーワードであるとか。それは近場の人であったり、グローバルに遠くの人かもしれなく幅広い意味ですが。また、そういう「対話を通して」のようなプロセスに関連するものが文言の中で入ってくると、より各教科における情報活用能力育成の方にも具体的に広げていくことができて、いいのではないかと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。情報を直接学ぶ機会のない小学校から、実際に実践していて思うことと、課題に感じていること、提案したいことを述べさせていただきたいと思います。
本校ではICTを各教科・領域で日常的に使っています。そこで実践して思うことは、問題解決的な学習をすればするほど、ICTが必要になり、情報活用能力は必要不可欠だということです。そういう経験のない小学校の子供たちが中学、高校に行ったときに、小学校ではICTについて何もやっていないのかという声も聞かれたことがあります。
これはやはり問題だと思いますので、先ほどの御意見のように、デバイスによって必要となるスキルも変わっていくことはもちろんそうなんですけれども、やはり基本的なものを、小学校においては低・中・高段階でこの程度のものはできていないとこれからの世の中は通用しないというものを作った方がよいと思います。逆にそれぞれの発達段階におけるスキルの指標を作ることによって、ICT環境もおのずと整備されていくのかなと、思うのです。
それから小学校においては、特に情報の科学的な理解というものが余り重視されていないのが現状です。しかし、先日、本校に村井純先生がお越しになって子供たちにお話をしてくださいました。先ほど白水先生がおっしゃったように、0と1で物はできているという話は、もう子供が引き込まれるように理解しました。あっ、そういうことなんだ、0と1で表現できているのがデジタルであって、それができていないのがアナログなんだ。世の中にはICTを使わないのがアナログで、使うのがデジタルという間違った表現がありますけれども、そういった意味での本当の情報の基本的な知識とか概念というものは、やはり小学校のうちからやっておく方がいいのではないかと感じたことです。
例えば重さや時間の単位は当たり前のように学びますけれども、情報の単位を学ばないために、とてつもないポスター並みの大きなデータの画像をそのまま学校の共有フォルダに入れてしまって、影響を及ぼしたりすることもあります。やはりそういったこともきちんと学ぶ必要があるのではないかということを感じています。
そこで提案なのですが、先ほど述べたように、問題解決的な学び、これは論点整理の中でいえば深い学び、対話的な学び、主体的な学びと記されてありますけども、そういった学びをすればするほど、この情報活用能力、実践力というのは密接に関係します。ですから、各教科での学びに育成すべき情報活用能力を明記すると同時に、次期の学習指導要領の改訂では教科になれないけれどもきっとその次の改訂では必要とされるであろう現代的な教育課題、例えばキャリア教育や防災教育などですが、そういう現代的な教育課題を学ぶときにこそ、しっかりと育成すべき情報活用能力を明記すべきではないかと思うのです。現代的な教育課題は、教科の中で発展学習として取り組むには限界がありますので、現状では総合的な学習の時間等を活用してで学ぶことになります。そういう例を、学習指導要領の中に明記するということが必要ではないかなと思っています。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
次、津賀委員、行きますが、その後、中川委員、西端委員で、一度ここで切らせていただきます。時間の関係で大変恐縮です。
津賀委員、お願いします。
【津賀委員】  ありがとうございます。まず情報学ベースの議論については、実は現場からも言われておりまして、やはり何らかの学問的な背景がないと苦しいと。それは教えている先生方もそうですし、そこに我々のように現場の先生方を指導する側としましても、そこは是非ともお願いしたいなというのがまず一つあります。
それとあと教科として発展的なものをもう一つ選択科目として用意されるということですので、当然、高校でいえば1年次、遅くとも2年次での展開かとは思っております。
それで、今回の議論として3番目の議論になっていますカリキュラムマネジメントということを考えたときに、他教科からの要望等、これは当然あるかと思いますので、そういったものも反映できるような形で、特に思考力・判断力・表現力辺りについてはお願いできればと思っております。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
中川委員。
【中川委員】  思考力・判断力・表現力の部分に当たるところかなと思うんですけれども、現在のITの環境というのは、オープンスタッフやオープンソースと言われる、既に作られているものはどんどん積極的に活用して、部品として使っていきましょうと。全部自分で作るということはどのソフトも想定しておりませんで、それはソフトを組み上げるときもそうですけれども、知識を組み立てて表現するときもそういう側面というのはあるかなと思います。ジグソー法に代表されるような物事の組み立て方。ここには「協働」という言葉がありませんので、協働で何か物を作るというような側面が、それは情報科学という観点もそうですし、それ以外の一般的な物事に関するスペシャリストをどんどん集めてきて、一つのものを作るようなものも情報の中には非常に必要となるスキルになると思いますので、そういった部分が盛り込まれるといいかなと思います。
【堀田主査】  ありがとうございます。
西端委員、お願いします。
【西端委員】  失礼いたします。4ページの資料なんですが、3観点と三つの柱で、もちろん皆さん、こういう表を書かれていると思いますが、九つの枠ができるかと思います。それを小・中・高にスライスしますと、合計で27個の枠ができるかと思いますが、一つ提案がございます。
5ページの論点2に行ってしまうのかもしれませんが、御提案いただいている12個のこうしたものをこの枠に入れたら、きっちり分けられるとは思いませんが、どこがメインになっているのかということを少し皆さんで考えていければ、ここが抜けている、ここが薄いというのが分かるのではないかという点が一点。
あともう一つは、少し時間が遡ってしまうのかもしれませんが、8要素についても同じようにすれば、8要素が決められてから既に7年たっておりますので、この7年の間で変わってきたところ、もしくはこの7年の間で変わらないところというのも見えるのかなと思いました。今すぐ結論が出ず、私もちょっといろいろ書いてみたんですが、皆さんも御意見違うかと思いますので、あくまで枠組みの提案ということでさせていただきました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
次に移る前に、ちょっと僕から一言コメントします。今、最後に西端委員がおっしゃったことですね。私どもがそもそもずっと平成9年から使っている情報活用能力というものが三つの観点に分けられるということと、今回の資質・能力の三つの柱が論点整理で出ているということですね。これは2軸既にあって、これに発達段階の校種、学年でもいいでしょう、それの軸があって、これに全て教科「情報」でやるわけじゃないので、各教科の軸があるんですね。四次元で絵描けないねと。なので、きょうは5ページのようにちょっと丸く出しているということがあります。
でも考えなきゃいけないのは、今の四つの軸全部なので、どこにどういうふうに配置するかということを厳密に考えていると。絵に描けないので、これこそ本当はITでやらなきゃいけないのかもしれないですけど、そこが一つの大きな課題になっているということでございます。どうも御指摘ありがとうございました。
先ほど佐藤委員がおっしゃったように、高校をどうするのかというところをまず考えた方がその後考えやすいんじゃないかという意見は、実は私も同じ意見を持っていまして、実はこの次の議題は、高校卒業までに全ての生徒に育む資質・能力をどうするかという話で、小学校から考えるのではなくて、高校から考えるというのは、既に教科として存在している高校、これをどういうふうに組み上げ直すか。そうすると中学では何、小学校では何が要求されるのかと考えやすいかということで、こういうふうに順番になっていっております。
まず配付資料の説明を事務局からお願いします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、資料2の10ページを御覧いただきたいと思います。
検討事項2、高等学校卒業までに全ての生徒に育むべき情報活用能力についてでございます。10ページの上半分、四角囲みのところでございますけれども、まず議論の前提としまして、次のようなことが考えられるのではないかと考えております。
まず高等学校卒業までに全ての生徒に育むべき情報活用能力について、1、2のように考えられるということでございます。1でございますけれども、小学校の段階から高等学校各教科、これは必履修教科までの履修によって育まれる能力、これが全ての生徒に育まれる能力というふうに整理されるのではないかというところでございます。その中で、高等学校の各教科の履修によって育まれる部分につきまして、その情報科の必履修科目というのはその中核となるものではないかというところでございます。
それから2でございますけれども、情報科の必履修科目の履修によって育まれる能力についてでございますけれども、現行の学習指導要領の下におきましては、「社会と情報」、「情報の科学」のいずれを履修しましても共通に育まれる能力、言い換えますと、両科目に共通する内容の履修によって育まれる能力と考えられますけれども、改訂後の学習指導要領、すなわち共通必履修科目が提言されておりますけれども、これの履修によって育まれる能力というふうに改訂後はなるのではないかということが議論の前提とさせていただいているところでございます。
これを踏まえまして、論点でございますけれども、こちらも二つございます。高等学校卒業までに、全ての生徒に育むべき情報活用能力、すなわちほぼ近い形だと思いますが、この情報科の共通必履修科目の履修によって育まれる能力について、どのように考えるかというところでございますけれども、まず1にございますとおり、おおむね現行の「社会と情報」、「情報の科学」それぞれにおいて育まれる能力のうちから、全ての生徒が共通して身に付けるべきと考えられる能力によって構成されると考えてよいかどうかといったようなことがあろうかと思います。
なお、2とさせていただいておりますが、その際、高等学校の生徒の学力等の実状は大変多様でございます。中学校卒業者の98%が高等学校に進学している状況でございます。そのような中で、生徒の学力とは多様であるという実状がございます。また深く学びたいという生徒に対しましては、今回の論点整理の中で、発展的な内容を扱う選択科目を設けるということが提言されてございますので、そこの中で生徒の興味・関心・意欲に応えていくということになろうかと思います。この点を考慮した検討が必要ではないかということでございます。
続きまして、11ページの論点2でございます。ではその高等学校卒業までに全ての生徒に育むべき資質・能力というものをまずは整理いたしまして、それを踏まえまして、小学校・中学校において育むべき情報活用能力でありますとか、あるいは情報科の選択科目において育む能力を検討するということでよいかどうかというのが論点2でございます。
こちらの下にイメージ図を載せさせていただいておりますけれども、この中で、高等学校の必履修科目の履修によって、例えばここの1、2、3に整理しておりますような、これはたたき台でございますけれども、ここに示しておりますような能力を育むというのをまずは整理いたしましてから、では中学校・小学校では、あるいは選択科目ではどのような力が育まれるかということを検討することでよいかどうかという点でございます。
なお、12ページ以降は参考資料でございます。12ページにございます参考の2-1は、企画特別部会論点整理補足資料の中で、仮案という形ではございますけれども、全ての生徒に共通に育むべき資質・能力と、各教科、ここでは情報科だけ抜粋してございますが、情報科の必履修科目との関係というものを整理したものでございます。
それから参考の2-2でございますけれども、現行の情報科の教科目標、それから科目の目標・内容、そして教科目標、科目目標に関連する学習指導要領解説の記述を抜粋したものを参考として付けさせていただいております。
説明は以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。今までの教育課程企画特別部会の議論も含めて、共通の必履修科目という方向で打ち出されているわけですが、共通にするということは、どの学校でも、実状が多様な高等学校のどの学校でもそれを取るということを考えますと、一体どの辺りまでにとどめておくかというのがこの共通の必履修科目の教育内容の重要な考え方のポイントかと思います。なので、その上で選択ですね。これについては選択でやろうというようなことをやることによって、発展的な学習を多様にできるようにすると。学校の実情に応じられるようにするという考え方であります。
もう一つは、論点2にあるように、先ほど事務局から言っていただいたように、高等学校の必履修科目の教育内容が明確になれば、それに併せて発展的な選択科目のほかに、中学・小学校あるいは各教科等で、高等学校でもですけど、各教科等でお願いできる部分をどうするかということの検討がしやすくなるということになります。
これについての議論に今から入りたいと思いますが、30分弱で行きますので、これからまたいつものように立てていただいてと思います。もう佐藤先生、やる気満々で立てていますので、じゃあ、佐藤委員から行きましょう。
【佐藤委員】
前回の冒頭でも申し上げたことを、また重複するようになってしまいますけれど、今回、皆さんの御意見の中にありました、やはり情報学というものをここできちっと確立するべきではないかと。そういうときがやって来たと思っております。
それで、前回も御提案申し上げましたように、まずは教科「情報」の中で学ぶべき情報学というものを、また同じことを言わせていただきますが、やはりコンピュータの仕組み、先ほど五十嵐委員の方から小学校の事情もお伺いしましたが、ビットの世界も含めた仕組みですね。それからネットワークの仕組み、これはパケット通信、みんなやっているわけですから、これの仕組みをきちんと押さえていく。そしてセキュリティと、これが情報学の基礎的な部分で、今回、必履修科目と、11ページの方を見ているんですが、発展的な科目ということで、情報学の中の基礎の部分がやはり必履修科目で、応用の部分が発展的な科目、すなわち「情報Ⅰ、Ⅱ」というような科目名でもいいと思うんですけれど、そういうような切り分けがはっきりできるかなと思っております。
今の情報学をしっかり学ぶ、そしてやはり教科「情報」の中では、問題解決は絶対外せませんから、これは活用の部分にはなってくると思いますが、これらの情報学という学問で科学的な理解に裏打ちされた部分が確立すれば、問題解決の手法としまして、プログラミング、それからモデル化とシミュレーション、そしてデータベースというような具体的な問題解決の手法があると思いますので、そちらの部分がやはり加わって、それをひっくるめた形で情報学と言うべきなのか、あるいはそこは分けるのは、ちょっとそこは私、悩んでいるところなんですが、一応そういうふうに整理された必履修科目というものをもう一度、御提案させていただきたいと思います。
その11ページの中学校・小学校と書いていただいてございますが、例えば中学校にもプログラミング、そして小学校にもやはりプログラミングというようなことが今回の柱になっていると思いますので、例えばですが、中学校の中でプログラミングというところで、現行の学習指導要領の「情報の科学」で扱っている中を吟味していただきまして、例えばその中でも、繰り返しの部分であるとか分岐の部分、プログラミングですけれど、それの基本的な構造の部分は中学校に落としていこうとか、あるいは小学校には、今、前の学習指導要領の情報Aでやっていたような実践力の部分を小学校全体の展開の例として落とし込んでいこうとか、やはり今までの歴史的に積み上げてきた教科「情報」のよいところを下へ落とし込んでいけるのではないかというような考えを今持っております。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。安藤委員、兼宗委員、柴田委員で行きます。
【安藤委員】  今のお話もありがとうございます。中学校の技術科の話と関係するかと思いますので、ちょっとお話しさせていただきます。
中学校技術・家庭科技術分野で平成20年から必修として継続的にやっている計測と制御とプログラミングでは繰り返しや分岐等は当然使って学習しております。今後、中学校としてはある程度そのプログラミングというものをどう充実させていくか検討が必要だと思います。計測して、どう制御するかというハードウェアを扱う内容を中心に学習し、生徒たちが高校に行くという流れを踏まえますと、今、高校でやっていることをそのままおろすというよりは、ある程度、中学校でやっているハードウェアを扱うプログラミングも少し引き上げるような形もあろうかと思います。そして、中学校では、ハードウェアを計測・制御する以外に、アプリケーションソフトの作成についても扱えるようにし、その辺りのバランスを取っていくことが必要かなと思います。
そして今お話にありました発展的なという中身でいいますと、発展的な内容を扱うためにもやはり選択科目というものが中学校にできると良いのですが、それが難しいとしても、何か生徒の興味・関心や問題意識等の実情に合わせるという点では、生徒が学習を深めたい内容を選択できるような時間が中学校にもあると望ましいのではないかなということも思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
兼宗委員。
【兼宗委員】  最初につまらない話をして恐縮なんですけれども、用語の説明だけですね。情報教育のやっぱり基になる親学問というのが非常に求められているということは強く感じておりまして、全くそのとおりだと思っています。
それで、情報学という学問が確かにあって、基礎の一つを成しているんですけれども、今回、「情報の科学」ということから考えますと、実は情報科学という学問もありまして、そちらのほうの比重の方が高いかなと思っております。
議論の中で、別に情報学と情報科学だ、情報工学だという話をする必要はないので、情報学のままで全く進めて構わないとは思うんですが、基本的には、情報学といいながら、情報科学のことを指していることが多いだろうなということをちょっと指摘させていただきます。
あともう一つは、科学みたいな原理というものをどうやって、さっき小学校でも面白いんだというお話、すごくためになったんですけれども、入れていくかというのは非常に興味深い観点かなと思っておりまして、普通に教えると、やっぱり基礎を教えてから、それをどうやって応用するかという話になるんですが、体験していない基礎だけ教えられてもやっぱりあんまりおもしろくないということは小学生でも中学生でも高校生でも多分同じかなと思いますので、私のイメージとしては、科学的な理解というものは、どちらかというと今まで学んできたことの種明かしというところで落とすのはどうかなというふうに思っていまして、そういう意味では、小学校でも活用したら、今使ったものには、裏にはこういう技術とか科学があるんだと。また小学校、中学校で情報活用していった後で、高校で実はこういう原理でそれが動いていたというふうに落とし込んであげると、実は子供たちというのは、図鑑とか何かで物事の裏側を知るってすごく興味を、ほっておいても持つものですから、うまく回っていくのではないかなと、ちょっとお話を聞いていて感じました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
では柴田委員、野部委員、白水委員で行きます。
【柴田委員】  私は情報科の授業をたくさん見て気付いたことを二点申し上げたいと思います。
一つは、情報科の授業を見て、情報科のアイデンティティーって何なんだろうなというのを常々感じています。例えば授業で、コンピュータを使っていて、これは情報の授業ですよとか、プレゼンテーションをやっていて、情報の授業ですよとか、問題解決やっているから情報の授業ですよというふうに我々に見せてくれるわけですけども、これは本当に情報の授業なのかなと、これらは、ほかの教科でもやれることだしと思って、そういうふうに考えると、情報というのは、科学的な理解についての内容が教科「情報」のコアの部分なのかなと。
ほかの教科でも、総合的な学習の時間などでやっている手法、問題解決学習をやっているわけですので、教科「情報」のアイデンティティーといえるところを絞り込んで、そこを核にしていくということが必要なのかなと思っています。
そうすると、この11ページの図ですけれども、改善をしていただくといいなと思うのは、小・中・高が同じ幅になっていますが、高校には教科「情報」以外の部分で情報活用能力を育んでいく部分があるわけで、そこの部分の枠を作っていただきたいんですね。小・中は技術もありますけども、そういった教科のあるものとないもの全体で情報活用能力を育んでいくんだという、この図の見せ方というのは結構メッセージとなり、既に選択科目の部分は図の幅が狭くなる工夫をしていただいているので、同じように、高校の教科「情報」以外でも情報活用能力は育成しているんだという図の見せ方に11ページは改善していただきたいなというのが一つです。
それからもう一つは、保健体育の授業で学んだ図ですけども、スキャモンの発達・発育曲線というのがあると思うんですね。こういう神経系はどのように成長するかとか、筋肉系はどのように成長するか、成人までにどのように成長するかという曲線が情報活用能力にもあるんじゃないかなと思っています。
高校の卒業段階で、どういう情報活用能力を身に付けていくかというのが最終形の100%とすれば、中学校の段階では、そのうちどこまでがやるのか、小学校の卒業段階ではどこまでをやるのかと。だから先ほどの堀田主査のおっしゃった四次元の図でいえば、情報の3観点を学年で横軸を区切っていくと、こういういろんな曲線で子供たちは成長していくのかなと。そうすると、五十嵐委員がおっしゃったように、小学校の段階ではひょっとすると情報の科学的な理解というのは慎重に学ばせ、高校ではその分ウエートが高くなるという、ような曲線を描いて、情報活用能力というのは成長していくのかなということを常々感じています。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
野部委員、お願いします。
【野部委員】  先ほど柴田委員がおっしゃった情報科のアイデンティティーにも関係するのですが、私も情報科というのは別にコンピュータを使うわけではないだろうと考えます。そうすると何のために情報科があるのかなと考えたときに、よいユーザーを作るものではないかなと思います。
例えば、家庭科を学ばなくても、別に料理もできます。でも栄養的なこととかを知っていると、よりいいものができると。同じように、科学的な理解に裏打ちをされていると、コンピュータを使う立場であっても、例えば自分がシステムを作らなくても、提案をする立場であっても、いろんなことができるのではないかと考えます。
またスマートフォンを使っていることも、今何も知らなくてもスマートフォンは使えます。けれども、科学的な理解をしていると、ああ、こういうことは危険であるとかいう情報モラルにも通じていくのではないかなと考えていますので、まずその辺りを考えたときに、ではどのようなユーザーになってほしいのかということが高校卒業段階では必要ではないかなと思っています。
というのがまず一つありまして、それと細かい話になりますが、例えばプログラミングの話で、先ほど制御の話が出ておりましたけれども、高校でモデル化とシミュレーションというところがあります。モデル化をするときに、いろんな現実のところからモデル化をしているので、条件が外れていきます。それでシミュレーションを行うわけです。でも中学校の制御では、逆に制御して実際のものを動かしているわけですね。そういうところをうまく結び付けていくことによって、中学校で行っているものと高校で行っているものが全く別物であるということにならないと思いますし、先ほど兼宗委員がおっしゃったように、実際、自分たちが使っているものの元がこの機械の現象になる。例えばプログラミングを私も教えたことがありますが、あなたたちが使っているスマートフォンのゲームというのは、このようなものを組み合わせてできているよと言うと、すごく喜びます。
そんなふうに、現実のものとコンピュータの中のもの、コンピュータそのままでは見えませんけれども、中のものを見せながら授業として行っていく科学的な理解ということは小学校でこれをやって終わりではなく、らせん状で何回もスパイラルとして学んでいくことが必要なのではないかと思っております。
【堀田主査】  ありがとうございました。
白水委員に行きますが、その後、池田委員、五十嵐委員と行きます。
【白水委員】  少し先ほどの話に戻って二点、それから今回の高等学校で何をするかという話につなげていく話を一点したいと思います。
一つは、小泉副主査、それから益川委員、五十嵐委員からコメントがあったんですが、恐らく2のところの思考力・判断力・表現力のところというのは、ほかの二つが要素的な、学力の目標論の話をしているのに対して、ここだけは、学習の過程に絡むような話になってくるというのがちょっと他と違う特徴があるのかなと思います。
この学習のプロセスを考えますと、やはりここは従前でいうところの実践力とかに絡んだ中で、情報技術を使いながら子供たちが実際的に情報をどんなふうに使っていくかと学ぶようなところの学習のプロセスに基づいた目標になっているのかなと。そこの整理をうまくつけていけるといいかなというのが一つあります。
もう一つは、全体的なこの戦略というか、全体像なんですけど、「情報」をどこまで強く出していくか。その情報を強く出さずに、ほかの教科でもやっていることですよねと、このバランスを小・中・高の段階でどんなふうに戦略的にやっていくかみたいなところというのが非常に大事かなと思います。
それでいきますと、先ほどの兼宗委員の意見、非常に私は賛成なんですが、小さいときから情報技術も含めてデジタル、アナログ、ICT有り無し問わずに、どんどん使っていくうちに、思考力・判断力・表現力・創造力が身に付いていって、実はそのデバイスや手段の仕組みというのが高校に行ったときに「こんなふうになっているんだ」という種明かしが来たりとか、問題解決の手段というのがモデリング、プログラミング、シミュレーション、データベースみたいなものにつながっていくというような構造を書いていけると、この二番目についてはいいのかなと思います。
そう考えると、じゃあ、情報の特徴というのをどんなふうに出していくかと考えたときに、この3観点というのがもうちょっと小さい子からも分かるような形で一貫して教えられるといいんじゃないかと。小学校のときに、楽しく協働的にICTを使って学んでいるんだけど、それが終わったときに、この「3観点で見てみたら」というのが、小学生にも分かるようなレベルの言葉で伝えられるといいんじゃないか。
具体的には、例えば実践力というところは、「情報ってどう使えるのかな」、「情報を使ったらどんな問題が解けるのかな」、その科学的な理解は、「情報って何だろう?」と、「情報技術って何だろう?」みたいなことをやるんだよと。それで、態度のところは、「情報とどう付き合ったらいいかな?」、「情報の向こうにいる人とどういうふうに付き合うといいのかな」というのを学ぶような観点です。この情報の観点というのを結構鮮明に出していって、繰り返し、繰り返し小・中・高で学んでもらえると、いろんなものがつながっていくのではないかと思います。
最後、必修と発展の切り分けなんですが、野部委員にセコンドしますが、よいユーザーを作っていくのが非常に明確な必修の目標になると思います。もう一つは、よいインタープリター、トランスレーターを作っていきたいと。ユーザーインターフェースが分かって、こんなふうに使いやすくしたいので、プログラマーに向かってこんなふうに作り直してくださいよという、自分はできなくても、その要望を言っていけるようなインタープリターというのが要るだろうと。発展の方は、かなり明確に、よい技術者を作っていくみたいなところに立ち入ってしまうと非常に話がクリアになるかなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
池田委員、お願いいたします。
【池田委員】  今の御意見大変参考になりました。中学校の現場で一番大事だと思っているところは、小学校から中学校への学びの連続性をどのように意識して指導しているかという点です。
中学校から高校に進学し、中学校の技術・家庭で「情報に関する技術」を指導していますけども、高校で「情報」を指導する時に、その学びの連続性をどう実現していくかというところがとても大事だろうと思います。情報活用能力というのは、実践を通して身に付いていくものだと思います。多様な能力の子供たちがいるわけですので、その子供たちに、中学校ではこんなことを学んだよねということがある程度、高校の情報を学んだときに思い出せるような内容にしていかないと、子供たちは全く別なものを学んでいるというような感覚になると思います。
そういった意味で、高等学校ではこういうことを学ばせるのであれば、中学校ではこのような内容をと言うように、それぞれ学習指導要領の中でもう少し具体的に、指導する内容を組み込めれば更に情報活用能力を身に付けられることができると考えます。小学校でも同様だと思います。9年間、12年間、継続して、また、繰り返して学んでいくということで、子供たちに、かなりハイレベルな内容を身に付けさせることができるだろうと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
五十嵐委員。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。私も池田委員に賛成です。小学校から高等学校までを見通した情報活用能力を体系的に示したものをしっかりと明示しておく必要があると思います。逆に上から言えば、高等学校では教科「情報」が中心となって、それが小学校では全部の教科に生かされていくというような構図になると思うのです。
あと一点。今、話題になっている情報の教科の内容についてはたくさん議論されています。もちろん情報という教科は、問題解決的な学びなのだという話をお聞きしましたが、それでは高等学校の情報以外の全ての教科はどうなんでしょうか。今、高大接続システム改革会議で学び方を変えるという議論が出ています。その辺り、高等学校においては特に情報以外の教科において、一斉的ではなく、子供たちが問題解決していくような主体的な学びを実践していく必要があると言われています。そのために、この情報活用能力を大きく取り上げながら教科「情報」だけに任せるのではなく、全ての教科の教員がちゃんとどの教科においてもそういう学び方の手法を持つんだということを高等学校でまず示したらどうでしょう。学び方については、小学校では柔軟に考え、担任が全科を持っていますから何でもできるという利点もあります。情報の理解についても、下の校種から上げていくことと、上の校種から落としていくことがつながる必要があります。学びの連続性が大切だと思います。 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
小原委員、西端委員の順番で行きますが、時間が大分なくなってきていますので、皆さん、意見がある人は早めにお願いします。どうぞ。
【小原委員】  小原です。ありがとうございます。
3観点の一つである「情報の科学的な理解」のところなんですけれども、確かに情報の科学的な理解の中には、「情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」など、かなり抽象的であり、人間工学的な内容まで言及されています。これを見たときに、「なるほど、これはすごいな」と思った反面、逆に、いわゆる「情報科学」というものが逆に少し抜け落ちているような、そういうイメージがあります。
全ての教科・科目、小学校・中学校も含めて考えたときに、確かにこの「情報の科学的な理解」というのはしっくり収まるのかもしれないのですが、教科「情報」の内容ということに特化したときに、この「情報の科学的な理解」のこの表現では、逆に少し足りないのではないかと考えています。
何が足りないのかというと、やっぱりもっと情報科学的な内容、特に、プログラミングなど、多くの先生方がおっしゃっている内容は、教科「情報」の大きな中身の一つとしてもっと前面に押し出してもよろしいのではないかと感じています。それがないので、何かプログラミングが逆に軽視されたりしているのではないかなと思っています。
あと、それとは全く逆の発想として、やはり全ての教科・科目で情報の科学的な理解をこのような形で実施するというのであれば、やはり物事の考え方をどう教えていくのかなど、検討する必要があると思います。なかなか小学校・中学校では難しそうな、例えばロジックツリーとか、物事の考え方の深く何で、何でと考えていくような手法とか、そのようなことをやっぱりもう少し丁寧に、考え方そのものをどのように学ぶのかということも、子供たちにもっと高等学校の教科「情報」で示していけると親切なのではないかなと感じております。現在は、なかなかそれが浸透していないというような課題があるのかなと感じています。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
西端委員。
【西端委員】  失礼いたします。二点ございます。
まず一点目は、小学校のお話になりましたので、プログラムという言語がオープンになっていますが、現状で小学校で何ができるのか、何を学べるのかということを少し次回までに私自身も含め、整理しておきたいなというのが一点目です。
二点目は、この会議の冒頭に、必要に応じてという話がございましたので、それこそ必要に応じてという機会かなと思って発言させていただきますが、現状で教員採用試験で情報分野というものが出題されている都道府県があるのは当方も存じておりますが、それが全国的にどのような問題が出ているのか、そしてそれがどのように小学校の先生に現状で役に立っているのかということも少し整理しながら、現職教員への講座、また当方も含めて教員養成系でどのような小学校の教員を養成していくのかというところも少し考えていきたいなと思いました。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。では、小泉主査代理、お願いします。
【小泉主査代理】  大変、皆さんの意見、とても感銘いたしました。それで私が10年前にこの情報という教科の方針を作ったときの思いを含めて、参考までに情報を提供します。
「情報の科学」というのは、はっきり言いますと、ページでいいますと13ページにありますけれど、「情報の科学」の方が、結論から言うと、問題解決がメインなんですね。それで、コンピュータとかネットワークに関わる知識・技能というのは括弧にして扱っていますけど、基本的に問題解決です。「社会と情報」については、問題解決が(4)の最後のウに来ています。
それで、先ほどの論点整理の1のところで、1、おおむね現行の「社会と情報」、「情報の科学」のそれぞれにおいて育まれる能力のうちから、全ての生徒が共通して身に付けるべきと考える能力として構成されると考えてよいか、これはよしと思います。
ただこれが共通部分というよりは、和集合といいますか、科学と社会の要素がある意味、合体したことによって、小さくはならないということは認識しておかなくてはいけないと。要はスリムにするというのは理想ですけれど、スリムにするには、2030年ぐらいをめどに、前回言いましたように、小・中・高の連携された情報教育、あるいは情報科学とか情報学という形でもいいんですけれど、その体系ができたときに、多分、高校はよりスリムで質が高いものになるんだろうと思います。
じゃあ、今回の学習指導要領の改訂においてはどうすべきかという点ですけれど、11ページに2階建ての構造があります。その2階建ての今、母屋の部分、1階の部分が必履修科目として整理されています。これをもう少し精査する必要があると思うのですが、このとき、2階の部分を積み上げにするのか、あるいは1階の部分のより高度な形にするのか、つまりは例えば今の数学のⅠ、Ⅱのように、別のものが積まれていくのか、あるいはそれとは別に、ちょっと他教科については十分知識はないので例えが出せませんが、拡張して同じ内容の高度な部分にするかというのは明確にする必要があると同時に、その下の中学校・小学校において、2020年にどう改訂できるかは別として、2030年を見据えて、ある程度、このワーキンググループで枠を作って、それを客観的に理解してもらえるものを作っておかなくてはいけないと思っています。
ついては、「情報の科学」と「社会と情報」が、先ほども言いましたように和集合というか、セットになって次の1科目の中のどういう形にこの1階の部分にセットするかというのを十分議論する必要がある。それで2階の部分に、1階から出たものを2階に置くのか、あるいは発展的にするかという部分についても十分議論する必要があると思います。
先ほど柴田委員がおっしゃったように、情報の科学的な理解とか実践力とか、あるいは態度の部分は、成長曲線が違うと私も思っています。したがって、科学的な理解は小学校でも私は必要だと思っていますが、ただしそのレベルは必ずしも態度の部分と、それから実践力の部分とは同じレベルではない。ところが高校段階にいると、科学的な理解の部分はかなりレベルが高くなり、あとは態度、態度は多分リニアに小・中・高というふうに行くんだろうと。直線的に行くんだろうと思いますけれど、科学的な理解の部分は、かなり高校の部分はレベルが高くなる。そのときに、10年後あるいは20年後、2020年、2030年に、この11ページの絵がどのように描けるかというのを、そこを踏まえて設計しておく必要があると個人的には思っています。
実践力の部分は、もはや、もはやと言ってはあれですけれど、もはや高校においてどれだけの割合を占めるかということになるんだろうと思います。という形で、その三つの観点について、今言ったように、レベルを小・中・高10年間で考えるというときには、11ページの内容をもう少し精査したもので、2030年に参照できるようなものが作られる必要があると、感想までですけど思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
私、主査なんですけど、ちょっと一言だけというか、僕も意見があるので、少し言わせてもらいたいと思いますけど、僕は小学校によく行くんですけど、小学校で情報を活用する活動、あるいは情報手段を活用する活動をいろいろやるわけですけど、そういう活用をした体験がある子に、例えばツリー構造というのを教えたりすると、ぴんとくるんですね。あるいはKJ法という方法を教えるとぴんとくるんですね。
一方で、それを先にやると、そういうふうにやらなければいけないみたいに思考を規定する部分があります。これは知識と体験の話で、先ほど兼宗委員がおっしゃったことと関係するかと思うんですけど、先行的に体験があって、それを後追いで知識で強化していくみたいなことは、やっぱり考え方として重要で、だとすると、高校になってから全部、種明かしというのはちょっと遅過ぎて、小学校でも中学校でも種明かしできる部分というのはあると思うというのが一つです。
二つ目は、先ほどの情報手段という言い方が、何でも情報手段なんですよね。世の中のもの。だからそれがかえって曖昧にしていて、情報技術を必ずしも意識しなくても全部情報を活用できる。ベーシックにはそうなんだけれども、この時代が動いている中で、「情報手段」という言葉でいつまでもいいのかと、あるいは情報技術というふうに例えば使い直すことを、学年によるのかもしれませんけど、校種によるのかもしれませんけど、検討するということもまた大事かなと思っています。
済みません。以上、意見でした。
実はこれで今、きょう第2回ですけど、第3回できょうの議論をまたもっと深めていきたいわけです。それで事務局、一生懸命たたき台を作ってくれていますが、これをより精緻にしていきたいわけですが、議論の時間はいつも限られていますし、ヒアリングも場合によってはあるかもしれないことを考えますと、きょう皆さんがおっしゃった意見、私ども受け止め切れていない可能性もありますので、是非、メールあるいはペーパーで何か頂けると、きょう言い残したことも含めて頂けると、それを事務局がうまく次の案に、全部載せられるかは、それは分かりませんけど、ある程度載せて、そしてまた次の議論が深まりやすくなるかなと思いますので、可能であればそういうところをよろしくお願いしたいと思います。
その場合、次の会議の間際になっていただいても反映が難しいので、きょうから何日以内ぐらいだったら。三、四日ですか。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  それでは、週明けまでに頂けると大変ありがたいと思います。
【堀田主査】  そのぐらい焦っているんです。今ね。そのぐらい事務局は一生懸命やっていただいていますので、皆さん是非、御協力いただければと思います。
そろそろお時間になるんですが、まず二点ちょっと御相談というか御連絡があります。
一つ目は、きょう中川委員にプレゼンテーションしていただきました。先々を考える上で非常に貴重なプレゼンテーションになりました。実は急にお願いして、大変恐縮だったんですけれども、同様に、ほかの委員の方にも、皆さんの御経験の立場からプレゼンテーションを、きょうみたいに短い時間でお願いせざるを得ないんですけど、お願いすることがあるかもしれません。そのときは是非、笑顔でお引き受けいただきたいというのが一つ目でございます。
あと二つ目ですが、もう一つ、新聞記事が席上に置いてあると思います。これは前回、第1回のワーキンググループは10月22日だったんですけど、その後、10月29日にこの新聞報道、出まして、このワーキンググループのミッションのメインは教育内容の規定だけども、とはいえ、こういう現状があるということは皆さんが第1回でたくさん言っていただいたとおりでございます。
なので、このワーキンググループとしてはこれは見過ごすことはできないと。私どもが議論した結果、新しい学習指導要領が出来て、それが確実に実施されるためにも、情報科の免許を有する者の採用とか、現職教員の研修とか、更なる情報科の免許の取得促進、あるいは先ほどの教員養成、きょう西端委員、おっしゃっていただきましたけど、そういうような点から考えても、このことは非常に重要なことだと思うわけです。
ですので、これは今できることが何なのかというのはちょっと分からないんですけど、例えば文科省から各都道府県に、こういうようなことは今後、採用を今のうちから計画的にやっておいていただかないと、次の学習指導要領で非常に困りますよということを含めて、何か通知等を出していただくとか、例えばですけど、そういうようなことがしていただければなと思うわけです。
これは教職員課としてはきっと恐らくやっているんだと思いますけど、情報教育課としては、とにかくこの教科「情報」においては3割という高率ですから、これはやっぱり非常に大きな問題だと思いますので、そういうようなことを是非お願いしたいと、これは主査として意見として思っておりますが、皆さんのお考えはいかがでしょうか。御賛成いただけますでしょうか。
でも皆さんに御賛成いただいても、もちろん文科省がそれができるかは分からないんですけど……。課長、じゃあ、お願いします。
【磯情報教育課長】  大変重要な御指摘と受け止めております。速やかに検討の上、通知文書等、対応したいと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。じゃあ、そのようにお願いいたします。
それでは、時間になりますので、次回の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【稲葉情報教育振興室長補佐】  次回でございますが、12月22日火曜日、遅い時間で恐縮でございますが、17時から19時の開催を予定しております。場所につきましては調整中でございますので、決まり次第、御連絡させていただきます。
なお、先ほど主査からもございましたけれども、限られた時間内での御議論でございましたので、更に御意見、お気付きの点などございましたら、事務局にメールその他の方法でお送りいただければと考えております。
以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、これで本日の情報ワーキンググループを終了させていただきます。どうもお疲れさまでした。

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