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外国語ワーキンググループ(第1回)における主な意見

1.小・中・高等学校を通じて一貫して育成すべき外国語教育における資質・能力について
(1)育成すべき資質・能力の可視化
○ 次期学習指導要領改訂の方向性を見据えると,路線は今と大きくは変わってないと思う。育成すべき資質・能力の三つの柱についても,現行のものを更に高度化していく,発信能力を少し高めていくという方向性を求めていくということであって,今の路線をしっかり定着することに力を入れていただきたい。

○ 発信に関して,伝え合う,あるいは表現をするということだけではなく,考えながら読んだり,考えながら聞いたりすることも非常に大事な要素。4技能総合的にといった場合には,表現を支えるものとして理解の力もしっかり付けていくことができるとよい。

○ 小学校では相手意識,他者の尊重といったことは資質・能力を高めるということで,非常に大事な視点ではないかと考えている。国語教育の中でも,言葉で大事にしましょうね,お互いを大切にしましょうねと言っているが,その具体化がなかなか難しく言葉だけに終わっていた部分もある。一方,特に外国語活動では,言葉ができない分,あえて身振り手振り,あるいは笑顔や,お互いの目を見合うとかいうことがあるのではないかと考えている。

○ 10年,20年後のグローバルビジネスの展望を踏まえ,現在の新入社員の最も弱いところ,不足を感じるところはどこかという議論をした場合,すぐに正解を求める,また最初からやり方を聞きたがるということで,自分で試行錯誤をして自分なりの回答を見いだそうとする姿勢が足りないこと,自分の考えや思いの発信力が弱いこと,リベラルアーツが弱いこと,の3点が大抵挙げられる。これらについても,小・中学校から継続的に育成していかなければ,会社に入っていきなりそのような態度が身に付くということはないと思うので,是非重視してやっていただきたい。


(2)「アクティブ・ラーニング」の視点に立った学びの推進の視点を踏まえた英語を通じた教育の充実
○ 言語習得の観点で言うと,言葉を学ぶためには,たくさんのエクスポージャー,インプット,つまり触れることと,実際に言葉を使っていくことが大事。アクティブ・ラーニング,と教科の特性としての英語の学び方をつなげられるようなことが考えられるとよいのではないか。


2.小・中・高等学校を通じて一貫した教育目標(指標形式の目標を含む)・指導内容,学習過程等の在り方
○ 外国語の目標に関して,外国語の場合,学年指定がなく,学年ごとの到達度,あるいは指導目標が見えにくいが,実際は学ぶことと実際にできるようになることにずれがある領域もある。例えば国語の小学校の漢字の例では,1年生で扱った漢字を,2学年にわたって確実に定着するように指導することなどが求められている。このような少し長い目で見た指導と到達目標が入ってくるとよい。

○ これまで,言語活動を充実させるということで,英語を使った活動はたくさん行ってきたと思うが,実際に英語を使うということに主が置かれてしまい,思考・判断・表現といった部分がなかなか見えづらくなっている。あるいはそういう活動を通してどのような英語の力を付けたいのかということがなかなか見えづらく,短期的に単元構成をしているような現状がある。そのような意味では,CAN-DO形式の学習到達目標をしっかり据えることで各指導の位置付けの明確化を一層進め,英語の理解の能力,それから表現の能力の裏側にある思考・判断・表現の力を英語の教科の中でも何らかの形で重視できるような形になるとよいのではないか。

○ CAN-DO形式の目標で小・中・高をつなぐことは非常にいいアイデアだが,ヨーロッパでやっているように,CAN-DO形式の目標がまずできた後は,そのCAN-DO形式の目標を実現するための語彙や表現,それから文法事項などの記述が必要になる。これを余り適当にやっていると,CAN-DO形式の目標はスローガンのようになってしまい,それぞれの持っているイメージはかなりばらばらのまま教材ができたりする。

○ 大学を卒業した時点,若しくは専門学校等を卒業した時点で,いわゆる産業界が期待しているような英語でビジネスができるレベルに達するには,英語力に関して大学までにどこまでのレベルに達するのか,高校卒業段階ではどこまでのレベルに達する必要があるのかといったイメージで逆算し,各教育段階での育成すべき,達成すべき素質・能力ということを検討すればよいのではないか。

○ 島根県では,中学校においては2年ほど前に,県でCAN-DOリストの作成の手引を作成した。教科書の単元からCAN-DOをボトムアップで作っていく方法をとり,各単元の目標を技能ごとに一つ絞り,一つの目標を設定する。それぞれの目標を蓄積することで,読むことについてはどんな力が付くか,書くことについてはどんな力が付くかという考え方で,教科書からCAN-DOステートメントを作っていくという考え方で作成している。

○ CAN-DOステートメントを作成する中では,出来上がったものの整合性,妥当性などを検証していかなければ,非常にばらつきのあるものになってしまうということを感じる。

 

3.言語能力を向上させるための国語教育との連携について
 (1)目標・指導内容等全体に関して
○ 国語との連携について,例えば,「書くこと」で,考えを根拠とともに示すという文章構成としたとき,伸びる力は英語の力なのか,それとも一般的な論理力なのか,国語で指導すべきなのか,このような観点からの連携が上手にできていくと,国語で培った力を使いながら,英語にも生かしていけるのではないか。そのような言語能力の向上を図る連携の仕方を期待したい。

○ 23年度以降,全国的に全ての小学校で外国語活動がスタートしてから,コミュニケーションの中身そのものが随分深まりのあるものになってきたと考えている。単元のゴールを示し,そのゴールに向かって,子供たちが表現形式を学んだり,あるいは単語を学んだりしているが,これは国語教育と大きな関係があると思っている。
今は,国語科でもゴールを設定して,そのゴールに到達するために教材を読むというふうに大きく変わっている。小学校の教員は,もちろん国語の指導もしているわけなので,このことと相まって,外国語活動を本格的にスタートしたことがうまく合わさって大きな成果を上げてきたのではないか。

 (2)言語の仕組み(音声,文字,語句,文構造,表記の仕方等)
○ 言語の仕組みという観点では,例えば英語の特性として,日本語とは違う音の仕組みであるため,小学校の多くでは,まず英語の音素認識を一生懸命やろうというところから書く活動に入っていく。もし国語の中でローマ字を扱うときに,ただ単にローマ字表記を学ぶということではなく,音の仕組みを学ぶということで指導していただけると,子供たちは,子音と母音のつながりの認識を持てるので,次のステップに進みやすいと思われる。ほかにも,学習者の学びやすさという点から,国語と英語で指導の連携のようなことができるのではないか。

○ 小学校の外国語活動では,国語との比較や連携ということもあるが,日本語と英語の違いによく気が付き,力が付いていると感じる。教師の視点の与え方にもよると思うが,複数形などの文法についてもよく気が付いている。また,友達のよさという点にも気が付いていると思う。そのため,この流れは非常に大事にしながら次期学習指導要領改訂の検討を行う必要があるのではないか。

(3)言語活動等
○ 言語活動については,小学校ではかなり意識して,国語だけではなく全教科通じて言語活動をしっかり位置付けるように取り組んでいると認識している。

○ 国語の言語活動では,ディスカッションやディベートを行っていたりするので,活動として国語と重なっている部分が結構ある。国語の方は母語であるため,言いたいことをいかに聴衆,聞き手に分かりやすく話すかというのが鍵になると思うが,英語の方は,言いたいことが必ずしも言えることとは限らないため,言えることを相手に分かりやすくどのように言うのかが大変重要。その「言いたいこと」の幅を広げていくことが大切である。


○ 例えばスピーチで,英語でスピーチをさせるときに,日本語から英語に直すということがよくあるが,確かに日本語で書くと,言いたいことはそのときの日本語の作文では言えるものの,英語にするときに結局,和文英訳という非常に難しい作業になってしまうため,なかなかできない。初めから英語で考えて,言えることを言っていくという指導が大事なのではないか。


4.小学校の活動型・教科型
○ 外国語活動から教科の英語となったときに,やはり中学校と同じようにそれなりの知識・理解も求められてくるため,どのような指導ができるのかということは,今後しっかり考えていかなければならない。また,教科になったときには,学力調査が出てくると思うが,その際,順位を気にするなど,学力を高めるための施策が他教科と同様に出てくることにより,今のような外国語活動で楽しんでいる部分が消えてしまわないかが心配している。

○ 中学校でやっていることを小学校におろせば,それで英語教育が発展するのかというのではなく,やはり発達段階があるので,それに応じたカリキュラムを設定していくことが重要である。

○ 小学校の実態としては,読むために文字を見ているのではなく,話すための手掛かりとして文字を見ている。そのため,とにかく早くに書かせればいいということではないので,慎重に扱うことが期待される。

○ 小学校の外国語活動の目標は,教師の捉え方によって,様々な捉え方が出ているという実態がある。つまり,目標を立てるときの基準が教師によってあいまいになっており,指導にもそれが反映され,評価にも影響が出ている。本当に態度として身に付いているのかということと,やっただけで終わるという授業では大きな差が出ている。

○ 小学校の今の外国語活動は,単元のゴールを決めて行う活動がほとんどであり,単元で完結しているという実態がある。前の活動,前の言語材料を積み上げていくようなスパイラルでの学習ができていないため,今後,学習内容,指導内容の検討が必要である。

○ 英語では,2人でのやり取り等を行う中で,自分の思いや自分の伝えたいことを相手に伝える,相手の伝えたいことを聞き取ろうとする。一方で,言葉が十分ではないため,何とかそれを言葉だけでなくジェスチャーなどで伝えようとする。これにより,相手の目を見るとか,笑顔で話をしようといった相手意識を育てることができてきたと考えている。

○ 英語科になった5,6年については,その2年を踏まえ,アイコンタクト,ジェスチャーだけはなく,言葉でどう相手を認めるかといった,そういう内容も入ってくるのかなと考えている。先生は,褒め言葉で,「グッドジョブ」などといった表現を使って子供を褒めている。子供同士でそれを使っている姿は今ないが,そういうことが大事になってくるのではないか。


○ 短時間学習といった話も論点整理に示されているが,算数,国語の学力を高めたりする短時間学習や読書活動など,現在既に短時間学習に取り組んでいる学校は多いため,学校現場は心配している。

○ 学校現場の立場としては,小学校での外国語活動を経験してきた子たちが高校へ入ってきている時代になっているということで,客観的な数字ではないが,やはり授業は変化しているし,教員の方もそういうふうに改善をしていこうという大きな動きがある。行政も,現行の学習指導要領にのっとって大きく授業を変えようといううねりがある。ただ,結果がすぐに出るかというとなかなか難しく,この状況においては,やはりしばらく見守っていただいて,その成果を待っていただきたい。

○ 授業の中で心と体と頭を使うバランスをどのように考えていくかが重要。小学校から英語教育を開始する場合の大きな問題の一つとして,英語嫌いが早く出てしまうこともあるのではないかということが言われている。その理由の一つには,小学校の早期の頃から,英語が「勉強」となり,頭ばかり使ってしまって,心と体が使われていないことに起因するのではないかと考えている。また,頭を使って意識的に学ぶというところは恐らく個人差が出やすいところ。小学校において,個人差が出やすいところばかりで勝負させてしまうと,英語嫌いが出てくるのではないか。

○ 外国語活動導入により,小学校には劇的な変化があった。小学校の現場では,教員は,英語ができなくても子供たちのために何とかしなくてはいけないということで,本気で取り組んでいる。そのため,今はどこの学校でも,ただ楽しくて遊んでいるというような実態ではなく,やはりコミュニケーション能力を身に付けよう,そのような態度を養おうとする授業が行われていると思う。

○ 意欲だけではなく,言語の使用場面を確実に設定して,コミュニケーションの取り方の具体的な活動を通して行っていることによって,聞いたり話したりする態度の育成につながっていると感じる。

○ このワーキンググループを通して,小学校の児童にとって大きな学びはあるけれども,決して無理のない英語教育を検討していくことが非常に大事なことではないかと考える。


5.中学校,高等学校の改善の方向性
○ 英語を読むという受信については,教員にも指導に関するノウハウの蓄積があるが,発信の方はそうではない。ただ,教員は,生徒たちが発信することにより喜びや楽しみを感じているということは実感として分かってきている。今度の改訂では,そのような発信力を付けるにはどうしたらいいか教員への支援も含めて検討が必要である。

○ 書くことは非常に時間が掛かる。特に文を書かせるとなると,非常に誤りも多いため,長い目でどんどん習わせるという視点が必要だと感じている。

○ 話すことに関しては,現状としては即興性が中学校の授業の中で行われていると感じられない。自分の意見に対して理由や更に詳細な説明をすることは,中学校の中で恐らく一部でしか行われておらず,音読で終えてしまっているということが現状にある。アフターリーディングの活動でどんなことができるか,どんなことをさせられるかということが中・高の現場では大切ではないか。


6.小・中・高等学校の連携について
○ 小・中・高を通じた育成すべき外国語教育というのは,これは今までに目に見えてなかったが,今後,そういった小・中・高の流れが可視化された形で,教育に携わる者が小・中・高それぞれ異校種の状況を理解しながら授業に取り組んでいくということができればよい。

○ 小学校で課題となっているのは,中学校との連携。小学校の外国語活動で身に付いている積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が,中学校での意欲・関心の部分ではなく,話す,聞くといった知識・技能の領域に本当に役立つように,小学校から中学校を通じて4領域で今後つなげていくということは非常に大事である。

○ 小中連携の観点から,小学校では,これまでの成果として外国語活動を大変楽しんでやっているという調査結果が出ている。教科になったときに,英語嫌いになるのではないかという心配が校長の中にはかなり多い。

○ 小中連携が大事だというのは,ずっと言われてきた。中学校のティーム・ティーチングとして授業に週一回入っている小学校の教員の話を聞くと,特に入学時期の中学生に課題があるということを初めて知ったと言っていた。例えば,単語と単語の間を空けずに全部続けて書いてしまう。単語としての意識が子供たちにないため,ずっと続けて書いているなど。そのため,子供にしては,書いたものが読めない,何て書いてあるのか理解できず子供が困っているということを聞いた。また,子供がアルファベット文字を書く4線は,高さを意識しにくいということもある。そのため,文字を高学年で導入する場合,丁寧な指導及び内容が必要である。


7.小・中・高等学校の学習評価の在り方
○ 外国語と国語との連携について,言語の知識・技能のみではなく,習得したことを活用できるような見方,考え方が,評価の観点からは,思考力・判断力・表現力に関わる連携になっていくと考える。

○ 観点別学習状況の評価と,目標に準拠した評価(質的なもの,学習到達目標)との関係をどのように図っていくかが課題になってくる。
そうすると,実は小学校,中学校,高校という積み上げ型の考え方ではなく,高校卒業時でどのような学力を育成するか。そのためには中学までにどういうことをしておくか。さらには,小学校でどのようなことが必要かについて考えることで,必要なカリキュラム,必要な資質・能力,さらにはそれに伴う評価をどのように行うかという内容が見えてくる。
○ 学校教育法30条の2項を踏まえ,三つの評価の観点は変わっていくと思われているが,特にこの中で主体的に学習に取り組む態度は重要になると考えている。この項目は,知識・技能と,思考・判断・表現を統合できる評価項目となっていくのではないかと考えている。例えば英語で言えば,CAN-DO形式の目標と思考力・判断力・表現力とのことを,主体的に学習に取り組む態度の項目をかなり重視することによって,習得と活用の評価をそこで評価できていくということになるのではないか。

○ 評価については,とにかく学級担任の先生が評価できるもの,そして,子供たちが英語を嫌いにならないものということを目標にしており,現在,試作品として,いわゆるパフォーマンステストをテストという名称ではなく,評価アクティビティーという形で,終わった単元の次の単元の中にアクティビティーとして盛り込んでいくというものを作成している。


8.学習指導要領の理念を実現するために必要な方策について
○ 大学入試改革,教材,教員研修などの条件整備は大きな課題。各部のところでの議論だけではなく,このような課題も一体的に改善しつつ,横のつながりも見ながら,学校現場まで伝達したときに一体感のある改革であるべきだ。

○ 語彙量が全体に中学,高校と増えたが,教科書を分析してみると,語彙の取扱いはかなりばらつきがある。そのため,「身に付けさせたい表現に対してこのような表現の文法や語彙が必要」ということがある程度分かる参考資料を作成してはどうか。

○ 大変な課題があると思う一つは,やはり教科書。中学校の先生方が一番頼りにしているのは教科書である。教員はこの教科書を全て完璧に教えなければいけないということが非常に強く思われている。言語活動の中でスパイラルに勉強できるような教科書・教材はどのようなものかということをしっかり考え,教員に提供していく必要がある。


9.その他
○ 昨年度まで,教育委員会の立場で文部科学省から受けたことを一生懸命発信をしていたが,十分伝わっていないと感じる。伝わっていないのは,個人的には,やはり指導主事の責任だと感じている。何を目指しているかを的確に伝えていかないと,先生方は本当に一生懸命であるが,向く方向が違っているという状況があるのではないかと感じている。

 

お問合せ先

初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室

-- 登録:平成27年12月 --