教育課程部会 教育課程企画特別部会(第24回) 議事録

1.日時

平成28年11月4日(金曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 文部科学省 東館3階 講堂
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」に関する関係団体からの意見聴取
  2. その他

4.議事録

【無藤主査】    それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会の第24回を開催いたします。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、ありがとうございました。
  今回も、前回に引き続きまして関係団体からのヒアリングを行います。本日は6団体から御意見を頂戴するということでございます。また、本日書面等にて御意見を頂いた団体がございますので、その御紹介もさせていただきます。後ほど事務局から御説明いただきたいと思います。
  それでは、これより関係団体からのヒアリングを行います。前半のこの時間帯にお見えになっている団体は、公益社団法人全国幼児教育研究協会様、全国特別支援学校長会様、全国養護教諭連絡協議会様の3団体であります。
  3団体から御発表いただく前に、まず事務局から、書面等により御意見を頂いている団体の御紹介をお願いいたします。
【西川教育課程企画専門官】    それでは、日程等の都合で書面等での御意見を頂いている団体様の御紹介をさせていただきます。お手元の資料9と10が書面で御意見を頂いている団体様です。初めに御紹介をさせていただきます。
  まず資料9、日本私立大学団体連合会様でございます。内容を簡単に御紹介させていただきます。1.資質・能力の三つの柱の着実な定着ということで、知識重視か思考力重視かという二項対立を廃止し、「生きる力」を「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「学びに向かう力・人間性」の資質・能力の三つの柱に具体化をしているが、この方向性は、大学の方向性と同軸上に連なるものであり、高大接続の視点あるいは教育の一貫性という視点からも極めて重要な整理である。高等学校において育成が求められる資質・能力は、大学での学びの土台となるもの、各学校段階において児童生徒一人一人に着実に定着されることを期待する。
  2としてアクティブ・ラーニングに向けた環境整備ということで、アクティブ・ラーニングの円滑な導入のための環境整備として、教員養成課程における指導法の改善のほか、既にアクティブ・ラーニングを選択必修領域に位置付けた教員免許更新講習に加えて、現職教員に対する指導法の研修機会が多様に設けられることが望まれる。
  3.「総合的な探究の時間」等における高大連携教育の促進。高等学校での「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」へと見直されることは意義深い。「総合的な探究の時間」は、大学での学びへとつながるものであり、「総合的な探究の時間」等において「高大連携教育」が一層促進される必要があるといった御意見を頂いております。
  続きまして、資料10です。一般社団法人公立大学協会様から頂いております。1ページめくりまして、具体的には高知県立大学から頂いている件ということになります。具体的な改善の方向性についてということで、枠組みについて見直しを図ることにより、教育関係者の理解が深まる。その方向性について賛同、評価をしたい。カリキュラム・マネジメントを各学校で促進するためには、綿密な施策が必要になる。アクティブ・ラーニン」に関しては、その成果について検証しながら浸透を図ることが求められる。また、キャリア・パスポート(仮称)のアイデアは悪くないが、実施に当たって、その課題を事前に十分検討する必要があるといった御意見。
  さらには、教員養成段階についての課題についても御意見を頂いております。これは昨年12月に出されました中教審における教員養成に係る答申について指摘されている事項を3点についてまとめていただいております。
  続きまして、各教科にわたる意見を幾つか頂いております。2ページになります。まず国語科については、言語能力の働く過程の説明部分ということで、「認識→思考→表現」を軸にして3領域で必要な能力を育成しようとする考え方には賛同するということでございます。また、2)としまして、「学びに向かう力・人間性等」の「人間性」ということについて、その表現に関する御意見。さらには、3)で、高等学校の国語科の構成についての御意見を頂いております。
  さらには、英語科につきましては、課題のある生徒も含めた高校生の多様性への対応ということで、必履修科目において中学校の学び直しの要素を入れることにするということについて、現実に生じている課題へ対応できたものだということでございます。また、用語の使用方法について整理が必要というような御意見も頂いております。
  続きまして、家庭科に関する意見としまして、食育について、特に高等学校における食育の充実について御意見を頂いております。
  3ページ下の方になりますが、学校保健ということで、健康、安全の視点を踏まえた保健における学習過程の明文化ということで、学校保健における安全の観点・視点を充実していくこと、さらには、4ページに参りまして、そういった安全、健康に対する指導体制の在り方について御意見を頂いているところでございます。
  以上が、書面で御意見を頂いた2団体でございます。
  これ以外に、コメントという形で頂いているものがありますので、3団体分御報告をさせていただきます。
  まず、日本商工会議所様より頂いております。日本商工会議所では、教育は学校現場だけではなく、社会総掛かりで行うものという理念の下、インターンシップや職場体験、教育機関への社会人講師の派遣などキャリア教育を中心とした教育支援活動に取り組んでこられました。今般の学校と社会とが連携・協働しながら、新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育むことを目指す「社会に開かれた教育課程」の理念、小・中・高等学校を通じたキャリア教育の推進はいずれも、日本商工会議所の理念やキャリア教育の取組の方向性を一つにしており賛同するといったコメントを頂いております。
  続きまして、全国中小企業団体中央会様からもコメントを頂いております。中小企業は我が国企業数の9割強を占める。雇用の7割を担っており、若者の就業の主たる受け皿となり、地域社会や産業基盤を支え、我が国経済の活力の源泉として重要な存在である。このため、キャリア教育並びに産業教育の推進を通じて、子供たちや指導に当たる教員が中小企業への認識・理解・関心を高めることは、地域振興活性化の観点からも極めて重要と考える。「審議まとめ」におきまして、学校と社会とが連携・協働しながら新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育むことを目指す「社会に開かれた教育課程」の推進、また、小・中・高等学校を通じたキャリア教育の推進を打ち出しており、全国中小企業団体中央会としてもその趣旨に賛同する。今後とも、学校教育での中小企業に関する教育の充実、教員の認識、理解の強化、中小企業における職場体験の推進をお願いしたいとのコメントを頂いております。
  最後になりますが、全国公立高等学校事務職員協会様からもコメントを頂いております。今回の「審議のまとめ」について、学習指導要領の改訂の基本方針として掲げられた、将来の予測が難しい社会でも、伝統や文化に立脚した広い視野を持ち志高く未来を創り出していくために必要な資質・能力を子供たち一人一人に確実に育む学校教育を実現するという考え方は大変重要であり、各学校においてその実現に向けてカリキュラム・マネジメントの重要性が指摘されているということに賛同する。特に昨年12月の中教審答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」においても、カリキュラム・マネジメントの実現に当たり、学校の予算や施設管理等に精通した事務職員が大きな力を発揮することは期待されていると示されており、今回の学習指導要領改訂の理念の実現に向けて、「チームとしての学校」の実現を重要と考える。
  次期学習指導要領等の実現に向けて、教育環境の整備・充実、特にICT環境の整備については、学校事務職員としてもその実現に向けて協力をするものであるが、ハード面だけではなく、ICTを活用した授業の構築に向けた教員の研修の充実が早急に望まれる。ICTについては、整備だけではなく、そのメンテナンスも重要になってくる。それを行うのは学校運営上、知識を持った教員が当たることが多く、その教員の負担が増えることになる。事務職員の協力も必要であるが、全ての事務職員が知識を有しているわけではなく、ICTの整備に当たっては専門的知識を有する人材の措置が必要と考える。また、アクティブ・ラーニングについても、学習改善のため、主体的な学び、対話的な学び、深い学びを目指すことが提示されており、その実現も重要と考える。アクティブ・ラーニングが円滑に実現できるための十分な財源、人員配置が必要と考えるとのコメントを頂いております。
  書面の意見、コメントについては以上でございます。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、本日お越しいただいてございます団体の皆様からの御発表に移りたいと思います。まず、公益社団法人全国幼児教育研究協会様からお願いいたします。各々10分ということでございます。
【公益社団法人全国幼児教育研究協会】    失礼いたします。公益社団法人全国幼児教育研究協会の理事長、岡上でございます。本日は、発言の機会を頂き、誠にありがとうございます。本会は、幼児教育の充実・発展に貢献することを目指して、教員の研修あるいは研究を全国で展開している団体でございます。その立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
  一つ目です。まず、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の示し方についてでございます。この「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、各項目について具体的な姿で示されていることで、実践者にも分かりやすいと思います。しかし、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が、幼稚園教育要領の第2章「ねらい及び内容」に並べて示されますと、5領域で示される内容と一つ一つ対応させて考えようとしてしまいがちで、総合的な指導の中でバランスよく「見方・考え方」や資質・能力を育むという観点が薄れてしまうように思われます。また、それぞれの項目が5領域の「育ちの姿」として取り出されて、特別な指導への強化がなされるようなことが起こる可能性がある、そういった懸念があります。
  そこで、この「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、「知識・技能の基礎」、「思考力・判断力・表現力の基礎」、「学びに向かう力・人間性等」で示されている資質・能力の三つの柱と関連させて、総則で示していただいた方が趣旨を的確に現場では受け止めやすいのではないかと考えております。そして、さらには、10項目示されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方についての報告に基づいていますので、そういったことからも、幼児期から児童期への接続期の重要性を述べる項目の中でも解説していただけるといいかと思っております。
  二つ目でございます。改訂の趣旨を的確に理解し具現化できるようにするための周知の工夫についてでございます。これまで幼稚園の教員は、どのように学ぶかという過程を重視した実践をしてきております。その視点がアクティブ・ラーニングの視点として価値付けられたことは、幼児教育に携わる者としては大きな喜びでございます。しかし、それゆえに、幼稚園教育の現場においては、「審議のまとめ」を読んで、これまでの実践が認められた、今までのままでいいんだというような印象を持つ者も多くあります。これでは、アクティブ・ラーニングによる幼児の学びの深まりなど審議の中で大切にされたことが的確に伝わりにくいと危惧するところであります。
  同様に、「社会に開かれた教育課程」につきましても、幼稚園ではこれまで未就園児の親子登園や預かり保育、園庭開放などを行い、「地域社会に開かれた学校」の実践をしてきております。このことが新たに示されております「社会に開かれた教育課程」と同じ言葉あるいは同じ意味と誤って捉えられやすく、真の趣旨が伝わりにくいと思われます。実践現場の者は、「審議のまとめ」を全部丁寧に読み解くというよりキーワードで理解しやすいので、幼稚園教育要領の趣旨や内容を周知する際には、キーワードの持つ深い意味や関係性が的確に伝わるように、こうした教育現場の受け止め方に留意して、改訂の趣旨が的確に伝わるよう、周知の方法など工夫をお願いしたいと思います。
  三つ目でございます。アクティブ・ラーニングで幼児の学びを深めるための学級定員数についてでございます。幼児は、遊びの中で友達や先生など様々な人や物と対話し、自分自身の内なる心と対話しながら、いわゆる非認知能力を身に付け、知識や思考力・判断力・表現力等の基礎が育まれていくと考えております。こうした幼児の「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、幼児の言動をしっかり受け止める一人一人の幼児との対話的な関わりの時間が確保されるとともに、人的環境の改善も必要でございます。現在、幼稚園の1学級の定員は35名で、一人の教師が全ての幼児の学びの深めることは困難です。改訂の趣旨が真に実現できるようにするため、1学級の定員数を少なくするなど、人的な環境についても検討をお願いしたいところでございます。
  四つ目、教員の力量を高める研修を充実する指導者やリーダーの配置についてでございます。本会では、教員の資質向上を目指した研究大会、研修会等を毎年開催しておりますが、近年は、具体的な方法や実践のヒントの提示を求める声が多くなっております。特に若い世代の教員は、幼児の学びを深める具体的な方法に関するイメージを持ちにくい状況があり、教員の力量形成に当たっては、具体的な保育と関連させながらPDCAサイクルを積み重ね、実感させていく必要があります。
  このような状況からも、若い世代が実感を持って受け止められるような具体策あるいはヒントなどを提示する指導・助言ができる、そういった指導者やリーダーが求められております。そこで、幼稚園を所管する都道府県あるいは市町村の教育委員会や担当部局等へ、幼児教育の経験を持つ指導主事や幼児教育アドバイザー等の配置について検討をお願いしたいと思います。なお、こうした幼児教育アドバイザーを育成する研修体制を構築する際には、本会も様々な視点から情報提供を行うなど貢献していきたいと考えているところです。
  五つ目です。研修体制の整備についてでございます。子ども・子育て支援新制度の実施により、今後いずれの園においても保育時間が長くなることが予想されます。その結果、教員が園内研修や園外研修を行う時間をどのように確保し、研修を充実させるかが大きな課題となります。保育時間が長くなればなるほど、教師の力量が求められ、研修の場や機会が必要です。特に小学校教育への接続に向けては、異校種間の相互理解や連携のための時間が必要であり、園内外での研修時間を確保できるような制度の確立や人的環境の整備について期待するところでございます。
  最後に、多様性を受け止める力を育む学級経営、そういったものを進めるための体制整備の在り方についてでございます。近年、特別な支援を必要とする幼児の指導に関する研修のニーズについては高いものがあります。幼児期にコミュニケーションに関わるつまずきを発見することができれば、教員の適切な対応によってつまずきが軽減できた例も多くあります。私自身も教員生活の中でそういった体験を多くしております。それゆえに、障害のある幼児に対応する教員の役割は大きく、一人一人の障害の特性に応じて丁寧に対応していく必要があります。
  また、グローバル社会で生きる人間を育てるために国際理解の基盤を育てることは大切であり、今後も日本語の指導が必要な幼児の入園の増加が予想され、多様性を受け止める力を幼児期から育むことが求められます。とりわけ日本語の能力に応じた指導については、外国人の集住する地域や、あるいは散財する地域など地域によっても指導の在り方は大きく異なりますので、多様な視点からの研究やモデル提示が求められています。このような、一人一人の特性や教育ニーズに対応した指導、あるいは学級経営の充実、これを支援する教員の配置が是非とも必要です。是非体制整備の在り方についても検討していただければと思います。以上でございます。ありがとうございました。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、引き続きまして、全国特別支援学校長会様からの御発表をお願いいたします。
【全国特別支援学校長会】    全特長、全国特別支援学校長会の会長の横倉でございます。本日は、意見表明の機会を設けていただきまして、誠に感謝をいたす次第です。今回の学習指導要領の改訂は、平成24年の中教審報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」、また平成27年の障害者の権利に関する条約の批准、そして、本年4月の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行を受けた後の学習指導要領であるという点で、私ども全特長は大変注目をしているところです。
  さて、次期学習指導要領改訂の基本方針についてです。次期学習指導要領で育成を目指す資質・能力の三つの柱は、障害がある・なしにかかわらず、人が学ぶべき資質・能力であり、知的障害のある子供や重度障害のある子供が学ぶ特別支援においても目指すべき方向は同様であると私たちは考えています。次期学習指導要領の目指す資質・能力の獲得を進めていくためには、各特別支援学校の現場において、育成を目指す資質・能力を一人一人の子供たちにとって具体的にどのような力であるかと、どのように考えればよいか、また自ら判断し意思を表明したり、表明しようとする力の育成はどこにあるべきかについて具体的な姿を描いていくことが重要だと考えています。
  次に、(2)番、「社会に開かれた教育課程」についてです。特別支援学校においては、保護者などの連携は不可欠であります。これまでも保護者のみならず、地域との連携や外部人材の活用、企業等における自立と社会参加に向けた産業現場における実習など、社会と密接に関わる活動や外部からの力を取り入れた教育を展開してまいりました。とりわけ、個別教育支援計画や個別の指導計画の作成活用により、教育的ニーズや指導育目標・内容、方法等の共有をしてまいりました。
  さらに、多くの保護者は、高校卒業後の我が子の生活を展望し、卒業後の子供の自立と社会参加が重要な目標として学校教育を捉えています。障害のある子供たちが特別支援学校でどのような力を身に付け、どのような支援があれば持てる力を最大限発揮できるのかを「社会に開かれた教育課程」として発信し、社会の人々に広く理解してもらうことで、進路先や地域社会においての理解が深まり、卒業後も積極的に社会と関わっていくことが可能となります。こうしたことから、「審議のまとめ」で示された「社会に開かれた教育課程」は、特別支援学校においても重要な視点であり、このような視点から教育内容を分かりやすく発信・説明していきたいと考えています。
  次に、(3)特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントについてです。特別支援学校では、障害の程度に応じて学習指導要領の各教科の目標及び内容を踏まえ、卒業までに身に付けてほしい力を明確にした上で、具体的な指導内容を検討し、系統的に指導していくことが重要であると考えます。このため、障害のある子供の育成を目指す姿や地域の実情を踏まえて各学校が設定する教育目標を実現するために、どのような教育課程を編成し、どのようにそれを実施、評価、改善していくのかというカリキュラム・マネジメントの確立は極めて重要であると考えています。
  次に、(4)センター的機能の充実・強化です。幼稚園、小・中・高等学校における特別支援教育の充実が図られるとともに、それらと特別支援学校の教育課程の連続性が強く求められており、特別支援学校が果たすセンター的役割が極めて重要だと考えています。センター的機能の業務内容について、学校教育法74条の意義をはじめ、インクルーシブ教育システムの中で果たすべき特別支援学校の役割や意義を教職員間で十分に理解、把握することが求められます。小・中学校等の支援ニーズ等を校内に還元し、教職員の協働的な学びにより研さんを深め、指導の専門性を向上させ、センター的機能をより一層充実させていくことが重要であると考えます。
  次に、特別支援学校の各教科等における具体的な方向性、準ずる教育課程についてです。視覚、聴覚、肢体不自由及び病弱の特別支援学校における教育課程については、幼稚園、小・中・高等学校の学習指導要領に準ずるということになっていることから、学習指導要領の改善内容について、特別支援学校にも十分に周知を図っていただきたいと考えます。とりわけ、幼稚園、小・中・高等学校の学習指導要領や解説その他の資料等についても、特別支援学校に必ず送付くださるようお願いをいたします。また、次期改訂では、小学校の中学年において外国語活動、高学年に外国語科が導入されることに伴い、小学部においては授業時数の確保など教育課程編成の工夫が必要となることから、具体的な考え方を示すことが求められます。加えて、視覚・聴覚障害者用の文部科学省著作教科書の改訂についての検討も是非お願いをしたいと思います。
  次に、(2)知的障害のある子供に対する教育課程についてです。知的障害の特別支援学校においては、各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一部を合わせて指導することが可能とされています。こうした合わせた指導を行う際にも、各教科の目標が達成されるよう、各教科等で育成を目指す資質・能力が明確になるよう、各教科等の目標及び内容の取り扱いについて整理し、学習指導要領解説などで分かりやすく示すとともに、評価基準の設定や評価方法などについても具体的に示す必要があると考えます。知的障害の特別支援学校及び知的障害の教育課程において、各教科の目標についての見直しは極めて重要であります。是非、幼稚園、小・中・高等学校との連続性を踏まえ、詳細な検討を進めていきたいと考えます。また、いわゆる☆本、文部科学省の著作教科書の見直しについては、全国特別支援学校長会としても大きく期待するとともに、検討や作成の協力をしていきたいと存じます。
  次に、(3)自立活動についてです。特別支援学校学習指導要領は、特別支援学校のみならず、小・中の通級による指導や特別支援学級、平成30年度に施行される高等学校の通級による指導においても参考としています。このような学級等の指導の充実を図るためには、教育課程編成の基本的な考え方や留意点を分かりやすく小・中学校の学習指導要領で記述することが必要です。特に障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するための指導である自立活動については分かりやすく示すことが重要だと考えます。
  最後に、3.学習指導要領等の実施に必要な諸条件の整備についてです。まず(1)医療的ケアが必要な子供の教育の充実についてです。全国の特別支援学校においては、日常的にたんの吸引などの医療的ケアを必要とする子供たちが約8,000人在籍をしています。近年医療が飛躍的に進歩し、高度な医療を受けながらも在宅生活を送ることができる子供たちが増加しています。このような子供たちは従前は訪問教育の対象でしたが、例えば人工呼吸器を装着している子供など一定の配慮の下で通学が可能になる事例も出てきています。こうした子供たちを通学生として受け入れるには、学校、家庭、関係機関がそれぞれの役割を分担しながら安全かつ丁寧に進めていく必要があるため、学校における学校看護師の増員や医療機関との連携を一層強化するなどの条件整備が不可欠であると考えます。
  次に、(2)学校の組織マネジメント機能の充実についてです。特別支援学校の中には、小・中・高等部と3学部を併置する学校や複数の障害部門を併置する学校、教職員が100名を超える学校も少なくありません。学校の組織力を向上させるために、副校長の複数配置、あるいは各学部を束ねる主幹教諭などのミドルリーダー層の配置などの充実が求められます。
  次に、(3)教員免許制度の改革による専門性の充実についてです。国は、平成32年までにおおむね全ての特別支援学校教員に特別支援学校教諭免許状を保有させるとしています。特別支援学校教諭免許状の都道府県別保有状況を見ていくと、大都市を中心として保有率が低く、今後、都道府県教育委員会や学校設置者等による取組の一層の強化が求められます。
  最後に、(4)特別支援学校の専門性の維持・継続と人材確保についてです。各県ごとに設置校数が少ない障害種の特別支援学校における教員の異動による専門性の維持・継続の困難を改善する教員人事等の施策が必要であると考えます。また、教職員の世代交代が進む中、特別支援学校における指導や支援の考え方、具体的な指導の工夫等を地域の小・中学校等の指導・支援に役立てるための校内組織体制を構築していくことが重要であると考えます。以上であります。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、引き続きまして、全国養護教諭連絡協議会様からの御発表をお願いいたします。
【全国養護教諭連絡協議会】    よろしくお願いいたします。全国養護教諭連絡協議会の会長の木嶋晴代と申します。本日は、このような機会を頂きまして、大変ありがとうございます。子供の心身の健やかな成長を願い、健康の保持・増進に当たる養護教諭の立場から意見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。
  「社会に開かれた教育課程」の実現につきまして、子供たちが社会とのつながりの中で学び、自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を持つことは、困難を乗り越え、未来に向けて進む希望と力を与えることにつながるとされています。子供たちがこれからの時代を生きていくために育むべき資質・能力を学校と社会がこれらを共有していくことと、「社会に開かれた教育課程」の役割が期待されています。
  養護教諭は、これまでも多様化・複雑化している健康課題改善に向けた対応として、子供たちの成長や発達を総合的・経年的に支援するコーディネーターとして、学校内外との連携を踏まえ実践を重ねてまいりました。子供たちが変化の激しいこれからの社会を生きていく力の育成のために連携体制の中心を担っている養護教諭の果たす役割は更に大きなものとなると考えております。今後も、保健室経営計画の下、「チーム学校」の具現化と「社会に開かれた教育課程」の実現を目指していきたいと考えております。
  教科等横断的な健康教育の推進につきまして、全ての学習の基盤となる力や現代的な諸課題に対応して、求められる資質・能力が教育課程全体を通じて育成されるよう、教科横断的なつながりを明示することとされました。さらに、地域や社会と連携・協働しながら教育課程を通じて学校教育の改善・充実を図っていくことの重要さも示されました。生涯にわたって健康で安全な生活や健全な食生活を送ることができるよう、必要な情報を自らが収集し、意思決定や行動選択を行うことができる力を子供たち一人一人に育むことが強く求められています。そのためには、教科間相互の連携を図っていくことが重要であり、学校全体で健康教育が展開されることを期待しております。養護教諭は、学校保健計画などの作成・評価・改善に専門性を発揮して参画しています。今後も地域や家庭と連携した実施に、コーディネーターとしての役割が更に重要だと考えております。
  教科等における改訂の具体的な方向性につきまして、保健においては、少子高齢化や疾病構造の変化による現代的な健康課題の解決に役立つ内容の学習、健康情報を分析し活用する学習、自他の健康課題を発見し解決していく学習、危機の回避や事故の防止等につながる学習等について更なる充実が求められています。近年の子供たちを取り巻く状況の急激な変化により、新たな健康課題が出現し、その中で自らの健康課題を把握し、疾病等のリスクの軽減や質の向上、健康を支える環境づくりを生涯を通して実践できるような子供たちの育成のために、具体的に教育内容の改善が図られるということに賛同いたします。
  また、教材や教育環境の充実の中で、教員養成、教員研修、教材整備等の環境を整えていくことの必要性も述べられております。医学的な情報や保健室で捉えた児童生徒の実態など養護教諭による効果的な教材を活用しながらの保健学習の成果は、本会の調査、資料1の中にも、養護教諭が保健の授業を担当したことで児童生徒にとってよかったと思われることは、健康への関心や知識・理解の深まりと答えている割合が高く、児童生徒の知識・理解や実践に結び付く効果が表れていると思います。養護教諭は更なる研修を深めながら、保健学習へ積極的に参画していく必要があると考えます。
  特別活動につきまして、一人一人の適応や成長及び健康安全な生活の実現が、学級活動、ホームルーム活動の構成の一つとなっていますが、主として個人が現在直面する生活における適応や成長、自立等に関わる内容であり、一人一人の理解や自覚、意思決定とそれに基づく実践等を大事にする活動であると示されております。このことから、子供たちに出現している新たな健康課題の解決には、教科の保健学習だけにとどまらず、関係する教科、個別の生徒指導等との関連を図りながら学級活動の中でも保健指導を積極的に進めていくことが大切であると考えております。
  具体的には、心身の健康、安全・防災等の視点の中で、一人一人の適応や成長及び自然災害時の自助・共助など健康安全な生活の実現に向けて保健指導の充実を図っていく必要があると思います。さらに、特別活動の充実を図るためには、「チームとしての学校」の視点で学校全体で取り組むことが重要であり、各教科や生徒指導と各担当と連携を図りながら、専門性を生かした養護教員の積極的な参画は、その成果が期待できると考えます。
  特別支援教育の充実を図るための取組の方向性につきまして、各教科等における障害に応じた指導上の工夫として、教科ごとに具体的に示されました。このことから、特に通常学級の集団の中で不適応を起こし、学びにくさを感じている子供たちにとって、効果的な指導が展開されると期待しております。各教科の特性から見られる行動に対して配慮のある支援が行われることは、子供の発達を踏まえた指導であり、そのことにより子供たち一人一人が自尊感情を持ち、将来の予測が難しい社会の中でも適応して生きていく力が身に付くのではないかと考えます。養護教諭は、特別に支援を要する子供を、健康観察や保健室来室状況、校内環境の点検などからも早期発見や個別の対応等に専門性を生かした視点で支援をしております。本会調査の資料2からも見られるように、特別支援教育の校内体制の中に今後も養護教諭が積極的に関わっていくことが必要であると考えます。
  学習指導要領等の実施に必要な諸条件の整備につきまして、「次世代の学校・地域」創生プランでは、国、教育委員会、学校、大学等が連携して、教員に求められる力を効果的に育成できるよう、求められる能力を明確にした教員育成指標を踏まえた研修計画の策定などが具体的に推進されることを期待します。教員一人一人の力量を高めるためには、教科等の枠を超えた校内研修体制の充実を図り、学校組織全体としての指導力の向上を図っていくことが重要であると考えます。
  養護教諭も教育に携わる教員の1人として資質・能力の向上を図っていくところですが、養護教諭は1校1名配置が多く、専門的な知識や技能の向上については校外での研修が不可欠であると考えます。養護教諭の専門性の向上のためには、教育委員会や地区レベルでの研修体制の整備・充実を図り、研修の機会を確保していただくことをお願いしたいと考えております。本会でも、毎年全国から1,000名以上の養護教諭が参加する研究協議会の開催や、健康課題対応に今学ぶべき内容の研修会を3日間実施するなど、養護教諭の資質・能力のより一層の向上に努めております。
  指導体制の整備・充実につきまして、次期学習指導要領等を踏まえた教育の実現には、一人一人の子供の学びを実現させるための少人数によるきめ細やかな指導が必要であり、その指導や業務の在り方に対応するために必要な教職員定数の拡充を図ることが重要であり、是非ともお願いしたいところです。子供たちが抱える心身の健康問題は、年々多様化・複雑化しております。本会調査の資料2、3を付けさせていただきましたので、参考にごらんいただければと思っております。
  養護教諭は、特別な支援を要する子供との関わりをはじめ、保護者や教職員からの相談を受ける割合も高く、内容も多岐にわたっております。一人一人のニーズに合わせた対応には慎重さが求められ、家庭や専門機関、校内職員との連携を欠かすことができません。養護教諭1校1人制の中では、これらのニーズに十分に対応することが困難になりつつあります。さらに、心身の健康課題の予防や改善には、健康教育を系統的に積み重ね充実させていくことが必要だと考えております。次期学習指導要領等については、教科間の横のつながりや、幼・小・中・高等の縦のつながりの見通しを持った教育課程の編成も目指しており、健康教育においても、幼児教育における健康な心と体を育てる教育から、課題解決を図り、生涯を通じて健康を保持増進することができる資質・能力の育成へと充実、発展させていくことが大切だと考えます。
  養護教諭は、子供たちの日々の健康生活の実態を把握できる立場にあり、そこから見えてくる課題を子供たちにフィードバックしながら保健指導を行っております。そのことはアクティブ・ラーニングの視点につながり、子供たちの「主体的・対話的で深い学び」となり、ひいては、生涯の健康づくりに結びつくものだと考えます。子供たちの健康課題の予防や改善のための個別対応の充実や保健教育に積極的に関わっていけるよう養護教諭の複数配置の基準見直しを是非とも図っていただきたいと考えております。子供たちが心身共に健康で、よりよい人生とよりよい社会を築いていくために学校教育の果たす役割を養護教諭も共に担っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【無藤主査】    ありがとうございました。3団体の御発表をいただきました。
  それでは、委員の皆様による意見交換の時間に入りたいと思います。御質問、御意見のある委員の方は、ネームプレートをお立ていただければと思います。よろしくお願いいたします。どなたからでもよろしくお願いいたします。
  では、三浦委員、どうぞ。
【三浦委員】    御意見ありがとうございました。私は、全国養護教諭連絡協議会の方に2点ほど質問させていただきたいんですけれども、お話伺って、もともと養護教諭の役割は非常に重要だということは私も非常に強く感じていて、ここに書かれているようなことを具現化する上で、「チーム学校」の実現というのが非常に重要だということが非常によく分かりました。
  その上での質問なんですけれども、もちろんそれぞれの学校によってばらばらだとは思うんですけれども、養護教諭が各学校のカリキュラムの編成に参加する状況というのはどのような感じなのか、印象でも結構ですので教えていただければということが1点です。
  それから、もう1点は、まさに「チーム学校」の中身です。例えば学校カウンセラーとか、あるいは場合によってはケースワーカーとか、様々な学校教育に関わる外部・内部の方々がいるかと思うのですけれども、そういった方々との連携というのはこれも一般的にどのような形になっているのか教えていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
【無藤主査】    ありがとうございます。お答えについては最後にまとめて、いろいろな御意見出ると思いますので、よろしくお願いいたします。
  ほかに、委員の皆様、いかがでしょうか。
  では、渡瀬委員、お願いします。
【渡瀬委員】    それぞれから貴重な御意見をありがとうございました。私からは、全国幼児教育研究協会様からの発表についての感想を述べさせていただきます。幼稚園教育の現場においては、「審議のまとめ」を読んで、これまでの実践が認められた、今のままでよいという印象を持つ者が多いというところを読ませていただいて、私、実は小学校でも同じことをちょっと感じています。アクティブ・ラーニングという言葉が出たときに、それは何だ何だという動きがある中で、いや、今まで目指してきた「探究的な学習」をすればいいんだよというふうな説明がいろいろなところで聞かれる中で、高等学校辺りでいわゆる受験準備をしているプログラムを行っているところは、やっぱり何とかアクティブ・ラーニングしていかくなくてはいけないねというふうなことが今もたくさん話し合われていると思いますけれども、小学校辺りでは、今までやってきたとおりでいいんだというふうな声もかなり聞かれています。そういう意味で、幼稚園と非常に似ているなと思いました。
  問題は、形の上では対話的に学んだり、それから、主体的に学んだりしているように見えますけれども、それが実際に深い学びになっているかという一番大事なところがこれから慎重に考えていかれなくてはいけないし、小学校でも幼稚園でも今までそういうものを目指してはきていますけれども、本当にそこの中で深い学びを通して子供たちに培うべき資質・能力が育てられるのかということを幼稚園でも小学校でも教員が学んでいかないといけないということを強く感じております。ありがとうございます。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  では、今村委員、どうぞ。
【今村委員】    養護教諭連絡会の方のお話に対する感想です。大学生たちによく見られるんですけれども、今回の学習指導要領改訂の過渡期、完全に移行するというか受験体制も含めて完全に移行して、慣れが学校側にちゃんと充実していくまでの間もしかしたら見られる現象かもしれないんですけれども、大学生になってから大学に行けなくなる子たちの中には、主体的で対話的なグループワークがつらいという声や、主体性を求められ続けることや、対話的に何か物を発言しなければいけないという環境が初めは楽しかったけれどもつらいとか、主体的な人が周りにいることで感じる自分への劣等感が一因になって中退する子が増える。そういったことがよく聞こえてきます。今回もこの改訂の中で、高校や中学校でも、もしかしたら保健室の機能がより大切になってくるのかもしれないという、そのリスクは踏まえておいた方がいいんだろうなということを改めてお話を聞きながら、まだ計画にはないと思うんですが、こちらとしても養護教諭の増員ということをちょっと考えていかなければならない点だなということを感じました。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  では、天笠主査代理。
【天笠主査代理】    特別支援学校関係に対しての質問ということにさせていただきたいと思います。特別支援学校にとっての教育課程ということについてどう考えていったらいいのかどうかということなんです。個々の子供に対しては個別の教育課程を作成し、そしてということについては広く理解が行き届いているんじゃないかというふうに思うんですけれども、それぞれの学校としての教育課程という、存在していることは存在しているんですけれども、それが個々の先生方に対しての全体の共有したものとしての存在としてそこに存在しているのかどうなのか。今回の場合に、特別支援学校においても共有するものとしての教育課程ということ、そういうことを提起しているというふうにも捉えていただければと思うんですけれども、改めてそういう意味において特別支援学校における教育課程の在り方ということ、今、それをどういうふうに展開していったら次の段階に至るのかどうなのか、その辺りのところもしお考えがあったら聞かせていただければと思います。以上です。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  ほかにはございますでしょうか。
  では、私もちょっと感想的なことにすぎないんですけれども、二つほどあります。
  幼稚園の場合に、従来から特にアクティブ・ラーニング、本来的にはアクティブだとは思いますけれども、逆にそのために今まででいいんだよという感じがあるというのは御指摘があったように、小学校もちょっと似たところがあって、ある意味でアクティブ・ラーニングを「主体的・対話的で深い学び」と砕いて具体的にしたと思うんですけれども、「主体的」と称して、そこら辺で子供がうろうろしているだけとか、「対話的」と称するおしゃべりとか、辛口で言えばですけれども、「深い学び」という空回りとかというのも結構あるかもしれないとも思うので、やはりアクティブというのは極めて茫漠とした言い方なので、それぞれ校種に即した具体化が必要かなと思いました。これは単なる感想です。
  それで、幼児教育の研究協会に質問であります。最初のところで「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」10があるわけですけれども、それは位置付けとしては総則がよいということなのか。それは資質・能力との結び付きを強化するといいますか明確にするということなのか。そこをもうちょっとだけ詳しく教えていただけるとありがたいです。幼稚園の指導要領はこれから本文を作成するわけですけれども、極めて重要な指摘だと思いましたので、よろしくお願いいたします。
  ほかにございますでしょうか。
  そうしたら、発表した団体の皆様から、お答えなり、それから補足、コメントも結構でございますので、お願いいたします。まず、全国幼児教育研究協会様からお願いいたします。
【全国養護教諭連絡協議会】    よろしくお願いします。カリキュラム編成の参加の仕方ということですが、特に各教科等につきましては、今までも保健体育、特別活動や総合的な学習等にも関わっております。今回の次期学習指導要領等の改訂は教育内容を相互の関係で捉え、学校教育目標を踏まえた教科等横断的な支援でその目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこととされていますが、現段階ではそこまで行っていないというのが現状だとは思います。また、すべての教職員が参加することによって、学校の特色を創り上げていくことが必要であるとされており、今後は学校全体を見渡せる立場にある養護教諭がさらに積極的にカリキュラム編成にも関わっていかなくてはいけないということを考えております。ありがとうございます。
  それから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の関わりということですが、養護教諭は、専門職ではあり、毎日学校で子供たちを常に心と体の両面から見守っています。子供たちが保健室にきていろいろな話をする中で、いつもと違う変化や情報を把握することがたくさんあります。例えば子供たちの会話の中で性的な話や朝ご飯を食べてこなかったなどから察知した情報を養護教諭がしっかりと見立て、緊急性のあるものであれば、至急の対応をとらなければいけません。また、その背後にあるもの、特にいじめや貧困等につきましてはカウンセラーソーシャルワーカー、あるいは医療的なものであれば学校医等につなげていくということが大事だと思っております。このことが、チーム学校における養護教諭の役割であり、課題解決にもっとも重要なポイントであると考えます。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  では、順番ということで、全国特別支援学校長会様にお願いいたします。
【全国特別支援学校長会】    今、天笠委員から御指摘があった部分ですが、個別の子供に対する指導というのは非常によく取り組まれているのが分かる、ただ、それが全体として教育課程としてどういうふうに位置付いているのかという質問だろうと思います。今回の学習指導要領の改訂の趣旨の中で、知的の障害のある子も重度の子も、やっぱり学びという点では通常の健常の子供たちと同じ学びをするんだというのが基本的な考え方です。だからこそ学びの連続性、この中で特別支援学校の中の教育課程を考えていく、位置付けていくというのは大事なこと、そういう部分が従前希薄であったかという部分については、なかなかそういう意識の部分が十分ではなかったという部分は正直あります。
  ただ、幼稚園、小学校、中学校、高等学校との学びの連続性で整理をしていくという機会に今回の改訂がなるということは確実に言えるのかなと思います。また、そういうことで整理をしていこう、教育課程を作っていこうという、そういう方向性は確実に出てきていますので、そういうことを大事にしていく。それから、合わせた指導のところでは、きちっと目標を定めて評価をしていく、そういうサイクルをしていくということで、委員から言われた教育課程としてどうなのかという部分には応えていけるのかなというふうに思います。以上です。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、全国幼児教育研究協会様、お願いいたします。
【公益社団法人全国幼児教育研究協会】    ありがとうございます。先ほどの10の姿、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」、それを総則の中でしっかりと示していただきたいと申し上げたことについてでございます。幼稚園教育要領の第2章には「ねらいと内容」という項目があり、そこでそれぞれの領域の狙いと、それから、その狙いに近付くために、達成するために経験することが望ましいことが細かく具体的に示されております。その項目の中身と10の姿の具体的な姿との重なり合いがありますので、かえって分かりづらくなる。それならば、総則のところで、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「学びに向かう力・人間性等」という三つの力との関連として示してくださった方が、幼稚園の中で総合的に子供たちの力というのは伸ばされていきます。ですが、幼児教育が終わるまでには特にこういう10項目については連続性の中で示す必要があるという流れになりますので、そういったことを含めて総則の中で示していただけるとありがたいという意味で申し上げました。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  よろしいでしょうか。それでは、3団体の皆様、大変ありがとうございました。時間ですので、ここで前半のセッションを終了とさせていただきます。御発表いただいた団体の関係の皆さん、誠にありがとうございました。頂いた御意見につきましては、事務局にて整理の上、答申に向けた議論に反映させていただきます。
【西川教育課程企画専門官】    それでは、ありがとうございました。後半は16時10分より開始いたします。委員の皆様は御休憩ください。御発表いただきました団体の皆様は、本日はこれで終了となります。誠にありがとうございました。
(  休憩  )
【無藤主査】    それでは、団体の皆様おそろいですので、これより後半の部を始めたいと存じます。各団体の皆様、本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。この時間帯お見えになっている団体でありますが、全国へき地教育研究連盟様、中核市教育長会様、全国公立短期大学協会様の3団体でございます。
  それでは、各団体様からの御発表を開始したいと思います。意見交換は、3団体の発表全てが終了してから行いたいと存じます。それでは、各団体10分ということで、まず全国へき地教育研究連盟様からの御発表をお願いいたします。
【全国へき地教育研究連盟】    全国へき地教育研究連盟の会長をしております、田中です。よろしくお願いいたします。「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ」について、全国へき地教育研究連盟としての意見を取りまとめましたので、今後の審議、施策立案等の際に御検討いただければと思います。
  初めに、次期学習指導要領の趣旨と全へき連の実践についてお話をさせていただきます。現在審議されている次期学習指導要領等は、「社会に開かれた教育課程」の理念の下、将来の予測が難しい社会の中、広い視野を持ち、明るい未来を創り出すために必要な資質・能力を育むことを明確に示しており、学校教育に大きな転換を求めていると捉えています。このことは、へき地・小規模・複式学級を有する学校にとっても同様ではありますけれども、そこで行われている教育には、これからの教育に大いに生かすことのできるものも多くあると考えています。
  いわゆるへき地校においては、地域の人材・自然・歴史などの教育資源を積極的に教育活動に取り入れた実践が数多く行われています。地域住民をゲストティーチャーとした学習や、地域住民と共に行う学校行事等を教育課程に位置付けるなど、地域と連携・協働した教育課程が編成・実施され、更に大きな成果を上げているところです。
  また、複式学級での授業においては、1人の教師が同時に二つの学年を指導するため、一方の学年を教師が指導している間、他方の学年は、教師の設定した課題や事前指導を踏まえて自力で学習解決をしており、前者を直接指導、後者を間接指導と呼んでいます。この間接指導においては、児童生徒が課題解決に向けて個人で学習を進めたり、グループでの話し合いを通して課題解決を図る活動が行われています。この間接指導の学習を通して、児童生徒が見通しを持ち、主体的に学習に取り組む、話し合いを通して自分の考えを広げ、深めるなどの実践が数多くなされています。
  このような指導技術は、単式学級において児童生徒が課題解決に取り組む場面における教師の在り方、一つの学級の中で2ないし3種類の課題別に授業を行う場合などにおいても有効な技術だと考えています。このようにへき地・小規模・複式学級の教育には、現在求められている教育の質の向上に生かせるものが数多くあるのではないかというふうに考えています。
  次に、へき地・小規模・複式校における教育の充実に向けてお話をさせていただきます。(1)小学校1・2年生の複式学級の解消についてです。小規模校においては、1・2年生を複式学級として編成している学校も数多くあります。小1プロブレムが大きな課題となっている中、「審議のまとめ」では、小学校低学年において生じた学力差がその後の学力差の拡大に大きく影響することなどから、幼児教育との連携・接続を意識したスタート・カリキュラムを教育課程全体を視野に入れ、学校全体で取り組む必要性について触れられています。このような視点から、小学校1・2年生の複式学級については、その解消あるいは一部教科の複式授業の解消について御検討いただければと思います。
  (2)小学校外国語・社会科・理科における複式授業の解消についてです。グローバル化が急速に進む中、小・中・高等学校を通じて一貫して育成を目指す外国語教育の充実が唱えられています。小学校においては、総合的・系統的な学習が求められています。また、外国語教科化に伴い、時数増加の必要性も指摘され、短時間学習の活用などにも触れられています。このような外国語教育の充実を考えると、複式学級での授業においても学年別の指導を行うことが望ましいと考えます。しかし、複式学級の授業内容・方法を考えるとき、複式学級における1人の教師による学年別指導には非常に難しいものがあると考えます。また、現在、理科や社会科においても、学年別指導における複式授業が行われています。社会科では、一方の学年が校外での学習などを行う際の他方の学年の指導、理科では、危険を伴う実験の安全確保などに苦慮しているという実態もあります。このような観点から複式授業の解消・改善に向けた教員の配置を御検討いただければと思います。
  (3)全ての学校への専任教頭、事務職員、養護教諭の配置についてです。外国語教育では、更に校内の指導体制強化に向けた体制作りも求められています。また、プログラミング教育の実施も盛り込まれており、教職員には相当の研修が必要になることが予想されます。しかし、小規模校においては、担任が学校を空けると、補欠授業には教頭が当たるしかなく、担任を持っている教頭の下では、研修に出るのをちゅうちょせざるを得ない状況もあります。
  また、「社会に開かれた教育課程」の実現やカリキュラム・マネジメントの充実には、教頭の果たす役割が大変重要になると思います。さらに、前述しましたように、担任を兼務する教頭が勤務する学校の多くは、事務職員の配置もなく、その業務も教頭が行っているのが現状です。このような状況を考えると、全ての学校に教頭を配置することはもちろんですが、教頭としての職責を果たすために、学級担任や事務職員の業務から解放し、教頭職に専念させていただければと思います。そのために、全ての学校に専任教頭、事務職員の配置を検討いただきたいと思います。
  また、現代的な諸課題の一つとして、健康・安全・食に関する資質・能力が挙げられ、健康や性に関する情報を正しく選択し適切に行動する力や、食習慣の乱れに起因する健康課題を乗り越え健全な食生活を送る力の育成も求められています。このような力の育成には、養護教諭の果たす役割が非常に多くなるものと考えます。そのためにも、養護教諭の全ての学校への配置についても御検討いただければと思います。
  (4)ICT環境の整備についてです。コンピューターが全ての学校に配置され、学習活動における有用性が認められ、様々な実践が報告されています。授業中にインターネットに接続して、様々な情報を入手する学習風景はごく一般的なものになってきています。また、へき地校の場合、児童生徒が少なく、多様な他者との対話による学ぶ機会が相対的に不足するような状況にも陥っています。ICTを活用した遠隔地の学校との交流や共同での学習などが大変重要になってくると思います。
  しかしながら、へき地校のICT環境は必ずしも十分とは言えない状況にあります。例えば平成27年、28年度に民間企業によりリユースノートパソコンの無償提供をいただきましたが、その応募状況は、平成27年度が415校1,800台、平成28年度355校1,200台の希望がありました。このことは、多くの学校がコンピューターやタブレットの充足状況に満足していないことの表れだと捉えています。また、光回線でないため、インターネットで動画を視聴する場合はあらかじめダウンロードしておかなければならない学校も数多くあります。このような状況を改善し、児童生徒の情報活用能力の育成の観点から、コンピューターをはじめとするICT機器の活用を一層効果的なものとするため、コンピューターやタブレットの導入促進、高速通信回線の整備などICT環境の整備について一層進めていただければと考えています。
  (5)へき地教育に関する研究の推進についてです。様々な要因で、複式学級を有する学校は減少の一途をたどっていますが、複式学級がなくなることは当面考えられません。しかし、複式授業を経験した教員は減り、管理職になって初めて複式学級を有する学校に勤務する教頭、校長も少なくありません。そのため、複式授業の技術の継承は喫緊の課題となっています。このため、現在でも国や関係の教育委員会等において指導資料の作成や研究指定校の取組が進められていますが、引き続き研究の推進を強くお願いしたいと思います。また、教員養成課程を持つ大学の附属小学校には、複式学級を設けているところもあると聞いています。そこでの実践や研究成果の発信も、複式授業の充実にとって大きな力となると期待しています。全へき連としても、これらの研究の取組と連携を進め、へき地教育の振興に更に努めていきたいと考えているところです。
  最後になります。交通網の整備、通信技術の発達などで、いわゆるへき地と都市部の学校の差がなくなったように感じることも多くなってきていますが、今までお話ししましたように、教育においてはへき地・小規模・複式校と都市部の学校との差はまだまだなくなってはいないのではないかと思います。今回の要望等につきましては予算や法律の改正等を伴うものもあると思いますが、先達の「教育にへき地があってはならない」という思いを受け、全国どこの学校でも同じように学ぶことができるようにするのが、私たち全へき連の願いであり、使命であると考えています。今般の提言を今後の審議、施策の立案等で御検討いただければ大変ありがたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。以上です。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは引き続きまして、中核市教育長会様からの御発表をお願いいたします。
【中核市教育長会】    お世話になります。中核市教育長会の佐藤といいます。よろしくお願いします。中核市は50ほどあるんですが、その50の市のうち、役員市7市教育長にアンケートをとって、総論をまとめさせてもらいました。中身は見ていただければ分かるので、余白のような話を少し、こんな話がありましたという話をしたいと思います。
  1ページ目ですが、今回の改訂に当たっては、教育課程企画特別部会ということで、そもそも学校とは何かとか、あるいは教育課程とは何かとか、学力とは何かというような非常に基本的な話をされたというのは非常にすばらしいことだと私たちは思っています。内容主義ではなくて、これから日本の教育がどういう方向に進んでいくのか、そんな議論をしていただいたのはありがたいと思っています。内容としては、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るというような理念があったこと、それから、さらに、資質・能力を基盤とした学びの構造の方向性が出されたというふうに考えていて、こうしたことを基本的な認識にしてこれから学習指導要領をきちっと読み込んでいきたいと思います。
  次に1ページの一番下から、学習指導要領改訂の基本的な方向性についてということでありますが、今ちょっとお話をしましたけれども、今回の学習指導要領では総則が非常に重要な意味を持っていると思っています。そうした中で、やはり新しい学習指導要領の理念や内容を現場の教員と共有できるようにしたいと思います。そうした意味では、総則の全体像の中で是非現場の教員が分かるように分かりやすくお話をいただければと思います。
  それから、次の2ページの上の二つの点ですが、「生きる力」と「学びの姿」と書いてあるところです。ここについては、いろいろな議論の中で、今回の学習指導要領の理念と内容が非常に多くの言葉を含んでいると思っています。「生きる力」、何を学ぶか、どのように学ぶか、何ができるようになるか、アクティブ・ラーニング、主体的・協働的な学び、深い学びというように実に様々な言葉がたくさん出てきて、こうした言葉が一つ一つについて子供たちの学びを形成していると思いますが、その理念あるいは概念がこうした言葉を通して現場に行く際にやはり丁寧な説明が欲しいというふうに思っていますし、私たち基礎自治体でも、この言葉をもう一度自分たちで捉え直すことが必要だろうというふうに考えています。
  それから、二つ目の点のところでは、評価の話が大分出ていました。今回、資質・能力、それから、学びの内容がいろいろあるので、どこで評価をしていくのかというのはかなり具体的な問題として学校現場では混乱をする可能性もあります。そういう意味では、教員が評価基準を作成し見取っていくために必要な手順が分かる資料等を是非用意していただければと思っています。学習指導要領の中ではなくても構いませんので、移行措置とか、あるいは資料編とかいうようなものを作ってくださるとありがたいと思っています。
  それから、その次ですが、「社会に開かれた教育課程」の話では、これもたくさん議論がありました。議論の中では、一つはコミュニティスクールについての話がたくさん出ています。それから、地域を核とした学校づくり、あるいは学校を核とした地域づくりという様々な理念や概念が出る中で、この「社会に開かれた教育課程」という言葉と、今お話を申し上げたような中教審の話で、これらは学校の現場で一緒に言ったときにどういうことが起こるだろうかと思っています。「社会に開かれた教育課程」、これ自体は非常に大切なことであり、これからの学校を導いていくのであると思いながら、もう少しここは説明が頂ければと思っています。
  それから、次の話ですが、諸条件の整備ということです。今もちょっとお話がありました、ICT、それから、不登校に対する対応、発達障害、それから、少人数学級等たくさんの課題を現場は抱えています。そうした中で、やはり具体的な支援が必要な時期かなと私たちも思っています。現状では、基礎自治体の経済力や、あるいは政治姿勢によって、子供たちの教育環境が大きく変わってしまう、これはやはり大きな問題だろうと思っています。そんなことも是非配慮いただければと思っています。
  次ですが、教育課程と学校の負担増等の話です。これはいろいろなところでお話をされているので簡単にお話をしますが、やはり内容が増えた、さらに教員の多忙さが実態としてある、その中で様々な取組が行われるということで、やはり学校で新しい学習指導要領に勇気を持って取り組めるように是非支援をお願いしたいと思っています。
  第2部以下の話は、細かい話でありますので、読んでいただければありがたいと思いますが三つほど取り上げておきたいと思います。一つは、3ページの一番上ですが、幼児教育のところで「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が10項目に整理してありますが、ここは幼児教育の専門家からちょっと指摘がありました。中盤、上から4行目ぐらいですが、10項目を意識しながらも、子供の発達を踏まえて総合的な指導に留意してほしいと。10項目に分かれたことで、別々に指導したり、あるいは別々に評価することはまずいだろうという意味で、総合的な指導に留意すべきであることを是非お話しいただければというような話がありました。
  それから、もう1点、2という番号の上ですが、部活動については大変な課題であると思っています。是非子供たちの思いや、子供たちの立場を踏まえた議論をいただければと思っています。
  最後になりますが、4ページの外国語についてであります。やはりここが、今回現場とすると、基礎自治体でも非常に話題になっているところです。外国語を特に小学校の高学年においては誰が見るのか。教科担任制がいいのか、あるいは15分の帯による授業をしたとすると、これは担任が持たなければいけないだろうと。さらに、ALTはどういうふうに関わるのか、それから、教材をどうするのか、教科書はどうなるのかというふうに、ここは具体的な話になると非常に千差万別ということで、私たち基礎自治体でもどうやったらいいだろうねと盛んに議論をしているところです。総合的にいえば、一番下のところに書かせていただきましたが、具体的な方策や支援の在り方を是非検討して示していただきたいとの要望がありました。
  あと、教員の多忙さ等いろいろ話がありましたけれども、全体としてそこに記載をさせていただきましたので、御理解いただければと思います。以上であります。ありがとうございました。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは引き続きまして、全国公立短期大学協会様からお願いいたします。
【全国公立短期大学協会】    失礼いたします。全国公立短期大学協会で会長をしております、東福寺と申します。よろしくお願いいたします。今回は、「審議のまとめ」に対して意見を申し述べる機会を頂きまして、誠にありがとうございます。当協会は16の会員校がございます。その16校の学長にこのことを投げ掛けまして、そこから頂いた回答をそこに集約させていただいております。また、会員校の中には教職課程を持っている大学もございますので、そこにつきましては各教科等の専門教員からの意見も頂戴し、それらを特に別添の方の資料にまとめさせていただきました。
  ここからは、各項目ごとに出されました重立った意見について触れていきたいと思います。まず、「はじめに」のところでございます。ここでは、全体的におおむねよくまとめられているという評価をさせていただいております。例えば4行目ですけれども、次期学習指導要領を教職員のみならず、関係者が、子供たちが学校教育を通じて身に付けるべき資質や能力、学ぶべき学習内容などの全体像を鳥瞰図的に見通せる「学びの地図」としての役割を果たしたいとの趣旨が実感として伝わってくる内容であるというふうに感じられております。過不足なくまとめられているというのが私どもの評価でございます。
  ただし、その後に2点ほど気になることと致しまして、最初に、学校教育法については、昭和22年から制定されたという記載がありますけれども、教育基本法につきましては18年の改正からの記載ということで、教育基本法につきましても制定時からの記載があった方がよいのではないかという意見、あるいは2段落目において「豊かな未来」というふうに断定されておりますけれども、これは3ページ目の一番上に「成熟社会」についても触れているんですが、このように「豊かな未来」とか、あるいは今の社会が成熟しているというふうな評価、そのように断定することに対する懸念を示させていただきました。
  続きまして、2ページ以降に移ります。各項目ごとに重立ったところだけを申し上げたいと思います。まずこれまでの学習指導要領等改訂の経緯と子供たちの現状というところにつきましては、これまでの改訂の経緯が簡潔に示されており、よく分かるということ、また、キャリア教育の視点からも評価をしたいというふうに考えております。
  その次の2030年の社会と子供たちの未来のところにつきましては、近年の子供たちはゲーム機での遊びが増えていて、バーチャルな世界の中に入っていると。その中で、命の感覚、命の軽視につながっている可能性があるので、その辺を強調していただきたいという意見でございます。
  それから、その次の子供たちに求められる資質・能力と教育課程の課題でございます。まず最初に、学ぶ目的を具体的に明示していることは大切であり、また、教科をまたがってカリキュラムを構成することは非常に望ましいことであると考えております。その上で、最近、小中一貫校とかあるいは中高一貫校など多様な形態の学校が出来てきておりますけれども、そういう新たな形態の学校と、それから、これまでの学校との間での指導要領上での何らかの区別が必要ではないのかというふうな考えでございます。
  続いて、学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」についてでございます。「社会に開かれた教育課程」というのは今回の指導要領におけるキーワードの1つであると考えますし、それには賛成するところでございますけれども、具体的にモデル事例とか、あるいはガイドラインを示していただいた方がいいのかなと。また、個々人の能力に応じた学びが重視されております。これもすごく大切なことであると思いますけれども、その学びをいかに評価するのか、その評価の観点が難しいのではないかというふうに思っております。
  続きまして、3ページに移ります。「成熟社会」については、先ほど申し上げました。
  7番のところ、どのように学ぶかというところでございますけれども、ここでは、アクティブ・ラーニングを取り入れることは理想的であるというふうに考えるところでございますが、学習内容との関係で、例えばアクティブ・ラーニングを通じて学びが深くなるわけでございますが、一方で必要とされる知識量が減ってしまうのではないかということが懸念されます。学びの深さとその広がり、そのバランスをとっていくことが重要であると考えております。
  続いて、その下の、子供一人一人の発達をどのように支援するかというところにつきましては、「チームとしての学校」という発想、これは今後学校教育を進めていく上でとても大切なことであると考えております。また、キャリア・パスポートという概念が出てまいりますけれども、これらはどのように活用していくのかということが一つ疑問であることと、それから、ジョブ・カードというものが存在しておりますけれども、社会人になってからまで使うことを想定されているのかどうか、この辺がちょっと疑問である、分からなかったということでございます。
  また、その次の、何が身に付いたか―学習評価の充実―というところでございます。アクティブ・ラーニングの授業を展開したときに評価が難しいという声が現場であるということから、その評価の観点をきちんと整理していただきたいということ。
  そして、またその次の、実施するために何が必要かというところにつきましては、予算措置についてどのように考えておられるのか、その辺を明確にしていただきたいということでございます。
  続きまして、4ページに移ります。3ポチの中ですけれども、各学校段階の教育課程の基本的な枠組みと、学校段階間の接続というところでございます。まずは、幼稚園の教育と保育所における保育との乖離が生じないようにすることが重要ではないか、幼保一元化との関係をどのように考えているのかということが一つ懸念。そしてまた、クラブ活動における教師の負担の軽減も図っていただきたい。そして、三つ目ですが、高等学校で心理学が教えられていない。ちょっと補足しますと、現在、倫理などの教科の中で教えられていたり、あるいは総合高校で心理学の授業をしているところはあるようでございますけれども、生きる力とか、あるいはコミュニケーション力が重視される中で、高等学校段階において心理学を教えていく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
  最後に、「審議のまとめ」全体に対する所見でございます。私どもは大学でございますので、その立場から所見を述べさせていただきたいと思います。高等学校までの段階では、このような学習指導要領が存在しているわけですけれども、大学においてはそのようなものが存在していないと。ただ、高等学校までにどのような教育課程を経てきたのかということを大学の教員がしっかりと理解をし、そのベースの上に立って大学教育を行っていくことが非常に大切であると。特にこれから高大接続システム改革が進められる中においては、これまで以上に教育段階に対する配慮が求められてきていると思います。それにつきましては、大学としてはFD活動等を通じて十分に研さんを積んでいく必要があるというふうに考えております。
  またもう一つ、これは大学からちょっと離れますけれども、こうした学習指導要領の改正によって教員の負担が増えてくることが懸念されるということで、研修時間の保証が必要ではないか、また、個別指導を行うに際しては、人的・経済的な裏付けが必要ではないかと考えております。
  いずれにしましても、全体的には大変よいものであるかと考えておりますけれども、全体的にこのような非常に膨大な取りまとめがされておりますので、その内容をいかに各現場といいますか、先生方に周知し、それを実現していくのか、それが課題になっていくというふうに考えているところでございます。
  あと、別添資料につきましては、各教科担当の専門家の方々からの御意見ですので、そちらの方はお読みいただきたいと思っております。私からは以上です。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、委員の間の意見交換の時間に入りたいと思います。御質問、御意見のある方は、ネームプレートをお立てください。よろしくお願いいたします。
  では、天笠委員、どうぞ。
【天笠主査代理】    へき地教育、それから中核市教育長、この二つの団体に御質問をさせていただきます。
  まず全国へき地教育研究連盟様に対してなんですけれども、御説明いただいた中で、この辺りのところについての言及はいかがかなという点が1点あります。それは、教育環境の改善という観点からしたときに、小学校と中学校の連携・接続・一貫という、こういう視点もあるんじゃないかと考えられるわけです。昨今、義務教育学校も既にスタートしたということで、そういう点からしますと、小学校と中学校で9年間を通したカリキュラムの開発、9年を見通したというんでしょうか、こういうふうなこともまた大いにあっていいんじゃないか、あるいは環境的にそういうことを目指せるところがあったならば、9年を通してのカリキュラム開発ということが考えられていいんじゃないかと思うんですけれども、それについてもしお考えがあったら聞かせていただければと思います。
  それから次に、中核市教育長会様につきましては、御発表いただいた資料の中に、日課表の編成についての言及がこの中にありました。15分刻みの日課表、時間の設定等というのが実施すると大変いろいろな状況をもたらすんじゃないかという、そういう言及があるわけです。日課表の再編成において混乱が生じないようにする必要があるという御指摘、私も同様の認識を持っているわけですけれども、この点について更にお考えがありましたら、補足して加えて御説明をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
【無藤主査】    御回答は最後にまとめて3団体それぞれが補足を併せてお願いしたいと思います。委員の皆様、ほかにございますでしょうか。
  では、三浦委員、どうぞ。
【三浦委員】    私も全国へき地教育研究連盟への感想といいますか、述べさせていただきたいと思います。へき地の学校が減っているというふうにこの中で言及されていますけれども、恐らく人口減少社会の中でこういった学校というのは、書いたとおりではあると思うんですけれども、多分減らないといいますか、私の感覚でいうとこれからますます増えていくんじゃないかなという感覚があって、その意味で非常に重要な問題提起じゃないかなというふうに考えておるところでございます。
  実は私自身も昔、へき地の学校に勤務していたこともあって、中規模校からへき地校に異動したときに、同じ中学校ではあるんだけど、校種が変わるぐらい、学校運営の方法とか授業運営、あるいは学級経営の方法が変わってしまうという、そういった大きな課題を抱えているなというふうに思っております。また一方で、前段の方にありますように、地域との非常に濃密な関わり合いの中で、都市部ではまねできないような非常に豊かな教育ができるということもまた事実だと思っているところでございます。
  先日、私のところのゼミ生を全校生7名の小学校に連れていって、今、教頭先生なんかも何でもかんでもやらなければいけないというような状況を目にして、本当に大変だなという思いを新たにしたわけです。私は大学で教員養成の仕事をやっていたこともあって、やはり学生たちにしっかりとした小規模校の運営の仕方、授業づくりの仕方、あるいは学級経営の仕方をしっかりと身に付けさせなければいけないということを今のお話を聞いて痛感したところでございます。
  この中にも出てくる大学附属小学校で複式の経営をやっているというのは、多分岩手大学の教育学部だと思いますけれども、こちらでは1・2年生、3・4年生、5・6年生の複式を実際に必ず体験させるというふうなことをやっていますので、そういったへき地教育をもっと教員養成の中に組み込んでいくということを痛感したことを述べさせていただきます。ありがとうございました。
【無藤主査】    ありがとうございます。
  ほかの委員の方、いかがでしょうか。
  では、今村委員。
【今村委員】    中核市教育長会様に対して質問させていただきます。こちら、総則が一番重要な役割を持つと考えられるため、全体像の中で分かりやすく示していただきたいとお書きいただいております。様々な委員会の中でも、総則とか今回の改革の理念をどのように先生方にきちんと伝えていくのかということ、先ほどの短期大学協会さんの中にもありましたけれども、これだけのものを読み込むのは無理であるということがありますが、何が具体的にあれば、どのようなものがあれば、実際先生方に本当にこの改革の趣旨がきちんと伝わるものになるのか、どんなサポートがあればいいのかということをもう少しイメージがあれば、具体的に御提言頂けた方がいいのかなと思いましたので、御質問させていただきました。
【無藤主査】    ありがとうございます。後でまとめてお願いします。
  ほかの委員の方、いかがでしょうか。
  特にないようですので、それでは、団体の皆様から、質問への回答とともに、補足事項などあれば、是非それも含めてお願いしたいと思います。それではまず、全国へき地教育研究連盟様からお願いします。
【全国へき地教育研究連盟】    先ほどの小学校・中学校の連携についてのお話です。小学校と中学校の連携というのはお話のとおり十分考えられますし、併置という言葉で我々は呼んでいるんですけれども、同じ校舎の中に小学校と中学校があるような学校もいわゆるへき地の学校の中にはございます。そういうところでは、昔から何らかの形でそういう方策がとられないかというふうなことは論議はされていたんですけれども、なかなか進まない面があったのも事実だと思います。
  ただ、最近、お話にありましたように、一貫校とか義務教育学校だとかというような話題が出てくる中で、そういう取組をされているいわゆるへき地の学校も出てきています。期日ははっきり覚えていないんですが、石川県の方で我々の研究団体が行う研究大会があったんですけれども、そこでは義務教育学校という形で、全校生徒40名、小中合わせて40名ぐらいの学校だったと思うんですけれども、今そういう取組をされているというような実践も報告されていましたので、今後そういうような可能性は十分広がってくるのかなと思います。
  ただ、学校がなかなか一緒に物事をやっていくとなると、先ほど言いましたように、同じ組織の中にあるような学校では簡単ですけれども、いろいろな状況の学校もありますので、簡単にそれすぐできるぞというふうにはなかなかいかない部分もあるのかなというふうに押さえています。
  それから、先ほど、へき地の学校が減少していかないというようなお話もありました。同じ学校であっても、周りの状況が変わることで、5年前にはへき地の学校でなかったのが、こういう言い方はどうなのか分かりませんけれども、へき地の学校の扱いになるようなところも最近増えてきているのも事実です。それから、統廃合によって、先ほどお話ししました複式学級を持っている学校がどんどんなくなる方向に向かっているのは事実かなと思います。それから、へき地の複式の学校を統合していくと。やむを得ず統合するんですが、それでもまだ複式の学校のままであるというような学校もある。非常に子供の数が少ない学校があるのは事実だということで、大きな学校には大きな学校の悩みもたくさんあると思うんですが、そういう中で子供たちの状況、あるいはそこで働いている教職員の状況を考えたときには、いろいろな施策面での御検討をいただければ大変ありがたいなというふうな思いをしています。
  併せて、国立の附属小学校の件です。先ほど岩手のお話がありましたけれども、それ以外にも、長崎とか鹿児島、広島、それから、金沢だとか、幾つかの大学にもあるというお話を聞いていますので、是非そういうようなところですごく一生懸命されている、あるいは研究されているものを私たちも一緒に勉強できればありがたいと考えています。今後そのような道もいろいろなところで探っていきたいなというような思いをしております。以上でございます。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、中核市教育長会様、よろしくお願いします。
【中核市教育長会】    2点あるかと思います。最初に日課表の再編成という話ですが、我々の現場の選択肢とすると、英語の例えば高学年の学習等とやってきたいろいろな市の状況を見ると、例えば総合的な学習の時間を食っていたと、あるいは生活科を食っていたと。それで、1年・2年生も活動したと。それはやっぱりあり得ないだろうというふうに我々は思っていて、今回の結果というのは、中でも、やっぱり生活科も、それから、総合的な学習の時間もきちんと確保されていると、それがまず第1点。
  それから、もう一つは、4ページのところにちょっと書かせてもらいましたが、やっぱり土曜授業を前提としない時間割編成としなければいけないだろうと。やはり基本的には学校週5日制の大きな枠組みの中での話ですので、これもあり得ないだろうというふうにすると、週時程の中で、今、我々指定校を二つ作って両方やっているんですけれども、一つは1時間特設の時間を作って2時間確保している。もう一つは15分の帯にしてやっている。その帯にしてやっているときは誰が教えるかというと、一つはALTが入れるんですけれども、帯にしてしまうとばらばらになってしまうので、ALTが入れないです、具体的にいえば。そうすると、そういう選択肢の中で、一つは例えば教科担任であったり、ALTが入る時間と、それから、もう一つの帯の時間は、担任が基本的にはやると。
  担任がやることのメリットも僕らは大きいと思っているんです。やっぱり子供の実態を一番よく知っている人が、毎日、例えば15分なら3回ですけれども、それで、子供に学びを構成できるというのは、これは大きいことだと。そのために担任に負荷が掛からないように何ができるかというふうに今は考えていると、そんなところです。結構おもしろいと言うか、担任の先生方もやってみようみたいな話になっているので、もうちょっと進めてみたい。実践を積み重ねておいて報告ができればなと思っています。
  それから、もう一つは、総則の話で、具体的な資料という話です。我々現場を抱えていると、いつも理念で、ここでいえば、資質・能力を基盤とする概念とか理念とかという部分と、それから、教育課程の内容的な部分がどういうふうにこれに絡んでいるかがやっぱり一番難しいところであり、肝なんだと思っています。つまり、遊離して、片方は、言葉を使えば、何を学ぶか、どのように学ぶかとか、あるいは協働的な学びとか深い学びとかという概念がこういうふうに出てくる。それと具体的な内容が少しずつ密接に関わってきて、ここのところではこういうふうに行けるねというようなのが分かってくると、教員は必ず自分で子供たちを教える場を持っているので、そこから逆算をしてこっちの概念が分かってくるような話がたくさんあるので、そんな構成をとっていくのかなと私たちは思っています。具体的な例を通して概念を学ぶというのが、将来的に教員がそういう力を付けるためには一番いいんじゃないかと思っているんですけれども、ただ、余り具体的な話ばかりでも、国で作ることですので、そうしたものは、後で資料集なり、あるいは余り厚い物を配っても教員は読まないのでコンパクトにまとめたものが出るといいかなと思ったりはしています。よろしいでしょうか。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、全国公立短期大学協会様、お願いします。
【全国公立短期大学協会】    私に対する質問というのは何かございましたでしょうか。
【無藤主査】    いや、特に。補足等のコメントがあれば。
【全国公立短期大学協会】    なるほど。特に補足はございません。大体先ほど申し上げたところで尽きております。あとは、別添の方が結構分厚いのですけれども、こちらについては、先ほど申し上げたように、各教科の専門家の御意見が詰まっておりますので、是非ごらんいただいて参考にしていただければなと思っております。
【無藤主査】    ありがとうございました。
  それでは、時間ということで、ここで後半のセッションを終了させていただきます。本日、全体として終了でございます。
  御発表いただきました3団体の皆様、誠にありがとうございました。頂いた御意見につきましては、事務局にて整理の上、答申に向けた議論に反映させていただきます。
  なお、関係団体からのヒアリングを数日間続けてまいりましたが、本日で終了でございます。次回以降でありますけれども、これまでのヒアリングの結果等を踏まえ、年内の答申に向けた審議を行っていきたいと思います。
  最後に、事務局より、今後の日程につきまして御連絡をお願いいたします。
【西川教育課程企画専門官】    皆様、本日はありがとうございました。次回は11月14日月曜日10時から12時、場所は文部科学省旧庁舎6階の第二講堂にて開催いたします。詳細は追って御連絡を申し上げます。
  なお、本日の資料につきましての郵送を御希望される場合は、机上に残しておいていただければ後日お送りさせていただきます。
【無藤主査】    それでは、本日の教育課程企画特別部会をこれで閉会といたします。ありがとうございました。


――  了  ――

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